女の子と二人きりになってしまった 2回目at EROPARO
女の子と二人きりになってしまった 2回目 - 暇つぶし2ch49:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/31 01:13:09 JKtEqSSK
「それでも、ここまでリアリティのある表現が可能になったのは、ここ数年です。最近のCG技術の進歩は目を見張るものがありますからね」
 視線は正面を向いたまま。マウスを忙しなく動かしながら、朝霧は続ける。
「腕のいいグラフィッカーが携われば、もう、現実の人間の写真と、CGで作成された人間の写真を二枚並べたとして、どちらが実写でどちらがCGなのか、判断がつかないでしょう」
 朝霧はそこで、マウスを置く。どうやら、作業はキリのいい所まで進んだようだった。
「さて……昼にするとしますか」
 そう言うなり、立ち上がる。それを追うように、田崎も席を立った。一人が先に席を立ってしまえば、後に続くのは気楽なものだった。
 ―と。田崎は、朝霧が右手に持った財布から、ひらり、と、何かが落ちるのを見た。反射的に拾い上げ、声をかける。
「朝霧さん。何か落としたみたい」
「ああ、どうもすいません」
 朝霧が落としたのは、一枚の写真だった。咲き誇る花々を背景に、可愛らしい少女が、こちらに向かって微笑んでいる。
 田崎は、その写真を朝霧に渡す。田崎が写真を見たのは、時間にして僅か数秒のことだったのだが、少女の姿は鮮烈に目に焼き付いた。
 何故かはわからない。わからないが……その少女には、人を惹き付ける不思議な魅力があるように思えた。
「その写真も、もしかしてCGですか?」
「はは、違います。これは、朝霧留美……私の娘の写真です」
「ほう、それは。可愛いお嬢さんで羨ましい。家なんて、反抗期真っ只中の坊主が一人ですから。いま、いくつになるんです?」
 そこで、朝霧の表情が曇る。まずいことを聞いた、と田崎は確信したが、口にしてしまった質問を撤回するわけにもいかない。
「娘は……二年前に、交通事故で亡くなりました」
「ああ、余計な事を聞いたようで……それでは、今は奥さんと二人ですか。寂しいでしょう」
 田崎は咄嗟に、フォローを入れた……つもりだった。
「父子家庭でした。妻とは、とうの昔に別れています」
「それは……」
 田崎は、流石に返す言葉が見付からず顔を引き攣らせた。二人は気まずい雰囲気を残したまま、事務所を後にした。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch