女の子と二人きりになってしまった 2回目at EROPARO
女の子と二人きりになってしまった 2回目 - 暇つぶし2ch400:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:19:02 N08g9tZO
歩き出してから1時間、俺たちは洞窟らしきものの前に立っていた。中から色々と異様な雰囲気がするのは気のせいだろうか。
テテがこっちを向き、真剣な眼差しで俺を見つめてくる。少しばかり目が潤んでいる気がする。
「大丈夫」
そう言って、テテに先導するよう促すと、テテは決心したかのように俺の手を強く握り、洞窟の中へ足を踏み入れた。

 中に入ってから数分経っただろうか、
ゴゴゴゴゴ……
何か音がする。
 しかし、テテは全く意に介さず、そのまま進んでいく。一体何の音だ?
ゴゴゴゴゴゴ……
段々音が大きくなっている気がするのだが。テテの肩を叩いても無頓着で相変わらずだ。何かが起こるんじゃないか?
……ドォン!
思わず後ろを振り替える。
 そこには、巨大な大岩が俺たちに向かって転がってきていた。距離にして約20メーターぐらい。
ちょ、流石にヤバいんじゃないですか、テテさん…って何で笑ってるんですか?後ろから大岩が転がって来ているんですよ?
「―――♪」
クラ○シュバンディクーのゆき○まゴロゴロみたい…って、向こうは残機あるけど、こっちはこの身一つなんだから笑ってる場合じゃないですって!
「a...」
ほら、コケた…って、ヤバッ!
俺の方をちらちら見ながら走っていたテテは、何もないところで足を滑らせてしまった。
彼女を助ける為に俺も止まる。が、どうすればいい?周りに危険を回避する場所なんかな…あった。
俺はテテを両手で抱き上げ、地を蹴る。
文字通りの間一髪だった。大岩の方はそのまま転がっていき、しばらくして、
ドーン!
と、何かにぶつかったような音がした。
「大丈夫か」
テテの顔を覗き込む。彼女は俺に顔向けならないのか、真っ赤になった目を背けた。
「ま、気にするな」
そう言ってテテの頭を撫でる。そうしてやると、テテは満面の笑みを見せた。可愛いなぁ、もう。
しかし、この後はどうするんだ?やっぱりこのまま洞窟の奥へと進むんだろうか。
 今みたいな事があった以上、この後も色々な危険が訪れるかもしれない。勿論、今以上のだってないとはいえないわけで…。
しかし、俺の考えとは逆に、テテは立ち上がり、俺を連れていこうとする。怪我とかはないのか?
「―――♪」
読んでいる。絶対にこいつは俺の心を読んでいる。
 でもいいか、怪我がないなら。

401:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:22:38 N08g9tZO
結局、俺たちは掠り傷もなかった。不幸中の幸いって奴だ。
 岩が転がっていった方の様子を見に行ってみたのだが、岩が壁にめり込んでいた。もし押し潰されたら重傷どころじゃないな…。
そしてテテは今、何もなかったかのように俺の手を引いているのだが……。
いつまでこの状況が続くのだろうか?
 というか、彼女は何を目指してこんな薄暗い洞窟の中を進んでいるのか。その求めるものに価値はあるのだろうか。大体、何故俺を連れて…
そんな俺の思考は、テテが脇腹をつついた事によって遮断された。
「何?」
少しばかりテテに疑心が生じていたのだが、それが吹っ飛んだ。
なんと、俺たちの数歩前には地面がなかった。試しに覗き込んでみるが、漆黒の闇が広がっているだけ。
思わずテテを見る。流石にこれは恐いようで、膝が笑っている。当然だ。俺もそうなっているからな。
ドドドドドド…
今度は何の音だ?
 後ろを振り返ってみても、今まで来た道が続いているだけだった。ただ、また岩とかではなさそうだな。

 しかし、俺はすぐにその行動を後悔する。
 確かに後ろを確認するのも大事だった。背中は人間にとって盲点だからな。でも、それで別の盲点が生まれてしまっては意味がない。
 何が言いたいのかって?


テテが、俺を漆黒の闇が支配する穴の中へと、突き落としたのだ。

402:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:25:48 N08g9tZO
凄まじい落下感。身体が闇に飲み込まれていく。俺の人生短かったな…
ザッバーン!
え?水??
どうやら俺は水の中に落ちたみたいだ。身体の節々が叩きつけられ、痛む。いくらなんでも骨は折れていないと思うが…。
水面に浮かび上がった俺は、岸に向かって泳ぎ、陸に上がった。
ドドドドドド……
さっきの音がより大きくなって聞こえる。
 辺りを見回すと、大きな滝があり、森の中のほどではないが、広い湖があった。
洞窟の中にこんな場所があるとは。おまけに何かクリスタルみたいに光っている石もある。綺麗な空色だ。そう、空色…。そういやテテは?
ザバーン!
湖の中に何か…テテが落ちてきた。彼女はしばらくして水面から顔を出し、こちらに向かって泳いできた。
 突き落とされていて当然の反応かもしれないが、思わず後退ってしまう。
陸に上がったテテは俺の方に歩いてくる。そして、肩を掴み、背伸びし、目を閉じ、キスした。
へ?何で??
しかも水を口移しで飲ませてくる。俺は思わずそれを飲み込んでしまった。
『ふう、やっと話せるね』
「……へ?日本語??」
『あ、やっぱり驚いてる?じゃあ、一から話そうか』

403:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:30:53 N08g9tZO
テテの話によると、この湖の水はあの滝の更に上流から流れて来たもので、とても神聖な水だという。巫女であるテテがそれに力を上乗せして、言葉を通じるようにさせたらしい。
「それじゃあ、ここまでの道中で俺の心を読んだっぽかったのは何なんだ?」
『ああ、あれ?あれは、確かに力も使ったんだけど、いろんな距離が近くなったから、自然と頭の中に入ってくるようなものなんだよ』
「いろんなって…」
『本当に距離が近くなって良かったね。二回もはめられてるんだもん。あれは面白かったよ~』
「ちょwおまww」
『あ、あといきなり突き落としちゃってごめんね。こうやってコミュニケーション出来ないとどうしようもなかったから』
 何で一緒に飛び込まなかったんだ?
『だってすごい恐かったんだもん。許して♪』
「あのなぁ…。まあそれは置いといて、何でこんな場所に連れてきたんだ?」
『実は私たちの民族のしきたりで、15歳になった巫女は満月の夜に男性と結ばれなきゃいけないってのがあって…』
ちょっと待って、テテさん。今貴女結ばれるとか言いませんでした?
『その為には相手が必要でしょ?それで、昨日湖で月光浴して力を溜めていて君を見つけたから、今朝小手調べしてみたわけ』
 ああ、アレは調査だったのか。道理で都合がいいと思ったよ。
『そしたら見事にはまってくれたし……まぁ私的にもカッコよかったからよかったんだけど…』
「ん?何か言ったか?」
『ううん。それで、しきたりには試練が必要って事で、さっきの岩もそうだったみたいだけど、この洞窟の中にはいろんな罠があるらしいよ。詳しくは知らないけど』
「じゃあ、何ですか。この先も危険があるっていう事?」
『そういうことになるね~。そういえば、長がラストは凄く強いから気を付けろって言ってたよ?』
長さん……。強いって事は生き物とか何かとでも言うんですか…?
「じゃあ、罠を乗り越えたらどうするのさ?」
『そりゃあ、洞窟なだけに偕老同穴じゃない?』
は、ははは、笑えんな、それ。

404:NIEneuNTE ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:35:55 N08g9tZO
取り敢えず、前編が終了って感じです。
場所が移動している割に文章が少ないのは勘弁してくださいorz



このSSのせいでプリッツを4箱も買ったのは自分だけでいい。

405:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:35:21 pBiSJDIK
>>398
>m9(^д^)

何か和んだw

406:名無しさん@ピンキー
07/11/08 08:38:21 Dwrd+hvu
まあなにはともあれ
擬音を多用するのはどうかと思う

407:名無しさん@ピンキー
07/11/08 20:54:04 PLynYv/5
洞窟の中で20メートル先が見えるのはどうかと思う。
突き落とされた縦穴は「漆黒の闇が支配」してたらしいけど、それまでは天井に灯りでもあったんかと

まあ何はともあれ続きに期待

408:neu♯Supermogu
07/11/08 21:56:55 3r1Pghbj
名前を簡略化しました。

オノマトペですか・・・。考えたこともなかったです。。これから考慮します。

>洞窟の暗闇
最初は頭の中にあったのですが、メモに書くのを忘れていました・・・。
しかも、この後にまた暗闇に絡む展開が・・・orz


初めてで長編(?)を書くべきではなかった・・・。
早く投下したい欲望に負けて、完成させずに(あとちょっとのところ)投下したのはヤバかったですね。
どうしても矛盾が生まれるみたいですね・・・。

完成してから該当部分を訂正してもう一回投下しても容量増やすだけだし・・・。



完成して一週間寝かして確認してから投下した方がよかったですね。。

409:neu ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 22:00:21 3r1Pghbj
何やってんだ俺は・・・。もうgdgdじゃないか・・・。

コレからがあったらコテ変えますね・・・。

410:名無しさん@ピンキー
07/11/08 22:55:08 QwPSsASp
>>407-408
ヒカリゴケでも生えていたことにすればおk
気にせず続きよろ

411:名無しさん@ピンキー
07/11/08 23:22:44 IDRUkPrF
3点リーダ使いすぎってのも一つ。便利なのは確かだけどな
まあこの板的核心部分を待つとしようかね

412:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 00:31:09 aqZTeJqC
何かみんなの指摘が
凄く心にビクンビクンクル━(゜∀゜)━!!!!
・・・
携帯の辞書ガ━!


マリーにメロメロの主人公をどうしてくれるか
悩み中


もちょっと待って下さい。


413:名無しさん@ピンキー
07/11/09 03:06:04 BHlwms44
>>412
安心しろ、待ってるぞw

414:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 11:55:42 kbtorSWa
#投下行きます


だいぶ時間がたった気がする。なにか彼女の動きが止まった気がするので、
「そろそろ着替えたか?」
俺はマリーに問いかけた。
「・・・まだ。ちょっとまって」
ちょっとの間の後、そう返事が返ってきた。
「そうか」

また衣擦れの音が再開する。
・・・なんだ? 何かおかしいのか?
「んー・・・」
なにか不満げな声が聞こえる。
すると、目隠し(カーテン)をはずしてマリーが顔を出す。
「なんだ どうした?」
「んー、康平の服がおっきすぎるんだよ…」
言われて納得する。彼女の手先をみると、見事に指が出てない。
というか、手首の位置あたりがもぞもそしてる。
俺は「あー・・・」といいながら、腕まくりをしてやる。
「ん、ありがと…」
といって、またカーゴルームにもどる。
「ぶ」
俺は吹いてしまった。
その、なんというか、カラーシャツだけ着た状態だったのだ。
四つんばいにカーゴルームに戻るとき、白いトライアングルが見えてしまった。
「マリー… しり隠せ…」
「え? っっっ!?」
慌てて抑える彼女。それは誘ってるのか? 誘ってるのかーーーっ?!
……いかん 自重しろ。平常心。

415:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 11:56:21 kbtorSWa
それからさらにしばらくして、彼女は俺のシャツとスラックスを履いて助手席に来た。
はっきりいうが、服が大きすぎる…
ぶかぶかのカラーシャツをスラックスにいれずに外にだし、スラックスは何回も折りたたんですそが短くなっている。
すると彼女から---
「… っくしゅん!」
くしゃみがでた。暖房がかかっているとはいえ、身体が冷え切ったままだ。
このままだと確実に風邪を引く、と思い、
「どこか銭湯かホテルかにはいろう?」
と彼女に問いかけた。
「うん…」
素直に返事をするマリー。さらさらヘアーだった髪が海水のせいでちょっとゴワゴワしてそうだ。
洗った後にドライヤーかなにかで乾かさないと、だめだなこりゃ。

いつもの一人旅ならば、車にセットした寝袋などで寝るのだが、銭湯が近場に無く、
さらに車にとって想定外の客(マリー=女の子)がいるため、
ホテルを探すことになった。

高級そうなホテルは金がかかるからだめだ。
観光地のためか、そういうホテルが目立つが、
一番近い駅に移動すると、ちらほらとビジネスホテルやら民宿があった。
そのひとつのしなびつつあるビジネスホテルに入る。

「2名さまですね? ツインルームですか?」
面倒なのでそのままツインに。
(自殺未遂のあとだしな…)
マリーは黙ったままだ。
「ん?どうした?」
「・・・・・・」
返事がない。聞こえてはいるようだが、俯いたまま、返事をしないようだ。
「部屋は・・・」
と受付とやり取りしつつ、受付にニヤリ顔をされてしまった。
おい、ちっ ちがうっ、ちがうぞっ?! 何にと言われればわからないが(タテ前)、違うんだっ!
ここで言い訳をするとドツボにはまる恐れがあるから、いわないでおこう…
なんかマリーに小声で「ばかっ」っていわれた気がするが… 気のせいだ。うん。

とりあえず部屋につく。
部屋に入った瞬間、マリーは濡れた服が入ったかばんを投げてきた。
「うおっ」
「ばかーーっ! な、ななな、なんでツインなんかにするのよ~!!」
「だって、何もいわなかっただろうっ!? 金銭的にもリーズナぶふぅ?!」
マリーのキックが、俺の股間に命中した。
「ちょっ! お、おれの切ないところをををおおお」
くず折れる俺。
「あ、あたしだってお、女なんだからっ!! 一緒の部屋にしないでっ」
「だ、だってさ、お前のことが心配で… 自殺未遂してるし…」
くず折れてのた打ち回りつつも、言葉をつむぐ俺。
なんとか彼女を見上げる。あれ? 彼女、固まったぞ?
「おっ お風呂はいるっっっ!」

マリーは顔を真っ赤にしながら風呂に入っていった。

416:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 12:06:52 kbtorSWa
#作者的脳内NGシーン
#<<<ホテルを探す場面にて>>>
#「ラブホテルしかないじゃないかっ!」
#その言葉に彼女は赤面して抗議してくる。
#「べっ べつに一緒に入らなくたっていいじゃないっ!
# ど、どどど、どうしてもっっていうのな、なら一緒に入ってあげなくもななな、ないわよっ!?」
#
#だめだwwwwwww 俺(作者)もうだめだwwwwwww
#どこぞのキャラとおもいっきし被ってる。 いや、むしろ参考にしてる(?
#Liaちゃんに会いてええええええ!(だまれ
#
#
#あちこちのスレ見ていてふと思いました。
#私の文章って読み易さと面白さとか、不満点はありますか?
#過去の不満点については極力直したりしていますが、
#どうしてもココが読みづらいとかありましたら、
#よろしく御指導いただけると幸いです。

417:名無しさん@ピンキー
07/11/09 12:42:04 1MR/3LXr
一番槍GJ
続きwktk

418:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/09 12:46:29 0hX5Al20
いえ、相変わらずGJです。
自然とにやけちゃいますし。


三点リーダは勘弁してくださいorz
無論、これ→・・・でもダメですよね。

書いてて思ったのですが、いろんなところ端折りすぎて、何故登場人物同士が好きになるのか分かんなくなってしまいました。ダメダメですね……orz

419:名無しさん@ピンキー
07/11/09 17:09:19 CZdOOekD
>>416
ボクもこのスレの書き手だけど、面白くていいんじゃないかな?
ただ、もうちょっとマリーの描写が欲しい。

とりあえず部屋につく。
部屋のドアを閉じると、マリーの緊張が解かれたのか、いきなりむくれた表情でかばんを投げつけてきた。
「うおっ」
「ばかーーっ! な、ななな、なんでツインなんかにするのよ~!!」
風邪気味でほてった顔を、よりいっそう羞恥の色に染めながら叫ぶ。
「だって、何もいわなかっただろうっ!? 金銭的にもリーズナぶふぅ?!」
有無を言わせないマリーのキックが、俺の股間に命中。
「ちょっ! お、おれの切ないところをををおおお」
「あ、あたしだってお、女なんだからっ!! 一緒の部屋にしないでっ」
「だ、だってさ、お前のことが心配で… 自殺未遂してるし…」
くず折れてのた打ち回りつつも、言葉をつむぐ俺。
「おっ お風呂はいるっっっ!」
なんとか上を向くと、彼女は身を震わせながら逃げるようにシャワー室のほうへ行くのが見えた。
あれ? 俺そんなに悪いことしたのかな……しまったなあ……

あくまでも自分だったらこう書くってだけで、するーするも参考にするもびーばのんのんだけど
ボク的には表情豊かなマリーたんが見たいな
このスレ内でも、最も面白いSSのひとつだと思っているから、
がんばって続けて欲しいっす













420:名無しさん@ピンキー
07/11/10 08:22:30 ASi6hhEI
>418
そういうときは、(いい意味で)ダレもせかさないので、
じっくりと推敲するといいと思うよ。
書いている時点で後悔が先にたっているならナオのこと一歩踏みとどまって、
読み直しをしてみよう。

私はその半分くらいしかやってないけどね(こらまてぃ
三点リーダは… 自分も多用します。 便利なんですもの…

>419
萌えたっ(!?

いあ、参考にさせていただきます。ありがとうございます。
・・・表情豊かなマリーかぁ… 自分のボキャブラリーのなさが露呈してしまいましたな。
描写とかを増やすことを念頭にがんばります。

421:名無しさん@ピンキー
07/11/11 03:02:31 b0r+SyC2
マリーたんのシャワーまだー?

422:名無しさん@ピンキー
07/11/11 03:15:23 KZWzbfl3
>>416
GJ! 待ってたぜ
風呂への突入マダーーー?                ってさすがにそれは無いかw  ( ゚д゚ )ナイヨネ?

423:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/13 00:32:15 zaMPRvjE
"シャーーーーー…"
シャワーの音が聞こえる。時々、水が跳ねる音が響く。
マリーは問題なくお風呂に入れているようだ。
もしここでシャワーの音"だけ"だったなら、すぐさま風呂場に突撃するところだ。
突撃した中で、マリーが裸体のまま手首を・・・・・・裸体?
なっ、なに想像してんだ俺は! 風呂場の音が普通に聞こえるからいけないんだっ
・・・ん、 理性を保て。 って なにガキ相手にモンモンとしてるんだ・・・
しかし、聞き耳をずっと立てるわけにもいかないな…
TVなにかやってないかな…

おもむろにTVを付ける。国営放送がいちばん無難と思い、局を合わせる。
その局では、ちょうどニュースをやっていた。
しかし、なにも気に留めるようなニュースは放送されておらず、
ただボケッとしながらTVをみていた。

"ズズズズズ・・・・・・"

・・・ん?なんだ? なにか違和感を感じる。

"ズズズ・・・グラグラグラグラ"

地震かっ!?
とっさに出口確保の為、部屋の玄関を開けようとベッドから歩いていこうとしたときに、
風呂からドッタンバッタン! と大きな音が聞こえてきた。

(なんだ!?)
とっさに風呂のドアを開けるっ!
その直後、
「ふにゃあああああああああ!」
気の抜ける悲鳴と共に、マリーが飛び出してきた。
漫画にたとえるなら、目をぐるぐる状態にして必死になってる感じだ。
「こ、ここ、こ康平っ、じ、じじじ、地震、地震っ!」
マリーはパニック状態だった。自分の体が濡れていることも、
着るものひとつ身に着けていない状態なのも忘れて、
必死になって俺にしがみついている。
「地震! 地震ーっ! 怖いーっ!!」

人間、他人がパニックになるのを見ると、自分は冷静になれるというのがある。
まさに今がそのときなのかもしれない。
「マリー、落ち着け。落ち着けって。そんなたいした地震じゃない。安心しろ」
「いやいやいやいや」
マリーは嫌々言いながら俺の胸のあたりで顔をぐりぐりしてくる。
「こら! くすぐったい! やめろっ やめっ!!」
ガッシ! とマリーの頭をつかむ。
「ふぇ・・・」
顔を向けさせると、破顔させて瞳は潤み、いや、瞳の端で涙が決壊寸前のダムになっている…
ああ、こんな感じで見つめられると、俺やばいなぁ… いぢめたくなる…
「とりあえず落ち着け。大丈夫だから、風呂入りなおして来い。確実に風邪ひくぞ」
「う、うん・・・」
コクコクとうなずく彼女。俺は続けて言った。
「それに、素っ裸で出てくるな。目のやり場に困る」
「え? ええ? ーーーっ!?!?」

424:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/13 00:32:48 zaMPRvjE
彼女はこれ以上にないくらいに顔を真っ赤に、体も羞恥で紅くなり、
長い髪を振り乱し小さいおしりをぷるぷるさせて風呂に戻っていった。
ほどなくして風呂場の中から「いやあああああ!」と悲鳴が聞こえた。
役得役得♪



違ぇ… おれはロリじゃねぇ…

いつの間にか地震は収まってた。
国営放送でも津波の心配は無いとか言ってたし、もう大丈夫だろ。


#表現をふやしてみたけど、だめだwwww
#何この犯罪者wwwwww 俺(作者)もロリじゃないと言い切りたいけど、
#この前友人にロリか否かを計ってもらったら、
#確実にロリらしい。 orz もうだめなのか?!
#(現年齢(28)で17歳以下に欲情するならロリ確定らしい。31超えると18以下とか)

425:名無しさん@ピンキー
07/11/13 17:32:42 eyofAIXC
>>424
まさかマリーの方が(ある意味)凸してくるとはww GJ!

> #この前友人にロリか否かを計ってもらったら、
URLリンク(goisu.net)

…50%だった orz

426:名無しさん@ピンキー
07/11/13 19:13:37 /wdWUYVR
120%だった

>424つづきー

427:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/13 22:50:35 SJTFAWNi
あなたのロリコン度は【120%】です。

あなたにぴったりの夢
お気に入りの作家に自分だけのキャラを作ってもらう

ちょま! それってマリー!?
というか、自身がSS書いてたら、しかもそれが願望の現われだったらっ…

orz オワッテマスナ


他の作家さん、元気ですかー!?
読みたいです…

428:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:16:36 R0yBDR1d
現実世界で元気かどうかは分かりませんが(汗


実は書いていない残りがエロシーンだけだったのですが、前述べた通り、何故好き合っているのか分からなくなったので、急遽1シーン(罠?)追加しました。その為、余計に文が読みにくくなっている可能性があります。ご勘弁を。


応急処置ですが、暗闇の件をなんとかしました(あれでなってるのか?)

それではどうぞ。

429:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:21:36 R0yBDR1d
 あのシュールな告白を聞いた後、俺たちは湖を起って、洞窟の奥へと進んでいった。
 さっきからずっと並んで灯されている松明をぼんやりと眺めながら、俺は思ったことを口にしようと、テテに問い掛けた。
「……なあ、テテ」
『ん、なあに?』
「あのさ、見知らぬ俺と一緒になる事に抵抗はないわけ?それも未来永劫」
 俺の言葉を聞いたテテは、少し考える素振りをしてから、
『しょうがないよ。それがしきたりだし。それに、トシは優しいし、さっきも助けてくれたじゃん』
「そ、そうか?」
『そうだよっ。早く先に進もっ!』
 テテがこっちを向いてにっこりと頬笑む。俺の手をしっかりと握りながら。

 しばらくすると、松明の明かりではなく、明らかに蛍光灯のそれが、先から見えてくる。俺はテテと顔を見合わせ、先を急いだ。すると、
「ヤッホー!遅いから待ちくたびれちゃったよぉ」
「誰だ?」
 突然の声に、俺は身構える。前方に得体の知れない奴がいる。
「そんな警戒するなよぉ。オレの名前はケリー。ここの番人をやってるようなもんだ」
『番人?』
「そうだよかわい娘ちゃーん」
 ケリーと名乗ったソイツは、驚くべき速さでテテの前まで来て……胸を揉みやがった!!
『キャッ!』
 咄嗟にテテが腕で胸を覆う。その端整な顔は、朱に染まっていた。
「何しやがる!」
 …羨ましい。
「かっかしないかっかしない。別に減るもんじゃないし」
『減る!アンタに揉まれたら確実に減る!!』
 あれ?テテさん、言葉遣いが……
「あら、嫌われちゃったみたい?」
 ケリーはお道化た顔をしてみせ、
「話を元に戻すか。君たちにはそこのエレベーターから下りて、下の迷路に挑戦してもらう。制限時間は30分。この時計が一周するまでに、再びエレベーターに乗り込めばOKだ。遅れたら……そうだねぇ。その娘にたっぷりお仕置きしちゃおうか!」
『ヒッ!』
 最後の一文を聞き、テテが自分の体を抱き締めるようにする。テテの目線は睨むようにしてケリーを見つめていた。テテにお仕置き……いいかm
『トシ、顔がにやついてる』
 何時の間にこっちを見ていたのか、思いっきり軽蔑の眼差しを向けられた。
「な、なぁっ。再びってのは何なんだ?」
 誤魔化すように、言葉を吐き出す。テテの視線が物凄く恐ろしい。
「あぁ。この迷路は四隅にチェックポイントがあって、そこに四分の一ずつ地図がある。それを持ってきて、真ん中のエレベーターに乗らなきゃダメだ」
 なるほど。
「時間としてはギリギリか?」
 聞いとかないと、後が怖いからな。色んな意味で。
「ちょっとは走らないとダメだが、キツいタイムではないはずさ」
 なら大丈夫か。
 テテが、ほーっと安堵の溜め息を洩らす。
「じゃあ、早速始めてもらうよ。エレベーターに乗って」
 ケリーが、エレベーター横のボタンを押す。すると、ぷしゅーっと扉が開いた。俺たちが乗り込むと、
「エレベーターのドアが下で開いた瞬間にこの時計が動きだす。それでは精々頑張ってね~」
 扉が閉まる瞬間、ケリーがテテに向かってウインクした。何だかなあ。
『トシ、わざと遅れたら許さないからね!?』
 顔が怖い。流石に般若までとはいかないが。
 俺はゆっくりと下がっていくエレベーターの中で、生涯女の子を怒らせてはいけないと、心に強く誓った。

430:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:25:14 R0yBDR1d
 エレベーターの扉が開く。テテが一目散に駆け出す。俺もそれに続いた。
 ここは壁と足元にほんのり明るいライトがあって、壁は高く、ベルリンの壁くらいあった。写真でしか見た事ないけど。
 テテが立ち止まった。道が二手に分かれている。左と右だ。
『どっちにする?』
「どちらかはテテが決めていいよ。ただ、何か目印でも置いておこう」
 俺はリュックの中からさっきのプリッツを取り出し、箱を広げ、角をちぎる。そして、切れ端を分岐の真ん中に置いた。
「これでいっかな。さあ、どっちにする?」
『左っ』
 テテは威勢よく、声を張り上げた。

 何回か行き詰まったが、プリッツによる地味な作業により、一つ目の隅に辿り着いた。
 地面に地図が置かれている。俺がそれを拾いあげるや否や、
「残り25分~。いいペースだよー。オレにとっては残念だけどねぇ」
 何処かから放送が入り、洞窟内に響く。明らかにケリーの声だ。
『アイツ……』
 テテが自然と呟いた。もうテリーに対するテテのイメージは最低だな。
 逆に俺はイメージを崩さないようにしとかないと。例え生きて還れてもその後が波乱では意味がない。
「まあまあテテ。時間は放っておいても過ぎてくし、先に進むぞ」
『うん…』
 俺が歩きながらそう諭すと、テテは大人しくなった。なんかこの先心配だな……。
 とりあえずここの隣の隅(エレベーターを下りた方向から見ると南西か?)を目指さないと。地図に載っている境目まではヒントがあるのだから。俺が地図とにらめっこしていると、
『キャッ』
 突然、テテが俺にもたれかかり、肩に掴まってきた。
『なんか滑っちゃって…』
 テテの足元をよく見ると、何故かバナナの皮がある。まさかこれでコけたのか?
 テテにその事を伝えると、
『ま、またアイツ?』
「そんなに忌み嫌わんでも…。トラップとかかもしれんぞ」
 それもかなり人を馬鹿にした、な。
『じゃあ、他にもあるのかな?』
「可能性はあるな。例えば…ヘビとか」
『や、やめてよー。怖い』
「ハハ、ゴメンゴメン」
『もー…』
 テテがぷくーと頬を膨らます。可愛い。その頬を指でつつきたいくらい。
「さあ、先を急ぐか。この地図によると、このまま真っ直ぐ行って突き当たりを左に曲がって……」

431:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:26:39 R0yBDR1d
 俺たちが二つ目の地図を獲得し、三つ目も取った時だった。
「はいはーい、ちょっと言うのを忘れていた事がありまーす。じつはー、天井にが開始と同時に下がってきてー、オレの時計がゼロになると同時に地面につくようになってまーす。だから、それまでにエレベーターに乗れるように頑張ってねー。あ、ちなみにあと13分でーす」
「なっ!?」
『えっ!?』
 俺とテテは、思わず上を仰ぎ見る。しかし、頼りない明かりではよく分からなかった。あの野郎……。
「テテっ!走るぞ!」
『うん!』

 ようやく四つ目の地図を見つけ、俺はソレを拾い上げた。
 やっと終わりか。なんか疲れた。
 しかしテテを見やると、女の子の割に疲れている様子はあまりない。しかも、さっきからちゃんと俺についてきていた。不思議に思った俺は、軽く息を整えながら質問してみた。
「テテは何か鍛えてるのか?」
 それを聞き、テテは一瞬きょとんとして、ぷっと笑いながら、
『何?いきなりどーしたの?』
「いや、走ったのに疲れてなさそーじゃん」
『鍛えるというより鍛えられた、かな。ほら、私、巫女だし』
「そっか。そういやそうだったな」
 女の子が鍛えてるってのも変だよな。
『そういやってなによー』
「ハハハハハ」
「はーい、あと7ふーん」
「やべっ。急ごう。天上が頭に近くなったら走れなくなるぞ」
 俺が走りだすと、
『うんっ』
 後ろから威勢のいい返事が返ってきた。

『さーて、どうしちゃおっかなー』
 今はエレベーターの中。そう、俺たちは無事だった。実のところ、最後の方の俺は、屈んで歩いてたくらい危なかったのだが。
「何の話だ?」
『アイツに決まってるじゃん。ケリー。逆にお仕置きしてあげちゃうんだから』
 そう言って、テテはうっすらとほくそ笑んだ。こ、こえー。一体何をするつもりなんだ……?女王様とかか?ダメだ、全く想像がつかん。
 俺が、やはり女は恐い生きものである事を再確認していると、エレベーターが止まり扉が開いた。
 俺が先に下りると、地面に紙が落ちている。それを拾い上げ読んでみると、
「なになに、『迷路から脱出できておめでとう。地図を手に入れたのは分かってるからお先に失礼♪』」
『逃げられた……』
 あのー、さっきからなんか性格変わってませんか、テテさん。
 ま、いっか。死ななかったし、テテもお仕置きされずにすんだし、万事OK…かな?

432:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:28:02 R0yBDR1d
 あの後、俺は悔しがるテテを後ろに先に進んだ。しばらくすると、小ぢんまりした部屋らしき空間に到着した。
 本当に部屋みたいで、さっきまで岩壁だったのが、一転して煉瓦造りになっている。
 前方は扉のようなもので塞がれているが、その扉に何かあった。
 近づいてみると、何やら文字みたいなのが印された木版と、まるで時計のような---いや、どう見ても時計としか考えられない---が0時に設定されていた。針は動いていない。
「テテ、これ読めるか?」
木版を指差し聞いてみると、
『読めるよ。私たち民族の文字みたい。えーと、「正しい時刻に設定せよ。然れば道は開かれん。但し、もし間違えれば汝等に禍が降り懸るであろう」って書いてある……。正しい時刻?』
「ちょっ、それだけ?」
『うん、それだけみたい……』
マジかよ。禍って…しかも正確な時刻?。
 1分刻みで720分の1、5分だと144分の1、10分で(ry
『トシ!こっちに変なのが…』
テテの言葉に振り向くと、さっき入ってきた入り口の隣に、テーブルらしきものに置かれた水晶と、また木版があった。
「今度は何て書いてある?」
『「ヒントが欲しければ此の水晶に手を重ねよ。併し、更に危険度が増す事を此処に記しておく」って書いてあるわ』
更に…?ラストの強い罠とやらとどちらが危険なのだろう。
大体、水晶に手を重ねるだけで危険って…。しかも、それでヒントが出るって?んな馬鹿な。
『どうする?』
テテが俺に聞いてくる。俺がいくら考えても思案に尽きるだけになるだろう。
「テテはどうする?」
『トシについてく』
速答してくれた。何ていうか感慨無量だ。
「じゃあ、行くか?」
 そう聞いたはいいものの、不安がないはずがなく、顔に出てしまったのか、
『大丈夫?』
 と言われてしまう。
 何女の子に心配させてるんだ俺は。テテは俺について行くと言ってくれたじゃないか。俺が弱気になってどうするんだ。
 大体がここでずっと悩んでいたって何も変わらないしな。だったら、少しでも可能性がある方を選ばなきゃな。
「よし、行くか!」
『うん!』
俺たちは覚悟を決め、水晶に手を重ねた。

433:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:31:06 R0yBDR1d
『トシ…』
アレ…?俺ら一体どうしたんだっけ……?
『トシ!』
揺り起こされた。
周りを見回すが、薄暗い。森みたいだ。さっきのか?
…いや、違うな。
 雨が降っている。それに土砂降りだ。洞窟に入った時は快晴だったのに、だ。
「テテ、ここは何処だ?」
『分からないの。私もトシもこの木の下で眠っていたみたい…』
「そうか……」
混乱する頭を整理して、状況を確認する。
確か俺たちは扉を開くヒントが欲しくて、水晶に手を重ねた。そして、気が付いたらここにいた。
そうだ、何かしらヒントがあるんじゃないのか?
「やいやいっ!」
そんな俺の思考を感じ取ってくれたのかくれなかったのかは知らないが、小柄な狐が現れた。

「なになに?お母さんを捜して来て欲しいって?」
「そうだいっ」
何で俺は狐と話しているこの状況に違和感を感じていないのだろうか。色々とありすぎたからか?
「母ちゃんは、昨日谷の向こうに用事があるって行ったきり、戻って来ないんだ」
 子ギツネが心配そうに言う。
「谷とは?」
「ここから西に行ったところ」
正直、こんな森の中では西も分からん。太陽も出てないしな。
「向こうだよっ」
そう言って、狐は西とみられる方向を顎で差した。
「もし逃げたら、このお姉ちゃん殺しちゃうぞ」
「はw?」
子ギツネのいきなりの暴言に、思わず吹き出してしまった。だって子ギツネなんかに人が殺せるか?
「バカにしたなっ!」
腹を立てたのか、子ギツネはすっくと立ち、指を立て…その先から青い火を出した。
「なっ…」
 当然ながら俺は驚いた。だってライターどころかマッチも何もないんだぜ?
「へっへーん。どうだ、驚いたか!」

434:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:32:18 R0yBDR1d
「あ、ああ」
素直にそう返事する。
「じゃあ、早く捜してこい!」
 んな無茶な。
「ちょっと待て。ホントに手がかりは谷の向こうに行った事しかないのか?」
「あ、そういえばコレ」
そう言って、子ギツネは何処からともなく湯葉を取り出した。
「母ちゃんが大好きだから、見せれば分かると思うよ」
「ホントに俺一人だけで行くのか?」
「当然じゃん。お姉ちゃんは人質だもん」
子ギツネがテテを見遣る。テテの方はというと…脅えている様子もない。何故だ?
『トシ、こっちに来て』
不思議に思ってテテの方を見ていた俺を、彼女が手招き呼び寄せる。
「おい、逃げるのか」
『大丈夫。話すだけだから』
テテがそう言って、にっこりと微笑んだ。
「そ、それならいいけど…」
おいおい、赤くなってるぞ。
『トシ、早く』
「あ、ああ」
テテの言葉に、俺は子ギツネのそばから離れ、彼女の方へ向かった。

『ここは仮想世界よ』
「は!?」
俺と対面したテテの第一声がこれだ。誰だって俺のように返すだろう。
『つまり、ここは夢の世界みたいというかなんというか……。とにかく現実世界じゃないの』
「どうして分かる?」
『子ギツネが指から火を出したのを見たでしょ?ていうか、それ以前に喋ってたじゃない』
「テテの力じゃないのか?」
『ないわよ。大体アレは特別な条件が揃ったからで……』
テテがごにょごにょと口籠もった。何を今更赤くなってるんだか。こっちまで恥ずかしくなってくる。
「それでここから抜け出すにはどうしたらいいんだ?」
 正直、恥ずかしさを紛らわす為だけに聞いてみる。
『取り敢えず、キツネ君のお母さんを探すしかないんじゃない?それに、ヒントが欲しくて水晶に手を重ねたから、ここにそれがあると思う』
確かに。それは言えてる。
今は子ギツネのお願いを聞いてやるしかないか。他に宛てがあるわけではないしな。
「じゃあ、今から捜しに行くから湯葉を頂戴」
俺は子ギツネに振り向き言う。
「う、うん」
子ギツネから湯葉を受け取り、リュックの中から取り出したビニール袋に入れる。
『トシ、気を付けて』
「ああ」
折畳み傘を取り出し、差しながらテテに返答する。
「必ず見つけてこいよ!」
「分かってる」
生意気な子ギツネに即答し、俺はテテたちのもとを離れ、子ギツネの母親を捜しに雨の中を歩きだした。

435:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:33:43 R0yBDR1d
子ギツネの母親を捜し始めてから20分ほど経ったのだが、未だに雨が降り続いている。
傘を差しているにもかかわらず、とっくにズボンは濡れてしまっていて、足とくっついて気持ち悪いったらありゃしない。
こんな雨だからかは知らないが、さっきの子ギツネ以来、全く動物を見ていない。森の中は動物の宝庫って感じがするのだが、俺の勝手な思い込みだったか?
「間違ってないよ」
気が付いたら同じ…元い、気が付いたら女の子の顔が前にあった……のだが、こんな所に人間がいるはずがないので、華麗にかわしてそのまま道を突き進む。
「ちょ、ちょっとちょっとー。無視しないでよー!」
だって何か身長が二歳児ぐらいだし浮いてるしきっと気のせいだ木の精…
「そうそう、私は木の精…ってちがーう!私は森の精!!」
ナイス、見事なノリツッコミ…ってマジで森の精?
「そう、森の精。森全体を司る精霊!」
「ふーん。で、名前は?」
「あ、ゴメン。忘れてた。シルフィよ」
そう言ってその場で一回転する。何の意味があるんだか。
「別にいいじゃん!」
ちょっと待て。何かまた心の中を読み取られてないか?
「読んでるよ」
「素直に答えるのかよ!」
「だって事実だもん」
そう言って、そいつはニカッと笑った。その性格に、着ている巫女服が似合っているとは思えない。
「じゃあ、変える?」
突然、シルフィの着ている服がメイド服に切り替わる。
「どんな魔法だよ、そりゃ!」
「アレ?気に入らなかった?この服は貴方が一番好きな服のハズだけど?」
「ほっとけ」
勝手に俺の属性を暴露するな。それに俺は別に巫女でもかまw(ry
「じゃあ、戻す?」
「もうええわ!」
そう言ったのにわざわざ巫女服に戻したシルフィは、
「貴方はキツネを探しているんだよね?」
「ああ」
流石に、何故?、とかはもう聞かない。
「そのキツネの居場所、私が知ってるよ」
「本当か!」
驚愕の事実に、思わず体が前に出てしまう。
「でも、タダでは教えてあげないわ」
「金でも取るのか?」
「まさか?この世界で金なんてものは無意味よ。物品ではなくこっちの願いも聞いてもらう事になるわ」
「何だ?森の精さんでも叶わないその願いって奴は」
ていうか、叶わない願いなんてあるのか?魔法みたいなのが使えるくせに。
「この森の全体を調整する『翡翠』って宝玉を取り返してほしいの」
誰から?って、ここに人間はいないか。仮想世界だし。
「この先にあるほら穴に住む熊からよ。アイツのせいでこの森はずっと雨続きだわ」
「何で一人で行かないんだ?」
「とある理由があるからよ」
 そうかそうか。相手は熊だし恐いか。
「ちがうわよ!!」
「はいはい。で、その翡翠って奴を取り戻したら、キツネの居場所を教えてくれるんだな?」
「ええ、約束は守るわ。どちらにしろ貴方に拒否権はないわね。キツネを見つけないと元の世界に戻れないから」
やっぱりそうなのか。という事は、それまでにヒントがあるっぽいな。
「そのヒントも知っているわ」
「何!?」
「でも教えてあげない。翡翠を取り戻し、キツネを子ギツネに会わせてあげれば自然と分かるはずだから」
「自然と?」
「そう。自然と、ね…」
そう言って、シルフィは灰色の空を見上げた。

436:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:37:00 R0yBDR1d
「んで、ホントに森の中は動物の宝庫なわけだな?」
俺は今、シルフィの後についていってるところだ。
 ほら穴までは結構あるらしく、シルフィと歩き始めてから更に20分ほど経っていた。ちなみに、相変わらずの空模様である。
「そうよ。特にこの世界には人間なんてものはいなかったから、貴方が思ってる以上のたくさんの生物がいたわ。この雨ですっかり引っ込んじゃってるけどね。」
 なるほどねぇ。
「この雨はどのくらい続いているんだ?」
「ざっと一週間ってところかしら。だから、不思議に思ったキツネが私の所に来たんでしょうね」
「何で分かってて会ってやらないんだ?」
「キツネが熊に敵う?」
「いや、適わないな…」
「でしょ」
 それもそうだが…大体何でその翡翠って奴が奪われたのだろうか。管理とかしっかりしているのか?
「翡翠は私が持っているわけじゃなくて、ちゃんと祭る場所があって、そこから盗られちゃったのよ」
「へぇ。じゃあ、取り返したら俺はそこに行くのか?」
「その必要はないわ。取り返したら私は貴方をキツネの所に連れていって、後は自分でやるから」
なんだ。その祭る場所を見てみたかったのに。
「見ても得はしないわ」
「そんなもんかね」
「そんなもんよ」
何か釈然としなかったが、そのまま進んでいった。

 そこからはしばらく、互いに無言が続いていた。
 本当にしつこい雨で、このまま濡れた格好でいると風邪をひきそうだ。やっぱり翡翠を取り戻さないと止まないのだろうな。この雨は。
シルフィの方を見てみるが、コイツは全く濡れている様子がない。これも魔法か何かだろうか。自分ばっかズルいな…。
「濡れないようにして欲しい?」
シルフィが振り返り聞いてくる。そりゃ当然だろ。寒いったらありゃしない。
「貴方には必要ないわ」
「な!?」
 流石にそれはヒドいんじゃないだろうか。よくもそんな事が平然と言えるな。
「そうじゃないの。ここから出れば濡れていた状態は元に戻り、服は乾く。要は精神力を鍛えるようなもの。風邪とかはひかないから大丈夫よ。」
「本当かよ」
「嘘は言わないわ」
マジかよ……。これはかなり精神的にダメージを受けるのだが。やってられん。
「あ!」
「何だ?」
「やっと渓谷よ」
「うわ……」
向こう岸遠っ!!300mくらいは優にありそうだ。谷底を覗いてみるが、目算で測れそうもないほど深い。 しかも谷底を流れる川の流れはかなり激流で、もし落ちたらひとたまりもないだろう。
「ほら穴とキツネはこの渓谷の向こう。じゃあ、行きましょ」
「ちょっと待て!!」
「どうしたの?」
どうしたもこうしたもないだろ。どうやって向こう岸に行くんだよ?
「あー、ゴメン。そういえば貴方は飛んでなかったっけ」
お前にとってはそれが常識だろうがな。
「ちょっと待ってて」
そう言ってシルフィは、空を見上げ、天に祈るように、小さい両手を重ね合わせた。その姿は神に祈るシスターみたいで、思わず見とれてしまう。
そんな状態が数秒だか数十秒だか続いた後、突然突風が吹いた。シルフィの長い栗色の髪が揺れ…
「ふう、大きいから時間がかかっちゃった。これで向こうに行けるわね」
「なっ!?」
 俺は驚愕した。さっきまで何もなかったはずの空間に大きな橋が掛かっていたからだ。
「ちょっ、シルフィ…これは……」
「へへん、驚いた?」
驚いたとかそういうレベルじゃないだろ、これは……。
「立派な橋でしょ?」
「あ、あぁ。そうだな……」
見直したよ、シルフィ……。

437:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:39:29 R0yBDR1d
シルフィ建造の立派な橋を渡った俺たち(シルフィは飛んでいたが)は降りしきる雨の中、未だに歩いていた。
「なあ、まだなのか?シルフィ」
 生意気な子ギツネの元を離れてから、もう2時間ぐらい経ってるんじゃないか?
「まあまあ、そんなに慌てないで」
「ずっと濡れているってのもかなりしんどいんだぜ」
「ゴメンゴメン。ホントにあとちょっとだから……ほら、見えてきた」
シルフィが前方を指差す。俺とテテが入った洞窟よりは一回り小さい入り口。その中は雨のせいか、よく見えない。
「あの中に熊がいるわ。さあ、行ってきて」
「お前は行かないのか?」
「私は…いいの」
「いいじゃん、飛んでるんだし」
それにいざとなったら魔法使えばいいしな。
「それもそうね……」
気付いてなかったのかよ…。
「じゃあ行くか」
「先に行って」
「わかったわかった」
ホントに恐がりな精霊さんだな。まあ、俺も恐怖がないといったら嘘になるが。

ほら穴の中に入ったのだが、周りが暗くていまいち状況が把握できない。さっき、外から見て暗かったのは雨のせいではなかったようだ。
「なあ、シルフィ」
「ヒッ…」
変な声を出し、シルフィが抱きついてくる。
「どうしたんだ?」
「も、もう!いきなり話し掛けないでよ!!怖いんだから……」
そんなに怖がるなよ。それに大声出したら熊に気付かれるぞ。
「あ……」
シルフィはそれを聞いて沈黙する。
「それよりさ、この暗さをどうにかしてくれないか?そうすれば怖くもなくなるだろ?」
「うん……」
 数瞬して一気に視界が開けた。明るさが外と同じくらいになった。それに伴って周りの状況も段々分かってくる。
まるでさっきの洞窟を模したかのような内部で、全てが岩壁だった。
 奥に進むと、左に通路が曲がっているのが分かる。
「熊はこの奥か?」
 曲がり角のところで一旦止まり、シルフィに聞いてみる。
「た、多分ね」
おいおい、多分かよ。居場所は分かってるんじゃないのか?つーか、怖がりすぎだろ。周りを明るくしたってのに。
「いいじゃない!別に!」
「さっきも言ったけど大声出すなよ。熊に気付かれるぞ?」
「あ…」
俺の言葉を聞いて、シルフィが完全に押し黙る。そんなに強張るなよ…。
そんな弱気な精霊さんを後ろに、俺は取り敢えず岩壁に手をついて、奥を覗いてみた。

438:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:40:52 R0yBDR1d
寝ている。熊が寝ている。そいつ以外に他の熊は見当たらず、その熊の手前に緑色…何ていうかエメラルドみたいに透き通った石がある。おそらくあれが翡翠だろう。
「おい」
 俺は、後ろにいるシルフィに向かって呼び掛けた。
「な、何?いた?」
「寝てるよ」
「え!?ホント!?」
凄い嬉しそうな顔だな、おい。
「じゃあ、取り返してくるからな。騒ぐなよ」
「うん!」
シルフィの嬉々とした返事を聞き、翡翠を取りに向かう。一応念には念を入れて、抜き足差し足忍び足、と…。
翡翠が落ちている前まで来た。熊に気付かれていないか確認するが、相変わらず頭をうつ伏せにして就眠している。
ああ、これがもし起きてたら今頃俺は逃げ惑っているのか?考えただけでゾクゾクする。
そんな想像を尻目に、床にある翡翠に手を伸ばす。そして、静かに熊の前から歩き去る。
 何事もなくて本当によかった。ちょっとあっけなかったけどな。
「ほら、取り返してきたぞ」
曲がり角の向こうで待っていたシルフィに、そう言いながら翡翠を手渡す。
「ありがと♪」
「割と楽だったな」
「これで森が元に戻るわ」 そう言って、自分はさっさと出口に向かっていった。
さっきまでの恐怖は何処に行ったんだか。
「ギャース!!」
ん?後ろから悲鳴のようなものが聞こえたんだが…。
振り返ってみるとそこには、体長2mを優に越えるさっきの大熊が、俺に向かって突進してきていた。
「シルフィ!」
俺は逃げ走りながら、先に行っていたシルフィに向かって叫んだ。
「何?」
「熊が起きた!逃げるぞ!!」
「ホントだ…」
振り向いた顔が青ざめている。シルフィからだと俺より余計に大きく見えるのかもしれん。
すぐにほら穴から出た。動きが俺たちに比べて遅いからなのか、熊とは若干距離が出来ている。
「こっち!」
シルフィが森の中を進みながら叫ぶ。それと同時に、突然左に曲がった。
「逃げ道があるのか!?」
俺も曲がりながら、シルフィに聞く。
「道じゃないけどね♪」
シルフィは得意顔になってそう答えた。

439:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:43:32 R0yBDR1d
目の前に熊がいる。ヤバい……はずなのだが。熊はそのまま進んでいってしまった。

あの後、少し走ってシルフィが、
「ここなら大丈夫。もう走らなくていいよ」
「は!?」
何故に?
「この辺り一帯が私の住処で、周りに結界が張ってあるの。だからもう大丈夫よ」
それは熊に気付かれないって事か?
「簡単に言えばそういう事。試しに熊が通り過ぎていくのを見てみれば?」

それから一分ほど経ったのが冒頭ってわけだ。大岩といい大熊といい、俺は何かに追われる運命なのか?
俺が自分の不幸について考えにふけっていると、
「それじゃあ、キツネのところに案内してあげる」
「おお、そう言えばそうだったな。んで、何処にいるんだ?」
「この結界の中よ。ついてきて」

シルフィについていく事数分(割と結界は広いらしい)、横になっているキツネが見えてきた。あの子ギツネよりも大きい。このキツネが母親で間違いないだろう。
俺はリュックの中から湯葉の入ったビニール袋を取り出し、
「大丈夫ですか?」
心配なので聞いてみると、母ギツネは即座に反応し、
「そ、それは日光印の湯葉!!是非恵んでください!!!」
「あ、ああ。これは貴女のお子さんから戴いたものでして…」
 母ギツネの懇願に、俺は自然と畏まってしまう。
「まあ、あの子から!」
そう言って母ギツネは、俺の手から驚くべきスピードで湯葉を取り、全部一気に食ってしまった。
「んー、やっぱり日光印の湯葉は美味しいわー」
しかも、すっくと4本足で立っている。回復早っ。
「あ、あれは凄い栄養があるみたいで…」
シルフィが説明するが……知らんがな。

「なるほど、そうだったんですか…。迷惑をおかけしまして本当にすみませんでした」
「いえいえ」
母ギツネに事の一部始終を話すと、丁重に謝られてしまい、こちらも畏まってしまう。
「じゃあ、あの子のところに行きましょうか」
「あ、はい……シルフィは翡翠を元の場所に戻しにいくのか?」
「ええ。ここでお別れね」
「淋しいな」
「ば、馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!別に私は淋しくなんかないんだからねっ!!」
おお、見事なツンデレっぷり。
「ツンデレじゃない!」
「耳まで真っ赤だぜ」
「う、ウソ……?」
 シルフィが自分の耳に手をあて、確かめる素振りをする。
「嘘だよww」
「貴方ねぇ!」
「ゴメンゴメン。そんなに怒るなって。怒ると可愛い顔が台無しだぜ?」
「なっ…」
あーあ、ホントに耳まで真っ赤になっちゃった。てか何言ってんだろな、俺は。
「じゃあな」
若干照れ隠しだが、俺は素直にそう言い、母ギツネと一緒に歩きだす。
「うん、じゃあね」
シルフィが手を振ってくれる。すぐさま俺も振り返した。
「元気でな」
「貴方も」
こうして俺とシルフィは別離した。雨の中にしては清々しい別れだった。

440:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:45:01 R0yBDR1d
尚、ここから子ギツネのところまで行くのだが、母ギツネにこの森の事を色々と聞くだけの展開だったので、ここでは割愛させて戴く。


 段々とテテと子ギツネが見えてくる。テテが俺たちに気付いたのか、
『トシ~♪』
 と、大きく手を振りながら俺のもとに駆け寄って、抱きついてきた。
『大丈夫だった?』
 テテが顔を上げ、心配そうに聞いてくる。若干瞳が濡れているように見えるのは雨のせいか?
「ああ。この通り、何ともないさ」
『そう…。よかったぁ…』
 そっと胸を撫で下ろす。
「まあ、危険といえば危険だったんだがな」
『えっ…?そうなの……?』
 テテが再度心配そうな顔付きをする。アホか。何俺は一々不安にさせてんだ。
「ゴメン。余計な心配かけちゃったな。無事に洞窟を抜けられたらいつか話すよ」
 そう言ってサラサラした髪を撫でてやる。そうしてやると、テテは嬉しそうに身体を寄せてきて、俺を見上げ、何かをねだるように顔を突き出してくる。俺はその表情にクラクラした。
 瞼が閉じられる。俺は愛しいその相手に口づけしようと…
「母ちゃん!!」
 思わずバッと離れてしまった。テテも、と胸を衝かれている。
 母ギツネがすまなそうにこちらを一瞥して、
「ごめんね、心配かけて」
 と、子ギツネに駆け寄った。
「ありがとな!」
 子ギツネが俺を見上げていう。俺は複雑な気持ちでそれを受け取った。
「本当にありがとうございましたこれはせめてものお礼です」
 母ギツネがあの湯葉を渡してくる。俺はそれを受け取り、
「いえいえ、無事でよかったです
「あ……晴れてきましたよ」
『あ、虹』
 テテの言葉に空を見上げる。雲の間から虹が出ているという、その事実を確認するや否や……


 俺とテテは水晶の前にいた。

441:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:51:38 R0yBDR1d
さて、長くなってしまいましたが。物語もそろそろ終盤です。

ちょっと現実の方で事情により書き込めなくなる可能性があるので、早めに投下させていただきました。

書くからには最上を目指したいのですが…。
今週中には完結させると思います。

あ、また変なところがありましたら御指摘ください。では。

442:名無しさん@ピンキー
07/11/15 04:14:16 aCKxMTD9
ノーヒントで正しい時間を当てるなんて不可能に近いんだからヒント見るに決まってる、と突っ込んじゃいけないところに突っ込んでみる
ツンデレ精霊とこれでお別れってのは勿体ないので、テテの人格の一部分だったとか実はテテの姉か妹で掟上問題ないから二人一緒にとか妄想しながら続きwktk

443:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:49:29 JiEh4rqv
あげ

444:名無しさん@ピンキー
07/11/16 14:32:08 X9i3LRgl
さげ

445:名無しさん@ピンキー
07/11/17 13:59:41 N3nuvjyl
まげ

446:名無しさん@ピンキー
07/11/17 17:25:19 KvdjgYvz
こげ

447:名無しさん@ピンキー
07/11/17 17:26:22 dA2Slgva
逃げ

448:名無しさん@ピンキー
07/11/17 17:48:02 vy8ppvoD
げげ

449:名無しさん@ピンキー
07/11/17 18:33:04 dA2Slgva
かるーく別作を書いてみた。
「延々と続く~」がまだ完成してないのに、投下することお許しください
前編が今日で、後編を明日の夜投下します。

450:自殺者
07/11/17 18:44:50 dA2Slgva
 人生において、死というものが最も意味のあるものかもしれない。

 中学生ぐらいのころか。スギやブナ、ツバキやカラマツといった様々な木の絵画を描くことに夢中だった時期がある。
 
 一枚の紙を使って、木一本を綿密に書く。

 その行為に対して、最初は褒めてくれていたかもしれないが、

 学校の教師や親の言葉の中でとても印象深いものとしては、

「もっと意味のある行動をしなさい」

 だった。

 もしマンガやゲームに没頭している子供がいたら、そのセリフにも多少は力がこもっていると思っていたが、

 今考えると、それもマンガやゲームに対する偏見かもしれない。

 とにかく、勉強をさせたい大人の立場からの何気ない一言だったようだが、

 思春期真っ只中だった僕は憤りを強く感じた。

 そして、皮肉たっぷりの視線で教師や親がしている“意味のある行動”というもの見てみようと思った。

 先生はチェスが上手かった。

 県大会で何回か優勝をしたらしく、授業中に何度もその武勇伝を語ってくれたが、

 生憎、ポーン・ナイト・クイーン・キングぐらいしか駒の名前も知らない僕に取ったら、

 あの子のお兄さんが○○高校に進学したらしいわよという世間話を聞かされるぐらい、退屈だったのを覚えている。

 機嫌のいいときを選び、「チェスって先生にとってどんな意味を持つものなんですか?」

 と聞いたことがある。

451:自殺者
07/11/17 18:45:41 dA2Slgva
「チェスは生きがいそのものだな。俺からチェスをとってしまったら何もなくなる」

 と愉快そうに話していた。

 ここで、僕の木の絵も同じようなものです。と答えてやりたかったが、

 先生と口論する気も、なんでもかんでもを勉強不要論にもっていこうとするガキのような意見も持っていなかったので、

 この話はここで終わったような気がする。

 両親も似たようなものだった。賭け事に身を投じていた。

 パチンコや競馬にいそしむ人たちから、

「絵を描くことなんて、なんのプラスにもならない」といわれたって、

 はい、そうですかと、納得する気持ちには到底なれない。

 時が経ち、高校に入った。

 そこで、生物学的に本来人間の生きる意味とは性交渉で子孫を残すだけであるということを知り、

 僕の命題は、ますますと混乱を極めていった。

 すでに絵の具も筆も手に取らないようになり、僕は、

 他人から見たら、非常に空虚な三年間を過ごしていたなと見られかねない生活を過ごしていた。

 子供のときのような喜怒哀楽の感情が、銀行の金利ほどの割合まで低下していることも、まるで気にならなかった。

452:自殺者
07/11/17 18:46:20 dA2Slgva
 きっかけはなんだっただろう?

 ある日から、急に死が怖いものだと感じ始めた。

 テレビか本かインターネットからの情報が発端だったのかは、もう覚えていない。

 とにかく、途轍もない恐怖を感じた。

 この感覚は、何年ぶりなんだろう。いや、人生で初めてかもしれない。とてもとても強烈だ。

 その恐怖は、友達と遊んで楽しかったとか、親戚が死んで悲しかったとかの感覚に比べ、

 まるで大津波がヤドカリをさらってしまうように、とても絶大なるものだった。

 これが感情なのかもしれない。

 久しぶりに思い出した。木の絵を書いていたときのように、体が熱くなるのを。

 大学進学と時同じくして、自身の死を意識し始めてからは、生活……というよりも日常の思想感が、ガラリと変わった。

 そう、僕は死を意識できている。

 それからというもの、友人、先輩、講師、強いて言えば道に歩いているあらゆる人に対してまで、

 蔑視のまなざしを送ることができた。そして続けた。

 どうせお前らは、この感情を知らないまま過ごしているのだろうと。

 あらゆる他人に対して上位の存在にいることは、心地良いことだった。

453:自殺者
07/11/17 18:47:14 dA2Slgva
 チェス? パチンコ? 競馬? ふふ、それはとても意味のあることですね。

 さぞかし楽しいことでしょう。

 でも僕は、それ以上に楽しい感情の高ぶりの中にいますから。

 この思想論は発展性も秘めていた。

 さらに死に近づき、エクスタシーに浸ろうと。

 リストカットをしたり、睡眠薬を多量に飲んだり、パソコンコードで気が失ってしまう手前まで首を絞めたりしてみた。

 たまらなく気持ちいい。

 このようにして一年間を過ごし、僕は今、十九歳。

 たぶんこの数字が、享年になることだろう。

 自殺者募集サイトを見つけてしまった。

454:自殺者
07/11/17 18:47:52 dA2Slgva
 この一年間、何度も見てきた夢。

 それが死だ。

 その瞬間、僕の感情は爆発的に燃え上がるだろうなと考えると、エロ動画を見ているときより、自慰行為にせいが出る。

「ワタルさんですか?」 

 ある駅前で待ち合わせをしていたら、声をかけられた。

「……キアさんですね、こんにちは」

 頭二つ分目線を下げると女性……というよりも少女のいでたちをした人が現われた。

 ネットの書き込みから、女の人だろうなとことが予想できてはいたが、まさか中学生のような人だとは思いもがけなかった。

 紹介しよう。こちらが今日、一緒に死んでくれるキアさんだ。

 いくぶん背伸びをしたように髪の毛を茶に染めていて、それを後ろ一本でしばって垂らす。いわゆるポニーテール。

 背伸びをしてるのは髪だけではない。上下とも子供サイズの服は、素人でも一目でわかるほどの高級そうなブランドで固められていた。

 靴も靴下もおしゃれづくし。

 最近のガキンチョは金持っているなあと思うよりも、死に衣装としてめいいっぱいの格好できたんだなと感じさせた。

「じゃあネットに書き込んだとおり、行こっか」

「……はい!」

 どうせ死ぬんだから緊張することもないのにと思ったが、それは人それぞれだろう。

 ワタルというハンドルネームの僕と、キアさんは、タクシーで自室のあるアパートまで向かっていった。

455:名無しさん@ピンキー
07/11/17 19:26:23 GNK7ECGo
気になる展開……
wktk!

456:名無しさん@ピンキー
07/11/17 23:15:13 gNYFyRWv
主人公が意図的に中二病設定にされてるのは珍しい、展開が気になる。

457:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/19 17:52:40 x6AzLHfs
#1週間掛けてこれしか書けないとか、どんだけなんだよ自分…
#
#いくら自分の頭の中でシーンが思い浮かんでいても、
#相手に伝える術は文章でしか伝えられず、
#如何にして相手に簡潔に確実に伝えられるかが、要である。
#仕事で相手に伝える場合も然り。
#それを目標に頑張ってはいても、推敲すればするほど、”表現が足りない”になる…
#なるほど、文章を起こすこと、且つ続けることは、想像以上に難しい…。
#以上、最近特に思ったことを徒然と連ねてみた。
#
#結論いくぞー!? 「「マリーは可愛い」」 そう、可愛いんだ。( 。ロ゚;)

458:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/19 17:53:24 x6AzLHfs
「まったくっっっ!」
バスタオルを頭に巻いて、ボディーソープ系のいい匂いを纏わせたマリーが
ベッドルームに現れた。
ビジネスホテルに設置してあるある意味無粋な業務用のものも、
彼女が使うと心地よい残り香が漂い、その上、気品があるように思えてくるから不思議だ。
そんな彼女は、まだ顔が紅い。
先ほどの言葉尻からも、風呂から飛び出した恥ずかしさが未だ残っている様子だ。
「ばかヘーもばかヘーよっ! じろじろ見ちゃって!! むーっ!」
”ぷぅ!”とほっぺたを膨らませるマリー。
「な、なんだよ、ばかヘーって… 康平と呼べよ…」
そんな彼女に対して俺は、先ほどの情景がよみがえり、マリーを正視できなかった。
「えっ、えええ、えっちなことしたんだから、ばかでいいのよっ! ばかっ!」
うぐ… 痛いところを突かれてしまった。
(…ってあたりまえか)
先ほどの”ぷるぷる”などを思い出す。・・・いかんいかん。
「ま、またえっちな事考えてる!!!」
「ばっ! かっ、考えてねーよ!!」
声を大にして反抗する俺。しかし
「鼻の下伸びてるわよっ!?」
そう言われ、俺はとっさに鼻元を抑えてしまった…
「・・・・・・・・・ふふーん・・・やっぱり・・・・」
「・・・・・・」
マリーの策略にはまってしまったようだ。
「ちっ、ちがっ、これはだなっ」
「えっち」
「ぐはっ?!」
「ドスケベ。変態! ド変態!! 超変態っっっ!!!」
マリーは目をぎゅっとつぶって、顔を紅潮させながら怒鳴った。
「ぐ、う、おおぉぉぉ・・・」
その声に耐えかねた俺は、風呂に逃げたのだった。

459:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/19 17:56:30 x6AzLHfs
#とりあえずこんだけ…
#え、エロ漫画的展開いってもイイデスカッ!?
#断られてもやるけども…
#ただ、プロットから脱線している状態だから、早めに軌道修正したいのも本音
#ああああ

460:名無しさん@ピンキー
07/11/20 01:07:08 gasoTMbp
>>459
GJ! マリーたんが顔真っ赤にして叫ぶ様が目に浮かぶんだぜw
エロ漫画的展開wktk

無理せずじっくり書いてくれていいんだぜ。 待ってるからさw

461:名無しさん@ピンキー
07/11/20 01:13:17 mcY+Kq8M
なんかもう漫画化したいよ総武の休日

462:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/20 22:27:35 znx5XLdo
…その頃、マリーが入水自殺未遂した現場付近では…
「はい…はい… いえ、海岸の辺りで電波が途切れてまして… はい、申し訳ございません」
黒服の男が携帯電話に向かって謝っている。
「ええ、お嬢様の痕跡は見当たりません。先ほど発見した乗用車も見つけられません。はい、それはもう…」
夜で雨が降っており、且つ傘をさしているにも関わらず、額をぬぐい相手にしきりに謝っている。
電話口から、すごい地響きを伴う怒号が辺りに響く。すごい音量なのがわかる。
「はっ!! 全力で探します。明日の昼か朝にはまたご連絡いたします。はい、はいっ!」
電話が切れたようだ。
「っはー… 御大もカンカンだな… はやく真理お嬢様を発見しないと、俺の命に関わる…」
雨は次第にひどくなっていった。
「朝には止むと言っていたが… 本当なのか?」
黒服のつぶやきか心を表すかのような荒天で、夜は更けていく…


-ガチャッ!
「うわっ?! わわわわ、マリー!!! ドアあけるなっ!!!」
俺は黒服がそこまできていることには気がつかず、今そこ(浴槽)にある危機に直面していた。
「う、ううう、うるさいうるさいうるさい! ばかヘーは私の裸見たんだから、
 わ、わわ、私にも見せなさいっっっ!! ふ、ふふふ不公平よっ!!」
いきなりマリーがトイレ兼浴室に入ってきた。
「あれは不可抗力…「違うわっ!」」
完全否定する彼女。顔を真っ赤にしながら言ってきた。
「だ、だからってだなぁ! 大人の裸を堂々と見にくるなっ!」
俺は見られるギリギリ前に、シャワー用の浴槽カーテンを遮蔽物にして、マリーに下半身を見せないように努力する。
「いいからみーせーなーさーいーーー!!」
カーテンに手をかけるマリー。
「こらっ! 離せっ! マジでやめっ!!」
必死に抵抗する俺。しかしマリーも目が据わってる。引く気がないらしい。
(ってか、女の子がすることじゃねぇ! あまりの出来事に見境なくなったのか?!
いや、見境じゃなくてなんだ?!)
考え込んでると、マリーがバランスを崩したのか倒れこんできた。
「「あ」」

#ここまで。

463:名無しさん@ピンキー
07/11/21 02:02:32 wbG5eZ3W
>>462
ちょww そこで終わりとかw 引っ張りすぎだろwww

…まぁ待ってるけど

464:名無しさん@ピンキー
07/11/21 05:05:22 VX7kviZt
これは次の次の次あたりに、ムフフな展開を期待していいわけですなwww


465:名無しさん@ピンキー
07/11/21 20:29:38 TGLmxaKt
いいね。凄い良いね。なんつうか超良いね!

466:マリーに憧れて@ピンキー
07/11/23 03:07:33 CL87sYTN
総武線に憧れて書いてみる。
でもこういうタイプの話を書くのとか、掲示板で小説書くとか初めて尽くしだよ。
でも書くもん。

まず、考古学の知識ゼロの私が、考古学の研究室に居る人を主人公に書くね。
内容は、三つ目が通るとかインディ・ジョーンズとかの考古学の皮を被ったオカルトの予定。

本当に考古学とか、あと、大学の研究室とかどんな風か全く知らない私です。
内容はオカルトだけど、デティールで変なところあったらツッコミください! 
直せないかもだけど。

467:魔窟の伝説
07/11/23 03:09:38 CL87sYTN
 彼女は、ずっと憧れだった。
 美しい人。
 その長い髪。スレンダーで高い身長。整った顔立ちに涼しげな表情。美しい声に、そして明晰な頭脳。
 その全てが、俺にとっては眩しくて、憧れてた。
 
 クールで、強くて、感情を表さないその知性的な瞳にはいつも強い意志が宿っていた。
 そして、その姿があまりにも美しかったからだろうか。俺は、いつしか彼女と同じ道を歩くことを選んでいた。
 
 まあ、同じ道を歩んだところで彼女がずっと自分より上の存在であることに変りは無かったんだけれども。
 でも、それでも良かった。
 ただ、同じ道を歩けるだけで。

 だからずっと思っていたことがある。
 もしも、自分が彼女の為に何らかの役に立つ事が出来る日が来るのなら、その時は自分の全身全霊を持ってこの身を彼女に捧げ

ようと。
 この身を以ってして、その美しい人が歩む黄金の道の、そのための一つの礎にしようと。
 そう、誰に口にするでもなく、ただ独り、誓いを持っていた。

 何時だって、どんな時だって、彼女の為になるのならば、この命さえ惜しく無い。そう思っていた。

 ただ、まあ、一つ誤算だったのは、結構あっさりとその誓いを果たすべき機会がが来てしまったことなんだけれど。




468:魔窟の伝説
07/11/23 03:10:44 CL87sYTN

「明良ーっ、資料の整理終わった?」
「いや、後ちょっと」
「そうか、それじゃあ俺は帰るからな」
「うぃーっす。山田お疲れー」

 そうして研究室を出て行く山田を見送る。
 この東明城大学の考古学科研究室には佐々木明良(ささきあきよし)俺1人になった訳だ。
 時刻は午後十時を回っているし、まあ、皆帰って当然か。俺も帰りたいのだが……。
 だが今日はまだ帰れない。今度の学会でうちの研究室の主任の絢華さん使う資料に矛盾点や問題が無いかの裏調べの作業が残っ

ているんだから。
 まあ、とは言ってもあと2時間もあれば帰れるだろうし、大した量じゃない。
 はぁ、二時間……。帰りは0時過ぎるわけか。目薬さそ。

 そうして手元の資料とネットに繋がりっ放しのパソコンから目を離して目薬をさす。ふーっ、疲れたー。癒されるー。
 と、すぐ近くでコトリと言う音がした。
 ふと音のほうを見ると、何故か資料の隣に丁度欲しいと思っていたコーヒーが置いてある。

「な、突然目の前にコーヒーが。み、ミラクル!」
「君は何を馬鹿なことを言ってるのよ」
「あ、絢華さん!」

 そう、振り返るとそこには綺麗なお姉さんがいた。


469:魔窟の伝説
07/11/23 03:11:53 CL87sYTN

 まあ、アホな事を言っていても始まらない。そう、この人こそ俺がこの道へ進むキッカケとなった憧れの人。
 上園絢華(うえぞのあやか)さんだ。

 そのすらりとした高い身長と整った顔立ち、
 そしてその優秀な頭脳と行動力から考古学界では若手のホープとして齢25にして既に注目を集め始めている。
 そしてついた二つ名が「東明城の女インディ・ジョーンズ」
 女なんだからトゥームレイダーのララ・クラフトで良いような気もするんだけどなぁ。
 まぁ、そんな絢華さんが居るからと言う理由だけでこの大学を目指した物の、
 入試の時ですらギリギリの成績だった俺とは住む世界が違う、そんな人だ。

 涼しげな瞳と、美しい長い髪を後ろに結んだその美しい姿から男女共に憧れる人の多い絢華さん。 
 美人で超優秀。当然チョーモテる。
 モテるのだがその強い意志を秘めた瞳で片っ端から振っていくところから、
「東明城の浮沈艦」ともレズともアイアンメイデンとも噂されてる、そんな人だ。
 まあ、そんなふうに身持ちの硬いところも憧れていた訳なんだけど。

「で、どう。資料の方の確認は終わった?」
「いえ、あと2時間もあれば終わりますけど。でも、今のところ特に問題も誤字脱字も無いですけど」
「そう。それなら良いけど。あんまり根を詰めすぎないでよ?」
「はは、大丈夫ですって。あ、コーヒー、ありがとうございます」
「うん。ああ、いいのよ。あ、それよりね、明良君。今週の日曜日、空いてる?」
「日曜日ですか? 空いてますけどどうかしたんですか?」
「ああ、それは良かったわ。実は付き合ってもらいたい場所があるんだけど」
「付き合ってもらいたいって……も、ももも勿論空いてますっ! でも、それで、それって……」

 まさか、デートのお誘いって奴?



470:魔窟の伝説
07/11/23 03:13:18 CL87sYTN
「はぁ~、いい天気。晴れてよかったわぁ。あ、ほらっ、明良君、目的地までまだあるんだからモタモタしないの!」
「うぃ~っす」

 このクソ熱い夏の日に東明城山の登山道を長い後ろ髪を束ねて、
 長袖のTシャツと長ズボンと言う探検ルックで身を包んだ絢華さんがかなりのハイペースで歩いていく。
 そしてその後を必死で装備や資料を持って追いかける俺。
 うん、まあこんなことだとは思って居たさ。デートとか、夢見すぎだよなぁ俺。

 まあ、今回の用事は、言ってしまえばよく解からない建造物があると言うタレコミを地元の猟師の人からもらったので、
 それの調査と言う名目のフィールドワークだ。
 自然が豊かに残っていて、完全に文明の手が入り込んではいない東明城の山奥の方では今でもよく解からない遺跡モドキが見つかったりして、
 そのたびに大学のほうに調査依頼が来るのだ。
 まあ正確に言えば、調査依頼を出すように頼んでいるのはむしろ大学の方で、
 それが研究資料としての価値を持つ可能性がある場合があるので通報するように大学から懇願しているのだが。
 しかし、実際には見つかっても良くて遺跡モドキ。
 普段はせいぜいただの穴や防空壕や廃墟などの物が多くて考古学的価値を持ったものが見つかることは稀なのだけど。
 ただまあ、どんな些細な情報でも調査する事。
 調査しないところに発見は無いというのが信条の綾香さんはいつも助手を伴って調査に出かけている。
 あ、そう言えば今回は助手の人たちはどうしたんだろうか……。

「ねぇ、絢華さん。助手の方々はどうしたんですか? ほら、武田さんや片山さんたち」

 ちなみに助手は何故か全員が女性である。まあそこからレズと言う噂が出てきたわけだが。
 俺も絢華さんの助手になるのが夢なのだが、正直今まで一人も男性では登用されていないので諦めつつある。

「ん、あぁ、彼女たちは今休暇中で温泉に行ってるのよ。
 まあゆっくり遊んでらっしゃいと言っちゃった手前呼び戻す訳にも行かないしね、そこで君に助手代理を頼んだわけ」
「はぁ、そうですか。それは光栄です」
「ふふふっ、なに言っちゃてるのよ。もう君とは十年以上の付き合いじゃない。いい加減敬語じゃなくてもいいのよ?」
「いいえ、立場的にもそう言うわけには行きませんし」

 それに、俺は、十年以上前、俺が小学生で彼女がまだ中学生だった始めて出会った時。
 うちの家族が彼女の家の隣に越してきて、そして彼女の家に挨拶に行った、その初めて会った瞬間から。
 その時からずっと憧れていた相手だったのだから。
 コレが恋と言う感情なのか愛と言う感情なのか知らない。
 だが、この十年、俺は彼女以外の女性を女として見ていたことは無かった。
 だから、どんな立場でも、そばに居たかった。
 たとえ、俺自身が彼女に男として見られて居なくても。


471:魔窟の伝説
07/11/23 03:14:56 CL87sYTN

「あ、そろそろね。この地蔵のあたりで登山道から山の中に北北西の方向へ入って100m先にあるそうよ」
「そうですか」

 そうして登山道から山の中へ入っていく。
 獣道を物ともしないで行く絢華さんを見ながらふと思う。やはり、この人は綺麗だ。
 それは勿論容姿的な事だけではなく、いや、容姿もその綺麗な顔と涼しげな瞳、
 スラリとしたモデル体型に、考古学をするには不向きであろう長く伸ばして後ろで束ねた黒髪。全てが美しいのだけど。
 そうではなくて、その真摯に考古学を志すその姿。そして、その意志を通すだけの知識と解釈力と行動力と度量。
 全てが、俺にとっては眩しい。だからだろうか。ふと思ってしまう。
 俺は、いつまでこの美しい人の近くに居る事ができるのだろうかと。

「着いたわ。ここね」

 そんな、絢華さんの声でふと現実に引き戻される。
 着いた場所にある遺跡と言うのは。斜面に穴が空いているだけのお粗末な物だった。

「あの、コレはまた防空壕ってオチじゃ無いですか?」
「うーん、そうかも。正直望み薄ね、でも大学で私たちが作ったこの山の地図には、ここに防空壕があったって言う印は無い。
見落としかもしれないけどそうだったとしても地図に書き加える事ができるし。取りあえず調査しましょう」
「はい」

 そうして、俺たちは穴に入っていった。


472:魔窟の伝説
07/11/23 03:15:45 CL87sYTN

 蛍光灯タイプのランタンで中を照らして調査する。あまり広くない空間だったが、特に珍しい物は無い。
 
「どうですか?」
「う……ん、そうね。何か妙な感じはするけど、普通の防空壕のような感じね。少し調べてみましょ」
 そう言って軍手をして壁を擦ったりしている絢華さん。
 俺も軍手をして、色々と調べてみる。が、特におかしな所は無いようだ。

「どうですか? 特に何も無いですけど」
「そうね……って、ちょっと待って!」

 突然大声を上げる絢華さん。

「ちょっときて、ここを見て」
「なんですか……ってなっ、コレはっ!」

 土一面の壁のそのある角。土のえぐれたその奥が石の壁にになっている。
 それだけなら奥に大きな岩でも埋まってるのかとか説明も出来るのだが、
 問題はそれがただの岩ではなく、規則正し石作りの壁、むしろ精緻な石垣のようにになっていると言うことだ。

「なんなんですかコレは!」
「ええ、ちょっと気になって壁の土を軽く手で掘ってみたの。そしたら硬い物にぶつかって。
何かと思ってそこを中心に回りも掘り続けたんだけどまさかこんな物が出てくるなんて」
「そうですね、コレは……」
「ええ、にわか作りの防空壕とは訳が違う。れっきとした遺跡ね、って、あれ……?」

 そうして絢華さんは話しながらも掘っていた手を止めて足元を見る。
 そうしてそのままその場所で軽くトントンと足踏みをする。

「う~ん、変ね」
「何がですか?」
「いや、ちょっとね、ここだけ妙に足場が柔らかいって言うか……なんか足踏みすると妙に響くのよね。空洞の上に立っているよ

うな感じって言うか」
「はぁ、どんな感じですか?」
「う……ん。ちょっと見てくれる?」
「はい」

 そうして、絢華さんが立っていた場所から離れたので、その「変な場所」へと歩いてみる。
 と、その場所へと踏み出したその瞬間……!

「へっ! へぅうわああああああっ!!」

 ズボリと踏み出した地面に穴が空き、大きくバランスを崩した俺はその穴へと吸い込まれるように墜ちて行ったのだった。
 

473:魔窟の伝説
07/11/23 03:17:49 CL87sYTN

「クッ、うううううぅぅぅぅぅっ!」
「へ? あ、絢華さん!?」

 そう、その穴へと墜ちたはず……だったのだがその一歩手前で俺を引き止めている人が居た。

「ま、間に合ってよかった……」
「間に合ってって、あ、ああ、絢華さんが掴んでくれて……」

 そう。絢華さんは穴に墜ちる瞬間の俺の右手を、驚異的な反射神経で掴んでくれていたのだ。

「ええ、引き上げるわよ。少し待ってて……って、クッ!」 
 
 と、そうは言ったものの、ただでさえ重いうえに装備と資料を持った男の俺を、女の絢華さんの細腕で持ち上げれるとは思えな

い。
 だがそんなことは構わずに離すまいと必死で俺の手を掴む絢華さん。だが、見上げるその顔には脂汗が浮かんでいる。
 
「んっ、んんんんんっ!」
「む、無理ですよ絢華さん。冷静に考えたら持ち上げれるわけ無いです!」
「でもっ、ここで諦める訳にはいかないでしょっ!」
「そうですけど……」

 だが、そう言っている傍から俺だけではなく、俺を持つ絢華さんまで少しずつ穴に引き込まれていく。

「んっ、んんんんんっ! 手が、手が滑るわ、明良君、軍手取れないっ!?」
「無理言わんでください! やっぱり無理ですって、うっ、くっ、このままだと絢華さんも落ちますっ」
「でも、諦めるわけには行かないって言ってるでしょ!」
「そうですけど、二人とも落ちたら元も子もありませんし、ここはいったん俺を落として絢華さんが救援を呼んだほうが」
「くっ、馬鹿なこと言うんじゃないわよっ! そもそも深さがどれだけある穴なのかも解からないのに!
もしも深さが10メートル以上あったら骨折じゃすまないわよ!」
「で、でも……」


 そう言っているそばからズリズリと絢華さんと俺は穴の中へと滑っていく。

「もう無理ですっ、離して下さい!」
「駄目よっ、私がこんなところで君を諦める事ができるわけ……って、きゃああああああああぁぁぁぁっ!!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 そう、そこまでが限界だった。
 結局、俺と絢華さんは仲良く底の知れぬ暗い穴へと落ちて行ったのだった。


♯今回はここまで。何箇所か改行ミスってすみません。次回から二人きりです。

474:名無しさん@ピンキー
07/11/23 04:32:04 xXknPnSm
>>473
考古学ものを考えていた俺からすればしてやられた感じ
しかも同じようなネタだしw
まあとにかくがんばってくれい。2回くらいの音読でなかなかいい校正にはなる

あと、一応考古学をやってる者なんで、踏査の際に持つべきものを少々
・地図…住宅地図が理想
・方位磁石…地図とセットで揃えたいところ
・携帯電話…まあ、誰でも持ってるよね。最近はGPS機能付きのがあるから、それを使うのもあり
・野帳…その場所の特徴や、地層の変化などをメモするための帳面
・カメラ…うちの研究室ではデジカメが3台ある。やっぱり画像が無いとイメージしにくいし
・帽子…考古学だけでなく、あらゆる踏査・フィールドワークには必要不可欠なアイテム。頭を守るのは重要な事なのです
・巻尺…最低5メートルのものは欲しいところ
・シャベル…土を掘るために1人1つ持つべき。地質を調べるときとか、何か土に半分埋まってる気になったものを拾うためにも便利
・刷毛…黒板用の箒でも代用できる。拾った、もしくは発掘した遺物から土を払うために使う。手で払ったら、例えばアスファルトが異物に付着していた場合ぽろっととってしまう事がある
・竹串…異物に出来るだけ傷をつけないように採集するために道具。これで遺物周辺の土を払いのける
・タオル…土を掘ると、土中の蒸気で顔がとんでもなく汗だくになるので、必要。そうじゃなくても踏査には必要不可欠。特に夏場
・懐中電灯…作中のように防空壕や廃墟などの歴史時代の遺構や建造物を見て回るためには必要なもの。予備の電池も忘れずに
・蝋燭…非常用の明かり。ガスランプもアリ
・軍手…作中にあるから特に取り上げる事も無いかなとは思ったけど一応。二重にすると手が比較的汚れない
・食料…昼飯は持っていったほうが無難。飲み物も、水筒とかで持って行きましょう
・救難用具…万が一のため、応急セットとホッカイロは持ったらいいと思う。あとは熊よけの笛。
・鉈…もしくは十得ナイフ。この手の刃物は持っていけば重宝する

こんなもんかな。服装は、
・長袖…基本中の基本。こういう踏査をやるときは、蜂とか虻に注意。あと枝とかも実は危険
・長靴…登山用の靴でもいいけど、汚れる事を考えると長靴の方がいい。土を掘るなら地下足袋がおススメ
・チノパン…踏査の際、ジーンズはご法度。動きやすく軽いチノパンは作業着としても優秀
要は、ゲームセンターCXの有野課長withoutネクタイみたいなのがいいかも

あと、これは必ずしも必要というわけではないけど、測量用の道具はあって損は無いと思う。
ただ、実際に発掘をやるときくらいしか使う機会も無いと思うから、持たなきゃ別に持たなくてもいい
長々ととすまんかった

475:名無しさん@ピンキー
07/11/23 10:30:43 q2sP22ok
>>474
>・地図…住宅地図が理想

日本の話ですね。

町中だけで、山の中とか人が行かないところは当てにならないけどいいのかなぁ。
全国カバーしている五万分の一をミウラ折りで持ち歩くのかと思ってた。

476:名無しさん@ピンキー
07/11/23 10:36:55 lY/s7Hrq
wktk-

俺ミステリもの好きだなー

477:魔窟の伝説書いてる人
07/11/23 13:27:00 TNEf1Hdl
>>474
凄い役に立って現実的なアドバイスありがとうございます。
何個かの物は想定していたんですが、竹串とか剛毛とかタオルとかカメラとかはうっかりしてました。
でもいいですよね考古学って。
音楽屋なんで引きこもってしか研究しないから憧れちゃいます。
でも私のは考古学の皮を被ったオカルトだから、専門的な考古学の二人きり小説、読みたいなー

478:476
07/11/23 14:26:54 lY/s7Hrq
音ゲ厨なんで>>477さんの音楽が聴いてみたかったり~

479:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/23 15:29:13 6oxCmL0g
>477 >478
初音ミクであそんでたりハードMIDIであそんだりしてるので興味あったり。

480:名無しさん@ピンキー
07/11/23 15:31:06 6oxCmL0g
名前消し忘れたああああorz
ごめんなさい

481:名無しさん@ピンキー
07/11/23 16:22:35 Qqt1ewUB
>>477
>竹串とか剛毛とかタオルとかカメラとかは
剛毛てお前ww

482:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/23 16:25:30 lY/s7Hrq
ありますよね。パソだと。。
いろんなスレにこの名前があったかとorz

普段はケータイで投下してるのでいいんですが。

483:名無しさん@ピンキー
07/11/23 20:15:32 XDokHU5K
似た畑で古生物やってるもんですけど、ちょっと補足。
最近の考古学は他の分野との連携も結構進んでるんで、そっちの方の知識やアイテムいくつか持ってても良いかと。
堆積学とかクリノメーターとか。
ウィキペディア使えば何とかなるかもしれませんが。
流石に人類化石どうのこうのの話にはなりそうにないのでそんなに深くなくても大丈夫だとは思います。
新聞紙とかビニール袋とかの採集物を保護するものもあったほうが良いかと。
蛍光塗料つきの時計なんかも便利です。
時期が時期ならカイロなんかも凄いありがたいことに。結構冷えるもんですよ、フィールドは。ライターもあればいいですね。
後、洞窟の内部は酸素の有無も考えなくちゃいけないので、ボンベがあってもいいと思います。
冒険小説なんかでは蝋燭を入れて内部の酸素の有無を調べたりする描写は結構ありますよね。

484:剛毛な魔窟の人
07/11/26 02:19:38 TSGHVqDs
ふおっ、48時間耐久アルコール摂取の限界に挑戦している間に、何か色々剛毛ことになってる。
音楽については、私はがクラシックな男でして。皆さんのご期待に添えないと思います。
コンシューマーゲームとかの音楽創ってる友人は居たんですけど、お亡くなりになってしまいましたし。

いや、まあ、本題に戻りましょう。
本格的にアドバイスありがとうございます。
凄く参考になりますし嬉しいんですけど、ちょっとご期待に添えないかもって申し訳ない気分になります。

ホントファンタジーっつうか適当な話なんで、考古学とか知らないし。
すべて、映画と漫画と世界不思議発見となんでも鑑定団から得た知識で書いてます。
本当に詳しい人から見るとアレだと思います。
ちなみにタイトルは、インディ・ジョーンズの魔宮の伝説が大好きなんで、それを捩っただけです。
実際それほど魔窟でも無いです。すみません。
じゃあ、貼りますね。

485:魔窟の伝説
07/11/26 02:20:46 TSGHVqDs

 夢を、夢を見ている。

 今ではもう潰れてしまった駄菓子屋で買った60円のアイスを舐めながら、俺は小学校から帰っていた。
 ああ、そうだったんだよな。俺は毎日買い食いするような悪ガキでさ、
 よく高校帰りのセーラー服を着た絢華さんにはたしなめられたりしたんだよな。
 でもそれだけでも、例え注意されるだけの事しか起きなくても、絢華さんと話せるだけでも幸せだった。

 そう、そう言えばこの日も絢華さんにあった日だったよな。
 アイスを舐めながらり家の前まで来たとき俺の目に留まったのは、
 向かいの豪邸、ああ、絢華さんの自宅のことなんだけど、そこから出てくる私服を着た絢華さんだったんだ。
 いつもなら会えば声を掛けてくれる絢華さんが、俺のことも目に留まらないほどに俯いて、そして暗い表情で歩いていた。
 当時の俺は単純なバカだったけど、それでもそれが簡単に話しかけて良い状態じゃないことはわかった。
 だけど、気になるものはなっったんだ。だから、その時の、夢の中の俺は……。

 そのまま絢華さんをストーキングしていた。

 絢華さんはまるで魂が抜けたかのようにフラフラと歩いていた。
 そしてそのままフラフラと商店街や住宅地を抜けて、そして東明城山(ひがしあけしろやま)の散歩用の遊歩道を登り、
 そして街が一望できる展望台まで来ていた。

 そして、そこに生えた木に寄りかかり、ボーっとした表情で街を見下ろしていた。
 その絢華さんが余りに寂しそうで、そのままだとどこかへ消えてしまいそうで、気づいた時に俺は……。

「絢華お姉ちゃん!」

 声を掛けていた。


486:魔窟の伝説
07/11/26 02:22:05 TSGHVqDs
「あきよし……くん?」
「うん、そうだよ!」

 木によっかかったままの絢華さんに不審がられない様に、そして少しでも絢華さんに元気を出して欲しくて出来るだけ明るい声で話す俺。

「どうして……ここに?」
「いや、それは……あの、その、な、なんとなくだよ!」
「なんとなく?」
「うんっ! だってさ……」

 そう言い切って、絢華さんの隣まで来る。

「だってほら、ここからの眺めって良いよね。僕大好き! これを見るためならここまでの上り坂なんて何の苦にもならによ!」

 まあ、眺めが好きなのは本当だった。
 と、そんな俺を見て、絢華さんは寂しげに微笑んだ。

「そうね。ここからの眺めは……本当に素敵よね」
「うん!」

 そうして二人で街を見る。夕方が近く、少し西日が目に痛い。

「ここって、この街で一番夕日が綺麗に見える所なのよね。いつ来ても誰も居ないから私だけしか気づいていないと思っていたんだけど……」
「あ……そうなんだ。ごめん」
「うふふ、何で謝るの? ほら、もうすぐ夕暮れよ、一緒に見ましょ」
「うん!」

 そうして待ちに待ったその時を迎える。

 するすると幕を下ろすように夕陽が落ちて行く。
 これが、終日を表す証明。まるでもう今日のお芝居は終わりだとでも言うように落ちていく夕日。
 そうしてその最高に美しい一瞬が来る。
 稜線へ消えて行く夕陽に美しく照らし出される自分の住んでいるこの街。


487:魔窟の伝説
07/11/26 02:22:36 TSGHVqDs
「私ね」

 突然絢華さんが口を開いた。

「うん?」
「私ね、私っ、この景色が何よりも好きなの。本当に……何よりも」
「そうなんだ」
「うん……。確かに、圧倒的な自然の絶景も好きだけど、私は人を近くに感じさせてくれるこの風景が最も好き。
 ほら、見て。夕日に照らされたビルの隙間。大きく伸びる影と、その影でも動き続ける人々の営みがわかるでしょ。
 そして、遠くに見える夕日を受けて黄金色に輝く海。
 人間も、生活も、すべて自然の一部。そんな営みを魅せてくれるこの最高に美しい一瞬が何よりも好きなの……」

 ふと、その声が僅かに涙声に思えて絢華さんの顔を見上げる。
 でも、夕日に照らされた絢華さんの顔は何かを耐えるような顔でありながらも、涙は流していなかった。

 そうして夕映えに照らされていた街は影の底に沈み、残るは薄明の時間になった。

 薄明とは夕陽が沈んだ後の約三十分間、完全に暗くなるまでの時間。
 そうして家の灯りがひとつ、またひとつと点いていき真っ暗になる頃には、一面星の海のような人のぬくもりが光っている。

「ねぇ、綺麗よね。本当に。
空にはまだ一番星が光り始めたくらいだけど、街には人の生活の光が、星のように輝いていて……」
「うん」

 それは、本当に綺麗だった。
 絢華さんにはああ言ったけど、本当はこの展望台に来たことは数えるほどにしかない。
 でも、それがもったいなく思えるほどに、その人の温もりを持った星の海は美しかった。

「本当に……綺麗」
「うん」
「だから……だから好きなの……」
「う……ん?」

 ふと気づく。絢華さんの声が、完全な涙声になっていることに。
 そして、絢華さんの顔を確認しようと顔を上げたした瞬間。

「だから……だからっ、離れたくないよっ!」

 そう、確認する隙も無く、絢華さんに抱きしめられていた。

488:魔窟の伝説
07/11/26 02:23:09 TSGHVqDs
「あ、ああああ絢華お姉ちゃんっ!?」
「嫌だよぉ……この街から離れたく無いよぉ……」
「ちょっ、ちょっと落ち着いてお姉ちゃん!」

 俺は完全にてんぱって居た。良い匂いだとか柔らかいとか全て超越してただただてんぱってた。
 何しろ、絶賛片思い中の高嶺の花が突然抱きついてきて泣いているのだから。

 だが、そんな片思い小学生の思惑にも構わず絢華さんは抱きついたままポツリポツリと話し始める。

「私ね、この街を離れなくちゃいけないかもしれないの」
「こっ、この街をっ! 何でさっ!?」
「今日お父さんに言われたの。私来年大学受験なんだけどね……成績が良いから、この街には私の行く価値のある大学は無いって。
お父さんのツテで海外に優秀な大学があるから、そこの理工学部に行きなさいって……」
「かっ、海外ぃ?」
「うん……」
「でも、お姉ちゃんが嫌なら……」
「ううん、ダメだって。どうしてもこの街に残りたいのならちゃんとした理由が無きゃ認めないって……」
「理由って……お姉ちゃんこの街が好きなんでしょ?」
「うん、大好き……生まれ育ったこの街が、この街のみんなが、そしてこの街での生活が何よりも大好き」

 この街のみんな、それは自分も含まれるのだろうかなどとアホな事を考えながらも俺は話を続ける。

「ならそれが十分理由になるじゃんかさ。お父さんにそれを話せば……」
「話したわ。でも、ダメだったの。この街で、この街でなくちゃ学べないことがあるのなら兎も角、
そうじゃないなら世界を広げるためにも、必ず海外に行けって」
「なんでそんな……」
「私を思って言ってくれてるのは解かるの。でも、きっとお父さんは私と同じ道を辿って欲しいんだと思う」
「同じ道?」
「お父さんも若いうちから海外に出て見聞を広めて、そしてあれだけの財を築いた人だから……
私にも若いうちに色々な経験をさせたいんだと思うの」
「そうなんだ。そこまで考えてくれてるんなら……」

 仕方ないかもね、と言いかけて、ある一つの考えが頭をよぎり止まる。
 自分は片思いの人に、そんな普通の言葉しかかける事ができないのかと。
 きっと、何らかのアドヴァイスをしたほうがこの人の為になることが出来るだろうと。
 それは、恋を巧く進めたい小学生なりの知恵でもあり、そして、持っていた誓いでもあった。


489:魔窟の伝説
07/11/26 02:24:55 TSGHVqDs
「ねぇ、逆に考えればこの街でしか学べない事があればいいんでしょ?」
「ん?」

 気づけばそんなことを口走っている。
 膝まづいたままの体勢で俺を抱きしめていた絢華さんが俺のほうを見る。
 その綺麗な顔が涙に濡れていたのを見て、使命感に駆られ自分なりに思いついたことを話す。

「ならさ、この街を、東明城について調べるような分野に行けばいいじゃん」
「どういう、こと?」
「あのさ、社会の先生が行ってんだけどね、この山、東明城山」

 そう言って、そのまま後ろを振り向く。
 既に日が暮れた山は、真っ黒く、そして相変わらずも大きく聳え立っている。

「何でも三十年位前に遺跡が見つったんだって」
「ああ、白鳥断部残(しらとりだんべざん)古墳の事ね。一応街の名所旧跡の一つの」
「うん。それのこと。でね、この山の奥地にはまだ人の手の入ってないような場所もあるから
他にもそう言うものが見つかる可能性はゼロじゃないんだって」
「それは、そうだけど……」
「だからさ、そう言う遺跡の見つかって無いものを探したり、今在るこの町の遺跡についての勉強をすればいいんじゃないの?」

 それは、本当に小学生の浅知恵だった。
 何しろ受験まであと一年の時期に、今までの方向性とは全く違う勉強をして、新しい遺跡を発掘したり、
 または新たに勉強を始めてそれに順ずるような部門へと進めとか言っているのだから。
 いくら優秀とは言え、一介の女子高生が方向転換するには遅すぎる、茨の道だ。
 だから、そのまま罵倒されても、笑い飛ばされてもおかしく無い話だった。
 だが……。

「それも……そうね」
「へ?」
「なんで、何で気づかなかったんだろう……」
「絢華……お姉ちゃん?」
「私、吹っ切れるかも……ううん、考えてる暇は無いわ。吹っ切るのよ」

 そう言うと、抱きついていた絢華さんは離れ、スックと立ち上がった。
 温もりが離れていくのが少し寂しい

「あの、絢華……おねえ」
「ありがとう。明良君のお陰で自分の進む道がわかったわ。小学生に道しるべを立てられるとは思ってなかったけど……
ううん、それだけ君の発想が柔軟で私が未熟だったって事ね」
「な、何が?」
「私、頑張ってみるわね。あぁ、もう余り時間が無い。じゃあ、私は帰るわ。少しでも沢山勉強しないと」
「へ? あの、あや」
「じゃあ、またね。本当に……ありがとう!」

 そのまま振り返ることなく真っ暗な遊歩道を走っていく絢華さん。と、蝉の大合唱に囲まれたまま取り残される俺。

 後に東明城大学歴史学科に入学し、白鳥断部残古墳についての画期的な見地の論文発表や東明城山に眠る未知の遺跡の発見などで、
 上園絢華の名が考古学界中に知れ渡る事になる、そのホンの数年前の、ある暑い夏の日の話である。


490:魔窟の伝説の人
07/11/26 02:28:54 TSGHVqDs
#今回はここまでです。我ながら長すぎる回想シーンに……。反省はしてます。
#次回こそ、次回からこそ本当に二人っきりになります。

#でも、掲示板上で小説って難しいですね。改行の感じもいつもと違う風になりますし。
#あと、ストーリーじゃなくてシュチュエーション重視って言うのも難しいです。面白いですけどね。
#しかし今更になって今まで書かれていた方々の苦労を知ることになるとは……。
#精進していくので、今後も目を通して貰えたなら嬉しいです。

491:名無しさん@ピンキー
07/11/26 07:41:25 ugY9t98f
回想シーンはいいと思いますよ
次回もwktk-

492:名無しさん@ピンキー
07/11/26 14:14:58 ugY9t98f
保管庫更新してたのですが、間違って「自殺者」の作品ページのタイトルに未完と入れてしまった。
新しいのを作ったけど、古い方の削除をログインしている方、してくれないだろうか?

493:名無しさん@ピンキー
07/11/28 01:18:13 G2gya/9Q
圧縮回避保守

494:A/B ◆iok1mOe6Pg
07/11/29 02:30:56 aEF47F/+
おひさしぶりです。結局完結しなかったしorz
A/B。>>261の続き。

  *  *  *

「山小屋があってよかったな」
 アズマは急作りの寝台に寝転がった。乙部山の中腹にある山小屋で、2人は休んでいる。入り口の前には、雨に晒されている状態でビーコンが置かれている。傘は無かった。
 道中、彼らは自分たちの上着を先程までいた神社に置いたままだったという事を思い出していた。しかし時既に遅し、それらを回収する事も無く、彼らは進んだ。
「あるだけ、だけどな。ストーヴはあるか?」
 ザパドノポリェワはため息混じりに身を縮込める。
 辺りは暗い。風を伴う雨は、その暗さと相俟って2人の体温を奪っていった。救命保温具は確かに保温に一役買っているが、しかしそれも極めて局所的なものだ。
「ねえよ。っていうか、ここで火なんて使ってみろ。あっという間に丸焼き人間が2体出来上がる」
「……やめてくれ」
「そうだな。気が滅入るだけだ」
 不意に、アズマが震える。
「うう、耐水耐寒服なのに寒いってのは、詐欺だな」
「あるだけマシだ。私のフライト・スーツは耐水性が無いから、雨が染み込んで重い」
 ザパドノポリェワのフライト・スーツは、既にバケツで水を被ったといっても信じられるほどに濡れていた。気化熱が体温を奪う。
「そいつは……、体力を必要以上に奪う代物だな。寒いか?」
「大丈夫だ。耐えられる」
「もう少し自分の体を労われよ?」
「私を何処の出身だと思ってるんだ」
「知らんね」
「ヤクーツクだ。年間通してここより寒い」
「だからって、そのまま、ってわけにもいかねえだろ」
 アズマは濡れ細っているシャツを脱ぎ、それを絞った。まるで濡れ雑巾のように水が出る。
「私についていろいろ言うお前は、そもそも平気なのか?」
「俺は少なくとも負傷者のあんたより健康なつもりだよ。寒いけど」
「そうか。まあ、何でもいいがとりあえず服を着ろ。仮にも私は女だぞ」
「絞りきってからな」
 部分部分を絞ってくしゃくしゃになったシャツを広げ、アズマはそれを着る。
「後悔先に立たずだな。より気化しやすくなって、結構寒いわ」
 言って、レスキュー・シートに包まる。
「相変わらず後先考えない奴だな。ほれ、保温具だ」
 ザパドノポリェワは保温具をアズマに投げる。
「やっべ、生き返るわ。でもこれ無いと、お前が寒いんじゃね?」
「私の耐寒性を嘗めるな」
「その割に腕摩りまくりだな」
 アズマはレスキュー・シートの前部分を広げる。
「お前、ここに入るか?」
「なっ……! アホな事訊くな! 私のもある!」
 言って、ザパドノポリェワは自らの鞄をあさりにかかる。

495:A/B ◆iok1mOe6Pg
07/11/29 02:32:22 aEF47F/+
「……無い……」
「あん?」
「私のシートが、無い」
 その顔は、絶望に満ち満ちていた。それはそうだ。何も無い中で、夜間の平均気温が10度を切るような場所で寝ろというのだ。最悪凍死、よくて凍傷か。
「……お前、向こうで自分の入れたよな?」
「そのはずだが……、待て、記憶に無い……?」
 彼女は腕を上下させて、その時の事を思い出そうとする。そしてある点で止まった。
「入れてないかもしれない」
「……おい、俺、『忘れ物無いな』って、訊いたよな」
「そうだな……」
「ま、責めても仕方ねえか。ありゃ一刻を争う事態だし、ここに無い事に変わりは無いしな」
 目に見えて、彼女は落ち込んでいた。
「ほれ、入れ。これはある意味、緊急事態だ」
「そう、か。そうだな。緊急事態だ」
 彼女は唐突に、アズマに拳銃を向けた。一瞬遅れ、アズマは自らの自動拳銃に手を触れる。発砲。暗闇の中なので、マズル・フラッシュが2人を幻惑する。
「動くな!」
 ザパドノポリェワは叫ぶ。目の前がちかちかする。これでは正確な照準など出来ないが、彼に傷を負わせる事は出来る。
 銃弾はアズマの背後の壁を貫通していた。彼は無事だ。
「毛布の取り合いで殺し合いなんてしたくないんだが……」
 アズマは言う。
「お前、俺を殺したら、その後どうするんだ?」
「決まってる。お前のシートを奪う」
「……じゃあ、何で俺を殺そうとする?」
「それは……」
「毛布が欲しいから、だと思うんだけど、なんか下らなくね? その理由」
「下らないわけあるか! 命に関わる事だろ!」
 激昂。幻惑は引いていく。
「いや、分かるんだけどさ、なんか食い物に比べて、微妙じゃん、その存在が」
「お前、私たちが遭難したら何をまず確保するのか、知らないな?」
「知らんね。お前の軍じゃ、なんて言われてるんだ?」
「体温だ。それが低ければ、次の行動を起こせなくなる。私の国の中ではな」
「そこらじゅうタイガだもんな。俺もそう教えられた。でも、こうも言われなかった? 『複数の遭難者がいれば、互いに体温を保ち合え』って」
「それは、まあそうだが」
「だろ? ちなみに俺らの場合この出撃前にこう言われたんだけどね。別に、『味方』っては言ってないし、あんたと毛布に包まる事だって選択枝のひとつだ」
「……お前に銃を向けてるんだぞ?」
「おしくら饅頭はメリットばかりじゃねえか。それを手放すのか?」
「だって男女だぞ! 他に誰もいないし、2人っきりだ! 何があるか……」
「なんだよ、俺がケダモノだって言いたいのか? 今はそんな事より、生き残る事が大事だろうが。お前が言った事だぜ?」
「う……」
 ザパドノポリェワは銃を下ろす。
「まあ、自制はするけど。お前襲うと、その次の瞬間には風穴開けられてそうだしな」
「……ご明察だな。変な事したら殺してやる」
「へいへい」
 渋々、という言葉がぴったり来るほどに彼女は表情を作り、彼の隣に座った。レスキュー・シートがかかる。彼女はそのまま、彼に寄りかかるようにして、縮こまった。

496:A/B ◆iok1mOe6Pg
07/11/29 02:35:31 aEF47F/+
以上、4話前編

なんか小出しに終わっちまったなあ・・・
ま、例によって用語解説行きます―って、無いし

次の投下が中編でなく後編である事を願いつつ、これにて退散つかまつる

497:名無しさん@ピンキー
07/11/29 03:49:58 zUQ51KBB
おやまあ、これはなんともいい二人っきりですね。
オリガさんかわいいよオリガさん

私も負傷・遭難中の美人ツンデレときどきドジっ娘ロシアンエースパイロットに巡り会わないかなー

498:名無しさん@ピンキー
07/11/30 00:25:03 v/p+mGzS
>>496
A/Bの続きキテターーーーーーーーーー!!! GJ! 待ってたんだぜ
あと、別に中編があってもいいんだぜ? 更に言えば5話とか6話…中略…10話とかあっても(ry
まぁ、続き待ってる。

>>497
つ[航空自衛隊入隊案内]
つ[外国人部隊入隊契約書]

499:名無しさん@ピンキー
07/11/30 00:36:00 8zeI8S1U
>>497
下心丸出しだと頭に風穴開けられちまうぞw

500:名無しさん@ピンキー
07/11/30 07:11:07 5MyPMl2K
>>497
つ【航空学生募集要項】
空自のサイトからどうぞ

501:名無しさん@ピンキー
07/11/30 13:40:20 l0Ds+Xeu
>>498
A-88に配属決定コースだな

502:名無しさん@ピンキー
07/11/30 20:19:37 THFfJbxz
風間によろしく言っといてくれ

503:名無しさん@ピンキー
07/11/30 23:54:17 v/p+mGzS
>>501-502
ネタに気付いてくれてありがとうw


504:名無しさん@ピンキー
07/12/01 02:52:29 zNrpJbar
>>496


GJ!
>>498も言ってるけど、中編どころか5話6話へ続いたって大丈夫です。
むしろ続いて欲s(ry


505:名無しさん@ピンキー
07/12/01 14:09:03 ZfR3c2kK
エロがむずかしいorz ボキャブラリー足りなさ杉自分…

506:名無しさん@ピンキー
07/12/01 21:50:09 fll2pFoz
書き手スレか誤爆スレに書こうぜ

507:名無しさん@ピンキー
07/12/02 00:22:47 zFwE0tV2
>>505
上手い人のを真似てみろ。
模倣して昇華するのが俺達日本人の生きてきた道だろ?

508:名無しさん@ピンキー
07/12/03 04:06:59 xIrHSG4h


509:A/B ◆iok1mOe6Pg
07/12/03 11:48:48 70Bw32LQ
物語の終わらせ方に関してちょいアンケートしたい

1、ハッピーエンド(オリガとアズマがアズマ方の軍に救出される)
2、トゥルーエンド(互いに互いの軍に救出される。原作の終わり方)
3、バッドエンド(どっちか、もしくはどっちも死ぬ。より残酷にすることも可能)

どれがいい?

510:名無しさん@ピンキー
07/12/03 12:01:33 +NUqelbl
二人で逃げるに一票

511:名無しさん@ピンキー
07/12/03 17:43:35 8pLZniTw
ハッピーな1で

512:名無しさん@ピンキー
07/12/03 17:44:34 qNS5jhee
ハッピーなエンディングをチョイスするぜ

513:名無しさん@ピンキー
07/12/03 19:16:32 /I27L086
1でよろしく。

514:名無しさん@ピンキー
07/12/03 21:24:29 mSWpXUoY
とりあえず2→また空中戦やって墜落→劇的?な再会
とか希望してみる

515:名無しさん@ピンキー
07/12/03 22:34:21 70Bw32LQ
一応>>525までで一番多いのにするわ

516:名無しさん@ピンキー
07/12/03 23:12:42 7jUL+9cp
2で和平の成立後に再会を希望します

517:名無しさん@ピンキー
07/12/03 23:57:12 xAITnHA5
>>516の案に一票

518:名無しさん@ピンキー
07/12/04 00:38:01 h3l9xuh/
>>516にもう一票


1でもいいんだけど、敵対勢力の『美人ツンデレときどきドジっ娘ロシアンエースパイロット』って言ったら……色々と……ねぇ…
とりあえず、最終的に良い関係に落ち着いてくれれば、それでいい


519:名無しさん@ピンキー
07/12/04 19:48:28 841+R7vI
>>516
一票

520:名無しさん@ピンキー
07/12/04 20:51:11 t7FnnA+x
>>516

521:名無しさん@ピンキー
07/12/05 10:12:29 p8vY5ibh
2が良いです。でも>>516のほうがもっと良いです

522:名無しさん@ピンキー
07/12/05 21:13:51 Rd915yCL
敢えて流れに反逆しよう
1

523:名無しさん@ピンキー
07/12/05 23:56:27 yMUOTa20
あえて3

524:名無しさん@ピンキー
07/12/06 00:10:00 9skTEj6L
2


525:名無しさん@ピンキー
07/12/07 04:28:15 bXxnRr+m
2が妥当かな
そして>>516の人気に嫉妬wwww


526:A/B ◆iok1mOe6Pg
07/12/07 07:14:10 sC+Ho14B
けっかはっぴょー

1、ハッピーエンド…5票
2、トゥルーエンド…9票
3、バッドエンド…1票

つーことで、2の「互いの軍に救出される」に決定と相成りました
そして>>516の人気に俺も嫉妬。反映させていただきます

では、回答者各位のご協力に感謝しつつ、なるたけ早めにでかすよう精進します

527:名無しさん@ピンキー
07/12/07 14:22:12 wIt9aIKi
>>526
答えが出る前に3パターン全部用意しておけばよかったんじゃないか?

528:名無しさん@ピンキー
07/12/07 21:10:32 GuYJ8Q6G
>>527
ちょw マルチエンディングてww       鬼がいるwww


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