らき☆すたの女の子でエロパロ23at EROPARO
らき☆すたの女の子でエロパロ23 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:12:12 goeIy7py
>>1
あ、3年B組ぃ~、>>1乙せーんせーい!!

3:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:15:51 JGku0iwS
>>1乙! おつおつ

4:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:57:40 edflihyC
>>1
乙なのですよー。さらなる繁栄をー!

5:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:03:24 ILqociPY
>>1
乙、さあ始まるざますヨ

6:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:09:25 G6eaVDeH
>>1
いくでがんす


7:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:25:24 hU8/K+kc
>>1乙ンガー

8:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:32:29 d49Ss4vn
>>1乙~

早速、SS投下したいなーと思ってるんだけど、スレ立ったばかりだしもうちょっと待ってからの方がいいかな?


9:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:39:18 grJoIhQW
>>8
私でしたらお気になさらずに
>>1乙のレスもありがたいですが、それだけでスレが埋まってしまったら本末転倒ですのでw
(この勢いなら本来大丈夫ですが)即死回避にもなりますし

10:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:53:37 hLNe6ngJ
>>1
>>8おまちしてます。

11:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:54:12 eqvtzeU1
>>1乙!

>>8wktk

12:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:01:31 d49Ss4vn
それでは投下させていただきたいと思います。


今回はちょっと趣向が変わったモノで、ミステリモノをやってみたいと思います。
ミステリとはいえ、死人とか鬱展開とかは一切ありませんので、みなさん安心してご覧下さい。

あ、もし真相がわかったとしても、ネタバレはしないようにお願いします……

13:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:03:24 d49Ss4vn
あと、相当長い(約40KB)と思いますが、最後までお付き合い頂けるとありがたいです。
今回は問題編です。

14:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:04:54 d49Ss4vn
秋ですね。
秋と言ってもいろいろな秋があるよね。スポーツの秋とか芸術の秋とか。
んー……でもやっぱり私は食欲の秋かな。
秋はなんでもおいしいから、ついつい食が進んじゃって……
……みなさんもそうじゃない?
けど、いくら食欲の秋とは言ったって、食べ過ぎには注意しなくっちゃね。
そう、特に「みんなのモノ」は…………






========================

「誘惑」~問題編~

========================





「それっ!2よ!これでどう!?」
「甘いね。かがみん。実はまだジョーカー持ってたんだよねぇ」
「そ、そんな~……また大貧民か……」

それは秋も段々深まった、とある休日のこと。
この日、泉家にてささやかなハロウィンパーティーが開かれていた。
……とは言え、もうとっくにハロウィンなんか過ぎてる。まあ、ハロウィンと言っても、それは単に集まる為の大義名分にしか過ぎない。
パーティの参加者のうち、誰も仮装なんかしてないのでも、それが解るってこと。

15:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:06:43 d49Ss4vn
↑すみません、これはミスです……これから書きこむ方でお願いします。

16:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:07:40 d49Ss4vn
みなさん、どうもこんにちわ。柊かがみです。
秋ですね。
秋と言ってもいろいろな秋があるよね。スポーツの秋とか芸術の秋とか。
んー……でもやっぱり私は食欲の秋かな。
秋はなんでもおいしいから、ついつい食が進んじゃって……
……みなさんもそうじゃない?
けど、いくら食欲の秋とは言ったって、食べ過ぎには注意しなくっちゃね。
そう、特に「みんなのモノ」は…………






========================

「誘惑」~問題編~

========================





「それっ!2よ!これでどう!?」
「甘いね。かがみん。実はまだジョーカー持ってたんだよねぇ」
「そ、そんな~……また大貧民か……」

それは秋も段々深まった、とある休日のこと。
この日、泉家にてささやかなハロウィンパーティーが開かれていた。
……とは言え、もうとっくにハロウィンなんか過ぎてる。まあ、ハロウィンと言っても、それは単に集まる為の大義名分にしか過ぎない。
パーティの参加者のうち、誰も仮装なんかしてないのでも、それが解るってこと。

17:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:08:23 d49Ss4vn

「ほら、かがみカード配って~」
「はいはい、解ったわよ」
こなたから手渡されたトランプのカードを慎重に切っていく。
パーティーの前座ということで大富豪をみんなでやっているんだけど、私はこの勝負で十二回連続大貧民という屈辱的な大敗を記していた。
なんとかこの連敗を止めたい。そういう訳で、トランプを切る作業もかなり慎重なものになる。

五分経って峰岸に、「柊ちゃん、そこまで慎重にならなくても……」と言われるまで、私はずっとトランプを組んでいた。
確かにそうなんだけど、こっちだって十三回の大貧民になる訳にはいかないのよ。
組んだカードを順番に配っていく。
こなた、みゆき、つかさ、峰岸、日下部、ゆーちゃん、みなみちゃん、そして私の八人。
この八人が今日のパーティーに参加するメンバーだ。
あと、田村さんも来る予定らしいけど、アニ研の打ち合わせがあって遅れてくるらしく、今この大富豪大会の場にはいない。
しかしまあ、みんなよくこれだけ集まったもんだわ。揃いも揃って暇なのかしら。……私も人のことは言えないけど。
カードを全て配り終わり、少ない自分の手札を確認する。八人もいるので、一人の手札の枚数はせいぜい六、七枚にしかならない。
つまり、戦略うんぬんよりこの最初の手札の強さで勝敗があらかた決するわけ。
私の手札は5、6、8、9、10、2、ジョーカー。
うん、この手札なら頑張れば平民くらいにはなれるかも。

どのタイミングでジョーカーを使おうかと考えていたその時、
「おい、柊、カードよこしな」
という大富豪、日下部の非常に憎たらしい一言でこのゲームにおけるカード交換を思い出さされた。
2とジョーカーは無残にも日下部の手に渡り、私には3と4という、どうしようもないヘボカードが回される。
絶対王政社会に置ける理不尽さというものは、こういうことをいうのだろうか。

一番強い手札が10ではロクに戦うことも出来ず、かくして私は十三回目の大貧民となった。トホホ……




いろいろとあった大富豪も一段落ついて、雑談タイムに突入する。
「それにしても、日下部先輩って大富豪強いんですね~。ほとんどトップを維持してましたし」
さっきの大富豪の結果を振りかえり、ゆーちゃんは少し尊敬したように日下部に言った。
「へへーん、どんなもんだい!柊はずっとド貧民ばっかだったけどな!」
「かがみんは悲しいくらい弱かったよね~」
「あんただって、ほとんど貧民と平民を行き来したクセに」
こなたはともかく、日下部め、覚えてなさいよ。今度パズルゲームでボッコボコにしてやるんだから。
みんなで話し合あって盛り上がっていた時、
「ところでつかささん、もうすぐパイが焼きあがるんじゃないんですか?」
と、思い出したかのようにみゆきが言った。
「あー、そう言えばもうそんな時間だね」
つかさがのんびりと答えた。

みゆきが言ったパイというのは、つかさが作っているアップルパイのことだ。
一時間ほど前に生地は既に出来あがっていて、今は一階のキッチンにあるオーブンで焼いている最中。
焼きあがったらパイを食べながら、わいわいがやがやと、お喋りして過ごすというのが今日のメインイベントだ。


18:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:09:27 d49Ss4vn
「一時間くらい焼けば出来あがるんだっけ?」
今度はこなたが尋ねた。
「うん。そうだよ。焼き始めたのが丁度一時だから……あと五分くらいかな」
私は壁にかかった時計を見た。現在、一時五十五分。つかさの言うとおり、あと五分ほどで二時になる。
「あ、すみません、私ちょっとトイレに行ってきますね」
突然ゆーちゃんは立ちあがって、部屋を出て行った。すぐに部屋の外から階段を降りる音が聞こえてくる。
泉家のトイレは一階にしかないので、階段を降りないと行くことが出来ない。
昼間はいいけど、夜だとこの音は怖そうね。

「柊の妹のパイかぁ……きっとおいしいんだろうなぁ」
日下部がため息をつくようにして言った。
「あれ、みさきちってつかさの作ったお菓子、食べたことないの?」
「うん、ねーな」
「実は私も食べたこと無くて……」
おずおずと峰岸も手を挙げた。
「うそっ!ホントに?……じゃあ今日はきっと二人ともつかさのお菓子のおいしさにきっと卒倒するに違いないね」
「こなちゃん、そんな大げさに言わないでよ~」
つかさは顔を真っ赤にした。
「つかささん、決して大げさなんかじゃありませんよ」
みゆきが急に会話に割りこんできた。みゆきが話に割って入ってくるなんて珍しいわね。
「私、恥ずかしながら初めてつかささんの作ったクッキーを食べさせていただいたとき、あまりのおいしさに我を忘れて、何度もおいしい、おいしいと叫んでしまったんです。
フランスの一流のパティシエが作るモノにも匹敵するくらい……いえ、それ以上かもしれません。大げさなんかじゃなくて、それくらいつかささんのお菓子の味は絶品なんです!!」
みゆきは顔をほうけさせて言った。
みなみちゃんも、こなたもみゆきの話を聞いてうんうんとうなずいている。
「……私も、つかさ先輩のお菓子を初めて食べたとき、あまりにおいしくて顔が緩んでしまった」
つかさのお菓子を食べて顔を緩ませるみなみちゃん……うーん、見てみたい。
そう思っていると、部屋の外の階段からギシギシといった音がした。ゆーちゃんが帰ってきたのかな。
「急に席をはずしてごめんなさい」
思ったとおりだった。ゆーちゃんが扉を開け、部屋に入って来た。
トイレに行ったぐらいなのに、きちんと謝りを入れるのが礼儀正しいゆーちゃんらしい。
「みんな何の話をしてたの?」
「つかさのお菓子のおいしさの話だよ~」
ゆーちゃんの質問にこなたが答えた。
「つかさ先輩のお菓子は本当においしいから、私も期待してますね。……あ、もう二時回りましたね」
「あ、ホントだ」
ゆーちゃんに言われて、つかさは二時になったことに気がついたようだ。
「じゃあ、ちょっと焼けたかどうか見てくるね。ゆきちゃんもちょっと着いてきてよ」
「あ、はい、わかりました」
つかさとみゆきは部屋を出ていき、二、三分して戻ってきた。


「うん、ちゃんと出来てた。今日はいつもより上手く焼けたみたい」
自分でも満足のいくモノだったのか、つかさは少し微笑んだ。
「ええ、とっっっても、おいしそうでしたよ」
みゆきはつかさ以上の笑みを浮かべて言った。
「ってことは、いつもおいしいつかさのお菓子は今日は一段とおいしいモノになってるってわけだね。こりゃあ楽しみだなぁ~♪」
「泉さん……楽しみにするのはわかりますが……その、よだれが垂れてますよ」
「……そういうみゆきさんだって」
「え、みなみちゃんも垂らしてるよ?」
……といった風に、みんなよだれをだらしなく垂らして、お互いの揚げ足を取り合っている。かくいう私も、またよだれを垂らしていると思う。
でも決して変に思わないで欲しい。これはつかさのお菓子の腕前を知る人には、止める事の出来ない自然な反応なんだから。


19:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:10:29 d49Ss4vn

「ねえつかさ~、パイも焼きあがったことだし早速食べようよ」
「ん~……そうしたいけど、お昼にみんなでピザを食べたばかりだし、もうちょっと待ってお腹に余裕が出来てからにしようよ。それにまだ田村さんも来てないことだし……」
急かすこなたを、なだめる様につかさが答える。
確かにお昼はお昼で、宅配ピザをたらふく食べたばかりなので、まだあまりお腹は空いてなく、正直今すぐに食べる気はあまりしない。
みんなも同様にあまりお腹に空きがなかったのと、つかさの言うように、まだ田村さんが来ていないことを踏まえて、後でパイを食べることが決まった。
二時五十分から、つかさが盛りつけなどの準備を行い、三時きっかりからメインイベントに入ることになった。
今は二時をちょっと過ぎた辺りなので、食べ始めるのはあと一時間ほど経ってからというわけだ。

======================================

一時間の間、ただ喋っているだけなのは退屈なので、またゲームでもして時間をつぶすことになった。
多数決の結果、UNOをすることに決まった。私は大富豪以外ならもうなんでもいいや。

適当にカードを組んでみんなに配っていく。
さすがにUNOでもボロ負けをすることはないだろうと思ってたけど、こなたと日下部が狙い済ましたかのようにドロー2やらワイルド4を出してきて、十枚以上手札に残したままあっさりと最下位になった。
こいつら二人は何か私に恨みでもあるんだろうか……

心の中でリベンジに燃える私が、二回戦目のカードを配ろうとした時、みなみちゃんは急に立ちあがり、
「……すみません、お手洗いに行きたいんで、次の私の分は抜かしといて下さい」
と言って部屋を出ていった。
私は言われた通りにみなみちゃんの分を飛ばし、七人分のカードを配り終えて、二戦目を始めた。

一回戦目で最下位だった私から初まり、全員のターンが一周する。
再び私に番が回ってきて、何を出そうと考えていると、
「ごめんなさい、今度は私がお手洗いに行きたくなりまして……」
今度はみゆきが立ちあがって、部屋を出た。
みなみちゃんとみゆきを除いた六人でゲームは再開される。

二回戦の結果も散々なモノだった。
今度はドロー2の嵐はなかった。しかし、最後の一枚になったにも関わらず、私はUNOのコールを忘れてしまい、バツとしてカードを十五枚も引かされる羽目になり、結局負けた。
えーと、三回戦がんばろっと…………


……っていうか、なんでさっきからずっと私ばかりがカード配ってるんだろう。
そう疑問に思いながら三回戦目のカードを切って配ろうとしたその時、突然ピンポーンとインターホンのチャイムが鳴った。
その音にみんなが一斉に反応する。
「田村さんでも来たのかな?」
峰岸が言った。あとこの泉家に来るような人物で考えられるのは、パーティに遅れている彼女だけだしね。
「ん~、それは違うね。ひよりんは三時前に行きますってさっきメールで言ってた」
「え、そうなんだ」
こなたは携帯を見て峰岸に答えた。
「とりあえず、出ないわけにはいかないから悪いけどちょっと行ってくるね」
「わかった、こなちゃん行ってらっしゃい」
こなたもまた部屋から出て行った。


20:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:12:54 d49Ss4vn
「お姉ちゃん、どうする?今三人抜けちゃってるけどもう始めちゃう?それとも少し待ってからにする?」
「ん~、ちょっと待ってみましょう。もう少しすれば誰か戻ってくるだろうし」
「柊ちゃんの言う通りね」
峰岸以下、ここにいない三人を除いたみんなが私の提案にうなずく。
こうしてゲームは三人が戻ってくるまで中断することとなった。
そのまま何もせずボーっとしてるだけでは場が気まずくなるので、自然と会話が生まれる。
「それにしても柊は大富豪だけじゃなくてUNOも弱いな~」
「あの、みさちゃん、あんまり調子乗らない方が……」
「いやいやあやの、こういうのは弱っちい柊が悪いんだってば」
「おい峰岸、もっとコイツに釘差しといてくれ」
「あはは……」
峰岸は少し困惑したような顔になった。けど、ホントにコイツはちゃんと釘差しとかないとどこまでも調子に乗るヤツだからな。
「でもかがみ先輩……、ちょっといくらなんでも運が無さすぎとと言うかなんというか……」
「むう、まさかゆーちゃんにまで言われるとは思わなかったわ」
「いえ!決してかがみ先輩が弱いって言いたいわけでは!」
ゆーちゃんは慌てた様子で両手を広げ、ブンブンと振った。
おそらく本当にそんなつもりは無かったんだろうけど、今その気遣いは心にグサグサと来る。



「それにしても……こなちゃんもゆきちゃんもみなみちゃんも遅いね」
つかさが呟くように言う。確かにこなたが下に行ってからもう五分は経った。玄関にちょっと行くぐらいでそんなに時間が掛かるものなのかしら?
こなたもそうだけど、その前にトイレへ行ったみなみちゃんもみゆきも戻ってこないのはどういうことなんだろう。
「様子見てきた方がいいんじゃねーか?もしかしたら変な業者に絡まれてるのかもしれねーぜ。」
「そうねぇ……何かあったのかもしれないわね。私、下行って様子見てくるわ」
「わかりました。じゃあ私達は部屋で待ってますね」
「うん。じゃ、ちょっくら行ってくるわ」
ゆーちゃんに見送られて、私はこなたの部屋を出た。


21:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:14:10 d49Ss4vn

踏み出す度にギシギシと音がする階段を降りて一階にたどり着く。
なんつーか、ホントにまともな工事をやったかどうか気になってくるぐらいだ。あちらこちらにボロがある私の家と違い、この家は建てられてから時間がまだそんなに経ったような感じがしないから特にね。
階段を降りきって、廊下を少し歩くと、すぐに玄関に出る。その玄関の前にこなたは結構大きめなダンボールと共に立っていた。
「何やってんのよあんた」
「あ、かがみん」
私の声に反応して、こなたが振り向いた。
「いやね、誰かな~と思って出たら宅配便でさ、この前通販で注文した漫画が届いたんだよね。で、判子押そうと思ってリビングを探したんだけどなかなか見つからなくてさ、みゆきさんに手伝ってもらってようやく見つけたんだよね。
まあそういう訳で少し手間どっちゃってさ、ゴメンゴメン」
リビングの方に目を向けると、みゆきがソファーに座っていた。
目が合って、みゆきはペコリと頭を下げる。
「じゃ、私は二階に戻るから」
こなたはそう言って階段を上っていった。
「みゆきはずっとリビングにいたの?」
私はリビングに入っていき、みゆきに尋ねた。
「はい。降りてすぐにお手洗いに向かったんですが、みなみさんは時間がかかるようでしたので、順番待ちにリビングに居たんです。そこへ泉さんが降りてこられまして……」
なるほど。しばらくトイレが空くのを待っていたらこなたが降りて来て、宅配便の受け取りの時、判子がないことに気づいたこなたと一緒に探してたってことか。
「あれ、じゃあみなみちゃんはまだトイレの中に居るの?」
「そうですね。まだ出てきてないですね」
みなみちゃんがトイレに行ってからもう十分以上は経っている。かなり長いわね。
「かなり時間、かかってない?」
「私がさっきお手洗いに行った時、みなみさんにドア越しに聞いたのですが、お腹が痛いとか言ってましたよ。それでちょっと時間がかかってるんじゃないでしょうか?」
「えっ?そうなんだ」
みなみちゃんが出て行く時、私が見た感じだと別にお腹が痛そうには見えなかったんだけどなぁ……。急に痛くなって来たのかしら?
などとしばらく考えていると、和室の奥にあるトイレの方から水が流れる音が聞こえてきた。
「……すみません、遅くなりました」
少しして、和室からみなみちゃんが謝りながら現れた。
「あ、みなみさん、お腹の具合は大丈夫ですか?」
みゆきはソファーから立ち上がって、心配した様子でみなみちゃんの顔を覗きこむ。
「あ、はい、多分なんとかなりそうです……」
「そうですか。それならいいんですが……」
みなみちゃんは少し恥ずかしそうにしながらみゆきに答えた。そして
「あれ……かがみ先輩はいつの間に……?」
と、トイレに入るまでは居なかった私に気づいて目線を移した。

私はみなみちゃんにここに来たいきさつを、ざっと説明した。
「なるほど、そういうことでこちらに来てたんですか……心配かけてすみません」
「いいっていいって。それより、本当にお腹の調子は大丈夫なの?」
「トイレにこもって、だいぶマシになったと思います」
お腹をさすりながらみなみちゃんは答えた。まあ顔色も悪くなさそうだし、本人がそういうのなら大丈夫だろう。
「……私は部屋に戻りますね」
みなみちゃんはすたすたとリビングを出て、階段に向かって歩いていった。
「みなみさんが出たことですし、私もお手洗いに行かせてもらいますね」
みゆきもまた、トイレに行くため、リビングを出て行った。

私一人だけリビングに残ってもしょうがないし、さっさと部屋に戻ることにしよう……と思ったけど、リビングはかなり寒くて、私もなんだかトイレに行きたくなってきたわね……
そのうちみゆきが出てくるでしょう。そしたら私もトイレに行こう。

リビングで少し待っていると、すぐにみゆきが出てきた。
「あら、かがみさん、部屋に戻られたんじゃないんですか?」
「いや、私もちょっとトイレに行きたくなってね」
みゆきに事情を説明し、入れ替わるように私はトイレに向かった。

22:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:14:47 d49Ss4vn

トイレに入り、私は中をぐるりと見渡した。
泉家のトイレの内装はなかなか凝っている。
壁にはたくさんの可愛い小物が掛けられていて、棚に掛かってある小さなカーテンも便座カバーもオシャレなものが使われている。
そうじろうさんはともかく、こなたがこういった可愛らしい少女趣味な物を整えるとはあまり考えられないから、おそらくはゆーちゃんの趣味だろう。
ふと、トイレの排水溝の辺りに、トイレットペーパーが二列に別れていくつも積んであるのに目が行った。
棚に置ききれなくなったものがこうして積まれてあるのだろうか?まあいいや。
すぐに気にならなくなって、私は腰を下ろして一息つく。すると、リンゴの香りがふわりと私をつつんだ。
床に置いてあるこの芳香剤の香りだろう。良い香りだなぁ。
でも、きっとつかさの作るアップルパイはこれなんかより、もっともっと良い香りがするんだろう……ああ、ダメだダメだ。想像したらまたよだれが垂れてきた。
私はよだれを拭いて適当に用を足して手を洗い、トイレを出た。


欠陥工事が疑わしい階段を上り、二階のこなたの部屋の扉を開ける。
「おう、柊お帰り」
日下部がとても特徴的な八重歯を見せるように笑って私を出迎えた。
誰も下で何をやっていたか私に聞いたりはしなかった。
こなたかみなみちゃんかみゆきの内の誰かが、私に代わって説明をしておいてくれたんでしょう。

全員が部屋に戻ってきた二時三十分、UNO大会が再開された。
ゲームの詳細を説明するのはもう省かせてもらうわよ。とりあえず、また私が負けたってことは言っておく。

こうして、ゲームを再開してから十分ほどが経った時、異変が起った。
「……!どうしたのみなみちゃん!顔が真っ青だよ!」
突然、ゆーちゃんが驚きの声をあげた。ゆーちゃんの言う通り、みなみちゃんは顔を真っ青にし、体はガクガクと震えている。
「みなみちゃん、大丈夫!?やっぱりまだお腹痛いの?」
今度はこなたが言った。
「……いえ、大丈夫です」
大丈夫だと言いつつも、みなみちゃんのその消え入りそうな声は、ハタから聞いててあんまり大丈夫そうじゃない。
「またトイレに行ってきた方がいいんじゃない?無理はよくないわ」
峰岸も心配そうにみなみちゃんを見ている。みゆきがさっき、みなみちゃんの体調を説明していたみたいなので、みんな事情はわかっているようだ。
結局、みなみちゃんは峰岸の提案に従い、トイレに行くことにした。
心配になったゆーちゃんもまた、みなみちゃんに付き添ってトイレに行こうとしたが、ゆーちゃんに迷惑をかける訳にはいかない、と一人で行ってしまった。


「……みなみちゃん大丈夫かなぁ……」
つかさがポツリと言った。みんなには聞こえなかったのか誰も答えなかった。
なんとなく、楽しい雰囲気が覚めてしまった感じがする。……かといって、みなみちゃんを責めることは出来ないけど。
「……このままだと、みなみちゃんはパイを食べられないんじゃ?」
突然、こなたが口を開き、つかさに尋ねた。
「え、えーと……お腹痛いんじゃ食べられないと思うけど……」
つかさがオドオドとしながら答えると、こなたは口をニンマリとさせて言った。
「……ってことはさ、みなみちゃんが食べれない分、一人当りの量が増えるってことだよね」
「………………!!」
みんなは一斉にこなたの方に注目をした。
「な……!あんた何バカなこと言ってるのよ!!」
私は知らない内に声をあげていた。確かにつかさのパイを食べられる量が少しでも増えることは嬉しい。
けど、腹痛で食べられない人の分をしめしめと食べてしまうことが許されるとは思えない。
私に続いて、もう少し誰かがこなたを責めてもおかしくはないと思った。
が、つかさ除くみんなは、ただ押し黙っているだけで誰も何か言おうとしない。
むしろ、みんなを見てみると、嬉しそうな表情を浮かべている……
まるで、「食欲」と言う名の悪魔に取りつかれたかのように。


23:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:16:47 d49Ss4vn

その異様な雰囲気に気づいたこなたは、
「ウソウソ、冗談だよ~」
と、焦った様子でみんなに言った。
こなたがそう言うと、みんなは魔法が解けたかのように異様な表情からまたいつもの表情に戻った。
……なんというか、後で食べる時に注意が必要そうね。こいつら、隙あらば容赦無く横取りしてくるに違いない。

その後話題は変わり、みんなで救急車でも呼んだ方が良いんじゃないだろうか、と話し合っていると、例の階段を上る音が聞こえ、そして部屋の扉が開かれた。
「すみません、お騒がせいたしました……」
と礼をしてから、みなみちゃんが部屋に入ってきた。
「お腹の調子は……大丈夫なの?」
ゆーちゃんが当然の反応を示した。他のみんなも同じような反応をしている。
「……うん、もう一度お手洗いに行って、かなりマシになった」
みなみちゃんはゆーちゃんに、極めて変化の少ない微笑みを向けた。
他の人と比べると、あまり元気には見えない微笑みだけど、元々表情の変化に乏しいみなみちゃんが作った笑顔としてはいつもとなんら変わりはない。
どうやら、さっきの青ざめた表情も無くなっているし、本当に調子が良くなったみたいだ。……にしてはえらく帰ってくるのが早かったわね。みなみちゃんがトイレに行ってから五分も経ってないような……
まあいっか。元気になってくれればそれでよしだわ。パーティーも無事続けられるしね。

みなみちゃんが無事に調子を良くしたのをきっかけに、みんなにも笑顔が戻り、再びパーティーも良い雰囲気に包まれはじめた。
その良い雰囲気のまま時間は過ぎて行き、時計は二時五十分を示めす頃になった。
つかさがこの後の準備を始める時間だ。
「そろそろ時間だから、私用意してくるね」
と、つかさはみんなに告げ、時間通りに部屋を出た。
「いよいよだね~」
「そうですね、楽しみです」
「やっと食えるぜ~!」
みんな心待ちにしていたのだろう、話す調子や体の動きの一つ一つから、うきうきした様子が表れている。
もちろん私も私もその内の一人だ。一時間もつかさの絶品アップルパイを食べるのを我慢していたんだからね。
そのうきうきとした雰囲気のまま五分ほどが過ぎた頃、こなたの携帯に着信があった。
「あ、ひよりん家に着いたんだって。迎えに行ってくるね」
着信の後、携帯を確認したこなたはみんなに知らせるように言って、部屋を出て行った。

