嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 42なさい…!at EROPARO
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 42なさい…! - 暇つぶし2ch50:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:03:06 Qoq+K8hv
連日投下してくれるせいか、この時間になっても星空くるんじゃないかと思って眠れない
漏れが通りますよ(つ∀-)

51:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:08:59 NkfYtW/I
>>50
スレが消えたり投下されたSSが逃げるわけじゃないんだ、ゆっくり寝とけ
無理が祟って実生活に支障が出たら元も子もないからな
まずはSSよりもお前さん自身の事を大切にしてやってくれ

52:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:17:03 rcooK7Ns
俺はそろそろ雨の音こないかなーと思って全裸で待機してる

53:名無しさん@ピンキー
07/11/09 02:21:18 44uUp9zl
wktk

54:名無しさん@ピンキー
07/11/09 11:01:53 JvnZoF6s
次で終わりなのは残念だけど、ちゃんと完結するのは偉い。
未完の作品は本当に多いからな。
期待してた蒼天の夢も結局中途半端なところで終わったし。

55:名無しさん@ピンキー
07/11/09 11:45:11 +elD152e
>>54
保管庫の更新の字が読めないの?
それとも短気な子供なだけなの?


56:名無しさん@ピンキー
07/11/09 12:04:30 JvnZoF6s
続くと期待してはいるけど、これまで何度も味わってきた自然消滅の気配が
どうしてもぬぐえない

57:名無しさん@ピンキー
07/11/09 12:23:34 D/6GA+3m
遠回しにクレクレしてるだけだろうがお前は
黙って待ってろや

58:名無しさん@ピンキー
07/11/09 13:32:30 ecElq43M
じゃあストレートに

ノントロまだー?

59:名無しさん@ピンキー
07/11/09 14:22:51 z4lEhaMY
ノントロは作者が完結させます宣言したんだし
全裸でのどから手が出そうなのをこらえつつ首を長くして待ってればいい
どうしてもというなら靴下と眼鏡の着用は認める

ていうか半年間作者の書き込みなかったときは
結構な頻度であった投下がまったくなくなったので
本当にリアルで何かあったんじゃないかと心配してた
生きてて本当によかった

60:名無しさん@ピンキー
07/11/09 14:39:41 ee6pi5oF
俺……Bloody Maryが投下されるまで全裸で待ってるって決めてたんだ。

61:名無しさん@ピンキー
07/11/09 15:09:42 RIBeyoy3





コッペパンを要求する!!

62:名無しさん@ピンキー
07/11/09 15:58:01 fipS0YDJ
>>59
センセー、眼鏡と靴下だけじゃ寒くなってきたんでネクタイしていいですかー?

63:名無しさん@ピンキー
07/11/09 16:13:21 E9Xh3YQp
wktk

64:名無しさん@ピンキー
07/11/09 19:43:25 C1PYdVPN
僕は1/8スケールちゃん

65: ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:32:38 hgL0AAi4
投下します

66:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:36:26 hgL0AAi4
笑いたい。
笑うのは不味いからずっと我慢しているけど。
新さんの体に顔を押し付けても、体の震えは止められない。
それを彼は心配そうに肩を抱いて、優しく
「小夜ちゃん大丈夫?」と声をかけてくれる。
ますます笑いたなって、より強く彼を抱きしめた。
優しく背中を撫でてくれる。
そうだ、結局そんなものだ。
いくら付き合ってるなんて言ったところで、
相性がよくなければ別れてしまうんだ、どんなにその前まで仲がよくても。
彼と相性がいいのは私だけ、彼と同じ境遇の私だけだ。
だから離さない。お姉ちゃんのとこになんて行かさない。
「今度はヒカルを探さないと、小夜ちゃん行こう?」
行かさない。新さんは私と一緒にいればいい。
彼の顔を見上げて、頭の後ろに手を回し、
キスをした。
やらかくて暖かい、夢を見てるみたい。
だけどそれは直ぐに終わった。新さんが体を離してきたから。
その顔は何だか困った風で、少し、微笑って言うんだろうか、笑っていた。
「新さん、新一さん。私は……」
鼓動が激しくなるのは分かってた、夢の中では何度も言った。
なのにそれきり言葉が繋げられない。
「小夜ちゃん。小夜ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど、
僕はヒカルの事が好きだから。
だから、ごめん」
体はもう完全に離されて、
新さんは私の頭を撫で様として出した手を、
バツが悪そうに自分の方へ持っていって頭を掻いていた。
「な……んでですか」
「……」
「お姉ちゃんは新さんに酷い事をしたのでしょう。今だって酷いこと言った。
何でそんな人の事を探しにいくんですか。何で、好きなんですか」
「僕だって、ヒカルに酷い事を言ったよ。酷い事もしてきた。
でもしょうがない事なんて無かったし、こんな筈じゃない事だって何も無い。
だからこのままじゃ嫌なんだ」
「……」
なにかの音が校内に静に響いた。
「ヒカル外に出たね。小夜ちゃん、一緒に行こう」

67:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:38:28 hgL0AAi4
納得なんか出来ない。
けどそれ以上何も言えない私は黙ってついて行くしかない。
ちらちら降っている雪を眺めながら、さっきの言葉を反芻してみた。
其処まで言うなら、見てみよう。
新さんの言う事を。
お姉ちゃんの性格からして今頃自己嫌悪で死にそうになってるだろうし。
誰がなんと言おうと許せない筈だ、自分を。
新さんが一緒にいるって事は自分の罪を見せ付けられてるのと同じなんだから。
もう一緒にいるなんて出来やしない。
それで新さんも気付く、隣にいるべきなのは誰かって事に。
外に出た事さえ分かれば足跡を辿ればいいのだからお姉ちゃんは簡単に見つかった。
その様子は両手を額の前に組んで祈っているみたいで、
街灯の下に一人きりなんて様がよりいっそう寂しさを際立たせてる。
新さんは私の方を振り返り頷いてから、駆けていく。私もそれに習う。
それに気付いたお姉ちゃんは逃げようとして、頭から雪の中にダイブした。
相変わらずの行動だ。
「はは、ヒカル大丈夫?」
お姉ちゃんは頭に雪がついた状態で、涙目もそのままに、座ったまま私たち。
いや、新さんを見上げて言った。
「何で追ってくるの」
「そりゃ、ヒカルの事心配だし。それに好き、だから」
「私が汚いって分かったでしょ。辺りかまわず汚して、当り散らして。昔と全然変わってない」
「そうでもないよ、変わってない部分もあるけど。変わった事だってある」
「一番変わりたい所は変わってない」
「……」
「私はシンと一緒にいたいけど。駄目なの、
シンと一緒にいると我慢できない事とかたくさん出てくるし。
何より昔の自分を思い出しちゃって、シンを哂ってた時の事を思い出して。
あの私は確かに私の中にいるんだもの」
「そうさせたのは僕だ」
「私が、した。どんな風に言ってくれてもそれは変わらない。そんなの許せない。
それとも忘れた振りをしてこのまま付き合うの?」
そんなの無理に決まってる、誰でもわかる。それでもお姉ちゃんの瞳は揺れてる様に思えた。
「忘れないよ。忘れるなんて無理だ」
「……そう、だよね。トラウマになっちゃうよね」
「そんな繊細じゃないって。
というかヒカルは別に自分の事許さなくて良いんじゃないか。
確かにあの時の事は決して褒められる事じゃないし、ひけらかすものじゃないと思う」

68:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:43:19 hgL0AAi4
……何を言ってるんだろう新さんは。相手を赦しに来たんじゃないのか。
お姉ちゃん本泣きにぶり返してるし。
「っっぅぅごっ、ごめっくっっぅぅぅ」
それでも泣かまいとするお姉ちゃんを、
新さんは、抱きしめ。
何か伝えていた。
それはすぐ風にさらわれてしまい私の耳には届かなかった。
だけれども、お姉ちゃんの表情だけは見えて。
泣き顔が、驚いた顔になって、
最後には泣きながら無理に笑おうとして、なんともいえない顔になっていった。
何が変わったっていうのか。
言葉にできるほどの事は起こってない。
なのに二人の雰囲気は確かに変わってる。
私はそれに取り残されたまま、何処に行ったって私は取り残されたままだ。
思い出にしがみついた所で、家族の絆なんて言葉をかざした所で。
冷たくなった体が震えた。
そんなの、こんなのない。
身を切る様な寒さだけが私の証明なんて。
地面を見ながら震えていた私に影が落ちた。
「小夜。ごめんなさい、叩いて。後、シンとの事黙っててごめんなさい。
小夜の気持ち知ってたし、言い出せなかった。小夜に遠慮したら小夜に取られるとも思ってた」
いまさら、いまだからそんな事をっ。
「……汚いです。そんなの、いまさら言って。
私は認めない。いつも一緒にいるからって、そんなのずるい。
酷い事したのに一緒にいるなんて信じられない」
「私は信じてるよ」そう言ってお姉ちゃんは、私の頭に手を載せた。
気に食わなくて睨みつけでもしてやろうと上を向いた、
その先に。
逆光で黒く照らされた顔があった。
表情なんか分からない。
だけれど真っ黒な彼女からこぼれた涙は街灯の光に照らされ輝いて、
とても綺麗だった。
こんな、
こんな単純で綺麗なものがこの世界にあるのか。
その事が私を満たしてく。
そんな単純な事で私は心を動かしてる。
どうしようもなく、涙が出てしまい困った。
「小夜……。ごめんなさい」お姉ちゃんは抱きしめてくれて。
その感触、匂いが、何だか懐かしく。
私に、このいつも優しくて少し笑える姉が大好きだった。
その事を自然と思い出させてくれた。
私はそんな事も忘れてしまっていたんだ。
「ごめんなさい」言いながら撫でてくれる。
私はかぶりを振って、面と向かってでは到底いえないから「ごめんなさい」
とくぐもった声のまま言った。
「帰られますか」
「帰りましょうか、小夜。帰ろう。シチューもあるよ」
小さく頷いて離れればその分寒さが身に染みる。
震えた私の両手をそれぞれ別の暖かさが包んでくれた。
「私……そんな子供じゃなひ……です」
「分かってるよ、小夜。小夜は子供じゃない。
ただ、私達がこうしたいだけだから。帰ろう一緒に」
歩き出すまえに後ろを振り返ってみた。
其処は街灯が照らし出した静かな空間で、
ナニも、誰も残っていない。
その事を確認して歩き出す。
見上げた空には、怖いくらい白い雲の切れ間にダークブルーの世界と瞬く星があった。

69:世界のetc ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:45:31 hgL0AAi4
結局私はその日、お姉ちゃん家に泊まった。
布団の暖かさを噛みしめたり、朝起きた時、先に誰かいるなんて事が
少し嬉しく、いつもを思い出して寂しくもあった。
お母さんが今日迎えに来るって言うから直ぐに帰らなきゃいけないのだけれど。
「そんなに急いで帰らなくてもいいのに」とは新さんの弁
「そうそう、でも昨日はホント夢みたいな出来事だったねー」
「そうだね。色々疲れたし。
あ、もう来たみたいだよ。親御さんにも謝らないとね。小夜ちゃん」
「別に。それより最後に新さんになんて言われたんですか。お姉ちゃん」
「えっ、っと。私が何処にいてもシンは私の事を探してくれるんだって」
「意味が分かりません。にやけられても困ります。後、新さんアレは夢じゃないですよ」
「ん?」
「私のファーストキスは安くないです」
「!」
「! それどういう事」
「それじゃあ私はこの辺で。母が待っているみたいですから」
騒がしい部屋を後にした。
結局新さんの言った言葉の意味は分からなかったけれど、それでいいような気がする。
その言葉の意味を決めるのは私だ。これから決めよう。
悪魔と契約なんかしなくても、
世界にはあんなにも美しいものが見つかった。
今はこれだけで十分だ。
「小夜、車に乗って」
「うん……。お騒がせしました」
「つぐみ姉さんありがとう。さあ行きましょ」
「ハイハイ、小夜ちゃんまたね、今度はゆっくりしてってね。櫻子も」
車に乗り込むと、あっという間につぐみおばさんが小さくなった。
遅れて新さんとお姉ちゃんの姿も見える。
「小夜、私はこれから仕事に行かなきゃいけないけど。だけど今日は早く帰ってくるから。
……お父さんも早く帰ってくるから、だから―」
しょうがない事なんて何も無いし、こんな筈じゃない事だって何も無い。
その意味を見つけるために私は言った。生まれて初めての言葉を。
「お母さん。私、お父さんの事もお母さんの事も好きだから」

                                  -了ー

70: ◆7Mwamp2Ksg
07/11/09 20:47:09 hgL0AAi4
全ての投下を終了します
最後なので謝辞を、全てのスレ住人の方へ。
このSSは皆さんのおかげで最後まで投下する事が出来ました
完成したぜイヤッホウのテンションのまま投下した、自分の我侭でしかありませんでしたが
達成できた事を嬉しく思います
ありがとうございました

71:名無しさん@ピンキー
07/11/09 22:05:05 +r9QfFMk
>>70
心をこめてGJと言いたい。
おつかれさまでした。
次回作も勝手に期待してるw

72:名無しさん@ピンキー
07/11/10 00:09:29 tA4xh+nI
GJ!!
すごく面白かった
次回作に期待

73:名無しさん@ピンキー
07/11/10 02:32:51 sC9S8GiI
gj!

