【総合】新ジャンルでエロパロpart4【混沌】 at EROPARO
【総合】新ジャンルでエロパロpart4【混沌】 - 暇つぶし2ch2:特別な君と、平凡な日々を(1/14)
07/11/29 07:37:44 lgtDLFtC

「午後六時、化学室で待つ…て言われてもなぁ……」

あれはまだ夏が続くといってもいいほどの猛暑が続いていた夏休み明けのこと。
口ではぶつくさ言いながらもしっかりと文化祭で行う演劇の雑用でこき使われていた夏樹は、
クラスメイトに呼び出されて人気のない化学室の扉を開けていた。

「なんなんだ……?」

暗い。

夕日がわずかに差し込むだけのこの特別教室は、確かに鍵は開いていたものの中に誰もおらず、
しかも電気も点いていなかった。
ただ、そこにはがらんとした空間だけが広がっている。

「三田嵐、いないのか」

響く声にも返事はない。
呼び出したのは向こうなのだから、てっきり既に待ち構えているものだと思っていた夏樹は少し拍子抜けした。
………拍子抜けには、ちょっとだけ、安堵も入っているというのが正直なところだろう。

三田嵐 庵(みたらし いおり)は学園でも有名な変人だ。
背が低く、かなりの美人であるにもかかわらず、誰にも感心を持たないその姿勢は当初こそ何かと構われていたが、
やがてそれが出来合いのポーズではなく地のものらしいということにみんな気付き始め、
距離を取ってあまり関わらないようになっていた。
同じ小学校・中学校出身のヤツの話では彼女はずっとそうだったそうで、友達らしい友達もいないのだとか。
何やら本ばっかり読んでる謎の女の子、というのが夏樹の印象である。
ただ、いつも涼しげなその目つきは少し気に入っていたけど。

だって、少し恰好いいじゃないか。

夏樹のような平々凡々の普通人からすれば、
ああいう少し浮いている――あるいは沈んでいる?人間はミステリアスに映るものである。

「……いない、みたいだけど………鍵開いてたよな………」

化学室に限らず、音楽室やパソコン室――いわゆる特別教室は
授業以外ではしっかりと施錠するのが決まりになっている。
特にここは重要な実験器具が保管してあり、
すぐ隣は危険な薬品も陳列している化学実験室なのだから戸締りもより厳重な筈。
その扉が開いていたということは、三田嵐は既にここに来ているということだが――。
………トイレかな?


3:特別な君と、平凡な日々を(2/14)
07/11/29 07:38:35 lgtDLFtC
「……仕方ない。待つか」

このまま帰ってしまうなんて頭の端にも掠めない辺り、夏樹はお人よしである。
それにすっぽかした場合あの三田嵐に何されるかわかったもんじゃないし。
基本的に夏樹は頼まれればNOと言えない日本人、典型的なテキツクラナイ主義なのである。

とにかく暗いので、手探りで蛍光灯のスイッチを入れようとして、

「きてくれて、ありがと」

そこにいた白く小さい影に仰天して思わず大声を出しそうになった。
あまりにもじっと動かないのでヒトだと思わなかったのだが、
ああ、教卓上の明かりに照らされたその姿は――。

「み、三田嵐。いたのか」
「うん」

コクンと頷く小さな女の子。
いつもの涼しげな眼で夏樹をじっと見つめる彼女は、間違いなく件の変人・三田嵐 庵である。
影が白かったのは白衣を着ていたからだ。
学校指定の地味なセーラー服の上に翻る白衣は、なんだかこの小さな少女に恐ろしく似合っていた。
まさにその姿、若くして数々の論文を発表し世界に注目される天才美少女のよう。

「―――で、で?一体何の用?」

馬鹿な妄想をブンブンと振り払い、どもりながらも夏樹は訊ねる。
三田嵐は手に持っていた試験管を掲げた。
そこにはこれまた怪しげな、透き通った桃色の液体が入っている。

………。
……いまいち、意図が掴めない。

「あの、それが何か」
「―――――ン」

三田嵐は試験管をくいっとあおると、

――夏樹に、唇を、重ねた。


4:特別な君と、平凡な日々を(3/14)
07/11/29 07:39:55 lgtDLFtC


加賀美 夏樹(かがみ なつき)と三田嵐 庵はいわゆるひとつの恋人同士というヤツである。
付き合い始めて早いもので三ヶ月近くなろうか。お互い異性と交際するのはまったく初めての経験なので、
イロイロ手探りながらもバラ色の学園生活を送っていた。
………いや、バラ色かどうかは微妙だが。
なんせ彼女であるところの三田嵐 庵は校内でも有名な変人であるからして。

身長140ほどのチビ助である彼女は、その実天才的な頭脳の持ち主だ。
なんでも実家が江戸時代から続く科学者の家計らしく、
彼女の部屋に通された時そのあまりに女の子らしくない装いに仰天したものである。
……いや仰天はしなかったか。だいたい予想通りだったし。
同世代の友達は一人もいないらしく(彼女曰く、夏樹は友達ではなく彼氏らしいので)、
小学生の頃からずっと休み時間は小難しい論文や新書を読んで過ごしてきたとか。
そういう周りから外れた人間は――特に子供だと――なにかと、ちょっかいを出されやすくなるものだが、
彼女の場合異様すぎてイジメの対象にすらならなかったというから筋金入りの偏屈者である。

だからこそ夏樹は彼女に惹かれているのだろうし、
庵も夏樹が無味無臭の凡人だから好きになったのかも知れないと分析している。
………夏樹はコクコク頷く庵に悟られないよう、そっと涙を拭いたものだ。

「いい天気だなぁ」
「ん」

空は青く青くどこまでも澄み渡り、冬に相応しく突き抜けるように高かった。
時は12時50分。昼ご飯である幕の内庵スペシャルも食べ終わり、
誰もいない屋上でまったりと過ごしているひと時だ。
ちなみに誰もいないのには訳がある。

「……しかし、いいのかなぁ。立ち入り禁止だろ、屋上」
「禁止だね」
「なんでその鍵を庵が当然のように持ってるのかスゲー謎」
「二人きりがいいから」

……ということらしい。

「でも、寒くない?」

暖冬とはいえ、冬だ。
日差しは暖かくても吹く風はピュウと冷たい。
寒がりな彼女には堪えるはずだが。

「平気だよ」


5:特別な君と、平凡な日々を(4/14)
07/11/29 07:40:44 lgtDLFtC
夏樹の足の間にすっぽりと収まってピッタリと身体をくっつけていた。
なるほど、これなら確かに二人の体温が伝わって温かい。
それに周りに他の人間がいる場所では、警戒心の強い彼女はここまでベタベタに甘えてこないだろう。

「………」
「…」

それっきり、会話は途切れてしまった。
別に重苦しいものじゃない。
もとより夏樹は自ら進んでお喋りができるタチじゃないし、庵に至っては木や石と同じくらい無口な女の子だ。
このような沈黙はごく自然なものだった。
はじめは息苦しく感じていた夏樹だが、今ではこの静けさが結構気に入っている。
こうやって自然に佇んでいられる相手は今までいなかったし、多分、これからもそう出会えるものじゃないだろう。

「庵」
「ん?」

顔を上げた庵に、夏樹はそっと唇を重ねた。



「―――――!!!!?」

夏樹は目をぱちぱちと瞬かせ、そして驚愕に見開き、さらにボン、と音が出る勢いで真っ赤になった。
な、な、な。
なななななななな、
なにをーーーーーーーー!!!?

しかもそれだけではない。
三田嵐の口から温かいものが流れ込み、夏樹の喉へ流されていく。
ひどく鼻に掛かる甘さのそれを思わず飲み下し――そこで、やっと三田嵐は唇を離した。

夏樹に流し込まれた液体は試験管の中身のもの。
隙だらけの夏樹の頭をホールドし、爪先立ちになっての一瞬の出来事であった。

それでも……夏樹にとってはファーストキスである。

「なななな、なにするんだよ!!?」

6:特別な君と、平凡な日々を(5/14)
07/11/29 07:41:36 lgtDLFtC

慌てて三田嵐と距離をとる。
三田嵐の方はというと、何やら唇をしきりに触っている。
そしていつもの涼しげな顔で、

「キス」

とか言うのだった。
あまりにもあんまりな言葉に、夏樹は絶句するしかない。

「………キス、て」
「必要なことだから」

さっぱりわかりません。
しかし三田嵐の方は何かわかっているようで、てこてこと夏樹に接近する。
逃げたかったが、後ずさった拍子に椅子につまずいて盛大にスッ転んだ。

「大丈夫?」

三田嵐は心配なのか言ってるだけなのか判り辛い半目のポーカーフェイスで夏樹の顔を覗き込み、
――そのまま、完全に夏樹に覆いかぶさってしまっていた。
丁度ひっくりかえっている夏樹のお腹の上に乗っかっている恰好である。
ええと、これなんてお父さんを起こす日曜日の娘?

ではなく。

「え、ちょ、みた、三田嵐!?」

わたわたと無意味に空をかき混ぜる手を取って、またキスをされた。
一回だけではない。何度も何度も、重ねては離し、離しては重ねると繰り返す。
まるで子猫が、ミルクをぺろぺろと舐めるかのように。
ピッタリとくっついたその身体は幼い体型ながらも柔らかで、火傷しそうなくらいの熱を持っていた。
どくどくと鼓動が伝わる。
いや、これは自分の心臓の音か。
突然起きた事態にもう頭がパンク寸前である。

「三田嵐!!」

肩を掴んで、なんとか彼女を引き離すことに成功した。
間に合った。
あのままキスをされ続けていたなら、夏樹は酸素が足りず目を回していただろう。

7:特別な君と、平凡な日々を(6/14)
07/11/29 07:42:27 lgtDLFtC

「いきなり、なんだよ!?」

とりあえずはそこである。
三田嵐が夏樹にした行為――は、キスに間違いない。多分。
キスというと、恋人同士が愛情を確かめ合ったりすることだ。外国じゃ挨拶にもなっているらしいけど
流石に唇にダイレクトアタックはしないだろう。
で、なんで三田嵐は夏樹を呼び出してキスなんぞブチかましたのか。
三田嵐は夏樹の恋人ではない。
いくら三田嵐だって、ただのクラスメイトにこんなことはしない……と、思う。
なら、何故?

「せっくすするから」

―――夏樹の思考回路は完全に凍結した。



「せっくす、する?」

長い長い口付けを終え、二人がやっと唇を離すと、唾液が銀の糸となってつぅっと橋を作った。
庵はぺろりと唇を舐め、夏樹の下腹部に指を這わせる。
柔らかく撫で上げた夏樹の男性は、スラックスを突き破らんばかりに大きく固くなっていた。

「だって、お前すごく柔らかくていい匂い」
「そうかな?」

くんくんと鼻を鳴らす庵。それから、柔らかく微笑んだ。

「なーくんの匂いがする」

普段はすましているので、庵が笑うとそれはとても可愛い。
夏樹が、思わず抱きしめてしまうほどに。
庵が屋上にあがると言い出した時はまたこのコは妙なことを言い出したなぁと思ったものだが、
こうやって可愛い庵を見られるのなら何度でも喜んで屋上のドアを蹴破ろう。いや合鍵あるけど。

「でも、流石に脱いだら寒くないか?」
「下だけ脱げば大丈夫」

などと言いながら立ち上がり、するすると下着を脱いでいく。
今日の庵のショーツは女の子らしい、水色と白のボーダー柄である。
夏樹と付き合う前はそれこそ味も素っ気も色気もない、デパートでまとめて千円、
てなものだったが今はこうやって可愛いものをと気にしているようだ。
周りの人間なんてみんなじゃがいも、という知り合う以前から比べたら大した進歩である。

8:特別な君と、平凡な日々を(7/14)
07/11/29 07:43:22 lgtDLFtC

「むー」

そう口にしたら、ちょっとだけ睨まれた。
他人から見ればガン付け以外の何物でもないこれも、今の夏樹にはわかる。
これは別に怒っているわけじゃない。照れているのだ。
だがにやにやしているのを見られるとますます庵は剥れてしまうだろう。
夏樹は口元がむずむずしているのを、目の前にある庵の下腹部に顔を埋めることによって隠した。
勿論そのままじっとはしていない。
鼻先を擦り付けるようにして頬ずりし、スカートを少し下ろしてお腹に唇をつける。

「あ」

そのままショーツのゴム跡に舌を這わせ、そのちいさな臍の下にちゅ、ちゅうっと吸い付いた。
唇を離すと、そこには赤くポッチが残っている。
庵の白いお腹に残るそれは、彼女が夏樹のモノであることの証明だ。
彼女がもぞもぞとくすぐったそうにしているのが可笑しくなって、
何度も何度もキスをしてそのマークを刻み付けた。
さてキスの位置を性器まで下げようとして、ふと思いつく。

「なあ庵、スカート持ってて」

庵は頬を染めながら、とろんとした目を瞬かせた。
よくわかってないらしい。

「脱いだ方がしやすい」
「いやそりゃそうだけども。いいから」

庵は小首を傾げたが、素直にスカートの裾を摘んで持ち上げる。
おお、これぞたくし上げ。
愛撫を受ける女の子が自らその身をさらし、下半身を露出させることによって
男の子におねだりするという無敵の型である。

「………?」

庵はまだよくわかってないようだが。

(まあ、庵はいつもそうだったよな……)

既に有名大学の教授に目をつけられているという程の優れた頭脳を持ちながら、
庵の世間とのズレっぷりは半端じゃないものがある。
特に自分の魅力の見せ方や年頃の女の子が男に甘えるときどうすればいいのか、
ということについては完全に守備範囲から外れていたらしく、
庵と夏樹はまだまっとうにデートもしていない。

9:特別な君と、平凡な日々を(8/14)
07/11/29 07:44:05 lgtDLFtC

しかし夏樹を屋上に誘い、さっきのようにぴったりくっついてきたりと庵は庵で自然に甘えてくれるので、
世の女の子たちがするような流し目などされたら夏樹は逆に寂しい思いをしそうな気もする。
それより問題なのは自分がどれだけ可愛いか庵に自覚がないことで、
彼女がお洒落をしたらクラスメイトたちは残らず庵にめろめろになることは確実だ。
そんなことになっては困る一方、こんなに可愛い彼女を自慢したい気もする。

