【ひぐらし】07th総合【うみねこ】at EROPARO
【ひぐらし】07th総合【うみねこ】 - 暇つぶし2ch285:名無しさん@ピンキー
07/09/25 00:22:04 1aMI9mhA
>>281GJ
ひぐらしファンにとって受難のときに
いいものを投下してくれてありがとう

286:名無しさん@ピンキー
07/09/25 01:24:24 YNprlPYo
>>281
どんだけGJなんだよ……あまりの良い展開っぷりに全俺が感動したぜ。
鬱なニュースばかりの中で投下してくれたお前に感謝するぜ。

287:名無しさん@ピンキー
07/09/25 01:54:29 5rjexEHW
なんて夫婦だ……
その血筋もKOOLに流れていると思うと


ところで最初の方に伊知郎がK1の肩を叩いて人差し指を突き出したのは、親指の間違いじゃないよな?
なんか気になったもんで

288: ◆CoudB9M4c2
07/09/25 08:37:17 qU9evbxn
>>287
ご指摘のとおり、素で間違えていました。
指を間違えるなんてどんだけ発症してるんだ私は・・・。
応援してくれた方々、すいません。ちょいと鬼隠しに遭ってきます。


しかし、斧での事件がまた起こりましたね。
それがひぐらしに関連付けされるのに、正直怒りを覚えます。
斧や金属バットで殺すのは残酷で、銃や刀で殺すのは残酷ではないのでしょうか。
スレチな話題で失礼しました。

289:名無しさん@ピンキー
07/09/25 11:26:49 4pYrDVMu
SSの出来そのものにはなんの不満もないんだが
読んでたら両親のSEXを目撃してしまった時のことを思い出して鬱になってしまった・・・

290:名無しさん@ピンキー
07/09/25 12:23:09 p+6GfhvQ
>>281
超GJ

素晴らしいです
勉強になるよ

次のSS楽しみにしてる

291:名無しさん@ピンキー
07/09/25 13:24:58 inpqHew9
幼姉妹(真魅音×真詩音)エロ投下します。
携帯からなので見づらいかもしれませんが、宜しくお願いします。

292:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:28:22 inpqHew9
「お姉、起きてくださいよ。……お姉ったら」
「う、う~ん…。も、ダメ…無理ぃ…」
綿流し祭の打ち上げ後、すっかり出来上がってしまった魅音は私の膝を枕にして伸びていた。
厄介な事になったもんだ。既に今日は泊まると言ってしまった。
一晩これの面倒を見なきゃならないのか…うんざりしながら、今日の事を思い出す。

「本当に二人はそっくりだなぁ」
「そっくりなのは顔だけじゃないんですよ?ほらっ!下着の色も……」
「ぎゃああああっ!!?あ、あんた何すんのよぉおぉお!!!!!!」

真っ赤になって泣きそうなお姉の顔を思い出すだけで笑えてきた。今日は随分とお姉をからかった気がする。
……こういうスキンシップを、笑って出来るようになるなんて、凄い進歩だ。
ここまで思考を巡らせて、私はまた苦笑した。
今更こんな事を思い出すなんて、……今日は私も酔ってるのかな。
柱に頭を預けて、ゆっくりと目を閉じた。

293:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:30:25 inpqHew9
―数年前。それはまだ私が『魅音』だった頃の、ほんの些細な悪戯だった。
友人達との隠れんぼの途中、私は少しでも鬼の子の裏をかこうと、普段訪れる事のない河原へと駆けていった。
予想通り、そこは私が一番乗り。あとは死角になる岩の影にでも隠れて、戦況を見れば良い。
そう思って一歩を踏み出した時、かさり、と足から砂利以外の何かを踏んだ感覚が伝わる。
何だろ?……紙?足元に視線を落とすと、それはどうやら雨風に晒されて変色し、みすぼらしい姿に変わり果てた週刊誌…のようだった。
流れついたのか、誰かが捨ておいたのか周辺には同じような雑誌が点々と転がっていた。
ったく、汚いなー……。眉を顰めて踏みつけていた足をどける。
再び駆け出そうとした私は驚きに目を見開いた。週刊誌だと思っていたそれは、どうやら、……世間でいうエロ本という物だった。
今なら一蹴するような低レベルの内容だったが、当時の私は色褪せた女の裸体から目を逸らせないでいた。

294:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:35:29 inpqHew9
―暫しの間の後、私はゆっくりそこに腰を落とす。そして、石を使って直接触らないよう注意しながらページを捲る。
初めて見るものばかりだった。気持ち悪いけど、……もっと見たい。
妙な背徳感と好奇心に背中を押され、更にページを捲って凝視する。
何度か繰り返した時、私はぎょっとした。
見開きには何枚もの絡み合う女の写真。―そう、所謂レズ物ってやつだ。
「うっわ……」思わず声が漏れる。こんなの女同士で出来るんだ。変なの。ばっちいな。
なのに、私はそれらの記事から目が離せなかった。日が暮れ始め、辺りがオレンジ色に染まっても、睨み付けるように、ずっと見ていた。

「魅音ちゃんみっーけ!」
遠くから聞こえる友人の声にハッとする。隠れる事を忘れていた私はあっさりと見つかり、その日はお開きとなった。


――――
「あっ。お姉ちゃん、お帰り!」
「お帰りなさい、魅音さん。もうすぐお夕飯ですよ」
「んー……ただいまぁ」
出迎える詩音と葛西に適当に相槌を打つ。
家に帰ってもずっとアレが頭から離れない。私はご飯中も、風呂に入ってもずっと上の空の侭だった。

「じゃあお姉ちゃん、おやすみ」
「…おやすみ」
パチリと電気が消される。真っ暗で静かな部屋。……目を瞑るとアレが鮮明に浮かんできて眠れない。
イライラしていると、ふと背中越しに聞こえる詩音の寝息に気付いてそちらを見る。
「…………」


―どんな感じ、なんだろう。
気付いたら私は体を起こし、もぞもぞと詩音の布団に潜り込んでいた。
ちょっとだけ、……ちょっとだけ、試してみよう。詩音は妹だし、そういうのは知らない筈だから大丈夫。
私は頭まで布団で覆うと詩音の上に重なった。

295:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:41:49 inpqHew9
そっ…とパジャマの上から体を撫でる。詩音は小さな呻き声を洩らして身を捩った。
ゆっくりゆっくり、パジャマの中に手を忍ばせて、鎖骨辺りまでたくし上げる。緊張と興奮で、ゴクリ…と喉が鳴った。

「……。お姉ちゃん…?」突如聞こえた、寝ぼけた詩音の声。驚いて思わず手を引っ込める…が、既に遅し。こんな状況、どうやって説明すれば良いんだ。
「な、何して……んっ…?」
手で詩音の口を塞ぎ、もう片方を人差し指を立てて自らの唇に当てる。
「しーっ!何でもないから、ちょっと静かにしてて」
ぱちぱちと瞬きして不思議そうに私を見る詩音に視線で念を押し、再び体に手を伸ばす。……もう隠す気なんかなかった。……いや、詩音になら別にバレても良いと思ってた。この子が怒ったところでどうってことないし。
「お、おね…ちゃ…!むぐ…」
驚いたような声を無視して、私と同じ程度に膨らみかけた乳房にそっと触れる。
「……詩音、痛い?」
ゆっくりと力を込めて揉むと、それは芯があって堅かった。
ふるふるっと無言で首を左右に振る詩音は恐らく真っ赤になっているだろう。私には容易に想像出来た。
両手で優しく解すように揉みしだく。詩音はパジャマの襟元をくわえて堪ていた。
「っぁ……!」
指が突起に触れた時、びくっと詩音の身が跳ねる。
「……ここ、痛い?」
指の腹でそっと撫でながら視線を上げて様子を見る。
「ん、んん…ち、ちが、う…けど……」
恥ずかしそうに顔を逸らしてもごもごと返す様子に、今日得た知識を反芻する。

「……もしかして、気持ち良いの?」
きゅっと強めに突起を摘むとまた詩音は声を漏らした。
「やっぱりそうでしょ」
「ぁ、ぁっ…ち、ちがっ…!」
いつもと違う詩音の声。息も上がって、摘んだ突起も心なしか硬くなっているようだった。
すごい、あの本の通りだ。
「っ、ひゃ…!ぁ…お、お姉ちゃっ…!?」
すっかり興奮しきった私は満足出来ずに、片方の突起に吸い尽く。
「や、やだぁ……お姉ちゃん、やだっ…」
私の髪を握り込んで、いやいやと首を振る詩音にイジメてやりたい気持ちが膨らむ。

296:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:47:58 inpqHew9
ちゅっ…じゅる、ちゅう…
音を立てて吸い、飴玉のように舐ってやった。そのどこか懐かしい感覚が私にも心地良く、詩音の荒くなった息遣いを聞きながら夢中になって愛撫した。
「はぁっ……はっ…。ん、んんっ…」
長い間覆い被さる私を挟むようにして、もじもじと動く足に気付き、先端から唇を離す。……銀色の糸が隙間から漏れる光できらりと光って綺麗だった。
「どうしたの?もしかして、おしっこ?」
落ち着きない様子の詩音に問うと、潤んだ瞳は戸惑ったようにさまよい、小さく分からないと言った。
「そろそろ、こっちも見たいと思ってたんだ」

丁度良かったので、身を起こし、パジャマのズボンに手をかける。
もうちょっとだけ。もうちょっとだけ良いよね。
びくりと再び詩音の体が跳ね、驚いた表情で私を見る。
「やっ!な、…なんでっ……!?ちょ、待って…お姉ちゃんっ…!」
「…静かにしなって。変なんだったら私が見てあげる。おしっこじゃないんでしょ」
「で、でも……そんな、恥ずかしいよ……」
「どうせ私と一緒なんだから、今更だって。ね?」
「う、うぅ……」
嫌がる詩音を黙らせて、私は半ば無理矢理ズボンと下着を引っ張った。
「……!」
詩音は目を固く瞑って耐えていた。脚を大きく広げて、そこを、見る。

「うわ……」

思わず声が漏れた。初めてちゃんと見る、女の子のあそこ。それは想像以上に複雑な形をしていて……いやらしかった。
私のも、これとおんなじなんだ。そう思うとドキドキした。
まじまじと見た後、大きく息を吸ってから、そっと指で触れる。
くちゅ……。
小さく、響く水音。そこは少し滑っていた。
「詩音……。なんか、濡れてるよ…?もしかしてしちゃった?おしっこ」
「し、してな……」
「でも、ほら……」
もう一度、指を這わせて割れ目をなぞる。先よりも大きく水音が響き、詩音が呻く。
「っぁ…ん!ゃ…」
「詩音……ここも気持ち良い?」
「ちがっ……。は、はぁっ…」
そんな事知っていた。あの本でもここを触ってたから。
「あっはは……、詩音のエッチ」
「っ……!」
陶酔しきった声で煽ると、割れ目に指を挿し入れる。詩音が息を飲むのが分かった。

297:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:53:18 inpqHew9
ちゅっ…くち…ちゅくっ…
初めての感触に指を探るように動かす。その度に詩音は小さく喘ぎ、身を震わせた。
「っん、くっ……ひ、あ、ぁっ…あっ……!」
そのうち、割れ目の中の一番硬い部分を指で押した時に、この子が一番反応する事に気付いた私は、面白くてそこを執拗に弄った。
指先で円を描くようぐりぐりしたり、つまんだり。まるで玩具のスイッチのようで、何度も何度も繰り返した。
「あ、あ、あっ……ゃっ、お、ねぇちゃ……んっ」
背中を仰け反らせ、ビクビクと体を震わせて悶える詩音の顔は、もうぐしゃぐしゃで。
「詩音。詩音のここね、すごいよ。ほら、…もうお布団までびしょびしょなの」
「ん、んんっ…ふっ…、も、も…やっ…!」
顔を寄せて囁いて、示すように大きく水音を響かせる。間近で見る詩音の表情が……あまりに、その………だったから、私は思わず口付けた。
そしたらもう本当にどうでも良くなって、舌で伝う涎を拭い、ちゅうちゅうと夢中で唇を吸いながら下半身を弄る手の動きを早める。
「んっ…む、ぐ…ふ、ふぇっ……」
詩音の手が私の揃いのパジャマを強く強く握り、足が体に絡みつく。
「も…ダメ?もう、つらい?」
返答は無い。…私は名残惜しさを感じつつも、詩音のスイッチを最後にぎゅっと強く摘んだ。
「っ!あっ…ふぁ、あっ、あ……っ!!」
詩音の体が大きく震え、…やがてはぁはぁと荒い息だけを残して静かになった。様子を窺うと、どうやら気を失ってしまったようだ。
取り敢えずそれから私はパジャマを直して証拠隠滅を図る。そして、ぽすんと隣に横になると……詩音を大切なお人形のように抱いて、眠りについた。


―それから私はこの行為の虜になり、夜な夜な詩音の布団に潜り込んでは体を弄ったり、触らせたりして遊んだ。詩音と秘密を共有するのが楽しかった。
そういう関係は暫く続いたけど、……あの事件。
そう。私が詩音になり、あの子が魅音になってからは自然に…というよりかは互いに気まずくて、するのを止めた。物理的にも離れてしまったし。

298:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:56:08 inpqHew9
そうして今に至る訳だけど、振り返ってみると……とんでもない事をしてたと思う。無知故の恐ろしさというか、若さ故の過ちというか。
それはあの子も同じのようで、その件には一切触れないし、私達の間では所謂『黒歴史』となっている。
だから互いにじゃれるのを避けていたんだけど、最近は…そうでもない。何故か自然と戯れる事が出来る。
時が解決してくれたのだろうか。恋の話で盛り上がり、小突きあって笑う。姉妹として健全化していくようで嬉しかった。
私の膝に頭を預けて、相変わらず間抜けた顔で眠る魅音の頬にそっと触れ、撫でる。
「……詩音。ごめんね?」
その時、ぽたりとスカートに落ちる雫。


魅音の、涎だった。

……こんな顔、百年の恋も冷めるってもんですよ。私は脱力すると、静かに魅音をずらして自らも寝る準備を始める。
……そう、互いに思い人が出来た今、忘れた方が良いのだ。
明日になったら今日の酔っ払いお姉の痴態をネタに遊んでやろう。
そんな楽しい未来に思いを馳せて、私も深い眠りについた。

299:園崎姉妹の黒歴史
07/09/25 13:57:54 inpqHew9
以上です。
設定的には一応10歳位だと思って頂けると嬉しいです。

300:名無しさん@ピンキー
07/09/25 14:04:06 I8C6+5Ck
>その時、ぽたりとスカートに落ちる雫。
>魅音の、涎だった。

ちょwwwwww台無しwwwwww
何がともあれGJ!


301:名無しさん@ピンキー
07/09/25 21:55:55 Pq1EW6nf
久々の双子キター!GJ!!
幼女属性なかったのに萌えてしまったぜ…!

302:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:35:41 UTrqb2FN
>>281
堪能した♪
茜さんとは違った、主婦な人妻ってのもいいなあ。GJ。

>>299
こいつぁなんておピンクなww GJ。

303:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:18:56 9Op9yI4o
これは



エロイ

304:名無しさん@ピンキー
07/09/26 13:44:19 MUjW8cw5
保管庫に新しいのがうpされてるな

305:名無しさん@ピンキー
07/09/27 00:22:46 9qWnQ3lS
GJすぐる

306:名無しさん@ピンキー
07/09/27 17:36:54 gpzM1qpo
12 :名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 23:39:53 ID:H2XsxThh
ベッドサイドの明かりをぼんやりと見つめながら、夏妃はごろりと寝返りを打った。
「あ…」
身じろぎするだけで、大量に出された白くどろりとしたものが己の内から流れ出てしまう。
それをもったいないと思う反面、酷使された身体は全く動いてはくれなかった。
「もう、解いていただいたのに…」
今まで荒縄にきつく縛られていたせいか、全身がひりひりと痛む。
ここ最近、とても夫婦の愛の営みとは言いがたいほどの異常な行為を蔵臼から求められるようになった。
彼は行為の時、夏妃を妻というより従属する奴隷のように扱った。
右代宮家嫡男蔵臼に嫁いで早数年…未だ懐妊の兆しすらない夏妃に対し、蔵臼が焦れているのは明らかだった。
彼女の細い肢体を乱暴に組み敷き、己の欲望のままに貫く。
抵抗は許されない。
なぜなら、右代宮家は完全な「男尊女卑」の家系。
この一族に嫁ぐということは、夫である蔵臼に支配されるということだ。
夫である蔵臼は、その一族の中でもことさら自信に満ち溢れた傍若無人な男であった。
4人兄弟の長兄であり、この強大な右代宮の跡取りとしての立場は、蔵臼の元々の性質と相まって彼を尊大にしていた。
だが、それでも嫁いだばかりのころは、まだ蔵臼も優しかった。
大きな手に触れられるのは、恥ずかしくも心地よく、強引ささえとても頼もしく思えた。
だから、彼の為にこの身を捧げようと幼い夏妃は誓ったのだ。
だが、子を成せない夏妃に対する風当たりはとても強く、彼女の決意はどんどん崩れていくのだった。
そして、持病の頭痛と癇癪を併発するようになり、蔵臼はそんな夏妃を持て余すようになってしまった。
右代宮家でたった一人の夏妃の「家族」であるはずの蔵臼すら、夏妃をかばうことはなかった。いや、むしろ子作れない夏妃を責めたてた。
だが、どんな蔵臼の無体な行為も、夏妃は必死で耐えた。
耐えることこそが貞淑なる妻だと信じて…。

ギィ…と重々しい音を立てて、扉が開く。
「夏妃、続けるぞ」
シャワーを浴びていた蔵臼が戻ってきたのだ。
無骨な蔵臼の手が夏妃の身体を無造作に開いていく。
乳房を乱暴にもみしだき、足の間を強くかき回して、ぐちゅぐちゅと上がる水音が上がる。
痛い、痛い、痛い。
ただでさえ身体はだるく、辛いのに、蔵臼は優しくなどしてくれない。
だが、仕方ないのだ。
借り腹の務めを終えるまでは、自分が耐えるしかないのだ。
子どもさえ、子どもさえできれば、夫も自分もちゃんとした夫婦に戻れる…きっと。

「はい…夏妃は…あなたのお望みのままに」
そう呟いて、夏妃はゆっくりと目を閉じた。




307:名無しさん@ピンキー
07/09/27 19:50:47 VYC4gmJa
終わりでいいのかな? あと、大分下がっているのageる。

308:名無しさん@ピンキー
07/09/27 21:35:57 z0r9k0ft
>>298
GJ!これは新しいシチュエーション。幼女でも双子のエロさは異常
魅音のよだれにも萌えたw

309:名無しさん@ピンキー
07/09/28 09:27:53 ZkDOFkoq
>306
ああ、うみねこ単体スレ落ちたのか。
転載GJ!

310:名無しさん@ピンキー
07/09/28 22:21:48 A8TJOezl
保管庫
超GJ
続きWKTK

311:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:27:04 b1mCuWD1
>>306-307
なんで途中からなんだ?


312:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:30:38 Ivbqtavs
元々、>>306の部分だけだったんじゃね

313:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:39:37 b1mCuWD1
単発スレをこっそり覗いた時より短くなった気がしたが、そんなことはなかったぜ!

314:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:52:00 wiZXun85
夏妃はドM
ローザはMとみせかけてS
エヴァはツンとデレの差が激しい
キリエは親子丼食ってる

反論は認める。

315:名無しさん@ピンキー
07/09/29 14:40:14 6g4GBsnd
シャノンはカノンを食ってるよ。間違いない。

316:名無しさん@ピンキー
07/09/29 18:06:34 hIpNjXKQ
シャノンのあのスリットから伸びた膝がぐりぐりと壁に押し付けたカノンのチ○コを虐めるんだな
そして膝の裏でチ○コを挟み込んでの膝ズリでフィニッシュ
その全てを立ったまま行う二人

317:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:39:10 J6mLYh40
熊沢について誰か詳しく

318:名無しさん@ピンキー
07/09/29 23:13:55 wiZXun85
>>317
割烹着の似合うメイドさん
好きな食べ物は鯖
登場していきなり主人公とフラグを立てようとした
本編ヒロイン最有力候補

319:317
07/09/30 00:15:31 HqpBFz0d
>>318
性的に詳しく

320:名無しさん@ピンキー
07/09/30 01:01:11 vo8WkcOD
巨乳

321:名無しさん@ピンキー
07/09/30 01:02:15 rs/pSccI
処女

322:名無しさん@ピンキー
07/09/30 03:01:35 WcCgr/NT
うみねこの処女、童貞キャラはインゴット並に貴重なんだぜ。

323:名無しさん@ピンキー
07/09/30 06:44:24 OFeB+kIr
>>322
真里亞、朱志香、嘉音あたりは未経験っぽい

324:名無しさん@ピンキー
07/09/30 06:53:30 rFcNV61C
1番左違かったら嫌な事件だね・・・

325:名無しさん@ピンキー
07/09/30 08:45:23 NKaUPHJD
魔女達は処女だろう?

326:名無しさん@ピンキー
07/09/30 10:30:30 gYG/guq8
魔女達が梨花ちゃまやリアルベアトとは違う存在ならば、
旅の魔女ベルンが非処女で、ヒキっぽいベアトが処女という可能性もある。

327:名無しさん@ピンキー
07/09/30 12:33:41 6m+ZrHlk
女は30越えても処女だったら魔女になれるらしい

…と、どこかで聞いた
だからベアトもベルンもラムダも全員処女←結論

328:名無しさん@ピンキー
07/09/30 13:31:29 WcCgr/NT
バトラの生尻を見て、黄色い悲鳴を上げるベアト様もそれはそれで良い。

329:名無しさん@ピンキー
07/09/30 18:18:10 BJwL22Fm
>>327
やべ俺の職場、魔女の巣窟だわwwww

330:名無しさん@ピンキー
07/09/30 21:50:20 JSNLA/Uh
前スレの方とは別人ですが
L5トミーと鷹野さん話を投下します

331:LUNATIC 1/7
07/09/30 21:55:54 JSNLA/Uh
「鷹野さん、窓を開けてくれるかい」

 そこには笑いながら片手を回して窓を開けるよううながすジロウさんがいた。運
転席の私を外からのぞき込んで居る。私は車内からぼう然と見ていた。ジロウさん
の笑顔を月明かりが照らす。恐いほどに穏やかな笑顔だった。

 窓ではなくドアを開いたのは、それが私の無意識から来る願いだったのだろう。
私が愛した人はいつも、私を置いて死んでしまっていた。だから、あの世から私を
迎えに来て欲しいと願っていた。

 子どもの頃は何度両親が迎えに来る夢を見たかわからない。死にたくはなかった。
けれど、生きる意味もわからなくなっていた。愛した人はみんな死んでしまってい
たから、この世で愛した人を私は殺した。殺して、誰にも奪われないようにするた
めに。

 そして今、殺したはずのジロウさんが私の目の前で笑っている。ジロウさんには
H173を投与して、路地に捨てた後だった。
 私が立去る前にジロウさんは目覚めてしまったのだ。

「こんな夜中だけど、なんで僕達はこんな所にいるんだろうね……」

 照れ笑いしながらジロウさんがつぶやく。私は眉が寄るのを自覚しながらも
笑ってしまった。今のジロウさんはL5の末期なはずだった。
 それでも、私を信頼しきっている顔に頬が歪む。

 山狗に抑え付けられながら、私を拒絶した時の記憶をジロウさんは自分で封印
して、いつものように私の側で笑っていた。

332:LUNATIC 2/7
07/09/30 21:59:02 JSNLA/Uh
 その姿に雛見沢症候群を全身で否定されているようで憎らしく感じる。

本当にこの人はバカだと思った。一度信じたものは、死んでも信じきるとでもいう
のだろうか。

「ジロウさん、覚えていないの?さっきまでどこにいたのか」
「……うーーーーーん」

 考えこむ表情に普段のジロウさんとはやっぱり違うと確信する。こんな時のジロ
ウさんは慌てながら訳の分からない事をしゃべり続けていたはずだ。私はその様子
が面白くて何度困らせたかわからない。

「覚えてないのね。幸せな人」
「ものすごく嫌な夢を見たような、そんな気がするよ」
「そう、夢を見たの」
「夢だよ。夢じゃないと困る。小此木くんや山狗のみんなに抑え付けられて……
君に……」
「私に?」
「こんな事を言って良いのかなぁ……」
「殺されそうになったのなら、夢じゃないわよ」

 ジロウさんの私を見る目が大きく開いた。そして、私に一歩踏み出す。私はジロ
ウさんに抱きついていた。

「夢じゃないわ。私、あなたを殺したの」
「……僕は生きてるよ」
「そう想い込みたいだけ。もう死んでいるの」
「なら、なぜ君もここにいるんだい?」
「私も死んだのかもね。あなたと一緒に」
「どうしていつも、君はそんな悲しい冗談を言うんだい?」

333:LUNATIC 3/7
07/09/30 22:04:10 JSNLA/Uh
 抱きしめ返すジロウさんの腕と声は柔らかいものだった。怒りも憎悪もなにも
ない、寂しさと悲しさがこもっているようだった。

「冗談じゃないのよ」

 本気だと続けようとした唇は塞がれて、言葉が止まった。舌に絡みつく熱さに、
ジロウさんの抱きしめる腕の強さと食い込む指の痛みに、私はまだ生きている事を
感じた。少しずつジロウさんの吐息が乱れ始める。雛見沢症候群は理性から奪って
ゆく。

 私の下腹部にジロウさんのものが熱を持って触れていた。キスを止めるとジロウ
さんは私を抱きしめながら肩で息をしていた。

「ご、ごめん……ごめん、こんな所で……」
「ジロウさん」

 私はジロウさんに抱きかかえられた。私はジロウさんのうなじをなでながら耳も
とに囁きかえす。

「ジロウさん、続けたいなら車に入って」
「……う、うん」

 限界まで下げた助手席にジロウさんを座らせ、シートの背もたれを後部座席へ
倒す。そして私がジロウさんの上に座る。途惑うジロウさんが私の頬に手をそえた。
暖かい手に私は微笑み返しながらジロウさんの前をくつろがせる。

 元気になっているジロウさんのものを取り出して、シートから下りると屈んでジ
ロウさんのものを口に含んだ。大きく口をあけたつもりだったけれど、それでも歯
が当たりそうになるのを感じて一度顔を引いた。

「……ごめん、無駄に大きくて」
「謝る必要はないのよ」

 口に含まず舌先と指で刺激を与えながらジロウさんの反応を伺った。

334:LUNATIC 4/7
07/09/30 22:07:28 JSNLA/Uh
「鷹野さん……僕にそこまでしなくていいよ。僕と鷹野さんは不釣合いだってわ
かってるつもりだよ」
「ジロウさん?」

 ジロウさんの言葉に自虐的なものが滲んでいた。そして、それがジロウさんの発
症でもあったのだろう。ジロウさんの疑心暗鬼が向かうのがどこなのか。それは他
者とは限らないのだ。
 自殺したおじいちゃんがそうだった。痴呆で衰える脳に恐怖し、私を傷付ける前
に私の前から去っていったのだ。

「ジロウさんを選んだのは、私なの。わかる?」
「……鷹野さんには研究がある。邪魔はしたくない」

 ジロウさんの言葉を遠くに聞きながら、私は今罰を受けている。そんな気がした。

「ごめん、鷹野さん。僕……君の事を愛してないわけじゃないんだ」
「わかってるわ」
「どうしたのかな、今夜は。なんだか気味が悪いよ」
「恐いの?ジロウさん」

 ジロウさんは俯いてなにも言わなかった。のしかかり、抱きしめると大きな体が
震えていた。キスをする。手を添えたジロウさんの頬や喉にかなりの熱を感じた。
発症している。発症しているのに、この人は困ったように微笑んでいた。

 私の一番好きな笑顔を浮かべて、私の腕の中にいた。

 どうして良いのかわからずにいると、ジロウさんの腕が背中に回り腰をなで始め
た。そしてお尻から太股へと手がのびてゆく。私は何も言わずジロウさんにしがみ
ついた。
 エンジンの切られた車内はせまくて暑苦しい。汗ばんで肌にまとわりつく服を強
引に脱がされると痛みが肌を走った。
下着ごとパンツを下ろされ抱きかかえられる。

335:LUNATIC 5/7
07/09/30 22:10:29 JSNLA/Uh
「鷹野……さん」

 誰を相手にしているのかわからないような表情なのに、ジロウさんは私の名前を
呼んでいた。遠慮のなく太い指が私の中に入り込む。嫌悪感はないけれど痛みに体
が硬くなるのを感じた。
普段なら、普段のジロウさんならこれだけで私からそっと身を引いてくれていた。

 奥に何があるのか探るように太い指が入り込んでゆく。最初は引きつれる痛みが
あった。一度受け入れると私からあふれたものが潤滑剤になり、増やされる指を受
け入れていく。

 キスもない、言葉もない、ただ、なすがままにされるしかない行為に私はジロウ
さんにしがみつく。今までのジロウさんとの事がどれほどまで大事にされていたか
を思い知らされていた。まどろっこしいと思う事も、面倒だと思う事もあったのに、
今はそれが懐かしかった。

 乱暴な指でしかないのに。引きぬかれるのを察すると私の腰が揺れて指を引き止
めようと下腹部に力が入ってゆく。今の状況はずっと願っていた事なのだ。ジロウ
さんが体だけを目当ての男なら、となんども思っていた。
なんども、なんども願っていたはずなのに。 ……こんな時にそうなるなんて。

「ごめん、大丈夫かい……鷹野さん」

 ジロウさんの声がした。顔を上げてジロウさんの表情を見る。視線が定まってい
ない様子に現実の私じゃなく、ジロウさんの思い出の私と話しているのが見て取れた。

「……痛いわ」
「鷹野さん……ごめんっ……ごめんっ」

336:LUNATIC 6/7
07/09/30 22:15:14 JSNLA/Uh
 皮肉っぽくささやいてもジロウさんの腕は私の腰を抱え込んだ。そして自分の
ものを私にあてがい強引に引寄せてゆく。熱さと痛みが内股を押し上げていた。
私の体はそれなりに受け入れる準備ができているはずだった。それでも引き裂か
れるような痛みを覚えながら強引にジロウさんが入りんで来る。

 ジロウさんにとっては欲望を素直にぶつけただけなのに辛くて仕方がない。

「鷹野さん、キツイ……力を抜いて」

私は何も言えずに首を横に振る。痛みに声も出なかった。頬を伝う涙で初めて自
分が泣いている事に気がつく。酷い事をされているわけじゃない。ジロウさんの
配慮が普段より薄いだけだ。

それだけのことなのに私の体は拒絶するように軋んで、下肢に痛みを響かせていた。

「ごめんっ……」
「ジロウさん……ダメ、ジロウさん」

 喉をかきむしっているジロウさんの手を取って指を絡めた。指を絡め合う様に
手を握りながらキスをする。唇を軽く開くとジロウさんの舌が入って来た。腰を
自分から動かして少しでも楽な体勢を探す。けれど、車内でできる体勢は限られ
ていて痛みは決して楽にはならなかった。
 そのままジロウさんに動かれ、私は内蔵をかきまわされている気分だった。

「は……、あっ……ああっ、や……、ジロウさんっ!」

 叫んでも止まらない動きと、痛いほど握り締められる手に、ジロウさんが普段
とは違う事を体に刻み込まれていく。叫んでも、泣きわめいても動きは止まらない。
むしろ、奥へ奥へと楔を打ち込まれるように痛みが頭へとかけぬけていた。

337:LUNATIC 7/7
07/09/30 22:19:47 JSNLA/Uh
 弾かれるように目を開くと、胸倉をつかまれて頬をはられた後だった。タバコ
の匂いで小此木だと悟る。若干乱れていたものの身なりは整えられていた。私は
あのまま気を失っていたらしい。

「ずいぶん派手に可愛がられておられましたなぁ」
「……見てたの」
「時間になっても待合わせ場所に来られないと、あちらから連絡入ったもんで」
「ジロウさんは?」
「部下と遊んでますんね。……角材拾って追いかけてたから、富竹のヤツかな
りキテやがんなぁ……」
「私を守ろうと必死なのね、きっと」

 小此木の視線を感じたけれど私は視線をあわせなかった。

「富竹の所に行きたいなら、送ってやるぞ」

 私はその言葉に小此木の頬を叩いた。叩いた手の平が痛むのを感じ、どれほど
強い力で叩いたのかを思い知らされる。小此木は唇のはしを切ったようだったけ
れど、血をぬぐいもせず薄く笑っていた。

「それでは三佐、後の事はよろしくたのんますん」

 怪しい雛見沢弁でそう言った後、白々しく敬礼すると小此木は私の前から消えた。
私はハンドルを握ってエンジンをかける。車を走らせると途中で道端に倒れ込んで
いるジロウさんを見つけた。
 私はアクセルを踏みこんで遅れた時間を取り戻そうと目的地に急ぐ。

 もう、後戻りはできなかった。

338:330
07/09/30 22:35:58 JSNLA/Uh
以上で終わりです

>>271の健気さと
>>722のレスに萌てしまい
勢いで書き上げました

お二人同様、自分も
前スレのL5トミーと鷹野さんを
お待ちしています

そして遅レスですが、>>110の富鷹gj
澪設定の富竹は原作に比べて
はっきり話す男前なんですよね

おじゃまいたしました

339:名無しさん@ピンキー
07/09/30 23:25:19 788cUsje
>>330-338
あなたが神か。
涙腺決壊しました超GJ!!

340:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:46:01 XJaxBFS+
>>338
いい意味で難しい・・

341:名無しさん@ピンキー
07/10/01 01:48:07 XnfXzLb2
>>338、超GJ!
やっぱみよみよは富竹じゃなきゃ駄目なんだろうな
痛くすると本文みたいにいやいやしそうで(;´д`)ハァハァ

つーか小此木見てたのかwww

342:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:19:40 JkJrpiI4
おはようございます。あんまり寒いから会社やすんじゃった。
昨日ひょっと思いついた話投下します。
ひょっと思いついたわりには意外に長いです。
何レスとかちょっとわかりかねます。

カプは詩×レですが直接絡むわけじゃないんですよね。
直接じゃなくても百合なの?
タイトルは「詩ぃちゃんの保健室」
次レスからです。 弱気レナ好きな人におすすめかもしれません。
よかったら読んでみてください。

343:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:22:07 JkJrpiI4
雛見沢分校の保健室には午後だけ保健の先生がいました。
名前は園崎詩音。
午前で本来の学校を抜け、沙都子にお弁当を届け、ひととおり談笑したあと、彼女は保健室に行きます。
それっぽく白衣なんかも着ちゃってノリノリです。
宿題などで時間を潰し、放課後まで待ちます。

――コンコン

おや?今日も先生のもとに誰かが駆け込んできましたよ。
「…ぅう…詩ぃちゃぁん…」
竜宮レナです。赤い顔をしてなんだか苦しそうです。
「あらあらレナさん、熱ですか?なら私じゃなく監督に――」
「違うの…『詩ぃちゃんの保健室』に相談なの…」



344:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:23:14 JkJrpiI4
レナさんの言う『詩音の保健室』とは要するに『性の駆け込み寺』である。
私はいろいろ早熟な人生を歩んでしまい、バカみたいに性の知識を溜め込んでしまっていた。
保健の先生…というか悩める女性の大概の悩みに答えられるようになってしまったので、
何かに役立てられないかと思案するとひとつ思いついた。

雛見沢だ。

お姉の通う分校には女性教諭がいるものの、性教育なんておしべとめしべ程度のものらしい。
そんなんじゃいざってときに間に合わない。
だから、部活メンバーでも年上のお姉とレナさんを呼んで徹底的に性教育を叩きこんだ。
二人も多少は知識があったらしく、講義はけっこうスムーズだった――のだが、
『何かあったときに困るから定期的に来てよ!保健室貸してあげるからさ!』
というお姉の一声にレナさんも賛同し、
めでたく『詩音の保健室』が開院しましたとさ。

345:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:23:49 JkJrpiI4
二人もちょくちょく雑談に来ていたが、まさか本当に本来の目的を果たそうことになるとは…

「で、どうしたんです?」
顔を赤らめてもじもじするレナさんを保健室の椅子に座らせて、
私はあくまでも優しく問いかける。
「……ぁ…あのね、あのね…詩ぃちゃんはさ、女の子の日が近いときにさ…その…その…」
「あぁ、欲情しますよ。」
――優しくするんじゃないのか詩音!
ピシャリと言い放った自分にうっかり突っ込んでしまう。
やっぱりやめた。
こんなもの遠回しにする意味はない。
信頼の置ける同性どうしなんだから直球で答えるに限る。
「全然普通です。生理前なんてみんなそうですよ?
私もはじめは戸惑いましたけどね。」
「…それでね…それでね……収まる方法ってないのかな?…かな?
このままじゃお勉強上の空で…せっかく圭一くんが教えてくれてるのに…失礼だから…」
暑いから脱ぎ捨てた白衣を椅子にかけて、
私は顔を真っ赤にさせたレナさんに近づく。
「だいたいなら自慰で収まりますよ。やり方知ってますよね?」
にっこり笑顔で記念すべき第一回の診察が終わる――はずだった。


346:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:26:34 JkJrpiI4
「…知らないの…」

どうやら、やはりこの子は一筋縄では行かないらしい。
「…………そうですか。まぁ無理もありません。
前回の講義ではお二人とも知ってるものと踏んで説明しませんでしたからね。」
驚かなかったと言えば嘘になる。
鈍感お姉よりは知識のあったこの子が知らないとは。

「…その、こんな相談恥ずかしいんだけど………詩ぃちゃんに、教わりたいな…?」

正直クラッときた。私は悟史くんを愛する異性愛者のはずなのに。
どうして目の前の美少女が眩しいんだろう。
赤い頬に潤んだ瞳。小動物的な弱さを見せ、上目づかいでこちらに助けを求める。
さらには生理前で欲情ときた。
これはもう据え膳喰わぬはというやつではなかろうか。
――いやいや!私は保健の先生だ!
彼女の勉学に励むための真摯な願いを受け止めるだけなんだ!
落ち着け、クールになれ園崎詩音。
深呼吸をして、―さぁ、仕事を始めよう。
「わかりました、そこに寝転んでください。」
「うん…」
この分校では何かあれば入江医院に直行になっているらしく、少し固いベッドがひとつあるだけだった。
レナさんひとり乗っただけでかなり軋む。


347:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:28:24 JkJrpiI4
「…私は乗れないなぁ……あ!椅子に座ればいいんだ!」
キャスターつきの椅子を引き寄せてベッドの隣に座る。
「…うーん、脱ぐのは恥ずかしいですよね…。じゃあ、少し足開いてください。」
「これぐらいかな?…かな?」
回りくどいのは嫌いだから胸でなく最初から挿入を教えることにする。
胸で得られる快感なんてたかが知れているし。
「あ…大丈夫です。じゃあ、手取りますよ。
いいですか?あくまでも自慰の方法を教えるだけなので、基本的には自分で指を動かしてくださいね。」
半分自分に言い聞かせているようなものだった。
レナさんの腕をとり、場所を示して、…まぁコツぐらいは伝授しようか。
「ちょっと失礼しますね。…あ、大丈夫かな…」
「ひゃうっ…!」
一度下着の中に手を入れ、十分に潤っているか確かめる。
いくら欲情していても実際にそこが濡れていないと痛いだけなのだから。
それだけでも感じたらしく、目を閉じて身体を強ばらせるレナさん。
私の与えた刺激でまた蜜が溢れてくる。うん、これなら大丈夫。痛くない。


348:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:28:59 JkJrpiI4
「じゃあ実際に自分の手でやってみてください。
入口を触るだけでも十分な刺激になると思いますから。」
「…うん」
意を決したレナさんが、私が触ったときの真似をする。
「ん!……ふぁ…ぁ…っ」
慣れない感覚も感じてしまうらしく、目をつぶって快感に耐えていた。
「そのまま指を中に入れて、関節を曲げてみてください。そのまま動かして刺激するんです。」
「え?ぅん……ひぁ…あ…ぁああ……はぁっ…ぁ…ん…」
顔を真っ赤に染めて行為にふける。
はじめての感覚に相当感じているらしい。呼吸がだいぶ激しくなってきた。
「…はぁ……ぁ…あ……はぁ…詩ぃちゃ……なんか…レナ……わけ…わかんなく…なりそ……ぁあ…」
女性のオーガズムなんてそんな簡単じゃない。
しかし今の彼女は軽く達するだけでも相当未知の領域だろうからこの反応も無理はない。
「大丈夫です、もっと早く指を動かしてみてください。怖くないから安心してわけわかんなくなっちゃってくださーい」
私がそう言うと、レナさんは自身の制服を握っていた手を私に伸ばし、手を握ってきた。
「…ぁ…ん………詩ぃちゃん……詩ぃちゃ…ぁ…あ…あ…―――!」


349:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:29:48 JkJrpiI4
最後は声になっていなかった。
目をぎゅっとつぶり、身体が小さく跳ね、私の手も強く握られた。
「…………はあ……はぁ…はぁ……」
「どうでした?気持ちよかったですか?」
虚ろな目をしたレナさんに話しかける。
はじめてでそんなこと聞かれて答えられる訳がないのに。
やっぱ私はSなんだなぁ…
「…よく…わかんないや…」
「そんなもんです。お家で気が済むまで試行錯誤してみてください。」
「…ありがとう。…あのね、もうちょっと…このままでいいかな…?」
「ええ。構いませんよ。疲れたでしょう?起こしてあげるからどうぞお休みください。」
「…ぅん…そうするね…ありがと」
彼女はゆっくり眠りに落ちた。


350:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:30:51 JkJrpiI4
「…さて」
…予想通り。私のショーツも濡れていた。
指を挿しこめばいやらしい水音がする。
こんな場面を見て思春期の女の子が反応しない訳がない。
「………ッ……んん……んっ!……んぅ……ん…ッッ………」
ベッドの掛布団に噛みついて起こさないように声を抑える。
「……ん………んッ………ん……んぅ………ん…ッッッッ……ん………!!」
情けない事に三分も持たない。
そのぶん一晩に何回も没頭してしまうのだけれど。

「じゃあ、ありがとね詩ぃちゃん。また明日!」
「はい、さようなら。明日も来ますから、よかったら寄ってくださいね」

「はーい!」
夕焼けに染まった彼女がやけに美しくて、なんとなく悔しかった。

「園崎診療所、本日これにて閉所ーっ!」
ひぐらしの声が、帰り道をずっと彩っていた。

351:名無しさん@ピンキー
07/10/01 08:33:35 JkJrpiI4
以上です。お楽しみいただければ幸いです。
詩音もレナも大好きなんで楽しく書けました。
…目明しの詩音のレナ苦手は考えないでくださいw
ありがとうございました。

352:名無しさん@ピンキー
07/10/01 12:26:24 8k3B9/lp
とりあえず次から投下するときはsageでよろしく

353:名無しさん@ピンキー
07/10/01 12:50:15 8fGw8D2+
なんという、GJ。
昼休みにこんなもん、みつけてしまうとはw
後、投下するときはsageたほうがいいよ。

354:名無しさん@ピンキー
07/10/01 16:58:32 JkJrpiI4
素でsage忘れてました…

355:名無しさん@ピンキー
07/10/01 18:33:08 Y4WOuXB1
>>354
設定すると便利


356:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:34:08 bWKLdANd
>>351
GJGJ!百合好きの俺に潤いをありがとう

357:名無しさん@ピンキー
07/10/01 21:21:57 E/z6cOx4
>>351
なんという素晴らしい診療所ww

358:名無しさん@ピンキー
07/10/01 21:59:00 XJaxBFS+
これは実にエロい・・・

359:名無しさん@ピンキー
07/10/02 05:46:27 T2CbddzZ
>>351
なんて素敵な診療所なんだ、GJww
俺も行きてぇぇ
苦手=嫌いじゃないから問題ないだろ
この2人他の編では結構仲良いからな

360:大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6
07/10/02 22:32:48 0slE63Ox
遅くなってすみません。最近、色々と忙しかったもので。orz

短いですが、皆殺し大逆転の沙都子パートを書いたので、読んでやって下さいまし。

消費レス数は3です。
なお、陵辱ものではありますが、内容は圭一の妄想となっております。

361:大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6
07/10/02 22:35:31 0slE63Ox
背中で腕を縛られた状態で地面に転がされた沙都子に、俺は近付く。
「……な、……何をするんですの? やだ……お願いですから、やめて下さいまし。やっ……あああぁっ」
俺は沙都子の服をビリビリと破き、そしてその切れ端で沙都子を目隠しした。
「いやっ……ああっ? 何? 何をなさるおつもりなんですの?」
しかし俺は沙都子の問いかけには答えず、無言で沙都子の服を脱がしていく。……沙都子の膨らみかけの双丘に息を吹きかけると、沙都子はぴくんと身をよじらせた。
くっくっくっ……どうやら感度はいいみたいだな。
続いて下の方も脱がしていく。
「やあっ!? やめっ!! やめて下さいませ圭一さん。そんな……ああっ」
瑞々しくむっちりと締まりのある太股……日頃からの山を駆けめぐっているせいか? それがまたそそるなぁ。
「くっくっくっ……何だ沙都子、お前まだ生えてないのか。可愛いスジだなあ、おい」
「なっ!? いやっ! ど、どこを見ているんですの? そんなところ見ないで下さいましっ!?」
じたばたと藻掻く沙都子の脚を抱え込み無理矢理開いていく。
俺の目の前には沙都子の……何一つとして覆うもののないスジ。
両腕で沙都子の太股を抱え込みながら、俺は沙都子のスジへと舌を伸ばした。
「ひっ……いぃっ!?」
沙都子の柔らかく小さなスジに舌を当て、割れ目をなぞると、沙都子は悲鳴を上げて身をよじらせた。
「な……あぅああっ!? 何? 何っ!? 何ですのこれ? 圭一さん、あなた何をしていらっしゃるんですのっ!? やぁっ!? うあああぁぁっ!!」
それだけじゃない。俺は沙都子のスジの中へ舌を挿入していく。
「何? 嫌あっ!? 何が……何かが私の中に入ってきますの。…………ぬるぬるして、くぅんっ? やだ……そんなところ、掻き回さないでええぇぇ。にーにー。助けて……助けてよ、にーにー」
いやいやと必死に首を振る沙都子の目から涙が流れる。
沙都子の小さなスジが、俺の舌先でヒクヒクと痙攣した。
俺の唾液の他に、ぬるりとしてほろ苦いものが混じってくる。
俺はにやりと笑みを浮かべ、沙都子の上に体を乗り出していく。
沙都子の頬に舌を這わせながら、膨らみかけの乳房に手を置く。
ぐにぐにと揉みしだくと、沙都子は痛みと羞恥で悲鳴を上げた。
「もうやだ。……やあ……やだぁ…………助けて、助けてよ。にーにー。にーにー……」
俺は「にーにー」と泣き喚く沙都子の唇を俺の唇で塞いだ。
「むぐぅ? んんっ!? ……むぅっ!?」
荒々しく沙都子の口腔へと俺の舌を挿入し、貪る。
逃げまどう沙都子の舌を逃がさないように俺は自分の舌を絡め、そして生暖かい唾液を啜った。


362:大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6
07/10/02 22:37:37 0slE63Ox
「ふぅっ……うむぅ……うぅ」
沙都子の柔らかい舌……そしてむせび泣く嗚咽が、俺の欲情をより強く煽り、びくんと俺のものが強く脈打った。
俺は荒い息を吐く沙都子から唇を離した。
沙都子の上で、服を脱いでいく。
その音……特に、ジッパーを下ろす音に沙都子は敏感に反応し、びくりと体を震わせる。
「け……圭一さん。あの……いったい…………何を……してるんですの? まさか……?」
沙都子の顔から血の気が引いた。
くくく……さすがにこれは気付いたようだな。
俺は膨れあがった怒張をズボンから取り出す。
「ねぇっ!? 圭一さんっ! 圭一さんっ!! 答えて下さいましっ!?」
何言ってるんだ沙都子? お前……もう分かってるんだろ?
沙都子を無言で見下ろしたまま、俺はにやにやと笑みを浮かべる。
「ひぃっ!? な……なんですの……? この……熱くて……固くて……まさか……そんな、本気……なんですの?」
むき出しの下腹部に怒張が触れると、沙都子は頬を引きつらせた。
俺は亀頭の先を沙都子のスジへと当て、じっくりと擦り付ける。
ハァハァ……やっぱり堪らねぇぜ、これからこの小さなロリ***に挿れるのかと思うと、それだけでイっちまいそうだ。
「や……やぁ……いや…………やぁ……」
がたがたと身を震わせる沙都子。
今頃は、何とかこの状態で押しとどまって欲しいと思っているのだろう。
だが、そうはいかない。
さぁ…………挿れてやるぜ沙都子っ!!
「いっ……ぎっ……あああああぁぁぁぁぁ~~~~っ!!??」
わずかな湿り気しかない……沙都子の狭い入り口に、俺は無理矢理に挿入していく。
まだこんな力が残っていたのかと意外なくらいに、沙都子は生きがよくピチピチと悶えた。
はははっ……それにしても凄ぇ……さすがだ。凄い締め付けだぜこいつは……マジで最高だ。


363:大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6
07/10/02 22:39:36 0slE63Ox
「痛い……痛い、痛いいいぃぃっ!! 助けて、助けてえええぇぇっっ!!」
しかし俺はお構いなしに沙都子の膣内に怒張を出し入れし、奥まで小突き回す。
俺のものを飲み込みきれないというのが、どうしようもなく残念で、そしてかえってより強く……もっと奥までという欲望の炎を強くしていく。
悲鳴を上げる沙都子の中で、俺のものが止まることなく熱を帯びていく。
ダメだ……気持ちよすぎて、止められねぇっ……!!
駆け上ってくる射精感に目が眩みそうだ。
「くっ……ふっ……ううっ」
「えっ!? やぁっ!? ああああぁぁっ……。あっ……ああ……あ、熱い……です……わ」
どくんどくんと、俺は沙都子のスジに精液をまき散らす。
何度も脈打ちながら、俺の欲望は沙都子の中を満たし……そして零れた。
ずるりと俺は沙都子のスジから怒張を抜き出す。
そしてその場に立ち上がり、力無く横たわる沙都子の顔を両手で掴み、上半身を無理矢理起こさせた。
「はっ……あああっ……あっ……あ?」
俺は沙都子の口に親指を入れ、無理矢理口を開けさせる。
そして俺は、今だ固く……そして精液にまみれた怒張を沙都子の口に突っ込んだ。


「―と、いう感じか? せっかく、性に疎い幼女なんだ。どうせなら何がどうなっているか分からないまま、恐怖感を与えてその反応を楽しみ、かつ性知識に疎いままにするという……ある意味、処女性を残した楽しみ方が乙ってもんだ」
『おおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!』
俺が説明を終えると、山狗達は歓声をあげた。
ふっ……お前らも、なかなかスジがいい。もうこの域まで到達するとはな……恐れ入ったぜ。
「じゃ、……じゃあ、Rを陵辱するとしたら……どうするんで?」
「梨花ちゃんか……? そうだな……梨花ちゃんは―」
「ちょっと……圭一? マジ?」
勿論じゃないかと親指を立てて見せると、梨花ちゃんは何故か溜め息を吐いた。


364:大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6
07/10/02 22:41:40 0slE63Ox
今晩は以上です。
今度こそ梨花パートとオチはなるべく早く仕上げるように頑張りたいです。

お目汚し失礼致しました。

365:名無しさん@ピンキー
07/10/02 22:44:34 9U3eL/d+
GGGGGJ!!
ずっと待ってた甲斐があったぜ!
梨花ちゃまも今から全裸で待ってる!

366:名無しさん@ピンキー
07/10/02 22:46:09 PONztu1u
リアルタイムGJ!!
やべぇ、漆黒の魔王の手がついに梨花ちゃまにw
全裸で続きをまってますんね。

367:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:44:10 EAxXwoMz
GJなんだぜw
梨花をどう処理するか楽しみです

368:名無しさん@ピンキー
07/10/03 19:07:21 shRhC8+/
にゃーにゃーな梨花ちゃんを愛でるのも悪くないが、
黒梨花をあれこれしちゃう展開も期待せずにはいられない。
むう。

369:名無しさん@ピンキー
07/10/03 22:06:38 8rWc/Y75
これは面白い。
素直にGJ!

370: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:11:39 P/7vMWi8
新作ができました。

圭一と魅音で、「鬼の刺青」と題して投下します。

ちなみに、エロの肝心な部分は抜けていますが、ご容赦ください。

371: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:15:17 P/7vMWi8
              鬼の刺青

 夏の日差しが照りつける部屋の中で、俺たちは卓袱台を挟んで向かい合っていた。
 卓袱台の上には、筆記用具に参考書とノート、そして俺が運んできた麦茶が雑然と置かれている。
 進学のために勉強を見てもらいたいと言ってきた身音の面倒をみてしばらく経つ。最初は興宮の図書館で教えていたが、移動にかかる時間が勿体無いということで、最近はもっぱらこの俺の部屋が教室となっている。
 「あ~、圭ちゃ~ん。」
 参考書を覗き込んでいた魅音が、ぐしゃぐしゃと頭を掻いて首をかしげる。
 「どうしてもおじさんにはわかんないよ~。おしえてぇ~。」
 机に座って十分も経たないうちに音を上げやがった・・・。俺はやれやれだぜと呟いて、渡されたそのページを眺めた。
 「げっ、魅音。ここって、一年の時に勉強していれば理解できているはずだぞ・・・。」
 魅音の知識は偏っているというかなんと言うか、興味のある部分についてはスラスラと解けるが、ない分野に関しては全くの無知であると言ってよい。
 そのギャップの激しさに、俺はいつも苦労している。
 「ええぇ~嘘だぁぁー。そんなの知らない~。」
 「レナの台詞をパクるなよ・・・。ここが分かってねえと、それからの勉強が成り立たないんだぞ。よくこれで進級できたなぁ。」
 「うぅ、おじさんを馬鹿みたいにいうなぁ~。圭ちゃんのいぢわる~。」
 気落ちした魅音が、がくりと机の上に突っ伏した。
 「別にいじめているわけじゃないんだが・・・。」
 俺もやる気をなくして参考書を閉じた。早くも今日の勉強はお開きのようだった。
 二人ともノビてしまうと、途端に部屋の中が暑くなったように感じた。扇風機は入れてあるが、油蝉の声が夏の日差しを引き立てるせいか、妙に熱気がある。
 俺は暑さに表面が濡れたグラスを手にして、冷えた麦茶を口に含んだ。
 「ぷはー。」
 思わず、オヤジのようなため息が漏れる。それを目ざとく魅音が聞きつけていた。
 「あー、圭ちゃんおやぢ臭~い。」
 机の上体を伏せたまま、顔を上げて悪戯っぽく笑う。
 自然と上目遣いになって俺を見上げる仕草となり、それが妙に可愛い。
 だから俺は、思わず魅音の頭に右手をのばした。
 「あ・・・。」
 艶やかなその髪に指を広げて、手のひらで頭を包み込む。そして優しく、わしわしと頭を撫でてやる。
 瞬時に魅音の顔が赤くなった。
 妹の詩音と同じく、魅音も頭を撫でられることに弱い。何度か撫でるうちに心地良さそうに目を閉じて、俺のされるがままになっていた。
 「ほれほれ、愛い奴じゃ。かぁ~いぃの~ぅ。」
 俺に全てを委ねきり、安心しているその顔がとても愛らしくて、俺も撫でるたびに幸せを感じてしまう。
 手のひらに柔らかい髪の感触と、暖かな魅音の体温が伝わり、こちらも心地良い。
 「・・・。」
 十分に魅音の髪を堪能した後、俺は手を魅音の耳元へと持っていった。頬に沿わせて包み込むよう、肌に触れる。
 感触の変化に気づいて、魅音の目がうっすらと開く。瞳が潤い、まるで夢の世界を楽しんでいるようだった。
 俺は左手でも頬を包むと、身を乗り出した。上体を上げさせ、掌で顎を持ち上げる。
 そして俺は、魅音の唇にキスをした。


 夏休みに入り、こうして二人きりで勉強を見るようになってから、俺と魅音の仲は急速に深まっていった。
 休みの中でも、俺たちは部活のために学校やそれぞれの家で遊んでいたがそれも毎日ではなく、誰かと二人きりという時間はありえなかった。
 しかしほぼ毎日、部活で費やすのとは明らかに違う密度の濃い空間を、俺と魅音は過ごしていたのだ。
 元々憎からず思っていた俺たちの仲が深まるのは当然といえば当然のことだった。
 山狗と戦う時以上の勇気を出して告白してからはや一月になる。八月も終わりに近づいた今では、何度かキスも経験していた。

  
 
 
  
 
 

372:名無しさん@ピンキー
07/10/04 00:17:23 KiDairhn
>>364
GJと言うのが野暮って気がするぐらいにGJ
梨花編が楽しみでしょうがないんだぜ

373: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:17:52 P/7vMWi8

 「んん・・・。」
 何度目かのキスの後、魅音は俺から体を離した。
 畳の上に寝転がった俺たちは、お互いを抱きしめあい、唇を求め合った。
 勝気で元気良動く彼女とは思えないほど、彼女の体は柔らかく、強く抱きしめすぎると、壊れそうな感じさえ覚える。
 だからあまり負担をかけないよう、もどかしくなるほど軽く体に触れている。
 魅音も恥ずかしいのか、両手を俺の胸元に預けて縮こまっている。その様子が普段の燐とした姿からは程遠くて可愛らしい。
 「可愛いぜ、魅音。」
 つぶやいて頬にキスをする。すると魅音は首をすくめ、はにかむ様に
 「・・・嬉しいよ、圭ちゃん。」
 とか細い声でつぶやいた。
 
 くうぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!
 
 たまらない。萌え死ぬというのはこういうことなのか!
 数多の先人達が心を振るわせた萌えという感情が、俺を心の奥まで打ち振るわせるッ!
 俺は魅音の顔中にキスの雨を降らせた。
 「あ、あん。圭ちゃん・・・。」
 その一つ一つに、魅音は初々しい反応を見せてくれる。
 いかん、そんなにいい反応だと、俺、止まらなくなってしまうじゃないか・・・!
 手加減していた手に力がこもる。俺は欲望に身を委ね、ためらいを捨てた。
 魅音の全てが欲しくて、俺はその体を強く抱きしめ、手を胸元に伸ばした。
 「え?あ、圭ちゃん!?」
 びくりと魅音が体を震わせるが、俺はかまわずに胸元をまさぐった。
 服越しにも分かる豊かなふくらみが手のひらに伝わる。下着のせいでごわごわとした感触だが、柔らかい中身が、俺の指とともに形を変える。
 「す、すげえ・・・。」
 感動だ。思わずもう一つの手を胸にやり、両手で揉みしだく。
 ふよふよ、ふよふょ・・・。
 面白いように形が変わった。
 「あ、強くしちゃ、痛いよ・・・。」
 調子に乗りすぎていたのか、魅音の顔が苦痛にゆがむ。俺は手の力を弱め、撫でることに切り替えた。
 二・三度撫でるたびに、魅音は口から切なそうにため息を漏らした。
 感じているのだろうか・・・。俺は直にその胸に触れるべく、上着の下から手を入れた。
 吸い付くような肌の感触と共に、下着のレースが触れた。これが、ブラジャーというものだろうか。
 俺は魅音の顔を覗き込み、目で合図した。
 (先に、進むぜ・・・。)
 恍惚により焦点が定まらない瞳で、魅音が頷く。俺は次のステップへ至るべく、下着のホックがあるだろう、背中に手を伸ばした。
 
 その瞬間。
 
 「い、嫌っ!!」
 何が起こったのか一瞬理解出来なかった。
 気が付けば、俺はものすごい力で吹き飛ばされ、部屋の襖にぶち当たっていた。
 魅音が俺を突き飛ばしたのだった。
 「え・・・。」
 呆然とする俺。その俺を見て正気に戻ったのか、魅音が叫んだ。
 「ご、ごめん。ごめん、圭ちゃんっ!!」
 すぐに俺に駆け寄り、謝罪の言葉を繰り返す。
 甘い雰囲気は一瞬にして掻き消え、後には気だるい油蝉の泣き声のみが響いていた・・・。



 
 
 
  
 
 

374: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:19:53 P/7vMWi8

 「はぁ・・・。」
 興宮にあるエンジェル・モートには、真の「萌え」を追求する二次元戦士達が集まり、今日も議論を繰り返している。
 いつもならばその様子を微笑ましく見つめ、時には熱弁を振るって参加するのが俺の日常なのだが、とてもではないが今日はその気になれなかった。
 俺の部屋での一件から早一週間。もう夏休みも終わるというのに、あれから魅音とは音沙汰なしだ。
 恋人同士だと思っていた魅音の突然の拒絶。あの後気まずくなったのか、魅音は早々に帰宅してしまい。以来、顔を見ていない。
 電話をかけても無視しているのか、繋がる気配もない。
 何度か園崎家にも足を運んだが、いつもお手伝いさんが出てきて外出中とか両親の所にいるとか気まずそうに答えるだけだった。
 つまり居留守を使われているということで・・・。俺は魅音に完全に拒否されていたのである。
 なんでだよ、俺達、恋人同士じゃなかったのかよ・・・。
 俺だけが舞い上がっていたのだけかもしれない。告白したのは俺だから、魅音がOKしてくれた時点でカップル成立とばかり思っていた。
 しかし、当の魅音はそれを友達の延長線上としか考えていなかったとしたら、俺はなんと早まったことをしてしまったんだと思う。
 俺達の年でああいう行為は確かに早い。不順異性交遊そのものだと言われても何の文句もない。
 魅音も俺を好きでいてくれるから、何でも許してもらえるんだと思っていた。
 あぁぁぁあ、俺は、何ということを・・・。
 馬鹿野郎、馬鹿野郎、馬鹿野郎!大馬鹿野郎・・・!魅音の気持ちを考えずに何が恋人だ!
 俺は頭を抱えて机の上に肘を付き、懺悔した。その時。
 「はろろ~ん、圭ちゃ~ん。どうしたんですか~?」
 明るく、人を小馬鹿にしたような甘い声。見ると、エンジェル・モートの制服に身を包んだ魅音の妹、園崎詩音がチーズケーキを持ってそばに居た。
 そうだった。俺はもうどうしようもなくて・・・。詩音に電話をかけたのだ。
 一通りの事を説明すると、詩音はこの時間帯に店に来るよう指示していたのである。
 「もうすぐRなんで、時間はあります。だから詳しく説明してもらえません?」
 ボックス席の正面に座って、詩音はケーキを自分と俺の前に並べた。「話をきいてあげますから、おごってくださいね~☆」とのことだ。
 双子ということもあり、詩音と魅音は外見上ほとんど区別が付かない。髪形を変えれば入れ変わることも可能で、俺も何度かそのトリックに引っかかったことがある。
 だから、詩音に経緯を話している時はまるで魅音と話しているようで、とても不思議な感触だった。
 「ふ~ん、そういうわけですか。」
 一通り話をおえると、詩音はいつもの笑いを浮かべて残りのチーズケーキを口に含んだ。
 「おのオクテなお姉がここまできたか・・・。妹としては嬉しいですねえ、うんうん。」
 本当に嬉しいらしく、何度も何度も含み笑いをする。まるで魅音がそこで笑っているようで、どきりと心が鳴った。
 「その、詩音。魅音はやっぱり、起こっているのか・・・?」
 おそるおそる尋ねる。すると詩音は意外といったような表情で答えた。
 「え、お姉が?何を?」
 「俺が、その、せまってきた事を・・・。」
 恥ずかしさに、自分の顔が赤くなってくるのが分かる。恋人の妹に自分達の痴話喧嘩を話すというのは、これほど恥ずかしいとは・・・。
 「く、くけけけけけけけけけけけ。」
 一瞬、詩音が発狂したのではないのかと思うくらいに奇声を上げて笑った。周りの客達も何事かと俺達の席を覗き込む。
 「あー、可笑しい。圭ちゃん、私を笑い死にさせる気ですか?」
 ひとしきり笑うと、詩音は正気に戻り笑い涙を拭った。
 「そんなことでお姉は怒りませんよ、むしろ喜んでいるくらいです。『圭ちゃんがあたしを・・・。』って、電話がかかってきましたからねぇ~☆」
 「へ・・・?」
 「一週間前でしたっけ、その日の内でしたよ。お姉、よっぽど嬉しかったんでしょうね。」
 あっけらかんとした詩音の表情に、俺は一抹の安堵を覚えた。良かった、嫌われてはいなかったんだ・・・。
 しかし、疑問は残る。それならば何故魅音は俺を避けるのだろうか。
 「お姉が圭ちゃんを避けているのは、別の理由なんです。」
 

375: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:25:40 P/7vMWi8
 俺の表情を読み取ったのか、詩音が真剣な表情になる。それまでの飄々とした態度から一転、両手の指を組んで、俺を正面から見据えた。
 「理由を話す前に、圭ちゃんに聞きたいことがあります。」
 「何だ、詩音。」
 「圭ちゃんには、お姉と添い遂げる覚悟はありますか。」
 曖昧な答えは許さない。詩音の背中には一種の妖気さえ漂っていた。 
「ある。」
 俺は即答した。自然と背筋が伸び、詩音の気迫に負けないよう、その瞳を見据えた。
 「俺は園崎魅音を愛している。」
 「へーぇ、即答ですか。口だけなら何とでもいえますからねぇ。」
 俺を値踏みしているのか、詩音の口調が再び意地悪なものに変わる。
 「お姉の家、極道ってことを知っていますよね?」
 「ああ。」
 魅音の両親が仕切る園崎組。このあたりの顔役として、県内でも知らないものがいない存在だ。
 「しかも、園崎家の当主はほとんど女性が勤めます。その意味も分かりますか?」
  俺は無言で頷いた。その反応が面白くないのか、詩音は核心を持ち出してきた。
 「それに、知ってましたか?お姉の背中にはあるんですよ。立派な刺青が。」
 刺青。言うまでもなく現在の社会では一般人とその筋の人間を分ける名札のようなものだ。出自は住処を変えることでも誤魔化すことができるが、体に刻み込まれた印は隠し通すことが出来ない。
 俺が魅音と一緒になれば、嫌でも魅音の背中に刻み込まれた園崎家当主の印と向き合うことになるのだ。
 刺青という印を前にしては、並みの人間であれば怯えて逃げ出してしまうかもしれない。
 「お姉が圭ちゃんを拒んで、避けた理由はその刺青にあります。愛しい人に、自分がその人の住む世界の住人ではないことを知らせる刺青を見せたくなかったからです。」
 「そうか、だから俺が背中に触った時に・・・。」
 「見れば圭ちゃんは自分に幻滅するかもしれない。だから、どうしても背中を見せたくなかった。圭ちゃんも、そんなお姉の気持ち分かりますよね。」
 愛しい人を自分達の住む世界の住人に引き込みたくない。魅音の悲しいほどに俺を思う気持ちが良く分かった。
 自分は闇の世界の人間。だから自分に近づけばその人まで闇に染めてしまう。それは優しい魅音に耐え切れないことなのだろう。
 しかし、詩音、そして魅音。俺は前原圭一だぜ・・・。
 「それでも、お姉と一緒になれますか?日の当たる世界を捨てて、園崎家という闇の世界の仲間入りをするんですよ。その覚悟がなかったら-」
 「もういいぜ、詩音。」
 俺は熱のこもってきた詩音の話を遮ると、力強くその両肩をつかんだ。
 「詩音がどれだけ魅音のことを大事に思っているのかも、魅音と一緒になることがどれだけ大変なのかも分かった。だがなぁ・・・。」
 俺は詩音の瞳を見て言った。
 「でもなあ、園崎家の話も、刺青の話も、魅音には全然関係のない話だ。俺が好きなのは園崎魅音であって、園崎家の魅音じゃあない。」
 「でも、お姉と一緒になるってことは・・・。」
 「園崎家の慣習?しきたり?知らなぇなぁ。俺は前原圭一だぜ。そんなくだらねえモンで俺を止められるもんか。詩音だって、沙都子の件で俺がくだらねえ『オヤシロ様の祟り』をぶち壊してやったのを覚えているだろう?」
 「うん、あれは本当にすごかったですからね。」
 「園崎家もそれと同じさ、凄く硬そうに思える物でも、叩いてみればあっけなく壊れてしまうモンだぜ。金魚すくいの網と同じで、簡単にぶち破ってやるよ!」
 本当は簡単にいかないことだとは分かっている。それでも、俺は自分に降りかかる不安を打ち消すかのように熱弁を振るっていた。
 詩音はしばらく俺の顔を見ていたが、今度は非常に嬉しそうな顔で微笑んだ。
 「な~んだ。こんなところでノロケを聞くとは思いませんでした。」
 「へっ。そんな奴がお義兄さんになるんだから、光栄に思うがいいぜ。」
 「全く、そこまで覚悟完了とは恐れ入りました。下手に戸惑ったらこのスタン・・・げふん、げふん。」
 後ろでに何かを掴んで咳き込む詩音。おい、何を持っているんだおのれは・・・。
 「そろそろRが終わりますね。それじゃあ圭ちゃん。今夜お姉に電話しときますねぇ。」
 時間が着たのか、詩音が席から離れる。
 「ああ、魅音に下らねえ事で悩むなって伝えといてくれよ!」
 「はいはい、分かりましたよお義兄さん☆」
 離れ際に(悟史君もこんなに積極的だったら・・・)という呟きを聞きつつ、俺はその背中を頼もしく見ていた。



 
 
 
  
 
 

376: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:27:18 P/7vMWi8
 コツ、コツ・・・。
 日付が変わって間もなく。寝付けずに居た俺は窓から聞こえてくる小さな音を耳にした。
 石か何かがぶつかるような音。俺ははたと気づいて窓を開け放った。
 街灯の薄明かりの下に浮かんだのは、黄色いシャツとポニーテール。待ちわびた魅音の姿だった。
 俺は魅音に手で合図すると、ゆっくり階段を下り、両親を起こさないようにして家を出た。
 「あ、あはは、圭ちゃん・・・。」
 バツの悪そうな顔をして、魅音が俺の元に近づいてきた。
 魅音、魅音、魅音!
 俺は今にも駆け寄ってその体を抱きしめようと思った。しかし、魅音はある程度まで近づくと、そこから一歩も動かなかった。
 駆け寄れば3秒もかからない距離。しかし、その距離が今の俺達の距離を表しているようで、とてももどかしかった。
 「魅音、心配していたんだぜ。連絡、取れないから・・・。」
 「ごめん。おじさん、忙しくて・・・。」
 俺の顔を見ないようにして、魅音が答える。そんな顔をしてほしくなかった。そんな、悲しい顔は・・・。
 「詩音から電話があって、圭ちゃんが来たって言ってた。私のこと心配してくれたんだって。」
 当然じゃないか、魅音。一番愛しい人のことを心配しない奴なんていないぜ。
 「だからね、おじさん。これじゃ駄目かなーって、圭ちゃんに心配かけたままだと駄目だから、はっきりしないといけないかなって。」
 街灯の明かりが薄暗いので良く見えないが、魅音の顔が悲しそうに歪んでいるのは分かった。
 だから、魅音が次に告げるであろう言葉が何となく予想できてしまった。
 「圭ちゃん、私達、友達に戻ろう。」
 「魅音・・・。」
 ガツン、と鉈で頭を叩き割られるような衝撃。一週間俺を避けて導き出した答えがそれだったのかよ・・・。
 「ごめん、もう恋人じゃいられない。これから私を見かけても、ただの友達と思っていてほしいの。この間までの私はもういない。この間までの私は、そう、鬼隠しにでも遭ったとでも思って。」
 「つまり、別れようってことか。」
 オブラートに包んだはずの結論を俺に言われて、魅音が息を呑んだ。
 「え、あの、えっと・・・。」
 「結論はそういうことだろ。」
 「そうじゃなくて、その・・・。」
 やっぱり。俺は確信した。
 魅音にこんな馬鹿な結論を選ばせたのは、魅音の心の中にある「園崎家当主」といった重し。
 この一週間、魅音はその重しによる苦しみの中に居たのだろう。仲間にも相談できず、詩音から後押しされても一歩を踏み出せなかった。
 分かったぜ、魅音。俺が助けてやるよ。その馬鹿らしい「園崎家当主」の重しってやつから!
 
 

377: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:29:08 P/7vMWi8
 
 俺は魅音との距離を縮めるべく、足を一歩踏み出した。
 思わず逃げようとする魅音を捕まえて、こちらを向かせる。
 「へへっ、捕まえたぜ、お姫様。」
 「駄目だよ、圭ちゃん・・・。」
 「おっと、余所見はナシだぜ。」
 顔を背けようとするのを、ぐい、と振り向かせる。魅音の顔は涙で濡れていた。
 「駄目だよ、私、私、やっと圭ちゃんと別れる勇気がでたんだから、そんなにされると・・・。」
 「じゃあ、別れなきゃいいだろ。簡単なことじゃねえか。」
 「それじゃ、駄目なの。私、圭ちゃんに嫌われたくないから。」
 「何で俺が魅音を嫌うんだよ。そりゃあ魅音にはガサツなところもあるし、結構腹黒いところもあるって知ってるけど、それ全部ひっくるめて好きだといっているんだぜ。」
 「嬉しいよ、圭ちゃん。でも、違うの。それを知ったら、多分圭ちゃんだって私を嫌いになる・・・。」
 「背中の、刺青のことか?」
 「!!」
 魅音の目が見開かれる。そして絶望に沈んだ。
 私が傷モノだということを知っていたのか、という濁った瞳。
 「知って、いたんだ・・・。」
 「ああ、詩音から聞いた。」
 「・・・詩音。喋っちゃったんだ。」
 捨て鉢な台詞を魅音が放つ。もう、どう嫌われても良い。そんな表情だった。
 「だったら、話は早いよね。こんな刺青女、嫌だよね。裸になったらいつも見なきゃいけないし、子供が出来ても一緒に銭湯にも行けない。何より、その、えっちする時に嫌でしょ、こんなの。」
 かなり話が飛躍しているような気もするが、魅音にとってはこの刺青がかなりのコンプレックスらしい。
 それが無くならない限り、魅音には何を言っても届かないだろう。
 そして、魅音は俺と別れ、そのまま孤独な人生を歩むのだろう。おそらく、俺との甘酸っぱい青春の思い出だけを胸に。
 馬鹿野郎。そんな悲しい結末を、雛見沢の最悪な結末を阻止した俺が許すものか!
 OK。ならばそのコンプレックスってやつを打ち砕いてやろうじゃないか。
 鉄をも打ち砕く、まさに徹甲弾の様に!
 

378: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:31:14 P/7vMWi8

 「いいか、魅音。」
 俺は身音の両肩を優しく抱いた。
 「お前は分かっていない。ちっとも分かっていない。そもそも刺青をコンプレックスと思う必要は無いんだ。」
 きょとんとした瞳で魅音が俺を見る。くくく、かかった!
 「刺青は日本のれっきとした文化なんだよ。証拠に『魏志倭人伝』って本には、倭人が男女共に刺青をしていたって記述がある。ちなみに『魏志倭人伝』って、あの漫画の鉄人、横山光輝先生が連載している『三国志』の一節なんだぜ。」
 「その文化は、脈々と受け継がれてなぁ、江戸時代には彫師って職業が確立したんだ。タイムマシンで江戸に行ったら、それこそ職人さんのほとんどは綺麗な彫り物を背負っていたって話だぜ。遠山の金さんや、弁天小僧のお話は、主役が刺青をしていなければ始まらないんだ!」
 「戦後の本格派推理小説の旗手となった高木彬光のデビュー作に『刺青殺人事件』ってあるのは知ってるか?知らないならまだ甘いな。あれには(ネタバレになるので以下略)って刺青にまつわるトリックがあるんだが、刺青に関してアツい語りがあるんだよぉぉぉ!!」
 「極めつけは、戦前の浜口内閣で逓信大臣を務めた、小泉又次郎って政治家がいたんだがなぁ。それが全身に昇り竜の刺青をしていたんだってよ!何でも時の天皇にみせて(はぁと)と言われるほどだったらしいぜ。予断だけど、その人の孫も政治家やってるんだよな、これが。」
 口八丁手八丁で、仕入れた知識を存分に語りつくす。これがおれの「固有結界」!
 ほ~ら見てみろ。聞く耳を持たないといった顔をしていた魅音が、今となっては熱を帯びた表情で、俺の話に聞き入っておるわ・・・!
 「魅音はまだ見ていないのかな?夏目雅子、そうあの三蔵法師だ。彼女が主演した『鬼龍院花子の生涯』、あの濡れ場で輝く刺青に魂を震わせない奴は男として終わっているんだぁぁっ!!」
 一際大きな声で演説を終えると、俺は強く魅音を抱きしめた。
 「こんなにも刺青ってやつは素晴らしい。だから魅音、刺青を気にすることなんて無いんだ。」
 「圭ちゃん・・・。」
 「魅音に刺青があっても、エニシング・オーケー。むしろ俺は大歓迎だ。」
 「う、嘘だよ、だって、こんな・・・。」
 口では否定するが、明らかに魅音の意思は揺らいでいた。もう、一押しだ。
 「じゃあ、見せてみろよ。背中。」
 「えっ、ええっ!駄目駄目駄目駄目!それだけはだめぇっ!」
 「そんなに否定されるとますます見たくなっちまうなぁ~。どうせ俺と別れたいんだろ?そしたら刺青を見せて白黒つけた方が良いんじゃないか?」
 「・・・・。」
 魅音は逡巡していたが、最後には小さく首を縦に振った。
 これでよし。魅音を土俵に乗せることには成功した。後は俺が鬼の刺青を見て、そのいらない心配を吹き飛ばしてやることだ。



379: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:32:11 P/7vMWi8

 「・・・後悔、すると思うよ。」
 闇の中に浮かぶ魅音が、背中越しに最後の念を押した。
 俺は沈黙を答えとして返す。しばらく経って、観念したかのように、魅音がシャツの縁に手をかけた。
 深夜の俺の部屋。魅音のリクエストにより、電気はつけていない。
 両親を起こさないようにして静かに俺の部屋に入ると、俺は魅音の刺青を見るべく、彼女にシャツを脱ぐよう促した。
 静かな衣擦れの音と共に、シャツが畳の上に落ち、続いて、薄緑のブラジャーが落ちた。
 「脱いだよ・・・。」
 裁きを待つ罪人のように、震えた声で魅音が俺を呼ぶ。俺は魅音の背中に近づいて、そこに描かれた鬼の刺青を見ようとした。
 薄暗い中で目をこらす。月明かりに映えたその鬼を見た瞬間。俺は
 
 (羽入!?)
 
 と、一瞬叫ぼうとしてしまった。
 魅音の背中には、確かに角の生えた鬼の、女の鬼の姿があった。
 巫女服のような衣に身を包み、髪を振り乱して舞をしているかのように体をよじらせている。
 長く伸びた爪は人を殺める武器なのか、血が煙っており、衣にも赤い返り血がこびりついていた。
 では残酷な鬼なのかと言えば、その表情には何ともいえない憂いがあり、真一文字に結んだ口と伏した瞳には明らかな悲しみがあった。
 紫色をした髪の間から伸びる角の片方からは出血しているようで、返り血とは違う色合いの紅が使われている。
 『園崎家は、かつて鬼と戦った古手の巫女を迫害した村人のリーダーを務めていたようね。その罪を悔いた園崎の当主は、自らに鬼の刺青を刻むことで、永遠にその咎を忘れないようにしたの。』
 かつて、鷹野三四と会ったとき、彼女がそんなことを言っていたはずだ。そうか、この刺青はそのまま園崎家の罪の証なのだ。
 何故、この鬼が羽入の姿をしているのかは分からない。しかし、その鬼は無言のまま舞っていた。
 その姿がとても綺麗で、思わず俺はその鬼の顔にキスをしていた。
 「ひゃっ、圭ちゃん!?」
 突然のことに、魅音が声を上げる。だが、俺はなおも背中にキスをし続けた。
 「綺麗だぜ、魅音。こんな綺麗な鬼を独り占めしていたなんてなぁ。ほんとに悪いネコさんだなぁ、みぃ~☆」
 照れ隠しに梨花ちゃんの言葉を借りる。
 「あ、あんっ。う、うそ。本当に・・・?」
 「ああ、本当に綺麗だぜ。全く、何を気にしていたんだか。」
 魅音の体をこちらに向かせ、キスを唇にする。戸惑いながらも魅音は俺のキスを受け入れ、自分から俺の頭を包み込んだ。
 「う、嬉しいっ!圭ちゃん、圭ちゃあぁん!」
 最後は涙声。しかし今度は嬉し涙だ。俺達は固く抱き合ってキスを何度も繰り返した。
 そのたびに、裸になった魅音の胸が、俺の胸板に当たって・・・。
 「あ、圭ちゃん。これって・・・。」
 その部分の変化を感じた魅音が、恥ずかしげに呟いた。
 「魅音のせいだぜ。」
 俺は意地悪く魅音に微笑むと、そのまま彼女の体を押し倒した・・・。


 

380: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:33:56 P/7vMWi8
 「えへへ・・・。」
 朝日が昇ろうとする中。俺達は裸のまま寝転んで向かい合っていた。
 目が合うと、魅音は照れくさそうに笑った。
 お互い初めてだというのに、調子に乗って何回も求め合ったものだから、さすがにだるい。
 このまま眠りこけていたいが、もうしばらくすればお袋が起きる時間だ。さすがにこの状況は刺激が強すぎるだろう。
 「もう、朝なんだね。」
 「ああ。あっという間だったな。」
 もう一度キスをする。あと少しで、別れなければならないと思うと、胸が痛んだ。
 「痛く、ないか・・・?」
 俺はそれほどでもないが、女の子は初めての時、ひどく痛むらしい。お互いを求めるのに夢中で、気にしている余裕がなかった。
 「うん、ちょっとだけ。でも、爪をはぐよりは痛くないよ。」
 魅音がはにかむ。無理しやがって・・・。
 「それに、嬉しかったし。私、てっきり圭ちゃんが引いちゃって、嫌われると思っていたから。」
 「馬鹿だな。俺がそんな刺青一つにびびるチキンと思うか?」
 「うん、そうだよね。圭ちゃんは大婆様に一歩も引かないくらい強い人だったんだよね。」
 俺は魅音に背中を向けさせると、そのまま抱きしめた。丁度鬼の顔が俺の胸元に来て、見上げるようになる。
 
 (あ・・・。)

 その時、鬼の顔が微笑んだ。しかも一瞬ではなく、この体勢になることで。
 刺青の勉強をした時に読んだことがある。見る方向により刺青の姿が変わる伝説の技術。
 呼び方は忘れたが、その技術が魅音の背中には使われているのだ。
 そうか、これは祝福。
 罪深い園崎家の娘を愛し、抱きしめたものだけが見ることの出来る鬼の真の姿。
 (あぅあぅ。偉いのですよ。あなたは姿に惑わされず、本当の愛をこの娘にくれたのですね。)
 どういうわけか、羽入の舌足らずな声が聞こえたような気がした。
 「どうしたの、圭ちゃん。嬉しそう・・・。」
 俺の笑いを感じたのか、魅音が背中越しに微笑んだ。
 二人の鬼姫様の微笑み。
 俺はこの微笑みを守るためのナイトになることを、後朝の光の中で誓った。



 終わり
 
 
 
  
 
 

381:名無しさん@ピンキー
07/10/04 00:35:10 Qpl+NamU
( ・3・)gj

382: ◆CoudB9M4c2
07/10/04 00:38:23 P/7vMWi8
投下終了であります・・・。

今回は濡れ場が無いほうが主題には合うのかなと思いまして、泣く泣く割愛しました。

ちなみに刺青に関する文献・資料?は知っている限りのものをならべましたが、本家の固有結界には及ぶべくもないですね。
 
あと、刺青が羽入というのは完全に私の妄想です。作中で、どんな鬼なのか言明されていなかったようなので、勝手にイメージしてしまいました。

たびたびのお目汚し失礼しました。

383:名無しさん@ピンキー
07/10/04 00:51:20 OW5MsknS
小泉純也って又次郎の養sゲフンゲフン
gj

384:名無しさん@ピンキー
07/10/04 01:56:43 btYcyQ4X
>>382
GJ。圭一に燃えたぜ!

385:名無しさん@ピンキー
07/10/04 02:52:15 GlnbEXQ9
>>382GJ
圭一かっこいいな

386:名無しさん@ピンキー
07/10/04 03:18:41 D2D1hODe
さりげなく皆殺し編の記憶継承してるのもいいな

387:名無しさん@ピンキー
07/10/04 11:40:19 Zx54dO9D
>>382
うおおおおお!GJ!
圭一熱すぎだろ!
ところでこのエピソードって澪尽し編の方の後日談なのかな?

388:名無しさん@ピンキー
07/10/04 13:40:02 51aR4PA2
>>387
時間的にはそうかと。
皆殺しの記憶も継承してるし。

389:名無しさん@ピンキー
07/10/04 14:40:18 Fn3nTko8
>>382
超GJ!
文章力を磨けば更に良くなると思うがストーリーとしては最高

390:名無しさん@ピンキー
07/10/04 16:03:26 oZnX7z7R
>>382
GJ!!圭一の固有結界すげぇw
刺青について知ってたのか調べたのか…どちらにしても
細かい部分で手を抜かないのは素晴らしい。
何よりも幸せな圭一と魅音が見れて良かった!

391:名無しさん@ピンキー
07/10/04 17:44:44 fVjcdr6X
保管庫更新しておきましたよ。
ところで、職人さんの中にはトリップつける以前の作品が宙ぶらりん状態になっているものがあります。
自己申告していただければ作者別に編集しておくのですが・・・
作風がよく似ていて同一人物のものと思われるものがあっても、勝手に編集するわけにはいかないし・・・

392:名無しさん@ピンキー
07/10/04 17:53:40 TbB/lrJw
くぁ~、GJ!! 萌えた!
あえて濡れ場を外したのは正解だったね。
固有結界見事!w
良いもの読ませてもらったよ!

魅音の刺青といえば、原作に大きさとかの描写が無いんで各二次作品で違いがあ
るね。
俺が知ってるのでは、エンジェルモートの制服を着た時にばれない様に、背中の
左側の
下、腰のやや上辺りに拳大の鬼の顔の刺青彫ってるのがあった。
アニメ版の刺青は背中一杯に書かれてるから、綿流しで矛盾しちゃうんだよな。


393:名無しさん@ピンキー
07/10/04 20:23:37 XUULnwdX
>>382
エロパロなのに泣けた
もうこれは人間ドラマですなぁ…
しかし濡れ場も見たかっ(ry
ご馳走様っした

>>392
ドデカく描いてるのはアニメのOPやピンナップなどのイメージ画のみだからな。
へその見えるセーラーやスク水も着れることから確実にありはするが範囲は極小、程度だな。

394:名無しさん@ピンキー
07/10/05 00:16:39 nEkTqVhU
>>392
しかもその後、猫殺し編でビキニを着せるとかもうね
個人的には小説版の、勉強の出来ない家庭教師の方が萌えたわ

395:名無しさん@ピンキー
07/10/05 00:24:51 mC0duWVC
アニメ猫殺しのオリジナル罰ゲーム衣装デザインしたのは坂井だけど、
魅音のビキニはさすがにキャラ分かってなさすぎだったな
似合うし映えるしアニメ的には見えてなきゃセフセフ程度のもんだろうけど
ひぐらし的にはNGだわさ
まああの衣装着た部活メンバーと圭一のニャンニャンとか妄想してるんですけどね

396:名無しさん@ピンキー
07/10/05 06:22:20 S2JtexcP
分かった!きっと入れ墨って文字なんだよ!

多分I LOVE 羽入とかって彫ってあるんだよ。

397:名無しさん@ピンキー
07/10/05 16:26:34 PISufPju
つ「日本画っぽい羽入」

398:名無しさん@ピンキー
07/10/05 17:53:30 ykXaUJdK
刺青とか関係なく魅音の猫殺しのあの衣装が好きになれないのは俺だけ?

399:名無しさん@ピンキー
07/10/05 18:48:46 g2KKiusy
あぅあぅ

400:382 ◆CoudB9M4c2
07/10/05 19:54:49 3LO7gDuZ
上の作品を書いたものです。
以前、コメントはしない方が良いと言われたのですが、質問などを頂きましたので、あえて書き込まさせて頂きます。
次の作品の冒頭で回答すると、時間がかかりそうなので・・・。

>>387
勉強できない設定は澪尽しから、羽入の口調などを知っているのは祭囃しから設定を頂いています。
どの編の続きでも話はつながるようにしています。

>>390
一時期高木彬光にはまり、「刺青殺人事件」を読んでいたので今回使用させて頂きました。
近い時期に「鬼龍院花子の生涯」があったので、引用したのですが、もしも昭和58年以後の作品であったら、藤純子(現在は冨司純子)の「緋牡丹博徒」を使うつもりでした。

>>391
保管庫の更新をして頂き、本当にありがとうございます。
自分ではwikiの更新が出来ないため、自分の作品が載っているのを見ると、うれしい限りです。
私は他に「季節の中で」という作品と保管庫にもある「祭りの始末」を書かせてもらっています。
まとめて下さる時間があれば幸いです。

刺青の大きさに関してはアニメの双子の裸から全体にあるという解釈を取りました。
「鬼」が羽入の姿を模したものというのは、「雛見沢の鬼=羽入」という理由ですが、保管庫を見ると以前同じような解釈でSSを書かれた方(『鍵穴』という作品でしたか)もおられましたので、被ってしまいました・・・。


皆様に叱咤激励を頂いて、また良いものと思われるようなSSを書かせて頂きたいという思いです。
お待ち頂けるならば、近日中にも作品を投下したいと思います。




401:名無しさん@ピンキー
07/10/05 22:17:43 LmaGOg9j
>>400
  _  ∩
( ゚∀゚)彡GJ!GJ!
 ⊂彡


402:名無しさん@ピンキー
07/10/06 01:46:37 xM8GPvX3
抜けてる作品が補完されてるな>wiki
誰だか知らんがJG!

403:名無しさん@ピンキー
07/10/06 10:46:36 MiLpuIMc
     ...| ̄ ̄ | 鬼蓄王はまだかね
   /:::|     |      ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。)  ( 。_。)
  ||:::::::(´・ω・`)    /<▽> /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/ |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」 .|:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|::::::::|  .|::::::::|
\  \__(久)__/_\:::::::|  |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \:|  |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\ |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i

404:名無しさん@ピンキー
07/10/06 19:34:45 OdPdA/Ie
鬼畜王の圭一は妄想

圭一の知っている梨花は基本的に白梨花

鬼畜王の圭一が実際にやれば、他のメンバーは予想通りの反応なのに
梨花ちゃまだけは反応が黒梨花で、圭一が( ゜Д゜)???←こんな顔する

と、いう電波を受信しますた

405:名無しさん@ピンキー
07/10/06 23:06:03 YTSszZT6
だが、それはそれで萌えると考えてそのまま続行しそうですが

406:名無しさん@ピンキー
07/10/07 09:36:48 XN0riQjw
ショタなKって今まであったっけ?

407:名無しさん@ピンキー
07/10/07 09:40:08 fDz0gP7A
鬼畜王の続き保管庫うpはまだですか?

408:名無しさん@ピンキー
07/10/07 17:26:30 /IYXzHAK
圭一パパ×レナが見てみたい

409:名無しさん@ピンキー
07/10/07 17:35:21 1/fjD0EZ
鬼畜王の続きも気になるが
大石×魅音詩音も気になるぜ
正座してずっと待ってたら足がしびれてきた…

410:名無しさん@ピンキー
07/10/07 18:02:22 ynWqCm2s
うみねこSSマダー?

411:名無しさん@ピンキー
07/10/07 20:05:16 3a/APMaO
うるさいのぉ。
都合ってもんがあるだろうが?
考えようぜ諸君。

412:名無しさん@ピンキー
07/10/08 01:27:34 DSWfFSFX
>410
近親ネタ以外で絡めるとしたら一日目の晩くらいなんだが
現段階での全員のアリバイがあやふやだからな。
過去もはっきりしてないし。

あと主人公がフラグ無しなのも痛い。
どうにかエロに持っていけそうなのは
お茶会の魔女くらいしかいないのがなんとも…。

413:名無しさん@ピンキー
07/10/08 02:45:14 O+iwBxgo
幼なじみの朱志香とはどうよ。
再会のシーンみたいに「女みたいになりやがって」「お前こそちゃんとアレ卒業したのかよ」とかふざけ合ってたらそれっぽく…とか。

414:名無しさん@ピンキー
07/10/08 03:05:33 Fb/a6J3F
真里亞を忘れないでください

415:名無しさん@ピンキー
07/10/08 11:19:26 iD/7axOO
ここでシャノン×カノン

416:名無しさん@ピンキー
07/10/08 16:17:08 Vh5neVUe
>>409
その二作が完結するまでは死ねない

417:名無しさん@ピンキー
07/10/08 22:22:13 n5ypFYuU
前スレで少し話題にでた、眠れぬ夜にの続きが気になって仕方ない漏れはどうすれば…


(´;ω;`)ブワッ

418:名無しさん@ピンキー
07/10/08 22:26:02 4RELhZWU
>>417
同志よ

419:名無しさん@ピンキー
07/10/08 22:32:11 Mfojo965
いっそのこと自分で続きを書いてみる手もあるぜ

420:名無しさん@ピンキー
07/10/08 22:54:03 n5ypFYuU
>>419
いや それは作者に失礼な気がするし、投下されるまでずっと信じて待ってるよ。

時間出来たらリカサト書いてみようかな…
自信ないけどorz

421: ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:00:16 Hpa84LlM
408の方からリクエストがありました圭一パパ×レナを勢いで書いてみました。

前のSSの続きは私も読ませて頂きたいです。長編を書く場合は、間隔のリスクも考える必要があるみたいですね。

あと、保管庫管理をして頂いた方には感謝のしようもありません。投下した作品で楽しんで頂けることをお礼として受け取ってもらえれば幸いです。

それでは「可哀相なのはどっち?」という題で投下させて頂きます。



422:可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:03:56 Hpa84LlM
               可哀相なのはどっち?

 雛見沢の新興別荘地として開発が進む一角に、最も早く完成した邸宅がある。
 村中によくある日本家屋とは違い、近代建築の粋を凝らしたモダンな建物。通称『前原屋敷』と呼ばれる、私のクラスメイト前原圭一君の住む家だ。
 正門から入って広い玄関ポーチに着くと、私は扉の横に備え付けられた呼び鈴を鳴らした。
 「はい、前原です。」
 呼び鈴から声がして、びくりと体が動く。
 インターホンといっただろうか、この電話とは違う機械を通した声というものには未だ慣れない。
 私は気を取り直して声の主に自分の名前を告げた。
 「おおっ、レナちゃん!鍵は開いているからどうぞ、どうぞ!」
 圭一君に似てはいるが、もう少し重みのある声が楽しげに響く。私をここに呼び出した圭一君のお父さん、前原伊知郎さんのものだ。
 お邪魔しまぁ~す☆と、扉を開けて玄関へと入る。扉を閉めるのと同時に、ドタドタと家の奥から足音が聞こえた。
 「いやぁ~。ウェルカム!ようこそレナちゃん!ささっ、入って入って!!」
 満面の笑みを浮かべて、圭一君のお父さんが私を出迎える。一歩間違えれば、胡散臭いペテン師に見えるような人だ。
 「はぅ~、こんにちはおじさま。いつもお世話になっています。お邪魔しま~す。」
 こちらも負けじと笑顔を浮かべ、靴を脱いで家の中に上がる。
 圭一君の家は借家住まいの私のそれとは違い、内装も洒落ていて、まるで都会のマンションのようだ。
 貧乏性の成せる業か、廊下に掲げられている静物画がいくらするのか、ついつい考えてしまう。
 応接間に通されて、革張りのソファーに座る。しばらくすると、台所から紅茶とシュークリームを乗せたお盆を持って、圭一君のお父さんがやってきた。
 「圭一も母さんもいないから、好みがわからなかったけど、これでいいかな?」
 目の前に並べられたのは上等なアッサムの紅茶と、エンジェル・モートのアーモンド入りシュークリームだった。これはまた高級なシロモノである。
 「はぁ~ぅ~♪お、おいしそぅ~!いっただきまぁ~す☆」
 早速かぶりつくと、濃厚なクリームと刻みアーモンドの香りが私の舌を楽しませ、柔らかく、それでいて歯ごたえのある皮の部分が口中で踊った。
 流石はエンジェル・モート。制服だけでなく、味にも妥協を許さない!
 「気に入ったかぃ?まだまだあるから、持って帰ると良いよ。」
 「えぇっ、本当ですかぁ~!?お、お。お~持ち帰りぃぃ~☆☆」
 紅茶を噴出す勢いで、私は喜びに身を捩った。おやつの時間はしばらく幸福なものになりそうだ。
 「あぁ。お父さんにも食べさせてあげればいいよ。」
 その言葉に、一瞬私の顔が歪む。
 
 そう、お父さん。
 
 圭一君がいないのに私がこの家に来た理由は、私のお父さんにあるのだ。
 とてもお人よしで、女性に免疫のないナイーブな少年がそのまま大きくなったような私のお父さんに・・・。
 
 
 
 
 


423:可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:05:01 Hpa84LlM


 「う、嘘だッ!」
 父から告げられた真実を受け入れられず、私は叫び声を思わず漏らしていた。
 「すまない、礼奈。父さんは、父さんはァァァッ!!」
 リナがいなくなった。
 父を惑わせていたあの悪党がその姿を消したということは、本来私にとって喜ばしいことのはずだった。
 しかし、悪党という狩人は、収穫のためにはどんな残酷なことでも平気なことで行う。手を変え、品を変え、獲物を手に入れるためには時と場所を問わないッッ!!
 その連中が姿を消したということは、狩りの終了。つまり狩りに見合うだけの収穫があったことを意味する。
 拭い切れぬ悪寒を感じて、私は父からひったくるようにして通帳講座を奪い取っていた。
 「何、これ・・・。」
 残高ゼロ。
 あれほどあった慰謝料も、これまで父が貯めていた蓄えも、全てが無くなっていた。
 「お父さん!これは、どういうことっ!?」
 涙ながらにお父さんが語った真実は、聞くのに大変な苦痛が伴うものだった。
 リナの甘言に乗せられて、無理な買い物をしたこと、背伸びをして羽振りが良い所を見せていたこと。
 てっきり自分との新居だと思い、リナがマンションを買う時に費用の半分を出したということ、そして鉄っちゃんとかいうレナの情夫に凄まれて、泣く泣く手切れ金を支払ったこと・・・。
 しかし、私が最も心を傷つけられたのは、手切れ金の中にリナの堕胎費用が含まれていたことだったのだ。
 私も年相応の性知識はあるから、お父さんとリナの関係はそういうものだと知っていた。だが、それを受け入れたくなくて私はゴミ山に篭り、二人の関係に目を瞑り、耳を塞いでいたつもりでいた。
 殻に閉じこもって甘い夢を見ていたかった。じっと耐えていれば嫌なことは台風のように過ぎ去るものだとも思っていた。
 だから、「堕胎」という言葉には残酷な鋭さがあった。非情な現実に引き戻す、得体の知れない凶器のような言葉だった。
 「嘘だ・・・。嘘だぁ・・・。」
 涙を流すお父さんの横で、私も泣いた。
 こんな性欲に溺れた馬鹿たれは、鉈か斧で脳天を一撃で叩き割ってやろうかとも考えたが、母に捨てられた父の姿を知っている私に、それ以上父を責めることは出来なかった。
 
 そんなことよりも、私達親子の当面の問題は、明日の食事と化した。
 父は再就職を目指すと言っていたが、愛していた女性に裏切られたショックは本人が思うほど強い。しばらくはまともな思考すら出来ないだろう。
 そうなればお金がほとんど尽きた今、私たちは干上がってしまう。
 誰かに無心するという手段も考えたが、収入源の無い今では返済する方法がない。これは本当の本当に最後の手段として残しておきたかった。
 と、なると私がお金を稼ぐことしか方法は無くなっていた。「細腕繁盛記」ではないが、竜宮家の命運は、私一人の双肩に掛かったのである!

 ・・・が、学生の身で、しかも女の子の身でお金を稼ぐ方法は、限りなく少ない。
 アルバイトという方法があるが、校則では無論、禁止されているのが実情だ。魅ぃちゃん達は親戚の手伝いという理由で何とか許可されている状況だから、私ではとても無理だ。
 古典的な手では新聞や牛乳の配達というものがあるが、これも人口の少ない雛見沢では募集がないというのが現状だ。もう少し人の多い興宮では募集もあるというが、そこでは配達後の登校が間に合わない。

 私は途方に暮れていた。


 その私に手を差し伸べてくれたのは、圭一君だった。
 「よくぞ俺に相談してくれたぜ!レナ!!」
 無理を言って魅ぃちゃんにエンジェル・モートでのバイトを頼もうとした矢先のこと、誰かから聞いたのか、放課後に私を呼び出すといつもの調子で私の肩を掴んできた。
 ・・・正直、父のこともあったせいで、掴まれた肩にわずかな嫌悪感を感じて、頬が歪んだ。
 「俺に任せておけ!実は、俺に良いバイトのツテがあるんだ!」
 その前日の帰り道、私はポツリと圭一君に、最近自分の家がお金関係で困っていることを伝えたのだった。
 騒がしい圭一君の前では冷静な思考が出来なくなり、どのように伝えてしまったのか覚えていない。しかし、圭一君は上の空で「そっか、大変だなあ」と無責任に呟いていた気がする。
 「え、何のことかな、かな?」
 「ふふふ、レナ。あるんだよ、短期間でワリの良いバイトがっ!」
 大石さんのように不気味な笑顔を浮かべ、圭一君が紹介したそのバイトとは・・・。

 

424:可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:06:25 Hpa84LlM
 

 「さて、レナちゃん。そろそろいいかな?」
 紅茶を飲み干した頃を見計らい、圭一君のお父さんが私に「バイト」の開始を促してきた。
 「あ、はい。」
 私は食器を台所に片付け、その後を付いていく。廊下に出て圭一君の部屋に通じる階段を過ぎ、「書斎」と書かれた扉の前で、私達は立ち止まった。
 「さ、どうぞ。」
 圭一君のお父さんが、重そうな両開きの扉を開ける。
 中に入ると、そこは二十畳はありそうなフローリング製の部屋となっており、南向きの窓以外の壁は、全て本棚で埋め尽くされていた。
 その中に原稿らしきかみや絵の具が置かれた仕事机や、写生用の人体模型、それに仮眠用のベッドが無造作に置かれていた。
 「うわぁ~。凄いですねぇ。」 
 「ああ、トイレやお風呂も用意してあってね。仕事が煮詰まっているときには、ここに篭ることも多いよ。」
 カンヅメになる時も大丈夫ということか・・・。私はそっとベッドに目をやった。
 『ワリの良いバイト』
 その内容が分かる気がする。
 圭一君は『親父がレナを作品のモデルにしたいって言っていたから話をつけてやったぜ!』と善意丸出しの表情で私にこのバイトを紹介してくれたようだが、その依頼主が何を考えているのか理解出来ているのだろうか?
 芸術家のモデルになるということは、その作家の要求する姿を求められれば、それに答えならなければならないということだ。
 際どい格好をしろと言われれば従う必要があるし、脱げと言われれば脱がねばならない。反抗すれば契約不履行で、報酬はナシということだ。
 知識を並べ立てた上で結論を下すと、それは愛人契約に等しい。現にピカソだとかダリだとか夢二とか、芸術家のモデルとなった女性はそういう関係になっているのがほとんどではないか・・・。
 私は絶望に目を伏せた。
 憎からず思っている男の子の父親とそういう関係になる。誰にも体を許していない乙女にしては、無念の極みだ。
 お父さんが子供のころ、戦中戦後の混乱の中で、家族を養うために身売りをした女性達がいたというが、その気持ちが痛いほど分かった。
 「さぁ、レナちゃん。」
 圭一君のお父さんが振り返る。今までとは違う、少し怖い雰囲気。
 「そこに、『資料室』と書いてある部屋があるね。君に会うものがあればいいんだが、そこから私の指定する服に着替えて出てきてくれないか?」
 書斎の本棚の片隅にその部屋はあった。わずかに開いた隙間が私を戻れない世界に手招いているようで、不気味だ。
 「まずは・・・。」
 私をどう料理するのかを考えているのだろうか、腕組みをして圭一君のお父さんが私を睨んでいる。
 その視線が痛くて、私はため息を付いた。

 
 
 

425:可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:09:26 V5qwd8Oh

 「は、はぅぅ~。お、おじさまぁ~。」
 「どうしたんだ、レナちゃん。まだ、入ったばかりだよ・・・。」
 「こ、こんな、初めてで・・・。ひゃうっ・・・!!」
 「最初は、誰も・・・。ふぅ。戸惑うものさ・・・。おぉっ!」
 「レナ、レナぁ。恥ずか、しい・・・。」
 「ふふふ、直に慣れてくるよ。さぁ、それじゃあレナちゃん。そろそろ『快感』って言ってみようか・・・。」
 「い、嫌・・・。そんな、初めてで、無理ですぅ!!」
 「初々しいなぁ・・・。藍子も最初はそうだったよ。くぅ~♪いいなぁ~。未経験の女の子を開発するこの感触ゥ!」

 俺は買い物鞄を落としそうになるのを必死にこらえて、聞き耳を続けた。
 異変に気付いたのは、買い物から帰った後、レナのバイトの様子を見ようと書斎のドアノブに手を伸ばした直後。扉の奥からレナの「ひゃうんっ!!」という声が聞こえた時のことだ。
 その声に手を引っ込め、扉に耳を当ててから現在に至るまで、俺はこうして007の真似事をしている。
 扉の奥から聞こえるのは、紛れも無いレナと親父の声だ。
 しかも、その内容を聞く限り、とてもじゃないがマトモなことでは無いことが分かる。
 「ひゃっ、これ?本物!?」
 「あぁ、正真正銘。本物さ・・・。」
 「す、すごく硬い・・・。黒光りしてる・・・。」
 ま、まさか・・・!
 信じたくない。信じたくないが、扉の向こうで繰り広げられているのは、桃色の世界らしい。
 ば、馬鹿なっ!現段階でもお袋と恋愛中みたいな親父と、俺を憎からず思っていそうなレナが!? 
 「でも、おじさま。だ、駄目ですよ、こんなこと・・・。」
 「大丈夫だよ。圭一にも、藍子にも内緒だから・・・。」
 畜生。
 畜生、畜生、畜生、畜生!ちっくしょぉぉぉぉっ!!
 いつの間にそんな関係に!?。
 落ち着け、COOLになれ、前原圭一。
 多分、そう。親父とレナは緊張を解きほぐすためにマッサージでもしているのさ。
 『おや、肩がこっているねぇ。そんなんじゃモデルになんてなれないぞ~♪』
 ってな感じで。あのセクハラ大魔王な親父ならやりかねないことさ・・・。
 しかし、レナが発した次の言葉が、そんな俺の考えをどこかへ吹き飛ばした。
 「・・・!!駄目ッ!おじさま!!発射は、発射だけはだめぇぇぇっ!!」
 体が踊る。俺はもう、何も考えなかった。
 馬鹿おやじっ、手前っ、何をしてやがるんだぁぁぁ!!

 物凄い音がして、書斎の扉が開いた。
 「圭一君!?」
 脱兎の勢いで現れたのは、見慣れた前原圭一君の姿だった。
 「親父ィィィ!!覚悟せえやぁぁぁっ!!」
 今にもバットを振り回しかねない勢いで、圭一君のお父さんに飛び掛る・・・。
 つもりのようだったが、圭一君は私達、特に私の姿を見て目を丸くした。
 「ど、どうしたんだよ、レナ。その格好・・・。」
 ぼんっ!と湯気が立ち上るのが分かる。自分の顔を鏡で見たら何とも赤くなっていることだろう。
 私は、セーラー服を着ていた。
 いつもの水色のセーラーではない、紺色をした裾が長めのセーラー服。
 そして、圭一君は私の両手に持たれた円筒状の物体を見て、再び目を丸くした。
 「お、おいっ!それって・・・。」
 正式名称はM3短機関銃だったろうか。ベトナム戦争で鹵獲されていた物を裏のルートで手に入れたらしい。ちなみに実弾入りだ。
 つまり、私はセーラー服を身に着けて機関銃を持っている姿をしているわけで・・・。
 
 「薬○丸かよ・・・。」

 力の抜けた圭一君の声が、静かな書斎の中に響いた・・・。


 

426:可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:10:33 V5qwd8Oh

 別れの挨拶をして外に出ると、それまで聞こえていなかったひぐらしの声が一斉に聞こえた。
 送って行くよという圭一君の申し出を受けて、私は帰宅するまでの間、圭一君との短い逢瀬を楽しむ事にした。
 「ったく、びっくりしたぜ。あんなのが聞こえたから、俺はてっきり・・・。」
 結局私も圭一君も、圭一君のお父さんのことを誤解していたのだ。
 「くすくす。盗み聞きをしてちゃ駄目ってことかな、かな?」
 圭一君のお父さんは作品構想のために沢山の衣装を購入し、させたいシチュエーションをモデルに取らせる作風らしい。
 普段はお母様がモデルをされているそうだが、今回は「セーラー服と短機関銃」がテーマのために、実際の女子学生である私をモデルに選んだということだ。
 「『発射はらめぇぇっ!!』だっけ、何を発射すると思ったのかな、かな?」
 「台詞に若干萌えが入っているような・・・。さ、さぁ。知らないな。」
 少し、圭一君に意地悪をしてみる。やはり反応が素直ではない。
 あーぁ。やっぱり圭一君が相手だと、頭がクールにならない。そう、冷静ではいられなくなるのだ。
 最初はこの感覚を不快だと思っていた。しかし、いつの間にかこの感触が無いと不安になってしまう。
 全く、困ったものだ。こんな子供っぽい男の子ではなく、もう少しクールで知的な人が私の好みだったというのに、すっかり私の好みが変わってしまったではないか・・・。
 「まあ、でも良かったぜ。俺はてっきり親父がレナ相手に、その、援助交際でもしてないかと思ったから。」
 「援助、交際・・・?それって、なにかな、かな?」
 「う。な、何でもないよ・・・。」
 援助交際。確か引越し前の学校で、隠語のように使われていた言葉だ。
 大人が少女に援助と言う形でお金を渡し、性的な意味でその見返りを求めること。略してエンコー。
 「ね~ぇ、教えてよ。どういう意味なの、かな、かな?」
 困った圭一君の反応が見たくて意地悪を繰り返す私も、リナに負けないほどの悪党だなと思う。
 そう考えると、間宮リナという女性も、最初は私と同じように少し意地悪なだけの女の子だっただけなのかもしれない。
 それが周りの人間に恵まれなかったせいで、その意地悪が本物の悪になり、心根を病んでしまったのではないのだろうか。
 私も、彼女のことを笑えない。バイトに行く前、圭一君を信じることが出来なくて深い絶望に陥ってしまった。
 今考えれば、仲間が私のために紹介してくれたバイトだ。しかも自分の父親という、その人の人となりを良く知っている上での紹介だよ。
 私も自分のお父さんが女の人に弱くて、頼りない人だと良く知っている。私だってお父さんがそういう人だということを知っているんだから、圭一君も同じなんだよね。
 もし、逆の立場で、魅ぃちゃんがお父さんのモデルをしたいと言ったら、私は絶対に許さないだろう。弱い心の持ったお父さんのせいで、友達を傷つけたくないから。
 でも、圭一君は私にバイトを紹介してくれた。それはつまり、全てを考えた上で私のためになると考えたから。

 あははは、あっははははは。

 リナさん。あなたにはそういう人はいる?
 私には、いるよ。私のためにとことんまで力を尽くしてくれる人が。
 あなたとは違って、見返りなしに力を尽くしてくれる「友達」という存在が。
 リナさん。私はあなたを許せないけど、あなたを可哀相だとは思うよ。
 あなたのために力を尽くしてくれる人を裏切って、乗り換えていく人生なんて、悲しい人生とは思わない・・・?
 
 「あ、そうだ。これ、親父から。」
 分かれ道まで来たとき、圭一君は思い出したようにポケットから封筒を取り出した。
 「これからのバイト代を先払いするって。また、お願いするってよ。」
 差し出された封筒を受け取ると、少なくない厚みがあった。
 「へへ、これじゃ本当にエンコーみたいだな・・・。」
 照れ隠しなのか、圭一君が茶化して笑う。
 圭一君も、圭一君のお父さんも、こういうところを茶化す癖があるようだ。あぁ、これではまた眠れないではないか。
 だから私も、照れ隠しに茶化して答えた。
 
 「圭一君は、しないよね?援交・・・。」


 終わり
 
 
 
 
 


427:可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2
07/10/09 00:19:42 V5qwd8Oh
投下終了です。

リクエストされた方。エロ分がほぼ「偽エロ」で申し訳ありません。

私は勢いで書くことが多いので、後から見直すと誤字・脱字が多く、表現も甘いと感じてしまいます。

今回も拙い作品ですが、楽しめる方が一人でも居て下されば幸いです。

余裕があれば、もう少し長めの作品を投下させて頂きたいと思います。

乱文乱筆失礼致しました。


428:名無しさん@ピンキー
07/10/09 00:54:12 OHtRNoc8
GJ
話の構成も面白いけど前原家の部屋の描写や
レナの心理描写もお上手ですね


429:名無しさん@ピンキー
07/10/09 01:06:07 g8k/Iszg
騙された…エロい展開かと騙された…
でも圭一が飛び込んで行くところの展開はGJww
父親がヘタレだと娘はほんと苦労するな、頑張れレナ

430:名無しさん@ピンキー
07/10/09 01:55:46 oda9hE9d
オチがだいたい予想出来る展開だったけど
レナの心理描写とかがしっかりしててその辺りがGJだった

431:名無しさん@ピンキー
07/10/09 17:21:57 SdlOMbmK
むしろ偽エロで良かった

432:名無しさん@ピンキー
07/10/09 23:43:49 DsFDShw3
いい偽エロでした。面白かったです。GJ。
正直、偽エロでホッとしたww

433:名無しさん@ピンキー
07/10/10 00:35:52 oMhvr/6E
これはいい。オットセイ☆が洗われる

434:名無しさん@ピンキー
07/10/10 21:46:36 lc1cDkGl
偽エロにしてくれてよかったw
本編に本当にありそうな話


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