07/08/31 20:15:04 4B65lNPf
「ありがとうございましたっ!! 本当にありがとうございました!!!!」
あれから何回この台詞を言われただろうか。感謝されるのは別に悪い気分じゃないんだ
けど、なんだかくすぐったい。
強盗も警察に連れて行かれて、僕はコンビニの奥の事務室らしき所にいた。どうやらあ
の男は麻薬をやっていたらしい。警察の人にそう説明をうけた。確かにあの狂い様は、正
常な人間とは思えなかった。
それで、終始腰をぬかしていた店長らしきおっさんは警察と一緒に店を出て行って、事
務室の中は僕とあの店員さんの二人だけだった。
――密室で二人っきり!! ってバカか。
自分で自分に突っ込みをいれる。
「いやまあ、別にそんな……」
でも、こんなにもくすぐったい理由にはやっぱり、
「あなたがいなかったら、私はどうなっていたか分かりませんし」
この娘が、とても可愛いからってこともあるんだろう。
こういう娘に、ひたすら感謝されるっていうのは何だか照れる。それに、一度は見捨て
ようとしていたのだから、少し罪悪感もある。
「でも怪我がなくてよかったよ、ホントに」
こんな可愛い娘に傷なんかが付かなくて本当によかったと思う。