キモ姉&キモウト小説を書こう!Part7at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part7 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/11/29 05:29:40 74u0AYNO
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません

3:名無しさん@ピンキー
07/11/29 05:30:57 74u0AYNO
■誘導用スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 43も古参も
スレリンク(eroparo板)
ヤンデレの小説を書こう!Part11
スレリンク(eroparo板)
いもうと大好きスレッド! Part4
スレリンク(eroparo板)
お姉さん大好き PART5
スレリンク(eroparo板)

4:名無しさん@ピンキー
07/11/29 07:17:03 eOxneIo2
>>1

5:名無しさん@ピンキー
07/11/29 07:25:54 zGBQDspN
即死回避

6:名無しさん@ピンキー
07/11/29 07:29:56 NhpqDP9U
キモ母もよろしく

7:名無しさん@ピンキー
07/11/29 09:26:58 QL8A9loC
>>6
キモ姉、キモウト、キモ母、キモ娘とのWAKU☆DOKIライフと申したか。

8:名無しさん@ピンキー
07/11/29 11:45:40 xA8oG9jG
>>6>>7
ねーよw

9:名無しさん@ピンキー
07/11/29 14:54:10 PmiLZm4t
>>8
ないの?
実際問題日本ではムスコンなキモ母が多いのに。


10:名無しさん@ピンキー
07/11/29 17:24:17 g+HB/JQ1
現実世界でのキモ母の多さは異常。

11:名無しさん@ピンキー
07/11/29 18:19:50 G7Zn0/aK
実際のところ、近親関係全般を扱ってもいいよな。
今はここってあんまり混んでないし。

12:名無しさん@ピンキー
07/11/29 19:40:55 BUkW60tY
しかし途中からスレの守備範囲を勝手に変更するわけにも行くまい
キモ母が好きならそのスレを建てて、まず数作品の投稿も待って
それから合流に持ってくくらいの手順は踏まないと

13:名無しさん@ピンキー
07/11/29 19:47:13 HBstUfVY
キモウトと兄の間に生まれた息子ならいいんじゃないか?

14:名無しさん@ピンキー
07/11/29 20:00:31 74u0AYNO
付属品としてならアリだと思う。つかメインにするには需要少なすぎるだろ

15:名無しさん@ピンキー
07/11/29 21:39:15 rSmy/H47
江戸時代を舞台に、いくら邪魔されても執拗に弟を狙うキモ姉、というのはどうか?

民 ねえちゃん。

続編では弟を殺人者から守り通すんだな。

16:名無しさん@ピンキー
07/11/29 21:40:25 rSmy/H47
もちろんキモ姉の名前が、おたみさん。

17: ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:05:13 REMO1yqG
投下一番槍行きます

18:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:06:43 REMO1yqG
「ねぇ、修くん」
頭を撫でられていた理緒姉が急に真面目な顔で話した。
「まだ、お腹の傷…痛い?」
「まぁ、そうだね。ただ、もう謝るなよ」
「うん…あのね、傷を見せてほしいの」
…包帯外せって事か?「俺は包帯の巻き直しできないんだが…」
「理緒が巻き直してあげるから…お願い」
なんだか真剣な顔をしてるなぁ…
仕方ないな…
「よっ…と、つっ!あ、やべ、まだ血が…って理緒姉っ!?」
「んっ、ぺろ…」
理緒姉は俺の傷と俺の血をとても愛しそうに舐めている。
俺は痛みと、理緒姉の舌の感触と、唾液の温かさとを感じていた。
「理緒、姉…俺の血なんか、汚いだろ…?」「汚くなんかないよ。とても温かくて、修くんの命を感じる」
…正直かなり傷が痛いんだが。
その時コンコンとドアがノックされた。
こちらの返事も待たずにドアが開けられる。
「織部君、具合はど…」
………
長い沈黙。
「どうもお邪魔しました」
「ちょっ、ちょっと待てって!」
「理緒姉さんがいるから平気でしょう?」
「そういう問題じゃねぇ。羽居、何しに来たんだ?」
「お見舞いと、話を」
「見舞いはありがたいけど、話ってなんだ?」


19:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:08:34 REMO1yqG
「織部君の…いえ、織部という家に関しての事」
「家に関して…?」
織部の家ってそんなに特別な事有ったのか?
「理緒姉、なんか知ってる?」
「ううん…何も」
理緒姉も知らない事なのか。
「でもなんで羽居が理緒姉も知らない事を知ってるんだ?」
「随分前に私の家に手紙が届いたの。それに詳しく説明がされていた。差出人は、織部利織」
「としお?」
「織部君のお父さん。字は便利の利に、織部の織だった」
へぇ…俺の父さんの名前は利織って言うのか…
つーか字だけ見たら女みたいな名前…
待てよ?これって、音読みしたらりおだよな?
「お父さんの名前が理緒の名前の由来…」
理緒姉も驚いてる様子だった。
「由来はそれだけじゃない。織部君のお父さんの結婚する前の名前は、忍取利織。回文である事もその一つだった」
そうか…言われてみれば「おりべりお」は回文だ。
「おしとりとしお」も回文…
うちの家の人はシャレ好きなんだろうか?
「…」
ふと理緒姉を見ると、なんだか焦っているように見える。
「理緒姉、大丈夫?」
「えっ?な、何が?」
「なんか焦ってるっていうか動揺してるっていうか…」
「ん、大丈夫、なんでもないよ」

20:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:11:07 REMO1yqG
あまり大丈夫そうには見えないが、理緒姉がそう言うのなら平気なのだろう。
気になるのは、俺の名前は回文でもないし、季節の名前でもない事だ。
なぜ俺だけ修なんて普通の名前なんだ?
夢の中で父さんは名前の本当の意味がどうとか言ってたけど…
「それと」
突然の羽居の声が思考を遮る。
「とても言いにくい事が織部の家には存在する」
「言いにくい…事?」
理緒姉が母さんを…殺した事でさえあっさりと言い放った羽居ですら言いにくい事?
俺の家に何が有るっていうんだ?
「羽居、教えてくれないか?」
もしかしたら、何か有るかもしれない。
それに自分の家の事を知らないのは嫌だ。
「…聞いても、後悔しないで。織部の家は、他の家の人と交わらずにここまで受け継がれてきた血筋なの」
…他の家と交わらない?
じゃあどうやって血を絶やさずにいるんだ?「織部の家は、これまで近親相姦によって産まれた子供に家を継がせてきた」
近親相姦…?
つまり家族と性行為をして、そのうえ子供まで作ったのか?
「ちょっと待てよ。織部の家って何年有るんだ?」
「少なくとも百年は有ると書いてあったわ」
悪い冗談だろ…?


21:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:12:41 REMO1yqG
今の話が本当だとしたら、この家は狂ってる。
百年間もの間、家族と交わるなんて禁忌を犯し続けたなんて…
いや、俺に批判する事なんてできないか。
なにしろ俺だって理緒姉を犯してしまったのだから。
「私のお母さんは、それが嫌だった。だから、家に逆らって利織さんと結婚した」
そうか、そういえば母さんは自分の家の人以外と…
「でも、血から逃れる事はできなかった。母さんは織部君を求めた」
「それは…つまり、俺を性の対象として見てたって事か…?」
結局織部四季も織部の血には逆らえなかったって事か…
だが、まさか自分の息子を…
「もし織部君がお母さんと一緒だったなら、織部君は当たり前の様に母親と…」
「そんな言い方やめてくれ。例え話だとしても考えたくない」
自分が顔も覚えてない母親と交わる姿を想像して、吐き気がした。
「失言だったわ。ごめんなさい」
「いや、こっちも悪かった。聞いたのは俺だったんだから」
「話は変わるのだけど」
不意に羽居の雰囲気が変わった。
「織部君、ごめんね?」
「何を…」
そこまで喋って、脇腹に激痛。
呻き声をあげる間も無く頭をベッドに押し付けられる。


22:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:13:59 REMO1yqG
「動かないで」
その一言だけで動きが固まってしまう。
今、どういう状況なんだ?
視界が閉ざされ、全く何も分からない。
「やっ…来ないで…っ」
理緒姉?羽居は何をしてるんだ?
とにかく、止めさせなければ。
「羽居、止めろ!」
「理緒姉さん、あなたは…お母さんを殺した」
「ひっ…」
「あなたはどう考えているの?」
「許して…ごめんなさい…許して…」
「…もう、いいわ」
頭を抑えていた手が離れる。
ズキズキと脇腹が悲鳴をあげる。…また傷が開いたかなぁ…
「羽居…」
「ごめんね織部君。…あの、織部君」
「…なんだ?」
「二人だけで、話がしたいの」
これ以上何を話すっていうんだ?
「その…すごく私的な事だから…他の人に聞かれたくない…」
羽居がそんなこと言うのは珍しい。
普段はテストの点だろうが進路だろうが堂々と話しているのに。
まぁ、聞かれても全く問題の無い点を取っているからだろうけど。
「分かった。理緒姉、悪いけどちょっと席を外してくれないか?」
「え…でも…」
「頼む」
どう見ても不満そうな顔をしながらゆっくりと出ていく理緒姉。
「ありがとう…」
「感謝される事じゃない。理緒姉の為だ」

23:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:16:54 REMO1yqG
正直な所羽居と理緒姉をあまり一緒にしておきたくなかった。
これまでの事を考えると、仕方ない事であると思う。
「それでも、ありがとう」
「…で、話はなんなんだ?」
早めに、話を聞いておこう。
正直、脇腹の痛みが酷い。
少しずつ、血が流れている様だ。貧血気味の様で頭もあまり回らなくなりそうである。
「織部君…私は、私はどうすれば良いの?」
「…?」
「私は今までお母さんの復讐だけ考えてきた。でも、さっきの理緒姉さんを見たら…復讐する気なんて、無くなってしまった。あまりにも無様、あまりにも弱い…」
「それなら…」
「でも、私は復讐以外の目的が無い。復讐を忘れたらお母さんが消えちゃう…!」
こんな羽居は見た事が無かった。
こんなにも苦しそうで、消えてしまいそうな羽居は。
「復讐なんて、止めればいい」
「そんな…」
「復讐を忘れたとしても、母親は消えないんじゃないか?」
「どうして…どうしてそんなことが言えるの!」
「だって、羽居はそんなにも母親の事を思ってるじゃないか」
「…!」
「それなのに、なんで母親が消えるなんて言うんだよ。羽居が覚えている限り消えない。そうじゃないのか?」

24:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:19:42 REMO1yqG
「うっ…ああぁ…」
「だから、復讐なんて止めろ。織部四季もそんなこと望んじゃいない。俺はそう思う」
「…織部君、別人みたいだね」
今のセリフはかなりショックだぞ?
「普段の俺はどんなんなんだよ?」
「う~ん…なんかもやもやした霧みたいな…」
「俺は生物ですら無いのかよ…」
しかももやなのか霧なのかもはっきりしないのか…
ん?もやと霧の違いってなんだ?
そういえばあんまり良く知らないな。
っと、思考が脱線してた。
「話は、それだけか?」
「うん。織部君ありがとう、こんな私の話を聞いてくれて」
「今度はもっと違う羽居の話を聞いてみたいかな」
「…っ!本当に別人みたい…」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、なにも。じゃあ、またお見舞いにくるわ」
「あぁ、またな」
羽居を見送った後、俺はどさりとベッドに倒れる様に横になる。
段々と視界が暗くなっていく。
それと同時に、強烈な眠気が襲う。
「……ん!修……!」
誰かが、俺の名前を呼んでるのか?
うるさいな…俺は、眠いんだ…
今は、ゆっくりと寝させてくれ…


25: ◆/waMjRzWCc
07/11/29 23:21:35 REMO1yqG
投下終了します。
>>1の人乙です。
それと綾シリーズの人GJとお疲れ様でした。自分がここで書こうと思ったきっかけの一つでした。

26:名無しさん@ピンキー
07/11/30 02:10:27 0NZTlTgy
>>25
一番槍GJ!
何か複雑な血の事情がありそうな予感…?
続き期待しています
しかし理緒姉は強いのか弱いのかわからん人だ…

27:名無しさん@ピンキー
07/11/30 11:07:37 nHUt8nOy
それだけ不安定だということだろう

28:名無しさん@ピンキー
07/11/30 11:42:50 2AuZ0v4T
保管所消えた?

29:名無しさん@ピンキー
07/11/30 17:39:40 bjJ72t3J
前スレの461です。
前スレで投下した無口な姉の短編(続編)を投下します。

30:名無しさん@ピンキー
07/11/30 17:41:05 bjJ72t3J
僕の一つ年上の姉さんは感情の起伏が乏しい。
だけど、完全に無表情なのかと問われたら答えはノー。
判別は難しいが感情の起伏はあり、また必要ならば会話する。
初対面の人ならば良い印象を受けないかも知れないが、姉さん自身あまり気にしてないらしい。
何事にも興味を持たず、何事にも囚われない姉さんだが。
たった一つだけ普段の姉さんからは想像が出来ない程執着するものがある。
それは僕に関するあらゆる事。
僕と接する時間を邪魔する者は赦せないみたいで。例えそれが教師でも実の両親であっても何ら変わりはない。
僕はそんな姉さんが嫌いではない、どちらかと言えば好きな方だ。
今リビングのソファーに腰掛けながら、姉さんが煎れてきてくれた緑茶と特製甘菓子を堪能している。
「……おいしい?」
「かなり、おいしいよ」
黒くて長い髪の毛を左手で抑えながら、尋ねてくる姉さんに出来るだけ優しく微笑むと。それに答えるように僅かだが姉さんも微笑み返す。
元々姉さんは菓子作りはしなかったのだが、甘い物が好きな僕の為に覚えたらしく。
今日みたいな休日には姉さんが、振る舞ってくれるようになった。
ふと窓に目を向ける。
少し前まで緑に萌えていた木々は、少しずつ模様替えをし始め。
街並みが紅葉色に変わろうとしていた。
「そろそろ秋だね。」
窓から視線を外さずに聞くと、少し間を空けてから返事が返ってくる。
「そうね……。秋、好きなの?」
窓から目を逸らし、姉さんを見る。
窓から差し込む夕陽が姉さんの黒髪を照らし、素直に美しいと感じた。
憂愁の美という言葉が正にぴったりで、長年見ている筈なのに見とれてしまう。
「うん、好きかな。姉さんは?」
「……貴方と同じよ。」
相変わらずの無表情だが、どこか優しい雰囲気がした。
切れ目がちな目をゆっくり伏せると、まるで囁くように続ける。
「……貴方が私の傍に居てくれたら。それだけで私は全てを好きになれる」
僕に密着して座っていた姉さんは、瞳をゆっくり開けると。
細い指を伸ばして、僕の頬を優しく撫でる。
少し冷たい指が頬の熱気を冷ます感触。


