【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22 - 暇つぶし2ch119:犬竜的日常~お買い物編~
07/10/13 22:41:21 8TP098i2

「……フィード。おい、シルフィード」
「……え? あ、な、なぁに、サイト?」
「何ぼーっとしてんだ。そろそろ町につくぜ?」
「う、うん! それで、どこに行くの?」
「んーと、どこだったかな……そうそう、目抜き通りから少し外れた……あー、アンリ通り、だったかな」
(……ん? そんなところに服屋なんてあったかしら?)

「ほらついた。ここの店だよ」
「……サイト」
「ん? どうした?」
「……シルフィがどうしようもないアホで、今目の前にある景色が歪んで見えているのでなければ……
 ここは、どこからどう見ても鍛冶屋さんとしか思えないのだけど……」
「おう、鍛冶屋だぜ。いやー、いい職人さん見つけてよー。さ、入ろうぜ」
「いらっしゃい。おや、シュヴァリエ・ド・ヒラガ。ようこそいらっしゃいました。例のもの、出来てますよ」
「やあおやっさん、ありがとよ。どこにあんの?」
「こちらですぜ」
「おお、見ろよシルフィ、見事なもんだと思わねーか?」
「……サイト」
「ん、どうした?」
「……シルフィが救いようもないほどのアホで、服という言葉の認識を間違えているのでなければ……
 目の前の壁を占領しているのは、どう見ても布じゃなくて金属の塊にしか見えないのだけど……」
「金属の塊、なんていい方は失礼だぜ。これは鎧という名の芸術品なんだぜ?」
「いや、芸術品なんて言い方されっと耳がこぞばゆくなりまさぁ。
 槌を振るうしか能がねえ男の、一世一代の大仕事ではありましたがね」
「いやいや、謙遜するこたねえよおやっさん。俺が思ってたよりもずっといい出来だ。
 これなら矢玉も鉄砲もなんのそのだな!」
「しかしまあ、聞いたときはたまげましたよ。竜用の鎧を作ってくれ、だなんて」
「おう。知り合いの竜が、いつも荒事こなしてるらしくてよー。
 なのにいつも裸だから、心配になったんだよな。とにかく、ありがとうよおやっさん。
 これならこいつも喜んでくれるはずさ! なあシル」

「……で、どうして君は窓を突き破って僕の部屋に吹っ飛んできたんだね」
「……『サイトのバカァッ! これのどこが服なのねーっ!』って蹴り飛ばされた……」
「……よく分からんが、君もいちいち難儀だね……」

「……なるほど、服というのは比喩表現だったということ」
「ひどいのねひどいのね、サイトったらひどすぎるのね」
「悪気はないはず」
「だからこそなおさら傷ついたの! ブロークンハートなのよ!
 アホなのね、サイトはアホに違いないのね!」
「……じゃ、その鎧、着ないの?」
「うー……折角だから、着てあげるのね……でもこんなの可愛くないし……その上重い!」
「飛ぶのに不都合はないから我慢しなさい」
「でもー……」
「そういう風に考えて作ってくれただけ、ありがたいと思う」
「それはそうかもしれないけどー……ホントに重たいし……」
「彼の愛情の重さだと思えばいい」
「こんな鉄臭い愛情はイヤーッ!」

 とか言いつつその後ちゃんと鎧を着こんで行動するようになったりして。


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