07/10/14 18:12:50 rxDwfIgI
いつも通り家を出る俺に、お袋が声をかけた
「才人、今日は鍋だからね、早く帰ってきなさいよ」
お袋はいつも今日の献立を教えてくれる
最近は学校の連中と一緒に晩飯を食べることもあって、家で夕飯を食べる事は減ったが、それでも教えてくれる
俺はいつも通り「う、あ~、・・・うん」と気の無い返事をする、きっと明日もそうなんだろう
親父は朝食を前に新聞を広げながら、「VAIOの修理、今日上がるんだってな」と言う
俺はいつも通り、「うん、たぶん」と曖昧な返事をする
親父は新聞を読みながら「請求書はウチに回しとけ、あれはワシも使う」
俺がパソコンを使うことに反対してた親父、こんなこと言うのは初めてだった、礼を言うべきか、明日言おうと思った
教室
クラスの悪友が話しかけてくる
「今日ヤマギワ行くんだって?じゃあminoriとぱれっととま~まれぇどのパンフ貰ってきてくれ」
「エロゲは買わねーよ、俺は出会い系に登録するんだ、生身の女デビューだぜ」
この野郎とのいつものやりとり、明日もこんなバカ話をすると思うとうんざりした、うんざりして笑えてくる
今まであまり話したことのない女のクラスメイトが俺に近づいてきた
「平賀君、剣道部の入部、先生に問い合わせたんだって?、嬉しいよ・・・ぶ、部員が増えるのはいいことだし!
黒く短い髪、いい匂い、小学生の時から同じクラスのそのコは上目遣いで、目線を逸らしながら話しかける
「でも・・・剣道に興味あるなら、その、ウチの道場で習っても、お爺ちゃん喜ぶし・・・あ、あたしが教えてあげても・・・」
きまぐれで顧問の先生に聞いた剣道部の話がこんなことになるなんて、明日はこっちから話しかけようと思った
あれ?こいつらの名前、何だっけ?