………まあ、庵の一番可愛いここは絶対に絶対に誰にも譲る気などないが。

毛のまったく生えていない、しっとりと汗ばみながらもぴったりと閉ざされた未成熟な性器。
触るとぴくんと震え、女の子も持つ独特の匂いが鼻腔をくすぐった。
庵の標準よりかなり小さな身体は幾度か身体を重ねている今もあまり行為に馴染んでいない。
行為の前には、よくほぐしておく必要があるのだ。

「触るよ、庵」
「……ん」

ぷにぷにと弾力のあるそこを、筋に沿って擦り、撫ぜる。

「ふ、ぁあ……」

庵の甘い声をBGMに少女のクレバスをさらに強く摩り、割れ目を開いて充血したそこにつぷっ、と侵入した。
幼い中心はまだ夏樹の指を異物として拒んでいる。きゅうきゅうと締め付けるそこはまだまだ狭く、
かつて本当にここが夏樹の男性を受け入れたのかと疑ってしまうほどだ。
それでも、小さな恋人は夏樹を必死に感じてくれているのがわかった。
普段は眠そうな調子でしか喋らない彼女が甘く高く鳴いている。
それが夏樹を落胆させないための演技ではないことは、やわやわと緩み、
汗とはまた別の体液で湿ってきた性器を見れば一目瞭然だ。

「庵。庵、いおり、いおり、可愛いよ。いおり――」

囁きながら指を離し、つ、と糸を引く愛液をひと舐めする。
舌の上に広がる雌の味に、たまらずに直に秘裂に口をつけ、大きく啜りこんだ。
庵が嬌声をあげるも、夏樹にはほとんど聞こえない。
がくがくと震え、今にも崩れ落ちそうな庵の腰を抱き寄せて無理矢理支えてやる。
下半身が痛い。夏樹の怒張は今真っ赤に腫れ上がってるだろう。
そのくせ、まだスラックスから出してやっていないのだから痛みを覚えて当然だ。

10:特別な君と、平凡な日々を(9/14)
07/11/29 07:44:43 lgtDLFtC

「なーくん、なーくん。わたし、もぉ……」
「準備、大丈夫か?」
「うん、だいじょぶ……」

夏樹は自分のブレザーを脱ぐと、コンクリートに敷いた。
固くて冷たい屋上に直に座ってはいくらなんでもお尻が痛くなってしまう。
夏樹はびん、と空を指す強張りをなんとか解放し、その上にあぐらをかくと手を広げた。

「ほら、自分で入れてみな。庵」
「………ん」

庵は夏樹のそれを調整しながら、ゆっくりと腰を下ろしていった。



「―――く、ぁあッッ!!」

放心していた夏樹は下半身、それも股間に発生した猛烈な快楽にはっと我に返った。

「な、何やってんだよ三田嵐!?」

三田嵐が腰を下ろしたのは間違いない、自分の性器がツイている場所そこピンポイントである。
ということは、ということは、ということはああ、その部分は三田嵐のスカートに隠れて見えないが、
もしかするともしかしなくてもまさか自分は今まさにロストチェリー?

「せ、せっくす……する……ぐ、ぁ………」

真っ赤な顔をして、がちがちと震えながら三田嵐が答える。

「―――いや、お前」

セックスしている!?この、ほとんど喋ったこともない変人クラスメイトと?
なんでそんなことに!?

痛いくらいに締め付けられ、というか実際痛みさえ伴うこの行為は
色々な媒体で手に入れた夏樹の性の知識とは少し外れている。
女性ならともかく、男である夏樹はもっとこう……気持ちいい『だけ』だと思っていたのだが。
いや、気持ちいいにはいいんだけど――って、待て。

11:特別な君と、平凡な日々を(10/14)
07/11/29 07:45:22 lgtDLFtC

「ぐ、ぁあ、ぁ……、ぅ………ぅ」

三田嵐の様子が尋常じゃない。
歯を食いしばり、汗を玉のように浮かばせている。
いつもの能面のようなポーカーフェイスからは考えられない表情だ。
まるで、激痛に耐えているかのような――。

「………って、お前!初めてかよ!?」
「……、ん……」

こくん、と頷く三田嵐に夏樹はどう返していいのかわからない。

「いぁ……」

夏樹が動いたからか、三田嵐はまた顔を歪めて歯を食いしばった。
その様子からだけでも、彼女が相当な痛みを覚えているのがわかる。
それはそうだろう、夏樹のモノは三田嵐にとって異物そのものだ。
夏樹と彼女では体格差がありすぎる。
それを碌な前戯も無しに無理矢理捻じ込んだのだ、たとえ処女でなくても激痛が走って当然というもの。

「バカ、何やってんだお前!抜けってば!」

夏樹は三田嵐の身体を支えようとして、しかし途中で力が抜けてがくんと手をついた。

「あ、れ……?」
「加賀美くんは、気持ちよく、ない……?」
「い、いや……気持ちいい、けど………」
「そう……………よかった……」

瞳の端に涙を浮かべ、痛みを堪えて微笑む。
その少女に――夏樹は、いい様のない感覚を覚えた。
胸が締め付けられるような、どこかの奥から湧き上がる想い。
それは口どころか言葉にさえできないもので、つまり、夏樹が今までに体験したことのないものだった。
だが今はそれに思考を巡らせている場合ではない。
力が入らない。
その上、気持ちいい。
きつすぎる締め付けも、慣れてくれば一人で処理するのとはケタの違う快楽に変わってた。
まだ三田嵐は全然動いていないのに射精してしまいそうになる。
とくん、とくんと伝わってくる鼓動は三田嵐のものか、それとも夏樹自身のものか。
あるいは二人の心臓のリズムが溶け合って、同調しているのか。


これが、セックス。


なるほど、これは、確かに腰が抜けそうなほど気持ちいい――!!

12:特別な君と、平凡な日々を(11/14)
07/11/29 07:46:16 lgtDLFtC

……って、本当に身体が弛緩して腰が抜けたように動けないのだが。

「三田嵐、お前何か盛ったろ」
「……く、ぅん、ん……オリジナルの、媚薬を、……ぁ」

痛みの下で三田嵐が答える。
媚薬――いや確かに尋常じゃない気持ちよさだが――って、オリジナル!?

「わたしが、調合したの。……わたし、得意だから。そういうの」

それはまあ、信じられないこともない。何せ三田嵐 庵だ。学園でも有名な変人。
噂では大鍋に入った緑色の液体をぐつぐつ煮込んでいるようなイメージだが、
まさか本当にそうだったとは思わなかった。
でも、それでも解せないことがある。
何故?
何故、三田嵐はわざわざ媚薬まで用意して夏樹を襲うのか?
こんな、平々凡々で普遍的男子を絵に書いたら佳作にも引っかからなかったような加賀美夏樹を……。

「すきだから」
「はい?」

夏樹は一瞬、快楽も身体も痺れも何もかも忘れた。

「加賀美くんが、好きだから。理由なんか知らない。一目見たときから、ずっと好きだった。
 でもわからないから、わたし。女の子のやり方なんて、わたし、全然知らなかったから。
 どうすればいいかわからなくって、怖くて、それで――」

強攻策に出た、と。
ぽろぽろ流れ出す涙は、きっと痛みからくるだけのものじゃないに違いない。
そう、思いたかった。
変人?
アホか。
女の子のやり方を知らない?
何を世迷言を。
こんなに女の子にドキドキしたのは、生まれて初めてだよコンチクショウ……………!!

「………ひく、っく、すん」
「三田嵐」
「ふぇ?」


13:特別な君と、平凡な日々を(12/14)
07/11/29 07:48:17 lgtDLFtC
倦怠で動かすのも億劫な身体を根性で持ち上げ、泣きじゃくる三田嵐の身体を押し倒す。
スカートが捲くれ上がって二人の結合部が見えた。
初めて見る、しかしそれでもびっくりするほど小さく幼い三田嵐の秘部に、夏樹の凶悪なものが刺さっていた。
そしてそこからは、
血が、
一筋、流れ出ている。

「………………」
「あ、の。加賀美くん……?」
「動くから。俺も初めてだから……多分、すぐ、終わる」
「あ、ぇ……?」

目を瞬かせる三田嵐の小さな身体に、夏樹は一息吸い込むと、自分の腰を打ちつけた。


「あ――は、くぁ、はいってる……!なーくんの、いちばん、おくまでぇ……っ!!」

彼女の小さな身体が踊る。まだ痛みは感じているようだけど、
夏樹のことを必死で受け入れてくれている姿が愛おしくて、
何度も何度も、呼吸が間に合わなくなるくらいにキスをした。

「三田嵐、三田嵐――、可愛いよ、お前、すごく、可愛い―――!!」

壊れてしまいそうなくらい強く抱きしめて……抱きしめられているのは夏樹の方だろうか?
この背中に回されているのは彼女の腕か。
荒れ狂う嵐に、放り出されないよう船体にしがみつくクルーのよう。
もっと上手くできるのならいいのだろうが、媚薬の効果か――いや、そんなことは関係あるまい。
腰から下が、臍から上が、指先が、唇が、鼓膜が、鼻腔が、眼球が、心臓が、脳髄が。
まるでけだものになってしまったかのように言うことを聞かない。
いや、そもそも命令系統が完全にショートしている。
今はただ、この愛しい少女に想いの猛りをぶつけるだけ。

「だいすき、だいすきだよぅ、加賀美くん、加賀美くん――!」

「庵、俺も、好きだ!大好きだ!世界で一番、庵が好きだ!!」

「嬉しい、わたし、なーくんのことぉ、あ、ひぁ、すごいよぉ……!」

「三田嵐……!」

14:特別な君と、平凡な日々を(13/14)
07/11/29 07:49:09 lgtDLFtC

精が解き放たれる。
終わりを忘れたような長い射精は少女の膣に残らず注ぎ込まれ、
子宮まで貫くように彼女の身体を満たしていった。
結合を解くべくペニスを引き抜くと、穿たれたそこから白濁がこぽりと流れ出す。
少女は自らの膣内から流れ出た液体をぬら、と掬い。

「こんなに、たくさん――嬉しい……」

―――柔らかく、微笑むのだった。



「授業、始まってるなぁ」
「ん」

校庭から、サッカーの授業だろうか、青春してる若い声が聞こえてきていた。
夏樹は庵を抱えるようにして、庵は夏樹の足の間にすっぽりと入り込むようにして、
二人してぺたんと座り込みまったりしていた。

「何か俺たち、まともな場所でしてないなぁ」
「わたしの部屋でしたよ?」
「あれはまともじゃない。まともな部屋にビーカーやらアルコールランプやらメスシリンダーは置いてない。
 結局なんだったんだよ、あの馬鹿でかい機械は」
「製氷機」
「エメット・ブラウン博士かお前は」

庵は夏樹と付き合い出した今でも、このように変人である。
でも、随分変わったとクラスメイトたちは言う。
表情が優しくなった、と。
いっつも無表情なのに変わりないのに、何故か話しかけやすくなったというのだ。
それに、ちゃんとそれに答えてやっているようだし。
彼女の変化が自分をきっかけにしているのなら、それはどれほど幸せなことだろう。
夏樹は、心からそう思っていた。

「……なーくんは、やっぱり普通の方がいいの?」
「少なくともえっちの場所に関してはそうだな。尻が痛い」
「痔?刺す?」
「違うよ!何をだよ!真顔で怖いこと言うな!」
「……冗談」

15:特別な君と、平凡な日々を(14/14)
07/11/29 07:50:08 lgtDLFtC

夏樹だって相変わらず平凡である。
秀でたところは何もない、自分の短所はパッパと思いつくのに
長所となるとさて、何が自分の特徴なのかわからない。
全国男子を足してその数で割ったような男を、相変わらず続けている。
それでも、ひとつ自慢できるとすれば、庵の無表情を読み解くことができるようになってきたことだろうか。
無論以心伝心には程遠いし、エスパーじゃないんだから庵の心の中を察知するなんて無理だ。
でもどうすれば庵が喜ぶのか、嫌がるのか、何が好きで何が嫌いなのか。
それを知っている。
うん、これは自慢できることなんじゃないだろうか。


あのとき、放課後の化学室で、彼女の気持ちに答えた夏樹に庵がどんな顔をしたのか。
それを、きっと夏樹は一生忘れない。

――恋を、している。

この先、どんなに二人が変わろうとも。
そこだけはきっと、変わらない。
二人が二人でいる限り、きっと。


「ところで、なーくん」
「――ん?どした、庵」
「わたし、さっきね……イっちゃった」
「………」
「実は初めてだったんだ。……わたしの身体、えっちになってるのかな」
「……………」


………この小さな彼女に参ってしまっているのも、きっとこの先……変わらないだろうと思う。



                 特別なきみと、平凡な日々を~新ジャンル「理系さん」妖艶伝~ 完

16:名無しさん@ピンキー
07/11/29 07:51:49 lgtDLFtC
という訳で景気付けに一本投下。
4スレ目も、どうか幸(SS)多からんことを!

17:名無しさん@ピンキー
07/11/29 08:05:55 cwf4G2en
「か、勘違いしないでよね、あなたのためにやったんだからね!」

「あんた何か大好きよ!」

「・・ゴメン、あなたのこと死ぬほど嫌い、あ、いやそうじゃなくって・・・クスン」

新ジャンル「ツンデレ天の邪鬼ちゃん」

18:名無しさん@ピンキー
07/11/29 08:42:19 4xTQucSV
>>1
スレ立て乙です!


>>2-16
GJ!だぜぃ
今スレもよろしくお願いします



19:名無しさん@ピンキー
07/11/29 12:27:02 3NdCkRzK
まずは>>1に感謝の乙を。
そして職人さんに労いの乙を。
最後にこのスレも今まで以上のネタと投下と混沌で賑わいますように祈りの言葉を。


『WKTK!』

新ジャンル「祈り」



20:名無しさん@ピンキー
07/11/29 16:23:42 lgtDLFtC
>>17
一周して素直になってるじゃねーかww
もうそのままでいいじゃん

21:Wise Quagmira
07/11/30 02:24:02 GwB6GNtR
「脱走した?真逆」
「事実の様です」
「何故そんな事が…」
「お聞きで無いのですか?」
「そんな事はさっぱり…って言うか互い連絡取っていませんから」
「上からは『見つけ次第捕らえよ』、と」
「私達で?無理でしょう、それは」
「場合によっては…殺してでも構わぬと」
「…こっちに向かってるですか?」
「可能性はあります」
「エンブリオの事を知って?」
「その可能性は低いと思われます」
「なら何故ここに?」
「渾沌を求めて移動している様です、恐らくはここの…」
「…光を隠すのに闇を纏わせたのが裏目に出ましたね…」
「如何致します?」
「…間違っただけだろうけど…今二人を遭わせる訳には行かなし…
「では…」
「しょうがないでしょう」
「御意」
「"ドロゼア"を"ディアドラ"にする訳にはいきませんから」



~英雄伝~「外伝」

Wise Quagmira "序"

22:Wise Quagmira(2)
07/11/30 02:24:44 GwB6GNtR
ぺろり
ぺろり
少女の白い首から肩、鎖骨と、蒼い獣は創女の身体を舐めていく。
冷たく「浄化」した舌は少女の身体から熱を奪い、汗をなめとる。

-タンヒーリング-

魔力が生き物すべてに備わる「生きる力」なら、その力を利用して身体の異常を整えてやればいい。
これがマッサージによる療法の考え方だ。
東方で言うところの内勁による経絡の整調、そして彼はそれを舌で行っているのだった。
だがそれだけで少女の胸の染める無気味な染みは無くなるのだろうか?
明らかに体調が崩れて起きる現象では無い。
だが、
少女の胸のぬうねうねと蠢く影の様な染み、それを獣は舐め取るように舌を這わせる。
いや実際舐め取っているのだ。
如何なる作用が彼と彼女の間に働くのか、長い舌がベロリと痣を舐めるとそれは少女の白く薄い
胸から獣の長い舌に写しとられて行く、時にはびきびきとその黒い影が蛇か蟲の様に獣の口から
はみ出て跳ねたりもするが、それらはズッと獣の口に吸い込まれ、咀嚼される。
瘴気を食う蒼い獣、その姿は東方の国-ヒイズル-の者が見たらこう呼んだだろう。

『コマイヌ』と。

少年は物心ついた時から少女と一緒だった。
そしてその時から少年は少女の「従者」だった
小さな可愛い主人は時には暴君となった。
閉口はしたが嫌ではなかった、彼なりに誇りをもって仕えていたつもりだった。

二人が居たのは黒い森に囲まれた広大な農園の中心にある屋敷だった。
屋敷には彼等の他に「大奥様」と「大旦那様」がいた。
少女の「おばあちゃん」と「おじいちゃん」。

大旦那様は毎日農園にでて畑の世話をしているらしく夕餉の時に会うくらいだった。
寡黙な人物で殆ど言葉を交した事はない。
大奥様は屋敷の中で家事の他に農園で出来たものを使って薬や食べ物を作っていた。
こちらは明るく饒舌な方で、よく少女に色々な話しを聞かせていた。
どちらも典型的な農家の老夫婦、と言った風情だった、今にして思えば。

あとは農園で大旦那様を手伝う「若いの」やお屋敷の家事を手伝う「娘さん」が数人いたが、
彼はソレ等と話した事は無い、「若いの」に関しては遠くにいるのを見ただけでだ。
大抵用事は、大奥様かお嬢様-少女-から言い付けられたのでその必要も無かったからだ。

屋敷と農園、それが少女と少年の世界の全てだった。
黒い森を越える事は出来ない、少女がそこに入ることが出来無いからだ。
一度何かを追い掛けて足を踏み入れた時、少女は倒れ悶え苦しんだ。

その時始めて少年は自分の本来の姿と己の能力を知った。


23:Wise Quagmira(3)
07/11/30 02:26:13 GwB6GNtR
それから少女に仕える少年に新たな仕事が増える事となった。
特に暑い日など、少女が身体を舐めることを望む様になったからだ。
布より感触のいい彼の舌、宝珠による「浄化」作用のひんやりとした冷気を彼女が好んだ。
体のいいシャワーであるが嫌悪感は感じなかった、彼は自分の役割を理解していたから。
何度か少女の身体に舌を這わすうちに、彼女の体調が舌の感触や味を通して分る様になる事や、
少女の白い肌や細い身体を見ることはちょとした楽しみと成って行ったから。
幼い突起や秘裂に舌を這わした時の少女の僅かな表情の変化見ることが喜びに成っていったから。
発情期を迎えていない幼生の彼ではあったが、それ等は彼の心をときめかすにの十分だった。

あの日もそうだった。
暑い日の朝、少女は寝汗を舐め取る様に命じた。
幼い身体を舐めあげ、着替えを済ませた後、少女は彼にいつものように言ったのだ。
「さぁて、今日は何しようか?」
「そうですね-」
少女のキラキラとかがやく瞳を見ながら少年もいつもの様に答えるはずだったのだ、

だが。

「今日はこれからお出かけするんだよ、用意おし」

声の方を振りむくと大奥様が立っていた。
いつも陽気な顔は幾分険しい表情になっていた。

「どこへ」とか「どうして」とか少女は問わない。
「一を聞いて十を知る」、彼女はそう言うところが有った。
その時もどちらかと言えば我が侭な少女が、母の言う通りにてきぱきと旅支度を始めたのだった。

「お前もだよ、用意しておいたからね、服はこれに着替えな」
彼もいつもと違う大奥様の様子に気圧される形で指示従った。
「ちょとおまち、尻をお出し」
ズボンを脱いだ時女主人にそう言われた。
「こうですか?」
尻を向ける
「ちょっと痛いけど我慢するんだよ」
ジョキ
金属が擦れあう音と共に彼の背中に鋭い痛みが走った。
思わず振り向くと大奥様が鋏と彼の尻尾を持っていた。
「あんたのこれは外じゃ目立つからね。
大丈夫、止血と治癒、麻痺の呪文を掛けておいたからね。さぁ着替えな。」
有無を言わさぬ口調に従うしかなかった。


24:Wise Quagmira(4)
07/11/30 02:26:53 GwB6GNtR
二人の支度が済むと屋敷の裏手に連れられた。
裏の畑の真ん中に納屋があった。
廻りの麦畑の麦が奇妙な感じにねじ倒されている。どうやら納屋を中心に丸く倒れている様だ。

「気分はどうだい?」
それまで黙っていた大奥様が少女に尋ねる。
「うん?大丈夫だよ?」
「そうかい…」
と言った後「やっぱりね」と呟くのが少年の耳に聞こえた。

「さぁてと、ドリィ、あんたにはちょとお使いに行ってもらうからね。これを…」
と、懐から小さな水晶玉を出す。
「『あの人』に渡すんだよ」
「『あの人』って、いつもおばぁちゃんが言ってる『山よりも高い、海よりも深く広い』の人?」
「そうだよ」
「どっちに、山?海?」
「どっちでもいいんだよ、先に会えた方で。無くすといけないからこれはこの…革袋に入れて
あんたの首に…こう掛けておけば大丈夫だろう?」
「うん」
「山に道しるべがあるよ、そいつに路を聞くといい。でも安請け合いするんじゃないよ、
最初は気の無い返事をするんだよ」
「うん」
「それから焼けた家の中には薬缶があるかもしれない、そいつは磨けばまた使えるから持って行きな。
いいね」
「うん」
「迷い猫がいたら連れて行ってやんな、猫の爪でも役に立つからね」
「うん」

この二人はこんな謎掛けの様な会話をよくする、端で聞いてても何を言っているのか分らない。
この時も少年には取りあえずどこかに行く事が分かっただけだ。
しかしどうやって?
森を少女は抜ける事はできない、しかも今居るのは土地の真ん中の畑の又真ん中だ。
そんな事を少年が考えていた時、

ドドドドドドドドドドドドド
突然の轟音が響いた。


25:Wise Quagmira(5)
07/11/30 02:27:42 GwB6GNtR
ゴオオオオオオオオオオッ
風が鳴る

ガタガタガタガタガタガタ
屋敷の窓や扉が震えた

「おじいちゃん…」
遥か畑のむこうに黒煙が上がる、少女がその方向いて呟いた。

(森が?燃えてる!)まさか、と思い少年は年嵩の女主人を見上げる
「お、大奥様?い、一体何が?!大旦那様は?!」

「もう森を抜けたのかい…ドリィ、こっちにおいで」
老婦人は少年の問いには答えず少女に語りかけていた。
「…おばぁちゃん…」
「何を頼り無い顔してるんだい、大丈夫、おばぁもおじぃも大丈夫だよ…」
そういいながら老婦人は跪くと少女をぎゅうっと抱き締める
「…うん」
少女も「おばぁちゃん」にしがみつつ答える。

何なんだこれは、まるで…
少年の胸に暗い靄がひろがる、何なのだ、一体何が起ころうと、何が始まろうとしているのか。
目の前の二人はまるで今生の別れの風情である。

「ふっふあっ!おばぁちゃ…イタッ!イタイ!」
「お嬢様?」
「大丈夫、大丈夫だよ…」
突然少女が祖母の腕の中で悶えだす、それを祖母は優しく灘めながら抱き締める。
「痛…」
始まりと同じ様に少女の声は急に途切れた、と、同時に少女の身体から力が抜ける。

「トト、その小屋の扉を開けておくれ」
不安にかられながら様子をみていた少年に女主人が声をかける。
「はい…え?」
「大丈夫だよ、ちょと眠っって貰ったのさ」
そう言いながら彼女は少女を小屋の中の干し藁の上に横たえさせた。
「お別れですね…こんな風になるとは残念ですが…」
横たわる少女の衣装や前髪を整えながら愛おしそうにそう言う。
「さ、お前も入っておいで。後は宜しく頼みます」
いつの間にか女主人の声が変わっている。


26:Wise Quagmira(6)
07/11/30 02:28:23 GwB6GNtR
「…大奥様…?」
「それももうおしまい、この子が目が覚めたら痛みは収まってますよ。」
そう言いながら少年の方に立ち上がる「おばぁちゃん」の姿はみるみる若返って行く。
「あ…あ…」
驚きのあまり声も出ない少年手を取って中に導く頃には、その姿は妙齢の女性に変わっていた。
「あ、ああの!大奥様?!…僕は…一体…」
「貴方は今迄通りこの子に付いてあげて下さい。この子には如何なる呪術も魔法も薬も効果は有りません、
若し何か有った時は貴方のタンヒーリングしか効き目が無いのです」
「一体何が!何かが襲って来たのですか?それにお、奥様の姿は…あ、大旦那様は!?」
「襲って…、まぁそうね…。来たのは女神の最高傑作、この姿はわたしの本当の姿、あの者は私達の護衛、
でももうその役目も終わったかもしれません」

「え?…」

分らない、彼女の言う事がさっぱり理解できない、只一つ分かった事は今は別れの時だと言う事。
この女性と、今迄の生活と。
何を質問したらいいかも分らない彼を制するように手をかざし、彼女は続けた
「急がないと、今は理解は出来ないでしょうね、ごめんなさい。質問に答える時間は無いの。
でも必要な事はその子が知っています。外の世界で必要な物はその行李に。
さぁその子のそばに,しっかり抱いてあげていて下さい、さぁ、早く!」
言われるまま少女の身体を抱き締める。

「今からこの小屋ごと外に飛ばします」

そして彼女はその小屋の扉を閉ざした。
小屋の中が闇に閉ざされ-

暗転

少年が覚えているのはそこまでであった。

"Wise Quagmira" #4 "valet"

END

continued on "THE BRAVE"

27:Wise Quagmira(7)
07/11/30 02:29:00 GwB6GNtR
湖である。


湖水は鏡のように穏やかである、そこに一艘の船が水面を割って進んでいる。
小さな船、漁船だろうか船は白い線を引いて湖面を進んでいる。


湖の郷、ハァチメン、その市街に至る坂の上から青年は湖面を観ていた。
「随分と早い船ダナ」
目を細める、どうも帆は張っていないようにも見える。
更に目をこらすとキラリと何か船上で光った。いやキラキラとなにか反射している
甲冑の男が船を漕いでる?
「ふうん?」

が、如何せん遠方である。よくは見えない。
「まぁ、どうでもいいか、どうせついでの用事ダシナ」
青年はそう呟くと身に纏った黒く長い外套を翻し坂を下っていった。
彼の足なら街まで直ぐだろう。

それは彼にとってはほんのついでの寄り道だったのだ。

~英雄伝~「外伝」

Wise Quagmira" #5


橋が落ちたのだと言う。

それはいい、だが

「船が出ない?ナンデ?」
「山の橋が落ちたからでさ」
「関係ないだろう?むしろ橋が落ちたから船がいるんじゃネェノ?」
「へぇ、なにせあれだけの橋が崩れておちたでがす、沢の方が大変でさぁ」
「それで船が要るのか?で、出払ってる、ト?」
「へぇ、そうでがす」

沢の流れがどうとか谷に破片がどうとか漁の網がどうとか。
兎に角今日は渡船はでねぇでがす、と親父は言うばかりである。
埒も無い。

まぁ船が出るまで精々この街を観て行きなせぇ、宿でも飲み屋でもあるでがすよ。
と言う無責任な親父の言葉を背に受け、青年は船着き場を出た。
足留めである。
急ぐ旅ではない、しかし重要な用事でもないのでさっさと済ませたかったのだ。
向こうに行くにはここで船の乗るか、それとも彼が降りてきた山の方を廻って、谷の-

-橋が落ちたのだ-

とりあえず宿でも探すか。

28:Wise Quagmira(8)
07/11/30 02:29:59 GwB6GNtR
ここは親父の言う通り街をぶらぶら観るしかない、幸いここは交通の要の大きめの街だ、
宿に困ることも有るまい。

一しきり大きな通りで主要な建物を観てまわり、頭の中の地図と山の坂から見下ろした
町並みとを一致させる。
大体の街の様子を御頭に入れると路上のオープンカフェに腰を下ろした。
街の通りを歩く間にも「彼」の事に気が付いた人間はいたようだ。
中にはそそくさとその姿を隠した奴もいた。
-ああそうしてくれ-
と、彼は思う。
ここでどうこうする積もりは元より無い。
「ちったぁゆっくりさせてクレヨ」
ここんとこ忙しかったからな。

頼んだ茶が出て一口啜る。
渋い
まったく黒も紅も白も緑も一緒くたにしやがる、これだから田舎者は。
眉を顰めながら横の卓を見ると薄茶色の紙が見えた。
そこにいた客が忘れて行ったのだろう、ブラウンペーパーがあった。
新聞で夕刊紙、つまりは所謂三流、ゴシップ紙、あまり聞かない紙名だから地方紙だろう。
「ふうん?」
手に取りバサバサと広げて紙面に目を走らせる。
どこそこの姫嬢が家出したとか、どこそこの男爵様と女優がデキてるとかーetc.etc...
どうでもいい記事が並ぶ。
ホントウにどうでもイイナー
こりゃぁ捨てて行くな、と、彼も前人に倣おうとした時に、ふとある文字が目にとまった

