調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロインpart17at EROPARO
調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロインpart17 - 暇つぶし2ch795:名無しさん@ピンキー
07/09/20 00:01:26 6DJ60q/z
ピアノが玉座になるとか色々、元ネタに無いオリジナルだったら凄く構成が巧みだな。
商業レベルじゃん

796:名無しさん@ピンキー
07/09/20 04:50:54 snoLYnVr
よくやった、この調子で雑談厨を叩き出そうか。

797:名無しさん@ピンキー
07/09/20 06:58:51 bYOqPCKc
懐かしいw
このゲーム持っていたよ。絵は当時やっていたギャルゲーより多少低いけど声優が豪華だったな。

当時買っていたアニメ誌に優実の異形化載っていてドキドキした。


798:中の人
07/09/20 10:47:25 gD9mNQI4
thx、お前らのコメントに洗脳されそうだ(*゚∀゚)=3

>>795
ゲームだと主人公が気がついた頃には乗っ取られてる感じだからオリジナル
外見はあんまり変わらず中身は…ってのが好きだから、ゲームで見れない内面変化を頑張ってみた

>>797
zipでくr(ry
サーカディアネタでMC描く絵師さんほぼ皆無だしな
知らなかったけど今見てみると声優陣の豪華さは異常ww

ところでお前らこういうキャラがナイトメア堕ちするとしたら
どう人格変化してほしいか聞かせてくれないか?

1.世間知らずでお上品な和風お嬢様
2.元気ハツラツで礼儀正しいスポーツ少女
3.純真ロリ
4.女王系セクシーだけど優しくて寂しがり

漠然とは考えてるがなかなかいいネタが浮かばないorz
当方ソフト好きで過度のエログロは苦手だが好き勝手言ってくれると助かる

799:中の人
07/09/20 10:52:07 gD9mNQI4
補足だが、1のお嬢様はうる星やつらの面堂妹みたいな黒い無邪気さだ
悪いこととは知らず、主人公がよけるの見たくて植木鉢落としてきたり超能力撃ったりする
初めっから黒くてどうギャップつければいいか分からんw

800:名無しさん@ピンキー
07/09/20 12:06:23 bYOqPCKc
巫女と先生と目がでかいロリは思い出した。
1が巫女で、2がジャージで、3がまんまロリ、4がボディコンだろう。衣装は。

落とし方はそっちにまかせる。グロやエロなくてもエロゲ以上の悪堕ちやるアニメ漫画ゲームはたくさんあるからな。
巫女は純粋な邪悪にすれば? ロリは無邪気な残虐嗜好なんかにすればいい。
他は知らん。

正直、植木鉢でダブルキャスト思い出した。
つーかサーカディアはな……下位ゲームだろう。残念だけど。
このSS読んで買おうと思うなら本気でやめたほうがいい。他の堕ちゲーム買った方がいい。




まぁ、このゲームと同時期に発売されたLの季節にはまったのは秘密。

801:名無しさん@ピンキー
07/09/20 12:34:34 GEB64O11
>>798
800氏が半分言ってくれたんで、残りを挙げてみる。
同じく落とし方はお任せ。
まあ、もっといい案があればそれを採用して欲しいわけですが。

2は誰彼構わず異性に媚びるフェロモン系
4は他人を拒絶し自己中心的に振舞うナルシスト

堕落、人格変容と言われると「闇の声」をまず思い出すなぁ……
その意味では変容の種類って少ないかも。
特にゲーム主人公と戦うような性格にはしにくい。

802:名無しさん@ピンキー
07/09/20 12:45:02 wwXVojlj
>>800
Lの季節ってのざっと設定見たら操りありそうな雰囲気だったが、どうなん?

803:名無しさん@ピンキー
07/09/20 14:23:31 BGfqR9af
>>802
 ヒロインが操られるというお話は皆無だったと思う。
 ただ幻想界サイドの主人公(男)は邪神(?)に操られる、現実界サイドの主人公(男)は
 自分の中に入り込んだ邪神に意識を乗っ取られて~という展開なのでそれの派生で妄想する
 事は出来ると思う。
 
 あと一部ヒロインの中身が入れ替わる(といっても妄想出来るような展開ではない)
 子供っぽいのが大人に急成長して性格が変わるという展開はある。
 どちらにしても、ここのスレ住人が喜ぶような展開は皆無に近いが・・・
 作品自体は名作。やっておいて損は無いよw


804:名無しさん@ピンキー
07/09/20 16:58:56 KQ6Vqhqi
おお、スレにかつての勢いが戻ってきた・・・
執筆乙です!!

805:名無しさん@ピンキー
07/09/20 17:20:56 M0i23zt6
クトゥルフ物を希望する。


806:名無しさん@ピンキー
07/09/20 17:55:48 Yfe5yXMh
洗脳とかいうレベルじゃなく廃人になるが

807:名無しさん@ピンキー
07/09/20 18:00:01 8kYoYjtp
見ただけで気が狂うし

808:名無しさん@ピンキー
07/09/20 18:40:23 XZ1LBwg7
そもそもクトゥルフを知らない俺に説明してくれ

809:名無しさん@ピンキー
07/09/20 18:42:20 dpvSjh2X
名状しがたいので言葉にはできません。
非幾何学なので図示することもできません。
それがクトゥルフです。いあ! いあ!

810:名無しさん@ピンキー
07/09/20 19:03:01 EVxwS1YN
厨御用達の創作物

811:名無しさん@ピンキー
07/09/20 20:23:12 M0i23zt6
コメントがこんなにつくとは……

それではこのスレではクトゥルフは禁止なんですね。
てか、クトゥルフの邪神ならヒロインスレや魔法少女スレにありましたね

では、さいなら
(・ω・)/


812:名無しさん@ピンキー
07/09/20 20:25:57 3O5qLP3p
なんだかよくわからんがなんだかよくわからんおそろしいものらしい
ほんとうによくわからんがおそろしいですよ

といっているだけのホラー話<クトゥルフ
もはや何が何やらよくわからんが、とりあえず怖い図柄や挿絵や話でもやっておいて
「これもクトゥルフだ恐ろしいですねー」とか言っておける点に関しては
捏造後付やりまくりの神話や新興宗教のような部分はあるような気がする

813:クトゥルフ厨
07/09/20 21:14:06 M0i23zt6
言い忘れた
>>688
とりあえずキモイ
何があろうともクトゥルフ物だけは書くな!

てか、版権物の作品は全部書くな作品が汚れる!

サラリーマンの爺は過労死するまで働いてろボケ!
てめぇらは退職したら氏ね、年金の無駄使いだ!!

起業家にも投資家にもならず奴隷職サラリーマン甘んじる屑風情がSS書きをするな!!

ここは若者専用のサイトだ!!



とりあえずサーカディアの人はGJ

814:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:15:30 gkPt/lBL
クトゥルフ神話は1本の小説にいろんな人が設定後付けしまくって神話に仕立てたからなぁ。

・←これがクトゥルフです、根拠はありませんが多分そうです。

つっても通用しそうな感じだなぁ。

815:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:18:14 Yfe5yXMh
813の身にいったい何がw
リアルに洗脳でもされたか

816:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:35:15 rBC91yCm
昔読んだ信長が出てくるクトルー神話っぽい小説で濃姫が信長の操り人形っぽくされてたの思い出した。
いいなり、人形化も悪堕ちの一種だよね?本人がいかにも悪い人になるんじゃなくて。
そういう短いの書いてるんでそのうち投下するかも。

817:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:47:07 wUiG/Esd
皆さん好きねぇ

818:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:49:52 P21qGN4o
>>816
悪堕ちにしろ人形化にしろ、その過程をしっかり書いてたら良いと思う。
エロもあれば尚良し。

819:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:57:31 RAe6qzze
神話てのは名称だけで、単なるシェアード・ワールドだとおもうけど

エロゲや和SFだと、「実はクトゥルフネタでした!」と
それだけをオチにしてしまう作品が多いのは個人的にウンザリ。
オタ好きがするせいで、こういうとこでネタふりがあると、いあいあ煩いのもなー

スレに沿った発言をするなら、ヘンダーズルインの領主というSNE系の短編小説集で、
山本弘あたりが、クトゥルフネタでヒドラ?化しちゃう女性をネタに小説書いてたな。
(しかし探して読むほどでもない)

820:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:33:16 IlQypKRs
しかしクトゥルフが厨御用達とは……
最近の厨はあんな悪文読んでるのか
原文が酷いのか訳者が糞なのか知らんけど
とても読めたものじゃないのばっかだろ

821:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:41:00 MNs/Osm6
元になった小説群を読んでなくたって、デモベやって、
ネットで解説サイトでも見れば、語れるぐらいにはなるんじゃねーの

なんだかマニアックなものを共有している、という感覚
ようは>>809のようなやりとりが人気なんだとおもわれ

822:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:42:13 VQqW1+Zl
               l^丶
               |  '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう
               ミ ´ ∀ `  ,:'     
             (丶    (丶 ミ   いあ    いあ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ   ハ,_,ハ
              ;:        ミ   ';´∀` '; ';´∀` ';
              `:;       ,:'  c  c.ミ'  c  c.ミ
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J   u''゙"J


            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   それ  るるいえ うがふなぐる ふたぐん
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)    いあ    いあ
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ    ハ,_,ハ
  ((  ミ       ;:'  ,:' ´∀`';  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u    ι''"゙''u

823:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:55:58 o9FdsWfQ
イクサー1で渚を洗脳しようとしたり
デジモンアドベンチャー02でヒロインを花嫁にしようとしたり
探せば良いクトゥルフも居るよ

824:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:57:55 mkQ9B4XL
平成ウルトラマンでラスボスやったりもしました

825:名無しさん@ピンキー
07/09/21 03:59:35 qa6RhptY
クトゥルフ神話で悪堕ちといえば矢野健太郎の邪神伝説シリーズ
最後あたりはヒロインも読者も頭グチャグチャになりそうだった

826:名無しさん@ピンキー
07/09/21 04:52:48 NXHuIHGM
そして洗脳された矢野健太郎は毛野楊太郎になってしまったのでした

827:名無しさん@ピンキー
07/09/21 06:18:57 Z5DSUarM
そういえば昔ヒロインってか主人公が『海の底の国からやってきた魔法少女』で魔法の呪文が例のアレで
美形の憧れのお兄さんが『にゃる様』だと言うまじかる・でぃーぷ・わんなるエロゲーがあったなあ…w

828:名無しさん@ピンキー
07/09/21 09:28:09 XljGBK93
URLリンク(www.getchu.com)
前から気になってたんだが、これってパッケージ見るとこっち系とかじゃないの??
値段中古屋で3桁だがw

829:名無しさん@ピンキー
07/09/21 09:43:26 igO6rbOZ
>>828
レビューサイトであらすじなんかを見る限りではまるで違うな

830:名無しさん@ピンキー
07/09/21 09:45:01 fWH9C6O5
よく分からんがそれだけだと楽しめないっぽい

>元のゲームをやっていなかった為、裏ルート意味不明でした・・・。
>表ルートも退屈で、全エンドコンプする気にはなれませんでした。

>前半はただのヤリゲーしかも音声なし最悪だね・・
>でも後半はものすごい展開が繰り広げられる、しかしAliveやMilkywayをやっていないと意味不明


831:名無しさん@ピンキー
07/09/21 10:37:35 6h6du9A5
>前半はただのヤリゲーしかも音声なし最悪だね・・
音声がないのはゲーム性としては特に問題ないと思うがなぁ
ボイス有りが定着しすぎてるんじゃないか?

832:名無しさん@ピンキー
07/09/21 12:12:22 oMFGEORq
>>828
まさかここでWitch作品がでるとは…
プレイした限りでは悪落ちというより本性を現したって感じでした


833:名無しさん@ピンキー
07/09/21 15:02:55 LApYbBYx
URLリンク(www.discovery-team.jp)
焼印、首輪、MC、吸血…わかっておるのう

834:名無しさん@ピンキー
07/09/21 15:55:39 6OUnCM6d
キタな。

835:名無しさん@ピンキー
07/09/21 17:13:58 c+HzDF3M
異星人とかメカとかの組織と戦ってきた世界観だったのに
いきなり新たに妖怪系の敵組織と戦うことになるところが
「当初はこんなに続く予定じゃなかった特撮モノの3作目」っぽい雰囲気が出て良い

836:名無しさん@ピンキー
07/09/21 18:12:13 pX8PErhR
これはもう購入確定かも分からんね

837:名無しさん@ピンキー
07/09/21 18:22:47 NXHuIHGM
概出かもしれんが・・・ラストスタンドってゲームの主人公らしい。
ゲーム自体はつまらないそうな。

URLリンク(moepic2.dip.jp)

838:名無しさん@ピンキー
07/09/21 18:48:10 xJQIadid
>>833
ひかりがかけられてるのって洗脳マシーンかな?まさか彼女で抜く日が来るかも知れないとは…w

839:名無しさん@ピンキー
07/09/21 20:26:25 i/Emd+2R
アイサイガーの新作敵キャラの設定がそれっぽくて楽しみだ

840:名無しさん@ピンキー
07/09/21 20:57:34 BigOYP3V
ラストスタンドは既出だな
ゲームは色々と惜しい出来
でも、根強いファンはいるので、つまらないと斬って捨てるのは総計かも知れん
今さらプレイするほどのものでもないが

841:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:00:23 COKW8xfx
この絵前も見たけどなかなか好みだ
どういう経緯でこうなるのか分かる?

842:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:32:15 LApYbBYx
>>841
確か主人公(画像の子の兄)が依り代になって魔王の魂だか何かを注がれそうになるけど
それを妹がかばう
んで、妹の記憶を持ったまま悪堕ちだったかな

843:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:51:12 1mL8DE7j
URLリンク(elf.sakuratan.com)

この絵って悪堕ち絵・・・なのか?
「ウィズ アニバーサリィー」というゲームの絵だということは分かったのだが、
ネットで調べても詳しいストーリーが分からない。
公式HPを見ると「フローリアム=ブロセリアンド」、
通称「ローラ」って娘が一番容姿が近いのだが、
虚ろな目や、着ている服等、違いがありすぎて断定ができない。
ローラって娘が悪堕ちしてこういう状況になっているのか、
それとも元々こういうキャラがいてこういうことをしているのか、
誰か知っている人がいたら教えてくれ。

844:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:44:44 iEqIHF5s
悪墜ちっちゃあ悪墜ち。
ていうかそっちの人格がホントのローラ先輩と言った方が良いのか。
オチまで言っちゃうとネタバレになるんだけど。
ローラ先輩ルートで、ラスボスの言うこと聞いて襲いかかってきます。
マントばさー。牙シャキーン! マジステキです先輩。惚れました。

 URLリンク(elf.sakuratan.com)
 URLリンク(elf.sakuratan.com)

 二次元エンドなのでオススメできるかどうかはびみょん。
 あと、マジキャプ画像上げちゃったけど大丈夫だったかな。
 まずかったらすぐ消す。

845:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:45:28 ICn5ybjK
マジで申し訳ないんだが、だれかアクサイガーの画像もってないか・・?
どれぐらいの悪堕ちぐらいかが気になってなかなか手を出せなくて・・・


846:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:57:11 igO6rbOZ
>>845
パワードのほうなら愉しみながら生物殺す程度には

847:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:58:18 JL9NHrpN
アクサイガーってアイサイガーの悪堕ちでいいんだよな?

URLリンク(www.vipper.net)
こんな感じ

848:843
07/09/22 00:21:16 sbAZB0+v
>>844
うおおおお!
その2枚の画像、めちゃめちゃツボった!
通常時とのギャップが凄すぎる・・・。
悪の人格が実はホントの人格だった?という設定も良いな!
俺もローラって娘に惚れた!
このゲーム、やったことなかったけど購入する!

詳細に教えてくれてありがとー。

849:名無しさん@ピンキー
07/09/22 00:22:53 +SHUs5De
837です、とちあえずファンの人には謝っておきます&申し訳ない。
840の人、フォロー感謝です。

>>843
 普段おっとりして優しい女の子が悪堕ちして性格反転、
 邪悪な笑み浮かべて足コキとかしてくるシチュが好きなら絶対お勧め。

 でもこのゲーム、必要スペックがかなり高いので並みのパソだと立ち絵すら
 まともに表示されない可能性がある。多分グラボの相性だと思うけど。
 2005年メーカー製パソでは太刀打ち出来なかったと報告しておきまする

850:843
07/09/22 00:33:03 sbAZB0+v
>>849の人も、詳しく教えてくれてサンクス!
うーん、知れば知るほどたまらなく俺好みなシチュだ!

しかし、そんなに要求スペック高かったのか・・・
ちょっと俺のパソでは無理っぽいorz
でも、おっとりお嬢様風な娘がここまで変貌する様はぜひ見たい・・・
死ぬ気でいいパソ買うしかないな・・・

851:名無しさん@ピンキー
07/09/22 00:45:31 Hb8C6vmV
>>849
3Dでも無いのに推奨VRAM64Mだからなぁ
メーカー製はオンボが多いからきついわな

852:名無しさん@ピンキー
07/09/22 02:20:49 VCEtx9uY
>>849
ちょっと祖父突撃してくる

853:名無しさん@ピンキー
07/09/22 02:54:35 /xmlrAzY
リリムのナースレンジャー、該当かも知れぬ。
ムービーで既にダーク化するとか言ってるし。

854:サーカディア:ナイトメア泉
07/09/22 03:21:55 3TMObEnK
遅くなったけど>>785->>790の続き。今回は泉です。


智美の演奏会から数日後のこと。
昼休みの学院中庭で、超能力を持つ女の子たちが集まっていた。
高等部1年のスポーツ科で水泳部の矢沢麻衣。
初等部=いわゆる小学校6年の如月美海(きさらぎみみ)。
史学科1年で、箱入り娘の桐生院深雪(きりゅういんみゆき)。
そして音楽科2年の杉浦泉。
「朝倉先輩は特化コースに行ったんですよね!それじゃ一緒に戦えないじゃないですか!」
少しクセ毛のショートカットの麻衣が聞いた。
「まあ、それは素晴らしいことではございませんの?…違いますの?」
いかにも日本女性といった感じの、しかし世間とずれている深雪は首をかしげている。
「麻衣お姉ちゃん…優美お姉ちゃんはもう美海達と一緒に戦えないの?」
服装にも顔立ちにも幼さを残す美海が、心配そうに聞いた。
「美海ちゃん…特化コースの勉強の厳しさは有名なの。
課題を終わらせられたら別だけど…すっごく頭いい人でも大変みたい」
「そうなんだ…優美お姉ちゃん…」
「泉さん、占いで分かりませんの?優美さんの勉強の進み具合とか」
深雪のその言葉に、全員が泉の方を見た。
「あーもう、分かったわよ!すぐやってみるからそんな見ないでよ」
嫌がりながらも、彼女は手早くタロットカードを取り出した。
泉の占いと言えば音楽科のみならず学院内でよく知られている。
超能力というほどではないが、なぜか的確に状況を推測・分析できるのである。
さらに泉本人のアドバイスも分かりやすく、吉凶どちらが出ても励みになるのが特徴だった。
力を入れているバンドよりも占いの方が人気なのを本人は気にしているが、頼られて悪い気もしない。
手馴れた動きで、すぐにその結果は出た。が、泉は怪訝そうな顔だった。
「…あれ?何これ」
「どうしたんですか、杉浦先輩?」
「今までに出たことない変な結果…。優美の勉強運は最高。運動運も最高」
「まあ。優美さんは体育がお嫌いではありませんでしたの?」
深雪に言われるまでもなく、優美が体育苦手なのは見た目で想像がつく。それが最高とは。
「で、優美お姉ちゃんは美海たちと一緒に戦えそうなの?」
「それがさあ…現在仲間運最悪、でも次第によくなっていくって出てるんだよね」
「まあ。それではいずれ戻ってらっしゃるのですね。…泉さん、納得いっておりませんの?」
タロットカードをしまいながら浮かぬ表情の泉に、深雪は心配そうに聞いた。
「あ、うん、なんか意外だったからね。…じゃ、あたし作曲あるから。みんなまたね」


音楽科の個室にこもってシンセで作曲。泉の日課だが、どうも手につかない。
確かに優美の運動運は意外だった。
だがそれよりも泉にとって驚きで、嫌だったのが、こっそり占っていた相性だった。
優美と、自分の嫌いな先輩の篠原智美が、相性最高。
現在の仲間運というのも、半ば本当で半ばは嘘だった。
実際に出た結果は「優美・智美との相性最悪。ただし泉と智美の相性はいずれ最高になる」。
なんで篠原先輩なんかと、という気持ちからつい嘘が出た。

855:サーカディア:ナイトメア泉2
07/09/22 03:23:42 3TMObEnK
「…あーもう、調子悪いわ。イライラする」
この不機嫌はここしばらく、智美とケンカする前からずっと続いていた。
バンドでプロデビューを目指していた彼女に、先日プロデューサーがダメ出しをしたのだ。
「君の音楽は、全て何かの真似ごとだ。プロになるために決定的な何かが欠けている」
それがプロデューサーの言葉だった。
そんなつもりで作曲をしてきたわけではなかった。
だが聞く人間のことを考えてしまい、結果的になじみのあるような曲になったのも確かだ。
しかし自分流の作曲をしても「独創的すぎて…」と言われるのがオチなのだ。
「あーもうイラつく!何なの偉そうにあのオヤジ!これでもくらえっ」
腹立ち紛れに力を放つ泉。タロットカード状の気弾が壁に突き刺さり、すぐに消えた。
苛立ちが収まらない。先日それがつい、煮え切らない篠原智美への怒りとなって顕れた。
智美も、周囲の人間も、レコード会社も…そして自分も、全てに腹が立って仕方ない。
「…は~、こんなんじゃ弘樹と一緒にナイトメアやっつけにも行けないっての」
心を落ち着ける必要がある。彼女はタロットカードセットを取り出した。

「あくまで占いであって運命じゃないからね。人生決めるのは自分でしょ」
彼女の口癖である。
それを反映してか、彼女自身を占うと常に「運命の輪」=変転する未来、のカードが出る。
だがそれは、明確な指針が出ないということでもある。
他人のことを見れても自分のことは分からない、そこに彼女は孤独を感じていた。
長身で、スタイルも良く、健康的な褐色の肌をした大人っぽい彼女にも悩みは尽きないのだ。
「誰か、あたしに明確な運命出してくれないかな…」
明日の天気などどうでもいいことを占いながら、彼女は無意識のうちにつぶやいていた。
そこに誰かが扉をノックする。
「開いてるから入っていいよ」

普段ここまで来る暇人と言えば共にナイトメアを倒す仲間を探す弘樹くらいだが、入ってきたのは優美だった。
「こんにちは、泉さん」
「優美じゃない。珍しいね」
同い年ではあるが、しっかりと泉の性格を分かっているため優美のことは嫌いではない。
「優美、特化コースに転籍になったんでしょ?あんまし顔見ないから弘樹とか心配してたよ」
「そうなの。でも仕方ないわ」
淡白な反応に、おや、と泉は思った。
弘樹との相性を占ってほしいと訪ねて来たときは、いい結果が出たことで喜んでいたのに。
「あれ、あんた服のセンス変わった?前と制服の着こなし違うじゃない」
泉が驚くのも当然だった。
以前の優美は真面目一辺倒とまではいかないまでも、規則に違反しない制服の着方をしていた。
だが今はスリットの入った短いスカート、ヘソ出しに胸元をアピールした袖なしの上着といった改造制服を着ている。
優美自身の見た目が清楚であるだけに、不思議なアンバランスさとセクシーさがある。
それを言うと、優美は頬をかすかに赤らめた。
「ご、ごめんなさい。特化コースの友達がどうしてもって薦めるし、制服の加工も許されてるからつい…」
その純粋な様子に泉は安心した。いつもの優美だ。
「いいんじゃない?むしろそういうセンスあたしは好きだよ」
「でも、なんだか偉そうじゃないかしら。自分だけ好きなように制服を着るなんて…」
「与えられた権利を使わなかったら宝の持ち腐れじゃん。それに特化コースに入ったのはあんたの実力でしょ?」
いつも通り話が弾む。やはり相性最悪なんてバカバカしい結果だった。
となると…智美との相性も、妙に気になってくる。
そもそも叩いたのは明らかにこっちが悪い。今さら謝りに行くのも気まずいが、顔見せくらいはしておくべきか。
「…ゴメン、あたしちょっと音楽科の用事あるんだ。せっかく来てくれたのに悪いね」
「ううん、いいの。久しぶりに泉さんと話して元気出たわ」
そそくさと出て行く泉を見送りながら…優美の瞳がナイトメアのものに変わった。
「私の分身に会いに行くのかな…ふふ、待ってるわ…」
露出した腹部や鎖骨に、うっすらと奇妙な模様が浮かび上がった。


856:サーカディア:ナイトメア泉3
07/09/22 03:25:24 3TMObEnK
音楽科ピアノホール。どうやら今日の智美はそこで練習するらしい。
と、入口に話好きのピアノコース生が何人かたまっている。
「…篠原先輩、最近ますますムカつくよねー」
「親の七光りでますます偉そうにしててウザーい」
「でもうらやましいよね、私も親が有名人だったらなあ」
また、こういう連中か。泉が何かイヤミでも言ってやろうとしたとき、その後ろから声が響いた。
「私のことについて話すより練習したらどう?そうでなければどこか行って。邪魔なのよ」
鋭い声に、学生達は慌てて逃げていく。後ろを振り向くと、当の智美本人が険しい表情で立っていた。
泉は開いた口がふさがらなかった。彼女の知っている智美は、上品すぎて何も言えない癪に障る人だったから。
「杉浦さん…感謝するわ。この私のために、何か言ってくれようとしたのね」
波打つ金髪をなでながら、智美は自信満々に言った。
こういう先輩なら、多少気取ってはいるが弱気であるよりむしろいい。だが、明らかにおかしい。
先日の演奏会で見せた態度や演奏と言い、何かが違っている。
謝るよりもむしろそちらの方が気になった泉は、質問をぶつけることにした。
「あのさ、篠原先輩。なんかあんた変わったような気がするんだけどさ、なんで?弾き方も含めてさ」
その言葉に、智美は急に以前のような弱気な微笑みを返した。
「ちょっと、演奏の仕方でコツを習って…でも自分では納得いかないからイライラしていたの」
自分にとって理想的な演奏と他者の求める演奏が違うのはあり得る。しかし、それだけでは妙だ。
「杉浦さん、よければ私の演奏聴いてくれる?ちょっと意見が欲しいの」
何かある。変化の理由を探るためにも、泉は彼女の演奏を聴くことにした。

ピアノの前に座る智美と、その横に立つ泉。
智美の白く細い手が鍵盤に触れた瞬間、泉はくらくらとする、酔うような感覚を覚えた。
演奏会の時と同じだ。音色以外の何かが作用する、嫌な感覚。
しかしその正体を突き止めようと考える泉は、逃げようとせずその感覚に耐えようとした。
聴くことと耐えることに集中するあまり、周囲に意識が行かなくなる。
いつの間にか背後に優美が立っていたことなど、全く気付かなかった。
「…うっ!?」
優美が背後から抱きつき、泉の露出したヘソに指を軽く押し込む。
同時に、智美が手に花びらを作り出し、泉の口に放り込んだ。
口から鼻、喉、頭に広がる強烈で甘美な匂い。そして腹部から脳髄を揺さぶるような衝撃。
びくんびくんと何度か痙攣した後、泉はうつろな目で立ち尽くすだけになった。
「…篠原さん。私の横に座って、この天才的な演奏をよく聴くといいわ」
智美はもうピアノなど弾いていないが、言われるがまま泉は彼女の横に座り
演奏に合わせるかのように頭をゆらゆらと揺らし始めた。
「寄生させるのに成功しましたね、智美さん。次はどうしますか?」
「…私がやるわ。杉浦さんがタナトス様に大人しく仕えるようにしないと」
瞳をナイトメア化させ、手や頬に奇妙な模様を浮かび上がらせた智美が、泉の額に手を触れた…


砂漠の中にそびえ立つ塔。その頂上にはエジプト風の神殿があり、神を祭るオルガンらしき楽器がある。
「うそっ、あたし…ナイトメアに追い詰められたの?いつの間に…」
ここが自分のイデアだということは、自分の根幹でもある楽器があること、プライドを示す塔の頂点に自分がいることで分かる。
「…西洋タロットじゃなくてエジプトタロットのイメージなあたり、さすがあたしだな」
よく分からないところで自信ありげにつぶやく彼女に、小型のナイトメアが襲ってきた。
だが、彼女の手に1枚のカードが収まった途端、そのまとっていたバリアが消える。
次の瞬間にはカードが刺さり、ナイトメアは跡形もなく消滅した。
「あんたらの手の内なんて見えてるのよ」
襲ってくるナイトメアは次々と障壁を打ち消され、続く攻撃で散らされていく。

息ひとつ切らさず雑魚を一掃した頃に、巨大なナイトメアが現れた。
スティールワイヤーに似ているが、より有機的な物質でできた奇妙な姿。
そのコアはグロテスクな花に見えないこともない。
問答無用で泉はタロットカードをうならせる。が、ナイトメアの動きは思った以上に機敏だった。
花の部分を軽くかすっただけで、数枚の花びらが甘い匂いを残し、ひらひらと散る。
「杉浦さん…あなた変わらないのね」
ナイトメアから発せられる聞き覚えのある声に、攻撃を続けようとしていた泉の手が止まる。


857:サーカディア:ナイトメア泉3
07/09/22 03:26:15 3TMObEnK
グロテスクな姿が急に小さくなったかと思うと…篠原智美の姿に変わった。
巨大だったコアは彼女の髪に飾りとして挿され、ツタが彼女の細い体を締め付けるように伸びている。
妖艶な黒のナイトドレスと相まって、恐ろしいほどの美しさが出ている。
「ちょ…ちょっと、篠原先輩!そんなまさか…」
「ふ…私は生まれ変わったのよ。くだらない人間を超越した存在に」
静かな口調と裏腹に、その表情は険しい。人間が目障りでしょうがない、そういう目で泉をにらんでいる。
「ば…バカ!なんであっさりと敵になっちゃうのよお!」
好みや性格が合わなかったとはいえ、音楽に対する姿勢は間違いなく音楽科随一だった。
周囲の期待と自分の理想のギャップさえ克服すれば、いい演奏家になれると密かに認めていた。
でもまさかナイトメアの手に落ちるほど、心に隙間があったなんて。
「…あんたが悪いんだよ、篠原先輩。悩みぶちまけられずに、そんな奴にとり憑かれちゃってさ!」
苦し紛れにイヤミを放つと、泉は容赦せずにカードを放った。
一度ナイトメアに乗っ取られたら、救う手段はないと弘樹から聞いていた。
智美のためにも自分のためにも仕留めるしか道はないのだ。
一方、ナイトメアから人間の姿になって一層身軽になった智美は次々と攻撃をかわす。
とはいえ先見性のある泉の攻撃を完全に避けきれるものではない。
彼女の体に絡みついたツタや花が切り落とされ、その白い肌にも細い傷がところどころ付く。
しかし、その目に浮かぶ見下すような感情はまったく消えることがない。
「篠原先輩…いや、ナイトメア。あんたの偽先輩面見るの、最後にしてやるよ」
彼女は手元に20枚以上のカードを取り出した。
…だが、そのカードは放たれる前に、すうっと消えうせた。
「…え?」
その上、泉自身からもエネルギーが消えていく。がくりと体が崩れる。
気がつくと…切り落とした花やツタが、彼女の体のあちこちにまとわり付いている。
エネルギーが吸い上げられ、奪われていることに、泉は今になって気付いた。
「攻撃されてることにも気付かないなんて…不完全な意識体ね。
不愉快だから、あなたを進化させてあげるわ、杉浦さん」
冷酷な笑みを浮かべながら、智美が泉の方へ手を伸ばした。
ツタが絡まりあい、泉の首と両手両足に巻付く。まるで囚人を縛る鎖のように。
「ちょ、ちょっと!離して、よ、あ、あうっ…」
首に巻かれたツタから花が伸び、彼女の顔に花粉を吹き付けた。
甘い香りに体がしびれ、頭の中で妙なる音楽が響く。クラシックピアノの音だ。
「さあ、大人しく来るのよ…杉浦さん」
智美はツタを引き寄せると、神殿の中へ入っていく。
泉は今にもおかしくなりそうな意識を必死で保ちながら、それに引きずられるしかなかった。


858:サーカディア:ナイトメア泉5
07/09/22 03:26:59 3TMObEnK
白い大理石でできた神殿の奥にある、どこの様式とも言いがたい造りのオルガン。
その前に泉は座らされていた。
ツタがオルガンに絡みつき、もはや逃げることはできない。
「さあ、杉浦さん。私の言うとおりに、クラシックの曲を弾くのよ」
「い、嫌…よ…!誰が、クラシック…なんか」
嫌うことにさしたる理由があるわけではない。
音楽を創り出そうとする者として、古いというだけで崇められる曲に尻尾を振りたくない。
ただそれだけの理由だが、人間のイデアというのはそういった「思い」で構築された世界である。
そのイデアの中で、嫌っている音楽を強要されることは想像を絶するダメージとなる。
泉の精神は本能的にそのダメージを避けようとした。
「ぐ、うぐっ…」
首に巻かれたツタが絞まり、同時に花が花粉を吹き付け、耳元で音楽を奏でる。
目の前にあるオルガンが、グランドピアノへと変貌した。
もはや拒む余裕もなく、気を失いかけながら彼女は弾いた。脳内に鳴り響く曲そのままを。自分の味を加えることすら許されず。
「い…いや…だ」
全身に激痛が走る。意思を浸食され、彼女の塔が次第に砂の中へ沈んでいく。
「そうね、杉浦さん…次は、あなたの嫌いな流行の曲を弾いてもらうわ」
「……!」
自分から望んで、将来のためと割り切って弾くなら、それは我慢できる。
だが嫌いな曲を、何の利益もないと分かりながら弾かされるほどの屈辱はない。
ましてや1年後には忘れられそうな曲を…
「あ…が…うがぁ」
少しでも抵抗の意思を見せればツタが彼女を責めさいなむ。もはや泉に普段の強気さはない。
「やめ…かはっ、やめて…篠原先輩…篠原智美さん…」
顔色ひとつ変えず、智美は言い放った。
「…先輩の私に命令?おしおきよ」
「ああがあ…!ご、ごめんなさい、智美…さま…」
智美はふっと笑うと、彼女の髪に挿した黒バラを泉の顔の前に差し出した。
黒い花粉がむわっと泉の鼻に、口に、目に入り込む。
「あ…あう…うっ…?」
泉の顔から苦痛の色が消える。目の焦点が定まらなくなり、世界が金色に見え始める。
「…ご褒美よ、篠原さん。痛みを和らげてあげる」
「ふわ…あ…ありがとう…ございますぅ…」
また大きく塔が沈んだ。
「さあ、弾きなさい」
しゅるしゅるとツタが伸び、彼女のヘソや腹部、感じやすい部分を刺激する。
頭に張ったツタは彼女の記憶を読み取り、彼女のアイデンティティを崩す音楽を探し続け、彼女の耳元で鳴らす。
そして体に巻きついた植物は彼女の衣服を切り裂き、彼女を支配する衣にならんとする。
彼女の思念が崩れるに従い、オルガンだった楽器はピアノから、歪み、ねじれ、穢れていく。
「い…いや…がっ…くはあぁ…はぅん…ぐ…ふうぅ…とも…みさまぁ…」


859:サーカディア:ナイトメア泉6
07/09/22 03:30:38 3TMObEnK
どれだけそれを繰り返しただろうか。
気がつけば塔は地中深くに沈み、神殿の中は闇に包まれている。
智美は長い間沈黙したまま、楽器を弾き続ける泉を見つめている。
その泉の服は、エジプトの巫女を思わせる露出の多い衣に変化している。
もはや苦痛も、それを和らげる脳内麻薬も感じなくなったのか、淡々と弾くだけだ。
不意に泉の耳元の音楽が止んだ。びくっと泉が震える。
「智美さま…何を弾けばいいの」
「あなたの好きな曲を弾きなさい」
泉は動かない。
「智美さま、命令して。そうでないとあたし弾けない」
智美はにこりと微笑んだ。
「杉浦さん、弾く曲をあなたの中に埋め込んであげるわ。タナトス様を称える賛美歌を」
「たなとす…?」
「考える必要はないわ、杉浦さん…」
ツタが伸び、泉の体内に入り込み、ナイトメアの種子を埋め込んだ。
「空っぽになったあなたの意思に、すぐ種子が根を下ろすわ…
さようなら、人間の杉浦さん」
智美が消えた後、泉はぶるっと体を震わせた。
「はうっ…あ、ああ…」
種子は次々と発芽し、人形と化した泉のイデアに合わせて独自の進化を遂げた。
地獄に最も近い地底で崇めるもの…それは神ではなく、悪魔。
泉の肌が青白くなり、コウモリのような翼が背中から生え、角が伸びる。
首と手足に巻かれたツタは金属の鎖となり、スタイルのいい泉の肉体を拘束する。
鋭く爪の伸びた青い指によって、オルガンが悪夢のような音色を奏で始めた。
「あたしは杉浦泉…。タナトス様の巫女にして、従順なしもべよ…」
内部に忌まわしい模様が浮かび上がった神殿。泉はその巫女にして、虜となった。
永遠に従順に、オルガンを奏で続ける悪魔へと……


860:サーカディア:ナイトメア泉7(終)
07/09/22 03:31:50 3TMObEnK
「目覚めた気分はどうかしら、杉浦さん?」
智美の質問に、泉はどこか覇気のない笑顔で答える。
「智美お姉さま…とてもいい感じよ。何も考えず服従することがこんなに気持ちいいなんて」
「では、片山弘樹については、どう思うかしら?」
「かたやま…ひろき…?」
一瞬ぼんやりとした表情になる泉。だが、答えは速かった。
「あたし達のご主人様の敵よね。弱い人間を守ろうとする、愚かな奴よ」
今度は優美が聞いた。
「泉さん、弘樹の側に私たちと同じ力を持った人間がいるよね。
どうすればいいと思うか、泉さんの意見があったら聞かせてほしいわ」
泉はきょとんとした顔をしている。
「質問の意味が分からないわ、優美様。あたしに命令してくれない?」
優美は嬉しそうににこりと笑った。
「智美さん、面白い寄生のさせ方ね」
「可愛いでしょう?自分の生き方、とか言ってた人間も私の力でこうなるのよ」
「うふふ、扱いやすい駒ができたね」
優美は再び泉の方へ向き直ると、言った。
「じゃあ、泉さん…あいつの仲間をタナトス様の下僕へと目覚めさせてほしいの。できる?」
「やるに決まってるじゃない、それがタナトス様のお望みなら」
「じゃあ篠原さん、いつも通り占いをしながら、あの人間の仲間が来るのを待つのよ。
そしてチャンスが来たら動きなさい。
あなたは私たちの…そしてタナトス様の分身。あなたの思念は私たちにもすぐ届くわ。いい?」
泉は微笑んだ。ただしいつものような明るい笑いではなく、人形のようなうつろな目で。
「人間のように感情のあるふりをして紛れ込めばいいのね。わかった、智美お姉さま、優美様」

こうして今日も泉は中庭で占いをしている。
以前にも増して的中率の上がった彼女の占いだったが、その分効果的なアドバイスは減った。
「あたしはナイトメア、杉浦泉。タナトス様の操り人形にして使い魔。
もっともっと、あたしと同じ人間型のナイトメアを生み出さなくちゃね…」
誰もいない時、カードを整えながらこうつぶやく泉の姿があった。
彼女がうっとりと見つめるのは、悪魔のカード。堕落・誘惑を象徴する。堕とされ、新たな獲物を待つ、今の彼女自身でもある。


流れ切った上に長くなってスマソ(´・ω・`)
次回は誰を堕とそうか考え中

861:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:05:47 GrseUASO
GJ

862:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:15:04 0oM93dAz
>>853
リリムかぁ
がんばってほしい
ムービー作ってないで本編に力入れてほしいな

863:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:15:22 Q4bu0tfS
GJです!

何この数日の神がかり的なスレの流れは!

864:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:15:46 hu1oZUOt
GJだっぜ!!

865:名無しさん@ピンキー
07/09/22 06:25:06 rPvgySSp
GJ

長すぎたのは導入があったからだろうて、あまり気にすることは無い。
ここの連中は脳内妄想と脳内保管に特化しているから導入にあまり力入れなくても良いと思う

んでだ。教えて欲しいのだがエジプトの巫女の姿がどうしても浮かばないのだ。
クレオパトラとかそんな辺りでおk?

866:名無しさん@ピンキー
07/09/22 08:04:45 Hb8C6vmV
クレオパトラの時代はヘレニズム王朝だから服飾は大分異なるよ
適当な語句でイメージ検索でもすれば像や壁画からイメージ掴めると思う
てか巫女じゃなく女性神官な

867:名無しさん@ピンキー
07/09/22 08:12:47 k4Sy/6HZ
GJ!>>860の文才に嫉妬。
智美のドSっぷりがたまらんな。

868:名無しさん@ピンキー
07/09/22 09:11:51 rPvgySSp
>>866

今調べているけど結構難航orz
そこまで歴史深くないからきついな……知識はもっと持っておくべきだ。
もう少し調べてみる

869:名無しさん@ピンキー
07/09/22 11:29:42 oavS6Wbx
漫画喫茶に行けば「王家の紋章」その他古代エジプト物の漫画でイメージ掴めるのでは

870:名無しさん@ピンキー
07/09/22 12:38:09 L7SioUKS
>>860
GJでございます!
神すぎる……神すぎるよ>>860……

871:名無しさん@ピンキー
07/09/22 12:55:10 uoWlGmrE
GJ!

とりあえずおっとりキャラの人を希望

872:名無しさん@ピンキー
07/09/22 15:16:09 GyeHeK5/
皆さんお疲れ様です。
報告します。
二次元ノベルのヴァイオレットレディが悪墜ちエンドでした。
追伸 食中毒はマジ辛いので皆さんも注意したほうがいいです(泣)

873:名無しさん@ピンキー
07/09/22 15:49:18 rPvgySSp
まったく見つからないよパパン

脳内保管と脳内妄想はあっても知識が無い自分に絶望したorz
今度図書館逝って調べてきます……

874:名無しさん@ピンキー
07/09/22 18:31:25 wBDPo4oz
>>846
>>847
サンキュー今から買ってくるぜ!

875:名無しさん@ピンキー
07/09/22 20:01:03 AlpYukXz
>>873
QBのメナスでも想像しとけばいいじゃん
エロいし

876:サーカディアの人
07/09/22 21:29:51 3TMObEnK
お前らのコメントにテンパり気味(゚∀゚≡゚∀゚)
今後はちょっとペース落ちるかもしれないが、6人は続ける
色気担当の先生は人格変化の面白みが薄いからスルーするかもしれない(´・ω・`)

>>865
アドバイス感謝
資料探し頑張りすぎwww中の人も考えてなかった
せいぜいヘソ出して飾り付けて薄布を胸当てとスリットスカートにしてるイメージ

>>866
勉強になりますた(`・ω・´)そういやいわゆるエジプトの時代じゃないんだよな

>>871
おk、考えとく
そういや和洋の違いはあるけど巫女つながりだな

>>872
つ● 正露丸
たいてい薬効きにくいから医者で点滴してもらうのが一番

877:名無しさん@ピンキー
07/09/22 22:41:02 PCt7eTgI
そういやこの人はどうなったんだろう
密かにレポ待ってるんだが

333 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/07/06(金) 01:42:28 ID:ebJyXqzY
女戦闘員物語もそうだがZENの洗脳って操られ感に欠ける嫌いがある
GIGA八月発売のオーロラシスターズには特攻するのでみんな骨は拾ってくれ

878:名無しさん@ピンキー
07/09/22 22:57:11 /nFZLxEz
骨すら残らなかった

879:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:13:15 G7lj6S7b
ちょww合掌

880:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:48:29 PhCXOhsB
かもしてころすぞ。

881:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:57:48 PCt7eTgI
あぁ…おつ
やっぱシュワルゼンはダメか

882:名無しさん@ピンキー
07/09/23 03:43:40 w7j9AEd9
>>847が気になる・・・。

883:865
07/09/23 07:13:17 w2sQctyQ
朝から来てみればやっぱり衣服の妄想はその辺りで良かったのかorz
ピラミッドと聞いて太陽神→フェニックス→不思議発見→ガイア幻想記→海馬なった俺乙

変だと思ったんだよ。
前述の二人が分かり易い衣装だったのにいきなり歴史物の王朝レベルの衣装になるなんてな
これまで読んできた中でエジプト関連の衣服

google先生や他の検索サイトの画像を調べてもまったく出てこないし……
調べても調べてもただ虚しく時間は過ぎていくし
俺もう泣きそうだったよ

今まで読んだ中で最高レベルの難易度を誇った衣服だった。
図書館に行ったときに調べておく。知識はあって損することはないと思うしな。




とりあえず昨日の苦心の礼を払わせてもらおうか。
最近読んだ中のエジプトネタで一回私に倒されろ。
ふふん、大丈夫だ。現実の非現実の区別が付かない女が使用した斧は使わないからな。
代わりに電鋸二刀流X斬りだがな。

884:名無しさん@ピンキー
07/09/23 10:07:57 nvU+E5lX
>>883
放送(連載)中止になるぞ!?

885:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:13:00 yt2Bu9qq
それどこの砂原潤?

886:名無しさん@ピンキー
07/09/23 14:44:01 8obHEoC6
よくその名前出たな、いわれるまでチェーンソー2刀流とか思い出せなかったよ

887:885
07/09/23 16:39:43 yt2Bu9qq
成田良悟の越佐大橋シリーズで確か居たなそんな人
→確か猫の鳴き声の作品だったはず→本棚漁る→本見っけ

こんな感じだった

888:名無しさん@ピンキー
07/09/23 19:28:02 q9/+vH/c
皆さんなんだか嬉しそうに騒いでるけど・・・
最近知らない題材ばっかでまったく内容に付いていけない自分がいる・・・

889:名無しさん@ピンキー
07/09/23 19:35:37 UfmopP/p
>>888
俺もサーカディアとか知らんけど公式サイト見て
足りないところは脳内保管でムホムホしてるぜ
それが妄想力というものさー

890:名無しさん@ピンキー
07/09/23 23:20:00 n10anheD
>888
俺も全くわからんが、活気があってそれだけで楽しいぜ?
そういう話題は漠然と眺めてほんのりと自分の雑学に加える
というか最近はいろんな人が書き込んでるのかな?
スレの裾野が広がったみたいで良いことじゃないか~

891:名無しさん@ピンキー
07/09/23 23:24:13 N4af61Wk
自分の知っている情報しか書き込まれないようでは見る価値がない

892:名無しさん@ピンキー
07/09/24 00:33:45 xW2/o18/
ついていけなかったらスルーするのも手だよ
俺は興味が湧かない話題は全部読み飛ばしてるクチ
自分が乗れる話の時以外はROMるのが基本

893:名無しさん@ピンキー
07/09/24 03:54:27 spVpK0Q4
893に口八丁で洗脳され、セーラー服な娘が機関銃を乱射しだし
快感を覚える様になる・・・・・・

894:名無しさん@ピンキー
07/09/24 04:37:25 VxbC06vd
マシンガン乱射なんて銃刀法違反・・・
でも・・・か・い・か・ん
(ダダダダダダダダダダダダ・・・)

895:名無しさん@ピンキー
07/09/24 09:30:16 F4dxbyIZ
>>893

まぁ頑張れ

896:名無しさん@ピンキー
07/09/24 10:27:39 XksbDNrP
ああ>>893が洗脳するんだな?
三面記事待ってるよ。
洗脳王子逮捕って。

897:名無しさん@ピンキー
07/09/24 19:43:56 h8TqqN5R
>>896
>>893はCIAとかに拉致られて方法とか組織とか聞き出されて秘密裏に処理されて
セーラー服な娘「あの人は・・・(裏社会の)伝説になったのよ・・・」
とかってカンジで空に顔が浮かぶと思う

898:名無しさん@ピンキー
07/09/25 00:49:57 czKVNYyI
はてなで悪落ちを熱く語ってるひとがいたぞ。
ユズレンジャーとかの続編?の話でヒートしてたなあ。

899:名無しさん@ピンキー
07/09/25 17:03:54 TeeMbzrw
昨今の斧女&斧男は何に洗脳されたのかな?

確実に光市の「私を舐めないでください」は洗脳されとるな

900:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:07:44 1sxHAIkr
>>899
光市のは、確実にあの弁護団に洗脳されてるっしょ。

901:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:54:32 wOfgqbXQ
逆に考えるんだ
「弁護団が光市の犯人に洗脳されてる」
と考えるんだ

902:名無しさん@ピンキー
07/09/25 19:30:42 y4i3PACE
会見でおお泣きしてる弁護士を
昼の顔がエリート美人弁護士な変身ヒロインが洗脳された姿だと妄想するんだな?

903:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:59:32 50dvelMT
裁判長を洗脳しようと必死だよなwww

泣いて相手を洗脳・・・新手か

904:名無しさん@ピンキー
07/09/25 21:12:10 XJf2lYWr
泣き落としって弁護士のやることじゃないよな・・・

905:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:06:11 GPLMTL5z
ひさしぶりに来たんだけど保管されてる作品少なくなってない?

906:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:22:12 O2xjjTFz
保管庫には50本近く収録されてるが。


907:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:32:55 5Iyxmvqr
プリマヴェールフラゲきたね

908:神謀艶虜
07/09/26 01:54:10 AVu1T4qz
どうも、神羅スキーの178です。なにやら久しぶりの気がしますが神羅モノで一本投下します。
内容は画板に貼り付けた奴をSS化ですね。

神謀艶虜(しんぼうえんりょ)

「ほらほら、どうしたんですか?動きが鈍くなっていますよ」
「こ、この天使…、なんて強さなの…?!」
大きく肩で息を切るカレンに、屈辱とも称賛とも取れない表情が浮かんだ。
はっきり言って剣術には自信があった。若くして神羅連和国・飛天騎士団の筆頭将軍を務め、直属の
上司であるサイアスを除けば自分とまともに剣を交わせる相手など誰もいなかった。
それが自惚れに繋がったということを否定するつもりは無い。
が、それを抜きにしても目の前にいる天使は強大に過ぎた。
カレンの繰り出す剣戟をまるで訓練でもしてるかのように悠々と受け流し、まるで崩れる様子を見せ
ないばかりか時折カレンへ向けて鋭い打ち込みをしてくる。
その動作はあくまで泰然綽々として力みがなく、余裕の笑みを浮かべる顔には汗の一滴も流れてはいない。
カレンの目から見ても、この天使が自分よりはるかに高い技量を持っていることは間違いなかった。
そして、自分が完全に遊ばれていることも。
「どうしました?もう疲れてしまわれたのですか?なんでしたらここで終わりということで…」
金の長髪を揺らし四枚の黒い羽を生やした天使は、まるで生徒を諭すかのようにカレンに語りかけてきた。
「冗談はやめて…。このまま続けて結構です…」
あまりに力量が違いすぎるが、こうまで舐められてはさすがにプライドを傷つけられる。
敵わずともせめて一太刀…。カレンは残った力を振り絞って目の前の天使に対峙した。が。
「いえ、正直言って貴方と遣りあっても退屈なんですよ。あまりにも弱すぎて、ね」

ガィン!!

「キャッ!」
天使が軽く振るった一薙ぎはものの見事にカレンの細剣を捕らえ、衝撃で右手からはじき出された細剣
は真っ二つに折れて地面に転がり落ちた。
「さて…、これで勝負あり。ですかな?」
突き出された剣が喉元に突きつけられる。これでは何か動作を起こした瞬間に剣が首に埋められるのは
疑うべくも無い。もはや逆転の機会は永遠に失われた。
「そうね……。私の負けだわ。剣技で私に勝てるのはサイアス様だけかと思っていたけれど、まさか
サイアス様と互角に近い使い手がいたなんてね…。さすがは天使といったところかしら………
もういいわ。殺して」
覚悟を決めたカレンは、スッと目を閉じて目の前の剣が自分につきたてられるのを待った。
が、いつまでたっても喉に剣が刺さる感触はやってこなかった。
不審に思ったカレンが双眸を見開くと、目の前にあった剣は既に天使の腰の鞘の中におさまっていた。
「何をしているの………?早く殺しなさい!貴方には、戦士の情けというものが無いのですか!
これ以上辱めを受ける気はありません。さあ、早く!」
他者から見たら多少理不尽ともいえる怒りを爆発させ、カレンは声高に叫び上げた。
その様に天使は多少苦笑を浮かべつつも、あくまでも柔和な表情でカレンへ語りかけてきた。
「ご安心下さい。私としてはこれ以上、貴方へ危害を加えることはいたしませんよ」
「ふざけたことを言わないで!私は貴方の敵よ。なぜ!」
「なぜと言われても………。そう、あえて言うならば……」
天使はそこでわざともったいぶったように言葉を詰まらせ、両膝を地につけているカレンへ顔を近づけ、
「貴方のような美しい方を斬るような剣を、このナルキッソスは持っておりませんから」
と、まるで異性を口説くかのような口調でカレンへと語りかけてきた。

「!!」


909:神謀艶虜
07/09/26 01:55:07 AVu1T4qz
その声、その表情を叩きつけられた瞬間、カレンの心が一瞬ではあるが歓喜に戦慄いた。
瞳は大きく見開かれ、頬はサッと朱に染まり、鼓動は一段階高く刻み始める。
(ど、どうしたの私………。目の前にいるのは敵なのよ?!何ときめいているのよ!)
突然湧き上がった感覚を打ち消そうと、カレンはぶんぶんと頭を振り払い、深く息を吸い込んで心を
落ち着かせようとした。
さいわい体の熱はスゥッと引いていったが、そのことで逆にナルキッソスの存在を強く意識してしまう
ようになってしまった。

(どうしよう…。あの男の顔を見てまた今みたいな気分になったら…)

カレンは網膜に焼きついたナルキッソスの影を必死に打ち消そうと試みた。
が、意識をすればするほどその画像は鮮明になり、カレンの意識の奥底にまで深く潜り込んでくる。
心の中で、次第にナルキッソスの存在が大きくなり始めている。
両肩に当てている掌が次第に細かく震え始め、吐息の間隔が細やかになりつつある。
「おや?お加減がよろしくないようですね。どうなされましたか?」
カレンに伸ばしたナルキッソスの掌が肩にかけた手に触れた瞬間、カレンの背筋にぞわわっとした感
触が湧き上がった。
「ひゃあぁっ!!」
ビクンッ!と背筋を伸ばして反応するカレンを、ナルキッソスは目尻を歪ませて眺めていた。
「おやおや…。男の前で淑女がそんな声を上げるものではないですよ」
思わず自分が上げた嬌声と、それをナルキッソスに指摘されたことでカレンは羞恥で顔を耳の先まで
真っ赤に染め上げ、ぺたんと尻餅をついてしまった。

(わ、私ったら……、なんてはしたない声を……)

恥ずかしさと情けなさで胸が詰まりそうになり、自然と両目から涙が溢れてくる。眼鏡越しの視界が
ぼんやりと濁り始め、頬を伝って零れ落ちていく。
「もう…、もうこんな屈辱耐えられない!
殺して。お願い!私を殺して!!」
地面にうずくまり、あらん限りの声を張り上げてカレンはナルキッソスに懇願した。
が、ナルキッソスはそんなカレンにやさしく、しかしどこか冷たく言い放った。
「いいえ、貴方を殺しはしません。貴方には是非ともやって貰いたいことがあるのですから」

やって…、もらいたいこと?

「ええ。実に簡単なことです。
貴方の上司であるサイアスを、貴方達の手で殺してきて欲しいのですよ」
「……………」

ちょっと待て。今、目の前の男は何を口走ったのだ?!
「私に………、サイアス様を殺せ………?」
「ええそうです。貴方達ならばさすがにあの男も油断するでしょう。え?それでも敵うはずも無い?!
ご安心ください。あの男に負けないほどの力を貴方に差し上げましょう」
「……………」
カレンの直属の上司であるサイアスは『剣聖』の二つ名を持つほどの凄腕の剣士であり、地上に襲い
掛かる天使に対する迎撃の総指揮を取っている。確かに天使にとってはこの上なく厄介な存在だ。
サイアスを排除することが出来れば、天使にとって地上侵攻のこの上ない好機となるのは間違いない。
(だからと言って、私にサイアス様を手にかけろと言うの?!)
カレンにとってサイアスは敬うべき上司であり、尊敬する剣術の師匠でもあり、恋慕を抱く男性である。
そんな自分にとって無二の人物を、この天使は殺せというのか。
あまりも達の悪い冗談に羞恥もなにも彼方へ吹っ飛び、カレンはナルキッソスへ怒りの視線をキッと向けた。

910:神謀艶虜
07/09/26 01:56:07 AVu1T4qz
「確かにサイアス様がいなくなれば貴方達の地上侵攻は楽になるでしょうね………。
でも、私がサイアス様の命を奪うわけないじゃない!冗談も大概にして!」
怒りで声をまくし立てるカレンだが、ナルキッソスから返ってきた返事は予想もしないものだった。
「いえいえ、別に私は地上侵攻が楽になるとか、そんなことを考えてはいません。
というか、私にとっては地上侵攻なんかどうでもいいんですよ」
「…………え?貴方……、何を言ってるの?」
地上侵攻なんかどうでもいい?
「だって貴方達は地上に攻めてきたじゃないの。なのに、それがどうでもいいってどういう意味なの?!」
カレンは目の前にいるナルキッソスが、その強さから天使の中でも相当な地位にいる者だと感じていた。
その人物から、地上侵攻などどうでもいいという言葉が出てくるのが理解できなかった。
「まあ、地上に神罰を与えよと言い始めたのは上の方ですから、私自身が人間をどう思っているかは
また別問題でして。ただ、この件が私の目的を容易にしたのは否定しませんが」
「目的………?」
そこまで聞いてカレンは悟った。地上侵攻などどうでもいいと言いきったナルキッソスが『目的』としていることを。
「まさか貴方………、サイアス様を殺害するためだけに?!」
「ご名答です。私が地上に降りてきた目的はただ一つ。あの忌々しい男の血を引くサイアスに引導を渡すためですよ。
今までは我らが主の命で地上界に手を出すことは出来なかったのですが…、ようやっと我が念願が叶う機会を得たのです」
それまで柔和な表情を崩さなかったナルキッソスの顔に、明らかにそれまでと違う感情…憎悪が浮かび上がった。
「なんで?!なんの恨みがあってサイアス様の命を狙うのよ!」
カレンが発した『恨み』という単語。この言葉にナルキッソスはピクリと眉を動かした。
「そうですね………。では、昔話をいたしましょう。
今から1000年前…、私はちょっとした戯れで地上界に降りたことがありました。勿論天使としての
身分は隠し、比較的外見が似ていた飛天の民に紛れ込んで」
1000年前、その頃の世界は今より各部族の身体的特徴が強く出ていたと聞いている。
聖龍族は角、飛天族は羽といった按配に。
確かに今でも先天的に魔力の強い人間は、先祖帰りのように羽根や角が生えている場合がある。
ましてや1000年前のより特徴が強い世代ならば、飛天族に天使が紛れ込んでも見分けはつきにくかったのだろう。
「最初に私が使えた飛天の王。あれは人間の割りに頭が切れ、なかなかに愉しませて貰ったものです。
彼の息子もいいものを持っていましたが、やはり父には及びませんでしたね…」
「………」
古い思い出に浸っているのか、ナルキッソスの瞳が薄く閉じられる。
その憂いを帯びた表情に、カレンは心がまた少し揺さぶられた感じがした。
「そしてある日、私は一人の女性に恥ずかしながら一目惚れをしてしまったのです。
彼女を手に入れるためなら、私は天使としての身分も使命も捨て、地上で一人の人間として生を全う
するのもよい。と考えたこともありました」
さっきまでとは違い顔をうっすらと赤く染め、照れ隠しかちょっとはにかんだ笑みをカレンへと向けている。
(この人……、こんな顔を作ることも出来るのね……)
何故かは分からない。何故かは分からないが少しずつ目の前の天使に心惹かれていくのを感じる。
その一挙手一投足が心の琴線に引っかかってくる。
知らず、ナルキッソスを見るカレンの瞳は潤み、艶っぽくなってきていた。

「ですが」

と、話を区切ったところで、ナルキッソスの顔に今度は明らかな怒気が浮かび上がった。
「彼女が私に振り向くことはありませんでした。私は彼女を振り向かせるため懸命に努力をしました。
が、どれほどの努力を重ねようとも決して彼女は私を受け入れようとしませんでした。そして………」
ナルキッソスの体から肉眼でも見えそうなほどの憤怒の『気』が噴出している。先程までの柔和な雰囲気は
消え失せ、触れなば斬らんといわんばかりの気配に満ち満ちている。
が、カレンにはそれすらもこの天使の美しさを引き立たせるものに見えた。

911:神謀艶虜
07/09/26 01:57:07 AVu1T4qz
「彼女は私の前から消えました。あの薄汚い下衆に絆され、私の手から離れていってしまいました。
その後私は天界へ戻され、地上界と天界の交流は制限されることになりましたのであの二人に手を下すことは
出来なくなりました………
ですから、今回の地上侵攻は待ちに待った機会だったのですよ。あの屑野郎・シェイドに復讐するためのね!!」
「シェイド………?!」
その名前には覚えがある。
以前、サイアスが自身の出生を明かしたことがある。自分の父母はかつて争いあっていた種族同士だったこと。
そして、種族の壁、憎悪の障害を乗り越えて結ばれたこと。
その名前は母はクラウディア、父はシェイド………
「まさか、恨みって!」
「そうです。かつて、私の前から最愛の女性を奪っていった男。そして、その一人息子。
私はただ、その男を地獄に叩き落すためだけにやってきたのですよ。
コア・キューブもデストールも私には関係ありません。ただただ、あの男の死のみが私の望みなのですから!」
もう怒りや恨みという言葉では形容できないほどの、底知れない闇をナルキッソスは纏っていた。
(な、なにそれ…。つまり、振られた男の逆恨みってこと?!)
一体どれほどの過去の因縁があるのかと思ったが、蓋を開けてみればなんと言うことはない。あまりの
事の矮小さにカレンは軽い眩暈を感じていた。
(でも………、この人から恋人を横から奪い取っていったって言うなら仕方が無いのかも…。私だって
許せないと思うし…。だとしたら、サイアス様が咎を受けるのも止むを得ない………
って、私は何を考えているの!!)
自分の心にポッと浮かんだ恐ろしい思考。まるでサイアスが殺されても仕方が無いというような考えに
ごく自然に至ったことにカレンは愕然とした。
(なんで、なんで私はそんなことを思ったの?!おかしい!私の心が何かおかしい!
サイアス様が殺されるのは当たり前じゃない!そんなことを考えてしまうなんて!
違う!!
私、いったいどうしちゃったのよ!!)

サイアスは死んで当然。サイアスは殺されるべき。サイアスは死ななければならない。

カレンの心の中で、『サイアス』という固有名詞がどんどん負のイメージ方向へ向っていく。
「や、やだぁっ!私、こんなこと考えたくない!こんなこと、したくない!!」
「さあ、太陽騎士カレン、貴方にも協力して頂きますよ。あの男のことをよく知り、全幅の信頼を置かれている
貴方が刺客として送り込まれる。あの男にとってこれほど辛いことは、ないでしょうからね!」
自らの脳内の思考にに抵抗し続けるカレンの頬に、グッと力をこめた手が添えられてきた。
ナルキッソスがカレンの顔を両手で掴み上げ、強引に自分のほうに振り向かせる。涙で霞むカレンの視界に
ナルキッソスの瑠璃色の瞳が映しこまれた。
深く深く、暗い瑠璃色がカレンの瞳を通して脳髄を焼き貫いてくる。やがて映る視界は瑠璃色で占められ
聞こえる音はナルキッソスの声しか聞こえなくなってきていた。
「カレン、貴方はサイアスを殺すのです。私の為に殺すのです。殺すのです!
貴方のその手でサイアスを血の海に沈め、私の前に奴の素っ首を捧げるのです!」
「わ、私は………。あ、あああっ!」
ナルキッソスの言葉が凄まじい強制力を伴ってカレンへと襲い掛かる。

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
(こ、この御方の為に、サイアス様を……)
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
(殺さなければ…殺さなければ…私の主であるこの御方の為…)
殺せ殺殺殺せせ殺せ殺せ殺せ殺殺せ殺せ殺殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ

「わ、私は………さ、サイアスさまを…、こ、こ、ころ………」

殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ…

912:神謀艶虜
07/09/26 01:58:06 AVu1T4qz
「いやあああぁぁあぁぁっ!!絶対にいや!サイアス様を殺すなんて、絶対にいやあぁぁっ!!」
頭の中に鳴り響く「サイアスを殺せ」の大合唱。
激しい頭痛と強制力を伴ったその言葉に、カレンは両手で頭を抱え、歯を食いしばって必死に耐えた。
「いや……、いや……、いやぁ………」
その姿に、ナルキッソスは感心とも驚きとも取れる表情を浮かべた。
(これは…、なかなかの精神力を持っているようですね。魅了に加え言霊も用いたのにまさか人間如きが
抗しきるとは……。では少し手を変えてみますか……)
「そうですか。それはこちらとしては残念なことです。しかし…」
ナルキッソスは蹲るカレンに顔を近づけ、耳元でぼそりと呟いた。
「貴方の弟君は、快く私に協力してくれると言ってくれたんですけれどね………」
「…え………?」
弟君?!誰の?貴方の?私の?!
「さあ、こちらへ来てください」
ナルキッソスに促され、物陰からふらりと出てきた影。
「シ、ショウ………?!」
「姉さん………」
カレンの前に現れたもの。それはカレンの実弟であり、三年前の聖龍石盗難事件の際復活を果たした
マステリオンを倒した光の戦士の一人でもあるショウだった。
が、そこにいたのはカレンが知っているショウではなかった。
強い意志を秘めていた瞳は光を失って薄暗く濁り、顔には白痴のような笑みを浮かべている。
着ている詰襟はだらしなく前をはだけ、上気した肌を露出させている。
「っ…………!!」
それだけでもカレンにとっては悪夢のような光景なのだが、カレンの目を見開かせたのはショウの肉体
に付いているありえないモノだった。
服の生地を引き裂いて飛び出しているモノ。両耳の付け根から伸びているモノ。
それは漆黒に濡れる一対の翼。
目の前にいるナルキッソス=天使と全く同じ物が、自分の肉親から生えていた。
「どうしたんですか…姉さん。僕の体、どこかおかしいですかぁ……」
事態が飲み込めず当惑しているカレンに、ショウはわざとらしく問い掛けてきた。
「な、なによそれ………。ショウ…、あなた、ど、どうして………?」
頭痛に苛まれ手足の自由もままならない中、ぶるぶると震える手でカレンはショウの羽を指差した。
「ああぁ、この羽ですか。どこか変ですか?
姉さん、僕たちは飛天族の血を引いているんですよ。羽が生えていたっておかしくは無いじゃないですかぁ」
確かにかつて、飛天族は背中に雄々しい羽根を持ち、大空を自由に飛びまわれたと聞いている。
現在でも潜在的に魔力の高い飛天の人間は背中に羽を持って生まれてくる例はある。
しかし、それはとても小さいものでとても空を飛べるような代物ではない。ショウの体から伸びている
ような巨大な羽を持つ人間は、現在の人間では存在しない。
「どうですか姉さぁん、この大きな羽は。これのせいで体中から魔力が溢れてきて、もう、堪らないんですよぉ…」
ショウはわさわさと羽を動かし、恍惚からか全身を時折ピクピクと震わせている。
実の弟の変わり果てた姿に、カレンは一瞬目の前が真っ暗になった。
「ナルキッソス………、貴方、私の弟に何を………」
「ああ、貴方の弟君には私の為す事に協力していただくために私の力の一部を与えたのですよ。
感謝してください。ただの人間に天界の力を付すなんてこの上ない名誉なんですからね」
ナルキッソスは身悶えるショウに近づき、その顎をつい、と撫で上げた。
「あぁ……」
ナルキッソスに触れられたショウは、これ以上ないというほどの幸せな笑みを浮かべ、ナルキッソスの体に寄りかかった。
「今の彼は私の眷族にして忠実な部下です。そう、命令すればどのようなことでも遂行する、ね………」
「あ、あ、あ、ああっ!ナ、ナルキッソス様ぁぁ…」
ナルキッソスにもたれかかっているショウは、全身をナルキッソスに擦りつけ感じ取ろうと蠢いている。
(な、なにしているのよあの子……、あんなにいやらしく体を動かして…)
目の前で紡がれるショウの痴態。とても正視に耐えない光景だが、何故かカレンは目を離すことが出来ない。
一挙手一投足に目が釘付けになり、瞬きをする暇さえない。

913:神謀艶虜
07/09/26 01:59:06 AVu1T4qz
(あんな…、気持ちよさそうな顔をして……)
見ているカレンの顔にだんだん赤味が差してくる。自身の鼓動の音がやけに大きく感じられ、胸の奥がちりちりと痛み始める。
股下は触らなくても分かるほど熱もち、ショーツから溢れたものが太腿を伝っている。
それに伴ってショウを見つめる瞳に、次第にどす黒いものが混じってきていた。
(ショウだけ、あんなにいい思いして………。んっ…)
無意識に伸ばした右手が胸に触れると、服の上からにもかかわらず全身に震えるような刺激が走った。
「な、なんでぇ…。私、こんなに、興奮してるぅ………」
一度快感を味わうともう止めることは出来ない。カレンは服越しに自分の胸をギュッ、ギュッとこねく
りあげ、空いたもう片方の手をズボンの中へ潜ませて、物欲しそうに濡れ動く部分に自らの指をあてがっている。

「ああぁっ、あんっ、あん、あふぅ………」
私の胸を揉む手は『あの人』の手。私のあそこを埋めるものは『あの人』のモノ。
今までも特定の人物を対象にして自慰に耽ることは何度もあった。
その時思い浮かべる人物は、いつも決まって『あの人』。あの人とは………


誰だろう?
いつも考えているのに、いつもそばにいたのに、今、その姿はおぼろげにしか思い出せない。
その人はいつも私に優しくしてくれた。いつもわたしのことを見ていてくれた。
そう、その人は背中に四枚の羽根があった。
あれは、確か、確か………


「ナ、ナルキッソス様ぁ、僕もう、もう!ああああぁっ!!」
霞む思考で自慰を続けるカレンの前で、ショウは目を見開きひときわ大きな声をあげ、腰をガクガク
揺すらせた後、糸がぷっつり切れたかのようにその場にくてんとへたり込んでしまった。
荒い息を吐く半開きになった口からはつぅと涎がこぼれ、テントを張ったズボンの股下がうっすらと滲んできている。
(やだ………。あの子ったら、射精している………?!)
自分がしている行為も忘れ、カレンの視線は時折ビクビクと体を振るわせるショウの下半身に向けられていた。
「おや?どうしましたかな。妙齢の女性がこんな所ではしたない姿を晒してしまって。
弟君の姿を見て我慢が出来なくなりましたか?」
ショウをジッと見つめるカレンの前へ、ナルキッソスが意地悪く問い掛けてきた。
「あ、あぅ……。それわぁ……」

ショウはこの人に触れるだけで、あんなにも快楽に蕩けた表情を浮かべ、あまつさえ射精までしてしまった。
もし自分がこの人に体を預けたら、どれほど気持ちよくなるのだろうか?

ナルキッソスの表情が視界に入った瞬間、熱く濡れる股間からまたじゅわっと蜜が溢れこぼれてきた。
目の前がピンク色のフィルターに被われ、ナルキッソスの姿以外が掻き消えていく。
「あ、あ、あぁ………」
ろくに動かない下半身を芋虫のように這いずって前進させ、震える手をゆっくりとナルキッソスの体へと伸ばしていく。
触ってみたい。ほんの少しでも触れることが出来たら、自分もショウと同じ思いを味わえることが出来るかもしれない。
もう目の前にいるのが何者なのかも関係ない。
ただ、自分の体が求める快楽を思う様満たしたい。
(もう少し…、もう少しぃ…)
あとひと伸ばしでナルキッソスの体に触れようとするその瞬間、
ナルキッソスはすい、と身を翻しカレンの手が届かないところへと移った。
「な、なんでぇ……」
あと少し、というところで『おあずけ』を喰らったことに、カレンはあからさまに不満な表情を浮かべた。

914:神謀艶虜
07/09/26 02:00:06 AVu1T4qz
「フフフ、なにをしようとしていたんですか?まさか、私の体を使って自らの欲望を満たそうとしていたとでも?」
明らかにカレンの意図を知っていて、ナルキッソスはカレンへと語りかけてきた。
「ち、違…。そ、そ、それは………」
カレンは何とか適当な言い訳で取り繕うとしたが、ナルキッソスの言っていることこそ真実なため続く
言葉が思い浮かばない。それ以前に快感でのぼせた頭が思考するということを実行してくれない。
その間にも肢体から湧き上がる火照りはますます広がり、脳を焼け付くさんばかりになってきている。
言葉を紡げず口をパクパクさせるだけのカレンをしげしげと眺めてから、ナルキッソスは不意に後ろへと振り返った。
「ショウ君、いつまで座っているんですか。早くこちらへ来てください」
ナルキッソスの言葉に反応したのか、それまで放心していたショウがゆらりと立ち上がり、虚ろな表情のまま近づいてきた。
「ナルキッソス様……、なにか御用でしょうかぁ……」
「ほら、君の姉君を見て見なさい。とっても、苦しそうな表情をしているでしょう?」
ナルキッソスに促されて、ショウはカレンのほうへ顔を動かした。
カレンの視界にショウの呆けた顔が入り込んでくる。その表情が、カレンには自分に対する侮蔑の感情を
見せているように感じられた。
「や、やぁ………。お願い、ショウ。見ない、でぇ………」
ショウの視線に耐えられず、カレンはきゅっと目を閉じた。が、その間も全身の疼きは収まることを知らず
自身を苛む指を止めることは適わなかった。
「あ、あ、あっ!ショウ、見ないで!今の私の姿を見ないで!見な、見ないでぇっ!!」
口からは悲鳴、瞳からは羞恥の涙が零れながら自らを慰める。その様をナルキッソスとショウはジッと眺めていた。
「可哀相に、このままでは姉君は肉体の渇望から気が触れてしまうかもしれません。
ショウ君、あなたが姉君の苦痛を取り除いてあげなさい。その体を使って、ね………」
「僕が……、姉さんの………。姉さんの……、姉さんを………」
熱に浮かされたような顔でカレンを見つめるショウ。その瞳に、次第に欲望の色が浮かんでくる。
「僕が……、姉さんを、犯す………。犯す、犯す………」
「そうです。たっぷりと刺し貫いてあげなさい。きっと姉君は涙を流して喜ぶでしょうよ」
「姉さんが、喜ぶ……よろこぶ、悦ぶぅ………」
最早隠しようのない肉への欲望を滾らせ、ショウはカレンへゆっくりと歩を進めていく。
「姉さん………」
意外なほど近くで聞こえたショウの声にカレンが思わず目を開けると、そこにはズボンを傍らに脱ぎ捨て、
剥き出しになった怒張を握り締めた弟の姿があった。
「ヒィッ!シ、ショウ?!」
「姉さん…、とても、苦しそうだから……、僕が、介抱してあげるよ…。僕の、こいつで……」
華奢な肉体に不釣合いなほど大きいショウのそれは、ビクビクと脈動し先端から先走りの液を滴らせている。
目の前に突きつけられたモノに、カレンは弟の言わんとしている事を霞む思考の中即座に理解した。
「や、やめなさいショウ!私たち、姉弟なのよ!!そんなことしちゃ、絶対にダメ!」
弱々しく首を振りながらじりじりと後ずさりするカレン。かつて見たことがない弱い姉の姿に、ショウの
嗜虐心がメラメラと燃えあがってきた。
「ふふふ、情けない姿だね姉さん。そんな姉さんを見てたら…、ますます興奮してきた、よぉ!」
我慢の限界とでも言うのか、後ずさるカレンに飛び掛ったショウはそのまま体重をかけてカレンを押し倒し
強引にズボンをずり下ろすと、いきり立った自分のモノをカレンの秘部へ強引に突っ込ませた。

「いやぁーーーっ!!」

今まで散々弄っていたからか挿入そのものはすんなりと受け入れられたが、実の弟に犯されるという
背徳と恐怖から、カレンは体の奥から絞りださんばかりの絶叫を上げた。
「うぁはぁ…、姉さんの中、とってもあったかくて、気持ちいいよぉ………!」
「やめてショウ!早く抜いて!お願い、お願いだからぁ!!」
姉弟の悲鳴が交錯している最中、ナルキッソスはポツリとある言葉を呟いた。
「ああそうそう。勝手にイッたりしてはだめですよ。私がいいというまでイクことは許しません。
いいですね………」
が、姉を犯すことに夢中のショウと弟を引き剥がすことに必死のカレンにその言葉を聞き取り理解する余裕は無かった。

915:神謀艶虜
07/09/26 02:01:06 AVu1T4qz
「あああぁっ!腰が、腰が止まらないよぉ!」
「ダメェッ…こんなの、絶対おかしい………」
あれからどれほど時が過ぎたのか。カレンとショウは未だに繋がりあい互いの肉体を貪っていた。
腰と腰がぶつかり合う音が鳴り響き、繋がった部分からぐちぐちと泡立った体液が零れ落ちてくる。
ショウは涌き昇る快感に完全に溺れ、姉の奥へ奥へと進もうと一心不乱に腰を突き立てている。
カレンも口では否定の言葉を並べているが、その表情には先程と違い僅かながら快楽を求める虚ろな笑みを浮かべていた。
「そんなこと言って……、姉さんも気持ちいいんでしょ。さっきから僕の腰に足を絡めて…
そんなに弟のチ○ポを味わいたいの?このド変態姉さん…」
「ち、違うの。これ……、そんなこと、アアッ!ないのぉ…」
そう、カレンの肉体は発する言葉と裏腹にショウをより感じようとするかのように足を腰に絡めてグイグイと
自らの方へと導き、両手は背中へ回して双乳が変形するくらいショウの胸へ押し付けている。
「そんなに強がらないで、もう楽になっちゃいなよ。口でどんなにごまかしても。姉さんの体はもう
嘘はつけないようになってるんだからさ」
ショウに言われるまでもない。カレンはこの快楽を受け入れ始めている。
ショウのペニスが自分の膣内を一擦りするごとにゾクゾクとした快感が全身を駆け巡る。腰と腰がぶつかる
ごとに心地よい圧迫感が下半身を支配する。乳房が胸と胸に挟まれ揉まれる度に脳髄に電気が走るような間隔が走る。
だが、実の弟と行為に及び、かつそれにより湧き上がる快楽を享受することを残る一片の理性が食い止めていた。
「こんなこと…、ダメ……。ダメなの……」

『ダメではありませんよ』

どこからか声が聞こえる。

『受け入れなさい。自分の心に素直になりなさい』

疲れ果て、弱りきった心にずぶずぶと染み渡ってくる声が聞こえる。

『何をそんなに苦しがるのです?今ある自分を認めれば、苦しみなどすぐになくなるのに』

抗いがたい、甘い誘惑の声が聞こえる。
心の中で、ズクン、と振り子が揺れてきている。弱々しくも守ってきた理性という殻にピシリとひびが入るのを感じる。
(受け入れれば……、楽になれる………?)
快楽を受け入れる自分と拒絶する自分。両方がせめぎあい争いあいどっちにも舵を取れず衰弱しきった心に
聞こえてくる声は、カレンが進む方向へ明確な舵を切らせんとしていた。
(そうか………、楽に、なれるんだ………)
カレンの瞳に僅かながら残っていた理性の光がみるみる消えていく。
「ああぁ……、シ、ショウゥ…、お願い……」
カレンがショウへ顔を向ける。その視線は、それまで無かった媚と情欲の色に染められていた。
「お願い……。もっと、激しくして!
姉さん、こんなんじゃ全然イケないのぉ!!」
それまで控えめだった腰の動きが一気に激しくなり、全身をガクガク揺すってショウのペニスを舐めつくさん
ばかりに味わおうとする。呻き声を上げていた口からは喘ぎ声と共に涎が零れ、激しく息を吐き続ける。
「ね、姉さん!そんな……っ、急に!」
「早く、早く突いて!もっと深く!!」
『自分の心』に『忠実』になったカレンに、それまで余裕を持って姉を弄っていたショウは一気に
主導権を奪われ、翻弄される立場となってしまった。
突いていた腰は突かされるようになり、自分の意志で快感を制御することが出来なくなっている。

916:神謀艶虜
07/09/26 02:02:11 AVu1T4qz
「あっ、あぁっ!姉さぁん!!激し、すぎるよぉ!!」
「気持ちいい!気持ちいいのぉ!!お○んこをショウのち○ちんがゴリゴリ擦ってぇ……!溶けちゃいそぉ!!」
それまで必死に快感を抑えてきた反動からか、カレンは貪欲に快感を求め、高みへと達しようとしている。
頭の中で火花がパチパチと弾け、胸の中でむくむくと絶頂の頂がせり上がって来る。
「あ、来る。来るぅ、来ちゃうぅっ!!」
その頂が今正に爆ぜようとする瞬間。

「あ………ぇ……?」

爆発寸前だった心の中が無理やり止められたかのように急速に萎えていく。上り詰めた達成感、爽快感
などが全て雲散霧消し、残されたのは達することの出来なかった不快感だけ。
「な、なんでぇ………」
ならば次こそはと再び肢体を動かすが、やはりあと少しというところで心が萎えてしまい最後まで行き着くことが出来ない。
何度も何度も繰り返すが、どうしても最後まで達することが出来ない。
「どうしてよぉ………、どうしてイケないのよぉ!!」
半泣きになって声を張り上げるカレンだが、ショウも立場は同じだった。
「あ、あが……、あ………」
姉にいくら搾取されても、あと少しというところで輸精管を伝うはずの精液が止まり、体の中へと戻ってしまう。
いつまでも終わることのない快感に、ショウは半ば意識を失い機械的に腰を振るだけになっていた。
「ねえ、ショウ。イって!あなたがイカないと姉さんもイケないのよぉ!!」
しゃかりきになってショウを急かすカレンだが、ショウの方も限界なのか全く反応しようとしない。
イキたいのにどうしてもイケない。
いつしかカレンは『イキたい』ことしか頭の中に入らなくなっていた。
「お願い、ショウ!イって、イって!イってよぉぉっ!!」

『イケはしませんよ』

またさっきの声が聞こえてくる。

『聞いていませんでしたか?貴方達は私がいいというまでイクことは出来ないんですよ』

いいというまでイクことができない?
「え………、じ、じゃあイかせて!お願い!このままじゃ私、気がおかしくなっちゃう!!」
どこからか聞こえる声に、カレンは涙を浮かべて声を上げた。しかし、

『ダメです』

その声は無情にもカレンの願いを拒絶した。
「そ、そんな!お願い、イかせて!いや、お願いします!!私をイかせて下さい!!!
後生ですから、お願いします。お願いします!お願いしますぅぅ!!」
もうカレンはなりふり構っていられなかった。顔は涙と汗と涎でベトベトに濡れ、張り上げ続けた嬌声で
疲れ果てた声帯から声を絞り出し、必死になって懇願した。

『そうですか…。では私の言うことを聞いてくれたら、イカせてあげましょう』

「!!
な、何でも聞きます!聞きますから、早く、はやく!!」

『貴方の上司であるサイアスを、その手で殺すのです。そうすることをこの場で誓えば、イカせてあげましょう』

917:神謀艶虜
07/09/26 02:03:06 AVu1T4qz
サイアス様を………、殺す?
以前、どこかで聞いたことのある言葉だった。どこでだかは思い出せないけれど………
私がサイアス様を殺す。そう誓えばイクことができる。
サイアス様を殺せばイクことができる。
イきたい。イきたい。イきたい!!!
自分がサイアスを殺す。ということが何を意味するか、現在のカレンは理解する思考を失っていた。

『さあ、どうします?』

もう答えがなんなのかわかっているかのようだが、あえて声は語りかけてきた。
「ち………」
そこまで言いかかけて一瞬言葉が詰まる。残っていた最後の理性がその後を言い切るのを拒んでいる。
が、それも一瞬だった。
「誓います!私が、私がサイアス様を殺しますぅ!!だから、イかせて!イかせてぇ!!」
快楽を求める心。それが全身を支配したとき、カレンの口から言ってはならない言葉が飛び出していた。

『貴方もショウ君と同じように、私の眷属となって協力してくれるのですね?』

「なります!なりますからぁぁぁぁっはやくぅぅぅっ!!」
もう自分がどうなるのかもカレンの思考の中には存在しない。ただただ『イきたい』この事のみに支配されていた。

『分かりました。では、貴方にも私の力の一部を差し上げましょう』

何かがちくりとカレンのこめかみに刺さる感触がした。カレンからは見えないが、それは一枚の漆黒の羽だった。
「あぃっ…」
それが刺さった箇所から何かがどくどくと溢れ、自分の体の中に染み渡っていく。体が、心が何か別のものに
変わっていく感触がする。
が、それがなにかを反芻する間もなく、待ちかねていた声が聞こえてきた。

『さあお待たせしました。カレン君、ショウ君、思うがままイってしまっていいですよ』

「「!!」」
その声を聞いた瞬間、カレンの心の奥から爆発的な快感が恐ろしい速さで込み上げてきた。
「「あ、あ、あ、あ、あ!!」」
今までどうしても行き着けなかった絶頂の高み、その頂点が見え始めたカレンの瞳孔は開ききり
歓喜の笑みを浮かべてその瞬間を待ち構えている。
それはショウも同じで、今まで抑えに抑えられていた射精感が一気に下半身に襲い掛かり、
カレンの腰へ突き破らんばかりにペニスを押し付けている。
「ね、姉さん!僕もうだめ!来る、来ちゃうよぉぉっ!!」
「ショウ!早く、早く射精して!姉さんも、もう我慢できないのぉ!!」
ひときわ大きくショウがカレンへつきを入れた瞬間。
「うあああああああぁぁっ!!!」
ショウの中から発した溜まりに溜まった迸りがカレンの膣内を焼き尽くした。
「あ、あつぅういいいぃぃぁぁぁあぁっ!!」
それを受けたカレンも待ちかねた絶頂へ行き着き、背中をキュゥッと反らしてショウの出したものを受け止めていた。
「あ、あひいいぃ…」
「ふわあぁ………」
そして、許容量の限界を超えた快感を受けた姉弟は、意識が耐えきれずその場に糸が切れた
操り人形のように突っ伏してしまった。
が、気を失いつつもショウのペニスからは耐えることなく精液が噴き出し、カレンの股下はそれを
呑みつくさんと貪欲に蠢いていた。
そして、その間にカレンのこめかみに刺さった羽はずぶずぶとカレンの肢体に潜り込み、やがて完全に
その姿を没してしまった。

918:神謀艶虜
07/09/26 02:04:07 AVu1T4qz
「さあ、二人とも起きて下さい」
ナルキッソスの声に、重なったまま突っ伏していたカレンとショウはぴくりと反応し、どちらともなく
ゆらりと立ち上がった。

「「……………」」

ショウもカレンも先程までの情事の疲労からか、目の焦点はあっておらず全身が倦怠感で覆い尽くされ
いるかのように力が抜けている。いや、未だ肢体に残る快感に溺れているのかもしれない。
「う…、うぁ………」
白痴のように佇むカレンの口から、苦しいような喘ぐような声が零れている。全身が細かく打ち震え
時折ビクッと大きく跳ね上げている。
そのような状態が少し続いてから、全く突然、カレンがひときわ大きな嬌声を上げた。

「あぁ…………っ!!いぃぃっ!!」

首を大きく仰け反らせ、震える手で両肩を抱え、まるで内から湧き上がる何かを抑えるように全身をくねらせている。
メリメリ……バキバキ………
カレンの肢体から何か嫌な音が発している。筋肉が、骨格が軋み、変形し全く別なモノを構成しようとしている。
「あああああいいいいいいいひぃぃっ!!」
自分の肢体が再構成される。物凄い激痛を感じているはずなのだが、カレンの顔に張り付いているのは
生まれ変われることに対する無上の幸福を感じる笑みだった。
やがて、服を突き破りカレンの背中と髪を掻き分けこめかみから生えてきたもの。
それは弟と同じ、艶やかな黒曜色をした大きな鳥の羽だった。
「……………、うはぁぁっ!!」
カレンの声がひときわ響くと、はえた四枚の羽がブワッと広がり、辺りに闇色の羽毛を撒き散らした。
………新しい使徒の誕生だった。

919:神謀艶虜
07/09/26 02:07:27 AVu1T4qz
「ふわあぁ……、いぃ……」
「………どうですかカレン君?新しい肢体の感想は」
自身の変化の余韻に浸るカレンに、新しい主が声をかけてきた。
光を失っていた目でナルキッソスを見ると、たちまちその瞳が歓喜に染まった。
「あぁ………!ナルキッソス様ぁ………
この力、凄いです………。もう抑え切れなくて、溢れ出しちゃうくらい……です………」
カレンがまだ覚束ない脚でじりじりとナルキッソスににじり寄ると、ナルキッソスはカレンのうなじを
優しく撫で上げてきた。
「ひぃんっ!!」
敬愛する主人に体を触れられ、カレンは全身を歓喜で震わせその行為に報いた。
「ああぁ……嬉しいです、ナルキッソス様………」
「ふふ……、健気なものですね。ではカレン君、貴方にとってサイアスはなんですか?」
サイアスという言葉を聞いて。カレンの体がぴくりと動いた。
「私にとって………、『サイアス』は……」
サイアスという言葉を放った直後、カレンの顔に憎悪が浮かび上がった。
「サイアスは、憎むべき私たちの『敵』。決して揺るされざる業を背負った奈落の堕天使…」
カレンの返答に、ナルキッソスはにっこりと微笑んだ。
「そうです。あの男はこの世にに存在してはならない悪漢。必ず撃ち滅ぼさねばなりません。
そのために私は貴方達に力を授けたのです。その力を以って、あの男を滅ぼすのです」
「はい!貴方様から頂いたこの力で、必ずやあの男に死を!」
ナルキッソスの言葉に、カレンはぴっと襟を正し、凛とした声で答えた。
「殺してやるわ…。私の大事な主を苦しめ続けたあの男。決して生かしておきはしない……」
かつて尊敬し、敬愛し、恋慕していた上司。そのような記憶など涅槃の彼方へ消し去り、カレンは
サイアスに対する憎しみに全身を震わせていた。
「やろう姉さん。あの男に、生きていることが苦痛になるくらいの責め苦を与えて、絶望の淵に
叩き落してからゆっくりと息の根を止めてやろうよ」
「ええ。いくらあの男でも、ナルキッソス様から力を授かった私たち二人が相手なら勝てる道理はないわ。
せいぜい嬲って、縊り殺しましょう……」
サイアスを殺害する様を想像し悦に浸る二人を、ナルキッソスは冷ややかな視線で見つめていた。
(まあ、せいぜい頑張ってください。いくらお前達を強化したところであの男に適うはずもありませんけどね。
お前達はあの男をいたぶる餌なんですよ。信頼する部下と弟子に牙を剥かれ、本気で殺しに来る時
あいつはどう反応するでしょうかね?我が身可愛さに殺しますかね?それとも………、ククク………)
「ナルキッソス様?いかがなさいましたか?」
「いえ、何でもありませんよ。
それより二人とも、必ずやあの男を殺すのですよ。期待していますからね」
主人に自分たちは期待されている。そう思うとカレンとショウはパッと顔を輝かせた。
「分かりました。ナルキッソス様!」
「必ずや貴方様のご期待に応えて見せます!」
嬉々として反応する下僕の様に、ナルキッソスは嬉しげな、しかしどこか蔑んだ微笑を浮かべた。



以上です。ではまた次の機会に…
おまけ→URLリンク(kininaruweb.sakura.ne.jp)

920:サーカディアの人
07/09/26 03:33:47 kgO7rxoW
あれ?先に来た俺がいる(´・ω・`)
SSの連続でタイミング悪いが楽しんでもらえれば嬉しい
今回は2部構成です、中途半端でスマソ
都合によりまずは前編だけ

URLリンク(www.alvion.co.jp)(参考までに公式サイト)

921:名無しさん@ピンキー
07/09/26 03:35:38 ztsnUpsg
>>919
GJ!

>>920
そして寝れない私であった

922:サーカディア:ナイトメア深雪
07/09/26 03:36:59 kgO7rxoW
桐生院深雪(きりゅういんみゆき)。
彼女の生家は海上都市ブルージェネシスでも一、二を争う大地主であると同時に、
血族の多くが超自然的な霊力…つまり超能力を備える特異な家系でもある。
深雪自身も例外ではない。
むしろ彼女は一族でも抜きん出た才能を持つため、なかなか世間との接触を許されなかった。
中学までは完全に家庭教育で育てられてきたが、それだけではいけないだろうと15になってようやく学院へ通うことを許されたのだ。
しかし学院では彼女のような能力を持つ者は皆無であり、それゆえに戸惑いも大きかった。
それを変えたのは、片山弘樹らナイトメアを倒す仲間たちとの出会いだった。
「まあ…深雪以外にも力を使える方々がいらっしゃったなんて、感激ですわ。何をするのか存じませんがお手伝いいたします」
危機感に欠ける彼女だが、直感的にナイトメアの邪悪さを感じ取っていた。
そして幼少の頃から磨いてきた力は、他の能力者よりも格段に強力であった。
「悪い存在を退治するのは桐生院家に生まれた者として当然の義務と思いますの」
おっとりと笑う彼女は、弘樹やその仲間にとって頼れる戦力であった。
箱入り娘であるがゆえの、ずれた行いや言動には振り回されてばかりだったが…

その深雪が、中庭で占いをしている杉浦泉に近寄ってきた。
「まあ、泉さん。ごきげんよう」
「お、深雪じゃん。…相変わらず独特なあいさつだね、あんた」
「あら、そうですかしら」
首をかしげる彼女は、その顔立ちもあってなんとなく猫を思わせる。
「今日は何?占ってほしいことでもあるの?」
「あら、そうでしたわ。力、いわゆる超能力を持つ仲間である泉さんにぜひ…」
「ちょ、ちょっと声大きいわよ」
泉が止めたが、運悪くそこに二人連れの学生が通りかかってしまった。
「え、超能力者?最近雑誌とかで特集されてたけど…」
「あの占いの人有名だよね。ありそう…」
ひそひそ話しながら足早に立ち去ろうとする二人。だがその前に深雪が立った。
「ごめんなさいまし。深雪の失言、忘れてほしいんですの。弘樹さんに叱られてしまいます」
微笑みながら深雪は言った。
「ご、ごめん!聞く気はなかったの」
「あたし達言いふらしたりしないから!ホント」
絹のような長い黒髪を細く白い指でいじりながら、深雪は無言でじっと彼女らを見た。
笑ってごまかそうとしていた二人の視線は、深雪の目に釘付けになる。
紫色の深く、澄んだ瞳。さほど距離が近いわけでもないのに、目の前にあるような感覚。
「ふわ…」
「はれ…?」
二人の目の焦点が定まらなくなったところで、深雪は素早く、小さいがはっきりした声で言った。
「お二人は今お散歩をなさっておりましたが、中庭にはいらっしゃいませんでしたわ。
もちろん今の話も聞いてらっしゃいませんので、覚えていませんわ」
暗示にかかり、こくこくと二人はうなずいた。
「あたし達、何も覚えてないよ。中庭にも来てないから、早く他のところ行かなくちゃ」
「ここに来たことも忘れないとね」
くるりと二人は後ろを向くと、もと来た方へ去っていった。
「深雪の悪い癖ですわね…力のことを洩らしてしまい、埋め合わせのために力を使う。
泉さん、このことは弘樹さんには秘密にしておいて頂けませんかしら」
静かに笑う深雪は、再び箱入りのお嬢様に戻った。先ほどの恐ろしい深さが嘘のようだ。
「別にいいよ。それにしても、すごい暗示の力だね。…人間にはもったいないくらい」
泉の瞳が一瞬鋭くきらめいたのだが、深雪は気づかなかった。
「さ、占ってあげるわ。で、何が気になるの?」


923:サーカディア:ナイトメア深雪2
07/09/26 03:38:30 kgO7rxoW
深雪が話したのは、彼女の生家の習慣に関する奇妙な相談だった。
桐生院家は代々、最も強力な力を持つ者が家督を継ぐ。
それにあたって「竜神」なる古代の神を後継者候補に宿らせるのだという。
「竜神」が宿った人間はあらゆる面で人より優れた能力を得て、桐生院家に繁栄をもたらすのだとか。
だがそれなりの力を持つ人間自体生まれることが少なくなり、ここ数代は家督を継いでも「竜神」が降りないことが多い。
そこに段違いの才能を持つ深雪が生まれた。
精神が十分に成長したため、当主である彼女の母親は早めに竜神降ろしの儀式を行いたいのだという。
「で?あんたは何が知りたいのさ」
「竜神がナイトメアのような悪い存在でないか…竜神が宿ればもっと弘樹さんの役に立てるか、それを知りたいのです」
そう言う深雪の顔は、いつになく不安そうだった。
泉は手早くカードを切り、それを並べてめくっていく。答えはすぐに出た。
「邪悪な存在じゃないみたい。それに、竜神の力を借りればいいことが起こる…とも出てるわね」
「まあ…本当ですの?」
「あたしの占いは外れないわ。必ず未来を見れるわけじゃないけど、深雪に関しては見える。
あんたが竜神を宿すのは、運命。
人間は運命のしもべ。大きな力には逆らえないのよ」
きょとんとしている深雪に気づき、泉はふっといつもの顔に戻った。
「ごめん、なんかシリアスになっちゃった。で、儀式はいつ?」
「私が決意すれば、今度の日曜にでも行えますわ。…まあ、こんな時間。そろそろ運転手が来ますわね。
では泉さん、深雪はそろそろ失礼致します。ありがとうございます。
竜神を宿して弘樹さんのお役に立てるよう、励みますわ」
「バイバイ、深雪。いいことあるよう祈っとくよ」
一礼して帰っていく深雪を見る泉の瞳は、ガラス玉のように虚ろで冷たかった。
「…その優れた力を、人間のガキの役に立たせるわけないじゃない。
あんたにも、下僕となるすばらしさを教えてあげるわ」
夕日のせいだろうか。
長身と日焼けした肌で健康的な色気を売りにしているはずの泉が、生気のない妖しさを醸し出しているように見える。

海上都市ブルージェネシスの自治権を持つ科学庁。
省庁の一角に、ナイトメアの研究を進める研究室があることは知られていない。
知るのはごく一握りのお偉方のみだが、彼らとてそれが何の役に立つか正確には知らないのだ。
研究室長の御剣晃=タナトス以外は。
「ほう…あの名家にそんなしきたりがあるとはな」
泉の報告を、タナトスは高速で研究書類整理をしながら興味深そうに聞いている。
「タナトス様。深雪さんも分身にしてしまってはどうですか?…ふふ」
「あの娘は高い潜在能力を持っています。人間を消す戦力として役に立ちますわ」
タナトスの横には優美と智美が立っている。書類整理のバイトという名目で出入りしているのだ。
人間の前では正気を装っているため、彼女らの正体がナイトメアであると気付くものは皆無である。
「もちろんだよ。日取りまで分かっているなら、迎えに行ってやればいい。…さあ、誰が行く」
泉が一礼して言った。
「タナトス様、あたしに命令して。人間に寄生する役目、やったことないわ」
「…杉浦さんには、まだ早いと思うわ。人間でなくなってからあまり経ってないでしょう?」
智美が見下したような目で言う。
「智美さん、未熟なナイトメアでも寄生は可能ですよ」
優美が言う。
「ただ…私は智美さんと泉さん、ふたりの寄生を見てきたわ。
桐生院深雪に上質の寄生を施したいなら、私が一番適任だと思うな」
それに対し泉は何の反論もしない。
「あたしは智美お姉さまと優美様に従うわ。タナトス様とお二人の下僕だもん。立派なナイトメアになるよう、寄生を進めないとね」
媚びた恭順の笑みを浮かべる泉を、タナトスは面白そうに見つめた。
「3人とも個性的な能力と人格を持っているのだな、興味深いよ。よし、今回は…」

924:サーカディア:ナイトメア深雪3
07/09/26 03:39:43 kgO7rxoW
そして次の日曜日。深雪は竜神降ろしの儀式を迎えていた。
儀式とはいっても特別なことをするわけではない。深雪が「封印の間」に入るというだけのことだ。
その部屋に数時間いれば、桐生院家の守護神である竜神が降臨するという。
身を清め、巫女の服を身に着けた深雪は、不安げに母親を見つめている。
「では支度はよろしいわね、深雪さん」
冷たく言い放つ母親に導かれ、深雪は封印の間の前まで来た。
「さあ深雪さん、これをお飲みなさい」
母親がコップに入った、鮮やかな青い液体を差し出した。強力な睡眠薬だ。
「お母様…そのようなものをいただかなくとも、深雪は逃げたりなどいたしません」
「いいから飲むのです」
険しい顔の母親に押し切られ、深雪はしぶしぶそれを飲み干した。
「この中に竜神様がいらっしゃるのですね」
「そうです。さあ、入って静かにしていればすぐに眠くなります。お入りなさい、深雪さん」
深雪が中に入り、戸が閉まると、母親は足早にそこを後にした。
「わたくしも含めここ数代、能力を持たない当主のもとで桐生院は衰えてきた。何としても深雪には竜神を…」

神々しい竜がいるのであろうと思っていた封印の間には、祭壇以外何もない。
だだっ広い部屋の中、ただ空気だけが濃密で、重苦しい。
青白い霧のようなリバースエナジーが部屋中に充満しているのだ。
「これは…どうして部屋にリバースエナジーが…竜神様は、どこに?」
左右を見回す深雪の視界が、ぐるぐると回り始める。
立っていることができなくなり、ひざを地に付き、それも耐え切れなくなる。
「リバースエナジー…こんなに濃厚では、ナイトメアが…だめ、眠っては」
しかし眠気を誘発するリバースエナジーに加え、睡眠薬が効いてくる中では無理な話だ。
間もなく深雪は倒れ、完全に意識を失った。

深雪の不自然な寝息以外、沈黙だけが支配する密室に…ゆらりと人影が現れた。
「リバースエナジー…私たちナイトメアに力を与えてくれるなんて、人間もいいことするのね」
露出の多い制服を着崩した朝倉優美が、複数のナイトメアを従えて立っている。
「深雪ちゃん…強力な力を持つあなたは、やっぱり私たちとひとつになるべきね」
優美は眠っている深雪に添い寝するように横たわると、両手の指を深雪の耳に差し込んだ。
脳に最も近い器官へ、ナイトメア独特の波動が送り込まれる。眠りながらも深雪の表情が険しくなった。
「うふふ。まずは私のお友達を紹介するね」
柔らかな表情のまま、瞳をナイトメア化させた優美が不気味に微笑んだ。
「…行け、私の下僕たち。こいつの肉体を奪ってくるんだ」
その命令に、数々のナイトメアが深雪の精神へと侵入する。かすかなうめき声が深雪の口から漏れた。
「深雪ちゃん、私もすぐに行くね。あの雑魚たちじゃきっと役不足だから」
目を閉じて、そのまま優美も眠りに落ちた。


日本に無数に存在するという神。
深雪の精神は無意識のうちに、そのひとつであろう「竜神」を崇め、畏れていた。
無数の鳥居と、どこまでも続く参拝道。そしてその奥に存在するほこら。それが深雪のイデア。
それ以外の世界を知らぬ深雪の精神体は、ほこらの中にひとり閉じこもっていた。
「ここは…。わたくし、竜神様を迎える社にいますのね。とすれば、ここに竜神様が…?」
未知のものへの畏怖心。それが外から来るものを強くしてしまう。
ほこらの扉が破られ、そこから大小様々の竜が飛び込んできた。
「きゃああっ!」
だが深雪の優れた精神力は、意図せずにその正体を見抜いた。
「いいえ、これは竜ではありませんわ…ただの、ナイトメアです!」
深雪はすぐさま能力を発動した。澄んだ紫の瞳がきらりと輝く。
「汚らわしい怨念たち…互いに喰らい合い、その罪を清めなさい」
その一声に、深雪を襲おうとしていたナイトメアは一転、互いに向け衝撃波を放った。
相手を制御し、意識を操る深雪の能力。精神体であるナイトメアもその支配下からは逃れられない。
たちまちのうちに無数のナイトメアは切り裂き、消し飛ばし合い、その数を減じていく。
そして残ったのはわずかに一体。うろうろと深雪以外に襲うべき同族を探し求めている。
「…あの物で最後ですのね」
手を伸ばし、とどめの力を放とうとした瞬間。社の外から幾本もの銀色の触手が伸び、ナイトメアを貫いた。

925:サーカディア:ナイトメア深雪4(前編終)
07/09/26 03:40:48 kgO7rxoW
ナイトメアはぴくぴくと小さく動くと、そのまま光の欠片となって四散し、触手に吸い込まれた。
驚いた深雪が触手の来た方を見ると…朝倉優美が空に浮いていた。
メタリックなボディコンスーツとニーソックスに身を包み、髪の一部と爪の先端から硬質のワイヤーを伸ばして。
意外なあまり声も出ない深雪を尻目に、優美はふわりと社の入り口に着地する。
「こんにちは、深雪ちゃん」
「ゆ…優美さん。どうして深雪のイデアに…そして、そのお姿はどうしたんですの」
それには答えず、優美は口元を押さえてにっこりと笑った。
「私のお友達じゃ、深雪ちゃんにはかなわなかったみたいね」
「お友達…?ナイトメアが!?」
「でも、あの子達は互いに喰らい合って強くなったし、その力は私がもらったから。私を強くしてくれてありがとう、深雪ちゃん」
そこまで聞いて、深雪にもようやく事情が飲み込めた。
「優美さん…ナイトメアに精神を喰い尽され、あの眷属に成り果てたのですね」
銀色に輝く優美の服とメイクを見ながら、彼女は悲しげに言った。
一方、優美は嬉しそうに微笑んでいる。
「確かに私はナイトメアになったけど、あくまであの子達を…そしてタナトス様を受け入れただけよ。
抜け殻にナイトメアが住み着いたんじゃなくて、私自身の精神がナイトメアとして生まれ変わったの」
言い終わるとともに、優美の体から無数のワイヤーが伸びた。
「おしゃべりはここまでにしようね。深雪ちゃんにも…その喜びを教えてあげる!」
びゅっと音を立て、触手が深雪の体に絡み、侵入しようとした瞬間、その動きがぴたりと止まった。
「え!?ど、どうして?私の触手が…」
止まっただけでない。優美の意思に反して、奇妙な動きを見せている。
深雪の瞳が、哀しげに、そして妖しく輝いていた。
「恋敵とはいえ…優美さんとは戦いたくありませんの」
「ま、まさか深雪ちゃんの力…?そんな、私が人間なんかに操られ…」
優美の表情が戸惑いから焦りへ、そして怒りへと変わっていく。
「くうっ…こ、こんなはずでは…!き、貴様あ…離せぇっ!」
「人を癒すべき優美さんのお声で、悪しき言葉を放つ…許しませんわ、ナイトメア」
「う、うぐぅっ!?な、何をする気なの…」
優美の触手が再び動き始め、伸びた。ただし優美自身の方へ。
人間を支配してきたその金属線は肉体に絡みつき、耳と腹部へ挿し込まれ、彼女自身を拘束した。
びくっと大きく体を揺らす優美。ナイトメア特有の瞳孔の細い瞳から意思の光が消えた。
自らの能力に拘束され、ぼんやりと立ち尽くす彼女に深雪は詰め寄った。
「あなたは何者なのです?」
「私は…ナイトメア朝倉優美」
「人の肉体を奪ったナイトメア自身が私の中に入ったのであれば、あなたのイデアも空になって襲われる危険を負っているはずですわ。
あなた自身は分身に過ぎず、本体がイデアに残っているのでは?お答えくださいまし」
優美はこくんとうなずいた。
「私は…ナイトメア優美の影。本体は、イデアでナイトメアとしての…覚醒を待っているわ…」
その言葉に、深雪は一瞬にしてある決断を下した。
「人間である優美さんの意識体は、まだ残っておりますのね?」
「…私が、送り込まれてきたときは…まだ…」
「では、深雪を優美さんのイデアまで案内してくださいませ。これは命令ですわ」
通常、ナイトメアは人間の精神を喰い尽し、そこに根を張って新たなイデアを構築する。
だが所詮ナイトメアであるため、思考や行動は非常に単純な「攻撃と支配」というものになりやすい。
しかしナイトメア優美は精神攻撃を使おうとするなど、人間に近い行動も見受けられた。
深雪は賭けたのである。自分の強い能力と、優美に残された意志力に。
社の外に出ると、深雪は扉を閉じた。
イデアを空にするのは危険だが、己の精神力であれば並のナイトメアには侵入できない。
「さあ、ナイトメアの優美さん。深雪をお連れなさい」
「…うん…こっちよ…深雪ちゃん…」
優美は深雪の手を取り、ふわりと飛んだ。
「優美さん…お待ちくださいませ。深雪が、必ずお助けしますわ」

現実世界においても、変わらず二人は向かい合って眠ったまま。
だが、表情が険しくなっているのは優美の方だった。

926:サーカディアの人
07/09/26 03:46:44 kgO7rxoW
うん、都合により今回はここまでなんだ。中途半端で申し訳ない(´・ω・`)
ゲームでも深雪の能力は混乱というか精神操作だから、逆洗脳やってみた
続きが期待にかなう出来かどうかは不安だが、また今度頑張ってみる

カレンの人乙、自分は絵心ないから描けないのが無念だ(´;ω;`)
まあ俺は文で頑張ります

927:名無しさん@ピンキー
07/09/26 13:32:31 tmyqVZTo
SSなのに短くないとはこれいかに?

928:名無しさん@ピンキー
07/09/26 17:47:47 KDdKXX8C
Sennou Story

929:名無しさん@ピンキー
07/09/26 21:44:51 hsvzct0l
>>928
なるほろ

930:名無しさん@ピンキー
07/09/27 01:35:59 r9NQGYPI
SSのS=Shortとは限らない

931:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/09/27 01:52:38 z6rvJiim
Side Story だったりもするしな

932:名無しさん@ピンキー
07/09/27 06:59:40 vJCnZNNe
Shou Setsu というのも聞いたことがあるな

933:名無しさん@ピンキー
07/09/27 07:12:53 /ULjk3Gt
すこしフシギみたいなもんか
いろいろあって面白いな。

934:名無しさん@ピンキー
07/09/27 10:01:37 sKwZIj9K
Sennou Sareteiru

935:名無しさん@ピンキー
07/09/27 13:44:16 tF497VS4
Sennou Sitemiru?

936:名無しさん@ピンキー
07/09/27 14:36:57 XjLPixF7
Sennou Sareteeeeeeeeeeeeeeee

937:名無しさん@ピンキー
07/09/27 15:38:39 7JGxXPvm
shitukeeeeeeeeeeeeeeeeeee

938:名無しさん@ピンキー
07/09/27 15:57:51 eE3jaVbG
いいネタを思いついた。
ドラクエ3の性格は、本を読んだり装飾品を装備したりすることで変えられる。
豪傑が泣き虫になったり、きれものがセクシーギャルになったりと。
 
ある日、心優しい女僧侶は、不審な人から買った『魔物の気持ち』という本を読んでしまった。
その後、彼女は心から魔王に崇拝するようになり、みずからしもべとなることを選んだ。

更に普通を装いつつ仲間達に呪いのアクセサリー薦め装備させ、
仲間達も呪いの品をはずせず洗脳されてしまう。
以降、四人は魔王ゾーマの忠実なる下僕となって、
魔物たちを率いて世界を征服するのだった。

その後は頼んだ


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