【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part8【改蔵】at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part8【改蔵】 - 暇つぶし2ch1:名無しさん@ピンキー
07/09/10 11:25:09 80I0UIPF
久米田康治作品のSSスレです。
週刊少年マガジンに大好評絶賛連載中の「さよなら絶望先生」ほか
「かってに改蔵」「行け!南国アイスホッケー部」「育ってダーリン」など
以前の作品も歓迎。

前スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part7【改蔵】
スレリンク(eroparo板)

過去スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part6【改蔵】
スレリンク(eroparo板)

【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Partご【改蔵】
スレリンク(eroparo板)

【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part4【改蔵】
URLリンク(sakura03.bbspink.com)

【改蔵】久米田康司エロパロ総合 Part3【南国】
URLリンク(sakura03.bbspink.com)

かってに改蔵 Part2 【久米田康治総合】
スレリンク(eroparo板)

【かってに改蔵~天才エロ小説~】
スレリンク(eroparo板)


これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
URLリンク(sslibrary.gozaru.jp)


あぷろだ(SS保管庫付属)
URLリンク(www.degitalscope.com)

2:名無しさん@ピンキー
07/09/10 11:39:12 VBYEaXNh
部長のうんこたべたい

3:名無しさん@ピンキー
07/09/10 13:20:35 CW6snFY3
>>1
乙!
さて、前スレを埋めてくるか・・・


4:名無しさん@ピンキー
07/09/10 14:01:57 Iy6tZWit
>>1

5:名無しさん@ピンキー
07/09/10 15:23:00 sn3vJvjD
>>1

さて新スレ投下一号がくるまで裸で待機するかな

6:430
07/09/11 00:12:23 DsFMB2SR
こんばんはです。
前々430とか面倒なので、もう、ただの430です。

えー、スレのしょっぱなから欝を投下するのもなんなので、
先に甘エロの方を投下させていただきます。
前スレ埋まってないのですが、ちょい長めなので、こっちのスレで失礼…。

修学旅行シーズンと言うことで、生八橋の回のお話で妄想しました。
先生×可符香で甘エロ……になってると、いいなぁ…。


7:翠を拾う 1/10
07/09/11 00:13:38 DsFMB2SR
古都、京都。
まだ紅葉には早いものの、風は既に秋の香りを孕み、空は高く澄んでいた。

しかし、そんな気持ちの良い秋晴れの日に、京都御苑をそぞろ歩く
2年へ組の生徒達は、皆、一様に浮かない顔をしていた。

望は、生徒達の顔を怪訝そうに眺めた。
「どうしたんですか、皆さん、ずい分と疲れた顔をして。」
生徒達は、げっそりと望を見返した。

「誰のせいだと思ってるんですか。」
「人が生八橋食べようとしたら邪魔したくせにぃ。」
「下見寺なんかじゃなくて、清水寺に行きたかったですよ。」
皆、口々に文句を言う。

そこに、横から、
「ほら、スケジュールから1分遅れてるわよ、皆、走って!!」
千里の鋭い声が飛んだ。

生徒達の雰囲気が、さらにどよんどと重くなる。
望の妨害に加えて、この粘着質にきっちりとしたスケジュールが、
着実に生徒達の生気を失わせているのであった。

――ふむ。これは、いけませんね。

望は、ぐったりとした生徒達を見て、顎に手を当てた。
「木津さん。」
「はい?」
「一緒に、式場の下見に行きませんか?」
「ほ、本当ですか!?」
千里の表情がぱぁっと明るくなった。
「他の皆さんは、ここで少し休憩していてください。」

――生徒達を、少し休ませてあげなければ…。

望は、千里を伴ってその場を後にした。


8:翠を拾う 2/10
07/09/11 00:15:16 DsFMB2SR
ひととおり千里と葬儀場や墓苑を巡り、墓石で殴り殺されかけた後、
望は生徒達が待つ京都御苑へと帰ってきた。

一応、出席簿を見ながら、生徒達が揃っているか確認する。
「…あれ?風浦さんはどこです?」
「知りませんよ。先生こそ、どこに行ってたんですか。」
望の質問に、不機嫌そうに答えたのは、久藤准。
可符香の保護者を勝手に自認している彼は、どうやら、
望が可符香を置いて千里と2人だけで出かけたのが気に食わないらしい。

「…先生、風浦さんを探してきますので、皆さんここにいてください。」
准の言葉を無視して、望がその場を離れると、准が追いかけてきた。
2人で、何となく連れ立って歩き始める。

「先生、もう少し杏ちゃんを気遣ってあげてくださいよ。」
「…余計なお世話ですよ。」
目で可符香の姿を探しながら、望は答えた。

准は、むっとした顔で望を見上げた。
「だいたい、先生、なんで本番の旅行に来ないんですか?」
「修学旅行シーズンの京都なんて、考えただけでもぞっとします。」
さらりと答える望に、准はため息をついた。
「ま、僕としては、別にいいんですけどね。
 先生がいない方が、コブなしで倫ちゃんとデートできますから。」

今度は、望が准を睨む。
「…最近、随分いい態度じゃないですか、久藤君。」
「気のせいですよ。それより、本当にいいんですか、先生?」
「何がですか!」
望がうるさそうに問い返した。
相変わらず、その目は可符香を探して泳いでいる。

准は、頭の後ろで腕を組んだ。
「修学旅行シーズンの京都は、全国の高校生が集まりますよ。」
「だからこそ、来たくないんじゃないですか。うっとうしい。」
「けっこう、生徒同士で出会いもあったりするんですよね、これが。」
「…。」
「杏ちゃんなんて、可愛いから、他校生から目を付けられそうですよね。」


9:翠を拾う 3/10
07/09/11 00:16:43 DsFMB2SR
望は、思わず立ち止まった。
そんな望を、准が楽しげに振り返る。
「本っ当に、今年、本番の旅行に来なくっていいんですか?先生。」
「…。」
何となく、見透かされているようで癇に障る。
「うるさいですね!男に二言はありません!行かないと言ったら行かないんです!」
望は、大声で叫ぶと、准を置いて足早に歩き始めた。
背後では、准のクスクス笑う声が聞こえていた。

――まったく、可符香は、どこに行ったんでしょう!
   団体行動を乱さないよう、きつく叱っておかなければ…。

望は、この憤りはあくまでも教師としてのものだと自分に言い聞かせながら、
広い京都御苑の中を、可符香を探し求めて歩き回った。

随分と歩き回り、やっと目指す少女を見つけた。
「か…。」
呼びかけようとして、言葉が喉元で止まる。
可符香は、他校の生徒らしい少年達に囲まれていた。

「いいじゃん、抜け出しちゃいなよ、どうせ下見なんだろ?」
「俺達、ここら辺詳しいからさ、穴場スポット紹介してやるよ。」

いかにもチャラ気な男子生徒達が、かわるがわる可符香に話しかけている。
可符香は、こちらに背を向けているため表情は分からないが、
どうやら戸惑っている様子だ。

――どうしたんですか…。いつもだったら、
   そんな奴らをあしらうのなんか、お手のものじゃないですか…!

いつにない可符香の態度に、望は苛立った。

ずかずかと彼らに歩み寄り、可符香の後ろに立つと、低い声で言い放った。
「…うちの生徒さんに、ちょっかいを出さないでいただきたいんですが。」


10:翠を拾う 4/10
07/09/11 00:18:09 DsFMB2SR
可符香が、驚いたように振り向いた。
「先生…。」

「わ、やべ、先公だってよ。」
少年達は、突然の大人の出現に、慌てたように散っていった。
望と可符香は、2人きりでその場に残された。

「…。」
可符香は、少し拗ねたように、望から目をそらせている。
望は、可符香の手をぐい、とつかむと、そのまま可符香を引っ張って歩き始めた。

「痛!ちょっと、先生、手、痛いです!」
望は、可符香の抗議にも耳を貸さなかった。
「いったい何をやってるんですか、あなたは!
 勝手な行動をして、挙句の果てに、あんなゴロツキどもにちょっかい出されて!」
望が怒ったように言うと、可符香は急に立ち止まった。
望は後ろに引っ張られ、たたらを踏んだ。
「な…。」
文句を言おうと振り向いた望は、可符香の顔を見て口をつぐんだ。

「…勝手な行動をしてるのは、どっちですか…。」
可符香は、望を睨み上げた。
「先生こそ!皆を放って、千里ちゃんとどっかに行っちゃって…!」
心なしか、可符香の目が潤んでいるようだ。

「あ…。」
――もう少し杏ちゃんを気遣ってあげてくださいよ
准に言われた言葉が心に蘇る。

――ああ…。そういう、ことでしたか…。

望は、やっと、先ほどの頼りなげな可符香の様子に合点がいった。

――不安にさせてしまったんですね…。

やきもちを焼く可符香が愛しくて、望は、思わず可符香を抱きしめた。


11:翠を拾う 5/10
07/09/11 00:19:14 DsFMB2SR
「…っ、やめっ!」
可符香が駄々をこねるようにもがいたが、腕に力を込め、さらに強く抱きしめる。
「…気が回らなくて、すいませんでした…。」
心を込めて謝ると、可符香は大人しくなった。

望の腕の中で、可符香が、小さい声で何か呟いた。
「え?なんですって?」
頬を赤らめて、軽く下唇を噛んだ可符香が、望を上目遣いに見上げた。
「……もう…こんな心配、させないで下さい…って言ったんです。」
「――!!」
望は、可符香を見下ろして、呟いた。
「どうしましょう…。」
「え…?」

既に日は暮れかかり、御苑の中の人通りも少なくなっていた。
2人は、池のほとりに建つ、公家風の造りの茶室の前に立っていたが、
「緑の草花を拾い集める、ですか…。」
望は、呟くと、可符香の手を引いて茶室の裏手に回りこんだ。

「先生…?」
「本当に、あなたときたら。
 それこそ、あなたの全てを拾い集めて、閉じ込めてしまいたいですよ…。」
望は、茶室の影で、そう言って可符香の頬をなでると、
いきなり可符香を抱き寄せ、噛み付くように口付けた。
「んっ!!ふ…っ!」
可符香が、驚いたように体を引いたが、望は可符香を抱く手を緩めなかった。

しばらくして、ようやく顔を離すと、
可符香は上気した顔でくたりと望にもたれかかった。
「なんで、こんな、いきなり…。」
小さい声で、可符香が弱々しく抗議する。
「我慢できなかったんですよ…あなたが、あんな可愛い顔をするから。」
望がそう耳元で囁くと、可符香は真っ赤になった。

「…え、と、みんなをずいぶん待たせちゃってますよね。」
くるりと向きを変えて歩き出そうとする可符香を、望は後ろから抱きとめた。
「!!先生!」
「我慢できない、と言ったでしょう…。」


12:翠を拾う 6/10
07/09/11 00:20:09 DsFMB2SR
2人の体が密着した部分から、可符香に望の欲望が伝わる。
可符香が耳まで赤くなった。

「ど、どうしろっていうんですか、こんなところで…。」
「さあ…。どうしてくれるんですか…。」
望は、後ろから可符香の耳たぶを軽く齧った。
「きゃっ。」
可符香が首をすくめる。

望は、可符香の腰にまわした手を、セーラー服の下に差し入れた。
「やだ、先生…!」
可符香の抗議を無視してわき腹をゆっくりなぞる。
「前から思ってたんですけど…あなたの上着、丈が短かすぎやしませんか?
 腕を上げたら、見えてしまうじゃないですか。」

可符香は、望の手の動きに体を震わせた。
「せ、先生…だめ、ですよ…誰かに見られたら…。」
「大丈夫ですよ…、こんな時間に、もう、誰も来ませんよ…。」
望は、そう言うと、指を可符香のブラの下に忍び込ませた。

「――!!」
可符香の背が伸びる。
望は、そのまま、ブラを上に押し上げた。
「や…。」
「…何ですか?聞こえませんよ。」
知らん顔で、ゆっくりと指をうごめかせた。
可符香の息が荒くなる。
「ぅ、くぅっ。」
胸の頂を強くつまむと、可符香の膝がかくんと折れ、望は慌てて可符香を抱きとめた。
「だ、大丈夫ですか…?」

可符香は頷くと、近くにあった木の幹に体をもたせかけた。
そして、赤い顔をして息をつく。
それを見ていた望は、再び激しく可符香に口付けた。
「んんっ…。」
「まだ、終わってないですよ…。」


13:翠を拾う 7/10
07/09/11 00:21:39 DsFMB2SR
望は、今度は可符香のスカートに手を伸ばした。
可符香は身を引こうとしたが、背後を木に阻まれ、動けない。
「や…っ!ぅんっ。」
望の手が、可符香の下着の下に入り込んだ。

「…っ!」
可符香が、周囲を気にして声を忍んでいる様子がいじらしくて、
望の中に悪戯心がわきあがった。

可符香の耳元で
「ずいぶん、静かですね…。刺激が足りないですか?」
そう囁くと、指を、可符香の急所に強めにこすりつけた。
「ぁあっ!」
可符香が思わずというように大声を出し、慌てて両手で口を塞ぐ。
そして、肩で息をしながら、ふくれ面で望を睨んだ。

――ああ、また、そんな顔をして…。
望は、指はそのままに、可符香の首筋に唇を寄せた。
「あなた、分かってて、煽ってます?」
そう言って、唇でセーラーの襟をずらすと、強く吸い上げた。
可符香がびくんと上を向いて吐息を漏らす。
望が唇を離した跡には、くっきりと紅い跡がついていた。
「おや、これは、残念ながら、今日は大浴場は自粛ですかね。」
私の部屋の内風呂に入りに来ます?と望は含み笑いをした。

可符香は、ほとんど涙目で望を見上げた。
「せ、んせい、ひどい…。」
「ひどいなんて…今ので、こんなになってるじゃないですか。」
ほら、とわざと水音を立てて可符香の中をかき回す。
「やぁっ…!」

可符香は、とうとう望にしがみついて懇願した。
「も、もう、先生…。お願いだから…。」
しかし、すっかり嗜虐心に火が点いた望は、容赦しなかった。
「お願いだから、…何ですか?」


14:翠を拾う 8/10
07/09/11 00:22:36 DsFMB2SR
「…。」
可符香が赤い顔をして黙り込む。
「言ってくれなきゃ、分からないですよ。」
望が、指の動きを早めた。
「…っ!」
可符香の、望にしがみついている腕に力が入る。
「ほら、言ってごらんなさい…。」

とうとう、可符香が、消え入りそうな声で呟いた。
「先生の、が…欲し、い、です…。」
「…よくできました。」
望は、にっこり笑うと、可符香の額に軽くキスを落とした。

そろそろと可符香の下着を下ろすと、望は可符香を木の幹につかまらせた。
そして、
「いきますよ…。」
後ろから一気に可符香を貫いた。
「はぁ、ぁあっ!」
戸外で、しかもいつ誰が来るとも知れない茶室の影、という異常な状況のせいか、
可符香の反応は常になく激しかった。

――く、このままじゃ…。

すぐに果てそうになり、望は動きを止めると自身を可符香から引き抜いた。
「やぁ…。」
可符香が切なそうな声を上げる。

望は、そっと可符香の体を回し、自分の方に向けると口付けた。
「…やはり、あなたの顔を見ながらの方が、いい…。」
そう言うと、可符香の片足を持ち上げて、自分の肩にかけた。

そして、その体勢のまま、再びゆっくりと、可符香に体を沈めていった。



15:翠を拾う 9/10
07/09/11 00:23:49 DsFMB2SR
「あぁぁぁああっ!せ、先生…!」
可符香が体をのけぞらせる。
もはや、声を忍ぶとことさえ忘れているようだ。
「や、ぁあっ!」
望の動きに合わせて、可符香の嬌声が響く。

望は、さすがにまずいと思い、可符香の唇を自分のそれで塞いだ。
「むぐっ…!んっ!」
くぐもったうめき声が、可符香の口から漏れた。

「これ以上、皆さんをお待たせしてもいけませんね…。」
望は、唇の端でそう囁くと、可符香の腰を抱えた。
そして、再び、可符香の唇を塞ぐと、一気に動きを加速した。
「ん――っ!」
可符香の頬は真っ赤に紅潮し、潤んだ目の淵も赤く染まっている。

――可符香……!

望は、愛しい少女の顔を瞳いっぱいに焼き付け、そして、果てた。


全てが終わった後、2人は、しばらく荒い息で抱き合っていた。
遠くで、カラスが鳴いている声がする。
「ん…。」
可符香は腕時計を見て、次の瞬間、目を丸くした。
「わ、もうこんな時間!みんなに怒られちゃいますよぉ、急いで帰らなきゃ!」

慌てた様子で身づくろいをすると、可符香は先に立って歩き始めた。
「…まったく、余韻に浸る暇もないですね…。」
望は、ぶつぶつ言いながら、可符香の姿を後ろから眺めた。

――と。
近くにたむろしていた男子学生達が、可符香に気付いて声をかけた。
「やあ、君、1人?」
「京都は初めて?僕らが案内してあげるよ!」

望の表情が、険しくなった。
「……どうやら、京都は、再考した方がいいようですね…。」







16:翠を拾う 10/10
07/09/11 00:24:30 DsFMB2SR
「えー、今年の修学旅行は沖縄になりました。」

後日。
ホームルームでにこやかに旅先の変更を告げる望に生徒達はいぶかった。

そんな中、准は頬杖をついて小声で呟いた。

「…分かってないなぁ、先生。
どう考えても、京都より、沖縄の方がよっぽど危険だと思うんだけど…。
ま、僕としては、倫ちゃんの水着姿が見られるからいいけどさ…。」

沖縄での望の心労を思いやり、准は、やれやれと首を振ったのだった。




17:430
07/09/11 00:25:16 DsFMB2SR
えーと…。
甘々のはずが、先生が、ただのエロオヤジになってしまったorz
いくらなんでも日のあるうちから戸外はまずいよ、先生!

というか、この2ヶ月の間に、自分の中のエロリミッターが
すごい勢いで壊れていっていることに絶望した!!
…いや、このスレ的にはまだまだなのかもしれないですが。

あと、よく考えたら、生八橋の回の時には、
まだ倫ちゃんは編入してきてなかったですが、
そこら辺はスルーライフでお願いします。

以下、おまけの小ネタです。
修学旅行本番in沖縄。


18:おまけ小ネタ
07/09/11 00:26:05 DsFMB2SR
「く、久藤君!可符香を見ませんでしたか!?」
「杏ちゃんなら、他の女の子達と万座ビーチに行くって言ってましたけど。」
「な ん で す っ て!!
 あそこは、日本全国から恋をしたい若者達が集まってくる場所じゃないですか!
 あんなところに女性だけ行くなんて、ナンパしてくれと言ってるようなもんです!!
 久藤君、なんで一緒に行ってくれなかったんですか!!!」
「……前は、僕が杏ちゃんに話しかけただけで不機嫌になってたくせに…。」
「絶望した!!沖縄の余りの出会いシチュの多さに絶望した!!!」
「お兄様。絶望している暇があったら、風浦さんを追いかけたほうがよいのではなくて?」
「は!!そのとおりです、倫!それでは、失礼しますよ!!!」
バタバタバタバタ…。

「…はぁ。お兄様ときたら、いつまで経っても成長しない人…。」
「あははは。ま、でも、先生が杏ちゃんでいっぱいいっぱいになってる方が、
 こちらに矛先が向かないから好都合だよ。」
「…それもそうだな。午後は、国際通りで買い物でもするか。」
「うん、そうだね、倫ちゃんvv」


…久藤君たら、すっかりノーマルになって…。良かった良かったw


19:名無しさん@ピンキー
07/09/11 00:47:39 DsFMB2SR
ごめんなさい、この容量だったら前スレでも大丈夫でしたね…。
このSSで12KBでした。覚えておこう…。

20:名無しさん@ピンキー
07/09/11 01:28:39 Pjt9zDWw
>>17
あえて言わせて貰います。
倫ちゃんの編入以前にその時期に先生は告白していません。
私、時期系列をきっちりしてくれないと嫌なんです。

21:名無しさん@ピンキー
07/09/11 08:49:37 Sm8qG9wU
>>20
むしろそこまで430氏のSSを読み込んでいるお前に感動した
これは良いツンデレだな

22:名無しさん@ピンキー
07/09/11 10:26:53 /fs1iaCe
430氏GJ! 朝からイイモノみさせていただきまつた。w ゴチですww

>>20
漏れは、SSは全部、並列世界でとらえてるw  

・・・・さて、前スレに戻るべ。

23:名無しさん@ピンキー
07/09/11 12:54:00 OAyUGNAj
430氏乙でした
可符香好きにはたまらんです

24:名無しさん@ピンキー
07/09/11 17:05:10 6XRaqgrQ
前スレのレス読んで、芽留で1本書いたんですが
書き上げてみたら、テキストファイルで25KBありまして
前スレが既に478KBだったので、こりゃマズいなということで
恐れ多くも新スレを使わせて頂きに参った次第です

ということで、望×芽留で1本
参ります

25:文字と声 1/8
07/09/11 17:08:00 6XRaqgrQ
『おいコラ ちょっと話がある 今から行くから待ってろ』

その、たった3行のメールが来たのが、つい数十分前のこと。
差出人は………今、ちゃぶ台を挟んで望の正面に座っている少女、音無芽留。
「それで………どうしました?」
熱い茶を注いだ湯飲みを差し出しながら、望が尋ねる。芽留はいつもの通り、一言も声を発しない
まま、おもむろに取り出した携帯電話のボタンを操作し始める。
慣れた手つきであっという間に文章を打ち終え、その小さなディスプレイを望の眼の前に掲げる。

『声が出ねぇ』

望が、きょとん、と首を傾げた。
「………声が、出ない………というのは、どういう………?」
ディスプレイが芽留の手元に引っ込んで、またすぐに望に突きつけられる。
『そのまんまの意味だよ アホかお前』
「………………はぁ。」
『お前が言ってたんだろうが ずっと喋ってないと そのうち声が出なくなるって』
望はそこでようやく、芽留の言葉の意味を理解した。
「なるほど………まぁ、そうですよねぇ。普段から、あれでは。」
『なに呑気なこと言ってやがる こっちは死活問題なんだよハゲ つーか「あれ」とか言うな』
「や、失礼しました。それで、ええと………いつ、気付いたんですか?」
普段、声を出す機会なんて、ほとんど無いでしょうに………と、喉まで出掛かったその言葉を呑み
込んで、望は芽留が自分の以上を知るに至った経緯を尋ねた。

気がついたのは、芽留が母親を連れて携帯電話の機種変更に行ったときのことだったらしい。
機種を選び、プランを設定し、古い携帯のデータを新しいものに移そうとしたときのこと。流石に、
重要な意思疎通ツールである携帯電話を片時も手放そうとしない芽留も、その行程ではどうしても
携帯電話を手放さざるを得なくなる。
近くに母親が居るので、店員とのやり取りに困ることはないが。その母親から、話し掛けられること
はあるわけで。芽留も、そうして必要に迫られたとき、かつ相手が肉親や本当によく見知った人間で
あるときは、最低限の会話くらいは出来る………はずだった。

だが。ほんの少しだけ意を決して、母親に答えようとしたそのとき。
芽留は………自分の喉から、声が出ないことに、気付いたのである。
もともと、決して聞き取りやすい声では無かったがそれどころの話ではない。
自分の声が、自分にすら、聞こえなかったのだ。

結局、その場は筆談でなんとかやり過ごすことが出来たものの。帰ってから母親にいろいろと心配
され、しかし自分でもどうしてよいのか解からず。医者に連れて行く、と言われたので、その前に
こうして望のもとへ相談に来た、という次第………なのだそうだ。
『病院なんか連れてかれて堪るか 嫌いなんだよ医者は』
「そうですか………しかし、それでどうして私に?」
『経験者なんだろ 医者よりよく解かってんだから どうにかしろよ』
相変わらずの口の悪さで、しかしかなり必死な瞳でそう訴える芽留を眼の前にして、望は、うーん、
と唸り声を上げた。どうやら相当の医者嫌いではあるらしいが、しかし、果たして自分に医者以上の
ことが出来るものだろうか。芽留の言う通り、経験者ではあるが。
「………命の病院なら、少しは気が楽じゃありませんか?」
『そういう問題じゃねぇんだよ』
「ふーむ………そうですか。しかし、困りましたねぇ………。」
『なんか方法あるだろ 自分のときどうやって治したのか 教えろ』
その言葉を見て、望は、遠い昔の記憶を手繰り始めた。
「そうですねぇ………思わず声を出してしまう状況を作るのが、1番ですかね。私も、それで。」
『は? もっと解かりやすく言えよ』
「ですからつまり………驚きや痛みなんかのショックで、無理矢理声を上げさせるんですよ。」
『驚き? 痛み?』
「ええ。私のときは、命に足のツボを押して貰いましたね。あれは、絶対に叫びますよ。」
顎に手を当てながら、思い出し思い出しそう語る望の言葉に、芽留はいささか表情を硬くした。
しばし、考え込むように携帯とにらめっこをした後………その指がまた、言葉を紡ぎ始める。

26:文字と声 2/8
07/09/11 17:08:30 6XRaqgrQ
『仕方無ぇ まずはそれでやってみる』
「そうですか。じゃ、命の所に………。」
『医者は嫌いだっつってんだろ あっという間に忘れてんじゃねぇよ この鳥頭』
「あ、いや失礼。しかし、それではどうやって………。」
ほんの一瞬迷った後、芽留がまた、首を傾げる望の眼の前に携帯を掲げた。
『お前がやれ』
望が再び、きょとん、とした表情を浮かべる。
「私………ですか?」
『足の裏押すくらい誰でも出来んだろ 早くしろ』
「………………。」
望はその画面を見つめた後、小さな溜息を漏らしてから、渋々その言葉に従った。



ちゃぶ台の上に芽留を座らせる。それでも、2人の座高は大して変わらない。
「………やっぱり、先に、驚かせる方試してみませんか?」
『「今から驚かせますよ」って言われて 驚く奴なんて居るわけねぇだろうが』
「う………い、いえ、それにこれも本当は、専門知識のある人間がやった方が………。」
『ガタガタ言ってねぇで早くやれよ 男がいつまでもうるせぇな』
「わ、解かりましたよ。けど………無理そうだったらすぐに行ってくださいね?」
どこか不安げな表情でそう呼びかけられ、芽留の身体が、一瞬だけ硬直した。すぐに、携帯に視線
を落とす。ディスプレイの青白い光が、その顔色を隠す。
『黙ってやれよ』
「はい、はい………では、失礼………。」
そう言いながら望は、靴下を脱がせた目留の薄い足の裏に、親指を当てる。そして、勘だけを頼りに
効果のありそうな場所を探り、出来るだけ短期決戦を目指し、最初から全力で芽留のツボを押し込み
に掛かった。
「………………ッッッ!!!」
その瞬間、芽留の細い足が、ぴん、と突っ張る。ツボとしての効果はともかく、その圧迫は芽留に
強烈な痛みを与えるには絶好のポイントだったらしい。
芽留の右手が、携帯と一緒にちゃぶ台の淵を掴み、全力で握り締める。左手の爪が、木目を引っ掻く。
自由になる方の足の膝が立ち、震える。程なく芽留は、携帯を持っていない左手でちゃぶ台を叩き、
ギブアップの合図を出した。
「っ、だ、大丈夫ですか!?」
望が、血相を変えて芽留の様子を伺う………が。
「音無さ………。」
その声は、視線がちゃぶ台の上に向いた瞬間に、フェードアウトして消えてしまった。
「………っ………っ………!」
痛みの余韻に耐えながら、しかし結局一言も声を発することは無く。芽留が、ほとんど仰向けで
ちゃぶ台の上に寝そべるようになっていた身体を、起こす。
目尻に涙を浮かべながら、汗の滲んだ右手で文章を打ち、それを望に突きつける。
『おいコラ痛ぇだろこの野郎 ちょっとは加減しろよハゲ』
そして。突きつけた先に居る望の視線が、それとは別の場所に注がれていることに気付く。
芽留は、何故か赤面している望の視線の先を、辿って………。
「………………~~~ッッッ!!!」
一瞬で、茹で上がったように赤くなった。
ちゃぶ台の上に座って、片足を突き出して、もう片方の足の膝を立てて。そんな格好をしていれば、
当然、そのちゃぶ台の正面に座っている望からは………ひらりと捲れたスカートの中が、丸見えに
なっているわけだ。
芽留が、慌てて足を閉じ、両手でスカートの裾を掴む。その仕草でようやく我に返った望は、芽留に
負けず劣らず青白い顔を真っ赤に染めながら、慌てて視線を逸らした。
「す、すすすすすすいません!申し訳ございません!!生まれてきてごめんなさいッ!!!」
瞬時に土下座の体勢に移行しながら、望は思いつく限りの謝罪の言葉を述べた。
芽留が、震える指で携帯のボタンを押していく。痛みと、死にそうなほどの恥ずかしさが混ざった
涙を浮かべながら、顔を畳に擦り付ける望の肩を叩き、ディスプレイを突きつける。

27:文字と声 3/8
07/09/11 17:09:14 6XRaqgrQ
『見たな?』
「ひぃっ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいッ!!」
『ごめんなさいじゃねぇんだよ 見たか見てねぇかって聞いてんだよ クソメガネ』
「い、いえ、あの………その………。」
『正直に言わねぇと学校中にお前のこと わいせつ教師って言いふらすからな』
「ご、ごめんなさい………ち………ちょっと、だけ………。」
『………ちょっと?』
「い、いえ!あの………か、かなり、その………ちゃんと………!」
自ら望の自白を誘導しながら、芽留は、赤い顔を更に紅く染めていった。
「ああぁ………絶望した………教え子の眼の前で、男の性に負けてしまう自分に絶望した………!」
まるでこの世の終わりが来たような声でそう言いながら、望は頭を抱え、ふらふらと部屋を横切って
いった。亡霊のような足取りで辿り着いた戸棚から、例の、旅立ちセット一式を取り出す。
「この恥を晒して、生きてはいけません………どうか命と引き換えに、このことはご内密………。」
と、そのとき。ロープで首を括りかけた望の携帯が、ピピピ、と電子音を発する。
メールの着信に設定したその着信音に、望が振り返る。芽留が、望の携帯を本人に差し出した。
『おうコラ 勝手に盛り上がってんじゃねぇよ このエロメガネが』
「………え、エロメガネ………。」
望が更なる絶望に打ちひしがれている隙に、芽留は次の文章を打ち終える。
『勝手に死んでんじゃねぇよ まだこっちが解決してねぇだろ』
「う、う………しかし、もはや私に教師としてあなたを助ける資格など………。」
『今死んだら学校と実家に あること無いこと吹き込んでやるからな』
「い、いえ!そればかりはご勘弁を!死ぬときくらい、綺麗なまま死なせてください!」
『じゃ手伝え』
「………いや、しかし………。」
『オレが手伝えっつってんだよ いいから次の作戦考えろ』
望はしばし唸り声を上げた後、また渋々と、旅立ちセットの片づけを始めた。



なんだかんだと、話し合った結果。
あれだけの痛みで声が出ないなら、もっと別のタイプの刺激を探した方が良いだろうという結論に
辿り着いた2人は、次は叫び声ではなく笑い声でどうにかしようと考え、打って出た。
望むがあぐらを掻き、その足の上に、芽留が腰を降ろす。この体勢で、背中や脇腹など、普通なら
くすぐられて黙っていられないような場所を刺激する作戦である。さきほどのようなことが無い
ように背後に回る、というのは望のたっての希望だが、この体勢は、芽留の提案だ。
「………あの、なにもこの体勢でなくても………その、ちょっと、いろいろと………。」
『離れてたらやりにくいだろうが』
「それに………本当に、良いんですか………さっきの、今で………。」
『オレが良いって言ってんだ とっととやれよバカ野郎』
「は、はい、では………し、失礼、します………。」
望はしばし躊躇した後、おずおずと、その細い指を芽留の背中に滑らせた。恐々とした手つきで、
制服越しに背筋をなぞられ、芽留の身体がぴくりと震える。
「へ、平気ですか?」
『いちいち聞くな 黙ってやってりゃいいんだよ』
思わず口を突いて出たその言葉も、あっさり切り捨てられて。望がまた、背筋に指を落とす。
「~、っ………っ………!」
声にならない声が、漏れる。その様子に何か手応えのような物を感じたのか、望は、時折緩急を
付けながら、芽留の背中に刺激を送り続ける。
『おい』
やがてまた、芽留の震える指が文字を打つ。やっとの思いで打たれた2文字に、望の手が止まる。
『背中以外にもくすぐる所くらいあるだろ ちょっとは考えろ』
「せ、背中以外………と、いうと、しかしですね………。」
『だからオレが良いって言ってんだろ 何回言わす気だ』
まるでその言葉に脅迫されるかのように、望は恐る恐る、その手を芽留の脇腹に回す。細い指が
腰から脇の下に近い脇腹に掛けてを、這うように動く。その度に芽留はまた身体をひくひくと
震わせる。吐息が、徐々に熱を帯びていく。

28:文字と声 4/8
07/09/11 17:09:45 6XRaqgrQ
自分の手の動きに併せて、膝の上でその華奢な身体を震わせる芽留の姿を、目の当たりにして。
「(だ………駄目だ、何を考えているんですか、私は………。)」
望は………自分の中に湧き上がる、教師として許されざるその衝動と、葛藤していた。
眼の前の、小さく震える白いうなじに、視線が釘付けになる。自分の与える刺激に悶える姿に、
異様なほどの高揚感を覚える。芽留の幼い身体に対して、確実に男としての興奮を覚え始めて
いる自分に気付き………望は、これ以上無い程困惑していた。
「(こ、こんな小さな………じゃない!まさか、自分の教え子に、そんな………!)」
自分の中の天使が、早く止めろ、危険だと自覚している今ならまだ引き返せる、と、望の心を
説得しに掛かる。それに対して自分の中の悪魔は、そのまま行く所まで行ってしまえ、芽留の
為だと言えば多少の悪戯は許されるぞ、と、望の理性を切り崩しに掛かる。
「(ううぅ………どうして、ここまでさせるんですか音無さん………。)」
芽留が、そのうち自分の行為を拒絶し始めるのではないかということに、淡い期待と淡い不安
を覚えながら、望は機械的な動きで芽留の身体を刺激し続ける。
鼓動が早まる。顔と、頭の奥の方が、カーッと熱くなる。

やがて………望は、自らの中の葛藤に耐え切れなくなり。
その全てから逃れるべく、芽留に対する一切の行為を放棄し、その場から逃げ出そうとした。
………その時。

「………………ッ!!」
脇腹に回していた望の手が、きゅぅ、と、弱々しい力で握り締められる。
我に返った望が、自分の手を見下ろす。そこには、芽留の白い左手が、重ねられていた。
「………音無、さん?」
天使と悪魔の葛藤も、その場から逃げ出したい衝動も。全てが吹き飛ばされたように真っ白に
なった頭で、望が、芽留のその行為の意味を考え始める。

その眼の前で、芽留は、空いた右手で携帯を取る。背中に回った望からも見下ろせるその小さな
ディスプレイに、『オレの』『オレが』『お前』『手を』『そのまま』と、言葉の断片が映し
出されては消去されていく。
芽留は、少し息を荒げたまま、しばしの間そのディスプレイを見つめて………やがて。

『今からすること お前も男ならちゃんと察しろよ ハゲ』

指先を震わせながら、そんな言葉を、告げた。
望が、その言葉の意味を理解するよりも先に。芽留は、携帯電話を折り畳み………それをそっと、
ちゃぶ台の上に置いた。
「………音無さん………今のは………?」
「………………。」
望の問いには、答えず。芽留は空いた右手を、自分の左手の上に添える。そして、両手で包み
込むように望の手を握り、それを………。

「………ん、っ………!」
自らの………制服の、内側へと、誘った。

「………………は?」
望むの手が、するりと芽留の肌を撫で、制服の裾からその内部へと滑り込む。誘われるままに
辿り着いた、その先の柔らかさを感じた瞬間………望は、全身をガチガチに硬直させた。
「え、え………えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!?」
思わず強張った指が、図らずも、芽留のほとんど膨らんでいない胸を刺激する。ほとんど起伏が
無いながらも、少女の柔らかさを備えたその胸は、望の指の動きに併せて微妙にその形を変える。
「………は、ぅッ………!?」
芽留の口から、熱い吐息と、切ない喘ぎが漏れる。しかし、芽留の声を取り戻すという当初の
目的など完全に意識の外に弾き出された望は、そんなことなど全く意に介せず、動くに動けない
状況のまま心と身体をこれ以上無い程緊張させた。
芽留の手が、望の掌を自分の胸に押し当て、それを上から覆う。掌と胸が密着し、柔らかさの先端
にアクセントのように存在する微妙な固さまでもが、掌から望の頭に伝わる。

29:文字と声 5/8
07/09/11 17:10:36 6XRaqgrQ
「お、音、無、さん………ちょ、何………何、何をっ!?」
思わずどもる望の顔を、芽留は、自分の肩越しに振り返る。
目尻に涙を浮かべ、切なげで真っ直ぐな瞳で見上げられて………望は、声を失った。
「………っ………!」

一瞬で、芽留の乱れた姿に魅入られる。
悪魔が、その支配領域を爆発的に拡大させていく。

「お………音無、さん………っ。」
望は、ほぼ無意識のうちに、自分の掌が芽留の柔らかな胸を撫で始めたのを感じた。少しだけ
固くなった先端が、掌の窪みの中で嬲られる。甲高い、まるで蚊の鳴くような悲鳴を上げる芽留の
首筋に、望の唇が近づく。
「ひ、あぁッ!?」
うなじに口付けられた瞬間、芽留は、それまでで1番大きな声を上げた。
首筋に紅い痕を残し、望の唇が離れ、続いて耳元に近づく。
「………声、出るようになりましたね。」
「や、ぁ………ん、あうぅッ!?」
「………可愛いですよ………。」
甘い声で甘い言葉を囁かれ、背筋をぞくぞくと震わせている芽留の耳たぶを、望の唇が挟み込む。
刺激で感度を増した耳をついばまれて、芽留がまた、嬌声を上げる。
脇腹から、背中から、首筋から、耳から。芽留の身体に、際限なく快楽の波を送り込んでいく。
そうしているうちに、望は………いつしか芽留が、その脚をもじもじと擦り合わせ始めていることに
気がついた。
「………っ………。」
即座にその意味を悟り、望の意識が、身体の動きを阻害する。そのまま、芽留の身体が求めている
であろう行為に及ぶことに………一抹の不安と、躊躇いが生じる。
「………………?」
自分を愛でる望の手が止まり、芽留がまた、肩越しに望の顔を見上げる。2人の視線が、かち合う。

『男ならちゃんと察しろよ』

「………………!」
芽留の瞳を見つめた、瞬間。望の脳裏に、さきほど見た文章がフラッシュバックする。
「(………そもそも、ここまで来たら、もう………完全に、アウトですか………。)」
この期に及んでまだ躊躇する自分に、苦笑しながら。望は、心の中で呟く。
そして………意を、決したように。
「………ぁ………っ!?」
胸を愛撫しているのとは、別の手で………もじもじと動く芽留の太腿を、撫でた。
初めは、表面を撫でるだけの動きで。それがだんだんと大きくなり、力強くなり………やがて、緊張
のせいでぴたりと閉じられた太腿の間に、望の指が割って入ろうとする。
「や、ぁ………………。」
芽留の頬が更に火照り、その吐息が浅く、速くなる。
「………怖いですか?」
優しくなだめるような声で言いながら、望が、一旦その手を引く。芽留の呼吸が、徐々に落ち着きを
取り戻し………しかし、その両眼は、どこか名残惜しそうに望の瞳に訴えかけてくる。
ぼぅ、と、微かな音を立てて………望の嗜虐心に、小さな火が灯る。
「………どう、して欲しいですか?」
ここへ来ての、芽留にとっては酷な質問に、円らな瞳が見開かれる。
「………ぁ、ぅ………っ………。」
自分が、どうして欲しいのか。自分の身体が、望の、どんな行為を要求しているのか。
芽留には、それがはっきりと解かっていたが………はっきりと解かっているが故に、その行為を自ら
要求することなど、出来はしなかった。
「………たまには、ちゃんと、自分の気持ちを言葉にしなくては。声、もう出るんでしょう?」
優しく語り掛けるようで、しかし、やはり芽留にはどうしようもなく酷な言葉。
一瞬戸惑うような瞳で望を見上げ、しかし、結局はいやいやと頭を振る芽留の姿に………望は軽い
罪悪感を覚えると共に、ほんの少しの、征服感を感じていた。

30:文字と声 6/8
07/09/11 17:11:12 6XRaqgrQ
しかし、そのまま芽留の言葉を要求し続けるのは、流石に忍びない。望が、言葉を変える。
「………そうですね、言葉にしなさい、というのは少し言い過ぎましたか………すいません。」
「………………。」
「けれど、やはり先生は………あなたから、聞きたいんです。あなたの、意思を。」
「っ!」
「言葉でなくとも、構いませんから………。」
今度は本当に、優しく、なだめすかすように囁く。
芽留は、その言葉にしばし自分の中で葛藤した、その後。
「………ん………っ。」
望の言葉に従い、自ら………ぴたりと閉じていた両脚の力を、緩めた。
再び、望の指が芽留の太腿に着陸する。さきほどと同じ様に、優しい手付きで滑らかな肌を撫で、
そして………今度は迷い無く、躊躇い無く、その内股をさかのぼっていく。
「………ふ、ぁ………。」
滑るように、徐々に自らの最も大切な場所へ接近するその動きに併せて、芽留の身体は震え、同時
に高まっていく。その、最奥………白い下着に、望の指がぶつかった瞬間。望は、膝の上の芽留の
身体が、急激に強張っていくのを感じた。
「ひ、ッ………!」
「………大丈夫です。そんなに、乱暴なことはしませんから。」
なるべく驚かせないよう慎重に、その様子を探る。徐々に指に掛かる圧力を増していくと、押し
付けられた布地が、微妙に湿り気を帯びているのが感じられた。
「………ひゃ、ん………っ………。」
一旦力を抜き、また力を込める。それを数回繰り返し、芽留の最も敏感なその場所に、自分の到達
を知らせる。同時に胸を愛で、首筋や耳に唇の愛撫を加えてやると、芽留の身体も徐々に解れて
いくようだった。
望は頃合を見て、前後に圧迫するだけだった動きに、徐々に、上下に擦る動きを加えていく。
「………あ、ぅ………ぅっ………。」
指先が、いまやしとどに濡れた布地の向こう側の、芽留の形を感じる。脚の付け根の間に走る、
スリット。未だ何者の侵入も許していないであろう、芽留の、秘部。
望の愛撫に応える様に、温かな液体を滲ませながら。そこは確実に、望の愛を受け入れる体勢に
入りつつあった。
「ん、あ………ひんッ、ん、やぁ………ッ!」
上下に擦る速度を、上げる。芽留の声の艶が、増して行く。
芽留の入り口が十分に濡れ、解れ、自分の指を受け入れる準備が整ったことを確かめてから。
望は遂に………脚の付け根から、下着の内側へと、侵入を開始した。
「~~~ッッッ!!!」
芽留の愛液に濡れた望の指が、直に、芽留の秘部に触れる。その瞬間、芽留の背筋から全身へ
向けて、痺れるような強烈な感覚が放たれた。
体中の熱が増して、それが一気に頭の中に流れ込む。脳髄が痺れて、何も考えられなくなる。
「………大丈夫。怖くありません………大丈夫。」
生まれて初めての、あまりに強烈な感覚に飛びかけた意識を、望の抱擁がつなぎとめる。
「ちょっとだけ、我慢してください………少し、馴染ませますから………。」
望は芽留の耳元でそう囁いてから、芽留の秘部に指で軽い愛撫を加え始めた。指が上下に動く
のに併せて、芽留の身体が痙攣し、愛らしい声が上がる。
「あ、ひ、ぁッ………あ、あうぅ………!?」
直に触れたその感触が、芽留の準備が既に整っていることを知らせる。望は、ほんの少しだけ
躊躇した、後………その躊躇いを振り切るかのように、芽留の首筋に口付けを落とし、そして。
「………失礼、します………っ。」
「………は、ぁ………あ、あ、あぁぁぁッッッ!!?」
芽留の内部へと、侵入した。
常人より細いその指が、芽留の幼い入り口を押し開き、侵攻を開始する。緩んだ入り口は存外
すんなりと望の指を受け入れたが、しかし、灼熱のその内壁は、異物であるそれを排除しよう
としているのか、痙攣を繰り返しながら望の指を容赦なく締め付けてくる。
「は、はッ、っ、あ、ぁ………あ、ひぁッ、んぅぅ………!?」
生まれて初めて感じる他者の異物感と、圧迫感と、それを覆い尽くすような快楽の波。それらが
混ざり合った渦の中に、芽留の心が溺れていく。
普段の彼女なら有り得ない声量で、芽留は絶え間なく喘ぎ声を上げ続ける。

31:文字と声 7/8
07/09/11 17:11:45 6XRaqgrQ
「(………い、1本入れただけで、これでは………大丈夫なんでしょうか………。)」
一抹の不安を感じながらも、望は、挿し込んだ指を恐る恐る前後に動かし始める。呑み込まれた
指が芽留から引き抜かれてゆき、それがまた新たな感覚の波を生み出す。
そうして抜き差しを繰り返し、芽留の身体を、行為の終点に向けて徐々に高めていく。
少しずつ、指の動きにバリエーションを持たせていく。指を曲げ、伸ばし、内壁を優しく擦る。
「や………ぁ………ッ!?」
やがて。芽留自身の身体が、自らの臨界点を感じ始める。
今まで、自分で自分を慰めたことが無いわけではないが………しかしこうして、他人の手で絶頂
へと誘われるのは、もちろん初めての経験だ。良い意味でも悪い意味でも、自制など効くはずも
なく、与えられる衝撃はかつてない強烈なものとなる。
それまで経験したことのない大きな波が迫るにつれ、芽留の心に、ぽつり、ぽつりと恐怖にも
似た感覚が浮かび始める。ぼうっと中空を見つめていた眼がきつく閉じられ、緩んでいた口が
歯を食い縛る。ぞくぞくと背筋を走る快感に、寒気のようなものが入り混じってくる。
「ひ、ッ………………!!」

しかし。
様々な感情、感覚がない交ぜになったその想いを、口にすることもままならず………ただ、
すぐそこまで迫り来る『その時』を感じ、震える芽留の小さな身体が。
不意に、暖かな物に包まれる。

「ぁ………っ………?」
制服が捲くれ上がった背中全体から、じんわりと伝わる体温。
望は、芽留への愛撫を続けながら………その全身で芽留の身体をすっぽりと包み込むように、
彼女に寄り添った。
芽留の身体が………愛しいその人を感じる面積が、広がる。それにつれて、快感の中に混ざり
込んでいた恐怖の濃度が、薄まっていく。そしてその代わりに………充足感というか、幸福感
というか、とにかく芽留にとって幸せな暖かさが、心に流れ込んでくる。
「………大丈夫です。心配しないでください。私は………ここに、居ますから。」
耳元で、酷く優しい声がそう囁く。
その声と、柔らかな幸福感と、じんわりとした体温に包まれながら。

芽留は………生まれて初めて、愛する異性から与えられた絶頂を迎えた。




32:文字と声 8/8
07/09/11 17:12:36 6XRaqgrQ
///////////////////////////////////////////



「………面目次第も御座いません………。」
望が、心底申し訳なさそうな声で謝罪する。今度は土下座ではなく、行為を終えた姿勢のまま、
膝の上の芽留に向かって、である。
『んなこたどうでもいいんだよ』
「いえ、しかし………まさか、腰を抜かしてしまうとは思わなくてですね………。」
『どうでもいいっつってんだろ それ以上言ったら悲鳴上げるぞ』
「………はい………。」
そもそも芽留に悲鳴を上げるなんて芸当が可能なのか………という疑問に思い至る余裕も無く、
望はやはり申し訳なさそうにうな垂れた。
そうして落とした視線の先に、また、ディスプレイが現れる。
『それよりも』
「………な、なんでしょう………?」
芽留は、望に寄り掛かったまま………しかし、望の視線を避けるように携帯を身体に引き寄せて、
次の文章を打った。
そして、続く言葉を読んで………望が、ぎくりとする。
『お前 そのままでいいのかよ』
「………え………あ、いや………。」
嫌な汗が、首筋を流れ落ちる。
『バレバレなんだよさっきから ずっと当ててんだろうが』
「いやその………これはですね、なんと言うか………。」
『オレの身体弄くって そんなんなってんだろ 違うか?』
反論など出来るはずもなく、望は頬を赤らめながら肩を縮ませた。

望の意識が集中すると………望の分身は、余計に、膨張してくるような気がした。
行為の間中、芽留の身体に押し付けられ続け、絶棒は既に完璧な臨戦態勢を整えていたのだ。

『このロリコン野郎が そんなんなってたら 最後まで相手しねぇと気分悪いだろうが』
芽留が、少し遠回しな提案をする。望は、一瞬だけその先の行為を想像し、また余計に絶棒を
反応させたが………すぐに、疲れきったような微笑を浮かべて、それを断った。
「お気持ちは、嬉しいですが………それでは、音無さんの身体が持たないでしょう。」
『あ? チビだと思ってナメてんのか』
「無理はいけませんよ、大切な身体なんですから。それに………。」
『………なんだよ』
「その………音無さんさえよろしければ、いつでもお相手しますから。」
文字を打つ指が、止まる。
「………そんなに、焦らずとも………時間はありますから………。」
望は、声でも携帯の画面でも沈黙した芽留の髪を、そっと、撫でた。
『………おいコラ』
ディスプレイに、短い文章が映し出される。
「はい?」
『こういうときは苗字じゃなくて 名前で呼ぶのが礼儀ってもんだろ』
「あ………す、すいません………。」
『マジKYだなお前 すいませんじゃねぇだろ いいから呼べ』
望が、苦笑する。
「………はい、はい。」
『早く』
「………愛してますよ………芽留さん。」
芽留の体温が、また、上がった。

33:文字と声
07/09/11 17:19:13 6XRaqgrQ

………以上でした、お粗末様でした
芽留は、メール弁慶のあの性格こそが実は照れ隠しなんだと勝手に確信しております
本当は、ちょっと素直になれないだけの純な女の子、それがウチの芽留です

そして、遅ればせながら430氏へ
漫画とは一味違う、女の子らしいカフカに毎度毎度萌え狂わせて頂いております
やきもち可愛いよやきもち、最中のデレデレでとろんとろんな感じもツボ突かれまくりです
あと久藤くんと倫のカップルも非常~に素敵です

34:文字と声 おまけ分
07/09/11 17:20:19 6XRaqgrQ
(作中に入れたかったけどどうも上手く組み込めなかったんでおまけ化)

「ところで………今まで、声が出なくなったこととかって、あるんですか?」
『いや 無ぇよ』
「そうですか………どうしてでしょうねぇ。昔は、少しは喋ってたんですか?」
『お前が来る前の担任は 少しでも喋らせようとして 必死だったみてぇだからな』
「………まぁ、更正させようと思うのが、普通の教師ってことですか………。」
『お前全然そういうのツッコまねぇからな 喋る機会なんてどんどん減ってったぜ』
「そうですか。いやはや………そうなると、少し考えた方が良いかも知れませんねぇ。」
『何がだ?』
「いえ………声が出なくなったのも、私が指摘しなかった所為なのではないか、と………。」
『別に 今まで通りで構わねぇよ』
「うーん………しかしそれでは、またこんなことになってしまうかも知れませんし………。」
『構わねぇっつってんだろ 何回言わすんだボケ マジ空気読めよ』
「は………空気………?」
『いつでも相手するっつったのお前だろ どんだけ鳥頭なんだクズ野郎』
「あ………………。」
『ここまで言わす前に気付けボケ 鈍感 ロリコンメガネ』
「………解かりました。そのときは………また、お手伝いしますよ。」
『解かりゃいいんだ 全く世話の焼ける担任だぜ』
「………面目次第もございません。」

35:名無しさん@ピンキー
07/09/11 17:24:54 5e1Ympu+
リアルタイム乙!!
一体このスレに何が起こっているんだ…。
全てにおいてクオリティが高すぎる…。

36:名無しさん@ピンキー
07/09/11 17:48:30 hNpfzuHR
か、神の所業だ・・・・いわゆるGod Job!

しかし芽留、最近職人様方に愛されてるな。
読む専の俺には良い傾向だっぜ。

37:名無しさん@ピンキー
07/09/11 18:21:08 umFFRC80
うおおー!
芽留神の降臨だ!!
最近のスレの流れはマジすごすぎる

ところで430氏の題名は、もしやあの茶室か。
この間行ったばっかだから臨場感あってすげぇ萌えたw

38:名無しさん@ピンキー
07/09/11 18:27:00 JFkUi13S
GJです。

39:名無しさん@ピンキー
07/09/11 20:52:24 mI3ASEQZ
芽留もの読みたいよ芽留ものとか思ってたら神が!

40:名無しさん@ピンキー
07/09/12 04:45:35 9fgkUtwQ
ネ申降臨
GJすぎて息子が着席してくれないぜ
あなたさえ良ければ本番も書いて下さいませ

41:前スレ851
07/09/12 05:19:07 NwxuJj9G
ハルチリを考えていたらまったく違うものができてしまいやがりました。
エロなしです。すまん。興味の無い人は読み飛ばしてください。
恥ずかしいけど、明け方ハイの状態の内に書き込んじゃいます。

42:カウンセリング
07/09/12 05:19:50 NwxuJj9G
 「珍しいわね」
 いつものように登校し、カウンセリング室の受付箱を調べて新井智恵は思わずそう呟
いた。箱の中には相談受付カードが1枚だけ入っており、氏名の欄には木津千里、相談
内容の欄には「ご相談したいことがあるのでお願いできますか。」とだけ几帳面な字で
書いてある。
 そもそも二年へ組の生徒から相談の申し込みがあったことが今まで一度もなかった。
担任である糸色先生だけはしょっちゅうカウンセリング室に現れては相談とも愚痴とも
つかぬ話をして帰るのが日課のようになってしまっているのだが。
 普通なら担任を通じてカウンセリングの日時を生徒に伝えるのが手順だが、何かそう
しない方がいいのではないか、という勘が働いて直接会って伝えることにした。

43:カウンセリング
07/09/12 05:20:50 NwxuJj9G
 放課後に教室から出てくるところを捕まえるつもりで、6限目が終わる少し前にへ組
の教室に向かった。水曜日の6限はホームルームで、想像していたとおり、教室の中は
蜂の巣をつついたように大騒ぎである。またいつものように糸色先生の無茶な授業で大
混乱といったところなのだろう。教室の近くまで来るとちょうど木津が司会となって何
かを話しあっているところのようだった。
 「マ太郎、授業中中に走り回らない! 赤木さん、本当にその出し物でいいんですか
?!」木津が声を張り上げているのが聞こえる。戸の小窓から覗くと、糸色先生は壁に
頭をこすり付けてなにやらぶつぶつ呟いている。
 「どっちが先生だかわからないわね」思わず笑みがこぼれた。
 ちょうど授業終了を告げる鐘が鳴り、間髪を置かずに生徒達がどかどかと出てくる。
木津も出てくると、すぐに新井に気づき、ちょっと緊張した様子で近づいてきた。
 「木津さん 明日の放課後でいいかしら」
 「はい、大丈夫です。」
 「そう じゃあ明日お話しましょう」
 どんな相談内容であるのか少し訊いておいたほうがいいのかとも思ったが、他の生徒
達もいる手前、短くそう言うと教室を離れた。


44:名無しさん@ピンキー
07/09/12 05:21:23 NwxuJj9G
 その日は特に忙しいこともなく、カウンセリング室でちょっとした書類仕事をしてか
ら家に帰った。もともと都内でもかなり上位の進学校であり、深刻な問題などほとんど
起きたことがないし、はっきり言えば暇な仕事であった。
 新井は非常勤の教師である。給料もそんなに良いわけではない。学校の近くに安いア
パートを借りて住んでいるが、そこの家賃でさえ払ってしまうと、それほどお金が余る
わけでもない。まあ暇があるのはありがたいし、その時間を使って正規の講師の職でも
得られればと資格の勉強などもできる状態ではあったが、なんとなく不満を感じている
のは確かだった。
 「糸色先生の家は、資産家だそうですよ」少し前の飲み会で甚六先生に言われた言葉
を思い出した。もちろん彼も冗談で言っているのだが、糸色先生がしょっちゅうカウン
セリング室に新井と話をしに来ていることも知っている。
 「甚六先生、糸色先生は単に冗談を言いに来ているだけですよ 面白がっているんだ
と思います それにそういう話題は職場ハラスメントにあたるんじゃないですか」
 「いやいや先生 ほんとに冗談ですから 真面目に受け取らないでくださいよ」
 話はそれで終わってしまった。確かに冗談なのだろう。


45:カウンセリング
07/09/12 05:22:20 NwxuJj9G
 家に帰ると、食事の支度をし、特別に何かすることもなく時間は過ぎていき、横にな
った。目をつぶってからも木津の相談のことが気になっていた。普通なら相談票には進
学のについてであるとか、健康上の問題であるとか書くようになっており、話を聞いた
うえで、適切な先生や外部の医師に取り次いだりするのだが、あの内容ではどんな相談
なのか想像がつかない。
 「まあなんにしても話を聞いてから考えればいいことね」そう考えているうちに眠っ
てしまった。

 * * *


46:カウンセリング
07/09/12 05:22:51 NwxuJj9G
 次の日、放課後すぐに木津千里がカウンセリング室に現れた。
 「いらっしゃい そこに腰掛けて お茶でいいかしら?」
 「はい、いただきます」
 二人分のお茶をいれ、新井も席に付いた。
 「木津さんは進学希望よね 志望校とか希望学部とか決まっているの?」
 木津の成績についての詳細は、手続きをした上で担任から聞かなければわからないが
、彼女の成績がずいぶん良いことは噂で聞いて知っていた。
 「はい、文学部がいいと思っているんです。でも数学も得意だし理系もいいかなって
。まるで正反対なんですけど。」ちょっと笑って緊張も解けたようだった。

 「それで今日はどういう相談がしたいのかな?」
 「はい、実は・・・。」さっきまでの態度とは違い、急に緊張してしまった様子で、次の
言葉がでてこない。
 「別にそんなに緊張しなくても、話しやすいところから喋ってもらえればいいのよ」
 何か言いかけては言いよどみを繰り返し、感情が高ぶってしまったのか少し涙を浮か
べて、ようやく口を開いた。
 「実は、糸色先生のことなんです。」
 それを聞いて、新井は特に驚かなかった。むしろそうであることは最初からわかって
いたような気がした。
 「そう」
 「こんなこと学校で相談するのが変なんだと思いますけど・・・私先生のことが・・・いえ
、私先生に嫌われていると思うんです。」
 「どうしてそう考えるのかしら 木津さんは成績もいいし とても良い評価をされて
いると聞いていますよ」
 「そうかもしれませんが、私は心配しているのは、実は・・・。」
 また言葉がでてこなくなった。
 「先生のことが好きなのかな?」新井がそういうと、木津はこくりとうなずいた。

           * * *


47:カウンセリング
07/09/12 05:23:25 NwxuJj9G
 「先生のことが好きな子は、クラスには他にもいます。でも私は特別だと思ってい
たんです。」
 また少しずつ言葉が続き、木津は保健室であったこと、修学旅行の下見であったこと
、いろいろなことを話した。
 普通ならずいぶん思い込みが激しい子であると思うのが当然だろうが、新井は木津千
里という生徒の気持ちが良くわかったし、見た目よりもずっと幼い感じの部分の中にあ
る、ひたむきさ、純真さに好感を持った。
 「私、やっぱり変ですよね?
 「そんなことないわ。ちっとも変だとは思いませんよ」
 修学旅行の話では「それは 糸色先生もひどいわね」と言い、一緒に笑った。

 一時間ほど話ただろうか、木津もすっかりリラックスしていた。
 「先生の立場としては こういう問題は・・・」
 「いえ、いいんです。なんか話をすることで、私、すごく・・・」
 木津は落ち着いた様子ではあったが、わずかに不安げな声で続けた。
 「先生、今日話したことなんですが・・・。」
 「大丈夫ですよ。誰にも話さないのは当たり前だし、記録にも残しません。まあ相談
に来たのは事実だから進路相談だったということにしておきましょう そろそろ理系か
文系かくらいは決めておかなきゃならないしね」
 「はい。」
 「またいらっしゃい」


48:カウンセリング
07/09/12 05:25:24 NwxuJj9G
 木津を送り出し。新井は新しいお茶を飲みながら、窓の外を眺めた。
 「糸色先生については、きっとほかにも相談を受けなきゃならない生徒がたくさんい
るんでしょうね」
 私の相談は誰が聞いてくれるのだろう、そう考えて少し笑った。
 
 完


49:名無しさん@ピンキー
07/09/12 05:41:23 XGnQSj8j
描写でのキャラの表記が苗字なのに少し違和感があったけど良かったと思います。
あえて言わせて貰うと、千里は原作でも可符香の事を「可符香」と呼ぶって事くらい。

50:名無しさん@ピンキー
07/09/12 08:18:03 hyq5gyPL
851さん、GJ!
この何気ない日常感がいいな

51:名無しさん@ピンキー
07/09/12 15:12:01 TnV+WshU
のどかな感じだなぁ
千里は可愛いわ、智恵先生は優しいわ………オレはどっちに惚れればいいんですか

52:名無しさん@ピンキー
07/09/12 19:06:27 lYxfMB06
>>851

さすがは日常描写の神851。

ハルチリも気体

53:名無しさん@ピンキー
07/09/12 21:13:52 HAt4O9j0
>>51
そんなあなたに、「両手に花」といふ言葉をw


お疲れ様です。奈美燃えwですww
奈美の一人称で書いてみました。
エロ、恋愛無しの上、長いですので、趣向に合わないと思った方、読み飛ばしを推奨です。

えっと、前スレの、どこかのスレからのコピペリクエスト? から湧きました。
でも、リク内容とは大分かけ離れてるかとww
投下・・・・・・いいでしょうか?

54:名無しさん@ピンキー
07/09/12 21:17:48 TX3MvDwT
いいよって言ってほしいの?

55:名無しさん@ピンキー
07/09/12 21:18:49 HAt4O9j0
・・・・・・・・・・・はいww

56:名無しさん@ピンキー
07/09/12 21:37:45 W70taVCa
もう・・・・・・・・・解かったわよ、いいよって言えばいいんでしょ?

べ、別に私が読みたいわけじゃないんだからね!
あんたどうしてもって顔してるし、もしかしたら需要あるかも知れないし・・・・・・・・・それだけよ!?

57:奈美:普通に一番長い日   1/8
07/09/12 21:38:23 HAt4O9j0
私は不登校少女だった。
だけど、いろいろあって、今ではすっかり登校少女になった毎日を送っている。
でも、今、私は
もう一度、不登校少女になりたい気持ちに包まれていたんです。


今日は8月31日。
部屋の窓から見える夕焼けは、悲しいくらい綺麗だった。
そして、部屋の床に散らばるテキストの山から、私の目をそらさせてくれました。
優先順位を間違えてる私も悪いけど、先生もこんな時に外に連れ出さなくても、と思う。
いや、火事があったのは大変なんだけど。
何とか終わったのは、絵や感想文、あと日記。
そして、一応は得意科目と言える現国のテキスト。
私は、古文のテキストを広げながら、残っている課題を考える。
残りは、世界史・日本史・数学・物理。・・・を明日の朝までに。
「むりだよぉ・・・・・」
私は半べそをかきながら、それでも健気にテキストを進める。
後に残るものほど苦手科目なのだ。・・・・・・間に合わない自信はある。
こうなったら恥を忍んで誰かに助けを!
・・・そう、思ったのは、古文を半分ほど進めた時だった。
時計を見る。  『19:45』
今ならまだ間に合う。
そう思った私は、すばやく携帯を掴みメールを打った。
『ゴメン! 何も言わずに しゅくだい写させてー!』
・・・・・・何だか少し、気が楽になった。
やる気が湧いた私は、再びテキストに目を落とす。
・・・ぴろりぱらりら~
速攻で、メールを開く。
『普通に人に頼んな! こっちもそれどころじゃねー! バカ!』
・・・・・ああ、こんな時も「普通」と付け忘れないんだ。
ちょっと逃避気味に、変な所に感心してると、
・・・ぴろりぱらりら~
『日本史貸してやる 代わりに 現国か古文写させろ』
・・・・感謝します。
『じゃ、今からファミレスでいい?』
『よし オゴられてやるぜ 感謝しろ』
はうぅ・・・・・。
とりあえず、財布と残りのテキストを抱えて、私はファミレスへと駆けて行ったのだった。

58:奈美:普通に一番長い日   2/8
07/09/12 21:40:01 HAt4O9j0


ああ・・・・・蒸し暑い日のファミレス店内は、ホント天国。
芽留ちゃんよりも先に着いた私は、本人が来る前に注文をしておく。
・・・財布の中身も、冷房ききすぎだし。
とりあえず、テキストを広げて進めていると、芽留ちゃんが来て、静かに正面の席に座った。
彼女が、カバンをごそごそしている所で注文が運ばれてくる。
『・・・オイ! コラ! ブス!』
予想通り、携帯の画面が私の前に差し出された。
私に運ばれて来たのはアイスコーヒー。
彼女は・・・・・・プリン。
私は芽留ちゃんに手を合わせる。
「ゴメンね! もう今月サイフの中が厳しくって・・・・」
『無駄使い しすぎなだけだろ  バカ』
・・・じつは、半分ウソ。
ここでうっかり、「芽留ちゃん、プリン食べる姿がすごく似合うの。癒されたくてさ。」などと言ったら、
顔真っ赤にした彼女から毒舌メールの嵐が吹き荒れるだろう。
黙秘、黙秘・・・・っと。
とりあえず、芽留ちゃんとテキストを交換して、やりかけの古文は二人であれこれ言いながら埋める事ができた。
・・・こっそり、プリンを口に運ぶ芽留ちゃんに癒されたのは内緒。
そういえば・・・・・・
「ねえ、芽留ちゃん。他の教科ってもう終わったの?」
ちょっと期待して聞く私。
芽留ちゃんは小首を傾げて、携帯の画面を出す。
『終わったぜ まだやってないバカに 貸した』
ええ!?
淡い期待を打ち砕かれ、よろめく私。
『いい稼ぎになったぜ』
「有料なんだ!?」
芽留ちゃんは、小さく首をすくめた。
『オレも サイフの中身 サムかったからな』
事も無げに言う彼女に、しばし放心してしまう。
芽留ちゃんによると、あとは絵や日記などを仕上げるだけなので、もう気が楽だとか。
『で、オマエ 間に合うのか ん?』
うっ・・・・・・・・
「正直ムリ・・・・・。誰かのを写すなら何とかなるけど、自力で解いていたんじゃ明日一杯かかるよぉ・・・・・」
『マ  死ぬ気でヤレ』
いよいよベソをかきだした私に、芽留ちゃんは、
『ほかに写させてくれそーなヤツ いんだろ 考えろ』
「他っていっても・・・・・・晴美ちゃんは、なぜか連絡つかないし・・・・」
ズイ。と、携帯が差し出される。
『しっぽ女  真ん中分け 辺りなら もう終わってんだろーよ』
あ・・・・・そうだ。確かに、あびるちゃんは成績が上位だし、千里ちゃんはキッチリ終わらせてるハズ!
さっそく二人に連絡。
・・・でも千里ちゃんは、中々出ない。メールにしておこう。
「・・・じゃ、あびるちゃん居るかな・・・」
・・・・・・・・・・・繋がった!
「・・・もしもし? あびるちゃん? 急にゴメンね! じつはその・・・・・・」
オッケー! 
『しっぽ女か』
「うん! でも、彼女もいろんな人に貸しちゃっていたから、ダブってない教科、世界史だけなんだって・・・。
でも助かる! ゴメン! 私、行くね!」
そういって席を立つと、芽留ちゃんも席を立った。
「じゃ、また明日ね!」
『骨は拾ってやらねーぞ』
・・・・・・縁起でもない事。



59:奈美:普通に一番長い日   3/8
07/09/12 21:41:30 HAt4O9j0
芽留ちゃんと別れて、あびるちゃんの家に着いた時は、すでに9時を回っていた。
でも、あびるちゃんは、こんな遅くでもすんなり玄関を通してくれて、私は現在、彼女の家の居間でテキストを丸
写しさせてもらっていた。
・・・・・静かなのはありがたいけど、家の人はいないのかな?
「遠慮いらないわ。父さん、今日は遅いみたいだから。」
私の様子でわかったのか、あびるちゃんはそう説明してくれる。
お礼を言って、私はテキストを進めていたけど、
「あれ・・・・そういえば、あびるちゃんの部屋ってここなの?」
「私の部屋、今、散らかってるから。」
そうなんだ。
結構、部屋を片付けないタイプなのかな・・・・・・・
「・・・臭いもきついし。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今・・・・・・・何て?   ・・・ニオイ?  臭うほど散らかしてるの・・・・・?
ビビーッ!!
私の頭の中で疑問が湧き上がった時、玄関のブザーの音がした。
「ああ、届いたみたいね。」
そう言って、彼女は玄関の方へと行ってしまう。
・・・まあ、私も、片付けは得意じゃないし、そんな事もあるかな。
そう考えていると、ダンボールに入った荷物を抱えたあびるちゃんが居間に入って来た。
彼女も通販とかするんだ。
そんな事を思いながら、居間を横切っていく彼女を見ていると、
『・・・キィーィ! イーィ! キキィー!』
「ひっ!!」
私は思わず声を上げてしまう。
その怪しい動物のような鳴き声は、確かにあびるちゃんが抱えているダンボールから聞こえる・・・!
「な、な、何!?」
「・・・・・・・気にしないで。」
いえ、気にするなって言われても・・・・・・
「すぐ止めるから。」
・・・・・へ? 止める? 
・・・・・・目覚ましのアラームか何かなの?
硬直している私を尻目に、彼女は奥へと去っていく。
また、その、泣き声? のような物が聞こえはじ・・・・・
『グゲァ!!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
静かになった。
目覚ましにしてはヘンなアラームだったけど・・・・・・・まあいい。とりあえず、テキストをすすめよう!
カリカリとペンを走らせる音が響く。
「・・・・・・ただいまー。」
あれ、あびるちゃんのお父さんかな?
「・・・おや、友達来てるのかい?」
「おかえり。うん、ともだち来てるわ。悪いけど部屋に行ってて。」
「いや、あいさつくら・・・・・・」

グワンッ!!

「・・・なに、どしたの?」
夕食の準備でもしていたのか、フライパンを片手にあびるちゃんが居間に入ってくる。
「いつものあいさつよ。気にしないで。」
そうなんだ。
「・・・・あいさつがわりって言うのかな?」
・・・・・・何が?
彼女の呟きに、口を開こうとした私だったけれど、すでにあびるちゃんは廊下に消えていた。



60:奈美:普通に一番長い日   4/8
07/09/12 21:43:47 HAt4O9j0
「できたー! ありがと、あびるちゃん!」
万歳をして私はあびるちゃんにお礼を言った。
「でも、まだ残ってるんでしょ?」
・・・・・・クールなご意見です。
「うん・・・・千里ちゃんにも連絡してみたんだけど・・・・・」
そういって携帯を取り出して、新着メールがある事に気がついた。
すぐに開くと・・・・・・千里ちゃん! 
「・・・・・・・千里ちゃんOKだって! うわー助かるー!」
「よかったじゃない。」
あくまでクールなあびるちゃんに何度もお礼を言って、私は彼女の家を出たのだった。


「ゴメンね! ゴメンね! こんな遅く。」
千里ちゃんが私を玄関で出迎えてくれたのは、11時を回ろうとした時刻だった。
はっきり言って非常識な時間帯だ。
そんな私を、普段と同じように出迎えてくれた千里ちゃんに「ごめんね」を何度も繰り返し、私は玄関を通された。
「お母さん達はもう寝ちゃったから、そっと付いてきて。」
・・・・・・・迷惑かけます。
心の中で、何度もつぶやきながら、私はそっと彼女について暗い廊下を歩く。
ちょっと暗くて歩きにくいけど・・・・・
ぺと
「・・・あひぇ」
我ながら間抜けな声とは思ったけど、無意識に声を抑えようとしてこうなったんだろう。
・・・って・・・・・いま、壁に手をつけたら、何かついたー!
「あ、そこの壁。まだ、塗りたてなのよ。触っちゃった?」
千里ちゃんはそう言って、ティッシュを渡してくれた。
・・・あ、ホントだ。ここだけ色が違う。
私は、もらったティッシュで手を拭く。
「・・・修理中なの?」
「ちょっとね。まあ、壁が厚いから、きっちり埋まって良かったけど。」
埋める・・・・?  穴でも開いちゃったのかな?
そんな事を考えながら壁を見ていると、
「こっちよ。私の部屋二階だから。」
そっと階段を上がって、千里ちゃんの部屋に通された。


初めて来たけど、予想通りキッチリ整えられた部屋だった。
・・・フローリングの、木目の向きまで揃ってるとは思わなかったけど。
「他の教科は貸しちゃっていて、数学だけ、今あるの。悪いわね。」
全然、悪くないです。・・・むしろ、拝みたいくらいです。
「・・・ホントありがとー。速攻でパパッと写すからね。」
「駄目よ、そんなの。」
はい・・・・?
テキストを開きかけた私に、彼女はピシャリと言う。
「正確に写さなきゃ駄目でしょ。誤字・脱字も無い様に。計算式も綺麗に写す事。」
・・・・・じ、時間かかりそう。
「数字って、人によって形がまちまちだと思わない? そういうのイライラするのよ。」
「・・・そ、そうかもだけど。」
考えただけでちょっとストレスが・・・・・・
「じゃ、あとで見にくるから。しっかりね。」
添削付きですか!?  ってことは、やり直しもあり?
一人、汗してる私に気付かず、千里ちゃんは部屋を出ていってしまう。
・・・選択の余地は・・・・・・無いみたいだ。
ちょっと開き直り気味にそう思って、私は緊張したままペンを走らせるのでした。



61:奈美:普通に一番長い日   5/8
07/09/12 21:47:42 HAt4O9j0
緊張して何度シャーペンの芯を折った事か。
ふと、時計を見ると、とっくに0時を回り・・・・・・・1時の方が近いや。
自分で解くよりは確かに早いけど・・・・・・・ああ、もう、考えるのヤメ!
とにかく進め!
・・・・・と、思ったら、シャーペンの芯が切れた。
予備は・・・・・・無い。
悪いけど、千里ちゃんに分けてもらおう。

・・・・そっとドアを開けて廊下に出る。
暗くてよく判らないけど、階段と反対の廊下は、出てすぐに折れ曲がってた。
千里ちゃんが居るとしたら、あっちかな?
私は足音を忍ばせて、曲がり角から先を覗いてみると、
「・・・・・・あ・・・・・千里・・・ちゃん?」
ちょうど奥へ行く千里ちゃんの後ろ姿が見えて、ためらいがちに声をかけた。
・・・・・ん・・・・・あれ?
「・・・千里ちゃん? 何、持ってるの?」
彼女は大きな・・・・・袋? 麻袋かな? を引きずっていた。
・・・・・なんか、黒い染みが所々についてるように見えるけど、暗くてよく見えない。
私に気がついたのか、一瞬、振り返った・・・・・・ように見えたけど、そのまま袋を引きずって、奥のドアに入って
いってしまった。
・・・・・・・・・・・??
「どうしたの?」
「ひっ!?」
突然、後ろから聞こえた声に振り向くと、そこには小さなトレーにフタ付きの耐熱皿を乗せた千里ちゃんが立って
いた。
・・・・あ・・・・  チーズのいい香りが・・・・・グラタンかな?
「・・・・いや、その。いまそこに千里ちゃんが居たと思ったんだけど・・・・・あれー?」
彼女は一瞬、眉を寄せたが、
「・・・ああ。お姉ちゃんが帰ってきたのね。」
「千里ちゃんの・・・お姉さん?」
「ええ。驚かせちゃったわね。・・・あ、奈美ちゃん。これ、夜食にどうぞ。」
そういって、トレーを渡してくれた。
「・・・・・・ありがとう、千里ちゃん。」
ちょっと、ジーンとして目頭が熱く・・・・・・・・
宿題の事しか頭になかったけど、お腹がすいていた事に気がついた。
シャーペンの芯の場所を教えてもらい、彼女はお姉さんを手伝うと言って奥の部屋へ。
・・・・・・何の手伝いだろ? まあいいか。
千里ちゃんの優しさに、感動を覚え、部屋に戻った私は、テキストの残りを写し終えたのでした。

夜食のグラタンは涙が出るほど・・・・・・・・・・アレな・・・・・味付けでした・・・・・・


二回ほど千里ちゃんの添削を受け、私が彼女の家を出たのは、もう、いわゆる「丑三つ時」だった。
私は、なるべく明るい道を選んで、小走りで進みながら思案に暮れている。
残るは、超がつくほど苦手な「物理」。
自力でやってたんじゃ、絶対に間に合わない。・・・・・・かといって、さすがに、こんな時間に連絡とれるような相手
はいない。
・・・・・・もう、適当に書いて出しちゃおうかな・・・・・・・・・
でも、そんなことしたら先生、落胆するかな・・・・・・・・・
・・・いや、間に合わないほうが先生の負担になったり・・・・・・・・
つい先生の顔を浮かべて溜め息をついてしまう。
ああ・・・・・なんだか涙が出てきた。
「・・・・・駄目だ・・・・・どうしよ・・・・・」

ドシン!

「あたっ!」
そんな事を呟いてると、誰かにぶつかって、尻餅をついてしまった。

62:奈美:普通に一番長い日   6/8
07/09/12 21:55:01 HAt4O9j0
「ごめんなさい! よく見てなくて・・・・・」
あわてて謝る。
相手はスッと立ち上がって、私のほうに手を差し伸べてくれ・・・・・・・・あ・・・あれ?
「ダメじゃないですよ。」
聞き覚えのある声に、私は相手の顔を見上げた。
一番先に目に飛び込んできたのは、銀色に光る髪止め。
少し小柄な姿・・・・・・
「・・・カフカちゃん!? 何でこんな所に?」
「大丈夫です。間に合いますよ。」
私の問いを遮るように、彼女は片手を私に差し伸べた。
「私が、お手伝いしちゃいます。」
そう言ってニッコリと微笑んだ。
・・・ポロッと涙がこぼれた。
「カフカちゃ―ん!!」
思わず彼女の手を両手で握りしめた。
・・・・・・地獄に仏ってこんな気分の時使うのかな?
カフカちゃんは私の手を引いて、起き上がらせてくれた。
思わず、ベソベソと泣いてしまった私の顔を覗き込んで微笑む。
「ラストスパートですよ! 奈美ちゃん。」
「・・・・うん・・・ありがと・・・・」
涙を拭って、私も何とか微笑み返す。
・・・・・カフカちゃんに感謝の気持ちで一杯だった。


「・・・えっと、どうすればいいの? カフカちゃんのを写させてくれるとか?」
彼女に先導されて、私たちは急ぎ足で夜中の商店街を進んでいた。
「ズルはいけませんよ。・・・先生が悲しみます。」
・・・・ううっ・・・・
良心がチクチクする・・・・・・・・じつは、もう、ズルしちゃったんですが・・・・・
そんな私の葛藤を知ってか知らずか、
「方法は一つです。」
「・・・うん。」
彼女は立ち止まり、振り向いた。
「缶詰めになればいいんです!」
・・・・・うんうん・・・・・・・・・・って、・・・・・はい?
「缶詰め。それは古来より伝わる、由緒正しき、能率向上方法なのです!」
・・・・・そうなの?
私が口を挟む間もなく、
「作家・漫画家の著名人に始まり、神様と呼ばれるあの方も、この方法を愛用なさっていました。そして皆、物理
的には不可能と言われた締め切り間際でさえ、缶詰めの起こす奇跡により乗り切っていったのです。」
・・・なんか、そう言われると凄い事のように・・・・
「・・・・・私がその方法を伝授し、全力でサポートします! 奈美ちゃんは、安心して自らの力でこの苦境を乗り切
って下さい!」
・・・・・・・・・・!
「・・・うん! やるわ! 私!」
彼女の言葉に私は、力強くうなずく。
ちょっとノセられてる気がしないでもないけど、カフカちゃんが本気で言ってくれてる事は伝わってくる!


63:奈美:普通に一番長い日   7/8
07/09/12 21:57:44 HAt4O9j0

「こっちです。」
路地裏に入りしばらくゆくと、重そうな鉄扉が見えた。
私達はそこに入り、ほとんど真っ暗な建物の中を進み、
「ここを使って下さい。」
カフカちゃんが開けてくれたドアから、その部屋に入る。
その部屋は、中央に事務机が一つだけあって、左右にドアが一つずつあるだけの殺風景な所。
「・・・何だか取り調べ室みたい。」
ぽつりといった私には構わず、カフカちゃんは説明を始めた。
「ここに、筆記具や、電卓。電子辞書。その他、便利な道具が入ってます。トイレは左のドアですよ。」
机の引き出しを開けながら。明るく説明をしてゆくカフカちゃん・・・・・・・・
・・・・・この明るさはどこから来るんだろ?
「眠気が一番の敵ですよ。この、カフェインドリンクを、栄養剤といっしょにどうぞ。眠気に負けないでくださいね。」
小首を傾げて微笑まれ、私は、少し眠気が湧いてきていることに気が付いた。
ダメダメ! あともう少しなんだ! カフカちゃんがこんなに応援してくれてるんだから・・・!
「・・・うん! ありがと、カフカちゃん! ガンバル・・・・・!」
「はい! 私は隣の部屋にいますね。何か困ったら呼んでください!」
そう告げて、軽く手を振り、彼女は右のドアへと消えた。
それきり、部屋の中は静まりかえり物音一つしない。
・・・そういや、来る途中も人の気配なんか無かったなぁ・・・・・・
そんな事を考え、私は何気に携帯を机の上に置いて・・・・・
ディスプレイの『4:29』が目に入る。
やばい! 
すぐさま座ってテキストを広げ、カフカちゃんにもらったドリンクと栄養剤を飲み干し・・・・・・・
「にがっ!!」
・・・ううう、苦くて当たり前! 眠気覚ましなんだから・・・・
・・・・・・・そういや、何て商品なんだろ?  『安眠打破』・・・・聞いた事ない・・・・・
「・・・・・・・・ん・・んん?」
不意に、頭の中を爽やかな風が吹き抜けるのを感じた。
・・・・・広い・・・・・・とてつもなく広大な空間を感じる・・・・・・
なんだろう?  清浄な場所に私はいる・・・・・・・・
自然と、ペンが動きテキストに文字を走らせる。
いつもなら、紙の上に乾いた音を立てるだけ・・・・・
だが、今のその音は・・・・・いや、音色は美しい旋律を奏で、私の背筋に電気が走った。
シャーペンをノックする。
軽やかな鈴の音が私の耳を打つ。
走るペンの音。紙の擦れる音。
全てが組み合わせられ、様々な音階を作り上げ、楽曲を奏でてゆく。
今、私は、まさに指揮者だった。
私の作り上げた旋律は、この広大な空間を駆け抜け、響き渡る。
それは重厚な交響曲のようだった。
様々な音色を私は作り上げ、自身の耳を駆け抜けさせていた・・・・・・・・


・・・・・・・・!
ふと、音が途切れた私の目の前には、テキストの最後のページがあった。
・・・・全部書き込まれている。もちろん自分の文字だった。
「とうとう、やり遂げたんですね。奈美ちゃん。」
いつの間にか目の前にはカフカちゃん。
胸の前で祈るように手を組み、私を見つめている。
・・・・・そうか、私、終わったんだ!
「・・・ありがとう。カフカちゃんのおかげだよぉ・・・・・」
彼女の手に自分の両手を添え、私は涙ぐむ。
・・・・・・私、結構、涙もろかったんだなあ・・・・
「奈美ちゃんの実力ですよ! お疲れ様で・・・た。・・・ご協・・・に感・・・・・・ます。」
何だか最後の方が聞き取れなかったけど、カフカちゃんも喜んでくれていたみたいだ。

64:奈美:普通に一番長い日   8/8
07/09/12 22:02:54 HAt4O9j0


「おっはよう! 芽留ちゃん!」
私は小走りで登校中、あくびをしながら歩いている芽留ちゃんを見つけ足を止めた。
あんまり寝てないのかな? 眠そうな目をしてる。
『間に合ったのか?』
携帯の画面を私に見せる。
「バッチリ! まあ、徹夜だったけどねー」
『・・・チッ・・・・』
「チッ、ってあなた・・・・」
私は苦笑を浮かべ、昨夜の一連の出来事を話してゆく。
あびるちゃん家の話をした時、彼女は小さく呻き、千里ちゃんの家の話で、ロコツに眉をしかめた。
『節穴か!?  オマエの目!?』
「・・・え?」
私は首をかしげた。
「・・・・・・そういや、少しヘンだった気がしないでも・・・・」
『鈍いっつーの!!』
私は苦笑を浮かべ、
「でも、あの時は宿題の事で、頭が一杯だったし・・・・・・・。最後にカフカちゃんに助けてもらったから良かったけ
ど。・・・じゃなきゃ終わらなかったよ。」
芽留ちゃんの手から携帯がポロッと落ちた。
慌てて拾い、青ざめながら文字を打って、
『何で そこで 電波女が出てくるんだ!?』
「・・・え? 偶然会ったんだけど・・・・・」
『そんな キモい偶然 あるかっつーの!』
・・・・・・・言われてみると、まあ・・・・・・・。
「・・・・・うん。まあ。宿題はできたし。」
『・・・・・・・・オマエ・・・・・』
がっくり肩を落として沈黙してしまった芽留ちゃんの手を引いて、私たちは校舎へと入って行ったのだった。


・・・・・・ひょっとして・・・優先順位・・・・・間違っちゃったのかな?


『(¬_¬)・・・普通にナ。』
「普通って言うなぁ!」



<芽留の追記>
『その後、三日三晩、謎の高熱に見舞われた普通女が居た事は・・・・・・まあ、書いておいてやるか。・・・ヤレヤレ』

65:名無しさん@ピンキー
07/09/12 22:11:25 HAt4O9j0
>>56
ツンデレサンクスですw  ・・・そろそろ自立しますね。


・・・奈美はあの後、宿題をどうやって片付けたのだろうと気になってました。
ちょっと話のまとまりがとれてないかな・・・・・

お粗末様でした。(礼)

66:名無しさん@ピンキー
07/09/13 01:12:31 KvX42bdl
スレ汚し失礼します。

望×芽留を書いてみました。29レスほど消費予定です。
もともと埋め予定で書いていたのですが、長くなったのでこちらで失礼します。
すでに投下されてる方が、メチャクチャうまいのでカナリどよんどしてますが、自分のような駄文人間も存在するということで。

非常に毒電波SSです。
ゴミ箱行きにしようかとも思ったのですが、前スレで予告的な事してたので無視は失礼かなと。
心が弱い大人なので、以下予防線を貼らせて貰います。スルーライフ大好きです。

・かなり長いです。<終わり>の文字が出るまで続きます。
・どこかの安いエロ小説のノリです。感動?ナニソレうまいの?(いやごめんなさい、最初は感動目指してたんですorg。)
・18禁
・コウノトリの生態に関する描写あり。ウザッって方はスルーを。
・細かい点はスルーパワーでなんとかお願いします。どうかどうかお願いしますm(__)m。
・ちょいロリ風味? 
・単行本の芽留の全身絵を見ながらハァハァして書いたせいか、かなりネチネチした文章になってます。
(いや、芽留たん可愛くてネチネチ苛めたくなry)

最後に、この作品を前スレ815さん、827さん、それと質問に答えてくださった874さんに捧げます。


67:プロローグ
07/09/13 01:13:42 KvX42bdl
11月初め。

窓から降り注ぐ小春日和特有の暖かな日差しの中。
1人の少女がトレードマークのツインテールを振り振りさせながら、廊下を歩いていた。
てくてくてくてく。
とにかく小柄な彼女は、歩幅も同じ年代の少女の半分以下しかない。
だから、歩くのも一生懸命。
てくてくてくてくてくてくてくてく。

懸命に歩く彼女の前に、彼女より少し早く登校した少女が見えた。
「あら。お早う、芽留ちゃん。いい天気ね。」
小柄な少女、音無芽留はポケットから携帯を取り出すと、素早くメールを打った。
”めるめる ぴろりぱらぽり~♪”

同級生の少女が自分の携帯を取り出し、新着メールを開く。
『おはよう真ん中分け 今日もひた
いが光ってるな まぶしっ』
音無芽留は言葉を交わさない。その代わりにメールで会話をする。
ところがやっかいなことに、芽留のメールはいつも毒に満ちている。

それを見た真ん中分けこと、木津千里は、ムッとした顔で芽留の顔を覗き込んだ。
「あなた、きっちり改行しなさいといつも言ってるでしょう!」
めるめる
『朝から細かいこと気
にする
とハゲルぞ その真ん中か
ら1本づ
つな』
変な改行のメールを送ってあげると、千里はプチ魚の目になってガミガミと説教を垂れる。
予想どおりの反応に無性に嬉しくなる芽留。

芽留は2のへ組が嫌いじゃなかった。
いや、むしろ大好きなのだ。
超個性派だらけのクラスのせいか、芽留の悪癖はすんなり(?)受入れられた。
今ではすっかりクラスに馴染んでいる。

68:1章①
07/09/13 01:14:40 KvX42bdl
(あ、早くいかないと)
芽留はカバンを教室に置くと、すぐにある場所に向かった。

とたとたとたとたとたとたとたとたとた。
裏庭に出て、校庭の隅っこまで一生懸命に走る。
と、そこには少し時代がかった服装の青年が枯れ木に水を上げていた。
彼は足音に気付いて振り向くと、にっこり笑った。
「音無さん、おはようございます。先にやってますよ。」
芽留の小さな胸が少し鼓動を早くする。
慌てて芽留はメールを打った。めるめる……。
『お早うさん、ハゲ男 まあイロイロ早いんだろうな 気にしろよ、少しはな。』
「ははは………。」
青年、糸色望は額に縦線を走らせる。
「あ、そうだ。頼まれていた石灰の肥料、買っておきましたよ。」

◆◆◆◆
この枯れ木に会ったのは、芽留がこの学校に入学してきたときだ。
大きく花咲く桜に新入生達が集まる中、誰にも見向きもされずひっそりと花をつけていた。
芽留は何だかこの木が気になってしまい、休み時間になるといつもこの木の下にやって来た。
1年生の時、彼女には友達が一人もいなかったが、唯一の友達がこの木だった。

そして、不思議な事に(?)この木の下ではいつも携帯のアンテナが3本立つのだ。
雨だろうと雷だろうと。
芽留は、木が自分の気持ちに答えてくれたようで嬉しかった。
2年になって友人が出来るようになると、日参はしなくなったが、時々様子を見に来ていた。

そんなある日、夏の大台風が襲来した。
もともと、弱い木だったのだろう。木はすっかり葉が落ち、枝が折れ、丸裸になってしまった。
どんどん弱って、すっかり枯れたようになってしまったのだ。
芽留は何とかしようと、水をやったり、木に向かって励まし毒メールを打ったりしたが効果は全くなかった。

そんな時、担任の教師が枯れ木に無駄な努力をしている彼女に近づいて言ったのだ。
『枯れ木に花を咲かせましょうっていう昔話、知ってます?灰って植物を元気にするのにいいらしいですよ。』
言っている意味は不明だが、それ以来彼は木の世話を手伝ってくれた。

望は彼なりの理由でこの木に興味をもっていた。『首吊るのに手ごろではないか?』
園芸の本を買ってきたり、肥料を撒いてみたり、接木をしたり。こだわる性格の糸色は本格的だった。
芽留はすっかりこの作業に夢中になっていた。

同時に彼女の中で、望の存在がどんどん大きくなっていた。
◆◆◆◆

69:1章②無言
07/09/13 01:15:31 KvX42bdl
12月中旬。

いつものように芽留が木の下にやってくると、望は挨拶も抜きでいきなり切り出した。
「この木、抜く事が決まりそうです。」
大きな黒い目をまん丸にして、芽留が望を見上げる。
めるめる『お前何言ってんの? もうボケたか』
「前々からここにはもっと立派な桜を植える計画があったそうです。」
「そこで、この際だから抜こうって校長が……って聞いてます??」

芽留は無言で持ってきた肥料を上げていた。
「私は反対してみるつもりですが……何分先生方はほとんど賛成でしてね。」
ちょっと肩をすくめてから、望は聞いてみた。
「……反対運動でもしてみますか?」
芽留はゆっくりと首を振ると、また黙々と木の世話をしはじめた。
望は自分の携帯を確かめたが、そこには何のメールも入っていなかった。

結局、木は抜かれる事が決定した。
望は職員会議で、この木がどれほど首吊りに適しているか力説したが、賛同者はいなかった。
(まあ、しょうがないですね。)
あれ以来、望は木の世話をやめたが、芽留は続けているようだった。
望は彼女が何をしたいのか分からなかった。


70:1章③夜の校庭
07/09/13 01:17:46 KvX42bdl
12月も押し迫ったある日。

「さぶっ。今日はやたら冷えますねぇ。」
交と銭湯に行った帰り、たまたま道で会ったあびるが交を速攻で拉致したため、望は一人だった。
(宿直室に早く戻ろう)。
望はワクワクしていた。
その手にはビデオ屋で借りたエロビデオが握られている。

交と同室のせいで、禁オナがすでに67日目に達していた。
(これからは小節さんをうまく使う事にしましょう。)
体は冷えていたが、心は熱くなっていた。あそこも期待で既に熱い。

通用口から校庭に入る。ふと、黒い人影が見えた。
(幽……いや、まさか。不審人物ですか?ああ……私の楽しみを邪魔する連中に絶望したぁっ!)
頭を抱えつつ近づくと、そこには芽留がいた。
「音無さん?こんな時間に何してるんですか?」
見ると、芽留は例の木に何かをいくつも巻いている。
冬に木が寒さにやられないようにするための防寒皮のようだ。
「音無さん………その木はもう抜くんですよ?」
芽留は黙ってツインテールを振り、作業を続ける。

コートもマフラーも着ずに、制服姿で黙々と作業をしている彼女を見ていると望は急に怒りを覚えた。
ぐいっと腕をねじ上げて、無理やり自分の方を向かせる。
「あなたが何をしても、無駄なんですよ。ぬ・く・ん・で・す!」
久々にメールが来る。
『離せ、痛いだろうハゲ コロスぞ リアルで終わらせてやるぞ、変てこファッション。』
彼女は泣いていた。
望は急に強い罪悪感を感じ、手を離すとぶっきら棒に言う。
「どうやら、いつもの調子が出てきたようですね。
まあ、ここではなんですから、宿直室へ行きましょう。」


71:1章④宿直室
07/09/13 01:18:44 KvX42bdl
宿直室に入ると、望はミルクを温めて飲ませてあげた。
コーヒーを入れるか聞いたところ、
『あんなクソ苦い液体、オレが飲めるわけねーだろ。常識ねーのか、このゆとりが。』と送信してきた。

校長に木の存続を嘆願してみるか聞くと、芽留はあっさり頷いた。
「初めからそうすればいいのに。」
めるめる『うるせーんだよ。昔のこと何時までもグダグダ言ってるからハゲるんだ。』
苦笑いをすると、望は宿直室付属の台所に向かった。

芽留には分かっていた。
自分は逃げているのだ。
元来消極的な彼女は、人と話さないというだけではなく、何事にも引っ込み思案だった。
何もせず、ただあるがままに流されて、結果に”どよんど”する。
それが自分には相応しいように思えた。
今回の件で、少しは自分を変えられると思ったが、無駄だった。

「いや~しかし先生、音無さんがあそこまで一生懸命に物事を取り組むのを始めて見ましたよ。」
(え?)
台所で皿を選別しながら声を掛ける望を、芽留は意外そうに見た。
(そうなの……かな?)
芽留は急に胸がドキドキして苦しくなった。
めるめる『てめー何偉そうにいってんだよ。このナマハゲが。』
メールを打った後も何だか恥ずかしくなって、そっぽを向く。と、そこに一本のビデオが見えた。
芽留の胸が大きく波打つ。
【超乳爆裂娘。オパーイWカップ決勝】
ちらりと望を見る。彼は何やらお菓子を皿に盛り付けているようだ。
(先生も……こういうの見るんだ。)
男がこういった物に興味を示す事があるのは、芽留も知っていた。
パッケージのお姉さんは、およそ芽留とはかけ離れたナイスバディの持ち主だった。
パッケージのお姉さんへの敵愾心がメラメラと燃えてきた。
と、同時に強い衝動が彼女を包み込む。
芽留の心臓は早鐘のように打っていた。

72:1章④気持ち
07/09/13 01:20:54 KvX42bdl
◆◆
芽留はとっくに気付いていた。
自分が、先生に恋というものをしている事を。
これまで芽留は恋沙汰にまったく興味がなかった。
ところが、最近、芽留は先生のことばかり考えていた。
すると、胸がどんどん苦しくなる。でも、考える事をやめられなかった。

実のところ、木が抜かれると聞いてまっさきに思い浮かんだこと……。
それは先生とのつながりが消えるというショックだった。
自分の身勝手さに嫌悪したが、糸色望は完全に芽留の心に居座ってしまいどうしようもなかった。
◆◆

ふいに、今が2人きりの状況であることに気付く。
一気に胸が苦しくなる。芽留はなんだか、酸欠になった気分だった。
「どうぞ。これを食べたら、送っていきますよ。」
びくりと顔を上げると、芽留の好きな卵ボーロが皿に盛られていた。
その隣には好きな人の笑顔。
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう)

ちらと、パッケージのお姉さんを見ると、芽留は一気にどんよりした。
(ムリだ。どうせあたしじゃ……。やっぱ、やめよう……。)
と、急にメールが入る。
「?」見慣れない番号。
『無理な事なんてあるわけないじゃないですか』
「???????????????」
どうやら間違いメールらしい。
だが、それは芽留の背中を押した。

73:1章⑥卵ボーロ
07/09/13 01:22:02 KvX42bdl
芽留は携帯を光速で連打した。
めるめる『お前、あんなエロビデオに見てんのか? きょにゅーってか??』
ゲッとのけぞる望。
自分の迂闊さを呪いつつ、素早くエロビデオを隠す。
めるめる『あ~オワタ 悲惨杉 まじきんもーっ★ 童貞はこれだから クラス中に晒すか』
「わーー!!や……やめてくださいよ!」
連続して繰り出される毒舌メールに、一気に絶望する。
と、またメールが。
「ま……またですか!?着信拒否ってどうすれ……ん??」

じっと自分の携帯を見た望は、静かに立ち上がった。
芽留の隣に座る。
芽留はまるで小さなプチトマトのように顔を真っ赤にして、俯いている。
「私も消極的に一生懸命頑張る音無さんが好きですよ。」
そういうと、望はそっと芽留の額にキスをした。
「さあ、今日はもう遅いです。そろ……。」

立ち上がろうとする望の腕を、芽留は掴んだ。
芽留は顔を上げていた。
その目は、明らかに強い意思表示を行っていた。

小さな体と毒舌メールの影に隠れた、繊細で優しい芽留の感情が伝わってきた。
風浦可符香の言っていた事は確かに本当だった。

急に、望は目の前の少女が愛おしくなった。

涙に濡れた黒い大きな瞳。未完成ながらも小ぶりで整った顔立ち。
艶やかな黒髪。小さくつややかな桃色の唇。
頬は、透明なキャンバスに一筆描いたかのようにピンク色に染まっている。
純粋に彼女は美しかった。

磁石が引き合うように二人の顔は近づいていき、唇が合わさった。
………芽留にとってのファーストキスは、卵ボーロの味がした。
………

74:2章①Aカップ
07/09/13 01:23:41 KvX42bdl
芽留は、小刻みに震えていた。
望はそっと頭をなでてやり、もう一度軽くキスする。
「後悔しませんか?」
めるめる『レディにいちいち聞くな 予防線か 弱いヤローだ』
毒メールを吐き出しつつ、こくんと頷く芽留。

ゆっくりと制服のボタンに手をかけると
芽留は顔を真っ赤にして恥ずかしそうに目を逸らす。
ボタンが外れると、白い清楚なブラジャーが露になる。
安心したことに、今日は携帯の電池は装備してないようだ。
ブラジャーに手をかけようとすると、芽留の手がやめてくれというように望の手をつかんだ。
めるめる『ハゲ うぜーよ Wカップのアホ女と比べるんじゃねーよ 』

「大丈夫ですよ。私は大きさなど気にしません。」
やさしく芽留の手を外すとブラジャーに再び手をかける。
ホックを外す。と、何ががポトリと2つ落ちてきた。
「ん?」
パットだった。
(えええええええええ?Aカップのブラにパットですか???)
驚くようにして、芽留の胸を見る。
白い透明感すら感じる裸体。そこには小さなピンクの蕾が2つ。
その胸はほぼ完全なまでに”ぺったんこ”だった。
目をこらせば何とか膨らみかけな気もしないではない。
いや、気のせいだ。
やっぱり”ぺったんこ”だ。

めるめる『ハゲハゲハガハゲガハゲハゲアゲハゲハゲハゲハゲハゲガハゲ』
望はメールを見てギョっとする。
(・・相当、動揺しているようですね。)

唇を噛んで目を逸らす芽留。
頬は屈辱と羞恥で真っ赤になっている。
芽留にとって、胸は相当のコンプレックスだったのだろう。
望は何もいわず、顎をつかんだ。
優しくキスの雨を降らす。
めるめる『ごまかすなクソが 言っとくが オレは全く気にしてねーぞ 勘違い厨』


75:2章②エロ妖怪
07/09/13 01:24:39 KvX42bdl
芽留がうっとりとしたのを見た望は、芽留の平らな平面をゆっくりと揉み始める。
壊れ物を扱うかのような優しい優しい愛撫。
膨らみかけの肉がクニクニと変形し、熱を帯びてくる。
「…っ…ぅ…」
芽留は声ならぬ声を上げてむずがった。
めるめる『エロエロ妖怪 くすぐったいというか 変な気分というか 何だよコレ!』
(一応性感はあるようですね)

望が芽留の胸に顔を寄せると、ふんわりとしたミルクの匂いがする。
小さなピンク乳首を口に含む。
「………っ……ん……」
舌で小さな乳首をコロコロところがしてやると、意外なほど敏感に芽留は喘いだ。
「……っ…!……んっ………っ……!!」
片方の乳首を指で挟んでクリクリと揉みしだくと、みるみる乳首が硬く尖ってきた。
めるめる『変だ 変だ 変だ お前何したんだよ 変になるだろ サイテーやろう』
望は、芽留のメールが混乱気味なのを見て可笑しくなってきた。
(感度は良好ってことですね。こちらはどうでしょうか。)

乳首を責めながら、望の手が芽留のスカートの中にのび、ショーツに触れる。
「………!」
めるめる『なにすんだよスケベ! エロ大妖怪 サワンナよ 優しくしろよ 』
芽留は下半身への愛撫を怖がったのか、体を固くする。
ショーツをずらし触れると、そこはすべすべした感覚とともに、しっとりと濡れていた。

76:2章③携帯オワタ
07/09/13 01:26:07 KvX42bdl
望は妙に嬉しくなり、芽留をリラックスさせようと優しく抱きしめた。
そして、胸から鎖骨、鎖骨から首筋と舌を這わせていく。
「……んぁ……っ…!」
首筋を舐めると、芽留は切なげに身をよじりつつ、熱いため息を漏らす。
「ん……。」
舌が唇に達すると、芽留はうっとりと睫を伏せて答えた。

と、望の舌が芽留の唇を割って口の中に入っていく。
「んっ!?ん…ん…?!」
ディープキスを知らないのか、目を白黒している芽留。
あたふたする芽留を尻目に、望の舌は芽留の口の中をまさぐる。
「……んん!……じゅる……ん……ぶちゅ……。」

芽留が舌をおずおずと伸ばすと、望の舌がすかさずねっとりと絡ませた。
じゅぷるぷぷ……じゅるるる……。
溢れた唾液が喉を伝って胸元まで垂れていく。
やっと望の唇が芽留の唇から離れると、唾液の橋が2人の間をつなぎ……消えていく。
「…ぅん……………。」
芽留の綺麗にそろった前髪は汗で額にべっとりと張り付き、瞳はピンク色に煙っていた。

すでに芽留はメールどころではなくなっていた。
彼女の携帯は近くに落ちていたが、それを拾おうともしなかった。

ねっとりとした濃厚なキスのおかげで、芽留の体はすっかりほぐれていた。
震えもすっかり止まり、完全に力を抜いてぐったりと望に寄りかかっている。
芽留の上半身を優しく横たえると、望は素早くショーツを脱がせる。
いや正確に言うと、片足分だけ脱がしショーツ自体はもう一方の足の膝に丸めておく。
芽留がスカートを脱ごうとすると、望はさりげなくそれを止めた。
着衣マンセーなのである。

77:名無しさん@ピンキー
07/09/13 01:26:19 Jzf+abZ2
服を着る暇がないな
芽留支援

78:2章④何このエロ小説
07/09/13 01:27:26 KvX42bdl
望が芽留の白い小さな足を開くと、少女の秘密の泉が白い電気の下に晒された。
土手の部分はすべすべしており、小さな産毛がキラキラしているだけで、陰毛は全く生えていなかった。
その下の割れ目はスッと筋が入っただけで、何の翳りも変色もない。

望がそっと割れ目を開くと、両側の肉はかなり弾力性を持ちぱっくりと中が開いた。
ちょっと下つきのようだ。
バックで愛し合うのにピッタリのアソコである。
上部には、敏感そうな突起物も見えた。
外から見ると幼女のようでありながら、性交に必要な機能はすでに備えている。
望はとんでもない宝物を手に入れたことを知り、ウキウキしていた。

割れ目を優しくマッサージしてやるだけで、芽留はたちまち感じ始めた。
「…んっ…んっ…く…ぅ…」
充分にほぐすと、いよいよ芽留の内側へと指を伸ばす。
まるで骨董品を扱うかのように穏やかで優しい愛撫。
「ぁ…んっ…んんっ…」
愛液がゆっくりと垂れてくる。
ぎゅっと目を閉じ、頬を羞恥のピンク色に染めて、芽留はその快感にじっと耐える。

段々と、望の愛撫が変化を帯びてきた。
時に穏やかに、時に激しく……。
「ハァ…ハァ…んっ…ぁ…」
まるで10本の指が別々の生き物かのように蠢き、芽留のアソコを嬲る。
「んっ…んぁっ…んんっ…んぁん…っ…んっ……」
芽留がイヤイヤをするように首を振ると、ツインテールの黒髪がフリフリとはねた。

そっと芽留の股間に顔を近づけ、なだらかな丘をペロペロと舐めてあげる。
「・・ふ・・ふぁ」
くすぐったそうに身を捩じらせる少女。
芽留の股間は女特有のむせるような匂いが一切なく、ちょっとオシッコの匂いがするだけだった。


79:2章⑤指テクニック
07/09/13 01:28:09 KvX42bdl
と突然、芽留がまるで冗談かのようにその小柄な体をガクガクさせた。
芽留のツインテールがぶんぶんと揺れる。
大きな黒目がまん丸に見開かれ、まるで大地震かのように体を揺らし、華奢な四肢をピンと突っぱねる。
芽留の喉から、聞いたこともない高い声が突発的に響いた。
「………んっ……んんっ……うぅ…っ……っ…いぃ…い………が$l………$3ЫⅨ浬濬 畚 秉 綵 臀ヲ 偆 砡 …!」
ぐっ。
芽留が吹き飛びそうになる寸前、望は彼女の腰にあるツボを突いた。
未体験の快楽から、芽留が一気に引き戻される。
イク寸前にこのツボを突くと、快楽をそのままに引き戻されてしまうのだ。

「はぁ……はぁ……はぁ……!」
芽留は酸欠になったかのように苦しそうに呼吸をする。
何が起こったのか分からず、ただ呆然としている。

心配そうに芽留を覗き込む望。
芽留の口元からだらだらと涎が溢れ出し、目の焦点がふらついている。

(今のところは、これ以上快楽を与えない方がよさそうですね。)
望は体を起こす。
驚いた事に彼は汗すらかいていなかった。
スーパーフィンガーテク取得者の望にとって、芽留のような小娘をメロメロにすることなど容易い事なのである。


80:2章⑥糸色は正体をry
07/09/13 01:29:25 KvX42bdl
「ではそろそろいきますね。」
そういうと、望はまるで女性のように恥ずかしそうに袴を解いた。

下半身が露出される。
「っ……!」

性知識の乏しい芽留にも、それが分かった。

彼は包茎だった。
それも、真性の。
明らかに短小な絶棒をすっぽり皮がかぶっている。

「あなたがいつもメールで指摘してくださっている通りです。」
望は自虐的に言った。
「軽蔑したでしょう?」
芽留はぶんばぶんばとツインテールを振った。

彼にとってこのコンプレックスは大きなものであっただろう。
自分の何気ないメールが、望を苦しめていたことを知り芽留は悲しくなった。

望は少し哀しく笑うと、なにやら財布をゴソゴソし始める。
「むぅ……最近さっぱりご無沙汰のせいで、ゴムがありません。」
どうやら、コンドームがないようだ。
芽留が近くにあった携帯をつかみ、光速で文字を叩く。
ずいっと差し出す。
「まだ生理が来てなかったのですか。それなら100%安全ですね。」

81:3章①小さな2人
07/09/13 01:30:33 KvX42bdl
「………はっきり言って、私は早いです。しかも、禁オナ67日目ですからヤバイです。」
望は何やら呟くと芽留に体を重ねていく。
ドキドキドキドキ。
芽留の心臓は大きく高鳴っていた。
黒目がちな大きな瞳は涙に濡れて艶を帯び、そこには男に対する絶対の信頼と敬愛の情が浮かんでいる。

絶棒を芽留の小さな縦筋にあてがう。
芽留の処女膜はその奥で、期待と破滅の予感にひくひくと息づいていた。
芽留の小さな肩に手をかけ、糸は縦筋に押し当てた棒を一気に進めた。
「…っ!」
芽留は苦痛に顔をしかめる。
「もう少しですよ。う…くぅ…こ…これは…。」
絶棒は徐々に侵食の度合を深め、穴内の壁は初めて侵入してきた異物に対してこれを締めつけ抵抗する。
芽留の縦筋から血の筋が何本も垂れる。
「んぅ…ぅ…つっ…んぁ…ぁ…」
苦しげに芽留が呻く。

望は腰を利用して力強い反動を生み出すと、柔肌を蹴散らし遂に子宮の奥まで到達した。
「はぁ…はぁ……。」
熱い穴壁が絶棒をきつく包み込み、ツブツブの突起が優しく蠢いて、信じられない具合のよさだった。

一方、芽留も強烈な充実感を感じていた。
自分のアソコの小ささを知っている彼女は、もっととてつもない激痛を覚悟していた。
最初は激痛が走ったものの、その後の痛みはそれほど辛いものではなかった。

短小包茎であったことが逆に幸いし、芽留の泉にそれほど負荷はかからなかったのだ。

性的に劣等した2つの器官はよりそうようにしっかり密着して息づいていた。
短小包茎の絶棒と年齢不相応の幼い蜜壷。
2つは赤い糸に引かれたかのように、出会ってしまった。

82:3章②休息
07/09/13 01:32:22 KvX42bdl
しばらくジッとしていた後、望は芽留の耳元で囁いた。
「良く頑張りましたね。」
大きな黒い瞳に涙を一杯にためて、芽留はうれしそうに微笑む。
そしてコクリと頷いた。

いくら望の絶棒が小さいとはいえ、芽留の泉は余りに幼い器官である。
望の絶棒はギチギチにきつく締め上げられていた。
2つの器官の隙間は一切なく、みっちりと詰まっている。
とても動かすどころの騒ぎではない。
ジッとしているだけでも、望はキツイ圧迫感に苦痛を感じていた。

動くのは無理だと判断した望は、ゆっくりと絶棒を抜いた。
「・・ん・・っ。」
軽い苦痛に芽留が眉をひそめる。

完全に抜かれた後、芽留は少し悲しそうな目で望を見た。
望は優しく微笑んで、芽留の小さな頭を撫でる。

「いきなり無理する必要はないんですよ。時間はこれからもあるのですから。」
コクリと小さく頷く芽留。

ここで行為を終わらせて帰らそうと考えていた望に、突然メールが届く。

「ん・・・?」知らない番号だ。
『サクランボ色の可愛いお口は どうですか(ハート)』
「な・・なんですか、この間違いメールは!あー絶望した!!間違いだらけの人生に絶望した!!」

ひとしきり悶えた後、望は芽留に向き直っていた。
「・・・その代わりといっては何ですが、コレ、舐めていただけませんか。」

83:3章③サクランボ色の唇
07/09/13 01:33:50 KvX42bdl
(舐める・・?)
一瞬何を言われているのか分からずキョトンとする芽留。

「音無さんのお口で、舐めて欲しいですよ。・・ダメですか?」
望も実はドキドキしていた。
彼は風俗以外でフェラをしてもらったことがなかった。
真性包茎のアレを見ると、女性達は汚らわしそうに触る事すら嫌がったから。
だが、幼い芽留ならしてくれるかもしれない。
彼は少女の無知を利用していることを恥じたが、欲求を止められなかった。

芽留は可愛らしく小首を傾げたが、すぐにコクリと頷いた。

望は体を起こして、改めて畳の上に胡坐をかいた。
そして、どうすればいいのか分からない様子の芽留を招き、4つんばにさせて顔を股間に導いた。
ミルクの匂いと淫靡な匂いが交じる。

あどけない顔に汚らしい腐肉が突きつけられた。

芽留は黒目がちの大きな目をまん丸にして、絶棒を見詰めた。
どうやら、好奇心が恥ずかしさに勝ったようだ。
(本当にゾウさんみたい・・。)
なんだか、芽留には絶棒が可愛く見えた。包茎だから余計そう見えるのだろう。

ジロジロ見られていると、なんだか屈辱を感じ、望は声をかけた。
「して・・いただけませんか。舌で少し舐めてくれるだけでいいんです。」
(生徒にこんなお願いするなんて。私は本当に最低です。)

芽留は、排泄器官を口にすることに少し抵抗があったが、結局好奇心と愛がそれに勝った。
顔を近づけ、サクランボ色の唇を異臭を放つ排泄器官に寄せる。
小さな舌でそっと舐めた。
そのままチョンチョンと舌でつつく。
どうもやり方が良く分からないようだ。

「・・ソフトクリームを舐めるような感じで・・。」
ベタベタな指導をすると、芽留はコクリと頷いてペロペロ舐め始めた。
いかにも稚拙な動きだが、幼い顔立ちの美少女が自分の絶棒に口を寄せているのを見るのは刺激的だ。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch