ヤンデレの小説を書こう!Part11at EROPARO
ヤンデレの小説を書こう!Part11 - 暇つぶし2ch300:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/11/16 18:26:01 d558cimu
軽い感じで。
どなたかの電波受信に一役買えばいいなと思います。

301:名無しさん@ピンキー
07/11/16 18:40:23 RlW5GiY3
一番槍GJ!
姉ちゃん怖いよ。

302:名無しさん@ピンキー
07/11/16 19:21:08 Inm+/rAc
GJ
弟助けてやれよw

303:名無しさん@ピンキー
07/11/16 20:20:07 gUyoepzl
>>300
GJ!
でも姉スキーの俺としてはデレの対象が弟君でないのがただただ残念なのであった。
でもGJ

304:名無しさん@ピンキー
07/11/16 20:51:18 ZVqp02xK
あー、それはすげぇ思ったw>デレの対象~

305:名無しさん@ピンキー
07/11/16 22:03:59 QS5SpaEY
やべぇ・・・俺の真っ赤な〇〇に火がついちまったよ

ちょっと夜空に真っ赤な誓いを叫びに逝ってくる・・・

306:名無しさん@ピンキー
07/11/16 22:19:00 NDfWgZXg
仕事早いな

すぐ上で話題になったやつだろ

307:名無しさん@ピンキー
07/11/17 06:44:17 Dp9OIXMT
>>305
この~手を離~すも~んか~ 真っ赤な誓~い~

スレ的に真っ赤って血だろ?


308:名無しさん@ピンキー
07/11/17 08:01:13 1mJ8FaIr
運命の赤い糸かも知れんよ
まあ最初から繋がってるかどうかは知らんが

309:名無しさん@ピンキー
07/11/17 08:52:51 U8jETMf7
>300 >302 そこで弟が修也君を助け、急速に深まる二人の仲
だがそれに嫉妬する姉は・・・

というのを考えてみた

310:名無しさん@ピンキー
07/11/17 11:14:16 nY6w11CU
>>300
グッジョブすぎて茶吹いたwww
デレ対象が他人なのが逆にツボ。

311:名無しさん@ピンキー
07/11/18 00:35:50 y6A79RdV
>>300
新しい方向性GJ!
確かにヤンデレ姉が居る家族は大変だろうなぁ、としみじみしてしまった(´・ω・`)

312:名無しさん@ピンキー
07/11/18 07:10:57 RsNOKuTm
>>300これは怖いwwwwwwwwwww

是非弟君もヤンデレを学んで欲しいですな。

GJ!

313:名無しさん@ピンキー
07/11/18 11:35:31 jBa/CvXa
efのみやこを見て思った

ヤンデレスレの小説は生温いとw

314:名無しさん@ピンキー
07/11/18 11:50:48 ILirCnw0
>>313
みやこがどんな感じなのかkwsk

315:名無しさん@ピンキー
07/11/18 11:55:47 VxDn3HKc
あれはヤンではなくトラウマだろ

316:名無しさん@ピンキー
07/11/18 22:27:33 3sQj79yM
古事記のスセリヒメってヤンデレじゃない?スセリヒメが大国主の浮気(?)
に嫉妬する歌はかなりゾクゾクきたんだが

 ぬばたまの 黒き御衣をまつぶさない 取り装ひ 沖つ鳥 胸見る時
 はたたきも これは適はず へつ波 そに脱ぎ棄て ソニ鳥の
 青き御衣を まつぶさに 取り装ひ 沖つ鳥 胸見る時 はたたきも
 此も適はず へつ波 そに脱ぎ棄て 山縣に 蒔きし あたね春き
 染木が汁に 染め衣を まつぶさに 取り装ひ 沖つ鳥 胸見る時
 はたたきも 此し宜し いちこやの 妹の命 群鳥の 我が群れ住なば
 引け鳥の 我が引け住ねば 泣かじとは 汝は言ふとも 山トの 一本薄
 項傾し 汝が泣かさまく 朝雨の 霧に立たむぞ 若草の 妻の命
 事の 語り言も 是をば

317:名無しさん@ピンキー
07/11/18 23:20:48 Rzjn93BR
だ、だれか理系特攻型の俺に日本語で説明してくれ

318:名無しさん@ピンキー
07/11/18 23:29:41 6YqBRAU2
つ URLリンク(www15.plala.or.jp)


319:名無しさん@ピンキー
07/11/19 01:20:20 skgKDxaj
>317 いちおそれ日本語だぞ
現代語ではないがw

320:名無しさん@ピンキー
07/11/19 01:43:19 3xsCgFKI
俺的にはイザナミもヤンデレだと思うんだ

321:名無しさん@ピンキー
07/11/19 02:18:02 Cr8Z1irV
そんな事言ってたら、ギリシャ神話は宝庫だぞ

322:名無しさん@ピンキー
07/11/19 02:21:11 es7Ms+ao
愛情が異常加速するのは太古からあることさ

323:名無しさん@ピンキー
07/11/19 07:52:35 Kn5Y5tGB
てか、それ正確には大国主がスセリビメの気持を代弁した歌
最初の六行の解釈によっては、心中に誘っているようにも聞
こえるというのは有名な話
>>320
夫を殺そうとしたあげく逃げられたら、八つ当たりで一日千人
縊り殺すのだから、立派なヤンデレ

324:名無しさん@ピンキー
07/11/19 15:57:02 WM5gjJg/
嫉妬深くて絶対に好きな人を傷つけたりしないがまわりに容赦無いのもヤンデレ?

325:名無しさん@ピンキー
07/11/19 17:19:11 jp1jYLtg
単に周囲に冷たいのならツンデレと区別が付きにくいなあ
恋人や恋路の妨げになりそうな存在には善悪問わず容赦なしっていうんならヤンデレっぽいかな

326:名無しさん@ピンキー
07/11/19 17:20:05 JrEfvuGG
間違いなくヤンデレ

327:名無しさん@ピンキー
07/11/19 22:18:22 0Bb5l8t4
ドジで「こいつは守ってやらなくちゃいけないなー」って思ってる奴が実は超頭がキレててヤンデレだったら怖いな。立ちが悪い。

328:名無しさん@ピンキー
07/11/19 23:20:37 4H9gXUOI
やべぇw
その設定に
鳥肌がたったww

329:名無しさん@ピンキー
07/11/19 23:45:13 8ApdAiPh
>>327
おまいのお陰で電波を受信した。
書いてみるわ

330:名無しさん@ピンキー
07/11/20 00:19:00 NOt9Zd1b
wktkしながら
まったり待ちますか

331:名無しさん@ピンキー
07/11/20 00:19:13 tzwcl2Mk
>>329
超期待

332:名無しさん@ピンキー
07/11/20 00:26:56 xk2+FrRh
>>320
イザナミは、自分の醜い姿を夫に見られて怒り狂って殺そうとしたんじゃなかったけ?
それはヤンデレではないような…。普通のキレやすい女性では。

333:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:05:50 gJdem6/T
お久しぶりです、病み鍋の原稿にかまけていたので久々になりますが投稿します。…しかし殆ど
イラストばっかり描いていたのでブランクを埋められるのか少し不安です。

「料理上手な彼女」


 世の中で素敵な女性はどんな人か?そう考えるとまず真っ先に思い浮かぶのは…やっぱり家庭的
で、さらに料理が上手な人なのかな?と僕はそんなことを考えた。
 「ねぇねぇまーくん、今日のお弁当は…どうかなあ?」
 そういって彼女…僕の幼馴染である登呂玖 泉はいつものように僕の席に自分の席をくっつける
と僕に手製のお弁当の味を聞いてくる。
 彼女はボーイッシュな見かけ、かつ男勝りな性格によらず料理を作るのが大変得意だ。
 「うん、とってもおいしいよ…冷めるのが前提でこんなにもおいしく食べられるお弁当なんて一流
シェフでも作るのは難しいんじゃないかなあ?」
 「本当!やったー!!やっぱり僕って才能あるんだよね!ね!」
 そういって彼女は本当に嬉しそうにガッツポーズをとる…僕の
いう言葉にお世辞はない、本当に彼女の料理は美味しい。給食の
出ない土曜学級の日のみ味わえる彼女のお弁当は僕にとって本当に格別なも

のだった…彼女が初めてお弁当を作ってくれた頃は一緒に食べるのも少し恥
ずかしかったが今ではそれも気にならないくらいに彼女の料理の味は上達していた。
 「…えへへ、嬉しいなあ…まーくんに認められただけで三ツ星シェフになれた気分だよ」
 「それは気が早いよ、まずはちゃんと調理師学校に行かなきゃさ」
 「うん…でも、マー君にあえなくなるのは少しさびしいかな…」
 彼女…泉の将来の夢は調理師になることらしい、もともと子供のころから手作りお菓子やら
料理やらを振舞ってくれた彼女がそんな自分の夢を語ってくれたときはある程度納得したが
彼女の覚悟は半端ではなかったようだった…僕は後数日もすれば高校受験を受けて、晴れて
周りの平均クラスの連中と同じ高校に進学できるのだが…泉はそんな怠惰で甘美な日々を振
り切って調理師学校に進学する道を選んでいた。

>322
 最後の部分の「一日に千人の~」のくだりで愛を感じる、なんていう解釈を里中美知子が漫画ギリシャ神話でしていたような気がします。


334:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:08:18 gJdem6/T
「料理上手な彼女」①

「何いってるのさ?家だって近所だし、それに休みの日はまたいつでも遊んであげるからさ」
 「ぶー、そういうことじゃないの、僕はまーくんと今みたいに会いたいんだもん!!」
 そういって泉は少し冗談めかした膨れっ面を浮かべた、そういわれて見るともうこうして
他愛ない話をしながら彼女のお弁当を食べられる日が来なくなるのはさびしい事なのかも
しれない…でも僕らはまだ若い、きっと高校に行けばもっと楽しい事もあるはずだ…僕はそう
考えて、彼女のお弁当を出来るだけゆっくり食べてあげる事にした。
「じゃあ高校生になっても一緒に登校してやるよ…だから機嫌直せって」
 「本当に!?絶対だよ!まーくん!」
 今にして考えれば、このときに僕は泉の気持ちに気づいてやるべきだったのかも知れない。 
 このとき僕は気づいていなかった…そうやって未来はいい方向に向かっていくって考えることを…彼
女はもうすでにこの時、全思考を持って否定していたってことを…。
 

335:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:10:17 gJdem6/T
料理上手な彼女…の日記

2月某日 曇りのち雪
 まーくんは今日も僕の料理をほめてくれた、とても嬉しかった、でも悲しい、僕の気持ちをわかって
くれない。
 僕だって同じ学校に行きたいよ、さびしいよ、でも僕は同じ学校にいけないんだ、だってそうしない
とお母さんがぶつんだ、嫌な事をするんだ…あなたは私の跡を継ぐために育ててきたのよ!って。
 本当は僕、料理なんか嫌いなんだよ・・・でも君が喜んで僕の料理を、お母さんみたいに怒らないで食
べてくれたから…僕はまーくんにお弁当を…いや、まーくんが大好きなんだ、だから僕はお弁当を作る
んだ…だから、ひとりでしたときの、おつゆも…隠し味に入れてるんだから…。
 ねえまーくん、早く僕の気持ちに気づいてよ…僕のうちの台所には…媚薬とかないから…君に襲わせ
るのは無理だけど…でもこんなにも、僕はいつもそばにいるんだから…(以降、解読不可能)

336:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:14:00 gJdem6/T
 料理上手な彼女 ②
 
 そしてそのまま季節は春を向かえ、僕は晴れて高校生に、泉は調理師学校の生徒になった。
 しかし不思議なもので幼馴染との登校は、学校が変わっているというのにいまだに続けられていた。
 「はい、今日のお弁当だよ」 
 「うん、いつも悪いな」
  高校生になれば自然に給食はなくなって弁当生活が始まるのだがあいにく僕の家は父子家庭なので
…もう季節はとうに五月だと言うのに僕はいまだに泉の好意に甘えて弁当を恵んでもらうという生活を
続けていた。泉が僕の家庭の事情を察していてくれる分ありがたいのだが…いかんせん彼女の家も母子
家庭なので内心とても悪い気がする。
「…そうだ、今度遊びに行こ!おれがおごるから、どこでも好きなところに連れてってやるよ!」
 「あ…ゴメンね、僕の学校、あんまり休みがなくて…」
 「そうか、でも夢をかなえるんだもんな…がんばれよ!」
 「うん…」
 そういう泉の表情はどこか暗く、中学校時代のような覇気がないように感じられる…俗に言う五月病
と言う奴だろうか?最近は指先に絆創膏をまいていたり、なかなか一緒に遊べないあたり、やっぱり料
理を仕事にするための勉強と言うのはとても大変なのかもしれない。
「っと、それじゃあおれはここで…あ、舞ねーちん!」
 そういって角学校への近道である三叉路の角を曲がろうとしたとき、僕はもう一人の幼馴染の気配に
気づいた。
「あ…おはようまーくん、それからイズミン…」
「…あ、お姉ちゃん!今日はちゃんと起きられたんだね!」
 先ほどの態度から少し回復したのか、泉はいつもの調子を取り戻す…彼女の名前は 来栖 舞 僕ら
二人とは一つ違いなのだが子供のころからの付き合いで、さらに僕と同じ学校似通っているためこうし
て三人が顔を合わせるのはねーちんが寝坊をしないかぎりは恒例の行事となっていた。 
「はい、お姉ちゃんのお弁当、スッポン入りだからきっと寝つきがよくなるよ!」
「あらあら…ありがとうねイズミン…今度私もお礼に特製の紅茶を入れてあげますからね…」 
「うん、その時はスコーン焼いてあげるから楽しみにしててね!!」
 ねーちんは紅茶を入れるのが趣味、なんていう浮世離れした趣味を持つ、とろいのが特徴の高校二年
生だ…しかしそんなねーちんと明らかに対照的な泉は凄くウマが合うらしい、嬉しそうにねーちんとし
ゃべる泉。二人は僕も遠慮するぐらいに、まるで本当の姉妹のように仲がよかったりする…やっぱりこ
ういう場合はねーちんと話した方が元気になれるのかな、と考えると少し悔しくなった。 
「あ…それじゃあもうそろそろ学校に行かなきゃ…」
「うん!二人ともいってらっしゃい!!」
「おう!泉も頑張れよ!」
 こうして僕たちはそれぞれの学校へ向かった、二人を待っているうちに遅刻まで時間ギリギリとなっ
てしまったが、それでも泉が少しでも元気になればいい、そう思うことにして僕は舞ねーちんと二人で
陸上部も顔負けの遅刻ギリギリ猛ダッシュをして学校への坂を駆け上がった。
 

337:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:16:51 gJdem6/T
料理上手な彼女 ②
 高校生活というものは意外に慣れてしまえば中学校と変わらない怠惰なものだった。クラスの友人達
もそれほど変わり映えはせず、部活動も文系なのでこれと言って頑張れるものではない…しかし強いて
いうなれば、僕の横にいるのが泉でなく、舞ねーちんになった事が一番の変化といったことだろうか。
 舞ねーちんは泉ほど積極的ではないのだが、それでもよく僕をお弁当に誘ってくれた、部活道も実を
言えばねーちんの誘いで入部していたりする…たまに遊びに行く回数なんかも中学校の頃から比べると
何倍も増えていった…そしてその分、朝顔を合わせる以外では、だんだん泉とは疎遠になっていった。
「ねぇねぇ誠君、やっぱり君って舞ちんと付き合ってるの?」
 放課後、部活動である茶道部のあとかたづけ中に先輩からそんなことを聞かれる、女子…しかも舞ね
ーちんの友人が多めのこの部活動ではある意味関係を怪しまれても当然のことだった。
「え…いや別に…僕は舞ねーちんとは…」 
「えー!そうなのー!?…でも仕方ないかー、何てったって舞”ねーちん”だもんねえ」
 先輩はそういってけらけらと笑う…その直後、がらがらと部室のドアを開けて、ねーちんが部室に入
ってきた…その顔はどこか悲しげで、僕は凄い申し訳のない気分になった…。
 もう、僕は心のどこかで気づいているんだろう、舞ねーちんが僕を一人の男として好意を持ってみて
いて…僕もその気持ちに答えたいってことを…。
 恋愛は儚い、ならばそれを全て捨てて友情に走れるのか?…そんな青春時代ではごく当たり前の葛藤
を抱きつつも時は流れ…季節は春から夏へと変わり始めていた。

338:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:18:04 gJdem6/T
料理…下手なねーちんの日記

 6月某日雨
 
 明日は誕生日だ、でもとても嬉しくない事があった。イズミンに相談されてしまったのだ…まーくん
が好きで好きでたまらない、どうしても付き合いたい…でも家の事情と、学校のスケジュールのせいで
会えない、そう涙交じりで相談されてしまったのだ。
 ずるいよイズミン、わたしだってもう我慢の限界なんだよ。
 私もずっとまーくんのことが大好きだったんだよ、でも中学校を卒業して、いつもイズミンのそばに
はまーくんがいたから遠慮してたのに…。
 大好き、まーくん大好き…でも、イズミンも大好きなんだよ…コレだけは信じて、いつもお家や学校
の事で相談に乗ってあげてるのも…同情なんかじゃないんだよ…でも。
 もう、私も我慢の限界なんだよ。

339:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:23:35 gJdem6/T
料理上手な彼女 ③
 その日は舞ねーちんの誕生日だった、僕は以前からねーちんが欲しがっていた変なデザインの抱き枕
を買い、泉はケーキと料理に腕を振るう…そんないつも通りな、恒例の分担で二人で誕生日の準備を始
めていた。
 会場には僕の家が使われる事になった、ちょうど両親も旅行で出かけている事だし、遅くまで騒いで
も問題はないだろうという判断からだった。
「イズミン…遅いねえ…」
「うん、なんだかケーキを焼くのに少し時間がかかるみたいだよ」
 泉の到着が遅れたため、僕たち二人は少しの間待たされる事になった…二人きりなのが原因なのか
それともねーちんが珍しく露出度の高い私服をきているせいなのか…緊張気味の僕ともともととろいね
ーちんとの会話はだんだんと少なくなり…次第に僕らは無言のまま隣通しでソファーに座ることになっ
てしまった。
「…ねえ、まーくん…舞ねーちんはね…欲しいものがあるんだよねぇ…」
何故か生唾を飲み込むとねーちんは重い口を開いた…その声はどこか震えている。
「うん…僕もそう思って…今日、プレうわああ!!」
 ねーちんはいきなり立ち上がると僕の肩を掴んだ、そしてそのまま僕をソファーに押し倒した。
「ちがうよ…モノじゃないの…まーくんが、お姉ちゃんは…まーくんが欲しいの!!」
「ちょ!駄目だよねーちん!それにほら…もうすぐ泉が!!」
 ねーちんは僕の声が聞こえないかのように、僕の両手を押さえると、そのまま僕にキスをした。
「ん…大丈夫だよ…だってもう、私我慢できないもん…それに、嫌じゃないんでしょ?まーくん」
「そ…それは…」
 舞ねーちんはそういうなり僕の口腔にに舌を押し込んでくる…もちろん、こうなることは僕自身も望
んでいた事だ…僕はそれを受け止めた。もう完全に泉のことなんてどうでもよくなっていた。
 泉が僕の家の、玄関に近づいていることなんて思いもせずに。

「おねーちゃーん!ハッピーバースデー!!」
 私はケーキの完成で遅れた時間を取り戻すため、慌てて、なおかつ威勢良くまーくんの家の玄関を開
けた、なんだか恥ずかしさで自分が誕生日の主役になったみたいだ…そんな気分だった。
 …馬鹿みたいだ、その玄関を開けることが、地獄の入り口だったと言うのに。
 
「ん…あああ!!!はああ!ん!!」
 僕はねーちんと体を重ねていた、あいにく男性経験は初めてのねーちんのそこはとても硬く閉ざされ

ていて、内部に侵入するのは一苦労だったが一度入ってしまえば後は楽らしく、ねーちんは僕の腰の動き
に対して艶っぽい声を上げていた…。
「ん…ああ…出すよ、ねーちん!」
「あ…来て!来てぇ!いっぱい出して!もう私も、いくぅ!」
「は…んん!!」
 そのまま僕はねーちんの内部に射精した。
 ガシャン!!
 それと同時に玄関に大きな音が響いた、僕は放心状態のねーちんをソファーに寝かせるとそのまま玄
関に近づいた。
「泉…なのか?」
 弱弱しい声で僕が呟く、返事は帰ってこない…意を決して玄関へ向かうと…そこにはたくさんの料理
と、それを乗せたお皿とかごがぶちまけられていた…。


340:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:24:16 gJdem6/T
料理上手な彼女 ③

「…泉!!」
 僕は急いで外に出る、しかしその先に泉の姿はなかった、もしやショックを受けて家に帰ったのかな
そう思って泉の家の方角を見ると。

「じゃあね」
 泉は僕の真横にいた、その目は恐ろしくなるくらいに空ろで、視線も一向に定まっていなかった。
「あの…泉、実は…これはその…」
「お姉ちゃんと、お幸せに…」
 泉はそう言うとふらふらとした足取りで自宅に戻っていった。
「泉…」
 義務、なのだろう。男ならここで彼女を引き止めて、きちんと事情を説明する必要がありのだろう…
だって気づいてたはずだろ、あいつが僕とはなれても毎日毎日弁当を作ってくれた理由くらい…だった
ら、それこそ今すぐにでも事情を説明して、きちんとした対応を…。
 がちゃん!!
 そんな大きな音を立てて泉の家のドアが閉められた、それは彼女からの僕たちに対する完全な拒絶の
合図に思えた。
 いや、そう思い込んで逃げていただけなのかもしれない、だって、もしもここで彼女に対して、きち
んと僕が事情を説明できたなら、未来は…あの未来はかえられたのかもしれないのだから。
 

341:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:25:42 gJdem6/T

 料理上手な彼女…の日記②
 
 6月某日 未記入

 お姉ちゃんに裏切られた、まーくんを取られた、私のまーくんを。
 どうして?お姉ちゃんはいつでも私の悩みを聞いてくれた、アドバイスもしてくれた、それ以上に私
のお姉ちゃんで…いつもわたしの大事なお姉ちゃんでいてくれたのに、どうして?なんで?。
 恨めないよ、嫌いになれないよ・・・でも、でもまーくんを取っちゃった事は許せないよ。
 何がいけなかったのかな?何が悪かったのかな?解らないよ、わからないよ。

 そうだ、私の料理が下手だからいけないんだ…そうだよね、私の料理がもっと美味しかったら…お姉ち
ゃんも私とまーくんが上手くいくように協力してくれたはずだ、まーくんももっと早くに私の気持ちに
気づいてくれてたはずだ。
 じゃああの人が悪いんだよね、そうだよね、だっていつも私のことぶって、自分にはかなわないって
ののしりながら料理の事を教えてたくせに…結局何一つ、私の大切なものを振り向かせる方法すら教え
てくれなかったんだもん…悪いのはあの人だよね。じゃあ、殺すしかないよね。
 (以降、多量の血痕により解読不能)

342:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:27:45 gJdem6/T
料理上手な彼女 ③
 
 よくは知らないが、彼女との初デート後に一番大事なのは次の日のフォローだという。
 なら、こういう場合はどうすればいいのだろうか?
 次の日、僕とねーちんがきちんと今回の事情を説明するために学校への通学路で泉を待っていると…
そこに泉は現れず、変わりに二人の警察官が現れた。
 任意同行をお願いできますか?と、警察官はそういった。
 
 泉はあの後、寝室で眠る自分の母親をハンマーで滅多打ちにして殺し、調理師学校に…その、調理し
た母親の死体…その生首を持っていったらしい。
 見て!皆!この人ね、料理が大好きだったけど…どんなに調理してもおいしくないんだよ、最低だよ
ね、料理人として最低だよね…あはははははははは! 
 彼女は即、そのまま警察に逮捕された…僕たちはせめてものつぐないに、と事情を包み隠さずに説
明した。
 何がどうあれ、僕たちは一人の少女を、大切な幼馴染を二人して傷つけたのだ…そのための罰ならい
くらでも受けるつもりだった。
 
「わ…私が我慢すればよかったのかな…ひぐ…私があんなことしなきゃ、泉ちゃんは…うぐ…」
「いや…僕だ…僕が悪いんだ…僕がしっかりしてないから…うあああ!!!」
 
 僕たちは泣いた、泣き明かした、まるで自分たちが被害者だったかのように…。
 
 そして年が終わる頃、泉の事件は判決が下された。医療少年院送致、それが彼女に下された刑罰だっ
た…彼女は完全に精神を病んでいるらしく、弁護士との接見はおろか面会も断られる状況、と言った感
じだった。
 実の母親による虐待、そして思春期ゆえの精神の不安定さ…そして僕らの行動のせいで彼女は、壊れ
てしまったのだ。
 僕たちは誓った。もし彼女が帰ってきたら、その心が治ったら…今度こそ二人できちんと事情を説明
して謝罪しよう、そして僕たちの罪を償おう、と。 
  
 そして、更に数ヶ月が流れ、また季節がねーちんの誕生日に近づいたとき…泉は医療少年院を脱走し
て…そのまま姿をくらませた。
 

343:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:28:33 gJdem6/T
料理上手な彼女…の思考

 …やっと解ったよ、お姉ちゃん。どうすればおねえちゃんを許せるのか解ったよ…そうだよ、ずぅー
っと眠りながら考えていたけどやっと解ったよ。お姉ちゃんがお姉ちゃんだからいけないんだよ…お
ねえちゃんが私と、まーくんと同じになればいいんだよ…うふふ、あはははははは!そうだよ、同じな
らいいんだよ、同じになれば…そう、全て…。
 待っててね、今行くからね…お姉ちゃん…。
 私もおねえちゃんのこと、あいしてるからね。


344:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:30:32 gJdem6/T
料理…下手なねーちんの日常

 その日、普段は人一倍とろい私は、珍しく緊張して体を震わせていた。
 数日前、イズミンが医療少年院を脱走した後、始めて私の家に電話をかけてきたのだ。
「会いたいの…どうしてもお話したい事があるの」
 イズミンはかれた声でそう言った、待ち合わせ場所は郊外の廃鉱山で、とのことだった。
 殺されるかもしれない、下手をすれば生きては帰れないかもしれない、そんな思考も頭をよぎった…
でも行かなければい、そうも思った…そうしなければ、私は一生彼女にした事に対して償いが行えないと
感じた。
 もちろん、数日前から私の周りには警察の監視の目が合った、多分この連絡も筒抜けだろうと思う。
 それでも、せめて彼女を説得するべく、私は郊外に向かって自転車を走らせた。
 
 夕方、やっと山間部付近の廃鉱山にたどり着いた時にはもう日が暮れそうになっていた、鉱山の入り
口に近づいて、入り口の鎖がきられている事を確認して大声で叫んでみる。
「イズミーン!いるのなら返事して!私だよ…お姉ちゃんだよ!!」
 声が坑道の奥深くに響き渡る、しかし反応は返ってこない…もう警察に捕まってしまったのだろうか
…そう考えながらも坑道の奥深くに進もうとしたそのとき、背後に気配がした。
「こんばんは、お姉ちゃん」
 背後に彼女がいた、突然の事に驚きながらも私はゆっくり振り向こうとする…夕暮れ時が近いので顔
が確認できるのか、不安になりながら振り向いた時…ごん!という衝撃が、私の頭部を襲った。
 気絶して倒れそうになる中、逆行を浴びて、手にかなづちを持った…懐かしい、それでいてどこか禍
々しい顔の泉を、私はしっかりと確認した。


345:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 01:31:32 gJdem6/T
 取りあえず今日はここまで貼ります、後半は微グロ予定ですので…ではまた明日

346:名無しさん@ピンキー
07/11/20 01:33:34 Ox+fUX38
なんか、どっち選んでも片方がヤン化しそうなんだが・・・

347:名無しさん@ピンキー
07/11/20 03:07:31 5OmaJUFU
いきなりセクロスシーンに遭遇しなければヤン化はしなかったと思うが

にしても自分の好きな人と親友がヤってるのを見たら死にたくなるだろうな。
しかも誕生日祝いを持ってきた時に。

348:名無しさん@ピンキー
07/11/20 03:24:42 dmcgyp4R
みんなで一緒になりたくて料理が得意、しかも次はビグロらしい

wktkですね

349:名無しさん@ピンキー
07/11/20 07:34:36 6o+HgEGh
>>348
                         ___
             ∧_       /      \_____/|0|
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                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      θ//θ
                               θ//θ
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350:名無しさん@ピンキー
07/11/20 09:37:41 c9OxE3u/
それは違う

351:名無しさん@ピンキー
07/11/20 13:55:52 ouuQtGV2
あえてザクレロ辺りを出していれば突っ込みがいもあったものを

352:名無しさん@ピンキー
07/11/20 21:09:19 f5yyzHYR
まぁ、しょうがない
ところでこのスレのテーマソングを「地獄のズバット」にしようと思うんだがどう思う?
単に俺がよく聞きながらヲチしてるからなんだが・・・

353:名無しさん@ピンキー
07/11/20 21:37:57 ecXSRppa
俺はこれかなあ
URLリンク(www.youtube.com)

うん、完全に趣味丸出しなんだ。すまない。

354:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 23:47:46 gJdem6/T
こんばんは、遅くなりましたが残り文を投稿させていただきます。一応微…?グロ注意です

料理…下手なねーちんの最期

「あれ…ここは?」
「おはよう、お姉ちゃん、目は覚めた?」
 気がつくと私の目の前には泉の顔があった。その顔は記憶の最後にある顔よりも痩せこけて、その服は血まみれな上にぼろぼろだった…それでいてぎらぎらと光る様なまなざしははどこか不気味な
雰囲気さえ漂わせていた。
「イズミン…その…怪我とかは大丈夫?」
「ああ、これ?…大丈夫、返り血だから…たいした事ないよね、警察っていってもさ…」
「…ゴメンね、私があの日、あんな事したせいで…あなたを…そんな風に…」
 私は泉の言葉で彼女の服についた血が誰のものなのかをさとり…そこまで泉を追い込んだ自分を恥じた。そして嘆いた…もしも自分があの時あんな行動を取らなければ…そんな考えが頭をよぎる。
「自首しろ、なんてことは言わない…私が憎いなら殺してくれても一向に構わない…だからもうこれ以上、お願いだから誰も殺さないで…それから、本当に、あの時は本当にごめんなさい、もういくら
謝ってもどうにもならない事だろうけど…本当にごめんなさい」
 私は謝った、誠心誠意謝った、最悪の場合の命の覚悟ももう出来ていた。たぶんもう私は助からないのだろう…この両手を縛りつける荒縄がその事実をしっかりと告げていた。
「いいんだよお姉ちゃん、お姉ちゃんは全然悪くない…悪いのはあの女と…私たち二人を虜にしちゃうような…まーくんのやさしい所…それくらいだから…だから」
 さくり!と小気味のいい音がする。
 泉は手に持っていたナイフを私の首に突き刺した…。
「ご…め…ん…ね…」
 気絶しそうな意識の中で私は謝った、ぐりぐりと、泉はナイフの刃で私の首の肉をえぐるように執拗に刃を突き刺してくる…痛い、気絶しそうなほどに痛い、でも
耐えなくては…私の意識がある限り…謝って…。

 そう思考したのを最後に舞の意識は吹き飛んだ。それでも執拗に泉はその首に突き刺したナイフをぐちゃぐちゃとかき混ぜた。
「あれ…おねえちゃんは悪くないのに…どうしてだろ?どうしてだろ?」
 泉はぽろぽろと涙を流し、手に持ったナイフをようやく放した。
「こうすれば…きっと二人とも、ううん、三人とも幸せになれるのに…どうしてだろ…あはははははははは!解らないや!これは解らない
や、あははははははははは!!」
 泉は泣いていた、泣きながら笑っていた、でももうすぐそれも終わる…彼女の狂った理性はそう告げていた。
「そう…あと少しだからね、まーくん…」
 彼女の視線の先には、手足を縛られたまーくん、こと誠が横たわっていた。



 

355:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 23:48:40 gJdem6/T
こんばんは、遅くなりましたが残り文を投稿させていただきます。一応微…?グロ注意です

料理…下手なねーちんの最期

「あれ…ここは?」
「おはよう、お姉ちゃん、目は覚めた?」
 気がつくと私の目の前には泉の顔があった。その顔は記憶の最後にある顔よりも痩せこけて、その服は血まみれな上にぼろぼろだった…それでいてぎらぎらと光る様なまなざしははどこか不気味な
雰囲気さえ漂わせていた。
「イズミン…その…怪我とかは大丈夫?」
「ああ、これ?…大丈夫、返り血だから…たいした事ないよね、警察っていってもさ…」
「…ゴメンね、私があの日、あんな事したせいで…あなたを…そんな風に…」
 私は泉の言葉で彼女の服についた血が誰のものなのかをさとり…そこまで泉を追い込んだ自分を恥じた。そして嘆いた…もしも自分があの時あんな行動を取らなければ…そんな考えが頭をよぎる。
「自首しろ、なんてことは言わない…私が憎いなら殺してくれても一向に構わない…だからもうこれ以上、お願いだから誰も殺さないで…それから、本当に、あの時は本当にごめんなさい、もういくら
謝ってもどうにもならない事だろうけど…本当にごめんなさい」
 私は謝った、誠心誠意謝った、最悪の場合の命の覚悟ももう出来ていた。たぶんもう私は助からないのだろう…この両手を縛りつける荒縄がその事実をしっかりと告げていた。
「いいんだよお姉ちゃん、お姉ちゃんは全然悪くない…悪いのはあの女と…私たち二人を虜にしちゃうような…まーくんのやさしい所…それくらいだから…だから」
 さくり!と小気味のいい音がする。
 泉は手に持っていたナイフを私の首に突き刺した…。
「ご…め…ん…ね…」
 気絶しそうな意識の中で私は謝った、ぐりぐりと、泉はナイフの刃で私の首の肉をえぐるように執拗に刃を突き刺してくる…痛い、気絶しそうなほどに痛い、でも
耐えなくては…私の意識がある限り…謝って…。

 そう思考したのを最後に舞の意識は吹き飛んだ。それでも執拗に泉はその首に突き刺したナイフをぐちゃぐちゃとかき混ぜた。
「あれ…おねえちゃんは悪くないのに…どうしてだろ?どうしてだろ?」
 泉はぽろぽろと涙を流し、手に持ったナイフをようやく放した。
「こうすれば…きっと二人とも、ううん、三人とも幸せになれるのに…どうしてだろ…あはははははははは!解らないや!これは解らない
や、あははははははははは!!」
 泉は泣いていた、泣きながら笑っていた、でももうすぐそれも終わる…彼女の狂った理性はそう告げていた。
「そう…あと少しだからね、まーくん…」
 彼女の視線の先には、手足を縛られたまーくん、こと誠が横たわっていた。



 

356:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/20 23:58:59 gJdem6/T
 書き込みミスと誤爆失礼しました、それではいよいよ最終章になります

料理上手な彼女 ラストオーダー

「まーくぅん、ご飯できたよお!」
 あの日、舞ねーちんを捕まえたと舞ねーちんのケータイから泉のメールがとどいて、急いで廃鉱山に向かってからもうどれほどの日が流れたのだろうか。
 もう数日が過ぎたのかもしれない…舞はいつもの事のように僕に裸エプロンでご飯を振舞ってくれる
…メニューはバターソテーをはじめ、チョリソー、生レバーや刺身に鍋、更にステーキやハンバーグにデザートなどと実に豊富に取り揃えられている。
 …食材は何かって?決まっているだろう、ねーちんその人に決まっているじゃないか!! 
 あの日、監禁された僕を待っていたのはねーちんの死体と、泉によるねーちんの解体ショーだった。
「…僕思いついたんだ…こうやってねーちんを、まーくんの大好きなねーちんを全部食べれば…僕もねーちんと同じ存在になれるって…それで、さらにそのねーちんのもう半分をまー君が食べてくれれば…
もう、二人はずっと仲良しでいられるって…あはははははは!」
 解体された死体を調理しながら泉はそういった、僕は…いっそ殺してもらいたい気分になった。
「はい、あーん」
 こうして数日間?の間に僕は彼女と一緒にねーちんの体を文字通り味わう事になった、最初の数日は食べる事を拒否して何度となくはいていたが、僕の体は泉によって完全に拘束されている上に、吐けば
泉がそれを口移しで返してくれるというお返しが待っていた…そしてもちろん、僕の体は空腹には耐え切れなかった。
 それに泉の振舞うねーちん料理は…何よりも、おいしかったんだ…彼女は言った、捕まっていた間に研究した味付けだと。
 僕は愚かだ、何が謝罪だ、結局僕には何も出来なかったじゃないか…僕が出来た事なんて、結局は女性を苦しめた挙句、足りない覚悟と準備で一人の女性を死なせてしまった事…それだけじゃないか?何でだよ、何で僕は、何で生きてるんだよ…。
「…かわいそう、泣いてるの?まーくん…でも大丈夫、お姉ちゃんと一緒になれば、もう何も寂しくないからね…」
 そういって泉は僕の涙を拭くと、僕の口に、ねーちん料理を運んだ…。 
「ごちそうさまでした…それじゃあ、子作りしようか、ほら、お腹のお姉ちゃんも、まーくんの子供が欲しいっていってるよ」
 そういうと泉はいつものようにエプロンをたくし上げ、自分の濡れた股間を見せた。
「はあ…いいよ、とってもいいよ!まーくん…ん!」 
 ・・・僕が絶頂を迎える瞬間、泉は手に持っていたナイフで、僕の心臓を一突きした。
「はあ…ん!!!まーくん…大好きだよ…大好き…だから…まーくんもおねえちゃんと、私と一緒になろう…」
「…ありがとう…いずみ…」
  彼女の言葉に僕はそう返すしかなかった、というかそこで僕の意識は…永遠に途絶えた。口ではえらそうな事を言ってるくせに…情けない男だ…僕も。
「お姉ちゃんは全部私とまーくんが食べた、そしてまーくんは私が食べてあげる…うふふふふ、あはははははははは!うれしいよ、うれしいよまーくん!あははははハハハ!!」
 廃鉱の中ではいつまでも、いつまでも悲しげな、それでいて嬉しそうな泉の声が響いていた。

 廃坑の奥では今日も泉が料理を作っていた、材料はもちろん大好きなまーくんのお肉だ。
「ふふふ、今日もおいしいよ、まーくんは」
 彼女はテーブルに載った誠の首に話しかける、防腐処理を施されたそれはまるでマネキンのような空ろな目でこちらを見ていた。
「うん…そうなんだ、もう少しで、生まれるとおもうから…」
 泉はお腹をさする、大きく膨れ上がったそれは妊娠6ヶ月、といったところだろうか。
「大丈夫、一人で産むわけじゃないから…そう、皆ずっと一緒だから…ね?」
 そう言うともう一度、泉は誠の生首に対して微笑んだ。
 FIN 
    
  

  

357:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/21 00:01:49 gJdem6/T
 以上で終わります、二日にわたって自分のSSにお付き合いいただき本当にありがとうございました。
 それから次の作品の参考に、スレ住人の皆さんにお伺いしたいのですが…ヒロインに当たるキャラが
ショタの作品はどう思われますか?

358:名無しさん@ピンキー
07/11/21 00:06:21 hywa4N2u
Nice cooking
そして貴方のID GJ



359:名無しさん@ピンキー
07/11/21 00:13:24 iaxGTIpg
グッジョブ!
ショタとヤンの組み合わせは良さげだな

360:名無しさん@ピンキー
07/11/21 00:58:38 m1mOLYK1
>>357
GJ。
やはり予想通りにカニバリズム。
あと、
>耐えなくては…私の意識がある限り…謝って…。
このへんの文に感動した。


ところでみんなに聞きたいんだが。
ショタって「可愛い男の子」という意味で解釈していいの?
俺はショタと聞いたら正太郎くんしか思いうかばんのだよ。
ブリジットとか準にゃんは女装少年という属性だと思っていたから。

361:名無しさん@ピンキー
07/11/21 01:00:43 hK85Bt7J
GJ!
これは正しいヤンデレですね。
ショタヤンも一度呼んでみたいです。

362:名無しさん@ピンキー
07/11/21 05:31:53 KzhreXZH
ショタは正太郎少年みたいに小さな子供のことだな
まあ可愛い少年ってのは分からない、マイナーな人もいるからさ

でもそう考えていいかも

363:名無しさん@ピンキー
07/11/21 15:21:39 9xR+96vY
>>360
ショタは小さい男の子という意味で外見的な条件はない
ロリの男版と考えてよかろう。年齢は4-12ってところだろうか
だが実年齢よりも外見年齢を優先で考えるのがいいと思う
ロリババアという表現もあるしな

ブリジットみたいな「女の子のような外見のショタ」に該当する「ロリショタ」なる単語も存在し
少年らしいショタ原理主義とロリショタ愛好家の間には大きな溝と長年の紛争が存在する
これらは完全に別物として扱った方がいいだろう

364:名無しさん@ピンキー
07/11/21 15:33:35 HjEPsfm6
なんかヤンデレと離れていってるぞw

365:名無しさん@ピンキー
07/11/21 15:58:40 hywa4N2u
誰だヤンデレスレでショタっ子の話題なんか振ったのは!?
………………職人さんだった。スマソ

366:名無しさん@ピンキー
07/11/21 17:23:08 KzhreXZH
あ 、私は別段構いませんので、ショタ。

367:名無しさん@ピンキー
07/11/21 18:16:09 Y6PLITIf
ショタ……正直に言えば個人的には全く受け付けないなあ。
以前それっぽいSS読んだけど引いてしまったし。
まあ書くのなら最初ショタ注意と宣言してくれれば
スルーするなり対応できるのでありがたいんだけど。

368:名無しさん@ピンキー
07/11/21 18:45:21 IOne9Arf
むしろ主人公がショタなのを読みたい俺は末期の変態

369:名無しさん@ピンキー
07/11/21 20:42:48 FQgO0Zta
ヤンデレ(♀)×ショタなら大歓迎。

370:名無しさん@ピンキー
07/11/21 20:58:17 IEmbDW58
ヤンデレ(♀)×ショタは意外と萌えるかも…。ぜひお姉さんで。

371:こんな感じ?
07/11/21 21:52:15 1pm+NHzU
「おねぇちゃん!」

またおねぇちゃんがぼくのパンツを持っていった。
このまえ小学校でともだちがじまんしてたガチレンジャーパンツ。
お母さんにたのんでやっと買ってもらえたのに!

おねぇちゃんはぼくの隣の家に住んでいる。
おしごとが忙しいぼくのお母さんにたのまれてよくぼくとあそんでくれる。きれいでやさしいおねぇちゃんだ。
でもときどきおねぇちゃんはぼくのパンツやお弁当のおはしをどこかにもっていっちゃう。
しばらくすると返してくれるんだけどパンツなんかだと時々へんなにおいがついてたりしみがついてたり
お母さんに言っても「あんたのおねしょパンツ洗濯してくれてるんでしょ」とか言ってあいてにしてくれないし・・・
今日こそはとりかえすゾ!


「おねぇちゃん!ぼくのパンツかえして!」
おねぇちゃんの家に行ったぼくはなぜかおねぇちゃんの部屋につれていかれた。
でもそんなことよりはやくパンツかえしてもらわなきゃ。
「え?ゆう君のパンツなんて私知らないよ?」
なんだかおねぇちゃんの顔がいつもより赤くなってる。
「うそだ!おねぇちゃんいっつもぼくのパンツもっていってるじゃん」
「そんなコトよりゆう君。お菓子食べない?」
お菓子でぼくをごまかそうとしてるな。でもそんなこt
「いいから!早く食べて!」
うっ・・・なんだか今日のおねぇちゃんいつものおねぇちゃんじゃない。
「う・・・うん。」
とにかくお菓子をたべればいいんだ。そのあとでパンツを返してもらおう。
「お茶も飲むよね?飲みたいよね?ね?!」
「い・・・いただきま・・す」

・・・

アレ?なんだかめのまえがフラフラする?あ・・・れ?

372:続き
07/11/21 21:53:27 1pm+NHzU

ふ・・ふふふハハハハあハハハハハキャハはは
ついに手に入った!私の!私だけのゆう君!
もう誰にも邪魔させない!ゆう君に纏わりつくあのうざったいメス豚共!
これでようやくゆう君を魔の手から守れる!一生ゆう君仕えることができる!
そのためにもまずゆう君に私の純潔を捧げなくちゃ・・・
「ゆう君。お姉さんの純潔もらってね。」
ゆう君を裸にして私のベッドに縛る。ちょっと申し訳ないけどあのメス豚共の
洗脳にかかっているゆう君の目を覚まさせてあげるためだ。
もう私のあそこはびしょびしょになっていた。
16年守り通した純潔を捧げることが出来る喜びで。いまから始まる誓いの儀式を想像するだけでイッてしまっている。
もうゆう君のパンツでお箸で自分を慰めることもなくなる。
それはそれで寂しい気もするがゆう君に仕える私がゆう君以外でイッてはゆう君に申し訳ない。
そんなことを考えている間になんとか儀式の準備は終わった。
「かぁわいい♪」
ゆう君のまだ小さなおちんちん。いまからこれが私の中に入るんだ・・・
それを想像しただけでまた達してしまった。しばらくぼおっとしてしまったけど気を取り直しゆっくりとおちんちんをシゴく。
だんだん硬くなる小さなゆう君♪今度はゆっくり口の中に入れるまだ皮をかぶってるおちんちんの先から少しずつ甘い液が出てきた。
皮の中も丁寧に舌を使って舐めあげる。一瞬ゆう君の体がビクンって反応した。
その仕草全部が私の体に快感を与えてくれる。
「アハ・・・もうこんなになってる・・・そろそろいいよね。」
おちんちんから口を離しゆう君の体を跨ぐ。
狙いを定めゆっくりと私のあそこに導いた。
「あっああああああああああああ!」
凄い!入れただけで私イッちゃった!自分で慰めてた時とは比べ物にならない快感が私を襲う。
「ッくううぅんっゆう君ゆうくんゆうくんゆうくぅぅん!」
腰を動かしもっとゆう君を感じる。もっともっともっともっと!
「あああああああアアアアアあああああああ!」
瞬間私のナカにあたたかいものが弾けた。
それを感じて私もさらに高いところへ連れて行かれる。
しばらく頭が真っ白になりゆう君に覆いかぶさっていたがのそのそとゆう君の上からどく。
「あ・・・アハ♪ゆう君のはじめてもらっちゃった♪」
これでゆう君はわたしだけのもの。
ワタシダケノタカラモノ

373:名無しさん@ピンキー
07/11/21 21:55:40 1pm+NHzU
むしゃくしゃしてやった
反省はしていない。

374:名無しさん@ピンキー
07/11/21 22:12:29 ZOA8sxH1
>>373
すまん、GJなので保管庫に入れたいんだがタイトルどうしたらいいんだ

375:名無しさん@ピンキー
07/11/21 22:21:34 hoVCKEd0
>>374
ヤンデレおねぇちゃんとガチレンジャーパンツ

・・・

すんません。俺の足りない脳だとこんなのしか出てきませんでした。


376:373
07/11/21 22:24:11 hoVCKEd0
あれ?
ID変わってる。
373です。

377:名無しさん@ピンキー
07/11/21 22:45:09 O1lbkH7P
>>373
GJ!!
こういうのかなり好きだ。
次回作があれば、首を長くして待ってるぜ!!

378:名無しさん@ピンキー
07/11/21 23:42:33 IEmbDW58
この質…速さ…まさしく、職人!GJ!

379:名無しさん@ピンキー
07/11/21 23:53:58 FQgO0Zta
言ってみて良かった!!GJ!!!

380:名無しさん@ピンキー
07/11/22 00:01:41 3n/xLCs+
ガチレンジャーに吹いたww
>>373のネーミングセンスに嫉妬。

381:名無しさん@ピンキー
07/11/22 00:30:00 8ei8vQfa
>>373
続きがあったら読みたいんだが

382:名無しさん@ピンキー
07/11/22 00:36:11 M+vRdzZ5
>>381
スマソ
これネカフェで30分で書いたやつだから続きどころか構成も何も考えてないんだ。
いずれ機会があれば書く

383:一発で治ります
07/11/22 02:24:23 ghPg8ye2

 高校二年生の、夏のことだ。
 そのとき俺は、校庭から聞こえてくる野球部のかけ声を遠くに聞きながら、じめじめ暑い教室で、
イライラしながら美香を待っていた。
「あれ、川田君?」
 声をかけられて顔を上げると、入り口のところにジャージ姿のクラスメイトが立っていた。
「ん? ああ、氷川か」
 氷川は陸上部に所属している女子だ。明るく人当たりのいい性格で、男女問わず人気のある奴だっ
た。
「なんだ、部活か?」
「うん。これから校庭行くとこ。川田君はどうして残ってるの?」
「美香の奴が、忘れ物したーって言って美術室だか音楽室だかに行ったっきり戻ってこなくてさ」
「へえ。それで教室で待ってるわけね」
「そういうこと。ったく、いくつになっても世話が焼けるっつーか……」
 うんざりした俺の声にかすかな笑いで答えたあと、氷川は少し躊躇いがちに聞いてきた。
「……二人は幼馴染なんだっけ?」
 特に隠すようなことでもない。俺はあっさりと頷いた。
「まあね。家が隣なせいで、昔っからピーピーうるせーあいつのお守りばっかでさー。やんなるよホ
ント」
 しかも、不思議なことに幼稚園時代からずっと一緒の組ばかり。美香とは一度も離れたことがない。
「わたしたちが寂しい思いをしないように、神様が頑張ってくれてるんだよ!」
 とは美香の弁だ。
 さすがに神様の頑張りだとは思わないが、確かに何かしらの作為を感じないでもない。
(っつっても、美香と俺が一緒にいて得する人間なんていないと思うしなあ)
 そんな訳で、俺の思考はいつもその段階で止まってしまうのだった。
 そうやってぼんやりと考えこむ俺を見て、氷川が意味深に笑う。
「ふふ。でも、皆は二人が恋人同士だと思ってるみたいだけど?」
 その認識はあんまりだ、と思ったので、すかさず反論する。
「はぁ!? 冗談じゃない、子供とその保護者、みたいなもんだよ」
 氷川は一瞬驚いたように目を瞬かせた。小首を傾げて、探るような口調で聞いてくる。
「……そうなの?」
 変な噂を立てられてはたまらないと思い、俺は早口に答える。
「そうなの。おかげでこっちは毎朝毎朝起こしに行ったり忘れ物ないかチェックしてやったり、
帰りだって猫に気ぃ取られて道に迷ったりボロボロボロボロなんか落としてたり……」
 改めて思い返してみると、本当に世話が焼ける奴だ。
ホント、俺がいなきゃどうなってんだか」
 俺が時間を込めて深々とため息を吐くと、氷川はおかしそうに笑った。
「苦労してるのね」
「そうなんだ。あー、俺はいつまであいつの面倒見てやらなきゃならねえんだか……」
 そうぼやいたとき、不意に氷川がじっとこちらを見つめて、囁くような声で言った。
「……ね。それじゃ、これからはわたしも一緒に、あの子の面倒見てあげましょうか?」

384:一発で治ります
07/11/22 02:25:10 ghPg8ye2

「……へ?」
 何を言われたか分からず、間抜けに口を開いたまま相手を見る。氷川はほんの少し不安そうに目を
細める。
「……いや?」
「いや、っていうか……え、それって、つまり、あの……」
 唐突な状況に混乱して、俺は何も言えなくなってしまう。
 氷川はそんな俺を数秒も無言で見ていたが、こらえきれなくなったように吹きだした。
「……ぷっ」
「あ?」
「あははははは、川田君、顔真っ赤!」
 腹を抱えて笑う彼女を見て、ようやくからかわれたのだと気がついた。顔が熱くなる。
「ひ、氷川が変なこと言うからだろ!?」
「あははは、ごめんごめん……あら?」
 ふと、氷川が教室の入り口の方を見て、笑いを収めた。
 つられて俺もそちらも見るが、特に変わったものは見当たらない。
「どした?」
「今、あそこのところに、チラッと黄色いリボンが見えたような……」
 黄色いリボン、と言われて、俺の脳裏に見慣れた女の子の姿が浮かぶ。
「……美香か? でも、足音もしねえし……それに、あいつが来たなら、大騒ぎしながら飛び込んで
くるはずだけどな」
「そうよね。ごめん、わたしの気のせいだったかも」
 氷川は軽く謝ったあと、「さてと」と言って、踵を返しかけた。
「それじゃ、わたし、そろそろ行くね?」
 引き留める用事もないので、俺は気楽に手を振った。
「おう。じゃーな」
「うん。……あ、川田君」
 教室の半ばまで行きかけたところで、不意に氷川が振り返る。
「なんだ?」
 氷川は悪戯っぽく微笑んだ。
「……さっきの、半分だけ、冗談だからね?」
「え?」
「……じゃ」
 聞き返す間もなく、氷川の細い背中が教室の外に消える。
 俺はその方向から目をそらすこともなく、ぼんやりしたまま先程の言葉の意味を考える。
「……半分っつーことは、もう半分は本気ってことか?」
 氷川の悪戯っぽい笑顔が、再び脳裏に蘇る。心臓が無闇に高鳴り始めた。
「クーッ! あのちんちくりんの相手をすること早十数年、俺にもようやく他の女と縁を結ぶ機会が
回ってきたって訳かっ!」
 あまりの喜びを抑えることが出来ず、俺は帰り道でもウキウキしっぱなしだった。
 いつもはうるさい美香がその日は何故かあまり喋らなかったので、俺は思う存分明日からの楽しい
日々に思いを馳せることができた。

385:一発で治ります
07/11/22 02:26:02 ghPg8ye2

 翌日になると、美香はいつも通りの騒がしいちんちくりんに戻っていた。
「んでね、百円玉がころころ転がっちゃって、追いかけてったらボッチャンって」
 何が楽しいのか、無駄に身振り手振りをつけながら、昨日の思い出を喋り捲っている。
 夜中部屋の電気が消えているから妙だとは思っていたが、百円玉を追いかけていたとは。
(相変わらず間抜けな奴だなあ)
 朝の廊下は人が多いが、こういう美香の姿はいつもどおりのことなので、今更注目を集めることも
ない。
 同時に、そういう無駄話を聞かされる迷惑さ加減も、いつもどおりのことだった。
「なんで朝っぱらからお前がドブに落っこちた経緯聞かなくちゃならねーんだよ……?」
 うんざりしながら教室に入ったとき、俺は異変に気がついた。
「なんだ、なんかヤケに騒がしいな。泣いてる奴もいるぞ……?」
「……どうしたんだろうねえ……?」
 隣で美香も首を傾げる。クラスメイトの一人が俺に気がついて、慌てた様子で駆け寄ってきた。
「あ、おい川田! 大変だ、氷川が昨日死んだってよ!」
 出し抜けに言われて、俺は一瞬何を言われたのか分からなかった。
「……は?」
 ぽかんとしたまま聞き返すと、そのクラスメイトはもどかしそうに繰り返した。
「だから、死んだんだよ、氷川が!」
 ようやく言葉の中身が理解できた。
「死んだって……な、なんで!?」
 昨日の悪戯っぽい笑顔が頭に浮かぶ。あんなに元気だったのに、急に死んだと言われても信じられ
ない。
 混乱する俺の前で、クラスメイトは顎に手を当ててもっともらしい口調で言った。
「それが、死因は不明らしい。昨日の晩飯食ったあとに急に苦しみ出して……そのまま、とか。
でも食中毒でもなさそうだし、体の中から有害な物質が……ってのもないらしいんだよ」
「……」
「謎だよなあ。毒でも盛られたんじゃねーかって話もあるけど、氷川に限って恨みを買ってた噂もね
えし……お前はどう思う?」
 不意に、怒りが沸いてきた。クラスメイトである氷川が死んだというのに、こいつは何を面白がっ
ているんだ?
「……クラスメイトが死んだのに謎解きごっこってのは、不謹慎なんじゃねえのか?」
 怒鳴り声にならなかったのは奇跡だったと思う。
 目の前のクラスメイトは、はっとした様子で俺から目をそらした。
「あ……わ、悪い。なんか落ち着かなくて、ついつい、さ……ごめん」
 そう言われて、ようやく少しだけ冷静になれた。
「いや……すまん、俺も、どうかしてるみたいだ」
 そのクラスメイトに謝ったあと、俺は誰とも話すことなく自分の席に向かった。
 椅子に座ると、完全に力が抜けてしまった。もう、何をする気にもならない。
「……大丈夫、コウちゃん?」
 隣に座った美香が、心配そうに声をかけてくる。教室と同じく、席順もまた、こいつとは大抵隣と
か後ろとかになるのだ。
(ああ、いけねえ。俺がこんな顔してちゃ、こいつも元気なくしちまう)
 頭の片隅に、少しは冷静な部分が残っていたらしい。
 俺は無理矢理笑おうとしたが、結局形にならなかった。
 情けない表情を、美香に見せていることが悔しい。
「……悪い。なんか、急すぎてさ……俺、昨日の放課後氷川と話したんだぜ?
あんなに元気だったのに、いきなり死んだ、なんて……何がなんだか分かんねえよ」
 しかも、口から出るのは言い訳じみた泣き言ばかりだった。
 頭が無闇にグルグル回っているようで、何も考えられない。
 美香もまた突然のことに混乱しているらしく、いつもの無邪気さが信じられないような無表情で、
俺を見下ろしていた。

386:一発で治ります
07/11/22 02:27:03 ghPg8ye2

 こうして、氷川は死んだ。
 彼女の死は深い傷となって俺の心に残ったが、悲劇はそれだけに留まらなかった。
 一週間後、西田が死んだ。
 氷川の死を引き摺る俺のことを元気付けようとしてか、一緒に遊びに行こうと誘ってくれた女の子
だ。
 それから三日後、新谷が死んだ。
 ほとんど鬱のようになって、何も出来なくなってしまった俺を、あれこれと助けてくれていた女の
子だ。
 その翌日、三浦が死んだ。
 ひょっとして自分に原因があるのでは、という俺の疑いを、気楽に笑い飛ばしてくれた女の子だ。
 さすがにこうも連続して俺の周囲で人が死ねば、誰だって不信感を抱く。
 それはクラスメイトだけでなく、警察関係者も同様だった。
 俺は連日のように取調べを受けたが、結局証拠は何も出てこなかった。
 俺だって何も知らないのだから、話せることは何もない。
 ただ、その頃になると、何か自分に原因があるらしいということには薄々感付いていた。
 また俺に優しくしてくれた奴が死んでしまうのではないかと思うと、人に近づくのが怖かった。
 周りの連中も同じ事を考えていたらしく、俺は徐々に孤立していった。
 誰に話しかけることもなく、誰かから話しかけられることもない。
 唯一美香だけは俺に構ってくれていたが、正直な話、何の救いにもならなかった。
 俺は学校に行かなくなった。

 部屋に引きこもるようになってから、夢に死んだ奴らが出てくるようになった。
 彼女らは闇の中から何かを必死で叫んでいるのだが、俺の耳には声が届かない。
 最初は恨み言を言われているのかと思ったが、何故か彼女らの表情は、いつもこちらを案じている
ような感じだった。
 そんな顔で必死に呼びかけてくれているのに、俺にはやはり聞き取れないのだ。
 悔しさで目を覚ますと、涙に滲んだ視界の中央に、美香の心配そうな顔がある。
「大丈夫? うなされてたよ、コウちゃん」
 美香は今も普通に学校に通っているが、毎朝、登校する前に俺を起こしに来てくれる。
 昔とは、立場が逆転してしまった。俺は邪険に手を振って美香を追い払おうとする。
「行けよ。いちいち来なくてもいいって言ってんだろ」
「ダメだよ。コウちゃんに元気になってもらいたいもん。ね、本当に大丈夫、コウちゃん? 具合悪
くない?」
 美香の優しい声が胸に染みる。荒んだ心が温かくなってくるのが分かる。
 その感情を、俺はあえて胸の奥に押し込んだ。代わりに、舌打ち混じりに怒鳴りつけてやる。
「うぜえんだよ! なんでお前なんかに見下さなくちゃなんねえんだ、クソがっ!」
「そんな、見下すなんて、わたし……ごめん、そんなつもりじゃなかったの」
 俯く美香の目が涙で潤む。その小さな体を抱きしめたい衝動を必死に抑えて、俺はひっ掴んだ枕を
思い切り投げつけた。
「そういう態度が見下してるって言うんだよ。人をキチガイみたいに扱いやがって」
「違うよコウちゃん、そんなんじゃ」
「うるせえ、お前なんかに俺の気持ちが分かるかよ! さっさと出てけ、バカ!」
 子供じみた口調で喚き散らし、俺は布団の中に潜り込む。
 この態度に呆れて、美香がこの部屋に寄り付かなくなればいいと思った。
 だが、心の隅では、そんなことは絶対にあり得ないと知っていたのかもしれない。

387:一発で治ります
07/11/22 02:27:55 ghPg8ye2

「コウちゃん」
 優しく囁いた美香が、布団の上からそっと俺の体を抱きしめる。
「わたしのこと、心配してくれてるんだね」
 やはり、美香は俺の考えなど完全にお見通しだったようだ。
「……何のことだよ」
「わたしがコウちゃんのそばにいると、他の女の子たちみたいに死んじゃうかもしれない、って思っ
てるんでしょ」
 違うよ、と言おうとしたが、声が詰まった。
 俺は観念して、深く息を吐き出した。ゆっくりと布団をどけて、ベッドの上で身を起こす。傍らに
立っている美香は、静かな微笑を浮かべてこちらを見下ろしていた。その表情を見ていられず、俺は
俯いて目をそらす。
「分かってるのなら、俺にはもう近づくな」
 声が震えた。情けないことに、涙が止まらない。
「お前が心配してくれるのは、正直凄く嬉しい。でも、だからこそ、この上お前まで失っちまったら、
俺は今度こそ……」
「大丈夫だよ」
 女々しい俺の泣き声を遮って、美香が底抜けに明るい声で言った。顔を上げると、そこにはいつも
どおりの、能天気そうな笑顔があった。その笑顔がやけに眩しく感じられて、俺は思わず目を細める。
「何が、大丈夫なんだ」
「大丈夫なものは大丈夫。わたしは絶対死なないよ。コウちゃんを一人ぼっちになんかしない」
「どうしてだ。お前と他の連中と、何が違うって言うんだよ。何の根拠があってそんなこと言うんだ」
「簡単な話だよ」
 美香は迷いなく言い切った。
「だって、わたしのことはコウちゃんが守ってくれるもの」
 俺は内心呆れてしまった。意味不明と表現してもいいほど、美香の言葉は無茶苦茶だった。
 だが、その無茶苦茶な理屈から、俺に対する絶対的な信頼感が窺える。
 また目頭が熱くなって、俺は気がつくと夢中で美香を抱きしめていた。
「痛いよ、コウちゃん」
 胸の中で身じろぎする美香を、さらに強く抱きしめる。
「お前がバカなこと言うからだ」
「理屈になってないよ」
「お互い様だろ」
「そだね」
 美香がおかしそうに笑い、おもむろに目を閉じる。
 その小さな唇に自分の唇を重ねながら、俺は確かな希望を感じていた。
 こいつだけは、ずっと俺のそばにいてくれる。
 何故か、理由もなくそう確信できた。

 こうして、俺はまたこわごわながらも外に出られるようになった。
 長い間学校を休んでいたせいで遅れを取り戻すのにはかなり苦労したが、いつもそばにいてくれる
美香のおかげで何とか乗り切ることが出来た。
 卒業、進学、就職と、それからの俺の人生は驚くほど順調に進んだ。
 高校時代のように周囲の人間が死ぬこともなく、時は穏やかに流れていく。
 それでも、念のため警戒して、出来る限り美香以外の人間とは親しくならないように注意していたが。
 そんな風に生活していれば当然ながら愛情も深くなっていくわけで、俺は20代前半にしてめでたく
美香と結婚することになった。
 周囲からは散々冷やかされたが、俺は間違いなく幸せだった。
 ずっと変わらずそばにいてくれる女性と、一緒になれたのだから。

388:一発で治ります
07/11/22 02:28:34 ghPg8ye2

「そう言えばよ」
「なあに、コウちゃん」
 椅子に座って編み物をしていた美香が、顔を上げてこちらを見る。
 そのお腹は大きく膨らんでいる。照れくさいが、二人の愛の結晶というわけだ。
「いや、お前がずーっと大事そうに持ってる小箱さ。あれ、何が入ってるんだ?」
 同居するようになってから、ずっと不思議に思っていたことだった。
 美香は何でもなさそうに答える。
「ああ、あれ? あれにはね、お薬が入ってるんだよ」
「薬? 何の?」
 持病などなかったはずだ。不思議に思って聞くと、美香は俺の顔をじっと見つめてきた。。
「特効薬だよ」
「特効薬?」
「そう」
 美香がにっこりと微笑む。
「コウちゃんが、悪い病気にかかっちゃったときのための」
 何故か、背中がぞくりと震える。
 それを誤魔化すように、俺は美香に笑い返した。
「へえ。悪い病気って、なんだ?」
「凄く深刻な病。それにかかっちゃうとね、コウちゃんはとっても不幸になっちゃうの」
 淡々とした声だ。
「でも、安心していいよ。あの薬さえあれば、病気は一発で治っちゃうから。副作用もないんだよ」
 何故か、死んだ女の子達の顔が脳裏を過ぎる。
 どうして自分がそんなことを考えるのか、俺にはさっぱり分からない。
 頭の隅で、何かが激しく警告音を鳴らしているような気がした。
(何だってんだ? 別に、何も悪いことなんか、ねえだろ?)
 自分にそう言い聞かせながら、俺は無理に会話を続ける。
「そりゃ頼もしいな。今度風邪引いたとき飲んでみるかな」
 そう言った瞬間、美香が物凄い声で怒鳴った。
「それはダメ!」
 驚くほどに大きな声。美香は怒鳴ったあとではっとして、誤魔化すような笑みを浮かべた。
「あ、えーと、あのね、取っておきの薬だから、風邪なんかに使っちゃったら勿体無いよ」
「じゃあ、どんな病気に使うんだ?」
「悪い病気だよ」
「だから、具体的な病名とかさ」
「悪い病気」
 あくまでも答えないつもりらしい。胸に広がる嫌な感じから目を背けて、俺は笑った。
「なんだよそりゃ。秘密ってことか?」
「まあ、そうかな。それにね」
 と、美香は含みを持たせた口調で付け加えた。
「心配しなくても、コウちゃんはもうその病気にはかからないと思うよ
「どうしてだよ」
 妙に自信ありげな様子に疑問を感じて聞くと、「だって」と美香は大きなお腹を撫でながら答えた。
「もう、免疫が出来てるはずだもんね」
 再び背中がぞくりと震えたのを、俺はあえて無視した。

 俺は今でもよく、あの夢を見る。
 死んだ女の子達が、必死に何かを伝えようとしている夢だ。
 その夢を見るたびに、俺は彼女達の声が聞こえないように両手で耳を塞ぐ。うるさい黙れと叫んで、
声を掻き消してしまう。
 今さら、死んだ奴らの言葉を聞くつもりはなかった。
 だって、俺は幸せだから。
 ずっと美香がそばにいてくれる。それだけで十分だ。それ以上は何も求めない。何も知る必要がない。
 恐れたり疑ったりするものなど、何もないのだ。

389:名無しさん@ピンキー
07/11/22 02:30:13 ghPg8ye2
>>329ではないが>>327を見て思いついた話を書いてみた。
あんまりヤンデレっぽくなくなったのが心残りだ。

390:名無しさん@ピンキー
07/11/22 02:34:27 55Q1/8Jx
や、素敵にヤンデレだったぞ。
でもこういう風に淡々と泥棒猫潰していくのもなかなかいいな。

391:名無しさん@ピンキー
07/11/22 02:36:42 6VxpazuC
GJ!!

392:名無しさん@ピンキー
07/11/22 08:35:00 cKK0U4pE
普通な女の子が静かな狂気に狂うのっていいよな!


393:名無しさん@ピンキー
07/11/22 12:03:59 sjpt2QGH
>>389
テラGJ。しかしこれは怖い。
女の子達が夢に延々出てくるあたり、何かまだもっと恐ろしい事が隠されているような。

394:名無しさん@ピンキー
07/11/22 12:35:54 /NGxv23c
いい夫婦の日になんてもん投下しやがんだwwww
GJ!!

395:名無しさん@ピンキー
07/11/22 16:26:33 3ohliu/g
きっと続編は生まれてきた子供が四つ子で
「お母さんに殺されたのはこんな晩だったねぇ」
とか言って父親を寝取るんだな

396:名無しさん@ピンキー
07/11/22 23:47:06 ignoZwkr
まさにヤンデレの連鎖だね

397:名無しさん@ピンキー
07/11/23 00:17:06 FNdg7F3y
>>395
落語ネタだが、その発想は素敵だなあ。

398:名無しさん@ピンキー
07/11/23 13:49:53 QCBVBA+W
>>389
GJ!!まさか本当に書くとは思わなかった(^^;  by327
俺も書こうかと思ったが馬鹿だから主人公とヒロイン以外を上手く設定出来ない。

399:名無しさん@ピンキー
07/11/23 20:59:37 ErgPvPGu
久しぶりに来ました。携帯のデータが7月に全部飛んで書いてたSSが消えて心が折れて以来です。
来たら書きたくなったので書きなぐってみました。

久しぶりに書いたんで悲惨です。
読み流して下さい。


400:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:02:01 ErgPvPGu
   …う…………

 目が覚める。当たり前だが自分の部屋だ……

 ………………いや違う。ここはどこだ。

 跳ね起きる………言葉ほど俊敏な動作にはならなかったけれど体を起こすと
下腹部に鈍い感覚となにかがどろっと流れ落ちる感覚がした。
見たくないと思いながら目を向けると見慣れた血の色と、見慣れない白。

   あ………うそ…………

 呟いたつもりだったがその声は空気を震わせてはいなかった。
 ここはどこで私はどうしたんだ。上手く思い出せない。脳の中までどろっとしてしまって
混乱すら出来なかった。冷静に考えよう、といったレベルではない。思考事態が成り立たない。
 窓から薄明かりの刺してきているところを見ると早朝なのだろうか。六畳一間の
アパートのような部屋だった。畳が随分古くなっている。おそらく白かったであろう壁は
薄く汚れて陰鬱な空気を放っていた。家具は無い。自分の下にある布団と膝に
かかっている毛布、それと部屋の隅にモニターがあった。
 薄型のテレビ……PC?それだけが場違いで異質だった。



401:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:05:43 ErgPvPGu

  がちゃり

「あ、マユミ起きてたんだ」

 名前を呼ばれて視線を向けると、ユキが部屋に入って来たところだった。
 ユキ。高校時代に一緒だっ

   来るな!!!!!

 ユキを見た途端に全てを思い出した。
そうだ。
 昨日久しぶりに飲もうと誘われてコイツとあって飲んでたら体が重くなってきて
そしたら知らない男が5、6人出て来て車に押し込まれてこの部屋に連れ込まれて
怖くて声が出なくて体に上手く力も入らなくて布団の上に投げ出されてたくさんの目が
ぎらついた目がこっちを見ててユキが笑って服に手がかかってボタンが飛んで手が
いっぱい伸びてきて息が舌が手がそれからそれからそれからそれからああああああああ

「まだ薬残ってるのかな。ごめんね」

 上手く動かない体で必死に逃げようとしたがユキに簡単に捕らえられた。
がちゃりと手錠が嵌められる。次いで足にも枷が嵌められた。

「まだ起きないと思ったから拘束衣は下なの。後で着せてあげるね」

   なんでこんなことするの

 涙が頬を伝った。相変わらず声は音にならず私の中にたまっていく。



402:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:08:39 ErgPvPGu

「マユミ、汚れちゃったね」

 ユキが私の肌を撫でながら静かな笑顔でポツリと言った。
 そして顔をあげ、私の目を見て深い笑みを作る。

「もうカズキさんのところには帰れないね」

   カズキさんには手を出さないで!

「大丈夫だよ関係ない人のことなんてすぐ忘れるから」

 恋人の名前を出されて動揺する私を宥めるようにユキは笑った。
 そんなことより言ってる意味が分からない。関係ない?彼は私の恋人だ。忘れる?

「ねえ、今日からマユミは私のモノだよ。ずっとずっと欲しかった」

 ユキが私を抱きしめる。

「女だからって理由であなたを諦めなきゃいけないのは辛かった。そして諦めきれなかった。」

 彼女の手が私の頭を撫でる。

「もう、私のモノだよ。こんな汚れたらどこにもいけないでしょう?体も動かないのに」

 彼女は……泣いている。

「やっと手に入れたよ。マユミ。逃げたらまたあいつらが犯すからね」

 私の心はじわじわと恐怖に染まって行った。

「もうどこにも行かないでね。マユミ。愛してる」

 ユキの唇が私に触れた。
 彼女の狂気が流れ込んで来た。



403:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:11:29 ErgPvPGu
以上です。スレ汚しすみませんでした。
タイトルは無いです。続きが浮かんだけれど書く体力はありませんでしたorz

暮らしが落ち着くまでリハビリして
逃亡作者になってしまってる分の続きを書きたい……とは思ってます。



404:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:26:20 vzzNGVTy
GJ!

405:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:44:06 /q2T6qAy
>>402
超怖っ……あれ、なんかおちんちんが……

406:名無しさん@ピンキー
07/11/23 21:49:19 /NDXokSL
>>403
GJ!!レズ注意は欲しかった気もするけど、それだとオチバレになるし難しいか。

407:名無しさん@ピンキー
07/11/23 22:43:23 ErgPvPGu
そうでしたすみませんでした。百合モノなんで注意迷ったんですがすみませんでした。

408:きゃの十三 ◆DT08VUwMk2
07/11/24 02:06:36 E4af3Dlk
投下します。

409:お見舞い ◆DT08VUwMk2
07/11/24 02:08:10 E4af3Dlk
「気が乗らないなぁ~」
僕は、そう思いつつ今日、風邪で休んだ高島さんにプリントを届けに彼女の家へ向かった。
普通は、高島さん家に一番近い吉田がこの役を先生に任せられるべきなのだろうが
どうやら高島さんが電話で先生に俺に来させろっと電話してきたそうだ
普通なら却下されるところだが
いかんせん高島さんのおじいちゃんは、うちの学校の理事長らしい
だから一介の教師であるうちの担任は、高島さんに頭が上がらない

「しかし、いつ見てもでっかい屋敷だなぁ~」
僕は、(これまたでかい)門の前のインターホンを鳴らす
3秒もしないうちにインターホンから
「はぁ~い、努くんですか?森野努くんですね今、門は開いていますよぉ」と
高島さんのとても風邪とは、思えない元気いっぱいの声が聞こえた。

門を通り屋敷の戸を開けると玄関に綺麗な黒髪の割れ目から見えるオデコに
冷えピタシートを装着しパジャマ姿の美少女が立っていた。
彼女が今日、風邪で休んだ高島詩織である

あぁ~本当に風邪ひいてたのね

「さぁ努くん、あがって下さいな」
「いや…プリント渡しに来ただけだから………」
「まぁ私の為にはるばる我が家へ!?
まさかとは思ってましたがやっぱり私達は、相思相愛だったのですね」
僕は、高島さんが来いって呼んだんじゃんっと言いそうになったが辞めとこう…きっと無駄だ
そんな事より早く用事を済ませて帰ろう

「えぇ~っと、これが今日渡されたプリントで…」
「ここじゃ寒いでしょうから中に入ってお話しましょう」
「いや結構でs「そんな遠慮しないで努くんと私の仲じゃないですか」
そう言うとどこから出るのか細い腕で僕を客間へと連れてった。

客間には、お茶とお菓子が置いてあった。
多分…というか確実に媚薬かしびれ薬、もしくは両方が入っていると思っていいだろう
先週、コレのせいで危うく高島さんに童貞を奪われるところだった(いやぁ~あの時は危なかった)

410:お見舞い ◆DT08VUwMk2
07/11/24 02:08:49 E4af3Dlk
「さぁ努さん、私が作った手作りお菓子を食べてくださいな」
芸がないな高島さん、同じ過ちを二度繰り返す僕じゃない!!

「ご・ゴメン、僕、虫歯だから悪いけど食べられないや」
「あらそうでしたの?それは、失礼を」
高島さんは、残念そうな顔でお菓子を片づけに炊事場に行った。
悪い事したかな?否、断じてそんな事はない
ってそんな事より早くプリント渡して帰らなきゃそろそろ危険だ

「努くん♪」
どうやら炊事場から戻って来たみたいだ
「高島さん、はいプリン………と」
そこには、素っ裸になった高島さんが立っていた。
上半身を見ると小さいながらも形の良い胸が見える
下半身の方を見ると薄い桜色の秘所が見え…なかった。

「た・高島さん、なんでそんな格好を…っていうかアンタ風邪引いてるんだぞ!!」
「うぅ…だってだって努くんがあまりに素直になってくれないから」
「素直じゃない?」
「本当は、私の事好きなのに嫌いな振りして意地悪するから」
そう言うと高島さんは、座っている僕に回り込み背中を抱きしめてきた。
「もう絶対に離しませハックシュン…んがらね」
「高島さん、とりあえず服着たほうがいいよ寒いでしょ?」
「ぞんな事言っでまだ逃げる気でじょう?努くん湯だんぽがあるがら寒ぐありまぜん」
鼻水声で何言ってるかわかんないけどとりあえず離さないらしい
こりゃまた帰るの徹夜になりそうだ やれやれ家に電話しておこう

411:お見舞い ◆DT08VUwMk2
07/11/24 02:09:57 E4af3Dlk
(1時間後)

なんとか寝かしつけられた。
思ったより速く寝付いてくれてよかった。

あの後、なんとか説得しパジャマを着せるのに成功したはいいが
「一緒にお布団入ってくれなきゃ死んでやる」っとペーパーナイフを自分の首に向けられ
しぶしぶ一緒に布団に入らされる事になってしまった。

その後、「男女が一緒に寝る時って…その…セックスする時ですよね?
私、風邪で弱ってるから犯そうと思えば…努くん、聞いてますか?」と色っぽい声で
コチラを誘惑してくるのだった(我が理性、よくぞ頑張った)

高島さんが起きないようにそっと高島さんの寝部屋を後にした。
そして僕は、高島さんの部屋に向かった。
別に高島さんの下着を盗んで家に帰ってスーハースーハーしようと言うわけじゃない
っというかそんな回りくどい事せんでも高島さんの事だから下着はおろか使用済みタンポンとかくれそうな気がする
まぁしないけどね

「あった」
高島さんの机からどこで隠し撮りしたのかわからない僕の排泄シーンが写った写真が数枚。
きっとおじいちゃんに頼んで隠しカメラを設置してもらったのだろう
こういう陰湿なところがなかったら付き合うんだけどなぁ
こっちの写真は、修学旅行の時に撮られた僕の寝顔写真。これは、前田に金渡して撮ってもらったのだろう
最後に僕と高島さんのツーショット写真2枚(1枚は無理矢理撮らされもう1枚は合成)

どの写真も高島さんの唾液と愛液まみれでベタベタしてる


とりあえず排泄写真は、家に帰ってゆっくり処分。
寝顔写真とツーショット写真は、流石に取り上げるのかわいそうなのでそのままに
さてと、じゃあそろそろお暇させていただきますか

さてと家に帰って『銀魂』観るかな
自分の今日のスケジュールを考えながら靴を履こうと靴を取ろうとした時

「どこ行くの?努くん!!」

いつの間に高島さん、起きたんだろう?
「やっぱり私を置いて出て行こうとしましたね?一緒にいるって約束したのに」
そんな約束した覚えは断固としてない
約束した覚えはないのでそそくさと靴を履きダッシュで高島さん家を後にした。

「あっ待ちなさい!未来の奥様の約束を破る悪い人はお仕置きです!!」
高島さんは、パジャマ姿で追っかけてきた。


こうして今日もいつ果てるとも知れぬ鬼ごっこを繰り返すのであった。
あぁ~『CLANNAD』始まる前には帰りたいなぁ~

412:きゃの十三 ◆DT08VUwMk2
07/11/24 02:13:15 E4af3Dlk
投下終了です。

嫉妬やグロエロのないヤンデレを書こうとしたらいまいちヤンデレっぽくない物が出来てしまった。

413:名無しさん@ピンキー
07/11/24 02:17:27 fmHmhBQ2
個人的には彼女の方は十分ヤンデレだと思う。
ただ、慕われてる方が怖がらなければ物語の上での脅威度が薄れるってだけで。
怪物や幽霊に対抗する手段が出た途端に、ホラー映画がアクション映画に切り替わるような感じ。

っつーか努君余裕ありすぎだろw
このぐらい器がデカい男なら、ヤンデレ相手でも普通に対処出来てしまうに違いない。


414:名無しさん@ピンキー
07/11/24 03:14:05 HAgQ6NZf
>>412

これはまた明るく良いヤンデレです

415:名無しさん@ピンキー
07/11/24 13:19:15 uX2E3vqm
GJ!
ヤンドジっぽい感じもする。個人的には続けてほしい。


416:名無しさん@ピンキー
07/11/24 13:29:22 Ge8dQqZ4
「~」をみると岡山の糞親父を思い出してだめだw

417:名無しさん@ピンキー
07/11/24 14:10:25 JECmWZMr
>>412
うむ。高島さんは立派にヤンデレなんだが
努くんの度量の広さというか能天気さでお馬鹿な印象になっているような気がしないでもない。
とにかくGJ

418:名無しさん@ピンキー
07/11/24 17:36:50 8nn39tfs
本保管庫のBBS、アダルトサイトの宣伝がさりげなく削除されている……。
管理人さん、ちゃんと見てるんだな。

419:名無しさん@ピンキー
07/11/24 20:58:04 WeiTbhQG
wikiについての提案。

1スレから前スレまでのログをHTMLで見られるようにしようと思うんだが。
俺がやってもよろしいか?

420:名無しさん@ピンキー
07/11/24 21:11:49 WVaTjaa0
>>419
ログ消しちゃった俺には吉報だ。
よろしくたのむ

421:名無しさん@ピンキー
07/11/24 22:12:27 KS9/mzXJ
一応、保管庫の中に前々スレまではhtml化されたのがあったぜ。
どうやってftpの中身を見たかについては聞かないでくれよ。

URLリンク(yandere.web.fc2.com)

422:名無しさん@ピンキー
07/11/24 22:28:44 KS9/mzXJ
うはwwwwwwwwwもう消されてるwwwwwwwww
保管庫の人、まだここみてるんだなwwwwwwwwww

423:419
07/11/24 22:47:27 WeiTbhQG
過去ログを見られるようにしといたよ。

424:名無しさん@ピンキー
07/11/25 01:26:08 sJRlPWsq
電波を受信した。

主人公(おまいら)は電話相談の人(いじめとかの)。
ある日電話がかかってくる。それは、高校生の男の子からで、
姉が自分のことを本気で愛している事、そのせいで性的ないじめを受けている事などをその子から聞く。
主人公はできるだけのアドバイスを彼にして、
「次があった時の為に」と、名前と電話番号を伝える。
次の日、彼からの電話がかかってくる。
「助けてほしい」と。
自分の考え一つで彼を幸せにもできるし、又その逆も。
あなたはどうする?

…うん、長々とごめん。
どこかで見たやつに妄想付け加えただけなんだ。本当にごめん。

425:名無しさん@ピンキー
07/11/25 01:54:14 DvD+xI7G
それはキモ姉、キモウトスレの範疇じゃないか
それがクラスメイトとか先輩とかならこのスレでOKだろうけど
当然このスレの住人なら「2人」が幸せになるように煽るだろうな。

426:名無しさん@ピンキー
07/11/25 02:24:40 eP4QT8Oo
そーいや、たとえばヤンデレだった女の子が浄化されてまともになる、
みたいな感じのもここの範疇でいいのか?
それとも最終的に二人とも堕ちる筋書きじゃないとダメなんだろうか。

427:名無しさん@ピンキー
07/11/25 03:00:53 K9fL5Dsu
>>426
少なくともスレ違いにはならないと思うが。

428:名無しさん@ピンキー
07/11/25 04:26:23 BagYiQGw
堕ちる以外のも見てみたいな。

429:名無しさん@ピンキー
07/11/25 05:19:03 YwD9rO2U
読みたいな、それ。
たまにはこのスレの娘達にも普通の幸福を手に入れて欲しい。


430:名無しさん@ピンキー
07/11/25 07:35:33 QLG5I9lw


431:名無しさん@ピンキー
07/11/25 08:13:13 QCgLMV5B
>>426
つ『あなたと握手を』

432:名無しさん@ピンキー
07/11/25 10:54:26 1rtHo8AE
>>424
キモ姉スレの保管庫で似たような話を見かけた気がする

433:ヤンデレの薬
07/11/25 21:36:33 gK1hC/nj
「ついに完成だ!」
 
怪しげな研究者が怪しげな研究室で何か薬を開発していた。
 
「ヤンデレの薬が!」

この科学者の名前は薬丸、ヤンデレが大好物でヤンデレ系作品で彼がやったり読んだことが無い作品は無い程だ。そんな彼はどんな人でも(女限定)ヤンデレにできる薬の研究をしていたすべては自分の欲望を満たす為に

「宮本君!」

名前を呼ぶとくるぶしまでとどく長いツインテールで背丈は158くらい、割とスレンダーな女の子が出てきた。

「なんですか教授」

「この薬を全国に散布してくれ」

薬瓶を彼女に渡す。

「わかりました」


434:ヤンデレの薬
07/11/25 21:38:42 gK1hC/nj
研究室を出た後彼女は考えていた

「彼氏と別れて気付いたのは良いけどこの想い教授にどう伝えよう、とにかく仕事頑張ってチャンスを探しましょう!」

ちなみに彼女はしっかりしているけどドジです。

「きゃ!?」

自分のツインテール踏んでこけました
パリーン

「教授……」

「お、早かったね宮本くんぐ!?」

いきなり抱きつかれキスされました。

「私教授が好き!」

彼女は半泣きで自分の気持をうったえてきた。

「でも君には彼氏が」

「ずっと前にわかれましただから私のモノになってください」

「わかったこれからは君を真剣に愛そう!ぐッ?」

いきなり腹から激痛が走る

「アハハじゃあずっと私しか見れないようにしてあげます!他の女なんかに渡さない!」

ぐりぐりと包丁を動かす。
「みやもとく……」

薄れゆく意識の中で彼は思った、最高に幸せだ!
変態は死ぬまで変態だった。

彼女は血だらけだった、多分他の助手の女の子達も殺したのだろう

「さて、ホルマリンとか用意しなきゃね、教授待っててくださいねアハハハアハハハアッハハハハハハ」

研究室無いに響くのは彼女の悲しく狂った笑い声とスキップする音だけだった。

435:ヤンデレの薬
07/11/25 21:49:13 gK1hC/nj
ヤンデレ初めて書いたんですがこんなんで大丈夫ですか?(´・ω・`)

436:名無しさん@ピンキー
07/11/25 22:06:36 QCgLMV5B
なんとわかりやすいヤンデレキャラ。
そしてGood Job.


長いツインテールと聞いて宮本くんのイメージが初音○クになったのは俺だけでいい。

437:名無しさん@ピンキー
07/11/25 22:43:59 ksGoxaSF
敢えて言おうと思う。展開が早い。薄い。あと刺さなくても、むしろ刺さない方がヤンデレになれると思う。

もっと丁寧に作れば、素敵になると思う。次に期待。

438:名無しさん@ピンキー
07/11/25 22:48:10 nEQ9b22z
句読点はきちんと入れましょう
特に読点をもっと使ってみては
あと擬音は止めておいた方が

439:名無しさん@ピンキー
07/11/25 22:52:56 G0LDmkGF
何でも狂気があればヤンデレって訳じゃない。
狂ってるベクトルが全身全霊で愛に向かっているのがヤンデレなんだ!
だからそれはヤンデレではないと個人的に思う。
別に非難してるわけじゃないんでスルーしてくれてもかまわない。
だが最近になってヤンデレじゃないキャラがヤンデレと呼ばれてたりしていないかい?
目のハイライトが消えればヤンデレですか?
鉈やナイフを振り回せばヤンデレですか?

440:名無しさん@ピンキー
07/11/25 23:06:29 dRCV+Tzd
量産機とカスタム機の違いだな

441:名無しさん@ピンキー
07/11/25 23:10:49 LIEiMn/E
ヤンデレとはな・・・・・・
萌えるんだ。とってもな。もう、様を付けたくなる程に愛おしいんだよな
小動物の女の子が愛しい主人公を手に入れるために黒化して
必死に着信99件にしたり、主人公の家の合鍵を作ったり、
盗聴器も仕掛けて24時間監視したりと

そんな健気な行動が評価されて今があったらいいなと思う。

個人的にはヤンデレ化したヒロインの頭を優しく撫でると
喜んで尻尾を振るのか? 難問に俺は立ち向かっている

442:名無しさん@ピンキー
07/11/25 23:51:26 CFJAVw4r
「べ、別にただの残り物だよ!捨てるの勿体無いし、俺は腹空いてないし…え~とっ、残飯処理!そうお前は残飯処理係な」











ヤンキーデレスレはここでつか?


443:名無しさん@ピンキー
07/11/25 23:55:26 Ja5nu43W
>>439
いかなる言葉も、普及するにつれて意味が拡散していく。
ツンデレとかゴスロリとか見てると分かるだろう? まったく別物になっちまった。

444:名無しさん@ピンキー
07/11/26 00:08:55 53kU/T/b
>>441
「病み」の質に寄るんじゃないかな?
仮に優しく頭を撫でても「この人は優しい振りで私を騙しているだけなんだ」と思えば「私のものにならないならいっそ・・・」と邪魔な連中共々デストロイしちゃうだろうし
「彼が私以外の人間に優しくするはずないもん!」と信じ込んでいるなら「あいつ等がいなくなれば私ダケノモノ・・・」と相手だけをデストロイするだろう

ヤンデレは無限大の可能性がある
ヤンデレは俺たちを育む宇宙なんじゃないかと俺は思うよ

445:名無しさん@ピンキー
07/11/26 01:26:28 SZjTJRlX
>>443
明確な定義があればいいんだけどね。
広辞苑あたりがビシッと載せてくれればそれで解決だぜ。

446:429
07/11/26 02:11:31 bi7ww6P2
>>431
ありがとう、俺の心が浄化された。

俺の携帯からだと少し面倒臭い事しないと読めなかったから飛ばしてたみたいだわ。


447:ヤンデレの薬
07/11/26 08:38:45 u5ECGHpw
みなさんありがとうございます。
自分シリアスが苦手なんでシリアスな話になりやすいヤンデレを笑いにしようってコンセプトで書いてみたんですが、ヤンデレと笑いって合い入れないものなんですかね(´・ω・`)
それともただ単に自分の力量不足なだけかもしれませんがw
なんにせよ次は頑張ります。
ヤンデレを
萌のかわりに
笑にする

448:名無しさん@ピンキー
07/11/26 10:00:19 FBz1G16h
ヤンデレのコメディはなんだろうな
病的にまで愛してるんだけど、どこか憎めない、どこか怖くないって感じが強いかもな

住人は基本ヤンデレになった過程と理由を重視するので、
「病んでしまうくらい愛してしまった」過程になんか面白みを入れてみるのもいいかもな

例えば夢見がちな女の子がいたとして、主人公がたまたま毎回毎回
その女の子が困ってたりするときに助けてくれたりするうちに
『私の王子様!』みたいな感じでとってしまってたりな
でも主人公には自覚なくてただ偶然に助けたりしてるだけなかんじ
で、いっつも告白しようとしたりするんだけど妄想がひどいので
いっつも言いたいことが伝わらなかったりとかなw

449:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:16:49 USB98JEl
こんばんは、大変時間がかかってしまいましたが無事にショタヤンデレ作品が完成しましたのでさっそくですが
投稿します。
 ショタヒロインに関して貴重なご意見を頂けて大変嬉しかったです、どうもありがとうございました。
 それでは始めます、一応ショタとグロ、そしてインチキ時代劇注意です、長くなりますがご覚悟を…。

 「月輪に舞う」①
 
 …あらあ、兄ちゃんここいらじゃ見かけない顔だわね…いやいやあ、こんな狭めー村じゃあよその人なんて一発で解っちまうからよお……そんで、今日は何かい?こんな山奥の村の、よりにもよって居酒屋によお…へえ、学生さんで、こんなところまで民俗学の研究ってかい…。
 そんで…昔話?そんなモンを調べてんのかい?…いいぜえ、んならおらっちさが教えてやっからよお…。
 …これはむかーしむかし、まぁだ織田信長がガキ大将をしてた頃…そこの筑摩山に、忍者の里があったころのお話でよぉ…。

 …空からは大粒の雪が降っていた、まだ季節は神無月の初旬であるというのに…。
 男は走っていた、といってもただあてもなく走っていたわけでもない、久々に仕事を終えて久々に里に帰るために走っていたのだ。
 「寒いな…全く…」
 男の口からはそんな言葉が漏れた、無理もない。時刻は丑三つ時、さらに雪が降っていると言うのに男は傘もかぶらず薄い綿入りを着ているだけといった格好で、更に汗で髪と、眼帯と顔を濡らしながらもすさまじい速度で街道を走っているのだ。
 普通の人間ならばこの季節柄、凍傷…最悪凍死しまってもおかしくないだろう。しかし男は普通の人間ではなかった。
 男の生業は忍者だった、しかもただの下忍ではない…里の土地柄ゆえか活動範囲こそ限定されてしまっているが、それでもそこそこ名の知れた流派の腕扱きとして、たった今まで任務をこなして…やっと里に帰ろうとしたときにこんな目にあってしまったのだ。 
 「今日はついていないな…本当に…」 
 そういいながら男は立ち止まると街道の右側にある山の獣道に向かって走り出した…獣道をまっすぐ入り、そのまま山を二つ越えれば男は見事里の家に帰れるといった具合である。
 (二刻ほど掛かるかな…早く帰らねば本当に風邪を引いてしまう)
 男はそんなことを考えながら懐かしい故郷の山道の土を踏みしめて…ふと異変に気づいた。
 臭い…何かが匂う…それも普通の糞尿の類の匂いではない、これは…人間の血糊の匂いだ。
 「…死体か?」 
 男は呟いて辺りを見回した、訓練された目はこんな夜道でも梟のごとくものを見ることが出来るのだ。
 男は視線を周囲にめぐらし…自分の横にある大木の下に目を向けた。
 そこには一人の…裸の人間が横たわっていた。まだ雪が降り積もっていない分熱を帯びているようだ…辺りには衣服が乱雑に散らばっており、血の匂いもそこから漂っている…。
 「…生きているのか?」
 倒れこんだ人間にそう男が尋ねた瞬間、背後にまばゆい光が迫った…。
 

450:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:19:24 USB98JEl
「月輪に舞う」①

 「水雲さま!帰ってこられましたか!蓑虫は嬉しゅうございますぞ!!」
 男…水雲が背後に振り向くと、そこには提灯を持った初老の…隻眼の男
が立っていた。
 「…何だ、蓑虫か…驚かすなよ…」
 「へへぇ…すいやせん…」
 そういって蓑虫は顔をくしゃくしゃにして微笑んだ…その手には蓑と傘、更に
はかんじきと酒徳利までもが握られている…どうやら帰るのが遅い自分を心配して
迎えに来てくれたようだった。 
 「出迎え有難う…ところで蓑虫、少し提灯を貸してはくれぬか?」
 「へえ?いいですが一体何を?」
 「…あれだ」
 そう言うと水雲は蓑虫から提灯を受け取り、大木の根元を照らした。
 「…こりゃあ…死体?ですかい?」
 「いや…息があるな……これは」
 水雲はそういいかけて…息をのんだ。
 根元に横たわっていたのは少年…いや、少年だった、と言うべきか…
その見た目は少年と言うにはあまりにも美しすぎた。
  …まるで雪と同化したような真っ白な肌と髪、そして少女のように
整った顔立ち…そして前文全てを否定するかのように股間に生えた可愛らしい一物
…脱がされた服と、下腹部の出血から考えれば乱暴され、そして口封じがわりに刀で斬られた
のは明白だったが…その光景さえも美しく感じるぐらいに少年は魅力的な…まるで、妖気を放っていた。
 「うう…」 
 光に反応したのか、少年は弱弱しい声を上げる…そのわずかに見開かれた目と、紫色の唇は…。
 …どういうことだコレは、俺は狸にでも化かされているのか?…コイツは、コイツは一体?…。
 「…鬼灯…」
 「ひ…ひい!いけません水雲様!すぐお離れください!こいつはきっと妖の類です!…でなければ
あんな、ほ、鬼灯様のような顔は!」
 後ずさる蓑虫を、水雲は睨み付けた。
 「・・・蓑虫、少し黙れ」 
 その目は普段の穏やかな水雲の目ではない、近頃関八州を騒がせる忍…天目水雲の目だ。
 そういうと水雲は蓑虫に手を差し出した、蓑虫は事情を察してすぐに酒徳利を手渡す。
 水雲はそれを手に取ると口に含み、少年のそばに寄ると、酒を傷口に吹き付けた。
 「…ぎああああああ!!!」
 少年はまだそれほどの力が残っていたのか甲高い絶叫を上げる、水雲はついで懐にしまった
路銀代わりの絹糸を取り出し、持っていた針に糸を通す。
 「…助けるのでございますか?水雲様?」
 「ああ、このままほおっておいたのでは気分が悪い」 
 そう言うが早いか水雲は絹糸で少年の傷口を仮縫いして、自分の着ていた綿入りを着せ、蓑虫
の持ってきた傘と蓑を被せた。
 「これを飲め…体が温まる…」
 「う…あう…」
 「もう大丈夫だ、お前は必ず助かる」 
 水雲は普段の柔和な顔でそう呟きながらかんじきを履いた。


451:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:24:59 USB98JEl
月輪に舞う」①
 
 …これは、やはり神様仏様が下された罰なのか…?。 
 …少年を担ぎ、少年を気味悪がる蓑虫を連れて里に向かって走っている間
水雲はずっと考えていた、背に担いだ少年は微弱ながら脈もあり、声も上げ
られる、急いで里に帰れば命は助けられるかもしれなかった。
 しかしその少年の容姿は…あまりにも似ていた、いや…瓜二つだった…
まるで金型で鋳造したかのような容姿…そして、よくよく見ればその姿は…
白子(アルビノ)というところまで全く同じだった。
 …水雲、好きだよ…そう、今にも少年は自分にそう呼びかけてきそうな気がした。
 「…馬鹿な事を考えるな、こいつは鬼灯ではない…」
 水雲はそう呟いて自分の考えを否定した…そう、こいつは鬼灯ではない、彼女はあの
日死んだのだ…だから、そんなことはもうあるわけがないのだ…。
 水雲は動揺する心を必死に押さえつけて二つの山を越え、やっとの思いで筑摩の里に
たどり着いたのはやや空が白くなり始めた頃だった。
 
 筑摩の里は周りを山野に囲まれた小さな小さな村である、しかし塩が取れないと言う
事情からか物流は行われ、人の行き来は常人が思うよりは多少はある…忍者を育成する
のに適した、それでいて程よい閉鎖環境を保っている村だった。
 「先生!起きてくれ!頼むから起きてくれ!!」
 明朝、朝一番に筑摩の村の診療所に乗り込んだのは水雲だった。
 水雲はまだ鶏が鳴く前に医者をたたき起こすと、すぐさまに少年の怪我を直すように頼み込んだ。
 そしてそのまま家にたどり着くと、水雲は死んだように眠った、実際二日も目を覚まさなかった
ので蓑虫は本気で水雲が死んだのではないのかと心配したくらいだった。

 「…遅れましたが報告終わりまして、以上にございます」
 そして二日後、水雲はすぐ様に飛び起きると里の長に仕事の報告をした
かりにも水雲は里でも腕扱きの忍…筑摩七本槍の四位である。これを三日も
怠って臥せっていては七本槍の名が泣くだろう。  
 「ご苦労であったな…時に水雲よ」
 「はっ…何でございましょうか?」
 「某はあの山で…鬼灯に似た少年を拾ったそうだな」 
 「はっ!」
 「…陰間にでもなるつもりか?」
 ぎりりと、水雲は唇をかんだ…。
 「いえ…そんな気はありませぬが、どうも罪無き手負いのものは頬って
はおけないゆえ…怪我が治ったらば、事情を聞いて元居た所に帰そうかと…」
 「ならばよいがな…お主は里の宝故…間違いがあってはいけぬのでな」
 「…ありがたきお言葉…ではこれにて」
 内心苦々しい顔のまま、一礼をして水雲は里長の屋敷を後にした。
 「鬼灯のことは忘れるのだ…」
 里長の言葉はどんな攻撃よりも、水雲の心を傷つけた。
 

452:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:27:04 USB98JEl
「月輪に舞う」①

 鬼灯を忘れろ、か…よくも言えたものだな。そう内心をいらいらさせながら
も水雲は家に帰り、蓑虫の用意した茶漬けを食い、そのまま診療所に向かった。
 
 「経過は良好だがな…どうにも人を怖がってかなわん…」
 ため息をついて医者はそういった、もともと子供好きな男だったのだが、少年
には全くなついてもらえず、さらに自分を見ておびえられるという行為には耐えられなかったようだ。
 「それで今、あの少年はどこに…」
 「縁側で日向ぼっこをしているよ…しかしあの年で乱暴されて斬られるとは…不憫だな」
 「…全て時代が悪いのですよ、それ一言で飲み込みたくは無い言葉ですが…失礼」
 そういうと水雲は土間から診療所に上がり、縁側に向かった。

 少年は縁側にたたずんで、飛んできた鳥と戯れていた、白子、と言う見た目と少女のように整った
顔はまるで風景を一枚の絵に変えていくようだった。
 「…調子はいいようだな」
 「…っ!!……あなたは…」
 少年は水雲の声とともに竦み、びくりと体を震わせたが…その顔を見るなり、まるで地獄に仏、と
いったような笑顔で水雲に微笑み返した。そして立ち上がると水雲にぺこりと頭を下げた。

「私のようなものの命を助けていただいて…本当に有難うございました…貴方がいなければ、僕はあ
のまま死んでいたでしょう…本当に何度お礼を言っても言い足りないぐらいです…有難うございました」
 「いや…例には及ばない、狭い里だがゆっくり休んでいくといい…怪我が治ったら元居た場所に送り届けてやるから安心しなさい」 
 「…お優しいのですね、有難うございます…」
 忍びの性か、声や顔には出さなかったが水雲は大きく動揺していた、少年の凛、とした声は、そして笑顔はまるきり鬼灯と同じだった
のだ…このまま押し倒したい、着物の襟から除く少年の白い首筋を見ると、水雲はそんな感情を抱きはじめ…また必死にその感情を抑えた。
 「…しかし、申し訳ありませんが、自分には…もうきっと帰る家はありません。野党に襲われて…家は、屋敷は焼かれました…父様も、母様
も…生きているのかは怪しいものです…それに、家に帰っても…白子の自分は…」
 座敷牢くらいしか居場所は無い、そう言いたいのだろう…この地方では白子は福を招く富の象徴だ…箱入りで閉じ込めて大切にはされるかも
しれないが、人並みの幸せは与えられない…きっと少年を襲った連中もそのご利益だのといったくだらない理由で少年を犯したのだろう…と、なんとなく想像がついた。
 それに少年がそういう身の上かもしれないことはうすうす気づいていた…もちろんその場合の返答も…苦心はしたが、考えてはいた…自分はもう二十歳で、さらに里
で責任ある立場にいるのだ、拾った孤児を放り出すのは恥だ…取るべき責任はきちんと取るべきだ。
 怖がらせないように笑顔でそっと、そしてやさしく、水雲は少年に声をかけた。
 「ならばうちに来るといい、ちょうど小間使いが欲しかったところだ…うちで使ってやろう…」
 「…迷惑では、ございませんか?こんな、私のようなものなど…」  
 「迷惑などではないさ、それにこの村の住人もいい奴ばかりだから安心するといい…きっともう、つらい思いをする事はないだろう」
 「う…う、うああああああ!!!ありがとうございます!ありがとうございますぅううう!!!」
 少年は大粒の涙を零すと水雲に抱きついた、乱暴された記憶からか、男を見て怯えるという症状を起こしていたのが嘘のように、ぎゅ
っと強く水雲を抱きしめた。
 「…大丈夫、もう大丈夫だ…」
 そういって少年を抱きしめ返す水雲の心境は複雑なものだった。あまりにも鬼灯と同じ外見を持った少年は…どれほど心で否定しても、水雲
のその心を惑わせるものでしかなかった。
 …怖いよ、水雲…怖いよ…
 少年の柔らかい肌…その感触で記憶が蘇る、初めて鬼灯を抱いたあの日の記憶が…。
 「私の名は…天目水雲…お前の名は?」
 「弧太郎…弧太郎と申します」
 悲劇は、このときにもう始まっていたのかもしれなかった…。


453:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:28:19 USB98JEl
月輪に舞う①
 
 それから二週間ほど時が流れた、弧太郎はある程度心の傷が癒え始めたのか、水雲以外の他の男を見ても
あまり怯えなくなってきた…。
 弧太郎は村人たちとの交流も上手くいっているようだった、同い年の子供たちも始めはよそ者とあって近寄り
がたいようだったが…それでもその人をひきつける容姿と優しい性格から打ち解けあい…やがては鬼灯の亡霊と
気味悪がっていた村の大人たちとも交流が出来るようになっていった。
 「蓑虫様、それではそろそろ出かけましょう!」
 「あいさあ!それでは早速行きましょうか!」
 蓑虫も例外ではなかった…早くに子を失い、熱病で枯れたこの男もまるで
孫が出来たかのように弧太郎を可愛がってくれた。
 「…よかった、本当に…」
 水雲はほっとしていた、もしも弧太郎が皆と上手くいかなかったらどうしよう
かと思っていたが…どうやらそのような心配は要らないようだった、まあ…しかし今一番の問題は…。
 「よお!弧太郎ちゃん!釣りに行くなら俺も…うわっと!!!」
 玄関から盛大に転ぶ音が聞こえる、妖気に弧太郎に声をかけるこの男は名を冬士郎といった…男が転ぶ
理由はただ一つ、男も水雲と同じ筑摩七本槍の上…片目を眼帯で覆っているからだ。
 「馬鹿だねえアンタ…ねえ水雲、あんたもそう思わないかい?」
 そしてその背後にもう一人、やはり眼帯の女が立っていた。
  「門女まで…一体どうしたんだお前ら…?」
  「っつ!どうしたもこうしたもないさ…弧太郎が釣りにいくって言うから俺も一緒に行こうと思ったのよ!」
 「…そうか、人気者なんだな…あいつは…よかった」
 「ああ、人気者だよあの子は…化粧もよく似合うしねぇ…ふふふ」
 そういって笑う門女と冬士郎の笑顔を見て水雲は笑った…。
 「しかし、遅かったな冬士郎…弧太郎なら今さっき蓑虫と沢に向かっていったところだぞ」
 「何ぃ!早く言えよ!じゃあな!」
 水雲と門女は急いで駆け出す冬士郎の背中を見送った。
 「…しかし不思議だねえ、鬼灯の実の兄貴だったアイツが…あんなにもあの子と遊びたがるなんて」
 「…それをいうなら、鬼灯と許婚の俺はもっと不思議と言う事になるな…ところで門女」
 「ああ、私もあの子と遊びたいのは山々だけど…アンタに用があったんだよ、はい!」
 そういうと門女は懐に持っていた札を水雲に差し出した、真っ赤に塗られた札には、甲斐という文字が書かれている。
 「…仕事か、今度は甲斐の国とは…長くなりそうだな」
 「ああ、そうだろうね…」
 「冬士郎共々…弧太郎を頼むぞ…色々と、な」
 「任せときなって、それよりあんたも…生きて帰ってくるんだよ、弧太郎ちゃんが悲しむから」
 「ああ…それから」
 水雲は門女の言葉に安心すると、身支度を始めた。
 赤札は暗殺の印だ、詳しい情報は甲斐にいる草の者にでも聞けば解るだろう…。
 「あの子は何が何でもこの世界にかかわせないでくれ…頼むぞ」 
 「…任せときな…」
 水雲にとって一番の心配事、それはやはり…弧太郎がこの忍の世界にかかわる事だった。


454:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:29:56 USB98JEl
月輪に舞う①

 翌朝、水雲は泣きじゃくる弧太郎をおいて村を出た、名残惜しかったが仕方のない事ではあった。
 いかないでくださいませ!水雲様…そういう小太郎を振り切って、水雲は甲斐の国へ向かった。
 
 休息が終わり、任務に戻れば日々はまたいつものように殺伐としたものだった。
 今回の仕事は近々行われる戦の情報収集というものだった、水雲は主に的に作戦を傍受してそれを伝え
さらに作戦に重要な指揮官を暗殺してくる任務を負わされた。
 普通の忍なら甲斐お抱えの根来衆の目をくぐって諜報活動をするのは至難の技だろう、しかし水雲には
それを可能にする特殊能力があった。
 水雲は甲斐の陣よりやや離れた森にいた、見回りの来る心配のないそこで深呼吸をすると水雲は片目を
覆う眼帯を取った…象牙で出来た眼帯の下には、大きなくぼみと…青い義眼が埋め込まれていた。
 青い義眼は筑摩の里の秘法…忍術を使える者にのみ与えられる証明だ…そして水雲の忍術は…一瞬にして
背景と自分とを同化して、視覚と聴覚、さらに嗅覚から自分を消し去るというものだった。
 (いっそ任務も俺のように消え去って、早く里に帰れればいいのにな…)
 敵たちの横を悠々と通りながら水雲はそう考えた…早く帰って弧太郎に会いたかった…。

 その頃、弧太郎は一人深夜の神社に御参りに行っていた、俗に言うお百度参りというものである…
願いはもちろん、水雲が無事に帰ってくるように…それだけだった。
 (水雲さま…生きて、帰ってきてください…)
 弧太郎は無心に祈っていた、自分の命の恩人の生還を…それはもちろん救ってもらった恩義もあったが
弧太郎はそれ以上に一刻も早く水雲に会いたかった…会って、何時もの笑顔を浮かべたまま、自分をやさしく
抱きしめてもらいたかった…。
 まだまだ子供とはいえ…弧太郎は水雲に対して淡い恋をしていたのだ。
 「水雲さま…弧太郎は、早く会いとうございます…」
 「そうか、それほど会いたいのか…ならいい方法を教えてやろうか?」
 背後からいきなり声をかけられて弧太郎は一気に後ろに振り向いた。その先には
…眼帯をした老人がいた。
 「何者です!?」
 「安心しろ、わしはこの村の者だ…」
 老人はそう言うと微笑んだ、そしてこう言った。
 「水雲に会いたいのなら忍になれ、さすれば嫌でも一緒に仕事をすることになるだろう
…それに、あの男の役に立ちたいとは思わんか?」
 「…役に、立つ…」
 その言葉に、弧太郎は悩んだ…今こうしてあの人の帰還を望むだけでいいのか、恒にそう
も考えていた彼にとっては…老人の言葉は渡りに船、といった所だった。
 目の前にいる笑顔の老人の正体がこの筑摩の村の長であるという事も知らずに…。 

455:リッサ ◆v0Z8Q0837k
07/11/26 10:31:54 USB98JEl
月輪に舞う① 
  
 それから半年後、やっとの思いで任務を終えた水雲は一刻も早く帰郷するべく、筑摩の里への山道を
凄まじい速度で上っていた。
 その背には大きな風呂敷包みがある、中には露店で買った弧太郎へのお土産が山ほど詰まっていた。
 (弧太郎、喜んでくれるといいのだがな…)
 と、顔をにやつかせながら走る水雲の前に、白い影が現れた。一瞬で立ち止まって身構える水雲。
 「山河と筑摩…その意は」
 白い影はそう訪ねた、夕暮れ時の山道で顔はよく見えないが…これは筑摩の里特有の、確認の合図だ…
水雲は答えた。
 「ただ一人、月輪に舞う…」
 「水雲様!!帰ってまいられましたか!!」
 白い影はそう言うと、水雲の胸に飛び込んだ…その小さな姿、そして香る少女のような匂い…間違いない…
コイツは弧太郎だ…。
 「ああ…さびしい思いをさせてすまなかったな、弧太郎…」
 「嬉しゅうございます、手も…足もある…ぐ・・・ぐず…」
 弧太郎は水雲の胸で泣きじゃくった…無理もない、半年も文もよこせずに任務に没頭していたのだ。
さぞ寂しかったのであろう…やはりこう言う所は鬼灯とは違うのだな…だが、それでいい…。
 そう考えて…ふと、感じた違和感を拭うため、水雲は一気に弧太郎を押し倒した。
 「うわ!!ああ!!水雲様…何を…!?」
 水雲は一気に弧太郎の服の胸元をはだけさせる…そして、白い肌とともに現れたあるものに、水雲は愕然とした。
 「……お前、忍になるのか?…誰に技を教わった!?」
 「は…はい…まだまだ至りませんが…蓑虫様に…」
 弧太郎は少し嬉しそうに、顔を赤らめながらも答えた…。
 「里へ帰る!帰るぞ!!」
 水雲はそういうと、凄まじい速度で山道を駆け出した、そんな態度に弧太郎はきょとんとしながらも…
衣服の乱れを直し始めた。
 
 弧太郎は嬉しかった、水雲は自分の変化と…服の下に隠れた…稽古の後の痣に気づいてくれたのだ。
 きっと水雲は驚いて、嬉しさで言葉も出ずに走り出してしまったのだろう…そう考えた。
 …恥ずかしがり屋なのかな…でも、こうして水雲様に…思ってもらえているというのは…悪くないなあ
・・・でもどうしたんだろう、いきなり僕の裸を見て…興奮したのかなあ?…そうだったら、少し嬉しいな…。
 弧太郎は気づいていなかった、水雲の顔が完全に青ざめていた事に。

 「お館様!これは一体どういうことでございますか!?」
 水雲は一気に里の館に向かうと、任務の報告もそこそこに里長に事を問いただした。
 「どうもこうもない…あのものは忍の素質があるでな、わしが蓑虫に育てるように命じた」 
 「…里の秘法を、部外者に教えるということは…」
 「これは里の総意だ、そのような小さなことはどうでもいい…それにお主も見ておろう、弧太郎は
この半年で…蓑虫の攻撃全てを交わし、反撃を二手三手いれるほどになったのだぞ…あの実力は素晴らしい
きっと鬼灯のように抜け忍などにならずに…里の反映に手を貸してくれようぞ」
 …水雲はぎりぎりと、歯をかみ締めた…。 
 最も起こってはいけない事が起こってしまったのだ。


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