【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part7【改蔵】at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part7【改蔵】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/08/11 08:43:42 IUHSesRp
2ゲト
>>1

3:名無しさん@ピンキー
07/08/11 09:47:10 YsA07BCU
乙ね

4:名無しさん@ピンキー
07/08/11 13:05:58 +MYY2ZTM
<<1乙

5:名無しさん@ピンキー
07/08/11 21:27:18 gDESaJ7p
>>1
今、乙しに行きます

6:名無しさん@ピンキー
07/08/12 01:58:36 ccZlJWt9
>1


7:名無しさん@ピンキー
07/08/13 18:41:53 v5y/gpNR
新スレになってからいきなり閑古鳥になったな

8:名無しさん@ピンキー
07/08/13 18:53:28 FjtevWD/
そうだそうだ。大体、どうしてそろそろ1週間も経ちそうなのに、
一度逃げ出したペット(先生)に性的お仕置きを加えるあびるのSSが来ないんだ!

9:前430
07/08/13 19:18:44 n6B6AJZj
こんにちは前スレ430です。
先生×可符香の妄想が依然止まらず、連投気味ですが投下させていただきます…。
あびるでなくてすいません(^_^.)

以下、ご注意下さい。
1 可符香の本名は「赤木杏」で、微妙な欝過去設定(?)ありです。
2 久藤君も微妙な設定が入っています。
3 何気に前スレの>>618>>640の続きになっているやも。
4 ぬるいですが、無理矢理…な場面があります。
以上の点にご不快を感じられる方はスルーでお願いいたします…。


10:惑い1/20
07/08/13 19:19:34 n6B6AJZj
可符香は、放課後、人のいない教室でため息をついた。

先日、可符香は担任教師の望と想いを通じ合わせ、結ばれた。
しかし、教師と生徒という立場もあって、2人の恋愛には問題が山積だった。

そもそも、2人きりで会うこと自体、難しい。
望は、相変わらず宿直室に住み暮らしていたが、人気者の望の元には
ひっきりなしに生徒が訪ねてくる。
また、生徒がいなくても、そこには一緒に暮らす甥の交がいた。

さらに、やっかいなのは、常に望につきまとっている少女だ。
男子トイレにまで付いてくる彼女を撒くのは、並大抵のことではなかった。

しかし、可符香が今心を悩ませているのは、そのことではなかった。

望の様子が、最近おかしいのである。
何とはなしに、2人きりで会うことを避けているように感じられる。
教室でも、あえてこちらを見ないようにしているようだ。

可符香は、もう一度ため息をついた。

と、
「杏ちゃんがため息なんて、らしくないね。」
後ろから声をかけられ、可符香は振り向いた。
「准君…。」
そこには、クラスメートの久藤准が立っていた。


11:惑い 2/20
07/08/13 19:20:22 n6B6AJZj
准は、やはりクラスメートの日塔奈美とともに、可符香の幼馴染であった。
特に准は、可符香が、両親が自殺した後に引き取られた叔父の一家とも
家族ぐるみの付き合いをしていたせいで、非常に親しい間柄であった。

そして、彼は、可符香の辛い幼年時代を知る唯一の友人でもあった。

2人は、クラスメートの前では「風浦さん」「久藤君」と呼び合っていたが、
2人きりになると、昔の呼び名が口をついて出てくる。

可符香は口を尖らせた。
「その名前で呼ばないでって言ったでしょ。嫌いなの。」
「ああごめん、つい。」
准は笑いながら、可符香の隣の椅子に腰を下ろした。

「で、何をそんなにアンニュイになってるの?」
「…准君には関係ないことです。」
「あ、ひどいな。それが幼馴染に言う言葉?」
言葉とは裏腹に、准は笑顔で可符香を覗き込んだ。

「もしかして…恋の悩み?」
「え…。」
突然の直球に、可符香は思わず素の反応をしてしまった。
「ああ、やっぱりね、そうじゃないかと思ってたんだ。」
准は嬉しそうにうなずいた。

「そ…。」
可符香は焦りながら言葉を探した。
どうも、准相手だといつもの仮面をかぶることができない。


12:惑い 3/20
07/08/13 19:20:58 n6B6AJZj
准は片目をつぶった。
「だって、杏ちゃん、最近きれいになったもの。」
「…最近って、今までは不細工だったってこと?」
可符香は、なんとか、体勢を立て直そうと反撃に出た。
「あはは、昔から十分可愛かったよ。性格には問題ありだけど。」
「何それ!それに、杏って呼ばないでって言ったでしょ!」
可符香が准に向かって両手を振り上げると、准はその手を捕らえて持ち上げた。
そのままの格好で、2人で笑いあう。
いつもの、おふざけだった。

カタン。
入口で物音がして、2人は振り返った。

「あ…。」

そこには、やや青ざめた顔で立ち尽くす、担任教師の姿があった。

「先生!」
可符香は、意識しないままに准の手を振り払い、望に駆け寄った。
しかし、望は、可符香の顔を見ようとしなかった。

「わ、忘れ物をしたので…。」
望は口の中で呟くと、教壇の中からガサガサと書類を引っ張り出した。
そして、
「久藤君、風浦さん、2人とも、遅くならないうちに帰るんですよ。」
2人を見ずに言うと、足早に教室から立ち去っていった。

「…変な先生。」
准は首をかしげて呟いたが、可符香は、教室の入口を向いたまま、立ち尽くしていた。


13:惑い 4/20
07/08/13 19:22:00 n6B6AJZj
望は、わき目も振らず、学校の廊下を歩いていた。
脳裏には、今しがた目撃した可符香と准の姿が浮かんで消えない。

楽しそうに手を握り(望にはそう見えた)、笑い合う若者達。
なんの屈託もない、明るい笑顔だった。

望は、ため息をつくと歩調を緩めた。
――私といるときは、彼女はいつも、どこか切なそうな顔をしている。
――あんなに底抜けに明るい笑顔は見せてくれなかった。

廊下の窓から、夕陽に照らされた校庭を眺める。
可符香が、とぼとぼと歩いているのが見えて、心がきり、と痛んだ。
と、そこに後ろから准の背の高い姿が追いつき、可符香に並んだ。
「…!」

夕陽の中、肩を並べて帰る2人の姿は、余りにも似合いだった。
望は、ここのところ、ずっと心に渦巻いている疑問が頭をもたげてくるのを感じた。

――私は、彼女にはふさわしくないのではないだろうか。
――私の、この想いは、彼女にとって重荷なのではだろうか。
――私の存在は、彼女を苦しめているだけなのかもしれない…。

望は、のろのろと窓から顔を背けた。
ゆっくりと階段を下り、渡り廊下を抜けて中庭に出る。
そして、木の下のベンチに腰を下ろすと、ぼんやりと自分の両手を見つめた。

太陽は、すでに地平線に沈み、あたりは次第に闇が支配してきた。
それでも、望はその場を動こうとしなかった。


14:惑い 5/20
07/08/13 19:22:39 n6B6AJZj
すっかり暗くなった夜の中庭で、
「先生…。」
背中を丸めた望の後ろから、ひそやかな声が上がった。

「常月さん…いたんですか。」
望は振り返りもせずに呟いた。
「…はい、ずっと。」
まといが、背後の木の陰から姿を現した。

まといは、うつむく望の前に立つと、口を開いた。
「先生…先生と、可符香さんは、相容れませんよ。」
「…!」
望は、弾かれたように顔を上げた。
「可符香さんは、太陽の…光の人なんです。私達とは、根本的に違う人種なんです。」

「私は…。」
望はかすれた声を出したが、まといは厳しい口調で首を振った。
「私達のような人間は、光にあこがれても、所詮は交わることはできないんです。
 闇は、影となって光を引き立たせるだけの存在…。」

望は、小さくうめくと、両手に顔を埋めた。

まといは、そんな望をしばらく哀しげに見つめていたが、
そっと、その頭を抱え、胸に抱きしめた。


15:惑い 6/20
07/08/13 19:23:18 n6B6AJZj
翌日の放課後、望に、スクールカウンセラーである智恵から呼び出しがかかった。
「糸色先生…。ちょっと。」

可符香は、その日、何とか望と会話しようとしていたが、ことごとく避けられていた。
そこで、智恵に連れて行かれる望を見て、一瞬ためらったがその後を付いていった。
SC室のドアの隙間から、こっそり中をのぞく。

「先生と常月さんの特殊な関係は、私も充分に理解しております。」
智恵は椅子に足を組んで望に向き合っていた。
「はあ…特殊、ですか…。」
いぶかしげな顔で返事をする望に、智恵はボールペンの先を突きつけた。
「しかし。夜の校庭で生徒と抱き合う、ということまでは、
容認することはできません。」

「――!」
可符香は息を止めた。
今聞いたことが信じられなかった。
――先生と、まといちゃんが、夜の校庭で、抱き合っていた…?

望は焦った様子で手を振った。
「いや、抱き合うといっても、あれは…!」
「…主観的にはどうあれ、客観的事実が存在したことは、お認めになるのですね。」
智恵の冷静かつ事務的な声が響く。
望は、ぐっと詰まった。


16:惑い 7/20
07/08/13 19:24:18 n6B6AJZj
ドアの外の可符香の頭の中は、さまざまな感情が渦巻いていた。

まといが望に付きまとっていることは、もちろん知っていたが、
それはまといの一方的な行為に過ぎなくて、
望は、まといに対しては何ら特別な感情は持っていない、と思っていた。

しかし…最近の望の、自分を避けようとする行動…。
あれは、もしや…。

――どうして、否定しないの、先生…!
可符香は、ドアノブを強く握り締めた。
と、そのとき、背後に人の気配を感じ、振り返った。

そこには、袴姿の少女が、冷ややかな目で可符香を見つめていた。



どこをどうやって歩いてきたのかよく分からない。
まといの視線から逃げ出した可符香は、校内をふらふらとさ迷い歩いていた。

――なんで、私、逃げたりしたの。
――ポジティブに生きるって、決めたんじゃなかったの。
――先生…。どうして…。

いろいろなことが頭の中で錯綜して、何も考えられなかった。
――静かで、落ちついたところに行きたい…。

気が付くと、可符香は図書室の扉を開けていた。


17:惑い 8/20
07/08/13 19:25:03 n6B6AJZj
「杏ちゃん、どうしたの!?」
扉の先にいたのは、驚いた顔の幼馴染。
――あ、そっか…図書室だもんね…。

可符香は、そのまま力なく、手近のベンチに崩れるように座り込んだ。

「どうしたのさ、元気ないね?」
准がカウンターを回って可符香に近づいた。
「なん、でも、な…。」
答えるそばから、涙が溢れてきた。
「え、ちょっと!?」
准は、慌てて可符香の隣に腰を下ろすと、下から可符香を覗き込んだ。

「もしかして、彼と何かあったの?」
「…。」
「黙って泣いてるなんて、杏ちゃんらしくないよ。」
「…。」

可符香は、首を振った。
――もう、杏って呼ばないでよ!
いつものように明るく返したかったが、声が出なかった。

准は、優しく可符香を抱き寄せると、少し怒ったような声で言った。
「杏ちゃんをこんなに苦しめるなんて、いったいどこのどいつなんだ。」

と、そこに、
「まったく、濡れ衣もいいとこです…。」
ぶつぶつ呟きながら、図書委員の顧問である望が、図書室の扉を開けた。


18:惑い 9/20
07/08/13 19:25:51 n6B6AJZj
准は、望が入ってきたとき、図書室の入口に背を向けていた。

ただ、腕の中にいる可符香が、入口の方を見て体をこわばらせたため、
――こいつか。
ある種の直感を持って、険しい顔で振り向いた。

しかし、そこにいたのは、思いもよらない人だった。

――まさか…。
准は、信じられない気持ちで、腕の中の可符香と望を交互に見やったが、
昨日の望の態度、そして、ここ最近、2人が余所余所しかったことを思い出した。

――相手は、先生、だったのか…。
そう考えると、全てが腑に落ちるようだった。

准は、ショックを振り払うように頭を振ると、望に向き直った。
「先生…お話があります。扉を、閉めていただけますか。」

――先生だろうと、杏ちゃんにこれ以上の傷を負わせることは、許さない!

准は、可符香が幼い頃、辛い体験をしているのを薄々と知っていた。
可符香が、超ポジティブ思考になったのが、その反動であることも。
だから、余計に、そんな可符香に辛い思いをさせる男は許せなかった。

望は望で、呆然と、准に抱きすくめられている可符香を見つめていたが、
准の挑戦的な声音に、す、と目を細めた。

そして、後ろ手に扉を閉めると准に向き直り、冷たい目で准を見た。
「…扉は閉めました。聞きましょう、あなたの『話』とやらを。」


19:惑い 10/20
07/08/13 19:26:44 n6B6AJZj
准は、担任の冷たい視線にややひるんだが、息を吸い込んで望を睨み返した。
「先生は、杏ちゃんを悲しませてます。
 杏ちゃんを幸せにできないようなら、杏ちゃんから、離れてください。
 …杏ちゃんは、僕が、もらいます。」

これを聞いた可符香が、抗議するかのように口を開いたが、
准は手を上げてそれを制した。
――先生の答え次第では、僕は、先生を許さない。

しかし、望は、准の言葉には答えず、まぶしそうな目で准と可符香の2人を見比べた。
「杏ちゃん…ですか。あなたは、彼女を、そう呼んでるのですね…。」

准は、関係ない話をする望に苛立った。
「先生、僕は…。」
「分かりました。」
望が、静かな口調で准の言葉を遮った。
「え…。」

望の口調は、平静なまま、変わらなかった。
「分かりました、と言ったのです。私は、風浦さんにはふさわしくない。
 いさぎよく身を引きましょう。」

准は、ぽかんと口を開けた。
そこに、
「――先生!」
可符香が大声を上げた。

「なんで、そんなこと言うんですか!?まといちゃんがいるから!?
 …私は、先生にとって、一体なんだったんですか!?」


20:惑い 11/20
07/08/13 19:35:19 n6B6AJZj
「まとい…?」
望は、怪訝な表情で可符香を見たが、次の瞬間、はっとなった。
「先ほどの話を、聞いていたのですか…。」
可符香は目に涙を溜めて、無言で望を睨み据えている。

望は、可符香から目をそらすと、カウンターを指でなぞりながら、ぽつりと言った。
「…常月さんのことは、完全な誤解ですよ…。」
「じゃあ、どうして、身を引くなんてこと、言うんですか…っ!」
可符香の涙声に、望の指の動きが止まった。

「…私は、あなたにふさわしくない…。」
「うそつき!」

望の言葉は、可符香の激しい叫びにかき消された。
望は、驚いたように顔を上げた。
准も、思わず横にいる可符香の顔を見た。

可符香は、瞳から涙をこぼしながら叫んだ。
「そんなきれいごとなんか、聞きたくない!先生も他の大人と一緒、
 結局、私を、おもちゃにして遊びたかっただけじゃないですか!」

「な…!」
望が、端からはっきりと分かるほど青ざめた。

「あなたは…。」
望の声は震えていた。
「私が、あなたを、おもちゃにしていたと…?」


21:惑い 12/20
07/08/13 19:36:36 n6B6AJZj
望は、可符香の方を向いたまま、押し殺した声で准に告げた。
「久藤君…申し訳ありませんが、席を外してもらえませんか。」
「え…何…。」
「ここから先は、私と風浦さんの問題です。部外者には立ち入ってもらいたくない。」
准は、抗議しようと口を開けたが、望を見て、そのまま立ち竦んだ。

――これは、本当に糸色先生なのか…?

