嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 43も古参もat EROPARO
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 43も古参も - 暇つぶし2ch168:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/25 21:00:37 abHD3xLj
要は何も言わない。
ただ、助けを求めるかのように、秋穂の方へ視線を移す。
「……ほらね? 嫌がってるじゃない。離してあげてよ、三浦さん」
要の視線を受け、勝ち誇ったような表情で、私に薄く笑いかける秋穂。
そのまま私の手を振り払い、自分の手を要の手の甲へ重ねる。
そんな秋穂の様子を、ほっとしたような表情で見つめる要。
秋穂も小さく微笑みながら、要に応えている。
その光景は、まるで仲睦ましい恋人達の逢瀬の様だった。
―なによ、これ。
これじゃまるで私の方が……
「美希! いったいどうしたってのよ?」
「あんたホント変だよ? なんで急に山下なんかに……」
慌てふためいた様子で、涼子と麻希が私の側に近寄ってきた。
だけどその二人も、ここに秋穂がいると分かった途端、足を止めてしまう。
「しょ、庄田……」
「うっ……」
「あら、村田さんに戸田さん。私の顔になにかついてる? そんな怖い顔しないでよ」
二人の様子を見て、クスクス笑う秋穂。
そんな秋穂を見ながら、涼子と麻希はばつが悪そうな表情をし、立ちすくむ。
「……くっ!」
ぐるっと、教室中を見渡してみる。
気づけば教室中のクラスメイト達が、私達に注目していた。
皆、呆けたような表情をしながら、黙って私達の様子を伺っている。
そんな中で高田君だけは一人、ずっと窓の外を眺め続けていた。
まるで私達の事になどまるで興味がないかのような、そんな振る舞いだった。


秋穂に助けを求めた要。
そんな要を見て、勝ち誇る秋穂。
その秋穂を見て、まるで動けなくなった涼子と麻希。
そしてすべての事情を知っているはずの高田君は、私達の様子にまるで興味を示さない。



―このクラスに味方は誰もいない。
そのことに、今になってようやく私は気がついた。


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