08/01/12 01:28:51 /sbQ95HN
空気を読まずに女オーナーと黒子の話。
微百合風味な上長くてごめんなさい。
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帰りは遅くなるからちゃんと休んでね、とマスターに言われた。
だけどなんとなく休む気になれなくて玄関に置いてある丸い置き時計の上に腰掛けている。
足の間から時計の文字盤を見たら、針の方向が今日じゃなくなっていた。
「………お姉ちゃん遅いな」
服を念入りに鏡でチェックしてから出かけていった彼女は少し寂しそうに笑っていた。
普段出かける時はいつも連れて行ってくれるけれど、彼女の好きな人の時だけは別だった。
彼女みたいに神姫を大切に扱ってくれる人もいればただの玩具としか見ない人もいる。
ボクは彼女の好きな人にとってはただの玩具らしい。
実際そうなのだから、仕方ないことなのだけれど。
一緒に連れて行ってあげられるように頑張るからね、
といつも笑って髪を撫でてくれる彼女が好きだった。
ドアノブががちゃりと鳴った音に沈ませていた思考を浮かせる。
どうやら帰ってきたらしい。