07/11/24 01:32:37 X60d4aew
杏樹はパンティを脱ぎ捨てると、今度は兄の枕を股間に挟み込んで俯せに寝ころぶ。
ほどよい固さの枕が、股間のツボを的確に捉えていた。
その姿勢で腰を前後に動かしながら、杏樹はエロ本のページを捲り続ける。
「あっ……あんっ……お兄さまったら……あぁ~ん」
杏樹はエロ本のモデルを自分に重ね合わせながら甘い呻き声を上げる。
時折両手を後ろに回してクロスし、あたかも兄に縛られているような姿勢をとってみる。
すると自分でも驚くほど興奮するのが分かった。
夢想の中の兄は、抵抗できない彼女の股間に指を使って悪戯してくる。
腰の動きが速くなり、何度も熱いものが迸る。
枕は使い物にならなくなっていたが、今の杏樹にはどうでもいいことであった。
しかし、次にページを捲った時、杏樹の腰がピタリと停止した。
そのページには、更に衝撃的な写真が見開きで載っていた。
身動きできぬよう縛られた女が、高々と上げた尻に浣腸を施されていたのだ。
「な……これ……太い……」
一升瓶ほどもあろうかという薬液の満ちたシリンダーの太さに、杏樹は息を飲んでしまう。
猿轡を噛まされた女は、苦しそうに顔を歪めながらも、やはりその目の奥には甘美な色を湛えていた。
そこから先はスカトロもののオンパレードで、ありとあらゆる浣腸器が総出演していた。
ご丁寧なことに、一つ一つについて詳しい解説が併記されていた。
排泄シーンの写真が一枚もなかったことが、杏樹にとって救いと言えば救いであった。
否、彼女にとって、それは不幸なことだったのかもしれない。
排泄物が映っていたなら、彼女は拒否反応を示して本を閉じていたかもしれないのだ。
最後のページを読み終えて本を閉じた時、杏樹は浣腸についてエキスパート並の知識を吸収してしまっていた。
この本はスカトロマニアであるDr.エネマンの心理を知ろうと、久典が身銭を切って購入した資料であった。
敵を知り、己を知らば─という孫子の兵法を実践しようとしたのである。
「お兄さまがこんな事に興味があるなんて……女の人にこんな残酷なことなさりたいのかしら」
杏樹は複雑な思いで溜息をついた。
こんな本なんか自分が取り込んで隠してしまおうかとも考える。
しかし、黙って部屋に入ったことを知られてしまうことになるので、名残惜しそうに引き出しの奥に仕舞い直した。
気が付けば、兄の帰宅時間が迫っていた。