いつもぼんやりとあらぬ方向を見ている瞳は、激しい感情を宿して緑色に煌いていた。
青ざめた肌に冷ややかな怒りをまとったその姿は、近寄り難いオーラを放ち、
普段、生徒達にからかわれ、めそめそしている担任の姿とは程遠かった。

――杏ちゃんの言葉は、先生を、ここまで怒らせることができるんだ…。

准は、思わず自分の立場を忘れて望の姿に見入ってしまっていた。

呆けていると、低い、抑えた声が再び准の名前を呼んだ。
「…久藤君。私の言ったことが聞こえましたか?」

准は、はっと我に返ると、可符香を振り返った。
可符香が小さく頷くのを見て、准は、ためらいながらも部屋を出て行った。

図書室を、沈黙が支配した。


22:惑い 13/20
07/08/13 19:37:28 n6B6AJZj
望はゆっくりと可符香に近づいた。
可符香は、思わず後ろに下がった。
――こんなに怒ってる先生、初めて見た。

「…おもちゃだなんて…本気で、そんなことを思っているんですか。」
望の声は、凍るほどに冷たかった。

しかし、可符香は果敢に望に向き直ると、言い放った。
「だって、そのとおりでしょ!
 先生にとって、私なんか、使い捨ての遊び道具に過ぎない…!」

可符香の言葉に、望の瞳がぎらりと光った。
望は、可符香の両手をつかむと、ぐい、と体ごと引き寄せた。
「あなたが、使い捨ての道具ですって…?私が、そう思っていると…!?」
望の、食いしばった歯の間から軋んだような声が漏れた。

可符香が無言のまま反抗的な目で睨み返すと、望は
「…っ!」
小さく叫び、可符香を、ベンチの上に押し倒した。

そして、眼鏡をかなぐり捨てると
「本当にそうかどうか、ご自分の体に聞いてみなさい――!」
可符香の制服に手をかけた。

「――――!!」
可符香の悲鳴は、図書室の厚い壁に吸い込まれ、消えていった。


23:惑い 14/20
07/08/13 19:38:12 n6B6AJZj
望が、可符香の衣服を乱暴に剥いでいく。
――これは、現実なんかじゃない。

いつも、望は、泣きたくなるほどに優しく可符香に触れていた。
しかし、今、望の手は凶暴な凶器と化している。
――これは、夢、悪夢に違いない。

強く抑えられた手首が痛い。
――夢じゃない!

可符香の脳裏に、昔の忌まわしい記憶が蘇り、恐怖に身がすくんだ。

――どうして、どうして、先生…!

望の唇が可符香の肌をまさぐり、紅い花びらを散らしていく。
そのたびに、可符香の口からは小さな悲鳴が漏れた。
――いやだ、こんなことで感じたくない!

しかし、パニックになりながらも、体は、慣れ親しんだその唇や手の動きに、
いつのまにか反応していた。
「っぁああ!」
いきなり胸の先端を強く吸われ、可符香は声を上げた。

足の間に溢れ出てくるものを感じ、可符香は絶望的な気持ちになった。
――どうして…こんな、無理矢理なのに…!


24:惑い 15/20
07/08/13 19:38:56 n6B6AJZj
望の長い指が、可符香の中を乱暴にかきまわした。
「やっ…!あぁああ!」
そのまま、指が可符香の中を抜き差しする。
その動きは性急で、いつものような余裕は全く感じられなかった。

いつもだったら、優しい口付けとともに与えられる愛撫。
しかし、今、望は可符香の顔を見ようとさえしなかった。
――違う、こんなのは、先生じゃない…。

それにもかかわらず、望の指が動くたび、可符香は、体の奥でとめどなく
溢れてくるものを押え切れなかった。
可符香は、必死に歯を食いしばって声を押し殺していたが、
しばらくして、望の指の動きがとまった。

ほっと息をついたのもつかの間、次の瞬間、
望が小さくうめいて、可符香の中に入ってきた。
「!!」
可符香は、耐え切れずに、思わず背をそらして嬌声を上げてしまった。
「ぁぁああああ!」

――いやだ、だめ、こんなのは、いや…!
体が快楽を感じるほどに、心が悲しくて、涙が溢れてきた。

と、可符香は、自分の涙以外に、顔に温かい水滴が降ってくるのに気がついた。


25:惑い 16/20
07/08/13 19:39:40 n6B6AJZj
目を開けて見上げると、望が泣いていた。
可符香を思う存分蹂躙しながら、その表情には、快楽のかけらも見られなかった。
可符香に体を打ち付けるたびに、どこかが痛むかのように顔をゆがめ、
ただ、涙を流していた。

――先生…。

可符香は、ふっと体の力が抜けていくのを感じた。

――ああ、この人は、何て不器用な人なんだろう…。

本当は、心の底では分かっていた。
望は、決して自分のことを、おもちゃとして扱ったりなんかしていない。
それどころか、こんなボロボロになるまで…自分と真剣に向き合ってくれている。
全部、分かっていた、はずなのに…。

――先生は、本当に、馬鹿だ…。そして、私も、馬鹿だ…。

可符香は、そっと望の顔に手を伸ばした。
望は、驚いたように目を見開き、動きを止めた。

可符香は望の涙を指さきでぬぐうと、その頬に手を添えたまま、小さくささやいた。
「先生…愛してる…。」
「――!」
次の瞬間、可符香は、自分の中が望で満たされるのを感じ、気を失った。


26:惑い 17/20
07/08/13 19:40:24 n6B6AJZj
どれくらい時間が経ったかわからない。
可符香が目を覚ますと、窓の外はすでにオレンジ色に染まっていた。

望は、ベンチの端に可符香に背を向けて座り、両手に顔を埋めていた。

可符香はゆっくりと起き上がると、そっと望に声をかけた。
「先生…。」
望は、両手から顔を上げた。

「…申し訳、ありませんでした…。」
望は、可符香を振り返らずに、小さく呟いた。
「…。」
「謝って、すむことではありませんが…。」
「…。」
「…私は、明日、辞表を出します。そして、二度とあなたの前には現れません…。」

「…学校を辞めるんですか?」
可符香は、尋ねた。
「学校を辞めて、どうするんですか?」
「…。」
「富士の樹海にでも、行くんですか?」
「…。」

いつも死んでやる、と大騒ぎしている望が、今、この問いに答えないことが
却って可符香を不安にさせた。

可符香は、大声で叫んだ。
「――先生の馬鹿!」
望は、驚いたように可符香を振り返った。


27:惑い 18/20
07/08/13 19:41:19 n6B6AJZj
「先生は、何も分かってない!
 どうして、いつもそうやって、自分ひとりで結論出しちゃうんですか!」
可符香の目からは涙がボロボロとこぼれていた。

望は、そんな可符香を呆然と見ていた。
可符香は、手の甲で涙を拭くと、ぐい、と望に迫った。
「だいたい、なんで、先生が、私にふさわしくないんですか…?」

望は体をのけぞらせると、弱々しい声で呟いた。
「わ、私は…年も10歳近く離れていて…いつも絶望ばかりしているし…。」
「年なんて、関係ない!絶望だって、本気ではしてないじゃないですか!」
「…。」
ある意味痛いところを突かれ、望は沈黙した。

「私が、先生のことを好きだって言ってるのに、なんでそんなに大事なこと、
 勝手に決めちゃうんですか!」
可符香は、今や望の胸ぐらをつかんで締め上げていた。

望は、苦しい息の下から抗弁した。
「だ、だって、あなたはいつも、私と一緒のときはあんな風に笑ってくれたことは
 ないじゃないですか…!」
「へ?」
可符香が望の胸ぐらをつかんでいた手を離した。

望は、しばらく咳き込むと、可符香を恨めしそうな目で見上げた。
「昨日、久藤君といるときのあなたは、とても楽しそうだった。
 私と一緒のときは、あんな笑顔は見たことがない…!」


28:惑い 19/20
07/08/13 19:42:08 n6B6AJZj
今度は、可符香が呆然とする番だった。
「先生…もしかして、それが理由で、別れようなんて思ったんですか…?」
「…それだけが、理由じゃないですけども。」

可符香は、はあぁぁぁと盛大にため息をついた。
「先生の…馬鹿。」
「何でですか!?」

可符香は、望の顔を両手で挟むと、自分の顔を近づけた。
「先生…私、今だって先生の側にいるとこんなにどきどきするのに…。
 先生の側で、あんな風に、能天気に笑えるわけないじゃないですか…!」
「え…。」
「先生は、もう少し、乙女心を勉強してください!」

望は、赤く染まった可符香の顔を見ていたが、やがて、ふらりと立ち上がった。
混乱する頭を必死に整理しようと試みているようだった。

と、後ろから、可符香が望に抱きついた。
「先生、もう、いろいろ考えなくていいです。
 …私が、先生のこと、愛してるってことだけ、それだけを知っていてください…。」

望の肩が震えた。

しばらく、望はそのまま立ちすくんでいたが、やがて、おずおずと、
腰に回された可符香の手の上に自分の手を重ねた。
可符香は、幸せそうな吐息をもらすと、望の背中に顔を押し付けた。

しばらく2人は、そうやってお互いの体温を確かめ合っていた。


29:惑い 20/20
07/08/13 19:43:06 n6B6AJZj
図書室からの帰り道、望が、言いにくそうに口ごもった。
「久藤君のことは、どうするんですか…。」

可符香は笑った。
「准君は、単なる幼馴染ですよ。彼は、正義感が強いから、今回のことは、
 妹を守るお兄ちゃんのような気持ちだったんじゃないですか?」
「でも、久藤君だけが、あなたのことを『杏ちゃん』と呼ぶんですよね…。」
まだ何か納得がいっていないような望に、可符香は正面に回りこむと後ろ手に見上げた。

「もう、先生、本当に分かってないんですね。
 私は、自分でつけた、風浦可符香という名前が大好きなんです。
 …そして、先生が、この名前を呼んでくれることが、何よりも嬉しいんです…。」

望は、黙って可符香を見下ろしていたが、次の瞬間、心から嬉しそうに微笑んだ。
可符香は、一瞬、望の笑顔に見惚れると、ふと眉をしかめた。

「だいたい、准君てば…。」

可符香は、出て行けと命じられながら、心なしか頬を染めて呆然と望を見つめていた
准の姿を思い出していた。

「むしろ、これからは…私のライバルになりそうかも。」

望はきょとんと可符香を見た。
「は?久藤君があなたのライバルに?」
「いいえ、こっちの話。」
可符香はにっこり笑うと、伸び上がって望の頬にキスを落とした。


30:前430
07/08/13 19:44:23 n6B6AJZj
おしまいです。
長々とお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

…精進したつもりだったのに、前回よりもエロが減ってる結果に絶望した!
滝に打たれてきます…。

あと、可符香の本名「赤木杏」の由来ですが、元ネタwikiに詳細があります。
あと、久藤君が可符香の幼馴染という設定も、一応、そういう説があるらしく。
90話の「服役中で男手がいない」という友人宅が、可符香の叔父の家という話らしいですが
…こじつけ罪?


31:名無しさん@ピンキー
07/08/13 20:55:42 sSkMIC7i
いや、430氏は最高だね。
小説勝手にいじってすいませ(ry

32:名無しさん@ピンキー
07/08/13 21:07:35 DSOBaFud
相変わらずGJだったよ

33:名無しさん@ピンキー
07/08/13 21:39:38 v5y/gpNR
安定した面白さです

34:名無しさん@ピンキー
07/08/13 23:23:16 KkN04SJR
さりげなく久藤フラグが立ってないか?

35:名無しさん@ピンキー
07/08/13 23:36:02 rS3cITiS
もはや別の漫画って感じだけどそれがいい
GJ

36:名無しさん@ピンキー
07/08/14 01:06:43 SpIa0D9K
良作乙
何気に次回作もありそうな感じがGJ

37:名無しさん@ピンキー
07/08/14 13:43:08 Wbvot4zd
>8
禿同

38:名無しさん@ピンキー
07/08/14 22:35:07 abNrMNUg
GJ過ぎる
誰か・・・・・・・・・この勢いが死なないうちに、誰か・・・・・・・・・!

39:名無しさん@ピンキー
07/08/15 01:56:24 T1068o4i
マーべラス!!
続きを期待せずにはいられないさ
ところで最後の8行程は
久藤君と先生の間にフラグが立ったのか?

40:名無しさん@ピンキー
07/08/15 09:28:44 U0LpX5fN
あぶない!

