【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22 - 暇つぶし2ch450:名無しさん@ピンキー
07/10/25 03:55:35 RGfN1ypF
>>442少し鬱気味なってきたが、とてもおもしろいな。GJ!!
どんな展開になるのか非常にwktkしてる

>>446バトルktkr!!
終末がどうなるか気になるのですよきゅいきゅい。GJ!!
そして事件が起きた後もいちゃいちゃしてる二人に吹いたwwまぁそれがいいんだがww

451:名無しさん@ピンキー
07/10/25 05:11:39 9ynHWFtC
おめーら落ち着け

452:名無しさん@ピンキー
07/10/25 07:11:24 Vt4O/cI6
>>442
GJなのです。ベアトリスに激しく萌えたんだが、その分テファが怖かったわw

453:名無しさん@ピンキー
07/10/25 10:57:46 L1WR3SwR
テファやべぇw ベア様カワイソスw

454:名無しさん@ピンキー
07/10/25 12:04:44 +8XEDBRf
何この神々の饗宴

455:名無しさん@ピンキー
07/10/25 12:48:49 8Q8JXqba
最近のへんたいさんが生き急いでいる気がしてならない…
大丈夫か?

456:名無しさん@ピンキー
07/10/25 14:45:52 MMk9M6pK
テファが自分で悪と気付いていない
最もドス黒い悪にw

457:名無しさん@ピンキー
07/10/25 17:15:20 3fad8woa
>>455
これは戦いなんだっ

せんたいさんの生が尽きるか、オレたちの精が尽きるかって
たたかいなんだ! www

458:名無しさん@ピンキー
07/10/25 17:58:53 Vt4O/cI6
>>457
サイト「あれ?オレは……」

459:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:07:00 U24xT5kQ
最近ルイズものが少ない気がするけど
別に問題ないぜ

460:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:22:43 AhiSyt7k
奇遇だな 俺も思ってたけど
別に問題ないぜ

461:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:25:11 I9LK2Dii
>>442
テファ黒っ…だが…GJ
ベアトリスがものすごく可哀相でならないぜ…ガンバレ

462:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:26:02 EWo3B/WL
もうルイズがいなくても良いんじゃないか?って感じだけど
別に問題ないぜ

463:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:27:19 AhiSyt7k
>>462
ちょっとヴェストリの広場まで来い

464:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:38:06 qQaHnse8
遅レスだが
>>420のアンソロのタイトルって何?


465:名無しさん@ピンキー
07/10/25 20:01:55 4pwDYjHZ
>>464
URLリンク(www.db.megahit.co.jp)

同人誌二冊買うより安いと考えるものなのかなw

466:名無しさん@ピンキー
07/10/25 20:38:37 qQaHnse8
>>465
㌧クス
これさすがにTUTAYAじゃ買えねーだろうなwwwwwwwwwww

467:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:16:43 EhgfBxPF
よく知らないんだが、こういうのって本家に仁義切ってるの?

468:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:19:36 EWo3B/WL
>>467
そんなこと言ったらエロゲとかあるじゃないか

469:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:20:07 4pwDYjHZ
良く見ればわかるが、「ゼロの使い魔」という書籍名は一切使っていない。
これ以外のパロっぽいエロアンソロも同様。
つまり似ているラノベとかアニメがあるけどそれとは別に普通のエロ漫画という事になる。

470:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:28:28 5bJgTGKl
どうでもいい話なんだが、このルイズ微妙に頭でかくね?

471:名無しさん@ピンキー
07/10/25 22:45:35 GtAKui9J
>>470
人間が大きさを認識するのは眼

『モノ』を大きいと認識する際に必要なのは『比較対象』

このスレに来る変態紳士達は女の子の顔の大きさを無意識的におっぱいと比較している

ルイズはおっぱいが小さい

相対的に顔が大きく見える


上記を『変態相対性理論』として発表したらノーベル平和賞を貰えると思うんだ

472:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:02:45 10Qq7b8B
(*・ω・)きゅいきゅい

473:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:04:04 RKLFq9D5
>>471
ひとつ逝っておくがアインシュタインは相対性理論だはノーベル賞とってないからな?

474:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:19:30 Vt4O/cI6
>>471
でもそんなの発表したらルイズが虚無をぶっ放して戦乱が巻き起こるから……
平和賞はないなw

475:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:30:10 GtAKui9J
>>473
知ってる。だけど俺の研究は貧乳の女の子に夢を与え、貧乳萌えの男の子に希望を与える事に繋がるハズだと確信している。


こ う し て 世 界 は 平 和 に な っ た !



よっしゃ!歴史に名前を残すぜ!ルイズの為にな!

476:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:39:51 +QBG11K8
というか、ルイズが貧乳なのは、虚無の力によって高速で運動しているルイズの胸が、
ローレンツ短縮によって、静止している観測者からは縮んで見えるせいだと思っていたが。

477:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:54:48 GtAKui9J
>>476
虚無の力でルイズの胸が高速で動いているとすれば、だ。ルイズの体重は見た目以上の重さって事になるのか?

せ、青少年の夢を壊すなっ!

478:名無しさん@ピンキー
07/10/26 00:34:32 mahmKHhe
>>471->>477
なんだこいつらw
見に来たら相対性理論とか話題に上がって他のスレに来たと思った

479:名無しさん@ピンキー
07/10/26 00:39:07 HcpbPbCt
もっと分かりやすく説明してくれ…
つまりタバサは俺のってことでいいんだよな?

480:名無しさん@ピンキー
07/10/26 01:21:23 NO6hokRg
>647 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 01:54:49 ID:+N9RxQOZ
>続きます……来年のハロウィンに……とか。

さてこれについてどう思うかね?
この2日後に完結したような気がしないでもないがそれは気のせいだと思うんだ

481:名無しさん@ピンキー
07/10/26 01:33:01 OC5Fi6GH
つまりみんなルイズものを読みたいってことだな?
よし、待ってろ!
寝れば誰かが書いといてくれるさ

482:名無しさん@ピンキー
07/10/26 10:25:01 EN3Qj/d2
>>479
タバサやシルフィードが青く見えるのは光のドップラー効果によるもので、彼女たちがあなたに向かって
高速で接近してきていることを意味しています。

483:名無しさん@ピンキー
07/10/26 10:49:10 EHg8UeNi
ハルケギニアではどの程度まで研究が進んでるんだろうな。ネタになりそうだが。
とりあえず、エーテルすら知らないだろうな。

484:名無しさん@ピンキー
07/10/26 16:13:51 VJSfgPeh
科学の大原則のひとつに「法則は揺るがない」ってのがあるからな。
キリスト教下では法則=神の法ってことで、それを発見し研究するのが信仰の一形態だった。
しかし魔法なんて保存則ぶっちぎりの技術がある以上、
「簡単に書き換えれる法則」なんかを見つけるという科学の目的が低く見られるだろうから
当然科学技術の発展も遅いだろうな。
また魔法なんて便利なものがある以上、創意工夫をひねる隙がない=技術発展は遅い。
特に建築の技術は壊滅だろうな。公共事業系は貴族が関わり、魔法でちょろっとやっちゃいそうだから。
さらにコルベール先生が飛行機いじってたシーンで
「同じものを作るという概念がない」
ってなことを言っていたことから、産業革命以前だってことは解る。
以上のことから、ハルケギニアの技術力は、
ローマ時代レベル-建築技術がいいところじゃね?

485:名無しさん@ピンキー
07/10/26 16:39:10 VT0XOrjy
そんなことどうでもいいから
テファの胸を後ろからたぷたぷしたい

486:名無しさん@ピンキー
07/10/26 17:48:19 k/3F0W9s
テファの乳首を落として、SFCのAボタンにしてやりたい(*´д`*)

487:吝嗇 ◆G.VR4wY7XY
07/10/26 19:27:17 Dh5qt9pW
トリ替えました
>>383の続きを投下します

488:GIFT~トカレフとバチェラー(4)
07/10/26 19:28:36 Dh5qt9pW




ベッドに腰掛けたルイズ、瞳から伺える感情はやっぱり複雑、不安、卑しさ、欲望、でも瞳は死んでない

「なんでもしてやる、ルイズのためになんでも、してあげたい…どうしてほしい…?」

俺はルイズの隣に尻を落とす、体重で沈んだベッドでルイズの体が少し跳ね、俺の体にもたれかかる

「……サイトの…したいこと…したいことをわたしにして…サイトのしたいこと、わたしもしたい…」

ルイズの両眼が眠そうに緩む、瞳に宿るのは、黒い感情の空に浮かんだ桃色の月のような気持ち
もうひとつの月は、きっと俺の瞳の中にある、俺の黒い感情、ルイズへの欲望と、その中に浮かぶ蒼い月

「……俺のしたいことは……そーだな、キスしよっか!」

「…………うん……キスしよ…………」

ルイズが瞳を閉じる、何度か交わしたキス、彼女は両肩に手を添えようとする俺から逃げるように
仰向けにベッドに倒れこんだ、俺も追う、ルイズは閉じていた目を一度開き、俺の意思をたしかめる



ここからは今までのキスじゃない、この世界との深い繋がりは元の世界への帰路を閉ざすかもしれない

「……ん……んむ…んん…んちゅ……ちゅ…ちゅ……ちゅば…ちゅぱ…ちゅぱ……」
ルイズの上に覆い被さってキスをした、契約と同じ唇のキス、俺がルイズの唇にそっと舌で触れると
ルイズは口を少し開けて舌を受け入れた、唇の奥、歯茎、上顎、ルイズの舌と触れるまで舌を進入させる

きっと彼女は俺なんかよりずっと大きい物を捨てようとしている、俺が何かを失うのは当然だと思った




489:GIFT~トカレフとバチェラー(5)
07/10/26 19:29:16 Dh5qt9pW



俺が奥まで伸ばした舌を一度ひっこめると、ルイズの舌がそれについてくるように俺の口に入ってくる
彼女の舌は長かった、俺の口の中で困惑して辺りを見回すように動くと、俺の舌に触れ、絡ませてきた
そのまま互いの口の中を舌で探りあう、ルイズの唾液を感じる、より深く、もっと深くと求めている内に
お互いが口を大きく開けて貪りあう、以前映画で見た時には少しグロいと思ったキスが自然に出来た
鼻は邪魔にならないのかな?と思ってたが、俺の鼻がルイズのそれに触れるたび、体が心地よく痺れた

舌をひっこめ、ルイズの唇をそっと離す、唇で追っかけてきたルイズも、舌を少し出したまま唇を離した

「……サイト………わたし……なんだか、バクハツしそう……なにもいらない……ぜんぶほしい……」

「……これから……どうする……?……」

お互いに黙ってしまった、自分を罵る、これじゃ童貞丸出しのヘタレ男だ、頑張れ俺!地球の代表!

「……ねぇ……どうしよ……サイト……どう、しよっか……?……」

ルイズは挑むような目で見る、求めてる事はお互いに分かってる、俺から言ってくれるのを待っている、


ルイズは、誘ってる


互いに照れ臭くなり、枕元に放り出された雑誌に視線が行く、何のためらいもなく体で愛し合う白人男女
ルイズの手を握る、キスの後で陶酔していたルイズの頬が赤みを増す、握り返された手は熱く湿っていた

不意に雑誌がめくれ、凄い体位で乱れる男女がルイズの目に入った、無修正の結合部は誰が見てもグロい
サイズだけは巨大な白人男根の挿入シーンを見せつけられたルイズの顔がもっと赤くなり、青くなる

「……ダ…ダメ……や、やっぱり今夜はキスしかダメ!…お願い…こんなのしたら死んじゃう!」

「死なないんじゃないかなぁ、でもルイズが望むなら、キスでいいよ…キスがいい…今夜は、ね」

「キスだけ、ね…どこでもいいよ…わたしもサイトにいっぱいキスしたい…ここにも……ここに、も……」

俺の唇に触れたルイズの指先が体に沿って下がっていく、ヘソの下あたりで指を離し、中空を指差す

「どこにキスしても…いい?…君の大切なメイジのマントにキスしても……君は許してくれるかな……」

ルイズの喉元を飾る五芒星を指で少し押すと、ルイズはその手を両手で掴み、マントの中に引き入れた

「……服の上からじゃイヤ…服じゃなくわたしにキスして…メイジのわたしじゃなくて、女のわたしに…」

ルイズは俺のパーカーを引き剥がしながら、俺の手をマントに導く、ふたつの衣が同時に投げ捨てられた

「…………サイト・……ハダカになろ…………」




490:GIFT~トカレフとバチェラー(6)
07/10/26 19:29:54 Dh5qt9pW


乱れていたブラウスにそっと手をかけた、ヴァリエール家の紋章が刻まれたボタンをひとつひとつ外す
ルイズは下から脱がしてきた、ジーンズを力任せに破ろうとしたが諦め、リーヴァイスのボタンに挑む


裸のままキスを交わした、俺は腕を、ルイズは足を絡ませる、女の体ってこんなに熱いのか、と思った

唇を頬に伝わせ、ルイズの耳たぶに触れた、ルイズの体がピクっと跳ねる、首筋、鎖骨、胸、桜色の乳首

ルイズは火がついたように俺の唇を貪った、顔を執拗に舐めては噛み、俺の体を唇と舌と歯で確めている

「……サイト…使い魔じゃない…キスだけじゃない…とうとう…サイトをわたしのものにする時が……」


俺の肩を掴んで仰向けにさせたルイズが体の上を這い、爪先にキスした、腿に向けて唇を伝わせている
「…サイト…この足をちょうだい…わたしはこの足を大事にしまっとく、サイトがどこにも行かないように」
「いいよ」

ルイズは俺の指を音たててしゃぶり、そのまま舌で俺の二の腕のあちこちを執拗に舐め、肩口に噛み付く
「サイト…この腕をちょうだい…サイトがわたし以外の女に触れないように、この腕を肌身離さず持ち歩くわ」
「あげるよ」

ルイズは俺の頭の中に顔を突っ込み、髪の匂いを嗅ぐと、熱い息を俺の頭皮に浴びせ、髪を噛んで引っ張る
「…サイト…この髪をちょうだい…この髪を胸に飾って、サイトがわたしの恋人だって世界中に自慢するの」
「全部あげるよ、あの日に召還されて初めて会った時から、この体はすべてルイズのものだ」