 『勇者』

勇者がー
どうかしたのかと記事に目を走らせる。

違った。

勇者とー、と記事は続く。

勇者と

美女軍団


29:Wise Quagmira(9)
07/11/30 02:30:33 GwB6GNtR
はい?
思わず「は」の形に口を開けたまま固まる。
ナンジャそりゃ?
紙面が紙面である、ゴシップが売りの夕刊紙だからそれは禄でもない記事で埋まっている。
しかし美女軍団とは。
思わず紙面の文字を追う
内容はやはり具にもつかないものだった、要約すると、「幾人かの女性と勇者が同行して-
いる『らしい』」

その『らしい』というソースも不確かな情報を元に、枝葉は妄想し放題。
そういった記事…では無くコラムである。
その勇者が誰であるかは書かれていないが、一地方紙に勇者の文字が出るのは珍しい事だ。
そんな記事が出る以上、勇者の「誰か」がこの地方に来ているのか。
少し興味が涌いて関連の記事を探してみる…と、他の小さな記事に勇者の文字があった。

~勇者は先日フォート教会の壁画の壁面を破壊した犯人を追ってモンヒエイザ方面に~

再び目がとまる。
フォート教会?壁画を破壊?…おいおい聞いてネェゾ

開いてた口がも思わず締まる。
何しろそこは彼が向かっている場所、ついでの用事の舞台だからだ。

聖導ヒコカッツェ教会、通称「フォート」、その名の通り古代魔法帝国の城跡(フォート)
を利用して建っている教会である。
最近その「フォート」の壁画を巡り、領主や住民と教会が揉めているらしいのだ。
元々フォートの土地権にイザコザが有った処に、教会側が自分の主張を押し進める為
勝手に壁画を書かせたらしい。
それはいい、世事的な事は彼の関与する処では無い。
だが、それを巡って人死にが出るとか、教会に逆らった者は壁画の魔物に喰い殺される、
などと言う噂になっていると話しは別だ。

元々その教会のネロンガ師は教会内部でもいい評判が無い男だ、だから地方に赴任させ
られたとも聞く。
反面殺人などの大それた事ができる男でも無いらしい、所謂小悪党なのだ。
まぁどうせ大した事は無いだろうが、その噂の真贋を確かめ、ちょっとお灸をすえてこい、
…程の事だったのだが。
その壁画が消えてしまったらしい、つまり揉め事の元は消えてしまったのだ

30:Wise Quagmira(10)
07/11/30 02:31:23 GwB6GNtR
「なぁ」
女給を呼ぶ
「ここ最近の新聞ナイ?」
この件に関するほかの報道をざっと目に通す、概ねの論調は教会に対し、いやどちらかと
言うとネロンガ師に対して批判的で、どことなく「ざまぁみろ」的な物が多かった。
「文化財を破壊した!」と教会は重罪人としての指名手配を主張したが、領主は只の
器物破損犯としての手配をしただけらしい、捕まっても罰金刑である。
ネロンガ師にはそれこそ「お灸」だろう。

それはそれでいいのだが
問題は、その城壁を「破壊」したと書いてある事だ。
どの記事にも深くは触れては無いが、古い物とはいえ城壁を破壊するなど只者では無い。
その「美女軍団(笑)」連れた勇者もそう思って追って行ったのだろう。
仮にも古代魔法帝国の城跡である、今は失われた建築法によるものだ、堅牢さは桁違いである。
只の遺跡を壊すのとは訳が違うのだ。
破壊の程度にもよるがそんな事が出来るは、

魔物か
勇者か

面白れぇ

思わず口元がニィと綻び歪む。
どうせ「ついで」の用事は消えてしまったのだ、むしろそいつが消してくれたのだ、
そいつに会うのも一興だろう。
もう一度新聞紙面を探る、犯人は…少女を連れた甲冑を着た大男らしい。
モンヒエイザに逃げたのなら青年が来た方角である。
そんな目に付く男が居たら気が付くはずである。それともまだそこまで来ていないのか?
だが日数的に言うと谷の橋を渡ってくればすぐに…

ああ、

橋は落ちているのだ。

いや落したのか、普通は追っ手を巻くためにそうするだろう。
ならばやはり山廻りに来た事になる、それなら何故犯人と出会わなかったのか?
いやまて、
落しておいてそちらに向かったと言う印象を持たせる為に…と言う手も無い訳では無い。
そして本人は谷を抜けて湖畔の街に、そこから船で…いやしかし船は出ないと…
船?

船で
甲冑の大男
『勇者一行はモンヒエイザに』

魔物か
勇者か


「釣りは要らねぇ!」

そう言って彼、レイジュ-ランディスは席を立った。


Wise Quagmira" #5 "THE BRAVE"
END
continued on "GLITTY"

31:名無しさん@ピンキー
07/11/30 02:33:14 GwB6GNtR
以上であります。
すいません引っ張ってばっかりで。

32:名無しさん@ピンキー
07/11/30 03:23:44 LqFuFJge
ひょぉわはぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!

色んな話がリンクしてルーーーーー!!とか
そっかー俺ァてっきり符術の人のお嬢がアレなのかなーと思ってたけど本命は犬っこだったのかーとか
タンヒーリングやたらエロくね?とか
ちょwww勇者集結してるwwwwwwwとか色々思ったあげく出てくるのはたった一言GJ!!!!
これから仲間たちの正体とか能力とかが色々バレてくるのかと思うとGJ!!








……GJ!!



33:名無しさん@ピンキー
07/11/30 23:46:28 43TbTx3Y
>>32
恐縮至極。
はいエロ要素はペロペロだけです...最初はもっと克明に書いてましたがながすぐるので切りました。
しかしよく見たつもりでしたがやっぱり誤字脱字が有りますねぇ..精進しないと。
ちなみに時間はリューVSローラの前日としてあります。
賢者一行vsレイジュの次ぎの夜に対岸の街で天に雷が昇った事になります。
つまり集結しつつもお互い出会ず…って感じかなぁと。

34:名無しさん@ピンキー
07/12/02 00:32:20 9Qmml4WV
にゃーん

35:名無しさん@ピンキー
07/12/02 06:32:43 9Qmml4WV
女 「フフフ、今日こそは男とにゃんにゃんしてやるぜ!!」
女友「頑張って女!いい?あんたは女の子なんだからねっ!?おしとやかに、ね!?」
女 「おうともよ!覚悟しやがれ男!目に物見せてやるぜ!!」
女友(……だめそう!)

男 「~~♪~~~♪」
女 「男!!」
男 「あ、女さん。おはよう」
女 「王 覇庸……古代中国の武将か。流石は男、心構えはできているようだな!!」
男 「ほへ?」
女 「男、わたしと……ハッ!!」

女友『いい?おしとやかよ。女の子の武器はおしとやか。大和なでしこよ』

女 「んんっ!お、男くん?わたしと交尾してくださらない?」
男 「ん?」
女 「あ、いや違う。違いますわ。わたしが言いたいのはそういうことでなくて……」
男 「どうしたの女さん。様子が変だよ?」
女 「あ、うぅ……」
男 「元気だして。僕はいつもの女さんが好きだな」
女 「あ、あぁぁぁああ、ぁぁぁあああぁぁぁあああああああああ!!!!」

ビリバリー

男 「身体から発する波動で服が破れた!!」
女 「男!惚れた!抱くぞ!!」
男 「なんて男らしい……」ポッ

女友「……これはこれでいいのか……?」


新ジャンル『脳みそ筋肉』

36:名無しさん@ピンキー
07/12/02 06:55:34 9Qmml4WV
健人「九音さーん……さっきから何読んでるの?」
九音「あ、健人くん。これだよ。ジョジョの奇妙な冒険」
健人「あー、僕は四部が好きだなぁ」
九音「わたしはダントツで一部かな」
健人「へぇ。……なんとなく理由はわかるけど一応聞くよ。なんで?」
九音「だって……

   わたしは『ただのクラスメイト』をやめるぞ!健人ー!

   ………なんちゃって」
健人「やっぱり」

………翌日

九音「おはよー健人くん」
健人(仮面がジャキーンてなってる……)


新ジャンル「石仮面」

37:名無しさん@ピンキー
07/12/02 07:10:26 9Qmml4WV
男「あー卒論って半年単位で用意しなきゃならないくらい沢山書くのかぁ。
  今から気分が滅入ってくるなぁ……」
女「そうかな?あたし長文書くの得意だから別に苦にならないけどな」
男「お前はな。いいよなー……なあ、なんでそんなに書くの得意なの?
  何か秘訣があるとか?」
女「えっ……そ、それは……///」
男「お!やっぱり何かあるんだな?頼むよー教えてくれよ助けると思ってさー」
女「か、書くことに慣れること……かな……///」
男「畜生普通だよー。これだから秀才は。な、いつも何書いてるの?同人小説?」
女「違うよぅ…///」

女(男くんに出すラブレターの総量が気が付いたら広辞苑くらいの厚さになってたなんて……
  恥ずかしくて言えないよぅ)


新ジャンル「卒論」

38:名無しさん@ピンキー
07/12/02 07:22:06 9Qmml4WV
女「男、お弁当作りすぎちゃったからアンタにあげるわ」
男「マジ!?やったぁぁぁぁああ!!女、マジ最高!良し、これで飯代が浮くぜ!!」
女「勘違いしないでよねっ!余っただけなんだからっ!」
男「イイ!それでもイイ!あぁ、ご恩は一生かけて返させてもらうぜ!」
女「ぇ……///
  ふ、ふん!そうしてもらいたいところねっ!」
男「うめぇ!マジうめぇ!!嫁にしたいくらいうめぇ!!」
女「よ、よよ、よよ嫁!!?」
男「はー……女って料理できたんだなー。あー嫁にしてぇ。女、結婚してくれ!」
女「!!!!?」
男「ごっそさん!サンキュな!あ、男友ーUNOしようぜー」

女「…………………」
女「………………」
女「……はうぅ」


新ジャンル「ツンデレの天敵は天然男だろ常識的にかんがみて……」

39:名無しさん@ピンキー
07/12/02 08:36:50 9Qmml4WV
女1「やべーよあたし負けだよー」
女2「はい罰ゲーム決定ー!」
女3「ぎゃはははは!はい、愛の告白行ってきなー!」

女1「なんか、好きなんだけどぉーアタシィー男のことぉー」
男 「えっ……///
   う、嬉しいです……ボクも、女1さんのこと……」
女1「えっ……///」
男 「女1さんて美人だし、気が強いっていうけど芯がしっかりしてるし、
   曲がったことはしないっていうか……憧れてたんです!」
女1「……う、うるせーばーかばーか!ウソに決まってるじゃんこんなん!
  罰ゲームだってのよ!フツーに考えたらわかるでしょ
  何マジになっちゃってんのチョーウケるんですけどキモーイ!」
男 「そ、そんな……」
女1「っつーわけだしそんじゃーね!!」

女1(顔が赤いのは走ってるせい顔が赤いのは走ってるせい……///)


新ジャンル「釣り失敗」

40:名無しさん@ピンキー
07/12/02 09:07:51 X/necVhe
>>38-39
萌えたW

ショタの人こないな…

41:名無しさん@ピンキー
07/12/02 16:11:57 Gy7/3TP2
>>1乙!

>>2-15
世間知らずの娘が一生懸命愛してくれるってのはいいよなぁ

>>21-30
続き待ってたぜ!!
少女と少年の名前もわかり、過去も一部がわかり
より一層深みが出てきたなぁ
続きwktkして待ってるぜ

>>37
広辞苑とおなじぐらいとかどんだけだよwww

42:名無しさん@ピンキー
07/12/02 20:39:50 GcXNJnDD
>>2-15
読んでるこっちが恥ずかしいくらいのデレ乙!
そしてバックトゥザフーチャー吹いたwww
九音さんみたくちょくちょく出てきて欲しいぜ

>>21-30
なにやらまた新しい用語が出てきてwktk
序章のアレはテイリーの脱走だよなぁ・・・ということは
お嬢は神族の関係者?なのかな?

43:名無しさん@ピンキー
07/12/02 23:26:02 TaHNYF3W
新ジャンルシリーズ、大好きだw

44:名無しさん@ピンキー
07/12/03 10:29:46 N5deC9pO
>>43
そ、そんなこと言ったって、何も出ないんだからねっ!

45:&BASTARD(1/13)
07/12/03 10:33:57 N5deC9pO

据付の文字盤の上を、細くしなやかな指が踊っていた。
それは鍵盤を叩くピアノ演奏者のようで、この作業に慣れているものであることは明らかである。
というか、何故仲間たちの誰もここを使おうと言い出さないのかというのは彼にとってずっと疑問だったことだ。

それは、教会に属する国なら必ずある『情報局』という施設で誰でも使うことが出来る情報端末である。
聖堂教会の膝元、ナルヴィタートを筆頭に世界各国の技術の粋を集めて開発された画期的な情報通信型魔道具。
名を『E.D.E.N.』というそれは民衆にとってはまだ値の張るものかも知れないが、
彼ら勇者にとっては実質無料で世界中の情報を集めることができるこの上なく便利なシステムである。

大地を走るマナの流れ、俗に龍脈と呼ばれるそれを利用した通信方法は
風の魔法に働きかけていた従来の技術を大きく上回る広範囲にその情報網を敷くことになった。
術師を介さねばならず、風の流れが悪ければろくに通信もできなかった従来型と違い、
『E.D.E.N.』は魔力を充填すれば誰でも扱うことができ、
さらに大気に満ちたマナそのものを媒体にすることによって
中継さえあれば世界の端から端まで一瞬で接続可能となる夢の技術なのである。
もしこれが転移魔法に応用できれば、世界はひとつに統一されるといってもいい。
『E.D.E.N.』は、名の通り世界を楽園に変える未来を握っているのだ。

………という素晴らしいものなのだが、それを理解できているものは一行の中でたった一人だけのようだった。

「……俺、そういうの苦手なんだよ」
「そうなんですか?」
「使い方もよくわからないし。
正直、昔からそういうカラクリじみたものは、どうも性にあわない」

世界を『救う』ことを公式に許可された者たち、『七人の勇者』の中でも最も魔学技術に長けた者、
ラルティーグの勇者ジョン・ディ・フルカネリの力説に答えたのは同じく勇者であるヒガシ・ヒロトである。
普段から仏頂面の多いヒロトだが、こういう苦虫を噛み潰したような表情は
滅多に見せなかったりする。本当に苦手なのだろう。
世界最強を謳われ、無双の怪力を誇る割にはやけに器用でなんでもソツなくこなすヒロトには意外な事実だ。

「俺のは全部修練や長旅の経験で身についた技術だ。実際は俺は不器用な方だぞ」
「そうですわよね。生徒としては覚えが悪い方でしたし、
……私のプレゼントした銀時計も、たった数分で壊したくらいですし」
「う」

46:&BASTARD(2/13)
07/12/03 10:34:31 N5deC9pO

ひょこっとヒロトの後ろから顔を出した金髪ツインロールの少女はローラ。
勇者ヒロトを追って国を飛び出した彼女はなんと大国ヴェラシーラの王女、
ローラ・レクス・ヴェラシーラその人だ。
ヒロトとは幼馴染みで、教養の師であり剣の弟子でもある間柄である。
もっとも、彼女はそれ以上になりたいと願っているようだが。

「いつの話だ、それは。そんな昔の話をねちねちといつまでも。底の浅い女よの」

ヒロトの上にさらに乗っかる形で参戦してきたのは炎のような朱い髪が目に映える少女だった。

「貴方には関係ないことです」
「ほう、そうか。しかしそも、ヒロトは時計なんぞ必要としないだろうに。
持っていても使いようのない贈り物なぞ迷惑なだけであろう?
そんなこともわからぬ者がよくもまぁ知った顔をできたものだ」
「……ふん。ヒロト様にプレゼントを贈ったことがないことに気付いて、
実はちょっぴり悔しがってる人に言われたくありませんわ」
「な、な、ななな!?」
「あら図星?図星ですか?図星ですわね?くすくすくすくす」
「き、貴様……!」

……なにやら頭上で闇と稲妻がせめぎあっているようだがここは勇者二人、華麗にスルーである。
この二人の喧嘩は獅子の子がじゃれあうようなものなのでいちいち気にかけていられないのだ。
第一、戦闘になったらこの街は一瞬でまっ平らの焼け野原になってしまう。
なにせこの赤髪の少女、リュリルライアはあらゆる魔と闇の王、魔王であるからして。
彼女が本気で暴れだしたら止めることができるのは世界でも唯一人、ヒロトだけだと言えるだろう。
戦闘力的にも、乙女ちっくハート的にも。

「でさぁ、結局いつ終わるのさ?その、ケンサクってのは」

一人だけ少し離れた場所でうだうだしているのは緑髪の少女、リオルである。
いかにもつまらなさそうに顎を机につけて半目になっているその様は逆に彼女の活発さを表していた。
無論彼女も、このメンバーの一人であるということからわかる通り普通の女の子ではない。
彼女の身体は仮初のもの。その正体はとある山に巣食っていた巨大な火炎龍なのだ。
今ではその『肉体』は死んでしまっているのでこうやって『命の恩人』たるジョンの相棒をやっている。

「検索自体はもう終わっています。ただ、該当件数が思ったより多くて」

『E.D.E.N.』によって集められた情報は地方都市のゴシップから
特定の人物にしか引き出せない極秘情報まで多岐に渡る。
勇者一行である彼らは特に、一般市民には出回らないはずの情報をも
特権によって手に入れることができるのでなおさらだ。
それを自動書記によって書き出しているのだが、その書類は既に山のように積みあがっていた。

47:&BASTARD(3/13)
07/12/03 10:35:45 N5deC9pO

彼らが探し求める情報は神に選ばれし勇者、テイリー・パトロクロス・ピースアローの動向である。
魔族を人間の敵だと認識し、問答無用に排除しようとするあの少年は
魔族と人間の関係に調和を計ろうとするヒロトたちと対極を成す存在といえるだろう。
無論似たようなことをやっている冒険者はテイリーだけではないし、
このヒロトも『龍殺し』の異名を持つ魔獣退治の一人者であるのだが、
テイリー、つまり神に選ばれし勇者はそれらとはまた一線を画す存在であり、
放っておけば冗談なしに取り返しのつかない事態になりかねないのだ。

「秩序と混沌のバランスが崩れた時、この世界は崩壊する」

とは件の混沌を司る魔王・リューの言葉である。

「そもそもこの世界は闇の混沌、すなわち相異的不確定要素に対し光の秩序によって、
『観測』をされ初めて『存在』が成り立っている。
 例えるなら暗闇の中にグラスがあってもそれは誰の目にも見えない以上
『そこにはただ闇が広がっている』だけであって
 光がグラスにあたってその姿を認識できた時点で始めてそれは『存在している』といえ、
 つまり光と闇のバランスが崩れるということはこの世界の存在そのものに深刻なダメージを与えることであり、
 そもそも『グラスの隣にロマネコンティが存在しているという可能性』すら
 否定してしまいかねないという物理的脅威以上の死活問題であると言えるだろうな」

「……すまんリュー、さっぱりわからん」

頭の上に大きなハテナマークを乗せているのはヒロトだ。
ローラも微妙に口元を吊り上げている。やっぱりわかっていないのだろう。

「というと、かの魔王進攻ももしかして」
「ああ、アレは今回とは光と闇の立ち位置が逆だがな。
 闇が世界の全てを呑み込み、世界がただの『存在しているという可能性』に
 還りかけたというのが例の大戦の真相だ。
 その時秩序側が用意した『勇者』が再び均衡を崩そうというのだから笑えないな」
「なんてことだ……それが魔王と神の真実だったんですね……。
 有史以来凶悪なはずの魔王が一度も世界征服を仕掛けてこないのは、
 そもそもあれがイレギュラーだったから、と」

「すまんリューとジョン。さっぱりわからん」

頭の上に大きなハテナマークを乗せているのはヒロトである。

「………つまり、神に選ばれし勇者を放っておけば大変なことになる、ということさ」

リューが肩をすくめ、それでヒロトは納得したようだった。
ヒロトにとってテイリーは一度剣を交わした相手だ(『交わし』てはいなかったが)。
あれがどれくらい危険な相手かくらいはわかる。
ローラも厳しい顔つきになったヒロトを見てこれがどれほど重大なことか気付いたらしい。
山と積まれた書類の一枚を手に取り、鋭い目を向けた。

48:&BASTARD(4/13)
07/12/03 10:36:36 N5deC9pO

「勿論相手は僕らと違い、正当なる勇者です。
 直接名を検索するような危険は避けるべきでしょうが、その分検索の範囲を広げなくちゃいけない。
 書き出した書類は持ち出し禁止ですし、二、三日はここに泊り込むつもりで頑張りましょう」
「ええ」
「そうだな」
「うむ」

………。
一つ、返事が足りない。

「リオレイア?」

きょろきょろと辺りを見回すも、個室の中にあの緑髪の少女の姿はなかった。
その代わり扉が半分ほど開いており、キイ、と小さく揺れていた。



情報局――各国と教会によって運営されている公共施設からてこてこと抜け出す少女が一人。
言うまでもない、リオルである。
大きく伸びをして、書類に埋もれていた身体をぽきぽきと鳴らす。
………いや別にサボったとかそういうんじゃない。
彼女は彼女なりに気を使って、足手まといにならないように自粛したのである。

ジョンはフィールドワーク派とはいえ研究職でこういった作業には慣れているだろうし、
ローラは王族の教育を受けて育った身として字が読めないはずもなし、
そのローラの生徒であるヒロトも同じ。
リューに至ってはその人生の大半を書庫で過ごしたというからああいった作業は
むしろ呼吸と同じくらい得意に違いない。

そこに元・ドラゴンでありデスクワークに向かない性格スレイヤー火山代表であるリオルがいて何になろう。
無駄に作業の邪魔をするだけだということはリオル自身が一番よく知っていた。
そもそも彼女は字が読めないのであるからして。

「そんなあたしがあの場にいて、いったいなにができるというのかっ!
 あたしにできることはあえてあの場を離れ、この街で情報収集をすることのみなのです!」

ぐわっと叫んでみるも、お腹からきゅぅ、と可愛らしい音がして握り締めた拳から力が抜ける。

「……腹が減ってはなんとやら。まずはご飯食べに行こっと♪」

るんたるんたとスキップで繁華街へ向かうリオルの足取りからは、
情報収集という言葉は……どんなに目を凝らしても見当たらなかった。


49:&BASTARD(5/13)
07/12/03 10:37:26 N5deC9pO


――呪われた子、とセリカは呼ばれた。

悪魔の血を引く娘、化け物、生まれてきてはいけなかった存在……。
始めは、どうして自分がそう呼ばれているのかわからなかった。
何故自分と母親は逃げるように街から街へ移り住んでいるのか、わからなかった。
せっかくできた友達も、これではすぐに離れ離れになってしまう。
確かにセリカは他の子とは違った。
魔法の才能もあったし、姿だってその、少しだけ変えることができた。
それは披露すれば子供たちを驚かせ、尊敬を集めるセリカの必殺技だったのだが。

………どうも、それがいけなかったらしい。

セリカがそれをすると、決まって母親は烈火のごとく怒り出し、セリカを叩いてよくわからない暴言を吐き、
謝りながら涙目でセリカを抱きしめて、そしてその街から引っ越すのであった。

時には、住んでいた町の住人から追われることもあった。
いつもおまけをしてくれたパン屋のおばさんも、カフェで一日中ボードゲームをしていた老人も、
仲のいい友達の父親も、皆一様に怖い顔をして剣や斧を手に追いかけてくるのだ。

何故。

セリカには、それがわからなかった。


路地裏。
じめじめと日の当たらないそこは、都市には決して珍しいものではない危険区域だ。
治安のあまりよくない街で大通りから一歩でも足を踏み外せば、
途端にごろつきに囲まれるなんてこともざらである。
無論、治安の悪い街では大通りにいても命の危険があるというのだからここはまだましなほうなのだが。

「………やめてください」

セリカは感情の篭らない声で呟いた。
その細い肩には大きく固い、岩のような手が置かれている。
その力で壁に押し付けられ、セリカの足は宙に持ち上げられんばかりであった。

50:&BASTARD(6/13)
07/12/03 10:38:25 N5deC9pO

「………痛い」
「嬢ちゃん、そりゃアンタが悪いよ。
 このゲルド様の前をのこのこ歩いてたらこうなるって母ちゃんに教わらなかったのかい?」
「………」

昏い瞳でその大男を見上げる。
スキンヘッドなのかただ単に禿げているのか、形の悪い頭部のラインにサングラス。
こめかみから頬、顎にかけて大きな傷跡がある。
手や足、腹など身体のパーツパーツが妙に大きく、なるほど、
狭い路地にたむろする取り巻きのちんぴらに比べればキャラが立っていた。

「助け呼んでも無駄だぜ。アニキはここいらじゃ『隕石魔神』って呼ばれてて、
 命が惜しくて神聖騎士団でも手は出さねぇんだ」

などと子分の説明が入る。
……魔神、か。
なるほど、喧嘩は確かに強そうではある。
だが……悲しいかな、セリカにとっては何の脅威にも感じられなかった。

―――所詮、人間である。

「まぁ男なら声かける前に顔面潰してるところだが、あんたみたいなイイ女は別だ。
 俺様の相手をすれば通してやるよ。
 もっとも、俺様のデカマラをブチ込まれてまだ狂ってなかったらの話だがな」

ぎゃはは、と周りから笑い声があがった。
果たしてこの笑いの出所はなんだろう、と思いながら……まぁ、別に知ることでもないか、と思った。
面倒くさいのは嫌いなのだ。

セリカは自ら服の留め金を外すと、その上半身をはだけさせた。

ぱさ、と乾いた音がしてセリカの白い肌が露出される。
それは薄汚い路地裏で唯一、感動に値する美しさを放っていた。
さながら周りの穢れに朝霧の湖を合成したような、
そこだけ時間も空間も切り離されているような、現実味に欠ける光景だ。

「――どうぞ」

ぽつり、とそれだけ呟く。
男たちはぽかんとした顔で、いきなり脱ぎだしたセリカを見つめている。

「するんでしょう?なら、さっさとして」

51:&BASTARD(7/13)
07/12/03 10:39:02 N5deC9pO

端的な言葉を。
男たちが理解するのに、数秒を要した。

「ひ、ひひ。なんだ、売女かよ」
「にしちゃあ色気がねぇな」
「そーゆープレイなんだろ」

あまりにも動じないセリカの様子に何を勘違いしたのか、ちんぴらたちが勝手なことを言い始める。
セリカの眼には、そんな屈辱に塗れた言葉を受けても何の感情も浮かばない。
いや、彼女にはもうこれほどの仕打ちでも屈辱には思えないのだ。
ただ。少しだけ。

―――気持ち悪い、と思った。


男たちの行為は、決して女を喜ばせるものではなかった。
当然だろう。彼らは数え切れないほど女を抱いてきたが、
一度たちとも愛を語らうための営みをしてこなかったのだから。
そもそも無抵抗の女を相手にすることさえ稀で、
そういう意味では、手間が省けたというより調子が狂うと面食らった者もいただろう。

セリカは行為の間中、眠っているようにぼんやりとしている。

ちなみに自ら脱いだのは服を破られないようにするためだ。
この手の男たちは後先を考えない。
白濁をかけるのも結構だが、あとあと残る匂いのことも考えて欲しいものだ。
路地裏の狭い空をぼんやりと見上げるも、腰を動かす一定のリズムで身体が動かされて視界がブレる。
快楽はない。
肉体の反応や喉から漏れる音は知らないが、
少なくとも抱かれてよかったと思うことは一度もなかったしこの先もないだろう。
世間一般の女の子はやっぱり、素敵な彼氏と行為を楽しむものなのだろうかと思い――すぐ、思考が切れた。

自我を守るためか。
彼女は余計なことを考えない。
心は、母親を亡くした時一緒にどこかへ行ってしまったように思う。
それからはこうやって、できるだけ人目につかないように――表に立たないように、
日に当たらないように――こそこそと生きてきたのだ。

52:&BASTARD(8/13)
07/12/03 10:39:51 N5deC9pO

白濁を浴び、眼に入らないように瞳を閉じて……病に臥す母の姿を幻視する。
母は、生きろと言った。
母は、こんな呪われた自分を最期まで手放そうとしなかった。
枯れ木のようになった手でセリカの頬を撫で、私の可愛い娘、と言ったのだ。

―――その言葉が、存在が、セリカに呪いをかけた。

セリカは、死ねなくなった。
どんなに陵辱されても、死を望むことができなくなった。
望んだら、無駄になってしまう。
あの人が何を思って死んだのかはわからない。
でも、幼い自分を連れて女の身で世界を巡り、そして死んだ母親が――生きろと言ったのだ。

………………………………それを、セリカは、心底恨む。

歯を食いしばろうとして、口に男のモノが入っていたことを思い出した。
すぐに顎の力を弱めるが、時は遅かったらしい。男は激痛に悲鳴をあげた。

「何しやがる!!」

どん、という衝撃が走った。
腹に蹴りを受けて壁に叩きつけられたのだ。肺を圧迫され、大きく咳き込んだ。

「おいおい、なんだよ」
「畜生この女!俺のアレを噛み切ろうとしやがった!!痛ぇ、血が出てやがる」

セリカは――汚れた顔をあげた。
その眼は相変わらず虚ろで、激昂した男がナイフを取り出したのも見えているかどうか。

「おいマジかー?いいじゃねぇかお前のなんかあってもなくても同じだろうよ!」
「ふざけんな手前、抜いたからって人事かよ!俺ァ舐められたんだ!ブッ殺す!!」
「舐められたんじゃなくて噛まれたんだろ?」

ぎゃははは、と耳障りな音が鳴った。

口元をぬぐうと、酷い匂いの白濁がぬらり、と糸を引いた。
ぼんやりと汚れた手を眺めて。

それが。
何故だか。
耐え難く。
こみ上げてきた。

―――ざわ、と肌がささくれ立つ。

「オラァ!!」

振り下ろされる刃物。
それに焦点を合わせるようにセリカの瞳がきゅうっ、と縦に細まり、

53:&BASTARD(9/13)
07/12/03 10:40:33 N5deC9pO


「でぁりゃぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」


男は、空から降ってきた何者かに踏み潰されて地面に叩きつけられていた。
セリカははっとして腕を押さえる。
ささくれは身を潜め、肌はいつもの白磁に戻っていた。

「な、なんだお前はっ!?」

男たちが色めき立つ。
空から降ってきた影は立ち上がると、男たちを睨みつけた。

「『なんだお前はっ!?』だとっ!?そんなありきたりな台詞吐くちんぴらに名乗る名などないってんだい!
 あたしの名はリオル!ストラート火山が元・主、灼炎龍リオレイアたぁあたしのことでぇぇいっ!!」

かん、かん、かかんッ!と大見得を切ってのける少女は――辺りの空気をしばらく凍らせた。

「名乗ってるーーーッッ!!」
「そ、そういう日もあるっ!とにかく!うら若き乙女を強姦したあげく亡き者にしようなんて犬畜生にも劣る悪辣!
 そんな外道は、ジョンに代わってこのリオルが正義の炎で焼き尽くしてあげてもいいですか!?」
「知るかーーーッッ!!」

一斉に襲い掛かる男たち。
少女は適当っぽい構えをとってそれらを迎えうつ。
あっけにとられていたセリカだが、その光景には目を見開いた。
少女が、

―――変身したのである。


短剣を腕で受け止め、驚愕する男を突き飛ばして壁に叩きつける。
その腕には傷ひとつない。鎧のような鱗に刃物は一切通らないのだ。
手を広げると、そこには鋭い爪が生えていた。
ぶん、と振り回すだけで空気すら切り裂かれ、衝撃波となって男たちに襲い掛かった。
背後から石を投げつけられるも、がん、と尻尾で弾いて逆に相手に打ち返してしまった。
パンチを躱し、その袖に噛み付いて放り投げる。
強靭な牙と顎は大の男を容易く空へ招待した。
頭から伸びた角……は何もしないのか。

「うぉぉぉ、必殺!隕石衝拳(メテオ・インパクト)ォォォオオオオ!!」

少女に影が落ちる。

名をなんと言ったか――男たちのリーダーがその大きな拳を振り上げていた。
ちんぴらなりに魔法を齧っていたのか、その拳は炎に包まれている。

54:&BASTARD(10/13)
07/12/03 10:41:24 N5deC9pO

「出たぜ!ゲルドのアニキのメテオインパクト!
 炎の魔法を拳に宿して全てを破壊するアニキの必殺技だぜー!!」
「ていうかアニキ、それしかできねぇけどな!」

その必殺拳を見て――しかし、彼女『たち』は眉ひとつ動かさない。

「な………ッッ!!?」

当然、アニキの必殺技は少女にかすりもしない。
それどころか、少女の姿は路地裏から消え去っていた。

「ど、どこ行きやがった!?」

セリカは、ただ、空を見ていた。
拳を躱し、翼を広げて飛翔したその少女はセリカの視線の先にいる。
少女は口を大きく開けて、既にちんぴらたち全員を標的にしていた。

「と、飛んでやがる!」

男たちが指を指すも、もう遅い。

「控えめ必殺、火龍烈火吼(デラ・バーン)!!!!」

放たれた火球は男たちの中心で爆発炎上し、高らかに炎の柱をあげた。
爆風が晴れたあとには、もう男たちの中で動ける者はいない。
黒こげになって倒れ伏し、白目をむいてひっくり返っているだけだ。


「………」

セリカは――絶句していた。

「正義は勝~~つ!!」

少女は路地裏に降りてきてVサインなんぞしている。
と、急にセリカを振り返ってたたたと駆け寄ってきた。
その顔は人懐っこそうな、ひとかけらの影もない満面の笑顔である。

55:&BASTARD(11/13)
07/12/03 10:42:01 N5deC9pO

「大丈夫?ダメだよ~?ヤバいやつに襲われちゃ……って遅かったのかぁあたし。
 でも助けたんだしチャラってことにしといてよ。ん?何?あたしの顔に何かついてる?
 だ~め~だ~よ~惚れちゃあ。あたしにはジョンっていうイイ人が……ってぁぁぁあああああああ!!!!」

突然大声をあげ、ぺたぺたと身体を触りだす謎の少女。

「へ、変身しちゃってるんですけどあたし~~ィ!!やばい、ジョンに怒られるよ!
 まずっ!ね、ごめん!あたしのことは見なかった方向でお願いできないかな?かな?
 んじゃ、そゆことでバイビー!」

謎の少女はめきめきと身体を元に戻すと、すったかたーと走っていってしまった。
と、思ったら戻ってきて瀕死の男たちから衣服を剥ぎ取り、セリカに押し付けてまたどこかへ去っていった。

………嵐のようだった。

「なんだったんだろ……」

ぽつり、と声が漏れた。
あの女の子は、間違いない。
人の姿と、異形の姿を持っていた。
自分と、同類だ。
なのに何故?
何故、あんな、こんな、ことを………。
意味が解らない。
こんな、堂々と。
引け目もなく……まるで、それが力であるとでもいうかのように。

―――『妖人(あやかしびと)』。

呪われた血をその身に宿しながら、何故、あんなにも、背筋を伸ばして生きているのだろう……?

「なんだったんだろ……」

再び、呟く。

セリカには……わからなかった。


56:&BASTARD(12/13)
07/12/03 10:42:44 N5deC9pO

「なんだってんださっきの爆発は……」
「げ!お、おいありゃあゲルドのアニキじゃねぇか!?」
「一体誰がこんなことを……おい、そこの女!何があったってんだ!?」

ちんぴらの仲間たちだろう。人の気配がしたが、セリカはただ、わからない、わからない、と呟き続けていた。

「てめ、無視してんじゃ――」

その皮膚がささくれ立ち、身体に縞のような模様が走る。
額にみっつ、こめかみにひとつずつ切れ込みが入り、
ギョロリと見開くとそこに宝石のような翡翠色の眼が現れた。
ひ、とか細い悲鳴が声になる前に、その男は光速で伸びた何かに首を360度回転させられていた。
口元から一筋の血が伝い落ち、倒れこんでもう二度と動かない。

「………え?」

残った男たちは呆然とし、そして愕然とした。
少女の背から四本、槍が伸びている。
いや、槍ではない。
それは腕。
醜い、針のような毛がびっしりと生えた節足のアームである。

「う、うわぁぁぁああああッ!!?」

叫び、逃げ出そうとするも、それが敵わないことはもう誰の眼にもあきらかだった。
少女は押し殺した心を氾濫させ、それが静まる間、
大蜘蛛の怪物たる『アラクネ』の糸は人間への憎しみを惜しみなく巡らせる。

「……どうして、どうして………」

―――路地裏から悲鳴が完全に消えるのに、そう時間はかからなかった。


57:&BASTARD(13/13)
07/12/03 10:44:33 N5deC9pO


人でありながら魔獣であり、魔獣とも言えない人ならざるもの。

彼らは先ず、生まれ生きることが罪悪とされる。

どこにも居場所を持つことが許されず、どこに訪れることも許されない。

人も魔獣をも超える力を先天的に持つが故、その両者にもなることができないのだ。

故に彼らは常に呪いと共にある。

この世の全てから呪われ、この世の全てを呪って生きていく。


――何故、生まれてきたのかと。
――何故、生み落としたのかと。


「………どうして、こんな力を、使えるんだろう……?」

惨劇の路地裏。
ぴくぴくと痙攣する黒焦げの男たちと、原型を留めないぐちゃぐちゃの肉塊をあとに、
セリカはふらふらと歩き出した。

………………その背を、とある少年が遥か遠くから眺めているとも知らずに。



ちなみに。

情報局の一室では相変わらず億劫な山が積みあがっていた。
路地裏での惨劇を、彼らはまだ知る余地もない。
ただ資料を片っ端から片付けているだけである。
リオルはまだ帰ってこない。
一行は、とりあえず罰として今日の晩御飯抜きにしようと決めたようだった。


                 &BASTARD~新ジャンル「鬱クール」英雄伝~ 完

58:名無しさん@ピンキー
07/12/03 12:32:06 SqdTKkdh
>>44
出てるー!↓いっぱい出てるーっ(w
>>45-57

そう来たか!新キャラ!
wktkと惜しみ無いGJを!
そしてこちらも負けじと今夜投下!(出来たらいいなぁ

59:名無しさん@ピンキー
07/12/03 16:48:25 efPgxrwH
控えめ必殺吹いたw

60:名無しさん@ピンキー
07/12/03 20:38:14 MG3XUa0+
新キャラもそうだが色んな新設定が出てきたな。
EDENとか量子論っぽい光と闇の役割とか妖人とか。
妖人は魔物と人間のハーフでおk?

>>58
全裸で正座して待つ

61:名無しさん@ピンキー
07/12/03 20:39:06 MG3XUa0+
すまんageてしまった・・・

62:名無しさん@ピンキー
07/12/04 00:08:58 VJFUlVY1
落すよー、7レス分
ええと『百合』『ふたなり』がNGのひとはスルーでお願いします。

63:ヒコカッツェの夜はふけて(1/7)
07/12/04 00:11:49 VJFUlVY1
>>このフォート呼ばれる城壁はかっての王国の名残りとして知られており、白い聖獣
カッツェと共に地元の人々に愛されていました。
フォートにはそのカッツェを祭る社が有りましたが、馬鹿な教会が『邪教』として
取り壊し、あまつさえその上から教会の建物も建てるという暴挙にも程があ…

「ああ、だめだめ!もーこの自動書記タブレットって便利なんだかなんだか」

タブレットから手をはなし椅子の背もたれに身を預ける。
機械式のタイピングマシンーンより小さく、慣れれば早く書けるというので持ってきたのだが。
こうも「思ったまま」書かれてしまうと書き直しに時間をとられてしまう。

落ち着けけセトリア、これは教会の暴虐をあばく手記では無い、旅行ガイドなのだ。
つい教会と聞くと、攻撃的になってしまう自分を諌める。
しかし

矛盾している。

フォートは観光名所である、そこに観光客があつまれば領地は潤おう。
それはいいし、そうなって来れればまたこういう仕事が廻ってくる。
反面今は教会の地所となっているソコに人が集まるのは教会の宣伝に他ならない。
それが気に入らない。
だがらと言ってこの地方を書くのにこの「フォート」を書かない訳にはいかない。
良い記事でなければ仕事も来ない。
実際彼女のガイドレポの評判が良いのでこの取材旅行もなんとか続けていられるのだ。
マナビナの書くゴシップ記事だけではとうに干上がっている。
(その記事もセトリアが校正しているのだが)

割り切るしかないか…ああそうだ、あの壁画の件を入れてみるのもいいかもしれない。
調べて分かったのはあの一件は領民にとっては痛快な出来事だったらしい。
そう思いなおして再びタブレットに手をやる。

それにしても
「ったく、誰の所為でこんな苦労してると思ってるのよ」


64:ヒコカッツェの夜はふけて(2/7)
07/12/04 00:13:16 VJFUlVY1
ザバァと水音がする、そして呑気な鼻歌。
バスのある部屋、それも二つも取るなんて…もう少し節約するべきである。
『記事が売れたから』と言うので贅沢しようとマナビナが言い出したのだ。
それほどの余裕は無い、だが一度言い出したら聞かないのが彼女である。
だからこうしてセトリアはタブレットを前にしているのだ。

>>現在は聖導教会の建物の一部がその城壁を利用して建てられており、地域の

しかし、彼女がそう言い出したのは記事が売れたからだけでは無いのでは無いか。
多分彼女は…そう多分そろそろ…

>>人々の新たな信仰の場所として毎朝人々がやって来…

風呂から上がったら、絶対彼女は…来る。

>>来…来るくるくるきたらどしようでもそうだよねそろそろくるころだもの

トクトクトクトク、胸の鼓動が早くなる。

>>ぜったいくるしきたらいやといえないかもいえないいえないよねいえない

じくっと身体の奥が疼く

>>どうしようああさきにふろにはいってればあたしきたないにおいとかあせくさ

誉められる事では無いのは分かってる、理性はそれを否定する。
でも身体はそれを肯定し始めている。
そうこれは

矛盾している。

はっと気が付くととタブレットは愚にも付かない文字を書き出している。
「やだ、わたし何を…」
「うふふぅ…なに書いてるのかなぁー」
突然耳もとで熱い吐息と共に湿った声で囁かれた。

