07/09/07 17:07:02 wvBB0/+O
2.
「くふふ…」
不気味な笑い声がとともに、闇の中からぬうっとダークスカルが姿を現した。
「ダークスカル!」
「ピュアエンジェル…ようやくお前とこうして二人きりになれたなぁ…」
名前の通り、漆黒のマントに身を包み、血のように赤い眼をした魔族だ。
「苦労したぞ。我が仔の母親となるお前を、この魔結界に連れてくるには…」
「…なに?わけの分からないことをっ…」
舐めるようなダークスカルの視線に、ピュアエンジェルは最大の嫌悪を感じる。
だが、魔結界に連れ込まれたのは事実のようだ。早く抜け出すに越したことはない。
ピュアエンジェルは腰のベルトからサイキック・ソードを手にした。
「行くぞっ、ダークスカル」
だが、次の瞬間、ピュアエンジェルは思わず動きを止めた。
彼女のサイキック能力に呼応して、いつもは強力なレーザー光を放つソードは
全く無反応のままだった。
「…これは?」
次の瞬間、ダークスカルはけたたましい哄笑をあげた。
「ヒイッヒッヒッヒッ!!…どうした?ピュアエンジェルぅ…」
「貴様…何をしたっ」
ピュアエンジェルは強い怒りを瞳に滲ませ、ダークスカルを睨みつけた。
「気付かないかぁ?ピュアエンジェル…。その首輪に」
「?!」
ピュアエンジェルは思わず自分の首筋に手を当てた。
全く自分の身体に異常はないと思っていたが、そこには明らかに見も知らぬ
黒い首輪が嵌められていた。