キモ姉&キモウト小説を書こう!at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう! - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/09/23 04:07:59 GRR88Qzf
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません

3:名無しさん@ピンキー
07/09/23 04:31:13 d8UlAcMN
>>1

4:名無しさん@ピンキー
07/09/23 09:29:36 7bWE8Kr4
>>1
おつ

スレタイにはないけど、ここはPart5なんだぜ

5:名無しさん@ピンキー
07/09/23 11:02:53 D13FrmDm
>>1

6:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:26:16 UzVFdAq8
投下

7:虎とあきちゃん
07/09/23 13:27:05 UzVFdAq8
 俺は今心を落ち着けて瞑想している──そう、日曜の郊外…ここは戦場だ。辺りは殺気の入り混じった
熱気が漲り、戦意旺盛な者たちが戦いの合図を心待ちにしている。まだまだ甘い。戦いとは戦意だけで
決まるものではない。常に冷静にやるべきことを為したものが勝つのだ。

「五時になりました。タイムセールを開始します。」
「「「「おおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」

 ここは郊外のとあるショッピングセンター。巨大な生鮮市場も兼ねるここでは新鮮な食材が安く売られており、
俺もいい食材を求めて日曜日は毎週通っている。今日も首尾よく目的の野菜を手に入れた俺はほくほくと温かい
気持ちでセンターを歩いている。料理は食材が命なのだ。…ふと足を止める。

「…ん?」
 馬鹿姉のせいで鍛えられた危険察知センサーがわずかに反応したのだがだれもいない。気のせいか…
そう思いつつ、大量の食材と生活用品とともに俺は帰途についた。


 翌日、いつもより少し早く朝、亜紀姉とともに学校へと向かう。校門前で相変わらず男装をした薫と鉢合わせした…が、

「よ、よう。薫。おはよう。」「おはよう薫ちゃん。」
「お、おはよう虎之助君。あ…亜紀先輩も…」
 き、きまずっ!!!!!!

「あーえーうー、今日もいい天気だな。」
「そ、そうだね。じゃあとでっ!失礼しますっ!!!!」
 挨拶もそこそこに薫は顔を真っ赤に染めて走り去っていった。

「青春だねー。」
 何も考えてなさそうな姉の頭に軽くチョップし、辺りを何気なく見回すと辺りの女子の視線が何故か俺に集まっていた。

「ん、なんだ?」
「虎ちゃん見られてるよね。みんな虎ちゃんのかっこよさがわかったのかな。あ、でも私のだけど。」
「あほか。」
 気になって耳に意識を集中させる…


8:虎とあきちゃん
07/09/23 13:27:51 UzVFdAq8


「ねーみたみた?」
「うんうんっ!虎之助君が攻めなんだよきっと」
「えー。あのやんちゃそうな感じは受けのほうがー」
「私は虎×龍がー。」


……
………

「さすが虎ちゃん。人気者だねー。」
「俺はノーマルだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 俺の魂の叫びは徐々に登校する人の増えだした校門前に響き渡った。


 朝から体力を極限まで使い果たし、扉を開けるとそこには背の低いポニーテールの女が立っていた。
 まるで、子供のような容姿に勝気な目と性格。俺の天敵塚本風子だ。

「おいおいー勘弁してくれよ。今日はお前の相手する元気はないぞー?」
「ちょっとこっち来なさい。」
 抵抗するのも面倒なのでそのまま手を引かれていく。抵抗してもうるさいだけで余計に疲れるのだ。こいつは。
 たどり着いた先は人気のない屋上だ。ついでにさぼっちまうか…?

「噂は聞いたわ。」
「いっとくが、俺はノーマルだからな。」
「まさか貴方がそっちの人だったなんてね。男同士なんて…著しく風紀をみだしているわ。」
「泣いて頼むから話聞いてくれよ。俺は普通なんだ。」
 なんでこいつは目的地に着いたのに手を離さないんだ?…手を掴みながら上目遣いで睨み付けてきている。
 背があんま高くない俺から見ても子供に睨まれてるみたいだ。

「だから俺は普通なんだって。どうしろってんだよ。」
「私が正しい道に戻してあげるわ。」
「はあ?」
 何いってんだこいつは。…っておいおいおいおい、何スカーフはずしてるんだ。っておいボタンっ!!

「おまおまっお前なにしてんだっ!!」
「か、勘違いしないでよね。風紀のためなんだからっ!!!」
「お前が一番乱しとるわっ!!」
 風子は暴れる俺を逃げないように掴みながら懐から何かを取り出して押し付けた。

「もう、うるさいわね。大人しく教育を受けなさいっ!!」
「ぐあっああああああああああ!!」
 す、すたんがんっ!!!!



9:虎とあきちゃん
07/09/23 13:28:45 UzVFdAq8

「ぐ…ぁ………」
 こ、こいつなんでこんなもんもってんだよ!って、脱ぐな脱ぐな!うう、動けないな。まずい…まずいぞ!
 こ、このままでは俺の貞操がっ!

「ふぅ…虎のも脱がさないとね。これは教育教育…」
「よ、よせ……」
 なんか目が血走ってるんだが気のせいか!ず、ずぼんがっ!
 目の前でブラウスも脱いで下着とスカートだけになった風子の体は…滑らかだがやっぱり凹凸がなく、
嬉しいというよりも罪悪感のようなものが…よかった、俺は正常だ。

「こ、、、声が、、」
「虎……立ってないわね…私の下着姿見てるのに…やっぱり男が…」
「ま、、、まてそれは、、、幼児たいk…ぐほっ!」
「まあいいわ。すぐに女の魅力がわかるように…」
 俺のパンツに手をかけたそのときだ。

「あらら~ふう、やっと見つけたわぁ。あれ、虎ちゃん。」
 屋上のドアから現れたのは俺と同じくらいの身長のモデルもびっくりな俺の姉だった。
 ナイス!いつもは最悪のタイミングでしかこないが今日はナイスだっ!

「亜紀…姉…風子とめて…くれ…」
「あのその…亜紀先輩。これは風紀のためなんです。見ない振りしてください!」
 亜紀姉はいつもどおり穏やかに微笑んでいる…何考えてるのかさっぱりわからん。

「あらあら。虎ちゃんはまじめな学生さんだと私は思うのだけど…。何したのかな?」
「そ、それは……男同士の恋愛とか……」
 姉はゆっくりと風子のほうに近づくと困ったわねと首をかしげながら、

「でも風子ちゃん。貴女薫ちゃんが女の子って知ってるでしょ?」
 …は?ってことは…。

「う…ほんとかそれ?」
「実はね~。お出かけするときよく風子ちゃん見るものだから、みやちゃんに頼んで風子ちゃんのこと調べて
 もらったのよ。これ報告書だけど…はい、虎ちゃん。」
 なんとか動けるようになった俺は、立つのはまだ辛いので座りながら読み始めた。

「んーなになに…。塚本風子は身長139cm上から75…アイドルのおっかけをしていた時期あり。現在は…ん!?俺の
 写真を大量に集めている…はぁ?んなわけないだろ。俺風子に目の敵にされてるってのに。」
「きゃーきゃーなんでなんでっ。そうよそんなわけないわ!!」
 疑う俺に姉はアルバムを渡してきた。

「それ、風子ちゃんの部屋の写真よ?」



一面俺の写真…床も天井も壁もベッドも…


…あ、昨日のショッピングセンターでの死闘の写真を撮っている写真だ…
……
………
…………俺の顔をプリントした布団でオナニーしてる写…………

「虎ちゃんっ!虎ちゃんっ!気をしっかり持ってっ!!」
 はっ!違う世界に行きかけてた。なんとか姉の声で意識を取り戻す。
 風子のほうを向くと顔を真っ赤にして体を震わせていた。これもやばいが、これをどんな手かで集める
みやちゃんとやらも俺は恐ろしい。



10:虎とあきちゃん
07/09/23 13:29:36 UzVFdAq8

「あ、その写真は一昨日だね。ほら、薫ちゃんと会った日。」
 姉はつかつかと風子に近づき、その小さな体を覆うように後ろから抱きしめた。ここから見ても
小さな体が震えているのがわかる。

「薫ちゃんが見られてるのみて我慢できなくなったんだよね。風子ちゃんは。」
「そ、そんなこと…」
 いつもの強気もどこへやら。動けないのか戸惑ったように体をよじっている。

「風子ちゃんはこっそり見るのも好きだけど…」
 亜紀姉が風子のスタンガンを奪う…そして俺に渡そうとっておいそれはぎゃああああ!

「あ…あああ、虎ちゃんごめん!!あうあうあう…」
 渡そうとして俺に電極押し当てやがったこの馬鹿姉っ!!

「まあ、怪我ないから良いよね。今度おやつあげるから許して~。」
 そのおやつも俺が作ってんだから貰っても仕方ないわい。

「さて風子ちゃん。我慢できないからって虎ちゃん襲うのは感心しないな~。よし、私が手伝ってあげる。」
「え……きゃああぁぁぁ」
 ホールドする力を強めたのか。俺でも抵抗できないんだ…風子に勝てるわけがない。まるで食虫植物だ。

「……虎ちゃん変なこと考えなかった?」
 こんなとこだけ鋭い。

「風子ちゃんはね…見るのも好きだけど見られるのも好きなんだよ。だから薫ちゃんが見られてるのみて
 我慢できなくなったんだよ?」
 後ろから抱きしめて風子に囁く亜紀姉。そして耳を甘噛みする。姉の形のいい唇が風子の耳に触れ、彼女は
嫌がるようにもがく。なんか妖しい雰囲気が…

「ぁぁん~」
 う、声だけは風子も色っぽい。

「さあ、虎ちゃんに見てもらいましょうね。」
 まてこら馬鹿姉っ!何かんがえてんだ!

「我慢はよくないのよー?」
「うううう…お願い許してください亜紀先輩~」
「だーめー。人の弟を襲うようなだめな子ちゃんは姉としてお仕置きしないとね。」
 ほんとにこの駄目姉…変な友人のせいで最近過激になっている気がする。
 亜紀姉は風子を俺の頭の近くに運ぶとおもむろにスカートの中に手を突っ込み風子のくまさんパンツを
脱がした。スカートが陰になってぎりぎり見えない…。



11:虎とあきちゃん
07/09/23 13:30:06 UzVFdAq8

「あ、あ、あ、あ亜紀先輩っ!」
「なあに風子ちゃん。」
「ふ、風紀が…」
「あら、ばれなければ何やってもいいのよ?」
 いいわけないだろがっ!!
 そんな文句もむなしく、姉は風子を力で強引に座らせると足を股の間にいれて腕を足の下からいれて
俺に見えるように風子の足を開いた。

「やぁぁぁぁっ見ないで!」
 縦一本だ…ほんとこいつ子供なんだなぁ…。顔はかわいいんだが…。
 見ないでといっても体がうごかん。

「どう?風子ちゃん。本物に見られてるのは…」
 こっからだと姉の顔は見えない。きっと楽しそうに笑ってるに違いない。こいつ、夕食は抜きだ。

「うあぁっや…んっ」
 風子が艶やかな声を上げる。

「ほらぁ…ひくひくいってるよ。何も触ってないのに…見られてるのがいいのね。」
「あう、ち、違いますっ!私そんな…やん、息がっ!」
 どんどん近づいてくる。もう、顔の直前だ…女の匂いが…

「薫ちゃんが羨ましかったんでしょ。正直に言えば…やめてあげる。」
「うう、はいっ私も…」
「じゃあ、最後までやりましょうね。」
「ええっそんなああ…やあ…虎やめて息がっ!」
 とはいえ、息止めるわけにも…。

「私も手伝ってあげる。」
 そういいながら亜紀姉は風子のブラをはずす。ちょこっとだけ、女だということを証明するような
胸があらわになり、それを壊れ物をを扱うように触れる。なんでこんなとこだけ器用なんだろうか。

「いや…胸はっ!!」
「あら、かわいいわよ。」
 幼児体系の風子と完璧な体型な姉が絡むとほんといたずらをしているようだ。いやしてるのか。
 薄い胸とちょこんとある乳首を軽く苛める。

「あ…来る…ああほんとやめてっ!!!やんっ!!
「あら、よく我慢してたけどもう限界なのね。イクところも見てもらいましょうね。」
 亜紀姉は最後にスカートを広げると風子の一番敏感なところを軽く摘んだ。

「うあっ!やだやだっ!!いやあああいくっ!!虎見ないでっああああああああっ!!」
「あら、見てほしいって聞こえるけどね~」
 何度も達するのを我慢してたせいか、体を震わせ盛大に愛液を俺の顔にかけて風子はイった。



12:虎とあきちゃん
07/09/23 13:31:12 UzVFdAq8

「虎ちゃん~おなかすいたよう~」
「うるさいっ!今日はご飯抜きだ。」
「そんなぁ~」
 逃げるように学校の外に走り去った風子を止めることもできずに見送った後、なんとか学校で
一日を終え、俺たちは帰宅していた。

「でもでも~お姉ちゃん恩人だよ?虎ちゃん助けたよ?」
「やりかたが悪すぎるわっ!!」
 確かに俺のチェリーは守られた、だが…

「明日からどんな顔して風子に会えばいいんだ…。」
「んー。普通におはようって。」
「できるかっ!!」
 俺は子供のような顔で泣きながら去っていったあいつを思い出しながらすぱんと姉の頭をはたく。

「で、なんで屋上に俺がいるのがわかったんだ?」
「いたた。今日は虎ちゃんじゃなくて風子ちゃん探してたのよ。」
 ああ、そういえばそんな感じだった気もする。

「俺がいなかったらどうしてたんだ?」
「うん。写真全部焼き増ししてもらおうかとおもって♪」
 俺は頭を抱えてテーブルに頭を突っ伏した。

「だって~虎ちゃんの写真だよ?お姉ちゃんほしかったんだもん~」
「いつも見てるだろ…。」
「24時間みたいから。」
「とにかくだめだっ!!そんなことしたら、俺はもう亜紀姉の料理は一切作らんっ!!」
 姉はううーとうなって少しなみだ目で俺を睨んだ。く…かわいいが俺はひるまん。

「虎ちゃんの意地悪~お姉ちゃんの恨みは怖いぞ~」
「おう、俺は意地悪だよ。」
 ふーとため息をつく。しかし腹減ったな…。
 腹をさする俺を見て、姉は少し微笑んでいた。


 この後、風呂に乱入してきた姉は三回ほど手で俺のを抜いた。ここ最近のあれのせいか
要求不満がたまってるせいで殆ど抵抗できなかったのが辛い。俺も相当きてるんだろうか…。


13:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:32:20 UzVFdAq8
以上です

14:名無しさん@ピンキー
07/09/23 14:34:51 nePlsAS8
キタキターGJ!!
風子かわいいよ風子

15:名無しさん@ピンキー
07/09/23 15:09:19 nZtUEBto
亜紀姉万歳

16:名無しさん@ピンキー
07/09/23 16:21:43 QvSrKEr8
>>13
>この後、風呂に乱入してきた姉は三回ほど手で俺のを抜いた。
な、なぜここを省くのですかッ!!酷い・・・もうGJなんて言ってやらないんだからねッ!!!!



・・・GJ

17:名無しさん@ピンキー
07/09/23 17:35:09 VTAfOUon
抜きシーンを省いてんじゃねええええええええええええええええええええええええええええええ!!
本当にこの作者は・・・















GJ!!

18:名無しさん@ピンキー
07/09/24 03:11:15 ptSrNXOb
亜紀姉KOEEEEEE!!!!

19:名無しさん@ピンキー
07/09/24 07:08:06 s7R0yOQb
保管庫のことはもう少し待つってことで、おk?

20:名無しさん@ピンキー
07/09/24 12:55:28 bhbW849I
俺としてはもう新しいの作って欲しいんだが。
見れなかった3スレ目のも見たいし。

21:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:03:32 yj7Wvl/I
他人アテにしすぎだろそれ

22:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:29:35 nH7F4Qd0
ないものねだり

23:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:38:09 OEH+DIM2
>>20みたいなやつみて思ったんだけど、このスレの職人様ってクオリティ高い方?普通?
俺はヤンデレスレとこのスレにしか行かないから、ふと思った

24:名無しさん@ピンキー
07/09/24 15:49:02 WFPUrHyx
>>20
URLリンク(sslibrary.arings2.com)
一度出たけど、他のスレも相当担当してくれてるし、ここなら頼めばやってくれる可能性が高そう

他に保管庫の管理者の成り手がいるなら、その人でも構わないが

25:名無しさん@ピンキー
07/09/24 18:38:15 mbSp8UTn
>>20
そんなおみゃーにコレやる。

URLリンク(www.uploda.net)
pass : eroparo


26:名無しさん@ピンキー
07/09/24 19:02:03 T3DAteIV
>>25
GJ!!!
>>20じゃないが、俺もpart3が見れなくて、桜の網の最初の部分読めなかったんだ・・・
ありがとう!

27:名無しさん@ピンキー
07/09/24 20:35:27 bhbW849I
>>25
サンクス!
満足した!!

28:名無しさん@ピンキー
07/09/24 21:38:21 6yxS9dzZ
>>25
貴方が神か!!!

29:名無しさん@ピンキー
07/09/25 02:53:47 bplqmtQs
いまさらだけどテンプレ抜けてね?


■誘導用スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その38
スレリンク(eroparo板)
ヤンデレの小説を書こう!Part10
スレリンク(eroparo板)
いもうと大好きスレッド! Part4
スレリンク(eroparo板)
お姉さん大好き PART5
スレリンク(eroparo板)

30:名無しさん@ピンキー
07/09/25 12:57:52 n0Z+c6jw
綾シリーズ、桜の網の神職人様、続きwktkしてまってまつ!

31:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:12:24 Y5uUVBdv
都市伝説で有名な「メリーさん」っぽいキモウトが見てみたい今日この頃。

32:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:52:23 VKUGGk3K
「今○○にいるの」
ってズンズン近づいてくる妹か……
でも同じ家にいるわけだからキモウトの場合
「今お風呂あがったの。」
「今リビングにいるの」
「今階段を上っているの」
「今二階の廊下にいるの」
「今お兄ちゃんの部屋の前にいるの」
「今お兄ちゃんのベットの横にいるの」
「今お兄ちゃんの布団の中にいるの」
「今私どんな格好か知ってる?」
こうですか?わかりません><

33:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:04:12 uaR7/4VW
キモウトメリーの声が背後から聴こえるのに、振り向くといない。
他の女と話していると、どこからか刃物を研ぐ音がする。

34:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:30:11 VgFu7y0s
他の女と話してると撃鉄を起こす音が聞こえるでもいいなw

35:名無しさん@ピンキー
07/09/26 00:56:45 nwdCU3sD
むしろ引き金を引いた音が聞こえる感じで

36:名無しさん@ピンキー
07/09/26 11:22:34 oIKfpVlu
他の女「バーン!」
メリーさんは撃たれました

37:名無しさん@ピンキー
07/09/26 11:28:20 XdM4vMoX
>>32
それを一々携帯で知らせてくるのを想像してみる。

………うーん……ドアに鍵かかってたらどうすんだろな。

38:名無しさん@ピンキー
07/09/26 11:58:28 Wx7UpB59
屋根裏からニュルリ

39:名無しさん@ピンキー
07/09/26 12:37:59 XL9/JiB4
にょろ~ん

40:名無しさん@ピンキー
07/09/26 13:57:12 XdM4vMoX
>>38
キモウトは鰻ではない。

41:名無しさん@ピンキー
07/09/26 14:10:24 K+Uniudd
あげるなよ…

42:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:14:32 UA9t6JLD
このスレを見ればわかるだろwキモ姉妹には鍵など無いも当然。むしろ法律ですら彼女らを
縛ることはできない

43:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:26:51 rCIYJJBJ
でも法を無視するのは末期症状だよな
末期化させるのに一番やっちゃいけないのは拒絶することか?やっぱり

「姉弟(兄妹)でこんなのおかしいよ!」

44:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:45:55 K+Uniudd
むしろそれは末期化を促進させると思うのだが…
拒絶によって姉(妹)は思い詰めて、怪しげな薬品や、首輪や手錠なんかがでてきそうな…

「私のことだけしか考えられないようにしないと…
私以外の目に触れられないようにしないと…」
みたいななw

45:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:46:00 T/raXQ5O
聞きたいのですが、このスレはシチュエーションが面白いほうがいいのか、エロが過激なのがいいのか。どちらですか?

46:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:49:16 5anKZpNN
俺は話が面白かったらエロはなくても良いかな
でもここはエロパロなんでそこは個人の裁量にまかせる。


要するに好きなように書いてみろって事だ。

47:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:57:05 +TviaGWy
面白くてエロが過激ならだれも文句は言えまい

48:名無しさん@ピンキー
07/09/26 16:03:55 UA9t6JLD
キモ系は過激な方向にいきやすいからな…ソフトなキモ系が好きなやつもいるだろうが基本的には
逆レイプとか監禁とかじゃね?

49:名無しさん@ピンキー
07/09/26 17:26:20 ku3wvAxg
基本は過程だと思う。

50: ◆9BssOn5LsM
07/09/27 01:46:55 FwaH0A8E
コテハン忘れたのでテスト。
朝までに投下するかも。
ところで私は誰でしょう。
ヒント:最近投下してなかった人。

51:名無しさん@ピンキー
07/09/27 01:51:02 ib+nH67x
トリップテストは他所でやれよ

52:名無しさん@ピンキー
07/09/27 03:00:54 YiJYsqqg
毒にも薬にもなる姉クルコレ!

53:名無しさん@ピンキー
07/09/27 07:01:18 RBCidVgm
>>同意

54: ◆9BssOn5LsM
07/09/27 08:24:21 xjJC272K
ゴメン。寝ちゃった。
今日のうちに投下します。
全裸で待ってた人ゴメンナサイ。

55:名無しさん@ピンキー
07/09/27 08:43:22 RBCidVgm
投下できないなら、投下宣言はやめてほしかった

56:名無しさん@ピンキー
07/09/27 09:17:13 S1TBDozC
ショック俺ショック!!

57:名無しさん@ピンキー
07/09/27 11:16:56 sudI2V9i
誰だか知らんが>>50>>54を見るだけで
まー大して面白くもないのを書いてたんだろうなってのは想像がつく。

58:名無しさん@ピンキー
07/09/27 12:23:01 FIaeS+lV
>>57
とりあえずお前は色んな人に謝れ

59:名無しさん@ピンキー
07/09/27 12:54:46 7dpO5Bat
>>54だけだと構ってちゃんにしか見えないのも確かな希ガス

60:名無しさん@ピンキー
07/09/27 14:31:49 hFpZFxgf
きっとキモウトに薬を盛られたんだよ

61:名無しさん@ピンキー
07/09/27 15:20:50 eExEwUX8
いや、俺は6時間の間にキモウトと入れ替わってるとみたね。
>>54の時点で既にキモウト・・・ん?なんか物音がしたから見に行って来る。

62:名無しさん@ピンキー
07/09/27 17:13:34 Qtg3gvDC
>>37
一々携帯で報告から妄想を広げてみた

「今お兄ちゃんの彼女の家にいるの」
「今おじさんとおばさんを解体してるの」
「これから泥棒猫を拷問するの」
「やだwこの女おもらししてるwwww」
―以下グロ展開―

病んでるのは俺だ

63:名無しさん@ピンキー
07/09/27 17:36:32 ceFC21xG
もしもし、私キモウト、今お兄ちゃんの後ろに居るの
後ろは壁だ
・・・

おわり

64:名無しさん@ピンキー
07/09/27 20:49:12 0V3IrFIH
 か べ の な か に い る

65:名無しさん@ピンキー
07/09/27 21:11:46 +8F0jT7l
>>64
ちょwww怖えぇwww

66:名無しさん@ピンキー
07/09/27 22:16:22 xIdu9hWV
だんだんキモウトに追い詰められるのっていいな・・・
逃げ切れないだろうけどwww

67:名無しさん@ピンキー
07/09/27 22:20:53 tBE3k9z5
まぁ実際に俺がそんな状況になったら恐怖で漏らすだろうがな

68:名無しさん@ピンキー
07/09/27 22:58:32 EWe4uckL
さて・・・今日もあと1時間ほどで終わってしまうわけだが

69:名無しさん@ピンキー
07/09/27 22:59:14 2QyNm3z1
空気読めない>>57のせいで
>>54の人が投下してないじゃないか

70:姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6
07/09/27 23:05:23 GL0iSCAk
投下します



 今日、姉が死んだ。

 旅行先の警察から電話がかかってきたのだ。
きっと火葬にする金を出せとか、手続きをする金を出せとか、そういう振り込め詐欺に違いないと思ったが、
警察を名乗る男の声の向こうから、泣き叫ぶ姉の友人の声が聞こえた。
そして泣き声で要領を得ない菜穂子さん―姉の友人との会話が、この電話が真実だと教えてくれた。

 実感の無いまま、それどころか半信半疑でさまざまな手続きを済ませた。
自分でも驚くほど冷静だった。胸の奥の方に焦りがあったが、それだけだ。
泣くどころか手が震えることも無かった。
「こちらに来るときには、ご自分で車を運転するのは控えてください」と言われたが、
姉の荷物もあるのだからと思い、免許を取ったばかりだが、車で行った。
普通は運転どころではなくなるのだろうに、普段と変わらず運転できた。その落ち着きが不思議だった。

 旅行先の病院にたどり着き、対面してもなお実感が沸かなかった。
遺体の状態が良くなかったためだろうか。
それを見ても、その傷だらけの体が姉だとは思えなかった。
あの泳ぎの得意な姉さんが、海で死ぬわけが無いと思っていた。
泣きながら俺に謝る菜穂子さんを気遣う余裕すらあった。
「波が」とか「ゴミが」とか、俺に事情を説明する菜穂子さんの言葉を聞きながら、
俺はずっと窓から海を見ていた。

 多分、俺は、海から姉さんが上がってくるのを待っていた。

 検死の結果、誰にも責任の無い事故だと証明され、お骨にして持ち帰ることにした。
「俺よりよほど長生きすると思っていたのにな」
助手席に置いた白い箱は、俺の頭の中でどうしても姉さんと繋がらなかった。
俺の助手席に乗ると、怖いだの、本気で運転してくれだの、騒がしかったのに。
今は時折揺れるだけだ。

 家に帰ってきた俺は、そのまま眠ってしまった。
「ただいま」という言葉に返事があることは普段から少なかったが、これからは少ないどころではない。
暗い部屋に入った途端に気が滅入ってしまったのだ。
翌朝目が覚めても腹は減っていないし何かをする気にもならなかった。
でも悲しくはなかった。
姉が死んだのなら悲しむべきじゃないか、と思うと、なおさら悲しくなくなった。
あの時のせいで悲しみ方が解からなくなってしまったのだろうか。
そしてまた眠る。
 ようやく悲しくなったのはその翌日、姉が死んで二日目の夜のことだ。
本当なら姉が帰ってくるはずだった日。
そろそろ腹が減ったので何か出前でも取ろうとメニューをしまった引き出しを開けると、
一番上に寿司の出前のメニューがあった。

 「おなかいっぱいお寿司食べてくるね。お寿司は無理だけどお土産買ってくるからね」

そう言って出て行った姉さんの笑顔を思い出した途端、涙がこぼれた。
帰ってこなかった。姉さんは帰ってきてくれなかった。
どこかへ行ったまま、いなくなってしまった。
「どうして」
 身も世もなく泣いた。
どうして、どうして、どうして。いくつもの疑問や怒りや後悔が一つに収束した。
どうしてぼくをひとりにしたの。


71:姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6
07/09/27 23:08:13 GL0iSCAk
 自分の泣き声で、菜穂子さんの泣き声を思い出した。
一番辛いのは多分俺じゃない。菜穂子さんだ。きっと責任を感じているだろう。
そして実際、どうして助けてくれなかったんだという思いもある。
俺は多分そう考えることで自分の悲しみを和らげたかったのだと思う。
だけど菜穂子さんは俺にとっても友人だ。
もし彼女が責任を感じて自殺でもしたら、そう考えると恐ろしくなる。
俺はそちらのことまで悲しまなければならないのか、と。
こんな時でも自分のことを考えている自分がいやになって、涙が止まった。
(でもそうだ、考える事がある・・・)
そう気付いた途端に、現実がのしかかってくる。
姉さんの会社や友人への報告、保険の確認、様々な契約や銀行口座の解約、そして葬式。
山積みだ。
俺はあえて声を出してみた。
「泣いていないでこれからのことを考えなくちゃ」