41:名無しさん@ピンキー
07/08/15 19:30:19 YKUc1Lo7
前スレのOP先生妄想の神の続きを密かに待っているのは俺だけでいい

42:奈美1
07/08/15 22:00:33 Izrlsn2F
 人並みで普通普通といわれる私だが、いわゆる一般的な男女づきあいはそうい
えばもしたことがないなと気づいた。とはいっても正直、変人ばかり固めてでき
たこのクラスで恋とか恋愛なんてことはあるまいと思っていた。

・・・のだが、あろうことか自分の担任に恋してしまった。

 しょせんあたしなんて普通の男と世間一般な模範的恋愛していくんだろーなー
と自虐になってた時もあったが、まさか教師に恋するとは思わなかった。
これはあきらかに普通ではない。

43:奈美2
07/08/15 22:01:54 Izrlsn2F
 糸色望という先生。このクラスの変人の一人。常にネガティブ思考で生徒に迷
惑をかける、お世辞にも素晴らしい先生とは言えない人。
だが端正な顔立ちと若くて生徒たちと年の差を感じることがないためであろうか、
もてる。 男性として、だ。

 つまり私のようにその教師への禁断の恋をしてるのは他にもいるということだ。
かなりオープン的に先生の追っかけをしてる生徒を何人か知っている。
生徒と教師の問題とか年の差などの問題をものともせずに先生にアタックする姿
はあたしから見ても惚れ惚れする。かなわないなぁと思う。

 そんなわけであたしはこの背徳的な感情を表に出さずに今までやってきた。
この強烈なクラスの中ではあたしは大人しいほうだし、先生にもそんなに印象に
残っている生徒ではないと思っているし、あの先生が生徒の思いを受け取るはずがないだろう。
(実際、生徒からの強烈な求愛をことごとくスルーしている)

 倍率も高いし、くわえて生徒と教師。最初からあきらめてる。
恋してるのは自分だけど、他人の恋を見てるようなそんな感じ。
ならばこの普通でない想いを客観的に楽しんでいればいいのだ。そう割り切っていた。

44:奈美3
07/08/15 22:02:36 Izrlsn2F
「奈美。あなた最近悩みでもあるの?」
「・・・え?」

いきなり声をかけられてびっくりした。
なんとなく放課後に教室でのこっていたら、何となく残っていたであろう小節さんに
声かけられた。まわりを見てみると私たち以外に生徒はない。

「いきなり何よ~。悩みなんてないわよ。もっとも進路の不安とかそういうのはあるけど」

「もしかして恋の悩みかしら」

私の言葉を無視してつないできた。しかも核心的である。どきっとした。

「こ、恋。・・・な、なんで?」
「たぶん相手は先生でしょ。それで悩んでるんじゃない?」

とたんにあたしの顔は熱を帯び始めた。顔が真っ赤になってに違いない。

「ち、ちがう、よ。そそんなことない」
・・・苦しすぎた。ほんとあたしは反応もふつうだなぁと思う。

45:奈美4
07/08/15 22:03:22 Izrlsn2F
「・・・あー、なんでわかったの? あたしそんなにわかりやすい? 
結構普通にやってきたつもりだったんだけど」

「まぁ付き合い長いし、なんとなくあなたの先生への目が違ってきてるなーと。
先生のこと好きなんでしょ?」

「好きっていうか・・・。いや・・、うん、好き・・かも・・・。」
恥ずかしい。恋愛相談というのはかくも恥ずかしいものなのか。

「いつから?」

「うーん、なんとなくいいなぁと思ってたのは3,4か月前くらいかな。それから・・・」

「結構前からなのね。そのころは私も気がつかなかったから、ここ1か月くらいから思い
が強くなってきたってこと?」

「うん? 私はそんな自覚なかったんだけど。なんで? 
もしかしてあたし無意識に先生に熱のこもった視線でも送ってた?」
だとしたら恥ずかしい。先生じゃないが自殺してしまいたい。

46:奈美5
07/08/15 22:04:07 Izrlsn2F
「いや、そんなんじゃないけど、最近あなた千里ちゃんや常月さんが先生と
絡んでるときに顔が無表情になってるときがある。
それに先生に対するツッコミのキレも落ちてきてるわ」

「はぁ・・・。さいですか」ツッコミって・・・

「あなた嫉妬してるんじゃない?」

「・・・嫉妬」
言われるまで気がつかなかった。
胸の中にしまっておこうとした感情がここまで大きくなってるなんて思わなかった。
たしかにふと先生のことを想像することが多くなったような気もするし、
心なしかため息も増えたような気もする。
最初はここまで大きな想いじゃなかったんだけど。先生に嫉妬するまで大きくなるなんて。

「そっかぁー。指摘されて気づいたよ。でもあたし特に先生とどうにかなりたいとか
考えてないし。今まで以上に頑張ってこの気持を隠していくだけだし。告白する予定もないし」

「しちゃえばいいじゃない。告白。別に隠すようなことでもないと思うわ」
・・・この娘も無表情でとんでもないこと言うなぁと思う。

47:奈美6
07/08/15 22:05:06 Izrlsn2F
「いや、あたしにそんな勇気は・・。
それに告白したって先生が受け入れてくれると思わないし。」

「たしかに先生があなたを受け入れることはないと思うけど、言えばいいと思うわ。
少なくともすっきりはする。あなたが」
・・・ほんとにはっきりと言ってくれる・・。怒っていいのかここは?

「先生いいかげんだけど、根は真面目でいい人だからちゃんと向き合っていえば
話は聞いてくれると思う。
断られるとしても、奈美ちゃんを傷つけないようにやんわりと断ってくれると思うわ」

「いや、それじゃ気まずくなっちゃうでしょ。卒業まで・・・」

「そうね。最終的に決めるのはあなただし、今の状況と比べてどうなるかで
判断すればいいと思う。
特に恋愛したことない私が言えるのもここまでだし。
・・・私もそろそろ帰るわ。とりあえずがんばって」
なんか一方的に話を切られた。

「あの、でも今日私にそんなこと話したの?
なんか小節さんってそういうイメージじゃないかなと思ったんだけど」

「・・・最近のあなた普通じゃないから。傍目から見て、元のほうがおもしろかったし」

「・・・・ドーモ、ありがとうございます」
あたしは頭を下げた。

48:奈美7
07/08/15 22:05:48 Izrlsn2F
 そうやって言われたのが昨日の話。今日なぜか私は放課後、先生がいるで
あろう宿直室の前にいた。単純な性格だと思う。それとも混乱してるのか。
昨日までは特にさしたる問題でもないと思ってたのに、一度意識し始めると
止まらなくなってしまった。

―告白する。心の内を吐き出してすっきりするだけ。ただ好きだって言えばいいだけ。
いややっぱり今なら引き返せる―

言葉が頭の中を回る。なんだか頭まで回ってきた。

「なにしてるんですか? 日塔さん」

 ―心臓が飛び出るかと思った。いきなり後ろから声をかけられた。
先生から。今会おうとしていた先生から。
てっきり宿直室にいるとばかり思っていたがまだ帰ってなかったらしい。

49:奈美E
07/08/15 22:06:34 Izrlsn2F
 とたんに私の顔はさらに赤くなった。心臓の脈が鳴ってるのがわかる。どきどきする。
先生の顔を見てみた。先生は背が高いので私が見上げる形だ。整ってるきれいな顔だ。
それ以外でどこを好きになったの?と聞かれても言葉に詰まってしまう。長所よりも短所が多い人だ。
それでも私はこの人のために昨日一晩悩んで眠れなかったんだ。
考えて、考えて結局告白することに決めた。

 たぶん無理だろうとわかっていても私は先生のことが・・・
「先生、私、あなたのことが好きです」


50:名無しさん@ピンキー
07/08/15 22:08:34 Izrlsn2F
終わりです。


むしゃくしゃして書いた。後悔してます。ごめんなさい。
告白部分はどうしても妄想できませんでした。中途半端な部分は脳内補完で
お願いします


51:名無しさん@ピンキー
07/08/15 22:49:17 VktT/74V
>>50
乙! 純情な奈美かわいいよハァハァ

52:名無しさん@ピンキー
07/08/15 23:31:05 SL+JM+7z
>>50
乙です!
なんか、すごく奈美が高校生っぽくていいな。

>>41
ここにもいるぞ!
鬼畜OP先生のまとい純愛編を首を長くして待っている!



53:名無しさん@ピンキー
07/08/16 00:20:00 w4EcsA6v
望×倫まだー?

54:名無しさん@ピンキー
07/08/16 11:01:16 RxgqXIMh
>>50
GJ! 普通によかったです!

55:名無しさん@ピンキー
07/08/16 11:48:34 J58gJS35
>>30
つ風浦→望←久藤

56:名無しさん@ピンキー
07/08/16 15:17:02 WMgRf+PX
生徒に好かれる先生はすばらしい

57:前スレ>>494
07/08/17 18:06:42 R+TQ8RBz
前スレ>>494です。完成したまま、投下すべきか迷っていました。
と言うのも、時事含みながら遅筆・エロくない・長すぎ、に絶望していました。
どうみても童貞です。どうみてもSS素人です。本当に読むに値しません。
どうか荒らしとか言ってやらないでください。
内容は望×まとい+αです。縛りアリです。あと、先生はドSです。まといも普段と真逆です。
我慢できない人は見ないでください。ごめんなさい。
絶望先生らしくタイトルは「まといの夜の夢」です。

58:まといの夜の夢
07/08/17 18:07:35 R+TQ8RBz
「絶望した!!内容が最悪でも、最後に『世界にひとつだけの花』を歌うことでまあいいかってなる27時間テレビに絶望した!!」
「とか言いながら最初から最後まで全部見てたじゃないか。あと、そんなネタは改蔵の時にやっただろ」
7月のある日曜日、学校の宿直室にて、糸色望は甥の交と27時間テレビをちょうど見終わった所だった。
「あのときは24時間テレビの『サライ』のことでしたよ。あと、夏休みは教師って暇だから、こんなことができちゃうんです」
交に言い返すが、納得できる点は皆無だ。
「先生だって夏休み働くだろうに・・・・・・・・・・・・・」
望は交の声をほとんど聞いてなかった。
「そんなことより私はもう寝ることにします。」
望は、実際には30時間以上寝ていなかったので、体力的に限界だった。
「(そんなになるまで見ること無いのに・・・・・・・・・)」
交はもう言い返さなかった。
気を遣ったというよりも、そんな望にあきれていた。
ただ「おやすみ」とだけ言い、望は寝室の方へ歩き去った。

59:まといの夜の夢
07/08/17 18:08:15 R+TQ8RBz
ふすまを開けて、廊下から部屋の中に入る。
本当に眠いので、布団を敷いてさっさと電気を消して寝てしまった。
今日はクーラーがいらないくらい涼しい夜だった。
すぐに寝られそうな眠気と環境が、望を夢にいざなう
はずだった。
「(どうしたことでしょう。熱くて眠れない・・・。
それになぜか、体が重い・・・・・・これは、金縛り!?)」
心なしか、まぶたも重く感じられる。
「(目、目を開けなければ・・・)」
顔面に力を込めて、バチッと開けるとそこにはー

60:まといの夜の夢
07/08/17 18:10:19 R+TQ8RBz
「つ・・・常月さん!!」
「はい」
そこには望の担任する生徒、ストーカー少女の常月まといが望の胸の上に寝そべる形でいた
「いたんですか」
「はい、ずっと」相変わらずの返しに望はいらつく。
「こんなところでなにしてるんですか」
「気にしないでください」
「気にしないでって・・・あなたにそこにいられると眠れないのですが」
「気にしないでください」
眠気がすでに限界を超えている望には、冷静でいながらもいらだちは隠せない。
「何なんですかあなた!いいから出て行ってください!!」
「しぃーーー。先生、夜ですよ。お静かに。」
いったん横になっていたので、睡魔で意識は朦朧としていて、まといの冗談を受け入れるだけの余裕はなかった。
「どうしてあなたは私の自由を奪い続けるのですか!!」
「?」

61:まといの夜の夢
07/08/17 18:11:11 R+TQ8RBz
まといには望の言っていることが、いや望自身も何を口走っているのか全く分からなかった。
「だってそうじゃないですか!今現に私は寝ることができない!」
「だから気にしないでどうぞ寝てください」
まといは悪びれもせず言いのけた。
「!・・・・・・・・・それに普段からあなたの視線が気になって・・・・・・自・慰・が・、出来ないのです!!!これは完全な拘束です!」
「そ、それも気にしないでください・・・私、気にしませんから・・・」
頬を染めつつ、まったく懲りていない。
駄目だ。そう思った。彼女を言いくるめることは出来ないと思った。
「先生、わたし、先生さえよかったら、・・・その・・・・・・
結ばれても良いと思っていますから、・・・・・・お手伝いしますよ」
何を言っているのだろうかこの娘は。こんな小さな少女に、誘われ、いや、からかわれている。
いらだちは理性を打ち砕き、残ったのは支配欲と肉欲であった。

62:まといの夜の夢
07/08/17 18:11:44 R+TQ8RBz
もう我慢ならない!!!!
「私だって、縛られるよりも縛りたいマジでえええええ」
望は発狂した。
「!きゃあっ!!」
まといの背中を握り、脇をすくい上げ、帯取り返しの要領で、だが実に乱暴にのし上がった。
布団越しに、まといは押しつぶされそうだった。
電気をつけてから望は、自分の旅立ちパックを片手で彼女を押さえながら取り出し、開いた。
「な、何ッするんですかセンセぇ」
望は無言で答えた。旅立ちパックの中には、自殺のため物騒なシロモノが入っている。
そこから取り出されたものは、首つり用のロープだった。


63:まといの夜の夢
07/08/17 18:13:12 R+TQ8RBz
布団をまくり上げると、すかさず彼女の肩を持ち上げ、うつ伏せにして押さえつける。
まといは言い知れぬ恐怖感を感じずにいられなかった。
「先生・・・・・・・・・?」
「おとなしくしていなさい」
普段の様子からは想像出来ないような声に、思わずまといは動くことが出来なかった。
彼女の両手は背中の上で望の片手でひしと押さえられた。
さっき取り出したロープがスルスルと、袖から漏れる白い肌をかすめ取る。
縄は正面にも現れて、胸部を強く締め上げる。望にSMの知識はないものの、縄の使い方には慣れているようで、
あっという間に上半身を縛り上げてしまった。

