【涼宮ハルヒ】谷川流 the 52章【学校を出よう!】at EROPARO
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 52章【学校を出よう!】 - 暇つぶし2ch800:名無しさん@ピンキー
07/09/24 02:56:45 VAidcsQs
34-7『human language』
これ大好きなんだけど、アスタの人の唯一の未完作品……。続き書いてくれ~w

801:名無しさん@ピンキー
07/09/24 03:01:15 gdXxW5xS
アスタの人のSSって、どうやってみんな見分けてるの?

802:名無しさん@ピンキー
07/09/24 03:06:39 crNbn/37
>>798
最初に見た時長門の一人称かと思ったわ
あれは上手い

803:名無しさん@ピンキー
07/09/24 05:30:56 SRq2XK2G
23-798『キョン×ハルヒ@初体験』

804:名無しさん@ピンキー
07/09/24 05:43:41 n8fifDs1
>>801
決まったシンボルが大抵ある。
ブログに掲載してる。 などなど

805:名無しさん@ピンキー
07/09/24 08:35:56 beOPn5iy
>>798
ちくしょう・・・

朝比奈さん属性は無かったはずなのに・・・

806:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:09:51 Ws2B3TLk
長門の調教モノってない?

初めてきたんだけど数が多すぎて見切れないwww

807:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:27:42 9rzFrP5j
調子に乗るなカス

808:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:28:34 w+4lbqKc
>>806
エロではないが星の海とチョコレートケーキはお薦め。


809:名無しさん@ピンキー
07/09/24 14:29:46 Kl2Fv75W
面倒がらずに全部読みましょう。

810:806
07/09/24 15:15:51 Ws2B3TLk
>>808
切ねー!!如何にも長門ってかんじだねぇ

VIPの方にまんま「長門有希の調教」ってあったけど
思いもよらない内容だったorz

ないんだろうか、エロエロ調教もの

>>809
時間かけて読もうと思うけど、とりあえず読みたいものをね

811:名無しさん@ピンキー
07/09/24 15:18:06 B+ZhB9PO
エロSS投下する時はどうすればいい?

812:名無しさん@ピンキー
07/09/24 15:20:17 w+4lbqKc
>>811
普通に投下してOK。もしかして長すぎるのか?

813:名無しさん@ピンキー
07/09/24 15:45:25 B+ZhB9PO
>>812
いや、書き途中だし携帯だから…PCで書き直したら投下したいと思う。
練習作品としてね。

814:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:00:16 5op8nfvX
>749からの続きなんですが、書き終えたんでこれから投下してもいいんですかね?
ルールみたいなのがあったら注意していただけるとありがたいんですが……

815:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:06:34 w+4lbqKc
>>813
出来ましたらPCでヨロ。二度同じ作品投下はここではやらないほうがいい。
>>814
長すぎるの?

816:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:15:47 5op8nfvX
14kbくらいっすかね?
前後合計で10000文字、20kbなんで。

817:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:17:45 w+4lbqKc
>>816
なら大丈夫じゃまいか?投下ヨロ

818:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:21:03 5op8nfvX
 
………………

…………

……


「いらっしゃいませ、お一人様でしょうか?」

 会社から徒歩5分と言った所にある、駅周辺のそこそこに有名なレストランに入るなり掛けられた声を右手で遮り、店の中に視線を配る。
 洒落た内装の店内は時間的に稼ぎ時なため、他のチェーン店と比べると比較的広く席の多いこのレストランも混み合い、空いている席はほとんどない。
 そういえば学生の頃よく利用していた喫茶店はこの時間でも存外空いていたな、そんなことを考えながら店内を周っていると、窓際の席から俺に手のひらを向ける似非紳士を発見した。

「やあ、どうも」
 
 無駄に爽やかな笑みを浮かべるその様子は、以前に顔をあわせた時となんら変わりがない。
 その席に向かい軽く会釈をすると、持っていたビジネスバッグを右手に置き、スーツを椅子にかけネクタイを緩める。
 
「ひさしぶりだな……とはいえ数ヶ月ぶりくらい、か?」
「そうですね、以前お会いしたのはそれほど前でしたか。いや、お互い不自由になったものですね」

 肩を竦める似非紳士――古泉一樹。
 
「言うほど前でもないだろう?」
「……いえ、”学生時代”は毎日のように顔をあわせていましたからね、余計にそう感じるのかもしれません」
「まあ確かに、な」

 その言葉の意味するところに俺は深いため息を吐いた。
 高校一年から”大学卒業までの7年間”、俺たちは飽きもせずに顔を会わせていた計算になるのか。もちろん俺たちと言うのはハルヒ、古泉はもちろん朝比奈さんや長門も含まれている。繰り返すようだがそう、”大学卒業”まで、だ。

819:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:22:09 zQwLp3ai
>>398>>416
>>543>>572

こんな感じに一言あれば分かりやすくていいかと。

820:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:22:49 5op8nfvX
 これは高校卒業の折、進路を決めるという憂鬱な時期にさしかかった頃の話だが、進路調査票なるものが俺たちに配布されたその日の部室で、ハルヒはこれまたトンでもない事を言い出した。
 はっきり言おう無茶苦茶な提案だった。何しろ団員全員で最高学府に受験するなんて言い出したんだからな。
 まあ、話の流れで言うまでもないだろうが、結論から言おう。全員受かったのだ。あの時はさすがにあり得ないと思ったね。
 ハルヒのトンデモパワーが炸裂した事は間違いないのだが、言い訳をさせてもらえるなら俺たちもそれなりに勉強はしていたと言う事だ。
 地域探索は息抜き程度の頻度になったし、3年時で一番活動していた場所は部室に次いで図書館だっただろう。
 成績は比例して上がってはいたし、試験当日のテストも、ヤマをはった部分が大当たりして手ごたえは十分だった。まあそれでも本当に受かった時には全員が目を丸くしたんだがね。
 その後現れた朝比奈さん(大)がいうにはこの結果は規定事項なんだとか。朝比奈さん(小)にはなにも知らされてなかったことから意地の悪いことではあるが。
 ちなみに朝比奈さんは最高学府に通っていたわけではないが、鶴屋さんと共に前年6大学の内の一番最寄な大学に受かっており、何かあるたびに共々召集を掛けられていたから変わらない様なものだ。
 そんなこんなでそれぞれ学部は違うものの、晴れてめでたくSOS団は最高学府にまでその存在を残す事になり、無事卒業を果たし今に至るというわけだ。冗談のような本当の話って言うのはこのことなんだろう。

「……どうしました?」
「いや……考えてみるとお前との付き合いも既に腐れ縁と言ってもいいくらい長いんだな、と」
「腐れ縁、ですか。確かに言いえて妙なのかもしれません。何せ”切ろうにも切れない”のですから」

 口元に笑みを浮かべながら肩を竦める古泉。何気なく行う気障な仕草も洗練されているようでなんとなく忌々しい。
 
「しかし僕はそんな縁が今更にありがたく思えるのですがね。教師なんて仕事をしているとなおさらでして」
「まあ、最近の教師は大変らしいからな」
「全くです」

821:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:23:52 5op8nfvX
 口元に笑みを浮かべながら肩を竦める古泉。何気なく行う気障な仕草も洗練されているようでなんとなく忌々しい。
 
「しかし僕はそんな縁が今更にありがたく思えるのですがね。教師なんて仕事をしているとなおさらでして」
「まあ、最近の教師は大変らしいからな」
「全くです」

 実感のこもった少々疲れた笑みを浮かべる古泉。
 最高学府を卒業した後、俺はIT企業へ、古泉は教師へと人生の歩みを進めた。朝比奈さん、長門も都内の就職を無事済ませており、卒業後SOS団で唯一職を持ってないのが意外なことにハルヒだけだった。
 意外というのも、ハルヒはキャリアで企業の第一線でバリバリ働くイメージが俺の中で先行していた為か、家庭に入ると言い出したときにはさすがに驚きを隠せなかったのを思い出す。
 その理由が子供が出来た時兼業主婦でいたくないからだそうな。ハルヒの親は共働きで俗に言うハルヒは鍵っ子だ。その辺にも関係していることなんだろう。
 未だに子供の出来る気配はないが、まあその内できるだろうからそこは臨機応変にと言うヤツだ。
 と、そんな事考えているとウェイトレスが注文を聞きに現れた。注文を聞かれる中、古泉を見る。
 
「なんだ、先に注文してなかったのか?」
「ええ、貴方が来てから頼もうと思ってましたので」
「そうかい」

 ウェイトレスから手渡されたメニューを開き、適当に夕食をオーダーする。
 古泉はそんな俺を見て、
 
「おや、涼宮さんが家で待っていらっしゃるのでは?」
「来る前に連絡してきた。ほら」
「これはどうも」
「会計は俺が持つから遠慮なく注文しろ」
「……珍しいですね」
「まあ、な。”昨日は迷惑を掛けた”んだろう?」
「……お察しのとおりですよ。夕方から深夜に掛けて久しぶりに大規模な”閉鎖空間が発生”しました」 

 やはりな。あのハルヒの様子からそうじゃないかと思っていたんだが。

822:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:25:39 5op8nfvX
「まあ、それも深夜過ぎに突然縮小の兆しを見せ、唐突に崩壊したんですがね。そのときあまりの縮小の速さは……おかげで朝刊に一面を飾るところでしたよ。まあ、何があったのかはお聞きしませんが」
「……察しろ。だからこうやって誠意を見せたんだろうに」
「それはもちろん」

 物知り顔で飄々と言葉を返す目の前の男が異様に忌々しく感じられる。八つ当たりどころか逆切れもいいところなんだが、感情と言うものはいかんともしがたい。

「まあ僕にしても機関の方々とはご無沙汰でしたので、いい機会ではありましたが」
「機関ね……。そういえば森さん―いや、園生さん呼ぶべきか、は元気か?」
「呼びにくいようでしたら森で構わないかと。”妻”はそんなことを気にするようなタイプではないのでね」

 そう言った後、付け足すように元気ですよ、と一言口にした。
 俺がハルヒと同棲し始めた頃、古泉は旧姓森園生さんと交際を始めたんだそうだ。森さんは朝比奈さんや鶴屋さんと同じ大学に進学していたらしく、SOS団が活動しない時はよく顔をあわせていたらしい。
 機関―通称アルバイトでの事が多かったらしく、それがきっかけになったとか。いわゆる職場内恋愛と言うやつだ。
 披露宴での仲人にハルヒを指名したのはなかなかに皮肉の効いたチョイスだったと思う。
 
「そういえば朝比奈さんにこの前偶然会いましてね、貴方や涼宮さんにも会いたがっていましたよ」
「俺は長門を見たな。相変わらずの様子で、ほっとしたのか不安に思ったのか分からん」
 
 この二人も相変わらずのようだ。
 長門と会ったのは、資料をレポートにまとめようと図書館へ行った時の事で、アイツはまるで高校の部室内にいるかのように貸し出しカウンターの椅子に座って本を読んでいた。
 その様子を見て、ようやく長門は都内の司書になったと言うことを思い出す始末で、我ながらなんとも薄情な事だ。
 一言二言交わしたが、相変わらず簡潔にコミュニケーションを図っているようでお互いの近況を離す程度で解散となった。
 朝比奈さんは未来には帰らなかったようで、たびたび俺も目撃している。どうやら普通にOLをやっているらしいが、詳しいことは話したがらないので聞いてはいない。
 この頃の朝比奈さんは朝比奈さん(大)と区別が付かなくなってきており、まあ、同一人物なので当然と言えば当然だが、ひょっとすると高校時代に顔を見せた朝比奈さん(大)は今の朝比奈さんなのかもな。
 自分の事をあまり話したがらないし、話せない……なんて事情もあるのだろう。
 と、そんなことを考えてると、なにやら古泉が軽く苦笑しているのに気付く。俺が視線を向けると、
 
「いや、失礼。懐かしい……と感じるほど歳を取ったつもりはなかったのですが、どうにも」
「気持ちは分かるが、な」
「お互い苦労をしているようで―と、ああそれは僕です」

 話の間にウェイトレスが注文の品を運んできて、古泉の前に置かれる。
 程なくして俺の注文も届き、冷める前に食おうと、自然と言葉少なになっていった。
 

823:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:27:08 5op8nfvX
………………

…………

……

「で?」

 食事が終わり始め、話題も途切れ途切れになった頃を見計らって俺は切り出した。
 
「で、とは?」
「俺を呼び出した理由だ」

 俺がそういうと古泉は意外だったのか、目を少し見開いた後口元に苦笑を浮かべる。
 
「こうして顔をあわせて話をしたかった……では駄目でしょうか?」

 やめろ気持ち悪い。真顔で言うな。
 そんな負の感情を俺の視線から察したのかやれやれ、と古泉は肩を竦める。
 
「貴方の会社は今、成長期と言っていいほど軌道に乗っているそうですね」
「……? まあ、確かにそうだが」
「では聞き方を変えましょう。”2年ほど前から”業績が伸び、株価も安定しながら上昇を続けているとか」
「……何が言いたいんだ?」
「貴方ならもうおわかりだと思うのですが」
 
 確かに言われずとも分かっていた。ああ、分かっていたとも。

「――涼宮さんの能力は決して”失われたわけではない”」

 そのとおりだ。
 
「我々も最近は楽観視していましてね。現にここ2年の間、閉鎖空間が発生したのは片手で数えられる程度です。規模もきわめて小さかった。このまま緩やかに力を失っていくものだとばかり、ね」

 そこで言葉を止め、古泉は手元のアイスティーを一口口に含む。
 
「しかし昨日のことで機関はそれこそ大騒ぎでしたよ。此処に来て大規模な閉鎖空間の発生。つまり……」

 そう、つまりのところ、
――ハルヒの能力は失われておらず、切っ掛けさえあればまた”以前のように不安定になる可能性を孕んでいる”。

「……まあ、そういうことなのですよ。もちろん僕としては心配要らないものだと信じてはいますが、なにせ上はそう考えない。全く持って下世話な話です」
「……ああ、全くだね」



824:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:28:05 5op8nfvX
 皆が口をそろえて言う言葉。俺が”涼宮ハルヒに選ばれた”ということ。
 皮肉なことに俺はハルヒの調律機(チューナー)よろしくだと思われていて、ハルヒに変調の兆しがあれば真っ先に俺が疑われ、そして俺が宛がわれるという図式が機関内にはあるんだそうだ。

「やれやれだ」

 結局のところ、昨日の閉鎖空間によって疑心暗鬼になった機関が、俺に釘を刺すために古泉をよこした……ということらしい。
 古泉もそれについて遺憾なのだろう、言葉の端にそれを感じさせるものがある。まあ、一応は腐れ縁だ。俺も多少の信頼はしているし、古泉の性格から言ってそれは本当なのだろう。
 俺は苛立ちを紛らわせるように残った食事にありつく。
 
「話は終わりか?」
「ええ、不快な思いをさせてしまったようで申し訳ないのですが、ね」
「……ふん」

 俺は食事を全部食べ終え、残った水を喉に流すと、席を立ち椅子に掛けたスーツを羽織る。俺の様子を古泉は苦笑しながら眺めている。どうやら本当に話は終わりのようだ。
 帰宅の準備も終わり、後は立ち去るだけなんだが……最後に一言だけ言っておこう。

「まあ、お前の言う機関とやらがどう思ってるかは知らんが」

 そういって一言区切り、

「俺は好きでもない女と結婚なんかしない」
「――」
「って、伝えておいてくれ。ここの勘定は”お前持ち”だからな」

 アイツも多少は気にしているようだからな。コレでチャラとしておこう。
 古泉を見ると……ん? なんだ、笑ってるのかコイツは。
 
「くっく……あ、ああ…いや失礼」

 なんだというんだ失敬なヤツだな。
 数十秒ほど体を揺らしていた古泉だが、落ち着いたのか顔を上げる。

「……こういう話をご存知ですか?」
「ん?」
「――持て余す力を手にした場合、男は発展のためにそれを使い、また女性は”安定のためにそれを使う”のだそうですよ?」
「……なにがいいたいんだ?」
「いえいえ、特に深い意味はないんですけどね」

 古泉はその表情に悪戯めいたモノを浮かばせ、肩を竦めた。
 
 
「まあ……”今夜は大変”でしょうが頑張ってください。と言うことです」
 


825:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:29:01 5op8nfvX
ー※ー



「―とまあ、これでよろしかったでしょうか?」

 彼の去った後姿を窓越しに見つめながら、席に残ったもう一人の彼―古泉一樹はそう声を上げる。

「…………」

 その声に促されたのか、二人が座っていた窓際の席の後方席……角度的には古泉からしか見えず、だが声が届くであろう場所から、一人の女性が立ち上がった。
 その女性は帽子を目深く被っており、ラフな格好とあいまって何処か変装をした芸能人といった雰囲気を醸し出している。
 というよりも本人はまんま変装しているつもりなのだろう、と古泉はその格好を見てそう当たりをつけた。昨今、逆にその格好の方が衆目から注視を浴びるのでは、と心の中だけで突っ込んでおく。

「……悪かったわね、手間を掛けさせて」

 そう一言言って、女性は帽子を取り軽く頭を下げる。帽子を取った彼女の頬が赤いのはご愛嬌と言ったところか。
 
「いえいえ、僕の役柄は”ニキビ治療薬”みたいなものですし、ニキビを発生させる前の”スキンケア”を兼ねたとしても、結局は同じ事ですからね」
「貴方らしい例え方よね、それって」
「彼には逆のことを言われましたよ」

 そういって女性は彼の座る対面の椅子へ腰を下ろす。

「お変わりないようで、”涼宮さん”」
「……もう涼宮じゃないんだけど、ね」




826:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:29:36 5op8nfvX
………………

…………

……


「アイツはまだ私が能力を把握してることに気づいてないみたいね」
「そのようですね……さて、どうするんですか?」
「む~……」

 彼女―ハルヒは自前のアヒル口で唸る。
 
「どうにも言い出しづらいのよね、こう切っ掛けを逃しちゃうと」
「まあ気持ちはわかりますが」
「……実際面倒なのよ、なにをやってもこんがらがっちゃうんだから。外に出て寒いって強く思ったら、急に暖かくなった時にはさすがに焦ったわよ」

 おちおち外出もできやしない、そういってハルヒはため息をついた。

「でも、そうね……まあ今回のことはきっかけにはなりそうかな」
「と、いいますと?」
「あんまりアイツ、その……好意を伝えてくれないから、ね。第三者的にアイツの事を見れたのはまあ、いい経験だったわ」

 テレながらそう語るハルヒを見て、古泉はむなやけをおこしそうだ、と必死に胸に行きそうになる手を押さえた。
 
「……さて」

 言葉を区切ってハルヒは席を立つ。
 彼女は一言告げ、テーブルの端に置いてあった伝票を手に取り、
 
「帰るわ。今度会うときは有希やみくるちゃんも一緒だからね。風邪を引かないように、体に気をつけて」
「注意します。ああ、それと―」

 ”犬も食わない話の後始末”をさせられたのだ、これくらいの皮肉は構わないだろう。
 古泉はハルヒの持った伝票をちらりと指差し、万感の意を込めこう一言だけ口にした。

「――どうも、”ご馳走様”でした」



ー※ー

827:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:30:32 5op8nfvX
………………

…………

……


「ん……」
「あ、起きた?」

 目を覚ますと目の前には見慣れた顔がある。体を起こしてみると、俺はソファーの上で横になっていつの間にか眠っていたようだった。
 中途半端に寝たせいで体がだるい。眠気でぼやける視界の中で声のしたほうへと顔を向け、

「……ハルヒか」
「私以外いないと思うんだけど?」

 ハルヒはそういって笑う。
 なんだ? 妙に機嫌がいいような気がするが……。
 しかし眠い。少しばかりソファーで仮眠したからと言って、昨日今日と続く疲れとダルさは取れないらしい。
 今日は早く寝よう、そう考えながら欠伸をかみ殺す。

「ねえキョン」
「ん?」

 問いかけに視線をむけると、そこには久しく見ない”良い笑顔”のハルヒが居た。
 ハルヒはその笑顔のまま俺にもたれかかるように甘え始め、首筋にマーキングのように口付けをおとした後、耳元でそっと囁いた。

「子作りしよっか。なんか今日はバッチリ”出来そうな気がする”のよね」

 その言葉を聞いたとき、俺が思った事は唯の一つである。


――ああ、今夜も寝不足か。


 それでも、まあいいか……と、感じた辺り、やっぱり俺はハルヒの事を愛しているのだろうね。



(完)

828:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:32:09 5op8nfvX
以上っす。
前と同じようになんか変なところや不備かなんかあったら遠慮なくどうぞ。

829:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:35:00 XngtZmgC
>>828
>>819

830:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:38:23 w+4lbqKc
規定事項ではなく既定事項じゃなかったか?

831:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:43:51 oUTbZRLz
>>828
あまーい

832:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:51:51 75MBVZEJ
"不運"と"踊"っちまってるSSですね

大人になってもトンデモ能力が残っているハルヒSSって、何気に珍しい気がする

833:名無しさん@ピンキー
07/09/24 16:55:53 zQwLp3ai
>>828
まだ読みきってないが、一言。被っちまってすまん。

834:名無しさん@ピンキー
07/09/24 18:33:54 v37cyPpI
>>810
長門ユキの牢獄
調教ではないがエロはかなり濃くてしかも切なくていいよ

835:名無しさん@ピンキー
07/09/24 18:42:51 CIsa6wnt
さっきからの作者のレスを見る限りだと、SS書くのは初めてか?
少なくともこのスレに投下するのは初めてだよな?
それにしちゃあ文章も下手じゃないし、これから化ける可能性はあると思うぜ。

836:名無しさん@ピンキー
07/09/24 20:13:56 x7r2pxuG
保管庫見てきたけど、色々有り過ぎて読みキレネ…
組み合わせは問わないから、飛び切り切ない小説教えて欲しい
一週間ぐらい余韻が残るヤツ

837:名無しさん@ピンキー
07/09/24 20:24:11 aivAmDeJ
人から教えてもらったもので感動しようというのか?
自分で発掘したものだからこそ感動するじゃないか。

838:名無しさん@ピンキー
07/09/24 20:25:56 kF73yVzZ
少し前のレスを読めばいい


後は地道に発掘作業

839:名無しさん@ピンキー
07/09/24 20:26:03 Ehn3RBDt
>>828
良かった 次回作期待してるぜ

840:名無しさん@ピンキー
07/09/24 20:26:07 w+4lbqKc
31-566と37-707


841:名無しさん@ピンキー
07/09/24 21:21:12 CIsa6wnt
ちょっと質問なんだけど、
昔自分が書いたやつで、ちょっと設定がおかしかったり文章的にも稚拙だったりするものをリメイクするのってありだと思うか?
あり、というか、皆に受け入れられると思うか?

842:名無しさん@ピンキー
07/09/24 21:28:16 Q2yTtmzv
>>841
スレまたいでなら結構あるな、リメイク。
キャラスレで書いたSSを別のキャラスレでリメイクして投稿したり、
vipに再投稿したりとか。

あと俺自身はアリだと思う。

843:名無しさん@ピンキー
07/09/24 21:45:11 ol8SdpZJ
>>828
てっきり>>825で古泉と赤い顔したハルヒが会っているのをキョンが見て、
勘違いから嫉妬という流れかと思ったのに。
NTRな展開を期待してしまった。

844:名無しさん@ピンキー
07/09/24 21:56:03 YjLPn/Kd
>>828
ハルヒが”力”を自覚しているSSというのは珍しいな。
大抵こういうのって痛い内容だったりするんだが、>>828のは良作の気配がする。

845: ◆LeyXT4003g
07/09/24 22:09:17 Hkt+xQWH
>>841
どうしても気に掛かる箇所があるような場合には、
テキストファイルをうpし、保管サイトの方に差し替えてもらうのなら構わないと俺は思います。
書いた本人という確認ができるのならばですけどね。
スレへの貼り直しでは、読む側としてさすがに辟易しますね。真新しいものを読みたいですから。
また、一度発表してしまった作品に、いつまでもこだわっているのはどうかと思いますよ?

スレまたぎ投下は、キャラスレで全年齢部を投稿し年齢指定部をエロパロに投下する、というんなら解るんだけどね、
どうでもいい細部を直しただけの話を転載するのは、「もっとGJが欲しいのかなボウヤ?」などと聞きたくなるよ。
いったい何のために、板ごとにSSスレが立っているのだろう?
どうしてもスレまたぎ投下をしたい場合は、どちらのスレでもトリップが必須だね。
作品の本人以外による転載は、2ちゃんねるでは違法ではないけれど、とうてい褒められた行為ではないからね。

846:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:22:13 G5FKWNmS
>>843
ジャンルが違うw

>>844
尚且つ、キョンが気づいてないってタイプだもんな。
個人的には楽しめたよ。なんか新鮮な感じだったw



847:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:26:23 aivAmDeJ
>>828
なんだか情景がすぐに頭にイメージ出来て尚且つ
不自然さが無かったところがいい。
氏のほかの作品も見てみたいぜ。

848:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:36:53 CIsa6wnt
>>842>>845
レスサンクス。

>>845
気に掛かる箇所の手直しというよりも、プロットはほぼそのままで最初から全部書き直すって形でも厳しいかな?
その当時と比べて、あまりにも自分の文体が変わったんで、けっこう違った雰囲気に仕上がると思ったんだ。
まあ、それでもズルズルと引きずってる感は確かにあるよな。女々しいかも。

849:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:39:57 CfzuFBZX
>>848
別にいいんじゃね?
当人なら好きにやればいいよ
たぶんだけどそんなに迷惑とか思う人いないんじゃないかなあ

850:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:42:40 6VPJfVKK
所で自室で眠るキョンを起こすために佐々木が登場。
元気よくベッドにダイブするという電波を受信した。
送った奴は誰だ?









是非とも感謝したい。

851:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:47:08 YjLPn/Kd
>>850
あれ?俺は
早朝。キョンが珍しく自力で起きると、

そこには全裸で(ry

という電波を発信していたのだが。どこで齟齬が生じたのだろうか。

852:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:53:20 gdXxW5xS
>>828
GJ!大人、能力自覚ハルヒは新鮮だし楽しめた。
ハルヒが能力を自覚した時のSSも読んでみたいな、何でキョンには隠そうとしたのかとか。

853:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:57:02 8NBIwPUF
>>828
GJ!
大人、能力自覚のSSは珍しいな。
ところで、作品タイトルは最初以外入れない主義か?

854:名無しさん@ピンキー
07/09/24 23:07:28 NxY/5X0+
>>828
誤字は脳内変換できるし、次間違えなければ良いかと。
今まで読んだこと無かった設定だったから面白かった。GJ!!!

>>836
37-707様: 『非単調ラブロマンスは微睡まない』
文量あるけど泣ける

855: ◆LeyXT4003g
07/09/24 23:29:52 Hkt+xQWH
>>848
テーマならわかるけれど、モチーフやプロットの転用は、女々しいとか引きずるというより、安直に過ぎるね。
物書きの一人として気持ちはものすごくわかるんだ。今のウデならあのプロットをずっと上手に料理できたのに、って。
そして作り直してみるまではいい。でも、人に見せ直す意味は、まず、ないんじゃないかな。

856:名無しさん@ピンキー
07/09/24 23:41:52 nz0whjye
>>828
GJ!!
散々言われてるけど、新鮮なシチュエーションで楽しめました。
文章も読みやすかったし、この設定生かした続き物とか勝手に期待してます。
個人的に、「””」の多用だけ目に付いたかなぁ。ちょっと別の漫画が浮かんでくる。ピキピキ
強調するのって、ストーリーの中では少ないほうがいいかもです。と思った。


857:名無しさん@ピンキー
07/09/25 00:20:35 wwptZa6W
>>848
別にやりたい用にやって見ればいいんじゃない?
個人的には興味あり

858:名無しさん@ピンキー
07/09/25 02:50:07 gQvIRuNi
キョンと妹の子供を長門が育てるストーリー書いてやんよ

859:名無しさん@ピンキー
07/09/25 03:12:41 TK3NBS4S
>>848
誤爆スレとか追い出されスレとかに落として来れば?

860:名無しさん@ピンキー
07/09/25 03:27:39 ib9cNmxV
練習用書き殴りスレとかどうよ?
分岐物とかも置いてある場所だし

861:名無しさん@ピンキー
07/09/25 12:49:14 Z9WQ7GaR
そういや避難所もあったよな。

862:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:18:26 3c7Q+RvU
>858マダァ?
やはり無理があるか?

863:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:02:45 3dxaBI1h
そろそろベタな純愛物が読みたいぜ

864:名無しさん@ピンキー
07/09/26 04:03:19 OcwmkkXv
SSサイトでも巡回してろボケ
てめえの欲求なんか知らねぇよ

865:名無しさん@ピンキー
07/09/26 07:16:49 5LfvsgJ8
>>863
ま、ゆっくり待とうぜ。

866:名無しさん@ピンキー
07/09/26 12:15:30 cVtjXFNs
九曜って何か見たことあるなって思ってたらあれだ!
ガンパレードマーチの石津萌だ!

867:名無しさん@ピンキー
07/09/26 12:45:56 R+pyEA2D
そういや、サイト名は忘れたが、谷ハルのSSを掲載したblogが現れたな。
文体は結構グダグダで作品的にも少しアレだったが、谷ハルを書いてみたかったというチャレンジ精神は理解できた。

868:名無しさん@ピンキー
07/09/26 13:23:37 VYCD0zCE
そいつはチャレンジャーだな。
次はぜひ谷長に挑戦してくれ。

869:名無しさん@ピンキー
07/09/26 18:16:55 PyrOTwzd
谷長だけは!谷長だけは!

っていうか谷ハルは中学一緒だから色々妄想しがいがあるけど谷長は何もネタが浮かばないなぁ…
大抵嫌いなカプは大事件が起こったり異世界ものだったりしないと読めない。
カプの好き嫌いは無くそうとはしているのだが…接点が無いと話が浅くなるからか?

870:名無しさん@ピンキー
07/09/26 20:47:25 R12FfEAe
それは好き嫌い無くす必要なくね?

871:名無しさん@ピンキー
07/09/26 21:06:19 tp3WMLg0
批判とかしない限りは嫌いなカプが居てもいいだろ
俺もみくる系は読まないし…面白いんだろうけど巨乳はね

872:名無しさん@ピンキー
07/09/26 21:12:32 ds9/2k6M
全く接点の無いキャラ同士のカプは完全に作者のオナニーとしか思えないんだよな…
オリジナル要素がありすぎるからそう思っちゃうのかな

873:名無しさん@ピンキー
07/09/26 21:14:01 5LfvsgJ8
>>867
見たぜ?谷口の葛藤だったかな?

874:名無しさん@ピンキー
07/09/26 21:15:12 e7RGU0lu
>873
そことは違うけど。
葛藤の方はすごく面白かった。

875:名無しさん@ピンキー
07/09/26 22:38:14 ccHzVl7j
アレも大概強引展開だったけどな。

876:名無しさん@ピンキー
07/09/27 01:37:41 a5ILrUqC
実らない谷長は読んだことあるな
そのカプの恋愛がテーマって感じじゃなかったけど

877:名無しさん@ピンキー
07/09/27 01:47:12 H6LiEWa2
>>868

 ようやく一仕事を終えて俺は背筋を伸ばす。こんな時ぐらいだろう、自分で自分を褒め称えるのは。
 それにしても……ハルヒだけでなくキョンまで勝手に動き出すとは計算外だった。まさか長門がそのせいで
「ダメ」
 想いに耽っていた俺に背後から声が掛かる。起伏の少ない淡々とした声は、しかし身に覚えのないものだった。
 というよりもこの仕事場にいるのは俺一人のはずであり、俺以外の声が聞こえるという事自体ありえない事だった。
「あなたの記した展開は認められない。改編を申請する」
 耳に心地良く響く静かでいて透き通った声。俺は唐突にその声の主に思い当たった。
 だがそれは同時にありえない事でもある。まさか……そんなバカな。
 覚悟を決めてゆっくりと後ろを振り向くと、そこには今さっき書き上げた原稿の登場人物が立っていた。
 様々なメディアで何度も見た青襟の制服を纏い、ショートヘアをなびかせた属性・宇宙人の少女。

「改編を」

 長門はもう一度だけ呟くと作者たる俺へとゆっくり近付いてきた……。








もちろん続かない。

878:名無しさん@ピンキー
07/09/27 02:18:43 Y0HAWgr6
>>877
わっほーわっほー

879:名無しさん@ピンキー
07/09/27 02:28:30 1O+DqLhh
>>877
谷長じゃなくて谷川か?

880:名無しさん@ピンキー
07/09/27 03:08:20 MyufZqZi
そっちの谷かw盲点だった

881:名無しさん@ピンキー
07/09/27 04:12:34 FBuTwnSp
質問なのですがキョンが部室で将来持ちたい家の話しをして、
他の面々がそれに自分をアピールしていく短編を誰かご存知ではないでしょうか。

882:名無しさん@ピンキー
07/09/27 08:21:17 R1G9U2WF
>>881
勘違いでなければ、多分それはVIPだ。「普通の短編」から持ち家の比喩でも捜してご覧なさい。

>>877
しんかんがでないのは、そんなうらじじょーがあったのかー。
とでも言って欲しかったのかもしれんがね。
しっかし、マジで谷川流氏もそうコメントしていたが、『キャラが勝手に動く』からってのは、
言い訳としては微妙だよな。少なくとも、団長は説得できまいに。
もっとも、新刊情報で一番驚いたのは、「誰だお前?」な超能力者だけどな!

883:名無しさん@ピンキー
07/09/27 08:39:02 agXWfh6E
>>882
> もっとも、新刊情報で一番驚いたのは、「誰だお前?」な超能力者だけどな!

kwsk

884:名無しさん@ピンキー
07/09/27 08:46:54 /Ql11Vlv
ソースきぼん

885:名無しさん@ピンキー
07/09/27 09:09:39 R1G9U2WF
>>883
ザスニの8月号に掲載された『驚愕』のイメージイラスト(倒れた長門を心配そうに見舞うSOS団員のもの、
光景からβの出来事と推察される)のことを言ったつもり。
あくまで主観だが、この古泉がデザインを変更したのか、初見では誰なんだよと言いたくなるほど『分裂』とも
異なる描かれ方をしていた。ちなみに、延期に関する谷川コメントも同号に掲載されている。


886:名無しさん@ピンキー
07/09/27 09:38:42 ayLlQb49
>>882
言い訳かどうかは知らんが、『キャラが勝手に動く』と言うのは大抵のクリエーターが口にするな

887:名無しさん@ピンキー
07/09/27 10:09:10 y/qeZK5P
>>886
『キャラが動いてくれない』と言うのもよく口にするよね。
俺的には勝手でも動いてくれたほうが書きやすい。

888:名無しさん@ピンキー
07/09/27 12:10:34 iOWxnXYg
前レスの谷ハルを書いたblogはこれだな?
URLリンク(blog.goo.ne.jp)
「エロパロ板に投下予定だったがやめた」とも書いてるし。

889:名無しさん@ピンキー
07/09/27 12:19:45 /Ql11Vlv
>>888
今読んだが、オリキャラはいただけない、それがなかったらもっと良かったかもな

890:名無しさん@ピンキー
07/09/27 12:24:40 Klpu+sdd
あえてキョンを出さない、ハルヒの高感度が何故か高いってのもある種潔い。オリキャラが強すぎるのがアウトか。

891:名無しさん@ピンキー
07/09/27 12:51:52 URbhHMUc
どこまで登りつめる気ですか

892:名無しさん@ピンキー
07/09/27 13:45:15 Ly0Ky3m5
>>888
本人乙。vipで何度かレスを見たが結局こっちにリンク張りにしたんだな。懸命だったと思う。
さぁ早く長谷口を書く作業に戻るんだ。

>>891
不覚にもwww

893:名無しさん@ピンキー
07/09/27 14:15:07 0LtjFFNy
非常に分かりやすいプリン住人がいるな

894:名無しさん@ピンキー
07/09/27 14:35:24 CH1HtKeU
松井オデキは人類史上最低の屑

895:名無しさん@ピンキー
07/09/27 15:04:59 iOWxnXYg
>>894
誤爆ですか?

896:名無しさん@ピンキー
07/09/27 15:08:37 0LtjFFNy
1chにレスするつもりだったんじゃネーノ

897:名無しさん@ピンキー
07/09/27 16:37:21 eIpk0EjN
>>885
あれキョンと顔がまったく同じでびびったw

898:名無しさん@ピンキー
07/09/27 16:54:17 BoeEGr3l
久しぶり!ドラクエってもう終わりました?

899:名無しさん@ピンキー
07/09/27 16:55:57 7b4RcOMq
「いい加減お前から告って来いよこのツンデレがっ!!」
「いい加減あんたから告って来なさいよこのツンデレがっ!!」
ってキョンとハルヒが言い合うSSって何だっけ。

900:名無しさん@ピンキー
07/09/27 17:36:02 sFP0AyJ4
ハルヒといったらキョンってイメージがありすぎて
谷ハルは違和感あるのね
でもあの二人ってクラスずっと一緒なんだな

901:名無しさん@ピンキー
07/09/27 17:52:52 Bz7UtzAs
リアルに4年間一緒のクラスになったことあるよ

902:名無しさん@ピンキー
07/09/27 17:57:01 eIpk0EjN
>>899
個人サイトです。例のかたの。

903:名無しさん@ピンキー
07/09/28 00:15:57 BAN1hDdj
この雰囲気ならいえる・・・・
エロパロ以外のSSどこであつかってるかしらねぇ!

904:43-48
07/09/28 01:44:20 Ff6c/fXZ
投下させていただきます。
涼宮ハルヒの再会の続き。



前に投下したのは、数ヶ月前だな……
マダーしてくれた皆さん、ありがとう。やる気が出たよ。
いろいろ忙しくてなかなか書けなかったけど、なんとか完成させました。

期待に添えると良いのですがね……


905:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:45:38 Ff6c/fXZ
~第4章 トジラレル セカイ~






─走る。
ただひたすらに、足を踏み出して前に進む。
星明りさえも見当たら無い街を俺は必死に駆けていた。
まるで機械の立ち上がるような低い音が後ろでしたが、振り向く暇はない。
どうせ見たくもない光景がそこにあるだけだ。

──走る。
考えるのは後でいい。
もう決めたんだ。足を止めたら決心が鈍っちまう。
役目を果たしていない暗い電灯が、崩れるように視界から消えていった。今度の世界はライフラインのおまけも無いらしい。

──走る。
風を顔に感じる。
「ハァ……ハァ……っ」
息が切れる。けれど、止まるわけにはいかない。
目的地まではあと少し。
今は時間がない。
「あぁ忌々しいっ」
この坂に、俺は後何度悪態を吐けばいいのだろう?


─っ!?
「くっ」
不意に、身体が宙に浮く感覚。
気が付いたときには、盛大にアスファルトに身体を打ち付けていた。
いまだ熱を孕んだ人工の地面が、やたらと熱く感じる。

─痛ぇな……
当たり前だ。俺は生きているんだから。
だけど、一秒……いや、10のマイナス何乗秒だって良いさ。俺は出来るだけ早く辿り着かないといけない。




「ぅぉおぉおおおおお」
─吼える。
気力を振り絞って、そのまま坂を一気に駆け上がる。

走る。
─ひたすらに北校を目指して。


906:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:46:38 Ff6c/fXZ




「待ってくれ。お前の中にある世界……だったか?それと俺の……俺の夢のリンクを閉じちまったら、二度とそこへ行くことは出来ないのか?」
対峙して、俺に視線を送りつづけている長門に声をかける。
「あの世界は、涼宮ハルヒの持つ何もない所から情報を生み出す力を、私が一時的に利用して生まれたもの。しかし、私の中に移された涼宮ハルヒの力は、あの世界を再構成して以来ずっと弱まり続けている」

「つまり……?」
聞くまでもないことだった。けれど、まだ俺の心は諦めきってくれないらしい。
まるで何かの中毒者のように、長門が救いの言葉を与えてくれるのを座して待っていた。


「あなたの世界は完全に消失する」
…………
長い時間が経ったような気がする。いや、あるいは一瞬だったのかも知れない。

「……そうか」
俺は、深い溜息とともに一言だけ発した。

本来、長門が世界を改変するのに利用した力はハルヒのものであり、あいつがいなくなっちまった以上、それが何処かへ消えちまうのも当然なのかも知れないな。
そして、それは同時に涼宮ハルヒが完全にこの世から姿を消すことも意味していた。



─ハルヒのいない世界か。
そう……考えてみれば大したこと無い筈さ。
だって、そうだろう?
よくよく考えてみれば、中学生までの15年間、俺はあいつのことなんか露と知らなかったんだぜ。人生の90%以上はアイツ無しで過ごしてきたんだ。
今更いなくなったって、元通りになるだけなんだ。


907:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:47:50 Ff6c/fXZ
「ははは…ははは」
単純明快な事に気が付いて、笑い出す。そう、元通りになる、それだけなんだ。
……
どうにも可笑しいな。
何で俺の頬を涙が伝っているんだろう?
俺は笑っているはずだろ?なんで哭いている……?
笑えよ。
顎に力を込めて、無理やり口を開く。
「ぅぁぁぁあ」
嗚咽が止まらなかった。




なあ、ハルヒよ。
俺にとって、お前はそれだけの存在だ。
既に十数年の年月を生きてきたって言うのに、今までの人生全否定だ。
お前に出会って全てが変わっちまったよ。

なのに、何でお前は消えちまった?
俺の目の前にいきなり現れたと思ったら、いきなり居なくなって……
今度は、夢からさえ消えちまうのか?
どれだけ俺を騒がせれば、気が済むんだよ。


908:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:49:15 Ff6c/fXZ







「あなたの記憶を消すことは可能」
あの世界の全てを……あるいは、アイツのことも全て忘れて暮らすことも可能ってことか。
そうだな、ひょっとしたらその方が幸せになれるかもしれないな。

だが……
「長門」
「何?」
「これが何か分かるか?」
部室のパソコンに残っていた、団長専用の
「現行のパーソナルコンピュータにおける補助記憶装置の一つ。俗にUSBフラッシュメモリと呼ばれるもの」

多分あいつがあの時やっていたこと。
「これの中身なんだがな……写真が入っていた」
「……写真?」
「ああ、俺達の写真だ」
ハルヒがデジカメで記録してきた俺達の活動の軌跡。
その大半は、朝比奈さんのコスプレ写真館で占められていたけれど、間違いなく俺達が残してきた思い出だ。
多分あいつがあの時していたこと……
「ハルヒは多分、俺達の記録を残しておこうとでも思ったんだ」
いつもいつも下らない思いつきで俺達を振り回してきたあいつの、最後の“いい考え”
残されたフォルダには、一周年記念のタイトルがつけられていた。


一周年。本当に色々なことがあったと思う。
出会いは、入学式の自己紹介か…
そして、わけも分からないままSOS団結成に巻き込まれて。3人からの衝撃の告白。
そのまま、今じゃ良い思い出の閉鎖空間か。

野球をやらされて、七夕には時間遡行なんかもさせられて……夏休みなんて15498回も繰り返しちまった。
秋には映画を撮ったな……色々な人に色々な意味で迷惑をかけた気がする。

「そして……だ」
一息おいて、言葉を続ける。
「俺にとって……あの世界で、あの世界のお前達といたのもSOS団の活動なんだ」

909:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:50:24 Ff6c/fXZ
俺とハルヒを苦々しげにスマイルの奥から見つめていた古泉。
初めて出会った時からやたらと貧乏くじを引き、こっちの古泉より何割増しかで不幸なニヤケスマイル。
あいつにはすまない事をしたと思う。

眼鏡の向こうから、悲しい瞳で俺を覗き込んでいた長門。
ひょっとしたら、俺はあいつの気持ちに気づいていたのかも知れない。
……




髪の長いハルヒ。
俺にとって100%のポニーテールに結った長い髪。
俺のネクタイをひっつかんだその右手が、懐かしいアイツを思い出させてくれた。
アイツと同じように俺を愛し─ちょっとアイツよりも素直だったかもしれないけどな─俺が愛した存在。

いつかハルヒが居なくなった世界で、俺は再びアイツに出会った。
俺にとってSOS団ってのはアイツとの活動記録で、あの世界の記録だって立派な活動記録の一つなんだ。






だかr……
……?
……………



ああ、そうだ。
朝比奈さんは可愛いな。あの人の愛らしさは異世界でも共通だ。
……忘れるわけが無い。


910:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:51:39 Ff6c/fXZ
だから
「長門」
言葉をかける。長門が見つめ返してくる。
「記憶は消さないでくれ」

そして……あいつは多分、最後にこう言ったんだと思う。
『生きて、お願い。あたしがいなくなっても』
柄でもねえよ、こっちの都合なんて今まで無視して俺を引っ張ってたのに。
どうせだったら、「ついて来なさい」とでも言って欲しかったぜ。
いいさ。生きてやる。
俺は、お前の命令通り命尽きるまで生きてやるよ。

……だから
「あの世界を消してくれ」
俺は、悲しい決断をしないといけなかった。
















「わかった」
小さく長門が頷く。
「消去を開始する」


こうして、俺の不可思議な夢の話は終わりを告げる。
今思えば、あの夢の中で繰り返し見ていた悪夢は、『現実』を思い返していたのだろう。
忘れてしまいたい現実を夢として処理し、忘却の果てに追いやっていたのだ。

あの時、感じた不可思議な感覚も、現実との差異から感じたものだろう。

もう二度と会えないと思っていたハルヒ……
再会したと思っていたらそいつは、人の夢という字のごとくの儚いものだった。

911:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:52:40 Ff6c/fXZ
目の前では、長門が何事か呪文を唱えている。
よく分かりはしないが、俺の世界を消しているんだろう。
まあ、いいさ。俺は決めたんだ。

このままあの世界が残ったら、俺の精神がのっぴきならない事になっちまうんだろ?そんな状態で生きてたって、ハルヒとの約束を守ったことにはならないからな。

それが、いなくなったあいつに対して俺が出来るせめてもの手向けだろう。

─約束?
「長門」

「何?」
「あぁ…えっとだな…その世界てのはまだ存在するのか?」
「リンクは途切れていない。しかし、崩壊が開始しているため非常に危険」
「何とかして入ることは?」
「許可できない……世界は消え始めている」
「ハルヒは……あいつはまだ存在してるのか?」
「……涼宮ハルヒの存在は、二つの世界における最も大きな差異。特異点である彼女はまだ存在しているはず」

それだけわかれば充分だ。

「悪い、長門」
俺は、立ち上がると我が家を支える柱へとに向かってゆっくりと歩を進める。
「『ハルヒ』と約束があるんだ」
……
大きく頭を振りかぶって、壁に思い切り打ち付ける。

─痛ぇ
大きな光が目の前で瞬き、そのまま俺の意識は深く深く闇へと落ちていった。





…………







『また、あたしの目の前からいきなり消えたりしないわよね?』
悪い。ハルヒ……またお前の前から消えることになりそうだ。

912:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:54:11 Ff6c/fXZ



……っ
固い感覚を身体に感じて、目を開く。
─ここは…?
見覚えがある。通学路の途中だ。
しかし、何故こんな所に出たんだ?てっきり家か……学校にでも出るもんだと思っていたんだが。



不意に、何か音がした気がして、後ろを振り向く。
嘘だろ?
世界が消えていた。比喩表現なんかじゃない、言葉どおりに何もない空間が存在するだけだ。
見慣れた景色どころか、街灯の光一つ見えやしない。
全てを呑み込んでしまうブラックホールより真っ暗だ。

『ダメ……とても危険』ね。全くだぜ。


─あいつはどこだ?
この時間なら当然、自宅にいるはずだが……

でも…


ブンっと風を切る音がして、すぐ傍の道路標識が渦を描いてまた何処かへ消えた。



やっぱりアイツはあそこにいるような気がした。

─走ろう
一瞬でも早く北高へ。

913:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:55:40 Ff6c/fXZ

─見つけた。
上りきった坂の上。俺の学び舎。
校門から長々と続く石畳の上、いつだったか俺が寝転がっていたそこに、あいつの姿を見つける。

「……ハルヒ」
あの時とは逆だな。俺が起こす立場になるとは思わなかったぞ。
「起きろ」

「むにゃ……昨日のアンタ激しかったんだから……も…ちょい」
どんな夢見てやがる。

─やれやれ
そっと髪を掻き揚げて、うっとりするような曲線美を描く耳に、口をつけてフーと吹く。
首を締めての目覚ましよりは効果的だろう。

「……わ!?……ぎゃ……?が…ぎゃーー!??」
どこぞの古いゲームの主人公のような声をあげて、ハルヒが跳び起きる。

「やっと起きたか」
線香花火のように目をしばしばさせて、疑問の表情で俺を見るハルヒ。
「な、なんで…あんたがここにいるのよ?」
何故だろう?自問してみる。
……多分、ここにいないといけないからだ。

「ここ、どこだか分かるか?」
「学校?」
そう、俺の母校だ。
壁なんてプレハブで、おまけにやたらと貧乏で、『お前』に馬鹿にされるくらいに、しょぼい県立高校。
でも、俺とお前が出会った場所。








静寂と、暗闇。たった二人きりの世界。
青光りする巨大な人型すら見当たらない。
月も星も光もない世界、俺達は俺達が出会ってしまった学校に立っていた。


914:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:57:04 Ff6c/fXZ
「何これ?どうなってんの……?あたしは布団で寝てたはずなのに」
「ほら、とりあえず立て」
まだ呆けてるハルヒに、ゆっくりと手を伸ばす。
暖かい体温の感覚が俺の手を握り返してきた。
「夢?」
ああ、そうさ。

これは夢なんだ。朝、起きたと同時に全て消えてしまうだろう幻想。
この世界に光一つ無いのも、何故か目が覚めたらベッドにいないで学校にいるのも……
今目の前にいるハルヒも
全ては朝の光に溶けてしまう淡い夢なんだ。

「ふーん?」
繋いだ手と反対の手がゆっくりと俺の頬を引っ張る。
「痛ぇな!」
確かな引っ張られる痛みを感じる。というか、自分ので試せ。俺をつねるな。
「ちゃんと痛覚があるじゃない」
「夢なら痛くないと思ったら、大間違いだ」
俺は叫んだ。ありのままの心を。

そう、そんなの大間違いだ。
たとえ蜃気楼よりも儚く消える夢だって、夢を見ているその間は現実と全く変わらない。

915:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 01:58:46 Ff6c/fXZ
世界が消える。
何度も上ってきたあの坂も、消えてしまった。
「こっちだ」
手を引いて走り出す。
どこへ行けば良い?どうすれば……
どうすれば少しでも長くこうしていられる?

音を立てて、幾何学的な渦を描いて、世界が終わる。
文化祭でアイツが歌った体育館も、俺達が出会った教室も、俺達の過ごした部室も。

「はぁ…はぁ」
息があがる。

─そもそも何故俺は逃げないといけないんだ?
これが現実じゃないからか。
─モラトリアムだからか?
それの何がいけない?俺はまだ高校生だぜ…?十何年しか歳を経ていないただのガキだ。
俺は……



「ねえ、いったい何が起こってるの?」
不安そうに俺の手を握りながらも、どこか楽しそうなハルヒ。
「ねぇ。ジョンってば」

916:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:00:29 Ff6c/fXZ
そうか。
俺が、この世界を消さないといけない理由。
「なぁハルヒ……」
「何よ?」
「俺、実はジョン・スミスじゃなくて、ただのキョンなんだ」

「は…?あんた何言ってんの?」
眉間に無数の皺を寄せて、ハルヒが訝しげに俺を見る。
「あんたは、ジョンで……そんで、キョンでしょ?」
まぁ、そうなんだけどな。
「でも、やっぱり俺はキョンでしかないんだ」
宇宙人でも、未来人でも、異世界人でも、超能力者でも、まして神様でもない。
俺はただの人間、それでもSOS団団員1号のキョンだ。

そう。俺は、コイツにとって特別なジョン・スミスなんかじゃない。
そう考えれば納得は出来……ねぇけど、決意くらいは出来る気がした。
「意味わかんない」
かもな。俺だって理解し切れてないんだ。
「あのな、ハルヒ」
俺だって、大切な人間がいなくなる気持ちくらい知ってるのさ。
「お前は、俺の前からいなくなっちまった事があるんだ」
「何よ、それ?あたし知らないわよ……?」
まぁ俺も最近知ったところだからな。
「けど、俺達はこうして、また会えた」
偶然だと……いや、必然だと信じたい。

「じゃあ、もう何処にも行かないでよ」
暗い顔で、俺を抱きしめてくる。
「俺は……」






『生きて、お願い。あたしがいなくなっても』
団長閣下の最後の言葉。
「団長命令に従わないといけないんだ」

でも、だな……
「きっと、俺達はまた会える」
少なくとも俺はそう信じるさ。

917:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:02:04 Ff6c/fXZ
まるで、何かの力が暴走するかのように、世界を青白い光が包みだす。
どうやら、もう時間がないらしい。




俺からも強くハルヒを抱きしめる。お別れの時間だ。
必ず……
「また会おうぜ」

何度も撫でた髪に手を当てて、何度も口付けた唇に口付ける。



─何年も……何十年だって探してやる。
それでも見つからないなら、来世でだろうと探してやるさ。
世界中どこに居たって見つけてやる。地の果てだろうが、他所の天体だろうが許容範囲だ。
きっと、いつか会えるよな?
今まで、さんざお前に無理やり付き合わされてきたんだ。
今度くらい、俺から押しかけても良いだろ?



──なあ、ハルヒ?









青光りする巨大な光と、怒気を孕んだ叫び声。

「───!!!!」






唇。












─それが俺の感じた最後のアイツだった。


918:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:03:25 Ff6c/fXZ






「……………」
…………
ゆっくりと目を開く。
どこまでも見慣れた自室の天井。ただ視界にはそれだけが広がっていた。

…………



「世界はつい先……」
「悪い長門。今は何も聞きたくないんだ……」
震えた声で言葉を遮る。
「……そう」
長門が出て行くのを確認した後で、手で顔を覆い目を瞑る。


……俺は本当に正しかったのか?

919:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:04:45 Ff6c/fXZ



しかし、まあ……なんで俺は学校なんかに来てるんだろうか?習慣とは恐ろしいもんだな。
そもそも、一晩泣き明かした後で良くあの坂を登れたもんだ。我ながら驚きだぜ。
「ふぅ……」
大きく溜息をついて教室の扉を開ける。

─ああ、クソっ……
誰も居ない後ろの席を見て、また情けない気分が蘇ってくる。
可能な限り前を見ないようにして、机に突っ伏す。
史上最高に憂鬱な気分だな……







─結局のところ、あの事故はなんだったんだろう?
機関の敵対組織の陰謀か…未来人の策略か…あるいは宇宙人の実験か…
ひょっとすると、ジョン・スミスのことを知ってしまったハルヒの力の暴走だったのか。
あるいは、ただのスピード出しすぎの不幸な事故だったのかもしれない。

でも、今となってはそんな事、どうでもいいことだ。
全ては過ぎ去ってしまった出来事で、涼宮ハルヒは俺の前から永遠に去ってしまった。





─涼宮ハルヒはもういないんだ。

920:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:11:52 Ff6c/fXZ
周りの喧騒に、目を覚ます。
どうやら、少しの間微睡んでしまっていたらしい。
「ああ、皆に……生を…介す…」
教壇の上で誰かが言葉を発しているのが分かるが、あいも変わらず、それらの言葉は俺の耳をただのトンネルくらいにしか思っていないようで、しっかりと認識できなかった。

「……園…院……から来……し…、…宮………」
いつの間にかホームルームが始まっていたのだろう。
何度も聞いたクラスメートの誰かの声がするが、それが誰だかまでは判別できない。






「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者……」
…………
………………………
……………………………………
……

……………………

──!????


涼宮ハルヒが……

921:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:12:49 Ff6c/fXZ


えらい美人がそこにいた。
教壇の上で何時だったか聞いたことのあるような演説を始めたハルヒは不敵に笑い、言葉を続ける。
「それから、キョンとかいう間抜けなあだ名のヤツがいたら、あたしのところに来なさい。以上!!」

片手で型作ったピストルで俺を撃ち抜くポーズを取るハルヒ。





教室中の全ての視線が痛いほど俺に突き刺さり、くるっとユーターンして涼宮ハルヒへと戻っていく。
全員が全員。岡部も含めて俺達を唖然とした表情で見つめて、「あいつらどんな関係だ?」とでも言いたそうだが、俺はたった一人、全く違うことを考えていた。


─ここ、笑うとこ?


922:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:13:39 Ff6c/fXZ
~エピローグ The reunion of Haruhi Suzumiya ~






「やれやれ」
一際大きく溜息をついて、言葉を吐く。

相変わらずガラクタどもが散乱した屋上への通り道。
一人になりたい気分で、ここまでやって来たが、去年の春にアイツに連れられてきたときと様変わりしていないな。

何の気無しにそのまま屋上への扉のノブを回す。
なんと開きやがった。無用心なことだな。





予想外だが、見慣れてもいる存在があった。
「よぉ」
片手を挙げて、声を掛けてやる。
「やぁ、どうも」
古泉一樹が微苦笑とともに、手を振り返してきた。
普段真面目なこいつには珍しく、学校指定ではないジャージをうちの体操服の上に着込んでいる。



「いったい何が起こったんだ?」
解説好きのこいつの事だ。何らかの仮説ぐらいは出来ているだろう。

「そうですね……熱力学第一法則というものをご存知ですか?」
生憎と、長門の星の言葉は存じてなくてな。
「簡単に言えば、変化の前後でエネルギーの総和は変わらないということを示したものです」
ちっとも簡単じゃないぞ。つまり何が言いたいんだ?
「長門さんの借りていた涼宮さんのパワーは、どこかへ消えていたのではなく、『涼宮さん』に移っていた。そういうことですよ」
それで、『アイツ』の思い通りに世界が変わっちまった。そういうことか?
「そういうことです」

923:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:14:32 Ff6c/fXZ
─ふぅ
柵に持たれかかって、ゆっくりと何度目かの溜息をつく。
見上げた空は、まるで世界に何の変化も訪れていないように流れていた。
「なぁ?」
「何でしょう?」


「これで…良かったのか……?」
俺は、俺なりに決断してモラトリアムからの脱却なんて大層なことまで考えて……
来世で再会なんて夢見がちな恥ずかしい話までして……
それで、あっさりとまたアイツと会っちまった。

「僕には、貴方が正しいか否かの判断は出来かねますが、ただ一つ断言できることがありますよ」
なんだよ?



「あなたは、涼宮さんに勝てないんですよ」
それだけ言って古泉は笑った。ニヤケスマイルなんて言葉が似つかわしくない、屈託も邪気も含みも全く無い笑顔で。
…………
反論しようと、色々考えてみるがちっとも答えが浮かんで来やしない。
とりあえず「あー」だの「うー」だのうなってみたけれど、やっぱり返事は纏まってくれなかった。

「……それでいいのか?」
「いいのでは、ないかと」
……






ま、それでいいのかもな。

924:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:15:36 Ff6c/fXZ
ガチャリという金属音に振り返ると、屋上入り口のドアが開いて人影が入ってくるところだった。
「探しましたよ」

と、まあ俺はここで古泉一樹の珍しい表情を目撃する機会に恵まれる。
そう……ノブを持ったまま立ち尽くした古泉は、驚愕の表情で俺……いや、俺達を見ていた。

「どうも。あなたが、超能力者の古泉一樹さんですね」
俺のすぐ傍、ジャージに身を包んだ『古泉』が、如才なく微笑んで古泉に声をかける。
「……これは、いったい?」
古泉が、俺に向けて疑問の表情を見せる。
─悪いが、俺も何も知らないぜ……







ガタっ
「……探した」
再びドアが開いたかと思うと、そこに長門有希の姿があった。
いや、情報の伝達に齟齬が発生したな。正確に言えば、長門有希“達”の。

「何……?」
眼鏡をかけた長門が、呟くように不安をこぼす。
「……ここはどこ?わたしは何故連れてこられたの……?」
開いた口が塞がらなかった。

925:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:16:19 Ff6c/fXZ
ガタガタガタっ
「うぉっ!?」
この上何が起こるって言うんだ?
音のしたほうに目を向けると、謎の御社のようなものがガタガタ揺れている上に、光を発している。
「百葉箱ですね……」
「地上での気象観測の為の装置。中には温度計、湿度計等が入っている。最初からここに設置されていたもの、安心して」
長門と古泉からフォローが入る。

しばらく鳴り続けた音が止むと、耳慣れた声が聞こえてくる。
「ふみぃ……座標がずれちゃいましたぁ……」
…………えーと





バターンっ
爽快な音とともに、また誰かが現れる。
「いやー、キョン君。聞いておくれよ。あたしは、もうめっがさ驚いたにょろよ」
続いての闖入者は、鶴屋さんだった。
隣にはいつものように朝比奈さんを伴っている。普段見慣れた何でもない姿だ。


百葉箱から、既に朝比奈さんが顔を出してなければの前提で語ればな




「おぉっ!?みくるが二人ぃっ!?…いやー、参ったねぇ」
大げさに驚きながら、いかにも楽しそうにかんらかんらと笑う鶴屋さん。
俺もいっそ笑ってしまえば、気持ちが楽になるだろうか……?

926:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:17:20 Ff6c/fXZ
「ここにいたわねっ」
最後にやってきたのが、誰かって?
そんな定番の事を答えるのに意味があるのか?だいたい既に分かりきったことじゃないのか?
でも、まぁいいさ。お約束ってのは必要だ。
語ってやるよ。


─涼宮ハルヒだ。






「よぉ」
やる気なく手をあげて、ハルヒに答える。
「あんたね、こんな所で油売ってる暇は、涅槃寂静秒も存在しないのよ」
そりゃ、いったい何秒だ?
なんて言う暇も無いまま、腕を引っつかまれる。
HA☆NA☆SE
俺のツッコミを入れる気力はもう0だ。


しかし、俺の思いを完膚なきまで無視して、ハルヒは俺を屋上から引っ張り出して、なお走りつづける。
「おい」
何処へ行く気だ。
「何処って、部室に決まってるじゃない」
強い力に引かれながら、階段を強制的に駆け降ろされる。
おい……俺の意思を無視して、全てを勝手に決めるなよ。
「あんたね。あたし達SOS団は、とてとて忙しいのよ。一分一秒だって惜しいんだからっ」

927:涼宮ハルヒの再会
07/09/28 02:18:57 Ff6c/fXZ
─ああ、そうさ。

例えば、二人に増えちまった団員をどうするかだとか。
「お前は一体どっちのハルヒなんだ?」と聞くとか。
この世界はどうなっちまってるのか知ることとか……

やることは、一分一秒も惜しいくらい沢山あった。








─でも
少しだけ時間をくれないか?



たった一言で良い。




「ハルヒ」
「何よ?」

俺にとって100%を越える意味を持つ、ちょんまげみたいなその髪型に声を掛けさせてくれないか




















「似合ってるぞ」





~ The end ~





928: ◆LeyXT4003g
07/09/28 02:23:52 pmkVJqCA
無駄に改行しまくる反則SSはとても読む気がしない。
ほかの方、GJしてあげて。

929:名無しさん@ピンキー
07/09/28 02:24:41 jTQWaxEq
GJ!!!!
でも前までの内容を全く覚えてない俺の記憶力に絶望した!!
ちょっと一から読み返してくる。

930:名無しさん@ピンキー
07/09/28 02:25:39 Jf9HYe/U BE:1888510289-2BP(0)
GJ!!
ホント良いタイミングでこのスレを見たもんだww

931:名無しさん@ピンキー
07/09/28 02:29:18 9l4Oj7XG
これで未練はない…ようやく眠れる…ガクッ
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!..zzz

932:43-48
07/09/28 02:30:00 Ff6c/fXZ
以上。




そして、今回もちょっと自分語りしたりします。
ウザイのは重々承知なんですが……まぁ、こっから先は読み飛ばしてやってください。







この話を書こうと思ったのは、友の死なんて壮大なとこから始まってたりします。
俺は、まだ20代で死なんて縁遠いと思ってたんですが……同級生が去年の年末亡くなりました。
それで、死をテーマにした作品を書きたいなと思って書いてみました。
内容はある種死者への冒涜みたいなもんですが……
まぁ、一応この作品は亡き友に俺から捧ぐものです。(最も友は、別にアニオタってわけでもなくハルヒは多分知らないのですが……www)


注意された(?)スペースについてですが、うーん……やはり直せませんでした。
独特の間みたいなものを表現するのに、どうしてもこれに頼らないといけません…実力不足ですね。

なお、みくるの扱いが悪いような気がするのは仕様ですwww

あと、展開ですが…「SSとは原作の換骨奪胎である」なんて話を以前どっかのスレで見ましたが、この作品は更にSSを換骨奪胎したようなありがちな展開ですね…
書きたかったのは…「宇宙人、未来人~」「それから~」の流れと、最後の似合ってる〆
原点との対比みたいな展開って好きなので。



まぁ、長々とお付き合い大変ありがとうございました。
途中、長い間が開いてるにも関わらずマダーしてくれた方々は特に…
冒頭でも書きましたが、励みになりましたよ。



さて、以上で自分語り終わり。お目汚し失礼しました。

933:名無しさん@ピンキー
07/09/28 02:31:43 7vDQCukD
>「あなたは、涼宮さんに勝てないんですよ」
これにやられた。GJ、完結おめでとう。
ただどうにも全体的に「まとまり」というか、そういう物語的な「精彩」を欠いてるのではと思いました。
個人的にはこの妙な雰囲気は好きだ。

934:名無しさん@ピンキー
07/09/28 02:41:03 9l4Oj7XG
全部含めて「味」と許容し吟味できる俺は間違いなく勝ち組。
批判する全ての人へ。
自己主張を他人の作品にするのは批判レベルはやめてじゃなくて指摘程度にしような

935: ◆LeyXT4003g
07/09/28 03:09:44 pmkVJqCA
>>932
世間の誰も言わないだろうから、俺が言ってやる。
ウゼエ。
他の住人は知らんがね、俺は職人の書くSSに用があるのであって、職人本人に用があるわけじゃねえ。
自分語りを書く職人というだけでもウゼエのに、ここでも改行しまくるのがさらにウゼエ。
あまつさえ、ありがちだの自分語り終わりだのの免罪符的文句に、世間知らずな甘えが見えて、ひったすらウゼエ。
こんな自己顕示欲のカタマリみたいなイタい職人のSSを読んでいたのかと、肩をすくめて両手をあげちまうね。
友人の死?
匿名掲示板で告白してどうなる。それが本当かどうかなんて誰が解るんだ(むしろウソだったほうが物書きとしては褒められるぜ)。
……とはいえ、これは職人の誰もが通過する道かもな。
キミは間違いなく、その書き込みを思い出すたびに自己嫌悪に陥るだろう。
それは5年後からかもしれないし、今朝からかもしれん。とにかく、ご愁傷様。

>>934
このレスは、「作品」への批判でも指摘でもないですからね、そこんとこご注意。

936:名無しさん@ピンキー
07/09/28 03:23:58 9l4Oj7XG
>>935
ンなこと言わんでもわかるが。
スルー技能とか身に付ける気無いか?
アンタのレスもアンタが>>932に感じるのと同じぐらいウザいんだぜ

937:名無しさん@ピンキー
07/09/28 03:27:22 14zRCBq9
>932での余計な投稿が、自分の作品の評価を自身で破滅的に貶めていることには、
作者も気づいたほうがいいと思う。

938:名無しさん@ピンキー
07/09/28 03:31:44 FmRghU1M
突っ込み待ちが見え見えすぎる。くだらん釣りはやめとけ

939:名無しさん@ピンキー
07/09/28 03:36:30 GF389Bkj
今まではスルーしてたが流石に今回だけは頭に来た。
>>928
>ほかの方、GJしてあげて。
してあげて?アンタいったい何様だ。
ウザイとか読む気がしないとかいう自分の意見なら幾らでも言うがいいさ。
それが匿名掲示板ならではの意見や批判なんだし、その点に関しちゃ何一つ文句言わねえよ。
でもそれなら単にパスとかスルーとかだけ言っとけよ。
トリつけりゃ何言ってもいいって勘違いしてねえか?トリは免罪符じゃねえぞ。
最近のアンタはただウザイだけだ。釣られた俺と共に消えろ。

940:名無しさん@ピンキー
07/09/28 03:43:33 vrl5L7sG
名案閃いたんだけど
トリップの人は保管庫だけ読んでりゃいいんじゃね?

941:名無しさん@ピンキー
07/09/28 04:38:31 4bXqF2oi
>>935
なんか久しぶりに覗いたら変なあほが住み着いとるな

942:名無しさん@ピンキー
07/09/28 04:42:48 d4jwL9Qb
>>935
うぜぇ

943:名無しさん@ピンキー
07/09/28 04:59:40 2QOkXuj5
まあ言いたいことは分からんでもないが、言い方がな

944:名無しさん@ピンキー
07/09/28 05:21:54 tlBte0yE
>>939
今、お前が一番ウザがられてることに気付いてますかぁ?

945:名無しさん@ピンキー
07/09/28 05:54:56 95Gs6WLe
香ばしい空気になってまいりました

ひとまずこの糞コテが糞みたいなことしか書けないのは
以前から分かりきってたことなんだからNGするなり読み流すなりしろ
SS書きでもない奴をスレの主役にするな


って書くのがこういう時のテンプレートなんだろうが
投下直後の一番槍であんな空気読めないこと書かれりゃ
仮に正しいことしか言ってなかったとしても反発したくなるわ

946:名無しさん@ピンキー
07/09/28 06:34:10 TpjeAJKn
>>927
なるほど…こんな終わり方も有りだね、お疲れさまでした。
次回作お待ちしています

947:名無しさん@ピンキー
07/09/28 06:36:47 71jM4W8o
そんなことよりパロい話でもしようぜっ

948:名無しさん@ピンキー
07/09/28 06:37:15 dcu0TCiB
反発したいっていうか、あのコテにはいい加減このスレから出て行って欲しい
何なら頭を下げたっていい

949:名無しさん@ピンキー
07/09/28 06:56:08 6Nvtom8a
まぁ>>932は読み飛ばしてくれても構わないって前書きが
あったから問題ないだろ。嫌ならスルー汁。
そんなことより、>>927みたいな甘いのキボン

950:名無しさん@ピンキー
07/09/28 07:00:12 TpjeAJKn
後未完で気になるのは演奏のキョンがいじけてどうなるのが楽しみだし。
○天は作者書くの辞めたのかな?

951:名無しさん@ピンキー
07/09/28 09:42:04 /F/o99kG
どっかでみたことある締めだな

952:名無しさん@ピンキー
07/09/28 10:57:23 2HfJiWNJ
何だかレス番一つ抜けてるなと思ったらあの痛い糞コテまだいたのかwww


953:名無しさん@ピンキー
07/09/28 11:55:13 Wog394Y2
>>952
それを飛ばしているおまいは間違いなく勝ち組

954:名無しさん@ピンキー
07/09/28 12:29:25 k++PtV5x
純粋な自分語りは勘弁かもだが、作品に関することならむしろ大歓迎な俺は間違いなく少数派。

Q投下後に自分語りがしたいんだけど?
Aやめた方がよろしいかと。ただどうしてもと仰るなら名前欄などで注意を促したらよいのではないでしょうか。

955:名無しさん@ピンキー
07/09/28 15:12:07 ziJu/1NV
せっかくNGにしてるのにおまいらが反応するから存在に気づいてしまったじゃないか。
人として終わってるやつの相手をしても不愉快になるだけだぜ。
みんなもNG処理しようよ。

956:名無しさん@ピンキー
07/09/28 15:14:25 P0P7DlLb
もうしてる

957:名無しさん@ピンキー
07/09/28 16:13:06 0A9jnAru
これでこそエロパロ。ナイフで傷つけ合って笑い合う。

958:名無しさん@ピンキー
07/09/28 19:17:14 yTlBcZC7
自分語りっていうかあとがき的な意味で読んでるけどなぁ…

捉え方によるって言ったら終いだが

959:名無しさん@ピンキー
07/09/28 22:59:38 XbcoJqKG
流れは読まないし、喋りたいことは喋らせてもらう。

久々に投下させてもらいます。
劇場版のヱヴァを見たら、昔の作品をリメイクしてみたくなった。
しかし長門と甘々ラブラブものになる予定が、気が付けばセカイ系。
『へたれキョン』『バッドエンド風』『俺設定』『中二病』『内容が無いよう』
あたりのキーワードにピンとくる方は、IDをNG指定推奨。13レス予定。

960:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:00:42 XbcoJqKG

「好きだ。付き合ってくれ」

 春休みを一週間ほど後に控えた放課後。夕日に染められた教室で、俺は目の前に立つ
少女に、生まれて初めての愛の告白というやつをした。いや、してしまったってのが正しい。
なんとも締まらない話だが、意図した告白では無かった。その場の雰囲気というか、勢いと
いうか、あるいは大いなる宇宙意志に─いや、それは無いな。すまん、正直混乱してる。
ともあれ、たまたま二人っきりになったタイミングで、たまたま口元のファスナーと大事なネジ
が緩んでしまったというだけの話だ。
 一方、夕日で茜色に染まった少女は、こちらの動揺を知ってか知らずか、突然の告白にも
動じた様子を見せず、いつも通りの表情で、真っ直ぐに俺の瞳を見詰め返している。

 束の間の静寂の後、静かに彼女の唇が開いた─

961:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:01:57 XbcoJqKG

 ここで一ヶ月ほど話はさかのぼる。別にタイムリープしたわけじゃなく、単なる回想だ。

「なぁキョン、正直に答えろ。……お前、長門有希と付き合ってんのか?」
 昼休み、男三人で机を寄せ合って弁当を食べていると、アホな谷口がアホな口を開いて
アホなことを訊いてきた。まったくもってアホである。飯を食べると血液が胃に集まり、脳が
貧血気味になるというが、それを差し引いてもアホだ。
「誤魔化すなよ。昨日、駅前でお前らが楽しそうにデートしてるのを見たんだからな」
 昨日の駅前?……ああ、あれか。デートじゃなく、単なる付き合いだ。新歓用冊子を業者
に頼むかどうかで、値段やら部数やらを相談しに印刷所を巡ったんだよ。それだけだ。
 ……それに、だいたいだ。
「三人いて、なんでそれがデートになるんだよ」
 アホを見る目でアホを見てから、視線をすぐ後ろの席に移した。その席の主こそが、俺と
長門の他のもう一人、すなわち“三人目”の席だが、学食にでも行っているのか今は空席だ。

「何の話してるの?」
 油断していたところで、突然真横からソプラノボイスが掛けられた。振り向くまでも無いが、
社会的マナーに従って振り向くと、案の定、いま話題にしたばかりの席の主がいた。
 右手には弁当の包み袋、左手は耳の脇に添え、腰下まである長い髪を掻き上げている。
クラスの信頼される委員長で中心的人物。しかも頭脳明晰で、かつ容姿もいいという漫画並
のスペックを持つこいつは、困ったことに、ことある事に俺に突っかかってくる。正直言って、
俺はこいつのことが苦手である。
 そんな感情を表に出さないように気を付けながら、脇に立つ少女に言う。
              、 、
「いや、何でも無いさ。朝倉」

962:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:02:55 XbcoJqKG

 さて、話はさらにさかのぼる。時系列的には、告白よりも三ヶ月ほど前。
 クリスマスを間近に控え、クラスで風邪が蔓延していたころの話だ。

『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』
 栞の裏に書かれた一文を頼りに、文芸部の部室にかつてのSOS団のメンバーを集めたが、
あと一歩─エンターキーを押すだけというとこで失敗した。
 おそらくどこかでフラグを立て損ねたか、あるいは余計なフラグを立ててしまったのだろう。
多くを語るつもりは無いが、キーワードとして『入部届』と『電源コード』とだけ言っておく。

 さておき、元の世界に戻るための、おそらく唯一の手段を失った俺が、その後どうしたかと
言えば、取り分けどうしたというわけでもない。元々周囲の状況に諾々と流されるってのが俺
の処世術だが、自分でも驚くほどすんなりと、今の状況に順応してしまった。

 もっとも、周りから助け─とりわけ長門の存在は大きかっただろう。

 冬休み明けに入部届を正式に提出し直し、以後、俺はSOS団の団員その1から、文芸部
の部員(有名無実の副部長だ)となった。別に文芸に興味があったわけでもないが、やって
みると意外に面白く、とりわけ編集作業は俺の性に合っていたようだ。やはり表舞台よりも
裏方が俺の仕事場に相応しいようだ。

963:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:04:11 XbcoJqKG

 かつてのSOS団のメンバーがどうなったかと言えば、こちらもあまり変わりない。

 ハルヒの奴は坂の下の光陽園学院で『SOS超団』なるものを立ち上げて楽しくやっている。
何が『超』なのかと訊けば、
「あっちのわたしと同じ物を作っても仕方ないじゃない。それを超えなきゃ!」とのことだ。
 その横では、もちろん古泉が笑顔を絶やさず付き添っている。まぁ、あれは好きでやってる
のだから幸せなんだろう。惚れた男ってのは哀しいね。
 なぜここまで詳しいかと言えば週一度は二人と会うからであり、その度に、やれエリート高
はプライドが高くてつまらないとか、最近身の回りで変わったことが起きなかったか、などと
訊かれたりしているせいだ。ちなみに余談だが文芸部は『SOS超団・北高支部』などという、
大変ありがた迷惑な名前も頂戴している。

 朝比奈さんや鶴屋さんとの交流も復活した。朝比奈さんは一連の事件の状況は掴めてな
いようだが、持ち前の性格の良さで、最悪だった出会いも水に流してくれて、俺たちと仲良く
してくれている。
 鶴屋さんは逆にどこまで状況を掴んでいるのだろう。捉えどころのない先輩のことだから、
すべてを理解していたとしても驚かない。しかし文芸部に入ってきたのにはさすがに驚いた。
さらに出来上がった原稿について言えば、なぜ直木賞の最年少受賞記録が塗り替えられた
たというニュースが流れないのかが不思議なほどだった。

 あまり語りたくないが、朝倉はこっちの世界の長門の良き親友であり、しかも俺とクラスも
同じなので、必然的に行動を供にする機会が増えた。時々、笑顔の下でナイフを隠し持って
いるのではないかと不安になるが、幸いなことにまだ刺されていない。あと、どういうわけか、
ことあるごとに俺と長門をくっ付けようとしている節があるのだが、止めて欲しい。
 珍しいところでは喜緑さんも文芸部に入部してきたが、あくまで普通の先輩で、別にこれと
言って語ることもない。

 そんな感じで、すべてが円く収まっている。SFで世界改変などがあると、必ずどこかに綻び
があり、それが原因で大惨劇が起きたりするのが相場だが、少なくとも俺の目の届く範囲で
は、そのようなことは起きていない。この世界を創り変えた神様は、よほど完璧な存在だった
のだろう……

 ─さて、現実逃避はこの辺にして、いい加減に話を戻そう。

964:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:04:55 XbcoJqKG

「好きだ。付き合ってくれ」
 いつかと同じようなオレンジ色の夕日に染まる教室での告白を、

「うん、それ無理」                 、 、 、 、
 いつかと同じセリフで、目の前の少女─朝倉涼子は笑顔で断った。



                     『 長門有希の誤算 』
           fatal critical serious unexpected ERROR has occurred!
                        ЯОЯЯЭ
                     『 算誤の子涼倉朝 』





965:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:05:39 XbcoJqKG

 あまりにも呆気ない失恋に落ち込む間もくれず、朝倉は更なる追い打ちをかけてきた。
「それでどういうつもり? あまりこういう冗談は好きじゃないわ。罰ゲームか何か?」
 かっと頬が熱くなった。夕日のお陰で気付かれないだろうことが幸いだ。
 しかし参ったね。本気とも思ってもらえないとは。これが人徳ってやつか。

「いや、罰ゲームじゃないが……すまん、忘れてくれ。ちょっとした気の迷いだ」
「そう。ならいいけど……」
 続きの言葉は聞かなくてもだいたい分かる。
「こんなこと、冗談で長門さんに言ったらダメよ。いつも言ってるけど、長門さんは精神的に
モロい娘なんだから」
 長門、長門、長門……朝倉は俺と話すとき、二言目には必ず長門だ。
「もちろん本気で考えた上で告白するのなら構わないわ。いい? 長門さんと付き合うんなら、
まじめに考えないとダメよ。でないとわたしが許さないわ」
 何度聞いたか分からないセリフ。まるで保護者か何かだ。
「さ、そろそろ帰りましょう。下で長門さんが待ってるわ」
 ……そうだな。急ぐとするか。
「今日は長門さんの家に寄っていくの? 昨日一緒にロールキャベツを練習したから、たぶん
食べさせてもらえるわよ」
 朝倉は意識していないのだろうが、一言一言がまるでナイフのように突き刺さった。
 苦笑するしかない。改めて痛感させられたが、俺はやっぱり朝倉が苦手だ。

966:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:06:36 XbcoJqKG

 なぜ朝倉を好きになったのか。
 なぜ朝倉なんかを好きになったのか。
 そもそも「好きって何だ?」などという今時中学生でも考えるのを恥じらうような思索に耽る
つもりは無いのだが、それでもやはり考えてしまう。

 元々、俺が朝倉に持っていたのは苦手意識だけだったと断言できる。
 そりゃそうだろう。何せ俺が朝倉を見て真っ先に連想するのは、凶悪なナイフだ。わけの
分からん理由で殺され掛けたという強烈なトラウマの前では、『あっち』と『こっち』の違いなど、
靴を右足から履くか左足から履くかという問題よりも些細なものだ。

 そんな俺の気持ちなど知ったことじゃないとばかりに、朝倉は俺の生活圏を脅かした。
 『長門』とうい中継点を通じて、何かにつけて行動が重なる。休日にすら顔を合わせる機会
が出てくれば、否が応でも慣れてくる。トラウマも徐々に薄れ、『こっち』の朝倉という人物を
直視できるようになった。

 色眼鏡を外してみると、朝倉は実によくできた人物だった。
 見てくれは良いし、頭も性格も素晴らしい。おまけに友達思いの優しい奴だ。親友の長門
に対して、見方によっては過保護とも取れるぐらいに尽くしている。そこに打算など、まったく
見られず、純粋に長門のことを案じていることが伝わってくる。
 当然男子には、そんな朝倉に惚れている奴が大勢おり、俺がそのうちの一人になっても、
何ら不思議ではない。
 思い返してみても、取り分けこれと言って、切っ掛けとなった要因は見つからない。
 気付いたらそうだったというのが、一番しっくりくる。元々、こういうことは、ぐだぐだ理由を
付ける方が間違っているだろう。「恋愛は理屈じゃない」とかいう頭の悪い思想も、実はそれ
ほど嫌いじゃない。

 まぁついでに言えば、朝倉が俺なんかと釣り合わないことも、分かり切ったことだった。

967:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:07:29 XbcoJqKG

 ロールキャベツは美味かった。大きさが不揃いだったり、型くずれしているのがあったりも
したが些細な問題だ。前日に作り置いてあったお陰か味も好く染みており、キャベツも程良く
蕩けていた。
 食事のお礼と嘘のない正直な味の感想を伝え、しばらく食後の会話を楽しみ、長門の家を
出たのは八時を少し回った頃だった。
「じゃあ、また明日、学校で」
「…………」
 無言のまま、少しはにかんだ様子を見せながら頷く長門。
「それじゃあね、長門さん」
 いつも通り、朝倉も一緒に家を出た。

 エレベーターまでの短い区間で、朝倉が口を開いた。
「それで、そろそろ頭は冷えた?」
 四月も近いってのに、まだ寒いからな。早く帰ってコタツに入りたいぐらいだ。
「そう。なら早く帰るといいわ。終業式間際に風邪で欠席すると、色々大変でしょ?」
 ……すまん。
「で、どうなの? クリスマスの時みたいに、また夢遊病にでもなった? それとも、」
 エレベーターが1階から上がってくる。表示板の数字がゆっくりとカウントされていく。
「俺自身、勘違いじゃないかと疑ったが、それこそ勘違いだった」

 俺は朝倉が苦手だ。
 そして、それを補ってなお余るほど、朝倉のことが好きだった。

「そう。本気なのね」
 その答えが予め分かっていたかのように、朝倉の反応はあっさりしていた。
 間抜けな電子音とともに、エレベーターの扉が開く。
「ああ、俺はお前のことが好きだ」
 お互い横並びのまま、狭い密室に入る。
 背後で扉が閉まる。下に向かうという音声案内に被って、朝倉が呟いた。
「…………最悪ね」
 一瞬の無重力を経て、エレベーターは下へと向かった。

968:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:08:23 XbcoJqKG

 がらんとした部屋だった。
 部屋と言うよりも、もはや囲いというレベルだ。壁によって、空間が直方体に切り取られて
いるだけに過ぎない。出会った当初の長門の部屋も相当だったが、ここはそれ以上に何も
無い。人が生活するには、あり得ない空間。この世界には、あってはいけない空間─

 それで唐突に理解してしまった。嘘を嘘と知ってしまった。

 おいおい待ってくれよ。どんでん返しってのは、もっと徐々に盛り上げてから、ここぞという
タイミングでするべきだろう。気が付いたら壁の中だなんて、理不尽にも程がある。
 ……それとも何か? 俺が踏んでしまった地雷は、それほど拙い代物だったのか?

 世界から現実感が急速に消え失せていく。
 この三ヶ月で必死に描き直した世界の地図が、呆気なく破り捨てられる。
 目を閉じて耳を塞いで顔を背けて、決して触れないようにしていた物が晒け出された。
 あまりの急展開に、脳がこれ以上考えることを拒否する。
  、 、
「取引しましょう」

 俺を招き入れた部屋の主は、いつも通りの笑顔で話し掛けてくる。
 作り物ではあり得ない華やかな笑顔が、無機的過ぎる空間にぽっかりと浮かんでいる。
                  、 、 、 、 、
「あなたと付き合ってあげる。その代わり、長門さんと付き合って」

 音が右耳から左耳に通り抜けていく。何だこれは?
 目の前のこいつは誰だ?

 なぜ俺はこいつを好きになったんだ?
 なぜ俺はこれを─になったんだ?
 なぜ これ ─ ?
 混乱する頭を他所に、視覚や聴覚は義務的に情報を送り続けてくる。

969:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:09:17 XbcoJqKG

「色々と検討したんだけど、この方法が一番効率が良さそうだから」
 重みのある音がして、足下へコートが無造作に脱ぎ捨てられる。

「長門さんを傷つけることは許さない。もちろん肉体的にも精神的にも。分かる? あなたが
わたしのこと好きだって知ったら、長門さんは哀しむわ」

 カチャと僅かに金属が打ち合う音がしてベルトが外される。スカートはそのまま、すとんと
床の上に落ち、花弁のように広がった。それまで隠れていた太腿が付け根まで露わになる。
細くしなやかで、吸い込まれそうなほどきめ細かい。

「あなたの脳をいじって長門さんを好きにさせるのが一番早いんだけど、それは許可されて
ないの。なぜそんな非効率的な制限をかけたのかしら。あなた分かる?」

 制服の上着が引き抜かれる。いつかテレビで見た、蝶の羽化の高速映像が思い出される。
布が頭を通り過ぎると、しばらく遅れて絹糸のような黒髪が、砂時計のように滑らかな動きで
広がった。
 ぱさりという音は、制服が投げ捨てられた音だろう。しかし視界は目の前の完璧な身体に
固定され、それ以外を映さない。細い首、滑らかな肩、くびれた腰、窪んだ鎖骨、うっすらと
浮かぶ腹筋や、その中心の臍までもが艶めかしい。

「あなたは自主的に長門さんを好きになって、長門さんと付き合わなければいけないわ」

 両腕が背中に回り、何かの作業をする。両胸を覆っていた布地がはだけ、膨らみが露わ
になる。掌にすっぽりと収まりそうな双丘は、支えが無くともしっかりと形を保っている。右手
に纏わりついていた下着が、軽く振り払われて下に落ちた。

「でもあなたはわたしのことが好きなんでしょ? だから取引。わたしを好きにしていいから、
あなたは長門さんを好きになって」

 両手を腰元の布地に差し込む。前屈みになりながら布地を下げる。長い髪が背中側から
前に流れ落ちてきて、カーテンのように視界を塞ぐ。
 一歩、一歩とこちらに近付きながら、器用に脚から下着を外していく。つい今まで下半身を
覆っていた布は、足下に捨てられる。自由を取り戻した両手が、髪の毛を振り払う。隠すもの
が無くなった身体が、俺の視界を支配する。

970:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:10:23 XbcoJqKG

 唯一布地に覆われたままの足が、そのまま音を立てることなく、俺との距離を詰めてくる。
伸ばせば手が届く距離。蜘蛛が巣で藻掻く虫を獲えるかのような緩やかな動きで、両腕が
俺の首筋に回される。スポンジ生地のような柔らかさと、ぬるま湯のような暖かさが触れた
部分から伝わってくる。両腕を軸に俺を引き寄せる。目の前の身体が撓垂れ掛かってくる。
しっかりとした重みと、嘘のような軽さ。

 頬に、しっとりとした髪の毛の感触。
 耳元に、熱く濡れた吐息とともに、甘美な言葉が紡がれる。


「長門さんを好きになって。それがこの世界を選んだあなたの義務よ」

「その代わり、わたしの身体は好きにしていいわ」

「わたしとセックスしたいんでしょ? 『好き』ってそういうことよね?」
     、 、
「さぁ、好きになりましょう」

 ぬる、と耳の中に舌が差し込まれた。
 そこから先は、覚えていない。
 …………
 ……



……ん、これは痛いわね。あ、ちょっと待って。長門さんはあなたが好きだから、もっと……
うん、エンドルフィンを増やしてみたけど、いいみたい。これなら痛みも和らぐし、ああそっか、
これが好きってことなのね。あっ、んっ。……うん、そう。そんな感じで。これなら長門さんも
喜ぶわ…………ん、……。長門さんとするときは、もっと時間を掛けて、雰囲気を作ってね。
そうすれば……ぁ、もっと『好き』になって、もっと気持ちよく、なるはずだから。わたしの身体
で、しっかりと勉強して、ね。それで、長門さんを、喜ばせて、あげ……ぁっ。んぅ……ダメよ。
それだと痛いだけ。もっとゆっく……う、ぁ、ん、っ、…………仕方ないわね。一度射精する?
そうす、ん、……そうすれ、ば……、多少、落ち着くでしょ? ……ん、……ん、、ん、ぅ、んん、
………………っ、……っ、……っ、……はぁ、…………ん、んんっ、……、……っ、…………、
……、……、……、……、……、……………………ぁ、


 ……ねぇ、なぜ泣いてるの?

971:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:11:18 XbcoJqKG

 夢の中で、誰かが泣いていた……


                     『 長門有希の誤算 』
           fatal critical serious unexpected ERROR has occurred!
                         no problem
                     『         の     』

               # >> "YUKI.N" has logged in
               # YUKI.N> HELLO WORLD!
               # YUKI.N>
               # YUKI.N>
               # YUKI.N> system has recovered from ERROR
               # YUKI.N>
               # YUKI.N> I love you.
               # YUKI.N>
               # >> "YUKI.N" has logged in
               # YUKI.N> Who are you?
               # YUKI.N>
               # YUKI.N> I'm you.
               # YUKI.N> And you?
               # YUKI.N>
               # >> "YUKI.N" has logged out
               # YUKI.N>
               # YUKI.N> I'm...
               # YUKI.N> I...
               # >> "YUKI.N" has logged out
               # _


                              目を覚ました俺は、─から逃げ出した。

972:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:12:04 XbcoJqKG

 放課後の文芸部の部室。夕日を背に、古いパソコンに向かう。
 カチリ、カチリ、カチリ、
 右端の一際大きいキーを何度もクリックする。もちろん起動もしてない状態で押したとこで、
何かが起きるはずもない。もっとも起動していたとこで、アプリケーションの実行や、文章の
改行以上のことが起きるとは考えられないけどな。
 カチリ、カチリ、カチ……
 何度目か分からないクリックに重なって、部室のドアが開いた。
 驚いて顔を上げると見慣れた顔があった。おそらく、いつまでも降りてこない俺を心配して
迎えに来てくれたのだろう。

「ああ、すまん。ちょっと確認したいことがあっただけだ。待たせて悪かったな、長門」
 肩をすくめてから、脇に置いてあった鞄を拾い上げる。
 長門はよほど待ちかねていたのか、わざわざ部屋の奥までやってきた。そして待たされた
不平不満をマシンガンのように矢継ぎ早に─なんてことは、それこそ起こるはずはない。
俺のすぐ目の前、手を伸ばせば届くところで立ち止まると、なぜか心配そうな顔をして、かと
いって何を言うでもなく、ただじっと俺を見上げてくる。

 思えば、長門の顔を真っ直ぐ覗き込んだのは、あれから初めてのことだ。
 何てことはない。
 俺が本当の意味で目を逸らし続けてきた物こそ、目の前の少女だった。

 そのまましばらく見つめあった。放課後の部室に、束の間の静寂が訪れる。
 ……先に唇を開いたのは俺だった。

 その作り物のガラス玉のような穢れのない瞳に向かって、

「好きだ。付き合ってくれ」

 脈絡もなく、いつかと同じ言葉を口にした。

 夕焼けに染まった少女は、一瞬驚いたような顔をし、それから、夕日に負けないくらい顔を
真っ赤にして─小さく、だが、はっきりと頷いた。

973:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:00:43 /5U2rBNa
終わり?

974:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:27:53 v/qK2EvO
今後は投下する際に

『LeyXT4003g の感想不要』

とか注意書きしとけばいいと思うよ。
テンプレに入れて欲しいくらいだわ。

975:名無しさん@ピンキー
07/09/29 02:55:55 jM+gV/48
トリ付けてんだから、それはやりすぎだろ。過剰反応しすぎ。

>>972
この閉鎖的(?)な雰囲気がなんともいえん感情が湧き出るな、うん。

976:名無しさん@ピンキー
07/09/29 02:56:35 3FgURoNx
くそう!
キョン妹が桜日記書いてるのと、ハルヒと佐々木がキョンの前で張り合いながら
だんだん意味のわからない自慢話をしていくSSがみつからねええ!!

977:名無しさん@ピンキー
07/09/29 03:17:37 2CNkOojT
つーか次スレも立ててねえのにこんなレス数の時に投下してんじゃねえよ
空気読めバカチン

978:名無しさん@ピンキー
07/09/29 03:27:32 jM+gV/48
容量的にまだ建てるには微妙だしなぁ。

979:名無しさん@ピンキー
07/09/29 03:38:43 pigE919o
ちょっとエロパロ板w
先走りすぎww

980:名無しさん@ピンキー
07/09/29 07:32:28 +hXNhzQw
残り二十五レスもあるのに叩いているのも、残りを見ずに容量でちゅうちょしているのも
なんだかなー

981:名無しさん@ピンキー
07/09/29 12:11:38 Qg0S1euO
長門と九曜を並べて人形のように犯すSSきぼんぬ

982:名無しさん@ピンキー
07/09/29 12:46:48 SM9Gyvxe
殺伐としてまいりました。

983:名無しさん@ピンキー
07/09/29 12:47:53 We5UWIHu
>>972
GJ!!

984:名無しさん@ピンキー
07/09/29 12:56:07 JSE2/Qv/
残り15~6レスだし、そろそろ新スレ立てる時期かとおm(ry

985:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:12:31 9kGWOPwD
ちょっと前なら900でもスレ立てないと危ないって感じだったのにな
長門厨のおかげで随分と寂れたもんだ……

986:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:45:30 JSE2/Qv/
夜の投下を期待して今の内にちょっくら立ててくるか…

987:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:49:41 JSE2/Qv/
立ててきた

【涼宮ハルヒ】谷川流 the 53章【学校を出よう!】
スレリンク(eroparo板)

問題ないかな?

988:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:51:41 nA4pmaiC
>>987
乙!

989:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:53:14 CEjQm3eN
乙~そして埋めましょか

990:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:40:52 YyvbIIPB
埋め

991:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:46:50 sjtj2gYu
うめ

992:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:52:53 5aitQE4d


うめってよんじゃったよ

993:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:58:06 JSE2/Qv/
理め

994:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:18:34 P9nQRKEQ
ume

995:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:20:57 nA4pmaiC
うま

996:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:28:05 GXy6gWiK


997:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:28:55 GXy6gWiK
有無

998:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:29:30 GXy6gWiK


999:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:30:03 GXy6gWiK
うも

1000:名無しさん@ピンキー
07/09/29 17:30:04 sjtj2gYu
生め

1001:1001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。


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