「すみません!遅くなりましたー!」
「あ、田村さんいらっしゃい」
ほとんど時間を空けずに、元気良く部屋に入った田村さんをゆーちゃんが出迎えた。
が、部屋に戻ってきたのは田村さんだけで、こなたの姿はなかった。
「こなたはどうしたの?」
「あ、先輩ならちょっとトイレ行ってから戻るって言ってましたよ」
私の疑問に、田村さんは簡潔に答えた。
すぐに階段を上る音が聞こえてきて、
「ごめん、トイレ行ってた」
と、田村さんに遅れて、こなたが部屋に戻ってきた。
「……これで、今日の参加者がみんな集ったことになりますね」
こなたも田村さんも腰を下ろした後、みゆきが部屋をぐるりと見渡して言った。
こなた、みゆき、私、日下部、峰岸、ゆーちゃん、みなみちゃん、田村さん、そして今、下で準備をしているつかさ。
みゆきの言う通りパーティーの参加者九人が、三時目前にここ泉家に揃ったことになる。


時刻はもう間も無く三時になろうとしている。
後少ししたら、つかさが準備の整ったことを知らせに来るだろう。
そう思った時だった。



24:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:20:01 d49Ss4vn


「キャーーー!!!」
突然、下のキッチンから大きな悲鳴が聞こえてきた。
「何、今の……つかさの声?」
「つかさ?まさか!?」
その悲鳴に、私はいてもたってもいられずに部屋から飛び出していった。
「あっ!まってよかがみん!」
こなた以下、他のみんなも私に続くように部屋を出て行った。


一階にたどり着き、キッチンの方を見てみるとつかさが青い顔をしてへたりこんでいた。
「どうしたのつかさ!大丈夫!?」
「あ、お姉ちゃん……今ね、オーブンからパイを取り出そうとしたの。そうしたら……」
つかさはオーブンの方に目を移した。私もそれに習ってオーブンに目を向ける。
すると、そこには信じられない光景が広がっていた。
オーブンの中にはパイを載せるためのトレイが入っている。
しかし、そのトレイの上にあるべきはずのパイはなく、その代わりにきつね色に焦げたパイの生地がこびりついている。
そして無造作にフォークが一本置かれてあった。
なんてことだ。これは、これは……つまみ食いだ。誰かが……全部食べてしまったんだ!



====================================


少し経ったのち、全員がリビングに集まった。
「まさか全部食われちまったとはな……」
日下部が悔しそうに言った。
日下部と同じく悔しがる者、食べてしまった犯人に怒る者、ただうな垂れる者、といろいろ居る。
どのタイプだったにせよ、今このリビングに居る人みんなが、つかさのパイを食べることが出来なくなってしまったという事実にショックを隠せないでいた。
リビングのテーブルの上に準備された、フォークやお皿や飲み物を入れるためのグラスも全部、私達を腹立たせるための起爆剤にしか見えない。
言い様のない重い雰囲気がリビングに圧し掛かる。
「私達みんなが楽しみにしてたパイをつまみ食いしてしまうなんて、全く酷い人もいるものですね!!」
普段めったに怒ることのないみゆきも、今は怒りをあらわにしていた。
「まあまあ、高良さん落ち着いて……でも、つまみ食いに、パイを丸ごと一つ食べてしまうなんて人間離れしてるわ」
峰岸がなだめる様に言うと、こなたが口を挟んできた。
「それは峰岸さんが、つかさのパイを食べたことないから言えることだよ。つかさのお菓子は一度食べたら、ホントに止まんない。
一度食べ始めたら無くなるまで、いくらでも食べたいと思えるモノなんだよ。どんなに小食の人が全部食べてしまったとしても、それは全く不思議でもなんでもないことなんだよ」
こなたの言葉にみゆきもゆーちゃんもみなみちゃんもうなずいた。
私もそう思う。もしつかさがお菓子なんて作らなかったら、私は今までダイエットに苦労なんてする必要なんてなかったに違いない。
つかさのお菓子のおいしそうな匂いを嗅いだだけで、もうカロリーのことなんて気にすることなく食べたい衝動が抑えきれない。
だからこなたの言う通り、一人で全部食べてしまっても、それは全く変なことではない。
「だからと言って……私にはここに居る皆さんがつまみぐいするような悪い人とは思えないわ」
「いやー、わかんないよ。つかさのパイを一人占め出来るなら、みんなを欺いても食べようとする人が居てもおかしくないね。……それに、現にパイは食べられちゃってるんだし」
反論出来なくなったのだろうか、峰岸は何も言わなくなった。
こなたは続けた。
「つまり、誰かがこっそりとキッチンに行って、オーブンの中のパイを食べてしまった……ということだろうね」
「まあ、そういうことだろうな」
日下部以下、みんながうんうんとうなづく。
「とりあえず、アリバイというか、今までの皆さんの行動の様子を確かめてみたらどうですか?もしかしたら、それでキッチンに忍び込むことが出来た人がわかるかもしれませんし」
田村さんの提案により、私達はパイが最後に確認された二時から、現在の三時までのみんなの行動を一度確認することにした。



25:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:22:06 d49Ss4vn
さて、みんなの行動をまとめる前に、まず泉家の間取りについて説明しておきましょう。

一階は順に、玄関、二階へ向かう階段に続く廊下、リビング、キッチン、和室、そしてトイレがある。
玄関を上がるとすぐ右手に階段がある。まっすぐ廊下を進むと、リビングに出る。リビングに入り左にはキッチン、右には和室があり、その和室を抜けたところにトイレがある。
トイレに行くためには必ず和室を抜けなければならない。ちょっと不便ね。
あと、階段はリビングの外にあるから、階段を上る時は必ずリビングから出ないといけない。
また、キッチン、リビング、和室は一続きになっている。誰かがリビング、または和室に居ればキッチンで何かやっていてもすぐにバレてしまう。ただ、トイレからはリビング、和室の様子は見えない。
一階はこんな感じ。
続いて二階。階段を上ったあと、L字に廊下が走っていて、ゆーちゃんの部屋、こなたの部屋、物置、あと一つ空き部屋がある。トイレはない。
ちなみに階段を上る際はギシギシとかなり大きな音が鳴るので、もし誰かが階段を上ったり降りたりすれば、この家に居る人はみんな音ですぐに誰かが階段を使っていることがわかる。
泉家の構造についてはこんなものでいいでしょ。

では本題。みんなの行動をまとめてみるわよ。

最初に、つかさとみゆきがキッチンに行き、パイが焼きあがっていることを確認したのが二時丁度のこと。
それから十分ほど経った後、みなみちゃんがトイレに向かった。
程なくして、みゆきも同様にトイレに行きたくなったようで部屋を出ている。
みゆきが部屋を出てからほとんど時間を空けずに、今度はインターホンのチャイムが鳴った。
これに応対するため、こなたが部屋を出て行った。
部屋に残っていたメンバーは、みんなが帰ってくるまでゲームを中断していたが、五分ほど経っても誰も帰ってこない。
そこで部屋を出た三人の様子を見に行くため、私が一階に向かった。

一階での様子は先ほど私が見た通りだ。
こなたは玄関で宅配便の応対をしていた。なかなか戻ってこなかったのは、受け取りの際、判子が見つからず探していたからとのこと。
私が一階に降りると、すぐに二階へ戻った。キッチンには立ち寄っていない。それは腹痛でトイレに長居しているみなみちゃんの順番待ちの為、ずっとリビングに居たみゆきが証言している。
こなたも、自分が降りてからは、みゆきがキッチンに行ったところは見ていないと証言している。
みなみちゃんは下に降りた後、腹痛の為にずっとトイレに篭っていた。みゆきがトイレに向かうとすでに中に居たみたいで、その後みゆきと交代するまで一度もトイレを出ていない。
みなみちゃんはトイレを出た後は、私とみゆきと少しだけ話しをしてから真っ直ぐ二階に戻っている。
みゆきがトイレを出た後、今度はリビングで順番を待っていた私が、入れ替わりでトイレに入った。
その時、みゆきが部屋に戻るふりをして、こっそりキッチンに向かったということはなかった。
これらの点から、少なくとも私が一階に降りた後で、こなたもみゆきもみなみちゃんも、キッチンに立ち寄ったことはない。

その後、しばらくして気分の悪くなったみなみちゃんが再びトイレに向かった。この時、トイレに行ったのはみなみちゃん一人だけだ。

二時五十分になり、つかさが準備の為に一階に向かう。五分ほど経った後、こなたは田村さんを迎えに行くために再び一階に行っている。
田村さんはそのまま二階にあがり、こなたはすぐには戻らずにトイレに立ち寄っている。ただ、つかさの証言によると二人ともキッチンに入ってはないようだ。

そして三時。つかさはパイを取り出そうとしたが、どういうわけかパイは何物かにより、全て食べられてしまっていた。
こうして現在に至るというわけ。
あ、そうそう。ちなみに、一時に焼き始める時、パイをオーブンに入れる場面をみんなで見ている。
だから、パイが焼きあがるのは二時で間違い無く、二時までの間にパイが食べられてしまったりとか、実は二時の時点で既にパイは無かった……というようなことは絶対にないからね。



26:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:23:29 d49Ss4vn

以上の点をさらにまとめてタイムテーブルにしてみると、こんな感じになるかしら。


2:00 パイが焼き終わる。つかさとみゆきが部屋を出る
2:02 つかさとみゆき 部屋に戻る
2:10 みなみちゃんがトイレに行く
2:13 みゆきがトイレに行く

この間、みゆきはトイレにみなみちゃんが居ることを確認し、リビングで待っていた

2:15 インターホンが鳴り、こなたが玄関に向かう

再びこの間、みゆきとこなたはリビングで判子を探していた

2:20 私が一階に向かい、玄関に居たこなたとリビングに居たみゆきを確認。こなたはすぐに二階に戻った
2:25 みなみちゃんがトイレから出て、二階に戻る。みゆきがトイレに入る
2:27 リビングで待っていた私はみゆきと入れ替わる形でトイレに入る。みゆきは二階に戻る
2:30 私も二階に戻り、この時点で泉家に来ていた八人全員が、再び二階に集まった
2:40 みなみちゃんが体調を悪くして、トイレに向かう
2:43 みなみちゃんが戻ってくる
2:50 つかさが準備のため一階に行く
2:55 こなたが田村さんを迎えに行く。すぐに田村さんは二階に上がってくる。こなたはトイレへ
2:58 こなたがトイレから帰ってくる
3:00 事件発覚

時間は分刻みで細かいけど、大体これであってるはず。
改めて振りかえると、せわしない一時間だったわね。



27:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:24:08 d49Ss4vn

こうやってみんなの行動をまとめてみると、私はあることに気づいた。
「…………みゆきとみなみちゃんは、三時までの間に、キッチンに一人で忍び込むことが出来たんじゃない?」
「ええっ!!」
私が言うと、二人は共にギョッとしたように体を縮ませて、互いの目を見合わせた。

そう。みゆきはみなみちゃんがトイレに居ることを確認してから、こなたが下にやってくるまでの間。
みなみちゃんは一階に降りてからみゆきが降りてくるまでの間、あと、二度目にトイレに行った時。ほんのわずかな時間だけど、このタイミングなら誰にも見つかることなくキッチンに行くことが出来る。

「柊……おまえもそうなんじゃねーの?」
日下部が疑うような目をしながら私に言った。
……しまった。言われてみてから初めて気がついた。そういえば、私もみゆきがトイレから出てくるまでリビングにて待っていた時と、みゆきと入れ替わりでトイレを交代してから二階に戻るまでのアリバイがない。
これでは私も容疑者の内の一人だ……。でも、もちろん私は食べてない。どうやってこの疑いを晴らしたらいいんだろう?まさか、私はやってない!と連呼するわけにはいかないし……

「けど……日下部さん、仮にお姉ちゃんもゆきちゃんもみなみちゃんも、キッチンに忍び込むことが出来ても、パイを全部食べきるような時間があったとは思えないよぅ……」
つかさが割りこんできて日下部に反論した。
「だって九人分もの、すごいおっきなパイだよ?みんなも見たでしょ?あれが全部食べられちゃってたんだよ?あの大きさじゃどんなに急いで食べたとしても、最低十分はかかると思うんだ……」

そういえばそうだ。確かに私含めてこの三人はキッチンに行くことは出来る。けど、実際どのタイミングでも、私もみゆきもみなみちゃんも、キッチンに居ることが出来た時間はほんの二、三分がいいとこ。
いくらでも食べれちゃうつかさのパイだとしても、九人分もの量をそんな短時間に食べきれるとは到底考えれない。
つかさの反論に日下部も納得したのか、それ以上私に追及してくることはなかった。
はあ、助かった……あとでつかさにお礼言っておこう。みゆきとみなみちゃんも心なしかホッとしたように見える。
……まあみゆきとみなみちゃんは私のせいなんだけど。

……あと、誰も言うことはなかったけど、本当はつかさにも確固たるアリバイがないタイミングが三つあるのよね。
それは準備の為に二時五十分に下へ降りてから、田村さんを迎えに来たこなたが一階に降りてくるまでが一つ目。
田村さんが二階に向かい、こなたがトイレに入っている間。これが二つ目。
さらにこなたがトイレから出て、二階に戻ってから私達が降りてくるまでの間。
この三つのタイミングでは、つかさがキッチンで何かしようとも、他の人にはわからない。こっそりとパイを食べることも出来なくは無い。

