気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第8章at EROPARO
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第8章 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/09/01 01:27:58 HB+mlO0+
逃げて

3:名無しさん@ピンキー
07/09/01 02:07:14 YTM4PR8O
>>1なんという乙

4:名無しさん@ピンキー
07/09/01 08:13:14 j+E/L3Hp
乙です!

5:名無しさん@ピンキー
07/09/01 19:22:21 FueavE6f
乙。続きwktk

6:名無しさん@ピンキー
07/09/02 19:15:26 OmIBszT0
乙。
空気も読まず短文投下。

カラテ彼女

「三谷…お前、反省とかしてる?」
「別に何も」
はあ……。
美樹がこうなってしまうと、溜め息をつくしかない。
溜め息つくと幸せが逃げるというが、今日だけで12回は幸せを逃していることになる。
全ては目の前に座っているこの女、三谷美樹のせい……だと思う。
「お前さ、生徒指導室貸し切り状態じゃん。もう放課後じゃん。また俺残業じゃん」
「別に俺には関係無いし」
実に女らしくない…性格や言動が。
しかし男みたいなこの性格が周りから頼られるため、下手な男より女にモテているらしい。
彼女の部活の後輩が目を輝かせながら喋っていたので、ごく一部の話かも知れないが。
性格は完全に男なだけに、その完璧な体がもったいなくてしょうがない。
鍛えられた筋肉、無駄の無い立ち振る舞い……凛とした雰囲気は相手を圧倒する。
「何故俺が殴られなければいけないんだ……」
「先生が勝手に間に割って入ったんでしょう」
「勝手って…止めようとしたのに…しかも暴力沙汰とかで教頭に呼び出されてネチネチネチネチ……ああ、また頭痛がっ」
「バファ●ンならある。優しさ半分厳しさ半分」
「お前の場合優しさなんか入ってないから!」
頭痛も最近酷くなってきた気がする。
「俺じゃなかったら、あっという間に出場停止だぞ?職員室では俺がマゾじゃないかという話もある」
「……後輩の子に、因縁つけてきた不良共だった。止めないと、いけなかったんだ」
「で、止めに入った俺に正拳突きなわけか。まあ殴られたのはいいんだ。しかし今は大会前だぞ?」
「しかし……」
「怪我されたら、顧問の俺も部員の皆も困るんだよ」
「……」
「それとも暴力事件でチャンスを潰したかったのか?」
「そんなわけあるか!俺はっ…勝たないと…いけないんだ…」
顧問をずっとやって来ただけに、そうではないことは伝わってくる。
何もかも、背負ってしまい事も。
三谷は話し終わると、何も言わずに出ていってしまった。
残されたのは、俺一人。
はあ。
本日通算13回目、幸せを逃がしてしまった。

7:名無しさん@ピンキー
07/09/02 19:17:36 AgiBPcv9
大会当日。
顧問の俺は、引率という事で大会に着いていった。
まあ地区の高校で毎年やっている実力見せな大会なのだが。
選手の申請やら申し合わせやら色々細々した事をすませると、観客席の後ろで試合を見ていた美樹の所へ行く。
いつにも増して固い表情で会場を見回していた。
「おい三谷、そろそろ下行けよ。時間になるぞ」
「先生…優勝したら、後で少し時間いいですか?」
「お前は俺の時間をどれだけ喰うつもりなんだ……」
「お願いします」
必死な目で見上げられると、どうにも断れない。
俺も男ですから、上目遣いには弱いんですよ。
「はいはい。どうせ俺に自由はありませんよ……」
「ありがとうございます」
ぺこっと頭を下げ、美樹は試合場へと向かった。
思えば、美樹があんな表情をするのも、頭を下げるのも今まで無かった。
時間を欲しい、という願いも、何の為かはわからなかった。

試合は順調に進んでいた。美樹以外の選手は。
美樹は2年とはいえマークされている強豪の内の一人だった。
緒戦の相手は巨漢……一応女子だから語弊があるかも知れないが、大きな体躯の持ち主だ。
前に一度見たところ、実力としては美樹と同程度といった所。
美樹の長所が発揮されれば、勝てるだろうと思った。
だが、負けた。
注意不足だった、とか慢心していた、という言い訳は全く意味を成さない完全な敗北。
精神力で、負けていたのだ。
部員の皆が目を疑った。
あれほど鍛錬を積み重ね、稽古に打ち込んできた彼女に何があったのか。
余りにも呆気ない終わりと、俯いたままの彼女に、俺も皆も何も言えなかった。
俺の前で小声で呟いた後に走り出した彼女を追いかけたのも、俺だけだった。


8:名無しさん@ピンキー
07/09/02 19:18:04 jlocVq4d
美樹は廊下の隅で壁に向かって震えていた。
俺は美樹の横の壁に、そっともたれかかった。
「三谷……いや美樹。言いたい事があったら、言ってみな」
「…ッ………」
「いつかこういう事になると思った。皆の期待を受け、頼られて。お前はいつも一人で。
 性格も段々男みたいになって。お前はいつも何かを守ろうとしてたな」
「……」
「俺がいるだろうが。たまには頼ってもいいんだぞ。こんなんでも一応教師だ。泣いてる女の子に胸くらい貸してやるよ」
数秒の間を開けて、軽い感触と共に柔らかい体がもたれかかってきた。
彼女が他人に甘える事は滅多に無いので、よしよし、と頭を撫でてやる。
泣いていた震えもしばらくすると止まり、美樹もようやく落ち着いたようだ。
「これからは俺にも頼ってくれよ。何でも聞いてやるからさ」
「ほんと…か…?」
「嘘は言わん。約束だ」
「じゃあ先生……俺の話聞いてくれる?」
美樹はキョロキョロと周りを確認した後、顔を更に近づけた。
「先生が好きなんだ」
「…………」

9:名無しさん@ピンキー
07/09/02 19:21:39 jlocVq4d
何も言えない。
一般人から見れば、男女がくっついているこの状況。どう見ても恋人か何かです。
俺からすれば美樹は女ではなく生徒で……でも体は女……いやいやいやいや
体目的に見えてしまうではないか。
よく考えれば俺がいるとか俺を頼れとか……告白?
美樹を守ってやりたい…これは本心だし…あれ?
「先生はどうなの?やっぱりこんな女じゃ嫌なのかな」
ああ……そんな事言って堕ちない男がいるものですか。
守ってやりたいと思った時点で俺の負けだ。つまりは相当前から。
「お前が好きだよ、美樹。他人の評価なんて関係無い。傍にいれれば、いい」
言った途端、感極まったのか美樹は泣き出してしまった。
「よかった…よかったぁ…好きだよぉ…先生…」
「ほらほら、また服濡れるだろうが。泣かないの」
「…んん…離れたくない……」
ぐはっ。
ダメージがデカすぎる。普段が普段なだけに今の甘えた美樹は可愛すぎる。
これを破るにはより強いショックを…なんて考えていると、既に美樹の顎を上げさせ唇を奪っていた。
美樹の柔らかい唇に自分の唇を押し当て、それから数秒…いや数分?
腕の中の美樹は、完全に思考停止状態だった。
よく聞くと「キス……先生とキス……」とか呟いている。
どうしようか、と考えているうちに空手部の連中が俺達を探す声にハッとなった。
そういえば置き去りにしたままだった……!
俺は焦って固まっている美樹を引きずり、声の方へと無理矢理歩いていくのだった。

10:名無しさん@ピンキー
07/09/02 19:23:41 jlocVq4d
このジャンルは難しい……
半年ROMに戻ります。では。

11:名無しさん@ピンキー
07/09/02 20:42:13 GDJPteyG
王道GJ!

しかしちょっと王道すぎかも?

12:名無しさん@ピンキー
07/09/02 21:49:33 CL4FzWuG
>>11
王道とは「王の道」と書く、つまり最強の道なんだぜ



つまりGJ!wwwwwww

13:名無しさん@ピンキー
07/09/02 21:57:41 PoONVnPA
GJ!いいねぇ王道、最高だね!

14:NGワード:なおみ
07/09/02 21:58:43 bWMzCPXM
*姉->弟 虐待系

「なおみ~、ごめんなさいは?」

姉貴はニヤニヤと笑いながら、捻り上げた俺の腕をギリギリと締め上げる。
この嬉しそうな表情、姉貴は間違いなくサドに違いない。
だが、俺はこんな理不尽な暴力には屈しない!
絶対に屈したりはしないんだっ!

「俺は、悪くない、悪いのは姉ちゃんだろ!?」

痛みを堪え、なんとか言い放つ。
はっきり言ってしまうと状況は最悪だ。
俺は膝立ちの状態で、両の膝裏に足を乗せられ動きを封じられている。

「はい、そんな悪いことを言うお口はどこのお口かな~?」

一段と極められた腕に力が加わる。
折れるか折れないかの絶妙な力加減。
まだ折れたことはないので、どこで折れるかはわからないが、とにかく痛い。
女性を守るための護身術が、こんなことに使われるなんて!

「いててててっ、ごめんなさい、俺が悪かったです!」

肉体は精神力を凌駕する。
逆化もしれないがもはやどうでもいい。
俺の心はマッチ棒よりも容易く折れていた。
救いのない抵抗よりも、救いのある投降の方がまだマシというものだ。

「よろしい。」

姉貴は俺が屈服したことに満足したのか、手をパッと離した。
俺は床にばったりと倒れこんで、姉貴を睨みつけようと首をひねる。
そこに見えたものから思わず俺は目を逸らしてしまった。

「ね、姉ちゃん、見えてる。」

言ってしまってから、後悔した。
自分の馬鹿さ加減に正直呆れてしまう。
キジも鳴かずば撃たれまい。

「・・・はぁ!?」

一瞬、何を言っているのみたいな顔をした後、姉貴は自分の姿を見た。
キャミソールに短いデニムのスカート。
それ自体に問題はないが、問題は片膝を立てたその姿勢にあった。
健康的な太腿を辿れば、その奥に見える白い布の盛り上がり。
姉貴の顔が真っ赤に染まり身体がプルプルと震えた。

「~~~っ!」

姉貴はすっくと立ちあがると、白のソックスに包まれた足で容赦なく俺をガスガスと踏みつけた。
ストンピングの嵐、不幸にも姉貴のパンツで勃ってしまった俺には地獄の苦しみ。
出る杭は打たれる、とはこのことだ。

「こんの、スケベっ!」

最後にドスっと強烈な一撃を背中に食らわせると、姉貴はノシノシと階段を登っていった。
・・・俺はいろいろな意味でしばらく動くことができなかった。


15:名無しさん@ピンキー
07/09/03 01:37:26 wzq+rISr
ボクっ娘!愛奴調教 再開よろしく~

16:名無しさん@ピンキー
07/09/03 15:00:11 X1InuVZy
リカとセンセの続きマダ~?

17:名無しさん@ピンキー
07/09/04 12:48:19 cHv6dnCf
カレーワッフル……


18:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:46:43 ojDPBW8J
もう売り切れですか?

19:名無しさん@ピンキー
07/09/05 03:12:37 fAYkHM+1
腐りました

20:名無しさん@ピンキー
07/09/05 10:23:54 lwB1z7i0
ツクバキター!

21:NGワード:なおみ
07/09/05 18:31:52 TnFoeXVQ
力を入れすぎないように、丁寧に揉みほぐす。
感覚が鋭いのか、過敏なのか、強めに触ると姉貴には痛いらしい。
いつもはうるさい姉貴も、この時ばかりは借りてきた猫のように大人しい。

俺の手に伝わるその感触は、女性らしさを十二分に秘めている。
つまり、白くて、張りがあって、柔らかい。
その肌がうっすらとかいた汗のせいか、かすかに湿り気を帯びていた。

「んっ・・・。」

姉貴は声が大きいので、クッションに顔を埋めている。
そのクッションから時折、くぐもった姉貴の声が洩れてくる。
俺の動きに反応するかのように、ぴくりと姉貴の身体が震えた。

「ここはどう・・・?」

つつっと手を肌を伝うように滑らせる。
指の先にわずかに硬くなった部分が感じられた。
俺はその場所を指先で軽く押さえつける。

「んんっ、そこっ・・・!」

妙に艶っぽい声で姉貴が喘ぐ。
俺はわずかに硬くなっている部分を、こりこりと刺激した。

「あっ、くぅ・・・!?」

びくりっ、と姉貴の身体が仰け反る。
これ以上ないというほどの反応だ。

「ちょっと、強くするよ。」

少し強い目に揉みながら、指を押しつける。
びくびくっと、姉貴の身体が震える。
座布団からは姉貴のくぐもった声が洩れてくる。

姉貴の呼吸は、すっかりと乱れ切っていた。
その額には、汗が滲み、乱れた髪がはりついて、怪し気な淫靡さを醸し出している。
これだけ念入りにやれば、当然といえば当然か。

「もう、いいかな・・・?」

俺はもう我慢できなくなって、姉貴に尋ねていた。
これ以上の奉仕には俺自身が耐えれそうにない。

「う、うん・・・。」

姉貴は少し名残惜しそうに、こくりと頷いた。
もっとして~、とでも言いたげな表情だ。
俺は立ち上がると、手をぶらぶらさせつつ、首の骨をぽきぽきと鳴らせた。

「なおみ、マッサージだけは本当に上手だよねえ。」

「これからは頼まれても、マッサージしない。」

「あ、嘘、嘘・・・冗談です、なおみさま。」

まったく、こういう時だけ姉貴は調子がいい。
だけど、マッサージは嫌いじゃないし、頼まれればきっと断らないだろう。
そういう関係もまあ、悪くはないと俺は思う。

22:名無しさん@ピンキー
07/09/06 20:38:13 QbGyNi5Y
>>21 GJ!
ガイドラインに紹介してきたよ

---
716 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 16:37:15 ID:WlD0LbXG0
>>21
1行目の「揉みほぐす」の時点で、
単なるマッサージだと思ってしまった俺は枯れてるのだろうか。

717 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 16:40:14 ID:syvhBuEb0
ピュアなんだよ

718 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 18:36:21 ID:mAL9R4n80
なんだ、おれはピュアだったのか。
よかったよかった。

「オチでホモだと」を警戒して素直にコピペにドキドキできないのもピュアだからなんだよな。
高見盛を警戒してコピペの姉に萌えられないのもピュアだからなんだよな。

ありがとう、なんだか安心したよ。


23:名無しさん@ピンキー
07/09/07 03:08:22 EBd+cVDp
前スレあと1KBで落ちます

24:名無しさん@ピンキー
07/09/07 08:06:44 a4ZhUhQy
上位スレにツクバさん発見!