64:まといの夜の夢
07/08/17 18:13:59 R+TQ8RBz
「立ちなさい」
今の望の声には他人を従わせるだけの強みがあった。言葉使いは丁寧でも、ひどく乱暴な響きがした。
そんな立ち居振る舞いにまといは、いままで感じたことのない魅力を見た。
気づくといつの間にかまといは無言のまま立ち上がった。縄がギシリと小さく音を立てた。
二人は向かい合うようにして立っていた。
まといの胸が縄によって服の上からでも分かるくらいに誇張される。
腕周りの柔肉もはっきりされ、かなりきつく締め上げられている。
雑な仕上がりには緊縛美などはなかったが、縛られること快感を既に見いだし始めた少女の、
恥じらいうつむく出で立ちは、どんな鬼畜酔狂の背徳感も満たすことが出来るだろう。
「先生・・・あんまり、見ないでください・・・・・・」
「何を言ってるんですか、私は朝から晩まですっとあなたに見られていたんですよ。今度は私の番です」
「(怖い・・・・・・・・・先生じゃないみたい・・・)」
望はまるで骨董品でも見ているかのように、彼女の全身をくまなく視姦した。
じりじりとまといが退いて、とうとう部屋の隅へ追いつめられた。

65:まといの夜の夢
07/08/17 18:14:49 R+TQ8RBz
「先生・・・私まだ・・・心の準備が・・・・・・」
本当ならすぐにでも逃げ出したかったが、説得することしか出来なかった。
望は顔の高さをまといとそろえて、ギロリと睨みつける。あまりの形相に目を合わせることが出来ない。
「先生がどうとかじゃないんですよ・・・ただ、!!」
まといの唇は、言い訳を言い切る前に奪われてしまった。
「んんっ・・・うんん・・・・・・・・・ふぁっ・・・あん・・・・・・・・・」
中年のねっとりとしたディープキスは、ピチャピチャと音を立てる。
淫靡な痺れは、全身に流れ、まといは立っていられなくなるほどの感覚を覚える。
「ふっ・・・・・・はあんっ・・・」
唇から吐息が出て行き、快感がそこから全身を廻る。膝の痙攣がとまらない。
倒れそうになったところを望が片足をすくい上げて、後ろからまといの肩を左腕で抱える。
急に優しい気遣い(?)を見せられ、まといは驚いてしまう。心のスキマがあいているうちに望が太ももに口づけをする。
「ああんっ!」
思わず声が出てしまう。
「いいですよぉ。もっと可愛い声を聞かせてください。」
徐々にではあるが、望の声は普段のやさしさを取り戻しつつあった。
それを感じると、急にまといは恥ずかしさの感情が大きくなった。


66:まといの夜の夢
07/08/17 18:15:30 R+TQ8RBz
そんなことはお構いなしに、望の口は美しい脚を幾度もついばんで味わう。
どんどんとそれがまといの局部に近づく。左手での愛撫もかかさない。
下着越しに脚の方へ粘着質な蜜が流れ出る。
「濡れてしまいますねえ。とってしまっていいですか、コレ」
「へ・・・恥ずかしい・・・・・・・・・」
普段から自分のすべてを見せる覚悟をしていたが、いざとなると辛かったりする。
「困りましたね・・・そうだ、目をつぶっていてくれませんか」
まといは言われた通りひしと目を閉じる。まといは手を離され、その場にへたり込む。
望はまたしても自殺七つ道具、旅立ちパックから何か取り出した。
まといは目を閉じながらもそれが何か分かった。「(ガムテープ・・・?)」


67:まといの夜の夢
07/08/17 18:16:04 R+TQ8RBz
ビビィーーと音が聞こえ、顔にそれがひっつく。
「もういいですよ、と言っても目は開きませんが。見られる事がわから無ければ恥ずかしくないでしょうねえ・・・(笑)」
「あ・・・先生・・・これは・・・・・・」
視界を奪われたまといは逆により恥ずかしさが増している。
もちろん望は解ってやったのだ。
「これだと・・・ずっと・・・・・・その・・・・・・ずっと、恥ずか、しいんですが・・・・・・」
「そうですか、じゃあ私はでていきますね。」
「?」
そう言うと望は、部屋の戸を開け、そして閉めた。わずかに出来た隙間から、
廊下の豆電球の弱々しい光が部屋にわずかに刺さり、闇に溶けゆく。
「せ・・・先生?」

68:まといの夜の夢
07/08/17 18:17:03 R+TQ8RBz
望の声がしなくなった。それどころか一切の気配も。
「(こんな状態で・・・放って行かれてしまった・・・・・・?)」
言い知れぬ不安感にさいなまれ、何度も愛しき望を呼びつける。
「先生・・・先生ーぇ・・・」
反応はない。こんな状態を、望以外の誰にも見せるわけにはいかないのに・・・!
「先生ーーぇ!!・・・・・・ぜんせぇーーーー!!!!」
「・・・深夜に大声とは、先生感心しませんねえ」
「!!先生!・・・いたんですか。」
「はい、ずっと。」

69:まといの夜の夢
07/08/17 18:17:36 R+TQ8RBz
望は部屋を出て行ったわけではなかった。ただ、
「あなたに言ってやりかったんですよねえ。“ずっと”って。これはいつものお返しです」
「?・・・・・・あ・・・」
それは普段望にとってはうっとおしいまといとの、うんざりしたやりとりだったが、
今まといはこの言葉に暖かみを感じていた。
「(こんなにもほっと出来る言葉だったなんて・・・)」
感動にため息が出る。
「続きを・・・・・・してください」
「ふふ・・・もう恥ずかしさはないんですね」


70:まといの夜の夢
07/08/17 18:18:59 R+TQ8RBz
まといを自分の顔の上にまたがらせて、望は顔の正面で秘所が見える。
まといは腕が動かせないので、望が下着を剥ぎ取る。大事なところを隠すにはあまりにも薄く小さかったが、
それが守っていたものはあまりに美しかった。
「キレイですね・・・常月さんんっ!」
望は言い終える前に、まといの股間に吸い付いた。
「あっ・・・んんんふ・・・・・・んっ」
まといは言われたように、唇を噛みしめて、今にも溢れそうな嬌声をこらえる。
「(これはこれでなんか、男として釈然としませんねぇ・・・そうだ・・・・・・)」


71:まといの夜の夢
07/08/17 18:19:36 R+TQ8RBz
「常月さんは感じやすいんですねえ」
「や・・・そんなことは・・・んんっ・・・ふっ・・・つうっ・・・普通ですっ」
「そうですか、でも・・・・・・やっぱり他人に見られると、女性は感じやすくなるんですかねえ」
「ふぁっ・・・先生は・・・もう他人じゃあ無いです・・・あうっ」
「ふ・・・そうですか。でもお・・・」
「?」
「私は交のヤツがこっちを見てるって言ってるんですよ」
「!?」「へ?・・・・・・へえええ!!!!!!」
「ふふ・・・交、こっちでもっと良くみませんか」
「・・・・・・嫌!イヤアアアアア!!見ないでぇええ!!!」
「まといさん?」

72:まといの夜の夢
07/08/17 18:20:18 R+TQ8RBz
まといは必死に足を閉じて秘所を隠そうとしたが、
望の両手によって阻止されていた。
それどころか、その蜜壺から溢れる液が止まらない。
「見ないで・・・・・・帰ってえええぇ・・・・・・」
「まといさん、“ウソ”ですよ?」
「!?・・・・・・ウソ?」
「そうです、驚かせましたかね?」
「もぉう!先生ってばぁ、ホ、ホントに恥ずかしかったんだからぁ」
「でも・・・」
「?」
「さっきよりずっと感じててくれたみたいですよ。ふれてもいないのにグッチョリ。」
「!」まといは驚いた。自分が見られて、恥ずかしいはずなのに感じていたことに。
羞恥心に、感じていたことに。

73:まといの夜の夢
07/08/17 18:20:58 R+TQ8RBz
「本当は、見るより見られる方がいいんですねえ」
「!そんなことはないです」
「?先生、嘘をつくのは好きですが、嘘つかれるのは嫌いですね」
「うう・・・嘘じゃないですう・・・・・・」
「あ!また・・・いけない口ですね・・・!」
望はまといをドンと乱暴に押しのけ、
ビビィーーーーーーー!まといは口にもガムテープを貼られてしまった。
「んむうっ!!」
「いけない口にはこうです」
呼吸が制限され、鼻息が荒くなる。腕を縛られ、目と口を閉じられ、さながら
「虫のようですね」

74:まといの夜の夢
07/08/17 18:21:39 R+TQ8RBz
「(虫・・・?そんな、そんなのって・・・)」
「誉めてるんですよ、とっても良い格好だって」
「それに、喜んでくれてるみたいですね。あなたのココは」
「むうぅぅっ!」
まといの蜜壺が指をつつかれて、中から溢れる淫水がからみつく。
「なんだか強姦でもしているような気分ですねえ・・・。(このまま黙って挿れてしまおうか)」
望は自分の分身を取り出し、まといを抱きかかえるとそのまま一気にまといの中につっこんだ。
「ぶむうっ!んん!んん!んんん!」
あまりに突然で、痛みに叫びそうになった。それさえ許さないガムテープが、頭の酸素を奪いだす。
「ふ・・・ま・・・まとい!!」
「(!?・・・先生が私を名前で・・・・・・?)」


75:まといの夜の夢
07/08/17 18:22:15 R+TQ8RBz
彼女にとって信じがたいことだった。望はその後何度も自分の名を呼ぶ・・・。
          愛を、感じた。
今まで自分がどれだけ愛していても振り向いてもらえなかった。
なのに、今私は愛されている。愛を感じる。
「(縛られることが、こんなに幸せだったなんて・・・・・・!!)」
望の動きが激しくなるにつれて、まといの体は快感と苦しみの限界に近づく。
「ふッふむうっ、んんんんんんんん!!!」
「(先生・・・私・・・もう・・・)」
「解っていますよ」
「!?」
「一緒に、イきましょうね」
「・・・!!」
酸素欠乏で脳の覚醒水準が低下し、意識の朦朧とするなかで、それは痛みを痛みと思わなかっただけであったが、
まといは愛と快楽に包まれ、痛みなどは一切感じなかった


76:まといの夜の夢
07/08/17 18:22:59 R+TQ8RBz
部屋に光が戻り、世界が活動を取り戻す。
「(あ・・・あさ・・・・・・朝あ!?)」
そこは望たちの宿直室であった。部屋にはまとい一人。
まといは昨夜の記憶が曖昧であった。口と目に貼られていたガムテープははがされていて、
体中を締め上げたロープももう無かった。昨日から着ていた袴には、シワはあれど乱れた部分はなかった。
「・・・・・・夢?・・・やだ、私ったら、先生のあんな夢を見るなんて」
まといが起きあがろうとしたとき、ギシッ・・・
「あれ、何これ!?腕が・・・」
ロープで縛られていた。「(夢じゃあない・・・本当に私・・・・・・)」
そのとき部屋の戸が開いた。入ってきたのは望だった。なんだか申し訳のなさそうな顔をしている。
「あ・・・起きてらしたんですね。昨日はあのままお休みになってしまうんですから、先生てっきり・・・」
「そんなことより何なんですかこれは」


77:まといの夜の夢
07/08/17 18:23:34 R+TQ8RBz
「あ、それはですねえ。私昨日は思いっきり暴走していまして・・・その、
普段の欲望が爆発してしまったんですがね・・・その・・・・・・」
「何なんですか。言ってください」
「・・・目覚めてしまいました・・・・・・」
「・・・はぁ?」
「ですから、サドに目覚めてしまったんです。」
「へえぇ!?」
「すいません、だからロープを完全にほどくことが出来無くって・・・」
「これからも、してもいいですかっ、たったまにっ・・・・・・」
言っていることは実に変態的で、女性なら誰しも幻滅してしまう内容だったが、
まといの体はまだ見ぬ快楽に早くも反応し始めた。
「・・・・・・・・・ばか・・・・・・」
まといは望の胸に顔を埋めることで答えた。彼女もまた・・・・・・

ある朝、ツネツキマトイが不安な夢からふと目覚めてみると、ベッドの中で自分が一匹の、
快楽をむさぼるだけの虫に変わってしまっているのに気がついた。


78:まといの夜の夢
07/08/17 18:24:05 R+TQ8RBz
さかのぼること12時間前、テレビを見終わった望が部屋へ帰った時、交はまだテレビを見ていた。
テレビにも飽きたころ、交はあるものを思い出した。
「そうだ、アレがあったんだった。」
交はカバンから本を取り出した。写真集だった。
表紙には今はやりのグラビアアイドル“リア・ヂゾン”か写っていた。
交は望の生徒の久藤准と知り合いで、これは彼に借りたものだった。
本当は久藤が傷心の交に気を利かせて別のクラスメートから交のために借りたものだったが、そうとは知らずに
「(久藤・・・良い趣味してるな)」とか思っていた。
傷心というのは、交は大分前から芸能人では眞鍋カヲリが好きで、ポスター等を持っていたりしたが・・・・・・
・・・・・・みなまで言うまい。

79:まといの夜の夢
07/08/17 18:25:31 R+TQ8RBz
交はすっかり写真集に夢中になっていた。渇いた心に染み入る魅力。
後ろから迫り来る影に気が付くはずもなかった。影は夏場にもかかわらず、
と言う夏だからこそなのか、タオルケットのようなものを肩にかぶせていた。
そこから驚くほど白い腕が素早く飛び出し、交から写真集を奪う。
「あ!」
「へええ~、こんなの読んでるんだ~。ませてるう」
学校引きこもり少女、小森霧である。望と交とは変な意味は無しで、同棲状態である。
「返せよ!!」霧は無視して交が届かないように写真集を持ち上げてペラペラめくっていく。
「ほ~、ほお~~、うあっ!こんなのまで・・・交くんってばどこでこんなの買ってくるの?」
「ちっ違うぞ!それは久藤のもんなんだからな!!」嘘は言っていない。
「え~、久藤くんがこんなの持ってるように思えないけどな~」間違いは言っていない。
「・・・いいから返せよ!!」飛び上がって奪い返そうとする。そうはさせじと霧は片手で掲げる。
「あっ駄目!白状しなさい!そしたら返してあげる~」
「だから久藤のだってるだろ!」
「駄目~。正直になりなさ~い。」
「・・・!!!!」
「・・・・・・!!!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

80:まといの夜の夢
07/08/17 18:26:09 R+TQ8RBz
どれほどの時間そうしていただろうか、結局は霧のスタミナ負けで、写真集は交の元に返ってきた。
「ぶ~。つまんな~い、教えてよ~」
普段から二人はこんな不毛な争い(?)をしているので、口げんかになることはない。
霧が本気ではないことを、交は知っていた。
「言ってるじゃん、あれは…」
「久藤くんのなの?」交は黙ってうなずく。
「そう……わかった、お姉ちゃん信じる。」
「え?」あれだけしつこかった霧に、急に態度を変られると一瞬ポカンとなる。
「ん?本当なんでしょ?それ」
「うん」
「なら信じる。私お姉さんなんだもん」
これはひとつの(義務感っ)何だろうか。交があれこれ考えるのを尻目に霧は、
「そうかー、あの久藤くんが…やっぱり男の子なんだな……」とか言ってる。


81:まといの夜の夢
07/08/17 18:27:14 R+TQ8RBz
………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ところで交くん、眞鍋からもう乗り換えちゃったの?」
本当に彼女は交をからかうのが好きなようだ。この年にして女難と言うやつか?
「な…あんなの始めッから好きじゃなかったってば!」
「ふ~ん、他に男がいる女は好きじゃないんだ~」全く無視。
「…そんなんじゃないよ!……」古傷(?)をさわられて交はどんどん弱っていく。
「交くんは駄目ね~、そんなことでファン辞めちゃうだなんて。私だったら、先生がどこの女と何してこようが……!」

スクッ…交は黙って立ち上がった。今にも泣きそうな顔で、不機嫌なのは一目瞭然だった。
「うるせーーんだよ!!もう!!!!姉ぶってるつもりかよ、このッ……」
「引きこもりが!!!」

82:まといの夜の夢
07/08/17 18:28:09 R+TQ8RBz
水を打ったように静まりかえり、一瞬世界は止まる。霧の思考も。
交がやってしまったと気づいてももう遅い。
「………明日は月曜日よ。ラジオ体操行かなきゃでしょ。もう遅いんだから、ここからはもう……」
「引きこもりの時間よ」
霧の言葉は感情を押し殺したように冷ややかで、さっきまであんなに騒いでいた交に有無を言わさない。
黙って戸を開け、交は寝室へつながる廊下を歩き出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・………
霧は黙ったままテレビを見ていた。彼女は興味ない選挙速報が流れている。
どこに変えてみても、“自民大敗”の文字。
「…おもしろくないなぁ……本当におもしろくない………」
部屋の電気が消されたせいか、霧の背中は弱々しく見えた………。


83:まといの夜の夢
07/08/17 18:28:47 R+TQ8RBz
交はモヤモヤした気持ちで豆電球1つの光を頼りに廊下を歩いていた。
交の部屋へ行く前に、望の部屋の横を過ぎなくてはならないのだが…。

人の声を聞いた。初めは望がまだ起きてるのかと思ったがそれだけではないと気づいた。
「(女の人の…声がする…?悲鳴?)」
交は前方の望の部屋を見た。わずかな隙間が空いている。
暗がりに慣れた目が見たものは、にわかには信じがたい光景だった。


84:まといの夜の夢
07/08/17 18:29:40 R+TQ8RBz
そこにいたのは、自分の叔父と女性。
交は望のクラスの生徒のことは、家族ぐるみでお世話になっていたりして、
そのほとんどを知っていた。しかしながらその女性の名前はわからなかったが、
普段から望にまといついている女生徒であることは知っていた。
ストーカーにいそしみ、彼女の家でお世話になったことはない。
そんなことはいい。衝撃的だったのは、陰部を露わにし、目隠しをされ、全身を縄のようなもので縛られている女が、
望の顔にまたがり、望の舌で弄られていることだ。
交には性的な知識がほとんど無かったが、それは今までのどんなトラウマより恐ろしかった。
怖かった。二人が何をしてるのかまるで解らなかった。
交にはただ、
「常月さんは感じやすいんですねえ」
顔は見えねど、なぜか得意げな望と、
「や・・・そんなことは・・・んんっ・・・ふっ・・・つうっ・・・普通ですっ」
悲鳴にも似た声で悶える女性。
現実を忘れ、交は逃げることが出来なかった。

85:まといの夜の夢
07/08/17 18:30:21 R+TQ8RBz
しかしそれもつかの間、交をはっとさせることがおきる。
「そうですか、でも・・・・・・やっぱり他人に見られると、女性は感じやすくなるんですかねえ」
「ふぁっ・・・先生は・・・もう他人じゃあ無いです・・・あうっ」
「ふ・・・そうですか。でもお・・・」
「?」
「私は交のヤツがこっちを見てるって言ってるんですよ」
「!?」「へ?・・・・・・へえええ!!!!!!」
「(ええ!!!!!!!)」
今まで自分の存在を忘れていたが、この言葉で現実に戻ってきた気がする。
「ふふ・・・交、こっちでもっと良くみませんか」
「(な…何を言っているんだコイツ……)」交は何も考えられないほどに混乱していた。
「(なんで気づかれた?向こうを向いていたのに!?)」
交の混乱は加速する。
「・・・・・・嫌!イヤアアアアア!!見ないでぇええ!!!」
「まといさん?」
まといといわれた女性が自分に対し、激しい拒絶をする。
交は気づくと、元来た道を走って戻っていた。
もちろん……

86:まといの夜の夢
07/08/17 18:31:01 R+TQ8RBz
「見ないで・・・・・・帰ってえええぇ・・・・・・」
「まといさん、“ウソ”ですよ?」
「!?・・・・・・ウソ?」
「そうです、驚かせましたかね?」
「もぉう!先生ってばぁ、ホ、ホントに恥ずかしかったんだからぁ」
…そんなやりとりがあったということは知るよしもない。

87:まといの夜の夢
07/08/17 18:32:18 R+TQ8RBz
ガサッバンッ!部屋に飛び込む交。
「!どうしたの!?」不意をつかれた霧があわてて対応する。
「な・・・何でもない・・・よ」
「何でもないこと無いでしょ。何があったの」
「何でも無いったら」
「・・・何でもないなら寝てきなさいよ」
「う・・・」
「ほら、なんかあったんでしょ」
「の・・・望が・・・」
「先生に何かあったの!」部屋を飛び出ようとする霧を交が押さえる。
「行っちゃ駄目だ!ぜ、全部言うから!」

88:まといの夜の夢
07/08/17 18:33:08 R+TQ8RBz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
交は二人が何をしているか分からなかったが、霧には‘エッチなこと’とだけ説明した。
「ほら、あのストーカーの女だよ・・・」
「そう・・・常月さんが・・・」霧は話を聞いているのかというくらい消沈していた。
「な、元気出せよ。あ、あんなのどうだっていいじゃん・・・それに、
あいつがどこでどうしてたった気にしないって言ってたじゃあ・・・!」
霧は泣いていた。声を必死にこらえるが、涙を抑えることは出来なかった。
「何で泣くんだよ・・・」交は面白くない顔をしている。
「・・・・・・」霧は泣いている。答えない。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

89:まといの夜の夢
07/08/17 18:34:08 R+TQ8RBz
また部屋に沈黙が訪れる。今度は時間の流れを感じることが出来て、ひどく居心地が悪い。
「な、泣いたって、仕方ないじゃないか・・・」
「・・・仕方ない?・・・・・・そうね・・・・・・仕方ないよね、あたし・・・引きこもりだもの」口を開いた霧がいきなり絶望するので交は焦る。
「へっ、いやそうじゃなくって・・・」
「いやそうよ。わたしがこんなだから・・・髪の毛だって長くって不気味で不潔で暑苦しいし、肌も白くて不健康でキモいし、
引きこもりに先生を好きになる資格なんて無いの。だから・・・」
「そんなことないよ!!」交が大声で反論する。
「ねえちゃんの髪とってもキレイだし、肌だって白い方がいいって言うし、俺ねえちゃんのこと好きだよ!」
「引きこもりが好きな人なんていないわ」冷ややかな声に押されそうになる。
「そうかも知れないけど俺は・・・・・・小森姉ちゃんのことが好きなんだよ!!!!」


90:まといの夜の夢
07/08/17 18:35:09 R+TQ8RBz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふふっアリガト。慰めてくれるのね」声がいつものトーンに戻る。
「そうじゃなくって俺、本当に・・・・・・」急に恥ずかしくなって、言葉に詰まる。
「!・・・ねえ、じゃあ、あたしたちも・・・してみる?」
「な・・・・・・・・・!!!!!!」
「あ~、赤くなってるカワイ~~」
「!・・・からかうなよ!!」
「そう、じゃあホントにしてみよっか?」
「ッ嫌だよ!」
「え~ッなんで~~?キョーミシンシンのくせに~」
「お前の体なんかキョーミねえっつうの!」
「そうか、私が引きこもりだから・・・」
「何でそうなる!!」
「いいの、どうせあたしなんか・・・」
「!!・・・・・・いいよ、わかったよ、するよ!!」

91:まといの夜の夢
07/08/17 18:35:48 R+TQ8RBz
「えいっ!!」
突然、霧が自分のかぶっていたタオルケットを交にかぶせてきた。
「う、うわあ!」これから自分に起こる‘何か’を察知してか、動悸が激しくなる。
霧が交を左腕で押し倒して、抱き合うようにして寝たまま向かい合う。交はどうしていいか分からなかった。霧の顔を見上げる。
「!・・・」
霧は泣いていた。黙ったまま、目には涙が溢れていた。
「今日はココで寝よう・・・一緒に・・・・・・寝て」
悲しみに疲れた霧の顔が、無理に笑顔を作る。交は自分が‘そういった’対象としてみられていないことを、ハッキリ理解した。
交もまた泣きそうだった。なぜかは分からないが涙が出てきそうになる。
「(姉ちゃんはまだ、アイツのことを・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」
白い肢体と女性特有の甘い香りと、少しの悲しみに包まれて、少年の夜は終わった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


92:まといの夜の夢
07/08/17 18:36:33 R+TQ8RBz
以上です。
え~と、長々とすいませんでした。いや、ごめんなさい。そして土下座。
加害妄想でも何でもありません。完全な加害です。妄想加害です。
闇の法廷で裁かれるようです。
「好きだからなのです!愛するが故になのです!・・・」
どう見ても有罪です。本当にあ(ry

93:名無しさん@ピンキー
07/08/17 19:10:14 N4K9weVr
霧カワイソス

94:名無しさん@ピンキー
07/08/17 20:09:17 9whX0Xm3
494さん。まってました。最高です。GJです。

さっそくこれから読んでますね。

95:名無しさん@ピンキー
07/08/17 21:25:18 J842Nh4y
ちゃらちゃらしてる先生ってもてそうだな

96:名無しさん@ピンキー
07/08/17 22:22:08 7DBeJGYh
和服萌えを知らんのか

97:名無しさん@ピンキー
07/08/17 22:33:57 DTFtEbiH
眼鏡萌えを(ry

98:名無しさん@ピンキー
07/08/17 22:34:04 GHOuoSLG
地元じゃワックス使って
ウォレットチェーンやら付けてたけどな
たぶんブーツやシルバーアクセとかも持ってる

99:名無しさん@ピンキー
07/08/18 00:09:29 MLaR2JLd
そこからきっちりフラグが立つのですね

100:名無しさん@ピンキー
07/08/18 00:48:58 cELSF90t
霧×交を激しく期待したのに裏切られたorz
いや、GJなんだけどもさ

101:名無しさん@ピンキー
07/08/18 01:13:16 mA7w2m6m
期待を裏切られた??
勝手に期待したお前が悪い
大体夏に期待するのは禁忌なんだぞ。

過度の期待が大きくのしかかって期待はずれの作品しか作れなくなり
そして責任を感じた書き手が川に身を投げて亡くなってしまうんだぞ。

102:とあるポジティブ生徒の電波日記
07/08/18 01:28:01 5XqMpOzm

ポジティブになろうと決めました。

人が変わるには春は都合のいい季節です。私は今日、新しい学校で、

新しいクラスで別の新しい私に生まれ変わるんだ。

ポジティブになれば人生が変わります。過去の辛い出来事もすべて都合のいいように

解釈してしまえば心が軽くなります。

お父さんとお母さんのあれはただの背伸び体操。

オジさんが決められた場所でしか会えないのはそこが出島だから。

神様はいるにきまってます。ポロロッカ星人は私と友達になるべく、交信の信号を送ってくれます。

なんだか私がどんどん怪しい人になってく気がしましたが、

少なくとも前の自分と比べると格別にいい気分でした。

これが仮面をかぶった顔だとしても、今日からこれが私の新しい顔となるのです。

もう私を苦しめるものは何もなくなります。わたしはきれいな桜の木を見ながら学校まで歩いて行きました。


・・・・・桜の木で首を吊ってる青年がいました。


103:とあるポジティブ生徒の電波日記2
07/08/18 01:29:10 5XqMpOzm
いま、せっかくわたしは新しい仮面をかぶったばかりだというのに、

彼を見た瞬間、その仮面がぼろぼろと崩れていくのを感じました。

両親の自殺未遂を何度も目撃したこと。オジさんが犯罪を犯し、服役になったこと。

転校するたびに私はいじめられてたこと。

昔の私が・・・。

「いけませんっ!」

わたしはその人を必至で止めようとしました。

「命を粗末にしてはいけません!」

彼は、私のおかげで一命を取り留めることができました。そしたら、彼が、

「死んだらどーする!」

・・・・どうやら彼は死ぬつもりはなかったようです。ただの太宰治ごっこだったようです。

びっくりしました。

しかもその人が私の新しいクラスの担任でした。さらにびっくりしました。


104:とあるポジティブ生徒の電波日記3
07/08/18 01:30:22 5XqMpOzm
彼は不思議な人でした。ちょっとしたことでもすぐに絶望します。

昔の私もここまでではなかった気がします。

けどなぜでしょう、彼はどこか不思議な魅力があるような気がします。

ところでポジティブでいることも結構疲れますね。前よりはいいと思うんですけど、

なんだか頭がぐちゃぐちゃになって、最近不安定です。自分のキャラ位置がよく変わったりします。

そんなとき、彼を見るとなんだか癒されるというか、包囲力? 

なんだか弱い自分をありのままさらけ出しても彼なら包んでくれそうな、そんな錯覚をします。

どうやら私は自分でもよくわかりませんが、彼に恋をしてしまったようです。

あぁ、自分にふさわしい人はこの人しかいないと、そう思いました。

そう思えば、なんだか私と彼はポジティブとネガティブ、相性抜群な気がして気がしました。

気のせいですかね?