しかし、問題のパイは全て食べられていた。
つかさが一人でキッチンに居た時間はさっきの三つのタイミングを全部合わせても、十分あるかないか。
食べるだけならなんとかなるかもしれないけど、パイを全て平らげた上、さらにテーブルの用意を完全にやり終える時間があっただろうか?
したがって、私もつかさもみゆきもみなみちゃんも共につまみ食いをするタイミングはあったとしても、実際に実行出来たとは考えにくい。

ついでに、表を見てくれればわかると思うけど、こなたが一階に居た時には、必ず他の誰かも一階に居た。
田村さんに至ってはリビングにすら入っていない。
つまり、この二人はキッチンに忍び込むチャンス自体なかったことになる。

さらに、ゆーちゃん、日下部、峰岸は二時から三時までの間に一階に一度も降りてないのだから、もっとつまみ食いが出来たとは考えにくい。


28:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:25:18 d49Ss4vn

「……なんだよそれ。じゃ、誰もパイを食べることは出来なかった……ってことかよ」
ため息交じりに日下部が言った。
「そういうことに……なるわね」
私はつぶやくように言いいながらも、そんなはずはないと思っていた。
……まさか泥棒かなんかが入って、パイだけを食べて逃げたなんてことがあるワケない。
まるでルパンのように、この家に居る人誰にも気づかれずに進入出来るような真似が出来るだろうか?
まさか。やっぱり、ここに居る誰かの仕業としか思えない。
でも……さっき確認した通り、今ここに居る九人は、あの大きなパイ一つ全部を食べることなんて出来ないのだ。
……ああ、もうさっぱりわからない。
みんなも私同様にワケがわからず、困り果ててる様子だ。

私が思考の堂堂巡りをさせていると、突然田村さんが立ち上がった。
「みなさん、こういうことは考えられないっスか?確かにキッチンでパイを全部食べることは不可能です。
でも、パイを取り出すことと食べることは分けて出来ませんか?とりあえず、パイを盗んでおいて、あとでゆっくりと食べるとか」
みんなハッとしたように息を飲んだ。
「それはいい線突いてるんじゃないのかしら。一度、くまなく探してみましょうよ。もしかしたら見つかるかもしれないわ」
峰岸もどうやら田村さんの考えに賛成のようだ。みんなもうんうんとうなずいて田村説を支持している。私は何も言わなかった。
「じゃあ、手分けして探してみるっス」
田村さん先導の元で、パイ探しが始まった。


私の担当の場所はトイレになった。
和室を抜けてトイレに入った私は、中をくまなく探す。
……とは言っても、ここは狭いトイレの中。調べる所といえば、この小洒落たカーテンの掛かった棚の中ぐらいだ。
カーテンを引っ張り、棚の中を調べる。……トイレットペーパーしかない。パイはどこにも無かった。
まあ、トイレに隠す人なんていないでしょ。
やるべきことはやった。このままリビングに戻っても良いんだけど、トイレに来たついでに用を足して行くことにした。
ため息をつきながら腰を下ろす。
すると、さっきトイレに来たときと同様に、リンゴの匂いがする。……ああ、もうこんな素敵な香りのするつかさのパイは食べられないのか……
私はやるせない気持ちになった。
「…………ん?」
なんだろ。私は突然、この香りに違和感を感じた。さっきトイレに入った時のリンゴの香りは、まるで本物のリンゴからそのまま香るような良い香りだった。
それに比べて、今のリンゴの香りは薬というか、香料というか、それっぽい感じの安っぽさを感じた。
どういうことだろう。
違和感はこれだけじゃない。
先ほどトイレに来たときには、排水溝の辺りにいくつものトイレットペーパーが積まれていたのに、今はそれが一つも無くなっている。
……どういうことだろう?
さっきトイレに行ったこなたが見つけて、棚に直したんだろうか?やっぱりこの家の人だし。
……うーん、わからない。わからないことばかりが増えて行く。まあいいや。これは後でこなたに聞いてみよう。
私は大きく深呼吸し、気分を改めてトイレを出た。




29:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:26:52 d49Ss4vn


リビングにはもうみんな戻っていた。
みんな落ち込んだ顔をしている。その顔を見ればパイがあったかどうかなんて、読心術を心得てなくとも一発で解る。
一応、外部から誰かが進入してパイを食べた可能性を考え、パイを探すついでに進入の痕跡を探してみたけど、これも全く見つからなかった。
パイがもう無いことがわかり、再びリビングに思い雰囲気が覆い被さる。
……みんな見つからなくて残念そうにしているけど、大体、パイを何処かに隠すというのは結構無理がある。

キッチンのオーブンにはパイを載せていたトレイは、ちゃんと置かれていた。

つまり、犯人はパイだけトレイから剥がして隠した。またはトレイごと持って行き、一度それを隠し、パイを全部食べた後改めてオーブンにトレイを直した。
このどちらかになる。
まず、前者はありえない。パイみたいにボロボロとパンくずがこぼれるようなモノをそのまま運べば、床にいっぱいにパンくずが散らかってしまう。けどそんな痕跡はどこにもない。
後者は手間が掛かりすぎる。何度も部屋を出入りしなければならない。
パイを取りに行き、隠すのにまず一回目。隠したパイを食べに行くのに二回目。残ったトレイをオーブンに戻しに行くのに三回目。
都合、最低三回は部屋を出入りしないといけない。……どう考えても面倒だ。わざわざこんな手間のかかる方法をとるだろうか?
それに、二時から三時までの間に部屋を三回以上出入りした人は誰もいない。
……つまり、誰もこの方法を行うことは出来ない。

いくつもの考えが浮かんでは消え、また浮かんではすぐに消える。私はしばらくそういったまるで雲のような、掴み所の無いフワフワとした思考と戦っていた。
すると、突然私の肩がポンポンと叩かれた。
「かーがみん」
叩いたのはこなただった。
「かがみんさっきから難しい顔ばっかりしてるよ?……謎解きもいいけど、少しは休憩しようよ」
こなたのもう片方の手には、ジュースの入った紙コップが握られていた。
「……ありがと」
私はそれを受け取って一気に飲み干した。久しぶりに飲んだオレンジジュースは、とても甘く感じられておいしかった。……心なしか頭の疲れも癒えたような気がする。
「横、座るね」
こなたはそう言った通り、私の横に腰を降ろした。
「……やっぱり、パイを食べられてくやしい?」
「そりゃあね」
もちろんそうだ。つかさ特製アップルパイを独り占めしてしまうなんて許されたことじゃない。
「……私ももくやしい」
こなたはそう言ったきり、何も言わなかった。


「いや、だから、こうやってパイを水に浸して食べれば……」
「いやいや、もう一気に喉に詰めていけば……」
「ゴナゴナにつぶして、粉状にして飲みこんだとか……」

ふと周りの会話に耳を傾けてみると、また考え方を変えて、どうすれば二、三分でパイを食べきることが出来るのか、について話し合われていた。
……もうなんというか、内容を聞いてるとそんなの無理だろというより、バカバカしくて笑えてくる。

あ、そうだ。隣りにこなたが居る今のうちに、あのことを聞いておこう。
「ねえ、こなた」
「なに?」
「トイレの排水溝の辺りに置いてあったトイレットペーパーを片付けたのってあんた?さっきあんた、トイレに行ってたでしょ。」
「え?」
私がそう聞くと、こなたはどういう事かさっぱりわからないような顔をして答えた。
「えーと……何の事?……いや、トイレには行ったことは行ったよ?でも、トイレットペーパーが排水溝の辺りに置いてなんかなかったよ……?」
あれ?そんなはずは……確かに私が一回目にトイレに行った時には、たくさんのトイレットペーパーが排水溝の近くに積んであった。
しかし、それが二回目には、綺麗さっぱりなくなっていた。決して見間違えなんかじゃない。
私は、こなたが整理の為にやったんじゃないかと思った。でも、それはこなたがやったことじゃ無いと言う。
……一体、どういうこと?こなたがやったんじゃないとすれば、こなたよりも前の人が……?

30:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:28:28 d49Ss4vn


…………あ、そっか。そういうことか!!

私は天啓のように、ある考えが浮かんだ。

そうか。確かに「パイ」を隠すことには無理がある。けど、考える方向性は間違ってはなかった。
犯人が隠す必要があったのは「パイ」じゃなくて、もっと別のモノだったんだ。
そうだ。その考え方なら、あのトイレでの違和感も説明することが出来る!


考えはまとまった。……あとは確かめるだけだ。

私は立ち上がり、奥の方で田村さんとみなみちゃんとの三人で話していたゆーちゃんの元に向かい、こう聞いた。
「……ねえゆーちゃん。あなたが二時前にトイレに行った時、何か変わった所はなかった?」
私が聞くと、ゆーちゃんは少し考えるような仕草をしてから答えた。
「……いえ、何も変わったところは」
「そっか、わかった。ありがとう」
それだけ聞くと、私はこなたの隣りに戻り、腰を降ろした。

「急にどしたのかがみん、何かあったの?」
「うん、それがね、ちょっと犯人がわかっちゃってねー」
「ふーん、そっかー。犯人がわかったんだー…………って!!え!えええええ!!マジで!?」
「お、お姉ちゃん!?」
「柊……ホントか?」
「ええ……本当よ」
「やっぱり……この中の誰かなの?」
「……残念ながらそうなるわね」
「そんな……!」
ざわ……ざわ……
リビングは突如、騒然とし始めた。みんなは一斉に私の方へ注目している。
みんなが私の次の言葉を待っているんだ。


…………私の推理が正しければ、この人騒がせなつまみ食い事件の犯人はあの人、ただ一人―

私は何も言わず立ち上がった。
そして犯人の目の前に立って、ためらうことなくその顔を指差し、そしてはっきりと言った。


「犯人はあなたです―!」









問題編  おしまい  解答編に続く


31:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:34:14 HwcRvrmW
>>30
リアルタイム遭遇しました。
何か今まで読んだものの中で一番クオリティ高いような・・・
新スレ早々いきなり凄いもの読めて嬉しいです、GJ!

犯人の目星はついたけど決定打に欠けるなぁ・・・もうちょい考えてみようか。

32:12
07/11/07 20:35:57 d49Ss4vn
以上です。長い上に、萌えもエロも一切なくて申し訳ありません。

そこまで捻った内容ではないのでよろしければ誰が犯人だったのか推理してみてください。
その時犯人がわかっても、上記の通りネタバレは控えるようお願いします。

ただ、もしかしたらヒントが解りにくかったかも……需要があればもう少しヒントを出してみたいと思います。



本来このような作品は「エロパロ」に投稿するような作品ではないと思いますが、
作品数も800を越えたことですし、一つくらいこんな作品があってもいいんじゃないかな、と思って投稿しました。
皆様に気に入っていただければありがたいです。



33:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:39:48 Xx1eWZ6K
リアルタイムで俺、参上。
犯人の目星はつきました。しかしネタばれ禁止なので
確信したときのコメントだけ書いておきます。

「いやー、まさかあの人がやるとは思わなかった。信じられない。」

まぁ、少々以外でしたが。ともかく、即死回避GJです。

34:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:41:25 goeIy7py
>>30
同じくリアルタイム遭遇。
Who done it?(誰が殺ったのか)ならぬWho ate it?(誰が食ったのか)とは、
いかにもらき☆すたらしくて良いですね。

そして犯人の見当はあらかたつきました。
単独犯なのか複数犯なのか決め手に欠けるけど、どきどきしながら解決編を待ちます。
Good Mystery!

35:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:44:27 qO5wAXVM
エロも萌えもない作品なら俺、書いたことあるぜ?
かなり微妙な奴だけど。

それはともかくGJ!


関係ないけどトイレと聞いて真っ先に思い浮かんでしまうのが便座カバー…
ネタ分からない人にはすみません

36:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:46:20 hU8/K+kc
多分犯人は○○○か…
まあ、確かにそれが当たったら意外だわ
GJ!!!

37:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:48:22 wkCxaMen
>>32
いやーGJ
犯人は実は……と思わせて本当は……と見せかけて……なんじゃないかと
裏の裏をかいて段々疑心暗鬼にw
活目して解決編を待ちます

>>35
アオテナガオオスノハラモドキのことかー!w

38:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:51:30 hLNe6ngJ
>>30
なるほど…
彼女が犯人でしたか。
とにかく解決編がたのしみです。

39:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:20:07 xwpuG82c
>>30
たぶん○○○が犯人だと思うけど、確かにそれって意外すぎるよな
もう一つの考え方にオリ○ント急行みたいなオチもあるけど、これはナシにして欲しいw

40:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:38:40 Ha//WS4U
>>30
かがみが思考を巡らせているとき、なぜか脳内でバーローの推理中のBGMが流れました。
つまりGJです。

41:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:48:02 /0I8BFwU
>>1
乙です

よりによってリンク先を間違った(´・ω:;.:...

42:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:54:38 uciusaAC
前スレ埋め乙!

43:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:55:17 uciusaAC
だからsage忘れるなと…orz

44:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:58:28 qO5wAXVM
「かがみ~ん…なんか前スレの最後…見たよ?」
「ちょっ…あれは…」
「お姉ちゃん、たまにこういう事あるよね」
「へぇ…たまにあるんだぁ…」
「つかさっ!またあんたは…。こなたもうるさい!」

「まぁまぁ…落ち着いてください。
 前スレも無事に終わりを告げる事が出来ましてよかったです。
 埋めてくれたあなたもお疲れ様でした」

45:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:08:14 bD09emPN
前スレ埋め乙!
いやーまさか人袖触があんな最終回だったなんてね

46:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:09:34 Y/wL2Bhl
ああ、あれは人として気が触れてたよな。
むろん誉め言葉として。

47:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:11:18 ZVQNeiDn
みのるタンにwktkしつつ
>>1

48:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:14:09 f0fVPLuc
それならば!居直れ!もう触れ触れ触れ触れ触れまくってぇ
フェチってんの、わかんねえようにしてやれ!