25:名無しさん@ピンキー
07/09/07 11:56:59 EBd+cVDp
前スレ>>889 (前スレ埋まった)
>埋め立てられて落ちちゃったらスレが読めないジャン。
俺が聞いた話だと、前スレを埋めないと板の他のスレが、週に500KB分ぐらい圧縮で消えてしまうらしい(2,3スレほど)
板全体の容量軽減の為に埋めるとの事

26:名無しさん@ピンキー
07/09/07 15:36:54 26Sw2dgZ
>>25
嘘に踊らされてテキトーなこと書いてると叱られるぞw

最近の圧縮頻度は一ヵ月半に一回くらい
で、圧縮が行われると最終書き込みの古いものから順に100スレがdat落ちする

27:名無しさん@ピンキー
07/09/07 16:33:08 a4ZhUhQy
板のスレ数が800を越えたら圧縮始まるんじゃなかったっけ? 
最近は変なシチュスレがよく建つせいで圧縮がよくある。

28:名無しさん@ピンキー
07/09/07 19:14:45 InXfF/ON
>>27
情報室見てみな。クソスレとか面白い新スレとかが結構ある。

29:名無しさん@ピンキー
07/09/08 07:19:36 o9ZlKoi7
保守

30:名無しさん@ピンキー
07/09/09 03:44:00 RsF0ZHjk
さちねえさんはあれでおわりなのかーーー!

31:名無しさん@ピンキー
07/09/12 03:28:03 yG/9Ds9M
そういえば、前スレ埋め立ての時にヤクザっ娘無かったな。

32:名無しさん@ピンキー
07/09/12 09:07:02 EsNnzrh4
AAコピペで埋められたからね

33:名無しさん@ピンキー
07/09/12 18:48:48 EsNnzrh4
作品が投下されなくなったな。職人さん忙しいのかな?
生存確認されてる職人さんって足軽さんとツクバさんだけかな?

34:名無しさん@ピンキー
07/09/13 19:50:33 V0rfIgRM
荒れたからだろ、、、

35:なおみくんNG(1/1)
07/09/13 22:55:25 89wiORAa
「姉ちゃん、入るよ?」

ノックをして姉貴の返事を待つ。
姉貴ルールを守らないと俺は後で死ぬほどボコられてしまう。

「な、なおみ!? ちょ、ちょっと待って!」

なぜか、部屋の中でどたばたと姉貴の暴れる音が聞こえる。

「もう、いいよー。」

姉貴はベッドに身体を起こして座っていた。
その服は普段着だ。

「もしかして、今、着替えてた?」

「だって、恥ずかしいし。」

パジャマの何が恥ずかしいのか俺にはよくわからない。
乙女心というやつだろうか。
姉貴の顔は茹蛸の如く真っ赤になっている。

「おかゆ作ってきたんだけど、食べる?」

姉貴はうんうんと頷いていた。
俺は椅子を引っ張って、膝にお盆を乗せて姉貴の横に座る。
そのついでに、姉貴のおでこに手を当てた。
じゅっと音が出そうなぐらい熱い。

「ちょ、なおみっ!」

俺の突然の行動に姉貴はわたわたとしている。

「病人は大人しくしとけって。」

俺はおかゆを蓮華によそって姉貴の前に突き出す。
ぱくっと反射的に姉貴は蓮華を口に咥える。
姉貴は一瞬、罰の悪そうな顔を見せると、口から蓮華を引き抜いた。
俺から視線を逸らすようにして、口をむぐむぐと動かしている。

「どう?」

「おいしい。 けど、あとは自分で食べる。」

姉貴は俺から蓮華とお茶碗をひったくる。
その顔はなぜか、むすっと不機嫌そうな顔になっている。
俺には姉貴が不機嫌になる理由がわからない。

「じゃあ、食べ終わったら椅子に置いといて。」
「後で取りに来るから。」

俺は立ち上がって椅子をベッドに寄せると、そこにお盆を置いた。
それから、ベッドを離れ、ドアノブに手をかける。

「なおみ、ありがとね。」

俺が部屋を出ようとしたとき、姉貴は呟くように言った。
その顔を見て俺はようやく理解した。
姉貴は怒っていたわけじゃなく、照れていたんだと。

36:名無しさん@ピンキー
07/09/13 22:57:20 o4iKqLhB
荒れちゃったもんな。しばらくは来てくれないだろうな

37:名無しさん@ピンキー
07/09/13 23:31:16 /H5yJBAp
っていってるそばからキターーーーーーーーーーーww

38:名無しさん@ピンキー
07/09/14 18:42:46 OnhaZyTe
リカとセンセの続きはまだ~?

39:名無しさん@ピンキー
07/09/15 09:42:02 dQdcu2HV
保守

40:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:35:55 K3jVPcPP
なんか思いついたんで投下します。

41:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:37:08 1f4Y3Duf
アパートのドアを叩く。
それが俺の仕事。
いくらノックしても返事が返ってこない。
相棒の中田の方を振り向いてみても、呆れた顔で首を振っている。
しょうがない。いつものようにやるしかないのか。
すぅ……と息を吸い込む。
「ゴラァアアアア!!!! 部屋いんのは判ってんだよ!!! 出てこいやあああああああ!!!!」
「姐さん……またですかい……」
「ああああああああ!!!! こちとらテメーの為にわざわざ出向いてんだろが!!! 茶あ出せや!!!!」
3週間分の恨みを晴らすが如く、ドアに渾身のコンボを決めつつ声を張り上げる。
それはもう、周囲の住人も震えあがるような声で何べんも。
中田が止めているのにも気付かずに、ドアを叩き続けた。
全く、最近の奴等は軟弱になりやがって。
金が返せないならマグロでも獲りに行って来い。
そもそも返すあてが無いなら借りないほうがいいのに……
……でもそれだとこっちが儲からなくなっちまうか。
考え事をしながらも手と足は勝手に前にある物を蹴りつける。
手に何かビチャっとしたものが当たって……
ビチャ?
右手の動きが止まる。もちろん後ろから中田に止められてだ。
なんだコイツ、俺を邪魔するってんなら容赦しないぞ。
「姐さん……それはドアじゃない。人です」
何を言ってるんだ。英語の教科書じゃないんだから、まともな日本語を……
ん?この男は人じゃないとかいったな。じゃあ何だって言うんだいボブ?
「あ……ああが……キュー」
(肉塊?フハハハ、コレはチキンだよジェニファー)
ちょっとマズい状態に、頭の中では完全に通販のノリで外人が会話している。
そして、機械音みたいのを立てて部屋の主・綾野充は倒れてしまった。


42:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:37:40 1f4Y3Duf
「うーん…黒い…悪魔が…あく…うう……」
「うなされてるみたいだな。恐ろしい夢でも見てるのか?」
「姐さん。それはあんたの事で…ふぶっ」
鳩尾には真(まこと)の拳がめり込んでいる。
真のポリシーその1、終わった事は気にしない。
中田の意識が薄れていくのにも関わらず、充の顔をまじまじと眺めていた。
包帯やら絆創膏やらを適当に貼っつけただけなのでかなりちぐはぐだが。
というより、ほとんどの部分が見えていないのだ。
(最近男も軟弱化してきたな……こんなんじゃ日本の将来が心配だよ)
本人には自覚が無いが、周りの男達は知っている。
檜山の名がつく者には近づくなと。特に悪意とか危害を加える気が無くてもだ。
黒いスーツに身を包み、同業者からも恐れられる悪魔。
社員は、少し前に中田を専属で付けたので一安心していた。
取り立てられる債権者と付き添いで居る中田、明らかに中田の方がボロボロだが。
その『悪魔』は、目の前で寝ている男の子を見ている。
「ふぅ……とりあえず暴力ってのはまずいし……」
(暴力はまずい……そんな認識があったのか!? ゲバブッ)
「起きて騒がれると困るし……とりあえず帰るか。……ああ、踏んでたんだった」
足をどかすとそこには背中を踏まれていた中田がノびていた。
未だにうなされている包帯男を見やると、真はため息をつき外に出た。

43:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:38:09 1f4Y3Duf
「真ぉ……お前仕事しろよ」
「うるさいなぁ……相手が包帯グルグルでうんうん唸ってるんだぞ?話も聞けねえ」
「中田もその綾野のガキも、お前にやられたらしいじゃねえか」
「オヤジ。終わった事は仕方がない。前を向いて歩けよ」
2人が視線を外さず睨む先、盤上では銀将が王を追い詰めていた。
そして、強烈な一手。
「はい、王手な」
「くそおっ、やられた!こんな屈辱は生まれて初め」
机に突っ伏して頭を抱える真に、コツンと軽い拳骨をかます。
「コレで153戦全勝。ちっとは強くなれよ、真」
「くううぅぅぅ……」
負けた悔しさで悶える女と、余裕で煙草をふかす中年ダンディ。
界隈で恐れられる悪魔が二匹……とは思えない光景だった。
ここは檜山金融の事務所で1人は社長、1人は取立て屋。ついでに言えば、親子。
檜山龍一は真を抑えられる数少ない人間だった。
「真、いい加減結婚してくれねーかな。周りのやつらが恐がっててたまらん」
「……男なんて、いらん」
「いつからこんな風に育っちまったんだ……小2の時勇太君に振られた時か?中学の先輩に……」
言った途端、真の口から飲みかけのお茶がまるで間欠泉の如く勢い良く噴射された。

「てめえええええ!!!なんで知ってんだ!!!!!」
眼鏡にかかったお茶を拭きながら、掴みかかってきた真に笑ってみせる。
「ふふふ……親をなめるなよ。お前の事なんざ筒抜けなんだからな」
「こっ…の……ちくしょ…」
「お前は美代にそっくりだな。怒ると真っ赤になるし」
「………」
「頑固なあたりとかそっくりじゃねえか。はあ。誰かコイツを貰ってくれないかな」
「はいはい。大体、お袋は何でこんなオヤジと……」
「それはもちろんテクニックの勝利だろ。俺のテクとバズーカが合わされば敵う奴なんか……」
「もう聞いた。そして娘の前で言うことじゃないだろうが」
こんなオヤジの血を引いているなんてのは信じられない、と常々真は思っていた。
人に言わせれば十中八九、十くらいは「ソックリデス」と答えるだろう。
2人ともタチが悪いのは誰の目から見ても明らかだったのだ。
その日は結局、龍一に押し付けられた雑務をこなした後に帰ることになった。


44:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:38:44 1f4Y3Duf
「はいはい、綾野さーん。毎度お馴染み檜山さんですよー」
ドアをおずおずと開けて出てきたのは先日散々殴りつけた充。包帯は取れている。
「なんだ。いるじゃねーか。ほれ、金返せ」
玄関先から容赦なく上がりこんでソファにどっかと座り込んだ。
「まあ怪我させておいて言う台詞じゃないんだがな」
「お金は無いです……」
「全く、何に使ったかは知らないけどよ。契約ってのは守らないといけないんだ。親に習わなかったか?」
「親……親はいません……」
なんだ。俯いた顔が結構可愛い。
男らしいのが好みだったが、意外に変化球を食らってしまったな。
誤魔化す為にいつの間にかテーブルに出されていたコーヒーカップを手にする。
コーヒーは熱くて苦かったが、充の顔を見ていたら気にせず飲み干してしまった。
「ま、まあ気にすんなよ。な? 親なんていたってしょうがねーんだから」
「檜山さんの親御さんってどんなひとなんですか?」
「よく聞いてくれた。それがもう酷いのでさー……」
龍一の蛮行を語って聞かせてやると、充は笑ったり驚いたりしていた。
まあ普通の人からすれば理解できなかったり、論理的に無理だったりするし。
喋るのはあまり好きじゃなかったが、愚痴を言うのは結構楽しいものだ。
散々話した後、充の事も色々聞かせてもらった。
どうも似た親みたいで、破天荒な話ばかりだった。
まさか我が親以外に酔っ払って東京タワーに登る奴がいるとは…。
「む、もう5時じゃん。そろそろ帰る。親父がうるさくてな……」
「ああ、真さんの話聞いてたらあっという間だったね」
「じゃあまた来るからな。金用意しとけよ」



45:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:39:49 1f4Y3Duf
「あ、真さん。また来てくれたんですか」
「お前が金返さないから来るハメになったんだぞ」
「いやぁ、そんなに上手くいかないですよ。あ、コーヒー飲みます?」
「いや、金を……まあいいか」
ニコニコと笑う充を見ていると本来の仕事なんて馬鹿らしくなってしまった。
笑顔って銃とか刀より強い武器だと感じた。
コーヒーを啜っていると、予想外に綺麗な室内の様子が目に入ってくる。
前に看病まがいの事をしていた時は頭が回らなかったが。
もう既に何回もここには来たが、入ったのは3度目だし。
というか、この部屋には物が無さ過ぎだ。
家電はほとんど無いし、冷蔵庫とかも……どうやって生活してるんだ。
「食料はカップ麺ばっかりですよ」
視線に気付いたのかキッチンの方を見やって充は言う。
「あるのはコンロとかだけだからレパートリーが無くて……」
「大変だねぇ。今度何かつくってやろうか?」
……? 俺は何を言ってるんだろ。
男の部屋に食事を作りに来る……だと?
確かに気の弱そうな感じで何だか守ってやりたい気がするが…
あれ?何でこんなにすらっと言葉が出たのか?
頭がぐるぐるとしていて良くわからない事になってる。
「え?いいんですか?有難うございます、真さん」
ああ、その笑顔には弱いんだよなぁ……。
頼むから無意識にやるのはやめてくれぇ……。

家に帰ってからも、俺の調子は何だか狂いっぱなしだった。
意味も無く台所をうろうろしてみたり。
何を作ってやろうかなんて事を小一時間考えてみたり。
飯はこぼすし風呂は長くてのぼせるし……

46:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:40:51 1f4Y3Duf
なんなんだこれ。おかしい。
何とか眠ろうとすると充の顔が浮かんでくるし。
なんか胸の辺りがキュンと締め付けられる気がする。
誰かの事をこんなに考える事なんて無かった。
ずっと味わった事の無いような痺れるような感覚。
あれ? ……昔はこんなのがあったような。
いつだっけ? 小学生ん時? 中学生ん時? わからない。
何もかも良くわからなくなってしまった。
畜生。全部充のせいだ。こんなになっちまったのは。
なんか胸が熱い。本当に何なんだ、これ。
胸に手を当てると、いつもより速い鼓動が伝わってくる。
ついでに熱をもった胸の温度も。
熱い。それも特に胸の先端の方に集中している。

ボーっとしてるのは熱のせいだ、なんて考えてると右手が先端に触れる。
「ひゃっ!」
なんだ…今の声…俺の声じゃないみたいな……。
「や…何なんだよぉ…んんっ…んあっ…」
胸を弄るたびにむにゅむにゅ形を変える双乳。
あまり気にしたことは無かったが、形はいい方、だと思う。
「んん…ああ……あんっ…」
熱に浮かされたように、揉む事が頭の中で絶対的な位置を占めていく。
ベッドに突っ伏しながら、声を抑えて。
「…んむ…あ…んあっ…ん……」
指を動かす度、頭に白い波が押し寄せてくる。
他の事が、どんどん頭から抜け落ちていく。
胸の先端から伝わる刺激が、どうしようもなく甘美に頭に響く。
いい。
まるで自分の身体じゃないみたいな感覚。
気付けば声を抑える事も忘れ、こね回すことに夢中になっていた。
「んっ…あ…あ――!!!!」
そして、一際強い感覚を感じた後、視界が真っ暗になってしまった。


47:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:41:24 c5nPiFIf
そして今。俺は充の部屋の前にいる。
手に持った袋の中身は、散々悩んで選んだ食材の数々だ。
結局悩んだ末に質<数という極論に辿り着き、大量に買い込んでしまった。
あれから毎日夜に充を思い浮かべてしてしまうようになった。
それを思い起こすと恥ずかしくて、今もドアを叩くのをためらってしまう。
手の甲でドアを叩こうとして、やめて。叩こうとして……。
そんな事を30分もやっていただろうか。
ドアが唐突に開けられた。
出て来たのは充ではなく――女。
全てがすり抜けて落ちていく。
「真、さん?」
奥から充が出てきても。
その笑顔がいつもどおりだったとしても。
その傍らに、女がいたとしても。
何も感じられない。
全て失った気がして、真の身体は勝手に走り出していた。

バカらしい。
一人だけ舞い上がって空回りしていた。
充に彼女がいることなんか気にもせず、俺の前の充だけを信じて。
本当にバカみたいだ。中学のときにもうしないって思ったのに。
またやってしまっていたんだ。
ああ、これであの殺風景な部屋とも、淹れてくれるコーヒーとも。
あの屈託の無い笑顔ともおさらばなんだな。
何回か会って話しただけの関係なのに、恋人まがいの事を再現しようとしていた。
相手にされなくて当然なんだろう。
そう、俺は只の借金取りに戻る。
あいつから金を回収する事だけを考える、悪魔に戻るんだ。
そう割り切ろうとすると、余計に涙が溢れた。
失ってしまったんじゃない。元から無かったんだ。俺の居場所なんて。
それがさらに惨めだった。
泣いていると、後ろに人が立つ気配がした。

48:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:42:34 c5nPiFIf
「真さん」
追ってくるなよ。惨めじゃねえか。
「何で走り出したかわかんないけど、僕が何かしたなら謝るよ」
違う。お前のせいじゃなくてだな……。
「お願い。顔見せて話してよ」
こんな泣き顔見せれる訳ねえだろ馬鹿。
「御飯作ってくれるんでしょ?飯食べずに待ってたのに」
「……飯なら、彼女に作ってもらえればいいだろ」
「? 僕は彼女いない暦更新中なんだけど……」
「はへ?」
変な声がでた。何だそれ? さっきの女はなんだ。
「さっきのは姉なんだけど……」

「上京するから荷物預かってくれって言ってさ」
??
「見つかるとうるさいから真さんが来る前に返そうかとしてたら、真さんが……」

49:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:43:29 K3jVPcPP
俺の勘違い?
しかもなんてベタな。引っかかってしまった自分が恥ずかしい。
何なんだよ畜生! 作者の罠だったのか。
アホなのか俺はああああああああああああ!!!
あーイライラしてきた。
そういや最近人殴ってないな……充を殴って以来?
「真さん? ヘビッ」
「うるさい!お前がまっ、紛らわしいことするから悪いんだ!」
ああ、また殴ってしまった。
充は現状の把握に苦労している。
「え? え?」
「充が女連れ込んだと思って、泣いちゃったじゃねーか!涙返せ!」
「??」
「大体好きな男のトコ行ったら部屋から女が出てくる!!さあ想像しろ!!」
「そりゃあ嫌な…気分に…」
こうなったらヤケだ。ストレス発散してやる。
「そうだろ? 落ち着いて罠だなんて考えられねーだろ!?」
「はぁ……あれ真さん?」
「畜生!! 涙返せえええええ!!! 作者ああああああ!!!!」
「あの……真さん。落ち着いて下さい」
「ああ?なんだこら。殺されたいのか?」
真の横入りに充の笑顔はなんだか引きつり気味だった。
「勘違いが済んだところで……真さんの事が好きですよ、僕」

50:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:45:25 1f4Y3Duf
「……は? え? それってその?」
今日は疑問符がよく出る日だ。
しかし、今の告白は唐突な事でまともに喋れない。
「言ってたじゃないですか、好きな男がどうたらって。両思いじゃないですか」
「え、あ、あれはその……言葉の綾? というかその」
「じゃあ僕の勘違いって事ですか」
「いや違くてその、あの……」
真の顔は真っ赤になってしまう。
「す、すす好きに決まってるだろ」
「本当ですか?」
「ににに二度は言わない、からな」
「大丈夫ですよ。しっかり聞きましたから」
笑顔はいつもと同じ、無邪気な少年のそれだ。
「馬鹿。早く帰るぞ」
「え? もう帰っちゃうんですか? せっかく」
「だから馬鹿。その、料理作ってやるから」
「やった!」
付いて来る彼に何を作ってあげようか。
飯食べて、いつものコーヒーを飲んで。その後……
その後を考えて、思わず赤面してしまう真。
そんな真を笑顔で見つめながら、二人は並んで歩き始めた。

51:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/09/16 12:47:04 c5nPiFIf
取立てとか、遭ったことないんで正直わかんないんです ><
ごめんなさい。

52:名無しさん@ピンキー
07/09/16 14:04:54 DYi2nRyq
ある人のほうが少ないと思います><
GJです><

53:名無しさん@ピンキー
07/09/16 14:08:03 DYi2nRyq
ある人のほうが少ないと思います><
GJです><

54:名無しさん@ピンキー
07/09/16 15:16:39 XZ8pWdR5
自分もないです><
GJです><

55:名無しさん@ピンキー
07/09/16 16:46:38 rfRJovKM
自分ちの隣に押しかけて来やがったのなら見た事有ります><
GJです><

56:名無しさん@ピンキー
07/09/16 16:54:01 S8MPPlhi
自分ちに来そうになった事ならあります><
GJです><

57:名無しさん@ピンキー
07/09/16 17:00:45 409lvIFi
違法なくせに法的手続きをとるとか頭悪いメールを30分毎に送ってくる詐欺業者位しか知りません><
GJです><

58:名無しさん@ピンキー
07/09/16 17:14:25 Hz/cyBe6
「その後」の部分は省略ですか?><
GJです><


…こういう流れでOK?w

59:名無しさん@ピンキー
07/09/16 17:47:05 ehrXF+4K
いつかカレーワッフルが流れを止めに来るのでOKです><
GJです><


60:名無しさん@ピンキー
07/09/16 18:13:36 0PDhRrv5
>>51
読んでてこっ恥ずかしくなるくらいGJです><

61:名無しさん@ピンキー
07/09/16 23:54:03 N+9idZea
法的手段に訴えれば逆に勝てる場合が多かったりします
GJです><

62:名無しさん@ピンキー
07/09/17 03:22:27 7QZUWoS7
こっちが反撃するだけの知性があると判った途端に逃げ出すから無理です><
GJです><

63:名無しさん@ピンキー
07/09/17 03:31:33 GFlemuas
おいしかったですごちそうさま

64:名無しさん@ピンキー
07/09/17 23:14:23 G3SJeTyz
>>63
殺してでも奪うです><

65:名無しさん@ピンキー
07/09/17 23:27:57 VjbZcZR9
朝○新聞とかN○Kとかの勧誘なら毎月来ます><
GJです><

66:名無しさん@ピンキー
07/09/18 04:23:23 GTVp5bPj
今エウレカ見てて思ったんだが、ラストのアネモネっていい感じじゃね?

67:名無しさん@ピンキー
07/09/18 13:45:02 iJ/A3/ZU
ドミニクのことかー!

68:名無しさん@ピンキー
07/09/18 13:55:04 4EWOl1r+
なんつーか、素敵だよな。
マンガだと、ドミニク(20)死んじゃうんだよ・・・


69:名無しさん@ピンキー
07/09/18 17:46:54 2msGRWuT
ACE3でなら知ってる

70:名無しさん@ピンキー
07/09/18 17:56:33 YoEswN4K
>>68
え?まじで?ちょっと漫画版買ってくる

71:名無しさん@ピンキー
07/09/18 18:08:23 A8/rkyna
>>51
真さんをらきすたに出てきたゴットゥーザ様に置き換えて読んでました><
GJです><

72:名無しさん@ピンキー
07/09/18 19:10:26 fuXJ2uIK
エウレカはアニメ版、ノベル版、漫画版と後に行くにつれて主人公ペアとかが・・・

73:名無しさん@ピンキー
07/09/18 22:08:44 +nMYdbGG
ドミニクはたちかよ!

74:名無しさん@ピンキー
07/09/19 08:25:29 uRvhXx4K
牡牛座のアルデバランと同じ年齢か・・・

75:なおみくんNG(1/1)
07/09/19 19:09:22 QpCTK3Sk
「なっおっみー、起きてる~?」

コンコンと姉貴が俺の部屋のドアをノックする。

ガチャっとドアを開けて姉貴が入ってくる。
その手に持っているのは間違いなくお盆だった。

「それ、姉ちゃんが・・・?」

姉貴の料理を見たのは久しぶりだ。
結構前に姉貴の料理をまずいって言って以来な気がする。

「紛うことなく、お姉ちゃんの手作りだよ~ん。」

そう言って見せた、姉貴のお盆に乗っていたのは、おかゆだった。
まあ、普通の料理を作られても今の俺には食える気がしない。
風邪を引いているからだ。
俺の風邪は症状からして、間違いなく姉貴から移ったものだ。
姉貴は一日で全快したというのに、俺は未だに、この風邪から立ち直れないでいる。

俺は姉貴のおかゆを一口食べた。

「おいしい?」

「う、うん。」

とてもお世辞にもおいしいと言える出来ではない。
水っぽいし、塩気も足りてない。
だけど、姉貴の期待に満ちた眼差しを見ると、正直には答えられなかった。

「お姉ちゃんにも一口頂戴。」

姉貴は俺の手から蓮華をひったくると、おかゆもどきを一口食べた。
かちゃんと、力なく滑り落ちた蓮華がお茶碗の中で音を立てた。

「ごめん! ほんっとうにごめんね。」

たしかに、謝らなきゃすまないレベルの料理ではある。
だけど、姉貴にそこまで謝られるのは心苦しい気がした。

「いいよ、食べれないことはないし。」

まずいけれど、食べれないことはない。
それに、一応は、おかゆなんだから栄養的には問題ないだろう。

「ごちそうさまでした。」

おかゆもどきをなんとか食べ終えた俺は、姉貴に手を合わせてそう言った。
俺のために料理を作ってくれた姉貴に感謝を込めて。

「ごめんね、なおみ。 お姉ちゃんもっと料理うまくなるから。」
「明日は、もっとおいしいおかゆを作るからっ。」

姉貴はぽろぽろと涙をこぼしながら言った。
できたら、作らないでほしいとか、俺には言えなかった。

こうなると、天に祈るほかない。
明日までに風邪が治りますように。
それが駄目なら、姉ちゃんの料理が今日よりはましでありますように、と。

76:名無しさん@ピンキー
07/09/21 21:01:26 bgMiVG6Y
ほしゅ

77:名無しさん@ピンキー
07/09/22 21:33:31 F5wbSJ+w
結構間が空いてしまったのですが、前スレ>>758-760、>>806-810を覚えていてくれた方がいらっしゃられたら幸いです。
相も変わらずエロも恋愛もないですが。


78:オレンジジュースの憧憬
07/09/22 21:34:47 F5wbSJ+w
ざわめく教室。
電子音のチャイム。
赤みがかってきた空。
――その全てが、もうあたしには縁遠くなることだ、なーんて感慨に浸るのはキャラに合わないかな。
……でも、そのキャラに合わない事をしたくなってしまうわけで。

頬杖をついて仰ぎ見る。
…………別に、何をってわけじゃないけど。
ただ、ここで過ごした年月の間に育んだ、幾つかのものとの名残を惜しんだのかもしれないなあ。
……卒業の打ち上げに行かなくちゃならないのは分かってるけど、少しくらいは遅れても大丈夫なはず。
あたしはいてもいなくても特に誰にも惜しまれない。そうなるように暮らしてきたんだから。
教室に残っているのはもうほんの少しだけ。
……この連中とも、もう会うことはないかもしれない。
人間なんて簡単に死ぬ。よく銃弾一発で~なんて言うけれど、そんなもの持ち出すまでもない。
更に言うなら、交通事故とか不治の病とか、そんなドラマチックなシチュエーションでなくとも死は身近にある。

あたしが望んで、でも、結局手に入れようとすらしなかったもの。
持っていないからこそ、大事にすべき関係。
そんな大切な相手だって結局は同じだ。
もう会えないなんてのは、良くあること。

だから、あたしは納得したい。今の間柄に。
自分が納得して得た結末なら、たとえ第一希望でなくても安心は出来る。
話そう。とにかく話そう。
――あたしがこいつにコクりさえせずに見送ったという事実を、受け入れる為に。

「や、景気はどうよお二人とも。あんた達は壮行会来ないんでしょ?」
後腐れない気楽な笑いで呼びかける。
目の前の二人の内、一人はあたしの友人だ。
もう一人はそいつの相方。一生涯の、という修飾がつく関係の。
……あたしが、挑戦することさえなく諦めた立場。
友人は相も変わらず不景気そうな顔つきでこっちを向く。

「……ん、ああ……、なんとかやってるな。どうにかこうにかアパートも見つかったし、な」
「……え、えっと…………、こんにちわ……」
友人っていうには付き合いの浅いこの子は、小動物みたいに目の前の友人の後ろに隠れてしまう。
……うん。頼りにされてるみたいでなにより、かな。
積極性に乏しいこいつの事だから、守る対象がそばに居るっていうのはそれだけでいいことだと思う。
こいつにそんな事を思わせられるってだけで、あたしはこの子を認めるにやぶさかじゃない。
あたしには、とてもできないことだから。

そんな思考を顔を出さないようにしながら快活な態度を維持してみれば、
「それよりお前、何でここにいるんだ? 打ち上げに行かないとまずいだろう」
なーんて、面白みも何もないことを言われた。
無愛想。その言葉がこいつに一番合うだろうけど、実の所それだけじゃない。
いや、それくらいしか当てはまらないからこそ、際立つものが一つある。
だから、あたしはこいつのことを気に入ったんだと、そう思う。

「それとも、俺と別れるのが寂しいとかか?」
にやりとした笑い。
…………変わったわね。
こんな冗談言う人間じゃなかったんだけどな。
それだけ余裕が出来たのも、この子のおかげかしらね。
……だったら。
……そんな大切な人にこんな扱いはないでしょうが、全く。



79:オレンジジュースの憧憬
07/09/22 21:38:52 F5wbSJ+w
はあ、と思いっきり溜息を見せ付けて口を開く。
「あーのーねー! そういう冗談はやめときなさいって! もっとその子の事思いやってあげなさいよ、不安にさせてどーすんの!」
腰に手を当てて睨んでやると、バカはそっぽを向いている。……あのさー、ほっぺを掻いたくらいで誤魔化せると思ってんの?
こんな調子じゃこの子に迷惑かけっぱなしになるんじゃないかって心配になるわよ、ったく……。
そんな気遣いをしながらその子の方を見てみれば、
「あの、えっと、わ、私はそんな事ないって信じてるから、大丈夫だから……」
なーんて苦笑いをしてる。
……うん、いい奥さん貰ったわ、あんたも。

それはそうと、とりのあえずは。
「……ま、べっつにちょっとくらい遅れても何とかなるでしょ。あたしがリーダーって訳じゃないしね。そもそもあたしにゃ友達あんまり居ないし」
なにはともあれ軌道修正を。思うままに答えとけばいい。
さて、ここからどんな話をしようかね。もちっと考えてくれば良かったかな。
そんな風な事を考えてたけど、あちらさんは妙な顔でこっちを見てる。
「……お前のどこが友達が少ないって言うんだ。お前ほど誰からも悪感情持たれていない人間なんてそうはいないぞ。
正直、友人として非常に高評価を与えても構わないんだが」

……くっくっく、全く、だーからこいつは……。よくまあ、歯の浮きそうな事を平気で言えるもんだわ。
ま、あたしへの評価はともかく、他はあながち間違ってないかもね。そうなるように頑張ったんだから。
でも、結局それは、
「……顔が広い=友達が多いって訳じゃないわよ。
テキトーに、どうでもいい事でくっちゃべって。別に敵意を持たれない……、そんなだけの関係って、本当に友達って言えるのかって思うんだけどね」

……あー、嫌な人間だなあ、あたし。友達と思ってくれてる人間を、あたしは友達と見なしてもいないって事と同じじゃない。
……みんなの輪の中心にいるって事は、輪にいる誰とも手を繋いでいないって事。
そんな、手と手を取り合えるような関係をあたしは欲しがらなかった。……それだけの話。
でも、目の前のこいつもみんなの輪から外れたところを選んだ人間な訳で。

「……その基準で言うなら、この世の大部分の人間は友人が居ないってことになるんじゃないか?」
「…………。確かに、そうかもね」
少し笑えてくる。ある意味あたしはとても傲慢だから。だけど、それでも。
「でも……」
あたしは幸福だ。だって、
「少なくとも、こんな暴論言えるあんたを、あたしは友達だと思ってるわよ」
……そう、こいつは、誰に対しても不器用だけど、その分自分のスタンスを確立できている人間だ。
誰からも1歩離れた人間だからこそ、本音をこうやって話しても揺らがない。
どちらも人と深い付き合いのない人間ゆえに。逆説的だけど、地に足のついたしっかりとした信頼関係を築けてた。
…………そんな、適度な距離感が心地よくて、結局あたしは踏み込まなかった。

「……光栄な話だな」
そして彼は軽く笑って、とても嬉しい一言を言ってくれる。
「まあ、俺もお前が友人っていうのは悪くないかな」
……うん。あたしにはそれで十分。
これで全部けじめはついた。あとは楽しい話をして、これで終わりにしよう。こいつに、あたし自身に、いい友達だったって言う素敵な関係を残す為に。

「ん……、そりゃあたしもありがたいわね。先輩とかあのシスコンとかも友達だと思ってるけど、やっぱりあんたが一番気楽に話せるわ」
すう、と息を少しだけ強めに吸って、静かに吐き出す。
「……ま、次にいつ会えるか分かんないけどさ」
しっかりと目と目を合わせて、
「一緒にお酒でも飲めるような間柄をさ、ずっと続けられたらいいなって思うわよ」
親指を立ててウィンク。
――最高の友人に、最大の親愛を。

「………そうだな。また、いつか会いたいな」
目の前のこいつは、そう言って。
「東京に行っても、多分お前は忘れられんだろうしな」
くっくと、何となく皮肉っぽい笑いで別れをした。

……こんな事のできる関係は、やっぱりいいものだなあ。
心の底から、……そう、信じたい。

80:オレンジジュースの憧憬
07/09/22 21:39:38 F5wbSJ+w



そうして、教室を出てさよなら。
次この人たちと会うときは全てが思い出になった後。
……そう思ったんだけど。
――世の中は、あんまり思う通りには動いてくれないわけで。


校門を出る前に、学校を一周。
そんな事を思い立ったあたしは、躊躇いもなく実行に移す。
……その途中。
誰一人いない裏庭で、後ろから足音がする。
――あたしの他にも、感傷的な人間がいるのかな。
そんな事を思ったけど、別段気に留めることなくぼうっとしていた。
そうし続けるつもりだったのに、できなかった。

「あ……あの……!」
呼びかける、呼び止める声。聞き覚えのある高めの声は、あたしの苗字を呼んでいた。
……なんでだろう。
疑問は止まらないけれど、自問で世の中が回る試しはない。
何も言えないまま、そのまま後ろを振り向いた先。
そこには、あいつの隣にいるはずのあの子がいた。


はあ、はあ、と、走ってきたのか息を切らせている彼女。
彼は側にいない。ここの所、ずっと一緒にいたはずなのに。
……心配すべき人間が、ここにはいない。
ちょっと心配になったので、近寄って軽く背中をさすってあげる事にした。

「ほらほらちょっと、どーしたのよ一人で。はい、ゆっくり息吸ってー、吐いてー……」
「す、すみませ……、は……は……」
十秒、二十秒、三十秒を数えた辺りで呼吸が落ち着いてきたので、顔を覗き込む。
その瞬間、
「あ……」
びくり、と体を震わせて、彼女は身を引いてしまう。
……ま、しょうがないか。
引っ込み思案な子なのはそんなに接した事のないあたしでも分かる。
無理させたら可哀相だしね。
そんな事を思った瞬間、

「す、すみません! あの、えっと……その……」
ぎゅっと唇を締め、手を握り締めて、あたしの目の前に一歩、踏み出す。
……芯の強い子だな、そう感じた。
この子は、一人でも動ける子なんだ。ただ守られるだけじゃない。
……あたしの目は、結局節穴でしかないって、そう思い知らされた。
自分のことをしっかりこなした上で、相手に尽くしあえる関係。
――羨ましいなあ、と感じる。

いずれにせよ、追いかけてきたって事はその理由があるはず。
……あたしに、何の用だろう。
…………聞いてみるしかないよね。
そう思って尋ねようと、
「ねえ……、」
話しかけた時。

「あの! ……あなたは、あの人の事が好きなんですか!?」


81:オレンジジュースの憧憬
07/09/22 21:40:17 F5wbSJ+w

――時間が、止まった気がした。
動けなかったのは何秒だろう。
……多分、実際はコンマ秒単位。
あたしはもう、覚悟をしてた。この想いを隠し通す事への。
長い長い時間に感じられたけど、それでも即座にこう誤魔化すのは凄い楽に出来た。

「あらら、そう見える? いやまあ、確かに友達としては凄い気にってるけどね~」
口元だけで笑ってみせる。
……うん、いつもの調子だ。軽口レベル。
本気と思われなければそれでいい。あいつの幸せをぶち壊したくなんてない。
ねえ、これで、この答えでいいでしょ? 自分からその幸せを壊しに来てどうすんの。
納得して自分の道を歩いていって、ね?
「変な誤解させちゃったら謝るわよ、ごめんね。
……でも、そんな風に見えた? あたしとあいつの関係」

……そういうそぶりは見せないように努力してきたはずなんだけどな。
鈍感じゃないあいつだって、気づいているかいないか微妙な所のはず。
ほぼ初対面のこの子に分かるとは思えないんだけど。

ふるふる。
やっぱりね。
目の前のこの子は、首の動きだけでそう見えなかったと告げている。
……でも、しっかりと。
口に出して、こう言った。

「……そう見えないから。そんなそぶりがなさすぎるから、おかしいの……!
あんなに仲がいいのに、男の子と女の子でそれだけ仲がいいのに、そういう気持ちが感じられなかったから……」

――何も言えなかった。
何も言わなかった。
向かい合ってどれだけ経っただろう。
……多分、10分はそのままだった。
事実を否定するなんて、あたしには出来なかったから。

それだけの時間を沈黙でやり過ごし、……どうにかあたしはこれだけを言えた。
「……そんな事を聞いて、どうするの?」
……自分で分かる。涙声だ。
…………みっともないなあ。最後まで、抱えていくつもりだったのに。
やっぱりあたしは弱い。臆病だ。
だからこそ重荷になりたくなくて、それ以上にあいつのそばにいる自信がなくて、こうなる事を選んだのに。
……これじゃあ、あんまりに役立たずじゃない。この子にそんな自分の弱い所を背負わせてどうするのよ。
何の気負いもなく、幸せになってもらいたかったのに。
――どうして、こんな事を言わないでいることすら出来ないのよ……!


82:オレンジジュースの憧憬
07/09/22 21:40:51 F5wbSJ+w

「……だって、誰かが幸せになれないなんて、悲しいから……!
私は、……そう思うの。
だって、もしあなたがあの人を好きなら、あの人、私じゃなくてあなたを選ぶかもしれないよ?
それだけ仲がいいもん。私には、あんな風に気軽に話なんて出来ないし……。
そうやってあの人が一番幸せになれる道を選んだなら、私はそれでも納得できるの。
……私、あの人の事が好きだから。好きな人が幸せになれるなら、どんな形でも協力したいから。
……あなたが、辛い思いをする必要も無くなるから……」



――ああ、なんだ。
……よかった。この子になら、あいつを任せられる。
……安心できたなあ。うん、きっと、あたしの想いを託しても大丈夫。
もう泣く必要なんてない。
笑おう。笑って見送ろう。
見ているだけだった未来に、この子なら、この子とあいつなら、きっと辿り着いてくれるから。


「……ねえ、一つ、いいかな」
「……え?」

声色も落ち着いてる。……これなら大丈夫。
目に涙もない。OK、100点の笑みが出来てる。
よし、あたしは最高に幸せだ! 
……だって、

「……返事は次、会ったときでいいからさ。……友達になれないかな、あなたとあたし。
多分だけどさ、きっと仲良くなれるから」
「あ…………、」

――自分の夢を託せる友達を、二人も持つ事ができたんだから――


「……はい…………!」





83:名無しさん@ピンキー
07/09/22 21:41:51 F5wbSJ+w
というわけで、過去のお話でした。
……なんというか、回りくどすぎて受け付けない人も多いとは思いますが。楽しんでいただけたらこれ幸い。

84:名無しさん@ピンキー
07/09/23 00:35:52 VnH2ZsFA
これだけでもとてもいい話
もしかして過去の何かの作品と関連があるんでしょうか?

85:名無しさん@ピンキー
07/09/23 01:42:09 nhYCWu4T
>>84
--
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第7章
スレリンク(eroparo板:758番)-760,806-810
--

>>83
GJ!
もっとこの人達のお話を読みたくなってきますよ。
二人の今後もだし、今回よりもう少し前の話も。

86:名無しさん@ピンキー
07/09/23 01:47:45 eumIkMoc
>>84
>>77にも書いてあるけど、前スレの↓この2作の外伝みたいな感じ。
「ラスティ・ネイルを2杯目に」
スレリンク(eroparo板:758番)-760
「ビールで日常に乾杯を」
スレリンク(eroparo板:806番)-810

>>83
待ってましたー
「ラスティ~」「ビール~」の二人が学生だった頃、亡くなった「あいつ」が存命だった頃ですよね。
こういう話があるとメインのお話にも厚みがでるんだよなー
そしてイイハナシだ… GJ!でした。

メインの方の続き、あるんですよね?w

87:名無しさん@ピンキー
07/09/23 01:48:38 eumIkMoc
かぶった… リロード… すまんです。

88:名無しさん@ピンキー
07/09/23 07:47:37 dbm6zqBe
保守

89:名無しさん@ピンキー
07/09/23 11:39:27 gAfQ5yir
ついに桐野と喜多さんを夢にまで見るようになったよ。
結婚後なのか、自宅で家庭菜園を営んでいた。

90:名無しさん@ピンキー
07/09/23 12:23:29 GkGCSLFh
ツクバさん、更新されました

91:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:32:22 Z1Izrbh9
>90

ありがとう、愛してる

92:ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:47:35 urD+oL4g
>>83氏、いいですねぇ、自分の気持ちを抑えて笑顔を見せれる、こういう大人な女性、大好きですよ。
是非幸せにしてあげてください!自分もいつかは落ち着いた女性を書いてみたいものです。


自分も1本書けましたので投下したいと思います。

93:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:49:03 urD+oL4g
 フンフフ~ン、今日は楽しいで・ぇ・と!むっふふふ……朝まで寝させないわ。
今日こそはたっぷりと子宮に出してもらって、既成事実を作るのよ!
二人の愛の結晶を作り……学生結婚よ!今日こそ子宮を俊の愛で満たすのよ!
むふぅ~!むふぅ~!失敗は許されないわ!出来る!アナタなら出来るわ!
ラインフォード家の名に賭けて、必ずやるのよ、シーリス!

 服装をチェックするために鏡を見て気合いを入れ、決意を新たに部屋を出る。
今日こそは……この351回目のデートで決めてやるわ!中出し、そして妊娠よ!
決意を新たに部屋を出た午前10時。今日こそはやり遂げてみせるわ!
……午前10時?やばっ!待ち合わせが10時だったわ!急がなきゃ~!


 アタシ、シーリス・A・ラインフォードと愛しの彼、山薙俊との運命の出会いは、アタシ達がまだ六歳の頃だったわ。
パパの実家に遊びに来ていたアタシは、退屈な大人たちの会話から抜け出して、公園に遊びに行ったの。
アタシの国には日本みたいな公園がないから、すっごく楽しかったわ。
けど楽しかったのは最初だけ。アタシを見た悪ガキどもが言い掛かりをつけつきたの。

「うわっ!へんな色の髪をしたヤツがいるぞ!きっと悪の手下だ!」っていじめてきたの。

 アタシはなぜいじめられるのか理由も分からず、泣くことしか出来なかったわ。

「なんでイジワルするの?アタシ、なにかわるいことしたの?」ってね。

 けどね、そこに現われたの!アタシを助けてくれた正義のナイト様が!
アタシの髪を引っ張ったりしていた悪ガキを蹴散らし、アタシを助けてくれたの!
はぁぁ~……あの時の俊、すっごくカッコよかったぁ~。
悪ガキを蹴散らした俊は、泣きじゃくってるアタシの髪を撫でてくれてこう言ったの。

「ぼく、きれいな髪だいすきだよ!すっごくきれいな色してるよ!」ってね。

 知らない男の子に髪を撫でられドキドキが止まらなくなったの。
アタシは訳が分からなくなり走って逃げたしたわ。けどずっとドキドキは納まらなかったの。
納まらないどころか助けてくれた男の子の顔を思い浮べるだけでさらに激しくドキドキしだしたの。
もしかしてヘンな病気になっちゃったんじゃないの?そう思いママに相談したわ。

「アンタ、大変な病気にかかっちゃったわね。その病気は医者じゃ治せないわよ?
明日、その男の子に会いに行きなさい」

 こう言われたの。アタシは訳も分からずママの言うとおりに、公園へ男の子に会いに行ったわ。
あの子に会えると考えただけで、ますますドキドキしだしたの。けど公園にあの子はいなかったわ。
アタシはそんなに広くない公園の中を必死に探したわ。けどいなかったの。
まだ来てないんだ、そう思って待ったわ。何時間も待ったわ。でも夕方になってもあの子は来なかった。
もう会えないんだ……そう考えただけでアタシはわんわん泣いてしまったの。
そんな時、ついにあの男の子が現われたの!

「どうしたの?またイジワルされたの?ぼく、きれいな髪だいすきだよ!」ってね。

 ウフフ……嬉しかったなぁ。「なんで公園にいないのよ!」って泣きながら抱きついちゃったしね。
彼はそんなアタシを励ますために、髪を撫でながら何度も「すっごくきれいだね!」って言ってくれたの。
それから夕日が沈むまでの短い間、アタシたちは公園で遊んだわ。
短い時間だったけど、すっごく楽しかったぁ。けどママが迎えに来ちゃったの。
迎えに来たママが「昨日のお礼はしたの?」って聞いてきたわ。
「まだしてない」って言ったら「じゃあお礼のキスしてあげなさい」って言ってきたの。
アタシは『この子にキスするの?』と考えただけで顔が熱くなり、胸がドキドキでノドがカラカラになったわ。
でも俊が言った言葉で泣きじゃくってしまったのよね。

94:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:50:08 urD+oL4g
「きすってけっこんする人たちがすることだよね?ぼく、けっこんしないからできないよ」ってね。

 俊ったら、あの頃からすっごく真面目だったんだから……真面目な俊、ダイスキよ!
俊に拒否されすっごく悲しくなって、アタシはわんわんと泣いたわ。
泣きじゃくってるアタシを見ておろおろする俊に、ママがこう言ったの。

「これはキスしてあげなきゃ泣き止まないわね。アンタのせいよ?
男の子なんだからキスして責任取りなさい!」

 ……さすがはママね、6歳児を追い込む台詞を言うなんて。
ママに追い込まれた俊は、慌ててアタシの頬にチュッてしてくれたの。
さすがに唇にはしてくれなかったけど、アタシは大満足で泣き止んだわ。そしてこう言ってやったわ。

「アタシにキスしたんだから、せきにんとりなさいよ!」ってね。

 実はママが言ったことを意味も分からずに言っただけなんだけどね。俊も意味も分からずに頷いたわ。
それからはアタシが国に帰るまで毎日遊んで、毎日頬にキスしたわ。
ホントは唇にしてほしかったんだけど『それはけっこんしてからだよ』って俊が言うのよ。
アタシはそんな真面目で素敵な俊に言ってやったわ。

「じゃあ今すぐけっこんするわよ!それでもんくないでしょ?」
「けっこんはおとながすることだよ。ぼくたちはまだ早いよ」
「むぅぅ~、じゃあおとなになったらアタシとけっこんしなさいよね!」
「うん!ぼく、しーりすちゃんが大好きだからうれしいよ!」

 不覚にもアタシは俊にダイスキと言われて初めて気が付いたのよね。
アタシは俊のことがスキなんだってね。
けどアタシは日本に遊びに来ていただけで、すぐに国に帰らなきゃいけない。でも俊とは離れたくない!
アタシはどうすればいいか分からずに、泣きながらママに相談したの。

「お家に帰りたくない!俊と離れたくないよぉ~!」ってね。

 そんなアタシにママは冷たく言い放ったわ。

「俊くんと離れるのが辛いでしょ?それが恋の病よ。ママもパパが日本に帰る時すっごく辛かったから分かるわ。
でもね、アンタはまだ子供よ、屋敷に帰らなきゃいけないわ」

 ママの冷たい言葉にアタシはわんわん泣きじゃくったわ。
でもね、さすがはママね。アタシにこう言ってくれたの。

「ママがパパを物にしたのが13歳の時よ。だからアンタも13歳になるまで待ちなさい。
13歳になったら屋敷を出てもいいわ。日本に住むなり好きにしなさい。
ま、その時までアンタが俊くんを好きかどうか分かんないけどね」

 ママの言葉にアタシは飛び上がって喜んだわ。
13歳まで我慢すれば俊と一緒にいられる!ずっと一緒なんだ!ってね。
けど現実は上手くいかないものなのよね。
13歳になり日本に引っ越してきて、俊と同じ学校に転向してきたんだけど、俊はアタシのことを忘れていたの。
……逆に燃えたわ。このアタシを忘れるなんて、いい度胸してるじゃないの!
さすがはアタシの俊ね!絶対に物にしてみせるわ!ってね。
俊と同じ学校に転向してきた日、クラス中に『俊はアタシの物よ!』って宣戦布告したの。
……まさかあんな強烈なライバルがいるなんて、思いもしなかったわ。
それに同じクラスに恐怖の説教鬼がいるなんて……思い出しただけで吐き気がするわ。
でも今では二人ともアタシの大事な親友。ウフフフ、ホントに日本に来てよかったわ!
俊だけじゃなく、親友が二人も出来たんだからね!

 俊との待ち合わせ場所に向かいながら昔を懐かしむ。って懐かしんでる場合じゃないわ、急がなきゃ!

95:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:51:03 urD+oL4g
「ねぇ外人さん、ニコニコしてご機嫌だね?オレたちとどっか遊び行かない?」
「君ってすっげぇ美人だね。もしかしてモデル?綺麗な金髪だね」

 先を急ぐアタシに2匹のバカが声をかけてきたわ。残念ながらバカの相手をしてる暇はないのよ!

「なんで無視すんだよ!ちょっとくらい遊ぼうぜ」
「そうそう、オレらと遊んで気持ちいいことしない?オレら、意外といいもん持ってるぜ?
アンタみたいな金髪ちゃんも大満足出来るって!」

 下品な下ネタを言って、あひゃひゃひゃと笑う害虫2匹。アタシはそんな2匹に警告を出す。

「うっさい!アタシは今からデートなの!……これ以上邪魔するようなら潰すわよ」
「おお~怖い怖い!オレら潰されちまうの?」
「いいじゃんか、そのデート、オレらとしようぜ。相手はどうせショボい男なんだろ?
満足させてやるか……ギャン!」

 ……ショボい?俊のことをショボいと言ったのか!
俊を貶した害虫の顔面にハイキックをたたき込む!『グシャ!』っと足に感じる会心の一撃!
その瞬間、まるで糸が切れた操り人形のように膝から崩れ落ちる害虫。

「潰すって言ったわよね?感謝しなさい。このシーリス・A・ラインフォードに潰してもらえた幸運を!」

 ピクピクと痙攣してる害虫に対しての決めセリフ。ふっ、決まったわ!
そういえば今のキック、上手く体重移動が出来てたんじゃないの?
今までにない手応えだったわね、忘れないうちにものなしなきゃ!

「そこのアンタ!震えてないでその虫を立たせなさい!」
「は、ははははいぃぃ!」

 ガタガタ震えてる虫がピクピク痙攣してる害虫を無理矢理立たせる。
おし!忘れないために復習行くわよ!セィィィ~!グチャ!

「ヒ、ヒィィ!隆也が!隆也がぁ!」
「う~ん、イマイチね。何がいけないんだろ?腰の回転が上手くいってないのかな?
さ、次行くわよ。さっさと立たせなさい!」
「スンマセン!勘弁してください!これ以上やられたら隆也が死んじまう!」
「害虫1匹死ぬのがどうしたの?それがアタシと俊の愛になんか関係あんの?ないでしょうが!
さっさと立たせるのよ!それともアンタがやられたいの?」
「は、はひぃぃ」
「ぐずぐすしてんじゃないわよ!セィィィ!グシャ!」
「ヒィ!隆也が!隆也がぁ!」
「次ぃぃ!さっさと立たせる!そりゃあ~!グジャ!」
「顔が!隆也の顔がぁぁ!」

 ダメだわ、手応えが違うわ。アタシのキック、何がいけないんだろ?
師匠とどこが違うんだろ?やっぱ体重移動がスムーズにいってないのかな?
う~ん、分かんないわ。師匠に相談しなきゃいけないわね。
っと、こんなことしてる暇はないんだったわ!急がなきゃ俊に嫌われちゃう!

「アンタ、今日はこれで許してあげるわ。命があるだけ感謝しなさい。
ただし、またアタシの邪魔をしようものなら覚悟しなさいよ?
アンタ達の親、兄弟、親戚……血の繋がりのあるも全てを叩き潰すわ。
約束してあげる。ラインフォードの名にかけて、アンタ達の一族から永遠に平穏という言葉を奪い去ることを」

 ガタガタ震える害虫に忠告をしてその場を去る。マズイわ!つい遊びすぎちゃった!俊、怒ってないかな?

96:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:52:43 urD+oL4g
 駅前の広場、噴水の前がいつもの待ち合わせ場所。害虫駆除してたせいで、約束の時間から一時間遅れちゃった。
俊、怒ってないかな?待っててくれてるのかな?
ドキドキしながら俊を探す。……いたわ!ベンチに腰を掛けて本を読んでるわ!
本を読むその真剣な顔が……カッコイイ!俊!カッコイイのよ!

「しゅん~!ダイスキ~!」
「わ!シ、シーリス?ちょっと抱きつかないで……んぷ!」
「ん、ちゅ、すきぃ……俊、だいすきぃ~!」

 14時間ぶりに会う俊は、カッコよさが三割増しになってる気がするわね。
俊!カッコよすぎなのよ!ダイスキなのよぉぉ~!
あまりの俊のカッコよさに我慢が出来ず、キスの雨を振らせる。
そんなアタシをやんわりと突き返す俊。なんで?なんでそんなイジワルするのよ!

「こら、人前でキスしちゃダメだと前から言ってるよね?いい加減にしないと……怒るよ?」
「むぅぅ、俊のケチ!キスくらい好きにしていいじゃないの!でも、そんな堅物な俊が……ダイスキ!」

 真っ赤な顔でアタシを叱る俊。
ウフフ、俊の恥ずかしがり屋さん!夜とは全く違うわね。けどそこが魅力の一つなのよね!

「今日はかなり遅いから心配しちゃったよ。寝坊でもしたの?」
「しゅん~、怖かったのぉ。ヘンな2人に無理やりナンパされちゃったの」
「ええええ?シーリス、変な事とかされなかった?大丈夫?その……相手の2人は大丈夫なの?」

 アタシの言葉に驚いて、心配してくれる優しい俊。そんな優しい俊がダイスキなの!

「もっちろん大丈夫よ!1人を病院送りにしてあげたわ!」
「そ、そうなんだ、病院送りにしちゃったんだ。……それよりそろそろ映画館に行こうよ。
早く行かなきゃシーリスが見たがってた映画、始まっちゃうよ」
「え?まだ時間間に合うの?アタシ、少し遅刻しちゃったからダメかなって諦めてたわ」
「シーリスが遅れてくるのは折り込み済みだよ、だから早めの待ち合わせにしたんだ。
それに……その方が長く一緒にいられるからね」
「し、俊……しゅん~!うれしいよぉ~!」
「うわ!だから人前でキスは……んぷ!」

 アタシも俊とずっと一緒にいたいわ!しゅん~!ダイスキよ~!

97:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:53:32 urD+oL4g
「面白い映画だったね」
「うん、すっごくカッコよかったぁ~」

 暗闇の中、真剣な眼差しでスクリーンを見つめる俊。すっごくカッコよかったぁ~。
正直、俊の横顔に夢中で映画なんて見てないわ。
暗闇の中で見る俊の凛々しい横顔……これぞ芸術よ!お金をいくら払ってでも見ていたいわ!
はぁぁ~……俊、カッコイイのにも程があるわ。おかげで映画をまったく見れなかったじゃないの!

「次はどうしよう?お昼ご飯でも食べに行く?」
「アタシ、ちょっと疲れちゃった。どこな静かな個室で俊と二人きりでゆっくり休憩したいなぁ」

 俊の腕に抱きつき胸を押しつける。
ゆっくり休憩……いや、激しく宿泊するのよ!アタシの胸に抱かれて眠りなさい!

「えぇ?で、でもまだお昼すぎだよ?」
「愛にお昼なんて関係ないわ!愛は年中無休なの!
……それにね、江口さんが度の入ってない眼鏡をプレゼントしてくれたの。
俊が喜ぶって言ってたから持ってきてるんだけど……使ってみる?」

 江口さんがアタシの誕生日にくれた眼鏡。シンプルなデザインでいかにも安物って感じがするわ。
えっちの時に使ってみろと言ってたけど……これをどう使うのかな?
試しにかけてみる。うん、やっぱり度は入ってないわね。
でも眼鏡なんてかける以外に使い道なんてないでしょ?なんに使うのかな?
あのオヤジ、いい加減なこと言いやがっ……俊が獣の目になったわね。なんでなの?

「シーリス、早く行くよ!確かこの近くにラブホテルがあったはずなんだけど……」

 あたしの手を握り、ズンズンと歩いてホテルを探す俊。
ず、ずいぶんと積極的ね。もしかしたらこんな俊は初めてかも?
眼鏡が効いてるのかな?……なんで眼鏡で積極的になるの?訳が分からないわ。

「し、俊?俊がやる気になってくれてアタシは嬉しいんだけど、眼鏡を何に使う気なの?
眼鏡なんてかける以外に使い道なんてないじゃないの」
「だからかけるんだよ!今日はたくさんぶっかけるからね!」

 『だからかけるんだよ!』ってなに?なんで興奮してるの?……ぶっかける?なにそれ?
って、ちょっと俊!引っ張らないでよ!痛いわ!強引すぎよ!
女の子を強引にホテルへ連れ込むなんて……男らしい!素敵なのよ~!
何故か眼鏡に興奮しちゃった俊に、ラブホテルへと連れ込まれるアタシ。
今日こそは子宮を満たしてもらうわよ!

98:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:54:42 urD+oL4g
「ん、ん、ん……かは!はぁはぁはぁ、しゅん、気持ちいい?アタシ、上手に出来てるかな?」
「うぅ……すっごく気持ちいいよ。シーリス、もうたまらないよ」
「しゅん……アタシ頑張るから。もっと気持ち良くなって!」

 ラブホテルの一室。部屋に入ってすぐに俊のアソコをパクリと咥える。
口でするのってあまりしたことがないんだけど、俊が咥えてほしいってお願いしてきたの!
今までアタシが口でしてあげるって何度迫っても、断ってきた俊がお願いしてきたんだよ?
あぁ……俊に求められるなんて、すっごく幸せ。アタシ、頑張るから!たくさん気持ち良くなって!
……眼鏡をしたまま咥えてほしいってのが気になるわね。

「ちゅ、ちゅ、ずずずず……あぁスゴイ、どんどん大きくなる、熱くなってるよぉ」
「うぅぅ……シーリス、気持ちいいよ。手で擦ってみてよ。擦りながら僕を見上げ、ペロペロ舐めてみて」
「こう?こうしたら気持ちいいの?しゅん、気持ちいいの?」

 俊を見上げながらアソコを両手で包み、優しく擦りながら先っぽをペロペロと舐める。
時々咥えて溢れ出てるカウパー液を飲み干す。
あぁ、俊がこんなに濡れてるのね。アタシが俊を気持ちよくしてるんだ。
そう思うだけでアタシまで気持ちよくなってきちゃったわ。

「あぁ、シーリス、気持ちいいよ……うぅぅ、もう出そうだ!出すからね!」
「しゅん、出していいよぉ!アタシの口に出して……え?ちょっと俊?どうしたの……きゃ!」

 口の中に出してもらおうと咥えたんだけど、急に引き抜かれて、そのまま顔にかけられちゃった。
いや違うわね。顔というか、正確には眼鏡にかけられちゃったの。
……そうだったのね。俊、眼鏡に興奮してたのは眼鏡に精液をかけれるからだったんだ。
江口さん、俊がこういうことをしたがってるって知ってたからアタシに眼鏡をくれたんだ。
……他にはないのかな?例えば中出しとか、中出しとか、中出しとか。
そんな事を考えてる最中も、ドクドクと眼鏡とアタシの顔を白く染める俊の精液。
すっごく気持ち良さそうな顔で出してるわね。アタシはちょっと複雑な心境なんだけどね!
今日、俊が積極的だったのは、アタシが眼鏡をかけてたからなんだよね?
ということはなに?アタシじゃなくて、眼鏡に興奮してたわけ?なによ、それ!
眼鏡に興奮した、そんな俊にちょっとムカついちゃったアタシ。
その俊は、慌ててティッシュを取り出し、アタシの顔にかかった精液を拭こうとしてくれたわ。

「ゴ、ゴメンね?急に顔に出したりして」
「俊が顔にかけるのが好きなのは前から知ってたけど、眼鏡にかけるのも好きだとは知らなかったわ。
ちょっとショックかな?アタシじゃなくて眼鏡に興奮するなんて」
「……ゴメンなさい」
「なんで眼鏡なんて好きなの?アタシ、よく分かんないんだけど?」

 俊が眼鏡が好きになった理由、話してくれたわ。
なんでも中学時代に相川がエッチなDVDを見せてくれたんだって。
そのDVDって言うのが、メガネをかけた女の子の顔に、何人もの男が精液をぶっかけるDVDだったんだって。
……相川のせいか。アイツが俊をこうしたのか!制裁が必要ね。

「僕たち3人が中学高校と女の子に人気がなくて、付き合ったり出来なかったのは知ってるよね?
だからよく3人で集まってエッチなDVD見てたんだ。
僕たちもいつかは好きな人とこんなことしてみたいねって」

 ……アンタと佐伯は人気がないんじゃなくて、アンタ達が気づかなかっただけでしょうが!
アタシとマヤがどんだけ苦労してたか知ってるの?どんだけ努力してたか知ってるの?この鈍感!
ま、相川だけはホントに人気はなかったけどね。

99:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:56:00 urD+oL4g
「……分かったわ。で、他にしてみたいことってないの?俊、遠慮する事はないのよ?
アタシ、アンタの物なんだから。俊がしたいこと全部していいよ」

 眼鏡に興奮された事もショックだけど、俊がまだアタシの遠慮してる事の方がもっとショックだわ。
いい機会だし、この際俊がしたいこと全部してあげようじゃないの!
……相川のヤツ、ヘンな物見せてないでしょうね?

「え?いいの?でも、シーリスが嫌がることはしたくないし……」
「もう!アタシは俊が求めてくれるだけで嬉しいんだから!」
「シーリス……ありがとう。じゃあお願いしていいかな?
僕、一度でいいからしてみたいことがあったんだよ」
「俊がしたいのなら、一度どころか何度でもしていいわよ。アタシは俊が喜ぶ顔が見たいの」
「ありがとう。じゃあさ、この部屋って大きな鏡があるよね?そこでね……」

 ……そ、そんな恥ずかしい事させる気なの?俊、アンタやっぱり相川の親友ね。
俊でもこんなにえっちなんだから、相川なんてどれだけえっちなんだろ?
一度レイリアに聞かなきゃいけないわね。……うぅぅ、恥ずかしいよぉ~。
俊は恥ずかしがってるアタシをよそに、嬉しそうにソファーを鏡の前にセッティングしてる。
もう!そんな顔見せられたら我慢するしかないじゃないの!

「シーリス、こっちは準備が出来たよ。早くおいでよ」

 鏡の前にセッティングされたソファーに座り、ニコニコ微笑みアタシを待つ俊。
俊って普段はすっごく真面目なんだけど、2人になるとえっちなのよね。
その証拠にさっき出したばかりなのに、もうおっきくなってる。
へそに当たるんじゃないかって位に反り返り、おっきくなってる俊のアソコ。
アタシは覚悟を決めて全裸になって俊の前で跪き、反り返ってる俊を口に含む。

「はむ、んっく、じゅぶ、んん!」
「あぁ、シーリス、気持ちいいよ。柔らかい舌が最高だよ。シーリスは気持ちいい?」
「ふん!ふぐぅ……ぷはぁ!しゅ、しゅん、足の指で触るなんて反則だよぉ」
「でももうヌルヌルになってるよ?気持ちいいんだ?」

 俊を咥えてるアタシを足の指で器用に攻めてくる俊。
足の指でってのがちょっとイヤだけど、咥えながらイタズラされてるんだって考えただけで、
すっごく濡れてきちゃったの。
こんなことで濡れちゃうなんて、もしかしてアタシ、ちょっとヘンなのかな?

「シーリス、もう咥えなくていいよ。シーリスの準備も出来たみたいだし、そろそろ一つになろうよ」
「ぷは!はぁはぁはぁはぁ……うん、いいよぉ。アタシも俊を感じたいよぉ」

 アタシはふら付く足で立ち上がる。
そして俊のアソコに手を添えてアタシに導きながら、俊に背中を見せて、俊の膝の上に座る。
目の前の鏡には、羞恥と期待から真っ赤に染まった潤んだ瞳のアタシの顔がある。
その後ろに見える俊の顔は嬉しそうにニコニコ微笑んでいる。

「シーリス、鏡越しに見る顔ってすっごくイヤらしく見えるよ」
「もう!しゅんのばかぁ……ん、んん!んあ!」

 耳元でいたずら小僧のような顔で囁き、後ろからアタシの胸に手を回す俊。
俊のイジワル!俊がこんなにイジワルだなんて知らなかったわ!

100:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:56:50 urD+oL4g
「しゅんのばかぁ……なんで苛めるの?」
「あぁ、すっごく興奮するよ。シーリス、ホントに綺麗な髪だよ。僕、シーリスの綺麗な髪が大好きなんだ」

 俊はアタシの抗議が聞こえてないのか、後ろから胸を揉み、アタシの髪の毛に顔を埋める。
俊……アタシの髪が好きって出合った頃にも言ってくれたよね?
俊はあの頃と全然変わってないわ。いいえ、あの頃よりもずっと優しく、素敵になってくれたわ!
俊、大好きよ!俊のせいであの頃よりもずっと俊を好きになったんだからね!責任取ってもらうわよ!
手を添えたままの反り返ってる俊をアタシに導く。そしてアタシに向かい入れるために身体を落とす。
その瞬間、『くちゅ』っと滑った音を出し、俊を飲み込んだアタシ。
俊がアタシをこじ開け、貫きながら奥へと突き進んでくる。
ゆっくりと腰を落としてたんだけど、急に俊が後ろから腰を突き上げたの。

「きゃう!い、いきなりそんな強く突かな……んあああ!」
「シーリス、鏡を見てごらん!ほら!僕を飲み込んでるよ!どうなってるか言ってごらん!」

 アタシの両足を広げて、アタシと俊との結合部が鏡に映るようにする俊。
目の前の大きな鏡には、大きな俊がアタシを目いっぱいに広げ、出たり入ったりしているのが映ってる。
アタシは俊が言うままにその様子を口にしたわ。

「ああ!しゅんが!しゅんがぁ、アタシを貫いてるのぉ!
いっぱい、いっぱい濡れてるアタシを、んん!グチュグチュ音を出しながら、貫いてるよぉ!
奥に当ってるのぉ、アタシの一番奥をトントンってノックしてるのぉぉ!」
「シーリス、よく見てごらん。君の顔、すっごくいやらしい顔をしているよ。
普段の凛々しくて綺麗な顔じゃなく、だらしなく口を開けてよだれを垂らし、喘いでるんだよ」 

 鏡に映ってるアタシは俊の言うとおりにだらしない顔をしているわ。
顔を赤く染め、髪を振り乱しながらよだれを垂らし、必死に腰を振っている。
まるで安い映画に出てくる売春婦のように。

「綺麗だよ……シーリス、とっても綺麗な表情をしているよ!
もっと見て見たい!君の綺麗な顔をもっと見て見たいよ!」

 アタシの胸を激しく揉み、一段と激しく突き上げてきた俊。
アタシは後ろから抱き抱えられるように貫かれ、痛いくらいに胸をもまれたの。
そして耳元で囁くイジワルな俊の声を聞きながら絶頂を迎えてしまったわ。

101:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 21:58:28 urD+oL4g
「しゅん!しゅんイクよぉ!イッちゃうよぉ~!」

 激しい突き上げと、頭を痺れさせる甘いイジワルな囁き。
アタシが上り詰めるのには十分すぎる攻撃だったわ。

「イッていいよ!何度でもイカせてあげるからね!」
「しゅん!しゅん!……いやぁぁぁぁ~~!!」

 鏡の前で、俊との結合部を見せられて、内臓を抉るように激しく疲れて絶頂に達してしまったアタシ。
身体をビクビク痙攣させながら、絶頂の余韻に浸る。
そんなアタシ耳元で、俊が甘い声で囁いてきたの。

「シーリス、凄くイヤらしい顔でイッたね?次は眼鏡をかけてイッちゃおうね?」

 次?次ってなぁに?イクってどこに行くの?アタシも一緒にイキた……きゃん!

「ほら、シーリス!鏡に両手を付いて自分の顔をよく見てごらん!イヤらしい顔してるだろ?
後ろから貫かれながら、こんなイヤらしい顔をしてるんだよ!」

 いつの間にか眼鏡をかけられたアタシは、まだイッてなかった俊にバックで突かれて声を上げる。
そんなアタシの目の前の鏡には、だらしなく開いた口からはよだれをダラダラと垂らし、
目を見開きながら髪を振り乱し喘いでる、淫乱な女の顔が映っている。
これが……アタシ、なの?アタシ、俊に攻められてこんな顔しているの?
こんな顔してたら嫌われちゃう!そう思い、我慢しようとしたわ。でも無理なの!無理だったのよ!
アタシの考えなんて無視するかのような激しい俊の攻めに、アタシは何も考えられなくなったの。
激しすぎるわ!壊れちゃう!アタシ、壊されちゃうよぉぉ~!

「はぁはぁはぁ、綺麗だよ!眼鏡をかけて喘いでるシーリスも綺麗だよ!」
「ひぃ!か、はあ!んあ!……いっくぅ、またイクの、またイッちゃうのぉ!」
「いいよ!何度でもイっていいよ!何度でもイカせてあげるよ!う、くぅぅぅ!」

 『ズグン!』

 子宮を壊すんじゃないかというほどの勢いで、アタシを貫いた俊。
その瞬間、アタシは鏡を掻き毟り、さっきとは比べ物にならない快楽に包まれて意識が真っ白になる。
倒れこんだアタシの髪を掴み、顔を持ち上げ何か温かいものをかけてきた俊。
アタシはそれが何なのかを知る前に、再度貫かれて意識は白い海の中に沈んでいったの。

102:甘えんぼな彼女 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 22:00:21 urD+oL4g
「さ、アンタ達、早速報告してちょうだい」
「報告って何だよ?」
「正吾、シーリスのことだ、どうせ俊のことだろ?」
「……なんでオレまで呼ばれてんだ?訳が分からんぞ?」

 講義が終わっての帰り道。佐伯と相川と江口さんを喫茶店に呼び出す。
はん!アンタ達ごときがこのアタシと同じ席に座れるのよ?感謝しなさい!
さぁ、アンタ達、俊が子宮を満たしてくれるような、画期的なアイディアを出しなさい!

「この間は江口さんがくれた眼鏡で大満足の結果を得たわ。他には何かないの?俊が獣に変わるアイテムは?」
「江口さん、そんな素敵アイテムを教えたんですか?そんなこと教えたら俊がサルになっちま……ぎゃん!」

 サルだぁ?サルはアンタでしょうが!このヘンタイロリコンがぁぁ!
俊の悪口を言う相川を制裁し、残る2人を睨みつける。

「正吾よ、お前らいっつもこんなアホみたいな集会してるのか?付き合いきれんな、先に帰るわ」
「誰が帰っていいなんて許可したの!江口さん、アンタも相川のように惨めに殺されたい……」
「水着の上にTシャツを着てみろよ。きっと俊、獣になるぜ?」

 え?そんな簡単なことで獣になるの?なんで?
キョトンとしてるアタシを置いて喫茶店から出て行く江口さん。
ホントに獣になるの?そんな簡単に獣になっていいの?

「佐伯、そうなの?俊はそういうのが好きなの?」
「う~ん、俊に限らず男は全員好きなんじゃないかな?やってみる価値はあると思うな」

 やってみる価値はある、か。ま、物は試しね、一度やってみようかな?
水着だけじゃ不安だから眼鏡もかけてみようかな?俊、喜んでくれるかな?

「そうそう、おまけに両手をタオルか何かで縛ってたら、健一じゃないけど、サルになると思うぞ」
「サルだぁ?俊がサルになるってなによ!アンタも死にたいのね?いいわ、苦しめて殺してあげるわ!」 
「落ち着けって!サルってのは、SEXしだしたら止まらなくなるってことの例えだよ。
お前、日本は長いんだから、そのくらい知っとけよ」

 ……SEXしだしたら止まらなくなる?水着の上にTシャツを着るだけで?

「……採用ね。いいわ、その水着の案、採用してあげるわ。もし失敗したらどうなるか、分ってるわよね?」
「なんで俺に言うんだよ!江口さんの案だろ?江口さんに言えよ」
「イヤよ!だって江口さん、怒ると頭叩いて来るんだもん。アタシは痛いのキライなの!」
 
 作戦が決まればすぐに実行よ!まずは水着とTシャツ、あとは手を縛る紐か何かね!
バカ2人を残して喫茶店を出る。俊、覚悟なさいよ!今度こそアタシの子宮、満たしてもらうわよ!

 沈む夕日にそう誓った、夕日が綺麗な秋の夕暮れ時だったわ。

103:ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
07/09/24 22:01:06 urD+oL4g
以上です。

104:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:05:52 y04lSUxZ
>>103
あ…あ……
なんといっていいか……これが降臨?
激しくGJ……

105:名無しさん@ピンキー
07/09/24 22:47:37 QG6RykEC
うん、













やっぱり江口さんは最高ですね
GJ!!

106:名無しさん@ピンキー
07/09/25 11:33:33 G8Amet/e
だな。
江口さんのエロレクチャーは、いつもながら簡潔にして的確で素晴らしいな!

GJ!!

107:名無しさん@ピンキー
07/09/26 18:03:37 2IrMtDPh
GJ!!!

108:名無しさん@ピンキー
07/09/28 03:53:28 o1+Fww1B
GJ!!!!
エロ満載+読みやすいという夢のような作品に会えてよかった。

109:名無しさん@ピンキー
07/10/01 21:56:05 mX19vAHT
さて、もう半分諦めてるが10月になったから叫んでおこう


ええい!注文したカレーワッフルはまだか!


110:名無しさん@ピンキー
07/10/01 21:57:20 g1K4prci
>>109
これがレスされないと月が替わったって気がしなくなった

111:名無しさん@ピンキー
07/10/01 22:27:58 uNEKu8V2
ツクバ屋さん更新

112:名無しさん@ピンキー
07/10/02 00:24:22 deIA332P
>111
なに?そんなこと言って誉めて欲しいわけ? 
はん!誰がアンタなんか誉めるもんですか!

113:名無しさん@ピンキー
07/10/02 03:34:30 RABtxv3C
でも・・・お礼はイっとかないとね・・・



・・・ありがと///

114:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:44:04 T9G6uaOn
なんか出来たので投下。

115:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:45:59 YOqeLYVP
紅武館道場。
市内でも数ある名門道場であり、門下生は各方面の大会でことごとく入賞を果たす。
師範である赤城統馬は鬼のような人間であり、稽古は恐ろしく厳しい。
そして代理である娘の凛も、父ほどではないが厳しいことで有名だった。
稽古について触れると、門下生達は口を揃えて「アレは…拷問、ですね」と言う。
学校においても、彼女が恐ろしい存在である事は公然の事実であった。

「じゃあ今日は走りこみをします。…500本ね」
「げえええええええええ」
「殺してくれ……」
「ごひゃ…あぎじょいあjぼあぶはあがsmんしpがば」
「うるさい!!!走らないと倍にするわよ!!!」
今日も道場には子供達の悲鳴が響き渡る。
とりあえず道場の周りのコースを500本…師範の統馬ならば「ジャブ」という程度。
普通の人間からすれば……まあ、その。なんというか、地獄……なわけである。
「最期の奴は地獄のメニューXXXプランを御見舞いするわ」
その途端、ぐだぐだ言っていた子供達は門へと殺到した。
これだから地獄度XXX(トリプルエックス)プランの効き目は恐ろしい。
名前を言っただけでこれほど怯えてしまうとは。
それにしても、その存在だけで子供達をまとめていた統馬はすごいとしか言えない。
今は日本全国武者修行の旅と称して兄の悠馬を連れてあっちこっちに殴りこんでいるらしい。

116:クロ@枯れゆく花への哀歌 ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:46:53 YOqeLYVP

道場の始末やら片付けやらをしていると、もう2時間ほど経っていた。
外がなにやらうるさいので、そろそろ帰ってきたのかもしれない。
「さあ、一番最後の野郎はどいつ……」
「お? 可愛い娘がいるじゃねーか。道場は女人禁制、だったりしないのか?」
入り口にいたのは子供ではなく、見知らぬ男だった。
その成りを見る限り、軽そうな顔と服装はチンピラのようだ。
背後に仲間が数人いて、そいつらの腕には――
「鉄馬っ!! 陽一!! 友哉!!!」
子供達が大柄な男達にがっしりと掴まれていた。
その手には各々ナイフが握られている。
「お前ら何をしている……」
「おおっと、動くなよ? 道着着てるって事はお前も門下生なんだろ。暴れられたら面倒なんでな」
「くそっ…卑怯な…」
男は歪んだ笑みを浮かべて凛を笑う。
「俺達お前達の師範にボコボコにされちまってよぉ。腹いせにお前らをボコボコにしてやろうかってな」
父はむやみに暴力を振るわないし、一方的な対戦もしない。
という事はこいつら、単に悪いことをしていて止められ、攻撃したら返り討ちになったって所か。
とりあえず相手はナイフを持っている。ここは大人しくする演技をするしかない。
「子供達だけはっ……子供達には手を出さないで下さい…」
「ほお?じゃあ嬢ちゃんが相手してくれるってのか?」
「それは……」
「兄貴ーこのガキ、ボコッちゃっていいすかね?」
「ああ、構わんだろ」
「待って!!!」
「私が……代わりになるから…子供達には手を出さないで……」
男の目が厭らしく光り、凛の身体を這っていく。
「お前が……ねえ。いいだろう。その代わり……」
背後に回った男が道着をはだけさせ、床に無理矢理引き倒す。
「何でもしていいって事だからなあ!!!」

117:クロ@枯れゆく花への哀歌 ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:47:30 T9G6uaOn
「やめてっ!!」
思わず叫ぶ子供達を、大柄な男が抑えつける。
「おおっと、お前らはこっちで見てるんだ。あの女が汚されるとこをな」
「そんな……」
「大丈夫大丈夫。そのうち先生もアヘアヘ言って腰を振り出すさ」
その男の呟きは、犯されようとしている凛の耳には届かない。
秘所に伸びようとする男の手に、何か軟膏のような物がついている事も気付かなかった。

「何だこりゃ。さらし巻いてんのか?せっかくの胸が台無しじゃねーかよ」
「まぁこんなデカいのが付いてたんじゃ、武道なんざできねーよなあ」
「こっちは汗で蒸れてすげえ事になってんぜ。ほら、半分濡れてるみてーだし」
下卑た笑いと共に、視線が凛の胸と秘部に集中する。
押さえつけていたものが引きちぎられて露わになった双乳は、荒い呼吸に合わせて上下している。
一人の男が手を伸ばし、思いっきりその膨らみを鷲掴みにした。
「ひゃぁっ!!!」
「お? もう感じてんのかよ。ひょっとして虐められて悦ぶタイプ?」
「マジかよ。こんな可愛い顔して、中身はマゾの変態ってか?」
「……そんな事…無い…」
「じゃあこんな事しても感じないんだな?」
男が手を振り上げ……そして打ち下ろした。
「ああああああああああぁっ!!!!」
バチンという音を立てて、締まった尻に赤く痕ができた。
そしてもう一発。
「いやあああああああああああっ!!!」
もう一発。もう一発。もう一発。
男が尻を叩く間、凛は形振り構わずに叫ぶしかなかった。
他の男は胸を揉みこんだり、舌で舐めしゃぶっている。
痛覚と快感。
二つを同時に叩きこまれ、凛は成す術がなかった。

118:クロ@枯れゆく花への哀歌 ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:48:05 uu8k78OM
「ほら、やっぱり感じてたんじゃねーか」
「はあぁ……はぁぁ……」
激しいスパンキングの後に秘裂を確認すると、そこは確実に蜜をたたえていた。
凛も全く抵抗せずにその指を受け入れている。
「じゃあそろそろ頂きますかね」
「待て待て、俺が最初だろ」
「俺は口な」
凛の与り知らぬ所で、勝手に権利の取り合いをする男達。
もはや凛には全く関係なくなっていた。
そして両壁を押し分けて入ってくる熱い凶器。
「こいつは…すげえ名器じゃねえか……」
男は知らぬうちに感銘の声をあげていた。
「まじかよ…ちっ、譲るんじゃなかったぜ」
「お前には口があるだろうがよ」
仕方ないか、と呟いて股間から立ち上がったモノを締まりをなくして涎を垂らす口に押しこむ。
無意識のうちに舌が動き、男の裏筋を舐めあげる。
「むぐ……んんむ……んぐ……」
抵抗の無くなった凛の身体を、男達は前後から容赦なく突き上げ始めた。
「んぐっ!! んんっ!! むぐうっ!!! んっ んんんっ!!!」
前を突いていた男も、絡みつく舌によって絞り取られるような感覚を受ける。
「こいつ……まじでやべえな。ほんとにっ…変態なんじゃねえか?」
「ああ……初めてじゃないしこの感じ方は……相当男咥えこんでるな」
「ち…くそっ……出すぞ…っ!!」
タイミングを合わせたかのように前後から白濁が注ぎ込まれた。
残った精液まで奥から吸い出されるような感覚に、それを出した男達は惚けている。
そんな男達を横にどけ、見ていた男達が前後の穴を再び塞ぐ。
「んんぁ……また入ってきたぁ……」


119:クロ@枯れゆく花への哀歌 ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:48:43 YOqeLYVP


「はぁ……はぁ……」
「おい…何かおかしくないか…?」
「あはぁん…もっとぉ…もっと頂戴ぃ……」
3時間が経過し、凛の身体と床は男達と凛の体液でどろどろになっていた。
「ふふ…もっとおちんぽいれへぇ………」
「なんでこの女はこんなに……くそっ、絡みついてきやがるっ」
「ぶっ続けで3時間だぞ…何でこんな……」
凛の顔は変わらずに恍惚としているが、男達の顔は生気を奪われたように暗い。
しかしそれでもなお、凛の2穴は男を咥えこんで離さない。
男達もまたその中の溶かされそうな熱さと、うねり収縮する穴の虜となっている。
「もうだめだ……何も出ねえ……」
そして倒れている男が数人と、その状況にも関わらず動かない子供達。
彼等の目には絶望ではなく、諦めの色が映っていた。
「凛先生…またやっちゃったね…」
「ああなると止められないから…ご愁傷様だね……」
「毎回残りカスも無い位搾り取ってポイ、だからなあ……」
「だいたいナイフとかウチの道場では玩具みたいなもんだしね」
「あの人達、ここがどこだかわかって来たのかな……僕らでも倒せたよ」
「でもまぁ、いつもは僕らを相手にしてるから助かったよねー」
「鉄馬……お前気楽過ぎだろ……」
まだ残っている2人の犠牲者を見て、子供達は一斉にため息を漏らした。

120:クロ@枯れゆく花への哀歌 ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:49:27 YOqeLYVP
結局、4時間後。
『残りカス』となった男達を子供に始末させ、凛は身体に付いていた汚れを全て落とした。
一度脱がされた道着は選択し、今は普段着に着替えている。
「ふう……あいつらもなかなか濃いのを出してくれたな」
「おい、姉貴。いい加減オヤジや兄貴に男斡旋させて喰うのやめろよ。チンピラとはいえ、河川敷は寒いぜ」
「うるせえ。あいつらも気持ちよくなってたんだからいいじゃん」
鉄馬の手には携帯が握られている。
兄の悠馬からのメールが来ていて、今はオヤジが果し合い中らしい。
この凛の性癖については彼もノーコメントで通している。
「子供達を守るため、犯される美少女……素晴らしいだろ?」
「勝気な姉貴が本心からそんな事するわけないだろ?」
「うるせえ。骨の髄まで搾り取ってやろうってのが本心だ」
はあ……こんな姉貴の被害者に、合掌。死んでないけど、多分。

121:クロ ◆oEKbgAzJcE
07/10/02 18:52:04 YOqeLYVP
【枯れゆく花への哀歌】
という事でさっき書き上げました。
勢いとは恐ろしい。
では。

122:名無しさん@ピンキー
07/10/02 20:38:35 qYKeNOOu
スゴッッッツ!!!!

123:名無しさん@ピンキー
07/10/03 21:00:49 L6I7EdNQ
ワロタ

124:名無しさん@ピンキー
07/10/05 01:24:44 X6jO8ths
さちねえさんの人は、また妖怪にいたずらされたのかい?

125:名無しさん@ピンキー
07/10/05 22:42:41 62t5W8Pm
えろい、GJ

でもワロタw

126:名無しさん@ピンキー
07/10/06 03:54:20 0GT4CRN5
保守

127:名無しさん@ピンキー
07/10/06 22:46:39 ANrheiCw
妖怪?

128:名無しさん@ピンキー
07/10/06 22:47:42 ZGsf1hoQ
>>78-82の話の一応続きです。

……もはや、スレタイと関係ないどころかこの板に相応しくないような内容と化していますので、問題だと思った方は遠慮なく言ってください。


129:ホットミルクと冬の朝
07/10/06 22:48:28 ZGsf1hoQ
ちちちちちちちちちち……って、うう、この音大きいよ……。
寒いし、もう少しでいいからこの中にいさせてよぅ……。
ぇ、えーい、や……っ!

……とまった、かな?
はふぅ、ぬくぬくぅ……。
いいよね、このくらい……。
寒いんだもんね、眠いんだもんね、私の部屋なんだもんね……。
ふかふかおふとん、ふんわりゆらり。
……もぉちょっとだけなら、大丈夫だよね。
えへへへへへ……。
気持ち、いーよぉ……。
んー……二度寝っていうんだっけ……。
この前……、お姉ちゃんに……聞いたことば……。
うとうとの……じかん……さいこぉ……だよ……えへへ……ねるー…………。
がっ……こ……なん……か、ど……でも……い………………。


「……全くもー……。
お母さんそっくりなくせに、こういうとこだけあの馬鹿に似てんだから。
はぉ……」

……んあー……。
どっかで……きーた……こえ……。

「……遅刻するわよー。ご飯も冷えるから、起きた方がいいと思うんだけどね」

ごは……おなかへった……。
ここ……ぬくぬくぅ……ぽかぽかぁ……。
ずっと……ここ……。
「このま……たべぅ……」

「こーら、そんなこと言わないの。
……ま、一度癖つくとなかなか戻せないのは分かるんだけど、……経験上」

「ん……ずっと……ここでい……」
あったかくて……おなかいっぱい……なる……。
しゃーわせぇ……。

「……しかたない、かな」

そー……、しかた、ないの……。
ねるのー……。


「……せー、のっ!!」



かあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん……っ!!



「うわひゃぁぁあああああああああっ!!」

130:ホットミルクと冬の朝
07/10/06 22:49:17 ZGsf1hoQ
なななななになになになになになになんなのぉっ!!
び、びび、びっくりしたぁ……。
ばくばくばくばく。どきどきどきどき。
胸に手を当てながらいっきに体を起こす。
すう、はあ。
吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー……。
さいごに思いっきりゆっくりと、吸ってー…………、
「ぷはぁあああ……」

……うん、まだ心臓凄い鳴ってるけど、心は落ち着いた。
おーるおっけー。
うん、だいじょぶ。
ゆっくりゆっくりと周りを見ると、ベッドの脇には家族みたいに大好きな人がいた。

「お、お姉ちゃん、ひどいよぉ……」

お姉ちゃんの片手にはお玉、もう片手にはお鍋のふた。
……古い、古いよお姉ちゃん。
お姉ちゃんの頭の中は何年前から止まってるんだろう、なんて失礼な事を考えて、一瞬言葉が止まってしまった。
ぷっくりふくれっつらをしてみると、お姉ちゃんはくすくすって、困ったような笑い顔。
「文句言ってる時間はないんじゃないの? 急いで食べないと間に合わないかもよ?」

お姉ちゃんのお玉の先を見てみると、そこには地面に落っこちている目覚まし時計。
のそのそってお布団を腰の上に掛けたまま、こっちに引き寄せてみると。

「うわぁ……し、七時半……!?」
ど、どどどど、どうしよう。
パジャマ着替えて、ご飯食べて、お顔洗って、歯を磨いて、教科書用意して……。
えっと、ええっと、まずは着替え、出さないと……。

「はいはいそんなに焦らないの。……OK?」
「う、うん……。」
そ、その通りだけど、でもでもでもでも……っ!

「――着替えはそこに出しといたし、ご飯も出来てるから、ね?
食べてる間に教科書用意しといてあげるから、ひとつひとつしっかりやればいいの」
「う、うん……。」

……つい今しがたとおんなじ答え方。頭が全然回ってない。
はぁ……。うう、私って駄目だなあ。
いっつもいっつもお姉ちゃんに迷惑かけてばっかりで。
お父さんにもそうだけど、やっぱり私も女の子だからお姉ちゃんじゃなくちゃ頼れないことも多いし。
……家族じゃない人に、こんなに迷惑かけて。
私はお姉ちゃん、大好きだけど。……お姉ちゃんには負担なはず。
私の行動だけじゃない。
いるだけで私は多分、お姉ちゃんの邪魔になっている。
…………だって。

……ううん、これは私が口を出せる問題じゃない。
だけど、……だけど。
どうしても、気にせずにはいられないよ。

――お姉ちゃんは、私をどう思っているんだろう。






131:ホットミルクと冬の朝
07/10/06 22:51:41 ZGsf1hoQ
「ハンカチとちり紙ー、玄関においてある筈だけどー……わかるー?」
「はいー! 大丈夫ですー!!」

台所から聞こえるお姉ちゃんの声に、こっちも大きな声でお返事。
お世話のお礼言いたいけど、ちょっと時間が無いかも。
急いで靴を履いて、とんとんとつま先で地面を蹴る。
がちゃんとドアを開けて、
「いってきますー!」

「……いってらっしゃい」
台所から顔を出して笑うお姉ちゃんと、
「…………おー……」
ふすまの向こうで気だるげな声のお父さん。

……ちょっと、なさけなくなってくる。
確かにお父さんは小説家だから早起きの必要はないわけだけど、お姉ちゃんがお手伝いに来る日はあまりにもだらけすぎだよー……。

がちゃん、としっかりドアを閉めて確認。
うん、半開きにはなってないよね。
「いっせーのーせ……、」
すう、はあ。
「よーい、どん!」
お口の中で呟いて、れっつ、ごー! かけっこ、かけ足、とにかく急げ!
間に合うかなどうかな、うーちゃん待っててくれてるのかな。
お家の多い狭い道を右右左って曲がってみると、大きな通りに出るんだけど。
そこの床屋さんの前がいつもの待ち合わせ場所。
大丈夫かな、どうかな。角を曲がってきょろきょろ。
……うーちゃんは…………。

「おーそーいーぞー! なにやってるのー!!」

……よかったぁ。いてくれた……。

「ご、ごご、ご、ごめん……なさい……。その……ね、ちょっと、おねぼうしちゃって……」
あわわ、ほんとうにほんとうにごめんなさい……。
「ぷう。本当朝弱いんだなあ、もう……」
「うぅ……、ごめんなさい……」

ぺこぺこ頭を下げると、うーちゃんは半目をやめていつもみたいににかっと笑ってくれる。

「そかそか。そんな気にしてんなら別にいーって。でも次からは気ぃつけてよん」
「……うん」
「そんじゃ、ちょっちダッシュるぞー!!」
「へ……? うわわ、わぁ……!!」

ひ、引っ張らないで、走んないでぇ……。こここ、転んじゃうよう、あぅ……。

「そーそー、ね、姫様。今日もお昼一緒でおっけー?」
「ひ、姫様はやめてよー……。うーちゃんもお父さんもバカ……」
お外で冗談でも姫様なんて呼ばれるの、すっごく恥ずかしいのに。
……お父さんが授業参観の日にそんな風に呼んだせいで、こんなあだ名にされちゃった……。
「あははー、でもでも、姫様って感じはするよ。箱入りっぽいしー」
「やめてってば、うーちゃぁん……! もう、酷いよ……」
「やはは、これは失礼を姫様!」
「…………もー、本当にやなのに……」

はあー、思いっきり溜息。それでも、うーちゃんは私の数少ない友達だから、あんまり強いこといって嫌われるのはやだし……。

「はあー……」


132:ホットミルクと冬の朝
07/10/06 22:52:28 ZGsf1hoQ
……でも、お昼一緒に食べようって言ってくれてるのは嬉しいし。
今日のお昼はお弁当の日だから、好きなとこで食べられる。
屋上とかは寒いだろうけど、気持ちいいかもしれないなぁ。

……あれ?
…………お弁当?

えーと、今日はお姉ちゃんの来てた日だ。
そのお姉ちゃんが来てくれるのは、お弁当の日で。
お姉ちゃんはお料理が得意だから、一週間に2回、来てくれてるんだけど。

……今日は、お弁当、鞄に入れたっけ?

「……ふぇ? 姫様どしたん~? ぼけ~っとしちゃって」

ランドセルを下ろしてぱんぱん叩く。
……か、感触がないよ。
それ以前にかなーり軽いような。
…………四次元ポケットの中に入ってるとか。
……そんな事考える私って、バカ?

「…………忘れちゃった……」

あ、あはははははははは…………。
……うう、どうして私ってこうなのかなぁ。

「あらららららー。……まー、一食くらいは食べなくても平気っしょ」
……うーちゃん、他人事すぎだよ。
いや実際他人事だけど、もう少しこっちを慮ってくれるとかしてくれてもいいと思う……。

「うう……」
こんな下らないことでこうなるのはどうかと思うけど、本当に泣きそうになる。
……どうして私ってこうなんだろう。
はじめてあった人とはまともに話せないし、自分の意見を言うことも出来ないし、こうしてポカばっかりやらかすし。
それで、すぐにうじうじするし。
……ほんとのほんとに涙出てきそ。

今から帰ると遅刻間違いなしだし、今日はお昼抜きなのかな……。
……辛いなあ……。

ぐしぐしと目をこすって、弱音を飲み込む。
……うーちゃんの言うとおり、一食くらいへいきのへいざ! ……たぶん、きっと、おそらく。
こんなことで泣いてられるもんか! ……でも、おなかがすくのは嫌だなあ。
あぅ、……どうして私ってこうなんだろう。
そうしてさっきと同じ事を考えた時、


ちりんちりん。


うしろから、そんな音が聞こえた。
……なんだろう。
そう思って振り向いてみると、

「……ふぅ、どーにか間に合ったかな。……はい、忘れ物」

自転車に乗ったお姉ちゃんが、そこにいた。

133:ホットミルクと冬の朝
07/10/06 22:53:16 ZGsf1hoQ
「……え?」
ぼけっとする私に、お姉ちゃんはにっこりと包みを手渡してくれる。
ピンクのチェックの小さな風呂敷で包まれたそれは、間違いなく私のお弁当。
「あ……、」

「もう、急ぐのはいいけどね、あたしがあなたの家に来てるのはこれ作るのが目的なわけでさ……。
忘れられちゃうと、何のためにって事になるんだけど」

言いながら、お姉ちゃんはくっくって声を漏らす。
笑顔だし、口調も怒ってるわけじゃないけど。
……言ってる内容は結構ずんとくる。……もっと気をつけるようにしよう、うん。

……でも、何よりも。
「……その、お姉ちゃん」
「ん? なに?」
「……ありがとう。ほんとにほんとに、ありがとう……」

……いつもいつも、私なんかのために。
そんな想いを込めて言った言葉を聞いて、お姉ちゃんは、
「どーいたしまして。ほらほら、早くしないと遅刻するわよ?」
ぐっと親指を立ててウィンクしてくれる。
……しっかり、私の事を受け止めてくれるこの人が、私は大好き。
…………言動や仕草がいちいち古いけど。

「……えっと、貴方はこの子の友達? 色々と不器用な子だから、助けてくれると嬉しいかな」
「あ……、は、はい、了解っす~!」
そう返事をするうーちゃんににっこり笑った後、お姉ちゃんは自転車に乗りなおす。
「じゃあ、あたしはこれから仕事だから。それじゃ、学校頑張ってね」
そのまま、お姉ちゃんは自転車に乗って来た道を引き返した。
わざわざこっちまで届けに来てくれたことに、申し訳なさを感じてしまう。
……でも、だけど、やっぱり嬉しいっていう想いが一番。
小さくなっていく後姿を見て、私はそう感じた。

「……あの人、お姉ちゃんって言ってたけど……」
「え? うん、お姉ちゃんがどうしたの?」
んー、なんて唸りながら、うーちゃんはとんとん頭を叩く。
……どうしたんだろう。
「……お姉さんにしては年が離れてるとゆーか、なんとゆーか……。
そもそも姫様の親父っちってかなーり若かったよーな。あんな年の子供がいるのはおかしいぜい」

あ、なるほど。
いつもお姉ちゃんって呼んでるからあんまり気にしてなかったけど、お父さんと同い年なんだよね。
ちょっとおかしかったからくすくす笑いが漏れちゃう。
「えっとね、一応家族みたいに付き合ってるけど、姉妹って訳じゃないの」

「……ホワイ? そんじゃ、どういうカンケイ?」

そんな、うーちゃんの質問で。
……言葉が詰まった。

……私にとって、私とお父さんにとって。
そして、お姉ちゃん自身にとって、私達の関係はなんだろう。

――家族っていうのはない、と思う。
一緒に暮らしているわけじゃないし、お姉ちゃんがうちに泊まった事だって一度もない。
お父さんの友達……っていうには、距離が近すぎるかも。
週に二回も家に来てくれて、お手伝いをしてくれてるんだし。
もちろんお金のやり取りなんかなくて、お互いに信頼してるみたいだからお手伝いさんって訳でもない。
……一番近いのは、

134:ホットミルクと冬の朝
07/10/06 22:55:37 ZGsf1hoQ
「……お父さんの、恋人……なのかな?」
……でも、しっくりこない。
だって、お姉ちゃんとお父さんは、キスどころか手のひら一つ握ったこともないみたいだし。
二人っきりで出かけた事だって一度もない。
前に聞いた時だって、慌てることもせずに違うって言い切ってた。
嘘かもしれないけど、私にはそうは思えない。そんな事をいう人じゃないし。

「もしもーし。どしたの姫様、黙りこくっちゃって」
……恋人じゃない理由は、いくつかあると思う。
一番に浮かぶ理由は、多分……お母さん。
お姉ちゃんはああ見えて物凄く人に気を使う性格だから、お母さんがもういなくても、絶対にそうなることを気にするだろうし。
ううん、お母さんがもういないからこそ気を使う人だ、お姉ちゃんは。

お父さんにしても、もしお姉ちゃんとそういう関係になったとして、お姉ちゃんに気遣いはさせたくないんだと思う。
……それ以前に、そもそもあんまり自分から動く人じゃないってのもあるけど。

――何より。
やっぱり、私のせいなのかな。
お姉ちゃんは、私に凄く気を使ってくれている。
…………あたしみたいな他人なんかが家族の中に割り込んだら、いろいろと嫌でしょ? お父さんを取るつもりはないから、安心して。
前に、お父さんと結婚しないのかって聞いた時、お姉ちゃんはそんな風に答えた。
もしかしたらお姉ちゃんは、私がお父さんとお姉ちゃんが仲良くするのを気に入ってないんじゃないかって思ったのかもしれない。

お姉ちゃんもお姉ちゃんのお父さんと二人暮らしだったらしいから、お姉ちゃんの思ってたことを私に重ねたのかな。
――他の人だったら、そうかもしれない。
でも、お姉ちゃんは、引っ越してきてからの3年間ずっと、私達を助けてくれてきた。
……お姉ちゃんなら、私は構わない。強く強く、そう思う。
お父さんだって、少なくとも再婚するならお姉ちゃんだと思ってはいるはず。

だけど。
…………それをお姉ちゃんに伝えるには、どうすればいいのかな。
お互いが大切にしてるのに、だからこそ家族になれないっていうのは、悲しいと思う。
……でも、私はそんな時、何ができるんだろう。

「こらっ!!」
ばしんっ!!

「ふぇぇえええっ!?」
い、いたぃよぉ……。
「むー、あたしを無視すんなあ!!」
「ご、ごめんね?」
うう……私って本当に要領が悪いなあ……。
はあ……。
溜息をついて横を見ると、平手で私の背中を打ったうーちゃんは、腕を組んでこっちをじっと見てる。
「……どったの?」
「え?」
何を聞いてるんだろう、って、背中をぶたれて一瞬さっきまでの事を忘れちゃったけどすぐに思い出す。
……どうしよう。
こんな事聞いても、迷惑じゃないのかな。そんな風に迷ってる私に、うーちゃんは言ってくれた。

「あたしたち、友達っしょ? こんどはあたしが助けるターンだって」
「……今度?」
聞き返すと、うーちゃんは頬をぽりぽりとかいてそっぽを向く。
「あー……、こっちの話だから。姫様は気づいてなかったろうからいいよ。
勝手にあたしが姫様と会って助かっただけだから」

……うーん、よく分かんないけど。まあ、いいのかな。
……よし、聞いてみよう。
何も変わらないかもしれないけど、それでも何もしないよりはいいだろうから。


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