07/09/13 01:33:50 KvX42bdl
(舐める・・?)
一瞬何を言われているのか分からずキョトンとする芽留。
「音無さんのお口で、舐めて欲しいですよ。・・ダメですか?」
望も実はドキドキしていた。
彼は風俗以外でフェラをしてもらったことがなかった。
真性包茎のアレを見ると、女性達は汚らわしそうに触る事すら嫌がったから。
だが、幼い芽留ならしてくれるかもしれない。
彼は少女の無知を利用していることを恥じたが、欲求を止められなかった。
芽留は可愛らしく小首を傾げたが、すぐにコクリと頷いた。
望は体を起こして、改めて畳の上に胡坐をかいた。
そして、どうすればいいのか分からない様子の芽留を招き、4つんばにさせて顔を股間に導いた。
ミルクの匂いと淫靡な匂いが交じる。
あどけない顔に汚らしい腐肉が突きつけられた。
芽留は黒目がちの大きな目をまん丸にして、絶棒を見詰めた。
どうやら、好奇心が恥ずかしさに勝ったようだ。
(本当にゾウさんみたい・・。)
なんだか、芽留には絶棒が可愛く見えた。包茎だから余計そう見えるのだろう。
ジロジロ見られていると、なんだか屈辱を感じ、望は声をかけた。
「して・・いただけませんか。舌で少し舐めてくれるだけでいいんです。」
(生徒にこんなお願いするなんて。私は本当に最低です。)
芽留は、排泄器官を口にすることに少し抵抗があったが、結局好奇心と愛がそれに勝った。
顔を近づけ、サクランボ色の唇を異臭を放つ排泄器官に寄せる。
小さな舌でそっと舐めた。
そのままチョンチョンと舌でつつく。
どうもやり方が良く分からないようだ。
「・・ソフトクリームを舐めるような感じで・・。」
ベタベタな指導をすると、芽留はコクリと頷いてペロペロ舐め始めた。
いかにも稚拙な動きだが、幼い顔立ちの美少女が自分の絶棒に口を寄せているのを見るのは刺激的だ。
84:3章④新たなる男へ
07/09/13 01:35:48 KvX42bdl
やがて慣れてきたのか、芽留は舌以外にも唇も使って絶棒のイロイロな部分にキスをしていった。
芽留が顔を動かすたびにツインテールがフルフルと揺られ、望の太ももをくすぐる。
と、芽留の動きが変わった。
包皮と亀頭の間に舌をいれ、小さな手を棒に添えて皮を引っ張っている。
どうやら剥こうとしているようだ。
(無駄ですよ。)
芽留の献身ぶりに驚きつつも、望は絶望の吐息を吐いた。
望はいくつもの外科を回っていたが、結果はいつも散々だった。
性感帯の関係で無理に切ることができず、更に包皮と亀頭の癒着が強いので一生治らないというのだ。
少女に感謝の念だけでも伝えようと、下を見たときありえない光景が広がっていた。
少しづつ剥けて来ていた。
芽留が繊細な動きで舌をチュッチュと皮と亀頭の間に差し入れ、少しづつ皮を下げていく。
すると、望自身も見たことのないキレイなピンクの表面が現れていく。
(こんなことがあるものなのですか!)
と、望の携帯にメールが突然入る。
股間の刺激に耐えながら見ると、また知らない番号だ。
『記念撮影 乙』
(何を言っているんですか、こういう記念撮影がイタイんですよ!親のHシーンの写真とか絶望的じゃないですか!)
望はカメラ機能の付いていない自分の携帯をポイと投げ捨てる。
近くに落ちていた芽留の携帯を掴み、カメラモードにする。
言う事とやる事がズレていても全く気にしない男。それが、糸色望である。
そして、絶棒とそれを口にしている少女にピントを合わせるとシャッターを切った。
携帯が向けられていることに気付いた芽留は、ちょっと驚いた様子だったが、すぐに剥く作業を再開した。
携帯に見せ付けるかのように芽留は絶棒に舌を這わせ、剥いていく。
まるで、『この人を男にするのは私です』と言っているかのようだった。
ある程度まで剥けた頃、芽留が皮を引っ張るとズルリと一気にすべての皮が剥けた。
「・・ん・・・あぅうう!」
望はその瞬間、まるで女性のように悶えてしまった。
おそるおそる自分の股間を見ると、(彼にとっては)感動的なオブジェがそこに存在した。
望の絶棒は、今やすっかり剥けてピンクの亀頭を露にしていた。
85:3章⑤恋人達
07/09/13 01:37:28 KvX42bdl
何故か膨張率・硬度・太さも数倍になり、あのションボリな象さんが凶悪なマグナムとして生まれ変わっていた。
芽留は、その変身ぶりに驚いてマジマジとマグナムを見ている。
望は、感動して芽留の頭に手を置いて撫でた。
「音無さん、いや、芽留。ありがとう。私の絶望を一つ除いてくれてありがとう。」
望は男のくせに、喜びと感動と・・・彼女に対する愛しさで泣いていた。
うれしそうに芽留はにっこりした。
自分でも好きな人のために何かができた。
芽留はそのことが単純に嬉しかった。
望は、目の前の少女を本気で愛してしまっていた。
健気で、疑う事を知らない純粋な魂は、どこまでも透明で美しかった。
毒舌メールに隠された、弱くて儚い心を、むしょうに愛おしく感じた。
反則的なまでに、少女はキラキラと輝いていた。
少女を想うと、マグナムは痛いくらいに勃起し、ビクビクと脈打った。
「芽留、やっぱりコレをあなたの中に入れさせてもらっていいですか?」
ちょっと遠慮がちに望は言った。
芽留は少し驚いたように望を見たが、すぐにツインテールの頭を揺らして頷いた。
86:3章⑥愛の儀式
07/09/13 01:39:07 KvX42bdl
望が芽留に覆いかぶさり、なだらかな縦筋にマグナムとなった絶棒を押し当てる。
望が腰を進めて割れ目の奥に絶棒を突き入れる。
「ーーーーっ!!!」
強烈な痛みが芽留を襲った。体がバラバラに吹き飛ぶほどの痛み。
歯をギリギリと食いしばる。
望はゆっくりゆっくりと侵入し、膣肉を分け入っていく。
すでに一度貫通したはずのそこが、まるで別物かのように異物の侵入を拒んでいた。
皮肉な事に、健気な献身のせいで絶棒は少女を苛み苦痛を与える醜悪な怪物へと変化していた。
絶棒が4分の1ほど入った所で、望はこれ以上は無理だと判断し腰を止めた。
芽留は歯を食いしばりすぎて、口元から血を流していた。
体も苦痛で痙攣している。
芽留は大きな黒目で続けてくれと哀願したが、望は首を振った。
「芽留、焦る必要はないと言ったでしょう。私達は恋人なのだから。」
―恋人
甘美な響きに、芽留は自分の恋が実ったのを知った。
痛みも忘れ、嬉しそうに首をコクコクする。
望は結合部に手を伸ばした。
小さな割れ目は一杯に広げられ、無残に充血している。
望は優しく割れ目の丘陵を撫でてやる。
そして、指を縦筋に入れ、クリトリスを優しく弾いた。
「…あ…あぁあ…あぁああああ…ぁ…」
すると、芽留はたちまち甘い声で悶え始める。
愛液がトロリと噴きだしてきた。
ふと思いつき、望は芽留の携帯を再び拾い、カメラモードになっていることを確かめる。
片手で携帯を構えながら、もう片手で芽留の幼い秘裂を愛撫していく。
ハメ撮りしちゃおうというのである。
87:3章⑦の①カメラ
07/09/13 01:40:33 KvX42bdl
幼い秘裂を優しく撫でてから、突起物を刺激する。
「あっ…ああっ…うっ…んっ…んくっ…」 カシャリ
芽留が体を震わせて喘ぐと、望はその姿態を携帯に収めた。
男が携帯を構えているのを見ると、少女は恥らったが止めてという仕草はしなかった。
望はさらに執拗に少女の股間をまさぐり、次々と快感を与えていく。
「あ…あうぅ…んっ…んんっ…」 カシャリ カシャリ
芽留は何度も敏感に反応してシャッターチャンスを提供する。
自分のHな姿が大好きな携帯に残されているのだと思うと、芽留は妙に興奮してきた。
上気したあどけない顔を携帯に向ける。
「笑ってみて。」
芽留が自分のカメラワークに協力してくれるの察し、望は言う。
芽留はにこっと笑う。カシャ
嵌められたままニッコリとするツインテールの幼女が画像に残った。
と、望は芽留の携帯にビデオモードが付いているのを発見した。
芽留の最新式携帯は、5分くらいなら高画質&音声付でビデオを回せるのだ。
「芽留、ビデオモードで行きますよ。」
流出したら大変な事になるというのに、恋に酔っている2人は周りが見えなくなっていた。
「スタートです。」
88:3章⑦の②ビデオモード
07/09/13 01:41:34 KvX42bdl
《録画中》
小学校低学年ほどのツインテールの少女が真ん中に写る。
前髪がキレイに揃えられ、あどけない顔立ちながら、なかなかの美少女。
黒目がちの大きな目とキレイに分けられたツインテールが特徴的だ。
学校の制服を半脱ぎにされ、小柄で華奢な白い裸体の股間には、すでに凶悪な肉棒が突き刺さっている。
嵌めている男が小さな乳首に手を伸ばし、摘んでコリコリとしてやる。
画面の少女は感じ始めたようで、頬を上気させ小さく喘ぐ。
男の手は下に伸びて行き、秘裂へと到達した。
縦の筋は、無毛でいかにも幼い器官だ。
男が少女の股間を愛撫すると、少女は声を発して欲情しはじめた。
『あっ…あぁ…はぁはぁ…』
どこか舌足らずな声で、甘く切なげに囁く。
89:3章⑧ビデオモード2
07/09/13 01:42:40 KvX42bdl
突然股間の結合部がアップになる。
男の指が、ぷっくりとした縦筋に侵入し、中をかき混ぜる。
すると、結合部のアップと少女の痴態が交互に映される。
『んあっ…あっ…んくっ…ひっ…ああぁ…』
幼い少女は、年齢不相応に敏感のようで、快感に悶え喘いでいる。
割れ目から透明な液体が滲み出てくるのが分かる。
と、男の指が画面から少しだけ確認できる美しいピンク色の突起に指を伸ばした。
『んくっ…んっ…うっ…あっ』
映像が再び、少女のなまめかしい姿態を映す。
少女は自分の乳首を摘み、痛いほどにこね回している。
さらに、画面外の男が小刻みに動き出したようだ。
少女の小さな体がゆらゆら揺れ始めた。
小刻みに動きつつ、男の指が突起物に愛液を塗りたくる。
『あっ…あぁ…ああぁ…んっ…んんんっ…んくぅ…』
少女は、たちまち身も世もないほどに切なげに悶え始めた。
少女は、まるで見せ付けるかのように画面に向かって喘いでみせる。
大きな黒い瞳は激しい快楽へのために美しく潤んでいた。
小さなピンクの唇はだらしなく半開きになり、口の端からボタボタと透明な液体が泡交じりに落ちる。
少女の細すぎる腰は、大胆に蠢き振られている。
彼女が本気で感じているのが分かる。
突然、少女のあどけなくも恍惚とした表情が切羽詰まった顔になる。
『あ…はぁん……ぅ…うぁ…はぁん……あぁあぁああぅあはぁああんっっっ!!!』
ひときわ大きな声を上げると、少女のアクメ顔がバッチリと映像に残された。
イッた後特有の、物憂げな表情で少女はこちらを見る。
画面が突然暗転
《録画終了》
90:3章⑨変化
07/09/13 01:43:54 KvX42bdl
「芽留っ。」
芽留の痴態にもはや我慢できなくなった望は、携帯を投げ捨て、彼女に覆いかぶさった。
芽留の幼ない顔を自分の方に向けると、少女の可憐な唇に自分のそれを捺し、強く吸う。
「んっ…」
ちょっと驚いた芽留だったが、華奢な腕を上げて男の首に回しからめた。
望の長く赤い舌と芽留の小さなピンクの舌は、すぐに求め合う。
2人の唇の間から漏れた唾液が糸を引いて流れていく。
何時の間にか、絶棒は芽留の小さな蜜壷に半分以上収められていた。
すでに少女の最深部に到達しており、これ以上入れるのは無理である。
ピロリロリ~♪望にメールである。
怒りに震えつつも、律儀に携帯を拾う。知らない番号。
『ロープ!バッーク!ロープ!バッーク!』
メールを見たとたん、”ぐゎんば”と望の目が見開かれる。
四肢に力がグングンと満ち、鼻息は荒く、絶棒はすさまじいほどの硬さ・反り返り・膨張を見せる。
携帯を投げ捨てる。
望は切羽詰まった状態で、教え子に迫った。
「芽留・・!お・・犯したい・・!犯させてください!」
はぁはぁと荒い息を付き、男はナニヤラ危険な状態になっていた。
「????」
芽留には、犯すのと愛し合うのと何処が違うのか分からなかった。
が、余りに必死な恋人の姿に思わず小さく頷いていた。
91:3章⑩終わりの始まり
07/09/13 01:46:15 KvX42bdl
芽留がコクンと頷くのを見た望は、カカッと魚の目になった。
「きしゃぁああああああ!!!!」
不気味な雄叫びを上げる望。
突然、芽留をひっくり返してうつぶせにさせた。
一瞬キョトンとした芽留は、想い人の姿を求めて上半身を起こそうとする。
が、望は芽留を上から押さえつけ、細い両手を掴み、強引に背中に回した。
その辺にいくつもある首吊り用の縄のうち、手ごろなのを1つ取る。
華奢な細い腕がきつく巻き上げられ、前にロープが回っていく。
膨らみがほとんどない乳房にロープを食い込ませ、半脱ぎの制服ごとしっかりと縛った。
早業のような望の動きに、芽留は相変わらずキョトンとしていた。
「????」
後手にされ、手を動かせない芽留は、何が起こったのか分からないというように小さな裸体をくねらせた。
緊縛された体ではうまく動けず、首だけ後ろに回して不安げに望を見る。
と、彼は芽留の首根っこを掴んで畳に押し付け、芽留の小さすぎるお尻を軽々と抱えた。
芽留は後手を縛られたまま、うつぶせになり、お尻を上げた状態になる。
恥ずかしい気分になり、お尻を下ろそうとしたが、望はがっちりお尻を掴んで許さない。
少女の後から覆いかぶさると、小さな割れ目をこじ開けてバックからずぶずぶと貫いた。
「うぅ…あっ…あぁああ…いい…いいぁああ」
芽留は華奢な体を震わせて、喘いだ。一気に深く貫かれる。
92:4章①犯されるということ
07/09/13 01:47:28 KvX42bdl
芽留の腰をぐっと掴み、力強くじゅぶじゅぶと音を立てて、穴の中を乱暴に蹂躙し始めた。
「あっ、あっ、あひっ…ひゃ…ぁああっっ…あぁあああっっ!!」
突然の力強い動きに、芽留は翻弄されて喘ぐ。
一見乱暴ではあるが、その動作は良く見ると繊細な動きを見せていた。
突く角度・深度・強さすべてに変化をつけて、肉穴を自由に蹂躙していた。
「…あっ…あうっ…うっ…ぅ…ぁ…あぁぁ…ぁっ…んんっっ…っ!」
そしてなにより芽留を狂乱させていたのは、絶棒が突かれた瞬間であった。
絶棒は、芽留の肉穴にある最も危険な性感ポイントを探り出し、そこをグリグリと突くのである。
ポイントを突かれる度、芽留は全身を駆け巡る凄まじい快感に翻弄された。
「やっ…いやあっ…あっ…ああっ…ああぁああっ…やあっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あぁあああああああっっ」
芽留は、幼い肢体をくねらせ、ひぃひぃと悶え狂った。
「あっ、あっ、あっ……、あぁん……きゅぅん……あぁん」
望は激しく少女を陵辱しながら、彼女を縛っているロープの端を取った。
そして、ギリギリと締め上げる。
縄が少女の柔肌に食い込み、すさまじい苦痛を与える。
「ぐあああ…………ああああ…ああ!!!!!!!」
腕が折れるかのような激痛が全身を襲い、芽留は悶えた。
大きなまん丸の瞳がこれ以上ないほど見開かれ、ツインテールがぶんばぶんばと激しく振られる。
しかし、悶えれば悶えるほど縄はギリギリと肌に食い入り少女を責めるのだ。
と、望はロープの締め上げをやめ、ロープの端をポイと投げる。
男にしては白い手を伸ばして、振り乱される黒い綺麗なツインテールを両手で片方づつ掴んだ。
乱暴に思いっきりツインテールを引っ張る。
「ーーーーっ!!!!!!」
ぶちぶちという音とともに、綺麗な髪が数本抜け落ちた。
細く白い喉は反らされ、口は酸素を求めて空しくパクパクと喘ぐ。
大きな黒い瞳は焦点がぶれたように朦朧としていた。
暴力の嵐が幼い少女を襲い、『犯される』という意味を体に刻み込む。
93:4章②女としての音無芽留
07/09/13 01:49:12 KvX42bdl
だが。
彼女を薙ぎ倒したのは、苦痛ではなかった。
燃えるほどの熱い快感と、あまりに危険であまりに甘美な屈服感。
それが、麻薬のように芽留の小さな体を廻っていった。
愛する人によって屈服させられ思うがままに蹂躙されるという倒錯的な悦びに震える。
有無を言わさず辱められ、徹底的に嬲りものにされて穢されるという背徳行為に芽留は完全に陶酔していた。
彼女の中で封印されていた『女』が一気に爆発した。
とたんに芽留はお腹の奥に強烈な光のイメージを感じた。
子宮の奥の奥にある器官が燃え上がり、強烈な光とともに、何かを排出したのを感じる。
(……卵……??)彼女の脳裏に丸い卵のイメージが浮かぶ。
イメージが頭に浮かんだのはほんの一瞬。
続けざまに襲う快楽と苦痛と悦びに少女は真っ向から答え、変化していった。
「んっ…むはっ…うっ…はあっ…あんっ…あぁんっ…くっ…ん……ああっ…ぁああぁん…。」
男の残酷な暴力に合わせ、芽留は淫らに激しく華奢な腰を振りまくった。
小学生の様に幼くあどけない顔立ち。
淫欲に甘くゆるみ、頬は被虐の悦びに染まっていた。
ぱっちりと黒く大きな瞳。
透明な快楽の涙に濡れ、色めいた艶を帯びている。
小ぶりなサクランボ色の唇。
だらしなく半開きになって、舌を突き出して物欲しそうに喘ぎ、口の端からダラダラと淫靡なヨダレを噴き出す。
可愛らしく揃えられた前髪。
淫らな運動による汗でべっとり額に張り付いている。
ガラスの様に儚く小柄で細い肉体。
快楽によってピンク色に上気し、男に貫かれる度に淫らに震え、よがり狂っていた。
音無芽留の全てが、糸色望の色によって絶望的な淫欲に染まっていた。
突然、望が叫ぶ。
「くっ!!……絶望した!もう出そうです!」
94:4章③愛と性
07/09/13 01:50:41 KvX42bdl
望は急いで絶棒を引きぬいた。
そして、芽留のお尻に顔を埋め、愛液を一杯に湛えている割れ目にむしゃぶりつく。
一息つくと同時に、愛する少女の蜜壷を徹底的にほぐそうというのだ。
10本の指と舌を使い、持てるテクニックすべてを駆使して中を掻き混ぜ、吸いたてる。
「うぅ…あっ…あぁああ…ひぃ…あっ、あっ、あぁっっ!!」
純粋な快楽が渦となって、小さな体を巻き上げる。
何度も何度もアクメに達せられる。
「……じゅぶ……じゅるるぅ……芽留、先生思いっきり中に出しますからね。」
その時芽留はふいに気付いた。さっきのイメージが、自分の初めての排卵の瞬間だと。
(中はダメって、い・・言わなきゃ!!)
芽留は後を向いてパクパク口を動かすが、望は全く気付かない。
(声を出さなきゃ…)
が………。
彼女は、自分のイメージに出てきた卵に強烈な『母性』を感じていた。
今受精しなければ、卵は初潮として排出されるだけ。
彼女は卵を守りたかった。
「あんんっ…んっ…あっ…はぁーっん……んんんっっ!」
望の巧みなテクニックによって、強烈な快楽を与えられると芽留の淫靡で危険な『真意』が暴かれる。
拘束され、バックから貫かれて大量の子種を強制的に植え付けられたい。
欲望と暴力による一方的な汚辱によって、獣の種を受精させられ、絶望の証を孕まされたい。
「あっ…ああっ…っ…はっ…ぁふぅっ……ん…」
禁忌な絶望願望に淫らに悶えつつ、そっと自分の小さなお腹に手をあてる。
(お母さんが、必ず孵してあげる。)
その目は、今までの消極的なもじもじ少女のものではなかった。
愛と性によって成長した、大人の女の目だった。
95:4章④体で伝える事
07/09/13 01:52:03 KvX42bdl
たっぷりの愛撫で、芽留の蜜壷は物凄い大洪水となっていた。
幼い割れ目から、ぼたぼたと床に愛液の雫が冗談のように大量に零れる。
望は最後の決戦の時が来た事を知った。
(・・・まさかあの奥義を使える日が私にも来るとは。)
芽留のお尻を高く上げてがっちりと掴む。
バックから絶好の角度で絶棒をピタリと小さな割れ目に当てた。
「望家奥義、つぶし糸掛け!!!」
意味不明な奥義名を絶叫すると、芽留の蜜壷をつぶすように、望は力強く貫いた。
「…ひゃぁっ…あぁ…あぁあ!!」
今までにない角度で突き入れられ、芽留の白い首筋が跳ねた。
肉襞をゴリゴリと擦り上げ、内部にあるあらゆる性感ポイントを的確に連続して突いて行く。
同時に、少女のピンクの突起物がブルブルと激しく弾かれ刺激される。
「あ!あっ…ひっ…ぃい…い! あっ、あぁああっ…!」
あらゆる快楽が少女を昇天へ導こうと集まってくる。
望むは、強烈な快感を破裂させながら何度も幼い縦筋を力強く貫いていく。
望の絶棒がグッと膨張する。
望は端整な顔立ちを苦しそうにゆがめた。
歯を食いしばり、助走をつけるかのように、一気に入り口まで戻す。
芽留は、本能的に次が最後の突きとなることを悟った。
彼女は、全ての仮面を投げ捨て、自分の想いを結実しようと動いた。
深い深い陵辱をねだって、芽留は小さなお尻を男に向かって高々と突き上げる
細い足を一杯に開いて、割れ目を精一杯に広げる。
ほっそりとした腰を淫らに蠢かせ、小さな白いお尻を小刻みに揺らして男に媚びる。
言葉だけが気持ちを伝える手段ではない、体でも気持ちを伝える事ができる。
芽留は、体全身を使って淫らな求愛のダンスを踊り、狂おしいほどの想いを伝えようとした。
愛おしい少女の求愛の感情が望にビンビンと伝わる。
淫靡な光景に望の欲望が強く刺激される。
96:4章⑤絶望できない絶望先生
07/09/13 01:53:17 KvX42bdl
「この状況じゃ絶望できませーーーーーーーーーーーん!!!!!!」
大きく吠えると、望は全体重と、全魂をかけて思いっきり突き込んだ。
「あぁああああああああああああああああっっっ!!!!」
信じられないほど深々と絶棒が芽留の小さな蜜壷に突き入れられた。
ずぶずぶずぶずぶずぶ……。
「ああぁあ…ひあぁ…い…いいぃぃぃいいいい!!!」
2つの性器が凄まじい摩擦を生じ、快楽の嵐が吹き荒れ、芽留は悶え狂った。
愛液がぴゅぴゅびゅと凄まじい勢いで乱れ飛ぶ。
「あひっ…やっ…あぁあああっ…い…いっ…すっ……ご…ああっ。」
芽留が夢中で男に向かってお尻を精一杯に突き上げると、さらにズボズボズボズボと絶棒が深く侵入する。
深い陵辱に反応して、芽留の穴壁の突起物が細かく蠢めき、きゅきゅきゅと絶棒を締め上げた。
絶棒の先端と、芽留の子宮口がぴったりフィットすると、
2人の間に圧倒的なまでのまでの一体感と快楽の嵐が吹き荒れた。
「気持ち良過ぎですよ、コレ!出しますよ!!といいますか、もう出ます!」
凄まじいまでのスパークが弾け、芽留は舌足らずな幼稚園児のような声で『言葉』を紡ぎ、絶叫した。
「あっ…あぁああっ……せっ…んせ…あっ…あひっ…やっ…あぁあああ愛…ちてっ…まっっ…すぅぅぅぅぅ!!!!!!
あぁ、せっっ…んせ……の…ひぁ……ぁ赤ちゃやゃ……んっっ、ちょっ…ちょぅぅうだぁあぁぁああああいぃい!!!!!
うあぁあああああああああああああああああああっっ!
97:4章⑥コウノトリ
07/09/13 01:54:52 KvX42bdl
信じられないような絶頂が芽留を襲った。
頭が真っ白になり、体が完全に宙に飛ばされたような感覚。
それと同時に望の絶棒がびくびくと激しく痙攣し、
禁オナ67日目の成果が芽留の小さな蜜壷に恐ろしい勢いで発射された。
少女の肉壁は最後の一滴まで愛する人の迸りを得ようとぎゅうぎゅうと絶棒を絞り上げる。
おびただしい熱い迸りが芽留の子宮の中に注がれ、それは卵管に向かってたっぷりと満ちていく。
芽留の脳裏に、赤ちゃんを運んでくるコウノトリの映像が浮かんだ。
吹き飛ぶ意識の中、彼女は絶のつく熟語を携帯で調べなければと考えていた。
・・夜の校庭の枯れ木の傍に、前髪にX型の髪飾りを付けた少女が携帯をじっと見ていた。
画面には、望が撮った芽留のハメ撮り画像が一杯に映っている。
「仲のいい事です。」
その少女は、クスリと微笑むと携帯の蓋を閉じ・・立ち去った。
98:エピソード
07/09/13 01:58:21 KvX42bdl
(後日談)
4月。春、それは始まりの季節。恋が生まれ、夢が生まれ、喜びが生まれる。
芽留は学校に来ていた。
そのお腹はぷっくりと膨らんでいる。
小柄な彼女だから、お腹も目立つ。
赤ちゃんに悪影響になるといけないので、芽留は携帯を持ち歩くのを止めた。
小さな子宮で、赤ちゃんはスクスクと順調に育っていた。
芽留は停学になったが、問題はない。
2のへ組、全員が留年しているのだから。
2のへ組のみんなと今は校庭にいる。
風浦可符香が芽留の手を引き、転ばないように注意していた。
望の周りには、千里とまとい……それに小森も来て何やらガミガミと言っている。
例の枯れ木は、抜かれなかった。
2のへ組全員で陳情したところ、あっさり決定は覆った。
実のところ、千里が一睨みしただけで校長は震え上がったのだが。
その後、2のへ組全員で世話をしている。
「あっ……。」
芽留の目に、例の木が新芽を吹き、一輪の花をつけているのが見えた。
望が照れくさそうにしながらも、にっこりした。
糸色芽留は、満面の笑顔で笑った。
<終わり>
99:名無しさん@ピンキー
07/09/13 01:59:15 KvX42bdl
<あとがき>
読んでくださった方、スルーしてくださった方、すべてに感謝いたします。
番号付け間違いありますねorg。絶望した!
ああ、公共に毒電波流してごめんなさい!アホエロな自分に絶望した!
・・・昨日徹夜でコレ書いてたので、即寝ますw。(仕事あるのに何やってんだorg)
不思議な毒電波の話。
①望×芽留純愛書こう→②何故か犬調教・スパンキング・言葉攻めを書いている自分→③書き直しorg
①最後は芽留が必死に『中はダメ』と声を出し、言葉を取り戻す話にしよう→②赤ちゃん大好き♪
ホント、毒電波は恐ろしい。
100:名無しさん@ピンキー
07/09/13 02:00:27 CcnMIDje
勃起した!
毒電波で描かれたSSで勃起した!!
101:名無しさん@ピンキー
07/09/13 02:14:35 AB1uLosz
GJ!なんという長編……いや、超編……芽留分が補給されすぎて溢れ始めた。
もはや芽留という文字を見るだけで妄想が迸る。由々しき自体だ、絶望した!
しかし、前スレから異常に流れが早いな。
一ヶ月で消費し切った前スレの勢いに乗じて、このスレも既に1/10消費済みとは……
神々の豊作リッチ、恐るべし!
102:名無しさん@ピンキー
07/09/13 02:24:21 /atNIgac
可符香wwww
103:名無しさん@ピンキー
07/09/13 03:19:38 MaMwdsbi
なんですか、今月は芽留強化月間ですか
素晴らしくGJですよ皆様
104:名無しさん@ピンキー
07/09/13 17:50:44 ENxFu9Jl
三珠さんスレが立った&アニメで「ベタ・セクスアリス」やるらしい記念に、
マヨ目線の短いポエム(?)を書きました。
恥ずかしいけど灯火します。真夜ラーが増えたらいいなあとか思いつつ・・・
逆に減るような気もしつつ・・・。
105:名無しさん@ピンキー
07/09/13 17:53:06 ENxFu9Jl
私、よく人から誤解されるんです。
私、好きな人にいたずらしちゃうんです。
わかってる、おかしいことだって、いけないことだってわかってる。
でも、しょうがないじゃない。
私はずっとそうやって愛されてきたんだから。
私はずっとそれが愛だと思ってたんだから。
でも、どんなにニブい人だって、高校生にもなれば、おかしいことだって気づく。
普通じゃないってわかってる。駄目なことだってわかってる。
でも、ダメなの、止められないの。
これが私の愛なんだもの。
受け取って欲しい、私の思い。
銀色の羽根を受け取って。
真っ赤な情熱があなたを包むわ。
あ・な・た・を・ホームラン。。。
誤解しないで。
私はあなたが好きなの。
私はあなたが好きなだけ。
私はあなたが好きなんだから。
106:名無しさん@ピンキー
07/09/13 17:53:50 ENxFu9Jl
空清め無くて吸いません。でも、真夜ラーはいるんです。
ですから、キャラスレ等でたまに見かける、マヨを悪く言うのはやめてくださいね。
そんなつもりじゃなかったのなら完全な被害妄想です。すいません
最後まで空気読めなくてすいません。
107:名無しさん@ピンキー
07/09/13 19:59:58 zJ1S1woO
>>105
どことなく羽美ちゃんを感じた
108:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:05:25 zcIpxlyG
>>106
最近あまり話しに絡んでこないので忘れがちでしたが
あなたのポエムで一気に真夜ラー化しました
ところで
「カエレ分が足りねぇ」という神のお告げを受信したので
前回の投下の後、カタカタと1本書いてみました
ということで、自分も、空気も流れも読まずにスパーンと投下させて頂きます
109:第二の女 1/11
07/09/13 22:06:36 zcIpxlyG
正直な話、顔に関しては余裕で合格点だ。ときどき、私も負けているんじゃないか、と思うくらいに、
あの色白の顔が綺麗に見えることがある。
ファッションに関しても、まぁ及第点。地元での軽い格好も、最初は少し驚いたがそれなりにセンス
は認められた。その上で和服も着こなせるとなるというのも、ポイントは高い。
良い家の出だから、財力も礼儀作法も、特に問題なし。曲がりなりにも教師だから、頭も良い。
そこまでは、ほとんど理想像と言ってもいいくらいの成績だ。
………けれど、ただ1つの、重大な欠点は。
「そこまで揃ってて、なんであんな性格してんのよ!!」
そう。あの、腰の引けた情けない性格だけは、どうしても許せない。それこそ、こうして思わず声に
出して叫んでしまうほどに。
「(日本は亭主関白の国じゃないの!?『黙ってオレについて来い』でしょ、普通!?)」
私は普段から、ああして周りにつんけんして見せているけれど。それも、ちゃんと理由があってのこと
なのだ。あの私の強気な姿を見て、それでもなお「いいから黙ってついて来い」と胸を張って言って
くれるような男性………私は、それを求めているのだ。欲しいのは、あんな腰の低い態度や情けない
謝罪の言葉なんかじゃ、決して、ない。
「(あー!あーーーーッ、もう!!)」
本当なら、無理矢理にでも先生と一緒になって、それからあの性格を矯正していきたいくらいの気持ち
だけれど、なかなかそうもいかない。私にも、女としてのプライドがある。今の情けないままの先生に
簡単になびいてしまっては、なんだか………何かに、負けてしまう気がするのだ。
「(たまには男らしい所見せなさいよ!きっかけも何もありゃしないッ!!)」
抱き枕に爪を立てながら、ベッドの上でばたばたと両脚を振り回す。最近どうも、こうして苛々する
ことが多くなった気がする。それもこれも全て、先生の所為だ。絶対にそうだ。
すると。
『………今日も荒れてますわね、カエレちゃん?』
「っ!」
頭の中で、声がする。
一瞬ビクリと身体を震わせてから………しかし、それ以上は特に驚くことも無く。他の人間には決して
聞こえないその声に向かって、私は、同じく他の人間には聞こえない声で話し掛ける。
「(………うるっさいわね。何しに来たのよ、楓。)」
頭の中に住む、もう1人の私………楓は、クスクス、と微かな笑い声を上げた。
楓は、私が日本での生活の中で、文化の違いに押し潰されそうになったときに生まれた、第二の私だ。
つまるところが、二重人格。正確には、私の中には他の国で生まれたもっと沢山の人格が住んでいて、
ほとんど1つの世界を形成しているようなものだから、多重人格、という言葉が正しいけれど………
楓以外の人格が積極的に自己主張をしてくることはほとんど無いから、二重、と言っても問題無い。
楓が生まれたばかりの頃は、私も意識を乗っ取られるのが怖くて、無理に彼女を意識の闇の底へ押し
込めておこうとした。二重人格の人間など、一般的な社会では、そうそう受け入れられるものではない
からだ。その反動か、その頃は、私の身体の中で私と楓が主導権の奪い合いをし続けているような有様
だった。
だが。あのクラスに入ってからは、事情が変わった。
私の二重人格を知っても、あのクラスでは誰一人として、私を避けたり、特別扱いするようなことは
無かった。クラスメイトも………先生も、含めて。
それも、私がこうして先生を想い苛立つようになった原因の1つだ。二重人格のことを知っても、
結局次の日には何事も無かったかのように接してくれた身投げを止められる、なんて大事件の後で、
少し顔を合わせづらかったのに、そんなことはまるで無かったとでもいうように接してくれた。
そのことで、私は不覚にも心をときめかせてしまったのだ。
………まぁ、そのことはともかくとして。
そうして、無理矢理押し込める必要が無くなった楓と、私は徐々に、意図的なコミュニケーションが
取れるようになってきた。今は、なんというか、生意気な妹が出来たような感覚だ。傍から見れば、
頭の中の人格と会話をする危ない人間、と思われるのかも知れないが………正直あのクラスに居ると、
そんなことはどうでもよくなってくる。アクの強過ぎるクラスメイトの存在は、私にとっては、幸い
なことだった。
110:第二の女 2/11
07/09/13 22:07:10 zcIpxlyG
『最近ずっと、先生のことで苛々なさってますわね。』
「(………放っといてよ。)」
こうして、会話をするようになってから………楓の正確も、かなり変わった気がする。なんというか、
私の性格の一部が乗り移ったような。私にも、楓の持っていた、男性に対して一歩引いてしまう部分
が伝染ってしまったような気がする。
『久々に、カエレちゃんのお眼鏡にも適いましたかしら?』
「(だから苛々してるんでしょ。少し黙ってなさいよ、もう!)」
『相談くらいしてくれて宜しいのではなくて?私だって………先生を、お慕い申しておりますのに。』
お慕い申しておりますのに、の部分だけは、心底真面目な声になる。楓も、他のたくさんの私達も、
結局は元の私、「木村カエレ」から枝分かれした人格だ。性格も言葉遣いも大きく違うけれど、根幹の
部分は、全員が共有している。
つまり、人間の根底にあるもの………食欲、睡眠欲、そして余り考えたくはないけれど、性欲………に
根差している嗜好は、ほぼ共通しているのだ。全員、糸色先生に好意を持っているのは、間違いない。
『ねぇ………もっと、素直におなりなさいな。』
「(それが出来ないから、苛々してんのよ………あんたも私なんだから、解かるでしょ。)」
『もう。いつものカエレちゃんみたいに、思うことは包み隠さず打ち明けたら宜しいのに。』
「(………あんた、ちょっと前まで『女は3歩引いて~』とか言ってたじゃないのよ。)」
『それは、それですわ。お慕い申し上げる殿方にひたすら一途、というのも、大和撫子の姿でしてよ?』
「(………あーもう、うるさい!ちょっと寝てなさいよ!!)」
はぁ、と、頭の中で楓が溜息を吐くのが聞こえた。………いや、それとも今のは、私自身の溜息だった
ろうか。もう、頭がぐちゃぐちゃで、何がなんだか解からない。
『………そうですわ。』
やがて頭の中で、楓が、何かを閃いたような明るい声を上げた。
「(………何よ………?)」
『カエレちゃん、糸色先生が男らしくなさってくれないから、踏み出せずに居るのよね?』
「(………いちいち聞かなくても解かるでしょ。)」
そして。
『ということは………男らしい糸色先生の姿を見たら、少しはお気持ちも変わりますかしら?』
その声のトーンが、すぐさま………何かをたくらんでるかのように、低く、落ちる。
『そうなのよね?それなら………ひとつ、考えがありますわ。』
「(………ちょっと………何、考えてんのよ、楓………?)」
私の返答を待たずに結論を出した楓は、また、クスクスと笑いながら………。
『じゃぁ………申し訳ないけれど、少しだけ………。』
「(え………っ………!?)」
突然、私の意識を、乗っ取りに掛かってきた。
「(ちょ、っと………か、楓!?あんた、何の………ッ!!?)」
『大丈夫………悪いようには、致しませんわ………。』
頭が割れるような、締め付けられるような。久々の、吐き気を催すような嫌な感覚。
「(そ、そんな、の………信じ………ッ!?)」
『………ごめんね、けれど………これも、全部………。』
楓が、どこか申し訳なさそうな声で呟いたその言葉を、聞き終わるよりも先に。
私の意識は、身体から締め出され、真相意識の深い闇に沈みながら………ぷつり、と途切れた。
111:第二の女 3/11
07/09/13 22:07:45 zcIpxlyG
/////////////////////////////////////////////////////
その日も望は、宿直室で独りの夜を過ごしていた。
いや………おそらく、望の気付かないうちに、部屋のどこかでまといが常に望を観察しているはずだが。
視界の外にいると、ついつい、その存在を忘れがちになる。慣れとは怖ろしいものだ。
毎日の密かな楽しみ兼日課である読書の時間を、終える。栞の紐をページに挟み、本を机の上に無造作に
投げ出す。今日も1日、2のへ組での激務をこなし、体力も限界だ。
「(まだこんな時間ですが………たまには、少し早く休みますか。)」
あくびをしながら頭の隅でそんなことを考えて、望は、押入れから簡素な寝具一式を取り出し、畳の上
に広げた。適当に皺を伸ばし、形を整えて、眼鏡を外して電灯から垂れた紐に手を掛けた………。
そのとき。
コン、コン
「おや………………?」
ドアをノックする音が響き、望は、電灯を消し掛けたその手を止めた。
「(………こんな時間に?)」
眼鏡を掛け直し、時計に眼をやる。時刻は9時、寝るには少し早い時間だが、外出するには遅い時間。
こんな時間に自分を訪ねてくるとすれば、誰だろうか。まといがうっかり宿直室から締め出されたか、
霧が心細くなって理科準備室からこちらへ渡って来たか、あるいは可符香か千里辺りがとんでもない
厄介事でも持ち込んできたか。
「はい、はい、今開けます………っ………。」
そして。そんな気構えで、ドアを開いた望は。
その先に立っていた、心底意外なその少女の姿を眼にして、思わず固まった。
「あ、れ………き、木村………さん?」
「………夜分遅くに申し訳ございません、糸色先生………。」
そのしおらしい態度に、望はまた言葉を失ったが………眼の前に居るのがいつもクラスに居るカエレ
ではないということにだけは、すぐに気付いた。
「あ、え、っと………もしかして、楓さん、ですか………?」
「はい………ご無沙汰しております………。」
呆気に取られながらも、望はひとまず挨拶を交わし、立ち話もなんですから、と言って楓を宿直室に
招き入れようとする。
しかし………楓は、その場を動こうとはしない。
「………あの………どうか、なさいましたか………?」
恐る恐る、望がそう尋ねる。楓は黙ったまま、ほんの少しの間だけ視線を落として………その後。
頬を上気させながら、熱の篭った視線で、望の瞳を見つめた。
「………へ………?」
ドキリ、と望の心臓が高鳴り、同時にその口から上擦った情けない声が漏れる。
事情を理解できていない望に、楓が、一歩、また一歩と歩み寄る。靴が無造作に脱ぎ捨てられ、2人の
距離が見る見るうちに縮んでいく。
「先生………あの、私………ッ………。」
自ら歩み寄りながら、しかし、どこか恥ずかしげな表情を浮かべる楓。その姿に、望の体温は上がり、
その鼓動が早まっていく。
望むが1歩後ずさる毎に、楓がそれ以上の距離を詰めて。遂に、2人の距離が、ゼロになる。
楓は、身体の正面を望むの薄い胸板に密着させ、自分よりもほんの少し高い位置にある望の瞳をまるで
熱に浮かされたような表情で見上げながら………熱い吐息と共に、一言、呟いた。
「ずっと、先生を………先生を、お慕い申し上げておりました………っ………!」
少しだけ時間を掛けて、その古風な言葉の意味を租借して。
「………………は、い?」
望の思考回路が、停止した。
112:第二の女 4/11
07/09/13 22:08:30 zcIpxlyG
/////////////////////////////////////////////////////
眼が、覚める。
暗く、冷たい深海に浮かんでいるような感覚。久々に叩き落とされた、意識の闇の底。
『………ちょっと………どういうつもりよ、楓………。』
