キモ姉&キモウト小説を書こう!Part6at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part6 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:24:59 mbK9b03r
2ゲトー

3:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:26:22 H1HNDRYB
>>1

4:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:26:30 H6tg+Pba
2げt

5:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:57:18 IuUcDd1u
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません



6:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:57:21 qB7mTBUd
>>1姉さん、乙だよ!

7:名無しさん@ピンキー
07/11/01 15:46:05 Xc+9PJCq
■誘導用スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 憎ら41あの女
スレリンク(eroparo板)
ヤンデレの小説を書こう!Part11
スレリンク(eroparo板)
いもうと大好きスレッド! Part4
スレリンク(eroparo板)
お姉さん大好き PART5
スレリンク(eroparo板)


8:時給650円
07/11/01 18:09:20 cqE/gMUw
投下します。

9:淫獣の群れ(その13)
07/11/01 18:10:56 cqE/gMUw

 がたんごとん、がたんごとん……。

 電車の窓から見える街の風景はすっかり夕闇に塗り潰されている。
 東京の夜空は星が見えない。
 だが、そこから見える風景は暗闇ではない。
 それぞれの家から漏れる蛍光灯の光やネオンサイン、イルミネーションが、まるで星のように輝き、地上を彩っている。夜空に煌く場所を失った星々が、やむなく自分たちの居場所を、そっくりそのまま大地の上に求めたような、そんな感じさえ受ける。
―とりとめも無く、真理はそう思った。
 が、そんな雑想が浮かんだのも一瞬だけだ。次の瞬間には、真理自身、そんなロマンチックな想像などしていた事すら忘れた。
 それほどまでに、彼女の心は、極寒の闇に包まれていた。

 喜十郎・桜・春菜、そして真理の四人は、いま“兄”の実家からの、帰路の電車に揺られていた。
 誰も一言も口を利かない。
 同じように、この路線に乗った往路では、あれほど闘志に燃えていた彼女たちが今では、周囲を塗り潰してしまいそうな、陰鬱さに包まれていた。

 真理は、ふと、自分の正面のシートに座る喜十郎を見る。
 彼は、うつらうつらと舟をこいでいた。
(無理もないですわ、兄上様)
 実妹に一服盛られて意識を奪われ、貯蓄分以上の精をポンプのごとく吸い上げられてしまったのだ。その疲労は、薬物の残留分を差し引いても相当のものであろう。
 真理は、今度は隣の長姉を見る。
 桜は、それこそ苦虫を噛み潰したような表情で、ドアにもたれ、窓の外を見ている。いや、視線こそ窓の外を向いてはいるが、彼女が何も見ていないのは、真理が一番良く知っていた。
 この異常に気位が高い少女は、その身を焦がす圧倒的な屈辱を、どう処理していいか分からなくなっているに違いない。何と言っても、綾瀬桜にとっては、敗北感という感情ほど、これまでの人生で無縁だった存在は無いのだから。


10:淫獣の群れ(その13)
07/11/01 18:13:02 cqE/gMUw

―敗北感。
 そう、負けたのだ、自分たちは。

 あの時、可苗は三人に告白した。
 彼女たちが愛して止まない“兄”を略奪し、蹂躙した、と。
 これ以上はないほどの幸福感に満ちた表情で、感謝までされた。
『可苗に代わって、お兄ちゃんの身体を開発してくれて有難う』と。
 愛する“兄”を取り戻さんために、意気揚揚と乗り込んだはずの“敵”の牙城。
 だがそこにいた、泥棒猫のはずの女は、自分たちを敵視すらせず歯牙にもかけず、子供扱いにあしらった挙げ句、笑って“兄”を返してくれたのだ。まるで銀行から引き下ろした預金を、再び預けるように。
……そして、自分たちは、そんな彼女に何も言えず、すごすごと帰宅している。
 修羅場にすらならない、圧倒的な何かの差。
 その“何か”について思いを巡らせると、真理は、全身の汗が再び冷たくなるのを感じた。

 生身の女性である以上、真理にも独占欲はある。
 想い人を―例え、実の姉妹とはいえ六人がかりで共有しているという異常な関係も、いつかは打破し、喜十郎を自分だけの恋人にしたいとも思っている。
 まあ、それを言うなら、姉妹たち全員が全員、同じ想いに身を焦がしているのは分かり切っているのだが、それでも自分が、その恋愛戦線に勝利した暁には、“恋敵”という枠を越えて、自分たちを祝福してくれるに違いないと思っていた。
 また同じように、自分以外の姉妹の誰かが、“兄”の心を射止めても、真理自身、その姉(妹)を祝福できるとも。そして、そういう仲の自分たち姉妹を、密かに誇ってさえいた。
 だが、あの可苗という少女は違う。
 そういう甘さは持ってはいないだろう。
 甘さどころか、目的達成のためなら、笑って人を後ろから刺せるドス黒さを持っている。
 あの少女は、最終的に喜十郎を手中にするためなら、おそらく無理心中すら厭わないはずだ。
 正直な話、活字媒体以外で、恋愛に触れた経験の無い真理には、あの可苗という少女を“敵”として意識するには、あまりに強大すぎる気がした。

「そんなに気にする必要も無いわ」
 桜が、不意に口を開いた。
 一瞬、真理は、その一言が誰に対する独り言なのか、分からなかった。
 桜の視線は変わらず、窓の外に向けられていたからだ。しかし、そのハッキリとした口調はただの独白ではなく、確実に誰かに聞かせるためのものだった。
「気にする必要って、……何の事ですの桜ちゃん?」
 桜とは反対側の真理の隣―吊り革につかまっていた春菜が口を開く。
「決まっているでしょう。可苗のことよ」
 そう言いながら、彼女たちの姉は、初めて妹たちに視線を向けた。


11:淫獣の群れ(その13)
07/11/01 18:14:35 cqE/gMUw

 喜十郎は眠ってはいなかった。
 実際のところ、彼の全身は、言いようも無い倦怠感に包まれ、目を閉じればすぐにでも眠りに落ちてしまいそうな状態ではある。しかしハッキリ言って彼の精神状態は、のんきにイビキをかいて眠りこけるような余裕は無かった。

 三人の“妹”と、可苗との会話。……あれを聞いてしまった以上、喜十郎の心中はいま、混乱の極みにあったからだ。
 盗み聞きをしていたわけではない。―というのは、やはり嘘に近い。
 彼らの団地の2LDKの壁は悲しいほど薄い。
 居間の四畳半にいても、キッチンで大声を上げれば、そのやりとりは普通に聞き取れてしまう。
―だが、聞き取れるからといって、その気も無いのに、勝手に耳に情報が飛び込んでくるわけではない。やはり彼は彼で、キッチンから漏れ聞こえる妹たちのやりとりに、意識を向けていた事実は否定できない。

 彼は、自身の現状を、決して喜んではいなかった。
 無論、客観的に見れば、男としてこれほど羨むべきポジションは無いだろう。
 可愛く、健気で、積極的な美少女たちと毎日毎晩やり放題なのだ。
 クラスの男たちが知れば、その日のうちに全ての友人たちは敵に回るだろう。
 さらに、その現状に彼が不満を抱いていると知れれば、翌日には凄惨なイジメが開始されるはずだ。
 しかし、それでも喜十郎としては、今の自分の立場に抵抗を感じざるを得ない。
 六人姉妹に、まるでエロマンガの肉奴隷のように扱われ、弄ばれる毎日。そして、そんな風に嬲られる自分を惨めに思いながらも、それでもなお、異常に興奮してしまう自分……。
 彼とて男としての人並みの矜持くらいはある。
 仮にも自分を、ブザマなM男だなどとは微塵も認めたくは無い。
 しかし、現状を鑑みるに、己のうちにMの素養があるのは、やはり認めざるを得ない。
 もともと親戚づきあいのある従兄妹だっただけに、義理とはいえ、いまさら“兄”と“妹”が過ちを犯すとか、そんなタブーは彼の脳中にはない。
 だが、彼女たち六人との性行為は、否応も無く喜十郎自身にマゾヒストの一面を意識させる事になる。そこに抵抗を感じないほど、彼は鉄面皮ではなかった。


12:淫獣の群れ(その13)
07/11/01 18:16:50 cqE/gMUw

 そして突如、彼の頭に浮かんだ一抹の不安。

(もし、それを認めてしまえば、オレを慕って止まない“妹”たちでさえ、いずれはその性癖に呆れ、オレを見捨ててしまうかも知れない……!)
 今まで考えた事も無い発想。
 どうして浮かんだのかも知れない“妹”たちに対する、初めての怖れ。
 そう思うと、そもそも何故あの美少女たちが、こんな自分に、ここまでひたむきな愛情を向けてくれるのかさえ、分からなくなってくる。
―わからねえ。何かもう、わけが分からねえ……!

 そもそも彼が可苗を恐れたのは、その内に秘めた狂気ゆえだった。
 実妹が、自分に向ける熱い眼差しの意味は、養子になる前から、すでに気付いていた。
 しかし喜十郎としては、別段それを気にはしていなかった。
 いかに自慢の妹とはいえ、彼にはタブーを犯す気など皆無だったのだから。
 そして彼女が、兄の名を連呼しながら、飼い猫を殺害している現場を目撃してから、喜十郎は気付いたつもりだった。可苗の独占欲とは、対象の抹殺すら含む完全なる“所有”である、と。
 だから彼は家を出た。
 それが彼女の想いである以上、この妹は、いつ自分に牙を向けるか分からない危険極まりない存在だと、骨身に染み入るような恐怖と共に、そう判断したからだ。

 だが、違う。
 そう、違うのだ。今ならハッキリと分かる。
 可苗の声が、ハッキリと自分を犯した、と言ったのを聞いたとき、彼の心に沸いた感情は―彼自身、死ぬほど意外ではあったが―なんと歓喜であった。
 そして次の瞬間、生まれてこの方感じた事の無い恐怖が、喜十郎を襲った。

―オレはまさか、可苗が好き……なのか?

 今まで考えた事も無い可能性。
 しかし、しかし可苗の言葉に喜びを覚えたのも、また事実なのだ。
 この実妹ならば、例えどのような惨めな自分をさらしても、それでも彼を見捨てない気がする。
“妹”たちには何故か浮かんだ疑惑が、この実妹には不思議なほど湧かなかった。
 そんな考えが、頭の片隅をよぎったという事実が、喜十郎の精神を混乱の極致に追いやるのだ。
 理由さえ分からない愛を自分に向ける義妹たちを疑い、自分にクスリを飲ませて弄んだ実妹の愛に、根拠すらないはずの真実を感じた。
 その事実は、例え精神的ではあっても、本家の“妹”たちを裏切ったような気分にさせる。

 寝たふりをするしかなかった。
 喜十郎としては、眼前の“妹”たちにどんな顔をすればいいのか、もう分からなかったのだから。


13:淫獣の群れ(その13)
07/11/01 18:19:00 cqE/gMUw

「アドヴァンテージは、まだこっちにあるわ」
 桜は、噛んで含めるような口調で妹たちに告げると、そのまま喜十郎を見下ろした。

「可苗はお兄様の実の妹よ。つまり、どうあがいても、法的にお兄様と結ばれる事はありえないわ」
 確かにそうだ。
 だが真理には、可苗が、少なくともそんな戸籍や法律上の関係にこだわっているとは思えなかった。
「そして何より、お兄様自身が可苗の存在を恐れているわ。近親相姦のタブーとかだけじゃなく、可苗の、あの狂った一面をね。―それはアンタたちも分かってるわよね?」
 そう、そこまでは真理も理解できる。
 だからこそ問題は大きいのだ。
 案の定、春菜も口を開いた。
「確かに……可苗ちゃんにそういう狂的なものがあるのは、ワタクシも認めますわ。でも桜ちゃん、そういう可苗ちゃんだからこそ、兄君さまの意思に関わらず何をしでかすかは予想がつかないのではありませんか?」
 口こそ開かないが、それは真理も同意見だ。
 可苗の心中には、恐らく近親姦の禁忌は無い。また、その狂的な情愛は、実兄を無理やりさらって監禁する程度の行動に、全く躊躇いを覚えないだろう。
 さらに、抵抗する兄に薬物を投与し、苦痛と快感で彼の精神を支配し、最終的に自分を愛するように仕向ける事など、やはり彼女にとっては雑作も無いはずだ。
「そんな可苗ちゃんでなければ、兄君さまをワタクシたちに、笑って返却したりはしないはずですわ」

 可苗は、いわばタブーの向こう側に居る存在なのだ。
 タブー無き者を敵に回す事は出来ない。
 こっちが常識や法律、人情という―いわば、世間一般に生きる者として当然のタブーに縛られている以上、勝ち目などあるわけが無いからだ。
「―そんなこと、もう関係ないわ……!!」
 唇を噛みしめながら桜が呟く。
「可苗のやつに後悔させてやる。私たちに、お兄様を返したことをね……!」
「桜ちゃん……」
「負けたくない……。例え誰に負けても、あの子にだけは負けたくない……!! もし、私たちの覚悟からして可苗に負けてるっていうなら、……私は、あの子と同じところに並んで見せるだけよ……!!」


14:淫獣の群れ(その13)
07/11/01 18:25:01 cqE/gMUw

「……!」
「桜ちゃん……あなた、自分が何を言ってるか、分かってるの……!?」
 絶句した春菜に変わり、真理がおそるおそる口を開く。

「分かってるわ」
 そう言いながら妹たちを振り返った桜の眼差しには、もはや一片の迷いも無かった。
「可苗がタブーの向こう側にいるっていうなら、私たちもそっちに行くしかない。そう言ってるのよ」
 吐き捨てるように言うと、桜はそのまま、兄の耳元に屈み込み、囁いた。

「さあ、お兄様。おねんねのお時間は終わりよ。次の駅についたら、みんなでおトイレに行きましょうね。―可苗なんかに勝手にミルクを捧げたお仕置きを受けるのよ」

 びくりっ!!
 うつらうつらと、舟をこいでいた喜十郎の上半身が、まるで凍ったように静止した。

―やっぱり、寝たフリだったのね……。
 苦笑いが桜の口元にはしる。
 武道をたしなむ春菜でさえ騙された“兄”の寝息と気配。
 だが、それでも自分には……この桜には通用しない。
 こと“兄”に関する限り、自分の勘の冴えは絶対だ。

「ねえお兄様……、これからはもう、今までみたいな甘い生活は送れないものと思って頂戴。私たちは早速今晩から、お兄様を“支配”にかかるわ。私たちナシでは、一日たりとも生きていけないお兄様にしてあげる」
「今日まで私たちは、お兄様の“恋人”になるための努力をしてきたわ。でも、そんなヌルいことじゃ、お兄様は完全に私たちの方を向いてくれないって分かったのよ」
「勘違いしちゃダメよ。これは全部可苗のせいなの。お兄様が、可苗のことなんか忘れちゃうくらい私たちに夢中になったら、そこで初めてお兄様を解放してあげる」
「でもそれまでは、そうなるまでは―お兄様は私たちの“奴隷”になるの。分かった?」

―どれい。
 その瞬間、喜十郎は激しい自己嫌悪に苛まれながらも、思わず射精しそうなほど興奮している自分自身を誤魔化しきれなかった……。
(オレはやっぱり……ヘンタイなのだろうか……!?)
(ヘンタイだとバレたら、こいつらはやっぱりオレを見捨てるのだろうか……!?)

「さあ、そろそろ駅に着くわ。覚悟はいい? お・に・い・さ・ま?」
 

15:時給650円
07/11/01 18:26:03 cqE/gMUw
今回はここまで。

16:名無しさん@ピンキー
07/11/01 18:30:57 4RBtEcE2
お疲れ様です

お兄さん、枯れ果てて逝ってしまいそうですねw

17:名無しさん@ピンキー
07/11/01 19:32:31 e2vg1aJJ
>>1いつのまにか乙

>>15一番槍GJでした

18:名無しさん@ピンキー
07/11/01 20:23:40 PhKYSLfe
>>15
GJ!!!!
お兄ちゃんはM奴隷wwww ある種、お兄ちゃんも可苗に依存してたのかな・・・。
桜も怖いが、可苗は桜の2枚も3枚も上手のような気がする・・・w
続きが楽しみでwktkが止まりません。

19:名無しさん@ピンキー
07/11/01 21:35:19 6NUajRUc
兄ちゃん逃げてーーー!!!!www

20:名無しさん@ピンキー
07/11/02 01:01:40 5Aq3Br6h
なんていうか兄ちゃんは俺に任せてもう変われよこの野郎!!!!!!!!!!!!

21:名無しさん@ピンキー
07/11/02 13:12:33 aYt/f71G
前スレ816 GJ!! これからもヤンデレキャラが増えていく予感がする展開ですね。

22:名無しさん@ピンキー
07/11/02 15:47:47 HYZtrZ+g
キモウト、キモ姉、キモ母、キモ可愛い弟 ……兄父はないな。

23:名無しさん@ピンキー
07/11/02 16:38:45 6xO3xvOr
そこで考えるんだ
兄がニューハーフになったキモおねにぃさまと

24:名無しさん@ピンキー
07/11/02 17:13:12 A22AT4zp
そういうの嫌いじゃないぜ

25:名無しさん@ピンキー
07/11/02 20:57:33 tniz5iqX
キモ兄だと思っていた兄が、妹にキモいと言われ彼女を作った。
実の所、兄は家族思いなだけで、妹のことを性的対象とは見てなかったわけで。
肩すかしを食らった妹は反動でキモウトに…。と言うのを考えたことがなきにしもあらず。
でもここならキモ兄妹のひたすら甘いSS書いてもいいはずなんだよなー。

26:時給650円
07/11/02 22:20:08 PyBj44dT
投下します。

27:淫獣の群れ(その14)
07/11/02 22:23:48 PyBj44dT

「隠し子ぉっ!?」
「ええ。馬鹿にした話だけどね」

 綾瀬本家に帰った喜十郎たちを待っていた義母・道子の話は、土産話というには余りに衝撃的だった。
「愛人に生ませた子でさえ、女の子だと言うのだから、女系家族ここに極まれりだわ」
 皮肉に満ちた舌鋒はますます冴え渡り、その瞳の毒はさらに禍々しい光を帯びる。
 彼女の怒りが相当なものである事は、もはや疑いは無かった。
 
(まいりましたわ……これは)
 春菜は、そんな母の様子を絶望のこもった眼差しで見つめた。
 ハッキリ言って―他の姉妹は知らず―彼女は父親の和彦を尊敬している。
 あの、見るからに謹厳実直、温厚篤実の風貌を持つ父が、永年にわたって母を騙し、外に愛人を囲っていたなどと、とても容易には信じられない。例えそれが母の言葉であったとしてもだ。
 何かの間違いではないのか。いや、間違いであって欲しい。……春菜は心底そう思う。
 それに、問題はそこだけじゃない。
 確かに、春菜としても、父のことを信じたいし、それ以上に浮気された母を哀れにも思う。だが、今の彼女……いや、彼女たちにとって、いま現在、夫婦喧嘩が長引くようだと、別の理由で非常に困るのだ。
 
 そのまま視線をずらし、春菜は、そっと喜十郎に目をやる。
 他の姉妹たちと同じく、あまりに意外な話の成り行きに、ぽかんとしているようだ。
 だが、彼のそのうなじに残る赤い痣が目に入った瞬間、彼女の頬が思わず朱に染まった。
―ワタクシがつけたキスマーク……。
 そう、その内出血の痕こそ、帰路のさなか、とある駅の女子トイレで、春菜が桜や真理とともに彼につけた、隷属の誓いの接吻の痕なのだ。
 そして、その誓いを空洞化させないためにはどうしても、これまで以上の苛烈な調教を喜十郎に施す必要がある。そのためには、やはり母にこれ以上、我が家に居残られては迷惑なのだ。だから、どうしても母の怒りを解く必要がある。
 それが、年長組三人がその後、あらためて出した結論だった。

 しかし、一瞥したところ、母の怒りは容易に収まる気配は無い。
 収まるどころか、二度と夫のところへなど帰らぬ、と言い出しかねない勢いだ。
 春菜は、なまじ道子の言い分が理解できるだけに、いよいよ返す言葉が浮かばなかった。


28:淫獣の群れ(その14)
07/11/02 22:25:55 PyBj44dT

 考えてみれば面妖な話だ。
 家庭に母親がいるのは世間的には常識。常識というよりは当然。当然というよりは必然。
 それを“男”とのコミュニケーションに不都合だからといって、保護者の存在を迷惑がるなど聞いたことも無い。いや、普通にあっていい話ではない。
 春菜は、そんな目的で親の存在を邪魔者扱いしてしまう自分たちの、どうしようもない罪深さを思い返すと、まともに顔を上げられないほどの羞恥心が、その身を焦がすのだ。

 母の話によると、父・和彦の浮気は、かなり以前からのものらしく、少なくとも隠し子の年齢から見て、およそ十五年以上も、その愛人と交際は続いていたようだ。
 コトの露見の発端は、先週イキナリ和彦の娘を名乗る二人の少女が、博多支社の社宅を訪ねてきたことによる。
 凛子(りんこ)と麻緒(まお)という二人が言うところによると、
 先日、母―つまりは父の愛人なのだが―が事故で死んだ。ついては葬儀の段取りと、今後の自分たちの身の振り方について相談したい。是非とも“父”としての誠意をみせてほしい。
……との口上だったそうだ。

 道子が激怒してこっちに帰ってきたのも、まあ無理からぬ話だろう。
 それどころか、母の気位を考えれば、その場で父の身に血の雨が降っても決して不思議ではない。
 いきなり十五年来の裏切りを聞かされて、しかも眼前には隠し子まで出現し、怒りをぶつけようにも、当の愛人は事故で死んだと聞かされては、その娘たちを罵倒する事さえ出来ない。
 まあ、不幸中の幸いと言っては何だが、彼女たちの言う誠意―要求とは、金銭ではないらしい。
 母が言うには、父の愛人はかなり名のある投資家だったらしく、在宅の株券売買でかなりの財を稼いでいたそうで、父の稼ぎが彼女たちの生活費に化していた事実はないそうだ。
「下手をすれば、こんな建売住宅なんかより、よっぽどいい家に住んでるそうよ」
 その事実すら母には気に入らないらしく、歪んだ笑みを浮かべて言う。そして当然のことながら、彼女のその目は全く笑っていない。

 春菜は、そんな母の言葉を、焦れるような気分で聞いていた。
 もう、間違いない。
 このままでは、母を追い出すのは不可能だ。
 せっかく喜十郎が自分たちに服従を誓ってくれたというのに。
 春菜の中に、ふと、こんな事態を差し招いた父への怒りに似た感情が、初めて湧いた。


29:淫獣の群れ(その14)
07/11/02 22:28:05 PyBj44dT

「で、いま義父さんはどうしてるんですか?」

 口を開いたのは喜十郎だった。
 道子は、まるで吐き捨てるように、そんなこと知らないわ、と声を荒げた。
―が、そのまま喜十郎の冷静な視線にさらされ、溜め息をつくと、
「と、言いたいけど……今頃は、その浮気相手のお弔いに東京に帰ってきてるわ」
 二人の隠し子も連れてね。と、毒に満ちた口調で続けた。
「……」
 喜十郎も、口をつぐんで黙り込む。
 だがその瞳には、ヒステリックに怒り狂う義母とは違う、思慮深い光が灯っていた。

「―で、義母(かあ)さんたちとしては、今後、その二人をいかが扱うつもりですか?」
「は?」
 道子の表情が一瞬ぽかんとなる。
 が、次の瞬間、これまで以上に顔を歪ませ、怒りに言葉を震わせる。
「そんなこと、そんなこと、私の知った事ですかっ!! あの隠し子たちと私の間には、全く何の関係も無いのですよっ!!」
「それはおかしいでしょう」
 そう言って顔を上げた喜十郎の声音は、むしろ高校生には聞こえないほどの冷静さが満ちていた。
「その隠し子さん二人と義母さんの間には、確かに血のつながりも何もありません。でも、彼女たちが義父(とう)さんの娘であり、あなたが義父さんの妻である限り、無関係だなどとは言えないはずでしょう―それとも」
 このまま、義父さんと離婚されてしまうおつもりですか。

 そう尋ねた喜十郎は、普段見せている朗らかな空気が一変してしまっている。
 責める口調でもなじる口調でもない。彼としては、淡々と常識的な意見を述べているに過ぎない。
 でも、たったそれだけのやりとりで、あれだけ騒いでいた道子が何も言えなくなってしまっていた。
(出た……お兄様の突然変身!)
“妹”たちは、胸躍らせるような気持ちで、喜十郎の変貌を見守る。
 道子は未だ見たことは無いようだが、これこそ彼の真髄―滅多に見せない『頼れる“兄”モード』の綾瀬喜十郎の顔だった。


30:淫獣の群れ(その14)
07/11/02 22:36:30 PyBj44dT

「私に……どうしろって言うの……?」

 喜十郎のまっすぐな眼差しに、道子が拗ねたように目をそらす。
「オレの友人の兄貴が弁護士をやってます。その人自身は刑事事件の専門ですが、頼めば、民事司法専門の方を紹介してもらう事もできます。いずれにせよ―」
 スジは通さねばならないでしょう。喜十郎はそう言うと、席を立ち、電話の受話器を取った。

「とりあえず、義父さんと連絡を取ります。愛人さんの葬儀はもう終わっていますか?」
「……どうするつもり?」
「知れたこと」
 そう言うと、プッシュホンの短縮ダイヤルを押し、和彦の携帯に回線をつなぐ。
「一度、その隠し子さんを交えて、きちんとした話し合いの場を持つべきでしょう」
「まさか……その話し合いを……今からやれ、と……?」
 道子の顔色が変わる。が、喜十郎はそんな彼女をなだめるように言う。
「まさか」
 もはや会話上では、どっちが年長者か分からなくなっている。
「でも、スケジュールの調整は早目にやっておいた方がいいでしょう。二人の都合も、義父さんの都合もあるでしょうから。ましてや義父さんはサラリーマンですからね。……あれ、なかなか繋がらないな?」

 受話器からは、そのまま電話のコール音が、薄く聞こえて来る。
―が、やがて、春菜が気付いた。
「あれ、兄君さま、何か玄関先から着メロが聞こえて参りません?」
「そうですわ……でも、兄上様これって……?」
「おとうたまのけーたい?」
 春菜に続いて、真理と比奈が気付いたその時、

 がちゃがちゃ、―かちん。
 という、ロックが外れる音が聞こえ、
「―た、ただいま……」
 不安げに帰宅を告げる、和彦の声が聞こえてきた。

「あっ、あなたっ、……一体どのツラ下げて……!!」
 その途端、怒りのうめき声をあげつつ、玄関先に疾走する道子。
 しかし、
「おじゃましまぁす」
「……」
「ほらっ麻緒っ! 人見知りもいいけど、挨拶くらいちゃんとしなさいっ。こういうのは気合なんだからっ!」

 浮気亭主の声に続いて聞こえてきたのは、二人の少女たちのひそひそ声だった。
「まっ、まさか……!」
 そこに居合わせた全員が玄関先に急ぎ、そこに展開された、思いっきり予想通りの絵に愕然とした。

「こっちが妹の麻緒、で、こっちが姉の凛子。―今日から一緒に暮らすんだから、まあ、その、仲良くしてやってくれ」
「いっしょにくらすぅっ!?」

 期せずして“妹”たち全員が、ハモってしまう。
「うん、まあ……そういうことだ。なはははは……」
 脱力気味の病んだ笑いを、和彦が浮かべる。

 喜十郎が、実の妹にお尻の処女を奪われた日、綾瀬家にまた二人―妹が増えた。


31:時給650円
07/11/02 22:38:08 PyBj44dT
今回はここまでです。

32:名無しさん@ピンキー
07/11/02 22:59:31 7o5VLMXi
ここでまた増えるとかwwwwおkwwwww

GJとしか言いようがない・・・!

33:名無しさん@ピンキー
07/11/02 23:00:04 OiZnoxfI
GJ!
この妹たちが目覚めたら兄ちゃんが本当に死んでしまうな

34:名無しさん@ピンキー
07/11/02 23:00:32 tniz5iqX
GJ。しかしなぜだろうか。
数レス前までBGMがドナドナだったのに、いつの間にやらフルハウスのオープニングになっとる。

35:名無しさん@ピンキー
07/11/02 23:25:38 WPNTTyJP
どんだけ増えるんだwww
もう誰が誰だか分からない

36:名無しさん@ピンキー
07/11/03 01:38:07 vMgJctaO
>35
問題なかろう。どいつもこいつもキモウトなのだからな

37:名無しさん@ピンキー
07/11/03 01:46:18 U1gFsu5Q
>>31
GJ!!お兄ちゃんはこの先きのこれるのか?

38:名無しさん@ピンキー
07/11/03 02:04:48 0/RzhL+q
まさか12人になるまで増やす気か?

39:名無しさん@ピンキー
07/11/03 03:00:22 FvldIzVa
ちょwwwwwww
ここで新キャラとかww

その発想はなかったわ・・・でも大丈夫か・・?

40:名無しさん@ピンキー
07/11/03 03:51:22 YB3HbSAw
戦わなければ生き残れない(喜十郎が)

41:名無しさん@ピンキー
07/11/03 04:07:53 I6U/5a4c
GJ!!

てか、意外と保管庫の編集ってだりーな…おれには耐えられん。

42:名無しさん@ピンキー
07/11/03 04:20:12 HAcdWdip
確かに新キャラは驚いたわ
いや、超期待、マジで

>>41
編集乙

wiki保管庫の編集だけど、適当に編集基準みたいなの書いておきます
俺wiki保管庫立ち上げ人じゃないんだが、しばらく暇なときに編集するんで
作品を収録するにしても、整理の規則性は必要だと思うしね・・・



43:41
07/11/03 10:17:27 I6U/5a4c
>>42
力に成れなくて悪い。

44:wiki”管理”者
07/11/03 12:59:36 ogJMyhyU
>>41


なにかミスした場合はここに書いてくれれば対応します。

45:名無しさん@ピンキー
07/11/03 14:39:42 sekeWWFb
喜十郎が一人暮らししたら妹達はどうなるかな?

46:名無しさん@ピンキー
07/11/03 16:07:18 wF7uW4td
部屋中に監視カメラを仕込むんじゃないの。

47:名無しさん@ピンキー
07/11/03 16:11:26 tfb8E9ys
数年前に読んだエロマンガでメイドの母・姉・妹を一発も射精せずにイカせたら一人暮らしを認めるってのがあったな
オチは一人暮らしは認めるけどアパートの隣に引越してくるってやつだった

48:名無しさん@ピンキー
07/11/03 19:51:05 XE6mRd19
このスレは初めてきたが良作が多いな

49: ◆/waMjRzWCc
07/11/04 01:47:42 gV4sC8z8
続き投下します。

50:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 01:49:06 gV4sC8z8
公園で冬華ちゃんと別れて、家に帰った。
…ふらふらする。
昨日から体力使いすぎだよな…
自業自得だけど。
「ただいま…」
理緒姉は、どんな反応をするんだろう。昨日の行為から会話をしてない。
いきなり追い出されるかな?
それとも散々に文句を言われるだろうか?
「お帰り。遅かったね」
…なんでそんなに普通の対応なんだ?
「ちょっと途中で知り合いに会って話をしてたから」
「ふーん…」
「…なぁ、昨日の事、覚えてる…よな?」
「修くんに無理矢理犯されちゃったこと?」
「覚えてるなら…なんでこんなに普通の会話ができるんだよ!俺は理緒姉を犯したんだ!普通俺の顔なんか見たくもないと思うだろ!」
「お姉ちゃんは普通じゃないから」
俺はその言葉を聞いたとき、何故かゾクリとした。
理緒姉の表情はわずかに微笑んで、こちらをまっすぐに見ていた。
いつもの笑顔とは違う、明らかに異質な表情。
そこには、感じた事の無い、表情とは全く違う何かを感じさせた。
「理緒…姉?」
「どうしたの?昨日みたいにしても良いんだよ?」
何も言えなかった。
「こうやって抱いても…良いんだよ?」
腕を後ろに回される。
逃げられない…

51:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 01:51:25 gV4sC8z8
抱き付きながら私は修くんの匂いをかぐ。
汗の匂いに混じって、女の匂いと、薄くではあるが精液の匂い。
…この匂いと、帰り道に居る知り合いって事は…
羽居、冬華…!
単なる子供だと思って油断していた…!
まさかあの子がここまで早く行動するとは。
おそらくきっかけは修くんから作ったのでしょうけど。
全く…修くんてロリコン?
それでも私は気にしないけど、まさか羽居冬華に手を出すとは。
犯罪じゃない。
関係無い思考はここまでにして、対策を取らないとね。
「修くん、羽居冬華ちゃんとはどの位仲が良いの?」
「なんだよいきなり…別にただの友達位じゃないか?」
「お姉ちゃんあの子に嫌われてるみたいだから、仲良くなりたいなって、ね?」
「それは良いと思うけど…だからなんなんだ?」
「今度の休み、羽居冬華ちゃんを家に招待しなさい。もちろん、お泊まりでね?」
「はぁ?泊まりって、あの子まだ小学生だぞ?無理じゃないか?」
「良いから誘ってみなさい。あの子と仲良くなるには一日じゃ足りないだろうから」
「…分かったよ。一応誘ってみる。断られたら諦めてくれよ」
修くんが誘えば、あの子は必ず来るでしょうね…

52:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 01:54:51 gV4sC8z8
「この話はこれでおしまい。それより修くん、昨日みたいなこと、しないの?」
「っ!昨日は…なぜか苛々して、それで…」
「それでお姉ちゃんで発散しちゃった訳だ」
「その…悪かった。理緒姉、ごめん」
「別に気にして無いよ。その代わり、お姉ちゃんが苛々した時は修くんで発散しても良いよね?」
「……」
「その沈黙は肯定って事で良いのかな?」
「…性的な事はなるべく勘弁して下さい」
「え~…修くんばっかりずるいよぅ。お姉ちゃんだってこう、ムラムラする時が有るんだよ?」
「それを俺で発散されても…」
「むぅ~…まぁ、なるべく我慢するよ。なるべく、ね」
「最後の微妙な区切りはなんなんだ…」


翌日、俺はまた公園に来ている。
もちろん、冬華ちゃんを誘う為だ。
「冬華ちゃん」
「あっ、修お兄ちゃん!また会いに来てくれたの?」
「まぁ、ね。ちょっと用事が有って」
「用事?用事ってなぁに?」
「理緒姉が、家に泊まりに来ないかって。冬華ちゃんと仲良くなりたんだそうだ」
「修お兄ちゃんちに?う~ん…」
「駄目なら駄目でいいんだけど…」
「ううん、冬華、修お兄ちゃんちに行く!」
「分かった、じゃ、土曜日にね」

53:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 01:57:25 gV4sC8z8
「分かった。修お兄ちゃん、またね」
まさかOKを貰えるとは思って無かった。
羽居春華はどう思うのだろうか、とも考えてみたが、あいつは意外にすんなりと了承しそうな気がした。
家に帰って理緒姉に大丈夫だという旨を伝える。
「じゃあ今度の土曜日は思いっきりおいしい料理を作ってね?」
「そこの問題なのか?まぁ俺にできるだけの物は作ってみるけど」
「楽しみだね~冬華ちゃん、どんな子なんだろうなぁ…」
「それより冬華ちゃんをどこで寝かせるんだ?俺の部屋はまずいだろ?」
「お姉ちゃんの部屋で一緒に寝れば良いでしょ?」
「大丈夫か?今の所嫌われてるみたいだぜ?」
「大丈夫だよ。お姉ちゃんに任せておきなさい」
「…分かったよ。その辺は任せる」
本当に大丈夫かは心配な所だけど、理緒姉なら本当になんとかしてしまう気がする。そういえば何時に来るか聞いてなかったな…
明日は早めに起きておこう。
小学生だと予想外の時間に来たりするからなぁ…
さっさと寝ておこう。

…今、何時だ?そう思って時計を見る。
○月○日(土) AM6:30
…いくらなんでもおかしいだろ?
そう思いながらも玄関を開ける。
「おはよう、修お兄ちゃん…」

54:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 02:00:38 gV4sC8z8
「…おはよう、冬華ちゃん」
「あの、やっぱり早すぎたかな…?」
「ちょっとね…6時に来るとは思ってなかったよ」
「あ、あの、ごめんなさい…冬華、お泊まりなんて初めてで…興奮しちゃって…」
「まぁ、良いよ。上がって」
「おじゃまします」
「は~い、いらっしゃい」
「理緒姉?もう起きてたのか?」
「まぁね~。お姉ちゃんだって起きようと思えば起きれるのよ?」
「へぇ~…知らなかったよ」
「冬華ちゃん、久しぶりね」
「あ…おはよう、ございます」
「そんなに怖がらないで?」
「あ、えと…怖がってる訳じゃなくて、その…こうして面と向かって理緒さんと話すのは初めてだから、緊張しちゃって…」
「あらあら、可愛い子ね。じゃ、こっちへ来て一緒に朝ご飯食べよっか」
「良いんですか?」
「もちろんよ。ほら、こっちに座って?修くん、ぼーっとしてないで早く朝ご飯の準備をしなさい」
「あ、あぁ。何が良い?」
「冬華ちゃんは嫌いな物とか有るの?」
「えっと…納豆はあまり好きじゃないです…」
「じゃあ納豆以外なら平気?」
「はい、大体の物は食べれます」
「だってさ。じゃあ後は修くんにお任せって事で、よろしくね?」

55:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 02:04:34 gV4sC8z8
「…分かったよ。朝飯は結構適当に作るから期待すんなよ?」
「へぇ~…」
「ん?」
冬華ちゃんがまるで奇跡を見たかの様に目を輝かせている。
「…どうしたの?冬華ちゃん」
「修お兄ちゃんが作るんだぁ…!」
「えっ?あぁ…そうだよ」
「すごいすごぉい!修お兄ちゃんてお料理できるんだね!」
あまり期待されたくないし、料理なら羽居春華なら悠々とこなしそうな気がするんだが…
その後料理を作り始めた時に後ろから二人の声で
「お嫁さんに欲しいよね~」
とか聞こえたのは気にしない事にしよう。
「お待たせ。今日は朝の準備をあまりしてなかったから、スクランブルエッグにベーコンにパンにサラダだよ」
「冬華ちゃん、お腹減ったね~。早く食べよ?」
「はい、いただきます」
もくもくと食べる理緒姉と冬華ちゃん。
「理緒姉、冬華ちゃん、おいしい?」
「「おいしい!」」
「まぁ喜んで貰えて何よりだ。これ位誰でも作れると思うけど」


「あ~おいしかった。ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
さっさと片付けよう。
「そういえば家に呼んだは良いけど何するんだ?」
「そうね…冬華ちゃん、何がしたい?」


56:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 02:07:05 gV4sC8z8
「冬華、トランプがしたい」
「そういえば長い事やってないからそれも良いかもね」
「じゃあ、トランプ持ってくるから何するか決めといてくれ」
「冬華ちゃん、何をしよっか?」
「冬華、大富豪がしたいな」
「おっ、なかなか良い所ね。ルールはどうする?」
「8切り、革命、階段位しか分からないけど…」
「じゃあそれと特別ルールね」
「特別ルール?」
「もし大貧民になったら、着ているお洋服を一枚ずつ脱いでくの」
「えっ、えぇっ?」
「大丈夫大丈夫。負けなきゃ良いんだから。ね?」
「う、うん…でも、理緒さんも負けたら脱ぐんだよね?」
「当たり前じゃない。そこは平等よ。ただ、修くんには内緒にしておいてね?あの子絶対反対するから」
「分かった。冬華、負けないからね!」
「私も負けないわ」
「トランプ持ってきたぞ~。んで、何をやるんだ?」
「大富豪に決定したわ」
「ルールは?」
「8切り、革命、階段よ」
「少ないね。まぁ別に良いけど」
「他にどんなルールが有るの?」
「そうだなぁ…地域によるけど5飛ばしだったり、10飛びだったりイレブンバックとか十三階段とか、JOKERにハートの3で勝てるとか…」
「もういいわ…」

57: ◆/waMjRzWCc
07/11/04 02:11:32 gV4sC8z8
投下終了します。

58:名無しさん@ピンキー
07/11/04 02:13:35 zoVoj+/x
>>57
イチバンヤリGJオツカレーション

59:名無しさん@ピンキー
07/11/04 02:58:00 eHyIlQrB
Good Job.
やばい。冬華、ピンチ。生きて明日の朝日を拝めるのか…?

60:名無しさん@ピンキー
07/11/04 03:24:53 Dxv63ByU
これは性的なお仕置きやレズレイプの期待が高まりますな

61:名無しさん@ピンキー
07/11/04 11:30:46 PDQXM8hw
綾だったらもうボロクズにしてるなw

62:名無しさん@ピンキー
07/11/04 12:12:42 fx35YZ4Y
GJ!
冬華ちゃん命の俺としてはヒヤヒヤの展開です
冬華ちゃん退場…なんてことにならなければよいが…

63:時給650円
07/11/04 13:46:53 iLOpR3Km
>>30の続きです。
投下します。

64:淫獣の群れ(その14)
07/11/04 13:50:01 iLOpR3Km

「結構なお手前でございましたわ、深雪ちゃん」

 半ばウットリしながら春菜が、空になったティーカップをテーブルに置く。
「アールグレイ、でしたか? お茶を淹れるのがまた上手くなりましたね?」
「え?」
 突然の春菜の誉め言葉に、深雪も驚きを禁じえない。彼女としては普通に、いつも通り淹れただけに過ぎないのだから。だが、特に意識もせずに淹れた茶を誉められたという事は、すなわち、普段の技術そのものが向上しているという評価に他ならない。
 深雪にとって、その喜びは深い。それは、ほぼ存在の肯定と同義な程に。

「お茶の心得はワタクシもありますが、やはり紅茶となれば、深雪ちゃんにはまだまだ及びませんわ」
「そんな……、春菜ちゃんたら、お世辞はヤマトナデシコには似合わないですの」
「いいえ、ワタクシは世辞など申してはおりませんわ。―“もてなしの心”を味に込められるようになれば、その方は、もはや一流と呼ぶに恥じない料理人だと、ワタクシは思うだけですもの」
「いっ、一流だなんて……そこまで言われたら、逆に姫も困っちゃうんですの……!!」
 そう言いながらも、当の深雪は嬉しそうに頬を染め、上体をくねらせる。
 そして、そんな妹を、美しい和服に身を包んだ春菜が、穏やかな笑顔で見守っている。

