【友達≦】幼馴染み萌えスレ13章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ13章【<恋人】 - 暇つぶし2ch200:シロクロ 15話【7】
07/10/01 00:10:23 etXuYekJ
「思い出した・・・!」
今までの記憶がすべて蘇った俺は1人赤面し、その顔を隠すように綾乃の胸に顔を埋めた。
って何やっとるか俺。寝てるとはいえ愛しの彼女の身体に。
今更ながらそう思うが暖かくて柔らかい乳房の感触が心地よすぎて、
寒い日のコタツのように抜け出す意志を削いでいく。
「昔はぺったんこだったはずなんだがな・・・」
ここまでおおきくすくすくと成長するとは当時の俺には予想もつかなかった。
ああそういえばすっごく寝心地よかった気がする。
「今度またこうしてもらおうかな・・・」
「よろこんで♪」
突然、俺の頭上から聞き慣れた声が聞こえた。
ゆっくりとそちらに顔を向けると、予想通りの顔が俺に笑顔を向けていた。
「おはよっ♪」
「ああ、うん、おはよう―じゃなくて!」
とっさに返事してしまったが気を取り直して彼女―綾乃に尋ねる。
「・・・いつ頃から起きてました?」
「啓介が突然身悶えしだしたところあたりから」
・・・めっちゃ最初の方じゃん。
衝撃の事実に愕然としていると、突然綾乃に唇を奪われた。
ただ触れるだけで接触も一瞬だったが、俺を動揺させるには十分だった。
「い、いきなりキスするなよ!?」
「いつもしてるんだしこれぐらいいいじゃない。
寝顔にキスとかおはようのキスとか愛情表現としてのキスとかおやすみのキスとか悪戯なキスとか
ご褒美のキスとか仲直りのキスとか舌入れちゃうキスとかムード重視のキスとか何となくキスとか」
「ただ単にお前がしたいだけだろ!」
「うん」「開き直り!?」
「それはそうとさ」「・・・今度は何だよ」
いつものように俺のツッコミを軽く流すと綾乃は満面の笑みを浮かべながら言った。
「さっきから啓介、七面相しながら私の胸に顔押しつけたりしてたけど」
俺の動揺がさらに深刻になった。

201:シロクロ 15話【8】
07/10/01 00:11:59 etXuYekJ
「えへへ~」
自分の胸の中で動揺する啓介を見て、私は顔をほころばせた。
さっきから私の頬はゆるみっぱなしだ。
おまけに普段は寝起きの悪いはずの頭や目も冴えている。
当然といえば当然かもしれない。
何しろ目を覚ませば最愛の人物が自分に身をすり寄せていたのだから(性的な意味で)。
気がつけば眠りについた時よりも上着の前ははだけており、
バストやウェスト、そしてパンツを隠すという衣服本来の役目を完全に放棄していたが構わない。
この姿を見ているのはこの腕の中の大事な人ただ1人だから。
それにこの格好になったのも今朝啓介が私の身体に顔をすり寄せたからだけど、
彼の照れて顔を見ると、惚れた弱みでこれもなんだか許せてしまう。
と、服が乱れた理由を思い返して気付く。
「寝相悪いの直ったんだ。昔は布団蹴飛ばしたりしてたのに」
「お前もだろ。目が覚めたら上下入れ替わってたりとかしょっちゅうだったのに」
確かに、と二人で笑い合う。
「まあ、これで将来寝相で迷惑かけあうことはないな・・・」
「え・・・」
その言葉を聞いて私は自分の身体が熱を持っていくのを感じた。
数秒してから言葉の意味に気付いたらしく啓介は顔を赤くした。
「い、いや、別にやらしい意味で言ったんじゃ――」
その台詞を言い終わる前に、私は啓介を思いきり抱きしめた。
もはや限界だった。っていうかもうガマンできない。
私が彼に抱いている感情が一気に爆発していた。
それまで以上に私の胸に顔を押しつけることになるが気にしない。
「か~わ~い~い~!けいすけだいすき~♪」
「ちょ・・・、綾乃・・・!」
抗議の声も無視して私は啓介の額に頬をすり寄せ、強く抱きしめた。
やっぱり啓介はかわいいなあこうやって抱きしめたときの感触やリアクションも最高だし―
と、そこでいつの間にか啓介の動きが止まっていることにようやく気付く。
胸元を見ると、なぜか青い顔をした啓介がぐったりとした表情で力尽きていた。
「・・・息が・・・」
息も絶え絶えになりながらも啓介が何とか紡いだ言葉がそこでようやく聞こえた。

202:シロクロ 15話【9】
07/10/01 00:13:08 etXuYekJ
「・・・エライ目にあった・・・」
綾乃に俺の頭の拘束を解かれると即座に俺は綾乃から身を引きはがし、そこでようやく一息ついた。
結局本当に漫画みたいな体験をすることになった。ある意味本望だが。
と、頬をふくらませた綾乃が俺にあからさまに不満げな視線を向け、
「もうちょっとあのままでもよかったのに」
「いや、女の子下にして寝るのもマズいだろう。逆ならともかく」
「じゃ、そうする」
「へ?」
俺が綾乃の発言の意味を理解するより速く、綾乃は俺に抱きついた。
そしてこちらが反応するより速く俺ごとベッドの上を転がり、上下を逆転させた。
つまりは綾乃が俺を敷き布団代わりにし、その上にうつぶせで寝転がっている。
「これならいい?」
「あ、ああ・・・」
そう答えながらも俺の目線は綾乃の体の方に向いていく。
襟元から見える乳房が俺の胸に押しつけられてそれにフィットするように形を変え、
それを気にもせずに俺に笑顔を向ける彼女の仕草がエロイ。
とか考えていると綾乃は俺の視線に気付いたらしく、俺に邪気のない目を向け、
「どうかした?」
「い、いや!改めてみるとやっぱり美人だなーって思っただけだから!」
とっさに恥ずかしいことを言ってしまったことに気付き、頬を赤らめてしまう。
「あ、ありがと」
綾乃も頬を赤らめて礼を言う。
意外と効果あったようだ。
ならばもっと恥ずかしいセリフを言えばもっと動揺させることが出来るかもしれない。
場を誤魔化す為と綾乃の照れた顔が見たいという二つの欲求をかなえる為に、
俺は頭の中に恥ずかしいセリフを思い浮かべる。

203:シロクロ 15話【10】
07/10/01 00:14:04 etXuYekJ
恥ずかしいセリフ・・・。
・・・。
そんなにスラスラ言えるかぁっ!
一応頭にはいくつか思い浮かんだが言うのはこっちが恥ずかしい。
そして綾乃も顔を紅潮させたままフリ-ズしており、お互い気恥ずかしくなって黙り込んでしまう。
さっきまでとは違い静寂が部屋に満ちる。
が、その沈黙はさほど長くは続かなかった。
唐突に、俺の腹がものすごい音をたててしまったのだ。
その一瞬後、耐えきれなくなったのか綾乃が吹き出した。
「・・・笑うなよ」
「い、いやごめん。――」
その言葉を最後まで言う前に、再び大きな音が響いた。
明らかに腹の鳴った音だが、俺からでたわけではない。
そしてこの部屋にいる人物は俺以外にはただ1人。
つまりは、犯人は1人しかいない。
「・・・」
「・・・」
犯人も人のことを笑えなくなったからか恋人の前ではしたない真似をしたと思ったのか、
―彼女の性格から考えて多分後者―先ほどよりも顔を赤くさせて黙り込んだ。
再び気まずい沈黙。
「・・・まず何か食べよっか」
「・・・おう」
なんとなく気まずくなりながらも俺達は部屋をあとにした。

204: ◆6Cwf9aWJsQ
07/10/01 00:15:05 etXuYekJ
今回は以上です。
次回、ようやくエロ本番です。

205:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:18:00 vvXeawsD
この時点で既に討ち死にしそうなんだが、本番に突入してしまったとき俺は生き残れるんだろうか?

206:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:42:40 w1OUCYjX
>>205
むしろ討ち死にこそ本望

207:名無しさん@ピンキー
07/10/01 01:00:35 4EGvICgj
待ってましたよ大統領。
待ってましたよ続き話。
身悶えしながら読み返します。

GJ!早く本番が、続きが、あぁ――っっ!!

208:名無しさん@ピンキー
07/10/01 04:10:13 Ji1RLajz
やっと・・やっと・・待望のシロクロが・・
待ちかねたよ。

この二人。はじめのほうこそ綾乃が積極的にアプローチしてたが
最近啓介君のほうもメロメロじゃないすかw何このバカップルもっとやれ

209:名無しさん@ピンキー
07/10/01 07:19:06 lDzLpkUM
うむ、待ち望んでおりましたよ。ますます期待。

210:名無しさん@ピンキー
07/10/01 22:10:55 9Ro+TJE2
家族の前だからって必死に顔抑えてたら
頬の筋肉攣ってしまった。

211:名無しさん@ピンキー
07/10/06 04:07:40 0GT4CRN5


212:名無しさん@ピンキー
07/10/08 03:35:38 9rESTEl8


213:名無しさん@ピンキー
07/10/09 12:05:18 OI56GjfV
なんか雑談でもし

214: ◆6Cwf9aWJsQ
07/10/09 13:59:27 zBgcderv
投下します。
連続投稿で済みません。

215:シロクロ 16話【1】
07/10/09 14:00:24 zBgcderv
「「さて・・・」」
そして日が沈みかけた夕方。
俺達は俺の自室のベッドの前で何故か正座して向かい合い、
「よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
なぜか三つ指ついていた。
これが悪いというわけではないが、これから若い男女が夜(夕方だけど)の営みをするにしては、
少々堅苦しいんではないだろうかと他人事のように思う。
「・・・ってオイ。ちょっと待て」
「どうかした?」
俺は物思いに耽ってる隙に抱きついてきた不埒物に半目を向け、
「お前今、俺をベッドに押し倒そうとしてないか」
「・・・はっはっは。そんなばかな」
「お前ウソ吐くときは作り笑いになるからすぐ分かるんだよ」
その言葉を聞いた綾乃は動きを止め、少しの間を置くと小首をかしげていった。
「・・・これも愛の力?」
「幼馴染みとしての経験だろ」
まあともかく、といって綾乃は俺から離れ、
「前に私言ったよね。
『啓介が元気になってくれるなら私は嫌われたっていいし傷つけられてもいいから』って」
だからさ、と前置きすると真っ直ぐに俺の目を見て、言った。
「メチャクチャにしちゃって、いいよ。啓介がしたいのなら」
口の笑みとは対照的に目の真剣さが彼女の決意が本気だと物語っている。
とはいえ、俺もそれに答えなければいけない。
あまりこういうこと言うのは気が乗らないが、そうもいってられない。
そう思いながら俺は頭をかき、
「メチャメチャにする気はないけどな・・・」
そこで一息つき、
「今更言うのも何だけどさ。俺はお前のことすごく魅力的だと思う」
俺は真っ直ぐに綾乃の目を見て、言った。
「だからさ、出来るだけ優しくする」
「・・・うん」
俺の言葉に綾乃はそう頷き返し、やがてどちらとも無く唇を重ねた。
それが開始の合図となった。

216:シロクロ 16話【2】
07/10/09 14:01:11 zBgcderv
まず俺は綾乃の上着を脱がせた。
続いて綾乃も同様に俺の上着を脱がせる。
どちらかが求めたわけでもなく、俺達は一枚一枚、お互いの身体から衣服を脱がせていく。
そうやっていると先に―彼女が先に脱がされたため当然だが―綾乃が下着だけになった。
レースのついた黒の下着を身に纏った彼女の肢体は彼女自身の豊かに実った乳房や尻、
細く引き締まった腰、そしてわずかに赤みを帯びた肌と相まって俺の目には非常に官能的に見えた。
「・・・なんか、色っぽいな」
「・・・ありがと」
綾乃は軽く礼を言うと俺のズボンを脱がせ、俺に身をすり寄せた。
いつものように抱きつくわけでもなく、ただ肌と肌を触れ合わせるだけ。
が、触れ合った胸から綾乃の速い鼓動が伝わってきて、彼女の不安と緊張が理解出来る。
それを解消しようと、俺は彼女の背中に腕を回してその細い体躯を抱きしめた。
一瞬後に綾乃も抱きしめ返す。
が、俺はそこで終わらずに彼女の髪をかき分け、背に指を這わせ、ブラに触れる。
髪とブラ、二つの黒い物の感触を楽しみながらも指先がホックに到達する。
そこに指を引っかけて軽く動かすとホックはあっけなくはずれ、薄い背が露わになった。
胸は身体から離さぬまま肩紐を外すと、
綾乃も俺の意図を理解したらしくはずれた肩紐からさらに腕を抜いていく。
そして一度身体を離すとブラが落ち、綾乃の豊かな乳房が露わになった。
俺は即座に自分と綾乃の間に手を差し込んで乳房を鷲掴みにし、揉み始める。
その感触は、例えるならゴム鞠のようだ。
少し動いただけでぷるぷると揺れ、しっかりとした弾力を触れる者に伝える。
その感触を味わうためにさらに指を動かす。
我ながらお世辞にも上手いとは言い難いけど、以前とは違い欲望のままという訳ではなく、
ゆっくりと指を埋めていく。
そうしながら顔を上げると、綾乃と目があった。
・・・喜んでいる。
自分への過信というわけではないのは彼女の恍惚とした顔を見ればわかる。
少しだけ揉むペースを速くしてみると、さらに頬と視線の熱が増していく。

217:シロクロ 16話【3】
07/10/09 14:01:58 zBgcderv
と、突然背中に何かが滑っていく感触がした。
背中に回されたままの綾乃の手指が俺の背を撫でたのだと一瞬後に理解する。
俺も気持ちよくさせようとしての恋人の行動に嬉しくなる。
お互いに熱を帯びた視線を交差させつつそうしていると唇を重ねたくなり、実際そうした。
いつものようにどちらかが目を閉じたりはせず互いの唇と視線、そして舌の感触を交換しあう。
しばらくそうした後唇を離すと俺は本格的に綾乃を攻めようと手を滑らせる。
昨日の風呂場での出来事のおかげで少しはコイツの弱点が分かっている。
その内の一つである彼女の桜色の乳首に俺の指先が触れた。
「ひあっ・・・!?」
先端に指を這わせるだけだが綾乃は針で刺されたように激しく反応する。
無論、痛くしたわけではなくむしろ快感を与えたのだが。
ともかく俺は綾乃の抱擁をほどき、彼女の右の乳房に顔を近づける。
そして右手で彼女の左の乳首を責めながらも右の乳首を舐め始める。
「・・・あぅ・・・」
やはりここが弱点か、と小さくあえぐ綾乃の姿を見た俺は確信する。
だから俺はそこを執拗に攻めた。
舐めて、くわえて、甘噛みし、時には吸いもした。
空いた方の乳房にも攻めを忘れない。
「あぅ・・・、あっ・・・!」
そして俺の攻めに綾乃は敏感に反応する。
ひとしきりその様を楽しむと、今度は身体全体に指を這わせて責める。
「ふぁっ・・・、あぅっ・・・、あんっ・・・!!」
その動きの激しさに比例して綾乃の声もボリュームを増していく。
荒い息。高鳴る鼓動。柔らかな肌。玉のような汗。
それらすべてが俺を興奮させる材料となり、
綾乃の扇情的な姿を目で見て、綾乃の嬌声を耳で聞き、綾乃の柔らかな肌に指で触れ、
綾乃の身体に浮いた汗を舌で味わい、綾乃の髪の匂いを鼻で嗅ぐ。
五感全てを使って綾乃を感じていく。

218:シロクロ 16話【4】
07/10/09 14:03:00 zBgcderv
と、綾乃は俺の身体に残った最期の一枚となったパンツをずり下げる。
すでに固くなっていた俺の肉槍が露わになる。
俺も同様に彼女のパンツに手をかけると、それをわずかにずらして尻のみを露出させ、攻め始めた。
尻を撫でて、揉むことで乳房とはまた違ったやわらかさを堪能する。
そして、パンツを取り払うと露わになった秘所に指を這わせる。
「あっ・・・!」
柔毛に覆われた割れ目を指でなぞり、もう片方の手指で肉豆を弾く。
「うあぅっ・・・、けい、すけ・・・」
「ん?」
「そろそろ・・・、いれて・・・」
「わかった」
彼女の懇願に簡潔に答えると俺は綾乃の身体を抱え上げ、ベッドに横たわらせた。
そして俺は彼女の身体に覆い被さり、
肉棒を入れようと先端を彼女の湿り気を帯びた秘所にあて、腰を突き出す。
が、俺の肉棒は彼女の秘所に侵入することはなく、つるりと音を立ててあらぬ方向へ滑った。
「あんっ・・・!」
もっとも敏感な位置を刺激された綾乃は嬌声をあげるが、
「・・・あれ?」
失敗した俺は首をかしげた。
角度がいけなかったのかと思い再度トライするがまたも失敗。
「・・・」
「・・・」
気まずい。とてつもなく。お願いだからそんな冷めた半目でこっちを見ないで。
・・・ここまで上手くいってたのにこんなところでとちるなんて
まあともかく気を取り直して別のアプローチで行くことにする。
「け、けいすけ?なにやってるの?」
「いや、もうちょっと濡らした方がいきなりモノ入れるより抵抗少なくて済むだろうと思って」
言いながらも俺は指を彼女の秘所にあて、割れ目をなぞり始めた。

219:シロクロ 16話【5】
07/10/09 14:04:07 zBgcderv
「・・・ふあぁッ・・・!」
彼女の喘ぎ声を耳にしながらしばらくそれを続けると、俺はもっとも濡れている部分を探り当てる。
「・・・このあたりか」
そう呟くとまた肉棒を探り当てた部分にあて、今度は滑らないように手を添える。
「・・・いくぞ」
「・・・うん」
お互いに頷きあうと、俺はゆっくりとそれを突き入れた。
「・・・っくぁ・・・!!」
聞こえてくる綾乃の声は喘ぎ声ではなく苦痛に耐えるモノに変わっていた。
「・・・どうする?」
「・・・え?なに、を・・・?」
この時点で既に息を乱れさせている綾乃に、俺は先ほどの発言の補足を行う。
「このまま続けるか?やめるなら今の内だぞ?」
俺の問いに綾乃は首を左右に振ることで答えとした。
それに答え、俺はさらに奥に突き出す。
と、先端が何かにぶつかる感触がした。
処女膜だ。
ふと、彼女の方に視線を向けると綾乃は表情をさらに苦痛に歪ませていた。
その様に、俺の心に少しだけ躊躇が生まれる。
だが、本当に彼女のことを思うならここでやめていいはずがない。
だから――膜ごと一気に貫いた。

220:シロクロ 16話【6】
07/10/09 14:05:09 zBgcderv
「うぁッ!くぅッ・・・」
闇色の髪を振り乱して綾乃が苦痛に耐えきれずに苦悶に満ちた声をあげる。
「だ、大丈夫か?」
「・・・ちょ、ちょっと、たいむ・・・・・・」
涙目になりながら息も絶え絶えに言う彼女に、俺は首を縦に振って見せた。
とはいったものの、実はこの状況はすごく辛い。
俺の肉棒を締め付ける彼女の膣内は異物を入れているにもかかわらず、
それを受け入れようとしているように暖かく俺の肉棒を包み込んでいる。
決して緩いわけではなくむしろキツく締め付けているのだが
決して痛いわけではなくむしろこちらに快感を与えてくる。
正直すぐにでも果てそうだが綾乃の方はそうはいかない。
「――――!!!」
無言で苦痛に耐える綾乃の様が見ていて痛々しい。
が、彼女の目は端に涙を浮かべながらも「続けて」と語っている。
こういうときはこの技能が便利だと思いながら俺は彼女の思いに答え、動きを再開する。
最初のうちはゆっくりとだったが、動きを繰り返すうちにペースがあがっていく。
「ふぁ、あぁっ・・・!あんっ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」
俺が動くたびに綾乃の身体も揺れ、それ以上に彼女の乳房が激しく上下に弾む。
そして彼女の声から苦しさが弱まっていき、代わりに甘さが生まれていく。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」
彼女のその声と同時、俺は彼女の膣中に自分の欲望をはき出した。

221:シロクロ 16話【7】
07/10/09 14:06:17 zBgcderv
「――しちゃったね、私たち」
「ああ」
少しの間ベッドで眠りについた後。
目が覚めた私たちはベッドの上でいちゃついていた。
率直すぎる表現だけどこれ以外的確な言葉が思い浮かばないから仕方がない。
「もう大丈夫か?」
「うん。最後の方は気持ちよかったし」
「さらりというなよそんなこと・・・」
そう言われた啓介は照れてしまったのか私から目をそらしてしまう。
「啓介は?」
「・・・まあ、すごく、気持ちよかった」
彼は顔を赤く染め、とぎれとぎれになりながらもそう答える。
あんなことした後なのに、まだ照れている。
そこが可愛いと思っていると、啓介は彼の机に置かれた包装された小さな箱
―私からの誕生日プレゼント―を見つめながら言った。
「何か悪いな。誕生日にいろいろプレゼントしてもらって」
「ううん。私たち付き合ってるんだからこれくらい平気平気♪」
そのプレゼントの内容には先ほどの睦事も含まれてるだろうけど、
流石に恥ずかしいのであまり言及はせずに別の話題を口にする。
「なんなら歌でも歌ってあげようか?」
「遠慮しておく。お前音痴だし」
「な・・・・・・・・・・・・!?」
啓介の遠慮の遠慮のない発言に、私は愕然とした。
「人が気にしてることを・・・、だからいつも鼻歌で誤魔化してたのに!」
こうなれば意地でも歌ってやる。
ムキになった私は、大きく息を吸って歌い出した。

222:シロクロ 16話【8】
07/10/09 14:07:17 zBgcderv
「きょっうは~すってきな、た~ん~じょ~う~び♪」
「そっちかよ!?」
そのツッコミを無視し、私は素早く啓介に抱きつくと彼の耳元に唇を寄せ、
「わったっしっのっすっきな、啓介っ、おめでと~♪
わったっしっのっすっきな、啓介っ、おめでと~♪」
「や~め~ろ~、耳元で歌うな~!」
「やだもう照れちゃって、素直じゃないんだからぁ♪そこが好きなんだけど♪」
「可愛く言い直してもダメだから!」
「えっ、可愛い!?」
「都合のいいところだけ聞くなぁ!」
顔を真っ赤にしてツッコミを入れる啓介をまあまあといってなだめると、
私は彼の肩に頭を預け、
「・・・ずっと、こうしてたいな・・・」
「・・・ああ」
そういってお互いの身体を抱きしめあう。
そして身体を離して向かい合う。
「じゃあ早速・・・」
私の言葉に啓介は期待をこめて目を輝かせ、
「受験勉強しよっか」
「そっちかよ!?」
思い切り派手にコケた。
即座に立ち上がると私に詰め寄る。
「もっかいHしようとかそんな流れじゃないの!?」
「うん」
「即答!?」
私に平然とかわされ、啓介は狼狽し、がっくりと肩を落とした。
・・・やっぱいいリアクションするなあ・・・。
でもこれ以上は流石に意地が悪い。
「本音言うとさ、そうしたいのは山々だけど・・・」
そういいながら私はある一点を指さす。
「もうそろそろ帰らなきゃ」
「・・・ああ」
啓介は私が指先にある時計の時刻―既に十時になっている―を見ると納得したのか返事をした。
「・・・まあ、それならしょうがないや」
「顔がちっとも『しょうがない』って表情になってないけど」
私のツッコミは啓介に黙殺された。

223:シロクロ 16話【9】
07/10/09 14:08:24 zBgcderv
「ありがとう。この二日間」
「私の方からも、昨日と今日はありがと♪」
私の自宅の前で、私たちはここ二日に起こったいろんなことについて礼を交わす。
「じゃ、また――」
「――待った」
急に啓介は私を呼び止めた。
何事かと彼に向き直ると、彼は真剣な表情で、
「忘れ物」
「へ・・・?」
私が間抜けな声を出した直後。
啓介は自分の唇を私の唇に触れ合わせた。
私に促されたわけでもない本当に初めての啓介からのキス。
それは触れ合うだけのキスなのに私の心をときめかせた。
そして、唇が離れる。
呆然とする私に啓介は頬を赤く染めつつも真っ直ぐに私の目を見据えて言った。
「・・・じゃ、また明日」
その言葉で、私はようやく正気を取り戻す。
「・・・うん、また明日」
私がそうオウム返しすると啓介は背を向け、去っていった。
みるみる遠ざかっていく彼の姿を見ながら私は自分の唇に手を当てようとして――やめた。
つい先ほど啓介と触れ合った感触を消したくないから。
・・・啓介って、何かする時は結構思い切るなあ。そこも好きだけど。
そう思いながら、私はもはや啓介の姿が見えなくなった路地に背を向け、大きく一歩を踏み出した。
「あいたっ!あいたたたた・・・」
――そして、再発した破瓜箇所の痛みに強制的に現実に引き戻らせられた。

224:シロクロ 16話【10】
07/10/09 14:09:20 zBgcderv
帰宅したあと。
私の前にはなぜか赤飯と鯛の刺身が並べられていた。
これでもか、とばかりに何かの祝いのような夕食に私は首をかしげるけど、
ニヤニヤとした笑みを浮かべたお母さんのこちらに向ける視線と、
どこか上の空なお父さんの様子でピンと来た。
・・・バレてる。
一体なぜバレたのだろうかと考えながらも食事を終え、
気分と身体をさっぱりさせるため浴室に向かおうとすると、お母さんがすれ違いざまに言った。
「お風呂場では静かにね」
「・・・はい」
流石に顔を赤くしながら私は答えた。

帰宅したあと。
俺の前にはなぜか出前でとったとおぼしき特上寿司が並べられていた。
これでもか、とばかりに何かの祝いのような夕食に俺は首をかしげるが、
ニヤニヤとした笑みを浮かべた両親と兄夫婦(こちらが外出してる間に帰ってきていた)
のこちらに向ける視線で理解出来た。
・・・バレてる。
一体なぜバレたのだろうかと考えながらも食事を終え、
場の空気から逃げるために部屋を出ようとすると唐突に父さんが言った。
「初孫まであと十月十日かぁ」
「イヤちゃんと避妊したから!」
途端に4人のブーイングが聞こえてくるが無視。
・・・この分だと綾乃もバレてるかもしれん。
嫌な予感に身をすくませながら俺はその場を後にした。

なお、翌日には友人全員にバレました。

225: ◆6Cwf9aWJsQ
07/10/09 14:11:24 zBgcderv
今回は以上です。
一応20話までの予定なんでもうちょっと続きます。

226:名無しさん@ピンキー
07/10/09 17:36:54 U4lIJF8z
なんという…GJ

227:名無しさん@ピンキー
07/10/09 22:30:30 RQcClVXD
バレバレ乙!・・・そしてGJ!


228:名無しさん@ピンキー
07/10/09 22:52:02 JcudnbNq
甘いのGJ!!

229:名無しさん@ピンキー
07/10/09 23:05:41 viL99vPk
まだ続く!嬉しい限りだGJ!ラブラブHはやはりいい。

230:名無しさん@ピンキー
07/10/10 09:07:15 Y9UQvRhr
これにはGJと言わざるをえない

231:名無しさん@ピンキー
07/10/10 10:54:26 h1/R8Mhb
おー!
シロクロ来てんじゃん。ついに一線越えたなー
なんか1話からずっと読んでたからこっちも感慨深いなーw

232:名無しさん@ピンキー
07/10/10 23:19:41 SOSlwoKy
>>225
いやもう遂にというかなんというか、とんでもなくGJ!
ここからさらにあと4話堪能できるとなると、wktkを禁じえない。

233:名無しさん@ピンキー
07/10/12 20:24:19 mVcwDeHa
職人こねーな・・・
絆の続きが(ry

234:名無しさん@ピンキー
07/10/12 21:23:55 N0e/u9aL
待つついでに軽い雑談でもしようか?

235:名無しさん@ピンキー
07/10/13 01:16:49 Oy/ZC192
雑談か……俺はぶっかけ派だな。

236:名無しさん@ピンキー
07/10/13 10:57:57 26oY1wtz
フィクションだからこそ容易にできる中出しが大好きです。
出した後にすぐ抜かず、しばらく繋がったまま余韻に浸るのが好きです。
抜こうとして幼馴染みが名残惜しそうに見つめてくるというシチュが大好きです。


ところで、幼馴染みってどれくらいの付き合いから呼ばれるものなのかな。
幼稚園からの付き合いとか、初めて会ったのは三歳のときとかならわかる。
でも小五のとき初めて会ったとか、微妙な歳ならどうなるの?

237:名無しさん@ピンキー
07/10/13 12:28:01 CHqUbk1L
>>236
始まりの時期もそうだけど、付き合いの長さも関係あるんじゃないかな?
幼稚園で出会って、話の時点で中学生なら幼馴染だけど、小五で出会ってる中学生は違うと思う。
でも小五からの付き合いの大学生とか社会人は十分に幼馴染と感じる。

個人的には、スタートは小六以下、付き合いは最低5年くらいは欲しい。

238:名無しさん@ピンキー
07/10/13 23:07:49 Qm61I+EX
>>236のシチュって結構良いな

239:名無しさん@ピンキー
07/10/14 00:59:09 SZMZRQVh
確かに素晴らしいシチュだ

240:名無しさん@ピンキー
07/10/14 01:53:07 LXPThvIi
>>237
ってことは、小さい頃によく遊んでいたがその後引越しとかで別れ、
数年後に再会ってのは、幼馴染じゃないのか

241:名無しさん@ピンキー
07/10/14 03:10:16 ugya92Wi
>>240
ドラクエ5の主人公とビアンカ思い出した。俺の中ではよい幼馴染みなのだが
時間はあまり関係ないのでは?何をしたかの方が重要だと思う

242:名無しさん@ピンキー
07/10/14 11:23:50 euojuly5
幼馴染みの定義は、
子供の頃をいつ頃からいつ頃までととるか(こちらが幼馴染みと思っていてもあちらが思っていなかった場合はどうするのか)、
どれだけの期間どのくらいの関わりだったのか(親の実家に年に二度帰ったときだけ一緒に遊んでいた子はどうなるのか)、
などと面倒だが、文字通り辞書通りなら「幼いときに馴染んでた人」になるか。
待てよ、相手の年齢はいいのか?

243:名無しさん@ピンキー
07/10/14 15:49:47 LzDihFHW
>>242
あまりにも年の差離れすぎてるんじゃなければ何才でもいい






ただし同い年は至高中の至高

244:名無しさん@ピンキー
07/10/14 18:36:09 MhsNrLg4
生まれたとき病院で隣のベッド、以上はあるまい。

245:名無しさん@ピンキー
07/10/14 21:09:37 N9kYYsN0
それはやりすぎかもねん

246:名無しさん@ピンキー
07/10/15 02:11:37 f1dyqw4Y
どうしてもその設定だとブロリーを思い出してしまう

247:名無しさん@ピンキー
07/10/15 02:50:23 ak3leg9H
>>246
宇宙最強の幼馴染みだなwww

248:名無しさん@ピンキー
07/10/15 03:38:31 YbRk+Slx
>>246
バカヤロウ!w
幼馴染の女の子が「ぬぅあああああああ!!」と気合を込めて、
服が破れながら筋肉が盛り上がってスパーサイヤ人に変身する姿が思い浮かんだじゃねえかww

249:名無しさん@ピンキー
07/10/15 08:42:21 1Uwt9ObK
>>243
ひーこと紗枝は至高ではないと申すか
そこへ居直れ

250:名無しさん@ピンキー
07/10/15 09:04:09 uOUkJOIE
居直ってどーするw

251:名無しさん@ピンキー
07/10/15 09:07:00 1fQpPcni
居直っちゃだめだろw

俺が思うに期間ではなくどれだけ濃く馴染んでいるかが重要なのだよ
ドラクエ5のビアンカは期間は短くても
レヌール城で濃厚な一夜を過ごしているので十分馴染んでいると言える

252:名無しさん@ピンキー
07/10/15 09:41:16 1Uwt9ObK
>>249>>250
介錯してやるから姿勢を正せと言うことよ

再会型の幼なじみかぁ…
幼なじみラノベ作家が書いた空鐘は良かったな

253:名無しさん@ピンキー
07/10/15 10:17:05 y+nMWCIE
とりあえず某スレの如く羨ましければ幼馴染、でいいんじゃないか

254:名無しさん@ピンキー
07/10/15 12:14:06 qImlWGzh
>>249
紗枝はわかるんだけどひーこって誰?
保管庫にありますか?

255:名無しさん@ピンキー
07/10/15 14:34:37 vwuZ1lsE
幼なじみ欲しいなあ
居ないなあ
欲しいなあ
居ないなあ
欲しいなあ
居ないなあ
欲しいなああああああ

256:名無しさん@ピンキー
07/10/15 14:52:20 heBWee9/
こればかりはどんなに望もうとも得られないものだからなぁ

なんで新しい団地で同年代の世帯が多いなんつう好条件の中で育っておきながら、
同じ番地の同級生は野郎ばかりだったんだ…orz

257:名無しさん@ピンキー
07/10/15 17:03:37 vwuZ1lsE
ちくしょう
なぜおやはあのとちでしょうがいをおえようとしなかったのだ
りかいできない
りかいできない
りかいできない
りかいできない
りかいできない

人格形成期に外国行かせるとか言う親は冷静に考え直したほうがいいよ
人生が180度変わるから
異性をどう扱っていいのか分からなくなるから
本当に

258:名無しさん@ピンキー
07/10/15 17:19:07 vwuZ1lsE
暗くなりそう
以下何事も無かったかのように

259:名無しさん@ピンキー
07/10/15 17:53:27 SuBvrZPc
>>257
 酔ってる今だからこそ、マジレス

 異性をどう扱っていいのか分かってるヤツこそ
 それが解ったしまった瞬間、自分を醒めさせるモノは無い

 解らないなりに、不器用な手探りで精一杯狂おしく
 求めて来てくれる貴方相手だからこそ、私は浅ましいほどに濡れる

260:243
07/10/15 22:00:18 HEJUkBu1
>>249
そもそも「幼馴染み」というカテゴリーそのものが至高
その中で敢えて言うならば同い年が一番なんだ


と言ってみる
俺だって「〇〇兄なんて嫌いだ!」って惚気られてみたいさ、できるものならば!!

まあ実際問題、俺が今まで見てきた中で一番遭遇率高かったのが「同い年」だったからなぁ
その分印象というか思い入れが強いのかも試練ね


261:名無しさん@ピンキー
07/10/16 00:14:09 9+OQ1rM3
幼稚園からの同じ年の幼なじみいたけど、そんなことにはならんかったぞ。

ターニングポイントは中学入学だと思う。
そこを幼なじみのままで乗り切れば、もしかしたら良い関係になるかもしれん。

同じ中学に行ってたけど、結局疎遠になったし、名前で呼んでたのも名字で呼ぶようになったし。

幼なじみいたからといって、そうなるとは限らないってこった・・・



今考えると、そこそこかわいかったし、若干惜しかったとも思う (´д`)




262:名無しさん@ピンキー
07/10/16 00:26:27 9gqvZok+
>>254
あるよ。
『辞書』 『Scarlet Stitch』のヒロイン。

263:名無しさん@ピンキー
07/10/16 01:34:36 sUh6A35Z
年に2、3度しか会わないとかででもいいなら双子の同い年の幼なじみいる



こないだ久々に会ったら、昔わかったのにどっちがどっちかわからんくて怒られた

264:名無しさん@ピンキー
07/10/16 03:12:24 2LlJgRD8
何故かこっちが先輩と呼び、向こうがあだ名で呼ぶ間柄になっていた
同じ年度生まれだけど

265:名無しさん@ピンキー
07/10/16 13:10:10 8O7YaXAR
『年上の幼馴染』スキーな自分に、クリティカル・ヒットぉ!

孕ませ/子作り/種付/妊娠/妊婦/出産/HR総合【8】
スレリンク(eroparo板:65番)‐74

266:名無しさん@ピンキー
07/10/16 20:53:51 SlT9PvAr
俺、一歳下にいとこの幼馴染がいるんだけど中二くらいからずっとそいつの事好きになってる。
今俺は大学一年生でかれこれ五年位ずっと片思い。
向こうは遊び仲間くらいにしか思ってないし、遊んでたら楽しいんだけど、正直切ない。

267:名無しさん@ピンキー
07/10/16 21:40:34 4idADwYf
おまえらな。幼馴染がいないやつには血涙モンの話を延々としやがって……
しかし、そういうやつが多いというのは意外だ
てっきり幼馴染がいなかった連中が集まってるもんだとばかり思ってたぞ

268:名無しさん@ピンキー
07/10/16 23:51:45 Q+oo/EzX
>>252
あの幼馴染はよかったな
男幼馴染だと思ってて再会したら実は女でした~!

挿絵も再会するシーンまで一切なかったから、重要人物じゃないと思い込んでたぜ


269:名無しさん@ピンキー
07/10/17 00:49:45 i5d4Wt2t
今日、レジのバイトしてたら小・中で一緒だった女子が客で来て、
「あれ、~ちゃん(俺の名前の略称+ちゃん付け)?」って呼ばれた。
いくらその呼び名が浸透していたとはいえ、この年になってまでちゃん付けで呼ばれる事になるとは思わなかった。
小から中まで完全持ち上がりで計9年一緒だから、学年全部が幼馴染みたいなものだったからだろーか……

270:名無しさん@ピンキー
07/10/17 01:12:39 5lC1lHLf
俺の幼馴染はモニタの中でいつも微笑んでいて気立ての良い子なんだ。
毎朝起こしてくれるし、お弁当だって作ってくれる。

271:名無しさん@ピンキー
07/10/17 16:25:02 3aU7L4n9
最近の幼馴染はすげー名

272:名無しさん@ピンキー
07/10/17 18:58:25 Sz26A2Su
俺の場合は・・・
生まれた病院が同じ(10日違い)
赤ん坊の頃はそいつの家に遊びに行ったこともあるらしいが俺は覚えてない。
小学校を転校したときに、転校先の小学校にそいつがいたよ。
















男だったけど・・・

273:名無しさん@ピンキー
07/10/17 19:45:26 a5n2/aef
もちろん聞いてるおれも全然嬉しくないぞ

>>252,268
ラノベかあ。読みたいなーと思ったことはあるんだけど
巻数がそこそこあると躊躇してしまう

274:名無しさん@ピンキー
07/10/17 21:19:58 Ic9Db/y+
はやくきて、でも読めばいいよ。

275:名無しさん@ピンキー
07/10/17 22:09:55 RDhwxgnR
最近シロクロでこのスレは持ってるな
職人さんお待ちしてまーす

276:名無しさん@ピンキー
07/10/17 22:13:58 mlGVyT58
仕事の相手先に文句つけに行ったら幼馴染が対応役だった。
ひじょ~にやりずらかった。
結局こっちが折れちゃったし

277:名無しさん@ピンキー
07/10/17 22:18:48 VA78zVxS
>>273
空鐘は13冊くらいあるからなぁ
まぁ、気が向いたら読んでくれ

渡瀬草一郎 こいつの本は全作品でヒロインが幼馴染だから覚えておけw

278:名無しさん@ピンキー
07/10/17 22:30:45 a5n2/aef
13冊もあるのか。別に文字読むのがイヤというわけじゃなくて
世界観にどっぷり浸ってしまいそうでさ。ハマるのがこわい

>>274
これか!?
URLリンク(books.yahoo.co.jp)

279:名無しさん@ピンキー
07/10/18 00:04:32 5aYTNZe3
お前らお勧めの幼馴染ENDのアニメや漫画教えてくれ
最近幼馴染が振られることが多くて参るよホント・・・・

280:名無しさん@ピンキー
07/10/18 01:45:41 VWjoSxAo
少女漫画で、過去スレでも既出だがキラメキ銀河商店街。とっても素敵。

281:名無しさん@ピンキー
07/10/18 01:56:11 bL28U9+s
前に同じ話題がのぼった時、テイルズオブエターニアのリッドとファラの評価が高かったな
ゲームだが

282:名無しさん@ピンキー
07/10/18 03:45:04 d3pOlzYo
>>277
渡瀬の文章は読みやすくていいな。俺は好きだ。
でもパラサイトムーンの二巻だけは幼馴染みじゃないぞ。

283:名無しさん@ピンキー
07/10/18 11:28:49 Ch7v7/f9
>>279
アニメ版Canvas2   …最終話直前までは

284:名無しさん@ピンキー
07/10/18 21:04:40 303ZoIs5
canvas2は漫画版が神だからなあ。
まあ、一応エリスの方も幼馴染に……入るのかな? 年齢差はあれど、付き合いだけ見るなら長いし。

285:名無しさん@ピンキー
07/10/19 01:28:18 z0UuQq/Q
ゲームだが、青空の見える丘とリアリアはメインヒロインの二人が幼馴染み 

286:名無しさん@ピンキー
07/10/19 13:50:44 PEoapXGb
エロ漫画なら良いの知ってるけど短すぎか

287:名無しさん@ピンキー
07/10/19 16:39:02 eVvvsxG0
くどうひさしの幼なじみはうめぇな

288:名無しさん@ピンキー
07/10/19 21:00:52 njdNvQ87
>>287
くどうひさしは妹もしくは姉だろ。
男が遊んでいるゲームはなんでいつもファミコンなんだろうな。

289:名無しさん@ピンキー
07/10/19 21:23:24 TShupeHr
>>286
kwsk

290:名無しさん@ピンキー
07/10/19 21:40:03 Z2Ij9KvR
ギャルゲやエロゲはルート別に分かれるから幼馴染みキャラ多いな。
というわけで名雪を推薦しておきますね。あ、ぶらばん!の妙も。

ラノベなら「アリソン」

291:名無しさん@ピンキー
07/10/19 22:44:14 7FXk30sC
>>289
EDの作品は結構幼馴染みの話が多い。といっても単行本化されてない作品も多いけど。
作者名だと検索しづらかったのでレビューサイト載せとく
URLリンク(huriru.blog63.fc2.com)
単行本化された作品の中では「幼なじみの長い一日」の破壊力が高い

もう1冊単行本がでたら更に良幼馴染の話が多く載ってる本になる筈だ

292:名無しさん@ピンキー
07/10/20 00:30:06 7GNFlKCY

 ズルズルズルッ

 おおお…旨い。やはりカップヌードルはチリトマト味に限る。邪道といわれようが知った
こっちゃない。俺の味覚を満足させるのに、他人の意見は必要ない。
 学校から帰ってこうしてカップヌードル啜ってるのが、俺にとっちゃたまらなく幸せな
時間だ。流石に、毎日食うのは身体にも財布にも悪いから一週間に一度に留めちゃいるが、
この時間だけは誰にも邪魔されたくない。どれ、今度はスープを…

ドンドンドンッ

「兼久ー、開けてくれー」
 
 ……今言ったばかりだと思うが、この時間は、誰にも、邪魔されたくない。

「おーい、開けろよー!」
「……」
 だったらせめて玄関から入って来いと。確かに数メートルの距離に窓が向かい合ってて
屋根伝いになってるが、毎度毎度こうして来るのはどうなんだまったく。
「かねひさー!」
「……」
 開けるしかないか。また近所のおばちゃん連中に変な噂でも立てられたら困る。

がらがらっ

「邪魔するよ」
「……またか」
「しょーがないだろ? 兄キが彼女連れ込んでうるせぇんだ」
「だったら弟の部屋にでも逃げ込めばいいだろ、わざわざこっち来んな」
 またこれだ。人がおやつ代わりのカップラーメンを啜ってると、こいつは決まって窓から
進入してきやがる。理由は毎回違うけどな。
「あいつ部屋に入ると怒るんだよ、女みたいな奴だよほんと」
「で、本当に女なはずのお前はそんな格好なわけだな」
 胸元がびろんびろんに伸びてしまっているタンクトップは、あまり服としての役割を
果たしているようには見えない。もちろん下着なんてつけてるわけもないから見えそうで困る。
下は一応ジーパンを履いてファスナーは締めてるが、ホックを留めてないからちょっと動いた
だけでもずり落ち下着が見えそうになる。それをポケットに手を突っ込むことで抑えてる
みたいだが、だったら留めろと、ベルトしろと。
「ンだよ、じろじろ見んな」
 そのくせ、見たら怒る。口尖らせる。ただでさえつり目な目を更につらせて睨んでくる。
そっちがいきなり来たのに、本当に一体どうしろと。

「柚稀」

「んー?」
「お前は逆に、もっと女の子らしく姿格好に気を遣え」
「めんどい」
「だったら改善するよう努力しろ」
「だるい」
 なんつーふてぶてしい態度だ、こんなのと幼なじみだなんて泣けてくる。うわ、人前で
脇ぼりぼりと掻いてるよ。よく見たら寝癖直ってねーし。つかまた裸足かよ、またカーペット
汚す気かよ。人の目気にしなると人間終わりだな。
「ふぁー……」
こっち向いてでかいあくびすんなあくび。喉チンコ見えてんぞ。

293:名無しさん@ピンキー
07/10/20 00:31:09 7GNFlKCY

 男口調で男みたいな仕草で、女らしいといったらそこそこでかい胸ぐらいで。いっつも
こうして注意促してるが、聞いてくれた試しがない。
『だってウチ男一家だし』
 そんでもって、大抵の場合の言い訳がこれだ。まあ確かにおじさんは今時珍しい古き良き
日本の頑固親父だし、兄貴と弟っつー男兄弟に囲まれてるから環境的には仕方ないんだろうけどさ。
お前、おばさんが影で泣いてんの知らないだろ。
 というかその理論だと、俺は少女趣味のオネエ言葉な男になってないといけないわけで。
何故ならこっちの家は、カカア天下で兄弟は姉と妹という家族構成なわけだ。まあ、俺は
こうしてすくすくと男らしく育ってるけどな。要はこいつの意思が弱いだけの話だと思うんだ。

 そんな奴だから、前述の通り外見にはほとんど無頓着に近い。髪の長さなんて俺とほとんど
変わらないくらいのショートカットだから、スカートが本当に似合わない。学校の廊下で
見知らぬ奴がこいつの制服姿を見たら、決まって眉を潜めたりヒソヒソ話を始めたりする。
やっぱあれって性別疑われてんだろうなぁ。本人は特に反応を示さないが、慣れてるだけ
なのかもしれない。

「お、旨そうなもん食ってんじゃん。ちょっとくれ」
「嫌じゃ」
「なんでだよ、客に何か礼儀尽くしたっていいだろ」
「ふざっけんな、だったら玄関から入って来い。屋根伝いに素足で来られると床汚れんだよ」
「掃除お疲れ!」
「   だ   ま   れ   」

 まったく、カップヌードルチリトマト味は最高に旨くて困る。それを食べる幸せな時間を
ぶち壊した上、あまつさえそれを貰おうとするこいつの態度にはもっと困る。とか何とか
愚痴ってたらもう全部食っちまった。こいつのせいで後半半分の味の記憶がないぞ。
「兼久ー」
「ん?」
「暇ー」
「そこの本棚にある本でも読んでろ」
「全部読んだから飽きた」
「活字本は?」
「読むわけねぇ」
 くっくと笑いを噛み殺しながらごろんと大の字に転がる。終わってる、こいつほんとに
終わってる。
「お前もそれ食い終わったんだろ? あたしに付き合えよ」
「何して」
「色々」
「具体的には」
「何とか」
「それは具体的にとは言わん」
「お前も考えろよぉ」
「付き合うって言った覚えはないぞ」
「そーか?」
「そーだよ」
 この中途半端にユルくて、無駄に殺伐とした会話がいつもの調子なんだから、俺もちょっとは
おかしいってことなんだろうな。ああ…こんなのと同じ穴のムジナなんてやだやだ。


294:名無しさん@ピンキー
07/10/20 00:32:34 7GNFlKCY

「そもそもお前机にしがみついて何したいんだよ」
「勉強だ勉強。学生の本分は勉学に勤しむことだぞ」
「はー? 何言ってんだ兼久、頭打ったか?」
「お前こそ忘れてないか、明日数学の小テストだぞ」
「え゛」
「一昨日の数学の授業の途中で、先生が言ってたろ」
「…マジ? 新田の奴何考えてんだよ」
「そういうわけだ、お前も家帰って頑張れ」
「本当は、お前なりの、その、冗談とかじゃないのか?」
「……」
「ど、どうなんだよ」
「俺が冗談で勉強すると思うか」
「……」
「すると思うか」
「しねーな…」
 それまで横柄な態度だったのが、急に顔が青ざめ意気消沈していく。新田っていうのは
その数学の授業の先生であったり俺達の担任であったりする。自分の受け持つクラスには
厳しくするのがいつものことで、たまに行う小テストで一定の点数取らないと補修として
プリント10枚分くらいの問題を解かされる羽目になる。ちなみに、柚稀はその補修を受ける
常習犯だったりする。現国や英語はそこそこ解けるのに、数学だけは本当に苦手らしい。
苦手だからって、勉強したがらないから余計に泥沼になってんだけどな。少しくらい克服
しろと言いたい。

 そのまま放っておいて、テスト範囲の問題を解くためにカリカリとシャーペンを動かしていく。
俺は逆に英語が苦手だが数学や科学は結構得意だ。そんなわけで明日のテストもそんなに
苦にしてない。
 と、寝たままの体勢で柚稀が背中をずりずりと擦らせながらにじり寄ってくる。なんか
なめくじみたいだ。
「かねひさー、たのむ…」
 瞳を潤ませて、手を伸ばして服の裾をぎゅっと掴んで懇願してくる、寝たままだけど。
こいつもちょっとくらいは、女の色気を使うことが出来るらしい、寝たままだけど。

「範囲と一般的な問題の解答方法のノート見せてやるから。服伸びるから離せ」
「OKありがと! いやぁ、持つべきもんは幼なじみだよな!」
 ってオイ、そう言いながら今度は何ベッドの上に寝転がってんだ。布団の中に入ってくなよ
お前完全に寝る気じゃねーか。

「……何やってんのお前?」
「いやさー、兼久が問題解いてくれるみたいだからもういいかなって」
 馬鹿だ、馬鹿がここにいる。いるよなこういう準備を終えただけで満足して肝心なこと
しない奴。

295:名無しさん@ピンキー
07/10/20 00:33:16 7GNFlKCY

「解き方覚えないと意味無いんじゃないのか」
「そうは言ってもさー…あたし最近寝不足でさー……」
 げ、声がもう虚ろになってきてやがる。寝付くのが早すぎだろ。
「なんで寝ないんだよ」
「知らないよ、身体の方に聞いてよ…」
「じゃあ何で寝そうなんだよ」
「さぁー……兼久の匂いがするからかな」

 ……

 な、急に何言ってんだこいつ。いきなり変なこと言いやがって。
「臭いから気を失いそうでさぁ…」


「    帰    れ    」


「ちっ…心の狭い男は甲斐性ねえぞ」
 そう言うと、早速しょぼつきだしてた目を擦って、もたもたと布団から出てくる。そのまま
ノートを渡すと、無言のまま口を尖らせ視線はこっちに向けたままやっぱり窓からこの場を
後にする。
 ったく、俺相手だと好き放題言ってくるから困ったもんだ。後でおじさんに連絡しとこう。
おじさんこういうことに厳しいからな、帰ったら拳骨の一発でも食らっとけ。
「お前それ汚すなよー」
「うっさいなぁ、分かってるよ」
 あんな調子で帰ったとしても、どうせすぐ寝るんだろうな。勉強もなんだかんだで
やらないだろうな。というか嫌なことはやらないから柚稀は柚稀なんだよ、間違いないな。



 ちなみに翌日、あいつは放課後涙目になりながら大量の数学の問題を解かされる羽目になる。
答案が返ってきた時何故か睨まれたが逆恨み以外の何物でもない。「お勤めご苦労さんです」と
貸したノートを掠め取りながら、満面の笑顔で励ましさっさと俺は帰宅したのだった。
そしてその日、柚稀の部屋の電気が点いたのは八時を過ぎてからだった。くくくざまあみろ。


296:名無しさん@ピンキー
07/10/20 00:34:53 7GNFlKCY
保守ついでに短編投下してみたり
どこが幼なじみなんだっていう出来ですが(´・ω・`)

297:名無しさん@ピンキー
07/10/20 01:37:00 yo7yz477
保守なんかい。てっきり連載するのかと
それはともかくとして>>296 GJ!

298:名無しさん@ピンキー
07/10/20 04:45:02 MeqYs2a1
名前が…
字が違うけどさ

299:名無しさん@ピンキー
07/10/20 05:24:12 T+O+PvF6
連載しないと許さんぞ
…いえしてください、お願いします

300:名無しさん@ピンキー
07/10/21 19:10:52 WBV+MeRL
いやいやこういうのんべんだらりとした気の置けない関係もいいものさ
恋愛には発展しそうにないがこういう異性の友人欲しいねぇ

301:名無しさん@ピンキー
07/10/21 22:12:05 cVp/Wij9
しそうにないところから発展するのがイインダヨ

302:名無しさん@ピンキー
07/10/22 02:35:21 x+plJEk5
…なあ、スレタイ右の方の不等号逆じゃね?

303:名無しさん@ピンキー
07/10/22 08:27:10 NlGii9a1
友達以上恋人未満な

304:名無しさん@ピンキー
07/10/22 08:55:32 v8HqDQNj
幼馴染という存在は、俺にとって友達以上だし恋人以上だよ
>>302は言いたいんじゃないかと

305:名無しさん@ピンキー
07/10/23 12:32:57 HfMbXahS
その発想はなかった

306:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:01:31 0KbwpKN9
投下町
流るる川も
岩清水

307:名無しさん@ピンキー
07/10/23 19:58:31 +fZB+ga7
清水

308:名無しさん@ピンキー
07/10/23 23:30:15 Lpid144k
清水と流川で幼馴染話を書くと申されたか

309:名無しさん@ピンキー
07/10/24 20:11:24 SLM5hjdE
設定だけ考えたけど、腕的に無理っぽくて諦めた俺チキン

310:幼乳
07/10/25 03:05:57 +M+9CXlK
私はオッパイが嫌いではない
いや、健全なる青少年として、当然の興味と関心も持ち合わせている
しかし、この状態は我慢ならない
「晶!
いつもいつも乗せるなといってるだろうが
慮外者め!」
このアホたれは、学問に勤しむ私の神聖なる頭部を、あろうことか乳置きに使用してやがる
「いいじゃんか
彦の頭、ちょうどいい位置にあって楽なんだよ」
全く悪びれず、後ろからしがみついたまま、私を離そうとしない
すくすくと身体ばっかり無駄に育ちやがった奴は、ガキの思考のまま行動しくさる
「重いし、揺れるし、邪魔なんだよね~、コレ」

311:幼乳
07/10/25 03:07:45 +M+9CXlK
「ブラジャーを着けろ
横着者」
男子たる我が身には、全く共感出来ようはずもない感想を、無視して冷たく突き放す
ブルンッ
「アンッ」
まるで水枕のような、重く柔らかい感触
一年前はほぼ平地だったはずが、あっという間に隆起したパーツ
その異常な物体が、反作用で信じがたい揺れかたをした
「イタイよ~」
涙目でうずくまる
胸を押さえているだけだが、抱え込んでいるという表現が、妥当に思える質量
引き付けられる視線を、無理矢理引きはがし、勉学に没と…
「何をしている!!」
何故ゆえに、服をたくしあげておるのだ

312:幼乳
07/10/25 03:09:59 +M+9CXlK
注意深く視線を反らし、信じがたい行動をとる晶を、心中でキツク戒める
バカめ
バカめ
バカめ…
ここは男性の個室だぞ
何をほうり出して……
「ホラ!!
擦れて、朱くなっちゃったじゃないかぁ~」
ウ~~~~!
威嚇しているつもりであろう唸り声をあげながら、上目使いで睨んでいる、恐らくは……
視界に入れる訳にはいかずとも、長い付き合い
奴の表情など、容易に頭に浮かぶ
……余計な物まで
「ちゃんと見ろよ
ほらっ!!」
「見れる訳ないだろう!
さっさとしまえ、バカタレが!!」
極力、穏便かつ穏健な表現で優しく戒める私

313:幼乳
07/10/25 03:11:51 +M+9CXlK
一切疚しいところは無い
断固として無い
無いのだが…
「おばちゃんに言い付けてやる」
等と、ほざきながら部屋を出ようとされた以上、止めざるをえなかった
そりゃあ、いくら幼なじみとはいえ、息子の部屋から余所の娘さんが乳ほうり出して出て来たら、
ましてや、無愛想な息子より、愛嬌たっぷりの隣家の女の子を溺愛している愚母である
とりあえず、無条件で倅をぶん殴るだろう
ある意味正しい行為ではあるが、身に覚えのない体罰を行使されるのは、極力避けたい
頭一つ大きい晶の体を、視界から外しながらも、必死で取り押さえる

314:幼乳
07/10/25 03:17:32 +M+9CXlK
「お前は一体、何がしたいのだ
このバカタレが!!」
「離せ~
バカってゆ~ほ~がバカだもん!!」
ジタバタ暴れる晶
ガキのように憤り、もはやわけが分からなくなっているようだ
ドタバタと非常に馬鹿馬鹿しい攻防は、やがて終焉を迎えた
「ウワッ!」
「キャッ!」
ドスン
バランスを崩し、のしかかるように押し倒してしまった
「わ、悪い」
あまり悪くは無い筈だが、この状態で開き直れる程、太い神経を持ち合わせていない
慌てて奴の上からおり、様子を伺う
「晶?」
晶は床に打った胸を押さえたまま、じっとうずくまっていた

315:幼乳
07/10/25 03:19:34 +M+9CXlK
「アキラッ!
大丈夫か!しっかりしろ!!」
「……イタイ、イタイヨウ」
微かな声で応えるが、痛みに呼吸もままならない様子だ
「大丈夫か?
なんなら、病院行くか?」
尋常でない様子に、うろたえ醜態を晒す私
「……ヤダ」
痛みに顔をしかめながらも、晶は断固として拒否した
「しかしだな……」
「彦がみて」
……をい
「晶、オマエなぁ」
「ひーちゃんがみてくれなきゃヤダ」
常日頃、ひーちゃんと呼ぶなと言うておろうが
しかし、そんな主張をしてる場合ではない
嫁入り前の娘の胸に、傷でも残してしまったとしたら、一大事である

316:幼乳
07/10/25 03:22:25 +M+9CXlK
大体、数年前迄は一緒に風呂に入っていたのだ
多少、形態の変化があったところで、うろたえることは無い
我ながら、詭弁をろうしてると思うが、そうでもしないと、割り切れるものではない
「わかった、診せてみろ」
極力、冷静に告げる
「えっ」
聞き返すな、バカタレ
「診てやるから、胸を出せと言っている」
「う、うん」
ペタンと床に尻を付けた、女の子座りで体をこちらに向ける
意外そうにポカンと見つめる顔
口を閉じんか
全く、何も考えていない、警戒心のかけらも見えない表情
見慣れた筈の顔を、正視出来ないのは何故だろう

317:幼乳
07/10/25 03:24:24 +M+9CXlK
他の部分に、目が釘付けになってるからである
真っ黒に日焼けした愛らしい顔でも、意外に細い首や肩でもない
引き締まった腰や、薄く浮き出た肋骨でもない
全体的に成長しきっていない、薄めの肉付きの身体のなかで唯一、たっぷりと膨らむ部分
夏の日差しにしっかり染め上げられ、真っ黒に焼けた顔や手と対称的に、新雪のような白さを保つ胸
その雪山の頂点に咲く、淡い桜のごとき乳首が、最高のアクセントとなる
突如顕れた、完璧な造形美に、私は完全に魂を抜きとられた
「ひーちゃん?」
凍りついた私に、不思議そうに話し掛ける晶

318:幼乳
07/10/25 03:27:34 +M+9CXlK
「晶の胸、おかしいのかな?」
不安げに問う晶の声で、私はようやく、正気を取り戻した
「そっ、そんな事はないぞ
立派な胸だ」
……取り戻してないかもしれん
イラン事まで口走ってしまったが、晶は気にしてないようだ
「……でっ、痛いのはどこなのだ」
アホな発言をごまかす為に、問診を開始する
あくまでも「診る」のが目的あって、「見る」ではないのだ
「うん、あのね
こことここ……」
晶は、ボリュームたっぷりの乳房を持ち上げるようにして、下乳の辺りを指し示す
目視してみるが、外見上特に変化はない
「異常はないようだが」

319:幼乳
07/10/25 03:31:39 +M+9CXlK
「そんなことないよ
ホラッ」
グイッ
晶によって誘導された、私の双方の掌は、左掌右掌が左乳房右乳房を、おのおの保持するにいたった
掌に伝わる重量は、おそらくキロの単位に達しているだろう
触感は、きめ細かさを感じさせながらも、しっとり掌に馴染む
触感は、軟式のテニスボールが近いだろうか
……フニフニ
いや、弾力の戻りに違和感が……
……フユフユ
寧ろ、水風船
いやいや、表面の柔らかさが似つかわしくない
……ポヨポヨ
スポンジでもないし、ゴムでもない
……クニクニ
高分子ウレタンの枕も違うし……
……タユタユ

320:幼乳
07/10/25 03:34:26 +M+9CXlK
「あの、ひーちゃん」
「何だね」
……コネコネ
「チョット、くすぐったいな」
「何が」
……プルプル
「その、オッパイが」
「胸がどうかしたか」
……モミモミ
「ひ、ひーちゃんってば~」
「だから何だね
質問は明確にしろ」
……プニプニ
「ひーちゃぁん、オッパイ壊れちゃうよお」
ギュウッ!
全力で診断していた私の視界が、突如暗闇に包まれた何事だ!!
一瞬慌てたが、直ぐに事態を悟った
私の頭部は何か柔らかい物に挟まれ、押さえ込まれていた
ぎゅうぎゅうと、後頭部から圧力がかかる
頬に伝わる柔らかな感触が堪らない

321:名無しさん@ピンキー
07/10/25 03:51:45 uQH8ZGCp
支援

322:幼乳
07/10/25 03:54:19 +M+9CXlK
良い香りがする
甘く痺れるような芳香
身近な、それでいてどこか懐かしい
もっと香を確かめたかった
しかし、顔面に密着する圧力に邪魔される
そもそも呼吸にすら、差し支えがあるのだが、私の不満は嗅覚に対してのみであった
精神が、いくらのぼせ上がり気付かなくなっていても、肉体は当然、科学的に悲鳴を上げる
酸欠とそれ以上の理由により、私の意識は呆気なく、現実から逃亡を果たした
両手とも未練がましく、柔らかい物を放してはいなかったが……


続く

323:名無しさん@ピンキー
07/10/25 20:13:02 t/21PlYR
いいぞ!

324:名無しさん@ピンキー
07/10/26 17:37:32 xkAx/1Z9
YES!
YES!!
YYYYYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEEEEEEEEEEESSSSSSSSSSSSSSSS

325:名無しさん@ピンキー
07/10/28 14:10:16 WHfbu7jx
ちんこにがい

326:名無しさん@ピンキー
07/10/28 18:44:36 X3jQ6cWy
ぐへえ

327:名無しさん@ピンキー
07/10/30 02:00:30 crgbX/hq
保守でもしようか



「おかえり。」

スーパーのレジでビールを買ったらおつりと一緒にそんな声がした。
よく見ると地元では近所だったマユミが青いエプロンでこちらを見ていた。
小さく感じたのは俺の背が伸びたせいなのだろう。
「ん」
閉店間際とはいえ、この辺りに一軒だけの大型スーパーだというので
見切り品を狙う層がレジにまだまだ並んでいる。
おつりを握りこんで先に進み、眩しいライトから涼しい夜に踏み出した。
ガラス張りの店の奥で、マユミは淡々とレジ打ちに勤しんでいた。

月がキレイだ。
人もいない国道から、自宅へ向かう畦道に折れる。
ぷし、といい音がしてタブが沈み泡がほんの少しアルミ缶にあふれそうになる。
それを口先で啜りながら山の陰を眺め意識的に遅く歩いた。
喧騒もない、ネオンもない、虫の声と黒い山陰だけが風に吹かれて此処にある。

久々の故郷だった。

国道の方角だけが今も明るい。
大型ショッピングセンターが北地区に出来たせいかこちらはますます寂れていくようだ。
年老いた親父が細々とやっていた文具店も、お袋が亡くなったのをきっかけに閉めることになった。
その親父ももう入院だとかそういう話だ。
冷たい苦味が喉を心地よく滑っていく。
親が両方ともいなくなるのは、正直、まだ先の話だと思っていた。
近所にずっとそういう例があったのに俺が鈍感だったということなのだろう。

328:名無しさん@ピンキー
07/10/30 02:05:08 crgbX/hq

「りぃ。」
呼びかけと一緒に自転車のベルが背から響く。
振り返るまもなく脇から自転車がゆっくり追い越して行き、しばらく先でブレーキの乾いた音がした。
「まだ帰ってなかったんだ。ゆっくり歩いてるね」
月明かりの下で相変わらず何の変哲もない幼馴染が自転車を降りる。
化粧気はなかったが口元は笑っていた。
「あれ。もう仕事終わったん?」
「今日は上がりが早いの。折角だから送ってよ」
マユミは肩をすくめた。
俺に乗れというように自転車のハンドルを揺らす。
俺は。
何やら酒が回って適当な気分になっていた。
「マユミちゃんいけないんだ。飲酒運転は違法なんですよー」
言いつつも軽い身体を荷台に押しやりサドルをまたぎ、空のアルミ缶を前かごに突っ込む。
肩くらいの髪を後ろでひとつに結んだ幼馴染は、慣れた仕草で後ろに腰掛けてこちらの肩を掴んだ。

「いいでしょ。誰もいないんだから」

漕ぎ出すと向かい風がゆるゆると頬に当たった。
アルミ缶がハンドバッグのない隙間をころころと転がる。

―中学高校の頃は何度か一緒に帰ったことも会ったような気がするのだが。
ふと斜め下に目をやって、やわらかなロングスカートをはいているのに妙に感心したりした。

「相変わらず、働いてんのか」
「うん」
「チビたちも大きくなっただろうに」
「でも、おばあちゃんが亡くなったから。それにね、昔からだったけれど、末の拓也が頭いいの。
 多分進学したいんだと思うのよ」

虫の声と遠い車の排気音が、ススキの間に消えていく。
畦道を抜け、二人乗りの自転車はやや広い県道の端をくだっていく。

「りぃは今回もただの帰省、…じゃないね。おじさんのお見舞いか」
「んー」

詳しいことは話す必要もないと思った。田舎だから知れ渡っている。
今でも保育園時代の呼び名が生きている地方なのだから。

「りぃ。桐里。」
「んー」
「結婚した?」
「してね」
「売れ残りかぁ」

からかうでもなく、探るのでもなく、
ただふうん。と頷くだけの声音が、酒の回った頭に染みこんだ。
肩にかかる手は、相変わらず家の水仕事をしている荒れた指先だった。

思い出した。

そういえば髪を切って学ランを着たばかりの頃、
結婚したらこいつを楽にできるんだろうかと、隣で考えてみたこともあったっけ―

329:名無しさん@ピンキー
07/10/30 02:05:41 crgbX/hq
保守以上 ねる

330:名無しさん@ピンキー
07/10/30 18:16:28 lP/QW3GC
このまま書きこまなかったら続きが読めるのだろうか。
クオリティ高い保守を見るたびそう思う。

331:名無しさん@ピンキー
07/10/30 19:36:58 62JlRDjE
いや。GJと言われなきゃ、書く気なんて普通起きないもんだと思うけど

それにしても>>328は良い保守ネタ。主人公の故郷の様子が色々と想像しやすくて面白いね

332:名無しさん@ピンキー
07/10/31 20:40:03 TqpoYyNc
ところで以前も指摘があったが投下後のGJ!が少な目な気がする
好きでもない作品にウソついてまで賞賛するよりかはマシだろうけど…

333:名無しさん@ピンキー
07/10/31 21:53:42 haMIYAAB
>>332
住人が減ったのかもしれんな…

334:名無しさん@ピンキー
07/10/31 23:27:55 SlHCEK5K
八月下旬みたいに連続で投下が来たらまた盛り上がると思うよ
供給少なすぎ

335:名無しさん@ピンキー
07/11/01 06:25:15 OEH9uJwZ
去年の八月っつーとピンクちゃんねる閉鎖騒動が巻き起こって
その前に何とか投下完了させようと「今宵の~」の人が頑張ってた時期か
一定のスパンで投下するのも大事みたいね

336:名無しさん@ピンキー
07/11/01 06:48:31 OEH9uJwZ
ああ、去年じゃなかったかw

337:名無しさん@ピンキー
07/11/01 19:03:45 h5TqKRa0
去年の八月は突然猛烈な腹痛と下痢に襲われて二ヶ月入院するはめになったぜ

338:Dion
07/11/01 21:14:54 rFuJIJAI
アクセス規制されてて書きたくてもできねーんだよ

339:名無しさん@ピンキー
07/11/02 22:10:44 nfRpi9GY
なるほどDion軍は大変なんだな。>>337も身体は大切にな

ところでエロパロのスレとしては人が多く集まる方が良いと思うけど
属性としては、少数ながらもそこそこに和気藹々というのが理想的だと思う
いや本当に。最近。マジで

340:名無しさん@ピンキー
07/11/03 20:37:17 8PSn7+WJ
多くなりすぎると気に入らない作品に文句をつけるのが出てくるからなー
まあそれでも職人さんが多いことは良いことだよ

341:名無しさん@ピンキー
07/11/04 00:19:52 ngkG89PW
>>332
GJだけとか、GJ以外の意見が封殺される風潮で、読む方の住人が減ってるだろうしな。

342:名無しさん@ピンキー
07/11/04 01:10:20 kGH77kCo
書いてる立場からすれば、GJの一言だけでも感想いただけりゃ嬉しいもんですよ
個人的意見になるけどね

343:名無しさん@ピンキー
07/11/04 11:42:03 +lJAsLfE
GJだけでも嬉しいけど、作品内容に言及してくれるとしっかり読んでくれているって分かっていっそう嬉しくなるんですよねえ。
少なくとも自分は、ですが。

344:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:12:54 A8oAfvD1
ちょっとだけ書いた事があるが、既に時代遅れなタイプの幼馴染かなあと思ってたら
ウケがそこそこ良くて、やっぱわかってくれる奴がいるのは良いなあと思った
この属性にはちょっとしたこだわりがあるんだけど、そーゆうのをわかる人が現存してると嬉しい

てか、この前の>>235-以降の雑談で幼馴染欲しいって感じの意見多かったけど
おれは幼馴染萌え語りできる友人が欲しかったぜ




そんな私が孫にあげるのはもちろんヴェ○ター○オリ○○ル
なぜなら彼も友人がいないからです

345:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:39:18 la+WQ2fI
レンタルマギカという作品があるが、あれの幼馴染もとっても健気な感じで素敵だ。関西弁だし。

346:名無しさん@ピンキー
07/11/08 22:35:39 XbNYc5A4
全然知らなかった。調べて単行本いっぱいあるなーと思ったらアニメ化もされてんのか
そんでもって主人公が昔のことを覚えてない、と。
記憶喪失主人公の側には良幼馴染がいることがしばしばあるから今度立ち読みしてみるかな

347:名無しさん@ピンキー
07/11/09 01:54:48 1cwEA6Tr
  ピョン
    , - 、
──┐ ! ヒュー
□□□│ ・
□□□│ |\
□□□│i´   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
□□□│|    ∧_∧     |
□□□│|  ◯( ´∀` )◯   |┌──────
□□□│|   \    /   < 僕は、アディリシア派!
□□□│|   / __ \   |└──────
□□□│| (_/   \_)  |
□□□│!、_______,ノ
 ._.  │
 | | |  │
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

348:名無しさん@ピンキー
07/11/09 02:28:16 Tm+OnEAB
確かにアディリシアはとっても良いキャラだと思うが、このスレでわざわざ言うかwwwwwここで言うなら穂波だろwwwwwww

349:名無しさん@ピンキー
07/11/09 19:30:29 dFQPNmLP
アニメしか知らんがケルト魔術の人は年上に見えてしまう

350:名無しさん@ピンキー
07/11/09 20:26:07 Y0DJuskX
なるほど。つまりアレだな。この流れは眼鏡イラネだな?

351:名無しさん@ピンキー
07/11/09 21:50:31 e6/uch6Z
というか属性多すぎなんだよな

352:名無しさん@ピンキー
07/11/09 23:06:41 h3Ksuzd5
幼馴染み魔女っ娘メガネ関西弁女子高生か
どれか幽霊の子の分けてやれよ

353:迷い
07/11/12 01:06:05 ylpMi7je
妹属性が若干有ります。

「ただいま~」
学校から帰宅した少年は叩きに腰掛けると大きく息を吐く。
彼の名は大井優祐。ごく普通の高一だ。
特に部活もやってないし、勉強もそこそこでしかない。
特筆する所と言えば、高一にして生徒会長をしているという事だろうか。
「お帰りなさい」
「お帰り~」
大きく伸びをしていると、リビングから二人の少女が出迎えに来る。
二人の名は大井桜と神上優華。
桜は優祐の妹。優華はその幼なじみで大井家の隣人でもある。
桜は茶色い髪を短く切り揃え、活発な子であり。
優華は漆黒の髪を長くまっすぐと伸ばしている。また性格もおとなしく物静かな子だ。

二人ともタイプは違えど美少女と呼ぶに相応しい容姿だろう。
「よう、来てたのか」
「お邪魔してます」
優華が小さく頭を下げる。
「邪魔なんかじゃないよね、お兄ちゃん」
「勿論。桜、母さんは?」
優祐は桜の問いに笑って答え、逆に母の居場所を聞く。
「遅くなるからよろしく だって~」
大井家の母は、俗に言うキャリアウーマンだ。なのでしばしば帰宅が遅くなることがあり、そのような時は優祐が夜ご飯を作っている。

354:迷い
07/11/12 01:06:43 ylpMi7je
だからか優祐の料理の腕は高校生の男子としては稀有な腕前だった。
「あいよ。優華ちゃんはどうする?」
「もしいいなら」
彼女が遊びに来ていれば、ほぼ必ず繰り返される会話。
とはいえ彼女は毎回とても遠慮がちにしている。
「OK」
優祐は了解すると鞄を持って自室に戻る。
そして部屋着に着替えるとリビングでゲームに興じている二人を眺めながら夕御飯を作り始める。
「お~い、二人とも何食べたい?」
遊んでいる二人に後ろから声をかける。
「なんでも~」
桜は優祐を見ずに声だけで答える。
「なんでもいいです」
一方優華はキチンと振り向いて答える。
優祐はその態度の違いに、うぅやっぱ優華ちゃんは優しいなぁ、なんて若干感動してしまう。
「なんでも、かそれが一番困るんだけどなぁ~」
とはいえ、“なんでもいい”は作り手からすると困るのだ。
優祐は冷蔵庫を覗くと、何が作れるか例を上げ始める。
「二人とも、生姜焼き、野菜多め湯豆腐、カレー、の中だったらどれがいい?」
二人は手を止め一瞬考えると、「湯豆腐がいいです」「カレー!」
と同時に違った提案をする。

355:迷い
07/11/12 01:07:19 ylpMi7je
クスッ。
その状態に優祐は一人笑い出すと、
「じゃあお客様の意見を取入れて湯豆腐な」
とクスクス笑いながら二人に告げる。
「あっそんな、いいです」
優華は慌てて自分の意見を取り消そうとするが、
「遠慮すんな~ そんなに遠慮してもいいことないぞ」
優祐はそう言って優華をなだめる。
「は、はい」
その笑顔に気恥ずかしくなったのか俯いた優華を一瞥すると、優祐は桜に命令を下す。
「桜、隣行って夕飯こっちで食べてくって言ってこい」
「はーい」
桜は握っていたゲームのコントローラーを投げ捨てると、ドタバタと騒々しい足音を立てながら隣へといってしまう。
優祐はその騒がしさに苦笑しながらも、手慣れた手つきで下ごしらえを始める。
「あの、私手伝います」
テーブル越しにそれを見ていた優華はそう声を上げる。
優祐も特段断る理由も必要もなく、素直に受け入れる。
「そう?手伝ってくれるなら有り難いけど」
「はい、手伝います」
優華は嬉しそうに頷くと学校の鞄から髪ゴムを取り出し髪をポニーテールにまとめる。

356:迷い
07/11/12 01:07:56 ylpMi7je
「あれ、ゴムなんて持ってたんだ」
優祐は見慣れない姿に疑問の声を上げる。
「学校じゃ結わないといけないんで」
「あーそうなんだ。髪長いもんね」
優華はコクリと頷く。
「そっか、制服か。ちょっと待ってて」
優祐はガサゴソと食器棚の下ーー布巾等が入っている所ーーを漁り始める。
「あった。ほらこれ着けなよ。制服汚しちゃあれだし」
優祐はエプロンを差し出す。
「ありがとうございます」
優華はペコリと一礼するとそれを受取り着け始める。
かなりの時間死蔵されていたであろうエプロンは水色の地に小さい白の花柄が散りばめられており、中々可愛い柄だった。
「どうですか?」
「うん、似合ってる。可愛いよ」
「そ、そうですか……」
優祐の何気ない一言に優華はほんのりと頬を染めて俯いてしまう。
が優祐は頓着せず、冷蔵庫から野菜を取り出すとひょいひょいと優華の前に置いていく。
「それじゃあこれ切ってって。包丁下にあるから。指気をつけてね」
「はい」
優華は頷き野菜を切り分け始める。
さして広くない台所で二人の男女ーーというには少し幼過ぎるがーーが料理するのは、傍目からでも仲睦まじく見えた。

ガチャ
「只今~、あんまり遅くならずに帰ってきなさいよだって~」

357:迷い
07/11/12 01:09:16 ylpMi7je
お隣りから帰ってきた桜はそう言ってリビングに入ってくる。
「あれ、なんで優華まで料理してるの?」
二人が台所に立っている姿を見て、疑問顔になる。
「優祐……さんのお手伝いしてるの」

「ふーん、変なの。エプロンは?」
「昔から家にあるやつだよ。制服汚してもまずいしな」
「なーんだ、つまんないの。お兄ちゃんもう少し面白い答え方してよ~」
心底ガッカリとした表情をする。
「はいはい。ほら、テーブルの上片付けて。優華ちゃん野菜終わった?」
「はい」
「それじゃ鍋の中にどんどん入れて」

二人の共同作業で着々と料理は出来上がっていく。

「よし、鍋通るぞ」
優祐が中にたっぷりの野菜と豆腐、それに熱湯が入った鍋を既に配膳されている皿の真ん中に置く。

「食べるぞ~」
「はーい」
まず桜が席につきその横に優華が。彼女の向かいに優祐が座る。
「それじゃ、いただきます」
その言葉を合図に、三人は一斉に食べ始める。
白飯に湯豆腐ーー野菜や豚肉が入っているので純粋な湯豆腐ではないーーそれに多少の付け合わせがあるだけで、豪華とは言えない食事だ。

358:迷い
07/11/12 01:09:51 ylpMi7je
が“食欲は最大の調味料”の通り三人は言葉少なに食事を平らげていった。

「ごちそうさま~」「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
鍋の中を殆ど空にして三人は夜ご飯を終える。

「ふぃ~」
三人は後片付けもそこそこに、各々楽な体勢でテレビを見ている。
ちなみに優祐は横になっており、その横に優華が女の子座りで、二人の後ろに胡座をかいた桜が座っている。
「優華ちゃんお風呂うちで入ってくの?」
優祐は下から優華を見上げる。
「あ、いや家で入ります」
「そっか。じゃあそろそろ帰った方がいいかな?」
時計は既に8時を回っている。
いくら隣家とは言えど、年頃の娘さんを置いておくのはもうよろしくない時間だろう。
「そうですね、そろそろ失礼します。ありがとうございました」
優華は立ち上がると優祐に向かって深々と一礼する。
「そんなに丁寧にしなくていーよ。それじゃあね、気をつけなよ。って気をつける程距離ないか」
優祐は自分の言った言葉にクスクスと自分で笑い始める。
「そうですね」

359:迷い
07/11/12 01:11:20 ylpMi7je
釣られて優華もクスクスと笑い始めてしまう。
「隣だもんね~。それじゃ優華また明日~」
「うん。桜ちゃんまた明日ね。それでは」
優華は再度一礼すると、鞄をもって静かに帰る。とことん丁寧な立ち居振る舞いだった。

「しっかし優華、変だね~」
桜は優華を見送ったあと、ぽつりと漏らす。
「そうか?」
優祐は言外の意味を汲み取れずに聞き返してしまう。
「だってお兄ちゃんにばりばり敬語だし。優祐“さん”だよ?」
「そういえば……」
確かに桜も優華も生まれてから殆ど一緒に居る。
なので、優祐とも一緒に行動する機会が多々あった。
近所の縁日や市民プール。そんな物でなくても公園にだって三人で行った事は沢山有る。
その時彼女は優祐の事を優にぃと呼び、態度も多少の違いはあれど桜に似通った親しみを見せていた。
それがいつの間にか、ですます調を使うようになり、ついには“さん”付けまでするようになった。
優祐も当然、多少の寂寥感や違和感は持っていた。
が優華も年頃である。
だからこそ年頃の女の子なんだからと考え、口には出さなかった。
しかし今の桜の話を聞く限り、彼はかなり特殊な反応を優華にされているらしい。

360:迷い
07/11/12 01:12:57 ylpMi7je
それは優祐の心の中で、優華との関係に少しの、だがしっかりとしたひびを入れるのには充分だった。


以上です

私は感想、批判大歓迎なんで目についた所があれば遠慮無く指摘してくださいm(_ _)m

361:名無しさん@ピンキー
07/11/12 08:01:03 1dIkoX1c
GJ!!勿論続くんだよね?ね?ね?
続いてくれなきゃヤダモン
ここから2人の関係にどう変化が起きるのか楽しみだ

全裸で女の子座りしながら待ってる
あれって男がやると無茶苦茶苦しんだよな~

362:名無しさん@ピンキー
07/11/12 16:30:26 eavqWRIi
GJ!
いきなり暗雲立ち込める終わり方で続きが気になりますな
ただ一つ気になったのが-がーだったことだな
細かくてスマン

>>361
むしろ女の子座りのほうが楽な俺イズヒア

363:名無しさん@ピンキー
07/11/12 22:40:34 ymOTEvYa
昨日の障害長引くかと思ったら直ぐに終わった上に投下まで来たのか

>>360
おれもーは―にした方が良いと思う。おれが指摘できることはそれぐらい
続き楽しみにしてる

364:名無しさん@ピンキー
07/11/13 00:39:20 LX6N19y6
GJ! ところで妹は義理の妹かな? そうだよね? そうだと言って! そして3Pモノにして下さい!!

365:名無しさん@ピンキー
07/11/14 02:08:36 4h4muqZn
>>292-295を連載してみたりすることにしました
決して他のネタが思いつかなかったとかとかじゃないのであしからず!

……いや、あのスイマセン



366:Memories ~Second~
07/11/14 02:14:16 4h4muqZn

ガラガラッ

 自分の部屋の窓を開け、身を乗り出して屋根の上に降り立つ。いつもは裸足なんだけど、
毎回あいつにうだうだ言われるのも鬱陶しいからな。今はっつーか、今回からはサンダル
履いて行くことにした。これで文句言われても言い返せるな、ふひひひ。

「よっす!」
 窓を叩かずに、脅かし目的でいきなり声かけてみる。……なんだ、いねぇじゃねえか
つまんねー。あ、でも鍵開いてんな。入って待つか。
『勝手に部屋に入ってくんな』
 呆れた面してため息をつく兼久の声が聞こえたような気がした。の割りには、あいつこの
窓の鍵あんま閉めないんだよな。まぁ、あたしとしちゃありがたいことだけど。

 大友兼久。

 この何の特色も色気もねぇ殺風景な部屋の持ち主で、物心ついた頃からの腐れ縁。
 なんか戦国武将みてぇな名前なんだけど、顔も図体も名前負けしてないのが怖いところだ。
身長は180越えてるし体重も90近いとか言ってたな。おまけに、まだ高校生なのに不精髭
まで蓄えてやがる。おかげで初対面の奴は大抵ビビる。あたしから見ればでかいし重たいし
熊みたいに見えんだよな。それはそれで怖いか。 

 ついでに、あたしの名前は小宮山柚稀。ま、よろしく。

 しっかし、何してあいつ待とうかなぁ。漫画は全部読んだし、他の本は文字だけだし。
 哲学書とか普通に本棚に置いてあるし、埃も被ってねーんだから恐ろしい奴だ。見た目からは
まず考えらんねぇ。
 大の字で寝転んでるとするか。こいつのベッドあたしのより寝心地良いからなぁ、はふぅ。

ガチャ

「……ん? 柚稀か?」
「あー、邪魔してるよ」
 戻ってきたか幼なじみ。入り口は足元の方にあるから、起きるのも面倒なんで手の代わりに
脚を振って返事をする。あたしは余計だったり面倒なことするのが嫌いだ。
「……ないわー」
「だって面倒臭いしさー」
「お前遊びに来たんじゃないのかー」
「そうだったんだけどさー」
「帰れー」
「いやだー」
 脚で返事されたのがよっぽど不満だったらしい。図体でかいのにあちこち指摘すんだもんな。
もっとこう何ていうの? あははうふふ別にいいよそのくらいー俺とお前の仲じゃないかー的な
感じで……それも気持ち悪いな。
「で、どこ行ってたんだ?」
「買い物」
 そう言うと兼久は、手にしていた買い物袋を見せつけてくる。近所のコンビニに立ち寄って
菓子とか買ってきたみたいだ。起き上がってがさごそと中身を漁りながら覗き込んでみる。
「お、バニラだ」
「取んなよ」
「さすが兼久、この前の小テストであたしを見捨てたことは許してやろう」
「取んなっつーの、お前に買ってきたんじゃねー」
 あたしはバニラが好きだ。好きな食べ物は? と聞かれて「バニラのアイスかな」って
答えるくらい好きなんだ。理由を聞かれても好きだからとしか答えようが無い。こりゃもう
本能的なモンだなきっと。


367:Memories ~Second~
07/11/14 02:16:46 4h4muqZn

「まーまー気にすんなよ。折角でかい図体してんだから」
「アイス食うのに体型は関係ありまっすぇーん」
 んなこと言ってさー、お前が一番好きなアイスは抹茶だろ。口には出して言わんけどさ。
自惚れるよー? 自惚れとくよー?
「うまうま」
 木のヘラを勝手に袋から取り出して、勝手にパクつき始める。あぁ、なんでバニラって
いちいちこう最高なんだろう。もうこの味わいこの風味は、あたしに満足してもらうために
この世に生まれてきたとしか思えない。
「そうやって話聞かないから、補修受けまくることになんだぞ」
どうやらアイスの件はもう諦めたらしい、よかったよかった。これでもうこのアイスは
あたしのもんだな。
「まーそう言うなって。あたしだって色々お前を助けてやったりしてるだろ」
「ほほう、例えば?」
「え゛」
 う、やばい。つい売り言葉に買い言葉で言い返しちまった。
「例えばお前が俺に何してくれたっけぇ柚稀ぃ~」
 あああもう、また話の主導権持ってかれちまった。まあいつものことなんだけど。でも
こうなるとあたしに勝ち目なくなるからな、シカトしよシカト。

「……(パクパク)」
「もっしもーし」
「……(もぐもぐ)」
「あれれー? また無視ですかー?」
「あー……やっぱバニラは最高だな」
「……(ぴきっ)」
「……(ぴくっ)」
「はい! お答えなしということで柚稀さんが食べてるアイス、ボッシュート!」
「やーだー!」
 あああ取られた! 取られた! まだ半分しか食べてないのに! 太い声で「チャラッチャラッチャーン」
とか口で効果音出してんじゃねー!
「かーえーせー!」
「はっはっは、元々俺のものだ」
 このジャイアンめ、人のもの勝手に奪い取るなんて最低の人間がやることだぞ! あたしの
場合特別だからいいんだけど!
「ほーら高い高ーい」
「ふざけんな溶けるだろ!」
 兼久は奪ったアイスを持ったまま、天井に向かって腕を延ばす。当然、そんな高さに届く
はずもない。
「じゃ、いただきまーす」
「あああ、やめろっ、やめろよー!」

ぱくんっ

「あーーーーっ!!」

 半分くらい残っていた溶けかけのアイスを、兼久はヘラを使わず直接口に放り込む。
しばらく口をもごもご動かしていたが、やがてごくんと大きく喉が鳴る。
 その光景を目の当たりにして、気付くとあたしはがっくりと膝をついてしまっていた。
「ひでぇ…こんなの最悪だろ!」
「少しは自分が悪いとは思わんのか」
「すっごく楽しみにしてたのに!」
「お前は何を言っているんだ?」
「兼久のこと信じてたのに!」
「信用裏切るようなことばっかやってんのはお前の方、な!」
 食べ物の恨みは怖いんだからな、いつかきっと仕返ししてやる。


368:Memories ~Second~
07/11/14 02:19:22 4h4muqZn

コンコン

「あのさ、うるさいんだけど。せめてドア閉めてくれない」
「あ、あぁ、悪い」
 ドアが開きっぱなしだったから、あたし達の口喧嘩がかなりうるさかったみたいだ。
 そのドアを叩きながら、腹に据えかねた様子で一人の女の子が姿を現す。兼久が謝っても
眉間の皺はとれそうにない。
「あー…ごめんね憐奈ちゃん」
「別にいいですけど…」
 この娘は兼久の妹で、憐奈(れんな)ちゃんて言う。あたし達より二つ年下の中学三年生で、
当然のことながらこの冬受験を控えている。
「あんまりうるさくしないでくださいね」
「うぅ…ごめんなさい」
 そのせいか最近、妙にピリピリしてて態度がちょっと冷たい。昔はあたしに懐いてくれてて、
髪型とか真似してくれたりしてたのになぁ。今もお互いショートっていう共通点はあるけど、
彼女の髪は首元あたりまでは伸びていてあたしの髪みたいにボサついたりしてない。

「そうだ、あのさ」
「はい?」
 そういや彼女を見てて思い出した。気になってたことがあるんだった。本人にいくら
聞いても答えてくれないけど、彼女なら答えてくれるかもしれない。
「最近恭一がさ」
「…っ! 失礼します!」

バタンッ!

……

「……あれ?」
「お前マジ空気読め」
「ん? えぇ?」
 空気読めって言われても、何のことだかさっぱり分からんし。弟の恭一の様子が何か
変だから、その理由知ってるかどうか聞こうと思っただけなのに。クラスは違ってたはず
だけど、あの二人もあたし達みたいにちっちゃい頃から一緒に遊んでるし。
「……」
「なんでだー?」
「…恭一の奴、凄く頭良いだろ?」
「まぁ、そうだな」
 ため息を一つついてから、兼久が口を開く。
 うちの弟は、突然変異と言ってもおかしくないくらいに昔から出来が良かった。ぶっちゃけ
数学ならもう抜かれてるかもしんないし、背丈も兼久ほどじゃないが既に抜かれてる。
 まあそれを鼻にかけたりせずに、あたしのことちゃんと姉と思ってくれてるみたいだから、
可愛い奴なんだけどな。
「で、あいつは極端な負けず嫌いだからな」
「……そういや、そうだったか」
 確かに憐奈ちゃん、勝負ごとになると急に性格変わってたなぁ。特に恭一との勝負は、
毎回勝ててなかったような。要するにそれがきっかけですっかり仲は冷え切ってるってことか。
今の様子を見れば、彼女にとっちゃ天敵みたいなもんのかもしんない。
「年齢的な事情もあるみたいだけどな。最近めっきり口数が少なくなったよ」
「思春期かぁ……あたし達には無かったな」
「姉貴達にもな」
「あの二人は色々終わってるし」
「お前に言われるってことはいよいよ終わってんな」
 ちなみにあたし達には、もう一人兄弟がいる。兼久には姉貴、あたしには兄貴。要するに、
お互い異性の兄弟に挟まれている。これまた同い年の腐れ縁のようで、唯一の違いは兄貴は
社会人で兼久の姉ちゃんは大学生ってことくらいかな。年は三つ上だから今年で二十歳か、
いいなぁ気兼ねなく酒飲めて。あたしも早く二十歳になりたい。


369:Memories ~Second~
07/11/14 02:21:25 4h4muqZn

「なんで付き合い古い奴と付き合い辛くなんのかな、今まで通りでいいじゃんな」
「俺にもよく分からんけど、照れくさいんじゃないか。多分」
「ふーん…、まあ後でもっかい謝っといて」
「構わんけど、相手が俺でも姉貴でも態度はあんな感じだぞ」
「ま、いーからいーから」
 思春期っつっても一時的なもんだろうし、高校に入る頃には様子も元に戻ってんじゃないかな。
そうなったら、以前と同じとまではいかなくてもまた一緒に遊んだりできるかな。
「年下の奴には気遣いできるんだなぁお前」
「まーな。お前もあたしに精一杯尽くして恵んで優しくしてくれたら、三つ指立てて頭を
下げてやらんこともないぜ」
「つけあがるだけだろ、何言ってやがる」
「か! 戦国武将みたいな名前と面してんだから、ちゃんと相手に礼儀は尽くせよ」
「戦国時代の女性って、大抵は政治的取引の道具にされてたらしいぞ」
「今はそんな物騒な時代じゃないだろ」
「先に言ってきたのはそっちだよな」
 お互いにお互いを口汚く罵りながらも、こういうやりとりはあんまり嫌いじゃない。
まぁ、アイス食ったことは一生言い続けてやっけど。食い物の恨みは怖いんだからな。

「で、今日は?」
「いつも通り、どうよ?」
「稽古」
 一応、今のやり取りを意訳すると以下の通りになる。
『で、今日は何しに来たんだ?』
『暇つぶしだよ、これからどっかに遊びに行こうぜ』
『無理、柔道の稽古がある』
 繰り返され続けた会話ってのは、こうやって色々省かれてくもんであって。以前学校で
似たようなやりとりしたら、端から見てた奴に「何喋ってんのか全然分かんなかった」とか
言われたりもしたもんだ。あたしは別に悪くない気分だったけど、兼久はなんか苦虫を
噛み潰したような顔になってたっけ。
「またかよー、最近断ってばっかりじゃねーか」
「用事ある時に来るお前が悪い。毎週ほぼ同じスケジュールなんだし、少しは把握したら
どうよ」
「めんどいー」
「だろうなー」
 たまにはね、答えの分かりきった何の実りもない話とかも必要だと思うんだよね。何も
することない時間があったりするんだったら、尚更。一人は嫌だし。

「じゃあ、そろそろ準備するから」
「あーい、帰ってきたらバニラ宜しくー」
「ははは却下ー」
「えーなんで、半分食べたくせに」
「だからあれは元々俺のだと何度言えば」
「ラクトアイスでいいからさー、百円のカップのやつー」
「さっき食ってたのも百円のラクトアイスだけどなー」
「じゃあハーゲンダッツでいいから」
「なんで倍以上の値段するやつにランクアップしてんだ」
「クラスチェンジです」
「意味が分かりません」


370:Memories ~Second~
07/11/14 02:23:48 4h4muqZn


 くそう、こうなったら本当に仕返ししてやる。半端に食べちったもんだから余計に食べ
たいのにー。月三千円の小遣いじゃ全然足らん、アイスだけに割くわけにもいかねーし。
「お前もバイトしろよ。どうせ暇なんだろ?」
「高校生でやれるバイトなんかロクなのがねーよ。いいよなお前は見た目で騙せて」
「異議あり! 履歴書は内容に偽りなく提出しています!」
 机をバン、と叩きながらあたしの顔を指差し反論してくる。どこの世界の弁護士だお前は。
「その履歴書を拝見しておらぬことには何とも申し上げられませぬ、三十路に見間違えられた
こともある大友兼久殿」
「だまらっしゃい」
 反論を一喝するように怒鳴り返してくる。いつの世界の軍師だお前は。
「帰れ帰れ、俺はお前と違って色々やることあるんだ」
「学校以外に道場とバイトか。そんなに暇するのが嫌なのかよ」
 口元をつい釣り上げてしまいながら、いつものように声を殺して喉で笑う。こんなに
でかいのに忙しない奴だ。

「嫌っつーか、退屈だよな」

「んー?」
 退屈とか。急に何言ってんだこいつ。
「親父によく言われんだよ。『社会人になると働くことで頭が一杯になるから、学生の間は
色々なこと体験して密度の濃い生活をしろ』ってな」
「…だから色々やったりしてんのか」
「実益も兼ねてるけどな。道場の方も楽しいし」
 以前は、あたしも同じ町道場に通ってた。というか、中学に入って一緒に始めたんだ。
だけどこいつみたいに体格的にも恵まれてなかったし、大して強くもなれなかったから、
中学卒業するぐらいの頃には辞めてしまった。兼久は楽しいとか言ってるけど、あたしの
場合そうは思えなかったな。
「……そんなもんなのか」
「そんなもんなんだよ」
 ま、こいつ自身が満足そうならそれでいいよな。

「じゃあ、そろそろ帰るわ」
「おー、アイス食いすぎて腹壊すなよ」
「好物食べて壊れるほどあたしの腹は柔じゃねえ」
「なら、見舞いの暁にはその時こそハーゲンダッツを買っていってやろう」
「へぇ」
 よし、明日にでも仮病を使おう。
「仮病使ったら今後一切お前には恵まん」
 ちっ、見抜かれてた。

「しゃーねーな。それじゃ、また明日」
「おうおう」



371:Memories ~Second~
07/11/14 02:25:03 4h4muqZn

ガラガラッ

 扉から…ではなくやっぱり窓からお暇する。あ、そういや折角スリッパ履いてきたのに
アピールできなかった。これじゃ意味がねー。
 屋根伝いに歩いて自分の部屋に舞い戻る。兼久の部屋を殺風景だの何だの言いまくったけど、
ぶっちゃけこの部屋も大差ない。性別の差を考えりゃ、あたしの方がやばいかもな。
 机に備え付けられた椅子に座って、背もたれに思いっきりもたれ掛かる。窓の向かい側に
見える、さっきまで邪魔してた部屋の電気が消える。カーテンも閉められる。兼久は稽古に
行ったようだ。

 ……

 退屈、か。

 今のあたしはどうなんだろうか。暇してるんだろとか言われるけど実際退屈なのか? 

 実際よく分かんねぇな。これといった不満があるわけじゃねぇし、端からそう見えてても、
肝心なのは自分だし。

「あー……っ」
 ……ったく。小難しいこと考えようとするといっつもこうだ。バニラ成分が足りねえ、
ってわけでもないけど、口の中が妙に寂しくなる。っつーかなんだ、えっと、あーもう、
わけ分からん。

 吸うか。こういうごちゃごちゃした気分になる時はこれが一番だ。

 机の中に隠してあるちっさい入れ物の中から煙草をライターと一緒に取り出す。銘柄は
もちろんキャスター。マイルドだけど。窓を少しだけ開けて、部屋に転がってた空き缶を
灰皿代わりにする。それを窓辺に置いて、一本咥えて火をつける。

「……ふぁー」
 吸い始めたのは一年くらい前からだけど、最近量が増え始めた。理由はまあ、色々ある。
家族は知ってる。嫌な顔はされたけど、止めろとは言われなかった。亭主関白で男兄弟な
家庭に女の子一人じゃ、ある程度仕方ないとか思ってるのかもしれない。
兼久には言ってない。
 言えばどんな反応されるかは分かってるし。あいつとの付き合いも居心地悪いもんじゃ
ねーしな、つまんねぇことでこじれさせたくない。

 あーあ、何も考えないで毎日それなりに楽しく生きてくことができりゃあなぁ。そしたら
楽に生きていけるのに。

 余計なこととか面倒なこととか、あたしは嫌いだ。

 おもむろにくゆらせた煙が、空気に紛れて消えていく――


372:名無しさん@ピンキー
07/11/14 02:26:40 4h4muqZn
なんだか冒険しすぎな臭いがプンプンするぜ!
気長にお待ちいただければ幸いです、スレ汚しして申し訳ありません

373:名無しさん@ピンキー
07/11/14 19:10:47 rFHtcArR
おぉ良作三部作になりそな期待
( ゚∀゚)∩彡つバニラワッフル バニラワッフル

374:名無しさん@ピンキー
07/11/16 02:03:36 iuWT3lYJ
タバコ吸ってチンポも吸うわけだな。
淫売め!!

375:名無しさん@ピンキー
07/11/16 02:13:16 OjnXvrKJ
んなこといってると続きがこなくなるぞ

376:名無しさん@ピンキー
07/11/16 17:20:57 +HGISFtm
これは俺のツボの予感
ワッフルワッフル

377:名無しさん@ピンキー
07/11/17 16:31:30 yPYBpdaj
hosyu
職人さんこないな・・・


378:名無しさん@ピンキー
07/11/17 21:53:40 O8RRwkzr
まあ、このスレの投下スピードは決して速い方じゃないしな
これまで投下してくれた作者さんたちの続きを落ち着いて待つさ

379:名無しさん@ピンキー
07/11/19 01:02:35 Ao51ayJJ
集英社スーパーダッシュ文庫の紅という作品の幼馴染が結構良い感じ。

普段は主人公に対して冷たい態度を取るのだが、時折隠し切れない愛情が不器用な形で現れるのが良い。

更には幼い頃に一緒にお風呂に入った時に、胸を触りたがった主人公に触らせてやった事を持ち出して黙らせる所
とか中々良かった。

380:名無しさん@ピンキー
07/11/19 03:25:13 byUjv9RX


381:名無しさん@ピンキー
07/11/21 17:46:15 f8YQ7AfM
ちんぽ保守。

382:名無しさん@ピンキー
07/11/21 18:20:52 Rvdj0UbY
最近スクランが怒涛の幼なじみ展開だな…

383:恥じらい肛門丸
07/11/21 20:55:53 7PWY5iO1
残照の中を安井松雄は魚篭を片手に歩いていた。中には漁師をしている父親が
獲ってきた新鮮な魚が入っており、これを島で唯一の医者である飯島医院まで
届ける所だった。本土の港から西へ四キロの位置にあるこのぽこぺん島には、
平成近くになるまで医者が常駐しておらず、病人が出ると急ぎ船やヘリコプターで
本土の病院まで運んだという。

平成生まれの松雄はその事を父母や島の大人たちから教わり、またこんな辺鄙
な場所で開業してくれた医院の飯島正俊先生は、とても偉い人だといい聞かされ
てきた。実際、松雄自身も飯島医院で受診した事があり、立派な髭を生やした先生
は優しい大人物のように思っているし、看護士を兼ねている奥さんも品の良いお人
で、島の誰とも別段、隔意という訳でもなかった。

しかし、松雄はその娘である飯島尚美だけはどうも苦手でならない。その為、この
お使いが嫌で嫌で仕方が無かった。共に高校一年生、島には中学までしか学校が
無いので、毎日、知り合いの漁船に乗せてもらい、本土の高校まで通っているのだ
が、これがもう、負けん気が強くてきかない。医者の娘で育ちの良いはずの尚美は
生来の癇癪持ちで、粗野極まりなかった。対して荒くれ者の代名詞のような漁師の
倅で、貧しい家に育ったにも関わらず松雄は控え目な性格で、とにかく争いを避け
たがる。

学校へ行ってもそれは変わらず、たとえば尚美が誰かにからかわれたとする。
年頃ゆえ、悪戯好きな男子に尻のひとつも撫でられる事もあろう。そんな時、容赦
の無い鉄拳がその男子には飛ぶ。女だてらに拳を握り締め、相手の鼻っ面をぶん
殴るのである。時には馬乗りとなり、滅多矢鱈に殴るので、松雄が慌てて取り押さえ
る程だった。その際、暴れ馬を乗りこなすように松雄は尚美を羽交い絞めにし、殴ら
れている奴に逃げろと叫び、力尽きるまで尚美を押さえつけた。そうしないと大怪我
をする。相手も、また尚美も傷つくのである。松雄はそれが嫌だった。

384:恥じらい肛門丸
07/11/21 21:10:30 7PWY5iO1
医院には灯かりがついていて、呼び鈴を鳴らすと奥さんが出てきた。
「あら、松雄君じゃないの。こんばんは」
「こんばんは。あの、親父がこれを持って行けって」
「綺麗なお魚。いつもありがとう」
魚篭を受け取ると奥さんは笑ってこう言った。

「尚美、いるけど」
「と、とんでもない!」
松雄は首を振り、手で奥さんの言葉を遮った。
「お茶でも飲んでいったら?」
「結構です、じゃあ・・・」
松雄は慌てて踵を返し、医院を後にした。冗談でも心臓に良くない。松雄はそろそろ
薄暗くなった道を急いで帰っていく。

そして、島の集落の端にある我が家へ続く道に出た時の事。
「おーい」
澄んだ声が松雄の耳に届いた。草道を凄まじい勢いで誰かが駆けて来る。
「尚美・・・」
辺りは暗いが声を聞いただけで誰かは分かる。松雄は立ち止まり、追いかけてくる尚
美を待った。尚美はTシャツに短パン姿。肌はよく焼けているが、顔かたちは美人の部
類に入る。全速力で駆けて来たのだろう、肩で息をして額には汗をかいていた。

「うちに来たんなら、顔を出しなよ」
「夕飯時だと思って」
「母さんに聞いて、慌てて追っかけてきた」
尚美が近づくと、汗と体臭の入り混じった物が松雄の鼻をつく。良い香りだと松雄は
思った。母にも島の女にも無い、熟していく過程にある女の証だった。
「あ、雨だ。降るなんていってなかったのに」
尚美がふと空を見上げ、手をかざした。島の天気は変わりやすく、あまり予報などは
あてにならない。二人は適当な木のウロを探して、そこに落ち着いた。

385:恥じらい肛門丸
07/11/21 21:25:21 7PWY5iO1
「もっと、くっつきなよ」
「いや、大丈夫」
肩が濡れている松雄を見て、尚美は心配そうな顔をする。
「濡れてるよ、肩。風邪ひいちゃう」
「鍛えてあるから大丈夫。俺、漁師の倅だ」
それは、自分へ言い聞かせる言葉だった。

松雄は漁師の倅である事を、別段、卑下している訳ではない。ただ、島でも偉い医
者の娘である尚美に対し、僅かばかりでもやましい心を抱かぬように、自制してい
るだけの話だ。
「そういえば、お魚ありがとう。私、魚好きなんだ」
「そうか。いや、まあ、親父が獲って来たんだけど」
「松雄が持ってきてくれるお魚、いつも美味しいよ」
「新鮮だからな」
「新鮮だからね」
それっきり、二人の言葉は強くなった雨足に消されてしまった。通り雨かと思いきや、
本降りである。

「迂闊だったな。こんなに降るとは」
「そうだね」
そう言った尚美が、小刻みに震えているのを松雄は気が付いた。良く見ると尚美は
随分、薄着である。上着も羽織らずに慌てて家を出て、更には松雄を走って追っか
けてきたので、汗が冷えているのだろう。松雄は自分の上着を脱ぎ、尚美に着せて
やった。

「悪いよ」
「俺は暑がりだから」
「じゃあ、くっつこう。これで二人とも温かいよ」
安手の上着を二人で肩にかけ、体を密着させる。これで温め合おうと言うのだ。
「あ、尚美、お前」
「いいから、いいから」
Tシャツの袖から伸びた尚美の腕に触れると、松雄は急に恥ずかしくなった。すべす
べしていて餅のように柔らかい。尚美の肌はそんな感じである。

386:恥じらい肛門丸
07/11/21 21:39:59 7PWY5iO1
ただ、雨の方はなかなか小振りになってくれず、ウロにいるのもそろそろ限界に
近い。ここから松雄の家までは走って十分ほど、飯島医院へも同じくらいの時
間がかかる。その間、雨に打たれてはいかにも体に悪いので、松雄は思案に
暮れた末、
「尚美、あの小屋まで走るか」
と言って、木々の隙間の向こうに見える、島の皆が集会所代わりに使っている
小屋を指差したのである。

距離にして二百メートルくらいだろうか、曲がりくねった小道を走ればほんの五
分もかかるまい。小屋には囲炉裏があって、火を起こす道具が揃っているのも
松雄は知っていた。
「私、走るのは得意だよ」
「知ってる。じゃあ、行くぞ。上着はお前が被れ」
薄着の尚美をこれ以上、濡らしたくは無かった。松雄は上着を尚美の頭から
被せ、彼女の闘争心をあおるように走り出す。

「先についたもんの勝ちだ」
「負けるか」
ざんざと降る雨の中を二人は笑いながら走った。尚美が泥濘に足を取られそう
になると、松雄も走るのをやめて待つ。口ではああ言ったが競争ではない。二人
一緒でないと意味は無いのだ。
「松雄」
「早く行こう」
松雄は自然に手を出し、尚美の手を取った。手はとても柔らかく、指も細い。いつ
か尻を触った男子を殴ったような手にはとても思えなかった。

小屋にはあっという間についた。ここに鍵は無く、出入りは自由である。二人は早
速、囲炉裏に火を灯し、濡れた体を温める事にした。
「生き返ったな」
「本当」
囲炉裏を挟んで松雄、尚美は火に照らされた顔を見合わせる。小屋に灯かりは無
いが、これでも十分なくらい明るかった。

387:恥じらい肛門丸
07/11/21 21:53:35 7PWY5iO1
「松雄」
「なんだ」
「濡れた服着てると、風邪ひいちゃうよね」
「かもしれん」
「脱ごうか」
「えっ?」
松雄は目を丸くして、尚美の顔を見遣った。どこか恥ずかしげで、照れたような感じ
である。

「脱ぐって、まさか」
「・・・パンツ以外」
「俺は嫌だぞ。恥ずかしい」
「あなた、男のくせに。女はもっと恥ずかしいんだよ。私、脱ぐから」
「ちょっと、待った」
体育座りになって、膝の上に腕を乗せ、またその上に顔を乗せてじっと見つめる尚
美に抗しきれず、松雄はうなだれた。

「脱ぐよ。おあいこだぞ」
「うん、おあいこね」
小屋の中に濡れた衣擦れの音が響くと、松雄はおかしな事になったと思った。囲炉
裏で木がパチッと弾けた時、対面の尚美がびくっと身を震わせた。口では強い事を
言っているが、内心は心細いのであろう、小さな物音にも敏感になっているようだった。
下着一枚を残して裸になると、松雄はできるだけ下を向くようにしていた。対面には
同じく裸になった尚美がいて、とても直視する勇気が無い。

一方、尚美も体育座りのまま下を向いて、何も話さずにいる。結局、囲炉裏の炎以外
に相手の視界から身を遮る物も無いので、自然、そういう風にならざるを得なかった。
雨が屋根を叩く音は相変わらず強い。まさか夜通し降るとも思えないが、どちらも少し
不安である。そんな中で、尚美の方が沈黙に耐えられなくなったのか、うつむいたまま
松雄に話し掛けてきた。

388:恥じらい肛門丸
07/11/21 22:08:07 7PWY5iO1
「ねえ」
「なんだ?」
「私の事、どう思ってる?」
「どうって」
「好きとか、嫌いとか」
松雄は一瞬、間を置いて、
「好きに決まってる」
と、答えた。

「その割には、今日もお魚を届けにきてくれたのに、すぐ帰っちゃったじゃないの」
「うん」
「私、暴力女だし、松雄にいつも迷惑かけてるからさ。嫌われてるのかと思って」
「そんな事あるか」
「本当?」
「ああ」

松雄だって本心は尚美の事が好きだった。しかし、世の中には分を弁えねばならぬ
事が多々ある。万民平等を謳う今の世においても、家柄の貴賎や身分の上下は存
在する。漁師の倅が医者の娘に恋する事は、松雄にとって大罪のような気がするの
である。松雄は尚美が不意に立ち上がったのを気配で感じ取った。それにつられ、ふ
と顔を上げると、ショーツ一枚の尚美が恥ずかしそうに、松雄を見下ろしているでは
ないか。

「松雄」
「尚美・・・」
「ずっと好きだったの。そっちへ行っていいでしょう」
尚美は足音も立てず、松雄の傍らへとやってきた。ショーツの前は雨で濡れ透け、
若草が乱雑にその姿をのぞかせている。松雄にとってはちょうど、目線にそれが
ある格好だった。尚美はショーツに手をかけ、一気に脱ぎ下ろすとしゃがんでいる
松雄に差し向かうような形で片膝をつく。

389:恥じらい肛門丸
07/11/21 22:33:53 7PWY5iO1
一方、松雄のパンツからは魁偉な風貌を持った生き物が顔を出していた。尚美
を獲物と認識し、喰らいつきたがるように先端からは涎を滲ませ、物欲しそうな
表情をしている。
「松雄、じっとしててね・・・」
尚美は手を伸ばし、松雄の首に回していく。指先は揃えて、まるで蛇が木にまと
わりついているようにし、最後は松雄へ体ごと巻きついた。

尚美は口づけをねだった。さあ、早くと小声で囁くと二人は唇を重ね、訳も分か
らず歯を鳴らした。舌を絡めるなどとは考えもつかず、ただ唇と唇を舐め合うよう
に、しかし飽きる事無く口づけをするのである。次第に松雄にも欲が出たのか、
彼の手も尚美の腰から下、特に尻へと執着を見せ始めた。松雄は手を一杯に
広げ、尻を弄った。大きい割に柔らかく、その手触りはつきたての餅を捏ねてい
る時に似ていた。

「ああッ、松雄」
尚美は松雄の頭を抱え、いきりたつ怪物の上に自ら跨っていく。松雄は床に
寝て、その上に尚美が覆い被さっていくのである。若草の少し下、尚美の女園
はすでに開きかけていたが、それでも未開通の処女宮に違いは無い。そこに
蛮族が手にするような松雄の分身が、花弁を分けて入っていく。分身はまず、
温かな肉の感触を知った。それから自然と導かれるように、ぬめる洞穴の中
を手探りで進む。その先はまったくの闇同然の筈なのだが、分身全体が生肉
で包み込まれる如き様子が脳内に結ばれる。松雄は今、ついに少年ではなく
なった。

「うッ、ああッ」
尚美は目の縁から大粒の涙を流していた。彼女もまた、少女ではなくなって
いた。一生、忘れられぬ破瓜の痛みを感じ、脳裏に刻んでいた。胎内でぬめっ
ているのは血水だろうか。尚美は自分が田楽刺しにでもなったような気がした。
「あッ、俺、出そうだ。尚美」
「いいよ、全部、中へ・・・」
松雄が喘いだ次の瞬間、尚美は胎内に生ぬるい液体が放たれるのが分かっ
た。そして、腰を上げて分身を抜くと、我が花弁より滴り落ちる血と子種の混じ
った粘液を見て、ほうっとため息をつくのであった。

390:恥じらい肛門丸
07/11/21 22:44:53 7PWY5iO1
二人はただ抱き合っていた。囲炉裏の火がやけに心細くなったが、体を寄せ合う
若者たちは寒さを感じていなかった。
「尚美、大丈夫か」
「うん、平気。なんか、ズキズキするけど」
松雄は尚美を労わった。すでに乾いた尚美の柔らかな髪を、手櫛で梳いてやった。

「私、嬉しい。初めてを松雄にあげられて」
「尚美」
松雄は折れんばかりに尚美を抱きしめた。愛しくて仕方が無い。女の健気な言葉に
若くして世界中の愛を手に入れたような気さえした。
「これからずっと、一緒だよね」
「ああ、勿論だ」
「好きよ、松雄」
「俺もだ、尚美」
若い二人に愛しているという言葉はむしろ陳腐だった。好きの一言ですべてが通じ
る純真さがあった。

気を利かせたのか囲炉裏の火が落ちて、小屋の中は暗くなった。雨はまだ当分、
止む気配を見せていない。



おすまい

391:名無しさん@ピンキー
07/11/22 00:05:05 F3HuN1Qq
久しぶりに乙
いい話やで

392:名無しさん@ピンキー
07/11/23 01:13:27 +Gr942WN
GJです
心地よい文章でした

393:名無しさん@ピンキー
07/11/24 20:00:36 /hAv+XTW
>>383-390
何か天然の刺身みたいに鮮度の良いSSですね。
変に凝ったり飾ってない分、素直に好感が持てました。
GJ。


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