【涼宮ハルヒ】谷川流 the 53章【学校を出よう!】at EROPARO
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 53章【学校を出よう!】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:48:22 JSE2/Qv/
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。

Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!

Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…

Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。

Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。

Q~ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?

Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。  嫌なときは言って欲しいのね。

Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。

Q新刊ネタはいつから書いていい?
A最低でも…………一般の――発売日の…………24時まで――待つ。
A一般の発売日の24時まで待ってもらえますか? 先輩、ゴメンナサイです。

Q1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
A容量は4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行です。
Aんふっ。書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOKです。

3:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:42:33 YyvbIIPB
>>1

4:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:37:04 M3EUbkxR
>>1

今回も埋めネタを投下できず

5:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:38:42 UgqzG2vP
あなたの―>1は―――とても――乙ね―――

6:名無しさん@ピンキー
07/09/29 18:19:16 +hXNhzQw
埋め荒らしってどこにでもわくな
何が嬉しいんだか

7:名無しさん@ピンキー
07/09/29 18:23:08 sjtj2gYu
普通に埋めようと思ったら1秒差で1000とってしまったorz

8:名無しさん@ピンキー
07/09/29 18:33:12 nA4pmaiC
すまん埋めてしまった

9:名無しさん@ピンキー
07/09/29 20:30:23 p4L+Od5J
いちもつ

10:52-265
07/09/29 20:43:09 EVKg0VXM
とりあえず>>1乙。

では、投下します。
エロなし。17レス予定。
続き物です。


11:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 20:45:49 EVKg0VXM
Prologue.

「よくさあ、二度あることは三度あるって言うでしょ。という事は、よ。悪い事だって一度で止めておけば大抵の事は万事解決、円満終了、視界良好オールグリーンってわけじゃない」
 とある夏の日の夕暮れ時、これまたとある遊歩道で、最近知り合いになった少女が、いつも通り意味が分からない俺様理論を並べ立てだした。

「でも、何故かは分からないんだけど『こういう事』って必ず繰り返すわよね。………悲しいけれど、それが人ってやつなのかしら」
「いや、そのセリフはどう聞いても言い訳だとしか思えないんだが」
 ただ、お前が今視界不良青信号大絶賛点滅中な迷子さんである事を考えると、方向性は間違って無いのかもしれんがな。
「うっさいわねー! あんただって同罪でしょう!」
 迷子が懲罰対象になるとはひどい法律もあったものである。まあ、出会った時からこいつは『こう』なのでいい加減慣れてきてはいるが。
 ………それが幸福なのか不幸なのかは考えないようにしつつ、話題を変える。

「ああ、そういや、一度あったら二度目もある、という意味の言葉もあったよな。確か、えーと、一、一…………」
「一匹見たら三十匹!」
「それだ! って、ちっがーう! つーかお前、三十回も同じ事繰り返す気かよ!」
 俺のツッコミがシグナルレッドな夕焼け空へと、無駄に高らかに響き渡った。

  ///

 と、そんな場面を思い出したのは、まあ、ハッキリ言って現実逃避だ。
「戦って、現実と」
 『逃げるという選択肢を本当に知らないんじゃないか?』とたまに将来が心配になるほど冷静な長門の声に引き戻され、ついでに両手で強制的に前を見させられる。


 目の前には一匹見たら三十匹なアレとは違うものの、おそらく同じくらいの不快感をこちらに与えてくるであろうカマドウマが、数十匹ほど群れていた。もちろんいつかの時と同じで全長5m以上の、だ。
「ふふふふふ、ここはあたしが未来的に何とか………」ぷちっ
「いやいやいや、ここは僕が超能力的に何とか………」ぷちっ

 潰された二人を長門が『情報操作は得意』などと言いながら空気入れで膨らませている、しゅこしゅこ。
 ………ピカソもビックリのシュールっぷりだ。ただまあ、絵にしたところで価値は二束三文だろうけどな。
「あなたも」 しゅこしゅこ
 長門に空気入れを渡された。目の前には二次元へと退化をとげた古泉が、………ある。
「レッツしゅこしゅこ」 しゅこしゅこ
 ………ああ、帰りたい。

 古泉の口に空気入れの先端を差し込みながら、引き戻された現実から何とか逃避しようと無駄な努力を続ける。しゅこしゅこ 
 ………どうにもこの空気のかわりに気力が抜けていく音が邪魔である。しゅこしゅこ
 無駄な努力の一端として、どうしてこのような事態になったのかでも回想してみようかね。しゅこしゅこ
 ………やれやれ。しゅこしゅこ


――――――――――
喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
――――――――――




12:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 20:47:38 EVKg0VXM
1.

「それでは、合宿に行きましょう」
 夏休みに入って少したち、ジュライがオーガストへバトンタッチしようかというそんな日の朝早く、人の家のチャイムを小学生のように16連射しやがった俺の後ろを指定席にしている少女、喜緑江美里、は開口一番にこんな初耳話を俺にぶちかましやがった。

「おやつは300円以内です」
「いや、そうじゃなくて」
 いつもながら人の話を聞かないやつである。
「お弁当の中に入ってるものは、何と、おやつになりません!」
「いや、だからな」
 つーか、聞いているのに、聞いてないふりをしているというのが正しいのかもしれないな、………政治家にでもなれば、いいポジションまでいくんじゃないか。
 とりあえず、適当に話を合わせつつ、様子を見る事にでもしようかね。

「でも、お弁当の中にガムとかチョコとか入れるのは駄目ですからね」
「ああ、夏の遠足でそれやって、チョコ味のおにぎりを食べるハメになった事があるな」
 フロンティアスピリッツあふれる小学校時代の苦くて甘い思い出だ。
「あらあら、どんな感じでした?」
「甘くて、しょっぱくて、ぬるねちゃで、………何というか、異次元だった。しばらくトラウマで弁当が食べられなくなったほどだ」
「ご愁傷様です。でも、大丈夫ですよ。今回はちゃんとわたしがお弁当を作ってきましたから」
「マジで、ラッキー!」
「うふふ、では参りましょうか」
「オーケー、レッツゴー! ………って、違うわ!」
 あまりにも自然な流れに危うくそのまま乗ってしまうところだった。

「えーと、だな」
 時間は早朝、眠たすぎてエンジンのかかりが悪い脳みそを騙し騙し動かしつつ、質問の言葉をひねり出す。
「で、いつからだ、合宿?」
「今日からです」
「唐突すぎるだろっ!」
「間違えました。むしろ今からです」
「悪化したー!」
 あまりのショックにエンジンフルスロットルである。ようやく目が覚めた、とも言う。

「無駄だとは思うが一応聞いておく。俺の都合は?」
 スタートダッシュで致命的な遅れが出ているものの、エンジンがかかってしまったので走らなきゃならなくなったレーサーの気分で質問する。………はたして完走できるんだろうかね。
「親御さんの許可ならもう1週間ほど前に頂いていますよ」
「そんなとこで外堀から埋めていくなよ! もっと大胆に天守閣狙えよ!」
 いきなりのエンジントラブルである。しかも原因は整備班の裏切り、………ダメだこりゃ。
「そういえばお母様から『バカ息子ですが末永くよろしくお願いします』と、何だかよく分からないけれど嬉しくなってしまうお願いをされました」
「いろんな意味で人生リタイヤ一歩手前じゃねーか!」
「???」
 首を傾げられる。
 溜息が出た。急な天候悪化のせいでレースは中止、だな。
 しかし、こういう事は本気で鈍いんだよな、こいつ。

「えっと、駄目、かな?」
 俺の溜息をどう取ったのか、上目遣いでこっちを見あげてくる江美里。
「あー、うあー、………いや、いいけどな」
 結局のところ、レースの勝敗関係なくいつも通り巻き込まれる俺、とそういう事なのだろう。
 ふはははは、今日はこの辺で勘弁しといたらー、………泣いてなんかないぞ。



13:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 20:49:39 EVKg0VXM
  ///

 すでに準備されていた着替えなどの『お泊りセット』をニヤニヤ笑いで手渡してくる親に対し、『地獄に落ちろ』と親指を下に向けつつ、希望するお土産を聞いてから自転車で家を出る。
 後部座席に当たり前のように座ってくる江美里を当たり前のように待ち、当たり前のように腰に回される手を当たり前のように許可して、当たり前のような二人乗りで当たり前のように集合場所へと向かった。

「曲名は『当たり前のブルース』ですね」
「意味の分からんボケをかますな」
「あう、恋人に対してつれない言葉ですね」
「コメントに困るレスポンスを返すな!」


 ああ、そういえば、言い忘れていたかもしれないが、そういう事、である。

 出会ったり、別れたり、泣いたり、笑ったり、いろいろと紆余曲折っぽい何かがあった後で、

 ――俺達は今、恋をしている。


 それを伝えた時のそれぞれの反応であるが、
「ふえー、おめでとうございましゅるー」
「おやおや、ようやくですか」
「………おめでとう」
「ああ! なんだ! ラブか! ラブなのか! 胸が恋焦がれてラブラブファイヤーとでも言いたいのか! 畜生、お前なんか一生ラブってろ、このラブレンジャー!」
 このように、いきなり錯乱しだした谷口という名の馬鹿一人以外はおおむね祝福してくれた。………最近思うのだが、もう馬鹿という名の谷口と言った方が日本語的に正しいのではないだろうか?

 進行方向に注意を払いながらも、ちょっとだけ視界に空をいれる。
 みんな、祝福してくれた。
 だから多分、今はもう居ない彼女も、祝福してくれるだろう、………と、思いたい。
『このまま続けても不幸になるだけよ』
 ………多分、だけど。
『それまで、喜緑さんをよろしくね』
 こう、言ってたしな。

 少しだけ、痛い。なるほど、これは確かに不幸な痛みだ。
「………痛みますか」
 分かるのか?
「あなたは、いつもそんな顔をしますから」
 本当に俺の事を理解してくれているようで、ありがとう、マジ愛してる。
「………ニャー」
 腰に回された手に、きゅっと力が込められた。

 不幸になる、それもあるかもしれない。おそらく、この痛みは俺という存在が消え去るまで続くものなのだろう。

 それでも、だ。

 今後部座席に感じる重さは、腰に回された手の暖かさは、それでも確かに幸福なのだ。


 幸福を物理的な重さとして感じつつ、ペダルを踏みこむ俺であった。





14:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 20:52:52 EVKg0VXM
2.

 二時間後、俺達は海面を矢のようにとまではいかないが、まあそれなりの速さで進むフェリーの客室にいた。

「あふあー」
 俺の隣に座っていた江美里が何となく微笑みたくなるような欠伸をしつつ、ぽすっ、とこちらに寄りかかってきた。
「いや、周りにみんな居るからな」
 古泉はいつもと変わらないニヤケ面で、朝比奈さんは手で顔を覆いつつも人差し指と中指の間から、長門は本を読むふりをしながらもチラチラと、それぞれこっちを見ている。
 つーか、俺達は二等客室の大部屋の一角を陣取ってるだけなわけで、周囲の一般客からの微笑ましさと嫉み僻み恨みとをミックスさせた視線がガスガスと俺に突き刺さってくるわけで………。
「見せつけてやればいいんですよー」
「俺にそんな趣味は無い。………というか、お前、疲れてんのか?」
 もうほとんど目が開いていない。いわゆる糸目状態である。
「いえ、自分でもどうしてかは分からないんですけど、昨夜はどうにも寝付けなくて………、すー」

 そのまま寝だしやがった。………てか、どうしろと?
「うふふ、喜緑さん、可愛いです」
「そうですね。どうやらあなたの隣は安心できる場所らしいですしね」
「………らぶらぶ」
 好き勝手言う三人を睨みながらも、俺は自分を抑えるのに必死である。周囲の一般客からも口笛を吹かれたり、視線に殺気が混じりだしたりしていたが、もうそんな事を気にしている余裕なんてない。

「んー、すー、すー」
 多分、江美里にはそんな期待はないのだろうが、………こう、感触とか匂いとか息遣いとかがダイレクトリンクで思春期男子には毒を食らわば100までとって感じでうわもうあひー!
「………指向拡散による情報処理能力の大幅な低下を確認」
「ふえ? 長門さん、それってどういう事ですか?」
「まあ、壊れたという事でしょうね」
「あ、そういう事ですか、ありがとう古泉くん。………って、それ大変じゃないですか! だいじょ、って白目むいてるしー!」
「お、俺なら大丈夫さ、あひー!」
「いやー! 本当にぶっ壊れてますよー、この人!」
「失礼な事を言う人だね、あひー!」
「いやもう何といいますか。………すみません、白目のままでこっちをむかないでください」
「じゃあ教えておくれよ。一体この俺のどこが壊れているって言うんだい、あひー?」
「………全部」
「………あひー」


 結局、残った理性を総動員して、こっそり長門に頼み体を動かなくしてもらいつつ、この地獄のような天国はフェリーが陸地に着くまで続くのであった。

  /// 



15:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 20:58:40 EVKg0VXM
 フェリーを降りてクルーザーに乗り換える。
 どうやら今から行くのはいわゆる孤島という場所らしい。『僕の知り合いに富豪の方がおられましてね』とはこの旅行を企画した古泉のセリフだ。………ブルジョワジーめ。

「いえ、僕の力ではなく、『機関』の力が凄いという事ですよ」
「ああ、お前と同じ自称超能力者の寄り合いみたいなやつか」
 ちなみに今運転席にいる全身から執事感を漂わせている新川さんという人も『機関』とやらの一員らしい。
「その『自称』というのはいい加減取っていただけませんか?」
 古泉が肩を落としながら懇願してきた。
 ………いや、そんなこと言われても、俺はお前が超能力使っている場面なんて見た事ないんだぞ。
 まあ話を聞く限りでは、超能力云々以外でも江美里が原因で起こる様々なトラブルを裏で解決してきてはいるらしいのだが、どちらにせよ見た事がないのには変わりない。
「使う機会が無いんですよ。喜緑さんはここ最近、ずっと安定していますしね」
 古泉の声に合わせるように、クルーザーの後ろの方で楽しそうに話している三人娘に目をやる。

 
「ふえー、孤島ですかー。何か怖い事が起こりそうですねー」
「大丈夫ですよ。あなたのような人は最初に被害にあって舞台から強制退場くらいますから」
「そ、それのどこが大丈夫なんですかー!」
「………怖いのは、一瞬だけ」
「いやー! むしろ今からずっと怖がりまくりですー!」


 俺から言わせてもらうと、出会ってからずっと、アイツはなんも変わってないんだけどなあ。
「ふふふ、言い直しましょう。あなたと出会ってから、正確にはあなたと喋るようになってから、一度も僕等は力を使っていません」
 何でもこいつ等の力は江美里が不機嫌になった時に出来る、閉鎖空間というやつの中でしか使えないらしい。
 で、古泉が言うには、江美里は俺と知り合ってから閉鎖空間を創っていない、ようだ。

 ………つーことは、俺とアイツが喧嘩するとこいつ等って大変な事になるかも、なんだよなあ。
「まあ、そんな考え方もあります。けど、僕個人の意見を言わせてもらいますと、あなたとの喧嘩なら大丈夫だろうと思いますよ、保証します」
 お前の保証があってもねえ。人類の未来がかかった喧嘩ってやりにくいだろ。
「………やりにくいとか言っている割には結構してますよね、痴話喧嘩」
 正直、すまんかった、………いろんな意味で。
「まあ、いいですよ。『俺らの仕事はガキ共にちゃんと喧嘩をさせる事だ』と、そこで運転している人も言ってますからね」
 ………恐ろしいほど男らしい執事だった。

  ///

 ふと、温度を感じたので隣を見てみると、長門が俺の横に座って本を読み出していた。
 クルーザーの後部では朝比奈さんと江美里が寄り添うようにして寝息をたてている。
 どうやら、二人を起こさないようこっちに移動してきたようだな。
「本を読むだけなら起こすような事はないだろ?」
「………」
 何故か非難めいた目で見られた。古泉が肩をすくめているのがプチむかつく。
「しかし、あいつも安定してるんだったら、こんな旅行なんて計画する必要なかったんじゃないか?」
 なので、こんな、ちょっと意地の悪い八つ当たり気味の質問を古泉にしてしまう。
「いや、そうかもしれませんが、こんな学生らしい事っていうのも希望されているかもしれませんでしたしね。その、気分転換とか、ね」
 『誰が希望してるんだ?』という言葉はさすがに意地悪すぎるので自重した。
 しかし、気分転換、………ね。




16:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:03:30 EVKg0VXM
 朝倉涼子が『転校』ではなく『消失』したという事実を伝えた時、朝比奈さんは大泣きし、古泉は『そうですか』と一言だけ呟いた。
 ――そして次の日、一日だけ、二人とも学校を休んだ。
 休んだ時に何をしていたかってのは、俺は知らないし、知る気もない。
 でも、こうして前に進もうとしている姿を見ると、おそらく休んで良かったのだろうと思う。


 『迷惑かけてるよなー』と思いながら、『でも謝るのは何か違うよなー』とも思い、どうしようもなくなって、あさっての方向に視線をやる。
「いいえ、あなたのせいではありませんよ」
 ………俺、そんなに心を読みやすいか、古泉?
「さあ、山勘で適当に言っただけなのかもしれませんよ」
「ああ、なんつーかもう、………俺も寝る」
 不貞寝モードに移行する。もう今は何を言っても墓穴を掘る気がするからな、ザックザクだ。
「ははは。ああ、それと『ガキはガキらしく遊んどけ。後始末はこっちでちゃんとやっとくからよ』と、そこの執事服の方が」
 ………惚れてしまいそうなくらい男前な執事だった。

「ところで、どうでもいい事なんだが、どうしてあの新川さんって人は執事服なんだ」
「ああ、あれは彼の趣味です」
 ………深くはつっこまないでおこう。確実に蛇かそれに準ずる何かが出る藪なんて、つつかないほうが良いに決まってる。


「………あ」
 呟きが聞こえたので閉じようとした目を開け横を見ると、長門がクルーザーの進行方向を注視していた。あと、何故かさっきより俺に近い位置にいたのだが、まあそれは問題じゃない。
「長門、何かあるのか?」  
 一応、聞いてみる。
 まあでも、今回は単なる小旅行だし、そんなに大きな事件に巻き込まれる事も無いだろう、なあ、長門よ?
「………」
「何故に目をそらす?」
「人生とは常に事件に満ち溢れているもの、らしい」
「いや、何があるんだよ?」
 いい言葉っぽくお茶を濁そうしてもお兄ちゃんはごまかされませんからね。
「………一緒に楽しもうね、お兄ちゃん」
「いやーん! お兄ちゃんわっくわくー!」

 俺がそうやって濁ったお茶を一気に飲み干そうとしたその時、

 突如現れた陸地にクルーザーが激突し、

 その衝撃で俺達は空中に放り出され、

 ついでに意識も放り出され、


 そして、目覚めたらそこは、大量のカマドウマが跋扈するワクワクレジャーランド(あなたの命もワックワク)になっていたのである。


 ――うわーい。





17:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:09:03 EVKg0VXM
3.

 さて、カマドウマ達はこっちが不用意に近づかない限りは攻撃してくる事はないようだ。しゅこしゅこ
 長門と一緒に空気入れで自称未来人と超能力者、通称ヤクタタネーズを膨らませつつ状況を整理してみる。しゅこしゅこ

「で、これは、何だ?」しゅこしゅこ
 俺には無理だ、という当然かつ自虐的な結論の元、この場で唯一役に立ちそうな存在に助けを求める。これで俺もヤクタタネーズの一員である、………谷口曰くのラブレンジャーよりはマシだろうがね。しゅこー
「んー、まあ、どちらも『あまりなりたくない』という点では変わりないかもしれませんけどね」
「えー、ラブレンジャーってかっこよさそうじゃないですかー」
 しゅこしゅこ終了、元祖ヤクタタネーズ復活である。
 ………あと、ラブはありえないっす。いや、マジで。

  ///

 さて、改めて状況を整理しよう。
 俺達がいる場所は半径100mほどの岩場、周囲は海。
 激突したはずのクルーザーはなく、それを運転していた新川さんや、後ろの方で寝ていた江美里の姿も見えない。
 変わりに見えるのが数十匹ほどのカマドウマであり、………あー、もうマジどんな化学反応だよ、これ。

「それで長門よ。これは一体どういう状況なんだ?」
 やっぱり俺には無理だ。ヤクタタズレッド登場である。
「おやおや、考える事をやめたら、そこで停滞してしまいますよ。質問というものはあらかじめ自分なりの答えというものを持ってからするべきだ、と僕は思いますけどね」
 ははははは、殴りたい。
「んじゃお前の答えってのは何だ?」
「そうですね………」
 古泉は周囲を見渡しながら、しばらく考えた後で、こう言った。
「停滞も、悪い事ばかりではないですよね」
 ヤクタタズブラック爆誕の瞬間だった。よし、とりあえず殴らせろ。
「そうですよねっ! あたしもそう思います。………よく分かんないですけど」
 ヤクタタズピンクもご降臨なさった。ああ、とりあえず頭撫でさせてください。

 ついでなので『それぞれが思う役に立ちそうにないポーズ』をとり、叫んでみる。
「「「ダメダメ戦隊 ヤクタタネーズ!」」」
 ああ、自虐的ベクトルマイナスビーダッシュもここまでいくと気持ちよくなってくるなあ。
「仰るとおりかと。ただ、ヤクタタネーズよりヤクタタネンジャーの方がより戦隊ものっぽいと思いますよ」
「あ、言われてみればそうですね。古泉くん凄いですー」
「むー、何となく悔しいがお前が言う事も一理ある。………よし、やり直しだ!」
「了解。あ、長門さんもどうですか?」
 古泉が何故か肩を震わせている長門に声をかける。
「あ、それいいですねー。長門さんが加わってくれたら百人力ですよ」
 朝比奈さんの勧誘に、長門は絶対零度の視線をもって答える。
「うん、その視線の意味は『どうしてもっと早く誘ってくれなかったの?』という事なんだな」
 ははは、有希はいつまでたっても甘えんぼさんだなあ。………ところで、どうしてそんな『ピースサインもどきを左目にあてる』という、どこかデジャブを感じさせるポーズをとっているのかな?

 まあとにかく、もう一押しで長門も吹っ切れそうだったので、とりあえず三人で役に立ちそうにないポーズをとり、満面の笑みで長門を勧誘してみる。
「さあ、キミも一緒に、レッツヤクタタネー!」

 俺達の熱意あふれる勧誘に、長門は何かを吹っ切ったような表情でこう言った。
「ゆきりんビーム」

 ――吹き飛ばされる馬鹿三人。


18:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:11:23 EVKg0VXM

  ///

 瞬殺ついでに我に返り、長門先生の話を正座で聞かされる俺達。珍しく真剣モードである、もしくは罰則を受ける生徒モード、とも言うが。

「この空間は何人かの情報処理機能を結合させてつくられた特殊な情報閉鎖空間。ここに存在しているのはわたし達という固有情報体のみである、と推測される」
「あ、足がー」
 ………うん、わかんね。まあ、真剣にやったからってテストで満点取れるわけじゃないって事だよなあ。
「なるほど、ようするにAという世界に並存するように形成されたBという世界にA世界の精神体のみが閉じ込められた、という事ですか」
「頭も足もー、しびびびびー」
 古泉の容易になったのか難解になったのか分からないような注釈が入る。
 んー、ようするに、夢、って事なのか?
 それなら納得できるな、うん。というか、潰されてから空気入れで膨らんで復活するってのは、ちょっと現実であって欲しくないしなあ。

「平たく言うと、そう。我々の有機体部位は今も現実世界のクルーザーの上であると考えられる」
「も、もう駄目ですー、いろんな意味でー」
「なるほど、ところで長門さん、いいかげん朝比奈さんがうっと………、大変そうですのでそろそろ正座を止めてもいいでしょうか?」
「ふひゃあ、今古泉くんがひどい事言いそうになってましたよー!」
「おい古泉、いくらみんなの総意だからって、言って良い事と悪い事があるだろ」
「ふきゃあ、総意だったんですかー!」
「とりあえず、朝比奈みくるだけ後30分追加」
「ふにゃーーー!!!」
 真剣モードは5分持たなかった。あきれるくらいにいつも通りの俺達である。


「ちなみに、このまま放置するとどうなるんだ?」
「どうもならない。ただ、現実世界のわたし達は永遠に眠り続けるだけ」
 あ、なるほど。もうすでにどうにかなっている、とそういうわけですか、納得………したくねー!
「戻り方は、前と同じ、という事でよろしいですか?」
「………そう」
 夕日に向かって叫ぼうとしていた俺のかわりに、古泉が聞いた質問に対し長門が必要最小限の文字数でもって簡潔に答えた。
 どうやら俺達の任務は眼前数十メートルほどで群れあっているカマドウマの駆除、らしいな。

「と、いう事はー、あたしの出番ですねっ!」
 いやあんたさっき瞬殺されてましたから。
「という事は、ふふふ。ついに僕の出番ですね」
 ちなみにお前もぷちっといかれてたからな、ぷちっと。

「………」
「………」
 あ、古泉と朝比奈さんが岩場の隅で膝を抱えながら雑草を抜き始めた。
 ………まあ、可哀そうではあるが、邪魔しないだけでも、よしとしようか。

  ///



19:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:17:07 EVKg0VXM
「で、長門。どうにか出来そうか?」
「………数が多い。せめて、あと一人いれば」
 前の時は一匹だったのだが、今回はなんと数十匹である。数の暴力ってのは恐ろしいね。
 しかし、長門以外でもう一人、か。

 頭の中にうかんできた存在を振り払う。
 ………それは、そいつは、こっちを選んだ俺が期待しちゃいけない存在だ。

 だから、今、俺が期待するべきなのは――、


「ふふふふふ、お困りのようですね」


 ふいに聞こえてきた声に顔を上げる。
 
 ――そこに、一人の、

 ―――俺が、よく知ってる

 ―――――少女が、立って、


「じゃじゃじゃじゃーん!」


 ………いたのを全力で見なかった事にした、つーか、ありゃ幻覚だ、………と信じたい。
 そんな俺の希望を全力で打ち砕くかのように『それ』は高らかに名乗りをあげた。


「SOS戦隊ラブレンジャーが一人、ラブグリーン! みんなのピンチに参上です!」


 確かに、どえらい惨状ではある。ヤクタタネーズが正常に思えてくるほどだ。
 少女は、ちゃんと前が見えるのか疑わしい緑色のサングラスに、俺達の学校の制服を緑に染めなおしただけのようにみえる服、そしていつもより緑分がやや増しているふわふわな長髪で………、つーか、団長様、何やってんすか?
 ああ、胸の前に両手を使ったハートマークをかざしていますね。ラブっぽいポーズを必死で考えたんでしょうねえ、多分。
 そういった陰の努力っぽいのをあえて無視していうと、正直、『やっちゃったー』って感じなんですけどねえ。………いや、可愛くはあるのですけれどね。


「しまった」
「何だ、長門?」
「このままいくと、わたしはきっと『ラブブルー』」
 ああ、そりゃ大変だな。
「イエローになってカレーを食べる事が、今のわたしの、夢、………希望」
「ブルーだったとしてもお兄ちゃんが食べさせてあげるから! そんな悲しい希望を持っちゃ駄目ー!」
「あ、それと、このままいくと、あなたはきっと『ラブレッド』」
「夢も希望もなくなったー!」
 こうして、かすかに見えていた希望を別ベクトルの絶望に変化させながらも、俺達に心強い助っ人が加わったのである。

 しかし、ここから出るための最初の仕事がちょっとバーサク入った助っ人を正気に戻す事というのはどうにも、

「明日のラブレンジャーは、あ・な・た・達・です!」

 ………いや、もうどうでもいいか、やれやれ。




20:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:21:02 EVKg0VXM
4.

 とりあえず呆然自失のラブ予備軍二人組を長門に任せ、江美里を引っ張って皆に声が聞こえないであろう位置まで移動する。

「どうしたんですか? わたしには悪のカマドウマを倒すという使命があるんですよ」
 あー、駄目だこいつ。完璧に入り込んでやがる。
 本当は常識人のくせに無理して非常識な行動とるから、たまにこうやって暴走するんだよなあ。まあ、そんなところが………いや、そんな場合じゃなかったな。
 とりあえず周囲を見えなくさせてそうなサングラスを取り上げ、江美里の両肩に手を置く。
「よし、とりあえず俺と一緒に数字を言っていこうか。………1、………2、」


「「………3」」
 こっちを不満そうに見つめてくる江美里。まだまだ絶好調バーサク状態のようである。

「「………4」」
 ふと、頭の中で何かが引っかかったかのように視線がそれる。

「………5」
「………5、………あ、れ?」
 瞳孔が拡散した。どうやら何かに気付いたようである。

「………6」
「ふえ、え、あれれ?」
 慌てて周囲、主にまだショックという状態異常から回復していない二人、と自分の格好を見直す。

「………7」
「んー」
 目を閉じ、何かを考えている。おそらくさっきまでの自分の行動を反芻しているのだろう。

「………8」
「ウニャア!」
 一気に耳まで真っ赤になった。うん、めでたく正気の世界へとご帰還なさったらしい。………本人にとってはノットめでたいなのかもしれんが。

「………9」
「ああ、あー、ううー」
 せっかくなのできりがいいところまで数えることにしよう。いや、決して涙目で俺を見上げてくる江美里が可愛いから、もうちょっと引き伸ばしていじめてみようとか、そんな事は思ってないぞ。………最低100までは数えるがな。

「………じ「あ、あなたのせいですー!」
 10数えるまもなく胸倉をつかまれ、俺の野望は儚く潰えるのであった。世界はかくも理不尽である。




21:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:27:29 EVKg0VXM
「だ、だってしょうがないじゃないですかー! みんないきなり発生源不明の情報空間に閉じ込められちゃうし、規模的に長門さん一人だとちょっとつらいかもだったし、でもでも古泉さんや朝比奈さんにばれるわけにはいかないし………」
 照れ隠しなのか、ばれたらやばそうな事を叫びまくる江美里。
 ………どうでもいい事だが、さっきから俺の首が良い感じで絞まっている。
「ばれたら困るけど、でもわたしはもう見捨てないって決めてるんだし、そしたらなんか谷口さんがラブレンジャーとか言ってたのを思い出したし………」
 ああ、最後の部分が致命傷だったんだな、そりゃ。
 ところで、お前が絞めてる俺の首もそろそろ致命的なんだが、脳に血が行かないと人ってタイヘンナコトニナリマ………。

   ///

 頭が、ボーとしてくる。
 そうして、世間体とか、照れとかそういった自分を縛り付けていたものから解き放たれ、俺は、自由な、一匹の獣となって、

「………ぐふっ」
 そのまま愉快に屠殺されようとしたその時、

「うええー」
 涙目で顔を真っ赤にした、大好きな少女の姿が視界に入った。

(ああ、可愛いなぁ………、あひー!)
 素直にそう思い、思ったので、

 ドサッ
「ふえ、え、え?」

 ――とりあえず押し倒してみた、あひー!

  ///

「え、な、何? 何なんですか?」
 はて、何だろう? とりあえず脱がしてから考えるとしよう、あひー!
「ちょ、ま、待って、待って! スカート脱がさないでー!」
 ん、駄目か、あひー?
「駄目に決まってるでしょう! 冷静になってよく考えてください!」
 む、脱がす前に考える事、か。よし………、

 ポク、ポク、ポク、チーン!

「つまり着たままでするのがお好みだと、あひー!」
「悪化したー!」
 マイラバーが何か叫んでいるが、もう俺的には答えが出ているのでスカートの中に手を入れる。
「や、駄目! ほ、ほら、みんな見てますよ!」
 古泉はニヤケ面を固まらせ、朝比奈さんは人差し指と中指の間から目を血走らせてガン見、長門にいたってはどこからともなく取り出したビデオカメラを回している。

 なるほど、ようするに、
「見せつけてやれば良いじゃないか、あひー!」
「さらに悪化したー! というか、あなた、壊れてないですかー!」
 江美里が何か言っているようだが、正直もうほとんど耳に声が入ってこない。………いや、脳が認識してくれないんだな、あひー!
「いや、自分でもよく分からないんだけど、今夜は眠れない気がするぞ、あひー! ………ぐはっ」
 殴られた。しかもよく見るとマイダーリンちょっとマジ泣き入ってるし………。



22:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:30:41 EVKg0VXM
「んー、そんなに嫌、かな、あひー?」
 パンツに指をかけたまま聞く。
「あ、いえ、婚前旅行とも言いますし、ちゃんと勝負下着ですから、どうしても嫌、というわけではないんですが、できればもう少しロマンティックな所で………」
 よし、じゃあ移動しようか、あひー! 満天の星空が見える丘を、これから二人で探しに行こう、あひー!
「えっと、その前に『あれ』を何とかしませんと」
 マイハニーの視線の先にはカマドウマの群れがいた。
「ふっふっふ、俺達のラブの邪魔をする無粋な虫けらどもめが、あひー!」
「確実に暴走してますよね、あなた」
「よし、ラブレンジャー出動だっ、あひー!」


 しかし なにも おこらなかった


「ん、どうした、みんな、あひー?」
 なぜか視線を合わせようとしない隊員達の中、マイステディーことラブグリーンが俺の両肩に手を置き、言った。
「はい、とりあえずわたしと一緒に数字を言っていきましょうね。………1、………2」
 静けさの中に野生の勘が危険を知らせるような有無を言わさぬ迫力を併せ持つ表情で言われたので、それに従う。


「………3」
「………3、あひー!」
 しかしまあ、こんな事してる場合じゃないってのになあ。目の前のカマドウマだけじゃなくて俺達にはもっと戦わなくてはならない敵が………

「………4」
「………4、あひー?」
 敵、敵って何だったけなあ? たしか、………、

「………5」
「………5、………あれ?」
 つーか、俺、………ナニヤッテンダロウカ?

「………6」
 慌てて周囲を見回す。
「いえ、僕は何も」
 目を逸らすラブブラック。

「………7」
 さらに見回す。
「………これが、………羞恥」
 絶対零度を超越した瞳をこっちに突き刺してくるラブブルー。

「………8」
 絶望を感じながら見回す。
「えー、あたしはかっこいいと思いますけどねぇ、ラブレンジャー」
 イノセントなセリフが逆に心に突き刺さるラブピンク。

「………9」
 自分の顔が真っ赤になってきているのが分かる。
 ああ、どうやら俺、………『やっちゃった』、らしい。


23:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:34:50 EVKg0VXM

  ///

「………」
 いつの間にかカウントの声は途絶え、あたりを静寂が支配していた。
 しばらくの間、空に向けていた視線を地上に戻す。
 目の前には大泣きする一歩手前の顔をした江美里がいた。
(………ああ、最悪だ)
 江美里の口が開く。今ならどんな暴言だって甘んじて受けなければならないだろう。いや、むしろ受けたい気分だ!
「わ、わたしは………」
 カモン罵倒! レッツ言葉の暴力! この暴走馬鹿を地獄へと突き落としてくれ!



「わたしは、どんなあなたでもついていきますから!」



 ………、

 ………あは、

 ………あはは、

 ………あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、

 ………………………………………………………………………………………………………………うん、自分で死のう。



 がすっ! がすっ! がすっ!
「いやー! レッドが岩場に頭をぶつけだしましたよー!」
「し、しっかりしてください、レッド! あなたには守らなきゃいけないラブがあるじゃないですか!」
 どごすっ! ごりゅっ! ごがすうっ!
「悪化したー!」
「………逆効果」

 ああ、良い感じに気が遠くなってきたなあ。それじゃ、最後に一つだけ。
「明日のレッドは、君だ、………あひー」ガクリ
「そんな遺言、いやー!」
 愛しい人の叫びを最期のBGMにして、俺は夜空の星となった。



 ………てかマジで消え去りてー!





24:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:37:56 AK9yYg/f
やべ、支援だ。

25:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:41:48 EVKg0VXM
5.

 クルーザーは無事に孤島へと辿り着き、そこにそびえ立つ洋館の中で、俺達は夕飯前の一時を荷物整理がてらの休憩にあてている所だった。

 もう一度言う。クルーザーは無事に孤島に辿り着いた。途中の道のりでも特に何事もなく、無事に、だ。
 もしかしたら何かあったのかもしれないが、少なくとも俺は何も覚えていない。
 ――そう、これももう一度言っておこう。俺は、何も、覚えて、いない!
 覚えていないといったら覚えていない。無だ、ゼロだ、ナッシングだ!

「………ラブレッド」
「うおおおおお!」
 頭を抱えながらゴロゴロと床を転がる。思い出すな、思い出したら負けだ。
「………手遅れ」
「まあ、あまりお気になさらずに、としか言いようがないですね」
 ちくしょう、古泉と長門、お前等一回俺の立場になって考えてみろ。………あと江美里、何で鼻押さえてるんだ?
「うーん、かっこいいと思うんですけどねー。『よし、ラブレンジャー、出動だっ、あひー!』」
「うぼぼごえー!」
 朝比奈さんに笑顔で邪気ゼロのとどめをくらい再度床を転がる俺。

「ど、どうしましょう長門さん! 床を転がる彼が可愛すぎて鼻血が止まりません! これが、これが『あひー!』なのでしょうか?」
「………バカップル」
「失礼ですね。わたしはあんな風に床を転がったりはしませんよ」
「おや、そうなのですか。まあそれは良いとして聞きたい事があるのですが、よろしいですか、ラブグリーン、ラブレッド」

「うげぼぷえー!」
「ウニャアアアー!」
 床を転がるバカップル。


 それを見ながら古泉が、今まで聞いた事がないほどの冷たい声で、こう、言った。

「………やはり、あの状況を、『非常識というもの』を普通に受け入れているようですね、喜緑さん」


「「………あ!」」固まる長門と江美里。
「え、あれ、あ、そうか。………え、ええー!」盛大にパニクる朝比奈さん。
「はてさて、どうやら僕のあなたに対する認識は少々間違っていたようですね」
 ああ、そういやこいつにとって江美里は神様で、だからそれを巻き込まないよう裏で事件を起こしたり、解決したりしてたんだっけ。………どうでもいい事だったんで忘れていたが。
「一応、この部屋にいるのは僕達SOS団団員だけです。盗聴器のたぐいもありません、誓って」
 ただ、古泉にとっては、それは自分のアイデンティティーに関わる大問題なのだろう。

(………あれ?)
 小骨が刺さったくらいの違和感がある。………これは、何だ? 

「僕は、ただ、真実を、自分が今までやってきた事は何だったのかを、知りたい」
 部屋に響く真剣な声も、今の俺にはその小骨を膨らませる効果しかない。
「話して、いただけますか?」

 多分この感覚は、俺がみんなに朝倉涼子の真実を告げたあの時にも感じたもので………。


26:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:46:06 EVKg0VXM

  ///

 さて、江美里が説明している間、俺は部屋から追い出される事になった。どうやら、俺には聞かれたくない話らしい。

 先程の釈然としない気分を抱えたまま何となく館内をうろついていると、
「おや、どうされましたか?」
 夕食の用意をしているはずの、必要ないのに執事になりきっている新川さんと出会った。
「いえ、ちょっと具材を取りに倉庫へ向かう途中でしたので。それと、執事は私の趣味ですから」
 ………そうですか。本人から直接聞いてしまった以上はちゃんとつっこまないといけないとは思うのですが、ちょっと気分が優れないので簡略化しますね、なんでやねん。


「ふむ、そういう事ですか」
 倉庫に向かう新川さんと一緒に歩きながら、詳しい部分は省いて、ただ『彼女が隠し事をしている』という事だけを相談してみた。
「信じるしか、ないのでしょうな」
 さっきの簡略式ツッコミが良かったのか悪かったのか、こんな当たり障りのない答えが返ってきた。
 江美里を信じる事ならちゃんと出来ていると思う。だから、どうして俺が釈然としない気持ちを抱えているかというと………、

 ………あれ? どうしてだ?

「それと」
 何が疑問なのかが疑問であるという、典型的な堂々巡りの泥沼パターンにおちいりかけている俺に対し、新川さんはニヤリと笑いながら言った。
「真っ直ぐ進めんのはガキの特権だ。後悔のないよう突っ走りな!」
 思わず全ての悩みを忘れて『結婚してください』と土下座してしまいそうになるほど男らしい執事だった。
 ………結局、答えはくれなかったけど。

  /// 

 気分が完全に晴れるとまではいかなかったが、『他人に話を聞いてもらう』という行為だけでちょっとはスッとしたらしく、足取りも、羽根をつけて死ぬほど努力したら2mくらいは飛べそうなほど若干ではあるが、軽めに部屋に戻る。
 ノックして、話が終わった事を確認してから、何が出てくるか分からない天ノ岩戸をそっと開けた。
 どうやら話が終わった直後だったらしく、それぞれがそれぞれのやり方で物思いにふけっているようだ。どうやら鬼や蛇が出るような事態は避けられたらしい。

「おう、どうだ?」
 まず窓際で空を眺めていた古泉に近づき、小声でそう聞く。
「………そうですね。不満がないといえば嘘になりますが、納得は出来ました」
 そうか、そりゃよかった。俺はお前が、『こんな団やってられっかー』って飛び出していってそのまま引きこもって部屋で一人畳の目をかぞえださないか、と不安でたまらなかったんだよ。
「………一度、あなたの中の古泉一樹像について、とことんまで語り合う必要があるみたいですね」
 適当にいつも通りのやり取りを交し合いながら、視線をもう一人の方に移す。




27:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:48:26 v/qK2EvO
支援

28:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:48:43 aP0O+ist
支援?

29:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:49:21 fuFCkweE


  原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。


  こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……

30:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:50:17 EVKg0VXM
 もう一人、朝比奈さんはさっきからずっと、腕を組んだり頭に手を当てたり挙動不審と取られても仕方のない動作を繰り返しながら、部屋の中をうろうろしている。
「ふえ、あ!」
 視線が俺に固定される。どうやら俺が入ってきた事に今更気付いたらしい。
「あの、………、あの、………、………本当だ、言えない」
 朝比奈さんは雛鳥が餌をねだるようにも見える可愛らしい口パクを数回繰り返したあと、泣きそうな顔でそう呟いた。

「あーと、朝比奈さん「あたしは」

 とりあえず慰めようとした俺の言葉をさえぎり、彼女は言った。
「あたしには、世界の法則だとか形だとかそんな難しい事はよく分からないけど」
 俺から目を逸らさずに、江美里に向けて、こう言った。


「あたしは、喜緑さんは間違ってるって、そう、思うんです」



 ああ、そうか。
 それで、気付いた。
 俺が感じた疑問、喉に刺さった魚の小骨、釈然としないものの正体。


 朝倉の暴走、その時の彼女とのやり取り、古泉や朝比奈さん達の考えとは明らかに違う立ち位置にいる江美里。これらは世界に関わる事で、決してどうでも良い事なんかじゃない。
 それなのに、俺はそれらを『昨日の夕飯って何だった』とかいう質問と同じくらいに『どうでもいい事』として流してしまっている。

 何故だ?
 いや、実はこれの答えも分かっている。

 答えは、そこに江美里がいるからだ、である。


 だから、結局、俺の疑問は、こうだ。

 『どうして俺は、江美里の事を疑問に思わず、信じてしまえるのだろうか?』


 違う言い方をすると、こうなのだ。

 『どうして俺は、江美里の事を、疑えないのだろうか?』



 部屋に吹き込んでくる風の中に、若干の湿り気を感じた。

 ――どうやら、一雨きそうな気配である。





31:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:51:42 v/qK2EvO
支援

32:喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~
07/09/29 21:52:18 EVKg0VXM
Epilogue.

「そういやアンタ、名前は?」
「あ、言ってなかったか?」
「疑問に疑問で返すな!」


 つるべ落としという表現に花丸をあげたくなるほど急速に広がっていく夕焼けの中で、愉快なくらい理不尽に怒るポニテ少女。彼女と知り合いになったのは、ほぼ奇跡と言っても良いほどの偶然であった、………と信じたい。
 そもそもの始まりは不思議探索中にたまたま道に迷った時、以前見た事のあるポニテ少女が歩いていたので道を聞いてみると、『あたしも迷子ですー! 悪かったわねー!』ときれいな逆ギレをくらった事である。
 それから何故か、道に迷うたびにこいつと出会う事になり、しかもこいつも確率100%で迷子になっており、いつからともなくこんな会話を交わすようになり、そして知り合いへ、と。
 ………真面目に考えてみると、かなりイヤな関係だな、これ。


 ただまあ、その程度の軽い関係がなんだか心地よいのも確かではある。
 それを壊したくなかったし、どうせ名前を言う事に意味なんてなかったから、軽く流すことにした。
「名無しのゴンベエだ」
「あっそ、じゃ、ゴンで良いわね」
「流すどころか発展させられている!」
 こいつ、やっぱ、すげー! 世界の法則をぶち抜いてやがる。
「あたしは、………ハルでいいかな、うん」
「それも偽名か?」
「あら、あんた、偽名なの?」
「疑問に疑問で返すのは駄目なんじゃなかったのか?」
「疑問に疑問で返すな!」
「えー!」
 まあ、そんな感じでお互いに、偽の名前を交わしあった。


 そうこうしているうちに知っている道に出たため、今日はここで別れる事にする。

「そいじゃ、またね!」
「おう、またな!」

 また迷子になるのか、などと無粋な事は言わず、

 差し出された手と手を、ぱーんと軽快に鳴らしあって、

 俺達は顔見知り以上友人未満のまま、別々の道を歩き出した。


 ――少なくとも、今日のところは、まだ。




33:52-265
07/09/29 21:53:27 EVKg0VXM
以上です。
では、また。


34:名無しさん@ピンキー
07/09/29 22:16:54 JSE2/Qv/
>>33
GJ!!エピローグで「ハ?前と繋がってなくね?」って思ってしまったけど、
プロローグと繋がるんだな
現代文で読み方鍛えてて良かったw

35:名無しさん@ピンキー
07/09/29 23:23:01 JSe4ROzJ
>>33
GJ!
鬼緑スキーの俺にとってはこの作品のこの後が楽しみです

36:名無しさん@ピンキー
07/09/29 23:53:25 Gf7Q96wZ
>>33
漢な新川氏にばかり目が行ってしまう俺は異端なのだろうか

37:名無しさん@ピンキー
07/09/30 01:41:30 1juZjqqG
>>33
よかったぞ

38:名無しさん@ピンキー
07/09/30 01:44:37 DUB1OhEV
>>33
GJ!
「あひー」で笑った笑ったwww
続き待ってます。

39:名無しさん@ピンキー
07/09/30 05:25:32 yfMZIUkC
前回のシリアスからギャグへの落差がなんだかな~
と思ってギャグの部分飛ばし読みしてたら内容がほとんどなくて俺涙目。
次回に期待。

40:名無しさん@ピンキー
07/09/30 06:11:58 pHIZUEHP
原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。
これはもう如何ともしがたいね……

41:名無しさん@ピンキー
07/09/30 06:53:59 8R3Dn5P9
>>33
本当、マジに最高だ。たった数行で何度も笑わせてもらった。
読み終わった直後に感じたのは、谷川ワールドから自分はまだ離れられないな~て事。
ハルヒを思い出そうとして思い出せないのは、原作でのキョンの佐々木への気持ちに近いね。
何か思い出したくないような出来事あったのかな。つたない感想でごめんよ~~。

42:名無しさん@ピンキー
07/09/30 15:24:27 6pKrPZEG
>>40
本当、マジに最高だ。たった数行で何度も笑わせてもらった。
読み終わった直後に感じたのは、谷川ワールドから自分はまだ離れられないな~て事。
ハルヒを思い出そうとして思い出せないのは、原作でのキョンの佐々木への気持ちに近いね。
何か思い出したくないような出来事あったのかな。つたない感想でごめんよ~~。

43:名無しさん@ピンキー
07/09/30 16:23:15 yu2SscjE
アスタリスクを待つか。

44:名無しさん@ピンキー
07/09/30 17:27:30 YBZ7HNuo
ギャグは面白かったんだが、
キョンが壊れすぎw
ほとんどオリキャラになってないか?

45:名無しさん@ピンキー
07/09/30 17:55:20 mqMvhUD7
キョンと呼ばれる人物も二人居るしな。

46:名無しさん@ピンキー
07/09/30 19:35:52 KhNwsgSP
ギャグシーンはこれ、人によっては付いて行けんな…
アナル並にキャラが崩壊して原型を留めて無いし。読んでて調子狂うというか疲れる。
それに本筋マダー?って感じで読んだ気がしない。エロパロに投下された作品は読むとき気合い入れるんだけど、なんか肩透かしを喰らった気分だ。
いや、この崩壊度も何らかの伏線なら納得いくんだけどな。別人設定とか。

47:名無しさん@ピンキー
07/09/30 19:53:23 NtniNPIs
このキョンには偽者疑惑があるじゃないか

48:名無しさん@ピンキー
07/09/30 20:53:26 7GE0lBP9
キョンどころか全員にあるような気がするんだが

49:名無しさん@ピンキー
07/09/30 23:03:49 x1LtuwgO
>>47 >>48
「キョン」に限定していえば、「ほとんど「キョン」と呼ばれていない」「あだ名の由来が思い出せない」だしなあ。
それでいてカマドウマに覚えがあるととれる今回の話、作者さんはミスリードを狙っているのは確実だろうしね。
まあ、未完にならなければ答えは出るわけで。
とにかく、GJ。 >>33


50:名無しさん@ピンキー
07/09/30 23:34:48 gtXSqyjo
すいません。
鶴屋さんがハルヒにみくるを取られたと思って文芸室をめちゃくちゃにしようと?したけどSOS団のアルバムに鶴屋さんを仲間としてる?ようなことが書かれてて思いとどまったようなSSエロパロにありませんでしたかね。

51:名無しさん@ピンキー
07/09/30 23:51:00 PaQVDWkk
とにかく、GJ。 >>49

52:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:01:24 WIngk1wu
>>33
ハルヒSSを読んでる気はしなくて微妙だけど面白かった。
最終話で全員オリジナルではない「何か」みたいな設定が明かされなきゃと思うくらい別人すぎる。
そういうミスリードみたいなのを誘ってない限り、シチュスレでオリジナル書いた方がいいと思う。
なんというか読ませる力があるだけにもったいなく感じる。


53:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:04:17 Wh7xV90D
>>50
エクスカリバー

54:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:06:51 1juZjqqG
>>50
あったか?

55:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:39:27 Yw6yc/6U
>>52
エクスカリバーあったか?

56:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:58:32 WWI3meaU
>>52
> ハルヒSSを読んでる気はしなくて
ああ、成程。
面白くない訳じゃないのに素直にGJしたくない理由がやっと分かったよ。

とりあえず最後まで読まない限り何とも言えないので待機しとく。驚愕の真相wktk。
まあこれでキョンが本人だったら、次からは創作スレへどうぞとしか言えんが。

57:名無しさん@ピンキー
07/10/01 01:47:50 SGUmjCDm
語り手がキョンじゃなくなると登場人物は同じでもハルヒって感じがしないのは面白いな。

58:名無しさん@ピンキー
07/10/01 02:29:23 eW9m347I
面白いかぁ?

59:名無しさん@ピンキー
07/10/01 06:15:27 zpfzahWZ
ああ、そうか。
キョンがキョンらしくないから、このSS読んでても微妙な感じがするんだ。
キョンはこんなキャラじゃないよなあ、と思い続けてるからどうにも入り込めないというか。
やっぱハルヒSSはキョンデレがあってこそってことか。

60:名無しさん@ピンキー
07/10/01 12:08:15 oxPXnZIT
だんだんキョンと離してくみたいなのは案外受け入れられるんだけどね。
というかSS長編は大概そうなる。

61:名無しさん@ピンキー
07/10/01 13:41:22 WYwIMmkr
ただキョン以外のキャラはそんなに原作から離れてないように感じる
キョンフィルターがないから違和感がある人もいるだろたうけど俺は好きだな

62:名無しさん@ピンキー
07/10/01 14:13:48 LyS+YA7s
まあギャグは人を選ぶところがあるからな

63:名無しさん@ピンキー
07/10/01 14:58:06 Q5yFWVCq
>>33
GJ!!

64:名無しさん@ピンキー
07/10/01 15:35:40 SbKJqk/E
>>53
すいません。
エロパロでエクスカリバーは42-652、42-713しかなかったんですがエロパロじゃなかったんですかね。

65:名無しさん@ピンキー
07/10/01 15:46:11 l9EPOgLg
お前ら何でも「エクスカリバー」って答えりゃいいってもんじゃねぇぞ。

66:名無しさん@ピンキー
07/10/01 16:28:42 T9R1VlR8
えっ?エクスカリバーってベルカの防衛の要のやつ?
・・・俺が悪かったよ。

67:名無しさん@ピンキー
07/10/01 16:58:18 9YsK+iHL
>>66
よう同志
だがそれはエクスキャリバーではないか?

68:名無しさん@ピンキー
07/10/01 17:17:42 NM4qWAx2
>>64
SOS団が無ければ(ハルヒが居なければ)ミクルとマブダチでいられたのに!
と鶴屋さんがヤンデレして、フルボッコにしようと部室だったかハルヒの部屋に忍び込んだら
アルバムだったか写真立てに鶴屋さんの写った写真に、マジックで名誉顧問だか親友って描かれてて
涙ながらに正気に戻った話だろお?

たしか……古泉一樹のある意味ワn……ごめんウソ。

題名を思い出せない。ここかVIPだとは思うんだけど

69:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:29:39 spm7WgGS
確かエロパロ板だと思うが、朝倉が売春するという切ないSSがあったような気がするが…。

70:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:52:58 T9R1VlR8
あ、キャリバーか。
ory

71:名無しさん@ピンキー
07/10/01 20:08:53 WjsNAJhZ
>>69
長門じゃなくて?

72:名無しさん@ピンキー
07/10/01 20:12:38 spm7WgGS
>71
長門のは確認できたけど、確か朝倉さん版のもあった気がする。

73:名無しさん@ピンキー
07/10/01 23:18:34 wsYfILLg
>>68
俺は去年の冬くらいから住み着いて、それまでのココの作品全部読んで、
以来読み続けてるけど、そんな設定のは無かったと思う

74:名無しさん@ピンキー
07/10/01 23:44:26 SbKJqk/E
>>68
>>73
ですか。自分も一応エロパロのは全部読んだので、やはりVIPのほうですかね。
探してみます。

75:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:01:31 s1XIxoI0
いじめスレに、似た設定のものがあったと思う

76:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:13:01 B1mzQ+dE
あたしだって、体をもてあますことくらいはあるわよ」


あの時、俺は思った。こいつは何を急に口走っているのかと。

少なくともそれは健全な少年・少女の集う昼間の教室で呟くような言葉ではない。

話の流れからしても、そんなことまで奴に聞いていないのだ。そんなものは全くの蛇足でしかない。

彼女、涼宮ハルヒは一体何を考えてそんな言葉を発したのか、答えは謎のまま、俺はその疑問を表に出さずにその場をやり過ごした。


そして、「今」の俺はこう考えている。ああ、そういう伏線の張り方か、と。



「ちょっと、聞いてるの?キョン!」

一体ここはどこなのだろうか。少なくともいつもの見慣れた教室や自宅とは遠くかけ離れているということだけは確かだろう。

耳を劈くようなハルヒの罵声は、ただでさえうるさいのに、周りの壁という壁に反響しつくして、前衛的なオーケストラを奏でている。まったく、こんな狭いところで音量を考えずに怒鳴るのは勘弁願いたいものだ。

俺は軽い眩暈を覚えながら、何故こんなことになったのか、それについて記憶を探っていた。


俺は間違いなく自分の家で、自分の部屋で、自分の布団で寝ていたはずだ。


そして、俺は今なぜか薄暗く狭い洞窟の中にいる。更に、その唯一の出入り口は、落石で派手にふさがってしまっている訳だが。

岩と岩のかすかな隙間から、空気が通り抜けていることで窒息死だけは免れているのが唯一つの救いだろう。

しかし何より俺が頭を抱えたくなるのは、俺とこの場に居合わせるのが涼宮ハルヒ、彼女ただ一人だけということなのだ。

77:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:13:37 B1mzQ+dE
「あぁ」

俺は深いため息とともにその場に腰を下ろした。

「ただの夢で済んでくれればどれだけ楽なことか」

横目で隣をちらりと見れば、そこには機嫌の悪そうな創造主がいる。あっちも何故こんなことになったのかわからない、といった具合だろう。そのしかめっ面の中には不安と疑念が見え隠れしていた。


「…………どうなってんのよ、コレ」


「そんなこと俺に説明できるわけないだろう」


いや、説明はできるんだが。でも、お前は信じないだろうし、そもそも話すことはいわゆる禁則事項ってやつだ。

しかしまぁ、経験則というのは非常に心強いもので、何かしらもう動揺するのさえめんどくさくなってしまった自分がいる。この状況の指し示す事実、そしてその解決方法をおそらく俺は知っているのだ。

――だからといって、ホイホイと事務作業的にできることでもないんだがな。俺にだって一応葛藤とかは色々ある。


とにかく、今はハルヒの奴にいらないストレスを与えないようにしてやろう。随意不随意に関わらず、自分で作り上げた世界のクセに、ハルヒはどうもこの状況に若干怯えているようなのだ。


「どうすんのよ、こんなの………!」

「まぁ、落ち着け。といっても無理かも知れんが」

「当たり前でしょ!むしろあんたがそんなにのほほんとしてるのが怖いくらいよ!!」

「けど、今俺たちにはこの状況を打開する術を持たないのもまた事実な訳だ」

「………それは、そうだけど」


力なく、ぺたんとその場に座り込んでしまったハルヒを見て、俺は少し安心した。こんなところでパニックでも起こされたら鼓膜が何枚あっても足りない。

その後、俺たちはどちらも特に喋ることのないまま、時間だけが過ぎていった。


どれくらい経った頃だろうか。不思議と腹も減らなければ、便意も催さない。この狭い閉鎖空間の中、最たる心配事はその二つだった俺としてはありがたい限りだ。きっとそういう世界の仕組みなのだろう。


78:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:14:06 B1mzQ+dE
そんな時、ハルヒがおもむろに口を開いた。

「ねぇ、なんかちょっと……寒くない?」

言われてみれば、そうかもしれない。しかし、気にならないといえば気にならない程度のものだ。と言っても、それは生物学上雄である俺の立場からの意見であって、体感温度は基本的に女性の方が低い。

「そうかも知れんな」

俺は上着を脱いでハルヒの肩に掛けてやった。

「ほれ、これで少しはマシになるだろ」


「あ………」

ハルヒは一瞬戸惑いながら口を開いた。

「でもこんなことしたらあんたが冷えるでしょうが!」

「俺は別にそうでもないから大丈夫だ。というよりむしろ、お前が寒そうにしているのを見ているとこっちまで寒くなる」

「何よ、キョンのクセに偉そうに………」

ハルヒが俺の上着に包まるようにして、顔を背けたその時だった。鼻で笑おうとした俺は、何とタイミングの悪いことに寒くもないのにくしゃみをしてしまったのだ。ああ、メンツ丸つぶれだ。

「何よ、やっぱり寒いんじゃない」

「違う!今のはだな……」

「仕方ないわね……あ、あんたももっと、こっち来なさいよ」


何を言っとるんだお前は。とりあえず、俺の上着の裾をピラピラさせて一緒に入れというサインをするのをやめてくれ。

「俺なら本当になんともないから、ほっとけ!」

「馬鹿キョン!団員の体調管理も団長の大事な仕事の一つなのよ!いいから黙ってこっち来なさい!!」

その時俺は考えた。今不必要にハルヒに反抗するのは得策ではない。俺としても一刻も早くこの訳のわからん状況から脱却し、平凡な朝を迎えたいのだ。

「わかった、わかったからあまり怒鳴るな。頭に響いてかなわん」

俺は横に体をずらすように移動して、ハルヒと密着するように肩を並べた。上着を精一杯伸ばして、ようやく二人が収まるか収まらないかというところだ。

「なぁ、ハルヒ。やっぱりコレは無理があるぞ。なにせもともと俺が一人で着る為の服なんだからな」

「いいから黙ってなさいよ!…………このままでいいの」

79:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:14:53 B1mzQ+dE
むう。

俺は今、不覚にもこいつのセリフと表情にドキリとしてしまった。しかも体が密着しているもんだからやたらと恥ずかしいものがある。

そんなこんなで目も合わせられないが、時々隣の顔を盗み見ると、向こうも似たような顔をしていた。


そう、ここから先は言わずもがなだ。

どちらともなく、手を重ねていて、気づいたら向かい合ってお互いの顔がどんどん近づいて、吸い寄せられるように唇と唇は触れ合って――



毎度毎度気恥ずかしいものがあるが、悪い気はしないのも確かだ。本来ならば、こういうことは世界を救うためではなくて青少年の甘酸っぱい青春の一ページを刻むためにあるべきだ、というのは譲らないけどな。

俺がハルヒと唇を重ねてから、10秒ほどが経過した。世界はまだ収束する様相を見せはしない。



20秒。



3、30…………。



待て。どうも何かがおかしい。

お互いが自然に――ハルヒに関しては若干名残惜しそうな顔をしていたようで複雑だったが――唇を離して、顔を見合わせた。


どうもあちらも少し驚いたというか、恥ずかしいというか、なんというかそんな顔をしている。そりゃそうだ。今までキスしてたんだからな。

しかし、今問題なのは、何故この世界が収束に向かわないのか―――それだけだ。


「あ、あれ……いつもの夢じゃないん……だ………?」

どうやらハルヒの奴も自覚はしていたらしい。記憶があるのはお互い様ってことか。

「……………………」

しかし、コレは困った。今俺は最後のの切り札を使った。だが状況は改善されない。もう俺には何の手立ても残されちゃいないってことだ。

そして、それ以上に以前と違うのは、キスしてそのまま元の世界に逃げるという訳にはいかないこの抜き差しならない展開。

なんと気まずいことか。俺はもはや何を喋ったらいいかもわからなかった。

80:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:15:49 B1mzQ+dE
「………」


「あ………」

気づくとハルヒは自分の唇に指を当てて、どこか遠くを見ているようだった。


「どうかしたか?」

我ながら訳のわからないことを言ってしまった。キスしておいてどうかしたか、とはむしろ俺の頭の方がどうかしてしまったのではないだろうか。


ハルヒは紅潮した頬を更に赤く染めながら言った。

「え?……その……味、こんななんだと思って……」

ええい、ハルヒよ。こんな時に何をクソ真面目に答えとるんだ。混乱してゆく状況と俺の脳内を他所に、ハルヒの暴走はどんどん加速しているようだ。

しかし。俺は考え直した。

こういう時だからこそなのかもしれない。ハルヒはハルヒで色々あるのだろう。きっと、今が普段の自分から脱却するきっかけと考えているに違いないのだ。

そう思えばこそ、俺は余計とクソ真面目に状況を捉えざるを得ない。ここは、ハルヒの作った世界の中で、いわば彼女の本心の塊のようなところだ。

そんなところで、ハルヒは俺にこうも積極的にアプローチしてきている。それが何を意味するかは、いちいち言うべきところでもないだろう。

はっきり言おう。俺だって男だ。そんなことを言われて平気ではいられるはずもない。しかし、………


と、長々と処理落ちした脳を働かせている間に、気づけば俺はハルヒにもう一度唇を奪われていた。



「ん……んんっ………」

先程とは違い、やや乱暴に舌を絡めながらハルヒは俺に擦り寄ってきた。


明らかに俺の胸の鼓動は限界速度を超えている気がする。そして俺は自分でも知らない間にハルヒを抱きしめて壁に押し付けていた。

何か今まで溜まっていた抑圧のようなものがお互いに堰を切ってあふれ出したようだった。お互いに貪欲に唇を貪りあって非常に長い時間が過ぎた。

俺の股間では既に息子がいきりたっている。きっとハルヒにもバレているはずだ。


一向に収束しない世界。境界線の上に立つ一組の男女。邪魔者は何もない。



81:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:16:48 B1mzQ+dE
「……!?」


状況に流されたとでも言おうか、無意識の内に目の前に横たわる華奢な体を組み敷こうとしていたことに気づき、俺は一度ハルヒから手を離した。


なぁ、ハルヒよ。これがお前の望んだ世界なのか?もしここで、俺たちが一線を越えてしまって、それで世界は救われるのか?


おそらくそれだけではダメなはずだ。きっとそうだ。


俺がここで自分の欲望に任せてこいつを抱いてしまえば、今回はそれで事が収まるかもしれない。けれど、そうすることによって物語は悪い方向へ、おそらく次への道筋すら断たれてしまうことになるだろう。

一体俺は何を言いたいのか?それはつまり、物事には順序があると言うことだ。

「ちょっと……キョン……?」

状況のつかめていないハルヒの肩に手を置いて、

「いいかハルヒ、良く聞け」

俺は少し間を置いてから言った。自分への決心に少し時間がかかった。

「ポニーテール萌えだとか、そういうことじゃなくてだな、その、単純に俺は…………」


82:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:18:04 B1mzQ+dE
ふぅ。

自分でもとんでもないことを口走ってしまった気がする。だが後悔はしていない。形式的というか、事後承諾的にはなってしまったが、こういうのは大事なんだろう。


俺があの恥ずかしい単語群を捲くし立てた後、この洞窟の中にしばし静寂が訪れた。そして、ハルヒは全く俺に目を合わせようとしない。なんともつらい数分間があったものだ。

そう思って俺も目をそらしたその時だった。

ハルヒはゆっくりと俺の方へにじり寄って来た。何も喋ることなく、本当に、なんだろうか、人が変わってしまったかのように大人しい印象を受けた。

ハルヒはそのまま両手を俺の胸の辺りに添えるように懐に入ってきてずっと下を向いていた。

「キョンのくせに………」

こいつはこの期に及んでまだ憎まれ口を叩こうってのか?いや、それは違うはずだ。いくら俺が鈍いといわれようがそれくらいはわかる。

「俺のくせに、なんだ?」

ハルヒは俺の服をギュッと力をこめて握り締めて顔を上げた。

「…………そんなのわかるわけないでしょ………勝手にあたしの頭の中ぐちゃぐちゃにしといて………」


「でも、」


上目遣いのハルヒが一瞬俺の眼に映って、その後すぐにお互い目を瞑った。


「今回は許してあげる」



「ん……んっ……ちゅ………んむ…」

やさしくお互いを確かめ合うようにキスをしながら、俺は右手でハルヒの耳やら頭やら首筋やらをそっと撫でてやる。

その度にかすかな嬌声をあげるハルヒをいとおしく思いながら、お互いの唾液を混ぜ合わせるように口の中を愛撫した。


「やぁ………っっ!キョン……くすぐったいじゃ……な……んんっ……ふぁ」


反応を確かめながら、ゆっくりと服の中に手を忍ばせて二つのふくらみを揉みしだいていく。一般的なことを考えれば、同年代の中では中々いいサイズだ。

ハルヒはというと、完全になすがままという形で目を瞑って体を俺に預けている。しかし一向に唇だけは離そうとしない。

83:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:18:43 B1mzQ+dE
「ぷぁ…ふむぅ……ん……ちゅぱ……ん……」

少々手間取りながらもブラを下にずりおろし、俺はハルヒの双丘を直接指でなぞっていく。

その瞬間、驚いたのか、はたまた何かを期待したのか、その両方なのか定かではないがハルヒの体がビクッと反応した。そして、俺の指がその尖端に辿り着いた時、ハルヒの反応は顕著なものとなった。

「や………あっ、あっ……そこ……触っちゃ………はぁんっ……あ、あァァっ!」

先程よりも息を荒くして、舌を突き出すようにハルヒは震えていた。予想外だがどうもこいつはお気に入りのようだ。

その思わぬ快感に酔いしれるようなハルヒの表情が俺の中のSっ気に火をつけた。少しいじめてみたい気がする。

「気持ちいいのか、コレ」

俺は人差し指の腹で擦るように二つの突起を責めていく。乳首はもう完全に固くなって天を仰ぐようにそそり立っていた。

「あぁぁっ!!ちが……そうじゃ……はひィィ!」

予想通りの答えが返ってきたので、ハルヒが喋り終わる前に先程よりも強く乳頭をつねってやる。


「あはァ……ダメぇ………コレ……らめぇ……」


「なんだ、違うのか?それはすまなかったな。もうやめておこう」

しっかりと反応楽しんでから、不意に手を離してやる。ああ、意外と俺ってこういうの好きかも。



「え………?」


「悪かったな、嫌がってんのに」


「いや、そ、その……はぁ……はぁ」

予想外といった様子でハルヒは息を荒げたままモジモジとしていたが、やがて完全に折れてしまった。


84:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:19:33 B1mzQ+dE
「い、いいから」

ハルヒはボソリと呟く。

「え?何だって?」

俺はわざとにそう聞き返した。どうして欲しいかなんてわかっている。ただ、あいつの口からそれを聞きたいだけだったりする。

「その、しても………いいから」

「何をだ?」

「馬鹿キョン!いい加減にしなさいよ!!」

ハルヒもついにキレた。しかし、ここで下がってはいつもと同じなので俺は黙って様子をうかがうことにする。すると、ようやく観念したのかハルヒは泣き出しそうなほどに顔をくしゃくしゃにして俺の耳元で囁いた。

「……お願いだから……その………乳首……いじるのやめないで………」

「よくできました」

俺はそうハルヒの耳に囁き返してやると、ハルヒの服をたくし上げて、突起をこねるように愛撫していった。

「あっ、あっ、それ…………ひゃう……んはァ……あぁぁぁっ、やっ、あァっ……………」

ハルヒは蕩けた表情でどこか遠くの方を見つめるように情けない声を出した。

「随分敏感なんだな………普段から自分でも触ってるのか?」

一言一言、言葉で責めてやるたびにまた一段と感度が上がっている気がする。ハルヒの新しい一面を垣間見た気がした。

「やっ………その……それは……言わ…な…いで………はぅぅ……んんっ!」

言わないで、ということはしてるんだな、などと一人で考えながら俺は逸る気持ちを抑えて言葉責めを続けた。

「気持ちいいか……ほら?」

痙攣するように小刻みに震えながら、ハルヒはあられもない声で答える。

「はァん、あぁっ……あっ、あっ、だ、え……これ……い…いひィ……よぉ………」

口の端からは既に溢れた唾液がだらしなく垂れている。まさかここまでとは思っていなかった。俺はこんな姿を見せてくれるハルヒのことをいとおしく思った。


また、やさしく口付けしてやると、もう完全に雌としての涼宮ハルヒは出来上がっていた。俺は上半身の愛撫を一旦終え、太ももからゆっくりとスカートの中に指を這わせていく。

「……はぁ………はぁ………」

表面的には恥ずかしがるそぶりを見せながらも、彼女のその瞳の奥には完全にその先を期待する妖艶な光が揺らいでいた。

ハルヒは自分から自然に股を開くように、俺の手を自分の陰部へと誘った。

85:名無しさん@ピンキー
07/10/02 01:16:24 WR7kdIym
ワッフルワッフル

86:名無しさん@ピンキー
07/10/02 05:53:09 y9QdMBJq
原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。
これはもう如何ともしがたいね……

87:名無しさん@ピンキー
07/10/02 06:57:21 XR4BQbA8
続きはまだか?それと題名ないぞ。
この生殺し野郎。

88:名無しさん@ピンキー
07/10/02 11:41:01 UBPDEt4S
超GJ
変なやつは気にせず続きを頼む

89:名無しさん@ピンキー
07/10/02 12:36:32 WiYr1Adi
突然の投下wそして良作の予感
続きプリーズ

90:名無しさん@ピンキー
07/10/02 13:04:37 HqrPvxn0
連投規制にでも引っかかって、投下を諦めたのかな?
また夜に続きが来るかも。

91:名無しさん@ピンキー
07/10/02 15:02:47 45W1ocHm
うっははーい

92:名無しさん@ピンキー
07/10/02 15:54:31 ZuGMT+Vc
>>88
荒らすなクズ

93:名無しさん@ピンキー
07/10/02 15:58:51 wChQWj/S
予告は欲しかったな

94:名無しさん@ピンキー
07/10/02 16:38:32 K76TKREL
VIPの続きかな?

95:名無しさん@ピンキー
07/10/02 17:07:04 t/OFTOFG
続きマダー?

96:名無しさん@ピンキー
07/10/02 19:32:16 SusjOVxa
全裸で待つ

97:名無しさん@ピンキー
07/10/02 20:13:58 XR4BQbA8
>>96
風邪引くぞ。

98:名無しさん@ピンキー
07/10/02 20:48:50 5EmxM+54
97の優しさに泣いた

99:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:46:17 piXkmejk
>>96
しょうがないですね、僕が"内側"から暖めて差し上げましょう

100:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:52:32 GCAaivtM
なんでそんなに行間を空けるんだ。
詰めた方が読み易い。

101: ◆LeyXT4003g
07/10/02 23:54:17 j4KVSPiL
投稿中だと思って、俺でさえ今は黙ってるんだから…。

102:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:54:57 w9Pdqj1r
俺は空いてる方が読みやすい

2ちゃんじゃタグ打てるわけじゃねえんだ
ウダウダ言ってねえで嫌なら読むな

103:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:59:13 8R/vdHKN
俺は読みにくい。嫌とかじゃなくて、「読みにくい」
はい続き待ってますよ。いやマジでお願いします。溜めて待ってるんだからな。

104: ◆LeyXT4003g
07/10/02 23:59:46 j4KVSPiL
では何故、普段の書き込みに空白行を使わないのか?
読みやすい読みにくいの問題もあるが、
「読んで読んで!」という書き手の自己顕示欲が見えてしまうから、改行厨は嫌いなんだ。

このレスも嫌なら読むな。

105:アスタリスク ◆MQvo6f6euI
07/10/03 00:03:50 GATs98x4
◆LeyXT4003g

106:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:07:10 rfy/tuMx
どう改行するかは人によりけりだろーよ
まぁでも詰められるところは詰めて、
場面が変わるところや強調したい部分があるところで行空ける方が
無駄が少なくて良い、と思うのは俺だけではないはずだ

このレスも嫌なら読むな。

107:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:20:32 EeCu5WNL
読んでもらいたい所を強調するのは当然の心理だと思うんだけどな。
詰め込みすぎて起伏のない文章だとポイントが読み飛ばされる危険があるし、
そもそもSSなんて自己顕示欲がなきゃ書かんでしょ、普通に考えて。
書き手の工夫を厨行為とか貶すのは同じ書き手として許せん。

108:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:25:43 xdV+Ez29
あのね。気に入らなきゃ自分で編集して欲しいのね。
エディタに貼って好きなだけ自分好みに改行いじればいいじゃない。
フォーマットに関する注文をそんなに細かく指摘してどうすんの?
そんなことより重視すべきなのは地の文や表現力、内容、展開でしょ。
これらは読み手じゃどうすることもできない箇所なんだから。


109:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:29:45 SXLp3zWd
なんという健全な流れ

110:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:33:37 1TNogUTW
まあ書く人によって違っていいんじゃね?と思うよ。


111:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:40:04 i7q3Bw+w
>>104
まるで俺の書き方がSSの標準規格だ!と言わんばかり。
あまりに頭が固いとしか言いようがない。

112:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:41:34 Yhvuydue
◆LeyXT4003gの作品読んでみたいんだが、まとめにある?

113:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:44:53 Ij52DkLF
>>84
意味の在る空白に思えない
普通に読みにくい

114:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:52:15 JfzxX9XV
>>112
あるらしいが投下時にはトリがないので不明。

115:名無しさん@ピンキー
07/10/03 00:56:06 Yhvuydue
>>114
なんだそれw
自己主張する所、逆だろ…

116:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:04:43 i7q3Bw+w
当の本人も言っていた憶えがあるが、
SSを書いているなら、批評もだらだらと意味のない煽り文なんて書かず、
自分のSSを見せつけて「どうだ、これなら読みやすくて完璧だろう」ぐらい言ってもらいたいものだ。

117:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:28:13 SXLp3zWd
まあ実際、ここでちょくちょく名前が挙げられる書き手さんたちは皆、文章、小説を書く上での基本が守られているけどな。

118:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:35:21 7i9BVIjY
妙なフォーマットとでもそれで統一さえしてれば問題ない。改行も必ず一行ずつならそれでいいんだけどね。2行だったり3行だったりマチマチだとやっぱり読みにくいと感じる。

>>117
俺はどちらでもいい(つまりガッチリ守らなくてもいいかな?くらい)けど、ストーリー等以外に突っ込まれにくくなるのは確かだと思う。

119:名無しさん@ピンキー
07/10/03 02:19:35 9uBl4Myj
>>117
そんなことはない。
そもそも、日本語の文章なんだから縦書きすべき。

120:名無しさん@ピンキー
07/10/03 02:33:34 LP0oEeY+
SSの中で最も読みづらくつまらない作品が◆LeyXT4003gの書いたもの。
自分でまともな文章かけないからケチつけてるんだろ?

121:名無しさん@ピンキー
07/10/03 02:44:16 MJ3vxARg
朝比奈さんが的確な批評家だった時期もありました
でもそれは過去のものです

122:名無しさん@ピンキー
07/10/03 03:08:34 XPjqxQ6d
・朝比奈さん空気説
・朝比奈さん逃亡説
・朝比奈さん失踪説
・朝比奈さん死亡説
・朝比奈さん脂肪説

さあ選べ

123:◇LeyXT4003g
07/10/03 03:34:15 523rcAxO
>>112
 URLリンク(eroparo.s13.dxbeat.com)

124:名無しさん@ピンキー
07/10/03 04:15:05 qknFewNH
そうやって良作家をごたごたに巻き込むなよ

125:名無しさん@ピンキー
07/10/03 04:30:23 bYNP+olH
最悪なことするやつだな

126:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:30:17 WsEbA271
ああ…やっと俺にもあの台詞を言うことができる。
なんで俺が帰ってくると荒れてるんだ?

127:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:43:39 tnFDFBJs
俺はハルヒの恥部を下着の上から軽く撫でてやった。指の感触で、もう下着の中は濡れているのがよくわかる。
筋に沿うようにして指を這わせると、ハルヒは背中をのけぞるように微細に身体を震わせて息を呑んだ。
「んくぅ………ぁっ………ふぁぁっ」
そのまま下着を脱がせてしまおうかとも思ったが、俺は思いとどまってそのままハルヒの敏感な部分をいじることにした。
少し動きづらかったので、壁にもたれて座る俺の膝の上にハルヒを座らせて、彼女を背後から抱きとめる形に俺は体勢を入れ替える。
俺は蜜壷の入り口付近を中指でぐりぐりと小さな円を描くように擦っていく。下着を通した柔らかな刺激がハルヒには心地良いようで、開きっぱなしの口からは小さく声が漏れ続けていた。
ハルヒの様子を確認しながら、俺は中指は動かしたまま、更に右手の手のひら全体を使って股に擦り付けるように愛撫してゆき、同時に空いた左手で先程のように胸の突起を愛でてやった。
「……ふぁ!?………やっ、あっぁぅぅ…………ぁっ……あぇぇ……なん……でぇ……?……あぁぁっ……あはぁぁぁっ……」
ハルヒの明らかに反応がおかしい。彼女は先程までとは比べ物にならないくらいによがって鳴いているようだ。
それなら話は早い。ハルヒには存分に楽しんでもらおう。俺は手を休めずに、そのままハルヒの首の後ろから舌を這わせて、耳の裏をなぞったり、耳殻をあま噛みしたりとさらに彼女を責め立てた。
「ぁぁぁっ……やっ……やっ……らめ…ぇぇぇぇっ………これ……はひィ……はひィィ………あっ……!!…やぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっっっ!!!」
ビクビクと首筋をうねらせて弓なりになったかと思うと、ハルヒは急に力が抜けたように俺にもたれかかってきた。おそらく果ててしまったのだろう。
「……はぁぁっ……はぁぁっ………ぁァ……」
「大丈夫か、ハルヒ?」
未だ余韻に浸っているハルヒを見て、俺は大げさと言ってもいいくらいの反応に若干驚きながらも、彼女を絶頂に導けたことに少し満足し、リボンの乱れた頭を撫でながら訊ねた。
「そんなに気持ちよかったのか、これ」
ハルヒはうまく喋れなかったのか、息を整えるように間を置いてから恥ずかしそうに喋りだした。
「………なんていうか………その……」
ハルヒは単語をひねり出すように口に出していく。きっとうまく頭が働かないのだろう。
「いつもの……あたしの……仕方と……同じ……で………しかも……耳……ぞくぞく……って………」
こいつは驚いた。どうも俺はハルヒの自慰方法を再現してしまったらしい。ていうかこいつ、いつも履いたまましてるのか。
この時の俺はなんとも言えない興奮と優越感を覚えて、少し調子に乗っていたのかもしれない。いや、確実に乗っていた。
「なぁ、ハルヒ」
わざと耳のすぐそばで囁く。ハルヒは先程の耳愛撫のせいか、やたら敏感に反応したようだった。
「そんなによかったんなら、もっとしてやるよ」
俺はそう言って耳に軽くキスをすると、もう一度手を元の場所へと伸ばした。
「え……?やっ……あ、あた……今……イッた……ばっか…ん……やぁぁぁっ!!」
先程よりもいやらしい手つきで俺はハルヒの敏感な部分を愛でていく。抵抗しようとするも四肢に力の入らないハルヒは言葉にならない声をあげるしかなかった。
「ぁぁぁぁァ…………ぁぁぁぁァ…………ぁぁぁぁァ…………」
首筋に跡が残るくらい吸い付きながら、中指を穴の奥に押し込んで、それと一緒に乳首を少し力を入れてつねってやると、ハルヒは簡単に二度目の絶頂を迎えた。
「んっ……はァァァ…あっ、あっ、あっ、あっ…!?…ぃ…はひィィィィィィィィィィっっ!!!」
だらりとしたハルヒの頬を舐めるようにキスしてやると、残った力を振り絞ってハルヒは俺の唇を求めてきた。こういうのもなんだかグッと来るものがある。
「ん……………んちゅ………ちゅぱ………んふぁ……」
ハルヒの休憩も兼ねて、しばらくの間俺はそのまま舌を絡め続けた。二度の絶頂を越え、熱心に俺の舌を追うハルヒは、どこか甘える仔猫のような妖艶さを醸し出していた。
個人的にはこんなにかわいい仕草を見せるハルヒも珍しいので、今しばらくこの状況を楽しんでいたいところだが、これだけの行為を経て俺としてももう限界だ。恥ずかしい話、こいつの腰の辺りに息子が擦れているだけで若干気持ちよくなってしまっている俺がいるのも確かだ。
そんなことを考えながらもあまりの愛おしさに次への展開に足踏みしていたその時、ハルヒはおもむろに呟いた。
「……ねぇ」
舌を口の中に収めて今までの余韻を味わうかのようにしながらハルヒは淫靡な笑みを浮かべた。
「キョン……欲しい………」

128:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:45:04 tnFDFBJs
その言葉はこの世界の鍵だったのかもしれない。俺はハルヒを抱きかかえるように押し倒し、逸る気持ちを押し殺しながらズボンを下ろした。下着が張り裂けそうなほどに勃起した俺のペニスを見て、ハルヒはごくりと唾を飲んだ。
ハルヒはそっとその細長い指でパンツ越しに俺自身を撫でるように包み込んだ。
「すご……これ……こんなに熱いんだ………」
そのままじわじわとハルヒは口を近づけて、先っちょに軽くキスをした。俺は予想外の出来事に少しためらいがちに声を上げてしまった。
「なっ…!何をして・・・・・・っ!!」
そんな俺を制すようにハルヒは優しく答えた。
「ちょっとしたあいさつみたいなものよ」
まったくこいつの考えることはわからん。しかし、唯一つはっきりしていることがあるとすれば、それはハルヒの毒に俺がもう完全にやられているということだけだ。
俺は早々と下着を脱ぎ捨てて、ハルヒの顔の両脇に手をついた。
「………しても、いいか?」
ハルヒは俺の顔を抱きかかえるようにして、また唇を重ねてから悪戯に答えた。
「してくれなきゃ、許してあげない」
俺はなるべく紳士的に振舞おうと思っていた。自分だけが気持ちのよいセックスというのも自分の考えに反する。
と、そんな偉そうなことを考えてみたはいいものの、何より俺だって初めてなのだ。実際始めてみればそんなことまで頭も回らなければ、うまくことが運ぶわけもない。
悪戦苦闘しつつも挿入した直後は、痛みと緊張でこわばったハルヒをなだめる術も思いつかず、自分の快楽に負けてただ腰を動かしていた。
しかし、すぐに苦しそうなハルヒの顔が目に入り、思わず情けなくなった俺は一度動くのを止めた。重苦しい雰囲気の中、二人の激しい息遣いだけが洞窟の中にこだました。
「…すまん、痛かっただろう……」
そう言いながらも本人の中で未だ陰りも見せずにいきり立ってしまっている俺は、人生至上最低に情けなかったことだろう。
「……バカ!何で謝んのよ……さ、最初は誰だって……とにかくキョンが気に病むことじゃないの!」
目の端に涙を溜めたままそう強がるハルヒを見て、俺は自分の不甲斐なさをさらに痛感するとともに、ハルヒの不器用な愛情表現に心を打たれた。
なんだかんだ言って、俺はこいつのことが本当に好きなのだ。結局のところ、初めて会ったときから、世界を救うとか、そういうことは関係なくて、俺は俺自身の感情で、この涼宮ハルヒのことが好きなのだ、そう確信した。
俺はなんだか心が温かくなって、ハルヒと一つになったまま彼女を抱きしめて、その場に寝転がった。
「………キョン?」
「…………少し、このままでいないか?」
ハルヒはいつか俺に見せたような優しい微笑みで小さく頷いた。
俺とハルヒは何も喋らずに二人で抱き合っていた。時折お互いの愛情を確認するようにキスをはさむ。もうどちらにも緊張はなかった。
そんな状態のまま何分が経っただろうか。

129:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:46:08 tnFDFBJs
「……ぁっ」
ハルヒは、急に小さくうめくような声を上げた。
「………どうした?」
少し、彼女の顔色がおかしい、そう感じた。
「……なんだろ………なんか………むずむずする………」
その時、俺のペニスが不意に脈打った。それに合わせてハルヒはビクンと体を跳ね上がらせる。
「ひゃ……っ………!?」
「す、すまん、痛かったか?」
ハルヒは俺の言葉に答えながらも何か別のことを考えているようだった。
「ちが……ぁぁ………な…に………ぁっ………これ……」
そう言いかけると、なんと突然彼女はゆっくりとではあるが自分から腰を動かし始めたのだった。
「なんで……腰……勝手に………あぁっ…これ…やば……い……かも」
ハルヒは目の焦点が合っていないようで、自分で自分がどうなっているのかさえわかっていない様子だ。俺はそれを見て、今なら少しは動いてもよさそうな気がして自分からも腰を動かしてみた。
「え……!?……ちょ…っと……キョン……なに…ゃっ………ぁぁぁっ、あぇぇ…あぇぇ……ふぁぁっ」
これは確実に快感の波に呑まれてきている。そう確信した俺は、ハルヒに問いかけてみた。
「どうした?」
俺は少しずつグラインドの幅を広げていく。ハルヒは混乱した様子で答えのような、感想のようなものを口にした。
「よくっ……わか…ぁっ……ない……けどっ……ひぁぁ……ぁぁぁっ!!………こ……なの……は…ひィっ……めて………」
俺はハルヒの腰の動きに合わせてうまくこすれあう角度を探しながら、彼女の身体を突き上げていった。彼女の膣は先程までとは別人のような締め付けで、俺のペニスを根元からくわえ込んでいる。
「あっ、あっ、ひゃぅぅぅぅ…………すご………イィィのぉ………ぉぉ……キョ…ん……きょぉ……んんっ」

130:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:47:09 tnFDFBJs
二人はいつの間にか激しく絡み合い、お互いに必死で快楽を得ようとしていた。
かく言う俺の方も、あまりの気持ちの良さにもうすぐにでも果ててしまいそうになるのを必死で抑えて腰を打ちつけた。何重にも折重なった襞が包み込むように俺の陰茎に絡みつき、出し入れするだけでも恐ろしいほどの刺激が俺を襲っているのだ。
「くはッ……ハルヒ…………これは………やばい……」
「きょ…ぉん……きょ…ん……きもち……ひいのぉ…………あら…しィ……あひィっ…ぁぁぁぁぇぇ……ぁはっ」
蕩けるような目でこちらを見つめるハルヒを見る度に、俺の高揚感はどんどん高まっていく。俺はしゃぶりつく様にハルヒの唇を貪った。
二人の汗と体液が混ざって、なんともいえない臭いがあたりに充満する。両手両足で俺の身体をがっちりと抱きしめるハルヒの顔はもう唾液まみれになっている。
その場の何もかもが俺にとって興奮材料であり、俺は我を忘れて行為に没頭した。
そして、たまたま俺が身体の角度を変えた時、ちょうどペニスが子宮口の奥のくぼみと淫核の裏側を擦ってゆき、それと同時にハルヒの喘ぎ声が一オクターブ上がった。
「あはァ……!?……そこぉ………そこらめぇぇぇ……おかひく………なっひゃう……の…!!……んにゃぁぁぁっ…………ゃぁぁ!!んひぁぁぁぁ!!!」
ハルヒがまるで発情期の猫のような声で鳴く。俺は角度をこのまま固定し、ハルヒの弱いところに何度も何度も擦れるように小刻みに腰を動かした。
「ゃぁぁぁぁぁ………きょん……もっと……そこぉ……もっとぉぉ……ぁっ、にゃぅぅぅ!!にゃぅぅぅぅっ!!」
「うっ………ハル…ひっ………そんな……締めたら……俺はっ………」
俺はもう確実に限界だ。俺は自分の中に昇りつめる何かを感じていたが、ハルヒもどうやら限界が近いようだ。
「ゃぁぁぁぁ………も……ォ………だめ……あ、あた………も……しゅごいの………クる……キちゃう……よぉぉ………ひ…あひィ……あへぇ……!!」
急に膣内が小刻みに痙攣するように蠢き出して、直後にそのままハルヒは足の先を大きく反らして絶頂を迎えた。
「……はぅんっ!?……にゃぅ…あぁっ……あっ……やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!!!」
俺は何とか先に一人果ててしまうのを免れたわけだ。本当ならば同じタイミングで絶頂を迎えたかったがそううまくはいかないだろう。後はさっさと自分のものを引き抜いて、破裂寸前のペニスを解き放ってやるだけだった。
しかし、ハルヒがなかなか離してくれず、俺が手間取っているその時だった。
「おい、ハルヒ、俺も……その、外に出さないと…まず…い」
ハルヒは俺の言うことなど全く耳に入っていない様子で口を開いた。
「ああ………きょん………すきぃ………だい…しゅ…きぃぃ……」
「え?お、お前……!…っっくぁ!!!!!!」
こんな時にそんなセリフを耳元で呟かれたら。俺はその瞬間に全ての箍が外れてハルヒの膣内に大量の白濁液を放出してしまった。
ああ、やっちまった。しかし俺は、もう何も考えたくなかったので言い知れない幸福感とともにその場に倒れこんだ。

131:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:47:51 tnFDFBJs
あれからどれだけ経ったか知らないが、俺はとてつもない倦怠感とともに目を覚ました。しかし、予想に反してそこは俺の部屋ではなく、未だ洞窟のままだった。
そして、俺の目前およそ3センチの距離には涼宮ハルヒと思われる人物の顔があった。
「あ!やっと起きたわね!」
俺たちはほぼ裸で、懐中電灯の薄暗い光だけの洞窟の中、上着を下に敷いて寝そべっていた。どこかで水の滴る音がする。外は雨なのだろうか。
俺は寝起きの呆けた頭にムチを打って考えた。おかしい。何故世界は元に戻らないんだ?ハルヒの望みはかなえたはずだ。
だが、しかし、俺はその判断が間違っていたことにすぐ気づかされることになる。
「ねぇ、キョン」
ハルヒは俺の胸に顔をうずめながら消え入るような声で呟いた。
「さっきの……その……………」
俺は記憶をたどって、恥ずかしさと申し訳なさに頭を掻き毟りながら答えた。そうだ、俺は勢い余って彼女に膣内出ししてしまったのだ。
「す、すまん……その、膣内に出したのは……不可抗力というか……」
ハルヒは慌てて俺の言葉を否定するように遮って続けた。
「そ、そうじゃなくて!それは……別にどうでもいいのよ………大丈夫な日だし」
……どうでもいいって事はないだろう。本当にこいつの判断基準はわからん。
「その………すごく……よかった………て言ってんの……」
そう言って照れて顔を俺の胸に隠してしまったハルヒを抱きしめて、俺は答えた。
「そいつは、よかった」
こいつに満足してもらえたのならそれでいい。というかまぁ、俺も存分に満足しているんだが。
ん?待て、じゃあなぜ元の世界に戻らないんだろうか。
「そ、それでね?」
ハルヒの話は続いた。
「まだ助けもこないだろうし、それまであんたがしたいって言うなら、もう一回……その、してもいいんだけど……」
「…………………………」
ああ、そういうことか。俺は思った。こいつはまだ満足なんかしていないのだ。むしろ味をしめていると言ってもいい。俺は、こいつが飽きるまで平穏な世界には帰れないのだろう。
「……で、どうする?」
もう一度言う。俺は涼宮ハルヒの毒に完全にやられている、と。
チクショウ。

132:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:48:26 tnFDFBJs
それから俺たちが三回ほど情事を済ませた後のことだった。
さすがに寒いので服は着て、二人でで寄り添って眠っていた所に古泉たちが消防隊と思しき面々を引き連れて外から岩を除去して助けに来たのだ。
なんとか事に及んでいたのはバレずに済んだが俺としては何もかもが理解不能なわけで。俺の予想では、そのうち眠たくなって、次に起きたら自分の部屋でフロイト先生爆笑という筋書きだったのだが。
「もぅ、焦りましたよぉー!”近くの山にそれっぽい洞窟見つけたから次の日曜は早朝から探検よ!”なんて涼宮さんが言い出したかと思った矢先に先発隊のキョン君たち二人だけ落盤で閉じ込められちゃったんですからぁ!」
ああ、朝比奈さん、明瞭かつ説明的なセリフをどうもありがとう。
「あの状況では私が介入して落盤を除去すると涼宮ハルヒに不信感を与えることが予想された。生命の危険性の度合いから考えても、この場合レスキューが着くのを待つのが最良」
長門のおっしゃる通りでございます。
「え?閉鎖空間ですか?今日はまだ一度も発生していませんよ?」
…………………………。
三人の話を聞くとともに、俺はもう一度記憶を整理した。………ああ、なんてこった。俺はそもそも閉鎖空間の中になんかいなかったのだ。
俺は部屋で寝てたんじゃあない。確かに、この山に探検に来たのだった。
落盤の際に頭を打ったショックか何かで記憶が混乱していたのもあるのだろう。起きたときの状況があまりにもそれっぽすぎて、俺はとんでもない勘違いをしてしまった。そして、おそらくそれはハルヒも同様だったようだ。
ああ、つまり、俺は現実の世界でハルヒとどうこうなってしまったわけだ。閉鎖空間の中で、夢のひと時、というわけではないらしい。
しかし、すぐに俺は考え直した。これでよかったんじゃないかと。今回の騒動のおかげで、俺たちはお互いに素直な気持ちに向き合えたのだし、これでハルヒのストレスが減ってくれれば世界の危機も減るはずだ。
「ほら、キョン!ボーっと突っ立ってないでさっさと帰るわよ!」
強引に俺の手を引いて残りの面々を半ば置き去りにする形で走り出したハルヒは、みんなが見えないところまで来ると急に立ち止まって嬉しそうに俺の腕にまとわりついてきた。
まぁ、こういう現実も決して悪いものじゃないだろう。むしろ俺は心のどこかで望んでいたのかもしれない。俺はハルヒの手をしっかり握ってやると自分のポケットに突っ込んでそのまま家路に着いた。


133:名無しさん@ピンキー
07/10/03 05:58:03 +EsyMjQr
終わりですか?

134:76
07/10/03 06:07:34 tnFDFBJs
一応これで終了。後半のデータが飛んだので書き直すのに時間がかかってしまった。
あと、無意味な空白の件とそれに付随したスレの荒れに関しては非常に申し訳ない。
俺、目悪くてパソコンで字書くときすぐ行間開けたがるんだ。
さらにこの話、一応オチを用意していたんだが後から読み返したらgdgdだったのでちょっと離して置いときます。
もうイラネって人はこの下スルーで。









「ふぅ…なんとかうまくいきましたね」
古泉はため息をついてその場に腰を下ろした。
「あれで本当に騙せたんでしょうか……?」
心配そうな顔つきのでみくるは答えた。
「おそらく大丈夫。行動、会話、バイオリズム等からの判断では気づいていない」
長門はいつもどおり表情一つ変えず、どこか遠くを見ながら機械的に呟く。
「でもやっぱり、閉鎖空間から戻ってきた二人をすぐにその場で気絶させて、似たような洞窟作って放り込んで一旦出口を塞いでからまた助けに来るなんて、やりすぎじゃないですか………?」
今回は彼女は状況説明係だ。
「朝比奈さんだって、あんなモタモタしてる二人は見てられないでしょう?結果、こうやって僕の仕事も減ることになりそうですし」
長門は微かにその言葉に頷いた。
「それはそうですけどぉー」
「さぁ、僕らも帰りましょうか」


帰り路、早朝の秋空があまりにも綺麗に澄み渡っていたもんで、朝焼けに染まった雲が俺の心の色を表しているようだ、などと詩人に浸っていたら後頭部をハルヒにドつかれた。
「キリキリ歩きなさいよ!馬鹿キョン!!」


おしまい

135:名無しさん@ピンキー
07/10/03 06:10:56 1HWIzJkl
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!

136:名無しさん@ピンキー
07/10/03 07:27:49 lo4+FjJO
そのフィナーレ大事じゃないかっ、ちゃんと本文のうちに入れておこうよ!

137:名無しさん@ピンキー
07/10/03 07:28:26 +EsyMjQr
>>134
いいよ!いいよ!タイトルまだ~?

138:名無しさん@ピンキー
07/10/03 08:31:59 XQytyDn6
最初は落ちを入れるのは怖いかもしれないが、頑張って本編に入れようぜ。

139:名無しさん@ピンキー
07/10/03 12:56:14 pLrvor2k
なんかエロパロというか全般的につながりづらいな

140:名無しさん@ピンキー
07/10/03 13:39:57 Wb/WhPnF
空行が気に入らんやつは詩と小説が融合したもんだと思えばいい

141:名無しさん@ピンキー
07/10/03 15:55:20 8KO0DYDh
>>134
そのオチが無かったなら実は世界は既に誰も気付かない内に改変されたんじゃ……
とか思って微妙な気持ちになる所だったよw
GJ!

142:名無しさん@ピンキー
07/10/03 19:26:27 Ix4yJI+q
久しぶりにハルヒエロSSを読んだような気がした。
ともあれGJ。ちょっくら作業してくる。



あと、奴がまたケチつけてくるからちゃんとNGワードに登録しておくんだぜ?

143:名無しさん@ピンキー
07/10/03 20:06:13 H58ZcvxC
>>142
余計なコト言わない。

朝から調子悪くて見れなかったけどようやく読めた。
これはGJと言わざるをえない。書き直しもお疲れ様でした。

144:名無しさん@ピンキー
07/10/03 21:44:35 rfy/tuMx
>>134
そのオチは必要だぜ~
GJ!

145:名無しさん@ピンキー
07/10/03 22:13:41 a7TYaVWV
物凄い勢いでGJ

146:名無しさん@ピンキー
07/10/03 23:37:12 fbe0s3F8
作業終了!
GJ!!

147:名無しさん@ピンキー
07/10/04 00:16:30 9h8uENLM
>>141
俺もおもた
良かったよGJ!

148:名無しさん@ピンキー
07/10/04 00:37:06 A/8trGRx
DDOアップローダー~1GB
URLリンク(ddo-jp.ddo.jp)

ファイル転送サービス

149:名無しさん@ピンキー
07/10/04 23:31:31 cNKtESRP
キョンが死んでしまい朝倉に命を与えられて元に戻る作品ってあったよな?

150:名無しさん@ピンキー
07/10/04 23:51:35 EyDIAH65
27-620様: 『涼宮ハルヒの完結』
これだな

151:名無しさん@ピンキー
07/10/04 23:56:18 cNKtESRP
>>150
それだ!有難う

152:名無しさん@ピンキー
07/10/04 23:58:36 qj6LCTMv
このスレ住民の検索力は異常。
惚れ惚れするw

153:名無しさん@ピンキー
07/10/05 00:05:49 79h1Ovcr
みなさん急にムラムラしだした様ですね

154:名無しさん@ピンキー
07/10/05 00:13:06 oqlh8uQ4
俺はムクムクしてきた

155:名無しさん@ピンキー
07/10/05 00:13:48 5fmdNvux
ちょっと流るんにファンレター書いてくるわ

156:小ネタ
07/10/05 01:09:23 uuY6lGI2
「ほらほら谷口、あたしが見てるんだから、さっさとしごいて逝きなさい!」
「他人に見られての自慰なんて……嫌だ……」
「でもあたしを見て興奮してるのは確かなんでしょ?ほら!」

ハルヒの手が谷口のズボンの上からでもはっきりと確認できる「もの」に添えられていく。

「もうこんなになってる…やっぱり興奮してるんだ」
「触るなよ!俺は朝倉を思って……」
「あいつの事なんか忘れてよ。あたしが気持ちよくしてあげるんだから感謝しなさい!」
「てめーに自慰の手伝いなんてさせられるかよ…ぅ」

谷口の言葉を無視してハルヒはズボンのチャックをを開け、トランクスからものを取り出し、
激しく、時には優しく撫でる。

「やめてくれよ!どうせ俺はモテないし彼女なんてできないと分かってるんだから…」
「うるさい!興奮してるんでしょ?さっさと逝きなさいよ、プライドだけは高いんだから!」
「お前なんかに逝か……ぅっ」
「そろそろ逝くみたいね…我慢なんかしなくていいわよ、「どぴゅ」っと出しなさい…いいわね?」

谷口は無抵抗に、首を縦に振る。ハルヒが激しくしごく。

「出るっ……うっ!」

どぴゅ、ぴゅくっ、ぴゅく…
谷口のものから放たれる白い液体が、ハルヒの手に、床にかかる。

「はぁ、はぁ、はぁ」
「あたしの手があんたの精液でベトベトになってる。なんか気持ち悪いわね…けど気持ちよかったでしょ?」
「ああ……一人でやるより気持ちよかったぜ……」
「抵抗しなきゃ、もっと気持ちよく逝ってたのにね……」
「今度もキョンがいない間に頼むぜ……」
「今度は…あたしも気持ちよくさせてよね?(はぁと)」


「ふふふ……ユニーク」

つづくかどうかわからない

157:名無しさん@ピンキー
07/10/05 02:37:52 9WBhaqVp
谷ハルktkr

158:名無しさん@ピンキー
07/10/05 03:13:21 oqlh8uQ4
キモイな

159:名無しさん@ピンキー
07/10/05 03:54:04 fAnjB6F0
谷ハル好きの俺でも泣く文才

160:ハルヒテクニック
07/10/05 03:54:55 gvuW8tyf

「ん……ちゅ、ん……」
「……っく……」

―”くちゅ……、ぴちゃ……”

 湿った水音と微かな二人の息遣いが、人気のなくなった部室から漏れ聞こえている。窓から差し込む日の光はとうに茜色へと変わり、学内へと残っている部活組の生徒の喧騒も納まりつつある頃だった。
 男―キョンは普段団長であるハルヒが腰掛けている椅子へと腰をおろしており、逆には女―ハルヒはかしずくようにキョンの股座へと体を割り込ませ、小刻みに頭を上下させている。
 左手は根元周辺に固定させて、右手は太ももを愛撫するように、熱を移すようにゆっくりと擦る。

「ん、んん……ぷぁっ……どう? 気持ち、いい?」
「ああ……」

 規則的に上下していた頭がゆっくりとあがり、ちゅば、という粘っこい音を立て亀頭から離れていく。口と亀頭には銀色の橋が架かり、暫くの間繋がっていたが、地面へとひかれるように落ちて行く。
 その間にハルヒは、太ももを愛撫していた右手を袋へと移動させ、一なでした後、親指でくすぐるように裏スジを揉み込む。

「ハルヒ……」

 キョンはそういって右手をハルヒの後頭部へ回し、催促するように軽く引き寄せる。
 その力加減は拒否しようと思えば容易に解けそうな微々たるものだったが、ハルヒはそのキョンの行為を受け入れるようにまた顔を亀頭へ近づけて、

―”れろっ……”

「ぅあ……っ」

161:名無しさん@ピンキー
07/10/05 03:56:04 gvuW8tyf
 キョンはたまらずに声を上げる。
 一度大きく舐め上げて反応をうかがうと、今度は焦らすようにチロチロと蛇のように小刻みにカリの周辺を突付いていく。
 
「ふふ……」

 楽しそうに笑うハルヒ。
 その顔はこういうのもいいでしょ? という悪戯めいたものが伺える。
 口技というのは女性上位の行為であるため、ハルヒの性格からすれば男を責める、攻撃的な立ち位置は得意分野なのかもしれない。
 
「……うまくなったな」

 その一連の手管を受けたキョンは感慨深くそう漏らす。

「……アンタが仕込んだんでしょ?」

 眉を顰め上目遣いに顔を覗き込むハルヒ。まあ、確かにそうだが……と、キョンはバツの悪そうに苦笑いした。
 ハルヒはもともと性の知識が豊富だったとはいえない女であった。だが、何でも器用にこなすハルヒは行為を重ねるごとに確実に男のツボというものを理解し、回数をこなすばこなすほど与える快楽を底上げしていった。
 最初はおっかなびっくりだったのにな、とキョンは思いをはせる。


162:名無しさん@ピンキー
07/10/05 03:57:01 gvuW8tyf
「……ね、そろそろイキたいんじゃない?」

―”しゅ、しゅ……”

 会話の最中にも左手を小刻みに扱き、右手は睾丸を撫で回していたため、キョンのペニスは痙攣するようにひくひくと脈打っていた。

「何処に出したい? 顔? 口? それとも胸?」

 動きを休ませすにそう口を開く。
 暗に何も要求しなければ、このまま手で射精をさせてしまうわよ、なんて含ませているのだろう。徐々にペニスを擦る速度を上げている。
 
「…………」
「……ねぇ、どこに…出したいの?」

 あくまでキョンの口から要求を聞きだすつもりなのか、速度を上げていた手の動きは段々と緩慢になっていく。

「………………口で」
「……ふふ、なぁに?」

 聞こえなかったはずはない。現にボソリと要求を口にした後、ハルヒは口を半開きにあけ、舌をこれ見よがしにいやらしく動かし挑発している。

「……口に出したい」
「ん~?」
「……ハルヒ……っ」

 遂に我慢が出来なくなったキョンは、切なげに声を上げる。
 自分の名前をそんな風に呼ばれたハルヒは、体をふるふると震わせ、
 
「――全部飲んであげる」
 


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