 いま春菜を“大和撫子”と深雪は呼んだが、確かにその通りだ。
 彼女は自身の最終目標を“大和撫子”への到達に置き、そのためのあらゆる努力を惜しまない。
 自身を“ワタクシ”と呼び、喜十郎を“兄君さま”と呼ぶのも、その『和の精神』への憧れが為さしめるものであろうか。
 だから彼女の本貫は、あくまで茶道、華道、日本舞踊といった、貞淑なる日本女性の表芸たるものばかりであり、その身に叩き込んだ体術も、元来ただの護身術―つまりは“日本女性のたしなみ”から学び始めたに過ぎない。
―まあ、喜十郎が家に来てからはその武芸も『兄君さまを御守りする!』という、よく分からない目的にすりかわってしまっているが。
 そんな春菜だから、当然家庭料理のウデも、そこいらの主婦以上であり、深雪にとって春菜に料理を誉められるのは、喜十郎とはまた違う、格別な喜びがあるのだ。


65:淫獣の群れ(その14)
07/11/04 13:51:59 iLOpR3Km

「あの、―そろそろ本題に入っていいかしら?」

 春菜の艶然たる笑顔とはまるで対照的に、苦虫を噛み潰したような桜が、二人の雰囲気を破壊する。
「ごっ、ごめんなさい桜ちゃん。姫ったら、つい興奮して……」
 つい今しがたまで、ムフンムフンと鼻を鳴らして喜んでいた深雪も、そんな長姉の顔色に、水でもぶっ掛けられたかのように素に戻ってしまった。
「まあまあ、申し訳ありません桜ちゃん―では、どうぞ」
 それに比べて、さすがに春菜は姉の不機嫌に慣れているのか、顔色一つ変えずに議題を姉に戻す。
 しかし、一度火のついた桜のヒステリーは、容易なことでは収まらない。そういう意味で桜は、母の道子に、文字通り生き写しのごとく似ている。
「どうぞって……!! 春菜っ!! アンタいま私たちが置かれた情況が分かってるのっ!?」
「……桜ちゃん」
「いいえっ、春菜だけじゃないわっ! あなたたち全員っ、今の情況を正確に理解しているのっ!?」
 怒声の勢いのまま立ち上がり、彼女は四畳半の居間に居並ぶ妹たちを睨みつける。

 いま現在、綾瀬家にいるのは春菜と真理、深雪に、彼女たちを睥睨する桜の四人。
―つまり喜十郎、詩穂、比奈、そして新たに姉妹に加わった凛子と麻緒の五人が、この家を留守にしているという事になる。

 彼女たちの両親、つまり和彦と道子はすでに東京にいない。
 あの晩、凛子と麻緒を連れ帰った和彦が、土下座混じりの謝罪を述べ立て、二日間にわたって揉めに揉めたあげく、なんとか夫婦そろって博多へご帰還のみぎりとなったのだ。
―元来この夫妻は、道子の側からの熱烈なアタックにより、交際・結婚という道程を歩んだという過去もあるため、一度和解が成立すれば、その後もスムーズなものだった。
 桜をはじめ、このときの六人の姉妹たちの喜びっぷりはもう、筆舌に尽くせぬ程であった。なにしろ両親の離婚の危機が回避されたと同時に、彼女たちの“愛の巣”の唯一の邪魔者が消え失せたのだ。彼女らがはしゃぐのも当然と言えた。
 だが“妹”たちのその喜びも、長くは続かなかった。

 凛子と麻緒が綾瀬家に来て二日目の夜、父と母は博多に帰り、そして、今日はその晩からさらに三日後の昼―喜十郎と凛子、麻緒と詩穂、そして比奈の五人は遊園地に出かけている。


66:淫獣の群れ(その14)
07/11/04 13:53:46 iLOpR3Km

「兄上様は、ああ見えて結構アタマの切れる方ですから、まあ、こうなる事も予想できなくも無かったんですけど、ね……」
 真理が呟く。

 そう、せっかく邪魔者の両親が居なくなったというのに、姉妹たちは“兄”に、一指も触れ得ずにいた。
 原因は言うまでも無く、新たなる“妹”……凛子と麻緒である。
 といっても、彼女たちが何かをしたり言ったりしたわけではない。
 むしろ、逆だ。
 喜十郎が、この二人を最大限に利用したのである。

『せっかく家族になったのだから』という大義名分の元、その優しさを発揮して二人の面倒を見始めた喜十郎に、凛子も麻緒もすっかり懐き、今では彼にべったりになっていた。
 無論、六人姉妹たちも“兄”の―
『子は親を選べない。義母さんはともかく、お前らがあの子たちを白眼視することは、“兄”として、このオレが許さん』
 という言に従い、可能な限り二人を歓迎した。
 ベッドや風呂場でこそ、“妹”たちの玩具に成り下がっているが、喜十郎が真顔で吐いた言葉をないがしろにするほど、彼女たちは“兄”を軽く見てはいない。
 それはいい。
“妹”たちも一個の人間として、“兄”の言葉は正しい、と思うだけの常識はあるからだ。
“愛人の娘”“隠し子”と、これまでそしられ続けた二人が、形はどうあれ一家の本籍地に乗り込んできたのだ。内心その緊張は、余人の想像を絶するものがあったろう。
 だから、最初は頑なで挑戦的だった凛子も、人見知りで無口だった麻緒も、徐々に態度を軟化させ、今では、本来の陽気で元気な少女の顔に戻っている。
 
 だが、やがて“妹”たちは気づく事になる。
 たとえ、道子ほどの拒絶反応を示さないとしても、この一家に於ける“兄”と“妹”たちの“関係”を知らない二人の存在は、自分たちの触手を遮る、母以上の邪魔者なのだということに。
 自分たちの関係性や行為が、世間的にいかに異常なものであるかは、姉妹の全員が承知している。だからこそ、まだ何も知らない二人の前で“兄”に悪戯を仕掛ける事は、心理的に大きなブレーキがかからざるを得ない。
 喜十郎も、そのことは充分理解しているはずだ。にもかかわらず、彼は二人の世話をするという名目のもと、必要以上に彼女たちの傍を離れなかった。
―これは、意図的だわ。分かっててやってるんだわ。

“兄”が、陰ながら、彼女たちとのスキンシップを避けているのは、もはや確実だった。


67:淫獣の群れ(その14)
07/11/04 13:55:35 iLOpR3Km

 桜が焦るのも、或いは無理はない。

 想い人から避けられているという歴然たる事実。
……まあ、彼が“妹”たちの調教を内心嫌がっていたのは彼女たちも知っているし、そんな“兄”をイジメるのが楽しかったと言えなくも無かったので、これはいい。
 だが、可苗という悪霊のような強敵を前にして、これ以上の調教の遅れは、彼女たちにとって致命的な事態を呼びかねない。
 桜には分かる。
 今でも“兄”は、実家に帰ることに抵抗はあるようだが、その話題を振っても、あのときの旧校舎の屋上で見せたような恐怖は見せてくれない。
(つまり、こないだの帰宅で、それだけ可苗に対する免疫がついたって事じゃないの……!!)
 恐怖というのは拒絶に直結する。
“兄”の、可苗に対する拒絶反応が薄まり、自分たちのスキンシップに対する回避の意図が明確になり始めた。……これが一体どういう事態か、考えるのほどに桜は背骨が寒くなる。

「兄君さまは……やっぱり最初から何もかも計算して二人の面倒を見たのでしょうか……?」
 誰に聞かせるでもなく、春菜が呟く。
 しかし、その疑問はこの場に居る全員が等しく抱いていた事だった。
 必要以上に二人の世話を焼く喜十郎。
 そんな彼に懐き、必要以上に喜十郎にまとわりつく凛子と麻緒。
 しかし、彼女たちが知る喜十郎は、他者の利用を目的に自分の優しさを切り売りするような小賢しさは、少なくとも持ち合わせていないはずだった。
 しかし、初志はともかく、喜十郎が二人を“妹”たちに対する防波堤として利用しているのも、いまや明白な事実だ。
 詩穂や比奈といった年少組の少女たちは、新しく増えた家族に素直に喜んでいるが、上の三人娘―とくに桜のストレスは、そろそろ頂点にさしかかろうとしていた。


「“歓迎会”をしましょう」
 ぽつりと真理が言う。



68:淫獣の群れ(その14)
07/11/04 13:58:36 iLOpR3Km

「「「……?」」」

―歓迎会?
 この場に居合わせた全員が、この文学少女然とした三女の言葉を計りかねた。
「真理ちゃん……カンゲーカイって……いったい何を言ってるんですの?」
 かなり遠慮の無い質問を深雪が投げかける。
 真理は周囲の視線の冷たさに気付くと、改めて口を開き始めた。

「つまり、ですね。あの二人―凛子ちゃんと麻緒ちゃんがいる事で、兄上様への手出しが難しくなっているのは事実です。でも、そもそも、それは何故だと思います?」
「……いや、その、真理?」
「なぜって訊かれても、困るんですけど」
 桜と春菜は、あくまで勘で行動するタイプなので、真理と違って理屈でモノを考えるのが苦手だ。
「あの二人が私たちの“関係”を御存知無いからです。兄上様は私たちの“奴隷”であり、“恋人”である実態を。何も知らないからこそ、彼女たちの前で私たちは、普通の“義妹”を演じなければならない。……と、なれば話は簡単です」
 真理は、そこでぬるくなった紅茶を一口あおると、


「彼女たちに教えてあげればいいのです。兄上様の存在の本当の価値を。兄上様の感触を。快感を。体臭を。お味を。悲鳴を。兄上様がブザマに悶え泣く姿が、どれほど惨めで、美しいかを―」


「なるほど」
 桜が笑った。
「“歓迎会”、……ね」
 学校で見せている、万人を魅了する明るい笑顔では、当然ない。
「おもしろそうじゃない」
 ニヤリとした、口元を亀裂のように薄く歪ませたような、たまらなくいやらしい笑み。
 それは“兄”と“妹”たち、つまり“身内”の前でしか決して見せない、淫らな笑い。


69:淫獣の群れ(その14)
07/11/04 14:04:51 iLOpR3Km

「―でも真理ちゃん、問題もありますわ」
 春菜が、少し不安げに言う。
「凛子ちゃんはともかく、麻緒ちゃんなんかは、かなりのネンネさんに見えますけど、もし、お二人が“こちら側”に来る事を拒絶したら、いかがなさるつもりです?」

「―それならそれで問題ないわ」
 桜が斬り捨てるように言葉を返す。
「あの子たちが私たちについて来れない時は、それこそ追い出せばいいのよ。もともと住んでた家が都内に在るはずなんだから、二人とも、今さら住むところに困ったりはしないでしょう? それに―」
「凛子ちゃんと麻緒ちゃんが、姫たちの側に来れるかどうかは問題じゃないんですの。重要なのは、姫たちとにいさまとの“関係”を、きちんと既成事実を踏まえて確認させることですの。―そうですわね、真理ちゃん?」
 いつになく興奮した表情で、深雪が桜の言葉を引き継ぐ。
 さすがにそこまで説明されれば、春菜とて馬鹿ではないので理解できる。
「確かに……。お二人がワタクシたちの“関係”を一度知ってしまえば、もうあの子たちに遠慮する必要は無くりますわ。いや、それどころか、眉をひそめる二人の前で、嫌がる兄君さまを無理やり……あんなことや、こんなこととか、させたり言わせたりとか……」
 きゃ~~、ぽぽぽぽっ、と悲鳴をあげつつ頬を染めて妄想を遊ばせる春菜。
 そんな姉を見ながら、やはりムフンムフンと鼻を鳴らして妄想に身悶える深雪。

 暴走する妹たちの様子を傍目に見ながら、桜は真理を振り返った。
「それじゃあ真理、さっそく準備に取り掛かりましょうか」
「はい。……今夜は、とてもとても長い夜になりそうですね、桜ちゃん」
「長いだけじゃないわ。とても楽しい夜よ」
「はい。兄上様に、御自分の“奴隷”という立場を理解してもらう、いい機会になるでしょう」
「立場だけじゃないわ。私たちのラブを、いやと言うほど味あわせてあげるのよ」

“妹”たちは、その瞳に五日ぶりの潤んだ光を輝かせ、うっとりと今宵の宴に思いを飛ばしていた……。



70:時給650円
07/11/04 14:06:08 iLOpR3Km
今回はここまで。

71:時給650円
07/11/04 14:15:44 iLOpR3Km
すいません。
タイトルは(その14)ではなく(その15)でした。

72:名無しさん@ピンキー
07/11/04 14:33:53 zu2Hrn1h
きっと冬華のピンチには春閣・・もとい春華お姉ちゃんが何とかしてくれるに違いない。

73:名無しさん@ピンキー
07/11/04 15:08:41 zoVoj+/x
>>71
GJ

次は兄貴死んじゃうなww

74: ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:10:14 gV4sC8z8
続き投下します。

75:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:13:26 gV4sC8z8
「とまぁ、ローカルルールはこんなもんとして、そろそろ始めようか。JOKERは2枚入りで良いの?」
「お姉ちゃんは構わないわ」
「冬華もそれで良いよ」
「んじゃ、カットするよ」
シャアアァァ、シュバババババ…
「うわぁ…修お兄ちゃんかっこいいね」
「修くんショットガンシャッフルなんてできたのね」
「まぁ、この辺だけ器用なんだよ。無駄な事ばっか覚えちまうから」
本当に無駄な事は良く覚えるのだ。
ルービックキューブも一応6面揃えられるとか、麻雀も覚えたりとか、チェス、将棋などなど…
遊びばっかりだな…
とか考えながら配り終わる。
「え~…修くん、お姉ちゃんに嫌がらせしたでしょ!」
「なんの話だよなんの。俺は普通に配っただけだぜ」
「弱すぎるわ…」
「スペードの3は…」
「冬華が持ってるから、冬華から始めるね」
パサッ
「うわっ、いきなり階段かよ。俺パス」
「お姉ちゃん出せるわ」
パサッ
「理緒姉、いきなりそんな強いの使って良いのか?」
「弱いからこそ速攻よ」
「疾きこと風の如く…って感じですか?」
「冬華ちゃん、良くそんな難しい言葉知ってるね」
「春華お姉ちゃんから聞いたのを覚えたの!」

76:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:14:15 gV4sC8z8
「へぇ…」
羽居春華は家でどんな会話してるんだ?
「続けるわよ?」
「あぁ」
パサッ、パサッ、パサッ…
「冬華いっちばーん!」
「良し、俺も終わりだ」
「あの手札じゃやっぱり無理よね…」
「じゃ、理緒姉大貧民な」
「仕方ないわね…」
するするっ
「って理緒姉、なんでおもむろに脱ぎだすのさ?」
「言い忘れてたけどこれ、脱衣大富豪だから」
「はぁ?何を言ってんだよ。冬華ちゃんが嫌がるに決まってるだろ」
「既に納得済みよ」
「えぇっ!?冬華ちゃん、そうなの?」
「うん、冬華負けないもん」
「それって当然俺も脱ぐんだよな?」
「当たり前じゃない」
「負けられねぇ…」
年上年下二人の美(少)女の前で裸なんてそんなふざけた状況になってたまるか…!
「あら、なんだか気合い入っちゃった風味?そんなにお姉ちゃんと冬華ちゃんの裸が見たいの?」
「ちげぇ!ただ二人ね前で脱ぎたくないだけだ!」
「修お兄ちゃん、えっち…」
「いや、だから、見たい訳じゃないって…」
「冬華ちゃん、頑張ろうね~」
「ね~」
「なんか仲良くなってるし…」
パサッ、パサッ…
「きゃっ、そこで革命するの?」
パサッ、パサッ…


77:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:15:08 gV4sC8z8
「おっし、大富豪だ!」
「お姉ちゃん平民~」
「冬華…負けちゃった…」
「さぁ冬華ちゃん、お洋服を脱ぎましょうか?」
「なぁ理緒姉、やっぱり止めないか?」
「ううん、修お兄ちゃん、冬華は理緒さんと約束したから」
そう言って上着を脱ぐ冬華ちゃん。
夏じゃなくて良かった…
「じゃあ、次を始めましょうか?」
「冬華、次は負けない!」
「うわ~…なんか二人ともやる気だよ…」

~一時間経過~
「これ以上、負けられないわ!」
「理緒姉意外と弱いな…」

~二時間経過~
「うぅぅ…冬華、そろそろ脱ぐ物無いよぅ…」
「なぁ冬華ちゃん。なにゆえ靴下を脱がないんだ?」
「修お兄ちゃん、こういうマニアックなのが好きそうだから…」
「俺に下着+ニーソの属性は無いっ!」
「じゃあ修くんは何属性持ちなの?」
「えっ?え~っと…」
「冬華も気になるなぁ…」
「俺は…チャ(ボソボソ…)」
「ちょっと、はっきり言わないと聞こえないよ~」
「修お兄ちゃんずるいよぅ!」
「あぁ分かったよ!言いますよ!俺はチャイナドレスが好きですよ!」
「へぇ~…あのいつでも行為に及べるえっちな服ね」
「修お兄ちゃん、やっぱりえっち…」

78:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:18:58 gV4sC8z8
「おっし、大富豪だ!」
「お姉ちゃん平民~」
「冬華…負けちゃった…」
「さぁ冬華ちゃん、お洋服を脱ぎましょうか?」
「なぁ理緒姉、やっぱり止めないか?」
「ううん、修お兄ちゃん、冬華は理緒さんと約束したから」
そう言って上着を脱ぐ冬華ちゃん。
夏じゃなくて良かった…
「じゃあ、次を始めましょうか?」
「冬華、次は負けない!」
「うわ~…なんか二人ともやる気だよ…」

~一時間経過~
「これ以上、負けられないわ!」
「理緒姉意外と弱いな…」

~二時間経過~
「うぅぅ…冬華、そろそろ脱ぐ物無いよぅ…」
「なぁ冬華ちゃん。なにゆえ靴下を脱がないんだ?」
「修お兄ちゃん、こういうマニアックなのが好きそうだから…」
「俺に下着+ニーソの属性は無いっ!」
「じゃあ修くんは何属性持ちなの?」
「えっ?え~っと…」
「冬華も気になるなぁ…」
「俺は…チャ(ボソボソ…)」
「ちょっと、はっきり言わないと聞こえないよ~」
「修お兄ちゃんずるいよぅ!」
「あぁ分かったよ!言いますよ!俺はチャイナドレスが好きですよ!」
「へぇ~…あのいつでも行為に及べるえっちな服ね」
「修お兄ちゃん、やっぱりえっち…」

79:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:21:17 gV4sC8z8
「そういう捉え方をするなよ!」
「じゃあどういう捉え方をすれば良いのかしら?チャイナドレスのどこが良いのか説明して?」
「いや…その…あの深いスリットから覗く生足が…」
(修お兄ちゃんて…足フェチ?)
(これは良い事を聞いたわ…)
「くそっ!負けてないのになんだこの羞恥プレイは!」

~三時間経過~
「お姉ちゃん…もう脱ぐ物無いわ…修くん、強すぎない?」
「冬華も脱ぐ物無くなっちゃった…」
「勝ったけど…なんだこの敗北感…」
ちなみに状況は俺完勝。
二人のどちらかが必ず大貧民だった。
そのせいで俺は普通の格好、理緒姉下の下着のみ(おかしいだろ…)、冬華ちゃん上下下着のニーソ。
ちなみに冬華ちゃんにニーソ脱げば?と何度も言ったが、冬華ちゃんはかたくなに「ニーソックスは体の一部だ」
と言って決して脱がなかった。
眺めとしては、もちろん悪くない。
これで喜ばない普通の成人男子は居ないだろう。
だが、一人が姉で一人がクラスメイトの妹で小学生では完全に俺が鬼畜変態だ。
「早く服着てくれよ…」
「負けたからには一日この格好で居るわ」
「そこで無駄に意地をはらなくても良いだろうが」
「いやよ」
「冬華も」

80:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:24:34 gV4sC8z8
「はぁ…なんで変な所で似てるんだ?」
「そうね…冬華ちゃん、私の事お姉ちゃんと思わない?」
「えと…理緒、お姉ちゃん?」
「…」
「理緒姉?なんで震えてんの?」
「か…」
「か?」
「かわいい~!冬華ちゃん、もう一回、もう一回呼んで?」
「理緒お姉ちゃん」
「きゃ~!妹ができたみたいですっごく嬉しい!」
「そんなに喜ぶんだ…」
「冬華ちゃん冬華ちゃん、お昼ご飯食べたらお姉ちゃんと買い物に行こうよ」
「買い物って…何を買うの?」
「秘密よ。行ってからのお楽しみ!」
「まだ昼飯には早いな…」
俺は既に昼飯で何を作るかを考える。
「修くん、お昼ご飯はご飯ものにしてね?」
「了解。メニューは俺が決めて良いのか?」
「冬華、修お兄ちゃんに任せるよ」
「お姉ちゃんも」
「分かった。それは良いとして次は何をするんだ?」
「修くん、久しぶりにマ○オカート64をしない?」
「それ、冬華も持ってるよ!」
「ならちょうど良いわね。修くん、準備して?」
「…マジかよ」
マ○オカート64には嫌な記憶しかない。
なぜなら理緒姉はなぜかこれを極めており、ワリ○スタジ○ムの一周8秒も当然の様にやってのけるからだ。

81:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:28:06 gV4sC8z8
当然他のコースもほぼ完璧で、インをつきながらのミニターボ連発も異常な精度なのだから、俺に勝ち目はない。
ちなみに俺だって友人とやるにあたっては負けた事が無いのだ。
勝つにはアイテム運に頼るしかない。
冬華ちゃんはどうなのだろう?
持ってるとは言ってたが…
「準備出来たよ…」
「久々ね」
「えへへ」
「どこから始めようか?」
「まずはマ○オサーキットよね」
ポッ、ポッ、ポーン!
見事に全員ロケットスタートを決める。
しかしそこからミニターボでじわじわと理緒姉が前に…ってあれ?
冬華ちゃんの操るキノ○オがついていってる。
「冬華ちゃん、やるわね…!」
「理緒お姉ちゃんこそ…!」
一人取り残される俺とヨッ○ー。
なんで俺の周りにはこんな人ばっかりなんだよ…


-2時間後-
見事に俺はぼろ負けであり、理緒姉が1位9回冬華ちゃんが1位7回だった。
「ふぅ…良い勝負だったわ」
「理緒お姉ちゃん、強いね」
「冬華ちゃんもね。今回はアイテム運が有ったから勝てたけど、次は負けるかもね」
「冬華、もっと頑張る!」
もうこれ以上頑張らなくて良いんじゃないか?などとつっこめる雰囲気でも無かったので俺は諦めた…

82: ◆/waMjRzWCc
07/11/04 20:31:32 gV4sC8z8
投下終了します

83:名無しさん@ピンキー
07/11/04 21:04:40 fx35YZ4Y
GJです。
ほのぼのムードでよい感じです。
冬華ちゃんニーソ姿で俺興奮!

84:名無しさん@ピンキー
07/11/04 21:46:42 RIFFcp2d
もう超GJ
たくさん読めてありがたい限り

85:名無しさん@ピンキー
07/11/04 21:49:31 6oTDrpch
りおの人と淫獣の人は一日どんだけ書いてるんだろう?w
執筆速度がうらやましす

86:名無しさん@ピンキー
07/11/04 22:35:19 2jGZQhWd
>>70
GJ!!
執筆速度は速いしぐいぐい読ませるし、とても面白いです!
次回も楽しみにしています!!

87:名無しさん@ピンキー
07/11/05 01:40:59 TPN3qJCE
>>70
GJ!!
さー兄ちゃんは、この淫獣共の悪あがきを抜けられるか!?

88:名無しさん@ピンキー
07/11/05 02:14:52 rpWUh12v
こんな夜中にこっそり、短編投下~

89:名無しさん@ピンキー
07/11/05 02:18:31 rpWUh12v
子供の頃、この世は希望そのものだった。
新しい発見をする度に、世の理を理解していき。
それと引き換えに無邪気さを失っていく。
ふと、気付くと世界は色を失っていた。
毎日繰り返されるくだらない光景。
それに何の不満も持たずに順応していく自分。
そんな自分自身が限りなく嫌いで仕方なかった。
ポケットからタバコとライターを取り出し、火をつけそれをくわえる。
ゆらゆらと流れ出る煙が空へと昇っていく。
空は相変わらず真っ青で、雲一つ見あたらない。
この世にとって、一人の人間の死は些細な事なのかもしれない。
一人居なくなったところで世界は止まるはずもなく、毎日を繰り返す。
「姉さん……。」
姉さんは俺とは違い、優秀な人で。
親に見放された俺を気遣い、常に心配してくれていた数少ない理解者でもある。
そんな姉が亡くなった。
本当に突然な事で理解できなかったが。
棺に収まった姉の姿を見たとき初めて実感する事が出来た。
姉の表情はどこか幸せで、何か吹っ切れた美しい顔をしていた様に思う。
短くなったタバコを捨て、それを靴底で擦り潰すと。
俺は思考を一旦中断して、その場から………






トントンと静かに肩を叩かれる。
振り返れば見慣れた姉さんの顔があった。
「…何しているの?」
僕の姉さんはあまり感情を表に出さない人で、僕と両親以外は判別出来ないらしい。
「小説読んでいるんだよ。」
そう言いつつ、文庫本の題名が見えるように掲げる。
本の題名は「消失」、一人の男性が姉を失った悲しみの底から立ち直る話で、35巻まで出ているベストセラー。
「…面白い?……」
「かなり面白いよ、先が気になって仕方ないぐらいだ…か…ら……。」
姉さんの目が鋭さを増し、僕は直感でまずいと確信した。
姉さんは無言で僕から、文庫本を取り上げると。
迷うことなく、テーブルに置いていたマッチで火をつけた。
燃えていく新品だった文庫本。
呆気に取られながらも眺めるしか出来ない僕。
満足そうな姉さん。
「…本如きが…私の大切な弟の気を引くなんて…赦せない。」
そう呟いた、炎に照らされた姉さんの顔は憎悪で酷く歪んでいた。

90:名無しさん@ピンキー
07/11/05 02:19:59 rpWUh12v
短いですが、おしまいです。
お目汚し失礼致しました。

91:名無しさん@ピンキー
07/11/05 03:13:58 Aj7/HbC2
>>90
GJ
こんな姉が欲しいよ

92:名無しさん@ピンキー
07/11/05 05:32:17 /vlPQcIf
>>90
普通に続きが読んでみたい件

93:名無しさん@ピンキー
07/11/05 10:29:59 IPxiu9JJ
キモねー好きだよキモねー
最初から全開キモ姉も好きだが、弟が告白されたり事故にあったりして意識し始める話とか、すごく精神的に傷付いてるときに弟に慰められて……とか読みたいな


94:名無しさん@ピンキー
07/11/05 11:04:41 5quyEn+v
>>90
俺も続きが読みたい。連載求む。

>>93
あれ?俺、いつの間に書き込んでたんだろ・・・

95:名無しさん@ピンキー
07/11/05 12:05:14 X23DUzXb
このところにぎやかで喜ばしい限りだ・・・

>>44
保管ミスの度にスレを使ってしまうのもあれなので
wikiのトップページに保管ミス情報を書くことにしました
手間になりますが、たまに確認しておいてください

96:名無しさん@ピンキー
07/11/05 14:24:25 BVaTqbSm
いま長編と短編とに分けて編集中
wikiには保管が終わってからって書いてあったけど、後になればなるほど、面倒になりそうなんで、今のうちに。


97:名無しさん@ピンキー
07/11/05 16:07:52 BVaTqbSm
長編と短編に分ける作業終了。
以後新しく作品を編集する人は長編、短編分けてお願いします。

98:名無しさん@ピンキー
07/11/05 16:18:22 5cxOpcnC
ひょっとして現行スレまでの作品全部保管終わった?

99:名無しさん@ピンキー
07/11/05 16:28:00 5cxOpcnC
いや、終わってるわけじゃないのか
作品一覧の方は投下順で編集させてください
単純に作品を拾い上げていくにはその方が作業が楽なので

100:名無しさん@ピンキー
07/11/05 16:34:47 BVaTqbSm
>>98-99
>>ひょっとして現行スレまでの作品全部保管終わった?

いや終わってないです、現在wiki上にあるのを分けただけ。

>>単純に作品を拾い上げていくにはその方が作業が楽なので

うーん、それだと確かに今は楽だけど、後々に作者別なんかに分けるとき面倒臭いことになると思う。
すでにカテゴリ分けは済んでるし、そんなに手間でもないと思うんだが。

101:名無しさん@ピンキー
07/11/05 16:37:13 BVaTqbSm
ああ、ごめん勘違い。
メニューの「作品一覧」のことか。
そっちはどうなんだろ、すでに分けてあるんだから、こっちは管理人に言って削除してもいい気がする

102:名無しさん@ピンキー
07/11/05 16:48:19 5cxOpcnC
単純にリストが複数あるだけだから、元の作品一覧もあって困ることは無いと思う
まあ作業をどう感じるかは俺個人の感覚なので・・・他の人が最初から長編短編に分けてサルベージする分にはまったく問題無いと思います
なのでそれはお任せします
俺が拾って整理するのはあくまで投下順ということでお許しください

103:名無しさん@ピンキー
07/11/05 17:31:24 BVaTqbSm
>>102
うーん、それって、新ページ作成して「作品一覧」の方には反映するけど、「長編一覧」「短編一覧」の方には反映しないってこと?
wikiのまとめってのは基本皆で編集するものだし、もしそのやり方なんだとしたら他の編集人の手間が増えない?
どの作品がすでに上がっていて、どの作品がまだ上がっていないかを確認しながらの作業になるんだし。


104:名無しさん@ピンキー
07/11/05 17:37:02 5cxOpcnC
まあ、任せた

105:名無しさん@ピンキー
07/11/05 17:46:03 U6koGqVz
体の一部のみを好むキモウト、キモ姉はいないな。

106:名無しさん@ピンキー
07/11/05 18:01:52 0Q6c28qY
>>90
えっ?おしまいなの!?
短いけど、めっちゃおもしろかったのに。残念だ・・・


107:名無しさん@ピンキー
07/11/05 18:18:49 rpWUh12v
90の作者です。
スレを読んでいる最中に、受けた電波を活性化の祈りを込めて文章にしたのですが…。
続編の希望をしてくださりありがとうございます。
不定期短編で連載していきたいと決心したので、投下したおりには温かい目で見守って下さいませm(´∀`)m

108:名無しさん@ピンキー
07/11/05 18:33:39 x7kOUJJI
>>104
作業をめんどうがって半端にしかやらないのなら、最初から係わらない方がいい

109:これ食ってもいいかな(短編)
07/11/05 19:15:24 bFKneEss
誰かが。
誰かが僕の部屋に入っていた。
ベッドで寝転んでいた。
タンスを物色していた。
─そんな現実を。痕跡を、僕の部屋はただ呈していた。
これは、ひどい。
素人目にもわかるこの惨状。
それが意味するところは、相手も─僕の部屋に侵入した者もまた、素人だと云うこと。
昔、『あなたも名探偵-推理百貨-』とか云う、
 カタカナにひらがなでルビが振ってあるような本に、そんなことが書いていた。
空き巣─延いてはもの盗りに素人だのプロだのとあるのかは知ったところではないが、
 とりあえず、この家に。この部屋に入ることのできる人間の犯行であると僕は推理した。
“名探偵”─僕の中に眠っていた、埃を被っていた憧れが、甦る。

─…ちゃん、ぼく、おとなになったらたんていになるよ!
─うふふ。頑張ってね。私、応援しているから!

薄靄の中に沈んでいた、遠い過去の一ページ。

「…あれ?」

─靄を掃うように、思考の糸を紡ぐ。

“僕の身近な人間”“僕の部屋に入ることのできる人間”“僕の部屋に入ろうとする人間”

何故気付かなかったのだろう。
そんなことに。そんな、わかりきったことに。
─まるで目が覚めるように。環が閉じるように。
遊び飽きたおもちゃを放る子供のように、僕は推理を放棄した。

110:これ食ってもいいかな(短編)
07/11/05 19:16:21 bFKneEss
─どこにでも、あの人はいるじゃないか。

記憶の中にも、僕の日常にも、今、そこのクローゼットの中にも。

─どこから。いつから変わってしまうんだろう。人は。

自嘲するように。
うんざりしながら。
あの人の。─姉さんの、くぐもった、押し殺したような吐息が響くクローゼットの、扉を開けた。

「…お、おおかえりっ、朔ちゃんっ!…んっ…はぁ……はぁ…んぁああっ!」

瞬間、外へ漏れ出す熱気と淫臭。
姉さんが。睦月姉さんが。湿り、握られ、もう既に原型を留めていない僕のトランクスに鼻を擦りつけながら。

「おやつは、居間のテーブルの上に─、っあぁああっ!」

オナニーをしていた。



─どこから。いつから変わってしまったんだ。あの人は。
おやつを。ドーナッツを頬張りながら、僕は。広瀬朔也はそんなことを思っていた。
─あの後、扉を閉めた瞬間に、耳をつんざくような嬌声が聞こえた。
どうやら達してしまったらしい。僕の常用しているパンツで。
今、居間に戻って来ていないことを考えると、どうやらまだまだハッスルする気のようだ。

111:これ食ってもいいかな(短編)
07/11/05 19:17:21 bFKneEss
─ああ。ドーナッツ美味しいなー。

もう、何も考えるまい。
あの人は、そう云う人間なのだ。
下着を慰みに使われたという事実に対し、僕は別段気にしていない。
そう言ってしまうと僕も異常なのかもしれないが、
 この前は僕の寝顔を直接おかず─オナネタにしていたのだ。
僕が起きたことに気付いて尚、行為を続けたときには背中に怖気が走った。

─あれに比べれば、ね。

ドーナッツの最後の一かけらを咀嚼し、牛乳を口いっぱいに含む。

「朔ちゃん♪」

後ろから聞こえた声に。
否、耳に侵入した声に、口の内容物を噴いてしまうかと思った。
間一髪、頬の筋肉を総動員し、噴くことはなかったが、喉に、詰まる。詰まる。

「あ、大丈夫っ!?ほら、牛乳、牛乳」

姉さんが、まだ牛乳の残っていたコップを差し出す。

112:これ食ってもいいかな(短編)
07/11/05 19:18:03 bFKneEss
─“その手”からは絶対飲まないっ!

心配そうに僕を伺い見る姉さんを尻目に、ソファに顔を押しつけ、もがく。もがく。
しかし、未だに呼吸はできず、涙がシートに滲んでいくのを感じる。
だが。だが、もう飲み込める。飲み込める。飲み込め─
刹那。
ふいに、ふわりと上体が起こされ。
ようやく飲み込み、呼吸をしようと、空気を吸い込んだ、その時。

「んむっ」

唇に、妙な。
極めて妙な触感が。
そして。

「うぷっ」

姉さんの口と僕の口が繋がっている。
そう認識した瞬間。
人肌程の熱を持った液体が僕の口腔に流し込まれた。
─当然。

「ぐぉほっ」

─呼吸気管に牛乳が入っちゃうわけで。

113:これ食ってもいいかな(短編)
07/11/05 19:18:39 bFKneEss
─。


「姉さん、ホント、やめてよっ!」
「だ、だって、朔ちゃんが心配で…」

死ぬかと思った。
なんだろう。
小さな頃、プールで溺れたときと凄く似ていた。

「ホントに死ぬかと思ったよっ!?」
「お姉ちゃんも、幸せすぎて死んじゃうかと思った…」

脳裏に焼きついて離れない、あの瞬間。
姉さんと僕が…キスをしてしまった時のこと。

「朔ちゃんが起きてる間なら…あれがファーストキスだったのよ?」

赤面しながら、こんなことをほざきなすった。
刹那。
柔らかな。優しく暖かな感触が僕を包む。
僕は。今。姉さんに抱き締められている。強く。強く。
鼓動が、聞こえる。伝わる。僕の、体へ。
僕はもう、怒る気も、抵抗する気も失せ、姉さんに寄りかかり、目蓋を閉じた。

「…頭おかしいよ、姉さんは」

114:109
07/11/05 19:20:11 bFKneEss
投下終了です。
通し番号付けとけばよかったとか、そんなこと思ってないんだからっ!

115:名無しさん@ピンキー
07/11/05 19:41:24 1TWAnVXB
>>114

このツンデレめ!!
良いぞもっとやれ!!

116:名無しさん@ピンキー
07/11/05 20:09:28 5cxOpcnC
>>108
あのさ・・・俺は全部拾ってから短編長編の分けはするってwikiに書いておいただろ
最終的に全部やるのをめんどくさがってるわけじゃないよ
まあ、めんどくさがらない人たちでがんばってまとめてくれって
全部拾ってから整理するのと、拾うそばから整理するのと
どっちが効率いいかわかるから

117:名無しさん@ピンキー
07/11/05 20:13:58 5cxOpcnC
保管する人たちに引継ぎ情報
3スレ目729まで保管
初めは短編として投下された「ある終業式の日の、きょうだい喧嘩」は双璧の前身です

118:名無しさん@ピンキー
07/11/05 20:22:39 J23SV5EB
>>114
GJ
これもしかして剣の橘(ダディ)さんか…?

119:名無しさん@ピンキー
07/11/05 20:23:50 BVaTqbSm
たぶんID:5cxOpcnCがやったんだと思うが、上がってたドラ〇もんと無題4の日付とかレス番号分る?

120:109
07/11/05 20:24:34 bFKneEss
>>118
名前が思い浮かばなかったんです><
タイトルはそれに絡めてみた

121:名無しさん@ピンキー
07/11/05 20:29:13 5cxOpcnC

ドラ 700
無題4 717

122:名無しさん@ピンキー
07/11/05 21:00:12 x7kOUJJI
>>116
お前が書いたのかどうかなんかてオレが知ってるわけねーだろw
>>103はお前のやり方だと他の編集者が苦労するって言ってるんだよ
何自分一人で作業してる気になって上から視点で見てるんだよ

123:名無しさん@ピンキー
07/11/05 21:05:30 5cxOpcnC
俺が悪かった
やはり他の人に迷惑のかかることはするべきではなかった
まじでもう余計なことはせんから許してくれ

124:名無しさん@ピンキー
07/11/05 21:15:48 hxs3ebPC
今更ながら、wikiの編集云々は、wiki内や避難所作るなりしてやった方がいいと思う

125: ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:22:37 p8Hlwa/S
投下します。

126:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:23:19 p8Hlwa/S
マ○オカートに二人がハマッている間に昼飯を作った。
ちなみにメニューはと言えばメインは唐揚げである。
自分でも上手くできたと言える。
理緒姉も冬華ちゃんも喜んで食べてくれた。
食事も済んだ後、二人は一緒に買い物に出かけていった。
…ふぅ。ちょっと、眠くなってきた…
少し、寝ておこう。


「ねぇ、冬華ちゃん」
「なんですか?理緒お姉ちゃん」
「冬華ちゃんは修くんの事どう思ってるの?」
「どうって…?」
「友達として好きなの?お兄ちゃんとして好きなの?それとも…異性として好きなの?」
「…」
まぁどう返事が来ようと私の今夜の行動は変わらないのだけど。
ただ、話す内容が変わるだけ。
「修お兄ちゃんは…冬華が、初めて好きになった男の人です」
「そう…。やっぱりそうなのね」
「やっぱりって、気付いてたんですか…?」
「冬華ちゃんの態度を見ればすぐ分かるわよ。それに、好きでもない人の前で服は脱げないわね」
「…そう、ですね」
「冬華ちゃん、今日はお姉ちゃんと一緒の部屋で寝るのよ」
「えっ?あ、はい…」
「修くんと寝たいのかしら?」
「…」
無言で顔を赤くしてこくりとうなずく羽居冬華。

127:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:23:53 p8Hlwa/S
この子も修くんを好きにならなければ私と友達になれたでしょうに。
残念だけど、友達という関係は今日で終わらせないとね。
「理緒お姉ちゃん」
「なにかしら?」
「買う物ってなんなんですか?」
「チャイナドレス」
「…?」
「もちろん冬華ちゃんのもよ?」
「修お兄ちゃんの為に?」
「ええ、そうよ」
「楽しそう…」
「修くん、どんな反応をするかしらね?」
「きっと喜んでくれると思うな」



やべっ、熟睡してた…
今何時だ?
うわっ、もう6時じゃないか。
夕飯の準備しなきゃ。
ってあれ?二人共まだ帰って来てないのか。
じゃあゆっくり準備しとくか。


「ただいま~」
「おかえり。もう飯の準備出来てるよ」
「うわぁ…良い匂いがする~」
「この匂いは…すき焼きね?」
「正解。さっさと食おうぜ?」
「賛成~」
「いただきます」
「いただきま~す!」
「うん、おいしい!」
「修お兄ちゃん、やっぱりすごいね!」
「いやいや、別にそれほどでもないよ」


「ごちそうさまでした」
「あぅ…お腹いっぱいだわ」
「冬華も…少し食べ過ぎちゃった」
「さてと、俺は片付けるから何かやる事考えておいてくれ」

128:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:27:03 p8Hlwa/S
結局やる事は64なのだった。
マ○オカートにはさすがに飽きたので、スマ○ラとかマリ○テニスとか○リオゴルフとか。
意外と楽しいもんだよな、古いゲームって。
俺自身は今もロッ○マ○とかやっていたりする。
エアーマンは倒せる。
「そろそろ風呂入んないとな」
「皆で一緒に入りましょうか?」
「はい却下」
「え~…どうして?」
「まず三人入ったら狭いだろ。しかも俺は男だ」
「後半部分は無視するとして、冬華ちゃんちっちゃいから大丈夫よ」
「そこはかとなく失礼な気がするな」
「冬華ちゃんだって修くんと一緒に入りたいよね~?」
「うん、冬華、皆で入りたい」
「はい、多数決でけって~い!」
「…民主主義なんて嫌いだ…」

「はぁ~、修くん、気持ち良いよ」
「修お兄ちゃん…冬華も気持ち良い」
「いちいち言わなくていいから…」
「だって、これ熱くて気持ち良いんだもん」
「修お兄ちゃんも気持ち良いでしょ?」
「そりゃあそうだけど…」
「ほら、もっと深く…」
「入れて?」
「すっごく大きく膨らんでるね」
「いっぱい出てる…」
「なぁ…俺もう出ていい?」
「だめ~、もう一回しようよ~」
「まだ遊び足りないよ?」

129:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:30:31 p8Hlwa/S
ちなみにやっていたのはタオルに空気を包み風呂の中で開放する、という地味な遊び。
地味だがクラゲみたいなタオルとか、どれだけ空気を含ませられるかとかで意外に面白かったりする。

「のぼせた…」
「気持ち良かった~」
「すっきりしたね」
「もう絶対二人とは入らない…」
「どうして?」
言葉がいちいちエロいからだとは言えなかった。
「うう…ごめん、俺もう寝るわ…」
「修お兄ちゃん、具合…悪いの?」
「少しね。寝てれば治るから気にしないでくれ。じゃあ…お休み」
「お休み。じゃ、冬華ちゃん、お姉ちゃんの部屋に行こ?」
「うん」

「うわぁ、理緒お姉ちゃんのベッド大きい~」
冬華がはしゃいでいる間にそっと鍵を閉める。
「理緒お姉ちゃん、どうしてこんなに書く物がいっぱい置いてあるの?」
「秘密。冬華ちゃん、ちょっと大事な話が有るから聞いてくれる?」
「なに…?」
「冬華ちゃんは、修くんを独り占めしたいと思う?」
「…なるべくなら」
「そう、そうよね。…私もよ」
「え…?」
「私も、修くんを独り占めしたい。言ったじゃない、好きでもない人の前で服は脱げないって」
「理緒…お姉ちゃん?」


130:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:32:17 p8Hlwa/S
「私は、誰よりも修くんを愛してる。だから、邪魔する物は排除しなければならない」
ゆっくりと、羽居冬華に近付く。
「ひっ…」
怯えちゃって…可哀想に。
「だからあなたを消そうと思った。でも、羽居冬華、あなたは消すには惜しい」
涙を溜めた目でこっちを見る羽居冬華。
「だから、あなたは私に服従させる。徹底的に蹂躙し、隷属させ、私無しでは生きられない位にしてあげる」
「やっ、来ないで…やだっ…!」
あまり声を出されて修くんに起きられたら台無しだ。
ハンカチで口を塞ぎ、両手足を縛る。
「んーっ、んーっ!」
「大丈夫。痛い事はあまりしないつもり。あなたがおとなしくしていてくれれば…ね?」
「……」
「良い子ね」
手始めに、上半身を裸にする。
身をよじるだけで声は出さない。
「ここは修くんに弄って貰ったのかしら?」
そう言って乳首をつまんだ。
「っ!」
ビクリと体を震わせる冬華。
くりくりと乳首を弄り、胸を愛撫する。
まぁ、愛は無いのだけど。
細かく反応する冬華。
「あら…あなた感じやすいの?全く、小学生のくせに淫乱なのね」
「んーっ!」
冬華は首を横に振って否定する。


131:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:34:28 p8Hlwa/S
「いいえ、あなたは淫乱よ。だって、縛られて、胸を弄ばれて、悦んでいるのだから」
既に冬華の乳首は立ってきていた。
…声は聞こえた方が責めやすいわね。
そう考えてハンカチを取った。
「はぁ…はぁ…理緒…お姉ちゃん…もう、止めてよぉ…」
「まだまだこれからよ?次は、あなたの大事な所」
指で冬華の股に触れてみる。
「なんだ、やっぱり濡れてるじゃない。服の上から分かる程濡らすなんて、やっぱりあなた小学生とは思えない変態じゃない」
「違うもん…それは、汗で濡れちゃっただけだもん…」
「へぇ…じゃあ、汗で濡れちゃったお洋服は脱ぎましょうか」
さっと膝下まで脱がす。
「ほら、気持ち良いんでしょう?縛られて、大事な所を擦られて、濡れてるんでしょう?」
「濡れてなんか、いないもん…」
「じゃあ、この汗とは違うぬるぬるしたのはなんなのかしら?」
既に指には愛液がたっぷりとついていて、指の間に糸を引く。
「あなたって本当の変態なのね。自分が濡れてるのを見せられて、言葉責めされて、どんどん溢れさせているんだから」
「違う…冬華、そんな子じゃない…」
「私がすぐに分からせてあげるわ。自分は変態なんだってね」

132:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:36:22 p8Hlwa/S
「ひっ、あっ…やだぁ…」
「嫌…?本当に嫌なの?」
「嫌だよぉ…助けてよぉ…」
「助けるって、別に殺そうって訳でもないんだから」
「うぅ…助けて…修お兄ちゃん…」
頭の中で何かが弾けた気がした。
「あなたごときが!修くんに!助けて貰えると思ってるの!?」
もう、これ以上優しくする事はできなかった。

133: ◆/waMjRzWCc
07/11/06 00:37:06 p8Hlwa/S
投下終了します。

134:名無しさん@ピンキー
07/11/06 00:41:34 AS7KxdHC
取り合えずWikiに掲示板取り付けたんで編集方法なんかの話し合いはそちらで

135:名無しさん@ピンキー
07/11/06 02:22:34 phl4xkRQ
>>132
GJです。
…しかし、この展開…
冬華ちゃんファンの俺にとっては鬱展開の予感orz
理緒姉やめてー

136:名無しさん@ピンキー
07/11/06 02:30:19 K/ZeK6xj
軽いイタズラしかしないキモウト……いや、それじゃただのブラコンか…

137:名無しさん@ピンキー
07/11/06 02:48:06 k5zyGsx4
>>132
GJ!
やはり、こうなるのか……。

>>135
同じく。
修お兄ちゃん助けてーーー

138:名無しさん@ピンキー
07/11/06 04:20:41 EjPSv6xI
>>133
おっきした


そしてエアーマンは倒せる。

139:名無しさん@ピンキー
07/11/06 05:16:18 iVqeSTVm
>>132
GJ!素直にあそこがおっきした

140:名無しさん@ピンキー
07/11/06 11:18:22 NRqDBTfk
>>133
GJ!!
おかしいな・・・俺、レズとロリコン属性はないはずなのにおっきしたんだが・・・

141:名無しさん@ピンキー
07/11/06 12:27:29 Ad+MWcvb
>>133
GJ!
きっと、春華お姉ちゃんならきっと何とかしてくれるよね?( つД`)

142:名無しさん@ピンキー
07/11/06 19:42:03 GYOrOPzb
>>133
おっきした


そしてエアーマンは倒せない

143: ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:45:02 J1bAkK0E
続き投下します。


144:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:46:12 J1bAkK0E
この子は…消してしまわなければならないか?
いや、例えばここで殺したとすると羽居冬華を殺したのは間違いなく私か修くんという事になるだろう。
だからそうする事はできない。
やはり私に対して絶対の恐怖、または私の与える快感の奴隷にするべきか。
「あなた、助けてと言ってる割にはあまり抵抗しないわね。やっぱり気持ち良さに負ける変態なのかしら?」
「違う…違うよ…」
「違わないわ。こうして私の指で弄ばれて悦んでるんでしょう?」
ぐちゅぐちゅと幼い秘裂の中をかきまわす。
「んんっ、ひあっ!」
「ほらほら、どんどん溢れてくるわよ?」
「はぁぁ…ん、だ、めぇ…」
「上下同時の責めはどうなのかしら?」
胸と膣内を同時に責める。
更に口内を自らの舌で犯しつくす。
「あ、ふぁ…むぐ、んんんっ」
「私のキス、気持ち良いでしょ?」
「ふぁぁ…」
段々と羽居冬華の目から恐怖の色が薄れ、快感に満たされ始めた。
「理緒…おねぇちゃん…もっと、キスしたいよぉ…」
「やっと素直になってくれた?」
ご褒美の代わりではないが、再び羽居冬華の口内に舌を入れる。
先程とは違い、羽居冬華も積極的に舌を絡ませてくる。

145:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:48:46 J1bAkK0E
「んはぁ…理緒おねぇちゃんの舌、おいしい…」
「あらあら、あなたやっぱり変態だわ」
既に羽居冬華は頬を薄紅色に紅潮させ、焦点の定まらない蕩けた目をこちらに向けている。
「そう、です…冬華は、縛られて感じてるえっちな子ですぅ…」
「ふふっ、元は修くんから離す為に始めたのに、あなたをいじめるのが楽しくなっちゃいそうね」
実際少し前の怒りは影を潜め、今は単純に嗜虐心を掻き立てられている。
「あなた、可愛いわ。ここまで思わせるのは修くんしか居なかったわよ?」
「あふぅ…ありがとう…ございます…」
「だから…もっともっといじめてあげる」
少し止めていた責めを再開する。
「ひあっ、あっ、気持ち良い、良いよぉ!」
「まだ溢れてくるわ。あなた本当に小学生なの?」
羽居冬華の愛液によって私の手はびしょびしょだった。
「あうっ、りお、おねぇちゃ、あの…」
「なぁに?」
「冬華、おしっこ…したい」
「だから?」
「おトイレに…」
「駄目よ」
指をかきまわす。
「やぁっ!だめ、おしっこ、出ちゃうぅ…」
「ほら、我慢するの」ぬちゅ、ぐちゅ…
「やっ、あっ、出ちゃうっ!だめっ、ひああああん!」
しゃあぁぁぁ…

146:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:50:58 J1bAkK0E
ぴちゃっ、ぴちゃっ…
「あ~あ、おもらししちゃって。汚れちゃったじゃない」
「ひっく…えぐ…ごめんなさい…」
「あなたのおしっこで濡れた私の手とか足とか…舐めて綺麗にして?」
そう言って濡れた手を羽居冬華の口の前にかざす。
「はい…ん、あむ…んちゅ…」
「ふふっ…自分のおしっこの味はどうかしら」
涙目で上目遣いに指を咥える姿はなかなかに煽情的だった。
「ほら、次は足よ?指の間まで綺麗に、ね?」
「ちゅ、ぺろ…んん…」
これ、修くんにやらせたら…
そう考えただけで体中が疼いてしまう。
でも今はこの子に集中しないとね。
ここでミスをするような事が有れば二度と羽居冬華に干渉できなくなるだろう。
だから、今日で完全に調教しきらないと。
「あら?あなた、足を舐めさせられて悦んでるの?」
「なんだか、気持ち良いの…冬華、やっぱり変態なのかなぁ…?」
「そうね、あなたは変態よ。けれどだからこそ私が可愛がってあげる」
「冬華の事、嫌いにならない?」
「ええ。だから、私に誓ってくれる?私の物になると」
「うん…冬華、りおおねぇちゃんの物になりたい…」
「じゃあ、理緒お姉様と呼んでくれる?」


147:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:52:59 J1bAkK0E
「はい、理緒お姉様…」
「良くできました。じゃあ、次は膝立ちになってくれる?」
「んしょ、これで…良いですか?」
「ええ。これであなたの大事な所が丸見え。さっき粗相をして汚れたここを綺麗にしてあげるわ」
「えっ、だ、だめです、汚いですよぉ!」
冬華の言葉を無視して舌を割れ目に這わせる。
「んっ、あぅっ!りお、お姉様ぁっ!」
「気持ち良いでしょう?もっと感じて良いのよ?」
「んっ、あっ、あっ、すごい、体がゾクゾクしちゃうぅ!」
「力を抜いちゃ駄目よ?しっかりと膝立ちしてなさい」
「んんんっ、だ…めぇ!力、抜けちゃうぅ…」
「仕方ないわね。私のここを舐めて、私を気持ち良くして?」
いわゆるシックスナインの体勢になる。
「はい…ちゃんと、ご奉仕させていただきます…」
ふふ…仕込んでもいないのにそんな言葉を言っちゃって。
この子元からこういう素質が有ったとしか思えないわね。
「あなたのここ、本当にいやらしいわね。切なそうにひくひくしてる」
「そんなこと、言わないでぇ…恥ずかしいです…」
「本当に恥ずかしいの?見られて、弄られて気持ち良いんでしょ?」
「冬華…見られて感じてますぅ…」

148:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:55:36 J1bAkK0E
そろそろ頃合かしら。
「ねぇ、冬華」
「なんですか、理緒お姉様?」
「あなたの処女、私にくれないかしら?」
「えっ?冬華の、初めてを…ですか?」
「えぇ、ダメかしら?」
「…でも、どうやってするんですか?」
ごそごそと物を探り、手に持ったそれを見せる。
「な、なんですか?それ…」
「ペニスバンドよ」
そう、いつか使おうと思って隠しておいたもの。
修くんに使おうと思ってたけど、こんな役に立つとはね。
「それを、入れるん…ですか?」
「そうよ。だから、あなたの処女を貰いたいの。あなたが私の物になる誓いとして」
「…」
無言で後ろを向いて、割れ目を自らの指で拡げる冬華。
「冬華の初めて、理緒お姉様に差し上げます…その代わり、優しくして下さい…」
「分かったわ。じゃあ、いただきます」
くちゅくちゅと割れ目をなぞり、ペニスバンドを濡らす。
そして、先端を入れた。
「んっうぅ…」
「大丈夫?」
「はい…だから、奥まで、入れて下さい…」
その言葉を聞いて、ペニスを押し込む。
「あぁぁっ!」
「痛くない?」
「思ったより、痛くないです…だから、動いて下さい…」
ゆっくりと前後運動を始める。

149:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 00:58:49 J1bAkK0E
「んっ、んっ、ふぁぁ!」
「これ、気持ち良いの?」
「はいっ、太くて、おっきくて、奥まで届いて、気持ち…いいですぅ!」
確かに、冬華はよだれを垂らす程快感を感じているらしい。
「ひあっ、あん、んぅっ、あっ、すごいぃ!」
「もうイきそうなのかしら?」
「冬華、もうイっちゃいますぅっ!」
「そう。じゃあもう少し激しくするわね」
パンパンと体の当たる音が激しくなる。
「ひぁぁ!だめっ、冬華、もう、イっちゃうぅ!」
一際大きく体を反らすと冬華はどさりとベッドに倒れた。
縄を外して、冬華の横に寝る。
「はぁっ…はぁっ、りお、おねぇさま…すごく、気持ち良かった…」
「これであなたは私の物。嬉しい?」
「はい…冬華、りおおねぇさまのものになれて…うれしいです…すぅ…すぅ…」
疲れ果てたのか、冬華はすぐに寝息をたて始める。
これで現状の邪魔は消えた。
後は、羽居春華と氷室澪。
特に羽居春華は何をするかわからない。
あの子は、いや、あの女は私と近いものを感じる。
下手をすれば、一線を越える事も平然とやってのけるだろう。
自分の頭の中で要注意だと認識させ、冬華の横で眠りについた。

150:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc
07/11/07 01:01:42 J1bAkK0E
投下終了します。

151:名無しさん@ピンキー
07/11/07 01:47:57 qKw7srx0
乙GJ

だが個人的な苦言を呈すれば…
冬華があっさり落ちすぎ、理緒姉もあっさり弟以外に愛着抱いちゃった辺りに萎えた

兄弟以外目に入れないガチキモウト、キモ姉好きだからかもしれんが

152:名無しさん@ピンキー
07/11/07 03:18:43 Xs4+xzZ2
鬱展開

153:名無しさん@ピンキー
07/11/07 07:22:45 1mwfAVAq
喜十郎兄貴の今後を想像するだけで欝になれるぜ。

154:名無しさん@ピンキー
07/11/07 10:38:25 bT5rzDRJ
>>153 お前勃起してるぜ

155:名無しさん@ピンキー
07/11/07 11:05:09 /8eYr84F
>>150 GJ!!でした。

ただ、冬華には堕ちてもらいたくなかったな。
実は堕ちたふりをしているなんて展開にはならないよね……。

156:名無しさん@ピンキー
07/11/07 11:43:25 DwJoQWez
たしかに妖艶な子供って良いよな。
ま、RPGでも徐々に敵が強くなってくだろ?
恐らくそういうことさ。
>>150
GJ

157:名無しさん@ピンキー
07/11/07 14:30:46 Ws3s9AqX
正直こんな展開になるくらいなら冬華が殺されたほうがまだ良かった('A`)

158:名無しさん@ピンキー
07/11/07 16:28:59 7+VXyk1u
OKおまいら>>5を読もうな

159:名無しさん@ピンキー
07/11/07 16:47:36 QOWDRnrx
正直GJしか言わないイエスマンばかりってのもどうかと思うけどね
その辺は本スレでなく本スレでなくWikiの掲示板に感想スレなり何なり作ってやったらどうかな

160:名無しさん@ピンキー
07/11/07 17:08:11 8ap102lF
イエスマン(笑)

嫌いな作品はNGするなり無視するなり飛ばせばいいんだろw

161:名無しさん@ピンキー
07/11/07 17:24:06 QOWDRnrx
誰も作品が嫌いだとは言ってないよ
好きで読んでる作品でも読者的に「こうだったら良いな」ってのは普通あると思うんだが
でもそれはルール上このスレで言うことじゃないからWikiの掲示板でやればどうかって提案してるだけ

162:名無しさん@ピンキー
07/11/07 17:36:13 8ap102lF
じゃあイエスマンなんて言わなきゃいいんだろ、それだとGJって言ってる人が馬鹿みたいに聞こえるじゃないか

後言うなら自分で作ってみたら?

163:名無しさん@ピンキー
07/11/07 17:52:06 QOWDRnrx
別に馬鹿にしたつもりはないし、なにをそんなに突っかかってきてるのかよく分らんのだが…
作品全肯定な人は良いけど、それ以外の意見が出来ないような現状はどうよっていってるだけ

164:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:09:36 5XR/a3qu
書きたい人と読みたい人だけがいればそれでいい。
それに対してああだこうだ言うのは余計なお世話以外の何ものでもない。
お前が気に食わなくても、それを読みたい人だっているんだ。
勝手な意見で改変させようとしないでくれ。
作者さんの好きなように書いてもらって
好みだったらGJ、好みじゃなかったらシカトすればいいだけだろ。

165:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:25:33 QOWDRnrx
いや、あのな出来ればちゃんと読んで欲しいんだが
気に食わないなんていってないし、感想としてああだこうだ、言いたい人間もいるわけだから、それならWikiでやらないかって提案したんだよ
それに感想を見て作品の方向を修正するかどうかは作者がすることだと思うんだが

166:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:36:34 zT5wiz48
>>165
どちらかというと、賛成だがいちいち相手にするなよ

167:時給650円
07/11/07 18:38:50 HMwhFS7b
あの、投下して……いいですかね?
一応>>69の続きです。

168:名無しさん@ピンキー
07/11/07 18:39:43 n3EAEaz0
ばちこい

169:淫獣の群れ(その16)
07/11/07 18:41:28 HMwhFS7b

「りんねぇ、りんねぇ」
「ん?」
「ボクこの家に来て……あにぃたちに逢えて本当によかったよ」

 隣を歩く凛子にだけ聞こえるように、麻緒はそっとつぶやいた。
 凛子は思わず振り返ったが、麻緒の顔は、真っ赤な西日に照らされて、よく見えなかった。
 だが、たとえ見えなくとも、妹がどんな表情をしているかくらいは凛子には分かる。
 何といっても凛子は、麻緒の、血を分けた実の姉なのだから。

 そのまま麻緒は、前方を歩いていた詩穂に楽しそうに話しかけ、黄色い笑い声を上げている。
 妹が―あの人見知りの激しい麻緒が、ほんの数日前に初めて会った者たちの前で、あんな表情をするなんて、今まで想像もできかった。
 そのまま彼女は、傍らを歩く長身の“兄”を見上げた。
 その背に、遊び疲れてすっかり眠ってしまった小学生の末妹を背負い、“妹”たちが仲良く笑っているのを、目を細めて見守っている。
―綾瀬喜十郎。
 おそらく違う出会い方をしていれば、凛子なら鼻も引っ掛けないであろう、地味な少年。

 ありていに言うと、凛子は世間というものに、言い知れぬ恐れを抱きながら生きていた。
 自分と麻緒が、世間で言う“愛人の娘”であり、“隠し子”である事実は、どうしても少女たちの心理に影響を及ぼさざるを得なかったからだ。
 父が母を愛している事も、母が父を慕っている事も、彼女たちは十二分に知っている。
 だから凛子は、父を憎んだり、母を軽蔑したことはない。自分たち姉妹がこの世に生を受けたのは、歴然たる父母の愛情の結果であり、決して堕胎の失敗などという―望まれずに生まれた子供ではないという事実を、十二分に承知しているからだ。
 だが、それでも父はしょせん、己の家庭を持つ“妻子ある男”であり、自分が“不倫の子”という、あまり胸を張って歩けない事情を背負っている事も、理解しているつもりだった。
 そして世間の目というものが、そんな自分たちにどういった視線を向けるかということも。


170:淫獣の群れ(その16)
07/11/07 18:44:32 HMwhFS7b

 人間であれば、誰でも秘密の一つや二つは持っている。
 だが、その秘密が大きければ大きいほど、その者の心に、より大きな影を落とす。
 それは、凛子や麻緒とて例外ではない。
 スポーツ万能で、幼少時は元気のカタマリのようだった妹の麻緒は、思春期を迎える頃から、次第に寡黙な人見知りの性格が前面に出始め、凛子や特定の友人たち以外には、心を開かない、うつむき気味の少女になってしまった。

 凛子とてそうだ。
 麻緒のように喋らなくなったわけではないが、それでも、他人と無意識に距離を取り、警戒する癖は抜け切らない。
 だが凛子は、その冷めた眼差しを意図的に、巧妙に隠す器用さは持ち合わせていた。
 だから学校に友人は多い。
 しかし、何でも忌憚無く話し合える親友がいるわけではない。少なくとも今の学校に、彼女たち姉妹の“秘密”を知る者は誰もいない。
 学校生活において不可欠な人間関係―凛子から見た友人たちは、その程度の存在でしかないからだ。
 だから彼女は無難に、円滑に、友人たちと付き合い、多少の信頼を得ている。それは誰に対しても常に一歩離れた視線を忘れない、凛子ゆえの対人交渉術のおかげといえた。
 そして、その用心深さに加え、生来の潔癖感が、彼女にとって近寄りがたい人種を増やす。
 つまり、要するに、ハッキリ言えば、彼女は男が嫌いだった。

 凛子は父が好きだった。―といっても、父を男性として意識していたわけでは決して無いが。
 母が株で稼ぎ出した(母子三人が住むにはやや広すぎる)邸宅に、たまに父・和彦が訪れると、彼女は大ハシャギで甘えた。父の穏やかさ、温かさ、そしてたまに見せる厳しさは、彼女の周囲の男たちには無いものだったからだ。
 だが、父は自分ではなく、母のものだった。父・和彦がどれほど母を愛していたのかは、娘である彼女自身が誰よりも知っていたからだ。
 そして、彼女の周囲には、少なくとも年長者たる教師を含めても、和彦のような包容力を持ち合わせた男性は皆無だった。
 周りの男に絶望するほどに、凛子は父が好きになり、父を好きになるほど彼女は、周囲の男を嫌悪した。


171:淫獣の群れ(その16)
07/11/07 18:46:56 HMwhFS7b

 特に、同世代のクラスメートなど話にもならない。

 彼らの心中にあるのは、ひたすら自分だけ。そして性欲を発散するだけ。
 彼らにとって“恋人”“彼女”という存在は、彼ら自身のしょぼさを飾り立てるためのアイテムに他ならず、決して愛情の結果などではない。
 何より凛子には、彼らの短絡さ、下品さがどうにもガマンできなかった。
 だから、彼女はこれまで“彼氏”を作ったことが無い。

 ぶっちゃけた話、凛子は男子生徒たちに結構もてた。
 彼女の猫のようにくりくり回る目や、こざっぱりした髪型、些事にこだわらないサバけた気性。それらは、充分に他者を惹きつけるに足るものだったからだ。
 だが彼女は、正直な話、そんな下品な生物に、性欲の対象と見られていると思うだけで、嫌悪の余り鳥肌が立つ思いだった。その拒絶反応を、当の男子たちに気付かれないように振舞う事のみが、凛子としての精一杯の優しさだったのだ。

 だから、―凛子は思う。
 喜十郎と“兄”として逢えて、本当に良かったと。
“兄”として見た彼は―凛子がこれまで男性たちに捜し求めて、ついに見つからなかったもの(むしろ見つからずに済んで逆にホッとしていたもの)を、すべて持っていた。
 彼女は、自身のファーザーコンプレックスが、ここまでブラザーコンプレックスに直結しているとは思っていなかった。しかし、いずれも年長の異性に抱く憧憬の感情である以上、共通点が多いのも当然だろう。そう思うと納得は出来た。

 凛子は少なくとも、自分の好悪を客観視できるくらいには論理的だった。
 だから、自分が同世代の男に抱く嫌悪感が、多分に偏見を含んだものであるという事実も気付いている。
 自分と同じ教室で、だらしなく着崩した制服を纏う男子生徒たち。―それだけで凛子の興味は消え失せる。そう言っても過言ではない。
 もし、単なる級友としてあの“兄”と出会っていたら、恐らく自分は、彼の名すら覚えないだろう、と。
 そうであったら、自分は彼の―喜十郎の本当の魅力に何ら気付く事無く、見過ごしてしまっただろう。それは、家族を亡くしたばかりの彼女にとって、大いなる損失になったはずだった。



172:淫獣の群れ(その16)
07/11/07 18:48:47 HMwhFS7b

「今日は楽しかったね、麻緒」
「うんっ!!」

 綾瀬家の風呂は広い。
 その面積は、ちょっとした旅館の風呂場程度の規模があり、掃除や湯の張替えも大変だと思うが、そこは女の子が圧倒的多数を誇る綾瀬家である。毎日毎晩、彼女たちは広い湯舟に新しい湯を張り、入浴を楽しんだ。
 いま、凛子と麻緒が二人で一緒に入っている。
「しっかし、おかしな家ねえ。部屋数も少ないのに、風呂だけこんなに大きいなんて」

 凛子がそう言うのも当然だった。
 彼女たち二人が増えた事によって、この家の人口密度もまた上がった。
 それまで六人だった綾瀬家の娘たちは、それぞれ年長組(桜・春菜・真理)と年少組(深雪・詩穂・比奈)の三人づつに分けられ、それぞれ二部屋に押し込められていた。
 それが、今では凛子が年長組の部屋に、麻緒が年少組の部屋に振り分けられ、何と六畳間に少女四人ずつという、体育会系の合宿所のような手狭さを呈していた。
 正直な話、それは彼女たちがかつて住んでいた、あの邸宅ではあり得ない話だった。

「でも、ボク、こういうにぎやかなの大好きだよ。キャンプみたいでさ」
「そうね。まあ、まだマシとは言えるわね。アニキの屋根裏部屋に比べれば」
「あはははっ、そうだよねっ! あれはちょっと、あにぃが可哀想だよね」
 
 喜十郎が使っている屋根裏部屋とは、かつて綾瀬家の家族が納戸として利用していた空間で、そこに置いてあった様々な物品を片付け、始末し、今では彼は、そこを寝床代わりにしている。
 六畳間に四人ずつの現状から鑑みれば、いかに屋根裏とはいえ個室扱いに聞こえるが、そうではない。屋根裏部屋は居住性からいえば、文字通り最低ランクの空間だったからだ。
 窓が無いために換気も出来ず、かび臭い匂いがこもり、屋根から直に外気の気温の影響を受けるため、寒暖差の激しさが凄まじく、とてもまともな人間の暮らす場所ではない。

「あにぃが言ってたよ。あそこは独房だって」
「ん~~ま~~、アニキには悪いけど、お金もらってもあそこで暮らすのはヤだよね」
「りんねぇが『お金もらっても』なんて、相当だよねぇ」
「ちょっと、仮にもお姉さんを銭ゲバみたいに言わないでくれる?」
「じゃあ、いくらもらえたら、あそこで暮らせる?」
「……月十万ってとこかな?」
「あはははっ、その微妙に具体的なところが、やっぱりりんねぇだぁ」

「あらあら、盛り上がってるみたいですけど、一体何のお話ですか?」


173:淫獣の群れ(その16)
07/11/07 18:50:12 HMwhFS7b

 そう聞こえたかと思うと、風呂場の扉がからりと開き、真理が入って来た。
「私もご相伴あずかっていいですか?」

「あ、―ええ、どうぞ」
 反射的に凛子は言葉を返すが、どうしても気圧される自分を意識してしまう。
「真理ちゃん、真理ちゃん、今日の深雪ちゃん特製メニューは何なの?」
 そんな彼女とは対照的に、麻緒は屈託ない笑顔を真理に向ける。
「さあ、ちゃんとは聞いていませんが、とても“期待して欲しい”メニューだと言ってましたわ」
「わあ、嬉しいなあ。ボク遊園地で汗一杯かいたから、とってもお腹すいてるんだぁ」
(とても“期待して欲しい”メニュー?)
 凛子は、思わせぶりな真理の口ぶりが、妙に引っ掛った。

―実は、凛子は、真理のことが少し苦手だった。
 ファーストコンタクト以来の喜十郎主導による歓迎で、彼女は他の姉妹たちとも、とりあえず、学校の友人たち程度には打ち解ける事が出来るようになった。
 桜や春菜は、表面的な性格こそ全然違うが、根っこは同じく体育会系的だったので、会話を合わせるに雑作は無く、年少組の三人は(深雪を除けば)そもそも精神年齢が違い過ぎるので、仲良く“してあげる”のに苦労も無かった。

 つまり唯一、苦手なタイプが真理だった。
 自分の感情を内に秘め、逆に他者の思惑を敏感に読み取る真理と、一見サバけた態度を取りながらも、内心、相手を冷静に観察する凛子。二人は結構、似たもの同士と言えたかも知れない。
 そして何より、真理の怜悧な瞳は、凛子自身が彼女に苦手意識を持っている事をも気付いていそうな雰囲気さえ漂わせていた。
 凛子にとって、それは屈辱だった。



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