07/11/11 15:20:25 f0k1H7h5
も一つ投稿。ちょい欝。サイト帰り後の話
「メイドのお仕事」
401:メイドのお仕事(1)
07/11/11 15:21:36 f0k1H7h5
「本当に……行くのか?」
マルトーはシエスタの肩を揺する。シエスタは硬い表情ながらも決然とうなずいた。
彼女の手にはラ・ヴァリエール公爵からの要請状が握られている。メイドとしてシエスタを雇い
たいという内容だ。給金は名家であることを割り引いてもかなり高い。そもそも、メイドを名指
しで雇用したいという話自体、かなり特殊な話だ。有力貴族からのこの手の申し出の多くは、そ
のほとんどが妾を求めるものだ。
「ラ・ヴァリエール公と言えばちょうどシエスタの両親と同じ年頃の人だぞ?そんな男の……」
マルトーの言葉にシエスタは悲しげに、だが小さく噴き出した。
「私、サイトさんに仕えていたときにはミス・ヴァリエールのお世話も少ししているんですよ?
お屋敷を訪問したときにも、むしろ子供扱いしかされませんでしたし」
言いつつもシエスタ自身も不安を感じてはいる。ただ、それはマルトーが予測しているような
類のものではない。実は王宮から「ルイズを救ってくれ」という内々の伝言が来ているのだ。妾
になるよりたちの悪い話かもしれない。
それでもシエスタは小指を見つめて思った。
(サイトさんに、お願いされたし)
ルイズと友達でいてくれ。サイトが地球に帰ったときに言っていた言葉。最後はルイズの勝ち
で、でも意味のない勝ちで。それでもサイトとの約束は守ろうと思う。サイトが帰って、ルイズ
が呆けた様子で公爵に連れられて学院を卒業してもう7年になる。
シエスタは使い慣れたメイド仕事道具一式を背中に背負うと馴染んだ学院をあとにした。
402:メイドのお仕事(2)
07/11/11 15:23:27 f0k1H7h5
ラ・ヴァリエール邸に着くと、メイド長とともにシエスタを迎えたのはルイズそっくりの姉、
カトレアだった。以前に会ったときには穏やかな感じだけだったが、今は憂いを帯びている。
「本当に待っていたわ、シエスタさん」
学院の生徒たちとは違う、しっかりした貴族の女性に声を掛けられるのはやはり慣れない。そ
れにわざわざ「さん」をつけられる時点で恐縮してしまう。カトレアは小さく笑って言った。
「そんなの当然よ。あなたにはとても大変なお仕事をしてもらう予定だから……私やお父様、お
母様、エレ姉様に出来なかった仕事を」
シエスタは唾を飲んでカトレアを見つめる。カトレアは言った。
「私はたまに覗くけど、もうお父様、お母様もルイズのこと……ルイズに会うのは7年ぶりよね
……覚悟して、ついて来て」
カトレアはシエスタを案内する。数人のメイドと執事に哀れむような視線を浴びせられたのを
敏感に感じ取る。シエスタは気後れしながらも、やはり逃げ出さないぞと腹に力を入れる。
403:メイドのお仕事(3)
07/11/11 15:24:01 f0k1H7h5
「ルイズ、新しいメイドさん」
カトレアが部屋の前で声を掛けると、ドアがぎしり、と鳴る。木製に見えるが金属のような軋
む音が聞こえた。カトレアはもう一度声を掛ける。
「たぶん、ルイズがそんなに、嫌いにならない人だと思うの」
少しの沈黙を挟んで、暗い声が聞こえる。
「死ぬわよそいつ。いや、一緒に死んでもらおうかしら」
再び爆音が鳴って、そして静まる。シエスタはうなずいて小さく「お任せください」とカトレア
にささやくとドアノブに手を掛けた。それだけで室内に鬱屈した虚無の気配を感じる。だがそれで
もシエスタは扉を開けた。室内はカーテンが締め切られて真っ暗だ。
「今日からお世話させていただきます」
「また生贄が来たの?」
「生贄じゃありません。馬鹿で根性なしで貧乳のお嬢様のお世話係です」
部屋の奥、ベッドの上で息を飲む気配を感じる。シエスタはベッド脇に進んだ。
「ミス・ヴァリエール。お久しぶりです」
「……シエスタ?」
闇に目が慣れてくる。目の前のルイズは少し大人になり、体は動いていないせいかむしろ小さく
なったような印象を受けた。蝋燭に火を灯すと顔がよく見える。桃色の髪は以前より長く伸び、頬
は若さの赤みを失っている。
「私に仕えたら、人生終わるわよ。引きこもりだし、苛立ち紛れでエクスプローション使うから今
じゃ家の中ですら見捨てられてるし」
シエスタは頬を膨らませて言った。
「それでも家に引き篭もってられるだけいいご身分です!私なら食べてくために」
ルイズは手を振ってカーテンを指差した。シエスタはカーテンを開けようとして手が止まる。窓
には太い鉄格子がはまっているのだ。ふと思って扉を振り返る。扉にも金属が打ち付けられ、魔法
なのか怪しげな光を帯びている。
「これ、高級なのよ。外からは普通の窓にしか見えないの。扉だって木だと思ったでしょ。魔法で
気づかれないように出来ているの。貴族の家系に都合の悪い人間が出て、でも死刑に出来ない場合
に使うわけ。普通の貴族に仕えた程度じゃ見ることないわよ……座敷牢なんて」
シエスタは息を呑む。ルイズが顔を上げた。
「暴れたんだ。サイトに会いたいって異世界に行く道探すって騒いで……家のお金にちょっと手を
つけて……それだけじゃなく、サイトを悪く言う執事を、虚無でやっちゃって」
「ミス・ヴァリエール……」
「反省しろとか言われて、そのときにまたサイトの悪口。暴れた。虚無で両親吹き飛ばして鎮静剤
打たれて……気づいたらこの部屋。来るメイド来るメイド私を哀れむこと言って、でも外に言って
言ってるの、壊れ姫って。窓際仕事、看守って!」
シエスタはルイズの肩に手をかける。ルイズは手を振って叫ぶ。
「あんたも早く逃げて!私また、馬鹿やるから!それに私についてたってぜっっったいメイド長な
んて夢の夢なんだから!せめて」
再びシエスタはルイズの肩を抱き寄せる。ルイズは再び振り払おうとして、だが途中で力を抜い
て泣きながら言った。
「サイトが、大事にしてた、メイドを傷つけるのだけは、やなの!」
ぱちん。ルイズの頬が鳴った。ルイズは呆然とする。シエスタの目に涙が溜まっていた。
「情けないです」
ルイズはぼんやりとシエスタを見上げる。シエスタは言葉を続けた。
「情けないです!私も、アンリエッタ陛下もティファニアさんにも勝ったあなたがこのていたらく
なんて、私たちが情けないです!」
「……え」
「サイトさんが地球にお帰りになった際、私たち各々サイトさんに抱きつきましたよね。でも全員
途中で押し戻されて、握手したんです……ギーシュ様やマリコルヌ様と同じように」
ルイズの目が大きく見開かれる。シエスタは無視するように言い募る。
「なのにあなたは、サイトさんに抱きしめてもらって。キスしてもらって。陛下ですら殿方と同じ
扱いなのに!そんなあなたが自棄になってるだけなんて私たち、惨めすぎます!」
ルイズは目を目を落とす。シエスタは言った。
「今日すぐ、なんて言いません。でもこのまま座敷牢にいるなんて、私やアンリエッタ陛下への最
大の侮辱、許しません」
やっとルイズは7年ぶりにかすかな笑みを浮かべた。
404:メイドのお仕事(4)
07/11/11 15:24:46 f0k1H7h5
「すごいわよね、あの子」
「もしかして実は没落貴族で水魔法が使えるとか?」
「モンモランシ家の当主にまでお願いして治せなかった病なのよ?」
一年後。ラ・ヴァリエール家の魔法と関わらない事務の多くを処理するルイズと、それを支える
メイドは奇跡としてラ・ヴァリエール家の賞賛となっていた。
だが同時に二人、とくにシエスタには悪い噂がつきまとっていた。
「でもあの子、妾でしょ」
メイドたちがうなずく。一人は吐く真似をして言う。
「公爵様とか、他の貴族で老人とかぶ男なら我慢できるけど私は幾らお金あっても無理だわ。友達
みたいな付き合いした、同性の妾なんて」
「プライドとかないの?それとも変態同士だからいいわけ?」
くすくすと笑う。変態メイド、と陰で笑われているのはシエスタ自身わかっている。だが、それ
を無理に否定はしない。なぜなら。
「シエスタ、今夜」
ルイズが上目遣いでシエスタの胸元を見て囁く。シエスタは暦を確認してうなずく。
月の日が近づくと狂いそうなほどうずくらしい。これだけは心が持ち直した今でも無理だ。コル
ベールが作った写真機で残したサイトの写真を抱きしめながら狂ったように自慰するルイズを思わ
ず慰めてしまった。たった1回の過ちはそのまま定例になり、過激になっていった。
「シエスタ……」
荒い息でルイズが体を寄せる。その趣味はないシエスタは身震いするが、押し隠してルイズの体
を抱きしめ、服をめくりあげる。唯一の救いはキスを求めないことだろう。キスは……サイトとし
かしないそうだ。
下着を脱がせて手を股間の茂みに潜らせる。既に湿りを帯び、指先が滑り込みそうになる。ルイ
ズの舌がシエスタの首筋を這い回る。シエスタもルイズの足の指先を一本一本、丹念に舐めてやる。
「シエスタ……サイトぉ」
ルイズの頭の中ではシエスタの舌はサイトの舌になっているのかもしれない。だがむしろその方
がましかもしれない。本気でルイズに異性のように愛されるのはご免だ。シエスタは舌を次第にふ
くらはぎ、太股へと上らせていく。
牝の匂いが鼻をつく。シエスタはルイズの太股に歯を立てた。
「いっ!シエスタぁ……くふん」
中から蜜が流れる。口で受け止め、そっとベッドに吐き出す。ルイズも自分の白々しい行為はわ
かっている。ルイズもシエスタに愛されたいと思っているわけではない。友達であり、夜は……サ
イトの代わりでしかない。
「あふ、もっと、奥、舐めて」
シエスタは中心に舌を這わせる。マルトーの心配を思い出し苦笑したくなる。やってることは同
じかもしれない。
「食べて、私のこと、食べて」
ルイズの言葉に、アヌスと尻を嬲る。ルイズの声が室内に響く。もう鉄格子も金属扉もないこの
部屋では、聞き耳を立てられれば何の声を発しているか誰でもわかるに決まっている。シエスタは
顔が濡れるのも構わずルイズの秘所を舐め続ける。
窓から二つの月が見えた。ふと、座敷牢に閉じ込められたのは自分かもしれないとシエスタは苦
笑して、さらにルイズの秘所を嬲り続けた。
405:メイドのお仕事(5)
07/11/11 15:25:18 f0k1H7h5
いつもの行為が終わり、ルイズは気だるげに窓の外を眺めて言った。
「ごめん」
シエスタは身支度を整えて頭を振り、そして言う。
「それほど嫌なら、お断りしていますよ」
「嘘。あなた終わった後……吐いてる日もある……ごめん。本当にごめんなさい」
シエスタはルイズの頭を叩き、そして背中から抱きしめて言った。
「今は……リハビリですよ。ただ、ちょっとこの部屋の壁は薄いのが気がかりですけど。虚無の魔
法で叩いたらすぐ壊れそう」
ルイズはうん、と小さくうなずいた。と、ルイズは急に立ち上がった。
「まさか、あれって!」
ルイズは「始祖の書」に飛びつき、狂ったように読み始めた。シエスタは再び壊れたかと唇を噛
んで背中を見つめる。だがルイズは上気した顔で言った。
「この呪文の意味、わかった!」
シエスタはルイズの顔を見つめる。ルイズはきゃっきゃとはしゃいで服を着ると自分でベッドの
乱れを直し、慌てて化粧をして杖を握った。
「何を、するんですか」
「壁、壊すの!」
シエスタが怒鳴ろうとするとルイズは笑って言った。
「『世界破壊呪』。恐ろしい魔法だと思ってた。実際怖い魔法よ。でももう一度よく読んでみた。
これは、世界の壁を壊せるの……サイトと、私を隔てる世界の壁だって!」
ルイズは狂ったように呪文を唱え始める。慎重に、と叫ぶシエスタを笑い飛ばし、恐ろしいほど
の長い詠唱が淀みなく流れる。
(凄いわ。これは本当、いけるかもしれない)
部屋が発光を始める。周囲に魔法学者がいたら王室にトリステイン全軍の派遣を要請するに違い
ないほどの狂気的な魔力が邸内に満ちる。両親を始め邸内の人間が集まるが、あまりの魔力の奔流
に誰も手を出せない。
最後の呪文を唱える。禍々しい闇の裂け目が空中に現れる。ルイズはまばたきもせずにその裂け
目に手を突っ込む。
「サイト……サイト、会いたい、会いたいの。会いたかった、早く、早くサイト……」
部屋が暴発し、ヴァリエール邸の3分の1が消滅した。
「呼ばれて飛び出てなんとやら、じゃねえーか、なあ相棒!」
ふざけた声が土煙の中に聞こえる。シエスタは埃を払って土煙の向こうを見つめる。見慣れない
服装の―地球で言うネクタイスーツ姿―の男がルイズを抱えて現れた。
「サイト、様?」
ルイズが独占欲の塊の目でシエスタを睨む。ああ、戻ったんだとシエスタは確信する。
「やっと営業ノルマいけるって思ってたら……ハルケギニア?」
「サイトぉ……」
ルイズはいきなりサイトの唇を奪った。周りの視線も構わずサイトの顔中にキスを浴びせる。サ
イトもルイズを抱きしめて、傍らのシエスタに声を掛けた。
「俺、こっちで仕事あるかな。向こうじゃ一人暮らしだから仕事辞めても迷惑にはならんけど」
「ルイズ様の騎士・助手が欲しいところです。あと」
シエスタがルイズに目を向ける。ルイズは一瞬口を尖らせて、だが目を輝かせて言った。
「トリステイン貴族としては私そろそろ行き遅れが目の前で……お婿さんも欲しい」
シエスタはルイズの頬をつねって言った。
「今までの埋め合わせ、ちゃんとして下さいね」
ルイズは笑って答えた。
「サイト以外の褒美なら、何でも」
406:かくてる
07/11/11 15:26:47 f0k1H7h5
投稿終了。4だけエロだったり。サイト苦労するぞーとか。
407:名無しさん@ピンキー
07/11/11 16:16:53 uIETNhfM
GJ
408:名無しさん@ピンキー
07/11/11 17:36:51 SoE/zPtm
「ねえサイト」
「なんだルイズ」
「わたしね、あんたが使い魔で本当に良かったと思ってるのよ」
「な、なんだよいきなり、改まって……」
「ほら、使い魔って、本人の魔法のレベルに応じて召喚されるわけじゃない?」
「らしいな。だからタバサやキュルケの使い魔は竜やらサラマンダーやらで、ギーシュはモグラでモンモンはカエルなんだろ」
「そう。で、わたしってゼロのルイズなんて呼ばれてるぐらい、魔力が低かったじゃない?」
「そうだな。まあ誤解だったけど」
「だから、かなり不安だったのよね、召喚の儀式のとき。こんなことになるんじゃないかと思って」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大な蛆虫がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なナメクジがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なフナムシがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大な蛾がぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なナマコがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なアメフラシがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なゴキブリがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なサナダムシがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「……みたいな?」
「……」
「だからホント、せめて人間のあんたで本当に良かったなぁって……あ、あれ、どうしたのサイト、どこ行くの!?」
「で、なんで君は僕の部屋で飲んだくれているんだね?」
「だってよギーシュ……俺、せいぜいサナダムシと比べてマシなレベルの人間だって思われてたんだぜ? 凹むよこれは……」
「……事情はよく分からないが、何かとんでもない誤解をしている気がしているのは僕の気のせいなんだろうか……」
「やっぱり俺ってボルボックスだったんだよ……」
「ボルボックスってなんだね」
409:205
07/11/11 17:38:50 SoE/zPtm
ゴキブリを使い魔として召喚してしまった女の子が、サイトに恋しちゃってさあ大変!
……みたいなSSを構想してたんですが、さすがにオリキャラメインになっちゃマズイだろうという理由で没。
書いたら絶対大受けだと確信してただけに非常に残念です。ついでに嫌展大好きです、ハイ。
410:名無しさん@ピンキー
07/11/11 21:53:11 BsIn/oQO
>>405
205氏が書く物には毎回笑わせられる
GJ!!
411:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:06:52 f1EK/b0V
aliveのアンソロをまとめて三冊買ってきた。
いいですねえ。アンソロにしちゃ珍しくハズレがない。
帯はアニメ寄りだけど中身が原作よりなせいかな!(ぁ
まあヨタ話はともかく投下いきます。
412:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:07:49 f1EK/b0V
「ぶぃーっくし!」
学院の中庭をうろついていた才人から、豪快にくしゃみが出る。
無理もない事だ。
雪こそ降っていないものの、少し北の村では霜が降りたという。
今年一番の冷え込みだと、皸防止の軟膏を塗りこみながら、シエスタは今朝、そう言っていた。
「うぃ~、さぶさぶ」
両肩を抱いて、才人は震えながら、暖を取るため、水精霊騎士団のたまり場になっているゼロ戦の格納庫に向かう。
そして。
『おぉぉまぁぁぁえぇぇぇぇわぁぁぁぁぁぁ!
また浮気か!浮気なのかァァァァァァァァ!』
『ま、待ってモンモランシー、氷は、氷漬けだけはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
かっきぃぃぃぃぃぃぃん!
「…なんか更に寒くなりそうだなぁ…」
少ない冬の空気中の水分が凍りつく音を聞いて、才人は格納庫で暖を取ることを諦めた。
そういえば、食堂に暖炉があったっけな。
才人は食堂の奥に暖炉があった事を思い出し、食堂に向かってみた。
しかし。
「なんだよ、食堂の暖炉壊れたんだって?」
「ああ。どっかの使い魔が秋の間ねぐらにしてたらしくてさ。
今そいつの作った巣をどかしてるらしい」
食堂の方からやってきた生徒たちのそんな会話が、耳に入った。
「…冗談だろおい…」
呟く才人を尻目に、その生徒たちは、しょうがない火の魔法で暖でもとるか、とか言いながら寮の方へ向かっていった。
「あーくそ、コタツが恋しいぜ…」
容赦なく冷え込む冬の夜空を眺めながら、そんな事を呟く。
呟いて。
そして思いつく。
ぽん、と手を打って、才人は言ったのだった。
「そうだ、コタツ作ろう」
寒いのなら、自前で暖房器具を作ればよいのだ。
俺ってあったまいー。
そんなことを考えながら、才人は早速コタツの材料を探し始めた。
そして二時間後、ルイズの部屋。
古くなったテーブル、少し厚手の布団、木炭を少し!ぜんぶ混ぜるとムッチャあったかいコタツができる!
…はずだった。
413:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:08:34 f1EK/b0V
「…あちちち!」
才人は即席のコタツの中から、真っ赤に燃える木炭を載せた古ぼけた黒い鉄鍋を引っ張り出す。
厨房で、いらなくなった小型の鍋をもらってきたのである。
才人の発想はよかったが、彼は火力の調整にまで考えが及ばなかったのだ。
たしかに暖を取る事はできたが、このままでは長時間の使用には耐えられない。
「どうしたもんかねー」
それでも布団の中はあったまっている。
才人はそんな事を言いながら即席コタツの中に潜り込み天板に顎をのせ、目を閉じて考え込む。
そうしている間にも、床から熱が逃げ、コタツが冷たくなっていく。
「…なにやってんの?」
そこへ。
この部屋の主人が帰ってきた。
ルイズは足元で背の低いテーブルに布団をかけ、その中に潜り込んでいる使い魔を見下ろして、奇妙な生き物を見る目でそう尋ねた。
才人はなんつー顔してんだよ、と思ったが、ハルケギニアにゃコタツはねえよな、などと思いながらルイズに説明する。
「これ、『コタツ』って言って、俺の世界の暖房器具なんだよ」
「へーえ」
ルイズはそう言いながら、コタツの周りをひとしきり眺めると。
「なんか貧乏くさ」
「しょ、しょうがないだろ!ありあわせの材料で作ったんだから!
結構これであったかいんだぞ!」
ただし、それは木炭を抜くまでの間だけだったが。
そして、ルイズは言った。
「ふーん。じゃ、私も使ってみよ」
言ってコタツに入ろうとしたルイズを、才人が止めた。
「あ、靴は脱いでからな」
「…めんどくさいのね」
「じゃないと暖まらないだろ?」
確かに、暖を取るのに革でできた靴は邪魔だった。
ルイズは才人の言うままに靴を脱いだ。
そして、先ほどの才人に倣い、才人の対面に腰を下ろして、コタツの中に下半身を埋める。
ルイズはジト目で言う。
「…ぜんぜんあったかくないじゃない」
木炭を抜いてから結構経つ。コタツの中の空気は、外気と大して変わらない程度まで冷え切っていた。
「ちょっと待ってろ、すぐあったかくなるから」
言って才人は、まだ火の燻る木炭の入った鍋を、もう一度コタツの中に入れるべく、手に取る。
そして布団を捲り上げ、コタツの中に頭を突っ込んだ。
「何してんのよ、犬ぅーーーーーーーーーーっ!」
げしっ!
反対側から伸びてきた脚が、才人の顔面を蹴っ飛ばした。
ルイズの蹴りは綺麗に決まり、コタツ布団の中から才人が転がり出る。
414:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:09:40 f1EK/b0V
当然、才人は抗議した。
「なにすんだよ!」
「何どさくさに紛れて人のスカートん中覗こうとしてんのよ!
このエロ犬!スケベ犬!」
何をいまさら、と才人は思ったが、ルイズにしてみれば、何の予告もなしにスカートの中を覗かれてはたまったものではない。
…だって今子供っぽいぱんつなんだもん。
そんなルイズに、才人は木炭の入った鍋を掲げて言った。
「あのなあ、今そのコタツが冷えてんのは、熱のもとになるこの木炭を外に出しちゃったせいなの!
入れないとあったかくなんないの!」
才人の言葉に、ルイズはコタツ布団を口許に寄せながら言った。
「…だったら、顔突っ込まずに入れなさいよね」
「…わかったよ」
ルイズの言う事にも一理ある。
才人は納得し、布団を軽く捲り上げて、片手で鍋を突っ込む。
ルイズの脚に当たらないよう、なるべく自分の近くに鍋を置く。
しばらくすると、コタツは元の暖かさを取り戻し始めた。
「ふわー…。いいわね、コレ…」
現金なもので、ルイズはコタツが暖まり始めると、猫のように丸くなって、天板の上で緩んだ表情になる。
才人はコタツが暖まってきたので、鍋を再び外に出し、自分も中に入る。
「いいだろ?俺の故郷じゃ、こうやって冬はみんなであったまるんだ」
「うん、確かにいいわ、コレ。今度学院の皆にも教えてあげましょ」
言いながら、ルイズは今まで組んでいた脚を伸ばす。
こつん。
「「あ」」
伸ばした足が、才人の足に当たった。
コタツはそこまで大きくない。せいぜい、一辺が才人の腕より少し長いくらいだ。
二人が足を伸ばせば、お互いの足が接触するのは仕方のない事と言えた。
二人はなんとなく気まずくなって、赤くなって顔を逸らす。
何を今更。
そして、赤くなったルイズを見て、才人は思いつく。
「うりゃ」
むに。
「やぁんっ!」
才人は布団の中に手を突っ込んで、ルイズの足をつまんだ。
「ちょっ、何してんのよ犬ぅ!」
真っ赤になってルイズは足を引っ込める。
415:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:10:55 f1EK/b0V
才人はそんなルイズに、ニヤニヤ笑顔を返す。
「コタツで足を当てたら、いたずらされてもしょうがないんだよ」
「な、なんなのよそれ」
「コタツの、基本的なルールだよ♪」
もちろん大嘘である。
ルイズは真っ赤になって、反論した。
「嘘でしょそれ」
「…ゑ?」
一発で嘘を見抜かれ、才人はしどろもどろになる。
「え、え?なんでそう思うわけ?」
「…目がウソついてる」
赤い顔で天板の上で才人をジト目で見つめながら、ルイズはそう言う。
図星を突かれ、必死に言い訳を探す才人を見て。
ルイズは、もっといじめたくなった。
「…だったら、こういう時どうすんのよ」
「え?」
ルイズは、あっという間にコタツに潜り込むと。
ばふ。
そして、才人の股間から、顔を出してきた。
ルイズはそのままずりずりと才人を這い上がり、胸元にちょこん、と納まる。
「え、ちょ、ルイズっ?」
「ほらほら、何とか言ってごらんなさいよ」
半眼で慌てる才人を見上げ、にやにやと笑うルイズ。
困った顔のサイトを見るのは、なんだか楽しい。
そして。
ぴくん!
ルイズの背筋が急にぴん!と伸びる。
目がまん丸に見開かれ、頬に朱が注す。
「…ちょっと」
「…あはは」
照れたように笑う才人。
赤くなったルイズのお腹の辺りに、硬いものが当たっていた。
好いた相手とおこたで密着。
この状況でおっきしなきゃ日本男児じゃねええええええええ!
「…ほんと、見境のない犬ね」
「しょうがないだろ、この状況でどうにもなんなかったら俺種無しじゃねえか」
怒ったように言うルイズに、才人はそんな間抜けな言い訳をする。
ルイズは、お腹に当たっている硬いものを、ズボンの上からなぞる。
「…ばかいぬ…」
熱に浮かされたようにそう呟いて、一気にズボンのジッパーを下ろした。
416:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:12:02 f1EK/b0V
開いた隙間から、硬くそそり立つ才人がこぼれ出る。
さすがに躊躇い、才人はルイズに言う。
「お、おい」
「おしおき、してあげる」
ルイズは才人の言う事など無視して才人の先端を咥える。
そして口に含んだまま、舌でぺろぺろと先端を舐めまわす。
「る…ルイズ…」
才人はルイズの舌遣いに必死に堪える。
ルイズは、そんな才人のズボンの中に指を差し込むと、柔らかい陰嚢を指でふにふにと刺激する。
その間も口を休めず、才人の茎にキスを降らせ、小さな舌で裏筋に唾液を塗りこむ。
「だ、だめだっ、出るっ…」
才人の声と同時に、彼の茎が震える。
ルイズは才人の異変を察知すると、すぐに根元まで才人をくわえ込んだ。
どくどくっ
ルイズの喉の奥で才人がはじけた。
口の中にあふれ出す才人の牡を、ルイズはこくこくと喉を鳴らして飲み込む。
そして、全て飲み干すと、下から才人を見上げた。
その手の中には、まだ硬さを失わない才人が、柔らかく握られている。
「さいと…」
その表情は獣欲に曇り、その瞳は牝の淫靡な輝きで才人を誘っていた。
才人はそのまま、ルイズを抱き締めて唇を奪う。
ルイズの唇は、己の体液と、ルイズの唾液で、滑っていた。
「ルイズ…」
才人は唇を離して主人の名を呼び、そして。
小さな白い布に覆われた、ルイズの臀部に手を伸ばす。
「はんッ…」
丸くカーブを描くその白い丘に才人の指が触れた瞬間、ルイズの喉から艶やかな声が漏れる。
才人はその丸みを楽しむように撫でまわし、そして、最も敏感な入り口へ指を掛ける。
「はぁ…」
才人を咥えていたルイズは、声も、身体も、濡れていた。
蕩けたような視線を、己を抱き上げる牡に向ける。
才人はルイズを覆う布をずらすと、ぬかるんだルイズに、己自身を押し当てる。
くちゅ…。
小さく響く水音が、ルイズの身体が既に準備を整えている事を告げた。
才人は、腰をずらして完全にコタツから出ると、ルイズを抱き上げる。
抱え上げられたルイズは、潤んだ目で才人を見つめる。
「じゃ、いくよ、ルイズ…」
「うん…」
合意が済んだ瞬間。
才人は奥まで、ルイズを貫いた。
417:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:13:04 f1EK/b0V
真っ直ぐに勃った肉棒が、容赦なくルイズを削る。
その刺激に収縮したルイズの襞が才人に絡みつき、才人から二度目の精を搾り取ろうと蠢く。
「さいと…奥まで…きてるよ…」
足と膣奥を才人に絡みつけながら、ルイズは蕩けたような笑顔で才人を見つめる。
「ルイズの中…最高だっ…」
才人は絡みつくルイズを引き抜き、もう一度ルイズに差し込む。
ぐちゅぐちゅとルイズの中が卑猥な水音を立て、潤滑油を溢れさせる。
その度にルイズの喉から雌の啼き声が漏れ、才人を高める。
その高まりはほどなく限界を迎える。
「ルイズ、俺、俺もうっ!」
「きてぇ、サイトをいっぱい…ちょうだい…」
互いに限界を告げると、お互いを抱き合う。
ルイズの中が蠢きながら収縮し、才人を締め上げる。
才人はその動きに限界を迎え、ルイズの中で爆発する。
きゅぅぅっ…どくどくどくっ!
「ルイズ、ルイズ、ルイズぅっ…!」
「あ、は、あったかい…いっぱい…!」
二人はそのまま抱き合い、くったりと床に伏せたのだった。
「うん、いいわねこれ。暖かい」
「いやでもさルイズ、狭くないかこれ」
才人は膝の上に陣取るルイズに文句を言う。
二人は、コタツの一辺に陣取り、才人の膝の上にルイズが乗っていた。
木炭の入った鍋は、外に出たままだ。
二人でコタツに入っていれば、暖まったコタツが冷える事はなかった。
ルイズは文句を言う才人に返した。
「狭くてもいいじゃない。何よ、私と一緒じゃ嫌な訳?」
「い、いや、そういうわけじゃ」
「じゃー文句禁止ー。今日は、ずっとこのまま…ね?」
「はいはい分かりましたよご主人サマ」
言ってじゃれつく二人。
しかしそんな平和は長く続かないわけで。
ばたん。
「ただいま帰りましたー!」
元気よく、シエスタが部屋に帰って来た。
コタツの中でじゃれる二人と、シエスタの視線がかみ合う。
「あー!何してんですか二人ともっ!ずるいです私も混ぜて欲しいですっ!」
「ちょ、ちょっとシエスタ、無理無理三人は無理!」
「し、シエスタそんなしたらつ、つぶれ……ぶべらっ」
メイドの闖入で二人の甘いひとときは崩れ去り。
結局コタツを使うときは、ちゃんと一辺に一人ずつ座るようにしよう、と誓った二人だった。~fin
418:冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:13:55 f1EK/b0V
*おまけ*
画期的な暖房器具『コタツ』はトリステイン魔法学院にとどまらず、トリスタニアにまで広がったという。
特に王侯貴族の使うそれは魔法によって温められており、抜群の保温効果を持ったという。
「アニエスぅー。そこの本とってぇー」
「…陛下、ご自分で行かれたらどうなんですか」
「えぇ~。おこたから出たくないもん~。アニエスこそ、王命ですわよ~?」
「…王命ならば致し方ありませんねぇ…うぅ、さぶっ!」
「ジョゼフ様…それ、ロンです」
「な、またかミューズよ!」
「…背中が煤けていましてよ…ジョゼフ様。ふふふ…」」
そして、『コタツ』は各王家のご家庭で、円満な年末をコーディネイトするのに一役買ったという。
419:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/11/11 23:16:31 f1EK/b0V
以上!
ハルケギニアにはあの器具はないという前提で書いてみました。
もし原作で出てきたら終了なストーリーw
でもそんなの関係ねえ!SSだし!(ぁ
んじゃーこのへんでノシ
420:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:20:32 od7DBD/y
フレイム拉致⇒コタツの中に突っ込んでおく⇒ミカン(゚д゚)ウマー
421:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:21:56 lk9VwBnB
乙!
ご無礼!、ってガリア王家ヒマそうだなw
422:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:42:11 dHUWQbT6
ざわ… ざわ…
ゼロの使い魔的、脱麻を脳内妄想した俺って…orz
423:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:54:31 ztOXzGAV
そうか!
シェフィールドの頭がジョゼフ以上に良ければ、ハルケギニアは平和で済むんじゃないか?
ジョゼフは一生シェフィールドのカモになってろ!
424:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:59:05 2CRSSUZd
ミカンが無いコタツなんてコーヒーの入ってないミルクみたいなもんだ
425:名無しさん@ピンキー
07/11/12 00:03:14 zLQt0jfc
せんたいさんはいつもながらGJ!だけど
「いまコタツで麻雀って、できないんだよ」(´・ω・`)
家具調コタツ全盛なので、
雀パットというオプション品をつかわなくてはいけないんだ
426:名無しさん@ピンキー
07/11/12 00:14:55 cFb0wiXT
せんたいさんのはいつもほのぼのエッチでいいね。
みなぎりました!GJ!!
427: ◆LoUisePksU
07/11/12 00:35:56 jweUSZhQ
>>419
せんたいさんGJ!!!
でも、木炭だから部屋の換気はまめにしましょう。笑
じゃないと本当に昇天しちゃうよっ。
>>384
確かにあっさりしすぎたかも。
反省もこめて、ご期待どおり?の番外編の甘々展開を保管庫にUpしました。ノシ
桃色Sisters in the bath
URLリンク(wikiwiki.jp)
428:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:05:24 yU+1shuO
>>427
おおGJ。
(´-`).。oO(カトレアさんの中でもはじけてほしいなあ
429:ツンデレ王子
07/11/12 01:39:28 1m0cMdoY
こちらには初めて投稿します
保管庫(?)と雑談掲示板には何度か書かせていただいた者です。
過去スレを見たところ、保管庫だけではなくこちらにも投稿した方がいいと
書いてあった様な気がするのですが、今からあちらに書いた文をこっちにコピペ
して持ってくるべきでしょうか?
このような質問、もしかしたらスレ違いかもしれませんが、ご容赦頂きたく
ご指示頂ける事をお待ちしてます
430:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:44:15 pj3PQsKs
別に持ってくる必要は無いと思う。
保管庫に作品がある旨だけを伝えて、次からこっちに投稿したらいいんでないかい?
431:名無しさん@ピンキー
07/11/12 01:48:55 ykWoaL2s
wktk
432:ツンデレ王子
07/11/12 01:59:59 1m0cMdoY
了解しました
ご親切にご指摘有難う御座いました
433:名無しさん@ピンキー
07/11/12 02:10:34 64swx8Sd
そもそもこっちにも投稿した方がいい、ってこともないよな。
別に保管庫だけの投下に留めたって悪いことはない。
ただ、感想レスなんかはこっちの方がよくついてる感じがする。
読み手側も気楽に書けるしね。
まあ、Soft-M氏の米欄見る限り、クオリティさえ高けりゃどこに投下したって変わりないみたいだけど。
434:名無しさん@ピンキー
07/11/12 02:24:36 uOmtl58Z
>432
ナニを書いたひと?
435:名無しさん@ピンキー
07/11/12 02:30:39 64swx8Sd
URLリンク(wikiwiki.jp)
↑ここの人。
436:ツンデレ王子
07/11/12 02:31:29 1m0cMdoY
何をと言われましても、タイトル付けてないので^^;
今書いてるのはサイトとアンリエッタの純愛物?まだまだ途中ですけど…
考えながら書いて、一区切り付いたら投下してるので、欲求不満かも知れませぬが…
ちなみに非エロです
437:名無しさん@ピンキー
07/11/12 02:34:19 ZPT65c9k
保管庫にしかない作品ってあったんだ。
438:名無しさん@ピンキー
07/11/12 19:43:06 wubr/hpL
ラピュタは本当にあったんだ!!
439:名無しさん@ピンキー
07/11/12 19:48:57 zGV6qZBK
見ろ、人がまるでゴミのようだw
440:名無しさん@ピンキー
07/11/12 20:48:12 z9ceZutM
バルス!
441:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:09:11 fcZlirp3
目が、目がぁぁぁぁぁああああ!!
442:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:15:36 dTTOLZCr
せんたいさんの『きっとこんな未来』とかは保管庫オンリーだったと思われ
遅れレスだが
443:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:16:56 zLQt0jfc
>>438-441
AAなしがギリギリの理性か w
444:名無しさん@ピンキー
07/11/12 21:50:11 qmnso23S
>>438-441
なんだこの流れwww
445:名無しさん@ピンキー
07/11/12 22:57:27 UD4QqRFv
連想回路がパターン化してる。
可哀想なロボット…
446:サイトの後悔~因果応報編~
07/11/12 23:04:49 pj3PQsKs
気持ちのいい朝。小鳥の鳴く声をBGMに、サイトはベッドに腰掛けている。
物憂げな様子で何度も窓の外を見ては、ため息を何度もついている。
実際、サイトは憂鬱であった。朝食も、食欲が無いと言って抜いてしまった。ルイズの心配そうだった表情を、はっきりと覚えている。
無理しないでね? サイト。
そう言って覗き込んできたルイズはとても可愛くて、普段なら抱きしめそうだったけれど、そのときのサイトは、そんな気分にならなかった。
「お兄ちゃん……か……」
ぼんやりと、雪風と呼ばれる少女が言ってきた言葉を呟く。
あの時、サイトはタバサを抱いてしまった。本人が望んでいたとはいえ、理性があれば抱くことは無かっただろう。しかし、抱いてしまった。
セーラー服姿のタバサ。
反則だった。
お兄ちゃん、と呼んでくるタバサ。
魅力的だった。
「俺ってロリコンなのか?」
サイトが憂鬱の理由。それは、タバサを抱いてしまったという罪悪感と、自身がロリコンなのではないかという不安だった。
俺はロリコンじゃない! と声高に宣言したかったが、タバサを抱いてしまったという事実がある以上、完璧に否定することが出来ない。
とりあえず洗濯でもして忘れようと思い、ルイズが散らかしたネグリジェや制服を、愛用している洗濯籠に放り込む。しかし、、気持ちを切り替えても、どうにも振りほどくことが出来ない。
タバサの柔らかさ、感触、声、香り。その全てがサイトの脳に甘い毒を振りまいて、サイトの思考を鈍らせる。
駄目だな、俺。
ロリコンなのかもしれない、という思いがサイトに嫌な汗を噴出させる。その汗の感触が嫌で、ふと手が触れた柔らかい布のようなもので、汗を拭く。
しかし、サイトの思いも汗も、甘い毒の誘惑を振りほどけるわけも無く、サイトはタバサの様子を思い出してしまう。
タバサの声は、天国へと誘う天使の調べ。
タバサの姿は、理性を狂わす狂気の花。
タバサの感触は……ええい! やめろサイト! 勃ってしまう!
やっとの思いで思考を中断するが、時既に遅し。サイトの愚息は、立派に自己主張していた。
ああ、やばいなぁ。
思わず、手に持っている布で顔を隠してしまう。なんとなく匂いを嗅ぐと、それはそれはよく知った匂いであった。
そして開かれる扉。朝食を食べ終えたルイズが、戻ってきたのである。
「サ……サイト?」
ああ、死んだな、俺。
直感がそう告げる。サイトが手に持っているのは、いつも洗濯しているルイズのパンツ。ご主人様のパンツで顔を隠して、愚息をそそり勃てているサイトは、何処からどう見ても変態であろう。
このあとに待ち受けているのは、容易に想像できる。折檻折檻、また折檻である。
鞭で叩かれ、虚無で吹き飛ばされ、蹴り飛ばされる。いつものこととはいえ、少々辛い。
今回は、少々どころではなさそうだ。いつもの三倍の折檻で、三倍の赤さに腫れ上がるのは間違いない。次に出来上がるのは、アンパンマンと化したサイトだ。
覚悟を決めたサイト。しかし、そんなサイトの予想とは正反対な言葉が、ルイズから飛び出してきた。
447:サイトの後悔~因果応報編~
07/11/12 23:05:28 pj3PQsKs
「も、もう……しょうがないわね……」
はい? 今何と?
予想外のルイズの言葉に、目を丸くするサイト。そんなサイトに気づいたのか、慌ててルイズが言い訳する。
「か、勘違いしないことね! 使い魔の管理は主人の義務! 別にあんたが好きだからとかそういうのはまったくないんだからね!」 はて、いったいどうしてこうなっているのだろう。サイトは考える。
今の状況は、ルイズのパンツを片手に、愚息を勃てている使い魔が一人。そして、その主人が目の前にいる。
吹き飛ばされてもおかしくない状況なのに、それが来ない。
「そ、それに……あんたが他の女の子を襲ったりしたら私の名誉に関わるからよ!」
ごめんなさい、ご主人様。それもう手遅れです。でも、タバサが言わない限り、大丈夫なのか。
そんなことを考えながら、サイトはボンヤリとルイズを見つめる。いつものきつい表情をしながらも、何処か恥ずかしげに頬を赤らめている。内に秘めた恥ずかしさを見せているその表情が、サイトの理性を崩壊させていく。
待て、サイト。待つんだ。これ以上の暴走は許されない。
しかし、鋼の自制心がその暴走に歯止めをかける。鋼鉄の意志が、サイトのヤル気を萎えさせ……ることは出来なかったが、欲望を強く押しとどめる。
よし、いいぞ俺!
サイトは心の中でガッツポーズだ。
「サ、サイトが他の子を襲わないように……」
なんというか、この状況はひどくまずい。こっちは既にやる気が無いというのに、あっちは既にやる気満々だ。こんな勢い任せでヤルのは、少々ごめんだった。
「ごめん! ルイズ!」
パンツを放り出すと、勃っている愚息を気にせずにサイトが駆け出す。その勢い、脱兎のごとくである。
「あ、待ちなさい!」
しかし、ルイズもさすがである。素早い動きで折檻から逃れるサイトを確実にしとめるルイズの鞭。その秘密は、ルイズの反応速度にあったのだ。
サイトが部屋の扉を開けて廊下に出ようとする頃には、ルイズがサイトに己の体をぶつけていた。うつ伏せに倒れたサイトに馬乗りになり、問いかける。
「ねえ、そんなに嫌なの? 逃げ出したくなるくらい、私が嫌なの?」
そうじゃない。そうじゃないです! ただ! 今ここであなたを抱いてしまうと、色々と駄目になりそうだったんです!
とは言えず、お茶を濁すサイト。その様子に、ルイズが寂しそうに微笑む。
「そうよね、こんな幼児体型の私だもん。こんな私に迫られても、嫌だよね?」
そうじゃない、と必死に否定するが、ルイズの気持ちは固く、わかってくれない。
ああ、どうしようかと悩んでいるところに聞こえてくる足音。それは救いの女神は破滅の悪魔か。
結果的には、まずかったです。
「……」
無言で見下ろしてくる雪風のタバサ嬢の視線が痛い。どんな感情がこもってるかはわからないけど、その視線が痛い。
サイトとルイズはその視線に背筋が凍るような思いをする。そして、タバサが放った一言は、サイトを地獄へと招待した。
「……また、してね。お兄ちゃん」
それだけ告げると、タバサはさっさと歩き去ってしまった。
そこに残されたのは、二人だけ。哀れな使い魔とその主人である。
「あああああああんたタバサに何したのよおおおおおお!!!!」
その答えは言えるはずもなく……。
その場にサイトの悲鳴が響き渡った。
448:29Q
07/11/12 23:11:01 pj3PQsKs
編とか書いてるけど続くかどうかは知りません。
どうやったらエロなんて書けるんでしょうね。そこまでの文章力は俺には無いです。
ただ己の妄想をキーボードに打ち込むのみですよ。
次、誰で書こうかな……。
449:名無しさん@ピンキー
07/11/12 23:11:25 qmnso23S
>>448
GJ!!
450:名無しさん@ピンキー
07/11/12 23:31:04 zGV6qZBK
>>448
小さいは正義w
451:名無しさん@ピンキー
07/11/12 23:58:02 z9ceZutM
いいか、>>448
(゚д゚ )
(| y |)
エッチとエロはただのスケベ野郎だが
H .( ゚д゚) ero
\/| y |\/
二つが合わさるとヒーローになるんだ
( ゚д゚) Hero
(\/\/
お前はもうヒーローだ!
452:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:43:21 3OODfiVe
>>451
また懐かしいもんを引っ張り出してきたなw
453:名無しさん@ピンキー
07/11/13 02:13:10 yLH3A7t2
>448
GJです!
サイトがルイズに責められてるのをタバサは見てしまったんですから
この後更に攻めに転じてくるのではないでしょうかね?
タバサ好きとしてはずっとタバサのターンでいてほしいとこですがw
454:ツンデレ王子
07/11/13 04:56:07 NSxs4S/D
ふと思ったのですが…
スレタイ文(?)の
>あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立ててね。
は
あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立てるのよ!
のが良いのでは?
>>451
目から鱗な気分です
(まぁ私にゃエロは書けんのですが…)
455:名無しさん@ピンキー
07/11/13 05:02:51 8eq7z62H
>>409
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ! 巨大なハルキゲニアがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
456:名無しさん@ピンキー
07/11/13 06:39:29 Mwx3Nj4V
>>455
それはカンブリア紀のトゲナマコだ
457:名無しさん@ピンキー
07/11/13 08:15:18 yzlTQie4
空が…、空が堕ちる…!
458:名無しさん@ピンキー
07/11/13 11:42:15 p0HvslXz
「エロ書くことにあまり熱意が持てない」「自分の作品の本分はエロにはない」
と思うSS書きは、エロを無理に書く必要ないかと。
ただ、「エロ書きたいけど自分には書けない」と決め付けて書かないのなら、それはちょっと惜しいかも。
459:名無しさん@ピンキー
07/11/13 17:52:47 OEBXCCnF
>>93
の続きです。
暇潰しだと思って読んで見て下さいましぃ~。
では開始であります。
460:サイトの不幸?幸福?02-01
07/11/13 17:53:18 OEBXCCnF
私は今、朝食を食べ終わり自分の部屋に向かって歩いてる。
しばらく歩くと自室前に着いてドアを開けた。
カチャ
ギィ~
「あ、おねいさま、おかえりなのですぅ~。」
バタン
そこには人間の姿をしたシルフィードがベットに
腰掛足をばたつかせていた。
「ロック」
「あれ?、なんでロックの魔法を使うんですかぁ~。」
「これから調べ物がある。誰にも邪魔されたくないから。」
「そうなんですかぁ~。」
「シルフィードも邪魔しないで。邪魔したら杖で叩く。」
「あうあう~叩かれるの嫌なので分かったのです。ベットの上でおとなしくしてます。」
早速、魔法関連がある本棚を調べるがちゃんと
整理整頓がされてなくてなかなか見つからず
本棚以外にも机の上にも乱雑つまれた沢山の本がある。
この中から一冊だけを探すの一苦労というものだ。
探し始めてしばらく経つとベットの方からシルフィードが寝息を立てていた。
お昼休みが始まるまで残り二時間を切ってしまい、
タバサは焦りはじめていた時、
机の上からランダムに取った本の表紙を見た時。
「あ、アッタ」
やっと目的の本が見つかって安堵した。
461:サイトの不幸?幸福?02-02
07/11/13 17:54:16 OEBXCCnF
さてその頃サイトはというとルイズの部屋を掃除をしていた。
ホウキでゴミを集めちりとりを使いゴミ箱の中に捨てる。
その次は濡れた布で床を拭き今度は乾いた布で
綺麗に拭き終わると今度は家具類を軽く拭く、
最後にベットメイキングをして終わりである。
全ての掃除が終わりサイトは近場にある椅子に腰を降ろして一息ついた。
「あっ~やっと終わった。これで一休み出来るぜーうっ~疲れた。」
「お疲れ、相棒。それにしても毎日よくやるよな。」
「だってよ、ちゃんとやらねいとルイズの奴すげぇ~怒るんだぜ。」
「それにしても、青髪の嬢ちゃんは何をしようとしているだ?」
「何だろうなーまぁ~タバサのやる事だ危険はないんじゃないか。」
「そうだと良いけど、何か悪い予感がするけどな。
でも、俺っちは何があっても相棒の味方だからな。」
「不気味な事言うなよな~。
さてそれじゃ~デルフ今日の剣の訓練に行くか。」
「おうよ。待ってたぜ相棒。」
本当にタバサの奴何をするつもりだ?
目がすごく真剣な感じだったから大事な事だと思うけどな。
昼休みになれば分かる事か。
サイトはデルフリンガーを掴むといつもの訓練場、
ゼロ戦が置いてある格納庫前の広場に向かって歩きだした。
462:サイトの不幸?幸福?02-03
07/11/13 17:57:02 OEBXCCnF
サイトが訓練をしている時、ルイズは魔法学科の授業を受けていた。
周りから見れば教師の話をちゃんと聴き真面目に受けていると
思われるが実は違う事を考えていた。
それは朝の食堂でのタバサとのやり取りである。
もお~なんなの、今朝のタバサは?
考えがあるとなんとか言ってたけど何の事だかさっぱり分からないわよ。
たぶんサイトの事だと思うけど、タバサはサイトの事を気に入っている感じだから。
まさか!あんな事やそんな事をして既成事実を作って自分の物にするつもりじゃ!
でも、そんな事ある訳がないか。
でもでも、あの2人最近なんだか仲が良く一緒に居る事多いわよね。
「ふぅ~」
変な想像を頭の中から追い出し一息ついた時。
「ミス ヴァリエール、この問題の答えは何ですか?」
「・・・・・・・・・」
「ミス ヴァリエール聞こえてますか?」
「えっ! はい!少し待って下さい。えっとその答えは・・・・」
いきなり教師に指され慌てるルイズだった。
次回に続く??
463:名無しさん@ピンキー
07/11/13 18:41:13 1oHDI0Hk
なんか微妙……
特にシルフィードが
464:名無しさん@ピンキー
07/11/13 19:54:37 qWW5voCv
そだね…
シルフィの口調はもちょっと原作を気にしてもらった方がいいかも
465:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:03:45 z54psTWs
なんかこう、原作読んでない人が他の人のSSだけ読んで書いたSSって感じがするな。
466:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:15:39 BcYHLhfu
他の人のSS読んでたらシルフィをこんな口調にするわけないだろ
467:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:20:58 OsaFRrCS
シルフィはおばかだけど、これはただの白痴だな。
468:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:34:13 p0HvslXz
最近、住人が厳しくなってきてないw?
469:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:35:25 +EGi0zXq
「あうあう~」は、ひぐらしの羽入(はにゅう)の専売特許と思われる。
470:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:36:35 eJKQAKgK
口調や名称の間違いには昔から厳しかったと思う
まあこのスレがというよりエロパロ板そのものの雰囲気がそうなのかも試練が
471:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:38:59 VXK1a5b/
そして「あぅあぅあぅあぅあぅ」はテファの(ry
別に専売特許まで言わんでもいいかな。
シルフィにちょっとあわない気はする。
472:名無しさん@ピンキー
07/11/13 20:49:09 sy/Nkh9A
と言うかこれは別物、断じてシルフィではない
原作読み直せ
473:名無しさん@ピンキー
07/11/13 21:00:04 AI6iLgsH
微妙にずれるが、タバ冒の最初の方のシルフィは割りとまともに喋ってるよね。
「~のね」の語尾もないし一人称も「わたし」だし。
あとタバサの呼び方が外伝1巻&本編10巻では「お姉さま」だけど
外伝2巻では「おねえさま」に変わってる。
……退化?
474:名無しさん@ピンキー
07/11/13 21:09:08 1IWqxHvA
使い魔のルーンの洗脳効果の副作用じゃね?
475:名無しさん@ピンキー
07/11/13 22:52:51 nKZHXJVb
「あうあう」は古手神社におりますだ>>460
476:名無しさん@ピンキー
07/11/13 22:56:43 McKok5uO
声はシエスタ
477:名無しさん@ピンキー
07/11/13 23:47:00 Mifb5dif
せんたいさんのシルフィも初期の頃しゃべり方おかしいぞ
そのへんどうなのよ
478:名無しさん@ピンキー
07/11/13 23:53:07 1oHDI0Hk
せんたいさんご指名ですよ
479:名無しさん@ピンキー
07/11/13 23:53:52 q9BQQ9I1
後々に改善されれば文句ないという好例
480:名無しさん@ピンキー
07/11/14 00:03:57 wOQbqQSp
全体の出来が良けりゃ、多少おかしいところは目を瞑ってもらえるさ。
もしくは、今回のが目を瞑れないぐらいにひどすぎたか。
せんたいさんは、初期のタバサも口調おかしいとか言われてなかったっけ?
でもちゃんと改善したからかえって評価が高まったという。
いや、せんたいさんじゃなかったような気もするが。記憶が曖昧だ。
まあ少なくとも、「せんたいさんだけ特別扱い」という理由だけではないと思う。
多少そういう傾向があるのは否定しないが。
481:名無しさん@ピンキー
07/11/14 00:12:23 VGHVBrUk
>>459
つか頑張れ!
俺は読むだけだから職人さんが増えてくれると嬉しい。
482:名無しさん@ピンキー
07/11/14 02:15:01 p2+Cs/qS
コッパゲ×隊長が読みたい。
483:ツンデレ王子
07/11/14 02:34:38 gR8zPeqi
保管庫(URLリンク(wikiwiki.jp))
にも下ろしましたが、一応こちらにも下ろします
感想欲しいから^^;
484:ツンデレ王子-1
07/11/14 02:37:43 gR8zPeqi
ここチクトンネ街の表通りでは、今日はいつにも増して人が溢れていた。
それもそのはず、今日は半年に一度の大安売りの日。各地の人々が普段は高くて手を出せない品を求めてやってき
ているのだ。はるかアルビオンから来た者やゲルマニアから来た者も見受けられる。
そんな中、サイトとアンリエッタはおろおろと周りを見渡し、今にも泣き出してしまいそうな少年を見つけた。
「あら?ぼく、どうしたの?」
アンリエッタはしゃがんで少年に目線をあわせ、問いかける。
「パパとママが…」
「はぐれちゃったの?」
目尻に涙をためて頷く少年。
「サイトさん、どうしましょう…」
サイトは少年を背中側から抱き上げ、そのまま自分の肩に座らせた。
「そこから父ちゃんと母ちゃん、見えるか?」
肩車をしてもらい目線の高くなった少年は辺りを見渡すが、探している人物は見つからないのかしゃくりあげるのみだ。
「ちょっと歩いてみようか。噴水の辺りまで行けば見つかるかもしれないし」
「そうですね」
同意したアンリエッタに左手を差し出す。
「……?」
「はぐれるといけないから、手を」
「は、はい」
赤くなりながらもその手をサイトに預けるアンリエッタ。そんな様子を見て、肩の上の少年が笑みを見せる。
「わー、お姉ちゃん、まっかっかだー」
ソレを聞いてますます赤くなるアンリエッタ。
「も、もう…ところで、僕のお名前は?」
「カイ」
『いい名前でしょー』と誇らしげに少年は答えると、サイトの頭を小さな手でぺしぺしと叩く。
「こ、こら、暴れるんじゃない」
「ねーねーお兄ちゃん、あっち、あっち行って」
少年の指差す方向には、何軒もの露店が並んでいた。その中から良い匂いが漂ってくる。
『しゃーねーなー』と呟きながらも3人が向かうと、そこではフードを目深に被った人物が座っており、その足元では
小さな人形たちがさまざまなダンスを披露していた。
「ほー、アルヴィーじゃねぇか」
「アルヴィー?」
デルフの声に、辺りを見渡しながら興味津々に聞き返すカイ。
「ここだよ、ぼうず」
「わっ!剣が喋った!」
「おりゃあ、インテリジェンスソードのデルフってんだ。よろしくな、ぼうず」
「うん、よろしくね、デルフのおじちゃん!」
その言葉に噴出す2人。
「おじちゃんだとよ、デルフ」
「…笑うない!どうせおりゃあ年寄りさぁね」
「そんなにいじけるなって、デルフ」
「ねぇねぇ、デルフのおじちゃん。そのアルなんとかって何ー?」
「アルヴィーってのはな、簡単に言やー魔法が掛かってて自分で動く人形の事だ」
「へーかっこいいね」
カイが目を輝かせて眼前のアルヴィーのダンスを見つめていると、デルフは声を潜めて言い出した。
「相棒、そこの隣の露店で何か買いな」
その声はサイトにしか聞こえていないようで、カイは先ほどと同じくアルヴィーを見てはしゃいでいる。
隣のアンリエッタも同様にダンスを見て微笑んでいた。
「…何かってなんだよ」
「何でもいいから、取り合えず適当に買ってみな」
的を得ぬ説明であったが、仕方無しに言われるがままに隣の露店を覗く。
地面に広げられた布の上に、以前ルイズに買ったペンダントと同じような貝殻で出来たイヤリングを見つけ、ソレを
買おうと手に取ったその時、店主が意外そうにサイトに声を掛けた。
485:ツンデレ王子-2
07/11/14 02:38:34 gR8zPeqi
「おや、兄さん使い手かい?」
(使い手?そういえば前にもそんな事言われたよな。あれは確か…)
―そうだ、デルフと初めて出会ったときだ
サイトが思い出したとき、背中からデルフが喋りだした。
「おう、久しいな」
「やっぱデルフだったか。久しぶりだな、おい」
剣と店主が顔を綻ばせて懐かしがっているのは、どう贔屓目に見ても異様な光景であったが、サイトからすれば
些細な問題だった。それよりこの店主と自分の剣が知り合いだったという事の方に驚いていた。
「デルフ、知り合いか?」
「ああ。だがまあ話すと長くなるんでな、後で教えてやるよ。それよりも、俺達と一緒に来ないか?」
デルフの言葉に店主は『いいねー、退屈してたとこだったんだよ』と頷くと、一本のナイフを差し出した。
「…は?」
「受け取んな、相棒」
訳が分からないまま、差し出されたナイフを受け取る。
と、突然目の前の店主が慌てふためいて涙目になる。
「ひっ、き、騎士さま、何を…」
彼からしてみれば、目が覚めたらいきなりナイフを突きつけられてるのだ。混乱して当然だ。
しかしサイトも事情はまだ知らされていないのだ。いきなり態度が変わってしまった店主を見て、彼も混乱してしまう。
「店主、驚かせてすまねぇな。別にあんたをどうこうする気は無いから安心しな。
ところで、このナイフに合う鞘は有るかい?」
サイトに代わって言葉を発するデルフ。
しかしそれらしき物は見つからず、結局手近にあった布で刃の部分を覆う事になった。
486:名無しさん@ピンキー
07/11/14 02:38:53 89Z4IiOe
隊長=コルベールとも解釈できるんだぜ?
487:ツンデレ王子-3
07/11/14 02:39:19 gR8zPeqi
暫く楽しそうにダンスを見ていたカイだったが、ふと鳴り響く鐘の音に耳を済ませサイトに訴えた。
「お兄ちゃーん、お腹空いたー」
サン・レミの鐘は12時を示していた。
「そういえば、もうそんな時間なんですね」
アンリエッタの声に同意するかの様に、彼女の腹の虫が小さく鳴く。
「お、アンの腹も鳴いてるね」
「も、もう…サイトさんの意地悪」
赤くなってそっぽを向く彼女の目に、カイを探す一組の男女の姿が映った。
「あれ、カイ君のご両親じゃない?」
言われた方向を見ると、確かに彼の名前を呼びながら慌てた様子で歩いて来ている。
「パパーママー」
「カイ!」
サイトは彼を下ろすと、少年は母親に抱きついた。
「カイ…カイ…心配したのよ、もう…」
「あのね、このお兄ちゃんとお姉ちゃんが連れて来てくれたの」
少年の言葉に彼の両親は頭を下げようとし、サイトの羽織っているマントに気付く。
「こ、これは騎士さま。息子のご無礼、ど、どうぞお許し下さい」
慌てふためく2人。
「あ、いや…別に大した事してませんから」
頭を掻きながら照れくさそうに言った後、少年の髪をクシャクシャと撫でる。
「よかったな、父ちゃんと母ちゃん見つかって」
「うん!サイトお兄ちゃん、ありがとー」
「貴方さまが…あの、シュヴァリエ・サイトさま?」
「ええ、まあ」
「お噂は聞いております。この度は息子が大変お世話になりまして…なんと御礼申し上げて宜しいやら…」
シュヴァリエ・サイトの噂は平民達の間でも広まっているらしかった。
その噂とは―
東の地“ロバ・アル・カリイエ”の更に東方、人類の未踏の地から数々の武器を自在に操る一人の平民が王立魔
法研究所―通称:アカデミー―の新兵器開発部門“ゼロ機関”に研究者兼協力者としてトリステインに招かれた。
こちらで生活をするうちに出来た仲間を助ける為、また護る為に戦士として戦に参加する。アルビオンが侵攻してきた
際には、竜の羽衣を纏い、自身がアカデミーで開発した新兵器“フェニックス”をも使い撃退。さらにはアルビオンへの
遠征の際、敵軍の卑怯な手段により窮地に陥ったトリスタニア・ゲルマニア連合軍を無事に撤退させる為、単身で敵
軍に乗り込み、数万とも数百万ともいえる敵兵を滅した後、捕虜になるも無事生還を果たす。また他には、仲間を救
う為に先住魔法を操るエルフに対し、単身で挑み勝利を収め無事に救出に成功した。
―という内容らしい。
かなり曲解されて伝わっているようだが、噂とは得てしてそういう物である。
「奥様にも、大変ご迷惑をお掛けしました」
(お、奥様だなんて…)
「大丈夫ですよ。そんな事気にするような人じゃありませんから、この人」
奥様と言われた事に気を良くしたのか、アンリエッタはサイトの腕に自身のそれを絡ませながら言い放つ。
その言葉に益々頭を垂れる2人を見て何を思い付いたのか、そのままサイトから少し離れ、カイの母親と小声で二言
三言交わし戻ってくる。そしてサイトの手を取ると『こっちです』と引っ張って行った。
488:ツンデレ王子
07/11/14 02:41:11 gR8zPeqi
以上です
まだ続きますが、次の投下日の予定が立ってません。
これから製作するので…
489:名無しさん@ピンキー
07/11/14 03:29:20 u9lNpI+k
乙
だがしかし、スレに投下する場合はある程度まとめてからの方がいいと思う。
中途半端なところで間隔が開くと、続編を読む時までに粗筋を忘れちゃうかもだし。
あと、それより、なにより、作品の題名をプリーズ…
490:名無しさん@ピンキー
07/11/14 04:14:19 fLY41ER+
すでにツンデレ王子の新作がwikiにあがっている件w
転載職人はやすぎだろw
491:名無しさん@ピンキー
07/11/14 07:06:39 pDy9Qd73
乙。
ただ感想がほしいなら初めからこっちに投下したほうがいい。
>>490
直接投稿の甜菜かと。
あとIDが飛翔魔法だね。
492:名無しさん@ピンキー
07/11/14 09:13:02 d8EdQSDg
短編であげてももらってもいいだろ?
忘れちゃうとか読者の我侭だし、保管庫で見れるんだから
忘れたら読み直せばいいだけだろうが・・・
493:名無しさん@ピンキー
07/11/14 11:03:11 gSKyKlCx
まず乙。
「細切れでも気にしない」って人もいれば、「もう少しつなげてほしい」って人もいるね。
ちなみに俺も率直に自分の希望を言えば、もうちょっとまとまってから投下したほうがいいかな・・・と思う。
展開が『デート序盤で子供見つけてナイフ買って親登場~続く』で、
伏線張ってきりのいいとこで次につなげたのはわかるんだけど、これだけでは物足りない気分。
保管庫の一連を含め、ツンデレさんの作品自体は好き。
派手ではないが会話とか軽妙で読みやすいし、展開に矛盾のないように
キャラの行動や心情を、けっこう細部まできちんと書いてくれている。
ただ、丁寧なやり方だから、投下となると数レス分だけでは展開はそれほど進まないよね。
偉そうな意見スマソ。繰り返すが内容は悪くないよ。一度にもうちょっと読ませてくれええってだけでw
494:名無しさん@ピンキー
07/11/14 11:16:32 dDT0FkP2
短編なら完結してるから問題なし。
しかし長編の導入部だけで「伏線張れどもドラマは進まず、しかも無題」ってのは弱いかと。
名前を付けるだけでも与える印象は大違いなので、もったいないなあと思った次第。
もちろん強制するつもりはないです。スレ汚し申し訳ない。
495:かくてる
07/11/14 21:07:23 hcRtFWb+
新作投下開始。
「姉様」タバサ主役。
496:姉様(上)
07/11/14 21:08:41 hcRtFWb+
「気がつきました?」
タバサはぼんやりと天井を見上げ、声を掛けたメイドを見つめた。黒髪とそばかすが印象的な、サイト
専属のメイド。たしか名前はシエスタ。
慌てて起き上がろうとすると、タバサはそっとシエスタに押さえられた。
「疲労が原因で倒れられたんですよ?先生の話ですと、今日一日は安静にした方が良いそうです」
やっとタバサは思い出した。数日の徹夜明けのまま学院の廊下を歩いていて急に意識が遠退いたのだ。
偶然居合わせたシエスタが医務室に運んでくれたらしい。ありがとう、と頭を下げるとシエスタは明るい
笑顔で首を振った。
「敵討ちなさって、ご病気のお母さまの看病もなさって……ミス・シャルロットは凄いですわ」
「サイトやキュルケが、助けてくれたから」
タバサは言って窓の外を眺める。彼らには感謝している。だがこれからの仕事は助けてもらえない内容
だ。ガリア王家の承継と政権掌握、軍事外交とあまりに慣れないことばかりで、さすがのタバサも頭が回
りきらないのだ。学院と女王の義妹であるルイズの口添えのおかげでアンリエッタの支援を受けられるの
は不幸中の幸いだろうか。タバサは溜息をついてシエスタに目を向ける。と、タバサはシエスタが一冊の
本を膝に乗せていることに気付いた。全くタバサの見たことのない表紙だ。
シエスタはタバサの視線に気付いて慌てて本を隠そうとする。
「その本、読みたい」
「いえ、これはお姫様が読まれるようなものでは」
「構わない。私自身、姫として育っていない」
タバサの淋しそうな視線にシエスタは、サイトとルイズには内緒、と言って本をタバサの膝に置いた。
タバサは読み進むにつれ奇妙な笑みを浮かべ始めた。
497:姉様(下)
07/11/14 21:11:58 hcRtFWb+
「これで私たちは三姉妹ですね」
アンリエッタはほほえんで、以前に妹としたルイズと新しい妹、タバサを抱き締めた。
ガリア王家唯一の血筋であり、戦乱から取り纏めるだけで精一杯のタバサにとって、今すぐ婿を考える
ことはあまりに困難だが、一方で姻戚関係による同盟が欲しい。そこでタバサがアンリエッタに提案した
のは、自分がアンリエッタの妹になることだった。
「これから、よろしくお願いします。アンリエッタ姉さま、ルイズ姉さま」
タバサの頬がかすかに赤く染まる。ルイズはタバサを抱き締めて言った。
「実は妹って欲しかったの!困ったことがあったら何でも言って!」
ルイズの頭の中では自分はカトレアの姿になっている。優しくて慕われる姉様になりたいのだ。タバサ
はルイズの耳元に口を寄せるとアンリエッタに聞こえないように囁いた。
「ルイズ姉様とサイトの仲、応援する」
ルイズは怒りかけ、だがカトレアを思い出して怒りを飲み込む。タバサの健気さに気付き、再びルイズ
はタバサを抱き締めた。
「すごく、面白かった」
タバサはシエスタに借りた本を渡す。シエスタは悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「気に入って下さるなんて光栄です。『愛してお義兄様』は私も大好きなんですよ。禁断の愛!ああ」
本を抱いて一人踊るシエスタを眺めながら、タバサはぽそりと呟いた。
「サイトお兄さま」
498:かくてる
07/11/14 21:13:28 hcRtFWb+
投下完了
499:名無しさん@ピンキー
07/11/14 21:53:23 Wv4kltMa
乙
ただ、ミス・○○の形でタバサの本名を呼ぶならミス・オルレアンじゃないか?
500:かくてる
07/11/14 21:55:27 hcRtFWb+
>>499
おお、そうでした。失敬。
501:名無しさん@ピンキー
07/11/14 22:10:26 0b92D1WA
原作だとミス・タバサって呼んでたなー、コルベールが。
まあ、本名明かされて以降はどうなってるのか覚えてないけども。
それはそうとGJ。オチが上手いね。
502:名無しさん@ピンキー
07/11/14 22:15:16 V9d1L3wj
タバサの本名を知ってるのは学園の中でも少数だから
学園内ではミス・タバサで通すべきだろうな
503:名無しさん@ピンキー
07/11/15 16:56:41 zRRGuQhr
ミス・オルレアンって言いにくいしな
504: ◆LoUisePksU
07/11/15 19:57:16 nUXJ8H51
ひさびさに平日2日間休みが取れたので新しいSSを書き上げたよ。
糖度高め。
タイトル「サイトといっしょ」投下。
もしかしたらまたカウンタが虚無ってしまうかもしれんが、ご容赦を。
505:サイトといっしょ(1/3)
07/11/15 19:58:10 nUXJ8H51
サイトのパーカーがルイズはお気に入りなのだ。
たまには貸してもらって、パーカーを着て寝ることだってある。
最近寝るときはいつもサイトにとなりで寝てもらっている。
ただし彼にはご主人さまからの命令ということになっているのだけど。
今夜は特に寒いのだった。
いつものようにルイズはサイトの胸にちょんと頭をのっけて床についている。
だけど、寒くてなかなか寝付けないのだった。
「・・・ねぇ、サイト。まだ起きてる?」
彼女は上目遣いに彼を見やった。
「どした?眠れないのか」
サイトはあごを引いて彼女を見た。
「うん。今日さむくない?」
「こんなに引っ付いて寝てるのに?」
彼はニコリと笑う。
ルイズは彼の言葉に顔を火照らせた。
「ば、ばか。なにゆってんのよ。コレはいつものことでしょ。
こーしてても今日はさむいのよ。女の子はさむさに弱いんだから」
そういい終わると彼女はサイトの視線から逃げるようにうつむいてしまった。
「で、でね。サイト。わたしにいいこと思いついちゃったの」
なに。と聞いてきた彼にルイズはちらっと視線を合わせてからナニやらもぞもぞしはじめるのだった。
彼女は一旦毛布の中に潜り込むとサイトのパーカーをめくり上げた。
「なっ。そんなことしたら俺が寒いだろっ!」
彼はあわててめくりあげられたところを押さえて抵抗する。
「ぬ、脱がすわけじゃないもん。」
ルイズは彼の手を払いのけ、めくり上げてできたすきまに自分の頭をつっこんだ。
さらに身体をくねらせてはいずりあがっていく。
そしてついにサイトと同じところから頭をグイッと出してきたのだった。
「こうするんだもん。」
彼の耳もとでそうつぶやいた。
ルイズはパーカーの中から彼の背中へと手を回す。
思ってたとおりぽかぽかと温かいのだった。
一方サイトは、いつものネグリジェ〝だけ"の格好で自分のパーカーに潜り込んできたご主人さまに
やっぱり心臓バクバク状態になっていた。
彼のパーカーはすこし大きめではあるものの二人で入るにはちょっと無理があった。
なので今彼はご主人さまと〝ほぼ"ハダカの状態で密着している。
彼は男の子である。
男の子は好きな女の子とこんな状態のとき、ちゃんと身体が【反応】をするようにできている。
だからサイトの身体も正直に【反応】してしまうのだった。
ルイズは彼の身体の変化に気がついた。
しかもその変化のあった部分はちょうど彼女の"お嫁さんになっても3ヶ月は許しちゃダメ"なとこに当たっていたのだった。
506:サイトといっしょ(2/3)
07/11/15 19:59:13 nUXJ8H51
彼女は真っ赤になって、声を上ずらせた。
「さ、サイト。なななにかいいいいけないのが当たってるんだけど・・・」
「!!」
彼もわたしにばれてしまったことが恥ずかしくって顔を紅潮させているのだ。
なんとなくそんなサイトが愛おしく思う自分がいる。
そして一方で、だめだめだめ。だめよルイズったら。モンモランシーにも言われたじゃない。
雰囲気に流されないよーにって。だからだめなんだから。と言いきかせる自分もいた。
どーしたらいいの?わたし。
困ってみたものの、こんな状態―彼のパーカーの中にわたしが潜り込んでほぼ裸で密着しちゃってる―
では身動きはとれないのだ。むしろ温かくて気持ちがいいからこのままねちゃってもいいかもと思っている。
一時間くらいなら寝たふりできるんだもん。
わたしはそー思うんだけれど、こいつはどう思っているのかしら。
・・・もしかして嫌!?・・・嫌われるのなんてやなんだもん。ずっとそばにいなきゃだめなんだからっ。
自分ではどうも答えが出せそうにないので、目の前でまだ真っ赤になっちゃている彼に決めてもらうことにした。
「あんた、どーしたいの?」
「どーって・・・・・・言える訳ないだろ・・・」
「言いなさいよ。隠そーとしたって、サイト隠しきれてないじゃないのよ」
(ごにょごにょ)
「えっ!?聞こえないわ。ぜーんっぜん。聞こえないんだから。
いえないの?それともいえないことがしたいわけ?そーじゃない?じゃぁわたしが聞いたげるわ。
どーしてあんたのはこーなってるの?それを答えなさい。答えなかったらヒザいくわ、ヒザ。
いっとくけど逃げられないわよ。さ、どーすんのよ。」
「したいです」
そーきたか。やっぱりなのか。
ルイズは鼻を鳴らして言い放つ。
「いいわ・・・いえ、よくないわ。なぜしたいのかしら。
ご主人さまとこんなひっついてるからヨクジョーしちゃったわけ?
こんな可愛い女の子とこんな状態でそんな状態になるなんて・・・まぁ男の子としては正常なのよね。そうなのよね。
でも・・・ちゃんと好きってことなのかしら。ねぇ、サイト。わたしのこと好きなのよね?」
彼は恥ずかしそうにぽつりと言った。
「好き」
ルイズはその一言をかみしめるようにニンマリすると、もう一度聞き返した。
「ホントに?」
「ほ、ホントに好き」
同じ言葉が返ってくる。素直にうれしくなった。ちょっといじわるだけどさらにもう一度聞き返すのだった。
「ホントにホント?」
「ホントにホント。好きだよ」
「メイドやチチオバケやチビメガネより好き?」
彼の首肯にルイズは再び鼻を鳴らす。メロメロなのね。ふふんっ、これで勝ったも同然ね。
でももう一つ確認ぜずにはいられないのだった。これを否定してくれないと今言ったことも全部だめなんだから。
「使い魔としてご主人さまが好きってこと?」
言い終わったルイズに緊張が走る。しかしそれは一瞬のことだった。
「違うよ。」
彼は首を横に振りながらそれを否定してくれたのだった。
100%サイトは男の子としてわたしを好きなのだ。←確定。
ルイズは深呼吸してからやや視線をはずすとサイトに言った。
「いいわ。許したげる」
507:サイトといっしょ(3/4)
07/11/15 20:02:05 nUXJ8H51
「あんたはじっとしといていいんだから。」
そう言うと、彼女は彼の背中に回していた手を解くと自分のネグリジェの裾をたくし上げた。
彼女の結婚しても3ヶ月はだめだったはずのところを露にした。
続けてサイトの男の子として正常な反応を示しているところに手を伸ばす。
ジジジーッ。かなり苦しそうな状態なズボンのチャックを下げてあげる。
ぼんっとサイトに棲む別の生き物がチャックの開いた部分から飛び出てきたのだった。
彼がビクッとはぜた。その反応にルイズの少しビクッとしてしまう。
おそるおそる彼女は右の手で飛び出てきたその生き物に触れる。
っ~!! 彼が声にならない吐息を出した。その吐息に呼応するように一回りその生き物が大きくなった気がした。
ドクン。ドクン。まるで本当に別の心臓を持っているみたいに脈打っている。
彼女もどきどきしながら、そっと彼の拍動する生き物を手に取った。
はっ。はぁ。はぁ―彼の吐息がじょじょに荒くなってきた。
ルイズはそんなサイトの吐息を舌で封じたのだった。
むぐぅ。彼は苦しそうに鼻息を荒げるが、ルイズの差し入れた深い口づけに彼も舌を絡めて応えた。
彼女の鼓動も激しくなって耳まで真っ赤になっていた。
彼の生き物を持った手をゆっくりと上下に擦っていく。生き物の脈動も速く、激しくなっていく。
彼女の手に生き物のべっとりとした汗がまとわりつき、擦る度に淫猥な音をあげ始める。
いったんルイズは彼の唇から自分のそれを離した。二人の唇の間には絡み合った唾液の糸がツウッと引いている。
「・・・ねぇ。気持ちいいの?わたし、ちゃんとサイト気持ちよくしてるよね?」
彼は虚ろな目で首を縦に振る。息が上がってうまく言葉が出てこないようだった。
よかった―一言つぶやくと、再び彼女は彼の唇を封じた。
彼女の手の動きが変化をみせた。
彼の生き物の首根っこ部分を人差し指と親指で挟み込み、ゆっくりとくりかえしなであげた。
彼女に絡んでいた彼の舌の動きが一瞬滞って、荒げた息が彼の鼻から吹き出す。
生き物がルイズの手中でのけぞる。彼女の手が生き物の頭部分を擦りあげた。
彼自身ものけぞって電流が走った時のように大きくビクンと跳ねた―
その刹那。ルイズの手に収まっていた頭の部分が大きく膨らんだと思ったら、
これまでにないねっとりとした液体を勢いよく吹き出したのだった。
508:サイトといっしょ(4/4)
07/11/15 20:03:36 nUXJ8H51
再びルイズは彼を唇での拘束を解き放ってあげた。
そして問いかける。
「いった?」
彼女の問いかけにサイトは、肩で息をしながら大きく肯く。
彼の答えにルイズは女の色香を漂わせ微笑み、そして言葉をつむぐ。
「でも、まだなの。わたしが。」
彼女はサイトの生き物が吐き出した体液がまとわりついたままの手で今度は彼女の下に棲む生き物の口を押し広げる。
そして、もう一方の手で脈打ち続ける彼の生き物を持ち、彼女の押し広げた口へと導いた。
湿ったものどうしが絡み合う音が二人の下腹部から漏れた。
動いて。彼女がサイトに命じた。
淫靡な音を奏でながら二人の生き物は絡み合い、歓喜の震えをあげる。
二人の唇からも甘く切なげな吐息が交じり合う。
ルイズはパーカーの中からサイトの両肩に手をのせ、自らの細腰を彼の動きに合わせて動かしていった。
サイトはパーカーに包み込んだ彼女を上から抱きすくめた。
「強く抱いて。」
彼女がサイトの耳元でささやく。
彼は強く抱きすくめる。
「もっと。」
ぎゅっ。
「もっと強く!」
サイトは渾身の力をこめ、彼女を抱きつぶしてしまうかのように強く強く抱き締めた。
その瞬間、彼女は大きく後ろに仰け反って、ビクンッと全身が跳ね上がった。
と同時にサイトの生き物の身体全体も彼女の生き物の体内に締め上げられた。
その反撃に彼の生き物は再び白濁した体液を吐き出すのだった。
力を使い果たした二人は、お互いを抱きながら深い眠りの世界へと旅立った。
~Fin~
509: ◆LoUisePksU
07/11/15 20:06:05 nUXJ8H51
以上。甘めだったかなぁ?
エロいの書きなれてないので不手際もあるかと。
そこは精進するということで・・・ でわでわノシ
510:名無しさん@ピンキー
07/11/15 20:07:33 uLwCU0gN
GJ
ただちょっと物足りない感じもするかな?
まあ短編だし仕方ないか 乙
511:名無しさん@ピンキー
07/11/15 20:45:23 RHvy8P63
最高!今八巻読んでヘコんでたから癒されたよ。ありがとー
512:名無しさん@ピンキー
07/11/15 20:57:43 nUXJ8H51
>>511
急いで9巻を読むんだ。ノ【9】
513:朝から‘あれ’がたってます!
07/11/15 21:05:30 CWsKwEoJ
......朝起きたらサイトの体の一部の‘あれ’がおもいっきりたっていた。
「..なんじゃこりゃー!!さすがにこれはまずいぞ、早く元に戻さないと。」
「なんだよ相棒うるせーな。...って、さすがにそれはたちすぎだろ。そりゃ叫びたくなるわな。」
「ああ、俺もおもわず‘スーパーサ○ヤ人か!!’って心の中でつっこんじまったからな。」
「ふあぁ、朝からうるさいわよサイト。いつもより早く起きちゃったじゃない。.....って、どうしたのその寝ぐせ。」
「いや、朝起きたら髪の毛が全部逆立ってたんだ。これでも水つけて少し直したんだぞ。」
514:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:09:11 Qd1WLiOo
ゼロの使い魔 13
サイトが……帰る!?
ついにまとめに入るのか!?
515:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:11:28 J5p+r6lB
まだだ、まだ終わらんよ
516:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:15:06 o6aiC9EU
まだまだだろ
517:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:24:01 RHvy8P63
>>512
九巻以降は明日買いにいくつもり。金が飛んでいく・・・
518:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:24:01 XLyiCEa8
249 名前: イラストに騙された名無しさん 投稿日: 2007/11/15(木) 21:03:54 ID:kcvCaQah
おい
紀伊国屋のゼロ魔新刊見てみろ
次巻最終
519:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:30:10 o6aiC9EU
後一巻でまとめるのは無理だろ
520:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:42:38 /dYhPRKo
終わクロ?
521:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:54:53 QVUw4jT0
えーと…
第一部・完、てことなのかな?
522:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:55:11 lTwkZKHo
帰る方法が見つかった。
ぐらいで終わるんじゃないの?
それか夢オチ。
523:名無しさん@ピンキー
07/11/15 21:56:37 ILF1HoVQ
どうせよくあるあれだよ、あれ!
「第二部よろしくね~」みたいな
524:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:00:59 tky6QevW
>>519
( ゚Д゚)
おい、ちょっと紀伊国屋。表に出ろ。
525:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:03:35 GYahDyqx
嘘を嘘と(ry
526:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:04:05 LKUwOTzd
いい最終巻だった・・・。
527:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:09:39 YI5R5QC6
サイト・ルイズだと話が続かないから(無理やり感がかなりある)
今回で、サイト・ルイズ編は終了、次巻からテファとテファの使い魔で
第二部とか
528:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:12:36 tky6QevW
興奮してアンカミスちまった>>518な
529:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:13:54 vXJH610u
ルイズがサイトの世界についていくという線はまだ消えたわけじゃないよな?
530:名無しさん@ピンキー
07/11/15 22:14:42 JEh0h02P
あああああ?
URLリンク(www.mediafactory.co.jp)
531:ツンデレ王子
07/11/15 22:54:03 0OcYFKel
今帰宅したとこなんですけど、今日仕事先でコルベール先生激似の人を
見かけた。おもわずにやっとしてしまった^^;
532:名無しさん@ピンキー
07/11/15 23:18:51 nUXJ8H51
>>524
「御主もワルよのぉ~。紀伊国屋。」
「いえいえ、ヤマグチ様ほどでは・・・」
「それでは、某はこれにて失礼仕る」
「ややっ、才人殿お帰りとはっ。これ、ルイズ。ルイズはおらんか。
才人殿をお引止めしなさい」
「ご主人様お呼びでしょうか。ルイズはここに。では才人様。どうかこちらへ・・・」
533:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:17:52 v/vxvJh2
またどうせ
やっぱり帰りませんでした→ちゅー
のパターンだろ
ばれてんだよ
534:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:21:19 S9rCMOnk
>>530
サイトが嫁と愛人と妹と桃りんごを連れて日本に戻るEND以外許容しません><
535:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:30:42 Ia5Buia/
これはどう見ても誤植。
正しくは、
「サイトが……カエル!?」
つまり、魔法薬の効果でサイトがカエルになってしま(ry
ロビンがヒロインとしてエロパロスレに降臨する日も近いな(・∀・)ウヒョー!!
536:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:30:46 rv+pOht/
>>534
何人か足りなくないか?
537:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:32:19 kKGWMD4C
サイトが使い魔としてルイズの元に帰るってことだろ。
538:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:33:03 S9rCMOnk
>>536
ルイズ、シエスタ、タバサにティファニアで充分すぎると思うがなあ。
539:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:43:35 0raTu8Cr
貧、巨、微、超
540:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:56:47 TmwxJ6p3
アンリエッタが抜けている。
541:名無しさん@ピンキー
07/11/16 01:05:26 gwqAVDBq
爆
542:名無しさん@ピンキー
07/11/16 01:08:10 TmwxJ6p3
URLリンク(www.akibablog.net)
投下の間の暇つぶしにこれでも貼っておこう。アン様の尻がエロい。
543:名無しさん@ピンキー
07/11/16 01:16:01 S9rCMOnk
>>540
あの姫はいらん。
つか、国を捨ててまで付いてくんな。
544:名無しさん@ピンキー
07/11/16 01:46:22 TmwxJ6p3
>>543
俺はアンリエッタも好きなんでなw
というか>>534に対する>>536のときからそうだが、他キャラは?と訊いた人へのレスで、
「(四人で)充分すぎる」ならまだしも「いらん」とか言うなよ。
お前の好みだけでそこまで言われたら、他のキャラ好きな人間はムカっとくるわ。
せめて本スレでやれと。
545:名無しさん@ピンキー
07/11/16 01:52:59 gwqAVDBq
「この国は滅ぶ」って、このスレでは誉め言葉なんだけどな w
546:名無しさん@ピンキー
07/11/16 01:54:28 IMCdeIJM
貧貧貧 貧貧貧
貧乳の六乗。貧乳のみに許されたヘクサゴンスペル
547:名無しさん@ピンキー
07/11/16 02:07:22 65iE8ZaQ
才人の部屋にある押入れとルイズの部屋にあるクローゼットが
実はつながってました。エンドなら解決じゃね?
548:名無しさん@ピンキー
07/11/16 02:14:09 rv+pOht/
>>543
種馬がその4人だけで満足するとは俺には到底思えん。
竜にまで手を出しそうな勢(ry
>>544
まぁ気持ちは分からなくもないがルイ酢でも飲んで落ち着くんだ。
549:名無しさん@ピンキー
07/11/16 03:09:11 5PftDFX1
ルイ酢とタバ砂の泥だんご~ウ゛ェルダンテを添えて~
550:名無しさん@ピンキー
07/11/16 07:03:10 RAcIUtzb
>>550
おいしーこれ!!
551:名無しさん@ピンキー
07/11/16 07:37:36 4ZxP4qUJ
>>551
レス番間違えてるぞ
552:名無しさん@ピンキー
07/11/16 07:45:50 zMrLDYry
>>550
自分が美味いのかw
553:名無しさん@ピンキー
07/11/16 08:43:27 YhdIzXfa
>>546
素晴らしきピアニッシモだな。
554:名無しさん@ピンキー
07/11/16 10:28:05 rDo80xIb
>>543
お前はアンスキーを敵に回した。表に出ろ、ボッコボッコにしてやんよー!
555:名無しさん@ピンキー
07/11/16 11:46:36 02OKEsEr
色恋から離れたアン様なんて只の飾り物
556:名無しさん@ピンキー
07/11/16 12:48:27 kLcxZM+n
オーケストラの楽曲に「オルレアンの少女」ってあるのな。
557:名無しさん@ピンキー
07/11/16 14:16:33 gPiE/ZmG
>>556
確かジャンヌ・ダルクがそんな風に呼ばれていたような。
558:名無しさん@ピンキー
07/11/16 14:59:02 3ZJ1eIdI
>>556>>577
ジャンヌ・ダルクは「オルレアンの乙女」だな。
イギリス軍に包囲されてたオルレアンを救ったフランスの英雄。
チャイコフスキーがオペラを作ってたはず。
559:名無しさん@ピンキー
07/11/16 17:06:01 7+KNZH6o
どっちも正解だと思うけど。
amazonでオルレアンの少女を検索すればわかる。
チャイコフスキーな。
560:名無しさん@ピンキー
07/11/16 20:06:03 yiiD4lJR
英語的に言うところの"maiden"を和訳しただけだから、
訳者が「乙女」と訳せばオルレアンの乙女だし、「少女」と訳せばオルレアンの少女なワケだが。
原語は仏語だろうが、仏語でなんと言うのかはしらぬ。
561:ルイズ×サイト
07/11/16 20:40:45 OHmm5r6T
投下します
タイトル通りで
562:ルイズ×サイト
07/11/16 20:41:37 OHmm5r6T
「なぁ…ルイズ」
「な、な、な、な、な、な、何かしら?い、い、犬の分際で」
サイトは思わず目を疑った…いやたまに、ルイズが訳の解らない黒猫ルックやあらぬ妄想をしているのは知っていたが
「その…せめてオナニーする時はドアに鍵をかけるとか…」
「オナニー?何よそれ」
ルイズは顔を真っ赤にしつつも自分の知らない単語をサイトに言われ毛布で身体を隠しながらそのオナニー?なる単語の意味を聞く。
「え~とっ…自慰行為?欲求不満?ルイズはイヤラシイがしたい…ぐぇ…し、死ぬ…」
ルイズは綺麗な地獄突きをサイトの喉元にお見舞いして言葉をそれ以上つむがせない。床で苦しげに転がってるサイトを後目にルイズは毛布をひっかぶりベッドの隅でまるくなっていた。
(最悪…最悪…最悪…あのメイドが今日は居ないからキュルケが言ってた胸を大きくするマッサージをしてたのに…サイトに観られるなんて…挙句、自慰行為ですって?死ねば良い、犬は床で死ねば良い。)
怒りと恥ずかしさで身体を震わすルイズにようやく復活したサイトはベッドに潜り込む。サイトの脳内では
「ルイズは欲求不満。ルイズは欲求不満。ルイズは欲求不満。ルイズは…」
563:ルイズ×サイト
07/11/16 20:44:02 OHmm5r6T
と興奮しすぎて後半からは口から漏れだす始末であった。
「ルイズ…今日はシエスタが親戚の家に行ってて居ない」
「…だから何よ」
「部屋には二人っきりだ」「…その心は?」
「ルイズとセックスがしたい!」
…サイトよ。流石に高校生である。ルイズは雰囲気を大事にしたい貴族なのだが、サイトは最近この世界の仕組みが解ってきたがやはりシタイ盛りなので空気を読まず叫んでしまった。
「セック…ス?えっと…もしかして…」
サイトの言った言葉の意味は解らない、が雰囲気は伝わる。ルイズは毛布から顔をちょこんっ、と出すと目を瞑り震える唇を突き出す。
サイトはルイズの唇を夢中で求める。一旦、躊躇したが舌をルイズの唇に差し入れる。おずおずとルイズの舌がサイトの舌に絡まりつく。
「サイトぉ…私の事が…」
「大好きだ!ルイズは?」
「……き…」
「えっ?」
「…き……好き…」
サイトは耳を疑った。自分の好きな娘が好きと言ったのか?俺の事を?サイトはもう一度耳を傾ける。
「大嫌いだけど、まぁまぁ好き」
どっちなんだ…良いのか?それとも…やっぱり使い魔以上恋人未満なのか?サイトの手がルイズの胸の上で止まっていると
564:ルイズ×サイト
07/11/16 20:46:07 OHmm5r6T
「バカ…私が好きって言ってるんだから…その…あの…」
支離滅裂だがルイズの口から『好き』と聴けたサイトはもう手を止められなくなった。
「やぁ…あんッ…サイト、痛い…」
「あ、ご、ごめん」
サイトは胸に置いた手を優しく動かし、真っ平ら草げ…つつましやかな…その砂利道?痛いごめんルイズ。え~とっ…そうマシュマロ!マシュマロみたいな胸を撫であげる。
「んっ…気持良い…かも」
ルイズの僅かに膨らんだ胸の先に淡く色めく乳首をサイトは口に含む。硬くとがった乳首に軽く歯をたてるとビクッ、とルイズの身体がはねあがる。左の乳首を甘噛しつつ、右の乳首を指で扱く。ルイズの声が甘く、上擦った感じで部屋に広がる。
「やだぁ…おっぱい気持ち良いよぉ…」
ルイズは両手で顔を覆い恥ずかしさのあまりサイトから逃げようと身体をよじる。しかし、サイトはルイズを押さえ付けて舌を身体に這わせる。胸、お腹、臍、そして…まだ無毛の…
「サイト!汚い!そこは駄目なの!」
「汚くないよ。俺のルイズに汚い所なんて無い」
ルイズは泣きたくなった。
『俺の』ルイズ…
改めて自分はサイトの事が好きなんだと感じた。サイトにはじめてをあげたい。
565:ルイズ×サイト
07/11/16 20:48:28 OHmm5r6T
何時までもサイトの側に居たい。サイトが自分の世界に帰るその時まで…
「サイト…大好き」
「ルイズ…」
サイトが自分の世界に帰るまで言う気の無かった言葉。
でも…
サイトは裸になり、ルイズに優しくキスをする。
ルイズはサイトの身体を見つめる。魔法で塞ぎきれなかった、数々の傷痕。その一つ一つをルイズは優しく舐める。自分を守って出来た傷…
そして…
下半身には、サイトの大きく勃起した物が目に写る。
ルイズは一瞬、躊躇したが亀頭に舌を這わせる。少し塩辛い味がするが嫌じゃない。熱心に舐め、口にくわえる。
「ル、ルイズ」
「んっ…いいから…黙ってご主人様に舐めさせなさい」
そう言うと頭を上下に動かし始める。知識など殆どないがサイトに気持ち良くなって欲しくて一生懸命に舌を動かす。
「い、痛ッ!」
「ふはぁ…ゴ、ゴメンね。やっぱり気持ち良く無い?」
「あっ、違う。歯がちょっと当たって。凄く気持ち良かったよ」
泣きそうだったルイズの顔が笑顔に歪む。泣き笑い顔でサイトにキスする。
もう一度サイトの股間に顔を近づけるルイズにサイトは
「もう平気だよ。それよりルイズとしたい」
566:ルイズ×サイト
07/11/16 20:51:08 OHmm5r6T
「…良いわよ。優しくしてくれなきゃ駄目なんだからね…」
サイトは後ろを振り向く、普段ならここで邪魔が入るなんだかんだ言って出来ない!
でも、今ならヤレル!
ルイズのキョトンとした顔に笑顔を返してサイトはルイズの腰に手を回した。
終わり
「やっぱりなぁ…」
「アンタがちゃっちゃとしないからでしょ~」
567:名無しさん@ピンキー
07/11/16 21:10:52 RAcIUtzb
>>566
GJ?
どんな邪魔が入ったのか激しく気になるw
568:名無しさん@ピンキー
07/11/16 21:59:11 fQux2381
シエスタとか、妹タバサじゃない?
569:名無しさん@ピンキー
07/11/16 22:47:34 H6DtVNf8
唐突に使い魔擬人化案。
・フレイム
情けない酔っ払いの愚痴にも付き合ってくれる気風のいい姉御。ご主人様思い。
・ヴェルダンデ
ゲテモノ食いの金髪美少女。色気より食い気。
・モートソグニル
白髪の美痴女。おっぱい好きのレズ。でも男の趣味はジジ専。
・ロビン
緑髪のショタ。モンモランシーにキスされて真っ赤になりつつ任務を遂行する健気な奴。
・アズーロ(厳密には使い魔ではないが)
黒髪の乙女。気性荒い。ご主人様の敵は全員皆殺し。でもジュリオにはデレデレ。
・シルフィード
オチ。
……というのを前々から考えていたが、タバサの冒険2でいろいろアレになっちまったぜヒャッハァ!
570:かくてる
07/11/16 23:31:18 ZHPV7QGj
酔っ払いの話題が出たところで新作投下。ボジョレー・ヌーボーの解禁とカクテル「ベリー二」に着想。
「桃色吐息」
571:桃色吐息(上)
07/11/16 23:32:27 ZHPV7QGj
「うちのぶどうは最高なんですっ!」
だん、とシエスタがテーブルを叩く。いつもならそういう態度を真っ先になじるルイズも、酔ったシエ
スタに文句を言うほど馬鹿ではない。ルイズとサイトは顔を見合わせて溜息をついた。
今日は新物ワイン解禁の日で、シエスタの村はこの日、新ワインをブリミルに捧げて皆で飲むワイン祭
が毎年開かれる。そんなわけでシエスタに誘われたサイト達が村にやってきたのだが、ほんの1時間も経
たないうちにシエスタがいつものように悪酔いし始めたというわけだ。
「赤は飽きたんらろ?ならー、白飲もー」
シエスタは広場の真ん中に山と積まれたワインの瓶にふらふらと寄っていき、一本の瓶を引っこ抜く。
酔っているくせに器用にコルクを抜くと三人のグラスになみなみと注いだ。
「ミースー・ヴァリエール!勝負れす!」
ルイズは眉をひそめて流そうとする。だがシエスタの言った内容は放置できるものではなかった。
「ワインのー飲みっ比べでー、勝った方はー、明日サイトさんを独占でー」
「私もやる」
明後日の方向から冷静な声がした。タバサだ。
「ちょっと!勝手に決めないでよ!」
「挑まれて逃げる貴族は不戦敗」
「ふーせんぱーい!」
タバサとシエスタの言葉にルイズも冷静さを失った。
「ななななによ!お子様と酔っ払いに負けるほどラ・ヴァリエール家は弱くないわ!」
叫んで。賞品の意思を無視した女三人の戦いが始まった。
572:桃色吐息(下)
07/11/16 23:37:43 ZHPV7QGj
「お互い苦労するわね」
酔い潰れたギーシュの頭を撫でながら、モンモランシーはサイトに声を掛けた。サイトの周りには引き
分けた三人の女たちが倒れており、時折「水……」と呻いている。モンモランシーは水差しをサイトに渡
して言った。
「水魔法の使い手として、こんな子たちには水なんてやりたくないけど」
言いつつも水差しに数滴、二日酔いを楽にする薬をおとしてくれる。
「で、誰が本命なの?」
「本命って……」
モンモランシーも酔っているのか、悪戯っぽく笑って三人を指差した。
「だらしないのよ、あんた。しゃきっと決めないからややこやしくなるの」
「んなこと言ったって」
「言い訳無用。ほんとのことなんだから」
サイトは苦笑して椅子にもたれかかる。と、モンモランシーはテーブルに載せられたフルーツの山を指
差した。それは様々な果物を美しい銀の皿に飾り盛ったものだった。
「何か一つ選んで」
サイトは迷った末、桃をつかんだ。モンモランシーはその桃を受け取ると皮を剥き、コップの中で潰し
た。次いで飲み残した白ワインを加えて掻き混ぜる。よく混ざったのを確認すると一口飲んで味を確認し
て、サイトの目の前に置いた。
「飲んでみて」
言われるままに一口含む。桃の甘味と白ワインの酸味が混ざって心地よい。
「その色と味はだれ?」
言われてサイトはぼんやりとルイズに目を向ける。くすっ、とモンモランシーが笑ったのに気付き、サ
イトは慌ててルイズから目を逸らした。だがモンモランシーは満足そうに言う。
「桃髪のルイズが一番好き、なのね」
「いや一番とか何とかは……」
誰も聴いてないのに、とまたモンモランシーは笑う。サイトは溜息をつくと、モンモランシーに諦めの
表情で頷いた。モンモランシーは頷き返す。
「あんただけ恥ずかしいのは卑怯よね。だから」
言ってモンモランシーはギーシュの髪をかきあげ、そっと額に口付ける。
「秘密ね、お互い」
「だな」
桃入りの白ワインのグラスと、ほんのわずかに赤ワインの入ったグラスを、二人はかちり、と鳴らした。
573:かくてる
07/11/16 23:39:58 ZHPV7QGj
投下終了。
今、喘息で飲みに行けないorz
574:名無しさん@ピンキー
07/11/16 23:56:10 hyydULvI
乙GJ
575:名無しさん@ピンキー
07/11/16 23:56:36 HtpD9xp5
平和だなーGJっす
576:名無しさん@ピンキー
07/11/16 23:56:59 I43E/xdM
逆に考えるんだ
「飲まずにすんで懐も身体も健全だ」と
考えるんだ
577:名無しさん@ピンキー
07/11/17 00:18:37 Dy9JZ6+f
> ・ロビン
> 緑髪のショタ。モンモランシーにキスされて真っ赤になりつつ任務を遂行する健気な奴。
なにそのおねがいマイメロディー
578:名無しさん@ピンキー
07/11/17 00:32:27 QXu2tVyD
これはいいモンモン
579:名無しさん@ピンキー
07/11/17 00:36:24 DlEBkeUI
>>573
GJ
俺の中でモンモンの株があがったよw
逆に考えるんだ。飲まない分お金が浮いたと
580:名無しさん@ピンキー
07/11/17 01:53:34 t98+SIOK
なんか、13巻で最終巻てな話をちらほらと聞いたのだが…。
どうも13巻ってサイト帰るらしい。
581:名無しさん@ピンキー
07/11/17 03:24:17 mSgnBoeG
つ ジャンプの次号予告
582:名無しさん@ピンキー
07/11/17 08:54:24 SO6MKnTv
13巻で終わるとかどんだけ急展開なんだよw
583:名無しさん@ピンキー
07/11/17 09:54:18 HGMweSGa
13巻 さようならサイト
14巻 帰ってきたサイト
584:名無しさん@ピンキー
07/11/17 10:11:41 XncNEDZw
13巻 デスマッチ!!甦れ我等のガンダールヴ!!
14巻 使い魔の騎士 グレートガンダールヴ
585:名無しさん@ピンキー
07/11/17 10:41:50 k44blbBf
サイト「いいかルイズ。本当に困った時にこの箱を開けるんだ。きっとその時のルイズに役に立つ物が入っているから…」
ルイズ「…わかったわサイト。むこうに帰っても元気でね…」
そしてサイトが帰って数ヶ月後、ルイズは箱をあける
ルイズ「なにかしらこれ。何かの秘薬?まぁいいか。ねぇサイト、私もう疲れちゃった。あなたがいない日常がこんなに退屈だなんて思わなかったわ。」
そして瓶の中身を飲み干すルイズ
ルイズ「…別になんともないわね…?はぁ、私ったら馬鹿ね、せっかくサイトが私のために残して行ってくれたのに。もうサイトは帰って来ないのに…」
そして…
ルイズ「嬉しくない!全然嬉しくない!別にあんたなんか帰って来なくてもよかったんだから!もう一生側にいたくない!」
勢いで書いた。後悔?はぁ?何それ食べ物?
586:名無しさん@ピンキー
07/11/17 10:59:11 WsxDVCVp
モンモンもスゲー秘薬を創ったもんだ
587:名無しさん@ピンキー
07/11/17 10:59:58 DCk1hh05
>>585
青色の猫型ロボット化したサイトがやってくるんだなw
588:名無しさん@ピンキー
07/11/17 11:58:41 Majb9kI9
ゼロ戦に乗って帰っていったサイトがなぜかF15に乗って戻ってくる
589:名無しさん@ピンキー
07/11/17 12:40:59 6vqcH9qh
>>588
205氏のシルフィードが、また嫉妬して暴れそうだ。
590:名無しさん@ピンキー
07/11/17 12:52:13 icREM6nw
「サイト、部屋にネズミが出たから何とかして……ねえ、お腹のルーンから出したその丸いもの、なあに?」
591:名無しさん@ピンキー
07/11/17 12:53:11 RM0DTGK5
ジェット燃料って軽油に近いんだっけ?
でも一人で整備出来そうにないから結局使い捨てだな
592:名無しさん@ピンキー
07/11/17 13:00:39 iRq0oHcS
そもそも電子装備も離陸滑走距離も着陸滑走距離もねーよw
593:名無しさん@ピンキー
07/11/17 13:03:07 2Dr2wgZU
そろそろ濃厚アン様分が足りなくなってきた
ボルボ氏頼むよ
594:名無しさん@ピンキー
07/11/17 14:32:10 ZhqthhtN
短編を投下します。
舞台は地球でパラレルワールドみたいな感じです。
くだけたタバサ?をご覧下さい。
では、開始です。
595:名無しさん@ピンキー
07/11/17 14:33:46 5umTwPf1
濃厚で超乳なら誰でも良いですw
596:朝の出来事 01
07/11/17 14:33:55 ZhqthhtN
朝、才人の自室で一生懸命に起こそうとしている一人の少女がいた。
ユサユサ
「起き・・、サ・・お・・ち・・。」
ユサユサユサユサ
「・き・よ、・イト・・・・・ん。」
ん~~~ん、誰かが揺らしてるけど、この揺れ方がハンモックの上に居るみたいだ。
実際には使った事無いから分からないけどこんな感じかな?
まずいこの揺れ方はまた睡魔が来るなぁ~あれ?止まっぞ。
うん?耳を引っ張られているけど・・・
「すぅ~~~、起きてよ!サイトおにいちゃ~~~ん!」
「うぎゃ~耳が耳がぁ~」
耳もとで大声を聞かされた才人はあまりにも驚いて上半身を起こして声を発っした人物を見ると、
そこには頬をぷっくり膨らませ両手を腰にあてて仁王立ちをして才人の事を見下ろしているタバサの姿があった。
「タバサ、ひどいぜ。」
「だって、なかなか起きてくれないんだもん。うぅぅ~。」
タバサの奴怒っている割には迫力ないよな。
膨らんでいる頬っぺた可愛いなぁ~。
思わずツンツンってしたくなるぜ。
「ほらぁ~早くベットから出てよ。朝ご飯食べる時間が無くなっちゃうよ。」
「はいはい。分かったよ。仕方ないな、大声を聞かされて目が覚めちまったしな。」
「文句言わないでよぉ~起きないサイトおにいちゃんが悪いんだからね。」
タバサは才人の手を掴むと引っ張りお越してベットから抜け出させてお互いが向き合う形を作った。
そして朝の挨拶を交わす。
「おはよう、サイトおにいちゃん。」
「おはようさん、タバサ。」
「あぁ~また、タバサって言った。二人きりの時はシャ・ル・ロッ・トって言ってよね。」
「ごめんごめん。タバじゃなくてシャルロット。」
「うん、宜しい。それにしてもどうして今日はそんなに眠いの?」
「どうしてって、昨夜は二人で楽しんだろ。」
「そういえば結構遅くまで起きていたもんね。」
「うんうん。」
「でも!サイトおにいちゃん!私の事たくさん突いたよね。もお~何度もやめてって言ったのにやめてくれなたかったよね。
少し泣いちゃったんだよ。」
「ぐぅ、それは・・・久し振りにしてあまりにも気持ち良くてな、シャルロットの困った顔を見たかったというかな。」
「いいもんね。今度は私がサイトおにいちゃんの事めちゃくちゃくしちゃうんだ。ふふ~~~んだ。」
597:朝の出来事 02
07/11/17 14:35:32 ZhqthhtN
笑顔でそんな事言われてもなぁ~。
可愛い顔で言われると困るというか、なんというか。
「それじゃ、今夜にでもやるか?」
「うん、やるやる~夜が楽しみだね。昨夜はおにいちゃんに泣かされたけど今度は私が泣かして気持ち良くなる番なんだから。
なかなか寝かせないから覚悟してよね。」
「今夜も寝不足確定かよ。・・・・・・・・・・」
「どうしたの?なんか考え事?」
「いやぁ~今の会話な第3者が聞いたら何か誤解するんじゃないかと。」
「誤解って?」
「なんかな、えっとな、えっちな事してるんじゃないかなとそんな会話なんじゃないかと思ったんだ。」
「う~~~ん、と。」
シャルットの奴、今の会話の流れを考えているか?
頭をちょっと傾けて人差し指を唇に当てている。
うわぁ~このしぐさ、すげぇ~可愛いなぁ~やばいくらいだな。
お!だんだんと顔を赤くなってきたぞ。
えっちな事想像してるのか?
この表情も可愛すぎるぜ。
思わず、ギュって抱きしめちゃいたいぐらいだ。
「サ・サ・サ・サイトおにいちゃん!なんでこんな事いうの?」
「ごめん、ごめんって。」
「もお~でもね、したいならしても良いよ。」
「え!いやでもな。なんというかまずくないかなと。」
「私とじゃダメなんだ。」
「そんな、シュンとするなよ。シャルロットは凄く可愛くて魅力的だぞ。」
「本当に!それなら・・・それならね今、キスして。」
「な・な・な・な・」
「してよ。サイトおにいちゃん。」
タバサは目をつぶりつま先立ちをして顔を少し上げた。
それを見た才人はまるで吸い込まれるみたいに顔を近づかせて。
「それじゃ良いのかい?するよ。」
「うん。」
「何をするのかな?この犬。」
この声を聞いた途端に才人の体は硬直して嫌な汗が背中を流れた。
背後からは黒いオーラを放っていて腕組みをしてる桃色髪の少女がいる。
才人はこのままの姿勢でいる訳にもいかず、体を振り返るがその動作はまるで
サビついたロボットみたいにギシギシと効果音が聞こえて来る程だ。
そして振り返り勇気をもって最初の一言を発っした。
598:朝の出来事 03
07/11/17 14:36:57 ZhqthhtN
「お・お・おはようルイズ。」
「おはよう、サイト。」
やばいよ、そのルイズの笑顔。
顔は笑っているけど、異様な殺気めいた感じがする。
非常に危険レベルはマックス状態であります。
「で、タバサに何をするの?」
「何もしないよ。本当に神に誓って。」
「タバサにキ・キキキスするでしょうに。それに今夜もするんでしょ!その~えっちな事を!」
「ぐわぁ、いつから聞いていたんだ。それにドアをノックしたか?」
「ドアは最初から開いていたし、会話はそうね・・・タバサが「もお~何度もやめてって言ったのに」のあたりからかしら。」
「ほとんど始めからじゃね~かよ。」
「サイトはタバサの事、無理やりしたのね。これはおしおきが必要ね。」
ルイズはどこからとなくムチを手にしていた。
かるく素振りをはじめた。
「待て待てルイズ!これは誤解なんだよ。だからそのムチはしまってくれ。なあなあ、お願いだから。」
「誤解ってどの部分が誤解なのかしら」
「全部が全部だよ。昨夜はシャル、タバサと一緒にTVゲームをしていただけなんだよ。本当に。」
「TVゲーム?」
「そうそう、TVゲーム。それも対戦型格闘ゲームなんだよ。なあ、タバサそうだよな。」
そういって才人は後ろにいるタバサに向かって体を少し捻り顔だけ振り返ったけどいなかった。
才人は疑問に思っていると左腕に柔らかい感触を感じて見てみるとタバサが抱きついていた。
599:朝の出来事 04
07/11/17 14:37:36 ZhqthhtN
「あの~タバサさん何をしているんでしょか?」
「サイトおにいちゃんの腕に抱きついているの。暖かくて気持ち良いよ。」
「見れば分かるんですが、離れてくれないとルイズさんがお怒りになるので。」
「えぇ~~~ヤダよ。そんな事より早く朝ご飯食べないと遅刻しちゃうよ。」
そう言われて才人は机の上に置いてある時計を見ると・・・
えっと、長い針が真上のちょっと右側にあって短い針は8の所になっているな。
ようするに今の時間は・・・・・・
「8時過ぎてるじゃないかよ!」
「まずいわね、早く食べないと。おしおきは後にして、ほらサイト行くわよ。」
「って背中を押すなルイズ!いきなり押したらタバサが危ないって、すでに離れているし。」
「名残惜しいけど危ないから離しちゃった。」
「ルイズ待ってこのまま押して歩いていった階段から転、ウギャ~~~~。」
ドカドカと音を出して階段から落ちて行く才人。
一階についてようやく止まった。
二階から心配そうに見つめるルイズとタバサを見ながら才人は思った。
また、朝からこんなドタバタかよ。
学校に行った今度は転校生のシエスタとルイズで火花散らせる展開になるし、
お嬢様のアンリエッタ先輩、もといアン先輩は誘惑してくるしよ。
シャルロットは本当は中等部だけど飛び級して俺らと同じ高等部にいるからな。
昼休みになったら今度はどんな修羅場の展開になる事やら。
みんなから慕われて嬉しいけどちょっと胃のあたりがキリキリ痛いぜ。
と、思っている才人である。
本当に今日はどんな展開になって行くのか?それはその時になってみないと分からないという物である。
FIN