31:名無しさん@ピンキー
07/11/30 17:42:50 bjJ72t3J
そして、少しの恥ずかしさ。
姉さんと過ごす時間は多種多様で前日のように読書をすることもあれば、姉さんに勉強を請う時もある。
姉さんは美貌、家事、勉強とあらゆる事が出来る人だが。その反対に僕は凡人。
唯一の長所は欠点がない事。
自己紹介の時に言ったら、それは長所じゃないだろ……と言われたのは記憶に新しい。
そっと横に居る姉さんを盗み見る。
腰辺りまである流れるような黒髪に、少し切れ目がちの黒い瞳。
お茶を呑む姿は一枚絵の如く美しい。
本当に姉弟なのか疑いたくなる。
以前姉さんに子供心から尋ねてみた事があったのだが。その時の姉さんは少し目を見開いた後、僕をそっと抱き締め言ってくれた。
「……貴方は正真正銘、私の弟。…でも例え弟じゃなくても貴方を心から愛しているわ」
それは僕自身を愛してくれているという事に他ならない。
その言葉はどんなに飾り立てた言葉よりも、僕の心を打った。
時計の秒を刻む音が部屋に響く。
時折お茶を呑む僕らの音がアクセントになるが。静かで優しい時間。
ピンポーンと来客を知らせるベルが鳴り響く。
休日に誰かが来るなんて珍しい。
「姉さん、開けてくるね」
「…………」
一緒に居る時間を邪魔されたからだろうか?
急に無言になった姉さんを一瞥すると玄関へ向かった。



「お兄ちゃ~~ん!!」
ドアを開けた僕に抱きついて来たのは、従姉妹の胡桃ちゃんだった。
短い髪をツインテールで纏めている彼女は、母の妹の一番下の娘で一目見たときから僕を気に入ったらしく。
良く懐いてくれている。
「遊びにきちゃった」
くりくりと大きな瞳を輝かせて、イタズラが成功したみたいに舌を出す。
「久しぶりだね、胡桃ちゃん」
僕の腰に手を回しながら抱きついて来た胡桃ちゃんの頭を撫でながら話すと、僕を見上げた胡桃ちゃんの頬が膨らんでいく。
「お兄ちゃん、最近遊んでくれないから。我慢できなくてきちゃった」
「そっか、ごめんな」
「だから、今日はたくさん遊んでね!!」
にっこりと太陽みたいに笑う胡桃ちゃん。
「……離れなさい。」
澄んだ声が玄関に響く。
後ろを振り返るとリビングで寛いでいた筈の姉さんが立っていた。


32:名無しさん@ピンキー
07/11/30 17:44:15 bjJ72t3J
瞬間、胡桃ちゃんの肩がびくりと震える。
「…聞こえなかったのかしら?もう一度言うわね」
先ほどより大きな声で響かせるように紡ぐ。
「離れなさい」
ゆっくりと僕から名残惜しそうに離れた胡桃ちゃんが姉さんと相対した。
「お久しぶり、お姉さん。」
僕からはその表情を伺い知ることは出来ないが。
空気が重たい。
どこか張り詰めた空気。
「…何か御用かしら?」
二人の会話から互いを制すかの様な棘が感じられる。
「お姉さんは休日なのにどこにも行かないのですか?」
「あら……子供は外で遊んできなさい。」
正に一触即発。
暗に胡桃ちゃんは姉さんに、貴女早くどこか行きなさい…と言い。
姉さんは姉さんで胡桃ちゃんに、子供は外で遊んでいなさいと言う。
冬だと言うのに背中が湿っている。
まずい…これは僕がなんとかしないと。
そう決意し、二人の間に割って入った。

33:名無しさん@ピンキー
07/11/30 17:48:34 bjJ72t3J
これで投下終了です。
修羅場の続きは読書様の想像力に委ねます。


超絶ブラコン妹の話は長編に向けて誠意執筆中です。
もう暫くお待ちを。
それではお目汚し失礼しました。

34:名無しさん@ピンキー
07/11/30 17:51:22 b1o3aNW/


>>萌えていた木々
ここで意味を一瞬取り間違えたから首吊ってきますね

35:名無しさん@ピンキー
07/11/30 19:46:09 gWJwX7Vf
>>33
こう言う系好きだー!!GJ!

36:名無しさん@ピンキー
07/11/30 23:15:03 /EuHViq1
ロリの嫉妬もいいなぁ
子どもという表現だけでロリかどうかわからないけど

37:名無しさん@ピンキー
07/12/01 06:29:42 k738A8FS


38:名無しさん@ピンキー
07/12/01 08:33:17 +wfgoqiT
「いいのよ、どんな女と付き合おうと。 最後にあの子の子供を産むのは私なんだから」

という電波を受信した。

39:名無しさん@ピンキー
07/12/01 16:12:45 29Tw1H4m
>>36
ロリの場合可愛い嫉妬だったらいいんだけど深い嫉妬だったら嫌だな。

40:名無しさん@ピンキー
07/12/01 22:00:33 KlSlZBpN
>>38
さあ早くその電波を形にするんだ

41:名無しさん@ピンキー
07/12/01 22:18:15 zniUjzXj
キモ母まだー?

42:名無しさん@ピンキー
07/12/02 07:11:12 KLOrdDgw
>>41だからスレチとry

だが新スレ建てると確実に批判ありそうだし荒れそうだしなぁ(多過ぎる派生とか荒らしのせいで新スレ建てるな的な空気になってるから)

まさに八方菜塞がり

43:名無しさん@ピンキー
07/12/02 07:33:16 RozLhvDs
キモ父を忘れちゃ困るな

44:名無しさん@ピンキー
07/12/02 08:13:54 5BgsnPBK
弱小スレだけど、娘スレの話が一切挙がらなかった事に泣いた。


45:名無しさん@ピンキー
07/12/02 08:51:15 +Bta+kSa
キモ母なら嫉妬スレのまとめサイトにあったなぁ・・・義母だけど
キモ母を望むならここじゃなく
嫉妬スレやヤンデレスレに依頼してみたら?

46:名無しさん@ピンキー
07/12/02 16:13:15 oRlKQH3p
ここに書いていいの?>キモ母

47:名無しさん@ピンキー
07/12/02 16:22:29 FEBex1Kd
いらん
勘違いするなよ

48:名無しさん@ピンキー
07/12/02 18:01:47 9uhrvGST
キモ姉妹VSキモ母ならスレ違いじゃないよな

49:名無しさん@ピンキー
07/12/02 22:17:22 Kdza6yhD
姉 妹 母 のジェットストリームなら楽しみなんだ

50:名無しさん@ピンキー
07/12/02 23:33:59 9mIV7gm7
>>46
オプションとしてなら可じゃね?
ただ、それ自体がメインになっちゃうとアウトかもね。

51:名無しさん@ピンキー
07/12/03 03:15:56 xIrHSG4h
オプションならここでもおk(もちろん事前注意ありで)。メインならヤンデレ辺りが望ましい。

こういう事?

52:名無しさん@ピンキー
07/12/03 05:04:31 QCHq05dg
嫉妬スレでもおkだぜ
というか嫉妬スレの母物の続きを早く書いて欲しいと思う俺がいる

53:名無しさん@ピンキー
07/12/03 10:10:03 hfkx87sn
嫉妬スレ、ヤンデレスレ、依存スレあたりなら男と女性の間柄を
限定してないんだからスレチではないだろう。
ただし逆に言えばそれらは近親専用スレではないので
母子ものである点は最初に注意書きが必要かと

ここタイトルで「キモ姉」「キモウト」をうたってるんだから
それ以外のものがメインのSSはキモ母だろうがキモ父だろうが
キモ娘だろうがキモ息子だろうがキモ犬だろうがスレチ

54:名無しさん@ピンキー
07/12/03 10:44:27 LloK2nYt
キモネェ、キモウト、キモ母でタッグを組んで男を拉致監禁とか
結構ありがちかな?

55:名無しさん@ピンキー
07/12/03 11:58:46 2uGt+V54
てか、他に姉スレや妹スレがあるのに
このスレは超マニア向けのような気もしなくはない

56:名無しさん@ピンキー
07/12/03 12:08:55 qji9PFlj
お前は今まで、我らの趣味がメインストリームだと思っていたのか?w

57:名無しさん@ピンキー
07/12/03 12:13:12 mzHq4Phu
 姉-弟  妹
  |
  娘

姉→弟←娘 妹

姉→←娘 弟 妹

弟妹  棺桶×2 

弟-妹

HAPPY END ?

58:名無しさん@ピンキー
07/12/03 17:17:59 xIrHSG4h
>>57なるほど。両想いの弟と妹が結ばれるために、邪魔なキモ姉を排除しようとしたんですな。
そしてとりあえず姉とやって、キモ娘作って相打ちにさせてHAPPY ENDと。

だが長年キモ家族の脅威を見てきた俺としては、棺桶の中の二人が子供を宿していそうな気が・・・

まさか・・・な?

59:【愛憎一重(1)】
07/12/04 00:22:47 wzPyzBZb
 兄様に届いたかしら。
 届かない筈がないわ。私の送った懸想文。
 兄様はお出で下さるかしら。
 お出でにならない筈がないわ。
 ここは、兄様と私が生まれ育った家。
 家でもあった御社、それがかつて建っていた場所。
 私が焼き払ってしまったけど。
 鎮守の杜もろとも。御神体もろとも。父と母もろとも。
 だから、この場所を選んだのよ。兄様が必ず来てくださるように。


「―幾夜(いくや)さんね」
 呼びかけられて、私は振り向く。
 誰?
 白い千早に緋袴―凛とした巫女装束姿。
 私も同じものを纏っていたけど―私のそれは、瘴気に穢れている。
「和陽(かずひ)さんは来ないわ」
「なぜ?」
 私は見知らぬ巫女に問い返す。
 なぜ兄様は来ないの?
 なぜ、あなたが兄様を和陽さんなどと馴れ馴れしく呼ぶの?
 なぜ兄様と私の暮らした思い出の家に、それがあった場所に、あなたが土足で踏み入るの?
「これ以上、和陽さんを苦しめるわけにいかない。あなたは―私が滅する!」
 愚か者。
 術を繰り出そうとした巫女の眼前に、私は「瘴壁」を生み出す。
 生垣のように聳える瘴気の荊(いばら)だ。
 そこに幼い兄弟が、四肢を絡めとられ磔にされて泣き叫んでいる。
 そう―巫女の眼には映った筈だ。
 彼女は表情を引き攣らせ、攻撃を逡巡する。それが隙になった。
 瘴気の荊がうねるように伸びて巫女自身を襲い、装束もろとも腕や脚や胴を引き裂いた。甲高い悲鳴。
 幼い兄妹も四肢を引きちぎられたかに見えたが、彼らは血や肉片を残さず消滅した。
 魂の残滓に過ぎなかったから。
 哀れな兄弟は、とうに私が喰らっていたのだ。


 血まみれのボロ布のようになった巫女は、しかし私の足元で、まだ生きていた。
 蹴り転がして、仰向けにする。
 奇跡的に顔は無傷に近かった。綺麗な人だと思う。

60:【愛憎一重(2)】
07/12/04 00:25:08 wzPyzBZb
「もう一度訊くわ。兄様はなぜ来ないの?」
 私は訊ねた。
「……ぉぁ……」
 喉を切り裂かれた巫女は、話すことができないようだ。
 眼に涙を滲ませ、ひゅーひゅー喉笛から空気を漏らしながら、口をぱくぱくさせている。
「もしかして、兄様は私の手紙を読んでないの? あなたが手紙を横取りしたの?」
「……ぃ……ぁ……」
「答えて。頷くとか首を振るとかできるでしょう?」
 私は腰をかがめ、巫女の身体に手を伸ばす。
 正直な答えを引き出す方法はいくらでもある。例えば、傷口を指で抉るとか。
「―幾夜!」
 声に、私は動きを止める。
 ヒトであることをやめたときから凍りついていた私の心に、じわりと熱いものが甦る。
「……兄様」
 私は振り返り、にっこりと微笑んだ。
 最愛の人、私の兄様。凛々しい狩衣姿。
 いくらか背が伸びたかしら。十八でまだ成長期なんて羨ましい。
 少し痩せたかしら。美味しいものを食べていないのかも。
 幾夜が一緒にいられたら、兄様のために毎日お料理してあげられたのに。
 でも兄様は、ちゃんと手紙を読んでくださったのね。
 愚かな女が兄様を出し抜こうとしたけど、無駄骨だったということね。さすが私の兄様。
 その兄様の視線が、私の足元に向いた。
「……紗奈……」
 沈痛な表情でつぶやく。
 それが、この女の名前? 許せない。
 私の憎悪が瘴気となって女を呑み込む。

 ―ぼむっ!

 私の足元で、風船が弾けた。ゴムの代わりに人の肉と皮が飛び散った。
 兄様が眼を剥く。
「紗奈……!」
 そして、再び私を見て絶叫する。
「幾夜ッ……おまえはァァァァァッ!」
「ああ、兄様!」
 私は歌うように歓びの声を上げる。
 いま兄様は、私しか見ていない。
 誰とも知らない巫女とか、ほかの女たちに眼もくれていない。

61:【愛憎一重(3)】
07/12/04 00:26:34 wzPyzBZb
「何故なんだァァァァァッッ!」
 兄様の悲痛な叫び。
 簡単なことです、兄様。
 私が魔性のモノに堕ちたのは。
 兄様が私を見てくださらなかったから。私だけを見てくださらなかったから。
 だから魂を売り渡したんです。
 効果は覿面。
 もはや兄様の眼には私しか映っていない。
 たとえ、その心の中にあるのが私への憎しみだけだとしても。
 兄様が私以外の誰かのことを考えるなんて嫌。
 さあ、あとは兄様。
 私が兄様の手にかかって散るか、兄様が私の腕の中で果てるか。
 これから私たちの時間。二人きりの時間。
 月だけが兄様と私を見守っているわ。

【終わり】

62:wzPyzBZb
07/12/04 00:30:22 wzPyzBZb
いきなり投下してすまんです
小ネタみたいなものなんで勘弁

63:名無しさん@ピンキー
07/12/04 01:21:55 UPkToNW0
これは、なかなかのキモさですね

64:名無しさん@ピンキー
07/12/04 04:14:44 FEfDChG1
>>62
これは、良いねぇ

65:名無しさん@ピンキー
07/12/04 15:32:39 nfFABrQm
これはいいものだ

66:名無しさん@ピンキー
07/12/04 23:42:02 tOxn+5ln
このスレでいくないキモ姉キモウトはいない…

67:名無しさん@ピンキー
07/12/05 03:04:18 ZOXe+YXY


68:横じま ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:28:27 P3rFcuNq
お初です
投下します


69:荒野、一人で ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:29:39 P3rFcuNq
 屋上のドアを開けると、オレンジ色の光が視界を覆った。サッカー部か野球部
か、歓声のような声も遠くで聞こえる。
 私は光を手でさえぎると、周囲を見回した。夕焼けで、屋上が焼けるように染
まっている。私の影も、なにか違う生き物のように長く伸びていた。
 秋という季節が好きだった。寒くなり、制服のスカートには堪えるが、暑さに
比べればよっぽどましだと思っていた。寒さは重ね着でなんとでもなるが、暑さ
はどうにもならない。そしてこの夕焼けだ。夕焼けは、この季節が一番輝いてい
る。それに、真仁(しんじん)の好きな季節でもあった。
 ちょっとだけ風が吹いた。スカートを軽く押さえると、私は後ろ手にドアを閉
めた。
 焼けた屋上の奥に、川崎がいた。手すりにもたれ掛かり、両手をポケットに入
れている。
 眼が合った。こちらには気付いているが、寄ってこようとはしなかった。来い、
ということなのだろう。かすかな苛立ちを感じながら、私は近寄っていった。
「遅かったな」
 まるで自分が呼び出されたかのように、川崎が言った。
「話って、なにかな」
「こんなとこに放課後呼び出されるんだ。検討はついてんだろ、真央」
 芝居がかった言い方をすると、川崎は反動をつけ、手すりから上体を起した。
 どこか勘違いした男なのだろう。クラスや部活での人気と、男としての善し悪
しを取り違えている。バスケ部のエースかどうかは知らないが、夢見がちなお調
子者に、私はなんの興味も抱けないでいた。ほぼ初対面なのに、いきなり名前で
呼ぶのも癇に障った。
「付き合って欲しいんだよ」
「ごめんなさい」
 頭を下げると、私はすぐに踵を返した。けっこうカッコいい、という評判の顔
を、一秒でも見ていたくない、と思った。どうせ作られた顔だ。ピンセットで整
えられた眉に、スポーツマンらしくこけた頬、ワックスでてかっている髪、思春
期特有のニキビ顔。平凡なものだ。
「おいっ、ちょっと待てって」
 横を追い越すと、川崎が眼の前に立ち塞がった。
「訳ぐらい聞かせろよ」
「好きな人が、いますから」
「それって、真仁のことだろ」
 私は川崎を見あげた。
 百八十センチはあるのだろう。私も、女として低い方ではない。百七十センチ


70:荒野、一人で ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:30:40 P3rFcuNq
はあるのだ。背の高さだけは、流石バスケ部といったところか。
「あなたには、関係ないことですよ」
「真仁は弟だろ。正気かよ、お前」
 それ以上聞かず、川崎の横をすり抜けた。心の中で、何かが頭をもたげていた。
あと一言と言われれば、それが姿を現す。いや、本当はもう、姿を現しているの
かもしれない。
 私はそれを振り切るように、歩調を速めた。
 声が聞こえた。それも振り切る。
 ドアノブに手をかけると、反対側の手首を掴まれた。汗ばんだ手の平の感触が、
気持ち悪い。
「まだ、なにか」
「もったいねぇじゃないか、きれいな顔して。いままで何人振ってきたよ」
「それも、あなたには関係ないことでしょ」
「ここら辺で俺と付き合ってみろよ、真央。悪いようにはしねぇ。男ってものを
教えてやるよ」
「ひと呼びますよ」
 川崎がせせら笑った。私はドアノブから手を離した。手首を掴んでいる右腕に、
その手を添える。川崎の腕は、手の平のように汗ばんではいなかった。
「なぁ、いいだろ。俺だったら真仁になんて出来ないようなことしてやれるぜ?
それなりに場数も踏んでるしよ」
「例えば?」
「ん?」
「例えば、どういうこと」
「こういうことさ」
 二歩、歩いてきた。川崎がドアに手をつく。上体を曲げ、覆いかぶさるように
した。
 顔が、近付いてくる。私は腕を掴むと、一瞬体の力を抜いた。呼吸一つ。体を
抜く。回りこむと、背後で川崎の右腕をひねりあげた。呻きが聞こえた。ドアか
ら手を離し、川崎が体を反らす。腕をひねりあげたまま、私は川崎の体を押した。
派手な音をたて胸板からドアに突っこませると、そこで完全に右腕を決めた。川
崎の左腕が動いた。突っ張ろうとした左腕を払う。左手首を掴み、ドアに押し付
けた。川崎はもがいているが、ドアから体は離れない。
「てっ、てめぇ」
 川崎が顔だけをこちらに向けた。怒気を孕んだ表情で、顔を赤くさせている。
違った。これは夕焼けの赤さか。
「はなせ、この野郎っ」


71:荒野、一人で ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:31:09 P3rFcuNq
 私は、川崎の腕を内側に折っていった。息を詰まらせると、威勢のいい顔が歪
んだ。呻きが、次第に悲鳴へと変わっていく。
「野郎じゃないわ、私」
 膝を、川崎の股間に叩きこんだ。川崎は屈もうとしたが、許しはしなかった。
さらに腕を決めていく。震えながら、川崎が上体を起した。五度繰り返す。
「頼む、離してくれ」
「いい思いさせてくれるんでしょ。シンに出来ないような」
 さらに折っていった。呻きが、はっきりと悲鳴に変わった。
「さっきのは悪かった。だから。このままじゃ、肩が外れちまう」
「大丈夫よ。人の体って、意外ともつものよ」
 川崎の肩が、音を鳴らした。肩も悲鳴をあげている。掴んだ腕を通して、その
感触が伝わってきた。しかし、まだいけるだろう。急に間接を決めているわけで
はないのだ。徐々に関節を伸ばしていく。そうすれば、そう簡単には外れはしな
い。首も、その気になれば三十センチは伸ばせる。
「球つきがうまいからって、調子に乗ったの、あなた?」
「お願いだ。腕を離してくれ」
 川崎の声に、怯えが交じっている。
「そうは言うけど、さっきから全然外れないわよ? 男なら、黙って堪えなさい」
 川崎は爪先立ちになっていた。肩が、おかしな具合に盛りあがっている。そろ
そろかもしれない、と私は思った。もうちょっと内に入れてやれば、軽い抵抗の
あと外れるだろう。
 やめるつもりなどなかった。この男は、踏みこんではいけないところに足を踏
み入れている。言ってはいけないことを、言った。何故こんな勘違い男に、真仁
の悪口を言われなければならないのか。私の思いを貶められなければならないの
か。
 言いようのない怒りがこみあげてきた。眉間が狭まる。
 瞬間、鈍い感触が伝わってきた。肉の崩れる感触。束の間、川崎の息が詰まっ
た。無意識に力を入れていたのか、川崎の肩が外れていた。
「いっ、が、ああぁ」
 悲鳴が、か細いものになっていく。だがすぐに甲高いものに戻った。私はまだ、
川崎の腕を離していない。
「お願いだ、もうやめてくれ」
 川崎の二の腕は、ほとんど水平になっていた。肩が外れたせいか、さらに余裕
ができていた。どこまでいけるだろう。興味が沸いた。
「頼む、なんでもするから。離して」
 水平を越したところで、私は川崎の顔を見た。頬が濡れている。濡れたところ


72:荒野、一人で ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:31:47 P3rFcuNq
がオレンジに輝き、揺らめいていた。
「べつに何もする必要ないわよ。ただ」
 川崎の眼が、頼りなくこちらを向いた。額に、玉の汗が浮かんでいる。
「私が少し、おかしいだけよ」
 言うと、川崎の両腕を解放した。同時に爪先立った足を払う。左肩を掴んで、
右肩から突き落とした。足下で、川崎は叫びながらのた打ち回った。暴れるたび
に、右腕だけ遅れるようにぷらぷらしている。
 私は川崎の髪を掴むと引き起こした。暴れる左腕の関節を決め、黙らせた。
「お願いだ、何でも言う通りする。だから左は」
「だったら言う通りにしなさい。右腕治してあげるから」
 川崎の体から、無駄な力が抜けていった。それでも右腕が揺れると痛むのか、
歯の隙間から呻きを断続的にさせている。鼻息も荒かった。
 私は川崎の髪を引っ張って位置を定めると、左腕を固定したまま、ドアに右肩
から突っこませた。肉の感触。私の腕を振り払い、川崎がその場で海老のように
うずくまった。右腕は揺れていない。
「起きなさい」
 左手を床につけ、震えながら川崎が起きあがろうとする。踏みこみ、顎を蹴っ
飛ばした。川崎の体が後ろに転がった。ドアの前にうずくまられたら、屋上から
は出られない。
 屋上から出ると、二階まで階段で降りた。
 トイレに入り、手を洗った。掴まれた手首から、石鹸で入念に洗う。ハンカチ
で手を拭くと、私は鏡を見た。髪が乱れていた。ロングヘアーだと、乱れが余計
に目立ったように見える。手櫛で簡単に直した。
 201教室。入ると鞄を持ち、校舎を出た。
 夏休み前と冬休み前には、ああいう男が何人か出る。休みを利用して女を弄ぶ
ためだろう。真仁を好きだと、日頃から公言しているが、どうせ本気には誰も取
っていない。真仁本人もきっとそうだ。私の思いを、本気にはしてくれていない。
 左手が寂しかった。毎日、行きも帰りも真仁と一緒に帰るのだ。十一月。手袋
をするかしないか微妙なこの時期。私が手袋をせず寒そうにしていると、必ず真
仁は手を繋いでくれる。それがうれしくて、この時期はいつも手袋を忘れた。貴
重な時間だ。それなのに、それを邪魔する人間が何人もいる。
 風が吹いた。運動部の掛け声や、運動場を駈け回る音もした。
 校門を抜けると、気持ちを入れ替えた。真仁の顔を思い浮かべる。今日の告白
を話したら、真仁はどう思うのかな、と私は考えてみた。誰が告白したか聞いて
くるだろうか。取り澄ましたように生返事返してくるだけなのか。軽い嫉妬ぐら
い、見せてくれるのか。


73:荒野、一人で ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:32:42 P3rFcuNq
 私は足取りを速めた。真仁に早く会いたいと思った。抱きついたり、お話もし
たい。それに今日は、一緒に帰れもしなかったのだ。頬にキスするぐらい、許し
てくれるかもしれない。許してくれなくても、不意打ちでしてしまおう。
 駅前の道へ来た。クリスマス商戦がもうはじまっているのか、ショッピングモ
ールにはきらびやかな飾り付けが成されていた。駅の壁にも、点けてこそいない
が電飾が取り付けられている。
 しばらく行くと、信号で止められた。眼の前を、車が流れていった。





74:横じま ◆KYxY/en20s
07/12/05 03:34:21 P3rFcuNq
投下終了
長編なのでトリップをつけたんですが、KYって……

75:名無しさん@ピンキー
07/12/05 04:42:43 pHq/GVCV
>>74
投下乙
KYで危険予知、良いジャマイカw

76:名無しさん@ピンキー
07/12/05 06:50:38 ZY0KjqPx
>>74
新職人ktkr!全裸で期待してます!

77:名無しさん@ピンキー
07/12/05 12:13:13 2h65y01I
>>74
GJっす

むぅ…何と言う冷静・冷徹ながらも熱きキモ姉…wktkしながら待ってます

78:名無しさん@ピンキー
07/12/05 12:19:48 +to9DrkF
投下乙

タイムマシンで続き見てくる

79:名無しさん@ピンキー
07/12/05 18:39:01 HQPZZbc3
>>74
GJ!!
>>78
俺も連れてって><

80:名無しさん@ピンキー
07/12/05 19:35:50 6KIbGjZ2
キモ姉が勘違い男を嬲る様に興奮しますた

81:名無しさん@ピンキー
07/12/05 21:29:02 /xNiRi4e
文がレスをまたぐのは読みにくい…と思う
内容にはしっかりハァハァしたわけだが

82:名無しさん@ピンキー
07/12/06 14:58:25 JM++NUEU
>>74
全くほんとにKYだな!期待作がまた増えちまったじゃねえか!
文もうまいし、GJとしか言えないじゃない! バカ!

83:名無しさん@ピンキー
07/12/06 22:00:00 0fqJQ61x
>>82が可愛い

84:【Night Food】
07/12/06 23:48:05 jPMqsQtM
全17レス投下します
吸血鬼化した姉×人間の弟の話
うち14レス目まではバカップルのエロです
オチだけキモ姉の本性発現
というわけで、よろしくお願いします

85:名無しさん@ピンキー
07/12/06 23:50:41 pVZ3nX5C
連投支援ならまかせろ

86:【Night Food(1)】
07/12/06 23:50:51 jPMqsQtM
 ―こんこん。
 
 ベランダのガラス戸が叩かれた。
「……たーつーやーくん……」
 押し殺した―しかし、緊張感なく間延びした声。
 
 ―こんこんこん。
 
「……たーつーやーくん、いーれーてー……」
「……ったく!」
 間宮達也は舌打ちすると、机の前を離れて、カーテンを引き開けた。
 ガラス戸の向こうに、にこにこ微笑みながら立つ姉―間宮美夜の姿があった。
「えへへへー、達也くんのおウチに入れてもらっても、いーい?」
「……ああ」
 達也は仏頂面でガラス戸を開けた。初めから鍵はかけていない。
 冷たい冬の夜の空気が、部屋の中に流れ込んでくる。
 だが、美夜は、にこにこ微笑みながらその場を動かない。
 達也は聞こえよがしにため息をついてから、棒読み口調で言った。
「どうぞ、お入りください」
「えへっ、ありがとー」
 それでようやく美夜は、ローファーを脱いで部屋に上がりこんで来た。
 達也は、もう一度、ため息をつき、
「なあ、毎晩、コレやんなくちゃダメなのか? だいたい、ここは自分の家だったのに」
「うーん、ホントのルールではねー、一度招待された家には出入り自由なんだけど」
 美夜は、くるりと弟を振り返り、にっこり微笑む。
「でも、達也くんがお姉ちゃんを歓迎してくれてるってこと、毎晩でも確認したくて」
「……ったく」
 達也はもう一度、舌打ちした。だが、今度のは照れ隠しだ。
 自分の頬が火照っているのはわかったが、冷たい夜風に触れたせいだと決めつけておく。
 美夜は通学用のハーフコートを羽織り、マフラーを結んだ姿だった。
 そのまま外の街を歩けば、普通の高校生に見えるだろう。
 深夜零時を回ってはいたが、いまどき高校生の夜遊びなど珍しいことではない。
 だが、ここはマンションの九階である。
 ベランダは隣の部屋とは繋がっていない、達也の部屋専用のものだ。
 ならば彼女は、どこから現れたのか?
 黒髪は絹糸のように艶やかで、やんわりと柔和な笑みを浮かべた顔は美形に分類されていい。
 その割には大きな野暮ったい黒縁眼鏡をかけ、ファッションの感覚はいくらかズレているらしい。
 それが芸能人の変装のように、自分をわざと地味に見せる意図でなければ、だが。