「(あら、やっと………っ、お目覚めに、なりまして………?)」
どこか人を小馬鹿にしたような声で、楓が答える。意識が途絶える前とは、完全に立場が逆転して
しまっているらしい。自分の身体の感覚も無ければ、自分が見ているはずの景色すら見えない。
『………説明しなさいよ。』
「(もう少し、休んでらしても、っ、宜しかったのに………。)」
『いいからとっとと説明しなさい。あんた、今、どこで何してるの?』
楓の声が、何故か所々途切れがちになっているのを訝りながら、私は強い態度で楓を問い詰める。
また、あの微かな笑い声が聞こえた。
「(………本当に、知りたいんですの、ね?)」
その声の調子に、一抹の不安を覚えながらも………私は無言で、楓に圧力を掛け続ける。
それを感じ取り、楓が、答える。
「(それじゃぁ………身体は、お返しできないけれど。)」
『………………。』
「(貴方の、眼だけは、っ………少しだけ、覗かせて、差し上げますわ………っ!)」
楓の言葉の、直後。視界の中に、白い光が差し込み………楓が見ているであろう景色が、現れる。
そして。
眼の前で展開される、その光景を眼にして………その意味を、理解した瞬間。
『………なッ………~~~ッッッ!!?』
私は、意識だけの身体で、頬を真っ赤に上気させた。
始めは、眼の前にある赤黒いものが何なのか、近過ぎて解からなかったけれど。
前後に動く視界と、引いた視点からの映像と………時折、低い視点から見上げる、糸色先生の顔、
そこに浮かぶ表情を眼にして。私は、自分が、自分の身体が何をしているのかを、悟った。
「先、生………ん、気持ひ、良い、ですか………っ?」
楓が実際に口にした声が、私の耳にも届く。私は、まるで自分自身が望んで『その行為』に及んで
いるような錯覚に陥りながら………糸色先生の分身を、自らの口を使って慰めている楓と、視覚を
共有していた。
「き、木村、さん………そこはッ………!?」
「先生ったら………もうこんなに、腫れ上がってらっしゃいますわ………ん、ちゅ………。」
「や、やめて下さい、もう………ホントに、もう………う、あ………!!」
「もう、こんなに先走って………ん、ぅ………美味しゅうございますわ、先生………。」
楓は私と同じ声で淫らな台詞を吐きながら、びくびくと震える先生の分身を一心不乱に咥え込む。
『な………何やってんのよアンタ!!?こんな、こんなの………止めなさいよ!!今すぐッ!!』
「(………カエレちゃんが、悪いんですのよ?いつまでも、素直になってくださらないから。)」
『勝手なことしないでよッ!!っていうか、こんな………なんで………!!』
「(いいじゃ、ありませんの………っ、恋なんて所詮、早い者勝ちですわ………ッ!)」
『何が大和撫子よ!!何が和をもって良しよッ!!この、淫乱女!!』
「(日本には、『当たって砕けろ』という………素敵な、言葉もありましてよ?)」
『砕けるのなんて、どうせ私じゃないのよ!!止めて、こんな………こんなのって………!!』
どうしようもない喪失感と後悔の念に駆られる私の言葉を、遂に無視して。楓は、糸色先生への行為
を加速させる。先生の分身に細い指を絡め、それを上下にしごきながら、舌で唾液を塗りつけるよう
に膨らんだ分身全体を愛撫していく。
「う、あ、ぁぁ………ッ………!!」
やがて先生が、苦しそうな呻き声を上げ………その、直後。
「あ、ぐッ………………!!」
「………あ、ん………ッv」
最大限に膨張した、分身の先端から。私の顔目掛けて、白く粘度のある液体が、一気に吐き出された。
113:第二の女 5/11
07/09/13 22:09:51 zcIpxlyG
「は………あ、ん………。」
楓が、蕩けそうなほどうっとりとした声を上げながら、指に絡んだ先生の精を弄ぶ。息を荒げる先生
の脚の間で、楓は、その指を自分の口へ運んだ。くちゅくちゅと、舌が自分の指を嘗め回す音が響く。
「は、ぁ………っ、は………。」
「これが………先生の………ちゅ、ぷ………v」
「き………木村、さん………ッ………。」
先生が、切なげな声で私の苗字を口にする。おそらくそれは、「木村カエレ」ではなく「木村楓」を
呼ぶ声なのだということを想い、私はもはや、声を上げる気力すら失っていった。
「先生………先、生ぇ………ッ………v」
私の身体が、先生に迫る。首の後ろに手を回し、そのまま先生の身体を引き倒すように、仰向けで
宿直室の畳の上へと寝転んでいく。2人の身体が、上下に重なる。
「………いらして………糸色、先生………ッ!」
楓が、先生の理性に止めを刺す、甘ったるい誘惑の声を上げる。
その瞬間、先生の中で何かが切れるのが、眼の前に居ないはずの私にも、はっきりと感じられた。
「………木村、さんッ………!!」
楓の視界に映る先生の瞳には、普段ならば絶対に見られない………どこか、獣染みた光が宿っていた。
ああ、先生は、こんなに荒々しくて男らしい顔も出来るんじゃないか。どうして、私の前ではその顔を
1度も見せてくれなかったのか。楓には、そのぎらぎらと光る瞳でこうして襲い掛かっているくせに。
それとも、それもこれも全部、私が悪いのか。なんだかんだと愚痴を溢しながら、結局は先生に何一つ
アプローチをしなかった私の所為なのか。
今こうして先生と愛し合おうとしているのは、私の身体であって「木村カエレ」ではない。なんだろう。
何が悪かったのだろう。どうして私は、楓なんかに出し抜かれてしまったんだろう。今更そんなことを
考えたところで、何もかもが、遅すぎるけれど………。
「(………本当に、宜しくって?)」
『………………ッ!』
不意に。楓が、私に語りかける。
視界の中の時が、止まる。
「(このままでは、私………本当に、全部奪ってしまいますわよ?)」
諫めるような、咎めるような。どちらにしろ、今まで、私さえ聞いたことがなかったような強い声。
「(本当に、それで宜しいんですの?そのまま、何もせずにいらっしゃるつもり?)」
『………そんな………だって、私………そんなの………!』
最後のチャンスを与えられていると、感付きながら。それでも最後の1歩を踏み出しかねている私
に向かって………楓は、まるで母親が小さな子供を叱り付けるような声で、叫んだ。
「(カエレちゃんが、先生を慕うお気持ちは………その、程度なの!?)」
『ッ!!』
ぱちん。私の中で、何かが、音を立てて弾ける。
『………や、だ………。』
「(もっと、ハッキリ言いなさい。カエレちゃんは、先生と、どうしたいの!?)」
気付けば………涙など流せるはずのない私の声は、いつの間にか、涙声になっていた。
『私………私、先生と………一緒に、なりたい。』
「(好きなんでしょう?)」
『………私、先生が………糸色先生が、好き………!』
114:第二の女 6/11
07/09/13 22:10:25 zcIpxlyG
想いを告げた後の、しばしの、沈黙。
そして。
「(………もう、やっと素直になってくれましたわね。)」
楓の声が、急に、凪ぐように穏やかになる。
『………かえ、で………?』
「(全く、世話の焼けるお姉様ですこと。最初から、そう言えば宜しいんですのよ。)」
『………楓、あんた………?』
クスクス、と、また笑い声が聞こえる。
「(仕方ありませんわ。先生との、初めては………カエレちゃんに、お譲りしますわ。)」
『………え………?』
「(けれど、少しだけ覚悟なさいね。初めての交わりは、とっても、痛いそうですから。)」
『え、ちょっ………待って、ここまでしといてそんな急に………!?』
「(お気持ちは、おありなんでしょう?女たるもの、時には、大胆さも必要でしてよ?)」
さきほどまでの厳しい態度はどこへやら。まるで、この状況を心底面白がっているような口調で
言いながら………楓の声は、徐々に、私の意識から遠ざかっていった。
「(大丈夫ですわよ。先生は………ちゃんと、あなたの望む男らしさを持った、殿方ですから。)」
楓の声が………意識の闇の底、私とは別の場所へと、還って行く。
そして、それは同時に………それに置き換わるべき私の意識が徐々に表層に浮かび上がりつつある
ことを、示していた。
そして。
「(御武運を、お祈り致しますわ。カ・エ・レ・ちゃん………v)」
『楓!!ちょっと、待っ………………!!』
その声が途切れた、瞬間。
/////////////////////////////////////////////////////
視界が、再び動き出す。しかし今、私の意識の中にあるのは、眼に見えるものだけではない。
背中に感じる畳の感触、高まった自分の体温、乱れた衣服の居心地の悪さ………そして、眼の前に覆い
被さった、糸色先生の荒い息遣い。さっきまで楓の物だったはずの全ての感覚をそっくりそのまま身体
にのこして、その意識だけが、私に置き換わる。
「(え………え………ッ!?)」
頭の中で声を上げても、楓の返事は聞こえない。きっと、意識の底で高見の見物を決め込んでいるのだ。
「………木村さん………!」
「ひゃッッ!!」
突然、先生がのしかかってくる。私が、驚いて身をすくませるよりも先に………先生が、唇を重ねて
きた。思わず、全身が引き攣るように硬直する。
ガチガチになった唇を解し、こじ開けるようにして、先生の舌はなんとか私の中に侵入しようと蠢いて
いる。少しの間、恐怖にも似た感覚に身体を硬くしていた私も、やがて先生とキスをしているという
事実に惚けてしまったかのように緩み、先生の舌を受け入れてしまった。
「ふ………ん、ぅう………!!」
舌と舌が絡み合う、まるで映画の中のように濃厚な口付け。眼の前で様々な色の光が明滅し、頭の奥が
痺れてくるような錯覚に陥る。
「………ふ、は………ッ………。」
やがて離れた2人の舌を、透明な糸が繋ぐ。もはや、それがどちらの唾液なのかなど解かりはしない。
次に、先生の掌が、私の胸に伸びた。細い指が這うようにして制服の裾から腹の上に潜り込み、その
まま肌をなぞりながら、胸元に達する。下着が押し上げられて、制服の下で、私の両胸が露になる。
「ん………っ………。」
下着と制服で胸の先端を擦られて、私は、思わずぴくりと身体を震わせた。そこが、ピン、と隆起して
いるのが、自分でもよく解かった。性感帯に触れられずとも、先生と触れ合っている部分が、じんわり
と暖かくなってくる。身体全体が、驚くほどに敏感になっている。
115:第二の女 7/11
07/09/13 22:12:39 zcIpxlyG
「ひゃ、ん………ッ!?」
先生は、まるで私の胸の輪郭を確かめるように掌を一回り滑らせてから、徐々に、私の胸に刺激を送り
始める。始めは、掌全体で持ち上げたり、軽く指で形を変える程度に。やがて、指に込められる力が
強まり、掌全体の動きも大きくなり、胸全体が揉みしだかれて大きく形を変えるようになる。
「………ちょっと、失礼しますよ………っ………。」
先生はそう言って、少しずつ、私の制服の裾を捲り上げ始める。腰が、おへそが、徐々に先生の眼の前
に曝け出されていく。水着を着ているときにはたくさんの男達に見られてもなんともなかったのに、
今は、こうして先生に身体を凝視されるのが恥ずかしくて仕方が無い。
「や………嫌だっ、先生………っ………!」
弱々しい抗議も虚しく、程なくして、私の胸は完全に覆い隠すものを失った。
先生は、ほとんど馬乗りになるようにして、両手で私の胸を捏ね回し始める。掌の真ん中で先端が押し
潰され、擦り付けられて、じんじんと痺れるような快感が背筋を駆け巡る。
「はっ、ぁ………ん、せ、先生………嫌っ、そんな、激し………!」
「………胸が大きいと、感度が悪いと言いますが………どうやら、嘘みたいですね。んっ………。」
「ふ、あぁッ!?」
突然、先生が私の胸に顔を埋めてくる。そのまま、谷間や乳房に舌を這わせ………やがて、その舌が
先端に達する。ちろちろと、舌先がひくひくとわななく先端を虐める。
揉みくちゃにして、舌で愛撫して………更に、先端に吸い付いて、甘噛みして。存分に私の胸を愛し
終えて、先生は1度、私に覆いかぶさっていた上体を起こした。先生が離れてもなお、私の身体は、
快楽の余韻に小さな痙攣を繰り返す。
「………いいですか、木村さん………?」
ぼう、と惚けた頭で、次に放たれたその言葉を理解するには、少しだけ時間が必要だった。
そして、先生が求めているであろうことに思い至った、瞬間。太股に、先生の指が、触れる。
「う、あ、ぁッ………!?」
つい、と内腿を指でなぞられて、私は思わず、仰向けのまま背中を仰け反らせた。今は、先生との
全ての接触が快楽に直結してしまう。
先生の欲望と、そしてそれを待ち望んで震える自分の身体に、抗う術などあろうはずもなく。私は
さしたる抵抗も無いままに、ゆるゆると脚を開き、先生にその身体を差し出した。
「先生………先生、せん、せいっ………。」
うわ言のような声が、漏れる。先生は1度私に身を寄せて、頬に軽いキスを落とした後………その指
を、私の下着に絡めた。指が触れた瞬間、くちゃり、と微かな水音が響く。
胸への愛撫があったにしても、少し準備が整い過ぎている気がする。もしかしたら、楓の奴が、先生
に奉仕しながら自分の身体も慰めていたのかも知れない………などということは、もちろん考えて
いる余裕も無く。
湿った下着が、するすると太股を滑り降りていく。私はほとんど無意識のうちに片方の膝を立てて、
下着から片脚を引き抜いた。下着自体は、もう片方の足の膝下辺りに残されて、胸に続いて完全に
無防備になった下半身に、先生の身体が割り込む。
先生に向かって、両脚を開き、下着も身に着けていない所を曝け出して居る………そう考えると、
本当に死にそうなほど恥ずかしかったが、それと同時に身体の疼きはますますその激しさを増して
いく。
「………よく、解しておかなければいけませんね。」
先生はそう言いながら………あろうことか、身を屈めて、その顔を私の脚の間に埋めてしまった。
捲れたスカートの影に先生の姿が消えて、直後………全身が痙攣するような甘い痺れが、下腹部
から脳天までを一気に突き抜けた。
「ひ、あ、あ、あぁぁぁぁ………~~~ッッッ!!?」
まるで、私の内部を掻き分けるように蠢く何本もの細い指と………もう、1つ。もっと柔らかくて、
暖かくて、そして厭らしい動きをする………先生の舌が、私の中を、蹂躙していく。
「や、嫌ぁ………駄目、先生、そこッ………そん、そんな、所、ぉ………!?」
「………こちらも、可愛いですよ。本当に………。」
「や、駄目ッ、そんなの………言っちゃ駄目、ッ………!!」
喋るたびに、先生の吐息と舌のランダムな動きが、私の身体を高めていく。十分に私の入り口を
解した後、先生は………遂に、最後の行為に向けて、準備を始める。
「木村さん、私も………そろそろ、我慢の、限界です………っ。」
先生が、私の両脚を抱え込むようにして、私に覆いかぶさる。見ると、さきほど白濁を吐き出して
萎れたはずの先生の分身は、再び膨張してあの大きさを取り戻していた。
116:第二の女 8/11
07/09/13 22:13:24 zcIpxlyG
一瞬だけ、背筋が寒くなる。あんな物を………果たして、私の身体は、受け入れられるのか?
「………何かあったら………すぐに、言ってくださいね。」
私の不安もどこ吹く風、とでもいうように。先生は自分の分身を手にとって、それを、私の入り口
にぴたりと宛がう。私は思わず両眼をきつく閉じて、眼の前の先生を更に近くへ抱き寄せるように、
その背中に腕を回した。
そして。運命の時が、やって来る。
「………失礼、します………!!」
「………あ、ッ………~~~ッッッ!!!???」
先生の腰が、私に近づいて。入り口が、ほんの少しだけ、押し広げられた直後。
私は、それまでに味わったことのない程の痛みを感じ、思わず声を失った。
「ぁ………く、ぅ、ッ………ッッ………!!?」
悲鳴を上げることすらままならない程の、激痛。快感も恥ずかしさも全て消し飛んで、身体が硬直
し、脂汗が浮いてくるような、地獄の苦しみ。
覚悟していたものを遥かに超えるその衝撃に、気付けば私は、ぽろぽろと涙を零していた。
「い………い、たい、痛いッ………先生っ………!!!」
「………もう、少しです。もう少しで………全部………ッ!!」
私の搾り出すような訴えにも、先生は決して行為を中断しようとはしない。ズキズキと痛む私の
内部に、なおも分身を沈め続ける。しかし、ともすれば乱暴とも思える先生の姿を見て………私は
何故か、安心感のようなものを感じていた。先生から与えられるその痛みは本物だったが、しかし、
それ以上に………私を抱き締めて、私と1つになろうとしてくれている先生が、これ以上無いほど
力強く、男らしく見えて。その腕の中に居ることが、なんだか、この上なく幸福なことに思えた。
「………は………入り、ましたッ………!」
やがて、先生が呻くようにそう呟いて、分身の進行が止まる。肉を引き裂かれるような鋭い痛みは
止んで、ただ、ズキズキと腹の底に響くような、鈍い痛みだけが残される。気がつけば私は先生の
白い肌を掻き抱いて、その背中に爪を立て、浅い引っ掻き傷をいくつも作ってしまっていた。
繋がった部分が、焼けるように熱い。先生に抱きついたままでは、そこがどうなっているのかは
見えないけれど………多分、血が出ているんだろう。初めてのときは、そうなるものだと聞いた。
「は………はッ………は、ぁ………。」
浅く短くなっていた呼吸を、徐々に整えていく。その間も先生は、崩れ落ちそうになる私の身体を、
力強く支え続けてくれた。
「ごめんなさい、痛かったですか………けど、ちゃんと全部入りましたよ、木村さん………。」
先生が、小さな子供をなだめるような声で、囁く。その言葉に包まれて、言い様の無い幸福感を
感じながら………しかし、その中に1つだけどうしても言いなおして欲しい場所を見つけた私は、
まだ喘ぎ続けている喉で、必死で、言葉を紡いだ。
「………カ、エ………って………。」
「………はい………?」
呼吸と鼓動が、なかなか治まってくれない。
それでも私は、必死で声を振り絞って………どうしても伝えたかった、その言葉を、呟いた。
「………カ………レ、って………カエレって………っ。」
「………え………?」
「カエレ、って、呼んで………糸、色、先生………ッ………。」
「………………………………ッッッ!!?」
先生の身体が、硬直する。
無理も無い話だろう。先生は今の今まで、ずっと………私が、楓のままだと思っていたんだから。
事情が呑み込めない様子で、先生は、自分と繋がったままの私の姿を見つめる。
「………木む………い、いえ、カエレさん………どうして………?」
「あ………せ、んせ………私………っ………。」
どうして、と尋ねられれば、答えなければいけないことは山ほどあるような気がした。けれど、
それを言い表す言葉なんて、先生と結ばれたままで冷静に考えられるはずもない。私はただただ
言葉にならない声の破片を漏らしながら、また、ぽろぽろと涙を零し始めてしまった。
先生は、しばし、驚いた表情でその様子を見守っていたが………やがて、全てを悟ったような、
意を決したような表情に変わり………また、私の身体を抱き締めてくれた。
117:第二の女 9/11
07/09/13 22:14:04 zcIpxlyG
「………すいません。どうやら………私は、とんでもなく、酷いことを………。」
「………先生、私………わた、し………ッ………。」
「………何も、言わなくていいですから。あとは………先生に、任せてくれませんか?」
ぽん、ぽんと私の背中を叩きながら、先生は、揺るぎ無い声でそう言った。
私も、結局まともな言葉は1つも伝えられないまま………それでも、先生の言葉だけは受け入れる。
こくり、と小さく頷くと、先生は小さな声で、何事かを呟いた。荒い呼吸としゃくり上げる声の
所為で、先生が何と言ったのかは、よく解からなかった。
そして。先生の腰の動きが、再開される。
「行きますよ………カエレさん。」
「あ、ぐ………ぅ………!!」
ギチ、と、また痛みが走る。さっきよりは少しはマシになったが、それでも、激痛であることに
変わりは無い。私の腕はまた、先生の身体にすがるように爪を立てる。
「………今度は………これで、少しは楽になると、いいんですが………っ、く………。」
もしかすると、先生も痛みを感じているんだろうか。快感を我慢しているのとは少し違う、単純に
苦しそうな呻き声を上げながら………先生は、両手で支えていた私の身体を、片腕のに持ち変える。
離れた腕が………先生に絡みつく私の片腕を、取る。
「本当なら、私の仕事なんですが………申し訳ありません、この体勢ではなんとも………。」
申し訳無さそうにそう言いながら、先生は一旦動きを中断させて………私の手を、そっと、結合部
へと導いていった。
そして。
「ひ、んぅッッッ!!」
「………解かり、ますね?」
先生の指が………胸よりも唇よりも、どこよりも敏感な突起に、触れる。
瞬間、腰から生まれた快楽の波が、全身へと波紋のように伝わっていく。
「これで、少しは楽になるはずです………。」
「あ、あッ………ひ………や、やぁ………ッ!!」
「後ろからなら、私が慰めてあげられるのですが………無理に体位を変えるのも………。」
くにくにと、結合部の上部を指の腹で捏ね回される。先生の言う通り、全身を駆け巡るようなその
快感は、まるで麻酔のように結合の痛みを和らげていった。
私はほんの少しの不安を抱きながらも………自分の、1番敏感な場所に、指を這わせていく。
どんな風に触れれば、どれだけの快楽が生まれるのか。自分の身体のことは、自分が1番よく解かる。
だからこそ………何か、一旦スイッチが入ってしまったら、歯止めが効かなくなりそうで。それが、
少しだけ怖かった。
そして。そんな、私の不安を読み取ってくれたのだろうか。
「………何も、考えなくていいですよ。何があっても………私は、ここに居ます。受け止めますから。」
そう言って、微笑んでくれた。
頬が上気する。不安が、取り除かれ………思考が曖昧になっていく。
私は、先生に促されるがままに………自分の指で、自分の身体を慰め始めた。
「ん、ふッ………く、ぅん………ッ!!」
その行為を確認してから。先生も改めて自分の動きを再開する。
痛みと快楽が、混ざり合ったその状態の中。完全に優勢だった痛みが徐々にその影を潜め、快楽が、
その度合いを増していく。不安も恐怖も、負の感情は全て払拭されて、ただ、愛する人と結ばれる
幸せだけで頭が一杯になる。
「せん、せ………先生、先生ッ、先生ぇッ………!!」
「カ、っ………カエレ、さん………!!」
無我夢中で腰を叩きつけられ、無我夢中でその感触に酔いしれて。
やがて………私の身体が、ピークを迎える。
「や、ぁ………せん、せ………なに、何かっ………!?」
「………ええ、私もです………もう………!!」
どうやら、限界が近いのは先生も同じらしい。
「はぁ、んッ!!く、来るッ、来ちゃう、ぅッ!?」
「カエ、レ、さん………ッ………!!」
無意識のうちに、私の脚が、先生の腰を捕える。
118:第二の女 10/11
07/09/13 22:14:39 zcIpxlyG
どうやら腰を引こうとしていたらしい先生は、一瞬、私の脚にその動きを封じられて………次の瞬間。
「う、ッ………………!?」
「はッ………あ、ぁッ………v」
耐え切れない、熱い迸りを………余すことなく、私の中に、注ぎ込んだ。
身体の奥底に叩きつけられる熱を感じながら。私の身体も、同時に、絶頂を迎える。
落雷のように全身を襲った、緊張が………時と共に、徐々に、弛緩へと転じていく。
/////////////////////////////////////////////////////
「………膣内射精なんて、告訴どころじゃ済みませんよ、本当なら。」
事後の手厚い介抱を、終えて。
「いえ、その………それは、カエレさんが………。」
「何か言いました?」
「………なんでもありません………。」
先生はまた、いつもの気弱な先生に戻ってしまった。
私の強い言葉に、相変わらずビクビクしっ放しで。ひとつになっていたときのあの逞しさは、一体
どこに消えてしまったというんだろう。
「(………ひとつに………。)」
自分で考えながら、また、行為の最中のことを思い出してしまう。顔が、熱くなる。
「………ともかく。こうなってしまった以上、何かあったら、責任取って貰いますから。」
「………また、あなたまで木津さんみたいなことを………。」
「何か!?」
「なんでもありません!」
………全く。これから先が、思いやられる。
「今日は、帰りますけど………また後日、ゆっくりお話しましょう。」
「………はい………。」
照れ隠しついでに、ちょっと釘を刺して。私は、席を立つ………が。
「………っ………。」
初体験の、余韻だろうか。腹の底の疼くような痛みに、私は思わず、よろめいた。
すると。すかさず、先生の手が私を支える。
「だ………大丈夫、ですか………?」
「………誰の所為だと思ってるんですか。」
そうだ。本当に、先生は解かっているのか。そもそも、この一連の出来事が全部………先生が、私の
心を乱してくれた所為なんだということを。
先生はまた申し訳無さそうに頭を下げて、宿直室の出入り口まで付き添ってくる。
「大丈夫ですか?夜道は危ないですし、よければ家まで………。」
「平気ですよ、すぐそこですから………それより。」
「………は、はい………?」
「………これでもし、裏切ったりしたら………告訴も裁判も抜きで、私が、処刑しますからね。」
一瞥と共に放ったその言葉に、先生は、白い顔を更に青冷めさせた。
「………肝に銘じておきます………。」
「それじゃ。また明日、学校で。」
最後にそれだけ言って、私は、宿直室を後にした。
119:第二の女 11/11
07/09/13 22:15:43 zcIpxlyG
/////////////////////////////////////////////////////
独り、夜道を歩く。月が、明るい。
『………どうでした?初めての、殿方との交わりは?』
事の最中はずっとだんまりを決め込んでいた楓が、不意に、その姿を現した。
「(………あんなに痛いなんて、聞いてないわよ。全く………。)」
『けれど、凄く、幸せだったんじゃなくて?』
はぐらかす為に言った言葉もあっさり見破られて。私は、二の句を継ぐことができなかった。
「(………全く………余計なこと、するんじゃないわよ。)」
『なんならあのまま、私が先生の全てを奪って差し上げても宜しかったんですのよ?』
「(………~~~ッ!)」
『あらあら………冗談に、決まってるじゃありませんの。』
「(………ホントに冗談なんでしょうね。)」
『当然ですわよ。私だって………カエレちゃんが嫌いで、虐めてるんじゃありませんもの。』
頭の中で会話しながら、顔がカーッと熱くなってくる。楓の笑い声が、聞こえた。
『………ともかく。おめでとうございます。』
「(………………うん。)」
空を、見上げる。雲ひとつ無い、満点の星空が、私を見下ろしている。まるで、私を祝福してくれて
いるみたいだ………なんて、メルヘンチックなことを言うつもりは無いけれど。
『これで、先生も………やっと………。』
楓は、感慨深げな、ゆっくりとした口調でそう言って。
………その、後。
『「私達」、みんなのものですわね?』
「(………………は?)」
心の奥で感じていた、じんわりとした暖かさが、急に、冷める。
「(………ちょっと、皆って………?)」
『言ったじゃありませんの。私も………それに他の皆さんも、先生のこと、大好きなんですからね?』
『そうよ、ねぇ?』『私だって大好きよ!』『そうですよ』『そーだぜ』『ソウダナ』『………』
頭の中で聞こえる声が、突然、その数を増す。
「(え………?ちょっと………あんた達、なんで急に………!?)」
『あら嫌だ。急に、だなんて………長いお付き合いじゃありませんの。ね?』
「(………~~~ッ!!)」
どうやら………先生の心を射止めても、私にはまだ、大勢のライバルが居るらしい。
この先のことを思いやり、私は、軽い眩暈を覚えた。
120:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:20:46 zcIpxlyG
(END......?)
はい、というわけで
勝手にカエレ分補給させて頂きました
お粗末さまでございました
カエレみたいにすぐ「訴えるよ!」なんて言ってるキャラが、ツンデレじゃないハズがないんです
逆に楓みたいな大和撫子キャラが居たら、今時、腹の底まで本当に大和撫子なハズがないんです
………という色眼鏡に基づいて書いたので、肌に合わなかったらごめんなさい
最後までお付き合い頂いた方いらっしゃいましたら誠に、誠に有難うございました
礼 多謝 土下座
121:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:26:12 wd09g1BI
なんという神の大攻勢……
>>99氏の芽留小説、>>106氏の三珠ポエム、
そして>>120氏のカエレSS……。
お三方、ともにGJとしか言い様がないんだぜ。乙!
122:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:26:17 kXr0OMJe
ちょww3日で160KB消費とかwwねーよwww
>>106GJだ!!
カエレは珍しいからキタよ
メルメルの長編といい最近濃厚なエロが続いて
うれしいかぎりだぜい
123:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:29:40 kXr0OMJe
すまん、カエレ話は>>108だったorz
もちろん、>>106の真夜ラーポエムもGJなんだぜ!
・・・吊ってくるか・・・
124:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:31:09 SiiLjDhl
もうGJ!!としか・・・・・
真夜ちゃんや、カエレまで・・・・・・・
すごすぎます・・・・! 乙です! GJっす!
125:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:37:03 emC26hE5
神だ…このスレは神の領域に入った!!
この神ラッシュの裏で430氏が地味に小ネタを連投してる件ww
126:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:58:38 13E3drcp
前スレのうめ職人の方々、おつかれさまでした。
127:前スレ851
07/09/13 23:02:40 NqR9L6DH
木津のカウンセリング編、読んでくださったかたありがとうございます。
あと前スレでカフカについての暗い小品を書いた622も実は犯人は私です。
夜中に勢いでスレ埋め草として書いたのですが、タイトルもなし、最初三人称で書いて、後から
一人称に直したところ、見直しがいい加減で文章が相当おかしくなっていました。
どうも気に入らないので、直したのを再度書き込みます。以後気をつけますので、ご勘弁ください。
タイトルはアナザーエンディング、です。
所謂一つの別世界での物語ととってください。エロなし、世界観破壊しまくりなので、そういうのが
嫌いな方はスルーでお願いします。
128:アナザー・エンディング1/3
07/09/13 23:03:30 NqR9L6DH
「じゃあ今日の分のプリントは置いていくね。」
今日学校であったこと、授業のこと、そしていつものように私が見た夢の話などの
雑談をして、千里ちゃんは病室からでていった。
「みんないいお友達ね」看護婦さんの言葉を聞いて、本当にそのとおりだと私は思う。
私が意識を取り戻したときからずっと、クラスのみんなが毎日交代でプリントを届け
てくれたり、学校の様子を話しに来てくれているのだ。
「後遺症が残らなかったのは本当に奇跡だね」私を担当してくれている先生はそう言っ
ていた。確かにそうなのだろう。あんなところから飛び降りたのだから、後遺症がな
かったどころか、命があったことだけでも信じられない不思議といえる。
病院のベッドで最初に目を覚ましたあとは、今みたいに素直に考えることはできなかっ
た。でも今は神様に心から感謝している。
129:アナザー・エンディング2/3
07/09/13 23:04:26 NqR9L6DH
私の意識が戻らなかったのは一ヶ月ほどだったという。
眠り続けているあいだ、私はたくさんの夢をみた。不思議なことに夢の中では何年も
時間が経ち、春夏秋冬、いろいろな出来事があった。
とてもリアルで、今でもそれがすべて夢だったとは信じられない。
「夢の中でね、千里ちゃんや奈美ちゃんもでてきたんだよ」
私が夢の中でみた節分や七夕、修学旅行や文化祭の話をすると、みんな面白がって聞
いてくれる。
「杏ちゃんは昔から空想好きだったもんねえ」奈美ちゃんが笑う。
そういえば夢の中で、私はなぜか風浦可符香の名前で呼ばれていた。私が中学のとき
漫画を書くときに使っていたペンネームだ。どうしてかわからないけれど、現実の私
を忘れたがっていたせいなのかもしれない。
夢の中にでてくるのはすべて私のクラスの人たちだ。
でも一人だけ違う。一番お見舞いに来て欲しいあの人だけが。
130:アナザー・エンディング3/3
07/09/13 23:06:06 NqR9L6DH
糸色先生が、完全に私の想像力が作り出した存在だったということだけは、なかなか
信じることができなかった。
お父さんとお母さんが私を置いて行ってしまったとき、私も死を選ぼうとしたのだ。
家に帰って見た光景、そのとき私が心に受けた傷は一生忘れることはできないだろう。
カウンセラーの先生は、そんな私の心が辛さを忘れるために絶望先生を作り出したのだ
ろうという。
もうあと少しで退院できる。きっと学校に戻ってからも、みんな私を助けてくれる
だろう。でもそこに絶望先生はいないのだ。
「でも、認めなくちゃ」私は思う。
「なんてポジティブなんでしょう、この子は」夢の中の絶望先生の言葉を思い出し
て私は笑う。
「そう。私はポジティブ少女なんだから。先生の言うとおり」
「これからは上手くいきますよ」私は先生に語りかける。
きっとそれは叶うはずだ。
131:名無しさん@ピンキー
07/09/13 23:19:19 NqR9L6DH
>>57
日塔奈美の夏休みカレンダーっていろいろ想像させられるんですよね。
書き込んである予定が。
しかし、これが普通なのかもしれないが、徹底してぎりぎりまで宿題をしないというのは、ちょっと
問題生徒ですね。
話が進むにつれて、頼りにしていく友人の変人度? がだんだん上がっていくエスカレートする
感覚が面白かったです。やはりカフカがトップなんでしょうか?
最後に体調が悪くなっちゃったのは、木津の料理のせいじゃなくて、カフカの謎の人体実験?の
せいなんですよね。
132:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:13:59 l98UXxLt
GJ!
今にもパソコンの寿命がつきそうだから最後の力を振り絞って言う。
フラグが立って以降の先生とあびるのエロSSがない。全年齢はあったけど。
あびる分が不足している事を、最期に伝えたかった・・・。
133:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:22:22 WdmHRA/m
>>132
10人切りの神SSを忘れるな><
134:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:25:58 8jpySBD+
>>133
凄いな。お前さんの投稿時間。
135:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:31:55 WdmHRA/m
ちなみに2月22日生まれです
136:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:50:23 l98UXxLt
>>133
贅沢だけど十把一絡げじゃダメなんです><
あびる単独で萌えさせてください><
あああ・・・パソコンから変な音が・・・。
Windowsも起動前に変な画面出たし。消える!
137:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:55:06 v0/+8+nA
芽留、カエレの話を書いてくれた人乙
エロパロでは他のキャラクターよりやや出番が少ない2人の話だったのが嬉しい。
138:名無しさん@ピンキー
07/09/14 02:59:06 HCXr0hiU
>>132
あるじゃん・・・と思ったら、あれは先生じゃなくて影武者かww
139:名無しさん@ピンキー
07/09/14 13:14:51 l98UXxLt
修理に出して別の代替機借りてきたぜ。
せっかくフラグが立って以降、
・あびるは花火を見、先生は花びらを見る。
・逃げ出した先生をあびるが性的お仕置き。
・拘束されたまといの前であびると先生がH。
・デート帰りは先生の尻尾を・・・。
思いつくだけでこんなにもシチュエーションがあるというのに!
140:名無しさん@ピンキー
07/09/14 14:15:36 kOlMqOiV
>>139
you書いちゃいなよ
141:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:17:32 gaqa8vAf
この数日間で、またもや何という神作連発・・・目が潤みっぱなしだぜ。
しかし、どの作品でも、後先のことなんかどうでもよくなって、心行くままに欲望を
解放する先生が何度見ても笑える。人間って弱いもんだよなぁw
142:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:22:19 nt8vb7do
どの子とヤっても常にまといが見てるんだよな
片想いというか寝盗られというかまとい切ないよまとい
143:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:33:55 33U78R6Q
「………御疲れ様です、先生。」
「うわぁ!!つ、つつつ常月さん、いらっしゃったんですか!?」
「はい、ずっと。いつでもどこでも、私は先生のすぐ傍に居ますよ。」
「い、いつでも、どこでも………って、ことは………。」
「ええ。もちろん、先生と○○さんがお楽しみの間も、ずっと見てましたけど。何か?」
「何かって、その………なんというか………。」
「………ああ。どういう気分で見てたのか、ってことですか?」
「ええ、まぁ………そんなような、ことを………。」
「別に、先生は何もお気になさらなくて結構ですよ。私、解かってますから。」
「は………解かってる、と言いますと………?」
「子供じゃないんですから。先生の気持ちが、まだ、私に向いていないことくらい解かってます。」
「………………。」
「けど、退く気はありませんよ。先生を振り向かせるのも、私の恋の試練のうちです。」
「………は、はぁ………。」
「負けたつもりも諦めたつもりもありませんから。それに………。」
「それに?」
「好いた男性が、女性に人気がおありなのは………女として、決して悪い気はしませんからね。」
「………そう、ですか………それは、どうも………。」
「(顔と言葉は余裕ぶってますけど、眼が笑ってませんよ常月さん………あ、愛が重い………ッ!)」
どうにかまといの切なさを緩和しようとしたら、こんな感じの小ネタが出来た
144:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:42:15 BeIrq+7H
>>127
スマン、922だよね? いや、間違い探ししてるわけじゃねいよw
しかし、ホントにこんなエンドだったら寂しすぎるかも・・・・
940のちょい暗いカフカも、851氏の作?
145:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:52:06 nt8vb7do
>>143
おぉ!小ネタ投下乙!愛が重いw
146:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:06:08 wSBalYzr
>>143
まとい・・さみしす(T^T)。乙です!
>>127
ホントありそうなエンドでかなり気になる・・。
127さんが許していただけるなら、その話ちょい膨らましてエロ&チョイ欝SS書いてみたいですw。
147:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:21:48 Pf3W6rTm
430氏の欝エロ投下を毎日裸で待機してるわけだが新たな投下宣言きたこれ
127氏の返答次第だな
148:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:25:15 Pri4Cln6
>>147
風邪ひきますよww もう夏も終わりですしw
149:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:30:18 Pf3W6rTm
風邪をひこうと投下までは全裸と決めてんだよ馬鹿野郎!
150:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:38:05 Pri4Cln6
漢だ・・・・・・・!
って、
なんで、ちょっと感動してんだ私はww
151:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:53:37 JBLrAxqn
>>149
優先順位間違ってますよ
152:前スレ851
07/09/15 01:10:02 /6jpEBv/
>>144
> スマン、922だよね? いや、間違い探ししてるわけじゃねいよw
そうです。すみません。レス番間違えました。
> しかし、ホントにこんなエンドだったら寂しすぎるかも・・・・
> 940のちょい暗いカフカも、851氏の作?
940の方のは、私ではありません。
>>146
断っていただく必要なんてもちろんなく、まったくオッケーです。
楽しみにしてます。
153:前スレ851
07/09/15 01:14:06 /6jpEBv/
うっかり上げちゃった。
ついでではないですが、今日も発作的作品を載せます。
私にとって一番内面が想像できるキャラと、想像できないキャラを組み合わせたら、と考えて
みました。
154:心のスキマ1
07/09/15 01:15:08 /6jpEBv/
「はい、では今度の課題は二人一組になってやってもらいますね。組み合わせはくじで
決めさせてもらいます」
絶望先生がそういうと、「えー」と不満そうな声が教室中からあがる。
「静かにしてください。好きな子同士だとまた前と同じになってしまいます。普段とは
違う組み合わせにするから新しいアイデアも生まれるんです!」
・・・先生にしてはまともなこと言ってる。どうしちゃったんだろ。このまま変な思いつ
きを生徒に押し付けるアイデア先生になっちゃったりしなければいいんだけど。
「では、みなさんくじを一枚ずつ引いてください。同じ番号を引いた人どうし、組にな
るように席を移動してくださいね」
私がくじを引くと、15の数、黒板に書かれた15番に当たる席へノートと筆記用具を持っ
て異動した。すぐにとなりにやはり15と書かれた紙片を持った相手が座った。
それは・・・なんと風浦さんだった。
・・・実のところ、ちょっと心が重くなった。私はちょっと苦手にしてるんだ、彼女のこ
と。誰にも言ったことはないけれど。
彼女はクラスの中では唯一幼稚園の時に一緒だった生徒だ。悪い人じゃないし、性
格も明るくてポジティブだ。でもちょっと良くわからない不思議な部分がある。正直
に言うとちょっと不気味なところとでも言うのか? 先生や木津さんはいつも彼女に
からかわれている感じだし。まあ本人達には自覚はなさそうなんだけど、はたから見
ている私には良くわかるのだ。
何しろ私が「普通」って言われることにこれほどコンプレックスを抱くきっかけに
なったのが幼稚園の時の彼女の一言にあったんだから。
155:心のスキマ2
07/09/15 01:16:21 /6jpEBv/
「あ、可符香ちゃんだ。良かった」私はつい心にはないことを言ってしまう。
いつも教室の中では一緒のグループになっておしゃべりもするし、一緒に遊びに出か
けたりするんだけど、そういうときはいつも他に誰かいて、二人だけで話すことはほと
んどない。良く知ってはいるが、二人で話すのはどこか緊張してしまう。そういう距離
なんだよね、友達として。
「よかったあ、奈美ちゃんで。やっぱり良く知ってる人の方がいいよね」
「でも風浦さんなら、クラスの中の誰とでも大丈夫だと思うよ。ほら、私これで結構人
見知りが激しいから、不安だったんだ」誰とでも物怖じせずに付き合える彼女がちょっ
とうらやましいのは本当だ。
「そんなことないよ」
「・・・そういう小節さんは、しっぽフェチなんじゃないですか? 絶望した! 本質と
は違うところに萌えるフェティシズム社会に絶望した!」
ちゃんと聞いていないうちに、また先生の話がおかしな方向に向かっていたみたいだ。
「先生、今まで言いませんでしたけど、ご自分の着物や袴への執着についてはどう説明
するんですか?」細かいところは良くわからないけど、千里ちゃんも突っ込んでいる。
いつものように、ますます混乱して収拾が付かなくなるのは火を見るよりも明らかだ。
「わかります。僕も脚から・・・」臼井君まで・・・ああ、もういい!
156:心のスキマ3
07/09/15 01:17:03 /6jpEBv/
「これじゃとても今日中に終わりそうにないね。放課後に一緒にやろうか?」私は言っ
た。
「それなら私の家でどう?」
「うん、でもいいの?」そういえば風浦さんの家にいったことはいままで一度もない。
クラスの誰かが行ったという話も聞いたことがなかった。考えてみると小学校のときか
らそうだ。
・・・風浦さん家ってどんな感じなんだろ? これはちょっと興味深いというか面白そ
うというか、行って確かめてみたい。
急に好奇心が高まってきた。
* * *
住所録に書かれた彼女の住所から、ネットを使って地図を打ち出した。
徒歩でいけるほどの距離ではあるが、ほとんど行ったことがない町なので地図が必要
だ。30分ほど歩くと、迷うことも無く、あっさり到着した。ごくごく普通のそんな
に大きくもない一軒家だ。
「思ったより普通ね」心の中で考えて「普通っていうなー」と突っ込みも入れてみた。
呼び鈴を押すを母親らしき人がでていた。「可符香ちゃん、お友達がお見えになった
わよ」
・・・家でも可符香って呼ばれているだ。お母さんはごく普通の人に見える。
「いらっしゃい。あがってあがって」
2階の彼女の部屋は6畳くらいのフローリング、学習机にベッドとこれも普通な感じ。
157:心のスキマ4
07/09/15 01:17:48 /6jpEBv/
学校の課題の方はすぐに片付いてしまった。出されたお茶を飲み、お菓子を食べながら
学校のこととかを話す。
「奈美ちゃんは4月の初めは学校に来なかったんだよね」しばらくして、彼女が言った。
「え、・・・ま、まあ」そりゃあ今は毎日楽しく学校に来ていると言えるのだろうけど、
あの頃はそれなりに悩んでいた時期だったのだ。
学校でもこの話題はみんな触れないでいたので、ちょっとどぎまぎした。でも彼女の
屈託のない表情、言い方には悪気はなさそうで、言われたから不愉快になるわけでもな
かった。
「学校が嫌だったのね、ちょっと。親譲りの学校嫌いで、ってやつかなあ」糸色先生の
国語の授業で習った作品のフレーズを使ってみる。良くわかんないけど。
「でも奈美ちゃんは自分から登校してきたんだよね。それからは毎日来るようになっ
たし」
「まあ、ね。そういえば最初に学校に来たとき、先生や可符香ちゃんには驚いちゃっ
た」考えてみるとあれがショック療法みたいなものだったのかも、私の不登校への。
「今は楽しそうだよね、学校」
「でも悩みもあるんだよ」
「え、どんなどんな?」
「あたし、普通だからなあ。きっと周りのみんなはつまんないじゃないかと思って」
彼女のペースにはまってちょっと喋りすぎているのかな?
158:心のスキマ5
07/09/15 01:18:30 /6jpEBv/
「いやだなあ、奈美ちゃん。普通の人なんてまわりにいるわけないじゃない!」
「へ?」
「自分で普通と思っていても、人間一人一人が神様の前では特別な存在なんですよ」
「あ、ありがと」なんてポジティブな。
「でもやっぱり人並みで普通なんだよ。きっと」
「そうねえ」しばらく考えてから彼女は続けた。
「そうだ、普通ってきっと大切なことなんですよ。」
「え?」
「普通電車があるから、うつがや駅やいやだ橋駅でも降りられます。それに数学でも人
並みであることが役に立ってますよ」
「数学で・・・私苦手なんだけど・・・どうしてかな?」
「ほら、ルート3はひとなみにおごれやって覚えるでしょ。あれがなければ暗記にする
のにみんな大変ですよ」
「うん、まあ、そうかも」だんだんわけがわからなくなってくる。なんか手玉に取られ
ているのかも。
「先生も私が何か話すとすぐ『普通』っていうでしょ」
「あれはいい意味での『普通』なんですよ」
「えっ、えっ?」
「だって先生は・・・」
159:心のスキマ6
07/09/15 01:19:25 /6jpEBv/
その後も彼女の話は何時間も続き、説得されたような、はぐらかされたような変な気
持ちで家に帰った。
「普通でもいいのかな?」そう呟いてみた。
4月に初めて学校へ来たときの彼女の態度も、彼女なりに私に学校へ来やすくさせて
くれるための気遣いだったのかも。
今度先生から「普通」って言われても、「はい、私普通ですから」って答えてみよう・・・。
・・・いや、それはない。
そういえば風浦さんのことやっぱりわからないままだ。何も前進していない。
まあ、彼女の秘密を探るのはそんなに一筋縄ではいかないのだろう。
これからも調べる楽しさがあると考えればいいことだ。
ちょっとポジティブな考えがうつったのかな、私?
完
160:名無しさん@ピンキー
07/09/15 01:23:08 /6jpEBv/
しまった。また上げたり下げたり・・・。
わざとじゃないです。すみません。
しかしやはりオチが付け辛いというか、カフカは難しいです・・・。
161:146
07/09/15 01:31:12 wSBalYzr
>>160
乙かれさまです!
可符香と奈美って結構難しそうw。
アイディア、借用させていただきますm(__)m。
前書きで借用させてもらった旨は書かせてもらいますね。
この3連休でなんとか、上げたいw。
162:名無しさん@ピンキー
07/09/15 01:37:10 mt+JlZey
>>160
「難しい」キャラでこれだけ書ける貴方の実力が羨ましGJ
ついでみたいで妙な言い方だけど、思わず羨望するほどGJだった。
>>161
3連休・・・か。俺もできればあげたいな。
今週のマガジンと10巻に触発されたブツ、最終日までにあげると予告しておこうか。
163:430
07/09/15 11:47:57 AwejrfO/
裏で地味に小ネタを連投していた430ですww
その間に、こちらのスレはすごいことになってますね。
神々の降臨、皆様、まさにGodJobです…!
前スレも埋まって安心したところで、鬱SSを投下させていただきます。
鬱エロではないので、>>147さん服着てください、ごめんなさい。
鬱エロは、>>146さんにお任せいたします…!
以前書いた「30倍悲しい死に方」の続きで、命兄さんのお話です。
今さら古い話を何なんですが、続きが浮かんでしまったものですから
このさい、蛇足っちゃいませんか?…ということで(ココ、病院ジャナイデスヨネ?)。
前提として、絶望先生は既にお亡くなりになっていますので、
ご不快な方はスルーでお願いします。
えー、いろいろ前置きが長くなりましたが、語り手は名前も知らぬあの人。
164:再生 1/14
07/09/15 11:49:46 AwejrfO/
――私のお墓の前で 泣かないでください
そこに 私はいません
死んでなんか いません――
ここ数日で、季節はすっかり秋から冬に移ったようだ。
私は、コートの襟を立てると、白い息を吐きながら仕事場へと向かった。
「糸色医院」
そう書かれたすりガラスの扉の下には「当分の間休診します」との張り紙。
その張り紙は、風雨にさらされて黄色に変色していた。
私は、張り紙を見てため息をつくと、鍵を取り出して医院の扉を開けた。
糸色医院は、医師である糸色命先生と、看護師兼受付の私の2名しかいない、
とても小さな所帯の、いわゆる「町のお医者さん」だった。
それでも、糸色先生の人柄のせいか、開院当初はずいぶん患者が多かった。
子供達の泣き声とそれを叱咤する先生の声、それに混じるお年寄りの笑い声など、
本当にここは病院なのかと思うほど、いつも明るい声に満ち溢れていた。
――しかし、この夏からずっと、この医院の扉は閉じられたままだった。
165:再生 2/14
07/09/15 11:51:21 AwejrfO/
私は、扉を開けて中に入ると、無人の医院の掃除を始めた。
それは、ここ数ヶ月の私の日課だった。
戸棚の埃払いからはじめ、受付のカウンターや先生の机を丁寧に雑巾掛けする。
診察台や診療器具はアルコールで消毒する。
いつ、先生が医院に帰ってきてもいいように――。
仕上げに掃除機をかけると、やることがなくなった。
ほっと息をついて、何気なくカレンダーを見て気が付いた。
――昨日が、四十九日だったんだ――。
先生の弟さんに、生まれつき心臓に持病があるという話を聞いたのは、
この医院に就職して間もなくの頃だった。
先生の実家は裕福らしく、先生のご両親は、持てる限りの財力を注いで、
あちこちの高名なお医者様達に見立てをしてもらったらしい。
しかし、どの医師からも、弟さんの病に治癒の見込みはないとの回答を得たとき、
自ら医師になることを決意したのだと、先生は真剣な面持ちで言った。
その言葉通り、先生は心臓病の研究に非常に熱心だった。
この医院で患者さんたちの面倒を見ながらも、
大学の研究室に通っては、様々な治療法の開発を試みていた。
166:再生 3/14
07/09/15 11:52:32 AwejrfO/
私は、ぼんやりと診察室の先生の椅子に座って思い出していた。
弟さんの病気が進行するにつれ、先生の研究には熱が入っていった
そして、それにつれて、この医院の患者さんの数も減っていった。
――いいかげんに休んで下さい!そんなんじゃ、先に先生の方が倒れちゃいますよ!
――いや、もう少しで、この変異DNAの解析ができそうなんだ、そうすれば…。
寝不足で青白い顔をした先生と、何度そういう会話を交わしたことだろう。
そんな状態でも、先生は、弟さんの前では明るく快活な態度を崩さなかった。
楽しそうに笑い合う2人の会話を傍で聞いていると、この兄弟の間に
「不治の病」という重い事実が横たわっていることが信じられなかったくらいだ。
しかし、先生の努力にもかかわらず、弟さんの病状は確実に悪化していった。
そして、もはやどんな治療もかなわないということがはっきりしたとき、
先生は、迷うことなく、この医院を一時的に閉鎖することを決意した。
もちろん、残っていた数少ない患者さんには、丁寧に説明をした上で、
信頼できる病院を紹介し、充分な手当てを施した。
その上で、先生は、弟さんが入所したターミナルケア施設へと赴き、
彼の残り少ない人生を少しでも楽なものにすることに、全ての力を注いだのだった。
その弟さんが、先生や他のご家族に見守られ、眠るように息を引き取ってから49日。
そう、もう2ヶ月近く、経つのに――。
私は、もう一度ため息をつくと立ち上がり、医院を後にして近所のスーパーに向かった。
――これも、あのとき以来、私の日課となっていた。
167:再生 4/14
07/09/15 11:53:35 AwejrfO/
弟さんの葬儀が終わって1週間程経った頃のこと。
いつまでも医院に顔を出さない先生を心配して、私は先生の住むマンションを訪れた。
何度もチャイムを押した後、やっとドアを開けた先生の姿に、私は愕然とした。
いつもおしゃれで清潔好きだった先生が、ひげもそらず、
何日も着替えていないような薄汚れた格好で、うつろな目でこちらを見ていた。
無理やり上がり込んだ部屋の中は、カーテンを閉め切っており、乱雑に散らかっていた。
私が話しかけても、先生は、ああ、とか、うん、とか上の空の返事しかしない。
仕方なく、私は、子供の患者にするように、先生にまず風呂に入るように命じた。
そして、その間、押し付けがましいと思いつつも部屋を片付けた。
台所をのぞくと、そこに、食事をしたような跡は全く見られなかった。
先生の頬のこけた姿から判断するに、多分、弟さんの葬儀のあと、
まともな食事をしていなかったのだろう。
私は、手術後の患者さんに出すような薄めのおかゆを作ると、
風呂から上がって少しさっぱりした先生に食べるようすすめた。
風呂も、食事も、先生は、意外にも素直に私の言葉に従った。
…ただ、先生が私の言うことを本当に理解しているかは謎だった。
先生は、私がインタフォンの呼び出しを押せばドアを開けてくれるし、
食事を作れば、それを食べてくれる。
話しかければ、口の中で返事をする程度の反応はある。
でも、それだけだった。
先生は、私の行動に機械的に反応しているたけだった。
自分自身の意思、というものが全然見られない。
何もかも、どうでもよくなってしまっているかのようだった…。
168:再生 5/14
07/09/15 11:54:35 AwejrfO/
それでも、私は、先生のマンションに食事を作りに通うようになった。
だって、先生は、私の上司で雇い主で、早く医院に復帰してくれないと困るから。
先生が倒れたりしたら、私は、とたんに路頭に迷ってしまうから。
自分にそう言い聞かせては、
私は先生のマンションのエントランスの呼び出しを押すのだった。
――今日は、寒いから鍋にしよう…。
スーパーで買い物を終え、木枯らしの中、先生のマンションへと続く道を
早足で歩いていると、後ろから、ぽんと肩を叩かれた。
振り向くと、何度か医院にも来たことがある、弟さんのクラスの生徒が立っていた。
「あなたは…。」
「風浦です。風浦可符香。」
少女は、にっこり笑うと、私が持つスーパーの袋に目をやった。
「命先生のお夕飯ですか?」
「え…?」
私は、慌てた。
彼女はくすりと笑うといった。
「倫ちゃんから聞いたんです。
彼女、『うちの兄は、患者以上に世話をかけてる』って恐縮してましたよ。」
ああ、先生の妹さんから…私は、少しほっとした。
と、少女が表情を改めた。
「それで…最近の命先生のご様子は、いかがですか?」
169:再生 6/14
07/09/15 11:55:32 AwejrfO/
私は、彼女の質問に、とっさに答えることができなかった。
それで、彼女にも状況が分かったらしい、眉根を寄せてため息をついた。
私は、彼女のそのしぐさに、なぜだか先生が非難されているような気がして、
思わず反論口調で尋ねていた。
「あなた達の方こそ…クラスの方は、もう、大丈夫なの?」
私の質問に、少女は、ふ、と目を伏せた。
「大丈夫、と言えば嘘になるけど…。でも、先生は、いなくなったわけじゃないから。」
「え…?」
彼女の言葉の意味が分かりかねて私は尋ね返した。
「先生は、ただ、生きる姿を変えただけなんです。」
私の訝しげな表情を見て、彼女は続けた。
「先生の肉体は、失われてしまったかもしれないけれど…
でも、先生の魂は、私の…私たちの身の回りにいつもいてくれる。
それこそ、千の風になって、私たち全員を見守ってくれているんです。」
少女は微笑んだ。
「だから、うちのクラス、霧ちゃんも授業に出てくるようになったし、
まといちゃんなんか、今までが嘘みたいにいろんな活動に参加するようになって。
みんな、先生に、今の自分を見せようって頑張ってるんですよ。」
「…。」
私は、彼女の話を聞いているうちに、なんとなくイライラしてくるのを感じた。
魂が見守っている?そんなのは、単なるおとぎ話だ。
私は、少し意地悪な気持ちになって尋ねた。
「じゃあ、あなたたちは、糸色先生に会えなくても寂しくはないのね。」
170:再生 7/14
07/09/15 11:56:56 AwejrfO/
私の言葉を聞いて、少女の目が揺らいだ。
私は、はっとした。
私ったら、何を…こんな子供に八つ当たりするなんて…。
彼女は、震える声でゆっくりと、押し出すように言った。
「それは、いつだって……、もう一度、先生の姿を見たい、声を聞きたい…
…って……、そう、思わないときなんか、ないけど…。」
私は、そう言ったときの彼女の表情に、思わずどきりとした。
この娘は、いつの間に、こんな大人びた表情をするようになったのだろう。
彼女が医院に出入りしていた頃は、ちょっと変わってはいたけど、
明るく物怖じしない、いかにも女子高生、といった感じの娘だった。
それが今では、こんな、憂いを含んだ大人の女の顔をするようになっている。
「………。」
少女は、唇を噛み締めると、何かを思い切るように頭を振った。
「でも、いつも先生は私のそばにいてくれてるって、分かるから。
――だから、寂しくなんかありません。」
彼女がそう言い終わると同時に、今まで吹いていた木枯らしが突然やんだ。
そして、木枯らしとは明らかに違う、暖かい風が私たちの間をすり抜けると、
ふわりと、彼女の髪を優しく揺らした。
「あ…?」
私は、思わず目を見張った。
少女の後ろに、彼女に向かって微笑む
書生服を着た青年の姿が、見えたような気がした――。
171:再生 8/14
07/09/15 11:57:55 AwejrfO/
少女と別れてから、私は、ずっと考えていた。
大人になっていく少女。
自分達の新しい生活を築き上げている彼女のクラスメート達。
弟さんの教え子達は、さまざまな想いを抱えながらも、
着実に、未来に向かって歩み始めている。
――なのに。
死者は、そこで歩みを止めてしまう。
生きている者が、ともに、とどまることは許されない。
それが、この世の定めであり、理だ。
――なのに。
私は、さっきのイライラの原因に思い当たった。
――なのに、先生だけは、いつまでも前に進もうとしない…。
永遠に、時間(とき)を止めてしまった先生の弟――。
先生は、弟さんの止まってしまった時間に、
ともにとどまろうと、あがいているかのように見えた…。
172:再生 9/14
07/09/15 11:58:53 AwejrfO/
鬱々と考えているうちに、先生のマンションに着いた。
ドアを開ける先生に、いつものように、こんにちは、と声をかけるが返事はない。
そんな対応にも慣れてしまった。
私は、スーパーの袋の中から野菜を取り出しながら先生に話しかけた。
これも、私が先生のマンションに来たときの習慣だった。
「今日ね、道で弟さんの生徒さんに会ったんですよ…可符香ちゃん、覚えてます?」
いつもなら、先生は私が何を話しても特に反応はない。
必要があるときだけ、口の中で返事をする。
でも、そのときは、違った。
先生は、すごい勢いで私を振り向くと、私をにらみつけた。
私は、びっくりして手にしていた野菜を取り落としてしまった。
そして、気づいた。
私が、ここで、弟さんの話をしたのは、今日が初めてだったのだ…。
先生は、冷たい目をしたまま私に話しかけた。
先生の方から話しかけられるのも、ここに来るようになってから、初めてのこと。
「悪いが…その話は、それ以上聞きたくない。」
そういうと、先生は私から目をそらし、再びいつもの殻の中に帰っていった。
173:再生 10/14
07/09/15 11:59:43 AwejrfO/
――どうして…?
私は、テーブルの上に散らばった野菜の前で、呆然と佇んでいた。
――どうして、先生は、前に進んでくれないんですか…?
頑なな先生の背中を見ながら、私は、さっき会った少女との会話を思い出していた。
――先生は、いつまで、そこに、とどまっているつもりなんですか…?
胸の中でいろいろな感情が渦巻いて、私は、思わず、テーブルの上の野菜を
手でなぎ払った。
野菜が床に散らばり、さすがに、先生がこちらを振り向いた。
私は、その先生に向かって大声で叫んだ。
「――どうしてなんですか!?」
先生が、驚いた顔で私を見た。
「皆、辛くても、それぞれの人生を歩き始めてるんです!
どうして先生だけが、いつまでも立ち止まったままなんですか!」
先生の顔色が変わった。
「君に、そんなことを言われる筋合いは…。」
「先生のいるところに、弟さんは、いやしません!」
私は、先生の言葉を遮った。
「!?」
先生が、訳が判らないという顔をして私を見返した。
174:再生 11/14
07/09/15 12:00:46 AwejrfO/
涙が出てきて、声が詰まった。
「…可符香、ちゃんは、言ってました。
弟さんは、千の風になって、皆を、見守っているんだって。
なのに、先生は、一人きりで、自分の殻に閉じこもって…。
そんなんじゃ、弟さんだって、先生に会いにいけないじゃないですか!」
次から次へと、言いたいことが喉元にこみ上げてくる。
涙が止まらない。
――どうして、先生は、後ろを振り向いてばかりいるんですか。
――どうして、「今」を見ようとしてくれないんですか。
――先生の周りの人は皆、先生を待っているのに。
――私が、先生のことを、こんなにも、想っているのに…!
私は、悔しい気持ちが溢れて止まらなくなって、先生に近づくと、
先生の胸倉をつかんで、思い切り口付けた。
先生の目が大きく見開かれる。
しばらくして、私が唇を離したときには、
先生の顔も、私の涙でぐしょぐしょになっていた。
私は、もう一度先生を睨みつけると、息を切らしながら叫んだ。
「そんな先生なんて――大嫌いです!」
そして、マンションを飛び出した。
175:再生 12/14
07/09/15 12:01:38 AwejrfO/
翌朝、私は重い気持ちで医院に向かった。
ああ、本当になんてことをしてしまったんだろう…。
もう、先生のマンションに行くことなんてできない…。
のろのろと鍵を開けようとして、はっとした。
――鍵が、開いてる!?
扉をあけると、靴を脱ぐのももどかしく診察室に向かい、そのドアを開けた。
「…やあ、おはよう。」
朝日が一杯に差し込む診察室の中、いつもの椅子に先生が座っていた。
「せん、せ、い…。」
つぶやく私に、先生が、照れくさそうに下を向いた。
「本当に…世話をかけてしまったね…申し訳ない。」
いいえ、私の方こそ、と言いたかったが、涙が出そうで言葉にならない。
先生は、そんな私を見て、再び照れくさそうに小さく笑った。
「昨日のあれは、すごいショック療法だったよ。一気に目が覚めた。」
私は、思わず赤くなった。
「次のときは、もう少しお手柔らかに、お願いしたいもんだね…。」
「…!!」
176:再生 13/14
07/09/15 12:02:24 AwejrfO/
と、先生が、立ち上がり、窓を見上げた。
「昨日君が言っていた、可符香君の話…。」
先生の言葉に、私も顔を上げた。
朝日の眩しさに目を細めながら、先生は呟いた。
「…望は、私のそばにも、いてくれているんだろうか…。」
私は、咳き込むように返事をした。
「あ、当たり前じゃないですか!あんなに大好きだったお兄さんのそばから、
弟さんが離れるわけがありませんよ!」
先生が、私を見て小さく微笑んだ、そのとき。
窓も開けていないのに、カーテンがふわりとゆれた。
そして、昨日と同じ暖かな風が、そっと優しく私たちを包むと、
柔らかく頬をなで、通り過ぎて行った。
「――!!」
先生は、風が通っていった空間を見上げ、目を見開いた。
その瞳から、ゆっくりと、一筋の涙が伝い落ちる。
「の、ぞ、…む?」
177:再生 14/14
07/09/15 12:03:46 AwejrfO/
私は、思わず両手で口を押さえた。
――ああ。
もう、大丈夫だ。
もう、この人は大丈夫。
朝の光の中、涙を流す先生を見ながら、私は何度も胸のうちで繰り返した。
…先生は、もう、二度と立ち止まりはしない…。
――やがて、この医院にも、以前のような活気が戻ってくるだろう。
――子供の泣き声やお年寄りの笑い声が響く、明るく楽しい場所になるだろう。
そして、そこには、いつも優しい風が、先生とともにあるだろう――。
――私のお墓の前で泣かないでください
そこに私はいません
死んでなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を吹きわたっています――
178:430
07/09/15 12:05:13 AwejrfO/
こんな良い天気の休日の昼間っから鬱を失礼いたしました。
文頭及び文末のモノローグは、
新井満「千の風になって」から引用させていただきました。
あと、どうでもよいことですが、
この連作は、一応、先生×可符香の裏設定ではあるものの、
自分の中では、赤木杏のシリーズ(?)とは別モノ扱いになってます。
……だって、赤木杏シリーズの先生は、えらく元気で死にそうにないんだもの…。
179:名無しさん@ピンキー
07/09/15 12:14:23 wQhwvnK5
>430氏GGGGGJJJJJ!!!!!
私も鬱なの他作品で書いてますが、こうは書けません。
いい物見せてもらいました。
180:名無しさん@ピンキー
07/09/15 14:36:24 EAHSby0m
えっちな話が読みたくてこのスレに来たのに、
なんで泣かされなきゃいけないんだよっ…!
GJだ! くそっ!あんたGJだよ!!。・;+゜・(ノД`):・゜+:・。
181:名無しさん@ピンキー
07/09/15 15:09:17 Pf3W6rTm
泣きながら一気に読みました、全裸で。
くそっ、俺もいい加減服を着るかな…
182:名無しさん@ピンキー
07/09/15 17:10:31 /wy0GBOF
「では、授業を始めます。 うっ!?」
「先生! 今日の授業は何でしょうか!」
「可符香さぁんっ、ちょっとまってくだ、……あっ……さい。」
望は力なく教卓の下にへたり込む。
(常月さん、何をして……うっ、くっ。)
(へんへえがよろこふと思って……。)
まといは望の袴に切れ込みを入れ、舌や唇で陰茎を弄んでいたのだった。
その甘美な刺激に、望は嬌声を上げそうになった。
「先生、具合が悪いのですか?」
「可符香さん、だだだ大丈夫です! 教科書の 53 項から読んでいてくださいッ!」
「先生、そこは昨日読みました。」
「す、すみません!つづきかっら読んでください……。」
「先生! 私先生の事を見直しました! 体調が悪いのに……教師の鑑です!」
望は力を振り絞り、教卓の上に身を預けた。
「う、っくく……はぁうっ!」
「先生!顔が真っ赤ですよ。」
「奈美さん、気にしないで……ください。」
続かない
183:名無しさん@ピンキー
07/09/15 17:49:12 Hm3P4frk
「もっと媚びろよ!」
>>178
JA●RACの方から(ry
冗談はさておき、GJ! 鬱作品にまた泣かされるとは……。゚(゚´Д`゚)゜。ウワァァァン
あなたはリアル久藤君ですかっ!
>>181
セカチューかよw
てかまだ着てなかったのかww
184:名無しさん@ピンキー
07/09/15 21:08:54 4f635d/s
>>181
逆に考えるんだ
服を着る暇も無いなら裸族になればいいじゃない、と考えるんだ
185:名無しさん@ピンキー
07/09/15 21:30:59 Pf3W6rTm
俺……、最高のエロがきたら服を着るんだ
186:名無しさん@ピンキー
07/09/15 21:46:53 CEZNFsFQ
なんなんだよこのスレは
今まで芽留には全く興味がなかったのに、今はとても愛おしい
そして430氏、ただ冷やかしで来ただけ俺を泣かしたニクい奴め
保管庫行ってくる
187:名無しさん@ピンキー
07/09/15 21:54:04 WyENXpPo
>>186
気をつけろよ
前作はこの話以上の破壊力だからな
目がヤバイことになっても知らないぞ