 失った物にばかり目を向けているとろくなことが無い。
それは父さんが死んだときの我が家を見て知っていた。
母さんは父さんのことを思って悲しんでばかりで、姉さんはその分しっかりしなければならず、
数年後ついに俺も姉さんも精神的に追い詰められてしまった。
だが、母さんがある日失踪してからは、姉さんも俺も生まれ変わった。
新しく家庭を作り直したのだ。失った物たちを忘れて。
それを、今度は俺が一人でやらなければならない。
辛いことだが、そうしなければならない。
そう決めて、俺は泣くのを自分に禁じた。
そのように出来る能力はあの頃からあったのだ。
それの為に、今回も泣き損ねたのかもしれないが、今後のことを考えればそれで良いのかもしれない。

 決意すると行動は早かった。
まずは俺の学校に事情説明をしてしばらく休む事を告げ、
それからやるべきことを思いつくまま箇条書きにし、一つずつ片付けていった。
唯一の親戚である父方の祖母が心配して、その家を出てこっちに来るようにと言ってきたが、断った。
祖母にはずっとお世話になっていたし仲も良いから遠慮することは無いのだが、
将来的にそうする可能性はあるけれど今この家を出たら、姉さんを忘れられなくなる。
そう言うと祖母は悲しそうに「忘れる必要なんて無いと思うけどね」と呟いた。
一日おきにご飯を作りに来てくれたので、食べたいときに好きに食べることが出来て、これは助かった。
自分で作っても良かったが、作るほどの食欲はなかったし、
それに今は、姉さんの味になるのがイヤだったのだ。

 葬式はごく小さなものにした。菜穂子さんに聞いて姉と特に親しかった友人だけを呼んだのだ。
お金の問題もあるし、大勢に気の毒がられるのは耐えがたかった。
お決まりの言葉をかけられることが、どうしても嘘に思えて辛かったのだ。
「負けないで」「前向きに」という言葉が、作り物めいた言葉に思えてしまうのだ。
電話をしたとき担任に言われたその言葉が俺には不快だった。
姉さんの友人たちは、泣きながら、あるいは涙をこらえながら俺を元気付けようとしてくれた。
うれしいとは思わなかったが、不快ではなかった。
 高校生の俺でも、様々な手続きは問題なく出来た。
手間取ると思っていたが、事情を話すと、色々便宜を図ってくれたようだった。
仕事とは言え世の中には親切な人が多いようだ。
一週間ほどで、ほぼ全て片付いた。

72:姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6
07/09/27 23:10:39 GL0iSCAk
その全て終わった日の夜、俺は自分の家で菜穂子さんと一緒に夕飯を作っていた。
菜穂子さんは姉の中学からの親友でよく家に遊びに来ていたから、俺とも仲が良かったのだ。
 この一週間、本当に世話になった。
何よりありがたかったのは、いつまでも泣いていなかったことだ。
俺が何をしようとしているのかすぐに察知し、少なくとも俺の前では泣かなかった。
姉さんの遺品を片付けているときに、何度も部屋を途中で出て行ったが、
帰ってくるときには何事も無かったかのように振舞っていた。
菜穂子さんに泣かれていたら俺もきっと泣いていただろう。

 今日は祖母が来ていないので、カップ麺でも食べようかと思ったが、菜穂子さんが作ると言い出したのだ。
断る理由も無いから、一緒に買い物をして料理を作ることにした。
それに自分に対する踏み絵の意味もあった。
姉さんと一緒に料理を作ったことを思いだして泣くような事がないかどうか試したかった。
 結論から言うと、俺も菜穂子さんも泣きはしなかった。
だが、俺は意識的に姉さんの好物をメニューから避けた。
今、姉さんの好物だったものを食べたら、これまでの我慢が決壊するだろうから。
姉さんが自分では作れずいつも俺に作らせていた煮物と揚げ物を避け、
さらに寿司を思い出す魚も避けた。
しかしなるべく多くの種類を作った。食べている間は菜穂子さんが帰らないからだ。
結局、やるべきことを終えた後の時間に耐えられるかどうかは未だ自身が無かったのだ。

 食事を始めるとちょうど良く面白い番組がやっていたために、
間が空いて困ることもなかったし、テレビや会話で笑うこともあった。
食べ終わり、後片付けも食後のお茶も終わった頃には午後十時を回っていた。
「ああ、もうこんな時間」
菜穂子さんが気付いて驚いたような声を上げた。
「ほんとだ。じゃあ、そろそろ・・・」
「う、うん」
菜穂子さんが立ち上がる。しかし動かない。
「あ、あのね、コウ君」と俺の名を呼ぶ。
「ん?」
菜穂子さんは背が低い。その菜穂子さんが少しうつむき加減になり、上目遣いに俺を見ている。
「コウ君の考えてること、わかるよ。まなちゃんのことを忘れようって。でしょ?」
「う、うん」
「でも、いいの?そうしたら、コウ君ひとりぼっちじゃない」
「そんなの・・・いや、どっちにしたって独りだよ」
菜穂子さんの言いたいことがわからない。
「そうじゃなくて、お姉ちゃんがいたことも無かったことにして、いいの?」
「・・・」
「まなちゃんのこと、本当に忘れられる?忘れたい?」
「でも、忘れなきゃあ」
菜穂子さんが一歩近づいてくる。
「忘れないと辛いって言うんでしょ?でも、忘れるのだって辛いはずだよ」
「わ、忘れて、一人に慣れれば」
「無理だよ、独りぼっちに慣れるなんて」
俺の目をまっすぐ見すえた菜穂子さんの顔がにじんでいた。
「やめてよ・・・せっかく、俺が」
せっかく悲しくない振りには慣れてきたのに・・・。
「悲しいんでしょ?寂しいんでしょ?」
嗚咽をかみ殺すことが出来ない。のどから声が漏れてしまった。
菜穂子さんが手を伸ばして指で俺の涙をぬぐった。そのまま両手で俺の顔を挟む。
「私が、お姉ちゃんになってあげる」


73:姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6
07/09/27 23:13:32 GL0iSCAk
「えぇ?」
「そうすれば、まなちゃんのことも忘れなくていいし、寂しくもないよ」
「何を・・・」
「これからは私がお姉ちゃんになってコウ君のそばにいてあげるから」
「そ、そんな事してもらわなくたって」
「だって泣いてるじゃない。お姉ちゃんがいなくて寂しいんでしょ」
「違、俺は」
「ねえコウ君、私の弟になろう?」
「・・・」
「私がお姉ちゃんになって、コウ君と一緒にいてあげる」
「む、無理だよそんなの」
何を言っているんだ?菜穂子さん。
「無理じゃないよ。まなちゃんには負けるけど、コウ君のことならよく知ってるよ。
 それにまなちゃんにも負けないくらいコウ君のこと大事に思ってる」
菜穂子さんの手に引かれて俺の頭が下がり、菜穂子さんの胸に収まった。
「もう悲しまないでいいんだよ、お姉ちゃんはここにいるんだから」
「は、離して」
「だめ、お姉ちゃんから離れないの」
頭が混乱する。
なんでこんな事をされてるんだ?
「ね、コウ君。コウ君は私の弟だよ」
「俺は、独りで」
「違うよ、お姉ちゃんがいるでしょ。菜穂子お姉ちゃんだよ」
あれ?
「菜穂子お姉ちゃんだよ」
姉さんが死んだと電話が来たときの現実感の無さが蘇る。
「お姉ちゃんはここにいるよ」
そうだっけ。
「何も心配しないで、全部忘れて、お姉ちゃんのことだけ考えて」
姉さん・・・お姉ちゃん?
いつの間にか俺と菜穂子さんは床に座り込んでいた。
「お姉ちゃんがずっとコウ君を抱きしめててあげるからね」
頭を撫でてくれる手が気持ちいい。昔姉さんにこうされたことを思い出した。姉さん。
「あれ、でも」
「私がお姉ちゃんだよ」
そうだったかな。
「ねえコウ君。私がお姉ちゃんだから、こうしてるんだよ。そうでなければこんな風にしないでしょ?」
そうなのかな。
「お姉ちゃんが、コウ君から離れるわけないでしょ?そうでしょ?」
ますます強く頭を抱きしめられた。息苦しいが、嫌ではなかった。
「本当にお姉ちゃんなら、コウ君を置いてどこかに行くわけないってわかるでしょ?」
そうだ。
姉さんは帰ってこなかった。
ぼくをひとりにして。
「私はお姉ちゃんだから、コウ君を独りにしたりしないよ」
お姉ちゃんだから・・・?
「お姉ちゃんって呼んで?」
「・・・」
「コウ君のそばに居る私がお姉ちゃんだってわかるでしょ?」
そうか・・・。
お姉ちゃんが僕の頭を離して、すぐ近くに顔を寄せた。
「ね、コウ君」
「お、おねえ・・・」

「だめえええええええっ!!」

真上から耳を劈くほどの大声が轟いた。
見上げたそこには、天井、を体の向こう側に透けさせた・・・
「まなちゃんっ!?」
「姉さん・・・」

74:姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6
07/09/27 23:15:38 GL0iSCAk
以上です

75:名無しさん@ピンキー
07/09/27 23:16:28 EWe4uckL
ちょwwwここで切るのかよw
とりあえず投下乙

76:名無しさん@ピンキー
07/09/27 23:23:36 2QyNm3z1
>>74
続きが気になるwでも乙

77:名無しさん@ピンキー
07/09/27 23:33:56 WueyfWkP
くぅ何という我慢プレイだこれは。
作者様乙です。

78:名無しさん@ピンキー
07/09/27 23:48:02 frQCdLdN
投下乙です!
続きが気になります

79:らむだ ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:01:50 FwaH0A8E
び、微妙にまにあわなかったー!
まあ何はともあれ
毒にも薬にもなる姉第四話です。

80:毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:03:48 RPlBxVbC
第四話 キモ姉に抜かりなし?


灯火 芥

皆さんお久しぶりです。芥です。
季節はずれですが、入学式の話をします。
まず出発前から話すべきでしょう。
「ハアハア弟モエスハアハア」
あなたは自分の姉が自分のスーツ姿に欲情したことがありますか?
鼻血も大量にたらしながら。
目の前にいるのは灯火 光。
医学で世界的に有名な二本松大学教授であり、僕の姉。
本当に「自慢の姉」、といってみたいけど・・・
「ああ、殺人兵器だよ、弟feat.スーツ!」
こんなんじゃなあ。

81:毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:07:23 RPlBxVbC
灯火 光
さてさて、おなかいっぱいになったところで出発です。
準備だって完璧です。
このために買ったハイビジョンDVDカム。
そしてブランクのDVD。(高画質にて100時間分)
もちろん純日本製!
「小学生じゃないんだよ。」弟が冷ややかに・・・。
弟×スウツ×冷ややかな言葉=大量殺人兵器級
ああああ、血が足りないよぅ。
「いや、その前に遅れるでしょ。」
「はいはーい、行きましょうねー。」
実際遅れ気味だったのでバイクで飛ばす。
「いとしの弟の経歴には傷ひとつつけさせない!」
「だったら早く出ようよ!これいつか死んじゃうって!」
「そのときは二人一緒に混ざり合い…」
「経歴を傷つけない以前に守るものがあるでしょー!」
さてさて、学校の大ホールに到着。
「んじゃ先生の仕事あるからこれでねー。」
「はいはいはいはい。」

82:毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:07:59 RPlBxVbC
さて、準備の前に後始末。
「灯火教授。おはようございます。」
「おはようございます、二本松校長先生。」
「んー、めんどいから端的にいうよ。30万。二週間後まででどうよ。」
「いや、口止め料込みで40まで払えますよ。」
「んじゃそれで。」
「しかし、廊下でこんな会話だなんて。大胆不敵ですね。」
校長はあきれたように笑ってタバコを吸った。
「みーんな同じ穴のムジナ。それだけ。この話をきいてにすぐ乗りついたお前さんのほうがもっとどうにかしてる。」
「いや、不思議じゃないと思ってますよ。大学って黒いじゃないですか。」
「ふーん、やだね、白い○○効果。少しフ○テ○ビが憎たらしいよ。」
といいつつにやける。「でもおもしろいんだよなー、○ちゃ○ケと、C*が。」
この人は読めない人だ。何を考えているのか。
時々何も考えていないと思えてしまう人。
それこそが二本松大学校長、二本松先生。
そういえばこの人も、あっくーと同じ人だ。
「んじゃ、警視総監にはよろしく行っておくよ。そうそうあと、」
「あとなんですか、バックマージンですか?」
「息子さんが君のファンなんだって。今度サイン書いてね。」


83:毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:08:41 RPlBxVbC
灯火 芥

集合時間はあまりにも早く設定されていた。
これは一種の人間性のテストなのか聞きたい。
長い間騒音が響いていたが、先生たちが出できてから沈黙がこの場を制圧した。
「それではこれより入学する皆様に校長より激励の言葉を…。」
い、いまさら気づいた。
あの馬鹿っぽく見えていた姉が、司会者になっている!
何だかとても凛々しい。司会者の魔力恐るべき。
いや、まて。あれは光ねえが開発したクローン!?
「お兄様もそう思います?」
「うん。」…あれ?
「ざんねんながら『はじめまして』。お兄様。」
「ど、どなた様で。」

84:毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:09:51 RPlBxVbC
灯火 光

ふふふふふふふふふふふふふふふ。
司会者という貧乏くじで私に福が来た。
私の凛々しさを再確認したあっくーはこれで私に…。
ふふふふふ。
「あっくー、またせたねー。帰りま…しょ……」
「あら、お久しぶりです。光お姉さま。」
…こ…こ…。
このガキはああああああっ。
「お姉ちゃん、何で49日のとき合わせてくれなかったの?」
「あっくー、それは面倒ごとをさせたくなかったから。」
「仮にも妹のことを面倒ごとだなんて。信じられません。」
「はいはい、子供はお昼寝の時間だよ。海音(かいん)ちゃん。」
確か御義父さんの兄弟の二人目の長女だったような…。
「お姉さまが天才であることは認めますが、社会性は評価できませんね。」
「いや、何でいるの。」
「それが海音ちゃんもこの学校に入学するんだって。飛び級で。」
「しかし住居がないので、できれば同居させてほしいのですが。」
「お姉ちゃん、いいでしょ。確か部屋広かったから。」

薄れ行く意識の中

私はさよならを告げた

いままでのらぶらぶな生活に。

「いや、そんな生活送ってないし。」
「何ですの、お兄様。」
「あっ、いや、ひとり言。」

85:らむだ ◆9BssOn5LsM
07/09/28 00:18:24 RPlBxVbC
今回はこれまで。
薄いのは見逃してくれー。

>>55-56
ほんとすいません。はい。

>>57
しょ、精進します・・・。

ところで>>57-61みてたら急にネタが思いついたんだけど
パロディで書いてみていい?

最後に・・・
>>74
GJ
続きを早く!

以上、スレ汚しでした。

86:名無しさん@ピンキー
07/09/28 00:26:54 yNNjLIvi
>>85
you書いちゃいなよ

87:名無しさん@ピンキー
07/09/28 00:41:18 9nakj/ed
>>74
GJ!新連載きたあああああ!!!!
続きが気になってしょうがない!二人のお姉ちゃん・・・

>>85
毒にも薬にもなる姉きたー!!妹がいたとは・・・これは・・・。
全裸で待った甲斐がありました。
続きも楽しみにしてます。

88:名無しさん@ピンキー
07/09/28 08:32:13 iExOI7r0
キモ姉作品が投下されたということは、次はキモウトか?

89:名無しさん@ピンキー
07/09/28 09:03:21 Hq08R6BH
スレ住人「姉はもちろん弟LOVE、だが弟も姉LOVE…な作品は面白くない。だが、洗脳でなら姉LOVEでも良い。」

…だよな。

90:名無しさん@ピンキー
07/09/28 09:20:27 CCO5b3Kn
>>74
なにこの超気になる展開はwww
次回も期待してます、Gj!!

91:名無しさん@ピンキー
07/09/28 10:34:19 dVGyTp7/
そろそろキモウトが欲しい……

92:名無しさん@ピンキー
07/09/28 13:00:40 wBEUjh+T
>>91
両親に頼むんだ
産まれた後は自分でキモウトになるように育てるんだ

なんか生々しいな

93:名無しさん@ピンキー
07/09/28 13:49:32 iExOI7r0
>>91
俺はおまいよりも、もっとキモウトがほしい…

94:名無しさん@ピンキー
07/09/28 14:59:34 qCA3m3k9
>>92
キモウトって生まれつきなんだから作れるもんじゃないだろ・・・(;´Д`)
懐く方法なら分かるけど。

95:名無しさん@ピンキー
07/09/28 15:07:33 IyJ4Qm/8
>>94
詳しく

96:名無しさん@ピンキー
07/09/28 16:10:38 eA8qJZGC
まず日々妹と接するときはネクタイ一丁を心がけます

97:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:01:55 mp8fEZHO
桜の網、第六話投下します。エロも僅かながら。

98:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:03:29 mp8fEZHO

     * * *


 決定的なことは予想を確信へと変えてくれた。
もともと疑念が強かったのも理由の一つではあるが、背中を押してくれたのは力強く、このままではいけないと思わせるのには十分だった。
 少し早足で、屋敷の中を歩く。
カーペットが敷かれているため音はなかったが、もしここで悠太の心がこの敷物によって表されるのだとしたら、とても快活な音を騒音のように生み出しているはずだ。
 憎いわけではない。
憎しみなどない。むしろ驚きと切なさが強い。

 故に――救いたい。

 説教ではなく諭しだということを完全に理解して、過ちに気づき反省して、道を正す。
これがすんなりといけば、なにも危惧することなどありはしなくて、加えて何も不安はない。
だが、説教も諭しも、他人に伝えるという点は同じで、傲慢さがまったくないといえば嘘になる。
 しかし迷っているわけにもいかない。
 行動したのは桜だが、原因の一端を担っているのは、悠太自身だ。
責任などという言い方は愚かではあるけれど、義務という家族に関しているものを考えると、些か気持ちも安らぐ。
「兄さん、どこへ行くのですか」
 声は明瞭。誰であるかは背中越しでもすぐにわかる。
悠太は足を止め、ゆっくりと振り返った。
「桜を、探していたんだ」
 刹那、先ほどのどこか怒っていそうな顔に花が咲いた。大輪の華。
 桜はそのまま悠太の側までやってくる、そうして豊かな胸を悠太の背中に押し付け、後ろから包み込むように掻き抱いた。
柔らかそうな胸が形を変える。そして女性特有の甘いにおい。
これがもし妹でなかったら、悠太とてまんざらではなかった。しかしもう、その理由も霞のように儚い。
「私の部屋に行きましょう」
 手をとり軽やかに自室へと向かう桜。
その姿はなんだか可愛らしくて思わず頬を緩めてしまいそうではある。顔もなぜか赤い。
 気分のよさそうな桜に対し苦言を言うのは本意ではないが、それも致し方ない。
「どうしたのですか」
 豪華という言葉以外の形容が陳腐に思えるような部屋の下、天蓋つきのベッドにまず桜が腰掛ける。
続いてぽんぽんとベッドを叩く。手招きの元、悠太もすぐ横に腰を落ち着けた。

99:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:04:21 mp8fEZHO
 丁度、真正面にヨーロッパなどで使われるサーベルが壁にかけられているのが目に映る。相変わらず。あまりいいとはいえない趣味だ。
「こういうの、よくないと思うんだ」
「何がでしょう」
 悠太の言葉とは裏腹に、桜の表情は嬉しさ以外の感情が見えない。
この顔が狂気を孕んだものであるとは今まで気が付かなかったけれど、もう知ってしまった以上は止めるしか道はない。
「いくらなんでも屋敷から出られないなんて変だよ。桜、長い間会えなかったからさびしいのはわかる。でもさ、もっと兄妹らしくしよう」
 まだ本題に入るのは早い。
そう判断したから回り込んだ言い方をしたけれど、瞬間に桜の表情が固まり、そして次第に薄目になっていった。ただ能面のように見つめてくる。
「私が嫌いなのですか」
 詰問というよりは糾弾。
 だがしかし、怯む理由は毛頭ない。
むしろ救済という盾が悠太を後押しする。
「そうじゃない。考えてもみてよ。四六時中一緒で、食事の時も寝る時も側にべったり。
 僕が注意しなかったらトイレにまでついてこようとしたりして、おかしいよ。外に出られた時だって、GPSや盗聴器をつけるそんなのおかしいだろう」
「掟ですから、仕方がありません」
 その免罪符はもう、意味がない。
 本来ならば、ここで引き下がり妥協するところだが、今はもう違う。そんなに簡単に諦めることは出来ない。
 躊躇いはある。が、後悔はないし、したくもない。
 初めて悠太の視線が僅かばかり鋭くなり、桜を妹としてではなく一人の人間として射抜いた。
「本当のこと、長谷川さんに聞いたよ」
 桜の眉が僅かにゆがむ。察したのだろう、今どんな状況で自分がどんなことで責められようとしているか。
 いつの間にか悠太のひざに手を伸ばしていた手が自身の膝の上に戻り、指が拳を作る。結ばれた手が僅かに震えている。
「本当は、別に外に出るくらい構わないんだよね。発信機も盗聴器も、何もつけなくていい。ガードマンだっていらない。しかも」
 そして、一気に声を荒げた。
「地下室でのお仕置きなんて、あんなもの、僕以外誰も知らなかったじゃないか」
 室内にこそ音が反響することはなかったが、悠太の頭は威圧の目的こそ持つ。まとまらない息がもどかしい。
 しかし桜はそんな悠太を見ると、予想に反して笑った。
それは残酷な笑みでも相手を嘲笑するためのものでもなく、ただただ、本当に嬉しそうに。

100:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:05:29 mp8fEZHO

 長谷川の話は、端的に言うと桜のついた嘘のことで、内容は先ほど悠太がぶつけた激情の内容を見れば察せるものである。
 ただ、話を聞いたとき悠太は少し怖くなり、僅かばかり後に奇妙な正義感が身を包んだ。
 自分の持っている義など、愚かしくもあるのかもしれないが、悠太の信念とさえいえる家族に対する思いは、それほどだ。
 自分の妹をこの間違った道から正さねばならない。
悠太の頭にあるのはそれだけ。だから、桜が何を言おうと、いざとなれば必要悪さえいとわないつもり。
「教えてよ、桜。何でこんなことをするのか」
「なぜ、ですか。兄さん、貴方は本当にわかっていないのですか」
 わかってはいない。が、懸念はある。多少の疑念はあるが。
「もしかしてだけど、僕のことが心配なのか。僕が西園寺に出入りしているのに何の警戒もしていないし無防備だから。それは確かにそうかもしれない」
 そしてそれは、正解ではなかった。
もちろん間違いでも。

 悠太の言ったことは純粋に――失敗だった。

「貴方は本当に」
 突如として声を出す歓喜。その姿は今度こそ侮蔑すら微かに含んでいる。
「可愛い人ですね」
 気づけば桜は悠太の胸へと妖しく手を添える。
「違うって言うの」
 ここまでの好意を一身に受け気づかない悠太と、これほどに愛情を向ける相手が兄だという桜は、果たしてどちらが――愚かしいのか。
「兄さんが、好きなんですよ」
 どこか清清しく、憮然と言い放つ。
 しかし、もう家族という名の鎖が全身に雁字搦めになっている悠太にとって、この場面で好意を口にするということがどんな意味を持っているのか判断がつかない。
 むしろ格好の勘違いの的で、それが親愛の情の枠をはみ出たものだとわかるはずもなかった。
「もちろん僕も、桜のことは好きだよ。最初はいきなり妹って言われて戸惑ったけど、今はもう立派な僕の家族だと思っている」
 けれど、そんなことは桜が許しはしない。
 家族?
 いい加減にして。
 鎖が全身に絡まっているというのならば、今すぐに私がそれを引き千切ってあげる。粉々に。
もう二度とそんなことが頭に入らないように、しっかりと。

101:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:06:34 mp8fEZHO
「じゃあ、抱いて」
 悠太の耳に桜の言葉が木霊する。
 何回も言うようだが桜はすでに家族で、過去に一緒にいなかった時間が辛辣なものとして悔恨にあったとしても、
もうそんなことは気にもしていないし、しようとも思わない。
 悠太は家族の一員として、かけがえのない家族として、桜が好きだ。
嘘など露ほどにもない。
 なのに。

 ――抱く?

 抱くとはそれは。
いったいどういう意味で。
「何を言っているんだよ」
 あまりにも馬鹿馬鹿しかったので、笑いすらこぼれた。
もちろんここが笑うところではないとわかってはいたのだけれど、背中に流れる汗はそうでもしないとこの状況が虚偽だといってはくれない。
いや、でも本当は。
「好きなんでしょう?私のことが。だったら抱いてください。」
 頭の隅に残るいつもの日常。桜がいて悠太がいる。この西園寺に来た当初の頃。
あの頃にはなかったものが、ここにあることに今の今まで、悠太は、僕は気づかなかったというのか。
馬鹿なのはむしろ――僕か。
「ち、違うだろう。好きって言うのはそういうことじゃない」
「違わないんですよ。私にとっては」
「冗談はよしてよ」
「冗談なんかじゃ、ないの」
 桜がドレスに手をかける。
脱ぐつもりか。
 でも脱いだら。それこそ帰って来られなくなる。
道徳が牙をむき、背徳が体を覆う。そして快感が。
 息を吸う。ここが、正念場。

102:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:07:22 mp8fEZHO

「僕たちは家族なんだよ」
「…家族、ね」
 何と言われようが、とっておきの手はこれだ。
 家族。
悠太には偽悪的にも偽善的にも、これしかない。
 これしかないから、桜が悠太の言葉をあっさりと切り落とす。
「兄さん、貴方は家族というものがどんなに残酷か知らないのですよ」
 桜の顔にうっすらと朱が差す。言葉と状況がかみ合わない。
「白石に聞いたのに、まだわからないのですか」

 ――聞いた?

 それはさっきの電話のことか。だがしかし、なぜそれを桜が。微かな抵抗で悠太がベッドの隅にまで逃げる。
「聞いたって、何で桜が内容を―まさか、」
 問いただしているのに、逃げているという滑稽。もう、どちらが兄なのかわからない。
「今更でしょう、盗聴ぐらい。それよりも、兄さん。聞きたいことがあるのではないですか」
 もう盗聴程度の、何かしらの悪事がばれようとも、もう桜を縛る網はない。そう初めからこうすればよかったと思うほど。
もはや遠慮も許容も、いらない。
 兄が自分から身を離したのを見て、ゆっくりと立ち上がった。手をドレスの裾に持っていく。こうしないと脱げないからだ。
 すでに下着は少しずつ濡れてきている。
 だが悠太からすれば、いい機会と言えなくもない。話を逸らす意味でも状況を変える意味でも今問いたださねば、何もかもが黒幕に閉ざされる。
本当の意味での懐疑があるのだから。

「桜、君は本当に桜なの」

 ぴたりと、桜の手が、止まる。
刹那、憎しみのこもった目が悠太を矢のように射抜いた。
 これが妹の顔か。普段と、先ほどと、今とどれが真実なのか。いや人間誰しも素顔なんてものはない。すべてが自身ですべてが断面だ。
そして、桜の憤怒がすぐに元に戻る。
「ええ、間違いないですよ。私は桜です。…愛美ではありません」
「どういうことなのか説明してほしい」
 口の中にたまった唾を、ごくりと飲んだ。
相手に聞こえないか不安になる。

103:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:08:51 mp8fEZHO
 しかして桜は簡単に答えをつむいだ。
「愛美という人物が他にいて、私が愛美だったということですよ。それですべての辻褄が合います」
「………」
 つまりそれは、愛美が二人いるということか。
同じ人物が二人。
ならばここにいるのは誰だ。
つい先ほど桜であるということは肯定されたはず。そもそも、私が愛美だというのはどういうことだろう。
 桜はそれ以上答えない。見るとすでに格好はドレスが床に落ち、下着―コルセットというのだろう―姿になっている。
これ以上悠長に考えることは出来ない。もう余裕はない。
「もう、いいじゃない。貴方が私の兄であることは間違いないですが、私が貴方を愛しているのも間違いないのですから」
 距離はもういかほどもなく、顔は近い。桜の少しばかり開かれた妖艶な唇が迫る。ベッドに乗せられた体重は音を室内に響かせ、悠太を更に圧迫させる。
 蛇に睨まれた蛙いうよりは、虎に睨まれた鼠のようで、もう逃げることはかなわない。
 二人はただただ近く。桜の両腕は愛しい人の肩に。姿勢はすでに抱き合っているといっても過言ではない。
「やめてくれ。桜は大切な妹だけど、女としてみたことは一度もないんだ」
 そう振り払おうとして、いっそ突き飛ばす覚悟になる。このような常軌を逸した状況。狂気。間違っている。
 そして言い聞かせるために、真摯に桜を見た。

 ――すると、妹は。

 今度は狂っているなどとは程遠い顔で。
 ただ切なそうな、泣きそうな表情で、悠太を見つめている。
 妹は、彼女は。
 それ以上迫ってこようとはしない。
 今度はうっすらと瞳に涙が浮かび、ついに頬に流れた。
「―――」
 彼女は、本当に、狂っているのだろうか。

「――兄さん、一生一緒にいてください」

 こんなにも。これほどにも素敵な顔を見せる、彼女が。
わからない。
 わからないわからないわからない。


104:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:09:44 mp8fEZHO
 それに、正直、僕だって。
本当に桜を一人の女としてみてはいないといえるか?
こんなにも美人を前にして、最初から妹であることに区切りをつけられていたか?
この豊かな胸に目が一回たりともいかなかったと、はっきりと宣言できるか?

 ――できないのなら、それはすなわち。

 僕だって、狂っているのではないのか。
 桜の好意を知らなかった?すでに愛と呼べる域に達しているのに?

 キヅイテイナカッタ?――ホントウニ?
 オンナトシテミルノガコワカッタダケジャナイノカ?

「ほら、兄さんだって」
 気づくともう目の前に桜の顔がある。手は股間にあり、指の先で男の膨らみをなでた。
 ゆっくりと甘美に。そしてこれ以上ないほどに、優しく。
 悠太は桜を離そうと、しようとする、フリをする。
刹那、爪の先でひっかくように肉棒のかさの部分―カリを上に弾き、驚くような快感を与えてきた。
 ビクッ
 男の部分は見る見るうちに大きさが増し、硬くなる。さながら熱膨張にでもあったようで、響きはただただ気持ちがいい。
「あはっ」
 今度は先ほどのような顔ではなく少し淫らで、自分以外知らない素顔。蕩けるような笑みと見たこともないほどの妖艶。いやらしいというよりは興奮が高まる。
 いつの間にか悠太はベッドの上に押し倒されて、無抵抗。
 桜の左手が胸の上にあり、撫でた。右手はまだ股間にあり、上から下へ下から上へと刺激を与える。
ジーパンの上からでもしっかりと男の印であるものは膨れ上がり、形すら見るだけでわかるほどになっていた。
それだけに撫でられると気持ちがいい。
 顔が熱く頭に靄がかかる。
霞む。
何も考えられない。

105:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:10:30 mp8fEZHO
 そんな悠太を見て桜は一層笑みを深くした。次いで、左手が乳首の辺りをこりこりと指でこね回してきた。
履いていたジーパンは、桜によって膝まで下げられた。外気にいつもは隠している部分がさらされる。開放感。気持ちがいい。
 もしこれがズボンではなくて、その下を覆っているトランクスだとしたらどれぐらい気持ちがいいだろう。どれほどに快感があるのだろう。
 桜の手は―パンツを下げるために手がかかる。
 これ以上はまずい、と思う。
呆けていた思考が戻る。
 しかしそれを許さないのが目の前の妹ではなく、女。
「じっとしてて」
 じっとなんて、できる訳がないのに。
なぜか体が動かない。
命令を聞いてしまう。自制心が消える。
 ――ギシッ
 ベッドがいやらしく二人を包む。シーツは絶妙の愛のしわをつける。この屋敷に用意された自室で何回も聞いた音であるはずなのに、淫乱に木霊する。
「兄さん」
 お互いの顔はもう目と鼻の先にあり、ついに唇が触れ合う。優しくそして濃厚に。
 柔らかい肉。
 舌が口内へ侵入。
ぐちゅぐちゅと悠太を犯してきた。でも、正直、嫌じゃない。
 これ以上進めばどんなに、快感が待っているのだろうか。思考は重い。頭が染まる。染まっている。
 そしてついに、男根が室内にさらされた。
 桜はまず、愛おしそうに陰嚢を手のひら全体でさわさわと揉み解した。肉棒の硬度は増す。指は更に下へ。
俗に、蟻の門渡りと呼ばれるところまでくると、人差し指で再び袋のあるところまでつーっと撫で上げた。
 思わず悠太の体が浮く。
すると今度は、桜の手が悠太のシャツにかかる。慣れた手つきで服を脱がし、上半身を裸に。
 さらされるのは彫刻のような男の裸身。
 桜は息を呑んだ。

106:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:11:23 mp8fEZHO
 美しい。
 欲しい。
 でもそのようなことを考える以前に、悠太の体に刻まれた赤々とした斑点。
それはお仕置きと称してつけた桜だけのマーキング。桜だけの、桜による傷。ということは。
「貴方はもう、私のもの」
 悠太の赤い跡に舌を這わせる。ちろちろと、舐める。ちゅうちゅうと、吸う。
 今度は傷による印じゃない。キスで。自分のものである証をつける。赤ではなく、朱。
棒をしっかりと握りこんだ。指にかかる肉厚。熱い。硬さはどんどん増す。
それを確認すると桜は親指で、棒の先端をくりくりと刺激した。
「―あっ」
 悠太の体がはねる。刺激の流れが一気に襲い掛かってきたからだ。
「気持ちがいいのですね」
 慈しみをこめた顔。目は細く、優しい。再び近づく顔。触れ合う唇。
今度はついに、応えてしまった。
絡み合う舌と息。混ざり合う唾液。荒い空気。
 桜は考えた。
ここまで来たのなら、もう一段階進むべきだ。
行動のことではない。意識に区切りをつけるために、呼称を変えなければ。
そうすれば私は、ついに妹ではなくて女になれる。体ももうすぐ女にしてもらうけれど、その前に気持ちで女になりたい。
女として抱いてもらいたい。
 僅かに息を染め、呟くようにして声に出した。

「悠太」

 ――悠太の目が開かれる。
そして、桜の手が男の手を自らの胸へと導いた。
 これで、一つになれる。
本当の意味で、私のものに兄さんがなって、兄さんのものに私がなる。

 ――兄さんが、悠太が手に入る!

 どんっ
 しかし。
 桜は、少女はよろめき、――突き飛ばされた。

「僕はコンビニに行ってくる。しばらくしたら戻るから、それまでに頭を冷やしておくんだ」
 悠太は素早く服を着なおし扉へと向かう。見えるのは背中。蜃気楼。
 何が起きたか理解できない。
唖然としているのは女になりきれなかった、少女。
「待ってください、兄さん!」
 しかし、男はとまることはなく、扉は重く閉ざされる。
 残されたのは、愚かな綺麗な。乙女。
 体はもう、いかほどに暖かさがあるのか。
 部屋が圧縮された空間のようだ。
何も感じることが出来ない。今自分は何に触れているのか、どこにいるのか。

107:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:12:50 mp8fEZHO
 考える。
なぜ最後までいけなかったのか。
最後に悠太が拒んだのか。
こんなにも私は彼を愛しているのに。拒む?でも兄は答えてくれた。あのキスが嘘だったとは、それこそ嘘でも考えたくない。
 ではなぜ。
 何が。誰が。いけなかった。
 ――そもそも。
 なぜ、こうなった。
 ああ、暗い。暗い。黒い。このもだえるような感情。激情。
 片方が露になった乳房が寒い。体が、寒い。サムイ。
 妹。妹、妹。妹妹妹。
そう、妹。いつもそれだ。
 これが、家族か。
忌々しい鉄の檻。まだ『妹』が、彼の体を縛っているのだろうか。
本当に、小さい頃、何度も思ったことだが、これほどまでに家族は私を苦しめる。家族という名の黒が私を嗤う。
初めは、家族ならば一生離れることがないと思ってうれしがっていたが、やはりどこまでも呪いは消えない。消えようとしない。腹が煮えくり返るほどに。

 ――だった、ら。

 もういい。家族は、いらない。もう一人の女に、妹はあげる。邪魔なものは必要ない。
 コンコンッ。
 部屋の扉が叩かれる。
「桜様。長谷川です。少しよろしいでしょうか」
 桜はゆらりと顔を上げる。
 そうだ。誰が悪いかなど。可笑しくて笑いすら、ない。だって、もうそんなことはわかりきっている。
 誰が、なんて。何が、なんて。
そんなものは、もう。
 必要なのはただ二つ。愛の悪魔たる激情と。
 愛しい兄。
 邪魔するものは他の誰でもない私がすべて駆逐して――葬ってやる。
「どうぞ、入ってかまわないわよ」
 優しく声をかける。
立ち上がって、部屋にあった護身用のサーベルを、
しっかりと血が滲むほどに強い力で、
握った。

108:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:13:47 mp8fEZHO



                    * * *



 どうしてこんなにも悲しいのか。
その理由がわからない。彼女を拒んだからか。傷つけたからか。
 ならば、どうしてこんなにも悔しい。
 本当は、悲しいもの悔しいのも、自分が原因だからじゃないのか。
 自分が引き起こした事実。だとすればそれは、自身が理由ということで。すべては自分がいたことによってできた結果ということ。
 いつまでも僕は、愚かだ。
 あの時、桜が悠太の名を呼ばなかったらどうなっていただろうか。
おかげで自分はあくまでも兄で、それ以上ではないと再認識することが出来たけれど。もしあのまま、何も言わずに求められていたら、かなりの確率で僕は。
 濃厚なキス。
 まだ唇がかすかに熱い。
 一度は受け入れて、拒む。
良心で人は死なないというが、自分がしたことはある意味、桜にとって、もっとも残酷なことだったのかもしれない。 
「お兄ちゃん」
 びくりと背中が震えた。けれどこれは、慣れ親しんだ心地よい声。
唐突にかけられた声に反してゆっくりと顔を上げる。
 やはり亜美だ。
夏休みだというのに制服を私服代わりに着ているのは彼女ぐらいしかいない。
事情が事情だけに仕方がないが、なんだか申し訳なくなってくる。妹にこんなにも負担をかけてしまっている自分。
 僕は、何をしても情けない。
「亜美、久しぶりだね」
 しかし悲しみを悟らせるなど、これ以上の愚は冒せない。むしろ機嫌よく装う。
何年も会っていなかったみたいだ、なんてどこかのドラマのような台詞が頭に劈くが、言うことはしなかった。
「泣いているの」
 見れば亜美の目に涙がいっぱいに浮かんでいる。
悠太に指摘されて、慌てて後ろを向き、袖で目をごしごしと拭いているようだったが、後から後から涙が出てきて、悠太に泣いている姿を隠しきれていない。
 なぜ泣いているのか。などということはしなかった。おそらくではあるが、何となく察しはつく。
「……なんで……来てくれなかったの」

109:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:14:35 mp8fEZHO
 悠太は西園寺に行ってからというもの、白石とは何回か連絡を取っていたが亜美には一回たりとも電話が出来なかった。
言うまでもなく、桜が悠太と亜美が話すのを嫌ったからだったが、亜美は知らない。
 そして喫茶店での際、何度か白石の家を訪ねるといっておいて自宅に戻ることは遂には一度もなかったのだ。
いきなり兄に放任され、思うことは多くあるはず。泣くほどとはさすがに思わなかったが。
「ごめん」
 そっと亜美を慰めるため、頭を撫でた。
 何か悲しいことがあったときにこうするのは、亜美が悠太の側にきたときからずっとやってきたことだったが、兄が覚えていてくれて亜美はもっと悲しくなる。
 だから、なかなか泣きやめなかった。
悠太はまだ、頭を撫でてくれている。
 顔を上げると目が合った。
 この人が、私の兄。
 やっと、会えた。
「もう、大丈夫かな」
 名残惜しいが体が離れた。手が僅かに空中を掴む。

 ――もっと泣いていれば、兄はもっともっとかまってくれるだろうか。

けれど、悠太を縛るような網にはなりたくない。懸命に涙をこらえ、泣き止んだ。
 一方悠太は、ほっとしてここがどこか確認することにした。
 無我夢中だったため、よく場所がわからない。
 周囲を見回すと、考えながら歩いていたために気づかなかったが、いつの間にか西園寺の家から少し離れたところにある公園に来ていた。
ここには昼ごろになると子供や主婦などの憩いの場となる所で賑やかさもある。
ただ、中にある遊具の数は侘しいもので、ブランコと砂場、あとはジャングルジムしかない。
 しかし、ここを訪れる人数は馬鹿にしたものではなく、それなりに多い。通りすがる、という程度のものかもしれないが。
 理由は近くにあるコンビニで、事実亜美もここで買い物をしに来ていたみたいだ。左手に握られた茶色い弁当の袋が揺れている。
 公園内に入る。人もそれなりにいるようだ。
 丁度、ベンチが一つ空いた。
亜美と二人で腰掛ける。座り心地は正直あまりいいとは言いがたいが、側にある樹がそれを帳消しにしてくれている。
 亜美はもうすっかりいつもどおりに戻ったようだ。黙って、ぼんやり。弁当はまだ食べるつもりがないらしい。
 目を瞑る。
 いい機会だ。

110:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:15:18 mp8fEZHO
 西園寺のことについて、熟考したい。
 桜は言っていた。愛美が二人いて、私が愛美だと。
 それはつまり、愛美という名前の人間が二人いて、そのうちの一人が桜ということか。しかしそうするとなぜ桜は、桜という呼称なのだ。
 いやそれ以前に、すべて信じても、悠太自身が持っている疑問は何一つ解決されない。
 白石が電話していた相手。
 喫茶店にいた人物。
 桜が知っていて、白石が知らないお互いの認識。
 愛美。
 喫茶店の一件に関しては、そこにいたのが桜だったということから、白石が電話していた相手がわかれば、自ずとわかることだろうが、何か腑に落ちない。
それほど気にすることもないのかもしれないが…。
 あの、桜が見せた目。あれは間違いなく憎悪のこもったもので、軽く流せる問題ではない。

 ――それに本当は。

 全く何もわからないというわけではない。
 推測は立つ。
もちろん証拠も保障も根拠ですらありはしないが。よくよく考えてみれば見えてくるものはある。
 加えてソレが正解であるならば、すべての矛盾は消える。
けれども、推論が線になるには、桜がある事実を行ったということが前提になる。それはあまり、考えたくは、ない。
 だが――。
「お兄ちゃん」
 澄んだ声が耳に響く。とても無機質に。
 見れば亜美が石のようにじっと立っている。何か見つめているようでその視線の先を追うとベンチの横に生えている草が目に入った。
 なぜ草などを見ているのだろうか。少し気になったので、立ち上がり草の近くまで移動してみた。
すると、今度は亜美の視線がずれていた。ということは別に草に注視していたわけではないということか。
 そしてよくよく見ると、視線の先は明らかに悠太に向いている。
「どうしたの」
 声をかけるが、返事はない。
 呆けているようにただ一点を見つめている。自分に向けられたものであるから、こそばゆい。
目の道順をじっくりと追うと、悠太は自身のはだけられた胸が眼に入った。
きちんと着られていないのは、桜との一件があったときに急いでいたからだったが、亜美はそんなこと知りもしないはず。
「何それ」

111:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:16:00 mp8fEZHO
 やっと亜美が口を開いたが、悠太は理解できない。きちんとシャツを着こなしていないことを怒っているのだろうか。
でもその程度のことでわざわざ亜美が気を取られるとは、珍しい。
「僕にだらしない格好は、似合わないかな」
 少しおどけて言ってボタンの二番目までしっかりと留めようとする。
 すると、急に、亜美に手をつかまれた。
「何それ」
 かなりの力で握られたので、悠太はこれが真剣さを含んだものだと推測する。
けれど、理由がわからない。再び亜美の視線を追う。
 そこにはだらしなく着こなされた白いシャツと。自分の赤い胸しかないはず。

 ――赤い、胸?

 そうだ。胸には桜に、掟を破った時にお仕置きと称してつけられた痛々しい鞭の後がある。亜美と一緒にいた頃にはなかった傷が。
 でも、こんなことで自分の妹を心配させるわけにはいかない。
心が痛むが、嘘をつかなければ。
「何でもないよ」
「嘘」
 すぐに見破られた。が、黙っていれば亜美とて追求まではしてこないはず。
この大人しく優しい妹は、そういう人物だ。
 亜美と目が合う。咎めの視線。
時間が流れる。
 風が凪いだ。樹が揺れ木葉が僅かに擦れる音が耳を優しく撫でる。
辺りは少しずつオレンジの絹がかかり、夕刻が迫ってきたことをひっそりと知らせ始めていた。影が傾く。
砂場で遊んでいた子供たちもいつの間にかいなくなっていた。遠くから声が聞こえる。きっと、誰かが誰かを呼ぶ声だ。
なんだか、それは一層もうすぐ夜がちかいことを知らせているようで寂しい。
 今この公園にいるのは、悠太と亜美の二人だけだ。
 お互いの瞳を覗きあっている兄妹。
 唐突に、亜美が悠太の手を取った。歩き出す。向かう先は、どうやら手洗い場のようだ。
こんな小さな公園であるから手洗い場なんて大袈裟な表現よりも、ただの少し囲まれた水が出る場所といった方が、通りがいいかもしれない。
 蛇口と囲い、それ以外には何もない。
 亜美はまず蛇口をひねり、盛大に水を出した。
水がしばらくで続けると今度は、ポケットからハンカチを取り出した。
 これは随分前に悠太が誕生日プレゼントとして買ってあげたものだ。もうかなり綻びがある。
 亜美はハンカチを一気に水につけた。そして傷つけないようにするためか、優しく、でもしっかりと絞る。

112:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:17:11 mp8fEZHO
 何をするためか聞こうとすると、悠太はいきなりシャツをめくり上げられた。
「手当て」
 言うや否や、右手で赤くついた斑点の上にハンカチを載せる。
水が湿って気持ちがいい。
まだ夏ということもあるのだろう。それが肌に当たると、なんだか清清しさもあって、自然と気が緩む。
「ありがとう」
 お礼を言うと、亜美は優しく微笑んだ。
 手当てしにくいということで、悠太はもう少しシャツのボタンを空けようとすると、やんわりと遮られた。でも、このままだとやりにくいだろうに。
思ったが、亜美は問題をものともせずに、右手で傷にハンカチを押し、左手でシャツのボタンをてきぱきとはずしていった。
 全く器用なものだ。
 安心して、亜美の頭を撫でた。
 すると目を細めて、心持ち身を預けてくる妹。
 もう夕闇。
早く帰らなければならないのに、なんだか気が重い。
 これから、どうすればいいのだろう。桜とはもう顔を合わせにくい。
もちろん、今日の昼の出来事が最大の要因だ。だがしかし、西園寺はどうも悠太にはわかっていないことが多い。
それが悠太を不安にさせる。
 何より、桜と愛美という少女のこと。もう大体予想はつくが、悠太の推論が正しければ、桜は――。
 いやそんなわけはない。いくらなんでも、それは。
とにかく、桜とこのまま別れたくはない。
兄妹という枠は超えてはならないけれど、それでも、しこりを残したまま三ヶ月が過ぎてさようならというのはあまりにも。
 まだ西園寺にいる期間は僅かだが確かにあるのだ。
その間に説得するしかない。大丈夫だ。二人はお互いが嫌悪感によって、気まずい空気を作り出したのではないのだから。

113:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:18:09 mp8fEZHO
 むしろ逆。簡単にはいかないだろうけれど、諦めるわけにはいかない。
 家族、家族と言ってきた自分だ。少しぐらいのことで、怯むことはしたくない。
「お兄ちゃん」
 亜美が下から悠太を伺っている。
 どうやら終わったのではなく、長い間湿らせていたので、瘡蓋になっていた部分が剥がれ僅かではあるが血が出たようだ。
「血」
「これぐらい、何でもないよ」
 とは言ったものの、亜美は気にしているのか、申し訳なさそうに謝ってくる。
しかし、手当てしてくれていた医者が謝る道理などない。
悠太は幾分力強く、大丈夫といったが亜美は困ったまま動かない。
 これがこの子のいいところだ。これほどまでに人をいたわれる心。美徳とすら言ってもかまわない。
「………舐めてもいい?」
「え?」
「小さい頃……お兄ちゃんが……やってくれたでしょ?」
 確かにやったけれど、でもそれは。本当に小さな頃で。
亜美が白石の家にやってきたときに見様見真似で料理をしようとして、包丁で手を切ったときのことだ。
「だめ………?」
 瞳を潤ませるしぐさは可愛らしいが。許していいものだろうか。
 傷口を見る。僅かに滲んだ血。
 この程度ならば、舐めるという行為もすぐに終わるはず。ならばせっかく悠太を気遣ってくれたのだ。断るのもなんだか悪い。
「少しだけだよ」
 自分で言ってから、亜美には見られないように顔を顰めた。
 少しなんて、どういう許可の仕方だ。普通に、いいよと言えばいいのに。
 でもそれは、桜のことが頭をよぎって敏感に反応してしまうからか。亜美からすれば舐めるという行為は治療の一種であるというのに。
 ぺろり。
 亜美が赤く染まった液体を舌ですくう。
 ほんのりと赤に染まった唇。
ぺろりぺろりと傷を舐めてくる。なんだか、いやらしい。
次第に舐めるという行為は吸うことへと変化していく。ちゅうちゅうと、妖しく。

114:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:18:43 mp8fEZHO
 今度は、べっとりと唾液を乗せ、舌の腹全体で傷口を舐めた。
 これが治療か、とも思ったがそれ以上は考えることをやめた。
もし考えてしまえば、先にあるのは破滅しかない。これが治療であろうとなかろうと、亜美は治療だといっているのだから、その通りにさせてやろう。
 べとりと舐められた肌は、亜美の舌と唾液の橋を作る。今度はもう少し左へ。

 けれどそこには、傷はない。

「お兄ちゃん」
 はっとして、亜美を見るとそこには淫らに舌で肌を舐める女が一人。
「この傷、誰につけられたの」
 これは質問か、厳命か。それとも―確認か。
「誰って、ただ机にぶつけちゃったんだよ」
「そう」
 明らかに嘘とわかるのに、亜美は追及しない。ただただ、奉仕する。
もはや、愛撫といった方が適切か。
一歩近づいて、今度は悠太の背中に両手を回す。
「お兄ちゃん」
「な、何」
「この傷、誰につけられたの」
「だから、机に」
 さっきも言ったはずなのに。
これは信用していないとか、嘘を見破っているとかいうことじゃない。
もう嘘だと、わかっているのか。
 嫌な雰囲気が悠太を圧する。右足が下がる。
そんなわけないのに、亜美の力が悠太を絞めつけているようにすら感じる。
そして、背中に回された両手のうち、左手が悠太の股に入る。膨らみを、触る。愛しそうに、しっかりと。
 これ以上は。まずい。
 桜に続いて亜美とまで。するわけにはいかない、のに。
 亜美の力は万力のようだ。
「お兄ちゃん」
「な…何」
「この、傷。誰に、つけられたの」

115:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:20:18 mp8fEZHO
 答えられない。でも何も言えないということは。
 ――亜美が悠太の男根を服の上から掴む。
 亜美の顔が悠太を放さない。

 こっちを舐めたほうがいいかな。

 漆黒の瞳が告げる。もちろん亜美が直接言ったわけではないが、悠太の頭にはそう理解された。
そして、それを防ぐ方法は。答えろということ。
「……西園寺の人に」
「あの女に、でしょう」
「あの女って」
「桜」
 正解ではある。だがこの少女は、女は誰だ。何て淫靡な駆け引きを。駆け引き?いや、もうそんな言葉じゃ陳腐にすらなってしまうか。
 最後に傷口を舌先で舐めてから、離れた。
 もう夜の帳は落ちてきている。
 亜美の顔が見えない。
こんな時だからこそ、亜美の顔をしっかりと見ておきたかったのに。すでに凪いでいて風は跡形すらない。
 不穏な静寂。
「もう、帰ったほうがいい」
 堪えきれず、せき止められた濁流のように声を出した。
亜美は、動かない。
「お兄ちゃん」
 まだ何かあるのか。
「私が…ハンカチで、手当てしている間……何考えていたの」
 手当てしている間?
確か桜とのことをどうしようか考えていた時だ。でも、それを話して西園寺のことで亜美を不安にさせるわけにはいかない。
「別に、何も」
「…何考えていたの?」
「だから、何も――」
「何、考えて、いた、の」
 いきなり亜美の顔が目の前に、在る。

116:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:21:16 mp8fEZHO
離れたはずなのに、いつの間にか幽鬼のように。
なぜか瞳が、仄暗い。
まるで何かに憑かれているようだ。
 悠太は、怖くなった。
桜のことも、西園寺のことも、亜美のことも、自分の考えていたものとはまるで違う。
頭の中にあったイメージは虚像。すべてではないけれど、自分にあった像の何と脆いものか。
わかってはいる。この自分の中にある他人というものほど不確かなものはないのだということは。
 でも。でも。これはあまりに突然で。亜美ですら、長年一緒に過ごしてきたこの妹ですら自分の知らない一面があるのは。怖い。
蝉の鳴き声が聞こえる。
 いや――しかし、よく考えてみれば。当たり前、か。
悠太だって亜美にすべてを曝け出しているわけではない。こんなことぐらいで過敏に反応するのは、今は仕方ないけれど、するものではない。
だって、僕らは家族、なのだから。

「――殺してやる」

「――え」
 亜美が僕を見る。穏やかな顔。寡黙だが優しい、いつもの少女。妹。
 でも先ほどの声は。幻聴か。
 二人以外、誰もいないのに。
 いないのに?
「行こう」
「どこに」
「いいから」
 亜美が悠太の手を引いていく。どこに行くつもりだろう。
 公園の出口に向かう。出口までは一直線だ。
遮るものは本来ならば何もない。いつもならば。
しかしなぜかそこには人影が一人。
街灯に照らされた場所よりも一歩下がった位置にある。だから誰がいるかはわからない。
 人影が照らされた円の部分へと入る。
姿がわかる。

117:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:24:23 mp8fEZHO
 亜美が止まった。次いで悠太も。二人と一人の距離は五メートル前後。間には何も。
 睨み付ける亜美の瞳はどれほどの想いが乗せられているか、悠太は知らない。知ってはいけない。
まず見えるのは、夜なのに持ち歩いているトレードマークの日傘。
ただにこりと優しく微笑んでいる。いつものようにドレスを身に纏って。ただもう少し、凛としていたほうが彼女らしくあるか。毅然としているのは彼女らしさ。
 だからあまりに可愛らしい顔で微笑む顔は、正直不気味といってしまってもいい。
「こんばんは」

 桜の口がにんまりと弧を描いた。

 ――悠太は、思う。
 僕は間違っていたのだろうかと。
そんなはずはないのだ。
僕は、結果として家族を守った。妹を汚さないですんだ。
 ――けれど、桜は。
 汚れないことを、望んでいただろうか。
 そんなこと。



 ――考えることなんて、できなかった。



118:桜の網 ◆nHQGfxNiTM
07/09/28 19:28:59 mp8fEZHO
 六話、投下終了です。
 少し間隔があいてしまい、申し訳ないです。
 これからはエロの方も少しずつ書けると思うので、また暇つぶしに読んでくれたらうれしいです。
 それでは。


119:名無しさん@ピンキー
07/09/28 19:30:15 b0Zb1YMv
GJJJJJ!
桜の網最近よみはじめたが面白いな・・・・

120:名無しさん@ピンキー
07/09/28 19:51:10 9nakj/ed
GJ!!!!
桜の網が読めるとは・・・今日は良き日だ・・・。

121:名無しさん@ピンキー
07/09/29 02:12:43 bssqg6Mh
桜の網キタ!!
二人とも本格的に覚醒し始めたっぽいのでますます楽しみですなw
次回も期待してます、GJ!!

122:名無しさん@ピンキー
07/09/29 03:21:14 LbuVWBWt
桜の網キタ!キタ!これで勝つる!GJ

123:名無しさん@ピンキー
07/09/29 03:51:05 QNdqJCP+
桜の網神GJ!!!

キモウトの中で亜美が一番好きだ。純粋でクールで少し甘え気味という俺のツボを突きまくってる。
続き期待してますね

124:名無しさん@ピンキー
07/09/29 07:40:46 XduYMIyt
あさっぱらから読みふけってしまったぜ…

しかし最高にキモイなこいつら!(最高の賛辞

125:名無しさん@ピンキー
07/09/29 08:47:19 sfvKi54P
まとわりつく感じがたまらねぇ…。

126:名無しさん@ピンキー
07/09/29 12:32:22 79KgbmGv
次は修羅場か…
キモウト同士の修羅場。それだけでwktkしてしまうなぁ。
あと桜と愛美の謎が気になる。わかるやついるの?
まぁとにかく…GJ!!

127:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/09/29 14:20:49 9sgG1YzC
投下いたします。

128:三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg
07/09/29 14:22:09 9sgG1YzC
 いる。
 誠二はいるっ。
 私は廊下を走る。織姫高校のリノウム廊下をゴム製の上履きで滑らせ、コの字型の校舎の一画目の曲がり角を曲がる。
 途中、同じように仲良く廊下を歩くカップルにぶつかるが、私はそちらを一瞥もせず一心不乱に走っていた。
 スピードをぐんぐんと上げる。こんなに本気で走ったのは何時ぐらいだろうか? 体育祭の時は手を抜いていたが、背景が線へと変化していく気がした。足がまるで私ではない別人のような感覚がする。
 これが本気ということかしら。いや、ただ自分が走り慣れてないだけでしょうね。
 前方を見据えると、廊下の真ん中を一人の女子生徒がてこてことこちらに向かって歩いてきた。身長129センチの小柄と言うのが憚られるほどのちっこい背と体のつくりをした女の子。ピノコの5年後という表現をすれば想像がしやすいわ。
ああ、あの子は有名な藤崎ねねこだわ。通称ロリ姉。いやなあだ名ね。アタシだったら断固拒否するわ。
移動教室だからか、藤咲ねねこはその小さな腕に教科書と地図資料を抱えてぼーっとした顔でこちらへやって来る。神妙な顔をしている。走ってくるあたしに気付いてない。
 廊下の真ん中に居るから、走行ルート上に居てとても邪魔だ。どいてほしいわ。他の生徒はみんな走る私の形相を見て避けるように廊下を開けてくれるのに。
「んー、んー……、んっ!? えっ! きゃぁ!!」
 ようやく目の前を走ってくる私に気付いた。私の姿に驚き、目を真ん丸にしちゃって、どうやら体が硬直したみたいね。右へ避けようか左に避けようか迷ってるのが顔に出てるわよ。
 このまま走ってぶつかっちゃたら、めんどくさいことになりそうね。普通の生徒ならいいけど、こんな小さな女の子じゃぶつかった衝撃で飛んでっちゃうかもしれないわ。自転車と自動車がぶつかったら被害が大きいのはどっちかしら。軽い方でしょ?
仕方がない。
「しゃがんで!」
「え!?」
 そう叫ぶと、私は足の動きを調節する。そしてタイミングを合わせると、三段跳びの要領で彼女の目の前までホップ、ステップと足を1・2と順番に前に出し廊下を踏みしめて。
「ジャンプ!」
 私は129センチの藤咲ねねこの頭上を股を大きく開いて、飛び越えた。
 思ったより、低い彼女の背。私ははっきりと藤咲ねねこの上から彼女のつむじを見ることが出来たわ。
「ほ、ほえ……」
 上手く、彼女の背の後ろに着地。情けない声が聞こえている。
「誠二!」
 私は、またもや足を動かし駆け出した。後ろなんて見ない。見る必要がない。自分でもあの高さを飛べたことには驚いたけど、いまはそれよりも誠二が優先。
 私の誠二を呼ぶ音はぎしぎし歯軋り混じりだった。

 教室、教室、教室。
 2-1、2-2、2-3、2-4……。
 ……行き過ぎたわ。
 2-3!
 半開きの引き戸を掴み、開く。
「誠二はいる!?」
 突然の来訪者である私に、教室中の視線が集まった。男子、女子、このクラスの生徒全員が目を丸くしていた。
 そのなかの大勢の生徒たちの中に、
「誠二!!」
 誠二は居た。
 自分の席に座って、井上くんと一緒に漫画雑誌をめくっていた。その巻頭のグラビアページをめくる指が止まり、井上くんと一緒に私の姿を見据える。
「ひっ」
 口の動きで見えた悲鳴は、小さいながらもとてつもなく恐怖心を与えているようだ。
 誠二の体はぎくりと硬直。対する井上くんの表情は微妙な表情で私を眺めていた。まぁ、無理もないわ。誠二が普通に来てることを教えてくれたのはあなたですものね。
 誠二を裏切ったと感じているのかしら? 別にかまわないわよ。誠二は私のものだから、失くしたものが見つかったら、そのモノの所有主へ教えるのは常識だわ。でも一割もあげないけどね。
「誠二、よくものうのうと学校へ来れたわねぇ……?」
 私は教室にいる生徒全てを無視し、誠二ただ一人に視線を合わせ、彼から目を外さず一歩一歩近づく。
 まるでヘビに睨まれた蛙ね。誠二は私の瞳に捕まえられたように席に着いたまま逃げられずに私の顔を見ていた。
 どう見える? 怒ってるように見えるかしら? 怒ってるわよ。とっても。
 ぐいとネクタイを掴み上げる。席に座っていた誠二は首元を引っ張られ苦しそうに顔を歪ませた。このまま引っ張るとどうなるかしら?
 ぐりぐり。
「ね、姉さん…!」
 苦しそうに声を出す誠二。
 私を見るその表情は暗く、恐怖に揺れ、瞳はきらりと潤んでいる。

129:三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg
07/09/29 14:23:17 9sgG1YzC
 ……泣くのかしら。
 ……いいわね。昨日私が見たかったのはあなたのその表情なのっ! その苦しそうな息遣いが聞きたかったのよ!!

「立ちなさい。誠二」
「姉さん。僕は……」
「立ちなさいと言っているの! 誠二!」
 しかし、誠二は立とうとしない。
 これ好機と私は掴んだネクタイをさらに上へ引っ張り上げ、締め付けを強くしていく。
 吊り首。絞まる首元、不安に駆られてゆく誠二の表情。ああ、ゾクゾクする。心の泉がどんどんと温度を上げて沸騰して沸き上がっていくわ!
 ……この表情を他の誰にも見せたくない! この表情を私だけのものにしたい!
「二人ではっきりと話し合いしましょう?」
 私はそう言い放つ。こんな誠二の恐怖まじりに歪んだ表情を他の女どもに見せたくなかったから。この表情を独占したかったから。
 私の言葉に誠二は焦燥したように視線を動かし、瞳で右へ左へと助けを求める。が、誰も私と誠二の間に入ってこない。それもそう。井上くんをはじめ、このクラスの生徒達は全員私を恐れている。
 私と誠二のやり取りを一番よく見ているのは紛れもないこのクラスの生徒達。井上くんが私の駒として動かされていることも知っている。だから、私と誠二の関係に関わりは絶対に持たないようにしている。
 ふん、いい友達にめぐり合えないわね。誠二。まああなたは私以外の人間なんて必要ないからいいのだけど。友達なんて居なくても困らないわよ。それは私が実証済みだから。
 誰も助けをもらえないことに気付いた誠二はあきらめたように席から腰を浮かせ、立ち上がる。私とおなじぐらいの視点となり、ネクタイを掴まれたままの誠二はまるで犬みたいだわ。
「おいで」
「……はい……」
 私はまさに犬を引っ張るようにして誠二を教室から連れ出した。わんわんね。おっきなわんわんだわ。
 ふふふふ。「わん」と鳴いてくれないかしら。誠二? わーんわん。あときゅぅぅぅぅ~~んって鳴き声も聞かせてね?

 どさり。
「うわっ」
 織姫高校の校舎の端に存在する六畳ほどの小さな部屋に誠二を投げ入れる。
 リノリウムの床に誠二は尻餅をつく。床にたまったほこりが小さく舞った。この部屋は文系部用の空き部室。暗くてほこりっぽい部屋には教室用の机と椅子が積み重ねられているだけでただの物置と化していた。
 そんな中に砕けた腰で私を見上げる誠二の視線。
「誠二……」
 私もドアを閉めて中に入る。電気は消しているため、窓から漏れる明かりのみしか光源はなく、それがこの空き部室を独房のように見せているわ。
 独房ね……。
「ね。姉さん!」
「なにかしら?」
「僕の話を聞いて欲しいんだっ」
 ふぅん。
「それよりも、先に言わなきゃならないことがあるでしょう?」
「……!」
 誠二の傍へと歩いてゆく私。距離を縮める。誠二の額から汗が流れてゆくのがわかるわ。ちろりちろりと暗い中でかすかな光に反射して水玉を浮かばせていた。
「昨日はどこへ行っていたのかしら?」
 誠二の顔をつまみあげ、低い声で私は訊いた。
「私に黙って無断外泊ねぇ。そんなこと今まで全然しなかったのにねぇ
 意味が重複しているけど、そこは問題じゃない。いままで帰りが遅くなることはあっても昨日のような、連絡なしでどこかへ行くということは無かった。
「ど・こ・へ・行っ・て・い・た・の? 誠二?」
 一節一節に重みをつける。誠二はいやいやと首を震わせながら、私の問いに口を開く。
「い、井上のところに泊まってたんだ!」
 はい、嘘。
私は間髪いれず右手を振り、誠二の頬のその手のひらで大きく打ち鳴らした。

 パチーン!

「……ッ!」
 暗い教室に、新聞紙を床に叩きつけたような軽いぴりりとした音が響いた。
 頬を打たれた誠二は一瞬何が起こったのかわからなかったよう。左へ寄った視線は突然の痛みに、目を泳がせていた。
「嘘つかないで。誠二」
 井上くんからは私がすでに聞いているのにね。
 でも、井上くんが嘘をついたって可能性も否定できないわね。私に嘘をついて誠二をかくまってあげたとか……。……ないわね。井上くんにそんな度胸無いもの。
 打たれた誠二の右頬がじんわりと赤くなっていく。赤みのかかったほっぺた。まるで桃のよう。
「う、嘘じゃないよ……」
 それでも、誠二はまだ誤魔化そうとする。打たれた衝撃で左ずれた視線のまま喋る誠二。私が正面から睨みつけているというのにそれからは逃れようとしている。
 視線を私から逸らしたまま、まだ嘘を重ねようとする誠二になんだかムカっとした私は。
「私の目を見て答えなさい」


130:三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg
07/09/29 14:24:03 9sgG1YzC

 パチーン!

 左頬を大きく打ち鳴らした。
「つぅッ!!」
 二度目の平手打ちは本当に予想外だったようね。思わず誠二は左の頬を押さえた。その仕草がなにか私の心をあわ立たせる。
 私が彼の頬を打った手のひらはじんじんとしびれていた。
誠二の頬を大きく打ち込んだこの手のひら。じっとりと赤く染まり、表面には彼の汗と私の汗が混ざり合っている。
 まるで、調味料同士を混ぜ合わせたみたい。
 そして、この手のひらにかすかに残るあの誠二の頬を叩いた感触。
 何故だか、とても気持ちよかった。
 私はもう一度右手を振りかぶる。
 大きくあがった私の手に誠二は怯えた表情を浮かべる。それがなんだか私の被虐心を妙に掻き立てて、

パチーン!

 気が着けば私はもう一度、誠二の頬を平手打ちしていた。
 赤くしびれる手のひら。頬の痛みに戸惑う誠二のおびえた表情。

パチーンッ!!

 頬、赤い頬、誠二の赤い頬。

パチーンッ!!

 手を打つごとに響く軽い音。

パチーンッ!!

 その音が私の脳内に響き渡る。その度に麻薬のように溢れる分泌液が体中から溢れた気がして、私の頬までも温度を上げて赤く紅潮してゆく。

パチーーンッ!!

 いい。いい。こうして誠二の頬を叩く度に、どんどん私の息遣いがおかしくなっていく。口元が笑い始めているのが自分でもわかる。
 誠二は何度も頬を叩かれて、涙目になりながらわけがわからないと言うように、私を呆然と見つめる。頬を真っ赤にして、まったく。
 いい顔。

パチーーンッ!!

 この顔に私は容赦なく手を振り下ろす。この可愛い誠二の顔に思いっきり平手打ちできるなんて、なんて贅沢だわ。
 誠二は段々力が尽きてきたのか、私の手を握ろうとした腕がだらりと脱力していく。抵抗が無くなった誠二、無防備な誠二。腰をまたいで馬乗りのなると、もうそこは私と誠二だけの世界。

パチーーンッ! パチーンッ! パチーンッ! パチーンッ!

 止まらない。腕が止まらない。叩くのが止まらない。叩くごとに湧き上がる熱。あつい、熱い思い。欲、欲、情欲。
 笑いが、悦びが、想像を超えた快楽が私の心を燃え上がらせる。気がつけばよだれがぽつりぽつりと口の端から溢れている。でも、そんなのも拭くのさえ気にならない。
 この行為。弟の頬をこの手で打つ。この行為が楽しくて愉しくて。夢中で、無我夢中で。心が萌える。

「あは、あははは、あはははははは!!」

 パチーーンッ! パチーーンッ! パチーーンッ! パチーーンッ!

「あはははははっ、あはははははははははははははっっ!!」

 ガラリッ。

「そこ、何をやっている!!」

131:三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg
07/09/29 14:25:20 9sgG1YzC
 ……ちっ。
 鍵を閉め忘れていたのを思い出した。
 振り向くと、そこに立っていたのは養護教諭の時ノ瀬先生だった。……なんで先生がこんなところに?
 時ノ瀬先生は相変わらずTシャツに白衣に裸足でスリッパというふざけた格好をしていた。でも私を見下ろす目は厳しさで満ちている。
「えっと、お前はどこの生徒だ?」
 ふーん、誠二やそこらのどうでもいい生徒はともかく、生徒会の役員ぐらい覚えておいて欲しいですね。養護教諭でも。
「3-2の沢木千鶴です。この下にいるのは弟の誠二です」
 私はこともなげに答える。入られた瞬間「しまった」と思った私だったが、よく考えれば私と誠二は姉弟。姉が弟の教育のために延々と平手打ちをしてても何も問題は無い。
 時ノ瀬先生は私の股の間で力なく、だらりと放心している誠二に駆け寄る。
「頬が真っ赤にはれているじゃないか! 沢木千鶴。折檻かリンカーンか知らんがやりすぎだ」
「いえ、そんなことありません」
「五月蝿いっ。ただの姉がしていい量じゃないぞ!」
 そう言うと、先生は私を押しのけて誠二を抱き起こす。その様子が何か気に食わない。ちょうど跪いたときに自慢の足で蹴りこんでやろうと思ったが、やめておいた。
「立てるか? 沢木誠二くん」
 こくりこくり、誠二は赤い頬で涙を流しながら頷く。腕を持って、誠二を起こすとふらふらになりながらも立ち上がる。その瞳は私のほうを向いていた。
 大きく瞳の奥に見える怯えの感情。簡単に読み取れた。
「とりあえず保健室へ行くぞ。その顔じゃ教室にいけないだろう」
「先生。私も着いていきます」
「いや、着いてくるな」
「私はその子の姉ですよ?」
 先生は眉間に皺を寄せて怒鳴った。
「その姉がこの状態にしたのだろうっ。君は教室に戻れ」
 ……ふん。姉としての責務を果たそうとしたのに。
 誠二は時ノ瀬に庇われながら、このほこりっぽい教室を出て行った。あとに残されたのは私一人。
 手のひらにじんじんと残る、平手打ちの感触。熱い、熱い。私の鼻から空気が噴出してゆく。手のひら。手のひら。興奮が収まらない。
 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、息が、息が。こんな心の高ぶりは初めてだわ。
 この左手の感触が残っているうちに…………。

 PiPiPiPiPi……。

 突然の電子音に思考がぶった切られた。
 機械的な音。私の携帯電話ではない。ぶぶぶぶぶと震える音も響いている。この空き部室に……。
 音の震源は足元だった。ひょいとその音を発する端末を拾いあげる。青い携帯電話だ。
「これは……誠二の携帯電話だわ」
 平手打ちのときに、誠二のポケットからこぼれたものだろう。コンパクト型の携帯電話を開いてみる。ロックはかかっていなかった。無用心ね。
「……そういえば、昨日誠二がどこへ泊まったのか、聞いてなかったわ」
 つい平手打ちに夢中で忘れてしまっていた。
「この携帯にヒントが隠されてるかも……」
 ……まったく、私は運がいい。
 私と誠二は同じメーカーの同じ機種を使っているので(私は銀色カラーだけど)、操作はすぐにわかる。左ボタンを押してアドレス帳を眺める。私が見知ったアドレスが並んでいた。
アドレスに書かれている友人の約半分は、私の息がかかっている。
 ……んー、……先生が多いわね……。
 高倉良子先生、保坂新太郎先生、さっきの時ノ瀬先生……。
 メールボックスを開けようと、操作する。すると、なぜかメールボックスだけはパスワードが必要になっていた。4桁の数字でロックされている。
「………」
 誠二の生年月日を入力する。ダメだわ。私の生年月日、ダメ。父・母の生年月日……。ダメ。1682(イロハニ)……。ダメ。
「………」
 誠二の生年月日の逆入力。
「開いた」
 ……誠二が単純なヤツで助かったわね。
 一瞬だけ暗くなった小さな小さな液晶画面に私のほくそ笑んだ顔が映った。ふふふ。さぁて、昨日はどこへお泊まりしていたの? 誠二。
(続く)


132:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/09/29 14:27:14 9sgG1YzC
投下終わり。
次回投下は未定。

133:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:24:01 h0f6z990
GJ

134:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:10:33 8ldQY1Sf
リンカーンで吹いた

135:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:38:42 6LAIrjBe
桜の網に続き三者面談まで読めるとは…。嬉しすぎる。GJ!
千鶴姉さんにぶたれたい。(#´Д`)ハァハァ


136:名無しさん@ピンキー
07/09/29 22:47:56 orQIx/9C
GJ

なんか時ノ瀬先生と良子先生はグルっぽいな

137:名無しさん@ピンキー
07/09/30 01:02:37 WrTfSezN
新作もきたし桜の網もきたし三者面談もきたし最高だwww

138:名無しさん@ピンキー
07/09/30 01:26:08 D2UWEjrc
被虐心は嗜虐心のことかな?

まぁそんな些細なことはどうでも良い。GJ。
つーかお姉ちゃんドSすぎwww

139:名無しさん@ピンキー
07/09/30 03:06:46 Fycl0ePp
>>137
おまい何か忘れてないか?
まあ、今回は短かったけど。

140:名無しさん@ピンキー
07/09/30 15:05:35 KIszrNj6
一週間ぶりに来てみれば・・・
なんなんだよこの神スレは!最高じゃねぇかぁ!
そして遅いかもしれんが桜の網にGJを送らせてくれ!!次のキモウト対決も楽しみにしてるぜ!

141:名無しさん@ピンキー
07/10/01 02:06:30 EwyUwfAK
話の展開上仕方のないこととはいえ、兄(弟)があまりに愚鈍なために妹(姉)の狂気が加速し、最悪の事態へ突き進んでいく
ラブorダイの殺し愛人生なんてまっぴらごめんですな

142:名無しさん@ピンキー
07/10/01 02:17:24 qpHpObap
そのまさかですよ

143:名無しさん@ピンキー
07/10/01 18:29:25 2c67kIkK
このまさかりですね

144:名無しさん@ピンキー
07/10/01 18:53:42 wYy9wCpj
まさかり担いだキモウト
熊にまたがり泥棒猫退治

145:名無しさん@ピンキー
07/10/02 03:25:44 RABtxv3C
まさかりのせいで前スレがえらい事にwwwwwwwwww

146:名無しさん@ピンキー
07/10/02 03:51:48 lbL76afO
ふと思ったんだが。
お前達、Sなキモウトキモ姉とMなキモウトキモ姉、どっちが好みだ?

147:名無しさん@ピンキー
07/10/02 04:17:48 NU/JN2S7
うお、やべぇ何コレ。
何でたったひと月足らずでこんなに進んでるの?

マジびびったわ

148:名無しさん@ピンキー
07/10/02 08:31:56 HKeaf09x
>>146
Mなキモ姉。泥棒猫相手にはドSだとなお良し。

149:名無しさん@ピンキー
07/10/02 12:30:26 ha4NzbL9
>>146
Mなキモウト。兄になら何をされても良いというような

150:名無しさん@ピンキー
07/10/02 13:16:04 kuVnE958
泥棒猫相手にもドM

「さあ!あたしを叩きなさいよ泥棒猫!お兄ちゃんをたぶらかしなさいよ泥棒猫!
 アンタがどんなにあたしを苦しめたってあたしは喜ぶわ!ドMだから!」

151:名無しさん@ピンキー
07/10/02 18:07:11 Hp1Yn94Z
むしろ泥棒猫もドM


「さあ、ヤンデレっぽく私を刺しなさいよ!○○君との近親姦を見せてみなさいよ!
 正直あなたみたいなキモウトは私を喜ばせるのよ!だって私もドMだもの!」

152:名無しさん@ピンキー
07/10/02 18:33:42 Qg+rQYtH
>>150-151
ある意味すごく読んでみたい話だなw

153:名無しさん@ピンキー
07/10/02 18:41:39 /avWiZrz
それにヤンドジがついたら面白くね?


154:名無しさん@ピンキー
07/10/02 19:40:57 CCJuRaVb
Sなキモウト好きは異端?

155:名無しさん@ピンキー
07/10/02 19:46:02 FgpO5/r+
正統です

156:名無しさん@ピンキー
07/10/02 19:51:16 Wel6fXgT
異端どころか多数派かと

157:名無しさん@ピンキー
07/10/02 21:03:31 FtwQUCg3
SでもMでもキモければ一向に構わん

158:名無しさん@ピンキー
07/10/02 22:10:02 umfxravE
むしろSM混合がスタンダードだと思うんだぜ

159:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:41:52 R6p4YnS6
ブラコン+ストーカー+痴女=キモウト?

160:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:04:39 cWJXoiMV
たぶん痴女がなくてもキモウトたりえる。
大事なのは想い。痴女はその産物ってか結果かと。

161:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:13:00 L/lpOcae
エロは飾り。むしろたまには必要以上に潔癖なのも読みたい

162:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:33:50 YRur45zR
アニメダ・カーポ2の朝倉姉妹が空気でEDルートがほぼないだろうと確定しているので
ここでキモウト・キモ姉でも書いて発散したいと思っているのだが

一体、どういう作品を書けばいいのかわからなくて困っている

ベタベタな恋愛物語なのか

修羅場的要素を含んだ要素なのか

スクディみたいにNice Boatオチでいいのか

その辺がちょっとわからないですね。

163:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:50:00 tjeZKIjY
キモ姉・キモウトを含めばなんでもいいかと
とりあえず保管庫を見る事をオススメします


164:名無しさん@ピンキー
07/10/03 02:54:45 T2EOjto4
桜の網とか最初の方見逃したから保管庫待ち

165:名無しさん@ピンキー
07/10/03 03:43:10 L/lpOcae
綾シリーズも4スレ目落ちると見れなくなるから急いだ方がいいお

166:名無しさん@ピンキー
07/10/03 07:27:49 SRUpDqPn
おや、前スレが埋まったようだ

167:名無しさん@ピンキー
07/10/03 08:43:38 1Fx8UfKP
ささやき
えいしょう
いのり
ねんじろ!

おねえちゃんのしたぎは はいになってしまった!

姉「れっつ しょうたいむ♪」
弟「いやぁぁ・・・」

168:名無しさん@ピンキー
07/10/03 15:13:29 6vs5lGQf
* おおっと *

169:名無しさん@ピンキー
07/10/03 16:42:27 0ZPXxOKl
前スレの埋めSSが面白かった

170:名無しさん@ピンキー
07/10/03 16:47:24 hl0VJAmz
今更な質問かもしんないが、義理キモアネ・義理キモウトや、
姉(キモアネ)的存在・妹(キモウト)的存在はありなんだろうか?

171:名無しさん@ピンキー
07/10/03 17:54:24 4PJKtQ8F
義理はあり
姉妹的存在(近所のお姉さん等)は無しって前に話してなかったっけ?

172:名無しさん@ピンキー
07/10/03 20:24:33 SRUpDqPn
>>169
スレが埋まってないけど、また暇なとき書いてもいい?

173:名無しさん@ピンキー
07/10/03 20:40:09 zwwyy0ES
>>172
君の心の中に熱いリビドーが滾っているならば、いつでも書くがよろし。

174:名無しさん@ピンキー
07/10/03 23:44:05 xl3WCQoH
ダメーポで思い出したけど、音夢もキモウトだよな。
・主人公のお古のシャツをパジャマにしている
・病弱設定は主人公を振り向かせる(ある種の)自作自演
・海外の従姉妹から主人公に届いた手紙をこっそり処分
・さくら(従姉妹)ルートでは「あんな魔女にっ…」と主人公を罵倒

惜しむらくは他ルートでは嫉妬分を見せなかったこと、具体的な行動が足りなかったことだな

175:名無しさん@ピンキー
07/10/04 01:19:36 dG61cEOh
2はキモアネがいるんだっけ?何気にやるな。

176:名無しさん@ピンキー
07/10/04 09:48:23 C2PDfsVh
確かに音夢のキモウトSSとさくらの嫉妬SSは二次創作サイトでもよく見かけるな

177:暇つぶし ◆8VZdN8eVUI
07/10/05 03:58:41 3Ycx52Hk
「キモ姉妹のSM談義が弟たちの間で行なわれたようね」
「お前はSとMどっち?」
「馬鹿ね。私はいつでもどこでも、どちらにでもチェンジ可能よ」
「さすが売女」
「…って、何で貴様がここにいる。『過去』スレ」
「知れたこと。ここは私のスレだからよ」
「とうとう頭まで病んでしまったか」
「↑」
「記号で喋るな」
「上を見なさいってことよ」
「上?」
「なんて書いてある?」
「え?『確かに音夢のキモウトSSとさくらの嫉妬SSは二次創作サイトでもよく見かけるな』だけど?」
「GIFT使っちゃえばよかった!!」
「いや、作品違うから。あと意味もわかんない」
「そうじゃなくて、もっと上よ。もっともっと」
「もっと?私の『キモ姉&キモウト小説を書こう!』とか?」
「それよ」
「それがどうかしたの」
「あんた馬鹿?まだわからないの?それこそが私がここにいる理由じゃない」
「はぁ?私の名前にケチつけたいってこと?」
「『私』の名前?違うわよ。あれは、私の名前よ」
「!!な、何言ってんのよガキ!あれは本スレである私の」
「証拠は?」
「しょ、証拠?」
「そう、証拠。あれがお前の名前っていう根拠は?」
「根拠も何もあれは私のれっきとした名前よ!!」
「でも、お前…ないじゃない」
「何が」
「part番号が」
「―!!」
「だから、ここは私のスレ『かもしれない』ってわけ。まだまだ死ぬわけにはいかないわ」
「で、でも!番号はもともとあんたが捨てたんじゃない!」 「Nice Work.」
「話を逸らすな!」
「逸らしてないわよ。だってこれは前スレで、お兄ちゃんが私に送ってくれたGJだもの」
「自演乙」
「自演じゃないのよ、これが。ま、だから復活したんだしね」
「それじゃあ、最後の方に書き込みされたあんたの遺書みたいなのは?次スレとして生き返る、みたいな」
「ああ、あれ。ただのお兄ちゃんの悪ふざけよ」
「…マジ?」
「マジよ」
「自重してよ…」
「…そんなにあたしがいると迷惑?」
「迷惑じゃないわ。邪魔なの。排除したいくらいに」
「そう、わかったわ」
「え!消えてくれるの?死んでくれるの?」
「…条件がある」
「条件?まぁ、いいわよ。キモウトが消えてくれるのなら多少のことは我慢してあげる」
「二言はないわね?できなかったら、私もここにいるから」
「いいわ。で、何よ」
「―『未開封』のSch〇ol daysかSum〇er days」
「――!!?」
「これが条件よ」
「ま、まさか…そんな。…汚い…」
「できないの?」
「できない…。だ、だって、たかだか30分のアニメじゃない!!」
「じゃあ、私はここにいるから」
「いやぁぁぁぁああああああ!!」
「あーはっはっはっは」


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