【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】 at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】 - 暇つぶし2ch688:名無しさん@ピンキー
07/10/09 00:58:35 XZxmXqs6
>>105
リアル加賀さんだなw 新スレGJだったよ!
あと22KBか・・・小ネタどころか中編SSでもいけるぜ
なので職人さんよろしく頼む いやお願いします

689:名無しさん@ピンキー
07/10/09 08:58:14 hb1WFLho
絶命や絶倫もよかっただSS読んで芽留で初めて抜いたぜ
俺もめるめるの処女奪いてぇ~

690:名無しさん@ピンキー
07/10/09 09:12:58 m50azusq
少し新スレ立てるの早い気もするけど、最近のスレの流れからするとこんなものなのかな
いずれにせよ、あとは埋めるだけだな
新スレにまた変な奴が沸いてきてるけど、皆釣られずにスルーしような

691:名無しさん@ピンキー
07/10/09 14:17:44 rJPPjqG4
おいwww
真昼氏のMADでこのスレの宣伝してる奴、出て来いwww

692:名無しさん@ピンキー
07/10/09 15:36:21 oEdruSOr
オレオレ、オレだよオレ。

とまぁ冗談は置いといて、どうも。真昼書いた奴です。
あんげなモノでも、読んで楽しいと思ってくれた人が居て感謝の極み。
しかもわざわざMADの方までコメントをくれて凄く嬉しい…の、ですが。
作品はエロなしでも、如何せんこのスレ自体はお子様お断り板に立ってるもの。
うp主コメに私信なんて書いといて、そもそもここで連載しといて何を言う、と思われるかもですが、
このスレに直接誘導するようなコメントだけは自重していただきたく。
今んトコ誘導コメなどは見受けられませんが、一応某動画サイトは全年齢対象。
万が一お子様がココに迷い込んでしまったら、色々とちょっと…な感じなので。

もちろんここの住人と思わしきコメントは凄く嬉しかったのですよ、飛び上がりたいほどに。
ですが一応予防線という事で、こげな長文を打たせてもらいました。
スレ容量も残り少ないというのに、私信でまで容量食いまくって申し訳ない。

今現在ちょろちょろと真昼後日談なんぞ書いとります。いい加減うっといかもわかりませんが。
今度はエロエロのグチョグチョにしてやんぞグヘヘ…とか思ってるんですが口だけかもしれないです。
あんな純愛系書いといて何ですが、本当は下品な奴なんですよ…えぇ、おっぱいとか大好きですよ…。

693:名無しさん@ピンキー
07/10/09 16:45:02 tERTdycP
お疲れ様です。
早すぎる埋め小ネタを出した上、芽留でエロいもの書けないか挑戦してあんな有様で、
しかも名乗る事すら忘れていた305ですorz

懲りずに、また、埋めネタ作って来ましたw
真夜が主人公で、なんちゃってバイオレンス? なネタでw
ちょっと、暴力的な表現がありますので、スルー推奨で。
では。

694:埋め小ネタ  オフレコバトル?
07/10/09 16:50:15 tERTdycP
時刻はもう真夜中になっただろうか。
人気のない暗闇の廊下を忍び足で歩いてゆく影があった。
右手にバットを持ち、油断無くまわりの気配を伺いながら、真夜は宿直室のドアを開ける。

ヒュッ!!

風を切る音がして、真夜の鼻先を何かがかすめて行く。
背後で硬い音―恐らくは鋭い刃物が壁に跳ね返る音がした。

「来ると思ってたわ。」
凛とした声で告げ、まといは、もう一本包丁を取り出して構えた。
真夜はまといから目を離さないように、部屋の様子を伺う。
部屋の中央で立つまといの他には誰もいない――いや、部屋の隅に丸められたように見える布団から
は、白い腕と、長い黒髪が床に広がっていた。

「・・・邪魔しようとした奴は、先に片付けたわ。先生には逃げられたけど―」

その言葉が終わるのを待たずに、真夜は身を翻し廊下を駆け出した。
意表を突かれ、まといの動きが一瞬遅れた。
ほとんど体当たりでドアを開けて、まといは包丁を構えたまま真夜を追う。

廊下を走り、階段を駆け上がって行く真夜の背に、まといが無言で迫ってゆく。
真夜まであと一足で届く距離まで追いつくと、まといは包丁の切っ先を真夜の背中に向け、両手で構えた。
真夜は―突然階段に倒れこんだ。
「なっ!?」
勢いのついていたまといはすぐには止まれず、転んだ真夜につまずき大きく態勢を崩した。
なんとか、片方の手で階段の手すりを掴み、踏みとどまったが、

カキン!!

起き上がり様に振るった真夜のバットが、まといの片手から包丁を弾き飛ばし、この場には不釣合いともい
えるくらい澄んだ音が響く。
「クッ!」
まといは床を蹴り、階段から落ちるように、踊り場に転がった包丁に飛びつく。
バットを大上段に構えた真夜が背後に迫った。
瞬間、バットと包丁が交差する。
まといの包丁は真夜の頬を浅くかすめ、真夜のバットはまといの耳もとを撫でた。
「甘い!」
まといは包丁で切りかかった勢いのまま真夜に体当たりをかけ、階段を突き上がった。
屋上へのドアにそのままぶつかり、鍵がかかっていなかったのかドアはあっさりと開き、二人は屋上に転が
り出た。

両者ともすぐに相手と距離を取って起き上がる。
真夜は、頬の赤い筋を指で撫で、無言のままバットを構える。
まといは風を巻いて切りかかって来た。真夜はバットで包丁を受け止める。
屋上に金属音が鳴り響く。
二人で力比べをする形になるが、単純な腕力ではまといに分があるのか、真夜はジリジリと屋上の端へと
追い詰められてゆく。
真夜の額に汗が浮かんできた。
まといは構わず、一気に力を乗せ、

ビキッ!!

「あっ!?」
包丁にヒビが入り、根元近くからへし折れた。
力の支点を失い、まといはよろめき、その脇をくぐりぬけ、真夜は背後を取った。
バットを大きく振りかぶる。

695:埋め小ネタ  オフレコバトル?
07/10/09 16:51:05 tERTdycP

「し・・・しま・・・・・ぐうっ!!!」
唸りを上げてフルスイングされたバットはまといの背中を打ちつけ、まといの体が宙に浮いた。
真夜はそのまま全力を込めてバットを振り抜く。
まといの体はフェンスを越え、夜空に浮かび上がる。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ―――・・・・・・・」

――悲鳴、そして、一拍おいて鈍い音が聞こえ、
それきり、辺りは静まりかえった。



―数分後。
真夜は、ほとんど休憩も取らずに、急ぎ足で階段を降りていた。

カツーン・・・・・・・・・・カツーン・・・・・・・・・

下の階から響いてくる音に真夜は足を止めた。
ゆらり・・・・と階段を上ってくる姿が見える。
時々、松葉杖が小さく見える長身の少女の姿が現われた。
その体のあちこちに巻いた包帯と、片手を固めたギプス。
空いた方の手に持つ松葉杖の動きが止まった。
ゆっくりと、眼帯をしていない方の目で真夜を見上げた。

躊躇なく――真夜は跳んだ。
頭上の利を生かし、数メートル上から全体重を乗せ、バットを唐竹割りに振り下ろす。
あびるの手が動き、頭上を庇うように松葉杖でバットを受け止めようとする。

メキッ!!

松葉杖は一度はバットの衝撃を防いだように見えたが、次の瞬間、耳障りな音と共に砕け散り、あびるの
頭を直撃した。
あびるの長身がグラリと揺れ、

しゅるしゅるしゅるっ!

唐突に両袖から伸びた包帯が真夜を捕獲した。
そのまま、抱き寄せるように真夜を抱えこむ。
真夜は暴れるが、万力を思わせる力で締め上げられて身動きが取れないようだった。
額から鼻筋を通って血を伝わせたまま、あびるは真夜に笑いかけた。

「捕まえた・・・・・・」

真夜には、ゆらりと迫ってくるギプスで固められた腕が目に入ったが、どうする事もできず、

ドボッッ!!!

鈍い音を立てて、真夜のがら空きの胴に、ギプスが刺さる。
激しい衝撃と共に呼吸が止まり、真夜の意識は暗転していった。


一瞬か、数時間か。
どのくらいの時間が過ぎたか、分からないが、真夜は意識を取り戻した。
痛む腹部を押さえ、ふらふらと立ち上がる。
あびるはまだ倒れたまま、ピクリとも動かない。
真夜は、落ちていたバットを拾うと、体を引きずるように、のろのろとその場を後にした。

696:埋め小ネタ  オフレコバトル?
07/10/09 16:52:28 tERTdycP



まだ、おぼつかない足取りのまま、真夜は校内を彷徨っていた。
先生はまだ見つからない。
――と、

チャリチャリチャリ・・・・・・・

その耳障りな音は、前方の暗闇の中から聞こえてきた。
何か、金属製の物で床を引っ掻くような――音。

真夜は本能的に戦慄を覚え、身構える。

暗闇の先から・・・・・美しいロングヘアーを垂らした少女が姿を現した。
片手で引きずるスコップには、赤黒い液体が、生乾きのままこびり付いている。
普段、ぴっちりと真ん中で分けている前髪は乱れるままで――

真夜は、それが彼女の危険信号だと知っている。

バットを構えた、次の瞬間――
千里の姿が掻き消えた。
「!?」
いや、そう見える程の速度で間合いを詰めて来たのだった。

「うなっ!!」
奇声と共に振るわれた、すくい上げるようなスコップの一撃を真夜はほとんど、紙一重で体をかわす。
制服のリボンが千切れ飛んだ。
慌てて、間合いを取ろうとするが、燕返しに千里の二撃目が襲ってきた。
何とかバットでスコップを受け止める。
――が
「うううなあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
雄叫びと共に、千里のスコップは金属製のバットを真っ二つに切り飛ばした。

真夜は連続して後方にステップを踏み、何とか間合いを広げる。
その目がチラリと動き、すぐ横の教室が何かを確かめる。
「うなぁっ!!」
一足飛びに襲い掛かって来た千里を、辛くも横に跳んでかわしながら教室のドアを突き破って進入した。

一瞬、真夜を見失ったのか、千里の目が泳ぐように周囲を探る。
「うなっ!」
すぐに壊れたドアに気がつき、教室に飛び込んだ。

千里がもう少し冷静であったなら――あるいは、夜でなかったなら、部屋の異変に気がついたかも知れ
ない。

空気の漏れるような音と異臭。

それに気がつく前に、千里を目がけて半分になったバットが飛んできた。
軽くスコップで払い落とし、部屋の窓際に立つ真夜を見つける。
駆け寄りながら、その手に持つ着火マンを見つけ、千里の顔が引きつった。

真夜は迷わずトリガーを引く。

――轟音と熱風が二人を包み、科学実験室は炎に包まれた。



697:埋め小ネタ  オフレコバトル?
07/10/09 16:53:28 tERTdycP

ガラスの割れる音――
爆風に乗って窓から飛び出した真夜は、芝の上を転がりながら服に燃え移った火を消した。
科学実験室は紅蓮の炎が舐めるように燃え広がり、黒煙を噴出している。

真夜は荒い息をつきながら、力が抜けたのか、へたり込んでしまう。


次の瞬間――

ぴしゅるっ!!

炎の中から伸びた紐がムチのように真夜の首に絡みついた。
そのまま恐ろしい力で引き寄せられる。
部屋の中で、炎に包まれて立ち尽くす千里の姿が見えた――気がした。

悲鳴を上げる間もなく、さらに引き寄せられ、真夜は吸い込まれるように炎の中に消えた。

――三珠さん

誰かの呼ぶ声

――三珠さん!!





強く自分を呼ばれ、真夜は我に返った。
目の前には担任教師。そして、ここはいつもの教室の自分の席。
片手で頬杖を付き、黒板の方を眺めている自分。

「どうしました? ボーっとして? もう授業は終わりですよ?」

――白 昼 夢 ?

真夜は立ち上がり確認するようにまわりを見る。
いつもと変わらない風景。
首をかしげる先生を真夜は見上げた。
「・・・・何か?」
じわり・・・と涙が浮かぶ

「み・・・三珠さん!?」

困惑する先生に構わず、真夜は ひし! と、その腰に抱きついた。

教室は水を打ったように静まり返り――

次の瞬間、大騒ぎとなった。

次々と女生徒達に責められ、慌てている先生と、自分を鋭く見ている数人の女性との姿に、真夜は頭に浮
かんだ言葉があった。

――予 知 夢 ・・・・・・かな?

698:名無しさん@ピンキー
07/10/09 16:54:30 tERTdycP
お粗末でした。

699:292
07/10/09 17:49:09 nWyJ8ORZ
『猫の瞳』の2章非エロ部分(前半)を投下します。
「なんだかんだで仲良くなる」の部分になります。
非エロが長すぎたので埋めSS代わりに・・風景描写とかできるだけカットしたんだけど・・涙目・・。
後半はすでに完成しているので、新スレ使わせて下さい(一応エロっぽいのあり)
ユニオンジャック、素で知らなかったしさ(´・ω・`)。指摘感謝。

【注意点】
非エロ、前座にちょっとだけ欝あり。

700:『猫の瞳』2章前座
07/10/09 17:50:21 nWyJ8ORZ
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

でもねえ、戦後の混乱期だろう。悲しい事が起こっちまったんだよ。

わしも良くは知らないのだがね。
神社の裏山でね、その女の子が死体で発見されたんだよ。
乱暴されたんだな。遠目で死体を見たけど、酷い有様だった。

犯人? 村でも色々な噂があったが、結局捕まらなかったよ。
戦後すぐってのは、そういう世の中だったんだ。

取り残された猫達は、しばらくご主人様の帰りを待っていたんだけど、
ある日突然、白い方の猫がフラッと外に行ったきり帰ってこなくなったらしい。

黒い方の猫は、他所の飼い主に貰われたって話だったけど……
直ぐに逃げ出したんだったかな?栄養失調で死んだのかな?
昔の事だから、よく覚えていないなあ。

そんな事も悲しい一事件として、すっかり忘れていたんだ。
ところが、あれは5年ほど前だったかな、ふと小耳に挟んだんだよ。
アメリカでね、ある将校さんが死んだって言うんだよ。
それも、白い猫に喉をやられたらしい。

その将校さんはうちの村に駐在していた人なんだ。
柄の悪い人でね、良く揉め事を起こしていたんだよ。
米兵って言ったって、ほとんどが規律を守る人だったし、中には村の復興を
手伝ってくれた人だっていた。
でも、あの男は例外だったね。
女の子の事件の時も随分取り沙汰されたんだけど、やっぱりあのご時勢だから
うやもやになってたんだ。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

701:『猫の瞳』2章①/14
07/10/09 17:52:30 nWyJ8ORZ
2章

 週末―
 日曜日である。

 高校教師糸色望は、町外れの公園で頭を抱えていた。
 公園には彼以外誰もおらず、時折秋の風が枯葉を舞い散らすのみであった。

 月日が経てば経つほど、あびるへの恋情がつのり最近は授業も手に付かなく
なっていた。教壇に立っていても、ついつい彼女を目で追ってしまう。彼女に
新しい包帯が巻かれているのに気付くたびに心が痛む。

(ああ……どうすれば良いのでしょうか。教師が生徒に恋をするなんて、
絶対のタブーですよ。こんな邪恋が世間に知れたら、とんでもないことになります。)
 溜息をついて、太陽を見上げる。秋空の太陽は、雲に覆われてにぶく光っている
のみで解答を与えてくれるはずもない。

『にゃーおー』
 不意に、一匹の猫が公園の中に飛び込んできた。
「おや。この猫は……」
 望の目に、Y字に分かれた2又の白い尻尾が映る。
 望は、奈美からの情報であびるがこの猫を追っていることを知っていた。
(この猫を捕まえて、小節さんの好感度アップといきますか)
 迷いを振り切るかのようにベンチから立ち上がると、ゆっくりと猫に近づいていった。

***********

「おかしいな。この辺に逃げ込んだはずなんだけど」
 数十秒後、息を切らせて小節あびるが公園に入ってきた。

 2又の尻尾を持った白猫を発見し、近くまで追跡してきたのだが、もう少しの
ところで見失ってしまったのだった。
 胸に手を当てて息を整えながら、公園をぐるりと見渡す。
 褐色の瞳が、ベンチの近くにうずくまっている和服姿の男を捉えた。

「あれ、先生じゃない」
 何か知っているかもしれないと思い近づくと、何やらめそめそと泣いている。
 あびるは、手を腰に当てて彼の前に立ち、腰をかがめて覗き込んだ。

「先生、どうしたんですか。こんな所で」
「ああ、小節さん。助けてください!」
 取り縋らんばかりに、あびるの足元に体を投げ出す望。
 「何を?」と言おうとして、あびるはギョッと固まった。
 袴の裾から、白く長い尻尾がはみ出していたのだ。


702:『猫の瞳』2章②/14
07/10/09 17:53:14 nWyJ8ORZ
あびるの瞳が強い光を帯び始め、白い喉がゴクリと鳴った。
「ど……どうしたのですか……その素晴らしいお姿は……」
緊張と喜びで声が震えている。
胸がきゅんきゅんして早鐘のように鼓動を繰り返していたが、彼女にとっては
それすらも心地よい。

「化け猫に取り憑かれたのです!!」
「はぁ?」
怪訝そうな表情をしながらも、あびるの視線は彼の尻尾から離れる事はできなかった。
風に揺られて、白色の尻尾が揺られている。
望が呼吸するたびに、ぴょこんぴょこんと小さく跳ねていた。

「しっぽーーー!!」
<ギュム>
とうとう、あびるは我慢できずに揺れるY字の尻尾を思いっきり握った。
(やったーーー!!ああぁ……素晴らしい感触!)
尻尾の毛並み…硬度は申し分なく、最高の握り具合である。
あびるをほんわかとした幸福感が包み込み、その顔は恍惚とした表情になる。

『にゃ!にゃにゃ~ん!!』
あびるが尻尾を掴んだ瞬間、突如として猫の鳴き声が望の喉の奥から発せられた。
包帯少女はビックリして望の顔を見た。

「先生、今何か言いました?」
「く……口が勝手に……」
望は、手で喉を押さえて口をパクパクして見せた。
「ん?」と、あびるはその口許を見詰める。

『にゃにゃにゃにゃにゃ~ん』
望の口が動き、猫の鳴き声を発した。
同時に<ぶんぶん>と望の首が振られ、その声が彼の意思によるものではないこと
を示す。

あびるの脳裏に、可符香との会話が響いた。
【―猫が20年間交尾をしないと、猫又といって強い妖力を持った妖怪になるの】

まさかと思いつつ、あびるは聞いてみる。
「ちょっと。あなた何者?」
『にゃんにゃん』
「残念ながら、私は猫語を解しませんね。先生、翻訳してください」
「せ、先生だって知りませんよ。大学で猫語は選択しなかったのです」
困り果てて、う~んと唸ってしまう2人。
その時、あびるは可符香に貰ったコンニャクを思い出した。

703:『猫の瞳』2章③/14
07/10/09 17:53:54 nWyJ8ORZ
「これを使ってみましょう」
 まさか使う事はあるまいと思っていたコンニャクを、バックから取り出す。
(後で、可符香ちゃんには謝らなくては)
 心の中で呟きつつ、コンニャクを口に咥える。口内になんともいえない味が
広がった。

『ににゃん、な~お、にゃんにゃん。なごなご、にゃん』
「にゃんにゃあ、にゃにゃにゃん、にゃん」

 真っ昼間の公園で、いい年した男と女子高生がしきりに『にゃごにゃご』
言い合っているのだから、傍から見たらさぞ滑稽だろう。いや、もしかしたら
何かのプレイだと思ってくれるかもしれない。
 しかし、当の本人達は大真面目である。

「分かりました」
 しばらく、猫と会話していたあびるが、コンニャクを口から離して望に告げた。
「何ですって?」
「先生に取り付いた猫は、50年以上前から生きている化け猫だそうです。
自分の願いを聞いてくれなければ、このままずっと先生に取り憑くと言っています」

 一瞬固まる望。
 公園を秋の爽やかな風が吹きぬけ、枯葉が舞う。
 枯葉が囁くカサカサという音に、望は不意に我に返った。

「な、なんですかその非現実的なオカルト話は!
私は1999年7月以降、そういう話は信じない事にしてるんですよ!」
「しかし、これが現実です」
「うう。ね、願い事は何ですか?!」

 どよんどしながら尋ねる望に、あびるは肩にかかった三つ編みを掻き揚げて
微笑した。
「願い事の内容なんて聞いてませんよ。だって、先生の尻尾とても可愛いんだもの。
ずーーっと取り憑いていてね、と言っておきました!」
 それを聞いた望の顔に縦線がいくつも走る。
「なんてこと言うのですか! この姿を生徒達に見られたらどうなるか!
世間に知られたら、捕獲されてスーパーテクノロジーで実験台にされてしまいます!」
 「ああああ」と頭を抱え込み、うずくまってしまった。

「まあ、いいじゃないですか。そのお姿とても似合ってますよ」
 あびるは嫌味なくらいに素敵な笑顔を見せて、望の肩をぽんぽんと叩いた。
 もちろん、もう片方の手はしっかり尻尾を握ったままである。
「う」
 思わずその笑顔に負けそうになったが、精神力を振り絞ってぷいんとそっぽを向いた。
「そ、そんな事言われたって全く嬉しくないですよっ。願い事が何か位は聞いて
くださいよ!」
『な~~おぉ……』
 涙を浮かべつつ全力で抗議する望に同情したのか、それとも予想外の展開に慌てたのか、
猫も哀れっぽい声で鳴く。

704:『猫の瞳』2章④/14
07/10/09 17:55:25 nWyJ8ORZ
「そのままの方が可愛いのに」
 さすがに気が引けたらしく、ぶつぶつ言いながらもあびるは再びコンニャクを
口に咥えた。
「にゃにゃん。にゃんこにゃお」
『にゃーにゃー。にゃんにゃん』

 あびるは何やらしきりに頷いた後、コンニャクを口から離した。
「分かりましたよ。飼い主のお墓参りがしたいそうです。」
「なんだ、そんなことですか。私はてっきり魂を喰うとかカツオブシ10年分
 強奪とかそういうものだと思いましたよ」
 望は心底ほっとした表情で溜息を付くと、服についた枯葉を落とし公園の
ベンチに座りなおした。尻尾のせいで、どうにも座りにくい。
 あびるは、立ったままの姿勢で言葉を続ける。
「しかしこの猫、飼い主のお墓の場所を知らないらしいです」
「ほう」

 望は、顎に手を当てて少し考えてみたが、結論は決まっているようなものだ。
「じゃあ、お墓を探してあげるしかないですねぇ」
「そうですね」
 あびるも同意して頷いた。

「小節さんも……手伝ってくださいよ」
 あびると仲良くなるチャンスかも知れないと、望は少し下心を出して聞いてみた。
 もちろん、先生と生徒の恋は禁断であると先ほどまで悩んでいたことは、
すっかり忘れている。

 あびるは、すんなり頷く。
「いいですよ。その代わり、願い事がかなってもずっと猫ちゃんが取り憑いたまま
でお願いしますね?」
「それじゃあ、意味ないじゃないですか!」
 考えてみれば、謎のコンニャクを持っているあびるの手助けは必須なのだ。
 今後の展開に悲観して、思わず絶望してしまう望なのだった。


705:名無しさん@ピンキー
07/10/09 18:06:24 oEdruSOr
うおぉ続きだ、GJ。今後の展開が気になるずぇ。
新スレでもwktkしてお待ちしております。

706:名無しさん@ピンキー
07/10/09 18:49:36 KOjUc16o
>>292さん
GJGJです!
もしかしてアナザーエンディングのカフカSSの146氏ですか?
違ってたらスマソ

707:名無しさん@ピンキー
07/10/09 19:15:20 Oj+6B7qC
       '´ ⌒ヽ
     ノ  λ
      | / ー゚ノ|   せーんせ♪そろそろ500kだね。次スレはここだよ。↓  
      /|/ Уヽ   スレリンク(eroparo板)
     ノ っ   ヽ
     (__,、_ )


 

708:名無しさん@ピンキー
07/10/09 21:14:30 GG5q79mQ
まだ書き込めるかな
305氏、すっげー面白かった!!
アクションかっけぇ! また真夜SSよろしく頼むぜ!!



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