【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22 - 暇つぶし2ch600:名無しさん@ピンキー
07/10/28 22:34:27 6zmUJrVq
>>597
ぐっ、GJ!!だなんて、言わないんだからねっ!! www

601:睡眠 ◆CSTs7hoBww
07/10/28 22:56:35 fbnvByTe
(まだシエスタが才人のお付になる前の話。)

すぅー…すぅー…

眠りに入る前の不定期な呼吸から定期的な呼吸へと変わる。
ルイズはその事を確認し、うっすらと目を開ける。
寝る時は気恥ずかしさからか、隣の使い魔に背を向けて寝ているが…
先に向こうが違う世界へ旅立った時は自分のやりたい様にさせてもらっている。
既に何回か肌を重ねたはずなのに、未だに気恥ずかしさが消えないからだ。

ここ最近、ルイズはお隣が寝静まった後に同じような事をしている。
そこから学んだ事は、この犬はちょっとやそっとの衝撃では起きる事が無いという事。
しかし、今日は運が良い。普段なら両者ともに背を向けあっているために
一度身体をルイズの方へ倒さないといけないのだが、その日の犬はすでに寝返りを打っていた。

ご、ご主人様より先に眠るなんてぇ~っ!
と、頭で思っていても顔は全く逆の思考を考えているようで…
とりあえず、使い魔の腕を伸ばし自分の枕にする。最近のお気に入りだ。

女の自分とは全く肉付きが違う腕、ゴツゴツしていて枕になんてとても向いた物ではない。
しかし…その腕に桃色がかった頭を乗せてしまうとこの世のどの枕よりも寝心地が良い。
こんな事で悦に入る自分を最初は嘆いた。それも大いに嘆いた。

あた、あたしがこいつの腕で寝る必要なんて、まま全くないのよ!そ、そうよ!こいつがそうしたがってそうだからなのよ!

自分で身体の向きと腕の方向を変えておいてどの口がその台詞をしゃべるのか
その問題を解いた時、きっとその解答者と犬は消し炭になるだろう……

話はズレたが、桃色は数日前の自分の行いを全く忘れている。
いや、正確には忘れてはおらず今の行為に耽っているだけなのだが…
ただ、「耽っている」とは言えそんな邪な事をしている訳ではない。
伸ばした使い魔の腕に煩悩を抱え込んだ頭を乗せ、深呼吸をする。

たったそれだけ。
それだけの行為が、どうしようもなく止められないのだ。
一度深呼吸をすれば、石鹸の匂いと才人自身の匂い。その混合物が肺を覆う。
その混合物がまるで麻薬の一種でもあるかの様に、ルイズの頭に桃色の霞を広げていく。

うぅー…さいとのにおいぃ…もっとぉ…

顔はすっかり緩みきって普段の彼女ならば見せないようなアホ面…もといニヤケ面であった。
今の匂いに慣れてしまったのか、彼女の頭は更なる強い匂いを求めていた。

地球にいれば決してお目にかかる事が無いハルケギニアの双月は昨日と変わる事の無い柔らかな光を
地上へと降り注ぎ、人はその恩恵に預かる。
それはここ、トリステイン魔法学院も例外ではなく学生が寝泊りする寮にも注がれている。

もちろん、桃色能天気とその下僕が寝泊りする部屋にも…
その月明かりを頼りに、才人との距離を縮めていく。
二の腕あたりに居た桃色の髪の塊は徐々にその位置を肩の付け根と動いていった。

頭を動かす度に鼓動が早く大きくなった。
まるで、今この部屋に誰か居れば自分の鼓動が聞こえるんじゃないかと思うくらいの。
丁度、頭は肩の付け根より少し下あたりにやってきた。
目の前には胸板、前髪には才人の鼻息が少しかかっている。
自分と同じような構造の、それでいて作りが全く違う胸板にそっと触れてみる。
鼓動の速さ、硬さ、その他諸々正反対。
何回も触っているはずなのに、触る度に新しい発見がある気がする。

602:睡眠 ◆CSTs7hoBww
07/10/28 22:57:10 fbnvByTe
ピタピタと触っていると、急に使い魔が動き始めた。
ビクッと身体を強張らせて様子を伺ったが、なんて事は無い。少しの寝苦しさを感じただけだろう。
そう思ったのがルイズの間違いで、余った手がそのままルイズの背中へと回され自身は胸板へと押し込まれた。

普通の人なら苦しいと思うべきだろう。寝ているとはいえ、いや寝ているからこそ力加減は普段とは違う。
しかし、その中でルイズは一種の恍惚状態に陥っていた。

さいとが……ちかいぃぃ…んぅ……これ、いい……

にへらーと頭のネジが数本飛んでしまったような顔を浮かべ、嬉しいトラブルで悦に浸る桃色天然娘。
自分の手の居場所が無くなってしまったので、「仕方なく」才人の首に手を廻す。

あんたがねぇ…犬みたいにこうがっつくからなんだからね!まったくもう…

さながら不審者のようにニヤニヤしながら口ではブツブツと何か呟いている。
不意に、使い魔の口が動いた気がした。
口を噤み、犬の口に視線と注意を送る。

「ぅ…るいず……」

最初は何を言ってるか分からなかったが、分かった瞬間顔が噴火した。

な、ななな何を言ってるのかしらね!?この、っこの犬はっ!?

そんじょそこらのバカップルの様にくっつきながら悪態を付く桃色。
端から見たら滑稽以外の何者でもないが、ここでは双月以外見る輩なぞ無い。

比喩ではなく、真っ赤になった顔を鎮めるべく才人の胸板に顔を沈めた。
心臓が血液を送り出す音が心地良い。

…ね、寝ながらご主人様を呼ぶその心意気だけは…か、か感謝したげるわ!
こ、これはその、嬉しいからとかそんなんじゃないのよ!ご主人様なんだから報わなくちゃね!

いつも通りの訳の分からない持論を繰り広げた後、意を決し自分の名を呼ぶ唇を閉ざさせた。
もちろん、使ったのは自分の唇だ。
空気を通して感じる匂いと、粘膜を通して感じる匂いとでは訳が違う。
その匂いを認識すると、桃色の霞は急速にその範囲を広めゆっくりとルイズの意識を奪っていった……


朝、才人は信じられない光景を目にする。
自分がルイズを抱いている。
しかも、ルイズの手は自分の首へと伸びている。

「これさ…バレたら俺死ぬんじゃね?」

そう呟き終えた瞬間に、ルイズの目がゆっくりと開かれた。

「あ、あああのな、ルイズ。これはな、違うんだ。な?な?」

気だるそうに、その言葉を無視しルイズは開けた時とは比べ物にならないくらい早く目を閉じた。

今日は…虚無の曜日なのよ…バカ犬…

それで分かりなさいよ、といった語気が感じられる。


この後、二人はお楽しみだったとか、そうでないとか。 ~オワリ~

603: ◆CSTs7hoBww
07/10/28 22:59:56 fbnvByTe
どうも、お久しぶりです。と覚えてる方はいらっしゃらなそうですがw

ちょっと、身の回りがゴタゴタしてたり、普段書いてるノートパソコンに水ぶっかけて壊したり
最近ようやく、かける環境が整ったのでまた参戦させていただこうかと・・・

手始めに、>>586氏がルイズ分を欲しがってたので思いついたネタでちゃちゃっと書き上げてみました。
一気に書き上げてしまったので、誤字脱字があるかもしれませんが
そこらへんは脳内補正でどうかお願いしますorz

鳥はこれであってたかな・・・
では、またお会いしましょう。

604:ぜろ☆すた
07/10/28 23:06:42 BzQ7DAcB
~地球~


「なんだよこれ……」

俺がゲートを潜り抜けそこにあるのは確かに地球の日本の秋葉原だった。
ただ何かが違う。灰色の空、崩れ落ちてるビル、昼だというのに人一人いない。
地震でも起こったのだろうか。いや、それで人がいないのはおかしい。電気もついていない。
秋葉原に電気がついてないだなんておかしすぎる。それに雑音一つ無く、かえって耳が痛くなりそうだった。
小さい女の子ようの赤い靴が片方落ちていている。道路を見ると走行していたの車が瓦礫によって押しつぶされたようだ。
中の人はいるのか?近寄って確かめてみた。しかし運転席には誰もいない。脱出したのだろうか?
……違う。脱出したのならドアが開いているはずだ。だから脱出できるはずが無い。
なのに遺体がどこにも無いってどういうわけなんだ?


「おーい!誰かいませんかー!」

とりあえず俺は叫んだ。人がいるって信じたかった。返事が無い、まるで町自体がただの屍のようだ。
せめて高い場所から町が見たかった。東京の高層ビルは全て崩れ去っていた。
まずは家族を探すために近くのハーレーに乗った。キーがさしてある。考えたくないが乗ろうとした時に消えてしまったのだろう。
考えるだけで吐き気がしてきた。だから、無用心だな、と思って気を紛らわそうとした。いや、現実から眼をそむけようとした。
バイクをものすごいスピードで走り向ける。時速200キロは出してるだろう。

605:ぜろ☆すた
07/10/28 23:07:26 BzQ7DAcB
自分の家の場所についてみると確かにある自分の家。鍵は開いていなかったので家族で決めている鍵の隠し場所である倉庫から鍵を取り出して玄関を開けた。
久しぶりに嗅いだ自分の家のにおい。それだけで眼が潤んできた。
そして二階の自分の部屋に行った。自分がハルケギニアに飛ばされた頃から変わらない自分の部屋だった。
本棚には自分のマンガ本や使ったのが一回しかない参考書、作文を書くときに使った辞典。
勉強なんて居間でやっていたからまったく使うことの無かった机。
タンスに入っているもう背が伸びてしまってきることが困難そうな服。自分が使い慣れてたベット。
だいぶ疲れていたのでデルフを壁に立てかけてベットの上に大の字になった。
自分の家族はもういない。父さん。親孝行できなくてごめんな。母さん。味噌汁のみたかったよ。
さっき居間の机においてある写真立てを見た瞬間から涙があふれ出てきた。
ルイズ、明日から俺はどうすればいい?カンダールブの刻印をなぞりながら答えを出す前に俺は眠りにつこうとした。

606:ぜろ☆すた
07/10/28 23:08:12 BzQ7DAcB
一睡もできなかった。
次の日、向かっているのは新東京タワー。600mもあるのだから東京の町並みを見るよりいいのではないかと思ったからだ。
自分がハルケギニアにいた頃はまた建設されてもいなかったがもう自分も20代だ。もう建設完了してあるだろうと思っていた。
そして新東京タワーついたらその大きさに圧倒された。建設当初は600mって聞いてたけど、これ1000mはあるぞ?
きっと建設当初高さでは世界一にならないから意地張って作ったんだろうな。中に入りエレベーターのボタンを押してみると扉は開いた。
きっと非常用の電源は生きているのだろう。もし電源が無かったら1000メートルの高さを階段で上らなきゃならない。
どこかの高校ラグビー部の約三倍だ。カンダールヴの力なら無理ではないだろうが、さすがに上るのは疲れる。ほっとした感じがしてエレベーターの中に入った。
エレベーターはぐんぐんとものすごい勢いであがっていく。第三展望台までの直通のエレベーターだ。気圧の変化で耳が痛くなってきたのでつばを飲んだ。
第三展望台につくとサイトは言葉が出なかった。上から見下ろした東京は廃墟というよりも地獄だった。
バイクでも見てて分かったが、ほとんどのビルは破壊されていた。
まるで時間が止まっているかのような世界。ジョジョもびっくりな世界だ。
なんだこれ?これが東京?あのカップヌードルの世界でも人はいたぞ?だけど人は一人もいない。だから何も動かない、動いていない。
サイトはデルフリンガーを抜いた。
「一日ぶりだね、相棒」
「ああ、一日ぶりだな」
「おでれーた!これがお前さんの言ってた日本かい?」
「ああ、そうだよ。だけど何でこんなになったか分からない。ほとんどの建物は崩れてて人は一人もいない。死んだんじゃない、消えたんだ、突然に」
「…………きっと「始祖の虚無」のせいだろうな」
「………」
「予想だが「始祖の虚無」はハルケギニアだけじゃなくこの地球にも影響を及ぼした。
ハルケギニアの「始祖の虚無」は発動段階で防げたが地球の「始祖の虚無」は防ぐことができなかったんだ。
そして地球が造り変わる直前に俺たちがハルケギニアの「始祖の虚無」を防いじまった。だから人は消え、建物がこんな状態なのさ」

607:ぜろ☆すた
07/10/28 23:08:58 BzQ7DAcB
「………じゃあもうこの地球に希望は無いのか?」
「……わからんさ。あくまでこれは予想だ、真実じゃない。「始祖の虚無」はあの時全てを飲み込んだわけじゃない。
ハルケギニアにはあの真っ赤な空だったが、サハラやロバ・アル・カリイエのほうにまであの空だったかはわからねぇ。
もし地球もあっちと同じように影響を受けたのなら、まだ無事なところもあるかもしれないぞ?
希望を捨てるにはまだ早いんじゃねーのか?」
「……だけど世界中を旅するなんて簡単なことじゃない。ましてや人がいないこの世界でだ」
「……うん」
「それでも俺はやらなきゃいけないのか」
「……ああ、そうだね。お前さんはやらなきゃならない責任がある。……大丈夫だ。オイラがついてる。そしてお前さんは、今や真のガンダールヴだ。」
「そうだけどそれがどうしたんだ?」
「お前さんは気づいて無くて当然だが……お前さんは覚醒したときにルイズの虚無を受けた。
それはガンダールヴ後からの扉の『鍵』をあけるものだよ。扉の開け閉めはお前さんだけでもできる。
それにブリミルが「始祖の虚無」を作った理由をお前さんは分かっているのかい?」
俺の頭の中では考えがつかなかった。
「ブリミルは聖地の奪還を目的としていた。だがエルフは強い。ハルケギニアの国が全て集まっても敵わないし虚無の担い手がたった4人では無理だ。
だからもし聖地を得ることができなかった時のために「始祖の虚無」を準備しておいたのさ」
「……全てが無かったことにできるように、か」
「そうだ。そしてその「始祖の虚無」の魔力はこのデルフリンガー様の体の中に入ってる。そして真のガンダールヴとなったお前さんは不老不死だ」
「は?なんで?」
「お前さんは世界を見届ける必要があるんだよ、サイト。ブリミルだって人間だ。人類が滅亡して欲しくないだろうさ。
「始祖の虚無」が発動したら何もかもが無かったことになる。「始祖の虚無」は最終手段だからな。世界が終わりそうになったらお前さんが防ぐんだよ。
そして人類が死滅しかけたら子供が作れるようにするためだ。だかさブリミルはお前さんを不老不死にしたんだよ。
じっさいに一睡もできなかったんだろ?寝つきが悪かったからじゃない。寝る必要がねーからだ」
「……なんだよ、それ。もう何いっていいかわかんないよ。フリーザさんも叶えられなかったことを俺がやってのけてしまうなんてさ。」


608:ぜろ☆すた
07/10/28 23:10:03 BzQ7DAcB
俺はできる限りのものを持った。だけど食料や水は要らない。死なないから。
寝袋もいらない。寝ないから。だけどその代わり発電機と一眼レフのデジタルカメラとありったけのメモリーとGPS。
そして相棒のデルフリンガー。まるでジャーナリストみたいだな。


そしておれは数百年を旅した。さびしくは無かった。デルフがいたから。
ただ会いたかった。人に、生命があるものに。だけど木には会えたが虫も鳥にも人にも会えなかった。俺は写真をとり続けた。

「なぁデルフ」
「なんだ?相棒」
「ひといねーな!」
「そうだなー!」
「世界中旅したけど67億人中一人も見つけれなかった!」
「そーだなー!」
「今俺たち何歳だろ!」
「わからんねー!」
「どうしたらいいんだろー!」
「どうしたいんだー!」
「ルイズたちに会いたい!」
「会いたいなー!」
「でもその方法がわかんねー!」
「だったら俺様で空気を斬ってみろー!」
「わかったー!ゼァア!」
「ゲートが開いたぞー!よかったなー!相棒ー!」
「うん、よかった!ってええええええぇぇぇえぇぇぇ!!」

それは確かにハルケギニアから地球へくるために通ったゲート。

「な、なんでゲートがでるんだよ!……もしかして、デルフてめぇゲート作れるっとこと知ってやがったな!」
「いいじゃねーか。不老不死なんだし。一様世界見た後で作ったっていいだろう?」
「だからって教えてくれるくらいいいじゃねーか!」
「だって、相棒は聞いてこなかっただろ!?」
「おまえ、こんな世界見たらハルケギニアに帰りたいって思うだろ!なんで新東京タワーの時教えなかった!」
「だってオイラ剣だもん、人間の気持ちわかんないもん!」
「うるせー!俺の数百年の苦労返しやがれーー!」
俺はデルフを近くの岩に何度もたたきつけた。
「ごめ、ちょ、痛いって!」
「成敗成敗成敗!」
「お、いげ、とがき、え」
「あー!?なんだって?」
「だからゲートが消えかかってんだよ!俺が吸い込んだ「始祖の虚無」の魔力はもう無いからゲートが消えたら二度と……」
「うううぅぅぅおおおぉぉぉ!!」
俺はデルフの説明を聞く前にゲートに飛び込んだ。


609:ぜろ☆すた
07/10/28 23:12:05 BzQ7DAcB
ども。虹山です。
やっぱ日曜日だけあってたくさんのssが投下されてますね。
すいません。後編どころか中編で終わってしまいました。ごめんなさい。
エロがかけるかな?それが問題……

610:名無しさん@ピンキー
07/10/28 23:16:13 Q883buH2
>>603
久しぶりのルイズネタだ~
ルイズカワエエな。GJです

>>609
こういう展開も好きだな~
まぁ焦らずに、濃い続き書いてください。GJです

611:名無しさん@ピンキー
07/10/28 23:35:26 DuTIsEF/
GJです。続き期待してます。

612:名無しさん@ピンキー
07/10/28 23:39:02 SBlxLQBs
>>603
そのルイズを嫁に下さいw
>>609
あ~ん続くのねw

613:586
07/10/28 23:48:41 jDYfqiRb

ルイズ分が補充された、これほど嬉しいことはない。

614:予定は決定
07/10/29 00:26:34 Iqz7Ht9t
 時が経つのは早いもので、あと半年でこの魔法学院を卒業することになる。
 この書に書くのも、これが最後。内容は、簡単。
 ―旅立つ日、私はヒラガサイトと結ばれる―
 この一行だけ。
 もう、この書を開くことも無いと思う。最後に書くのはこれにしよう、と決めてたから。
 もっとも、今開いてるのは最後のページ。これ以上書く事が出来ないから、開くことがなくなるのは、決めてても決めてなくても同じことだった。
 私は、その書を閉じて、本棚の中にしまった。サイトに見られるかもしれない危険があるけど、サイトには『見たら駄目だからね』ときつく言ってあるから、たぶん大丈夫。
 それに、始祖の祈祷書と同じで、虚無の系統の人間しか見ることが出来ないみたい。
 半年の間に、やることはたくさんある。
 今よりももっと綺麗にならなくちゃならないし、今よりももっと魔法を習得しなくちゃいけない。この胸も、出来れば今よりも大きく。
 世界一の男の人に嫁ぐんだから、世界一の女にならなくちゃいけない。たぶん、この半年は今まで以上に忙しくなる。
 絶対絶対、サイトが見惚れるくらいの女になってやるんだから!
  
 始祖ブリミルは、偉大なメイジであったと同時に、偉大な予言者であったとも言われている。ブリミルの言うことに外れは無く、まるで全てが予定されてあったことのように。
 そして、ブリミルは全ての予言を一冊の書に残しているという。
 その書は、始祖の予言書と言われているが、本当に存在するかどうかはわかっていない。
 
 私は、始祖の予言書を見ながら、ため息をついていた。
 今まで、色々な事を書いて始祖の予言書を試してきた。
 サイトが転ぶ。サイトが私を抱きしめる。サイトが私に愛の言葉をささやく。サイトが私といい雰囲気になって……。
 全てが成功。始祖の予言書は、その通りの効果を示してくれた。
 始祖の予言書の効果は簡単。
 書いたことが、現実に起こること。
 人の命を奪うとかは出来ないけれど、ある程度のことならば叶えてしまう。
 明日は、特別な日になりますように……。
 そう願いながら私が始祖の予言書を見てると、サイトが部屋にやってきた。
 あ、サイト。え? 卒業おめでとう? まだ早いわよ。卒業式は明日。まあ、一応お礼は言っておくわ。え? 綺麗になったって? 何言ってるのよ、いきなり。見惚れるくらいですって? ……ありがと……。
 あ、ちょうどいいわ。……ねぇ、サイト。私からも言いたいことがあるんだけど、聞いてくれる?
 予言書に書いたことはただの予定。この予言だけは、私が叶えなくちゃいけない。
 予言書の力を借りちゃ駄目。なぜなら、これは私にとって一番大切なことだから。
 大切なことは、自分の力でやらなくちゃ。
 あのね? 私、サイトと……。

615:29Q
07/10/29 00:30:03 Iqz7Ht9t
思いついたのをそのまま書いただけだぜ。
そういえばまとめWikiで「雪風の~」がfell氏の場所にあったんだぜ。
直そうにも使い方がよくわからないぜ。
うへ。

616:名無しさん@ピンキー
07/10/29 00:45:34 6VMyOLHe
>>614
目からほんのり甘くてちょっぴりしょっぱい液体が出てきたよ…

617:名無しさん@ピンキー
07/10/29 01:52:13 kDw+6Vwt
>>614
貴殿のSSを読んだらウイングマンのドリームノートを思い出した

618:名無しさん@ピンキー
07/10/29 02:24:31 0XrFOG4H
サイトを転ばしたり、抱きしめさせたり、どう思ってるのか言わせたり…
いたずら書きを言い訳にして、色々と頑張ったんだろうなぁ、ルイズ。
もっとやれ。

619:名無しさん@ピンキー
07/10/29 02:35:34 WuYZKZaA
3032年にゼロ使第三期が始まるという夢を見た。
しかも内容が、サイトがスライムになって世界を覆い尽くすという訳分からん物だった。
目覚め最悪だから、もう一回寝てシャルロットとえちい事する夢見てくる。

620:名無しさん@ピンキー
07/10/29 02:39:59 QZ7oIbt8
>>617
ルイズが6本指になってしまうではないか。

621:名無しさん@ピンキー
07/10/29 04:54:48 EM6P4Dwx
>>619
とりあえず落ち着け

622:吝嗇 ◆G.VR4wY7XY
07/10/29 09:23:21 j6bUPGv/
>>497の続きを投下します

623:GIFT~dad!(1)
07/10/29 09:24:48 j6bUPGv/



夜空に浮かぶ二つ月がほんの少し欠けながら、俺とルイズの部屋を青と桃色の光で照らす夜


俺はルイズの上に乗り、激しく動いていた、彼女は抱擁の替わりに俺の肌に爪を立てながら声を上げている


「……あぁっ…サイト!サイトぉ!……あ……だめ!ぬいちゃだめ!…中に…なかにちょうだぁい!!」

最後はルイズの上って事が多かった、ゴム製の避妊具の無いこの世界、外に出すにはその方がいい

俺がルイズの白い肌にぶち撒けようとする瞬間、彼女は下で腰をバタつかせながら両足で俺の腰を掴んだ
突然のカニ挟みに未経験の刺激を受けた俺は、そのままルイズの中にたっぷりと放射してしまった

あーあ

しょうがねぇな、と思った、俺の手遅れやルイズの不意打ちで、既に何度かそうなってしまっていた

性教育にやたら熱心だった高校の保健体育の先生のお蔭で、妊娠しない日が大体はわかるようになったが
それはふたつの月に女の潮を支配された異世界の娘とのセーフセックスまでもを保証してはいなかった

この世界にもパンツのゴムはあるってのに、地球では紀元前から羊腸のコンドームがあったってのに
その役目を魔法が担っていた事を俺は最近知った、ルイズはそれに関してずっとすっとぼけてた

「無いったら無いの!あっても絶対使わないんだから!……いいじゃない別に…そう、なっちゃっても…」



624:GIFT~dad!(2)
07/10/29 09:25:18 j6bUPGv/



何度目かの夜の秘密

その晩もいつも通りルイズはネグリジェ、俺はTシャツにパンツで広いベッドを分け合っていた
彼女が「主人と使い魔の聖なる配分」としていたベッドの7割近い面積を占め、悠然と目を閉じる横で
俺は残り3割の領地に横向きに寝転がりながら月を眺め、テレビもラジオも無い夜を紛らわせていた

俺の背中に感触があった、ルイズが背中に指で字を書く、この世界の文字にまだ疎い俺は黙っていた
ルイズの指に力が篭る、俺のTシャツを掴んでまくり上げると、素肌に爪を食い込ませ、文字を刻んだ
字面よりもその痛みで伝わってくる文面、もっと痛いことされたくなきゃ…わたしにも痛いことしなさい


俺は向き直りルイズの引っかきを中断させた、シャツがめくれた間抜けな姿でルイズの薄絹に手をかける

バンザイをして一枚だけの衣を俺に抜き取らせたルイズは俺の上に乗り、俺が自分で脱ぐのを待っている


「……サイト……いやだわ……わたしサイトにワガママ言いたい気分……言っても……キライにならない?」
「なるかもな」
「わたしもだいっきらい!だからあんたを一生閉じ込めてやるの……わたしの中に……入ってきて……」

境界は消滅し、俺は領土を取り上げられた、ルイズに征服されたベッドの上で俺は虜囚となってしまった

俺とルイズの夜が始まる、お互いに二度としないと決めた事は、しない夜よりする夜のほうが多かった





625:GIFT~dad!(3)
07/10/29 09:27:04 j6bUPGv/


真夜中

ルイズは子宮の奥深くに受けた熱い刺激に半ば失神し、瞳孔の緩んだ目で天井を見つめていた
その後にいつも汚れきったルイズの体を拭いてやる使い魔の義務をサボり、俺は窓の外を眺めていた

背後でルイズが動く気配がする、彼女は俺と終わった後、爪や歯で俺に傷を刻むのが好きだった
その衝動がいつもより強い時は言葉での罵倒を好んでいた、そして俺もそれが嫌いじゃなかった


「……こっ…このバカ犬!このわたしの…中に出すなんて!もし平民のあんたと、アレになっちゃったら…」

ルイズの声が遠い、俺は窓の外、夜空に浮かぶ月を眺めていた、桃色の月と蒼い月、異世界の空
天候や風向きの気まぐれで片方の月を雲が隠すことがある、桃色との対比を失い、クリーム色を帯びた月
背後で罵るルイズの声よりも、自然の造作が見せる一つだけの月に目を奪われた、俺の世界と同じ空

「…………月……キレイだな…………」

手を伸ばす、指がベットに隣り合った窓に当たる、届かない、もう届かない俺の世界に泣きそうになった

「……月が一つ……大切なものは一つだけ……月はひとつのほうがいい……」

背中を向けたまま月を眺める俺の背後のルイズを感じる、彼女の声が途端に気弱で臆病なものになった

「…………サイト…………」

さっきまで爪を立てていた俺の背中に指を這わせるルイズ、俺を確めるように背中を撫で回している

「……帰り…たい……?……あんたが居たっていう異世界に……月がひとつしか無い世界に……」

俺の背に頬を触れるルイズに向き直った、ルイズが俺の体に手を伸ばす、彼女に触れる気になれなかった
月光を受けたルイズは不安げな顔をしていた、月の逆光を受けた俺の顔は怖そうに見えるのかもしれない

「…俺の親父とお袋は、きっと死体すら上がらぬ俺の葬式をしている…その事は片時も忘れたことは無いよ」

元居た世界の人達の顔が時と共に記憶の中で薄れつつある、月が一つの夜にはその人達と逢える気がした

「……サイト……わたしいつか必ず……あんたの世界に帰してあげる……サイトの家族や友達の所に……」

底知れぬ虚無の系統、ゴミの召喚、ルイズはその能力で異世界との繋がりを得るのに消極的な様に見えた

「……俺はここでルイズの使い魔をしているサイトだ、今帰る気は無いよ…でも…会いたいひとも…いる…」

ルイズの瞳を見つめた、俺が見たのは瞳を通して俺に伝えてきた震える心じゃなく、瞳に映るひとつの月

「……イヤ!やっぱりイヤ!サイトは一生わたしのそばに居るの!……どの世界でもいい…一緒に居て……」

声がまた遠くなる、桃色の月を隠していた雲が慌しく流れ、夜空を二つの月が照らそうとしていた



           それが今の俺には、とても悲しくて寂しいことのように思えた




626:GIFT~dad!(4)
07/10/29 09:28:17 j6bUPGv/



ルイズと俺の異世界物召喚実験は相変わらずだった
この世界に様々な役立たずを召喚し、俺の世界を悩ますゴミ問題の緩和にささやかな貢献を続けていた


石作りの小部屋に居たのは俺とルイズ、キュルケとタバサ、学院に嘱託勤務するエレオノールとカトレア

病に体を蝕まれていたカトレア、それに心を痛めていたルイズを見て、俺は自分に出来る事を考えた
「チーズ食べてください、カビ生えた臭っさいチーズを食ってください、ゲロ吐くほど食ってください」
律儀なカトレアは毎朝の食卓にブルーチーズを加え、俺にはとても食えない貴腐チーズを食べ続けた
しばらくの後、驚いたことに彼女の病は少しだけ好転し、国内での短い執務に就くことが可能になった
俺の居た世界で多くの不治の病を救った抗生物質ペニシリンは青カビから作られたと学校で習った

俺に出来る事なんてそれくらいのこと、武器を自在に使いこなす以外にも、俺に出来る事は少しある


最初は秘密裏に行われた召喚儀式、オールド・オスマン以下学院の教師が揃って実験を見学していたが
多分に俺自身の説明の効果で、召喚された物がことごとくこの世界の役に立たぬものであることを知ると
教師連中の興味は次第に薄くなり、それに変わってルイズの悪友達の興味を引き寄せた、いつもの面々が
数日に一度学院の小部屋を爆発させてはオモチャを召喚しているという噂を聞きつけ集まるようになった

俺が地球の高校に居た頃によく買って食べてたヤマザキのランチパックがいくつも召喚された事があった
シエスタが作ってくれるこっちの飯に馴染んだ俺は食指が動かず、苺クリームのパンが入ったパックを
ルイズとキュルケに薦めたところ、二人は安っぽいバタークリームとくどいイチゴジャムの味に感激し
「これは王族の、いえ神々の食卓から盗んできたものだわ!」「味の宗教革命だわぁ」と大喜びしてたが
1時間ほどで二人して盛大に吐き始めた、漂白剤や保存料、イースト発酵促進剤に免疫が無かったらしい
辛党のギーシュはといえば卵サンドを二つ平らげてご満悦の様子、多分こいつはどこででも生きていける


爆発の煙と共に現れたのは何か大きな物、動く物、ナマモノの召喚は俺自身の召喚以来初めてだった
遂にルイズは俺の世界から人間を召喚してしまった、人様への迷惑は俺だけに留めてほしかったのに

その人間は茶色の背広を着た男性で、化繊のネクタイを締め、すり切れた豚革の靴を履いた小柄な中年
匂いで思い出した、嫌いな臭い、子供の頃はこの臭いから離れたくなくて、いつも後ろをついて歩いた

「親父!」

ルイズの異世界物召喚術によって召喚されたのは、東京でサラリーマンをしている俺の父親だった




627:GIFT~dad!(5)
07/10/29 09:29:52 j6bUPGv/


突然現れたオッサンに目を丸くして驚いていたルイズは俺の言葉を聞いて今度は口をポカンと開けている

俺はルイズをおしのけ、地下鉄で寝過ごしたような顔で周囲を見回す親父の肩を抱いて早口で説明した
信頼の置ける人間に自分が異世界から来た事を説明した事は何度かあって、説明は随分うまくなった

親父は俺とのやり取りを手を振って強引に終わらせる、親に反発してた中学の頃からこの仕草が嫌いだった

親父は俺の口から聞く魔法だの使い魔とかいう単語を、わかったようなわからなかったような顔をしたが
俺の顔を見て、俺の目を見つめ、「私にはよくわからないが、これからわかるだろう」とだけ言った


親父は部屋の面々を見渡し、怪しい宗教の類だと思った俺よりは少しだけ物分りのいい顔で軽く一礼した

「はじめまして、私は平賀才蔵という者です、息子の才人がこちらでお世話になっているようですね」

エレオノールが親父の前に立った、上背のある彼女は挑発的に親父を見下す、親父はオッパイを見ていた
「さすが平民の使い魔の父親ね、父子そろって貧相なナリしてるわ、この学院には場違いもいいとこよ」

呆然としていたルイズの顔が一瞬で真っ青になり「お、お姉さま何てことを!」と金切り声を出す

奇妙な格好の面々に挨拶をしながらも警戒心を窺わせていた親父は、その言葉を聞いて不躾に吹き出した
エレオノールの強がりな口調は、ルイズに負けず劣らず俺をイジメていた俺の妹とまるっきり同じだった

カトレアは親父に向かって深々と頭を下げた、親父もそれに応えてツムジを突き出すお辞儀をする
「サイトさんのお父上ですね、突然お呼び立てした非礼を深くお詫びします、私はラ・ヴァリエール家の…」

「ちぃ姉さまやめて!」
なぜかルイズはカトレアの丁寧な挨拶をさっきより厳しい口調で遮ると、突然膝を震えさせた

「……わ……わたわたっ……わたしのしししし仕事……なななんだからぁ!」




628:GIFT~dad!(6)
07/10/29 09:30:54 j6bUPGv/



ルイズはそのまま姉達を押しのけ俺を蹴りどかすと、唾をゴクリと飲み、魔方陣の中心で親父の前に跪いた

「は、初めましてヒラガ様、わ、わたしは……ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールです
サイト…サイトさんを使い魔として召喚させて頂き、勝手ながら主人の契りを結ばせてもらいました
…ち…契りっていってもそんな…そのいかがわしいものじゃなくてその…でもキスして…あぁもう!
…え~と…あれです……その……ふ…ふつつかものですが……よろしくお願いしますっ!」

そのまま親父の前の床に額をこすりつけるルイズ、どこで何を見たのか三つ指らしきものもついている
エレノオールは声を荒げ「何してるのルイズ!貴族のアナタが平民に頭を下げるなんて!」と怒鳴る
カトレアまでも「ダメよルイズ、今から下手に出ると、向こうのお家には一生頭が上がりませんわよ」

ルイズは震えながらも親父の前に伏し、頭を上げようとしない、親父は突っ立ったまま困惑していた
俺はルイズの肩を抱き、「もういいよ」と言ったが、ルイズは「サイト…さんは黙ってて!」

親父が土下座するルイズの前にしゃがみこんだ、頬に手を添えて上向かせる、二つの視線が交錯する

「まだ私にはよくわかりませんが、貴女と才人とは絆で結ばれているようですね、しかし才人は私の息子
幼い頃から風邪をひけば寝ずに看病し、誰かに傷つけられれば共に全力で闘い、大切に育てて参りました
然るに貴女は、マホウ、というのですか?学校でお勉強中の身、それも余りよい成績ではなさそうですね」

相手がその属する集団の中で占める位置を瞬時に嗅ぎ当てるのは、営業職の必須だと親父は言っていた

「ルイズさん、失礼ながら私には、貴女が才人を幸せにする力を得ているようには見えないのですが」

ルイズは床に正座したまま俯いた、膝に涙が落ちる、親父はしゃがんだままルイズが再び顔を上げるの待った

「……たしかに…わたしは学校でも姉妹の中でも落ちこぼれのルイズ、ゼロのルイズ…でも…でも…
サイトさんを想う気持ちなら誰にも負けません!わたしはサイトの幸せの為ならこの命だって惜しくない!」

立ち上がった親父は背広のポケットから出した楊枝を咥え「へぇ~」とニヤつく、禁煙は続いてるらしい

「……ヒラガ様……お言葉ですがわたし達の関係…その…使い魔!、主人と使い魔としての関係を
ヒラガ様が認めてくださらないのでしたら…わたし…サイトと駆け落ちでも心中でもする覚悟です!」

ルイズが俺をサイトさんなんて呼ぶ、何とも変な気持ちで頭を掻いた、最後の話については…う~、ん…

「……ほ…ほんとにサイト、連れてっちゃいますからね!…居なくなった後で泣いたって遅いんだからね!」




629:GIFT~dad!(7)
07/10/29 09:31:29 j6bUPGv/



楊枝を投げ捨てた親父は小声で「もう一生分泣きました」と呟くと、もう一度ひょこっとしゃがみこんだ

「ルイズさん、あんた、何したい?」

「……わたしは……ゼロじゃない立派なメイジとして……姫様と祖国のお役に立つような……」

「いっこだけ」

ルイズはうつむき、拳を握りながら長いこと考え、姉達や同級生を見て、そして俺をちょっと見た

「…………わたし………………わたし……………サイトと一緒にいたいです……」

「居りゃいいじゃん」

俺を見たり背後に居る姉達を見たり、落ち着かないルイズの視線は自分の胸、五芒星のタイ留めに落ちる

「……で…でも・・・・・わたしには……貴族として出来ない事もあるんです……メイジが使い魔となんて……」

親父は背広の内ポケットを探った、爪楊枝は品切れらしい、禁煙中の親父は苛立たしげに背広の胸をはたく

「………サルだな…お前ぇ…メージとかキゾクとか言ってても、私には人以下の猿にしか見えないよ
欲しいものに手が届いた時、掴めるのが人間だろ、猿は何かわけわかんねぇ物を怖がって掴めないんだ」

握られていたルイズの手が動く、夕べ俺の体をまさぐった時に似た手つきで、俺のパーカーの端を摘んだ

「……猿は……イヤです……だって犬と仲悪くなっちゃうし……」

ルイズは俺をしっかりと捕まえ、頭を上げ、親父と視線を合わせる、揺るがない鳶色の瞳に少し見とれた

「ヒラガ・・・ヒラガサイゾー様・・・サイトはわたしが貰います・・・もう掴んじゃったから・・・絶対離しません」

親父はネクタイを締め直しながらルイズを見返した、俺が随分昔に聞いた柔らかく暖かい声が聞こえてくる

「ルイズさん、貴女の瞳はとても綺麗だ、瞳は心、あなたの瞳は青い空のはるか上の虚空、深淵の海の底
虚空は地を守り、深淵は命を育む、それが地球です、貴女の瞳はまるで私と才人の故郷のようです
何も持たぬ貴女にはその瞳がある、貴女がその瞳を曇らせない限り、才人も貴女も大丈夫でしょう」


ルイズの綺麗な瞳から涙が落ちる、ゼロのメイジである劣等感、虚無の使い手である重圧を洗い流す涙

「……ヒラガ様……お父さま……!」

ルイズは親父に抱きついて、声を上げて泣いた、きっと彼女が求めていたのは、ただ泣くこと
俺は彼女の涙を受け入れられなかった自分、気づいてやれなかった俺自身が恥ずかしくなった




630:GIFT~dad!(8)
07/10/29 09:35:01 j6bUPGv/


今回も参加していたキュルケは部屋の端っこで黙ってやり取りを見物してたが、突然手を叩き声を上げた
「よくやったルイズ!よくやったぞ!ゼロのルイズがよくぞ女の一大事を乗り越えた!パチパチパチ」
落ちこぼれのルイズに一番厳しいキュルケ、彼女はルイズが何かをやりとげた時に真っ先に誉めてくれる

タバサは手にしていた書物よりも面白そうな見世物を眺めていた、彼女なりに興味をそそられてるらしい
「…これからが大変、お姑さんとの対面はこれの三倍ぐらい大変、とってもタイヘンでとっても楽しみ…」
彼女は何でも面白がる少し悪趣味な癖がある、しかし俺からしてみてもすっげぇオモシロそうなことだ


ルイズは赤い目をこすりながら姉妹の前に立つ、おチビのルイズの背が少し伸びたように見えた
「お姉さま、改めて紹介します、この方はヒラガサイゾー様、サイトと…わたしの大切なお父さま」

親父は突然出来た娘の胸を見て、それからカトレアとエレオノールの胸を見比べ「チッ」と舌打ちしたが
凄く大きくてたわわなオッパイが桃色の髪を揺らしながら自分に近づいてきたのを見てご機嫌な顔をする

カトレアが親父の前に立つ、どうやらこの場で一番偉い奴だろうと察したらしき親父は背広の皺を伸ばす
猿の群れの中からボス猿を探り当てるのも営業の特技だが、親父はどうみてもオッパイを基準にしていた

「ヒラガ様、我が王国のアカデミーは現在、総力を挙げて召喚者の送還魔法の研究をしております
早暁、私達が責任をもって貴殿を元居た世界にお送りいたします、それまで私の屋敷に是非ご滞在を…」

親父は手を振って強引に話を止めた、この仕草も長くみていないと、苛立ちより懐かしい気持ちになる
「いえいえ、折角ここまで来たんだから商売でもしていきますわ、帰る時はそういうのうまい人を雇うよ」


サラリーマンをしている親父、日本拳法の選手として大手商社に入り、その後のスポーツ事業の縮小で
お袋との結婚を控えて営業職に移った、畑違いの仕事に苦労した親父は、お袋の腹の中に居た俺に
生まれてくる俺には立派な営業マンとなった父を見せてやる、と誓いながら頑張ったらしい

と、いうのは本人談で、お袋によると当時バブルで景気のよかった商社で結構気楽にやってたとか



631:GIFT~dad!(9)
07/10/29 09:36:07 j6bUPGv/


その後、ルイズは授業をサボり、エレノオールとカトレアも執務を中断し、午後のお茶会が催された
学院の先生達も招待しようと思ったが、主にルイズの希望でこの奇妙な召喚は報告しないことにした
賓客を招くために学院内に設けられているラウンジにはキュルケとタバサもちゃっかりついてくる

親父はお茶会でまで読書に耽るタバサに、背広の内ポケットから出したペンテルの赤サインペンを渡した
「思ったこと気づいたことを絶えず書き込みながら読むといい、本は君の本に、本は友達になってくれる」
実はタバサは本を読む時、重い本に反重力の魔法を発生させて腕の疲労なく読書をする術を用いていて
この世界に存在する羽根ペンでは書き込みができなかったが、サインペンは毛細管現象でインクを出す
タバサは宇宙空間でも使用可能なサインペンの書き味を確かめ、彼女には稀な驚きの表情を浮かべた
親父は出張には必ず持ってくロレンスの「知恵の七柱」を開き、真っ赤に書き込まれたページを見せた
タバサは「そう」「それで?」と生返事を繰り返すだけだったが、どこかから葡萄の粕取りブランデーを
くすねてきたキュルケに呼ばれて親父が席を立つと、黙って背広の端を掴み、ずっと離そうとしなかった


酒の入ったエレオノールは親父に、自分がアカデミーで研究を指揮してる送還魔法の自慢をしていた
「原理はもう出来てんの、あとは必要な予算と人員さえ回してもらえば、魔法の完成も時間の問題よ」
親父は「へー」と言いながら、刺身に似たラグドリアン鱒の燻製料理を自前の割箸でつつくのに夢中だった
ソバ屋の「今出たところです」と技術屋の「カネさえあれば出来る」は当てにしない事にしてるようだ




親父はルイズの髪をクシャクシャと撫でていた、ルイズはウチで飼っていた猫のように目を細めている
「ルイちゃん、息子を頼むよ、しかし一つだけ言っておく、私はまだお爺チャンと呼ばれるのはイヤだ」

ルイズは暫くその言葉の意味を理解できなかったようだが、少し遅れてから茹でたように真っ赤になる
「そ、そんな孫とか…そんな…お父さま誤解です!わたしとサイトは主人と使い魔の、その…清い関係で…」
俺もルイズの後ろで「そーだそーだ、まだそんなにやってねぇから安心しろ!」と調子を合わせる

親父は俺とルイズの言葉をさほど聞いていなかった、ただ、俺達が交し合った目配せを確かめると頷き
「いいから!この世界では、今のおまえらには、まだ早すぎるよ、お前らの為だ、わかったな?」

医学が魔法頼りのこの世界での出産は命がけで、世継ぎの関係で若くして出産する貴族は特にそうだった
俺が以前憂いていたように親父もまた、この世界では未知の病原菌の蔓延を恐れているのかもしれない
エイズを媒介したミドリザルの様に世界規模で悪役扱いされては親として尻の座りが悪くなるんだろう

茹でて蒸らしたように赤くなったルイズは親父の背広をつつき、俺と親父を交互に見ながら小声で言った
「…お…お父さまの意に沿うよう努力します…でも…がんばってもダメだった時は仕方ないかもぉ……」
親父は渋い顔で笑った、この顔を「ボガートに似ている」と言ったお袋はきっとどうかしてたんだろう
「ん、あ~、そうだな、気ぃつけてても出来ちゃったらしょーがねえなァ、お前が産まれた時だって…」

全員の視線が俺達に向く、親父はそれに応えるように俺の話、俺の幼少期の話を嬉々としておっ始めた

俺の生き恥タイムが始まったらしい




632:GIFT~dad!(10)
07/10/29 09:36:40 j6bUPGv/



親父は日が暮れ始めるまでのお茶と茶菓子と異世界の銘酒を楽しみ、一泊もせぬまま南へと旅立った

昼間っから一緒に酒を酌み交わし、すっかり親父に懐いたエレオノールは屋敷への宿泊を何度も勧めたが
親父はネクタイを締め直すと「日本のビジネスマンに昼夜はありません」とだけ言って申し出を固辞した

「……いつか……その「ファミレス」とかいう異世界の美食処に連れてって…二人でゆっくり話しましょう
アカデミーの主任研究員として、一人のトリスティン人として、話したいことはたくさんあったけど
今は二つだけで充分よ……とても素敵な世界から来たあなたと話したいの……人間のことと、未来のことを」

親父はエレオノールの眼鏡を指でヒョイっと取ると、化繊のネクタイでレンズを拭き、再びかけてあげた
トレシーの材料にもなった合成シルクで綺麗に汚れの落ちた眼鏡越しに親父を見つめたエレオノールは
「……明るい…わね…人間は未来を綺麗なものに出来るってワケ?…私は人間と未来を信じるわ、サイゾー」

「お国の未来を考えるなら、まず自分の眼鏡を綺麗に、あんたの幸せを大事にしな…またな、エルちゃん」

エレオノールはせっかく綺麗になった眼鏡を瞳から落ちる滴りで濡らしながら、親父と掌を打ち合わせた
俺は文系で営業畑の親父が技術職の人間と仲良くするのを初めて見た、あれほど理系を嫌ってたのに

カトレアは馬車を提供しようとしたが、親父が自分のくたびれた靴を誇らしげに叩くと微笑んで頷き
「またのお越しを心よりお待ちしています、その頃には私達と貴方の世界に橋が結ばれているでしょう」

いい年して赤面した親父はポケットを探り、緑マルボロの箱を出して一本くわえた、あーあ、と思った
「そうだなァ、…ここは酒はうまいしネーちゃんも綺麗だし、次はカミさん連れて遊びに来るかな?」
涙を浮かべて親父との別れを惜しんでいたルイズがそれを聞いて「ゲっ!」と声を上げて飛び上がった
「……いえ……その……お義母さまとはまだ…その…もうちょっと後で……デキちゃった後でも……」
背中のデルフリンガーが「まぁ孫が手元に居りゃ最強の手札だわな」と呟くと、姉二人が揃って頷いた

冷や汗を垂らし両手をバタバタ振りながら後ずさるルイズの両肩を後ろからガシっと掴んだキュルケは
「お任せくださいサイゾーさん、ルイズにはその時までに炊事洗濯、バッチリ叩き込んでおきますわ」

タバサは親父から貰ったサインペンを魔法の杖のよう胸に抱きながら親父を見つめ、横目で俺達を見ると
「オチャにオハナ、異世界の男はめんどくさい、ルイズに出来るかな?できなきゃ私が盗っちゃうかも」

ルイズは涙目で「ううううう~~~~」と唸った、俺が知らん顔をしてると足を思いっ切り踏んづけ
「……サイト……いざって時はわたしの味方してくれなきゃ…『ミノさん』にデンワしちゃうからね!」

俺は歩き去る背中を眺めながら、親父が放り投げて行った煙草の箱と火のついてない煙草を拾い上げた
これも焼き捨てなくてはならないだろう、まぁ俺だってそろそろ親父の健康を気遣ってもいい頃だし




633:GIFT~dad!(11)
07/10/29 09:37:42 j6bUPGv/




俺は四つん這いになったルイズに背後からのしかかり、ルイズの女の部分を浅く刺し、苛めていた

「……あぁ……この犬!もっと…深く…主人に奉仕しなさい・・・・・わたしの中に……いっぱい出しなさい!」
ルイズは俺に乞いながら尻を突き出した、俺を犬扱いする言葉を吐いた後で餌を欲しがる様にこちらを見る
おねだりされた俺はルイズの中に深く挿れ、腰を打ちつけた、ルイズは鳴き吠える、どっちが犬なんだか

「……ひぁ!……きゃっ……きゃん!…きゃん!…きゃいん!……あぁぁぁぉぁぁぁあんん!!」

桃色の犬は高い遠吠えを発して崩れ落ちた、口を開けハッハッと息を切らして舌を出し、涎を垂れている




俺の親父が召喚され、そして旅立った夜、ルイズはお茶の中にたっぷり落としたリンゴ酒の酔いもあって
寝床の上ではしゃいでいた、親父から聞いた異世界の話、俺からしてみれば聞き飽きた親父のヨタ話を
機嫌よく俺に話して聞かせていた、俺が就寝を促すと彼女は大人しく掛け布を被り、ランプを消し
その直後、暗闇の中で猟犬のように飛びかかってきた、ルイズは獲物の俺を離すまいとするかのように
両手足でしがみつき、歯まで使って俺を拘束した、俺を繋ぎとめようとする小さな体は震えていた

俺は何か囁こうとしたが、彼女は「う~」とか「がるる…」と唸り、開こうとする俺の口に噛みついた

その後、俺がルイズをうつ伏せにさせて強引に腰を持ち上げ、後ろから貫くまで彼女の震えは止まらず
その手は絶えず俺の体のどこかを掴んでいた、俺とこの世界を繋ぐ手はとても小さくて、強かった



634:GIFT~dad!(12)
07/10/29 09:39:09 j6bUPGv/


蹲っていたルイズが粗相の後の犬のような目で俺を見た、前足で俺の体を登り、首筋に鼻を沿わせる
俺の可愛い犬は鼻で俺の匂いを、舌で俺の味を確かめながら「く~ん、くぅ~ん」と甘えた声を出す
俺に耳の後ろや首筋を掻いて貰ってしっぽを振っていたルイズは、腿につっと滴った俺の跡にそっと触れ
人間の言葉を思い出すかのように喉をん、んっと鳴らすと、俺の機嫌を伺うような上目遣いで口を開いた

「……サイト……もし……もしも……わたし達の間に……赤ちゃん……出来ちゃったら……
……この子はどうなるの?……平民出のシュバリエで使い魔のサイトと貴族でメイジのわたしの子なら……」

視線を落として自分の腹を、居もしない腹の子を見つめながら話すルイズの顎を掴み、こちらを向かせた

「将来俺たちの間に産まれる子供は、貴族でも平民でもない『人間』だ!、俺はいつか生まれる子供に
約束しなきゃいけない、生まれてくる大切な場所が、誰もが等しく幸せになれる世界だってことを」

この世界に来て時が経ち、色々な人と知り合い、触れ合った俺が抱き始めた、未来へのささやかな夢
ハルケギニアの人間がこの星を統べるに相応しい偉大な種であるなら、必ず叶えられなくてはならない夢

「……サイト……わたしも約束する!その世界でわたし、サイトの子供をいっぱい、いっぱい産むって」

再び俺にのしかかってきたルイズの尻を触る、板のような胸とちがってこっちは結構ボリュームがある
案ずるより産むが易し、もしかしたらルイズは犬並に安産なのかもしれない、乳の出は少々不安だが

「……俺はいつかここを去る人間だよ…でも…嫁さんと子供を連れて、行ったり来たりも悪くないか、な…」

半分の月、そのひとつが雲に隠れ、夜空に一つだけの月が輝く、俺が居た大切な世界、今は遠くてもいい
日本を想ってイジイジしてた俺、もし親父が故郷を懐かしんだなら、自力で世界を作ってしまうだろう

「…………サイト…………あかちゃん……つくろ……」

親父の言葉などとうに忘れたルイズ、瞳は親父の言葉通りに澄んでいる、俺は少し欠けた月を指さした
「今日は、出来ない日、だろ?」
「…それでも作るの!…げ、元気な赤ちゃん産むためには……いっぱい練習してから作らなきゃ!」

俺はクリーム色の月を一瞥すると、ルイズの瞳を逸らすことなく見つめ、月の光の下でルイズと重なった


いずれ時が経てば雲は流れ、夜空には二つの月が現れるだろう、俺はルイズの裸体、髪、胸、腹を撫でた
一人の人間が胸に抱く大切なものは一つだけ、それは二つあるともっといいものになるのかもしれない


地球から遠く離れたこの世界、俺とルイズの生きる愛おしい世界の夜が静かに、そして熱く更けていく
寄り添って夜空を照らす二つの月の間から、一筋の流れ星が尾を曳き、夜空のどの星よりも強く輝いた

それはきっと、睦みあう二つの月から産まれた 贈りもの



                                (完)

635:吝嗇 ◆G.VR4wY7XY
07/10/29 09:39:46 j6bUPGv/
  以上
 投下終了

636:吝嗇 ◆G.VR4wY7XY
07/10/29 09:59:21 j6bUPGv/
失礼しました、(10)と(11)の間の話を投下漏れ
(10.5)話を投下します


637:GIFT~dad!(10・5)
07/10/29 10:00:09 j6bUPGv/



それから少しして、ここからはるか南東の強豪国家アナトリア王国から面白いニュースが飛び込んできた
永らく王制と貴族制度を敷いていたその国で、何処からか流れてきた傭兵によるクーデターが起きたという
銀色の手を持つ傭兵は全権を掌握すると「総理大臣」という誰も聞いたことのない国家主席を自称し
貴族、平民、賎民の身分撤廃を宣言した、俺が結局捨てられず親父に託したトカレフで何したんだか
その傭兵は、以前より絶対王制に懐疑的で非統治の君主である事を望んでいた国王と結託したらしい
その国に深く侵食していた貴族制度を消滅させるのに、その傭兵はとてもシンプルな方法を用いた
国中の貴族を一人残らず、昨日まで王宮と呼ばれていた議事堂の前庭に集めた後、その総理大臣自身が
貴族一人一人に、その国で新しく定められた国家唯一の身分である「国民」になるかを面と向かって問い
あくまでも貴族であり続ける事を選んだ者は例外無く、銀色の手と称されたトカレフで頭を吹っ飛ばした
貴族の名誉を曲げて貰うには、それを貫いた者の脳漿を浴びさせるのが一番手っ取り早かったらしい

これはずっと後で親父に聞いた話だが、「思ったより少なかった、替え弾倉さえいらなかった」との事

共和制国家の誕生を恐れる隣国ロマリアの法王庁はアナトリア国に神の罰が下るであろうと宣言したが
総理大臣自身が「空の鉄斧」と呼ばれた竜を駆り「話し合い」に赴いた後ロマリアは即座に支持を表明した
報道写真の替わりに流通した新聞挿絵を見る限り、親父は対戦車ヘリでロマリア中枢部を空爆したらしい
どこぞのメイジと組んで物騒な代物を召喚したらしき手口は、発展途上国における商社の遣り口に似てる

親父が人類で唯一「おもしれー奴」と認めるT・Eロレンスのアラブにおける活動に似ていなくもない

家名だけでなく魔法が使えるか否かで貴族という階層の生まれたこの世界、貴族制度が消滅した後の国で
メイジ達は職人や技術者と呼ばれるような農家や商人と対等の地位となり、国家運営の中に組み込まれた

その国は国民の中から選出された代表者の議事と元商社マンの総理大臣によって運営されるようになり
学者肌の旧王は学力優秀であれば育ちを問わず国費で教育を受けられる公職者養成学院の学長となった


異端審問に関与した聖職者や平民を無礼討ちした貴族は遡及法で「殺人犯」として終身懲役に処された

日本の商社から遠い異世界にやってきた俺の親父は、とんでもない武器をこの世界に撃ちこんだらしい
民衆や家族の為でなく、いつか地球とこの世界が繋がった時、自社に有利な権益を得る事だけを目的に
ゼロ戦よりイージス艦より核よりも強い、俺の居た世界の最強の武器、民主主義をセールスしてしまった


そんな些細な事よりも、親父が遂に禁煙に成功した事のほうが俺にとってインパクトのある出来事だった




638:吝嗇 ◆G.VR4wY7XY
07/10/29 10:00:57 j6bUPGv/
   以上
 今度こそ投下終了

  ではまた 

639:名無しさん@ピンキー
07/10/29 12:07:27 kAMGkMyp
投下乙です。
最強の病魔「共産主義」を持ち込まれないだけよかったなハルケギニアw

640:Great Teacher 平賀 GTH
07/10/29 13:35:29 2JrPOfga
ここはトリステインの王宮、つまり王族の住まう場である。
通常、ここへの来客は他国からの使者、一部の有力貴族などごく限られている。
そんな高貴な場所に不相応な者が一人、この国の王女と謁見している。
地球から召喚された使い魔、平賀才人であった。


「それで、大事な用っていったい何ですか?」
そう訊ねると、そばに控えていたアニエスが説明をしてくれた。

「実は先日、革命推進派の貴族どもを拿捕したのだが、その時に差し押さえた城内の金庫から妙なものが見つかったので、その
鑑定をお前に依頼するためにここに呼んだわけだ。」

「でも俺、鑑定なんてしたことないですよ。鑑定なら他の人に頼んだ方がいいんじゃないんですか?」
すると、少し申し訳なさそうにアンリエッタが説明をする。

「実はその妙な品というのは異世界から召喚されたものらしいのです。それで、それがどんなものなのかサイト殿に鑑定していただきたいのですが、」

「え、本当ですか?」
好奇心旺盛なサイトは早速興味津々といった様子でいる。だが、なによりも故郷から遠く離れた異界で自分の思いでのなかの品をまた見ることができるかもしれない
という期待がサイトを気もそぞろにしているのだろう。

「そうあわてるな。こちらとしても早く用を済ましてもらいたいのでその品をここに持ってきてある。」

そう言われて部屋の中を見渡すと部屋の隅に1メートル程の茶色い箱が10個積んであった。


「それではサイト殿、よろしくおねがいします。」



それは、鑑定するまでもなく、地球から召喚されたものだった。

「これは、ダンボールですね。」

すると、その聞きなれない響きにアンリエッタが反応した。
「なんですか、その だんぼうる というものは。」

「あ、ダンボールっていうのはこの箱のことです。紙でできてて結構丈夫なんですよ。」
そう答えながら封をしてあるガムテープを音をたててはがす。

『ふう、いよいよ御対面だな。まあ、使えるもんでも入っててくれると助かるんだけどな。』

そして、意を決してダンボールのふたを開ける











・・・・・・・。



641:名無しさん@ピンキー
07/10/29 13:43:15 qMPGnP0W
おいっ!

気になるじゃないか!

642:Great Teacher 平賀 GTH
07/10/29 13:58:20 2JrPOfga
すいません 最初に言い忘れました。サイトはタバサかルイズあたりから
文字の読み書きを教えてもらって一応ハルケギニア語が書けるっていう設定で
読んでください。

>641
現在投下中 すいません、書くのが遅いんで・・・


643:名無しさん@ピンキー
07/10/29 14:18:12 wZz4eSNH
>>640
話の中身より荒っぽい寸止めでワロタ www

644:名無しさん@ピンキー
07/10/29 14:21:33 wV3u3K9X
>>642
一応、書き溜めてからのほうが自分にも読み手にも優しいと思います。
書き終わってないのを投下しちゃうと、気が焦ってしまうような・・・

しかし、真昼間から元気なのは良いことだと思うw

645:名無しさん@ピンキー
07/10/29 14:40:54 lx4WDSO0
まず、君は全角でsageと打ち込んだ罰として七万の軍に突っ込め


ははは、心配はいらない、1日に三回も突っ込んで帰ってきたやつがいるから

646:Great Teacher 平賀 GTH
07/10/29 15:05:32 2JrPOfga
あまりに予想外な展開に数秒の間固まってしまった。
ダンボールの中身はそれくらい俺の予想を超えたものだった。

「おい、どうしたんだサイト?」
ガムテープをはがしていたときからずっと食い入るように注視していたアニエスが口を開いた。

「あ、いや、中身が結構以外なものだったのでびっくりして..。」

「いったいその中には何が入っているのですか?」
姫様も、中身がかなり気になるらしい。
あんまり焦らすとかわいそうなので、そろそろ答えを言う。

「中身は・・教科書です。」
そう、ダンボールの中には中学3年生用の教科書が全教科分入っていたのである。


647:Great Teacher 平賀 GTH
07/10/29 15:06:23 2JrPOfga

「お前のいた世界での教科書か。いったいどんなことが書いてあるんだ?」

「たとえば、この理科の教科書だったら電気や化石、それに生物の体のつくりについて書いてあったりします。」



最初は落胆したが少し懐かしい匂いのする教科書を、二人に説明してから残りのダンボールに手をつけた。



「・・・・・」
残りのダンボールのうち7個は小学校、中学校、高校の教科書が詰めてあった。
残りの2個には理科で使う実験器具や教材が入っていた。
『そういえば昔、どっかの学校から教科書と教材だけ盗まれたってニュースでやってたような...。』



一通りの鑑定を終え、一休みしながらしばしの間会話を楽しむ。
「サイト殿のいたチキュウでは魔法以外のカガクが発展しているのですよね?」
「ええ、そうですよ。」
「では、先ほどの教科書に書いてあることを学べば、そのカガクを扱えるようになりますか?」
微妙な質問だ。高校までの授業を受ければ一応はそのしくみについて理解することはできる。
だが、それ以上レベルの高いことをするには大学へ行く必要がある。
つまり、この教科書だけでは限界がある。

「まあ、そのしくみを理解したり、あと簡単なことだったらできなくもないですけど、・・でもそんなこと訊いてどうするんですか?」
すると、アンリエッタは遠慮がちに自分の考えていることを伝える。

「その、サイト殿さえよろしければ、トリステイン魔法学院でチキュウの学問を教えてほしいのですが....。」

とんでもない珍回答にうろたえてしまう。
「は!?  え、そ そんな急にいわれても...。」

するとそんなあわてる様子を否定を表していると勘違いしたアニエスも説得にはいる。

「トリステインに魔法以外の技術も発達させることは陛下の以前からの願いなんだ。」
「私からもお願いします。サイト殿!」

女性2人、それもうち片方は一国の王女に頭を下げられてしまってはさすがに断ることはできなかった。
「ふ、二人とも頭をあげてくださよ、わかりました。この平賀才人、魔法学院の講師を務めさせていただきます!」
すると二人とも、先ほどまでの様子と打って変わって、
「それでは、こちらの教科書は今日じゅうに魔法学院まで送っておきますから、早速明日からおねがいしますわ。」
  「え、ちょ、明日からって」
「それじゃあサイト、明日からしっかりがんばれよ!」
  「いや、だから、明日からって急すぎない?」
「「ぜんぜん」」

そんなこんなで狐につままれたようなサイトだった。

その帰り、
「女って恐ろしいな...」




648:Great Teacher 平賀 GTH
07/10/29 15:08:06 2JrPOfga
続きはあとで。


649:名無しさん@ピンキー
07/10/29 15:11:12 5zxw5j4d
リアルタイムで読めるって幸せだw

GJです。

650:名無しさん@ピンキー
07/10/29 15:35:06 qMPGnP0W
とりあえず

sageを半角にしようぜ

651:名無しさん@ピンキー
07/10/29 18:40:06 hZYvz/4J
書いてる内容はいいんだが…
sageは半角にしてほしいな

652:名無しさん@ピンキー
07/10/29 18:51:06 ZPJ172EH
ダンボール…



スネェェェェェェェェェェェク

653:名無しさん@ピンキー
07/10/29 19:37:36 sIn7MGov
これで本当スネークがでてきたら、それはそれでおもしろい

654:名無しさん@ピンキー
07/10/29 19:47:50 MN6mjSjW
うん、GJだ。
出来れば18歳以上になってから来てほしかった。

655:名無しさん@ピンキー
07/10/29 20:58:29 zxfBoP98
面白ければそんなの関係ねぇ

ところで保健体育の教科書は当然あるよな?

656:名無しさん@ピンキー
07/10/29 21:12:23 oUFMQndh
~シルフィードでも分かる保管庫更新講座~


○新規に保管する場合

 1.ゼロの保管庫を開く。

 2.上のメニューバーの『新規』をクリック。

 3.ページ新規作成メニューが出るので、欄の中にSSの通し番号を入力し、『編集』をクリック。
   (通し番号は、スレ番―レス番という形式。
   たとえば1スレ目の141番から投下されたSSの場合は1-141と入力すればよい)

 4.新規ページ編集画面が出るので、フォームに本スレからSSの本文をコピペする。

 5.コピペ後、フォーム下の『ページの更新』をクリック。
    ちゃんと出来ているか不安なら、まず『プレビュー』クリックし、実際にどのように表示されるか確認すること。

 6.対象SSの作者のページを開く。
   (たとえば261氏のSSを保管したい場合は261氏のページを開く)

 7.ページ上のメニューバーの『編集』をクリック。

 8.対象作者ページの編集フォームが開くので、SSのリストの中に、新規に追加するSSの通し番号とタイトルを入力。
   出来れば通し番号順に並べた方が見やすいと思われる。
   また、この際、通し番号を[[]]で囲むと、確実にリンクされるはず。
   (上の例で言えば、[[1-141]]ゼロの使い魔(タイトル) という風に入力する)

 9.入力後、フォーム下の『ページの更新』をクリック。

 10.更新終了。余裕があればキャラ別orジャンル別も同じように更新すべし。


○既出のSSの修正or続きを追加する場合

 1.ゼロの保管庫を開く。

 2.対象SSのページを開く。

 3.上のメニューバーの『編集』をクリック。

 4.編集フォームとその中に記入されたSSの本文が現れるので、必要な部分を追加or修正する。

 5.フォーム下の『ページの更新』をクリック。

 6.更新終了。

657:名無しさん@ピンキー
07/10/29 21:15:40 oUFMQndh
シルフィードでも分かる、とか書いといて、あんまり分かりやすくないけど。暇な人修正ヨロ。

このように保管庫の更新は、文字通り誰でも出来るってぐらい簡単なので、
住人はSSが投下されたら先を争って保管するぐらいの勢いを持ってほしい。
作者の人も、自分で保管すれば間違いとかなくなるかもよ?

こうやって261氏の負担を減らして、もっとたくさん真っ黒いSSを書いてもらうんだよ!

658:名無しさん@ピンキー
07/10/29 22:41:49 Pze019Lx
あー…なるほど、こういうのテンプレに入れとけば、
「編集方法が分かりません><」
って言い訳ができなくなるのか。


659:名無しさん@ピンキー
07/10/29 22:56:16 5+kxGJRx
>>656-657
なるほど。
>>658
テンプレではなく、保管庫に書けばスレ容量消費しないからそっちの方がいいかもな。

660:名無しさん@ピンキー
07/10/29 23:46:36 kJevXaIH
>>656
乙。かなりわかりやすいと思うよ。

個人的にはキャラ別とかジャンル別もできるだけ編集してほしいけどね。
最近あまりキャラ別とか更新ないし。

661:522
07/10/29 23:49:30 WAEDGKTm
ゼロの保管庫wiki直接投稿に1作書きました。

題:ソルティ・カクテル
・エロは少なめ
・中盤までは暗めの展開
・主役はモンモン
・他にサイト、ルイズ、デルフ

よろしくです。

662:名無しさん@ピンキー
07/10/29 23:56:42 hW68VANO
>>657
説明Gjなんだぜ。
既存のSSのうち,「作者」ページには入ってるけど「キャラ」や「ジャンル」
のほうで編集が追いつかず、入ってないやつが結構あるよ。
作者の人が自分で入れちゃえば手間はぶけるよね。



663:名無しさん@ピンキー
07/10/30 00:34:28 IQgVmoA0
>>570
コンセプトは悪くないが、文が携帯小説レベルだ。
保管庫へ行き、レベルUPを至急お願いしたい。


664:名無しさん@ピンキー
07/10/30 00:36:27 mvlVfopG
>>663
携帯小説を読んでからその台詞を言ってるんだとしたら
批評の仕方が小学生の感想文以下だぞ?

665:名無しさん@ピンキー
07/10/30 00:41:16 m7XP3GId
携帯小説は餓鬼の日記帳レベルだからなぁ・・・

666:名無しさん@ピンキー
07/10/30 00:44:33 GCQHElyc
>>663
お前は携帯小説の酷さを甘く見すぎ。
リアル鬼ごっこでググれ

667:名無しさん@ピンキー
07/10/30 00:50:56 xE41f+tz
とりあえず、落ち着こうぜ。
批評の批評をしなくても……。携帯小説だって悪いのだけじゃないでしょ。

>>663
そういった批評は保管庫にある“叩きスレ”とかに書きこんでくれると職人さん達が喜ぶかもよ?

668:名無しさん@ピンキー
07/10/30 00:55:50 m7XP3GId
はぁ
普通にしゃべります なんかやたら言われてるね…
どうせ信じないけど1回だけ言っときます…
俺そのクロスチャンネルてゲーム知りません
ちなみにDグレも読んでません
ひぐらしのなく頃に(字あってる?)は結構、意識してた
著作権に関わるようなら優秀賞も書籍かもなくしてくださいとは伝えてる!!
純粋に読んでくれた人はありがとうございます…
…ホントにありがとう
ホントは気になってるだろうけど応援してるや気にしないでがんばってと言ってくれました…。
自分のことのように喜んだり怒ったりしてくれる人もいましたあったかい人達が好きです…
恐い人達苦手です…
騒ぎに便乗してるやつは嫌いです…
※このニュースは消すかもしれません
あ、後俺小説一切いじれないよ?編集も削除も非公開も??


賞を貰った携帯小説家?のコメントwww

669:名無しさん@ピンキー
07/10/30 01:05:27 GCQHElyc
>>668
相変わらずある意味神レベルだなw

それはそうとGreat Teacher 平賀 GTH には期待してるんだが
教科書だけでは教えるの難しいと思うから
教師用の教科書という設定か参考書も入ってたって言う設定にすれば
いいんではなかろうか…?

670:名無しさん@ピンキー
07/10/30 01:06:37 9nj+26dD
>>668で引用された文のように、
下手に、叩かれた今の心境を書かれると余計に叩かれることになるよなぁ~常考
書いた、という事は事実だし、賞も貰ったのなら
例え「駄作だ」の類のことを言われても我を張ってほしいところだな。

671:名無しさん@ピンキー
07/10/30 01:25:21 m7XP3GId
>>670
書いてねぇ、クロチャンのパクり魔だよw 賞も自・主・的に辞退したしなw
あんなコメントする奴が書ける訳無いだろw

672:名無しさん@ピンキー
07/10/30 01:29:13 9nj+26dD
>>671
そうなのか。すまん、何も知らんかったorz

673:名無しさん@ピンキー
07/10/30 02:08:08 Ytm8FL5/
670 671 の話題は痛いニュースで取り上げられていたな

674:261のひと
07/10/30 03:29:13 dNJ8GqAX
20スレ目の131-135 501-507 
URLリンク(wikiwiki.jp)
>>431-433,435-437.439
の続きゆきます。

保管庫の更新はおいといても、週一くらいでは投下したいなと思いつつままならない自分がいやだ。

675:1/9
07/10/30 03:30:21 dNJ8GqAX
「お、落ち着けっ」

 男の子の事情でお湯から上がれないサイトは、鍋の縁をベアトリスから逃げるようにぐるぐると逃げていく。
 興味は確かに尽きないが、『子供の作り方』と言われて特攻するほどサイトはまだ人生を決めるつもりは無かった。

 なにより、ベアトリスの見た目は幼い。
 いくつか年下だということを差し引いても……

(こ、ここでヤッチャッタら、犯罪者だぁぁぁぁ)

 美少女二人に囲まれていても手を出さない紳士、サイト。

 別名 ヘタレ

「に、逃げない……で」
「無理、絶対無理ぃぃぃ」

 ベアトリスに迫られて逃げ回るサイトを、しばしテファは不思議そうに眺めていたが、
 一人お湯の中から手を伸ばし、ベアトリスの服から何かを取り出した。

「はい、ベアトリス」
「? ……あ」

 ―杖 メイジが魔法を使うのに必要なもの。

「げ」

 サイトはあっさり吊り上げられ、何も無い空中に拘束された。

「ま、まて、お、女の子がナニをしようとしているんだ」

 デルフリンガーの無いサイトでは魔法を無効化することもできないし、
 空中に居ては自由に動くこともできない、昔ギーシュにされたように抵抗できないまま運ばれていく。

「ちょっ、二人ともどこ見てるっ」

 ただし、今回は全裸。
 観客は少女二人。

「……やっぱり、ベアトリス嘘吐いてるよね?」
「ほ、本当だから……今から入れるから……テファは見てて」

「入れるなっ、ってか見るなぁぁっぁ」

 サイトの叫びは無視された。

676:2/9
07/10/30 03:31:04 dNJ8GqAX
 足場を与えて逃げられないように注意しながら、サイトは風呂の中心あたりで固定された。
 大の字になって宙に浮くサイトに、ベアトリスが取り付きよじよじとその身体を上る。
 一旦風呂の外に浮かべられ、少しだけ冷えた身体に密着するベアトリスの身体が心地よい。

「くっ……」

 サイトの身体に馬乗りになっているベアトリスの一番柔らかい所の感触が、
 今から起きる事に対する想像を掻き立てる。
 
 普段ではありえないシュチュエーションに、テファとベアトリスの目の前でサイトの分身はビクビクと自己主張を強くする。

「……ほ、本当に、入るの?」
「う、う……ん、入る……筈……」
(俺は性教育の教材じゃねぇぇぇぇぇ)

 お腹の上をベアトリスのお尻がもぞもぞ進んでいくし、
 太腿の辺りには側まで来ているらしいテファの覚えのある感触が当たっていた。

「う、動いてるよ?」
「……うん」
(解説すんなぁぁぁぁっ)

 お湯に浸かったまま見ているらしいテファの息が微かに当たる。
 サイトを浮かべるので精一杯らしいベアトリスは、貴族らしい細い手で自分の身体を持ち上げ、
 丁度良い―と、本人が思える位置まで腰を進めた。

「や、止めるんなら今のうち……」

 サイトの最後の忠告も、あっさりとスルーされる。

「こ、ここ?」

 熱い感触がサイトの先端を擦る。

「ベアトリス、入ってないよ?」
「う……も、もう一回」

 話でしか知らないベアトリスと、話も知らないティファニア。
 そうそう『事』が上手く進む筈も無く、お互いの粘膜をしつこく擦り続ける事になる。
「……ふ? ぁ……」
「ちょっ、まっ……止まれっ……」

 サイトの荒い息に怪訝な顔をしながら、無心に動かすベアトリスの腰に少しづつ違和感が積もる。
 どちらのものとも知れない液体でお互いの間が埋められ始めたころ、自分の中に芽生え始めた熱に浮かされて、
 同じ表情を浮かべるサイトを見つめ、熱に押されるように、高貴な少女は初めて他人に『奉仕』始めた。

「はっ……あっ……と、ま……れって……やばい……」

 荒くなり始めたサイトの息に、無性に相手の顔が見たくなったベアトリスは、
 自分より一回り広いサイトの胸に倒れこみ、もどかしく腰を押し付けながら、
 夢中で舌を絡める。

(きも……ち……いっ……よぉ……)

 自分でするのとは別種の快感に、理性がゆっくりと崩壊を始める。

677:3/9
07/10/30 03:31:56 dNJ8GqAX
「んー、入らないね」
「……う……ん……はいらな……い……」
「……ぐ……ぁ…………」

 いつのまにかうつ伏せになったベアトリスが、サイトと自分の間にはさんだ硬直の上で暴れている。
 両手でサイトに掴まりながら、ベアトリスは手当たり次第にサイトの身体を吸い上げる。
 胸を、唇を、首筋を、甘い味でもするかのように啄ばんだ。

「「あっ」」

 わずかに解れたベアトリスに、サイトがわずかにもぐりこんだ瞬間、二人の動きが止まった。

(このまま……)

 くらくらと考えのまとまらない頭のまま、ベアトリスが自分の中に迎え入れようと、
 サイトの身体に密着したまま、ずりずりと身体をずらす。

「あー、本当に入っていくね」
「っ」

 テファの言葉に、サイトとベアトリスの理性が僅かに戻る。

「や、やっぱり、止めと……け、お、女の子だろ」

 理性を振り絞ったサイトが、視線を彷徨わせながらベアトリスを制止する。
 その一言を吐くのにサイトがどれだけ葛藤したのか、サイトのことをよく知らないベアトリスにも理解できそうな、
 そんな一言だった。

 優しい言葉に、ベアトリスが動きを止める。

「あ……の……」

 彼女がサイトに何を言おうとしたのか、その言葉が綴られる前に。

「入るのって、やっぱり嘘なの?」

 逃げ道は閉ざされる。

「見てて……ね、テファ」
「ん、ベアトリス、最後まで見せてね」

 ―ベアトリスは今から無理やり犯す、その相手を見下ろす。

 ―サイトは、泣き出しそうな瞳から目が離せなくなる。

 鋭い痛みを感じながら、ベアトリスは一思いに自分を引き裂いた。

678:4/9
07/10/30 03:32:39 dNJ8GqAX
「わぁ……本当に入るんだ、凄いね」
「うん……あの……ね、これ……で、男の子が気持ちよくなったら……」

 痛みを感じながら、必死にテファに説明を続けようとするが、
 快感に酔いながらも何とか維持していたサイトを浮かべていた魔法が、
 千々に乱れた心を写し砕け散る。

 風呂の内壁に叩き付けられ、その衝撃でベアトリスが自力で押し込んだ所よりもさらに奥へと、
 限界まで大きくなったサイトを、初めてでは入るはずも無い奥の奥まで叩き込まれる。

「き……ぁ……ぁ……」

 激痛に、悲鳴すら出なかった。
 肺が酸素を求めて喘いだ、僅かづつ感じていた甘やかな快感は吹き散らされ、
 残ったのは激痛のみ。

 その痛みを誤魔化すために、ベアトリスは必死でサイトにしがみつく。

「ひっ、あ……う……い……たぃ……」
「んと、あとはサイトが気持ち良くなれば良いの?」

 ベアトリスの豹変に驚きながらも、テファが話を進めた。
 しっかりとサイトを固定したまま呼吸を整え、辛うじてテファにできる返事を、

 がくがくと頷くベアトリスに、テファは質問をぶつけた。

「でも、サイトぜんぜん気持ちよさそうじゃないよ?」
(え?)

 ベアトリスは身体の痛みとは別の痛みを感じながら、サイトの表情を確かめた。


 ―気持ち良くない訳は無かった。
 自分より一回り小さな女の子の『初めて』を捧げられ、相手は夢中で自分に縋り付いてくる。
 全身は温かいお湯に包まれ、腕の中にはもっと熱い肉が自分を締め上げる。

 いつイってもおかしくない。と、言うよりも初めてのサイトは意志の力だけで踏みとどまっていた。

 何時もなら、とっくに限界を超す状況でも。

『赤ちゃんの作り方』
『赤ちゃんの……』

 そんな連呼をされた状態で、胎内に放てるほどの度胸は無い。

 ―全身に力を入れ、歯を食いしばり、眉間には皺。
気をそらすためだろうか、意味の無いことをひたすら呟くサイト。

 ……未経験の少女二人には、到底気持ちよさそうには見えなかった。

679:5/9
07/10/30 03:33:22 dNJ8GqAX
「ベアトリス、サイトに酷い事をしてるの?」
「ち……がう……のぉ……」

 痛みに掠れる思考で、ベアトリスはサイトのことをひたすら考える。

 自分の身体がまだ子供なせいで、シュヴァリエが不快なのだろうか?
 ―目の前に居るテファの身体と自分を比べて、その有りうる可能性に泣きそうになる。

(でも、子供が好きな男の人も沢山居るって……)

 痛みに耐えながら、ベアトリスはさらに思考を……

 ―痛み?

「シュ……ヴァリエ……初めて……で……すか?」

 ひとつだけ思い当たったベアトリスが言葉を搾り出した。
 サイトの返答は苦しげな表情のままの頷き。

 ―初めてのわたしがこんなに痛いんだから、きっと始めての男の人も……
 そう考えれば、シュヴァリエの苦しげな表情にも納得がいった。

 自分と同じ痛みを感じている。だからこんなに苦しそう。

「ベアトリス?」
「……まっ……て、テファ……ちょっとだけ……待って」

 彼女はメイジで、杖はその手の中にある。
 痛みを感じているものが居るのなら、出来る事は単純だった。

 回復魔法
 傷を治し、血を補い、肉を塞ぐ。
 メイジのみが使う奇跡の技
 それをサイトに向ける。

(あ……れ?)

 サイトの表情は苦しそうなままで、何の変化も無かった。

(ど……して?)

 何か間違えたのだろうか?
 考えを纏め直そうとするベアトリスに、もう一度痛みが襲い掛かる。
 とりあえず、自分の傷を癒してから、もう一度考えよう。

 そう思ったベアトリスが自分に回復をかけた瞬間、二つのことが同時に起こった。

 ―ひとつは再度の激痛。

 時間がたってからの回復ならそんなことは無いのだろうけれど、
 未だ血を流しているベアトリスの処女は再生されたが、
 『元通りにされた部分』には、異物が入ったままで……

 結果、ベアトリスは人生二度目の破瓜の痛みを受けることと成った。

 ―もうひとつは……

「ぐあぁぁぁっ、だめだぁっ、それっ、気持ちよすぎっ……やめっ……」

 ベアトリスと間逆のサイトの感想。

680:6/9
07/10/30 03:33:55 dNJ8GqAX
 じっとしているだけでも着実に近づいてくる限界を抑えながら、
 サイトは腕の中のベアトリスを見つめた。

「……ち……った、です……か?」

 蒼ざめた表情で、気持ちよかったのか聞く少女の顔には悲壮な決意が有った。
 お互いにとって不幸なことに、快感に耐えることが精一杯なサイトはソレに気付けなかった。

「良すぎるからっ……駄目だ……」

 離れてくれ、そう続けようとするサイトの唇が、ベアトリスのそれで塞がれる。
 サイトの口の中でもごもごと呪文が紡がれる。

 さっきの激しい締め付けの時と同じ呪文だと気付いたサイトは青くなる。
 
 次は耐えられない。

 さっきの魔法には未成熟なベアトリスの身体を貫いたサイトを、人の身体ではありえない強さで締め上げる。そんな効果が有った。
 裂き開かれた肉が魔法によって復元される強さ、それがそのまま締め付けに成ったのだ。

(こ、子供……でき……る)

 しかも、ルイズ以外の。

(そ、それは……ヤバい……)

 子供も自分の非常に危険だ。
 何とか耐え切ろうと、もう一度意識を集中するころ、
 呪文を唱え終わったベアトリスが、サイトの視線を避けるようにしっかりと抱きついた。

 背中で杖が小さく振られるのがわかった。

「がぁあああああっっっ」

 サイトの喉が獣の様な咆哮を上げる。
 かたかたと小さく震え始めるベアトリスの身体を、サイトは力いっぱい抱きしめた。
 さっきは一瞬のみだった締め付けが、途切れることなく襲い掛かる。

「ちょっ……なん……だぁぁぁぁぁああっっ」

 限界だった。
 もう耐えられない。

 サイトは……

「?! なっ……やばっ……」

 強すぎる締め付けに、射精する事も封じられ。
 逝く事が出来ないサイトは縮む事も無く、ひたすらベアトリスに締め上げられる。

681:7/9
07/10/30 03:34:32 dNJ8GqAX
「……き……もち……い……ですか?」
「ひっ……ああああぁぁぁぁぁっ、良いっっっっ、も、限か……ぃぃぃぃ」

 機械的な締め付けならば、サイトがここまで狂うことも無かった。
 ただ強く締め付ける訳ではなく、サイトを圧迫しているのはあくまでも少女の身体で、
 しかも再生するために、少女の中は蠢き続けている。
 数瞬ごとに訪れる、ぷちぷちと何かを貫く感触はその度毎にサイトに不思議な征服感を与えた。

 身体が繋がっているだけなのに、心までも犯しているような、
 組み敷かれているはずなのに、組み敷いているかのような。
 限界をはるかに超えるありえない快感に震えながら、サイトは自分を気持ちよくしてくれるベアトリスに、
 痛みを耐えるかのように抱きついた。

 それに気付いた、どこか蒼ざめた表情のベアトリスは優しく頭を抱き寄せ、背中を撫でる。
 いつまでも減らない神酒を捧げられた神の如き万能感に酔いながら、
 サイトはベアトリスを愛しく感じ始め……

「二人でずるぅい」

 サイトの心が堕ちる寸前、テファが背後からサイトに抱きついた。

「うあぁぁぁぁっっ」
「テ……ファ……一緒……に……」

 ベアトリスはサイトを間に挟んだまま、テファに触れようと手を伸ばした。
 これ以上無いと思われていた、密着だったがテファが加わる事で更に別の局面を見せた。

(せ、背中が……おぱ……で、胸が……むねがぁぁぁ)

 革命的なボリュームが背後から襲いかかり、
 密着という面ではそれより優れるフラットなラインが前から迫る。

「イ、逝くって……い、逝けな……いぃぃぃぃっ」

 男なら誰もが望みそうなサンドイッチにされた状態で、サイトは二人の腕の中で弄ばれる。

 ベアトリスがテファを抱き寄せたため、テファはサイトにしっかりとしがみ付く形になり、
 必然的にサイトの背中やお尻には……

(テ、テファのっ……テファのぉぉぉぉっ)

 ベアトリスの内に差し込んだまま、テファの感触でサイトは更に狂い始めた。

682:8/9
07/10/30 03:40:00 dNJ8GqAX
「な、中でっ……中でびくびくしてるっ……と、止めて……とめ……っ……はぅ……」

 逝けないまでも、何度目かの限界を超えたサイトが暴れるのを感じたベアトリスが鳴いた。
 あれほど強かった痛みが、徐々に治まってきていた。

(あ……れ……?)

 何度も裂かれ、同じ回数癒されることで、ありえない短時間ですっかり馴染み始めていた。
 すでにほとんど痛みはなく、それどころか時間を掛けて抉られた肉は、
 甘くサイトを包んでいた。
 それは回復魔法によりありえない締め付けの終了を意味し、つまり、

「……っあ……逝け……るっ……やっと……うあぁぁぁぁっ」

 サイトの悲鳴と同時に、お腹の奥に何かが広がる感触がベアトリスを満たす。

(……キモチイイ……)

 焦らしに焦らされたサイトは、ぐったりと脱力しながらも高度を失っていなかった。

「サイト、気持ちよくなったの?」
「ん……見る?」

 少し悩んだテファが、こくりと頷くとベアトリスはもう一度杖を振るい、
 サイトと繋がったまま風呂の縁に腰掛けた。

「こんなに深く繋がるんだね」
「……うん」

 サイトの精をテファに示そうとするが、ベアトリスとサイトの結合は隙間無く、
 白い液体が漏れ出て来る事は無かった。

「い、痛そうだったね」
「ん……」

 サイトの背後から見ていたテファは、ベアトリスの表情をしっかりと観察していた。

(わたしは、当分……したくないなぁ……)

 ベアトリスはとてつもなく痛そうだった。

683:9/9
07/10/30 03:42:27 dNJ8GqAX
「あの……その…………が……出てると思うから……抜く……ね」

 浮いたまま風呂の外に出たベアトリスは、テファに精液を見せるためにサイトとの結合を解こうと、立ち上が……ろうとした。

「ひゃっ? うっ……」
「うあぁぁぁぁぁっ」

 ベアトリスが腰砕けに成るのと同時に、サイトが飛び起きた。

「や、休ませてくれぇぇぇぇ」
「ち、違っ、抜こうとっ……」

 ?
 ティファニアが首を傾げる向こうで、ベアトリスとサイトは、お互いにはなれようと力を入れ、
 同じタイミングで腰砕けになりもう一度奥まで繋がりなおした。

「楽しい?」
「いや……それは楽しいけど……って、違うっ」
「テ、テファ……助けて……あの……」

「「離れようとすると中から引っ張られるのぉっ」」

 サイトのを差し込んだまま、何度も再生を掛けた結果ベアトリスのソコは、
 すっかりサイトの形を覚えこんだ。
 襞の一つまで、サイトに最適な形に並んだソコは最早サイトの為だけに存在した。

 が、

「抜こうとすると、吸い上げられるんだぁっ」

 離れようとするたびに、尿道に残った精を吸い上げられたサイトは快感で動けなくなるし、
 同種の刺激を胎内で感じるベアトリスも、一人ではサイトから離れられなかった。

「お、お願い、テファ……」

 そんな二人を不思議そうに見ていたテファが、ふと……言った。

「サイトから何か出るんだよね?」
「「う、うん」」

 天使の微笑みと共に、サイトにとって悪魔のような宣告がなされた。

「それで、ベアトリスの中いっぱいにしたら、離れるんじゃないかな?」
「へ?」

 硬直したサイトを、ベアトリスが口封じする。

「ベアトリスのお尻引っ張ったら、吸い出されるんだよね?」
「ちょっ、ま……」

「えいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいっ」
「うあぁぁぁぁぁぁ……」


 この次の日、ベアトリスはここ最近の不調を吹き飛ばすようなハイテンションだったが……




 ―サイトは数日行動不能だった。

684:名無しさん@ピンキー
07/10/30 03:45:38 dNJ8GqAX
長いの久しぶりに書き終えたような……

黒い終わり方も考えてたけど、
(身体がサイトから、心がテファから離れられないベアトリスが、
二人の指示の元、各国に侵略初めて、英雄二人に殺されましたな×年後の回想エンドとか)

こっちのがいいかと……ではっ、またそのうちに

685:名無しさん@ピンキー
07/10/30 04:23:14 mvlVfopG
いやなんにしても黒いから!誰かこのおっぱいにキチンとした性教育と現状を教えてあげてー!
GJ!

686:名無しさん@ピンキー
07/10/30 07:51:30 vIUI2OVJ
やっべぇ…ベアトリスに惚れそうだ。まだドキドキしてるぜ。

687:名無しさん@ピンキー
07/10/30 09:03:16 9nj+26dD
形状記憶に激しくGJを送りたい
ベアトリスかわえぇ

688:名無しさん@ピンキー
07/10/30 15:10:30 ri1tw7mH
なんつーかもう、やばいw
このシチュたまらんので終わらんで続けてくださいw

689:名無しさん@ピンキー
07/10/30 16:25:31 kbLa6Nap
サイト専用になってしまったベア様…
サイトが入ってるのがデフォの状態と身体が認識してしまい
サイトと離れてるだけで耐えられなくなるベア様…
ハァハァハァハァ

690:名無しさん@ピンキー
07/10/30 17:02:52 N/4izS35
A piece of good news for the enthusiast, the 8800GT comes with similar mounting holes as the the 7900GT/GTX as illustrated below!!! Enthusiast can recycle their Zalman VF700/900 and other similar coolers with their new 8800GT! woohoo!

俺歓喜wwwwwwwwwwwwwwwww

691:名無しさん@ピンキー
07/10/30 17:06:15 N/4izS35
誤爆

692:名無しさん@ピンキー
07/10/30 17:24:38 0ZIz5mcx
ユリア100式ネタか!

693:名無しさん@ピンキー
07/10/30 17:51:36 es09BSLM
>>690
異世界からヒートシンク召喚したなw

694:名無しさん@ピンキー
07/10/30 20:23:39 vIUI2OVJ
>>692
その考えはなかったwww

695:名無しさん@ピンキー
07/10/30 20:58:11 Czg+Bz1H
ども。虹山です。

>>663
俺、ケータイ小説なんて読んだこと無いけどね。
ですが、意見ありがとうございます。でもそんなのかんけーねぇ!そんな気持ちでまだまだ書いていきます。

完結するまで、まだ時間かかりそう・・・

696:ぜろ☆すた
07/10/30 20:59:53 Czg+Bz1H
ゲートを抜けた先にあったのは、とっても大きな水溜り。
飛び込む先にはきれいなすんだ水。そして、バッシャン、というド素人のような飛び込み音。
「冷た!」
とりあえず息をしようと口を水面まで持ってきた。
周りを見回すとどこかで見たことがあるような景色だった。
小鳥の鳴き声。木に囲まれた池?湖?近くには白い小さな船。
ルイズが「秘密の場所」と言っていた、ラ・ヴァリエール家の中庭の池だった。
「懐かしいな……此処は。俺が……最初にルイズに自分の思いを告げた所だしな……」
何百年も前のことだから思い出すのに少し時間がかかったが、思い返すとやっぱりはずかしくなってきた。
陸に上がると、デルフや自分の荷物が無い事に気づいた。
「おーい!デルフー!どこだー!」
「ここだよー!相棒ー!」
しかし声がするほうを見てもどこにもデルフはいなかった。
とりあえず声がするほうにいくと、あの白い小船にたどり着いた。

697:ぜろ☆すた
07/10/30 21:01:50 Czg+Bz1H
中を覗くと布が被っていて膨らんでいる。
そういえば、カトレアさんにいわれてルイズを探した時、ここにいてこんな感じに布を被っていたよな。
俺はとりあえずそっと布を取っ払った。
そこにはデルフと自分の荷物が置いてあった。
「はぁー、よかった。荷物ぬれてなくて」
「何だよ、相棒はオイラの心配はしてくれないのかよ……」
「デジカメぬれたら大変だもんな。一様防水加工してあるけど、
データ吹っ飛んでたら俺の旅の苦労が全て水の泡だし」
「無視かよ……デルフ泣いちゃうぞ……」
ヤバイ。なんかデルフの声が少し震えている。
マジで泣かれるとコイツうるさいんだよなー。
「…ごめん」
「わかればいいーのさ」
「だけど、何でゲートを潜り抜けたらこんな所にいるんだ?」
「さー?」
まぁいいや。小船を見てわかったがあのときからあんまり小船が変わってない事から、
俺が旅立ってからあまり年月は経ってないことが推測できた。……固定化の魔法がかけられていたらわかんないけど。
服が乾いてから、俺はヴァリエール家の屋敷を目指した。
何百年も前のことだからかこの景色はほんと懐かしい。
ただひとつだけ、どう見ても変わっているものがあった。

698:ぜろ☆すた
07/10/30 21:02:32 Czg+Bz1H
「……なんなんだ、この像?」
「どう見ても、相棒の像だね」
「じゃあ何でこんなところにおいてあるんだ?」
「知らんよ。そんなことは」
俺の姿をした、約高さ20メイルのでっかい像がそこにドン、と置いてある。
像は青銅で作られていて、俺が両手を腰にあて胸を張っている。よくできているが、どうにも周りの景色にあっていない。
作った奴のセンスは良いのか悪いのか、どうにも分からなかった。
像の台座を見るとプレートがはってある。


『 世界を救った大英雄  サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ 』


世界を救ったと言われると、なんかよく分からない気持ちが心を満たしていった。だけど何か心に引っかかるものがあった。
「俺、こっちの世界は救えたかもしれないけど、あっちのほうは救えなかったんだけどな……」
「あれは相棒のせいじゃねーさ」
「……ありがとうな」
優しい声をかけてくれるデルフに礼を言った。
「しっかし、こんなにでっかい像を誰が作ったんだろうねー?」
デルフが疑問の声を上げている。俺は像を後ろから見てみようと反対側に回った。
そこには反対側にもプレートがはってあった。


『 作 ギーシュ・ド・グラモン マリコルヌ・ド・グランドプレ 』


……やっぱり。俺そういえば、マリコルヌに別れの言葉言ってなかったな。
あいつの事だから絶望して首吊り自殺してるんじゃないかと思ってた。……これを見る限り大丈夫そうだ。
ルイズに会いたかった。屋敷の方へ体を向け全速力で走り出した。



699:名無しさん@ピンキー
07/10/30 21:05:54 Czg+Bz1H
後編にいくどころかまだ中編終わってません・・・

それでは。

700:名無しさん@ピンキー
07/10/30 21:08:41 mvlVfopG
さあ書け!それ書け!やれ書け!
いやGJですよ?でも短くないかい?

701:名無しさん@ピンキー
07/10/30 21:17:12 Czg+Bz1H
虹山ですがこれからは自分で保管庫は編集しときます。

>>700
すいません。短いのは今日時間が無かったためで、これからいろいろやらなきゃいけないことがあるので・・・

じゃあ今日はこれでノシ

702:名無しさん@ピンキー
07/10/30 21:32:32 xMWST793
虹山ですが何で名乗るのでしょうか

703:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:14:08 obtiuW0l
首吊りしそうなマリコに何故か萌えたw

704:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:25:28 sHzjrYaX
虹山さんは普通に名前欄に「虹山」って書いてもいいと思うぜ。

地球で数百年経ったならハルケギニアでも数百年経ってるはずだが……その辺は次回か。

705:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:26:56 xI3u5YH4
>>704
いや、某ハラハラワールドと地球みたいな関係なら別におかしくないんじゃないか?
もっともアレは地球での20年が向こうだと2年とかそんな感じだったかと思ったが。

706:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:26:59 4Jkd8PNj
過去ログを見ていたら、1年前にもきゅいきゅい♪ブームがw

707:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:29:13 4+yy5bVU
>>705
その理屈だと青年のはずの佐々木武雄さんはどう考えてもご存命ってことになるぞ

708:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:47:20 mmyaE5xv
突然ハルケギニア付近に局地的ブラックホールが発生して時間が歪みますた

709:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:50:54 xMWST793
実はシエ祖父は日炉戦争からのたたき上げだったんだよ!

710:名無しさん@ピンキー
07/10/30 22:53:59 xI3u5YH4
ちょwwwゼロ戦www

どんだけオーバーテクノロジーなんだよ日本。

711:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:01:31 sHzjrYaX
原作での才人とシエスタの祖父さん辺りの描写見る限り、
地球とハルケギニアの時間の流れはほぼ一緒と考えて間違いないはずだが……
何故か「地球の方が速いor遅い」と主張する人が未だにいるのが不思議だな。
やっぱその方が妄想するのに都合いいからなんだろうか。

712:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:23:20 ErsTvdcs
むしろSSスレで
そんな重箱の隅に置いてあるだけの設定を
わざわざつつくのが不思議だw

713:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:27:38 j96KIlgc
時間が相対的に等速とは限らないが…
平均すると「ほぼ等しい」んでないかとは思うな~
零式艦上戦闘機/破壊の杖(M72?)/サイトの時点で相対時間はほぼ一致する

714:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:33:14 vIUI2OVJ
実はシエ祖父は元寇のときの防人だったんだよ!

715:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:34:12 La//sA7d
>>711

まあ、いいんでない?
歴史的に考えると、祖父は恐らく当時20代だろうから時間的にはほぼ同じと考えてよいんじゃない?
ハルケギニアでは今100歳だから普通は死んでるだろうし。

てか、最近の戦闘機を吝嗇さんが出さなくて良かった。
核とかでたらハルケギニア滅亡しちまう・・・

716:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:50:32 S7JsYJgu
>>711
ハルケギニアの1年は382日(か384日のどっちかだったと思う)と12巻にでてたよ
なので地球のほうが時間の流れは早い

717:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:54:32 QzXNMmeK
>>716 時間の流れと暦は別問題ではないか?

718:名無しさん@ピンキー
07/10/30 23:55:36 im7TCRWM
>>711
高速で運動する物体上では時間が遅れる。
ゼロ戦で飛びっぱなしのシエスタの祖父さんは、その相対論的効果が出てるはずだが。

719:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:01:57 kgi4wg6i
>>718
たかが零戦のスピードじゃその効果は出ねえよwww

光の速度に無茶苦茶近いぐらいの速度出さないと

720:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:04:32 /vxEPnP7
>>718
それ笑うとこ?

721:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:07:02 Nb9+74Xf
デルフはあらゆるものは小さな粒から出来てるっていってたけど
波動性とかはどうなんだろう?

722:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:08:55 mhb2tC4B
流れが激しくスレ違いな方向に進んでる気がするけど、
多分気にしたら負けなんだろうな

723:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:15:21 tJ5NU9mR
>>716
その理屈は1日の長さが明らかにならなきゃ実証できない。

自転周期がどうとか公転周期がどうとかは明確じゃないから解らんが、シエ祖父が60年前にハルケギニアに来ていることで地球の1年とハルケギニアの1年は同じだろう。



地球
365日×24h=8760h


ハルケギニア
8760h÷384日=22.8…


ハルケギニアの1日=22.8h

724:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:23:06 Ky3HGo55
そろそろ終わりにしようぜ、な?

725:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:24:21 B+d7rWJo
>721
小さな粒=原子とか分子 では?

726:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:25:46 eEJRvtbS
みんな本スレでやれ

727:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:27:08 lLLkLhZv
ナルニア国物語(C.S.ルイス)、はてしない物語(M.エンデ)は換算不能だったな。

728:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/31 00:31:13 tWLSNVXJ
そんなことよりこいつを見てくれ。こいつをどう思う?
URLリンク(www.wonder.co.jp)

そういうわけでひさびさの選択肢ものいくよー

729:うちの妹のばあい ◆mQKcT9WQPM
07/10/31 00:36:31 tWLSNVXJ
「…っ!」

唐突に目が醒める。
自分の寝ているのは天蓋つきの立派なベッド。ウエストウッドでその身を預けていた硬いベッドとは違う。
朝日が柔らかく差し込むその部屋は、簡素だがしっかりした作りの上等な家具が一式、揃っていた。
そう、ここはトリステイン魔法学院女子寮の、ティファニアに与えられた一室。
真っ赤な顔で、ティファニアは朝日の中、上半身を起こす。
唐突に目が醒めたのは夢のせい。
その夢の内容は。
時には、優しく微笑みかけてくるあの人。
時には、自分の手を取り、ダンスに誘ってくれるあの人。
時には、強く抱き締め、愛を囁くあの人。
決まって、夢の最後は。
熱く愛を語るあのひとは、自分を欲しいと言って、そして自分はそれを受け入れて…。
そしてそこで目が醒める。

「…はぁ…」

ため息をついて、ベッドから降りる。
夢の余韻からか、顔はまだ赤く火照っていた。
ティファニアは母の形見の夜着を脱ぐと、トリステイン魔法学院の制服に身を包む。
そして昨夜の内に桶に溜めておいた水で顔を洗い、髪を漉く。

「ふう」

顔を洗ったら少しは気が紛れた。
準備万端整ったティファニアは、扉を開けて食堂へ向かう。朝食を採る為に。
この学院での生活にあわせ、ティファニアの朝はずいぶん遅くなった。
ウエストウッドでは、随分早く起きて、朝餉の支度をしなければならなかったのだ。
…みんな、どうしてるかな…。
ティファニアは、トリスタニアの孤児院に引き取られたウエストウッドの子供達のことを思い出す。
おねぼうさんのエマ、食いしん坊のジム、そして。
しっかりもののタニア。
みんな元気でやってるかな。
自分は貴族としての身分を与えられ、こんな所で暮らす事になったけど。
みんなは、幸せなのかな。
そんな事を考えると、ティファニアは少し寂しくなる。

「…はぁ」

なんか、ここに来てから、ため息ばっかり増えた気がするなぁ…。
食堂の席に腰を下ろし、そんなことを考えていると。

「おはようございます、ティファニアお姉さまっ」

ため息の原因の一つがやってきた。
ため息の原因は、長いツインテールを揺らしながら元気に挨拶し、ティファニアの隣に腰掛ける。
彼女の名前はベアトリス。ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホルフ。
ティファニアを『お姉さま』と呼んで慕い、あれこれと世話を焼いてくれる大貴族の娘。

「おはよう、ヴィヴィ」

ヴィヴィとはベアトリスの愛称で、今のところこの学院でこの愛称を彼女に対して使うことを赦されているのは、ティファニア唯一人である。
ちなみにティファニアが『ヴィヴィ』以外の呼び方でベアトリスを呼ぶと、しょうもない議論が始まるので、ティファニアは仕方なく彼女を愛称で呼ぶことにしていた。
ベアトリスはティファニアの隣に並ぶと、早速ため息の原因を尋ねてくる。

「どうされましたお姉さま?朝からため息なんて」

730:名無しさん@ピンキー
07/10/31 00:36:48 QwEFUHVU
月が2つとか、元より地球とは異なる天体なんだから
 ・公転周期が異なる
 ・自転周期が異なる
くらいは当然だと思うがな…

731:うちの妹のばあい ◆mQKcT9WQPM
07/10/31 00:37:25 tWLSNVXJ
基本的に人のいいティファニアは、つい正直に今まで自分が面倒を見ていた子供達のことを、話してしまう。
ベアトリスはその話を一通り聞き終わると、何故か天を仰いでくぅ、と漏らすと。

「ティファニアお姉さまのキモチはわかりましたっ!」

ぐっ、と拳を胸の前にもってきて、そして手をぱんぱん、と叩く。

「お呼びでしょうか」

それに応えて、クンデンホルフ家直属騎士団、空中装甲騎士団の団長が、恭しく頭を下げてやってきた。
ティファニアの中にイヤな予感が駆け抜ける。
そして案の定。

「すぐお父様に使いを出して!
 お姉さまの子供達を全てクンデンホルフで引き取って、最高の待遇を」
「ちょ、ちょっと待ってヴィヴィ!」

ティファニアは慌ててベアトリスの口を抑える。
いくら大貴族でも、それはやりすぎというものだ。

「な、なぜ止めるのです!お姉さまの子供達なら、私の妹達も同然ですわ!」

…いやなんでそーなるかなぁ…。
ティファニアは、ウエストウッドの子供達に、普通に幸せになって欲しいと願っていた。
だから、貴族の庇護の下で育てられるより、孤児院から世に出てくれた方がいいと思っていた。

「ふーん、なら私も引き取ってくんない?」

絡み合う二人の前に、料理を乗せた盆を持って、一人のブルネットのメイドがやってきた。

「はい、朝食おまたせー。あとつかえてんだから、さくさく食べてよね、テファお姉ちゃん」

そのブルネットのメイドを凝視しながら、ティファニアは固まる。

「な、あなた、平民の分際で無礼ですわよ!このお方をどなたと」
「テファお姉ちゃんでしょ?あんたもさっさと食べなさいよ、冷めちゃったらおいしくないわよ」
「な、な、な、あなた何様の」

しかし肩を震わせるベアトリスの怒声は、放たれることなく終わる。
ティファニアが、メイドの名前を、叫んだからだ。

「た、タニアっ!?」
「や。おひさしぶり、テファお姉ちゃん」


タニアの話によると。
一番年上でもう既に働ける年齢であったタニアは、孤児院には行かず、奉公先を探した。
タニアは結構なんでも出来て、なにをしてもよかったのだが。
調度都合よく、トリステイン魔法学院でメイドを募集していたのである。
タニアはトリステイン王家の紹介状もあって、トリステイン魔法学院でメイドとして働くことになったのである。

「そうなんだー」

ティファニアは、食後の紅茶を飲みながら、タニアと談笑をかわす。

「ジムもエマも元気でやってるよー。寮母さんになついちゃってねえ。『テファお姉ちゃんより優しい』ってさ」
「ひどいなあ。私、そんな厳しかった?」
「厳しい厳しい。寝坊したら朝食抜きとか」
「あ、あれはエマがあんまり寝坊ばっかりするからっ」

732:うちの妹のばあい ◆mQKcT9WQPM
07/10/31 00:37:57 tWLSNVXJ
ウエストウッドの話に花を咲かせながら、二人は笑い合う。
すると、面白くないのは蚊帳の外のベアトリスなわけで。

「ちょ、ちょっとティファニアお姉さま!」

なんとか朝食を片付けたベアトリスは、ティファニアとタニアの間に割って入る。

「あ、ごめんなさいヴィヴィ。紹介が遅れたけど、この子タニア。
 ウエストウッドで私が面倒見てた一番上の子」

ティファニアはそう言って笑顔でベアトリスにタニアを紹介する。

「あ、どーも。タニアって言います。よろしくねー」

タニアは言って、ベアトリスに手を差し出す。
ベアトリスは思わず、先ほどと同じように貴族風を吹かせようとしたが。
…マテヨ。
ベアトリスの中で、打算が働き始める。
ここで平民にも寛容な所を見せて、お姉さまに見直してもらわなければ…!

「よ、よろしく。ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホルフですわ」

言って、差し出されたタニアの手を握る。
それを見たティファニアが、優しく微笑む。
ああ、今ティファニアお姉さまは感心していらっしゃる…!平民にも寛容な私に…!
ベアトリスが悦びに身を震わせていると、タニアは即座にその手を放した。
な、貴族が平民の握手を受けてやったというのに!即座に放すとは一体…!
また思わず貴族風を吹かそうとしたベアトリスだったが。
それは今度は、タニアの言葉で止められた。

「で、テファお姉ちゃん。サイトお兄ちゃんとは上手くいってるワケ?」
「え、上手くいってるって、その、あの、どういう」

ティファニアの頬が一瞬で真っ赤に染まり、言葉がもつれ始める。
タニアはあー、やっぱりぃー、まだなんもしてないんだーとか言いながら、ティファニアを小突く。
そんな二人を見ていたベアトリスは。

「これから上手くいくのですわ!私にあのへっぽこ騎士を墜とす、とっておきの秘策があります、テファお姉さまっ」

負けじと声をあげ、ティファニアの右手をしっかと握る。
ついでにさりげなく、タニアに倣って呼び方を縮めてみたりする。
タニアは自分に向けられるベアトリスの敵意のこもった視線をしっかと受け止め。
…なーるほどー。なついちゃったかー。
納得した。
でも、やっぱりここは。

「へえ。奇遇ねえ。私もこないだ、メイド仲間から『男をメロメロにする方法』教えてもらったんだあ」

言って、空いた左手を握ってみたりする。

「え、あの、その」

視線で戦う二人に挟まれ、ティファニアは真っ赤な顔でしどろもどろのままだ。
そして、二人は同時に、ティファニアに尋ねた。

「私の秘策をお聞きください、テファお姉さまっ!」
「どーせなら『メロメロにする方法』よねえ、お姉ちゃん?」
「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう」

二人に挟まれ、ティファニアは困り果ててしまった。

733:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/31 00:39:51 tWLSNVXJ
さて、今回選んでもらうのは
『ティファニアがどっちの話を聞いたか』です。

・ベアトリス
・タニア

の二択でお願いします。NGワードは他の選択肢で。
先に10票集めた方で書き始めますんで。
では、レディ、ゴゥ!


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