74:気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 03:53:25 n0zsqVVz
>>70
GJ!!そしてお疲れ様でした。
自分も今の作品を終了できるように頑張りたいと思います。
では、投下させてもらいます。

75:ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 03:54:49 n0zsqVVz
ジリリリリリ!!!!!
うるさく鳴り響いている愛用の目覚まし時計を少し乱暴に叩いて止める。
バイトの疲れがまだ完全にとれていない。
薄く目を開けて時間を確認してみる。7時30分。
学校まで歩いて30分はかかる。朝のSHRは8時30分からだ。
よし!まだもう少し寝ていよう。朝食は急いで食べれば大丈夫だろう。だからあと、15分くらいなら・・・
コン、コン。
「兄さん、起きてますか?」
しかし、ツバメがいつものように起こしに来てしまった。
コン、コン。
「兄さん?入りますよ?」
がちゃっ。
僕がまだ返事をしてもいないのに、ツバメはためらいもなく部屋に入ってきた。
「兄さん、まだ寝ているんですか?早く起きて下さい。」
そう言いながら、ツバメは僕の布団を剥いでしまった。
「うぅ~、ツバメ。お願いだから、もう少し寝かせてくれない?」
「駄目ですよ。早く起きて顔を洗って、スッキリさせてきて下さい。」
「分かったよ。それにしても、まだ返事もしてないのにいきなり入ってくるのはマナー違反じゃないかな?」
「兄さんが寝ているのが悪いです。」
「でも、もし僕が起きていて着替中だったらどうするの?」
「その時は、僭越ながら私が着替えの手伝いをさせていただきます。」
「えっ!!それは困るんだけど・・・」
「冗談ですよ。それより、早く支度して下さいね。」
「はいはい、分かりました。」
そして、ツバメは部屋から出て下の階へと降りていった。
それにしても、ツバメは冗談と言っていたけど目が本気だったな。
今度からは気をつけよう。もしかしたら、本当に着替えを手伝うかもしれないぞ・・・

着替えを済まして、洗面所で顔を洗い朝食を食べるために居間に入る。
テーブルには既にツバメが朝食を並べてくれていた。
「おはようございます、兄さん。」
「おはよう、ツバメ。叔母さんは?」
「もう仕事に出掛けましたよ。お母さんは今日も遅くまで仕事だそうです。」
叔母さんは現役の看護士、叔父さんは設計士だ。叔父さんは今、設計現場である大阪にいるため家にはいない。
「そうなんだ。昨日も遅かったのに大変だなぁ。
それにしても、忙しいのに毎日朝食をちゃんと用意してくれるのはありがたいな。」
「いえ、今回の朝食は私が作ったんですよ。」
「えっ!!ツバメが作ってくれたの?」
「はい。たまには、お母さんに楽をさせてあげようと思いまして。」
「そ、そうなんだ。偉いね。」
クソ!!油断した!!これは覚悟を決めるしかないな・・・
いや、でもまだ分からない。朝食はシンプルにトーストとベーコンエッグだから、大丈夫なはずだ。
「それじゃあ、いただきます。」
「いただきます。」
パクッ!
甘かった。2つの意味で僕は甘かったようだ。
「あの~、ツバメさん?この目玉焼き、なんで甘いんですか?」
「私はこれがおいしいんですが。もしかして、兄さんは嫌いでしたか・・・?」
ツバメは目に分かるほど落ち込んでしまった。まずい!
「そんなことないよ!甘い目玉焼きも新鮮でいいかもしれない!」
「本当ですか?無理をしなくてもいいんですよ?」
「無理なんかしてないよ!おいしいよ!!
いやぁ~、さすがツバメだな!こんな美味しい朝食を作ってくれるなんて、僕は嬉しいよ!」
「もう、兄さんそれは言い過ぎです。誉めても何もでませんよ?」
そうは言ってるが、ツバメは顔を赤くして照れていた。
何とか機嫌を回復させることができたな。
しかし、ツバメの”甘党”には驚いたな。まさか目玉焼きにも砂糖をかけるほどだなんて。
今度からは気をつけないと・・・


76:ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 03:57:16 n0zsqVVz
僕は何とか甘い目玉焼きを完食し、ツバメと一緒に登校することとなった。
いつもの時間に家を出ることにできたからゆっくりと歩いていく。
学校まであと3分の1となったところで、あいつが現れた。
「おっはよう!ツバメちゃん!」
「おはようございます、村鎌先輩。」
「朝からツバメちゃんに会えるなんてラッキーだな~。
今日の運勢、テレビでは最下位って言ってたけど、ありゃなんかの間違いだな!」
「お~い。僕に挨拶は?」
「はいはい、おはよう晃。」
「その投げやりな挨拶は、非常に不愉快なんだけど。」
「挨拶したんだから文句言うなよ。」
こいつは僕の友人の村鎌 聡史(むらかま さとし)。中学校からの付き合いだ。
「ところで晃。今日提出の数学の宿題やった?」
「当たり前だよ。教室に着いたら貸してあげるから心配しなくていいよ。」
「さっすが晃!愛してるぜ!!」
「大声で変なこと言うなよ。周りに迷惑じゃないか。」
「気にすんなって!」
その後も聡史が一方的に喋り続けるおかげで、学校に着くまで周りから注目を浴びることとなってしまった。

下駄箱の前でツバメと別れることになった。
「兄さんと村鎌先輩。私はこれで失礼させていただきます。」
「うん、それじゃあ。」
「またね、ツバメちゃん。」
僕と聡史は同じクラスなので、2人で教室に向かって歩き始めた。
教室で自分の席に着いても、聡史はずっと僕に話しかけてくる。
キーンコーンカーンコーン
「おっ!チャイムが鳴ったな。そんじゃ、またあとでな!
数学の宿題借りていくからな!お礼はちゃんとするから!」
そう言って、聡史はやっと自分の席へと戻っていった。
お礼といっても、どうせまたジュースを奢るだけなんだろうな。
まぁ、お金が浮くのは嬉しいから良いんだけどね。
さて、今日もまた学生らしく勉学に励もうとしますか。

時間が経つのは早く、もう放課後となった。
今日はバイトが休みなので、家に帰ってゆっくりするか寄り道して帰るか迷っていた。
ちなみに聡史は用事があると言い、さっさと帰ってしまっている。
どうしようか迷っていると、廊下を歩いているツバメを発見した。
「ツバメ!」
「兄さん。どうかしたんですか?」
「いや、今日はバイトが休みだから一緒に帰ろうかなって思って。」
「そうしたいのですが、今日は委員会があるので・・・」
「そっか。残念だな。」
「すみません。私も一緒に帰りたいのですが。」
「ツバメが悪いわけじゃないよ。残念だけど、僕は先に家に帰るよ。」
「分かりました。それではさようなら、兄さん。」
ツバメに先に帰るって言っちゃったからな。まっすぐ家に帰るとしよう。
そう思い、僕が校門を出たところで、
「沢風く~ん!!」
バイト先の先輩に呼び止められた。
「先輩でしたか。先輩も今日はバイトが休みなんですか?」
「そうだよ。今帰りかな?
良かったら途中まで一緒に帰らない?」
「良いですよ。喜んで一緒に帰らせてもらいます。」
「よし!じゃあ出発~。」
こうして、僕は先輩と途中まで一緒に帰ることとなった。

だけどこの時、校舎の方から僕たちのやり取りを憎らしそうに睨みつけている少女いた。
少女は2人に気付かれないように尾行を開始した。

77:ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 04:06:56 n0zsqVVz
「沢風くんは彼女とかいないの?」
「急に何を言いだすんですか?」
「いいから答えて!」
「いませんよ。それに、僕に彼女なんてできるわけないですよ。」
「でも、昨日店の前にいた女の人は彼女じゃないの?」
「あれは前に話した、僕の義妹ですよ。」
「お~。あれが噂の義妹さんですか。」
「噂のって、何ですか?」
「いや、別に深い意味はないよ。私が勝手に付けただけだから。」
「勝手に付けないで下さいよ・・・。」
「男の子が細かいこと気にしないの!」
それから、僕は先輩とバイト先の愚痴や今日学校であったこと等、他愛もない話をした。
学校を出てから10分経ったくらいで、交差点にさしかかった。
「それじゃぁ私、こっちだから。」
「そっちってことは、先輩は電車通学なんですね?」
「そうだよ。家が遠いからね。」
「そうだったんですか。それでは先輩、また明日。」
「またね。これは私からのプレゼントね。」
そう言うと先輩は、いきなり僕に抱きついてきた。
あまりにもいきなりだったので、僕は喋ることができず、口を金魚のようにパクパクさせていた。
周りから見たら、さぞ変な顔をしていたに違いない。ほんの数秒のはずなのに、僕はとても長い時間に感じられた。
「それじゃあね。バイバイ!」
先輩はようやく離れ、顔をほんのりと赤くして走り去ってく。
僕は先輩が見えなくなるまで、ただ茫然とその場で固まっていた。
未だに先輩に抱きしめられた感触が残っている。
先輩は冗談のつもりで抱きついたようだし、早く忘れるとしよう。
でも、今度会った時にどんな顔をすればいいのだろうか?
そんなことを考えながら僕は歩き始めた。






今日はちょっと大胆過ぎだったかな。
でも、こうでもしなきゃ沢風くん気づいてくれないんだろうな。
結構、あの子鈍感なのよね~。バイト先でもアプローチしているのに気づいてないし。
でも、今回のアレはさすがに意識しちゃうでしょうね。
昨日の女の子は義妹って言ってたし、一応念のために彼女がいるかどうか聞いたけど、いないってはっきり言ったから大丈夫なはず。
よし!これからはもっと積極的に責めていこう!!
だとしたら、どうしようか・・・

”三番乗り場に列車が参ります。御乗りの方は、黄色い線の内側に御下がり下さい。”

彼女は気付かないでいた。一歩後ろに居る、酷く歪められた笑顔をした少女に。
そして、これからの自分に・・・。
トン。
彼女は押される感触と共に変な浮遊感を感じていた。横を見たら電車がグングンと迫ってきている。
(えっ!押された!?いったい誰が!!)
彼女が後ろを向いた時、押した少女は何かを呟いていた。

”さ”、”よ”、”う”、”な”、”ら”

駅から少女は離れ、近くの路地裏へとやって来た。
駅で人身事故があったと、誰かの声が聞こえてくる。
少女は周りに誰もいないのを確認した後、
「あ、はははははは。あっははははははははははははははっは!!!!!ひゃあっはははははははははははははははははははははは
はははははははは!!!!!!!あははははははははははははははははははははははははあっははははははははは!!!!!!!」
大声で嗤った。

78:気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6
07/11/10 04:13:14 n0zsqVVz
投下終了です。
今回は会話が多いです。
それと、先輩に名前を付けなかったのはこうしようと思っていたからです。
名前が思いつかないからではありません。多分・・・
今後のネタのためにヤンデレオンリーイベント、病み鍋パーティー2に行ってきます。
行く人がいれば、どこかでお会いするかもしれませんね。
長くなりましたが、失礼します。では。(・ω・)ノシ

79:名無しさん@ピンキー
07/11/10 08:44:30 bRTDHcoM
>>78ちょ、助けてくれ同士よ。パンフはどこで買えばいいのだ?

80:名無しさん@ピンキー
07/11/10 12:22:47 o6vS2QCd
相変わらずこのスレは活気があっていいな。
俺の巣なんて閑古鳥鳴いてるぜ。

81:名無しさん@ピンキー
07/11/10 15:42:10 UJSFgzcf
本スレは知らない内に腐女子に乗っ取られた

82:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:00:48 7WB0Cl0C
──アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショで
キャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
 友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
 「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
 「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの男の顔を見た。
「・・!!」
 ・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男はホストだった。連れていかれてレイプされた。「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)


↑これの元ネタは何?
携帯小説らしいのだが

83:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:12:06 uGndHR/3
ガ板でやれ

84:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:12:16 ui3P8yqP
>>82
携帯小説のあまりの酷さを皮肉ったコピペ
でもあれが女子高生とかに受けてるんだよな・・・日本オワタ\(^o^)/

85:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:22:31 9NMmO75G
やはり携帯小説か
これはひでぇと本気で思ったww

86:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:32:13 TLxjcVx+
>>82>>84>>85
スレタイも読めないのか?


87:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:44:46 iVu2L0FE
(´・ω・`)つ旦~

88:名無しさん@ピンキー
07/11/10 16:57:54 GKXcUbui
何かこれ見る度笑ってしまうwwwwwww

89:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:18:37 u9PtJMH1
スイーツ(笑)
の流れに小首を傾げ小一時間。

90:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:20:20 oo69xtuo
>>85
ここに投稿する作者もこの程度のレベルだろ(´,_ゝ`)プッ

91:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:20:52 M0CqRrMk
スルー

92:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:47:55 uE9zN9gC
言われずとも!うおおおお!

93:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:52:55 5wkVwWvd
よくしらんがケータイ小説って有料なんだろ?

