07/11/03 17:25:28 fnfLYUM/
わたしの名は鐘崎マコ。中学二年生。アンチショッカー同盟
日本支部東北分室の外部構成員の一人だ。ただし「外部構成員」
と言ってもわたしの場合、ショッカーに殺された両親の代わりに
同盟が後見人を引き受けた、「ショッカー遺児」のような立場
で、同盟の経済的援助を受けながら姉と二人で暮らしている。
そんなわたしが平日の昼に同盟の秘密基地に来ているのは、
臨時の「援助」の申請のためだ。今朝先生から、あまり楽とは
言えない生活の中、ついつい滞納していた給食費の清算を
迫られた。困ったわたしはとりあえず、昼休みに学校を
抜け出し、学校の近くにあるこの基地まで相談に来たのだ。
放課後だと遅くまで部活があり、基地への出入りが不自由な
時間になってしまう。相談するなら今のうちなのだ。
基地には夜勤明けの姉もいる。だが薄給の姉にこの事実は
どうしても隠しておきたかった。わたしは姉に会わないように
しながら、まっすぐ会計部へ向かった。そしてわたしが
会計部の窓口まで来たとき、恐ろしい館内放送が流れた。
「基地内の諸君。本館はただ今よりゲルショッカーの制圧下に
入った。無駄な抵抗はやめ、おとなしく我が組織に服従を誓うのだ」
放送と同時に窓口の中では信じられない光景が展開された。
四人いた職員の内の男性一人、女性一人がそれぞれ他の二人
の後ろに立つと、突如衣服を脱ぎ捨て、半透明の皮膚をもつ
怪人に変貌し、職員に襲いかかったのだ。