65:ヒコカッツェの夜はふけて(3/7)
07/12/04 00:14:09 VJFUlVY1
「うひゃあああ!」
背後から腕の上から抱きつかれている。
「もー何よぉもうちょと色っぽい声出しなよー」
「ああ、ま、マナ、何時の間にひやぁあああぁぁん」
じょろりと耳を舐め上げられ、ぎゅっと腕の上から胸の膨らみを掴まれる
「あ、馬鹿、駄目、だめだっって」
べろべろじゅくじゅくと耳のなかに舌が進入していく、ぐにぐにと豊かな乳房が
揉みしだかれる。
「マナ、マナ、マナビー!だめ、やぁあ、やめぇ」

>>いやいやいやいやいやいやいやいやいやいいいいいいややややややいいいいいいいい

手が部屋着の中に進入する、下着を付けていなかったので、難無く侵入者はセトリアの
敏感な部分に辿り着き弄び始めた。
「だ、だめ、だめぇいやん、いやぁゆび、ゆび入ってるるう、いやぁあん」

>>いいいやぁだめだめだめでもでもきもちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
>>いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
>>いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

「あ、あ、あ、おねがっあ、あんあ、あ、あ…ん…ああん、…いやぁ」

>>いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
>>いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

「ふふーん、じゃやめようかぁ?」
マナが突然彼女から身を放した、同時に高ぶっていた身体が中途半端に成る。
「ぁああん…もう!」

>>いいいいいいいいやぁんどうしてどうしてやめないでいやいやいやいやいやい

「もう!何するのよ!」
「あーイヤってやめちゃイヤって事なのねー♪もうセティーたらぁん」
「ば、ばか、何言ってるのよ」
「だーってほら」
バッとタブレットの下の紙を取られ、目の前に突き出される。
「あ…」
耳まで赤く成るのが分る。


66:ヒコカッツェの夜はふけて(4/7)
07/12/04 00:15:04 VJFUlVY1
「イ・ン・ラ・ン」
耳もとで囁かれる
「ち、ちがっ」
取り上げようとしたが紙一重でかわされた。
「ふーん強情ねぇ、じゃぁこれメルチェやフェイリムに見せようか、何て言うかしらね?」
「そ、そんなのどうせあんたの悪戯と思われるだけよ!」
「そぉおお?メルは『やっぱり』て言うと思うよ、なんたって…」
「もう!よこしなさい!」
「おおっと、よっ」
おもわず飛びかかるが逆に身をかわされ、バスッとベッドに倒れこんでしまった。
『しまった』
と思ったが遅かった。
「あらぁ、そんなに待てないの?しょうがないなぁ」
身を躱して起き上がろうとした処をのし掛かられた。
「だ、誰が…」
と口をひらいたところに両手で顔を挟まれ唇を塞がれる、唇で。

「ん…んんっ…んはぁっ…ん…」
「ん…んちゅ…あぶっ…んん…」
じゅる、ぴちゃぴちゃと激しい音をたて口の中を蹂躙される。
唇が舐められえ、吸い付かれ、甘噛みされる。
舌も舐められえ、吸い付かれ、甘噛みされる。
理性が飛ぶ
何時の間にか自分も相手の唇を舐め、吸い付き、甘噛みしている。
舌と舌が抱きあう。
身体と身体が抱きあう。
手が身体を這い、掴み、揉み摩り…

「ふぁ、あぁ、マナ、マナ、あ、あ、ああ、いやぁ…あ…ん」
「んふ、ふ、ふふふ…んちゅ…どうなの?こんなに…んん…んあ…こんなになって…」
じゅくじゅくという音はもう口だけでは無い。
マナの唇がセトリアの豊かな胸に食い付き、先端を舌で刺激する。
指がセトリアの股間で激しく動く、セトリアは見る間に追い詰められる。
「あ、ああ、マナ、マナ、マナ、マナ、あ、あた、あたしっ!…あ…」

白くフラッシュバック
意識が飛ぶ
ビクッビクッとからだが跳ねる、そしてぎゅうと何かに耐える様に丸くなる。
息が上がっている。

67:ヒコカッツェの夜はふけて(5/7)
07/12/04 00:15:51 VJFUlVY1
「イった?」
「…うん…」
「やっぱりイキたかったんでしょう?」
「……うん…」

恥ずかしい

「自分だけで?」
「…ううん…」
「でも先にイッちゃった…ズルいよね」
「…だ、だって…マナが…」
嘘だ
結局自分が求めていたのだ。
羞恥に思わずぎゅうっ目を閉じる
ぺろり
突然閉じた目の舐められる、涙を舐め取られたのだ
「うふふ、もう可愛いわね…セティーったら」
そう言って彼女は優しく口づけをする。
軽い口づけとゆるりとした抱擁、二人はしばらく抱き合っていた。
「さてと…」
やがてマナが身体を起こし、巻いていたタオルを落すとセトリアの上に跨がった。
「お願いしていい?」
「ん…」
マナがセトリアの頭側のベッドサイドに手を付き、身体を下げる。
自然セトリアの目前にマナの股間が降りて来る。
彼女の髪よりやや濃い色の茂み、その狭間の秘裂に舌を挿し入れる。
「ふ…ふ、ふん」
マナは軽く目を閉じ、セトリアの舌を味わう。
「ん…んちゅ…」
セトリアは貪る様にマナの中を味わう。
口の廻りの滑りが増え、舌に潮の香りを感じ、それを啜る。
やがてマナの腰がすこし引かれ、セトリアの口が突起を捕らえる。
れろれろと舌でその突起に廻りを舐め上げるとそれはみるみる硬く大きくなっていった。
つるんとした先をちゅんと吸いこみ、唇でそのうしろの柔らかい部分を甘噛み。
口の中の先端を舌でれろれろと嬲る。

「ふ…ふん…ん…」
マナの片手がゆっくりと上がり、自らの乳房を掴む。
人指し指で胸の先端をセトリアの舌の動きに合わす様に嬲る。

めきめき

めきめきとセトリアの口の中の突起が大きく突出して行く。
小指の頭程だったモノが指2本ほどの太さと長さになり、やがて3本、四本と太さと
長さが増して行く

68:ヒコカッツェの夜はふけて(6/7)
07/12/04 00:16:24 VJFUlVY1
「ふん…ん…ん…」
セトリアもいつしか片手を乳房に、片手の股間に持っていって自らを昂らせている。
じゅぷっじゅぷっ
マナが腰を振り、今や成人男性の男根程になった陰核がセトリアの喉内を犯していく。
「…ねぇ…このまま出しちゃっていい?」
「ふ…んんん…」
口に含んだまま頭をふる
腰がずっと引かれ、ずぷんと一物が口から飛び出ると、ぷるんと跳ねてマナの下腹を打つ。
ふぁっと小さな声を出し、セトリアは口に居たモノを追うが届かない。
「そう…じゃどうしたらいい?」
「あ、…わたしの…に」
「なーに?どこにどうするの?」
「わたしの…中に……」
「中って?もっとちゃんと言わないと分らないよ?」
「わたしの…お…おま…んこの中に…マナのおちんちんを…下さい…」
「はい、よくできました、じゃぁー御褒美ね」
ニィとマナが笑う。
くりっとした目の彼女がにぃと笑うと昔話の笑う猫の様だ。
その顔がすうっと降りてきて優しく口づけする、そしてその直後
セトリアは身体を貫かれた。

そのまま二回貫かれたまま達し、そのあと後ろから一回貫かれて達した。

月に2度マナは狂う(いや普段もまともとは言い難いが)。
満月の日になると欲情(いや普段も貞淑とは言い難いが)するのだ。
そして股間に男根が生える。

血なのだと言う、昔の祖先に何かの血が混じっているのだと。
世の中には妖人(あやかしびと)と言う人がいる。
血に魔獸のそれが混じっていると言われているが…詳しくは知られていない。
『ようするにそれなのよ』と彼女は言うのだがー
『絶対それと違うと思う』とセトリアは思っている。

ともあれふとした事でマナの秘密を知ってしまったセトリアは、その日の内に
マナに手込めにされて…

現在に至るのである。

三度達したあと座位でお互いを貪り、最期にお互い口で奉仕し合った後になって
やっとマナの怒張は姿を消した。
へとへとになった二人は裸のまま抱き合って眠った。

69:ヒコカッツェの夜はふけて(7/7)
07/12/04 00:17:27 VJFUlVY1
そして

>>現在は聖導教会の建物の一部がその城壁を利用して建てられており、地域の人々の
>>新たな信仰の場所として毎朝人々がやって来ます。
>>ここの城壁には最近聖獣の壁画が描かれてました、教会の宣伝to見栄ためdeth。
>>そreがこの前見ん事にぶつぶされざまぁあみ

「先輩!」
「ん」
「文章が」
「え?あ。」
朦朧とした頭を振るとセトリアはタブレットを滑らし、文字を消去する。
頭が重い、ガンガンする。
「先輩、生姜湯です」
「あ、有難う」
一口啜る、身体が暖まる
「あの、わたしが代わったほうが良くないですか?言って下されば書きますよ?」
見兼ねたフェイリムが声をかける
「うん…でもやっぱり自分で書かないと文章浮かばないし…有難う」
「でも…お二人ともなんで急に風邪をひいたんです?」
そりゃぁ…

「ねー卵酒まだー」
「はーい、ただいまー」
ベッドのマナにメルチェがあやしげな臭いのするマグを持って行く。
通りすがりざまにチラリとセトリアの方を見た。
『どうせ裸で寝てたんでしょう』そう言ってる様にもみえた。
『ああ、あの子にはバレてんだろうなぁ』
増々憂鬱になる、昨晩のアレですっかり忘れていたが原稿のしめきりは今日だったのだ。
鼻がずるずるし頭も痛い見事に寝冷えである。
「セティー、あんたも飲むー?卵酒」
「いらないわよ!原稿あげなきゃいけないのに!」
「そうかー大変だねー」

「ったく、誰の所為でこんな苦労してると思ってるのよ!」

~英雄伝~外伝の外伝

Four Minstrel Girls #2

新ジャンル
「狼男ならぬ娘男」
と思ったけどこれだと男娘じゃん!

70:名無しさん@ピンキー
07/12/04 06:22:40 VdaH5I0g
なんちゃって異世界モノの何がいいかっていうとこーゆーシチュが
普通に世界観的にアリっつーとこだな。ビバ不思議設定!!

でも『ヒコカッツェ~』の何が一番キタかっていうと自動書記による脳内吐露。
ヤバイ。その発想はなかった。ほとんど言葉になってないトコもアレだけど
それを本人に突きつけるとかマナ鬼畜。マジマナ鬼畜。

他のメンバーの性格もしくは性癖はどうなのかな?
イイひとがいるのかな?それともマナにつまみ食いされてるのかな?かな?

71:名無しさん@ピンキー
07/12/05 17:30:10 C+sBq4jH
男 「このアホったれがぁぁぁ!!」
女 「え!?(アホったれ!?)」
男 「女ァァ、貴様なんだその恰好はァァァ!!」

スカート+ハーフパンツ

女 「なんだって……普通じゃない?」
男 「黙れこのゆとり女!貴様XX染色体の持ち主として恥ずかしくないのか!!」
女 「……いやそりゃ見栄えはよくないけどさー。寒いんだよスカートって。男にはわかんないだろーけど」
男 「だからってなんでハーフパンツなんだこの雌豚!!」
女 「(雌豚…orz)だ、だって他に穿くものないし……」
男 「 ス パ ッ ツ だ ! ! 」
女 「スパッツ……?」
男 「応とも!あれこそブルマに代わる日本女子の魂!ハーフパンツなんざ死ね!!」

??「待てぇぇぇい!!」

男 「何奴!?」
男友「お前は何もわかっていない……ブルマこそ至高!ブルマに代わるモノなど存在しない!!」
男 「時代が変わったんだ!もうブルマを求めるな!」
男友「うるさぁい!ゆとり教育だって見直されているんだ、ブルマだって…旧スクだって…」
男 「男友……お前は、そこまで……」

女 「寒いよぅ」
女友「カイロ貸す?」
女 「サンキュ。はあ、女子の制服もスラックスにならないかなー」


男・友「 断 固 反 対 ! ! ! ! 」


新ジャンル「ブルマVSスパッツ」

72:名無しさん@ピンキー
07/12/05 17:45:49 C+sBq4jH
男 「ところでさー」
男友「うん?」
男 「スパッツの上からスカート穿くだろ」
男友「俺はブルマ派だと何回言えば」
男 「まあそこは今回置いておこうや。穿くだろ。
   したら、スカートの裾からちょっとスパッツが見えるだろ」
男友「見えるな」
男 「何かに似てると思わないか」
男友「何かって?」
男 「オーバーニーとミニスカの合わせ技、絶対領域だよ……!!」
男友「………!!」
男 「僅かにふとももが見えるあちらに対し、
   こっちは僅かにスパッツが見えるという差異はあるが……
   どちらもチラリズムということに変わりはない!!
   いやむしろこれこそスパッツの真骨頂!!スパッツのみも捨てがたいが
   この絶対領域こそ、いや裏・絶対領域こそスパッツの真の魅力なのではあるまいか!」
男友「な、なるほど……」
男 「たとえばだぼだぼのtシャツ+スパッツ」
男友「ぐはっ!?あ、頭なでなでしてぇ!わはー!!」
男 「あーあ。女子の体育、スパッツになんねぇかなー」
男友「いやブルマだな。ここは譲れねぇ」
男 「まだ言うかてめぇ!!」
男友「ぶるまぁぁぁ!旧すくぅぅぅぅ!!」


新ジャンル「ブルマVSスパッツ」

73:名無しさん@ピンキー
07/12/05 20:05:39 Poweiu+a
謎「スラックス少女……ハァハァ」
男・友「!!??」


新ジャンル「第三勢力」

74:名無しさん@ピンキー
07/12/05 21:12:26 va0qNXJx
爺「みとめんぞぉぉおおお!スパッツなぞ!チラリズムだぁ?莫迦奴!
それなら体操服のすそから見えるブルマのにかなう物かぁ!」
メイド1「落ち着きください、大旦那様」
メイド2「大旦那様、お茶でございます」
爺「お、すまんな…遺憾儂としたことが年がいもなく興奮するなぞ…ん?」
メイド1「どうかなさりましたか?」
爺「貴様!その下に何を履いておるかぁ!」
メイド2「え”!わたしですか!?」
爺「貴様だ!そのスカートの下は何だと聞いておる!」
メイド2「あ、あの今日はハーフパンツを…」
爺「莫迦モォォォォォォオオン!メイドの猿股はドロワースと決まっておるだろうがぁああ!」
メイド2「ひぇええええ!お、お許しを!」
爺「ならぬ!貴様はクビだぁあ!」
メイド2「そ、そんなぁ」
メイド1「お待ち下さい!それならばわたしも同じ咎を!」
爺「ぬ、貴様は何を」
メイド1「ブ、ブルマを履いておりますう!この通り!」
バサァアア
爺「ぬ…!」
メイド1「如何です大旦那さま、わたし今日をもって暇を出されますか!」
爺「………………タラァ(鼻血)よい、許す」

新ジャンル「参戦しようとして失敗」

75:名無しさん@ピンキー
07/12/05 21:55:23 c0569w7v
男「ふざけんな糞爺ィィィ!メイドはべらせやがって何様のつもりだぁぁぁ!!」
爺「カッカッカ!!小僧風情が何かぴぃぴぃ鳴いておるわ!!」
男「泣いてないもんね!!必殺!女召喚!!」
女「……え?何?」
爺「な、なんと!現役女子高生じゃと!?」
男「これがアンタの馬鹿にした小僧の力だぜ!行け女!
  体操服の上からうっすら見えるブラ!」
爺「ごふぅッ!?や、やりおるわ小僧、だが!次はわしのターン!
  メイド召喚!チリンチリーン」
メ「お呼びでございますか大旦那さま」
男「がはッ!?お、俺も旦那様って呼ばれてぇ…!!」
爺「カッカッカ、どうじゃ?イギリスでは普通に職業として成り立っておるのじゃよ!」
男「だが……!まだ足りねぇなぁ……!!」
爺「なんと!?」
男「あいにく俺はまだ『大』旦那さまって歳じゃねぇんでな……!まだまだだぜ、爺ィ!」
爺「く、くく……久方ぶりにこの蒼き血が滾っておるわ、小僧!!」
男「うぉぉぉぉおおおお!!」
爺「かぁぁぁあああああ!!」

バキッ!ドガガッ!!ズガァァァァァン!

女「…あ、紅茶美味しーい」
メ「スコーンもございますよ?」


新ジャンル「メイドVS女子高生」

76:名無しさん@ピンキー
07/12/05 22:21:59 va0qNXJx
爺「ふ、ふうふふふふうふふう中々やるな小僧!」
男「爺ィも年の割にはやるじゃねぇか」
ふう、ふう、ふう、ふ、ふふふふふふふふううははははははっはっはははは!
爺「愉快じゃわい此れ程までに昂ることなどここ数十年なかったわい」
男「ははははっ俺も爺ィのことちょと見直してもいいかなーとかはははは」
爺「思えば女子高生もメイドも女子(おなご)を愛でると言う事では思いは同じ、」
男「優劣をつけるなぞ無駄ッ無駄ッ無駄ッ無駄ッ無駄ッ!」
爺「うむ、小僧!」
男「爺ぃ!」
ガシッ

~ここに世代を越えた友情がうまれる~

男「じゃぁちょっくらお茶とか御馳走になろうかなーとか」
爺「うむ、あやつの入れるお茶は格別じゃぞ」

メイド「あん!あんん!、ご、旦那様の太いのがぁ、あんあん」
女「あ、おじさまぁ!ああ、ダ、だめぇええ!ソ、そこダメェエエエ!」

爺&男「って誰か性的な意味で御馳走になってるー!」

親父「はははははは、バカオロカな親父様&我が息子よ、先に頂いているぞ!」
男「アホ親父!」
爺「莫迦息子!」
親父「はははは、ここをドコだと思っているのかねエロパロ板なのだよ、性的にならんで
どするのかねはははは」

新ジャンル「エロバカ一家」





77:名無しさん@ピンキー
07/12/06 01:02:23 MSHVg1/z
>>71-76
お前らW

78:名無しさん@ピンキー
07/12/06 12:37:44 74iR+NW4
>>70
感謝感激
あれですこの四人の基本キャラは奈良の4人と同じです(w
まぁ世界や関係が違うのでこれから変わってくると思いますが。
>>76
ごめん流れ切っちゃった....orz

79:名無しさん@ピンキー
07/12/06 17:03:05 CRrHirm6
俺さ……実はもっとヒロイン増やしたかったんだ……

80:名無しさん@ピンキー
07/12/06 17:19:57 e+5ckgbg

「…………暇ダ。」
モンヒエイザ中央に聳え立つ時計塔、街のシンボルでもあるこの塔の最上階に
大の字になり寝転がっている少年、レイジュ・ランディスがそこに居た。
(生まれてこの方千五百年位ダケド、ここまで暇だった事はネェ…)
リビングデット、グール、俗に言う不死者と呼ばれる存在達の頂点
不死者王(ノーライフキング)と恐れられ、神話では死神と呼ばれた
魔獣「リッチ・ザ・デス」の血を引く為、途方も無い時を生きたレイジュに
とっては戦争の無い世界と言うのは喜ばしい事でもあり同時に戦火の中で
生き続けた彼にとってはかつて無いほどに暇な事であった。
(教団からの任務は来ナイシ、ヒコカッツェ教会壊した勇者は見付からナイシ、
 随分と無い事ずくしダナ。今の俺…………)
と自己嫌悪に落ちていたその時

何処かで何かが落ちた轟音が聞こえた
常人には聞こえない程遠く離れた場所で起きた音を聞いたときレイジュは
新手の異教徒共のテロかと思ったがその考えは打ち消された
「『なんだお前はっ!?』だとっ!?そんなありきたりな台詞はくちんぴらに
名乗る名などないってんだい!
 あたしの名はリオル!ストラート火山が元・主、灼炎龍リオレイアたぁ
あたしのことでぇぇいっ!!」
それを遥か遠方から見ていたレイジュは一言
「寒ッ!!」

81:名無しさん@ピンキー
07/12/06 17:30:32 74iR+NW4
>>80
ええ?
えーと…レイジュがハァチマンに来る前の話し…じゃないな…
ええとね、「出会わない」のはヒロトと達と、って事で…
レイジュVSスリムとかレイジュVSグリッティーは一応有るんですが…






82:名無しさん@ピンキー
07/12/06 18:20:15 e+5ckgbg
まさかこのご時勢に時代劇の様な自己紹介をする年頃の少女が居るとは
思わなかったレイジュの思考は凍結した。
(何だあの娘ハ、いやそもそもアレは人なのか。今時『たぁ』やら
 『てやんでい』やら使う奴が居ルカ普通、そりゃ千年前なら山ほど居たよ
 『サムライ』とか『シノビ』が山程いた時代ダモノ。けど今はどっかの
 馬鹿野朗が「サムライは物語の中の生物です」とか言う迷言残した位ダゾ
 何処の時代錯誤者ダ、ヴォケェェェェェェェェェェェ!!!

 ハァハァ落ち着け俺、こんな時素数を数えれば良いって法皇陛下が言ってた
 カラナ、良し………………素数ってドンナンダッケ?………………………
 あんの糞爺ィィィィィィィィィィ!!素数分からん奴に素数数えろナンザ
 無理に決まってるだろうがァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!)
 全く関係の無い脳内会議(ちょ)を開いている間にリオルは男達を懲らしめ
 いき男達に囲まれていた別の少女が惨劇を引き起こしたのを知るのは
 暫く後の事……


 英雄伝 外伝
新ジャンル「暴走少年A」

83:名無しさん@ピンキー
07/12/06 18:25:50 74iR+NW4
>>80
>>82
ゴメン、死んでくるorz

84:名無しさん@ピンキー
07/12/06 18:31:31 e+5ckgbg
>>81目撃>面倒だから見なかった事に>そのまま何処かに行って華麗にすれ違い>終了 みたいな感じで繋げてみようかなと思いまして…誠に申し訳ございませんでした。

85:名無しさん@ピンキー
07/12/06 18:46:46 w2DK214S
>ヒコカッツェ教会壊した勇者は見付からナイシ
これを修正すればなんとかなるんじゃないかな

レイジュvs賢者一行
↓翌日
リューvsローラ
↓数日後
BASTARD

時間経過はこんな感じだから
レイジュが賢者との戦闘後最速で移動すればなんとか

86:名無しさん@ピンキー
07/12/06 19:12:03 CRrHirm6
>>85
いや、なんとか、じゃないっス。余裕っス

レイジュvs賢者一行
↓翌日
リューvsローラ
↓翌日
ククデレ
↓数日後
いつかのさんにん
↓数日後
渇きの国滞在(数日)
↓翌日(数日?)
真夜中のリューさんロラさん
↓数日後
&BASTARD

つまり時間経過的には結構間があるんですね
地味な移動時間ははしょってますから
むしろ修正してほしいかなって所は『サムライは~』だったり。
主な物語の舞台となる地方では上級兵士は『騎士』ですが
ヒイヅルでは『侍』になるんじゃないかなぁ、と思ってみたりみなかったり。

最後のくだりは&BASTARDのラストで蜘蛛子を見てたのがレイジュってことでおk?

87:名無しさん@ピンキー
07/12/06 19:38:18 74iR+NW4
>>85
>>ヒコカッツェ教会壊した勇者は見付からナイシ
>これを修正すればなんとかなるんじゃないかな

ソレダ!

『対決したけどソレと気がつかなかった』とすれば!
ああでもグリッティーは勇者じゃな…ああだから勘違いしてたと!
これでおK!

>時間経過はこんな感じだから
>レイジュが賢者との戦闘後最速で移動すればなんとか

モンヒエイザは今賢者とレイジュが居る所の背後だからおK!

地理的には

    ヒコカッツェ
    ↓
  山←(渡ると)橋→わたらない
>ヒコカッツェ教会壊した勇者は見付からナイシ
これを修正すればなんとかなるんじゃないかな

レイジュvs賢者一行
↓翌日
リューvsローラ
↓数日後
BASTARD

時間経過はこんな感じだから
レイジュが賢者との戦闘後最速で移動すればなんとか


 場所は

ヒコカッツェ→橋→→→→(渡るとモンヒエイザに至る )→l乾きの国?→モン(rya
         ↓ ↑
         谷 (のぼるとモン方面ヒエイザ)
         ↓            ↑
リューVSローラの街→湖を渡る→ハァチマン→山

って感じです


88:名無しさん@ピンキー
07/12/06 19:48:42 CRrHirm6
おおー……な、なんか地図が!地図ができてるよ!?
いいなこーゆーの!いいな!

89:名無しさん@ピンキー
07/12/06 20:23:43 MSHVg1/z
>>87
地名については突っ込んだら負けなんか(笑)


90:名無しさん@ピンキー
07/12/06 23:36:33 CRrHirm6
女?「うおぉぉぉぉぉぉおぉ!!」

男 「女。朝っぱらから何を叫んでいるんだ」
女 「おはよぉぉぉぉあぉあぉあぁおぁああああ!!男!!誰だそいつはぁぁぁ!!」
男 「ナニッ!?女が二人?」

女?「ふはははははは!!よく気が付いたなぁぁぁあああ!!
   私は『素直シャウト』ォォ!!そこの女の首を取るために使わされた
   四天王が一人さぁぁぁぁあああ!!!!」

男 「新ジャンルとは内容がかぶってるものが多くある……ライバルを消すために
   今、バカヒートの元へ素直シャウトが送り込まれてきたのか……」
女 「な、なんだってぇぇぇぇぇえええ!!?」

女?「ハーッハッハッハ!驚くほど察しのいい男だな男よォォォォォオオ!!
   しかぁぁぁぁし!生きのこるのは私だぁぁぁぁあああ!!」

女 「なま……茸るだとォォォォ!?上等だ!!毒きのこと食べられるきのこを見分けるのは得意だ!!」

女?「違ぁぁぁぁぁぁぁぁうこのバカがぁぁ!!ハッ!しまった!!キャラを認めてしまったぁぁぁぁぁ!!」

男 「これは自らの『キャラの濃さ』を競う新ジャンルの戦い……
   相手のキャラを認めてしまった方が負けだというのか……!!」

女?「うぅ!!嫌だぁぁぁぁ!!消えるのは嫌なんだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

男 「安心しろ、素直シャウト」

女?「……?」

男 「よく見ろ。お前の台詞、前後に行間が開いてるだろ?」
女 「………ほんとだ。男!これは……」
男 「お前のシャウトが読みにくいから開けなくちゃならなかったのさ。
   つまり、お前は立派にキャラを立てていたってことだ!」

女?「う、う、うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」


(こうして、最初の刺客、素直シャウトは去っていった。だが負けるな女&男。
 彼女は四天王最弱の女。戦いの火蓋は切って落とされたばかりなのだ!!)


新ジャンル「バカヒート☆入分(いれぶん)」

91:名無しさん@ピンキー
07/12/06 23:55:19 CRrHirm6
男 「しかし類似ジャンルでサバイバルか……とんでもない戦いになるだろうな」wkwkwkwk
女 「おぉぉ!!男がwkwkしているぅぅ!やったぁぁぁ!!」

女?「……」ジー

男 「よし女、激しい戦いに備えて特訓だ!まずはこのヒヨコ12ダースを全て鶏とアヒルに分けろ!」
女 「応!えーと、鶏!鶏!鶏!コイツは…鶏!鶏!鶏!饅頭!鶏!鶏!」

女?「………」ジー

女 「鶏!鶏!鶏!鶏!鶏!鶏!鶏!鶏!鶏!はぁはぁ……なんて厳しい特訓なんだ…鶏!鶏!鶏!」
男 「弱音を吐くな!それだからお前はまだ一人で風呂にも入れないんだ!もう16歳だろ!!」
女 「あぁっ!すまん男!こんなわたしをもっとぶってくれ!鶏!鶏!鶏!鶏!」
男 「ふっふっふ、気持ちイイんじゃ罰にはならないだろ……?」
女 「ご、ゴムたいな……鶏!鶏!雷おこし!鶏!饅頭!鶏!鶏!鶏!」

女?「……う、うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!」ダダダダダー

女 「ところで、さっきから見てたあの娘はなんだったんだ?鶏!鶏!鶏!」
男 「さぁ?」


(こうして、二番目の刺客、内気ヒートは敗れた。だが油断するな女&男。
 彼女は四天王最内気の女。戦いの幕はまだ終わらないのだ!!)

新ジャンル「バカヒート☆取武(とれるぶ)」


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