08/01/04 00:35:48 EllC9jls
どうも、遅ばせながら開けましておめでとうございます。
画像掲示板がちょっとしたターム祭りになっていたもので、QueenInfectのその後を書いてしまいました。
新年の堕とし玉として、どうぞ御観賞ください。
『QueenInfect 後書』
一週間ほど前に帝国首都、アヴァロン城下で巨大なシロアリ=タームが大量に発生し、市民の間に恐怖と恐慌を巻き起こした。
通常タームは幼生から成体になるまで数十年の歳月を要するが、他生物に寄生することで急激に成長し
宿主を乗っ取って成体になることができ、かつてはサバンナ地方で猛威を奮いいくつかの集落が壊滅したこともあった。
そのタームの王、クィーンはかつてアヴァロン帝国の皇帝に滅ぼされたが、死ぬ間際に一つの卵を残し
自分を殺したアヴァロン帝国皇帝への復讐と一族の繁栄を夢見て、長い長い年月を経て力を蓄えてきた。
そして、ある程度力を取り戻したクィーンはアヴァロンの地下墓地の奥深くで密かに繁殖を始めた。
残り少ない精力から産み落とした卵が数十個。孵った幼生が十数個。勿論土を掘り起こしていくことなど
出来ないので他の生物に寄生させることはできず、クィーン自らの肉体を食わせ育てていくこと十数年。
それすらままならなくなり共食いまでさせ、最終的に生き残ったもの数体。
その数体で土を掘り起こし、ついにタームは何百年かぶりに地上の空気を吸うことが出来た。
その後、タームたちは幾人かの人間を拉致してクィーンへと捧げ、クィーンはそれを栄養として多くの卵を生み出した。
そして孵った幼生は掘り返した穴を通って地上へと溢れ出て、次々に人間に寄生していった。
寄生された人間は次第に心身がタームのものへとなっていき、最終的にはタームそのものになってしまう。
そのタームになりかけた人間がクィーンの意思の元に隣人を、妻子を、父母をクィーンの下へと捧げだし
クィーンはそれを元に大量の卵を生み出す。そしてその卵が孵り、幼生が人間へと寄生していく。
このサイクルがある程度軌道に乗り始め、アヴァロン城下のタームは爆発的に増え始めた。
一族の繁栄と皇帝への復讐。クィーンの思惑は現実のものになりつつあった。
が、そこに立ちはだかるものが現れた。
かつて自分を滅ぼしたもの。アヴァロン帝国の皇帝。
その皇帝の位を最後に冠する者、レオナがクィーンの居場所を突き止め、野望を阻止せんと立ち向かってきた。
沢山の人間を喰らい、かつて七英雄すら恐れたという真の力を取り戻したクィーンだったが、レオナの
前には一歩及ばず、かつて自分がたどった運命を再び味わう羽目になった。
クィーンが倒れたことで統制の取れなくなったタームは全て駆逐され、大きな被害を出しながらも
アヴァロン帝国はその危機を脱することが出来た。
はずだった。