【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22 - 暇つぶし2ch250:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/17 18:14:51 lOXzBEsU
しかし意外な事に。
ロナの授業は生徒たちに好評を得ていた。
確かに彼の見た目はどう見てもオーガで、声も馬鹿でかく、しかも暑っ苦しいしゃべり方をするので、最初のうちは生徒たちも鬱陶しがっていたが。

「いいかい君たち!人という言葉は、まだ人と言う概念のなかった大昔の『支えあう』という言葉から来ているのだよ!」
とか、
「はっはっは!いくらでもかかってきたまえ!先生は逃げも隠れもしないぞう!」
とか、
「そう、今、君の中を駆け巡っているその感情…それこそが『愛』だよ!」

暑っ苦しい顔から発せられる背筋を猫じゃらしで撫でられるようなむずがゆいセリフは、堅苦しい貴族の世界で生きてきた生徒たちには、えらく刺激的であったのだ。

「先生っ!俺、間違ってたっ!」
「私…私、もう一度頑張ってみる!両親を説得してみせる!」
「これはっ!トリステインのっ、人間のっ、いや、俺の魂だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

生徒たちも感化されまくり、授業中に飛び交う無駄に熱いドラマとセリフ。

「…なんじゃこりゃ」

休み時間を告げる鐘の音が鳴っても、熱血青春ドラマは止まらない。ちょうど今、ちょっとワル気取りの生徒が『優しさってなんだろう?』と諭されているシーンだ。
それを才人は横目に見ながら、教室の反対側の隅で同じように退屈そうにしているルイズを見た。
ルイズとは、タバサの一件以来、話もしていない。ていうか、部屋にも入れてもらえない。
仕方ないので才人はここ数日、タバサの部屋にお世話になっている。
何度かルイズと接触を持とうとはしてみたものの、ルイズは徹底的に無視を決め込んでいた。
今回はどうやら本気で怒っているらしい。今日もルイズに接触するべく、ルイズの選択しているこの授業の終了を待って、教室に潜入したのだが、彼の主人は全く聞く耳を持たなかった。
そんなルイズと、偶然目が合う。
即座に視線を逸らされた。
…どーしたもんかねー。
そんな才人の後ろで、教室のドアが開く。
そこに顔を出したのは、タバサだった。
ちなみに彼女はロナの授業の科目を選択してないため、彼を見るのはこれが初めてであった。
タバサは教壇で繰り広げられる、『俺っ、俺っ、先生みたいな先生になるっ』『ソレは違うぞ!お前はお前だけの道を往け!』『せ、先生ィィィィーっ!』『何も言うな若人よっっ!』とかいう寸劇を、いつものような醒めた目で見ていた。

「お、そっちの授業終わった?」

教室に満ちる汗苦しい雰囲気と、ルイズの視線にいたたまれなくなった才人は、タバサを振り返る。
タバサは教壇で生徒をベアハッグにしている筋肉の塊を杖で指して、才人に尋ねた。

「…なに?アレ」
「…なんか新任の先生らしいぜ?妙にみんなのウケがいいみたいでさ」

才人は正直このノリについていけない。
才人は肩をすくめて、そう応えたのだった。

「…名前は?」
「聞いてどーすんだよ」
「…あんな暑苦しい雰囲気のひとにはあまり近寄りたくないから」

タバサもなるべくならあんなのの授業はごめん蒙りたい、と思っていた。
名前を聞いて、彼の授業をなるべく選択肢から外そう、そう思っていた。

「…たしか、ロナ・アルベルト・シモンズだったかな」

251:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/17 18:15:52 lOXzBEsU
その名前を聞いた瞬間、タバサの表情が固まる。
いや、普通の人間が見ても分からない程度の緊張であったが、タバサと深い関係にある才人には、その変化は一目瞭然であった。
次の瞬間、才人の心にタバサの声が響く。

…黙って教室から出て。今すぐ。

才人はなんじゃらほい、と思ったが、タバサの心の声は真剣だった。
才人はタバサに続き、教室を出る。
そんな二人を、ルイズの刺すような視線が見つめていたのだった。


…どーしたんだ一体?

才人は心の声でタバサに尋ねる。
タバサの心の声からこれがただならぬ事態なのだと感じた才人は、声を出さずに彼女に従っていた。
教室からしばらく離れた渡り廊下で、タバサはようやく応えた。

あれは、ロナ・アルベルト・シモンズ本人じゃない。

その言葉に嘘偽りはない。
心を通じて伝えられる言葉は、常に真実だった。
才人は驚き、思わず軽く声を上げた。
しかし周囲に人は居ないため、誰にもその声は届かない。
なるほど、それでここまで何も言わなかったのか。
才人はタバサの機転に感心する。

じゃ、アレは誰なんだ?

才人は、タバサに従い、心の声で会話を続ける。
いかに人の居ない場所とはいえ、不意に人が現れるかもしれないのだ。
こういった重大な事を含む話は、なるべくなら外部に漏れない方がいい。

…わからない。けどロナ・アルベルト・シモンズでないことは確か。

どういうことだ?シャルロットは本人を知ってるのか?
才人の心の疑問符に、タバサは応える。

知ってはいない。でも、話に聞いた事はある。その話では、ロナ・アルベルト・シモンズは、女教師。

才人は再び、驚きの声を上げた。
つまり、彼はなにがしかの目的でロナを名乗り、魔法学院に教師として潜入してきた、ということである

252:鋼の錬筋術師 ◆mQKcT9WQPM
07/10/17 18:16:58 lOXzBEsU
一体、何が目的なんだ?
才人の再度の疑問に、タバサは応えた。

わからない。
でも、身分を詐称して潜入しているということは、トリステイン貴族の子息の誘拐か、もしくは学院の破壊か、もしくは、学院で管理するマジック・アイテムか。
いずれにせよ、真っ当な人間じゃないことは確か。

そして二人はいつの間にか、教師たちの集う職員棟の前にいた。

「どうする?知らせるか?」

才人は、今度は言葉で尋ねた。
具体的な単語を出さなければ、声に出してもいいだろう。
タバサは才人に則り、声で応える。

「…今はいい。もう少し様子を見る」

そして、タバサは心の声で続ける。

…ひょっとすると、単に教師をしたかっただけかもしれない。

才人は妙に納得してしまった。
あの妙なノリ、たしかに教師を夢見てでもいない限り、ありえないよな…。
しかし、その考えが甘かったと、二人は後に後悔することになるのだった。

253:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/17 18:17:42 lOXzBEsU
はい、今日のところはここまでー。
たぶん後半もエロ抜きになるので期待しないほうが(ry
ではではノシ

254:名無しさん@ピンキー
07/10/17 18:34:36 548iu2Zb
三日ぶりに来てみれば、またせんたいがwww

とりあえずGJです。

255:名無しさん@ピンキー
07/10/17 18:39:29 QF7OQ/k6
>>253
Gjですぜい!

256:名無しさん@ピンキー
07/10/17 18:40:05 4xFA5kso
二番手GJ変態!
暑苦しいキャラはムキムキマッチョの特権だな

257:名無しさん@ピンキー
07/10/17 18:58:34 6g+WSFKB
タイトル見て不意に才人が手を合わせて闘う戦闘もののSSかとおもた
せんたいさんクジョーブ

258:名無しさん@ピンキー
07/10/17 19:20:57 y1bC++7N
せんたいさん、GJです!
ロナ先生、熱血マッチョなギャグキャラかと思いきや、何やらうさんくさいところがあるようで…
エロくなくても実に興味深い展開ですので、続きが気になりますね

イメージ的にはアームストロング少佐みたいな漢字かな?>ロナ先生

259:名無しさん@ピンキー
07/10/17 20:14:14 lGzGa2ee
GJ! 貴族の生徒達が熱血に感化されるって展開は面白いな。
元々名誉と誇りに酔っ払ってるような連中だし、熱い言葉を直接叩きつけられれば簡単に燃え上がりそうだ。
ロナ先生割と気に入ったんで悪人じゃなければいいが……どうなるかなあ。

260:名無しさん@ピンキー
07/10/17 21:01:33 iQ9t9o2V
>>253
ひとまずGJ!!と言っておく。言っておくが…

トリステインの男子学生は応召して戦闘経験もあるのに
いまさら「入隊」してどーすんのかなぁ?というのがファーストインプレッション w

キレイなオチ、待ってますよ(ニヤリ

261:名無しさん@ピンキー
07/10/17 21:24:02 vAey9bW4
テラアームストロングwwwwwwwww

262:名無しさん@ピンキー
07/10/17 21:30:40 mOyKKb6S
へんたいさん乙!!

「これはっ!トリステインのっ、人間のっ、いや、俺の魂だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

グレンのキタンじゃねえか!!

263:名無しさん@ピンキー
07/10/17 22:29:49 VcPJAJBo
乙です。

せんたいさんの事だ。またシルフィが不遇な目に遭うに違いない。(ノД`)

続きを期待しまくりんぐ。

264:名無しさん@ピンキー
07/10/17 23:22:57 sQ1sF+/o
さすが、せんたいさん。乙です。
そしてGJ!
このお話の続きと本物のロナ先生(♀)に期待。
サイトならどんな女性にもフラグを立てるはず!

265:名無しさん@ピンキー
07/10/17 23:30:04 9p4LFKg0
いや、このムキムキ筋肉ダルマが本物のロナ先生(女教師)なのかも知れぬ……
いや、それはないか……

266:名無しさん@ピンキー
07/10/18 00:19:20 l5vIZ7EK
>>265
!!!!!!!

267:名無しさん@ピンキー
07/10/18 03:00:21 Mc3yPy6U
お前ら落ち着け!本人が美人とは限らないィィ!

268:名無しさん@ピンキー
07/10/18 03:22:10 yQPttMJN


269:名無しさん@ピンキー
07/10/18 03:57:50 VjS8I8Nh
>>265
スカロン「あら姉さん!ついに『手術』を受けたのね?」

270:名無しさん@ピンキー
07/10/18 06:35:21 Q6TwNtd6
うわぁぁぁぁぁぁ(AA略

271:名無しさん@ピンキー
07/10/18 17:59:31 ilv9v7Xn
タカさんという言葉が思い浮かびました。

272:284 ◆yJjGBLHXE6
07/10/18 18:00:29 7VR/1e/M
>>214->>240

……大丈夫、空気を読まないのが俺だ、やるんだ俺っ

273:基本的にKY ◆yJjGBLHXE6
07/10/18 18:01:46 7VR/1e/M
「すげぇぜ……アレが七万の軍勢か。ハンパじゃねえな……!」
「へっ、まさかまた突っ込むことになるとはな。おい>>230、ビビッてねぇだろうな?」
「誰に聞いてんだよサイト。おめぇこそ準備にぬかりはねえだろうな?」
「当然。…>>230、おめぇは?」
「一ヶ月」
「はっ…十分だ」
 眼下に広がる群れと評して差しさわりが無いほどの人――その数七万。
 確かにそれは軍勢であったが、普通の軍勢とはまるで違っていた。
 一つに、その軍隊は全て女性で構成されている。
 しかし、それだけならばよくある部類に入るだろう。
 二つ目が、この軍隊を象徴するにふさわしい異様さだった――全員が裸身である。
「みろよ…ルイズにシエスタにモンモランシー……おっとアンリエッタ陛下までいやがる、
大物ぞろいだぜ、サイト」
「はは、エース級ばかりってか……上等じゃねぇか」
「しかし今度こそ、平穏無事にってわけにゃいかねえな」
 ――女淫軍。それがこの軍隊の俗称である。
 津波のように村々を襲っては、種を絞りつくしていくという迷惑なんだかそうじゃない
んだか良く分からない軍隊だった。
 そして、なぜ結成されたかも不明である。
 だが、さすがにこれ以上暴れさせるわけには行かない、ということで天下に二匹の種馬
あり、といわれたサイトと>>230が派遣されたのだった。
「さて…そろそろ動くか、>>230
「ああ…サイトお前は右からいけ、俺は左から回り込んでいく…ルイズはお前がやれ。他
の奴らは俺に任せろ」
>>230……よっしゃ」
 二人が視線を交わし、いざ行かんとしたその時――
「まちたまえ、二人ともっ!!」
「ギーシュ…」
「おまえ……」
「君達二人だけを犠牲には出来ない。死ぬときは一緒だ。…そうだろう?」
「へっ…馬鹿ヤローが」
「…ぼくもいるよ」
「マリコルヌッ?!」
「へ、へへ…へへ……お、おんなのこだぁあああああああああああああ!!」
 血走った目をしてマリコルヌが暴走して軍勢に突っ込んでいった。
「だめだっマリコルヌっ……!!」
「そっちは………!!」

「「スカロン小隊が……!」」

 野太い男の雄たけび。響き渡るうら若き少年の悲鳴。
「さて、それじゃあ…」
「行きますかっ」
 三人は拳を打ち付けあい、それぞれの持ち場へと向かっていった。
「いくぞっ……突撃ぃぃぃいいいいいいいいいっっ!!」
 そうして少年達は砂煙の中へと消えていった…。

「うぉぉぉおおおおっ!! どうだルイズっ…俺はまだ出るぞっ」
「…………」
「どおしたぁ…いきっぱなしで…こえもでないかぁ…」
「な、なななんて夢を見てんのよ…こんのエロ犬ぅぅぅうううううううううううう!!!」
「ふんぎゃぁぁああああああああああああああああああ!!??」


274:284 ◆yJjGBLHXE6
07/10/18 18:02:55 7VR/1e/M

よし。逃げろ、俺

275:名無しさん@ピンキー
07/10/18 18:04:12 gBrYTlaL
>>274
ちょwリアルタイムktkr
くそわろた。乙

276:名無しさん@ピンキー
07/10/18 18:23:56 lU6V/JVk
しょーもなさすぎワロタwwwwwwwwwww

277:名無しさん@ピンキー
07/10/18 18:34:38 jYArCW4j
>>274バロスwwwwwwwwww
GJ!

278:名無しさん@ピンキー
07/10/18 20:15:10 NHcldFFr
うん、破廉恥なネタを見事に消化しましたね(淡々と
いやGJだからねw

279:230
07/10/18 21:46:11 tteN4vyQ
気付いたらネタ化されてる!?

そして>>274GJ


さてと、さすがにきついが……三回目いってくるよ、全裸で七万の軍に


280:名無しさん@ピンキー
07/10/18 22:09:25 u2QTZWCA
わたしね、230がいないと眠ることもできないのよ。

281:名無しさん@ピンキー
07/10/18 22:43:32 sglRUlrw
>>279
いや、次は俺が行こう
むしろ行かせてください

282:名無しさん@ピンキー
07/10/18 22:55:36 Dl3EYN+w
>>230の人気に嫉妬
それにしても新刊いつになるのかな?
外伝出したから結構先だろうなぁ

283:名無しさん@ピンキー
07/10/18 23:07:22 1mZA+1N+
>>281
俺「ひろしを頼んだぜ…相棒。」
ビシッ!首筋を打たれた>>281は、膝を着き気を失った。

俺「それと…奥さん、大切に……な。」




HAAAAAAAAAAAAAAAAAAN!!ワーオ

284:230
07/10/18 23:14:53 tteN4vyQ
>>283
しかし、気絶した>>281は俺が連れていく





もちろん全裸にして七万の軍に投げ込む










いい加減しつこいな俺
ちょっと零戦の機関砲に撃たれてくる



全裸で

285:名無しさん@ピンキー
07/10/18 23:35:41 NHcldFFr
>>284
ワルドさんだったんですか。こんなところで変態してないで本編に出てきてくださいよ

286:名無しさん@ピンキー
07/10/19 00:44:52 j7zFLjdg
ワリオ!!
俺の筋肉にかなうヤツはいないゼっ!
ギザギザのヒゲと黄色い帽子がチャームポイントのオヤジさ!

ワルイージ!!
私の華奢な体躯から生み出されるスピードは雷のごとし、ですよ!
ギザギザのヒゲと紫の帽子がチャームポイントのオジサンです!

ワルド!!
ロリコン野郎?ペド野郎?そんなの関係ねぇ!!俺は俺のやりたい事をやるんだ!
ツルペタは神!パイパンは神!ルイズぅぅう!ルイズぅぅう!
あ、タバサも捨てがたい!フーケは実際必要ねぇ!
俺のストライクゾーンは妊娠4ヵ月目から17才までだ!
真っ白のヒゲと羽帽子がチャームポイントのオジちゃまだよ!


「「「オレたち!悪ヒゲ三銃士!!」」」

287:名無しさん@ピンキー
07/10/19 00:46:18 rB1XtyKL
じゃあ俺はエルフに突っ込もうっと













全裸で

288:名無しさん@ピンキー
07/10/19 00:47:17 2xAFas2w
>>284
さぁ、早く運び屋の仕事に戻るんだ。

289:名無しさん@ピンキー
07/10/19 02:17:37 8roPTTUF
サイトがアニエスに居合いで一本取る話があるって聞いて、
かなり読んでみたいのですが、保管庫のどこにありますか?


290:名無しさん@ピンキー
07/10/19 02:32:02 WQV0sMkx
(・∀・)つ「検索」

291:名無しさん@ピンキー
07/10/19 02:40:10 8roPTTUF
打ち込んだ単語で検索できたのね。
知らなかった。さんくーさんくー

292: ◆LoUisePksU
07/10/19 13:51:43 zyWNqaHn
ごきげんよう。
「サイトが魔法を使えたら」 と 「桃色Sisters」 行きます。
URLリンク(wikiwiki.jp)


293:サイトが魔法を使えたら(1/4)
07/10/19 13:52:28 zyWNqaHn
わたしはこの先、死が二人を分かつまで、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガにこの身とこの心を捧げんことを誓約す---

タバサは俺に誓いを立てた。前にも時と場合を選ばずに俺を助けると言ってたよな。
身も心もあなたに捧げるって言葉だけだったら、大胆すぎる告白になってるとこだ。

瞳を開いたタバサにじっと見つめられて思わず目そらししてしまった。でもなんで俺のことそんなにかまってくれるんだろ。鈍感なサイトは彼女の真意を測れずにいた。
タバサが俺に手を伸ばしてきた。こっちに来いってことなんだよな・・・
サイトは、なぜか高鳴る鼓動を抑えつつざぶざぶと湖に入っているタバサへと歩み寄る。

「ど、どしたタバサ」
おそるおそるサイトは尋ねた。
するとタバサは、おもむろにかけていた眼鏡をはずした。
タバサという呼び名は母にもらった大切な人形の名前だ。彼女にはシャルロットという名前があった。
彼女は思った--ここでは、いや、この瞬間だけでいい、サイトには自分の本当の名前で呼んで欲しいと・・・
「シャルロット、でいい」

「へっ!?」
いきなりの申し出にサイトは面食らった。
「タバサじゃ嫌。いまはシャルロットと呼んで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お願い」
彼女は眼鏡をはずしたまま、サイトを見つめる。
「タバ---いや---しゃ、シャシャシャルロット。」
動揺を隠しきれなかったが彼女に言われるがままに言葉を返す。
眼鏡をはずした少し潤んだ碧い瞳でじかに見つめられている。どきどきしっぱなしで正視できない。

シャルロットと呼んでくれた---心にジンと響くものを感じ、彼女はうっすらと頬を桃色に染めた。
すでに間近にいる彼を上目遣いで見つめ、ありがと。と消え入りそうな声で呟いた。
ここまでの至近距離。あのときの戦い以来だった。いまは誓いの精霊のいる場所に二人きりでいる。
精霊には大目にみてもらって、もうひとつの希望を言ってみた。

「・・・・・・もうひとつお願いがあるの・・・・・・・め、目を閉じて」

サイトは魔法にかかったように目を閉じる。いや本当に魔法にかかってしまったのかもしれない、と
サイトは思った。あの少し潤んだシャルロットの碧眼に。
「これでいいのか?し、シャルロット・・・」
サイトのどきどきは最高潮に達しようとしていた。

「うん」

そう短く彼女は言葉を発すると、右手でサイトの着ているパーカーの袖口を小さくつまんで引き寄せ--サイトの唇に彼女のそれを合わせた。

294:サイトが魔法を使えたら(2/4)
07/10/19 13:53:12 zyWNqaHn
双月照らす湖畔で誓いを交わすシャルロット、そしてサイト--
この切なげな静寂が破られた。
「・・・睦まじいところ悪いな--北花壇騎士(シュヴァリエ・ド・ノールパルテル)」

声のした方に二人は視線を飛ばした。茂みの暗闇から人影が現れた。黒いフードを目深に被っているため人相は不明。
しかし、その声には彼女は聞き覚えがあった。
ミョズニトニルン。声の主の名前をつぶやく、タバサ。
「え?誰だって??」
サイトは舌を噛みそうなその名前を一度では聞き取れなかった。
「ミョズニトニルン。この前ミョルドガントでルイズを踏み潰そうとした張本人」
タバサは説明を加えた。
こいつが・・・!?サイトは唇をかみ締めた。タバサはサイトの周りの空気が一瞬変わったような気がした。
「虚無の使い魔よ。今日は虚無使いはどうした?まさか一人にしているのではあるまいな」
片側の口角を吊り上げ、不気味な表情を浮かべるミョズニトニルン。
「ま、まさかてめぇ--ルイズに何かしやがったのか!!!!」
サイトは身構え相手を見据えて言い放った。
この状況は危険。タバサはシルフィに口笛で合図を送る。すると上空で旋回していたシルフィは
ある方角目指して飛び去ってしまった。
「逃げるつもりはない--」
タバサも身構えた。ところが、左手でサイトが制した。
「タバサ。おまえはじっとしてるんだ。ここは俺がなんとかする」
サイトは相手を見据えたまま言った。
「---ほう。このわたしと一戦交える気か。ガンダールヴ。面白い。マジックアイテムで叩きのめしてくれる」
ミョズニトニルンは被っていたフードを取り去った。
挑発してんのか。やったろうじゃねぇか。サイトは背中のデルフを掴もうとした--が、しかしデルフが無い。
え?驚いて後ろを振り返ると、なぜかタバサの手にデルフが握られていた。
「た、タバサ?!」
しかし、タバサから返事は無い。何か目が虚ろだ。
「相棒、娘っこはあっちの虚無の使いに操られてるようだねぇ」
デルフは諦めたようにつぶやいた。
しまった!咄嗟の判断でサイトはタバサから飛んで離れ、ミョズニトニルンを脇目でみた。
「アンドバリの指輪!!?」
ミョズニトニルンはタバサに向け、深紫の指輪を向けていた。その指輪は妖しく輝き、そしてミョズドニトニルンの額も白く輝いている。
ミョズニトニルンの周りにはいつの間にか沢山の人形が集結していた。

295:サイトが魔法を使えたら(3/4)
07/10/19 13:54:24 zyWNqaHn
同刻---トリスティン魔法学院。
シルフィはタバサに命じられた場所にたどり着いた。
そしてとある一室の窓を突き破った。
ガシャァーーーーーン!!!!
バカァ・・・そんなにがっついたってぇ・・・あげないんだもん・・・
何か妙な夢をみていたルイズの眠りがとんだ闖入者によって破られた。
「ぎゃぁぁ~~!!!!!なななななななになに!!?なんなの~」
絶叫とともにルイズは目を覚ざめた。
「たいへんなのねーたいへんなのねー!!!おねーさまがたいへんなのね~」
シルフィは寝起きのルイズに捲くし立てた。
「んーなんなのよー。タバサの使い魔じゃないよ。どしたのよ」
かすむ右目を擦りながらシルフィに聞きただした。
「たいへんたいへんたいへん」
翼をバタバタさせながらシルフィは騒いでいる。
「わかんないでしょー。何が大変なのよ」
困ったという表情でルイズは聞き返すのだった。
右目がまだぼやけていた。顔を洗ったほうがいいのかしら---
「おねーさまが、サイトが襲われてるのね~きゅいきゅい」
はぁ?サイトがなんでよ。不安がルイズの小さな胸に過ぎった。
「はやく、乗るのねのね。急ぐのね~」
シルフィに急かされるままルイズはその背に跨った。
まだ夜更けの冷たい風がルイズの頬をなでていた。
右目がようやく見えてきた。しかし、見えた景色はシルフィの背中でも二つの月でもなかった---

「ちっ、やばいな---デルフとられてんのによ。この数はきびしーかも」
サイトは額から流れる汗を無造作に拭い去った。
「だーりん。あ・た・しを忘れちゃやーよ(ハート)」
インテリジェンス・スピア グングニールが話しかけた。
そうか、コイツもいたんだ。杖状態に変化してから黙りこくっていたせいで
アウトオブ眼中になっていた。
「とりあえず、タバサとアルヴィーに挟まれちゃどうしようもねーよな。
後ろからバッサリいかれても辛いし---」
「だーりん。あたし一回元に戻るわ。でもあのデコ女に変身見られたくないわね--
そうね。だーりん、あたしを水ン中に落としてちょーだいな。」
サイトはグングニールを足元に落とした--グングニールは水中で黄金色に発光すると元の槍に戻った。
サイトは、水中のグングニールの柄の末端を左足で踏んづけて跳ね上げ、右手でそれをキャッチする。
「らんぼーなんだからぁ。まーよくってよ。この状態でもだーりん魔法使えるからねん。
でも詠唱は相手に覚られないようにね」

おっけ。サイトは短く応えた。前後に目を配りながら間合いを計っていく。
先に仕掛けたのは操られたタバサだった---杖を打ち捨てたと同時に水面を蹴上げ、一瞬でサイトとの間合いを詰めてきた。
ガキッ!剣と槍が交差する。かなりの強い力に後ずさるサイト。しかし槍のしなりを活かして剣ごとタバサを弾き飛ばす。
左手のルーンの輝きが増し、サイトは羽のように軽くなった体躯を駆って弾き飛ばされるタバサを追撃する。
「タバサ、悪い。少し痛いかも。」
ぐりんと槍を180度回転させ、柄の末端--石突の部分をタバサの腹部に叩き込んだ。
タバサの表情が一瞬苦悶の色を見せ体をくの字に曲げたまま倒れこんだ。
一瞬複雑な表情を見せたサイトだったが、槍をもう一度半回転させ、今度は背後の敵へと向き直る。許さねぇ---
「今度はおまえの番だっ!!!!!」
サイトは湖岸を目指し、湖面を蹴り出した。
「わたしのアルヴィーを倒せるかしら--」
不敵な笑みを絶やさずミョズニトニルンは近づいてくるサイトを挑発した。
”だーりん、そろそろ使っちゃいなさい”---小声でグングニールがサイトに話しかけた。サイトは無言で首を縦に振る。
槍の重心を中心に頭上で回転させた。そして、小声で風のマジックスペルを唱えた。
”エア・ハンマー”----詠唱完了と同時に槍を石突まで滑らせ岸のアルヴィーたちへと狙いを合わす---横一閃、薙ぎ払った。
槍の穂先のルーンが輝いて魔法は発動した。
ドンッバキバキバキッ!アルヴィーの先頭の一団が次々となぎ払われる。指揮官の顔色が一変する。
「!!!---ガンダールヴ。やるではないか。『風圧』でわがアイテムを吹き飛ばすとは・・・」
ヤツは俺が魔法を使っているとは気がついていない--サイトはニヤリと笑みを零した。
「まだまだぁ!!全部吹き飛ばしてやるっ!!!」

296:サイトが魔法を使えたら(4/4)
07/10/19 13:55:00 zyWNqaHn
回転させながらグングニールの穂先をわざと湖水に浸す。
グングニールの回転と同じようなうねりがサイトの身体の中でも渦巻いている。
"ウィンディ・アイシクル"--独り言のようにスペルを紡ぐ。
こぉぉぉー無数の氷の矢が湖面ぎりぎりに発現した。このまま放っては相手に手の内を見せてしまう。
そこでサイトは別の魔法を氷の矢に向け繰り出した。
小さめの空気の塊に当てられ、氷の矢は粉々に砕ける。しかし、氷の欠片は湖面へと落ちていかない。
グングニールの回転速度を上げ、その風圧にさらに魔法を上乗せした。
"エア・ハンマー"
アルヴィーの先陣をなぎ払った強度で無数の欠片に打ち付けた---
アルヴィーたちに疾風と氷片が叩きつけられ、次々ズタボロになっていく。

ドクン。ドクン。右目の視界に鼓動が高まっていく。
な、なによこれ。湖?なんであんなにいっぱい人形(アルヴィー)がいるのよ。
まるで目の前に存在するかのような光景。
「ねぇ。シルフィ。あんたのご主人さまとあたしのサイトはどこいんのよ。」
ちらりとシルフィは横目でルイズを見ていった。
「おねーさまとサイトはラグドリアンの湖なのね」
もしかして---この視界。サイトのなの?
この人形たちを操ってるのはもしかして、ミョズニトニルン?! だとしたら、サイトが危ない。
ドックン。ドックン。鼓動がさらに速まる。
「ち、ちょっと、シルフィ。もっと速く飛びなさいよ。あいつが危ないの。お願いよ」
ルイズはぺしぺしとシルフィの首根っこあたりを叩いて急かす。
「痛い、痛いのね。わかってるのね。急ぐのね。きゅいきゅい」
シルフィは翼をより大きく羽ばたかせるのだった。
速度があがったせいかルイズの右の耳が激しい耳鳴りに襲われていく---

----私は----どうなってるの----朦朧とする意識の中タバサは身体を起こそうとする。
ズキン・・・お腹のあたりに鈍痛が走った。ったい。痛みに身体が一瞬強張る。
そうだ。シルフィはどうなっただろう---私何頼んだんだろう。そうだ。ルイズを来させようとしたのだ。
やはりまだ身体がいうことをきかないらしい。周りから魔法の鼓動が身体に伝わってくる。
サイト。大丈夫かな。せっかく誓ったのに何もしてやれない。くやしい---けどここまでの魔法を繰り出せている
サイト---タバサは弱弱しい笑みを浮かべた---私がいなくても----だいじょう---ぶ------
再びタバサの意識が暗転した。

おっし。もうすこしでカタがつく。サイトの心が奮えたった。
そのちょーしよ。だーりん。ぐるぐるとサイトに振り回されながらグングニールはサイトに声をかけた。
もういっちょ。かましとくか-----魔法を唱えようとした刹那、眩暈と強烈な耳鳴りに襲われた。
やべ。使いすぎたのか---額に手を当てサイトはよろめいた。
ひとまず魔法は温存してグングニールにしなりを利かせ襲い掛かってくる人形たちを弾きとばしていく。
耳鳴りは続いていたが、眩暈は治まり視界をとりもどせた。ところが左目の視界は別の場所を映し出していたのだった。

297: ◆LoUisePksU
07/10/19 13:55:48 zyWNqaHn
「サイトが魔法を使えたら」はここまで。
続いて、「桃色Sisters」です。

298:桃色Sisters
07/10/19 13:56:43 zyWNqaHn
桃色かかったブロンド髪に鳶色の目。
とても長い間逢えなかったような。とても逢いたかった。その姿が今目の前に-----
おにーちゃん。お帰りなさいっ!!言葉と同時に才人に飛び込んで来た。
兄妹の再会を見届けた母はそっと部屋から出て行った。
彼女の柔らかでほのかに桜色ががった両腕が才人の首に絡められる。
ふわっとした髪の束が才人の頬をなでさすった。そして「彼女」の匂いが鼻をくすぐる。
彼女は才人が座っていたベットに折り重なるようにして倒れこんだ。
おにーちゃんって----この状況を才人はどう受け止めていいのか分からくなっている。
見た目はもう完全に彼女そのものなのに…
「な、なぁ。る、ルイズだよな?」
「・・・・・」
彼女は無言のまま肩を震わせるばかりだ。
どうしたもんかな。彼女に馬乗りになられ、抱きつかれる格好でベットに横たわっている状態に
焦りつつ、おそるおそるではあるが彼女の頭を左の手でやさしくなでる。
あれ?まだこれ消えてないや。左手に刻まれたルーンはなぜか残ったままなのに気がついた。
二人の絆は消えていなかった---心の中に温かい気持ちが広がっていくのだった。
「そのままでいいから。聞いててくれ。俺、今まで魔法の世界に行ってたんだ。
そこでこいつのためなら死んでもいいってくらい護りたいやつに出逢った。おまえと
同じ名前。ルイズってゆー女の子さ。おまえとおなじ年格好だったんだぜ----」
才人はいまだ抱きついたまま離れようとしない彼女に自分の身に起こった出来事を昔話のように
語った。可愛いことにところどころで彼女は才人の肩に顔を埋めたままだったが相槌を打ってくれた。
それが妙に嬉しくて何度も何度も才人は彼女の頭を愛しむようになでるのだった。
「そんなにわたしに似ていたの?」
黙って聞いていた彼女が埋めていた顔を上げ才人を見下ろして問いかけてきた。
その目は赤く、頬は涙で濡れ、その濡れた頬に乱れた髪が何本か引っ付いていた。
「うん。とても似てる。まるで生き写しみたいだよ」
すると彼女は薄く頬を桃色に染め、才人から目線を逸らす。そして言葉をつなげた。
「その子のこと。好き?」
「好き。大好きだ。」
「今でも?」
「ああ、いまでも」
「---逢いたい?」
その彼女の問いかけに叶わぬとは知りながら、しかしはっきりと才人は答えた。
「当然。今すぐにでも---逢いたいさ」
才人の瞳から想いが溢れ出す----
「ルイズ・・・ルイズ・・・」
「きっと逢えるわ。お兄ちゃん---」
愛おしい人を見るかのように彼女の瞳が才人を捉えていた。そして優しく才人から溢れ出した
切ない思いのかけらをその指で拭ってくれた。
「もう泣かないで。逢いたい人はここにいるんだから---」
才人は何も言えずに彼女を胸へと抱き寄せた。

299: ◆LoUisePksU
07/10/19 13:58:59 zyWNqaHn
以上でござる。続きは・・・・あるかなw
でわでわノシ

300:名無しさん@ピンキー
07/10/19 14:21:08 lpXWTFq1
つい最近ゼロ魔アニメを見始めました。
ルイズも可愛いけどぶっっっっちゃけ、
他の女性キャラが巨乳で可愛いので
キュルケ、アンリエッタ、シエスタ、ルイズ姉etc・・・・、
そっちの方も楽しみで見てます。・・・、長門?まあボチボチ?

ここのSSも良作が多くてGJ!
魅惑の妖精亭の娘さん(ジェシカだっけ?)が出てくる話とかあれば教えてくだされ


301:名無しさん@ピンキー
07/10/19 16:31:39 ZbX5jFml
>299
お待ちしてました~
「サイトが魔法を使えたら」は何気に気になってた作品ですので
サイトは相変わらず鈍感だけど、今回は流石にタバサの想いに気づきはじめたかな?
いい雰囲気をぶち壊した闖入者との決着は…ってとこで次回?
がんばれサイト!(いろいろな意味でw

302:名無しさん@ピンキー
07/10/19 20:53:55 siyKzmgD
>>299
ヤバイヤバイ…続きが楽しみ過ぎる
GJです

303:シエスタですが、部屋の中の空気が最悪です
07/10/20 11:01:23 pORmC9Hl

「お茶が入りましたよー、サイトさん、ミス・ヴァリエール」
「お、ありがとう、シエスタ」
「ちょうど喉が渇いてたのよねえ」
「熱いから気をつけてくだ」

 シエスタがティーカップを渡そうとしたところ、才人が受け取り損ねて落としてしまう。

「うおっ、熱っ……!」
「あ、だ、大丈夫ですか、サイトさ」
「サイトォォォォォォォォッ!」

 シエスタを押しのけて、ルイズが泣きながら才人に縋りつく。

「だ、大丈夫、サイト!? 痛いでしょ、痛いわよね!? ああ、すぐに治さないと、サイトが死んじゃう……!」
「おいおい大袈裟だなあルイズ。この程度、なんともないって」
「でも、でも……」
「……お前って、本当に心配性だよな。でも、そんなところも最高に愛しいぜ……」
「サイト……」
「あのー……とりあえず、こぼれた紅茶拭きましょうか?」
「ほら、涙拭けよ。可愛い顔が台無しだぜ?」
「グスッ……だ、ダメ。これが原因でサイトが死んじゃったらって考えると、悲しくって悲しくって涙が止まんない……」
「ホント大袈裟だなあ。大丈夫だよ、七万の大軍に突撃しても死ななかった俺が、こんなもんで死ぬかよ」
「その話はしないで! あのときサイトがいなくなっちゃって、わたし、本当に……」
「……すまねえ。嫌なこと、思い出させちまったな」
「ううん、いいの。でも、もう二度と、わたしのこと一人にしないでね……」
「……ミス・モンモランシーから火傷の薬もらってきた方がいいですか? ねえ、二人とも」
「ああ、約束するよ。これからも、俺達二人はずっと一緒さ」
「本当? 嬉しいけど……不安だわ。サイト、わたしのためにってすぐ無理するから……」
「大丈夫、大丈夫だよ。そんなに心配するなよ」
「でも……サイト、すぐにわたしの前から消えてしまいそうで……」
「なら、こうやって抱きしめててやるよ。こうすりゃ、俺が確かにここにいるって実感できるだろ?」
「ああ、サイトの体……とっても温かい……」
「あ、そう言えば、そろそろお昼の時間ですね! 二人とも、お腹すいてませんか?」
「お前って、こんなにちっちゃかったんだな……こんなちっちゃいのに、今までよく一人で頑張ってきたよ」
「一人じゃなかったわ。だって、わたしのそばには、いつだってサイトがいてくれたもの」
「ルイズ……」
「サイト……」
「……」

「あのー、わたし、あの二人のお付きのメイド辞めたいんですけど」
「女王の勅命だから無理。それとも断頭台行ってみる?」
「タハー。どっちにしろ地獄ですかー?」

304:名無しさん@ピンキー
07/10/20 11:13:15 PyODRl2+
>>303
バロスwww

305:名無しさん@ピンキー
07/10/20 13:06:31 UMRLLxbd
>>303
傍から見てると殺意がわくなwww

306:名無しさん@ピンキー
07/10/20 13:47:57 LxPpHjCB
>>303
バカップルのルイズとサイトのお付きのシエスタに合掌ww

307:名無しさん@ピンキー
07/10/20 13:54:22 Dpa8amAB
>>303
短いけどGJ!

本編で、サイトがちゃんとルイズをちゃんとイチャラブだったら
当然にこうなっちゃうよな、物語が進まないよな、という思いを
見事にカタチにしてくれました www

308:名無しさん@ピンキー
07/10/20 14:11:40 /wwimaTT
>>303
タイトル見て思ったんだが、ハルヒエロパロ板で新川さんネタを書いた人か?
…と、その前にGJ

309:名無しさん@ピンキー
07/10/20 17:45:52 +ZX7vdOv
タイトルの元ネタってドラクエ二次じゃなかったのか
>>303
GJ
シェスタ派としてはサイトはシェスタに対して放置プレイの実験中かー、と無理矢理こじ付けてみる

310:名無しさん@ピンキー
07/10/20 18:51:48 QV6R//fJ
>>309
ライアンwww

確かvipの名スレだったかな。

311:名無しさん@ピンキー
07/10/20 22:03:01 foHgaIkc
なんか二ョズニトニルンの口調に違和感が…



どうでもいいけどトニルンってトルエンに似てるな。

312:名無しさん@ピンキー
07/10/21 00:11:59 VTlJGBkR
ほんっとどうでもいい話だなwww

313:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:24:31 af7+wPIG
>>309
シエスタをシェスタと書くお前が本当にシエスタ派なのか怪しい
そんな俺はシャルル…シャル、シャロルラ……

314:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:50:03 8EuOsl1T
URLリンク(www.nicovideo.jp)
中毒注意

315:名無しさん@ピンキー
07/10/21 04:13:01 qJ17xj37
本当おまえらどうでもいいなw

316:名無しさん@ピンキー
07/10/21 06:27:03 xhy4l8E2


317:名無しさん@ピンキー
07/10/21 08:21:08 smCAY+3W
>>314
泣いた!

318:名無しさん@ピンキー
07/10/21 09:55:55 Bw1ToJvU
>>317
IDがSMゲイ+3ワルドに見えた。

319:名無しさん@ピンキー
07/10/21 09:59:29 8cnBDVdM
>314
ちょルイズもいいn

320:名無しさん@ピンキー
07/10/21 20:46:16 E5z4ZAbU
大佐、>>314のせいで激しく性欲を持余す!!!どうすればいい?指示をくれ大佐ぁ!!!(*'A`)

321:名無しさん@ピンキー
07/10/21 20:59:33 kKm9pR0W
>>320
装備は好いか---
君の唯一無二の武器を把持し、狙いを定め、その引き金に指をかけるのだ----

『撃て』

322:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:04:02 +SgWgeW+
きめー

323:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:36:07 VrSxwDAt
~ん、フラッシュ!!

324:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:40:53 j0L/yjop
結局 サイトは元の世界に帰るのだろうか?

325:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:58:01 IAM74b1m
ギーシュエンドだろ

326:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:14:41 +9YJ6Xv+
サイトがルイズにタバサと浮気してる事がばれてルイズに殺されてオッパッピー

327:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:30:09 xWtGGk8M
いや、タバサがメインヒロインだから

328:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:43:40 mgU1DqDY
タバサやシエスタ等は医者でルイズとサイトは患者
今までいた所は実は精神病院でした。
そんなエンド

329:名無しさん@ピンキー
07/10/21 23:53:14 ktYGLmQ1
ドラえもん最終回みたいだなw

330:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:01:55 EidLEKFD
>>328
久米田自重

331:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:03:13 2BNEgQfC
元の世界を覗いたら、普通に生活してる自分がいて
自分がガンツ的なコピーって事がわかって

サイト絶望END

332:331
07/10/22 00:09:16 2BNEgQfC
ってか
俺が望むBESTENDは

サイトはカミーユ並に精神がぶっ壊れて欲しい


333:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:13:50 nS1jtnvo
本スレいこーよね

334:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:16:47 We3a+kIM
>>332
ここはダンバインENDだろ…物語の構造も似てるし。

335:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:26:49 H98/UIeA
イデオンエンド。全員死亡
ラノベじゃないぞそれ www (自主つっこみ

名家にうまれた娘が、異世界人と恋に落ちて
勝気な姉と一悶着あったあと、子供孕んだのが発覚し
すごくおっかないお父さんと最終戦争になったりする

336:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:30:19 FLB4F9Wp
サイト「何故ミス・ロングビルを巻き込んだ!彼女は戦争をする人ではなかったはずだ!」
的な最後で

337:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:34:55 FYIOioYN
ハゲ信者
自重

338:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:34:56 gGrQvrR8
>>328
それなら
ルイズ→凶暴性の患者
アン姫→誇大妄想患者
ギーシュ→医者
シエスタ→看護婦
モンモランシー→薬剤師
サイト→カウンセラー
ってどうかね。

あと、7巻で飲まさせられた睡眠薬はタバサ母の飲んだのと同種で、8巻以降は遺品のデルフと部屋の中
でずーっと妄想語ってるだけとか。

339:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:56:25 CEKRIxJU
本スレ池

340:名無しさん@ピンキー
07/10/22 01:19:16 /9Xnk31z
カリン様きぼん

341:名無しさん@ピンキー
07/10/22 07:53:33 /tpZmUSu
カリン塔でカリン様とカリンカリンしたいお

342:名無しさん@ピンキー
07/10/22 07:53:42 Vva5SxgC
みんながコルベールを見て死亡

343:名無しさん@ピンキー
07/10/22 20:55:04 ktEmhbrQ
武士沢レシーブエンドでいいよもう

344:名無しさん@ピンキー
07/10/22 22:25:52 rpADLVsQ
年表で強引に〆た後、

地球に還ったサイトが近所のコンビニでワルドと再開するんだな。
で、生卵を「あたためますか?」で…

345:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:09:13 Dw3Df+we
流れ断ち切って悪いが
保管庫に新しく直接投稿されたSSの一つX00-09
でルイズの実家が伯爵になっている件について
公爵だよな たしか原作では

346:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:20:42 lklcdlaS
>>345
アニメでもそんな細かいとこ変更しないだろうから、普通に公爵であってると思う。
まぁ、俺もそういう階級とかに詳しいわけではないけど。

347:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:40:53 ktEmhbrQ
大公>公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵だっけ
どっか順番間違えてる気がする

348:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:42:30 Cgz00OmX
>>347
大丈夫

349:205
07/10/23 01:10:21 wgl8rEN/
投下しますがまずその前に。

>>16
誰がこの上なく愚かな人間だこの野郎w

という訳で、『平賀さん家へいらっしゃい』の続きです。

350:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:11:17 wgl8rEN/
 飲みすぎたためか緊張から解放されたためか、ハルケギニアの面々はそのほとんどが十二時前には
寝入ってしまっていた。
 唯一アニエスだけは正気を保ち、すやすやと眠っているアンリエッタを、才人の両親の寝室に運び
込んだ。今夜は寝ずの番をするという。
 コルベール、マリコルヌ、ギーシュは隣の部屋で雑魚寝、キュルケとシルフィードとティファニア
は空き部屋に布団を敷き、ルイズとシエスタとタバサは才人の部屋で休んでもらうことになっている。

「やっと終わったか」

 ルイズたちを自分の部屋に運び終えた才人は、居間に戻ってきてほっと一息吐いた。
 平賀親子は、今夜はこの部屋に布団を敷いて雑魚寝する予定になっている。
 才人としては久々に自分の部屋のベッドで寝たいというのが本音だったが、さすがに親の手前、同
年代の女の子と同じ部屋で眠る訳にはいかないのだった。

「でも、びっくりしたよ母ちゃんは」

 台所で洗い物をしながら、天華がおかしそうに笑う。

「あんた、女の子たちをひょいひょい運んじゃうんだもんね」
「皆が軽いんだよ」
「いやいや、それでも、前までのあんたならあそこまで軽々とは運べないはずだよ。
 ホント、いろいろあったんだねえ」

 母のしみじみとした言葉に少々照れくささを覚えながら、才人はテーブルに座った。

「よ、お疲れさん。まあ飲めよ」

 向側に座った才蔵が、赤い顔で缶ビールを勧めてくる。幸せそうなその顔に、少々呆れてしまう。

「おい酔っ払い。俺は一応まだ高校生だぜ」
「何言ってやがる、異世界じゃ散々飲んだくれてたらしいじゃねえか」
「うわ、誰から聞いたんだそんなこと」
「あの色男……ギーシュ君だったか? 彼が、異世界でのお前の様子を嬉しそうに話してくれたのさ」
「あの野郎、明日の目覚ましはパワーボムにしてやる」

 ブツブツとギーシュへの恨み言を呟きつつも、才人は缶ビールのプルタブを開ける。
 才蔵が嬉しそうに自分の缶ビールを持ち上げた。

「よし。じゃ、我が家の馬鹿息子の帰還に乾杯だな!」
「おう。麗しき馬鹿親父殿との再会に乾杯だぜ」

 軽く缶を合わせたあと、一口だけ飲む。
 ハルケギニアでは基本的にワインばかり飲んでいたから、ビールの苦味はなかなか新鮮だった。

「しっかしまあ、ビックリしたなあ」
「何がだよ」
「父ちゃんたちだよ。まさか、俺がしらないところで、あんな漫画みたいなことやってるとはなあ……」
「ああ、そのことな」

 父は顔の前で両手を合わせた。

「内緒にしてて、ホント、すまんかった! お前には平穏無事な人生を歩んでほしかったもんでなあ」
「いや、別にいいんだけどさ、ただ」
「ただ?」

 不安だった。
 目の前の父は、以前の無口な(振りだったらしいが)サラリーマンとは、かなりかけ離れている。
 副業が忍者だったことといい、ひょっとしたら中身も自分の知っている父とは全く違うのではない
かと思うと、怖かった。
 言葉が続けられなくなってしまったとき、才人の後ろから細い腕が伸びてきた。

351:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:12:45 wgl8rEN/

「ほら、お飲みよサイト」

 目の前に椀を一つ置いた天華が、にっこりと笑う。
 椀から立ち上る懐かしい香りが、才人の鼻腔をくすぐった。自然と背筋が震えてくる。

「味噌汁、か」

 呟く声も震えている。天華が才蔵の隣に座りながら苦笑した。

「あんた、ずいぶん母ちゃんの味噌汁飲みたがってたそうじゃないか。
 女の子達が、すぐにでも作って食べさせてあげてって頼んできたぐらいさ」
「へえ。やっぱ、外に出りゃ家が恋しくなるんだな」

 からかうような才蔵の台詞に、冗談を返す余裕もなかった。
 才人は震える手をお椀に伸ばし、一口、口をつける。塩辛い味噌の風味が口いっぱいに広がった。
 目に涙が浮かんでくる。

「おいおい、味噌汁飲んだだけで泣くなよな」
「だってよ、ずっと食ってなかったからさ」

 才人は目元を乱暴に拭いながら照れ笑いを浮かべた。もう一口味噌汁を啜って、大きく息を吐く。

「やっぱ、母ちゃんの味噌汁はうめえや」

 あまり長々と感想を言うと本格的に泣き出してしまいそうだったので、才人は何とかそれだけ言った。
 その様子を見た天華と才蔵が、どこか安心したようにほっと息を吐いた。

「どうしたんだ?」

 怪訝に思って聞くと、両親は顔を見合わせて決まり悪そうに微笑んだ。

「いや、なんだな」
「なんかね、安心したんだよ」
「安心って、何が?」
「ほら、お前、なんか異世界でいろいろ危ない目に遭ってたって言うからよ」

 才蔵が頭を掻く。

「なんか、中身の方も殺伐とした感じに変わっちまってるんじゃねえかって、おっかなくてよ」
「だよね。でも安心したよ。あんたは相変わらず、間の抜けた平賀才人君みたいだね」

 両親が揃って才人を見る。眼差しには深い優しさと労わりがあった。

「間の抜けた、って、ひでえなあ」

 遠慮のない評価に少し笑ったとき、未だかすかに残っていた緊張が、体から完全に消え去るのを感じた。

(俺が、父ちゃんや母ちゃんが変わっちまったんじゃねえかって怖かったのと一緒で、
 父ちゃんや母ちゃんも、俺が変わっちまったんじゃねえかって怖かったんだな)

 だが、現実は優しかった。
 自分は殺伐とした性格になどなっていないし、父や母も自分の知らなかった一面があるというだけで、
眼差しの暖かさは以前と全く変わっていない。
 もっとも、以前は両親の眼差しの暖かさなどには全く気付いていなかったのだが。

(それに、何より)

 才人はまた味噌汁を一口啜った。

352:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:13:59 wgl8rEN/
(味噌汁の味、少しも変わってねえもんな。帰ってきたんだなあ)

 しみじみと改めて実感する。

「あ」

 と、才人は不意にあることに気がついた。

「やべえ、そういえば」
「なんだ」
「どうしたの」

 両親が驚き、身を乗り出してくる。才人は椀を置き、顎に手を当てて思案し始めた。

「どうしようかな。やべえよなあ、これ」
「なんだってんだよ」
「なんか、危ないことなのかい?」

 才人に合わせて、両親の声と表情もどんどん深刻なものになっていく。

「いや、あいつらのさ」
「おう」
「なんだい」

 一言も聞き漏らすまいとするかのように顔を寄せる両親に、才人はゴクリと唾を飲み込み、言った。

「飯の話なんだけど」

 一瞬の間の後、

「……は?」
「なんだって?」

 両親が聞き返してきた。才人は繰り返す。

「だから、飯の話」
「飯だぁ?」
「どういうことさ」
「いや、俺もホームシックにかかって味噌汁飲みたくなったしさ。
 あいつらも、ハルケギニアにいたときと同じようなもの食いたくなるんじゃないかなーって。
 どう考えたって、日本食が口に合う訳ねえしなあ……いや、シエスタならあるいは……」

 ブツブツと口に出しながら考える才人の前で、両親は顔を見合わせて呆れたように笑った。

「なんだ、そんなことかよ」
「そんなこと? 深刻な問題だろこれは」
「世の中には、そんなことよりもっと深刻な問題があるんだよ」

 天華が言うと、才蔵が「そうそう」と頷いた。

「俺はてっきり、さっきのあの妙な姉ちゃんがまた襲ってくるとか、そういうのかと思ったんだぜ」
「妙な姉ちゃん? ああ、ミョズニトニルンね」
「ミョズ……なんだって?」

 眉をひそめる才蔵に、才人はミョズニトニルンのことを簡単に説明してやった。

「ふーん。マジックアイテムを自由に使う残酷な女、ねえ。やっぱ危ねえ女だったんだな」
「っつっても、こっちの世界にはマジックアイテムなんかねえし、ほとんど無力なんじゃねえの?」

 才人が言うと、才蔵は真面目な顔で首を横に振った。

353:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:15:24 wgl8rEN/
「いや、そんなの関係ねえだろ。問題は、その女がこっちに殺意持ってるってことなんだからよ。
 別に、マジックアイテムなんかなくたって、ナイフ一本ありゃ人は殺せるんだぜ?」
「……それもそうか」

 才人は唸った。確かに、早計だったかもしれない。
 あの無茶苦茶に強いゴーレムを倒したから、もうミョズニトニルンなど相手にならないなどと思い込んでいた。

(でも確かに、あんだけズルっこくて、ジョゼフに忠誠誓ってる女だもんな。
 オマケに俺らに殺意持ってんだ。こっちの世界でも、何かえげつない手を使ってくるかもしれねえ)

 飯のことなど考えている場合ではなかった、と反省する才人に、才蔵が苦笑した。

「なんだ、その辺全然気にしてなかったのかよお前」
「だってよ、いろいろありすぎたし」
「ま、無理もねえか。しかし、そうだなあ」

 才蔵が顔をしかめながら、頭の後ろで腕を組む。

「そういう危険があるってんじゃ、やっぱこの家だといろいろ不便だよな」
「不便っつーと?」
「庭狭いから、仕掛けられるトラップにも限度があるだろ」
「トラップって」

 聞きなれない単語である。
 だが、父の正体を知ってしまった今となっては、驚くべきことだとも思わなかった。

「それに、俺ら三人だけならともかく、こんだけ人数が増えたんじゃ、全員には手が回らんかもしれんからな」
「そんなもんか?」

 ヨルムンガンドを破壊したときの漫画じみた戦い方を思い出すと、たとえどんな敵が何人来ようが
平気で叩きのめそうな気がする。
 そんな才人の期待じみた予想に反して、才蔵は困ったように頬を掻いた。

「いくら俺が鍛えてたって、一人でやれることには限界があるんだよ。
 一人守ってる間にもう一人がやられました、じゃお話にならんからな」
「そうだよ。平賀家は、異世界の皆さんのことを預かる立場になった訳だからね。
 責任持って、あの人たちの身の安全を確保しなけりゃならないよ」
「そうか。そうだな、その通りだ」

 両親の言葉に同意はしたものの、才人には分からないことがあった。

「でもよ、具体的にはどうすんの? この家じゃ、皆を守るのは難しいんだろ?」
「一応、考えはあるさ」
「っていうと」
「親父の力を借りる」
「親父って、源じーちゃんか?」

 言いながら、才人は遠くで暮らしている祖父の姿を思い浮かべる。
 常に人懐っこい笑みを浮かべている皺だらけの顔。
 年の割に子供っぽい老人で、遊びに行ったときはよく才人の相手をしてくれたものだ。



354:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:16:30 wgl8rEN/

「ひょっとして、源じーちゃんも、実は凄い人だったりすんの?」

 訊くと、才蔵はにやりと笑って頷いた。

「そうだ。本当は、かなりエキセントリックな爺さんなんだぜ」
「エキセントリック、ねえ。具体的には、どんなの?」
「源じーちゃんの名前を思い出せば、大体分かるだろ」
「やっぱそうか」

 才人は半ば呆れ混じりに、感嘆のため息を吐いた。
 祖父の名前は、平賀源内なのである。
 それだけで、本当はどんな人物なのか多少想像がつくというものだった。
 源内は今現在はアメリカのアーカムというところに行っていて、日本にいないらしい。

「なんか、知り合いのなんとかって博士に会ってくるとか言ってたっけかな。
 ま、あの親父がこんな面白いこと放っておくはずねえし、呼べばすぐに飛んでくるだろうよ」



 とにもかくにも、明日源内を呼んで相談してから決めることになった。
 その日の平賀家家族会議はそれでお開きである。
 才人は早々に居間に敷かれた布団の中に潜り込み、すぐにグースカと寝息を立て始めた。

「相変わらず、変に図太い奴だなあ」

 呆れる才蔵の隣で、天華が穏やかに目を細める。

「いいじゃない。本当に、無事に帰ってきてくれてよかったよ」
「まあな。しかし、異世界か。俺やお袋の情報網でも探し出せなかったから、どこに行ってるのかと思いきや」

 才蔵は憂鬱な気分になった。

「こいつには、平穏無事な人生を送ってもらうつもりだったんだがな。
 結局変なことに巻き込まれちまったのは、やっぱり血筋なのかねえ」
「そうかもしれないね。これからも、たくさん危険な目に遭うかもしれないよ」

 天華の眼差しに憂いの色が混じる。才蔵は努めて気楽に笑いながら、そっと妻の肩を抱いた。

「こいつなら大丈夫だよ。さすが俺達の息子だ。
 何も教えてねえのに、向こうでも案外たくましくやってたみたいだしな」
「そうねえ。ルイズさんやシエスタさんも、そんな風に……ああ、そうそう」

 天華が軽く手を打って、どことなく悪戯っぽい笑みを浮かべて問いかけた。

「ねえあんた。今日来た女の子たちのうち、誰がわたしらの義理の娘になってくれると思う?」

 才蔵も茶目っ気たっぷりに応じた。

355:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:18:02 wgl8rEN/
「そうだなあ。一番開けっぴろげに好意を示してるのは、やっぱあのシエスタって子だよな。
 本職のメイドさんってだけあって家事万能みたいだし、嫁にする分には申し分ねえだろうな。
 何より乳と尻もでかいし、あれはいい子を産むゲフッ」
「何馬鹿なこと言ってんだい、このセクハラ親父」

 肘鉄をモロに脇腹に喰らってむせる才蔵の隣で、天華が頬に指を当てる。

「ルイズさんも、素直になれてないだけで、なかなかこの子のこと気に入ってくれてるみたいだよね。
 才人の方もどうやら本命はこの子っぽいし。まあ、尻に敷かれるのは確実だろうけどさ」
「あのタバサってちびっ子も、終始無表情な割に視線がチラチラ才人の方見てた。
 ありゃ、かなり気にしてるぜ。頭も良さそうだし、何より謙虚で控え目だ。きっと、献身的に尽くしてくれるだろうよ」
「女王様、って呼ばれてた子はどうかねえ」
「あー、あの子か。綺麗だが、なんかこう、苦労してそうな感じだったな。
 どうかね。才人にあんな子が支えられるかどうか……」
「ティファニアさんも、彫刻かなんかみたいに綺麗な割に、凄く素朴で可愛い子だったね。
 才人のことどう思う、って聞いたら、『優しくて勇敢な男の子だと思います』なんて言ってくれたっけ」
「ほう。そりゃ脈ありだな。……っつーかあの子、乳スゲェよな」
「このセクハラ親父……と言いたいとこだけど、確かにね。あれは最初見たときぶったまげたよ。
 本人気にしてるっぽかったから、顔には出さなかったけど」
「才人にあんな乳が支えきれるかどうか……」
「意味分かんないこと言ってんじゃないよ、もう……
 色黒な子と、いかにも貴族って感じのクルクル髪の子は、残念ながら他に相手がいるみたいだったね。」
「目が鋭い剣士の姉ちゃんも、年離れてるのもあって、才人と恋愛しそうな感じじゃなかったなあ。
 ま、それでもこんだけ候補がいりゃ十分だろ」
「そうねえ。このモグラ息子には勿体無いぐらいだわ。あー、そう言えば」

 天華が苦笑いを浮かべた。

「もう一人、いたよねえ」
「あー、いたな。青い髪の、大喰らいの子。あの子よ、本当は竜なんだぜ」
「竜、ってかい。たまげたねえ、こりゃ」

 天華が感心と呆れが混じったため息を吐き出した。

「でも、それで合点がいったよ。いくらなんでもありゃ食べすぎだったからね」
「だよなあ。溜め込んだ小金が食費で吹っ飛びそうな勢いだったぜ、ありゃ」
「一応女の子ではあるけど、色気より食い気って感じかね、ありゃ」
「まあなあ」

 二人はぎこちなく笑いあった。

「あの子は、とりあえず候補から外しといていいかねえ」
「だろ。さすがに、あれはねえだろうよ」
「よし、そうなると、お嫁さん候補は五人ってことだね」

 天華が張り切った様子で腕をまくる。

「こりゃ、明日から気合を入れないとねえ」
「なんだ、なんかやるつもりなのかよ」
「そりゃもちろん。このモグラ息子に、こんなチャンスだ。
 これを逃したら一生巡ってこないかもしれないんだからね。
 あの手この手を使って、さり気なく売り込むつもりよ」

 気合の入りまくっている様子の天華に才蔵が苦笑したとき、
 不意に上の方から何やらドタバタ騒ぐ音が聞こえてきた。

「何だ」
「何かしら」

 二人は揃って首を傾げ、忍び足で二階に上がっていった。

356:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:18:45 wgl8rEN/
 才人の腕に抱かれて彼の部屋に運んでもらったとき、実はルイズはまだ起きていた。
 少々酔ってしまって眠気に襲われていたのも事実だったので、少しの間目を閉じて休んでいたら、
眠ったものと判断されたらしく勝手に運ばれてしまったのである。

(要するに、いい迷惑なのよ。別に嬉しくなんかないわ。
 全くこの馬鹿犬、勝手にご主人様の体に触ってんじゃないわよ)

 と、内心で文句を言いながら、ルイズはこっそりと薄目を開けてみる。
 才人はルイズの体を両腕で抱えながら、特に苦もない顔で歩いていく。
 そのくせ階段を上るときなどは足元にかなりの注意を払っていて、ご主人様を落とさないようにと
気を配っているのがよく分かった。
 そういったところから、彼の力強さと自分への気遣いが十分すぎるほどに感じられ、口元がにやけ
そうになるのを抑えるのに苦労したほどである。

(ま、あんたにしては上出来な態度だから、ご主人様の体に勝手に触れたことは特別に許してあげてもいいわ)

 幸せな葛藤に浸っていたとき、ちょうど才人が階段を上り終えた。
 背後から、才人の母が声をかけてくる。

「あんたの部屋に運ぶんだろ?」
「ああ。タバサはもう運んであるし、ルイズとシエスタも俺の部屋で寝てもらうよ」

 ちなみに、シエスタの方は才人の母に抱えられている。

(わたしはサイトに運んでもらって、シエスタはサイトのお母さん)

 つまり、眠り込んだ自分とシエスタを見て、才人は自分の方を優先して選んでくれたということである。
 ちょっとした優越感に、とうとう口元が緩むのを抑えられなくなる。
 単純に、万一運んでいる途中で目覚められたとき、どちらを運んだ方が波風が立たないで済むかと
か、そういう判断基準だったのではないかという気もしたが、とりあえず今は無視しておくことにする。
 蝶番が軋む音が聞こえてきて、才人がどこかの部屋の中に入ったのが分かった。会話の内容から察
するに、おそらく才人自身の部屋なのだろう。彼の部屋を今すぐこの目で見てみたいという衝動が湧
き上がってきたが、なんとか我慢する。

「で、誰をあんたのベッドに寝かせるの?」
「ルイズだな。こいつを床で寝かせたら、明日何言われるか分かったもんじゃねえや」

 そんな会話が聞こえてくる。つまり、自分は才人のベッドで寝て、シエスタは床で寝る、というこ
とになったらしい。ルイズはさらに気をよくした。

(当然と言えば当然だけどね。こいつ、何だかんだ言ってもわたしにメロメロだしー)

 得意の絶頂に上って鼻息を荒くしていたとき、ルイズの体がそっとベッドに横たえられた。

「おー、母ちゃん、俺の布団ちゃんと洗ってくれてたんだな」
「そうだよ。いつ、あんたが帰ってきてもいいようにね」

 そんな会話が聞こえてくる。
 目を瞑ったままなのでよく分からないが、体を包む柔らかい感触から察するに、どうやら才人が毛
布をかけてくれたらしい。
 彼の腕の中から離れたことを実感して、少々名残惜しさを感じてしまう。

「ほら、寝顔見てたいのは分かるけど、早く下降りるよ。起こしちゃまずいだろ」
「分かってるよ」

 小声で交わされる会話を聞いて、ルイズはある事実に気がついた。

357:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:19:41 wgl8rEN/

(ああ、そっか。今日は、才人と一緒には寝られないんだ)

 仕方がないことだ、とは思う。
 この世界の倫理観がハルケギニアと同一なのかは知らないが、さすがに結婚前の男女が同じベッド
で寝ていい、ということはないらしい。
 昨日までとは違う一人きりの夜を想像して少し寂しくなってしまったとき、ルイズの耳を吐息が
そっとくすぐった。

「お休み、ルイズ」

 心臓が爆発するかと思った。
 声が漏れそうになるのを必死にこらえ、息を止めたまま才人たちが出て行くのを待つ。
 閉められた扉の向こうから階段を降りていく二つの足音が聞こえてくる段になって、ルイズはよう
やく呼吸を再開した。
 ぜいぜい荒く息をしながら、そっと胸に手をやってみる。
 全力で走ったときよりもずっと激しく、そして熱く、薄い胸の内側で心臓が暴れ狂っている。

(なにこれ。なにこれ)

 顔と言わず腕と言わず、体全体が芯から燃え上がるように熱くなっている。
 皮膚一枚隔てた向こう側を、熱い血潮が物凄い勢いで駆け巡っているのが分かった。
 叫びたいほどの興奮と泣きたいほどの恥ずかしさと暴れ出したいほどの怒りと、そして何よりも、
今すぐ素っ裸で走り回りたくなるほどの、圧倒的な幸福感。それら全てがごちゃ混ぜになって、体が
内側から弾け飛んでしまいそうだ。
 どうやっても収まらぬ高揚感を無理に抑えつけるように、ルイズは体を丸めて布団の中に潜り込む。
それでも、やはり爆発的な気分の昂ぶりが抑えきれないので、彼女は布団の中でジタバタともがき始めた。

(もう、反則。これ反則。何してくれちゃってんの、あいつったら)

 限りない労わりと包み込むような優しさに満ちた、才人の囁きを思い出す。
 耳に吐息を感じるほどの距離で囁かれた「おやすみ、ルイズ」という声は、背筋を震わせるほどに
甘美で、暖かかった。

(なんなの一体。いつもはもっと素っ気ないくせに。毎晩あんな風に囁かれたら、わたし、もう)

 ルイズは目を瞑っていたことを後悔した。声音だけでこれほど心を奪われたのだ。一体、あの瞬間
の才人はどれだけ優しい笑みを浮かべていただろうか。
 なんとかそれを再現しようと、再び目を閉じて、必死に彼の微笑を思い浮かべる。闇の中に幾つも
浮かび上がった才人の顔が、一つ残らずこちらに向かって微笑みながら、甘く優しく、穏やかに囁きかける。

『おやすみ、ルイズ』

 体がとろけてしまいそうなほどの幸福感に包まれて、ルイズは思い切り顔をふやけさせた。

「えへ。えへへぇ……おやすみぃ、サイトぉ……」

 締まりのない声が口から零れるのを、どうやっても止められない。

358:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:22:09 wgl8rEN/
 そうやって、ルイズはしばらくの間一人幸せを噛み締めながら布団の中で悶えていたのだが、ふと
視界の隅に映ったものに気がついて、一瞬で現実に戻ってきた。
 それは、ベッドの端をつかんでいる誰かの手だった。
 無言で布団をどけると、床からベッドに向かって手を伸ばしているシエスタがいた。
 睨みつけてやると、彼女は不満げに唇を尖らせた。

「ずるいんじゃありませんか」
「何がよ」
「ミス・ヴァリエール、一人だけでサイトさんのベッドで眠るだなんて。わたしなんて床なのに」

 ここぞとばかりに、ルイズは勝ち誇って笑った。

「あら、当然の構図じゃない。いやよねえ、サイトったら、命令してもいないのに自然とご主人様に
 自分のベッドを提供してるんだもの。でも良かったじゃない、シエスタだって忘れずに寝床用意し
 てもらってるんだし。まあ、わたしはベッドで、あんたは床だけど。あんたは床だけど。床だけど」
「しつこく繰り返さないでください! とにかく、わたしもそっち行きますからね!」

 怒りながらシエスタがベッドに上ってこようとしたので、ルイズも負けじと彼女の体を押し返す。

「ちょっとあんた、誰の許しがあってこのベッドに上がろうとしてんの? 
 ここは貴族専用よ。貧乏臭いメイドは床で寝なさいよね」
「こんなときばっかり貴族風吹かさないでいただけますか。
 大体、サイトさんの世界に来たからには、貴族がどうとかますます関係ありませんよねえ?」
「それでもわたしたちはハルケギニアの人間でしょうが」
「あら、わたし、この世界の人の血もいくらか混じってるんですけど?」
「あ、そう。それは良かったわね。でもあんたは床で寝なさい」
「何ですかそれ! さっき悶えてたの見てましたよ。どうせ、『いやーん、サイトの残り香ー』とか
 言って興奮してたんでしょ!?」
「そんなことしないわよ、変態じゃあるまいし!」

 すっかりいつもの調子で喚きあいながら、二人はベッドの端で取っ組み合いを始める。
 そのとき、おもむろに彼女らの隣を通り過ぎようとする影があった。

「待ちなさい」

 と、ルイズが手を伸ばしてつかまえたのは、寝惚け眼のタバサであった。

「あんた、なにさり気なくわたしのベッドに入り込もうとしてるの」
「勝手に自分のものにしないでくださいよ!」

 シエスタの怒鳴り声など当然無視である。
 ルイズがタバサの答えを待っていると、彼女はぼんやりしたまま小さく首を傾げた。

「眠いから」
「だったら床で寝なさいよ」

 床にはシエスタだけでなく、タバサの布団も敷いてある。それを指差してやると、彼女は不満げに首を振った。

「寝心地が悪い」
「だからなによ」
「わたしもこっちがいい」

 呟きながら、自分をつかむ手を器用に解いて、コロンとベッドに転がり込む。ルイズは叫び声を上げた。

「ちょっと、やめなさいよ! あんたの臭いがついちゃうでしょ!?」
「やっぱり臭いのこと気にしてたんじゃないですか!」

 タバサを放り出そうとつかみかかりながら、後ろのシエスタには遠慮なく蹴りを浴びせる。
 それが戦闘開始の合図になり、三人は才人のベッド占有権を巡って夜通し騒ぎとおすこととなった。


359:平賀さん家へいらっしゃい~初めの夜~
07/10/23 01:23:25 wgl8rEN/

 そんな三人娘のみっともない騒ぎを、才蔵と天華は部屋の外からこっそりと眺めていた。

「すげえなこれ」
「だねえ。思った以上に、皆才人に夢中みたいだね」

 天華がニヤニヤ笑いながら言う。才蔵の方も、嬉しいながら少々納得いかずにブツブツと呟く。

「なんだかなー。俺の方がナイスミドルでいい男だと思うんだが、才人ばかりが何故モテる?」
「馬鹿なこと言ってないの。オジンに用はないってことだろ」
「ひでえな母ちゃん!」
「いいじゃないの」

 天華は微笑みながら、才蔵の腕に自分の腕を絡ませた。

「あんたがいい男だっていうのは、わたしだけが分かってりゃいいんだからさ」

 囁きながら、才蔵の肩に頬を寄せてくる。
 結婚し、才人が生まれてから十数年は経つが、天華は今でもたまに、こういう悪戯っぽい仕草を見
せることがある。
 そのたび何か上手いジョークで切り返してやろうと思うのだが、大抵頭が熱くなってしまって何も
言えずじまいになるのだ。
 今回もその通りになり、才蔵は金魚のように口をぱくぱくさせることしか出来なくなった。

「なに赤くなってんの」

 天華がからかうように笑いながら、楽しそうに才蔵の頬を指で突いてくる。

「うるせえな、別に何でもねえよ」
「父ちゃんったら照れちゃってもう。そういうとこ、昔っから全然変わんないよね」
「だーもう、うるせー! 布団の中で泣かすぞこら」

 破れかぶれに下品な冗談で誤魔化そうとすると、天華は艶っぽい微笑を浮かべて、上目遣いに才蔵
の顔を見上げてきた。

「あら、あんたがいいなら、こっちはいつでも準備できてるよ?」

 何となく気まずくなって、才蔵は目をそらす。

「……い、いや、今日はちょっと……ほら、才人も横で寝てる訳だし……」
「……なんで普段は下ネタ連発するくせに、いざ本番となると照れまくるのかねあんたは……」
「うるせー! いいから寝るぞ、ほら!」
「はいはい」

 才人の部屋から漏れ聞こえる喧騒を背後に、平賀夫妻は楽しげに階段を下りていった。

360:205
07/10/23 01:24:50 wgl8rEN/
今日はここまでで。

361:名無しさん@ピンキー
07/10/23 01:44:02 wn+wUb5a
乙、待ってたよ
バカ夫婦、今からでも遅くない、サイトに弟か妹をプレゼントするんだ!

362:名無しさん@ピンキー
07/10/23 01:58:59 dfICAZLK
>ヌィーマリーゴ氏
うへぇ、なんつーGJ。にやけ顔が収まりませんwwwwwww
というか、源じい で、大工を想像して、
源内で ”ああっ?!” と度肝を抜かれ、(関係考えるの秀逸だ。おみそれしました)
アーカム で厨せって(ry(まて

ってか、とーちゃん アームズ系かと思ったらスプリガンかよっ!?
そのうち、ミョズなんとか vs マルチドライバー なんて構図がみられ(いっぺんしんどけ

>361
ひとりっこじゃなかったら、きっと「全寮制の女学校から一時帰宅した妹」が現れて、
ひと悶着ありそうだよね…{それなんてToLoveる?

363:名無しさん@ピンキー
07/10/23 02:51:20 ffgN/fJB
>>360
超GGGGGGGGJJJJJJJJJJ!!!
この話の続きを楽しみにしていたので、たまに続きをうpしてくださることを
楽しみにしております!!!

364:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/10/23 03:55:50 34pOLfR6
URLリンク(wikiwiki.jp)
前回「水兵服とメイドの不安」には前編とは書いていなかったのですが、
シエスタが書き足りなかったのでその続き(後編)を投稿しました。
その次の回の前編も投稿してあります。
変則的な投下なので直接投稿にしてあります。
よろしければ上のリンクから見てください。
では。

365:名無しさん@ピンキー
07/10/23 04:17:01 sxMBerp5
>>360超GJ!!いい夫婦ですなぁ。サイトのにおいを巡って戦う三人もかわいい。
それに争奪戦も誰が親に気に入られるか本当に気になる。wktkして待ってる。


でも・・・ミョズが可哀相すぐる。まさか野宿とか・・・飯も調達難しいし・・・ホームレス当然の生活になるんじゃないか?


・・・いかん涙が出てきた

366:名無しさん@ピンキー
07/10/23 04:20:31 +34f7/nw
>>365
そこで>>24の光景を想像するんだ。

367:名無しさん@ピンキー
07/10/23 04:27:56 p+Ck3Isb
>364
エローイイ!!!
お口でご奉仕、イイなあ。エロいなあ
GJ

>360
続きが超気になるんだぜ
ルイズもシエス子もタバっ子もかわいいなあ。かわいいなあ。

368:名無しさん@ピンキー
07/10/23 09:26:55 HCyxm+J0
>364
シエスタつえーっ
と思ったらルイズもつえーっ、ドーピングだけど
あとお約束とは言え
モンモン
自重


369:名無しさん@ピンキー
07/10/23 10:38:50 rKhMQ2Uz
>アーカム
じいちゃんの訪問先は、アーミティッジか シュリュズベリイか……
よもやウエストではあるまいなw

370:名無しさん@ピンキー
07/10/23 12:56:26 L78+sinl
>>369
アーカムと聞くと、魔術的なナニかではなく、真っ先にAMスーツやら連想する俺。
誰か皆川タッチで漫画描いて、ね?

371:名無しさん@ピンキー
07/10/23 13:59:09 F3QJQWOL
>>370
やるときゃやる男、コルベールは山本さんしか無いなw
後は・・・ティアが性格だけはタバサかなw?

372:名無しさん@ピンキー
07/10/23 16:48:04 /+SdTF3X
>>364
シエスタエロ過ぎ
ルイズ甘過ぎ
なんというピンク色小説

373:名無しさん@ピンキー
07/10/23 16:55:36 YA0+gepD
ミョズは「どんな道具でも使いこなしてしまう」という能力があるから、
実は魔法の世界より科学全盛のこっちの世界のほうが、意外と相性いいかもよ?

むむむ、ミョズの就職活動ネタで電波を受信した!! www
エロというよりコメディだけど

374:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:09:09 CbeuTG7d
>>373
魔道具のみ

375:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:24:05 eJOXdxRJ
むしろ才人ならどうなるんだろうか?
車とか重機とか

376:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:27:12 YA0+gepD
サイトは「武器以外ダメ」って設定あるよ

377:名無しさん@ピンキー
07/10/23 18:20:12 ucPZUPjN
>>376
零戦は操縦出来たって事は、車だろうがバイクだろうが機関銃でもつけてやりゃ
某「お前に生命を吹き込んでやる!!」の人になれるわけだ

378:吝嗇 ◆VGcQsuiCww
07/10/23 19:12:11 UKKj1zPe
これより一本投下します

タイトルは「GIFT」

379:GIFT(1)
07/10/23 19:13:09 UKKj1zPe



地球から遠く離れた異世界の大陸ハルケギニア


この世界の多くの事象が魔法によって動いているように、俺がかつて居た世界は科学に支配されていた
科学はその進化の過程で、当時の地球にはありえない物から影響を受けた痕跡を数多く残しているらしい
オーパーツとかオーバーテクノロジーとか言われているそれらはどこかの世界から一方的に送られた物で
それが後の地球にいい影響を及ぼしたのか、それともいずれ来る破滅を早めた物なのかはまだわからない




トリスティン魔法学院の静かな裏庭、分厚いが軽い多孔質の石で囲まれた半地下の部屋
日本の基準でいえば12畳ほど、ガラン洞の部屋の中、俺とルイズは手を握りながら魔方陣の中心に居た

ルイズが呪文を詠唱する

俺の体内を何か気味悪い物が通過する感触、手のルーンが熱い、頭が、脳のどこかがもっと熱かった

爆発

魔方陣の中心には俺とルイズ、そして煙を発する何かが三位一体の調和を描くようにそこにあった



未だ全貌の知れない虚無の使い手にして魔法学院の劣等生、ルイズは最近、新しい魔法を習得した

俺は手を離してしゃがみこみ、自分とルイズの前に現れたもの、俺と彼女が召喚したものを手に取った
いくつもの銀色の星が光る白い箱、それは中身が半分ほど無くなった煙草、セブンスターの箱だった




俺とルイズの協力によって発動する魔法は、異世界の物品、俺の世界にある物々を召喚する魔法だった




380:GIFT(2)
07/10/23 19:13:47 UKKj1zPe


最初は偶然だった、明日の筆記試験に備え、部屋を歩き回りながら召喚の呪文を暗誦していたルイズが
例の如くすっ転びそうになり咄嗟に俺の手を掴んだ、突然、魔法が発動し、出てきたのはカマボコだった

その魔法をルイズが習得して以来数回目の召喚魔法実験、この世界で某かの役に立つ物は出てこなかった



ルイズの魔法に付き物の爆発に対応する為に、軽石に似た材質の石壁に衝撃吸収の魔法を施した部屋
どこかで似た物を見た記憶がある、俺が通ってた都立高の裏、ブロックで囲まれたプロパンの貯蔵所


プロパン部屋の中には数人の人間が居た、オールド・オスマンと、実験結果の記録を志願したコルベール
そしてルイズの担当教官シュヴルーズ、赤土のシュヴルーズの二つ名を持つ肝っ玉オバサンだった
家では8人の子供を育て上げ、故郷を離れて寄宿舎で暮らす学生からは「お母さん」と慕われる教師
「魔法は使い手の人生を語る」という古えの言葉を地で行くような、智仁勇兼ね備えたメイジだった

今日は土系統の魔法を詠唱に取り入れた実験をする為、学院きっての土のメイジに特に同席をお願いした



俺はセブンスターのソフトパックを摘み上げた、俺が生まれた世界に居た頃に触れたくもなかった物
煙草は俺にとって依存性につけこんだ合法毒物だった、俺の祖父と叔父は肺気腫と食道癌で早死にしている

「これは確かに俺の居た世界のものです、しかし何の役にもたたないものです、焼き捨ててください」

潔癖なコルベールも、コカに似た葉の水キセルを時々嗜むオールド・オスマンも、その紙巻煙草を眺め
匂いを嗅ぎ、合成香料と調味料のたっぷり入った日本製煙草の臭いに顔をしかめると、俺の言葉に頷いた

シュヴルーズ先生はセブンスターの箱を拾い、艶のある紙に印刷された幾つもの星に指で触れ、呟いた

「……これは…贈り物です……」

「贈り物?この世界をまた一つ汚くする贈り物ですか?それは俺の世界では百害あって一利ない物です」

落ちこぼれのルイズや優等生のタバサ、素行不良なキュルケを分け隔て無く育てる母の言葉には抗えない

「汚いもの、利のないもの、そんな物は決して存在し得ません、それを手にとる人間が道を誤らなければ」



煙草は嫌いだ

でも俺が子供の頃、ドライブに連れてってくれた叔父さんがプジョーを運転する前と後に必ず吸う煙草
その匂いは嫌いじゃなかった、フィルターの無いジダンの煙を幸せそうに吐く叔父さんが大好きだった


「……贈り物…そうかもしれないな、お中元だって美味いもんばかりじゃないし……」



                それは贈り物の物語





381:GIFT~トカレフとバチェラー(1)
07/10/23 19:14:57 UKKj1zPe


ルイズはまたしても召喚魔法に失敗した
大仰な儀式の結果、またしても俺の世界からゴミクズをお取り寄せしてしまった


オールド・オスマンの話によると、この魔法はルイズの体調や、なぜか俺とルイズの精神の同調に
大いに関係しているらしく、数日に一回、この世界の二つの月が接する日に発動することがわかった
結果として月がその位置を取る日の昼休みは召喚魔法実験の日に当てられ、俺達は数回の実験を重ねた

何かこの世界の助けになる物を召喚する事を成功とするなら、ルイズの今までの召喚に成功例は無かった

召喚された物々について解説させられるのは俺の役目なんだが、俺の目から見ればどれも役立たずだった
この世界の魔法に似た、俺の世界の科学には、何の役にも立たない物を発明するトホホな発明家や
頭のネジの飛んだトンデモな科学者が多く居たが、ゴミ召喚のルイズもまた同類なのかもしれない

召喚将軍ルイズ様は出てきたガラクタについての俺の否定的な解説を聞いて、屈辱に肩を震わせている

方位磁石や鉛筆、何かの役に立ちそうな物も、俺は半ば強引にゴミ扱いした、そのほうがいいと思った

もしも俺の居た地球に異世界から何かが送られてくれば、たとえそれが焼き竜の食いカスであろうと
それなりに珍重され、オカルト番組を賑わせたり、しかるべき研究機関に所蔵されたりするんだろうが
地球の中世に似たこの世界は妙に保守的で、諍いの種にもなりうる異世界の物々に対しては慎重だった
結果、召喚した物の処遇には俺の裁量が認められていて、俺はほぼ全ての召喚物を「無かった事」にした

以前の魔法実習で出てきたのは、カップ焼きソバの空容器と日本たばこ産業謹製の食卓塩だった
同席してたシエスタは四角い容器の樹脂の臭いを嗅ぎ、塩化ナトリウムと漂白剤の味しかしない塩を舐め
「サイトさんはひどい世界に居たんですね」と、哀れむような目で見た、俺は何となく恥ずかしかった

本日ルイズが召喚したゴミはふたつ、紙束と鉄の塊だった、一冊のエロ雑誌と一丁の拳銃

俺は自分がかつて居た世界を思い起こす物を暫くいじくっていたが、結局それを学院のゴミ箱に捨てた


グラスファイバーの箱に納まった拳銃はオモチャではなく、30口径の弾丸がひと箱、同梱されていた
ゴーレムより強硬なコンクリートブロックを砕き、オークより強い熊を一撃で倒せる強力な軍用拳銃
脳裏にあのゼロ戦が浮かんだ、スロットルの握把を引いただけで落ちていく竜騎兵、後に俺を苛んだ感情

それは戦争の道具だった、俺の居た世界での戦を、無名兵士による大量殺人の場に変えた物のなれの果て
戦では個々の戦士が名乗りを挙げて互いの武を競い合うこの世界にあってはいけない物のような気がした
この手で命を奪う感触を忘れ、スイッチで人を殺すようになった俺の世界の恥部を持ち込みたくなかった

俺が生まれ育った世界の物が、俺の大切な人の生きる世界の血を流す姿なんてこれ以上見たくなかった



382:GIFT~トカレフとバチェラー(2)
07/10/23 19:15:42 UKKj1zPe


数日後

俺は随分昔に聞いた歌を口ずさみながら、自室のベットの下や本棚の裏、部屋のあちこちを探していた
ドアがバン!と開く、部屋主が現れた、何かを握りしめたルイズが怒りに震えながら仁王立ちしている


ルイズが持っていたのは一冊の雑誌、俺がさっきから井上陽水を歌いながら探していた失くし物
あの召喚魔法実験の後、拳銃とともに捨てたゴミ捨て場からこっそり部屋に持ち帰って藁束に隠していた
俺の居た便利で快適な世界からこの古臭い場所に召喚された、アメリカのヌードグラビア雑誌だった


「……サイト……サイトはこんなものを……こんなものを見て……わたしに内緒で何をしてたの?」
ルイズはスイカのようなバストを誇示したピンク・ブロンドの女性のグラビアを開き、俺に突きつける
その雑誌の中に居たのは、革命的バストのティファニアがローカルチャンプと思えるほどの世界ランカー達

「……女にこんなあられもない姿をさせて書物の中に閉じ込めるなんて、大した魔法だわね……」
ルイズの怒りの炎が見える、俺なりに彼女の怒りにはランクをつけてたが、今の状態はジッポの炎

この時代の本の多くは原始的な活版印刷で、ヴィジュアル的な楽しみは単色の粗末な挿絵だけだった
俺の居た世界では読み捨ての週刊誌にすらあるヌードグラビアは、この世界から見れば美女の牢獄だった

「しかもぉ!…なんでこんな…よりにもよってこんな!こんな!頭の悪そうな女ばっかりなのよぉ!」
雑誌をめくりながら、揃って巨乳美女のグラビアを突きつけるルイズは怒りのキャンプファイアを燃やす

その雑誌は創刊以来、豊満で肉感的なヌードを売りにしていて、俺達は「巨乳のバイブル」と呼んでいた

ヒステリックに泣きながら辺りにあるものを何でも俺に投げつけ、雑誌で殴りかかるルイズ
俺の胸を拳で殴っていたルイズは、突然自分の体を両腕で抱き、ひときわ大きな声で泣き始めた


「うっ…うわぁぁあん!だって仕方ないじゃない!無い物はしょうがないじゃないのぉ!うぇぇん…」



383:GIFT~トカレフとバチェラー(3)
07/10/23 19:16:29 UKKj1zPe


自分の胸を両手で掴みながら大声で泣くルイズ、俺には彼女が自分で燃やした焚火に飛び込む様が見えた

「誤解するな、俺がこれを持っていたのは文字が懐かしくなっただけだ、大体こういう女は好みじゃない」

その雑誌は日本語版も出てるが、ルイズが召還したのは原版で、ついでに言えば俺は英語は全く読めない
大味な巨乳白人が好きじゃないのは事実、その雑誌には年増が多いし、何度か使ってみた正直な感想だった

「慰めなんてやめて!どうせサイトはこんな胸なんて…わたし生まれなきゃよかった!こんな体なんて!」

泣きながら自分を傷つけるルイズの両肩を強く掴んだ、痛みに抗議の悲鳴を上げる彼女の感情が俺に向く

「好きだから…だよ!…好きなひとの胸が俺の好きな胸だ!俺はルイズの胸が世界一好きなんだ!」

その言葉を天地神明に誓う事は出来ないが、俺への怒りを自分自身に向け、自分を傷つけ始めたルイズに
何かをするのは、俺が使い魔として、あるいはそれ以前に俺が彼女にしなきゃいけない事のように思えた

「……本当…?…嘘だったら殺すわよ……嘘だったら…わたしも…もう生きていたくない……」

ルイズを睨み、悲観的な言葉を吐く彼女を諌めた、沈んでた瞳がもう一度俺に向けられる、複雑な感情

「サイトは嘘ばっかりつく…本当なら証明して、一生わたししか見ないって、わたしの為なら死ねるって」

俺の言葉を拡大解釈するルイズの悪い癖も今は気にならなかった、黒い感情は全部俺にぶつければいい

「……サイト……してよ!……これと同じこと、してよぉ!してくれるまで許さないんだから!」

ルイズが見もせずに無作為に開いて突きつけたページでは、筋骨逞しいアフロ・アメリカンの大男が
四つんばいの巨乳白人女を背後から貫き・・・俺には理解できない習慣だが・・・絶叫しながら射精していた

「俺に出来ることは全てしてやる、俺はお前の使い魔だから、お前が好きだから、出来ることなら」

俺は開いたままのページに映ったナスビ色の巨根をチラっと見て、自分のせつない部分を指で弾き
「出来ることなら、な」と呟いた



384:吝嗇 ◆VGcQsuiCww
07/10/23 19:18:27 UKKj1zPe
以上です

「今」より少し後の、少し大人になった才人とルイズのお話でした

続きは後日、投下します

385:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:20:06 9DTCYKn2
>>384
リアルタイムGJ!

386:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:24:42 wnccQ+nP
こういう文章だと句点がないのはすごく気になる……

387:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:40:01 dHE6RnSj
保管庫で
ゼロの飼い犬の13と14が更新されている件について

388:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:56:49 dHE6RnSj
↑作者様が自ら更新の報告をしていたのにスレも読まずに
何をやっているんだ俺はorz

389:名無しさん@ピンキー
07/10/23 20:14:05 MH++oV19
>>388
ドジっ子のお前に萌えた

390:名無しさん@ピンキー
07/10/23 21:02:09 lUnWpJAg
ミョズニトハウスはダンボール
いや、ふと思いついただけだが

>>S-M氏
シエスタエロ杉
ルイズ可愛杉

サイト惚れ薬は滅多に見ないネタだから純粋に気になりまつ

391:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:13:50 fHA7nS1H
>>577
俺の考えだけどサイト、もしくはガンダールヴの印が武器だと認知できればいいと思うんだ。
例えば石とか木の棒でも武器にはなるからさ…

392:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:16:23 fHA7nS1H
>>377
だったorz

393:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:44:01 L78+sinl
そこで訂正しちゃダメでしょw
「すげぇロングパスだな」ていうツッコミとか>>577取りとかしたかったのに。( ・з・)

394:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:51:13 Ppr+pFcU
10や20ならまだしも…
200のロングパスは㍉だろう

395:名無しさん@ピンキー
07/10/23 22:52:38 TPTKF3d/
何そのダメ出しwwww

396:ひらがさんチ~お勉強編~
07/10/23 23:03:00 fdMudweF

 ハルケギニアの友人達が、地球にやって来てから数日ほど。
 分からなければいろいろ不便だろうと考え、才人は友人たちに日本語の読み書きを教えることにした。

「きゅいきゅい。シルフィはお利口さんだから、すぐに覚えちゃうのね!」

 そう言っていたシルフィードには、小学生向けの読み書きドリルをプレゼントした。
 彼女は二週間で日本語をマスターした。

「この世界で出来る限りたくさんの書物を読み、その知識をハルケギニアに持って帰りますぞ!」

 そう意気込んでいたコルベールには、基本的なものから専門的なものまで、様々な技術書や教科書をプレゼントした。
 彼は一週間で日本語をマスターした。

「……日本語が読めないと、こちらの世界での本が読めない」

 困っていたタバサには、流行のものから古典的な文学作品まで、多種多様な物語をプレゼントした。
 彼女は三日で日本語をマスターした。

「なによ。本ぐらい、あんたがわたしに読み聞かせればいいでしょ?」

 不満げだったルイズには、豊胸に関する本を十冊ほどプレゼントした。
 彼女は一日で日本語をマスターした。

「こっちに来てまで勉強したくなんかないなあ。ところでサイト、その女の子が描かれた箱はなんだい?」

 やる気なさげだったマリコルヌには、魔界天使ジブリールと私立アキハバラ学園とグリーングリーンをプレゼントした。
 彼は三十分で日本語をマスターした。

397:205
07/10/23 23:04:13 fdMudweF
小ネタ思いついたので投下してみる。
真面目な話、エロゲは音声と文章が同時に流れるので、
日本語勉強の手法としてはそこそこ優れているような気がしなくも……いや、やっぱねーわw

398:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:10:54 fFVuTu27
205さんGJ.
鞠wwww

399:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:25:19 ucPZUPjN
こいつら日本語マスターしすぎでしょーwww
GJ

400:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:43:35 4hgR7tdm
恐ろしく優秀だなハルケギニア勢www

401:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:44:56 FV4ahmAg
ふぅ…タバサの冒険2読み終わったぜ

402:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:05:58 eJOXdxRJ
ギーシュも同時に覚えてそうだなw

403:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:14:48 jAoQMlr7
205さんGJ
隠語もすごいおぼえそうだなw

404:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:17:29 Y5XJBcAy
女の子が書かれた箱と聞いてモエコンを想像した俺ガイル

405:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:32:03 MP7i0WEL
オレもこのスレで日本語の勉強したw

406:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:37:20 ZAYIkPAz
>>384
ジダン じゃなくて ジタン ね
吸ってるだけに気になったんで一応

407:fell
07/10/24 00:55:56 ZrQKMkCm
投下
また非エロです、ご勘弁を

408:fell
07/10/24 01:00:15 ZrQKMkCm
茜空

ぼんやりと紅に染まる空を眺めて思う故郷の事。
高いビルが並びそしてちっぽけだが確かに存在する俺がいた。
友がいて家族がいて嫌いな奴がいて・・・そんな世界。
今も同じ様に友もいて仲間がいて・・・恋人もいるこんな世界。
二つとも大事な仲間がいて・・・二つとも立派な俺の故郷。
帰る術は見つかった、手を伸ばせば直ぐに届く懐かしき始まりの故郷。
しかしそこには帰らない。
流されやすい俺が久しぶりに自分で決めた決断。
最後まで帰らない。帰る術などいらない。
それが今まで努力して来て手に入れたものなのだけど、
いろんな奴に迷惑をかけて手に入れたものなのだけど、
今の俺にはどんな物にも変えられない
そしてこの故郷にしかない者がいるから。
「・・・帰ろ、サイト」
涙で潤んだ瞳の少女を見て
「馬鹿、俺には家なんてないんだぞ?」
ちょっと意地悪を言ってみる。
「あんたくらい養ってあげるわよ、ヒラガサイト」
その一言にちょっと驚いたけどある意味では使い魔卒業なのだろうか?
それともクビ?
「・・・私とずっと一緒にいてくれる?・・・使い魔としてじゃなくて・・・?」
不安げな質問に俺は接吻で答えた。

409:fell
07/10/24 01:02:45 ZrQKMkCm
どう書いてもエロが書けん・・・
楽しんでもらえれば光栄です

410:名無しさん@ピンキー
07/10/24 01:24:55 PMeUU44J
>384
『闇よ落ちるなかれ』が大好きな俺には違和感が

タバコ栽培もグラビア印刷もハルケギニアで始めちゃえばいいじゃんいいじゃん

411:名無しさん@ピンキー
07/10/24 02:27:15 IY9idBM+
紙巻き煙草から栽培できる訳ないし
印刷物があっても印刷技術を再現できる訳じゃない
まぁこのサイトは見事に歪んでるっぽいのでその辺はどうでも良いんだろうけど

412:名無しさん@ピンキー
07/10/24 03:28:26 wE0sekKT


413:名無しさん@ピンキー
07/10/24 09:59:41 r3T4dXVy
>>409
ん、GJ。叙情詩のようだ。

414:名無しさん@ピンキー
07/10/24 18:58:05 7hSzFMfi
冒険2巻読んだが今回は最後がちょっと暗かったような・・・・鬱っぽい心理
状態に置かれてる

ただシルフィ人気は高まりそうな予感w

415:名無しさん@ピンキー
07/10/24 22:59:02 J89mGWuZ
ところでアニエスの村がコルベール達の襲撃にあった時、
アニエスって何歳だったんだ?記述あったっけ?

416:名無しさん@ピンキー
07/10/24 23:52:28 LGcS8XWJ
原作六巻から引用。

ヴィットーリアさんが漂着した時

>二十年前のその日、アニエスはまだ三歳であった。

焼き討ちされたのは

>トリステイン軍の一部隊がやってきたのは、それから一ヶ月後のことであった。

417:415
07/10/25 00:05:35 J89mGWuZ
>>416
丁寧な返答ありがとうございます。
なんかSS書いてて「もしや?」と思ってたんだわ。
さすがに三歳じゃ、俺の話は成り立たねぇなぁ……orz

418:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:16:10 GtAKui9J
>>417
え?コッパゲのロリコン疑惑浮上か?

419:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:23:14 Vt4O/cI6
>>418
ご期待にそえず、申し訳ない。
ただの非エロです。むしろエロなら襲撃の年じゃなくてもいいのですがね。
5~7歳くらいだったら良かった。

420:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:36:36 Lii9Sanu
明日(厳密には今日)18禁版アンソロジー本(出版:オークス)が
出るらしいけど、買う奴居る?
俺は一応楽しみなのだが。


421:名無しさん@ピンキー
07/10/25 00:45:41 JWhue2G3
そのアンソロ探してみたらYahooブックスで耽美に分類されてて吹いたw
URLリンク(books.yahoo.co.jp)

422:雪風の作戦
07/10/25 00:53:12 /51Lkj8Y
 この二週間、この日にかけて準備をしてきた。
 全ては今日のこの日、憧れの彼であり、守るべき彼であるサイトに喜んでもらうために。
 タバサがその行動を起こすきっかけとなったのは、二週間前のある日のことだった。

 タバサがサイトを求めて歩いていると、その会話が聞こえてきたのだった。
「うむむ……サイトよ。その萌えというのは奥が深いな」
「ああ、そうだ。たとえば、キュルケだ」
 聞こえてきたのは火の塔の裏から。普段は誰もいないはずなのに、珍しく人の声がする。
 サイトの声だ。
 そう認識したのが最後だった。気がついたら、私は木の後ろの隠れてサイトとギーシュの様子を覗いていた。
「褐色の肌に素晴らしいプロポーション。挑発的な態度に自信たっぷりなあの余裕。娼婦のように艶やかなあの姿に萌えるやつだっているのさ。まあ、ほとんどの奴が欲情するだろうけどな」
「なるほど。となると、モンモランシーにも?」
「ああ、いるだろうぜ。浮気性な彼を持ちつつ、それをグッと我慢して健気に待つ姿。素晴らしいじゃないの」
「それを言われると頭が痛くなるよ」
 萌えってなんだろう……。
 私がそうやって悩んでいると、能天気な声が上から響いてきた。
「おねーさまー。何してるのかしらー?」
 ……タイミングが悪すぎる。どうして私の使い魔は、空気が読めないんだろう。少し殺意を感じながら、私は空を見上げた。
「うるさい」
「ひどいのね!」
 まあ、こんなやりとりをしてると、あの二人にも気づかれるわけで。
「あれ? タバサじゃん」
「聞かれてたようだね」
 ばれた。
「何を話してたの?」
 内心では、何か文句を言われないかとドキドキしてたけど、そこはうまく隠して質問する。
 でも、今の二人には私の質問は聞こえてなかったみたいで、また二人で話に夢中になる。
「タバサ……この彼女にも、萌えというものはあるのかい?」
「ああ、大有りだぜ。なんといってもまずは眼鏡だな」
 私のことが話題になって、思わずビクッと体を震わせてしまった。
「眼鏡は重要な萌えポイントだ。眼鏡をかけているというだけで萌えるやつもいるんだぜ」
「なるほど、それほど重要なアイテムだったのか。……言われてみれば……う~む、モンモランシーにも眼鏡をかけさせてみたい」
 ……だから萌えってなんなの? そう質問しようと思ったけど、今の二人には無駄みたい。とりあえず話が終わるまで待つことにしよう。
「あと外見的特徴は……スタイルだ。小柄な体に控えめな胸。お世辞にもスタイルがいいとは言えない! だが! 世の中にはそれに萌える男もいるのだ!」
 なんだか随分と失礼なことを言われた気がする。小柄な体、控えめな胸……気にしてるのに……。サイト酷い!
「随分と熱弁するね。君もそうなのかい?」
「……否定はしないぜ」
 否定はしない=嫌いではない=好き=好みのタイプ=私はサイトの好み=チャンスあり。
 にへら。
 思わず表情が緩んでしまった。この緩みを隠すために私は顔を下に向ける。小柄な私だから、サイトとギーシュからは表情が見えないはず。

423:雪風の作戦
07/10/25 00:54:15 /51Lkj8Y
「ふむ、外見はわかった。だが、モンモランシーの例えを聞くに、内面的なものもあるようだね」
「ああ、そうだ。いい所に気がついたな」
「では、聞こうか」
「そうだな、わかりやすいところだと……この起伏の少ない表情だ。いつも同じ表情だからこそ、時折見せる笑顔や羞恥の表情に男は心を奮わせる」
「なるほど。となると、無口なところも?」
「わかってるじゃねえか、ギーシュ。そこもだ!」
「おお、なるほど! わかったよ!」
 何かが通じ合ったのか、二人はきつく抱擁し始めた。男同士の友情ってものなのかな? よくわからないけど。
「ところでサイトよ。彼女はあんなにも小柄なのに、おねーさまと呼ばれている。この件についてはどう思うかな?」
「なるほどな、ギーシュ。お前の言いたいことはよくわかる」
 後のことは鮮明に覚えてる。小さいのにお姉さまは萌えだろう、とか、考えると制服のスカートはなんていいものなのだろう、とか、そういった話。
 結局私がわかったのは、萌えというものは奥が深いということだけ。でも、それだけで十分。
 なぜなら、サイトを萌えさせるための必殺の作戦を思いついたから。
 人から伝え聞いた話だと、サイトの世界には凄い服があるとか何とか。
 そしてそれは、こっちにもあるとか。
 ……いける。
 そしてそれから、二週間の月日が経ったわけで……。

 今、私の目の前にはサイトをメロメロにする魔法の服が一着。私にはちょっと大きいけど、これも一つの萌えに違いないと思って、気にしないでおく。
 ……胸の辺りが結構余ってるのも、萌えのはずだもん……。
 あとはこの服の下に制服のスカートをはいて、準備は万端。あとはこれをサイトに見せるだけ!
 ちょっと恥ずかしいけど、がんばる。
 でも、さすがにこれで外を出歩くのは恥ずかしすぎる。というよりも、サイト以外の人に見られるのが恥ずかしすぎる。どうしようかな……。 
 そこで私は、使い魔の存在を思い出した。空から飛んでいけば、人に見られずに済むはず。サイトを人の来ない場所に呼び出せば、サイト以外の人に見られる確率も少なくなるし、着替えもしやすくなる。
 着替えていこうかとも思ったけど、それはさすがにやめておく。
 思いついたら即実行。シルフィードを呼んで、すぐに乗る。目的地はサイトの胸の中。こんな風なことを思うほど、私の頭はお花畑。ちょっと危険な状態。
 学院の上空を旋回して、サイトを探す。よくこんな風にして飛んでいるから、怪しまれることは無い。
 黒い髪と目立つ服。それだけの特徴で十分。この広い学院にサイトと同じ服を着てる人はいないから。
 数分旋回して探してると、サイトが塔から外に出てくるのが見えた。やっと見つけた。見つけるのと同時に急降下。サイトの目の前に降りて、用件を伝えようとする。
「うわっ!? なんだ、タバサか。ビックリした」
「……」
「で、何の用?」
「……ついてきて」
 呼び出すよりも、案内したほうがいい。そう結論付けた私は、あらかじめ決めておいた人のいないポイントへと移動する。後ろをチラリと見ると、ちゃんとサイトもついてきてる。
「何処に行くの?」
「すぐ着く」
 それもそのはず。場所はコルベール先生の研究小屋のすぐ近く、火の塔の裏。ここだったら目立たないし、人も来ない。コルベール先生が研究室に来るかもしれないという不安もあるけど、さすがに火の塔の裏まで来る事はないと思う。
「ここで待ってて」
 サイトを塔の裏で待たせて、私はサイトから見えない位置―サイトのいる位置からさらに裏―に移動する。そして、着替えを始める。急がなきゃ。サイトが見に来ちゃうかもしれない。

「……遅いなー」
 タバサに待てといわれて二分ほど。サイトは律儀に待っている。何か物を取りに行ったのかと思ったので、すぐに来ると予想していたが、少々遅い。

424:雪風の作戦
07/10/25 00:54:58 /51Lkj8Y
 様子を見に行こうか、それともまだ待ってみようかと悩んでいるうちに、タバサの頭が見えた。
 少々顔を赤らめて、体を火の塔で隠して、サイトの様子を窺っている。
 いったいなんなんだ?
 その疑問を声に出すよりも早く、タバサが意を決して、サイトの前に飛び出してきた。
 よほど緊張していたのか、タバサの顔は真っ赤である。いつも無表情のタバサの顔が、真っ赤である。なかなか見られるものではない。
 しかし、それよりも珍しいものを、サイトの目はロックオンしていた。
 その服は、元は水兵服として水兵に着られていた服であった。そこから派生して、日本の女学生の制服となったのは有名なことである。
 そう、セーラー服である。
 目の前には、セーラー服を着たタバサが、恥ずかしそうに俯いて立っているのである。
 手を胸の前でもじもじといじりながら、チラチラと見つめてくるタバサ。その表情は何処か不安げで、まるで何かを怖がる子どものようだ。
 クリティカルヒットだ。サイトのHPはもう黄色である。瀕死である。普段からは考えられない、タバサの様子に、サイトはもうダウン寸前だ。
 そして、その後に、タバサはとんでもない一言を言ったのだった。
「……どう? お……お兄ちゃん……」
 サイトのHPは赤くなった。
 ダウンである。死亡確認である。サイトのライフはもうゼロである。
 サイトはくらくらとする頭と倒れそうになる体を抑えるので必死になっていた。

 ……作戦成功。
 恥ずかしさを我慢したかいがあった。サイトは鼻を押さえて、空を見上げてる。よくわからないけど、たぶんいい反応。
 どうしよう、とりあえずもう一言、必要かな?
「……似合ってる?」
 ここでちょっと小首を傾げてみる。
 あ、サイトが仰け反った。そのまま膝をついて、鼻を押さえながら右手で親指を立ててる。あの指にどんな意味があるんだろう?
 考えてもわからないから、私はサイトに追撃の言葉を送る。
「……お兄ちゃんに。喜んでもらえた?」
 あ、サイトが凄い勢いで頷いてる。
 よかった……。
 つい、ホッとしてしまう。喜んでもらえなかったら、どうしようかと思った。
 そう、私はホッとした。そして、あまりにも安堵しすぎて、私は自制することが出来なくなった。
「私……お兄ちゃんのためなら……」
 あれ? 私なんでこんなことしてるんだろう?
「何でも……出来るよ?」
 確かに、私はサイトに全てを捧げた。だから、サイトの言うことなら何でもするし、何でも出来る。
 でも、今はそれを言うつもりはなかった。口が、勝手に言葉をつむぎだす。
 そして、それで終わらせるつもりだったのに、私の体は意思に反して、勝手に動き出した。
 サイトの右手を両手でぎゅっと握って、私の胸の前に持ってくる。やや上目遣いでサイトを見つめて、切なげにため息を漏らす。
 全て、やろうと思ったことではなかった。自覚した頃には、私はもう自分を止めることが出来なかった。
「ねえ、お兄ちゃん……」
 その言葉を言ったことを、私は後悔してる。後悔だけじゃないけど、やっぱり後悔してて……なんであんな事をしたんだろうと、何であんなことになったんだろうと、思い出すたびにため息をつく。
「しよ?」



 また一つ、私はサイトに捧げた。

425:29Q
07/10/25 01:00:02 /51Lkj8Y
またタバサ。またぶち壊し。むしろ壊す。
妄想駄々漏れです。止める気はないです。
妄想っていいですね。駄目人間が言うんですから間違いないです。
では妄想しながら寝るとします。

426:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:12:12 QAt2jXRN
>425
待て!寝るな!おい!なにを!なにを捧げたんだ!?


いや捧げたのはわかる。どんな風に捧げたんだおい
そこの描写を!濃密な描写を!液体の音まで聞こえるような濃厚でねっちょりな描写はどこだあああああああああ

427:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:24:15 pysWrCKM
>>425
早く例のシーンを!!
寝るな!妄想を文にして脳内回線で回してくれぇぇぇぇぇぇぇ?!




428:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:31:49 7ohjaQtk
おいいいいいいいいいいいい!!!
きまさっ、GJなんというこのGJ!!

だからきさまのGHOSTにジャックインさせてくれええええ!!
データの並列化をおおおお

429:261のひと
07/10/25 02:03:15 CWgsQxO4
ご無沙汰してます。

20スレ目の131-135 501-507 
URLリンク(wikiwiki.jp)
の続き

しかもまだ終わらず、ついでに本番までたどり着かず。

もう駄目かも。

430:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/10/25 02:03:34 IQkmbdST
>>247の続き。
まだ終わってないってどういうことだ…。


431:1/7
07/10/25 02:03:59 CWgsQxO4
 学院の片隅、誰も居ないほの暗い闇の中にソレは有った。

「本当に……有ったんだ」

 大きな釜。

 大きな釜が有るから、そこで待っているようにシュヴァリエはそう言った。
 釜茹でにした事を後悔して、釜茹でにされたいのならソコに行けば良いと。
 どうしても死にたいのなら、どこで死んでも一緒だろうと、そう……言われた。

 テファに嫌われたわたしは何にも興味が無かったけれど、
 テファが来る。
 その言葉がわたしの足をここに向けさせた。

 ―テファになら殺されてもいいから。
 
 シュヴァリエが支度してくれているのだろう、釜の中にはお湯が張ってあって、
 釜の下ではまだ薪が燃えていた。

(ここで死ぬんだ)

 テファに謝った後なら、もう何も要らない。
 そのまま死んじゃっていい。

 そんな事を考えていると、夕闇の中から声が響いた。

「ベアトリス?」
「っ!」

 ……テファ……が……テファが……ベアトリスって呼んでくれた。
 昼間の様に、『ミス・クルデンホルフ』って他人行儀に呼ばれると思ってたのに。

 それだけで、良いや。
 もう……何も……

「ベアトリス、ずるい」
「テ、テファ?」

 わ、わたしまた何かしたのかな?
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……

 繰り返し謝りながら、恐る恐るテファの方を見ると、すねた表情のテファが居た。

「仲直りの仲介をサイトに頼むなんて、ずるい」
「え……? ……ぇ?」

 ナカナオリ?

「……あ……の……?」
「サイトが……ちゃんと仲直りした方がいいよって……わたし、サイトに怒られたわ」

 ……ぇと……

「仲直り……して……くれるの?」
「……だって、サイトが……もう……ベアトリスは仲直りしたくないの?」

 突然訪れた幸せに何も考えられないまま、わたしはテファを抱きしめた。


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