87:【Night Food(2)】
07/12/06 23:52:49 jPMqsQtM
 ガラス戸を閉めかけた達也を、美夜は「あ、待って」と制止した。
「お鍋」
「え? ああ……」
 美夜の言葉に、達也は頷いて、ガラス戸を開け直す。
「相変わらず自分は手ぶらで、料理は魔力だか超能力だかで運んで来たのか」
「だって、お姉ちゃん自分の手で運んだら、ひっくり返しちゃいそうでしょ? 経験からの学習ってやつね」
「自慢にならねーよ、ドジっ子アネキ」
「えへへへー」
 美夜は照れ笑いしながら、ぱちりと指を鳴らす。
 すると―
 外から黒い霧のようなものが室内に流れ込んで来た―宙に浮かんだ土鍋とともに。
 いや、その霧が土鍋を運んでいるのか。
「えっと、どこに置けばいいかなー? きょうは机、使ってるの? 勉強中?」
「期末テストが近いからな。待てよ、いま座卓、広げるから」
 達也はベッドと壁の隙間にしまっていた座卓を引っぱり出し、部屋の真ん中に広げて置いた。
 それからクロゼットを開けて、高校の制服や私服のコートなどが掛けてある下から、卓上コンロを出す。
 座卓の上に達也が据えたコンロに向かって、土鍋は(霧に運ばれて)ふわふわと降下していき―
 しかし、最後の一、二センチで霧は風に吹き散らされたように消え、がしゃんと土鍋は乱暴に落下した。
「あー、またコントロール失敗。いつも最後の詰めが甘いのよね、えへっ」
 美夜は、ぺろりと舌を出す。
「中身をこぼさなかっただけ上等だよ」
 達也は、やれやれと肩をすくめて、ガラス戸とカーテンを閉めた。
 美夜はマフラーを解いてコートを脱ぎ、それぞれをくるくると丸めてベッドの上に置いた。
 コートの下は高校の制服姿で、街を歩けば人目を惹くほど豊かな胸がブレザーを押し上げている。
 だが、スカートは校則通りの膝丈で、膝下までのソックスとあわせて素脚をほとんど隠している。
 達也はベッドの上からクッションを二つとって、一つを美夜に渡した。
「ありがとー」
 にっこりと微笑み、美夜はクッションを敷いた上に正座する。
 達也も座卓を挟んで姉の向かいに胡坐をかいた。
「んで、きょうの夜食は何?」
「えへへー、冬に嬉しい牡蠣雑炊でーす」
 美夜はにっこりとして、鍋の蓋を開けてみせる。達也は眼を丸くして、
「あ、すげ。牡蠣が四つ……五つ? これ全部、オレ喰っていいのかよ?」
「うん。だって、お姉ちゃん食べられないもん」
 にこにこ笑顔のまま美夜は言い、蓋を戻してコンロを点火した。
 達也はちょっぴり気まずい顔になり、上目遣いに美夜を見て、
「でも、姉貴……牡蠣は好物だったじゃん? よくオレと牡蠣フライ奪い合って喧嘩したり」
「そうだけどほら、食べ物の好みって変わるじゃない? 子供の頃は苦手なトマトが好きになるとか」

88:【Night Food(3)】
07/12/06 23:56:03 jPMqsQtM
 美夜は達也に、にっこりと微笑みかけた。
「普通に人間として生きてたって、そうだもん。ましてや吸血鬼になっちゃったら、ね」
「姉貴……」
 達也は姉の顔を、じっと見つめて、
「……それで、いまの好物はオレってことか?」
「えへへへー」
 美夜は照れ笑いして鼻の頭を掻く。
「いっぱい食べて精をつけてね? そのあと、お姉ちゃんにも少し元気を分けてほしいな、なんて」
「テストが近いって言ってるのにさ……」
 達也は、わざと憮然としてみせるが、本心ではない。
 吸血鬼である美夜は、達也が血液を与えなければ「生き続け」られないという。
 最愛の姉を「再び」喪わないため、達也は自らも望んで血を吸われているのだ。
 
 
 美夜は三ヶ月前に「病死」した。半年にわたる入院と闘病を経てのことだった。
 いつかは訪れる筈だった結末とはいえ、家族の悲嘆は相当のものだった。
 その姉が、納骨を終えた日の夜、ひょっこり達也の前に現れた―吸血鬼となって。
 達也の驚愕は相当のものだった。
 当然であろう。骨になって墓の下で眠っている筈の相手が、「生前」よりよほど元気な様子で現れたのだ。
 美夜は達也を魔法で金縛りにして無理やり落ち着かせてから、自身が吸血鬼になった経緯を説明した。
 それは彼女が「亡くなる」一週間前のことだったという。
 夜、寝つけずにいた美夜は病室のカーテンを開けて月を眺めていた。
 そして、出会ってしまったのだ。月の光を浴びて翔ぶ彼女と―
「真祖」と呼ばれる吸血鬼の一匹、真綺(まき)と。
 自分は、いつの間にか眠ってしまったのだろうと美夜は最初、思った。
 眼にしているものは夢なのだろうと。
 だから素直な気持ちで、彼女に願った。
 自分も一緒に翔びたい、と。
 吸血鬼は、それに応えてくれた―「いいわ、暇つぶし」と言いながら。
 神話と呼ばれる物語が同時代的な事件だった頃から生き続けてきた彼女も、また退屈していたのだ。
「あなた血液の病気ね。ひどい味だわ」
 ぼやきながらも真綺は、美夜の生き血を啜り上げた。
 そして自身の柔肌を爪で切り裂き、滲み出した血液を、瀕死となった美夜に舐めさせた。
「吸血鬼に血を吸われた犠牲者が、そのまま吸血鬼になるなんて無責任な俗説」
 真綺は美夜に語って聞かせた。
「私がどれだけの人間の血を吸ってきたと思う? 獲物がみんな転化していたら、世界は吸血鬼で埋まってる」
「ブラム・ストーカーをよく読むことね。ドラキュラがどうやってミナ・ハーカーを転化させようとしたか」
「いくつもの伝説を繋ぎ合わせて小説のドラキュラは造形されたの。その伝説に真実も含まれてたってこと」

89:【Night Food(4)】
07/12/06 23:59:07 jPMqsQtM
「そうよ―吸血鬼になるためには、吸血鬼の血を飲めばいい」
 それからの一週間で、美夜は「人間としての死」に近づいた。
 日増しに容態の悪化する彼女に、医師たちは手の施しようがなかった。
 最後の二日間は意識のない重篤状態だった。
 だが、その時点で美夜は、真綺が造り出した「ゴーレム」とすり代わっていた。
 魂を持たない人造人間は見事に「死に行く少女」を演じきり、最後は火葬場で骨となった。
 一方、美夜は真綺の保護下で無事、吸血鬼としての「再生」を果たした―
 
 
「……ごちそうさま」
 達也は箸を置き、空になった土鍋に両手を合わせた。
「はい、お粗末さまでしたー」
 美夜は、にっこり微笑みながら言う。
「さて、鍋奉行してて、お姉ちゃん暑くなっちゃった。上着、脱がせてもらおうかなー……」
「……姉貴さー」
 達也は美夜を、じっと見つめて、
「わざとらしいマネしなくても、オレの食事のあとは、毎晩ちゃんとつき合ってるだろ?」
「えへへへー」
 美夜は照れ笑いで頭を掻いた。
「じゃあさ、じゃあさ、達也くん」
「なんだよ」
「ぎゅっとして、チューして。えへっ?」
 漫画だったら台詞のあとにハートマークがついているだろう。
「…………」
 達也は立ち上がると、姉の手をとった。
「ベッドの上、来いよ」
「あ……うん」
 急にしおらしく頬を赤らめ、美夜は弟に導かれるまま、ベッドに上がって横座りする。
 達也は姉の手を握ったまま、相手に顔を近づけていった。
 長い睫毛を伏せ、眼を閉じた美夜に、唇を重ねた。
 やわらかで、ひんやりした感触が心地よかった。髪の芳香が鼻腔をくすぐる。
 美夜の手から手を離し、しかしその手で、望み通りに抱き締めてやる。
 温もりは感じないが、氷のように冷たいわけでもない。
 いくらか豊満なその身体は、やわらかく抱き応えがあった。
 唇を離すと、瞳を潤ませた美夜が、悪戯っぽく笑って言う。
「えへっ、間接牡蠣雑炊。美味しいね」
「やっぱり食いたかったんじゃん、姉貴」
「えへへへ……実はお料理中に味見でスープは飲んだ。固形物は胃が受けつけないけど、味はわかるから」

90:【Night Food(5)】
07/12/07 00:02:13 jPMqsQtM
「不便だな、吸血鬼って」
「でもね、吸血鬼になったおかげで、わかるようになった味もあるよ」
「オレの血だろ?」
 苦笑いする達也に、美夜は「えへへへへー」と悪戯っぽく笑って首を振り、
「違うよ、達也くんそのものだよ。お姉ちゃんが吸血鬼になってなきゃ、エッチしてくれなかったでしょ?」
「そりゃ……だって」
 達也は赤くなって眼をそらし、
「エッチで発散しなきゃ、吸血鬼の凶暴な本性を抑えられないっていうから。他人を襲ったら困るだろ」
「他人となんて絶対エッチしないよ、達也くんとだけだよ。お姉ちゃん、その程度の理性はあるよ」
「何だそれ、騙したのかよ」
 口をとがらせる達也に、美夜は「えへっ」と笑って、
「騙してないよ。お姉ちゃんが凶暴化したら、達也くん朝まで寝られなくなっちゃうよ?」
「ぜってー詐欺だ」
「怒らない怒らない。達也くんだって、お姉ちゃんとそういう関係になって、新しい味を知ったでしょ?」
 くすくす笑いながら、美夜はブレザーを脱ぐ。
 張りつめた乳房を包むパステルピンクのブラジャーがブラウスに透けていた。
「さあ、達也くんの大好物。召し上がれ……えへっ?」
「くそっ、そうやって誤魔化して……頂くものは頂くけど……」
 照れ隠しにぶつぶつ言いながら、達也は最愛の姉の乳房を両手で包み込むようにして触れた。
「んっ……」
 美夜は心地よさそうに眼をつむる。
 張りがあるのにやわらかく、この上ない触感の乳房だった。手に余るほどの大きさも最高だ。
 達也はそれを下から上へ、かき上げるように揉みしだいた。
「……んあっ、達也くん……」
 美夜は首を反らし、うっとりと声を上げる。
 達也は美夜のリボンタイを解き、それからブラウスのボタンを外していった。
 だが、全て外し終える前に我慢できなくなった。
 前をはだけさせ、露わになった乳房の谷間に鼻面を埋め、思いきり息を吸い込んだ。
 温もりは感じない肌なのに、なぜだか温めたミルクのように甘く、やさしい匂いがした。
「……んふっ、達也くぅん……」
 美夜に頭を抱かれて、撫でられる。
 子供が甘えているみたいだと、我ながら達也は思う。だが、恥ずかしいとか情けないとは思わなかった。
 吸血鬼となった姉は、弟としかエッチしないという。つまり美夜は、達也の独占物なのだ。
 自分のモノを、どのように愛するかは自由だろう。
「姉貴が吸血鬼になる前は、オレ、姉貴とこんなことしようなんて思わなかったんだぜ……」
 乳房に顔を埋めたまま相手の背中を探り、ブラウスの裾をスカートから引き出しながら達也は言った。
 くすっと、美夜は笑い声を上げ、
「お姉ちゃんも、達也くんとしたいと思っても、できなかった。姉弟じゃ、いけないことだもんね」

91:名無しさん@ピンキー
07/12/07 00:16:42 8F0kOzoK
連投支援?

92:【Night Food】
07/12/07 00:24:29 lUWpIZbe
通信環境が悪すぎて
続きが書き込めないかも(泣

OCN規制中で、
メールだけ契約してた別プロバイダのダイヤルアップ接続なのだが...

93:【Night Food(6)】
07/12/07 00:25:55 lUWpIZbe
「したいと思ったって……」
 あきれる達也に、美夜は「えへへへ」と笑い、
「いつか達也くんが気づいてくれるかなと思って、ずっとラブラブ電波を送ってたんだよ?」
「受信してたら逃げてたよ、そんな危険な電波」
「えーっ、ひどいなあ」
 美夜は、くすくす笑って、
「達也くんはお姉ちゃんのこと、オンナとして見てくれてなかったの?」
「見られるわけないじゃん。実の姉だぜ、血の繋がった」
 姉の豊かな乳房から顔を上げた。
 にこにこと屈託のない笑顔で、美夜は弟の顔を見下ろしている。
 達也は照れ隠しに眼を伏せ、口をとがらせながら、
「まあ……正直、全く意識してなかったわけじゃねーけど。こんな立派な胸した女が同じ家の中にいたら」
「えへっ、ありがとー。オッパイだけでもオンナとして見てくれて、お姉ちゃん嬉しいな」
 美夜は達也の頭を、ぎゅっと掻き抱いた。
「わぷっ! 苦しいって、姉貴!」
「えへへへ、このまま大好きなお姉ちゃんのオッパイで、達也くん溺れちゃえー」
「それじゃ胸以外は何もしてやれねーだろ!」
「それもそうだね」
 美夜は、あっさりと達也を解放した。再び弟の顔を見下ろし、にこにこ微笑みながら、
「それでオッパイ以外は、何をどうしてくれるのかなー?」
「……全部可愛がってやるよ、どこもかしこも」
 達也は赤くなりながら言って、美夜の頬に、ちゅっとキスをする。
「え?」
 一瞬、きょとんとした美夜は、何を言われたか認識して蕩けそうな笑顔になった。
「……えへへへへー。全部ってやっぱり、えへへ、アレもコレもだよね……えへへへへー」
「全部って言ったら全部だよ、というか毎晩やってることじゃん。とりあえず、眼鏡とるぜ」
 達也は姉の顔から眼鏡を外した。美人の素顔が、すっかり露わになった。
「ホントは吸血鬼になってからは必要ないんだろ? 邪魔だし、かけなきゃいいのに」
「でも、顔に眼鏡がのっかってないと落ち着かないし。幼稚園の頃から、ずっとかけてるもん」
「だったら、もっとオシャレなのに替えろよ。真綺さんってヒトに頼んで、買って来てもらえばいいじゃん」
「そりゃ真綺さん、お金持ちだけど、そんなに何でも頼っちゃうのはなー」
 美夜は考え込むように首をかしげたが、すぐに何か思いついたように、にっこりとして、
「達也くんがプレゼントしてくれたら嬉しいんだけど」
「えっ、オレが?」
 眉をしかめる達也に、にこにこ笑顔で美夜は、
「達也くんが、お姉ちゃんに似合うと思うのを選んできてほしいな」
「……わかったよ」
 達也はしかめ面で、しかし決心したように頷いた。

94:名無しさん@ピンキー
07/12/07 00:26:32 SFBivOip
なんというおあずけ

95:【Night Food(7)】
07/12/07 00:29:43 lUWpIZbe
「クリスマスには間に合わないけど、冬休みにバイトして、お年玉と合わせて買ってやる」
「ホント?」
「ああ。伊達ならレンズ代かからないし、フレームだけなら二、三万で買えるだろ」
「ホントにホント? お姉ちゃんに買ってくれるの、達也くんが? ……ありがとー!」
 美夜は笑顔を輝かせ、ぎゅっと再び達也の頭を自らの胸に掻き抱いた。
「わぷっ! だから苦しいってばっ、姉貴っ!」
「お姉ちゃん幸せすぎて死んじゃうかもっ! というか吸血鬼だし半分死んでるけどっ!」
「俺まで殺す気かっ! 放せってのっ!」
「えへへへー……あ、興奮しすぎて、よだれ垂れちゃう」
 じゅるりと、よだれを啜り上げ、それでも間に合わず口元を拭ってから、美夜は達也を解放した。
「……ぷはっ! はぁっ、一瞬お花畑みてーのが見えたぞ。臨死体験一歩手前だっての……」
 苦しげに喘ぐ達也に、美夜は「えへへへー」と、にこにこ笑顔で、
「でも冬休みだけとか無理しないで、春休みまでかかってもいいからね」
「ああ……、けほっ、けほっ」
 達也は咳き込みながら頷き、
「でも、その分、クリスマスは大したことしてやれねーぞ」
「それは気にしなくていいよ。吸血鬼にクリスマスなんて似合わないもの」
「そりゃそうか」
「それより、ねえ、達也くん……」
 美夜は達也の手をとると、自分の両手で優しく包み込み、微笑んだ。
「プレゼントは、まだ先でいいからさ。いまは約束通り可愛がって、お姉ちゃんを全部。ね?」
「あ……、ああ」
 達也は赤くなりながら頷くと、美夜の背に腕を回し、ゆっくりとその身体をベッドに寝かせた。
 あらためてブラウスのボタンを全て外し、前を完全にはだけさせてから、のしかかるように唇にキスをする。
「んあっ……」
 美夜は達也との触れ合いとしては一番、キスが好きだと言っていた。
 唇を重ねる瞬間が、「愛されている」と感じるのだそうだ。
 愛する姉が、それを求めているのである。応えてやらなければなるまい。
 美夜の舌が達也の唇に触れるのと、達也が舌を突き出したのが、ほぼ同時だった。
 ふたりは―吸血鬼と人間の姉弟は―当然のように舌を絡め合った。互いの口腔を舌でまさぐった。
 姉の舌は濡れている分、唇以上に冷たかったが、決して不快感はない。
 そうしながら達也は、美夜の背の下に手を入れて、探り当てたブラジャーのホックを外した。
 何度も繰り返して慣れた行為だ。そして緩んだブラジャーを、下からめくり上げた。
 ぷるんっと、豊かな乳房が弾み、桜色のバストトップが露わになった。
「巨」とか「爆」という形容詞がふさわしいような豊乳なのに、乳暈はあくまで小ぶりで幼ささえ漂う。
 色白のきめ細やかな肌と比べて、ほんの少しだけ色づいた乳頭は砂糖菓子のような可憐さだ。
 美夜と結ばれることがなければ、達也がその美しい乳房の全容を眼にする機会もなかっただろう。
 それ以前で姉の裸を眼にしたのは、二人が小学三年生と二年生だった夏休みの家族旅行の温泉が最後だ。

96:【Night Food(8)】
07/12/07 00:32:52 lUWpIZbe
 当時、達也は姉のふくらみかけの胸を見て「デブが胸までデブになった」と莫迦にしたものだった。
 ひどく罰当たりなことを言ったものだと反省している。
 当時もいまも、姉はいくらか「ぽっちゃり」型ではあるがデブと呼んでいいほどではない。
 むしろ、その程よい肉づきのおかげで、やわらかな抱き心地がもたらされるのだ。
 こりこりと乳頭を指で弄んでやった。
「んんっ……、達也くんっ……」
 美夜はブラウスをはだけられた乳白の肢体をよじらせ、切なげに吐息を漏らす。
 唇から頬へ、首筋へ、胸元へ―キスを移動させていき、乳房のふくらみに達した。
 だが、すぐには乳頭を責めないつもりだった。
 これが初めての「行為」ではない。その余裕はできている、つもりだ。
「姉貴……」
 乳頭ぎりぎりにキスを繰り返しながら、囁きかけた。
「姉貴が、オレのところに帰って来てくれてよかったよ。オレの血を欲しがってくれてよかった」
「達也くん以外の人間の血を飲みたいとは、お姉ちゃん思ってないもの」
 美夜は言って、微笑む。手を伸ばし、弟の頬を愛しげに撫で、
「拒絶されたらどうしようか不安だったけど。だって姉弟だし、それに……吸血鬼なんてバケモノだし」
「姉貴はバケモノなんかじゃねーよ」
 達也は、きっぱりと言った。だが急に照れくさくなり、わざと憎まれ口を叩く。
「……むしろ、ドジっ子の大バカモノだな」
「ひどいなー、最近は大したドジはしてないのに」
 美夜は、くすくす笑う。
「……あのね、達也くん」
「あん?」
「お姉ちゃんのオッパイ、まだ可愛がってもらってないところがあるよ。全部可愛がってくれる約束でしょ?」
「ああ……」
 ここでもう少し美夜を焦らすというテクニックもあるだろう。主導権をとり続けたいなら、そうするべきだ。
 だが、達也としても、姉の愛らしい乳頭の誘惑には抗えなかった。それを早く味わいたかった。
 ゆっくりと唇を近づけ……ちゅっと、音を立ててキスをした。
「ああああん……っ!」
 過剰なほどの反応だった。ぎゅっと眼をつむった美夜は、大きく身をよじる。
「お姉ちゃん、達也くんに毎日こうしてもらったら、きっとオッパイだけでイけるように……ああああっ!」
 ちゅぱっ、ちゅぱっ、と、達也は乳頭へのキスを繰り返しながら、
「姉貴、さ……」
「え……?」
「可愛いよ。すげえ可愛い」
「えへっ……ずるいよ、そんな言葉責め……可愛いなんて……んああああっ!」
 れろれろれろ……と、舌で乳頭を弾く責めに、達也は転じたのだった。
 びくっ、びくっと、美夜は水揚げされた海老のように身体を仰け反らせる。

97:【Night Food(9)】
07/12/07 00:36:46 lUWpIZbe
「やっ……やぁっ! 達也くんっ、ホントにイッちゃうっ! オッパイでイッちゃうよぉっ!」
「イッちゃえよ、姉貴……」
 一方の乳頭を舌で舐り上げながら、もう一方は指でこりこりと弄ぶ。
「何度でもイかせてやるからさ……簡単だもんな、感じすぎの姉貴をイかせるなんて」
「ああっ、違うよっ、達也くんにっ、されてるっ、からだよっ……んあっ! ああっ! イッ……あああっ!」
 美夜は両手で達也の頭を抱き、ぎゅっと眼をつむりながら、びくびくと身を震わせた。
「んああ……っ、ホントに、ホントにオッパイだけで……イッちゃったよぉ……」
 くたっと、美夜の身体から力が抜ける。
 手も足もベッドの上に投げ出し、すすり泣く―いや、感涙にむせっている。
「達也くんに、オッパイ可愛がってもらって……こんな気持ちよくて幸せなの、夢みたいだよぉ……」
「姉貴……」
 達也は美夜の髪を撫で上げ、額に優しくキスをした。
「オレだって幸せだよ。死んだ筈の姉貴が帰って来て、一緒にこんなことできるなんて」
「えへへへー……」
 美夜は涙を拭い、にっこりとした。
「達也くん、そんなにいくつも約束して大丈夫? 全部可愛がってくれるとか、何度でもイかせてくれるとか」
「オレは姉貴との約束、破ったことないだろ? ……たぶん」
 達也は言って、美夜の唇にキスをする。
 しばらく舌を絡め合い―やがて唇が離れて、美夜は笑った。
「えへへ、いまのチューで、また軽くイッちゃった」
「だから簡単なんだよ、姉貴をイかせるのなんて。それじゃ、デザートにヨーグルトを頂こうかな」
「えっ、よーぐると?」
 きょとんと小首をかしげる美夜に、達也は、にやりと笑い、
「姉貴のあそこ、濡れてくるといつもヨーグルトみたいな匂いだろ?」
 言いながら、姉の制服のスカートを無造作にめくり上げる。
 ブラジャーとお揃いのパステルピンクのショーツが覗いた。
 そこから伸びる、むっちりとした太腿は、最高級の象牙のように艶やかで瑕(きず)ひとつない。
「あっ……やだ、そんないきなりめくっちゃ」
 美夜は恥ずかしそうに、もじもじと太腿をすり合わせるが、達也は構わずショーツに顔を近づけた。
「シミができてるぜ、姉貴。おまけに匂いも、やっぱりヨーグルト」
「やだ達也くん、急にエッチなこと言って苛めて……」
「エッチなのは姉貴だろ。ほら、こんなに濡らして」
 閉じ合わされた太腿のつけ根、ショーツのクロッチに、つんっと指を触れる。
 柔肉を覆い隠すその部分は確かに、しっとりと湿り気を帯びていた。
「はぁぁぁっ……!」
 美夜は頭を仰け反らせ、白い喉首を晒しながら全身をわななかせた。
「やぁんっ、またイッちゃうよぉ……」
「感じすぎだっての、エロ姉貴」

98:【Night Food(10)】
07/12/07 00:39:55 lUWpIZbe
 達也は苦笑いしながら、美夜のショーツのウエストに手をかける。
「でもパンツの中はヨーグルトじゃなくて、海蘊(もずく)だけどな。黒いモジャモジャがヌメってるの」
「もっ……もう、モジャモジャじゃないよぅ……」
 美夜は真っ赤になりながら口をとがらせて、
「いつもそうやって達也くんがイジワル言うから、ちゃんとお手入れしてきたもん……」
「へえっ? 姉貴にしては珍しい。いくら言ってもスカートは長くてダサいままなのに。どれどれ……」
 達也は美夜のショーツを、ゆっくりと引き下ろした。
 なるほど、臍の下の柔肌は白くなめらかで、ぎりぎりまでショーツを下ろしてもヘアは見えてこない。
 だが、やがて姿を現した、こんもり盛り上がるヴィーナスの丘さえもすべすべなのは、どうしたことか―
「ね? ちゃんとお手入れしてるでしょ? 恥ずかしいから、あまりじっくり見ないで……」
 両手で顔を覆いながら言う美夜に、達也はあきれ返って、
「姉貴。やり過ぎだろ、これは」
 すっかり露わになった美夜のその部分は、幼女のように、つるつるだったのだ。
「ええっ? だって、お手入れしろって言ったの達也くんでしょ……」
 両手で顔を覆ったまま、広げた指の間から眼だけを覗かせて言う美夜に、達也は苦笑して、
「やっぱりドジっ子アネキだな。毛の手入れしろって言われて全部剃るヤツ、普通いねーよ」
 達也は美夜の脚をつかむと自分の肩に担ぎ上げ、相手の腰を浮かせてショーツを脱がせた。
 それから左右の太腿に手をかけて、ぐいっとM字型に押し広げる。
「やだよぅ、こんなポーズ恥ずかしいよぅ……」
 美夜は顔を隠したまま耳まで赤くなって、いやいやと首を振るが、達也は笑って、
「姉貴、大きな赤ちゃんみたいで可愛いぜ。あそこもオモラシしたみたいに、びしょびしょで」
「ふぇぇーん、やだぁー、イジワル言わないでぇー……」
「約束だからな。姉貴の可愛らしくなったところ、可愛がってやるぜ」
 達也は美夜のM字の脚の谷間に、顔を近づけた。
 ヴィーナスの丘から、大きく広げさせた両脚の間(あわい)を経て、白くむっちりした餅のような尻まで。
 無防備に晒させた、美夜のその部分。
 なめらかで生まれたての子供のような彼女の素肌の美しさは、無毛に還ったことで余計に強調されていた。
 とはいえ―
 周囲の肌より幾分、赤みを帯びた、ぷっくらとした大陰唇。
 そこに穿たれた陰裂からは、桃色の肉襞―小陰唇が、いくらか姿を見せている。
 そして、やはり桃色の肉の「莢」に包まれた、そのまま「豆」に似た器官―陰核。
 それらを濡れ光らせる、ぬらぬらとした蜜は、ヨーグルトに似た酸味を想像させる匂いを漂わせる。
 成熟と呼ぶには初々しく、しかし蕾のままでもあり得ない少女の器官、それは。
 色づき始めた果実に譬えるのが、ふさわしいであろうか。
 達也は舌を伸ばし―蜜を、すくいとった。
「はぅぅぅ……っ!」
 美夜は、びくびくと全身をわななかせる。
 繰り返し、舌をその部分に這わせるたび、一つ違いの実姉である少女は切なげに声を上げ、身を震わせる。

99:【Night Food(11)】
07/12/07 00:43:13 lUWpIZbe
 手を伸ばし、豆状の器官を莢から剥き出して、くりくりと指で弄んだ。
 もう一方の手は中指を立て、だくだくと蜜を溢れさせる淫壺に挿し入れた。
 軽く指を抜き差ししてやると、くちゅくちゅと音が立つ。蜜が、とめどなく湧き出してくる。
「ひぁぁっ……達也くん、あのね、あのね、お姉ちゃん、もう我慢してられない……」
 美夜は潤んだ瞳を弟に向けて、哀願した。
「ぎゅっとして、チューして、それでね、達也くんの熱いの、ちょうだい……」
「ああ……」
 達也は頷いて身体を起こすと、部屋着のセーターとシャツ、ズボンと下着を脱ぎ捨てた。
 美夜が「熱いの」と呼んだ達也のその部分は、すでに屹立して臨戦態勢だった。
「あ……待って達也くん、それ、チューさせて……」
「え? ……ああ」
 達也は求められるまま、肉茎を美夜の顔の前に突き出す。
「えへへへ……」
 美夜はそれに手を添えて、れろりと、先端の鈴口を舐め上げた。
「くっ……!」
 びくんっ、と、身を震わせた達也を見上げ、「えへっ……」と美夜は悪戯な笑顔で、
「達也くんの、この白木の杭を突き刺されて、吸血鬼のお姉ちゃんは昇天しちゃうんだ」
「でも何度でも復活しちゃうんだろ、往生際の悪い姉貴は?」
「えへへ……ホントは心臓に刺す杭を、お姉ちゃんのいけないところに刺しちゃうからだよ」
 ちゅっ、と、達也のそれにキスをして、
「舐めてあげたいけど……ごめんね、お姉ちゃんきっと我慢できなくなって噛みついちゃうから」
「胸は?」
「え?」
「これだけ立派なチチしてんだ、パイズリくらいできるだろ? やってくれよ」
 にやりと笑って、達也は美夜の乳房を、ぎゅっと鷲づかみにする。
「えっ? あの……あぅっ、オッパイ乱暴にされるのも気持ちいいけど……ごめんなさい、えへへ……」
 美夜は困った顔で笑い、
「それ、また今度してあげるから。お姉ちゃんのいけないところ、もう達也くんを欲しくて我慢できない……」
「しょうがねーな。約束だぜ、パイズリ」
 達也は苦笑いで、美夜の頬にキスしてやる。
 パイズリは惜しかったが、弟のモノをねだる甘えん坊の姉も可愛らしいと思う。
 達也は、あらためて美夜に覆いかぶさるように身体を重ねた。
 そして背に手を回し、望み通りに抱き締めてやりながら、唇を合わせる。
 舌を絡めながら、びくんっと美夜は身を震わせた。
 やがて唇が離れると、美夜は照れくさそうに笑う。
「……えへへ、またイッちゃった。チューだけなのに……」
「ホントにエッチで可愛いな、姉貴……美夜は」
 達也も微笑み、もう一度、唇を重ねる。

100:【Night Food(12)】
07/12/07 00:46:53 lUWpIZbe
 舌を絡め合いながら達也は、片手で美夜の両脚の間(あわい)を探り、そこに自身の肉杭を導いた。
 淫蜜を溢れさせ続ける美夜の牝器官に、杭の先端を突き当てる。
「……熱いよ、達也くん……」
 美夜は微笑む。
「美夜……」
 恋人のように名前で呼びながら、達也は、腰を突き上げた。
 抵抗感は、ほんの一瞬。濡れそぼつ肉の器は、ぬるりと雄根を呑み込んだ。
「はぅっ……はぁぁぁっ、これだけでイッちゃうよぅ……」
「何度でもイッちゃえ、イきっぱなしになっちゃえよ、美夜」
 達也は言い、腰を動かし始める。ぎしぎしと軋む音を立ててベッドが揺れる。
「ひぁぁぁっ……達也くんっ、ああっ、イッ、ホントにっ、ああっ、達也くんっ、達也くんっ!」
 美夜は、ぎゅっと達也にしがみつく。
「イッ、ああっ、もうっ、はじけちゃうっ、頭っ、真っ白でっ、イッ……イッイッ、ああっ……むぐっ!」
 達也は美夜の口をキスで塞いだ。
「……むくぅっ、むぅっ、んむっ、むぁっ、んみぃ、むぃっ、んあっ、んきゅぅっ……!」
 達也の息遣いも荒くなる。
 その腕の中で、びくびくと身を震わせる美夜は、絶頂の荒波に翻弄され続けているのか。
 達也は繰り返し繰り返し、腰を突き上げ。
 やがて―
「はぁっ、あぁっ、みっ……美夜っ!」
「んくっ……ああっ、イッちゃ、達也くんっ、一緒にっ、イッ……一緒にィィィッ!」
 
 ―どくんっ、どくんっ、どくんっ!
 
 強く抱き合う姉弟の身体が、大きくわなないた。
 ふたりは、ともに果てた―
 だが、それで終わりではない。
 自分にのしかかったまま、荒く息をしている達也を、美夜は揺さぶった。
「……えへへ、達也くん、起きて起きて」
「あ……、ああ……」
 のろのろと身体を起こし、達也はベッドの上で胡坐をかく。
 その前に横座りに美夜は座り直して、
「えへっ。じゃあ、達也くん、いいかな?」
「……ああ」
 達也は頷くと、美夜の前に左腕を突き出す。
「えへへへ……それじゃあ、いただきまーす」
 にっこり笑った美夜の口の端から、にょっきりと鋭い牙が覗く。
 そして、その牙を弟の手首に突き立てた。

101:【Night Food(13)】
07/12/07 00:50:18 lUWpIZbe
「……ぐっ!」
 達也は眼をつむって呻く。流石に痛いし、血はどくどくと流れ出す。
 射精直後で消耗しているから余計、頭がくらくらしてしまう。
「えへへへへー……」
 だが、美夜は嬉しそうに笑いながら、最愛の弟の生き血を啜り上げた―
 
 
「……ねえ、達也くん」
「んぁ……?」
「起きて。そろそろ夜が明けちゃう」
「ああ……」
 うつ伏せに寝ていた達也は、枕から顔を上げる。
 いや―それは枕ではなく、美夜の乳房だった。
「えへへへ……お姉ちゃんのオッパイ枕、寝心地どうだった?」
「悪りぃ、血を吸われたあとは、いつものことだけど全然記憶ねーし……」
 そう言いながら達也は、美夜の乳房の谷間にもう一度、むふっと顔を埋めた。
「ちょっと、達也くん? また寝ちゃうつもり?」
「そうじゃねーけど……姉貴の肌って、なんかいい匂いするよな」
「えへっ、そーお?」
 美夜は達也の髪を撫で、
「きっと、達也くんだけに効くフェロモンが出てるんだよ。それだけお姉ちゃん、達也くんが好きってこと」
「オレも姉貴のオッパイは大好きだよ、オッパイは」
「オッパイだけ? ひどいなー」
 美夜は、くすくす笑いながら、達也の肩を押して身体を起こさせた。
「さ、ホントに起きなきゃ。お日様が出る前に、真綺さんのところに帰らないと」
「真綺さんってヒトは、なんで姉貴に親切なんだろうな。ずっと居候させてくれてるんだろ?」
「最初は暇つぶしと言ってたけど。達也くんとお姉ちゃんの関係を話したら、面白がって応援してくれてる」
「ホントに暇人だな。二、三千年も生きていれば、当然かもしれないけど」
 達也は笑う。
 美夜はベッドを降りて身なりを整えて、眼鏡をかけ直した。明かりはつけていないが、吸血鬼は夜目が利く。
 そしてカーテンとガラス戸を開けると、遠くの空がほのかに朱く染まっていた。
「あー、朝焼け。早く帰らないと致命的ドジっ子……えへへ」
「……姉貴」
 達也はベッドを降りて美夜に近づき、後ろから抱き締めた。
「また今夜も来いよ。あしたも、あさっても」
「えへへへ……当然だよ、毎晩来るよ。だって、達也くんとお姉ちゃんは愛し合ってるんだもん」
「姉貴……、……美夜」
 達也は姉の身体をくるりと回して自分のほうを向かせ、唇を重ねた。美夜は弟を抱き返す。

102:【Night Food(14)】
07/12/07 00:53:22 lUWpIZbe
 やがて身体を離し、美夜は、にっこりと微笑んで言った。
「えへへ……じゃあ、ホントに行くね」
「ああ。また夜な、待ってるから」
「入れてと言ったら、すぐおウチに入れてよね?」
「鍵は開けっぱなしだから、いつでも入って来いよ」
「んもうっ、意地悪だなー。達也くんが招き入れてくれることに意味があるんだから」
 くすくす笑いながら美夜は、弟の頬にキスをする。
 そして、土鍋を手にベランダに出た。
「じゃあ、また夜ね」
「ああ、また夜な」
 美夜の姿が、夜空から滲み出したような黒い霧に包まれ―やがて、完全に呑み込まれる。土鍋とともに。
 そして、霧は再び夜空へ流れ出していった―
 
 
 美夜は毎晩、深夜零時前後に現れて、夜が明ける直前に帰っていく。
 達也は、そのことに疑問を抱いていなかった。
 吸血鬼の生態とは、そういうものだろうと思っている。だが―
 彼女が夜明けぎりぎりまで活動しているのならば。
 日が暮れてから午前零時までの間は、何をしているのか?
 
 
「お疲れ様でしたー」
「おつかれー」
 午後十時、勤務を終えたアルバイトの高校生たちが、ファーストフード店の通用口から出て来た。
「エリちゃん、お茶してくー?」
「ごめーん、さっき親からメールで、なんかウザいこと言ってきてー。とりあえず、きょうは帰るー」
「じゃあ、またあしたー」
「うん、バイバーイ」
 バイト仲間と別れて、エリという名の娘は駅へ向かう。
 都心のターミナル駅であった。バイト先は、そこから徒歩三分の至近距離にある。
 親は「夜遅くまで盛り場でバイトなんて危ない」と言うが、むしろ盛り場で人が多いから安心だと思う。
 地元の駅前なんて、エリが帰り着く十時半頃には人影もまばらだ。そのほうが怖い。
 だからエリは、バイトがあるときは毎晩、兄に車で地元の駅まで迎えに来させている。
 可愛い妹の頼みは拒めない兄だ。当分は彼女なんて作らず、自分の足代わりでいてほしいと思う。
 赤信号。ターミナル駅は大きな横断歩道を渡った向こうだ。
 エリは、大勢の通行人とともに信号が変わるのを待つ。
「―えへへへへ……」
 真後ろから声がして、エリは、どきりとして振り向いた。

103:【Night Food(15)】
07/12/07 00:57:43 lUWpIZbe
 美人だが見知らぬ少女が、自分に向かって微笑んでいた。
 制服も知らない高校のものだ。短く詰めたスカートから、ちょっぴり太目の色白の脚が伸びている。
「あの……」
 何か用ですか、と、エリが訊ねるより先に。
「えへへ、一緒に帰ろ」
 少女が、言った。その瞳をエリしか気づかない一瞬、紅く輝かせて。
 エリは―その瞳から感情の光が喪われ―何かに操られるように、こくりと頷いた。
「……はい」
 帰る? どこに?
 どこへでも。「彼女」が求める場所ならば。
 信号が変わって、隣に並んだ少女が、エリを促した。
「さあ、行こ」
「……はい」
 ふたりは駅へ向かって歩き出した。
「家は、どこだっけ? 最寄り駅は?」
 少女が訊ねて、エリは答える。
「武東線の、もみじ野です」
「じゃあ、きょうは武西線の山口湖まで切符を買って。できれば、私の分も」
「……はい」
 指示された通り、エリは武西線の切符売場へ向かい、切符を二枚買って一枚を少女に渡した。
 ふたりで改札をくぐったが、そこでエリは足を止める。
「どうしたの? 山口湖行きの乗り場はこっちよ」
「……はい」
 少女に従って、エリは電車に乗り込んだ。
 武西線に乗るのは初めてだった。だから乗り場がわからなくても無理はない。
 そもそも、家に帰るつもりなら乗る必要のない電車なのだ。
 だが、エリは自分の行動に疑問を抱いていない。理性も意思も麻痺している。
 いまのエリは、見知らぬ少女に操られるままの人形だ。
 およそ五十分後、ふたりは目的地の駅を降りた。
 名前の通り湖に近く、日中ならば行楽客もいるが、夜間は人の姿は稀だ。
「こっち。一緒に来て」
 少女は歩き出し、エリはそれにつき従う。駅から離れ、湖の方向へ。
 途中から道を外れ、雑木林の中へ―
「この辺りで、いいかな」
 少女は足を止め、エリを振り返った。
「えへへへー、ごめんね。こんな場所まで連れ出して」
 エリは答えない。
 木々の枝葉の間から差す月明かりの下で、少女の表情は翳になって見えない。

104:【Night Food(16)】
07/12/07 01:00:47 lUWpIZbe
 愉しげな口調からすれば、笑っているのであろうが―いずれであれ、エリには意味のないことだ。
 言葉が耳に届いても、明確な指示や命令でなければ意味を持たないことも同様。
 いまのエリは、意思を喪った人形だから。
「ホントはね、こんなことしたくないんだ。達也くんに知られたら、絶対赦してもらえないもの」
 だが、少女は語る―聞く者のいない釈明を。
「ホントに達也くん一人の血を吸って生き続けられるなら、いいのになと思う。でも」
 いや、聞く者がいたところで、利己的にすぎて納得できない言い訳を。
「仕方ないんだ。エッチは達也くんとするだけで充分だけど、血はね、それだけじゃ足りないから」
 少女はエリの肩に手を置いた。そして、相手の眼前に顔を近づけていく。
「私は、早く真綺さんみたいに太陽の下を歩けるようになりたいの。達也くんと一緒に暮らすために」
 意思の消え失せたエリの瞳を覗き込む。エリは、何の反応も示さない。
「達也くんには、地方の大学に進学して家を出てもらうの。受験勉強は私も手伝えるわ。優等生だもの、私」
 少女はエリの顎に手をかけ、顔を上向かせた。そうして晒させた喉首に、さらに顔を近づける。
「だから、私も頑張るの。たくさん血を吸って、生命を吸って、吸血鬼として力をつけなくちゃ」
 少女―美夜は牙を剥き出し、意思を喪ったままの獲物に突き立てた。
 悲鳴は上がらない。ただ静かに、獲物とされた娘は生命を奪われていく―血液とともに。
 力の抜けた娘の身体を抱き支え、その血を美夜は、あらん限り啜り上げた。
 やがて、抜け殻のようになった娘は解放される―食べ滓として。
 どさりと、その身体が美夜の足元に転がった。
「―綺麗な子だったのに。勿体ない」
 後ろから声がして、美夜は振り向き、にっこりと微笑んだ。
「真綺さん、見てたんですか」
「それが《親》の務めと思うから」
 いつの間にか、その場にいた少女。美夜と同じ年頃と見えたが、それが真実ではないだろう。
 宵闇に似た長い黒髪に、月光が具現化したような白い肌、切れ長の眼をした端整な面差し。
 白いドレス姿は冬の寒空には似合わない―だが、彼女が「生きた人間」でなければ、別だ。
 真祖たる吸血鬼、真綺―
「わたしなら三日はかけて頂くのに」
 言いながら腰をかがめ、真綺は命を喪った娘の顔を撫で、瞼を閉じさせた。
 くすくすと美夜は笑って、
「そんなに悠長にはできないです。早く、たくさん血を吸わなくちゃ、私は」
「焦りは禁物。今夜の狩り方なら、問題ないけど」
「はい。その子には、ここで眠ってもらいます。誰にも見つからないように」
 美夜は地面に向け、片手を差し伸ばす。
 その指先から黒い霧が滲み出し、それが触れた地面は、熱湯をかけられた雪のように溶け崩れていく。
 やがて、深い穴が穿たれた。
 そして霧は今度は死んだ娘の身体を包み、宙に浮かせて―穴の底へと、運ぶ。
 ぱちりと、美夜は指を鳴らした。

105:【Night Food(17)】
07/12/07 01:03:52 lUWpIZbe
 霧が掻き消え、地面に掘られた穴も幻のように消え失せた。
 哀れな娘の亡骸とともに。
「これでよし、と」
「よくできたわね。ご褒美」
 真綺は自分の左手首を噛んだ。そして、血の滲み出したそれを、美夜に突き出す。
「えへへへ……ありがとうございます」
 美夜は、ぺろりと舌なめずりして真綺の手をとり、その血を舐め上げた。
「これだけで、何百人分にもなりますね」
「それだけの人間の生命を、わたしが奪ったということ。そうして、わたしは生き長らえてきた」
「その大事な生命を分け与えてくれてるんだから。真綺さんは、達也くんと私の恩人です」
「面白いから」
「え?」
「姉と弟が愛し合うなんて面白い。本当なら幸せになれない、ふたりだもの」
「えっと……そんなこと言われると私、真綺さんに殺意覚えちゃいますよ。えへへ……」
 困ったように笑う美夜に、真綺は首を振り、
「大丈夫。わたしは吸血鬼、人間のルールは通用しない。勧善懲悪なんて願い下げ」
「えへっ。じゃあ、応援してくれるってことですよね?」
「もちろん。あなたたちは、わたしが幸せにしてあげる。わたしはハッピーエンドが好きだもの。……でも」
 と、真綺は小首をかしげ、斜め目線で美夜の顔色を伺うように、
「そのために血を見る覚悟はできていて?」
「えへへへへ……。達也くんと私以外の血なら、いくらでも」
「それでこそ、わたしが見込んだ《娘》。育て甲斐があるわ」
 真綺は鷹揚に頷くと、ぱちりと指を鳴らす。
 すると、真綺の背の後ろから黒い霧が滲み出した。その中から、土鍋が姿を現す。
「さあ、そろそろ出かける時間。お料理は運んで来てあげた。すぐに弟さんのところに行けるように」
「えへへ……何から何まで、ありがとうございます。今夜は鍋焼きうどんを作ったんです」
 言いながら美夜は、ウエストで折り返して丈を短く見せていたスカートを元に戻す。
 真綺が小首をかしげ、
「どうしてスカートを戻しちゃうの? 短いほうが可愛いのに」
「急に私が変身しちゃったら、達也くんがびっくりしちゃいますから」
「何ごとも慎重にということね。いい傾向。じゃあ、いってらっしゃい」
「いってきます……えへへへ」
 美夜の手から伸びた黒い霧が、真綺の霧から土鍋を譲り受ける。
 そして、美夜は土鍋とともに霧に包まれて―
 その霧が、夜空に向かって流れ出す。
 愛し合う姉弟の、逢瀬の場へと。

【終わり】

106:名無しさん@ピンキー
07/12/07 01:06:30 fyzRuD4V
GJ!

107:【Night Food】
07/12/07 01:07:45 lUWpIZbe
終わりです
必要以上に疲れた... orz

108:名無しさん@ピンキー
07/12/07 01:35:57 8F0kOzoK
GJ!
不気味な雰囲気なのに……「えへへ」が可愛すぎます

109:名無しさん@ピンキー
07/12/07 01:45:51 fA2Wvb5R
つ、続きはあるのですかッ!?

110:名無しさん@ピンキー
07/12/07 03:50:38 evZnHa5V
てっきりお鍋にはお姉ちゃんの血が入ってて弟も吸血鬼になるのかと思った
まあ加熱しちゃうとダメなのかな

111:名無しさん@ピンキー
07/12/07 12:26:27 rgYRnGOn
>>107
GJ!
ただ、弟の名前が俺と同じじゃねーか/(^o^)\
恥ずかしくて読みにくかったぜ

112:名無しさん@ピンキー
07/12/07 13:09:47 KGCOGvO/
>>107
GJ!
吸血鬼とかドジッ娘とか、俺のストライクゾーンにど真ん中の直球が飛んできたな


さて、続きを読むにはワッフルワッフルと書き込めばいいのかね?

113:名無しさん@ピンキー
07/12/07 15:07:40 gO8Xupj2
>>107
GJ!

>>111
お前俺と同じ名前なのかw
だが安心しろ。俺の場合は姉が美夜と一文字違いだ

それでもまともに読めた俺は勝ち組

114:『いもうとの考え』
07/12/07 16:59:48 Rjgk++rh
あぁ、もうすぐクリスマスか…。
今年もまた一人だな、まぁいいけど。
沙妃「おにいちゃーん、ごはーん」
はーい、今日はカレーが食いてえな。

そんな事を思いながら台所に行ってみると見事にカレーだった。
「おぉ、カレーが食いてーと思ってたらホントにカレーだ」
沙妃「そうなんだ」
沙妃(なんかそんな気がしたからカレーにしたんだよ)
妹は16歳にもかかわらず料理が美味い、まぁ家庭の事情上料理は沙妃が長年料理担当してるからかもしれないが、
それを差し引いてもすごく美味い。特にカレーは一級品だ。
「う~ん、んまい。相変わらずうまいなぁ沙妃のカレーは」
沙妃「そう?」
「いや美味いよ、なんか特別な作り方でもしてんの?」
沙妃「特に何もしてないけど…」
沙妃(へへ、実はたっくさんの愛情たっぷり愛液を入れてるからなんだけどね~)
「じゃあ料理の腕がいいのかな、うまいうまい」
沙妃「……………」
沙妃(うわぁ…私の愛液がどんどんおにいちゃんの口の中に入っておにいちゃんの体の一部になっていく…
んっ、見てるだけで軽くイっちゃいそう…何回やってもこれだけはやめらんない)
「沙妃はクリスマスなんか予定あんの?」
沙妃「無いよ、おにいちゃんはあるの?」
「無いよ…そろそろお互い彼氏彼女でも作ってラブラブクリスマスでもしないといけないな」
沙妃「あはは、そうかもね」
沙妃(も~私の気持ちも知らないで…そんな事言ってると襲っちゃうよ)

115:『いもうとの考え』
07/12/07 17:00:56 Rjgk++rh
どうやら沙妃も今年も恋人がいないクリスマスを送るようだ。
兄の目から見ても沙妃はかなりかわいいと思うんだけどな…彼氏の一人や二人くらいすぐに作れるだろうに。
性格だって全然悪くないし、大人しいというか人当たりがよいというか…とにかく顔と性格から考えればかなりモテてるんじゃないだろうか。
沙妃(あ~おにいちゃん犯したいな、ほんと犯したい。
おにいちゃの体の至るところを今すぐ舐めまわしてーよぉ、特に唇を重点的に。いや、むしろ食いつきたい)
「そいえば最近下着とか無くなってない?」
沙妃「えぇ?なにそれ~。無くなってないよ」
「最近俺の下着が少なくなってきてるんだよ」
沙妃「干してるときに風で飛ばされたんじゃない?ぴゅ~って」
沙妃(まぁ私が盗んでオナニーのときに使用してるんだけどね。ぐちょ~って
昨日なんかあんまり激しくしたから破けちゃった。ビリビリって)
「変だな~、誰も俺の下着なんか盗まないだろうし…それに最近朝起きたときスゲー頭がぼーっとしてるんだよな」
沙妃「寝不足なんじゃないの?」
「いや、睡眠時間は足りてると思うんだけどな…ひどいときは頭痛がするんだよ」
沙妃「ふ~ん、疲れが溜まってるとかじゃない?」
「そうなんかなぁ…」
沙妃と(ふふ、やっぱり気付いてないみたい…おにいちゃんが風呂上がりに飲んでるコーヒー牛乳にはちょっとしたクスリが入ってるんだよね~)
「今日は早めに風呂に入って寝てみるか」
沙妃「それがいいよ」
沙妃(やった!今晩はいろいろ楽しめそう。んふふ、なにしよっかな~
やば、考えただけで上の口からも下の口からも涎が出る)

116:『いもうとの考え』
07/12/07 17:03:34 Rjgk++rh
以上、小ネタでした。
突然の投稿ですがよかったら読んでみてください。

117:名無しさん@ピンキー
07/12/07 17:17:47 /Te0/SHm
もちろん続きますよね・・・?

118:名無しさん@ピンキー
07/12/07 18:22:59 SFBivOip
グッジョブ
こんな妹欲しいぜ続き期待

119:名無しさん@ピンキー
07/12/07 18:54:34 GjZkVyIv
>>116
GJ!!
これはとんでもないキモウトだ

120:名無しさん@ピンキー
07/12/07 21:18:20 IMHInMnY
>>116
この妹を買収!(`・ω・´)っ[10000]

121:名無しさん@ピンキー
07/12/07 21:46:17 f/46NqVO
>>116
(`・ω・´)っ[30000]


122:名無しさん@ピンキー
07/12/07 21:52:13 D9JjhWz8
>>116
(`・ω・´)っ[家一軒@山奥]


123:名無しさん@ピンキー
07/12/07 21:52:46 H50XrEZS
>>116
(´・ω・`)つ[30020]

124:名無しさん@ピンキー
07/12/07 22:29:41 k3mUwJ+S
>>116
(`・ω・´)っ[30025]

125:名無しさん@ピンキー
07/12/07 23:09:36 lNcmFe09
>>116
(`・ω・´)っ[30030]


126: ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:15:19 XCdNPRam
競り合い中すいませんが続き投下します

127:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:17:11 XCdNPRam
病室に戻ると、修くんは寝かかっていた。
理緒は、修くんが死んじゃうのかと思ってすごく焦った。
看護婦さんが来て、ただの貧血だって分かって、また泣きそうになった。
修くんが大丈夫だと分かったから、安心した。
そして、先程の話を思い出す。
織部の家は近親相姦によって保たれてきた。
それはつまり、理緒と修くんが性交をして子供を作る事が認められたという事だ。
話を聞きながら、体は喜びに震え、思わず顔が綻んでしまいそうだった。
例え世間に認められなくても、家には何も問題が無いのだから。
家の人に何を言われようと関係無いのだけれど。
修くんの性格から考えて、理緒が子供を孕んだら絶対に逃げる事はしないだろう。
既成事実は何よりも強い。
これで、理緒の檻はより強固な物になる。
そこまで考えて、修くんの寝顔を見る。
理緒にとっての全て。
等価値な人、物など存在しない。
理緒は、修くんにだったら殺されても犯されても構わない。
それで修くんの全てが永久に得られるのならば。
それでももし理緒から離れるのならば…
私はどんな事をしてでも修くんを得てみせる。
いくら血に濡れても、いくら傷付いても。


128:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:19:54 XCdNPRam
ゆっくりと、修くんを起こさない様に唇を重ねる。
柔らかくて、少し厚めの唇。
愛しくて、狂おしくて、そっと髪を撫でる。
この口付けは、誓約の証。
修くんに永遠の愛を。
修くんに永久の安らぎを。
修くんに理緒の、私の全てを捧げる事を誓う。
その代わり、修くんにたった一つだけお願いをしてもいい?
修くんはずっと、私と一緒に居て下さい。
できる事なら、私だけを見て、私だけに触れて、私だけを愛して…
コンコンとドアがノックされる。
名残惜しいけど体を離す。
「あ、織部君のお姉さん。面会の終了時間ですので、今日はお帰り願えますか?」
「…はい」
本当なら、一時も離れたくないけど…
刺したのは、私。
大切な修くんに傷を負わせてしまった。
その罪を償う為に、今だけはおとなしくしておこう。
「帰り道、お気をつけて」
軽い会釈をして、病室を後にする。
帰ったら、どうしよう…
久しぶりに、仕事をしないといけないかな…


…くらくらする。
まだ、貧血みたいだ。
「あっ、目が覚めましたぁ?」
「はい…」
この人の声を聞いたら二度寝したくなった。
「具合はいかがですかぁ?」
「もうかなり良くなりました」


129:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:22:45 XCdNPRam
「そうは見えないんですけどぉ…」
と、そんな不安げな顔と泣きそうな目でこっちを見られても困る。
ここは大丈夫だって感じを見せないとな…
「全然平気ですって。俺は血の気は多い方ですし」
実際貧血なんか久しぶりだし。
もっと小さい時はたまに有ったけど。
「そうですかぁ…あ、あのぉ、おトイレとか平気ですかぁ?」
「え?あ、あぁ、自分で行けますよ」
…なんで残念そうに見えるんだろう。
「行くのが辛い様でしたら言って下さいねぇ?」
「えっと…はい…」
まぁ恥ずかしすぎて言えないし、言うつもりも無いが。
さてと…特にできる事も無いし、寝るか。
まだ治った訳じゃないしな。
…コツッ。
今、なんか音がしなかったか?
……コツン。
間違いない…なんか当たった様な音がする…
…怖っ!なにこの病院怖っ!
…兄ちゃん……
呼ばれた…?今呼ばれた?
…お兄ちゃん…
絶対呼ばれたっ…俺、なんか悪い事したっけ?
…修お兄ちゃん…!
あれ…?今の呼び方って…
「修お兄ちゃん!」
その声は…冬華ちゃん?
俺はそろそろと窓に歩み寄る。
窓のすぐ下に厚着をした冬華ちゃんが居た。


130:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:24:40 XCdNPRam
俺はなるべく音をたてない様に窓を開ける。
「えへへっ、こんばんは」
「こんばんは…じゃなくて、冬華ちゃん何やってるんだよ?」
「なにって…お見舞い?」
「まずこんな時間に来るのはおかしいし、窓からなのもおかしいし、何より一番つっこみたいのはお見舞いに疑問系が付いてる事だ!」
ハァっハァっ…
一気に喋って、疲れた…
「修お兄ちゃん、元気だね…」
なんで微妙にひかれなきゃならないんだ?
と思いながら、冬華ちゃんを見ていて…
昨日の事を思い出してしまった。
急に冬華ちゃんの方を見れなくなる。
あれだけ無様な格好を晒したんだし、何を今更と思われるかもしれないが、仕方ない。
あれは俺が望んだ事じゃない。
「どうしたの?修お兄ちゃん」
「いや…なんでもない。それより、早く帰った方が良いんじゃないか?」
つい、少し冷たく言ってしまった。
「修お兄ちゃん、冬華の事…嫌いになっちゃったの…?」
冬華ちゃんの声は震えていて、その大きな瞳には涙が浮かんでいた。
「そういう訳じゃない。だけど、家族の人が心配するだろ?」
適当な返事を返す。
「…冬華寂しいよ…修お兄ちゃん、お部屋に入れて…?」


131:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:26:04 XCdNPRam
見事に俺の話は無視された。
「冬華の事なんて皆心配してくれない…」
小さく、そう呟くのが聞こえた。
たった50センチ程の距離だったが、風でも吹けば聞き取れない程の声で。
「修お兄ちゃんも、冬華の事なんてどうでも良いの?」
「そんなことないよ」
「じゃあ、少しで良いから冬華と一緒に居て…」
そんな風に言われたら断れる訳が無い。
何故か、ここで冬華ちゃんを無理矢理帰らせたら取り返しの付かない事になってしまう気もした。
「仕方ないな…靴、脱いで」
そう言った途端に冬華ちゃんの顔はぱっと明るくなる。
「…うんっ!」
靴を脱いだ冬華ちゃんの腕を持って引っ張りあげる。
「ありがとう、修お兄ちゃん」
背中からそう声をかけられた時、寒気がした。
理由は全く分からないが、俺の体と感覚は何かを感じ取ったのかもしれない。
それを無視する様に、ぎこちない動きでベッドに座る。
すぐに冬華ちゃんも寄ってきて、俺の隣にちょこんと座る。
ドクンと心臓が跳ねる。
「修お兄ちゃんはやっぱり優しいね」
そう言いながらこちらに顔を向け、俺の手に触れる。
また、ドクンと心臓が跳ねる。


132:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:28:30 XCdNPRam
さっきから、俺の体はどうしたんだ?
自問してみるが、答えは出ない。
「修お兄ちゃん、横にならなくて平気?」
「あ、あぁ。平気…だ…っと…あれ?」
ぐらりと視界が歪む。
俺の体はどさりとベッドに倒れてしまった。
「大丈夫?修お兄ちゃん」
大丈夫だと言いたい所だが、体はほとんどいう事を聞かない。
かろうじて腕は動かせる様だ。
「あのね、修お兄ちゃん」
何?と言おうとしたが、声もうまく出せなかった。
喋ろうとしても口からでるのは呻く様な声。
「……?」
「冬華ね、昨日からずっと考えてたの」
なんのことか分からず、喋れもしないので、次の言葉を待つ。
「どうしたら、修お兄ちゃんは冬華の物になるかなぁって」
また、頭がぐらりとした。
「最初はね、理緒さんを殺してしまおうかって考えたの」
冬華ちゃんはいつもと変わらない声でとんでもない事を口にする。
「でも、それは止めた。だって、人を殺しちゃったら修お兄ちゃんと一緒に居られないもん」
何か、おかしい。
俺の目の前の冬華ちゃんは何か違う。
「だから、冬華は決めたの。修お兄ちゃんを冬華の物にする為に、修お兄ちゃんを殺してあげようって」

133:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:31:36 XCdNPRam
今、なんて言った?
俺が冬華ちゃんに殺されるのか?
「そうすれば、修お兄ちゃんは冬華の物。誰にも渡さなくて済む」
なんとか声を出そうとするが、やはり呻き声しか出ない。
「あ…あ…」
「そんなに怯えた顔をしないで?大丈夫だよ。すぐに冬華もいくから」
冬華ちゃんは俺の上にまたがり、服の下から包丁を取り出した。
このままだと、俺は確実に殺される。
何か、何か手は無いか?
なんとか動く腕で近くを探る。
「修お兄ちゃん…冬華はずっと一緒だよ」
ゆっくりと、手に持った包丁が振りかぶられる。
そうだ、ここは病院だ。
ナースコールが有るはず…
必死に腕を動かして、ようやくそれらしき物に手が触れる。
そして、スイッチを押そうとした瞬間。
ドスリと、腕に深々と突き刺さった。
「うあぁぁあぁあっ!」
心の中では叫んでいたが、どうしても口からは出ない。
「だめだよ、修お兄ちゃん」
ズルリと、血にまみれた包丁が抜ける。
「おとなしくしてないと」
ヒュッ、ザクッ。
気付けば、もう片方の腕にも刃が突き立てられていた。
痛みより、ただ恐怖と血の熱さだけを感じている。
「悪い修お兄ちゃんにはお仕置だよ」


134:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:34:37 XCdNPRam
笑ってそう言った冬華ちゃんの顔には返り血が付いていた。
それを見た次の瞬間、刺された包丁はぐりぐりとねじられる。
腕が壊れていくのを、俺は確かに感じていた。
一回ねじる度に、俺の血が跳ね、冬華ちゃんの顔を汚していく。
血を浴びる冬華ちゃんの顔は恍惚としていた。
もう俺に抵抗する手段は何も無い。
「あはっ、修お兄ちゃんの血…温かくて、すごく綺麗だよ」
ぺろりと、口の近くに付いた血を舐めている。
「もっと楽しみたいけど…」
再び包丁は振りかぶられ、
「早く一緒になりたい」
狙いを定め、
「修お兄ちゃん、愛してるよ」
振り下ろされた。


「うあぁぁぁっ!」
はっ、はっ、はぁっ…
夢、だったのか?
それにしては痛みも感じたし…
腕を確認しても、傷はどこにも無かった。
でも今の夢、リアル過ぎる…
なんとなく、嫌な予感がする。
かといってもう寝れる気はしない。
そうして、何をするでもなくただ寝転んで居た時だった。
…カツッ
その音を聞いて、心臓が破裂しそうな程驚く。
まさか、現実に冬華ちゃんが来るはずないよな…
カツン…
これは、廊下から聞こえる?
こんな時間に、誰だろう。
ドアが開けられた…

135: ◆/waMjRzWCc
07/12/07 23:35:57 XCdNPRam
投下終了します。
しかし新しい職人さんも上手いな…
自分ももっと精進しなきゃ…

136:名無しさん@ピンキー
07/12/07 23:43:57 rDVS77Y3
GJ

137:名無しさん@ピンキー
07/12/07 23:57:43 B31CKsB9
GJ!おまいさんも書くたびレベルアップしてるの分かるからガンガレ!
偉そうでゴメス

138:名無しさん@ピンキー
07/12/08 10:56:12 g3gkdQpr
眼福 眼福ww

139:名無しさん@ピンキー
07/12/08 13:10:13 6JkW7fiP
>>135
GJ!

刺される所でおっきおっきしてしまった俺ドM

140:名無しさん@ピンキー
07/12/08 18:02:40 nzZH8jSa
GJなんだぜ

141:名無しさん@ピンキー
07/12/08 19:38:45 TWqjacGG
履鋤鵡!

142:59,84
07/12/08 22:04:03 jm13WJ2v
【愛憎一重】と【Night Food】を投下した者です

>>63,64,65,66
どもです

>>106
どもです

>>108
「えへへ」は狙って言わせてます(汗

>>109
続きは……どうなんでしょう?(汗

>>110
お姉ちゃん的には弟の生き血を飲むことに意義があって
吸血鬼化させてしまうと意味なくなってしまうのです
(真綺の血を舐めているのは、格上の吸血鬼の血はレベルアップに繋がるから)
(弟を吸血鬼化させた場合は自分より格下になってしまう……)
……なんて脳内設定を考えたりしてました(汗

>>111,113(達也さんたち)
勝手に名前を使って申し訳ないw
あー、ちなみに私は、とある直木賞作家と同姓同名です関係ないけど

>>112
でも、もしかするとお姉ちゃん
人間時代はともかく吸血鬼化したいまのドジっ子ぶりは
弟の前での演技かもしらず……

ちなみに私のストライクゾーンは
オッパイな姉とツルペタな妹(欲張り

143:名無しさん@ピンキー
07/12/09 13:16:50 7xxR3PYv
待て、全レスはそれぐらいにしておいたほうがいい

144:名無しさん@ピンキー
07/12/09 17:10:01 wt5iqs0k
痛い

145:名無しさん@ピンキー
07/12/09 17:21:20 ny/ZByvF
だがそこがいい

146:名無しさん@ピンキー
07/12/09 18:47:38 AHXCQ1G9
いやいやよかないよかない
作品はともかく

147: ◆/waMjRzWCc
07/12/09 19:17:58 +xWZzNYe
続き投下します

148:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/09 19:19:42 +xWZzNYe
「あらあら…まだ起きてらしたの?」
なんだかすごく丁寧な喋り方の人が入って来た。
「あの、失礼ですがどなたですか?」
「あら、失礼。私、この病院の院長、御神弥子と申します」
うやうやしいという表現がぴったりなお辞儀をしながら自己紹介する御神さん。
「えっと、俺は織部って言います」
ついつられて深くお辞儀をしてしまう。
「えぇ、存じております。織部修さん…でしたわよね?」
「え…?」
なんで、名前まで知ってるんだろう。
「あら…私、間違えてしまいました?」
「いえ、合ってますけど…なんで名前まで知っているんですか?」
「私、この病院に来る人の名前は全て見る様にしているのです」
それってすごく大変じゃないか?
それに、全部覚えているのだろうか。
「この町は名前に意味を持たせるのが好きみたいなので、楽しいですわ」
名前に…意味?意味だって?
「あのっ!」
「きゃっ!あらあら…急にどうなさったの?」
つい興奮して体を掴んでしまった。
「あ…すいません…」
「構いませんわ。それより、どうなさったの?」
そうだ。本題を聞かなくては。
「俺の名前に、意味はあるんですか?」


149:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/09 19:21:13 +xWZzNYe
「あなたの名前ですか?ご自分でご自分の名前の意味が分からないのですか?」
なんかちょっとグサリと来た…
でもそんなことにショックを受けてる場合じゃない。
俺の名前の意味が分かれば、何か変わるかもしれない。
理緒姉や羽居姉妹との関係が。
「仕方ありませんわね。全て教えて差し上げるのは簡単ですが、それでは成長致しませんので…ヒントだけ」
この人のキャラが掴めねえ…
が、今はヒントだけでもありがたい。
父さんが、俺に何を言っていたのか分かるかもしれない。
「お願いします、教えて下さい!」
「あらあら…そこまで言われたら、教えなくては申し訳が立ちませんわね」
俺の名前に、一体どんな意味が…
「あなたは器…ただし大きさと深さはあなた次第」
「器…?」
俺が器だって?
一体どういう事だ?
全然わかんねぇ…
「うふふ…修さんは余程複雑な状況下におられる様ですわね」
この人は、何でこんなに何もかもを知っている様な口振りなんだ?
「御神さんは…何を知っているんですか?」
「私は修さんの状況など存じ上げませんが…修さんの名前がそう言っておられますので」
名前が言ってる…?
この人も、不思議な人だな…

150:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/09 19:22:12 +xWZzNYe
「ところで修さん」
「…なんですか?」
なんか急に声のトーンが変わったな…
この病院にはこんな感じの人しか居ないのか?
「修さんの話を聞いてあなたに興味を持ちましたの。折角こんな夜半に起きていらっしゃるのだから、私の話にも付き合っていただけませんか?」
「え…まぁ、構いませんけど」
どうせしばらく眠れそうにないし。
「良かった…では私の部屋に来ませんか?コーヒー位なら出して差し上げられますから」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
トコトコと歩き出す御神さんに付いていく。
着いた場所は当然院長室だった。
少し大きめのドアが開けられる。
「遠慮なくお座りになって?」
「失礼します」
「すぐにコーヒーをご用意致しますので、少々お待ちを」
そういってパチンと指を鳴らす御神さん。
すぐに俺が入って来たのとは違うドアが開いて人が入って来た。
「失礼致します。コーヒーをお持ちしました」
テーブルにコーヒーを置くとスッと頭を下げてまた戻って行ってしまった。
「…あの人は?」
「あの子は私の専属の秘書、山神聖ですわ。少し愛想が足りない子ですが、可愛い子でしょう?」
「えぇ、まぁ…そうですね」

151:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/09 19:23:31 +xWZzNYe
正直に言うと、あの山神という子からはなんとなく威圧感というかプレッシャーを感じた。
確かに見た目は文句無しに美少女だった。
何歳なのか知らないが俺と同じ、もしくは下位に見える。
と、コーヒーを口に含みながら考えていた。
「どうです?修さんの好みだったりするのですか?」
「っ!げほっげほっ…いきなり何を言うんですか!?」
危うく盛大にコーヒーを吹く所だった。
「あらあら…違うのですか?何か惚けている様に見えましたので、てっきりそうなのかと…」
「確かに可愛らしい人ですけど…違います。それに俺、なんだか嫌われたみたいだし」
「あの子は私以外の誰に対してもあの態度ですわ」
私以外と言うが御神さんに対してはどんな感じなのだろうか?
「さて、あの子の事はこれ位にして、私の話をさせていただきますわね」
「えぇ、どうぞ」
そういえばそれが目的というか、本題だったな。
「先程の名前の話の続きなのですが…」
俺は黙って首肯し、続きを待つ。
「私と修さんには共通点が存在します」
「俺と、御神さんに?何も共通点が見当たらないんですが…」
字数も違えば同じ字が入ってる訳でもないし…
一体どこに共通点が有るんだ?

152:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/12/09 19:25:10 +xWZzNYe
「私の名前もあなたの名前も、そのままの文字では意味を成さないのですわ」
良く意味が伝わってこない。
つまりどういう事だ?
「つまり元々は違う字を使いたい、けれどその字を使うと一般的な人名としてはおかしくなってしまうから、今の字を当てたのです」
論理的な説明に納得し、深くうなずいてしまった。
けど、一つ疑問が有る。
「なぜ俺の名前もそうであると分かるんですか?」
「先程も言いませんでしたか?あなたの名前がそう言っているのですよ」
…言ってる事はどう考えてもおかしいのだが、何故か納得してしまう。
この御神さんという人からはそんなオーラを感じてしまっていた。
「修さんの家族の名前をお聞きしてもよろしいかしら?」
唐突だな…
まぁ、悪い事が有る訳でもないし構わないか。
「姉が一人居て、理緒っていいます。後、両親はもう死んでしまっていますが、父が利織、母が四季といいます」
「…なるほど」
家族の名前を言ってから、御神さんの顔つきが険しくなった。
何か考えこんでいるみたいだ。
「先程私はあなたを器だと言いました。しかし、どうやら少し間違っていたみたいですね…」
「じゃあ、俺の名前の意味は…?」


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