ルイズは大きな口をあけて俺の胸を頬張る、肋骨に歯を立て胸筋を噛んだ、胸に走る痛みはルイズの証
「…サイト…この心臓をちょうだい……この心臓を食べてしまいたい……サイトとひとつになりたい……」
「あげるっつってんだろ」

俺の体中にルイズの噛み傷、その幾つかが血を滲ませている、俺の血で赤く染まった彼女の歯が綺麗だった

「優しいサイトにご褒美をあげる、わたしの命をあげる…わたしを殺して…死んじゃうようなこと…して…」

口から俺の血を滴らせたルイズは自分の腕に歯を立てた、ヤキトリのナンコツを齧るような音がする
ルイズは血を求める自分の顎と歯を満足させると、赤く滴る腕を俺の口に押し付ける、しょっぱかった

「俺は異世界の使い魔、君と一緒の体だって保証は無い、本当に死ぬかもしれない、殺すかもしれないよ」

ここの人間は何もかも俺と同じだった、でも、もしも俺がこの世界に無い肝炎や麻疹でも持ってたら…

「……サイト…わたしとあんた…きっと…別々の世界で生まれたのは…何かの間違いだから…」

鳶色の瞳が俺を吸い込む、ルイズの少し強めな独占欲は危ないと思ってたが、今はそれに心奪われつつある

「……今夜一緒に死んで…一緒に生まれよう…わたしは最初からそのつもりだよ……ずっと最初から……」


命を共にしてもいいと思った、相手を気遣うのが正しい愛の形なら、一緒に堕ちるのが俺のカタチ


シエスタに迫られた時やテファに求められた時は、傷つけたくないという気持ちが形になって現れた
あの胸に触れ、唇を重ねた時ははちきれんばかりに元気だったのに、いざって時に勃たなくなった

俺以後に地球から召喚される人間が性的能力への偏見を受けたなら、原因は俺だ、どうか許して欲しい




491:GIFT~トカレフとバチェラー(7)
07/10/26 19:30:46 Dh5qt9pW


体中を噛み荒らされ、こんな時にまで主導権を奪われていた俺はルイズを少し手荒く仰向けにさせた

今度は唇へのキスを飛ばして胸に食いついた、まだ薄い胸の柔らかみを歯でできるだけ優しくつつく

「……バ…バカっ……なな何すんのよぉ!……ちょ…やめ……ひゃっ!……や……やぁん……」

間近で見るとそんなに薄くない胸の肉を唇と歯で揉み、頂点にある薄アズキ色の粒に吸い付く、強めに

「……やだぁ……サイトぉ……そんなことしても……わたし…おっぱいなんか……でないよぉ……」

ルイズは「……やめてぇ……そんな・……しないでぇ……」と言いながら、俺の頭を胸に押し付ける
その手に力がこもった、少しずつ下へ下へと押す力が加わる、俺はヘソのほうに誘導されそうな頭を上げ
上目遣いにルイズの顔を見た、ルイズは妙に無表情な、瞳にモヤがかかったような目で俺を見下ろしている

頭と上半身を少し持ち上げた隙を突かれ、そのまま俺の頭がルイズの手でうんと下まで引き下げられた

「……そこダメ…そこ全部ダメ…な、なめたりしちゃダメなんだからね……お願い……ダメなの……」

なんとなくルイズが言いたいことはわかったので、柔らかい腹の下、ごく薄い恥毛の中に舌を触れる

「……ダメぇ……サイト……そこ…おしっこ出るところ……キタナイから……ダメ……だめぇ……」

ルイズが熱湯風呂のフチに乗って「押すなよ!絶対押すなよ!」と言っている姿が見えたような気がした


492:GIFT~トカレフとバチェラー(8)
07/10/26 19:31:42 Dh5qt9pW


どこまで舐めていいのか加減がわからず、ぷっくりしたミゾの周囲を輪を描くように舐め上げる
見上げるとルイズは両手足を縮めて声も出せぬ様子で硬直してる、彼女の嫌いなカエルによく似た姿だった

体を上にずらし、桃色のカエルの上にのしかかる、下半身がルイズの目に入んないように気を使ったが
目を固く閉じたり見開いて下を注視したりを繰り返していたルイズは、女のコに無い物を見てしまった

「……サイト……それ……挿れるの……?……イヤよ……はいんないよ……痛くて死んじゃう……」

「……今日は最後までは……やめとく……?……」

ルイズはまだカエルの格好をしていたが、その姿のままいつも通り俺を怒鳴る、顔面に唾が飛んできた

「……こ…このバカ犬!……バカぁ…い…一緒に死ぬって言ってくれたじゃない!もう忘れたの……?……」

声を張り上げて少し落ち着いたらしきルイズは、俺の肩越しに天井を見つめ、両手を組み合わせた


「……神様……始祖ブリミル、お母さまお姉さまお許しください、ルイズはこれから星になります……
……こ…今度こそ…今度こそ星になります…また途中でダメになったら…神様、恨みますからね…」

「ついでに俺の分も祈っといてくれ」
 
「あんたはあんたの神様に…わ、わたしに祈りなさい!これから全身全霊でわたしを、可愛がるって!」

ルイズは俺の頬を確めるように触れ、喉が少しつっかえたような声を出す、吐く息は妙に甘い匂いがした

「……ねぇサイト…わたしに祈って…わたしを優しく、痛くしないようにそっと、大事に、愛するって…
……で…でも……優しすぎるのもダメ…ちょっとぐらい痛いのはガマンするから…優しく、強く、ね…」




493:GIFT~トカレフとバチェラー(9)
07/10/26 19:32:11 Dh5qt9pW


何言ってやがる、と思った俺はルイズの足首を掴み、そのまま足を肩をあたりまで持ち上げて開いた
一気にブチこもうとしたが、ルイズが本気で怯えた目で「……おねがい……おねがい……」と囁くので
俺のモノの先でルイズの女の部分、その中心を避けるようにつついた、縁に沿って撫で上げる
不躾だが、部屋の明るさに助けられ、ついその部分を見つめてしまった、既に透明な液が流れ出している
ルイズは俺が入り口に迷っているのかと勘違いた様子で、緊張で半開きだった口で無理やり言葉を吐く

「なな何よ!あ、あんたも初めてじゃないの!わ、わたしがリードしたげるから言う通りにしなさい!」

ルイズは俺のを指で摘み、しばらく硬さや先の感触を確めてたが、それを溝の中間点より少し下に当て
入り口は無修正物を見た時の想像よりかなり下のほうにあった、俺は二次エロを見過ぎたのかもしれない

「……こ……ここよ……わかる?……ここの中……うんと中のほうに……大丈夫……こわくないから……」

ルイズの歯がカチカチ鳴るのが聞こえる、彼女が感じてる恐怖を和らげようと思ったが、何か頭が働かない

溝に当てた俺のモノに力をこめる、きついトンネルの中で何かが引っかかるような感触、何だこれ?
列車が車輪の前の置石をひき潰すように乗り越えると、レールが敷かれたように一気に奥まで入った

「…………うっ……うぅっ……つぅ!……き……きぁぁぁあああああ!……いやぁぁぁぁぁ!!」


ルイズの悲鳴、この後で腰を動かすってのは知ってたが、そんな事したら俺の鼓膜が破れると思った
俺はといえばルイズの膜を破って痛い思いをさせてるんだが、気遣いとかそういうのは頭から飛んでった
中まで挿れた状態でしばらく固まる、ルイズはカエルのように縮めていた両手足を激しく暴れさせ始めた

「……つっ……い…いったぁい!……痛い!……痛いの……や…やだ!やめる!やっぱりやめる!」

俺はルイズの悲鳴を無視していたが、ルイズは足で俺の体を何度も蹴っ飛ばして引き剥がすと
横向きに体を丸め、前を押さえてしゃくり上げていた、横目で俺を睨む、悪いけど可愛いと思った
ルイズは下に指を伸ばし、血がついてるのを見て泣き出した、俺の顔をチラっと盗み見てまた泣いた


「…………あ……え~と……ルイズ……さん?……ごめん……大丈夫?」



494:GIFT~トカレフとバチェラー(10)
07/10/26 19:32:54 Dh5qt9pW



「……サイトのバカ…このバカ犬!…やさしくしてって言ったのに…痛いじゃないの!…死ぬほど痛い…」

何か彼女を笑わせるか怒らせる事でも言いたかったが緊張で頭が回らない、とりあえず建前を述べといた

「……今度は痛くしないようにするよ……」

「……じゃ……じゃあもう一度………ね………わたしもガマンするから……」

仰向けになって両手を胸の前で組み合わせるルイズの上に覆い被さる、彼女が自然に開いた腿の間に入った

もう一度、今度は焦らし無しで中心に当て、少しづつ、止めることなく奥まで挿れた、すんなり入った

ルイズの押し殺したような声が聞こえる、今度はためらい無く、一度引いた腰をルイズにこすりつけた
うつぶせオナニーの要領で、うつぶせオナニーの要領で、と念じながら腰を動かした、前後?上下?

さっきよりは続いたルイズの我慢もすぐに限界が来たらしい、やっぱり鼓膜が破れるような悲鳴
俺はそれでも腰を動かし続けた、俺の欲望をぶつけるのはルイズを愛する方法として正しいと思った


ルイズの悲鳴と呻き声、途中で気持ちよさそうな声が混じると思ったが、高い悲鳴は濁音の悲鳴に変わった

俺はオナニーの時と違う感覚が昇ってきた、腰あたりの痺れがモノラルからステレオになったような感じ
一人の時にはありえない匂い、果物のような、消毒液のような、臭いけど求めてしまうような匂い
AVやエロゲの声とは全然違う声、呼吸が体内を流れて声を発する感覚が皮膚を通して伝わってくる


結局、最後までルイズは痛みに泣き叫び、その声が一段高くなった後で「かはっ」と息を吐き気を失った



限界の寸前でルイズの体から俺のを引き抜き、そのハダカにたっぷりと液をブチ撒けた
中には出さない、いつかこの世界を去る俺がルイズと一線を超えた時に誓った数少ない楔だった


それは俺がこの先、幾度ルイズと肌を交えることになっても、命に替えてでも守るべきと決めたことだった

腹を中心に白い液で汚したルイズの隣に崩れ落ちる、ランニングの後のような深く早い息をする俺の隣で
ルイズは心臓麻痺でも起こしたような不規則な呼吸をしていた、ルイズの、俺の恋人の顔を見つめる
ルイズは白目を剥いていた、俺は顔を逸らし、何かティッシュの替わりになる物を探し始めた


終わったと思った、こんなもんかとも思った、童貞の頃の想像とは違った、違っててよかったと思った




495:GIFT~トカレフとバチェラー(11)
07/10/26 19:33:38 Dh5qt9pW



俺はルイズの隣で天井を見つめながらぼんやりしていた、今後のことを考えようにも何だか頭が呆けてる
気を失っていたルイズが「はうっ!」と声を上げ、体を痙攣させながら意識を取り戻した、色気ねぇな

ルイズは焦点の合わない目で俺を見ていたが、柔らかい肉球のような手で俺に触れ、突然抱きすくめた
俺を横向きのまま胸の前に抱え込み、両手足でしがみつく、映画やアニメに出てくる恋愛シーンよりも
野生動物の生態を映した番組を思い出す、あのテレビの通りになるなら、俺はこの後で喰われる
ルイズは白い牙を剥き出し、俺の首筋に熱い息をかけながら両手足で締め上げる、耳の凄く近くで声がした


「……サイトはわたしの物……わたし以外にサイトの体に触れる女は……殺してやる……殺してやる……」
ルイズの情事の後の愛撫は、呪いの言葉と共に才人の背中に立てた爪だった、そのまま掌を俺の手に重ね
「この手をたぶらかすおっきなオッパイをちぎり取ってやる……もしその時は…この手も貰うからね…」


猫のように気分屋で猫のように高慢なルイズは、俺と一緒に眠る時には猫のように甘えん坊になる
そして猫は俺と激しく愛し合う時、獰猛で貪欲な虎になる、虎はその捕食と縄張りのために死ぬまで戦う

桃色の虎は巣に持ち帰った獲物を抱え込むように俺を包み、その牙と爪で俺をもてあそんでいた
さっきまでの愛の営みで火照っていた体が少しづつ平熱に戻っていくにしたがって、虎は再び猫になる

猫は俺の胸の前に納まる、俺が両腕をルイズの体に巻きつけると彼女は匂いを嗅ぎ、それから舌で舐めた
「にゃ~ん」って声が聞こえてきそうな甘ったるい顔で、ルイズは俺の胸や顔に自分の顔を擦り付ている

「……サイト……なんかお話して…サイトのお話…わたしサイトのことを何もしらない…たくさん話して…」

俺に昔話をねだるルイズ、可愛い猫の手からは嘘吐きを引き裂く虎の爪が生え、俺の喉に食い込んでいた



496:GIFT~トカレフとバチェラー(12)
07/10/26 19:35:20 Dh5qt9pW


ルイズを胸の前に抱えながら、色々な話をした

「で、その誕生日プレゼントをくれたコが俺の初恋の女のコだったんだ、冷やかされて恥ずかしかったよ」
「……その娘……どうなったの?」
「俺がプレゼントのお返しを持ってったら、家には誰も居なくてね…引っ越しちゃったんだ…それっきり」
「…サイト…わたし、サイトが子供だった時間に行ってみたい、サイトやその友達、その娘と会うの」
「会ってどうするんだ」
「言ってやるの、『わたしはこのひとの未来の恋人よ、よこしなさい』って……横取りをしに、行くの」
「盗らなくたって、俺はここに居るよ、あの頃の俺は違う俺なんだ、今の俺はここに居る、これからも…」
「だってくやしいんだもん、子供の頃のサイト…わたしの知らないサイトを知ってるなんてずるいんだもん」


俺が小学校に入ってすぐの二度目の恋の話をする頃、ルイズは俺の胸で安らかな寝息を立て始めた



497:GIFT~トカレフとバチェラー(13)
07/10/26 19:36:02 Dh5qt9pW



翌朝

俺はその雑誌をもう一度ゴミ箱に捨てた、もう拾うまいと思い、なぜか手をパンパンと打って拝んだ

分厚く艶のある表紙で装丁された雑誌はルイズの八つ当たりとそれ以外の理由でボロボロになっていた

ゴミ箱にはあの時捨てた拳銃がまだ転がっていた、マメなゴミ集めをしていないルーズさに少し呆れたが
数日放っといただけでゴミ箱からゴミが溢れる世界が正しいかといえば、そうでもないような気もする

俺は夕べの痕が痛む体を捻りながら、表紙が破れホチキスが取れかけた雑誌を木箱の底に押し込んだ
いずれ燃えるゴミは風呂を沸かす焚き付けになり、鉄の機械は街の鍛冶屋が溶かして鎌にでもするだろう


後ろを通りがかったシュヴルーズ先生が、雑誌から飛んだホチキスを摘み上げる、赤土のメイジは
「これはわたしのひい孫みたいなものですね」と茶目っ気のある顔で笑うと、「まだ早いぞ」と言い
ホチキスの針をゴミ箱に放り込んだ、粘土から作られた金属、アルミニウムが俺の世界で生まれたのは
中世の末期で、実用的な普及は大規模な電気精錬が行われる20世紀まで待つ事になると漫画で読んだ
そしてアルミニウムは戦争の道具を多く生み出し、精製に必要な大量の電気は地球の資源を浪費した


拳銃と同様、労せずして女の裸を好きなだけ見られる物もまた、この時代にはそぐわないように思った
俺は夕べルイズにつけられた噛み跡と引っかき傷を撫で、それと引き換えに得た物を頭の中で妄想した
ルイズのまだ未成熟ながらしなやかな肢体と、桃色の髪を燃やしながら乱れる情熱的な姿、その感触
きっと俺がそれを望んだ時にそれはもう一度感じられるだろう、また体中に代償を刻まれるだろう

この世界のこの時代では大切なものは簡単には手に入らない、それはとても愛おしいものだから



                                            (完)









498:吝嗇 ◆G.VR4wY7XY
07/10/26 19:36:39 Dh5qt9pW

以上

スレ拝借失礼しました

499:名無しさん@ピンキー
07/10/26 20:47:22 MCj0fCyo
>>498
GJ!!!

今俺の後ろにママンがいるぜwww

500:名無しさん@ピンキー
07/10/26 21:38:47 A6kHk2u7
>>420
買ってみた。 エロアンソロを買う事自体が久々なんだが、
9話中1話がシエスタ責め×ルイズ受け。 それ以外すべてサイト×ルイズ。 
ボチボチな出来。

SSスレは最近見始めたのだが、このスレの職人さん達の表現力の素晴らしさに脱帽
楽しく読まさせてもらってます 
wikiで最初から読みだしているんだがすべて読破するのも時間かかりそう。
URLリンク(wikiwiki.jp) が今のところ一番お気に入り。
シエスタ好きなんだが バックアップに回るジェシカも可愛い。
職人さんに多謝! 駄文スマソ

501:名無しさん@ピンキー
07/10/26 21:51:32 AIQfVLxb
ところで13巻っていつだっけ

502:名無しさん@ピンキー
07/10/26 22:17:03 /Kg8Buw4
シルフィストの俺が、タバサの冒険2を読破。

205氏が熱望していた、竜態シルフィの挿絵は今回もナシ、か…。

ただ、使い魔同士の会話というシーンには、ある種の既視感を。

まさか…。www

503:名無しさん@ピンキー
07/10/26 22:31:37 EHg8UeNi
>>502
お、おいらにも既視感あったんだな!

こいつはひょっとするとひょっとするかもしれねぇぜ…

504:名無しさん@ピンキー
07/10/26 22:41:50 TfmvD2iM
つまり、君達は、このスレにノヴォル・ヤマグットィーニが入り込んでいる可能性がある…と言っているのか?

505:名無しさん@ピンキー
07/10/26 22:54:43 nApMrK/S
それよりなにより俺が気になったのは後書きなんだ
なんかもの足りないんだよ。
そう、カオスだ一心不乱のカオスが今回の後書きには足りてないんだ

506:名無しさん@ピンキー
07/10/26 23:10:46 GlPBTD9I
つか作者の方も自分の作品は気になるだろうから、
2ch位は見ると思う、多分このスレも見た事は有るはず?

507:名無しさん@ピンキー
07/10/26 23:14:18 AIQfVLxb
さすがにそれは言いすぎだろ
その理屈だとほとんどの漫画家・作家は2ch見てることになるぞ

508:名無しさん@ピンキー
07/10/26 23:28:55 t2lyjyei
まぁしかし見る人は少なくないだろうな
俺も使い魔達の会話に既視感があったw原作では未出だったよな?な?

509:名無しさん@ピンキー
07/10/26 23:54:12 oq1ZhSr5
>>500
>>シエスタ責め×ルイズ受け
節子・・・それ、シエスタやない、アンリエッタや!
俺も原作知らずにアニメ見てた頃はメイドにコスプレする趣味のある王女だと思っちまってたが。
MFのアンソロジー土魔法の章でも入れ替わりネタがあったくらいだし。
一応髪がストレートなのがシエスタで、髪に曲線があるのがアンリエッタ王女。

魔法世界の設定をもう少し上手く活かして欲しかったのと、
キュルケやタバサが空気になってたのが残念(モンモンなど1コマしか・・・)。

510:名無しさん@ピンキー
07/10/27 00:18:30 PX4OPNXd
ほう、アン様だったのか。シエシエと一緒にされるのは悲しい。
いや嫌味じゃなくて、二人とも持ち味ちがうだろw コミックでアン様のエロか。濃いやつが読みたいね。

511:名無しさん@ピンキー
07/10/27 01:43:38 lGPfs5gp
あれ?タバ2解禁だよね?全く話題になってない件についてw

512:名無しさん@ピンキー
07/10/27 04:49:31 YwVEqUoi
長編がマンネリ化したときに書かれる短編は実に面白いの法則

色々使えそうな要素がちりばめられていたので、皆様の新作が楽しみだ

513:名無しさん@ピンキー
07/10/27 10:07:38 Y9syyJue
そういや本家のシルフィはタバサのことを頭かいぐりかいぐりしたり、自分が
姉みたいな物言いするときが結構あったね。
このスレで完全にアホの子扱いされてるのに馴染んじゃって、逆に違和感あったw

514:名無しさん@ピンキー
07/10/27 10:27:43 m1JxgYX2
>>513
「おまえは…」「この小っこいの…」とかなww

515:名無しさん@ピンキー
07/10/27 11:24:14 EYgCj+0B
本来は登場人物中最も年よりだしなぁ。

516:名無しさん@ピンキー
07/10/27 12:23:17 EWBut2em
だが人間の歳に置き換えるとロリくらいだったよな?

517:名無しさん@ピンキー
07/10/27 12:43:10 oP7ZQ+74
頭は悪く
仕事はたまに任務でタバサを運ぶだけで
自分でとる以外、飯はコックとかタバサとかにたかり
古代種としてのプライドだけは妙に高い

これってなんてニート?

518:名無しさん@ピンキー
07/10/27 13:15:46 utO8/mwz
束「ごくつぶし」
汁「な、な、この古代種のシルフィをつかまえてごくつぶしってどういうことなのね! きゅいきゅい!」
束「ニート」
汁「シルフィはちゃんと働いてます! お姉さまを運んだり、戦ったり、囮になったり、きゅい! どこがニートなのね! 待遇の改善を求めるのね!」
束「バカ」
汁「ば、バカ! シルフィがバカ!? ありえない、ありえないのね! ホントはね、シルフィはお姉さまなんかよりずっと頭がいいんです。だから撤回するのね! このちんちくりんの似非あやn」
束「黙れ」
汁「はい」


519:名無しさん@ピンキー
07/10/27 14:33:38 NNVNHcq2
酷い言われようだなwww

520:名無しさん@ピンキー
07/10/27 14:53:05 DikhA0tv
シルフィ意外と従順w
だが汁とみるとメイド服着た誰かを思い出してしまう。

521:名無しさん@ピンキー
07/10/27 15:07:44 QDIG8eLR
シルフィはバカの子だというのが最近の学会での定説なのにヤマグチノボルは考証が足らないな

522:最高のお土産
07/10/27 17:02:07 mNwz42Qi
「サイトの、いっちばん大切にしてるものをちょうだい」
 ルイズはサイトを正面から見つめて言った。
 明日はサイトが地球に帰る日。別れの、最後の思い出にというわけだ。例のボロパーカーはとっくにルイズにあげて
しまっている。デルフは小さく震えて言った。
「相棒、俺をお前に買ったのって嬢ちゃんだろが」
 サイトはそっか、と言ってデルフに伸ばしかけた手を止める。改めて荷物を見回すと、こちらに来たときに持っていた
ノートパソコンが目に入った。初めて会った日、ルイズに異世界から来たと納得させた品。サイトは丁寧にパソコンを手
にとると、黙ってルイズに手渡した。ルイズはパソコンを抱きしめ、小さな声で「大事にする」と呟いて顔を背けた。
 なぜか、その日ルイズはサイトに手も触れなかった。

「やっぱ、来ないのか」
 異世界への扉の前。この世界に来たときの荷物にデルフリンガーのみを加えた格好でサイトは周りを見回す。シエスタ
はぐずぐずと泣きながら毒つく。
「意地っ張りも限度ってものがあるはずです!ミス・ヴァリエールは馬鹿です大馬鹿です!」
 サイトはシエスタの剣幕におののきながらもう一度全員を見回した。と、後ろからタバサが大きな荷物をシルフィード
に背負わせて現れた。
「お土産」
 サイトは、はあ、と呆けた返事を返す。タバサはがんじがらめに縛ったその荷物をサイトに預けて言った。
「ルイズが、別れのお返しって。ルイズは、包装できないから、私が荷造りした」
「あ……ありがとう」
 タバサは普段より冷たい声でさらに言った。
「サイトが、一番喜ぶもの、これしかないから。悔しいけど」
「悔しい?」
 聞き返すとタバサは少し頬を赤らめて毒つくように言う。
「着いたらすぐに開けて。腐ると危ないから」
 何だかよくわからないが、サイトはうなずいて扉に向かった。虚無の力で作った門。そこを通れるのは異世界から来た
者と、それに伴うもののみだ。ルイズのいない見送りの声を背にサイトは扉をくぐった。

 強烈な光から飛び出すと、そこは喧騒の中だった。店の装いや看板は変わったが、それでも見慣れた秋葉原の街並み。
「帰ってきたんだ……俺、地球に帰って来たんだ!」
 思わず叫んでから慌てて首を引っ込める。幸いアキバだったおかげか、ちょっとイッたオタクと思われただけのようだ。
「よう相棒、荷物、ほどかなくていいのかい?」
 言われてサイトは荷物を背負って店と店の小路に入り、どさりと荷物を落とした。何かごぎゅっ、と変な音がした気も
するが、タバサのことだ壊れやすいものを入れるような不注意はないだろう。
 隣りの店では「すももももももフェア」の旗がはためいていた。旗に描かれた桃色の髪の少女を見て、サイトは涙ぐみ
そうになる。
「あの馬鹿意地っ張り……」
 気を取り直してサイトはデルフで荷物の縄を解いて袋の口を開けて中を覗き込んだ。中には桃色のふわふわしたものが
入っている。お土産が動いた。涙を溜めた勝気な目が、黒いオーラを発しながら見上げて叫んだ。
「犬ーっ!早く開けなさいって言ったでしょーっ!お土産を投げ出すなんてどういう神経してんのよこの馬鹿犬!」
「ってか何でルイズお前っ!」
「サイトからいっちばん大切なものを貰ったんだから、私だってお返ししなきゃラ・ヴァリエールの名が泣くわ!だから
私の、その」
 ルイズは言いよどんで目を逸らし、改めてきっ、と顔を上げた。そしてルイズが口を開いたと同時に「すもももももも
フェア」の店員が店頭のラジカセのボリュームを最大にあげた。
「私をサイトにあげる!」「♪子っ作っりしっまっしょっ♪」
 サイトは一瞬呆けて、そして呟く。
「ルイズが、俺に全部くれて、子作り……」
「子作り違う!先に結婚式!だって私もう……」
 ルイズは袋から這い出してサイトに飛びつく。それはいつも見慣れた魔法学院の制服でも普通のドレスでもなく、純白
のドレス。トリステイン式のウエディングドレス姿だった。
「サイトぉ、私この世界で一人ぼっちなんだから、早く……もらって」
 サイトはルイズをぎゅっと抱きしめる。目を閉じたルイズにそっと口付ける。ルイズの舌がサイトの口内を侵す。
「でもやっぱり、サイトの赤ちゃん欲しいな」
 ルイズは恥ずかしげにサイトの手を控えめな胸に導き、いつも蹴っていたサイトの股間をそっと優しく撫でた。

 後にルイズが住人を指して、アキバを「マリコルヌ・シティ」と呼ぶようになったのは別の話。

523:522
07/10/27 17:10:30 mNwz42Qi
先日、ラノベ板のヤマグチノボルスレに勢いでカキコしました。
その内容を膨らませてこっちにカキコしてみた。

1年前にローゼンメイデンスレに2本カキコして以来の初心者っス。

524:名無しさん@ピンキー
07/10/27 17:31:09 JYLCaAtd
>>522


1番下の行自重しろww
アキバ=デブの街かよwそれは間違ってる!アキバ≡デブだ!

525:名無しさん@ピンキー
07/10/27 17:32:36 lGPfs5gp
>>514
あれって始め、イザベラの物真似してんのかと思ったw

526:名無しさん@ピンキー
07/10/27 17:48:48 a9ulwUih
タバサがお土産を渡す場面で

『タバサは大きな荷物を背負うようにシルフィードを持って現れた』

『タバサはがんじがらめに縛ったシルフィードをあずけて』

に見えたオレはベア様万歳

527:名無しさん@ピンキー
07/10/27 18:48:39 EWBut2em
寧ろ亀甲縛りにだな

528:名無しさん@ピンキー
07/10/27 20:00:34 BUATp/Oi
>>524
外見がマリコルヌなのではない、
魂がマリコルヌなのだ

529:名無しさん@ピンキー
07/10/27 20:52:16 Wy90+MZg
マリコルヌの塊

530:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:03:53 5Da6EYqM
マリコルヌを転がしてビューティフルなマリコルヌに

……ビューティフルマリコル魂

531:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:06:54 BEP8nfEB
                   _ _     .'  , .. ∧_∧
          ∧  _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '     (    )
         , -'' ̄    __―=', ・,‘ r⌒>  _/ /
        /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
       /   ノ                 |  /  ノ |
      /  , イ )                , ー'>>523/´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/


                   _ _     .'  , .. ∧_∧
          ∧  _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '     (    )
         , -'' ̄    __―=', ・,‘ r⌒>  _/ /
        /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
       /   ノ                 |  /  ノ |
      /  , イ )                , ー'>>301/´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/


532:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:07:56 rRI1/y2z
行方不明になってた高校生が女連れて戻ってきたら大騒ぎになるwww

533:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:12:05 BEP8nfEB
>>531
誤爆

534:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:24:46 Vv+t+FJf
なんて的確な誤爆だ。

535:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:34:29 wi16GmeG
よりによって直近の投下報告のレスをスマッシュwww
誤爆報告がなければ301=523って何で分かったんだろうと悩むところだったwww

536:名無しさん@ピンキー
07/10/27 22:13:01 i8ZAfSTu
そういや何日か前に「ルイズの家の爵位が~」という話があったけど

公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵

これはおおむね正しいんだけど「公爵」は他の爵位と違って「王家直系」
という意味合いがある。虚無の素養は「ブリミル(及びその弟子)直系」で
ないと発現しないのでヴァリエール家の爵位が公爵で無いと設定が破綻
しちゃうので注意が必要かも。

537:名無しさん@ピンキー
07/10/27 22:38:33 oEqKi4B3
多分、爵位なんてどれも同じと思ってる人もいるんじゃないかな?
貴族社会なんて現代日本にはほぼ無縁だし、触れられるのはフィクションの世界に限られるし。
華族を研究した自分からすれば、爵位を間違えるなんて「ルイズのおっぱいは公爵級」、「タバサのおっぱいは侯爵級」、「テファのおっぱいは伯爵級」と言ってる様なもん。
もちろん大きさね。

テファのおっぱいは公爵と名乗るだけの格はある。いや、それどころか『王』にも『神』にも相当するだろう。
『乳神様』だ。

それに比べてルイズやタバサはへいm…



すまん、誰かきた

538:名無しさん@ピンキー
07/10/27 23:25:37 6CzQs3jr
>>536
キュルケやベアトリスのゲルマニアは多分我々の世界のドイツと同じ
爵位制度なんだろうな 実際結構簡単に貴族になれたらしいしな
そういやテファの親父はアルビオン王弟で爵位は大公だっけ?

539: ◆LoUisePksU
07/10/28 00:29:50 M9do1U9l
平日は忙殺されていたので書きだめができんかったorz
というわけで短いのだが、「サイトが魔法を使えたら」+「桃色Sisters」の2本立て、投下開始。

540:サイトが魔法を使えたら(1/1)
07/10/28 00:30:54 M9do1U9l
空。そして湖。それがサイトの左目に飛び込んできた景色だった。
ルイズ!?
いつの間にか左の耳から耳鳴りは消え失せている。その耳から聞こえるのは風切音。そして左目の視界の主、ルイズの声だった。
”サイト?私の声が聞こえるの・・・・?”
「ああ、聞こえる。ばっちり。」

湖。そして湖岸に群れるアルヴィーたち。そして右の耳からサイトの声がした。
”ルイズ!?”
サイトが見るものだけではなく聞いたものも分かった。まるで自分がそこにいるかのように。そんな自分に驚き、そして嬉しいルイズなのだった。
「サイト?私の声が聞こえるの・・・・?」
”ああ、聞こえる。ばっちり。”

サイトは言葉を続けた。
「おまえもつながったんだな・・・声で分かるぜ。っと。」
目の前に群がる敵を槍捌きとマジックスペルの合わせ技で弾き飛ばす。とはいっても倒しても倒してもキリがない。どこからともなくわらわらと溢れるアルヴィー。これまで歴戦を戦ってきた彼でも無傷というわけにはいかなかった。掌、二の腕、脇腹などに傷を負っていた。
「ルイズ、お願いだ。ここに降り立つまでに魔法唱えといてくれ・・・おれちょいやばめ」
”イサ・ナウシド・ウンジュー・----”
ルイズの心地のよい詠唱がサイトの左耳に入ってくる。

視線の先にいるミョズの背後に巨大な影が現れた。
ヨルムンガント・・・!!!サイトは青ざめた。
”だーりん。ねぇ。だーりんってば。”
グングニールが声をかけた。
なんだよ。どーすりゃいーんだよ。あれ。
”あたしをあれ目がけて投げてちょーだい”
んなことしたら俺お前拾いにいかないといけないんじゃ---俺丸腰だぜ?
”だいじょうぶよぉ。ちゃんと自分で戻ってこれるのよ~。だから、な げ て”
巨大な人形がこちらに近づいてくる。
ままよ----意を決したサイトは、グングニールを上段に構え、走り出した。スピードが乗ったところで背中を反り、振りかぶる。グングニールの穂先とサイトの左手のルーンの輝きが同調するかのように光を増した。
いっけーーーーーーーーーー!!!!
ヨルムンガント目がけてグングニールを擲った。

”おまえもつながったんだな・・・声で分かるぜ。っと。”
私とサイトは今つながってるんだ。ルイズの心に温かい火が灯る。
”バキン!ドカッ!”
何かがぶつかる音がする。不安な気持ちが溢れだした。
”ルイズ、お願いだ。ここに降り立つまでに魔法唱えといてくれ・・・おれちょいやばめ”
サイトの声が届いた。ルイズは不安を吹き飛ばすかのようにシルフィの背中に立ち上がった。

イサ・ナウシド・ウンジュー・----
アルヴィーにかけられたスペルを解除する”ディスペル”を唱え始めた。
しかし詠唱開始から寸刻のたたないうちにルイズは右目に新たな敵を捉えた。
即座にスペルを”エクスプロージョン”に切り替える。
”ヨルムンガント!!!”サイトの叫びが飛び込んでくる。絶対に倒してやるんだから。
エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ----
ルイズの中で魔法の力がうねりはじめた。

541: ◆LoUisePksU
07/10/28 00:32:24 M9do1U9l
ここまで。短くてスマソ。続いて「桃色Sisiters」いきます。

542:名無しさん@ピンキー
07/10/28 00:32:40 gsNk0VNs
しえーん

543:桃色Sisters
07/10/28 00:34:07 M9do1U9l
∽ ∽ ∽ ∽ ∽
抱き寄せた彼女の桃髪の匂いは紛れもなくルイズのものだった。
離れてしまわないように才人はしっかりと抱きしめた。

「----おにーちゃん。わたしのこと、その人と同じように『ルイズ』って呼んでいいんだよ」
才人に強く抱きしめられながら彼女はつぶやいた。彼女の言葉に才人の拍動が速まった。
「どきどき。聞こえるよ。すっごくドキドキしてるね----」
彼女は才人を見透かしたように言葉を継いだ。
俺、どうしたらいいんだろ。思い余って抱きしめたまではいいのだが、才人にはこれ以上どうしていいのか分からなくなっていた。

コン、コン。部屋のドアがノックされた。

「誰か来ちゃったね。私どいたほうがいいのかな?---それともこのままがいい?」
なんという二択を迫ってくるんだろうか。彼女は。緊張の余り才人は言葉に詰まった。
”ロック”
彼女はそうつぶやくと、ドアのノブがカチャリと音を立てた。
「ルイズ。魔法・・・・・・使えるのか」
まさか彼女に力があるなんで思ってなかった。そして思わず『ルイズ』と言ってしまった自分に少し照れてしまった。
「うふふっ、不思議な力でしょ。でもおにーちゃん、わたしのこと嫌いになっちゃやだよ」
彼女は才人の胸でもぞもぞと動いて顔を上げた。
∽ ∽ ∽ ∽ ∽
ノックの主の声が聞こえた。サイトはその声には聞き覚えがあった。
「サイト殿。ここを開けていただけませんか」
彼女は悪戯っぽ笑みを零しドアの方を振り返り、その声の主に声をかけた。
「あ、おねーちゃん。えへへ。今はそのドア開かないよー」
「まぁまぁ。ルイズったらおいたはだめでしょ」
ドアの向こうの声の主はそういうと続けてこう唱えたのだった。
”アンロック”
一瞬の間に彼女のかけた魔法が解かれ、ガチャリとドアが開けられた。
才人は首を上げてドアの開いたほうを見た。そこにはある部分を除いて彼女と同じ容姿の芳紀な女性が立っていた。
「か、カトレアさん?!」
才人は声を呑んだ。
カトレアは才人をみて天使のような微笑をたたえた。
「しばらくぶりです。サイト殿。」
カトレアは彼女に目を移した。
「まぁルイズったら、なんて格好してるんでしょう」
その言葉とは裏腹にカトレアはころころと笑っているのであった。

544: ◆LoUisePksU
07/10/28 00:36:00 M9do1U9l
以上でした。ノシ

最近こじかを買ったせいか、「桃色」のルイズが影響を受けているかもしれん。

545:名無しさん@ピンキー
07/10/28 01:07:08 5+iFQA50
>>538

大公というのはどちらかといえば王の兄弟に対する敬称に近いかと。

公爵は…要するに江戸幕府における御三家見たいなもので王位継承者
のストックもかねているというか…現国王(女王)には子供がいないから
11巻の件が無かったとしてもルイズが玉座に座る可能性はあったんだよな。

546:名無しさん@ピンキー
07/10/28 01:19:20 fgdF4kvM
当たり前のように投下作品と雑談が共存できているこのスレの良い方への異常さには、つくづく驚かされる。

ただ、作品投下直後に感想も無しに雑談に興じるのはちょっと良くないんじゃね?
雰囲気が独特で感想書きづらかったり、1レスの続き物では反応が難しいのも確かにあるかもしれんが。

KYでスマソ

547:名無しさん@ピンキー
07/10/28 02:00:44 FwRMsetM
>543
カトレアもかよ!いや、sistersだから一人じゃないのは当然だが。
って、もしかしてもしかしたらエレオノールさんもですかぁっ!?
>546
うん、そうだね。鏡を覗いたらいいと思うよ。
スルーできない俺もだけど。

548:名無しさん@ピンキー
07/10/28 04:38:51 rNdwKXuv
URLリンク(www.mmv.co.jp)

( ゚Д゚) アン様とタバサに即死させられたw

549:名無しさん@ピンキー
07/10/28 05:00:26 VPPi11R2
どうもこの作品のアニメ絵は(ゲームだけど)
受け付けないなあ

550:名無しさん@ピンキー
07/10/28 06:06:55 uB7PjMfG
ルイズって瞳の色ピンクなのか…

551:名無しさん@ピンキー
07/10/28 07:03:18 5zstwJGX
鳶色(茶褐色)のはずなんだがなぁ…

552:名無しさん@ピンキー
07/10/28 08:10:02 i7Hx2uqf
>>548
待て、あれは偽者だ。
あんなに胸があるのはおかs

553:名無しさん@ピンキー
07/10/28 09:21:48 c+HgY4kZ
>>552
ホントだ。まるで谷間がある様にみえr

554:名無しさん@ピンキー
07/10/28 10:42:56 sBr9x3u2
あれ? 今日って花火大会だったっけ、妙に爆発音が

555:名無しさん@ピンキー
07/10/28 11:13:36 JBrkHAB1
へっ、汚ぇ花火だぜ!!

556:名無しさん@ピンキー
07/10/28 12:12:19 8f2Dqs1q
またミス・ヴァリエールと>>522君かぁ(^_^;)

>>548
すべてエロい!GJ! 
パロディウスもどきも面白そうだし予約済
1作目の廉価版買ってくるわ
ところでゲームにテファは出てこないのか?

557:名無しさん@ピンキー
07/10/28 14:39:32 BzQ7DAcB
お久しぶりです。虹山です。
らき☆すたの22話を久しぶりに見て感動し涙が止まらなかったです。はい。
その温かな家庭がもしゼロの使い魔の世界だったら?
という電波を受けて書いてしまいました。


558:ぜろ☆すた
07/10/28 14:44:17 BzQ7DAcB
ラ・ヴァリエール家のはずれにある日本風の墓。
ここに二人が手を合わせて合掌している。
一人は長身にスーツ、黒髪で黄色い肌と長い剣をを持った
ハルケギニアでも珍しい装いの青年。歳は二十歳前後だろうか。
もう一人は背が小さく痩せており、マントに魔法学院の制服を着た
桃色のウェーブのかかっていないロングヘアで、黒い瞳を持った少女。

「ねぇ、お父様」
「ん。なんだ?」
「お母さんってどんなひとでした?
ティファやデルフに聞いても教えてくれないんですもの。
お父様にお聞きになったら?としかいってくれないもの」

そうか、この娘は母親の顔を覚えていないんだな。
二人とも教えてやれば良いのに。

「そうだな……姿顔立ちはカトレアさんで性格はエレオノールさんにそっくりだったな」
「姿顔立ちはちぃ姉さまで性格はエレオノール伯母様ってことは……
ドSでツンデレで小さくて巨乳の女王様ってこと?」

何でこの娘はこんな用語を知っているんだ?俺はこんな教育をさせてしまったのか?
いや、してしまったんだろう。テファがそんな教育するはずないもんな。
ちなみにこの娘はテファって言うのが呼びにくいのかティファって呼んでる。

559:ぜろ☆すた
07/10/28 14:45:16 BzQ7DAcB
「おっと、かなり良いところをついているが一つだけ違うぞ?お前のお母様の胸ランクは虚無だ!」
「えぇ!ティファが使ってるあの魔法ランク!?
あ、だけどティファったらあの胸は巨を超えて超ですよね。
よかった~私は小くらいあって」
「静かに!これ以上言っちまうとルイズが化けて出てしまうぜ?」
「それだったらいいですね。わたしのお母様が見られるのですから!」

やめてくれ!そんなことしたら俺が犬の呪いをかけられてしまう!
夢に出てきて鞭に打たれたり、エクスプロージョンだけは勘弁だ!
普段からルイズパパに公爵家として書類のサイン書いたり貴族としてのあり方とかいろいろ学んでるから、
休憩する暇って言ったらこの毎朝の墓参りと寝る時しかないんだよ……。

「お父様がそんなお母様を選んで、私を溺愛ってことはお父様って貧乳好きってことですよね?」
「いやいやまてまて、それはちょっとちがうぞ!」

娘は俺の眼をみている。どっかの犬が言ってたな、「眼を見ればわかる」って。
人間そんな簡単にいかないんだよ。それだけでわかるのなら俺はそいつにシュヴァリエの称号を与えてやりたい。


560:ぜろ☆すた
07/10/28 14:46:14 BzQ7DAcB
「貧乳も好きだし、美乳も好きだし、巨乳も好きだから……よーするに胸全般がだーい好きってことだ!」

俺は女湯をのぞくために命を捨てるのもかまわない男のように指を天に突きつけていった。

「どれにしてもダメ男って事には変わらないですね……」

ちょっとココロが傷ついた……。

「そしたらお父様が私にぺたぺたしてきますけど、私が男子だったら今と同じように接してきましたか?」

俺は悩んだね。あぁもちろん悩みまくった。
もし男だったらそりゃもうアニエスさんみたいにびしびし鍛えてるけど、
今は娘の前!同じように接したといってやらねばいかんな。
でも待てよ?それって俺ショタコンになるんじゃないのか?ついでにホモ?
…………えぇい、別に同じように接したで良いじゃないか!
……これを考えるのに0.1秒だったと思う。


561:ぜろ☆すた
07/10/28 14:47:58 BzQ7DAcB
「……………当たり前じゃないか~~」
「はいはい~よーく分かりましたよ。よかったですね私が女の子で」

しまった!判断はよかったが口が開くのに時間がかかってしまったようだ!
絶望した!口が思うように動かないことに絶望した!

心地よい風が流れてくる。空を見上げると今日は快晴だった。
確か理科では上を見上げた時に
雲の量が0~2割くらいが快晴だったっけ?などと考えていた。

「ねぇ、お父様。お母様って小さいらしいし、
使い魔として召喚されたお父様のご主人様みたいですしツンデレで貧乳って、
なんかエロ小説を書いている人が作ったキャラみたいですよね」
「だろー!ルイズは俺のストライクゾーンど真ん中でなー!」
「でもお父様がお母様にベタ惚れなのは分かったけどなんでお母様はお父様と結婚したんだろう?」

562:ぜろ☆すた
07/10/28 14:50:42 BzQ7DAcB
「あーそれはだな……
 

 お前が振り向いてくんないから!俺はこんな巨乳好きの男になったんだ!


 といったら割とすんなり」
「あなたは最低だ!」
「でもほんとの事だし……」
「それって脅迫じゃないんですか!
私はもっと『ルイズー!お前が好きだー!お前が欲しいー!!』みたいな回答を期待していたのに……」
「いやいやもちろんそれだけじゃないぞ本当に。
 特にお前が生まれた時には、ルイズものすごく喜んでたしな」


563:ぜろ☆すた
07/10/28 14:54:03 BzQ7DAcB
~二十年前~

「終わったな。ルイズ」
俺たちはこの戦いの全ての元凶であったレコン・キスタの残党やジョセフたちを倒した。
エルフから聖地を奪還するための力として「始祖の虚無」。
それを目覚めさせるために必要な、
四の秘宝、四の指輪、四の使い魔、四の担い手、いわゆる「四つの四」が集まってしまった。
しかしサイトたちの活躍がありを防ぐことができたのであった。
 
               「始祖の虚無」
それは世界を作り直す究極の魔法だった。世界を破壊する。
または一からやり直すためのもので、どこかのカチューシャをつけた団長様のような力だった。
集まってしまい世界が赤い空で満たされ海もまた赤い海で何もかもが赤一色だった。
「始祖の虚無」は目覚めた。サイトは「始祖の虚無」をデルフリンガーで吸収しようとした。
しかし吸収しようとしてもそう簡単にいくものではない。「始祖の虚無」は世界を作り変える力。
デルフリンガーで吸収しきれる量の魔力は、はるかに超えている。
そのときルイズの虚無が発動し、サイトのガンダールヴとしての真の力
がでて左手の刻印から銀色の光が満ち溢れサイトの左腕を伝って
体全身に及び光の翼を出現させ「始祖の虚無」を吸収し、なくした。
ハルケギニアの世界の命は全て守られたのであった。
そして……サイトの帰るときがきた。
サイトのガンダールヴの刻印が左手の徐々に戻っていく。サイトは全てが終わったのだと実感した。

564:ぜろ☆すた
07/10/28 14:55:49 BzQ7DAcB
「終わったな。ルイズ」

しかしルイズは首を横に振る。

「いいえ、まだ終わってないわ。あなたは自分の世界に戻らなくちゃいけないのよ、サイト」

サイトはハッとした。自分にはまだやるべきことが残っていることに。

「…………………わかった」

別れたくない。自分たちは愛し合っているのだから。
触れたい。抱きしめたい。壊れてしまうくらい抱きしめたい。
たくさんキスだってしたい。同じ太陽の下で暮らしたい。
笑いあいたい。二人で、みんなで。しかしそれは叶わない夢。叶えてはいけない願い。
二人はそのためにここに来たのだから。

565:ぜろ☆すた
07/10/28 14:57:47 BzQ7DAcB
仲間たちがいる。もうお別れだ。
「ギーシュ、お前モンモンを大切にしろよ?次浮気なんかしたら殺されるぜ?」
「わかってるよ。僕には右手に一本のバラだけで良いのさ」
「けっ!最後までギザな奴だぜ……モンモランシー、こんな奴だけど支えてやれよ。」
「もちろん、貧乏くじだからって後悔しちゃいないわ。
それにしてもアンタやっと私のこと名前で呼んだわね」
「そうか?」
「そうよ」
「ギーシュ、お前この頼りになる水精霊騎士の副隊長がいなくなるんだから隊長としてしっかりやれよ?」
「あたりまえだ」
俺たちは握手をした。だがギーシュがかなり力を入れてきたので
ガンダールヴの力で思いっきり握り締めてやったら死にそうにな顔をして面白かったので放してやった。

「キュルケ、今までありがとう。コルベール先生と幸せにな。」
「えぇ。私たちでこの世界の機械文明はどんどん進歩していくと思うわ。
だけどこのひとったらあなたの世界に飛び込んじゃいそうで」
「やりかねないな、コルベール先生は」
「だって、私は君の世界を見てみたいんだ。君の飛行機よりももっと凄い飛行機を見てみたいし、
魔法のない世界がどれほどまでに凄いのかこの眼で見たいのだよ、サイト君」
「だめよ、ジャン!あなたがいてくれなきゃ私死んでしまうわ!」
キュルケがコルベールに抱きついている。まぁなんとゆうか……微笑ましい(?)のかな。

566:ぜろ☆すた
07/10/28 14:58:49 BzQ7DAcB
「タバサ、ありがとう。お前がいてくれなきゃきっと俺はそこら辺の道端で死んでたと思う」
「いい、別に。私こそあなたにどれだけのお礼をしなきゃいけないのか分からない」
「だったら、おあいこだろ」
「そんなことない。私のお母様を治してくれたし、
私の復讐を手伝ってくれたし、何より私の心を開いてくれたのはあなた」
「……それは俺だけじゃなくてみんながやってくれたんだ。俺だけじゃないよ。だからさ、みんなを大切にな?」
「……うん」
タバサが泣きはじめて来たので俺は頭をなでてやった。
「シルフィードも元気でな。お前女の子なんだからもうちょっと身だしなみに気をつけろよ?」
「サイトに言われたくないのね!竜の状態で衣服を着ている竜なんていないのね」
「じゃあ、その元気をタバサにも分けてやれよ」
「まかせてなのね!」
シルフィードにも頭をなでてやった。
「……最後に一つお願いがある」
「なんだ?」
「…シャルロット、って呼んで」
「……今までありがとうな。シャルロット」
タバサ…いや、シャルロットが抱きついてきた。まぁルイズもいるけどこんな時ぐらい抱きしめてもいいかな。

「ジュリオ、お前にお願いがある」
「なんだい?まさかルイズを守ってくれ、じゃないよね?」
「ご名答だ、いいよな?」
「いいけど……それは僕がルイズをとっちゃってもいいってことだね?」
「ダメに決まってんだろ?それにもしお前がルイズに求愛しても一寸の愛もくれないぜ」
「それはひどいな……」
当たり前だ。ルイズは俺に惚れててめろめろなんだからな。

567:ぜろ☆すた
07/10/28 15:00:53 BzQ7DAcB
「サイト様、本当にありがとうございました。
あなたがいてくれなければ、私たちの世界は滅んでいたことでしょう」
深々と頭を垂れるのは、アンリエッタ女王だった。
彼女の目尻にも悲しみの涙が溜まっているのを見た才人は、困ったような笑みを浮かべると
「いや、そんな……。俺は大した事はしてませんよ。
もしお礼を言うのならルイズに言ってやってください」
「わかりました。前はトリステインの英雄だったのに、今度は世界の英雄ですね」
「そういえばそうですね……全然考えていませんでした、
というか実感ありませんよ。英雄なんて」
「まぁ英雄とはそんなものではないのでしょうか」
「かもしれないっすね。……今までお世話になりました」
「いいえ、こちらこそありがとう」
「アニエスさん、女王様をしっかり守ってくださいよ。」
「なんだ?お前はいつから師匠を超えたのだ?」
「勝ってはいませんけど、俺、今、世界の英雄ですよ?」
「そうだな……だが、私を罵るなどとは10年早いわ!」
「す、すみませんでした!……アニエスさんもアンリエッタさんも幸せになってくださいよ!」
二人とも辛い過去がある。だから幸せになって欲しいんだ。

568:ぜろ☆すた
07/10/28 15:04:52 BzQ7DAcB
「テファ、子供たちとベアトリスを大切にな」
「大丈夫。あなたは私の最初のお友達だもの。
あなたこそ私たちのこと忘れないでね」
「忘れるもんか」
その革命的な胸を見せられたら忘れようにも忘れることができません。

「シエスタ、君は俺がこのハルケギニアにきた時に一番最初にやさしくしてくれた人だ。ありがとう」
「サイトさん…今までありがとうございました……あちらのほうに行ってしまうんですね。」
「うん。……あのさ、また合えることがあったらあのヨシェナヴェだっけ?食べさせてくれよ」
「もちろんです!」
「それともう一つ……ゼロ戦を守ってくれないかな。それに、あれはもともと君の家のものだし」
「サイトさんが望むのなら構いませんわ」
少し時間を置いてから俺はシエスタを抱きしめた。キスはしない。それはこれが友好の証だからだ。


569:ぜろ☆すた
07/10/28 15:07:49 BzQ7DAcB
「ルイズ……お別れだな。」
「早くいっちゃいなさいよ!
もうアンタが…アンタが……アンタなんかを召喚しちゃったから私の人生は狂いっぱなしじゃない!」
虚無魔法の使いすぎでかなり弱ってるはずなのに…コイツの元気は底なしなのかな?
「ルイズ……お前は俺とあえて幸せだったか?」
「…そんなの……幸せに決まってるじゃない……サイトのバカバカバカーー!!」
ルイズがぽかぽかと殴ってくる。俺はルイズをそのまま抱きしめた。
「いてーよルイズ。幸せだったよ、おれも。別れたくないし。できることなら一緒にいたい。
だけど俺はあっちの世界に……地球に戻らなきゃいけない。
それが俺たちの選んだ道だったろ?だから俺はやるべきことをするためにここにきた。
ルイズ……俺は君とあえて嬉しかった。愛してるよ」
「私も……愛してるわ」
俺たちは抱き合いキスをした。そういえば俺たちの出会いはキスから始まったんだよな。
だったら締めはキスで決めるべきなんだろうな。


「じゃあな」

俺は「始祖の虚無」の力がこめられたデルフをふってゲートを作った。

「サイト!」「サイトさん!」「サイト君!」

みんなが呼んでくれる。

振り向きたかった。だけど振り向かない、いや振り向けない。
振り返ったら、それだけで、足が、体が、心が止まってしまいそうだったから。

「大丈夫だ、相棒。俺がついてるからよ」
俺のすべてを察してくれたデルフが励ましの言葉をくれた。
「ありがとうな」

俺は大きく拳を握り締めて天に突き上げゲートの中へ入っていった。


570:名無しさん@ピンキー
07/10/28 15:10:16 BzQ7DAcB
とりあえずここまで。

後半につづきます。

誤字脱字、又は矛盾などありましたら教えてください。

571:名無しさん@ピンキー
07/10/28 15:14:06 fKMPz6Ro
後半まではまだなんとも評価できない。ただ1レスにもう少し詰められるかなぁとオモタ。

572:名無しさん@ピンキー
07/10/28 15:15:18 ypSMg13J
リアルタイムGJ!!!!

楽しみにしてます

573:名無しさん@ピンキー
07/10/28 15:17:56 M9do1U9l
>>557

GJ!!!
才人の許に娘(こなた)がどうやって来たのかなぁwktk
続き待ってるぜぃ。

574:名無しさん@ピンキー
07/10/28 16:35:56 SBlxLQBs
>>570
なんちゅう親子の会話だw

575:名無しさん@ピンキー
07/10/28 17:04:00 BzQ7DAcB
すいません
虹山ですがだれか保管庫の編集おねがいします………


576:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:31:17 RDLODFz4
はいおまたせー
>>434
の続きでございます


577:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:33:01 RDLODFz4
「見よ!これが我が戦闘術、『武装錬金』であるッ!」

ロナの宣言と同時に、タバサの詠唱が完成する。
ロナの周囲の水分が一瞬で細かな氷の刃と化し、風が渦巻いて、白い嵐となって襲い掛かる。

「やったか?」

普通の人間なら、この氷の刃の嵐の中では、数秒ともたずに息絶えるだろう。
よしんば初撃の氷の刃に耐え切っても、微細な刃は容赦なく肌を切り裂き、そして呼気とともに呼吸器を傷つける。
この術をまともに食らって、立っていられる人間などいない。
はずだった。

「…嘘」

タバサの目が、驚愕に見開かれる。
殺意を含んだ白い霧の晴れた後に。
腕を組んで、平然と。
鈍色に光る彫像が、そこに立っていた。

「噴!効かぬな!」

氷の刃によって裂けた服の隙間から覗くロナの肌は、鈍い銀色に染まっていた。
そう、彼は、『錬金』によって、己の身体を鋼へと変えていたのである。

「…アレをやらかすバカがいるとは思わなかったぜ…」

ロナのその身体を見て、デルフリンガーが呟く。

「…なんなんだアレは?」

間合いを取りながら、才人はデルフリンガーに尋ねる。

「…見てのとおりただの『錬金』さね。『錬金』で自分の肌を鋼にしてんだよ。
 ただし、並みの力じゃ、鋼になった自分の重さで身動きも取れなくなる」

デルフリンガーの言葉のとおり、ロナの足元は、彼の重さで大地が沈んでいる。
しかしロナはそんな重さをものともしないで、右腕を勢いよく振り上げた。

「そう!鍛え抜かれた鋼の筋肉あればこそ!この戦闘術『武装錬筋』が成しえるのだ!
 鋼と化した我が肉体の前に、刃は意味を成さぬ!まさに無敵無敵無敵ィィィィィ!」
「な、なんつー厄介な…」

今の才人に、鋼を両断できるほどの膂力も腕もない。
この状態のロナに対しては、完全に手詰まりであった。

「こういうとき、虚無の嬢ちゃんの『ディスペル・マジック』があればねえ」

デルフリンガーの指摘どおり、ルイズの『ディスペル・マジック』があれば、ロナの術を解き、なんとか勝つことも可能だっただろう。
しかし今ここにいない人間の話をしても意味はない。

「そしてぇっ!」

突如叫んだロナは、振り上げた拳をそのまま、才人めがけて振り下ろす。

「うわっ?」

才人は結構なスピードで振り下ろされるそれを横っとびに避ける。
ロナの拳は文字通り大地を割り、地面に突き刺さった。
ロナはそれを容易く引き抜き、そしてまた吼える。

578:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:33:55 RDLODFz4
「鋼の拳は岩をも砕く!まさに我が『武装錬筋』は無敵!素敵!快適!」

最後のはなんか違う気がするが、それを突っ込む暇は才人にはない。
次々と繰り出されるロナの拳を、避けるので手一杯になってしまったからだ。
右のストレートをサイドステップでかわし、上から振り下ろされる左の拳をバックステップでかわす。

「くそっ!」

ロナの拳は面積が大きく、まるで巨大な戦槌を休みなく次々繰り出されているようだ。
しかし、相手の獲物が大きいということは、その分死角も大きいという事。

「撃滅のっ、アイアンっ、ストレィィィィィトっ!」

大気を巻き込み唸りを上げる鋼鉄のストレートを紙一重でかわし、才人は即座に前方に踏み込む。
もらった!
才人はがらあきの背中めがけて、デルフリンガーを振りぬく。
いや、振りぬこうとした。

「甘いのである!」

ロナはまるで背後が見えているかのように、振り抜いた拳を無理やり引き抜き、裏拳を背後の才人めがけて振りぬく。

「うわっ!」

才人はかろうじてそれをデルフリンガーで受け止めることに成功した。

「お、折れる折れるっ!」

その衝撃に思わずデルフリンガーの悲鳴が上がる。

「忘れんな相棒!あのデカブツ、文字通り後ろにも目ぇついてんだぞ!」
「わかってるっ!」

『千里眼の布』によって360度の視界を得ているロナには、背後からの攻撃など意味はなかった。
それはすぐにもう一度、証明される事になる。
不意にロナは背後めがけて左手を突き出す。
すると、彼の左手に圧縮された空気の塊がぶち当たり、四散する。
タバサの『エア・ハンマー』だ。
タバサは才人の戦闘中に詠唱を終え、斬撃ではなく打撃によるダメージを与えられる、『エア・ハンマー』による攻撃を行ったのである。

「無駄無駄無駄!どのような攻撃だろうと私には通じぬ!
 我が『武装錬筋』は無敵無敵無敵ィィィィィィ!」

吼えるロナを目の前に、才人は軽い絶望に打ちのめされていた。
何か、突破口はないのか?
そんな才人の前で、不意にロナが動きを止める。
まるで、痛みに堪える様に歯を食いしばり、微動だにしなくなる。
何かくるのか?そう警戒した才人に、ロナが語りかけてきた。

「…く…君は…学院の生徒かっ…!」

その声は、先ほどまでロナの発していた殺気に満ちた声ではなく、授業中に見せていた、あの熱血教師の声だった。
才人はすぐにある可能性を思いつく。
そしてそれは、ロナの言葉によって肯定される。

「…今の私は、私ではない…何者かが、私の中の衝動を開放したのだ…!
 この数秒だけ、なんとか意識をとりもど…」

579:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:34:49 RDLODFz4
そう、彼は何者かに操られていたのだった。
ロナは苦痛に歪んだ表情でそこまで言ったが、そこまでだった。
すぐにロナは元に戻り、好戦的な笑みを浮かべる。

「おおっとあんまり攻撃が温いので居眠りしてしまったわ!
 さあかかって来い!私の無敵で素敵で快適な拳が相手をしよう!」

才人はその言葉を聞いて、さらに絶望的な気分になった。
彼が操られていると分かったこの状況で、しかも並の攻撃が通用しない相手で、殺さない程度に加減して戦えと。
…ムチャな…。
しかし。
その絶望的状況を、彼の使い魔が救った。

私にまかせて。

心に響いたその声は、確かな自信に溢れていた。
才人はそのまま、流れてくるタバサの考えに耳を傾ける。
なるほど。これならいけそうだ。
しかし、この作戦、上手くいけばいいが、失敗すればタバサを大変な危険に晒す事になる。
だがその才人の心配は、タバサの心の声で打ち消される。

…サイト、信じてるから。

そう、この作戦が成功するか否かはすべて才人にかかっていた。
ならば。

まかせろ、俺は最強の盾、ガンダールヴだぜ!

心の声とともに、才人の身体に力が満ちてくる。
ガンダールヴの印が、眩しいほどに光り輝いていた。


「待たせたな!」

才人はタバサとの一瞬の心の会話の後、ロナ目掛けてデルフリンガーを構える。

「ようやく来る気になったか!
 さて、見せてもらおうか、どうやって君が私に抗うのかを!」

ロナは大きく右の拳を振りかぶると、才人目掛けて振り下ろす。
才人はそれをサイドステップで大きくかわす。ロナの拳のリーチの外へ逃げる。
そのロナの視界の隅で、タバサが動いたのが見えた。
しかし、ロナはそれを無視した。
なぜなら、タバサは『フライ』を使い、急速に上昇を始めたからだ。

「なるほど!学院に援軍を要請する気かね!」

ロナは言いながら踏み込み、今度はショルダータックルで才人に迫る。
才人は軽トラックの突進にも見紛うその一撃を後方に跳躍して避け、再び間合いを取る。
もう既に、ロナの視界からはタバサは消えていた。『フライ』の速度は馬の駆ける速度より速い。

「しかし!それは意味を成さぬぞ!
 なぜなら、援軍が来る前に君は私に倒されるからだ!」

間合いを取った才人めがけ、今度はロナの左拳が鋭いフックとなって襲い掛かる。
着地点を狙われた才人は、デルフリンガーでかろうじてそれを受け止める。
確かにロナの言うとおりだった。
たとえタバサがどれほどすぐれたメイジだとしても、全速の『フライ』で学院との道のりを往復するのは不可能だ。
さらに、学院にタバサと同等クラスの風使いはいない。
ロナの言うとおり、援軍は間に合いそうもない。

580:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:37:17 RDLODFz4
「それはどうかな!」

才人は言いながら、まっすぐ突きを繰り出す。
その突きにはガンダールヴの力全てがこめられていた。
この一撃なら、ロナの鋼の肌を突き破る事も可能だろう。
その鋭さを察したロナは、両の拳でデルフリンガーを挟み込み、その一撃を止める。

「これが君の全力全開かね?
 だとすれば強がりも甚だしいぞ!我が力の半分にも及ばぬではないか!」

ロナは言いながら、そのままデルフリンガーを捻ろうとする。
しかし才人の手を緩まない。デルフリンガーを更に強い力で押し出し、ロナに突きを食らわせようとする。
ロナはさらに力を込め、才人を押し戻そうとする。
二人の力は一見拮抗しているように見えたが、そうではなかった。
じわじわと、才人が押されている。
二人の間で、デルフリンガーが悲鳴をあげる。

「あ、相棒、折れる、マジ折れるって!」
「堪えろデルフ!ここが踏ん張りどころだっ」
「ふふん、剣が折れるのが先か、君が力尽きるのが先か!根競べだな!」

そしてさらに、才人は押し込まれていった。

その頃。
彼らのはるか上空。
白い雲を引き裂き、青い髪の少女が現れた。
タバサである。
彼女は『フライ』の術を使い、この高度までやってきた。
そして、ある程度位置を修正すると、タバサは術を解く。
タバサを覆っていた浮力が途切れ、乱暴な加速が始まる。
タバサは頭を下に、一気に雲を突きぬけ、落下していく。
風がタバサの周囲で渦を巻き、音を立てる。
その落下の中、タバサは呪文を唱えていた。
その呪文は『エア・ハンマー』。
ロナに放った、風系統の打撃系呪文である。
彼女はその呪文を、極限まで範囲を絞り込み、そしてできるだけ距離を伸ばすように、詠唱していた。
タバサの心の中には、絶えずある情報が送られていた。
それは、才人の居場所。
彼女の主人が今どこにいるのか、使い魔である彼女には手に取るように分かる。
タバサはその情報を頼りに、落下位置を決めていた。
すぐに、彼女の視界に組み合う二人の男が写る。
才人は必死に、ロナの動きを止めていた。
そして。
タバサの狙い通り、ロナはタバサに気付いていない。
そして。
攻撃目標が射程距離に入る。
極限まで絞り込まれた『エア・ハンマー』が解き放たれる。
それは正確に、ロナの脳天を打ち抜き。
鋼で覆われた彼の頭蓋を揺らし、彼に脳震盪をおこさせたのだった。
これが、タバサの考えた作戦である。
『千里眼の布』は、360度見渡す事はできても、直上への視界はない。
そこで彼女は、ロナの真上からピンポイントで彼の頭を狙い打つ作戦を立てたのだ。
そしてこの作戦はここで終わりではない。
『エア・ハンマー』の有効射程ギリギリの高さだと、『レビテーション』も『フライ』の詠唱も間に合わないのである。
だから、この後の事も作戦には織り込み済みであった。
気絶して倒れるロナを土台に、才人はデルフリンガーを逆手に持って飛び上がる。
送られて来る情報を元に、正確に、彼の使い魔を受け止められる場所に。
才人は放物線の頂点で落下してくるタバサを捕まえると、そのまま着地する。
落下の衝撃で、才人の脚に痺れが走ったが、ガンダールヴの力がそれを抑え込んだ。
才人は腕の中のタバサに、にっこりと笑ってみせた。

581:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:38:19 RDLODFz4
「上手くいったな!」
「うん」

こうして、二人は勝利を収めたのである。

目を醒ましたロナは、元に戻っていた。
どうやら『エア・ハンマー』の衝撃で暗示が解けたようだ。
『千里眼の布』を返した彼を問いただすと、彼は事件のあらましを全て語ってくれた。
彼の本名は、アルフレド・ドナヒュー。教師になることを夢見ていた、ギルフォード魔法学院の職員の一人。
ロナ・アルベルト・シモンズと彼は同僚であったという。
しかし彼は二つの系統しか使えない『ライン』であったため、ロナとは違い授業の助手を務める程度であった。
そんな中、アルビオン戦役のため、ギルフォード魔法学院は解体され、アルフレドは出兵する。
彼は自分で開発した『武装錬筋』の術でもって戦役を生き延びた。
そして兵役から帰ってきた彼に、ある朗報が訪れるのである。
放浪の旅人と名乗る女性が、トリステイン魔法学院からの書簡を持ってきた。
そこには、ロナの名前が刻まれていたが。
その女性は言った。
『あなたは教師になりたいのでしょう?ロナ・アルベルト・シモンズになれば、あなたはすなわち教師になれますわ。
 幸い、トリステイン魔法学院に、ロナ・アルベルト・シモンズを知る者はいない…。
 さあ、行きなさい、ロナ・アルベルト・シモンズ』
そして、彼女のはめていた指輪が光り輝き…。
アルフレドは、トリステインにやってきた。
どうしてそんな事をしようと言う気になったのか、彼にはわからなかったという。
そして、その女性はもう一度姿を現す。
『千里眼の布』を持って、教師として充実の日々を送っていた彼の前へ────。


ミョズニトニルン。

話を聞いたタバサは心の中でそう断定した。
間違いないだろう。
彼に暗示をかける際、なにがしかのマジック・アイテムを使ったのだ。
するってえと…ガリアが裏でまたなんかやってんのか…。
才人はうんざりする。
しかし、ガリアが関わっていると知っても、タバサは平然としている。
たいしたもんだな、とか才人が考えていると。

サイトと、一緒だから。

タバサの毅然とした心の声が、響いてくる。

私はもう、何も怖くない。
サイトがいるから、サイトと一緒だから。

そんな言葉に、才人の方が照れくさくなって、思わず視線を逸らして頬をぽりぽりと掻く。
タバサはそんな才人にそっと寄り添う。
そんな二人の前で、縄で後ろ手に手を縛られたロナが、いやアルフレドが、教師達に連れられていく。
そこへ。
生徒たちがやってくる。

「先生っ!」「せんせぇっ」「ロナ先生っ!」

縛られたロナを取り囲み、生徒たちは口々にロナを呼ぶ。
そんな生徒たちに、アルフレドは寂しそうに笑って、応えた。

「私はロナ・アルベルト・シモンズではないよ。
 …君たちを、騙していたんだ」

そして、アルフレドは顔を伏せる。

582:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:38:50 RDLODFz4
生徒たちは一瞬、声を失ったが。

「名前なんてどうでもいい!」「先生は先生だよっ!」「先生っ!」
「お、おまえたちぃぃぃぃぃぃ!」

そして湧き上がる声。
『先生、必ず戻ってくるからなっ!』『俺、それまで待ってるよ!』『どんだけ留年する気だよお前』
などという言葉が交わされるのを、タバサは冷めた目で見ていた。
そして、彼女のご主人様は。

「…なんかいいなあ、アレ」

抱き合う生徒と教師を見て、なんかちょっといいなあ、なんて思ってしまう。

…サイト、趣味悪い。

そして容赦なく入る心の突っ込み。

え?チョットマッテ?なんかいいじゃんアレ?
…趣味悪い。

心は通い合っていても、まだまだ分かり合えない二人であった。


後日。
事の顛末を聞いたタバサの使い魔は。

「シルフィ呼べばよかったのねー!何もサイトがキャッチする必要なかったのねー!」

そう言ってタバサにえんえん文句を垂れ、杖でさんざん小突かれたという。~fin

583:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/28 19:41:07 RDLODFz4
すいませんごめんなさいこんなgdgdな非エロえんえん続けてごめんなさいorz
ていうかね、最初は土のメイジで土の触手でタバサが(ry)な話を考えてたんだけどもさ。
お兄さん陵辱もの書いてると気分悪くなるから無理なの!(ぁ

商業には向いていませんね!ええ!
んじゃまた今度はエロで会いましょうノシ

584:名無しさん@ピンキー
07/10/28 19:52:23 SBlxLQBs
>>583
いやぁ、爽快な物語ありがたう!
エロを書けやw

585:名無しさん@ピンキー
07/10/28 20:02:41 Q883buH2
>>583
やっと終わったーー!乙で~す
というワケで、最初から読んできます

こんな焦らし逃れしてる俺は一体なんなんだ…

586:名無しさん@ピンキー
07/10/28 20:16:07 36upMPBt
ルイズ分が足りない!

587:名無しさん@ピンキー
07/10/28 20:18:33 ZchhT3yf
つルイ酢

588:名無しさん@ピンキー
07/10/28 20:26:36 36upMPBt
湯豆腐でも食うかな…

589:名無しさん@ピンキー
07/10/28 21:15:06 GStHGSJe
GJですぜ職人の皆様方w
つーか一気にきたな。さすが休日。

590:君の声と約束
07/10/28 21:55:57 pp61YsGF
連続の非エロですが、投下します。

※拙作『離別』と設定上つながっていますが、読まないでも大丈夫ですw

591:君の声と約束
07/10/28 21:57:36 pp61YsGF
これは自分が決めたこと。貴族だからとか、人に言われたからでもなく、自分で約束した。
だからやるって決めた。他の誰に止められようとも、やり遂げる。それが、この約束を交
わした大切な人への、私の精一杯の言葉になるから。

「こんなもんでいいかしらね」
「あぁ、いいんじゃねぇの?」
「ちょっとボロ剣、言い方が投げやりすぎるんじゃない?」
「んなこと言われてもよお」

今までに成功例のない作戦会議を終えて、私はその準備をしていた。私の使い魔、サイトが
明日、元の世界へと出発する。今頃サイトは皆の所へお別れの挨拶に行っているだろう。

「そこまでしなくてもいいと思うんだがねぇ」
「何言ってるのよ? それじゃ、私もサイトも納得しないわ」
「自分が納得しないだけじゃねぇのか?」
「何か言った? ボロ剣」
「~♪」

デルフの言葉が、私の中で反響しているかのように残る。
『自分が納得しないだけじゃねぇのか?』
確かにそうかもしれない。この日が近づくにつれて、私の中の『帰ってほしくない』とい
う気持ちが強くなるのをしみじみと感じる。明日サイトは自身の世界と私、どちらかを選
ぶことになるだろう。さすがに私も勝てるなんて思ってはいない。いないけど、それでも
サイトは私を選んでくれるんじゃないかって、期待してしまう。

「とにかく、作戦通りお願いね」
「ヤダ」
「……」
「謹んでお受けいたします」

ボロ剣を残し、私は部屋を出る。

これが私のサヨナラの仕方。




592:君の声と約束
07/10/28 21:59:12 pp61YsGF
~~~『君の声と約束』~~~


「『行ってらっしゃいませ』か……」

シエスタの部屋を出た俺は、先程の会話を思い出していた。大方の挨拶は終わり、ご主人
様であるルイズの部屋へと戻っている途中である。
「いざ帰ることができるとなると、不思議と帰らなくてもいいんじゃないかと思えるから不思議だよな」
実際、一度元の世界へと戻ったらこっちに帰れない可能性が高い。だから、ということも
あって挨拶に行っていた訳なのだが、やはり別れはつらい。皆が無理して喜ぼうとしてい
ることがさらに悲しくさせた。
「ん~、どうすっかなぁ」
やっぱ俺って流されやすいのか? などと思いながら、俺はルイズの部屋のドアを開けた。

「ん? ルイズ?」
まったく、相談しようかと思ったら、あいつはどこに行ったんだよ。仕方がねぇ、デルフに聞くか。
「なぁデルフ、ルイズは……」
「お、相棒! 帰ったか、マズイことになっちまったぜ」

一瞬、時が止まったかと思った。

「何があった!?」
「と、とにかく机の上を見てくんな」
見てみると、一枚の手紙が置いてある。

『貴方の愛しのご主人様、才色兼備、クールでキュートな麗しのルイズ・ド・ラ・ヴァルリエール様はいただいた。
 返して欲しくば、夜、学院の広場までやってこい。
 来ないと許さないんだからね。
土くれ』

「………………ふっ」
正直コメントは控えさせていただきたいな、まじで。土くれのフーケの手紙とか見たこと
はないが、どう見てもこれは……
「相棒?」
「はぁ……」
脱力して床に座りこむ。慌てた自分が馬鹿のように思えた。

「なぁデルフ……」
「なんだい相棒」
先程とはうってかわって落ち着いた、いつものデルフの声、これが意味するのは一つだ。

「あのさ」
「みなまで言っちゃいけないぜ。相棒」
「そうだな。じゃあ、ルイズはどこに行ったんだ」
「金髪巻き毛のお嬢ちゃんとこじゃねぇかい」
「そりゃ、安心だな」

あまりの脱力に笑うことすらできなかった。そんな俺の内心をよそにデルフは話し続ける。
どうやら久しぶりに話せるのが嬉しいらしい。
「ところで相棒、俺の演技どうだった? なかなかだろ?」
「……ま、よかったんじゃね?」
「そうか」
「あぁ」


593:君の声と約束
07/10/28 22:00:54 pp61YsGF
「相棒、女ってやつは何考えてるかわかったもんじゃねぇな」
「確かにな。ところでデルフって男なんだよな?」
「女だったらどうする?」
「いや、何もできねぇだろ」
「ま、そりゃそうだ」
「萎えるしな」
「ひでぇな、相棒」
「そうか?」
「そうだろ」
「そっか」

以下こんな会話をしつつ夜になった。
俺はデルフを片手に部屋を出て広場へと向かう。
「双子の月も、今日で見納めか」
「相棒の世界には一つしかなかったんだっけか?」
「あぁ」

また、広場に向かう途中、様々なものを見て、また思い出していた。
「風呂か……」
「相棒の自信作だぁね」
「別に、それほどのもんじゃねぇよ」
懐かしい雰囲気をもつ黒髪の少女が、ふと浮かぶ。涙ながらの別れになってしまったが、
彼女は強いからきっと俺がいなくてもうまくやっていけるはず。それにしてもシエスタの……、
いや、やめとこう。

「お、相棒。そういえばここら辺で酒をあおってなかったかい?」
「思い出したくねぇ話だな」

ご主人様に追い出され、他人の使い魔を集めて絡んでいたことを思い出す。

「さて」

そして広場、俺とルイズが初めて出会い、そして初めてのキスをした場所。

「来たぞ、ルイズ。いるんだろ?」
「……なんで?」
「あんな変な文章書くの、お前以外いねぇよ」
「っ……うるさいわね。でも丁度いいわ」

今のルイズの声に、少しだけ喜びがふくまれていた気がした。あくまでそんな気がしただけだが。

「ヒラガ・サイト、私と元の世界への帰還を賭けて、決闘しなさい!」

ルイズの表情は雲の陰に隠れて見えなかったが、その言葉には明らかに決意の色がみてとれた。
「相棒、お嬢ちゃんは本気だぜ」
「わかってる」
さすがにここでボケるほど空気読めないこじゃないつもりだぜ。
「次に月が出た時が開始の合図よ」
「わかった」
ルイズが何故突然決闘を申し込んできたのかはわからないが、この勝負は受けなきゃなら
ないだろう、ということはわかった。ルイズがあんな手紙まで書いてやろうとしたこと、
その真意が知りたい。


594:君の声と約束
07/10/28 22:02:27 pp61YsGF
暫くの間、風の音と体勢をかえるときにする砂の音だけが占める穏やかな空間となった。
未だ月が出てくる気配はない。
ふとルイズの方を見る。相変わらず表情は伺えない。声が聞こえないので、おそらくは詠
唱もしていないのであろう。本当に貴族らしいやつだなと思わず苦笑してしまう。
「どうしたんだい、相棒」
「いや、なんでもない」
慌ててデルフを構えなおす。真剣勝負で呆けているなど男としてどうかと思うし、彼女も
また真剣たることを望んでいると思ったからだ。
やがてゆっくりと辺りが明るくなっていく。月が……見えた!
デルフを下手に構え走り出すのと、ルイズが詠唱を始めるのが同時。
「エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ……」
「エクスプロージョンか……それでも」
既知の通り、虚無の威力は詠唱時間に比例する。この距離ならばエクスプロージョンの威
力は大したことないうちにルイズのもとへと到達する。俺はデルフを握りなおす。
だがルイズはすぐに魔法を地面へと解放した。
ボフッ
「くっ……」
辺り一面が砂ぼこりにまみれる。
「くそっ、目に砂が」
「相棒、距離をとれ! 的になる」
互いに視界を遮られた場合、攻撃範囲の広い方が有利である。この距離でエクスプロージ
ョンをくらうわけにはいかない。
素早く後方へと待避し、姿勢を低くする。砂ぼこりの中からは、またはっきりと詠唱が聞
こえてきた。

「ん?これは……」
「イリュージョン、だね」
「何をする気だ?」

通常、イリュージョンは存在を偽装することによって効果を発揮する。つまり、イリュー
ジョンの使用がバレた場合、その効果はほとんどない。ましてや使う前を見ているのだか
ら、使用前に無かったものが幻想なのである。これでは意味がないはずである。
とにかく目が見えなくては何もできない。俺は目をこすり、なんとか目をあけた。次第に
砂ぼこりも消え、視界が開けてくる。

「なっ……!」
「なるほどね」


595:君の声と約束
07/10/28 22:04:02 pp61YsGF
現れたのは、五人のルイズ。おそらくは自身の姿を四人分投影したのであろう。
「最小限の詠唱でここまで、やるねぇお嬢ちゃん」
「関心してる場合か」

ほんとに俺を帰さない気かよ、と独りごちる。それと同時に嫌な記憶まで蘇ってきた。
「ちっ、なんか見覚えがあると思ったら」
「『風は偏在する』ってか」
某スクエアクラスのメイジが使ってた魔法にそっくりである。
「でも“偏在”とは違う」
“ルイズ達”の方を見ながら呟く。その違いとはただ“風”と“虚無”の差というわけで
はない。明確な差がそこにはあった。
「ルイズの攻撃も五分の四が偽物になるはずだ」
分身系統の魔法と違って幻想魔法は投影されたものに実体がない。
つまり、“詠唱のポーズ”や“攻撃自体”を映すことができても、こちらにダメージを与
えることができないのである。
「つまりお嬢ちゃんの狙いは」
「隙をついて、でかいの一発ってとこか」
そこまでわかれば十分だ、と俺は走り出す。先程のような不意打ちを警戒したのと、相手
がルイズということで全速力の八割も出ていなかったが、決闘においてはこれでも十分な
速さだった。狙いを定められないように多少ジグザグな動きをしながら距離をつめる。
「さらにもう一つ」
ルイズは決定的なミスを犯していた。

トリステインの貴族に多い、堂々とした詠唱。それが本物を教えてしまっている。俺は声
のする“ルイズ”に狙いを定めて一気に懐へと入り込む。
「みね打ちだ、勘弁しろよ!」
ドスッ
「きゃっ!」

ルイズの短い悲鳴とともにデルフの頭が実体を捉えた。かはっ、とルイズは息を漏らす。
これがイリュージョンによる幻想でないことは明らかだ。
「俺の……勝ちだ」
確かな手応えに俺は自分の勝利を確信した。デルフを握る力も弱めて、ルイズの様子を伺う。
「……ハ・ズ・レ!」
ポンッという音とともにルイズであったものは煙を発して人形になる。
「なっ…ア……アルヴィー?」
「相棒っ左だ!」
確信を崩されたという動揺から動きが遅れる。振り向いた時には、既にルイズは杖を振っていた。
「しまっ――!」
「へぶ!」
手元が爆発し、デルフが吹き飛ぶ。
「うああぁぁぁぁぁあああああ!」
デルフの叫び声が夜の学院にこだまし、そのまま弧を描きつつ後へと突き刺さった。
「チェックメイトよ」


596:君の声と約束
07/10/28 22:06:03 pp61YsGF
全身から力が抜ける。俺は地面へと倒れこんだ。
「負けた……のか」
口からでてきたのはそんな言葉。不思議と悲しくはなかった。帰れなくなったという実感
がないだけかもしれないが。夜の広場が一層静かに感じる。
あいつはどんな顔をしてんのかな、とルイズの方を見た。
「……なんでおまえが泣いてんだよ」
なぜかルイズは頬を濡らしていた。小刻みに震える肩。ルイズは俺の傍にやってくるとへ
たりと座りこんだ。
「うううっうるさいわねっ! これで、あんたも安心して帰れるでしょ」
「は?」
「あによ?」
「いや帰れるかを賭けた決闘じゃ」
「そうでも言わないと本気でやってくれないじゃない」
泣き顔を見せないようにうつ向くルイズ。もしかしたら決闘中も我慢していたのかもしれ
ないな、とそんな気がした。
「そっか」
不器用なやつ、と心の中で笑う。少々投げやりな返事をしつつ星空を見上げる。
「ありがとな」
二つの月が綺麗だった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

数日後に俺は無事に元の世界へと帰還する。その後さらにゴタゴタがあったが、そんなことは些細なことに過ぎない。そして俺は、ルイズが内緒で書いた手紙をパーカーのポケットに見つけ、こう言うのだ。

「あれ? 読めねぇ。……なぁんだ、もう一度あっちの世界に行かなきゃならねぇのかよ」

~Fin~

597:ぺとるーしゅか
07/10/28 22:09:18 pp61YsGF
投下終わりです。
実は何スレか前に、ネタバレされてしまったので消そうとしたら
『消しちゃらめぇぇ』とか言われたやつです。
どうでもいいですね。それではノシ

598:名無しさん@ピンキー
07/10/28 22:11:07 ypSMg13J
>>597


GJ!!!

599:名無しさん@ピンキー
07/10/28 22:13:35 TbSsD/ME


600:名無しさん@ピンキー
07/10/28 22:34:27 6zmUJrVq
>>597
ぐっ、GJ!!だなんて、言わないんだからねっ!! www

601:睡眠 ◆CSTs7hoBww
07/10/28 22:56:35 fbnvByTe
(まだシエスタが才人のお付になる前の話。)

すぅー…すぅー…

眠りに入る前の不定期な呼吸から定期的な呼吸へと変わる。
ルイズはその事を確認し、うっすらと目を開ける。
寝る時は気恥ずかしさからか、隣の使い魔に背を向けて寝ているが…
先に向こうが違う世界へ旅立った時は自分のやりたい様にさせてもらっている。
既に何回か肌を重ねたはずなのに、未だに気恥ずかしさが消えないからだ。

ここ最近、ルイズはお隣が寝静まった後に同じような事をしている。
そこから学んだ事は、この犬はちょっとやそっとの衝撃では起きる事が無いという事。
しかし、今日は運が良い。普段なら両者ともに背を向けあっているために
一度身体をルイズの方へ倒さないといけないのだが、その日の犬はすでに寝返りを打っていた。

ご、ご主人様より先に眠るなんてぇ~っ!
と、頭で思っていても顔は全く逆の思考を考えているようで…
とりあえず、使い魔の腕を伸ばし自分の枕にする。最近のお気に入りだ。

女の自分とは全く肉付きが違う腕、ゴツゴツしていて枕になんてとても向いた物ではない。
しかし…その腕に桃色がかった頭を乗せてしまうとこの世のどの枕よりも寝心地が良い。
こんな事で悦に入る自分を最初は嘆いた。それも大いに嘆いた。

あた、あたしがこいつの腕で寝る必要なんて、まま全くないのよ!そ、そうよ!こいつがそうしたがってそうだからなのよ!

自分で身体の向きと腕の方向を変えておいてどの口がその台詞をしゃべるのか
その問題を解いた時、きっとその解答者と犬は消し炭になるだろう……

話はズレたが、桃色は数日前の自分の行いを全く忘れている。
いや、正確には忘れてはおらず今の行為に耽っているだけなのだが…
ただ、「耽っている」とは言えそんな邪な事をしている訳ではない。
伸ばした使い魔の腕に煩悩を抱え込んだ頭を乗せ、深呼吸をする。

たったそれだけ。
それだけの行為が、どうしようもなく止められないのだ。
一度深呼吸をすれば、石鹸の匂いと才人自身の匂い。その混合物が肺を覆う。
その混合物がまるで麻薬の一種でもあるかの様に、ルイズの頭に桃色の霞を広げていく。

うぅー…さいとのにおいぃ…もっとぉ…

顔はすっかり緩みきって普段の彼女ならば見せないようなアホ面…もといニヤケ面であった。
今の匂いに慣れてしまったのか、彼女の頭は更なる強い匂いを求めていた。

地球にいれば決してお目にかかる事が無いハルケギニアの双月は昨日と変わる事の無い柔らかな光を
地上へと降り注ぎ、人はその恩恵に預かる。
それはここ、トリステイン魔法学院も例外ではなく学生が寝泊りする寮にも注がれている。

もちろん、桃色能天気とその下僕が寝泊りする部屋にも…
その月明かりを頼りに、才人との距離を縮めていく。
二の腕あたりに居た桃色の髪の塊は徐々にその位置を肩の付け根と動いていった。

頭を動かす度に鼓動が早く大きくなった。
まるで、今この部屋に誰か居れば自分の鼓動が聞こえるんじゃないかと思うくらいの。
丁度、頭は肩の付け根より少し下あたりにやってきた。
目の前には胸板、前髪には才人の鼻息が少しかかっている。
自分と同じような構造の、それでいて作りが全く違う胸板にそっと触れてみる。
鼓動の速さ、硬さ、その他諸々正反対。
何回も触っているはずなのに、触る度に新しい発見がある気がする。

602:睡眠 ◆CSTs7hoBww
07/10/28 22:57:10 fbnvByTe
ピタピタと触っていると、急に使い魔が動き始めた。
ビクッと身体を強張らせて様子を伺ったが、なんて事は無い。少しの寝苦しさを感じただけだろう。
そう思ったのがルイズの間違いで、余った手がそのままルイズの背中へと回され自身は胸板へと押し込まれた。

普通の人なら苦しいと思うべきだろう。寝ているとはいえ、いや寝ているからこそ力加減は普段とは違う。
しかし、その中でルイズは一種の恍惚状態に陥っていた。

さいとが……ちかいぃぃ…んぅ……これ、いい……

にへらーと頭のネジが数本飛んでしまったような顔を浮かべ、嬉しいトラブルで悦に浸る桃色天然娘。
自分の手の居場所が無くなってしまったので、「仕方なく」才人の首に手を廻す。

あんたがねぇ…犬みたいにこうがっつくからなんだからね!まったくもう…

さながら不審者のようにニヤニヤしながら口ではブツブツと何か呟いている。
不意に、使い魔の口が動いた気がした。
口を噤み、犬の口に視線と注意を送る。

「ぅ…るいず……」

最初は何を言ってるか分からなかったが、分かった瞬間顔が噴火した。

な、ななな何を言ってるのかしらね!?この、っこの犬はっ!?

そんじょそこらのバカップルの様にくっつきながら悪態を付く桃色。
端から見たら滑稽以外の何者でもないが、ここでは双月以外見る輩なぞ無い。

比喩ではなく、真っ赤になった顔を鎮めるべく才人の胸板に顔を沈めた。
心臓が血液を送り出す音が心地良い。

…ね、寝ながらご主人様を呼ぶその心意気だけは…か、か感謝したげるわ!
こ、これはその、嬉しいからとかそんなんじゃないのよ!ご主人様なんだから報わなくちゃね!

いつも通りの訳の分からない持論を繰り広げた後、意を決し自分の名を呼ぶ唇を閉ざさせた。
もちろん、使ったのは自分の唇だ。
空気を通して感じる匂いと、粘膜を通して感じる匂いとでは訳が違う。
その匂いを認識すると、桃色の霞は急速にその範囲を広めゆっくりとルイズの意識を奪っていった……


朝、才人は信じられない光景を目にする。
自分がルイズを抱いている。
しかも、ルイズの手は自分の首へと伸びている。

「これさ…バレたら俺死ぬんじゃね?」

そう呟き終えた瞬間に、ルイズの目がゆっくりと開かれた。

「あ、あああのな、ルイズ。これはな、違うんだ。な?な?」

気だるそうに、その言葉を無視しルイズは開けた時とは比べ物にならないくらい早く目を閉じた。

今日は…虚無の曜日なのよ…バカ犬…

それで分かりなさいよ、といった語気が感じられる。


この後、二人はお楽しみだったとか、そうでないとか。 ~オワリ~

603: ◆CSTs7hoBww
07/10/28 22:59:56 fbnvByTe
どうも、お久しぶりです。と覚えてる方はいらっしゃらなそうですがw

ちょっと、身の回りがゴタゴタしてたり、普段書いてるノートパソコンに水ぶっかけて壊したり
最近ようやく、かける環境が整ったのでまた参戦させていただこうかと・・・

手始めに、>>586氏がルイズ分を欲しがってたので思いついたネタでちゃちゃっと書き上げてみました。
一気に書き上げてしまったので、誤字脱字があるかもしれませんが
そこらへんは脳内補正でどうかお願いしますorz

鳥はこれであってたかな・・・
では、またお会いしましょう。

604:ぜろ☆すた
07/10/28 23:06:42 BzQ7DAcB
~地球~


「なんだよこれ……」

俺がゲートを潜り抜けそこにあるのは確かに地球の日本の秋葉原だった。
ただ何かが違う。灰色の空、崩れ落ちてるビル、昼だというのに人一人いない。
地震でも起こったのだろうか。いや、それで人がいないのはおかしい。電気もついていない。
秋葉原に電気がついてないだなんておかしすぎる。それに雑音一つ無く、かえって耳が痛くなりそうだった。
小さい女の子ようの赤い靴が片方落ちていている。道路を見ると走行していたの車が瓦礫によって押しつぶされたようだ。
中の人はいるのか?近寄って確かめてみた。しかし運転席には誰もいない。脱出したのだろうか?
……違う。脱出したのならドアが開いているはずだ。だから脱出できるはずが無い。
なのに遺体がどこにも無いってどういうわけなんだ?


「おーい!誰かいませんかー!」

とりあえず俺は叫んだ。人がいるって信じたかった。返事が無い、まるで町自体がただの屍のようだ。
せめて高い場所から町が見たかった。東京の高層ビルは全て崩れ去っていた。
まずは家族を探すために近くのハーレーに乗った。キーがさしてある。考えたくないが乗ろうとした時に消えてしまったのだろう。
考えるだけで吐き気がしてきた。だから、無用心だな、と思って気を紛らわそうとした。いや、現実から眼をそむけようとした。
バイクをものすごいスピードで走り向ける。時速200キロは出してるだろう。

605:ぜろ☆すた
07/10/28 23:07:26 BzQ7DAcB
自分の家の場所についてみると確かにある自分の家。鍵は開いていなかったので家族で決めている鍵の隠し場所である倉庫から鍵を取り出して玄関を開けた。
久しぶりに嗅いだ自分の家のにおい。それだけで眼が潤んできた。
そして二階の自分の部屋に行った。自分がハルケギニアに飛ばされた頃から変わらない自分の部屋だった。
本棚には自分のマンガ本や使ったのが一回しかない参考書、作文を書くときに使った辞典。
勉強なんて居間でやっていたからまったく使うことの無かった机。
タンスに入っているもう背が伸びてしまってきることが困難そうな服。自分が使い慣れてたベット。
だいぶ疲れていたのでデルフを壁に立てかけてベットの上に大の字になった。
自分の家族はもういない。父さん。親孝行できなくてごめんな。母さん。味噌汁のみたかったよ。
さっき居間の机においてある写真立てを見た瞬間から涙があふれ出てきた。
ルイズ、明日から俺はどうすればいい?カンダールブの刻印をなぞりながら答えを出す前に俺は眠りにつこうとした。

606:ぜろ☆すた
07/10/28 23:08:12 BzQ7DAcB
一睡もできなかった。
次の日、向かっているのは新東京タワー。600mもあるのだから東京の町並みを見るよりいいのではないかと思ったからだ。
自分がハルケギニアにいた頃はまた建設されてもいなかったがもう自分も20代だ。もう建設完了してあるだろうと思っていた。
そして新東京タワーついたらその大きさに圧倒された。建設当初は600mって聞いてたけど、これ1000mはあるぞ?
きっと建設当初高さでは世界一にならないから意地張って作ったんだろうな。中に入りエレベーターのボタンを押してみると扉は開いた。
きっと非常用の電源は生きているのだろう。もし電源が無かったら1000メートルの高さを階段で上らなきゃならない。
どこかの高校ラグビー部の約三倍だ。カンダールヴの力なら無理ではないだろうが、さすがに上るのは疲れる。ほっとした感じがしてエレベーターの中に入った。
エレベーターはぐんぐんとものすごい勢いであがっていく。第三展望台までの直通のエレベーターだ。気圧の変化で耳が痛くなってきたのでつばを飲んだ。
第三展望台につくとサイトは言葉が出なかった。上から見下ろした東京は廃墟というよりも地獄だった。
バイクでも見てて分かったが、ほとんどのビルは破壊されていた。
まるで時間が止まっているかのような世界。ジョジョもびっくりな世界だ。
なんだこれ?これが東京?あのカップヌードルの世界でも人はいたぞ?だけど人は一人もいない。だから何も動かない、動いていない。
サイトはデルフリンガーを抜いた。
「一日ぶりだね、相棒」
「ああ、一日ぶりだな」
「おでれーた!これがお前さんの言ってた日本かい?」
「ああ、そうだよ。だけど何でこんなになったか分からない。ほとんどの建物は崩れてて人は一人もいない。死んだんじゃない、消えたんだ、突然に」
「…………きっと「始祖の虚無」のせいだろうな」
「………」
「予想だが「始祖の虚無」はハルケギニアだけじゃなくこの地球にも影響を及ぼした。
ハルケギニアの「始祖の虚無」は発動段階で防げたが地球の「始祖の虚無」は防ぐことができなかったんだ。
そして地球が造り変わる直前に俺たちがハルケギニアの「始祖の虚無」を防いじまった。だから人は消え、建物がこんな状態なのさ」


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