07/08/08 18:50:46 tBMNB8S7
マジで興奮したよ!今日は海に行ってきた。
誰もいない砂浜で全裸になってオナニーやった!
失神しそうなくらい気持ちヨカッタ!
URLリンク(nicl1216.18.dtiblog.com)
487:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:26:17 itFMa4TY
>よくどじをして、天然な、やっぱりどことなくゆきちゃんに似た人
つかさに似た人、なんだろうな、本当はw
保管庫にあるように「ウィークエンドの憂鬱」が390作品目で
「ラブマイライフ」のエピソード1と2を別々に数えるとしたら、
「ぼけぼけお泊り会」が400作品目ということになる。
488:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:33:14 CWyCrKD3
>>454 >>469 >>477
GJすぎてコラッ!!
489:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:34:23 YHg8auNc
>>458で
> 世界は明日に怯えたりせずに普通に東から太陽を昇らせてきた。
とあるんだが、夕方だよね。
太陽→月、か?
作者様たち
みんなまとめてで申し訳ないがGJ!
一日にいくつも作品が投下される現状にうれしい悲鳴が止まらないぜ。
490:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:42:50 gPvl1y0R
みゆき×こなたの微エロ投下します。
491:教えてみゆきさん 貧乳克服編(1/4)
07/08/08 19:43:39 gPvl1y0R
お昼休み。珍しくこなたとみゆきが、二人きりで話をしていた。
「みゆきさんってスタイル良いけどさ、そのために何かやってる? 体操とかサプリとか」
「いいえ。特にそういうことはしていませんね」
「天然でそのサイズなのかー……何とも羨ましいことで」
こなたは深々とため息をつく。
「泉さん、以前に小さくても良いと言っていたのでは?」
みゆきの言葉に、こなたは自嘲げな笑みを漏らす。
「そりゃまあ、そうなんだけどさ……やっぱり一抹の羨望を拭い去れないというかね……身長もそうだけど無いよりあった方が、ね……はぁ~ぁ」
こなたは机に顎を乗せ、長々とため息をつく。どう声を掛けたらいいのかみゆきが迷っていると、不意に体を起こした。
「そうだ。みゆきさん、私の胸、揉んでみてくれない?」
「ええっ?」
こなたの発言に、みゆきは驚き目を丸くする。
「ほら、胸って揉まれると大きくなるって言うじゃん」
「た、確かに、刺激を与えると効果があるそうですけど……」
「それからさ、これは前にゆーちゃんと話してたことなんだけど―」
兄弟姉妹は片方が片方の何かを吸収している、という話。かがみ&つかさ、ゆい&ゆたかなど、性格だけではなく胸のサイズにもこれは当てはまる。
「この揉まれると大きくなる説と、吸収説とを合わせて考え、導き出したのが、胸が大きい人に揉んでもらえば、効果が倍増するのではないかという理論だよ」
この場にかがみがいたら「どんなとんでも理論だよ!」と威勢良く突っ込んでくれただろう。
「でも、私と泉さんは姉妹ではありませんし、もし吸収するとしても、私の方にそれがいく可能性も―」
「はうあっ!?」
みゆきの方が的確に突っ込んでくれた。
「何という強欲な……この上、私のなけなしの胸まで持っていこうというのかー」
「いえ、何もそんなつもりは……あの、真面目にお悩みなのでしたら、相談に乗りますよ」
「最初から大真面目だよぅ」
「あ、すみません。そういうつもりではないんです」
みゆきは小さく咳払いして、改めて話を始める。
「胸が小さいのは、遺伝的な原因だけではなく、生活習慣も関わっているそうです」
「そなの?」
「はい。食生活の乱れや睡眠不足、運動不足やストレスなども原因になるそうです。泉さんはその点、どうでしょうか?」
「うーん……食生活は問題無いと思うけど、睡眠不足か……ネトゲやらで夜更かしすることが多いね。昔っから」
「それはいけませんね。胸だけではなく、身長にも悪影響があります。骨は夜、寝てる間に伸びるそうですから」
「え……それってホントだったの? てっきり迷信か何かと」
「はい。成長期にあまり夜更かしするのは良くないですね」
まさしく成長期に夜更かししまくっていたこなたは、愕然として肩を落とした。
「今まで何㎝分、無駄にしてきたんだろう……」
相当ショックだったらしい。こなたは暗いオーラをどんより漂わせて、ゾンビのように体を揺らめかせている。
「あの、大丈夫ですか?」
「だ~いじょ~うブ~イ……」
あまり大丈夫ではなさそうだった。
「こうなったらもう胸を何とかして大きくするしかない! みゆきさん、協力して~!」
「は、はい。えっと、さっき言ったように生活習慣を改善して、あとは体操やマッサージなどでしょうか。ツボを刺激するのもいいそうです」
「おおっ、ひょっとして胸を大きくする秘孔とかあるの?」
「さすがにそういうのは無いかと……でも、バストアップに効果のあるツボはありますよ」
「ふむふむ……ねえ、みゆきさん。良かったら今日の放課後、うち来てそういうのまとめて教えてくれない?」
「私は構いませんけど、泉さんのおうちの方は?」
「今日はお父さん仕事の関係で遠出してるから。いてもむしろ喜びそうだけどね」
492:教えてみゆきさん 貧乳克服編(2/4)
07/08/08 19:44:28 gPvl1y0R
そんなわけで放課後。みゆきは泉家へやってきた。ゆたかはみなみと寄り道するから遅くなると、こなたの携帯に連絡が入っていた。
とりあえずこなたの部屋まで上がって貰う。
「粗茶ですが」
「あ、どうぞお構いなく」
みゆきが相手だと、こなたは少々丁寧な態度になる。距離があるというより、単なる友情とは違う敬意の表れみたいなものだ。
出された紅茶を一口飲んで、みゆきはちょっと驚いた様子だった。
「泉さん、お茶を入れるのが上手なんですね」
「そう? ローゼンがきっかけで、ちょっとコツとか調べただけなんだけど」
「調べて得た知識をそうして実用に活かせるのは、とても素晴らしいことだと思います。私は知って、それだけなことが多いですし……」
「みゆきさんが胸を大きくする知識持ってても、宝の持ち腐れだもんね」
「そ、そうですね……」
「でもさ」
こなたは人差し指を立て、にんまりと笑う。
「そういう知識を私のような迷える子羊に与えることが出来れば、それって十分実用に活かせてると思うよ」
それを聞き、みゆきは笑顔で頷いた。
「確かに、そうですね」
「というわけでみゆきさん。教えてプリーズ」
「はい。バストアップの方法ですね」
みゆきはティーカップをコースターに置いて、話を始めた。
「まずマッサージは、バストの血行をよくするのが主な効果です。血行をよくすることで、女性ホルモンの分泌を促し、新陳代謝も促進されます」
「ふむふむ……それで、具体的にはどうするの?」
「ええ、それはですね……」
口で説明するより実際やってみた方が早いのだが、さすがにそれは気が引ける。
しかし、みゆきが少し迷っている間に、こなたはとっとと服を脱ぎ始めていた。
「い、泉さん!?」
「百聞は一見にしかずって言うしね。私にやってみてよ。実験台だと思って」
上半身裸になったこなたは、腰に手を当て小さな胸を張る。その堂々とした態度を前に、みゆきの方がかえって恥ずかしかった。
「では、あの……私が泉さんのを……?」
「うん。手取り足取りしてもらえたら一番分かり易いし」
みゆきはしばらく考え込んでいた。やがて緊張した面持ちで頷いた。
「……わ、分かりました。実際にやってみますね」
深呼吸一つして、みゆきはこなたと向き合った。
「ええっと……本来は、入浴中やお風呂上がりにするのが効果的らしいですけど……と、とりあえず、やり方を説明しますね」
みゆきは緊張した様子で、手の平をこなたの乳房に伸ばす。触れた途端、こなたの体が小さく震えた。
「あっ、すみません……」
みゆきは慌てて手を放す。
「こっちこそごめん。ちょっと冷たかったから」
改めて、みゆきはこなたの乳房に手を伸ばす。
「えっと、こうして、手を下の方に当てて―」
みゆきの手がこなたの小さな膨らみを包む。サイズは小振りでも、肌には瑞々しい張りがあり、心地良い柔らかさだった。
「……みゆきさん?」
「はうっ!? す、すみません……!」
ついポーッとしていたみゆきは、慌てて説明を再開する。
みゆきの丁寧な指導を直接自分の体に受け、こなたは着々とマッサージのやり方を身に付けていった。
493:教えてみゆきさん 貧乳克服編(3/4)
07/08/08 19:45:10 gPvl1y0R
「と、とりあえずマッサージに関してはこれくらいですね」
一区切りつけ、みゆきは息をついた。額にうっすら浮いていた汗をハンカチで拭う。
「みゆきさん、暑かった?」
「あ、いいえ。そういうわけではないです」
「でも顔赤いよ? 何か冷たい飲み物でも持ってこよっか」
「はい……お願いできますか」
シャツを一枚だけ着てこなたが部屋を出たのを確認してから、みゆきは深々とため息をついた。
手の平を見下ろす。乳房の感触の余韻が、まだ残っていた。それを意識すると、我知らず体の奥が熱くなってしまう。
(私ってば、泉さん相手に何を……)
同性で、しかも親友と言ってよい相手に、こんな状況で変な感情を抱いている。それだけでみゆきには十分過ぎる罪悪感が生じている。頭を振ってよからぬ思考を振り払おうとしたが、手の平に残る微かな温もりは消えなかった。
(同性だからとはいえ、泉さんもあまりに無防備です……)
みゆきのように女性らしく豊かなものではないが、こなたの体は均整の取れた良い形をしている。小柄で細身ながら野性獣のようにしなやかな筋力と弾力を肌の下に秘め、それでいて少女らしい細やかな線を持っている。そしてあの無邪気かつ愛嬌に溢れた笑顔……
「おまたせー」
お盆にオレンジジュースを乗せたこなたが部屋に戻ってきた。物思いに耽っていたみゆきは、慌てて居住まいを正した。
(いけません、変なことを考えていては……平常心、平常心です……)
冷たいジュースを飲んで気を落ち着かせたみゆきは、自分にそう言い聞かせながら説明の続きに取り掛かった。
「次はツボについてですね。バストアップに効果のある主なツボはだん中と天渓です」
みゆきはこなたの胸の真ん中に指を当てた。
「両方の乳首を結ぶ線の、ちょうど真ん中にあるのがだん中です。女性ホルモンの分泌を促します。このように右手の人差し指と中指で押さえ、左手の指も重ねて―」
みゆきの指先がこなたのツボを軽く押し込む。
「このように押さえます。次は天渓ですね。これは左右にありまして―」
みゆきはこなたの両方の乳房を軽く持ち上げるようにして、指先を外側に当てて押し込んだ。
「んっ……」
「あ、痛かったですか?」
「ううん、平気。くすぐったかっただけ。続けて」
「では……天渓は乳首の高さのこの位置にあります。このように乳房を持ち上げるようにして、親指で内側に向かって左右同時に押してください。このツボは乳腺の発育を促します」
「ふむふむ……」
こなたは教えられた通りに、ツボを押してみる。
「ツボを押すのも、入浴中にすると効果が高いそうですよ」
「分かった。今夜から試してみるよ」
その後みゆきはバストアップに有効なサプリメントや栄養素、食生活などについて解説し、こなたは熱心にいちいちメモりながら聞いていた。
494:教えてみゆきさん 貧乳克服編(4/4)
07/08/08 19:45:54 gPvl1y0R
「―私が力になれるのは、こんな所でしょうか」
一通り指導を終えたみゆきは、小さく安堵の息をついた。こなたは深々と頭を下げる。
「ご教授ありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
「ところでみゆきさん、図々しいのは承知の上でもう一つお願いがあるんだけど……」
「何でしょうか?」
「みゆきさんの胸、見せてくれない?」
「え……!?」
あまりに唐突なお願いに、みゆきの顔が強張る。
「な、何でそんなことを……?」
「うん……筋トレとかする時にさ、理想の肉体をイメージしながらやると効果が増すんだって」
「確かに、聞いたことがありますね。イメージするという行為には、あなどれない効果があるそうです」
「だからさ、胸を大きくするのにも、理想の肉体をイメージしながらやれば効果が高いと思うんだよ。それで理想のイメージとして、みゆきさんのを参考にさせてもらえれば、と」
「なるほど……」
「ダメかな?」
上目遣いに伺うこなた。その表情はあくまで真剣だ。
「……わ、分かりました……見るだけでしたら」
事前にこなたの方が諸肌脱いでいたということもあってか、みゆきは小さな声で了承した。
みゆきが微かに緊張した様子で上着のボタンを外す。純白のブラに包まれた、たわわな胸が露わになった。
「うーむ……改めて見ても凄いなぁ」
躊躇いがちにみゆきがブラを外した瞬間、こなたは思わず感嘆の息を漏らした。思わず両手を合わせて拝んでしまう。
「ありがたや~……」
「あの、何で拝むんですか……?」
「立派なものを見た時につい拝みたくなるのは人の性だよ。男子だって×××がでかい人には敬語になるっていうし」
「はぁ……」
こなたは穴が空くほどみゆきの胸を観察している。
「……(ジー)」
「あの、泉さん……そんなに凝視しなくても……」
「いやいや、よ~く見て脳裏に焼き付けておかないと」
「うぅ……」
見られているうちに、みゆきはまた変な気分になってきていた。体の芯が熱いようなむず痒いような、もどかしい感覚。
「あ、あの泉さん、そろそろ―」
耐えられなくなり、みゆきは服を着ようとした。
「ああっ、もうちょっと待って!」
慌てて服を着ようとしたみゆきを、これまた慌ててこなたが止めようとした。そのまま二人はバランスを崩して床に転がった。
「す、すみません泉さん」
「いや、こちらこそ……」
もつれ合った二人が起き上がろうとした、その時。部屋の戸がガラリと開いた。
「お姉ちゃん、今帰ってき―~~……」
諸肌脱いだこなたとみゆきが床に折り重なっている現場を目撃し、ゆたかは部屋の戸を開けた姿勢のまま固まった。
間の抜けたことに、二人ともゆたかの帰宅に全く気付いていなかった。
「……ごっ、ごめんなさーいっ!」
硬直の解けたゆたかは大声で謝って戸を閉め、廊下を逃げるように走っていった。
「ま、待って下さい小早川さん! 誤解! 誤解なんですーっ!」
大慌てで服を着て追いかけるみゆき。気が動転してひたすら謝るゆたか。
こなたは一人、名残惜しそうにため息をついていた。
「このオチ……二回目か」
おわり
495:教えてみゆきさん 貧乳克服編(おまけ)
07/08/08 19:46:53 gPvl1y0R
数日後。一年D組のお昼休み。
「―っていうことがあってね。私ってば変な勘違いしちゃって、ホントびっくりしたよ」
みなみとひよりを相手に、先日のこなたとみゆきの一件を話し終えたゆたか。
「それで、結果は……?」
話を聞き終えてすぐ、みなみがゆたかにそう尋ねた。痛いほど真剣な顔つきをしながら。
「結果って?」
「泉先輩の……胸。大きくなった?」
「ああ、うん。まだハッキリ分からないけど、毎日マッサージとか続けて、ちょっと大きくなった気がするって言ってたよ」
「そう……」
頷いたみなみは「それなら私も……みゆきさんに……」と何やらブツブツ呟いていた。
そしてひよりはというと、
(バストアップのマッサージを手取り足取り……危険だ。だがそれがいい! かなり応用の利くシチュでもあるし、カップリングはやはり―)
妄想を飛び越して具体的なプロット作りに入っていた。
496:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:47:38 gPvl1y0R
読んで下さった方、ありがとうございました。
497:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:48:21 h6Nmfj+7
しかも、どれもが秀作ときたもんだ。
文面やら展開やら、アマチュアとは思えん。
たぶん、何人かプロの作家混じってるな。
498:名無しさん@ピンキー
07/08/08 19:49:13 wSDdNx5t
リアルタイムGJ!!
みゆきさんかわいいよみゆきさん
最後の一言に迂濶にも吹いたw
499:名無しさん@ピンキー
07/08/08 20:00:12 7BMVIrTt
>>496
ひさびさのこなゆきktkr!GJです
照れながらも変なスイッチ入っちゃいそうなみゆきさんがかわゆすぐる
ありがたや~ありがたや~
500:名無しさん@ピンキー
07/08/08 20:09:26 eMs9NOi8
>>496
ゆきこなゆき! 嗚呼!
ていうか「今まで何㎝分、無駄にしてきたんだろう……」 なこなた可愛いよ。
バストアップとひよりんの次回作にご期待しつつ、ぐじょーぶ!
501:名無しさん@ピンキー
07/08/08 20:35:14 9pdLhUFg
>>496
GJっす
にやにやが止まらんww
>男子だって×××がでかい人には敬語に
なんねーよww
502:名無しさん@ピンキー
07/08/08 22:58:50 itFMa4TY
>>496
そんなつもりがあるんだったら
邪魔の入らないみゆきの家にすればよかったのにw
503:名無しさん@ピンキー
07/08/08 23:37:32 dmjucRKD
こなた「こちらスネーク、高良家に潜入した」
504:名無しさん@ピンキー
07/08/09 00:00:25 DKIBT+n9
みゆき「!」
505:名無しさん@ピンキー
07/08/09 00:17:20 XrUDpGgF
>>489
ご指摘ありがとうございます。
当初はこなたか帰ってきてから夕食をとるまでの描写をいれるつもりがなく
いきなり翌日の話から書くつもりだったので、その文を削除し忘れていました。
推敲不足です。
>>458の
>世界は明日に怯えたりせずに普通に東から太陽を昇らせてきた。
を
>世界は時を刻むことに何のためらいもなく着実に明日へと近づいている。
に変更します。
506:名無しさん@ピンキー
07/08/09 01:01:58 xXMmUtG2
>>503
ゆかり「あらこなたちゃんいらっしゃい」
507:名無しさん@ピンキー
07/08/09 01:19:52 ItWntHR7
大佐「紹介が遅れたな。今回の作戦を内部から支援してくれるゆかりだ。建物の構造については彼女に聞いてくれ。」
508:名無しさん@ピンキー
07/08/09 01:31:48 DKIBT+n9
かがみ「私だよ、姉妹(きょうだい)・・・。」
#ミラーつながりでw
509:名無しさん@ピンキー
07/08/09 01:34:16 6ToaeEvX
突然でスマン。
こなたがかがみの母親(みき)に「お母さん」って言うSSなかったっけ?
510:名無しさん@ピンキー
07/08/09 01:47:29 ODM8JnSm
>>509
多分「彼方なる神酒」。9スレ目保管所の一番上にあるはずだ。
511:名無しさん@ピンキー
07/08/09 01:50:58 6ToaeEvX
おぉ!これだ!まじでありがとう
512:名無しさん@ピンキー
07/08/09 02:24:29 i+dG/RRy
>>497
つまりそうじろうが混じってるってことだな!?
513:名無しさん@ピンキー
07/08/09 02:30:06 WOfDB5BR
かがみかわいいよかがみ
514:名無しさん@ピンキー
07/08/09 02:51:25 LtqK8DzY
>>496これは・・・・・
最高だ!!GJ!!
>>495の>>具体的なプロット作りにはいっていたの部分は作者さんがゆたみな編を書くというフラグを建てたんですね?
>>511あれは安らげるSSだよな。
ところで、これのゆかりverって出来ないか?
515:ぼけぼけのひと
07/08/09 02:56:04 hYtYTkXp
>>496
GJ! なんかみなみの反応に吹いた。
>>485
えーと、特にモデルになるような本はありません。
みゆきが例の日に渡しそうな本をイメージしたらあの内容になりました。
(ちなみに>>487さんの解釈のつもりで書いてます。)
あと、まとめてで申しわけないけど、感想、GJを言ってくれた人、ありがとうございます。
516:名無しさん@ピンキー
07/08/09 03:19:52 4ZISXs47
俺、この作品ラッシュが終わったら彼女にプロポーズしようと思ってるんスよ。へへ…
517:名無しさん@ピンキー
07/08/09 04:26:43 LtqK8DzY
残念それはありえない
・・・よな?
518:名無しさん@ピンキー
07/08/09 09:21:02 kGbQi0x9
>>514
>ところで、これのゆかりverって出来ないか?
「彼方なる~」の高良家版ってこと?
あの作品はラストでのギャップを狙ったので高良家だとオチが薄くなりそうなんですよね…
あと、自分には誰かを教え諭すゆかりがあまり想像できませんw
519:名無しさん@ピンキー
07/08/09 10:21:36 ODM8JnSm
高良家じゃ娘の方がしっかりしてて包容力もあるしなぁ…。
520:9-249
07/08/09 11:11:56 wBgF0YpC
どうも、おはようございます。
前スレでみなみの自慰ものを書いた者です。
それの続きが書きあがったので、投下いたします。
約3レスくらいかと思います。
何かとたくさんの方々のを参考にしたり、
前回投下時に何人かの人からアドバイスをいただいたりしたのでそれを参考にしたりして
書きましたが、やはりちょっと表現的な面とか、たくさんの面でまだまだな点があったりするので、
今回もアドバイス、指摘等をいただければ、と思います…
あつかましいお願いで申し訳ないです…
それではお恥ずかしながら…
521:9-249
07/08/09 11:13:03 wBgF0YpC
次の日のことであった。
女の子同士なのにまるで恋人同士に見える、とまで言われた二人…
ゆたかとみなみはまだ学校で口をきいていない。
それを不思議がる生徒も少なくなかった。
そして、午前中の授業、昼食、午後の授業、下校…
一日中二人が話すことは無かった。
みなみは1人で家に帰ろうとしていた。
そして下駄箱から靴を取り出そうとした時、
下駄箱の中に一通の手紙が入っていた。
「…ん…?」
恐る恐る手紙を開いて、読んだ。
そこにはたった一行だけ、文字が書いてあった。
「 学校の近くにある公園で待ってます… 」
みなみはそのまま手紙をポケットに突っ込んで小走りで公園へと向かった。
「(…ゆたか…?)」
みなみはちょっとした不安を抱えながらも公園へ向かう。
学校を出て、しばらく歩き、公園へ着くとそこには差出人がいた。
差出人はみなみの存在に気づくと声をかけた。
「みなみちゃん…」
「ゆたか…?」
「ごめんね、いきなり呼び出したりして」
「それは構わない…でも、もう話しかけないで、って…」
みなみが言い切る前にゆたかが口を開いた。
「そのことで、謝ろうと思って…」
「…え…?」
みなみは驚いた。
ゆたかは昨日の自分がやったことを見たはずだ。
それなのに、何故ゆたかが謝る…?
そんなことを考えていたとき、ゆたかが話し始めた。
「その…昨日はみなみちゃんが、ああいうことしてるのを見ちゃって…」
ゆたかは昨日のみなみがやっていたことを思い出したのか、顔を赤らめた。
また、みなみも同じく顔を赤くしていた。
「その、動揺してた、っていうのかな…とにかく、あの時は頭が真っ白になっちゃってて…だからあんなこと言っちゃったの」
少し間をあけて、ゆたかは言った。
522:9-249
07/08/09 11:13:39 wBgF0YpC
「みなみちゃん…ごめんね…」
みなみはそう言われてすぐに首を横に振る。
「…悪いのは自分…ゆたかが謝る必要なんて無い…」
「でも、ひどいこと言ったのには変わらないよ…」
しばらく間をおいて、ゆたかは言った。
「みなみちゃん…こんなわたしだけど、許してくれる…?」
もちろんのこと、みなみはゆたかを許さないわけがなかった。
「もちろんだよ…ゆたか…」
「…みなみちゃん、ありがとう」
今度はみなみがゆたかに言う。
「ゆたか……何度も言ってるけど、ごめん…」
「その…こんな私だけど…許してくれる…?」
ちょっと恥ずかしがりながら、みなみは言った。
「みなみちゃん…当然だよ」
「ありがとう…」
二人はしばらく見つめあった後、笑った。
「じゃあ、帰ろっか、みなみちゃん」
「…うん」
家に向けて帰り始める二人。
こうやってまた二人でいることができる、それだけでみなみはとても幸せだった。
そうして家に帰る途中のこと、突然思い出したようにみなみは口を開いた。
「そうだ…ゆたか…」
「何?みなみちゃん」
「その…今日、ゆたかの家…お邪魔してもいいかな…?」
「いいよ、みなみちゃんが良ければ…」
そして二人でゆたかの住んでいる泉家へ向かう。
随分と距離があったはずなのに、
いつのまにか家に到着していた。
みなみはその間の時間が一瞬の出来事のように感じた。
「ただいまー!」
ゆたかは元気な声で帰宅を知らせると、
奥からは泉家の娘、こなたが出てきた。
「ゆーちゃんおかえりーっと…あれ、みなみちゃんいらっしゃい~」
「あ、お邪魔します…」
523:9-249
07/08/09 11:14:21 wBgF0YpC
「いっつも礼儀正しいねぇ~。まぁ、ゆっくりしていきなよ」
「…はい」
「みなみちゃん、先に部屋行ってていいよ」
「うん、わかった…」
そう言われ、そのまま二階にあるゆたかの部屋へ行った。
一人でいる空間…それも、自分の最愛の友人が普段いる部屋…
こうして一人になると、みなみは変な気持ちになった。
「(ゆたかの部屋で…ひとり……)」
みなみはベッドの上にある枕のにおいを嗅いだ。
「(ゆたかの枕…いい匂いがする……)」
まるで変態のように臭いを嗅ぐみなみ。
片方の腕で枕を抱きつつもう片方では下半身のどこかを触っていた。
「んっ…!」
みなみは何故か湿っていたことに驚いた。
「(ダメ…抑えなきゃ…)」
そうして何とか自分の気持ちを抑え、ゆたかを待った。
しばらくすると、ゆたかが部屋に入ってきた。
「ごめん、待たせちゃった」
「そんなことないよ…」
それからはちょっと会話をした。
どれも他愛のないことだったが、みなみもゆたかも、
そうやって二人だけでいる時間を楽しんだ。
色んな話をしていて一区切りついたとき、
ゆたかは顔を真顔にして、みなみに問いかけた。
「ねぇ、みなみちゃん…ひとつ教えて…」
「何…?」
「この前、教室であんなことしてたけど…それも私の机で…」
ゆたかは一呼吸して、言った。
「その、良かったら教えてほしいな…どうして、してたのか…」
あんなこと、あの時教室でやっていたことだ。
みなみは素直に言うか、それとも隠すべきか迷った。
『友人』としてではない感情で、愛している…
そう言ったらゆたかはどういう反応をするだろうか。
女同士で愛し合う、なんていう話は聞いたことが無い。
もしかしたら嫌われるかもしれない。
でも、自分の気持ちを素直に伝えよう。
みなみは意を決して言った。
524:9-249
07/08/09 11:14:59 wBgF0YpC
「ゆたか…聞いて…」
みなみは一呼吸して話し始めた。
「私は…ゆたかを愛してる…友達としてじゃない。それ以上の…」
みなみは顔を真っ赤にしていた。
「こ、恋人として…」
ゆたかは突然の告白に躊躇する。
だが、みなみは続けて言った。
「この前あんなことをしていたのは…ゆたかが好きだった。だからやってしまった…」
「みなみちゃん…」
「女の子同士って変…そう思ってなかなか言えなかった…」
「そんなことないよ、みなみちゃん…」
部屋に沈黙が訪れる。
「でも、いいの?こんな私で…」
「ううん…違う…ゆたかじゃなきゃ、ダメ…」
そうだ。ゆたか“で”良いのではない。
ゆたか“が”良いのだ。
「ねぇ…ゆたか…」
「何…?」
「キス…しても、いいかな…」
ゆたかは無言で頷いた。
みなみは自分の唇をゆたかに唇に重ねる。
「んっ…」
しばらく二人はそのままでいた。
数秒の間のことであったが、二人は一瞬のことのように感じた。
「んはぁっ…」
お互いに唇を離す。
「ねぇ、みなみちゃん…」
「…何?」
ゆたかはいきなりみなみに抱きついた。
「っ…!?」
みなみは突然のことに驚く。
「ねぇ、これからもずっと一緒にいてくれる…?」
「…もちろんだよ、ゆたか…」
「ありがとう、みなみちゃん…私、うれしいな…」
その後、みなみは泉家で夕ご飯を済ませることとなり、
泉家の父と娘、そしてゆたかと夕飯をいただいた。
表情にははっきりと出さなかったが、みなみはとても嬉しい気持ちだった。
昨日の過ち…あれでもうゆたかとは元の関係に戻れない、そう思っていたのだから…
でも、今日は仲直りできた。
それだけではない、みなみは自分の気持ちを素直に伝え、ゆたかはそれを受け止めたのだ。
今日はとても嫌な一日であったはずが、とても良い一日となった。
岩崎みなみの心の中はとても暖かいものでいっぱいになっていた。
525:9-249
07/08/09 11:17:47 wBgF0YpC
以上です。
投下時にも書きましたが、アドバイスとか指摘等いただければ幸いと存じます。
なんか、やっぱり変だなぁ…
なにがおかしいんだろうか…
改行の位置とかかな?とかちょっと思ったりしますが…
526:名無しさん@ピンキー
07/08/09 11:30:43 P1YGHCIo
>>525
君に足りないものは「自信」だ
527:名無しさん@ピンキー
07/08/09 11:39:26 xXMmUtG2
>>525
ハッピーエンドルートにもちこんだか
乙っす
仲直りから恋人になるまでの経過が、早すぎるような気がした
みなみの心情をもっと多めにしたほうがよかったかも
528:名無しさん@ピンキー
07/08/09 11:39:52 K7+z1e7u
>>525
お話はGJ!仲直りしてほっとしました。
違和感の原因をちょっと考えてみました。
・3人称で書いていて、固有名詞(みなみは~、ゆたかは~)が多すぎるのかも知れません。
もう少しバリエーションがあってもいいかな?と思います。
・過去形と現在形をむやみに混在させると、感情移入の妨げになるのではないですか?
「~た」と「~(する)」以外の文末表現を工夫してはどうでしょう。
・同語反復が見受けられます。
下駄箱から靴を/下駄箱の中
一人でいる空間…/こうして一人になると、/ 「(…ひとり……)」
枕のにおいを嗅いだ。/ 「いい匂い)」/臭いを嗅ぐみなみ。
「(抑えなきゃ…)」/気持ちを抑え、
私は、推敲のとき、下書きを印刷して、マーカーを引きながら読んだりします。
頑張ってください。
529:名無しさん@ピンキー
07/08/09 12:15:52 uix4Kciv
「うーむ、師弟萌え……新しい萌えの形だなぁ」
「こなた!茶化すんじゃないの!」
「謙虚なお姿と的確な指摘……ここに良作が集まる一因を見た気がしますね」
「ここの人って、みんなお話書くのうまいよね~」
「なるほどー。まいうーな人が集まるだけじゃなくって、皆がまいうーな人になってくってワケだな」
530:名無しさん@ピンキー
07/08/09 12:22:44 xXMmUtG2
石塚さん自重ww
531:名無しさん@ピンキー
07/08/09 12:47:07 HkCIlBFE
URLリンク(www.hobbystock.jp)
これ見ててけてけかなたさんのお話がリフレイン
やばい、もうすぐ休み終了だってのに……
532:名無しさん@ピンキー
07/08/09 12:57:35 byyilrsK
>>525
これってみさおと部活始めるやつとは違うんだっけ?
SSたくさん読みすぎて混乱してきた
533:名無しさん@ピンキー
07/08/09 13:08:37 8v/eX5/i
>>532
それは◆kd.2f.1cKc氏の別分岐かな
元になってるのは同じだけど
534:名無しさん@ピンキー
07/08/09 13:18:06 ODM8JnSm
>>525
個人的にはゆたかが家に帰った後、どういう風にしてみなみのことを考え直すに至ったか、
ってのが描写されてるといいんじゃないかと思ったな。
何はともあれGJ。また書いたらぜひとも投下頼む。
535: ◆kd.2f.1cKc
07/08/09 15:29:48 nKb9o/rO
すみませぬ。続きがうまく書き出せなくて止まっておりまする。orz
536:名無しさん@ピンキー
07/08/09 16:27:25 bPBb2ZY8
小早川大尉殿・・・愛しておりました・・・
537:名無しさん@ピンキー
07/08/09 16:55:52 XrUDpGgF
>>525
ハッピーエンド好きの俺にとってはGJです
メガネが車に引かれて壊れたやるせなさが残る中、投下します。
『ありえないくらい似合わないプラトニックラブ』のかがみ視点
12レス使用します
538:認識できない感情
07/08/09 16:56:50 XrUDpGgF
いろいろありすぎた日だった。というより、いろいろな事を起こしすぎた日だった。
こなたに告白した私も確かに私なのだけれど、どこか紙一枚隔てた違う世界の私のような気すらする。
家の玄関を開けて「ただいま」と言葉を発して、ようやく私は現実世界に戻ってきた気がした。
テレビを見ているつかさに声をかけ、宿題するからと部屋に向かう。
いつもならすぐに机に向かうところだけど今日ばかりはまともに問題を解ける自信がない。
ベッドに倒れこもうとしたら急に足の力が抜けて膝を付いた。
そのままゆっくり上半身をベッドに投げ出す。
よほど緊張していたのか、その瞬間に眠気が襲ってきた。家について安心したという理由もあるかもしれない。
目を閉じる。網膜に焼き付いているさっきの光景が意識せずに瞼に浮かぶ。
その中でも鮮明に浮かぶ、こなたの泣き顔。
最初に左目から一筋流れて、その後の嗚咽に続いて右目からもボロボロと。
触れたいと――抱きしめたいと、願った。
泣かせた張本人である私にはその資格はないにも関わらず、そう望んだ。
『かがみの事は普通に好きだよ。でもそれは友達としてで、つかさやみゆきさんに感じる『好き』と一緒だから」』
『……だから、恋愛感情でかがみを好きになれない』
心に刻みこまれた声が脳内を反響する。こなたの声なのに、いや、こなたの声だからこそ、苦しい。
三半規管がおかしい。ベッドに寝ているはずなのに平衡感覚が定まらない。
ベッドが縦に回転しているような、まるで粘土のようにグネグネと蠢く。
体が重くなり、ベッドに沈んでいく。歪んで軋む世界が遠い存在に思える。
そして、フッと意識は中断した。
539:認識できない感情
07/08/09 16:57:29 XrUDpGgF
気がつくと私はア○メイトの目の前にいた。
さっき居た店舗の目の前で、私はほんの数センチ地面から浮いていた。
……ああ、夢だ。
店の壁に触れようとしたら、そこに手ごたえはなく壁の中に手が吸い込まれていった。
夢だしなんでもありねと思い、移動する。浮いているから足を動かさずとも思っただけで勝手に移動した。
浮くなら浮くでもっと浮けばいいのに何でこんな超低空飛行、しかも直立? と夢の中にまで突っ込みを入れる。
入り口から誰か出てきた。見間違うはずもない。
遠目からでも目立つ小柄な青の長髪。ぴょんと飛び跳ねたアホ毛。その隣には『私』が居た。
そもそも浮いているから足音を忍ばせる必要もないけれど、ゆっくりと私は『私』達に近づく。
『私』が止まって、歩調がずれて半歩先を歩くこなたが振り向く。
あれ、さっきと若干違う?
まぁ夢だし、ビデオを見ているわけじゃないから完全に一致してなくてもいいけれど。
『こなたは……私の事嫌い?』
私の声ってこんなんだっけ?自分が認識している声と他人に聞こえている声は違うというけど。
それだけじゃなく、緊張が含まれた自分の声に思わず恥ずかしさがこみ上げる。
『私は今まで通りがいいんだ』
こなたが『私』に対して呟く。
丁度『私』の後ろに私がいるから『私』の表情は見えない。
正直自分の告白している時の表情なんて見たくない。怖い顔してるのがオチだし。
『ねぇかがみ。今まで通りじゃダメ?』
悪戯っぽく笑いながら『私』を見上げるこなた。
夢は欲望が反映するとはいうけど、私こういうこなたを望んでるっけ?
現実的な考えは「夢だし矛盾してるのが当然か」という夢特有の意識でかき消された。
『…今まで通りでいい』
『私』が頷く。
こなたはほんの少し『私』に近づく。
今更気づいたけど、この夢の世界には通行人がいない。
物凄く静かな人が居ない世界。現実ではありえない。
540:認識できない感情 3/12
07/08/09 16:59:09 XrUDpGgF
『本当に今まで通りでいいと思ってる?』
こなたの視線が、こっちを向いた気がした。
私に聞かれている?
ここは現実のこなたがいない。それにどうせ夢だ。正直になろう。
私はこなたの隣にいられればいい
さっき、私はそう言った。それは完全な100%本当と言うわけじゃない。
『今まで通り』で我慢が出来なくなって告白したのも確か。
触れたいと願った。抱きしめたいと望んだ。……贅沢言うなら、キスとかもしたい。
でも、願って望んで、それで『今』が無くなるのなら私の願望は殺す。
いくら殺したって決してその願望は死にはしない。
死にはしないけど我慢は出来るはず。
だから友達でいい。名前を呼び合えて、たまに頭を撫でたりするぐらいで。
隣を歩けるだけでいい。
『じゃあ、もし私が誘ったら?』
「―は?」
あまりにも突拍子もないこなたのセリフに思わずマヌケな声を出した。
でもこの夢の世界に私は干渉できないらしい。
目の前にいる『私』は私のマヌケ声がまったく聞こえていないようだった。
しかも『私』は私よりもある種冷静、というか自分に正直らしい。
『例えばどんな風に?』
「おいぃ!?」
アホな『私』の切り替えしに流石に止めようと手を伸ばしてもあっさりとすり抜けるだけだった。
どうしようも出来ないもどかしさと恥ずかしさで頭を抱える。
『私』の問い掛けにこなたは妖艶な表情で両手を伸ばして『私』の両頬に触れた。
『例えば――キスして、とか』
541:認識できない感情 4/12
07/08/09 17:00:09 XrUDpGgF
現実じゃないとは言え、こなたの声でそういうセリフを聞いて私も眩暈がした。グラリとした頭をしっかりと抱える。
というよりなんつー夢を見てるんだ私は。欲求不満か!
あながち間違ってもなさそうで怖いしと分析している間にも『私』は操られるかのように、こなたの長髪ごと腰に手を回し引き寄せた。
何が悲しくて自分自身と好きな人(しかもさっき振られた人)のラブシーンを見せ付けられなきゃいけないのだ。
……私自身の夢だから、責任は全部私にあるのだけど。
「あ、あんた達ね……」
こなたは目を開いたまま、『私』は目を閉じて顔を近づけていて。
私は息を吸ってこの夢から覚めるために叫ぼうとして。
気づかなかったけど、いつの間にか空に亀裂が入っていた。
そして、暗転。
「何やってんだあぁ!!」
「うひゃぃっ!!」
私の叫びに、いちゃつこうとしていた二人は消えて……って、あれ?
『私』ともこなたとも違う叫びに私は急いで立ち上がった。
……視界に入るのは、本に、ベッドに、机。私の部屋だ。あ、そうだ。さっきまでのは夢だった。
ぼんやりとしている頭を数回振って辺りを見回す。
部屋のドアを半開きにしてつかさが中を覗いていた。
「あー、ごめんねつかさ。何か寝ぼけてて」
「ご、ごめんねお姉ちゃん。いきなりドア開けて……怒ってる?」
「いや、さっきの叫びはつかさに言ったんじゃないから」
説明できない叫びの矛先はひとまず置いておく。
「で、どうしたのつかさ」
「お姉ちゃん宿題するって言ってたから、甘いものほしいかなって思って」
市販のお菓子をわざわざ持ってきてくれたらしい。
差し出されたお菓子を受け取る。少し糖分を補充した方がいいかもしれない。
「ありがとう、つかさ」
「でもすぐに晩御飯出来るからお菓子食べ過ぎると入らなくなるかも…」
「え、もうそんな時間!?」
542:認識できない感情 5/12
07/08/09 17:01:09 XrUDpGgF
時計を見ると、帰ってきた時間からはかなり経過していた。
持ってきてくれたつかさには悪いけど今は食べるのは止めておこう。
お菓子の箱をつかさに渡した瞬間に、お母さんのご飯が出来たという声が聞こえた。
夕食も風呂もいつものように、ただ若干早く終えた私は眠くもないのにベッドに横たわった。
目が冴えてしまっている。さっき微妙な時間に寝たからか、未だに緊張が持続しているのか。
小説を読む気にもなれなかった。そういえば欲しい小説あったっけ。
今度こなたとどっか出かけたときに買おうと思ってたけど……一緒に行けるかな。
明確に断られても、やっぱり考えるのはこなたの事で。
今まで通りを望むこなたには悪いけど、よほど好きなんだと尚の事自覚した。
眠くなくても目を瞑って明日を待つ。
会いたい、けど、どういう顔をすればいい?
いつも通りという事を意識してないから『いつも通り』なら、演じようと意識した瞬間に『いつも通り』ではなくなってしまう。
思考が袋小路に詰まってショートする寸前に、私の意識は再び落ちた。
翌日。いつもの時間に起きて、つかさが少し遅れて起きる。
家を出て、駅でこなたを待つ。平常心が大切。いつも通りに。
なんだかんだでこなたは私に気を使いそうだし。
断ってごめんって思ってるかもしれない。そんな必要はないのに。
むしろ困らせて、苦しませてごめんと何度でも謝らなきゃいけないのは私の方だから。
考えがグルグルと、尻尾を追いかける犬のように回る。考えすぎて熱い。というより事実暑い。
つかさが小さく声を上げる。日陰からひょっこりと顔を出したのは私が考えていた人物で。
おはよう、と声をかけようとした瞬間。
『例えば――キスして、とか』
昨日のアホな夢がフラッシュバックした。
何とか声を上げるのは堪えたけど、ばれてないだろうか。
どうした私。むしろいつもより暴走してないか?
こなたを見ていたらその次のシーンまで思い出しそうで、慌てて視線を時計にやった。いつもより早い。
少し冷静になろう。頭をどこかにぶつけたい。瓦五枚を頭突きで割りたい。
って、こんなことを思うこと事態冷静じゃない証拠だ。
「おはよう、こなちゃん。今日はいつもより早いね」
「おはよう。珍しいじゃない」
「おはよー、つかさにかがみ。私もたまには清々しい朝の貴重な時間を大切にしようと思うときがあるのだよ」
「わー、えらいねこなちゃん」
543:認識できない感情 6/12
07/08/09 17:02:28 XrUDpGgF
つかさの反応にこなたは「え」と困ったような表情をする。
その困った表情の原因は昨日の出来事も少なからず関係しているのだろう。
でも今そのことは言えずに「それが毎日続けばいいんだけどねー」なんて軽口を叩く。
いつも通りに。今まで通りに。
電車を降りてバスに乗ると、こなたはすぐにゆらゆらと揺れだした。
あまり寝れなかったのかもしれない。原因は……私? と思うのは自意識過剰すぎるだろうか。
ネットでゲームとかしている可能性だってある。聞けないから解らない。
心配しても、普段そういう風に訊ねないからいきなり訊ねるのも不思議に思うかもしれない。
ゆらゆらと揺れるこなたを見つめる。視線に気づいたのかこなたはこっちを向いた。
隣にいるつかさと、私とを交互に見る。
「こ、こなちゃん。やっぱりこなちゃんは早起きにむいてないよ…」
「……ソウダネ」
「むいてるむいてないの問題じゃなくて気持ちの問題よ。
そんなんじゃ受験とかで早起きしてもきついだけじゃない。少しは早寝早起きの習慣つけたほうがいいって」
「いや、それはほら。分かっちゃいるけど止められない…みたいな?分かんないかなー?」
結構すんなりと会話のキャッチボールが出来てほっとした。
露骨に安堵の息はつけないので目を閉じて。
「分からん」
いつものように呟いて、変にボロを出さないために私は口をつぐんだ。
学校に着くまで私もつかさもこなたも喋らなかった。
バスの揺れを感じても、当然のように人生の意味は分からない。
とある歌を思い出し、運命の人は誰だろうかと私は片目を開けてこなたを見た。
間に挟まっているつかさは眠いのか目を閉じていて。
こなたもてっきり目を閉じていると思えば、予想に反して妙にぼんやりとした瞳で前のシートを見つめていた。
やっぱり、私はこなたを苦しめている。
ずしりと肩に乗る重さは、昨日の後先考えてない私に対する嫌悪と、今の私の無力に対する憎悪だろう。
544:認識できない感情 7/12
07/08/09 17:03:37 XrUDpGgF
急にバスが止まった。もう学校に着いたらしい。
バスを降りて教室へと向かう。結局3年間クラスが同じになる事はなかったから、絶対に廊下で別れる。
「んじゃまたね、かがみ」と、こなたが手を振ってくれた。
「おー、昼休みね」
「うん」
つかさとこなたに手を振って教室に入る。
そう言えば今「昼休みにね」と言ってしまった。
授業の合間に行こうと思えば行けるけど……そう言ってしまった手前、何となく行きづらい。
HRが終わり、授業が始まる。いつもより機械的にノートを取るだけの授業。
窓は開いているけれど、風がやむと熱い空気が教室の中をゆっくりと漂い肌に纏わり付く。
窓側の席はいいなぁと視線をやった。
峰岸が黒板を見つめていた。そういえば峰岸って彼氏持ちだ。
相談してみようかなと考えている授業終了のチャイムがなった。
慌てて黒板に視線を戻す。ノートに書いていた途中の文章は消されて新たな文章が書かれていた。
相談してみるのと同時にノートも借りよう。
「峰岸」
「なに、柊ちゃん?珍しいね」
席から立ち上がって峰岸の近くへと移動する。窓際に近いとは言え結局暑いことに変わりなかった。
相談しようと口を開いて、いや待てと口を閉じる。
っていうか、私はそもそも何を相談しようとしてたのか?
「えっと……峰岸って彼氏いるでしょ?どうやって付き合ったの?」
「えぇ!?」
峰岸が発火した。
……物凄く聞き方を間違った気がする。
それにこれを聞いてどうしようというのか。惚気話を聞く羽目になりそうだ。
「ごめん、今の無しで」
「ど……どうしたの、柊ちゃん?」
苦笑しつつ困ったように首を傾げて訊ねられた。正直私も何が言いたいのか解らない。
聞いてどうしようと言うのだろう。参考にしようと思ったところで無理な事は確定しているのに。
545:認識できない感情 8/12
07/08/09 17:04:51 XrUDpGgF
「ちょっと聞きたいんだけど、いい?」
「突拍子もないことじゃなければ……」
あれ、もしかして警戒されてる?
それに突拍子もないことなので、頷きもせず会話を進める。
「例えば告白して、相手から『友達としてしか見れない』って言われた後って……付き合える可能性あると思う?」
「……何の話?」
「いや、ちょっと……昨日読んだ小説にそういうシーンがあってね。主人公が告白して振られるんだけど結局諦められないの」
流石に「実体験です」とは言えない。しかも女同士なんてとても言えない。
「可能性は……0じゃあないと思うけど」
「え、何で!?」
思わず峰岸の机に手をついて迫る。
「柊ちゃん、その小説に感情移入しすぎ…」と聞こえた。
そりゃ感情移入も何も、その感情の持ち主は私です。
「ほら、普通に友達と思ってた人から告白されて、断ったけどそれから急にその人の事が気になったりってあるから」
「……あるの?」
「ないことはないと思う」
でも……やっぱりそれって男と女の一般論だし。
はぁ、とため息を付く。こんなことを考えたって付き合えるはずもないし、こなたに迷惑なだけなのに。
「柊ー、あやのー、なに話てんの?」
「あ、みさちゃん」
急に背中に軽い衝撃。日下部が挨拶代わりに叩いてきたんだろう。
にゃはーと笑うその表情が無性に羨ましい。
「日下部、いつの間に?」
「さっきまで寝てたんだよね、ってわけであやの、ノート貸して!」
「そうだ、峰岸。私も貸して」
いつもなら「しっかりしろよ」と言うところだけど今日ばかりは言えない。
私の頼みに日下部と、峰岸まで驚いていた。
546:認識できない感情 9/12
07/08/09 17:05:33 XrUDpGgF
それ以降の授業では黒板を写し損ねることはなく昼休みになった。
弁当をもって隣のクラスへ。久しぶりな気がする。朝会ったのに。
みゆきの弁当は相変わらず豪華だし、今日の弁当当番はつかさだから華やか。
こなたは毎度のごとくチョココロネ。
ネコ口がコロネの細い方に噛み付いて、太い方からすでに溶けてきているチョコが押し出された。
「こなちゃんって、ゆきちゃんに食べ方教えてもらっても細い方から食べるの変わらないんだね。
って、チョコが垂れてるよ!」
「大丈夫だよつかさ。慌てない慌てない」
徐々に長さを伸ばすチョコレートを舐め取る。
チロチロと動く赤い舌を扇情的に感じてしまい、箸を止めて見入ってしまった。
やばい、重症だ私。
視線を感じたのか、こなたはこっちを見て若干の間の後。
「そだ、今日帰りにゲ○ズ寄ろうと思ってるんだけどかがみも一緒に行く?」
「へ?」
そういう事を言われると全く思っていなくて何の心構えもしてなかった私は我ながら情けないほどマヌケな声をもらした。
「早く返事をしないと」という意識は、こなたの右頬にチョコが付いてることに気づいて「拭いてあげたい」という願望によって処理が遅れた。
今ここで頬に触れたら、きっと拭く以上の事もしてしまいそうで動き出した右腕を咄嗟に理性で抑え込む。
それより、返事をしないと。
一緒に行こうと誘ってくれた。嬉しい。本も買いたいのがあるし。
でも……私は今まで通りでいいと言いながらも、実際は好きという気持ちを殺せていない。
二人でどこかへ行って、昨日と同じように何のきっかけでスイッチが入るか解らない。
もしいきなり抱きしめでもしたら、友達としてもやっていけなくなる。こなたをますます苦しめる。
「えっと、今日は止めとくわ」
どれぐらいの時間考え込んでいたかは解らないけど、早口で断りを入れた。
こなたはきょとんとした顔をして……その後リアクションも何もなくチョココロネを見つめていた。
……どんな気持ちで私を誘ってくれたのかは解らない。
でも、私は断ってしまった。傷つけてしまった?
何が最善の選択肢なのか解らない。
私はつかさが作ってくれた弁当を見つめる。
547:認識できない感情 10/12
07/08/09 17:07:52 XrUDpGgF
「泉さん? 大丈夫ですか?」
みゆきの声。
こなたの返事はない。
私もこなたの様子を確認しようと顔をあげた。
「泉さん?」
「あ……うん、ちょっとチョコが思った以上に手ごわくて」
机に垂れる数秒前のチョコを舐め取って、笑っていた。
すごく無理をしているように見えて、思わず名前を呼ぼうとして。
「あの、こなちゃん。さっきから言おう言おうと思ってたんだけど」
「ん、何?」
「ほっぺたにチョコが付いてるよ」
つかさに先を越された。
あ、そういえばチョコのこと言ってなかった。こなたも初めて気づいたみたいで頬のチョコを指で拭って驚いている。
その指にコーティングされたチョコを、さっきと同じく舐め取って。
赤い舌を、どうしても落ち着いて見れない。舐めるって行為は健全じゃないって。絶対。
「ごめん、ちょっと洗ってくるよ」
「分かりました」
「左側にも少しついてるよ」
「……行って来い」
頬と指とを洗いに行ったのだろうけど、舌に気を取られていて返事が少し遅れてしまった。
あぁ、非常に危ない私の脳。告白してから理性のガードがゆるくなってる気がする。
振られたんだから落ち着けよ私の願望。
箸で卵焼きを突きながら、つかさは料理が上手だなぁと思ってしまう。
形も綺麗だし、おいしいし。やっぱり家事は出来たほうがいいだろうし。
「……お姉ちゃん?食欲ないの?」
「え、あ、いや。そうじゃなくて」
「さっぱりしたもの、オレンジなどがありますが食べますか?」
みゆきまで心配そうに私を見ている。
断るのも何だか気が引けて、オレンジを一つ貰った。
一口サイズに切られて、口の中で甘みと少しの酸味がはじける。
548:認識できない感情 11/12
07/08/09 17:09:20 XrUDpGgF
「ねぇねぇ、ゆきちゃん。私も貰っていい?」
「はい、どうぞ」
差し出されたオレンジを箸で摘んで口に運ぶつかさ。
それを笑顔で見つめるみゆき。
まるで親鳥と雛鳥だ。
「……こなちゃん、遅いね」
「そうですね」
確かに、頬と手を洗うだけにしては遅すぎる。
もしかして……私がいるからここに居づらいんじゃ……
「私、様子見てくるね」
つかさが立ち上がろうとして、私はそれより早く立ち上がった。
「つかさは座ってて。私が行くから」
「え、う……うん」
こなたが気を使う必要はない。
謝ろう。謝って昨日の事を忘れてもらうのが一番いい。
自分がが言ったくせに、なんて臆病でずるい逃げの手だろうと思う。
廊下の、鏡が取り付けられていない手洗い場にこなたは居た。
水がずっと流れているけど手は洗っていないように見える。
洗った後に出しっぱなしで考えごとだろうか。
「こなた」
声がかけづらくて、小さく呼びかける。
反応はない。無視……ってわけじゃなさそうだけど。
「こなた」
今度は少し大きく。
やっぱり反応はない。肩をちょっとだけ叩こうかなとしたら、こなたはいきなり蛇口を閉じてこっちを向いて
549:認識できない感情 12/12
07/08/09 17:10:45 XrUDpGgF
「どひゃあああ!!!!」
「な、何よ!!!」
叫ばれた。その叫び声に私まで叫んでしまう。
叫んだ後も、私を見て妙に慌てているこなたに対し、罪悪感を感じる。
やっぱり、私といっしょに居づらいんだろうから。
「ど、どしたのかがみ」
「あんたが帰ってくるのが遅いから見に来たのよ。……気になったし。昨日の事気にしてるなら、本当にごめん。忘れていいから」
「え?」
こなたが「何言ってるの?」との意味を込めたのだろう一文字が冷たかった。
悪いと思っているのに、私は自分勝手な事をお願いする。
なるべく笑顔を作って。
「だから今まで通り」
「出来ないよ」
普通に話してくれたら嬉しい。
そう繋げようとしたのに、こなたにセリフをぶった切られた。
見上げる視線が真っ直ぐで、動けなくなる。
「かがみは私に真剣に告白してくれた。それをなかった事にするなんてかがみに失礼だよ。忘れるなんてもってのほか」
こなたは、私以上に私の事を考えてくれていた。
気温の関係だけじゃなく、胸が熱い。
「昨日、私はかがみの事を『友達として好きだから恋愛感情で好きになれない』って言ったよね。訂正する」
周りの空気が変わったように感じた。
こなたが両手を強く握り締めて、訴えかけるような瞳で私を射抜く。
「私はいまいち『恋愛感情』って感情が分からない。だから……自分の中で答えを見つけたいから、かがみに一つお願いがあるんだ」
「…何?」
「かがみにとって残酷なお願いかもしれないよ」
「出来る限りならきいてあげるわよ」
こんなに真剣に考えてくれて、心配までしてくれているなら。
出来る限りどころか、どんな不可能にも挑戦しようと思っていた。
こなたが息を吸う。私も、どんな無茶だろうが頷く用意をして
―――キスして
『え?』
昨日見た夢と同じ単語を聞くとは思っていなかった私は頷くより先に、なぜかこなたも発した一文字をハモらせていた。
550:名無しさん@ピンキー
07/08/09 17:12:59 XrUDpGgF
以上です
一応こなた視点がメインなのにかがみ視点の方が長い
かがみが暴走しすぎた
感想、GJくれた皆様、感謝します
おかげでメガネがなくても生きていけます
551:名無しさん@ピンキー
07/08/09 17:22:37 dZagoq1X
リアルタイムで読ませていただきました。
二人が神様を見つけられるのかを気にしつつ、
あえて甘甘という無料のユートビアを通り過ぎるあなたにGJ
552:名無しさん@ピンキー
07/08/09 17:43:09 m5jshUsN
>>550
GJ。超GJ
553:名無しさん@ピンキー
07/08/09 17:43:27 7s5kvY9R
>>550
GJ!!!!!
恋人に振られるという悲しみや恥ずかしさや悔しさなどの複雑で繊細な感情を、
見事に言葉で編み上げていることに驚きと感動と嫉妬を覚えました。
554:名無しさん@ピンキー
07/08/09 18:03:36 uy6sJe0G
お…俺たちは…こんないいものを何の対価も無しにみせてもらっていいのか!?
超絶GJ こうもこなかがでやってくれる方がいようとは!感動!
555:名無しさん@ピンキー
07/08/09 18:15:26 o8o6bMqd
>>550
GJ!!もう一度いう、GJ!!
こなた視点の時にかがみの右手がぴくっとした描写があるのは
何なんだろうと思ってたが、かがみ視点を読んで
「そういうことか」と思わず話の内容とは別に、ニヤっとしてしまったw
556:名無しさん@ピンキー
07/08/09 20:38:11 8UT+V0MB
>>550
GJです !
ああ、ここには神がいっぱいいる・・・
557:名無しさん@ピンキー
07/08/09 20:57:25 wBgF0YpC
>>550
GJと言う他ないですな。
それにしても最近2桁レスの小説がちらほらと増えたような…
558:名無しさん@ピンキー
07/08/09 21:12:16 YuMtCHsn
>>550
GJ
こういう形でハピエンドに持ち込むのは予想外だった、恐るべし文才550
559:名無しさん@ピンキー
07/08/09 21:15:27 5p5ofpNG
>>550
相変わらず表現力が凄い…
何でこんな描写できるんだろうとか思ってしまうよ。
俺も頑張ろう…
560:名無しさん@ピンキー
07/08/09 22:07:44 y8ihuxWA
>>550の人気に嫉妬。
しかし、それ以上に>>550の文才に超嫉妬。
561:名無しさん@ピンキー
07/08/09 22:21:23 HkCIlBFE
某解説の文を引用させてもらうけど
『この筆力にまず嫌にさせられる』
ってのがよくわかる
GJ!
562:かがみの恋、こなたの気持ち (0/8)
07/08/09 22:47:46 jRuanqS7
>>550氏の後に自分の文を読んでちょっと落ち込みました。
恐れ多いですが投稿させていただきます。
こなた視点(一部かがみ視点)で申し訳ない程度に微エロ有り。
設定上男が出てきますが、名前はもちろんセリフも与えてません。
8レスお借りします。
563:かがみの恋、こなたの気持ち (1/8)
07/08/09 22:49:51 jRuanqS7
かがみに、彼氏ができた。
それを聞いたのはもう少しで日にちも変わろうかという頃、突然かかってきたかがみからの電話でだった。
どうやらその日の放課後、クラスの男子の子に呼び出されて告白されたらしい。
クラスではそれほど目立つような子じゃなかったけど、
誠実そうで、なによりすごく優しそうな印象を受けたからOKしたって言ってた。
かがみはちょっと怖いところもあるけど本当はさびしんぼさんで、かわいらしい一面も結構持っている。
こうやってわざわざ私に電話で報告してくるところなんてまさにそう。
外見だって女の私から見てもかわいいと思うし、前々から男っ気がないのが不思議だったくらいだ。
私はそんなかがみの幸せが素直に嬉しかった。
そして同時に、少しモヤっとしている自分がいた。
きっと私はかがみのことを羨ましく思っているんだろう。
「ケド、かがみにもついに彼氏かぁ~。
私的にはつかさのほうが先だと思ったけど……世の中分からないもんだネ」
「ホントそうね。私自身今でも信じられないもの。
アンタの方も、ネットばっかじゃなくてちゃんとリアルでの出会いも作りなさいよ~」
「むむ~、さすが余裕のある人は言うことが違いますなぁ……」
「そ、そんなんじゃないわよ。アンタ見てると、何か心配なのよね」
「まぁまぁ私のことは心配ご無用っ。それよりかがみっ」
「何よ?」
「お・し・あ・わ・せ・に・ね」
「ち、茶化すなっ!!」
「アハ☆ じゃあまた明日学校でね~」
「まったく調子いいんだから……。じゃあねこなた」
そんないつも通りの会話をして、私たちは電話を切った。
「あぁ、そういえば今日からあのコと一緒に帰るから。
みんなと一緒に帰れなくなっちゃうけど、ごめんね」
次の日、登校途中にかがみが言った。
あのコとは言うまでもなく彼氏のことだ。
照れ隠しなのか彼氏とは言わないところがなんともかがみらしい。
「なんでかがみが謝るのさ。いやいやお熱くてよござんすねぇ。青春いいじゃないかっ」
「またこなたはそうやってすぐ茶化すんだから」
そういいつつもかがみはまんざらでもなさそうだった。
「でもお姉ちゃんもずるいなぁ。気付いたら抜け駆けしてるんだもん」
「かがみにも春が来たんだネ」
「んもうっ……やりにくいわねぇ……」
かがみはすっかり真っ赤になった顔でそう言った。かわいいやつめっ。
564:かがみの恋、こなたの気持ち (2/8)
07/08/09 22:51:05 jRuanqS7
「うー、やっと昼休みだ~」
昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴り、
私はチョココロネを持ってつかさとみゆきさんのところへ移動する。
「こなちゃん眠そうにしてたね~」
「むむぅ……あの先生はスリプルをかけてるとしか思えないよ……」
「まったく、アンタはもうちょっとシャキッとしなさいよね」
つかさとそんな話をしていると、かがみが教室に入ってきた。
「おやおやかがみ、今日はてっきり例の人と一緒にあま~いランチを食べるのかと」
「う、うーん……なんかこう……恥ずかしくてさ……。
今日だって何度か目は合ったんだけど……一言も話してないのよね……」
少し顔を赤らめながらかがみが言う。
その絵に描いたような初々しさに私はおもわず顔がにやけてしまう。
「そういえば、かがみさんはクラスの方とお付き合いを始められたんですよね。おめでとうございます。
陰ながら応援させていただきますね」
「ありがとうみゆき。みゆきは本当に人が出来てるわよね~。
どっかの誰かみたいに茶化すこともしないし」
かがみはそう言って意地悪そうに横目で私を見る。
やっぱりみゆきさんのキャラはどことなくずるい。
私は少しふてくされながらチョココロネをかじった。
放課後、荷物を用意しているときにふと朝のかがみのセリフを思い出す。
そういえば今日からかがみは一緒には下校しないんだっけ。
「こなちゃん帰ろ~」
つかさとみゆきさんが荷物を持ってやってきた。
このまま帰ってもよかったんだけど……そうは問屋がおろさないのが私の心。
「……つかさ、かがみが付き合ってる人ってどんな人か知ってる?」
「ほえ? うーんと、優しそうな人っていうのは聞いてるけど……。
隣のクラスだしあんまり知らないかなぁ……」
「ふっふっふ……どんな人か興味無い?」
とっておきの悪人面で語りかける私。私も悪よのう。
「こ、こなちゃん顔が怖いよ……それってつまり……」
「さすがつかさ、私の言わんとしていることが分かったようだねぇ」
目の前にはどこか不安気なつかさ。
みゆきさんはどういうことか分からずにおろおろしている。
「この後彼氏と帰るかがみを尾行しない?」
「やっぱり……こなちゃんなら言うと思ったよ~。
でもなんかそういうのってあんまり良くないんじゃ……」
「まぁまぁそう固いこと言わずに~。みゆきさんだって興味あるよねぇ?」
「ええ、大変興味深いです」
いつも通りの笑顔で言うみゆきさん。
正直言ってみゆきさんが賛成してくれるのはちょっと意外だった。その笑顔が逆に怖い。
みゆきさんは気になったらとことん調べるタイプだからかな。
今回のことはみゆきさんのレーダーに引っかかったみたい。
「ほらほら~、みゆきさんもそう言ってることだし」
「わ、わかったよ~。でも慎重にねっ?
お姉ちゃんにバレたら怖そうだから……」
ちょっぴりおびえるつかさとノリ気のみゆきさんを引き連れて、私はかがみの尾行をすることにした。
565:かがみの恋、こなたの気持ち (3/8)
07/08/09 22:52:22 jRuanqS7
「おっ、出てきた」
教室のドアから見張ること数分、かがみが例の彼氏と思われる子と教室から出てきた。
相手の子はかがみよりもちょっと背が高くて、前髪をおろした中くらいの髪の長さの子だった。
見えたのは一瞬だったからそれくらいしかわからなかったけど。
その後かがみ達は私たちのほうを向くことなく、階段のほうへ向かっていった。
「さーて、いっちょやってみますか」
「し、慎重にね、こなちゃん」
「わかってるって~」
かがみにばれないように十分に距離をとりながら後を追う私達。
見たところ……手はつないでないみたい。
ちょっと余所余所しい感じはするけど、会話は続いてるみたいだし、カップルとしては合格点って感じかな。
採点の基準? もちろんギャルゲーだよ。
「あ、バスが来た」
私達の学校は駅までスクールバスが出ている。
かがみ達もそれに乗るみたいで、最悪尾行はここまでかなと思ってたんだけど、
上手い具合にかがみ達が前のほうに座ってくれたおかげで
後ろからかがみ達の様子を見ることができるようになった。
「かがみさん、楽しそうですね」
「ホント、お姉ちゃん楽しそう」
二人の言うとおり、かがみは隣に座っている子と楽しそうに喋っていた。
私はそれを見て少し安心した。
かがみが楽しそうにしているなら、私は何も心配はいらないと思った。
その後彼とは帰る方向が違うらしく、改札を通った後に手を振り合って別れていた。
そして彼の姿が見えなくなった後、かがみは自分の帰る方向のホームに向か……わずに……
わ、私たちの居る方向に向かってきましたヨ!!?
「なーにをしているのかなーさ・ん・に・ん・と・も」
柱の影に隠れていた私達をつかまえたのは……鬼のような形相をしたかがみだった。
あの時のかがみの顔は一生忘れられないかも……。
その後、私はかがみにこっぴどく叱られた。な、なんで私だけ……。
「まったく……こなたはともかく、つかさやみゆきまで……」
「私は一応止めたんだけど……」
「す、すみません……」
「つかさは家についたらじ~っくりとお説教してあげるからねー」
さっきとはうってかわってとびきりの笑顔でかがみが言う。
「こなちゃーん……恨むよぅ……」
「ご、ごめん……」
つかさには何かお詫びをしないとなぁ……。ちょっと涙目になってるし……。
「みゆきも、今度こなたが変なことをしようとしたらちゃんと止めてね。
頼れるのはアンタだけなんだから」
「はい……その、本当に申し訳ありませんっ」
「お姉ちゃんそれはちょっとひどい……」
あ、つかさがさらに涙目に……。
まぁでも確かにつかさに頼られキャラは似合わないよね。
「尾行するにしてももっとバレないようにしなさいよね。全くこっちが恥ずかしいくらいバレバレだったわよ」
「でもかがみ、楽しそうにしてたね~。あれならお姉さん、心配無用だっ」
「誰がお姉さんだ。反省が足りてないみたいね~?」
かがみが握り拳をつくっている。
「ぼ、暴力はんたーい!」
その日、私の頭にたんこぶが一つできた。
566:かがみの恋、こなたの気持ち (4/8)
07/08/09 22:53:42 jRuanqS7
そんなことがあった日の夜、私はかがみに謝罪の意も込めて電話をした。
「……反省した?」
第一声がそれですかかがみ様……。
「はい、じゅーぶんに反省しております……」
「もうあんなことしたりしない?」
「はい、もうあんなことはしません」
口ではあんなことを言ってるけど、この声はもう怒ってないときのかがみの声だ。
なんだかんだ言ってやっぱりかがみは優しい。
「ま、反省してるみたいだし許してあげるわ。
今度からはこそこそしたりしないでもっと堂々としなさいよね」
「い、いやー……それもどうかと……」
「あはは、冗談よ。まぁ確かに気になるのも分かるけどね
私もこなたに彼氏が出来たら同じようなことすると思うし」
「なんだよー、かがみも人のこと言えないじゃんかー」
「ま、人間好奇心には勝てないってことよ」
かがみはそう言って電話越しに笑った。
「……ねぇ、かがみ?」
「ん? 急にどうしたのよ、改まって」
「かがみは今の状況、楽しい? 幸せ?」
「な、なによ急に……。楽しいし……幸せよ。って変なこと言わせるな!」
「そっか……それならいいんだ。
私はかがみが幸せなら、それでいいんだよ」
「?? 変なこなたね」
「それじゃかがみ、また明日ね」
「ん、また明日ね、こなた」
何でもない日の、何でもないない会話。
それはこの日の電話を境に、少し減ることになる。
次の日から、かがみは昼食のときに私達の教室に来なくなった。
つかさから聞いた話、学食コーナーの机で一緒にお弁当を食べることになったらしい。
私は付き合っているならそれも当然のことだなと思った。
私のオタク発言に突っ込んでくれるかがみが居なくなって少し騒がしくはなくなったけどね。
もちろん帰りもかがみは一緒じゃない。
なんとなく二人に悪い気がしてバスもなるべく別のに乗るようにした。
そのせいで帰りの電車も一緒のに乗ることは少なくなった。
たまにホームで追いつくことがあっても
なんとなく、なんとなく悪い気がして話しかけないようにした。
ちゃんとかがみと面を合わせて喋るのは朝の登校のときくらいで、
そのとき以外の会話は以前にくらべて格段に少なくなっていた。
私は彼氏ができたならそれが当然だと思った。
ううん、それが当然だと思おうとしてた。
567:かがみの恋、こなたの気持ち (5/8)
07/08/09 22:54:57 jRuanqS7
そんな日が何日か続いたある下校の時、私はつかさに心配そうに言われた。
「こなちゃん、最近元気ないね。
やっぱり……お姉ちゃんがいないと寂しい?」
「そかな? 元気ないのは昨日徹夜でネトゲーしたからだと……ふぁ~あ」
「そう? それならいいんだけど……」
私はそのときはそう言ったけど……つかさに言われて初めて気付いたんだ。
私は、かがみがいなくて寂しかったんだって。
最初にかがみから電話されたときに感じたモヤモヤの正体。
それは羨ましい気持ちなんかじゃなかった。
私はかがみが誰かにとられてしまう気がして寂しかったんだ。
そして私達がかがみを尾行したあの日、かがみの楽しそうな表情を見て、
私はかがみはもうあの子のものなんだと確信した。
かがみはもう、私がひとりじめしていい子じゃない。
そう思ったから、帰りに会っても話しかけづらかった。
けど私はその寂しい気持ちを自分の中で否定しつづけていた。
かがみがいなくなったことを認めたくなかったから。
だからそのことを彼氏がいるから当然のことだと、そう自分の中で正当化していた。
でも、かがみがいないことは……私の中でもう普通のことじゃなくなっていた。
その日、家に帰っていつも一番初めにするパソコンの起動もせずに、私はベッドに横になった。
ベッドに横になり、そしてかがみのことを考えた。
笑うかがみ、怒るかがみ、一緒に買い物に着いてきてくれるかがみ、
体重がちょっと増えて落ち込むかがみ、「また明日ね」と、そう言って私に手を振るかがみ……
いろんなかがみが私の頭に浮かんでは消えていった。
「かがみ……」
私は無意識のうちにかがみの名前を呼んでいた。
そして……自分の手で自分を辱めていた。
「かがみぃ……」
どうして、どうしてこんなことをしているんだろう。
私はかがみで最低のことをしている。
でも、止められなかった。止めたくなかった。
止めてしまったら、かがみがもっと遠くに行ってしまうような気がして。
かがみのことを考えるたびに、胸が切なくなる。
かがみのことを思うたびに、胸が締め付けられる。
私はこんなにもかがみが大好きで、こんなにもかがみが大切だったんだ。
「んっ……かがみぃっ……!!」
行為が終わった後、不意に私の目から大量の涙が溢れてきた。
それは大切な友人を汚してしまったからなのか、はたまた別の理由なのかはわからない。
喉の奥から嗚咽が漏れる。とにかく私は泣いた。泣いて泣いて、泣きまくった。
けれど涙は、止まることはなかった。
「かがみ……私、寂しいよ……。
すっごくつらくて……苦しいよ……」
かがみは……私のことどう思ってるのかな。
かがみは……私がいなくなっても平気なのかな。
ねぇ、教えてよ、かがみ。
もう一度……戻ってきてよ、かがみ……。
568:かがみの恋、こなたの気持ち (6/8)
07/08/09 22:56:17 jRuanqS7
私に、彼氏ができた。
相手はクラスの子だった。それまでには何回か話したことくらいしかなかったけど、
その告白がすごく誠実で、そして優しそうな印象を受けたから付き合うことにした。
最初のころはなんだか気恥ずかしくて、クラスでもまともに話すことはできなかったけど、
一度一緒に帰ったらそれもなくなった。
彼はとても話しやすい人で、なんとラノベの話題で意気投合してしまった。
実は私がラノベの話をしているのを聞いて、そこから私を意識するようになったそうなのだ。
こんな風に話せる人は男子では初めてで、私は束の間の幸せを味わった。
(そういえばそのときこなた達が後ろからついてきてたみたいだったけど……)
それから、彼とは昼食も一緒にとるようになった。
自分達のこと、趣味のこと、学校のこと……。話題は尽きなかった。
メールアドレスも交換し、学校が終わってからもメールしたりしていた。
私はそんな生活を素直に楽しいと思えた。
しかし、そんな生活をどこか寂しい、物足りないと感じていたことも事実だった。
もちろん、最初はそんなことは思わなかった。
けれど、それは日を追うごとに段々と顕著になっていったのだ。
その物足りなさの原因は私にはすぐにわかった。
その原因とはもちろんつかさやみゆき……そして特にこなただった。
私は彼と話しているときでもこんなときこなただったら……と、そう考えることが増えていた。
けれどこんなことを考えるのは彼に失礼だからなるべく考えないようにした。
彼はとても優しい人だ。私は彼を裏切るようなことはしたくなかった。
でも、駄目だった。私は気付いたらこなたのことを考えるようになっていた。
ある時、駅でこなたが私のことに気付いているようなのに、私に話しかけてこなかったことがあった。
私はそれがすごくショックだった。こなたが私を避けているように感じてしまったからだ。
一度意識してしまうとそうとしか思えなくなってしまうもので、
私はこなたが自分のもとから段々と離れていってしまっているように感じた。
それが私は、すごく寂しかった。
そして私は、彼に別れを告げた。電話を前にしての長い葛藤だった。
別れの理由も隠すことなく、正直に言った。最低な女だと罵られるのを覚悟で言った。
しかし、私の言葉は意外にもすんなり彼に聞き入れられた。
彼曰く、そろそろ来るんじゃないかと思っていたそうだ。
それほど最近の私は上の空だったらしい。私はそのことを謝った。
また、私の話からどれだけ私がこなた達のことを好きかが伝わってきたそうだ。
彼はこれには敵わないと思ったらしい。
私はそれが少し恥ずかしくなって、また彼に謝ってしまった。
それからいくつかの言葉を交わし、私達はまたただのクラスメイト同士に戻った。
短い間だったけどありがとう。そして、ごめんなさい。
彼との電話が切れた後、私はある人のところへ電話をかけた。
569:かがみの恋、こなたの気持ち (7/8)
07/08/09 22:57:33 jRuanqS7
突然私の携帯に着信を知らせるメロディーが流れる。
電話の主は……かがみ!?
散々泣きはらして潰れちゃった喉で出るわけにはいかないし……
でも、せっかくのかがみからの電話には出たいし……
と、迷っているうちに通話ボタンを押してしまったらしく、
スピーカーからは私を呼ぶ声がかすかに聞こえてきた。
「も、もしもしかがみっ?」
「うわ、こなた? アンタなんて声してるのよ」
「えへへ……ちょっとね」
かがみだ。かがみの声だ。
それだけで私はまたちょっと泣きそうになってしまった。
「……私、彼と別れちゃった」
「え、ええっ!? 何で!!?」
ただでさえ変な声が、裏返ってとんでもない声になる。
でも、一体どうして……
「え、えーと……うーん、まぁ、いろいろあるんだけどさ……
簡単に言えば性格の不一致ってやつよ」
「え? でもかがみ、すごく楽しげに話してたような……」
「うーん、そうなんだけどね……」
「まさか何かひどいことされたとか!?」
「い、いや! そういうことじゃないの!
あのコはすごく優しい子だったから、そういうことは全然なかったんだけど……」
「?? まぁ、男女問題はいろいろ深刻だよね。
きっとかがみにもいろんなことがあったんだね」
「そうね……今回のことでわかったけど、私はこなた達がいないと駄目みたいだわ」
しんみりとした声で、かがみが言う。
その声はなぜか私の心をすごく安心させてくれた。
「友情より愛情、なんて言う気はないけどさ、
私はなんだかんだで今はこなた達のことが一番好きなのよね」
「かがみ……」
あ、だめ、駄目。せっかく我慢してたのに、
そんな嬉しいこと言われたら……また涙がでてきちゃうよ……。
「かがみぃっ……」
「わっ、アンタ何泣いてんのよっ!」
「だって……寂しかったっ……!!
かがみがいなくなっちゃう気がして……ひっく……すっごく寂しかったっ……!!」
「こなた……。心配しなくても、私はいなくなったりしないわよ」
「うん……」
「この先どんなことがあっても、こなたは私の一番大切な人よ」
「うんっ……」
ねぇかがみ?
―なに?
大好き。
―ふふっ……私もこなたのこと、大好きよ……。
570:かがみの恋、こなたの気持ち (8/8)
07/08/09 22:58:46 jRuanqS7
次の日からかがみはまた私達の教室で昼食をとるようになった。
もちろん、下校も一緒だ。
別れたあの子とはその後特にこじれた話もなく、付き合う前の関係に戻ったらしい。
今は昼休みの最中。いつもの四人でお弁当を食べている。
「んで、かがみさー」
「ん?」
「キスとかしたの?」
「んぐっ!? げふんげふん……」
私の質問に食べていたお弁当を喉に詰まらせるかがみ。
あらら、顔が真っ赤になってるよ……。
「お、お姉ちゃん大丈夫?」
「アンタねー……いきなり変なこと聞くんじゃないの!」
「で、どうなのさ~。しちゃったの?」
私の質問につかさやみゆきさんも興味津々のようで、三人の視線がかがみに集まっていた。
少しばつの悪そうな顔をしながら、かがみが答える。
「う……してないわよ」
「なーんだぁ~つまんないのー。
まぁかがみならしてないと思ったけどね」
と、言いつつも内心でどこかホッとしている自分。
「いいじゃない別に。そういうことだけが恋愛じゃないでしょ」
「じゃあかがみのファーストキスはまだまだ先か~。
なんだったら私が今ここでかがみのファーストキスの相手になってもいいんだよ?」
「んごっ!? げほっげほっ!
こ、こんなところでできるかー!」
「お姉ちゃん、それ突っ込むところ違うよ……」
「!!」
つかさに言われた言葉で顔を赤くするかがみ。
私にはつかさの言ってる意味がよくわかんなかったけど……どゆこと?
「それよりかがみ、いつまで立ってるの? クラス中の視線ひとりじめだよ」
「あ……」
いきなり大声を出して立ち上がったかがみにもちろんクラス中の視線は釘付け。
気のせいかなんだかほほえましいものを見るような目の人もいる。なんでだろ?
かがみは静かに椅子に座ったあと、さっきよりも真っ赤になってうつむいてしまった。
「あ、アンタねぇっ……」
かがみがほんの少し目に涙を浮かべながら上目使いで私を睨んでくる。
やばいっ……この仕草、The ツンデレ! チョー萌えっ!!
私はかがみの仕草に悩殺されそうになりながらも、
朝から言おうとしていた言葉をかがみに伝えた。
「かーがみっ♪」
「……なによ」
「おかえり」
「た……ただいま」
571:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:00:01 jRuanqS7
以上で終わりです。
ヤンデレ風こなたが書きたいと思って書きました。
5/8で終わっても良かったんですが、それだとあまりに救いがないのでやめました。
あとかがみに彼氏が出来たらこんな風になるんじゃないかな、と。
最後が上手くまとめられず、再び物を書くことの難しさを痛感しました。
言い忘れましたが9-727です。読んでくださった方、ありがとうございました。
572:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:11:19 HIYxCzv6
リアルタイムで遭遇した。超GJ!
5で終わらなくてホントよかったよ。そうだったら、欝になっただろう。
最後の、つっこむところが違う。で思わず、笑ってしまいました
573:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:15:43 YuMtCHsn
>>571
GJ!!!!
やっぱりかがみは最後にはこなたのところに戻るってのが王道にして定石だね
5まで読んで鬱ったけど、6~8で一気に救われたよ
ところで一番のサビの部分のセリフって
×「友情より愛情、なんて言う気はないけどさ、
○「愛情より友情、なんて言う気はないけどさ、
・・・なのかな?もし違ったらごめん
574:9-727
07/08/09 23:28:01 jRuanqS7
>>573
超ウルトラスーパーごめんなさい…
はい…もう、弁解の余地がございませんほどにその通りでございます。
誤字脱字誤変換だけでなく、こういうところもちゃんと見ないといけませんね。
重ね重ねお詫び申し上げます。
575:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:29:03 LpzjGAKM
ぐっじょ
ところでこなたってああ見えて、実際は色々考えてそうだよなー
妙に達観してるし
576:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:39:28 DKIBT+n9
こなたの心理を妄想で肉付けしていったら、深い話が書けそうな気がしている俺。
ていうか、今日は神作品の連発にまいりました!まとめてで申し訳ないけどGJ!
577:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:47:19 ODM8JnSm
>>575
かがみ「こなたは一見何も考えてなさそうだけど 本当に何も考えてない奴よ」
こなた「オワー!」
……それはさておき、こなたには「実は色々考えてる」と「本当に何も考えてない」の2説あるよな。
578:名無しさん@ピンキー
07/08/09 23:51:26 5p5ofpNG
>>575
過去作品でも結構そういうのあったような…
579:名無しさん@ピンキー
07/08/10 00:36:49 dvNpswdp
>>526-537
こんばんは、まとめてレスで恐縮ですが、意見・感想ありがとうございます。
ん~、やっぱ書くのって難しいですね。いざ書いてみるとわかりますわ…
もっと表現力豊かというか、人を世界に引きずりこませるような小説とかSS書けるようになりたいです…(ぇ
って…なんだか、いつのまにやら神作品が2つも投下されてたみたいで…
これまたGJとしかいいようがないですな…
580:名無しさん@ピンキー
07/08/10 00:49:31 Hhd7sOdp
>>575
こなたは実は周りに対して強烈な劣等感を持っている。
なぜかというと中学時代いじめられていたからで、
ただ嫌われないように高校に入ってからは仮初の自分をつくって必死で周りに合わせてたけど
ある日中学時代の自分を苛めてたクラスメイトと街でばったり
いきなりだったからかがみたちの前で弱い自分を晒してしまって
しかもそのことでかがみたちとすれ違いが起こって何もかも放棄したくなり
てくびを切って自分を消そうと考えたところでかがみつかさみゆきが入ってきて
るが思いつかない
581:名無しさん@ピンキー
07/08/10 00:54:40 UX4XH2Hy
猫
だ
い
す
き
582:名無しさん@ピンキー
07/08/10 00:57:15 q8T3ITS+
フ
リ
ス
ビ
|
583:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:00:10 IyzGTA72
>>580
もう少し頑張れよw
584:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:06:42 Q24XhJKC
>>580
残念だが俺のほうがこなたを愛してる
585:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:18:34 JO8DTea+
誰かご意見plz
今、×みゆきの小説を作りたいと考えているのだが、
相手誰にしようか迷ってるんだ。
誰がいいと思うか聞かせてくだしあ。
586:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:20:21 d4bTRMCZ
おばぁちゃんが言っていた。
相手を誰にしようか悩むぐらいならみんな絡ませればいいと。
587:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:26:06 /zT1sngt
>>586
みゆき総受けktkr
588:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:27:30 l0o7kce/
>>580
いつだったかの、ヤンデレかがみの縦読みの人?
589:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:33:04 JO8DTea+
>>586
なんというハーレム………だがそれが(ry
俺、やってみるよ!ありがとう!
590:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:40:05 QsvBTmjc
ハーレム好きの俺がwktkして待機
591:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:55:50 /zT1sngt
負けじと俺も全裸で待機
592:名無しさん@ピンキー
07/08/10 02:02:16 BIVr+6uV
>>585
ここはひとつ、みゆき×こなたで。
593:名無しさん@ピンキー
07/08/10 02:05:17 d4bTRMCZ
>>589
マジか。
ハーレムは通常のに比べてすごい手間がかかるが頑張ってくれ。
俺も全裸待機してるよ
594:名無しさん@ピンキー
07/08/10 04:05:50 T3u2U/DN
>>589うはwwww変態王子ktkrwww
富士山の頂上で全裸で待ってる。
はっ・・・早く投下しないと凍死しちゃうんだからね////
595:名無しさん@ピンキー
07/08/10 04:13:55 YxuQKo77
てけてけかなたさんアナザー(遠くの星から来た少女の巻)
かなたさんは結婚する前、教師だったと妄想してみる。
そして数十年を経て、クラス会の通知が泉家に届いたとする―
「そして私は考えたの。教育という見地から、青少年の暴走を抑えられるのではないかと。
私は勉強を重ね、思春期と言われる不安定な時期の中学生の教師になったの。
しかし、暴走する生徒の発生を食い止めることはできなかった……。
私は主婦としてそう君を支え、産まれてくるこなたを育てるため、教師であることを捨てなくてはならなかったの。
遠く離れたとはいえ、私の心には常にみんながいるわ。
こなた、あなたの口からみんなに伝えてほしい。
泉かなたが、謝っていたと……」
596:4-601
07/08/10 04:16:16 550s4+87
明け方ですが投下させていただきます。
○ゆたかとみなみのSSです。
○4レスお借りします。
○前作、全前作と同じ世界観です。興味を持たれましたら保管庫を参照してくださると嬉しいです。
○非エロです。
○あんまり明るくはありません。ごめんなさい。
○結構電波かもしれません。合わないと思ったらスルーしてください。
597:4-601
07/08/10 04:17:18 550s4+87
「みなみちゃんは、きれいだね」
友人である小早川ゆたかは、私を見ながらそんなことを言った。その言葉をなぜ今言ったのか、彼女の意図が分からずに、私は
卵焼きを挟んだままの箸を空中で止めてしまった。物を食べようと口を開けている瞬間に言われると何故か不思議な抵抗を感じて
しまうのは私の問題だろうか。
どう答えたものだろう。上手く言葉が見つからなかった私は、とりあえず卵焼きを口の中に放り込んだ。もぐもぐと咀嚼しなが
ら、返し方を考える。
「私は、そうでもない、と思う」
他の人に言われたなら思わずその場から逃げ出してしまっていたかもしれないが、彼女の前から逃げ出すわけにはいかない。私
は彼女から逃げてはいけない。何故か、そう思ってしまうのだ。
ゆたかは、私を見てにっこりと笑う。
「そんなみなみちゃんが、きれいだと思う」
私は伝える言葉に迷う。浮かんだ言葉が口から出ていくその前に、何かが私にブレーキをかける。それはまるで、呪いのようだ
った。想いを伝えることができなくなる呪い。思っていることと違うことを言ってしまう、そんな呪い。
「……私は、」
うん、とゆたかは頷いた。そして、私の言葉を待ってくれている。
「私には、ゆたかの方が、きれいに見える」
「そんなこと、ないよ」
また、ゆたかは笑った。
きれいなひと(レイニーロジック・Ⅲ)
598:4-601
07/08/10 04:18:43 550s4+87
上手くしゃべれないことが、ずっと私にとってコンプレックスだった。言葉はいつも想いを完全には伝えてくれなくて、良かれ
と思って放った言葉は、いつも誤解を孕んで相手には正しく伝わってはくれない。私が全然意図していないものだけがどんどん雪
が積もるように滞積していって、いつの間にか全く知らないところまで連れて行かれてしまう。そんなことを繰り返していくうち
に、私は言葉が嫌いになっていた。伝わらない言葉を当たり前のものとして受け入れていた。
岩崎さんは、せっかく運動神経いいのに部活には入らないの?
ピアノ弾けるんだ。すごいねぇ。
勉強もできて、怖いものなしって感じだよね。
でもなんか、いつも怒ってるみたい。
私じゃない私のイメージは増幅されて、どんどんどんどん大きくなっていく。それはたぶん仕方のないことで、そして私に原因
がある。分かってはいるのだけれど、十六年付き合ってきた自分を変えるのはなかなか難しい。
まあ、いつも向かい風に向き合っているようなものだろう。抵抗はあっても、歩けないほどではない。たいていのことは少しだ
けの我慢で通り過ぎていってくれる。
バスに乗る前、どんよりと暗い色で光を遮っていた黒い雲は、バスから降りるころには我慢しきれなくなったのか、雨粒を落と
し始めていた。私は鞄の中から折りたたみの傘を取り出すと、バスのステップを降りて、同じようにバスから降りる同じ制服の人
たちから少し離れたところで、その傘を開いた。傘を掲げて顔を上げると、自分と同じような行動を取った人がたくさんいた。
次々と開いていく傘に、まるで花が咲いていくみたいだな、と私は思った。
「きれいなものに憧れるっていうのは、誰でも持っている感情だと思うんだ」
ゆたかはそう言って、ぱたんと教科書を閉じた。放課後の教室で、私たちは二人だけで居た。今日の授業で分からなかったとこ
ろを教えて欲しい、と言ったのはゆたか。何か、早く帰りたくない理由でもひょっとしたらあるのかな、と思ってしまったのは私
だ。
「わたしはぜんぜんきれいじゃないから、みなみちゃんが好き」
私は綺麗じゃない、とか、ゆたかの方が綺麗だ、とか、そんな言葉は今この場所ではなんの意味も持たないことを私は知ってい
た。気の利いた言葉の一つでも言えたのなら良かったのかもしれない。だけど、私には呪いがかけられていて、上手い言葉は出て
こない。私に呪いをかけたのは、いったい誰なのだろう?
「ゆたか」
私はそれ以上言葉をかけることも、動くこともできずに彼女を見ていた。彼女は笑顔を崩さずに、鞄の中に教科書やノートをし
まっている。ぱちん、と鞄が閉まる。ゆたかは顔を上げる。思った以上に彼女との距離が近かったことに、私は驚いた。
「やっぱりわたしは、お姉ちゃんと似てるんだな、って思った」
「泉、先輩?」
「うん」
ゆたかは鞄を持って立ち上がる。私も慌てて、自分の鞄を持って立ち上がった。似てるってどういう意味だろう。ぐるぐると私
の中で言葉が渦を巻く。いつも言葉は私を迷わせる。
「だから」教室のドアの手前で、ゆたかは振り返った。「わたしはみなみちゃんに触れちゃ、いけないんだ」
599:4-601
07/08/10 04:20:41 550s4+87
最近、私は教室の中で、よく声をかけられるようになった。勉強を教えて欲しいとか、体育のこととか、宿題のこととか、いろ
いろだ。理由はよく分からなかったけれど、お願いをされて無視できるほど、私の神経は太くなかった。一つ一つこなしていくう
ちに、私の周りには少しずつ人が増えていくようになった。いろんな人と喋るのは難しくて疲れるけれど、なんとかやってみよう
と思った。ゆたががそんな私を、隣でにこにこと笑いながら見ていたからだ。
岩崎さんって、すごくきれいな笑い方するんだね。
不意にそんな風に言われたとき、私は照れる前に困惑した。どこかで聞いたことのある言葉だったからだ。
「……そうでも、ない」
そう?
「綺麗なのは、みんな同じ」
一拍遅れて、私は、私が言葉を使っていたことに気付く。ああ、喋ることができた。できてしまった。これは変化なのだろうか。
変化なのだとしたら、私は前と後ろ、どちらに向かって進んでいるのだろう。
私は綺麗なんかじゃない。
そんな言葉が浮かんで、私の中のどこか見えないところに沈んでいった。本当はもっと他のことを言いたかったのかもしれない。
本当はもっと別のことを伝えたかったのかもしれない。
友達という存在のことを語るには、私は少し経験不足だ。広い意味で定義したならば、私にも友達と言える存在はいたのかもし
れない。けれど、休日に一緒にどこかに遊びに行ったり、家に呼んだりお邪魔したりという関係性を持ったことはなかった。
今、こうやって自分の部屋にゆたかがいる。そうなって初めて、なぜ私はもっと早くからそうしなかったんだろう、と思った。
ほんの少しだけ、ゆたかと出会ったときのように、ほんの少しだけ私から動けば、まったく違ったことになっていたかもしれない
のだ。そんなことを、私は知った。
「でも」私の思いを聞いて、ゆたかは言った。「もしそうだったら、わたしはここにいなかったかもしれないね。みなみちゃんは
委員長やったり球技大会で活躍したりして、みんなの人気者で、周りには人がいっぱいいて、わたしは近くにいけなかったかもし
れない」
そんなことはない、と私は言った。私が私で、ゆたかがゆたかである以上、きっと友達になっている。私の言葉に、ゆたかは淡
い笑顔で答えた。
「わたしはきれいじゃないから、みなみちゃんに触れるわけにはいかないの」
ときどき、ゆたかの言葉が分からないときがある。ゆたかは私には見えないものを見て、私には分からないことを考えている。
「みなみちゃんだって、そうだと思うけど」
ゆたかはゆたかで、私は私。当たり前のことだ。そんな当たり前のことを、私はゆたかといるとすぐに忘れそうになってしまう。
「分かりたい、から」
「うれしいな」
「私も、嬉しい」
例え、言葉が想いを伝えてくれないものだとしても。
ゆたかは立ち上がると、きょろきょろと辺りを見回して、そしてベッドの向こう側に置いてあるグランドピアノに目をつけた。
「みなみちゃん、お部屋にピアノあるんだ」
頷く。普通は部屋にはピアノはないものなのだろう。自分は普通じゃないということがまた自覚できてしまう。
600:4-601
07/08/10 04:22:47 550s4+87
「何か弾いてもらっても、いい?」
また頷く。私は立ち上がると、ピアノの前へ移動して、椅子に座る。鍵盤にそっと指を這わせる。ピアノ本体に触れていたゆた
かは、私のすぐそばまで来て、床に座り込んだ。
「ゆたか?」
「ここで聞きたいな」
楽譜も特に用意していないので、覚えている曲の中から適当に選んで、鍵盤を叩いた。私はピアノを弾くのが好きだった。理由
なんてなかった。理由なんてないと思っていた。
ちらりとゆたかを見る。ゆたかは椅子の脚に背中を預けるようにして座って、目を閉じていた。頭が私の太股にほとんど乗っ
かっていて、私がペダルを踏む度にかくんかくんと揺れる。その振動すら心地よいとでも言うみたいに、ゆたかは目を閉じていた。
理由はあった。
あったんだ、と私は気付いた。
音は広がって、拡散して、私たちの周りに漂っている。私の一部も拡散して、広がって、ゆたかの周りを漂っている。たぶん、
それが理由だった。私の知らなかった私の理由だった。
「みなみちゃんが、いるね」
ぽつりと呟いたゆたかの言葉を聞こえなかった振りをして、太股に感じるゆたかの体温を想いながら、私はピアノを弾き続けた。
降っていた雨はいつの間にかやんで、窓から差し込んでくる赤い光が部屋の中を染め上げていた。
「みなみちゃんは、ちゃんと上手くできるよ」
「そう、かな」
「だいじょうぶ」
「……ゆたかが、いるから」
触れてはいけない。
そう思った次の瞬間に、もう、それは終わっている。
曲が終わる。ささやかな高揚感を抱えたままで、私は手を下ろした。下ろした手が、ゆたかに触れた。ほんの少しだけ身じろぎ
したゆたかは、それでも私が触れることを拒絶しなかった。
「……だめだよ、みなみちゃん。私に触れたら」
「私は、」
うん、とゆたかは頷いた。そして、そのまま私の次の言葉を待ってくれている。私は何を言おうとしたのだろうか、と考える。
何が言いたかったのだろうか、と考える。床に座ったまま私を見上げるゆたかと目が合う。
手を。そう望んだ私の想いが通じたのだろうか。ゆたかはどこか戸惑うような仕草で、私の手に、手を重ねた。家族じゃない人
と手を触れ触れあわせるのなんていつ以来なのかな、と私は考える。自分の意志で誰かと手を繋ぎたいなんて思ったのはいつ以来
かな、と考える。言葉なんかに頼らなくても伝わるものがあるんだ、なんて幻想を信じてもいいような気すらしてくる。
「みなみちゃんの手、きれいだね」
「ゆたかの手は、あたたかいよ」
「本当に」ゆたかは呟くように、言った。「みなみちゃんは、きれいだなぁ」
きらきらと光る雫が彼女から夕日を弾きながら落ちて、カーペットに吸い込まれていった。
最後に残った残光が、まるで呪いのように、私の中にあるものに絡みついていく。
頬を撫でる向かい風を感じながら、私は目を閉じて、ただ、それを受け入れた。
601:4-601
07/08/10 04:24:13 550s4+87
以上です。読んでくださった方、前作、前々作に感想をくださった方、ありがとうございました。
うっかりいつもみたいに名前欄変えるの忘れてました。申し訳ないです。
602:名無しさん@ピンキー
07/08/10 06:09:18 psJaoY/+
>>601
イイヨイイヨー 携帯からですがGJと言わせて下さい!
603:青柳
07/08/10 07:13:50 4B4SW3a7
もう朝っすか……?(笑昨夜に急に作りたくなったので作りました(_ _)
風の音を聞けばかがみの 声を想い出し。
雨に濡れればかがみとの
想い出が甦る…。
―雨あがる。その世界―
「ねぇ、こなちゃん?
一緒にお昼食べよ!」
いつもの風景。いつもの
授業と昼休み。
そう、いつもの日常だ。
いつもの如く地球は自転をくり返してる。
ただ一つ欠けているのは
……大切だったいつも。
あれは丁度一年前だ。
人なんて肺に小さな影が
できるだけで
死んじゃうんだ、って
初めて知った。
「…でね。セバスちゃん
たら足が……どしたの?
こなちゃん??」
いつもの様につかさが
笑いかけてくれる。
一番辛いだろうつかさが。時が解決してくれる……
よく言ったもんだ。
『お姉ちゃん!!嫌だよ!私お姉ちゃん居なきゃ
起きれないよ!!
…‥また勉強教ぇてよ!
…おねぇちゃん……
一人にしなぃで………。
‥‥…わぁぁぁあ!!!』冷たくなった姉の横で
泣き崩れている。
周りの大人達もみんな
泣いてた。
…その頃…私は……何してたっけ……?
確か雨がスゴかったなぁ。「どうかしましたか!?
泉さん。…もしや
体調が優れないのでは?」ン~、萌えるねぇイーヨ
みゆきさんも……スゴかったなぁ。
毎日かがみのトコに通って、学校から20kmもあるのに。……家反対方向なのに。
『…みゆき‥もうい…よ
ありが…う……。』
既に酸素マスクは外せない状態だ……。
これだけの言葉を発する
のに命の危険すらある。
みゆきさんはいつもの如く花の水を取り替えていた。『…そんな事…言わないでください……。
私はかがみさんが良くなるまで……毎日‥来ます。
私…ごめんなさい!!』
みゆきさんはすぐさま病室を出ていった。
病院全体に響く位に…
悲しくて優しい声で
…泣いていた……。
604:青柳
07/08/10 07:21:13 4B4SW3a7
「泉さん。さうよなら」
私相手に丁寧に
お辞儀までしてくれてる!「こなちゃん!またね!」おぉう、眩しいよ。
太陽が?NO!!NO!!
つかさが?YES!YES!YES!!~…ぇ?
ド ン
…おっと?つかささん、
こんなトコで抱き締められて も困り……
「こなちゃん……?
昼、ずっと具合悪そう
だったよね……。
……イヤだ!!!
こなちゃんまで居なく…、 居な‥く……!!」
つかさはこれ以上は
喋ろうとせず私から
逃げるように走ってった。 そりゃね……。私でも
ゆーちゃんがいなくなったら立ち直れませんよ……。
『かがみ?…ナ~二コレ?新種の想像上の生き物?』『うるさい!!!黙れ//病院て暇なんだから…』
かがみお手製のそれは
犬+猫+=ウサギ
みたいな人形だった。
『Σお姉ちゃんうまいネ
えと?……ブタさんカナ?』 嘘つけないんだよネ。
ナンか同情票が入りました『むー…!もう知らない!……っあのね…?
もし私に‥何かあったら…みんなにコレ受け取って
ほしいなって…』
ベッドの下の段ボールからもう二つ人形を取り出した『ほら!私の事た‥‥
『かがみさん!!!』
それは今までに無い程の
大きな声だった。
『そんな事…言わないで!私…あなたが死ぬなんて
考えたくない……!!』
『みゆ‥っき……
うわぁぁぁあぁ!!』
『お姉ちゃ…ウッグ……… ヒック……』
私は泣けなかった。
一人だけ。
かがみの手を握るだけで
精一杯だった。
…とても細い手を……。
おっ、と。
…昔の夢をみてた……。
そこは、電車の中だった。 いつも通りの薄暗さが
妙に心安らぐ……。って!危ないな!降りる駅一つ前だった。
私はこれまで何度も読んだ本を急いでしまい込んだ。
605:青柳
07/08/10 07:30:49 4B4SW3a7
‥かがみの隣は、いつも
私の特等席だったっけ、
そうそう!
いつも寄り掛かって
よだれ垂らしちゃって、
怒られてたヨ。
…ダメだよ。早すぎるよ。もっと沢山怒ってよ……。まだ借りたラノベも
返していないし……。
かがみにもう…返せない
じゃんか……!!
『こーなた!!』
猫撫で声で私の名前を
呼ぶ時はいつも……
『私が貸したげたラノベもう読んだよね~ぇ?』
アナタは貸したんじゃない私に【課した】んです!
『その顔、お前まだ
開いてすらないな……!』おぉ!さっすが私の親友! なんでもご存じで!!
あ、ため息ついた。
『ハァ…あのラノベまだ
私も読んでないのよっ!
早く読んで
くれないと……ッッッ!!』 え?
何が起きたの……?
急にかがみが咳き込み
出して…血を吐いて!!
…ナースコール!
ナースコールに伸ばした
私の手をかがみは掴んだ。『ハハ‥‥いいよ‥いつもの事だからさ‥‥。
…そうだあのラノベやっぱ
アンタのペースで
読んでいいわ……』
…ゴメンね、かがみん。
嘘ついたんだ‥ホントは
全部読んだよ…?
おもしろくて一日で
読み切っちゃったんだ……ホントはね…かがみが
退院したらね感想と一緒に 返そうと思ったんだよ?電車が込んできたね……
しょーがない、
電車の外でも見るかナ。
…町の灯りが灯っている。それは当然だけど
当然じゃないんだ……。『おじさん!!かがみは、助かるんですよね!?』
そこはかがみが倒れて
搬送された病院の病室前。 授業が終わってすぐ走って来た為に息苦しい…。
し ま っ た。
その息苦しさはすぐに
胸の苦しさに変わった…。『…うん、大丈夫だよ。』 おじさんは赤く目が腫れていた。
『何も心配しなくても
すぐ良くなるって。』 寝ているかがみに寄り添そっておばさんが
すすり泣いていた。
『すぐ学校にも……』
ここから先は声にならない声だった。
『他の子達…特につかさ
には内緒にしてくれるかな‥‥‥?
あの娘はまだ姉が
治ると信じているんだ‥』私はハイ。としか
言えなかった……。
…どんな気持ちなんだろ。 娘が死んでいくのに
何もできないなんて……。
606:青柳
07/08/10 07:39:52 4B4SW3a7
私は電車を降りた。
外は小振りの様だ。
雨が降っている。
頬に水滴が当たる……。
傘なんか無いワケで
仕方なく走った。
あの時。
かがみが死んだ時も、
雨が降っていた。
手術室のランプが着いてる『おねぇちゃん……』 『大丈夫ですよ‥きっと
つかささんを置いていく
訳ないですよ……』
みゆきさんがつかさの
頭を撫でながら寄り添っている。
『ゴメン!つかさ、みゆきさん。私トイレ!』
……限界だった。
私はできる限り全速力で
外に走っていった。
まるで泣いてるのを神様に見られなければ
かがみが死ぬ訳ないとでもいうかの様に……。
今日は凄く土砂降りだ。
雨が頬にとめどなく
流れ続ける……。
違うっ!!これは雨だ!!雨だっ!雨っつ……!!
「…っっ、ぅグ、
うわぁぁあぁぁあ!!!」その日は雲一つ無い
太陽が眩しい快晴だった。
~10年後~とある病院。
「ボクね。走れるようになったんだ~
スゴいでしょ!!」
「へぇ、スゴいねぇ!
この前まで
歩いただけでゼィゼィ
ヒィヒィ
ゆってたのにねぇ?」
「ヒィヒィは言ってないよ…。 ……ありがとう……
チビねえちゃん!!
ボクを直してくれて!」「チビは余計…かな?
いいよっ。君が元気に
なってくれて嬉しい!!」「‥また来るからね?
………遊びに!!」
少年は走り去っていった。「またおいで…ってコラ!しょうがないな~……
今度は友達連れてきな!」 医者はお気に入りのベレー帽をとった。
そこに可愛らしいクセ毛が ピョコっと顔を出した。
どこかで雨がまた
一つ止んだ……。 ~END~
607:青柳
07/08/10 07:46:57 4B4SW3a7
ご拝聴ありがとうございました(_ _)
・意味が分からん!
・字が間違ってる。
・文列汚いよ……。
・それでカッコつけてる
つもりですか?
・え?十年後?
・うそだッッッッッッ!!
‥‥‥等苦情は一切
受け付けません。(笑)
608:名無しさん@ピンキー
07/08/10 07:55:57 afCo2ipR
>>607
取り合えず
鬱が入るときは、前置きに書いてね
609:名無しさん@ピンキー
07/08/10 09:03:48 ZX2UVuJZ
>>607帰れ
610:名無しさん@ピンキー
07/08/10 09:04:17 fd8cPbYE
自覚があるなら突っ込む必要はありませんねw
まあ、エアブレイクする可能性のある投下は気をつけて…
まー推敲して文章の並び考えれば良くなるかも VIP板のが合ってる感のある
話ではありましたがね
611:名無しさん@ピンキー
07/08/10 09:14:24 t6B7GioM
>>595
てけてけ80かなたさん帰ってktkr
しかもメビウス版w
612:名無しさん@ピンキー
07/08/10 10:52:16 q8T3ITS+
使用端末は携帯電話のみなのかな
ネカフェ・漫喫・大学(職場)等のPCにtxtをコピーしてみると吉
613:名無しさん@ピンキー
07/08/10 12:45:23 qxpoIQUt
夏の某お祭りの作業で色々やっていたら、いつの間にやら大投下が。
作者の皆様方、本当にお疲れさまです。
というわけで、一段落ついたので久しぶりに2レスばかり投下します。
614:てけてけかなたさん"おかわり" (1/2)
07/08/10 12:46:45 qxpoIQUt
1・すねーく
「こなたの胸、やっぱり私と同じぐらいなのね」
セーラー服を着ていると、お母さんがPCの中でそんなことをぽつりと呟いた。
「そりゃ、私はお母さんとそっくりだからねー」
「ううっ、そんなところまで遺伝しなくても……」
「まあしょうがないよ、ステータスだと思うしか」
そう思わないとやりきれないってのも、ちょっとはあるけどね。
「血筋は違うけど、ゆーちゃんもぺたぺただし」
「お父さんのほうの家系もそうなのかも……って、ゆい姉さんがいるから違うか。ばーんでぼーんだし」
「昨日ゆーちゃんの部屋で着替えてるのを見たけど、ずいぶん立派になっちゃって」
「そりゃあ、お母さんが見たのはゆい姉さんが子供の頃のだからねー」
オトナになってれば、そりゃ少しは違いますって。いろいろな意味で。
「……ところでさ、お母さん」
「なに?」
「今、ゆーちゃんとゆい姉さんのを見たとか聞き捨てならないことを聞いたんだケド」
「あっ」
こら、なんでそこで『しまった』って顔をしますか。
「あの、ほら、ちょっとした不可抗力っていうか、突然着替え始めちゃったりしたら―」
「まさか、お父さんの部屋でもやってたりしないよね?」
「…………」
「しないよね?」
「……ちょ、ちょこっと」
うわ、顔が真っ赤だなんて生々しすぎるヨ。
「お母さん、そこに正座」
「えっ? で、でもこれから夏期講習―」
「いいから正座っ!」
「……はい」
まったくもー、いくら動き回れるからって勝手に覗いちゃだめじゃん! 合意か説得の上じゃなきゃ!
--- てけてけかなたさん"おかわり" その2・たーんえーたーん ---
2・なかま
夏休みということもあって、たまにお出かけするゆーちゃん。本当なら、今日もお出かけのはずだったんですけど、
「ごめんね、みなみちゃん……ちょっと、熱が下がらなくて」
「ううん……ゆたかの体のほうが、ずっと大事」
昨日の暑さに少しあてられてしまったみたいで、いっしょにお出かけするはずだった岩崎さんに看てもらっています。
「……それに、お買い物だったらいつでも行けるから」
「うん……また、今度行こうね」
ゆーちゃんの言葉に、ちょっとだけ微笑みながらうなずく岩崎さん。少しかたい表情ですが、
ゆーちゃんを見るその瞳はとってもやさしげです。
「ところで、ゆたか……このノートパソコンは?」
ぎくっ。
「あ、えっと、友達とパソコンでメールのやりとりをしてたから、枕元でも見られるようにっておじさんが貸してくれたの」
「そう……でも、寝るときはちゃんと寝てなきゃだめ」
……ほっ。ゆーちゃん、ナイスフォローです。
夏期講習でいないこなたと、お仕事中のそう君の代理っていうことでここで看てあげて
いたんですけど、そう君ってば岩崎さんが来る前に回収するのを忘れちゃって……今はただ、
普通のデスクトップマスコットとして振る舞っています。
……あ、なんだか目が合ってしまったような。
「このキャラクターは、泉先輩?」
「ううん。でも、そっくりでしょ? 『かなたさん』っていうマスコットキャラなの」
「かなた、さん……」
そう呟く岩崎さんは、私の……む、胸? 胸を見てるんですかっ?
それからゆーちゃんのことを見て、今はいないこなたの部屋のほうを見て、それから
また私のほうを見て、自分の胸をぽふんっと触って……って、ぽ、ぽふんっ? 背は高いのに?
「……仲間」
……ええっ、仲間ですっ! 仲間ですともっ! 皆まで言わずともわかりますともっ!
今はしゃべれない私は、ただ心の中で泣きながらうんうんとうなずき続けました。