嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 42なさい…!at EROPARO
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 42なさい…! - 暇つぶし2ch1:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:39:11 4g9bPgGr
浅いものはツンツンしたり、みたいな可愛いラブコメチックなヤキモチから
深いものは好きな人を独占して寵愛する為に周囲の邪魔者を抹殺する、
みたいなハードな修羅場まで、
醜くも美しい嫉妬を描いた修羅場のあるSSを扱うスレです。

■前スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 憎ら41あの女
スレリンク(eroparo板)

■まとめサイト
2ch 「嫉妬・三角関係・修羅場統合スレ」まとめサイト
URLリンク(dorobouneko.web.fc2.com)

■避難所
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 二人目の子
URLリンク(www2.atchs.jp)

2:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:40:16 4g9bPgGr
■関連スレ
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレ 第22章
スレリンク(hgame板)
■姉妹スレ
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレinラ板 その2
スレリンク(magazin板)
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレin角煮板4th
スレリンク(ascii2d板)

3:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:41:08 4g9bPgGr
誘導用
【ロリも】ハーレムな小説を書くスレ【熟女も】 12P
スレリンク(eroparo板)
ヤンデレの小説を書こう!Part11
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ほのぼの純愛 9スレ目
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●●寝取り・寝取られ総合スレ6●●
スレリンク(eroparo板)
キモ姉&キモウト小説を書こう!
スレリンク(eroparo板)

4:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:42:06 4g9bPgGr

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・作品に対する評価を書きたいなら、スレ上ではなくこちら(URLリンク(yuukiremix.s33.xrea.com))へどうぞ
スレは作品を評価する場ではありません

5:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:57:08 Q+gwxivS
>>1

6:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:19:36 qSEE4hfX
>>1荵吶〒縺呻シ��シ�
繝翫う繧ケ縺ェ繧ケ繝ャ繧ソ繧、�シ��シ�

7:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:29:44 saGHqD/B
なんかちょい早い気がするがまぁ乙

8:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:49:23 6xVdYd0u
>>1乙ー

9:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:10:53 t5IrEni8
穏やかで平和で嫉妬あふれるスレになりますように

10: ◆SVNDcoHudE
07/11/07 23:43:22 5UL2uCV7
>>1さん乙です~。
一発投下します。

11:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/07 23:44:18 5UL2uCV7
教室内では「肉の壁」のおかげで特に問題もなく、やり過ごすことができた。
しかし本当の勝負はここからだ。
教室を一歩出ると、そこから先は私一人でやりくりしなければならない。
今、この状態で由梨絵と2人でいるとあの子まで巻き添えを食う危険性が出てくる。
だから移動教室のときは飯田君や要君のような男の子達と一緒に行動する。
こうすれば、美希はおろか戸田や村田も下手に手が出せない。
これが余計あいつらの怒りを買う行為であることは百も承知だ。
…けど一人になるわけにはいかない。
それがどういう結果に結びつくのか、私にはよく分かっているから。




「美希~こっちこっち!」
「おっけ!」
「ホラ!麻希!」
コートの上では、美希や戸田、緑山といった連中がスポーツに励んでいる。
やっぱりこの時期でも体育は欠かせない科目だ。
受験のストレス解消にもなるし、運動不足解消にもなる。
…ま、私はこういう団体スポーツは好きじゃないからやらないけど。
それに「肉の壁」が使えるこの時間は、今の状態で由梨絵と話せる貴重な一時だ。
「すごいね~やっぱり緑山さんと三浦さん、いい動きしてる」
「ん~…そうね」
由梨絵は面白そうにコート上の美希達を見つめている。
この子は私と違い、不本意であのコート上に立てないでいる。
「いいな~私もあんなふうに動きたい」
「……………」
由梨絵は体が弱い。
だからいつも体育の時間は見学だ。
前までは学校に来ること自体が稀で、だからなのか、あんまり友達がいなかった。
そんな由梨絵が、私に声をかけてきたのは当然のことだったのかもしれない。

12:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/07 23:45:08 5UL2uCV7
「わっ!すごい!あんなところからシュート決めちゃったよ三浦さん!」
「そうね……」
子供ようにはしゃぎながら、羨ましげに美希を見つめる由梨絵。
この子は私と美希にあったことを何も知らない。
ただ純粋に、まっすぐに美希に憧れている。
そういうとこ、要君と似ている。
「ねえねえ、秋穂も混ざってくればいいじゃない!秋穂なら活躍できるよ!」
「私はいいのよ。こういうの好きじゃないって言ってるでしょ?」
「え~。つまんなーい」
ほんとに純粋な子だ。私に近づいてきたのも、同情とかじゃないんだろう。
ただ仲良くなりたかったから、それだけなんだ。
だからこそ、由梨絵に迷惑をかけるわけにはいかない。
そしてこんな子が好きになった、彼にも。
「…ん?あっ!飯田君だ!またさぼってこっちきてるよ~」
由梨絵が指差した先では、飯田君と要君達がぞろぞろと体育館に入ってくるのが見えた。
全く、なんのために彼らがここに来てるのか、私達が分かってないとでも思ってるんだろうか。
「うわ~また来てるよ、男子達」
「キモ~」
「見てあの目!やらしい~」
やれやれ。言わんこっちゃない。
若干あきれながら要君の方を見ると、向こうも私を見ていたのか、ばっちり目が合ってしまった。
慌てたように私から目を逸らす要君。私も、なんとなく目を逸らしてしまう。
「お~い飯田君~」
周りの反応もまるで気にせず、嬉しそうに手を振る由梨絵。
飯田君もそれに気づき、こちらも嬉しそうに由梨絵に向かって手を振り返す。
…いいな、ほんとに。この二人はほんとに似合ってる。
由梨絵が飯田君の事好きになったのもわかるし、飯田君もたぶん、由梨絵に惹かれてる。
羨ましいほどお似合いのカップルだと思う。

―やっぱり駄目だ。この二人を巻き込むわけにはいかない。
これは私と美希の問題だ。
私の手で、なんとかするしかない………

13:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/07 23:46:37 5UL2uCV7
体育の時間が終わると、合同だったクラスは元のようにバラバラになる。
女子達は更衣室で着替え、その後それぞれが元のクラスへ戻っていく。
私はすぐに教室には戻らず、容姿を整えるため、一人で女子トイレへと赴く。
―ここからだ。ここからが、正念場だ。


女子トイレに入ると、すでにそこには村田とその取り巻きの女子達がいた。
入ってきた私を一瞥すると、興味なさそうに鏡へと目線を戻す。
予想通りだ。ま、これで終わるわけがないことは十分分かってるけどさ。
私も彼女達に関心がないような振りをして、そのまま鏡の前に立つ。
視界の外で、村田の口元が少し歪んだのが見えた。

…来る。

「…でもさ~いきなりあれだもんねぇ」
急に声を張り上げ、取り巻きの女子達に話を振る村田。
「急に変わっちゃってさ~男にでも飢えてんのかな~」
「ありえるありえる。きっとストレスたまってたのよ」
「あ~だから適当な男捕まえてストレス解消って感じ?」
「そうそう。がり勉ちゃんぽかったしね~」
「そんなんだったらエンコーでもすればいいのにねぇ」
「家が許してくれないんじゃない?「お金持ち」だし!」
「違う違う!いくら変態オヤジでもあんな根暗相手にしないって~」
「あっ!そっか、だよね~だからあんな格好しはじめたのかもね~」
「うへぇ~いくらなんでもマジありえない~」
私の様子を伺うように大声で話し続ける村田達。
…我慢だ。まだ我慢しなきゃ駄目だ。
「………ねえどう思う?しょ~ださ~ん?」
村田がバカにしたような笑みを浮かべながら私に話を振ってきた。
今だ。
「…さあ?少なくともそんな子に彼氏取られるような女より、随分マシなんじゃないかしら?」

14:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/07 23:47:31 5UL2uCV7
「…は?何言ってんのあんた?」
「……別に?ただの例え話」
村田は私の言葉に、わなわなと肩を震わせている。
…ぷっ!まずい。笑ってしまう。
「それじゃ、さよなら」
メイク用具をしまい、口元を押さえながら外に出る。
ほんとに吹き出しそうになってしまった。まずいまずい。
「待ちなさいよ!」
一歩踏み出した私の肩に、村田の手が伸びる。
「あんた、マジで調子に乗ってんじゃないわよ!」
凄まじいほどの怒りを全身から発しながら、私を睨む村田。
私もできるだけ冷たく睨み返す。
「調子に乗ってるのはどっちよ。離して」
「はぁ?どの口が言ってるわけ!?またイジメてあげましょうか?」
「…やってみれば?ほんとウザいわね、あなた」
「っ!!!庄田!」
村田が声を張り上げたその時、丁度授業開始のチャイムが鳴った。
「離してよ。授業遅れちゃうでしょ」
肩に置かれた手を振りほどき、教室へ向けて歩き出す。
背後から村田の悔しそうな声と慰めるような取り巻き達の声が聞こえる。
ほんとバカね。あんたは所詮その程度なのよ。
こんな挑発に乗るなんて……美希も似たようなものだけど。
この学校の女は、ほんと自分の男が関わると弱くなる。
そういう意味じゃ私も同じか。ふふっ。



廊下の角を曲がる瞬間、村田の恨みと怒りのこもった声が私の耳に響いてきた。
「あんた本気で私の事怒らせたわね!!覚悟しなさいよ!根暗女!」


…だからやれるもんならやってみなさいよ。ホルスタイン女。

15: ◆SVNDcoHudE
07/11/07 23:48:45 5UL2uCV7
終わりです。3分割とか言っておきながら4分割になってしまいました。
女子トイレ怖いです

16:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:55:49 l2ZifLJi
CJ!!!!!!

17:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:59:29 bjbrwHzT
GJ!!
秋穂ではなく、周りが狙われそうで心配だぜ。

18:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:12:18 NiH8wS+Q
>>15
GJです。
それにしてももし美希は秋穂をいじめてる所を要に見られたらどうするのだろうか・・・精神崩壊?
今後の展開がますます待ちどうしくなってきたので毎日の投下は有難いです。
頑張って下さい

>>17
俺もそれが心配だな。
由梨絵が標的にされないことを願う

19:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:21:36 ayhjmSvK
>>15
GJ!!!!!!

個人的に女子トイレと給湯室は女性の本性が垣間見れる場所だと思う。
まっ、イメージだけどね。

20:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:25:11 Gs4Km4/B
なんか要が蚊帳の外になってきたなw

21:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:25:15 Ui9v3IHL
>>15
GJですよ
さて、どうなるのか…
しかし飯田君と由梨絵ちゃんはこの作品の清涼剤やね

22:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:31:27 wehkmUVm
しかし飯田にはステキなキモ姉妹が……由梨絵ちゃんも大変だなぁ

23:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:59:30 EbQljOfR
最初は美希の方が好きだったけど読んでるうちに秋穂の方が良さげになってきた。
前にも誰かが言ってたが何だか美希と君望の美月が被ってみえるなw
続きを全裸で待ってますよ。

24:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:55:56 XfrP9jn/
そろそろ、要視点に戻って来て欲しいかも
彼の気持ちが全くわからんし、物語があやふやになるからな

25:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:58:42 Jht0EMW7
もう今の要には全く感情移入できないよ
昔の恋人一筋だったかっこいい要はどこにもいない・・

26:名無しさん@ピンキー
07/11/08 02:43:53 GkVLEGkD
そりゃ、秋穂の言ってたことに混乱しまくりなうえに今仮に様子見してたとしても
美希がそういう女だってのもこれから先、行き着くさきは本当のことだったんだから
要としてもやるせないよ

27:名無しさん@ピンキー
07/11/08 03:48:20 aqO1G2xB
秋穂が出現する前に美希が要との交際をばらしてたらここまではもつれなかっただろうに・・ 

そう考えると、なんか皮肉だね

28:名無しさん@ピンキー
07/11/08 06:07:00 l96WhZkB
GJ!!
秋穂の思わせぶりな台詞の意味全く分からなかっただろうに反応しちゃう村田って……
性格も最悪な上、おつむも……
あと、とりあえず今の要が持ってる情報じゃ美希に疑心暗鬼で、秋穂に傾くのは男として普通だと思う。
まして要は独占欲強い訳だし。
まあ、そろそろ美希が覚醒しそうなのはwktkだけど。

29:名無しさん@ピンキー
07/11/08 07:42:31 6ayCTFLg
GJ

そろそろ周りのことなんか考えなくなった美希が
(高田←ここ重要。や取りまきを捨てて)なりふりかまわず要を落とそうとする勇姿が見たいな


30:名無しさん@ピンキー
07/11/08 08:37:25 d1fihshQ
gj
むしろ美希は取りまきを利用して高田と美穂を排除しそう。

31:名無しさん@ピンキー
07/11/08 11:20:51 H5O4ESgI
群像劇というだけあってか要にそれほど感情移入してない俺としては、要が報われない
ような結末でもいいと思う。むしろ都合よく救われるようにはしてほしくないかも。

ただ、どのキャラにも何らかの報いは受けさせてほしい。まあそこは心配なさそうだけど。


32:名無しさん@ピンキー
07/11/08 11:57:04 GkVLEGkD
色々なルートがあるよね。これから先どうなるかwktkものだ

33:名無しさん@ピンキー
07/11/08 13:00:17 Cplz7NM+
高田がキスしなきゃもっと違う展開になってただろうな

34:名無しさん@ピンキー
07/11/08 13:41:04 cxqiFtc2
こんな状況で一途でいろってのが無理

35:名無しさん@ピンキー
07/11/08 13:52:09 aqO1G2xB
要には同情こそすれど、違和感は沸かないけどなあ

36:名無しさん@ピンキー
07/11/08 14:24:18 d1fihshQ
要自身に不備はないだろ、周囲に振り回されてて不幸
まあ要視点で見たら辛いとしか言えない状況だけど、読者の視点で見たら美希も秋穂もパクリって美味しい所もあるから
嫉妬してる読者もいるんじゃね?

37:名無しさん@ピンキー
07/11/08 14:29:09 cR4RrcFQ
要には同情票が集まっているが
彼女は寝取られたと思っていたら、実は自分を騙してましたってオチだし
秋穂は腹黒い女だし

そりゃ、同情票が集まるよな

38: ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 18:56:18 +Ei5VXVo
今日も今日とて投下します

39:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:00:38 +Ei5VXVo
「よっと。当直の先生はいないんだよね、確か」
「うん、先生も休みたいって事でしょ」
校舎の中に入るとそこは、外の光だけでかすかに廊下が浮かび上がっていた。
それはいかにも静かな光景で。
動いているのは私達だけ、場違いというか世界が違う。そんな風に感じる。
そんな雰囲気に呑まれて黙りこくっていた事に気付いた。
「ちょっと不気味だねー、学校案内でもしてたの?」
「いや探検のついでに音楽室でピアノを聴かせて貰ったんだ、とりあえず音楽室行こうか」
「へー、ピアノ弾けたんだ。今度聞かせて貰おうかな。あ、音楽室こっちだったよね」
「あの頃でも上手いもんだった、そう四階の一番奥」
無断で借りたスリッパの音だけがペタペタ響く。
なんとなしに教室を見て、
自然にあの時の光景がよみがえった。
放課後の黄昏た光が希薄に教室を満たした、あの時だけの世界で二人だけの場所。
そこには他のどんな視線も無くて、何にも邪魔をされずに私たちは何を見ていたのだろうか。
今じゃ何を考えていたのか思い出せない。
けど、偶然教室で二人になった時の事を忘れはしない。
光に照らされたシンの顔を。その時私が願った事を。
その後した私だけの約束を。
「机、小っさ。こんなのに座れるくらい小さかったんだね。……ヒカル?」
その後、私の回りはシンだけになって。それでかまわなかった、そういう風に決めたんだから。
そうして彼は一緒にいたいと、好きだと言ってくれた。
それでもその前の事が消えるわけじゃない。
「ヒカル、音楽室もう目の前だよ。って言っても鍵は無いのだけど」
「うん。もし開いてたら中にいるって事でしょ。散々心配させて。いたら問い詰めちゃうからね」
「泥棒かもしれないけど、音楽室に用があるとは思えないな。なんにせよ開けてみよう」
扉は開く、想像以上の音をたてて。
顔を見合わせて中へ。カーテンの閉められた真っ暗な部屋、何かいる気配も無い。
パチパチとスイッチを入れる音がして、あたりは一瞬白く塗りつぶされる。
しばらくしてから周りを見渡して、何の変哲も無い、誰もいない音楽室を確認した。
「小夜ー?……いないみたいだけど、どうしようか」
教室をうろついているシンに習ってブラブラしながら聞いてみる。
「何だか学校にいそうな気がするから二手に分かれて探そう。いてもいなくても音楽室に集合
九時まで探そう」
「えっ」思わず声が上ずってしまった。
窓は開いてたし、ここも開いていた、やっぱり学校にいるんじゃないか。
そう感じてた。でも二手に分かれるなんて考えもしなかったから。
「何、一人じゃ怖い?」
「そうじゃない!そうじゃないけど。
……私は向こうの棟を見てくるからね」
「じゃあ僕はこの棟を見るよ。気を付けて」

40:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:02:31 +Ei5VXVo
余裕っぽい表情が気に食わなくて、返事無しに足早に音楽室を後にする。
しばらくしてからやけに大きく響く自分の足音にあわせて鼓動まで大きくなってる事に気がついた。
何故だか歩く度に体が熱くなる、歩く衝撃にも耐えられず頭がふらつく。
堪られずにため息一つと歩く速度を落とした。
「一人は不味いよ、こんな場所に一人なんて」
誰も答えてくれない言葉はすぐにこの暗闇の雰囲気に溶けて消えてしまった。
手を握り締めても、痛みしか感じない。
「鍵開いてるし。ホントどうなってんだろ」
独り言はもう止めとこう、余計に虚しい。
渡り廊下の向こうの扉もこちらのも鍵は開いてた。
誰だか知らないけど誰かがここにいるか、いた事は間違いないみたいだ。
誰か……、あの子であるわけがない。
……あの子?あの子って誰だ。
誰だっけ? 私は誰を見た?
何も考えずに校庭の方を見た。
私の顔だけが映る窓ガラス、邪魔だからあけた。
外では雪の勢いはかなり弱まっている、やっぱり校庭には誰も居ない。
体の方は随分冷えたけど頭はまだまだ熱い、冷たい風が心地よいと感じる位。
そんなぼんやりした頭がはじき出したのはno_good_placeなんて言葉だった。
何だか自分の意思とは関係なく体が動いている様な感じがして。
だけれどもそれが何だか心地よく、空っぽの教室を見て回った。
そうしてこの棟の最上階、五年生の時の教室を見て回っていた時、

41:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:05:38 +Ei5VXVo
ソレは唐突だった。
数人の女の子が教室で談笑している。私は何だかそれを上から見下ろしてるみたいで。
でもそんな事は何も気にならない。私の注意は女の子たちの会話の内容だけ、らしく。
他の事は何も不思議じゃない、そんな風に如何でもよかった。何も実感が無い。
「アナタってわりと普通っぽいねー、アイツと一緒にいたから変な人かと思ってた」
「        」声が出なかった。どうやっても出せない。
「アハハ……」代わりに聞こえてきたのはなんとも耳障りな声だった。
「なんかキモイよね、アイツって」
「休み時間は本読んでるかなんか塾の教科書開いてるか、ソレで薄く笑ってたりしてるし」
「マジで?イっちゃってるんじゃないの」
「ホラ、また男子たちアイツに絡んでるよ。いい加減やめりゃいいのに」
「あーあ連れてかれちゃった、何処行ってるんだろう」
「しらなーい。それより、アイツって何処の塾行ってんの?」
「え?、っと。たぶん市内だと思うけど」
「そこまでいってんだ、親が送り迎えとか?」
「おじさんとおばさん忙しいみたいだから。多分一人だと思う。
おばあさんも結構前に死んじゃったし。家でも一人だと思う」
「えー、ご飯とかどうしてんだろ」
「分かんないよ、私が起きてる時間で崎山君の家、電気ついてた事ないから……」
「よく見てるよね」
「それは!皆が見ろって言うから……」
「分かってるよ、もう。そろそろ行こうか。アナタも行くでしょ」
「うん……」
その子は知っている事を少しづつバラしていった、
このクラスでのアドバンテージはそれしかないから。
「一緒にいたって言ったって昔の話だし。彼が忙しくなったころから疎遠になって、
今じゃ状況も相まって声さえかけ辛い。
彼がいなければ一人だった。
だから、しょうがないよ。ここにきてやっと出来たトモダチだもの」
(……こんなのは、嫌だ。こんなのは嘘だ、汚い大嘘だ)
「嘘も糞もないよ。私はこの時確かにそう思ってたもの、しょうがないって」
終始俯きがちだった子だけがこっちに戻ってきていた。
その、さっきまで俯いていて暗くて何だか判らなかった顔は、

42:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:07:03 +Ei5VXVo
私だ。小学生の時の私なのか、この子は。なのに、
(何で、そんな事言うの。私はずっと償ってきた、シンの為に。
だから、だからもういいじゃない。あの時はしょうがなかった。そうだよ、しょうがない)
「そうだね。だけどその償いはシンの為じゃなくて自分の為。安っぽい罪悪感から。
そのせいで私は今もここに残されてる」
(……何を言っているの。私はシンが好きだから―)
「分かってるでしょ。私は貴女。私が言った事は偽りの無い貴女の事」
(……違う)
「違わない。貴女は何も変わってない。
何をするにも二言目にはシンの為。ホントは自分の為なのに、やってあげるんだーって息巻いて。
彼が思い通りにならなかったら私はこんな事もしてあげてるのにーって言うんでしょ。
彼、カワイソ。うんざりするよね」
(シンはそんな風じゃない。シンは私のこと好きだって―)
「貴女の話をしてるの。そんなんじゃ彼の愛情も冷めるってお話を。
もう一度言うよ。貴女は何も変わってない。私をここに置き去りにしても、
彼にどんなに尽くそうとしても、自分の為に彼を売ってたあの時のままだ」
(違う、違う、違う、違う、違う、違う!)
「認めたほうが楽になるよ。私はそういう人間なんだ、って。だからしょうがないってね」
(違う。私は絶対認めない。貴女は私なんかじゃない。貴女は私の幽霊だもの。
私は貴女を殺した。絶対に、絶対に違う)
「ふうん、別にいいけど。私はこうしてここにいるわけだし。ここは結構居心地良いよ。
何処に行ってもしょうがない事ばっかり。けどそろそろ飽きてきたしさ、お外に出たいわけですよ」
(何?)
「あの頃と何も変わってない貴女の体ならお外に出れそうだって話。
そういうわけだから、私と一つになりましょうか。ねえ貴女」

43:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:09:12 +Ei5VXVo
「っっっっっ」
突然、体に実感が戻ってきた。
うつぶせに倒れてて
少しでも多くの酸素をと呼吸は乱れ、心臓は制御を外れたみたいに暴れてる。
腕も足も震えていたけど何とか四つん這いの姿勢は取れた。
そして顔だけ上げた先に、
いた。
真っ黒でガス状の何かが。確かにいる。
弾かれた様に後ろに倒れた。手も足も震えてうまく立てない。
それでも少しでも離れたくて座ったまま移動しようと両手足をばたつかせ、
既に後ろは壁である事に気付いた。
黒いなにかはゆっくり近づいている。
声さえ上げられず、震える足で何とか立ち上がり、駆け出した。
震える足ではうまく走れずに、途中で何度も転びそうになりながら夢中で走った。
すぐ後ろにアレの気配を感じる。足を止めてしまったらすぐに取り込まれてしまう。
アレは真っ黒な、私だったんだ。
暗闇に押しやって見えない様にして忘れた筈の、そうして真っ黒になってしまった私の過去。
泣いて、泣いて何が変わるものか。判ってる、けど泣きたくて。
シンに会いたいんだ。情けない私は。
シンに会えれば私は大丈夫。シンだけが私の本当だ。
そう念仏でも唱えるみたいに思いながら音楽室に向かった。
息を切らせて、もう半分泣いている顔だって分かっているけど。明かりの中に入りたかった。
音楽室の扉が見えた。もう少しだ。もう少しで私は大丈夫。
「はっ、あ」やっとこれで、扉は目の前だ
私は勢いよく扉を開いた。
開けて、明かりの中に、
入れずに、
シンと、
小夜が、
抱き合っている様を、
暗闇の中で見て、
立ち止まった。
とうとう私は立ち止まってしまった。
頭が酷く痛くて、血が必要以上に頭に送られる感覚。
何も考えられない、だのに体は自然に言葉を発す。
「シン、何してるの」
私を放って置いて。シンがいないからこうなってしまうんだ。だから、だから仕方ない。

44:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:12:18 +Ei5VXVo
「いや違うんだヨこれは。小夜ちゃんも離れて。
そういうんじゃなくてね。小夜ちゃんがいきなり……、離れて。
とりあえずヒカルお疲れ様。小夜ちゃんいたよ……。どうしたの、大丈夫?酷い顔しているけど」
アハハ、酷い顔してるんだ。そっか、笑ってみた。少し怯むのが判る。
「シンは楽しそうだね。小夜、どこにいたの」
「……一年生の廊下であったんだけど、本当に平気?」
「嘘でしょ、目尻の筋肉が緊張して動くから直ぐに分かるよ」
「ん、……ごめん。やっぱり音楽室にいたんだよ。だけど出にく―」
「私が邪魔だったんだ。二人の方が良かったから。それで二人で楽しく過ごしてたんだ
私が暗い中を探している間に。楽しくしゃべって、私の事馬鹿にしてたんだ」
「馬鹿になんてしてない。そういうのはヒカルの悪い癖だよ」
「じゃあなんで。何で私を一人で行かせたの」
「邪魔にするつもりじゃなかったんだ、ただ小夜ちゃんが出ずらそうにしていたから」
「シンはいつもそうだよね、困っている人の味方だもんね。そうして誰かを踏み台にして助けるの。
私がどう思うか、分かってたんでしょ。分かってたのにしたんでしょ」
「……」
「小夜かわいいものね。頭だっていいし、ピアノまで出来るみたい。凄く楽しそうだしね」
「ヒカル、僕は……」
「私は確かに頭が悪いけど、シンの事必死で考えてる。一緒にいたいって、考えてる。
もう傷つけたくないって、あんな事しないって思っているのに。どうして」
どうしてシンはそんな事するの、といったつもりがしゃくり上げるのに邪魔されて上手く言えなかった
「私の事恨んでるんでしょ、けど人肌が恋しいから一緒にいる。それでいて中途半端な良心から
キスも出来ないでいる。私の事無茶苦茶にすればいいじゃない。
したいでしょ。憎いでしょ、あの時笑ってた私が
シンの事無視して皆と一緒に笑っていた私が。いいんだよして、私はそうされたいと願ってる」
「ヒカル少し落ち着いて、そんな事言わないで」
「シンは何も判ってない。奇麗事ばっかりで自分には何も関係ないような顔して。
私はそんなに汚い? シンに相応しくない?
シンだって、あの時のシンだって私の事、皆の事見下してたんじゃない。
皆気付いてた、だから疎外した。シンが一人がいいような態度を取るから仕方ないって。
それで一人、黄昏て我が身を憂うんでしょ。何? 何かあるの」
「それは……そうさせたのはどっちなんだよ。僕はあの時必死だったんだ」
「認めるんだ、自分が汚いって」
「僕の事を全部ヒカルがばらしたんじゃないか。ヒカルしか知らない事を全部あいつらは知ってた
それで僕を笑い者にしたのはヒカルじゃないか」
「そう。だから気がすむまで傷つければいい。そうしないのは、自分が傷つきたくないからでしょ。
だけど一人ではいたくない。だから私と一緒にいて、傷つきたくないからそれ以上踏み込まない。
だから小夜なの?何にも知らないから、自分の汚い所を。
汚い所を無くして奇麗な自分でいられるから。
でも駄目、そんな事できやしない。違う自分にはなれない。その事は一生残るんだ。
其れを忘れた振りをして、隠し合って生きていくんだ。
小夜だってそう。両親の不仲が堪えた? 其れを理由にして黙ってこっちに来る?
そうする自分に酔って」
「待てよ、小夜ちゃんは関係ないだろ。それに小夜ちゃんの両親の事知ってたのか」
「知ってたよ、シンには関係無いから言わなかったけど。それより小夜の事庇うんだ」
「関係ないって事ないだろ。小夜ちゃんの事大切に思ってる」
「……ナニソレ」
「……言葉どおりだよ」

45:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:14:17 +Ei5VXVo
一瞬の静寂、その隙間を縫う様にして。
それまでシンの後ろに隠れてた小夜が動いた。
俯きがちに私の目の前に来て、
「もう辞めてよお姉ちゃん」
といった小夜の顔は、
薄く笑ってた。
その顔も、言い草も気に食わなくて。
一際大きく心臓が跳ねた。
その刹那の後、気付いた時には。
衝撃が、
手の平と何故だか心臓にも直接響いていた。
息も止まって、それからそれまで切れていた線が復帰したみたいに頭が冷える。
いや、今この時に切れてしまったのかもしれない、どんどん頭が冷めていく。
小夜は俯いたままじっとしてる。
小夜に謝らなきゃいけない、
なのに口からは「あぁ」としか出てこなかった。
「ヒカル!」
怒気をはらんだシンの声が怖くて、私は、また、逃げ出した。
光の中も怖くて、闇の中も怖い。もうどこにも行く場所なんか無い。
でもここにいられない。何処に行くわけでもなく外へ。
こんな筈じゃなかった、呟いても空しいだけだ。
まだ雪は静かに降っていて、手の平に降ったそれは静かに消えた。
それを握り締めて願う。
消えてしまいたい、と。

46: ◆7Mwamp2Ksg
07/11/08 19:17:14 +Ei5VXVo
投下終了します
次回でやっと終わりです

47:名無しさん@ピンキー
07/11/08 19:22:58 hFRBZCpe
>>46
GJ!
ヒカルも小夜もこええw
でも、もう終わってしまうのか・・・残念だけど期待してるよ!

48:名無しさん@ピンキー
07/11/08 23:07:22 Jht0EMW7
えーこれで終わりか
まだまだ話展開できそうなのにな

49:名無しさん@ピンキー
07/11/09 00:36:07 MrpT5GV3
gj

50:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:03:06 Qoq+K8hv
連日投下してくれるせいか、この時間になっても星空くるんじゃないかと思って眠れない
漏れが通りますよ(つ∀-)

51:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:08:59 NkfYtW/I
>>50
スレが消えたり投下されたSSが逃げるわけじゃないんだ、ゆっくり寝とけ
無理が祟って実生活に支障が出たら元も子もないからな
まずはSSよりもお前さん自身の事を大切にしてやってくれ

52:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:17:03 rcooK7Ns
俺はそろそろ雨の音こないかなーと思って全裸で待機してる

53:名無しさん@ピンキー
07/11/09 02:21:18 44uUp9zl
wktk

54:名無しさん@ピンキー
07/11/09 11:01:53 JvnZoF6s
次で終わりなのは残念だけど、ちゃんと完結するのは偉い。
未完の作品は本当に多いからな。
期待してた蒼天の夢も結局中途半端なところで終わったし。

55:名無しさん@ピンキー
07/11/09 11:45:11 +elD152e
>>54
保管庫の更新の字が読めないの?
それとも短気な子供なだけなの?


56:名無しさん@ピンキー
07/11/09 12:04:30 JvnZoF6s
続くと期待してはいるけど、これまで何度も味わってきた自然消滅の気配が
どうしてもぬぐえない

57:名無しさん@ピンキー
07/11/09 12:23:34 D/6GA+3m
遠回しにクレクレしてるだけだろうがお前は
黙って待ってろや

58:名無しさん@ピンキー
07/11/09 13:32:30 ecElq43M
じゃあストレートに

ノントロまだー?

59:名無しさん@ピンキー
07/11/09 14:22:51 z4lEhaMY
ノントロは作者が完結させます宣言したんだし
全裸でのどから手が出そうなのをこらえつつ首を長くして待ってればいい
どうしてもというなら靴下と眼鏡の着用は認める

ていうか半年間作者の書き込みなかったときは
結構な頻度であった投下がまったくなくなったので
本当にリアルで何かあったんじゃないかと心配してた
生きてて本当によかった

60:名無しさん@ピンキー
07/11/09 14:39:41 ee6pi5oF
俺……Bloody Maryが投下されるまで全裸で待ってるって決めてたんだ。

61:名無しさん@ピンキー
07/11/09 15:09:42 RIBeyoy3





コッペパンを要求する!!

62:名無しさん@ピンキー
07/11/09 15:58:01 fipS0YDJ
>>59
センセー、眼鏡と靴下だけじゃ寒くなってきたんでネクタイしていいですかー?

63:名無しさん@ピンキー
07/11/09 16:13:21 E9Xh3YQp
wktk

64:名無しさん@ピンキー
07/11/09 19:43:25 C1PYdVPN
僕は1/8スケールちゃん

65: ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:32:38 hgL0AAi4
投下します

66:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:36:26 hgL0AAi4
笑いたい。
笑うのは不味いからずっと我慢しているけど。
新さんの体に顔を押し付けても、体の震えは止められない。
それを彼は心配そうに肩を抱いて、優しく
「小夜ちゃん大丈夫?」と声をかけてくれる。
ますます笑いたなって、より強く彼を抱きしめた。
優しく背中を撫でてくれる。
そうだ、結局そんなものだ。
いくら付き合ってるなんて言ったところで、
相性がよくなければ別れてしまうんだ、どんなにその前まで仲がよくても。
彼と相性がいいのは私だけ、彼と同じ境遇の私だけだ。
だから離さない。お姉ちゃんのとこになんて行かさない。
「今度はヒカルを探さないと、小夜ちゃん行こう?」
行かさない。新さんは私と一緒にいればいい。
彼の顔を見上げて、頭の後ろに手を回し、
キスをした。
やらかくて暖かい、夢を見てるみたい。
だけどそれは直ぐに終わった。新さんが体を離してきたから。
その顔は何だか困った風で、少し、微笑って言うんだろうか、笑っていた。
「新さん、新一さん。私は……」
鼓動が激しくなるのは分かってた、夢の中では何度も言った。
なのにそれきり言葉が繋げられない。
「小夜ちゃん。小夜ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど、
僕はヒカルの事が好きだから。
だから、ごめん」
体はもう完全に離されて、
新さんは私の頭を撫で様として出した手を、
バツが悪そうに自分の方へ持っていって頭を掻いていた。
「な……んでですか」
「……」
「お姉ちゃんは新さんに酷い事をしたのでしょう。今だって酷いこと言った。
何でそんな人の事を探しにいくんですか。何で、好きなんですか」
「僕だって、ヒカルに酷い事を言ったよ。酷い事もしてきた。
でもしょうがない事なんて無かったし、こんな筈じゃない事だって何も無い。
だからこのままじゃ嫌なんだ」
「……」
なにかの音が校内に静に響いた。
「ヒカル外に出たね。小夜ちゃん、一緒に行こう」

67:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:38:28 hgL0AAi4
納得なんか出来ない。
けどそれ以上何も言えない私は黙ってついて行くしかない。
ちらちら降っている雪を眺めながら、さっきの言葉を反芻してみた。
其処まで言うなら、見てみよう。
新さんの言う事を。
お姉ちゃんの性格からして今頃自己嫌悪で死にそうになってるだろうし。
誰がなんと言おうと許せない筈だ、自分を。
新さんが一緒にいるって事は自分の罪を見せ付けられてるのと同じなんだから。
もう一緒にいるなんて出来やしない。
それで新さんも気付く、隣にいるべきなのは誰かって事に。
外に出た事さえ分かれば足跡を辿ればいいのだからお姉ちゃんは簡単に見つかった。
その様子は両手を額の前に組んで祈っているみたいで、
街灯の下に一人きりなんて様がよりいっそう寂しさを際立たせてる。
新さんは私の方を振り返り頷いてから、駆けていく。私もそれに習う。
それに気付いたお姉ちゃんは逃げようとして、頭から雪の中にダイブした。
相変わらずの行動だ。
「はは、ヒカル大丈夫?」
お姉ちゃんは頭に雪がついた状態で、涙目もそのままに、座ったまま私たち。
いや、新さんを見上げて言った。
「何で追ってくるの」
「そりゃ、ヒカルの事心配だし。それに好き、だから」
「私が汚いって分かったでしょ。辺りかまわず汚して、当り散らして。昔と全然変わってない」
「そうでもないよ、変わってない部分もあるけど。変わった事だってある」
「一番変わりたい所は変わってない」
「……」
「私はシンと一緒にいたいけど。駄目なの、
シンと一緒にいると我慢できない事とかたくさん出てくるし。
何より昔の自分を思い出しちゃって、シンを哂ってた時の事を思い出して。
あの私は確かに私の中にいるんだもの」
「そうさせたのは僕だ」
「私が、した。どんな風に言ってくれてもそれは変わらない。そんなの許せない。
それとも忘れた振りをしてこのまま付き合うの?」
そんなの無理に決まってる、誰でもわかる。それでもお姉ちゃんの瞳は揺れてる様に思えた。
「忘れないよ。忘れるなんて無理だ」
「……そう、だよね。トラウマになっちゃうよね」
「そんな繊細じゃないって。
というかヒカルは別に自分の事許さなくて良いんじゃないか。
確かにあの時の事は決して褒められる事じゃないし、ひけらかすものじゃないと思う」

68:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:43:19 hgL0AAi4
……何を言ってるんだろう新さんは。相手を赦しに来たんじゃないのか。
お姉ちゃん本泣きにぶり返してるし。
「っっぅぅごっ、ごめっくっっぅぅぅ」
それでも泣かまいとするお姉ちゃんを、
新さんは、抱きしめ。
何か伝えていた。
それはすぐ風にさらわれてしまい私の耳には届かなかった。
だけれども、お姉ちゃんの表情だけは見えて。
泣き顔が、驚いた顔になって、
最後には泣きながら無理に笑おうとして、なんともいえない顔になっていった。
何が変わったっていうのか。
言葉にできるほどの事は起こってない。
なのに二人の雰囲気は確かに変わってる。
私はそれに取り残されたまま、何処に行ったって私は取り残されたままだ。
思い出にしがみついた所で、家族の絆なんて言葉をかざした所で。
冷たくなった体が震えた。
そんなの、こんなのない。
身を切る様な寒さだけが私の証明なんて。
地面を見ながら震えていた私に影が落ちた。
「小夜。ごめんなさい、叩いて。後、シンとの事黙っててごめんなさい。
小夜の気持ち知ってたし、言い出せなかった。小夜に遠慮したら小夜に取られるとも思ってた」
いまさら、いまだからそんな事をっ。
「……汚いです。そんなの、いまさら言って。
私は認めない。いつも一緒にいるからって、そんなのずるい。
酷い事したのに一緒にいるなんて信じられない」
「私は信じてるよ」そう言ってお姉ちゃんは、私の頭に手を載せた。
気に食わなくて睨みつけでもしてやろうと上を向いた、
その先に。
逆光で黒く照らされた顔があった。
表情なんか分からない。
だけれど真っ黒な彼女からこぼれた涙は街灯の光に照らされ輝いて、
とても綺麗だった。
こんな、
こんな単純で綺麗なものがこの世界にあるのか。
その事が私を満たしてく。
そんな単純な事で私は心を動かしてる。
どうしようもなく、涙が出てしまい困った。
「小夜……。ごめんなさい」お姉ちゃんは抱きしめてくれて。
その感触、匂いが、何だか懐かしく。
私に、このいつも優しくて少し笑える姉が大好きだった。
その事を自然と思い出させてくれた。
私はそんな事も忘れてしまっていたんだ。
「ごめんなさい」言いながら撫でてくれる。
私はかぶりを振って、面と向かってでは到底いえないから「ごめんなさい」
とくぐもった声のまま言った。
「帰られますか」
「帰りましょうか、小夜。帰ろう。シチューもあるよ」
小さく頷いて離れればその分寒さが身に染みる。
震えた私の両手をそれぞれ別の暖かさが包んでくれた。
「私……そんな子供じゃなひ……です」
「分かってるよ、小夜。小夜は子供じゃない。
ただ、私達がこうしたいだけだから。帰ろう一緒に」
歩き出すまえに後ろを振り返ってみた。
其処は街灯が照らし出した静かな空間で、
ナニも、誰も残っていない。
その事を確認して歩き出す。
見上げた空には、怖いくらい白い雲の切れ間にダークブルーの世界と瞬く星があった。

69:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:45:31 hgL0AAi4
結局私はその日、お姉ちゃん家に泊まった。
布団の暖かさを噛みしめたり、朝起きた時、先に誰かいるなんて事が
少し嬉しく、いつもを思い出して寂しくもあった。
お母さんが今日迎えに来るって言うから直ぐに帰らなきゃいけないのだけれど。
「そんなに急いで帰らなくてもいいのに」とは新さんの弁
「そうそう、でも昨日はホント夢みたいな出来事だったねー」
「そうだね。色々疲れたし。
あ、もう来たみたいだよ。親御さんにも謝らないとね。小夜ちゃん」
「別に。それより最後に新さんになんて言われたんですか。お姉ちゃん」
「えっ、っと。私が何処にいてもシンは私の事を探してくれるんだって」
「意味が分かりません。にやけられても困ります。後、新さんアレは夢じゃないですよ」
「ん?」
「私のファーストキスは安くないです」
「!」
「! それどういう事」
「それじゃあ私はこの辺で。母が待っているみたいですから」
騒がしい部屋を後にした。
結局新さんの言った言葉の意味は分からなかったけれど、それでいいような気がする。
その言葉の意味を決めるのは私だ。これから決めよう。
悪魔と契約なんかしなくても、
世界にはあんなにも美しいものが見つかった。
今はこれだけで十分だ。
「小夜、車に乗って」
「うん……。お騒がせしました」
「つぐみ姉さんありがとう。さあ行きましょ」
「ハイハイ、小夜ちゃんまたね、今度はゆっくりしてってね。櫻子も」
車に乗り込むと、あっという間につぐみおばさんが小さくなった。
遅れて新さんとお姉ちゃんの姿も見える。
「小夜、私はこれから仕事に行かなきゃいけないけど。だけど今日は早く帰ってくるから。
……お父さんも早く帰ってくるから、だから―」
しょうがない事なんて何も無いし、こんな筈じゃない事だって何も無い。
その意味を見つけるために私は言った。生まれて初めての言葉を。
「お母さん。私、お父さんの事もお母さんの事も好きだから」

                                  -了ー

70: ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:47:09 hgL0AAi4
全ての投下を終了します
最後なので謝辞を、全てのスレ住人の方へ。
このSSは皆さんのおかげで最後まで投下する事が出来ました
完成したぜイヤッホウのテンションのまま投下した、自分の我侭でしかありませんでしたが
達成できた事を嬉しく思います
ありがとうございました

71:名無しさん@ピンキー
07/11/09 22:05:05 +r9QfFMk
>>70
心をこめてGJと言いたい。
おつかれさまでした。
次回作も勝手に期待してるw

72:名無しさん@ピンキー
07/11/10 00:09:29 tA4xh+nI
GJ!!
すごく面白かった
次回作に期待

73:名無しさん@ピンキー
07/11/10 02:32:51 sC9S8GiI
gj!

74:気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 03:53:25 n0zsqVVz
>>70
GJ!!そしてお疲れ様でした。
自分も今の作品を終了できるように頑張りたいと思います。
では、投下させてもらいます。

75:ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 03:54:49 n0zsqVVz
ジリリリリリ!!!!!
うるさく鳴り響いている愛用の目覚まし時計を少し乱暴に叩いて止める。
バイトの疲れがまだ完全にとれていない。
薄く目を開けて時間を確認してみる。7時30分。
学校まで歩いて30分はかかる。朝のSHRは8時30分からだ。
よし!まだもう少し寝ていよう。朝食は急いで食べれば大丈夫だろう。だからあと、15分くらいなら・・・
コン、コン。
「兄さん、起きてますか?」
しかし、ツバメがいつものように起こしに来てしまった。
コン、コン。
「兄さん?入りますよ?」
がちゃっ。
僕がまだ返事をしてもいないのに、ツバメはためらいもなく部屋に入ってきた。
「兄さん、まだ寝ているんですか?早く起きて下さい。」
そう言いながら、ツバメは僕の布団を剥いでしまった。
「うぅ~、ツバメ。お願いだから、もう少し寝かせてくれない?」
「駄目ですよ。早く起きて顔を洗って、スッキリさせてきて下さい。」
「分かったよ。それにしても、まだ返事もしてないのにいきなり入ってくるのはマナー違反じゃないかな?」
「兄さんが寝ているのが悪いです。」
「でも、もし僕が起きていて着替中だったらどうするの?」
「その時は、僭越ながら私が着替えの手伝いをさせていただきます。」
「えっ!!それは困るんだけど・・・」
「冗談ですよ。それより、早く支度して下さいね。」
「はいはい、分かりました。」
そして、ツバメは部屋から出て下の階へと降りていった。
それにしても、ツバメは冗談と言っていたけど目が本気だったな。
今度からは気をつけよう。もしかしたら、本当に着替えを手伝うかもしれないぞ・・・

着替えを済まして、洗面所で顔を洗い朝食を食べるために居間に入る。
テーブルには既にツバメが朝食を並べてくれていた。
「おはようございます、兄さん。」
「おはよう、ツバメ。叔母さんは?」
「もう仕事に出掛けましたよ。お母さんは今日も遅くまで仕事だそうです。」
叔母さんは現役の看護士、叔父さんは設計士だ。叔父さんは今、設計現場である大阪にいるため家にはいない。
「そうなんだ。昨日も遅かったのに大変だなぁ。
それにしても、忙しいのに毎日朝食をちゃんと用意してくれるのはありがたいな。」
「いえ、今回の朝食は私が作ったんですよ。」
「えっ!!ツバメが作ってくれたの?」
「はい。たまには、お母さんに楽をさせてあげようと思いまして。」
「そ、そうなんだ。偉いね。」
クソ!!油断した!!これは覚悟を決めるしかないな・・・
いや、でもまだ分からない。朝食はシンプルにトーストとベーコンエッグだから、大丈夫なはずだ。
「それじゃあ、いただきます。」
「いただきます。」
パクッ!
甘かった。2つの意味で僕は甘かったようだ。
「あの~、ツバメさん?この目玉焼き、なんで甘いんですか?」
「私はこれがおいしいんですが。もしかして、兄さんは嫌いでしたか・・・?」
ツバメは目に分かるほど落ち込んでしまった。まずい!
「そんなことないよ!甘い目玉焼きも新鮮でいいかもしれない!」
「本当ですか?無理をしなくてもいいんですよ?」
「無理なんかしてないよ!おいしいよ!!
いやぁ~、さすがツバメだな!こんな美味しい朝食を作ってくれるなんて、僕は嬉しいよ!」
「もう、兄さんそれは言い過ぎです。誉めても何もでませんよ?」
そうは言ってるが、ツバメは顔を赤くして照れていた。
何とか機嫌を回復させることができたな。
しかし、ツバメの”甘党”には驚いたな。まさか目玉焼きにも砂糖をかけるほどだなんて。
今度からは気をつけないと・・・


76:ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 03:57:16 n0zsqVVz
僕は何とか甘い目玉焼きを完食し、ツバメと一緒に登校することとなった。
いつもの時間に家を出ることにできたからゆっくりと歩いていく。
学校まであと3分の1となったところで、あいつが現れた。
「おっはよう!ツバメちゃん!」
「おはようございます、村鎌先輩。」
「朝からツバメちゃんに会えるなんてラッキーだな~。
今日の運勢、テレビでは最下位って言ってたけど、ありゃなんかの間違いだな!」
「お~い。僕に挨拶は?」
「はいはい、おはよう晃。」
「その投げやりな挨拶は、非常に不愉快なんだけど。」
「挨拶したんだから文句言うなよ。」
こいつは僕の友人の村鎌 聡史(むらかま さとし)。中学校からの付き合いだ。
「ところで晃。今日提出の数学の宿題やった?」
「当たり前だよ。教室に着いたら貸してあげるから心配しなくていいよ。」
「さっすが晃!愛してるぜ!!」
「大声で変なこと言うなよ。周りに迷惑じゃないか。」
「気にすんなって!」
その後も聡史が一方的に喋り続けるおかげで、学校に着くまで周りから注目を浴びることとなってしまった。

下駄箱の前でツバメと別れることになった。
「兄さんと村鎌先輩。私はこれで失礼させていただきます。」
「うん、それじゃあ。」
「またね、ツバメちゃん。」
僕と聡史は同じクラスなので、2人で教室に向かって歩き始めた。
教室で自分の席に着いても、聡史はずっと僕に話しかけてくる。
キーンコーンカーンコーン
「おっ!チャイムが鳴ったな。そんじゃ、またあとでな!
数学の宿題借りていくからな!お礼はちゃんとするから!」
そう言って、聡史はやっと自分の席へと戻っていった。
お礼といっても、どうせまたジュースを奢るだけなんだろうな。
まぁ、お金が浮くのは嬉しいから良いんだけどね。
さて、今日もまた学生らしく勉学に励もうとしますか。

時間が経つのは早く、もう放課後となった。
今日はバイトが休みなので、家に帰ってゆっくりするか寄り道して帰るか迷っていた。
ちなみに聡史は用事があると言い、さっさと帰ってしまっている。
どうしようか迷っていると、廊下を歩いているツバメを発見した。
「ツバメ!」
「兄さん。どうかしたんですか?」
「いや、今日はバイトが休みだから一緒に帰ろうかなって思って。」
「そうしたいのですが、今日は委員会があるので・・・」
「そっか。残念だな。」
「すみません。私も一緒に帰りたいのですが。」
「ツバメが悪いわけじゃないよ。残念だけど、僕は先に家に帰るよ。」
「分かりました。それではさようなら、兄さん。」
ツバメに先に帰るって言っちゃったからな。まっすぐ家に帰るとしよう。
そう思い、僕が校門を出たところで、
「沢風く~ん!!」
バイト先の先輩に呼び止められた。
「先輩でしたか。先輩も今日はバイトが休みなんですか?」
「そうだよ。今帰りかな?
良かったら途中まで一緒に帰らない?」
「良いですよ。喜んで一緒に帰らせてもらいます。」
「よし!じゃあ出発~。」
こうして、僕は先輩と途中まで一緒に帰ることとなった。

だけどこの時、校舎の方から僕たちのやり取りを憎らしそうに睨みつけている少女いた。
少女は2人に気付かれないように尾行を開始した。

77:ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 04:06:56 n0zsqVVz
「沢風くんは彼女とかいないの?」
「急に何を言いだすんですか?」
「いいから答えて!」
「いませんよ。それに、僕に彼女なんてできるわけないですよ。」
「でも、昨日店の前にいた女の人は彼女じゃないの?」
「あれは前に話した、僕の義妹ですよ。」
「お~。あれが噂の義妹さんですか。」
「噂のって、何ですか?」
「いや、別に深い意味はないよ。私が勝手に付けただけだから。」
「勝手に付けないで下さいよ・・・。」
「男の子が細かいこと気にしないの!」
それから、僕は先輩とバイト先の愚痴や今日学校であったこと等、他愛もない話をした。
学校を出てから10分経ったくらいで、交差点にさしかかった。
「それじゃぁ私、こっちだから。」
「そっちってことは、先輩は電車通学なんですね?」
「そうだよ。家が遠いからね。」
「そうだったんですか。それでは先輩、また明日。」
「またね。これは私からのプレゼントね。」
そう言うと先輩は、いきなり僕に抱きついてきた。
あまりにもいきなりだったので、僕は喋ることができず、口を金魚のようにパクパクさせていた。
周りから見たら、さぞ変な顔をしていたに違いない。ほんの数秒のはずなのに、僕はとても長い時間に感じられた。
「それじゃあね。バイバイ!」
先輩はようやく離れ、顔をほんのりと赤くして走り去ってく。
僕は先輩が見えなくなるまで、ただ茫然とその場で固まっていた。
未だに先輩に抱きしめられた感触が残っている。
先輩は冗談のつもりで抱きついたようだし、早く忘れるとしよう。
でも、今度会った時にどんな顔をすればいいのだろうか?
そんなことを考えながら僕は歩き始めた。






今日はちょっと大胆過ぎだったかな。
でも、こうでもしなきゃ沢風くん気づいてくれないんだろうな。
結構、あの子鈍感なのよね~。バイト先でもアプローチしているのに気づいてないし。
でも、今回のアレはさすがに意識しちゃうでしょうね。
昨日の女の子は義妹って言ってたし、一応念のために彼女がいるかどうか聞いたけど、いないってはっきり言ったから大丈夫なはず。
よし!これからはもっと積極的に責めていこう!!
だとしたら、どうしようか・・・

”三番乗り場に列車が参ります。御乗りの方は、黄色い線の内側に御下がり下さい。”

彼女は気付かないでいた。一歩後ろに居る、酷く歪められた笑顔をした少女に。
そして、これからの自分に・・・。
トン。
彼女は押される感触と共に変な浮遊感を感じていた。横を見たら電車がグングンと迫ってきている。
(えっ!押された!?いったい誰が!!)
彼女が後ろを向いた時、押した少女は何かを呟いていた。

”さ”、”よ”、”う”、”な”、”ら”

駅から少女は離れ、近くの路地裏へとやって来た。
駅で人身事故があったと、誰かの声が聞こえてくる。
少女は周りに誰もいないのを確認した後、
「あ、はははははは。あっははははははははははははははっは!!!!!ひゃあっはははははははははははははははははははははは
はははははははは!!!!!!!あははははははははははははははははははははははははあっははははははははは!!!!!!!」
大声で嗤った。

78:気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 04:13:14 n0zsqVVz
投下終了です。
今回は会話が多いです。
それと、先輩に名前を付けなかったのはこうしようと思っていたからです。
名前が思いつかないからではありません。多分・・・
今後のネタのためにヤンデレオンリーイベント、病み鍋パーティー2に行ってきます。
行く人がいれば、どこかでお会いするかもしれませんね。
長くなりましたが、失礼します。では。(・ω・)ノシ

79:名無しさん@ピンキー
07/11/10 08:44:30 bRTDHcoM
>>78ちょ、助けてくれ同士よ。パンフはどこで買えばいいのだ?

80:名無しさん@ピンキー
07/11/10 12:22:47 o6vS2QCd
相変わらずこのスレは活気があっていいな。
俺の巣なんて閑古鳥鳴いてるぜ。

81:名無しさん@ピンキー
07/11/10 15:42:10 UJSFgzcf
本スレは知らない内に腐女子に乗っ取られた

82:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:00:48 7WB0Cl0C
──アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショで
キャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
 友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
 「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
 「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの男の顔を見た。
「・・!!」
 ・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男はホストだった。連れていかれてレイプされた。「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)


↑これの元ネタは何?
携帯小説らしいのだが

83:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:12:06 uGndHR/3
ガ板でやれ

84:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:12:16 ui3P8yqP
>>82
携帯小説のあまりの酷さを皮肉ったコピペ
でもあれが女子高生とかに受けてるんだよな・・・日本オワタ\(^o^)/

85:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:22:31 9NMmO75G
やはり携帯小説か
これはひでぇと本気で思ったww

86:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:32:13 TLxjcVx+
>>82>>84>>85
スレタイも読めないのか?


87:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:44:46 iVu2L0FE
(´・ω・`)つ旦~

88:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:57:54 GKXcUbui
何かこれ見る度笑ってしまうwwwwwww

89:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:18:37 u9PtJMH1
スイーツ(笑)
の流れに小首を傾げ小一時間。

90:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:20:20 oo69xtuo
>>85
ここに投稿する作者もこの程度のレベルだろ(´,_ゝ`)プッ

91:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:20:52 M0CqRrMk
スルー

92:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:47:55 uE9zN9gC
言われずとも!うおおおお!

93:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:52:55 5wkVwWvd
よくしらんがケータイ小説って有料なんだろ?

94:名無しさん@ピンキー
07/11/10 18:25:23 ui3P8yqP
>>87
一つ貰うよ
旦~

95: ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:41:22 FYAs6EDK
投下します。

96:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:42:26 FYAs6EDK
体育の後は、多くの生徒が睡魔に負けてしまう、無意味な6限が始まる。
でも、なぜか今日も自習のようだった。
おかげで遅刻はせずにすんだが…これで3回目だ。
なにしてるんだ、この学校の教師は。
「あ~庄田さん!」
「ごめん~勉強見てほしいんだけど…」
「庄田さ~ん」
こいつらも、もっと人の事考えなさいよね、全く。



自習という名の受験勉強時間は、あっという間に過ぎていった。
結局「壁」達の相手をしているだけで、この時間は終わってしまった。
ホントは要君の勉強を見てあげたかったんだけど…しょうがないか、今は。
村田は一応教室には戻ってきたが、終始無言で美希達が話しかけても無反応だった。
……代わりにずっと私の方を睨んでいたが。
多分その事で戸田も何かに気づいたのだろう。
ヒソヒソと、私の方を見ながら美希に話しかけているのが見えた。
―そろそろ仕掛けてくるだろうな。
学校にいる間は平気だろう。下校するときは要君がいるし。
となると……
思考に入ろうかというところで、担任の無駄に大きな声がドアの先から聞こえてきた。
「お前ら席つけー。帰りのホームルーム始めるぞ」
「壁」達が席へ戻っていくのを見届けながら、今度こそ、思考を開始する。
「いいか~お前ら、もうすぐ受験なんだから少しは…」
いつ来るだろうか…いつがいいんだろう。
「もう少し気を引き締めてだな……おい!コラ飯田!寝るな!」
明日か?いやそれでも……
「卒業までもう少しだぞ~最後まで学校生活を……」
う~ん……
「……よし、今日はここまで。号令かけろ。それと庄田、週番頼むぞ」
……えっ?
「あ、はい」

97:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:43:10 FYAs6EDK
週番?…しまった。
「きり~つ。礼~」
そうか。たぶん、今日。今からだ。
号令が終わり、担任が教室を後にすると、一斉に教室中が騒がしくなった。
クラスメイト達ががそれぞれ雑談を交わしながら、次々に帰宅準備を始める。
村田達も荷物をまとめ、教室のドアに足をかける。
その時一瞬、私を見て含むような笑みを浮かべたのが、はっきりとわかった。
「……ほ、秋穂、秋穂!」
「…あっ!」
いつの間にか帰り支度を終えた要君が、私の席を見下ろしていた。
その横には由梨絵と飯田君も揃っている。
「今日週番だよね?手伝おうか?」
「………………」
どうしようか。
今ここで手伝いを了承すればあいつらは手を出してこないだろう。
でももしかしたら由梨絵達に迷惑をかけることになるかもしれない。
それだけはまずい。だけど……
…ん?まてよ…そうだ。
「……ううん、いいよ」
「えっ?……そう」
心底残念そうに、寂しそうに肩を落とす要君。
可愛い。でも、駄目だ。
「うん…だいじょぶだから……」
「……?秋穂?」
要君が違和感に気づいたかのように、私の顔を覗き込んでくる。
いいぞ。あとは由梨絵が…
「…秋穂?どうかしたの?なんか変だよ?」
由梨絵も私の様子を見て、訝しげな表情を浮かべる。
よし!さすが由梨絵だ。ここまでくれば……
「……なんでもないのよ。だいじょぶ。ごめんね、また明日」
わざと苦しそうに、辛そうな表情を作る。
こうなれば要君や由梨絵がどう考えるのか、私には予想がつく。

98:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:44:11 FYAs6EDK
「……うん」
「…わかった。また明日ね、秋穂」
心配そうに私の方を振り返りながら、教室を後にする要君と由梨絵。
無理やり作ったような笑顔を浮かべ、彼らが見えなくなるまで手を振る。
よし、後は週番の仕事をこなして時が来るのを待とう。
恐らくあいつらが教室に戻ってくる、その時を。






「…ふう」
日誌を書き終え、一息つきながら窓の外を眺める。
季節が冬だからか、すでに外は薄暗くなっていた。
照明がグラウンドを照らし、その中でクラブ生達が懸命に汗を流している。
…そういえば、前までこの時間は私にとって悪夢の時間そのものだった。
美希と要君が交わるところを、己の意思でとは言え、何度も見てきた。
美希の勝ち誇るような様を、何度も見てきた。
でも今は違う。負けるものか。今度こそ、私が勝つ。
「………………」
日誌を閉じ、時計を見ながらあいつらが来るのを静かに待つ。
しばらくして、多数の足音と小さな話し声が廊下から聞こえてきた。
その足音も教室の前で一斉に止み、代わりに大げさにドアを開く音が、教室中に響く。
「あら、庄田さん。お疲れ様~」
私がいることを確認した村田が、満面の笑みを浮かべる。
その後に続くように、戸田や取り巻きの女子達が次々と教室に入ってきた。
「ちょ~っとお話があるんだけど、いいかなぁ?」
「…いいけど、ここで?」
「ここじゃ誰か来るかもしれないし~…移動しましょ。そこで、ゆっくりとね…」

99:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:45:26 FYAs6EDK
─夜の学校の、体育館裏。
今、体育館内では多くの学生が部活を行っている。
それでもこんなところにまで走りこみに来る生徒はいない。
おまけに夜にこんなところに来る理由も普通の学生にはない。
遊んだり、密会したりするならわざわざこんな場所を選ぶ必要はないからだ。
「ここならおっけーねぇ」
「………………」
「さてと……謝るなら今のうちよ?庄田」
「………………」
しかし…私一人に対して大した数だ。
全員合わせて8人はいる。でも幸いな事に男は一人もいない。
こいつらならそれくらいはやると思ったんだけど。
さすがにそこまでクズな男は仲間内にいないってことか?
…いや、ただ単に自分達の手で私を粛清したいだけかもしれない。
私を本気で私刑にするつもりなのか、それはまだわからないけど。
「ちょっと!何とか言いなよ」
「………………」
「こいつ…!!」
「マジ腹立つ!」
「………………」
「庄田っ!聞いてんの!?」
「………………」
「もういいよ!やっちゃおうよ」
「そうそう。こういうやつは口で言っても無駄だしさ」
「………………」
なーんだ。結局そういうつもりだったのか。
「まあまあ、皆。どうするの?庄田さん。今ならまだなんとかなるかもよ?」
興奮した皆をなだめながら、勝ち誇ったような笑みを浮かべる戸田。
それを見て、突然ニヤニヤし始める村田と取り巻き達。
…美希はここにはいない。だけどどこかで見ている。
もしかしたら、後で戸田たちから結果を聞くつもりなのかもしれない。

だったら余計、ここで屈するわけにはいかない。

100:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:46:11 FYAs6EDK
目を逸らさずに、しっかりと村田達を見つめながら口を開く。
「…謝るって、なにを謝るの?」
そんな私の態度に、村田が怒りの表情を浮かべる。
「決まってるでしょ!?昼間のことよ!」
「昼間のって……ほんとのこと言っただけだけど?」
「……はっ?」
「あんたの彼氏…木村君だっけ?彼、私に告白してきたの」
「えっ……」
私の言葉に、愕然とする村田。
やばい。また吹き出しそうになってしまった。
「だから、告白してきたのよ、私に。もちろん振ってあげたけどね」
「………………」
「感謝してよね?あんたがしっかり首輪つけとかないからこうなったのよ?」
「………あ、あんた」
「ま、あんなサルみたいな男、好きになるのあんたくらいのもんだろうけどねぇ?」
「…………っ!!庄田!!」
感情が爆発したかのような勢いで村田がつかみかかってきた。
でもこんなんじゃ、簡単に避けられる。
「………よっと」
避けるついでに足を掛けておいた。
「…あっ!!」
見事に引っかかり、不様に倒れる村田。
…だめだ、笑いが抑えられない。
「ぷっ…!くくく」
「…………っ」
「…っ!庄田!」
泣き出しそうな村田を見て、今度は戸田が仕掛けてきた。
ちょっとまずい。戸田はモデルもやるような長身だ。
しかたない。ここは口で攻撃するか。
「なにムキになってんのよ?あんたも似たようなことしてるじゃない」
「…………!?」
「知ってるのよ~?あんたがモデル仲間の川島君と浮気してること」
「えっ!?なんで…あっ!」
慌てて両手で口を塞ぎ、顔を真っ赤にさせる戸田。

101:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:46:51 FYAs6EDK
なんて間抜けなんだろう。バカすぎるにもほどがある。
体ばっかり大人っぽくなって、頭は空っぽなんじゃないの?
「村上君が知ったらなんて思うかなぁ?ふふふっ…」
「………っ!!」
「庄田!」
「あんたマジいい加減にしな!」
「調子乗ってんじゃないわよ!」
二人の様子を見た取り巻き達が、私に詰め寄ってくる。
あらあら。これはちょっとまずいかも。
「庄田…!!」
「許さない…!絶対許さない!」
村田と戸田も立ち直り、私を壁際に追い詰める。
やばい!万事休すか!!
「覚悟しなさいよ!」
8人の女子が一斉に私に飛び掛ってくる。
きゃああ!もうだめ!!
……なーんちゃって。


「やめろ!!」


突然の大声に、私を囲んでいた女子達が一斉に後ろを振り向く。
そこには、少し小柄ながらそれでもしっかりとした体格をした男の子が立っていた。
息を切らせながらもその男の子は村田達を睨みつけ、再び大声で叫ぶ。
「秋穂に手を出すな!そんなこと、絶対僕が許さない!」
その瞳からは、とてつもない怒りの感情が見て取れた。


――ふふっ。来た来た。やっぱり来てくれた。

やっぱり王子様はこういうときに現れないと。ねっ?要君。

102: ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:48:07 FYAs6EDK
終わりです。確かに由梨絵ちゃんが一番まともですね、この話・・
夏の方は由梨絵ちゃんもヒロインにしたいと思います。

103:名無しさん@ピンキー
07/11/10 18:50:01 iLgLLNTO
なんか秋穂がダークヒーローみたいな感じになってきたな。GJ。

104:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:13:37 lKYDo6Qh
GJ!!
秋穂は本当に使えるものは全て使うな
そして助けに来た要を見て、美希が何を思うのかにも期待。

105:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:32:08 st7dPJEW
>>102
お疲れ様~。
今の所は秋穂の計算がズバズバ決まっているけど
もしこれが崩れたらどうなってしまうんだろう?
まぁ、どちらに転んでも面白そうだけど。

あと作者さま、夏があるのですね。
楽しみに待ってます!! もちろん全裸で

106:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:51:53 IjcIJ84C
今回分も美味しく頂きました。
しかし美樹組はろくでなしばかりだな。

URLリンク(www.hsjp.net)

107:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:56:43 t0vmPuaB
>>102
GJです
これほどの話を書きながら、さらに別の話も考えているとは恐れ入る

108:名無しさん@ピンキー
07/11/10 20:11:37 l76ZxnWY
>>102
GJ
美希ざまぁwww

109:名無しさん@ピンキー
07/11/10 20:18:12 zwftRzzY
美希よさらばだGJ

110:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:06:44 ui3P8yqP
>>102
GJっす!
ここでも秋穂の頭脳が閃きまくり
しかし美希自身もイジメに参加して要に嫌われて欲しかった・・・
まあ展開は作者さんの思うとおりに行っちゃって下さい!

>>106
関係図作成お疲れさま!

111:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:11:58 IjcIJ84C
いや、甜菜です。
あと美樹組じゃなくて美希組だった。

112:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:22:48 W+uuvRWK
>>111
それなんてふもっふ?

113:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:59:36 LnjW7suu
最近嫌われ全開の美希をここはあえてフォローしてみよう
彼女は周囲に流されてる感もあるので多少の情状酌量の余地はないだろうか?
最低道をとどまることなく邁進する涼子や麻希
心の弱ってる女に付け込もうとして、友人の彼女と判明したら独善的な決め付けで自己正当化して友人責める高田
自分が振られた相手に告白されたんだから付き合わなきゃ許さないなんて無茶苦茶言う美穂
周囲にいるのこんな連中ばかりだし
……それも結局自業自得だからやっぱフォロー無理か?
ところで舞にも都合考えない愚痴で足引っ張られてたけど、舞のあれは異常に可愛く感じる
話は変わって、要の家庭の事情とか、そのうち姉が豹変してキモアネ化期待してたのは間違いなくオレだけ

114:名無しさん@ピンキー
07/11/10 22:19:33 TcaqS1et
星空は投下頻度高すぎて話についていけなくなった

完結してから保管庫でみますね

115:名無しさん@ピンキー
07/11/10 22:41:18 lwF7seZY
実は俺も美希応援派なんだよ・・
肩身が狭いから言い出せなかったんだね
確かに美希は流されている節はあるが要への思いは本物っぽいし
流されたと言っても高田へのキス一回だけだし
元々の相手を裏切ってるのは要も同じなんだしさ。

116:名無しさん@ピンキー
07/11/10 22:43:35 fnhp1r56
>>115
俺の中では美希はビッチ女なんだけどな
先輩と付き合っていたのに、要への想いと言われても(゚Д゚)ハァ?って感じです

117:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:16:13 t9fqxQbE
ちょい遅れたけど
>>78
>>102
gjっす。続きにwktk

118:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:39:37 jalTkYLs
>>116に同感 
しかも美希って他人を使いすぎだし…

119:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:41:08 sCHynDKq
ここまで計算ずくの秋穂が美希を墜とすことを考えてないわけがない。
要も来たことだし、次回ついに引導か?

やべえ、オラなんだかワクワクしてきたぞ

120:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:41:44 pF3YWcHW
ageんな

121:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/11/10 23:57:09 T0OeZFJq
お久しぶりです。投下場所に迷いましたが、ここに投下させていただきます。
短編です。

122:夢の中で ◆oEsZ2QR/bg
07/11/10 23:58:51 T0OeZFJq
 夕食を終えて、洗いものを済ませる。
 一人暮らしには少し大きめの食器乾燥機に数日分のお皿を詰め込んで、あとは放置。
 前掛けを外し、ベージュ色のソファに腰を降ろした。
 ウレタンとスプリングが私の体を深く包んでくれる。
 リモコンでテレビをつける。チャンネルを回して、シーンをザッピングしていく。
 中東の爆撃のニュース、旅館の料理、芸能人、ガッテン、見るものはない。私はテレビを消した。
 小さなテーブルに詰まれた女性雑誌。手にとって開く。先週読んだ内容。トレンド? 芸能? この無気力な私の興味を引く記事は、すでに読み終えている。
 雑誌を元に戻した。背もたれに首を置いて、白い天井を眺める自分。寝るには早い。しかしやることは無い。
 時間が潰せない。
 時間を使えない。
 時間に急き立てられない。それがなぜかとても不安になってくる。
 時間に押しつぶされそうなのだ。
 何も無い時間というものに。
 無の時間に。

「……今日も、やろう……」

 私はまた昨日、一昨日、一昨昨日、いつものように、テーブルの上に置いてある錠剤の瓶を開けるのだ。
 中に詰められているのは、緑色した小さな錠剤。
 ドラッグではない。数年前に認可され、いまでは普通に世間でも出回っている合法なものだ。
 今の私の心を縛り付ける小さな粉の塊。
 4粒、手のひらへ乗せる。じっと眺めていると、小さな緑の塊が私を見つめているよう。

『やっぱり。今日もやるんだね』

 錠剤の一つが口を開いた。

『いつも、いつも、やめよう、やめようと想っているのに、やっちゃうんだね』

 錠剤は、私の心を見透かしたように、皮肉まじりの口調で語り掛ける。
 黙れ。
 錠剤の言葉を遮りたくて、私は問答無用で手のひらの薬を喉へ押し込んだ。

 わかっている。
 これが、このクスリが私にとってまったく無益であることぐらい。
 どうせ、最後は……これを使ったことに対する後悔しか残らないとわかっている。

 でも。でも。

 私は、あの甘いひと時が恋しくて、恋しくて、恋しくて、堪らないのだ。
 何度も心を傷つけられても。
 彼と一緒に過ごした時間の、あの幸福感を忘れることが出来ないのだ。


123:夢の中で ◆oEsZ2QR/bg
07/11/10 23:59:52 T0OeZFJq
「うっめぇっ。めっちゃうめぇっ!」

 彼は私の作ったカルボナーラをもりもりと口に運んでいた。
 そんなにバクバク勢いよく食べてると、本当は味なんてわからないんじゃないのかしらと思うけど。

「どこらへんが美味しいの?」
「ん、えーっと。 とにかく美味い!」
「いい加減なんだから……」

 ……味なんてわからなくてもいい。私の料理を食べて彼が笑顔で喜んでくれるだけで、私は幸福なのだから。
 私も、フォークでつるつるとカルボナーラをすする。ちょっと塩味が強かったかしら。つるりとパスタを一本啜り、ふと彼へ視線を向けると、彼は味塩の瓶を振っていた。
 彼はもうすこししょっぱいほうが好みなのね。
 彼は私の視線に気付くと、口にパスタをくわえたままにぃっと笑いました。日に焼けた褐色の肌が健康的で、私の心はどきりと高鳴る。

「あはは、わっりぃ。俺、塩辛いのが好きだからさ」
「次から、そうするわ」
「おうっ」

 そんなこと言いながら食べ終わると、私はお互いの食器を重ねて、台所へ向かい洗剤とスポンジで洗う。
 しゅわしゅわとあわ立つ洗剤の泡をCMのようにふぅと息で飛ばしながら、彼の舐め取ったお皿を綺麗にしていく。彼が嘗め尽くしたフォークにスポンジを滑らせて行く。
 振り向くと、彼はソファに座ってテレビを眺めていた。私のかちゃかちゃというお皿がぶつかる音に、まるで新婚家庭のような気分を味わっているのかもしれない。
 そう想うと、私もなんだかそんな気分になってきて、うきうきとお皿を洗う手も楽しく動いていく。さらりさらりと水ですすぎ、泡を洗い流して、食器乾燥機へ。
 私の使ったスプーンと彼の使ったスプーンが重なり合ってて、キスしているみたい。
 背中越しに感じる彼の気配。幸せな感じ。
 前掛けを外して、ソファに座る彼に後ろから抱きついた。
 大きな肩幅と、筋肉質な首元。腕をまわせば、彼の顔が私のすぐ近くに。

「ん、どっしたの?」
「ふふ」

 抱きつく私に彼は手を伸ばす。彼が触れてくれる。私は、体をひねって彼の前へ。そして彼の膝元へ座った。

「なんだよっ。そんなに甘えて」
「そういう気分なの。嫌かしら?」
「いや、もっと甘えてよ」

 その言葉が嬉しくて、私は体を彼に押し付けた。服越しに伝わる彼の体。温かな感触。
 こうして触れているだけでも心が高鳴なるのに、抱きついてさらに彼に体ごと大きく抱きしめて、包みこんでもらえるなんて。
 キスをせがむように彼の首元へ、唇を近づけた。なぞるように触れる。すると、彼はくすぐったそうにして笑う。
 そして、私の顎を指で掴み顎を上げさせると、すぅっ。
 唇が触れ合う。彼の赤い唇と、私の唇。交じり合う。交じり合う。交じり合う。
 目を閉じて、二人はキスに没頭する。吸いあい、なぞりあい、愛を確かめ合い……。

 クローゼットから覗く女の視線など気付くことなく。
 クローゼットを静かに開けて、足音を立てずに二人の傍へ向かう女にキスに夢中の二人は気付くことなく。

 女が握っていたアイスピックを抱き合う二人の背中めがけて振りかぶる。
 彼を奪った泥棒猫に対する憎しみを、銀色に光るこの先端に込めて。


 ぐしゃっ。

 ぐしゃっぐしゃっぐしゃっ。
 ざくっざくざくざくざくざくざくざく。

124:夢の中で ◆oEsZ2QR/bg
07/11/11 00:00:33 T0OeZFJq

「お、お前!」

 ぐしゃっ。

 彼の恐怖に歪む綺麗な瞳に針を押し込む。

 ぐしゃっ。
 ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。
 ざくり、ざくざく、ぐしゃ、ざく、ざく、ぐしゃっ。びちゃ、びちゃ、びちゃ、びちゃ、ざくぅ。


 目が覚める。
 いつもと同じ部屋。ソファにもたれていた私は、脱力感に溢れた体に鞭を入れて起こす。
 時計に目を向けると午前1時。2時間程眠っていたようだ。

「やっぱり、どうやってもこうなっちゃうのね……」

 緑色の錠剤を眺め、私は一人呟いた。
 夢。この薬を服用した自分が見ることになる夢は、いつもこうだった。
 私が大好きだったあの人と日常を過ごし、笑いあい、体を触れ合い、愛し合い、そして最後は背中を刺され二人は絶命。
 最悪な夢。悪夢。
 そんな夢をこの錠剤は私に見せるのだ。
 服用した後目から冷めた私の心を支配するのは、飲む前よりも肥大した静かな虚無感と寂しさと激しい自己嫌悪だけ。

 でも、刺される前までの。あの一瞬にも似た、彼との過ごした時間が。あの幸福感だけが。
 とても、とても、大きくて。大きくて。

 それだけのために。
 私はこれを飲んでいるのだ。
 直後に受ける、虚無感も、寂しさも、自己嫌悪も。
 この甘いひとときさえ、感じられるのならば。私は何も要らない。


「私は、この甘いひとときさえ。一切……あなたから貰えなかったのだから」


 部屋の隅で、もう二度と動かなくなった顔面ぐちゃぐちゃの彼と背中を赤黒に染めた女の姿を眺めながら。
 私は一人呟いた。

(終わり)


125:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/11/11 00:01:14 T0OeZFJq
投下終わり。なんかふわふわした終わり方でした。

126:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:02:31 iVu2L0FE
GJです!

127:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:10:33 HNU83Zz2
>>115
同意。

美希の過去がどうだったかって
秋穂視点でしか語られてないから、
星空序盤の流れを見てる限りそこまで酷い女とは思えない俺。
今の状況も半ば秋穂の策略で追い込まれた状況だし。

要が秋穂のただの駒にしかなってないから、最近感情移入できん。
ここらで秋穂の思惑から外れたことやって欲しいなぁ。

128:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:18:11 1WhnZjJ9
>>125
なんという病的なエンド……。
GJ

129:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:22:22 1oQbZW7/
>>125
ああ懐かしい名前が……
GJ

130:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:28:10 DdqLXymT
美希はたぶん要に対してだけは本気なんだろうなあ
周りの評判を落としてまで二人の関係を優先しようとしてるぐらいだし・・

しかし、過去の行動とかを見る限り一番えげつないのはこいつ。
この子がここまでしなければ秋穂の計算高さも眠ったままだったかもしれないのに


そういうようなことを考えると漏れはどうしても秋穂派になってしまうorz
まあ、美希も比較じゃなくて単独だったら嫌いじゃないけどね

131:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:30:09 f8Z4yoiw
>>125
GJ

とても悲しい話だな。


132:名無しさん@ピンキー
07/11/11 01:11:39 9GP0/iXe
>>102
GJ!!!!
美希はひょっとして手の平を返したりして・・・

>>113
>話は変わって、要の家庭の事情とか、そのうち姉が豹変してキモアネ化期待してたのは間違いなくオレだけ
あれ・・・?俺いつの間に書きこんでたっけ・・・?
誰かが第三者が要に好意を持ったら美希と秋穂は危ないという書き込みを見て、真っ先に姉が思い浮かんだ俺はもう・・・。


>>125
GJ!!!!怖すぎるwwイチャイチャシーンでほんわかして油断してた・・・

133:名無しさん@ピンキー
07/11/11 01:46:02 XZzJfRw4
要と高田がウホッ!



・・・・ごめん、言ってみただけなんだ

134:名無しさん@ピンキー
07/11/11 01:51:40 DkVqN9jv
>>133
ついていい冗談と悪い冗談がある







嫌いじゃない

135:名無しさん@ピンキー
07/11/11 13:14:00 sU1sC1F1
阿修羅氏おつですー

136:名無しさん@ピンキー
07/11/11 14:43:31 R/DtpUmz
まとめサイトを見て思ったんだが・・・・
容量って何? ちょっと意味わからないのだが

137:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:28:03 KuRVMZvV
>>136
調べるなりなんなりしろよゆとり

138:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:29:11 euqngWfE
SSじゃなくてhtmlのサイズっぽい。

とりあえず阿修羅氏乙です。

139:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:29:25 KJKU0z26
更新が全然されない保管庫が多いなかで、あれだけの量の更新を今まで続けてきた阿修羅氏って本当に偉大だよな

語彙が乏しいせいでGodJob以上の賛辞が思いつかない

140:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:33:51 CpeWO5RE
阿修羅様お疲れ様です(*_ _)人

>>139
俺も礼を言うぐらいしかできないわ・・・

いつも活用させてもらってます
作者様も阿修羅様もいつもありがとうございます

141:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:19:16 JbjZWkOc
阿修羅様のおかげで神達の修羅場作品をたくさん読めるのは素晴らしい
エロパロ最高のまとめサイトだと私は思っています。これかも頑張って修羅場ってください

142:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:19:20 VNSyYlWr
>>139
GODですか
まぁ周りの保管庫管理人と比べると神だな

143:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:32:17 DdqLXymT
阿修羅さんは現人神

144:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:06:59 tyczNm0m
ジャンル別indexイイ!!
阿修羅さん乙ですー

145:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:22:15 PB1M/i7f
なぜか冬の星空がキモ姉妹に分類されてるのは桜姉と舞がキモ姉妹化するフラグry

146:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:51:14 afrOmhDN
今日は投稿はなしか

147:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:19:24 fb/tX8k9
>>146
まあそんな日もあるさ。まったり待とうぜ。

148:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:19:44 4qRNwIRP
このスレの伸びは異様だよね。前に他の板に投下してた頃は
2~3ヶ月にヒトスレでもなかなかのもんだったもん

149:名無しさん@ピンキー
07/11/12 02:34:01 LSIXiw3n
wktk

150:名無しさん@ピンキー
07/11/12 11:21:41 OlzHhytE
そろそろ、嫉妬の季節だな

151:名無しさん@ピンキー
07/11/12 13:25:50 L2T8qqSz
そうですなー(´∀`)

152:名無しさん@ピンキー
07/11/12 13:30:49 WhiPsM73
クリスマスに別れを告げられ正月はストーカー。
巧妙な策を弄し、よりを戻そうとするも泥棒猫に彼を奪われる。
しかし地道に彼を誘惑してバレンタインに再告白→仲直り。
そんな健気な嫉妬ガール。


153:名無しさん@ピンキー
07/11/12 15:38:39 Wo4dWxV8
>>152
やべ、妄想という名の創作意欲が沸いてきた
今すぐ文章に起こすべきだろうか……

154:名無しさん@ピンキー
07/11/12 15:39:39 DdxCH2mH
節分には鬼退治ならぬ泥棒猫退治だな

155:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:06:14 Gd/1p2Ed
四月になれば進学やらクラス替え
環境が変わって新たな泥棒猫が登場するわけですな

156:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:31:57 JP9BovTo
>>155
姉、妹、幼馴染属性にとっては鬼門の季節だな

157:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:40:47 G/0ycggk
雨の音キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

158:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:51:53 wX8wwypg
>>157
情報㌧!
避難所行ってきたぜ!

159:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:56:40 ZG6IdTBh
シヲンのいじめっぷりにおっきした
修羅場より逆転された時が楽しみ

160:名無しさん@ピンキー
07/11/12 18:17:07 nykeHRqq
むこうに書き込めなかったのでこっちに感想
GJ、ずっと待ってました!服がきれるぜ(ノ∀`)・゚・。
これから思い出の女の子が出る事によってシヲンがどう変わっていくのかが楽しみ、
そのまま暴力が酷くなっていくのか弱気になって尽くすようになるのか、それともまったく別なのか
次もwktkしながら待ってます。

161:名無しさん@ピンキー
07/11/12 18:24:27 df6aO08M
    {     , -'",,.-‐''" ,,.- ` へ.|
ィ彡三ミヽ  `ヽ / / /////   |
彡'⌒ヾミヽ   / /  / / / / /   ,i  |
     ヾ、  / //  / / / / /  ,イ ノ} ノ|
  _   ` / / ,イ/ / { ,!,イ ,イ .///.// |
彡三ミミヽ  / / /l l | Ll,,ィl-ト/| /ノ/,//- |
彡'   ヾ、 | ! { l { |lイ V Vレ | /ノ ノ   |
      ` l l 人、ヽ{V_   _-レ    ー_.  |
,ィ彡三ニミヽ ゙l l { トヾk  -=・=-  -=・=- |  今日も愛しい彼の後を追ってます
彡'      ` ヽヾ{ ヾミヽ`    _L     |   
      _ _ト 、 入.            |
   ,ィ彡'  ̄ ノト, \ \  ー===-'   /|
ミ三彡'ィニニ=- '//ノ  ヽ  }ヽ、     イ l |
  ,ィ彡' r'⌒`''" _   ノ } l ` ー ''"  |/ |
 //  ヽ(  /  ノ ノ ノ ^|       /(二つ
彡'  __y/  _,/ イ_/ { ノ        { (二⊃
  /,フ',イ  / / //"    |、      ,ネ ト、二)
  ({ /:::{ / ノ { {     l ヽ   ´ / `ト-'
  V:::::::ヽ{ {   トヽ__)    l      /   |

162:名無しさん@ピンキー
07/11/12 18:34:32 oWV0uPVY
漏れもwktk

163:名無しさん@ピンキー
07/11/12 19:59:33 EftZ2cez
>>161
何でぴょうがいるんだよw

164:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:13:11 t8HCl4UB
楽しみにしている作品が来るまで俺はキモウト話で盛り上げるぜ


キモウトのお約束事項

大好きなお兄ちゃんを○○にする

165:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:22:24 ZXHMJHyn
日本一の番長にする

166:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:24:22 wX8wwypg
三年で優勝を狙える選手にする

167:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:26:06 Zo78K5ex
具無しのおにぎりスターに育て上げる

168:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:41:24 kMuZfQZN
お兄ちゃんはワシが育てた

169:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:51:39 yjNyEyFP
大好きなお兄ちゃんが寝取られてから腰痛が治った

170:名無しさん@ピンキー
07/11/12 22:01:07 sJp112DB
>>169
過激なプレイばっかしてるからそんなことになるんだよ、しばらく療養しとけ

171:名無しさん@ピンキー
07/11/12 22:34:49 4qRNwIRP
愛してくれてと思って眠れないのでしょうとなる

172:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:43:33 bdz9+ay6
こんにちは。
前スレ>>877の続き投下します。

173:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:45:12 bdz9+ay6

 僕と彼女との、最初で最後のデートはクリスマスイヴだった。

 電車に乗って少し遠出して、僕らは水族館に行った。

 朝の待ち合わせは駅前広場でも、改札前でもなく、電車のホームだった。その理由は、
僕らがこんな日に一緒に居るのを見られたくないから。そのことに少し心は痛んだけれど
も、一ヶ月前から楽しみにしていたその日を、僕は目一杯楽しもうとした。

 その日は、誰にも遠慮なんかしないで僕らは堂々とカップルをした。『カップルをした』
なんて表現はちょっとおかしいものかもしれないけど、それがぴったり来るようなデート
だった。手を繋いで歩いて、水族館なんかに行って、昼ごはんの時に朋子の焼いてきたク
ッキーを食べて、夕陽が沈むのを展望台から眺めて、プレゼントの交換をして、僕は格好
付けて指輪なんかをあげたりして、正真正銘のデートだった。

 帰りの駅までの暗い道を、手を繋いで二人で歩く。

基本的に何もない港町だから、人通りは少ない。

帰りたくないと、そう思った。このまま彼女と二人で何のしがらみもないこんな場所で
生活できたらそれは何て素晴らしいことだろう、そう思った。

 だけど、

「…………アホか」

 そんなの無理に決まってることぐらい、分かっていた。

「どうかした?」
「いや、何でもないよ」
「………そっか」
 
 残り時間は少ない。もう一秒だって朋子の手を離したくなかった。

「…………なあ朋子」
「ん、何?」

 そう言ってこっちを向いた朋子の唇に、さっと自分の唇を重ねた。

 初めての、キス。

 何味かなんて、そんなものは分からなかった。

 ただ二人ともずっと外にいたから、その感触は想像以上に冷たかった。

 顔を離すと、いつもと同じ笑顔の朋子がいた。


174:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:46:22 bdz9+ay6
「…………驚かないんだな」
「まあね、いつかしてくるだろうなとは思ってたから」

 お見通しだったわけだ。僕、カッコ悪。

「ありがと、遼」
「………う、うん」

 僕はその笑顔にどう応えていいか分からなくて、とりあえず頷いていた。

 どうしようもなく好きな、大好きになったその笑顔。

 離したくないと思った。

 本当に、このまま時が止まってしまえばいいと、そう思った。

「今日も星、綺麗だよ」

 そう言って空を見上げる口は、相変わらず半開きで、

「朋子……」

 僕はまた、

「ふあ………ん…………」

 朋子にキスをした。

「ん………んあ……」

 半開きになっていた口に、僕の舌を滑り込ませる。初めてのことで勝手も分からず、た
だ僕は朋子の口の中を嘗め回した。それにすぐに応えてくれる朋子。熱心に、不器用に、
僕らのディープキスは手探りで進んだ。今度は冷たいなんてことはなく、朋子の熱を僕は
存分に味わった。

「はあ……はあ……、これは流石に、ちょっと予想してなかったかも」

 一回なんかじゃ足りなくって、僕は何度も何度も朋子に口付けした。

 寒空の下、抱き締めて、口づけて、離して、またキスして、それを何度も繰り返した。


 結局、帰りの電車は予定より二本も遅らせることになった。




175:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:47:47 bdz9+ay6


 辛い日々は、三学期になってからも相変わらず続いた。

 それからは余計に受験勉強に忙しくなって、電話の頻度すら減っていっていた。この時
の僕の神経は二学期の頃よりさらに磨り減ってしまっていた。会えないのは、近づけない
のは当然だと分かっていても、会いたくて、抱き締めたくて、キスがしたくて。彼女が学
校でいつも見せる笑顔は、当然僕だけに向けられたものなんかじゃない。当たり前のこと
だって分かっている。分かっているのに、他の奴と楽しそうにしているのを見るとどうし
ようもない暗い気持ちが湧き上がってきた。

 友達に気を遣って、みんなとの関係を大事にしたくてこんな風にしているのに、それが
だんだん邪魔なものに見えてきた。僕と朋子が一緒にいるのを妨害する、とてつもなく目
障りなものに見えてきた。


 それは久しぶりに、いつものメンツで放課後に話しているときのことだった。

「しかしまあ、もうちょっとで卒業だね~」
「そうだねー」

 そんな別に何でもない会話。だけど朋子はみんなといる時間を本当に楽しんでいて、そ
の笑顔は久しぶりに見るとても明るいもので、僕がどんなに頑張っても僕一人じゃ彼女に
は与えられないもので、そのことが気に障った。

 何だよ、そんな楽しそうな顔して。僕といるときなんかよりよっぽど楽しそうじゃないか。

「はやいなー」

 暗い、汚い気持ちが胸の奥から物凄い勢いで湧き出してきて、どうにも止まってくれな
かった。

「うん、ほんのちょっと前に入学してきた気がするもん」

 一体僕は何のために色んなことを我慢してるんだよ。こんな連中とヘラヘラ笑うためか?
 違う、朋子と一緒にいたいからだ。でも我慢したって我慢したって、ちっとも僕は報われ
ていないじゃないか。

「卒業なんかしたくないよねー」
「いや、お前は受験したくないだけだろ」
「あはっ、ばれた?」

 何だよこれ、こんな生活早く終わってしまえ。こんな糞ったれた学校生活を終わらせて、
早く高校に行ってしまいたい。

「それにみんなと別れるのも寂しいしね……」

 早くお前らなんかとは別れたいね、とっとと縁を切りたいね、どっか行っちまえ、お前
ら俺の邪魔すんなよ。


176:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:50:03 bdz9+ay6
「ねえ、中原?」

 なあ朋子、中原なんて呼ばないでくれよ。そんな風に呼ばれたら俺は泣いてしまう。

「どうしちゃったの? さっきからずっと黙っちゃって」

 喋りたくないからだよ。

「変なもんでも食ったんじゃねーの?」

 アハハハと笑い合う級友たち。その笑顔が、何も知らない呑気な笑い声が、どうしよう
もなく気に食わなかった。

「おいおい、大丈夫かよ?」

 笑いながら僕の肩に手をかけようとする安田の手を、僕は払いのけた。

「………やめろよ」

 自然と口から言葉が出ていた。場が、凍った。

「な、なかはら?」

 皆が脅えたような目で僕の方を見てくる。

「………俺は別に、卒業なんて寂しくなんかない」

 むしろお前らと別れられて清々するくらいだ。

「正直早く高校に行きたいくらいだ」

 アハハ、和やか談笑ムードが僕のせいで台無しだ。ざまあ見ろ。

「とっとと卒業して、お前らと離れたい」

 お前らなんか大っ嫌いだ、死んでしまえ。


177:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:50:54 bdz9+ay6
「遼………」
「――っ!!!」

 その声で僕は正気を取り戻した。

 彼女が、朋子が僕を泣きそうな目で見ている。

 何で? どうして? こんな顔させたくないから、僕は我慢して、朋子の笑顔が僕は好
きだったから、好きだったから――
「………ごめんっ、帰る!!」

 荷物を持って、そこから急いで僕は逃げた。

 走った走った走った、とにかく何も考えたくなかったから。

 廊下を歩く生徒とぶつかる。でもそんなの関係ない。僕は走らなきゃ。

『遼………』

 ――――嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
そんな顔はそんな目は見たくない見たくないんだ見たくないんだよ!!!!!!!!!
誰がさせたんだよ? 僕だ、僕なんだ違う僕じゃないいいやお前だお前だよお前がお前が
お前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前が!!!!!!

「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 僕は、駄目だ。

 駄目人間だ。

 生きてる価値なんかない駄目人間だ。

 死んでしまえばいい。死ンデしまえばイイ。




 ダメニンゲンナンダ。





178:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:51:52 bdz9+ay6


「中原、最近頑張ってるな」
「はあ」
「この調子なら、志望校もう一ランク上げてもいいんじゃないか?」
「じゃあ、そうします」
「何だその言い草は。自分の進路なんだぞ?」
「はい、そうっすね」
「ちゃんと考えておけよ」
「はい、分かりました」

 それから僕は、とにかく勉強をした。睡眠不足になって倒れるまで、ひたすら机に向か
った。集中して勉強している間は、何もかも忘れられたから。

 ―――あれがあった晩に彼女と電話で話して、僕と彼女の関係は終わった。

 僕はもう、彼女と一緒にいていい人間ではないのだ。

 彼女の大事な場所を、僕は壊した。自分勝手で、わがままな気持ちから、僕はそれを壊
してしまった。

 決して許されていいことなんかじゃない。

 僕はもう、人に好きになってもらう資格なんてないのだ。

 僕はもう恋なんてしないんじゃないか、そう思った。彼女以外の人を好きにはならない
だろうし、彼女以外の人を好きになりたくなかった。

 ―――僕はここで止まっていよう、そう思った。

 倒れたとき、夢に彼女が出てきたときは、泣いた。悲しくて、寂しくて、自分が許せな
くて、とにかく泣いた。

 それでも勉強して、必死に現実逃避をしたお陰で、僕は県内でも有数の進学校に合格す
ることが出来た。両親はとても喜んでいたが僕はちっとも嬉しくなんかなかった。


 それでも、あそこにいたメンツ全員と進学先が違ってよかった。それだけは思った。



179:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:54:05 bdz9+ay6
以上で今回分投下終了です。
回想編はここまでで、次からは元のお話に戻ります。
それでは次回もよろしくお願いします。

180:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:19:30 DAYleD29
雨の音の作者さんがこちらへの転載お願いしてるけど

181:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:20:19 pP1lsZpX
>>179
GJ!

182:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:20:54 DAYleD29
途中で送信しちゃった。
雨の音の作者さんがこちらへの転載お願いしてるけど
されてないのは何か理由があるの? みんなめんどくさがってるだけ?

183:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:24:06 8/7Cq7/W
>>182
ヒント:携帯厨
明日になればPC使えるからタイミング見て転載するよ

184:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:24:45 Ihi6N0ZC
>>182
多分、皆内容に夢中で気付いてないっぽい・・・
俺も今言われて気付いたしw
んじゃ代わりに転載する

185:代理
07/11/13 01:26:01 Ihi6N0ZC
雨の音


パーティー会場に鳴り響いていたヒビキのヴァイオリンの演奏が終わると、
すぐにその場は拍手の音で埋め尽くされた。

次々と響の側に人が集まる。
まずは、年配の、パーティーの主だった人達から挨拶を受ける。
誰もかしこも響の才能を褒め称えている。
響も彼らに笑顔で受け答えを返している。

そんな響を、シヲンは冷たい目でみていた。
ヘラヘラ笑って、ふん、間抜けな面。

あくびをかみ殺して、時計を見る。
まだまだ帰る時間には遠い。
退屈だ。
あと二時間近く、ここに居なきゃないけないの?

うんざりしながら、視線を響の方に戻す。
途端、シヲンの形のいい眉が寄せられた。

響の周りに、多くの女の子が寄ってきていた。
彼女たちも、響とシヲン同様、親に連れられてここに来ているのだろう。
彼女達は、馴れ馴れしく響に話しかける。

今日のバイオリンもステキだった。
私にもバイオリン教えてくださらない?
こんど、わたくしの誕生パーティーをするんですけど、ぜひいらしてください。
などなど。

今、彼女達にとって、響はちょっとしたアイドルだった。
幼い頃、両親を失い、その志を継いで、自らも音楽家を目指し、その才能を
開花させつつある少年。
その生い立ちに加え、響は見た目も悪くない。
それこそ、ちょっと古臭いが、少女趣味な話のヒーローのようだ。
まだ十代の少女たちが熱を上げるのもしょうがないかも知れない。

186:代理
07/11/13 01:26:31 Ihi6N0ZC
シヲンがカリ、と爪を噛む。
傍目にも、どんどんと機嫌が悪くなっているのが分かる。

ふん、間抜けな面。
そうやって頭の緩い女に囲まれていい気になるなんて、どれだけ低脳なのかしら。
いい気分なんでしょうね、バカヒビキ。

そのシヲンの不機嫌な視線に気が付いたのか、響がシヲンのほうに振り返った。
響と目が合うと、シヲンは眉根を寄せた。
自分が今、機嫌が悪いと教えてやるためだ。
そうすれば、響はいつもおずおずと自分に注意を向ける。
さもなくば、どんなとばっちりを受けるか分からないからだ。

それを分かっているので、シヲンはすっと歩みだし,会場を後にする。
はあ、と溜息をつき、響はシヲンの後を追う。

シヲンに睨まれただけで、演奏後の高揚感も消え去り、落ち着けなくなった。
自分の周りに居た少女たちが、引き止めてくれるが、それを振り払い、
慌ててシヲンを追いかける。

会場をでて、エレベーターに向かうが、シヲンは降りた後なのか、既に居なかった。

シヲンに遅れて、響が地下駐車場に停めていた清涼院家のリムジンに乗り込むなり、シヲンに
わき腹を蹴られた。
「…遅い」
「ん…ゴメン、シヲンが出て行くのみて、すぐ追いかけたんだけど…」
「ふん」
再び、蹴られた。

リムジンが出て、しばらく響もシヲンも何も話さない。
重苦しい雰囲気だが、こういったとき、響からシヲンに話しかけることは無い。
何を言っても、シヲンが痛めつけてくる理由を作り上げるからだ。

187:代理
07/11/13 01:27:03 Ihi6N0ZC
「…くさい」
響が、窓の外を見ていると、シヲンが呟いた。
「あんた、くさい」
急に話しかけられ、意味がわからずにいると、
「嫌な香水の匂いがする……あんたからよ」

あ、と思いつく。
確かに、バイオリンの演奏が終わった後に話しかけてきた女の子の
一人から、劇団四季のチケットS席を貰ったのだ。
そのチケットが入った封筒に、何か花っぽい匂いのする香水が掛けられていた。

シヲンが寄ってきて、響のスーツの前をはだけ、くんくんと匂いの元をたどる。
すぐに内ポケットの中にある封筒を見つけ出した。

ふん、と鼻を鳴らし、それを取り上げる。
何するんだよ、と抵抗しようとしても、不機嫌な顔で睨まれると、心が萎縮してしまう。

封筒の封をきり、中身を見るシヲン。
そこにはチケットに加え、手紙のようなものもあった。
そんなものが入ってるのを響は知らなかったが、シヲンはそれをみると
「…ふん、盛りのついた、メス豚みたい」
と呟いた。
それは響の耳まで届かなかったが、シヲンはその手紙を、チケットとともに一気に破り裂き、リムジンの窓から
投げ捨てた。

「おまえ、何すんだよ!」
チケットを破られた響がシヲンの肩を掴んだが、シヲンに睨まれ、
「…うるさい」
と呟かれただけで、もう抵抗する気が萎んでしまった。

188:代理
07/11/13 01:27:36 Ihi6N0ZC
がくりと力が抜けた響の首を掴み、彼の体を横倒しにし、その上に馬乗りになる。
そしていつもの様に、幼い頃からのように、彼のシャツを強引に引きちぎり、はだけさせる。
小さい頃と違い、その上半身は、痩せてはいるが既に男のものになっていた。

そこに、ぐに、と爪を立て、そのまま指を下げる。
もう何十本と作られた、みみずばれのような痕。

「あんた、この封筒の女に、なかなか調子のいい事言ってたみたいね」
「わすれたの?あんたはこの清涼院家の“物”なんだから」
「勘違いしないように。あんたに自由なんて、そこらの首輪をつけた犬ほどにもないんだから」
「……だから」 他ノ、女ナンカ、見テイイワケナイデショウ?

言葉のたびに、響の胸に腹に、赤い線が走る。

シヲンにとって、いつの頃からか、この行為は響への正妻行為ではなく、自分の
性的な興奮を引き出すものになっていた。
こうして響を痛めつけていると、自分の心臓が早くなるのが分かる。
吐く息が湿っぽくなる。
響にまたがっている下半身が、疼く。
響の体に当たっている股間を、動かしたい衝動を何とかこらえる。

自分にまたがるシヲンの顔を見上げる。
この少女は出会った時から変わらず美しい。
雪のような肌。桜色の唇。
大きな瞳にとても長い睫毛。
月明かりに映える流れる黒髪。
それなのに、響にとって彼女の姿は恐ろしいものに写る。

189:代理
07/11/13 01:29:16 Ihi6N0ZC
響は何度もシヲンをどかせようと手を動かそうとした。
なのに、手が強張り、動かせない。

考えれば分かる話だが、今の響とシヲンでは、体格に性差が表れ始めている。
加えて、響は毎日体力づくりの為のトレーニングもしているのに対し、シヲンは毎日を
怠惰にすごしているだけだ。
もし、響が本気でシヲンに掴みかかれば、あっけなく逆転できるはずだ。
なのに、出来ない。

心に、刻み付けられたのだ。
この少女への萎縮を。
できることは、早くシヲンが飽きるのを待つことぐらい。

響は目をつぶり、顔をシヲンから逸らす。
そして思う。
自分はいつ、この少女から逃げれるのか。
いつか、シヲンに刃向かう勇気を取り戻せる日が来るのかと。

意外と早く、その日は来る。
金髪の少女との再会は、近い。

190:代理終了
07/11/13 01:30:41 Ihi6N0ZC
今回避難所に投下されてる分はこれで転載終了
そんでもって次回にwktk

191:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:44:02 DAYleD29
>>190
どうもすいません。
転載して怒られたらどうしようとか無駄な心配してましたw

192:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:55:43 Q18fRKjN
>シヲンにとって、いつの頃からか、この行為は響への正妻行為

         正 妻 行 為

なんたる誤字ッ……!

(;´Д`)…ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ

193:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:06:55 rPnxJXCS
これは誤字などではあらぬ…!

194:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:09:44 cENhIeg5
こいつら今中学生くらいだっけ?

195:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:13:29 +sVBvH7Y
シヲンって厨二臭い

196:初投稿 ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:08:07 ipaFxFMd
初投稿です。
指摘、アドバイス等大歓迎です。
というより質向上のためどうかアドバイスしてください。
とりあえず導入部分を書いてみたのでよろしくおねがいします。



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