触手・怪物に犯されるSS 14匹目at EROPARO
触手・怪物に犯されるSS 14匹目 - 暇つぶし2ch110:実のトモダチ
07/08/24 21:59:25 1V3pTdUs

6.

 撤収予定は、ミノリの作ったタイムテーブルによれば、16:15時となっていた。だが、三時半を回った
辺りで、急に風が変わってくる。

 流れの穏やかな場所で、ミノリと触手泳法の開発に勤しんでいた恭子が、ふと口を滑らせた。
 「……寒っ。って、あっ、違う、そんなことないない…」
 ”ここまでだな。無理して風邪を引いても馬鹿らしい。撤収しよう。”
 「うぅー。しまったぁ…。」

 ぶつくさ言う恭子を抱えて、ミノリは水から体を上げた。真夏日とはいえ、まだ六月の山の中は、日が
傾くと急に気温が下がってくる。
 今はもう我が物顔で川の中を浮いている触手達を、川から上がらせると、彼らは撤収の準備を開始した。
といっても、別に大した作業があるわけではない。荷物をまとめ、恭子を乾かして服を着せれば、
大体の準備は完了である。

 ナップザックを置いた岩陰まで行くと、先に上がったデッカが、既にバスタオルを広げて待ち構えていた。
無数の触手でタオル越しにもみくちゃにされ、あっという間に身体の水滴を拭き取られる。しかし、髪の方は
まだ触手には任せられないので、恭子は途中でデッカからタオルを受け取った。

 その頃には他の触手も集まってきて、タオルドライをしている恭子に、彼らは丁寧に服を着せていった。
途中、不必要な慎重さで、胸やら尻やらを擦る触手もあったが、その程度ならご愛嬌である。ただし、
調子に乗って秘部の辺りへ潜り込もうとする触手には、恭子が容赦なく噛み付いた。彼女の感情の
問題だけでなく、連結肢がある以上、そこでの悪ふざけは洒落にならない。


 そんなこんなで、かなりバタバタしながらもも、無事四時前には帰宅の準備を終えられた。この後は、
ミノリと森の様子をチェックしながら、皆で巣穴まで下山することになる。彼は早速何枚かの地形図を
取り出して、チェックポイントの確認を始めていた。
 しかし、触手が器用に地図を広げて、うんうん睨めっこしている様は、なんともシュールな光景である。

 思わず恭子が吹き出すと、ミノリがジト目(のような気配)で彼女に言った。
 ”人を笑っている暇があったら、忘れ物でも確認しなさい。” 
 「ごめんごめん、別に馬鹿にしたわけじゃないんだよ。」
 そう言って首をすくめると、また文句を言われる前にナップザックを覗き込む。といっても、持ち物は
殆どいつも通りなので、忘れ物などしようがない。ペットの水に弁当箱、タオルと虫除けスプレーと、
いつもと違うのは水着ぐらいで……

 「……え?」
 ”……あ。”
 「……っっぁあああ゛あ゛!!水着!!水着どこ!?」

 素っ頓狂な声を上げて、恭子はミノリの体から飛び起きた。そのまま膣の連結肢のこともを忘れて川へ
向かって走りかけ、ミノリが慌ててその身体を押さえ込む。

111:実のトモダチ
07/08/24 22:00:01 1V3pTdUs

 「ノーナ、デッカ、トリデス持ってる!?持ってない!?そうよね、持ってりゃとっくに出してるよね、ええと、
ええと、ちょっとミノリッ!!」
 ”怒鳴られたって持ってない。しまったな、完全に失念していた。”
 「何で、いつから着てなかったっけ?つーか何でわたしも裸で平然としてたのよっ。ああもう…」
 ”いつも通りずっと触手に包まっていたせいだろう。それより少し落ち着いてくれ。”

 そう言って、ミノリはバタバタ暴れる恭子の身体を押さえつけ、ついでに口にも外殻付き触手を押し込んで
黙らせる。勿論水中でやったように、脊髄越しでの会話は可能だが、パニックの彼女はそんな器用な
マネなどしないだろう。フガフガ喚く彼女はとりあえず無視して順序立てて考えようとし、そうだ、水中だ、
と思い当たる。

 確か、水着の上も下も、水上でデッカが抱く前に、触手が取り去ったはずだった。普段なら、その時点で
ナップザックにしまうか、或いは脱がせた触手が最後まで持っているはずである。例え行為の途中で
落としてしまっても、巣穴ならすぐに見つけられる。

 だが、今回は、途中で皆揃って水に落ちてしまっていた。しかもその直後、彼らは浮きの姿勢で全身を
弛緩させ川をゆらゆらと漂った挙句、四体揃って水中で好き放題に恭子を抱いていた。彼女自身も、自分
が脱がされてから長時間、川底でずっと水着どころではなかったため、その間にすっかり忘れてしまって
いたのだった。それに元々、触手に抱かれている時は裸が多いこともあり、その後も違和感に気付かな
かったという訳である。

 ”まあ、99%川に流してしまったな。”
 その結論を厳かに伝えると、彼女はぴたりと動きを止める。もう大丈夫かとミノリが口の触手を外すと、
彼女はやおら、天を仰いで絶叫した。
 「わたしの、下ろしたての、8925円を、返せーーーっっ!」




 尚、その後、恭子は地の底から這い出たような声で、
「─草の根分けても探し出せ。」
との命令を下し、その迫力に恐れをなした触手達(含むミノリ)が、なんと五百メートル下流でボトムの
発見に奇跡的に成功したりするのだが、それはまた別の話である。

112:前スレ376
07/08/24 22:15:29 1V3pTdUs
以上です。


触手と水遊び出来れば展開など何でもよかった。今は反省している。

特に5.の意味不明っぷりは済みません。明るくライトな触手Hを目指してるのに、グダグダと長いのはイカンと
思って削ったら、またおかしな事になりました…orz 何言ってんの?とか思われたら読み飛ばして下さい。

まあ、今回は川辺の触手描写で少しでも涼しくなっていただければ僥倖、ということで。

113:名無しさん@ピンキー
07/08/24 22:26:18 cPr0IApM
乙ですー

相変わらずかわいい触手たちでテラモエス

114:名無しさん@ピンキー
07/08/24 22:43:09 rkXK912X
GJッス(;´Д`)b

陵辱スキーですが癒されました。泳ぎの練習する触手達に萌え



115:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:10:01 5Ed9Gf2c
このシリーズ好きだわ
エロおもしれぇ
とりあえずGJ

116:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:38:33 r+HB/iSH
眼福にござりまする~*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*

117:名無しさん@ピンキー
07/08/25 01:02:01 4p358det
gj!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1

118:名無しさん@ピンキー
07/08/25 02:20:39 SYekadj2
>>112
いや、5も面白かった
乙乙乙

119:名無しさん@ピンキー
07/08/25 06:21:28 iwVx+2of
なんかこの触手いいよな
元来自分は凌辱好きなんだけど、関係なしにGJだった

120:名無しさん@ピンキー
07/08/25 09:10:06 9NPFEtG3
まさにGJといわざるを得ない。
次はもう少し絡みを増やしてほしいかな。
それにしてもGJ!!

121:名無しさん@ピンキー
07/08/26 06:42:50 PgNSG6aX
桃肉屋さんのサイトが見れないのって自分だけ?

122:名無しさん@ピンキー
07/08/26 08:34:55 1Lr8nwc/
>>121
アドレス削ってみそ

123:名無しさん@ピンキー
07/08/26 10:48:48 7I3/lQHw
>>86-92の流れを見て思いついてしまった。
元ネタ・URLリンク(purple.ap.teacup.com)


ついに始まった鬼教官による実践トレーニング。
ムチムチスレイヤーの異名を持つ鬼教官の指導とは!?


「よし、では実践だ。 まずは『明日につながる女体ハンター心得』レッスン1。
 あそこに遊園地帰りの母子がいるだろう」
「あ、はい。 親子並んで歩いてますね」

「どうだ、心癒されるだろう?」
「えぇ、楽しかった出来事の後の特有のゆったり感というか・・・
 日常生活の中の一服の清涼剤ですね」

「それを横からギャースッ!」
「キャー!!」

「そして親の服を剥ぎ取り剥ぎ取りー!」
「こ、子供がいるのにー!」

「人妻? こんな人妻など
 子供の目の前で犯しつくしてやるわー!」
「いやー! 悪魔よー! アンタは悪魔よー!
 ひ、ひどいですよ!これが触手のやることなんですか!?」

「黙れこわっぱめ! ケツの青いルーキーがなにをぬかす!
 いいか、これが触手姦の世界だ!
 仲睦まじく歩く親子の大切な絆を横からぶった斬り
 子供の目の前で衣服を剥ぎ子供の目の前で母親を犯し
 子供の目の前であえがせる! これが触手の世界だ!
 このスレが辿り着いた汁まみれな狂気の世界だ!」
「言い過ぎだよ! このスレはそんなスレッドじゃないよ!」

「ともかくルーキーよ、ここは食うか食われるかの弱肉強食の世界。
 そんな甘い考えでは死ぬ事になるぞ」
「うぅ、確かに僕は甘いのかもしれない・・・ 僕が間違ってました!」
「うむ、今の心を忘れるな! お前を一人前の女体ハンターにしてやる!
 この触手界のムチムチ・スレンダーボディーと呼ばれた俺の名にかけて!」
「ムチムチ・スレンダーボディー!?」

124:名無しさん@ピンキー
07/08/26 10:51:09 7I3/lQHw
やばいネタ使ってる癖にsage忘れとか馬鹿じゃねーのか自分orz



「よし、続いて『明日につながる女体ハンター心得』レッスン2!
 あそこに人間のオスとメスがいるだろう」
「はい、手を繋いで歩いてますね。 恋人同士でしょうか」

「どうだ、心癒されるだろう?」
「えぇ、顔を赤らめててかわいいですね。微笑ましいし・・」

「それを横からギャースッ!」
「キャー!!」

「そしてメスの服を剥ぎ取り剥ぎ取りー!」
「恋人がいるのにー!」

「メス豚? こんなメス豚など
 オスの目の前で犯し尽くしてやるわー!」
「いやー! 悪魔よー! アンタは悪魔よー!!
 ひ、ひどいですよ!これが触手のやることなんですか!」

「黙れ虫ポケモンめ! ケツの青いルーキーがなにをぬかす!
 これが触手姦の世界だ!
 束の間の甘い時間を過ごす資本主義のメス豚を横からかっ攫い
 恋人の目の前で衣服を剥ぎ恋人の目の前でメス豚を犯し
 恋人の目の前であえがせる!これが触手の世界だ!
 このスレが辿り着いた阿鼻叫喚の世界だ!」
「言い過ぎだよ!そんなスレッドじゃないよ!」

「ともかくルーキーよ、そんな考えでは明日には貴様がこんがり肉になる番だ」
「うぅ、確かに僕は甘いのかもしれない・・・ 僕が間違ってました!」
「うむ、今の心を忘れるな! お前を一人前の女体ハンターにしてやる!
 この触手界のムチムチ・スレスレあの子はギリギリ
 ヨサコイヨサコイ ハァ ヨサ コイコイと呼ばれた俺の名にかけて!」
「ムチムチ・スレスレあの子はギリギリ
 ヨサコイヨサコイ ハァ ヨサ コイコイ!?」

125:名無しさん@ピンキー
07/08/26 10:55:01 7I3/lQHw
「よし、『明日につながる女体ハンター心得』レッスン3だ。
 あそこにピンク色の天使がいるだろう」
「はい。 結構凶暴そうですね」
「恐れるな! 恐れたら負けだぞ!
 今から俺があの天使どもを陵辱してくるから見ておけ!」
「は、はい!」
「精神集中・・・女体の妄想を呼び覚まし・・・
 秘技・触手の舞い! 食らえぇいぃー!」


(ザクッ ガスッ)

(チュドーン)


上手に焼けましたー♪


!?

「・・・・・。」
「あ、あの教官・・・ 焦げてますけど・・・?」

「ふ、フフフ。 フフフ。

 フフフフフフ。

 ちょ、ちょっと油断しちゃったかな。 天使だと思って甘く見てたかな」

「教官、さっき甘い考えは捨てろって」
「シャラップ! ドントウォーリー ビーハッピー! (気にするな 楽にいけ)
 ルーキーのお前に女体ハンターの厳しさを教えてやっただけだ! 次いくぞ次!」
「は、はぁ・・・」

126:名無しさん@ピンキー
07/08/26 10:57:48 7I3/lQHw
「よし、『明日につながる女体ハンター心得』レッスン4だ!
 あそこに巫女さんがいるだろう」
「あ、もう天使はやめるんですね」
「シャラップ! ドントテリブル テンタクルイズフレンド! (触手は友達 怖くない)
 あの巫女さんの凶暴さがわからないのか! あのするどい殺気がわからないのか!
 奴を犯す! 陵辱する!
 今日見たことをしっかりと頭に叩き込んでおけ!」
「は、はい!」
「俺の勇姿を見とけ! うおおおぉー!!」


(ザクッ ガスッ)

(チュドーン)


上手に焼けましたー♪
これ以上復活できません。
人生に失敗しました。

!?


「・・・・・。」
「あ、あの教官・・・?」
「い、いいかルーキーハンターよ・・・」
「・・・・・。」
「今日見たことは(このネタ含めて)、全て忘れてください・・・」



勢いでやった。今は反省している。マジごめんなさい。

    ∧,,,∧
   (・ω・` )
   / y/ ヽ
━(m)二フ⊂[_ノ  ブシッ
  (ノノノ l l l )

127:名無しさん@ピンキー
07/08/26 11:25:23 Ym9bukzR
噴いたwwww
GJwww

128:名無しさん@ピンキー
07/08/26 11:42:21 AIrMbDBn
GJ
忘れませんw

129:名無しさん@ピンキー
07/08/26 11:42:31 NJSD3W4t
>マジごめんなさい。

ははは、これぐらいのことで紳士触手のスレ住人が切れるわけないだろ

せいぜい明日までに神楽スキー氏レベルのSSを3本書いてこないと許さないぞ♪
程度にしか怒ってないよ

130:名無しさん@ピンキー
07/08/26 13:27:46 FtIMb5rr
スレ開いたらいきなりこれで吹いたwwwww

〉このスレが辿り着いた汁まみれな狂気の世界
この一文があながち間違ってないから困る。

131:名無しさん@ピンキー
07/08/26 13:41:43 htMYuyHv
おもろかったよ。
いや、触手の世界も厳しいもんなあ。
前にはおにゃのこに食いちぎられてたヤツいたし。

132:名無しさん@ピンキー
07/08/26 15:08:22 7z4lCcGh
スコルピオン遠藤…(´;ω;`)

133:名無しさん@ピンキー
07/08/26 19:47:36 j+tTARLs
>>126は殺すには惜しい逸材なので、蘇生触手を挿しといたニョロ

                
                  ∧,,,∧
.           (⌒ヽ、  (・ω・` )
             `ヽ、ヽ  / y/ ヽ   /~'つ
               | |━(m)二フ⊂[_ノ/ /´::∴:;
            丶`'´((ノノノ l l l  l l  :;:
     ((    (`ヽ_ノ´/'i;:`l r' l゙;'ヽ/ /__/~つ
           ヽ、__ノ/ノ/^/ヾヾ二二二__ノ
               ( ( l l゙i i) )ヽヽ\
        ((     ヽ_).し' `(_/_)(_/ `J

134:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:27:23 tEPJu36o
究極の触手VS至高の触手

「今回のテーマは女子高生でどうだ!触手郎よ!」
 触原触山(しょくばら しょくざん)が言い放つ。
「いいだろう!その触手勝負受けた!」
「しょ、触岡さん!大丈夫なんですか?」
 触岡触手郎の相方である、触田しょく子が心配そうに尋ねる。
「ああ、大丈夫さ。今度こそ、あいつに一泡吹かせてやるぜ」

 
 それから1週間後。触手勝負の日がやってきた。
「まずは究極側からお願いします!」
 司会の触手人間が言うと、触岡は自信満々に登場する。
「それでは、さっき仕入れてきた女子高生を使って、究極の触手プレイをご覧に入れます」

 すると用意された女子高生にブラシ型の触手がヌメヌメと絡みつく。
 女子高生は最初は嫌がっていたが、服を脱がされブラシ触手でヌメヌメと媚薬を塗りたくられ、
段々顔が上気してゆき、最後には「いれてぇぇぇ!」とせがんだ。
「さあ、ここでフィニッシュだ!」
 触岡が触手料理人である触星(CV.WAKAMOTO)に叫ぶと、触星は張り切り雄叫びを上げた
 その瞬間、ペニス型触手が女子高生に挿入され、あっという間に女子高生はイッた。
「ぶるわあああああああああああああ!!」 
 その後、触星が叫び白濁液を女子高生にぶちまける。
 審査員達はざわざわとどよめく。
「こ、これは、触手で和姦ですな!素晴らしい!」
 触岡は勝ち誇る。
「ふ、勝ったな」
 だが、触山はニヤリと笑い立ち上がる。
「ふん、これがお前の究極の触手プレイか。片腹痛いわ!」
「なんだと!じゃあ、お前の触手プレイはどうなんだ!」
「では、お見せしよう。至高の触手プレイを!」



135:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:39:07 tEPJu36o
 そういうと奥の座敷から触山側の料理人が、なにやら壷のような物を持ってくる。
「こ、これは?飲み込みプレイ!」
 審査員の一人が叫ぶと、触山はニヤリと笑みを浮かべて説明する。
「いかにも。この女子高生は捕獲して1週間。その間媚薬付けにしておいた」
「な、なんですって!1週間!つまり、勝負が決定してすぐに…」
 しょく子は驚き触岡を心配そうに見つめる。
「ふ、ふん。だから何だっていうんだ!それが至高の触手プレイだっていうのか!」
 触岡が吐き捨てるように言うと、触山はガハハハハと笑い料理人に指示を出す。
「やれ、存分にな!」
「わかりました!すでに準備は整っております!」
 料理人がそう言うと女子高生を壷触手から引き出し、いきなり挿入した。
「な、いきなり挿入だと!何を考えている!苦痛を与えるだけだぞ!」
「ふん、いいから見ていろ」
 女子高生は、すでに媚薬の効果で全てが快楽へ変わるようになっていた。
 その結果、すぐに何度もイキ、触手料理人もフィニッシュが近づいていた。
「あ、あれは、まさか!」
 しょく子が指を指したのは、料理人のペニス触手だった。
「ま、まさか、産卵管!」
 触岡は気づき叫ぶ。
 そして卵は女子高生の体内へ運ばれ、妊婦のようになった。
「ふふふ、本番はこれからだ!」
 触山が叫ぶと、女子高生はうめき声をあげる。 
  

136:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:47:28 tEPJu36o
「ま、まさか、これは!」
 審査員達は立ち上がり興奮しつつ叫ぶ。
「産卵だけでなく擬似出産プレイ!」
「これはスゴイ!」
 女子高生の体内からナマコのような生物が次々と擬似出産される。
 だがその表情は恍惚としていて、さっき以上にイキまくっていた。
 
 数分後。全てが終わり場内はシーンと静まり返った。
 審査員達はハッと我に返り、相談をはじめる。
 しばらくして審査委員長が立ち上がり結果を発表する。
「今回の触手勝負は至高側の勝利とします!理由は皆さんご納得かと思いますので」

「ま、負けた…触岡さん…」
 しょく子が見ると触岡は悔しそうに俯いていた。
「ふん、愚か者め!挿入してイカせるだけが触手プレイではないわ!
 触手いや、異種姦と言うのは奥が深い!お前如きが語るなど1000万年早いわ!」
 触山はガハハハハと笑いながら去っていった。

「くそう!次こそは究極の触手プレイを見せてやる!見ていろ!」
 触岡は新たなる決意を固めたのであった。


137:触星
07/08/26 20:49:07 tEPJu36o
…エロくなくて激しくスマナイ!
ちょっと思いついたのを投下したんだorz

138:触星
07/08/26 20:50:36 tEPJu36o
味噌汁(媚薬入り)で顔洗って出直してくるよ…

139:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:55:48 em6Pa4c6
(´゚ω゚):;*.':;ブッ

140:名無しさん@ピンキー
07/08/26 21:04:43 u07aL6Mj
うん、笑えたけどぜんぜん抜けない

141:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:11:10 xGHqKZv0
GJ!ハイクオリティなパロディwwww




ん??

142:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:12:49 kU4dNuJ8
とりあえず触星(CV.WAKAMOTO)に笑った
でもこういう対決式のアイデアはいいと思う

143:名無しさん@ピンキー
07/08/27 16:44:03 809fx4tw
抜けないが馬鹿馬鹿しくて面白かった

144:名無しさん@ピンキー
07/08/28 10:11:48 MYMTpE2Y
触王(ショッキング)という単語を思い浮かべてしまった俺はどうすればw

145:名無しさん@ピンキー
07/08/28 10:53:34 jgEulqVU
書けばいいじゃない

146:名無しさん@ピンキー
07/08/28 13:32:14 b0XiSHIF
>>144
実際同名の同人ゲーがあるわけだが…


微妙にスレ違いスマソ

147:名無しさん@ピンキー
07/08/28 13:40:52 BcfuV19N
借王(シャッキング)とかいうのがあったが、それが元ネタになるんだろうか。
特に関係ないかもしれんが。

触手の王ってのはいい感じだが、どうしてもギャグになってしまいそうだなw

148:名無しさん@ピンキー
07/08/28 16:17:59 OuaiWpDm
金融関係のあの映画か……。

149:名無しさん@ピンキー
07/08/28 17:53:01 nulWGLBr
これからSS書こうと思うんだが、研究所に潜入したスパイがそこで造られたクリーチャーに犯される、とかいうシチュはここで受け入れてもらえるかな?

150:名無しさん@ピンキー
07/08/28 18:00:05 oHtDQ8zR
>>149
普通じゃね?

151:名無しさん@ピンキー
07/08/28 18:10:07 NaEllHZk
>>149
王道じゃね?

152:名無しさん@ピンキー
07/08/28 18:45:13 jgEulqVU
>>149
むしろ猟奇以外どんなシチュでも受け入れてみせる

153:名無しさん@ピンキー
07/08/28 19:00:26 2n6f8AWv
>>149
無論。
ニョロニョロとか怪物とかがいればなんでもオッケーだ。

154:名無しさん@ピンキー
07/08/28 19:28:08 c937QBTh
>>149
そのスパイが女性ならな。

155:149
07/08/28 19:28:37 nulWGLBr
チキンで申し訳ない。ハードさの度合いとか、他の作品見て空気読んでから投稿する。どうもありがとう。

156:名無しさん@ピンキー
07/08/28 19:31:01 C7G/3XyY
とりあえず、グロまで発展するなら該当スレあるんで・・・

ソコまでいかなければ全然おっけーでござんす。









スパイが女性ならね^^

157:名無しさん@ピンキー
07/08/28 20:39:11 /UsjbMD7
>>144
つられて「触神」というタイトルが脳裏に去来したのだった
勿論監督はチャウ・シンチー

158:名無しさん@ピンキー
07/08/28 21:19:14 7IMAaDbW
>>157
実はそれも同名の同人ゲーがあるわけなんだよ

159:名無しさん@ピンキー
07/08/28 21:39:14 TmxPS+0e
何故か予約特典になってたあれか

160:名無しさん@ピンキー
07/08/28 23:47:28 TfElZuw0
>>149
俺も同じようなSS思いついたぜ!
舞台になるのは地方都市でさ、巨大な薬品会社の実験でゾンビやら謎のクリーチャーやらが

161:触星
07/08/29 00:06:45 iHZYXZeV
なにやら俺のせいでサルでもかける触手教室状態に…マジ、スマン

162:名無しさん@ピンキー
07/08/29 00:21:39 T8BMgSHb
きにすんな



二人の兄貴が降臨すれば嫌でもふいんきは変わるさ。
それに俺個人としては偶にはこんな流れも嫌いじゃない

163:名無しさん@ピンキー
07/08/29 00:24:44 OrOnyjGJ
バイオハザードは使いやすいシチュエーションだよね

164:名無しさん@ピンキー
07/08/29 01:35:35 +HFxXZMW
音声が英語だからか、文章では書きにくいんだよなぁ…
言葉のイメージがつかめない。

165:名無しさん@ピンキー
07/08/29 05:48:50 n0cCBaTU
喘ぎ声が「AHhhh」とか「Ohoo!」だとたしかに萎える

なぜかななついろドロップススレが触手展開になってる
しかも住人のリレーで

166:名無しさん@ピンキー
07/08/29 14:51:40 YrVyJfgk
>>165
展開にワロタ

167:名無しさん@ピンキー
07/08/29 15:32:31 pYPvwh46
>>165
| |
| |_ドッドッドッドッド!
| | /|
| |//| (⌒(⌒)⌒)
|_|//|⌒(祭だ!祭だ!)
|_|// (⌒( ∧∧⌒)))
| |/ (⌒( (゚Д゚)つ)
ハ/|⌒ (⌒(つ|)/ ⌒)
L|/遅れるな| (^)⌒)
/ ∧_∧⌒)し⌒ミ ))
( (´∀`)つ ∧_∧⌒)
( (つ/]/ と(・∀・ )
 | (⌒) ヽ|⊂[]))
(し⌒^ミ ))(⌒) |
       ̄(_)))
    突撃―!!

ちと行ってきます

168:名無しさん@ピンキー
07/08/29 16:16:59 T8BMgSHb
>>165
密かにココの住民混じってるだろw

169:名無しさん@ピンキー
07/08/30 05:11:44 cVKdBjUc
確実に何人か混じってると思う
見分ける術は「触手」というキーワードを使えばいい
すると彼らはニョロニョロと顔を出すに違いない

アスパラさんやナコちゃんも触手に巻かれてほすぃ
らきすたのかがみんもニュルニュルのグチュグチョにしたい


170:名無しさん@ピンキー
07/08/30 11:06:09 nY46UUD5
>>169
触手は1匹見かけたら30匹はいるというしな

171:名無しさん@ピンキー
07/08/30 11:18:47 gTYnXDXB
それなんてG

172:名無しさん@ピンキー
07/08/30 17:56:23 KRSZkbDX
ウジュルウジュル∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬呼んだ?∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬ウジュルウジュル

173:名無しさん@ピンキー
07/08/31 01:42:35 MYoFgnJA
>>169
かがみんとつかさが触手でにょろにょろされてる絵なら持ってるが

174:名無しさん@ピンキー
07/08/31 02:03:16 cIVpeOwA
>>173
       ヽ|/
     / ̄ ̄ ̄`ヽ、
    /         ヽ
   /  \,, ,,/    |
   | (●) (●)|||  |
   |  / ̄⌒ ̄ヽ U.|   ・・・・・・・・ゴクリ。
   |  | .l~ ̄~ヽ |   |
   |U ヽ  ̄~ ̄ ノ   |
   |    ̄ ̄ ̄    |

175:名無しさん@ピンキー
07/08/31 02:50:04 MYoFgnJA
>>174
一枚しかないけど欲しいにょろか?

176:名無しさん@ピンキー
07/08/31 03:01:05 naJ+7TxO
ホスィ

177:名無しさん@ピンキー
07/08/31 06:20:11 jGHRezMy
UPUP!

178:名無しさん@ピンキー
07/08/31 13:46:46 Ycrjwsto
なんてこのスレ向きなんだ!
URLリンク(www.akibablog.net)

179:名無しさん@ピンキー
07/08/31 15:12:06 fnhHOLco
URLリンク(up2.viploader.net)

これの詳細頼む

180:名無しさん@ピンキー
07/08/31 15:31:38 MYoFgnJA
>>176-177
あまり期待しないでほしいにょろ
URLリンク(mup.vip2ch.com)
ちなみに拾い物だから詳細は知らないにょろーん

181:名無しさん@ピンキー
07/08/31 16:50:00 rksREniE
>>178

不覚にもワロタ

182:海底調査(0/4)
07/08/31 19:00:11 DHy7ebgO
長さは4レスぐらい。現代物、人妻モノ。
あぼん指定はタイトル「海底調査」で。

183:海底調査(1/4)
07/08/31 19:01:14 DHy7ebgO
県警からやってきた人物は、要領を得ない話し方で、
県内の水難事故の増加について語った。
私は、あいまいな話に耐え切れなくなって、口を挟んだ。

「それで、刑事さん。水難事故の増加はサメが原因だって、
おっしゃるんですか?」
「あ、いや、だから、断定は出来ないのですが、原因としては、
サメや未知の生物と考えられるかと、かように考えられる訳で…」
「日本では、毎年、2000人程度の人が水難事故にあいます。
その内の約半数、1000人ぐらいの方々が命を落とされます。
さらにその中で、サメによる犠牲者が何人ぐらいだと思います?」

刑事だか警部だかと名乗った男は、いきなりの質問にうろたえた。
「え?ええと、ひゃ、百人ぐらいですかね?」
「およそ30人です」
「えっ?たった?」
「ついでに言わせてもらえば、過去70年ほどの合計で約30人です。
今年だけで行方不明者が、7人も出たんですって?
はっ!サメも大忙しですわね」

口ごもってしまった男性を前に、私は言葉を続けた。
「だいたい、海難事故の可能性があるなら、
海上保安庁に協力を仰ぐのがいいんじゃないですか?」
おどおどしていた男は、「海保」の名を聞くなり、瞳に力を宿した。
「だめです。いけません。これは、ほぼ陸上で起こった事故です。
県警の、いや警察の所轄範囲です。
海保の協力を要請するなんて、とんでもない」
私は、ため息をつきながら、男にお引取り願った。

あれこれと文句をつけるような事を言ってしまったが、
実際は、私はこの件の調査行を楽しみにしていた。
名も無い私立大学の、生物学の助教授とゆう役割、
やる気の無い学生、だらけた講義、停滞しきった会議、
そういったあれこれから、大手を振って抜け出せる機会を、
無駄にすることは無い。役所に顔を売りたい学長が、
二つ返事で出張扱いにするのだから、尚更だ。

「でぇ、打ち合わせに来た奴が、捕らえ所の無い奴でねぇ…」
「また、喧嘩したんじゃないだろうな」
「またとは何よ、またとは」
その晩、夫と他愛も無い話をしながら、私は出張の準備をしていた。
女性の旅行は、衣装の準備が大変なのだ。
もっとも、ウェアはウェアでも、スイミングウェアな訳だが。

「遭難者の遺体もあがってないんだって?」
「そうらしいのよ。県警のスキューバチームが、
1週間ほど捜索してるけど、行方不明者はどこへ行ったやら」
「大丈夫なのか?お前一人で」
「県警のスキューバチームが無事だったら、私も平気。
大丈夫よ。私だって、下手に場数は踏んでないから。
それより、あなたもちゃんとご飯食べるのよ?
お風呂も、きちんと入ってよ」
「子供じゃないんだからさぁ」
「似たようなものよ」

184:海底調査(2/4)
07/08/31 19:02:19 DHy7ebgO
翌朝、私は一人で現場であるN市に向かった。
ひとまず、漁協の事務所に顔を出す。
そこで、県警のスキューバチームのリーダーや、地元警察と、
打ち合わせをする手筈になっていた。

「ご苦労様です」
「どうも。お手数かけます」
スキューバチームのリーダーと所轄署の担当と名乗る警官は、
いかにも現場の人間らしい、メリハリの利いた人々だった。
私は、密かにほっとしつつ、彼等から、捜査の海域や状況を聞いた。

「出来たら、漁協の方に伺いたいことがあるんですけど」
説明が一段落ついたところで、リーダーに私は聞いた。
「何です?」
「海水浴場の近くで、漁や釣りをする人は、いないかしら?」
漁や釣りで使う撒き餌が、サメなどを誘き寄せる事があるのだ。
「あぁ、そんなヤツァおらん」

割れ鐘のような声に、思わず振り向いた私は、
急須と人数分の湯のみの乗った盆を持ってきた、矍鑠とした老人を見た。
漁協長だと名乗る老人は、当然のような顔で、話に割り込んできた。
「あのへんにぁ、うみぬし様がおるけぇ、魚が寄り付かんでのぉ」
「ウミウシサマ?」
思わず聞き返す私に、所轄署の担当が助け舟を出してくれた。
「海主、ウミのアルジと書いて、うみぬしです。
このあたりの、言い伝えみたいなもんですよ」
「確かに、あの一帯には魚類がいません。
そういえば、蛸の類も見ませんね。
小ぶりのウニやヒトデが、ちらほら見えるぐらいですか」
と、スキューバチームのリーダーが話を継いだ。

「話は大体伺いました。見たいので、今から現場に向かいます」
「え、行くんですか?今日はスキューバチームが出ないのですが?
交代要員も無しに、全員出動が続いていたもので」
「ご心配なく。たいていの状況なら、一人で対処できます」
「現場に出るなら、船で行くが早かろ。
身持ちのかてぇ若衆(わけぇし)付けて、伝馬船でも出すけぇ」
と、これは、漁協長。

「船を貸していただけるのなら、一人でいけますわ。
それより、着替える場所を、お借りしたいのですが」
「頼もしい姉ちゃんじゃのぉ」
ウェットスーツに着替えた私は、アクアラングの装備一式とともに、
伝馬船に乗り込んだ。

「沖合いのアンカーブイに、船をつないでおいてください。
そこからなら、携帯が届きますから、緊急時はそれで。
念のためにトランシーバと、電気ヤスも持っておいて下さい。
トランシーバは水中無線じゃありませんので。念のためって事で」
「ありがとう」
手を振って礼を言うと、私は船外機を始動させて、現場に向かった。

185:海底調査(3/4)
07/08/31 19:03:25 DHy7ebgO
現場の海底は、何の変哲も無い、近海の海底に過ぎなかった。
ただ、漁協で聞いていた通り、魚の姿がぜんぜん見えない。
もうそろそろ、上がろうかと思った時、気になるものが目に付いた。
海底の岩石が一つ、もぞっ、と動いたように見えたのだ。

私は、呼吸のリズムを崩さないように気をつけながら、
動いたように見えた岩に、近寄った。
見るだけなら、岩にしか見えないが、擬態の可能性は高い。
出来るだけ近づいて、ヤスの先端で突付いてみた。
ヤスが触れる寸前、悲鳴か雄たけびを聞いたような気がした。

岩に見えた物体は、いきなりやわらかくうねり始めた。
ウミウシか、ナマコの仲間かもしれない。
体長で3メートル、体幅は1メートルほどあるだろうか。
一瞬、もっと観察するか、引き上げるかを逡巡した。
引き上げる?逃げる?とんでもない。
幸い、巨体のせいで、動作は鈍そうに見える。

電気ヤスのスイッチを入れる。
漁に使えば違法だが、電気ショックは、大抵の生物に有効な手段だ。
その時、突然、巨大生物の背中が割れて、
中から無数の触手が這い出してきた。

太いものは私の腕ぐらい、細いもので小指ぐらい。
思わず息を呑む私に向かって、肉色の無数の触手が、
一斉に襲い掛かって来た。早い。
ウェットスーツ越しに、ぬらついた触手の感覚が手足に押し寄せる。
私は、巨大生物の背中の割れ目に、ヤスを突き立てた。

効いてない!
パニックになりそうな意識を、かろうじて押しとどめながら、
ヤスのバッテリーを、チェックしようとする。
その前に、両手両足に絡みついた触手が、私の自由を奪う。
もがこうとしても、動けない。抜こうとしても、抜けない。

やがて、私の胴にも触手が巻きつき始めた。
腰に、胸に、触手がまとわりつく。
まさぐるように動くそれらは、ウェットスーツを毟り取り始めた。
ウェットも、その下のスイムウェアも、ぼろぼろと毟り取られる。

肌に触手がじかに触れると、痒いような、うずくような
でも、もっと感じていたいような感触に囚われる。
乳房に、乳首に、細い触手が絡み付いてくる。
細い触手が、指のように蠢き、乳首をもてあそぶ。
もう少し太い触手が、乳房を揺らすようにゆさぶってくる。
わきの下から、脇腹にかけて、生暖かい感触が纏わり付いてくる。

「パニックになっちゃいけない」
自分自身に言い聞かせながら、なんとか身体を引き離そうとする。
だけど、身動きは取れない。数を増やしつつ絡み付いてくる触手に、
私は思わず失禁してしまった。

186:海底調査(4/4)
07/08/31 19:04:19 DHy7ebgO
生暖かい液体が、両足の間に広がっていくのが感じられた。
そして、その成分は、触手をも活性化してしまったようだった。
私の両足に絡みつく触手が、開脚するように力をかけてくる。
力を込めて抵抗するが、力が入らない。
液体の出口を求めて、細い触手がうねる。
肛門の周りにも、いやらしく蠢く触手が触れてくる。

身をよじって、抵抗していると、ふっと触手の力が弱まった。
私を絡め取っていた触手が、するするとほどけていく。
胸や性器や、体中をまさぐられていた私は、きょとんと、目の前を見た。
ちょうど中間ぐらいの太さの触手が、私の顔を覗き込む位置で、
揺らめいていた。

「あれは、ペニスの太さ…」
そんな思いが、ふと脳裏をかすめる。
私は、何も考えられないままに、仰向けの姿勢をとり、
その触手に向かって、おずおずと両足を開いた。
触手は、私の股間を無視するように動いた。
うなじや喉元を、焦らすように、愛撫するようにまさぐった。
喉元から胸、左右の乳房を代わる代わる弄ぶ。

脇腹から腰を攻められ、焦らすようにおへその上で遊ぶ。
やがて、下腹部に着き、押し広げるように私の中に入ってきた。
胎内に侵入される痛みと、痺れる様な快感を感じながら、
私はのけぞった。
自分の身体の中を蠢く触手の、細かな形までが感じられるような気がした。
じわじわと、焦らすようにゆっくり進入してくる触手を、
なるべく身体の奥深くまで受け入れるように、私は腰を前後に動かしていた。

その時、周りで、様子を見るように漂っていた触手たちが、
再度、一斉に私の体を絡めとった。
細い触手が何本か、捩るようにしながら、肛門に押し入ってくる。
肛門の周りと、直腸の中に、痺れるような快感が走る。
お尻に、太ももに、擦り付けるようにして、触手が蠢く。
別の触手が、私のマスクに絡みつく。
マウスピースを取り去られた私の口の中に、触手が進入してくる。
甘く、生臭い匂いを感じながら、私は喉の奥に触手を受け入れる。
肺にまで海水が入り込むのが分かるが、不思議と苦しくない。

口の中の触手が、私の舌を弄ぶ。
私の身体の、皮膚という皮膚に、触手がぬめりながら纏わり付く。
そして、私を犯している触手は、リズムを取って前後に蠢いていた。
その動きに合わせるように腰を振る私を、触手たちが取り巻くように
運んでいった。
最初に見た、岩の中に運び込まれようとしている時にも、
私は快感に翻弄され続けていた。

やがて、私の身体は、触手と共にすっかり岩の中に取り込まれてしまい、
ぱっくりと開いた割れ目が、だんだんと閉じ始めた。
蠢く触手を通して、かろうじて見える外界は、
だんだんと細い一本の線となり、やがて、全てを暗黒が覆った。

~ 了 ~

187:名無しさん@ピンキー
07/08/31 22:24:28 mhrKMAKD
>>180
URLリンク(saihate.2-d.jp)

188:名無しさん@ピンキー
07/09/01 01:05:43 0FeURsuI
>>188
やはりク・リトル・リトルなのか!!?

189:名無しさん@ピンキー
07/09/01 12:55:53 gDTQXFMo
>>178
パッケージの「キシャア!!」ってのがセンス古くてワロタw

190:名無しさん@ピンキー
07/09/01 17:33:37 yQ37XBVD
>>186
投下乙。
水棲触手はいいよね

191:名無しさん@ピンキー
07/09/02 00:09:04 QlCpeswJ
ところで水死体氏って今何やっているの?

192:名無しさん@ピンキー
07/09/02 04:47:35 f6TXJW34
水死体

193:名無しさん@ピンキー
07/09/02 05:37:57 1zC1PF/W
コテハン変えて生きてるんじゃないか?

>>189
買ってきた
倒したシャナを触手責めして
今は魔法使い長門と対峙してる
マント引き剥がして絡め取られるのも時間の問題だぜ
どっかに良い画像UPローダーとかない?

安かったし今度もう1,2体買ってくる
それに陰獣産卵なるものがまた出るそうな
でもこの触手部分って、モールか何かで代用できそうだけどな

194:名無しさん@ピンキー
07/09/02 22:56:05 W3rn8FKA
URLリンク(karinto.mine.nu)
↑使わせてもらえば?

195: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:25:19 dTX1K7hw
ファンタジー
出産あり
ちょい長め

んじゃ投下します

196: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:26:16 dTX1K7hw
宿し姫メヒィル


昼でも日の光が差し込まないほどうっそうと木が茂る森の中、
一組の男女が早足で森の中を歩く。

男のほうはスケイルアーマーの上から皮のマントを羽織り、
真紅の髪の下からのぞく細い目で眼前の木々の闇を睨みながら歩いている。
鋭くも少し青臭さの残る顔つきや、鍛えられてはいるが大人ほど
盛り上がっていない腕の筋肉から彼の年齢がそれほど高くないことが窺えた。

女は細く小さな体で男と同じサイズの皮のマントを羽織り、
さらにはフードを目深に被っているのでほとんどその容姿を窺い知ることができないが、
全身をすっぽりと覆うマントですら隠し切れない流線型のボディラインだけが、
マントの下の人物の性別を雄弁に物語っていた。

と、不意に先行する男が歩を止め、腰に下げていたロングソードの柄を右手で掴み、
左手で背後の女性を制する。女は男の仕草に歩を止め、
わずかに唾を飲みこみ前方の空間に神経を集中させる。

しかし、深き闇から響いてきたのは
「にゃあ」
というなんとも間の抜けた猫の鳴き声だった。

「まあ……こんな所に……かわいいわね」

10メートル先、5メートル上方の針葉樹の太い枝にかわいい黒猫の姿を確認して、
思わず女がフードを外すと、閉じ込められていたウェーブのかかったブロンドが四方に散る。

「メヒィル様、お気をつけ下さい。このような森の中に似つかわしくない猫です」
「大丈夫よ、あれは本気で怖がっている鳴き声だわ。追っ手の使い魔ならあんな声はあげないでしょう」
「こちらの油断を誘おうとしている、ということも……メヒィル様!?」
躊躇も逡巡もなく木の根元に近づく主人に、騎士は少しだけ声を大きくするが、
肝心の少女は涼しい顔で黒猫に向かって両腕を広げる。

「かわいそうに、登ったのはいいけれど降りれなくなったのね?
私のところに飛び降りてきなさい。受け止めてあげるから」

澄んだ青い瞳に子猫を映しながら、少女は幼児にするように語りかける。
「にゃあ」
しかし、黒猫は震える鳴き声を上げるだけで、
無防備に差し出されたふくよかな胸に飛び込もうとはしなかった。


197: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:27:18 dTX1K7hw

「メヒィル様!」

騎士の声に含まれた緊張と鞘から抜き放たれる剣の音に少女が彼の視線を追うと、
黒猫の枝に近づこうと幹を這い降りてくる3メートルはある大蛇の姿が目に入った。

この森に住むウワバミは近隣の牧場の子牛すら一飲みにするという。
登った枝から降りられぬ間抜けな子猫などわけなく飲み干してしまうだろう。

「シキッド、枝を!」
メヒィルの掛け声で若き騎士はスケイルアーマーの下から短刀を取り出し、
猫のいる枝の根元に投げつける。
半分ほど枝が裂け、自重プラス黒猫分の重さを支えきれなくなってそのまま根元からメキリと折れた。
ついに黒猫も空中へ放り出されるが、落下する小さな体を少女が受け止める。

急に眼前の獲物を奪い去った邪魔者たちを蛇が睨みつけるが、
騎士が鈍く光る長剣の切っ先を向けるとすぐに木の上に退散した。

「あ、ちょっと!」

メヒィルの声に慌ててシキッドが振り返ると、黒猫が彼女の腕の中から逃げ出し
森の中へかけていく姿が目に入った。

「大丈夫かしら……」
「猫の心配をしている場合ではありません、メヒィル様」

ブロンドを細い手で梳きながら、振り向いた少女は苦笑する。

「こんな二人きりのときでもあたなは『様』をつけて呼ぶのね。
咎める者もいないのだから、昔のように呼び捨てでもいいのに」
「それは、私もメヒィル様もまだ何も知らない子供だったからです。
さあ、行きましょう。我々にあまり時間は残されていないのですから」
それだけ呟くと騎士は剣を鞘に戻し振り向きもせず歩き出す。
少女は肩を竦め、少し寂しそうな表情を浮かべ彼の後に続いた。


198: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:33:08 dTX1K7hw

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


黒い森の上を、少女を背に乗せた怪鳥がはばたく。
いや、正確には鳥ではない。
何せその怪物は頭は梟で翼は鷹だったが、その胴は駱駝で足は子馬だったからだ。

駱駝のこぶに寄りかかり手鏡を覗きこんでいた少女が梟の頭に向かってボソリと呟く。
「ようやく、あの子を見つけた。ここで降りて」
梟の頭が頷くと、怪物はゆっくりと下降を開始した。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



黒い森の中、二人の男が木々や地面の様子を調べていた。
大剣を背負った男が煉瓦色の口髭をいじりながら地に伏した男に問う。
「駄目だ、こっちにゃ黒猫しかいない。リットン、なんか分かったか?」
リットンと呼ばれたねずみ顔の小男は地面の足跡と
その上に転がる黒い粒をしばらく眺めてから答える。

「足跡の上にあるマギ兎の糞がまだ固まってねえ。こりゃだいぶ近づきましたぜ。
おまけにあっちは女の足ですし、この分なら後半日追いかけっこをすりゃ、
追いつけるんじゃないですかね」
それを聞いて上空の折られた枝を見つめていた髭面の男はにやりと笑う。
「ふ、ならば川に着くころには追いつけるか」

と、彼らの背後よりどかどかと足音を鳴らしながら禿頭の大男が姿を現す。
「おーい、兄着たちぃ、大蛇の蒲焼焼けたぞぉ~」
大男は串に刺さった大振りの蛇肉を嬉々とした様子で二人の男に差し出す。
「遅せぇぞパルポ!飯一つ作るのにいつまで時間かけてやがるウスノロ!」
「ごめ~ん」


199: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:34:24 dTX1K7hw

「まぁまぁブラッドの兄貴、いいじゃないですか。
カリカリしてたらうまい飯もまずくなりますぜ」
レットンが笑いながらパルポから肉を受け取るが、
ブラッドは髭と同じぐらい顔を赤くして小男しかりつける。

「だからてめえはいつまでたっても二流の傭兵なんだよ!」
しかめっ面をするレットンを見てパルポが楽しそうに哂う。
「や~~い、二流二流~~」
「てめえは三流だパルポっ」
「え~~」
ブラッドの評価に思わずパルポは口を尖らせる。

肉を口にしながらブラッドの説教は続いた。
「いいか。仕事の間は飯を食うのも睡眠をとるのも、
女を抱くのも全て短い間に終わらせるのが一流なんだよ」
「ええ~、お姫様ヤるのもさっさと済まさなきゃ駄目ぇ?」
パルポが巨体に似合わぬ泣きそうな声を上げるとブラッドはハハハと笑い飛ばす。

「馬鹿め。お姫様まわすのは仕事がすんだ後だ。じっくり飽きるまでやりゃいいさ」
レットンが肉を喉につまらせながら反論する。
「だけどよお、お姫様引き渡すまでが仕事なんすよね?
遊んでる間に逃げられたらどうするんですか。
逃げられないよう足を切り落として遊ぶなんて味気ないのはいやですぜ」
ブラッドはにやりと笑って腰に下げた筒を叩く。
「なーに、お姫様にはケツの穴にこいつを使う」

外からの衝撃に筒の内部の何かが動き回り、子供の胴ほどもある筒が怪しげに蠢く。
「なるほど、お姫様もそれならまともに動けないですね」
レットンがくくく、と顔を歪める。
「わ~、わ~、楽しみだぁ~」
パルポは肉を頬張りながら両手に持った串を打ち鳴らす。

「命さえありゃ後はいくら遊んでもいいって話だ。
相手は正真正銘のお姫様だからなぁ、楽しみにしとけよ。
肉食ったらさっさと出かけるぞ、野郎ども!!」
ブラッドの号令に二人の部下はおおっと掛け声を上げた。


200: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:35:24 dTX1K7hw

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「こんな木こりも狩人も寄り付かない森に、大勢の人の気配がする。
あまりよくないことが起こっているのかしら?」
怪物を待機させ、森の中を歩いていた少女がふと呟く。

漆黒のローブが光の差さない森の黒に混ざり、まるで闇自体が喋っているかのようだ。

そこへ、小さな気配が近づく。

「クロオ……ようやく見つけた」
「にゃあ」

少女の肩に、小さな黒猫が飛び乗る。

「ずいぶん探したわ。さあ、一緒に帰りましょう」

しかし黒猫はすぐに少女の肩から降りると、森の奥へ歩き始めた。

「どうしたの?帰るならこっちよ」
「にゃー」
「……助けてほしい?」

少女が誰を?と問う前に黒猫はさっさと歩き出す。

「クロオの頼みなら、断れないわね」
少女はため息を吐いて、猫の後に続いた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


201: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:36:19 dTX1K7hw

振り向いた騎士が、口元をぎゅっと引き締める。
今まで自分たちが歩いてきた森の上空で、何匹か野鳥が飛び立つ気配がした。
それは、何かが自分たちに追いつく予兆だった。

「メヒィル様……ここでいったんお別れのようです」
「キシッド、何を言っているの?」
目を見開いてメヒィルは若き騎士に詰め寄るが、
騎士はただ淡々とこれからすべきことを彼女に告げるだけだった。

「ここから西に向かって歩き続ければ、夜になるまでに川に出ます。
後は川沿いに伝っていけば、3日で領境にたどり着くでしょう。
夜は今までのようになるべく木の上でお過ごしください」
メヒィルは俯いて、騎士のマントの裾を掴んだ。
「シキッド……死ぬ気ではないでしょうね」

男は首を振って答える。
「まさか。ただ、あなたを守りながら戦い抜く技量を持ち合わせていないだけです。
心配することはありません。追っ手を退ければすぐにでもあなたに追いつくことを誓いましょう」

少女は、騎士の傍を離れた。
「ならば、宣誓の儀式を」
「儀式……ですか?」
「ええ、かつてあなたが北方の山賊討伐に参加した時のように」
「しかし今は時間が」
困惑しさらに問い返そうとするシキッドに、
メヒィルは無言のまま目で促す。

その強い眼差しに、これ以上の問答は無駄と悟ったシキッドは
「略式でよければ」
と前置きをしてから剣を地面に刺し、彼女の前で恭しく片膝をつき頭を下げる。


202: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:37:56 dTX1K7hw

「シキッド・ガウルは天上に召されるその時まで、
メヒィル・ララウヌの傍らで私の命と誇りを捧げる事を、
戦争と風の女神フラウロに誓います」

騎士の宣誓を受けて姫が言葉を返す。

「メヒィル・ララウヌは天上に召されるその時まで、
シキッド・ガウルの誇りと命の全てを預かる事を」

わずかな沈黙。少しの間をあけて、最後の句が
メヒィルの口から漏れる。

「偉大なる主神イメンに誓います」

驚き頭を上げるシキッドの前に、メヒィルの左手が差し出された。

地面に剣を突き刺して跪き、戦争と風の女神に約束するのが主従の間で交わす戦争からの生還の宣誓。
それがシキッドの行った儀式。

対して、地面に剣を突き刺して跪き、主神への約束と3回の接吻をするのが男女の間で交わす婚姻の宣誓。
それがメヒィルの返した儀式。

「どうしたのですか?まだ儀式は終わっていませんよ」

メヒィルは、頬を染めながらシキッドに続きをするように促す。
男が差し出された女の左手にキスをするのが、婚姻の宣誓の続きだ。
しかし彼は黙って主の左手を押し返し、立ち上がる。
それが生真面目な騎士の答えだった。

「シキッド……」

すがるような声を出すメヒィルにシキッドは背を向ける。

「メヒィル様、速くお逃げください」

今度は、メヒィルが何を言っても無駄と悟る番だった。彼女も彼に背を向け走り出す。
50歩ほど走った後振り向いて見た騎士の背中の輪郭は、涙で滲みよく分からなかった。


その不明瞭な背中が、彼女が見た彼の最後の背中になる。


203: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:38:58 dTX1K7hw

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「助けてくれ、と言ってもねぇ」

少女は、顔の皮を剥がれ両足を切り落とされた男を見下ろす。

「いくらクロオの頼みでも、もう手遅れよ。癒したり治したりは私の領分じゃないし。
せいぜい、紡ぎあわせることができるだけよ」

黒猫が彼女を見上げながら
「にゃあ」
と鳴く。

「私たちの乗ってきた子を使えって?駄目よ、
それじゃ私たちが帰れないでしょ。
それにしても……すごいわね、この人」

少女が男の側の地面を見下ろす。
そこには、まるでナメクジが這ったかのように
男の足から出た血が地面の上に紅い線を描いていた。
もう致死量は近い。

それでも男は剣を掴み、見えない目で主の下へ這ってゆく。
うわ言のように姫の名を呟きながら。
と、男の壮絶な姿に見入っていた隙に、黒猫が小さな体で自分より大きい怪しげな筒を
少女の足元に転がしてきた。

「なんなの……、それ?」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


204: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:40:35 dTX1K7hw

「さーてと、鬼ごっこは終わりにしましょうやお姫様」
にじり寄る口髭の男に、メヒィルは叫び声を上げた。
「なーに、そんなに怖がるなって。ただちょっと縛り上げるだけだから。
あんまり言うこと聞かないとあの騎士様みたいに両足切り落としますよ?」

レットンが思わず非難の声を上げる。
「そりゃねーですよ兄貴。せっかくのすべすべの足がもったいない」
切り裂かれた衣服から伸びる白く長い足に、レントンは鼻の穴を広げて興奮する。
「しょうがねえだろうよ。あの騎士様との戦いで触手入りの筒がどっかいっちまったんだよ」
「……俺、太股フェチだから斬るときゃ膝から下だけにしてくださいよ」

「ひ……非道な!シキッドの足を、切り落とすなんて!!」
ブラッドはわざと丁寧な言葉を使って、姫の神経に揺さぶりをかける。
「いやいや、結構あの騎士様もひどいんですぜ?うちのかわいい弟分の
顔と足に傷つけたんで、弟分は今寝込んでてお姫様と遊ぶことが出来ねーんですよ。
そういうことで、あいつの分も俺らと遊んでくれませんかねぇ」

「おい……兄貴!」
「うっせーな、がっつくなよ!後でてめえにもヤらしてやるってよ」
「そうじゃなくて……」
「なんだよどうしたってんだ」
「この剣……抜いてくれねーかな」

振り向いたブラッドは、レットンの脇腹を貫くロングソードに目を見張る。
そしてその背後に佇む大きな触手生物の姿に思わず悲鳴を上げた。


205: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:41:29 dTX1K7hw

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「全く、あんなに急いで。よっぽどお姫様のことが心配みたいね。
ちゃんと私の説明聞いてたのかしら?」

「にゃあ?」

「そうね、あのままだと死んじゃうわね」

「ふぎゃー!」

少女は疲れた顔で肩を竦める。

「私だって後を追いたいけど、魔力を使い果たしてもうへとへとなの。
当分は歩くこともできないわよ」

すると黒猫は少女のローブの裾から手鏡を取り出し、
それを咥えたまま闇の中へ駆け出した。

「ちょっとクロオ!……もう、また迷子にならなきゃいいんだけど」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


206: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:44:13 dTX1K7hw

突然現れた触手生物に刺された小男を担いで、口髭の男も崖の下へ転がり落ちて去っていったが、
メヒィルを取り巻く状況はあまりにいいものではなかった。
追跡者達を攻撃していた触手生物が、彼らが消えたことでメヒィルのほうへと近づいてきたからだ。
それは、1メートルの卵形の胴体に、何十本もの触手が生えた怪生物。
ローパーと呼ばれる、種によっては人間すら捕食するモンスターだ。

じりじりと近づくローパーに、メヒィルが首を振って臓腑から吐き出すような叫び声をあげる。
愛する者がいなくなり、異形の存在ににじり寄られる彼女の精神は
発狂寸前まで追い詰められていた。
長い触手がついに彼女の両足に巻きつく。

「いやああああぁぁっ」

そのおぞましい感触にもう一度叫び声をあげるが、
卵形の本体は一定の距離まで近づくとそれ以上彼女の側に近づこうとしない。

ただ、触手の一本が彼女の顔に近づいてくる。

「い、や……」

その整った顔を蒼白にしてメヒィルはがたがたと震えるが、
触手は彼女の頬を撫で上げるだけだった。
まるで彼女の瞳から流れ落ちる涙を拭き取るように。

よく見ると、ローパーの柔らかい触手は所々が擦り切れ、真っ赤な体液が漏れ出ている。
しかしそれでもローパーは自分の体の流血よりも彼女の体をさすり続けるほうが
重要と言わんばかりに、その涙を拭き取る触手の動きをとめようとしなかった。

「……?」

2、3分その状態が続き、さすがにメヒィルもローパーが自分を今すぐ捕食しようとしていないことに気づく。
だが、そうだとしたらなぜこのローパーはいまだ自分の側を離れず、
両足を拘束し続けているのか。

――あの騎士様との戦いで触手入りの筒がどっかいっちまったんだよ――

口髭の言葉を思い出し、メヒィルの体に冷や汗が浮かぶ。
捕食以外のローパーの目的。それは、生殖。
他の生物の胎内に卵を生み出し、そして子孫を残すタイプがいることを、かつて彼女は伝え聞いたことがあった。
そして放蕩な一部の人間がそれを生きた淫具として用いることがあるとも。

もし、このローパーの目的がそうならば、ある意味殺されるのと同等のひどい目に遭わされるかもしれないのだ。

「そ……そんな……」

新たな恐怖に気づき、触手から逃れようと身を捩じらせた瞬間、触手が一本の剣を高々と持ち上げた!


207: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:46:09 dTX1K7hw

「いやぁ!」

足に触手が巻きついていては避ける事などできる筈もなく、メヒィルは目を瞑る。
しかしその剣は彼女のすぐ足元の草むらに突き刺さっただけだった。
そして、触手生物がうねらせていた全触手を全て縮める。

「なに……?あなたは何がしたいの?」

食べられるわけでもないし、犯されるわけでもない。
しかし解放してくれる気配もない。問いかけても、答えは返ってこない。
混乱したメヒィルは剣の柄に刻まれた文字を見て大きな瞳をさらに見開く。

「これは……シキッドの剣!ねぇ、これをどこで!!」

掴みかからんばかりの勢いで聞いても、怪物は何も言わずただ触手を蠢かすだけだった。

「ああ……私はどうすればいいの?」

逃げることも、シキッドの生死を知ることもできない。
この怪物に捕らわれたまま飢えてしまうのだろうか。

一度止まっていた涙が再度滲んできたとき、縮こまっていたローパーの体が伸び上がり、
地面に刺さっていた剣を引き抜いた。
今度は、メヒィルはさきほどのように怯えなかった。
そしてメヒィルの予想通り、剣はもう一度地面に突き刺さった。
ローパーはもう一度体全ての触手を萎縮させる。

「さっきと同じこの行いに……何の意味があると言うの?」
その時、先ほどにはなかった動作がローパーに加わる。
一本の触手がメヒィルの左手を取り、その先端が手の甲に触れたのだ。
触手の体から流れ出る体液が付着していたので、
メヒィルの手の甲は体液と同じ赤い跡がつく。

「まるで、口紅を塗られたみたい……」

幼いころ妹と二人で姉やの口紅を手のひらや額に塗って怒られたことを思い出した。

「口紅……?」

口紅、唇、口づけ。

その時、メヒィルの中でなにかが閃く。


208: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:47:20 dTX1K7hw

剣を突き刺す騎士、剣を突き刺す触手。
片膝をつく男、縮こまった触手。
左手への口づけ、左手への触手の接触。

今までのローパーの行為は、行う者を触手ではなく人に置き換えれば、
そして神への誓いがないことを除けば、全て婚姻の儀式の作法に則っている。

メヒィルは、剣を握っていた一番大きな触手を恐る恐る摘み上げると、
そこに柔らかな唇を触れさせる。

略式の婚姻の儀式の接吻は合計3回行う。
まず男性が跪いたまま女性の左手に。
次に女性が男性の右手に。
そして最後に二人が唇を重ねあい、婚姻の宣誓は終わりとなる。

怪物は、メヒィルの予想通り、左手に接触していた触手を彼女の唇に近づけた。

「やっぱり……これは婚姻の儀式」

しかしそこで、後23センチで触手と唇が触れ合う距離で、触手の動きが止まる。
ここまで来て躊躇するその姿に、彼女は自分の想像に確信を持つ。
彼女は自ら触手へ唇を寄せると、触手はわずかに後退しようとする。
しかし彼女は両手でその触手を掴み、逃れられないようにして
触手の先端を口に含みながら口づけをした。

唇と触手の接吻が終わったあと、少女は蠢く触手ごとローパーの本体を抱きしめる。

「あなた……シキッドなのね?」


209: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:49:38 dTX1K7hw

『いくらシキッド君に呼びかけても彼は答えられないわよ。
今の彼には触覚と嗅覚しかないのだから』

背後から聞こえてきた声に、メヒィルがびくっとして振り向くと、
ローパーが彼女の体を守るように触手を彼女の周囲に這わせる。
しかしそこにいたのはあの時の黒猫だった。

「あなた……無事だったの」
『あなた達のおかげでね。この子も感謝しているわ』
「にゃあ」

人のいない場所から声が聞こえ、メヒィルはまたびっくりする。
よく見るとその愛玩動物は口に手鏡を咥え、
その鏡面に自分とそう年が変わらない少女が映り話しかけてくるのが見て取れた。
その人知を超えた不可解な光景に、メヒィルは自然とある言葉を連想する。

「……魔女?」
『そう、キメラ作りが得意な、ね』
「あ、あの、私はメヒィルと」
『残念だけどお姫様、私とあなたには自己紹介する時間すら残されていないの。
こっちはシキッド君の体を触手と紡ぎ合わせた時に魔力をほとんど使い果たしたから
すぐにこの「鏡伝え」の魔法も使えなくなる。それに、シキッド君の体血まみれでしょう?』

言われてメヒィルがシキッドの体を見ると、確かに最初のころより触手から流れ出る血の量が増えている。
「これは……どうすれば止まるんですか?」
『彼の体を新たに作り出すの』
「それはどうやって」
魔女の話を聞いている最中に、メヒィルの手の中でシキッドの触手がずるりと本体から抜け落ちる。

『拒否反応ね。このままだと、彼の触手は全て抜け落ち、呼吸も食事もできなくなり死ぬ。
キメラの材料に使ったのは、人間を苗床にして生殖活動をするローパーと思われるわ。
まあ、あのならず者どもが持ってきたものだからどんな種類かは私には分からないんだけど。
とにかく本体から切り離された触手だけだったから、とても脆くすぐに朽ちてしまうの』
メヒィルは手を当てて触手の傷口を塞ぐが、流れ落ちる血は止められない。
「脆い体、なんですか……?」


210: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:52:02 dTX1K7hw

『舗装もされてない森の中を目も耳も使えずがむしゃらに走りまわれば、
すぐに体中傷だらけになるぐらいにね。
もともとそんなに動き回れる体じゃないのに、無理しちゃって』
「どうすれば、何をすれば新しい体を作れるんですか?」
メヒィルの必死な声にも魔女は淡々と答える。
『彼の体から胚をあなたが体内に取り入れ、あなたの体の中で成長させて産むのよ』

「胚を取り入れる?その、私が胚を食べるんですか?それで胃の中で成長させるたりするんですか?」
魔女の言葉はメヒィルの想像をはるかに超えるものだった。
『いいえ、彼の触手の胚送管をあなたの膣から取り入れ、子宮内で新しい触手を育てるの』
あまりの内容にメヒィルの頭が一瞬真っ白になる。

「え、い、今なんて」
『えーとね、膣っていうのはお姫様のお股に』
「いえその、単語の意味が分からないわけでは」
「にゃあ」
黒猫の鳴き声を聴いて魔女は不思議そうな声を上げる。
『え、何、恥ずかしがってるだけなの?』

まるでなぜ恥ずかしがっているのか分からないような声に、
思わずメヒィルはもじもじと反論する。
「だって……その、それって恥ずかしいことでしょう?」
『だけど、あなた達、今婚約したんでしょう?世俗のことはよく分からないけど、
結婚したら男女はお互いに支え助け合うと私は書物で読んだのだけど、違ったかしら?』

メヒィルは魔女の言葉に反論することができなかった。

『シキッド君にもあなたに胚を育ててもらわなきゃ死んじゃうって説明してたから、
てっきりもう受け入れは済んでると思ってたら、彼は血まみれのままだし。
そう、外の人間ってそういうときに恥ずかしがるものなのね。またひとつ知識が増えたわ』

「私が彼を受け入れれば……彼は助かるのですね」
『あ、まだ続きがあるわ。彼は助かるかもしれないけど、あなたが無事かどうかは分からない。
何せ元の触手がどんな種類かも分からないし、ローパーを素にしたキメラなんて私は作ったこともない。
もちろん触手の胚を人間の女性に宿し、産ませたことなんてない。
さらにいえば今の彼の汚れた触手があなたの膣に入れば、どんな病気になるかも分からない。
そんな状態で出産させて、あなたの体が無事と言う保証はどこにもないの。それでもいい?』

メヒィルは黙って首を縦に振った。
その瞳に、強い決意を宿らせながら。


211: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:53:28 dTX1K7hw

メヒィルは近くにあった洞穴の中に、触手となったシキッドを招き入れ、壁に松明をかざす。

「受け入れ」の時に魔女が側で見守りアドバイスをすると提案してきたが、
メヒィルは丁重に断った。
それでも魔女はもしこれであなたの身に何かあったらと食い下がったが、
彼女の魔力が切れたのか突然鏡の中の彼女の姿が掻き消えた。

飼い主よりも空気の読める魔女のペットが鏡を咥えこの洞穴まで二人を案内し、
音もなく黒い木々の中へと姿を消した。

「シキッド……」
どれだけ言葉を紡いでも、今の彼には言葉が届かないのだろう。
魔女は目も耳も使えないと言っていた。
ならば、どうやって今彼女の意思を、心を伝えよう?

もし彼に胚送管を差し入れる気があったのなら、両足を縛られたあの時
とっくにメヒィルにそうしていたはずだ。
しかし彼はそれをしなかった。
たとえ自らの皮膚から血が流れ、体がばらばらになっても。
彼女に産んでもらわねば、朽ち果てると分かっていても。

それほどまでに、歯痒くなるほど自分を大切にするシキッドに、
視覚や聴覚に訴えることなく自分を抱いてもらう。
それには、やはりこの方法しかないだろう。

メヒィルは皮のマントを敷き、その上でゆっくりと服を脱ぐ。
そして一糸まとわぬ姿になって、彼の体を抱き寄せる。

うねる触手が彼女の体から離れようとするが、
メヒィルはそれを許さずその触手を自らの乳房や股間に引き寄せる。

「逃げては駄目よ、シキッド」
たとえ伝わらぬと分かっていても、初めての行為に、
男を誘うという自らの振る舞いに心が昂ぶり、自然と声が出る。
「あなたはもう、私の夫なのだから。妻に恥をかかせるの?」

触手の逃亡がぴたりとやむ。
たとえ言葉が伝わらなくても、違う何かが彼へメッセージを伝える。
「お願い……私を抱いて。あなたの好きなように」
湧き出る汗が。高鳴る鼓動が。硬くなる乳首が。湿り気を帯びる秘裂が。
少女の体全体から生み出されるそれらが、触手を伝わり怪物に伝える。

女の体と心に、男を受け入れる準備ができたことを。
流れる体液をそのままに、触手が姫の体をするするとさすり始める。


212: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:54:30 dTX1K7hw

「あ……」

最初は50本近くあった彼の触手も、今は15本ぐらいにまで減ってしまっている。
そのなかで一番肉厚の触手が、少女の口の中に進入する。

「ふぅ……」

それとともに何本もの細い触手が少女の可憐な唇の中へ続いた。

メヒィルは知らなかった。人間の口がこれほどまでに敏感な器官であることを。
舌や口内粘膜は、口に含んだ物の温度、硬度、形状、質感などさまざまな情報を
一瞬で読み取るほどの神経が集中しているのだ。
その口内に、何本もの触手がさすり、蠢くと、頭がくらくらするような快感に覆われてしまう。

12分して触手が抜かれたころには、彼女の顔はすっかり上気し、
唇の端からは少しだけ涎が垂れ落ちていた。
大人のキスだけで立っていられなくなった彼女は、マントの上に倒れるように座り込んだ。

そんな体に覆いかぶさるように、何本もの触手が向かってくるが、
キスの間にすら23本の触手が抜け落ちる。
もう時間はそう残されていない。

「シキッド……はやく、はやく」

そして触手たちは、ゆっくりと性器の愛撫を開始する。
細長い3本の触手が、乳首に、顔を出した淫核に巻きついた。

「ひいああああぁっ」

あまりの激しい感覚に、か細い悲鳴が少女の口からあがる。
体全身をびくつかせる少女の動きに触手の動きが止める。

「ああ……違うの、痛いんじゃないの……だから、はやく」

切なそうな声を上げて乳首に巻きついた触手を自らの手でメヒィルは絡めとリ、動かす。
その動きに、触手が意を決意したように動きを早め始める。


213: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:55:07 dTX1K7hw

「ああ……いいわ、シキッド……たとえそんな姿でも、私は……私は……」

声が、体が、ほんのりと色づき始める。

ずっとメヒィルはこうなることを望んでいたのだ。
たとえ愛するの者の姿が変わっても、行為の意味に変わりはない。
しかしついに、彼女の性器を愛撫する触手さえその体から抜け落ち始める。

「おねがい……早く、早く……あなたの体の種を……私の中に……」

一番太く逞しい触手が少女の足の付け根に押し当てられる。
それが、何かメヒィルには分かった。
それはとても大きくて、ぬるついているとはいえ少女の中に入るとはとても思えない。
想像以上のサイズに思わず少女の体が凍りつくが、
目の前で新たな触手が血を吹いて抜け落ちたのを見て、覚悟を決めた。

手でその太い触手を自ら淫核の下に当てがうと、やさしくさすって彼に伝える。
するとシキッドの本体がわずかに身震いし、ついに彼の触手は彼女の中へ進入した。

「っーーーーー」

声にならない空気が肺から搾り出される。
それは、肉を貫く痛みだった。

しかし、メヒィルは震える腕で、シキッドの本体を抱きしめる。
血を流しているのは彼女だけではないのだから。
痛みも苦しみも受け入れられる覚悟が、小さな少女の体に備わっていた。

メヒィルの抱擁に答えるように、シキッドの残された触手が血飛沫を上げながら
乳首や淫核への愛撫を再開する。少しでも快楽で彼女の体が辛さから逃れられるように。

身を削っても彼女の苦痛を和らげようとするその献身に、
激痛を上回る幸福感がメヒィルの脳を支配する。

たとえ痛みを消すことができなくても、メヒィルにはその痛みに耐えることができた。

ふと、体の中の触手がわずかに膨張するのが感じられる。

「ああぁあぁっっ」

受け入れる悦びに、身篭る嬉しさにメヒィルの脳が弾け、肉が融ける。
シキッドの細長い胚を子宮で受け止めながら、メヒィルは全身を痙攣させ気を失った。


214: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:56:49 dTX1K7hw

「畜生、あんな化けもんに横取りされてたまるかってんだ」
ブラッドは悪態を吐きながら丘を登る。
レットンの治療を簡単に済ませ、崖を迂回したからかなりの時間が経っている。
「姫さん生きててくれよ。死んでたりしたら目も当てられねぇ」

化け物の移動先は闇夜の森の中でもすぐに分かった。
なぜなら奴の移動した後には、点々と抜け落ちた触手や体液が残されていたから。
「間抜けめ。ま、こんだけ抜け落ちてれば楽勝だな」
彼の気がかりは目的の姫の生死のみ。
だからろくに警戒もせず、抜け落ちた触手が示す洞穴に入った。

「ああ、畜生……せっかくの初物を……」

そこにいたのは、裸のまま開脚させられ少女とその体を支える触手。
しかし少女の股間の大事な聖域はぽっかりと口を開き液体で濡れそぼっていて、
彼女がこの触手に何をされたのか雄弁に物語っていた。

「ま、いいさ。とっとと弱ったローパーから取り戻し……」
そこで、大剣を抜いたブラッドは言葉を止める。
触手の本数が、今まで見てきた抜け落ちたものと合わせて計算が合わない。
最初に見た時50本ほど生やしていて、洞窟に入るまで30本は抜け落ちたものを見かけたはずだ。
しかし今ローパーの体には最初に見た時と同じぐらいの触手が生えそろっている。

「こいつは一体どういうことだ!」
思わず洞窟全体に反響するほど大きな声を出すブラッド。
しかし、姫は少しもこちらを見ようとしない。
汗だらけで、視点の定まらない瞳でずっと空を見つめ続けている。

そんな少女の体が、びくりと震える。
「あ……来る、来ちゃう!」

うわ言のように吐き出される言葉。
細い腰が、小振りなお尻がぶるぶると妖しく蠢き始める。

「あ、シキッド、あ、あっ、出る、でちゃあぁっ」

ブシュル、と彼女の秘裂から、体液とともに触手が飛び出した。

「ひっ、ぐっ、あ、ぁぁ……」

生み出された触手は、にょろにょろと皮のマントの上を動き回ると
ローパーの本体まで移動して合体する。

「嘘だろ……」

これ以上の時間を与えれば、怪物はさらに触手を増やす。
ならば、今この時、決着をつけねば。
ローパーに近づこうとした時、ブラッドの足に何かが巻きついた。

それは、ブラッドが目印にしてきた抜け落ちた触手。
「馬鹿な……抜け落ちたのは動かないんじゃ……」
そこでブラッドは産み出された触手が本体と合体するさっきの光景を思い出す。
この触手は朽ちて抜け落ちたものではなく、産み出されたばかりの生命力溢れる触手。

「ちっ……間抜けは俺か」
ブラッドが自嘲気味に呟くと、彼の体に触手が殺到し、骨の折れる嫌な音とブラッドの悲鳴が洞窟内に鳴り響いた。


215: ◆XQorAWwY22
07/09/03 01:58:45 dTX1K7hw

「うう……あんなに激しくすることはないでしょうに……」
メヒィルが長く激しい夫婦の営みを思い出して、顔中を真っ赤にする。

『すみません、メヒィル様。あの男が近づいてくる気配がしていたため、
ゆっくりと触手を作る暇がなかったのです』

「シキッド……シキッド?あなた、シキッドなのね!」
赤髪の涼しげな瞳の男にメヒィルは飛びつく。
「良かった……人間の姿に、戻れたのね」
しかし騎士はゆっくりと横に首を振り姫の体を離す。

『これは夢ですよ、姫様。あなたの夢の中だから、私はこの姿であなたに会うことができたのです』
「ああ、夢でもいいわ。もっと、人間のあなたに触れさせて!」
さらに抱きつこうとするメヒィルを、強い力でシキッドは引き剥がす。
『姫様、そのようなはしたない真似はおやめください』
「私にあんなことをして、させておいて、いまさら何を言うの?」

『あの傭兵たちを退かせるために仕方なくあなたの身を汚してしまいました。
全ては私の不徳と無力が引き起こした悲劇です。
今回のとこはいつか領の混乱が治まった際に命を懸けてでも償います』
「汚す?償う?あなたは何を言っているのです?私達は儀式を行い夫婦になったというのに。
夫婦が睦みあうのは当然のことでしょう?」
『……残念ですが、私達は夫婦などではありません。なぜならあの時交わした儀式では、
主神に誓いを立てていないのですから。今の私に口はないのですから、当然ではありますけど』

「シキッド……あなたは……」
突然姫の平手が騎士の頬を打つ。
「馬鹿よ!大馬鹿よ!」
「はい、私はあなたを汚せねば守ることもできない大馬鹿者です」

あまりにかたくなな騎士の心に、メヒィルは涙を流しながら目を覚ました。


「シキッド……」
彼女の体が夜の闇に冷えないよう触手が全身に巻きつき、
枕代わりとなった本体の体温が彼女の頭を暖めていた。
「それでも私は、あなたを諦めないわ……」

起き上がった少女は触手と本体を、裸のまま強い力で抱きしめる。
うねる触手は、何も言わず主の頬の涙を拭きとった。



誕生編、終わり

216:名無しさん@ピンキー
07/09/03 02:00:11 dTX1K7hw
というわけで、触手騎士が誕生したところで続きます

217:名無しさん@ピンキー
07/09/03 02:52:08 Z7LX5Tsd
こういうのもいいなぁ…
wktkwktk

218:名無しさん@ピンキー
07/09/03 03:08:42 ItcNDbmL
GGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJにょろ

219:名無しさん@ピンキー
07/09/03 06:56:45 SqYrCjYi
GJ

220:名無しさん@ピンキー
07/09/04 01:04:42 NKcMC7K0
GJ!触手和姦の白峰を垣間見た気がする!!

221:名無しさん@ピンキー
07/09/04 02:18:34 mwCXKQ88
何てこった…触手でこんな切ない気持ちになるなんて…
GJ!!

222:名無しさん@ピンキー
07/09/04 03:15:30 chDCT1dj
幸せになってほしい・・・

223:名無しさん@ピンキー
07/09/04 06:12:56 hT4jQrCD
二次元牧場スレに一部触手があった
‥が、あんまり期待はしないほうがいいかもしれん
らきすたの中でもマイナーキャラだし

224:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:10:54 bx0M6imH
もうね、ただでさえ和姦触手好きの俺はウゴゴゴゴ(ry
GJです。騎士様のご活躍を、触手を長くして待ってます。

225:名無しさん@ピンキー
07/09/04 23:18:33 K8/l3+zE
続きを期待

226:名無しさん@ピンキー
07/09/06 18:36:58 nMg7/2kv
保守

227:名無しさん@ピンキー
07/09/06 19:53:58 B1t/VBi1
>>222
切に…切に、同意ッ!

228:名無しさん@ピンキー
07/09/07 06:01:42 ORzdoiZY
牧場スレに触手ものがきてる

229:名無しさん@ピンキー
07/09/07 20:23:44 qDMGhOcN
                  
             ,..-─.-、
             ,(,ィモr~k)                ∧_∧
            ~.(^(ノメハノ) )~               ( __lll)
    (⌒ヽ、  (ハ( ゚ ヮ゚ノl(        _-''~ ⌒`''-''  ̄__)  ギュゥゥッ・・
     `ヽ、ヽ  >,Y_iHi)<つ   /~''' ̄ _-'~ ``- '' ~(__)・
       | | .,;∪ノハヽ、   ./ /´ ̄ ̄        し∪ ' 
       丶`r':;i'     ァ、  l l  /´二⊃
((    (`ヽ_ノ´/'i;:`~r~'゙;;r'/ / /./
      ヽ、__ノ/ノ/^/ヾヾ二二二/
         ( ( l l゙i i) )ヽヽ\  
   ((     ヽ_).し' `(_/_)(_/ `J  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

230:名無しさん@ピンキー
07/09/07 22:11:43 A1rRW3+k
>>229
触手っ娘か。……良いかもしれん(ぉ

231:名無しさん@ピンキー
07/09/08 05:17:42 G0sTUJ3J
まてよ、触手っ娘ということは
俺達の『穴』が狙われるんじゃあ‥?

232:名無しさん@ピンキー
07/09/08 11:24:22 Mi2na2aL
>>231
それもいいかなぁと思ってしまったおれドM

233:名無しさん@ピンキー
07/09/08 12:27:31 Cp3I+hLL
やがて♂と♀の立場が入れ替わり・・・




それなんてTS?ていうかもはやスレ違いw

234:名無しさん@ピンキー
07/09/08 14:09:58 yng5Hy27
いや、触手に置かされるのだからこのスレでいいんじゃない?
そんな触手の塊みたいな女の子にやられたい俺

235:名無しさん@ピンキー
07/09/08 15:50:13 3QKB4d5g
実は雌の触手の先は子宮で雄の触手から絞り取るから雄の触手は人間の雌が好きなんだ!

236:名無しさん@ピンキー
07/09/08 16:02:55 GmOAh5ZB
というか真面目な話、触手で妄想する時って、触手側じゃなくて犯られる側に自己投影してる方が多くない?

ほら、高知能な触手はともかく、基本的にヒロイン視点が多いじゃんこの分野。
第三者視点で、ニュルニュルされる様を眺めて興奮ってのもあるけど、盛り上がってくると
どんどんキャラに感情移入してしまうというか……

ってこうして書いてみると、俺の特殊性癖な気もするorz

237:名無しさん@ピンキー
07/09/08 16:16:22 YPSEFKkn
神楽スキー氏はまだ忙しいのだろうか・・・
無理は言えないが、久々に読みたいょ・・・

238:名無しさん@ピンキー
07/09/08 16:27:38 3QKB4d5g
漏れは魔法少女シリーズの兄さん

239:名無しさん@ピンキー
07/09/09 02:00:15 ssXcOFdz
7枚切りの食パン氏はもう書いてくれんのじゃろうか…

240:名無しさん@ピンキー
07/09/09 05:41:06 ESzH/zQS
>触手っ娘
スレイヤーズ8巻(だったと思う)のモルディラグ
まあ『娘』じゃないかもしれんが

>>236
俺は第3視点か、逆に触手になった気分で読むなぁ

241:神楽スキー
07/09/09 23:59:47 T81Q/+zu
皆さんご無沙汰しています。
単行本の応援どうもありがとうございました。
単行本作業と発売は無事終わったのですがこんどは読み切りの作業が入ってしまいましてw
女騎士物と言うことで何分あまり書いたことがない分野で四苦八苦しておりますorz
こちらのほうにあまり顔を出せなくてすいません。
ずいぶん前にオーガストスレの人に頼まれてたフィーナ姫の奴でも書こうかな~と書いてた
んですが、ちょっと仕事忙しくて間が空きそうです。

242:名無しさん@ピンキー
07/09/10 05:44:14 Qsk4Mzlk
おー、まー体こわさんよーにがんばれー

243:名無しさん@ピンキー
07/09/10 05:54:57 HKGdOqrr
頼んだ者ですけど
忙しかったら無理しないで下さいね
商業誌の方も頑張ってください

>読み切り
wktk

244:名無しさん@ピンキー
07/09/10 10:50:56 SpeBWqRz
URLリンク(schizo.nobody.jp)
ここの新作に触手がでてくる
読み物としても普通に面白いし笑える

>>236
言われてみると良いなそれ
受け入れてしまうと全身を触手でニュルニュルされるって気持ち良いだろうな

>>神楽スキー氏
いつまでも待ってます
自分のペースで頑張ってください

245:名無しさん@ピンキー
07/09/10 11:44:11 FWF+vhOY
自慢乙。

246:名無しさん@ピンキー
07/09/10 11:48:03 W94f7ZgK
>>244

晒すな。
魔眼の人に迷惑かかるだろ。

247:名無しさん@ピンキー
07/09/10 12:33:38 /9eWLSFM
>>241
忙しい事は、良い事ですな

また一人だけ文章量が飛び抜けた読み切り(笑)期待してます

248:名無しさん@ピンキー
07/09/11 12:48:54 WxgZN/xr
どこで神楽さんの本は買えますか?
タイトルも良ければ教えてください

249:名無しさん@ピンキー
07/09/11 13:11:08 TBLmUTV+
タイトルは「鬼巫女桜樺 邪宴の贄巫女」
出版はキルタイムコミュニケーション
近くの書店になければ出版元で通販やってるし他でも取り扱ってると思う

250:名無しさん@ピンキー
07/09/11 17:53:09 WxgZN/xr
ありがとうございます

251:名無しさん@ピンキー
07/09/11 18:39:47 TivVwri/
あれ、挿絵変わったのか?
なんか表紙見て下手やなーとひいたんだが

252:名無しさん@ピンキー
07/09/11 19:36:22 HvbDRubC
上の方で確か変わったと言われてたような。
……前スレだったかな?

253:名無しさん@ピンキー
07/09/11 23:25:51 GDvnjVPJ
絵師としては比較的人気のある人だよw>桜樺の絵
まあ、短編の絵師は確かにうまかったけどw

254:名無しさん@ピンキー
07/09/11 23:45:22 3G5Ukk7G
流れ切ってスマン。
>>1にリンクが張られている「漂流女子校」が最近というか前から過疎気味なんだが
この企画に対する正直な意見が聞きたい。

255:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 13:50:49 rgDc23sX
>>254
ぶっちゃけ半年ROMったくらいでは到底把握出来ないと思ってる。2スレ目から始まってるみたいだし。



256:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:02:24 rgDc23sX
神楽スキー氏にwktkしながらガッツリ遅れています第三話。

原作未プレイで書いたところに突撃天使かのんを中古で発掘してしまったものでして、
いやー、久遠がエロ過ぎるの何のでそれはもう(;´Д`)ハァハァ

御免なさい。自分の作品が細かな設定で相当食い違ってる事にガクブルしながらも特攻です、ハイ。

257:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:05:00 rgDc23sX
~粉砕天使ナツメ 第三話 前編~

「ふ………ん、む……。はむ……、ふぅ……。美味しいよ、エミィ……」

「く、くぅ………ッ!む、むぅ………、ふぐっ!!」

パサリ。脚美線を包み隠していたスカートは力無く床に滑り落ちた。降り積ったばかりの雪のように白い太腿が勝者の前に差し出される。その遥か上方、口腔内部で展開される一方的な蹂躙戦。
湿った空間のどこに逃げてもユイの舌はエミリアの味覚器官を捕まえて、軟体生物の交尾にも似た抱接を強要してくる。
人間の舌とはこうも長く器用な物体であっただろうか。いや、今やその問いは無意味だ。彼女はもう人間ではないのだから。女の身体を貪るためなら如何なる不可能をも可能にしてみせる化け物。それがデスパイアだ。

「ん…む……、むふ………、ぷはっ!」

どれほどの間、互いの吐息と唾液を交換し合っていたのだろう。名残惜しげな銀の糸を引きながら、エミリアの唇はようやくその遊戯から開放された。
呼吸を整える暇も無く、残された上半身の衣服にユイの両手が掛かる。喪服にも似た飾り気に乏しい衣装は滞りひとつ無く柔肌の上を滑り、その生地の下に秘匿していたスレンダーボディを公開した。
胸元までたくし上げられたコスチュームが包み込んでいるのは、今や首筋と両腕のみ。残る全ては露出。
邪魔者はランジェリーと言う名の無粋な布切れだけ。月明かりに照らされ白磁にも似た輝きを放つ皮膚とのコントラストがユイの心を躍らせる。

「エミィ、前よりちょっとだけ大きくなったね」

「う…く……、ゆ…ユイ……ッ」

再び接近してくるユイの顔。鼻先が触れ合う距離まで迫った恍惚の笑みはエミリアの顎の下へと沈み視界からフェードアウト。
今度の行き先は胸板。お目当ては慎ましやかに佇むエミリアのバスト。体温が感じられる程の至近距離でその膨らみをユイは網膜に焼き付ける。
そして一通り鑑賞を済ませると、彼女はその浅い谷間に深々と顔を潜り込ませて来た。

「ほぉら、やっぱりおっきくなってる。嬉しいなァ………」

彼女はそう嘆息しながら左右に首を振り、たった一枚の防具越しにエミリアの香りを堪能する。
そろそろこの下着も邪魔になって来た。ユイは自分の柔らかな頬をギュっと押し付ける。そしてそのままゆっくりと顔を上へ。それを何度も繰り返す内に、二つの柔肌にサンドイッチされたブラジャーは徐々に上へ上へと移動。
丁度十回目ぐらいの挑戦だったろうか。乳房を覆っていたカップが遂に頭頂部の突起から外れる。そこから先は呆気なかった。
下り坂を一遍に滑り降り、乳房を抑圧していた裁縫物は一気に鎖骨の辺りまで持ち上げられる。
プルンと震えて解き放たれる母性の象徴。指一本使わずに、頬の摩擦力だけで暴かれたその先端は既に自己主張を始めていた。

文字通り手持ち無沙汰だったユイの手はその間、エミリアの手の平を陥としに掛かる。
アーチェリーグラブを器用に剥ぎ取り、頑なに閉じようとする指を一本一本こじ開け、痺れて抵抗できないその隙間に一本づつ、計五本の触覚器官を滑り込ませた。
二人の手と手はシーツの上で絡み合う恋人のように密着し、体温を分かち合い、その存在を確かめ合う。

「さぁて、お次はエミィ………」

「………………く、くぅッ!!」

エミリアの顔が屈辱に歪む。もう残すところは後一箇所のみだ。ユイの唇の隙間から、何かワインカラーの物体がチロチロと這い出てきた。血ではない。
その正体を目の当たりにしたエミリアは、ようやく冒頭の一方的口腔戦のカラクリを悟ったのだ。

258:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:06:39 rgDc23sX
――――蛇の舌。

他に該当する項目が無い。ユイの口から伸びる真っ赤な味覚器官は先端が二股に分かれていた。
リーチも尋常ではない。常人の腕の長さも軽く凌駕し尚も伸び続ける。その先端はゆっくりとエミリアの下半身へ。目指す先には白いフリルをあしらった紺色のショーツ。
ヘソの真下を横断するゴムを先端で軽く押し上げ、ユイの舌はその内側へと滑り込んできた。

「や…、やめな……さいっ!ユイ!やめ………っ!!」

「ふむぅ、ちょっとキツイかなァ。もっとゆったりしたの履いた方がイイと思うよ?ほら、ゴムの跡ついちゃってるし」

舌でエミリアの恥部をまさぐっているのにも関わらず、器用にもユイは流暢な発音で放し続けていた。
表面の腺から分泌される唾液が紺色の生地を内側から黒々と染め上げる。上品な香水の香りには怪しい臭気が混じり始めていた。

(だ、駄目……。お願いだから動いて!!)

しかし身体は命令を受け付けない。床に縫い付けられたマネキン。或いは糸を別の主人に握られてしまったマリオネット。まさにそんな感じだ。
クイクイと、下腹部で何かが引っ張られている。見ればそこには陥落寸前の砦。ユイの舌によって、エミリアのショーツが引き摺り下ろされて行く。

「ちなみにエミィ、これって勝負パンツ?」

全身全霊を振り絞り生み出された僅かな力で以って、エミリアは太腿を閉じようとした。しかし、そのささやかな抵抗が上げた戦果とくれば、落ちていく自分のショーツを裏返しにするという余りにも虚しい物であった。
ユイの指摘する通りに窮屈であった空間から開放され、寝かされたまま押さえつけられていた茂みがゆっくりと、綿菓子のように膨らむ。上と同じく綺麗なプラチナブロンドだ。
とてもこんな場所に生えている毛とは思えない。ユイがごくりと生唾を飲む。

(な、何か……!何か手立ては……!!)

距離にして1メートルにも満たない所に<クロイツァー>は転がっていた。だが、その僅かな隔たりでさえ今は大河の向こう岸よりも遠い。
いっそ至近距離で魔力をオーバーロードさせてみるか。いや、そんな子供騙しを食らう相手ではないだろう。大体、こんなコンディションで成功するものか。
助けも来ない。彼女が今夜ここにいる事を知る人間も皆無。万が一来訪者があるとすれば、前日の騒動で見回りを強化している警備員か、それに準じる学校関係者か。
いずれにせよ、無用な犠牲者が増えてしまうだけだ。

(万策………、尽きたか)

ひゅん、とユイの舌が風を切る。足首から引き抜かれ、そこに絡め取られていたショーツは、無造作に放り投げられ宙を舞う。
落っこちた場所は十字架の天辺。磔にされた救世主の頭に下着がパサリ。

「じゃ、エミィ。―――ボチボチいくよ?」

「………………っ」

手の平の温もりが離れる。ユイは両腕を交差させ自分の衣服に手を掛けた。いよいよ肌を重ねるつもりらしい。
初っ端からデスパイア形態で襲われないだけでもマシだと受け止めるべきかもしれないが、どのみち行為がエスカレートすればそんな事は関係なくなるだろう。暴走したユイが止まらないことは以前思い知らされた。
こうなった以上、覚悟を決めて耐えるか、空っぽな人形になって流されるか、それともいっそ受け入れてしまうか。決断しなくてはならない。なんて幅の無い選択だ。

259:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:11:24 rgDc23sX
(ナツメ、………ごめんなさい)

最後の最後で一番気掛かりなのはやはり彼女の身だった。ナツメはこれから一人きりでデスパイアと戦わなければならない。いや、その前にきっとエミリアのことを捜し回るのだろう。そして何時かは知ってしまう。エミリアはもう、帰って来ないのだと。
その時、彼女はどうするだろうか。いっそ天使の責務を放棄してくれれば安心出来るのだが、残念ながらそんな子ではない。

(マルーシャ。せめて、貴女がいてくれればね………)

それも無理な願いだった。腐れ縁という言葉が最も相応しい友人は今、地球を半周近くした場所に居る筈だ。結局、最悪の選択を尽く積み重ねてしまった。
これから始まる辱めは、恐らくそんな自分への罰なのかもしれない。不埒で厳かなペッティングは遂に凌辱へと移行する。

――――くちゅ。

「うあ……ッ!」

二股に別れた舌が左右から挟み込むようにしてクリトリスを舐め上げた。めくるめく快感にエミリアの身が竦み、ユイの手に爪を食い込ませ、真っ赤な引っ掻き傷を創る。
だが、その裂傷さえもユイの肉体はチョークの文字を黒板消しで撫でるように一瞬で再生して掻き消してしまう。そして………。

――――ぐに………、ぐ、ぐ、ぐ。

「や、待ってユイ!そ、そこは………!!」

「えへへー。なんかヘンなトコロに入っちゃいそうだねぇ。エミィが引っ掻いたりするからだよー?」

「………んな!?――――ひぐッ!!」

――――ぐ、ぐ、ぐ………ぐちゅん。

「いっ、……………嫌ぁぁぁぁぁぁあっ!!!」

ユイの舌が貫いたのは後ろのすぼみ。エミリアのお尻だった。

「ゆ、ゆ、ユイぃ!!お願い、後生だから抜いてぇっ!!い、痛い!痛いの!!」

「だーめ。さっきの、お、か、え、し♪今夜は一晩かけてココを私とエミィの愛の証に昇華するんだから」

「あぐ!!駄目っ!私そこ、だっ駄目!!お願いだから許して!許して、ユイ!!」

「あーあー、暴れると擦れちゃうよ?いーからここはプロに任せなさいって。この日の為に他の女で何人も練習して来たんだし。ね?」

入り込んだ異物を必死に締め出そうとするエミリアの括約筋が徐々に押し広げられていく。ズチュズチュという響きの間に、時折肛門を空気が通過する下品な音が混じった。
絶叫に次ぐ絶叫で危険信号を発する声帯。だがエミリアの体で満足に機能するのはもう喉だけ。だから彼女は叫ばずに居られない。逃れられないと解っていても、虎に捕まった雌鹿は啼かずには居られないのだ。

260:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:15:32 rgDc23sX
「あ、くぅぅ……。あぁ!ひぁぁぁあ……っ!!」

狩る者と狩られる者は完全に逆転した。魔物を狩る猟師たる天使が今、化け物の首輪に繋がれている。
あられもなく喚き散らすエミリア。その無様な姿はユイはちょっと不愉快だった。何かが違う。自分の欲しがっていたエミリアは、もっと甘く切ない声で懇願したハズだ。
まあ、あれから大分経つ。長い戦いで少し荒んでいるのだろう。それなら自分が彼女を昔の気高くて可愛らしいエミリアに戻してやれば済む話だ。とりあえず、この喧しい口を塞いでしまおう。
エミリアのアナルを嬲る舌を垂れ流したまま、ユイが自らの唇でエミリアの口腔を塞ごうとしたその瞬間だった。二人の前に、今夜第一の訪問者が現れたのである。



バタァァァァァァァァア………ン。



「――――え!?」

「………ン?」

轟音と共に開け放たれる礼拝堂の扉。エミリアは勿論、ユイもがそちらに首を回す。息を切らせて、その向こうに立ち尽くしていたのは一人の少女。大きく肩が上下する度に、背中まで伸びた綺麗な黒髪が闇にアーチを描き踊る。

「………う、ウソ………」

乱入者の正体はここに来る筈の無い人物。この街の守護者であるもう一人の天使。

「――――ナツメ!?」



真っ先に視界に飛び込んで来たのは荘厳な美しさのステンドグラス。吹き荒れた破壊の大渦に巻き込まれ半分以上が砕け散った今でも、当時の技術の粋を凝らした秀作はその輝きを失っていない。平時であればそれこそ見る者から一様に溜め息を奪った事だろう。

だが、その神秘的芸術も数秒たりと彼女の視線を繋ぎ止めておく事は出来なかった。礼拝堂を満たす空気はその厳かな装飾とは相容れぬ背徳的な女の匂いに染まり切り、
そしてナツメの瞳はその下で裸で寝かされている親友と、そこに馬乗りになっている少女に吸い寄せられていたからだ。

「エミィちゃん!!」

すぐさま彼女は右手を天蓋に届けとばかり振りかざし唱える。

「エンジェライズ・クラッシャーレボリューション!!」

闇を切り裂くまばゆい閃光と共にナツメの姿は一変。その輝きが引いた時、光の中から現れたのは純白の衣装に身を包み、巨大なスレッジハンマーを携えた一人の天使であった。

「へぇー………、“エミィちゃん”ねぇ?」

その姿を見咎めたユイは目を細め、肛門に挿し込んでいた舌をジュルリと回収すると、ドスの利いた声でエミリアの顔を覗き込んで来た。

「エミィ……。あの子、だーれ?」

不味い。確かに助けは来た。だが、それは同時に最悪の二人が顔を合わせてしまった事を意味する。一体誰がナツメを此処に?いや、とにかく今はそれどころではない。

「エミィちゃんから離れなさいっ!!」

そんなエミリアの気持ちも知らず、ナツメは怒りも露に宣言し既に臨戦態勢である。逆立った柳眉。食い縛られた歯がギリッと鳴る。こうなるともう万全な体勢のエミリアでさえ容易には止められない。

「いーやーよ、って言ったら?」

ユイの挑発。それに向かう返事は無かった。何故なら次の瞬間には、ナツメの身体は砲弾の様に弾け一直線に突っ込んでいたからだ。
螺旋状の魔力を纏い高速で飛来する彼女は今やライフリングを施した砲身から打ち出される人間弾頭。
この突撃に巻き込まれれば自動車だって一瞬でスクラップと化し紙屑のように宙を舞っていただろう。

261:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:17:05 rgDc23sX
「でぇぇぇぇえ、やぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!」

礼拝堂全体に荒れ狂う竜巻。咆哮する魔力に全運動エネルギーを上乗せした横殴りの一撃が放たれる。
インパクトの巻き添えを食らった周辺の信徒席は、ベキベキと床から引き剥がされ、木枯らしに攫われる落ち葉のように四散し壁に突き刺さった。
だが、振り抜いた<フロムヘヴン>からは一切の手応えが伝わって来ない。

「あらあら、タチの悪いケダモノが紛れ込んだものね。一体何処から脱走してきたのかしら」

冷淡な罵声が演台の上から浴びせられる。つい先程までエミリアのお腹の上に跨っていたユイは軽々と飛び退り、空振りに終わった天使の姿を見下ろしていた。脱ぎかけた衣服のボタンを興醒めと言いいたげな態度で元に整えていく。

「ねぇ、エミィ。この子誰って訊いてるんだけど?」

軽い放心状態だったエミリアがハッと我に返る。なにせナツメの攻撃は、仰向けで寝かされている自分に馬乗りになっていた敵目掛けて放たれたのだ。流石に生きた心地がしなかった。
ビル解体用の鉄球のような一撃が水平スイングで頭上を通過。ナツメの強烈な踏み込みが、頭のすぐ傍で床を打ち抜いた瞬間など、鼓膜が破けてもおかしくなかった。

「大丈夫!?エミィちゃん!?」

あまり大丈夫ではないが文句を言ってもいられない。僅かであれ時間を稼げたのは確かなのだから。しかし、エミリアはナツメに命じなければならない事がある。自分の身を思えば賢明とは言い難い決断だが、彼女をユイの毒牙に掛けさせる訳には行かない。

「ナ、ナツメ………。私はいいから、早くここから逃げなさい………!」

しかし、今日ばかりはお約束の戸惑いをナツメは見せなかった。

「嫌!絶対嫌!!」

断固拒否。まるでエミリアの言葉を予測済みであるかのように、梃子でも動かぬ装いでナツメは宣言する。その彼女らしからぬ強い語調にエミリアの心臓は小さく跳ねた。ナツメの怒りが、半分は自分に向けられている事を感じ取ったからだ。

そうだった。ナツメに何ひとつ伝えず勝手に死地に赴いたのは他ならぬ自分だ。置いてけぼりを食ったナツメの心中は察するに余りある。そしてその心の乱れは、ユイを前にして致命的な隙を生み兼ねない。
不味い。甚だ不味い。何とかして止めたい。だが、事態はそんなエミリアの都合など露ほども省みず進む。

――――ヒュン。

二人の間を割るようにして、一振りのナイフが床に突き刺さった。重装備に似合わぬ軽やかなステップで飛来物を避けるナツメ。
その視線は既に友人を破廉恥な姿にした敵へと向けられている。

「なかなか見せ付けてくれるじゃない。知らなかったわ。日本にもハイエナは棲んでいたのね」

「………貴女がユイさんですか?」

「さあ、どうかしら。役所にでも問い合わせてみたら?」

ギリっとナツメは奥歯を噛む。

(――――いけない。落ち着け、私!)

ハンマーの柄を握り締めるか細い手には血管が浮いていた。

「まったく、エミィも隅に置けないわね。私から逃げ回って何をしているかと思えば、こんな子と遊んじゃって。あらやだ、なんかムカムカしてきちゃった。胃薬ない?」

おどけた語気とは対照的に、冷え切った二つの瞳孔がエミリアとナツメを貫いている。

「……ユイさん、今日のところは引き下がって頂けませんか?」

「そんなツレない事言わずにさぁ。ナツメちゃんだっけ?貴女が普段エミィと何してるのか、私にもじっくり教えてよ。お泊り会とかしてるんでしょ。ンでやっぱお揃いのパジャマとか。ね?」

「退く気が無いなら黙って下さい。………じゃないとその顔、潰しますよ」

「あらま物騒。で、どうやって?」

無言のまま、ナツメは<フロムヘヴン>をジャキリと構える。

262:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:18:16 rgDc23sX
「なーる。一人で出来るモン、ってヤツね」

自分に射殺すような目線を投げかけて来る少女を、ユイは鼻でせせら笑う。黒く濁った瞳はもう何も映していない。右手に握り締められたマシェットが妖しい輝きを放ち始めた。

「やめてユイ!ナツメは関係ないわ!!」

「相変わらず嘘が下手ね、エミィ。どう見たって………―――泥棒猫でしょうがアッ!!!」

怒号と共に、ユイの立っていた床がゴシャッと陥没する。鋭く床を蹴った堕天使は一陣の風となり………。

(………き、消えた!?)

既にナツメの視界にいない。その直後、彼女の聴覚が拾ったのは、悲鳴にも似たエミリアの一声だった。

「ナツメぇ!うしろッ!!」

「………―――え!?」

日頃の訓練の賜物だった。条件反射で180度回頭し<フロムヘヴン>を突き出すナツメ。瞳を眩ます豪快な火花。間一髪の差で繰り出されたスレッジハンマーの柄は<ヘンゼル>の一閃を受け止めていた。
すぐさま鍔迫り合いに持ち込もうとナツメは膝に力を込めたが、彼女の対応よりも早くユイの爪先は床を蹴り、その上体に強烈な右ハイキックを見舞う。

「………きゃあッ!」

埃を盛大に巻き上げ、純白のドレスに身を包んだ天使は無様に転がされる。体勢を立て直し頭を上げたその瞬間にはもう、ユイは眼前まで肉薄していた。
脳の返事を待たず飛び退った身体を、マシェットの一閃が掠める。半秒遅れていれば、ナツメの両目は顔から引き剥がされていただろう。シャンプーの香りを残した前髪が数本、はらりと宙を舞った。
そのまま次のバックステップを繰り出し、一旦仕切り直そうとするナツメ。だが、対する堕天使は僅かな勝機も逃さず、戦いの流れを我が物にせんと踏み込んで来る。

(―――は、疾い!!)

鉄塊を振り上げたナツメの間合いをつむじ風の如く侵略。<フロムヘヴン>を打ち下ろそうとする彼女の腹部に、欠片たりとも容赦を宿さぬ掌底が叩き込まれた。

「………あうっ!!」

二度目の悲鳴をと共にナツメの身体は前回の倍近い速度で床に打ち付けられる。苦しい。危うく視界がブラックアウトしかけた。まるで肺の中を循環していた全ての気体が逆流したようだ。
辛うじて意識を繋ぎ止めたナツメの前で、ユイは先刻投擲したナイフ<グレーテル>を退屈そうに床から引き抜く。

「ハァ……、ハァ……、ハァ……、くっ!!」

「あら、起きてたの?」

「……ま、まだよ!これっくらいで、これっくらいで私は負けたりしないんだから!!」

「ならどれっくらいで負けてくれるのかしら?」

投げ掛けられる言葉を無視し、大きく床を蹴るナツメ。ミドルレンジから一気に間合いを詰め、今度はゴルフスイングのように<フロムヘブン>を打ち上げたのだ。当然の如く後退し、唸るモンスターウェポンを脇目で見送るユイ。だが、そこでナツメは更に一歩踏み込む。

263:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:20:04 rgDc23sX
「ぜやぁぁぁぁぁあッ!!」

振り抜いたハンマーが豪快に蒸気を噴き出し主人と共に咆哮。単発で仕留められないならば連撃で。一発目のスイングの最高到達点から、流星の如くその怪物は打ち下ろされた。



ズズゥゥゥゥゥゥゥウ………ン。



だが、床に大穴を空けたインパクト地点に、敵の姿は既に無い。

「マニュアル戦術ね。衣装通りのオメデタちゃん」

「―――っ!?」

「遅いッ!!」

世界がフラッシュバックした。前髪が触れ合うような至近距離から放たれたのは、恐らく肘鉄。もう確証は無かった。ナツメはただ倒れ込みながら、これだけの衝撃を受けても内容物を引っ繰り返さなかった消化器官に感謝する。
精神の叱咤激励も用を為さず崩れ落ちる身体。必死の思いで突いた片膝も、その身を支えるには至らなかった。

遠い。遠過ぎる。一体何なのだ、この差は。

靄の掛かった思考に、コンビネーションのピリオドが打ち下ろされる。ユイの踵だ。
脳裏を掠めるのは既に前日になっているマルーシャとの会話。



“―――アンタとユイじゃ勝負にならない。実力キャリア共に差が有り過ぎる”



その言葉に描かれていた未来図を、ナツメは後頭部への衝撃と共に味わった。



「な……、ナツメ……」

さながらオセロゲームのように、クロスレンジで踊り乱れる白黒の天使たちを、エミリアはただ眺めている事しか出来ずにいた。勝負の行方は火を見るよりも明らかだ。ボードの上は黒一色で埋め尽くされようとしている。
打撃ばかりだったユイの攻撃に、徐々に斬撃が混じり始めた。フィニッシュが近い。左右の刃物が交錯し唸るたびに、ナツメの纏う純白のコスチュームが少しづつ切り裂かれていく。

264:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:22:07 rgDc23sX
エミリアには分かる。ナツメにはユイの動きが全く見えていない。いや、そもそも彼女を人間の動体視力で追いかけろと言うのが無理な注文なのだ。
電光石火の堕天使を唯一補足できる物はレーダーでも光学探査装置でもない。そう、魔力の流れだ。
そして、その芸当が今のナツメに期待出来ない事もエミリアには解っている。それこそが今のナツメに一番欠落している要素、つまり経験によって養われる力だからだ。

「………く」

全身を冒す毒は今なおエミリアを支配して放そうとしない。全力で中和を試みているが、敵もさるもの。この状態で身動きを取るのは容易ではない。
だが、後輩が殺されそうになっている時、裸で転がされていましたなんて、そこまで無様な天使には成り下るのは真っ平ご免だ。

最悪の場合、自分はこの事態の責任を取らなければならない。つまりそれは、仲間を救う為に進んでユイにその身を委ねるという事を意味する。ナツメは絶対に良しとしないだろうが、どの道、事がそこまで至る頃には彼女の意識はあるまい。

だがその前にひとつ、ひとつだけやっておかなけらばならない事がある。

震えながらも辛うじて機能する両腕を酷使し、彼女は床の上を蝸牛のように這い進む。剥き出しの肌にこびり付く煤けた粉塵さえも、エミリアの意思を削ぐ事は出来ない。彼女の目指す先はその先の一点。そう、相棒<クロイツァー>の転がる場所。

一矢報いる。そう、文字通り一矢だ。

「――――あうッ!!」

ナツメの悲鳴。重たい物が転がる音。残されている時間はもう少ない。震える指先がありったけの力を込め、埃まみれの床にその存在を刻み込む。
総ての迷いをかなぐり捨て、波に洗われた思考の浜辺に取り残されたのは、たった一つの疑問だった。

(そう言えば………、ナツメはなぜユイの名を?)

265:戦いは数だよ@兄貴!!
07/09/12 14:24:33 rgDc23sX


第一印象通り、嫌な娘だ。

これだけ打ち込んでも、まだ立ち上がる。原子炉でも積んでいるのか、こいつは。
ナツメとか言う天使は明らかに疲弊している。現に呼吸は今すぐ落ちても不自然でないほど荒い。だが、その奥で確かに脈打つ不可視の鼓動。
そう、魔力の方は戦闘開始から全くと言って良いほど磨り減っていない。実に化け物じみたキャパシティ。
一撃入れる度に、内部から反発するような恐ろしい感触が跳ね返ってくる。まるで巨大なダムでも蹴飛ばしているようだ。

無駄にデカイ金槌の柄をナイフで捉え、ガラ空きになった脇腹に膝蹴りを見舞い、本日これで七度目のダウンを奪う。
だがやはり敵は立ち上がる。そしてその瞳には一切の迷いが無い。
大振りな攻撃。創意工夫に乏しい組み立て。戦場を選ばない浅はかさ。どれをとってもド素人。丸裸のルーキーだ。
だが、コイツはひとつだけ心得がある。そう、諦めこそが人を殺すという事を知っている。生死の境は既に経験済みと言う事か。

率直に言う。危険だ。

この娘の攻撃力は凄まじいが、幸いにも技量の方はユイに命中させるに程遠い。だが、もしもの話。この雷神トールの鉄槌にも似た一撃がユイに届くレベルまで完成されたとしたら――――。

殺す。ここで殺して置くに限る。ヒナ鳥はいつまでもヒナ鳥ではない。どの道このまま放って置けば、このナツメとやらは、かつてユイが居たポジションを完全に自分の物にしてしまうだろう。
現に先程のやり取りを見れば、彼女が既にエミリアの中で相当なウエイトを占めている事は疑う余地が無い。そうだ。翼をもぐなら今しかない。

(――――来た)

突進からの一撃。今度は横スイングか。いやはやレパートリーに乏しいシェフだ。ボクサーよろしく軽く上体を反らすだけで、暴風はユイの身体を寸分も掠める事無く通過していく。
それでは決めるとしよう。狙うは左の首筋。攻撃は<グレーテル>。ついでに<ヘンゼル>で鳩尾から心臓を一撃しておくか。念は入れるに限る。

(さあナツメ、サヨナラだ)

だが、会心の笑みと共に振りぬかれる筈だった一撃はその道半ばで止まる。

――――ガキィィィィィイン。

「………っ!?」

彼女の想い人、エミリアの手で放たれた希望の光によって。


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