【ヨヨ】バハムートラグーンでエロパロ2【EE】at EROPARO
【ヨヨ】バハムートラグーンでエロパロ2【EE】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/08/21 04:12:39 /7mZJPax
ぬるぽ

3:名無しさん@ピンキー
07/08/21 07:06:58 QMRHSUTp
>>2
ガッ








自分の戦斧で2の頭がへしゃげたでアリマス

4:名無しさん@ピンキー
07/08/21 12:40:33 39i6y/z4
【ヨヨ】バハムートラグーンでエロパロ【EE】
スレリンク(eroparo板)


前スレ

5:名無しさん@ピンキー
07/08/21 13:44:08 OQ7ChpR/
保守

6:名無しさん@ピンキー
07/08/21 16:02:02 xNUS9FaW
即死判定って今もまだあるんだっけ?
とりあえず新スレ初ディアナたんハァハァしておく

7:名無しさん@ピンキー
07/08/21 16:28:42 rcGjmdY+
じつはこんなものもあったんだよ

バハムートラグーンのエロ小説を公開するスレ
スレリンク(eroparo板)


8:名無しさん@ピンキー
07/08/21 16:59:27 6P0svmx7
>>6
次漏れなノ

9:名無しさん@ピンキー
07/08/21 22:57:18 39i6y/z4
とりあえず新スレ初アナスタシアたんハァハァしておく

10:名無しさん@ピンキー
07/08/22 01:38:17 HYvrJygp
保守

11:名無しさん@ピンキー
07/08/22 02:26:38 sMcJ/BD4
>>1乙。

12:名無しさん@ピンキー
07/08/22 21:39:18 qw0kgqgZ
とりあえず保守

13:名無しさん@ピンキー
07/08/22 23:41:03 tYHQtJoK
>>1
すまん、すっかり忘れてたわ
乙カレーヴェ

14:名無しさん@ピンキー
07/08/23 20:16:09 nTjpI5Qt
保守

15:名無しさん@ピンキー
07/08/24 02:38:56 dTInAMMx
まったりと保守る出でアリマス

16:名無しさん@ピンキー
07/08/25 02:39:59 UyHaJrfc
なんかネタないかねえ

17:名無しさん@ピンキー
07/08/25 20:51:27 pd+jQKRt
そろそろディアマイナイトがこっちに移ってきてくれるハズ! …だよね?

定期うpしてくれてるしネタは十分でアリマスよ

18:名無しさん@ピンキー
07/08/25 23:47:59 /jCRfUIU
どうでもいい事だが、そのタイトルを見ると
目が勝手に「ディアナ」という文字列を拾ってしまう
末期的だな俺

19:名無しさん@ピンキー
07/08/26 00:10:30 wEX5aFWL
ディアナダイナマイトに見えて、どこがダイナマイトなのか考えてハァハァしてしまう俺よりはましかもしれん

20:名無しさん@ピンキー
07/08/26 00:52:23 sl/pTaZ9
>>19
当然胸だろ!

21:ディア・マイ・ナイト
07/08/26 11:46:13 hR1LtWeX

「ごめんな、メロディア」

その一言であっさりと機嫌を直したメロディア。
そんな彼女は今、テーブルの対面でスープをすすっているビュウをニコニコと見つめていた。

「ねえ、美味しい?」
「ああ、相変わらず美味いよ」
「わーい、嬉しいなー!」

ぴょんぴょんと飛び跳ねだしかねない勢いでメロディアは喜ぶ。
ちなみにメロディアは既に食事をおえている。
これは単に食事量の違いということもあるのだが、実際のところは小さな少女故のちょっとした乙女心が作用していた。
自分が一生懸命作った料理を好きな人が食べているのを見る。
それは思春期を迎えようとしている少女にとっては何事にもかえ難い幸福だったのだ。

「俺はこれからフレデリカのところに薬草を届けてくるけど」
「メロディアはモニョ達と遊んでるから平気だよー」
「そうか。ごめんな、いつもあんまり相手できなくて」
「ううん、いいよ。でも、帰ったら一緒に遊んでねビュウ!」
「ああ、わかったよ」

微笑むビュウに微笑み返す。
たったそれだけのやり取りがメロディアの幼い心を満たしていく。

(ごめんねおじいちゃん。でもメロディアは愛に生きるのっ!)

故郷に放置してきた祖父(ことわざジジイ)に謝罪しつつ、メロディアは今日も地道にビュウの隣を目指して頑張るのだった。

22:ディア・マイ・ナイト
07/08/26 11:47:13 hR1LtWeX

「じゃあ、行って来る」
「いってらっしゃーい!!」

チュッチュッ…!
頬に受ける熱烈なキスにビュウは苦笑する。
メロディアと同居するようになって以来、もはや当たり前になってきたやり取り。
少女の歳が歳なのでビュウの観点からすればおままごとに付き合っている感覚ではある。
が、それでもメロディアは十分美少女といって差し支えないレベルの女の子だ。
ビュウも男である以上は美少女にこうしていってらっしゃいのキスをしてもらえるというのは悪い気はしない。
どこまで本気なのかはわからないが、目の前の少女が自分を慕ってくれているのは確かなわけなのだから。

「いい子にしてるんだぞ?」
「あーっ! また子ども扱いしたー!」
「ははっ、悪い悪い。いくぞ、サラマンダー!」
「メローッ! 待てーっ!」

ビュウの掛け声に一鳴きして応じる赤き竜。
そして次の瞬間には、その巨体はバサリと翼をはためかせて空に舞った。

「今日も空は蒼いな…!」

視界を覆う蒼穹にビュウは感嘆の溜息をつく。
眼下では羽ばたきの風圧でこてんと転んだメロディアが「メロメロー!」と憤慨しているのが確認できる。
ビュウは心の中で少女に謝りながら今の我が家であるラグーンから飛び立った。

23:ディア・マイ・ナイト
07/08/26 11:48:40 hR1LtWeX
「よし、じゃあまた後でな」

王都近くの郊外に降り立ったビュウは散歩へと飛び立つサラマンダーを見送った。
そして自身も王都へと歩き出す。

オレルスの守護者としてバハムートを駆るビュウだが、別に彼は常にバハムートに騎乗しているというわけではない。
不眠不休、食事すら必要としていない神竜と違い、ビュウは人間である。
当然、四六時中バハムートと共にいるのは不可能。
それに、竜付き合いはバハムートよりも他の戦竜達のほうが遥かに長い。
竜としての存在格が違うからといってバハムートばかりを贔屓するわけにもいかないのだ。
まあ、それでも普通はバハムートを最優先するのが常識というものなのだが…
ビュウの竜好きに貴賤はないということなのだろう。
そして、そんなビュウだからこそ竜達も懐くのだ。

閑話休題。
数刻後、目的地であるフレデリカの薬屋に到着したビュウは首を傾げていた。
とうの昔に開店時間は過ぎているというのに、店が開いていなかったのだ。

「本日休業…?」

扉にかけられた札にビュウは更に首を傾げる。
フレデリカから予め休店日を聞いてはいるが、今日はそうではなかったはず。
いぶかしんだビュウは裏手へと回った。
もしかしたら、また倒れているのかもしれない。
彼女の健康状態をよく知っていたが故にビュウの足は急いだ。

24:名無しさん@ピンキー
07/08/26 11:51:11 hR1LtWeX
六話終わりー、新スレ初登場でございます。
次回は原作新のヒロインことフレデリカ嬢登場予定。
SSのためにニコ動でプレイ動画を見てみるが、見れば見るほどなんでヨヨのための話を書かねばならんのだ?
と思えてきてしまうから怖いwww

25:名無しさん@ピンキー
07/08/26 13:08:00 EdU/OEDh
祝六話目!

あー、うp早いのは涙がちょちょぎれるほど嬉しいですけど無理せんでくださいね。

26:名無しさん@ピンキー
07/08/26 23:42:38 VHphRLD2
なんかヨヨ姫(の、してきたこと)を思わず連想してしまう馬名だ。w
ウオッカ&ダイワスカーレット不在とはいえ、オークス3着の名牝。
そこいらのアバズレ娘ではありませんよ。

URLリンク(keiba.nifty.com)

27:ディア・マイ・ナイト
07/08/27 12:43:16 gE4//7aY
フレデリカ・メディンスは解放軍結成当時からのメンバーである。
プリーストとしての腕は一級品で、ビュウも戦闘毎にたびたび世話になっていた。
性格はいたって温厚で穏和、万人に優しく物腰も上品で清楚。
そんなプリーストの鏡ともいえる彼女はファーレンハイト内『お嫁さんにしたい女性ランキング(ディアナ調べ)』上位入賞の実績を持っていたりする。
ただ、彼女は唯一の欠点として謎の病弱さをその細い体に抱えていた。
本人が頑として語らぬその病弱さは彼女に薬の服用を推し進めた。
ビュウが彼女と顔をあわせる時、半分以上は薬を服用している場面があったくらいなのだ。

しかし、その病弱さも戦争終結と共になりを潜めるようになる。
戦争が終わったことによって精神的な作用がプラスに働いたのだとか、薬の効果が今頃になって現れたのだとか諸説は様々。
ディアナによると、あれは仮病だったのだという一説すらあったくらいである。
まあ、真相がなんであれ、フレデリカの体が健康に向かったのは確かなので周囲の者たちは特に気に留めなかったことではあるのだが。

それはさておき、裏口にまわったビュウは急いでポケットから鍵を取り出した。
言うまでもないことだが、合鍵である。
フレデリカが何を思って自宅(フレデリカの薬屋は自宅兼業)の鍵をビュウに渡したのかは定かではないが
少なくともビュウが彼女の意図を汲んでいないことだけは確かだった。

「気のせいであってくれればいいんだが…」

健康に向かっているとはいえ、フレデリカの健康は一般人のそれに比べればまだまだ危うい。
ゾラやディアナといったプリースト仲間がたびたび訪れるといっても彼女は一人暮らしなのだ。
心配はしすぎて困るということはない。
ガチリ、と裏口の鍵が開く。

そして次の瞬間、時が止まった。

28:ディア・マイ・ナイト
07/08/27 12:44:57 gE4//7aY
『え…』

金の髪を持つ男女の声が重なる。
ビュウの心配を余所に、フレデリカはしっかりと立っていた。
ただし片足で。

「ふ、フレデリカ?」
「ビ、ビュ…ウ、さん?」

誰もいない部屋の中、二人はそろって戸惑いの声を上げた。
顔だけをビュウに向けて固まっているフレデリカは下着姿だった。
着替え中だったのか、上半身は何も身につけていない。
下は脱ぐ最中だったらしく、宙に浮いている左足にスカートが引っかかっている。

「ぅわっ…!」

ビュウの頭にカッと血が集まっていく。
生まれてこの方、ヨヨ以外の女性と縁がなかった(というか目に入らなかっただけ)彼は女性の裸に耐性がない。
基本的に真面目軍人でドラゴンの世話さえしていれば幸せ、といいきれる男である。
勿論、娼館に行くという選択肢も取らなかったため彼は未だ童貞だった。

(マ、マズい!)

女性の下着姿を見つめ続けるなど言語道断。
ビュウは目をそらそうとするも、体は男の本能に正直だったらしく主人の言うことを聞かなかった。
フレデリカの体は扉の反対側を向いていたため、視界には後姿しか映らない。
だが、ウブな竜騎士にはそれだけでも刺激的な光景だった。
病的なまでの白い肌が金色のおさげに見え隠れし、見事なコントラストを作り出す。
ほっそりとしながらも女性的なラインを描く後姿がビュウの男を捉えて離さない。

29:ディア・マイ・ナイト
07/08/27 12:46:30 gE4//7aY
「あ…っ」

送れて数瞬、ようやく状況を把握したフレデリカが大きく息を吸い込む。
まずい、とビュウは咄嗟に身をかがめ、友人の口を押さえるべく飛び掛る準備をする。
だが、既に彼女の悲鳴を止める時間的余裕は存在していない。
ビュウは悲鳴と罵倒を覚悟した。

「き―(くらっ)」

しかし、覚悟に反して悲鳴はあがらなかった。
フレデリカは悲鳴を上げる暇もなくパッタリと倒れこんでしまったのである。

「フレデリカ!?」

慌てて駆け寄るビュウ。
パッと見、フレデリカの体に異常はない。
足から崩れ落ちるように倒れたおかげか、体へのショックは少なかったのだろう。
ビュウはホッと息をついた。
が、問題はこれからである。

「ど、どうする…?」

倒れたままのフレデリカを前に、ビュウは自問自答する。
普通に考えればベッドにでも運んで介抱するべきなのだが、今のフレデリカは半裸状態だった。
つまり、そうなると倒れている女性の体を目にし、そして触らなければならない。

「仕方ない、か…」

悩んだ末、ビュウは極力見ず触れずを貫くことを心に誓って行動を起こすことにした。
自分の我侭でいつまでも床に女性を放置するわけにはいかないのである。

30:ディア・マイ・ナイト
07/08/27 12:48:43 gE4//7aY
「ごめんな、フレデリカ…」

視界の端に映る下着や胸のふくらみにドギマギしつつフレデリカへと手を伸ばす。
ビュウとて一人の健康男子なので半裸の女性を前に欲望を覚えないわけではない。
しかし、フレデリカは解放戦争からの戦友であり、今では大切な友人の一人。
そんな女性が大変な時に、欲望を抱くということはビュウにとっては許しがたいことだった。

と、その時。
ビュウは後ろに現れた気配を感じ、反射的に振り向いた。
……振り向いてしまった。

「フレデリカ、いるー? 休みの札が出てた…け……ど」

そしてそこにいたのは、フレデリカのプリースト仲間であるディアナ・サウワーだった。
ピシリ。
そんな擬音と共に空間にヒビが入ったことをビュウを知覚した。
そして今の状況を振り返る。
現在、自分はフレデリカへと中腰で手を伸ばしている体勢。
フレデリカは気絶していると一目でわかる状態で床に倒れている、しかも半裸。
さて、この状況を見てディアナは正確に一連の流れを読み解き、誤解をしないでくれるだろうか?
―結論、そんな都合のいい展開はありえない。

「ビュウ…」

静かな、そして重々しい声がディアナの口から発せられた。

31:ディア・マイ・ナイト
07/08/27 12:50:24 gE4//7aY
七話終わりー。
プロット段階ではシリアス一辺倒のはずだったのに書き始めてみればコメディ分が…

32:名無しさん@ピンキー
07/08/27 14:10:00 C5uTgw+S
前スレ1000逝かずに落ちるとか・・・

33:名無しさん@ピンキー
07/08/27 18:03:50 hpGpPozN
GJ
ディアナは噂か
無理せずに頑張ってください

34:名無しさん@ピンキー
07/08/27 21:51:15 yACIhTKg
皆思ってるだろうが、敢えて言おうGJであると!!!!










 <⌒/ヽ__
/<_/___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

      (゚д゚ )
 <⌒/ヽ-、_ノヽノ|
/<_/___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

      Σ(゚д゚ )
 <⌒ヽ_/ヽ-、ノヽノ|
/<__ノ/___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

      (゚д゚;)
 <⌒/ヽ-、_ノヽノ|
/<_/___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  ∧∧
 ( ・ω・) Σ(゚д゚;)
 | ⊃/(__ノヽノ|
/`ー(___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  ∧∧
 (゚д゚)   (゚д゚)
 | ⊃/(__ノヽノ|
/`ー(___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


35:名無しさん@ピンキー
07/08/28 04:39:39 ofFmJKim
>>32
980越えた状態で一定時間書き込みがないと
わりと短時間で落ちるんだよな。
まあ移行は済んでたし著しい問題はないかと

36:名無しさん@ピンキー
07/08/28 22:57:03 vXtSLWwf
一応保守

37:名無しさん@ピンキー
07/08/29 22:22:08 tQU0TOcL
とりあえず保守だ

38:名無しさん@ピンキー
07/08/30 00:27:31 BHaGypmd
>31
GJです

39:名無しさん@ピンキー
07/08/30 03:37:36 lUlzW9TU
純愛と陵辱どっちが好きよ?

40:名無しさん@ピンキー
07/08/30 04:29:04 PqOmdCeZ
俺的にはどっちもいけるかな

抜きネタとしては陵辱の方が好みなんだけど
やっぱ好きなカプだと円満で萌えるのが読みたかったり

41:名無しさん@ピンキー
07/08/30 11:14:38 4pcRA7ES
純愛に勝るものが有ろうか、イヤ無い!

42:名無しさん@ピンキー
07/08/30 18:57:53 YkIQWVsT
読み物としては純愛。
抜きネタとしては凌辱。

つまり両方好きだな。

43:名無しさん@ピンキー
07/08/31 16:03:17 nQq1nXjT
新作まだー?(AA略

44:名無しさん@ピンキー
07/09/01 21:23:07 zgSJpAX5
今日クリアした
グッバイ マテライト保守

45:名無しさん@ピンキー
07/09/02 23:04:08 KoZgacUc
レゲ板本スレで超なつかしいスレの話題が出てたな

俺のディアナ脳内像って、実はあのスレのディアナがイメージぴったりだったりする

46:名無しさん@ピンキー
07/09/03 22:07:22 a9p6te+P
ラッシュとディアナは本当に再現度高かったな。
フレたんビュウサジンあたりは色々ブッ飛んでたけど、あれはあれでよし。

個人的にはルキアのイメージが凄い変わったな。
プレイ当時のルキアは、しっかり者の姉御という印象だったけど、
あそこを見てから、
しっかりしているようで微妙に天然入ってる、かわいいお姉さんというイメージになった。

47:名無しさん@ピンキー
07/09/04 20:58:43 LheJobM2
>>45
kwsk

48:名無しさん@ピンキー
07/09/04 21:36:40 70FocPbL
何年も前にキャラネタ板にバハラグのスレがあってな、
当時から人気だったんだがいまだ覚えてる人が割といるのが驚いた。
以下レトロゲー板バハスレから甜菜

 >次スレ移行前に落ちたスレもあった気がするが
 >こっち(最終章ログ)から探せば全部拾えるはず
 >URLリンク(www.alfheim.jp)

>>46
そうそう。それまでディアナには明確なイメージがなかったんだが
あのディアナがよくハマってて、それしか想像できなくなった。
あのラッシュディアナは別にカップリング的な空気作ってたとかじゃないけど
「ラッシュ×ディアナっていいかも」と初めて思ったのもあのスレの影響だ

ルキアのすっとぼけ感も可愛くて和んだなあ

49:名無しさん@ピンキー
07/09/04 22:32:15 LheJobM2
ロ、ログ!ログぷりーず!!

50:名無しさん@ピンキー
07/09/05 00:04:33 SdWeLQSe
上の誘導リンク先から最終章のログに飛んで、
そこの>>4にある2chのURLを辿れば今でも普通に全スレのログ読めるよ。
当時は2ch過去スレのhtml化機能がまだ正常に働いてたんだよな

51:名無しさん@ピンキー
07/09/05 20:35:51 3Gc5s5M4
あのスレは常時誰かが死にかけてたような印象がある
大抵ラッシュ。でなきゃサジン。たまにパル公。フレデリカは四六時中。

52:名無しさん@ピンキー
07/09/05 22:19:35 ZnFHhk54
>>50
トトトトト㌧クス!!
頑張ってSS書くよ!ありがとう!!うぇっつぇww

53:名無しさん@ピンキー
07/09/06 10:56:58 aXBErfJ9
SS書く前にその気持ち悪いテンションをどうにかしろ

54:名無しさん@ピンキー
07/09/08 20:50:22 1JnqYocb
アナスタシアの頭をなでなでしたい
そんでむくれて怒られたい

55:名無しさん@ピンキー
07/09/11 00:43:25 HVf7d+Ey
ほしゅ

56:名無しさん@ピンキー
07/09/12 17:10:25 kGyJOEy2
新作来ないね、最近(´・ω・’)

57:名無しさん@ピンキー
07/09/12 20:24:27 NArxV0FJ
保守

58:名無しさん@ピンキー
07/09/12 23:34:49 YvT6wH3p
まあ気長に待てライト

59:名無しさん@ピンキー
07/09/13 21:40:28 YmFYLuUO
新作が来るのをアヒル座りして待ってる
URLリンク(vipmomizi.jog.buttobi.net)

60:名無しさん@ピンキー
07/09/14 03:42:23 syNPFrJ4
>>59
ディアナかい? 可愛いなあ

61:名無しさん@ピンキー
07/09/16 23:20:29 TzNzGxv6
ほす。

62:名無しさん@ピンキー
07/09/17 02:49:20 F44Pb/vU
急に過疎ったなあ・・・

ディアナは潔癖症でオナニーもしたことが無いと思うんだ。
だから、一旦ベッドの上で乱れだすと・・・・・・凄いよ

63:名無しさん@ピンキー
07/09/17 11:13:02 Bz2xBMgX
急に過疎ったっつーより
こんな感じが本来ここの標準だから

ディアナは「耳年増でエロに積極的」なようにも「奥手で潔癖症」なようにも、
どっちにも見える要素があるんだよな
そこがたまらんぜ

64:名無しさん@ピンキー
07/09/17 12:07:11 TamQ3INF
ディアマイナイトも気になるが、前スレにあった
フレデリカやディアナ、メロディアらがビュウの家に遊びに来てた奴の続きが読みたいなぁ。
あれのヨヨ様の今後の行動が凄い気になってる。

65:名無しさん@ピンキー
07/09/17 13:36:44 ZGbyQSjQ
>>64
同意。続きが気になって気になって・・・
読みたいなぁ。

66:名無しさん@ピンキー
07/09/19 01:04:07 u9ER9lat
今必死にラッシュ×ディアナで書いてるんだが、
ディアナってラッシュの事なんて呼んるイメージが有るか、スレ住人達の意見が聞きたい

67:名無しさん@ピンキー
07/09/19 16:11:16 cUdwQhpf
>>66
お互いに普通に呼び捨て

68:名無しさん@ピンキー
07/09/19 18:20:41 u7nwaB3B
あー、自分とそっくりな疑問を感じてる人がいたとは驚きだ。
個人的にはディアナがラッシュの事を二人称で呼ぶ場合、
「あなた」と「あんた」のどっちが似合うかという点でたまに悩むんだが。
(名前で呼ぶ場合は「お互い呼び捨て」でOKと思う)

自分脳内では「あなた」かなと思ってたけど
他人の作で「あんた」人称を見た時も意外と違和感なかったんで
両方アリだなとか今は思ってる

69:名無しさん@ピンキー
07/09/19 21:49:27 xsZeeNja
漏れはあんた派かなぁ

70:名無しさん@ピンキー
07/09/19 22:01:11 Mzzahk1w
普段「あなた」で、ちょっと怒った時は「アンタ」とか。
でもってフレデリカとかアナスタシアが相手だと、
今時の女子高生みたいに「なに言ってんだよオメー!」ぐらい言いそうなイメージがある。>ディアナ

71:名無しさん@ピンキー
07/09/21 13:18:21 K8oaAb+V
なんにせよ>>66に期待wktk

72:名無しさん@ピンキー
07/09/21 22:36:07 FK2oBMUn
期待する前にお前もなんか書け

73:名無しさん@ピンキー
07/09/22 00:07:25 zgO/8EnN
すまん、実は書いてるけどいつ投下できる状態になるか皆目わからないw

74:名無しさん@ピンキー
07/09/22 01:38:33 tPXQ9vGU
気長に待つさ
待つのは慣れてるからねぇ




だが、これだけは言わせてくれ
必ず完結させてくれと
もう、生殺しはイヤなんだぜ?

75:名無しさん@ピンキー
07/09/22 07:24:32 YuY3Q9RQ
漏れは完成してから投下するつもりだが

もう投下したくてしたくてたまんなくってさ、全然完成してないんだけど。
もの凄い生殺しだぜ

76:名無しさん@ピンキー
07/09/22 11:59:07 Kqk41rPg
まあ気長に書いていきましょう。
RPGツクールと一緒で、チビチビ人目に出しすぎると、結局グダグダになって未完で終わる。

77:名無しさん@ピンキー
07/09/22 17:59:22 /BwAuxlw


78:名無しさん@ピンキー
07/09/24 00:37:23 9D6fFpTz
保守

79:名無しさん@ピンキー
07/09/26 09:39:52 grkTl5Jx
保守

80:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:21:46 FR9dtaig
保守

81:名無しさん@ピンキー
07/10/01 03:09:14 pcBDbepN
保守

82:名無しさん@ピンキー
07/10/02 10:10:01 pduAg/W7
こんなスレあったのか
2chは広大だわ
よかったら、前スレのよかったの貼ってくれ

83:名無しさん@ピンキー
07/10/02 14:59:39 YqoNmqjq
それやり出すとキリなくスレの再消費になっちまうと思

前スレのログ上げてみたんで良かったらどうぞ。DLパスはlagoon
少々読みにくい仕様になってしまったのは勘弁
URLリンク(ud.gs)

84:名無しさん@ピンキー
07/10/05 12:53:23 8MgUFZ6O
ほす

85:名無しさん@ピンキー
07/10/07 01:22:06 YkxpaTnY
ほっう

86:名無しさん@ピンキー
07/10/07 08:04:50 nZFOlJTM
ビュウ…わしも、保守してもいい……?

87:名無しさん@ピンキー
07/10/07 21:05:09 sAzVjcI2
ビュウ「アッー!!

88:名無しさん@ピンキー
07/10/10 04:09:45 duUtY9pm
作品まってます

89:名無しさん@ピンキー
07/10/10 22:26:26 stbDoci1
前スレの500あたりから書き始めてまだ半分…
完成する頃にはこのスレが3になってそう(;Д;)時間と文才をくれ

90:名無しさん@ピンキー
07/10/10 23:31:35 mjmF+j+e
3になってたっていいじゃんと素で思う俺がいるから大丈夫

91:名無しさん@ピンキー
07/10/11 01:20:29 k4TnhPc2
ぼとむれすスレ住人はうろたえない!

92:実は66
07/10/11 02:01:01 DQnpBpqq
>>89
3になるまでに完成するなら大丈夫だ
俺は終わりが見えない

93:名無しさん@ピンキー
07/10/11 09:42:49 G8EWgqE2
作品上げてくれるなら無問題。
一番辛いのは、完結しないで放置だ

94:名無しさん@ピンキー
07/10/11 12:08:19 UReeJJaw
作者方、指示を・・・
指示を・・・

95:名無しさん@ピンキー
07/10/11 21:19:23 K9HIuOAL
エロパートって難しいよな

96:名無しさん@ピンキー
07/10/13 14:50:58 v4vGNE8W
kosyu

97:名無しさん@ピンキー
07/10/13 16:38:16 bsWDHm2T
本音を言えばエロが無くてもいいと思う

98:名無しさん@ピンキー
07/10/14 23:51:20 0ufFrY9j
ならば書いてくれ

99:名無しさん@ピンキー
07/10/16 19:37:29 fdurueso
HOSYU

100:名無しさん@ピンキー
07/10/16 20:24:07 i+Y/L4XL
ホシュムートラグーン。

どうでもいいけど、バハムートラグーンて発音すると
バハムー トラグーンて言ってる様になるね

101:名無しさん@ピンキー
07/10/18 02:44:36 TGqdU8Q7
>>100
何が違うのかよくわからない・・・

102:名無しさん@ピンキー
07/10/18 03:06:13 Q6TCSdvk
ところでフレデリカはズッコケ三人組をなんて呼んでいると思う?
「さん」づけか、それとも呼び捨てか

103:名無しさん@ピンキー
07/10/18 04:38:51 gxfJQbYb
>>102
薬でイッテる時はともかく、普段はさんづけ、或いは敬称つけて呼んでる気がする。
俺の脳内イメージだと、フレデリカは常に敬称つけてるような一歩下がった感じの娘さんかも。

104:名無しさん@ピンキー
07/10/18 05:52:37 3Vu/ehn/
ズッコケ三人組うけた

自分脳内ではフレデリカはビュウと三人組の中間くらいの年
(つまり三人組から見ると年上)なイメージだったりするんで
仮に呼び捨てでもあんまり違和感ないんだが
さんづけで呼んでてもそれはそれでフレらしいと思う

105:名無しさん@ピンキー
07/10/18 05:59:39 R3L5zrvv
ラッシュがハチベエでビッケバッケがもーちゃんでトゥルースがハカセかw
てかまんま過ぎてワロタw

106:名無しさん@ピンキー
07/10/18 20:43:09 1wTZmh1v
ていうか最初の元気なフレデリカはビュウも呼び捨てだった

107:名無しさん@ピンキー
07/10/18 21:45:36 B8ShVlh3
ここって、別にビュウ×フレデリカ以外のSSでも投下していいんだよね?

108:名無しさん@ピンキー
07/10/18 22:06:37 1wTZmh1v
じゃんじゃん来い。マジで歓迎する

109:名無しさん@ピンキー
07/10/19 13:31:50 zvGDlo3r
>>108
サンキュー
今週中には投下させてもらう予定だよ
先に言っとくけど、いわゆる『寝取り』ものだからよろしく

110:名無しさん@ピンキー
07/10/19 14:10:02 I/250XUt
トリップつけてくれな。
NGすっから。

111:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:28:56 1ZXKUINA
>>101
バハムー虎グーン

112:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:21:32 uKLPliPf
そういえば、このスレって保管庫みたいなのは無いよな

113:名無しさん@ピンキー
07/10/21 21:31:48 lpzA3hJd
いまだやっと2スレ目だし、前スレも未完作が割とあるからな。
(未完も未完なりに自分は楽しく読んでるけど)
いつか保管庫ができるくらい末永く続いてほしいものだが

114:名無しさん@ピンキー
07/10/25 01:38:16 sUwHFP8b
保守

115:名無しさん@ピンキー
07/10/26 02:05:44 H2nN9oLz
保守

116:名無しさん@ピンキー
07/10/29 01:18:55 8bd+Bn9v
ほすあげ

117:名無しさん@ピンキー
07/10/31 22:30:02 Bic0PKr1
保守

118:109 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:01:42 9Atg3l5o
それじゃあ、だいぶ遅れてしまったけど、投下したいと思います
いわゆる「寝取りもの」ですので、お気に召さない人はNGワードにトリップをぶち込んでください

あらすじ
 ラッシュがビュウからフレデリカを寝取る


このレスの直下から始まります
















119:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:03:01 9Atg3l5o
 くすんだ金髪の男の股間に顔をうずめて、口いっぱいに彼の陰茎を頬張るのは対照的に
きらめく金髪の女。
 その彼女の薄い唇からこぼれる唾液が陰茎をてらてらと濡らしていた。
 肉厚の舌の先っちょでカリをこそぎ落とすように舐め回し、鈴口から溢れ出す先走り汁
を唾液と混ぜ合わす。舌でカリを何周かさせるとすると少し頭を離して亀頭へと舌を移し
た。
 最初はちろちろと焦らすように。やがて青年がじれったさに腰を浮かすと、それを待ち
かねたかのようにまずごく軽く甘噛みして陰茎に唾液をさらにまぶしてねっとりと亀頭を
舐めあげた。
 頭上から堪えるようなうめきが聞こえると嬉しそうに顔を前後に揺らし始める。いつも
は束ねてお下げ髪にしている髪も今は戒めから解き放たれ、汗とともに大きく閃いていた。
淡いピンク色の唇は皮に吸い付いて陰茎を強くしごく。それだけでなく往復のたびに咥内
を締め上げたり緩めたりして陰茎への刺激に変化をつけて、射精を促す。
 それが数回も繰り返されると、青年の腰からは力が抜け、ガクガクと小さく震えだした。
それを合図にラストスパートのように口でしごく速度をあげると咥内で陰茎が膨れ上がっ
た。
「うぉ……!!」
 その叫びと同時に青年の鈴口からは大量の精液があふれ出して彼女の咥内を満たした。
大きく頬を膨らませても堪え切れなかった精液は咥内からあふれ出して、唇の端からたら
りと一筋の黄ばみがかった白濁汁の跡を作った。
 こぼさないように注意深く咥内から陰茎を引き抜いて、ゆっくりと精液を嚥下する。彼
女は喉に絡みつくようなこの味は最初の頃はどうも好きになれず男に促されて渋々飲んで
いたが、今では美味しいものだとすら感じるようになっていた。
 残った最後の精液をごくりと飲み干すと、ぷはぁ、とイカ臭い息を吐いて、
「おいしかったです。ごちそうさまでした」と微笑みかけた。
 青年も満足したのだろう。微笑を返して彼女の頭を優しく撫でた。フレデリカは嬉しそ
うに目を細めた。
 徐々に萎えだした陰茎。その鈴口から覗くぷっくりと表面張力で丸みを帯びた精液を目
ざとく見つけると、ちゅっ。と亀頭に口付けをしてまた陰茎を咥内へと誘った。そして頬
をすぼめて中に残った精液を吸い上げて嚥下した。
「えへへ。おかわりもいただいちゃいました」
 ラッシュはそんな彼女に大笑いをして、くしゃくしゃとその艶やかな金髪を撫でた。

120:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:04:00 9Atg3l5o

                   ◆◆◆

 そもそも彼らがこのような関係を結んだのはつい最近のことだ。
 それは全ラグーン、そして空の向こうすらをも巻き込んだ戦乱もようやく終結を迎え、
それぞれが思い思いの道を選び出してそれなりの時間がすぎた頃でもある。
 ラッシュはかつての戦友たちと商売を始めて、行商に交易にと様々なラグーンを駆け巡
っていたし、フレデリカだってかつての軍のリーダー的な存在とそれなりの結婚をして、
故郷にそれなりに小さな薬屋を開いていた。
 ―彼らはいわゆる不倫という関係なのだ。

121:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:04:50 9Atg3l5o

 時間を少し巻き戻そう。始まりは些細なことだったのだ。そして悪意に満ち満ちていた
のだ。
 この話の主役の一人でもあり、そして薬屋の店主であるフレデリカだけでなく、その夫
もまたラッシュの馴染みであり、そしてある意味恩師でもあったので彼らの店の仕入れは
ラッシュらが一手に引き受けていた。そのため随分と仕入れ値は勉強してやっており、フ
レデリカらもラッシュには信頼と感謝を覚えていた。
 そんな折、ラッシュが彼女の夫―名はビュウという―に招かれて薬屋に立ち寄ると、
当の本人は店先のカウンターで何か冊子と睨めっこしていた。
 「珍しいじゃねえか」と挨拶するラッシュにビュウは「ああ。バハムート様にちょっと
暇を貰ったからな」と笑った。
 ふと、店を見回したがいるべき人がいなかった。どうやらこの薬屋の女将は近所までち
ょっと買い物に出かけているらしい。女の“ちょっとした買い物”ほど当てにならないも
のはないということはラッシュ自身が経験上、一番良く分かっていた。
 戦後、神竜バハムートの寵愛を一際受けたビュウは全ラグーンを見守るという大役を任
じられ、毎日忙しくラグーンを駆け巡っており、この薬屋―つまりは自らの家だ―に
立ち寄るほうが稀なのだ。
 ラッシュがさっそく用件を問いかけると帳簿を見てくれるように頼んできた。
 とにかくビュウが言うにはいくら互いに理解があるとはいえ新婚夫婦がほとんど一緒に
いないのは健全ではない。ましてや愛する妻が今どのような状況にいるのかを知らないと
いうのは異常だ。そう考えた彼は少しでもフレデリカの近況を知ろうと帳簿を開いてみた
が、どうも見方が分からない。そもそも薬屋が盛況なのか、それとも閑古鳥が鳴いている
のか、それすらもよく分からないからちょっと見て欲しいというのだ。今から思えばかつ
て軍にあっては雑務の全てを引き受けていた男には似つかわしくない言葉だったが、その
時のラッシュはさほど気にも留めなかった。

122:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:06:16 9Atg3l5o
 ラッシュが帳簿に目を通すとすぐにおかしなことに気が付いた。それは自分が納めたも
のとの計算が合わない品目があるということだ。たとえばラッシュが十納めたはずのもの
が、八しか仕入れなかったというようなことになっているのだ。それも中毒成分が強い類
ものばかり。中には強い麻薬的なものまであった
 収支自体は自分が相当勉強してやっているから、一応帳尻は合うようになっている。
 つまりフレデリカが商品を横流しているか、もしくは自らの懐にいれているということ
に繋がっていく。
 ラッシュはおそらく後者だろうと思った。なんとなくだが。
 そもそもフレデリカは戦中から薬に依存しているケがあったのは有名な話だが、それは
結婚と同時にきっぱりと断ったはずであり、なおかつ絶対に店の商品には手を出さないと
夫と約束しているはずなのだ。
 これは以前にビュウ自身から聞いた話であるのでほぼ間違いないはずだ。
 しかし何の依存にしても、一旦頼り切ってしまったものから抜け出すのは並大抵のこと
ではないのだ。もしかしたらフレデリカも逃げ切れずにとうとう約束を破ってしまったの
かもしれない。

123:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:07:08 9Atg3l5o
「なあ、フレデリカ、お前の奥さんは最近身体の調子はどうなんだ? 薬依存とかまだ治
り切っていないのか?」
「あいつはそんなこと全然言ってないけどなあ。それに悔しいけどお前の方が詳しいはず
だろ。仕入れでうちに結構来ているんだろ? まあ、薬依存に関してはもうきっぱりと止
めたはずだ。―約束したしな。だけどどうしたんだ? 突然」
 ―フレデリカはその約束を反故にしている! しかもそれを旦那には隠して!
 確証は無いが、ラッシュにはなぜか確信が生まれた。不思議そうな顔をするビュウにラ
ッシュは努めて平静を装って、
「いや、別におかしなところは無えよ。実際、客も結構入っているみたいだしな。他のラ
グーンでも噂は聞くだろ?」
 ラッシュの言葉にビュウはにんまりと笑って「実はそうなんだよ。聞いてくれよ。前な
んて―」とそれから小一時間は続くような惚気話を話し始めた。それをラッシュは適当
に相槌を打ちながらも聞き流して、別の“あること”を考えることに夢中になっていた。
 ―これをネタにすれば、なかなか面白いことができそうだ。と。
 下腹部にどろどろとした鬱屈した血のようなものが降りていく。そんな気がした。

124:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:07:43 9Atg3l5o
 今から思えば、当初は別にラッシュにとってフレデリカ自身は大した興味の的ではなか
ったのだろう。彼女への横恋慕なんてさらさら考えてもみなかったし、彼にとってフレデ
リカはあくまでビュウの妻。あるいは昔馴染みの取引先。それだけだったのだ。
 しかし、だからこそ今回のような考えを企てたのだとも言える。
 決して、追いつけない背中、到達できない高み。その鬱屈した劣等感の解消。それこそ
がラッシュがもっとも望んでいたことだったのだ。
 そういえばラッシュはヨヨがパルパレスと結ばれたことを知った日、自らの初恋が破れ
た悲しみと同時に笑い転げたい衝動にも苛まれたことがあった。それと同じだ。

125:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:08:28 9Atg3l5o
 数日後、遠くのラグーンに深い藍色あるいは漆黒の巨竜が飛び去っていくのを確認する
とラッシュはあの薬屋へと竜首を向けた。ばさばさと翼をはためかせて降りていくと、戻
るはずのないビュウが帰って来たのかと勘違いしたのだろうかフレデリカが慌しいように
店から顔を覗かせてきた。
「ラ、ラッシュでしたか。ビュウさんから思っちゃいましたよ」
 鞍から降りて、竜を繋ぐラッシュに息を切らしたフレデリカが笑いかけた。その所作、
あるいは笑顔はどこか人を和ませる雰囲気で、その上可愛らしかった。中にはこの笑顔を
拝むために来る常連客もいるらしい。それを今から崩すのだ。
 そう考えるとラッシュは妙に興奮してくるのを感じていた。
「ところで今日は何のようですか? 仕入れならまだ余裕がありますし、注文期限もまだ
猶予があるはずですよね?」
 フレデリカにラッシュは深く深呼吸をして、ただ一言「帳簿、読ませてもらったぜ」と
言った。
 一瞬、きょとんとラッシュを見やるが、みるみるうちに顔色が変わっていった。笑顔は
単に顔に張り付くものになり、やがてそれも崩れて消えてしまった。
 そして搾り出すように「そ、それがどうかしたんですか?」
「誤魔化すならそれでいいさ。ビュウに全部話すだけだからな。……あーあ、あいつ怒る
だろうなあ」
 震える手を隠そうともせずにフレデリカは俯き、「―何が望みなんですか?」と言っ
た。彼に密告せず、イの一番で自分に告げてきたということは何か取引を望んでいるとい
うことなのだ。
 認めたも同然の言葉に内心、ガッツポーズを掲げながらラッシュは「分かるだろ。男が
女に望むことなんて」
 にやにやと笑う彼にフレデリカは背を向けて、付いて来て下さいと言った。そのとき小
さく「最低」と言ったのをラッシュは聞き逃さなかったが、特に何も言い返さなかった。

126:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:09:36 9Atg3l5o
 薬屋の店先に閉店の札を掲げて、そこを抜け、台所脇の階段を上った先の突き当たりが
夫妻の寝室だった。国を挙げての盛大な結婚式の際にカーナのお抱え宮廷画家に描かせた
『仲睦まじい新婚夫婦』の肖像画が二人を出迎えた。
 ほとんどフレデリカの独り寝にしか使われない寝台はしかしダブルベッドだった。ご丁
寧に枕も二つ仲良く並んでいた。
「へえ。なかなか綺麗にしているんじゃねえか。感心、感心。お、これあの時描かせた肖
像画か。二人とも若いなあ」
 ラッシュはあくまで扉の脇に立ち、無言を貫くフレデリカを部屋の中心へと誘った。念
のため逃げられないようにするためだ。
 自らの身体をまるで隠すように背を向けながらフレデリカが口を開いた。
「あ、あの。まずは湯浴みでも……」
「必要ないぜ。別に。俺は気にしないから」
「でも、あの、やっぱり汚れていますし……。あの、ラッシュもドラゴンに乗ってきたん
ですし……」」
 見え見えの時間稼ぎにラッシュは内心苦笑しながらいちいち否定の言葉を返してやった。
「俺のドラゴンは躾がいいからな。どっかの奴のとは違ってよだれを撒き散らさないから
大丈夫だぜ」
 かの人を小ばかにするようなラッシュの言葉に一瞬、フレデリカが目を剥いたが彼がに
らみ返すとすぐに目を俯かせた。
「さあて、納得してもらったところで、……まずは服を脱いでもらおうか」
「……命令するつもりですか?」
「いや、違うぜ。これはお願い。あくまでお願いだ。別に嫌なら脱がなくてもいいんだぜ。
こっから先はお前の判断に任せるぜ。まあ、もしここで嫌われたら、悲しくて俺の口も軽
くなっちゃうかもしれないけどなあ」
「人の弱みにつけこんで……、最低……」
「最低なのは『愛する旦那様』とのかたーい約束を反故にして、薬でアヘるどっかの奥様
だと思うぜ。へへ」
「最低……。最低……」
 まるで自らを隠すように震える身体を掻き抱いて涙を流す人妻をラッシュはにやにやと
眺めていた。
 それから数分。
 フレデリカは呼吸を落ち着かせ、鼻をすすると、のろのろと身を肌蹴させていった。
 まずはフリルが可愛いエプロンドレス。水色の上着。そしてスミレ色のノースリーブの
ローブ。徐々に病的なほどの白い肌があらわになっていくのを見ていると、確実に血液が
下腹部へとたぎっていくのがラッシュにはありありと分かった。
 最後に残ったのは上下の下着。清楚な彼女に似つかわしい純白。あるいは似つかわしく
ない淫靡な透かし模様付のものだった。ラッシュは上ずる声を隠しながら「へえ。中々い
い趣味しているじゃないか。それ高かったろう?」
 部屋の中は陽光により暖かいくらいだったがフレデリカの身体はすでに震えを隠さなか
った。そして「もう、お願い。何でもしますから。お願い。もう許して……」とついには
板張りの床に膝をついて哀願を始めた。
 ―何を今更……!
 とは思ったがラッシュは「だから何度も言っているだろ? 別に俺は止めないぜ。お仕
舞いにしたかったらすればいい。……そしたらお前とビュウとの仲もお仕舞いになるかも
しれないけどな」と平静さを装って、言った。
 フレデリカは弱弱しく立つと「最低……。最低……」と呟きながらまずはプラジャー、
そしてショーツを脱ぎ捨てた。

127:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:10:53 9Atg3l5o
 ―フレデリカは美しかった!
 少々、痩せぎすで少々骨が浮き上がって見えるのを覗けば彼女はほぼ完璧だった。桜色
の小さな唇。大きすぎず、かといって小さすぎない乳房。ほどよくくびれた腰。そして何
より形のいい尻。生憎、乳首と陰部はフレデリカの腕によって隠されていたが、その陰に
あるものもきっと特筆すべきものであろうことは充分に予測できた。
「それじゃあ、その手も外してもらおうかな」
 その言葉に一瞬、びくりとして、泣きそうに潤んだエメラルド色の大きな瞳で見つめて
きたが、ラッシュが言葉を翻す気がまったく無いと悟るとおずおずと隠していた裸体を、
夫となった者以外の男に初めて晒した。もちろん彼女は初婚だ。
 形の良い乳輪にぽつりと芽吹く桜の蕾。きらめく金色の茂み。たまらない羞恥に身をく
ねらす所作が艶かしさを倍増させていた。その姿にラッシュはもう全てを放り投げて、そ
の裸体にしゃぶりつきたいという衝動に襲われていたが、なけなしの理性で無理矢理抑え
ていた。
 ラッシュもダフィラのハーレム以来様々な女を抱いてきたが、フレデリカほどの女はい
まだかつて出会ったことが無いようにすら思えた。こんないい女を物にしておきながら、
ほったらかしにするような男はやっぱり馬鹿なのだとラッシュは思った。
「……脱いだわ」
「へえ。まだ綺麗な色してんじゃないか。やっぱり場末の娼婦とは比べ物にならないな。
ま、比べるのも酷って奴だな。もしかしてビュウにあんまり抱かれていないんじゃないの
かよ」
「!!……そ、そんなこと無い!」
 ラッシュが笑みを浮かべながらフレデリカににじり寄っていくと彼女は怯えるように後
ずさり、思わずベッドへと倒れこんだ。それを追いかけるようにラッシュは彼女に覆い被
さっていった。
 ラッシュが彼女の桜色の唇を求めて顔を寄せたがフレデリカは最後の抵抗とばかりに顔
を背け、一切目を合わせようとしなかった。ラッシュは嘆息すると幅広の舌で彼女の頬を
舐めあげた。先ほどの涙のせいか塩辛い味がした。
「ひぃ……!」
 強張る頬に舌を這わせたままラッシュは乳房へと手を伸ばした。拒むように置かれた腕
を片手で頭の上にねじり上げた。
 実際、乳房はなかなか柔らかく、かといって弾力を失っていなかった。かなり心地よい
もみ心地だった。白い肌もラッシュが揉みあげたところは紅潮して、フレデリカの呼吸も
乱れ始めていた。やがて掌の中央に感じるこりこりとした感触。
 ラッシュは一旦乳房から手を放すと。乳首を口に含んで唇でしごき始めた。それが何回
か往復すると、口の中で固くぴんとたったしこりへと変わった。
「くっ……。くひぃ……!」
 迫り来る性的刺激をいくら下唇を噛んで抗しようとも隙間隙間からこぼれ落ちる煩悶の
声は隠し切れなかった。その声にラッシュは勝ち誇ったように笑うと標的を変えた。乳房
への愛撫を無骨な掌に任せて、ラッシュは乳房からヘソへと舌を這わせていった。
 この頃にはフレデリカの腕から戒めは無くなっていたが、彼女の手は悩ましそうにシー
ツを握り締めるばかりだった。
「く……あひ……いやぁ……」
 心地よさとも嫌悪感とも違う、むしろ両方が入り混じったねっとりとした感触にフレデ
リカはたまらず声をあげ、すぐに口をつぐんだ。しかしその感触は確かに彼女の脳髄を侵
食し続けていた。
 陥没したヘソにすぼめた舌をねじ込み唾液を垂らしていく。見る見るうちにヘソは唾液
に沈んだ。
「ビュウさん……助けて……」
 かすれたフレデリカの声にラッシュは猛然と顔を上げて、フレデリカの頬を掴んで無理
矢理自分の方に向けた。
「何、言ってんだ? 約束を破ったお前なんかを助けてくれるわけないだろ。それに考え
てもみろよ。こんな場面を見られたら、お前タダじゃ済まないだろ? ここは割り切って
愉しもうぜ。そっちのほうがお前も気持ちよくなれて得だぜ」
「くう……、最低……。やっぱりあなたなんて最低よ……」
「それはお互い様だぜ」
 もちろん、ラッシュ自身だってタダでは済まないだろうがそれはあえて言わずにおいた。

128:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:11:39 9Atg3l5o
 それでもいまだ唇だけは拒もうとするフレデリカの頬を掴んだまま、無理矢理その瑞々
しい桜色の唇を奪い、すぐに舌をねじ込んだ。
 奥で縮こまっているフレデリカの舌に無理矢理、自らのそれを絡ませて、ついでに唾液
もじっとりと絡ませた。それでもフレデリカは顔を背けようとしたため交じり合った唾液
がこぼれ落ちていく。それでも抗しきれない刺激にラッシュの身体の下でびくん、びくん
と時折彼女の身体が跳ね上がる。
 やはり感度がいい女だと思う。
(……こんな『いい女』をほったらかしにして果たすべき役目なんてあるのかよ)
 唾液を絡ませながらラッシュはそう考えた。
(やっぱり、お前はのろまで間抜けな男だぜ。お前の愛しい人は俺の下でこんなにも足掻
いているんだぜ。それも知らずにあいつは……)
 ラッシュは勝ち誇った、あるいはどこか優越感を感じさせる笑みを浮かべた。
 戦時、ビュウに露骨に邪険に扱われても怒り一つ浮かべなかったパルパレオスのことが
何故か頭に浮かんだ。
(ああ、きっとそうだ。あいつに共感したのはきっと二度目だ。一度目はヨヨ様の虜にな
ったこと。そして、いまこの瞬間だ)

129:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:12:13 9Atg3l5o
「くひぃ……あぁ……。もう、もう……」
 もじもじと太腿をこすりあげてフレデリカが切ない声をあげた。ラッシュは愛撫を始め
て以来、秘所には指一本触れてはいないのだ。たまらずフレデリカは白魚の指先をそっと
秘所へと這わせたが、すんでのところでその指先はラッシュによって遮られた。
「“もう……”。なんだよ?」
 彼女の細い腕を掴んだラッシュがにやついた笑みを浮かべた。
「くっ……、くうぅ……!」
 悔しげに呻いても、じくじくと脳髄を蕩かす衝動は動きを止めずにフレデリカを苛んで
いる。それを見越しているのだろう、ラッシュは唇、乳房、そしてヘソあたりには甘った
るい愛撫は続けながらも決して秘所へとは手を伸ばそうとはしなかった。
「触って……触ってください……」
「へぇえ。どこにだ?」
「くぅ……。ひどい……。最初からこれが望みだったくせに焦らすなんて……」
 恨みがましい目でラッシュをにらみ付けるが、すぐに目を伏せ震える唇でおずおずと
「お……おまんこ……です」
「へへ。あいつはおまんこって言わせているのか」
 ラッシュは優越感の笑みを浮かべたまま、秘所へと指を伸ばした。
「あひぃぃいいいい……!!」
 歓喜の叫びが部屋を満たす。固く勃起した肉芽は、もさもさとしたあるいはべっとりと
淫汁にまみれた陰毛の中でもはっきりと分かった。
「あひい。ひい……! やっぱり気持ちい。気持ちひいいいい!!」
「へえ。結構弄っているのか? 中々大きいじゃねえか」
 こりこりと肉芽をほぐして、数回しごきあげてやればフレデリカは口角から唾を飛ばす
勢いで激しく喘ぎ声をあげていた。べっとりとした掌を服の裾にこすりつけ、柔らかな尻
に両手の指を沈めると、ラッシュはフレデリカの下腹部へと顔をうずめた。
「あ……? 止めちゃうんですか……」
 一瞬、愛撫を中断された物足りなさからフレデリカだったがすぐに「あひぃ……!!」
と悦びの声を張り上げた。ラッシュが肉芽を甘く噛んだからだ。
 じゅるじゅると淫汁をすすり上げる音が部屋に響き渡る。秘裂はもじもじとしてラッシ
ュの愛撫を待ち望んでいた。すぼめた舌の先端をちょっとだけ入れたり、抜いたりを繰り
返した。そのじれったさにフレデリカは切なげに哀願の喘ぎ声を上げ、膣口からはさらに
甘ったるい匂いを吐き出した。ラッシュは指先で淫唇を押し広げると、パックリと開いた
膣口は男を誘うようにひくひくとしていた。ラッシュが息を吹きかけてみると
「あひぃいいい!! 冷たいよおおおお。こんなの、こんなの、初めて……っ!!」
「へへ。ビュウはこんなことやってくれないのか?」
 『愛しい夫』の名前を聞いたフレデリカはハッ! と一瞬口をつぐんだが、答えるまで
ラッシュが愛撫を中断するであろうことを感じ取ると「え。ええ。こ、こんなことはあの
人はまるでやってくれないわ……っ!!」と絶叫した。それに気を良くしたラッシュはじ
ゅるじゅると淫液をすすって、舌をすぼめて膣口に挿入した。人妻とは思えないほどに狭
いその中は熱く彼の舌を締め付けた。
「あひっ……あひっ。ひぃぃいいいいいいいい!! 気持ちいいよおおおお……ッ! 何
これ! 何これ! こんなの知らないよぉ!!」
 絶え間ない刺激にガクガクと腰が揺れる。しかし意識しているのか、それとも無意識な
のか更なる刺激を求めるかのように下腹部をラッシュの鼻先に押し付けていった。それは
びんびんに勃起して敏感になった肉芽がラッシュの鼻に押し潰される結果ともなり、異常
なほどの快楽をフレデリカに与えていた。
「ひ。ひ。狂う。狂う。狂っちゃうよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
 今まで以上にフレデリカの身体がガクガクと揺れると、ビクリ! と弓なりにしなり、
一瞬硬直した。どうやらイってしまったようだった。ラッシュはにやりと愛液にまみれた
顔を上げた。

130:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:13:42 9Atg3l5o
「はぁ……はぁ……。こ、これで約束通り、黙っていてくれますよね……」
 荒い息を整えながら、フレデリカはベッドに横たわっていた。玉のように浮き出る汗が
美しかった。しかしラッシュはニヤリと笑うと
「何言ってんだよ。俺はまだイってすらないぜ」と言って立ち上がって服を脱ぎだした、
するすると現れる裸体はビュウまでとは言わないまでも整っていた。筋肉だけをみるなら
ばならばラッシュの方が逞しいだろう。指揮官を兼ねていたビュウとは異なり、常に最前
線で剣を振るっていた彼の身体には数多くの傷が見えた。
「あ。あぁ……!」
 切なげな吐息を吐いたフレデリカだったがそれはすぐに驚きの声に変わった。現れたの
は勃起してヘソまで反り返っているような逞しく雄雄しい陰茎。
 どう見積もっても彼女の夫のものより遥かに大きかったのだ。
 実際。ラッシュのは平均よりは充分に大きいし、加えてビュウのは平均よりもほんの少
し小さいということを補足しておく。
「あ、ああ。お、おおきい……」
「へへ。ビュウのとどっちがでかい?」
「それは……、それは……」
 古い馴染みだ。連れ立って立小便をしたことや共に湯屋を訪れたことも一度や二度では
ないので、自分のそれのほうが彼女の夫のものよりも遥かに大きいことは知っている。し
かしその事実をフレデリカから聞きだすことはラッシュの歪んだ自尊心をくすぐるには大
きく作用するのだった。
 フレデリカは頬を染めて、言葉を濁したが、ねとついた唾液でごくりと喉をならして、
爛々と期待と不安に打ち震える深い緑の瞳は一瞬だってラッシュの勃起した陰茎から放れ
なかったのを彼は感じ取っていた。
 ラッシュがフレデリカの上に覆い被さった。ラッシュの陰茎はフレデリカのヘソの窪み
に引っ掛かっていた。彼は応えを期待せず、フレデリカの唇を求めた。しかし今度のフレ
デリカは顔をそらすことなかった。それどころか、積極的に舌を絡め合わせてきた。これ
には当のラッシュが一番驚いた。
 しかし一瞬の逡巡のあとで得心した。
(別に不思議じゃないな。こんなに若くて女盛りの器量よしがこうも亭主に放置されてち
ゃ溜まっちまうのも当然だな。それを解消してやってんだ。実際、感謝されてもいいかも
な)
 ラッシュもようやく積極的に舌を絡めだした。ねちゃねちゃと二つ唾液が混じりあって
いった。そして互いにごくり、ごくりと嚥下して腹に収めていった。
 フレデリカのヘソに当てられた陰茎から先走り汁がどんどんとあふれ出す。先ほどの唾
液とで、彼女の腹部はラッシュの体液でてらてらと輝いていた。
 フレデリカのとろんとした瞳から頃合を悟ったラッシュが腰を引き、どろどろとして、
まるで溶けてしまったような秘所へと狙いを定めた。彼女もそれを認識して、股を開いた。
今まで以上の女の匂いが部屋を満たす。そしてラッシュの亀頭が蕩けきった膣口に触れた。
「あふ……っ!」
 異常なほど敏感になっていたので思わずフレデリカから声が漏れた。彼女はやがて来る
であろう瞬間に備えて長い睫毛をまたたかせて目を瞑った。
 一秒……十秒……三十秒……。
 やがて、
「あふうううううううううううううううううううううううう!!」
 訪れた歓喜の瞬間。ラッシュの陰茎がフレデリカの膣を押し広げて侵入してきた。
「あひいい……! おっきい……おっきい……。おっきいよぉ……! しかも長い……。
こんなの初めて……! 裂けちゃうかも……!」
 彼女の肉壁は強くラッシュを締め付けたが、それは決して不快、苦痛といった類のもの
ではなく、間違いなく快感だった。それはフレデリカも同じだった。
 侵入に屈せずに締め付けると思えば、誘うようにざわざわと陰茎を撫でる。そして温か
くラッシュを包んでいた。
 亀頭がこつん。と膣内の最奥を突付いた瞬間、ラッシュはこれまで以上の征服欲を感じ
ていた。いつも自分より上にいて、そして決して追いつけなかった何かを叩き伏せた快感。
自然と笑いが漏れた。

131:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:15:26 9Atg3l5o
「なあ、そういえば、さっきの質問に答えてもらってなかったな」
「え……」
「お前の旦那のものと俺のどっちがでかい?」
「え……そんなの……」
「別に応えなくてもいいぜ。それならもうこれでお仕舞いだけどな」
「う……えっと、えっと」
 ラッシュが腰を引いた。その瞬間、「あ、あなたのほうよ。……ラッシュの方がずっと
大きい! ビュウさんよりおーきい!」
 そう言うと、羞恥に今まで以上に頬を紅潮させ、フレデリカはぷいと顔を背けてしまっ
た。
 ―勝った! 俺は完全にあいつを超えたんだ!
 ラッシュは今まで以上に笑い転げたくなるような衝動を抑えて、一旦、陰茎を最奥まで
挿入しなおすとずちゅずちゅと水音を響かせて抽送を始めた。
「ああああぁぁ。深くて、大きいぃいい! すごい。すごいぃいいい。こんなに気持ちい
いの、私、知らないぃいい!!」
 きらめく金の絹糸の一筋が汗で額に張り付いている。抽送しながらそれを外してやる。
悦楽をだらしなく開かれた半開きの口からヨダレをたらしながら享受するその顔はたまら
なく美しかった。
 この頃にはラッシュの腰にはフレデリカの艶かしい足が絡みついていた。背中には白魚
を思わせる指で爪を立てて。
 ガンガンと腰を振りながら、ラッシュはもう一度、フレデリカの耳元に囁きかけた。
「なあ。ビュウとどっちが凄い?」
「も、もちろんラッシュ、あなたですうう……! あひい! もっとぉ……ッ!!」
 即答するフレデリカに苦笑しつつ、ラッシュはまた抽送に意識を集中させていった。そ
して思いついたように目の前で揺れる乳房にしゃぶりつき甘く乳首を噛んだ。
「あひっ!」
 その突然の痺れにフレデリカの身体が一際強くしなった。だがすぐに物欲しげにラッシ
ュのぼさぼさ頭を自らの乳房へと押し付けていった。
「あああぁ……!! こんなに、こんなに、セックスが気持ちひいものだったなんてええ
……!」
「そうだ。それはお前の亭主じゃない、この俺が教えてやったんだぞ。分かっているよな
あ……!?」
「はいいいぃ。あああ、素敵、素敵ぃいいぃぃ。ありがとうございますうううう!!」
 互いの汗と体液でぬめる二人の身体はまるで溶け合った一つの身体のようだった。ラッ
シュが唇を求めれば、フレデリカはそれと同時に彼の舌を求めた。舌が、唾液が糸を引い
てぐちゃぐちゃとまみれあう。
 ラッシュの陰茎が一際、奥に叩き込まれる。ラッシュは下唇を噛んでやがて来るであろ
う射精を堪えていたが、このぐしょぐしょに蕩けきった、しかし心地よい締め付けを忘れ
ない膣内にあってはそれも時間の問題だった。
「くぅう! そろそろ出すぜ」
「あひいいいい。出して、出して……膣内(なか)にたっぷり出してくださいいい!」
 フレデリカが絶叫する。もはや自分でも何を言っているのか分かっていないのだろう。
浅ましく恥を知らない願いを口にした。
「出すぞ……!! たっぷり、孕むんだ。ビュウの子じゃない、俺の子をぉぉなあ!」
 陰嚢からしぼりだされた滾りが陰茎の先端からほとばしって、フレデリカの膣内をそれ
だけで満たし出した。それとほぼ同時に弓なりにしなり、そして崩れ落ちる彼女の身体を
抱きとめて、ラッシュは満足げに笑った。
「出てるぅう。いっぱい、いっぱい熱くて臭い汁がああ……。こんなに濃いの初めて……。
これじゃあ、絶対に孕んじゃいます……。ビュウさんのじゃない……他の人の子を、ラッ
シュの子を孕むんだわ……。いっぱい、いっぱい……。でも気持ちいい……」
 収まりきらなかった精液がごぷりと膣口からこぼれて、シーツに消えた。

132:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:16:05 9Atg3l5o
                   ◆◆◆

「これでもう黙っていてくれるんですよね……?」
 気だるげにベッドに伏したままのフレデリカがぽつりと言った。どこか名残惜しい声色
が混じっているのは気のせいだろうか。
 シーツを一枚腰に巻いただけのラッシュは椅子から立ち上がり、窓から空を見上げた。
白い雲が棚引いていた。その傍らを竜が一頭飛んでいた。
「別にお前がそれでいいなら、それでいいぜ。……本当にそれでいいのならな」
「ど、どういう意味ですか……」
「そのままの意味さ」
 ラッシュはベッドに近づいて、身をかがませるとフレデリカの細くなめらかな顎に手を
やって、その唇を奪った。
「え? ちょ……!」
 フレデリカは身を強張らせたが、すぐに唇を放すと
「それじゃあな。―そうだ。また明日の夜にでも立ち寄らせてもらうぜ。勝手口の鍵を
あけておいてくれよな」
「は……?」
 そう言うとラッシュは手早く服を着ると部屋から出て行ってしまった。それからしばら
くしてラッシュの騎竜の鳴き声と羽ばたく音が聞こえて、やがて小さくなって消えた。
 独り残されたフレデリカは呆然と空を見上げていた。そしてやがて小さく頷いた。それ
が意味するところは彼女にしか分からなかった。

133:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:18:56 9Atg3l5o
                   ◆◆◆

「遅くなっちまったな……」
 思わぬ商売上のトラブルで予定していた時刻を大幅に超過してしまったし、予定外の損
失を蒙ってしまった。それは主にビッケバッケのキノコによるものだったが。
 それでも大切な義兄弟を見捨てておけるほどラッシュは商売において冷酷になり切れな
かったのだ。それはラッシュの甘さであり、そして美点でもあった。だからこそ彼の実直
なところに惚れた人々が自然と集まってくるのだろう。しかし彼らは知っているのだろう
か。ラッシュが弱みにつけこんで女を犯すような男だということを。

 なめらかに夜を駆ける騎竜の上、ラッシュは目を瞑った。思い出されるのは昨日のフレ
デリカの痴態。清楚で優しく幸福な夫人だった。しかしその実、歳相応の情欲をもてあま
す哀れな女でもあった。
『マジで惚れちまったのかもしれないな』
 ―自然と苦笑が漏れた。
 果たしてフレデリカはもう寝てしまっただろうか。それとも拒んで鍵を締め切ってしま
っているだろうか。少なくともビュウは今、カーナにいる。それは確かだ。以前本人から
聞いたし、なおかつ商売仲間のツテからも同じ情報を仕入れているのだ。今夜、あの薬屋
にはフレデリカ一人のはずだ。無論、誰かが訪ねてきているかもしれないだろうが、その
時は自身の“負け”だ。ラッシュには何となくそう思えてならなかった。

134:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:21:24 9Atg3l5o
 ―見えた!
 夜の闇の向こう、ぼんやりと二階建ての建物の輪郭が見えた。しかし騎竜の上からでは
明かりは見えなかった。
 汗ばむ手綱を強く握って、一層スピードを上げる。鼓動も早鐘のように鳴っていた。
 脇の空き地に降り立っても、まだ薬屋からは人の気配を感じることはできなかった。来
客者用の竜舎には何もお繋がれていなかったし、店先はすでに締め切られていた。
(まさか、どっかに出かけちまったのかよ……! ちくしょうめ)
 おずおずと忍び足で裏に回ってもそれは同じだった。どこからも物音は聞こえては来な
い。ただ、近くの藪からの虫々の声だけが聞こえていた。
 そしてやがて目の前には勝手口の扉。銀色のドアノブがやけにぴかぴかに光って見えた。
呼吸を整え、ゆっくりと手を伸ばした。
 ―ガチャリ。
 やけに大きな音と共にあっけなく扉は開いて、ラッシュを出迎えた。
「く、くくくく……。なんだ。なんだ。くくく……」
 腹の底からの笑い声を漏らしながら、ラッシュは扉の向こうの闇へと身を滑らせていっ
た。

135:ソープオペラ劇場 ◆EtWyBzrTnM
07/11/01 01:22:52 9Atg3l5o


とりあえず、この話はここでお仕舞いです
それでは

136:名無しさん@ピンキー
07/11/01 02:28:13 xCXYf7LF
GJ!いささかフレデリカの陥落が早すぎて寝取られって感じは薄かったけど
ラッシュのビュウに対する暗い嫉妬っていうテーマが素晴らしいな
本編のラッシュの見方が変わったわ
終わりの見えないラストも素敵

137:名無しさん@ピンキー
07/11/01 03:12:33 pN579Yz3
ビュウを魔王にでもするつもりか

138:名無しさん@ピンキー
07/11/01 03:20:42 PfwWc6uL
GJ!
しかし、このラッシュは、
「あの世で俺にわび続けろビュウーーーーッ!!!!」とか
本気で言いそうで怖いなw

139:名無しさん@ピンキー
07/11/01 09:33:19 neHLhhkZ
しかしビュウのバックにはバハムート翁がいるのである。

140:名無しさん@ピンキー
07/11/01 11:14:32 3UgHKweg
ビュウのも大変だなぁ。

141:名無しさん@ピンキー
07/11/01 16:20:28 zl01/yme
この直後、暗がりにて待ち伏せしていたビュウの剣でラッシュが刺殺される所をなぜか幻視した

142:名無しさん@ピンキー
07/11/01 17:43:05 K7Qhj7dj
鬱ったがGJと言おう。しかし次はラブいのを頼む。

143:名無しさん@ピンキー
07/11/02 19:59:36 GDejVZ4C
GJ!面白かった!暗いのもいいな。
何気にラッシュのエロって初?

144:名無しさん@ピンキー
07/11/02 21:18:02 I6wP/ZAM
そういやそうだったかも。
エロなしとか、あとはビュウ絡みのエロ話の脇役で出るとかはあったけどな

145:名無しさん@ピンキー
07/11/03 12:07:52 uAOTG2Q/
読みやすいし面白かったぜ。GJ
次にも期待してる。

146:名無しさん@ピンキー
07/11/06 22:04:55 cyeFICur
保守りに来ましたよ

147:名無しさん@ピンキー
07/11/07 23:01:28 znguzAyA
ディアマイナイトまーだー?

148:名無しさん@ピンキー
07/11/08 01:44:20 nqfwgQJj
時々でいいから、実は大人だったビッケバッケの事も思い出してあげてください

149:名無しさん@ピンキー
07/11/08 06:45:50 WuFK7H+S
>>147
大人の事情で打ち切りになりますた

150:ディア・マイ・ナイト
07/11/08 11:14:52 Ru4WfHJE

「あはっ、ご、ごめんねビュウ!」
「いたた…」

頬に真っ赤な紅葉を咲かせたビュウに、ディアナは渇いた笑いを見せ、謝罪した。
既に誤解は目を覚ましたフレデリカによって解かれてはいる。
とはいえ、状況的に先程のビュウはフレデリカを襲っているようにしか見えなかったのも確かである。
である以上、ディアナがビンタを繰り出したとしても彼女を責めることができるだろうか。
いや、できない。

「ホ、ホワイドラッグかけようか?」
「いやいいよ。そこまでのものじゃないし」
「本当にゴメンね」
「…まあ、あの状況じゃあディアナじゃなくても誤解しただろうし、仕方ないさ」

苦笑するビュウ。
いくら誤解といえどもそうさせた理由の一因が自分にあることも間違いではない。
それ故に一概にディアナが悪いと言い切れないのも確かなのだ。
まあ、ビュウが単純にお人よしだという面もあるのだが。

「けどビックリしたわよ。いきなりあんな…」
「…わかっているとは思うが」
「わかってるって! 流石の私もこんなことまで噂にしようなんて思ってないし」
「ラッシュにも言うなよ?」
「な、なんでラッシュだけ名指しなのよ!?」
「いや別に」
「…うー」


151:ディア・マイ・ナイト
07/11/08 11:16:15 Ru4WfHJE

痛いところをつかれたのか、唸り始めたディアナ。
それを無視し、ビュウはその隣へと目を向ける。
そこには、ひたすら真っ赤な顔で俯き続けるフレデリカの姿があった。

「……!」

びくんっ!
フレデリカの上目遣い気味にあげた視線がビュウのそれとぶつかる。
だが、時間にして一秒。
たったそれだけの邂逅でフレデリカは再び顔を俯かせて目を伏せてしまう。

(いや、確かにさっきはあれだったけど、ここまで過剰反応されるとそれはそれできついな…)

自業自得とはいえ、ここまで過敏な反応だとさしものビュウもそれなりに傷つく。
彼女のほうに悪気はないようなのが尚更だった。
ちなみに、実際のところフレデリカは照れているだけである。
当然朴念仁のビュウがそれに気がつくことはないのだが。

「ま、こんな話誰も信じないだろうけどね。ドンファンとかならともかく、当事者がビュウだし」
「それは助かるが、俺だしってのはなんだ」
「いやだってビュウって女の子に興味ないでしょ?」
「不穏な言い方をするなっ!?」
「えー、事実でしょ? 普通の健康男性ならあの場面はフレデリカを襲ってしかるべきだし。
 それとも何? 本当はフレデリカの裸に欲情してたとか?」
「それは―」
「ディ、ディアナ!」


152:ディア・マイ・ナイト
07/11/08 11:17:43 Ru4WfHJE

ディアナの物言いに抗議しようと口を開きかけるビュウ。
だが、それを横合いから割り込むようにして中断させたのはフレデリカの珍しい怒声だった。
普段は穏和にして表情が病的に青白いことが多いプリースト。
そんな彼女が顔を赤く染めて立ち上がったということに二人は目を丸くさせて驚く。
気勢をそがれたビュウは口を閉じ、ディアナは思わぬ事態に目を白黒させた。

「フ、フレデリカ?」
「ビュウさんは私を心配して…それなのにそんな言い方っ」
「あ、いやその、これはちょっとしたお茶目というか……ご、ごめん!」

仁王立ちプリーストの迫力に負け、ディアナは平身低頭で謝罪した。
普段は大人しく怒ることなど皆無な彼女だけにいざと怒ると非常に怖い。
だが、それゆえにディアナは気づくことができなかった。
フレデリカの怒りは半分照れ隠しであるということを。

「ビュウさんも…ごめんなさい。私が倒れたりしなければ」
「い、いや俺が勝手に入ったのがそもそも悪いわけだし」
「でも…それに、見苦しいものを見せちゃいましたし…私、ガリガリで骨ばかりだから…」
「いや、十分魅力的だったと」
「え…?」
「へえ…」

ポッ
ビュウの失言にフレデリカの頬が薔薇色に染まる。
と同時にディアナのニヤニヤした表情と視線がビュウを突き刺した。

「す、すまない!」


153:ディア・マイ・ナイト
07/11/08 11:19:27 Ru4WfHJE

実はじっくり見てましたと自白したも同然の台詞にビュウは謝罪。
だが、フレデリカは既に夢見心地な表情で固まってしまっていた。
なお、ディアナはニヤニヤ度を更にあげていたりする。

「ふ~ん、そうかあ、そうなんだ~。ひょっとして、私お邪魔虫?」
『ディアナ!』
「息ピッタリ♪」

ぽん、と手をたたくディアナにビュウとフレデリカは顔を見合わせる。
そしてすぐさま目をそらしあった。
実にわかりやすく純情な二人である。

(ほんっとわかりやすいわよねー。ま、それだけにもどかしくもあるんだけど)

噂話と並んで恋話が大好物なディアナにとってこの二人の関係は目を離せない。
ゾラあたりからすれば「あんたはどうなのさ?」と突っ込まれるところだろうが。

「で、ディアナは何の用だったんだ? 俺は薬草を届けに来たんだが」

ビュウはあからさまに話題の矛先を変えようとそう切り出した。

「私? 私はヒマだったからフレデリカとおしゃべりでもしようかなって」
「あ、ごめんなさい。私これから用事が…」
「用事? そういえば着替えてたんだものね。えっと、どこかにお出かけ?」
「ええ、ちょっとお城のほうに呼ばれているの」
「お城って…カーナ王城?」

こくん、と頷くフレデリカにビュウとディアナは顔を見合わせた。
彼らが考え付く限り、フレデリカが王城に呼ばれるような理由がまったく思いつかなかったのだ。


154:ディア・マイ・ナイト
07/11/08 11:22:43 Ru4WfHJE
八話終わり、大人の事情で復活しました(w

155:名無しさん@ピンキー
07/11/08 13:09:46 FL1LT/Ta
言った矢先に投下ktkr
そしてGJ。やはりフレデリカは可愛い。
次回はヨヨVSフレデリカか?

156:名無しさん@ピンキー
07/11/08 15:18:25 mRALwXjf
俺の股間から出るホワイトドラッグはどうしよう

157:名無しさん@ピンキー
07/11/08 16:02:10 dFSBJMNe
>156
ブラックホールに突っ込むとメイクガードできるよ

158:名無しさん@ピンキー
07/11/09 22:47:17 V+6GJGaR
やっぱりビュウの相手役はフレデリカが主流派だろうけど
ここは一発、大穴も欲しいね

159:名無しさん@ピンキー
07/11/10 01:00:44 XwOloeX1
>>158
ゾラやラディアやバーバレラを含めてどの女性陣も大穴とは感じず
性別不明のアサシンや実は男装していたラッシュとか考えてしまった
…無理がありすぎだな

160:名無しさん@ピンキー
07/11/10 01:28:26 4VBV1PVv
そこでファーレンハイトの武器屋から防具屋を寝取り、
ついでに防具屋とマテライトの身分違いの恋も乱入して
泥沼の四角関係フラグって事でひとつよろしく

161:名無しさん@ピンキー
07/11/10 17:20:14 8/unN36E
>>160
そんなの書ける奴いるのかw
俺にはもう意味がわからんw

162:名無しさん@ピンキー
07/11/11 03:20:33 VjDfPhQg
何だ何だ、寝取り・寝取られブームでも来たのか?
俺としては、バルクレイ・アナスタシアのカップルから
ビュウがアナスタシアを寝取るか、フレデリカがバルクレイを寝取る展開を期待します

163:名無しさん@ピンキー
07/11/11 05:46:36 HvBTtzmx
期待するくらいなら自分で書こうぜ
これこのスレの基本あるね

164:名無しさん@ピンキー
07/11/13 22:26:16 5puR2G8x
というわけで今日も保守るのぢゃよ

165:名無しさん@ピンキー
07/11/15 03:22:02 iKemDLwb
多分、おっぱいが一番大きいのはエカテリーナだとおもうんだ
逆に小さいのは、まあ順当に考えてメロディアだろう(僅差のブービー賞はアナスタシア)

166:名無しさん@ピンキー
07/11/15 05:05:50 KdOy8Z6x
>>165
ゾラおばさんもでかいとおもう。
……横にもでかそうだけど。

167:109
07/11/16 03:28:13 U77NPjiW
今度は純愛を書いてみたよ。
長くなりそうだから二回くらいに分けて投下する予定

あらすじ
 ビュウとディアナがラブラブエッチ

追伸
純愛ものと、非純愛ものでトリップ分けたほうがいいのかな?
とりあえず今回は前回のトリップを使いますよ

168: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:30:02 U77NPjiW
 もし今が昼だったならば、もし今、太陽が昇っていたのならば彼女は目の前にマボガ
ニーの扉を見たことだろう。
 しかし夜の闇はその美しい木目を隠し、そしてその向こうで彼女を待っているであろう
未来を感じさせなくしていた。
 だからその未来が彼女に幸福をもたらすものなのか、それともそうでないのかは分から
ない。それでも、この扉を開けたならば、彼女を取り巻く世界は変わる。
 それだけは漠然とだが彼女には何故か感じられていた。
 だから結局のところ、信じるしかないのだ。加護を祈るしかないのだ。胸元からロザリ
オを取り出し、小さく神へと祈った。
 しゃらりと鎖が鳴って、それが元の位置に戻ったとき彼女の瞳には迷いが感じられなく
なっていた。

169: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:30:34 U77NPjiW
 手を伸ばした。息を吸った。そして吐いた。頬を上げた。
 微かな、それでもはっきりとノッカーが扉を叩いて音を立てる。
 ―そして一瞬の間。
「はい」
 扉の向こうから聞こえる彼の声。ディアナは今度も小さく頷くとノブに手をかけて、扉
を押し開いた。その途端に押し寄せる橙色の光の粒子たちに目を細めながら、ディアナの
瞳はソファに深く腰を下ろした青年を捉えていた。独りだった。
 傍らのテーブルにはガラス瓶や、グラスが置かれていたのできっと晩酌をしていたのだ
ろう。
「こんばんわ。ね、ちょっとお邪魔してもいい?」
「なんだ。ディアナか。どうしたんだ。こんな夜更けに」
「なんだ、とは何よ。……まあいいわ。それより、ちょっと話したいことがあるの。今、
時間貰える?」
「別に構わないぞ。ちょうど独りで飲んでいるのも飽きてきていたところだったんだ」
 ディアナはほっと胸を撫で下ろしながらも、悪戯っぽく微笑むと「で、レディーをいつ
までこんな寒いところに立たせておくつもり?」と言った。
 その言葉にビュウは苦笑とともに立ち上がると、すでに半身は部屋に滑り込ませたディ
アナを丁重にエスコートして先ほどまで青年が座っていたソファの向かいへと誘った。

170: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:31:13 U77NPjiW
「ふふ。ありがと。ビュウ」
 ビュウも元のようにソファへと腰を下ろして、グラスの中の液体をちょっと喉に流すと
「で、結局何のようなんだ。まさか夜這いでもしにきたわけでもないんだろ」
 ―“夜這い”
 その余りに直接的で、肉感的な言葉にさっと頬を紅潮させるとディアナは「ば、馬鹿な
こと言ってんじゃないわよ」と可愛らしく俯いた。
 そしてすぐに頬を上げると「ちょっと話したいことがあるってさっき言ったでしょ!」
「何だ。ちょっとガッカリしたぞ。はは。……まあいいや。それで話って何だ? こんな
夜更けに来なきゃならないほど大切な話か?」
 その言葉でディアナは途端に小さくなった。言い出しにくそうにもじもじと身をくねら
す。
「うん。とても大切な話。だからどうしても話したかったのよ」と呟くと、また俯いてし
まった。このいつにない挙動にビュウは訝しげに眉をひそめた。

171: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:33:49 U77NPjiW
 そして数分。
 ディアナは無言だった。ビュウも無言だった。ただ時計の針音だけが聞こえていた。
「―ね、お酒。お酒貰ってもいい?」
 唐突な言葉にビュウは微かに首をかしげた。
 なぜならディアナは酒をやらないはずだったから。それは年齢的な問題などでも、いわ
ゆる戒律からでもなく、単に彼女がそういった性質(たち)であることを、ビュウもよく
知っている。
 しかし今、この年下の幼馴染はその飲まないはずの酒を要求している。きっとこれから
彼女が切り出すこともただ事ではないのだろう。そんなときにわざわざその理由を問い詰
めたり、無下に断ったりするほど、彼は愚かな男ではなかった。
 ただ、彼女がここまでせねばならないほどの悩みに気付いてやれなかったことが残念で
ならなかった。
「ああ、分かった。水割りでいいよな?」
 彼が立ち上がって、グラスを取り出そうと背を向けようとした瞬間、ビュウは思わぬ異
変の気配に振り向いた。ディアナは酒瓶を掲げており、いわゆるラッパ飲みをしていたの
だ。飲み込みきれずにこぼれた酒が白い喉を艶かしく濡らしていた。

172: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:35:05 U77NPjiW
「おい。馬鹿! そんな飲み方する馬鹿があるか!」
 驚きに目を剥いたビュウが彼女から酒瓶を取り上げたとき、ディアナの顔はこれ以上な
いほど紅潮し、そしてつややかに濡れた瞳が彼を見返していた。
「―ね、座って」
 予想外にしっかりとした言葉が薄紅の唇から漏れた。ディアナはビュウに着席を促した。
 しかし彼はそれを無視すると「“座って”ってお前、大丈夫なのかよ。気持ち悪くない
か? 吐き気はないか? それとも頭は痛くないか?」と慌しく動き始めた。
 少女はそんな彼に嘆息すると、頬の色に似つかわしくないほどに落ち着いた口調で
「―ね、座って。話したい事があるって言ったでしょ?」と繰り返した。
 渋々腰を下ろすビュウを確認すると、少女は小さく一呼吸つけた。頬の赤みも若干引い
てきた。
 そして。
「私は―あんたが、ううん、あなたが、好き」
「え」
「うん、やっぱり私は、ビュウの事が好きなのよ」
「おい」
「ずっと、ずっと。多分、初めてお城で会ったときからずっと。陛下が亡くなる前も、後
も、そして今も。―私はあなたが好き」
「お前酔っ払っているだろ。だからこんな―」
「こんな……。何よ!? 何だって言うのよ」
「だから、こんな冗談が言えるんだろ。さっき、夜這いなんて冗談言ったのは謝る。だか
らお前もあんまり俺をからかわないでくれよ。ちょっと趣味が悪いぞ」
「―からかってなんかない! からかってなんかないよぅ……。私は別にからかってな
んかないよぅ! どうしてそんなこと言うの!?」
 途端、空色の瞳から溢れる雨色の涙。それはポロポロと下界へと降り注いでいった。白
く滑らかな掌で顔を覆ってもそれは留まることを知らない。時折、その向こうから鼻をす
すり上げる音や、喉をひくつかせる音に混じって、からかってなんかない。からかってな
んかない。そればかりが聞こえていた。
 呆然とそれを見続けていた青年もようやく我を取り戻すと急いで今、自分が何をすべき
なのだろうかと頭を巡らした。
 ディアナ。幼馴染。戦友。告白。などなど。
 取り留めも無い単語だけがくるくると踊る。彼女に何て声をかけるべきなのか、間抜け
で、不器用な彼には見当もつかない。
 それでも心をただそれだけで染め上げる色があることだけははっきりと分かった。それ
は彼女の告白と同時に現れた色だった。
 その色の名は―。

173: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:36:30 U77NPjiW
(ええい! ままよ!)
 先ほどの少女と同じようにグラスを介さず、直接酒を喉に流し込んでいく。熱を持つ頬。
さらに荒くなる鼓動。ぐらつく頭。目の前の美しい女。
 そして酒臭いゲップを一つ吐いて、テーブルの上に乗り上げると、いまだ顔を覆って泣
きじゃくる少女の片手を無理に取ってこちらを向かせた。
 もう何を言うべきかなど、考えるまでも無かった。自然と口をついて出て来る言葉にす
べてを任せるのだ。
「―確かにお前ほど長く想っていないかもしれない。それも、ようやく今、気付いたく
らいだから。……それでも俺はお前のことが好きだ、好きだ、好きなんだ」
「嘘よ! ううん、嘘に決まっているわ。ビュウはヨヨ様のことがまだ好きなのよ。それ
くらい私だって!」
 恋慕の情は吐きつつも、それが受け入れられると否定する。そんな不可解な理屈を捏ね
繰り回しながらディアナは彼の手を振り解こうした。その彼女が吐いた言葉にビュウは一
瞬、眉をひそめたがそれでも怯まずにディアナを掴み続けた。
 それは、この小さく震えるディアナがどうしようもないほど愛しかったから。自然と動
き出す身体。ビュウはディアナの小さく、そして可愛らしい唇へと自らのかさかさで無骨
なものを重ね合わせていた。
 途端、静かになる少女。互いの頬の赤みが再び色を増したのは酒のせいばかりでは決し
てない。そして、離れる唇。名残惜しそうに唾液の橋が二人を繋いでいた。

174: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:37:14 U77NPjiW
「ね、ほんと? ね、ほんとに私のこと、好きになってくれるの?」
「俺がお前に嘘ついたことなんてあるかよ」
 ぶっきら棒に呟く青年にディアナは今更、照れたように「―うん、いっぱい」と笑っ
た。ビュウは苦笑して、また彼女の唇を求めた。ディアナもおずおずとそれに応えた。
「ん……。素敵……」
 ふわふわとした浮遊感にディアナが陶然の声を上げた。
「ね、このままで終わりなんてレディーに恥をかかせるつもりはないわよね?」
「やっぱり、夜這いじゃないか」
「ふふ、やっぱり無粋ね。あんたは。―でもそれも私たちにはお似合いなのかもね」
 くすくすと酒臭い息で互いに笑いあった。

175: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:38:01 U77NPjiW
「ね、ビュウ?」
 抱き上げられ、その首に手を回すディアナの問いかけにビュウは「ん?」と応えた。
「―好きよ」
 何をいまさら、と苦笑する青年にディアナは頬を膨らませて、「いいじゃない。今まで
言えなかった分も言いたいのよ。全部」と言った。その答えにビュウは何も言えず、ぷい
と目をそらした。その頬は真っ赤だった。
「ありがとう。嬉しいよ」
 それからようやく呟いた一言にもディアナは嬉しそうに「うん。私こそありがと。私の
事、選んでくれて、好きになってくれて」
 無邪気に微笑む少女にビュウはまた苦笑するしかなかった。今夜は苦笑ばかりしている
ような気がする。それでもそれは不快ではなかった。今までも、そしてこれからも、ずっ
と自分はディアナに振り回されていくのだろう。ただそれが楽しみでならなかった。

176: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:39:23 U77NPjiW
「ね、キス、して」
 ベッドに沈みながらの願いにビュウは答えず、応えた。しっとりと触れる唇は柔らかっ
た。
「んふ。でもやっぱりお酒の力って凄いね……。ずっとずっと言えなかったことをこうも
簡単に言わせちゃうんだもの」
 眼前の愛しい人の頬を撫でながら、ディアナが呟く。青年はその手を取ると、
(すまなかったな。気付いてやれなくて)
 そんなわびの言葉を飲み込んで、ビュウはキスを落とした。詰まらないわびの想いなん
かより、胸を満たす想いを伝えたかったのだ。そして自らの眼下で嬉しそうにくねらす美
しい少女に欲情を覚えているのもまた確かで、わびの言葉で興が冷めてしまうことを恐れ
たのだ。
 それでも不器用な彼はたった一言。
「―いいか?」
 ディアナは目を泳がせ、逸らし、そしてまたビュウの瞳を射抜くと、静かに頷いた。
(―だって、そのために来たんですもの)

177: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:40:44 U77NPjiW
 ビュウの手がディアナの紺碧色の腰布にかかった。それはカーナの空に良く似た色だっ
た。目を閉じるとディアナはふと幼い頃の影を見た。
 あの頃、空を見上げればいつも彼がいた。
 紺碧の空に紅い翼。その下で大きく手を振っていた幼い娘がいたことに彼は気付いてい
てくれていただろうか。
(無理だろうなあ。―だって)
 彼女がビュウを見ていたように、彼にだって見ていた人がいたのだから。
(でも、でも、今、ビュウは私のことだけを見ていてくれているのは紛れも無い事実なん
だからそれで充分よ)
 大きな頷きがディアナの顎を動かした。そして、腰布がはらりと解かれた。
 そっと手を掲げて、彼の頬を撫でてみた。温かかった。ビュウはくすぐったそうに目を
細めた。
 ディアナの肩の突き出た山吹色のローブ。彼の指が肩をすべった。彼女の細く、白い喉
が鳴った。それを合図とするかのように艶かしい肩にビュウが沈んだ。なめらかなそして
弾力ある感触を彼に伝えた

178: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:41:16 U77NPjiW
「愛している。―ディアナ」
「……ありがと」
 啄ばむようなバードキス。そして見詰め合って、深くゆったりとしたキスを交わす。し
ばらくしてビュウの舌をそっとディアナへと差し込まれた。
「ひう……!」
 一瞬、驚きに身を固くしたディアナも、やがておずおずと応えるようになめらかな舌を
返した。
 初々しい恋人たちの舌がぎこちなく絡み合い、隙間隙間から唾液が漏れて頬を濡らす。
それでも自分の腕の中に愛しい人がいて、愛しい人の腕の中に自分がいるという当たり前
の事実が妙に嬉しくて、さらに腕に力を込め、そして舌で唾液を絡ませあった。ぐちゅぐ
ちゅとした水音が部屋に響いて、やがて大気に溶ける。
 自分の唾液に相手のそれを混ぜ合わせて嚥下すればそれは甘露。もしくは媚薬。みるみ
るうちに身体は火照り、心はさらに相手を求める。
「あ、あああ……、好き……、好き……。ビュウ、あなたのこと好き……!」
 途切れ途切れに思いの丈を吐きつつ、交歓は続いた。
 その激しい交歓もしばらくすると、やがてディアナは小さく痙攣を起こすと背筋を張り
詰めさせた。そしてぐたりと弛緩する肢体。
「はぁ……はぁ……。何……今の……?」
 荒く息をつきながらディアナが戸惑いの声をあげたがすぐに「あれが達するってこと?
 何だか頭が真っ白になっちゃって、何も考えられなくなっちゃって……。変な感じ。で
も―気持ち良かった」と頬を染めて、頷いた。

179: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:45:04 U77NPjiW
「ね、キスだけで、達しちゃうなんて私たちって相性いいのかしらね」
 息を調えながら、にんまりと笑うディアナにビュウは頬をかくと「まあ、そうかも知れ
ないな。でも誰に聞いたんだ? そんなことを」
「ふふ、ひみつ。……女の子同士の間には色々あるのよ。分かった?」
「ま、お前が言うならそうなんだろうよ。それより、続き、いいか?」
「―うん」
 話の間に呼吸も調った。仕切り直すようにまた甘く優しいキス。うっとりと吐いた息す
らも甘かった。
 まずは山吹色のローブを脱がす。現れるのは乳白色の艶かしい肌だ。緊張のせいか薄く
汗も染み出て、更に美しさを際立たせていた。それから短い巻スカートも外せば、あとは
落ち着いた色のキャミソールとショーツだけだ。ブラジャーはしていなかった。
 肩紐を左右同時に外側にずらす。はらりと支えを失ったキャミソールをディアナがもど
かしそうに脱ぎ捨てた。
「恥ずかしいね。やっぱり」
 もじもじと瑞々しい腿をこすり合わせながらディアナが照れ臭そうに笑った。酒のせい
か、それとも媚薬のせいか、身体が火照っているせいで寒さはそれほど感じなかった。
「―灯り、消すか?」
 ビュウの心ばかりの提案にディアナは小さく首を振ると「ううん、止めとく。たしかに
見られるのは恥ずかしいけど、でもそうするとビュウの顔が見えなくなっちゃうもの」と
言った。
 その言葉に一気に頬が熱くなるのがビュウにはありありと分かった。
 どうしてこの愛しい人はこうも自分の心を掴むことばかり言えるのか。これでは―多
分、勝てない。
(とはいえ、負け続けるのは性に合わないからな。いつか勝って見せるさ。俺の生涯をか
けてな)
「ね、それより、ビュウも脱ごうよ。私ばかりじゃ不公平だと思わない?」
 ディアナがビュウの服の裾をつまんで言った。ビュウも頷くとベッドから立ち上がろう
としたが、すぐにディアナを半眼で見やると
「おい、ディアナ。そこ掴んでいたままじゃ脱げないじゃないか」
「へへ。私が脱がしてあげるから、ちょっと待っててよ」
「いいよ。恥ずかしい」
「何よ。あんただって私の服を脱がしたじゃないの。いいから、いいから」
 にこにこと笑うディアナにビュウもそれ以上抗することは出来ず、彼女に誘われるまま
ベッドに膝立ちになった。
「ふふ。私に任せてよ。上手いんだからこういうのは。……多分」
 ディアナも同じように膝立ちとなると彼女のオレンジがかったショートヘアはビュウの
胸元のちょっと上あたりにあった。

180: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:47:16 U77NPjiW
 ―ボタンを外す。「ね、ビュウ?」
 ―ボタンを外す。「何だ?」
 ―ボタンを外す。「……後悔してないよね? 私とこうなったこと」
 ―ビュウに抱きすくめられた。「馬鹿言え。後悔なんてするもんかよ」
「うん、うん……。―さ、放して。まだ途中なんだから」
 少し涙ぐんだようなディアナがビュウの胸元から指を指し込み、シャツを脱がす。シャ
ツは彼の背中側へと落ちた。
 逞しく発達した身体、戦うために鍛えられた戦士の体躯だ。幾つか古傷が見えた。
「傷跡、残っちゃってるね」
「ま、しょうがないさ。それに勲章みたいなものだから、むしろ誇らしいよ」
「そうなの?」とディアナの細くなめらかな指が無骨な胸元をすべる。
「ああ。だって俺が傷ついた分、後ろにいるお前が傷つかなくて済むんだからな」
「―馬鹿みたい。そんなの単なる自己満足じゃない。あんたが死んじゃったらどうする
のよ」
 でも。とビュウが笑う。
「―お前が死なないほうがずっといい」
 くだらないヒロイズムかも知れない。それでもそうせずにはいられらない。それこそが
いわゆる男の本懐といえるものなのだ。ビュウはそんな風に思っている。
「はか……」
 ディアナは頬を染めていた。そしてぽつりと「―ありがと。でも、無理はしないでね。
治癒魔法だって万能じゃないんだから」
 そっとビュウの古傷に唇を寄せ、舌を這わす。
「くう……、くすぐったいよ」
 思わずビュウの喉から高い音が漏れた。
「くす。可愛い」
 舌は這わして、胸元からヘソを目指す。頭上から聞こえるくすぐったそうな声にディア
ナは何だか嬉しくなっていた。汗の塩辛さと彼の匂いがした。
 ベルトを外してズボンを下ろせば、陰茎はもう、すぐそこだった。

181: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:48:00 U77NPjiW
 ズボンの上からでもはっきりとは分かっていたが、薄布一枚越しだとその迫力は段違い
だった。丁度、隆起の頂点辺りの布は濡れていた。ちょっと怯みながらも思い切って、下
着を脱がす。
「ひっ……!」
 思わず、目を背けた。想像以上に太く、そして長く、そして逞しかった。
「ね、これ、舐めた方がいいのよね……? というか、舐めなきゃいけないのよね?」
 おずおずとした上目遣いの問い掛けに思わず首肯を返しそうになったが、こらえてビュ
ウは「いや、いいよ」と言った。
「え? だって私が読んだ本じゃ……」
「どんな本を読んだか知らないけど、今日はいいよ。それより早くディアナを感じたいか
ら」
 ―“今日は”
 その言外に響く意味にディアナの頬に紅が走る。釣られてビュウの頬も紅潮した。

182: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:48:52 U77NPjiW
「キス、もう一度いいか?」の問いに「もちろん」とディアナが膝立ちで答えて、キスを
交わす。
「んふぁ……!」
 舌を絡ませながら、想いを絡ませながら、二人の身体がベッドに沈んだ。ビュウがそっ
とディアナの肢体をまさぐりだす。くすぐったそうに目を細める少女。唇は合わせたまま、
なめらかな太腿に手を這わす。
「はうう……」
 ディアナの脚から力が抜けた。そのまま太腿を撫で上げ、やがて指先が秘所にたどり着
く。先ほどの交歓のせいか、濡れた布地が張り付き、淡い茂みが浮き出ていた。
「ね、触るの?」
 ショーツも脱がされ、いよいよ何もまとう物の無くなったディアナがおずおずと尋ねる。
ビュウは頷く代わりにその行動で返した。
「はひい……!」
 生まれて初めての刺激に思わず甲高く可憐な声が漏れた。すぐに掌で口を押さえる。
 ビュウの指が勃起した肉芽をショーツの上から転がす頃には、頬どころか顔全体を紅潮
させて喘ぐ少女の姿があった。
 小便の不浄なところ。子を産む神聖なところ。その二律背反ゆえに触れることすらなる
べく避けていたところが今、男のいいように弄ばれて、知らなかった感覚、快感、悦楽を
もたらし続けている。ディアナは考える暇すら与えらずに喘ぎ続けていた。
「ああ……ひ、ひい……ああ! ひ、あ……! き、気持ちいひい……! こ、こんなの、
こんなの知らない。知らない!」
 ―達する!
 そう思った瞬間、ビュウの指が秘所から離れた。爆ぜるタイミングを失った劣情はその
ままディアナの肉の内にこもったままとなった。
「え……。止めちゃうの? 止めちゃやだあ……!」
 とろんとした瞳。だらしなく半開かれた口からよだれをたらしながらディアナが不満げ
に声をあげた。
 しかしすぐに、「あひい……!」
 喘ぎ声が上がった。ビュウが乳首を甘噛みしたのだ。
「いやあ……、食べちゃやあ……」
 ディアナの切なげな抗議も意に介せず、ビュウは乳首だけでなく乳房をも咥内へと誘い、
存分になぶった。心地よい弾力の中に若々しい固さを残していた。
「ああ……いやあ。そんな……、やめてえ……、気持ちいい、いいよぉ!」
 絶え間なく上がる嬌声。下腹部から燃え上がる劣情。ディアナはビュウの頭をかき抱き、
悶え続けていた。

183: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:50:14 U77NPjiW
 ビュウが愛撫を中断して、ディアナの耳元に囁いた。
「俺ももう限界なんだ。だからお前の中に入りたいんだ、いいよな?」
 ディアナは、もやのかかった、あるいは白い閃光が瞬き続ける思考の中で、訳も分から
ず頷いた。
 『ビュウがそうしたいと望んでいる』
 だたそれだけが彼女を促したものだった。
 ビュウが一旦、ディアナの肢体から離れる。
「あ……」
 ディアナの名残惜しそうな声が彼を追いかけた。その頃にはディアナも幾分平静さを取
り戻していた。
 ビュウの陰茎がディアナの秘裂へと狙いを定める。ゆっくりと鈴口が、膣口に触れた。
もわもわとして濡れた淡い陰毛に潜んだそこは、熱く蕩けていた。
「いくぞ」
(ああ……主よ。この喜びをありがとうございます)
 いよいよディアナは小さく神に感謝を囁いた。そして、目を瞑り覚悟を決めた。
「うん。お願い……」
 ―そして、ビュウがディアナの中へと押し入ってきた。

184: ◆EtWyBzrTnM
07/11/16 03:55:04 U77NPjiW

つ づ く

ディアナのエロの一番槍の栄誉は頂いたぜ!
なるべく早く続きを書く予定ですよ。それでは

185:名無しさん@ピンキー
07/11/17 22:21:07 CpxF280R
なんという生殺し……!

186:名無しさん@ピンキー
07/11/19 10:20:10 rOIQQlYp
これは良いラブラブですね

187:名無しさん@ピンキー
07/11/21 02:13:35 FqjxcAz3
保守

188:名無しさん@ピンキー
07/11/23 10:02:00 RQ4xUfBW
まにょ~(保守だぜ!)

189:名無しさん@ピンキー
07/11/24 12:52:11 dFdbxTgI
ほしゅ

190:名無しさん@ピンキー
07/11/27 22:36:21 JqzsNiBn
保守

191:名無しさん@ピンキー
07/11/29 03:41:31 VA4d5Scm
うむむ。過疎の極みだねぇ・・・

ところで、皆が読みたいキャラとそのシチュエーションはなんだい?
俺としてはキャラの好みは特に無いけど、そろそろ陵辱ものが読んでみたいな

192:名無しさん@ピンキー
07/11/29 07:54:28 NhpqDP9U
ヨヨのガチ寝取られ描写

193:名無しさん@ピンキー
07/11/29 11:01:48 H+DN8Dwx
>>192
ここでいいことを思いついたんだが、パルパレオス視点で
ヨヨがビュウに処女強姦孕ませ寝取られ・・・という構成はいかがか。
無力化されたパルパレオスの目の前で、とかもオツかもしれませぬ。

これはもしかするとどこからも文句が来ない寝取られモノに・・・

194:名無しさん@ピンキー
07/11/29 11:33:05 IXsGNY/J
>>193
どっちかいうとビュウには悪者キャラになってほしくないなぁ。
パルパレが死んで、ヨヨがもういちどビュウのもとに戻ろうとするも
ビュウは悟り開いたみたいになってて、ヨヨを振る→ヨヨ悲しみに暮れるみたいなの希望。
というか前スレにあった、ゲームのエンディング後バハムートたちと暮らすビュウのもとにディアナたちが来て・・・ってSSの続きが読みたい。

195:名無しさん@ピンキー
07/11/29 13:38:08 A8N3Kmn4
>>191
ああ、実は今陵辱で書きかけてるとこだった…
こういうのって需要ないかなと思ってたけど
もう少し頑張ってみるよ

196:名無しさん@ピンキー
07/11/29 17:55:45 7tRN83pb
ディアマイナイトの続きを待っている俺

197:名無しさん@ピンキー
07/11/29 20:58:31 LijtrKm7
>>194
そのへんはぶっちゃけ好みの問題だからなあ
まぜっ返すようでなんだが、自分はヨヨ(に限らず特定キャラ)へのバッシング感情が
あまりに生々しく滲み出てるようなのはちょっと。
エロパロ的ご都合と割り切れる範囲内でキャラが悪者化してたり鬼畜展開なのは全然余裕だけど

スルーで済むだけの話だから仮にそういうのでも投下自体に文句は言わんがなー

198:名無しさん@ピンキー
07/11/29 23:05:52 mV4oUH5F
>>195
すまん!読みたくないわけじゃないし、批判したわけじゃないんだすまん。
投下待ってる。頑張ってくれ。

199:名無しさん@ピンキー
07/11/30 02:16:02 OEjQz/Lj
バハラグの辛い所は寝取られるだけでなく、寝取った奴が人格的にも能力的にも否の付け所がない所だと思う。
……それだけに、EDの刺殺受け入れはちょっと許せない物がありましたが。
それは責任とってないよ、つーかむしろ逃げだよバルパレオス!

200:名無しさん@ピンキー
07/11/30 03:44:28 Gt8yBF3w
>>199
まあまあ、そういうとこ語るとまた色々面倒なんで抑えて

>>197
だな。
世には鬼畜萌えという萌えもあるからそれで鬼畜を書くのは大いに良いけど、
エロパロ来てまで負の感情を原動力にするくらいならそのエネルギーで萌えようぜ?
という気もする。

関係ないけど、ドンファンのエロっていかにも過ぎるのか意外に見かけんね

201:名無しさん@ピンキー
07/11/30 13:01:06 QwCIPcmD
>200
ドンファン云々と言うより十年以上たったゲームにしては二次創作系サイトは多い気もするけど
エロに関して言えばほぼ皆無だよな
このスレ以外だと全くと言っていいほど見かけない
なんでだろうね?

202:名無しさん@ピンキー
07/11/30 16:49:24 rxDx2l0X
ここくらいにしかフレデリカで抜こうとかいう不届きモノが居ないってことだろ。

203:名無しさん@ピンキー
07/11/30 20:23:57 sK9e9lMx
つか10年以上前の完全単発マイナーゲー、しかも公式設定画とかはほぼ無しってのを考えると
そのくらいで当然じゃないかね
むしろエロ無しでも二次サイトが多い事の方が有り難いくらいで

女性向け系でエロ有の表記出してる所ならまあいくつかあるけど、
男性向けっぽい所となるとそもそもエロ無しでも稀だからな

204:名無しさん@ピンキー
07/12/07 04:01:56 PBXdCOeA
保守
早く規制解除されないかなあ……

205:名無しさん@ピンキー
07/12/11 10:13:23 RXROTNV6
ほす
ついでにage

206:名無しさん@ピンキー
07/12/14 20:11:07 y1yUHi7T
ようはアレアレ、保守ってヤツだ

207:名無しさん@ピンキー
07/12/15 00:31:16 NUDdsAA5
こんな板あったんだ・・。
俺中学生の頃にこのゲームでヨヨに好きな女の子の名前つけて・・
まさかNTRされるとは・・。あまりのショックにゲームやめた・・orz

208:名無しさん@ピンキー
07/12/17 12:46:19 eHYTaaZg
板と言うかスレな。
まあ、誰もが通る道だ。ここで傷を癒していきたまえ。

209:名無しさん@ピンキー
07/12/17 22:49:44 GLHjooJY
フレたんNTRられたらカセット叩き割ってただろうが、
ヨヨに関してはどうでもよかったので、私はノーダメージでした。
むしろ、アナスタシアが結婚したって方がダメージ有った。

210:名無しさん@ピンキー
07/12/18 14:03:01 2G6WYZab
フレたんもアナも両方ほしいとはこの欲張り者めw

バルクレイ視点でアナスタシアに萌える妄想力があれば何も問題はない

211:名無しさん@ピンキー
07/12/19 10:18:32 QTntlhyO
後半のあの二人の落ち着きっぷりが憎たらしいのは正に嫉妬なんだろうな。

212:名無しさん@ピンキー
07/12/19 10:34:57 tYM8MWJe
肝心の主人公は好きな女の子がギシギシアンアンしてる情報を耳にしてるしなww
なんだこの格差は…

213:名無しさん@ピンキー
07/12/19 21:36:19 GCZ0Vtnm
あれはどっかでバハムートEND直行フラグを踏んじゃったからです。
製品版ではそれしかルートがありませんが、
開発中にはフレデリカやメロディアやセンダックやサラマンダーと結ばれるエンディングもあったに違いありません

214:名無しさん@ピンキー
07/12/19 22:09:39 WK8C4uq+
エカテリーナと結ばれたいのですが

215:名無しさん@ピンキー
07/12/19 22:31:58 ww1Tpk9M
ディアナを挙げないとはまだまだだな

216:名無しさん@ピンキー
07/12/20 04:31:34 fAG7POzY
ディアナは何故かラッシュとケンカップルという印象が強い

217:名無しさん@ピンキー
07/12/20 10:57:31 KCOc+fG/
ビュウとフレデリカは縁側で茶をのんでるカップルのような希ガス


218:195 ◆BOTwMcrA2k
07/12/20 21:21:59 9Y+YIrGf
別のを書いてる傍らに湧いてきた陵辱ものだけど、
>>195で言った手前もあるし前半投下します。今回はまだ非エロパート。

形は一応ラッシュ×ディアナですが、戦場輪姦ネタで最低に救いがないため
胸糞悪くなる予感の人はどうかトリップをNG指定でスルーして下さい。
序章時点設定なので、二人が少し幼い描写なのは仕様ってことで。

>>198
何か批判されたと思わなかったんで、謝られて逆に驚いた。気にしないでくれ。


219:竜たちが息絶える日  ◆BOTwMcrA2k
07/12/20 21:24:27 9Y+YIrGf
王国カーナの永き歴史の最後の一日となるその日も、もうすぐに終わろうとしていた。
世界を落日が赤く照らす。
やがて闇夜へと続くのであろう黄昏の中。戦火の街路を駆け抜けていく二つの人影があった。
辺りを警戒しつつ、それでも素早く前を走っていくのは一人のナイトである。
いかにも騎士然とした造りの盾を背負い、左腰には長剣を提げている。
そのなりで鋼鉄の鎧をまとった重装であるにも関わらず、彼の足取りは速くそして強かった。
勇壮な甲冑姿の割に顔立ちは随分と若い。まだ少年兵と呼ぶにふさわしい年齢だろう。
視覚と聴覚を著しく妨げる兜は既に捨てたのか、普通は戦場ではあらわにならないはずの短い髪が、
走る動作に合わせて揺れていた。
もう一つの人影は彼よりいくらか背が低い。
魔法使いたちの使う長いロッドを持ち、ナイトの後ろを遅れがちに、つまづきがちに追っていく。
フードつきの白いマントを被っているため姿は定かでないが、どうやら女性らしい。

不意に、崩れるように彼女が膝をついた。金属音をたててロッドが石畳に弾む。
ナイトがはっとして振り返った。
彼女のフードが落ち、透き通る琥珀の髪が乱れて肩の上に散らばっている。
その肩を激しく弾ませて息を継ごうとするのは、容貌にあどけなさの残る少女だった。
年頃はナイトとさして変わらない。淡いレモン色の服にカーナの司祭位を示す紋章がついている事から、
彼女がプリーストである事が見て取れる。
陽光や笑顔が似合いそうな可憐な面差しには、しかし今は絞め殺されかけた小鳥のような絶望が
色濃く滲んでいた。
ナイトが差し出した右手にすがりつき、少女はようやく上体を支えた。
肺を破らんばかりの呼吸の下から、弱々しい声を絞り出す。
「もう、駄目。わたし、走れない……
 あなた、ひとりで……にげて」
「バカ言うな、栄光ある戦竜隊のナイトが女の子見捨てて自分だけ逃げられるかよ!」
怒ったような口調でナイトが言い放つ。
その戦竜隊という組織も、それどころか彼をナイトたらしめるカーナという国家すらも
永遠に滅び去りつつあるこの夕刻の中にあってなお、彼の目からは昂然たる光がいまだ
失われてはいなかった。

220:竜たちが息絶える日  ◆BOTwMcrA2k
07/12/20 21:26:02 9Y+YIrGf

プリーストである彼女は、ナイトと比べて走力に劣る。
戦場で随伴行動する際には速い者が遅い者に合わせるのが鉄則なのだが、それさえ忘れて
相手に限界以上のペースを強いてしまったと気付き、ナイトは自責に唇を噛んだ。
しかしそれも一瞬だった。
決然とした動作で、盾を吊るベルトを肩から外して放り落とす。
軽くはないそれを今まで携えていた所からして、彼にとって価値の薄い物ではなかったのだろう。
だがもうその鉄塊を一顧だにせず、ナイトは即座にロッドを拾い、それから少女を強引に背の上へ
ひきずり上げた。
力尽きた細い体は容易になすがままになる。
「あ……!」
有無を言わさず背負われ、少女が小さく声を上げた。
その間にもナイトは彼女の両膝を脇腹で抱えこみ、一度揺すり立ててから走り出した。
「い、いけない……
 あなたまで、逃げられなく、なる、ってば」
「うるせえ、黙ってろ!」
か細い制止は地を蹴るリズムに寸断され、その上で怒声に撥ねつけられた。
言葉と動作は乱暴きわまりないが、少女を離すまいとするナイトの腕には真摯な意志が満ちている。
何を言ってもきっと無駄に違いない。
ふうっと息を吐き、彼女は相手の肩に頭をもたせかけた。

遠い昔、こうして母親に背負われて、夕日に輝くカーナの街を見ていた時があった気がする。
それは今の状況ではあまりにも物悲しく場違いな連想ではあったが、はかない金色の幻は少女に一瞬だけ
現実を忘れさせた。
心を縛っていた茨の蔓がふわりとほどけていく。
力を抜いてナイトに全身を委ねると、彼の体が揺れるぶっきらぼうな動きすら、不思議に懐かしく快かった。

「…………ありがと……」
聞こえなかったのかわざとなのか、かすかな呟きにナイトは応えない。
ただ己を叱咤するようにもう一度少女を背負い直し、速度を落とさず走り続ける。
最後の残照が、二人の姿を茜色に染め上げていた。
少女のすんなりとした両脚は、司祭服のスリットから割り出されて腰の際まであらわになっている。
その格好で膝の間に異性の体を抱いた姿勢は、見ようによってはかなり際どい有様と言えなくもない。
が、今は二人とも、そんな事に気付く余裕も構う余裕もまったく持ち合わせてはいなかった。

221:竜たちが息絶える日  ◆BOTwMcrA2k
07/12/20 21:27:05 9Y+YIrGf


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彼らとて、戦う術をろくに知らぬ子羊ではない。
その立場に充分足るだけの訓練を受け、一線の軍人として戦場に立つ、れっきとしたカーナの精兵だ。
現に、見かけから二人を侮って後れを取った敵兵を、既に何人も倒してここまで逃げてきている。
実戦経験に劣るとはいえ、戦闘力では大人と比べてもほぼひけを取らないだろう。
そしてこの若年でそこに達しているという事は、彼らが高い素質を備えた逸材である事を語るものでもあった。
そうではあるが。
やはり、軍人としてはこれほど幼い男女を最終防衛戦に投じなければならないという選択そのものが、
カーナの追いつめられた窮状をあからさまに示している。
そしていまや炎上する祖国の王都と共に、二人の命運もここで尽き果てようとしていた。

222:竜たちが息絶える日  ◆BOTwMcrA2k
07/12/20 21:27:56 9Y+YIrGf

けれどそれを知ってか知らずか。
少女はかろうじて、少年は頑なに、彼らはこの状況下で一縷の望みを捨てきってはいなかった。

ずいぶん走った末、ようやくナイトが歩調を緩めた。
その頃にはもう日は落ち、西空のわずかな明るみも宵に食われて、空は刻々と藍へ変わっていく。
彼は狭い横道へ身を滑り込ませると、犬のように荒い息をつきながら足を止めた。
目につきにくい物陰を選び、少女をそこへ下ろす。ついで自分も傍に座り込んだ。
少女ほど消耗が激しくないとは言え、彼の呼吸も今は相当に上がっている。
目を閉じて息を整えようと専念するナイトに、しばし経ってから少女が声をかけた。
「あの、ごめん……ね」
ナイトがぱっと目を開いた。
少女に顔を向け、気にすんな、と短く答える。
その眼差しは、怒気に燃えた時の迫力が烈しいだけに、こうして凪いでいると意外に雰囲気が変わって見える。
よく見るとけっこう子供っぽい目だなと今初めて少女は思った。
「走るのは慣れてる。どうって事ねえよ」
そう続けてから元の姿勢に戻った彼の息づかいは、確かに短時間でだいぶ治まってきていた。

少女はロッドを握ってうつむいた。負傷ならばともかく、疲労は自分の魔法で対処できるものではない。
ふと、司祭服の裾が激しく乱れたままなのが目に入った。
慌てて服装を整え、布地の下に足を隠す。
ついでに背負われていた時の事を思い出し、今更服の乱れを気にするのはあまりにも遅すぎた事実を悟った。
が、上目づかいにこっそりナイトの横顔を見ると、相手はその件について完全に気付いていない様子だ。
(良かった)
肌を見られたのどうのと騒いでいる場合でないのはわかっていたものの、少女は内心ほっとした。
あられもない自分の姿を彼に意識されていたら、尚更いたたまれなかっただろう。
今は逆境の中に二人きりで、頼れる同胞といえばこのナイトだけなのだ。


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