105:とあるポジティブ生徒の電波日記4
07/08/18 01:31:28 5XqMpOzm
ですが、これまた不思議に彼は他の生徒からもモテまくりでした。

やはりそれぞれが彼に不思議な魅力でも感じるのでしょうか。

各自、彼にアピールしています。もちろん私もあきらめたくありません。

けど、私は今までポジティブでイメージを通してきました。

そんな私が、いきなり彼に普通のアピールするのはなんかイメージが合いません。

他の人に怪しまれてしまいます。

そこで、私は別の方法で彼を振り向かせてやろうと思いました。


106:とあるポジティブ生徒の電波日記5
07/08/18 01:32:26 5XqMpOzm
私はむかしの自身のトラウマのせいか人の心の隙間に入り込むのが得意です。
(そのせいでいろいろ他の人に迷惑をかけたこともあります)

彼はめったに人に心を開きません。

その心を無理やり私が入り込むのです。彼をわざと傷つけたり、

喜ばせたりして心を開かせ、そのスキマに入り込むのです。

そうやって、何度か彼の心に私の情報を埋め込んでいけばいつか彼は私にメロメロになります。

けど難しいですね。彼はそのスキマさえもなかなか開こうとしません。いつも途中で失敗します。


107:とあるポジティブ生徒の電波日記E
07/08/18 01:33:16 5XqMpOzm
そんなこんなしてるうちに他の生徒さんが、先生にどんどんアピールしています。

最初は私が彼の一番近くにいたのに、いつのまにか私はどんどん出番、

もとい彼から離されてしまいました。

さすがに焦ったりしましたが、しかしまだまだどうなるかなんてわかりません。

ゆっくり確実にやっていけばいいのです。

ポジティブでいれば必ず願いはかなうのです。

だって、これが新しい私なんですから。

108:名無しさん@ピンキー
07/08/18 01:37:05 5XqMpOzm
どうも>>50です。前の駄文に懲りずにまた書いてみました。

名前は明かしてませんが、とある生徒の心の内を想像して書いてみました。
キャラがぶっ壊れてますが、そこら辺はご愛敬ということでお願いします。



109:名無しさん@ピンキー
07/08/18 01:40:53 G4opNOKZ
おお、面白いですGJ!
個人的には女子大生編も読んでみたいです

110:名無しさん@ピンキー
07/08/18 02:30:29 2NB0ojoB
投稿乙です。
こういう視点の作品もよいですね。

111:名無しさん@ピンキー
07/08/18 04:02:09 SB/AJahA
エロはどこだい

112:前430
07/08/18 09:53:57 RWQ3k/2Y
前430です。
滝に打たれて、今度こそエロ(のつもり)を書いている途中で、
>>10-29の続きのギャグ小ネタが浮かんでしまったので、
とりあえず投下させてください。
久藤君が語り手ですが、決してじごんすではない…と思う…。

>>111さん、エロなしですいません。
次こそは、本当にエロ中心の話(当社比)を落しますっ!

あ、久藤君が「杏ちゃん」と呼んでいるのは可符香のことです。


113:こころ 1/3
07/08/18 09:55:14 RWQ3k/2Y
暑い日の午後の授業というのはただでさえタルいのに、それが現国とくればなおさらだ。

「…漱石が『こころ』を執筆したこの時代は、明治から大正へと…。」
担任教師の単調な声だけが響く教室で、生徒達は皆、眠そうにあくびをかみ殺している。
以前は僕も、この時間はずっと教科書の下で読書をしてやり過ごしていた。

しかし、最近、何かがおかしかった。

どうも、先生の授業のときには読書に集中できなくなっている。
その代わり、いつの間にか先生を目で追っている自分に気が付く。
今も、黒板に文字を書きつけていく先生の後姿をぼんやりと眺めていた。

と、いきなり先生が僕の名前を呼んだ。
「はい、では、久藤君。」
心臓が跳ね上がり、
「は、はい!」
返事をする声が上ずった。
「…今の質問に、答えていただけますか?」
先生は、どこか意地悪げな笑みを浮かべると、こちらを見た。

――ああ、まただ。
先日の、杏ちゃんを巡る一件があって以来、先生はときどきこういうことをする。
僕が話を聞いていないときを狙って、当ててくるんだ。
まったく、大人気ないったらありゃしない。

まさか、僕のこと、ライバルだとか思ってるんじゃないだろうな。
…この人ときたら、ホント杏ちゃんしか見えてないみたいだから…。

考えているうちに何となく腹が立ってきて、僕はむすーっと黙り込んだ。
先生の声がちょっと厳しくなった。
「久藤君、私の言ったことが聞こえましたか?」

――あ、あのときと、同じ…。
先生の言葉に、突然、先日の図書室での先生の姿が脳裏によみがえった。

――久藤君…申し訳ありませんが、席を外してもらえませんか――
あのとき、静かに怒っていた先生は、ものすごく冷ややかで近寄り難くて、
でも、なんていうか、とっても………。


114:こころ 2/3
07/08/18 09:57:01 RWQ3k/2Y
あのときの先生の姿を思い出しながら、黒板をふと見ると、
そこには、「私」「先生」「K」「お嬢さん」といった『こころ』の人間関係が、
先生のきれいな字で書かれている。
僕は、気が付くと口に出していた。

「…『先生』は、『K』のことを、どう想っていたんでしょうか…。」
「…は?」
先生の目が点になった。

僕は、かまわず続けた。
「『先生』が『お嬢さん』を『K』から奪った理由…その背後には、多少なりとも、
 『先生』の『K』への想いがあった、と考えることは可能なんでしょうか…。」

横で、ほとんど眠っていた藤吉さんが、がばりと起き上がるのが見えた。

先生が、困惑した顔で僕を見た。
「あの、久藤君、私が質問したのは…。」
僕は、先生の言葉を遮ると大声で叫んだ。
「僕は、先生のこころが知りたいんです!!」

――しん。

教室が静まり返った。
藤吉さんが、教科書を宙に放り投げて万歳をしている。なぜだ。

こほん、と、先生が困ったように咳払いをした。
「えー、私が質問したのは、この作品が書かれた時代背景についてなんですが…。」

と、先生は、僕を見てにっこりと微笑んだ。
さっきとは全く違う、暖かい笑み。
「しかし、なかなか、いい視点ですね。確かに、『先生』のこころを知ることは、
 この作品の理解のためには非常に重要です。
 実を言うと、『こころ』は、先生も大好きな作品なので、
 そうやって真剣に読み込んでくれているのは嬉しいですよ。」

――実を言うと…先生も大好き…なので…
――先生も大好きなので…
――大好きなので…嬉しいです…

先生の笑顔を見ながらぼーっと突っ立っていると、授業終了のチャイムが鳴った。







115:こころ 3/3
07/08/18 09:58:12 RWQ3k/2Y
授業の後、激しい自己嫌悪に陥って机に突っ伏している僕の背中を、
藤吉さんがバシバシと叩いた。
「見直したよ~、久藤君!
 私、リアルBLは無理だと思ってたけど、久藤君と先生なら大丈夫かも!」

いや、リアルBLってなんですか。大丈夫って何の話ですか。
手元のメモ帳の「『失望先公』 准望本 18p」とか、怖くて聞けないんですけど。

勘弁してください、僕は、僕は、女性が好きなんです。
ごつごつしたむさい男なんて及びじゃないんです。
…。
……。

…でも、先生は、ごつごつしてないよな…指とかホント白くて細いし…。
むさくもないよな…近くに寄ると、なんかすごくいい香りがするし…。

……先生って、なんだか、女の人よりきれいに見えるときがある……。

「ん?」
はたと我に返る。

――いやいやいやいや!!!
僕は、自分の思考回路に気づき、頭を抱えた。
藤吉さんは、そんな僕を楽しそうにスケッチし始めた。やめてお願い。

と、後ろから肩を叩かれた。
「く、ど、う、く、ん。ちょっと、来てくれないかな。」

振り向くと、そこには笑みを浮かべ、愛らしく首をかしげた杏ちゃんがいた。
しかし、その目は笑っていなかった。
…コロスコロスコロスコロス…
杏ちゃんの目の奥に、はっきりと殺意が読める。

――ああ。

僕は空を仰いでため息をついた。
あの日、図書室なんかに行かなければ良かった。

僕の苦悩と受難の日々は、しばらく続きそうだ…。


116:前430
07/08/18 10:00:01 RWQ3k/2Y
アホ話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
久藤君フラグはこれ以上続きません(と思う)のでご安心下さい。

ちなみに、これって思い切り「めぞん一刻」をパロってます。
二重パロすんません。

117:名無しさん@ピンキー
07/08/18 10:36:30 FB87zJ4G
アッー!

118:名無しさん@ピンキー
07/08/18 10:41:32 UdIrpNmW
801板に行ったらどうだろう

119:名無しさん@ピンキー
07/08/18 11:08:53 n5u9RfpZ
これくらいならいいんじゃないか?
430氏GJ!
今回は笑わせてもらったよ

120:名無しさん@ピンキー
07/08/18 12:41:45 HVGbRiEy
乙でした。
自分もこれくらいなら、こちらでよいと思う。

121:名無しさん@ピンキー
07/08/18 12:53:53 MBrzugq3
望「四つんばいになれば教員免許を返していただけるんですね?」

122:名無しさん@ピンキー
07/08/18 14:12:11 Qmb2k3Lk
430氏、大好きだ!

ガチホモフラグが立った久藤くんに困惑する先生と藤吉と
怒りに燃えるカフカちゃんが超オモロスwww

123:名無しさん@ピンキー
07/08/18 20:29:18 mA7w2m6m
絶対千里とまといも包丁持ってるんだろうな。

124:名無しさん@ピンキー
07/08/18 20:35:27 G4opNOKZ
根端金物店大繁盛

125:名無しさん@ピンキー
07/08/18 21:40:13 +RFx2tmo
誰かそろそろ加賀愛を

126:名無しさん@ピンキー
07/08/19 01:35:44 6JojUitX
モテモテの先生だけど、その境遇が羨ましいとまったく思えないのはなぜなんだぜ


127:名無しさん@ピンキー
07/08/19 01:51:39 eeGAGKVH
冗談で言ったのに本当に久藤君とフラグ立ってんのかよw
まあ、愛…無かった事に………

128:名無しさん@ピンキー
07/08/19 03:08:19 cvsLBiyk
命か景と生徒ってのが読んでみたい

129:名無しさん@ピンキー
07/08/19 08:53:40 YZf1SI+B
八神さんだあ~ナツカシス
ちなみに、先生、久藤フラグ気付いてないよね

130:名無しさん@ピンキー
07/08/19 15:32:52 NexTqgxE
>>117
HE CAME TO US FROM A STAR

131:漫画キャラ板から転載
07/08/19 17:20:04 2MaaEF7t
299 名前:282、気にくわなかったので改訂しました:2007/08/18(土) 16:20:24 ID:y77lRoo8
可符香「じ・・実際・・に・・こ、んなに痛い・・もの・・だなん、て・・わたし・・おもいも・・しな、かった・・です」

あびる「・・少し、怖いけど・・先生にならあげてもいいよ」

カエレ「いっ、痛くしたら、訴えるわよ!」

千里 「だい・・じょ・・うぶ・・最後・・まで・・きっちりして・・ください・・でないと私、先生を刺しますよ!というか私だけ痛いだなんて間違ってる!夫婦たる者、痛みは二人で共有すべきだわ!!」

奈美 「普通に痛かったじゃですかぁ、先生のうそつきー!ううっ」

藤吉 「こ、こんな・・カップ・・リングの・・組み合わせ・・は・・・い、痛いです、先生」

小森 「せ・・・先生なら・・いいよ・・あっ、でも・・や、優しく・・してね」

加賀 「すみません!すみません!狭かったばかりか、血まで流して先生の大切なモノを汚してしまいました」

音無 (いてーぞ!エロ教師!てめえのテクはドーテー並かよ!シネ!!)

真夜 「・・っ!・・!?・・・ぅ・ぁ・・ぃっ!!」糸色望「・・純血の証拠過多ですか?」

まとい「フフ、糸色せんせい、今まで誰も踏み込まなかった私への最後の一線を越えてしましたね・・にやり」

マリア「お前みたいナ、ニホン人、ワタシノ国では“幼女のハツモノ狙い”ト、珍重されてたヨ」


おまけ
ことのん → 糸色望「・・貴方はネットのファンの方達に申し訳が立たないので辞退させてください・・」

132:名無しさん@ピンキー
07/08/19 20:00:13 aqLWwllo
みんな非処女ですか

133:名無しさん@ピンキー
07/08/19 20:01:45 aqLWwllo
あ、ごめん誤爆…

134:名無しさん@ピンキー
07/08/19 20:18:42 jIMlQKsk
誤爆だったのか

135:名無しさん@ピンキー
07/08/20 01:15:54 OirgWqLW
430氏の作品見ていたおかげで
景兄さんのCVが大塚芳忠さんに脳内決定してしまった。

136:名無しさん@ピンキー
07/08/20 01:23:25 qMho8ikY
なんとなくだけど加賀愛は女の子と絡むのが良いと思うんだ!

137:名無しさん@ピンキー
07/08/20 01:38:23 OirgWqLW
>>136
百合スレ逝けよ

138:名無しさん@ピンキー
07/08/20 02:45:22 qMho8ikY
あったのか!
すまんいってくる

139:名無しさん@ピンキー
07/08/20 04:12:00 6RGixEpd
別に分ける必要ないと思うんだが。

140:名無しさん@ピンキー
07/08/20 09:09:09 OirgWqLW
801は分けろって言うクセにか?

141:名無しさん@ピンキー
07/08/20 09:59:25 yMFF52jr
801板はこの板と同じでエロ表現・創作カテゴリーだがレズ・百合萌え板は違う

142:名無しさん@ピンキー
07/08/20 10:25:26 eBOoupdo
>>141
どうちがうの?

143:名無しさん@ピンキー
07/08/20 10:40:50 3CxgrNWE
>>142
801は長編SSでもおk
レズ百合は基本的に雑談

144:名無しさん@ピンキー
07/08/20 10:59:33 Ds8D1hNB
なるほどなー

145:名無しさん@ピンキー
07/08/20 12:01:48 GpV558Vq


望「えー、じゃあここで簡単な問題をやってみましょう。ことわざですよ。『将を射んとすらばまず…』なんでしょう?」
生徒「はい!」「はい!」「ハァイ!」「ハーイ!」

望「みなさんやる気があって先生嬉しいですよ。では常月さん!将を射んとすらばまず?」
まとい「はい、将を射ます!」
望「え……」
まとい「馬なんて狙いません!将を射ようと思うなら、回りくどい事しないで将を射ます!将だけを狙います!」
望「ま、まあそういう考えもあるでしょうね。では次の人……小節さん!将を射んとすらばまず?」
あびる「はい!尻尾を引っ張ります!」
望「ありませんから!尻尾なんて!どこの獣人ですか!」
あびる「じゃあ馬の尻尾をひっぱります。わたし馬が嫌がらないように触ること出来るんですよ」
望「ま、まあ馬を狙うという意味では間違いではありませんからね。えーと、じゃあ次、木津さん!将を射んとすらばまず!?」
千里「はい!火計です!馬だけ倒しても将に逃げられるかもしれないので、周囲ごときっちり焼き払います!」
望「そこまでしなくていいですから!将に恨みでもあるんですか!?」
千里「しかるのち死んだフリをしていないか、一体一体死体を調べます!きっちり丁寧に!槍で刺して!」
望「どこの串刺し伯ですか!えーと、じゃあ次!藤吉さん!将を射んとすらばまず!?」
晴美「はい!将をインとすらば、受けになる同僚の将をカップリングします!」
望「インじゃありませんよ!射んですよ!なにをINするつもりですか!?」
晴美「なにって…ナニですよ(ニャマリ)」
望「あー!聞きたくありません!聞かさなくて結構です!えーと、じゃあ最後!日塔さん!将を射んとすらばまず!」
奈美「はい!馬を射ます!」
望「普通ですね……」
奈美「普通って言うなーーーーーっ!!!!」


146:名無しさん@ピンキー
07/08/20 12:59:48 nFt2621Y
乗り遅れた!
前スレ>>494氏、激しくGJ!乙!

147:名無しさん@ピンキー
07/08/20 13:06:38 3CxgrNWE
小森「馬房で待てばいいんだよ。」

148:名無しさん@ピンキー
07/08/20 13:07:53 oD+gT6N/
「将を射りたきゃ将を射っちまえばいいだろうが」
ってネタがハガレンであったのを思い出したw

149:名無しさん@ピンキー
07/08/20 17:16:48 exxnMr6f
なあ……
このスレに藤吉さんがいるような気がするんだが気のせいだよな……?

150:名無しさん@ピンキー
07/08/20 19:37:59 xpoWLaFL
スルーライフ、スルーライフ

151:名無しさん@ピンキー
07/08/20 20:58:08 oM2ZsxM9
あびるに男の尻尾をおしえてやるエロパロきぼんぬ。

152:名無しさん@ピンキー
07/08/20 22:26:58 3/D3RrSP
ひよこを見て目を輝かせるあびるは可愛かったなあ

153:名無しさん@ピンキー
07/08/21 08:53:29 EjR8qzDt
ログ見たら……

馬鹿腐女子UZeeeeeeeee!!!!!!

801好むのは勝手だが、板違いかどうか位判断しろよ。
身長伸ばしてルール守ってる他の藤吉さんに詫びろカス。

154:名無しさん@ピンキー
07/08/21 09:11:20 FaC3cAXS
何に対して言ってんの?

155:名無しさん@ピンキー
07/08/21 09:53:02 fAqqtroZ
>>153
他の誰も文句言ってないのに文句言うお前の方がカスだよ

156:名無しさん@ピンキー
07/08/21 09:56:30 EjR8qzDt
>>155
カス本人、わざわざ擁護乙ですwwww

157:名無しさん@ピンキー
07/08/21 10:02:55 62iAiI4W
使用頻度高:可符香、まとい
中:千里:カエレ
低(ほぼ皆無):other

あびるキボン

158:名無しさん@ピンキー
07/08/21 10:17:45 FaC3cAXS
まといはネタにしやすいもんねぇ

159:名無しさん@ピンキー
07/08/21 11:13:57 GGjubJ+5
まといは先生大好きな上にいつも一緒にいるからね
同じ理由でアニメでも動かしやすいキャラなのかも

160:名無しさん@ピンキー
07/08/21 11:31:42 LL6i3t1r
智恵先生×霧は?
フラグ立ちっぱなしじゃん?

161:名無しさん@ピンキー
07/08/21 13:34:29 Aaf0GvnW
音無さんものが読みたいのです

162:名無しさん@ピンキー
07/08/21 14:27:49 TGMWW0qz
>>135
(=゚ω゚)ノぃょぅ俺

163:名無しさん@ピンキー
07/08/21 15:48:48 ZmCi2TX7
>>160
フラグってより、スタッフの悪ノリだからなぁ

164:名無しさん@ピンキー
07/08/21 17:03:48 fAqqtroZ
出番ない二人のために出してるようなもんだしな

165:名無しさん@ピンキー
07/08/21 18:11:09 Ahlz6Fua
空気を読まずに三珠希望とか言ってみる

166:名無しさん@ピンキー
07/08/21 20:06:51 f8tAoGMx
三珠はあれだ、
智恵先生がヒールで踏みつけて、あびるが平手で打って、
その影で可符香が上履きで踏んで、マ太郎がどさくさに紛れて乗っかって、
気が付いたら穴に棒を突き刺してるイメージしか湧かない。

167:名無しさん@ピンキー
07/08/21 21:18:55 12ArZZbp
灯油プレイしか思いつかない

168:名無しさん@ピンキー
07/08/21 21:25:55 t9grv2Ms
三珠は縛りプレイ

169:名無しさん@ピンキー
07/08/22 01:11:42 Ebv8g6IW
そういえばすぐ穴に挿すよな。好きなのか?

アナルに木の棒ってゴブリンじゃないんだから。

170:名無しさん@ピンキー
07/08/22 01:28:55 HbpZzADJ
三珠さんとか加賀ちゃんとかの後発組みって微妙にネタにしにくい

171:名無しさん@ピンキー
07/08/22 01:43:10 Sts4Hmdi
大草さんをネタにしにくいとな

172:名無しさん@ピンキー
07/08/22 02:10:50 6PGCKiCD
団地妻の誘惑的なものが浮かぶ

173:名無しさん@ピンキー
07/08/22 04:12:09 C937GCKJ
「3日以内に自分を愛している者10人とヤらないと、お前は誰からも忘れ去られた後に死ぬ」
理不尽すぎる神の宣告を受けた絶望先生の激動の三日間を描くエロストーリー!

の設定でごりごり書いてたんだが……
一人目から六人目(霧・まとい・千里・マリア・あびる・愛)までと
八人目から十人目(奈美・芽留・可符香)まで書いて挫折した。

あと一人なのにどうしても書けない。
カエレで挫折し晴美が書けず、真夜と麻菜実は俺の中でキャラが確立してない。

どうしよう。誰かいい案ないかな。なんかすげえ悔しいんだが。

174:名無しさん@ピンキー
07/08/22 04:22:11 WVz35iNA
10人から9人に減らせば解決

175:名無しさん@ピンキー
07/08/22 04:26:49 zKgFEIRs
倫ちゃんでいいよ

176:名無しさん@ピンキー
07/08/22 04:37:35 soWo6TX9
十人目は書けてるってことはほとんど完成してるんじゃん。

結局10人目を探せなくて望む死亡エンドでもいいんじゃないの。
というかなんでもいいから読ませてください。お願いします。




177:名無しさん@ピンキー
07/08/22 08:33:29 BWjTQtxM
倫様しかいないだろ

178:名無しさん@ピンキー
07/08/22 09:35:39 5S0bgNck
倫はどうした

179:名無しさん@ピンキー
07/08/22 09:50:16 HbpZzADJ
智恵先生という手もあるぜ!

180:名無しさん@ピンキー
07/08/22 11:25:53 QY4MvnkD
>>179
それだ!それがいい!

181:名無しさん@ピンキー
07/08/22 12:01:07 zKgFEIRs
しかしこのままだと最悪のパターンで久藤くんになりかねない恐ろしさ

182:名無しさん@ピンキー
07/08/22 12:27:15 po3Xrsrf
「先生を愛している」キャラなら三珠が適当だが書けないなら仕方ないな

183:名無しさん@ピンキー
07/08/22 13:00:04 /RMh2P0N
倫だな。倫がいい。

184:名無しさん@ピンキー
07/08/22 13:09:27 szkNYMbC


185:名無しさん@ピンキー
07/08/22 13:13:08 C937GCKJ
>>174-184
絶望した!予想以上に多かった返答に絶望した!

倫という手があったのを忘れてた、それで頑張ってみるよ。

186:名無しさん@ピンキー
07/08/22 14:23:42 6OmBYKre
>>185
まさに「決定版」だな。
wktkしながら待ってるよ

187:名無しさん@ピンキー
07/08/22 15:51:58 8t5TQ48+
この暑い夏を乗り切る糧がまた1つ・・・・・・・・・
死ぬほどwktkしつつ、待ってます

188:名無しさん@ピンキー
07/08/22 17:40:15 6wPgcutr
>>173
晴美に男子学生コスさせて先生と仮想BLプレイでおながいします。

189:名無しさん@ピンキー
07/08/22 17:49:11 NWiwvjJB
>>173に激しくwktkしながらも、前スレの鬼畜先生の続きを
首を長くして待っている自分がいる。

190:名無しさん@ピンキー
07/08/22 18:06:57 JLKwfQsG
まだかなー……まだかなー

191:名無しさん@ピンキー
07/08/22 18:21:28 H4L64+8V
下手に期待なんてしていたら亡霊さんに取り憑かれてしまいますよ

192:名無しさん@ピンキー
07/08/22 18:25:12 UQ5kF0Kh
>>185
頑張れ
マジ応援してる

193:名無しさん@ピンキー
07/08/22 20:03:50 DO0rdRgn
智恵先生>カエレ≧あびる>晴美≧霧≧奈美=倫様>まとい>可符香>千里>芽留≧マリア

194:名無しさん@ピンキー
07/08/22 20:07:51 er+POFOj
>>193
胸?

195:名無しさん@ピンキー
07/08/22 20:16:46 J8sO1yNa
晴美は中くらいの大きさだと思う

196:名無しさん@ピンキー
07/08/22 20:35:47 ZXlfvor9
牛丼並み盛りの器くらいか?

197:173
07/08/22 21:35:32 CXT2oczF
>>190
携帯から見に来てよかった。
仕事の関係で投下は明日の夜中になります。
23時には投下始めるから、それまで待ってください。

ごめんね

198:名無しさん@ピンキー
07/08/22 23:42:50 uCXoOwbJ
久米田は多分胸とかどーでもよさそうだし、細かい部分の差は議論しても仕方ないけど
霧たんが人並み(奈美)以上ってのは引っかかる。

199:名無しさん@ピンキー
07/08/23 00:39:27 ECE05HWL
霧はまあまあデカい
カバー裏参照

200:名無しさん@ピンキー
07/08/23 00:55:59 Lkjt5SzG
あびるに縛られるまといのSSはまだですか

201:名無しさん@ピンキー
07/08/23 00:57:21 IpH0jOLC
>>200
それは新しいな

202:前430
07/08/23 01:37:01 WD2gta0/
前403です。
妄想が止まるまで、しばらく連投気味かもしれません。
スレ的にまずいようでしたら、ストップをかけてください。

久藤ネタでは不快な思いをさせてしまった方がいらっしゃったようで
大変失礼いたしました。
久藤フラグを本気で立てるつもりは毛頭ありませんので、
あくまでもネタということで読んでいただければと思います…。

で、霧×先生を書いていたのですが、やや旬のネタが浮かんでしまったので、
先にこちらを投下させてください。
影武者×あびる(先生×可符香前提?)です。

ちょっと流血場面がありますので苦手な方はスルーでお願いいたします。


203:影武者 1/9
07/08/23 01:38:47 WD2gta0/
私の体には、いつも包帯が巻かれている。
それは、しょっちゅう怪我をしているということもあるけれど、それだけではない。
私の体は、自業自得とは言え、あちこち醜い傷跡だらけだから、
余り、それを人目にさらしたくないからだった…。


先生と、クラスメートと皆で海に行った。
さんざん浜辺で遊んだあと、浴衣に着替えてお祭りに行くことになった。
着替えるからには、この海水まみれの包帯を取らなければならない。
私は、皆と離れると、泊まっている宿の空いている部屋にこっそり入り込み、
そこで包帯を外し始めた。

汚れた包帯を全て外し終わったところで、いきなりふすまが開いた。
「きゃぁぁぁぁぁあ!」
「うわぁぁぁぁぁあ!」
慌てて手元のタオルをつかんで振り向くと、そこには、
ひっくり返ってアワアワしている先生がいた。

「せ、先生!?どうしてここに?」
「…ダッテ、ココハ、先生ノ部屋デスカラ。」
体を起こして先生が答える。
よく見ると、確かに奥の寝室に小さなバッグが置かれていた。

…ここ数日、先生のしゃべり方がどうもおかしい気がするんだけど、
今は、そんなことより。
「先生!あっち向いてください!」
「ハ、ハイ!」
先生は真っ赤になって横を向いた。

必死に目をそらしている先生を見ながら、ふと自虐的な考えが浮かんだ。
こんな体、あえて見ようとする男の人なんか、いないか…。
「いいよ、先生、こっち向いても。
 …こんな体、見られたってどうってことないし。」
ため息をつきながら言うと、先生はこちらに頭を廻らせた。
「…ソレハ、ドウイウ意味デスカ?」
「こんな傷跡だらけの汚い体、見られて困るもんでもないでしょ。」
と、先生が怒ったように私に言った。
「何テコトヲ言ウンデスカ!アビルサンハ、汚クナンカアリマセン!」


204:影武者 2/9
07/08/23 01:40:11 WD2gta0/
私は、呆然と先生を見返した。
先生は、私の驚いた顔を見ると、優しい目をして笑った。
「アナタハ、トテモ、キレイデスヨ…。」
驚きの余り口が聞けない私に、先生は続けて
「私ハ、アナタガ、一番…」
と言い掛け、はっとしたように口を押さえた。
「イエ、アノ、ユックリ着替エテ下サイ!!」
そういうと、ダッシュで部屋を出て行ってしまった。

私は、部屋で1人、タオルを持ったまま固まっていた。

――私は、あなたが、一番…。

先生のことを狙っているクラスメートはたくさんいたけれど、
私自身は、今まで、先生に対しては特に何の感情も抱いてなかった。
だいたい、先生を見ていれば先生が誰を好きかなんて一目瞭然。
そんな、はじめから勝ち目のない勝負なんかしたくなかった。
でも…。

――先生、本当に、私で、いいの…?

私は、はっと我に返ると、大急ぎで包帯を巻きなおし浴衣を着た。
そして、先生の姿を求めて宿屋の外に飛び出した。

――いた!
ぶらぶらと歩く先生の後姿に、私は駆け寄り、思い切って手を握ると、
「先生、捕まえた。」
と笑いかけた。

ところが。
先生は、さっきと全く別人のようだった。
青い顔で、放生会だとか影武者の一件は忘れてくれだとか口走ると、
「リリースしていただいてありがとうございます!」
と叫んで、私が巻いた包帯を引きちぎって走り去ってしまったのだ。

どうして…?
さっきの言葉は、何だったの、先生…?
立ちすくんでいると、今走り去ったはずの先生が、目の前を歩いていた。


205:影武者 3/9
07/08/23 01:42:14 WD2gta0/
え?え?先生が2人?
混乱しながら、先生が逃げた後方を振り返ると、遠くの方に
先生が幸せそうな顔で、可符香ちゃんと肩を並べて歩いているのが見えた。

前に顔を戻すと、そこにも、先生の姿。
先ほど先生が口走った「影武者の一件」という言葉が思い浮かぶ。
それで、納得が、いった。

――さっきの「先生」は、先生じゃなかったんだ…。

私は、ニセモノの言葉を、勝手に誤解しただけってこと?
恥ずかしさと悔しさと、そして、激しい怒りが心の底から湧いてきた。
私は、かつかつと「先生」を名乗る男の前に歩み寄った。

「アビルサン。」
「先生」は、私を見て何故か顔を赤らめた。
私は「先生」に向き合うと、にっこり笑って言った。
「先生。先生の部屋に行きませんか?…『いつも』の通りに。」

2人で宿の「先生」の部屋に戻ると、私はふすまやカーテンを閉め切った。
「先生」は、不安そうな顔をしてこちらを見ている。

「…どうしたの、先生、そんな顔して。いつもやってることじゃない。」
私は「先生」に冷たく笑いかけると、浴衣の襟に手を伸ばした。
「先生」は驚いたように飛び退ったが、私の手は離れない。
常日頃、猛獣を相手にしてるあびるさんをなめるんじゃないわよ。
運動神経は悪くても、力はあるんだから。
もう片方の手で帯を解くと、浴衣を一気に下まで押し下げた。

「ちょっ、何を…!」
思わず地声が出たらしい、「先生」は慌てて口を閉じた。

私は、わざと不思議そうな顔をして「先生」を覗き込んだ。
「先生、おかしいよ…?いつもは喜んでくれるのに…。」
そう言いながらも「先生」の下着に手をかける。
「先生」は、何とか私から逃げようともがいていたが、
「そんなに嫌がるなんて、何だか先生じゃないみたい…。」
私の言葉に動きを止めた。

私は下を向くと、小さく笑った。


206:影武者 4/9
07/08/23 01:44:46 WD2gta0/
「じゃあ、先生、いつもどおりに、ね…。」
私は、全裸になった「先生」に向かうと、浴衣の袖から尻尾を取り出した。
毛がふさふさの、狐の尻尾。

「先生」の腕をつかむと、その股間を狐の尻尾でゆっくりと撫で上げた。
さわさわと軽く撫でたり、つやつやの毛並みを下から沿わせたりしているうちに、
「先生」自身が勃ち上がってきた。
「ふふ、悪い子…。」
私は、赤くなった「先生」の顔を見て笑うと、そこに手を伸ばした。

しばらく、指で先端をなぞっていると、滲み出してくるものがあった。
私は、それを指で掬い取ると、「先生」の後ろにそれを塗りつけた。
そして、狐の尻尾を持ち上げると「先生」の体の後ろに持っていった。
「――!!」
何をされるか分かったらしく、「先生」が逃げようとする。
しかし、私は、「先生」の腕をがっちりつかんだまま離さなかった。

そのまま、一気に狐の尻尾を「先生」に埋め込んだ。
「いっ――!!」
「先生」が苦痛に体を折る。
私は、そんな「先生」を見下ろすと、首を傾げて見せた。
「先生、狐の尻尾は嫌いだったっけ?」

「先生」は、苦しそうな顔を私に向けた。
「ホ、本当ニ、コンナコトヲ、シテマシタ…?」
「あら。」
私は大げさに目を丸くして見せた。
「ついこの間も、狸の尻尾を差して大喜びしてたのに、忘れたの?」
「…。」
信じられないというように「先生」は頭を振った。

それを見て、私は、今度はイリエワニの尻尾を取り出した。
「先生」は、固い隆起のついた巨大な尻尾を見て、怖気づいたように後ずさる。
私は、そんな「先生」に笑顔を向けた。
「…忘れっぽい子には、お仕置きが必要でしょ。」
そう言うと、イリエワニの尻尾を振り上げた。


207:影武者 5/9
07/08/23 01:45:53 WD2gta0/
部屋の中に、声にならない悲鳴が響き渡る。
「先生」は、あっという間に鮮血にまみれてうずくまった。

私は、「先生」のそばにしゃがみこむと、そっと傷口を手でなぞった。
「先生、傷だらけ…。ふふ、私と一緒だね。」
「先生」は、震えながら顔を上げた。
その目には涙が溜まっていた。

――いい気味。

私は、窓際にあった藤椅子に座ると、「先生」に向かって足を差し出した。
「――舐めて。」

「先生」は、既に抵抗する気力もないようだった。
私が差し出した足の先にのろのろと顔を差し出すと、舐めはじめた。

――気持ち、いい。
濡れた、柔らかいものが指先や、指の間をくすぐるように行き来する。
その感覚に私は陶酔した。
「もっと、きちんと口に入れて…。」
囁くように命じると、「先生」は、私の足の指を口に含んだ。
そして、音を立てて吸い始める。

「あ…。」
思わず声が漏れ、それを聞いた「先生」が顔を上げた。
私は、その「先生」の顔を見てカッと頭に血が上るのを感じた。
主導権を握るのは私であって、「先生」ではない。

急いで足を「先生」の口から引き抜くと、先生の前に立て膝をついた。
「先生、今度は、私が先生を気持ちよくしてあげる。」
そういうと、半分勃ち上がっていた「先生」自身を両手で包み込んだ。

さすがに、口に含む気にはならない。
その代わり、手で幹をさすり、先端を指先で転がす。
もう片方の手は、袋をやわやわともんでみた。
「ぅ…あぁ…。」
「先生」が堪えきれずに声を漏らす。
――そう、いい声で鳴きなさい。あなたは私の奴隷なんだから…。


208:影武者 6/9
07/08/23 01:47:25 WD2gta0/
「先生」自身がすっかり固く立ち上がったのを確認して、先生に囁いた。
「先生…、そろそろ、来て…。」

「先生」が怯えたような目で私を見た。
「ソンナ…。」
「どうして?先生。いつもは、してくれてるじゃない。」
私の中で、もう1人の自分が「馬鹿なことはやめろ」と叫んでいる。
でも、私は、どうしても、この男を徹底的に屈服させたかった。

「先生、嫌がるなんて、先生は、本当に先生なの…?」
最終兵器を口にすると、「先生」はしばらくうつむいていたけれど、
立ち上がると、私を奥の寝室のベッドへといざなった。

「先生」が、私の秘所にそっと触れてきたが、私はその手を押しとどめた。
これ以上、この男に快感を与えられるのは嫌だった。
包帯も、取らない。
「いいの。もう、入れて。」
「先生」はしばらくためらった後、私の中に入ってきた。

「――!!」
想像以上の痛みに、私は歯を食いしばり、体を強張らせた。
涙が滲んできて、何も考えられない。

「先生」が私を心配そうに見下ろし、同時に、ぎょっとしたように
私の中から自身を引き抜いた。

白いシーツの上には、明らかに「先生」の傷口からのものとは違う、
紅い花びらが転々と散っていた。

「先生」の動揺した激しい息遣いが聞こえる。
「アビルサン…アナタハ…。」
私は、「先生」を見上げて呟いた。
「何を驚いているの…偽者さん。」
「先生」が、息を飲んだ。

「はじめから、バレバレなのよ、影武者さん。」
「先生」を騙っていた男が震えながら、私を見る。

「…いつから…どうして…。」
男の地声は、先生のものよりは幾分低めのようだった。


209:影武者 7/9
07/08/23 01:49:26 WD2gta0/
男は、震える手で口を覆った。
「私は…では…なんてことをしてしまったんだ…。」

私は、青ざめた男を、ただぼんやりと見ていた。
先ほどまで感じていた激しい怒りは、どこかに消えてしまっていた。
その代わり、空しい倦怠感が体の中に漂っていた。

ふと思いついて、尋ねてみた。
「ねえ…。」
男はびくりと肩を震わせる。
「あなた、先生の、影武者なの?」
男は、私の質問に戸惑ったようだったが、向き直ると、礼儀正しくうなずいた。
「はい、我々一族は、先祖代々糸色家の影武者を努めてきました。」
「…。」
先生の実家に行ったときも感じたけど、あの一帯は、なんか時代感覚がずれている。

「その顔は、どうやって似せてるの?整形?」
「…わが一族は、祖先に縁者でもいたのか糸色家と顔形が似通っていて…。
 多少の特殊メイクはしておりますが…。」
ふうん、と私は気のない返事を返した。

と、男は突然両手をつくと、私に向かって頭を下げた。
「本当に、申し訳ありませんでした!
 このようなことをしでかして、お詫びのしようもございません!
 腹を切れというのであれば、今ここで腹を切ります!」
「…いや、それ却って迷惑だから…。」

私は、寝返りを打つと頬杖をついて男のつむじを見下ろした。
「ねえ。あなた、影武者のくせに、どうしてあんなこと言ったの?」
「あんなこと、とは…?」
不思議そうに頭を上げた男に、私は言った。
「さっき、この部屋で。私がきれいだとか…あんなことは先生は言わないよ。」
男は、ぐっと口ごもった。

私は、それを見て、自嘲気味に笑った。
「私が、傷だらけで、かわいそうだと思った?」
男はガバッと起き上がり大声で叫んだ。
「かわいそうなんて、そんなこと、思ってません!」
驚いて目を見張る私に、男は頬を赤らめて視線をそらした。
「…その、私はあの時、本当に、あなたがきれいだと思ったんです…。」


210:影武者 8/9
07/08/23 01:51:25 WD2gta0/
私は、頬杖をついたまま、馬鹿みたいに口を開けて男の顔を見ていた。
男の言葉が、心の中に沈んでいくにしたがって、体が熱くなってきた。

――え、と、どうしよう…。

胸の鼓動が早くなる。
男の顔は真っ赤だ。
私も、自分の顔が赤くなっているのが分かった。

しかし。
1つだけ、気になっていることがあった。
「ねえ、あなた、今回みたいに先生の代わりに女の人と寝ることもあるの?」
男の顔から血の気が引いた。赤くなったり青くなったり、忙しい人だ。
「そんなこと、一回もありません!ただ、今回は…。」
男は、再び両手をついてうなだれた。

「私…私は、あなたの望様への想いを利用しました!」
「…え?」
「私は…あなたが望様に好意を抱いているのをいいことに、あなたと…。
 本来なら、断るべきだったのに、どうしても、それができなかった…!」

両手をついて肩を震わせている男を見ながら、私は、呟いた。
「違う…。」
そう言って、彼の目を覗き込んだ。
先生よりも虹彩がはっきりと黒い、きれいな澄んだ目だ。

私は、ここ数日の「先生」の行動を思い出していた。
暑い中、汗みずくになって黙々と倒れた墓石を起こしていた「先生」。
自分を取り囲んだ不良達に、恐れもせず真摯に語りかけていた「先生」。
あれは、この人だったんだ。

――あなたは、とても、きれいですよ…。

あのときの優しい目。
あれは、この人の、この目だったんだ。
そして、私は、この眼差しと恋に落ちた。

「私は、先生を好きになったんじゃない…。」
私は、彼の頬を両手で挟むと、彼と正面から目を合わせた。
「私が好きになったのは、あなただったの。」


211:影武者 9/9
07/08/23 01:53:27 WD2gta0/
私は、立ち上がるとカーテンを大きく開けた。
窓の向こうで夕陽が海に沈んでいく。
部屋中がオレンジ色に染まった。

私は、そのオレンジ色の中で、包帯を取り去った。
彼は、呆けたように私を見ている。

私は、彼に近づくと、その顔をなでた。
「ねえ…その特殊メイクって、落とせる?」
素顔の彼が見たかった。
彼は、慌てたように頷くと、カバンからクレンジングらしきものを取り出した。

素顔の彼は、先生より少し、幼いようだった。
「素顔の方が、素敵だよ…。」
私は、彼に笑いかけた。

彼は、夢の中にいるような表情で私を見た。
「な、何がどうなっているのか…信じられなくて…。」

私は、くすりと笑うと、彼に口付けた。
――初めての、彼とのキス。
ゆっくりと、彼と舌を絡めあう。
彼は、まだ夢見心地の顔をして、私の口付けを受けていた。

私は、唇を離すと、微笑んで彼に尋ねた。

「――ねえ、あなたの本当の名前を、教えて。」


212:前403
07/08/23 01:55:10 WD2gta0/
以上です。

お付き合いいただいて、どうもありがとうございました。
うーん、エロというよりは、グロになってしまった気も。

相変わらず中途半端ですが、>>173さんのSS投下までの場つなぎということで…。
>>173さん、正座してwktkしております!

以下は、おまけの小ネタです。


213:おまけ小ネタ
07/08/23 01:57:14 WD2gta0/
「せ、ん、せ、い♪」
「わ、小節さん!ど、ど、どうしたんですか?」
「先生に会いに来たんだけど…いけなかったですか?」
青ざめた望を前に、あびるは楽しんでいた。

――この間の先生の態度、けっこう傷ついたんだから。
   しばらくは、私とのフラグに怯えてなさい!


「あの…あびるさん、そろそろ、望様を許してあげてくださいませんか…。」
「だめ。言ってみれば、あなただって被害者なんだから。」

その後しばらく、望の首に包帯が巻きついたり、
まといが包帯で木に縛られたりという怪奇現象が続いたという…。



次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch