【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
07/10/19 14:21:08 lpXWTFq1
つい最近ゼロ魔アニメを見始めました。
ルイズも可愛いけどぶっっっっちゃけ、
他の女性キャラが巨乳で可愛いので
キュルケ、アンリエッタ、シエスタ、ルイズ姉etc・・・・、
そっちの方も楽しみで見てます。・・・、長門?まあボチボチ?

ここのSSも良作が多くてGJ!
魅惑の妖精亭の娘さん(ジェシカだっけ?)が出てくる話とかあれば教えてくだされ


301:名無しさん@ピンキー
07/10/19 16:31:39 ZbX5jFml
>299
お待ちしてました~
「サイトが魔法を使えたら」は何気に気になってた作品ですので
サイトは相変わらず鈍感だけど、今回は流石にタバサの想いに気づきはじめたかな?
いい雰囲気をぶち壊した闖入者との決着は…ってとこで次回?
がんばれサイト!(いろいろな意味でw

302:名無しさん@ピンキー
07/10/19 20:53:55 siyKzmgD
>>299
ヤバイヤバイ…続きが楽しみ過ぎる
GJです

303:シエスタですが、部屋の中の空気が最悪です
07/10/20 11:01:23 pORmC9Hl

「お茶が入りましたよー、サイトさん、ミス・ヴァリエール」
「お、ありがとう、シエスタ」
「ちょうど喉が渇いてたのよねえ」
「熱いから気をつけてくだ」

 シエスタがティーカップを渡そうとしたところ、才人が受け取り損ねて落としてしまう。

「うおっ、熱っ……!」
「あ、だ、大丈夫ですか、サイトさ」
「サイトォォォォォォォォッ!」

 シエスタを押しのけて、ルイズが泣きながら才人に縋りつく。

「だ、大丈夫、サイト!? 痛いでしょ、痛いわよね!? ああ、すぐに治さないと、サイトが死んじゃう……!」
「おいおい大袈裟だなあルイズ。この程度、なんともないって」
「でも、でも……」
「……お前って、本当に心配性だよな。でも、そんなところも最高に愛しいぜ……」
「サイト……」
「あのー……とりあえず、こぼれた紅茶拭きましょうか?」
「ほら、涙拭けよ。可愛い顔が台無しだぜ?」
「グスッ……だ、ダメ。これが原因でサイトが死んじゃったらって考えると、悲しくって悲しくって涙が止まんない……」
「ホント大袈裟だなあ。大丈夫だよ、七万の大軍に突撃しても死ななかった俺が、こんなもんで死ぬかよ」
「その話はしないで! あのときサイトがいなくなっちゃって、わたし、本当に……」
「……すまねえ。嫌なこと、思い出させちまったな」
「ううん、いいの。でも、もう二度と、わたしのこと一人にしないでね……」
「……ミス・モンモランシーから火傷の薬もらってきた方がいいですか? ねえ、二人とも」
「ああ、約束するよ。これからも、俺達二人はずっと一緒さ」
「本当? 嬉しいけど……不安だわ。サイト、わたしのためにってすぐ無理するから……」
「大丈夫、大丈夫だよ。そんなに心配するなよ」
「でも……サイト、すぐにわたしの前から消えてしまいそうで……」
「なら、こうやって抱きしめててやるよ。こうすりゃ、俺が確かにここにいるって実感できるだろ?」
「ああ、サイトの体……とっても温かい……」
「あ、そう言えば、そろそろお昼の時間ですね! 二人とも、お腹すいてませんか?」
「お前って、こんなにちっちゃかったんだな……こんなちっちゃいのに、今までよく一人で頑張ってきたよ」
「一人じゃなかったわ。だって、わたしのそばには、いつだってサイトがいてくれたもの」
「ルイズ……」
「サイト……」
「……」

「あのー、わたし、あの二人のお付きのメイド辞めたいんですけど」
「女王の勅命だから無理。それとも断頭台行ってみる?」
「タハー。どっちにしろ地獄ですかー?」

304:名無しさん@ピンキー
07/10/20 11:13:15 PyODRl2+
>>303
バロスwww

305:名無しさん@ピンキー
07/10/20 13:06:31 UMRLLxbd
>>303
傍から見てると殺意がわくなwww

306:名無しさん@ピンキー
07/10/20 13:47:57 LxPpHjCB
>>303
バカップルのルイズとサイトのお付きのシエスタに合掌ww

307:名無しさん@ピンキー
07/10/20 13:54:22 Dpa8amAB
>>303
短いけどGJ!

本編で、サイトがちゃんとルイズをちゃんとイチャラブだったら
当然にこうなっちゃうよな、物語が進まないよな、という思いを
見事にカタチにしてくれました www

308:名無しさん@ピンキー
07/10/20 14:11:40 /wwimaTT
>>303
タイトル見て思ったんだが、ハルヒエロパロ板で新川さんネタを書いた人か?
…と、その前にGJ

309:名無しさん@ピンキー
07/10/20 17:45:52 +ZX7vdOv
タイトルの元ネタってドラクエ二次じゃなかったのか
>>303
GJ
シェスタ派としてはサイトはシェスタに対して放置プレイの実験中かー、と無理矢理こじ付けてみる

310:名無しさん@ピンキー
07/10/20 18:51:48 QV6R//fJ
>>309
ライアンwww

確かvipの名スレだったかな。

311:名無しさん@ピンキー
07/10/20 22:03:01 foHgaIkc
なんか二ョズニトニルンの口調に違和感が…



どうでもいいけどトニルンってトルエンに似てるな。

312:名無しさん@ピンキー
07/10/21 00:11:59 VTlJGBkR
ほんっとどうでもいい話だなwww

313:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:24:31 af7+wPIG
>>309
シエスタをシェスタと書くお前が本当にシエスタ派なのか怪しい
そんな俺はシャルル…シャル、シャロルラ……

314:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:50:03 8EuOsl1T
URLリンク(www.nicovideo.jp)
中毒注意

315:名無しさん@ピンキー
07/10/21 04:13:01 qJ17xj37
本当おまえらどうでもいいなw

316:名無しさん@ピンキー
07/10/21 06:27:03 xhy4l8E2


317:名無しさん@ピンキー
07/10/21 08:21:08 smCAY+3W
>>314
泣いた!

318:名無しさん@ピンキー
07/10/21 09:55:55 Bw1ToJvU
>>317
IDがSMゲイ+3ワルドに見えた。

319:名無しさん@ピンキー
07/10/21 09:59:29 8cnBDVdM
>314
ちょルイズもいいn

320:名無しさん@ピンキー
07/10/21 20:46:16 E5z4ZAbU
大佐、>>314のせいで激しく性欲を持余す!!!どうすればいい?指示をくれ大佐ぁ!!!(*'A`)

321:名無しさん@ピンキー
07/10/21 20:59:33 kKm9pR0W
>>320
装備は好いか---
君の唯一無二の武器を把持し、狙いを定め、その引き金に指をかけるのだ----

『撃て』

322:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:04:02 +SgWgeW+
きめー

323:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:36:07 VrSxwDAt
~ん、フラッシュ!!

324:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:40:53 j0L/yjop
結局 サイトは元の世界に帰るのだろうか?

325:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:58:01 IAM74b1m
ギーシュエンドだろ

326:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:14:41 +9YJ6Xv+
サイトがルイズにタバサと浮気してる事がばれてルイズに殺されてオッパッピー

327:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:30:09 xWtGGk8M
いや、タバサがメインヒロインだから

328:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:43:40 mgU1DqDY
タバサやシエスタ等は医者でルイズとサイトは患者
今までいた所は実は精神病院でした。
そんなエンド

329:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:53:14 ktYGLmQ1
ドラえもん最終回みたいだなw

330:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:01:55 EidLEKFD
>>328
久米田自重

331:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:03:13 2BNEgQfC
元の世界を覗いたら、普通に生活してる自分がいて
自分がガンツ的なコピーって事がわかって

サイト絶望END

332:331
07/10/22 00:09:16 2BNEgQfC
ってか
俺が望むBESTENDは

サイトはカミーユ並に精神がぶっ壊れて欲しい


333:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:13:50 nS1jtnvo
本スレいこーよね

334:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:16:47 We3a+kIM
>>332
ここはダンバインENDだろ…物語の構造も似てるし。

335:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:26:49 H98/UIeA
イデオンエンド。全員死亡
ラノベじゃないぞそれ www (自主つっこみ

名家にうまれた娘が、異世界人と恋に落ちて
勝気な姉と一悶着あったあと、子供孕んだのが発覚し
すごくおっかないお父さんと最終戦争になったりする

336:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:30:19 FLB4F9Wp
サイト「何故ミス・ロングビルを巻き込んだ!彼女は戦争をする人ではなかったはずだ!」
的な最後で

337:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:34:55 FYIOioYN
ハゲ信者
自重

338:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:34:56 gGrQvrR8
>>328
それなら
ルイズ→凶暴性の患者
アン姫→誇大妄想患者
ギーシュ→医者
シエスタ→看護婦
モンモランシー→薬剤師
サイト→カウンセラー
ってどうかね。

あと、7巻で飲まさせられた睡眠薬はタバサ母の飲んだのと同種で、8巻以降は遺品のデルフと部屋の中
でずーっと妄想語ってるだけとか。

339:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:56:25 CEKRIxJU
本スレ池

340:名無しさん@ピンキー
07/10/22 01:19:16 /9Xnk31z
カリン様きぼん

341:名無しさん@ピンキー
07/10/22 07:53:33 /tpZmUSu
カリン塔でカリン様とカリンカリンしたいお

342:名無しさん@ピンキー
07/10/22 07:53:42 Vva5SxgC
みんながコルベールを見て死亡

343:名無しさん@ピンキー
07/10/22 20:55:04 ktEmhbrQ
武士沢レシーブエンドでいいよもう

344:名無しさん@ピンキー
07/10/22 22:25:52 rpADLVsQ
年表で強引に〆た後、

地球に還ったサイトが近所のコンビニでワルドと再開するんだな。
で、生卵を「あたためますか?」で…

345:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:09:13 Dw3Df+we
流れ断ち切って悪いが
保管庫に新しく直接投稿されたSSの一つX00-09
でルイズの実家が伯爵になっている件について
公爵だよな たしか原作では

346:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:20:42 lklcdlaS
>>345
アニメでもそんな細かいとこ変更しないだろうから、普通に公爵であってると思う。
まぁ、俺もそういう階級とかに詳しいわけではないけど。

347:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:40:53 ktEmhbrQ
大公>公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵だっけ
どっか順番間違えてる気がする

348:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:42:30 Cgz00OmX
>>347
大丈夫

349:205
07/10/23 01:10:21 wgl8rEN/
投下しますがまずその前に。

>>16
誰がこの上なく愚かな人間だこの野郎w

という訳で、『平賀さん家へいらっしゃい』の続きです。

350:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:11:17 wgl8rEN/
 飲みすぎたためか緊張から解放されたためか、ハルケギニアの面々はそのほとんどが十二時前には
寝入ってしまっていた。
 唯一アニエスだけは正気を保ち、すやすやと眠っているアンリエッタを、才人の両親の寝室に運び
込んだ。今夜は寝ずの番をするという。
 コルベール、マリコルヌ、ギーシュは隣の部屋で雑魚寝、キュルケとシルフィードとティファニア
は空き部屋に布団を敷き、ルイズとシエスタとタバサは才人の部屋で休んでもらうことになっている。

「やっと終わったか」

 ルイズたちを自分の部屋に運び終えた才人は、居間に戻ってきてほっと一息吐いた。
 平賀親子は、今夜はこの部屋に布団を敷いて雑魚寝する予定になっている。
 才人としては久々に自分の部屋のベッドで寝たいというのが本音だったが、さすがに親の手前、同
年代の女の子と同じ部屋で眠る訳にはいかないのだった。

「でも、びっくりしたよ母ちゃんは」

 台所で洗い物をしながら、天華がおかしそうに笑う。

「あんた、女の子たちをひょいひょい運んじゃうんだもんね」
「皆が軽いんだよ」
「いやいや、それでも、前までのあんたならあそこまで軽々とは運べないはずだよ。
 ホント、いろいろあったんだねえ」

 母のしみじみとした言葉に少々照れくささを覚えながら、才人はテーブルに座った。

「よ、お疲れさん。まあ飲めよ」

 向側に座った才蔵が、赤い顔で缶ビールを勧めてくる。幸せそうなその顔に、少々呆れてしまう。

「おい酔っ払い。俺は一応まだ高校生だぜ」
「何言ってやがる、異世界じゃ散々飲んだくれてたらしいじゃねえか」
「うわ、誰から聞いたんだそんなこと」
「あの色男……ギーシュ君だったか? 彼が、異世界でのお前の様子を嬉しそうに話してくれたのさ」
「あの野郎、明日の目覚ましはパワーボムにしてやる」

 ブツブツとギーシュへの恨み言を呟きつつも、才人は缶ビールのプルタブを開ける。
 才蔵が嬉しそうに自分の缶ビールを持ち上げた。

「よし。じゃ、我が家の馬鹿息子の帰還に乾杯だな!」
「おう。麗しき馬鹿親父殿との再会に乾杯だぜ」

 軽く缶を合わせたあと、一口だけ飲む。
 ハルケギニアでは基本的にワインばかり飲んでいたから、ビールの苦味はなかなか新鮮だった。

「しっかしまあ、ビックリしたなあ」
「何がだよ」
「父ちゃんたちだよ。まさか、俺がしらないところで、あんな漫画みたいなことやってるとはなあ……」
「ああ、そのことな」

 父は顔の前で両手を合わせた。

「内緒にしてて、ホント、すまんかった! お前には平穏無事な人生を歩んでほしかったもんでなあ」
「いや、別にいいんだけどさ、ただ」
「ただ?」

 不安だった。
 目の前の父は、以前の無口な(振りだったらしいが)サラリーマンとは、かなりかけ離れている。
 副業が忍者だったことといい、ひょっとしたら中身も自分の知っている父とは全く違うのではない
かと思うと、怖かった。
 言葉が続けられなくなってしまったとき、才人の後ろから細い腕が伸びてきた。

351:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:12:45 wgl8rEN/

「ほら、お飲みよサイト」

 目の前に椀を一つ置いた天華が、にっこりと笑う。
 椀から立ち上る懐かしい香りが、才人の鼻腔をくすぐった。自然と背筋が震えてくる。

「味噌汁、か」

 呟く声も震えている。天華が才蔵の隣に座りながら苦笑した。

「あんた、ずいぶん母ちゃんの味噌汁飲みたがってたそうじゃないか。
 女の子達が、すぐにでも作って食べさせてあげてって頼んできたぐらいさ」
「へえ。やっぱ、外に出りゃ家が恋しくなるんだな」

 からかうような才蔵の台詞に、冗談を返す余裕もなかった。
 才人は震える手をお椀に伸ばし、一口、口をつける。塩辛い味噌の風味が口いっぱいに広がった。
 目に涙が浮かんでくる。

「おいおい、味噌汁飲んだだけで泣くなよな」
「だってよ、ずっと食ってなかったからさ」

 才人は目元を乱暴に拭いながら照れ笑いを浮かべた。もう一口味噌汁を啜って、大きく息を吐く。

「やっぱ、母ちゃんの味噌汁はうめえや」

 あまり長々と感想を言うと本格的に泣き出してしまいそうだったので、才人は何とかそれだけ言った。
 その様子を見た天華と才蔵が、どこか安心したようにほっと息を吐いた。

「どうしたんだ?」

 怪訝に思って聞くと、両親は顔を見合わせて決まり悪そうに微笑んだ。

「いや、なんだな」
「なんかね、安心したんだよ」
「安心って、何が?」
「ほら、お前、なんか異世界でいろいろ危ない目に遭ってたって言うからよ」

 才蔵が頭を掻く。

「なんか、中身の方も殺伐とした感じに変わっちまってるんじゃねえかって、おっかなくてよ」
「だよね。でも安心したよ。あんたは相変わらず、間の抜けた平賀才人君みたいだね」

 両親が揃って才人を見る。眼差しには深い優しさと労わりがあった。

「間の抜けた、って、ひでえなあ」

 遠慮のない評価に少し笑ったとき、未だかすかに残っていた緊張が、体から完全に消え去るのを感じた。

(俺が、父ちゃんや母ちゃんが変わっちまったんじゃねえかって怖かったのと一緒で、
 父ちゃんや母ちゃんも、俺が変わっちまったんじゃねえかって怖かったんだな)

 だが、現実は優しかった。
 自分は殺伐とした性格になどなっていないし、父や母も自分の知らなかった一面があるというだけで、
眼差しの暖かさは以前と全く変わっていない。
 もっとも、以前は両親の眼差しの暖かさなどには全く気付いていなかったのだが。

(それに、何より)

 才人はまた味噌汁を一口啜った。

352:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:13:59 wgl8rEN/
(味噌汁の味、少しも変わってねえもんな。帰ってきたんだなあ)

 しみじみと改めて実感する。

「あ」

 と、才人は不意にあることに気がついた。

「やべえ、そういえば」
「なんだ」
「どうしたの」

 両親が驚き、身を乗り出してくる。才人は椀を置き、顎に手を当てて思案し始めた。

「どうしようかな。やべえよなあ、これ」
「なんだってんだよ」
「なんか、危ないことなのかい?」

 才人に合わせて、両親の声と表情もどんどん深刻なものになっていく。

「いや、あいつらのさ」
「おう」
「なんだい」

 一言も聞き漏らすまいとするかのように顔を寄せる両親に、才人はゴクリと唾を飲み込み、言った。

「飯の話なんだけど」

 一瞬の間の後、

「……は?」
「なんだって?」

 両親が聞き返してきた。才人は繰り返す。

「だから、飯の話」
「飯だぁ?」
「どういうことさ」
「いや、俺もホームシックにかかって味噌汁飲みたくなったしさ。
 あいつらも、ハルケギニアにいたときと同じようなもの食いたくなるんじゃないかなーって。
 どう考えたって、日本食が口に合う訳ねえしなあ……いや、シエスタならあるいは……」

 ブツブツと口に出しながら考える才人の前で、両親は顔を見合わせて呆れたように笑った。

「なんだ、そんなことかよ」
「そんなこと? 深刻な問題だろこれは」
「世の中には、そんなことよりもっと深刻な問題があるんだよ」

 天華が言うと、才蔵が「そうそう」と頷いた。

「俺はてっきり、さっきのあの妙な姉ちゃんがまた襲ってくるとか、そういうのかと思ったんだぜ」
「妙な姉ちゃん? ああ、ミョズニトニルンね」
「ミョズ……なんだって?」

 眉をひそめる才蔵に、才人はミョズニトニルンのことを簡単に説明してやった。

「ふーん。マジックアイテムを自由に使う残酷な女、ねえ。やっぱ危ねえ女だったんだな」
「っつっても、こっちの世界にはマジックアイテムなんかねえし、ほとんど無力なんじゃねえの?」

 才人が言うと、才蔵は真面目な顔で首を横に振った。

353:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:15:24 wgl8rEN/
「いや、そんなの関係ねえだろ。問題は、その女がこっちに殺意持ってるってことなんだからよ。
 別に、マジックアイテムなんかなくたって、ナイフ一本ありゃ人は殺せるんだぜ?」
「……それもそうか」

 才人は唸った。確かに、早計だったかもしれない。
 あの無茶苦茶に強いゴーレムを倒したから、もうミョズニトニルンなど相手にならないなどと思い込んでいた。

(でも確かに、あんだけズルっこくて、ジョゼフに忠誠誓ってる女だもんな。
 オマケに俺らに殺意持ってんだ。こっちの世界でも、何かえげつない手を使ってくるかもしれねえ)

 飯のことなど考えている場合ではなかった、と反省する才人に、才蔵が苦笑した。

「なんだ、その辺全然気にしてなかったのかよお前」
「だってよ、いろいろありすぎたし」
「ま、無理もねえか。しかし、そうだなあ」

 才蔵が顔をしかめながら、頭の後ろで腕を組む。

「そういう危険があるってんじゃ、やっぱこの家だといろいろ不便だよな」
「不便っつーと?」
「庭狭いから、仕掛けられるトラップにも限度があるだろ」
「トラップって」

 聞きなれない単語である。
 だが、父の正体を知ってしまった今となっては、驚くべきことだとも思わなかった。

「それに、俺ら三人だけならともかく、こんだけ人数が増えたんじゃ、全員には手が回らんかもしれんからな」
「そんなもんか?」

 ヨルムンガンドを破壊したときの漫画じみた戦い方を思い出すと、たとえどんな敵が何人来ようが
平気で叩きのめそうな気がする。
 そんな才人の期待じみた予想に反して、才蔵は困ったように頬を掻いた。

「いくら俺が鍛えてたって、一人でやれることには限界があるんだよ。
 一人守ってる間にもう一人がやられました、じゃお話にならんからな」
「そうだよ。平賀家は、異世界の皆さんのことを預かる立場になった訳だからね。
 責任持って、あの人たちの身の安全を確保しなけりゃならないよ」
「そうか。そうだな、その通りだ」

 両親の言葉に同意はしたものの、才人には分からないことがあった。

「でもよ、具体的にはどうすんの? この家じゃ、皆を守るのは難しいんだろ?」
「一応、考えはあるさ」
「っていうと」
「親父の力を借りる」
「親父って、源じーちゃんか?」

 言いながら、才人は遠くで暮らしている祖父の姿を思い浮かべる。
 常に人懐っこい笑みを浮かべている皺だらけの顔。
 年の割に子供っぽい老人で、遊びに行ったときはよく才人の相手をしてくれたものだ。



354:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:16:30 wgl8rEN/

「ひょっとして、源じーちゃんも、実は凄い人だったりすんの?」

 訊くと、才蔵はにやりと笑って頷いた。

「そうだ。本当は、かなりエキセントリックな爺さんなんだぜ」
「エキセントリック、ねえ。具体的には、どんなの?」
「源じーちゃんの名前を思い出せば、大体分かるだろ」
「やっぱそうか」

 才人は半ば呆れ混じりに、感嘆のため息を吐いた。
 祖父の名前は、平賀源内なのである。
 それだけで、本当はどんな人物なのか多少想像がつくというものだった。
 源内は今現在はアメリカのアーカムというところに行っていて、日本にいないらしい。

「なんか、知り合いのなんとかって博士に会ってくるとか言ってたっけかな。
 ま、あの親父がこんな面白いこと放っておくはずねえし、呼べばすぐに飛んでくるだろうよ」



 とにもかくにも、明日源内を呼んで相談してから決めることになった。
 その日の平賀家家族会議はそれでお開きである。
 才人は早々に居間に敷かれた布団の中に潜り込み、すぐにグースカと寝息を立て始めた。

「相変わらず、変に図太い奴だなあ」

 呆れる才蔵の隣で、天華が穏やかに目を細める。

「いいじゃない。本当に、無事に帰ってきてくれてよかったよ」
「まあな。しかし、異世界か。俺やお袋の情報網でも探し出せなかったから、どこに行ってるのかと思いきや」

 才蔵は憂鬱な気分になった。

「こいつには、平穏無事な人生を送ってもらうつもりだったんだがな。
 結局変なことに巻き込まれちまったのは、やっぱり血筋なのかねえ」
「そうかもしれないね。これからも、たくさん危険な目に遭うかもしれないよ」

 天華の眼差しに憂いの色が混じる。才蔵は努めて気楽に笑いながら、そっと妻の肩を抱いた。

「こいつなら大丈夫だよ。さすが俺達の息子だ。
 何も教えてねえのに、向こうでも案外たくましくやってたみたいだしな」
「そうねえ。ルイズさんやシエスタさんも、そんな風に……ああ、そうそう」

 天華が軽く手を打って、どことなく悪戯っぽい笑みを浮かべて問いかけた。

「ねえあんた。今日来た女の子たちのうち、誰がわたしらの義理の娘になってくれると思う?」

 才蔵も茶目っ気たっぷりに応じた。

355:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:18:02 wgl8rEN/
「そうだなあ。一番開けっぴろげに好意を示してるのは、やっぱあのシエスタって子だよな。
 本職のメイドさんってだけあって家事万能みたいだし、嫁にする分には申し分ねえだろうな。
 何より乳と尻もでかいし、あれはいい子を産むゲフッ」
「何馬鹿なこと言ってんだい、このセクハラ親父」

 肘鉄をモロに脇腹に喰らってむせる才蔵の隣で、天華が頬に指を当てる。

「ルイズさんも、素直になれてないだけで、なかなかこの子のこと気に入ってくれてるみたいだよね。
 才人の方もどうやら本命はこの子っぽいし。まあ、尻に敷かれるのは確実だろうけどさ」
「あのタバサってちびっ子も、終始無表情な割に視線がチラチラ才人の方見てた。
 ありゃ、かなり気にしてるぜ。頭も良さそうだし、何より謙虚で控え目だ。きっと、献身的に尽くしてくれるだろうよ」
「女王様、って呼ばれてた子はどうかねえ」
「あー、あの子か。綺麗だが、なんかこう、苦労してそうな感じだったな。
 どうかね。才人にあんな子が支えられるかどうか……」
「ティファニアさんも、彫刻かなんかみたいに綺麗な割に、凄く素朴で可愛い子だったね。
 才人のことどう思う、って聞いたら、『優しくて勇敢な男の子だと思います』なんて言ってくれたっけ」
「ほう。そりゃ脈ありだな。……っつーかあの子、乳スゲェよな」
「このセクハラ親父……と言いたいとこだけど、確かにね。あれは最初見たときぶったまげたよ。
 本人気にしてるっぽかったから、顔には出さなかったけど」
「才人にあんな乳が支えきれるかどうか……」
「意味分かんないこと言ってんじゃないよ、もう……
 色黒な子と、いかにも貴族って感じのクルクル髪の子は、残念ながら他に相手がいるみたいだったね。」
「目が鋭い剣士の姉ちゃんも、年離れてるのもあって、才人と恋愛しそうな感じじゃなかったなあ。
 ま、それでもこんだけ候補がいりゃ十分だろ」
「そうねえ。このモグラ息子には勿体無いぐらいだわ。あー、そう言えば」

 天華が苦笑いを浮かべた。

「もう一人、いたよねえ」
「あー、いたな。青い髪の、大喰らいの子。あの子よ、本当は竜なんだぜ」
「竜、ってかい。たまげたねえ、こりゃ」

 天華が感心と呆れが混じったため息を吐き出した。

「でも、それで合点がいったよ。いくらなんでもありゃ食べすぎだったからね」
「だよなあ。溜め込んだ小金が食費で吹っ飛びそうな勢いだったぜ、ありゃ」
「一応女の子ではあるけど、色気より食い気って感じかね、ありゃ」
「まあなあ」

 二人はぎこちなく笑いあった。

「あの子は、とりあえず候補から外しといていいかねえ」
「だろ。さすがに、あれはねえだろうよ」
「よし、そうなると、お嫁さん候補は五人ってことだね」

 天華が張り切った様子で腕をまくる。

「こりゃ、明日から気合を入れないとねえ」
「なんだ、なんかやるつもりなのかよ」
「そりゃもちろん。このモグラ息子に、こんなチャンスだ。
 これを逃したら一生巡ってこないかもしれないんだからね。
 あの手この手を使って、さり気なく売り込むつもりよ」

 気合の入りまくっている様子の天華に才蔵が苦笑したとき、
 不意に上の方から何やらドタバタ騒ぐ音が聞こえてきた。

「何だ」
「何かしら」

 二人は揃って首を傾げ、忍び足で二階に上がっていった。

356:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:18:45 wgl8rEN/
 才人の腕に抱かれて彼の部屋に運んでもらったとき、実はルイズはまだ起きていた。
 少々酔ってしまって眠気に襲われていたのも事実だったので、少しの間目を閉じて休んでいたら、
眠ったものと判断されたらしく勝手に運ばれてしまったのである。

(要するに、いい迷惑なのよ。別に嬉しくなんかないわ。
 全くこの馬鹿犬、勝手にご主人様の体に触ってんじゃないわよ)

 と、内心で文句を言いながら、ルイズはこっそりと薄目を開けてみる。
 才人はルイズの体を両腕で抱えながら、特に苦もない顔で歩いていく。
 そのくせ階段を上るときなどは足元にかなりの注意を払っていて、ご主人様を落とさないようにと
気を配っているのがよく分かった。
 そういったところから、彼の力強さと自分への気遣いが十分すぎるほどに感じられ、口元がにやけ
そうになるのを抑えるのに苦労したほどである。

(ま、あんたにしては上出来な態度だから、ご主人様の体に勝手に触れたことは特別に許してあげてもいいわ)

 幸せな葛藤に浸っていたとき、ちょうど才人が階段を上り終えた。
 背後から、才人の母が声をかけてくる。

「あんたの部屋に運ぶんだろ?」
「ああ。タバサはもう運んであるし、ルイズとシエスタも俺の部屋で寝てもらうよ」

 ちなみに、シエスタの方は才人の母に抱えられている。

(わたしはサイトに運んでもらって、シエスタはサイトのお母さん)

 つまり、眠り込んだ自分とシエスタを見て、才人は自分の方を優先して選んでくれたということである。
 ちょっとした優越感に、とうとう口元が緩むのを抑えられなくなる。
 単純に、万一運んでいる途中で目覚められたとき、どちらを運んだ方が波風が立たないで済むかと
か、そういう判断基準だったのではないかという気もしたが、とりあえず今は無視しておくことにする。
 蝶番が軋む音が聞こえてきて、才人がどこかの部屋の中に入ったのが分かった。会話の内容から察
するに、おそらく才人自身の部屋なのだろう。彼の部屋を今すぐこの目で見てみたいという衝動が湧
き上がってきたが、なんとか我慢する。

「で、誰をあんたのベッドに寝かせるの?」
「ルイズだな。こいつを床で寝かせたら、明日何言われるか分かったもんじゃねえや」

 そんな会話が聞こえてくる。つまり、自分は才人のベッドで寝て、シエスタは床で寝る、というこ
とになったらしい。ルイズはさらに気をよくした。

(当然と言えば当然だけどね。こいつ、何だかんだ言ってもわたしにメロメロだしー)

 得意の絶頂に上って鼻息を荒くしていたとき、ルイズの体がそっとベッドに横たえられた。

「おー、母ちゃん、俺の布団ちゃんと洗ってくれてたんだな」
「そうだよ。いつ、あんたが帰ってきてもいいようにね」

 そんな会話が聞こえてくる。
 目を瞑ったままなのでよく分からないが、体を包む柔らかい感触から察するに、どうやら才人が毛
布をかけてくれたらしい。
 彼の腕の中から離れたことを実感して、少々名残惜しさを感じてしまう。

「ほら、寝顔見てたいのは分かるけど、早く下降りるよ。起こしちゃまずいだろ」
「分かってるよ」

 小声で交わされる会話を聞いて、ルイズはある事実に気がついた。

357:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:19:41 wgl8rEN/

(ああ、そっか。今日は、才人と一緒には寝られないんだ)

 仕方がないことだ、とは思う。
 この世界の倫理観がハルケギニアと同一なのかは知らないが、さすがに結婚前の男女が同じベッド
で寝ていい、ということはないらしい。
 昨日までとは違う一人きりの夜を想像して少し寂しくなってしまったとき、ルイズの耳を吐息が
そっとくすぐった。

「お休み、ルイズ」

 心臓が爆発するかと思った。
 声が漏れそうになるのを必死にこらえ、息を止めたまま才人たちが出て行くのを待つ。
 閉められた扉の向こうから階段を降りていく二つの足音が聞こえてくる段になって、ルイズはよう
やく呼吸を再開した。
 ぜいぜい荒く息をしながら、そっと胸に手をやってみる。
 全力で走ったときよりもずっと激しく、そして熱く、薄い胸の内側で心臓が暴れ狂っている。

(なにこれ。なにこれ)

 顔と言わず腕と言わず、体全体が芯から燃え上がるように熱くなっている。
 皮膚一枚隔てた向こう側を、熱い血潮が物凄い勢いで駆け巡っているのが分かった。
 叫びたいほどの興奮と泣きたいほどの恥ずかしさと暴れ出したいほどの怒りと、そして何よりも、
今すぐ素っ裸で走り回りたくなるほどの、圧倒的な幸福感。それら全てがごちゃ混ぜになって、体が
内側から弾け飛んでしまいそうだ。
 どうやっても収まらぬ高揚感を無理に抑えつけるように、ルイズは体を丸めて布団の中に潜り込む。
それでも、やはり爆発的な気分の昂ぶりが抑えきれないので、彼女は布団の中でジタバタともがき始めた。

(もう、反則。これ反則。何してくれちゃってんの、あいつったら)

 限りない労わりと包み込むような優しさに満ちた、才人の囁きを思い出す。
 耳に吐息を感じるほどの距離で囁かれた「おやすみ、ルイズ」という声は、背筋を震わせるほどに
甘美で、暖かかった。

(なんなの一体。いつもはもっと素っ気ないくせに。毎晩あんな風に囁かれたら、わたし、もう)

 ルイズは目を瞑っていたことを後悔した。声音だけでこれほど心を奪われたのだ。一体、あの瞬間
の才人はどれだけ優しい笑みを浮かべていただろうか。
 なんとかそれを再現しようと、再び目を閉じて、必死に彼の微笑を思い浮かべる。闇の中に幾つも
浮かび上がった才人の顔が、一つ残らずこちらに向かって微笑みながら、甘く優しく、穏やかに囁きかける。

『おやすみ、ルイズ』

 体がとろけてしまいそうなほどの幸福感に包まれて、ルイズは思い切り顔をふやけさせた。

「えへ。えへへぇ……おやすみぃ、サイトぉ……」

 締まりのない声が口から零れるのを、どうやっても止められない。

358:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:22:09 wgl8rEN/
 そうやって、ルイズはしばらくの間一人幸せを噛み締めながら布団の中で悶えていたのだが、ふと
視界の隅に映ったものに気がついて、一瞬で現実に戻ってきた。
 それは、ベッドの端をつかんでいる誰かの手だった。
 無言で布団をどけると、床からベッドに向かって手を伸ばしているシエスタがいた。
 睨みつけてやると、彼女は不満げに唇を尖らせた。

「ずるいんじゃありませんか」
「何がよ」
「ミス・ヴァリエール、一人だけでサイトさんのベッドで眠るだなんて。わたしなんて床なのに」

 ここぞとばかりに、ルイズは勝ち誇って笑った。

「あら、当然の構図じゃない。いやよねえ、サイトったら、命令してもいないのに自然とご主人様に
 自分のベッドを提供してるんだもの。でも良かったじゃない、シエスタだって忘れずに寝床用意し
 てもらってるんだし。まあ、わたしはベッドで、あんたは床だけど。あんたは床だけど。床だけど」
「しつこく繰り返さないでください! とにかく、わたしもそっち行きますからね!」

 怒りながらシエスタがベッドに上ってこようとしたので、ルイズも負けじと彼女の体を押し返す。

「ちょっとあんた、誰の許しがあってこのベッドに上がろうとしてんの? 
 ここは貴族専用よ。貧乏臭いメイドは床で寝なさいよね」
「こんなときばっかり貴族風吹かさないでいただけますか。
 大体、サイトさんの世界に来たからには、貴族がどうとかますます関係ありませんよねえ?」
「それでもわたしたちはハルケギニアの人間でしょうが」
「あら、わたし、この世界の人の血もいくらか混じってるんですけど?」
「あ、そう。それは良かったわね。でもあんたは床で寝なさい」
「何ですかそれ! さっき悶えてたの見てましたよ。どうせ、『いやーん、サイトの残り香ー』とか
 言って興奮してたんでしょ!?」
「そんなことしないわよ、変態じゃあるまいし!」

 すっかりいつもの調子で喚きあいながら、二人はベッドの端で取っ組み合いを始める。
 そのとき、おもむろに彼女らの隣を通り過ぎようとする影があった。

「待ちなさい」

 と、ルイズが手を伸ばしてつかまえたのは、寝惚け眼のタバサであった。

「あんた、なにさり気なくわたしのベッドに入り込もうとしてるの」
「勝手に自分のものにしないでくださいよ!」

 シエスタの怒鳴り声など当然無視である。
 ルイズがタバサの答えを待っていると、彼女はぼんやりしたまま小さく首を傾げた。

「眠いから」
「だったら床で寝なさいよ」

 床にはシエスタだけでなく、タバサの布団も敷いてある。それを指差してやると、彼女は不満げに首を振った。

「寝心地が悪い」
「だからなによ」
「わたしもこっちがいい」

 呟きながら、自分をつかむ手を器用に解いて、コロンとベッドに転がり込む。ルイズは叫び声を上げた。

「ちょっと、やめなさいよ! あんたの臭いがついちゃうでしょ!?」
「やっぱり臭いのこと気にしてたんじゃないですか!」

 タバサを放り出そうとつかみかかりながら、後ろのシエスタには遠慮なく蹴りを浴びせる。
 それが戦闘開始の合図になり、三人は才人のベッド占有権を巡って夜通し騒ぎとおすこととなった。


359:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:23:25 wgl8rEN/

 そんな三人娘のみっともない騒ぎを、才蔵と天華は部屋の外からこっそりと眺めていた。

「すげえなこれ」
「だねえ。思った以上に、皆才人に夢中みたいだね」

 天華がニヤニヤ笑いながら言う。才蔵の方も、嬉しいながら少々納得いかずにブツブツと呟く。

「なんだかなー。俺の方がナイスミドルでいい男だと思うんだが、才人ばかりが何故モテる?」
「馬鹿なこと言ってないの。オジンに用はないってことだろ」
「ひでえな母ちゃん!」
「いいじゃないの」

 天華は微笑みながら、才蔵の腕に自分の腕を絡ませた。

「あんたがいい男だっていうのは、わたしだけが分かってりゃいいんだからさ」

 囁きながら、才蔵の肩に頬を寄せてくる。
 結婚し、才人が生まれてから十数年は経つが、天華は今でもたまに、こういう悪戯っぽい仕草を見
せることがある。
 そのたび何か上手いジョークで切り返してやろうと思うのだが、大抵頭が熱くなってしまって何も
言えずじまいになるのだ。
 今回もその通りになり、才蔵は金魚のように口をぱくぱくさせることしか出来なくなった。

「なに赤くなってんの」

 天華がからかうように笑いながら、楽しそうに才蔵の頬を指で突いてくる。

「うるせえな、別に何でもねえよ」
「父ちゃんったら照れちゃってもう。そういうとこ、昔っから全然変わんないよね」
「だーもう、うるせー! 布団の中で泣かすぞこら」

 破れかぶれに下品な冗談で誤魔化そうとすると、天華は艶っぽい微笑を浮かべて、上目遣いに才蔵
の顔を見上げてきた。

「あら、あんたがいいなら、こっちはいつでも準備できてるよ?」

 何となく気まずくなって、才蔵は目をそらす。

「……い、いや、今日はちょっと……ほら、才人も横で寝てる訳だし……」
「……なんで普段は下ネタ連発するくせに、いざ本番となると照れまくるのかねあんたは……」
「うるせー! いいから寝るぞ、ほら!」
「はいはい」

 才人の部屋から漏れ聞こえる喧騒を背後に、平賀夫妻は楽しげに階段を下りていった。

360:205
07/10/23 01:24:50 wgl8rEN/
今日はここまでで。

361:名無しさん@ピンキー
07/10/23 01:44:02 wn+wUb5a
乙、待ってたよ
バカ夫婦、今からでも遅くない、サイトに弟か妹をプレゼントするんだ!

362:名無しさん@ピンキー
07/10/23 01:58:59 dfICAZLK
>ヌィーマリーゴ氏
うへぇ、なんつーGJ。にやけ顔が収まりませんwwwwwww
というか、源じい で、大工を想像して、
源内で ”ああっ?!” と度肝を抜かれ、(関係考えるの秀逸だ。おみそれしました)
アーカム で厨せって(ry(まて

ってか、とーちゃん アームズ系かと思ったらスプリガンかよっ!?
そのうち、ミョズなんとか vs マルチドライバー なんて構図がみられ(いっぺんしんどけ

>361
ひとりっこじゃなかったら、きっと「全寮制の女学校から一時帰宅した妹」が現れて、
ひと悶着ありそうだよね…{それなんてToLoveる?

363:名無しさん@ピンキー
07/10/23 02:51:20 ffgN/fJB
>>360
超GGGGGGGGJJJJJJJJJJ!!!
この話の続きを楽しみにしていたので、たまに続きをうpしてくださることを
楽しみにしております!!!

364:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/10/23 03:55:50 34pOLfR6
URLリンク(wikiwiki.jp)
前回「水兵服とメイドの不安」には前編とは書いていなかったのですが、
シエスタが書き足りなかったのでその続き(後編)を投稿しました。
その次の回の前編も投稿してあります。
変則的な投下なので直接投稿にしてあります。
よろしければ上のリンクから見てください。
では。

365:名無しさん@ピンキー
07/10/23 04:17:01 sxMBerp5
>>360超GJ!!いい夫婦ですなぁ。サイトのにおいを巡って戦う三人もかわいい。
それに争奪戦も誰が親に気に入られるか本当に気になる。wktkして待ってる。


でも・・・ミョズが可哀相すぐる。まさか野宿とか・・・飯も調達難しいし・・・ホームレス当然の生活になるんじゃないか?


・・・いかん涙が出てきた

366:名無しさん@ピンキー
07/10/23 04:20:31 +34f7/nw
>>365
そこで>>24の光景を想像するんだ。

367:名無しさん@ピンキー
07/10/23 04:27:56 p+Ck3Isb
>364
エローイイ!!!
お口でご奉仕、イイなあ。エロいなあ
GJ

>360
続きが超気になるんだぜ
ルイズもシエス子もタバっ子もかわいいなあ。かわいいなあ。

368:名無しさん@ピンキー
07/10/23 09:26:55 HCyxm+J0
>364
シエスタつえーっ
と思ったらルイズもつえーっ、ドーピングだけど
あとお約束とは言え
モンモン
自重


369:名無しさん@ピンキー
07/10/23 10:38:50 rKhMQ2Uz
>アーカム
じいちゃんの訪問先は、アーミティッジか シュリュズベリイか……
よもやウエストではあるまいなw

370:名無しさん@ピンキー
07/10/23 12:56:26 L78+sinl
>>369
アーカムと聞くと、魔術的なナニかではなく、真っ先にAMスーツやら連想する俺。
誰か皆川タッチで漫画描いて、ね?

371:名無しさん@ピンキー
07/10/23 13:59:09 F3QJQWOL
>>370
やるときゃやる男、コルベールは山本さんしか無いなw
後は・・・ティアが性格だけはタバサかなw?

372:名無しさん@ピンキー
07/10/23 16:48:04 /+SdTF3X
>>364
シエスタエロ過ぎ
ルイズ甘過ぎ
なんというピンク色小説

373:名無しさん@ピンキー
07/10/23 16:55:36 YA0+gepD
ミョズは「どんな道具でも使いこなしてしまう」という能力があるから、
実は魔法の世界より科学全盛のこっちの世界のほうが、意外と相性いいかもよ?

むむむ、ミョズの就職活動ネタで電波を受信した!! www
エロというよりコメディだけど

374:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:09:09 CbeuTG7d
>>373
魔道具のみ

375:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:24:05 eJOXdxRJ
むしろ才人ならどうなるんだろうか?
車とか重機とか

376:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:27:12 YA0+gepD
サイトは「武器以外ダメ」って設定あるよ

377:名無しさん@ピンキー
07/10/23 18:20:12 ucPZUPjN
>>376
零戦は操縦出来たって事は、車だろうがバイクだろうが機関銃でもつけてやりゃ
某「お前に生命を吹き込んでやる!!」の人になれるわけだ

378:吝嗇 ◆VGcQsuiCww
07/10/23 19:12:11 UKKj1zPe
これより一本投下します

タイトルは「GIFT」

379:GIFT(1)
07/10/23 19:13:09 UKKj1zPe



地球から遠く離れた異世界の大陸ハルケギニア


この世界の多くの事象が魔法によって動いているように、俺がかつて居た世界は科学に支配されていた
科学はその進化の過程で、当時の地球にはありえない物から影響を受けた痕跡を数多く残しているらしい
オーパーツとかオーバーテクノロジーとか言われているそれらはどこかの世界から一方的に送られた物で
それが後の地球にいい影響を及ぼしたのか、それともいずれ来る破滅を早めた物なのかはまだわからない




トリスティン魔法学院の静かな裏庭、分厚いが軽い多孔質の石で囲まれた半地下の部屋
日本の基準でいえば12畳ほど、ガラン洞の部屋の中、俺とルイズは手を握りながら魔方陣の中心に居た

ルイズが呪文を詠唱する

俺の体内を何か気味悪い物が通過する感触、手のルーンが熱い、頭が、脳のどこかがもっと熱かった

爆発

魔方陣の中心には俺とルイズ、そして煙を発する何かが三位一体の調和を描くようにそこにあった



未だ全貌の知れない虚無の使い手にして魔法学院の劣等生、ルイズは最近、新しい魔法を習得した

俺は手を離してしゃがみこみ、自分とルイズの前に現れたもの、俺と彼女が召喚したものを手に取った
いくつもの銀色の星が光る白い箱、それは中身が半分ほど無くなった煙草、セブンスターの箱だった




俺とルイズの協力によって発動する魔法は、異世界の物品、俺の世界にある物々を召喚する魔法だった




380:GIFT(2)
07/10/23 19:13:47 UKKj1zPe


最初は偶然だった、明日の筆記試験に備え、部屋を歩き回りながら召喚の呪文を暗誦していたルイズが
例の如くすっ転びそうになり咄嗟に俺の手を掴んだ、突然、魔法が発動し、出てきたのはカマボコだった

その魔法をルイズが習得して以来数回目の召喚魔法実験、この世界で某かの役に立つ物は出てこなかった



ルイズの魔法に付き物の爆発に対応する為に、軽石に似た材質の石壁に衝撃吸収の魔法を施した部屋
どこかで似た物を見た記憶がある、俺が通ってた都立高の裏、ブロックで囲まれたプロパンの貯蔵所


プロパン部屋の中には数人の人間が居た、オールド・オスマンと、実験結果の記録を志願したコルベール
そしてルイズの担当教官シュヴルーズ、赤土のシュヴルーズの二つ名を持つ肝っ玉オバサンだった
家では8人の子供を育て上げ、故郷を離れて寄宿舎で暮らす学生からは「お母さん」と慕われる教師
「魔法は使い手の人生を語る」という古えの言葉を地で行くような、智仁勇兼ね備えたメイジだった

今日は土系統の魔法を詠唱に取り入れた実験をする為、学院きっての土のメイジに特に同席をお願いした



俺はセブンスターのソフトパックを摘み上げた、俺が生まれた世界に居た頃に触れたくもなかった物
煙草は俺にとって依存性につけこんだ合法毒物だった、俺の祖父と叔父は肺気腫と食道癌で早死にしている

「これは確かに俺の居た世界のものです、しかし何の役にもたたないものです、焼き捨ててください」

潔癖なコルベールも、コカに似た葉の水キセルを時々嗜むオールド・オスマンも、その紙巻煙草を眺め
匂いを嗅ぎ、合成香料と調味料のたっぷり入った日本製煙草の臭いに顔をしかめると、俺の言葉に頷いた

シュヴルーズ先生はセブンスターの箱を拾い、艶のある紙に印刷された幾つもの星に指で触れ、呟いた

「……これは…贈り物です……」

「贈り物?この世界をまた一つ汚くする贈り物ですか?それは俺の世界では百害あって一利ない物です」

落ちこぼれのルイズや優等生のタバサ、素行不良なキュルケを分け隔て無く育てる母の言葉には抗えない

「汚いもの、利のないもの、そんな物は決して存在し得ません、それを手にとる人間が道を誤らなければ」



煙草は嫌いだ

でも俺が子供の頃、ドライブに連れてってくれた叔父さんがプジョーを運転する前と後に必ず吸う煙草
その匂いは嫌いじゃなかった、フィルターの無いジダンの煙を幸せそうに吐く叔父さんが大好きだった


「……贈り物…そうかもしれないな、お中元だって美味いもんばかりじゃないし……」



                それは贈り物の物語





381:GIFT~トカレフとバチェラー(1)
07/10/23 19:14:57 UKKj1zPe


ルイズはまたしても召喚魔法に失敗した
大仰な儀式の結果、またしても俺の世界からゴミクズをお取り寄せしてしまった


オールド・オスマンの話によると、この魔法はルイズの体調や、なぜか俺とルイズの精神の同調に
大いに関係しているらしく、数日に一回、この世界の二つの月が接する日に発動することがわかった
結果として月がその位置を取る日の昼休みは召喚魔法実験の日に当てられ、俺達は数回の実験を重ねた

何かこの世界の助けになる物を召喚する事を成功とするなら、ルイズの今までの召喚に成功例は無かった

召喚された物々について解説させられるのは俺の役目なんだが、俺の目から見ればどれも役立たずだった
この世界の魔法に似た、俺の世界の科学には、何の役にも立たない物を発明するトホホな発明家や
頭のネジの飛んだトンデモな科学者が多く居たが、ゴミ召喚のルイズもまた同類なのかもしれない

召喚将軍ルイズ様は出てきたガラクタについての俺の否定的な解説を聞いて、屈辱に肩を震わせている

方位磁石や鉛筆、何かの役に立ちそうな物も、俺は半ば強引にゴミ扱いした、そのほうがいいと思った

もしも俺の居た地球に異世界から何かが送られてくれば、たとえそれが焼き竜の食いカスであろうと
それなりに珍重され、オカルト番組を賑わせたり、しかるべき研究機関に所蔵されたりするんだろうが
地球の中世に似たこの世界は妙に保守的で、諍いの種にもなりうる異世界の物々に対しては慎重だった
結果、召喚した物の処遇には俺の裁量が認められていて、俺はほぼ全ての召喚物を「無かった事」にした

以前の魔法実習で出てきたのは、カップ焼きソバの空容器と日本たばこ産業謹製の食卓塩だった
同席してたシエスタは四角い容器の樹脂の臭いを嗅ぎ、塩化ナトリウムと漂白剤の味しかしない塩を舐め
「サイトさんはひどい世界に居たんですね」と、哀れむような目で見た、俺は何となく恥ずかしかった

本日ルイズが召喚したゴミはふたつ、紙束と鉄の塊だった、一冊のエロ雑誌と一丁の拳銃

俺は自分がかつて居た世界を思い起こす物を暫くいじくっていたが、結局それを学院のゴミ箱に捨てた


グラスファイバーの箱に納まった拳銃はオモチャではなく、30口径の弾丸がひと箱、同梱されていた
ゴーレムより強硬なコンクリートブロックを砕き、オークより強い熊を一撃で倒せる強力な軍用拳銃
脳裏にあのゼロ戦が浮かんだ、スロットルの握把を引いただけで落ちていく竜騎兵、後に俺を苛んだ感情

それは戦争の道具だった、俺の居た世界での戦を、無名兵士による大量殺人の場に変えた物のなれの果て
戦では個々の戦士が名乗りを挙げて互いの武を競い合うこの世界にあってはいけない物のような気がした
この手で命を奪う感触を忘れ、スイッチで人を殺すようになった俺の世界の恥部を持ち込みたくなかった

俺が生まれ育った世界の物が、俺の大切な人の生きる世界の血を流す姿なんてこれ以上見たくなかった



382:GIFT~トカレフとバチェラー(2)
07/10/23 19:15:42 UKKj1zPe


数日後

俺は随分昔に聞いた歌を口ずさみながら、自室のベットの下や本棚の裏、部屋のあちこちを探していた
ドアがバン!と開く、部屋主が現れた、何かを握りしめたルイズが怒りに震えながら仁王立ちしている


ルイズが持っていたのは一冊の雑誌、俺がさっきから井上陽水を歌いながら探していた失くし物
あの召喚魔法実験の後、拳銃とともに捨てたゴミ捨て場からこっそり部屋に持ち帰って藁束に隠していた
俺の居た便利で快適な世界からこの古臭い場所に召喚された、アメリカのヌードグラビア雑誌だった


「……サイト……サイトはこんなものを……こんなものを見て……わたしに内緒で何をしてたの?」
ルイズはスイカのようなバストを誇示したピンク・ブロンドの女性のグラビアを開き、俺に突きつける
その雑誌の中に居たのは、革命的バストのティファニアがローカルチャンプと思えるほどの世界ランカー達

「……女にこんなあられもない姿をさせて書物の中に閉じ込めるなんて、大した魔法だわね……」
ルイズの怒りの炎が見える、俺なりに彼女の怒りにはランクをつけてたが、今の状態はジッポの炎

この時代の本の多くは原始的な活版印刷で、ヴィジュアル的な楽しみは単色の粗末な挿絵だけだった
俺の居た世界では読み捨ての週刊誌にすらあるヌードグラビアは、この世界から見れば美女の牢獄だった

「しかもぉ!…なんでこんな…よりにもよってこんな!こんな!頭の悪そうな女ばっかりなのよぉ!」
雑誌をめくりながら、揃って巨乳美女のグラビアを突きつけるルイズは怒りのキャンプファイアを燃やす

その雑誌は創刊以来、豊満で肉感的なヌードを売りにしていて、俺達は「巨乳のバイブル」と呼んでいた

ヒステリックに泣きながら辺りにあるものを何でも俺に投げつけ、雑誌で殴りかかるルイズ
俺の胸を拳で殴っていたルイズは、突然自分の体を両腕で抱き、ひときわ大きな声で泣き始めた


「うっ…うわぁぁあん!だって仕方ないじゃない!無い物はしょうがないじゃないのぉ!うぇぇん…」



383:GIFT~トカレフとバチェラー(3)
07/10/23 19:16:29 UKKj1zPe


自分の胸を両手で掴みながら大声で泣くルイズ、俺には彼女が自分で燃やした焚火に飛び込む様が見えた

「誤解するな、俺がこれを持っていたのは文字が懐かしくなっただけだ、大体こういう女は好みじゃない」

その雑誌は日本語版も出てるが、ルイズが召還したのは原版で、ついでに言えば俺は英語は全く読めない
大味な巨乳白人が好きじゃないのは事実、その雑誌には年増が多いし、何度か使ってみた正直な感想だった

「慰めなんてやめて!どうせサイトはこんな胸なんて…わたし生まれなきゃよかった!こんな体なんて!」

泣きながら自分を傷つけるルイズの両肩を強く掴んだ、痛みに抗議の悲鳴を上げる彼女の感情が俺に向く

「好きだから…だよ!…好きなひとの胸が俺の好きな胸だ!俺はルイズの胸が世界一好きなんだ!」

その言葉を天地神明に誓う事は出来ないが、俺への怒りを自分自身に向け、自分を傷つけ始めたルイズに
何かをするのは、俺が使い魔として、あるいはそれ以前に俺が彼女にしなきゃいけない事のように思えた

「……本当…?…嘘だったら殺すわよ……嘘だったら…わたしも…もう生きていたくない……」

ルイズを睨み、悲観的な言葉を吐く彼女を諌めた、沈んでた瞳がもう一度俺に向けられる、複雑な感情

「サイトは嘘ばっかりつく…本当なら証明して、一生わたししか見ないって、わたしの為なら死ねるって」

俺の言葉を拡大解釈するルイズの悪い癖も今は気にならなかった、黒い感情は全部俺にぶつければいい

「……サイト……してよ!……これと同じこと、してよぉ!してくれるまで許さないんだから!」

ルイズが見もせずに無作為に開いて突きつけたページでは、筋骨逞しいアフロ・アメリカンの大男が
四つんばいの巨乳白人女を背後から貫き・・・俺には理解できない習慣だが・・・絶叫しながら射精していた

「俺に出来ることは全てしてやる、俺はお前の使い魔だから、お前が好きだから、出来ることなら」

俺は開いたままのページに映ったナスビ色の巨根をチラっと見て、自分のせつない部分を指で弾き
「出来ることなら、な」と呟いた



384:吝嗇 ◆VGcQsuiCww
07/10/23 19:18:27 UKKj1zPe
以上です

「今」より少し後の、少し大人になった才人とルイズのお話でした

続きは後日、投下します

385:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:20:06 9DTCYKn2
>>384
リアルタイムGJ!

386:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:24:42 wnccQ+nP
こういう文章だと句点がないのはすごく気になる……

387:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:40:01 dHE6RnSj
保管庫で
ゼロの飼い犬の13と14が更新されている件について

388:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:56:49 dHE6RnSj
↑作者様が自ら更新の報告をしていたのにスレも読まずに
何をやっているんだ俺はorz

389:名無しさん@ピンキー
07/10/23 20:14:05 MH++oV19
>>388
ドジっ子のお前に萌えた

390:名無しさん@ピンキー
07/10/23 21:02:09 lUnWpJAg
ミョズニトハウスはダンボール
いや、ふと思いついただけだが

>>S-M氏
シエスタエロ杉
ルイズ可愛杉

サイト惚れ薬は滅多に見ないネタだから純粋に気になりまつ

391:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:13:50 fHA7nS1H
>>577
俺の考えだけどサイト、もしくはガンダールヴの印が武器だと認知できればいいと思うんだ。
例えば石とか木の棒でも武器にはなるからさ…

392:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:16:23 fHA7nS1H
>>377
だったorz

393:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:44:01 L78+sinl
そこで訂正しちゃダメでしょw
「すげぇロングパスだな」ていうツッコミとか>>577取りとかしたかったのに。( ・з・)

394:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:51:13 Ppr+pFcU
10や20ならまだしも…
200のロングパスは㍉だろう

395:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:52:38 TPTKF3d/
何そのダメ出しwwww

396:ひらがさんチ~お勉強編~
07/10/23 23:03:00 fdMudweF

 ハルケギニアの友人達が、地球にやって来てから数日ほど。
 分からなければいろいろ不便だろうと考え、才人は友人たちに日本語の読み書きを教えることにした。

「きゅいきゅい。シルフィはお利口さんだから、すぐに覚えちゃうのね!」

 そう言っていたシルフィードには、小学生向けの読み書きドリルをプレゼントした。
 彼女は二週間で日本語をマスターした。

「この世界で出来る限りたくさんの書物を読み、その知識をハルケギニアに持って帰りますぞ!」

 そう意気込んでいたコルベールには、基本的なものから専門的なものまで、様々な技術書や教科書をプレゼントした。
 彼は一週間で日本語をマスターした。

「……日本語が読めないと、こちらの世界での本が読めない」

 困っていたタバサには、流行のものから古典的な文学作品まで、多種多様な物語をプレゼントした。
 彼女は三日で日本語をマスターした。

「なによ。本ぐらい、あんたがわたしに読み聞かせればいいでしょ?」

 不満げだったルイズには、豊胸に関する本を十冊ほどプレゼントした。
 彼女は一日で日本語をマスターした。

「こっちに来てまで勉強したくなんかないなあ。ところでサイト、その女の子が描かれた箱はなんだい?」

 やる気なさげだったマリコルヌには、魔界天使ジブリールと私立アキハバラ学園とグリーングリーンをプレゼントした。
 彼は三十分で日本語をマスターした。

397:205
07/10/23 23:04:13 fdMudweF
小ネタ思いついたので投下してみる。
真面目な話、エロゲは音声と文章が同時に流れるので、
日本語勉強の手法としてはそこそこ優れているような気がしなくも……いや、やっぱねーわw

398:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:10:54 fFVuTu27
205さんGJ.
鞠wwww

399:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:25:19 ucPZUPjN
こいつら日本語マスターしすぎでしょーwww
GJ

400:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:43:35 4hgR7tdm
恐ろしく優秀だなハルケギニア勢www

401:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:44:56 FV4ahmAg
ふぅ…タバサの冒険2読み終わったぜ

402:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:05:58 eJOXdxRJ
ギーシュも同時に覚えてそうだなw

403:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:14:48 jAoQMlr7
205さんGJ
隠語もすごいおぼえそうだなw

404:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:17:29 Y5XJBcAy
女の子が書かれた箱と聞いてモエコンを想像した俺ガイル

405:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:32:03 MP7i0WEL
オレもこのスレで日本語の勉強したw

406:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:37:20 ZAYIkPAz
>>384
ジダン じゃなくて ジタン ね
吸ってるだけに気になったんで一応

407:fell
07/10/24 00:55:56 ZrQKMkCm
投下
また非エロです、ご勘弁を

408:fell
07/10/24 01:00:15 ZrQKMkCm
茜空

ぼんやりと紅に染まる空を眺めて思う故郷の事。
高いビルが並びそしてちっぽけだが確かに存在する俺がいた。
友がいて家族がいて嫌いな奴がいて・・・そんな世界。
今も同じ様に友もいて仲間がいて・・・恋人もいるこんな世界。
二つとも大事な仲間がいて・・・二つとも立派な俺の故郷。
帰る術は見つかった、手を伸ばせば直ぐに届く懐かしき始まりの故郷。
しかしそこには帰らない。
流されやすい俺が久しぶりに自分で決めた決断。
最後まで帰らない。帰る術などいらない。
それが今まで努力して来て手に入れたものなのだけど、
いろんな奴に迷惑をかけて手に入れたものなのだけど、
今の俺にはどんな物にも変えられない
そしてこの故郷にしかない者がいるから。
「・・・帰ろ、サイト」
涙で潤んだ瞳の少女を見て
「馬鹿、俺には家なんてないんだぞ?」
ちょっと意地悪を言ってみる。
「あんたくらい養ってあげるわよ、ヒラガサイト」
その一言にちょっと驚いたけどある意味では使い魔卒業なのだろうか?
それともクビ?
「・・・私とずっと一緒にいてくれる?・・・使い魔としてじゃなくて・・・?」
不安げな質問に俺は接吻で答えた。

409:fell
07/10/24 01:02:45 ZrQKMkCm
どう書いてもエロが書けん・・・
楽しんでもらえれば光栄です

410:名無しさん@ピンキー
07/10/24 01:24:55 PMeUU44J
>384
『闇よ落ちるなかれ』が大好きな俺には違和感が

タバコ栽培もグラビア印刷もハルケギニアで始めちゃえばいいじゃんいいじゃん

411:名無しさん@ピンキー
07/10/24 02:27:15 IY9idBM+
紙巻き煙草から栽培できる訳ないし
印刷物があっても印刷技術を再現できる訳じゃない
まぁこのサイトは見事に歪んでるっぽいのでその辺はどうでも良いんだろうけど

412:名無しさん@ピンキー
07/10/24 03:28:26 wE0sekKT


413:名無しさん@ピンキー
07/10/24 09:59:41 r3T4dXVy
>>409
ん、GJ。叙情詩のようだ。

414:名無しさん@ピンキー
07/10/24 18:58:05 7hSzFMfi
冒険2巻読んだが今回は最後がちょっと暗かったような・・・・鬱っぽい心理
状態に置かれてる

ただシルフィ人気は高まりそうな予感w

415:名無しさん@ピンキー
07/10/24 22:59:02 J89mGWuZ
ところでアニエスの村がコルベール達の襲撃にあった時、
アニエスって何歳だったんだ?記述あったっけ?

416:名無しさん@ピンキー
07/10/24 23:52:28 LGcS8XWJ
原作六巻から引用。

ヴィットーリアさんが漂着した時

>二十年前のその日、アニエスはまだ三歳であった。

焼き討ちされたのは

>トリステイン軍の一部隊がやってきたのは、それから一ヶ月後のことであった。

417:415
07/10/25 00:05:35 J89mGWuZ
>>416
丁寧な返答ありがとうございます。
なんかSS書いてて「もしや?」と思ってたんだわ。
さすがに三歳じゃ、俺の話は成り立たねぇなぁ……orz

418:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:16:10 GtAKui9J
>>417
え?コッパゲのロリコン疑惑浮上か?

419:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:23:14 Vt4O/cI6
>>418
ご期待にそえず、申し訳ない。
ただの非エロです。むしろエロなら襲撃の年じゃなくてもいいのですがね。
5~7歳くらいだったら良かった。

420:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:36:36 Lii9Sanu
明日(厳密には今日)18禁版アンソロジー本(出版:オークス)が
出るらしいけど、買う奴居る?
俺は一応楽しみなのだが。


421:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:45:41 JWhue2G3
そのアンソロ探してみたらYahooブックスで耽美に分類されてて吹いたw
URLリンク(books.yahoo.co.jp)

422:雪風の作戦
07/10/25 00:53:12 /51Lkj8Y
 この二週間、この日にかけて準備をしてきた。
 全ては今日のこの日、憧れの彼であり、守るべき彼であるサイトに喜んでもらうために。
 タバサがその行動を起こすきっかけとなったのは、二週間前のある日のことだった。

 タバサがサイトを求めて歩いていると、その会話が聞こえてきたのだった。
「うむむ……サイトよ。その萌えというのは奥が深いな」
「ああ、そうだ。たとえば、キュルケだ」
 聞こえてきたのは火の塔の裏から。普段は誰もいないはずなのに、珍しく人の声がする。
 サイトの声だ。
 そう認識したのが最後だった。気がついたら、私は木の後ろの隠れてサイトとギーシュの様子を覗いていた。
「褐色の肌に素晴らしいプロポーション。挑発的な態度に自信たっぷりなあの余裕。娼婦のように艶やかなあの姿に萌えるやつだっているのさ。まあ、ほとんどの奴が欲情するだろうけどな」
「なるほど。となると、モンモランシーにも?」
「ああ、いるだろうぜ。浮気性な彼を持ちつつ、それをグッと我慢して健気に待つ姿。素晴らしいじゃないの」
「それを言われると頭が痛くなるよ」
 萌えってなんだろう……。
 私がそうやって悩んでいると、能天気な声が上から響いてきた。
「おねーさまー。何してるのかしらー?」
 ……タイミングが悪すぎる。どうして私の使い魔は、空気が読めないんだろう。少し殺意を感じながら、私は空を見上げた。
「うるさい」
「ひどいのね!」
 まあ、こんなやりとりをしてると、あの二人にも気づかれるわけで。
「あれ? タバサじゃん」
「聞かれてたようだね」
 ばれた。
「何を話してたの?」
 内心では、何か文句を言われないかとドキドキしてたけど、そこはうまく隠して質問する。
 でも、今の二人には私の質問は聞こえてなかったみたいで、また二人で話に夢中になる。
「タバサ……この彼女にも、萌えというものはあるのかい?」
「ああ、大有りだぜ。なんといってもまずは眼鏡だな」
 私のことが話題になって、思わずビクッと体を震わせてしまった。
「眼鏡は重要な萌えポイントだ。眼鏡をかけているというだけで萌えるやつもいるんだぜ」
「なるほど、それほど重要なアイテムだったのか。……言われてみれば……う~む、モンモランシーにも眼鏡をかけさせてみたい」
 ……だから萌えってなんなの? そう質問しようと思ったけど、今の二人には無駄みたい。とりあえず話が終わるまで待つことにしよう。
「あと外見的特徴は……スタイルだ。小柄な体に控えめな胸。お世辞にもスタイルがいいとは言えない! だが! 世の中にはそれに萌える男もいるのだ!」
 なんだか随分と失礼なことを言われた気がする。小柄な体、控えめな胸……気にしてるのに……。サイト酷い!
「随分と熱弁するね。君もそうなのかい?」
「……否定はしないぜ」
 否定はしない=嫌いではない=好き=好みのタイプ=私はサイトの好み=チャンスあり。
 にへら。
 思わず表情が緩んでしまった。この緩みを隠すために私は顔を下に向ける。小柄な私だから、サイトとギーシュからは表情が見えないはず。

423:雪風の作戦
07/10/25 00:54:15 /51Lkj8Y
「ふむ、外見はわかった。だが、モンモランシーの例えを聞くに、内面的なものもあるようだね」
「ああ、そうだ。いい所に気がついたな」
「では、聞こうか」
「そうだな、わかりやすいところだと……この起伏の少ない表情だ。いつも同じ表情だからこそ、時折見せる笑顔や羞恥の表情に男は心を奮わせる」
「なるほど。となると、無口なところも?」
「わかってるじゃねえか、ギーシュ。そこもだ!」
「おお、なるほど! わかったよ!」
 何かが通じ合ったのか、二人はきつく抱擁し始めた。男同士の友情ってものなのかな? よくわからないけど。
「ところでサイトよ。彼女はあんなにも小柄なのに、おねーさまと呼ばれている。この件についてはどう思うかな?」
「なるほどな、ギーシュ。お前の言いたいことはよくわかる」
 後のことは鮮明に覚えてる。小さいのにお姉さまは萌えだろう、とか、考えると制服のスカートはなんていいものなのだろう、とか、そういった話。
 結局私がわかったのは、萌えというものは奥が深いということだけ。でも、それだけで十分。
 なぜなら、サイトを萌えさせるための必殺の作戦を思いついたから。
 人から伝え聞いた話だと、サイトの世界には凄い服があるとか何とか。
 そしてそれは、こっちにもあるとか。
 ……いける。
 そしてそれから、二週間の月日が経ったわけで……。

 今、私の目の前にはサイトをメロメロにする魔法の服が一着。私にはちょっと大きいけど、これも一つの萌えに違いないと思って、気にしないでおく。
 ……胸の辺りが結構余ってるのも、萌えのはずだもん……。
 あとはこの服の下に制服のスカートをはいて、準備は万端。あとはこれをサイトに見せるだけ!
 ちょっと恥ずかしいけど、がんばる。
 でも、さすがにこれで外を出歩くのは恥ずかしすぎる。というよりも、サイト以外の人に見られるのが恥ずかしすぎる。どうしようかな……。 
 そこで私は、使い魔の存在を思い出した。空から飛んでいけば、人に見られずに済むはず。サイトを人の来ない場所に呼び出せば、サイト以外の人に見られる確率も少なくなるし、着替えもしやすくなる。
 着替えていこうかとも思ったけど、それはさすがにやめておく。
 思いついたら即実行。シルフィードを呼んで、すぐに乗る。目的地はサイトの胸の中。こんな風なことを思うほど、私の頭はお花畑。ちょっと危険な状態。
 学院の上空を旋回して、サイトを探す。よくこんな風にして飛んでいるから、怪しまれることは無い。
 黒い髪と目立つ服。それだけの特徴で十分。この広い学院にサイトと同じ服を着てる人はいないから。
 数分旋回して探してると、サイトが塔から外に出てくるのが見えた。やっと見つけた。見つけるのと同時に急降下。サイトの目の前に降りて、用件を伝えようとする。
「うわっ!? なんだ、タバサか。ビックリした」
「……」
「で、何の用?」
「……ついてきて」
 呼び出すよりも、案内したほうがいい。そう結論付けた私は、あらかじめ決めておいた人のいないポイントへと移動する。後ろをチラリと見ると、ちゃんとサイトもついてきてる。
「何処に行くの?」
「すぐ着く」
 それもそのはず。場所はコルベール先生の研究小屋のすぐ近く、火の塔の裏。ここだったら目立たないし、人も来ない。コルベール先生が研究室に来るかもしれないという不安もあるけど、さすがに火の塔の裏まで来る事はないと思う。
「ここで待ってて」
 サイトを塔の裏で待たせて、私はサイトから見えない位置―サイトのいる位置からさらに裏―に移動する。そして、着替えを始める。急がなきゃ。サイトが見に来ちゃうかもしれない。

「……遅いなー」
 タバサに待てといわれて二分ほど。サイトは律儀に待っている。何か物を取りに行ったのかと思ったので、すぐに来ると予想していたが、少々遅い。

424:雪風の作戦
07/10/25 00:54:58 /51Lkj8Y
 様子を見に行こうか、それともまだ待ってみようかと悩んでいるうちに、タバサの頭が見えた。
 少々顔を赤らめて、体を火の塔で隠して、サイトの様子を窺っている。
 いったいなんなんだ?
 その疑問を声に出すよりも早く、タバサが意を決して、サイトの前に飛び出してきた。
 よほど緊張していたのか、タバサの顔は真っ赤である。いつも無表情のタバサの顔が、真っ赤である。なかなか見られるものではない。
 しかし、それよりも珍しいものを、サイトの目はロックオンしていた。
 その服は、元は水兵服として水兵に着られていた服であった。そこから派生して、日本の女学生の制服となったのは有名なことである。
 そう、セーラー服である。
 目の前には、セーラー服を着たタバサが、恥ずかしそうに俯いて立っているのである。
 手を胸の前でもじもじといじりながら、チラチラと見つめてくるタバサ。その表情は何処か不安げで、まるで何かを怖がる子どものようだ。
 クリティカルヒットだ。サイトのHPはもう黄色である。瀕死である。普段からは考えられない、タバサの様子に、サイトはもうダウン寸前だ。
 そして、その後に、タバサはとんでもない一言を言ったのだった。
「……どう? お……お兄ちゃん……」
 サイトのHPは赤くなった。
 ダウンである。死亡確認である。サイトのライフはもうゼロである。
 サイトはくらくらとする頭と倒れそうになる体を抑えるので必死になっていた。

 ……作戦成功。
 恥ずかしさを我慢したかいがあった。サイトは鼻を押さえて、空を見上げてる。よくわからないけど、たぶんいい反応。
 どうしよう、とりあえずもう一言、必要かな?
「……似合ってる?」
 ここでちょっと小首を傾げてみる。
 あ、サイトが仰け反った。そのまま膝をついて、鼻を押さえながら右手で親指を立ててる。あの指にどんな意味があるんだろう?
 考えてもわからないから、私はサイトに追撃の言葉を送る。
「……お兄ちゃんに。喜んでもらえた?」
 あ、サイトが凄い勢いで頷いてる。
 よかった……。
 つい、ホッとしてしまう。喜んでもらえなかったら、どうしようかと思った。
 そう、私はホッとした。そして、あまりにも安堵しすぎて、私は自制することが出来なくなった。
「私……お兄ちゃんのためなら……」
 あれ? 私なんでこんなことしてるんだろう?
「何でも……出来るよ?」
 確かに、私はサイトに全てを捧げた。だから、サイトの言うことなら何でもするし、何でも出来る。
 でも、今はそれを言うつもりはなかった。口が、勝手に言葉をつむぎだす。
 そして、それで終わらせるつもりだったのに、私の体は意思に反して、勝手に動き出した。
 サイトの右手を両手でぎゅっと握って、私の胸の前に持ってくる。やや上目遣いでサイトを見つめて、切なげにため息を漏らす。
 全て、やろうと思ったことではなかった。自覚した頃には、私はもう自分を止めることが出来なかった。
「ねえ、お兄ちゃん……」
 その言葉を言ったことを、私は後悔してる。後悔だけじゃないけど、やっぱり後悔してて……なんであんな事をしたんだろうと、何であんなことになったんだろうと、思い出すたびにため息をつく。
「しよ?」



 また一つ、私はサイトに捧げた。

425:29Q
07/10/25 01:00:02 /51Lkj8Y
またタバサ。またぶち壊し。むしろ壊す。
妄想駄々漏れです。止める気はないです。
妄想っていいですね。駄目人間が言うんですから間違いないです。
では妄想しながら寝るとします。

426:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:12:12 QAt2jXRN
>425
待て!寝るな!おい!なにを!なにを捧げたんだ!?


いや捧げたのはわかる。どんな風に捧げたんだおい
そこの描写を!濃密な描写を!液体の音まで聞こえるような濃厚でねっちょりな描写はどこだあああああああああ

427:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:24:15 pysWrCKM
>>425
早く例のシーンを!!
寝るな!妄想を文にして脳内回線で回してくれぇぇぇぇぇぇぇ?!




428:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:31:49 7ohjaQtk
おいいいいいいいいいいいい!!!
きまさっ、GJなんというこのGJ!!

だからきさまのGHOSTにジャックインさせてくれええええ!!
データの並列化をおおおお

429:261のひと
07/10/25 02:03:15 CWgsQxO4
ご無沙汰してます。

20スレ目の131-135 501-507 
URLリンク(wikiwiki.jp)
の続き

しかもまだ終わらず、ついでに本番までたどり着かず。

もう駄目かも。

430:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:03:34 IQkmbdST
>>247の続き。
まだ終わってないってどういうことだ…。


431:1/7
07/10/25 02:03:59 CWgsQxO4
 学院の片隅、誰も居ないほの暗い闇の中にソレは有った。

「本当に……有ったんだ」

 大きな釜。

 大きな釜が有るから、そこで待っているようにシュヴァリエはそう言った。
 釜茹でにした事を後悔して、釜茹でにされたいのならソコに行けば良いと。
 どうしても死にたいのなら、どこで死んでも一緒だろうと、そう……言われた。

 テファに嫌われたわたしは何にも興味が無かったけれど、
 テファが来る。
 その言葉がわたしの足をここに向けさせた。

 ―テファになら殺されてもいいから。
 
 シュヴァリエが支度してくれているのだろう、釜の中にはお湯が張ってあって、
 釜の下ではまだ薪が燃えていた。

(ここで死ぬんだ)

 テファに謝った後なら、もう何も要らない。
 そのまま死んじゃっていい。

 そんな事を考えていると、夕闇の中から声が響いた。

「ベアトリス?」
「っ!」

 ……テファ……が……テファが……ベアトリスって呼んでくれた。
 昼間の様に、『ミス・クルデンホルフ』って他人行儀に呼ばれると思ってたのに。

 それだけで、良いや。
 もう……何も……

「ベアトリス、ずるい」
「テ、テファ?」

 わ、わたしまた何かしたのかな?
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……

 繰り返し謝りながら、恐る恐るテファの方を見ると、すねた表情のテファが居た。

「仲直りの仲介をサイトに頼むなんて、ずるい」
「え……? ……ぇ?」

 ナカナオリ?

「……あ……の……?」
「サイトが……ちゃんと仲直りした方がいいよって……わたし、サイトに怒られたわ」

 ……ぇと……

「仲直り……して……くれるの?」
「……だって、サイトが……もう……ベアトリスは仲直りしたくないの?」

 突然訪れた幸せに何も考えられないまま、わたしはテファを抱きしめた。

432:2/7
07/10/25 02:04:32 CWgsQxO4
「……ベアトリス泣きすぎ」
「ご、ごめんなさい……テファ」

 わたしが泣き止んだ時にはテファの服が涙でベトベトに成っていた。
 テファは水気を吸って肌に張り付く服を摘みながら、

「でも、丁度良いかな?」

 妙な事を呟いた。

「丁度良い?」
「うん、サイトがね、仲直りに一緒にお風呂でも入ったら?
 って、ほら、丁度沸いてるでしょ?」

 ―釜茹で用の釜じゃなかったんだ……
 シュヴァリエにはすっかり騙されてしまったけど、こんな嘘なら許してあげてもいい。

「い、一緒に?」

 皆で入るお風呂と違って、これは小さいけれど。
 テファと二人きりなら十分な大きさだし、なにより二人きりなのが嬉しい。

 特別なお友達、そう言ってもらえたみたいだ。

「うん、一緒に」

 テファの言葉に導かれるように、わたしは服を脱ぎ始めて、
 気づいた時にはテファと一緒に湯船の中だった。

433:3/7
07/10/25 02:05:05 CWgsQxO4
「暖かいね」
「ん……あったかい」

 お湯も、テファの側もすごく幸せで気持ち良い。
 冷え切っていた心も体も温められて、さっきまでの恐怖が嘘みたい。

「どうしたの?」
「な、なんでもない」

 ここにいられる事がうれしくて、テファを見ていると笑いかけてくれた。
 そんな些細な事が楽しくて、じゃれ付くようにテファに触れ、二人で笑いあっていた。

 このまま、時間が止まればいいのに。
 テファをずっと独り占めしたい。
 つい、そんなことを考えてしまったわたしを罰するように、遠くから声が響いた。

「テファー、仲直りした~?」
「うん、サイトありがとう」

 男の子の声に、慌てて首までお湯の中に隠れる。
 ……テファは平気そうだけど……
 おっきいと、見られても平気なのかな?

「ん、じゃあ俺行くわ」

 あぁ、シュヴァリエは優しいんだ。
 仲直りの時に二人きりで会って、こじれたら大変だから。
 フォローする為に、遠くで様子を窺っててくれたんだ。

「……ありがとう」

 わたしの声は、多分小さくて聞こえなかっただろうけれど、
 その言葉をどうしても口にしたかった。

 次に会ったら、ちゃんと聞こえる声で……
 わたしのそんな考えは、テファの言葉で遮られた。

「? どうして?」

 ? なにが『どうして』なんだろう?

「サイトは、お風呂入らないの?」

 ……はい?

「お友達だったら、仲良くお風呂でも入れってサイトが言ったのに、
 お友達のサイトは、一緒にお風呂に入ってくれないの?」

 ……テファはどこかずれていると思う。

434:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:05:05 IQkmbdST
それから何日か経って。
生徒の三分の一が熱血化し、大半の一年生が進路希望欄に『属性:炎』と書く様になった頃。
その事件は起きた。
その朝、慌しく教師達が廊下を走り回っていた。
いまだタバサの部屋に間借りしている才人は何事か、と手近な教師を捕まえて尋ねた。
すると。

「いや、早朝学院の宝物庫に賊が入ってね。今捜索中なんだ」

その教師の話によれば、今朝方、宝物庫の中に仕掛けられた侵入警報の魔法が発動したという。
そしてすぐに見回りの夜警が駆けつけたのだが、入り口近くにあった宝物がひとつ、盗まれたという。
その盗まれた品を現在、宝物庫のリストと照らし合わせて確認中だという。

「盗まれた物くらいすぐわかるような気がするんだけどなあ」

慌しく去っていく教師の背中を見ながら、才人は呟く。
その傍らで、いつのまにやってきたのか、タバサが説明した。

「宝物庫は普段、厳重に封印されている」

なるほど、と才人は思った。
普段封印されていて中身を見る機会がなければ、盗まれた物をすぐに判断するのは難しいのも道理だ。
しかし。

「…そういやなんでシャルロットがその事知ってんだ?」

たしかにそれも道理だ。宝物庫に入ったことのないはずのタバサが、そのことを知っている事もおかしい。
タバサは一瞬むっとすると、心の声で答える。

…私の過去知ってて、そんないじわる、言うんだ。

その声には、あからさまな不満が混じっていた。
あ。しまった。
言われて初めて、才人は思い出す。
タバサはかつて、ガリア王の尖兵、私兵騎士団『北花壇警護騎士団』の一人であったのだ。
その彼女に、トリステイン魔法学院の宝物庫への侵入指令が下されても不思議はない。
才人は心の中で慌てて詫びる。

ご、ごめん、忘れてた!

しかし時すでに遅く。

…だめ。今更遅い。

心の中で言って、タバサは才人めがけて両手を広げた。

「ん」

…って、こんな朝っぱらから…?

抱っこしろ、という意味である。

…お昼までには、許してあげるから。

才人は仕方なくタバサを抱き上げ。
そのままタバサを抱っこして、部屋の中に入ったのだった。

435:4/7
07/10/25 02:05:36 CWgsQxO4
「お、おじゃましまーす」
「サイトのお風呂じゃないの?」

 そんな問題じゃなーい。
 心の中で絶叫を上げるけど、テファは構わずシュヴァリエをお湯の中に導く。

「あの……テファ、ちょ~っと、あっち向いてて欲しいんだけど」
「うん。 でもどうして?」

 シュヴァリエが可哀想に成って、黙ってテファの頭をわたしの方に向けると、
 ちょっと頭を下げたシュヴァリエが素早くお湯の中に滑り込んだ。

「ったい……ベアトリス? どうかしたの?」
「な、なんでもない」

 テファの向こうで、シュヴァリエが申し訳なさそうに頭を下げているのに気付いて目で返事をしていると、テファが面白くなさそうに呟いた。

「二人だけで……楽しそうね」
「っ! そ、そんな事無い」

 ほんの少しだけ声に混ざった冷気に、わたしの背筋はあっさりと凍りつく。

「そ、そうだぞ、テファ」

 シュヴァリエの声が聞こえた瞬間、わたしを襲っていたプレッシャーは消えたけど、
 ニコニコ笑っているテファの瞳は、一瞬もわたしからそらされることは無かった。

 テファの誤解を少しでも解こうと、シュヴァリエの視線から隠れるようにテファの背後に回りこむ。
 細くて胸以外に余分な肉なんてついていないのに、やわらかくて女らしい体。

 ……なんだかずるい。

 シュヴァリエも見ないように気を使っているつもりだろうけれど、
 後ろから見ているとテファの視線が外れるたびに、視線が胸に向かってた。

「どうかした?」

 シュヴァリエの様子がおかしいのに気付いたテファが近寄ろうとするのを、慌てて後ろから止める。

 裸なのに、男の子と女の子なのに、そんなに側に近寄るのは駄目。

「あ、赤ちゃんできちゃう」

 必死になったわたしは、ついそんな恥ずかしい言葉を大声で叫んでしまった。
 真っ赤になったシュヴァリエが、ぶくぶくとお湯の中に沈んでゆく。
 
 ……恥ずかしい。

「そーなの?」

 え?

 本気で不思議そうな顔をしたテファが、優雅に振り返って、

「赤ちゃんて、側によるとできるの?」

 ……えっと……

436:5/7
07/10/25 02:06:12 CWgsQxO4
「ち、違うけど」
「? 知らないの? ベアトリス、知らないのに知ってるみたいに嘘を吐いたの?」

 わたしを見ているテファの目がすっと細くなる。
 整った綺麗な顔は、そんな些細な仕草だけで凄みを増した。

「ふーん、嘘……また吐いたの? ベアトリス」
「ちっ、ちがっ……ちがうのっ、テファ」

 恐怖に震えながら、助けを求めてシュヴァリエの方を見るけれど、
 女の子の『赤ちゃんできちゃう』発言によほど衝撃を受けたのか、
 妙に幸せそうな表情で半分お湯に沈んでいた。

「後でゆっくりお話しましょうね? ミス・クルデンホルフ」
「っ……」

 また捨てられる。

 その恐怖は何よりも強くわたしの心を縛る。

「ま……って、まってテファ」
「なぁに?」

 ちらりとシュヴァリエの方を見る。
 まだこちらに方に注意が向いていないのを確認してから、テファに囁く。

「あの、あのねテファ、知ってるの。本当だから。後で説明するから」

 だから捨てないで、側に居させて。
 一生懸命お願いするけど、テファの目に熱はなかなか戻らない。

「んと……ね、ベアトリス、じゃあねぇ、今教えてくれるなら良いよ」
「い、今?」
「うん、今」

 ……男の子が居るのに?
 でも……

「あの……あのね、テファ……男の子の…………をね……その……女の子の……」

 お湯の熱さとは違う熱が、体の中からわたしを熱くする。
 まだ聞こえてないみたいだけど、シュヴァリエに聞かれたらと思うと……

「……ねー、ベアトリス」
「……はっ……い……テファ……」

 テファが話し掛けてくれているのに、熱くなった頭はゆっくりとしか反応しない。
 羞恥で何も考えられない。

「説明の意味がよくわからないから、もっとちゃんと説明して」

 不満そうなテファの目。
 わたしがよくわからないことを言って、誤魔化そうとしてる。
 そう……思われているんだ。

「あの……ね……テファ……ココに……ね……」

 わたしはお湯の中から立ち上がっていた。

437:6/7
07/10/25 02:06:50 CWgsQxO4
 サイトは幸せな妄想にふけっていた。

 女の子の『赤ちゃん出来ちゃう』発言はなんとゆーか、妙にニヤニヤしてしまう。
 しかもちょっとした諍いが有ったとはいえ、テファが来るまで下級生の一番人気。
 家柄補正はあったとはいえベアトリスも文句なしに美少女の部類だ。

 見るからに幼い少女が唐突に

『赤ちゃん出来ちゃう』

 ……イロイロ考えていたサイトの妄想を覚ましたのは、お湯の音だった。

「あの……ね……テファ……ココに……ね……」

 立ち上がったベアトリスが、俯いたままテファに自分の奥を見せようと、
 慎重に閉じた蕾を両手で開いて見せようとしていた。

「男の子のね、オチンチンを……差し込んでもらって、男の子が気持ちよく成ってくれたら、赤ちゃんができるんで……す……」

 ベアトリスの語尾は小さく消えてゆき、伏せられた瞳は小さく震える。
 その瞳が何度か狂おしそうにサイトに向けられるが、サイトは目をそらすことができなかった。

「……本当? サイト」
「! っ、あっ……な、なにっ、ちょっと……聞いてなかったっ」
「赤ちゃんの作り方、今ベアトリスに聞いてたの」

 マチルダねえさんは教えてくれなかったら、そんな言葉が小さく消えていったけれど。
 サイトもベアトリスもそれ所ではなかった。

 結局、ルイズにもシエスタにも一度も見せてもらったことの無いサイトは興味深々だったし、
 ベアトリスに至っては、テファが納得してくれるまでお湯の中に戻れないのに、
 目の前の男の子は、穴が開きそうなほど自分の大切なところを見つめていた。

「あ、サイト聞こえなかったんだよね? ベアトリス、もう一回」
「ひっ……う……あ……ぁ……」

 ほとんどお湯の外に出ているのに、ベアトリスの身体がっくりと桜色に染まっていった。
 助けを求めるように向けられる視線に、サイトは思わず立ちあがる。

「ちょっ、テファっ! やりすぎ」

 立ち上がったサイトを見たテファは、一瞬止まった後ベアトリスを睨む。

「ベアトリス、もう一回」
「ひ……お、男の子にっ……わたしの中で、気持ちよくなってもらった……ら……」

 ベアトリスはサイトの視線を浴びながら、もう一度恥ずかしい台詞を口にする。

 その結果は……

「嘘つき」

 テファの冷たい宣告だった。

438:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:06:58 IQkmbdST
がっふ、割り込んでしまったorz
あせり過ぎだ自分…orz

439:7/7
07/10/25 02:07:21 CWgsQxO4
「う、嘘じゃないっ、嘘じゃないよぅっ」

 ベアトリスの言葉を遮るように、テファの指が広げられていた入り口をなぞる。

「ひゃっ、テ、テファ? 何? 何で?」

 テファの細い指先が、柔らかな入り口を一周する。

「こんなに小さい所に『あんなの』入るはず無い」
「「っ!」」

 目の前で繰り広げられた痴態に、すっかり『あんなの』を大きくしていたサイトも、
 テファの示す『あんなの』に目を向けたベアトリスも言葉を失った。

「だって、ベアトリスのここ、指だって押し込まないと入らないんだよ?」
「っ……まって、テファ……言わないで……お願……ぃ……」
「ほら、サイトも見てみて、こ~んなに小さい所にそんなの入るはず無いよね?」
「……う……」

 テファに導かれるまま、サイトは至近距離で少女の襞を観察した。

「ほら、開いてもこんなに狭いんだよ?」
「……や……め……てぇ……そんなの……駄目ぇ……」

 お湯の中に逃げ込めば二人に観察されることも無くなるが、
 追い詰められたベアトリスの頭の中にそんな選択肢は存在しなかった。

「ピ、ピンク……」

 唯一テファを止められるサイトの頭の中は、いろんな意味で真ピンクだった。

 すっかり意識の飛んでいる二人のサイズを、手で何度も測ったテファが最後の宣告をベアトリスに送った。

「ベアトリスは悪い子だね」

 その一言で、羞恥一色だったベアトリスの頭の中は凍りついた。

「さようなら、ミス・クルデンホルフ」
「ま、待って……待ってテファっ」

 お湯から上がったテファにすがりつきながら、ベアトリスは叫ぶ。

「い、今から、今から入れて見せるから、本当だから、嘘じゃないから、まってよぉぉぉぉっ」


440:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:08:06 IQkmbdST
昼を過ぎたころ。
食堂にやってきた才人とタバサの耳に、一足先に食堂で昼食を採っていた生徒たちの噂話が届く。
どうやら、犯人は学院関係者らしい。
盗まれた宝物はそれほど大したものではなかったらしい。
まだ、犯人は捕まってはおらず、教師たちは犯人捜しにあちこちで聞き込みや捜査をしいるらしい。
そんな憶測とも噂とも取れる話が、食堂のそこかしこから聞こえてくる。
関係者が犯人だから、内々に処理したいんだろうけど。
才人は捜査が遅遅として進まないことに少し不安を抱いていた。
…犯人がそのマジック・アイテムを使って何かをやらかしたらどうするんだ。
才人は遅めの食事を採りながら、そんなことを考えていた。
隣でもくもくとサラダを口に運ぶタバサは、そんな才人に心の声で言った。

大丈夫。もし、何かあったら、私たちでなんとかすればいい。

その言葉には、絶対的な自信が篭っていた。

さすがだな。本物の騎士ならではの自信ってやつ?

厭味でもなんでもなく、タバサの自信に才人は素直に感心していた。
しかし、才人のその言葉は感心を向けた相手によって否定される。

ううん、そうじゃない。
…サイトが一緒なら、私はなんだって、できると思えるから…。

そこまで心で伝えて、顔を伏せる。
いかに心の中でとはいえ、さすがに今の台詞は恥ずかしいらしい。
言って顔を伏せるタバサの耳は、その端まで赤く染まっていた。
かわええ。
才人がそんないじらしい使い魔に萌え死にそうになっていたその時。
突然、教師の一人が、慌てて食堂に駆け込んできた。

「大変だ!犯人が逃亡した!」

その教師に視線が集まり、一斉に質問の矢が飛ぶ。
どうして逃がしたんだ、誰が犯人なんだ、安全はどうなるんだ、などなど。

「大丈夫、君たちの安全は確保する!この食堂から動かないでくれたまえ!」

言って教師は逃げるように食堂を後にする。
それを見送ったタバサが、静かに席を立つ。
才人も黙って、その後に続く。

「そんじゃ、行くかぁ」
「ん」

二人の目的は同じ。言葉を交わす必要もなかった。
二人の騎士は、大騒ぎの食堂を抜け、犯人を見つけ出すべく、行動に出た。

441:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:08:58 IQkmbdST
結論から言うと。
宝物庫から宝物を盗んだのは。
あの、ロナ・アルベルト・シモンズだった。
宝物庫を見回っていた教師が、『逃げていくオーガ』を目撃しているから間違いない。

「けっこういい人っぽかったけどなあ」

ロナはすでに学院の外に逃げたというので、才人は馬の準備をしていた。
その傍らで、盗まれた宝物の目録のメモを読んでいたタバサがぽそりと漏らす。

「…でも、嘘をついていた」

そう、彼はロナ・アルベルト・シモンズ本人ではない。その時点で、既に疑うべき対象だったのだ。
タバサは既に才人の載った馬の上に、ひらりと飛び乗る。いつものように才人の前ではなく、鞍の後ろに。
抱えられた状態ではいざと言う時動き難いし、なにより、才人の影に隠れていれば詠唱を見られることもない。
才人はタバサが乗ったのを確認すると、即座に馬に鞭を入れる。
向かった方角は、北。
なぜなら、こちらに向かうのが、街道に出る一番の近道だから。
一応念のため、逆方向にシルフィードを飛ばしている。
『メイジの格好をしたオーガを見かけたら足止めしておけ』と言い含めてある。
そして。
馬を飛ばす才人の視界に、道を駆ける黒いマントが入る。

「見つけた」

才人は背後から、一気に間合いを詰めようとする。
その瞬間。

442:名無しさん@ピンキー
07/10/25 02:09:40 CWgsQxO4
とりあえず、ここまで。

新刊の新出魔法が素敵過ぎます。
そのうち何か書こうと……とりあえず前書きかけてたのを終わらせに。

思いつくのが黒すぎるので、これ終わっても暫く新出魔法ネタは控えるかもしれませんがそのうちにー、ではまた

443:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:10:56 IQkmbdST
突然、目の前の地面が隆起した。

「うわっ!?」

突然の地形の変化に馬がついてこれず、馬上の二人はそのまま地面に放り出される。
才人はかろうじて、タバサを抱えて地面に転がる。
土ぼこりに塗れながら、才人は地面を転がり、そして止まる。
才人は腕の中のタバサに尋ねた。

「大丈夫かシャルロット?」
「…ありがと」

それより、サイトはっ!?
表の声とは裏腹に、心の声には軽い焦りが見えた。

「大丈夫、怪我はねえよ。
 …でも、もう気付かれたのか?」

答えながら、才人はロナの方を見る。
才人に見えるロナはまだ小さな人影で、この距離で前を走っていて気付かれるはずがなかった。
才人が不審に思っていると、タバサがその理由を教えてくれた。

「盗まれた、マジック・アイテムのせい」

そしてタバサは、読み込んだ宝物の目録の内容を、心で才人に伝える。
盗まれた宝物。それは、『千里眼の布』という。
それは目隠しのための布に、たくさんの目が描かれた布だった。その力は、着用した者に、周囲360度の視界と、地平を見通す視力を与えると言う物だった。

「…大したことはないけど、確かに厄介だな」

戦闘経験を積んだ才人には、視界の大切さが身にしみて分かっていた。
その視界を360度展開でき、さらにその距離も長い、となると。

「…力押しかぁ」

正直気が進まなかったが、この場合の解はそれが最も効率的だろう。
近寄って、叩きのめす。
ガンダールヴの力を使えば、ロナとの彼我の距離は一気に縮まる。才人はデルフリンガーを抜き、構えた。
ガンダールヴの印が光り輝き、そして手にしたデルフリンガーが才人に言う。

「おー相棒、なんか今日はマジだね」

喋る剣の軽口に、才人は応える。

「…全方位見渡せる、視力のいい相手とやらなきゃなんないんだよ。
 余裕なんてない」

それに対するデルフリンガーの答えは、意外なものだった。

「なんだい相棒、相手は千里眼でも使うのかい?
 だったら気をつけな、敵さんの戦術によっちゃ、引いた方がいいかもしれんぜ」
「接近戦で俺が負けるとでも?」
「まーなー。相手さんの戦術次第って言ったろ?
 ま、そこの嬢ちゃんもいることだし…ってあら?嬢ちゃんなんか雰囲気違くね?」

デルフリンガーの興味は、どうやら使い魔となったタバサに移ったようだ。
あとで説明しておこう、今はそんなヒマねえし。と思いながら、才人はさきほどのデルフリンガーの言葉が気にかかっていた。
『敵さんの戦術によっちゃ、引いた方がいいかもしれんぜ』
ま、やばくなったら引けばいいか。逃げ足には自信あるし。
情けない事を考えながら、才人はタバサを抱え、一気に地を駆けたのだった。

444:名無しさん@ピンキー
07/10/25 02:10:58 CWgsQxO4
・・・・・うぁ、ごめんなさいっ、
久々に来てこれは申し訳なさ過ぎます。
取り急ぎ謝罪まで

445:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:11:28 IQkmbdST
風のように速いスピードで、ロナとの距離は一気に剣の間合いまで縮まった。
その間、ロナからの妨害は一切なかった。
そのかわり、妙な目の模様の入った布で目隠しをしたロナは腕を組み、才人を待ち構えていた。

「よく来たな、若人よ!」

暑苦しい言葉は相変わらずだ。
才人は油断なく剣を構え、その後ろでタバサがそっと詠唱に入る。『アイス・ストーム』の魔法である。
この魔法の範囲なら、確実にロナを捉えられる。
しかし、それを見たロナも、即座に詠唱に入った。

「させるかよっ!」

才人は大地を蹴り、剣を突き出して一気に踏み込む。

「甘いっ!」

ロナはその巨躯に見合わぬ俊敏な動きでその突きをかわすと、その側面から右の掌打を繰り出す。
才人は肩を打撃され、そのまま一気に吹き飛んでしまう。

「ぐわっ!?」

一回転半したところで姿勢制御に入り、そのまま勢いを利用して立ち上がり、剣を構える。
しかしその瞬間。
ロナの詠唱が完成する。
それはタバサの『アイス・ストーム』より遥かに短い詠唱だった。
その魔法は、あまりに基礎的で、簡単な魔法だった。
その魔法は。
『錬金』。そう、ただの『錬金』であった。
完成した術式を、ロナは杖に集める。
そしてそれを。
自らに向けて、放ったのだった。

「見よ!これが我が戦闘術、『武装錬筋』であるッ!」

446:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:13:03 IQkmbdST
>>261氏すまんかったっすー。
慌てすぎましたー

さて、前ロナ先生の元ネタをアームストロング少佐と言ってる人がいましたが。
実はモデルはバズ・ガイガンだったりします。

…誰も知らねえだろうなあ。
んじゃまた後日ノシ

447:261のひと
07/10/25 02:17:03 CWgsQxO4
>>446 せんたいさんごめんなさい、しかも慌てて謝ったせいで、さらに邪魔してしまいましたし。

……うぅ、胃に穴が開くですよ

448:名無しさん@ピンキー
07/10/25 02:34:31 NkF8ZFnO
エロパロヌクモリティを感じた

449:名無しさん@ピンキー
07/10/25 02:47:42 K4hES7bP
なんかもう、みんなGJゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!

450:名無しさん@ピンキー
07/10/25 03:55:35 RGfN1ypF
>>442少し鬱気味なってきたが、とてもおもしろいな。GJ!!
どんな展開になるのか非常にwktkしてる

>>446バトルktkr!!
終末がどうなるか気になるのですよきゅいきゅい。GJ!!
そして事件が起きた後もいちゃいちゃしてる二人に吹いたwwまぁそれがいいんだがww

451:名無しさん@ピンキー
07/10/25 05:11:39 9ynHWFtC
おめーら落ち着け

452:名無しさん@ピンキー
07/10/25 07:11:24 Vt4O/cI6
>>442
GJなのです。ベアトリスに激しく萌えたんだが、その分テファが怖かったわw

453:名無しさん@ピンキー
07/10/25 10:57:46 L1WR3SwR
テファやべぇw ベア様カワイソスw

454:名無しさん@ピンキー
07/10/25 12:04:44 +8XEDBRf
何この神々の饗宴

455:名無しさん@ピンキー
07/10/25 12:48:49 8Q8JXqba
最近のへんたいさんが生き急いでいる気がしてならない…
大丈夫か?

456:名無しさん@ピンキー
07/10/25 14:45:52 MMk9M6pK
テファが自分で悪と気付いていない
最もドス黒い悪にw

457:名無しさん@ピンキー
07/10/25 17:15:20 3fad8woa
>>455
これは戦いなんだっ

せんたいさんの生が尽きるか、オレたちの精が尽きるかって
たたかいなんだ! www

458:名無しさん@ピンキー
07/10/25 17:58:53 Vt4O/cI6
>>457
サイト「あれ?オレは……」

459:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:07:00 U24xT5kQ
最近ルイズものが少ない気がするけど
別に問題ないぜ

460:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:22:43 AhiSyt7k
奇遇だな 俺も思ってたけど
別に問題ないぜ

461:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:25:11 I9LK2Dii
>>442
テファ黒っ…だが…GJ
ベアトリスがものすごく可哀相でならないぜ…ガンバレ

462:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:26:02 EWo3B/WL
もうルイズがいなくても良いんじゃないか?って感じだけど
別に問題ないぜ

463:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:27:19 AhiSyt7k
>>462
ちょっとヴェストリの広場まで来い

464:名無しさん@ピンキー
07/10/25 19:38:06 qQaHnse8
遅レスだが
>>420のアンソロのタイトルって何?


465:名無しさん@ピンキー
07/10/25 20:01:55 4pwDYjHZ
>>464
URLリンク(www.db.megahit.co.jp)

同人誌二冊買うより安いと考えるものなのかなw

466:名無しさん@ピンキー
07/10/25 20:38:37 qQaHnse8
>>465
㌧クス
これさすがにTUTAYAじゃ買えねーだろうなwwwwwwwwwww

467:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:16:43 EhgfBxPF
よく知らないんだが、こういうのって本家に仁義切ってるの?

468:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:19:36 EWo3B/WL
>>467
そんなこと言ったらエロゲとかあるじゃないか

469:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:20:07 4pwDYjHZ
良く見ればわかるが、「ゼロの使い魔」という書籍名は一切使っていない。
これ以外のパロっぽいエロアンソロも同様。
つまり似ているラノベとかアニメがあるけどそれとは別に普通のエロ漫画という事になる。

470:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:28:28 5bJgTGKl
どうでもいい話なんだが、このルイズ微妙に頭でかくね?

471:名無しさん@ピンキー
07/10/25 22:45:35 GtAKui9J
>>470
人間が大きさを認識するのは眼

『モノ』を大きいと認識する際に必要なのは『比較対象』

このスレに来る変態紳士達は女の子の顔の大きさを無意識的におっぱいと比較している

ルイズはおっぱいが小さい

相対的に顔が大きく見える


上記を『変態相対性理論』として発表したらノーベル平和賞を貰えると思うんだ

472:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:02:45 10Qq7b8B
(*・ω・)きゅいきゅい

473:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:04:04 RKLFq9D5
>>471
ひとつ逝っておくがアインシュタインは相対性理論だはノーベル賞とってないからな?

474:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:19:30 Vt4O/cI6
>>471
でもそんなの発表したらルイズが虚無をぶっ放して戦乱が巻き起こるから……
平和賞はないなw

475:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:30:10 GtAKui9J
>>473
知ってる。だけど俺の研究は貧乳の女の子に夢を与え、貧乳萌えの男の子に希望を与える事に繋がるハズだと確信している。


こ う し て 世 界 は 平 和 に な っ た !



よっしゃ!歴史に名前を残すぜ!ルイズの為にな!

476:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:39:51 +QBG11K8
というか、ルイズが貧乳なのは、虚無の力によって高速で運動しているルイズの胸が、
ローレンツ短縮によって、静止している観測者からは縮んで見えるせいだと思っていたが。

477:名無しさん@ピンキー
07/10/25 23:54:48 GtAKui9J
>>476
虚無の力でルイズの胸が高速で動いているとすれば、だ。ルイズの体重は見た目以上の重さって事になるのか?

せ、青少年の夢を壊すなっ!

478:名無しさん@ピンキー
07/10/26 00:34:32 mahmKHhe
>>471->>477
なんだこいつらw
見に来たら相対性理論とか話題に上がって他のスレに来たと思った

479:名無しさん@ピンキー
07/10/26 00:39:07 HcpbPbCt
もっと分かりやすく説明してくれ…
つまりタバサは俺のってことでいいんだよな?

480:名無しさん@ピンキー
07/10/26 01:21:23 NO6hokRg
>647 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 01:54:49 ID:+N9RxQOZ
>続きます……来年のハロウィンに……とか。

さてこれについてどう思うかね?
この2日後に完結したような気がしないでもないがそれは気のせいだと思うんだ

481:名無しさん@ピンキー
07/10/26 01:33:01 OC5Fi6GH
つまりみんなルイズものを読みたいってことだな?
よし、待ってろ!
寝れば誰かが書いといてくれるさ

482:名無しさん@ピンキー
07/10/26 10:25:01 EN3Qj/d2
>>479
タバサやシルフィードが青く見えるのは光のドップラー効果によるもので、彼女たちがあなたに向かって
高速で接近してきていることを意味しています。

483:名無しさん@ピンキー
07/10/26 10:49:10 EHg8UeNi
ハルケギニアではどの程度まで研究が進んでるんだろうな。ネタになりそうだが。
とりあえず、エーテルすら知らないだろうな。

484:名無しさん@ピンキー
07/10/26 16:13:51 VJSfgPeh
科学の大原則のひとつに「法則は揺るがない」ってのがあるからな。
キリスト教下では法則=神の法ってことで、それを発見し研究するのが信仰の一形態だった。
しかし魔法なんて保存則ぶっちぎりの技術がある以上、
「簡単に書き換えれる法則」なんかを見つけるという科学の目的が低く見られるだろうから
当然科学技術の発展も遅いだろうな。
また魔法なんて便利なものがある以上、創意工夫をひねる隙がない=技術発展は遅い。
特に建築の技術は壊滅だろうな。公共事業系は貴族が関わり、魔法でちょろっとやっちゃいそうだから。
さらにコルベール先生が飛行機いじってたシーンで
「同じものを作るという概念がない」
ってなことを言っていたことから、産業革命以前だってことは解る。
以上のことから、ハルケギニアの技術力は、
ローマ時代レベル-建築技術がいいところじゃね?


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