【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】 at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】 - 暇つぶし2ch50:42
07/09/25 11:41:43 R2T8VaiC
中編投下です。
エロいといいなぁ。

51:宿直室にて⑥
07/09/25 11:50:23 R2T8VaiC
こ、これはどういうことなんでしょう。
二人の少女が組み合っている。しかも泣きながら。
思わず望は叫ぶ!
「絶望した!空気を読めずにオフエアを堂々とオンエアした作者に絶望した!」
そんな望の絶叫を気にすることもなく二人は潤んだ目で望を見つめる。
こ、これは厄介なことがはじまる予感がしますよ。
この事態をオフエアにするべく望は部屋を後にしようとする。

と、いきなり強い力で引きずり倒されたかと思うと少女達が望の体に覆いかぶさってきた。
押し倒された形になり望は動揺する。
「あの小森さん、常月さん…」
「先生!私じゃダメなんですか!?」
望の動揺は増してきていた。
「え、と、いったい何のことでしょう?」
まといが問い詰める
「隠さないでください!私たち見たんです!あびるちゃんと先生がここで…その、してたのを!」
「先生、あびるちゃんが好きなの?」
霧が悲しそうな顔で問い掛ける。
「え、私が小節さんと?な、なんのことでしょう」
「しらばっくれないでください!」
二人の声がステレオみたいに重なる。
望には本当に心当たりがなかった。
二人は一体何を言って…そこで望は自分の体の異変に気づく、ある一点が熱い。
絶棒が自分の意志に反し、大きくなってきているのだ。

52:宿直室にて⑦
07/09/25 11:55:21 R2T8VaiC
うら若き乙女の身体が密着してきているのだ。
一般的な男性ならばそうならないことの方がおかしいのである。
その異変に先に気づいたのは霧だった。
「先生…」
霧の顔が紅く染まる。
まとあもそれに気づいた。
眉をあげ、何かを決意した表情になる。
「先生、私じゃダメなんですか…」
言いながらまといの手が絶棒をやさしく撫でる。
「ちょ、なにを…常月さんダメとかじゃなくて私とあなたは教師と生徒…」
しゅるっ。
布擦れの音がする。
その方向に目をやると霧が望の袴を脱がしにかかっていた。
「せん…せぇ…」
その顔は耳まで真っ赤だ
「小森さんまで…」

『ぴちゃ…』卑猥な音が宿直室に響く。
その絶棒はむき出しにされその根元には二人の少女の顔がある。
「先生…」
まといが切なそうな表情を浮かべ絶棒を舐める

『ずじゅっ…じゅるるるっ』
その白く美しい顔からは想像もできない陰猥な音がなる。
霧が睾丸を舐め、吸いあげていた。
「うっ、二人ともやめ…」
「だめだよ。せ~んせ。」
霧がいつもと同じトーンで答える。
しかしその表情はとても卑猥で同一人物とは思えないくらいだった。
「もう…とまりませんよ」
まといが言葉を繋ぐ。
「うう…」
望の目には半ば諦めの色が漂っていた。

53:宿直室にて⑧
07/09/25 12:13:40 R2T8VaiC
まといの手が絶棒を支え、その小さな口でくわえこむ。
『んむっ…んっ、んんっ』
じゅぷ、じゅぷ、といやらしい音が聞こえる。
「くうっ!」ふと左の乳首に生温かい感触が伝わる。
霧が望の身体を這い上り乳首を舐めていた。
「せんせぇ…」
『ちゅぷっ、ちゅっ、ちゅ』
「くうぁあ…」
望は二ヶ所を同時に攻められ、とてつもない快感に身を寄せていた。
ふとその快感の波が止む。
二人の少女はいつのまにか全裸になり望を見つめていた。
すると霧が絶棒に近付き…
『むにゅうっ』
生温かい質感が絶棒を包み込んだ。
「せんせぇ、気持ちいい?」
『にちゃっ、ぱふん、にちゃ…』
胸で絶棒に刺激を与えていく。
ああこれが『ぱいずり』というもの…じゃない何を考えているんですか!私は!
「小森さんやめ…んんっ」
まといが望の口をふさぐ、舌が望の唇をこじ開け侵入してくる。
『んむ、ぴちゃ、れろれろっ』
もうどうなっても知りません…もはや望はされるがままになっていた。

『ねちゃ、ぱふ、ぬちゃ』霧のぱいずり。
『ちゅ、ちゅっ、ちゅるるっ』
まといはいつのまにか右の乳首を攻めていた。
とめどなくつづく二人の愛撫に望は絶頂を迎えようとしていた。

「うっ!」絶棒から勢い良く精液が吐き出される
「うぁ、あつうぃ…」
霧の顔に、胸に、それは勢い良く浴びせかけられた。
「これが先生の…」
『ぴちゃ…』
まといが霧の胸についた精液を舐めとる。
「あっ…」
状況はかなり違うが、二人は望が部屋に入ってきた時と同じ状態になった。

と、望が立ち上がり
「もはやここまでやってしまっては後戻りはできなさそうですね。二人の想いに答えることはできませんが………慰めることはできます。それでよろしいですか?」
望は一度放出したことで冷静さを取り戻していた。
「はい…」
「うん…いいよ…」
二人は望の提案を受け入れた。

54:42
07/09/25 12:16:32 R2T8VaiC
中編終了です。
いよいよラストスパート。

某モード中にメニューを開くすべを覚えたので無駄がなくなりました。
メモ帳の容量は変わらないがな!w

55:名無しさん@ピンキー
07/09/25 12:42:20 2OjyKm1m
いいね、いいねー。
3P、望受け、ドキドキ。ラスト期待。

56:宿直室にて
07/09/25 13:50:18 R2T8VaiC
「では、いきますよ」
望が耳元で囁く
「う、うん、いいよ…せんせぃ…きて」
霧がか細い声で答える。
霧のそこは今までの行為により十分に濡れていた。
『ずぷっ』
「うぁ…」
望は腰を進める
『ずっ、ぷちぃっ』
「ひぃ…痛…ああっ」
「大丈夫ですか」
望が心配そうに聞く
「大…丈夫…先生のだもん…う…」
望はさらに腰を進めようとする
と、何か突き刺すような視線を感じた。
まといである。
彼女は切なそうにこちらを見ていた。
望は少し苦笑すると指をまといのそこに突き入れた。『ずぷんっ』
「ひあんっ」
まといが喘ぐ
望が耳元で囁く
「もう少しまっててくださいね」
まといの顔がさらに紅潮する。
『ずぷっずちゅっ』
「ああっせんせぇ!いいよぉ…」
霧が色白の顔を真っ赤に染め、喘ぐ。
「いつもはひかえめなあなたのそんな表情も先生好きですよ。ひいきしたくなります」
「せんせぃ…あたしもす、き、ぃ」
霧はとろけたような表情になり、望はその表情に快感を覚える。
不意に絶棒を引きぬく望。
「ぇうっ…?」
強ばっていた霧の身体が弛緩する
「ふぁあ…」
「おまたせしました」
絶棒をまといのそれにあてがう。
「先生…」
『ずぷぅっ』
絶棒を一気に突き入れる!「あぎゃっ!せんせ…あぁっ…先生さっきまでと何か…性格が…ちが、っう!」
「一度開き直った私は積極的なのですよ。それにいずれは私と心中してくれるのでしょう?心中するのであればある程度の積極性もいりますよ」
よくわからない理論だが今のまといにはそんなことを考える余裕もなかった
「せっ…せんせ…はっ…はぁ…いぃっ」
『ずん、ずんっ』
「先生激しっ、あっ、もう、だめぇっ!」
まといの下にいる霧もすかさず差し入れられた望の指に感じていた。
「せんせい、あたしもっ、もう…」
「あっ、あっ、あっ、あ…いっ、いくうぅっっっ!」
二人の絶頂に達した声が響く。
二人の身体から力が抜けていく。
こうして宿直室の情事は終わった。

57:宿直室にて⑩
07/09/25 13:53:52 R2T8VaiC
望の両腕を枕にして二人の少女が気持ち良さそうに眠っている。
「たまにはこういうこともわるくないですね」
望の口から珍しくポジティブな言葉が紡がれる
「ディープラブも…たまには…いい…です…かね」
とても清々しい気分に身をまかせ望はねむりについた。
こうして宿直室の情事は終わった。




宿直室から光が漏れている。
光の先には愛しの教師と二人の女生徒。
きっちりと分けられた髪、その髪がかかる肩を震わせ少女は呟いた。


「先生…」


THE END…?

58:42より あとがき?
07/09/25 14:00:41 R2T8VaiC
真昼間から半端なエロ小説でスイマセン。

宿直室にて、これにて完結です。
主なあらすじを決めて妄想のままに書き上げました。
色々伏線を張ってしまいましたが。回収するかどうかはスレの流れに任せたいと思いますw


59:名無しさん@ピンキー
07/09/25 16:40:27 xlyWB+Cb
>>43-47>>51-57 GJでした。










ところで、もちろん続きますよね?

60:42
07/09/25 17:03:35 R2T8VaiC
携帯だと結構、粗がありますね。ミスをいくつか見つけて軽く凹んでます。


続きですが、半日かけて書いちゃいましたw
休みの日になにやってるんだろう…

さて、連投していいものかどうか…


61:名無しさん@ピンキー
07/09/25 17:08:46 CUYdmDXQ
>>60
携帯神42氏 気にしないでいいと思い。

・・・ところで、携帯からも連投規制ってあるのでしょうか?

62:42
07/09/25 17:27:21 R2T8VaiC
携帯42です。
続き投下します。
携帯のメモ帳どころかスケジュール機能まで原稿用紙にしてしまいました。
スレ汚しかもですがどうぞ。


>>61
今のところはないですねー

63:放課後、教室で①
07/09/25 17:33:07 R2T8VaiC
「はぁ…」
きっちりと分けられた長髪を微かに揺らし木津千里はため息を吐いた。
昨夜、宿直室で覗いてしまった教師の情事。
覗くつもりはなかったただ教師にきちっとしてほしくて宿直室に婚姻届を渡しにきただけなのに…
「はぁ…」
再びため息を吐く。

がたんっ
不意に前の席で帰り支度をしていた少女が向き直り千里に問い掛ける
「もしかして私、邪魔ですか?」
「え、え?」
少女は続ける
「考え事をしている木津さんの視界に私ごときが入ってしまってすいません!すいません!」
「え、あ」
「私邪魔にならないように帰ります」
「待って!」
千里は少女の腕をつかみひきとめた
「相談が、あるの」
「え?」
意外な一言に少女、加賀愛は少し驚いたものの、わたしでよければ、と相談にのることにした。

「愛ちゃんはその…好きな人とかいる?」
「え、えっと…」
愛は狼狽する
「愛ちゃん?」
「木津さん、その、スイマセン」
愛は焦っていた。気づかれてしまったのか、と。
千里はただ「きっちりする以外に好きな人に想いを伝える方法」を相談したかったのだが愛の狼狽ぶりから一つの結論に行き着く
「愛ちゃんまさか…」

「すいません!わたしなんかが、その、糸色先生を好きになってしまって!」



64:放課後、教室で②
07/09/25 17:37:39 R2T8VaiC
「そうなの…」
また悩みの種が増えてしまった。
愛ちゃんはひたすら謝り続けている。
その姿に千里は苛立ちを覚えたが相談にのってくれた手前、怒るに怒れなかった。
ふと、ある考えが千里によぎる、そして愛にこう切り出した。
「愛ちゃん先生のこと好き?」
愛は戸惑いながらも答える
「はい」
「Hしたいくらい?」
愛の表情が固まるその発言自体にも驚いたが発言者があの千里というのが驚きの根幹だった。
「あの、それはどういう…?」
「私、こんな性格だけどいざとなったら踏み込めなくて…だからいつも暴走したふりをしてごまかしているの…」
衝撃の事実…そんな事情があったとは。
愛が驚愕する。
「でもきっちりした性格はなおせないし、だから…」
愛が息を呑む


「二人一緒にきっちり先生と関係を持ちましょう!」


65:放課後、教室で③
07/09/25 17:46:13 R2T8VaiC
「ええええーっ」
正気なのだろうか?
いやもう正気ではないのかもしれない。
きっちり等分できないからといってショートケーキジュースを作ってしまう千里のことだからこの提案は暴走の域なのかも…そう思案していると千里が切なそうな顔をして呟いた。
「一人じゃ…不安なの…」
愛は理解した。
確かに彼女は時に常軌を逸した行動をとってしまう時がある。
それにより近づきがたいオーラも自然発生していたのだが、それは気恥ずかしさの裏返しなのである。
しかしそれを続ける限りその悩みは解消されることはない…
愛は決意を固めた
「いいですよ…」
「本当にいいの…?」
千里が聞き返す。
今まで見たことのないような表情で。
「はい…」
「ありがとう!愛ちゃん!!」
「でも…」

「あなたのためだけにするんじゃないんだからね!」
「愛ちゃん…」
「誤解しないでよね!」
愛が強い想いを持って千里に答える。
「本当にありがとう」
千里は小さな声でそう呟いた。


次の瞬間教室のドアが開く
「何か声が聞こえると思ったらあなた達でしたか下校時刻はとっくに過ぎてますよ」
その男の名は糸色望。
几帳面・粘着質少女と加害妄想少女の忘れられぬ一夜がはじまろうとしていた。

66:42
07/09/25 17:49:06 R2T8VaiC
とりあえず、前半をあげました。

後半は推敲、修正が終わりしだい投下します。



67:前スレ851
07/09/25 18:41:37 FvPzu3n5
21はチリハルを構想していたのに、全然別の話を思いついてしまった結果だったのですが、
そもそもこのジャンル自体ここでは歓迎されてないみたいですね。すみません。
出来上がったのはありますが、読み返してみてもなんか特に出来がヒドイので投稿はやめ
ておきます

代わりといってはなんですが、木津千里27歳があまりに暗い感じがしたので、別の未来を
妄想した結果を投下します。
エロなし、オチなし、意味なしです。興味ない方はスルーでお願いします。

68:教育実習1
07/09/25 18:42:20 FvPzu3n5
 「はい、みなさん、ちょっと静かにしてください。先週お話したとおり今日から2週
間、教育実習の先生と一緒に授業することになります。それではまずみなさんに挨拶を
お願いできますか?」一年ろ組の教室、いつもの月曜の朝と同じように、糸式望は大声
で教室の生徒達に話を始めた。
 教室の入り口の近くには、地味目のワンピースに身を包んだ教育実習生の女性が立っ
ている。望に促されて教卓に上がり、一呼吸置いてから口を開いた。
 「みなさん、始めまして。木津千里といいます。今日からこのクラスで、糸色先生、
そしてみなさんと一緒に勉強することになりました。いろいろ至らないところが多いと
思いますが、一生懸命頑張りますので、何かありましたら気楽に話しかけて下さいね」
 そう言うと黒板に大きく「木津千里」と書いた。

 教室の後ろの方からは、男子生徒たちの「結構可愛いじゃん」という小声だが無遠慮
な内容のおしゃべりが聞こえてくる。
 
 (木津さんが、先生になるんですね・・・)望ははっきりとはしていないが、やや苦笑
したといった感じの面持ちで木津の挨拶を聞いていた。

69:教育実習2
07/09/25 18:43:23 FvPzu3n5
 木津が教育実習に来ることを知ったのは、つい一週間ほど前のことである。実のとこ
ろ、教育実習生を受け入れなければならないことはもっと前から通知で知らされていた
のだが、、名前を確認することすらしていなかったので、通知に木津の名前が載ってい
るのに気づいたときには相当驚くことになった。
 木津が新宿区の小石川区との境にある有名私立大学の文学部に進学したことは、自分
が進路指導を担当したこともあり、もちろん知ってはいたのだが、卒業後は年賀状のや
り取りがあるくらいで、まさか教職に進もうとしているなどとは思ってもみなかったの
だ。

 (私を驚かせようとしたんでしょうか?)教育実習可能なら母校に来ることが優先さ
れるため、糸色のクラスに来ることも可能性としては十分考えられる。
 (しかしそれでも偶然ですよね・・・)


70:教育実習3
07/09/25 18:43:54 FvPzu3n5
 木津の挨拶が終わると、1日目の予定の通り、教室の後ろで授業を見学することにな
った。
 「はい、では授業を始めます。教科書は・・・148ページですね。その日、玉川上水を水
源とする地域で、水道水を飲むのは嫌だった、その心理を想像してみましょう、という
問題です」
 その国語の授業の最中、視野の隅で熱心に木津がメモを取っている姿が見える。いつ
になく緊張して授業をすることになってしまった。
 (昔なら、私が脱線するたびに、木津さんが注意してくれたものですね。私も昔ほど
は脱線しなくなりました。私がつまらない大人になったのか、あのクラスが特別だった
のかどっちでしょうね?)

                 * * *

 放課後、職員室で今日の授業の内容について、木津がまとめたレポートを元に、質問
や指導を行った。木津のまとめた内容はさすがにしっかりしており、望は素直に関心し
た。
説明も一段落がつき、木津も少し気が緩んだ感じとなった。

 「まさか私のところに教育実習にくるとは思いませんでした」
 「私も驚きましたよ、先生。この学校に来ることになるのは知っていましたけど」
 「教え子で教職に付いたものはいるのですが、教育実習に来たというのは初めてです
 ねえ」
 「そうなんですか? ところで私どうですか? 昔と比べて。それとも、私のことな
 んて忘れていたとか?」
「まさか、木津さんのことは忘れようがないですよ。まあ、遠慮なしではっきり言わせ
 てもらうと・・・ずいぶん丸くなりましたね」
 「丸く・・・ですか。私そんなにきつかったですか?」
 「はい、正直教師扱いされていなかったと思います」
 「そんなことはないですけど」望の言葉を聞いて木津は笑い出した。
 「木津さん、時間があるなら、帰りにお茶でも飲んでいきましょうか。ちょっと用事
 をすませる間待っていてもらえるなら」
 「はい、先生がよろしければ」
 望が片づけをしたり、明日の教材の準備をしている間、木津は職員室の中で、甚六先
生たちに挨拶をしている。昔のことを話しているのだろうか、時折大きな声で笑ったり
するのが聞こえる。とても楽しそうだ。
 三十分ほどが経ち、一緒に校門を出た。


71:教育実習4
07/09/25 18:46:01 FvPzu3n5
 「智恵先生がお辞めになったのは残念ですね。私もいろいろ相談にのってもらってい
 たし」歩きながら木津が話しかけた。
「私には相談なんか一度もしてくれたことないですよね、そういえば」望は少し拗ねた
ような感じで言った。
 「変わらないですねえ、先生。智恵先生が結婚したときは残念でしたか?」
 「木津さんもそういう意地悪なところは変わってませんよ」

 学校の近くの古い喫茶店に入った。木津が生徒の頃には、先生に会う可能性もあった
ので、あまり行かなかった場所であるが、数回晴美と一緒に来たことがあるので見覚え
がある。望も木津もコーヒーを注文した。

 「木津さんはどうして先生になろうと考えたんですか?」
 「ええと、そうですねえ・・・やっぱり糸式先生の影響だと思います」
 「別にお世辞を言う必要ないですよ。教育実習の評価はちゃんと書いてあげますから」
 「いや、本当です。大学2年までは特に何か考えていなかったんですけど、私が何を
 やりたいか考えたら、あの頃のことを思い出して・・・あんな楽しい思い出をみんなに
 作ってあげるような仕事がいいなあ、と思い始めて・・・。」
 「そんなに楽しかったですか? あなたが一番文句を言っていたと思いますよ。授業
 の内容については特に」
 「確かにそうでしたね・・・。あの頃はすみませんでした」
 思ったより真面目な顔をして木津が謝ったので、望は少し慌てた。
 「いや、そんな謝ることではないですよ・・・考えてみると私も木津さんにはいろいろ
 と挑発のようなことをしていたようです。」
 「ええ、それは感じていました。ずいぶんからかわれはしたな、と」
 「じゃあ、私も謝っておきます。ごめんなさい。もう許してくれますよね」
 「はい」
 二人は声を上げて笑った。


72:教育実習5
07/09/25 18:47:00 FvPzu3n5
 「先生はまだ宿直室に寝泊りしているんですか?」
 「まさか。さすがに新しく家を借りていますよ」
 「交君は?」
 「交は親と一緒に地元に帰ってます。もう小学4年生ですからね」
 「それじゃあご実家でやっとお兄さん夫婦と暮らしているわけですね。良かったで
 すね」

 一時間ほど喋ったあと、二人は喫茶店を後にした。
 都電の駅が近づき、また明日、と別れの挨拶をしたあと、少し迷ってから木津がぽつ
んと言った。
 「先生・・・結婚は・・・まだ考えてないんですか?」
 「毎年見合いの話はありますけど」
 「そうなんだ。じゃあ、私にもまだチャンスがあるかな?」
 笑いながら、声だけは努めて真面目に、望は言った。
 「木津さん、私はちゃんとした社会人でないと結婚の対象としては考えませんよ。そ
 ういう妄想は教育実習が終わって無事に教員になれてから考えたらどうですか?」
 「そうですね。」
 「最近は教師も狭き門です。こんな楽な仕事そうそう空きがでるもんじゃありません
 からね。教育実習が終わったぐらいで安心しちゃだめですよ」
 「はい、私も絶望先生のような立派な先生になれるようがんばります!」
 少しふざけてそう言うと、木津は改札をこえて駅の中に消えていった。
 それを見ながら望は、自分が教師になってよかったと思っている事に気づいた。
 (木津さんたちのおかげで、私も昔ほど絶望しなくて済むようになったのかもしれま
 せんね・・・)
 そんなことを考えながら、望は自宅に向かって歩き出した。

おわり

73:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:54:32 BN8Eipc7
投下ラッシュktkr

74:42
07/09/25 18:58:35 R2T8VaiC
後半いきます。

75:放課後、教室で④
07/09/25 19:05:38 R2T8VaiC
あっという間だった。
千里により望はロープで縛り上げられ身動きの取れない状態になっていた。
「これは何の冗談ですかあぁぁぁ!」
「冗談じゃないですよ」
千里が冷静に答える。
「絶望した!首吊り用のロープで身体を縛られるなんて用途以外の使用法に絶望した!」
「先生」
千里が話し掛ける。
その身体は心なしか震えている。
「は、はい…」
「いまから先生を襲います」
「え?」
「すいません!先生襲われてください」
「加賀さんまで!ダメですよ私たちは教師と…」
「常月さん、小森さん…」
!!
二人の名前を出されると望は硬直した。
「木津さん…まさか…」
「そういうことです私にもきっちりとお願いします」
一連のやり取りは愛にはよくわからなかったが千里の震える身体に気づくとそっと手をそえ、「大丈夫です。私もいますよ」と囁く。
千里が小声で返す。
「ありがとう愛ちゃん」身体の震えは止まっていた。身動きの取れない望から絶棒がむき出しになる。
まじまじとそれを見つめる千里と愛。
そして…絶棒を勃たたせるために二人は愛撫をはじめる事にした。
服を脱ぎ一糸纏わぬ姿になる二人、若く瑞々しい身体か望に密着する。
それだけで絶棒は膨張をはじめていた…

76:放課後、教室で⑤
07/09/25 19:11:32 R2T8VaiC
『ん…ふぅ…っ』
千里の唇が触れる。
その真下では愛が望の肌に小さくキスをしている
『ちゅ…っちゅっ』
昨日の今日であったが望の身体はそのたどたどしい愛撫に素直に反応した
「あ…」
千里が呟くと同時に大きく屈む
「んぁ…」
そしてそのまま絶棒をくわえこんだ。
『んぐ、ぅん、んぐぅう』千里の口内で絶棒が湿っていく。
「くぅ…んむ!?」
快感に身を委ねると不意に口を塞がれた。
同時に舌が入ってくる。愛である。温かい舌の愛撫に身を任せる望はもうどうにでもなれ、と思っていた。
絶棒は勢い良くそそり立っていた。
そしてそれに千里が自分の秘所を当てがった「先生、多少強引ですが…よろしくお願いします」
ぐっと力を込める。
「木津さん、彼女達にも言いましたが私はあなた達の想いには答えられません、それでもいいんですか…?」
千里の動きが止まる。
「かまいません。ただこれだけは伝えさせてください。あのことは偶然だったかもしれない…だけど…私、先生が好きです…」
「木津さん…」
「そしてこの娘も…」
「先生…」
「加賀さん…」
望は複雑な気持ちになった。恥の多い人生を送ってきた私に何故これほどまでの好意をよせてくれるのか、しかしその想いは紛れもなく本物である。そしてこの純粋な想いには答えなければいけないのだろう。


77:放課後、教室で⑥
07/09/25 19:19:05 R2T8VaiC
『ぐぐっ…』
「あはぁ…っ」
千里が腰を沈めていく。
その時だった。
千里の足がバランスを崩し、くの字に折れる。
その反動で一気に奥まで貫かれる千里。
『ずぷぅっ…ぶち、ぷち、ぶちぃっ!』
「あぐ、きゃぁあぁぁーーー」

絶叫。

千里の身体が大きく仰け反る
「木津さん!」
望は急いで絶棒を引きぬこうとする。
しかし千里の手がそれを拒んだ。
「抜か…ない…で」
「しかし!」
「こ…んな痛み、今まで…私が先…生やみんなにしてきた事に比べれば…なんてことない」
千里の口調か強まる。
「先生…お願い…します」
望は静かに頷いた。
痛みが引いてきた千里はゆっくりと動きだす。
『じゅぶっ、じゅっ』
「先…生気持ちい…い?」「ええ、とっても」
「ホワイト…ライじゃ」
「ありませんよ。本心です」
「嬉…しい」
今にも泣きだしそうな笑顔の千里。
その表情に望は興奮を覚える。
「木津さんっ!」
「先生、私、もう、あっ、あっ」
千里も初めてながら絶頂に向かいはじめていた。
『ずん、ずんっ、ずん』
「先生、せんせぃ…あっ、ああああああああーっ」
木津は絶頂に達した。
望はなんとか耐え切っていた。
「さすがに中はまずいですからね…」
ほぼ気絶状態の千里から絶棒を引きぬき千里を抱き抱える。

78:放課後、教室で⑦
07/09/25 19:25:57 R2T8VaiC
「ふう」
千里を抱え一息吐く望。
「おぅっ」
突然絶棒に生温かい感触が感じられた。
「加賀さん?」
「んむぅ」
望が達していないのを感じ取ったのか口での奉仕をはじめたのである。
『じゅっ、ちろっ、れろろっ、ぺちゃ』
初々しいフェラであったが優しさを感じることができた。
「…本来こういう状況で生徒に言う言葉ではないのですがありがとうごさいます加賀さん」
愛は絶棒をくわえたまま何かを訴えてはじめた。
『ふぇ、ふぇつにふぇんふぇいの、ふぁめぷぁんふぁにゃ、ふぁいんふぁふぁふぁね!』
「うぉう!」
何を伝えようとしたのかはわからないがその舌の絶妙な動きが望の絶棒を刺激した。
「うっ!」
愛の口内に精液が思い切り注ぎ込まれた。

79:放課後、教室で⑧
07/09/25 19:33:53 R2T8VaiC
「はぁ…はぁ…」
「すいません加賀さん」
「いえ、私こそ…」
加賀の加害妄想が発動しようとしたその時。
コツ…コツ…
廊下の方から誰かの歩いてくる音が聞こえきた。
「え!」
「まだ校内に誰かいるんですか?」
狼狽する望と愛。
「逃げるわよ愛ちゃん!」
いつのまにか復活していた千里が愛の手を掴む
「え、でも、制服…」
「あとから取りにくればいいから早く下着つけて!」
いそいそと下着をつけ二人で先生の羽織を羽織る。
「先生!羽織をお借りしますっ、宿直室までダッシュよ、愛ちゃん!」
「は、はいっ!」
「ちょっと!」
焦る望を置いて二人は一目散に逃げていった。


「だれかいるのー?」
教室外のドアから顔を出したのは奈美だった。
「ひ、日塔さん」
「あ、先生何やっ…て…」
椅子に縛られ上半身裸の上、絶棒丸出しの担任教師。
フロアにはみたことのない液体が付着し、止めとばかりに教師の周りに散乱する女子生徒の制服。
「ひ、日塔さんこれはですね…」
青ざめた奈美が絶叫する
「せ、先生の…変態ーーーーーっ!」
奈美はもの凄い速さで逃げていった。
「違うんですーーーーっ」
望は叫んだ、そして大きく息を吸い込む。


「絶望した!明日は教壇には立てないであろう我が身に絶望した!」



THE END…?



80:42
07/09/25 19:38:12 R2T8VaiC
放課後、教室で
完結です。

前作とスタイルが似たような感じですが芸風ということでお許しをw



81:名無しさん@ピンキー
07/09/25 19:43:50 35BH9I/C
GJ!!
得ろ過ぎるぜアンタ

>>72
教師は楽な仕事じゃないぜ!
生徒が知らないだけで実際働いている時間はすごく長いんだぜ
俺なんか自給にすると200ぐらいなんだぜ

82:名無しさん@ピンキー
07/09/25 19:44:07 xlyWB+Cb
42さん、連投おつかれさまです。木津&加賀編もGJでした。








あの、もしかして、続編があったりしませんよね?

83:名無しさん@ピンキー
07/09/25 19:56:49 F+26nBaZ
>>42氏GJであります。
次回作ないし続編があれば全裸待機でお待ちしとります。

結局次スレにまで及んでしまい絶望している真昼というかアヒルの者です。
懲りずに投下させてもらいます。今回は短めに5レスほど消費させていただきたく。
エロス分は…>>42氏のSSで補充してくだされ…。

84:真昼が雪 33
07/09/25 19:58:54 F+26nBaZ

救急車で望が運ばれた先は、命の居る糸色医院であった。
望の意識はハッキリしていた。だが、逆にそれは彼にとって残酷な事であったようだ。
運ばれている間も苦悶に身を捩る望を、可符香はただ傍で見つめる事しか出来なかった。

そうして気が付けば、可符香は病室の扉の前に立っていた。
望が運び込まれた後も、何やら色々あった気がする。
こうして扉の前に立ってから、どのくらい時間が経過したのだろう。
途中、看護師に「面会時間は終わっていますよ」などと注意をされた気がする。
自分は命の知り合いだと告げると、看護師は彼女がここに居る事を了承してくれた。
その会話すら、今の彼女はろくに覚えていない。夢の中の出来事にすら思えてくる。
意識がハッキリしない。混乱が、彼女の思考力を奪っていた。
ハっとして、ブンブンと勢い良く左右に首を振り乱す。
不安など、馬鹿げている。何を不安に思う事があるのだろう。

(大丈夫だよ…大した病気じゃない。お医者さんに診てもらえば、すぐ治るわ)
望の吐瀉物に混じっていた、コーヒー色の何かは―そう、きっと本当にコーヒーだったのだ。
昼食の時にでも飲んでいたのだろう。
―だが、確か自分は…彼と一緒に昼食を取ったのではなかったか。
その時彼は何を飲んでいた?少なくともコーヒーでは無かった気がする。

(…じゃあきっと、朝にでも飲んだのね)
朝に飲んだものが夕方近くまで胃に残っている不自然さには、目を瞑る事にする。
そうして悶々と扉の前に佇んでいると、中から人の話し声が聞こえてきた。
一瞬、目を覚ました望の独り言かと思った。
だがそれは確かに会話になっていて、すぐに命と望が話している事に気が付く。
二人は外見だけでなく、声も良く似ていた。

85:真昼が雪 34
07/09/25 19:59:57 F+26nBaZ

「…どうしてもっと、早くに来なかった…」
開いた窓から、身を切るような夜風が滑り込んでくる。
それがカーテンを揺らし、そして自らの背筋を撫でていくのを、命は失意の最中で感じていた。
項垂れた兄を、薄目を開けて見つめる望。
望は申し訳無さそうに微笑んで、蚊の鳴くような声で「すみません」と謝罪した。
その笑顔があまりにも透明で、このまま弟が霞んで消えるのではないかという不安に襲われる命。
馬鹿げた妄想に自嘲して、命はカルテに目を落とす。
「――入院しなさい、望」
「…すぐに、ですか」
「当たり前だろう――血を…吐いたんだぞ」
「えぇ、はい…。苦しかったです」
吐血した時に襲ってきた苦痛もだが、その後の胃洗浄も辛かった。
「もう少し何とかなりませんか、あれ」
「そんなになるまで放っておいたお前が悪い」
カルテの角で軽く頭を小突かれた。
小さく笑ってみせる望から、目を逸らすように立ち上がる命。
「…手続きは、私がやっておくから」
そう言って踵を返そうとする命の耳に、

「――待ってください」

―小さな、だがどこか必死さを感じさせる声が、届く。
その微かな声すらも、静寂に満たされた病室には大きすぎるくらいだった。
「何だ?」
命は振り返らない。その背中に語りかけるように、望は言葉を続けた。
「もう少し、待ってもらえませんか…入院」
息を呑む気配。
命と、そしてあともう一つ。


86:真昼が雪 35
07/09/25 20:02:55 F+26nBaZ


扉の向こうで、少女の呼吸が一瞬止まった。


「まだ少し、やり残した事があるんです」
「―縁起でもない事を言うな…ッ」
まるで死刑を間近に控えた囚人のような物言いに、命は溜まらず声を荒げた。
勢い良く振り返る。白衣が、夜風に煽られてはためいた。
「そんなものすぐに治してやるッ、だから―そんな言い方は止せ」
「―…兄さん」

お願いします、と。
唇の動きだけで訴える。

―――鈴虫の声。
窓際に、いつの間にかとまっていたようだ。
リンリンリン…。
まるで静寂を嫌うように、鈴虫の鳴き声が病室を満たす。

「…一日だけだ」
リン…。
命が答えると、鈴虫は遠慮するかのように、鳴くのをやめた。

「明日一日だけなら…動き回ってもかまわない。
但し少しでも無理だと思ったら、すぐにうちに電話しろ」
「随分とまぁ、過保護ですね」
「茶化すな」
苦笑しあう、同質の声が重なった。
「もう寝なさい」
それだけ言って部屋を後にしようと、扉に向う命。
「兄さん」
「ん?」
肩越しに振り返ると、望は目を細めて笑っていた。
「ありがとうございます」
嬉しそうに礼を言う弟に、どう返事をすればいいのか、わからなかった。

部屋を出る。
廊下に人影などある筈もなく、聞こえるのは、震える自分の呼吸だけだった。


87:真昼が雪 36
07/09/25 20:03:57 F+26nBaZ

翌日。

望はいつも通り、教壇に立っていた。
その様子はいたって普段通りである。
いつもと違う事と言えば、HRが始まる5分前には、既に望が教室に居た事くらいだろうか。
普段の望は、いつもHRのチャイムが鳴ると同時に教室に入って来る。
望の予期せぬ5分前行動に、生徒たちは少なからず驚いていたようである。
  
黒板とチョークが奏でる音。生徒たちがノートにペンを走らせる音。
その音に眠気を誘われて、遠慮なく眠りの世界に落ちる者。
授業とは無縁とでも言わんばかりに、趣味に没頭している者。
それはいつも通りの、2のへの授業風景。
その中で、

「――…」

可符香はじっと、黒板ではなく望の顔だけを凝視していた。
まるでいつもまといがするかのように、瞬きもせず望の姿を目で追っている。
その顔は微笑んではいるものの、瞳は不安そうに揺れている。
もはやその笑顔は、完璧なものではなくなっていた。
ノートを開いてはいるもののページは真っ白で、教科書にいたっては、国語の授業中だというのに社会の教科書を開いている。
完全に上の空だった。
「…可符香さん」
見かねた千里が、後ろの席から指で可符香の背中を突っつく。
「な、なぁに、千里ちゃん?」
それでようやく我に返ったのか、慌てて笑顔を作って振り返る可符香。
「今何の授業かわかってる?」
「うん、糸色先生の授業だよね」
「誰の、じゃなくて何の授業かって聞いてるのッ」
小声で怒鳴るという器用な真似をして、可符香の額にでこぴんする千里。
可符香は小さく仰け反って、エヘヘと照れ笑いを浮かべながら、黒板に振り返った。

88:真昼が雪 37
07/09/25 20:13:06 XYpB/Ulm

と。期せずして望と目が合ってしまった。
「あ」
小さく声を上げる可符香。
「……」
だが望の方は一瞬硬直したのみで、何事もなかったかのように授業を再開する。
「可符香さん?」
突然素っ頓狂な声を上げた可符香に、千里は訝しげな顔をする。
弾かれたように振り返る彼女の顔は、心なしか青ざめていた。
「え!あ、ううん。えと…こ、国語の授業だよね」
わかったならちゃんと教科書を出せ。
そう言おうと思っていた千里だったが、可符香の表情を見て、思わず言葉を詰まらせる。
まるで迷子になった幼子のように、気弱げな表情。
それはいつもの朗らかな彼女には、あまりに似つかわしくないものだった。
「…可符香さん、貴女、体調が悪いんだったら…」
「ううん。大丈夫よ、千里ちゃん」

体調が悪いのは、私じゃないから。

内心でそう付け足してしまってから、自分で自分の思考に不安感を煽られる可符香。
「…ほんとに、私は大丈夫だから」
「そ、そう」
黒板に視線を戻す可符香の背中を、千里は、納得のいかない様子で見つめていた。

「――……」
そんな可符香の様子を、チラリと横目に見る久藤。
彼女に気取られぬよう、すぐに手元の本に視線を戻す。
望の顔色が、いつもより優れない事にも、彼は気付いていた。

(…サナトリウム文学は嫌いだって、言ったじゃないですか)

ふと考えてしまった、あまりにチープな二人の恋の結末。
久藤は心の中で、そんな物語のラストページに唾を吐き捨てた。


89:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:14:29 ZEObPJAx
42さん、前スレ851さん、投稿お疲れ様でした。
そして好作品をありがとう。
こういう作品を読みたかったんだと、今更ながら気がついたよ。

90:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:17:16 XYpB/Ulm
ここで一区切り。皆さん飽きまくってるでしょうが、もうちょっとで…いや、
もう結構で終わるので、どうかご辛抱を。
もう書いてる本人もいつ終わるか判らない有様…上手く話を纏められる技量があればなぁ。

91:42
07/09/25 20:17:59 R2T8VaiC
>>83さん
>>84

続編執筆中ですが、携帯で一々、コピー&張りつけ面倒になってきたのでリアルタイム執筆いきたいと思います。
一レス目はコピペですが、そこからはリアルタイムです。
腕が試されますなw

嫌でなければですが、ご意見、要望、執筆停止要請までできることなら何でも承ります。

それでは暇つぶしにどうぞ。

92:無題①
07/09/25 20:20:38 R2T8VaiC
「ふぅ~」
糸色望は絶望していた。
あれから一週間、あの四人から目立ったアプローチはないものの、望には新たな悩みの種があった。

日塔奈美が私を避けている

元々、人と積極的に関わることはしない望だがあれだけあからさまに避けられては気分が良いはずもなかった。
しかし生来の性分の為積極的に解決をしようとすることもなかったのである。


その頃日塔奈美はとあるクラスメイトとメールをしていた。その相手は…

[だからよ。オマエ、そんなのいくら気にしたって先に進まねーじゃねーか]

メールの相手、音無芽留は奈美の日毎に多くなる愚痴に呆れ始めていた。




93:無題②
07/09/25 20:33:32 R2T8VaiC
[でもさあ、あんなの見せられたら誰だってへこむよ~]
[バカかオマエ、あのハゲのこと好きなんだろ?だったらそれをネタにしてせまればいいじゃねーか。どうせオレ達しか知らないんだろ。それ]
正確には首謀者、その影には千里と愛の姿があるのだが二人は知る由もない。
「せまる…かぁ、私にそんなことできるかなぁ」
奈美は特徴のありすぎるクラスメイト事もあり、もう一歩踏み出せずにいた。


翌日、本来は日曜日で学校は休みのはずだが奈美は学校にきていた。
「芽留ちゃんの言うとおりだわ。勇気を出して前に進まなきゃ!」
宿直室の前に立つ奈美。
しかし何か違和感を感じたそこで奈美はほんの少しドアを開けて中を覗いた。

「先生のえっちぃ…あ、ふっ…ぅん」

そこには情事にふける、糸色望と小節あびるの姿があった。



94:無題③
07/09/25 20:51:14 R2T8VaiC
「先生、こんなにしちゃって可愛い。まるでしっぽみたい」
あびるはそういうと絶棒をくわえこんだ。
『んふぅ、んんんっ、じゅるるっ…ふぇんふぇ?』
望はあびるの頭を乱暴につかむと上下に揺さぶりはじめた。
『んごっ、ぐぼっ、ふぇんふぇ…くるひ…』
それでも望は止めなかった『ずじゃっ、ずじゅっ、くぷっ』
卑猥な音が響く。
『うぇ、げふっ、がはっ』苦しそうなあびる、しかしその目に悲壮の色は無い。やがてその絶棒から精液が吐き出され、あびるは大きく咳き込んだ。
「げほ、げほっ、うぇっ…もう、先生ってば乱暴なんだから…」
しかし、まんざらでもなさそうなあびる。


奈美はその情景にすっかり見惚れていた。それと同時に絶望感がよぎる。
「やっぱり私なんて…」
その時不意に後ろから声がかかる。


「日塔さん、日曜というのに何をやっているのですか?それと覗き見は感心しませんね」
耳に馴染んだその声。
奈美はが振り返ると、そこには二のへ担任、糸色望の姿があった。




95:無題④
07/09/25 21:20:22 R2T8VaiC
「せ、せ、せ、せ、先生?い…糸色望、先生?」
「はい、私は確かに糸色望ですが?」
奈美は幽霊でもみたような顔で口をパクパクさせている。
「おかしな日塔さんですねそれにここから何が見えるというのです」
望は部屋を覗き込む。
顔色が一瞬にして青ざめる小声で奈美に問い掛けた。「あの方はどなたでしょう?」
「先生にしか見えません」「そうですね。お相手はあびるさん…」
望は納得した。
霧とまといが言っていた事の意味。
そしてもう一人の自分の正体。
「奈美さん」
「はい」
「あれは私の影武者です」
「そうなんですか?」
奈美はその言葉を聞いた瞬間、あの時のことを思い出していた。
もしかしてあれも影武者だったんじゃ…

ドアから距離をとり望は奈美に問い掛ける。
「まあ、影武者と小節さんの事はあとでどうにかするとして、日塔さん日曜にわざわざここまで来るなんて何か用事でもあったんですか?」
正直、望は影武者、あびるの件の解決など考えてはなかったが休みの日にわざわざ学校にきた奈美のことは少し気になった。
「あ、えと、相談にきたんですけどこれじゃ無理ですよね」
「宿直室には入れませんからね。私も行き場を失いました」
とその時。

〈うれしい悲鳴が今日も聞こえる~〉

メールの着信音、奈美の携帯からだった。
相手は芽留だった。
[オマエ、今、家にいるのか?オレは偶然近くまで来てるんだけどよ]
奈美はメールをみて一つの考えに辿り着く。
「せっ、先生?」
「はい?」


「もしよければ私の家で…その…相談、したいんですけど」




96:日塔家にて①
07/09/25 21:35:26 R2T8VaiC
「着きましたよ先生」
望はその提案をすんなり受け入れた。
宿直室には入れないし、何より休みの日にまで自分を頼ってくる生徒の想いを無下にしたくなかったのである。
途中で芽留と合流し日塔家に到着する。
「ご家族の方は?」
「あ、今、社員旅行で皆居ないんです」
それを聞いて芽留はニヤリとした。
心なしか奈美は緊張している。

「それで相談とは?」
ここは奈美の部屋。
何の変哲もない普通の部屋だ。
「えっとその…」
奈美はまだ躊躇している。しびれを切らしたのか芽留が望の肩を叩く。
「音無さん?」
振り向く望。

『ちゅうっ』

突然のキス。
望も奈美も目を白黒させている。
芽留が右手で携帯の画面を突き出す。
[なにやってんだよ。バカもたもたしてるとオレがこのハゲとっちまうぞ]

その時奈美の中で何かが弾けた。

97:日塔家にて②
07/09/25 21:54:27 R2T8VaiC
「何やってるのよー!」
奈美が勢い良く立ち上がる
がたん
テーブルが揺れコーヒーが望の脳天へと降り注ぐ。
「熱っつうーーーーー」
「わあっ、先生、ごめんなさいー」

お決まりの絶叫。
「絶望した!教え子に弄ばれ、教師らしいことをすればするほど報われない自分に絶望した!」


しゃわああぁー
ここは日塔家のバスルーム望はコーヒーでベタベタになった体を洗うべくぬるま湯に身を投じていた。
「一体何なんでしょう?」芽留からのキスにも驚いたがそれからの奈美の狼狽ぶりにも驚いた。
そしていくら鈍感な望といえど奈美の相談内容にも薄々感付いていた。
「彼女達はなぜこんなにも…」
考えれど答えは出ない。
とりあえずお風呂を出たら今日はお暇しましょう。
しかし、事態は望の思うとおりにはならないもので。


ガラスの向こうに二つの人影がみえた、重ねて聞こえてくる布擦れの音に望は覚悟を決めるのであった。

98:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:19:12 XmD9KwzJ
 

99:日塔家にて③
07/09/25 22:24:20 R2T8VaiC
「お、お背中流しまーす」
明るい声で奈美がバスルームに入ってくるがその声には緊張の色が映る。
その後ろでは芽留がニヤニヤしながら望を見ている。
「それではお願いしましょうかね」
今日の望は何かを達観しているようだった。

あわあわ、あわあわ。
奈美がスポンジではなく、自分の身体にボディーソープを塗りたくっている。
もう何も驚かない。
人間余計なことをしないのが一番です。
望の目下には芽留がいる。防水加工の携帯画面を望に突き付ける。
[前は任せとけ。ハゲ。こんなこともう一生ないかもしんねーぞ]
一週間前に似たような事態に遭遇したことはありますがね。
「ん、しょっと、い、いくよ、先生」
奈美が泡だらけになった身体を望に押しつける。
『ずりゅっ、ぷに、ふに』
と同時に芽留が張り詰めた絶棒に身を寄せる。
『ちゅる、ちゅる、ちゅ』
前後から押し寄せる快感に望は身を任せる。

奈美の動きが激しくなる。『ん、ふぃ、ふぅ、ふ』
息も荒く奈美が言う。
「先生、どう?気持、ち、いい?」
「ええ、とても。奈美さんご褒美です」
望は奈美の顔を引き寄せるとキスをする。
『んんっ、ふむっ、んー』
奈美の口内を望の舌が蹂躙する。
『んくっ、ふっ、ぷはぁ』
唇を放す。
奈美の顔はとろけきっていた。
芽留に目配せをし、フェラを中断させる。
奈美の方を向き直り、話し掛ける。
「奈美さん私はあなたの想いに答えることはできません。できるのはせめてなぐさめっ!?ひゃあ」
望が振り返ると芽留が菊門を舐めていた。
ずいっと携帯の画面を突き出す。
[カッコつけてんじゃねーぞ。ハゲ。さっさとヤッちまえよ]
望の中で何かが弾ける。

どうやらあなたから特別授業が必要な様ですね。



100:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:47:22 3hTiD5oB
支援

101:日塔家にて④
07/09/25 22:50:19 R2T8VaiC
『ずん、ずん、ずんっ』
芽留のちいさな身体が激しく揺れる。
何度も突き込まれ、その目の焦点はあっていない。
『ア、ア、ヴッ、アッ』
芽留の身体は既に脱力しきっており、携帯もその手から離れ、タイルの上に転がっている。
「くっ」
『ア、アッ、ヒッ』
望は絶棒を引きぬき、精を芽留へと向け放出する。
『ア、ア、アツイ…』
芽留の身体が白濁に染まる。

「さて」
望は奈美の方に向き直る。奈美は少し怯えているようだ。
「これでも、しますか」
望の目の色が変わる。
どこか頼りない、でもすごく落ち着ける、優しい目…
奈美はすっと立ち上がり
「お願いします。あの、でも」
「はい」
「優しく、してください」望は微笑み、頷いた。

「んんっ、はっ入りました?」
「まだです。奈美さん本当にいいんですか」
「いいんです、先生なら私…」
望は腰に力を込め絶棒を押し進める。
『ずぷ、ずぷ、ぷ、ちっ』
「あぁあぁあっ、先生ー」
「日塔さんっ!」
『ずん、ずん、ずんっ』
「あ、せあ、痛い、痛い、痛いー、先生、痛いよー」
「日塔さん、もう少しだからっ」
「はっ、痛、先生ー」
奈美の顔が顔前にせまる。「先生、好きっ、好きぃ!大好きっ!普通っていわれたっていいっ!先生のこと大好きなのーーー!」
「くっ」
望と奈美は同時に果てた。



102:エピローグ
07/09/25 23:12:08 R2T8VaiC
宿直室。
藤吉さんの当番日を終え、交が帰ってきた。
「なんかすげー疲れてんな今日休みだったんだろ?」
望は机に突っ伏していた。「ええ、今日は少し生徒の相談役をしましてね。なれないことをすると疲れるものなのですよ」
「ふーん」
ここ最近色んな事がありました。
もうしばらくはそっとしておいてほしいものです。

<ぶれぶれぶれぶれ>

「おーい、携帯鳴ってんぞー」
「はいはい」
メール着信、相手は芽留からだった。
確か音無さんはあのまま日塔さんの家に泊まるんでしたよね。
メールの内容をみて、望は青ざめた。

[おいハゲ、来週、オマエんトコに押し掛けてお泊り会してやるよ。うれしいだろ。バックレたりしたらわかってんだろーな]
そして本文の最後には参加メンバーの名前が書いてある。


参加者
小節あびる・小森霧・常月まとい・木津千里・加賀愛・日塔奈美・音無芽留


望はもはや絶叫する気力も失せていた。



THE END




103:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:13:01 1E/fG1kr
これだけの量を携帯で打ってるってのがすごいな
すでに携帯SS耐久レース状態だな

104:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:14:18 ZEObPJAx
GJ

この時間まで起きていた甲斐があった。
勝手に続編を期待しますw

105:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:15:29 TVmzOxa9
書きながら投下はマナー違反

106:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:16:32 8aYlxqCb
まあやっぱり書き溜めで投下したほうがいいよ。その間他の職人が何もできないから

107:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:20:03 xlyWB+Cb
42さん、最後までGJでした。こんな感じの作品好きなので、次の作品も期待して待っています。

108:42 あとがき
07/09/25 23:28:13 R2T8VaiC
リアルタイム執筆、通算二時間弱を使いスレを汚してしまいました。

日塔家にて、これにて完結です。
これにて三部作完結とさせていただきます。
というかネタ切れです。
リアルタイムなんでシチュがコロコロ変わりまして、書いてて楽しかったです。右手が結構痛いですがw

あらすじの段階では日塔家の濡れ場は奈美の部屋だったし、芽留もあんなことにはならなかったはずなんですよねw


ハーレムENDはネタが出て書く気力があればいつか…書きたいなと思います。


では創作意欲が湧くまでまたロムに戻ります。

読んでくださった方、スルーしてくださった方、感想くれた方。感謝の気持ちで一杯です。
お疲れさま&ありがとうございました。

最後に
『絶望した!SS書きで貴重な休日を全て費した自分に絶望した!』



109:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:37:58 53H7urc3
絶望した!あびると先生のセックスと思いきや、偽者とのセックスだった事に絶望した!

110:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:43:56 2OjyKm1m
>>42
乙です。エロくてよかったw。GJ。
ただ、リアルタイムは好まない方が多いので書き溜めて投下したほうが
いいかもですね~。
>>109
あれ、俺が。
あびるのHでハァハァしたのに、影武者とはw
>>90
全く飽きないです。展開いつも気になってます。期待っ。

111:名無しさん@ピンキー
07/09/26 00:13:46 RjxP+AVu
あびると先生のSS希望

112:名無しさん@ピンキー
07/09/26 00:21:14 z07uaPY1
真昼の人のSSがそろそろ核心に迫ってきた件。
命兄さんが切ない。・;+゜・(ノД`):・゜+:・。

113:42
07/09/26 00:36:42 4Bj4xCdD
夜はまだまだ終わらない。しつこくスイマセン。
寝ようとしたらネタが湧いてきてしまったものでw

リアルタイムではスレの皆さんに迷惑かけて申し訳ないです。
当然、書き溜め方式で投下します。

もう少しだけお暇な方はお付き合いくださると嬉しいです。


114:絶望の宴~序章~
07/09/26 00:45:09 4Bj4xCdD
糸色望は覚悟を決めていた。
今日は千里主催の宿直室懇親会。
懇親会と言えば聞こえが良いが実態は単なるお泊り会である。
しかも参加メンバーが可符香に言わせれば「お手付き」な娘達。
ただでさえ騒がしいクラスなのに…望は机に突っ伏した。
交は風浦さんに任せましたし、今日は私以外に学校に残るものは居ない。
「ふぅ…」
逃げ場無しですねぇ。
逃げ切れるはずなとありませんしね。

トントン。
ノックの音。
望は今一度覚悟を決めた。
「それでは―乾杯!」
千里の音頭で宴は始まった。
当然お酒はご法度なのでジュースとお菓子での宴会。
形式上、主役のはずの望は部屋の隅で一人スルメをかじっていた。
「先生」
声の方を振り向くとあびるがいた。
「小節さん、楽しんでますか」
心にも無いこと平気で言う。望お得意の会話術だ。
「私を抱いた先生は影武者だったですよね」
ぶっ
不意打ちをくらい望は茶を吹きだした。
さっきまで騒いでいた皆もこちらを凝視する。
あびるを事あることに抱いていたのは望の影武者だった。
因みに影武者本人は問題が発覚してすぐに行方不明となった。
そういえば桃色ガブリエルの根元が若干盛り上がっている気がするが気のせいだろう。
「結構ショックだったんですよ」
クールなトーンであびるが続ける

「やり直し、したいなぁ」
長い、長い、夜が始まる。



115:名無しさん@ピンキー
07/09/26 00:47:00 RjxP+AVu
寝ようと思ったのにどうしてくれるだァーー!!!
くそ、全部終わるまで全裸で待機してやる

116:絶望の宴~小節あびる~
07/09/26 01:34:54 4Bj4xCdD
「先生、こっち向いてよ」
こうなる事は予想できていた。
しかしあまりにも展開が急すぎる。
望は観念したのか向き直り
「小節さん、影武者の件は本当に申し訳ありませんでした。しかしそれとこれとは別の問―むうっ」
あびるの唇が望の唇に触れる。
軽い、触れ合う程度のキス。
あびるは望の目をまっすぐ見つめていう。
「何も問題なんてありませんよ」
望は、折れた。
「ここは影武者と変わらないのねー」
さり気なくショックの大きい事言わないでください、
と言いたくなったがあびるの心境を察し言葉を飲み込んだ。
『ん…』
あびるの唇が絶棒に触れる
しかし、妙だあびるがこんなことをしているというのに他の皆は今まで通り会を楽しんでいる。
何名かはこの情事に目を向けているようだが。
望は違和感を覚えたがすぐに快感によって掻き消される。
『ちゅぶっ、ぴちゅ、ぱふっ』
口を、胸を使い奉仕するあびる。
『んっ、ふっ、ふっ、ちゅ』
影武者に仕込まれただけあってとてつもない快感を望へとあたえている。
『ちゅぽん』
「先生っ、気持ち良かった?」
「ええ、まあ」
悔しさからか悪態をつく望。
「ふぅん、そんな態度とるんだ」
そういうとあびるは望にまたがる形になる。
「まだまだ…いくよ…時間もないしね」
『ふっ、ふぅ、ううぅん』すっぽりとあびるの膣内に絶棒が埋まりきってしまった。
「ううっ」
望の顔が快感によって歪む。
『いきますよ、せ・ん・せ・い』
『ぱん、ぱん、ぱぁん』
今までに感じたことのない激しい快感に望は限界を迎えていた。
『あっ、あっ、あっ、先生もっと…』
あびるが喘ぐ、動く。まるで何かをぶつけるように。
「くっ…もう出る」
その瞬間あびるはすかさず絶棒を引きぬき、自らの口で包み込む。
大量の精があびるの口内に注がれていく。
「ふふっ、先生…何か可愛い」
口元から精をのぞかせあびるが微笑む。
望の完敗であった。
しかしあびるは物足りなさそうに望の絶棒にすりよってきた。

117:絶望の宴~時間~
07/09/26 01:39:28 4Bj4xCdD
「そこまで!」
千里の声が響く。
「時間よ小節さん」
「えーもうおわりー?」
あびるが不満を漏らす
「時間…?」
望が呟く。
「そう、時間です。これだけの人数で先生の懇親を行うのだからタイムスケジュールはきちっとしないとね!」
そうだった。
これは千里主催の懇談会。こういうパターンになるのは必然だったのだ。
「何という…私自身の意志は一体どこにあるんでしょう?」
隣ではあびるが渋々と服を着ている。
どうやら皆了承済みのようだ。
ふと望の横に小さな影ができる。
そこには音無芽留が立っていた。
携帯のディスプレイを誇らしげに望にかざす。


[この前のリベンジだ、覚悟しろよ。ハゲ]




118:42
07/09/26 01:44:05 4Bj4xCdD
はい、パターン通りw

本日はここまでです。
一日2~3話ペースで上げていけたらいいなとおもってます。
あらすじもくそもなく、もはや行き当たりばったりですけどw

119:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:46:03 KuN5UAqo
これはwktkするしかないじゃないか!

120:名無しさん@ピンキー
07/09/26 02:03:56 kbNl0UJY
何という神!!

121:名無しさん@ピンキー
07/09/26 06:05:59 222ZgQsD
しかし影武者め。まさか本番までしてないだろうなwww

122:名無しさん@ピンキー
07/09/26 06:52:14 9sHxZOKo
42さん、またしてもGJ!!な話ありがとうございます。続きも楽しみにしています。

ところで、桜の木の下には死体が埋まっている、という噂は本と

このあとは血で汚れていて読めない。

123:名無しさん@ピンキー
07/09/26 07:53:47 N/P4n6HW
コーヒーこぼしただけじゃない。

124:42
07/09/26 09:00:19 4Bj4xCdD
朝、会社に行くと機械が止まっていた…

深夜に書き溜めたやつ、投下いきますー


125:絶望の宴~音無芽留~
07/09/26 09:08:47 4Bj4xCdD
芽留は望の前に屈むと再び携帯を突き出す
[今度こそヒィヒィいわせてやる]
芽留の小さな口が望の絶棒を包む
『れろろ、れろっ、ちゅ』芽留のフェラが望の絶棒を再び湿らせる。
しかし望の反応は小さかった。
芽留が上目遣いで望を見やると同時に望が口を開く
「いけませんね音無さん、最近の若者というのは少し基礎を覚えただけでその技術を習熟したと勘違いする人が多いのです!スノーボード等が良い例です。時に音無さんあなたも勉強不足のようですね。フェラというのは…」
望が芽留の頭を掴む。
「こうやるのですっ!」
『じゅぶっ!がしゅっ、がしゅっ』
『オブァ、グェ、ゲウッ』芽留が苦しそうな声を上げる。
しかし望は容赦しない
『ハブッ、グブゥ、ゥッ』
芽留の瞳からはとめどなく涙が溢れている。
さすがに皆、やりすぎでは?という目線を望に送る。
いや、一人だけ羨望の眼差しを向けている娘がいる。
あびるである。
まるで大好きなしっぽを見るような目でこちらを見ている。
望は心中で苦笑した。
こつん。
『ングヴゥー』
どうやら芽留の喉奥に絶棒が当たってしまったらしい。
芽留が口を放し咳き込む
「コボ、ゴホッ、ゴホッ」芽留が望を睨む。
望は芽留を見据えて言う。
「リベンジするんじゃなかったんですかぁー」
小学生かよ。
千里は突っ込みを入れたくなった。

望vs芽留2回戦である。
いわゆる駅弁状態になり望が芽留を突き上げる。
芽留も腰を振ってはいるのだが望には効果がない。
「アッ、アッ、アッ」
芽留の声が高まる
「ゥツ、アッ、クゥ」
芽留はもはや自分を保つこともままならなかった。
そして。
「アウゥッ、アーッ」
芽留は果て、そのまま気絶してしまった。
「ふぅ」
さすがの望も攻めっぱなしで疲れていた。
「あ、あの…」
「ん、次はあなたですか」
「すいません、私なんかじゃダメですよね、すいません、次の人に…」
駆け出そうとする少女加賀愛の手を望が掴む。


「ダメじゃありませんよ。先生、ひかえめな娘は大好きです」



126:絶望の宴~加賀愛~
07/09/26 09:16:35 4Bj4xCdD
「し、失礼します」
愛が望の顔前に跪く。
『んちゅ…ん、ふぁ』
やさしく温かい包み込むようなキス。
望は愛の秘所に手をやる。
『くちゅっ』
『ひぁん』
可愛い声をあげる愛。
『くちゅ、んちゅ、じゅぷん』
秘所を愛撫しながら濃厚なキスを続けるふたり。
今までとは完全にタイプの違う懇親だ。
『ふぁ…ん』
二人の唇が離れる
望が愛の耳元で囁く。
「いい…ですか?」
愛が耳まで真っ赤にして答える。
「は、はい、でも、あの」
「?」
「や、やさしくお願いします」
「わかってますよ」
望は愛に再びやさしくキスをした。
『あ、んぅん』
ゆっくり腰を沈める愛。
望もゆっくり腰をあげていく。
『ずぷんっ』
絶棒が秘所に吸い込まれてゆく
『ふぁ、痛っ、んくんっ』
「大丈夫ですか?」
「だっ、大丈夫です。それより」
「?」
「私迷惑かけてないですか皆さんの貴重な時間を奪ってはいないでしょうか?」
「もちろんですよ。迷惑なはずがありません」
望が愛を抱き締める。
皆が二人の行方をやさしく見守っていた。
二人は無理に動いたり、何かをすることもなく、やさしく繋がったまま残りの時間を過ごした。

愛が服を着替えているのを見ながら望は満足感に浸っていた。
『むにゅうっ』
突然、背後から胸の感触が感じられる。


「いたんですか?」
望は悪戯っぽく微笑む
「ええ、ずっと」
少女常月まといは妖艶な笑みを浮かべていた。



127:絶望の宴~乱入者~
07/09/26 09:25:01 4Bj4xCdD
まといが望の絶棒に手をかけようとする、その時だった。
「あれーっ皆さんこんな所に集まって何してるんですかぁ」
そこにいたのは風浦可符香だった。
突然の可符香の登場。
と同時に。
「ら、乱交パーティ!?」
どこからともなく声が聞こえるが姿は見えない。
「やだなぁ、妖精さん。健全な校舎で乱交パーティなんかあるわけないじゃいですかコレはただの懇親会ですよ~」
「え、でもコレはさすがに…」
「やだ誰も居ないのに男の人の声が」
「不気味ね」
「僕はまた透けてますか~」
千里が聞く
「風浦さんあなたも?」
「うん。参加するよ」
「でもこの会は…」「大丈夫、わかってるから」可符香はまっすぐ千里を見つめる。
「わかったわ。参加を認めます」
飛び入りの為、順番は最後ながら風浦可符香の参加が決定した。

「時に風浦さん、交はどうしたんです」
「家でぐっすり眠ってますよ」
「そうですか、ならば安心ですね」

ちくっ
「先生…」
まといの視線が突きささる苦笑しながら望は振り返る

「お待たせしてしまいましたね。さあ、はじめましょうか」



128:42
07/09/26 09:29:19 4Bj4xCdD
とりあえずこの時間はここまでです。

行き当たりばったりすぎて収集がつかなくなって絶望しそうです。
長編過ぎてこのスレに迷惑かけてませんか?

まだ機械は動かない。
男は休憩室で携帯を打ち続けているw

129:名無しさん@ピンキー
07/09/26 09:30:00 PnNy6ga5
なんか173氏を思い出すな
まさにエロパロって感じのSSだ
このまま突っ走ってくれ

130:名無しさん@ピンキー
07/09/26 09:34:41 222ZgQsD
まさか臼井まで乱交に参加しないだろうなw
ハーレムパーティに男は1人で十分だ。

期待大ですな。GJ!

131:名無しさん@ピンキー
07/09/26 09:46:56 hr1+EwRS
ところで細かいようだが>>112は「核心に迫った」じゃなくて「佳境に入った」じゃないか?
42氏みたいな軽いSSも好きだが真昼氏みたいな重厚なSSも大好物なんだぜ
そして大草さんSSの続きが気になって仕方ないんだぜ

132:名無しさん@ピンキー
07/09/26 09:50:30 RjxP+AVu
こういう軽い感じに読めるほうが読み手としてはうれしいな
最近作品量が半端ないから全部読むの疲れるw
なんか幸せだぜw

133:名無しさん@ピンキー
07/09/26 10:26:43 7z9039q1
携帯のボタンと、42氏の親指が末期にならないようにネ・・・・
でも、続き期待してますww

134:名無しさん@ピンキー
07/09/26 10:51:30 h1mzk6og
真昼氏のような厚みのある小説はリアルで面白いなあ。
職人の皆さん応援してます。

135:名無しさん@ピンキー
07/09/26 12:25:46 BgYpZzTi
また一人職人が誕生したか…
もはやこのスレの勢い誰にも止める事叶わぬ。

42氏GJでした。
2人ペアで先生とエッチの発想が好きです。
ハーレムルートはもっと好きです。

136:42
07/09/26 13:08:47 4Bj4xCdD
137氏の影響はどこかにあると思ってます。
まさか自分がこんな長編を書くなんてその時は思いもしませんでしたがw

お昼になりましたので中編投下させていただきます。

137:絶望の宴~常月まとい~①
07/09/26 13:19:51 4Bj4xCdD
「先生…」
まといが頬を寄せる
「常月さん…」
「お慕いして…おります」
『ちゅ‥ちゅく…ん』
まといからのキスの嵐。
『んふぅ…っ』
小さな舌がそのまま望の身体を舐めあげていく
『ちゅ…ん、ちゅ、ちゅるっ』
「ふ…っ」
望が堪らず身体を震わせる
『ん、くっ、ちゅ』
まといの舌が絶棒に辿り着く
『んぁむ…』
そのまま流れるような動作で絶棒をくわえこんだ。

美しい。

女学生とはとても思えない妖艶な愛撫。
望ははっとして思い直す。
いけません私と彼女は教師と生徒…うっ
考えを途切らせるほどの快感が望を襲う
『んぶっ、んぐ、れろっ』
まといの入念な愛撫がつづく。
『くちゃ、るろ、んちゃ』
「おうっ…」
思わず声をあげる望。
『ちれっ、るろ、れろろ』
「まといさん、もうっ」
まといが上目遣いで頷く。
次の瞬間まといの口に精が放出された。
『んぐっ、んぐ、ぐむっ』
まといは精を飲み干し、微笑む。
相変わらず…愛が重いですねぇ…

138:絶望の宴~常月まとい~②
07/09/26 13:21:37 4Bj4xCdD
ふっと望の顔に影ができる。
まといの顔が顔前に迫る
「先生…」
まといが腰を沈めていく。
『ぐ、ぷぅん』
『あ、ああ…』
まといは絶棒を包み込み恍惚とした表情を浮かべる。
『ぱんっ』
『きゃんっ』
望が腰を突き上げる。
「このまま攻められっぱなしなのもなんですからね」
『すぶっ、ずん、ぱんっ』
『あっ、ひっ、あぅん』
まといは激しく声をあげる
『ずん、ずっ、ぱぁん』
『ひっ、くっ、ひ』
「常月…さん?」
「あ、ア、先生、私…」
「常月さん我慢は…いけませんよ」
「あ、先生、せんせっ」
まといの感情が高ぶる
「ぅ、あっ、あぁーーー」
まといは絶頂に達し果てた。
まといは望の胸に身体を寄せ微笑む
「先生、愛してます…」
まといは時間まで望の胸で微睡んでいた。

「ふぅ」
さすがの望もお疲れのようだ、しかし覚悟はできている。
「先生、大丈夫?少し休む?」
奈美が望に心配そうに駆け寄り声をかける
くいっ
望は奈美を引き寄せるとやさしくキスをする。
「普通に心配してくれるのはあなただけですよ」
奈美は惚けた表情で呟く


「普通って…いうなぁ…」



139:名無しさん@ピンキー
07/09/26 13:27:50 nURDTKLa
>>138…燃え死ぬかと思った……(;´ー`)

140:絶望の宴~日塔奈美~
07/09/26 13:29:27 4Bj4xCdD
『ちゅん、ちゅ』
軽く触れるキスをする
「先生、あの…」
「なんですか?」
「その、お、ぉ…オ○ンチ○、舐めていい?」
恥ずかしそうな奈美の提案に望は少し嬉しそうに頷いた。
『んちゅ、ん、ぺろぺろ』
たどたどしいフェラだが心地よい、ふと望の視界に芽留の姿が映る。
不満そうにこちらをみているようだ。
もし今度懇親することがあったらやさしくしてあげましょうかね。
などと望は考えていた。
『ちろ、ちろ、れろ』
奈美が唇を絶棒から離す
『ちゅぷっ』
「日塔さん…」
「あ、先生、まって」
奈美が望を制止する
「?」
奈美は四つんばいになり望に背中を向けた
「その先生、今日は、こっちで…」
奈美の全身は羞恥で真っ赤に染まっている。
望の眼前には奈美の菊門があった。

『ぐぐぅっ』
『あ、くう』
望の絶棒が菊門に埋まっていく
『うあぁ、苦し、ぃひぃ』
「日塔さん無理をしないでください」
望が声をかける
「いいんです私普通だからこれくらいやらないと皆に置いていかれちゃう」
そんなことはない。そう言おうとして望は言葉を飲み込む。
言葉より行動がこの場合は適切ですかね。
『ああっ、くうふっ』
奈美の顔が苦痛に歪むが望は奈美の想いに答えるために腰を押し進める
『せ…先生、私のお尻…気持ち…いい?』
「ええ、とてもいい気持ちです」
『よかっ…た、はぁ、はぁっ』
「日塔さんいきますよ」
『ああっ、せんせいーー』望の精が思い切り良く放出される
『あ、せんせいのが、おなかに…あぁ』
絶棒が引き抜かれる
『あぁ、くふぅっ…』
奈美はそのまま気絶してしまった。

奈美を布団に横たわらせ望は一息つく。
じーっ
どこからか視線を感じる。視線の先は押し入れにあった。


不下校少女、小森霧が望を笑顔で手招いていた。



141:絶望の宴~小森霧~
07/09/26 13:37:00 4Bj4xCdD
「お邪魔します」
押し入れの中には客用であろう布団が敷かれていた。
「せーんせっ♪」
霧は子猫のようにじゃれてくる
『ちゅ、ちゅ、ちゅ』
小さく、優しく、小雨のようなキスが降る。
『ん、ちゅくん、んん』
霧は少し体勢を変えると望の右乳首を優しく吸い上げる。
『せんせぃ、んちゅ、きもひいぃ?』
「ええ、とっても」
『んふっ』
無邪気に笑う霧。
張り詰めている絶棒を見つめ霧は目を潤ませる。

霧は顔をあげて微笑むと、背をむけ四つんばいになる。
押し入れは狭いので必然的にこういう体位になるのだ
望は霧のそこに指を優しく入れる
『あぅん』
霧が声をあげる。
そこはもうしっかりと濡れていた。
『ずぷっ…ずぅっ』
『ふぁあん』
霧はすんなりと絶棒を受け入れた
「動きますよ」
『うん、せんせぃ』
『ぱん、ぱんっ、すぱん』
小気味よい音が響き色白の肌が揺れる
『あっ、ああっ、あっ』
霧のそこに絶棒はきつく締めつけられ、限界を迎える
「霧さんっ」
『うん、いっしょに、いこうっ』
その瞬間望は絶棒を勢い良く引きぬく
『ひぁ!』
精が霧の背中に放出される
『ふぁん』
霧と望は同時に果てた。

望が押し入れを出ると異様な光景があった。
なぜか皆ぐっすり眠っているのだ。


そしてその部屋の中心には湿ったハンカチと薬品入りのビンをもった少女。
三珠真夜が立っていた。




142:42
07/09/26 13:38:57 4Bj4xCdD
お昼の投下はここまでです。


なぜ真夜がそこに立っているのか?
それは私にもわかりませんw

143:名無しさん@ピンキー
07/09/26 18:54:20 pzSIpMUf
いつの間にやらエロ神様が降臨なさっとるッ、GJです。

エロパロスレなのにまったくエロに突入しなくていい加減にしろって感じの真昼野郎です。
こんなアホ長いSSを読んで、あまつさえ感想までくれる仏様方にはいくら感謝しても足りませぬ。
今回は6レス程消費させていただきます。今まで以上に捏造設定の嵐ですのでご了承下され。

144:真昼が雪 38
07/09/26 18:56:39 pzSIpMUf

望は1時間目の授業以降、生徒たちの前に姿を現さなかった。
予定ではその後の授業のいくつかも望が受け持っていたのだが、急遽智恵が代行する事となったそうだ。
もちろん生徒たちは理由を聞いた。だが、智恵は「諸事情」とだけ答えてお茶を濁すだけだった。

望の姿が消えたと同時に、可符香も教室から姿を消していた。
朝から可符香の顔色が優れなかった事は千里も知っていたし、他の生徒たちも薄々気付いてはいたようで、彼女の早退に疑問を持つ者は居なかった。

そうして向えた放課後。
久藤はいつものように、夕暮れの図書室で本を呼んでいた。
他の図書委員は既に帰宅している。下校時間が迫る中で悠々と、彼は窓辺の席で本を読んでいる。
彼は、ある人物が来るのを待っていた。
「―失礼しますよ」
いつかと同じ台詞。一拍置いて開かれた扉の向こうには、予想通り、糸色望の姿があった。
いつかと同じように久藤も本から顔を上げて、薄く微笑みながら彼を迎え入れる。
「いらっしゃい、先生。来ると思ってました」
「そう思われてるだろうな、と思ってました」
照れたように笑いながら軽口を叩く望。夕暮れの赤が、彼の肌の青白さを隠していた。
「僕に聞きたい事があるんですね?」
「はい。貴方に聞きたい事があります」
久藤は開いていた窓を閉めて、冷たい風が望に当たるのを遮断した。
扉の前に立ち尽くす彼に椅子をすすめ、望が座るのを確認すると、ふっと瞳を閉じて見せる。
「可符香ちゃんの事ですか」
「…はい」
一拍置いて、頷く望。
「幼馴染の君なら、彼女の事を良く知っていると思いまして」
閉じていた目を開き、真っ直ぐに望の目を見る久藤。
たじろく事もせず、真っ直ぐに見返してくる彼の目は、何だか妙に優しかった。
「…彼女は幼少の時から…ああだったのですか?」
ああ、とは何ですか―あえてそう問うことはせず、久藤はふっと呆れたように苦笑した。
「ようやく気付いたんですか」
「いやはや、面目ない」
照れたように頭を掻く望。

145:真昼が雪 38
07/09/26 18:58:07 pzSIpMUf
望は以前の図書室でのやり取りを思い出した。

『油断ならない子だと思います』

そう答えた自分に、不満そうだった彼の本心が、今ならなんとなくわかる。

『それだけですか?』
 
おそらくはそんな所だろうか。
久藤からすれば期待はずれもいい所だったろう。
可符香の鉄壁のような笑顔を少しでも剥がす事が出来た彼ならば、彼女をもっと理解しているに違いない―そんな期待を寄せて、彼にその質問をしたのだろうから。
「先生は、彼女がああなった理由を知りたいんですね?」
「…やはり、明確な理由があるのですか」
「明確かどうかはわかりません。ですが、原因の一旦となったであろう出来事なら…」
「教えて下さい」
僅かな沈黙を挟んだ後、久藤は言った。
「それを知って、先生は何がしたいんですか?」
少しだけキツイ口調。だがその台詞からは、可符香を想う久藤の気持ちが読み取れた。
ただの好奇心程度の気持ちしかない者に、彼女の根底に根ざすトラウマを伝える事など、出来よう筈もない。
再び両者の間に、沈黙が降りる。

「――助けたい」

答える望の声は、ともすればみっともない程に、震えていた。
自分の返答に呆れたように苦笑する望。だが、その一言が自然と唇を零れたのだから仕方ない。
自分は彼女を助けたいと思っている。たとえ彼女が、それを望んでいないとしても。

僅かなネガティブにも耐えられない、脆い少女が選んだ不器用な選択肢。
その危うさに気付いた時、望は胸が軋んで仕方なかった。
無理矢理にでも全ての不幸を、幸福に差し替えるという彼女の生き方。
それが最後まで、完璧に上手くいくというのならばかまわない。
けれど問題は、薄々その無理矢理さに彼女自身が気付いてしまっている、というところだ。
完全に物事をポジティブに取れる人間なら、わざわざそれを口にして自分に言い聞かせたりしない。
このままではきっと支障が出る。いずれはネガティブな事に、正面から向き合う事になる。
その時、彼女が今のままだったら、どうなってしまうだろう。
望に少し図星を突かれただけで、ああも心を乱していたのだ。

放っておいたら、壊れてしまう。確実に。

望の脳裏を、彼女の笑顔が粉々に砕けるイメージが過ぎった。

146:真昼が雪 39
07/09/26 18:59:09 pzSIpMUf
「あの子の思考回路には、些か柔軟さが欠けるように思えます。
 だから――できる事なら、絆してやりたい」
自由奔放に見える彼女の、あまりに凝り固まった観念。
それを解いてやらない事には、彼女を救う事などできやしない。
だがそれをするには、自分はあまりに彼女の事を知らなさ過ぎる。
もちろんそれを知ったからと言って、確実に彼女を救ってやれるとは言い切れない。
それでも知っておきたいのだ。彼女があそこまで頑なに心を閉ざす切欠となったであろう出来事を。
「教えて下さい、久藤君。私はあまりに、彼女の事を知らなさ過ぎるんです」
膝の上で両の拳を握り締めながら、望は深々と頭を下げた。
「―そうかな」
答える久藤の声は、何だかとても嬉しそうだった。
顔を上げる望。久藤は目を細めて、静かに彼を見つめていた。
「今の先生はきっと、僕よりも可符香ちゃんの事を理解してると思います」
「…買い被りですよ」
望は苦笑して首を振る。久藤は、いつも童話を話し出す時のように瞳を閉じてから、
「―これから僕が話す事は、酷く、曖昧な話です」
そう前置きして、ゆっくりとした口調で語り始めた。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

久藤准と赤木杏が出会ったのは、二人が幼稚園の頃まで遡る。
二人は自宅が近いという事もあり、元々顔見知り程度の面識はあったものの、入園してしばらくの間は、特に会話する機会もなく時が過ぎた。
この頃の彼女はとても無口で大人しく、今の彼女からは想像出来ないほど静かな子供であった。
子供の頃から本の虫であった久藤は、他の子供と遊ばずに、一人で本を読んでいる事が多かった。
杏も、性格からして友達とはしゃぎ回る事が出来なかったのだろう。よく一人で孤立していた。

147:真昼が雪 40
07/09/26 19:00:08 pzSIpMUf
自ら望んで孤立した者。孤立せざる得なかった者。
理由は違えど、二人は集団生活の中で異質な存在だった。

ある日。久藤はいつものように本を読んでいた。他の子供たちは園内をはしゃぎ回っている。
ふと隣に人の気配がして本から顔を上げると、杏がぼんやりとこちらを見ながら立っていた。
目が合うと驚いたように身体を震わせて、すぐに視線を逸らしてしまう。まるで何かに怯えるように。
「…座ったら?」
見下ろされていると落ち着いて読書が出来ない。
そう思って声を掛けると、杏は再度身体を震わせた。

「―ここに、居ていい?」

恐る恐る訊ねる少女の真意は、子供の彼には判らなかった。
だが、杏にとっては一世一代の大勝負とも言える問いだったのだ。
自らが協調性を欠いている事を理解している彼女は、自分が他人にとって迷惑な存在であると心に刷り込まれていた。だから自ら、他の子供たちと一線の距離を置いたのだ。
けれど、元来寂しがりやの少女に、孤独はあまりに辛いものだった。
そうして見つけたのが、自分と同じように一人逸れた少年の姿。
彼は自分とは違う―その事は理解していた。
けれど彼ならば、自分の事を受け入れてくれるのではないか。
そんな僅かな希望を寄せて、少年の様子を窺う。その希望が、粉々に打ち砕かれる事に怯えながら。

「うん、いいよ」

別に断る必要もないではないか―彼はそう思っていた。
拒絶される事を恐れる少女の心情を理解しないまま、彼はこくりと頷いてみせる。
すると、さっきまで眉をハの字にして怯えていた表情とは一変して、杏は瞳をパァっと輝かせた。
ここに居る事を許可された。ただそれだけの事が、彼女にとってはよほど大事な事だったらしい。
その嬉しそうな彼女の顔を、久藤は素直に「可愛いな」と思った。

それ以降。二人は共に時間を過ごす事が多くなった。

148:真昼が雪 41
07/09/26 19:01:23 pzSIpMUf
久藤は相変わらず本を読むだけ。杏はその隣で、ぼんやりと空を眺めている。
いつしか久藤は、杏に物語を読んで聞かせるようになった。
杏はどんな話にでも瞳を輝かせ、まるでその物語の住人になったようにのめり込み、一喜一憂する。
その様子が楽しくて、久藤の中でいつしか、杏という少女の存在は大きなものになっていった。
彼女に興味を持つようになってから、彼女の周囲の環境にも目を配るようになる久藤。
彼は両親や近所の人達の話から、杏が非常に恵まれない環境の中で生活している事を知る。

杏の父親の会社の経営が危うく、家庭内はその事でピリピリした空気に包まれており、
両親の理不尽な怒りの矛先は、常に彼女に向いていた。
彼女は少しでも目立たぬよう、節目がちになり、小声で話すようになっていった。

いつも隣で笑っている少女を取り巻く環境を知り、子供心に久藤の胸は酷く痛んだ。
助けたい―だが、いったい何をすれば彼女を助けた事になるのかわからない。
その事を彼女本人に伝えると、杏は眉をハの字にしながらも、懸命に微笑んで見せた。

「准君は、今までみたいに一緒に居てくれるだけでいいの」

それで十分だと、それだけで嬉しいと。
心から久藤に感謝しながら言う杏の表情は、あまりにも儚げだった。

翌日。杏の父親が自殺した。

彼女はその現場に居合わせたらしい―後々駆けつけた大人たちは、引き攣った笑顔で父親を見上げる杏の姿を見たそうだ。
全て人伝に聞いた話だ。久藤は杏の身にそんな不幸が及んだ事を実感出来ないままで、彼女の父親の葬式に出席した。
そこで見た杏の姿に、彼女の身に及んだ不幸を、否が応にも実感する事となる。

泣きそうな笑顔を張り付かせたまま、彼女の表情はピクリとも動かなくなっていた。

149:真昼が雪 42
07/09/26 19:02:33 pzSIpMUf
葬式に、彼女の母親の姿はなかった。
何でも、夫の自殺に耐え切れなかった彼女の母親は心を病み、今は病院に居るとの事だ。
実質両親に放り出された杏は、母方の叔父に引き取られる事となった。
といっても、叔父は半ば杏を押し付けられたようなものらしい。
そんな彼が、杏に優しく接するはずもなかった。
父親の死を目前にして以来、笑みが剥がれなくなった杏を見て、
叔父は常日頃、八つ当たり気味にこんな事を言っていたらしい。

「お前はいいな。何も知らずに、幸せそうで」

子供は何も知らない、感じないと決め付けた、大人の残酷な上から目線。
どうやら他の大人達も、彼女が笑顔を絶やせないのを見て、概ね同じ評価を下したらしい。

「杏ちゃんはいつも笑っていて、本当に幸せそうね―身の不幸も知らずに」

次第に彼女は、その周囲の声に合わせるようになっていった。

――皆私を幸せと言うからには、私は幸せなのだろう。

不自然だった笑顔は、徐々に彼女の顔に馴染んでいく。
その笑顔が自然になればなるほど、彼女の心は病んでいく。
自らを幸せと思い込む事で、正常なフリが出来る事を覚えた少女は、物事を前向きに捉える事に必死になっていく。

そんな彼女を、久藤は見ている事しか出来なかった。
きっと何か出来たはずなのだ。だが、幼い自分はただ呆然と、彼女の隣に居ることしかしなかった。
小学校に上がってしばらくすると、彼女は名古屋に転校する事になった。
彼女に直接聞く事が憚られ、人伝に聞いた話では、何でも彼女の叔父が何か犯罪を犯したらしい。
再び放り出された彼女は、今度は名古屋の親戚の下に預けられるのだそうだ。

引っ越しの前日。
二人は幼稚園の頃からそうだったように、共に時間を過ごした。
久藤は何も聞かない。杏も、何も語ろうとはしない。
他の生徒の消えた夕暮れの教室で、久藤は彼女に、最後の物語を語る。
最後に彼女に読んで聞かせた物語は、「赤毛のアン」だった。
彼女はひどく安らかな顔で、久藤の声に耳を傾けていた。

そうして二人は、しばらくの間、袂を分かつ事になる。 
 
彼女が引っ越してから、数年の時が経った。
その数年の間、彼女の身に何が起こり、彼女が何を感じてきたのか、久藤は知らない。
数年後に再会した彼女は、自らを「風浦可符香」と名乗るようになっており、
以前は少しだけ歪さを残していた笑顔は、すっかり少女の顔に馴染んでいた。

◇ ◆ ◇ ◆ 

150:名無しさん@ピンキー
07/09/26 19:04:42 pzSIpMUf
設定の穴なんてキニシナイ!!てな所で一区切りさせていただきやす。
もはやスレ容量を無駄に食う荒しと化している節がありますが、
悪気はないんですただ話纏めるのが恐ろしく下手糞なだけなんです…。

151:名無しさん@ピンキー
07/09/26 19:05:43 zlrD6+oP
荒しだなんてとんでもない。毎日待ってます!

152:前305
07/09/26 19:52:20 LrhG4TVH
42さんへ

・・・奈美がかわいい・・・
芽留とコンビなのが私のツボだとはっきりとわかりました!
携帯の神よ! GJ!!!


えーと、お疲れ様です。
ちょっと他の方とバッティングしないか、恐々ですが、投下させて頂こうかなと・・・
以前、可符香の後日談として書いた、まといの話の続編・・・になります。
ちょっと鬱気味+長い(10レス消費)+エロ無しです。
苦手と思われる方は、スルーをお願い致します。では。礼。

153:まとい:心の澱    1/10
07/09/26 19:55:08 LrhG4TVH
また同じ夢を見ました。

私の目の前には、先生のいつもの背中。
その横に並び、手をつないで歩く少女。
音も無く、桜色の風だけが吹き抜けてゆく場所。
私は二人の後ろを歩く。 ついてゆく。
少女は、振り返り先生を見る。
銀色に光る髪留めが揺れた。
途端にあの子の姿が掻き消えた。
慌てる先生。
そして、少し離れた場所から微笑む少女。
先生は近寄る。だけど、近づけない。
先生は走る。少女は立ったまま、
その姿が遠く離れてゆく。
私は走る先生を追いかける。
やがて少女の姿は見えなくなり、この世界は色を失う。
先生の叫び声だけが聞こえ、


私は目を覚ましました。
最初に肉眼で認識できたのは、天井に灯るオレンジ色の常夜灯。
そして、鼓膜を震わして伝わる先生の低い呻き。
私は飛び起き、自分の手を握り、自身に現実の世界を実感させる。
そして、隣の布団で横になっている先生を見ました。
切れ切れに苦痛の呻き声を上げ、両手は目の前の宙を漂い、苦悶の表情を浮かべていた。
私は先生に覆いかぶさり、両手を押さえつけた。
そのまま抱きかかえ、半身を起こさせる。
口元から、逆流した胃液が伝い落ち、私はすぐに手で拭い取る。
先生を抱えたまま、その背中を何度もさすっているうちに、落ち着いてきたのか先生の呻き声が止まりました。
ゆっくりと布団に横たえ、私は先生の頭をそっと抱え込む。
しばらくそうしていると、先生は薄く目を開けました。
まだ夢を見ているのでしょうか。ぼんやりとした瞳は、焦点が合っていないようでした。
「・・・・・・・・・・・常月さん。」
やがて、私が分かった様子で、力無く微笑みかけてくる。
私は先生の頬を優しくさすりながら、微笑み返しました。
「もう少し、横になっていたほうがいいです。」
私の言葉に先生は小さく「・・・ええ」とうなずいた。
その言葉に安心して、私は隣に横になる。
先生は天井を向いたままだったけど、私は横を向いて先生の顔を見ていました。
「・・・あなたは眠らないのですか?」
「・・・・ここで先生をみてます。」
「・・・・・そうですか。」
先生は瞼を閉じたが、恐らく朝まで眠らないでしょう。
ここ最近はずっと・・・・・・・この繰り返しだから。
私は先生の唇に触れたくて手を伸ばし・・・・・・・・途中で戻した。
指が空を掴む。
夜明け前、空気に冷たい匂いが混じり始めているように思えました。



154:まとい:心の澱    2/10
07/09/26 19:56:20 LrhG4TVH

あれから・・・もう、半年と少し。
先生は、辛い思い出のある街を去ることに決め、もちろん、私は先生についていきました。
遠く離れた片田舎の町。
そこの高校で教鞭を振るう事に決まった先生と、当然のように転校してついて来た私。
先生は困ったように笑ったけど、何も言わなかった。
ここの生活でも、私は片時も先生のそばを離れずに暮らしていました。
『生きる努力をしてみます』
そう言った先生は、その言葉に偽りの無い日々を送っていました。

私が時々みる夢。
先生は毎日のように見る夢。
そこでだけ、最愛の少女に逢う事が叶い、・・・・・・・でも。触れる事は叶わない、残酷な夢。
・・・・・・・悪夢じゃないですから。
取り憑かれたかのように、繰り返し同じ夢を見続ける先生は、何度もそう言っていました。
『先生を連れて行かないで・・・・』
私は夢の中の少女に、ただひたすら懇願していました。
自分の夢にうなされ、ひどく憔悴して夜中に目を覚ます。
そんな日々が続いていました。
私にできる事は、身の回りのお世話と、祈る事くらい。
・・・以前の私は、「死」へ向かおうとする先生を止めていた。
でも、今の私は何をしているのでしょう?
歯を食いしばるように懸命に生きようとする先生に、私は何をしてあげられるのだろう?
毎夜苦しみ、疲れ果てても、逃げない先生を見続けていました。
少しでも、気休めでも、力になれたら・・・・・・
そう思い、先生のそばに居続け、
その日は突然、訪れました。

私の方に・・・・・・・限界が来てしまっていたようでした。



155:まとい:心の澱    3/10
07/09/26 19:57:37 LrhG4TVH
この街で初めて迎える冬。
ちょうど一年。
雪がちらつけば、やはり、思い出してしまう事。
そんな不安に押しつぶされるような夜でした。
私は初めて、先生と一緒に眠りについてました。
「今日は、寒いですから。お願いします。」
強引に押し切り、困惑する先生を抱きしめて眠りにつきました。
先生の体温は温かだったはずなのに、私の心は凍りつくような恐怖で満たされ、いまにも手足が震え出しそうだった。
先生の腕に、脚に、自分の両腕、両足をしっかり絡め、絶対に離さないつもりでした。
うつら、うつらとしながら時間が過ぎてゆく。
そして、また同じ夢を見ていました。

同じ夢、
手をつなぐ少女と先生。後ろにいる私。
一つ違ったのは、離れてしまった少女を追いかけようとした先生の手を、私がしっかりと握っていた事。
先生は走り出す事が出来ずに立ちすくんでいる。
『行かないで・・・・』
音の無い世界で、私の声だけが聞こえた。
少女の姿は微笑みを浮かべたまま、遠ざかってゆく。
先生は追いかけられない。・・・・・私が、離さないから。
私は遠くなって行く少女の姿を見ていた。
いつもと変わらない微笑み・・・・・・・なのに、何でだろう?
とても寂しそうに見えるのは。何故だろう?
そして私はなぜ泣いているの?
・・・・・・・そうか。
私が先生を離したら・・・・・・私は一人きり。
・・・あなたは、先生がそばにいないから・・・・・・一人きりで、・・・そこにずっと。

・・・・・私が、あなたを、一人にしている。

目が覚めたとき、私は自分の全身に鳥肌が立っているのがわかりました。
硬直した手足を、そっと、先生を起こさないように剥がします。
先生は・・・・・・・今日はまだ、うなされる事なく静かに寝息を立てていました。
先生、私、わかりました。
二人は、やっぱり、一緒にいないと駄目なんだって事が。
・・・ずっと、仲のいい先生たちを見てきた私には、それが当たり前であることが。

私は、静かに起き上がりました。
本当はずっと分かっていました。先生たちと、私が、ここから開放できる方法。
簡単な事なのは分かっていました。
押入れを静かに開け、奥にあったカバンを引っ張り出しました。
先生が私にくれた物です。
中から、そっと、練炭を取り出しました。
部屋は外の冷気が入らないよう、夜は閉め切ってありました。
ゆっくりとマッチを擦り、火をつけます。
炭の燃える匂いが部屋に広がり始め、私はカバンの中にある瓶を取り出し、フタを開けました。
円卓の上に置いてあった水差しを手に取り、瓶から取り出した錠剤を少しずつ口に含み、噛み砕きながら水で流し込んでゆきます。
ゆっくりと、ゆっくりと、その動作を繰り返し、やがて瓶の錠剤が半分ほどになった頃、私は水差しを置きました。
そして先生の隣に寄り添い、目を閉じました。
私はいつしか、子守唄を口ずさんでいました。
誰のためなのか・・・・・わからないけど。
先生・・・・・もうすぐ、あの子に会えますよ・・・・・
でも、私も寂しいから、ついてゆきますね。・・・いいですよね?
体の周りに暗闇が広がってゆくのがわかりました。
怖くはなかったです。
ずっと、先生の鼓動と、自分の鼓動が聞こえていたから。
せんせい・・・・・私・・・・・愛してる・・・って、言い過ぎてましたね。
・・・・・こんな時に、一度だけ言えれば良かったんですね。    せんせい・・・・・・。



156:まとい:心の澱    4/10
07/09/26 20:09:19 LrhG4TVH


・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんだろう?  私、いま、どこにいるの?
まっくらです。何も見えない・・・・・何も無い・・・・・私一人なの?

・・・・笛?   笛の音が・・・・・・
だれ?  可符香さん? どうしたの? 先生は・・・・・・・あれ、どこへ行くの?
何? この笛の音? だんだん大きく・・・・・・・
先生・・・どこ・・・・? どこにいるの? 一緒に行きましょう。・・・可符香さんが・・・・まってます・・・・・よ・・・・・・



笛の音が段々大きくなり、それが笛の音ではない事に気がつきました。
聞こえているのは、規則正しい電子音・・・・・・・  
あれは何? 浮かんでいる・・・・? あ、そうだ、あれは点滴のパック・・・・・・・ 点・・滴・・・?
私は、ようやくはっきりしてきた意識で、おぼろげに自分の姿を確認できました。
何これ? 腕に紐みたいなものが刺さって・・・・・・
口元には・・・マスク? 息は楽だけど・・・・・
「・・・常月さん。」
あ・・・先生! そこにいたんですね。 ここ、どこですか? ここは・・・・・・
・・・・・私は急速に鮮明になってゆく頭の中で、次々と記憶がフラッシュバックしてきました。
薄暗い部屋。
ガラスの水差し。
手のひらに転がる白い錠剤。
奥歯がガチガチと音を立て、全身に震えが走りました。
「・・・・わ・・・わたし・・・・先生を・・・・先生を・・・・・自分で、先生を!!」
「・・・常月さん! 落ち着いて!」
いやぁぁぁぁぁっっ!!!!
声にならない悲鳴を上げたのが自分でわかりました。
やけに冷静な自分がいました。
私は、今から壊れていくんだな・・・・と。冷静に見ている自分がいました。
「また私を一人にする気ですか!!」
・・・・・・・あ・・・・・
いまの声・・・・・先生・・・・・?
気がつくと、先生の顔がすぐ近くにありました。
「あなたまで無くしたら、私はどうなります!?」
波が引くように、臨界点まで達しようとしていた鼓動が、おさまってゆくのがわかりました。
でも、気持ちが混ぜかえった状態で、どうしたらいいのか・・・・
笑うのがいいの? 泣くのがいいの?
「・・・せん・・せい・・・。私、どうしたらいいのか分からない。」
先生は私の手を握りました。
「・・・・・・・私に、腹を立てる所ではないでしょうか。」
「・・・・・どうして?」
そう・・・どうしてだろう。
「・・・あれだけ、あなたを突き放しておきながら・・・・あなたの気持ちを考えもしないまま、放っておきながら、あなたが
こんなになるまで何もしない人間ですよ? 当たり前のように、あなたの気持ちがあると思って、自分の世界に閉じこも
っていた卑怯者ですよ・・・・私は。」
「・・・・・・・だって・・・ついて来たのは私の・・・・・」
先生は首を振って、うな垂れた。
「・・・私はそれに甘えているのです。」
甘えてほしくて・・・・、私によりかかってほしくて、ずっとついて来たんですよ?
でも、・・・・・・・先生の命を、粗末にしようとしたんですね・・・・・私が・・・
口に出そうとして、でも言いよどんでしまう言葉が、ぐるぐると頭の中を回っていた。
「・・・・先生が・・・助けてくれたんですか?」
何とか言葉になったのは、その質問でした。
先生は少し青い顔でうなずきました。

157:まとい:心の澱    5/10
07/09/26 20:10:45 LrhG4TVH
「・・・・ええ。練炭の燃える匂いで飛び起きました。」
・・・そして先生は、薬瓶の横で眠る私を見たんですね。
どんな・・・・思いをさせてしまったのか。
「・・・・・先生、未遂経験は豊富ですからね。匂いには敏感になったのですよ。」
少し苦笑しながら、そう説明する先生。
そうだった。
誰よりも、死を恐れていた先生でしたよね。
私は微笑んだつもりだったけど、透明なマスクは少し曇っていて見えなかったかもしれない。
ようやく先生の顔を見れる余裕もでてきました。
「・・・先生・・・・・泣いていたのですか?」
先生は少し焦って頬にある涙の跡をこすった。
「恥ずかしながら・・・取り乱してしまいましたよ。」
「・・・ごめんなさい。」
私は握ったままの先生の手を強く握りしめる。
「もう、こんな事しません・・・・・・ごめんなさい・・・先生。」
先生は優しく私の頭をなでました。
「・・・さ・・・もう少し休みなさい。・・・安心してください。もう、ヤマは越えたそうです。」
私はうなずいて、
「・・・先生。ずっと、ここに居てくれますか?」
「・・・・・ええ。そのつもりです。」
「絶対・・・?」
「もちろん。」
「ずっと・・・・?」 
そんな言葉を繰り返しているうちに、私は再び眠りに落ちてゆきました。
・・・夢を見たかどうかは、憶えていません。


それから、数日が過ぎたと思います。
・・・あまり記憶が定かではなかったので、はっきりとは分かりませんが。
私は、順調に回復し、明日には退院できるとの話でした。

「転校・・・・・ですか?」
先生の言葉を、私はそのまま繰り返しました。
「・・・やっぱり、今回の事で、ですね・・・・・?」
それはそうでしょうね。
私は質問しながらも自分で納得していました。
ただでさえ、自分の教え子と暮らしている教師が、問題を起こしたと見られてしまう訳ですから。
「いえ・・・確かに私も転任する事になるでしょうが・・・・・。そうではないです。転校、と言ったのは・・・・・・・・・常月さ
ん、あなたの事で。」
一瞬、先生の言葉が理解できませんでした。
何ソレ? 私だけが転校するって、何?
「・・・嫌です。だったら退学してもいいです! 私・・・・」
声を荒げた私に、先生は首を振りました。
「学校側の措置ではなくて・・・・・これは、私が判断した事です。」
先生は真剣な声ではっきりと告げました。
今度こそ、私は言葉を失いました。
「・・・ど・・・・どうし・・て、ですか・・・。だって・・・・先生は、私が必要だ・・・って言ってくれた訳じゃなかったんですか
? 嫌・・・・・嫌・・・・です!」
興奮して、ただ「嫌」と繰り返す私に、先生は静かに言いました。
「自分が寄り掛かるためだけに、あなたを必要とする事はしたくないんです。」
「そんなの・・・・・私は、先生になら・・・・・」
先生は、手を私の頬に触れて、私の言葉を止めました。
「常月さんの人生は・・・・私が全てなんでしょうか?」
「はい。」
私は即答して頷いた。
考えるまでもなく、そうだから。
でも、先生は困ったような笑いを浮かべた。
「それではいけません。・・・私も人の事は言えませんが、もっと他の事が、あなたの中にも、外にも、あるはずです。
それを、考えて下さい。先生も、そうします。だから・・・・・」
先生は私の髪を優しく撫でた。

158:まとい:心の澱    6/10
07/09/26 20:12:23 LrhG4TVH
「今は、離れた方がいいんです。・・・忘れろって言ってる訳ではありませんよ? ・・・・忘れられたら先生が寂しい
ですから。・・・・・ちょっと勝手な言い方ですが。」
先生以外の事?
考えられるの? 私に?
「・・・先生も、そうするのですか?」
「はい。・・・・・忘れられる物ではないですけどね。・・・・でも、忘れないまま、他の事を自分の中に入れてみますよ。」
私は先生の目を、真っ直ぐに見た。
「私の事も・・・・ですか?」
先生は小さく笑いながら頷いた。
「あなたが私を想ってくれる事、目をそらさないようにします。・・・いつか、二人に、答えが出せるように。・・・・・こん
な、どうしようもない私でも、想ってくれた事に・・・・・私は答えたいのです。」
二人・・・・・そうだ。
私も、それが心に重石となっていたんだ。
可符香さんから・・・先生を取り上げてしまうから。
完全に、一人に、してしまうから・・・・・・・


しばらく、静寂が訪れました。
先生が私の言葉を待っているのがわかる。
答え・・・・・言葉・・・・・私にとっての答えは・・・・
「・・・・約束してくれますか?」
そんな言葉が私の口から出た。
先生はうなずき、次の言葉を待つ。
「絶対・・・・一日一回は、私の事、考えてください。そして・・・・」
泣いたらだめ。
でも、泣きそうになる。
「・・・・・死・・・・・なないで、下さい。絶対に! ・・・・・・ちゃんと生きてるって事、私に伝わるように、して下さい・・・」
先生は少し間を置き、深く頷いてくれた。
「約束しますよ。」
そういって、ふわりと包み込むように私を抱きしめた。


そうして、先生は行ってしまったのです。
一人、病室に残った私は、例えようもない孤独感に取り付かれ、この一年の先生との暮らしが次々と思い出されてきました。
一緒に暮らしていた部屋。
エアコンが無くて、窓を全開で眠った夏。
小さい円卓で寄り添って食べた食事。
おそろいで買った箸。
同じような事が繰り返される毎日だったけど、先生のそばにずっと居れた日々。

私は、先生と離れて生きて行けるのでしょうか?
ベッドの上で、一人。ひざを抱えて考え続けていました。
答えは・・・・・・・・わからないままです。




159:名無しさん@ピンキー
07/09/26 20:46:58 zlrD6+oP
これはいい病みっぷりですね。
まといはとことん切ないな。だがそれがいい。

160:まとい:心の澱    7/10
07/09/26 20:52:47 LrhG4TVH


「先生、さよならー。」
「また、あしたー。」
下校時刻が過ぎて、校舎の中は、にわかに騒々しくなりました。
でも、日が傾くころには、再び、静けさを取り戻し、
私は、一人、廊下を歩いていました。
昨夜は少し雪が降り、その名残が、まだ中庭にあるのが見えます。
ぱたぱたと、足音が近づいてきます。
「・・・ああ、常月先生。いまお帰りですか?」
甚六先生でした。
私が学生の頃から少しも変わらない、柔和な笑顔で話しかけてくれます。
智恵先生が退職された後、私が替わりとしてSC室を担当する時も、甚六先生が後押ししてくれました。
「お疲れ様です。・・・戸締りですか?」
「ええ。いま確認しおわった所ですよ。」
そう言って私の横に並びました。
「・・・あ、そうそう、コレ、見てくださいよ。」
甚六先生は携帯を取り出して、画面を私に見せます。
「・・・あら。赤ちゃんですか?」
「そうなんですよ、初孫が生まれたと、娘からメールがきましてねぇ。・・・いやあ、可愛いもんですなぁ。」
目尻を下げながら、嬉しそうに次々と画像を見せてくれます。
私の「おめでとうございます。」の言葉も聞こえないくらい、夢中になってました。
「あ・・・すいません、ちょっとはしゃぎすぎましたな。」
そう言って頭をかく姿を見て、私は思わず吹き出してしまいました。
「・・・・あら・・すみません。こんな時、先生が居たら、また何か言い出すんだろうな・・・と、思ってしまって。」
私の言葉に、甚六先生は、ポンと手を叩いた。
「おお! そういえば、明日、行かれるのですね? 有給は取られましたか?」
「ええ。大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
先生は携帯をしまって、私の方を向いた。
「気をつけて。あ、糸色先生にもよろしく。」
そう言って、少しスキップを刻みながら甚六先生は去ってゆきました。
『年忘れですよ!』
思わず先生の言葉が思い出され、私はクスリと笑いました。




161:まとい:心の澱    8/10
07/09/26 20:55:51 LrhG4TVH


雲ひとつ無い、澄んだ寒空の下。
蔵井沢の駅から歩く事、小一時間。
小高い丘の上に私はいました。
手には、ささやかだけど、選んで作った花束と、今年は小さな袋に入ったキャンディー。
沢が一望できるその場所に、真っ白な墓碑が立っていました。
彫られた墓碑銘の横には、誰かの置いた花束が風に揺れていました。
「・・・・やっぱり今年も先生が先ですか。」
ちょっと苦笑して、私は花束と袋をその横に置きました。
目の前の大理石に少し会釈します。
「あのね・・・・・可符香さん。甚六先生に初孫が生まれたって。先生にもよろしくって。」
その上に積もった雪を軽く払いながら私は話かけます。
もちろん、答える者はいません。
風が針葉樹のこずえを撫でる音だけがしています。
私はしばらく空を見上げていました。
「ねえ。可符香さん、先生のどんな所が好き? 後ろ向きなとこ? 悲惨なとこ? 不器用なとこ?」
そこまで言って、私は溜め息をつきました。
「・・・私はね、よくわからない。・・・・・ただ好き。それだけなの。それだけでも、ずっと、気持ちは変わらないの・・・・
いまでも眠れない時もあるくらい。・・・・時々、一晩中泣いちゃうくらい・・・・・・」
すこし言葉を切りました。
「可符香さん。・・・そろそろ・・・私・・・先生の事、もらってもいいかな・・・・・。幸せに・・・なりたい。また、ずっと、先生と
一緒にいたい。ずっと・・・・ずっと・・・・・・一緒に・・・・・・」
私はいつの間にか泣いてました。
慌てて涙を拭い、私は立ち上がります。
「・・・・あ! 先生を幸せにしたい、が、抜けてたね。」
そう言って苦笑を見せた。
「ふふ・・・失敗、失敗。まだ、だめね。」
そう言って、白い墓碑に手を振りました。
「・・・・じゃ、また、来年くるね。先生によろしく・・・・・」
言い終わる前に、少し強い風が私のそばを通りました。
風は大理石の上にあった二つの花束を転がし、その下にあった物が見えました。
あれは・・・・・・何?
先生が持ってきただろう花束。その下にあったのは、手紙の白い封筒でした。
石の隙間にはさんであるそれを手に取りましたが、中身は入っていないようでした。
首をかしげ裏返してみると、そこには、見覚えのある文字で、

今度は 私から 会いにゆきます

考えなくても、誰かは分かりました。
私は、可符香さんの墓碑の前に座り込んでしまいました。
一度、止まった涙がまた溢れ出します。
涙で霞んで見える白い墓碑を私は見つめました。
「・・・ありがとう。可符香さん。」
それだけ言い、私は墓碑を抱えるように泣きました。
嬉しくて、切なくて、胸が痛みます。
一人じゃなくなる事と・・・・・・一人にしてしまう事に。




162:名無しさん@ピンキー
07/09/26 21:00:16 Nxl1idvO
支援。でいいのかな

163:まとい:心の澱    9/10
07/09/26 21:05:41 LrhG4TVH


携帯が鳴りました。
履きかけのパンプスに急いで足を通すと、私は歩きながら通話ボタンを押します。
「もしもし? あら。え、もう入園式は終わっちゃったの? 今どこ? うん。分かった、ちょっと待っててね。はーい。」
私は小走りで、学校を出ました。
今日は娘の入園式・・・・だったのに、こんな日に限って、何だかんだで休めずに、せめて早退して遅れて行くつもりだったのに・・・・・
私は心の中で、こぼしながら、満開の桜並木の中を急ぎました。
そよ風が、花びらを運んでくれて、あたり一面を桜色に染めます。
・・・お昼は、外で食べるのもいいかもね。
そんな事を考えていると、娘と、先生・・・・・・主人の姿が見え。
私は思わず立ち止まる。

それは、いつか、繰り返し見た夢に似て
桜色の風  音も無くそよぐ
先生と少女の背中 
二人、手をつないで・・・・・・

不意に、少女・・・・娘が振り向き、
「あ! ままですよ! ままーーっ!」
私に気がつき、走り寄る。
まだ頭でっかちで、ちょっと転びそうになりながら走り寄る娘を、私はしゃがみこんで迎える。
「おかえりなさいでした!」
私の胸に飛び込み、元気な声を上げました。

164:まとい:心の澱    10/10
07/09/26 21:07:03 LrhG4TVH
娘の頭を撫でてやると、嬉しそうに微笑みます。
ふと、私の横に先生が来ていた。
いつもの柔らかい笑顔で私達に微笑み・・・・・・手を伸ばして、娘の前髪に、一本の髪留めを通した。
銀色に光る・・・・・・・髪留め・・・・・
これは・・・・・・・・・
呆然としている私の前に、先生の手が差し出され・・・・・
その上には、同じ髪留めが一本・・・・
私は、意識せずにそれを手に取り、不思議そうな顔を浮かべている娘の前髪を撫で上げ、
先の髪留めと交差させるように髪に通しました。

・・・ずっと、心の中に積もっていた気持ち

「これ、なんですかー?」
不思議そうに、先生と私を見る娘。
「お守りですよ。私と、まといさんからの。」
私の背に手を回し、先生が穏やかに娘に告げた。

・・・あの子を孤独にしてまで得るもので、それを幸せと言えるのか

「うん・・・お守りよ。似合うわ・・・・・」
私は、たまらなくなって娘を抱きしめた。
頬を伝う涙が暖かい。

・・・先生が前に言った事、二人に答えが出せるようにと

「まま? 泣いてますよ?」
「うん・・・・桜が綺麗すぎて、泣けてきちゃった・・・・」
娘は嬉しそうに、私の顔に触れた。

・・・見つけてくれた。ここに・・・・約束した、答えを

「ぜつぼーしたー! きれーで、ぜつぼーしまったー!」
まだ、舌足らずな言葉でそう叫んで、私は思わず吹き出しました。
先生は明後日の方を向いていましたが、目が笑っているのがわかります。

・・・先生は、いないと言っていたけど  ・・・神様がいるなら、感謝します

たくさん・・・いろんな所に行こうね。
いっぱい遊ぼうね。
ずっと・・・そばにいるから。
私たちは、ずっと一緒に。

・・・私たちを、出会わせてくれてありがとう

娘を抱く私を、先生の腕が包み込みました。
「・・・おかえりなさい。」
私と・・・・・この子に・・・・・
私は娘を強く抱きしめました。

「おかえりなさい・・・・・!」

桜の大樹の下
舞い散る花びらに包まれていました
私たちは・・・ずっと

165:前305
07/09/26 21:17:16 LrhG4TVH
お粗末でした。
支援してくれた方、ホントありがとうです。
173氏の気持ちがわかりましたww

読んで下さった方、ありがとうございます。m(_ _)m

166:42
07/09/26 21:35:51 4Bj4xCdD
143氏、前305氏、お二方ともGJです。
可符香もまといも切なすぎます。
心の澱ラストシーンは素晴らしすぎです。

さて、絶望の宴ラストまで投下させていただきます。
もう少しだけ稚拙なエロ小説にお付き合いください。

167:絶望の宴~乱入者② 三珠真夜~
07/09/26 21:48:23 4Bj4xCdD
皆、不自然な程に寝入っていた。
そしてその中心には真夜。
その手には薬品のビンと、ハンカチが握られている。
望は考えた、三珠さんが犯人のはずありませんね。証拠が揃いすぎています!

ふと眼下に視線を落とすと真夜がいた。
「み、三珠さん?」
「………」
どんっ
突き倒され、望は尻もちをつく形になる
「三珠さん、何をするんです」
頬を朱に染めた真世の顔が眼前にある。
『くちゅ…』
絶棒の先に何か生温かいものが触れる
「え、えぇっ」
真世のそこは望の絶棒に侵入しようとしていた。
え、え?三珠さん、ノ、ノー○ン?
…錯乱してる場合ではない
このままではいけない!
望が抵抗の意志を示そうとした正にその時。

『ずぶん』
『……!…!!』
真夜の顔が苦痛に歪む
真夜の狭い秘所が絶棒を包む。
「み、三珠さん」
『……』
望には真夜が一瞬だけ微笑んだようにみえた。
『!、!!』
激しく動く真夜
ただでさえ狭くきつい。
その感触に望は瞬く間にのぼり詰める
「くっ、三珠さん抜いてくださいっ」
真夜は抜くのを嫌がったがそうもいかない。
望が真夜の身体を両脇を抱え思い切り引きぬく
『!、!!!』
間一髪、しかし、勢い良く放出された望の精は真夜の顔面を直撃した。
「み、三珠さんすいません何か拭くものを」
望が顔をあげた、その瞬間
くらっ
意識が遠退く。
何かを口に当てられている感覚がある。
そのまま望は倒れこんでしまった

微睡む望の視界が最後にとらえたのは割れたガラスから外に飛び出す真夜の姿だった。


生温かい感覚が望を眠りから覚まさせてゆく。
「ん…」
下半身に虚ろな眼を向けるとそこには絶棒を愛しそうに舐める木津千里の姿があった。


「もう、先生たら寝てしまうなんてひどいじゃないですか、私にもきっちり懇親させてくださいね」





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