07/09/17 05:08:57 RZxqxWVH
アニメの操りシーンとかニコ動にくるとやたらレイプ目ってコメントが付いて悲しくなるぜ
729:名無しさん@ピンキー
07/09/17 06:11:58 Mz2V9mt9
>>688
馬鹿!
何が才能だ。お前は自分の努力の無さを才能のせいにして逃げてる最低の人間だ。
物書きや絵描きは技術力向上サイトを見たり独学で懸命に技量を上げようとしているのに恥ずかしくないのか?
俺自身、昔の文章を見てこれは酷いと思っている。
でも、今の方が力上がっていると感じる事もある。
簡単に樹海だとか介錯だとか、死ぬ程の度胸があるならリベンジしたらどうなんだ。
べ、別に応援しているわけじゃないんだからね。
このスレッドにとって都合が良いからあんたを使い潰してやるんだからそこの所を勘違いしないでよね。
730:名無しさん@ピンキー
07/09/17 06:20:53 SWKB+JBO
まぁ確かにさすがに飯食うにはある程度才能いるだろうけど人に見せても恥ずかしくない程度は
努力したらできるだろうなあとおもって絵を描いていた時期が私にもありました
731:名無しさん@ピンキー
07/09/17 06:34:16 YjLUXD7r
まぁそれ以前に年齢がな
732:名無しさん@ピンキー
07/09/17 08:42:57 jl8ePK1y
>>727
桃華のアニメの時もそうだったけど、ニコ動のコメントは虚ろ目(マグロ目)見ると
すぐにひぐらしだのL5だのって言うから困る。ひぐらし自体は面白いと思うが・・・
ニコ厨はいろんなアニメやゲーム見て虚ろ目の持つ意味合いを勉強して来いって思うね
733:名無しさん@ピンキー
07/09/17 09:00:30 cMRuFf5g
女が包丁持ってるだけでレナってコメントで埋め尽くされるから困る。
というかギャグ漫画では割と鉄板である脅しネタみたいのに全て反応するし。
もはやスレと関係ないけど。
734:名無しさん@ピンキー
07/09/17 09:13:23 YjLUXD7r
むしろひぐらしの虚ろ目の使い方は新しいと思うんだ
発狂で虚ろ目って今までそんなになかったと思うんだ
虚ろ目って言ったら操りか精神崩壊だろ?
735:名無しさん@ピンキー
07/09/17 09:19:06 mf+5tHGZ
あと絶望もあるな。
736:名無しさん@ピンキー
07/09/17 09:42:40 AyiaXhyJ
ひぐらしの虚ろ目って発症してる奴から見たら、そう見えてるだけじゃね?
737:名無しさん@ピンキー
07/09/17 13:10:58 67O3To4k
>>734
ひぐらし知らないけど、心神喪失状態みたいな発狂
ってイメージにあるから、そんな新しいもんでもなさそうだけど。
738:名無しさん@ピンキー
07/09/17 16:55:36 RZxqxWVH
一般人が狂戦士モードになる土地柄なんだな
無理やりこのスレ的な解釈すれば悪い土地に洗脳されたヒロイン?
739:名無しさん@ピンキー
07/09/17 19:05:37 0DSVWuMK
>>727
たぶん、私は3600人目だと思うわ…
740:名無しさん@ピンキー
07/09/17 19:15:36 0DSVWuMK
すまん、意味分からんところで書き込んじまったorz
ところでPSのソフトのサーカディアっての微妙にツボなんだがこのスレ的にはどうよ
超能力者で世界を救うアドベンチャーゲームで
仲間の親密度が低いと敵に寄生されて最後まで敵のままっていうシステム
主人公に好意持ってる清楚ヒロインが敵に回ったとたん主人公をあいつ呼ばわりでときめいた
741:名無しさん@ピンキー
07/09/17 19:21:49 7CTeaCob
>>740
ものすごく興味わいた。
ちょっと中古屋行って買ってくる。
742:名無しさん@ピンキー
07/09/17 19:36:16 0DSVWuMK
>>741
キャラデザに癖あるのと、操られてもルックス変わらないから注意な
台詞とか表情の変化で妄想できるならオヌヌメ
明るい女キャラが敵ボスに笑顔で従って主人公を罵倒する展開は(・∀・)イイ!!
743:名無しさん@ピンキー
07/09/17 19:53:12 xSkKtSYi
>>740
サーカディアは該当箇所がボイスなしだからアレだ
ありだったら神作品になってたかもな
744:名無しさん@ピンキー
07/09/17 21:30:58 o7SBONjo
プリヴェのシステム紹介更新されてるけど
かなり期待しちゃうなぁ
裏切ってくれるなよ・・・
745:名無しさん@ピンキー
07/09/17 21:32:39 2gTdJG0+
>>742
やべえ、それ激しくツボだw
今度探してみよう
746:幽霊新人
07/09/17 21:55:00 Ps0a2I96
>>745
検索したらオクに在庫がありました。
ツンデレ風激励ありがとうございます
先週は休みゼロで連休通常出勤で明日の有給休暇は無理やり得意先のゴルフの相手に決定で次の連休も仕事……
(*´Д`)=з
今の仕事は好きだが練習どころか書く暇が無い
(愚痴になってすみません)
747:名無しさん@ピンキー
07/09/17 22:26:13 RxV4yVTp
>>740
ゲームとしてはつまらん
派手にやられて連投される前に釘を挿すか
ひぐらしは原作が同人、次回作も同人で出したから同人板でやっとけ
ただでさえ、ひぐらし厨は出張しすぎでウザいと言われるんだから
748:名無しさん@ピンキー
07/09/17 23:46:04 0DSVWuMK
サーカディア話題言いだしっぺだが>>747には同意
声優陣豪華だし美形揃い(男女共)だからソッチ好みの腐女子とかには人気あるっぽいけどな
あくまでひねりのないアドベンチャーだ
1000円以下とかで置いてあるから金あってネタに飢えてたら程度で
とか言っときながらサーカディアでSS投下する準備中、1時までには準備完了…の予定
キャラとか設定とかに関しては説明適当だから公式サイトでも見てくれ
っ URLリンク(www.alvion.co.jp)
749:名無しさん@ピンキー
07/09/17 23:58:23 uDQFLOT+
古い漫画だけどサザンアイズはこのスレの住人的にどーなの?
操ったり寄生されたりのオンパレードだったのを憶えてる。
750:名無しさん@ピンキー
07/09/18 00:04:21 v6g71rsl
>>747
サーカディアの話だけしとけよw
751:名無しさん@ピンキー
07/09/18 00:13:14 FNI6GFOS
>>749
ヒロインのパイもしょっちゅう操られていたし、序盤ではメイシンがエロかったね。
ただ絵が濃すぎるのが趣味の分かれるところかもしれない。
752:名無しさん@ピンキー
07/09/18 00:13:59 M4y8wNHD
>>749
最後らへんの化蛇は個人的においしかった
753:名無しさん@ピンキー
07/09/18 00:20:04 jFe+t/I8
>>749
この前、懐かしくなって漫画喫茶で全巻読んだw
俺のこの趣向は、この作品からはじまったといっても過言ではない
754:サーカディア:ナイトメア優美
07/09/18 01:09:53 gu9zPD4M
やあ(´・ω・`)ようこs(ry
まあ楽しんでもらえれば幸いです。ややこしい用語部分はYahoo!でググってくれ。
海上都市ブルージェネシス。
科学庁の技術力を結集した計画都市で、事実上科学庁の自治都市でもある。
人体・環境に無害かつ尽きることを知らない次世代エネルギー「リバースエナジー」を都市運営に用いるこの都市は
その将来性などを見越して住民も増え、発展の一途をたどっていた。
しかしいつからか、妙な噂が流れ始めた。
リバースエナジーの飽和しているところには、異形の化け物「ナイトメア」が現れる。
「ナイトメア」に襲われた人間は意識不明になるか、あるいは目覚めても凶暴化する。
とはいえ、いわゆる都市伝説であるという説がほとんどであり、
ナイトメアとリバースエナジーの関連性について調べようとした者がしばしば行方不明になっている事実は驚くほどに知られていなかった。
しかしナイトメアは実在した。
そしてそれを見ることができ、退ける能力…いわゆる「超能力」を持つ者もいたのである。
この都市唯一の総合学院、アカデミア学院。
そこの高等部普通科に通う少女・朝倉優美もそのような能力の持ち主である。
元々自分の能力を隠してきたのだが、ナイトメアを倒そうとする転校生の少年・片山弘樹と知り合うことで
彼女は自分の力を使う場所、そして弘樹を通じて同じ超能力者の仲間を得たのである。
とはいえ、彼女には別の悩みもあった…。
「ごめんね、弘樹君…私、今日はどうしても用事があって一緒に戦えないの」
放課後になると仲間同士で集い、ナイトメアの撃退や発生原因の調査に赴くのが彼らの日課である。
「いいんだよ、優美ちゃん。いつも一緒に戦ってくれてるんだから1日くらい」
まだ幼さを残す顔立ちの弘樹は、いつも通りおっとりした笑顔で言った。
今日の優美には、その優しさがいっそう苦しかった。
「私…攻撃技を使えないから、いつも弘樹君の足を引っ張ってばかりね…」
「そ、そんなことないよ!優美ちゃんみたいな回復能力を持ってる仲間はいないし。回復できないとつらいよ」
何の気なしのその言葉に、優美はますます責任を感じてしまった。
「とにかく、今日は大丈夫だよ。また明日から一緒に戦ってくれれば」
「うん…本当にごめんね…」
755:サーカディア:ナイトメア優美2
07/09/18 01:10:51 gu9zPD4M
とぼとぼ帰りながら、優美はうつむいたままだった。長くきれいな髪が顔にかかり、澄んだ緑の瞳にも力がない。
おっとりした性格で一見頼りない弘樹だが、戦闘となると強力な攻撃能力を駆使して戦える。
一方、いかにも清楚な少女といった感じの優美は回復と防護の技しか使えず、1人では戦えない。
弘樹に憧れている彼女にはそれが不満だった。
「超能力はそれぞれの心のかたちが具現化したもの」というが、自分には戦うための何が不足なのだろう。
このままではいけない。そう思いつめるあまり、優美の精神は安定を欠いていた。
それゆえに、メトロから降りて自宅に戻るまでの道に、1人の青年が立っていることにも気付かなかった。
「…待っていたよ、朝倉優美」
名を呼ばれ、彼女は驚いて顔を上げた。
目の前に立っているのは端正な顔立ちの、自分より少し年上と思われる青年だった。
その顔には新聞か何かで心当たりがあった。確か、科学庁の。
「確か…私たちと年がほとんど違わないのに科学庁の高官になってる…」
「御剣晃だ。覚えててくれて光栄だよ。突然で失礼だが一緒に来てもらいたい」
彼のそばには科学庁の専用車が運転手つきで止まっている。
「…君のご家族に、迷惑をかけたくないならね」
優美はぞっとした。科学庁が全権を持っているこの都市で彼らに目を付けられることは死に等しい。拒否しようがない。
「なに、大人しく来てくれればそれでいい。悪いようにはしないから」
車で連れてこられた先は、都市を見下ろせる高層ビルの屋上だった。
「…私に何の用があるって言うんですか」
怯えながらも優美は御剣の顔を見据え、気丈に言った。
「なに、簡単なことだ。君の能力、我々のために役立ててほしい」
「そんな…何のために使うって言うんですか。私たちはナイトメアを倒さないと…」
「そのナイトメアを倒されては困るんだ」
にいっと御剣の顔が歪んだ。
「ナイトメアに襲われた人間は意識不明になったり、凶暴化するという噂は聞いたことがあるだろう?」
「…ナイトメア症候群、って有名になってます」
「それはナイトメアが人間の意識に『寄生』したからだ。
我々はこの物質世界では存在するだけでエネルギーを消耗し、何もせずにいればやがて消滅してしまう。
だが肉体という『殻』があれば、その消費を防ぐことができる。元の精神を奪ってね…」
そこまで聞いて、優美は目の前にいる人間の正体に気付き、震え始めた。
「まさか、あなたは…!」
「そう…ナイトメアだ。それも言わば親玉…『タナトス』と呼ばれているよ」
その名はオカルト雑誌などで聞いたことがある。でもまさか実在したなんて。しかも科学庁の内部に。
すぐに立ち上がって逃げ出そうとする優美。だが振り向いた瞬間、その顔は恐怖に凍りついた。
「スティールワイヤー」と呼ばれる、通常のナイトメアより数倍も大きい異形の存在が立ちふさがっていた。
すぐさま「それ」は肉体を求め、優美に向かって襲いかかった。
「きゃあ―――っ!!あっ…ああ…ううん…」
精神内に侵入を許してしまった優美は、肉体の制御を失いその場に座り込んだ。
瞳は開かれているが輝きが失われ、口もかすかに開き、意思が感じられない。
「ふふふ…意識体を支配し、そして肉体を得て帰って来い。我が分身よ…」
両手両膝を地に付けたまま、ぼんやりとこちらの方を見つめる優美を見て、御剣は笑った。
756:サーカディア:ナイトメア優美3
07/09/18 01:12:29 gu9zPD4M
人間の精神世界。
「イデア」と呼ばれるその場所は、人間1人1人によってまったく違う姿を見せる。
光が差し、豊かな常緑樹と水に満ち、攻撃的ではない強さと慈悲の両方が宿る、それが優美のイデアだった。
そして優美の意識体、すなわち本体はその中心に立っていた。
自分の本体は現実と全く変わらず動かせるし、服も学院普通科の制服そのままだ。
「ここは…私の精神世界?」
彼女は驚いたが、弘樹と知り合ってからこういうことには慣れっこになっている。それよりも自分の精神に侵入したナイトメアを何とかする方が先だ。
それはすぐに現れた。彼女の意識体を倒し、イデアを我が物とするために。
現実でも精神世界でも戦い方は驚くほどに同じだった。
敵は物理的な攻撃方法を持たず、エネルギー、いわば人間の超能力と同様の攻撃方法で向かってくる。
優美はバリアで敵の攻撃を防ぎ、ダメージを受けても回復する。
こうすれば敵は精神力を消耗するし、言わば敵地である優美のイデアに侵入しているため回復も容易ではない。
精神力を失えば肉体のないナイトメアは消滅する。それを待つ。これが優美なりの戦い方だった。
だが、今回のナイトメアは違った。
エネルギーは尽きないし、攻撃もバリアを突き破るほどに激しい。
みるみるうちに彼女は傷つき、一方相手は弱る様子もなく続けざまに苛烈な攻撃を浴びせてくる。
「そ、そんな…!一体なぜ?」
その頃現実世界の一室には、青白く輝くガスのような無味無臭の気体が満ちていた。
それにあてられたのか、優美の頬はうっすらとほてり、ゆらゆらと頭を揺らしている。
「リバースエナジー…精神エネルギーを物質界に合うよう工夫したものさ。
人体に無害とは言うが、これだけの高濃度だと並の人間は気絶する。
それに何より…この環境ならナイトメアも消滅を気にせず存分に動けるのさ」
「…う……」
「もっとも、超能力者の君にも悪くはない状況だろうがね。そうだろう」
「…ん…うんん…はい…」
かすかにだが、優美は御剣の言葉にうなずいた。精神の支配権が移ってきている証だ。
「さて、普通ならナイトメアに意識体を食い尽くさせて抜け殻にしてしまうところだが…
それでは今後色々と厄介だからね。…新しい試みをさせてもらおう」
「はあ…はあ…ううっ…」
優美はもはや力尽きる寸前だった。
精神エネルギーによる攻撃とはいえ、体はボロボロだし制服もところどころ破けている。
弱った彼女の本体を反映してか、イデア自体も輝きを失い、枯れた木々と黒い雲が一面に広がっている。
倒れないのは現実世界に満ちたリバースエナジーの賜物なのだが、今の優美には知る由もない。
「ま、まだ負けられないわ…弘樹君のためにも…」
もう一度回復を試み、立ち上がろうとしたその時である。
「残念だが…君なんかでは片山弘樹君に必要とされないよ」
甘い声がイデアに響き渡り、彼女の耳を刺した。御剣晃の声だ。
びくっとする優美に、その声は甘く優しく、しかし冷酷に襲い掛かる。
「攻撃能力を持たない。こうやって襲われてもひたすら守るだけの戦いしかできず、それを上回る相手が来ればこの様。
あとは片山君に守られるのを待つだけだ。そんなのは君だけだよ。誰がそんな足手まといを必要とするもんか」
妙に頭に響くその声は、ナイトメアの攻撃以上に優美の抵抗意思を奪った。精神が抵抗を止めれば、もはや力は使えない。
「そう…私は役に立たない…ただの足手まとい…だから助けにも来てくれない…」
だがそこで、急に御剣はとげとげしい口ぶりを改めた。甘く優しく、酔わせるようなささやきへ。
「でも、僕なら君に力をあげることができるんだよ」
その言葉に優美はぴくりと反応した。
「ほ、本当…?弘樹君に必要とされるような力を…?」
「もちろんだ。彼を助け、むしろ彼に頼られるような力を、君さえ望めばね」
今にも意識を失いそうになる痛みの中で、優美は弱々しく、しかしはっきりとうなずいた。
「ふふ、分かった。それじゃ、君の眼の前にいるナイトメアを受け入れるんだ」
「ナイトメア…を…?」
「そう。大丈夫、君が取り込まれるわけじゃない。君がナイトメアと同化し、その力を得るんだ」
あの力。防御と回復には自信のある自分の壁をも破った力。それが自分のものになる。
優美はナイトメアの方を向くと、よろよろとそちらへ歩き出した。
その彼女を迎えるかのように、針金状の鋼鉄…「スティールワイヤー」という呼称の由来となる金属質の触手が伸びた。
757:サーカディア:ナイトメア優美4
07/09/18 01:13:55 gu9zPD4M
「う…」
触手は彼女の体に絡みつくとかすかに振動を始め、彼女の体を心地よく刺激する。
その感触は見た目に反して柔らかく、彼女は両手をだらりと下げ、口を開き為されるがままとなる。
「んん…ああっ…」
その触手は耳や口などといった部分に入り込み、彼女の頭脳や脊髄、半身に音と振動で「何か」を伝え始めた。
その衝撃が彼女の意識体に影響を与え、彼女を変質させていく。
「優美…さあ、君は強くなっていく。強ければ何でも許されるんだよ…」
耳元の甘い声が何倍にも増幅され、彼女の心身は快感と共に嫌でも変わらざるを得なかった。いや、むしろ変わるのが心地よかった。
癒し、慈悲、優しさ…そういった彼女の元の精神に代わって、悦楽、攻撃性といった性質が付与されていく。
「わ…わたしはっ…強い…強くなってく…強ければ、な…なんでも…うあっ」
もはや完全に体をナイトメアに預けきった優美の手足に、彼女を変えていく触手とは別の針金が絡みついた。
彼女の腕や足に薄い金属としてまとわれたそれは、細い手足や胸元を強調するように体全体へ巻き付くと
最後に優美の目の前で束ねられ、ひとつの結晶体を作った。
「さあ、朝倉優美…この結晶体を飲み込み、力を君のものにするんだ。完全体となるためにね」
「ち・か・ら…かんぜん…た、い」
もはや彼女はナイトメアに支えられている状態ではなかった。
ナイトメアの大半は彼女の体に絡みつくか、彼女の体内へ入っているかで、その針金の一部が地に突き立ち、倒れない程度に支えるだけ。
残りの大部分が結晶体となっていた。それを飲めば、ナイトメアのほぼ全てが体内に入り込むのだ。
だが優美は心地よさげに目を細めたまま、口を開いた。その中に結晶体が挿し込まれる。
意思を持っているのか、それは彼女の口の中で少し動くと、こくんと音を立てて体内深くへと入り込んだ。
びくんと優美は一瞬体を大きく震わせ、怯えるように目を見開いた。だが、ほんの一瞬だった。
夢心地でその場にしゃがみこんだ彼女の指先や体から金属糸が伸びだし、イデアのあちこちに広がっていった。
それに反応し、崩壊寸前だった彼女の精神世界は蘇っていった…。
ただし、とげとげしい植物と、冷たい金属でできた人工の植物、そして不自然な光に照らされた異形のイデアとして…。
リバースエナジーが完全に消えた一室で、再び御剣晃と朝倉優美は向かい合っていた。
だが御剣…「タナトス」を見つめる優美の瞳には、以前のような怯えの色はない。
「元の精神体は完全に変え尽くしたんだな?」
「はい、すべて…」
心地よさそうに優美は目を細めた。
「ふふ…お前は僕の分身だ。僕と一緒に強力な分身を作るために動くんだ」
「はい、タナトス様」
にこりと笑う優美は、陶酔した目で彼を見つめた。
いや、それとも生まれ変わった自分への陶酔かもしれない。
「お前は片山弘樹と親しいらしいな。いや、親しかったと言うべきか」
それを聞いて、今まで外見上は変わっていなかった優美に、冷たい笑みが浮かんだ。
「はい。あいつに関しての情報ならお任せ下さい。なんなら私がすぐにでも手を…」
「いや、それはまだ早い」
優美の顔に不満の表情が浮かんだ。
「どうして野放しにしておくのですか?あいつは他の奴とは違います。早めに消しましょう、邪魔にならないうちに」
感情を抑えきれないのか、口調が激しくなる優美。
御剣はそれには答えず机から書類を取り出し、何か書き付けて彼女に渡した。
「お前にはやってもらうことがある。片山を消すのはそれからでいい。僕の言うことに従うね?」
優美の険しい顔が、一転してとろけるような表情に変わった。
「はい、タナトス様。この朝倉優美、分身たるあなたのおおせのままに」
「よし。それではまずこれを使い、アカデミア学院の特化コースに転入しろ。
あそこは科学庁に選ばれたエリートが個人教育を受ける場だし、お前は成績もそこそこ優秀だ。
それほど怪しまれることはないだろう。
そして片山の『仲間』とやらを…1人1人こちらに引き込むのだ」
「はっ」
「ああ、…それから」
御剣は薄く笑って言った。
「特化コースは基本的に制服というだけで、アレンジは個人裁量に任される。目立たない程度に好きにしろ」
それを聞いて、優美…いや、かつて朝倉優美であったタナトスのしもべは色っぽく微笑んだ。
758:サーカディア:ナイトメア優美5(終)
07/09/18 01:15:51 gu9zPD4M
翌日から朝倉優美は特化コースに転籍となった。
校舎は違うし、寮で1日中教育を受けるため、外部との接触は非常に少なくなる。
優美の両親も娘が選抜された喜びで頭が一杯で、彼女の「変化」には全く気付かなかった。
スカートの丈も上着の丈も短くし、色っぽいボディペイントをうっすらと施した彼女。
だが勉学も運動も優秀とあれば誰も何も言わない。
人格など問わない。成績こそが第一なのだから。
そして優美は、外出する時には人格の変容を巧みに隠す術も身につけていった。
「ふふふっ…片山弘樹、私を見下してたあいつ…いつか必ず私の力を見せ付けてやるから。
人間なんかが私の力にかなうはずないんだから」
個人用の運動場で覚えたての攻撃能力を試しながら、生まれ変わったナイトメア優美は微笑む。
瞳孔を鋭く細め、瞳を赤く輝かせながら…
まあこんな感じで。
うん、まあ、マイナーゲームなんだ、すまない(´・ω・`)
なんかニコニコにも微妙にうpされてるからそっち見てもいいかもしれない。
需要があればもう何人か続きにもトライしてみる
759:名無しさん@ピンキー
07/09/18 01:26:21 ZShIONZg
>>758
GJです!良い作品をありがとうございます。もし良ければ続きを読みたいです。
ここのスレにたまに出る荒らしはコミケでクロさんやhiroさんにうざがられていた人みたいだね。
760:名無しさん@ピンキー
07/09/18 01:27:54 t8XdE1xa
>>758
まあその、ぶっちゃけサーカディアはタイトルと「周りが敵にも味方にもなる」程度にしか
知らなかったんだけど
すげー続き読みたいんで期待していいですか!
761:名無しさん@ピンキー
07/09/18 01:46:52 2yAPxFEI
くやしい、悪堕ちさえ無ければこんなSS…!
でもGJしちゃう…ビクビクッ
762:名無しさん@ピンキー
07/09/18 02:28:15 bMQcUHZb
>>758
元ネタ分からないけどもめっちゃ良かったです。
続き読みたいです。
763:名無しさん@ピンキー
07/09/18 05:56:09 Og+asiEe
ぶっちゃけアレはMCというより乗っ取りなのかな?
764:名無しさん@ピンキー
07/09/18 08:46:02 ei2oF81D
日本では良くないイメージのあるステ○ールが、日本の優良な娘を乗っ取り
乗っ取った娘を足掛かりに、自らの先兵として他の娘を次々と乗っ取らせる・・・・・・
擬人化するとハアハア出来そうだなおい。
765:名無しさん@ピンキー
07/09/18 09:14:12 OtUkbS/+
洗脳大好きだけど、乗っ取りが一番好きな私としては
これは大好物だ。
素晴らしい。
766:サーカディアの中の人
07/09/18 20:31:42 gu9zPD4M
(・ω・ ) 私…続き書きたいって思ってる…?
(・ω・´) いけない!このまま書き続けたら途中でネタが切れちゃう!
(・ω・` ) でも駄目…もう逆らえない…!
〆(゚∀゚ ) はい、続きに取り掛かります…
ネタが尽きそうになったらご主人様一同を頼りますわ
さっきニコニコ見たらサーカディアのアクセス軒並み増えててバロスww
乗っ取りあるのはPart6、16、27、31な
6以外は元キャラの会話知らないとあんま盛り上がらないけど
現在進行中だから乗っ取られたキャラが敵として登場する話はまだないっぽい
767:名無しさん@ピンキー
07/09/18 21:43:22 y3lvtLRK
悪堕ちではヒロインが「うぎゃあ!!ぐがアアア!!」と悶え苦しみ
ながら堕ちるのと、「ふあ、くふう、気持ち、いいよぉ・・。私もう・・・」
という感じで堕ちるのどっちが好きですか?
私は後者が好きなのですが。ついでに堕ちた本人も幸せだとなおよし。
768:名無しさん@ピンキー
07/09/18 21:56:48 8T8C/gHH
>>767
俺も後者だな。
どうもひぎぃは苦手だ。
769:名無しさん@ピンキー
07/09/18 22:01:21 W3u7vvJB
>>767
俺はセーラームーンRのブラックレディみたいな堕ち方がいいかな
今までの堕ちの中で秀逸だと思ってる。
この堕ち方が一番で後者、前者の順で好き
まあ、乗っ取りだろうが、悪堕ちだろうが俺は大好物だってことさw
770:名無しさん@ピンキー
07/09/18 22:11:06 2yAPxFEI
後者派…ではあるが、前者でもいける。
771:名無しさん@ピンキー
07/09/18 22:14:40 noNLBx0l
>>767
前者って大抵悪堕ち後も「ギャアアアア、ガルルルル・・グルル・・」とか
白目向いて正気を失ってるような凶暴化にしか繋がらないイメージがw
まぁ要は仮に苦しもうが悪堕ち後には自分の意思で従ってるような女になってりゃおk。
772:名無しさん@ピンキー
07/09/18 22:16:48 dlqEGuUi
ブラックレディだろうが
ミストレスナインだろうが
いける。
773:名無しさん@ピンキー
07/09/18 23:50:15 lvgZG+b5
>>767
後者が主だが、前者もいい。
ただし、落ちた後がアホ(壊れたってだけじゃなく)になるのは勘弁な。
774:名無しさん@ピンキー
07/09/18 23:57:44 aLZiiMSo
>>767
前者は乗っ取り、書き換え系な堕ちシーンの拒絶表現ならアリかな
ひぎぃ系だと堕ちた後、被虐的立場から嗜虐的立場への転換シーンがあればおk
後者は勿論大好物
775:名無しさん@ピンキー
07/09/19 00:14:28 JJyDzkue
みんな今までROMってたんだな。
一日数レスしかなかった二週間前が嘘のようだ。
776:名無しさん@ピンキー
07/09/19 00:51:01 cxVCgF2+
完全な記憶操作が好きな人もここに
電童のアルテア様や北斗が最高でした
北斗を脳内で♀に変えてハァハァしてごめんなさい
777:名無しさん@ピンキー
07/09/19 01:49:57 6eC/kfRf
そろそろ現れるかな
778:名無しさん@ピンキー
07/09/19 07:27:54 uRvhXx4K
残念でしたー!
779:名無しさん@ピンキー
07/09/19 09:22:30 wMaUOIDg
|「荒らしあげ」を |
|したいんですけど…|
|…あれ?開かない??|
\___ ____/
∨
_______
|::::::::::::|
|::::::::::::|
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|\ \/ /|
|::\ \/::|
|::/\ \◎|))
|/ /\ \|
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_\/::::::::\/_
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`/ ガチャガチャ \
/\
/ / ∧_∧
\/\(・∀・; )
○⊂__)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|_)
| ̄ ̄ ̄ ̄∧| /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄\
| 危ない所だった… |
\________/
780:名無しさん@ピンキー
07/09/19 09:39:58 8uO7hgdi
なぜ煽る!?
781:名無しさん@ピンキー
07/09/19 11:15:12 bdxVq02M
学校始まったんじゃない
782:名無しさん@ピンキー
07/09/19 19:03:54 MrLjksek
始まったら、ここにはいないだろw
783:名無しさん@ピンキー
07/09/19 20:51:54 7yI78uxB
今は”い”ます
年齢なんてまもるやついねーよ。。
784:名無しさん@ピンキー
07/09/19 22:50:41 Vb+J8Wjx
不登校児 乙。
ミスリードだな?
785:サーカディア:ナイトメア智美
07/09/19 23:25:10 d/MRYH4L
>>754->>757の続きドゾー
設定の分かりにくいところは公式見てくれ
っ URLリンク(www.alvion.co.jp)
海上都市ブルージェネシス唯一の教育機関であるアカデミア学院には、生徒の個性を伸ばすため高等部から多くの学科が存在する。
普通科、医学科、史学科、スポーツ科など…そしてここ音楽科。
その音楽科で現在、壮絶な争いが繰り広げられていた。
「お願い…杉浦さん、私の言うことを聞いてほしいの」
「うっさいわねえ篠原先輩、先輩面して説教しないでよ!」
「私たち、弘樹君と一緒に戦う仲間でしょう?」
「音楽と弘樹はカンケーないじゃん。さっさと言いたいこと言ってよ」
またか。講堂のグランドピアノ前で言い争う2人の少女を目にした周囲はすぐ顔を背けた。
音楽科2年の杉浦泉と、同3年の篠原智美。
この2人は見た目も性格も好みの音楽もまるで正反対。さらに相性も悪い。
ショートボブに長身で制服を着たことがなく、バンドのヴォーカル兼作曲を担当する泉。
いかにもお嬢様といった波打つ長髪に細身で、クラシック音楽を愛する智美。
いつもずけずけとストレートにものを言う泉に対し、柔らかい口調と物腰の智美。
これでは気が合うはずもない。
「お願いわかって杉浦さん、音楽会ではクラシックピアノを弾かないといけないのよ」
「だから?あたしこんな古臭いピアノ嫌いなんだけど」
「あなたが趣味でやってるような音楽と違って、1つ1つ音が重要な意味を持ってるの。心を込めて弾かないと…」
それを聞いて、ただでさえ強気そうな泉の顔が険しくなった。
パァン、と乾いた音がし、他人のふりをしていた周囲の人間は驚いてそっちを見た。
そこには頬を押さえる智美の姿があった。
「人の音楽にケチつけてる暇あったら練習したら?
ご両親もピアニストの名門優等生、智美お嬢様が失敗したらピアノコースの恥なんでしょ?
あたしはあんたの引き立て役なんてゴメンなの!」
一気にまくし立てて一息つくと、泉はダメ押しの一言を放った。
「大体あんた、ホントにピアノ好きなの?やりたくてやってる?全っ然、心に響いてこないんだけど!」
「そんなっ…ちゃんと、練習…してます…!」
涙声になった智美は、うつむいて頬を押さえたまま外へ駆け出していった。
「…やっちゃった。あの人が一番頑張ってんのに」
軽い口調で、しかし後悔した様子で泉はつぶやいた。
周囲を見ると、音楽科ピアノコースの学生がひそひそとささやき合っている。
それを見て泉はますますカッとなり、怒鳴った。
「あんたらも人のこと気にしてる暇あったら練習するか、帰れば?
親の七光りとか、篠原先輩ズルいよねーとか言ってて結局何もしてないんじゃん。
運も実力のうちなのに、その差も埋めようとしないで何が言えるの?」
音楽への情熱。そういう意味では犬猿の仲の2人は似通ってはいた。そして超能力を持つ点でも…
786:サーカディア:ナイトメア智美2
07/09/19 23:30:02 d/MRYH4L
一方、智美はそうとも知らず音楽科の個室に閉じこもってしばらく泣きはらした。
「みんな私のことを分かってくれない…どうしてなの…」
いつからか、ピアノを弾くのが楽しくなくなった。
努力すれば親のおかげと陰口を叩かれ、間違えれば智美の努力不足と親や教師に叱られる。
そんな彼女に秘められた能力を見出したのが弘樹と…そして泉だった。
「智美さん、泉さんから能力があるって聞いたんだ。仲間になってくれないかな」
「確かに、篠原先輩は才能あると思うけど…戦えるの?絶対へこたれそうなんだけど」
「怖いけど…杉浦さん、私、生まれ変わったつもりで頑張ろうと思っているの。
せっかく見つけた、自分にしかない力だもの」
だが、ピアノの世界において彼女は「自分にしかない力」を見出したことがない。
「お前がちやほやされるのは父親である私が指導しているからだ。才能などない。
大人しく私の言うとおりに弾けばいいのだ。そうすれば恥などかきはしない」
学校や皆のため努力すれば、泉に「心がない」となじられる。
しかし自分の個性を出すような弾き方を、親や教師は認めようとしない。
ピアノの弾きすぎで指や腕が痛い。しかし今日の夕方には演奏会の本番だ。成功させないと親は納得するまい。
痛み止めを飲み、もう一度ピアノホールへ戻ろうと立ち上がったその時、誰かが外からドアをノックした。
「…智美さん、いますか?」
「その声は…朝倉さん?」
朝倉優美。1学年下で学科も違うが、超能力つながりで一番気の合う仲間だ。
泣くだけ泣いて落ち着いた彼女は、ドアを開けて優美を迎え入れた。
「智美さん、大丈夫ですか?音楽家の人から聞いて、心配で…」
心配する表情の優美。これだけ智美を気遣ってくれるのは、彼女以外には弘樹だけだ。
「ええ、もう大丈夫だわ。…我慢して、しっかり弾かないと」
気丈に微笑む智美に、優美も安心したように微笑んだ。しかし、それと裏腹に口から出る言葉は厳しかった。
「でも智美さん…ずっと我慢して自分を抑えることに、耐えられるの?」
強引にふさいだ傷をえぐる一言を、優しく笑いながら突き刺す。智美の精神が大きく揺らいだ。
「そんな…じゃあ、どうすればいいというの。朝倉さんはそう言うけど、私には何もできないのよ」
「だから…私、智美さんが生まれ変われるよう、励ましに来たんです」
その言葉と共に優美が大きく、素早く踏み込み…唇で智美の口をふさいだ。
「んむ…っ!?」
優美の緑色の瞳が、赤く発光した。
同時に、口伝いに強烈な思念が送り込まれる。
智美は自分が内部からバラバラになるように感じ…そのまま肉体の制御を失った。
「うふふ…普通科の制服ってこんなに着心地悪かったかな。
カモフラージュのため着てみたけど、肌を出していないと落ち着かないわ」
その場に崩れ落ちた智美を、優美は瞳孔を鋭く細めながら見下ろした。
787:サーカディア:ナイトメア智美3
07/09/19 23:31:38 d/MRYH4L
口伝いに侵入したナイトメアは、智美の精神世界「イデア」にたどり着いたようだ。
ようだ、というのは、智美はイデアの中でもなおピアノに向かわされていたから。
「ここは…弘樹君が言っていた、私の精神…?」
彼女は暗い城の一室にいた。狭く、冷たく、ピアノ以外には何もない。
「練習しなきゃ…いいえ、きっとナイトメアが私の中に侵入したんだわ」
よく見ると、小さい窓が部屋のあちこちについている。そこから外を見て、彼女はぞっとした。
彼女がいたのは城の尖塔の屋上。空は一面の黒雲に覆われ、光は全く見当たらない。
そして城は分厚い城壁に囲まれ、出口は見当たらない。
さらにその城壁を取り囲み、覆い隠すように無数の大木が生い茂っている。
よく見ると…大木についた無数の実は、智美を凝視する目のようにも見える。
彼女がピアノを弾くかどうか、じっと監視する人々の冷たい視線のように。
「この狭い部屋じゃ…戦えないわ」
彼女は意を決して、窓から身を投げ出した。自分のイデアの中であれば、高さは関係ない。
ふわりと宙を舞い、彼女は柔らかく着地した…はずだった。だが、彼女はすぐに後悔した。
見上げる木々も城も、塔の上からより一層威圧的で、よりじっくりと彼女を見据えている。逃げることを許さぬかのように。
「…自分のイデアでありながら他人に見られ続ける…憐れだね、人間というやつは」
若い男の声。それと共に、ナイトメア「スティールワイヤー」が現れた。
その声が「タナトス」のものだとは智美は知らない。だが、それが敵だとは分かる。
「ここは私のイデアよ。人間じゃないナイトメアなんかに渡しはしない」
彼女の手から発せられた音が、衝撃波となってナイトメアを襲った。ピアノの和音のように、幾重にも重なって。
長く続く楽曲に押され、ナイトメアは全く反撃をできずにいた。このままなら、勝てる。
だが休符があるように、超能力攻撃も休みなく永遠に連発できるものではない。
一瞬だが智美の手が止まった。
「見た目と全然違って強いのね…智美さん」
その隙を突いて、ナイトメアが声を発した。先ほど聞いたばかりの少女の声を。
「あ…朝倉さん!?」
声だけでない。硬質のワイヤーが変形し、奇妙に絡まり、人間と思しき形を取っていく。
赤く発光するコアが頭部に収まり…朝倉優美となった。長い髪も、優しい笑みも彼女そのもの。
…だが、その身体を包むボディスーツは、不自然な金属状の輝きを放っている。
「朝倉さんの姿をとって騙そうというの?…本当に、怒ってもいいのね」
「違うわ、智美さん。私は本物の朝倉優美ですよ。新たな意識体として進化した…。
あいつ…片山弘樹の言い方を借りれば、『寄生された』っていうのかしら」
「ま、まさか朝倉さん…タナトスに!」
優美はにこりと微笑んでうなずいた。瞳が赤く輝き、彼女の正体を示す。
「智美さんはタナトス様を倒すつもりなのね。それならまず私を倒してみて…」
両手を広げる優美。鋼のレオタードとニーソックスをまとった細身の彼女は、驚くほどに無防備だ。
だが、智美は動けない。
「ふふ…智美さんにできる?できないですよね。友達だもの」
「あ、朝倉さん…目を覚まして!あなたは人間よ。人間とは戦えないわ」
無駄だと知って智美は叫んだ。寄生されてイデアを塗り替えられた以前の意識体が蘇ることはありえないのだ。
だが…その叫びに、優美の笑みが凍りつき、動きが止まった。瞳も緑色に戻っていく。
「とも、み…さん…?」
「朝倉さん!?」
目を覚ましたのか。智美は期待を持って近づいた。
788:サーカディア:ナイトメア智美4
07/09/19 23:33:28 d/MRYH4L
「…そんなに戦いたくないなら、大人しく寄生されればいいのよ」
「きゃああああっ!!」
優美の身体が無数の鋼鉄の触手となり、智美を拘束した。
「抵抗しないの。ふふ…そのほうが簡単でしょ?」
いつの間にか優美の本体は智美の背後に回り、再びボディを形成した。
腕で羽交い絞めにされ、さらに身体から伸びる針金に縛られ、智美はぴくりとも動けない。
「や、やめて…苦…しい…」
「ゆるめてあげるから、もう一度あの塔の上へ行きましょう?」
他者のイデアへ強引に割り込むのは、ナイトメアにとって負担が大きい。
通常の愚かなナイトメアなら何も考えず、それゆえに撃退されることも多い。
だが高い知性を持つナイトメア優美は、智美の精神の中枢へ楽々と入り込んだのである。
暗く狭い部屋。そこには変わらず、豪華なピアノだけがたたずんでいる。
そして窓の外からは木々が彼女を見据えている。
「さあ、智美さん。ピアノの上に座って下さい」
「そ、そん…な…!大切な楽器の上に座るなんて…はぁうっ!」
「ピアノのせいで苦しんでいるのに、どうしてまだ大事にするんですか?
それとも…まだ締め付けが足りないかな」
「あ、あぐぅ…」
ギリギリと締め付けられ、気を失いそうになっても、智美は動こうとしない。
「このままでは意識体を消滅させてしまうわ。…少し、手を変えないと」
智美を縛っていた針金が数本、体から離れ…代わりに彼女の両耳に差し込まれた。
すっぽりと覆われた彼女の耳は外部から遮断され、優美の発する音だけが届く。
「あ、う、ぐぐ、い…い、嫌あ!何なの、この音…」
音楽に長く親しんできた智美は、優れた聴覚とリズムセンスを持っている。
そのぶん、狂音波を聞かされた時のアレルギーも激しい。
物理的なダメージを与える心配もなく、数倍の精神的ダメージを与えることができる。
頭を抱えて悶え苦しむ智美。
その身体に優美は、今度は触手を通じて独特の振動を送り始めた。
「ぐぐうう…う…はぁう…ふっ…?はあ…あう…ん」
苦しんでいた智美の両手がだらりと垂れ下がり、全身から力が抜けた。
音波のリズムに合わせた極微振動を送られ、苦痛感が消えたのだ。
音波は精神を歪ませる働きを、振動は快感を与えて抵抗意識を奪う働きを持っている。
優美がもう一息入れれば、確実に智美に寄生してイデアを奪うことができる。
しかしそれでは、優美の肉体が空っぽになってしまう。
「さあ智美さん…ピアノの上に座って」
音波と振動にもうひとつ和音が…優美の命令が、重なる。
智美はもはや抵抗せず、言われるがままにピアノの上に座った。
靴で椅子が、そして鍵盤が汚れるのも構わずに。
「智美さん…ピアノに座った後だと、周りの木々はどう見えますか」
狂った快感に酔いしれながらも、智美は窓の外に目をやった。
「んん…馬鹿みたいね。見ていても私…ピアノなんて、弾かないのに…」
彼女の口元に、はっきりと歪んだ笑みが浮かんだ。
「そうですよ智美さん。人間の下卑た眼なんて、気にしなければいいんです」
「下卑…」
「人間なんて、下らない生き物」
「下らない…あう…人間は、下らない…」
ぼんやりとつぶやく智美に、優美はいっそう甘くささやきかけた。
「でも智美さんは違う。もっと高等な意識体に進化できる。
そうすればより肉体を自在に操れるわ。苦しまずにピアノの達人になれる」
「ほ…本当…っ?」
「そうよ。それをできるのは、タナトス様なの」
「タナトス…様…ああ…それなら、私に、力を…」
うっとりと微笑む智美の目の前に、優美の本体が移動した。
「私はタナトス様の分身。タナトス様からの預かり物を、智美さんに授けてあげる。さあ…」
優美はワイヤーで智美の体を自分のいいように制御すると、ぐっと唇を奪った。
深い口付けと共に、口から、耳からもナイトメアの因子が注ぎ込まれる。
どくん、どくんと智美の体がそれに合わせて揺れる……。
789:サーカディア:ナイトメア智美5
07/09/19 23:34:35 d/MRYH4L
長いキスの末、優美はすっと智美から離れ、鋼の触手も一斉に彼女の中に戻った。
智美はピアノの上に座ったまま、動こうとしない。
「そろそろ私は限界。智美さん、また現実世界でね」
優美はそう言うと、再びナイトメアの姿になって消え去った。
一方、智美は静かに笑い始めた。
「くすくすくす…くっくっくっく…」
自身ありげに、ゆっくり足を組む。同時に、彼女のイデアが再構築を開始した。
塔に絡み付いていた細いツタが伸び始め、城を、城壁を、ピアノを、そして智美自身をも包んでいく。
そのツタから、黒と紫の毒々しいバラが咲き乱れた。
城壁を覆い尽くしたバラはそれだけで収まらず、その外にある木々にまで恐ろしいスピードで這い寄った。
たちまちのうちに樹木はツタに締め付けられ、花の苗床となり、樹液を吸い尽くされ朽ち果てた。
智美はその様子を、憎憎しげに見つめていた。
「ふ…いい気味だわ」
彼女が着ていた音楽科の紫の制服も消滅し、代わって黒と紫のナイトドレスがその身を包んでいる。
波打った金色の髪には黒いバラが一輪。
一見髪飾りのようだが、見るものが見ればその花が超能力の根を張っていることに気付くだろう。
そして彼女の大切だったピアノはツタに埋め尽くされ、女王を迎える玉座と化していた…。
「智美さん、大丈夫?」
「……」
智美が目を覚ますと、目の前には不安そうな優美の顔があった。
もちろん普通科の制服を着用している。自分も音楽科の制服だ。あれは夢だったのだろうか。
ふと髪に手をやると…黒バラでできた髪飾りがその手に触れた。
「もちろん、夢ではないですよ…智美さん」
「…そう。そうよね」
優美の優しい笑顔の奥に、ちらりとナイトメア特有の冷酷さが見え隠れする。
それがはっきり分かるということは、自分もつまり…
「あ、もうすぐ演奏会ですよね。頑張ってください、智美さん」
きっ、と智美の眉が不機嫌そうにつり上がった。
「下らないわね…でもまあ、余興にはいいかもしれないわ」
演奏会には弘樹と泉も見に来ていた。
「泉さん、来たんだね。ケンカしたって言うから…」
「ホントは来たくなかったし、あたしにとっちゃケンカじゃないの。でも篠原先輩気にするからさあ」
しゃべっている間に、アナウンスが篠原智美の名を告げる。
ステージ脇からピアノの方へ歩いてくる智美を見て、ざわざわと客席がどよめいた。
この演奏会は学院主催のものであり、決まりはないが制服で演奏するのが普通である。
だが今日の智美は肩を出し、大胆なスリットの入った漆黒のナイトドレスに、黒いバラの髪飾りを挿している。
審査員や音楽科の生徒が顔をしかめるのも無理はなかった。
だが、智美が鍵盤に触れると同時に、一同は完全に演奏に引き込まれた。
寸分の狂いもなく、素人にも分かるほど巧みで、悪魔が宿ってるのではないかと思うほどの美しい音色。
ただ1人を除いては、全ての人間が完全に魅了された。
「あ…あれ?泉さん、どこ行くの?」
「帰る。…篠原先輩の演奏元々嫌いだけど、今日のは特に胸くそ悪いから」
「そ、そんな?こんないい演奏なのに」
790:サーカディア:ナイトメア智美6(終)
07/09/19 23:37:35 d/MRYH4L
終了後の会場はまさに興奮と狂乱のるつぼだった。
その中で弘樹は、音楽科の数人と知り合いということで楽屋まで通してもらえた。
「智美さん、すごい演奏だったよ!みんな大興奮さ。はい、これ花束」
さぞ喜んでいるかと思いきや…智美の眉と目はつりあがっている。
不機嫌というよりも、攻撃的といったような印象を受ける。
にこりともせずに一礼して花束を受け取ると、智美は冷たく言った。
「片山君…どうしてここにいるの?」
「ど、どうしてって、音楽科の人が通してくれたから…」
「私は演奏後は疲れているから、人と会いたくないの。…目障りよ」
あまりにとげとげしい智美の口ぶりに、弘樹は驚きを通り越して何も反応できなかった。
そこに優美が現れた。
「あ、優…」
「ふふ、弘樹君。智美さんは疲れて気が立ってるの。
私は片づけを手伝うから、悪いけど弘樹君は邪魔せず消えてくれる?じゃあね」
優美は明るく微笑むと、問答無用でドアを閉めた。
「どうかね、篠原智美。イデアの吸収と再構築は順調かな」
智美と優美だけのはずだった部屋の奥に、いつの間にか御剣晃…「タナトス」が立っている。
「はい、イデアは完全に私の支配下に」
智美は目を閉じて誇らしげに言った。以前には全く感じられなかった自信が、今の彼女にはある。
「よし。お前はしばらく音楽科に残るのだ」
その言葉に、智美は眉間にしわを寄せ、不満そうにタナトスをにらみつけた。
「どうしてです。…こんな下らない茶番、もう我慢できないわ。
私は一刻も早く、愚かな人間どもを消し去りたいのです。
せめて人間と接触する必要のない特化コースへの転籍をさせて下さい」
そこに優美がいつもの微笑みで間に入った。
「智美さん、タナトス様は、より多くの分身をお望みなんです。
もっとたくさんの姉妹を作り出せば、タナトス様も私達も強くなれます。
それに、哀れな人間どもを欺いてあげるのも今では容易でしょう?ふふっ」
それを聞いて、智美の顔に笑みが…ただし攻撃性に満ちた冷酷な笑みが浮かんだ。
「そうね…人間の望む役割を演じてあげるのも悪くはないわ。
それが私のご主人、タナトス様のご命令とあればなおさらのことね。
だって、私は生まれ変わったんだもの。ふふふ…」
朝倉智美は名実ともに音楽科随一のピアニストとなり、
一部では有名なピアニストである父を超えるほどの腕ではないかとの噂も立った。
親も教師も音楽科の生徒も、一転して智美を持ち上げ、あるいは媚びるようになった。
それと比例するかのように、以前物腰柔らかだった彼女の性格は高慢かつ攻撃的に変わった。
愛らしく微笑む彼女の顔など皆忘れ、智美と言えば目をつり上げ「目障り」とつぶやく姿を思い浮かべる。
しかし誰もそれを責めようとはしない。ある1人以外は。
あの演奏会から後、ボディガードが部屋の外を守る中、智美は個室で見せかけの「練習」に励んでいる。
今までどおり制服はきちんと着るし、常に黒バラを髪に挿す以外は外見に大きな変化はない。
そして人格の変容も、個室をずっと使うことで上手くごまかせていた。
「唯一、私に媚びない女がいるようね。
人間風情で私を崇めないなんて…腹立たしいわ。
まあ能力も使えるようだし、分身にするには悪くないかもしれないわ。…屈服させてやる」
優美と智美で名前もキャラもかぶってんだよ(´・ω・`)
強引に個性を出そうと精一杯あがいてみたけどいかがでしょう。
791:名無しさん@ピンキー
07/09/19 23:47:35 AIBlFCl5
ああ次は泉だ・・・
GJ!!!!!!
792:名無しさん@ピンキー
07/09/19 23:54:22 HZVnb7q9
>>790
執筆、お疲れ様です!
なかなか良い展開で次の話が気になります。
793:名無しさん@ピンキー
07/09/19 23:54:56 skFJccdL
GJ!
やはり連鎖堕ちは最高だな。
794:名無しさん@ピンキー
07/09/19 23:56:21 JJyDzkue
>>790
乙です。wktkが止まらないぜ。
泉さん、これからどうなるんだろう。(´・ω・`)
795:名無しさん@ピンキー
07/09/20 00:01:26 6DJ60q/z
ピアノが玉座になるとか色々、元ネタに無いオリジナルだったら凄く構成が巧みだな。
商業レベルじゃん
796:名無しさん@ピンキー
07/09/20 04:50:54 snoLYnVr
よくやった、この調子で雑談厨を叩き出そうか。
797:名無しさん@ピンキー
07/09/20 06:58:51 bYOqPCKc
懐かしいw
このゲーム持っていたよ。絵は当時やっていたギャルゲーより多少低いけど声優が豪華だったな。
当時買っていたアニメ誌に優実の異形化載っていてドキドキした。
798:中の人
07/09/20 10:47:25 gD9mNQI4
thx、お前らのコメントに洗脳されそうだ(*゚∀゚)=3
>>795
ゲームだと主人公が気がついた頃には乗っ取られてる感じだからオリジナル
外見はあんまり変わらず中身は…ってのが好きだから、ゲームで見れない内面変化を頑張ってみた
>>797
zipでくr(ry
サーカディアネタでMC描く絵師さんほぼ皆無だしな
知らなかったけど今見てみると声優陣の豪華さは異常ww
ところでお前らこういうキャラがナイトメア堕ちするとしたら
どう人格変化してほしいか聞かせてくれないか?
1.世間知らずでお上品な和風お嬢様
2.元気ハツラツで礼儀正しいスポーツ少女
3.純真ロリ
4.女王系セクシーだけど優しくて寂しがり
漠然とは考えてるがなかなかいいネタが浮かばないorz
当方ソフト好きで過度のエログロは苦手だが好き勝手言ってくれると助かる
799:中の人
07/09/20 10:52:07 gD9mNQI4
補足だが、1のお嬢様はうる星やつらの面堂妹みたいな黒い無邪気さだ
悪いこととは知らず、主人公がよけるの見たくて植木鉢落としてきたり超能力撃ったりする
初めっから黒くてどうギャップつければいいか分からんw
800:名無しさん@ピンキー
07/09/20 12:06:23 bYOqPCKc
巫女と先生と目がでかいロリは思い出した。
1が巫女で、2がジャージで、3がまんまロリ、4がボディコンだろう。衣装は。
落とし方はそっちにまかせる。グロやエロなくてもエロゲ以上の悪堕ちやるアニメ漫画ゲームはたくさんあるからな。
巫女は純粋な邪悪にすれば? ロリは無邪気な残虐嗜好なんかにすればいい。
他は知らん。
正直、植木鉢でダブルキャスト思い出した。
つーかサーカディアはな……下位ゲームだろう。残念だけど。
このSS読んで買おうと思うなら本気でやめたほうがいい。他の堕ちゲーム買った方がいい。
まぁ、このゲームと同時期に発売されたLの季節にはまったのは秘密。
801:名無しさん@ピンキー
07/09/20 12:34:34 GEB64O11
>>798
800氏が半分言ってくれたんで、残りを挙げてみる。
同じく落とし方はお任せ。
まあ、もっといい案があればそれを採用して欲しいわけですが。
2は誰彼構わず異性に媚びるフェロモン系
4は他人を拒絶し自己中心的に振舞うナルシスト
堕落、人格変容と言われると「闇の声」をまず思い出すなぁ……
その意味では変容の種類って少ないかも。
特にゲーム主人公と戦うような性格にはしにくい。
802:名無しさん@ピンキー
07/09/20 12:45:02 wwXVojlj
>>800
Lの季節ってのざっと設定見たら操りありそうな雰囲気だったが、どうなん?
803:名無しさん@ピンキー
07/09/20 14:23:31 BGfqR9af
>>802
ヒロインが操られるというお話は皆無だったと思う。
ただ幻想界サイドの主人公(男)は邪神(?)に操られる、現実界サイドの主人公(男)は
自分の中に入り込んだ邪神に意識を乗っ取られて~という展開なのでそれの派生で妄想する
事は出来ると思う。
あと一部ヒロインの中身が入れ替わる(といっても妄想出来るような展開ではない)
子供っぽいのが大人に急成長して性格が変わるという展開はある。
どちらにしても、ここのスレ住人が喜ぶような展開は皆無に近いが・・・
作品自体は名作。やっておいて損は無いよw
804:名無しさん@ピンキー
07/09/20 16:58:56 KQ6Vqhqi
おお、スレにかつての勢いが戻ってきた・・・
執筆乙です!!
805:名無しさん@ピンキー
07/09/20 17:20:56 M0i23zt6
クトゥルフ物を希望する。
806:名無しさん@ピンキー
07/09/20 17:55:48 Yfe5yXMh
洗脳とかいうレベルじゃなく廃人になるが
807:名無しさん@ピンキー
07/09/20 18:00:01 8kYoYjtp
見ただけで気が狂うし
808:名無しさん@ピンキー
07/09/20 18:40:23 XZ1LBwg7
そもそもクトゥルフを知らない俺に説明してくれ
809:名無しさん@ピンキー
07/09/20 18:42:20 dpvSjh2X
名状しがたいので言葉にはできません。
非幾何学なので図示することもできません。
それがクトゥルフです。いあ! いあ!
810:名無しさん@ピンキー
07/09/20 19:03:01 EVxwS1YN
厨御用達の創作物
811:名無しさん@ピンキー
07/09/20 20:23:12 M0i23zt6
コメントがこんなにつくとは……
それではこのスレではクトゥルフは禁止なんですね。
てか、クトゥルフの邪神ならヒロインスレや魔法少女スレにありましたね
では、さいなら
(・ω・)/
812:名無しさん@ピンキー
07/09/20 20:25:57 3O5qLP3p
なんだかよくわからんがなんだかよくわからんおそろしいものらしい
ほんとうによくわからんがおそろしいですよ
といっているだけのホラー話<クトゥルフ
もはや何が何やらよくわからんが、とりあえず怖い図柄や挿絵や話でもやっておいて
「これもクトゥルフだ恐ろしいですねー」とか言っておける点に関しては
捏造後付やりまくりの神話や新興宗教のような部分はあるような気がする
813:クトゥルフ厨
07/09/20 21:14:06 M0i23zt6
言い忘れた
>>688
とりあえずキモイ
何があろうともクトゥルフ物だけは書くな!
てか、版権物の作品は全部書くな作品が汚れる!
サラリーマンの爺は過労死するまで働いてろボケ!
てめぇらは退職したら氏ね、年金の無駄使いだ!!
起業家にも投資家にもならず奴隷職サラリーマン甘んじる屑風情がSS書きをするな!!
ここは若者専用のサイトだ!!
とりあえずサーカディアの人はGJ
814:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:15:30 gkPt/lBL
クトゥルフ神話は1本の小説にいろんな人が設定後付けしまくって神話に仕立てたからなぁ。
・←これがクトゥルフです、根拠はありませんが多分そうです。
つっても通用しそうな感じだなぁ。
815:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:18:14 Yfe5yXMh
813の身にいったい何がw
リアルに洗脳でもされたか
816:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:35:15 rBC91yCm
昔読んだ信長が出てくるクトルー神話っぽい小説で濃姫が信長の操り人形っぽくされてたの思い出した。
いいなり、人形化も悪堕ちの一種だよね?本人がいかにも悪い人になるんじゃなくて。
そういう短いの書いてるんでそのうち投下するかも。
817:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:47:07 wUiG/Esd
皆さん好きねぇ
818:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:49:52 P21qGN4o
>>816
悪堕ちにしろ人形化にしろ、その過程をしっかり書いてたら良いと思う。
エロもあれば尚良し。
819:名無しさん@ピンキー
07/09/20 21:57:31 RAe6qzze
神話てのは名称だけで、単なるシェアード・ワールドだとおもうけど
エロゲや和SFだと、「実はクトゥルフネタでした!」と
それだけをオチにしてしまう作品が多いのは個人的にウンザリ。
オタ好きがするせいで、こういうとこでネタふりがあると、いあいあ煩いのもなー
スレに沿った発言をするなら、ヘンダーズルインの領主というSNE系の短編小説集で、
山本弘あたりが、クトゥルフネタでヒドラ?化しちゃう女性をネタに小説書いてたな。
(しかし探して読むほどでもない)
820:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:33:16 IlQypKRs
しかしクトゥルフが厨御用達とは……
最近の厨はあんな悪文読んでるのか
原文が酷いのか訳者が糞なのか知らんけど
とても読めたものじゃないのばっかだろ
821:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:41:00 MNs/Osm6
元になった小説群を読んでなくたって、デモベやって、
ネットで解説サイトでも見れば、語れるぐらいにはなるんじゃねーの
なんだかマニアックなものを共有している、という感覚
ようは>>809のようなやりとりが人気なんだとおもわれ
822:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:42:13 VQqW1+Zl
l^丶
| '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう
ミ ´ ∀ ` ,:'
(丶 (丶 ミ いあ いあ
(( ミ ;': ハ,_,ハ ハ,_,ハ
;: ミ ';´∀` '; ';´∀` ';
`:; ,:' c c.ミ' c c.ミ
U"゙'''~"^'丶) u''゙"J u''゙"J
/^l
,―-y'"'~"゙´ | それ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ヽ ´ ∀ ` ゙':
ミ .,/) 、/) いあ いあ
゙, "' ´''ミ ハ,_,ハ ハ,_,ハ
(( ミ ;:' ,:' ´∀`'; ,:' ´∀`';
'; 彡 :: っ ,っ :: っ ,っ
(/~"゙''´~"U ι''"゙''u ι''"゙''u
823:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:55:58 o9FdsWfQ
イクサー1で渚を洗脳しようとしたり
デジモンアドベンチャー02でヒロインを花嫁にしようとしたり
探せば良いクトゥルフも居るよ
824:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:57:55 mkQ9B4XL
平成ウルトラマンでラスボスやったりもしました
825:名無しさん@ピンキー
07/09/21 03:59:35 qa6RhptY
クトゥルフ神話で悪堕ちといえば矢野健太郎の邪神伝説シリーズ
最後あたりはヒロインも読者も頭グチャグチャになりそうだった
826:名無しさん@ピンキー
07/09/21 04:52:48 NXHuIHGM
そして洗脳された矢野健太郎は毛野楊太郎になってしまったのでした
827:名無しさん@ピンキー
07/09/21 06:18:57 Z5DSUarM
そういえば昔ヒロインってか主人公が『海の底の国からやってきた魔法少女』で魔法の呪文が例のアレで
美形の憧れのお兄さんが『にゃる様』だと言うまじかる・でぃーぷ・わんなるエロゲーがあったなあ…w
828:名無しさん@ピンキー
07/09/21 09:28:09 XljGBK93
URLリンク(www.getchu.com)
前から気になってたんだが、これってパッケージ見るとこっち系とかじゃないの??
値段中古屋で3桁だがw
829:名無しさん@ピンキー
07/09/21 09:43:26 igO6rbOZ
>>828
レビューサイトであらすじなんかを見る限りではまるで違うな
830:名無しさん@ピンキー
07/09/21 09:45:01 fWH9C6O5
よく分からんがそれだけだと楽しめないっぽい
>元のゲームをやっていなかった為、裏ルート意味不明でした・・・。
>表ルートも退屈で、全エンドコンプする気にはなれませんでした。
>前半はただのヤリゲーしかも音声なし最悪だね・・
>でも後半はものすごい展開が繰り広げられる、しかしAliveやMilkywayをやっていないと意味不明
831:名無しさん@ピンキー
07/09/21 10:37:35 6h6du9A5
>前半はただのヤリゲーしかも音声なし最悪だね・・
音声がないのはゲーム性としては特に問題ないと思うがなぁ
ボイス有りが定着しすぎてるんじゃないか?
832:名無しさん@ピンキー
07/09/21 12:12:22 oMFGEORq
>>828
まさかここでWitch作品がでるとは…
プレイした限りでは悪落ちというより本性を現したって感じでした
833:名無しさん@ピンキー
07/09/21 15:02:55 LApYbBYx
URLリンク(www.discovery-team.jp)
焼印、首輪、MC、吸血…わかっておるのう
834:名無しさん@ピンキー
07/09/21 15:55:39 6OUnCM6d
キタな。
835:名無しさん@ピンキー
07/09/21 17:13:58 c+HzDF3M
異星人とかメカとかの組織と戦ってきた世界観だったのに
いきなり新たに妖怪系の敵組織と戦うことになるところが
「当初はこんなに続く予定じゃなかった特撮モノの3作目」っぽい雰囲気が出て良い
836:名無しさん@ピンキー
07/09/21 18:12:13 pX8PErhR
これはもう購入確定かも分からんね
837:名無しさん@ピンキー
07/09/21 18:22:47 NXHuIHGM
概出かもしれんが・・・ラストスタンドってゲームの主人公らしい。
ゲーム自体はつまらないそうな。
URLリンク(moepic2.dip.jp)
838:名無しさん@ピンキー
07/09/21 18:48:10 xJQIadid
>>833
ひかりがかけられてるのって洗脳マシーンかな?まさか彼女で抜く日が来るかも知れないとは…w
839:名無しさん@ピンキー
07/09/21 20:26:25 i/Emd+2R
アイサイガーの新作敵キャラの設定がそれっぽくて楽しみだ
840:名無しさん@ピンキー
07/09/21 20:57:34 BigOYP3V
ラストスタンドは既出だな
ゲームは色々と惜しい出来
でも、根強いファンはいるので、つまらないと斬って捨てるのは総計かも知れん
今さらプレイするほどのものでもないが
841:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:00:23 COKW8xfx
この絵前も見たけどなかなか好みだ
どういう経緯でこうなるのか分かる?
842:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:32:15 LApYbBYx
>>841
確か主人公(画像の子の兄)が依り代になって魔王の魂だか何かを注がれそうになるけど
それを妹がかばう
んで、妹の記憶を持ったまま悪堕ちだったかな
843:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:51:12 1mL8DE7j
URLリンク(elf.sakuratan.com)
この絵って悪堕ち絵・・・なのか?
「ウィズ アニバーサリィー」というゲームの絵だということは分かったのだが、
ネットで調べても詳しいストーリーが分からない。
公式HPを見ると「フローリアム=ブロセリアンド」、
通称「ローラ」って娘が一番容姿が近いのだが、
虚ろな目や、着ている服等、違いがありすぎて断定ができない。
ローラって娘が悪堕ちしてこういう状況になっているのか、
それとも元々こういうキャラがいてこういうことをしているのか、
誰か知っている人がいたら教えてくれ。
844:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:44:44 iEqIHF5s
悪墜ちっちゃあ悪墜ち。
ていうかそっちの人格がホントのローラ先輩と言った方が良いのか。
オチまで言っちゃうとネタバレになるんだけど。
ローラ先輩ルートで、ラスボスの言うこと聞いて襲いかかってきます。
マントばさー。牙シャキーン! マジステキです先輩。惚れました。
URLリンク(elf.sakuratan.com)
URLリンク(elf.sakuratan.com)
二次元エンドなのでオススメできるかどうかはびみょん。
あと、マジキャプ画像上げちゃったけど大丈夫だったかな。
まずかったらすぐ消す。
845:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:45:28 ICn5ybjK
マジで申し訳ないんだが、だれかアクサイガーの画像もってないか・・?
どれぐらいの悪堕ちぐらいかが気になってなかなか手を出せなくて・・・
846:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:57:11 igO6rbOZ
>>845
パワードのほうなら愉しみながら生物殺す程度には
847:名無しさん@ピンキー
07/09/21 23:58:18 JL9NHrpN
アクサイガーってアイサイガーの悪堕ちでいいんだよな?
URLリンク(www.vipper.net)
こんな感じ
848:843
07/09/22 00:21:16 sbAZB0+v
>>844
うおおおお!
その2枚の画像、めちゃめちゃツボった!
通常時とのギャップが凄すぎる・・・。
悪の人格が実はホントの人格だった?という設定も良いな!
俺もローラって娘に惚れた!
このゲーム、やったことなかったけど購入する!
詳細に教えてくれてありがとー。
849:名無しさん@ピンキー
07/09/22 00:22:53 +SHUs5De
837です、とちあえずファンの人には謝っておきます&申し訳ない。
840の人、フォロー感謝です。
>>843
普段おっとりして優しい女の子が悪堕ちして性格反転、
邪悪な笑み浮かべて足コキとかしてくるシチュが好きなら絶対お勧め。
でもこのゲーム、必要スペックがかなり高いので並みのパソだと立ち絵すら
まともに表示されない可能性がある。多分グラボの相性だと思うけど。
2005年メーカー製パソでは太刀打ち出来なかったと報告しておきまする
850:843
07/09/22 00:33:03 sbAZB0+v
>>849の人も、詳しく教えてくれてサンクス!
うーん、知れば知るほどたまらなく俺好みなシチュだ!
しかし、そんなに要求スペック高かったのか・・・
ちょっと俺のパソでは無理っぽいorz
でも、おっとりお嬢様風な娘がここまで変貌する様はぜひ見たい・・・
死ぬ気でいいパソ買うしかないな・・・
851:名無しさん@ピンキー
07/09/22 00:45:31 Hb8C6vmV
>>849
3Dでも無いのに推奨VRAM64Mだからなぁ
メーカー製はオンボが多いからきついわな
852:名無しさん@ピンキー
07/09/22 02:20:49 VCEtx9uY
>>849
ちょっと祖父突撃してくる
853:名無しさん@ピンキー
07/09/22 02:54:35 /xmlrAzY
リリムのナースレンジャー、該当かも知れぬ。
ムービーで既にダーク化するとか言ってるし。
854:サーカディア:ナイトメア泉
07/09/22 03:21:55 3TMObEnK
遅くなったけど>>785->>790の続き。今回は泉です。
智美の演奏会から数日後のこと。
昼休みの学院中庭で、超能力を持つ女の子たちが集まっていた。
高等部1年のスポーツ科で水泳部の矢沢麻衣。
初等部=いわゆる小学校6年の如月美海(きさらぎみみ)。
史学科1年で、箱入り娘の桐生院深雪(きりゅういんみゆき)。
そして音楽科2年の杉浦泉。
「朝倉先輩は特化コースに行ったんですよね!それじゃ一緒に戦えないじゃないですか!」
少しクセ毛のショートカットの麻衣が聞いた。
「まあ、それは素晴らしいことではございませんの?…違いますの?」
いかにも日本女性といった感じの、しかし世間とずれている深雪は首をかしげている。
「麻衣お姉ちゃん…優美お姉ちゃんはもう美海達と一緒に戦えないの?」
服装にも顔立ちにも幼さを残す美海が、心配そうに聞いた。
「美海ちゃん…特化コースの勉強の厳しさは有名なの。
課題を終わらせられたら別だけど…すっごく頭いい人でも大変みたい」
「そうなんだ…優美お姉ちゃん…」
「泉さん、占いで分かりませんの?優美さんの勉強の進み具合とか」
深雪のその言葉に、全員が泉の方を見た。
「あーもう、分かったわよ!すぐやってみるからそんな見ないでよ」
嫌がりながらも、彼女は手早くタロットカードを取り出した。
泉の占いと言えば音楽科のみならず学院内でよく知られている。
超能力というほどではないが、なぜか的確に状況を推測・分析できるのである。
さらに泉本人のアドバイスも分かりやすく、吉凶どちらが出ても励みになるのが特徴だった。
力を入れているバンドよりも占いの方が人気なのを本人は気にしているが、頼られて悪い気もしない。
手馴れた動きで、すぐにその結果は出た。が、泉は怪訝そうな顔だった。
「…あれ?何これ」
「どうしたんですか、杉浦先輩?」
「今までに出たことない変な結果…。優美の勉強運は最高。運動運も最高」
「まあ。優美さんは体育がお嫌いではありませんでしたの?」
深雪に言われるまでもなく、優美が体育苦手なのは見た目で想像がつく。それが最高とは。
「で、優美お姉ちゃんは美海たちと一緒に戦えそうなの?」
「それがさあ…現在仲間運最悪、でも次第によくなっていくって出てるんだよね」
「まあ。それではいずれ戻ってらっしゃるのですね。…泉さん、納得いっておりませんの?」
タロットカードをしまいながら浮かぬ表情の泉に、深雪は心配そうに聞いた。
「あ、うん、なんか意外だったからね。…じゃ、あたし作曲あるから。みんなまたね」
音楽科の個室にこもってシンセで作曲。泉の日課だが、どうも手につかない。
確かに優美の運動運は意外だった。
だがそれよりも泉にとって驚きで、嫌だったのが、こっそり占っていた相性だった。
優美と、自分の嫌いな先輩の篠原智美が、相性最高。
現在の仲間運というのも、半ば本当で半ばは嘘だった。
実際に出た結果は「優美・智美との相性最悪。ただし泉と智美の相性はいずれ最高になる」。
なんで篠原先輩なんかと、という気持ちからつい嘘が出た。
855:サーカディア:ナイトメア泉2
07/09/22 03:23:42 3TMObEnK
「…あーもう、調子悪いわ。イライラする」
この不機嫌はここしばらく、智美とケンカする前からずっと続いていた。
バンドでプロデビューを目指していた彼女に、先日プロデューサーがダメ出しをしたのだ。
「君の音楽は、全て何かの真似ごとだ。プロになるために決定的な何かが欠けている」
それがプロデューサーの言葉だった。
そんなつもりで作曲をしてきたわけではなかった。
だが聞く人間のことを考えてしまい、結果的になじみのあるような曲になったのも確かだ。
しかし自分流の作曲をしても「独創的すぎて…」と言われるのがオチなのだ。
「あーもうイラつく!何なの偉そうにあのオヤジ!これでもくらえっ」
腹立ち紛れに力を放つ泉。タロットカード状の気弾が壁に突き刺さり、すぐに消えた。
苛立ちが収まらない。先日それがつい、煮え切らない篠原智美への怒りとなって顕れた。
智美も、周囲の人間も、レコード会社も…そして自分も、全てに腹が立って仕方ない。
「…は~、こんなんじゃ弘樹と一緒にナイトメアやっつけにも行けないっての」
心を落ち着ける必要がある。彼女はタロットカードセットを取り出した。
「あくまで占いであって運命じゃないからね。人生決めるのは自分でしょ」
彼女の口癖である。
それを反映してか、彼女自身を占うと常に「運命の輪」=変転する未来、のカードが出る。
だがそれは、明確な指針が出ないということでもある。
他人のことを見れても自分のことは分からない、そこに彼女は孤独を感じていた。
長身で、スタイルも良く、健康的な褐色の肌をした大人っぽい彼女にも悩みは尽きないのだ。
「誰か、あたしに明確な運命出してくれないかな…」
明日の天気などどうでもいいことを占いながら、彼女は無意識のうちにつぶやいていた。
そこに誰かが扉をノックする。
「開いてるから入っていいよ」
普段ここまで来る暇人と言えば共にナイトメアを倒す仲間を探す弘樹くらいだが、入ってきたのは優美だった。
「こんにちは、泉さん」
「優美じゃない。珍しいね」
同い年ではあるが、しっかりと泉の性格を分かっているため優美のことは嫌いではない。
「優美、特化コースに転籍になったんでしょ?あんまし顔見ないから弘樹とか心配してたよ」
「そうなの。でも仕方ないわ」
淡白な反応に、おや、と泉は思った。
弘樹との相性を占ってほしいと訪ねて来たときは、いい結果が出たことで喜んでいたのに。
「あれ、あんた服のセンス変わった?前と制服の着こなし違うじゃない」
泉が驚くのも当然だった。
以前の優美は真面目一辺倒とまではいかないまでも、規則に違反しない制服の着方をしていた。
だが今はスリットの入った短いスカート、ヘソ出しに胸元をアピールした袖なしの上着といった改造制服を着ている。
優美自身の見た目が清楚であるだけに、不思議なアンバランスさとセクシーさがある。
それを言うと、優美は頬をかすかに赤らめた。
「ご、ごめんなさい。特化コースの友達がどうしてもって薦めるし、制服の加工も許されてるからつい…」
その純粋な様子に泉は安心した。いつもの優美だ。
「いいんじゃない?むしろそういうセンスあたしは好きだよ」
「でも、なんだか偉そうじゃないかしら。自分だけ好きなように制服を着るなんて…」
「与えられた権利を使わなかったら宝の持ち腐れじゃん。それに特化コースに入ったのはあんたの実力でしょ?」
いつも通り話が弾む。やはり相性最悪なんてバカバカしい結果だった。
となると…智美との相性も、妙に気になってくる。
そもそも叩いたのは明らかにこっちが悪い。今さら謝りに行くのも気まずいが、顔見せくらいはしておくべきか。
「…ゴメン、あたしちょっと音楽科の用事あるんだ。せっかく来てくれたのに悪いね」
「ううん、いいの。久しぶりに泉さんと話して元気出たわ」
そそくさと出て行く泉を見送りながら…優美の瞳がナイトメアのものに変わった。
「私の分身に会いに行くのかな…ふふ、待ってるわ…」
露出した腹部や鎖骨に、うっすらと奇妙な模様が浮かび上がった。
856:サーカディア:ナイトメア泉3
07/09/22 03:25:24 3TMObEnK
音楽科ピアノホール。どうやら今日の智美はそこで練習するらしい。
と、入口に話好きのピアノコース生が何人かたまっている。
「…篠原先輩、最近ますますムカつくよねー」
「親の七光りでますます偉そうにしててウザーい」
「でもうらやましいよね、私も親が有名人だったらなあ」
また、こういう連中か。泉が何かイヤミでも言ってやろうとしたとき、その後ろから声が響いた。
「私のことについて話すより練習したらどう?そうでなければどこか行って。邪魔なのよ」
鋭い声に、学生達は慌てて逃げていく。後ろを振り向くと、当の智美本人が険しい表情で立っていた。
泉は開いた口がふさがらなかった。彼女の知っている智美は、上品すぎて何も言えない癪に障る人だったから。
「杉浦さん…感謝するわ。この私のために、何か言ってくれようとしたのね」
波打つ金髪をなでながら、智美は自信満々に言った。
こういう先輩なら、多少気取ってはいるが弱気であるよりむしろいい。だが、明らかにおかしい。
先日の演奏会で見せた態度や演奏と言い、何かが違っている。
謝るよりもむしろそちらの方が気になった泉は、質問をぶつけることにした。
「あのさ、篠原先輩。なんかあんた変わったような気がするんだけどさ、なんで?弾き方も含めてさ」
その言葉に、智美は急に以前のような弱気な微笑みを返した。
「ちょっと、演奏の仕方でコツを習って…でも自分では納得いかないからイライラしていたの」
自分にとって理想的な演奏と他者の求める演奏が違うのはあり得る。しかし、それだけでは妙だ。
「杉浦さん、よければ私の演奏聴いてくれる?ちょっと意見が欲しいの」
何かある。変化の理由を探るためにも、泉は彼女の演奏を聴くことにした。
ピアノの前に座る智美と、その横に立つ泉。
智美の白く細い手が鍵盤に触れた瞬間、泉はくらくらとする、酔うような感覚を覚えた。
演奏会の時と同じだ。音色以外の何かが作用する、嫌な感覚。
しかしその正体を突き止めようと考える泉は、逃げようとせずその感覚に耐えようとした。
聴くことと耐えることに集中するあまり、周囲に意識が行かなくなる。
いつの間にか背後に優美が立っていたことなど、全く気付かなかった。
「…うっ!?」
優美が背後から抱きつき、泉の露出したヘソに指を軽く押し込む。
同時に、智美が手に花びらを作り出し、泉の口に放り込んだ。
口から鼻、喉、頭に広がる強烈で甘美な匂い。そして腹部から脳髄を揺さぶるような衝撃。
びくんびくんと何度か痙攣した後、泉はうつろな目で立ち尽くすだけになった。
「…篠原さん。私の横に座って、この天才的な演奏をよく聴くといいわ」
智美はもうピアノなど弾いていないが、言われるがまま泉は彼女の横に座り
演奏に合わせるかのように頭をゆらゆらと揺らし始めた。
「寄生させるのに成功しましたね、智美さん。次はどうしますか?」
「…私がやるわ。杉浦さんがタナトス様に大人しく仕えるようにしないと」
瞳をナイトメア化させ、手や頬に奇妙な模様を浮かび上がらせた智美が、泉の額に手を触れた…
砂漠の中にそびえ立つ塔。その頂上にはエジプト風の神殿があり、神を祭るオルガンらしき楽器がある。
「うそっ、あたし…ナイトメアに追い詰められたの?いつの間に…」
ここが自分のイデアだということは、自分の根幹でもある楽器があること、プライドを示す塔の頂点に自分がいることで分かる。
「…西洋タロットじゃなくてエジプトタロットのイメージなあたり、さすがあたしだな」
よく分からないところで自信ありげにつぶやく彼女に、小型のナイトメアが襲ってきた。
だが、彼女の手に1枚のカードが収まった途端、そのまとっていたバリアが消える。
次の瞬間にはカードが刺さり、ナイトメアは跡形もなく消滅した。
「あんたらの手の内なんて見えてるのよ」
襲ってくるナイトメアは次々と障壁を打ち消され、続く攻撃で散らされていく。
息ひとつ切らさず雑魚を一掃した頃に、巨大なナイトメアが現れた。
スティールワイヤーに似ているが、より有機的な物質でできた奇妙な姿。
そのコアはグロテスクな花に見えないこともない。
問答無用で泉はタロットカードをうならせる。が、ナイトメアの動きは思った以上に機敏だった。
花の部分を軽くかすっただけで、数枚の花びらが甘い匂いを残し、ひらひらと散る。
「杉浦さん…あなた変わらないのね」
ナイトメアから発せられる聞き覚えのある声に、攻撃を続けようとしていた泉の手が止まる。
857:サーカディア:ナイトメア泉3
07/09/22 03:26:15 3TMObEnK
グロテスクな姿が急に小さくなったかと思うと…篠原智美の姿に変わった。
巨大だったコアは彼女の髪に飾りとして挿され、ツタが彼女の細い体を締め付けるように伸びている。
妖艶な黒のナイトドレスと相まって、恐ろしいほどの美しさが出ている。
「ちょ…ちょっと、篠原先輩!そんなまさか…」
「ふ…私は生まれ変わったのよ。くだらない人間を超越した存在に」
静かな口調と裏腹に、その表情は険しい。人間が目障りでしょうがない、そういう目で泉をにらんでいる。
「ば…バカ!なんであっさりと敵になっちゃうのよお!」
好みや性格が合わなかったとはいえ、音楽に対する姿勢は間違いなく音楽科随一だった。
周囲の期待と自分の理想のギャップさえ克服すれば、いい演奏家になれると密かに認めていた。
でもまさかナイトメアの手に落ちるほど、心に隙間があったなんて。
「…あんたが悪いんだよ、篠原先輩。悩みぶちまけられずに、そんな奴にとり憑かれちゃってさ!」
苦し紛れにイヤミを放つと、泉は容赦せずにカードを放った。
一度ナイトメアに乗っ取られたら、救う手段はないと弘樹から聞いていた。
智美のためにも自分のためにも仕留めるしか道はないのだ。
一方、ナイトメアから人間の姿になって一層身軽になった智美は次々と攻撃をかわす。
とはいえ先見性のある泉の攻撃を完全に避けきれるものではない。
彼女の体に絡みついたツタや花が切り落とされ、その白い肌にも細い傷がところどころ付く。
しかし、その目に浮かぶ見下すような感情はまったく消えることがない。
「篠原先輩…いや、ナイトメア。あんたの偽先輩面見るの、最後にしてやるよ」
彼女は手元に20枚以上のカードを取り出した。
…だが、そのカードは放たれる前に、すうっと消えうせた。
「…え?」
その上、泉自身からもエネルギーが消えていく。がくりと体が崩れる。
気がつくと…切り落とした花やツタが、彼女の体のあちこちにまとわり付いている。
エネルギーが吸い上げられ、奪われていることに、泉は今になって気付いた。
「攻撃されてることにも気付かないなんて…不完全な意識体ね。
不愉快だから、あなたを進化させてあげるわ、杉浦さん」
冷酷な笑みを浮かべながら、智美が泉の方へ手を伸ばした。
ツタが絡まりあい、泉の首と両手両足に巻付く。まるで囚人を縛る鎖のように。
「ちょ、ちょっと!離して、よ、あ、あうっ…」
首に巻かれたツタから花が伸び、彼女の顔に花粉を吹き付けた。
甘い香りに体がしびれ、頭の中で妙なる音楽が響く。クラシックピアノの音だ。
「さあ、大人しく来るのよ…杉浦さん」
智美はツタを引き寄せると、神殿の中へ入っていく。
泉は今にもおかしくなりそうな意識を必死で保ちながら、それに引きずられるしかなかった。
858:サーカディア:ナイトメア泉5
07/09/22 03:26:59 3TMObEnK
白い大理石でできた神殿の奥にある、どこの様式とも言いがたい造りのオルガン。
その前に泉は座らされていた。
ツタがオルガンに絡みつき、もはや逃げることはできない。
「さあ、杉浦さん。私の言うとおりに、クラシックの曲を弾くのよ」
「い、嫌…よ…!誰が、クラシック…なんか」
嫌うことにさしたる理由があるわけではない。
音楽を創り出そうとする者として、古いというだけで崇められる曲に尻尾を振りたくない。
ただそれだけの理由だが、人間のイデアというのはそういった「思い」で構築された世界である。
そのイデアの中で、嫌っている音楽を強要されることは想像を絶するダメージとなる。
泉の精神は本能的にそのダメージを避けようとした。
「ぐ、うぐっ…」
首に巻かれたツタが絞まり、同時に花が花粉を吹き付け、耳元で音楽を奏でる。
目の前にあるオルガンが、グランドピアノへと変貌した。
もはや拒む余裕もなく、気を失いかけながら彼女は弾いた。脳内に鳴り響く曲そのままを。自分の味を加えることすら許されず。
「い…いや…だ」
全身に激痛が走る。意思を浸食され、彼女の塔が次第に砂の中へ沈んでいく。
「そうね、杉浦さん…次は、あなたの嫌いな流行の曲を弾いてもらうわ」
「……!」
自分から望んで、将来のためと割り切って弾くなら、それは我慢できる。
だが嫌いな曲を、何の利益もないと分かりながら弾かされるほどの屈辱はない。
ましてや1年後には忘れられそうな曲を…
「あ…が…うがぁ」
少しでも抵抗の意思を見せればツタが彼女を責めさいなむ。もはや泉に普段の強気さはない。
「やめ…かはっ、やめて…篠原先輩…篠原智美さん…」
顔色ひとつ変えず、智美は言い放った。
「…先輩の私に命令?おしおきよ」
「ああがあ…!ご、ごめんなさい、智美…さま…」
智美はふっと笑うと、彼女の髪に挿した黒バラを泉の顔の前に差し出した。
黒い花粉がむわっと泉の鼻に、口に、目に入り込む。
「あ…あう…うっ…?」
泉の顔から苦痛の色が消える。目の焦点が定まらなくなり、世界が金色に見え始める。
「…ご褒美よ、篠原さん。痛みを和らげてあげる」
「ふわ…あ…ありがとう…ございますぅ…」
また大きく塔が沈んだ。
「さあ、弾きなさい」
しゅるしゅるとツタが伸び、彼女のヘソや腹部、感じやすい部分を刺激する。
頭に張ったツタは彼女の記憶を読み取り、彼女のアイデンティティを崩す音楽を探し続け、彼女の耳元で鳴らす。
そして体に巻きついた植物は彼女の衣服を切り裂き、彼女を支配する衣にならんとする。
彼女の思念が崩れるに従い、オルガンだった楽器はピアノから、歪み、ねじれ、穢れていく。
「い…いや…がっ…くはあぁ…はぅん…ぐ…ふうぅ…とも…みさまぁ…」
859:サーカディア:ナイトメア泉6
07/09/22 03:30:38 3TMObEnK
どれだけそれを繰り返しただろうか。
気がつけば塔は地中深くに沈み、神殿の中は闇に包まれている。
智美は長い間沈黙したまま、楽器を弾き続ける泉を見つめている。
その泉の服は、エジプトの巫女を思わせる露出の多い衣に変化している。
もはや苦痛も、それを和らげる脳内麻薬も感じなくなったのか、淡々と弾くだけだ。
不意に泉の耳元の音楽が止んだ。びくっと泉が震える。
「智美さま…何を弾けばいいの」
「あなたの好きな曲を弾きなさい」
泉は動かない。
「智美さま、命令して。そうでないとあたし弾けない」
智美はにこりと微笑んだ。
「杉浦さん、弾く曲をあなたの中に埋め込んであげるわ。タナトス様を称える賛美歌を」
「たなとす…?」
「考える必要はないわ、杉浦さん…」
ツタが伸び、泉の体内に入り込み、ナイトメアの種子を埋め込んだ。
「空っぽになったあなたの意思に、すぐ種子が根を下ろすわ…
さようなら、人間の杉浦さん」
智美が消えた後、泉はぶるっと体を震わせた。
「はうっ…あ、ああ…」
種子は次々と発芽し、人形と化した泉のイデアに合わせて独自の進化を遂げた。
地獄に最も近い地底で崇めるもの…それは神ではなく、悪魔。
泉の肌が青白くなり、コウモリのような翼が背中から生え、角が伸びる。
首と手足に巻かれたツタは金属の鎖となり、スタイルのいい泉の肉体を拘束する。
鋭く爪の伸びた青い指によって、オルガンが悪夢のような音色を奏で始めた。
「あたしは杉浦泉…。タナトス様の巫女にして、従順なしもべよ…」
内部に忌まわしい模様が浮かび上がった神殿。泉はその巫女にして、虜となった。
永遠に従順に、オルガンを奏で続ける悪魔へと……
860:サーカディア:ナイトメア泉7(終)
07/09/22 03:31:50 3TMObEnK
「目覚めた気分はどうかしら、杉浦さん?」
智美の質問に、泉はどこか覇気のない笑顔で答える。
「智美お姉さま…とてもいい感じよ。何も考えず服従することがこんなに気持ちいいなんて」
「では、片山弘樹については、どう思うかしら?」
「かたやま…ひろき…?」
一瞬ぼんやりとした表情になる泉。だが、答えは速かった。
「あたし達のご主人様の敵よね。弱い人間を守ろうとする、愚かな奴よ」
今度は優美が聞いた。
「泉さん、弘樹の側に私たちと同じ力を持った人間がいるよね。
どうすればいいと思うか、泉さんの意見があったら聞かせてほしいわ」
泉はきょとんとした顔をしている。
「質問の意味が分からないわ、優美様。あたしに命令してくれない?」
優美は嬉しそうににこりと笑った。
「智美さん、面白い寄生のさせ方ね」
「可愛いでしょう?自分の生き方、とか言ってた人間も私の力でこうなるのよ」
「うふふ、扱いやすい駒ができたね」
優美は再び泉の方へ向き直ると、言った。
「じゃあ、泉さん…あいつの仲間をタナトス様の下僕へと目覚めさせてほしいの。できる?」
「やるに決まってるじゃない、それがタナトス様のお望みなら」
「じゃあ篠原さん、いつも通り占いをしながら、あの人間の仲間が来るのを待つのよ。
そしてチャンスが来たら動きなさい。
あなたは私たちの…そしてタナトス様の分身。あなたの思念は私たちにもすぐ届くわ。いい?」
泉は微笑んだ。ただしいつものような明るい笑いではなく、人形のようなうつろな目で。
「人間のように感情のあるふりをして紛れ込めばいいのね。わかった、智美お姉さま、優美様」
こうして今日も泉は中庭で占いをしている。
以前にも増して的中率の上がった彼女の占いだったが、その分効果的なアドバイスは減った。
「あたしはナイトメア、杉浦泉。タナトス様の操り人形にして使い魔。
もっともっと、あたしと同じ人間型のナイトメアを生み出さなくちゃね…」
誰もいない時、カードを整えながらこうつぶやく泉の姿があった。
彼女がうっとりと見つめるのは、悪魔のカード。堕落・誘惑を象徴する。堕とされ、新たな獲物を待つ、今の彼女自身でもある。
流れ切った上に長くなってスマソ(´・ω・`)
次回は誰を堕とそうか考え中
861:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:05:47 GrseUASO
GJ
862:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:15:04 0oM93dAz
>>853
リリムかぁ
がんばってほしい
ムービー作ってないで本編に力入れてほしいな
863:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:15:22 Q4bu0tfS
GJです!
何この数日の神がかり的なスレの流れは!
864:名無しさん@ピンキー
07/09/22 04:15:46 hu1oZUOt
GJだっぜ!!
865:名無しさん@ピンキー
07/09/22 06:25:06 rPvgySSp
GJ
長すぎたのは導入があったからだろうて、あまり気にすることは無い。
ここの連中は脳内妄想と脳内保管に特化しているから導入にあまり力入れなくても良いと思う
んでだ。教えて欲しいのだがエジプトの巫女の姿がどうしても浮かばないのだ。
クレオパトラとかそんな辺りでおk?
866:名無しさん@ピンキー
07/09/22 08:04:45 Hb8C6vmV
クレオパトラの時代はヘレニズム王朝だから服飾は大分異なるよ
適当な語句でイメージ検索でもすれば像や壁画からイメージ掴めると思う
てか巫女じゃなく女性神官な
867:名無しさん@ピンキー
07/09/22 08:12:47 k4Sy/6HZ
GJ!>>860の文才に嫉妬。
智美のドSっぷりがたまらんな。
868:名無しさん@ピンキー
07/09/22 09:11:51 rPvgySSp
>>866
今調べているけど結構難航orz
そこまで歴史深くないからきついな……知識はもっと持っておくべきだ。
もう少し調べてみる
869:名無しさん@ピンキー
07/09/22 11:29:42 oavS6Wbx
漫画喫茶に行けば「王家の紋章」その他古代エジプト物の漫画でイメージ掴めるのでは
870:名無しさん@ピンキー
07/09/22 12:38:09 L7SioUKS
>>860
GJでございます!
神すぎる……神すぎるよ>>860……
871:名無しさん@ピンキー
07/09/22 12:55:10 uoWlGmrE
GJ!
とりあえずおっとりキャラの人を希望
872:名無しさん@ピンキー
07/09/22 15:16:09 GyeHeK5/
皆さんお疲れ様です。
報告します。
二次元ノベルのヴァイオレットレディが悪墜ちエンドでした。
追伸 食中毒はマジ辛いので皆さんも注意したほうがいいです(泣)
873:名無しさん@ピンキー
07/09/22 15:49:18 rPvgySSp
まったく見つからないよパパン
脳内保管と脳内妄想はあっても知識が無い自分に絶望したorz
今度図書館逝って調べてきます……
874:名無しさん@ピンキー
07/09/22 18:31:25 wBDPo4oz
>>846
>>847
サンキュー今から買ってくるぜ!
875:名無しさん@ピンキー
07/09/22 20:01:03 AlpYukXz
>>873
QBのメナスでも想像しとけばいいじゃん
エロいし
876:サーカディアの人
07/09/22 21:29:51 3TMObEnK
お前らのコメントにテンパり気味(゚∀゚≡゚∀゚)
今後はちょっとペース落ちるかもしれないが、6人は続ける
色気担当の先生は人格変化の面白みが薄いからスルーするかもしれない(´・ω・`)
>>865
アドバイス感謝
資料探し頑張りすぎwww中の人も考えてなかった
せいぜいヘソ出して飾り付けて薄布を胸当てとスリットスカートにしてるイメージ
>>866
勉強になりますた(`・ω・´)そういやいわゆるエジプトの時代じゃないんだよな
>>871
おk、考えとく
そういや和洋の違いはあるけど巫女つながりだな
>>872
つ● 正露丸
たいてい薬効きにくいから医者で点滴してもらうのが一番
877:名無しさん@ピンキー
07/09/22 22:41:02 PCt7eTgI
そういやこの人はどうなったんだろう
密かにレポ待ってるんだが
333 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/07/06(金) 01:42:28 ID:ebJyXqzY
女戦闘員物語もそうだがZENの洗脳って操られ感に欠ける嫌いがある
GIGA八月発売のオーロラシスターズには特攻するのでみんな骨は拾ってくれ
878:名無しさん@ピンキー
07/09/22 22:57:11 /nFZLxEz
骨すら残らなかった
879:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:13:15 G7lj6S7b
ちょww合掌
880:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:48:29 PhCXOhsB
かもしてころすぞ。
881:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:57:48 PCt7eTgI
あぁ…おつ
やっぱシュワルゼンはダメか
882:名無しさん@ピンキー
07/09/23 03:43:40 w7j9AEd9
>>847が気になる・・・。
883:865
07/09/23 07:13:17 w2sQctyQ
朝から来てみればやっぱり衣服の妄想はその辺りで良かったのかorz
ピラミッドと聞いて太陽神→フェニックス→不思議発見→ガイア幻想記→海馬なった俺乙
変だと思ったんだよ。
前述の二人が分かり易い衣装だったのにいきなり歴史物の王朝レベルの衣装になるなんてな
これまで読んできた中でエジプト関連の衣服
google先生や他の検索サイトの画像を調べてもまったく出てこないし……
調べても調べてもただ虚しく時間は過ぎていくし
俺もう泣きそうだったよ
今まで読んだ中で最高レベルの難易度を誇った衣服だった。
図書館に行ったときに調べておく。知識はあって損することはないと思うしな。
とりあえず昨日の苦心の礼を払わせてもらおうか。
最近読んだ中のエジプトネタで一回私に倒されろ。
ふふん、大丈夫だ。現実の非現実の区別が付かない女が使用した斧は使わないからな。
代わりに電鋸二刀流X斬りだがな。
884:名無しさん@ピンキー
07/09/23 10:07:57 nvU+E5lX
>>883
放送(連載)中止になるぞ!?
885:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:13:00 yt2Bu9qq
それどこの砂原潤?
886:名無しさん@ピンキー
07/09/23 14:44:01 8obHEoC6
よくその名前出たな、いわれるまでチェーンソー2刀流とか思い出せなかったよ
887:885
07/09/23 16:39:43 yt2Bu9qq
成田良悟の越佐大橋シリーズで確か居たなそんな人
→確か猫の鳴き声の作品だったはず→本棚漁る→本見っけ
こんな感じだった
888:名無しさん@ピンキー
07/09/23 19:28:02 q9/+vH/c
皆さんなんだか嬉しそうに騒いでるけど・・・
最近知らない題材ばっかでまったく内容に付いていけない自分がいる・・・
889:名無しさん@ピンキー
07/09/23 19:35:37 UfmopP/p
>>888
俺もサーカディアとか知らんけど公式サイト見て
足りないところは脳内保管でムホムホしてるぜ
それが妄想力というものさー
890:名無しさん@ピンキー
07/09/23 23:20:00 n10anheD
>888
俺も全くわからんが、活気があってそれだけで楽しいぜ?
そういう話題は漠然と眺めてほんのりと自分の雑学に加える
というか最近はいろんな人が書き込んでるのかな?
スレの裾野が広がったみたいで良いことじゃないか~
891:名無しさん@ピンキー
07/09/23 23:24:13 N4af61Wk
自分の知っている情報しか書き込まれないようでは見る価値がない
892:名無しさん@ピンキー
07/09/24 00:33:45 xW2/o18/
ついていけなかったらスルーするのも手だよ
俺は興味が湧かない話題は全部読み飛ばしてるクチ
自分が乗れる話の時以外はROMるのが基本
893:名無しさん@ピンキー
07/09/24 03:54:27 spVpK0Q4
893に口八丁で洗脳され、セーラー服な娘が機関銃を乱射しだし
快感を覚える様になる・・・・・・
894:名無しさん@ピンキー
07/09/24 04:37:25 VxbC06vd
マシンガン乱射なんて銃刀法違反・・・
でも・・・か・い・か・ん
(ダダダダダダダダダダダダ・・・)
895:名無しさん@ピンキー
07/09/24 09:30:16 F4dxbyIZ
>>893
まぁ頑張れ
896:名無しさん@ピンキー
07/09/24 10:27:39 XksbDNrP
ああ>>893が洗脳するんだな?
三面記事待ってるよ。
洗脳王子逮捕って。
897:名無しさん@ピンキー
07/09/24 19:43:56 h8TqqN5R
>>896
>>893はCIAとかに拉致られて方法とか組織とか聞き出されて秘密裏に処理されて
セーラー服な娘「あの人は・・・(裏社会の)伝説になったのよ・・・」
とかってカンジで空に顔が浮かぶと思う
898:名無しさん@ピンキー
07/09/25 00:49:57 czKVNYyI
はてなで悪落ちを熱く語ってるひとがいたぞ。
ユズレンジャーとかの続編?の話でヒートしてたなあ。
899:名無しさん@ピンキー
07/09/25 17:03:54 TeeMbzrw
昨今の斧女&斧男は何に洗脳されたのかな?
確実に光市の「私を舐めないでください」は洗脳されとるな
900:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:07:44 1sxHAIkr
>>899
光市のは、確実にあの弁護団に洗脳されてるっしょ。
901:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:54:32 wOfgqbXQ
逆に考えるんだ
「弁護団が光市の犯人に洗脳されてる」
と考えるんだ
902:名無しさん@ピンキー
07/09/25 19:30:42 y4i3PACE
会見でおお泣きしてる弁護士を
昼の顔がエリート美人弁護士な変身ヒロインが洗脳された姿だと妄想するんだな?
903:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:59:32 50dvelMT
裁判長を洗脳しようと必死だよなwww
泣いて相手を洗脳・・・新手か
904:名無しさん@ピンキー
07/09/25 21:12:10 XJf2lYWr
泣き落としって弁護士のやることじゃないよな・・・
905:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:06:11 GPLMTL5z
ひさしぶりに来たんだけど保管されてる作品少なくなってない?
906:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:22:12 O2xjjTFz
保管庫には50本近く収録されてるが。
907:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:32:55 5Iyxmvqr
プリマヴェールフラゲきたね
908:神謀艶虜
07/09/26 01:54:10 AVu1T4qz
どうも、神羅スキーの178です。なにやら久しぶりの気がしますが神羅モノで一本投下します。
内容は画板に貼り付けた奴をSS化ですね。
神謀艶虜(しんぼうえんりょ)
「ほらほら、どうしたんですか?動きが鈍くなっていますよ」
「こ、この天使…、なんて強さなの…?!」
大きく肩で息を切るカレンに、屈辱とも称賛とも取れない表情が浮かんだ。
はっきり言って剣術には自信があった。若くして神羅連和国・飛天騎士団の筆頭将軍を務め、直属の
上司であるサイアスを除けば自分とまともに剣を交わせる相手など誰もいなかった。
それが自惚れに繋がったということを否定するつもりは無い。
が、それを抜きにしても目の前にいる天使は強大に過ぎた。
カレンの繰り出す剣戟をまるで訓練でもしてるかのように悠々と受け流し、まるで崩れる様子を見せ
ないばかりか時折カレンへ向けて鋭い打ち込みをしてくる。
その動作はあくまで泰然綽々として力みがなく、余裕の笑みを浮かべる顔には汗の一滴も流れてはいない。
カレンの目から見ても、この天使が自分よりはるかに高い技量を持っていることは間違いなかった。
そして、自分が完全に遊ばれていることも。
「どうしました?もう疲れてしまわれたのですか?なんでしたらここで終わりということで…」
金の長髪を揺らし四枚の黒い羽を生やした天使は、まるで生徒を諭すかのようにカレンに語りかけてきた。
「冗談はやめて…。このまま続けて結構です…」
あまりに力量が違いすぎるが、こうまで舐められてはさすがにプライドを傷つけられる。
敵わずともせめて一太刀…。カレンは残った力を振り絞って目の前の天使に対峙した。が。
「いえ、正直言って貴方と遣りあっても退屈なんですよ。あまりにも弱すぎて、ね」
ガィン!!
「キャッ!」
天使が軽く振るった一薙ぎはものの見事にカレンの細剣を捕らえ、衝撃で右手からはじき出された細剣
は真っ二つに折れて地面に転がり落ちた。
「さて…、これで勝負あり。ですかな?」
突き出された剣が喉元に突きつけられる。これでは何か動作を起こした瞬間に剣が首に埋められるのは
疑うべくも無い。もはや逆転の機会は永遠に失われた。
「そうね……。私の負けだわ。剣技で私に勝てるのはサイアス様だけかと思っていたけれど、まさか
サイアス様と互角に近い使い手がいたなんてね…。さすがは天使といったところかしら………
もういいわ。殺して」
覚悟を決めたカレンは、スッと目を閉じて目の前の剣が自分につきたてられるのを待った。
が、いつまでたっても喉に剣が刺さる感触はやってこなかった。
不審に思ったカレンが双眸を見開くと、目の前にあった剣は既に天使の腰の鞘の中におさまっていた。
「何をしているの………?早く殺しなさい!貴方には、戦士の情けというものが無いのですか!
これ以上辱めを受ける気はありません。さあ、早く!」
他者から見たら多少理不尽ともいえる怒りを爆発させ、カレンは声高に叫び上げた。
その様に天使は多少苦笑を浮かべつつも、あくまでも柔和な表情でカレンへ語りかけてきた。
「ご安心下さい。私としてはこれ以上、貴方へ危害を加えることはいたしませんよ」
「ふざけたことを言わないで!私は貴方の敵よ。なぜ!」
「なぜと言われても………。そう、あえて言うならば……」
天使はそこでわざともったいぶったように言葉を詰まらせ、両膝を地につけているカレンへ顔を近づけ、
「貴方のような美しい方を斬るような剣を、このナルキッソスは持っておりませんから」
と、まるで異性を口説くかのような口調でカレンへと語りかけてきた。
「!!」
909:神謀艶虜
07/09/26 01:55:07 AVu1T4qz
その声、その表情を叩きつけられた瞬間、カレンの心が一瞬ではあるが歓喜に戦慄いた。
瞳は大きく見開かれ、頬はサッと朱に染まり、鼓動は一段階高く刻み始める。
(ど、どうしたの私………。目の前にいるのは敵なのよ?!何ときめいているのよ!)
突然湧き上がった感覚を打ち消そうと、カレンはぶんぶんと頭を振り払い、深く息を吸い込んで心を
落ち着かせようとした。
さいわい体の熱はスゥッと引いていったが、そのことで逆にナルキッソスの存在を強く意識してしまう
ようになってしまった。
(どうしよう…。あの男の顔を見てまた今みたいな気分になったら…)
カレンは網膜に焼きついたナルキッソスの影を必死に打ち消そうと試みた。
が、意識をすればするほどその画像は鮮明になり、カレンの意識の奥底にまで深く潜り込んでくる。
心の中で、次第にナルキッソスの存在が大きくなり始めている。
両肩に当てている掌が次第に細かく震え始め、吐息の間隔が細やかになりつつある。
「おや?お加減がよろしくないようですね。どうなされましたか?」
カレンに伸ばしたナルキッソスの掌が肩にかけた手に触れた瞬間、カレンの背筋にぞわわっとした感
触が湧き上がった。
「ひゃあぁっ!!」
ビクンッ!と背筋を伸ばして反応するカレンを、ナルキッソスは目尻を歪ませて眺めていた。
「おやおや…。男の前で淑女がそんな声を上げるものではないですよ」
思わず自分が上げた嬌声と、それをナルキッソスに指摘されたことでカレンは羞恥で顔を耳の先まで
真っ赤に染め上げ、ぺたんと尻餅をついてしまった。
(わ、私ったら……、なんてはしたない声を……)
恥ずかしさと情けなさで胸が詰まりそうになり、自然と両目から涙が溢れてくる。眼鏡越しの視界が
ぼんやりと濁り始め、頬を伝って零れ落ちていく。
「もう…、もうこんな屈辱耐えられない!
殺して。お願い!私を殺して!!」
地面にうずくまり、あらん限りの声を張り上げてカレンはナルキッソスに懇願した。
が、ナルキッソスはそんなカレンにやさしく、しかしどこか冷たく言い放った。
「いいえ、貴方を殺しはしません。貴方には是非ともやって貰いたいことがあるのですから」
やって…、もらいたいこと?
「ええ。実に簡単なことです。
貴方の上司であるサイアスを、貴方達の手で殺してきて欲しいのですよ」
「……………」
ちょっと待て。今、目の前の男は何を口走ったのだ?!
「私に………、サイアス様を殺せ………?」
「ええそうです。貴方達ならばさすがにあの男も油断するでしょう。え?それでも敵うはずも無い?!
ご安心ください。あの男に負けないほどの力を貴方に差し上げましょう」
「……………」
カレンの直属の上司であるサイアスは『剣聖』の二つ名を持つほどの凄腕の剣士であり、地上に襲い
掛かる天使に対する迎撃の総指揮を取っている。確かに天使にとってはこの上なく厄介な存在だ。
サイアスを排除することが出来れば、天使にとって地上侵攻のこの上ない好機となるのは間違いない。
(だからと言って、私にサイアス様を手にかけろと言うの?!)
カレンにとってサイアスは敬うべき上司であり、尊敬する剣術の師匠でもあり、恋慕を抱く男性である。
そんな自分にとって無二の人物を、この天使は殺せというのか。
あまりも達の悪い冗談に羞恥もなにも彼方へ吹っ飛び、カレンはナルキッソスへ怒りの視線をキッと向けた。
910:神謀艶虜
07/09/26 01:56:07 AVu1T4qz
「確かにサイアス様がいなくなれば貴方達の地上侵攻は楽になるでしょうね………。
でも、私がサイアス様の命を奪うわけないじゃない!冗談も大概にして!」
怒りで声をまくし立てるカレンだが、ナルキッソスから返ってきた返事は予想もしないものだった。
「いえいえ、別に私は地上侵攻が楽になるとか、そんなことを考えてはいません。
というか、私にとっては地上侵攻なんかどうでもいいんですよ」
「…………え?貴方……、何を言ってるの?」
地上侵攻なんかどうでもいい?
「だって貴方達は地上に攻めてきたじゃないの。なのに、それがどうでもいいってどういう意味なの?!」
カレンは目の前にいるナルキッソスが、その強さから天使の中でも相当な地位にいる者だと感じていた。
その人物から、地上侵攻などどうでもいいという言葉が出てくるのが理解できなかった。
「まあ、地上に神罰を与えよと言い始めたのは上の方ですから、私自身が人間をどう思っているかは
また別問題でして。ただ、この件が私の目的を容易にしたのは否定しませんが」
「目的………?」
そこまで聞いてカレンは悟った。地上侵攻などどうでもいいと言いきったナルキッソスが『目的』としていることを。
「まさか貴方………、サイアス様を殺害するためだけに?!」
「ご名答です。私が地上に降りてきた目的はただ一つ。あの忌々しい男の血を引くサイアスに引導を渡すためですよ。
今までは我らが主の命で地上界に手を出すことは出来なかったのですが…、ようやっと我が念願が叶う機会を得たのです」
それまで柔和な表情を崩さなかったナルキッソスの顔に、明らかにそれまでと違う感情…憎悪が浮かび上がった。
「なんで?!なんの恨みがあってサイアス様の命を狙うのよ!」
カレンが発した『恨み』という単語。この言葉にナルキッソスはピクリと眉を動かした。
「そうですね………。では、昔話をいたしましょう。
今から1000年前…、私はちょっとした戯れで地上界に降りたことがありました。勿論天使としての
身分は隠し、比較的外見が似ていた飛天の民に紛れ込んで」
1000年前、その頃の世界は今より各部族の身体的特徴が強く出ていたと聞いている。
聖龍族は角、飛天族は羽といった按配に。
確かに今でも先天的に魔力の強い人間は、先祖帰りのように羽根や角が生えている場合がある。
ましてや1000年前のより特徴が強い世代ならば、飛天族に天使が紛れ込んでも見分けはつきにくかったのだろう。
「最初に私が使えた飛天の王。あれは人間の割りに頭が切れ、なかなかに愉しませて貰ったものです。
彼の息子もいいものを持っていましたが、やはり父には及びませんでしたね…」
「………」
古い思い出に浸っているのか、ナルキッソスの瞳が薄く閉じられる。
その憂いを帯びた表情に、カレンは心がまた少し揺さぶられた感じがした。
「そしてある日、私は一人の女性に恥ずかしながら一目惚れをしてしまったのです。
彼女を手に入れるためなら、私は天使としての身分も使命も捨て、地上で一人の人間として生を全う
するのもよい。と考えたこともありました」
さっきまでとは違い顔をうっすらと赤く染め、照れ隠しかちょっとはにかんだ笑みをカレンへと向けている。
(この人……、こんな顔を作ることも出来るのね……)
何故かは分からない。何故かは分からないが少しずつ目の前の天使に心惹かれていくのを感じる。
その一挙手一投足が心の琴線に引っかかってくる。
知らず、ナルキッソスを見るカレンの瞳は潤み、艶っぽくなってきていた。
「ですが」
と、話を区切ったところで、ナルキッソスの顔に今度は明らかな怒気が浮かび上がった。
「彼女が私に振り向くことはありませんでした。私は彼女を振り向かせるため懸命に努力をしました。
が、どれほどの努力を重ねようとも決して彼女は私を受け入れようとしませんでした。そして………」
ナルキッソスの体から肉眼でも見えそうなほどの憤怒の『気』が噴出している。先程までの柔和な雰囲気は
消え失せ、触れなば斬らんといわんばかりの気配に満ち満ちている。
が、カレンにはそれすらもこの天使の美しさを引き立たせるものに見えた。