07/08/28 23:33:59 nI//BeeK
* ダイレンさん、お久し振りですね。またダイレンさんの作品が読めて嬉しい
です。続きを楽しみにしております・・・・・。
<新作>
富士山に程近い別荘群は、鬱蒼とした緑の木々に覆われ不気味である。
すでにシーズンは過ぎているというのに、その別荘には2台の黒塗りの乗用車
が停車し、いかにも強面の男達が殺気を漲らせた視線を周囲に投げかける。
男達は東西会敷島組の組員であり、今回の会議の警備を任されているのだ。
それにしても、まだ昼間だというのにあちこちが蚊に刺され最悪な気分である。
「糞ッ!!叔父貴の奴、わざわざこんな処で手打ちの相談せんでえぇやろうがッ!!」
幹部の若林は、刺された首筋をボリボリ掻きながら、思わず文句を言う。
この会議のセッテングをしたのは、誰あろう東西会相談役の若林の叔父貴だ。
都内で起きている東西会反支流派を取り纏める為だが、それにしても態々人里
離れた、昼間に蚊が飛び交うような場所でする必要は無いだろうと思ってしま
う。それも警備している若林の横には、つい数日前まで抗争していた関口一家
の組員がいるのだから、さらに最悪な気分になる。
”勘弁してくれよ・・・・。”
ふいに、尿意を憶えた若林は、無言のまま草叢にはいり、ジッパーを降ろす。
「クスクス」
ふいに、笑い声がどこから判らないが響いた。
”女!?”
ここには当然、女などいる訳が無い。隣の別荘から道に迷ってきたとも思えない。
何故なら、すでにシーズンは終わっており、この周囲に彼等以外の人間はいな
いはずだ。
”ゆ、幽霊・・・・!?”
思わず背筋に悪寒が奔る。もはや尿意は、失せていた。
辺りを見回しながら後ずさりするが、ふいに気配を感じ振り返ると、そこには
小麦色の肌の少女が、生まれたままの姿で立っていた。
年齢が10歳くらいで、凄く健康的な身体だ。
若林は無毛のタテスジに視線を向けたまま、「ゴクッ」と生唾を飲み込んだ。
言っておくが、彼は決してロリコンでは無い。
だが、自然の中で全裸でいる女の子というシチューションは、男のスケベ心を
かき立てる物だ。
「こんちわ、叔父さん・・・。」
少女=菜月彩は、可愛く微笑みを浮べた。
笑顔の意味は、ただ相手を油断させる為だけでは無く、物凄く御機嫌だからだ。
今夜は何日か前の軽井沢の時より、人数が多く。思い存分、大掃除が出来るか
らだ。
「な、なんだいお嬢ちゃん?全裸では蚊に刺されちゃうよ・・・・。」
若林は、優しい口調で言う。
「いまから、大掃除をするから、服着てると汚れちゃうでしょ。」
大掃除?まだそんな季節ではないはずだが・・・・・?
「大掃除!?別荘の掃除!?」
そう尋ねながら、「人前で全裸で出歩く、この娘の親はどんな教育をしているの
だろう?」と思った。
「違うよ・・・。オジさん達、人間の皮を被ったゴミの大掃除だよ・・・。」
彩は「変身!!」と叫ぶ。
<続く>