94:名無しさん@ピンキー
07/11/10 18:25:23 ui3P8yqP
>>87
一つ貰うよ
旦~

95: ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:41:22 FYAs6EDK
投下します。

96:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:42:26 FYAs6EDK
体育の後は、多くの生徒が睡魔に負けてしまう、無意味な6限が始まる。
でも、なぜか今日も自習のようだった。
おかげで遅刻はせずにすんだが…これで3回目だ。
なにしてるんだ、この学校の教師は。
「あ~庄田さん!」
「ごめん~勉強見てほしいんだけど…」
「庄田さ~ん」
こいつらも、もっと人の事考えなさいよね、全く。



自習という名の受験勉強時間は、あっという間に過ぎていった。
結局「壁」達の相手をしているだけで、この時間は終わってしまった。
ホントは要君の勉強を見てあげたかったんだけど…しょうがないか、今は。
村田は一応教室には戻ってきたが、終始無言で美希達が話しかけても無反応だった。
……代わりにずっと私の方を睨んでいたが。
多分その事で戸田も何かに気づいたのだろう。
ヒソヒソと、私の方を見ながら美希に話しかけているのが見えた。
―そろそろ仕掛けてくるだろうな。
学校にいる間は平気だろう。下校するときは要君がいるし。
となると……
思考に入ろうかというところで、担任の無駄に大きな声がドアの先から聞こえてきた。
「お前ら席つけー。帰りのホームルーム始めるぞ」
「壁」達が席へ戻っていくのを見届けながら、今度こそ、思考を開始する。
「いいか~お前ら、もうすぐ受験なんだから少しは…」
いつ来るだろうか…いつがいいんだろう。
「もう少し気を引き締めてだな……おい!コラ飯田!寝るな!」
明日か?いやそれでも……
「卒業までもう少しだぞ~最後まで学校生活を……」
う~ん……
「……よし、今日はここまで。号令かけろ。それと庄田、週番頼むぞ」
……えっ?
「あ、はい」

97:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:43:10 FYAs6EDK
週番?…しまった。
「きり~つ。礼~」
そうか。たぶん、今日。今からだ。
号令が終わり、担任が教室を後にすると、一斉に教室中が騒がしくなった。
クラスメイト達ががそれぞれ雑談を交わしながら、次々に帰宅準備を始める。
村田達も荷物をまとめ、教室のドアに足をかける。
その時一瞬、私を見て含むような笑みを浮かべたのが、はっきりとわかった。
「……ほ、秋穂、秋穂!」
「…あっ!」
いつの間にか帰り支度を終えた要君が、私の席を見下ろしていた。
その横には由梨絵と飯田君も揃っている。
「今日週番だよね?手伝おうか?」
「………………」
どうしようか。
今ここで手伝いを了承すればあいつらは手を出してこないだろう。
でももしかしたら由梨絵達に迷惑をかけることになるかもしれない。
それだけはまずい。だけど……
…ん?まてよ…そうだ。
「……ううん、いいよ」
「えっ?……そう」
心底残念そうに、寂しそうに肩を落とす要君。
可愛い。でも、駄目だ。
「うん…だいじょぶだから……」
「……?秋穂?」
要君が違和感に気づいたかのように、私の顔を覗き込んでくる。
いいぞ。あとは由梨絵が…
「…秋穂?どうかしたの?なんか変だよ?」
由梨絵も私の様子を見て、訝しげな表情を浮かべる。
よし!さすが由梨絵だ。ここまでくれば……
「……なんでもないのよ。だいじょぶ。ごめんね、また明日」
わざと苦しそうに、辛そうな表情を作る。
こうなれば要君や由梨絵がどう考えるのか、私には予想がつく。

98:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:44:11 FYAs6EDK
「……うん」
「…わかった。また明日ね、秋穂」
心配そうに私の方を振り返りながら、教室を後にする要君と由梨絵。
無理やり作ったような笑顔を浮かべ、彼らが見えなくなるまで手を振る。
よし、後は週番の仕事をこなして時が来るのを待とう。
恐らくあいつらが教室に戻ってくる、その時を。






「…ふう」
日誌を書き終え、一息つきながら窓の外を眺める。
季節が冬だからか、すでに外は薄暗くなっていた。
照明がグラウンドを照らし、その中でクラブ生達が懸命に汗を流している。
…そういえば、前までこの時間は私にとって悪夢の時間そのものだった。
美希と要君が交わるところを、己の意思でとは言え、何度も見てきた。
美希の勝ち誇るような様を、何度も見てきた。
でも今は違う。負けるものか。今度こそ、私が勝つ。
「………………」
日誌を閉じ、時計を見ながらあいつらが来るのを静かに待つ。
しばらくして、多数の足音と小さな話し声が廊下から聞こえてきた。
その足音も教室の前で一斉に止み、代わりに大げさにドアを開く音が、教室中に響く。
「あら、庄田さん。お疲れ様~」
私がいることを確認した村田が、満面の笑みを浮かべる。
その後に続くように、戸田や取り巻きの女子達が次々と教室に入ってきた。
「ちょ~っとお話があるんだけど、いいかなぁ?」
「…いいけど、ここで?」
「ここじゃ誰か来るかもしれないし~…移動しましょ。そこで、ゆっくりとね…」

99:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:45:26 FYAs6EDK
─夜の学校の、体育館裏。
今、体育館内では多くの学生が部活を行っている。
それでもこんなところにまで走りこみに来る生徒はいない。
おまけに夜にこんなところに来る理由も普通の学生にはない。
遊んだり、密会したりするならわざわざこんな場所を選ぶ必要はないからだ。
「ここならおっけーねぇ」
「………………」
「さてと……謝るなら今のうちよ?庄田」
「………………」
しかし…私一人に対して大した数だ。
全員合わせて8人はいる。でも幸いな事に男は一人もいない。
こいつらならそれくらいはやると思ったんだけど。
さすがにそこまでクズな男は仲間内にいないってことか?
…いや、ただ単に自分達の手で私を粛清したいだけかもしれない。
私を本気で私刑にするつもりなのか、それはまだわからないけど。
「ちょっと!何とか言いなよ」
「………………」
「こいつ…!!」
「マジ腹立つ!」
「………………」
「庄田っ!聞いてんの!?」
「………………」
「もういいよ!やっちゃおうよ」
「そうそう。こういうやつは口で言っても無駄だしさ」
「………………」
なーんだ。結局そういうつもりだったのか。
「まあまあ、皆。どうするの?庄田さん。今ならまだなんとかなるかもよ?」
興奮した皆をなだめながら、勝ち誇ったような笑みを浮かべる戸田。
それを見て、突然ニヤニヤし始める村田と取り巻き達。
…美希はここにはいない。だけどどこかで見ている。
もしかしたら、後で戸田たちから結果を聞くつもりなのかもしれない。

だったら余計、ここで屈するわけにはいかない。

100:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:46:11 FYAs6EDK
目を逸らさずに、しっかりと村田達を見つめながら口を開く。
「…謝るって、なにを謝るの?」
そんな私の態度に、村田が怒りの表情を浮かべる。
「決まってるでしょ!?昼間のことよ!」
「昼間のって……ほんとのこと言っただけだけど?」
「……はっ?」
「あんたの彼氏…木村君だっけ?彼、私に告白してきたの」
「えっ……」
私の言葉に、愕然とする村田。
やばい。また吹き出しそうになってしまった。
「だから、告白してきたのよ、私に。もちろん振ってあげたけどね」
「………………」
「感謝してよね?あんたがしっかり首輪つけとかないからこうなったのよ?」
「………あ、あんた」
「ま、あんなサルみたいな男、好きになるのあんたくらいのもんだろうけどねぇ?」
「…………っ!!庄田!!」
感情が爆発したかのような勢いで村田がつかみかかってきた。
でもこんなんじゃ、簡単に避けられる。
「………よっと」
避けるついでに足を掛けておいた。
「…あっ!!」
見事に引っかかり、不様に倒れる村田。
…だめだ、笑いが抑えられない。
「ぷっ…!くくく」
「…………っ」
「…っ!庄田!」
泣き出しそうな村田を見て、今度は戸田が仕掛けてきた。
ちょっとまずい。戸田はモデルもやるような長身だ。
しかたない。ここは口で攻撃するか。
「なにムキになってんのよ?あんたも似たようなことしてるじゃない」
「…………!?」
「知ってるのよ~?あんたがモデル仲間の川島君と浮気してること」
「えっ!?なんで…あっ!」
慌てて両手で口を塞ぎ、顔を真っ赤にさせる戸田。

101:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:46:51 FYAs6EDK
なんて間抜けなんだろう。バカすぎるにもほどがある。
体ばっかり大人っぽくなって、頭は空っぽなんじゃないの?
「村上君が知ったらなんて思うかなぁ?ふふふっ…」
「………っ!!」
「庄田!」
「あんたマジいい加減にしな!」
「調子乗ってんじゃないわよ!」
二人の様子を見た取り巻き達が、私に詰め寄ってくる。
あらあら。これはちょっとまずいかも。
「庄田…!!」
「許さない…!絶対許さない!」
村田と戸田も立ち直り、私を壁際に追い詰める。
やばい!万事休すか!!
「覚悟しなさいよ!」
8人の女子が一斉に私に飛び掛ってくる。
きゃああ!もうだめ!!
……なーんちゃって。


「やめろ!!」


突然の大声に、私を囲んでいた女子達が一斉に後ろを振り向く。
そこには、少し小柄ながらそれでもしっかりとした体格をした男の子が立っていた。
息を切らせながらもその男の子は村田達を睨みつけ、再び大声で叫ぶ。
「秋穂に手を出すな!そんなこと、絶対僕が許さない!」
その瞳からは、とてつもない怒りの感情が見て取れた。


――ふふっ。来た来た。やっぱり来てくれた。

やっぱり王子様はこういうときに現れないと。ねっ?要君。

102: ◆SVNDcoHudE
07/11/10 18:48:07 FYAs6EDK
終わりです。確かに由梨絵ちゃんが一番まともですね、この話・・
夏の方は由梨絵ちゃんもヒロインにしたいと思います。

103:名無しさん@ピンキー
07/11/10 18:50:01 iLgLLNTO
なんか秋穂がダークヒーローみたいな感じになってきたな。GJ。

104:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:13:37 lKYDo6Qh
GJ!!
秋穂は本当に使えるものは全て使うな
そして助けに来た要を見て、美希が何を思うのかにも期待。

105:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:32:08 st7dPJEW
>>102
お疲れ様~。
今の所は秋穂の計算がズバズバ決まっているけど
もしこれが崩れたらどうなってしまうんだろう?
まぁ、どちらに転んでも面白そうだけど。

あと作者さま、夏があるのですね。
楽しみに待ってます!! もちろん全裸で

106:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:51:53 IjcIJ84C
今回分も美味しく頂きました。
しかし美樹組はろくでなしばかりだな。

URLリンク(www.hsjp.net)

107:名無しさん@ピンキー
07/11/10 19:56:43 t0vmPuaB
>>102
GJです
これほどの話を書きながら、さらに別の話も考えているとは恐れ入る

108:名無しさん@ピンキー
07/11/10 20:11:37 l76ZxnWY
>>102
GJ
美希ざまぁwww

109:名無しさん@ピンキー
07/11/10 20:18:12 zwftRzzY
美希よさらばだGJ

110:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:06:44 ui3P8yqP
>>102
GJっす!
ここでも秋穂の頭脳が閃きまくり
しかし美希自身もイジメに参加して要に嫌われて欲しかった・・・
まあ展開は作者さんの思うとおりに行っちゃって下さい!

>>106
関係図作成お疲れさま!

111:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:11:58 IjcIJ84C
いや、甜菜です。
あと美樹組じゃなくて美希組だった。

112:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:22:48 W+uuvRWK
>>111
それなんてふもっふ?

113:名無しさん@ピンキー
07/11/10 21:59:36 LnjW7suu
最近嫌われ全開の美希をここはあえてフォローしてみよう
彼女は周囲に流されてる感もあるので多少の情状酌量の余地はないだろうか?
最低道をとどまることなく邁進する涼子や麻希
心の弱ってる女に付け込もうとして、友人の彼女と判明したら独善的な決め付けで自己正当化して友人責める高田
自分が振られた相手に告白されたんだから付き合わなきゃ許さないなんて無茶苦茶言う美穂
周囲にいるのこんな連中ばかりだし
……それも結局自業自得だからやっぱフォロー無理か?
ところで舞にも都合考えない愚痴で足引っ張られてたけど、舞のあれは異常に可愛く感じる
話は変わって、要の家庭の事情とか、そのうち姉が豹変してキモアネ化期待してたのは間違いなくオレだけ

114:名無しさん@ピンキー
07/11/10 22:19:33 TcaqS1et
星空は投下頻度高すぎて話についていけなくなった

完結してから保管庫でみますね

115:名無しさん@ピンキー
07/11/10 22:41:18 lwF7seZY
実は俺も美希応援派なんだよ・・
肩身が狭いから言い出せなかったんだね
確かに美希は流されている節はあるが要への思いは本物っぽいし
流されたと言っても高田へのキス一回だけだし
元々の相手を裏切ってるのは要も同じなんだしさ。

116:名無しさん@ピンキー
07/11/10 22:43:35 fnhp1r56
>>115
俺の中では美希はビッチ女なんだけどな
先輩と付き合っていたのに、要への想いと言われても(゚Д゚)ハァ?って感じです

117:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:16:13 t9fqxQbE
ちょい遅れたけど
>>78
>>102
gjっす。続きにwktk

118:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:39:37 jalTkYLs
>>116に同感 
しかも美希って他人を使いすぎだし…

119:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:41:08 sCHynDKq
ここまで計算ずくの秋穂が美希を墜とすことを考えてないわけがない。
要も来たことだし、次回ついに引導か?

