女の子と二人きりになってしまった 2回目at EROPARO
女の子と二人きりになってしまった 2回目 - 暇つぶし2ch350:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/10/23 23:17:37 +LzjmlNX
#そろそろ転かな… クライマックスにむけて盛り上げていかないと…
#というわけで、続き生きます。


-ビュウウウ… ヒュゴー… ザーー
風と雨が酷い。とてもじゃないが窓は開けられない。
フロントガラスや屋根に当たる雨の音が、バチバチいっている。

ポタ… ポタ…

マリーから滴が落ちる。涙なのか海水なのかわからないが。
俺は、彼女をそっとしておいて、
後部ハッチ(トランクルームのドア)を開け、簡易屋根として、荷物をあさる場所を作る。
こういうのを想定して購入した車だが、さすがに雨が強すぎるらしい。トランクの端がちょっと濡れてきた。
急いで目的のものを取り出して座席に放り、ハッチを閉め、外から後部座席に移動する。

「マリー、とりあえず、これで拭いとけ」
座席に投げたのは、タオルと俺の替えの服だ。座席に移動して、タオルを渡す。
「いや・・・」
「いいから拭けって。そのままじゃ風邪ひいちまう…」
「いいもん…」
「いや、よくないって」
ついさっきのことを思い出して押し問答になってしまう。
「ここでマリーに体調崩されると、君の家族に申し訳たたん」
「しらないっ!」
「ったく…」
俺はタオルを取ると、マリーの頭をぐりぐりと拭き始める。
「きゃっ! いったっ! 痛いってば!!」
彼女は抗議してくる。
「いやなら自分で拭けっ! このバカっ!」
「ばっ!?  だっ、だだだ、だれがバカですって?! あんたこそバカよっ!」
「なにぃ?! バカはお前だろう!? お前が死んで誰が喜ぶというんだよ!?」
「そんなのしらないわよ! 私は…」
「愛しの悠太くんに会うってか?」
「・・・」
「こんのバカっっっ!! そんな理由で死んだって会えるとは限らないだろう!」
「それは・・・」
マリーは黙ってしまう。
「大体だな、天国や極楽浄土があるかなんて、わからないだろう。まして、そこに彼がいるともな!」
「・・・」
「死んだ人間は二度と戻らないし、会えないんだ! かっこつけたって、思い出の中にしか現れないんだよ」
「・・・でも」
「だったら、思い出の中にいる愛しの人に恥じない人生を送るのが、供養とか、そういうのになるんじゃないのか?!」
「・・・」
「悠太君にほめられるような、そんな生き方をしろ! 自殺なんて誰もよろこばねぇよ! 悠太君もな!!」
「・・・ひっ・・ひっく・・・ひっく・・・・・・」
マリーは泣き出してしまう。
「まぁ… 気持ちはわからないでもないが… まだ人生長いんだ。安易に追いかけるとか、考えるな…
 ・・・とりあえず、そのままじゃあれだ… 着替えろ」
なきながらも、マリーはうなずいた。

351:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/10/23 23:24:39 +LzjmlNX
「しかし、まいったな… 外から丸見えだ…」
車は基本的に外から丸見えだ。この車も例外なく見えてしまう。
着替えるにしたって、女の子のストリップショーになりかねない。
俺は、トランクルームに転がり、俺の座っていた座席を折りたたむ。
こうすることにより、車の後部の半分はフルフラットになるのだ。
そこには布団のかわりに寝袋が畳んであり(車中泊でマットレス代わりに使っていたもの)
それをひろげて、そこに彼女を移動させる。
彼女も服もびしょびしょだ。・・・ぺったりくっついた服の透けて見える部分はがんばって見ないようにする。
ってかブラくらいしろと。 いかん 考えるな。般若心経・・・

なんとかもう片方の座席もフラットにすると、十分に着替えのできるスペースが完成する。
ついでにエンジンもかけ、暖房をONにする。
かばんから新聞をとりだし、ガムテープと共に窓に目隠しをする。
運転席の後ろのところは、むかしドンキ(ホーテ)でもらったレジャーシートを広げてカーテンにする。
そして照明をつければ、簡易更衣室の完成だ。
「とりあえず、室内照明はつけたから、問題なく着替えられるはずだ。君のサイズにあう物がないから、
 適当に袖とかめくってくれ。あとは下着以外は俺に渡せ。暖房でなんとか乾かすから」
「・・・ん・・・」
おい。なぜそこで顔を赤らめる。あ・・・服が透けてるのに気がついたのか。必死に胸隠そうとするな。
こっちがはずかしい。
・・・なに子供に情を抱いてんだ自分っ! おちつけ。相手はガキだ。ガキなんだ。


#短くて申し訳ない。 もっと文才がほしい… せっかくの萌えシチュなのに、萌えが足りない…
#なんか、マリーには一線を越えちゃならない気がするのですよ。自分の夢の中では天元突破してますが(まて
#というわけで、足りない萌え要素はみんなで補完ということでひとつ(こら

#ちなみに考えた>355ネタ。 355 「変態! ど変態!! 超変態!!!」 356「という言葉を釘宮ボイスでひとつ」
#しょーもないネタでスマヌw

352:名無しさん@ピンキー
07/10/24 05:09:13 LZ6Vustj
GJ!
お着替えイベント期待通りにキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

> 自分の夢の中では天元突破してますが(まて
その夢、俺の脳内にコピーさせてくれwww

そして>>355に期待w

353:名無しさん@ピンキー
07/10/24 17:28:31 QGF5ESfL
GJ!

354:名無しさん@ピンキー
07/10/25 16:51:34 d1CCl2VI
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 | 次でボケて   |
 |_______|
   ∧∧ ||
.   ( ゚д゚)||
   / づΦ

355:名無しさん@ピンキー
07/10/25 17:31:00 077WrdLb
谷亮子は俺の嫁。

356:名無しさん@ピンキー
07/10/25 18:39:51 4wIvqBL2
…………正直、微妙……

357:346
07/10/26 02:33:32 OArwzRZD
まあまあ。

>>355
頑張れ

358:名無しさん@ピンキー
07/10/26 15:34:05 rEyEZknO
山田くん、>>355の座布団全部持って行きなさい

359:名無しさん@ピンキー
07/10/26 18:41:02 +NIPUeNV
>>355
>>355
>>355
>>355
>>355

360:名無しさん@ピンキー
07/10/26 18:54:29 CiJ7/Vv4
谷を出しときゃ受けたのはかなり前の話だな
まあ今後頑張れ

361:名無しさん@ピンキー
07/10/27 21:07:31 AucSEeYO
それじゃあ>>355でどうボケるべきだったかを考えようじゃあないか。

362:名無しさん@ピンキー
07/10/28 04:04:10 c31uu3z1
あげ

と書いてるけどsage

363:名無しさん@ピンキー
07/10/28 20:36:52 VA6ZmHlN
パソコンの中に入ってしまった! そしてその中には、俺の嫁がいた!
パソコンの中はひどく狭くて暗いところだと思っていたが、逆に明るくて天国みたいな場所だった!
ずっと憧れだった俺の嫁と一緒に過ごせるのは夢見たいな時間だった!
仲良くご飯を食べたり、デートをしたりもしてみた!
だけど何日かするうちに、現実にも戻りたくなってきた!
嫁と相談した!
嫁は行かないでといってくれた!
でも俺は、その言葉を振り切るように
「もう一度会いにくるよ」といって、現実に戻ってきた!

あれから一年過ぎた!
結局、パソコンの中にもう一度入り込める方法は見つからなかった!
少しさびしい思いをした!
今では嫁の画像をデスクトップのど真ん中に飾っている!
昔と嫁は替わっているけど!



364:名無しさん@ピンキー
07/10/28 20:44:27 EJzEv84B
>>363
発想GJ

ただ、俺の場合6人いるがな!
んで、どうやって出たんだ?

365:名無しさん@ピンキー
07/10/29 01:07:41 ZlBeb9wq
そろそろあげとくか

366:名無しさん@ピンキー
07/10/29 14:04:48 lmmxV+ZR
もうYOUやっちゃいなYO

367:名無しさん@ピンキー
07/10/29 17:19:59 7+aGZZuW
何を?

368:名無しさん@ピンキー
07/10/29 17:56:42 l76IWUIh
や→ヤ

369:名無しさん@ピンキー
07/10/29 18:27:33 Ao6Tx3pe
ヤッチマイナー!

370:名無しさん@ピンキー
07/10/29 18:48:41 uCHWszLD
や→殺

371:名無しさん@ピンキー
07/10/29 20:12:01 E5hpZtAv
それはマリーを犯れと… 犯れとおおおおおお!!?!

372:名無しさん@ピンキー
07/10/29 20:19:43 ZlBeb9wq
それはやめておけ。それじゃあ白い牢獄の奴と同じだ(名前忘れたスマソ)


仲良くなってから合理的にやるのがいちb(ry

373:名無しさん@ピンキー
07/11/02 17:13:01 6ArC2kLt
>>374
なんか書いて

374:名無しさん@ピンキー
07/11/02 21:00:54 rP0n4bOs
>>373
俺物凄い遅筆だからいつになるかわからんよ。

375:名無しさん@ピンキー
07/11/02 22:32:35 K0akJAqK
つまり・・・・>>374がその気になれば 執筆は10年後 20年後ということも可能だろう・・・・・・・・・・ということ・・・・!


376:手術室
07/11/03 04:19:27 sbdibNqV
>>374ではないですがいっちょ投下します。
白い牢獄という高クオリティなものがありながら、無謀にもサスペンスタッチなやつです。





377:手術室1
07/11/03 04:20:58 sbdibNqV


白い光がわたしの目蓋をこじ開け、敵意をもって侵入する。
それはやがて頭にまで達し、痛みを伴いながら次々に弾ける
わたしは不快感にうめきながら一つ息を吐く。
ついで鼻から同じく何かが侵入し、脳を揺さぶる。
「うぅ~~~~ん‥‥‥‥‥‥ぅうあ」
わたしは頭を攻撃し続ける刺激を追い出そうと、首を振り払うが、
途端に後悔と供に刺激が倍増する。
ズキズキと、光と匂いが頭痛という具体的な形となってわたしを攻める。

  何?

少しの不安とそれ以上の不快感。
風とまでも言えない微かな空気の流れが、わたしの身体を反射的にブルッと震わせる。
光に眩みまだはっきりと見えない目で一所懸命に、今自分の置かれた状況を理解
しようとする。

  まぶしい
  くさい(‥‥‥薬品の匂い?)
  なにも聞こえない
  寒い

そして、

 体が動かない

わたしは大きな椅子に座っているようだった。
両手首を肘掛の様な物に縛られて。

涙に滲む目を擦ることもできず、頭痛に揺れる頭を押さえることもできず、
苦痛がいつまでも自分を苦しめる
一通り体を揺すって現状を打破しようとするも、ただただ頭痛を増大させただけだった。
わたしは動けない。

もう一度目をつぶり、深呼吸して体と気持ちを落ち着ける。
匂いに慣れてくるとともに、頭痛も少しだけ治まる

  わたしになにがおこったのか



378:手術室1
07/11/03 04:25:07 sbdibNqV


フッとひとつ大きく息を吐くともう一度目を開けた。
今度は、視界ははっきりとしていた。何もかもが見えた。
でも、今自分のいる所がどういう場所なのかは確認できなかった。
自分がどういう状態なのかも。
なぜならわたしの目の焦点はある一箇所に固定されて外すことができなかったからだ。

そこには女がいた。

白衣を着た美しい女が脚を組んで座っており、眼鏡を通して興味深げにこちらを眺めていた。

束の間わたしを苦しめていた頭痛が吹き飛び、同じく思考が吹き飛ぶ。


  「あら、目が覚めた?」

低くも高くもない、よく通った滑らかな声で彼女は言った。
とても優しげな声で。

そう、わたしは目が覚めた。
この明るく薬品の匂い漂う白い部屋で。
身体を椅子に縛られたまま。
美しい女に観察されながら。

多大な努力を要し、女から目を離すと部屋をみわたす。
白いタイルに白い壁、緑のモルタルの床、飾りの一切ない蛍光灯の照明。
ガラスとステンレスでできたシンプルな棚。
何らかの医療機関の建物の一室だということはわかる。
薬品の匂いとあいまって自然のものは何も感じられなかった。
しかし同時に人の温かみも一切ない無機質な部屋。
右奥に見える両開きのスチール製のドアの取手は太い針金で硬く結ばれていた。
密室にわたしと白衣の女が一人。
 

二人きり
 





379:手術室1
07/11/03 04:26:29 sbdibNqV


  「大丈夫よ、落ち着いて」

ふと、思った。
わたしは一番大事なことを忘れている。一番大事なものを見ていない。
この部屋のことよりも、目の前の女よりも何よりも大事なこと。


 "わたし"だ。


そして、わたしは首を傾けてわたしをみる。
何も見えない。
わたしの身体には部屋と同じような無機質で白いシーツが掛かっていた。
ただその下が全裸だと言うことはわかる。
そして初めは椅子だと思っていたが、手術台のような物の上に乗っているようだ。

わたしはこのような状態になった時に、人が言うであろう最もありふれた、
そして面白味のないセリフを発していた。

 

  「ここはどこ?わたしは誰?」





わたしには記憶が何もなかった。




380:手術室1
07/11/03 04:28:56 sbdibNqV


自分の名前も分からない。
なぜ裸で手術台の上に縛られているのか。
この目の前にいる女は誰なのか。


  「まあ」


その女はわたしの言葉に少しだけ驚いたようだった。
その驚きの表情も美しい。
そもそも、わたしにはなぜ記憶がないのか。


  「ごめんなさいね、ちょっと強く殴りすぎたみたい」


即座にわたしの記憶がない理由は分かってしまった。
じゃあ、


  「あなたは誰なの?」

  「う~ん、それはちょっと難しい質問ね」


少しだけ面白がるように半笑いで彼女は応える。
ただ、その笑顔はあまりにも美しく整いすぎていて、あまり温かみがなかった。この部屋と同じ様に。

その態度に少し苛立ちを感じる。
が、まだ不安や恐怖のほうが大きい。


  「お願いだからおしえて、わたしはだれで、ここはどこなの?
   なんであなたはわたしを‥‥‥‥‥‥殴ったの?」



381:手術室1
07/11/03 04:30:33 sbdibNqV


その女をじっと観察する。わたしがされているのと同じ様に。
どうやら来ている白衣は医者用のではなく、科学者が私服の上に羽織るもののようだ。
その下には白いブラウスと膝上のグレーのスカートとこれ以上ないくらいにシンプルな格好。
明るい金髪を束ねて無造作に結び、度の薄い眼鏡の向こうにはブルーの瞳。
化粧はしていないみたいで、それ故に彼女の素の美しさを余計に引き立てている。

恐ろしいぐらいに。


  「ふふ、あなたらしくもない、なにをそんなに不安げな顔しているの?」


今度は苛立ちが不安や恐怖よりも大きくなる。


  「いいから教えて、わたしは誰で、ここはどこ!?
   あなたはだれなの!?」


彼女曰く、あまりわたしらしくない不安げな態度で質問をとばす。


  「本当に全部忘れちゃったのね」

  「あえて名前というものがあるのだとすれば、わたしはメイ。
   そしてあなたはジュン」


彼女の表情が消える。


  「あなたは"スペア"だった。そして"マスター"に選ばれた」

  「?」



382:手術室1
07/11/03 04:31:53 sbdibNqV


何のことかはわからない。

それで全てが説明できるかのように、彼女、メイは沈黙する。
相変わらずわたし、ジュンをブルーの瞳で見つめながら。

慎重に言葉を選び、核心とも思える質問を静かに呟く。
わたしも彼女を見つめながら。


  「あなたはわたしに何をしようとしているの?」


彼女の表情が少しだけ崩れた。
心なしか完璧だった美しさが失われたような、しかしそれでいて先程よりも生気に溢れている。

  
  これは‥‥‥‥‥笑顔?


笑顔ならば、なぜわたしは怖いと思っているのだろう。


  「さあ‥‥‥‥なにをしようかしら」


わたしはあきらめてしまった両手の拘束から逃れようと、無意識にもう一度引っ張ってみる。

メイはどこか艶かしく両脚を組みかえる。
靴下もストッキングも履いてない、必要のない、なめらかで綺麗な両脚を。


  「あなたは誰なの?」


わたしは本当にその答えを知りたいのだろうか。
ただ、記憶喪失で、素っ裸で、縛られて、閉じ込められたわたしには何もなかった。
いま手にすることの出来るものは目の前の女から望むしかなかった。



383:手術室1
07/11/03 04:33:07 sbdibNqV


メイはわたしから眼を離さないまま、手を頭に持っていくと髪留めを外した。
2、3度首を振ると豊かな金髪が、結んだクセもなくふわりと広がる。
眼鏡を外す。
やはりわたしから眼をそらさぬまま。ブルーの瞳で。
無造作に髪留めと眼鏡を床に落とす。
ふっと微かに笑むと、それを顔に貼り付けたまま静かに立ち上がる。

わたしは、身体の自由がきいたならばきっと後ずさりしていただろう
一見完璧な彼女の表情にはそうさせる何かがあった。

白衣を脱ぎながら立ち上がる。
こんな状況じゃなかったらきっとわたしも見惚れてしまいそうな見事なスタイルを晒しながら。

ふと、思い出したかのように手を腰の後ろに回すと黒光りする何かを取り出した。
デザートイーグル。
装弾数8発、シングルアクション、破壊力重視の大型自動拳銃。

 
  なぜそんなこと、わたしは知っている?


それをゴトリと今まで座っていた椅子におく。
そして振り返るとなにかを決心したかのように一歩一歩私に近づく。
どこか熱に浮かされたように口で息をしながら。
わたしがなぜ身の危険を感じていたかを理解した。



彼女は静かに興奮し、欲情していた。
わたしを見ながら。


384:手術室1
07/11/03 04:34:36 sbdibNqV


もちろんそれを知った所でわたしにはどうする事も出来ない。


  「ひゃっ」


おもむろに身体を覆っていたシーツを剥がされ、小さな悲鳴もれる。
シーツの下の自分の裸が直に空気に触れ、鳥肌と供に縮こまってしまう。

わたしは女だった。
始めてみる自分の裸体はとても綺麗だった。
小ぶりながら形の良い胸に、それに似合った薄い色の小さな突起、くびれた腰、ごくごく軽く生えた恥毛、
必死に閉じようと震えているスラリとした両脚。



  「ふふ、相変わらずキレーな身体ね。
   うらやましいものだわ」


メイはやっと顔から目線を離すと、今度は足先からじっくりと舐め回すように視線を這わせる。
舌なめずりをしたように見えたのは気のせいか。




385:手術室1
07/11/03 04:36:07 sbdibNqV


わたしは突然に激しい悪寒を感じた。
目の前の女から感じる直接的な嫌悪感なんかではなく、
そんな小さなものではなく、
この部屋全体、この世界全体から向けられているような巨大な悪意。
背中から巨大な手で握り締められているような。
世界が揺れる。
ここしか知らない世界
およそ7メートル四方の小さな世界。
光が、闇が病室の壁や床でゆらゆらと波打つ。


  わたしを狙っているのはこの女だけじゃないの?

  助けて。

  わたしは逃げたい。
  どこへ?
  ここしか知らないのに。
  何も知らないのに。
  わたしは裸。
  閉じられた密室に、わたしの身体に欲情する女と二人だけ。
  そしてそれ以上に危険で大きな何か。
  何が始まる?
  そしてそれはいつ終る?
 

  ここはどこ?


  わたしはだれ?





386:手術室1
07/11/03 04:38:12 sbdibNqV


ドン、と突然の耳元の音と衝撃にビクッと身体が弾け、我に帰る。
メイが右手をわたしの頭のすぐそばについた音だった。
いつの間にかブラウスのボタンが全て外れ、黒いブラと形のよいむねが見えている
さらに至近距離でもう一度わたしを視線で舐めまわすと、ゆっくりと見上げる。
顔を近づけてくる。
頬を微かに上気させ、今ではその荒い息使いが直接肌で感じ取れる。

腰をくねらせながら、それでも直接には手を触れずに、わたしと身体を密着させ至近距離で
目線の高さが合う。


  「あなたがだれか、
  そして、わたしがだれか知りたいって言ったわよね」


さっきまでの落ち着いたなめらかな声とは違い、喘ぎまじりに言う。
彼女の熱い息が顔にかかる。
気がつかなかったが、メイは左手に鏡を持っていた。
飾りも装飾もない実用性のみ、やはりシンプルなもの。



387:手術室1
07/11/03 04:40:24 sbdibNqV


  「さあ、自分で確かめなさい」


二人の顔の間にその鏡をかざす。
もちろん鏡は十分にその役目を果たした。
わたしの顔をはっきりと鮮明に写した。


  「?」


わたしは目が覚めてから初めて自分の顔をみた。

しかし、数秒間そのことを理解することができなかった。


  
  なぜなら、わたしの顔は、目の前にいる女、メイの顔と、まったく 同じ だったからだ。



もう一度思う。


  ここはどこ?

  わたしはだれ?

388:手術室1 あとがき
07/11/03 04:44:46 sbdibNqV
本日はここまで。エロなし&中途半端ですいませぬ。

女×女で、しかもビミョーに本来のこのスレの趣旨とは少し違うような気がしますが、
よければ続けさせてくださいませ。


また後日。

389:名無しさん@ピンキー
07/11/03 09:55:17 6aRANUlR
おkおk
今後の展開に期待だな

390:名無しさん@ピンキー
07/11/04 01:45:37 zWH1vbiO
w-k-t-k-

391:名無しさん@ピンキー
07/11/05 23:24:02 OtOqs29C
人が少ないな…。

392:名無しさん@ピンキー
07/11/07 20:04:10 5hcBCn13
…また2人きりになっちゃったわね

393:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:08:34 4A40y1L4
寂しいか?

394:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:22:59 KRKqohzm
マリーまだー?

395:名無しさん@ピンキー
07/11/07 21:50:33 4A40y1L4
ゴメン、Gを大文字にしただけで上がるとは思わなかったもんだから…

396:NIEneuNTE ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:07:24 N08g9tZO
>>324です。
厨臭い作品なのは分かってますが、投下。
文体が某ラノベみたいなところがありますが、ご勘弁を。

初心者なので、文体に変なところがありましたらご指摘ください。

397:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:10:19 N08g9tZO
「やっぱ無茶だったか」
 すっかり暗くなった空を見上げ、俺は溜息をついた。


 覡駿光。俺の名前だ。
 ちなみに、苗字の方は〔かんなぎ〕って読むんだが、男の‘みこ’ってどうかと思わないか?

 そんなアホらしい事を考えている俺ももう大学生だ。
 ずっと同じ場所に留まっているのがイヤで、大学は上京する事をメインに考え、勉強していたと言っても過言じゃない。現に夏休みに入ってからアフリカに一人旅に来てるくらいだしな。
 こっちに着いてからは、有名都市に行ってみたり、ピラミッドなんぞに行ってみたり、ずっと北の方にいた。
 んで、南の方にも行ってみるかと恣意した結果がコレだ。

 確か昼頃に森に入ったと思ったから、6,7時間程度か?流石にもう疲れたぞ……。
 どっかで野宿でもと思い、それに適した場所を探し歩いていると、暗闇の中に開けた場所が見えた。
 気持ち早めに歩を進めると、そこには湖が広がっている。そして、水面に月が浮かんで……いや、何か他のものまで浮かんでいるような……?
 それ…いや、そいつは空色の髪の少女だった。おまけに何故か裸だ。
 うーん、暗くてよく見えない……って、何目をこらしてるんだ、俺は……。
 俺がしばらく見惚れていると、その少女は目的を果たしたのか、満足気に微笑みながら水面から上がり、森の奥に消えていった。

 気付かれてないよな?いや、本当に綺麗な肌だった…って何考えt(ry
 というか、一体何だったんだ?
 あれこれと黙考してみる。が、判るはずもなく、ただただ少女の裸体を想像するだけで、話にならない。。
 俺は気を取り直して、湖で手を洗い、夕飯の準備を始めた。




「―――(みーつけた♪)」

398:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:13:20 N08g9tZO
「―――」
ん?もう朝か?
「―――!」
 もうちょい寝かせろよ……。
「―――!!」
いてっ。何かがおでこに当たった。
「もう何だよ……」
俺は渋々、重い瞼を上げた。視界が黒から白に変わっていく……。
俺の眼前にいたのは、昨日の空色の髪の少女だった。身にはクリーム色の布をまとっている。
「うわっ」
当然ながら驚いた俺は、即座に後退りしようとした。しかし、木を背に寝ていたのを忘れていた為、頭を軽くぶつけてしまった。
そんな俺を少女がまじまじと見つめてくる。俺も見返してみた。
14,5歳ぐらいだろうか。何処か幼さが残っている。そして、その白瓷の顔には、何かの民族なのだろうか、赤や緑のフェースペイントが描かれていた。
体型の方はやや高めの身長と相俟ってスレンダーで、胸も中学生にしては……(ゴホゴホ
俺はそんな事を考えていて、少女の顔が眼前に迫っている事に気が付かなかった。
 互いの吐息を感じる距離。おまけに、彼女の柔らかい双丘が当たっている。
少女が頬をより一層赤く染め、瞼を閉じる。そして、俺も目を閉じ……

パチン!

「痛っ」
デコピンされた。
少女は、腰まで伸びた髪を振るわせて、腹を抱えて笑っている。
騙された。もしかしてさっきの寝起きのもか?おい、m9(^д^)ってするなよ。
くーきゅるきゅるきゅる……
ん?
少女の顔がみるみるうちに赤くなっている。腹の音だな。m9(^д^)し返してやったよ。
「ちょっと待ってろ、何か食うものを…」
野暮な事に、通じるはずもない日本語で話してしまった。
次はちゃんと現地の言葉でおはようと言ってみたが通じてないみたいで、少女は首を傾げるばかりだ。
どうしようかな、などと考えていると、少女が自分を指差しながら、
「tete」
「テテ?それがお前の名前か?」
また通じない日本語で話してしまった。それでも少女は頻りに自分を指差しながら、
「tete」
やっぱりテテが名前みたいだな。俺も自分を指差し、
「かんなぎとしみつ」
「kannagi…toshimitsu……?」
「そ、かんなぎとしみつ」
「kannagitoshimitsu…toshimitsu……toshi!」
「トシ?」
「toshi~」
まぁ、それでいいか。昔そういうあだ名で呼ばれていたこともあったし。
「tete」
「toshi~」
「tete~」
「toshi~♪」
 しばらくそのまま呼び合っていた。何か和んだ。


399:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:16:13 N08g9tZO
俺はリュックの中から、密かに持ってきたプリッツを取り出し、箱を開け、テテに一本手渡した。
 テテは、それを見て数瞬訝しむ素振りをしたが、結局は口に入れ、嚥下した。
「どうだ?」
もう日本語がどうだのどうでもいいや。取り敢えず聞いてみた。
「―――♪」
美味しそうに返答(?)し、俺に向かって手を差し出した。
もっとくれって言ってるみたいだな。
俺はそれに従い、テテにプリッツを手渡した。
テテはさっきより幾分か早い動作でそれを飲み下す。

そんな動作が何回か続き、残り数本となったところで、テテがプリッツを咥えながらその先端を指差している。
何だ?まさか俺に逆側から喰えと?
頷いてやがる。って、何お前は人の心を読んでんだ。たまたま頷いただけか?
これじゃあポッキーゲームならぬプリッツゲームじゃないか。けしからん。実にけしからん。
俺は迷わずプリッツの先を口に銜み、目を閉じた。

パチン!

 ああ、何で俺は一回で学ばなかったんだろうな。再びデコピンされてしまったよ。あははは……。
けど、さっきより若干威力が小さかったのは気のせいではないよな?

結局プリッツは全部なくなってしまった。最後にテテが俺に一本くれたのが少し嬉しかった。
俺にプリッツを食べさせ満足気な顔をしたテテは、突然俺の手を取り、湖の向こう側を指差す。指差す方向には…森しかない。
「森しかないじゃないか」
テテが、何か懇願するように上目遣いで俺を見つめてくる。俺はその視線に庇護欲を抱かずにいられなかった。
「俺と行きたい場所があるのか?」
 テテがコクンと頷く。こりゃ完全に心読まれてるな。

荷物やその他雑用を片付け、俺はテテの手を取る。
「連れていってくれ」
テテは俺を確かめるように一度正視し、そして、その足を踏み出した。

400:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:19:02 N08g9tZO
歩き出してから1時間、俺たちは洞窟らしきものの前に立っていた。中から色々と異様な雰囲気がするのは気のせいだろうか。
テテがこっちを向き、真剣な眼差しで俺を見つめてくる。少しばかり目が潤んでいる気がする。
「大丈夫」
そう言って、テテに先導するよう促すと、テテは決心したかのように俺の手を強く握り、洞窟の中へ足を踏み入れた。

 中に入ってから数分経っただろうか、
ゴゴゴゴゴ……
何か音がする。
 しかし、テテは全く意に介さず、そのまま進んでいく。一体何の音だ?
ゴゴゴゴゴゴ……
段々音が大きくなっている気がするのだが。テテの肩を叩いても無頓着で相変わらずだ。何かが起こるんじゃないか?
……ドォン!
思わず後ろを振り替える。
 そこには、巨大な大岩が俺たちに向かって転がってきていた。距離にして約20メーターぐらい。
ちょ、流石にヤバいんじゃないですか、テテさん…って何で笑ってるんですか?後ろから大岩が転がって来ているんですよ?
「―――♪」
クラ○シュバンディクーのゆき○まゴロゴロみたい…って、向こうは残機あるけど、こっちはこの身一つなんだから笑ってる場合じゃないですって!
「a...」
ほら、コケた…って、ヤバッ!
俺の方をちらちら見ながら走っていたテテは、何もないところで足を滑らせてしまった。
彼女を助ける為に俺も止まる。が、どうすればいい?周りに危険を回避する場所なんかな…あった。
俺はテテを両手で抱き上げ、地を蹴る。
文字通りの間一髪だった。大岩の方はそのまま転がっていき、しばらくして、
ドーン!
と、何かにぶつかったような音がした。
「大丈夫か」
テテの顔を覗き込む。彼女は俺に顔向けならないのか、真っ赤になった目を背けた。
「ま、気にするな」
そう言ってテテの頭を撫でる。そうしてやると、テテは満面の笑みを見せた。可愛いなぁ、もう。
しかし、この後はどうするんだ?やっぱりこのまま洞窟の奥へと進むんだろうか。
 今みたいな事があった以上、この後も色々な危険が訪れるかもしれない。勿論、今以上のだってないとはいえないわけで…。
しかし、俺の考えとは逆に、テテは立ち上がり、俺を連れていこうとする。怪我とかはないのか?
「―――♪」
読んでいる。絶対にこいつは俺の心を読んでいる。
 でもいいか、怪我がないなら。

401:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:22:38 N08g9tZO
結局、俺たちは掠り傷もなかった。不幸中の幸いって奴だ。
 岩が転がっていった方の様子を見に行ってみたのだが、岩が壁にめり込んでいた。もし押し潰されたら重傷どころじゃないな…。
そしてテテは今、何もなかったかのように俺の手を引いているのだが……。
いつまでこの状況が続くのだろうか?
 というか、彼女は何を目指してこんな薄暗い洞窟の中を進んでいるのか。その求めるものに価値はあるのだろうか。大体、何故俺を連れて…
そんな俺の思考は、テテが脇腹をつついた事によって遮断された。
「何?」
少しばかりテテに疑心が生じていたのだが、それが吹っ飛んだ。
なんと、俺たちの数歩前には地面がなかった。試しに覗き込んでみるが、漆黒の闇が広がっているだけ。
思わずテテを見る。流石にこれは恐いようで、膝が笑っている。当然だ。俺もそうなっているからな。
ドドドドドド…
今度は何の音だ?
 後ろを振り返ってみても、今まで来た道が続いているだけだった。ただ、また岩とかではなさそうだな。

 しかし、俺はすぐにその行動を後悔する。
 確かに後ろを確認するのも大事だった。背中は人間にとって盲点だからな。でも、それで別の盲点が生まれてしまっては意味がない。
 何が言いたいのかって?


テテが、俺を漆黒の闇が支配する穴の中へと、突き落としたのだ。

402:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:25:48 N08g9tZO
凄まじい落下感。身体が闇に飲み込まれていく。俺の人生短かったな…
ザッバーン!
え?水??
どうやら俺は水の中に落ちたみたいだ。身体の節々が叩きつけられ、痛む。いくらなんでも骨は折れていないと思うが…。
水面に浮かび上がった俺は、岸に向かって泳ぎ、陸に上がった。
ドドドドドド……
さっきの音がより大きくなって聞こえる。
 辺りを見回すと、大きな滝があり、森の中のほどではないが、広い湖があった。
洞窟の中にこんな場所があるとは。おまけに何かクリスタルみたいに光っている石もある。綺麗な空色だ。そう、空色…。そういやテテは?
ザバーン!
湖の中に何か…テテが落ちてきた。彼女はしばらくして水面から顔を出し、こちらに向かって泳いできた。
 突き落とされていて当然の反応かもしれないが、思わず後退ってしまう。
陸に上がったテテは俺の方に歩いてくる。そして、肩を掴み、背伸びし、目を閉じ、キスした。
へ?何で??
しかも水を口移しで飲ませてくる。俺は思わずそれを飲み込んでしまった。
『ふう、やっと話せるね』
「……へ?日本語??」
『あ、やっぱり驚いてる?じゃあ、一から話そうか』

403:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:30:53 N08g9tZO
テテの話によると、この湖の水はあの滝の更に上流から流れて来たもので、とても神聖な水だという。巫女であるテテがそれに力を上乗せして、言葉を通じるようにさせたらしい。
「それじゃあ、ここまでの道中で俺の心を読んだっぽかったのは何なんだ?」
『ああ、あれ?あれは、確かに力も使ったんだけど、いろんな距離が近くなったから、自然と頭の中に入ってくるようなものなんだよ』
「いろんなって…」
『本当に距離が近くなって良かったね。二回もはめられてるんだもん。あれは面白かったよ~』
「ちょwおまww」
『あ、あといきなり突き落としちゃってごめんね。こうやってコミュニケーション出来ないとどうしようもなかったから』
 何で一緒に飛び込まなかったんだ?
『だってすごい恐かったんだもん。許して♪』
「あのなぁ…。まあそれは置いといて、何でこんな場所に連れてきたんだ?」
『実は私たちの民族のしきたりで、15歳になった巫女は満月の夜に男性と結ばれなきゃいけないってのがあって…』
ちょっと待って、テテさん。今貴女結ばれるとか言いませんでした?
『その為には相手が必要でしょ?それで、昨日湖で月光浴して力を溜めていて君を見つけたから、今朝小手調べしてみたわけ』
 ああ、アレは調査だったのか。道理で都合がいいと思ったよ。
『そしたら見事にはまってくれたし……まぁ私的にもカッコよかったからよかったんだけど…』
「ん?何か言ったか?」
『ううん。それで、しきたりには試練が必要って事で、さっきの岩もそうだったみたいだけど、この洞窟の中にはいろんな罠があるらしいよ。詳しくは知らないけど』
「じゃあ、何ですか。この先も危険があるっていう事?」
『そういうことになるね~。そういえば、長がラストは凄く強いから気を付けろって言ってたよ?』
長さん……。強いって事は生き物とか何かとでも言うんですか…?
「じゃあ、罠を乗り越えたらどうするのさ?」
『そりゃあ、洞窟なだけに偕老同穴じゃない?』
は、ははは、笑えんな、それ。

404:NIEneuNTE ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 00:35:55 N08g9tZO
取り敢えず、前編が終了って感じです。
場所が移動している割に文章が少ないのは勘弁してくださいorz



このSSのせいでプリッツを4箱も買ったのは自分だけでいい。

405:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:35:21 pBiSJDIK
>>398
>m9(^д^)

何か和んだw

406:名無しさん@ピンキー
07/11/08 08:38:21 Dwrd+hvu
まあなにはともあれ
擬音を多用するのはどうかと思う

407:名無しさん@ピンキー
07/11/08 20:54:04 PLynYv/5
洞窟の中で20メートル先が見えるのはどうかと思う。
突き落とされた縦穴は「漆黒の闇が支配」してたらしいけど、それまでは天井に灯りでもあったんかと

まあ何はともあれ続きに期待

408:neu♯Supermogu
07/11/08 21:56:55 3r1Pghbj
名前を簡略化しました。

オノマトペですか・・・。考えたこともなかったです。。これから考慮します。

>洞窟の暗闇
最初は頭の中にあったのですが、メモに書くのを忘れていました・・・。
しかも、この後にまた暗闇に絡む展開が・・・orz


初めてで長編(?)を書くべきではなかった・・・。
早く投下したい欲望に負けて、完成させずに(あとちょっとのところ)投下したのはヤバかったですね。
どうしても矛盾が生まれるみたいですね・・・。

完成してから該当部分を訂正してもう一回投下しても容量増やすだけだし・・・。



完成して一週間寝かして確認してから投下した方がよかったですね。。

409:neu ◆WkbUbgPYt6
07/11/08 22:00:21 3r1Pghbj
何やってんだ俺は・・・。もうgdgdじゃないか・・・。

コレからがあったらコテ変えますね・・・。

410:名無しさん@ピンキー
07/11/08 22:55:08 QwPSsASp
>>407-408
ヒカリゴケでも生えていたことにすればおk
気にせず続きよろ

411:名無しさん@ピンキー
07/11/08 23:22:44 IDRUkPrF
3点リーダ使いすぎってのも一つ。便利なのは確かだけどな
まあこの板的核心部分を待つとしようかね

412:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 00:31:09 aqZTeJqC
何かみんなの指摘が
凄く心にビクンビクンクル━(゜∀゜)━!!!!
・・・
携帯の辞書ガ━!


マリーにメロメロの主人公をどうしてくれるか
悩み中


もちょっと待って下さい。


413:名無しさん@ピンキー
07/11/09 03:06:04 BHlwms44
>>412
安心しろ、待ってるぞw

414:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 11:55:42 kbtorSWa
#投下行きます


だいぶ時間がたった気がする。なにか彼女の動きが止まった気がするので、
「そろそろ着替えたか?」
俺はマリーに問いかけた。
「・・・まだ。ちょっとまって」
ちょっとの間の後、そう返事が返ってきた。
「そうか」

また衣擦れの音が再開する。
・・・なんだ? 何かおかしいのか?
「んー・・・」
なにか不満げな声が聞こえる。
すると、目隠し(カーテン)をはずしてマリーが顔を出す。
「なんだ どうした?」
「んー、康平の服がおっきすぎるんだよ…」
言われて納得する。彼女の手先をみると、見事に指が出てない。
というか、手首の位置あたりがもぞもそしてる。
俺は「あー・・・」といいながら、腕まくりをしてやる。
「ん、ありがと…」
といって、またカーゴルームにもどる。
「ぶ」
俺は吹いてしまった。
その、なんというか、カラーシャツだけ着た状態だったのだ。
四つんばいにカーゴルームに戻るとき、白いトライアングルが見えてしまった。
「マリー… しり隠せ…」
「え? っっっ!?」
慌てて抑える彼女。それは誘ってるのか? 誘ってるのかーーーっ?!
……いかん 自重しろ。平常心。

415:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 11:56:21 kbtorSWa
それからさらにしばらくして、彼女は俺のシャツとスラックスを履いて助手席に来た。
はっきりいうが、服が大きすぎる…
ぶかぶかのカラーシャツをスラックスにいれずに外にだし、スラックスは何回も折りたたんですそが短くなっている。
すると彼女から---
「… っくしゅん!」
くしゃみがでた。暖房がかかっているとはいえ、身体が冷え切ったままだ。
このままだと確実に風邪を引く、と思い、
「どこか銭湯かホテルかにはいろう?」
と彼女に問いかけた。
「うん…」
素直に返事をするマリー。さらさらヘアーだった髪が海水のせいでちょっとゴワゴワしてそうだ。
洗った後にドライヤーかなにかで乾かさないと、だめだなこりゃ。

いつもの一人旅ならば、車にセットした寝袋などで寝るのだが、銭湯が近場に無く、
さらに車にとって想定外の客(マリー=女の子)がいるため、
ホテルを探すことになった。

高級そうなホテルは金がかかるからだめだ。
観光地のためか、そういうホテルが目立つが、
一番近い駅に移動すると、ちらほらとビジネスホテルやら民宿があった。
そのひとつのしなびつつあるビジネスホテルに入る。

「2名さまですね? ツインルームですか?」
面倒なのでそのままツインに。
(自殺未遂のあとだしな…)
マリーは黙ったままだ。
「ん?どうした?」
「・・・・・・」
返事がない。聞こえてはいるようだが、俯いたまま、返事をしないようだ。
「部屋は・・・」
と受付とやり取りしつつ、受付にニヤリ顔をされてしまった。
おい、ちっ ちがうっ、ちがうぞっ?! 何にと言われればわからないが(タテ前)、違うんだっ!
ここで言い訳をするとドツボにはまる恐れがあるから、いわないでおこう…
なんかマリーに小声で「ばかっ」っていわれた気がするが… 気のせいだ。うん。

とりあえず部屋につく。
部屋に入った瞬間、マリーは濡れた服が入ったかばんを投げてきた。
「うおっ」
「ばかーーっ! な、ななな、なんでツインなんかにするのよ~!!」
「だって、何もいわなかっただろうっ!? 金銭的にもリーズナぶふぅ?!」
マリーのキックが、俺の股間に命中した。
「ちょっ! お、おれの切ないところをををおおお」
くず折れる俺。
「あ、あたしだってお、女なんだからっ!! 一緒の部屋にしないでっ」
「だ、だってさ、お前のことが心配で… 自殺未遂してるし…」
くず折れてのた打ち回りつつも、言葉をつむぐ俺。
なんとか彼女を見上げる。あれ? 彼女、固まったぞ?
「おっ お風呂はいるっっっ!」

マリーは顔を真っ赤にしながら風呂に入っていった。

416:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/09 12:06:52 kbtorSWa
#作者的脳内NGシーン
#<<<ホテルを探す場面にて>>>
#「ラブホテルしかないじゃないかっ!」
#その言葉に彼女は赤面して抗議してくる。
#「べっ べつに一緒に入らなくたっていいじゃないっ!
# ど、どどど、どうしてもっっていうのな、なら一緒に入ってあげなくもななな、ないわよっ!?」
#
#だめだwwwwwww 俺(作者)もうだめだwwwwwww
#どこぞのキャラとおもいっきし被ってる。 いや、むしろ参考にしてる(?
#Liaちゃんに会いてええええええ!(だまれ
#
#
#あちこちのスレ見ていてふと思いました。
#私の文章って読み易さと面白さとか、不満点はありますか?
#過去の不満点については極力直したりしていますが、
#どうしてもココが読みづらいとかありましたら、
#よろしく御指導いただけると幸いです。

417:名無しさん@ピンキー
07/11/09 12:42:04 1MR/3LXr
一番槍GJ
続きwktk

418:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/09 12:46:29 0hX5Al20
いえ、相変わらずGJです。
自然とにやけちゃいますし。


三点リーダは勘弁してくださいorz
無論、これ→・・・でもダメですよね。

書いてて思ったのですが、いろんなところ端折りすぎて、何故登場人物同士が好きになるのか分かんなくなってしまいました。ダメダメですね……orz

419:名無しさん@ピンキー
07/11/09 17:09:19 CZdOOekD
>>416
ボクもこのスレの書き手だけど、面白くていいんじゃないかな?
ただ、もうちょっとマリーの描写が欲しい。

とりあえず部屋につく。
部屋のドアを閉じると、マリーの緊張が解かれたのか、いきなりむくれた表情でかばんを投げつけてきた。
「うおっ」
「ばかーーっ! な、ななな、なんでツインなんかにするのよ~!!」
風邪気味でほてった顔を、よりいっそう羞恥の色に染めながら叫ぶ。
「だって、何もいわなかっただろうっ!? 金銭的にもリーズナぶふぅ?!」
有無を言わせないマリーのキックが、俺の股間に命中。
「ちょっ! お、おれの切ないところをををおおお」
「あ、あたしだってお、女なんだからっ!! 一緒の部屋にしないでっ」
「だ、だってさ、お前のことが心配で… 自殺未遂してるし…」
くず折れてのた打ち回りつつも、言葉をつむぐ俺。
「おっ お風呂はいるっっっ!」
なんとか上を向くと、彼女は身を震わせながら逃げるようにシャワー室のほうへ行くのが見えた。
あれ? 俺そんなに悪いことしたのかな……しまったなあ……

あくまでも自分だったらこう書くってだけで、するーするも参考にするもびーばのんのんだけど
ボク的には表情豊かなマリーたんが見たいな
このスレ内でも、最も面白いSSのひとつだと思っているから、
がんばって続けて欲しいっす













420:名無しさん@ピンキー
07/11/10 08:22:30 ASi6hhEI
>418
そういうときは、(いい意味で)ダレもせかさないので、
じっくりと推敲するといいと思うよ。
書いている時点で後悔が先にたっているならナオのこと一歩踏みとどまって、
読み直しをしてみよう。

私はその半分くらいしかやってないけどね(こらまてぃ
三点リーダは… 自分も多用します。 便利なんですもの…

>419
萌えたっ(!?

いあ、参考にさせていただきます。ありがとうございます。
・・・表情豊かなマリーかぁ… 自分のボキャブラリーのなさが露呈してしまいましたな。
描写とかを増やすことを念頭にがんばります。

421:名無しさん@ピンキー
07/11/11 03:02:31 b0r+SyC2
マリーたんのシャワーまだー?

422:名無しさん@ピンキー
07/11/11 03:15:23 KZWzbfl3
>>416
GJ! 待ってたぜ
風呂への突入マダーーー?                ってさすがにそれは無いかw  ( ゚д゚ )ナイヨネ?

423:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/13 00:32:15 zaMPRvjE
"シャーーーーー…"
シャワーの音が聞こえる。時々、水が跳ねる音が響く。
マリーは問題なくお風呂に入れているようだ。
もしここでシャワーの音"だけ"だったなら、すぐさま風呂場に突撃するところだ。
突撃した中で、マリーが裸体のまま手首を・・・・・・裸体?
なっ、なに想像してんだ俺は! 風呂場の音が普通に聞こえるからいけないんだっ
・・・ん、 理性を保て。 って なにガキ相手にモンモンとしてるんだ・・・
しかし、聞き耳をずっと立てるわけにもいかないな…
TVなにかやってないかな…

おもむろにTVを付ける。国営放送がいちばん無難と思い、局を合わせる。
その局では、ちょうどニュースをやっていた。
しかし、なにも気に留めるようなニュースは放送されておらず、
ただボケッとしながらTVをみていた。

"ズズズズズ・・・・・・"

・・・ん?なんだ? なにか違和感を感じる。

"ズズズ・・・グラグラグラグラ"

地震かっ!?
とっさに出口確保の為、部屋の玄関を開けようとベッドから歩いていこうとしたときに、
風呂からドッタンバッタン! と大きな音が聞こえてきた。

(なんだ!?)
とっさに風呂のドアを開けるっ!
その直後、
「ふにゃあああああああああ!」
気の抜ける悲鳴と共に、マリーが飛び出してきた。
漫画にたとえるなら、目をぐるぐる状態にして必死になってる感じだ。
「こ、ここ、こ康平っ、じ、じじじ、地震、地震っ!」
マリーはパニック状態だった。自分の体が濡れていることも、
着るものひとつ身に着けていない状態なのも忘れて、
必死になって俺にしがみついている。
「地震! 地震ーっ! 怖いーっ!!」

人間、他人がパニックになるのを見ると、自分は冷静になれるというのがある。
まさに今がそのときなのかもしれない。
「マリー、落ち着け。落ち着けって。そんなたいした地震じゃない。安心しろ」
「いやいやいやいや」
マリーは嫌々言いながら俺の胸のあたりで顔をぐりぐりしてくる。
「こら! くすぐったい! やめろっ やめっ!!」
ガッシ! とマリーの頭をつかむ。
「ふぇ・・・」
顔を向けさせると、破顔させて瞳は潤み、いや、瞳の端で涙が決壊寸前のダムになっている…
ああ、こんな感じで見つめられると、俺やばいなぁ… いぢめたくなる…
「とりあえず落ち着け。大丈夫だから、風呂入りなおして来い。確実に風邪ひくぞ」
「う、うん・・・」
コクコクとうなずく彼女。俺は続けて言った。
「それに、素っ裸で出てくるな。目のやり場に困る」
「え? ええ? ーーーっ!?!?」

424:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/13 00:32:48 zaMPRvjE
彼女はこれ以上にないくらいに顔を真っ赤に、体も羞恥で紅くなり、
長い髪を振り乱し小さいおしりをぷるぷるさせて風呂に戻っていった。
ほどなくして風呂場の中から「いやあああああ!」と悲鳴が聞こえた。
役得役得♪



違ぇ… おれはロリじゃねぇ…

いつの間にか地震は収まってた。
国営放送でも津波の心配は無いとか言ってたし、もう大丈夫だろ。


#表現をふやしてみたけど、だめだwwww
#何この犯罪者wwwwww 俺(作者)もロリじゃないと言い切りたいけど、
#この前友人にロリか否かを計ってもらったら、
#確実にロリらしい。 orz もうだめなのか?!
#(現年齢(28)で17歳以下に欲情するならロリ確定らしい。31超えると18以下とか)

425:名無しさん@ピンキー
07/11/13 17:32:42 eyofAIXC
>>424
まさかマリーの方が(ある意味)凸してくるとはww GJ!

> #この前友人にロリか否かを計ってもらったら、
URLリンク(goisu.net)

…50%だった orz

426:名無しさん@ピンキー
07/11/13 19:13:37 /wdWUYVR
120%だった

>424つづきー

427:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/13 22:50:35 SJTFAWNi
あなたのロリコン度は【120%】です。

あなたにぴったりの夢
お気に入りの作家に自分だけのキャラを作ってもらう

ちょま! それってマリー!?
というか、自身がSS書いてたら、しかもそれが願望の現われだったらっ…

orz オワッテマスナ


他の作家さん、元気ですかー!?
読みたいです…

428:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:16:36 R0yBDR1d
現実世界で元気かどうかは分かりませんが(汗


実は書いていない残りがエロシーンだけだったのですが、前述べた通り、何故好き合っているのか分からなくなったので、急遽1シーン(罠?)追加しました。その為、余計に文が読みにくくなっている可能性があります。ご勘弁を。


応急処置ですが、暗闇の件をなんとかしました(あれでなってるのか?)

それではどうぞ。

429:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:21:36 R0yBDR1d
 あのシュールな告白を聞いた後、俺たちは湖を起って、洞窟の奥へと進んでいった。
 さっきからずっと並んで灯されている松明をぼんやりと眺めながら、俺は思ったことを口にしようと、テテに問い掛けた。
「……なあ、テテ」
『ん、なあに?』
「あのさ、見知らぬ俺と一緒になる事に抵抗はないわけ?それも未来永劫」
 俺の言葉を聞いたテテは、少し考える素振りをしてから、
『しょうがないよ。それがしきたりだし。それに、トシは優しいし、さっきも助けてくれたじゃん』
「そ、そうか?」
『そうだよっ。早く先に進もっ!』
 テテがこっちを向いてにっこりと頬笑む。俺の手をしっかりと握りながら。

 しばらくすると、松明の明かりではなく、明らかに蛍光灯のそれが、先から見えてくる。俺はテテと顔を見合わせ、先を急いだ。すると、
「ヤッホー!遅いから待ちくたびれちゃったよぉ」
「誰だ?」
 突然の声に、俺は身構える。前方に得体の知れない奴がいる。
「そんな警戒するなよぉ。オレの名前はケリー。ここの番人をやってるようなもんだ」
『番人?』
「そうだよかわい娘ちゃーん」
 ケリーと名乗ったソイツは、驚くべき速さでテテの前まで来て……胸を揉みやがった!!
『キャッ!』
 咄嗟にテテが腕で胸を覆う。その端整な顔は、朱に染まっていた。
「何しやがる!」
 …羨ましい。
「かっかしないかっかしない。別に減るもんじゃないし」
『減る!アンタに揉まれたら確実に減る!!』
 あれ?テテさん、言葉遣いが……
「あら、嫌われちゃったみたい?」
 ケリーはお道化た顔をしてみせ、
「話を元に戻すか。君たちにはそこのエレベーターから下りて、下の迷路に挑戦してもらう。制限時間は30分。この時計が一周するまでに、再びエレベーターに乗り込めばOKだ。遅れたら……そうだねぇ。その娘にたっぷりお仕置きしちゃおうか!」
『ヒッ!』
 最後の一文を聞き、テテが自分の体を抱き締めるようにする。テテの目線は睨むようにしてケリーを見つめていた。テテにお仕置き……いいかm
『トシ、顔がにやついてる』
 何時の間にこっちを見ていたのか、思いっきり軽蔑の眼差しを向けられた。
「な、なぁっ。再びってのは何なんだ?」
 誤魔化すように、言葉を吐き出す。テテの視線が物凄く恐ろしい。
「あぁ。この迷路は四隅にチェックポイントがあって、そこに四分の一ずつ地図がある。それを持ってきて、真ん中のエレベーターに乗らなきゃダメだ」
 なるほど。
「時間としてはギリギリか?」
 聞いとかないと、後が怖いからな。色んな意味で。
「ちょっとは走らないとダメだが、キツいタイムではないはずさ」
 なら大丈夫か。
 テテが、ほーっと安堵の溜め息を洩らす。
「じゃあ、早速始めてもらうよ。エレベーターに乗って」
 ケリーが、エレベーター横のボタンを押す。すると、ぷしゅーっと扉が開いた。俺たちが乗り込むと、
「エレベーターのドアが下で開いた瞬間にこの時計が動きだす。それでは精々頑張ってね~」
 扉が閉まる瞬間、ケリーがテテに向かってウインクした。何だかなあ。
『トシ、わざと遅れたら許さないからね!?』
 顔が怖い。流石に般若までとはいかないが。
 俺はゆっくりと下がっていくエレベーターの中で、生涯女の子を怒らせてはいけないと、心に強く誓った。

430:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:25:14 R0yBDR1d
 エレベーターの扉が開く。テテが一目散に駆け出す。俺もそれに続いた。
 ここは壁と足元にほんのり明るいライトがあって、壁は高く、ベルリンの壁くらいあった。写真でしか見た事ないけど。
 テテが立ち止まった。道が二手に分かれている。左と右だ。
『どっちにする?』
「どちらかはテテが決めていいよ。ただ、何か目印でも置いておこう」
 俺はリュックの中からさっきのプリッツを取り出し、箱を広げ、角をちぎる。そして、切れ端を分岐の真ん中に置いた。
「これでいっかな。さあ、どっちにする?」
『左っ』
 テテは威勢よく、声を張り上げた。

 何回か行き詰まったが、プリッツによる地味な作業により、一つ目の隅に辿り着いた。
 地面に地図が置かれている。俺がそれを拾いあげるや否や、
「残り25分~。いいペースだよー。オレにとっては残念だけどねぇ」
 何処かから放送が入り、洞窟内に響く。明らかにケリーの声だ。
『アイツ……』
 テテが自然と呟いた。もうテリーに対するテテのイメージは最低だな。
 逆に俺はイメージを崩さないようにしとかないと。例え生きて還れてもその後が波乱では意味がない。
「まあまあテテ。時間は放っておいても過ぎてくし、先に進むぞ」
『うん…』
 俺が歩きながらそう諭すと、テテは大人しくなった。なんかこの先心配だな……。
 とりあえずここの隣の隅(エレベーターを下りた方向から見ると南西か?)を目指さないと。地図に載っている境目まではヒントがあるのだから。俺が地図とにらめっこしていると、
『キャッ』
 突然、テテが俺にもたれかかり、肩に掴まってきた。
『なんか滑っちゃって…』
 テテの足元をよく見ると、何故かバナナの皮がある。まさかこれでコけたのか?
 テテにその事を伝えると、
『ま、またアイツ?』
「そんなに忌み嫌わんでも…。トラップとかかもしれんぞ」
 それもかなり人を馬鹿にした、な。
『じゃあ、他にもあるのかな?』
「可能性はあるな。例えば…ヘビとか」
『や、やめてよー。怖い』
「ハハ、ゴメンゴメン」
『もー…』
 テテがぷくーと頬を膨らます。可愛い。その頬を指でつつきたいくらい。
「さあ、先を急ぐか。この地図によると、このまま真っ直ぐ行って突き当たりを左に曲がって……」

431:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:26:39 R0yBDR1d
 俺たちが二つ目の地図を獲得し、三つ目も取った時だった。
「はいはーい、ちょっと言うのを忘れていた事がありまーす。じつはー、天井にが開始と同時に下がってきてー、オレの時計がゼロになると同時に地面につくようになってまーす。だから、それまでにエレベーターに乗れるように頑張ってねー。あ、ちなみにあと13分でーす」
「なっ!?」
『えっ!?』
 俺とテテは、思わず上を仰ぎ見る。しかし、頼りない明かりではよく分からなかった。あの野郎……。
「テテっ!走るぞ!」
『うん!』

 ようやく四つ目の地図を見つけ、俺はソレを拾い上げた。
 やっと終わりか。なんか疲れた。
 しかしテテを見やると、女の子の割に疲れている様子はあまりない。しかも、さっきからちゃんと俺についてきていた。不思議に思った俺は、軽く息を整えながら質問してみた。
「テテは何か鍛えてるのか?」
 それを聞き、テテは一瞬きょとんとして、ぷっと笑いながら、
『何?いきなりどーしたの?』
「いや、走ったのに疲れてなさそーじゃん」
『鍛えるというより鍛えられた、かな。ほら、私、巫女だし』
「そっか。そういやそうだったな」
 女の子が鍛えてるってのも変だよな。
『そういやってなによー』
「ハハハハハ」
「はーい、あと7ふーん」
「やべっ。急ごう。天上が頭に近くなったら走れなくなるぞ」
 俺が走りだすと、
『うんっ』
 後ろから威勢のいい返事が返ってきた。

『さーて、どうしちゃおっかなー』
 今はエレベーターの中。そう、俺たちは無事だった。実のところ、最後の方の俺は、屈んで歩いてたくらい危なかったのだが。
「何の話だ?」
『アイツに決まってるじゃん。ケリー。逆にお仕置きしてあげちゃうんだから』
 そう言って、テテはうっすらとほくそ笑んだ。こ、こえー。一体何をするつもりなんだ……?女王様とかか?ダメだ、全く想像がつかん。
 俺が、やはり女は恐い生きものである事を再確認していると、エレベーターが止まり扉が開いた。
 俺が先に下りると、地面に紙が落ちている。それを拾い上げ読んでみると、
「なになに、『迷路から脱出できておめでとう。地図を手に入れたのは分かってるからお先に失礼♪』」
『逃げられた……』
 あのー、さっきからなんか性格変わってませんか、テテさん。
 ま、いっか。死ななかったし、テテもお仕置きされずにすんだし、万事OK…かな?

432:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:28:02 R0yBDR1d
 あの後、俺は悔しがるテテを後ろに先に進んだ。しばらくすると、小ぢんまりした部屋らしき空間に到着した。
 本当に部屋みたいで、さっきまで岩壁だったのが、一転して煉瓦造りになっている。
 前方は扉のようなもので塞がれているが、その扉に何かあった。
 近づいてみると、何やら文字みたいなのが印された木版と、まるで時計のような---いや、どう見ても時計としか考えられない---が0時に設定されていた。針は動いていない。
「テテ、これ読めるか?」
木版を指差し聞いてみると、
『読めるよ。私たち民族の文字みたい。えーと、「正しい時刻に設定せよ。然れば道は開かれん。但し、もし間違えれば汝等に禍が降り懸るであろう」って書いてある……。正しい時刻?』
「ちょっ、それだけ?」
『うん、それだけみたい……』
マジかよ。禍って…しかも正確な時刻?。
 1分刻みで720分の1、5分だと144分の1、10分で(ry
『トシ!こっちに変なのが…』
テテの言葉に振り向くと、さっき入ってきた入り口の隣に、テーブルらしきものに置かれた水晶と、また木版があった。
「今度は何て書いてある?」
『「ヒントが欲しければ此の水晶に手を重ねよ。併し、更に危険度が増す事を此処に記しておく」って書いてあるわ』
更に…?ラストの強い罠とやらとどちらが危険なのだろう。
大体、水晶に手を重ねるだけで危険って…。しかも、それでヒントが出るって?んな馬鹿な。
『どうする?』
テテが俺に聞いてくる。俺がいくら考えても思案に尽きるだけになるだろう。
「テテはどうする?」
『トシについてく』
速答してくれた。何ていうか感慨無量だ。
「じゃあ、行くか?」
 そう聞いたはいいものの、不安がないはずがなく、顔に出てしまったのか、
『大丈夫?』
 と言われてしまう。
 何女の子に心配させてるんだ俺は。テテは俺について行くと言ってくれたじゃないか。俺が弱気になってどうするんだ。
 大体がここでずっと悩んでいたって何も変わらないしな。だったら、少しでも可能性がある方を選ばなきゃな。
「よし、行くか!」
『うん!』
俺たちは覚悟を決め、水晶に手を重ねた。

433:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:31:06 R0yBDR1d
『トシ…』
アレ…?俺ら一体どうしたんだっけ……?
『トシ!』
揺り起こされた。
周りを見回すが、薄暗い。森みたいだ。さっきのか?
…いや、違うな。
 雨が降っている。それに土砂降りだ。洞窟に入った時は快晴だったのに、だ。
「テテ、ここは何処だ?」
『分からないの。私もトシもこの木の下で眠っていたみたい…』
「そうか……」
混乱する頭を整理して、状況を確認する。
確か俺たちは扉を開くヒントが欲しくて、水晶に手を重ねた。そして、気が付いたらここにいた。
そうだ、何かしらヒントがあるんじゃないのか?
「やいやいっ!」
そんな俺の思考を感じ取ってくれたのかくれなかったのかは知らないが、小柄な狐が現れた。

「なになに?お母さんを捜して来て欲しいって?」
「そうだいっ」
何で俺は狐と話しているこの状況に違和感を感じていないのだろうか。色々とありすぎたからか?
「母ちゃんは、昨日谷の向こうに用事があるって行ったきり、戻って来ないんだ」
 子ギツネが心配そうに言う。
「谷とは?」
「ここから西に行ったところ」
正直、こんな森の中では西も分からん。太陽も出てないしな。
「向こうだよっ」
そう言って、狐は西とみられる方向を顎で差した。
「もし逃げたら、このお姉ちゃん殺しちゃうぞ」
「はw?」
子ギツネのいきなりの暴言に、思わず吹き出してしまった。だって子ギツネなんかに人が殺せるか?
「バカにしたなっ!」
腹を立てたのか、子ギツネはすっくと立ち、指を立て…その先から青い火を出した。
「なっ…」
 当然ながら俺は驚いた。だってライターどころかマッチも何もないんだぜ?
「へっへーん。どうだ、驚いたか!」

434:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:32:18 R0yBDR1d
「あ、ああ」
素直にそう返事する。
「じゃあ、早く捜してこい!」
 んな無茶な。
「ちょっと待て。ホントに手がかりは谷の向こうに行った事しかないのか?」
「あ、そういえばコレ」
そう言って、子ギツネは何処からともなく湯葉を取り出した。
「母ちゃんが大好きだから、見せれば分かると思うよ」
「ホントに俺一人だけで行くのか?」
「当然じゃん。お姉ちゃんは人質だもん」
子ギツネがテテを見遣る。テテの方はというと…脅えている様子もない。何故だ?
『トシ、こっちに来て』
不思議に思ってテテの方を見ていた俺を、彼女が手招き呼び寄せる。
「おい、逃げるのか」
『大丈夫。話すだけだから』
テテがそう言って、にっこりと微笑んだ。
「そ、それならいいけど…」
おいおい、赤くなってるぞ。
『トシ、早く』
「あ、ああ」
テテの言葉に、俺は子ギツネのそばから離れ、彼女の方へ向かった。

『ここは仮想世界よ』
「は!?」
俺と対面したテテの第一声がこれだ。誰だって俺のように返すだろう。
『つまり、ここは夢の世界みたいというかなんというか……。とにかく現実世界じゃないの』
「どうして分かる?」
『子ギツネが指から火を出したのを見たでしょ?ていうか、それ以前に喋ってたじゃない』
「テテの力じゃないのか?」
『ないわよ。大体アレは特別な条件が揃ったからで……』
テテがごにょごにょと口籠もった。何を今更赤くなってるんだか。こっちまで恥ずかしくなってくる。
「それでここから抜け出すにはどうしたらいいんだ?」
 正直、恥ずかしさを紛らわす為だけに聞いてみる。
『取り敢えず、キツネ君のお母さんを探すしかないんじゃない?それに、ヒントが欲しくて水晶に手を重ねたから、ここにそれがあると思う』
確かに。それは言えてる。
今は子ギツネのお願いを聞いてやるしかないか。他に宛てがあるわけではないしな。
「じゃあ、今から捜しに行くから湯葉を頂戴」
俺は子ギツネに振り向き言う。
「う、うん」
子ギツネから湯葉を受け取り、リュックの中から取り出したビニール袋に入れる。
『トシ、気を付けて』
「ああ」
折畳み傘を取り出し、差しながらテテに返答する。
「必ず見つけてこいよ!」
「分かってる」
生意気な子ギツネに即答し、俺はテテたちのもとを離れ、子ギツネの母親を捜しに雨の中を歩きだした。

435:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:33:43 R0yBDR1d
子ギツネの母親を捜し始めてから20分ほど経ったのだが、未だに雨が降り続いている。
傘を差しているにもかかわらず、とっくにズボンは濡れてしまっていて、足とくっついて気持ち悪いったらありゃしない。
こんな雨だからかは知らないが、さっきの子ギツネ以来、全く動物を見ていない。森の中は動物の宝庫って感じがするのだが、俺の勝手な思い込みだったか?
「間違ってないよ」
気が付いたら同じ…元い、気が付いたら女の子の顔が前にあった……のだが、こんな所に人間がいるはずがないので、華麗にかわしてそのまま道を突き進む。
「ちょ、ちょっとちょっとー。無視しないでよー!」
だって何か身長が二歳児ぐらいだし浮いてるしきっと気のせいだ木の精…
「そうそう、私は木の精…ってちがーう!私は森の精!!」
ナイス、見事なノリツッコミ…ってマジで森の精?
「そう、森の精。森全体を司る精霊!」
「ふーん。で、名前は?」
「あ、ゴメン。忘れてた。シルフィよ」
そう言ってその場で一回転する。何の意味があるんだか。
「別にいいじゃん!」
ちょっと待て。何かまた心の中を読み取られてないか?
「読んでるよ」
「素直に答えるのかよ!」
「だって事実だもん」
そう言って、そいつはニカッと笑った。その性格に、着ている巫女服が似合っているとは思えない。
「じゃあ、変える?」
突然、シルフィの着ている服がメイド服に切り替わる。
「どんな魔法だよ、そりゃ!」
「アレ?気に入らなかった?この服は貴方が一番好きな服のハズだけど?」
「ほっとけ」
勝手に俺の属性を暴露するな。それに俺は別に巫女でもかまw(ry
「じゃあ、戻す?」
「もうええわ!」
そう言ったのにわざわざ巫女服に戻したシルフィは、
「貴方はキツネを探しているんだよね?」
「ああ」
流石に、何故?、とかはもう聞かない。
「そのキツネの居場所、私が知ってるよ」
「本当か!」
驚愕の事実に、思わず体が前に出てしまう。
「でも、タダでは教えてあげないわ」
「金でも取るのか?」
「まさか?この世界で金なんてものは無意味よ。物品ではなくこっちの願いも聞いてもらう事になるわ」
「何だ?森の精さんでも叶わないその願いって奴は」
ていうか、叶わない願いなんてあるのか?魔法みたいなのが使えるくせに。
「この森の全体を調整する『翡翠』って宝玉を取り返してほしいの」
誰から?って、ここに人間はいないか。仮想世界だし。
「この先にあるほら穴に住む熊からよ。アイツのせいでこの森はずっと雨続きだわ」
「何で一人で行かないんだ?」
「とある理由があるからよ」
 そうかそうか。相手は熊だし恐いか。
「ちがうわよ!!」
「はいはい。で、その翡翠って奴を取り戻したら、キツネの居場所を教えてくれるんだな?」
「ええ、約束は守るわ。どちらにしろ貴方に拒否権はないわね。キツネを見つけないと元の世界に戻れないから」
やっぱりそうなのか。という事は、それまでにヒントがあるっぽいな。
「そのヒントも知っているわ」
「何!?」
「でも教えてあげない。翡翠を取り戻し、キツネを子ギツネに会わせてあげれば自然と分かるはずだから」
「自然と?」
「そう。自然と、ね…」
そう言って、シルフィは灰色の空を見上げた。

436:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:37:00 R0yBDR1d
「んで、ホントに森の中は動物の宝庫なわけだな?」
俺は今、シルフィの後についていってるところだ。
 ほら穴までは結構あるらしく、シルフィと歩き始めてから更に20分ほど経っていた。ちなみに、相変わらずの空模様である。
「そうよ。特にこの世界には人間なんてものはいなかったから、貴方が思ってる以上のたくさんの生物がいたわ。この雨ですっかり引っ込んじゃってるけどね。」
 なるほどねぇ。
「この雨はどのくらい続いているんだ?」
「ざっと一週間ってところかしら。だから、不思議に思ったキツネが私の所に来たんでしょうね」
「何で分かってて会ってやらないんだ?」
「キツネが熊に敵う?」
「いや、適わないな…」
「でしょ」
 それもそうだが…大体何でその翡翠って奴が奪われたのだろうか。管理とかしっかりしているのか?
「翡翠は私が持っているわけじゃなくて、ちゃんと祭る場所があって、そこから盗られちゃったのよ」
「へぇ。じゃあ、取り返したら俺はそこに行くのか?」
「その必要はないわ。取り返したら私は貴方をキツネの所に連れていって、後は自分でやるから」
なんだ。その祭る場所を見てみたかったのに。
「見ても得はしないわ」
「そんなもんかね」
「そんなもんよ」
何か釈然としなかったが、そのまま進んでいった。

 そこからはしばらく、互いに無言が続いていた。
 本当にしつこい雨で、このまま濡れた格好でいると風邪をひきそうだ。やっぱり翡翠を取り戻さないと止まないのだろうな。この雨は。
シルフィの方を見てみるが、コイツは全く濡れている様子がない。これも魔法か何かだろうか。自分ばっかズルいな…。
「濡れないようにして欲しい?」
シルフィが振り返り聞いてくる。そりゃ当然だろ。寒いったらありゃしない。
「貴方には必要ないわ」
「な!?」
 流石にそれはヒドいんじゃないだろうか。よくもそんな事が平然と言えるな。
「そうじゃないの。ここから出れば濡れていた状態は元に戻り、服は乾く。要は精神力を鍛えるようなもの。風邪とかはひかないから大丈夫よ。」
「本当かよ」
「嘘は言わないわ」
マジかよ……。これはかなり精神的にダメージを受けるのだが。やってられん。
「あ!」
「何だ?」
「やっと渓谷よ」
「うわ……」
向こう岸遠っ!!300mくらいは優にありそうだ。谷底を覗いてみるが、目算で測れそうもないほど深い。 しかも谷底を流れる川の流れはかなり激流で、もし落ちたらひとたまりもないだろう。
「ほら穴とキツネはこの渓谷の向こう。じゃあ、行きましょ」
「ちょっと待て!!」
「どうしたの?」
どうしたもこうしたもないだろ。どうやって向こう岸に行くんだよ?
「あー、ゴメン。そういえば貴方は飛んでなかったっけ」
お前にとってはそれが常識だろうがな。
「ちょっと待ってて」
そう言ってシルフィは、空を見上げ、天に祈るように、小さい両手を重ね合わせた。その姿は神に祈るシスターみたいで、思わず見とれてしまう。
そんな状態が数秒だか数十秒だか続いた後、突然突風が吹いた。シルフィの長い栗色の髪が揺れ…
「ふう、大きいから時間がかかっちゃった。これで向こうに行けるわね」
「なっ!?」
 俺は驚愕した。さっきまで何もなかったはずの空間に大きな橋が掛かっていたからだ。
「ちょっ、シルフィ…これは……」
「へへん、驚いた?」
驚いたとかそういうレベルじゃないだろ、これは……。
「立派な橋でしょ?」
「あ、あぁ。そうだな……」
見直したよ、シルフィ……。

437:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:39:29 R0yBDR1d
シルフィ建造の立派な橋を渡った俺たち(シルフィは飛んでいたが)は降りしきる雨の中、未だに歩いていた。
「なあ、まだなのか?シルフィ」
 生意気な子ギツネの元を離れてから、もう2時間ぐらい経ってるんじゃないか?
「まあまあ、そんなに慌てないで」
「ずっと濡れているってのもかなりしんどいんだぜ」
「ゴメンゴメン。ホントにあとちょっとだから……ほら、見えてきた」
シルフィが前方を指差す。俺とテテが入った洞窟よりは一回り小さい入り口。その中は雨のせいか、よく見えない。
「あの中に熊がいるわ。さあ、行ってきて」
「お前は行かないのか?」
「私は…いいの」
「いいじゃん、飛んでるんだし」
それにいざとなったら魔法使えばいいしな。
「それもそうね……」
気付いてなかったのかよ…。
「じゃあ行くか」
「先に行って」
「わかったわかった」
ホントに恐がりな精霊さんだな。まあ、俺も恐怖がないといったら嘘になるが。

ほら穴の中に入ったのだが、周りが暗くていまいち状況が把握できない。さっき、外から見て暗かったのは雨のせいではなかったようだ。
「なあ、シルフィ」
「ヒッ…」
変な声を出し、シルフィが抱きついてくる。
「どうしたんだ?」
「も、もう!いきなり話し掛けないでよ!!怖いんだから……」
そんなに怖がるなよ。それに大声出したら熊に気付かれるぞ。
「あ……」
シルフィはそれを聞いて沈黙する。
「それよりさ、この暗さをどうにかしてくれないか?そうすれば怖くもなくなるだろ?」
「うん……」
 数瞬して一気に視界が開けた。明るさが外と同じくらいになった。それに伴って周りの状況も段々分かってくる。
まるでさっきの洞窟を模したかのような内部で、全てが岩壁だった。
 奥に進むと、左に通路が曲がっているのが分かる。
「熊はこの奥か?」
 曲がり角のところで一旦止まり、シルフィに聞いてみる。
「た、多分ね」
おいおい、多分かよ。居場所は分かってるんじゃないのか?つーか、怖がりすぎだろ。周りを明るくしたってのに。
「いいじゃない!別に!」
「さっきも言ったけど大声出すなよ。熊に気付かれるぞ?」
「あ…」
俺の言葉を聞いて、シルフィが完全に押し黙る。そんなに強張るなよ…。
そんな弱気な精霊さんを後ろに、俺は取り敢えず岩壁に手をついて、奥を覗いてみた。

438:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:40:52 R0yBDR1d
寝ている。熊が寝ている。そいつ以外に他の熊は見当たらず、その熊の手前に緑色…何ていうかエメラルドみたいに透き通った石がある。おそらくあれが翡翠だろう。
「おい」
 俺は、後ろにいるシルフィに向かって呼び掛けた。
「な、何?いた?」
「寝てるよ」
「え!?ホント!?」
凄い嬉しそうな顔だな、おい。
「じゃあ、取り返してくるからな。騒ぐなよ」
「うん!」
シルフィの嬉々とした返事を聞き、翡翠を取りに向かう。一応念には念を入れて、抜き足差し足忍び足、と…。
翡翠が落ちている前まで来た。熊に気付かれていないか確認するが、相変わらず頭をうつ伏せにして就眠している。
ああ、これがもし起きてたら今頃俺は逃げ惑っているのか?考えただけでゾクゾクする。
そんな想像を尻目に、床にある翡翠に手を伸ばす。そして、静かに熊の前から歩き去る。
 何事もなくて本当によかった。ちょっとあっけなかったけどな。
「ほら、取り返してきたぞ」
曲がり角の向こうで待っていたシルフィに、そう言いながら翡翠を手渡す。
「ありがと♪」
「割と楽だったな」
「これで森が元に戻るわ」 そう言って、自分はさっさと出口に向かっていった。
さっきまでの恐怖は何処に行ったんだか。
「ギャース!!」
ん?後ろから悲鳴のようなものが聞こえたんだが…。
振り返ってみるとそこには、体長2mを優に越えるさっきの大熊が、俺に向かって突進してきていた。
「シルフィ!」
俺は逃げ走りながら、先に行っていたシルフィに向かって叫んだ。
「何?」
「熊が起きた!逃げるぞ!!」
「ホントだ…」
振り向いた顔が青ざめている。シルフィからだと俺より余計に大きく見えるのかもしれん。
すぐにほら穴から出た。動きが俺たちに比べて遅いからなのか、熊とは若干距離が出来ている。
「こっち!」
シルフィが森の中を進みながら叫ぶ。それと同時に、突然左に曲がった。
「逃げ道があるのか!?」
俺も曲がりながら、シルフィに聞く。
「道じゃないけどね♪」
シルフィは得意顔になってそう答えた。

439:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:43:32 R0yBDR1d
目の前に熊がいる。ヤバい……はずなのだが。熊はそのまま進んでいってしまった。

あの後、少し走ってシルフィが、
「ここなら大丈夫。もう走らなくていいよ」
「は!?」
何故に?
「この辺り一帯が私の住処で、周りに結界が張ってあるの。だからもう大丈夫よ」
それは熊に気付かれないって事か?
「簡単に言えばそういう事。試しに熊が通り過ぎていくのを見てみれば?」

それから一分ほど経ったのが冒頭ってわけだ。大岩といい大熊といい、俺は何かに追われる運命なのか?
俺が自分の不幸について考えにふけっていると、
「それじゃあ、キツネのところに案内してあげる」
「おお、そう言えばそうだったな。んで、何処にいるんだ?」
「この結界の中よ。ついてきて」

シルフィについていく事数分(割と結界は広いらしい)、横になっているキツネが見えてきた。あの子ギツネよりも大きい。このキツネが母親で間違いないだろう。
俺はリュックの中から湯葉の入ったビニール袋を取り出し、
「大丈夫ですか?」
心配なので聞いてみると、母ギツネは即座に反応し、
「そ、それは日光印の湯葉!!是非恵んでください!!!」
「あ、ああ。これは貴女のお子さんから戴いたものでして…」
 母ギツネの懇願に、俺は自然と畏まってしまう。
「まあ、あの子から!」
そう言って母ギツネは、俺の手から驚くべきスピードで湯葉を取り、全部一気に食ってしまった。
「んー、やっぱり日光印の湯葉は美味しいわー」
しかも、すっくと4本足で立っている。回復早っ。
「あ、あれは凄い栄養があるみたいで…」
シルフィが説明するが……知らんがな。

「なるほど、そうだったんですか…。迷惑をおかけしまして本当にすみませんでした」
「いえいえ」
母ギツネに事の一部始終を話すと、丁重に謝られてしまい、こちらも畏まってしまう。
「じゃあ、あの子のところに行きましょうか」
「あ、はい……シルフィは翡翠を元の場所に戻しにいくのか?」
「ええ。ここでお別れね」
「淋しいな」
「ば、馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!別に私は淋しくなんかないんだからねっ!!」
おお、見事なツンデレっぷり。
「ツンデレじゃない!」
「耳まで真っ赤だぜ」
「う、ウソ……?」
 シルフィが自分の耳に手をあて、確かめる素振りをする。
「嘘だよww」
「貴方ねぇ!」
「ゴメンゴメン。そんなに怒るなって。怒ると可愛い顔が台無しだぜ?」
「なっ…」
あーあ、ホントに耳まで真っ赤になっちゃった。てか何言ってんだろな、俺は。
「じゃあな」
若干照れ隠しだが、俺は素直にそう言い、母ギツネと一緒に歩きだす。
「うん、じゃあね」
シルフィが手を振ってくれる。すぐさま俺も振り返した。
「元気でな」
「貴方も」
こうして俺とシルフィは別離した。雨の中にしては清々しい別れだった。

440:enchart×ancient ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:45:01 R0yBDR1d
尚、ここから子ギツネのところまで行くのだが、母ギツネにこの森の事を色々と聞くだけの展開だったので、ここでは割愛させて戴く。


 段々とテテと子ギツネが見えてくる。テテが俺たちに気付いたのか、
『トシ~♪』
 と、大きく手を振りながら俺のもとに駆け寄って、抱きついてきた。
『大丈夫だった?』
 テテが顔を上げ、心配そうに聞いてくる。若干瞳が濡れているように見えるのは雨のせいか?
「ああ。この通り、何ともないさ」
『そう…。よかったぁ…』
 そっと胸を撫で下ろす。
「まあ、危険といえば危険だったんだがな」
『えっ…?そうなの……?』
 テテが再度心配そうな顔付きをする。アホか。何俺は一々不安にさせてんだ。
「ゴメン。余計な心配かけちゃったな。無事に洞窟を抜けられたらいつか話すよ」
 そう言ってサラサラした髪を撫でてやる。そうしてやると、テテは嬉しそうに身体を寄せてきて、俺を見上げ、何かをねだるように顔を突き出してくる。俺はその表情にクラクラした。
 瞼が閉じられる。俺は愛しいその相手に口づけしようと…
「母ちゃん!!」
 思わずバッと離れてしまった。テテも、と胸を衝かれている。
 母ギツネがすまなそうにこちらを一瞥して、
「ごめんね、心配かけて」
 と、子ギツネに駆け寄った。
「ありがとな!」
 子ギツネが俺を見上げていう。俺は複雑な気持ちでそれを受け取った。
「本当にありがとうございましたこれはせめてものお礼です」
 母ギツネがあの湯葉を渡してくる。俺はそれを受け取り、
「いえいえ、無事でよかったです
「あ……晴れてきましたよ」
『あ、虹』
 テテの言葉に空を見上げる。雲の間から虹が出ているという、その事実を確認するや否や……


 俺とテテは水晶の前にいた。

441:neu ◆yKZvp5gS1A
07/11/14 02:51:38 R0yBDR1d
さて、長くなってしまいましたが。物語もそろそろ終盤です。

ちょっと現実の方で事情により書き込めなくなる可能性があるので、早めに投下させていただきました。

書くからには最上を目指したいのですが…。
今週中には完結させると思います。

あ、また変なところがありましたら御指摘ください。では。

442:名無しさん@ピンキー
07/11/15 04:14:16 aCKxMTD9
ノーヒントで正しい時間を当てるなんて不可能に近いんだからヒント見るに決まってる、と突っ込んじゃいけないところに突っ込んでみる
ツンデレ精霊とこれでお別れってのは勿体ないので、テテの人格の一部分だったとか実はテテの姉か妹で掟上問題ないから二人一緒にとか妄想しながら続きwktk

443:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:49:29 JiEh4rqv
あげ

444:名無しさん@ピンキー
07/11/16 14:32:08 X9i3LRgl
さげ

445:名無しさん@ピンキー
07/11/17 13:59:41 N3nuvjyl
まげ

446:名無しさん@ピンキー
07/11/17 17:25:19 KvdjgYvz
こげ

447:名無しさん@ピンキー
07/11/17 17:26:22 dA2Slgva
逃げ

448:名無しさん@ピンキー
07/11/17 17:48:02 vy8ppvoD
げげ

449:名無しさん@ピンキー
07/11/17 18:33:04 dA2Slgva
かるーく別作を書いてみた。
「延々と続く~」がまだ完成してないのに、投下することお許しください
前編が今日で、後編を明日の夜投下します。

450:自殺者
07/11/17 18:44:50 dA2Slgva
 人生において、死というものが最も意味のあるものかもしれない。

 中学生ぐらいのころか。スギやブナ、ツバキやカラマツといった様々な木の絵画を描くことに夢中だった時期がある。
 
 一枚の紙を使って、木一本を綿密に書く。

 その行為に対して、最初は褒めてくれていたかもしれないが、

 学校の教師や親の言葉の中でとても印象深いものとしては、

「もっと意味のある行動をしなさい」

 だった。

 もしマンガやゲームに没頭している子供がいたら、そのセリフにも多少は力がこもっていると思っていたが、

 今考えると、それもマンガやゲームに対する偏見かもしれない。

 とにかく、勉強をさせたい大人の立場からの何気ない一言だったようだが、

 思春期真っ只中だった僕は憤りを強く感じた。

 そして、皮肉たっぷりの視線で教師や親がしている“意味のある行動”というもの見てみようと思った。

 先生はチェスが上手かった。

 県大会で何回か優勝をしたらしく、授業中に何度もその武勇伝を語ってくれたが、

 生憎、ポーン・ナイト・クイーン・キングぐらいしか駒の名前も知らない僕に取ったら、

 あの子のお兄さんが○○高校に進学したらしいわよという世間話を聞かされるぐらい、退屈だったのを覚えている。

 機嫌のいいときを選び、「チェスって先生にとってどんな意味を持つものなんですか?」

 と聞いたことがある。

451:自殺者
07/11/17 18:45:41 dA2Slgva
「チェスは生きがいそのものだな。俺からチェスをとってしまったら何もなくなる」

 と愉快そうに話していた。

 ここで、僕の木の絵も同じようなものです。と答えてやりたかったが、

 先生と口論する気も、なんでもかんでもを勉強不要論にもっていこうとするガキのような意見も持っていなかったので、

 この話はここで終わったような気がする。

 両親も似たようなものだった。賭け事に身を投じていた。

 パチンコや競馬にいそしむ人たちから、

「絵を描くことなんて、なんのプラスにもならない」といわれたって、

 はい、そうですかと、納得する気持ちには到底なれない。

 時が経ち、高校に入った。

 そこで、生物学的に本来人間の生きる意味とは性交渉で子孫を残すだけであるということを知り、

 僕の命題は、ますますと混乱を極めていった。

 すでに絵の具も筆も手に取らないようになり、僕は、

 他人から見たら、非常に空虚な三年間を過ごしていたなと見られかねない生活を過ごしていた。

 子供のときのような喜怒哀楽の感情が、銀行の金利ほどの割合まで低下していることも、まるで気にならなかった。

452:自殺者
07/11/17 18:46:20 dA2Slgva
 きっかけはなんだっただろう?

 ある日から、急に死が怖いものだと感じ始めた。

 テレビか本かインターネットからの情報が発端だったのかは、もう覚えていない。

 とにかく、途轍もない恐怖を感じた。

 この感覚は、何年ぶりなんだろう。いや、人生で初めてかもしれない。とてもとても強烈だ。

 その恐怖は、友達と遊んで楽しかったとか、親戚が死んで悲しかったとかの感覚に比べ、

 まるで大津波がヤドカリをさらってしまうように、とても絶大なるものだった。

 これが感情なのかもしれない。

 久しぶりに思い出した。木の絵を書いていたときのように、体が熱くなるのを。

 大学進学と時同じくして、自身の死を意識し始めてからは、生活……というよりも日常の思想感が、ガラリと変わった。

 そう、僕は死を意識できている。

 それからというもの、友人、先輩、講師、強いて言えば道に歩いているあらゆる人に対してまで、

 蔑視のまなざしを送ることができた。そして続けた。

 どうせお前らは、この感情を知らないまま過ごしているのだろうと。

 あらゆる他人に対して上位の存在にいることは、心地良いことだった。

453:自殺者
07/11/17 18:47:14 dA2Slgva
 チェス? パチンコ? 競馬? ふふ、それはとても意味のあることですね。

 さぞかし楽しいことでしょう。

 でも僕は、それ以上に楽しい感情の高ぶりの中にいますから。

 この思想論は発展性も秘めていた。

 さらに死に近づき、エクスタシーに浸ろうと。

 リストカットをしたり、睡眠薬を多量に飲んだり、パソコンコードで気が失ってしまう手前まで首を絞めたりしてみた。

 たまらなく気持ちいい。

 このようにして一年間を過ごし、僕は今、十九歳。

 たぶんこの数字が、享年になることだろう。

 自殺者募集サイトを見つけてしまった。

454:自殺者
07/11/17 18:47:52 dA2Slgva
 この一年間、何度も見てきた夢。

 それが死だ。

 その瞬間、僕の感情は爆発的に燃え上がるだろうなと考えると、エロ動画を見ているときより、自慰行為にせいが出る。

「ワタルさんですか?」 

 ある駅前で待ち合わせをしていたら、声をかけられた。

「……キアさんですね、こんにちは」

 頭二つ分目線を下げると女性……というよりも少女のいでたちをした人が現われた。

 ネットの書き込みから、女の人だろうなとことが予想できてはいたが、まさか中学生のような人だとは思いもがけなかった。

 紹介しよう。こちらが今日、一緒に死んでくれるキアさんだ。

 いくぶん背伸びをしたように髪の毛を茶に染めていて、それを後ろ一本でしばって垂らす。いわゆるポニーテール。

 背伸びをしてるのは髪だけではない。上下とも子供サイズの服は、素人でも一目でわかるほどの高級そうなブランドで固められていた。

 靴も靴下もおしゃれづくし。

 最近のガキンチョは金持っているなあと思うよりも、死に衣装としてめいいっぱいの格好できたんだなと感じさせた。

「じゃあネットに書き込んだとおり、行こっか」

「……はい!」

 どうせ死ぬんだから緊張することもないのにと思ったが、それは人それぞれだろう。

 ワタルというハンドルネームの僕と、キアさんは、タクシーで自室のあるアパートまで向かっていった。

455:名無しさん@ピンキー
07/11/17 19:26:23 GNK7ECGo
気になる展開……
wktk!

456:名無しさん@ピンキー
07/11/17 23:15:13 gNYFyRWv
主人公が意図的に中二病設定にされてるのは珍しい、展開が気になる。

457:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/19 17:52:40 x6AzLHfs
#1週間掛けてこれしか書けないとか、どんだけなんだよ自分…
#
#いくら自分の頭の中でシーンが思い浮かんでいても、
#相手に伝える術は文章でしか伝えられず、
#如何にして相手に簡潔に確実に伝えられるかが、要である。
#仕事で相手に伝える場合も然り。
#それを目標に頑張ってはいても、推敲すればするほど、”表現が足りない”になる…
#なるほど、文章を起こすこと、且つ続けることは、想像以上に難しい…。
#以上、最近特に思ったことを徒然と連ねてみた。
#
#結論いくぞー!? 「「マリーは可愛い」」 そう、可愛いんだ。( 。ロ゚;)

458:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/19 17:53:24 x6AzLHfs
「まったくっっっ!」
バスタオルを頭に巻いて、ボディーソープ系のいい匂いを纏わせたマリーが
ベッドルームに現れた。
ビジネスホテルに設置してあるある意味無粋な業務用のものも、
彼女が使うと心地よい残り香が漂い、その上、気品があるように思えてくるから不思議だ。
そんな彼女は、まだ顔が紅い。
先ほどの言葉尻からも、風呂から飛び出した恥ずかしさが未だ残っている様子だ。
「ばかヘーもばかヘーよっ! じろじろ見ちゃって!! むーっ!」
”ぷぅ!”とほっぺたを膨らませるマリー。
「な、なんだよ、ばかヘーって… 康平と呼べよ…」
そんな彼女に対して俺は、先ほどの情景がよみがえり、マリーを正視できなかった。
「えっ、えええ、えっちなことしたんだから、ばかでいいのよっ! ばかっ!」
うぐ… 痛いところを突かれてしまった。
(…ってあたりまえか)
先ほどの”ぷるぷる”などを思い出す。・・・いかんいかん。
「ま、またえっちな事考えてる!!!」
「ばっ! かっ、考えてねーよ!!」
声を大にして反抗する俺。しかし
「鼻の下伸びてるわよっ!?」
そう言われ、俺はとっさに鼻元を抑えてしまった…
「・・・・・・・・・ふふーん・・・やっぱり・・・・」
「・・・・・・」
マリーの策略にはまってしまったようだ。
「ちっ、ちがっ、これはだなっ」
「えっち」
「ぐはっ?!」
「ドスケベ。変態! ド変態!! 超変態っっっ!!!」
マリーは目をぎゅっとつぶって、顔を紅潮させながら怒鳴った。
「ぐ、う、おおぉぉぉ・・・」
その声に耐えかねた俺は、風呂に逃げたのだった。

459:81 ◆DlPgAmm21I
07/11/19 17:56:30 x6AzLHfs
#とりあえずこんだけ…
#え、エロ漫画的展開いってもイイデスカッ!?
#断られてもやるけども…
#ただ、プロットから脱線している状態だから、早めに軌道修正したいのも本音
#ああああ

460:名無しさん@ピンキー
07/11/20 01:07:08 gasoTMbp
>>459
GJ! マリーたんが顔真っ赤にして叫ぶ様が目に浮かぶんだぜw
エロ漫画的展開wktk

無理せずじっくり書いてくれていいんだぜ。 待ってるからさw

461:名無しさん@ピンキー
07/11/20 01:13:17 mcY+Kq8M
なんかもう漫画化したいよ総武の休日

462:総武の休日 ◆DlPgAmm21I
07/11/20 22:27:35 znx5XLdo
…その頃、マリーが入水自殺未遂した現場付近では…
「はい…はい… いえ、海岸の辺りで電波が途切れてまして… はい、申し訳ございません」
黒服の男が携帯電話に向かって謝っている。
「ええ、お嬢様の痕跡は見当たりません。先ほど発見した乗用車も見つけられません。はい、それはもう…」
夜で雨が降っており、且つ傘をさしているにも関わらず、額をぬぐい相手にしきりに謝っている。
電話口から、すごい地響きを伴う怒号が辺りに響く。すごい音量なのがわかる。
「はっ!! 全力で探します。明日の昼か朝にはまたご連絡いたします。はい、はいっ!」
電話が切れたようだ。
「っはー… 御大もカンカンだな… はやく真理お嬢様を発見しないと、俺の命に関わる…」
雨は次第にひどくなっていった。
「朝には止むと言っていたが… 本当なのか?」
黒服のつぶやきか心を表すかのような荒天で、夜は更けていく…


-ガチャッ!
「うわっ?! わわわわ、マリー!!! ドアあけるなっ!!!」
俺は黒服がそこまできていることには気がつかず、今そこ(浴槽)にある危機に直面していた。
「う、ううう、うるさいうるさいうるさい! ばかヘーは私の裸見たんだから、
 わ、わわ、私にも見せなさいっっっ!! ふ、ふふふ不公平よっ!!」
いきなりマリーがトイレ兼浴室に入ってきた。
「あれは不可抗力…「違うわっ!」」
完全否定する彼女。顔を真っ赤にしながら言ってきた。
「だ、だからってだなぁ! 大人の裸を堂々と見にくるなっ!」
俺は見られるギリギリ前に、シャワー用の浴槽カーテンを遮蔽物にして、マリーに下半身を見せないように努力する。
「いいからみーせーなーさーいーーー!!」
カーテンに手をかけるマリー。
「こらっ! 離せっ! マジでやめっ!!」
必死に抵抗する俺。しかしマリーも目が据わってる。引く気がないらしい。
(ってか、女の子がすることじゃねぇ! あまりの出来事に見境なくなったのか?!
いや、見境じゃなくてなんだ?!)
考え込んでると、マリーがバランスを崩したのか倒れこんできた。
「「あ」」

#ここまで。

463:名無しさん@ピンキー
07/11/21 02:02:32 wbG5eZ3W
>>462
ちょww そこで終わりとかw 引っ張りすぎだろwww

…まぁ待ってるけど

464:名無しさん@ピンキー
07/11/21 05:05:22 VX7kviZt
これは次の次の次あたりに、ムフフな展開を期待していいわけですなwww


465:名無しさん@ピンキー
07/11/21 20:29:38 TGLmxaKt
いいね。凄い良いね。なんつうか超良いね!

466:マリーに憧れて@ピンキー
07/11/23 03:07:33 CL87sYTN
総武線に憧れて書いてみる。
でもこういうタイプの話を書くのとか、掲示板で小説書くとか初めて尽くしだよ。
でも書くもん。

まず、考古学の知識ゼロの私が、考古学の研究室に居る人を主人公に書くね。
内容は、三つ目が通るとかインディ・ジョーンズとかの考古学の皮を被ったオカルトの予定。

本当に考古学とか、あと、大学の研究室とかどんな風か全く知らない私です。
内容はオカルトだけど、デティールで変なところあったらツッコミください! 
直せないかもだけど。

467:魔窟の伝説
07/11/23 03:09:38 CL87sYTN
 彼女は、ずっと憧れだった。
 美しい人。
 その長い髪。スレンダーで高い身長。整った顔立ちに涼しげな表情。美しい声に、そして明晰な頭脳。
 その全てが、俺にとっては眩しくて、憧れてた。
 
 クールで、強くて、感情を表さないその知性的な瞳にはいつも強い意志が宿っていた。
 そして、その姿があまりにも美しかったからだろうか。俺は、いつしか彼女と同じ道を歩くことを選んでいた。
 
 まあ、同じ道を歩んだところで彼女がずっと自分より上の存在であることに変りは無かったんだけれども。
 でも、それでも良かった。
 ただ、同じ道を歩けるだけで。

 だからずっと思っていたことがある。
 もしも、自分が彼女の為に何らかの役に立つ事が出来る日が来るのなら、その時は自分の全身全霊を持ってこの身を彼女に捧げ

ようと。
 この身を以ってして、その美しい人が歩む黄金の道の、そのための一つの礎にしようと。
 そう、誰に口にするでもなく、ただ独り、誓いを持っていた。

 何時だって、どんな時だって、彼女の為になるのならば、この命さえ惜しく無い。そう思っていた。

 ただ、まあ、一つ誤算だったのは、結構あっさりとその誓いを果たすべき機会がが来てしまったことなんだけれど。




468:魔窟の伝説
07/11/23 03:10:44 CL87sYTN

「明良ーっ、資料の整理終わった?」
「いや、後ちょっと」
「そうか、それじゃあ俺は帰るからな」
「うぃーっす。山田お疲れー」

 そうして研究室を出て行く山田を見送る。
 この東明城大学の考古学科研究室には佐々木明良(ささきあきよし)俺1人になった訳だ。
 時刻は午後十時を回っているし、まあ、皆帰って当然か。俺も帰りたいのだが……。
 だが今日はまだ帰れない。今度の学会でうちの研究室の主任の絢華さん使う資料に矛盾点や問題が無いかの裏調べの作業が残っ

ているんだから。
 まあ、とは言ってもあと2時間もあれば帰れるだろうし、大した量じゃない。
 はぁ、二時間……。帰りは0時過ぎるわけか。目薬さそ。

 そうして手元の資料とネットに繋がりっ放しのパソコンから目を離して目薬をさす。ふーっ、疲れたー。癒されるー。
 と、すぐ近くでコトリと言う音がした。
 ふと音のほうを見ると、何故か資料の隣に丁度欲しいと思っていたコーヒーが置いてある。

「な、突然目の前にコーヒーが。み、ミラクル!」
「君は何を馬鹿なことを言ってるのよ」
「あ、絢華さん!」

 そう、振り返るとそこには綺麗なお姉さんがいた。


469:魔窟の伝説
07/11/23 03:11:53 CL87sYTN

 まあ、アホな事を言っていても始まらない。そう、この人こそ俺がこの道へ進むキッカケとなった憧れの人。
 上園絢華(うえぞのあやか)さんだ。

 そのすらりとした高い身長と整った顔立ち、
 そしてその優秀な頭脳と行動力から考古学界では若手のホープとして齢25にして既に注目を集め始めている。
 そしてついた二つ名が「東明城の女インディ・ジョーンズ」
 女なんだからトゥームレイダーのララ・クラフトで良いような気もするんだけどなぁ。
 まぁ、そんな絢華さんが居るからと言う理由だけでこの大学を目指した物の、
 入試の時ですらギリギリの成績だった俺とは住む世界が違う、そんな人だ。

 涼しげな瞳と、美しい長い髪を後ろに結んだその美しい姿から男女共に憧れる人の多い絢華さん。 
 美人で超優秀。当然チョーモテる。
 モテるのだがその強い意志を秘めた瞳で片っ端から振っていくところから、
「東明城の浮沈艦」ともレズともアイアンメイデンとも噂されてる、そんな人だ。
 まあ、そんなふうに身持ちの硬いところも憧れていた訳なんだけど。

「で、どう。資料の方の確認は終わった?」
「いえ、あと2時間もあれば終わりますけど。でも、今のところ特に問題も誤字脱字も無いですけど」
「そう。それなら良いけど。あんまり根を詰めすぎないでよ?」
「はは、大丈夫ですって。あ、コーヒー、ありがとうございます」
「うん。ああ、いいのよ。あ、それよりね、明良君。今週の日曜日、空いてる?」
「日曜日ですか? 空いてますけどどうかしたんですか?」
「ああ、それは良かったわ。実は付き合ってもらいたい場所があるんだけど」
「付き合ってもらいたいって……も、ももも勿論空いてますっ! でも、それで、それって……」

 まさか、デートのお誘いって奴?



470:魔窟の伝説
07/11/23 03:13:18 CL87sYTN
「はぁ~、いい天気。晴れてよかったわぁ。あ、ほらっ、明良君、目的地までまだあるんだからモタモタしないの!」
「うぃ~っす」

 このクソ熱い夏の日に東明城山の登山道を長い後ろ髪を束ねて、
 長袖のTシャツと長ズボンと言う探検ルックで身を包んだ絢華さんがかなりのハイペースで歩いていく。
 そしてその後を必死で装備や資料を持って追いかける俺。
 うん、まあこんなことだとは思って居たさ。デートとか、夢見すぎだよなぁ俺。

 まあ、今回の用事は、言ってしまえばよく解からない建造物があると言うタレコミを地元の猟師の人からもらったので、
 それの調査と言う名目のフィールドワークだ。
 自然が豊かに残っていて、完全に文明の手が入り込んではいない東明城の山奥の方では今でもよく解からない遺跡モドキが見つかったりして、
 そのたびに大学のほうに調査依頼が来るのだ。
 まあ正確に言えば、調査依頼を出すように頼んでいるのはむしろ大学の方で、
 それが研究資料としての価値を持つ可能性がある場合があるので通報するように大学から懇願しているのだが。
 しかし、実際には見つかっても良くて遺跡モドキ。
 普段はせいぜいただの穴や防空壕や廃墟などの物が多くて考古学的価値を持ったものが見つかることは稀なのだけど。
 ただまあ、どんな些細な情報でも調査する事。
 調査しないところに発見は無いというのが信条の綾香さんはいつも助手を伴って調査に出かけている。
 あ、そう言えば今回は助手の人たちはどうしたんだろうか……。

「ねぇ、絢華さん。助手の方々はどうしたんですか? ほら、武田さんや片山さんたち」

 ちなみに助手は何故か全員が女性である。まあそこからレズと言う噂が出てきたわけだが。
 俺も絢華さんの助手になるのが夢なのだが、正直今まで一人も男性では登用されていないので諦めつつある。

「ん、あぁ、彼女たちは今休暇中で温泉に行ってるのよ。
 まあゆっくり遊んでらっしゃいと言っちゃった手前呼び戻す訳にも行かないしね、そこで君に助手代理を頼んだわけ」
「はぁ、そうですか。それは光栄です」
「ふふふっ、なに言っちゃてるのよ。もう君とは十年以上の付き合いじゃない。いい加減敬語じゃなくてもいいのよ?」
「いいえ、立場的にもそう言うわけには行きませんし」

 それに、俺は、十年以上前、俺が小学生で彼女がまだ中学生だった始めて出会った時。
 うちの家族が彼女の家の隣に越してきて、そして彼女の家に挨拶に行った、その初めて会った瞬間から。
 その時からずっと憧れていた相手だったのだから。
 コレが恋と言う感情なのか愛と言う感情なのか知らない。
 だが、この十年、俺は彼女以外の女性を女として見ていたことは無かった。
 だから、どんな立場でも、そばに居たかった。
 たとえ、俺自身が彼女に男として見られて居なくても。


471:魔窟の伝説
07/11/23 03:14:56 CL87sYTN

「あ、そろそろね。この地蔵のあたりで登山道から山の中に北北西の方向へ入って100m先にあるそうよ」
「そうですか」

 そうして登山道から山の中へ入っていく。
 獣道を物ともしないで行く絢華さんを見ながらふと思う。やはり、この人は綺麗だ。
 それは勿論容姿的な事だけではなく、いや、容姿もその綺麗な顔と涼しげな瞳、
 スラリとしたモデル体型に、考古学をするには不向きであろう長く伸ばして後ろで束ねた黒髪。全てが美しいのだけど。
 そうではなくて、その真摯に考古学を志すその姿。そして、その意志を通すだけの知識と解釈力と行動力と度量。
 全てが、俺にとっては眩しい。だからだろうか。ふと思ってしまう。
 俺は、いつまでこの美しい人の近くに居る事ができるのだろうかと。

「着いたわ。ここね」

 そんな、絢華さんの声でふと現実に引き戻される。
 着いた場所にある遺跡と言うのは。斜面に穴が空いているだけのお粗末な物だった。

「あの、コレはまた防空壕ってオチじゃ無いですか?」
「うーん、そうかも。正直望み薄ね、でも大学で私たちが作ったこの山の地図には、ここに防空壕があったって言う印は無い。
見落としかもしれないけどそうだったとしても地図に書き加える事ができるし。取りあえず調査しましょう」
「はい」

 そうして、俺たちは穴に入っていった。


472:魔窟の伝説
07/11/23 03:15:45 CL87sYTN

 蛍光灯タイプのランタンで中を照らして調査する。あまり広くない空間だったが、特に珍しい物は無い。
 
「どうですか?」
「う……ん、そうね。何か妙な感じはするけど、普通の防空壕のような感じね。少し調べてみましょ」
 そう言って軍手をして壁を擦ったりしている絢華さん。
 俺も軍手をして、色々と調べてみる。が、特におかしな所は無いようだ。

「どうですか? 特に何も無いですけど」
「そうね……って、ちょっと待って!」

 突然大声を上げる絢華さん。

「ちょっときて、ここを見て」
「なんですか……ってなっ、コレはっ!」

 土一面の壁のそのある角。土のえぐれたその奥が石の壁にになっている。
 それだけなら奥に大きな岩でも埋まってるのかとか説明も出来るのだが、
 問題はそれがただの岩ではなく、規則正し石作りの壁、むしろ精緻な石垣のようにになっていると言うことだ。

「なんなんですかコレは!」
「ええ、ちょっと気になって壁の土を軽く手で掘ってみたの。そしたら硬い物にぶつかって。
何かと思ってそこを中心に回りも掘り続けたんだけどまさかこんな物が出てくるなんて」
「そうですね、コレは……」
「ええ、にわか作りの防空壕とは訳が違う。れっきとした遺跡ね、って、あれ……?」

 そうして絢華さんは話しながらも掘っていた手を止めて足元を見る。
 そうしてそのままその場所で軽くトントンと足踏みをする。

「う~ん、変ね」
「何がですか?」
「いや、ちょっとね、ここだけ妙に足場が柔らかいって言うか……なんか足踏みすると妙に響くのよね。空洞の上に立っているよ

うな感じって言うか」
「はぁ、どんな感じですか?」
「う……ん。ちょっと見てくれる?」
「はい」

 そうして、絢華さんが立っていた場所から離れたので、その「変な場所」へと歩いてみる。
 と、その場所へと踏み出したその瞬間……!

「へっ! へぅうわああああああっ!!」

 ズボリと踏み出した地面に穴が空き、大きくバランスを崩した俺はその穴へと吸い込まれるように墜ちて行ったのだった。
 

473:魔窟の伝説
07/11/23 03:17:49 CL87sYTN

「クッ、うううううぅぅぅぅぅっ!」
「へ? あ、絢華さん!?」

 そう、その穴へと墜ちたはず……だったのだがその一歩手前で俺を引き止めている人が居た。

「ま、間に合ってよかった……」
「間に合ってって、あ、ああ、絢華さんが掴んでくれて……」

 そう。絢華さんは穴に墜ちる瞬間の俺の右手を、驚異的な反射神経で掴んでくれていたのだ。

「ええ、引き上げるわよ。少し待ってて……って、クッ!」 
 
 と、そうは言ったものの、ただでさえ重いうえに装備と資料を持った男の俺を、女の絢華さんの細腕で持ち上げれるとは思えな

い。
 だがそんなことは構わずに離すまいと必死で俺の手を掴む絢華さん。だが、見上げるその顔には脂汗が浮かんでいる。
 
「んっ、んんんんんっ!」
「む、無理ですよ絢華さん。冷静に考えたら持ち上げれるわけ無いです!」
「でもっ、ここで諦める訳にはいかないでしょっ!」
「そうですけど……」

 だが、そう言っている傍から俺だけではなく、俺を持つ絢華さんまで少しずつ穴に引き込まれていく。

「んっ、んんんんんっ! 手が、手が滑るわ、明良君、軍手取れないっ!?」
「無理言わんでください! やっぱり無理ですって、うっ、くっ、このままだと絢華さんも落ちますっ」
「でも、諦めるわけには行かないって言ってるでしょ!」
「そうですけど、二人とも落ちたら元も子もありませんし、ここはいったん俺を落として絢華さんが救援を呼んだほうが」
「くっ、馬鹿なこと言うんじゃないわよっ! そもそも深さがどれだけある穴なのかも解からないのに!
もしも深さが10メートル以上あったら骨折じゃすまないわよ!」
「で、でも……」


 そう言っているそばからズリズリと絢華さんと俺は穴の中へと滑っていく。

「もう無理ですっ、離して下さい!」
「駄目よっ、私がこんなところで君を諦める事ができるわけ……って、きゃああああああああぁぁぁぁっ!!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 そう、そこまでが限界だった。
 結局、俺と絢華さんは仲良く底の知れぬ暗い穴へと落ちて行ったのだった。


♯今回はここまで。何箇所か改行ミスってすみません。次回から二人きりです。

474:名無しさん@ピンキー
07/11/23 04:32:04 xXknPnSm
>>473
考古学ものを考えていた俺からすればしてやられた感じ
しかも同じようなネタだしw
まあとにかくがんばってくれい。2回くらいの音読でなかなかいい校正にはなる

あと、一応考古学をやってる者なんで、踏査の際に持つべきものを少々
・地図…住宅地図が理想
・方位磁石…地図とセットで揃えたいところ
・携帯電話…まあ、誰でも持ってるよね。最近はGPS機能付きのがあるから、それを使うのもあり
・野帳…その場所の特徴や、地層の変化などをメモするための帳面
・カメラ…うちの研究室ではデジカメが3台ある。やっぱり画像が無いとイメージしにくいし
・帽子…考古学だけでなく、あらゆる踏査・フィールドワークには必要不可欠なアイテム。頭を守るのは重要な事なのです
・巻尺…最低5メートルのものは欲しいところ
・シャベル…土を掘るために1人1つ持つべき。地質を調べるときとか、何か土に半分埋まってる気になったものを拾うためにも便利
・刷毛…黒板用の箒でも代用できる。拾った、もしくは発掘した遺物から土を払うために使う。手で払ったら、例えばアスファルトが異物に付着していた場合ぽろっととってしまう事がある
・竹串…異物に出来るだけ傷をつけないように採集するために道具。これで遺物周辺の土を払いのける
・タオル…土を掘ると、土中の蒸気で顔がとんでもなく汗だくになるので、必要。そうじゃなくても踏査には必要不可欠。特に夏場
・懐中電灯…作中のように防空壕や廃墟などの歴史時代の遺構や建造物を見て回るためには必要なもの。予備の電池も忘れずに
・蝋燭…非常用の明かり。ガスランプもアリ
・軍手…作中にあるから特に取り上げる事も無いかなとは思ったけど一応。二重にすると手が比較的汚れない
・食料…昼飯は持っていったほうが無難。飲み物も、水筒とかで持って行きましょう
・救難用具…万が一のため、応急セットとホッカイロは持ったらいいと思う。あとは熊よけの笛。
・鉈…もしくは十得ナイフ。この手の刃物は持っていけば重宝する

こんなもんかな。服装は、
・長袖…基本中の基本。こういう踏査をやるときは、蜂とか虻に注意。あと枝とかも実は危険
・長靴…登山用の靴でもいいけど、汚れる事を考えると長靴の方がいい。土を掘るなら地下足袋がおススメ
・チノパン…踏査の際、ジーンズはご法度。動きやすく軽いチノパンは作業着としても優秀
要は、ゲームセンターCXの有野課長withoutネクタイみたいなのがいいかも

あと、これは必ずしも必要というわけではないけど、測量用の道具はあって損は無いと思う。
ただ、実際に発掘をやるときくらいしか使う機会も無いと思うから、持たなきゃ別に持たなくてもいい
長々ととすまんかった


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