こなた「ちょ・・・みんな目の色違うって!ハァハァすんなって!
     鼻血だすな気絶するな抱きつくなルパンダイブするな!
     少しは自重しれ~~~~~~~アッー!!」

49:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:26:10 fDk4o4lX
初めまして

今、投下大丈夫ですか?

50:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:26:28 Q9tzLQTu
ふと見たら次スレでもう50KBオーバーって・・・
全くお前ら最高だぜ

51:4-243 ◆X9xLTlcDnY
07/11/07 22:28:26 uciusaAC
>>30
犯人は(´・ω・)ノシ
URLリンク(www.geocities.jp)

52:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:29:21 qO5wAXVM
いや、仕事速すぎだろ…常識的に考えて…

53:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:36:22 /4N2MHMj
いや、その前にどこを折畳めばこなたサイズになるのかと小一j(ry

54:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:41:03 f0fVPLuc
>>51
ペタワロスwwwwwwwwwwwwwwww
これに対抗するはかがみの変装をした・・・だろなやっぱw

55:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:43:01 hU8/K+kc
>>49
よし、やっちまえ

56:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:43:30 qO5wAXVM
なんか何回も見てたら
「るぱんざさぁ~」が
「るぱんざまぁ~」に見えてきた…

57:名無しさん@ピンキー
07/11/07 22:45:40 8fuT+TyA
この板初投下です。どエロ注意。10レス以上になりますが投下しちゃいますので許して下。

ーー自宅身体検査?ーー


58:1
07/11/07 22:46:56 8fuT+TyA
「ただいまは~」
「おじゃましま~す」

かがみはこなたの家に遊びに来ていた。
「ふう…今日は寒いわね~」
「そうだね~。私の人肌で暖めてあげるヨ」
「…何か温かい飲み物を頂けると嬉しいのですが」

この時言ったこなたの言葉が冗談ではなくなったのはそれから間もなくのことだった。


こなたがあったかいお茶をお盆にのせて部屋に入ろうとしたその時…
「わあっ!」
お茶を入れて持ってきたこなたが、ドアのへりに足をつまづけた。
「あっ…」
転びそうなこなたを受け止めたかがみ。しかし、おかげでもろにお茶をかぶってしまった。
あまり熱くはなかったけど、かがみの服はしっかりと濡れてしまった。
「も~!何してんのよあんた…!」
「あう~ごめんよかがみん~」
ハンカチでかがみの顔をふくこなた。
「びしょぬれになっちゃったね…。でも、ありがと!かがみ。私を受け止めてくれて」
「つ、つい体が動いちゃっただけよ…」
「だから、私はかがみの心も受け止めるよ」
「変なこと言うなっ!!」

「いや~でもかがみは運が良かった!こんなこともあろうかと思って、ストーブを用意しておいて良かったヨ」
「こんなことがあるのか予想できたのかあんた…」

「ささ、かがみ脱いで脱いで。風邪ひいちゃうよ?」
「ええ!?いいわよ…着たまま乾かすから…」
「だ~め~!かがみ早く脱いで脱ぎなさいてゆうかさっさと脱げ☆」
「ちょっ!コラ!やめええっ!!
そう言った頃には既にかがみの服は脱がされていて、下着すらも脱がされていた。かがみは一糸まとわぬ姿になっている。


59:2
07/11/07 22:47:52 8fuT+TyA
年頃の女の子が人前で裸でいて平然としていられるわけがなかった。
「こ、こなたぁ…服…着させてよ…」
かがみは顔を赤くしながらこなたに懇願する。
かがみは足を曲げて、大事なとこは手でしっかりと隠している。
しかし、こなたはかがみの後ろを見ていった。
「や~かがみのおしりえっちぃねぇ」
「!!」
かがみが後ろを向くと、服装をチェックするための鏡が、全裸の自分の後ろ姿を写し出している。
「あっ…あ…」
急いで鏡をどけたいと思っているのに、手で大事なところを隠しているため動くことができない…

「さあ、かがみんの身体検査の始まりだヨ!」

「ちょっ、ま、待ってよ!私一人裸なのよ…!恥ずかしくてたまらないわよ…!」
「へぇ~じゃあ、私も脱げば、いいんだネ?」
「ち、違っっ!!そういうイミじゃない!!」
そう言うとこなたはすぐに自分の服を脱ぎ始めた。そして、かがみの前で全裸になった。

こなたの方もさすがに恥ずかしいのか、足をもじもじさせている。少し頬が赤い。

「雪山遭難シチュを体験するのだよ。かがみと裸で抱き合うの!」
「なっ!…そそ、そんなことできるわけないでしょ!!第一、実際にそんな事して助かるワケないでしょ!!」
「こんな時でも強気になれるかがみ萌え。…でも、裸じゃかがみカゼひいちゃうかもヨ?」
「で、…でも、いやよ。恥ずかしくて私には無理…」

すると、こなたはシュンとした表情になって、
「…だってさ、かがみ着る服ないでしょ…風邪ひいちゃったら私のせいだもん… そんなにわたしのことイヤ…?」

こなたにこういう態度されると、かがみは途端に優しくなってしまう。
「えっ、う、ううん! …馬鹿ね。こなたのこと嫌いになるわけないでしょ…」

「ありがと~かがみん♪」そう言ってかがみに飛びついた。
「ちょっ、だからこういう事は…」
「か~がみぃ♪」
(もうこいつ私の話聞いてねえ)


60:3
07/11/07 22:48:53 8fuT+TyA

ぎゅっ。
こなたは座っているかがみの足の上に座って、抱きしめた。
生まれた姿のまま抱き合う行為の恥ずかしさと、こなたの肌を直接感じるかがみ。
(は、裸で抱きあうなんて…しかも、こなたと…)
「かがみ…あったか~い」
こなたが、ごろごろとかがみになついてくる。
(どうしよう…何やってるんだろ私…顔がすごく熱い……こなたの小さい胸があたってるし…)
「あぁ…」
こなたが体を動かすと、胸の小さな突起がかがみの体にこすれる。


「…あ」こなたが気付いたように言った。
「な、何よ…」
こなたがニヤっと笑う。
「かがみ…乳首勃ってますネ?」
「やっ…やめてよ…!///しょうがないじゃない…あんたが、いきなり…」
「もぅ…かがみんは可愛いなぁ。こーゆー時くらい素直に甘えてくれればいいんだよ…よしよし」
「…」

一瞬訪れた二人の沈黙

「かがみ、ちょっと触らせてね…」
「きゃっ!」
こなたが、かがみの胸をふにふにともんでくる。
「やわらかいなあ~かがみのおっぱい」
「は、はっきり言うなあっ!///」
固く勃起したかがみの乳首をくりくりと指でつまんだり、先っぽを指でさわる。

「はあ…はあ…くぅ、あぁ…」
かがみの息が荒くなってくる。
(感じてきてるね、かがみサン。じゃ、次はこっちを看てみましょ♪)
「ひゃああっ!!!」
股にあるスジの部分も線に沿って優しくさわる。


61:4
07/11/07 22:49:53 8fuT+TyA

体を抱きしめたまま耳もとでそっとつぶやく。
「かがみ」
「…何よ」
「濡れてる」
「んなっ!!」
かがみの顔は真っ赤だ。
(あ~ん、もうかがみ可愛すぎるよ~。もう我慢できませんヨ)


ずぶっ

「う゛っ」
こなたはかがみのスジの中に指を入れた。
「はぁっ、はっ、はっ…」
体ががくがくと震える

かがみの中で、右手の指を自在に動かす。円を描くように回したり、指ではさんだりして刺激を与える。
「んああ!!ひゃああああ!!!うん…、うくぅ…うぅう!!」
こなたの指がかがみの奥の方まで深く差し込まれる。
「ずるっ…ずるる…」
指を抜いていく。
「つぷぷ…ぬちゅ」
そしてまた指を入れる。
かがみはふるふると震えながらこなたの体をしっかり抱きしめる。

こなたは今度は左手で胸を弄る。
「だめっ!胸と両方は…」
「もっと気持ち良くなってね☆かがみん!」
「んぐ!!くは、はぐっ!!!す、すごいよぉ、こなたぁ…はぁはぁ」


ずぽっ。
こなたは右手の指を抜いた。すると、かがみの股からトロトロの液が溢れ出てきた。
「ん、ちゅぱ、…こくん。」
こなたは指についた液を飲んだ。
「はあ、はあ、こなたぁ…」


62:5
07/11/07 22:51:10 8fuT+TyA

「次はこっちだよ!」

ずぼ。
「!!!!」
おしりの穴に指を差し込んだ。
「ん、あっ!!!!」
かがみは今までで一番大きな声をあげた。
「気持ちい?かがみ?」
「は、恥ずかしいからそこはだめぇぇっ!!!うあっ!あんっ!!き、汚いわよぉ…」
おしりの穴が一気にぎゅうと指を締め付ける。こなたは構わずその指を出し入れする。

指を引き抜こうとすると、なんだか異物が肛門の奥からにゅるにゅると出されるようで…
「こなた!!そこはだめぇっ!!!なんか、なんか出そうになっちゃうっ!!」
「大丈夫だよかがみ、それはそういう風に感じるモノなんだよ」
(…実際に出されちゃったらさすがにちょっと困るかもネ)
ずるずる…ずぶっ、ずぶっ、ずるる…

「ぐっ…!!!くふぅ、ぁ…やぁ…きゃあぁ…」
こなたはかがみのクリトリスをつんつんとさわった。
「ひゃああああ!!!!あうっ!あうっ!」
「さて、そろそろイっちゃいそうかな?かがみさんや」

「イクぅ…イクぅ…ああっ!!…っ…イクうううううぅぅぅぅぅっっ!!!」




「かがみ、すごい声だったねぇ~」
こなたは指をきれいにふきながら言った。

かがみは座ったまま胸を抑えて深く呼吸してるだけだった。
今までの恥辱に耐えきれなかったのか何も喋ろうとしない。
「かがみ」
「…」
かがみは黙っている。


63:6
07/11/07 22:52:23 8fuT+TyA

こなたはかがみの正面に座って、少し恥ずかしそうに言った。
「こんどは…私の体…さわっていいよ」
「…」
「次はかがみが私を看る番だよ」
「…」
「私に…えっちなことして、かがみ」こなたが顔を染めて言う。
「…」

そう言った途端、かがみがこなたを押し倒した。
「あんたのせいなんだからね…!あんたがいけないんだから…!!」
少し涙目で言う。
「うん…分かってる…」
「あんたが変なことばかりするから…私まで…!!」
「ごめんね…だから…今度はかがみが…ね?」
「こなたぁ…」

体を起こして、かがみはこなたの小さな体を抱きしめる。

かがみが、ふと壁の方を見ると、こなたの後ろ姿が鏡に写し出されているのが分かった。
「あ…」
自分よりずっと小さな体。かがみのふとももの上に足を広げて座っている。
こなたのおしりが丸見えだ。

「どったの、かがみん?」
こなたはかがみの目線に気付いて後ろを見る。
「…あ」
自分の裸の後ろ姿を見て、こなたの顔が少し赤くなる。
「やだなぁ…こっそり私の後ろ覗いてるなんて…かがみはえっちなんだから…」

「ち、違…」
「ちゅーして」
こなたが目をつぶってお願いする。
「へ…」
「ちゅー、して」
「え、でも、その…」

「はやくぅ」
「…」
かがみはこなたの頬に手をかけた。こなたの顔の温もりが伝わってくる。

そして、息を深く吸って、自分の唇を、こなたの、唇に、合わせる―――



64:7
07/11/07 22:53:28 8fuT+TyA

「はぁ…はぁ。すごいドキドキしたよかがみ…」
「わ、私も…」
「…じゃ、私を…好きにしちゃってイイヨ、かがみ」
「う、うん…ふふっ」
二人の仲が甘い雰囲気に変わっていく。

「ん…(始めてだから、うまくできないかもしれないけど…)」
かがみは、こなたの耳や、首の辺りをなめたり、キスをしたりしてみる。
「ちゅ…ちゅっ、あむ、…ぺろっ」
「あ、あはっ!かがみ、くすぐったいよぉ…」
首をすくめてこなたが体を捩って喜ぶ。

「ど、どうかな…?」かがみがちょっと不安げに尋ねる。
「すごい、気持ちいいよ…」
「そう、良かった…」

「じゃあ次…おっぱい…」
こなたがかがみに次に触ってほしい場所を指示して、横になる。
「うん…」
かがみは寝ているこなたの体をまたいで、こなたのお腹におしりを乗せる形になった。
こなたの小さな胸をさわる。
「あ…!」
こなたが声を出す。
「大丈夫?」
「うん…続けて…」
(こなたって、胸小さいのに結構感じるのかな…)
自分が興奮してくるのが分かる。
こなたの胸を優しく揉む度に「あん…」とか「ぅあっ!」と言う声が聞こえる。
(こんなこなた始めて見た…胸をさわる度に喘ぐこなた…可愛い…)


65:8
07/11/07 22:54:36 8fuT+TyA

胸を指先で刺激しながら、耳を舐める
「んあ…かがみ…かがみぃ…」
こなたの小さい乳首もちゃんと勃起している。かがみは、乳首を吸った。
「ああああああああん!!!!」こなたの切ない喘ぎ声が部屋を満たす。

「はあ、はあ、はあ…もう、かがみのえっち…」
「…」
その言葉でさらに興奮するかがみ。そして今度はこなたのアソコをなめる。
「ん、ぺろっ、ちゅ…ちゅぱ。ん、んくっ!…じゅるじゅるじゅる…」
「んあああ…!!かがみの舌がぁ…ああ…私の、私の膣にぃ!」
「ちゅる、ちゅ、くちゅくちゅくちゅ!!ぬるっ、ぺろっ、じゅぽ」
「あ!はあぁ!んあぁっっ!!もうだめ、出る…!!」


ぷしゃああああああ…ぴゅっ、ぴゅ…

こなたの股の間から噴水のように液を噴き出された。

「わっ…すごい…」
「はぁっ、はぁっ、わ…私、しお…噴いちゃうんだ…はあはあ」




「落ち着いた?」
倒れたままになってアソコを手で抑えているこなたに言った。

「うん…」
「こなた…もう一回だけ…いい?」
「かがみ…結構やるね…でも…いいよ」
二人は唇を合わせ、わざと音をたてながらむしゃぶりつくようにキスをする。
「ちゅ、ちゅく、ちゅぱっ、…んん、くちゅくちゅっ、…ぷはぁ…」
涎が口についたまま二人は目を合わせる。



66:9
07/11/07 22:55:42 8fuT+TyA

「…いくよ」
こなたはかがみの乳首を口に含んで、軽く噛んだり強く吸った。
「あ、あああああああああああ!!!!!!!!」
かがみが体をびくんと痙攣させて、すごい声で叫ぶ
「かがみ、感じすぎだよ…」
「だって…  だってぇ…」
刺激と大声で叫んだ恥じらいで、かがみの顔が真っ赤になっている。

そして、こなたの指示でお互いの秘部をさわりあう。
「…もういいかな」
こなたは自分の足を広げる。股のスジが開いて、愛液の糸がひいてるのが見えた。
そして、かがみは自分のアソコをこなたのアソコと密着させた。

かがみは腰を上下に動かす。

「…!!…っっ………っは!!………くぅぅ……あ!はぁっ!!……」
こなたはあまりの快感に息ができない程あえぐ。
「んっ!んっ!…んんっ!んっ!く、ふ…っ…!んっ!んっ!んっ!んっ!」
かがみは真っ赤な顔で目をつぶりながら、ひたすら腰を動かす。

ぐっちゅぐっちゅ…ちゅく、ぐちょ、ぬちゃ、ぬちゃ…
二人の、なかは既にびちょびちょに濡れてしまっており、合わさった部分から恥ずかしい音が聞こえる。

「ぅぐ、ぁ、は!!は!はぁ!!あんっ!あんっ!!あんっ!」
始めて聞くこなたの大人の喘ぎ声。
幼い声なのに妙に大人っぽく感じる叫びが、かがみを一層興奮させる。
「うあ!!はあっ!はあっ!いやぁ…!!す、ごい…あん、あんん…!」
「かがみぃ…かがみぃ…!かがみぃっ!!」
「こ…な、たぁっ!!…ぐ!!うぐっ!!ふぅ…あ…ぐぅ…!!」
かがみはこなたのおしりを鷲掴みにする。
「あぁあ!!あぁあ!!」
「こなたあ…!あぅ…あぅっ、あっ、…わ、私…もう…やばい…!!」
「かがみっ!かがみっ!アソコが…わたしのアソコが…きゅんきゅんいってるよぉ…!」
「こなたぁ、私もっ!うぐっっ!!!私もっ!…イきそぉ!!」
「うぅうっ!!!うぅうっ!!!うぅうっ!!!出る!出そう!出ちゃうっっ!!」

「出ちゃうよぉぉっ!!!」



67:10
07/11/07 22:56:47 8fuT+TyA



…ぶしゃあっ!!!


二人一緒に絶頂した。
こなたの膣から勢いよく出る液がかがみのアソコにかけられる。
二人の下半身はすっかりびしょぬれになってしまっていた。



その後…

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…か、がみぃ…」
「こなたぁ…」
「かがみ…すごいえっちなんだね」
こなたは赤い顔で少し笑いながら言った。

「ご、ごめん…でも最初に迫って来たのはあんたでしょ…」
「いざ、攻められると暴走しちゃうのはツンデレの真骨頂だよネ♪」
「ばか…」
かがみが薄目で目をそらす。今のかがみの顔はすごい色っぽい。

「かがみのそうゆうとこも…     …好き」
こなたは口に少し微笑を加えた真顔で言った。

「や…やだ…本気で言わないでよ…////」

「かがみ…私にも言って」

「え…………」

「言って」
「…  ぅ、 うん…」

こなたはにっこり笑った。


68:11
07/11/07 22:58:54 8fuT+TyA


「こ、こなた…」
「うん」

「…わ、      …私…」
「うん…」

「…」

「こなたのこと、好きよ。     …すき」
「…」
「好きなんだからねっ」

「かがみぃ…」

ちゅ。
こなたはかがみの可愛さにたまらなくなってキスをした。
かがみは、まだこなたと目を合わせられないでいるが、嬉しそうだった。

「「好きなんだからねっ」っていうとこが、なんだかツンデレっぽくて萌え」
「…うるさいなぁ」
「3回も言ってくれて嬉しいよ…かがみ…えへへ」
「こなた…ふふっ」
お互いに目を合わせて笑う。

それから後も、私達二人はずっと愛し合った。


69:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:00:36 8fuT+TyA
完。

>>58-68
合計11レス…このスレ初投下なのにこんな長くなってしまったゴメンヨorz


70:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:02:47 69XkwFAW
ゆ、雪山で遭難した時、裸になって暖めあうしか手段がないというのは、じ、実はかなり絶望的な状況です。
乾いた服もなく、ひ、避難場所の状態や場所の確認など、すべきこともできずに、だ、抱き合うしかないというのは……


で、でも、その前に、私が出血多量で死にそうです(ボタボタ


71:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:04:23 f0fVPLuc
ゆ、ゆきちゃん、出血のまえに、体が溶けてるよ・・・><;

72:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:05:45 uciusaAC
>>69
これはとっても可愛いこなかが!(*゚∀゚)=3
また一人神が降臨(-人-)

>>54
スミマセン。>>53のレスに触発されて描き始めたらこっちになりますた(´・ω・)ノシ
URLリンク(www.geocities.jp)

73:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:09:09 1Epr71Wq
>>72
あれ…かがみ…?
髭燃えるよかがみ…

74:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:09:45 hU8/K+kc
>>69
GJ!!!
うまいじゃないか、これからもどんどん投下してくれ

>>72
ちょwwwwwそれ物理的に無理だろwwwww

75:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:12:14 f0fVPLuc
>>73
いや、面はゆたかだろwwwwwwwwwwwwwww
もっと不可能wwwwwwwwwwwwwww

よし!もうこうなったら、かがみ銭型、みゆき不二子、つかさ五右衛門でwwwww

76:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:22:04 2aFfCVcG
やつはとんでもないものを盗んでいきました。
それはあなたの―

77:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:25:47 hU8/K+kc
描きかけの原稿です!

78:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:26:48 f0fVPLuc
今日の格言











腐っても姫

79:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:35:38 W0LI/Ox2
腐り姫と申したか

80:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:47:32 +/0onWKs
前スレ埋め乙+>>1乙+投下した人乙!

>>70
みゆきさん、願望をIDに出しすぎですよ?

81:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:40:52 rZjX1STE
えーと、>>49です
誰もいないようですので、投下させていただきます

・ゆたか&みさお
・エロ無し
・4レス使用

82:バス停ひまわり 1/4
07/11/08 00:42:49 rZjX1STE

時刻表に目を通し、どのバスもしばらく来ないことを確かめると、
私は停留所のベンチに腰を下ろした。
バスを待つためじゃなくて、ちょっと休憩をするために。
このバス停には日よけは付いていないけど、代わりに道路脇に植えられた背の高い常緑樹が
ちょうど陰を作ってくれていて―それでも、やっぱりちょっと暑い。
セミの声がしょわしょわと、あたり一面に降りそそいでいる。

「ふぅ……」

こなたお姉ちゃんが持たせてくれた水筒を開け、よく冷えたスポーツドリンクを一口ふくむ。
おいしい。
乾いた身体に優しい水分がじわりと染み込んでいく感覚を味わいながら、
私は軽く目を閉じた。

今、私こと小早川ゆたかは、クラスメイトの岩崎みなみちゃんの家に向かっている。
同じくクラスメイトの田村さんとパティちゃんも来ることになっていて、目的は勉強会。
具体的には、発案者であるパティちゃん曰く、
「ミナサンで力をあわせテ夏休みの宿題をやっつけマショウ!」
ということらしい。

腕時計に目を落とす。
早めに出てきたおかげで、約束の時間までにはまだもうちょっと余裕がある。
けど、また休みたくなっちゃうかも知れないし、そろそろ行こう。
と、顔を上げたところで、



目が合った。



「…………」
「……え」

ゆったりとした迷彩柄のΤシャツ。膝丈のカーゴパンツ。先鋭的なデザインのスニーカー。
しなやかに引き締まり、健康的に日に焼けた手足。
色あせた野球帽に収まる、飾り気なく伸ばされた髪。
そんな、いかにも活発そうな格好の男の子が、ベンチのすぐ脇から、私のことを見つめていた。

83:バス停ひまわり 2/4
07/11/08 00:44:27 rZjX1STE

思わず後ろを振り返る。
当然のように誰もいないし何もない。
目を戻すと、男の子―私より一つか二つ年上だろうか―は
やっぱり私をジッと凝視し続けていた。

「じー……」

というか、口に出して「じーっ」って言ってる。
同じことを何度かこなたお姉ちゃんにされたことはあるけど、あくまでそれは冗談で。
でもこの人は、なんだかすごく真剣だ。
なんだろう、ちょっと怖い。
怖いけど、それ以上に何がなんだかわからない。

あ、もしかして。
私の格好がどこかおかしいのかな。
そう思って服を見下ろしてみたり顔や髪を触ってみたりするけど、よくわからない。
それに、そう。
おかしいところがあるなら、出かけるときにこなたお姉ちゃんや叔父さんが教えてくれるはず。

「じー……ぃー……い~~……?」

あれ? ちょっと語尾が上がりはじめてる?
続いて首がだんだんと傾いてきて、とうとう腕を組んで目を閉じてウンウンうなり出してしまった。
視線から開放されてほっとする。
と同時に、あらためて疑問に思う。
なんなんだろう。
それに、そもそもこの人は誰なんだろう。
そういえば、なんとなく見覚えがあるような気もする。
同じ学校の先輩とか?

「むぅ~~……いやいや、うんうん。……じゃなくて、えーと、んむむむむむ~~~~」

って、うわあ。
なんだか一人でうなずいたり首を振ったり微妙に落ち込んだり、ちょっと大変なことになってるよ。
絵を描いてるときの田村さんに、少しだけ似てるかも。
じゃなくて。
どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
だって私のせい……だよね?
私のことを見ててこうなっちゃったんだから、少なくとも無関係じゃない、と思う。
よし、とりあえず声をかけて……

「あ、あの―」
「わかったっ!!」
「ひゃっ!?」

84:バス停ひまわり 3/4
07/11/08 00:46:03 rZjX1STE

声をかけようとしたその瞬間、大きな声を上げられて、小さく悲鳴をもらしてしまう。
でも……え? あれ?
この声って……
うなってるときは低音だったから気がつかなかったけど……

「ちびっ子の妹だ! だよな!? あ~、やぁっと思い出せたぜぇ」

やっぱり!
女の子だ!
ちょっとハスキーだし口調も男の子っぽいけど、この声は間違いなく女の子の声だよ!
あうう……私ったらなんて失礼な勘違いを……
しかも相手は―

「お~い、どしたぁ~?」
「えっ、あっ、やっ、そのっ!」
「あんた、アレだよな? 名前……は、わっかんねんだけど。ちびっ子……泉だっけ?
 それの妹さん。違う? 合ってる? 違ったらゴメン」
「ち、違わないです! 合ってます!」

私のたどたどしい答えを聞いてその顔に浮かんだ、いかにも「ニカッ」って感じの笑顔は、
記憶の中にあるのと全く同じものだった。
口の中で八重歯が一本きらりと光る。

「そっか! やっぱな!」
「……あ、あの。それで、その」
「ん?」
「あの、こなたお姉ちゃんの、お友だちの方ですよね?」

そう。
思い出した。女の子だってわかったことで、私のほうも思い出したよ。
学校でこなたお姉ちゃんたちと一緒にいるところを、何度か見たことがある。

「うぇ? ……いやいや。あたしはほら、ひぃらぎの。おんなじクラスの。五年連続の」
「え? えーと……」
「あー……うん。いーよいーよ。それで合ってる。ちびっ子の、でいーや、別に。うん」
「? ? ?」

え……っと……どういうこと、だろう。
「ひいらぎ」って、かがみさんのことだよね? あ、でもつかささんも「柊」さんだし。
それに「ちびっ子」っていうのは、やっぱりこなたお姉ちゃんのこと?

85:バス停ひまわり 4/4
07/11/08 00:47:44 rZjX1STE

「だからぁ、あたしはもともとひぃらぎの友だちで、ってゆーかひぃらぎがもともとあたしの友だちで、
 中学のときからもう五年連続で同じクラスなわけよ。
 なのになんか最近ずーっとちびっ子にべったりで……昼飯も向こうまで行って食うんだぜー?
 そりゃま、たまにはあたしらとも一緒してくれるけど……さびしーんだよー。わかるかー?」
「へ? あ、あの、はい」

唐突に「るー」と泣き出したその人に驚いて、思わずうなずいてしまう。
でも、なんとなくわかった。
要するに、かがみさんかつかささんを通じてこなたお姉ちゃんと友達になった、と。
そういうことだろう。たぶん。きっと。おそらく。

「そっかー。わかってくれるかー。いーヤツだなーおまえ」
「ひゃっ!? ど、どういたしまして……」

いきなり肩に手を置かれたことに驚いたけど、なんとか返事を返せた。
その人は帯状の涙を流しながら、噛みしめるようにウンウンとうなずいている。
……目の前で人が泣いているのに、あんまり心が痛まないのはなぜだろう。

「えっと、それで……あの……」
「ん? なに?」

肩から手が離れる。
と思ったときにはもう泣いてなかった。涙のあとすら残っていないのが凄い。
まあそれは、置いといて。ええと……どう訊けばいいんだろう。

「あ、そか。みさお」
「へ? ……え?」
「あたし。日下部みさおっての。あんたは?」

あ、名前か。
そういえばまだ名乗ってなかった。
……言おうとしたのは、「ひいらぎ」がどっちの柊先輩かってことだったんだけど……
そうだよね。自己紹介はちゃんとしておかなきゃね。

「あ、わ、私は、小早川ゆたかっていいます。こなたお姉ちゃんの従妹です」
「イトコ? あ、そーなんだ。そーいや名字違うな。―小早川ね。わかった。よろしくな!」

そう言って日下部先輩は。
口をニッカリと大きく開けて、ひまわりみたいに元気いっぱいの素敵な笑顔を浮かべてくれた。

「はい! よろしくお願いします!」





86:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:50:32 rZjX1STE
以上です
初めての投下で勝手が分からず、もたついてしまいました
申し訳ありません

ありがとうございました

87:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:58:17 ylNsoTlO
>>69
え、えろすっ!というかこれ本当に初めてなのか!?
ハァハァさせて頂きました♪
でも見入っていた所を親に覗かれて激しく欝になった……orz

>>86
こ、このカップリングは…データにない新型だ!
けどバス停での出遭いに違和感ないというか、そのうちリアルで起こってもおかしくない。
GJです。

しかし自分の方は書きかけのやつが全然進まない。がんばらなければ。

88:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:14:03 12O6zz51
SSにみさきちが出る度に、
漏れの脳内とハードディスクに溜まっている大量の未完成SSの処理を早急にせねばならないことを思い出す。

早いとこみさきちSSを完成させなけれヴぁ!!

89:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:16:38 1QZPZTcM
>>69
エロォォォォォいッ説明不要!! エロすぎ!!! おっきした!!!
つまり何が言いたいかというとGJだ!!

俺も早く初SS完成させんと・・・・


90:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:16:44 DpmruBWa
>>86
この二人の絡みは新しいな
みさおの性格がよく出ててよかったんだぜ
GJ

91:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:27:02 piepG+6x
URLリンク(www.amiami.com)

角川め…ひどいことをする

92:4-243 ◆X9xLTlcDnY
07/11/08 01:37:35 29N+hMxY
>>86-90
(´・ω・)ノシ
URLリンク(www.geocities.jp)

93:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:41:11 R9taaULW
>>91
これは酷いパッケージ。こいつは間違いなくこのスレ住民の萌え殺しを狙っている



つーか、これじゃ百合ゲーにしか見え(ry

94:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:44:26 29N+hMxY
>>93
言われるまで何がひどいのかわからんかったorz
おいら的にこのパッケージに全く違和感が湧かなかったのは
間違いなくこのスレのおかげ(褒め言葉

95:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:46:21 DpmruBWa
このゲームの立ち絵はなんでこんなに不自然に足が長いんだろうか…

96:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:50:59 YDt+nklP
萌えドリルの時のパッケージも(良い意味で)酷かったよな。

97:名無しさん@ピンキー
07/11/08 02:05:44 /JY3W5+X
>>32
GJ! これは凄い。元ミステリオタクの自分に対する挑戦だな!

犯人は!…えーと…だ、だれだろう?w

素直に考えるとあの人で矛盾なさそうだけど、そのまますぎる気もする…。


>>86
これは素晴らしく綺麗な文章。
みさおが本当にみさおっぽくて、読んでてニヤニヤしてしまった。
病弱なゆたかが健康的なみさおに惹かれるっていうのは凄くありそうで、
勝手に続き期待してます。

98:7-896
07/11/08 02:12:13 4pBGFDIF
投下のタイミングを見計らえずに、次々作品が投下されていく……やっぱりここは恐ろしいスレだ……

そろそろ投下いい感じですかね。
どうも、最近やっとこなふぇ関係も落ち着いてきたかな、と思っていた矢先の前スレラストスパートに吹いた7-896です。

それからちょっと謝罪です。
35kbあったはずなんですけど、よく整理したら、SSだけの場合30kbありませんでした(´・ω・`)
投下しておけばよかったかなと、少し後悔。
22スレのとりを飾れたかもしれないのに(それか


白石視点
白石&あきら様
非エロ
15レス

※独自設定があります
※変なオリキャラがいます

!-!-!-!WARNING!-!-!-!

 ※『 白 石 女 体 化 注 意 』※

!-!-!-!WARNING!-!-!-!

もう一度言っておきます
白 石 が 女 体 化 し て い ま す 。
読んで下さる方はそれにお気をつけください。グダグダ注意書きすみません。

では投下します。

99:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:14:50 4pBGFDIF

 清々しい朝。
 カーテンの隙間から差し込む太陽の光と、小鳥たちの囀りで目を覚ます。
 雲一つない青空が、靡くカーテンの間から見え隠れした。
 今日はけたたましい自動起床装置が鳴り響く前に、起きることができたみたいだ。
 でも今日から学校だよ……
 休日開けってどうしてこう学校に行きたくなくなるのだろうな。
 そんでもって学校が終わったら収録。
 何のって? らっきー☆ちゃんねるに決まってるだろ。
 そう、短い収録時間なのにやたらと疲れるあれだよ。
 でも最近楽しくなってきてしまっているのだから、慣れって怖いよな。
 っつっても、相手が可愛い女の子じゃなかったら、今頃逃げ出してたかもしれないけど。
 さて、布団の中で脳内妄想繰り広げている場合じゃないか……
 そろそろ起きないと、やつが鳴り響く頃だし。

 目覚まし時計が鳴く前にスイッチを切る。
 今日は俺の勝ちだ。まいったか!!
 空しいな……
 あーもういいや、取り敢えず着替えよう。
 グイッと上半身だけを起こす。
 軽く伸びをすると、背中の骨がポキポキと音をたてた。

 だがそこで、違和感を覚えた。
 パジャマがでかくなった? なんかブカブカなんだけど……
 それでいて胸の辺りがパジャマに押されるような、少し窮屈な感じ。
 なんだろうと、伸びをした姿勢のままで首と視線を下に向けた。

「……は?」
 膨らんでる。
 うん、膨らんでる。
 寝ている間にぬいぐるみでも突っ込んだのか?
 ……はて、この部屋にぬいぐるみなどあっただろうか。
 ひとまず触ってみることにした。

 ふにっ

 わー、やわらかいなぁ。
 いや待て、いま確かに自分と同化しているような感覚が……
 もう一度触ってみる。

 ふにふに

「やわらかい……」
 やわらかい……
 思ったことをそのまま口に出してしまうくらい柔らかかった。
 なんだろうこれは……もう一回

100:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:15:58 4pBGFDIF

 ふにゅ

「んっ」
 ……あれ?
 なんだ今の声。
 女の人の声が聞こえたような。

 ふにふに

「っあ」
 あれ、自分の口から出てる?
 ってかこのやわらかいの触るとピリピリするんですが……手じゃなくて体全体が。
 不思議だ。なんだろうこれは……今までに感じたことのない感触だ。
 俺は、その胸元をぐいっと引っ張り、中を確認してしまった。


「……はっはっは、なんだ胸が膨らんでぎゃぁあぁああぁあぁぁあぁあああ!!」


 いつもの自分の声よりも明らかに高い声が、部屋中に響いた。





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『Assistant-Turn Over』

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―――――――――――――――――――――――――――――――





 い、いったいどういうことだ? 状況が掴みきれてないんだけど……
 い、いや落ち着け、落ち着くんだ俺。
 まずは状況を整理してみよう。
 ……昨日の夜までは確かに男のままだった。
 収録が終わって、あきら様にだめだしをされてから帰宅。この上なくだめだしされてから帰宅。
 夕飯を食べて、風呂に入った。それから、あがったあとに次の収録の内容を確認して、学校の準備。
 ……そして何事もなく就寝。

101:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:16:53 4pBGFDIF

 ……どこもおかしいところなんてないと思うんだけど?
 宇宙船が墜落してきて巻き込まれて、手違いで性別が反転してしまったわけでもない……
 じゃあどうして?
「い、いや……まだ気のせいかもしれない」
 往生際の悪い俺は『自分の顔を確認するまでは』と、未だに女になってしまったのであろうことを信じていなかった。
 机の上にある折りたたみ式の鏡を手に取る。
 『あんた一応テレビに出るんだから、せめて身だしなみくらい整えときなさいよ?』と言いながらあきら様がくれたものだ。
 恐る恐るそれを開く。
 鏡に映るは女の子。まごうことなき女の子。更に言えば相当可愛い。
 そして残念なことに、その顔は自分のものだった。
 ……うぅ。

「そうか夢か」
 鏡を見ながら頬を力の限り引っ張る……のは流石に痛そうだったので、加減してクイッと摘んだ。
 痛い、この痛みは本物だ。
「いや、まだ分からないぞ」

 いや、言ってみただけだが。

 ……ごめん……語りがギクシャクしてるのは、てんぱってるからなんだ……しばらくの間は許してほしい。

「みのるー、そろそろ起きないと遅刻するわよ?」
「ぶっ!!」
 扉のすぐ向こうで聞きなれた母親の声がした。
 まずい、これは明らかに入ってこようとしている。
 俺は急いで布団に包まった。
「ほら、起きなさいよ」
「ごほっごほっ、ごめん母さん。風邪引いたみたいで体だるいんだよ。今日は学校休む」
 苦し紛れの芝居。
 地が女の子の声なので、無理やり震わせて低くしても、結局は高めになってしまう。
「あら、そうなの? じゃあゆっくり寝てなさいね? 学校には電話しておくから」
 バ……単純でよかった。
 部屋から出て、階段を下りていく音を確認してから、俺は布団から出た。
 両足でしっかりと立ってみると、いつもよりなんだか体が軽い。
 これが女の子なのか……
 手でなぞってみて分かる、女の子の体。
 といっても女の子の体なんて触ったことないけどな。
 ……それにしても。
「綺麗な顔してるなぁ」
 もう一度鏡をみて呟いた。
 ナルシストじゃないよぞ?
 だって自分の顔じゃないし。自分の顔だけど……意味分からないな。
 でもやっぱり、元の自分の顔と比べるとかなり綺麗だ。
 いや、元の顔が汚いって意味じゃないぞ?
 普通くらいかなぁ、とは思ってるし。

102:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:20:46 4pBGFDIF

「それにしても、どうするかな……これ」
 直る方法とかあるのかな……
 一生このままとかないよな?
 ……考えたらちょっと寒気がし……あれ? 結構楽しいかも。

「ぶるぶるぶるぶる!! 何を考えてるんだ俺は!!」
 馬のように顔を振って、思考を中断。
 取り敢えず着替えることにした。





「……微妙」
 完全に男物のパーカーとジーパン。
 こういうのしかないんだから仕方ないだろ。
「他にもいろいろ着てみたいかも……」
 なんて考えている俺は、結構余裕あるみたいだ。
 というよりも、まだ朧なだけなんだろうな……
 ってかマジどうしよう。
「考えても仕方ないか……取り敢えず出かけよう」
 俺は、財布と携帯を掴み、部屋のドアに『しばらく熟睡するので入らないように』という張り紙をして
 音をたてないように家を出た。





「空が青いな」
 なんとなく呟いてみた。
 こんなにいい天気なのに、俺の気持ちは曇っている。
 外に出てから思ったんだけど、こんな時間に俺くらいの人が出歩ってるのはまずいんじゃないだろうか。
 補導とかもあるけど、知ってるやつと会う可能性があるってのが一番危ない。
 なんのかんの聞かれたらどう答えればいいんだろうか。
「―ってな感じで臭くってさぁ」
「!!」
 いきなりクラスメイトに遭遇かよ!!
 10m先から、クラスメイトの泉とつかさ、その姉のかがみが楽しそうに話しながら歩いてくる。
 やば、どうしよう、隠れるところないぞ!?
 右往左往している間にも、3人はこっちにやってくる。
 そして泉と目が合った。
「っ……」
「……?」
 キョトンとした顔をしながら、泉がお辞儀をした。
 反射的に俺もお辞儀を返した。
 他の2人も行儀よくお辞儀をしてくる。

103:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:22:02 4pBGFDIF
「えっと……どうも」
「あ、はい、どうも」
「「おはようございます」」
 見事に挨拶が被る柊姉妹。
 流石双子、シンクロ率がすごいな。
 400%くらいか? そんなにないか、あったら溶けちゃうし。
 ってそんなこと考えてる場合じゃないだろ!!
 いつも見ている相手だけに、変な汗が流れる。
「それじゃあ、学校なんで」
「……え? あ、うん、いってらっしゃい」
 結局挨拶をしただけで、3人はバス停に向かって行ってしまった。
 今思ったけど、俺今女の姿してるんだからばれるはずないよな。
 周りの目を気にする必要はないってことか。
 これなら心置きなく調査できるな。
 って言っても、原因なんて皆目検討つかないけど。
 あれだよ、何か行動しなきゃやってらんないでしょ。

「ねぇこなた、あの人知り合い?」
「いや、それなんだけど、なんとな~く会ったことあるような気がするんだけど、全然覚えてないんだよね」
「……本当に失礼なやつだな」
「でもすごく綺麗な人だったね♪」
「そうね」
「そだねー、お姉さまって呼びたくなるね」
「ならねーよ」

 そんな会話が僅かに聞こえてきた。
「……あぅ」
 なんか顔熱い……
 お姉さまって……変な性癖に目覚めそうだ。

 と、とにかく、はやいとこ行動しよう。
 お腹空いたし。

 俺はお腹の中を満たすために、街道へと足を進めた。






「むぅ……」
 困った。いきなり困った。
 今俺は、あるデパートの中にいる。
 朝食を食べてなかったので、近くのパスタ専門店でミートソースを頼んだ。
 子供っぽいとか言うな。
 で、そのあと適当に服を見て回っていたんだ。
 理由は勿論、今の俺の状況から察してもらえるだろう。
 流石に男っ気出しまくりのこの服は、なんかいけない気がしたので
 女物の洋服を探していたわけだ。
 そして必然のようにたどり着いてしまったのが……らんじぇりーショップ。
 つまりその……パンツだとか、ブ、ブラジャーとかだ……
 えぇーいままよ!! と、飛び込んだのだが、僅か1秒で出てきてしまった。

104:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:23:05 4pBGFDIF

 いや、今困っているのはそういうことじゃないんだ。
 緊張したからか、それともメロンソーダを2杯も飲んだせいなのか分からないが
 まぁ誰にも訪れる生理的な現象が起こったわけ。
 じゃあトイレ行けばいいじゃん、てなことなんだろうけど
 生憎今の俺には、そんな軽く済ませることができる余裕はない。

「……どうやってするんだろ」
 パンツを脱いでみると、やっぱりなくなっていた『あれ』。
 延べ棒、シンボル、勲章が跡形もなく消え去っていた。
 まぁ仕方ないんだけど、今まで女性経験のない俺が、女性のそこの仕組みを知っているわけもなく
 どうやっておしっこすればいいのか分からなかった。
「普通に大するときと同じように、かがめばいいのかな?」
 ん~、悩んでても仕方ないか、取り敢えずしてみよう。
 しゃがんでみる。
「……」
 で?
 あとはどうすればいいんだろう……
 男の時と同じようにしてみればいいのかな。
「んっ」
 股間の筋肉を緩めると、堰を切ったように吹き出る尿。
「うお!? すご、変なとこから出てる!!」
 ……って何興奮してんだ俺は。
 変態か。
 済ませ終わって、トイレットペーパーで拭く。
 服を調えてからトイレを出た。これは一生忘れない初体験になるだろう。
 というかなんだ、このやり遂げた感は。





 結局女物の下着とか服とか買う勇気もなく、そろそろ高校が終わる頃になってしまった。
 俺は、何の手がかりもなく、街中をぶらぶらしていた。

 世界がいつもと違って見えた。
 通行人の目や、視線の高さ。
 話しかけてくる人(ティッシュ配りとかの人)や、足取り。

 男の視線が、なんだか品定めしているように見える。
 女の視線が、なんだかランク付けしているように見える。
 ブラをつけてないせいか、歩くたびに上下に揺れて歩きずらい。

 さっきまではパニくっていたのだろうか、落ち着いてくると
 男の体のときとは違う、今までに経験したことのない感覚に気づき始めた。
 落ち着かないっていうか、こそばゆいっていうか。
 しかも、自分の匂いなんだろうけど、少し動くだけでいい匂いが漂ってくる。
 あきら様といるときにも良く感じる、女の子の匂いだ。
 そういった、何もかも始めての、女の子特有なのだろう感覚のせいで、さっきから俺の心臓は動機が治まらなかった。

105:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:24:26 4pBGFDIF

「ねぇねぇ、ちょっとそこの君さぁ」
「え?」
 そんな思考を中断するように、後ろから声が聞こえた。
 振り返ってみると、見るからに柄の悪そうな男が3人。
 変なニヤニヤ笑みを浮かべながら、俺の体を撫で回すように見てくる。
 なんか気持ち悪いな。
 そんな気持ちと同時に、今のシチュエーションに疑問を感じた。
 これってもしかして……
「お、遠くから見てて思ってたんだけど、やっぱ君可愛いね」
「格好はまぁ置いといて、かなりいけてんじゃね?」
「だよな!!」
 うわ、ナンパじゃね? ……口調がうつった。
「もしかして今、暇? 俺らも暇してるんだけどさ、一緒に遊ばね?」
「俺らおもしれーとこ知ってんだよね」
「だよな!!」
 そう言いながら、キャップを被ったリーダーみたいなやつが、肩に手を回してきた。
 他の2人もじりじりと近づいてくる。
 これは断った方が良さそうだな……
「俺……えっと、私用事が」
「こんな時間にこの辺1人でぷらぷらしてたってことはさ、遊び相手探してたってことじゃねーの?」
「なんならさ、俺らが服買ってあげよっか? ほら、なんか俺ら紳士じゃね?」
「だよな!!」
 さっきまで肩に回してた手が、いつの間にか腰に移動していた。
 しかも親指で胸を触っている。
 何が紳士だ。
 振りほどきたいのに、この体のせいか力が入らない。
 このままでは流されそうだ。
 まずいな……
「ほら、あっちいこうぜ?」
「みんなで遊んだ方が楽しいって」
「だよな!!」
 そう言いながら、ほぼ無理矢理連れて行かれそうになる俺。
 囲まれているせいで、抜け出せない。
 周りに助けを求めようとしても、皆が皆、俺から視線を反らしている。
 結局皆、自分が一番可愛い。他人の騒動に巻き込まれて、怪我なんかしたくないに決まってる。
 世間の冷たさに、いまさらになって気づかされた。

 ……そしてもう一つ気づいた……3人の中に1人、いらんやつがいる。


「「「!?」」」
 突然のことだ。
 ナンパ男達をグイッと押しのけ俺から離れさせた後、俺の手首を掴んで走り出す、小さな女の子。
 その子は、俺の知っている女の子だった。

106:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:25:48 4pBGFDIF
「な!? おい待てよ!!」
「待てっていってんだろが!!」
「だよな!!」
 最後何だよ。
 一瞬呆けていた3人は、我にかえると鬼のような形相で追いかけてきた。
 こっちは女であっちは男。
 普通なら追いつかれると思うだろう。
 だけどこの子は、慣れたように人垣を縫うように駆け抜ける。
 時間が時間だけに、結構な人数が犇めきあう街道。
 体の小さなものが有利なのは、一目瞭然だ。
 振り返ると、男たちは米粒くらいになっていた。




「「はぁ、はぁ、はぁ」」
 小さなショップに駆け込んで、ようやく足を止めた俺たち。
 隣のあきら様は、膝に手をついて大きく呼吸している。
「慣れて……るんですね……はぁ」
「まぁ、ね……はぁ……私も結構有名だから、似たようなこと結構あるし……はぁ」
 その姿勢のままこちらを向いて『ニッ』と笑うあきら様は、なんだかすごく可愛く見えた。
「それにしてもあきら様、今日のこの時間は……収録じゃなかったですか?」
「え? 今日は仕事休みだけど……」
 あ、そういえばそうだった……完璧忘れてた。
「ってかあんた誰よ。なんで私のスケジュール知ってんの?」
 誰って、あれだけ一緒に番組やってて何を……
 あ、そっか。
 今俺女なんだ。
「あ、その、あの有名なあきら様なら、毎日仕事で忙しいんじゃないかなぁって」
「ふーん……」
 あわわ、怪しんでる?
「……まぁいいや。あんた名前は?」
「な、名前ですか?」
 どうやら、勘ぐってはいないみたいだ。よかった。
「えっと、白石みのるです……あ゛」
「白石……みのる?」
 し、しまったぁ―――!!
 あきら様が明らかに(洒落ではない)怪訝な視線を送っている。
 もしかしてばれたか!?
「ん」
「んぇぅ!?」
 あきら様が突然、縦横斜め2倍2倍な感じに頬を引っ張ってきた。
 やっぱばれたのか!?
 少しして手を離すと、ふんっと鼻で息を吐き出した。

107:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:26:40 4pBGFDIF

「変装だったら、星にしてやろうかと思ったけど……よく考えれば、あれがこうなるはずないか」
「い、痛いですよあきら様ぁ~」
「あーごめんごめん、同姓同名っているもんなのね」
「ふぇ?」
「ん? あーいや、私のアシスタントにさ、白石みのるってのがいるのよ。そいつは男なんだけどね」
 その白石みのるが俺なわけですが……
 まぁ、どうやらばれたわけではないみたいだ。
 ばれてないのなら好都合だ。このまま押し通させてもらおう。
「そ、そうなんですかぁ。すごい偶然ですね」
「でしょ? でもなんかあんた、そのアシスタントに似てるのよね。雰囲気っていうのかな」
「う゛……」
 そりゃあ同一人物ですから……
「まぁそんな話はどうだっていいか……ねぇあんた、その……これから暇?」
「え? それはいったいどういう」
「実はさ、今日友達と遊ぶ予定だったんだけど、みんな用事出来ちゃったみたいでね。それでぷらぷらしてたのよ」
「はぁ」
「そんで、さ、助けたお礼ってわけじゃないんだけど……よかったら……その、今から一緒に遊んだりとか」
 急にもじもじし始めるあきら様。
 目を反らしたり、上目遣いで見上げてきたりを繰り返している。
 はっきり言おう。可愛い。
 ドキドキしてます。
「そ、それはつまり……デートということですか!?」
「……え? 女同士で更に初めて会った同士なのに、デートなわけないでしょ」
「え? あ、あぁ~そうでしたね。あは、あはははは♪」
 危ない危ない、素に戻っちゃったよ。
 ……あれ? だとするとなんで俺なんだろう。
「あの、あきら様? なんでぼ……私なんですか?」
「なんでって、他に誘う人いないし、丁度近くにいるし、悪いやつじゃなさそうだし……それに……」
「それに?」


「……やっぱり……どことなくあいつに似てて……安心できるから……かな」


「……え?」
 一瞬。
 ほんの一瞬だったけど、あきら様の顔が、とても優しいものに変わったように思えた。
 それと同時に感じた胸の高鳴り。
 なんだろう、この……何かに包まれるような感覚は……
「ま、まぁともかく、暇だよね?」
「あ、はい」
「ならいいわよね。私に付き合いなよ」
「は、はい!!」
 取り敢えず俺は、その不思議な感覚を振り払い、目の前の可愛い少女の問いかけ(ほぼ強制)に大きく返事をした。
 静かに手を握ってくる感触。
 この人わざとやってるんじゃないのかな……

108:『Assistant-Turn Over』
07/11/08 02:27:43 4pBGFDIF




 空は赤く染まり、街灯がピカピカと点き始める。
 周りに気を配りながら歩く俺たち2人。
 あきら様は帽子を目深に被り、なんだか有名人みたいだ……いや、有名人なんだけど。
 かく言う俺は、握られた手の感触には慣れてきたものの
 行き交うカップルが妙にイチャイチャしているので、目のやり場に困っている始末だ。
 不意に視界の隅に入った恋人繋ぎに、目が釘付けになってしまった。

「何見てんの?」
「ふぇ!? あ、いや、その……別に……」
「……恋人繋ぎしたいの?」
「ぇえ!? あ、あはは、そそそそんなバナナ♪」
 やっば、かなり噛んだ。
「……なんか可愛いわねあんた」
「あぅあぅ……あ、あきら様の方が可愛いですよ」
 そう誤魔化すつもりで言うと、俯いて何かを考えるような仕草をしている。
 どうかしたのだろうか?
「その呼び方さ、やめてくれない?」
 呼び方? 『あきら様』っていう?
「もしかして、その……不快でしたか?」
「そうじゃなくてさ……なんかあんたみたいな子に言われると、罪悪感みたいなのが……それに……何かに目覚めそうで」
「?」
 なんだかよく分からないけど……呼び方変えろってことだよな?
 かといって苗字で呼んだら不機嫌になるだろうな、あきら様のことだから。
 ん~……あきら、じゃ慣れ慣れしすぎるから……あきらさん?
 なんかしっくりこないな……
 ってことは、あとは一つくらいしかないな。

「じゃあ、あきらちゃんでいいですか?」
「!?」
 なんで赤くなるんだろう……?
「あ、うう、うん。それでいいよ」
「なんで顔赤いんですか?」
 あ、聞いちゃったよ。
「なぁ!? あ、赤くなってなんかないっての!!」
「でも、ほら、そこのショーウィンドウに映ってるあきらちゃんは」
「だぁあー!! うっさいうっさい!! そんなことどうでもいいから、そこの店にとっとと入りなさいよ!!」
 更に真っ赤になって地団駄を踏むあきら様は、俺の背中を押して店の中に駆け込んだ。
 本当、何なんだろう。


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