やべえ、オラなんだかワクワクしてきたぞ

120:名無しさん@ピンキー
07/11/10 23:41:44 pF3YWcHW
ageんな

121:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/11/10 23:57:09 T0OeZFJq
お久しぶりです。投下場所に迷いましたが、ここに投下させていただきます。
短編です。

122:夢の中で ◆oEsZ2QR/bg
07/11/10 23:58:51 T0OeZFJq
 夕食を終えて、洗いものを済ませる。
 一人暮らしには少し大きめの食器乾燥機に数日分のお皿を詰め込んで、あとは放置。
 前掛けを外し、ベージュ色のソファに腰を降ろした。
 ウレタンとスプリングが私の体を深く包んでくれる。
 リモコンでテレビをつける。チャンネルを回して、シーンをザッピングしていく。
 中東の爆撃のニュース、旅館の料理、芸能人、ガッテン、見るものはない。私はテレビを消した。
 小さなテーブルに詰まれた女性雑誌。手にとって開く。先週読んだ内容。トレンド? 芸能? この無気力な私の興味を引く記事は、すでに読み終えている。
 雑誌を元に戻した。背もたれに首を置いて、白い天井を眺める自分。寝るには早い。しかしやることは無い。
 時間が潰せない。
 時間を使えない。
 時間に急き立てられない。それがなぜかとても不安になってくる。
 時間に押しつぶされそうなのだ。
 何も無い時間というものに。
 無の時間に。

「……今日も、やろう……」

 私はまた昨日、一昨日、一昨昨日、いつものように、テーブルの上に置いてある錠剤の瓶を開けるのだ。
 中に詰められているのは、緑色した小さな錠剤。
 ドラッグではない。数年前に認可され、いまでは普通に世間でも出回っている合法なものだ。
 今の私の心を縛り付ける小さな粉の塊。
 4粒、手のひらへ乗せる。じっと眺めていると、小さな緑の塊が私を見つめているよう。

『やっぱり。今日もやるんだね』

 錠剤の一つが口を開いた。

『いつも、いつも、やめよう、やめようと想っているのに、やっちゃうんだね』

 錠剤は、私の心を見透かしたように、皮肉まじりの口調で語り掛ける。
 黙れ。
 錠剤の言葉を遮りたくて、私は問答無用で手のひらの薬を喉へ押し込んだ。

 わかっている。
 これが、このクスリが私にとってまったく無益であることぐらい。
 どうせ、最後は……これを使ったことに対する後悔しか残らないとわかっている。

 でも。でも。

 私は、あの甘いひと時が恋しくて、恋しくて、恋しくて、堪らないのだ。
 何度も心を傷つけられても。
 彼と一緒に過ごした時間の、あの幸福感を忘れることが出来ないのだ。


123:夢の中で ◆oEsZ2QR/bg
07/11/10 23:59:52 T0OeZFJq
「うっめぇっ。めっちゃうめぇっ!」

 彼は私の作ったカルボナーラをもりもりと口に運んでいた。
 そんなにバクバク勢いよく食べてると、本当は味なんてわからないんじゃないのかしらと思うけど。

「どこらへんが美味しいの?」
「ん、えーっと。 とにかく美味い!」
「いい加減なんだから……」

 ……味なんてわからなくてもいい。私の料理を食べて彼が笑顔で喜んでくれるだけで、私は幸福なのだから。
 私も、フォークでつるつるとカルボナーラをすする。ちょっと塩味が強かったかしら。つるりとパスタを一本啜り、ふと彼へ視線を向けると、彼は味塩の瓶を振っていた。
 彼はもうすこししょっぱいほうが好みなのね。
 彼は私の視線に気付くと、口にパスタをくわえたままにぃっと笑いました。日に焼けた褐色の肌が健康的で、私の心はどきりと高鳴る。

「あはは、わっりぃ。俺、塩辛いのが好きだからさ」
「次から、そうするわ」
「おうっ」

 そんなこと言いながら食べ終わると、私はお互いの食器を重ねて、台所へ向かい洗剤とスポンジで洗う。
 しゅわしゅわとあわ立つ洗剤の泡をCMのようにふぅと息で飛ばしながら、彼の舐め取ったお皿を綺麗にしていく。彼が嘗め尽くしたフォークにスポンジを滑らせて行く。
 振り向くと、彼はソファに座ってテレビを眺めていた。私のかちゃかちゃというお皿がぶつかる音に、まるで新婚家庭のような気分を味わっているのかもしれない。
 そう想うと、私もなんだかそんな気分になってきて、うきうきとお皿を洗う手も楽しく動いていく。さらりさらりと水ですすぎ、泡を洗い流して、食器乾燥機へ。
 私の使ったスプーンと彼の使ったスプーンが重なり合ってて、キスしているみたい。
 背中越しに感じる彼の気配。幸せな感じ。
 前掛けを外して、ソファに座る彼に後ろから抱きついた。
 大きな肩幅と、筋肉質な首元。腕をまわせば、彼の顔が私のすぐ近くに。

「ん、どっしたの?」
「ふふ」

 抱きつく私に彼は手を伸ばす。彼が触れてくれる。私は、体をひねって彼の前へ。そして彼の膝元へ座った。

「なんだよっ。そんなに甘えて」
「そういう気分なの。嫌かしら?」
「いや、もっと甘えてよ」

 その言葉が嬉しくて、私は体を彼に押し付けた。服越しに伝わる彼の体。温かな感触。
 こうして触れているだけでも心が高鳴なるのに、抱きついてさらに彼に体ごと大きく抱きしめて、包みこんでもらえるなんて。
 キスをせがむように彼の首元へ、唇を近づけた。なぞるように触れる。すると、彼はくすぐったそうにして笑う。
 そして、私の顎を指で掴み顎を上げさせると、すぅっ。
 唇が触れ合う。彼の赤い唇と、私の唇。交じり合う。交じり合う。交じり合う。
 目を閉じて、二人はキスに没頭する。吸いあい、なぞりあい、愛を確かめ合い……。

 クローゼットから覗く女の視線など気付くことなく。
 クローゼットを静かに開けて、足音を立てずに二人の傍へ向かう女にキスに夢中の二人は気付くことなく。

 女が握っていたアイスピックを抱き合う二人の背中めがけて振りかぶる。
 彼を奪った泥棒猫に対する憎しみを、銀色に光るこの先端に込めて。


 ぐしゃっ。

 ぐしゃっぐしゃっぐしゃっ。
 ざくっざくざくざくざくざくざくざく。

124:夢の中で ◆oEsZ2QR/bg
07/11/11 00:00:33 T0OeZFJq

「お、お前!」

 ぐしゃっ。

 彼の恐怖に歪む綺麗な瞳に針を押し込む。

 ぐしゃっ。
 ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。
 ざくり、ざくざく、ぐしゃ、ざく、ざく、ぐしゃっ。びちゃ、びちゃ、びちゃ、びちゃ、ざくぅ。


 目が覚める。
 いつもと同じ部屋。ソファにもたれていた私は、脱力感に溢れた体に鞭を入れて起こす。
 時計に目を向けると午前1時。2時間程眠っていたようだ。

「やっぱり、どうやってもこうなっちゃうのね……」

 緑色の錠剤を眺め、私は一人呟いた。
 夢。この薬を服用した自分が見ることになる夢は、いつもこうだった。
 私が大好きだったあの人と日常を過ごし、笑いあい、体を触れ合い、愛し合い、そして最後は背中を刺され二人は絶命。
 最悪な夢。悪夢。
 そんな夢をこの錠剤は私に見せるのだ。
 服用した後目から冷めた私の心を支配するのは、飲む前よりも肥大した静かな虚無感と寂しさと激しい自己嫌悪だけ。

 でも、刺される前までの。あの一瞬にも似た、彼との過ごした時間が。あの幸福感だけが。
 とても、とても、大きくて。大きくて。

 それだけのために。
 私はこれを飲んでいるのだ。
 直後に受ける、虚無感も、寂しさも、自己嫌悪も。
 この甘いひとときさえ、感じられるのならば。私は何も要らない。


「私は、この甘いひとときさえ。一切……あなたから貰えなかったのだから」


 部屋の隅で、もう二度と動かなくなった顔面ぐちゃぐちゃの彼と背中を赤黒に染めた女の姿を眺めながら。
 私は一人呟いた。

(終わり)


125:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/11/11 00:01:14 T0OeZFJq
投下終わり。なんかふわふわした終わり方でした。

126:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:02:31 iVu2L0FE
GJです!

127:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:10:33 HNU83Zz2
>>115
同意。

美希の過去がどうだったかって
秋穂視点でしか語られてないから、
星空序盤の流れを見てる限りそこまで酷い女とは思えない俺。
今の状況も半ば秋穂の策略で追い込まれた状況だし。

要が秋穂のただの駒にしかなってないから、最近感情移入できん。
ここらで秋穂の思惑から外れたことやって欲しいなぁ。

128:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:18:11 1WhnZjJ9
>>125
なんという病的なエンド……。
GJ

129:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:22:22 1oQbZW7/
>>125
ああ懐かしい名前が……
GJ

130:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:28:10 DdqLXymT
美希はたぶん要に対してだけは本気なんだろうなあ
周りの評判を落としてまで二人の関係を優先しようとしてるぐらいだし・・

しかし、過去の行動とかを見る限り一番えげつないのはこいつ。
この子がここまでしなければ秋穂の計算高さも眠ったままだったかもしれないのに


そういうようなことを考えると漏れはどうしても秋穂派になってしまうorz
まあ、美希も比較じゃなくて単独だったら嫌いじゃないけどね

131:名無しさん@ピンキー
07/11/11 00:30:09 f8Z4yoiw
>>125
GJ

とても悲しい話だな。


132:名無しさん@ピンキー
07/11/11 01:11:39 9GP0/iXe
>>102
GJ!!!!
美希はひょっとして手の平を返したりして・・・

>>113
>話は変わって、要の家庭の事情とか、そのうち姉が豹変してキモアネ化期待してたのは間違いなくオレだけ
あれ・・・?俺いつの間に書きこんでたっけ・・・?
誰かが第三者が要に好意を持ったら美希と秋穂は危ないという書き込みを見て、真っ先に姉が思い浮かんだ俺はもう・・・。


>>125
GJ!!!!怖すぎるwwイチャイチャシーンでほんわかして油断してた・・・

133:名無しさん@ピンキー
07/11/11 01:46:02 XZzJfRw4
要と高田がウホッ!



・・・・ごめん、言ってみただけなんだ

134:名無しさん@ピンキー
07/11/11 01:51:40 DkVqN9jv
>>133
ついていい冗談と悪い冗談がある







嫌いじゃない

135:名無しさん@ピンキー
07/11/11 13:14:00 sU1sC1F1
阿修羅氏おつですー

136:名無しさん@ピンキー
07/11/11 14:43:31 R/DtpUmz
まとめサイトを見て思ったんだが・・・・
容量って何? ちょっと意味わからないのだが

137:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:28:03 KuRVMZvV
>>136
調べるなりなんなりしろよゆとり

138:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:29:11 euqngWfE
SSじゃなくてhtmlのサイズっぽい。

とりあえず阿修羅氏乙です。

139:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:29:25 KJKU0z26
更新が全然されない保管庫が多いなかで、あれだけの量の更新を今まで続けてきた阿修羅氏って本当に偉大だよな

語彙が乏しいせいでGodJob以上の賛辞が思いつかない

140:名無しさん@ピンキー
07/11/11 15:33:51 CpeWO5RE
阿修羅様お疲れ様です(*_ _)人

>>139
俺も礼を言うぐらいしかできないわ・・・

いつも活用させてもらってます
作者様も阿修羅様もいつもありがとうございます

141:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:19:16 JbjZWkOc
阿修羅様のおかげで神達の修羅場作品をたくさん読めるのは素晴らしい
エロパロ最高のまとめサイトだと私は思っています。これかも頑張って修羅場ってください

142:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:19:20 VNSyYlWr
>>139
GODですか
まぁ周りの保管庫管理人と比べると神だな

143:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:32:17 DdqLXymT
阿修羅さんは現人神

144:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:06:59 tyczNm0m
ジャンル別indexイイ!!
阿修羅さん乙ですー

145:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:22:15 PB1M/i7f
なぜか冬の星空がキモ姉妹に分類されてるのは桜姉と舞がキモ姉妹化するフラグry

146:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:51:14 afrOmhDN
今日は投稿はなしか

147:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:19:24 fb/tX8k9
>>146
まあそんな日もあるさ。まったり待とうぜ。

148:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:19:44 4qRNwIRP
このスレの伸びは異様だよね。前に他の板に投下してた頃は
2~3ヶ月にヒトスレでもなかなかのもんだったもん

149:名無しさん@ピンキー
07/11/12 02:34:01 LSIXiw3n
wktk

150:名無しさん@ピンキー
07/11/12 11:21:41 OlzHhytE
そろそろ、嫉妬の季節だな

151:名無しさん@ピンキー
07/11/12 13:25:50 L2T8qqSz
そうですなー(´∀`)

152:名無しさん@ピンキー
07/11/12 13:30:49 WhiPsM73
クリスマスに別れを告げられ正月はストーカー。
巧妙な策を弄し、よりを戻そうとするも泥棒猫に彼を奪われる。
しかし地道に彼を誘惑してバレンタインに再告白→仲直り。
そんな健気な嫉妬ガール。


153:名無しさん@ピンキー
07/11/12 15:38:39 Wo4dWxV8
>>152
やべ、妄想という名の創作意欲が沸いてきた
今すぐ文章に起こすべきだろうか……

154:名無しさん@ピンキー
07/11/12 15:39:39 DdxCH2mH
節分には鬼退治ならぬ泥棒猫退治だな

155:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:06:14 Gd/1p2Ed
四月になれば進学やらクラス替え
環境が変わって新たな泥棒猫が登場するわけですな

156:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:31:57 JP9BovTo
>>155
姉、妹、幼馴染属性にとっては鬼門の季節だな

157:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:40:47 G/0ycggk
雨の音キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

158:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:51:53 wX8wwypg
>>157
情報㌧!
避難所行ってきたぜ!

159:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:56:40 ZG6IdTBh
シヲンのいじめっぷりにおっきした
修羅場より逆転された時が楽しみ

160:名無しさん@ピンキー
07/11/12 18:17:07 nykeHRqq
むこうに書き込めなかったのでこっちに感想
GJ、ずっと待ってました!服がきれるぜ(ノ∀`)・゚・。
これから思い出の女の子が出る事によってシヲンがどう変わっていくのかが楽しみ、
そのまま暴力が酷くなっていくのか弱気になって尽くすようになるのか、それともまったく別なのか
次もwktkしながら待ってます。

161:名無しさん@ピンキー
07/11/12 18:24:27 df6aO08M
    {     , -'",,.-‐''" ,,.- ` へ.|
ィ彡三ミヽ  `ヽ / / /////   |
彡'⌒ヾミヽ   / /  / / / / /   ,i  |
     ヾ、  / //  / / / / /  ,イ ノ} ノ|
  _   ` / / ,イ/ / { ,!,イ ,イ .///.// |
彡三ミミヽ  / / /l l | Ll,,ィl-ト/| /ノ/,//- |
彡'   ヾ、 | ! { l { |lイ V Vレ | /ノ ノ   |
      ` l l 人、ヽ{V_   _-レ    ー_.  |
,ィ彡三ニミヽ ゙l l { トヾk  -=・=-  -=・=- |  今日も愛しい彼の後を追ってます
彡'      ` ヽヾ{ ヾミヽ`    _L     |   
      _ _ト 、 入.            |
   ,ィ彡'  ̄ ノト, \ \  ー===-'   /|
ミ三彡'ィニニ=- '//ノ  ヽ  }ヽ、     イ l |
  ,ィ彡' r'⌒`''" _   ノ } l ` ー ''"  |/ |
 //  ヽ(  /  ノ ノ ノ ^|       /(二つ
彡'  __y/  _,/ イ_/ { ノ        { (二⊃
  /,フ',イ  / / //"    |、      ,ネ ト、二)
  ({ /:::{ / ノ { {     l ヽ   ´ / `ト-'
  V:::::::ヽ{ {   トヽ__)    l      /   |

162:名無しさん@ピンキー
07/11/12 18:34:32 oWV0uPVY
漏れもwktk

163:名無しさん@ピンキー
07/11/12 19:59:33 EftZ2cez
>>161
何でぴょうがいるんだよw

164:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:13:11 t8HCl4UB
楽しみにしている作品が来るまで俺はキモウト話で盛り上げるぜ


キモウトのお約束事項

大好きなお兄ちゃんを○○にする

165:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:22:24 ZXHMJHyn
日本一の番長にする

166:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:24:22 wX8wwypg
三年で優勝を狙える選手にする

167:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:26:06 Zo78K5ex
具無しのおにぎりスターに育て上げる

168:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:41:24 kMuZfQZN
お兄ちゃんはワシが育てた

169:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:51:39 yjNyEyFP
大好きなお兄ちゃんが寝取られてから腰痛が治った

170:名無しさん@ピンキー
07/11/12 22:01:07 sJp112DB
>>169
過激なプレイばっかしてるからそんなことになるんだよ、しばらく療養しとけ

171:名無しさん@ピンキー
07/11/12 22:34:49 4qRNwIRP
愛してくれてと思って眠れないのでしょうとなる

172:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:43:33 bdz9+ay6
こんにちは。
前スレ>>877の続き投下します。

173:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:45:12 bdz9+ay6

 僕と彼女との、最初で最後のデートはクリスマスイヴだった。

 電車に乗って少し遠出して、僕らは水族館に行った。

 朝の待ち合わせは駅前広場でも、改札前でもなく、電車のホームだった。その理由は、
僕らがこんな日に一緒に居るのを見られたくないから。そのことに少し心は痛んだけれど
も、一ヶ月前から楽しみにしていたその日を、僕は目一杯楽しもうとした。

 その日は、誰にも遠慮なんかしないで僕らは堂々とカップルをした。『カップルをした』
なんて表現はちょっとおかしいものかもしれないけど、それがぴったり来るようなデート
だった。手を繋いで歩いて、水族館なんかに行って、昼ごはんの時に朋子の焼いてきたク
ッキーを食べて、夕陽が沈むのを展望台から眺めて、プレゼントの交換をして、僕は格好
付けて指輪なんかをあげたりして、正真正銘のデートだった。

 帰りの駅までの暗い道を、手を繋いで二人で歩く。

基本的に何もない港町だから、人通りは少ない。

帰りたくないと、そう思った。このまま彼女と二人で何のしがらみもないこんな場所で
生活できたらそれは何て素晴らしいことだろう、そう思った。

 だけど、

「…………アホか」

 そんなの無理に決まってることぐらい、分かっていた。

「どうかした?」
「いや、何でもないよ」
「………そっか」
 
 残り時間は少ない。もう一秒だって朋子の手を離したくなかった。

「…………なあ朋子」
「ん、何?」

 そう言ってこっちを向いた朋子の唇に、さっと自分の唇を重ねた。

 初めての、キス。

 何味かなんて、そんなものは分からなかった。

 ただ二人ともずっと外にいたから、その感触は想像以上に冷たかった。

 顔を離すと、いつもと同じ笑顔の朋子がいた。


174:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:46:22 bdz9+ay6
「…………驚かないんだな」
「まあね、いつかしてくるだろうなとは思ってたから」

 お見通しだったわけだ。僕、カッコ悪。

「ありがと、遼」
「………う、うん」

 僕はその笑顔にどう応えていいか分からなくて、とりあえず頷いていた。

 どうしようもなく好きな、大好きになったその笑顔。

 離したくないと思った。

 本当に、このまま時が止まってしまえばいいと、そう思った。

「今日も星、綺麗だよ」

 そう言って空を見上げる口は、相変わらず半開きで、

「朋子……」

 僕はまた、

「ふあ………ん…………」

 朋子にキスをした。

「ん………んあ……」

 半開きになっていた口に、僕の舌を滑り込ませる。初めてのことで勝手も分からず、た
だ僕は朋子の口の中を嘗め回した。それにすぐに応えてくれる朋子。熱心に、不器用に、
僕らのディープキスは手探りで進んだ。今度は冷たいなんてことはなく、朋子の熱を僕は
存分に味わった。

「はあ……はあ……、これは流石に、ちょっと予想してなかったかも」

 一回なんかじゃ足りなくって、僕は何度も何度も朋子に口付けした。

 寒空の下、抱き締めて、口づけて、離して、またキスして、それを何度も繰り返した。


 結局、帰りの電車は予定より二本も遅らせることになった。




175:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:47:47 bdz9+ay6


 辛い日々は、三学期になってからも相変わらず続いた。

 それからは余計に受験勉強に忙しくなって、電話の頻度すら減っていっていた。この時
の僕の神経は二学期の頃よりさらに磨り減ってしまっていた。会えないのは、近づけない
のは当然だと分かっていても、会いたくて、抱き締めたくて、キスがしたくて。彼女が学
校でいつも見せる笑顔は、当然僕だけに向けられたものなんかじゃない。当たり前のこと
だって分かっている。分かっているのに、他の奴と楽しそうにしているのを見るとどうし
ようもない暗い気持ちが湧き上がってきた。

 友達に気を遣って、みんなとの関係を大事にしたくてこんな風にしているのに、それが
だんだん邪魔なものに見えてきた。僕と朋子が一緒にいるのを妨害する、とてつもなく目
障りなものに見えてきた。


 それは久しぶりに、いつものメンツで放課後に話しているときのことだった。

「しかしまあ、もうちょっとで卒業だね~」
「そうだねー」

 そんな別に何でもない会話。だけど朋子はみんなといる時間を本当に楽しんでいて、そ
の笑顔は久しぶりに見るとても明るいもので、僕がどんなに頑張っても僕一人じゃ彼女に
は与えられないもので、そのことが気に障った。

 何だよ、そんな楽しそうな顔して。僕といるときなんかよりよっぽど楽しそうじゃないか。

「はやいなー」

 暗い、汚い気持ちが胸の奥から物凄い勢いで湧き出してきて、どうにも止まってくれな
かった。

「うん、ほんのちょっと前に入学してきた気がするもん」

 一体僕は何のために色んなことを我慢してるんだよ。こんな連中とヘラヘラ笑うためか?
 違う、朋子と一緒にいたいからだ。でも我慢したって我慢したって、ちっとも僕は報われ
ていないじゃないか。

「卒業なんかしたくないよねー」
「いや、お前は受験したくないだけだろ」
「あはっ、ばれた?」

 何だよこれ、こんな生活早く終わってしまえ。こんな糞ったれた学校生活を終わらせて、
早く高校に行ってしまいたい。

「それにみんなと別れるのも寂しいしね……」

 早くお前らなんかとは別れたいね、とっとと縁を切りたいね、どっか行っちまえ、お前
ら俺の邪魔すんなよ。


176:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:50:03 bdz9+ay6
「ねえ、中原?」

 なあ朋子、中原なんて呼ばないでくれよ。そんな風に呼ばれたら俺は泣いてしまう。

「どうしちゃったの? さっきからずっと黙っちゃって」

 喋りたくないからだよ。

「変なもんでも食ったんじゃねーの?」

 アハハハと笑い合う級友たち。その笑顔が、何も知らない呑気な笑い声が、どうしよう
もなく気に食わなかった。

「おいおい、大丈夫かよ?」

 笑いながら僕の肩に手をかけようとする安田の手を、僕は払いのけた。

「………やめろよ」

 自然と口から言葉が出ていた。場が、凍った。

「な、なかはら?」

 皆が脅えたような目で僕の方を見てくる。

「………俺は別に、卒業なんて寂しくなんかない」

 むしろお前らと別れられて清々するくらいだ。

「正直早く高校に行きたいくらいだ」

 アハハ、和やか談笑ムードが僕のせいで台無しだ。ざまあ見ろ。

「とっとと卒業して、お前らと離れたい」

 お前らなんか大っ嫌いだ、死んでしまえ。


177:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:50:54 bdz9+ay6
「遼………」
「――っ!!!」

 その声で僕は正気を取り戻した。

 彼女が、朋子が僕を泣きそうな目で見ている。

 何で? どうして? こんな顔させたくないから、僕は我慢して、朋子の笑顔が僕は好
きだったから、好きだったから――
「………ごめんっ、帰る!!」

 荷物を持って、そこから急いで僕は逃げた。

 走った走った走った、とにかく何も考えたくなかったから。

 廊下を歩く生徒とぶつかる。でもそんなの関係ない。僕は走らなきゃ。

『遼………』

 ――――嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
そんな顔はそんな目は見たくない見たくないんだ見たくないんだよ!!!!!!!!!
誰がさせたんだよ? 僕だ、僕なんだ違う僕じゃないいいやお前だお前だよお前がお前が
お前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前が!!!!!!

「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 僕は、駄目だ。

 駄目人間だ。

 生きてる価値なんかない駄目人間だ。

 死んでしまえばいい。死ンデしまえばイイ。




 ダメニンゲンナンダ。





178:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:51:52 bdz9+ay6


「中原、最近頑張ってるな」
「はあ」
「この調子なら、志望校もう一ランク上げてもいいんじゃないか?」
「じゃあ、そうします」
「何だその言い草は。自分の進路なんだぞ?」
「はい、そうっすね」
「ちゃんと考えておけよ」
「はい、分かりました」

 それから僕は、とにかく勉強をした。睡眠不足になって倒れるまで、ひたすら机に向か
った。集中して勉強している間は、何もかも忘れられたから。

 ―――あれがあった晩に彼女と電話で話して、僕と彼女の関係は終わった。

 僕はもう、彼女と一緒にいていい人間ではないのだ。

 彼女の大事な場所を、僕は壊した。自分勝手で、わがままな気持ちから、僕はそれを壊
してしまった。

 決して許されていいことなんかじゃない。

 僕はもう、人に好きになってもらう資格なんてないのだ。

 僕はもう恋なんてしないんじゃないか、そう思った。彼女以外の人を好きにはならない
だろうし、彼女以外の人を好きになりたくなかった。

 ―――僕はここで止まっていよう、そう思った。

 倒れたとき、夢に彼女が出てきたときは、泣いた。悲しくて、寂しくて、自分が許せな
くて、とにかく泣いた。

 それでも勉強して、必死に現実逃避をしたお陰で、僕は県内でも有数の進学校に合格す
ることが出来た。両親はとても喜んでいたが僕はちっとも嬉しくなんかなかった。


 それでも、あそこにいたメンツ全員と進学先が違ってよかった。それだけは思った。



179:愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg
07/11/13 00:54:05 bdz9+ay6
以上で今回分投下終了です。
回想編はここまでで、次からは元のお話に戻ります。
それでは次回もよろしくお願いします。

180:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:19:30 DAYleD29
雨の音の作者さんがこちらへの転載お願いしてるけど

181:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:20:19 pP1lsZpX
>>179
GJ!

182:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:20:54 DAYleD29
途中で送信しちゃった。
雨の音の作者さんがこちらへの転載お願いしてるけど
されてないのは何か理由があるの? みんなめんどくさがってるだけ?

183:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:24:06 8/7Cq7/W
>>182
ヒント:携帯厨
明日になればPC使えるからタイミング見て転載するよ

184:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:24:45 Ihi6N0ZC
>>182
多分、皆内容に夢中で気付いてないっぽい・・・
俺も今言われて気付いたしw
んじゃ代わりに転載する

185:代理
07/11/13 01:26:01 Ihi6N0ZC
雨の音


パーティー会場に鳴り響いていたヒビキのヴァイオリンの演奏が終わると、
すぐにその場は拍手の音で埋め尽くされた。

次々と響の側に人が集まる。
まずは、年配の、パーティーの主だった人達から挨拶を受ける。
誰もかしこも響の才能を褒め称えている。
響も彼らに笑顔で受け答えを返している。

そんな響を、シヲンは冷たい目でみていた。
ヘラヘラ笑って、ふん、間抜けな面。

あくびをかみ殺して、時計を見る。
まだまだ帰る時間には遠い。
退屈だ。
あと二時間近く、ここに居なきゃないけないの?

うんざりしながら、視線を響の方に戻す。
途端、シヲンの形のいい眉が寄せられた。

響の周りに、多くの女の子が寄ってきていた。
彼女たちも、響とシヲン同様、親に連れられてここに来ているのだろう。
彼女達は、馴れ馴れしく響に話しかける。

今日のバイオリンもステキだった。
私にもバイオリン教えてくださらない?
こんど、わたくしの誕生パーティーをするんですけど、ぜひいらしてください。
などなど。

今、彼女達にとって、響はちょっとしたアイドルだった。
幼い頃、両親を失い、その志を継いで、自らも音楽家を目指し、その才能を
開花させつつある少年。
その生い立ちに加え、響は見た目も悪くない。
それこそ、ちょっと古臭いが、少女趣味な話のヒーローのようだ。
まだ十代の少女たちが熱を上げるのもしょうがないかも知れない。

186:代理
07/11/13 01:26:31 Ihi6N0ZC
シヲンがカリ、と爪を噛む。
傍目にも、どんどんと機嫌が悪くなっているのが分かる。

ふん、間抜けな面。
そうやって頭の緩い女に囲まれていい気になるなんて、どれだけ低脳なのかしら。
いい気分なんでしょうね、バカヒビキ。

そのシヲンの不機嫌な視線に気が付いたのか、響がシヲンのほうに振り返った。
響と目が合うと、シヲンは眉根を寄せた。
自分が今、機嫌が悪いと教えてやるためだ。
そうすれば、響はいつもおずおずと自分に注意を向ける。
さもなくば、どんなとばっちりを受けるか分からないからだ。

それを分かっているので、シヲンはすっと歩みだし,会場を後にする。
はあ、と溜息をつき、響はシヲンの後を追う。

シヲンに睨まれただけで、演奏後の高揚感も消え去り、落ち着けなくなった。
自分の周りに居た少女たちが、引き止めてくれるが、それを振り払い、
慌ててシヲンを追いかける。

会場をでて、エレベーターに向かうが、シヲンは降りた後なのか、既に居なかった。

シヲンに遅れて、響が地下駐車場に停めていた清涼院家のリムジンに乗り込むなり、シヲンに
わき腹を蹴られた。
「…遅い」
「ん…ゴメン、シヲンが出て行くのみて、すぐ追いかけたんだけど…」
「ふん」
再び、蹴られた。

リムジンが出て、しばらく響もシヲンも何も話さない。
重苦しい雰囲気だが、こういったとき、響からシヲンに話しかけることは無い。
何を言っても、シヲンが痛めつけてくる理由を作り上げるからだ。

187:代理
07/11/13 01:27:03 Ihi6N0ZC
「…くさい」
響が、窓の外を見ていると、シヲンが呟いた。
「あんた、くさい」
急に話しかけられ、意味がわからずにいると、
「嫌な香水の匂いがする……あんたからよ」

あ、と思いつく。
確かに、バイオリンの演奏が終わった後に話しかけてきた女の子の
一人から、劇団四季のチケットS席を貰ったのだ。
そのチケットが入った封筒に、何か花っぽい匂いのする香水が掛けられていた。

シヲンが寄ってきて、響のスーツの前をはだけ、くんくんと匂いの元をたどる。
すぐに内ポケットの中にある封筒を見つけ出した。

ふん、と鼻を鳴らし、それを取り上げる。
何するんだよ、と抵抗しようとしても、不機嫌な顔で睨まれると、心が萎縮してしまう。

封筒の封をきり、中身を見るシヲン。
そこにはチケットに加え、手紙のようなものもあった。
そんなものが入ってるのを響は知らなかったが、シヲンはそれをみると
「…ふん、盛りのついた、メス豚みたい」
と呟いた。
それは響の耳まで届かなかったが、シヲンはその手紙を、チケットとともに一気に破り裂き、リムジンの窓から
投げ捨てた。

「おまえ、何すんだよ!」
チケットを破られた響がシヲンの肩を掴んだが、シヲンに睨まれ、
「…うるさい」
と呟かれただけで、もう抵抗する気が萎んでしまった。

188:代理
07/11/13 01:27:36 Ihi6N0ZC
がくりと力が抜けた響の首を掴み、彼の体を横倒しにし、その上に馬乗りになる。
そしていつもの様に、幼い頃からのように、彼のシャツを強引に引きちぎり、はだけさせる。
小さい頃と違い、その上半身は、痩せてはいるが既に男のものになっていた。

そこに、ぐに、と爪を立て、そのまま指を下げる。
もう何十本と作られた、みみずばれのような痕。

「あんた、この封筒の女に、なかなか調子のいい事言ってたみたいね」
「わすれたの?あんたはこの清涼院家の“物”なんだから」
「勘違いしないように。あんたに自由なんて、そこらの首輪をつけた犬ほどにもないんだから」
「……だから」 他ノ、女ナンカ、見テイイワケナイデショウ?

言葉のたびに、響の胸に腹に、赤い線が走る。

シヲンにとって、いつの頃からか、この行為は響への正妻行為ではなく、自分の
性的な興奮を引き出すものになっていた。
こうして響を痛めつけていると、自分の心臓が早くなるのが分かる。
吐く息が湿っぽくなる。
響にまたがっている下半身が、疼く。
響の体に当たっている股間を、動かしたい衝動を何とかこらえる。

自分にまたがるシヲンの顔を見上げる。
この少女は出会った時から変わらず美しい。
雪のような肌。桜色の唇。
大きな瞳にとても長い睫毛。
月明かりに映える流れる黒髪。
それなのに、響にとって彼女の姿は恐ろしいものに写る。

189:代理
07/11/13 01:29:16 Ihi6N0ZC
響は何度もシヲンをどかせようと手を動かそうとした。
なのに、手が強張り、動かせない。

考えれば分かる話だが、今の響とシヲンでは、体格に性差が表れ始めている。
加えて、響は毎日体力づくりの為のトレーニングもしているのに対し、シヲンは毎日を
怠惰にすごしているだけだ。
もし、響が本気でシヲンに掴みかかれば、あっけなく逆転できるはずだ。
なのに、出来ない。

心に、刻み付けられたのだ。
この少女への萎縮を。
できることは、早くシヲンが飽きるのを待つことぐらい。

響は目をつぶり、顔をシヲンから逸らす。
そして思う。
自分はいつ、この少女から逃げれるのか。
いつか、シヲンに刃向かう勇気を取り戻せる日が来るのかと。

意外と早く、その日は来る。
金髪の少女との再会は、近い。

190:代理終了
07/11/13 01:30:41 Ihi6N0ZC
今回避難所に投下されてる分はこれで転載終了
そんでもって次回にwktk

191:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:44:02 DAYleD29
>>190
どうもすいません。
転載して怒られたらどうしようとか無駄な心配してましたw

192:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:55:43 Q18fRKjN
>シヲンにとって、いつの頃からか、この行為は響への正妻行為

         正 妻 行 為

なんたる誤字ッ……!

(;´Д`)…ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ

193:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:06:55 rPnxJXCS
これは誤字などではあらぬ…!

194:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:09:44 cENhIeg5
こいつら今中学生くらいだっけ?

195:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:13:29 +sVBvH7Y
シヲンって厨二臭い

196:初投稿 ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:08:07 ipaFxFMd
初投稿です。
指摘、アドバイス等大歓迎です。
というより質向上のためどうかアドバイスしてください。
とりあえず導入部分を書いてみたのでよろしくおねがいします。


197:アイしてください ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:10:34 ipaFxFMd
桜が舞っている。
人によっては足を止め、ボーっと眺めていたくなるような光景なのだろうが
あいにく俺にはそんな美的センスは無い。っていうよりそんな時間は無い。
なぜなら...
「たけちゃん、間に合いそう?」
「いや、このままだと滑り込みアウトだな」
「えー、もうそんな時間なの。私今日は早起きしたはずなのに」
「お前が調子に乗ってご飯3杯もお替りしたからだろ。」
「えーー、何でそのこと知ってるの。もしかして覗き?」
「ちげーよ。待ってる間にお前のおばさんから聞いたんだよ。そんなことよりとにかく走るぞ。
これじゃあまた遅刻しちまう」
そう言って俺たちは学校に向かって走り始めた。

俺の名前は山本 武、高校2年生だ。
となりで走っているやつは三島 春香。
俺より1つ年下の高校1年生だが、見た目にはせいぜい中学2年生くらいにしか見えない、
そんなバツグンの低身長、幼児体型を誇る俺の幼馴染だ。

家も隣なので二人で登校しているのだが、今日みたいに春香に巻き込まれ遅刻するのが
もはや日常となっている。中学生のころ遅刻するのが嫌で、1回だけ春香を置いて
(それでも20分は待った)一人で学校に行ったことがあるが、そのあと2週間春香は機嫌を悪くし、
機嫌を直すために結局パフェ3杯&今後はどんなことがあっても2人で学校に行くことを義務付けられて
しまった。俺は悪くないと思って拒否しようとしたが、その時の春香はものすごく怖く、全く
反論できなかった。我ながら情けない。
それ以降どんなに春香が遅刻しそうでも毎日2人で登校するようになった。
「わっ」春香が脚をもつれさせ、転びそうになった。
とっさに腕で支える。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう..っ痛」
どうやら足をくじいてしまったらしい。これ以上走るのは無理だろう。
「ほら、肩使え」
とりあえず肩を貸す。走ったおかげでここからなら歩いても何とか間に合うだろう。
「え、でも...」
「いいから、このままじゃお前動けないだろ」
「うん」
怪我したというのに何がうれしいのかそこからの春香はずっとにやけていた。


198:アイしてください ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:11:36 ipaFxFMd
校門に着いたところで予鈴が鳴った。
とりあえず春香を保健室まで連れて行く。
「じゃあね、たけちゃん。またお昼ね。」
「ああ、じゃあな。気をつけろよ」
春香にそう言って俺は自分の教室へ走った。間に合えばいいんだが...

教室に入り、先生が来ていないかどうか確認する。よし、まだ大丈夫だ。
さすがに3日連続で遅刻は気まずいからな。
「おはよう武、ぎりぎりセーフだね。今日も春香ちゃんと2人で登校かい?」
「ああ。そのせいでまた遅刻寸前だ」
こいつは 佐野 優。俺のダチだ。成績優秀で顔も性格もいい、男の願望を実体化
させたような男だ。当然もて、美人な彼女もいる、そんなうらやましすぎる男だ。
なんか羨ましすぎて殺意が沸いてきた。
「まったく、あいかわらずうらやましいくらいラブラブだね、君たちは」
そんなことを俺が考えていると知ってか知らずか佐野は
能天気そうな顔をしてアホなことをほざきやがった。
きっと脳みそが腐りかかっているのだろう。
とりあえず殴ろうか?

「そういえば今日うちのクラスに転入生が来るって知ってた?」
ちっ、殴る機会を逸した。運のいい野郎だ。
「へー、こんな春先に珍しいな。どんな奴だろう?」
とりあえず話を合わせておく。
「さあ。噂では前の学校を牛耳っていた不良とか、かなり電波の入ったオタクとか
 言われてるけど」

どっちだよ!つーかどっちにしろロクな奴じゃねーな。

「まあもうすぐ教室に来るはずだし、その時分かるよ」

そういうと佐野は自分の席に戻っていった。
同時に先生も入ってきた。

            
        



199:アイしてください ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:12:55 ipaFxFMd
「えー、これからHRを始ます。みんな知っているかもしれないけど今日から
うちのクラスに転入生が来ることになりましたので、これから自己紹介してもらいます。
じゃあ高瀬さん、入ってきて」

事前情報からその「高瀬」とやらがろくでもない奴というのは分かっている。
変な因縁をつけられないようにとりあえず下を向いとこう。

教室のドアが開く音がした。どうやら自己紹介が始まるらしい。
「皆様、はじめまして」

...あれ、女の声じゃね?

「今日からこの学校に転入させていただくことになりました高瀬 睦美と申します。
まだこの学校に入ったばかりで分からないことがたくさんありますが、よろしくお願いします」
...言葉遣いも丁寧だし。どこら辺が不良でどこら辺が電波なんだ?
しかも『睦美』って聞いたことあるような...
おそるおそる顔を上げてみると、黒板の前にはきれいでスタイルの良い、そして懐かしい
女性が立っていた。

あちらも俺に気づいたようで、驚いたように眼を見開いた後、うれしそうに微笑んだ。
高瀬『睦美』 彼女は3年前に親の仕事の都合で引っ越してしまった俺のもう一人の「幼馴染」だ。
父親が資産家で母親が超人気デザイナーという大金持ち一家の一人娘で、小さい頃よく一緒に
遊んでいたのを覚えている。小学校に入ってからは気恥ずかしさからおおっぴらには遊べなかったが

それでもとても仲が良かった。

彼女が引っ越すと聞いたときは本当に悲しかった覚えがある。

しかし彼女の名前は佐藤『睦美』 だったはずだが...何があったのだろう?

「じゃあ紹介も済んだし高瀬さんは山本君の隣の席に座って下さい。では、1限の先生が
来るまで待っていてくださいね」
そういうと先生は教室を出て行った。

睦美は隣の席に座るとまた微笑んで言った。

「よろしくお願いします、山本君」
「ああ、よろしくな。えーと...」
「昔みたいに睦美って呼んでいいですよ」
「じゃあ俺のことも昔みたいに呼んでくれ。『山本君』なんて
呼ばれたら居心地が悪すぎる」
「分かりました、じゃあよろしくお願いします、たけしくん」
そういってまた睦美は微笑んだ。
「ああ、よろしくな。睦美」
俺は照れて少し顔を背けながら答えた。
なぜ照れたって?
睦美の笑みは何度見ても綺麗だな、なんてらしくもないことを不覚にも思って
しまったからだよ。
        

200:アイしてください ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:13:38 ipaFxFMd
 1限が終わり休み時間に入ると、睦美の席に多くのクラスメートが集まった。

「どこから来たの?」
「何で引っ越してきたの?」
「好きなものは?」
「趣味は?」

などなど色々な質問をされている。
そんなに同時に質問したら答えれるモンも答えられねーだろ、っと少々呆れて
眺めていると、今度は

「そういえば高瀬さん、うちの学校のこと良く知らないよね。俺が案内するよ」
「いや、僕がします。」
「まて、高瀬さんは俺が案内する」
...暴動でも発生しそうな空気になってきた。まあ睦美は本当に美人になったし
気持ちは分かるがな。

こんなことを考えていると、困り顔の睦美と眼が合った。

睦美は少し思案顔になった後、名案でも思いついたかのように顔を輝かせながら言った。

「たけしくん、お昼休み暇ですか?もしよかったら学校を案内してほしいんですけど」

教室の空気が急に重くなった。おい、そこ、なぜ俺を睨みつける。

「あー、特に用事も無いし別にいいが」
できる限り平静な態度で答えた。

「本当ですか、じゃあおねがいします。約束ですよ」
そういって睦美は教室の外に出て行った。

それを見届けた後だれかがポツリとつぶやいた。
「今、高瀬さん、山本のこと『たけしくん』って呼んでなかったか」
...気のせいだ。
「春香ちゃんだけで飽き足らず、高瀬さんにも手を出すとはいい御身分だなぁ」
...春香とも睦美とも幼馴染なだけだ。
「どういうことか説明してもらおうか、『たけしくん』」
...説明するからとりあえずこれ以上殺意のこもった目で俺を見るな。
               


201:アイしてください ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:15:04 ipaFxFMd
その後俺と睦美がただの幼馴染だということをできるだけ丁寧に説明したが...
「あんな美人と幼馴染だと!許せん!」とか
「神よ、あの女たらしに天罰を!」とか
「許してほしかったら高瀬さんを紹介してくれ」とか2限が始まるまで好き勝手言われ続けた。
               ・
               ・
               ・
2限が終わるとすぐに、睦美が話しかけてきた。
「たけしくん、じゃあ学校案内よろしくお願いします」
分かった分かった、そう急かすな。
睦美に半ば引っ張られながら教室の外に出る。
「じゃあどこか行ってみたい場所あるか?そんな特徴もない学校だけど」

「そうですね、お腹も空きましたし学食とかありますか?」

「ああ、あるよ。じゃあ行って見るか。」

ってあれ、なんか忘れてるような...
「たけちゃん、ご飯に行こう♪ってあれ、なに、その女。そんなに近くにいて暑苦しくない?」

そうだ、春香に睦美のこと教えるの忘れてた。

にしても上機嫌かと思ったら一瞬で攻撃的になったな、おい。

「お久しぶりです三島さん、睦美です。今たけしくんに学校案内してもらってるんです

これから2人で食事を取るつもりなんです、では」

あれ?睦美もなんかよそよそしいな。

「あー、あのめすね...いや、むつみさん、ひさしぶり。でもたけちゃんは私と

お昼を一緒に取る事になっているの。残念だけどあなたと食事なんてできないの」

「でもたけしくんが今日は暇だから1日中学校を案内してくれるって約束してくれましたよ。

春香さんこそ諦めてください」

いや、睦美、俺1日中なんて言ったか?

あー、そういえば何故か春香と睦美は昔から仲が悪かったな。それで未だにお互いに

苦手意識を持っているんだな。じゃあここは...

「まあまあ、じゃあせっかくだし幼馴染3人集まったんだから3人で食事にしようぜ」
        


202: ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:16:04 ipaFxFMd
とりあえずここまでが導入です。
どうかアドバイスよろしくお願いします。

203:名無しさん@ピンキー
07/11/13 03:17:31 8eq7z62H
とりあえずsageろ

204: ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 03:24:33 ipaFxFMd
>>203
すみません、次回から気をつけます。

205:名無しさん@ピンキー
07/11/13 04:08:10 3PMMSH1Q
>>179
GJ


206:名無しさん@ピンキー
07/11/13 05:13:59 LnRViqQ5
( ;∀;)イイハナシッテコトデイイノカナー

207:名無しさん@ピンキー
07/11/13 07:19:32 IoDbkeSN
甘獄と青って凄い良い話だな

208:名無しさん@ピンキー
07/11/13 07:23:42 xoZhPkKm
あの監獄都市を舞台にしたのは別すれにもあったはず
更新とまってるけどね

209:名無しさん@ピンキー
07/11/13 07:30:03 IoDbkeSN
そうなの?
読んでみたいなぁ


210:名無しさん@ピンキー
07/11/13 09:49:46 h5pojYSy
幼馴染VS再会した幼馴染
続きがすごく楽しみだGJ!!
イキナリ初回から修羅場ってるのもサイコーだぜぃ!

211:名無しさん@ピンキー
07/11/13 11:43:10 zO9AOB26
今日はヒトデ祭りだぜ!!

212:名無しさん@ピンキー
07/11/13 16:56:00 OkFpU1o6
     /: : : : : : : : : : : :/ : : : : : :ヽ: : : : :ヽ: : : : : ヽ
    / /: : : : : : :|: : :i: : :|: : : : : :| : : \ : : : \: : : .:ハ
    / /: : : : : : : : : : i : :ハ: : : : : | \: : :\: : : :} .: .: .:|
    /: : : : : |: : : : : :| : :lハ.: : : :|、_|.:ヽ: : :ハ.: : :| : : ||
   ,.: .:| : : : |: : :l : : | : :レ! ヽ: : :ト、:l: ̄',:丁| : : | : : ト|.
   | :/| : : : |: .:∧ :イ : ト|  \.:!    ∨ | : :/: : / | ワンツー ワンツー ワンツー
    ∨ l : : :|: : : ト、|\|    ヽ x=ミ、 | :/: v‐、.:L、
     __レ-v-ヽ : :| ,x≠ミ ,        jイ/^i  l |    
    :! .', ', V\ゝ′   _       /|  l   |  |'^',
  ,. -|  |  |  ト: : ゝ     {/ ヽ    /: |  |   |  |  |.
  l  |  |  |  |: >‐ >、    ー'   r く : :|  |   |  |  l.
  l  |  |  |  |/  / :ト、≧ュ、 _. イ:ハ  `:|  |   |  |  ト、
 ./|  |  l  l  '  {ト、|: :V::::::::::::::::::/: :ハ  '、―‐―|:::ト、
 |::|      /   |:}::〉 : :V:::::::::::::/: ::|::ハ   ヽニニ二二.|ハ|:::|、
 ト:|  ヽ.       /::/ : : : ト、:::::: / : : ト、〈}__>―‐ |ノ::イ
 \ヽ        ,/::イ\ : : ト、V::/ : : : |:::\    ___/:://|

213:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:42:31 DcymigRK
やっ。スレがちょっと違うから
ヒトデはあっちのスレです

214:名無しさん@ピンキー
07/11/13 21:55:13 oRiVjFp4
星空wktk

215: ◆yYT/u4PSNE
07/11/13 23:05:56 ipaFxFMd
>>210
ありがとうございます。
ただsage忘れたり三点リーダの使い方間違えていたり改行が変だったりと
基本の部分がなっていないようなので、少し勉強しなおしてから続きを
書かせていただきたいと思います。

216:名無しさん@ピンキー
07/11/14 01:23:37 tYRNWeZG
>>215待ってるよ!!!!!!!

217:名無しさん@ピンキー
07/11/14 02:15:18 Bc4k+cVR
蒼天の夢を待ってるのは俺だけじゃないって信じてる。

218:名無しさん@ピンキー
07/11/14 03:11:39 C/cMf1xi
アドバイスくれというので叩かれるのを覚悟で傲慢なことを言うが、
キャラ設定は箇条書きみたいでなく、話の流れの中で浮いてくるように表現した方が良作になるよ

219:名無しさん@ピンキー
07/11/14 03:54:10 0BP5Ii7t
まぁ罵詈雑言くらい受けた方が成長するかもね
たんなる誹謗中傷じゃあムカツクだけだけど
まぁ俺に言えることじゃないっすけど

220:名無しさん@ピンキー
07/11/14 15:18:26 MdO/XukK
ここも一気に寂れてきたな終焉が近いぜ

221:名無しさん@ピンキー
07/11/14 15:24:28 tYRNWeZG
うひゃああああああああああああああああ

222:名無しさん@ピンキー
07/11/14 16:20:19 v0ryyjPv
何ヶ月も前から、時々>>220みたいな事を言う奴がいるんだよな。
そう簡単にこのスレが終わる訳ないだろ。

223:名無しさん@ピンキー
07/11/14 16:25:21 0Hr21I9Q
反応するなよ。

224:名無しさん@ピンキー
07/11/14 17:38:09 WSHoKPrL
話が書けないなら妄想を書き込むんだ

225:名無しさん@ピンキー
07/11/14 17:58:03 4ueZEB/3
でわ妄想を
自分に依存させる為、周りの人間を裏で操り主人公をいじめさせて、庇う→慰めるのコンボを使う完璧っぽい幼なじみと、
いじめを疑問に思って、主人公の身の回りを調べるうちに好きになっていき、私が護らなくちゃ…っていう女教師がみたい

226:名無しさん@ピンキー
07/11/14 18:39:28 aVrdai3/
自分の日本語の拙さに絶望し、そしてその負の感情はくだらない嫉妬になり、ただただ荒らすことしか出来ない女が主人公。

結局最後まで自分の正しさを叫んで死んでいく。誰にも理解されず。自分の間違いも考えず、人のことも考えられず。

そんなグッドエンドの話が読みたい。

227: ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:02:31 PoTpN05/
投下します

228:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:03:54 PoTpN05/
―なんてこった。ホントに予想通りになってしまった。

目の前では、秋穂が複数の女子に囲まれ、体育館の壁に追い詰められていた。
女子達は皆口々に秋穂を罵りながら、ゆっくり秋穂に詰め寄っていく。
まずい。これは絶対やばい。
なんでこんなことになってるのか全然分からないけど、やばい状況であることは理解できる。

「やめろ!!」

思わず口を出た僕の言葉に、女子達が一斉に振り返る。
ほとんど見たことない顔だ。別のクラスの女子か?
いや、二人だけ、秋穂のすぐ近くにいるあの二人だけ、僕は見覚えがある。
いつも美希と一緒にいる、あの二人。
常にうちのクラスの中心にいる、あの二人。
いつも僕をバカにしている、あの二人。
そして、秋穂をイジメていたっていうあの二人。
村田さんと戸田さんだ。
「…………っ!」
そう理解した途端、この状況に対する答えが、一瞬で頭の中に導き出された。
あの話は本当だったんだ。
この二人は、秋穂をイジメていた。それも、こんな大勢で。
そして今また、同じことをしようとしていた。
なんでだ…?なんで今なんだ?
どういう理由で、今また秋穂を狙うんだ?
……ほんとは分かってる。理解したくないけど、この状況がそう言ってる。

美希だ。美希がやらせてるんだ。

「秋穂に手を出すな!そんなこと、絶対僕が許さない!」
気づいたときには、そう叫んでいた。
女子達の顔を見回し、一人一人睨みつける。


229:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:05:11 PoTpN05/
ここに美希はいない。どこかに隠れているとか、そんな気配もない。
もしかしたら美希は関係ないのかもしれない。
村田さんと戸田さんの単独犯なのかもしれない。
…でも、それもただの勝手な思い込みなんだって事、僕は気づいてる。
この感覚、このざわつき、この不快感。
怒りだ。とんでもない怒りが、僕を支配しようとしてる。
「は?山下?」
「なによあんた。なんでこんなとこいるわけ?」
僕の叫び声にもまるでひるまず、女子達は僕を睨み返してくる。
「そんなことどうでもいい。秋穂から離れろ」
そっけない僕の返事に、いよいよ彼女達の表情が強張っていく。
「なんなのあんたマジで!」
「これ私達の問題なんだけど!?」
「ウザッ!関係ないのに口出しすんなっての!」
「何様よあんた!」
「ホントわけわかんないヤツ!さっさと消えなさいよ!」
まるで打ち合わせをしてきたかのように、彼女達の言葉はまるで被らない。
ひとりひとりが強烈な悪意を持って、僕を罵ってくる。
…なるほど。確かにこれじゃあ男は勝てない。
口げんかで女に勝てる男なんて、この世にそうそういないだろう。
でも、だからってここでひるむわけにはいかない。
僕だってもう、我慢の限界なんだ。
「関係なくなんかない!秋穂は僕の…!」
「はあ?なんなのよ!」
「秋穂は……秋穂は……」
……なんなんだろう。秋穂は僕にとってなんなんだろう。
あの日から僕らは変わった。
肌を重ねて、お互いを求めあうようになった。
だけど…僕の恋人は美希だ。じゃあ秋穂は?
秋穂は、僕の…僕の……
「僕の、大事な人だ!だから手を出すな!」

230:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:05:56 PoTpN05/
僕の再三の大声に驚いたのか、彼女達の動きが一瞬止まった。
チャンスだ!
「ちょっ、ちょっと!なにすんのよ!」
秋穂を囲むように立っている彼女達を、無理やり押しのける。
それを見て、最も秋穂に近い位置にいる村田さんが僕の前に立ち塞がった。
「………………」
無言で村田さんを見下ろし、威圧する。
だけど、村田さんは全然ひるまない。
むしろさらに強く、僕を睨んでくる。
「……どいてくれ」
「嫌よ。あんたが消えなさいよ」
決して気圧されず、僕と秋穂の間に立つ村田さん。
仕方ない。あんまり女の子に手は出したくないんだけど……
「ごめん、村田さん。どいてもらうよ」
「えっ?……きゃっ!」
瞬間的にひるんだ村田さんを、勢いよく突き飛ばす。
もちろん極力手加減はした。
だけど、それでも村田さんの体は軽く吹っ飛んでしまった。
「いった~い…」
「だいじょぶ!?涼子」
慌てて戸田さんが村田さんに駆け寄る。
そのまま寄り添うようにして、僕を睨みつけてくる。
でもそんなのかまってられない。今はこっちが優先だ。
「だいじょぶ…?秋穂?」
警戒されないように、壁に張り付いたままの秋穂にゆっくり手を伸ばす。
「……うん、だいじょうぶ。ありがとう、要君」
ほっとしたような笑顔を見せ、僕の手を取る秋穂。
だけどその手は、細かく震えていた。
…そりゃそうだろう。こんな人数に囲まれて平気でいられるわけがない。
ましてや昔自分をいじめていた相手だ。怖くないわけない。
また同じような目にあうかもしれないって思うのも、無理はない。


231:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:06:43 PoTpN05/
「要君…」
くそっ!こいつら……許せない!
秋穂の手をしっかり握りながら、ゆっくりと振り返る。
そのまま、僕達の様子を見ていた女子達を今度こそ本気で睨みつける。
「うっ……!」
「な、なによ……」
今度は本当にひるんだのか、彼女達は徐々に後ずさり始めた。
村田さんと戸田さんも少し怯えたような表情になる。
「今後一切こういうことするな!もし次、こんなことしたら絶対に許さないからな!」
ありったけの敵意をこめて、彼女達全員を威嚇する。
「……っ!!」
「返事は!」
「…………っ」
「……わかったわよ」
戸田さんが悔しそうに唇をかみ締める。
「村田さんは?」
「…わかった!わかったわよ!」
村田さんも戸田さんや周りの皆を見て、諦めたように目を伏せる。
「よし。約束したからな!絶対に守れよ!……行こう、秋穂」
「…うんっ!」
秋穂の手を引き、女子達の輪から抜け出る。
途中、まだ何人かの女子が僕を睨みつけてきたが、こっちが睨み返したらすぐに目を逸らした。
こういう時だけは、自分の悪評にも感謝するしかない。
…そうだ、まだ聞いておかなきゃいけないことがある。
あまり気が進まないけど、確認だけはしておかなきゃ。
校舎へ向かっていた足を止め、うなだれている戸田さんの方を振り向く。
「ねえ。三浦さんはどこにいるの?」
僕の言葉を聞き、戸田さん怪訝な表情を浮かべる。
「は?なんで美希が出てくるのよ?意味わかんない」
「………………」
無駄か。この二人を問い詰めても、きっと何も言わないだろう。
「…そっか」
ここに美希はいない。だけど、秋穂の話は本当だった。
きっとそれが、答えなんだろう……

232:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:07:46 PoTpN05/

―満天の星空の下、僕と秋穂は帰路についた。
前まで美希と歩いていた夜の街を、今は秋穂と歩いている。
吐く息は白く、吹き付ける風は肌寒い。
だけど秋穂と繋いだ右手は、なぜか暖かく感じる。
「ありがとう。来てくれて」
繋いだ手が少し強く、優しく握り返された。
「……いや、氷川さんのおかげだよ」
「由梨絵?やっぱり気づいてたんだ…」
「…みたいだね。やっぱり朝のも?」
「………うん」
そうか…なんで気づかなかったんだ僕は。
なんとなくおかしいとは思ってたのに。
そのせいで秋穂を怖い目に合わせてしまった…
「ごめん。もっと早く僕が気づくべきだった。ほんと、ごめん」
「い、いいよ。そんなに謝らないで。来てくれただけで……」
頬を朱色に染め、そのまま腕を組んでくる秋穂。
女の子独特の、柔らかい感触が伝わってくる。
「嬉しかったから…」
「……………………」
こんなことされると、まともに秋穂の顔を見ることすらできなくなる。
二人揃って俯いたまま、黙って街を歩き続ける。
「……ね、今日、家来ない?」
顔を俯かせ、身体を僕に密着させたまま、秋穂がつぶやいた。
「…今から?ご両親は?」
「今日は二人ともいないの。ね?昼勉強見てあげられなかったし」
あ、なんだ。そっちか。
「あ、そ、そうだね。じゃあお邪魔しようかな…」
「………………」
「…な、なに?」
「……エッチなこと考えてたでしょ?」
「うっ!」
「ふふっ。いいけどね。要君がその気ならさ」
いつものように、可愛らしい笑顔で秋穂が微笑む。
それにつられて、僕の口元も少し緩んでしまった。
…ほんとに美希に似てるな。仕草も、性格も。
いや、これは美希が秋穂を真似たって言った方が正しいんだよな。
僕の知ってるあの美希は、ここにいる秋穂をコピーしたものなんだから…。


233:冬の星空 ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:08:47 PoTpN05/
「…ねえ。やっぱりあれって美希がやらせたのかな?」
「………たぶんそうだと思う。やり方が同じだったし」
やっぱりか……
「やっぱり、ちゃんと話してみるよ。美希と」
「そう…わかった」
秋穂の言ってた事は多分事実だ。
だけどまだ美希を信じたい自分も、確かにいる。
そろそろちゃんと美希本人から聞かなければ。
きっと答えは僕の想像通りなんだろうけど、美希の口から聞きたい。
そうじゃなきゃ…美希をあきらめることができない。
このままじゃきっと、高田を本気で憎んでしまう。
そして美希の事も……
それは、嫌だ。
「…そういえばさ、要君」
マンションに向かおうかというところで、秋穂が足を止めた。
「さっき私の事、大事な人だって言ってくれたよね?」
「えっ!……う、うん」
「あれって、どういう意味?」
小首をかしげながら、僕の顔を覗き込んでくる。
「えっと、あれは……」
「あれって「そういう意味」ってことでいいのかな?」
悪戯っぽく笑う秋穂。
「……………………」
それって、つまり「そういう事」だよな。
…でも、僕自身、正直言ってよくわからない。
秋穂の事は好きだと思う。少なくともそれは事実だ。
でもそれがどういう「好き」なのか、実はまだ分かってない。
あんな風に秋穂の事抱いておきながら、なんてヤツだって、自分でも思う。
あんなに秋穂に群がる奴等に嫉妬しておきながら、バカじゃないのかって思う。
だけど、ほんとにわからないんだ。
「…ま、いいわ。いつか要君の口からちゃんと言ってくれるって信じてるから」
そう言うと、嬉しそうな顔をしたまま、秋穂は再び歩き出した。
「……うん、いつか、きっとね」
僕も秋穂に合わせて、ゆっくり歩み始める。

美希への想いと、秋穂への想い。
同じなようで、全然違うようなモノである気もする。


―僕は、どうしたいんだろう。誰を、一番信じたいんだろう……

234: ◆SVNDcoHudE
07/11/14 20:10:22 PoTpN05/
終わりです。次は美希視点です

235:名無しさん@ピンキー
07/11/14 20:24:10 v0ryyjPv
>>234
GJ!

236:名無しさん@ピンキー
07/11/14 20:37:49 g9PHqL2Z
GJ!!
要のセリフに絶望する美希が目に浮かぶぜ。

237:名無しさん@ピンキー
07/11/14 20:48:47 qX8dIlHB
ききき、キタ━(゜∀゜)━!!キタ━(゜∀゜)━!!キタ━(゜∀゜)━!!キタ━(゜∀゜)━!!

238:名無しさん@ピンキー
07/11/14 20:49:16 QGniMuMI
美希は振られてから輝きが増す(スレ的な意味で)キャラだと思うんだ

239:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:15:13 68zMosey
要が誠以下の性欲野郎になっているなw

240:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:15:48 O28dtfNB
投下します。

241:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:18:22 O28dtfNB
 隆志はパンツごとズボンを脱ぎ降ろして、冷たい床に座り込んだ。
陰茎は縮こまり、頭を垂れていた。悔しい、恥しい、情けない。隆志のなかはそんな気持ちで一杯だった。
うつむいていた顔を上げると、涙で歪んだ視界のなかに、制服をだらしなく着崩したクラスの男子たちがいた。
彼らは意地悪い笑みを浮かべながら、楽しそうに手を叩いて合唱する。
「しーこーれ! しーこーれ!」
陰茎に手を添えると、隆志はもう一度、自分を囲んでいる少年たちを見回した。
「なにやってんだよ! さっさと抜けよ!」
くすんだ、むらのある金髪をした少年が怒鳴った。
ロッカーを蹴る音に隆志はびくりと身を竦めると、手に力を込め、萎えた男性自身を上下にしごき始めた。
ぐすぐすと鼻をすすりながら、何度も何度も強くこすり、赤々と腫れた陰茎に血液が集まってくるころには、隆志は犬のように下を垂らして、はあはあと荒い呼吸を繰り返していた。
「うっわ、こいつマジでしこってんよ!」
「きめぇ! 興奮してやがる!」
「オナ王だオナ王! オナニーキングだ!」
「実はこいつマゾなんじゃね?」
「しーこーれ! しーこーれ! さっさとしーこーれっしばくぞー!」
悪童たちの嘲弄が響く教室で、隆志は自慰を続けていた。
手拍子をする彼らを、睨むことさえ出来ない自分が情けなかった。
以前は親友だと思っていた少年が、笑いながら悪罵する光景が信じられなかった。
羞恥を屈辱にまみれてもなお、いきり立っている男根だたまらなく気持ち悪かった。
「さっさと出せよ!」
鼻水で咽喉が詰まり、隆志はげほげほとむせた。それでも彼は手を止められなかった。
耳に大穴を開けた少年が、拍手に合わせて、金属バットで床を叩いていたからだった。
親に心配はかけさせられない。痣はこれ以上作れない。自慰を見せるだけで勘弁してもらえるのなら、自分の自尊心などどうでもいいと隆志は思っていた。
隆志が三度目の咳を吐いたとき、突然、教室の扉が音を立てて開いた。
「アンタたち何やってるのよ!」
教室の入り口で幼なじみの少女が、顔を真っ赤に染め、体を震わせて立っていた。


242:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:20:08 O28dtfNB
「本当に、先生に言わなくてもいいの?」
 手当てをひとしきり終えて、幼なじみの麻衣は彼にそう尋ねた。
隆志は何も言わずに頷くと、独り言を言うような小声で、ありがとう、と言い、床に散らばった鞄の中身を集め始めた。
悪童たちは既に退散していた。この教室に残っているのは、隆志と麻衣だけだった。
「でも、さ。あいつらもこのごろどんどん調子に乗ってるみたいだし、隆志を……」
麻衣はいじめという単語を使うことをためらった。散々メディアなどで使い古され、学校という閉鎖的社会において半ばタブーとされているその言葉を口に出すことは、隆志を侮辱するに等しいと思ったからだった。
「……隆志に、またちょっかいかけてくるかもしれない」
床をまさぐっていた隆志の動きが止まる。彼の手元はかすかに震えていた。
「どうせ、もうすぐ卒業だし……」
高校に上がってしまえば、自分を虐げる少年たちとは縁が切れる。
いまさら事を荒立てても事態は悪化するだけだと、隆志は言外ににおわす。
そう、と麻衣はため息を吐くように頷くと、隆志の背中に寄りかかった。
彼の首に腕を回し、抱きしめるような恰好で麻衣はささやく。
「なら、それまで、アタシが隆志を守るから……」
隆志は目元を拭い、ごめん、とつぶやいた。


243:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:20:34 0FnJg4ug
>>239
それはないわ

244:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:22:47 O28dtfNB
 隆志と一緒の下校を終えて帰宅すると、麻衣はすぐさま自室に転がり込んだ。
寝台にもぐって、頭から布団を被り、枕に顔を押し当てると、くぐもった声が部屋に響いた。
(上手くいってる! アタシは上手にやってる!)
麻衣は身をよじりながら足をばたつかせた。
(可哀相な隆志。あんな連中にいじめられて、あんな恥しいことをやらされるなんて!)
腕で目元を多い隠し、顔をくしゃくしゃに歪ませた幼い隆志の姿が頭に浮かんで、麻衣は益々胸の中が充実していくのを感じた。
(なんという屈辱なの! アタシがあんなことをされたら、舌を噛み切って死んでしまうわ!
殴られ、罵倒され、ちっちゃな子供のように泣き喚いて、自慰を強要される!
ああ! すっごくかわいそう!)
麻衣は布団の中から腕を伸ばし、枕元に置いてある写真立てを手繰り寄せる。
幼なじみの映ったそれをスカートの中へもぐりこませると、角の部分で引っかくようにこすり付け、少女は今日彼がしたように股座をもてあそんだ。
(でも、でも、だいじょうぶよ、隆志。
アタシがアンタを護ってあげるから。アタシだけが、アンタを庇ってあげるから。
だって、アタシは隆志の幼なじみだもの。アンタにとってただ一人の、一緒に生きてきた女だもの。
隆志、アンタ昔、私と約束してくれたわよね? 大きくなったら、お嫁さんにしてくれるって。
アンタは、アタシが好きなの。もちろんアタシもアンタが好きよ。
だから隆志、アンタには、アタシ以外の人間なんて、必要ないの!
男友達なんていらない。みんな、アンタをいじめるんだから。
女友達なんて、最初ッからいらない! アタシがいればそれでいいんだから!
ああ! 隆志!)
ひときわ大きく背筋を反り返らせて、麻衣は気をやった。
ぜえぜえと呼吸を整えながら、麻衣は写真立てを顔の前に持っていき、頼りなさそうに微笑む幼なじみの姿に、唇を重ねる。
「好きよ。隆志」
涙でぼやけた視界のなか、写真にむかってそう話しかけて、少女は意識を手放した。




次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch