【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第2夜【嫁!】at EROPARO
【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第2夜【嫁!】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:21:31 4N+AX9kO
立てたばっかだけど保守。

3:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:24:11 H1o/blrY
あれー??
このスレで801スレ目なんだけれど、圧縮が来ないぞー??

4:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:27:37 4N+AX9kO
>>3
30分の執行猶予があるらしい。

5:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:30:01 H1o/blrY
ああ、サンクス。
800じゃなくて、801スレ目から30分だったんだな。

6:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 02:24:53 IjKeTL98
乙です

7:名無しさん@ピンキー
07/07/29 20:43:16 Sdk0dD4s


8:名無しさん@ピンキー
07/07/30 22:57:36 ysvHHquC
乙です。

9:名無しさん@ピンキー
07/08/01 11:15:05 rEbKcOiM
ホシュです

10:名無しさん@ピンキー
07/08/03 02:11:03 HqfLSQnJ
上げる。

11:名無しさん@ピンキー
07/08/07 08:25:40 +NEt8NBK
乙カレーです

12:名無しさん@ピンキー
07/08/07 14:40:01 yZmDNs7D
前スレ埋め立て完了。

13:781
07/08/07 21:27:51 gV0Za1BJ
前スレ781です。
GJしてくれた方ありがとうございました。
なんとなく書き始めたんですが、妙にキャラクターが気に入ったので
続編を書いてる最中です。
完成したらまたUPさせてもらいます。


14:名無しさん@ピンキー
07/08/08 00:57:13 eOUa5PwV
>>13
wktkして待ってます(*´Д`)ハァハァ

15:ヘタレ@13号
07/08/09 01:57:50 jh48MCFT
前のスレでとっては「通りすぎれば」書いて者です。


友人から聞いた話でインスピレーションを受けて勢いで書きました。



展開が無理矢理な上にあんまりエチくない。




まぁ暇潰し程度に読んでいただけたら幸いです。スレの繁栄を願って投下。

16:通りすぎれば~Nos formes heureuses~
07/08/09 02:01:14 jh48MCFT
幸せとは様々な形を持つ。


僕にとっては幸せすぎる夏姫との結婚からそろそろ三ヶ月になる。

毎日愛しい人が家に居るだけで帰るのが楽しみでしょうがない。


しかも今まで生きた人生の大半をこの愛しい人を恋焦がれて生きてきたのだ。これで幸せじゃないなんていったらおお嘘吐きだ。




二人が愛し合いそれが幸せと感じる事が幸せだ。
でも今回はそれが彼女の怒りを増幅させたのは間違いないし、僕に過ちがあるのもたしかだ。幸せはマイナスになるとそれはとても大きな感情になるのだ。
でも分かってほしい。
それは独身のころの若気のいたりってやつで男だからしょうがない。




・・・はずだ。


ちょっと言い訳っぽいなかな・・・・・・


17:通りすぎれば~Nos formes heureuses~
07/08/09 02:02:08 jh48MCFT
家に帰ると夏姫が玄関に立っていた。
わざわざ迎えてくれた新妻にハグで返そうと思ったら夏姫が
「雅之、話があるの。」
「何?重要な話?」
「とっても。とりあえずリビングで話しましょう?」


で、リビングに置いてある結婚してから二人で決めて買ったソファーに腰かけると夏姫が僕の部屋から何やら運んできた。


目の前に置かれたモノを僕が目にしたとき僕は今日の話題が決して明るいものでは無いことに気付いた。



夏姫が持ってきたのはDVDだった。ただのDVDではない。
結婚する前にお世話になっていた、まぁいわゆるAVというやつだ。
ちょっとした懐かしさすら覚えた。



認識したとたん冷や汗が止まらなくなる。
夏姫は超がつくほどの嫉妬やきなのだ。


18:通りすぎれば~Nos formes heureuses~
07/08/09 02:04:03 jh48MCFT
かれこれ2時間は同じ事を言葉を変えながら怒っている。
まぁ要約するとAVを隠していたことが気に食わないらしい。夏姫の怒りは相当なものだった。
まぁ目に見えた結果ではあったがさすがにここまでとは思わなかった。




「何で私がいるのに、こんなものを持ってるの!私とは一週間もしてないのに自分で処理しちゃうんだ?知らない女がセックスしてるビデオで!・・・私に飽きたの!?」

・・・何でそうなる。

「そんなわけあるかよ。僕が夏姫に飽きることなんて有り得ないね。」
「じゃあ何で隠してたの!?」
「隠してたもなにも・・・まぁ結果的に隠していた事になるけど結婚前に買ったやつで単なる捨て忘れ。大体それの存在すら忘れてたよ。何なら今捨てに行ってもいい。」
「・・・言ったわね?男に二言は無いわね?じゃあ今これ以外にも隠しているのが有るならそれも捨てて!もし、出来ないなら実家に帰るから。」
・・・どうしてまぁそうも疑り深いのか・・・。まぁ愛されているが故の嫉妬だから怒る気も反発する気も起きないけど。



10分後。
結局、僕は僕の部屋にある全ての(全て婚前に買った)AVやそれらの類の本を全てごみ捨て場に捨ててきた。


と言ってもそんなに数があるわけではなく、AVに関して言えば夏姫が見付けた三本だけ。
本は四冊だけだ。


さて、問題は我が愛しの君の機嫌をどう直すかだ・・・。
今日一番時間がかかりそうだ。


19:通りすぎれば~Nos formes heureuses~
07/08/09 02:05:37 jh48MCFT
ごみ捨て場から帰ると夏姫はシャワーに入っているのか風呂場から水の流れる音がした。




・・・・・・・・・。
良いこと思い付いた。
案外早く機嫌を直せそうだ。



「夏姫ちゃあん。一緒に入ろぅ。」
「ちょっ雅之、やめなさいよ。私まだ怒ってるのよ。」
「ウンウン。夏樹ちゃんとは一週間もしてないもんね?夏姫ちゃんは寂しがり屋さんだからなぁ。」
かぁっと夏姫の顔が赤らめていく。
風呂の温度が高すぎるわけでわない。
「そっそんなことないもん。」

「・・・夏姫、真面目な話ごめんな。本当にごめん。今週は特に忙しかったんだ。その上あんなビデオで見付けたんじゃ怒るの無理ないよな。ごめんな、酷い夫で・・・。」
「そっ、そんなこととないよ。私にとっては最高の旦那様よ?雅之以外の男の人なんて興味ないわ。」
うん。なんとかなりそうだ。今日一日じゃ無理かと思ったけど大金星だ。

「それに・・・」
「それに?なにさ?」
「それに毎日私のご飯おいしいって言いながら食べてくれるじゃない?私、あんまり料理得意じゃないから美味しくないのに美味しいって言って食べてくれるじゃない。それだけでも十分幸せ、うむっ。」
話を遮るように口をふさいだ。
軽いキスだが、僕たちのわだかまりを取り払うにはそれで十分だ。
それに夏姫は勘違いしてる。夏姫のご飯はおいしいんだ。贔屓目にみなくても十分美味しい。
どこまでもコンプレックスが多い子だ。まぁそれが可愛いのだけど。
ちゅっ
「っもう、話してる途中なんですけど?」
「夏姫、ベット行こうよ?僕我慢できそうにないよ。」僕の愚息ははち切れんばかりにいきり立っていたが、さすがに固いタイルの上で夏姫とするのは夏姫に負担が大きすぎるし、風邪を引きそうだ。

「う~。なんか誤魔化されてる気がするけど解った。先に出てるから。」
そう言うと夏姫は風呂場から出て行った。


20:通りすぎれば~Nos formes heureuses~
07/08/09 02:12:55 jh48MCFT
今日はお互い燃えそうだ。

急いで風呂から出ると夏姫はバスタオルを胸を隠すように体に巻いたまま、ベットにいた。
ヤバいな。もう我慢できないや。
「夏姫。」
彼女を隠していた一枚きりの布を剥がすとぷるん、Eカップの胸が揺れた。
胸にしゃぶりつくように愛撫する。
同時に下の口も忘れず愛撫する。
クチュクチュクチュ。
「あっあっあっ、ひうぅぅ。」
僕の指が動くのとシンクロして出る夏姫の艶やかな声
夏姫の声は僕にとって一番強烈な催淫剤だ。
もっと、もっと、もっと!もっと聞きたい。

夏姫の中にある襞の集中しているところを強く擦る。「ひゃうぅぅ、イッちゃうぅ。」
「いいよ。イッテるところ見せて。」

瞬間。夏姫は盛大に潮を吹いて果てた。

夏姫が感じやすいのは前からだが、潮を吹いたのは初めてだ。
いやはや、セックスは奥が深い。



21:通りすぎれば~Nos formes heureuses~
07/08/09 02:20:22 jh48MCFT
イッたばかりで息も絶えだえな夏姫には申し訳ないが僕もそろそろ限界だ。
くてっとなっている夏姫の耳元で
「夏姫、我慢できないや。入れるよ?」
「・・・むりぃ、イッたばかりでそんなの入れられたら死んじゃうぅ」
「そんなものってなにかな?」
「雅之のオチ○チン。」
あれま、今日はずいぶんあっさりしてるな。
余裕ないのか。


「じゃあなおのことオチ○チン入れなきゃ。もっと夏姫の可愛いところみたいし。」
「無理ぃ、いやっ、あっあっ、はうぅ、あひぃぃ」


僕が出入りするたびに彼女はあえぎ鳴く。


ヤバいな。僕も余裕ないや。
彼女にたたき付けるように自分の腰をぶつける。

僕たちのベットルームには彼女のあえぎ声と運動不足気味で息が上がった僕の息、そして二人の腰が当たるパンパンという音。


それらが混じりあい二人の音楽を創る。



段々ペースは速くなり最後に彼女の叫び声と僕の息を停める音で僕らの音楽は幕引きとなった。


第一楽章は。


その晩は第六楽章までが演奏されたのだが。



僕らは抱き合って眠り次の日の朝は少し照れたようにキスをして一日の始まりを迎えるのだ。


これが二人の幸せの形で僕の幸の形せだ。


それは間違いない。



そして僕の愛しい人は僕の幸せそのものということも。

22:ヘタレ@13号
07/08/09 02:22:31 jh48MCFT
なんかすんません。
勢いでやりました。
後悔はして・・・・・・・・・ないわけないべ。



もっと精進します。

23:名無しさん@ピンキー
07/08/09 07:11:26 DuuEUNQh
>>22
いえいえ、GJです。
ちょっと改行が多くて専ブラでも見にくかったのと、
「ベッド(bed)」じゃなくて「ベット(bet)」と書いてるのが
若干気になったくらいです。

24:名無しさん@ピンキー
07/08/09 22:06:27 T1daWnAR
GJだが
AVくらいで実家に帰ると言い出すのはちょっとヒステリックすぎだと思うんだ

25:名無しさん@ピンキー
07/08/11 21:53:58 xr8d2M4X
>>24
女は独占欲が強いって事だろう。
文中から引用するが、「愛されているが故の嫉妬」って事。

26:名無しさん@ピンキー
07/08/12 16:56:01 lWIa8Fja
グッジョブ

27:名無しさん@ピンキー
07/08/13 19:53:08 rViCmGUf
せっかくAVという小道具が出たんだから、二人で一緒に見るとかしてほしかった。 
という訳で次回作はバイブを使ってイチャイチャするのを読ませてくださいww
GJですた!

28:名無しさん@ピンキー
07/08/15 08:26:38 nWKqrpIg
age

29:名無しさん@ピンキー
07/08/19 22:45:34 bImBxc7g
保守

30:名無しさん@ピンキー
07/08/21 22:32:26 EFYO5qaP
大正政略結婚ものの続きが読みたい…


31:名無しさん@ピンキー
07/08/26 16:44:07 Bk3i3E+N
職人さんが来ると信じて…

32:名無しさん@ピンキー
07/08/30 08:08:07 rDSrmBZi
浮上

33:名無しさん@ピンキー
07/09/06 15:36:39 w4Ldb97Z
age

34:名無しさん@ピンキー
07/09/10 15:07:19 hMobhEoY
ほしゅ

35:名無しさん@ピンキー
07/09/15 22:30:45 g+mrKCfE
そろそろ圧縮保守

36:名無しさん@ピンキー
07/09/17 11:58:47 zlmnleF1
昼休み保守

37:名無しさん@ピンキー
07/09/18 06:56:33 EAcmhyCm
age

38:名無しさん@ピンキー
07/09/22 03:53:15 i/3GVq/D
>>13
実は待っているんだ…

保守

39:名無しさん@ピンキー
07/09/22 08:47:27 pBWeT3+d
ほしゅ

40:名無しさん@ピンキー
07/09/23 01:51:34 AcJhxCVg
>>13
雪子と貴巳、カムバックほしゅ

41:名無しさん@ピンキー
07/09/27 13:15:37 7yQHdJJC
保守しておくね。答えは聞いてない。

42:名無しさん@ピンキー
07/10/03 07:14:18 tw83tB9A
age

43:名無しさん@ピンキー
07/10/03 20:18:52 biVRgebz
>>41
桜井と愛理の新婚の夜をのぞくなよw

44:名無しさん@ピンキー
07/10/06 10:20:01 lpSb7fxx
age

45:名無しさん@ピンキー
07/10/11 10:02:46 6VcA/xqH
>>43
のぞかないよ!おまえ、倒していい?

46:名無しさん@ピンキー
07/10/18 21:52:03 fCz5o/IV
前スレ781です。
続編を書いたのでupさせてもらいます。
長いので今日は取り合えず前半までで。
あと、なんかまだ続きそうなのでタイトルを決めてみました。
雪子と貴巳改め「鉄仮面と子猫」です。


47:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:53:07 fCz5o/IV
「こんにちは~、お久しぶりです!」
雪子は市役所の企画部企画課のブースに笑顔で現れた。
2年前に結婚退職したかつての自分の職場であり、
現在彼女の夫である中嶋貴巳氏の職場でもある。
「あ~雪子ちゃんだ、久しぶり!」
「どうしたの?課長に届け物?」
比較的小さな市の市役所ゆえにアットホームな雰囲気のここは、、
退職してからも雪子を暖かく迎えてくれる。
「そうなんです。お弁当届けに…朝ちょっと間に合わなくて」
きょろきょろと夫の姿を探すが見当たらない。席を外しているらしい。
「毎日愛妻弁当か…うちなんて毎日職員食堂だよ。羨ましい」
「いいですよね~。雪子さん、ついでに僕にも作ってくれません?材料費払うし」
と、雪子と同期の沢木がやや本気の面持ちで言う。
「ダメ!一つでも毎朝だと結構大変なんですよ?
沢木さんは彼女に作ってもらって下さい」
「雪子さんみたいに料理上手な彼女がいたらこんな事言わないっす」
「褒めても何も出ませんよ…って言いたいとこですけど、これ」
差し入れに持ってきた重箱を、ブース中央の広いデスクに広げる。
「おおっ美味しそう!これ手作り?」
「昨日から仕込んでたんですけど、思ったよりいっぱいできちゃったので…
皆さんで食後のおやつにどうぞ」
重箱の中には、小ぶりのおはぎが並んでいる。
漉し餡、つぶ餡、キナコ、抹茶の四色が見た目にも美しい。
「雪子ちゃんホントに料理上手だねぇ…私、今度教えてもらいに行こう」
「まだ若いのにおはぎなんてよく作れるねぇ」
「洋菓子のほうが難しいですよ、それに私おばあちゃんっ子だったので」
雪子が料理上手なのは、家庭の事情で高校生のころから家事を一手に引き受けていた
せいなのだが、それを知っている同僚達はあえてそのことには触れないでいてくれる。
それが雪子にはありがたかった。

48:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:53:51 fCz5o/IV
「美味い!最高!」
「って沢木さん早すぎ!まだお昼ご飯前でしょ」
「いや~雪子さんはいいお嫁さんになるね!」
「もうとっくにお嫁さんですから…」
沢木と交わす漫才じみた会話も、久しぶりで雪子には楽しかった。
しかし沢木は本気か嘘かわからないような冗談が好きで、少し反応に困ることもある。
「係長と喧嘩したら僕のとこ来ていいすよ?ダブルベッドだから広いし」
「沢木さんのお部屋は汚そうだからイヤです」
「ひどいなぁ~僕本気なのんごふぅっ?」
「あ~喋りながら食べるから。大丈夫ですか?」
沢木がむせ返ったのは、横に立つ同僚からこっそり脇腹にひじ打ちを喰らったから
なのだが、おはぎを喉につまらせたと思い込んでいる雪子は、沢木の背中を
ぽんぽんと叩いて、湯のみを持たせてやる。
「ゆっ雪子ちゃん、ほら課長帰ってきたよ?」
と、慌てて別の同僚が強引に雪子を沢木から引き離し、ブースの入り口を指差す。
そこには、泣く子も黙る無表情・無愛想の鉄仮面が、
どす黒いオーラを漂わせながら沢木と雪子を凝視していた。
中嶋貴巳(36)、雪子の12歳年上の夫であり、企画部企画課の課長である。
30代という若さの課長は異例ではあるが、その有能さを知る誰もが納得している。
彼の銀縁の眼鏡がキラリと冷たく光るのを、雪子以外のその場にいた全員が
背筋の凍る思いで見た。
(…沢木、殺されるぞ…)
(沢木君かわいそうに…ご愁傷様です)
当の沢木も、背中に鋭く突き刺さる貴巳の視線に、冷や汗をダラダラ流している。
凍りついた場の雰囲気に気づいていないのは雪子ばかりだった。
「あ、お帰りなさい。お弁当遅くなってごめんね」
「…いつ来たんだ?」
「今さっきだよ。おはぎも持ってきたから皆さんで食べてね」
「わかった。…じゃあもう帰りなさい」
「…え?でもまだ来たばっかりだし」
「仕事中だ」
「……はい。」
「それから沢木」
「は、はいぃっ!」
貴巳に呼ばれた沢木が直立不動の体勢になり、裏返った声で返事をする。
「16時からの会議の資料は?」
「え~っと、もう少しでできます」
「具体的に」
「…七割くらいっす」
「七割できてるということか?」
「いや…えっと、あと七割っていいますか…」
「ほう」
「…すいません、すぐやりますっっっ」

同僚たちの哀れみに満ちた視線を浴びながら、沢木はそそくさと自分のデスクに
戻っていった。
彼のワイシャツは、秋だというのに背中まで汗でびっしょりと濡れていた…

「えーと、じゃあ私帰ります。皆さん、お邪魔してごめんなさい」
「いやいや、差し入れありがとうね」
「雪子ちゃんまた遊びに来てね」
「はい、ありがとうございます。それじゃ」

(…なんか、貴巳さん怒ってる…)
叱られた子供のようにしょんぼりとして、雪子は元職場を後にした。



49:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:54:46 fCz5o/IV
(大体、雪子は少し鈍すぎる)
家路につく車の中で、ハンドルを握りながら貴巳は考えた。
雪子は自分のことを男性受けするタイプではないと思っているようだが、
それは大きな間違いだ。
確かに、誰もが眼を奪われるような美人ではないかもしれないが、
バランスのよい上品な目鼻立ちと、色白できめ細かい肌、
それに柔らかく優しげな表情。
雪子が同じ職場に勤めていた当時も、男性職員からかなりの人気だったのだ。
もっとも雪子自身はそんなことは露知らず、だったのだが…。
今日のことにしても、沢木が雪子に好意をもっているのは、同僚の誰が見ても
明らかなのに、雪子自身はまったく気づいていないようだ。
ただの冗談とでも思っているのだろうか?
だいたい沢木も、相手にされないのをいいことに調子に乗りすぎである。
貴巳は私情を仕事にもちこまないことをモットーとしているが、
午後の会議で案の定、急ごしらえの資料の内容に出席者から質問が集中し、
しどろもどろで答える沢木を見て、少々いい気味だと思ったのは事実である。

雨がぱらついてきたのでワイパーを動かす。このところ日没後はめっきり寒くなってきた。
貴巳の好みで、車内には余計な装飾物は一切置いていない。今時珍しいマニュアル車である。
完璧主義である彼は、オートマ車の変速が、自分の思うタイミングと微妙にずれるのが
我慢できないのだ。
ひんやりとしたシフトレバーを握りながら、車内の時計をちらりと見て時間を確認する。
雪子にメールで知らせた帰宅予定時間まであと4分。ぴったり到着できるはずだ。
昼間、邪険にされて寂しそうだった雪子が、
どんな表情で自分を出迎えるのか…そんなことを考えながら、
駐車場に向かうべくハンドルを切った。

50:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:55:20 fCz5o/IV
一方そのころの雪子は時計をこまめに確認しながら、
夕食の最後の仕上げにおおわらわだった。
夫は、メールで予告した時間から1分と違わずに正確に帰宅する。
そのタイミングに合わせて、出来立ての夕食を用意するのが雪子の一日のうち
一番大事かつ大変な仕事である。
(お魚はさっき裏返したし、あとは煮物を盛り付けて…
あ、おみそ汁に味噌入れなきゃ!あ~あと3分しかない…)
くるくると動き回って料理を作る様は、懐かしの「料理の鉄人」さながらである。
(箸置きとお箸並べて…よし、これでOKかな)
ようやく夕食がテーブルにセッティングされた。とほぼ同時に玄関のドアの開く音がする。
「貴巳さんおかえりなさい、お疲れ様でした」
「………」
夫の無表情で無愛想な態度はいつものことだったが、
昼間のことがあったため、雪子は少しびくっとした。
まだ怒っているんだろうか…?
しかし貴巳の表情からそれは伺い知れない。というか、
彼の表情から何か窺い知れることのほうが圧倒的に少ないのだ。
よく知らない人が見たら、貴巳は四六時中不機嫌な人間だと思われるだろう。
コートと鞄を受け取りハンガーに掛けると、雨が降ってきたのか僅かに水滴がついている。
それをタオルでぬぐいながら、
どのタイミングで今日のことについて話すべきか、雪子は迷っていた。

食卓についた二人だったが、気まずい沈黙が続いている。
テーブルの上には、新鮮なアジの塩焼きと筑前煮、揚げたジャコと水菜のサラダに
大根と油揚げのみそ汁が並んでいる。
貴巳の好みに合わせて和食中心のメニューである。
いつもなら、口数の少ない夫も、この煮物は美味いとか、その程度の会話はあるのだが、
今日に限ってそれもない。
黙ったまま夕食の箸を置くと、沈黙に耐え切れなくなった雪子が切り出した。

「貴巳さん、今日はごめんなさい」
妻が、思い切ったようにぺこりと頭を下げる。
「…何のことについて?」
わかっているくせにそんなことを聞く自分も少し意地が悪い、と思ったが、
雪子が困っているときの顔はなんとも可愛らしいのだから仕方ない。
少し困らせて、その表情を楽しみながら、今夜は身体のほうもじっくり可愛がってやろう。
案の定、雪子は頬を少し赤くしてうつむいて、口ごもる。
しかしその口から出た言葉は、貴巳の予想外のものだった。


51:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:56:33 fCz5o/IV
「えっとね、お仕事の邪魔、しちゃったなぁって」
「…え?」
「あのあと考えたんだけど、貴巳さんやっぱり、私が職場に行くのが嫌なんでしょう?
私情持ち込むの嫌いだし。私も、元自分の職場だからって、遊びに行くみたいな気分で
おやつとか持って行って、いけなかったなって反省したの。
やっぱり職場は男の戦場だもんね?」

「…………違う」
「え?」
何ということだ。──に気づいていないとは。
瞬間的に、怒りに似た激しい感情が湧き上がる。
自分でもなぜそんな気分になるのかわからない。
きょとんとした雪子の表情には、憎らしいほど邪気が無くて。
それが更に貴巳の劣情をかりたてた。
おもむろに雪子をダイニングセットの椅子から抱き上げると、
乱暴にソファに押し倒す。
「ちょっ、貴巳さん、なにするの?!やめて!」
突然のことに驚いて抵抗する雪子にかまわず、無理やりスカートとセーターを捲りあげる。
眼に染み入るように白い肌が、急に外気にさらされて震えている。
「い、やぁ…違うって、なに…?私、悪かったらちゃんと謝るから、乱暴にしないでよぉ…」
目尻に涙を浮かべて雪子が懇願する。
付き合い初めてから今まで、そんな乱暴な扱いを受けたことがなかったし、
怯えるのも無理からぬことではある。
しかし今の貴巳には、そんな態度さえ神経を逆撫でする原因になった。
ブラジャーを強引にずり下げて、いきなり強く乳首を吸い上げた。
「あああああんんっっっ!やだぁ、貴巳さん、なんで…?」

何故だろう。おかしい。
元々自分はこんな人間ではなかったはずだ。
常に冷静沈着に、理性的に判断することが一番だと思ってずっと生きてきたのに。
雪子が気づかないというだけの理由で…
気づかない?
──何に?


52:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:58:03 fCz5o/IV
「久しぶりに沢木と話して、楽しかったか?」
貴巳は自分の口から出た台詞に驚き、そして悟った。
雪子が気づかなかったこと─自分が、沢木に嫉妬しているという事実。
今、貴巳の中に渦巻く感情は、雪子への怒りではなく、
嫉妬などという、これまでの自分がもっとも軽蔑し遠ざけていた感情に支配されている、
自分への戸惑いと苛立ちだということ。

「沢木さん?何で今そんなこと…」
雪子の口から他の男の名前が呼ばれるだけで、無性に苛立ってしまう。
冷静にならなければ、と自分に言い聞かせるが、
一度暴走を始めた感情はとどまるところを知らない。
乱暴に雪子の唇をむさぼり、舌を強く吸い上げる。
息が苦しくなるまで存分にやわらかな口内を味わい、ようやく離した。

そして雪子も、ようやく貴巳の秘めた感情に思い至った。
おずおずと口を開く。
「貴巳さん…もしかして、やきもち?」
信じられない事実。
あの貴巳が。陰で鉄仮面とあだ名され、無表情無愛想正確無比のロボットのような貴巳が?
ちょっと親しく話しただけの元同僚に、嫉妬しているなんて。
「信じられない…もしかして、沢木さんと私が何かある、とか疑ってる?」
だとしたら殴ってやろうか、と半ば本気で雪子は思った。無性に腹が立ってきた。
「いや、それはない」
即答されて少し安心したが、じゃあ何故そんなに貴巳が怒っているのか理解できない。
「だったら、やきもちなんて妬く必要ないじゃない?」
「……雪子が、他の男と楽しそうにしているのが非常に不快なんだと、
今さっき気づいたところだ」
「そんな!貴巳さん以外の男の人と、これから一生楽しく喋っちゃいけないってこと?」

そうだ、
と喉から出そうになった言葉を、貴巳は必死で飲み込んだ。
なんていう醜態だろう。
理性的に考えれば、雪子に無理な要求をしているのは自分のほうだ。
浮気をしているわけじゃなし、知り合いの男性と会話することまで禁止する権利は
自分には無い。当たり前のことだ。
しかし暴走する感情は、それでは納得してくれない。
雪子を自分だけのものにしておきたい。
できれば、誰の眼にもふれさせたくない。
その眼も声も肌も胸も手足も、全て自分だけのために存在していて欲しい。
自分はこんなに浅ましい人間だったのか。
今まで理性で押し隠していた醜いエゴが、一気に噴出するようだ。

53:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 21:58:59 fCz5o/IV
ぶつけるような勢いで再び雪子の唇を吸い、胸をめちゃめちゃにもみしだく。
「やだっ…貴巳さん、やめて!やめてってばっっ!」
抵抗する雪子を無理やり押さえつけ、下着を引きちぎらんばかりに剥ぎ取った。
電気のついた明るい室内で、夫の目の前に性器をむき出しにされた羞恥で、
雪子の肌がさぁっと紅く染まり震えている。
いつもなら丹念に時間をかけて愛撫し、十分に潤してから事に及ぶのだが、
今日の貴巳にはそんな余裕はなかった。
雪子の膝を割り広げ、まだ口を閉じたままのピンク色の秘部に、舌を這わせ吸い上げる。
唾液をたっぷりとまぶしつけた舌で、強引に秘口をこじ開けて潤す。
同時に、クリトリスを指の腹でぐりぐりと強めに刺激すると、悲鳴のような嬌声が漏れた。
「ひゃ、あ、ああああああああっっっ!だめ!ダメえぇぇぇぇぇっっ!」
敏感な部分への激しすぎる責めに耐え切れず、意に反して雪子が絶頂に達する。
膣口がびくんびくんと痙攣し、貴巳の舌を締め付け、
いやらしい味のする液体がじわりと奥深くから滲み出てきた。 
それを確認すると、貴巳は痛いほどたぎる自分自身のものを取り出し、
前戯らしい前戯もなしに強引に挿入した。
ズプゥゥゥゥッッッ!
「や、あっやだあぁぁぁ!ひっ…んうぅ…」
やはりいつもよりも潤いが足りないのか、ぎちぎちと引っかかり、
ただでさえ狭い雪子のオマ○コが、容赦なく貴巳自身を締め付ける。
たまらず強引に抜き差しをすると、雪子が泣き声をあげた。
「いた、いたあい…貴巳さん、たかみさんっ…」

貴巳は、なんてひどいことをしているのかと冷静に頭の片隅で思う一方で、
雪子をめちゃくちゃに壊してやりたい─
オマ○コに精液撒き散らして、自分だけのものだという印をつけてやりたいと思う、
手に負えない激しい衝動に突き動かされていた。
自分の快楽と支配欲のためだけに激しく腰を使い、そして絶頂に達する。
ドクン、ドクンと濃厚な精液を胎内に噴出し、荒く息をしながら、改めて雪子の様子を見て、
貴巳はようやく我に返った。

雪子が、自分の身体の下で、顔を手でおおいながらすすり泣いていた。
今更ながら、貴巳は激しい後悔に襲われる。
自分はなんということをしてしまったのか。これではまるでレイプではないか。
「うえっ…ひっ…ぐ…」雪子が嗚咽を漏らす。
「すまない…雪子、本当に悪かった」
萎えた自分のものをあわてて抜き去り、雪子を抱き上げようとしたが、
その腕は雪子に振り払われた。
「イヤだって…言ったのに…痛いって言ったのに、貴巳さんやめてくれなかった…」
「…悪かった…」
謝る以外に返す言葉もない。自分が心底情けなかった。


夕食の時とは比較にならない、ひどく重い沈黙が続く。
じっとしていたら窒息するのではないかと錯覚するほど、重苦しい静寂。
おもむろに雪子が震える膝で立ち上がり、剥ぎ取られた下着をつけ身づくろいをはじめた。
貴巳と眼を合わさずに、無言でリビングから出て行き、
そして、貴巳の耳に、玄関のドアが閉まる音が響いた。

すぐに追いかけるべきだと思ったが、あまりの虚脱感に、
貴巳はしばし呆然と立ち尽くしていた。
そんな自分も、先ほどまでの獣じみた行動も。
貴巳が36年間生きてきて、初めて経験したものだった。

54:鉄仮面と子猫 2
07/10/18 22:00:56 fCz5o/IV
本日は以上です。
また明日でも続きをupさせてもらいます。
よろしくお願いします。

55:名無しさん@ピンキー
07/10/18 23:12:05 5aYTNZe3
GJ!
夫やっちゃったなw

56:名無しさん@ピンキー
07/10/19 00:00:54 846cuJMV
寒いから靴下だけ履いて待ってる!

57:名無しさん@ピンキー
07/10/19 00:48:05 scy+VgJk
待ってた…ずっと待ってたんだ…!

寒くても全裸に正座でお待ちしております。

58:名無しさん@ピンキー
07/10/19 04:45:06 2NXYcCH+
暖房すれば良いのではないか?

寒風吹きすさぶ中、屋外で一人座して待つのも、読者の心意気を示すものであるが。

59:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:54:52 dQweD1Hz
昨日の続き投下します。
長くてすいません。

60:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:56:04 dQweD1Hz
タクシーから降りると、雨は本降りになっていた。
(やっぱり傘、持ってくればよかった…)
雪子は小走りに、母の家の玄関に向かう。
自宅を出るとき、とっさに財布だけは持ってきたものの、
雨は小降りだったし、傘のことまで考える余裕がなかったのだ。
考えなしに家を出たものの、夜中に友達の家に押しかけるわけにはいかない。
かといってこんな時間に開いているのは、駅前の居酒屋やクラブくらいだ。
女性が一人で行くのはかなり勇気がいる。だいたい雪子は酒がほとんど飲めない。
迷った末、近くの商店街まで出てタクシーを拾い、同じ市内にある母の家の住所を告げた。

3度目のチャイムを鳴らしたが、応答は無かった。
カーテンの隙間からも灯りはもれてこない。
周りの家と比べても大きく立派な作りのこの一戸建ては、
雪子の母が住んではいるが、雪子の実家というわけではない。
実の父は雪子が高校生のときに事故で亡くなり、
この家は母の再婚相手の家なのだ。
母と再婚相手の義父、それに義父の連れ子の圭一という高校生の男の子が3人で住んでいる。
母が再婚したのは、雪子が結婚する半年あまり前なので、雪子がこの家に住んでいたのも
わずか半年ほどである。合鍵も返してしまって雪子の手元にはない。
義父は雪子をとても可愛がってくれているが、
やはり自分の実家のように振舞うわけにはいかない。
夜中に押しかけるのは気がひけたが、他に行くあてもなかった。

(留守なのかなぁ…圭一くんもいないってことは旅行とか…?困ったな)
もう幾度目かのチャイムにも、家の中はひっそりと静まりかえっている。
雨が激しさを増してきた。気温もどんどん下がってきて、びしょ濡れの雪子の身体は
がたがたと震えだした。
雪子を乗せてきたタクシーはとっくに走り去ってしまったし、
電話でタクシーを呼ぼうにも、携帯はリビングの机に置いてきてしまった。
この辺りは住宅街で夜は人気もなく、バスも最終便の時刻を過ぎている。うかつだった。
ひどく心細くて、子供のように大声で泣き出したい気分だった。
(とにかく…コンビニで傘とタオル買おう)
コンビニまでは歩いて10分ほど。公衆電話があればタクシーが呼べるのだが、
生憎そこには無かったはずだ。傘を買って、その後はどうするべきか…
家には戻りたくない。夫のことをあんなに怖いと思ったのは初めてだった。
自分は貴巳を信用できなくなっている、そのことが何よりも悲しい。
土砂降りの中をうなだれて歩きながら、雪子は寒さと、寂しさに震えていた。


61:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:56:41 dQweD1Hz
(煙草と…あと明日の朝のパンでも買ってくか…しかし寒みーな…あれ?)
沢木勇治は、自分の眼を疑った。
夜中にコンビニの前で、傘もささずびしょ濡れの女性が、スカートの水滴をしぼっている。
そのひとの顔を認めて、思わず大声を上げた。
「雪子さんじゃないっすか!こんなところで何してるんですか?」
びっくりして顔を上げたのは、まさしく中嶋雪子であった。
「うわぁびしょ濡れ!風邪ひきますよそんなんじゃ」
「沢木さん、なんでこんなとこに?!」
「俺のアパートこのすぐ先なんですって。雪子さんこそどうしたんですか?」
「あ………いや、ちょっと…母の家に来たんですけど、留守みたいで…」
夜中に一人で傘もささずにいることの説明にはなっていない。
しかもよく見ると、雪子の瞳は真っ赤に充血している。
「もしかして…課長と喧嘩したんすか?」
「………」
「あーいや、変なこと聞いてすんません!とりあえずそれじゃ絶対風邪引くんで、
タオル貸しますから俺の部屋に来てください!」
「え…でも…」
「いや、絶対、神に誓って、変なことしないっすから!身体あったまったら、
車で送っていくんで」
「でも、そんな迷惑かけられないですし」
夜中に男性の家に上がりこむなんて経験はなかったし、ましてや相手は
喧嘩の原因の沢木その人である。
しかし、ここで意地を張って断っても、他にどうすることができるだろうか?
有難い申し出なのは確かである。
雪子が迷っていると、
「雪子さんこのままにしとくほうがよっぽど気になります!とりあえず来てください」
沢木はやや強引に雪子の腕をとり、自宅へと引っ張っていった。
(しょうがない…お言葉に甘えさせてもらおう。沢木さん何もしないって言ってるし…)

男の「何もしないから」という言葉を鵜呑みにする24歳の女性。天然記念物並みである。



62:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:57:31 dQweD1Hz
洗面所からバスタオルをありったけ持って部屋に戻ってくると、雪子がソファの前で
暖かい缶コーヒーを手に立っていた。
座っていてくれと言ったのだが、ソファが濡れるので遠慮しているようだ。
「これ使ってください。エアコンもっと強めましょうか?」
「ありがとうございます…沢木さん、ほんとに迷惑かけてごめんなさい」
バスタオルを敷いてその上に腰を下ろした雪子が、深々と頭を下げる。
「いや、全然気にしないで下さい…っていうか、もしかして、
喧嘩の原因って俺の昼間のアレっすか…?」
恐る恐る聞くと、雪子は困ったような表情になる。図星のようだ。
「だったら謝るのは俺のほうですよ…ホントすいません」
「いや、そんな、沢木さんは悪くないです!なんていうか、私達の問題で…」
うつむいた雪子の前髪から雫がつたって落ちる。
蒼ざめた雪子の横顔に、沢木は思わず見とれた。
決して華やかな美人というわけではない。服装も雰囲気も地味だし、
むしろ目立たない部類に入るほうだと思う。
だが沢木は、いつからか自分でもわからないうちに、雪子に恋をしていた。
雪子のやわらかそうな唇や真っ白な頬、落ち着いた優しい声やおっとりした物腰…
そんなことばかり考えている自分に気づいたのは、雪子が結婚退職する3ヶ月ほど前の
ことだった。
恋愛に関しては積極派だと自負していたが、雪子に対しては何故か勝手が違い、
想いを伝えようかどうしようか、まるで中学生のように迷っているうちに、
相手の結婚というこれ以上ない失恋をしたわけである。
まして相手は、恋愛などという浮ついたことから軽く50光年は隔たっているイメージの
”鉄仮面”中嶋貴巳氏だという。
あまりのショックに、沢木はその後1週間というもの、毎晩飲み歩き自棄酒を喰らった。

その恋焦がれた雪子が今、自分の部屋で、手を伸ばせば触れられるほどの距離にいる。
濡れた服がぴったりと身体に張り付いて、日ごろ隠されている柔らかな曲線があらわになり、
うっすらと下着のラインも透けている。
そして…
まさかとは思ったが、エアコンの温風にあたっている雪子の身体から、
かすかにいやらしい匂いがするような気がする。
嗅ぎ覚えのある、男の精液と、女性の…
そこまで考えたところで、自分の鼻息が荒くなっていることを自覚し、
沢木は慌てて雪子から眼をそらした。
(いやいやいやいや!何考えてるんだ俺は!)
ここで雪子に手を出したりしたら、後はどんなことになるのか想像するのも恐ろしい。
幸いなことに公務員なので、クビにされたりはしないだろうが、
しかし毎日職場で中嶋貴巳氏と顔をつきあわせるのだから、
ばれるにせよばれないにせよ、寿命が縮みまくるのは間違いない。
(そんなことになったら、絶対早死にするぞ、俺…)
就職氷河期を勝ち抜いてやっと手に入れた安定職である。つつがなく定年まで勤めたい。
落ち着け自分、鎮まれ息子…と自らに言い聞かせていると、雪子が口を開いた。


63:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:58:12 dQweD1Hz
「貴巳さん…どうしてあんなことで怒ったりするんでしょう…沢木さんも、とばっちりで、
嫌な思いさせて本当にごめんなさい」
心の底から自分に申し訳ないと思っているのだろう。雪子には何も責任は無いのに…
自分を見上げる雪子のうるんだ眼差しに、沢木の心臓は高鳴った。
さっきから雪子は謝ってばかりだ。涙を必死でこらえている姿が何とも可憐で、
つい先ほどの硬い決意もよそに、上司に対する怒りがこみ上げてくる。
こんなに健気で可愛らしい妻を泣かせるなんて、男として失格ではないだろうか。
大体、あの鉄仮面のどこが良いのだ?
家でもあんなふうで、ろくに甘い言葉もかけてやらないんじゃないのか。
「俺だったらもっと雪子さん幸せにしますよ」
思っていることがぽろっと口から出てしまい、沢木は慌てた。
「…え?」
雪子は、きょとんとした顔で自分を見つめている。
本当に自分の気持ちに気づいていなかったとは…奥手にも程がある。
こうなったらヤケクソだ、と腹を決めた。
「俺だったら、そんなふうに泣かせたりしません。俺じゃダメっすか」
「そんな、沢木さん冗談やめて」
「冗談だと思いますか?本当に?」
そう言って、沢木は雪子を、力強く抱き寄せた。
「沢木さん!?止めてください、お願い!」
雪子は最初のうち抵抗していたが、男の力にかなう筈も無い。

(離れなきゃ、貴巳さんに悪い…)そう思う一方、
ずっと雨のなか心細い思いをしていたせいか、人肌のぬくもりがひどく心地いい。
貴巳に対する怒りも未だ収まってはいないが、かといって沢木の想いを受け入れられる
はずもなく、雪子はただ混乱し、呆然としていた。
(確かに、もし沢木さんが旦那さんだったら、明るくて楽しい家庭だろうな…)
ふとそんなことを考えてしまう。
貴巳との生活にはない賑やかさ。憧れないといったら嘘になる。
そんな雪子の逡巡を見透かしたかのように、沢木の唇が雪子の首筋に寄せられた。
暖かい息のかかる感触に、肌がぞくりと粟立つ。不快なのか、快感なのか、
それすらも今の雪子には判断できない。
しかし、
そこはさっき、貴巳さんが唇でなぞったのと同じ場所だ──
そう思った瞬間、雪子は自分でも信じられないほどの力で
沢木の身体を突き飛ばし、離れていた。
「あ………」
「……ダメですか」
「………ごめんなさい…」
拒絶され、沢木は唇を噛み締める。
「…課長のどこがいいんだよ?本当に雪子さん課長が好きなんですか!」
そう問われて、改めて雪子は先ほどの貴巳の変貌ぶりを思い出していた。

──雪子が、他の男と楽しそうにしているのが不快なんだ──

今までに見たことの無い夫の姿は、裏を返せば、夫が必死で隠してきた姿ではなかったか。
嫉妬や、戸惑いや、甘えを…
誰もが当たり前に持っている感情を、貴巳は表に出すことが恥ずかしいのだ。
だからこそあんなにも頑なに、無表情と無愛想を通してきたんだろう。
なんて頑固で、そして不器用な人なのだろうか。
貴巳だって、嫉妬もすれば理性を失うこともある、普通の人間だったのだ─

「…好きです。貴巳さんが…好きです」
ぽろぽろと涙をこぼしながら、それでもはっきりとした口調で言う。
そうして沢木は、自分が完全に、完膚なきまでに失恋したことを悟った。


64:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:58:51 dQweD1Hz
一方、中嶋貴巳氏はようやく自分を取り戻し、必死で雪子を探しているところだった。
携帯は家に置きっぱなしだったし、心当たりといえば何箇所かの友人の家と
雪子の母親の家、それに可能性は少ないが自分の実家くらいだ。
考えられる限りの場所に連絡をし、どこにも雪子が行っていないと知ると、
家を飛び出し車で探しに出た。
まず初めに目指したのは雪子の母親の家だ。
電話が留守電になっており、不在であるらしいが、雪子がそれを知らずに
向かった可能性もあると思ったのだ。
しかし空振りだったようだ。
駅前まで戻り、飲食店なども探したが、
開いている店を全て廻っても雪子の姿はなかった。
終電も終バスも既に無かった筈だ。傘も持っていった様子はないし、
どこへ行ってしまったのか…今更ながらに自分の愚かな行為が悔やまれて、
ハンドルに拳を力いっぱい叩き付けた。
と、自分の携帯の着信音が鳴る。
慌てて表示を見ると、沢木からである。
なぜこんな夜中に…と嫌な予感がした。
「…はい中嶋です」
「課長?沢木です。」
「…どうした?」
「どうしたじゃないっすよ…今どこですか?雪子さんうちにいますから、
心配だったらさっさと迎えに来てください!
あ、変な想像しないで下さいよね?びしょ濡れで泣いてたからタオル貸しただけなんで!
中央1条通りのセブンの前で待ってますから。何分で来れます?」
「…あ、そうだな…10分だ」
「10分ですね?早く来てくださいよ」
ブツッ。ツーツーツー…
いつもちゃらんぽらんな沢木とも思えない態度である。何をそんなに怒っているのか?
そして何故雪子は沢木の家にいるのか?まさか本当に浮気しているわけでもないだろうが…
しかし取り合えず雪子の所在が知れたことで、貴巳は安堵の溜息をつき、車を発進させた。

指定されたコンビニの前に車を停めて降りると、
あれだけ大降りだった雨がいつの間にか上がっていた。
店の入り口の横に、雪子と沢木が並んで立っている。
雪子は、沢木から借りたらしいぶかぶかの男物のロングコートにくるまっている。
二人は貴巳が近づいても無言のままで、雪子は地面をじっと見つめているし、沢木は何故か
ふてくされた表情をしている。
雪子に話しかけるのが怖いと思うのは初めてだ。
「………雪子、本当に、悪かった。許してくれないか」
パーン!という大きな音と共に、自分の頬に熱い衝撃が走った。
雪子に平手打ちされたのだ、と理解するまでにたっぷり2秒ほどかかった。
呆然として目の前の可憐な妻を見る。
雪子が腰に手を当て、自分の顔を見つめて、高らかに言い放った。
「許します!」
「………え?」
自分は今、これまでの人生で一番、間の抜けた顔をしているに違いない。

65:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 21:59:31 dQweD1Hz
「さ、帰ろ。沢木さん本当にごめんなさい。コート、クリーニングして返します」
「いや安物だしそのままでいっすよ。風邪引くといけないんで家まで着てって下さい」
「そうですか…ほんとに色々ありがとうございました」
雪子は沢木に深々と頭を下げる。沢木も雪子に対しては穏やかな表情で応えている。
「沢木、本当に迷惑かけて悪かった」
貴巳がそう言うと、沢木は苦虫を噛み潰したような顔で、
「ホントですよ。結局ラブラブじゃないすか…」と投げやりに言うと、
小声でこう付け足した。
「あ、俺が雪子さんけしかけたんで。許すにしても一発殴ってやれって。
だから雪子さん怒らないであげて下さい」
「…ありがとう。あ、それから沢木」
「何すか」
「この間の会議の議事録、明日10時の提出期限、厳守だからな」
「えええええ~~~!それ今の話の流れで言うことっすか!」
「仕事に私情は挟まないことにしている」
「へいへい…んじゃ気をつけて愛の巣へお帰りくださいね~」
精一杯の嫌味をこめて二人を送り出し、沢木は溜息をついた。
(喰えない上司だよ…さすが鉄仮面)


帰り道の車の中で、雪子は安堵からか、いつの間にかうとうとしていた。
そっと揺り動かされ、名前を呼ばれて、目が覚めた。
「着いたよ」
夫の顔が目の前にある。心なしか、いつもよりも優しい表情をしている気がする。
さっき自分が殴った左頬が赤くなっている。いくら怒っていたとはいえ、
随分思い切ったことをしてしまった。
そっとそこを指でなぞって、謝ろうとした。
「貴巳さん、さっきはごふぇくしゅんっっ!!!」
ものすごく派手なくしゃみであった。しかも、貴巳の顔のまん前で。
「ご、ごめん…ううん、くしゃみのことじゃなくて、いや、くしゃみもなんだけど…」
ハンカチで顔を拭いながら、「とにかく風呂だな」と貴巳が言った。

66:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 22:00:15 dQweD1Hz
雪子は貴巳に抱えられるようにして風呂場へ連れていかれた。
まだ湿っている服を脱ぐのに四苦八苦しているうちに、
貴巳は浴槽に湯をはり、風呂の準備をしてくれた。
「ねえ貴巳さん」
入浴剤を、容器のふたで計っている夫に話しかける。
「何だ?」
「私が出て行って、心配だった?」
「………準備できたぞ。よく温まっておいで」
質問には答えずにそそくさと風呂場を出て行こうとする夫の腕をつかんで引き止める。
自分は既に全裸になっていて、ちょっと恥ずかしいが、このままごまかされるのは悔しい。
「答えきいてないよ?」
「……知ってるはずだ」
この人は本当に、ずるい。
首筋に腕を回して抱きつきながら眼を覗き込んでみた。目を逸らすところをみると、
やっぱり照れてるみたいだ。
「ね、貴巳さんも脱いで?」
貴巳の服を脱がせにかかった。夫は特に抵抗せず、されるがままになっている。
(貴巳さんって、細身に見えるけど意外と筋肉質だよなぁ…)
いたずら心を起こして、引き締まった脇腹にそっと指を滑らせると、ぴくんと貴巳の身体が
揺れた。そのまま背中に手を回し、ぎゅっと抱きつく。
「…ちゃんと風呂に入りなさい」
「いいよ…このままで十分暖かいから…」
夫の肌の温もりと匂いに包まれて、うっとりとして雪子は言う。
「駄目だ、身体が冷え切ってる」
「じゃあ、貴巳さんも一緒に入ろ?」

雪子は貴巳の上に仰向けになるようにして浴槽につかった。
湯の温かさと、肌と肌が触れ合う感触が心地いい。
貴巳の肩に頭をもたせかけて、うっとりと夫の顔を見つめる。
自然に二人の唇が重なりあい、やがて深く濃厚なキスになる…
(貴巳さんの…硬くなってる)
尻に当たる貴巳自身の感触に、雪子の身体の内側に火が灯る。
「あ…んっ」
向かい合わせに抱き合うように身体の位置を変えると、敏感な乳首と秘部がこすれて、
思わず声が漏れてしまった。
雪子は耐え切れず、お互いの熱を帯びる性器を擦り合わせるように動かす。
ぞくぞくする快感が背筋を這い登り、ますます激しく腰が動いてしまう。
「ああああああんっっっ!やぁ…きもち、いっ…」
(なんか…私、今日、すごいえっちかも…)
今までにないほど大胆になっている自分を自覚して、雪子は耳まで真っ赤になった。
自分の秘裂から、お湯とは違うぬるぬるしたものが分泌されているのがわかる。
貴巳のモノもますます硬さを増し、入り口が擦られるたびに今にも膣内に這入ってきそうだ。
(もう…欲しい…貴巳さんのが…)
耐え切れずに自分の胎内に、貴巳の肉棒を導き入れようとする。
しかし挿入の直前に、貴巳に腰を掴まれて阻止されてしまった。
「やだぁ…貴巳さん、なんで?このまま…」
「駄目だ。風邪ひくだろう?」
「さっきからそればっかり…じゃあ、ベッド行こうよ…」
貴巳は、先程無理やりのように犯してしまったこともあり、今日は雪子の身体を気遣って
ゆっくり休ませなければと思っていたが、
普段からは考えられないほど積極的な雪子の痴態に、その決心も風前の灯だった。


67:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 22:01:25 dQweD1Hz
エアコンを効かせた寝室のベッドに、雪子をそっと横たわらせる。
上気した肌は風呂で温まったせいばかりではない。
絹のようにすべすべとした、柔らかい雪子の肌の感触を楽しむように、体中を優しく
愛撫すると、雪子の身体がいちいち敏感に跳ね上がる。
首筋から胸元、へそ、腰骨のあたり…
肝心な部分をわざと避けて舌を這わせると、
「ふうぅんっ…くふうっ」と鼻にかかった声をあげて抱きついてくる。
柔らかな唇をついばみ、覗いた舌先をちろちろと焦らすように愛撫すると、
必死で吸い付こうとしてくるようすが何ともいえず可愛らしい。
まるで、毛並みのよい真っ白な子猫のようだ。
唇を離すと、じっと雪子が貴巳の目を見つめている。
「さっき…痛かっただろう?大丈夫か?」
「痛かったし…怖かったんだから…」
拗ねたように雪子が言う。
「悪かったよ、本当に…」
「ほんとに、悪かったと思ってる?」
「ああ………?!」
突然雪子ががばっと身体を起こし、逆に自分がベッドに仰向けに押し付けられた。
「じゃあ、ちょっと仕返しされちゃっても、怒らないよね?」
「………仕返し?」
雪子は貴巳の上にまたがり、昂ぶるモノに秘部を密着させて前後に動かしはじめた。
「はああんっっっ…あっ、ああっ」
溢れんばかりの蜜を分泌している雪子のマ○コが、くちゅくちゅといやらしい音を立てる。
「仕返しって…」
「そう…今度は、あんっ、私が貴巳さんを…っっ、犯しちゃうんだからっ…」
そう言って雪子は、クリトリスを陰茎にこすり付ける。
本当に、いつもの雪子からは想像もつかないほど積極的でいやらしい姿だ。
先程自分を殴ったのがきっかけになったのか、何かのリミッターが外れてしまったようだ。
自分の腹の上で快感に眉根を寄せ、口を半開きにして喘いでいる表情が何とも扇情的で、
貴巳自身も痛いほどに張り詰めている。
耐え切れず雪子の腰を掴んで、挿入しようとすると、         
「だぁめ!今は、私が貴巳さんのこと苛める番なのっ」
と言って手を外されてしまった。
雪子の細い指が自分のそそり立つ肉棒に添えられ、滴りおちそうなほど濡れた陰部に
導かれる。
先っぽの部分で入り口をくちょくちょと弄びながら、荒い息で雪子が言う。
「貴巳さん…私のここに…入れたい?」
形の良い白い胸が揺れる。今まで見たことの無い、雪子の挑発的な表情。
貴巳の我慢の限界だった。
「ああ、入れたい…雪子のマ○コに、思いっきり突っ込みたいよ」
「…嬉しい」
雪子が、ゆっくりと腰を落とす。
カリの部分だけを出し入れするようにして焦らされる。入り口を出たり這入ったりするたび、
カリの段差がこすれて、何ともいえない快感だ。
「ふぅっ…あ、あんっあ、これ、きもち、いい…」
雪子は小刻みに腰を上下させながら、とんでもなく色っぽい声を上げる。


68:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 22:02:50 dQweD1Hz
(私…きょうはなんか、おかしくなっちゃってる…)
入り口を擦られる感触に、自分の膣奥から愛液がどんどんと溢れてくるのがわかる。
上になるのなんて初めてなのに、すごく恥ずかしいのに…
あまりの快感に、自分を止めることができない。
入り口だけでは我慢できなくなって、もう少し奥まで導こうと腰を落とす。
が、快感のあまり震える足には力が入らず、一気に貴巳の上に腰を下ろすような形に
なってしまった。
「ああああああああっっっっ!!!あん、奥っ、おくぅぅぅ」
いきなり膣の最奥まで貫かれ、亀頭がぐりっと押し付けられる。
激しすぎる快感に身体を揺らすと、その動きが更に、敏感な子宮口を刺激する。
「ひゃっやぁぁぁぁんいくぅぅ!も、おっ…いっちゃうよおぉぉぉ」
びくびくと雪子の膣肉が痙攣し、張り詰めた貴巳自身をリズミカルに締め付ける。
貴巳も耐え切れずに、雪子のマ○コを下から激しく突き上げた。
「やぁぁぁぁだめぇぇぇ!また、いくのぉ…っあああああああああああああ」
のけぞった雪子のマ○コから、大量の水のような液体が分泌され噴き出して、
貴巳の腹から胸を濡らす。自分の身体を支えていられず後ろに倒れこもうとする雪子を
慌てて抱きとめ、繋がったまま正常位の体勢にすると、貴巳は最後の仕上げにかかった。
雪子の両足を肩に担ぎ上げ、子宮の中までねじ込もうとするかのように突き上げ、
また入り口ぎりぎりまで引き出すのを繰り返し、激しくストロークする。
「きゃ、あああああうぅぅんっあんっ!!すごいぃぃもぉっ助けてぇぇぇあんんっ」
ほとんど意識を手放している様子の雪子だが、すがる様に貴巳に腕を伸ばしてくる。
その身体を思い切り抱きしめた。もう、泣かせたりしない──
「中に出すよ…下の口で全部飲め」そう囁いて、雪子の身体の一番奥へと精を放った。
ドクンドクンッ………!!!
「あああああっ!!!」精液が膣内に流れ込む感触に、
たまらず雪子も最後の絶頂に上り詰めた…


69:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 22:03:26 dQweD1Hz
「なんか…途中から、やっぱり私が犯されてたような…」
二人でベッドに横たわり、荒い息を整えている雪子が悔しそうに言う。
気を抜くとすぐにでも眠ってしまいそうだ。
一方貴巳は疲れも見せず、平然としている。
「……俺を犯すのは十年早い、ということかな」
そう言ってからかうと、雪子はふくれた。
「十年経ったら、私34歳だよ?」
「そうだな。俺は46だ」
「…………」
返事が無いので雪子の顔を見ると、既にうとうととしている。
そっと頭を撫でて、布団をかけてやった。
もう東の空が明るくなってきている。
自分も少しでも寝ようと布団にもぐると、
「たかみさん…」と雪子の声。眠っていなかったのだろうか。
「…長生きしてね」
まじまじと雪子の顔を見つめたが、やはり眠っているようだ。
「最大限、努力するよ」そう囁くと、
無邪気な寝顔に引き込まれるように、貴巳も穏やかな眠りに落ちた。


70:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 22:03:59 dQweD1Hz
翌朝。
いつもなら必ず雪子の手作りの弁当があるのだが、
前日の経緯もあるので、起きて弁当を作れとはさすがに貴巳も言えない。
一日くらい昼飯を抜いてもかまわないという心積もりだった。
職員食堂の冷えた揚げ物ばかりの定食や、コンビニの脂っこく塩辛い弁当を食べるくらいなら
何も食べないほうがまだマシだと思っているのだ。
が、雪子は健気にも起き出して、弁当を作って持たせてくれた。
しみじみとわが身の幸せをかみ締めながら、昼休みにデスクで弁当を開いた貴巳は、
絶句した。
平べったい四角形の弁当箱一面に、みっちりとおはぎが詰まっているのだ。
恐る恐る箸でおはぎを一つ摘み上げると、その下にもまたおはぎが見える。
(………二段だ………)
身体の力が抜けるのを感じて頭を抱えていると、後ろから沢木の声がした。
「それ、いらないなら俺が食いますけど?」
「…誰もいらないとは言っていない」
「そっすか。い~な~愛妻弁当は」
「…沢木、昨日はうちの雪子に随分優しくしてくれたようだね?」
「へ?あ、いや~その」
「必要以上に」
「あはは、いや、結局仲直りしたんすよね?だったら俺はダシにされたようなもんで」
「さっき提出された議事録、形式が違うからもう一度作り直し。指示書をよく読め」
「えええ?!…仕事に私情は挟まないんじゃなかったんすか?」
「当たり前だ。どこが私情を挟んでるっていうんだ?」
「議事録の形式なんて違ってても誰も困らないんじゃ…」
ぶつくさ言う沢木を自分のデスクに追いやると、
あまりにも甘い弁当に挑みかかることにした。
(これも”仕返し”の一環なんだろうか…だとしたら中々効果的だな)
その日は一日中、胸焼けに苦しんだ中嶋貴巳氏であった。

71:鉄仮面と子猫 2
07/10/19 22:15:18 dQweD1Hz
以上でした。長いのに読んでくれた方、ありがとうございます。
期待に沿う出来だったら嬉しいです。


72:名無しさん@ピンキー
07/10/19 23:59:44 ZWeg1cM/
お疲れさーん
ちょっと途中ドロドロするかと思ってはらはらしたよ
またお願いね

73:名無しさん@ピンキー
07/10/20 17:29:08 1x5CbOuF
GJ!!
雪子さんは、そういう人じゃないと思ってたけど、
スレ内にも、浮気や寝取られダメと書かれてなかったので、一瞬沢木と
どうにかなったらどうしようと、ドキドキしました
2人の絆も深くなって、良かったです

次回作楽しみにしてます

74:名無しさん@ピンキー
07/10/22 08:43:17 v8HqDQNj
ヒント:おはぎを作るのは割と手間がかかる

75:名無しさん@ピンキー
07/10/23 01:00:31 R3JrlsUk
久しぶりにスレのぞいたら…なんたるGJッ!!
でも沢木にも幸せになって欲しい俺ガイル…

76:46
07/10/23 22:22:45 IevGhtu5
読んでくれたかた有難うございます。
感想もらえてすげぇ励みになります。
続編書いたらまた投下させてもらいます。

>>74
おはぎは前日の残り物でした。解りづらくてすいません。

>>75
沢木は二人を送りだした後泣きながらオナニーしたという設定ですw
実は作者も沢木が気に入ってるので、いつか幸せになってもらいたいと
思ってますw

77:名無しさん@ピンキー
07/10/26 11:53:58 p/fkhc0y
先生と元女子生徒の続きを期待してるのも私だ。

78:名無しさん@ピンキー
07/10/29 00:19:03 xvM+kdN2
あげ

79:名無しさん@ピンキー
07/10/30 09:10:04 btK+MpJR
雪子タンと沢木が一線を越えるんじゃないかとドキがムネムネだったぜ!
沢木は沢木でいい人見つけてほしいけどね。
何はともあれGJでした!

80:名無しさん@ピンキー
07/11/02 07:13:22 yZTrlARr
スピンオフ沢木 希望

81:名無しさん@ピンキー
07/11/06 02:04:55 7nuRyws6
保守

82:名無しさん@ピンキー
07/11/11 23:16:53 3Veu7MUv
鉄仮面のクセしてこのこのこのー!

83:名無しさん@ピンキー
07/11/14 23:21:23 XEm7VMrv
保守

84:名無しさん@ピンキー
07/11/17 13:57:16 N3nuvjyl
保守

85:名無しさん@ピンキー
07/11/22 09:04:05 lbSfSjHJ
こんな時間にお邪魔します。
前に先生と女子学生を書いたものです。
たいしてエロくない小ネタですみません。
保守になれば幸いです。では。

86:名無しさん@ピンキー
07/11/22 09:04:45 lbSfSjHJ
「お・は・よ、せんせv」
目が覚めたら、愛する妻が自分の上に乗っていた。
今日も朝から妻は激しい。とはいえ別に羨ましがられるような意味ではない。
目覚まし代わりに、体の上に思いっきりダイビングをかまされたのである。
妻は小さい。そして、軽い。しかしそんな妻にも助走とジャンプが加われば、加速がついて結構な衝撃となる。
「今朝のご機嫌は、い・か・が?」
「……痛い……」
思わずむせながら涙目で抗議したら、馬乗りになったままの妻に、左右の頬を手加減無しでむにーっと引っ張られた。
「朝のご挨拶は、まず『おはようハニー』でしょ?」
「おふぁよふふぁふぃぃ……」
無理矢理口を開きながら、数時間前にも同じ体勢になっていたような記憶が脳内を走馬灯のように駆け抜けた。
だが、同じ体勢でも着衣の有無や状況等で、随分意味が変わるものである。
「起・き・て?ご飯、できてるよ♪」
変わり過ぎた意味にある種の感慨にふけっていたら、妻はようやく馬乗り状態を止めてくれた。
鈍痛が残る頬をさすりながら食卓に向かい、その上を見て、唖然とした。
「何これ……」
テーブルを埋め尽くす皿、皿、皿。夕食でもこんな品数が出たことは無い。
その大半がコメパンパスタ、という炭水化物で占められているのは彼女の趣味で有るから仕方ないとして、これは一応ご馳走と言える状態であろう。朝っぱらからどういう事だ。
「ふっふー。驚いた?でも、記念日だもんねっ」
……記念日?と声に出そうになって、慌てて口をつぐんだ。

記念日。何の。覚えが無い。

しかし、それを言ったらどんな目に遭うか予測もつかない。今日仕事にいけなくなるかもしれない。今日は予備日だから行けなくなっても構わないのだが、下手をすると明日も。
思い出さないと、職業人生が危うい。
促されて上の空でテーブルに着き、妻が栄養バランスを全く無視して取り分けてくれた皿を受け取る。
食事の前のご挨拶だけは忘れないように唱えて、もくもくと食べる。視線を感じたら美味しいと褒めるのも忘れてはならない。
けれど、その間、脳内ではずっと。
今日が何の日か、考え続けていた。

出会った日だろうか。いや、あれはもっと早かった。
再会した(らしい)のは年があけた後で、正式に再開したのは春だ。
キスしたのは。プロポーズは。結婚式は。
以下、家に来たのは手料理を頂いたのは妻を頂いちゃったのは初めてのデートは手を繋いだのは抱き締めたのはプレゼントを渡したのは赤点をつけたのは再試にしたのは履修放棄届けを出されたのは面接をしたのは。
全部、違う。違う筈だ、憶えている限りでは。

「どーしたの?」

「……っ!」

87:名無しさん@ピンキー
07/11/22 09:05:49 lbSfSjHJ
突然話しかけられて、何故かピラフが乗っているという、掟破りに水分が少ないブルスケッタが喉につまった。
「きゃ!やだ、先生、死なないでー!!」
やめてくれ。新妻の手料理で死んだりしたら、一生の恥である。
「これ飲んで、これー!」
引き続き苦しんでいたら妻がなにやらグラスを手渡してくれたので、飲んだ。飲んでしまった。
「だいじょうぶっ!?」
「……これ、酒……?」
「うん。飲むつもりじゃなくて、雰囲気で……ごめんなさい!」
雰囲気で置いてあった酒を、結局朝から飲んでしまいました。
飲んでしまったからには仕方ない。今日の仕事は諦めよう。
それから、今日の身の安全も。
「ごめん」
涙目でごめんなさいを繰り返している妻に言うと、不思議そうな顔をした。
「なんで?先生、悪くないよ」
「悪いよ。実は、思い出せない」
「ふぇ?」
目を丸くする妻。可哀想に、真実を知ったらどんなに悲しむだろう。
オレの馬鹿。何故憶えていないんだ。この際だ、全て告白しよう。そして、彼女が望む罰は何でも甘んじて受けよう。
「ごめんね、今日、何の日だったっけ?ほんとごめん、二人の大事な記念日を忘れて」
そこまで言って目をつぶる。そろそろ拳が飛んでくるかと思った頃、椅子に据わっている膝の上が重くなり、柔らかくて暖かいものが体に触れた。驚いて目を開けると、妻の笑顔が目の前に有った。
「忘れてないよ」
「え?」
首に手が回る。どうやら痛い目には遭わないらしい。
「今日は今まであった記念日とかじゃなくてー、これから記念日になる日だもん」
「は?」
話が見えない。ついでに、近くなりすぎて妻の顔も見えない。
「……今日はねー」
諦めて目を閉じたら、軽く触れ合った唇が、甘えるように囁いた。

「11月の22日は、『いい夫婦の日』ってゆーんだよv」

                      

88:名無しさん@ピンキー
07/11/22 09:07:26 lbSfSjHJ
以上です。先生はこの日結局学校を休n(ry)

どうも大変お邪魔いたしました;

89:名無しさん@ピンキー
07/11/22 17:08:57 /h0nhdjQ
GJ!!
これはい新婚さん(*´Д`*)ハァハァ

90:名無しさん@ピンキー
07/11/23 00:45:29 e8LMiFUN
>>88
学校を休んだ理由kwsk

91:名無しさん@ピンキー
07/11/25 03:00:02 CumBBwpV
保守&全裸待機

92:名無しさん@ピンキー
07/11/28 01:17:26 G2gya/9Q
保守&靴下一丁待機

93:名無しさん@ピンキー
07/12/05 22:43:52 6j0AKRHN
雪子と貴巳続編希望
保守

94:ファミリア
07/12/06 10:58:37 4t6Y6wU7
保守がてらに。

25歳の童貞と処女カップルの、実は新婦には秘密があって…
という話です。




95:ファミリア
07/12/06 11:00:43 4t6Y6wU7
 「お腹、痛い。…気持ち悪いよぉ」

 ヒクっとしゃくりあげて、カスミは便座に、もう30分近く座り込んでいる。
 小学校で習っていたし、生前に母が教えてくれていたため、生理に関する知識はあった。
 しかし実際、突然に下腹部を激痛が襲い、太ももをつたう血を見ると、誰もいない家の
中、カスミは軽くパニックに陥った。
 カスミの母は、半年前に交通事故で亡くなってしまった。
 今は父と2人きりで、小学5年生のカスミが家事を拙いながらも頑張って、家を切り盛り
していた。
 トイレに入る前につけていたアニメ番組は、5時のものだったから、父が帰ってくる
までは時間が有る。
 そろそろトイレから出て、夕飯の準備をしなくてはいけないけれど、腹痛と頭痛と
吐き気と、細く流れる血に心が萎えて動けない。
 「どうしよう…お母さん…―」
 電話をして、父に助けを求めるのは、恥ずかしくてできない。
 トイレの窓ガラスを、秋に入り急激に暗く寒くなっていった夕方の風が、ガタガタと
揺らして、カスミは一人ぼっちの寂しさを強く感じた。
 「…痛いよ。だれか」

 『泣かないで。どうすればいいか、教えてあげるから』

 トイレの中は、自分一人のはずなのに、幼い女の子の声がした。
 「だ、れ…お、おばけ?」
 しっかりしようと常に心がけているが、根は甘えたで小心者のカスミは、小さく震えて
きょろきょろと周りを見回しながら怯えた。
 『大丈夫、落ち着いて。洗面台の下に、生理用ナブキンがあるから、使ってみてね。
それから…』
 幼い声は、的確な指示をテキパキと出し、カスミを落ち着かせようとした。
 聞き覚えのない声なのに、何故か懐かしくて安心できるような気がする。
 「…痛み止めは、なにか食べてから飲んで、それで」
 「あなた、誰?」
 声に従いながらも、カスミの胸を様々な疑問が埋めていく。
 (お母さんなの?)
 幼い高い女の子の声が、朗らかに答える。
 『私は、貴方の…―』



 ―14年後

 披露宴は、こじんまりとしたイタリアンレストランで、少人数ながらもアットホームな
雰囲気で行われた。
 新婦の北里カスミは、新郎の斉藤直人と共に、手にしたキャンドルで、各テーブルに
火を灯していった。暖かな火と共に、席に着く親族や、友人や、同僚や、上司の笑顔が、
身寄りの縁に恵まれなかった二人を優しく包む。
 やっと壇上に戻ったカスミと直人は、皆に心から感謝のお辞儀をして、席に着いた。


96:ファミリア
07/12/06 11:03:09 4t6Y6wU7
 白いレースのヴェールが、カスミの艶のあるボブの黒髪をふちどり、白い肌と、
ピンク色の唇に、大きな目の彼女の顔は、清純な美しさに満ちていた。
 身長155センチと小柄ながら、豊かな胸と、きゅっと締まったウェストが、
シンプルな純白のウェディングドレスに引き立ち、まるで人形のようだった。
 対して直人は、身長は175センチと、まあ少し高めで、体つきもごく普通。
 顔はボサッとした眉毛と垂れた目が、眉毛犬っぽいと昔から皆に言われるくらいだ。
 直人は、姿形だけでなく心も優しく美しいカスミを、平凡な自分がライバルを跳ね
除けて、妻にすることが出来て、直人の胸は喜びで一杯だった。
 
 (今日から2人で、新しく家族を作るんだ…)

 小学一年生の時に、両親を交通事故で亡くし、祖父母に育てられてきた。
 祖父母の下、子どもの頃は世話をされ、そして今は自分が世話をしながら、寂しさを
胸に秘めながらも、心穏やかに生きてきた。

 (やっと君と今日、結ばれることができる)

 同じ年の25歳の2人は、今時の若者には珍しく、色々とあった為か、いまだに互いに
異性の身体を知らない。
 テーブルの下で、直人がそっと手を伸ばし、カスミの手に触れると、カスミは前の
招待客たちに視線を向けたまま、その手を握り返し、指輪をはめた2人の手は、けして
離れることの無いようにと、強く握り合わされた。



 「お疲れ様。」

 カスミがねぎらいの言葉をかけながら、てきぱきと翌日の新婚旅行に向け、荷物を
まとめていく。
 「そんなに頑張らなくても大丈夫だから。…こっちにおいでよ」
空港に近い為とったホテルの一室で、直人はベッドに腰掛けてカスミに手招きをした。
 「…うん」
 かすかに頬を赤らめたカスミが、直人の隣に腰掛ける。
 直人はカスミを抱きしめて、彼女の耳まで赤くなった頬に口付けた。
 「あっ。…あの、私…シャワー浴びてきてもいいかな?…汗かいちゃって、 ―緊張
しちゃって」
 カスミが身をよじり、直人の腕の中から逃げ出す。
 「…まだ、ダメかな?」
 初心者の直人が、緊張の面持ちで告げると、カスミは首を振った。
 「嫌じゃない。…わ、私、初めてだから、綺麗な身体で直人さんと、結ばれたいの。」
 こんな風に、けなげに今まで処女を守ってきてくれたカスミが、とても愛しくて、
直人は思わず、そのまま彼女に襲い掛かりたくなったけれど、なんとか我慢した。
 「じゃあ、俺も綺麗な身体だから、カスミが気に入ってくれるように、次にシャワー
浴びよう」
 にっこりとカスミが笑うと、恥ずかしそうに浴室へと姿を消す。
 「…あ~もう、可愛いすぎる!!」
 直人は一人、ベッドでごろごろと転がり、のたうちまわった。
 

97:ファミリア
07/12/06 11:05:03 4t6Y6wU7
 直人が浴室から出てくると、部屋の明かりはすべて消され、真っ暗だった。
 「ちょっ、電気、電気…」
 「つ、点けないで!ごめんなさい。…恥ずかしいの」
 カスミの姿が見られないのは残念だけど、これから幾らでも機会はあると思い、直人は
彼女の希望通りに、電気を点けずに、あちこちに身体をぶつけながら、手探りで
ベッドまでたどり着いた。
 そっと気配のする方に身を寄せて手を伸ばすと、触れたのは生身の肌で…

 (は、ハダカだ!)

 もっと直人が触れようとすると、カスミがみの虫のように、シーツを巻きつける。
 大胆な自分を恥じているのか、掴んだカスミの肩は体温が上がって、汗ばんでいた。
 「わ、私…直人さんが大好き。―優しくしてね」
 直人の鼻先にあるカスミの髪から、洗い立てのシャンプーの花の香りがする。
 カスミが直人に強くしがみつくと、ボリュームのある大きな胸が直人の胸に
押し付けられて、股間の熱が高まり、いっそうペニスは硬くなった。
 「カスミ…―大事にするから」
 直人がシーツを剥ぎ取り、カスミの裸身が露わになる 
 ―が、暗すぎて、カスミの足の間が今ひとつよく分からない。
 直人自身初心者の為、どうしようかと迷っていると…

 『カスミ。電気点けないと、直人さんも真っ暗で、困っちゃうよ。』

 子供の声が、暗い部屋の中に響く。

 「えっ?」
 『2人とも、初心者だから、ちゃんと相手を見ながらした方がいいいと思う』
 「あっ!なんでもない。なんでもないから。」
 『ほら、早く電気点けて』
 直人がベッドサイドにあるはずのスイッチに手をやると、部屋はほのかにオレンジ色の
ライトが点いて、明るくなった。
 カスミが青ざめた顔で、急いでシーツに隠れようとする。
 「さっきの声、何?」
 「あ、あれは……」
 『初めまして、直人さん。私カスミの…』
 「だめぇえええ!」
 カスミが股間を両手でしっかりと押さえて、懸命に身悶えする。
 『…カ、スミ。自己紹介…できな、い、よぉ。くっ、苦しいってば』
 「しなくていいから、黙っててよ!直人さんに嫌われちゃう!!」
 「…カスミ、一体その声なんなんだ?隠さなくていいから、もう俺たち夫婦なんだから、
話してくれよ。」
 「嫌いになる!私のこと…ヘンだって、嫌いになっちゃう…」
 何度も嫌われるとつぶやきながら、カスミはシーツに潜り込んで、震えながらすすり
泣いた。


98:ファミリア
07/12/06 11:07:02 4t6Y6wU7
 『カスミ。チェンジ。』

 もう一度、子供の声が聞こえると、シーツの中のカスミは、震えが止まり動かなく
なった。
 「ちょっ、なんだ!なんなんだ一体!」
 シーツを剥ぎ取ると、カスミの閉じられていた目が、ぱちりと開かれた。
 子供のような澄んだ瞳で、初めて直人を見たような不思議な表情をして、じっと彼を
見つめる。
 (顔も身体も同じだけど、これは違う。カスミじゃない!)
 直人は戸惑いながらも、このカスミから目が離せなかった。
 「そんなに見つめられると、恥ずかしいなぁ。…私、カスミのアソコなの。よろしくね」
 「へ?」
 「ここ。ここだよ。」
 カスミが、白い柔らかな巨乳を丸出しにした全裸のままで、直人の腕を掴み、自分の
うっすらと毛の生えたあそこへと導いていく。
 初めて触れるカスミの、女性のソコは、熱く湿っていて、花びらのような肉襞が、大事な
穴を隠していた。
 「……。って、ここって。」

 「だから、私はカスミのここなの。よろしくお願いします」
 にっこりと『アソコの』カスミが笑って、ぺこりと頭を下げた。

 「カスミ、恥ずかしくてふざけてる?」
 「違うよ。私はカスミのアソコだもん!最近ずっと眠ってて、カスミとお話して
なかったから久しぶりに目が覚めて、私も驚いてるの」
 大きな胸をプルプルと揺らしながら、拗ねたように唇を尖らせて、『あそこの』
カスミが犬のように四つん這いになって、直人に詰め寄る。
 (ちょっと、いや、かなりエッチなポーズなんだけど…)
 驚きに萎えていた直人のペニスが、力を取り戻す。
 「カスミを大事にして上げてね。とってもイイコなの!」
 天真爛漫な笑顔で、直人の両手をとり『あそこの』カスミが、カスミの良さを延々と
語る。
 「…でね。カスミがお友達と一緒に、迷子の猫を探してあげてね、壁の隙間に嵌って
動けなくなってたそのコを、見つけてあげたの」
 「いや、え~と、その話はカスミから聞いたことがあるけど、…カスミに代わって
もらえないかな。彼女の口から、君のこと聞きたいんだけど。」
 「…カスミ、今私が急に出てきちゃったせいで、貴方に嫌われちゃうって、ションボリ
してるの。お願い!約束して、カスミのこと嫌いにならないで!」
 真剣な眼差しで『アソコの』カスミが、直人の手をぎゅっと強く握る。
 「…まず話がしたいんだ。カスミ、出てきて話してくれないか―驚いてるけど、そんな
簡単に嫌いにならないよ」
 直人からもカスミの手を強く握り返すと、彼女の目は一旦閉じられ、再び不安げに
開かれた。


99:ファミリア
07/12/06 11:09:07 4t6Y6wU7
 「…―ごめんなさい。直人さんに、隠し事してて。直人さんと付き合い始めてからは、
アソコが話をすることなんて、無くなってたの。だから…」
 「いつから、アソコが話をするようになったんだ?」
 「…私が小学5年生で、初めて生理が来た日に…母を亡くしたばかりで、家に一人で
パニックになって泣いていたら、大丈夫って話しかけてきたの」
 「カスミのお母さんが、亡くなってから…」
 「一人じゃないよ。どうすればいいか教えてあげるから、泣かないでって」
 「……」
 「それから、私が困ってる時や、大変な時に声が聞こえるようになったの。最初は、
母の死が悲しすぎて、自分がおかしくなったのかと思ったけど。でも、私以外に
アソコの声を聞いたのは、貴方が初めてよ。」

 「カスミのお父さんは、知ってたの?」

 カスミは、俯いたまま力なく首を振る。
 今日の結婚式の喜びは、吹き飛んでしまったように、カスミは悄然としていた。
 「言えなかった。不安だったけど、父は男手一つで、頑張って私を育ててくれたし、
心配をかけたくなかった。…それに、誰かに話して気持ち悪いって言われたら、
どうしようって怖くて。―あそこはいつも話をするわけじゃなかったし。」
 「それで、最近は話をしなくなっていたんだね。」
 「うん。…あの、…実は、直人さんとお付き合いするか迷ってたら、直人さんはいい人
だから、カスミは信じなさいって言われて、お付き合いを始めたの。でも、それから急に
あまり話さなくなったから、消えたのかと思っていたんだけど―」
 直人は、どうして自分がオススメされたのか謎だったが、あそこの一言がきっかけで、
社内でも人気のあったカスミと、恋人になれたのかと思うと複雑だった。
 「…亡くなったお母さんが、君を心配してあそこになったとか…」
 「私もそうだったら、いいなってずっと思ってるけど……聞いても、違うよって言うの」
 直人自身、小学生の時に両親を亡くしていた。いつも寂しくて、幽霊でいいから両親が
出てきてくれないかと、思っていたこともあった。
 今は、さすがに大人になったし、老いた祖父母に悪い気がして、それほど両親を慕う
気持ちも薄れたが…

 『もお。2人ともお喋りの時間は、おしまいにしようよ。さっきの続き、続き!』

 『アソコ』のカスミがまた話し出すが、こんな状況下ではとても初夜は迎えづらい。
 もしセックスしている時に、直人のペニスのサイズに注文をつけたり、右の胸を揉み、
愛撫すべしとか指導されるのは、ごめんだった。
 たとえ童貞でなくとも、介添え人付のセックスは、露出趣味のない直人には、厳しい
ものがある。カスミも顔が引きつって、とても甘いムードとはいかなかった。

 『ねぇねぇ、しようよ、しようよ。それで、2人で家族を作るの』

 2人の気も知らず、『アソコ』のカスミは、2人を何とか結び付けようとしている。
 「あのさ、そんなに喋られると、こう……いい感じになれないんだ」
 『……ごめんね。私、お喋りしすぎちゃったね。―うん。静かにするから、さっきの
続きをしてね!』
 「あ~。……うん。お願いするよ」
 直人は、なんとか気を取り直して、カスミの肩を掴むが、いつまた『アソコ』の
カスミがお喋りを始めるのか、気が気じゃなかった。
 

100:ファミリア
07/12/06 11:11:20 4t6Y6wU7
 カスミは顔が強張っていたが、このままではいけないと思ったのか、直人に意を決した
様子で話しかけてきた。

 「…私、違う部屋を取るから。それで、…それで、明日これからの事、話しましょう。」

 「そんな!俺は、俺、気にしないよ。ここで、一緒に眠ろう!…何もしないから、
せっかく今日一緒になれたんだから。」
 「何かしても、いいの。直人さんが、気持ち悪くなければ…」
 「カスミ…」
 オレンジ色の室内灯のぼんやりとした光に照らされ、カスミのシーツに隠された身体の
ラインがくっきりと見える。

 「気持ち悪くなかったら…―わ、私を抱いて下さい。」

 カスミが身に着けていたシーツをはがし、直人の眼前にまぶしいばかりに美しい裸身が、
晒される。カスミの白い身体は再び汗ばみながらも、緊張で震えていた。
 アソコは約束どおり口を開かず、新婚の二人の部屋は、底に熱い興奮や緊張や恐れを
秘めながらも、沈黙がおちていた。
 「カスミ。無理をしなくていいんだ。」
 「無理なんて!私、心から好きになった人に処女をあげたくて、今日まで大事にしてきたの。」
 カスミは、今日という日まで、25年の間、大事に貞操を守ってきたのだ。
 愛する人と1つになりたいという気持ちは、秘密がばれて嫌われるかもしれないという恐れ
と共に、強く彼女の胸のうちにあった。
 (…直人さんに、嫌われたくない。―好きだから、大好きだから。)
 カスミの目から、涙がこぼれ落ちた。

 「…カスミ!」

 直人がしっかりと、カスミを抱きしめる。
 カスミは、直人の背中に腕を回し、力一杯抱き返した。
 「こんなヘンな身体で、ごめんなさい。今まで言えなくて……ごめんなさい。」
 「大丈夫だから。俺は君が好きだ。それに、アソコは俺たちを結びつけてくれたんだろ?
じゃあきっと、悪者なんかじゃない。今もこうして静かにしてくれているし…」
 震えて小さい声になるカスミの髪を、直人は優しく撫でた。
 直人の胸に、頭をもたせかけていたカスミが、上を向く。
 2人の唇が自然に重なり合い、柔らかい唇の感触に互いに陶酔する。
おずおずと伸ばした舌を絡め合い、互いの口の中を探っていった。息が止まりそうに
なるまで、カスミと直人は深く口づけをかわす。


 唇が離れた時は、互いにせわしなく息を乱していた。
 カスミの紅く濡れた唇が、小さく動く。

 「…来て」
 
 向き合って抱き合い、再び軽く唇を重ねる。
 直人の手が、そっとカスミの胸元へとすすみ、その柔らかい乳房に優しく触れ、
手の平で包み込んだ。


101:ファミリア
07/12/06 11:12:54 4t6Y6wU7
連投規制にかかりそうなので、夜にまた続きを投下させていただきます。

102:名無しさん@ピンキー
07/12/06 13:53:43 IDRVVGOG
wktk

103:ファミリア
07/12/06 18:53:06 2mkkLlHe
 「っ!……ぁあ」

 カスミが息を呑み、細い喉をのけぞらせて喘ぐ。
 直人の指先が、ピンク色の乳首を軽く押すと、期待と緊張に尖ったソレは、乳輪を
せばめて、愛撫をせがむようにますます堅くしこった。
 「…ふ、…ん―あっ!……ん」
 直人の両手が大きな胸を、タプタプと揺らして、乳首を指先でさすりあげる。
 甘い鳴き声をあげて、カスミがだらりと下ろした手に、直人の固いモノが当たった。
 「!!」
 おっかなびっくりで伸ばしたカスミの手の平が、直人のペニスを握り締める。
 「……。」
 俯いて顔を赤くしたカスミは、そのまま手でペニスを上下にしごいた。
 「っ、ほ、本で読んで…、きもち、いい?」
 荒い息を吐きながらも、カスミは手の動きを止めない。
 カスミ自身が胸への愛撫で感じすぎるたびに、細い指で作った輪が、ペニスをぎゅっと
強く握り締めて、身体を震わせる。
 「カスミ、カスミ好きだ…大好きだ」
 「私、も、…あ!…そんなにしたら」
 直人の指が、きゅっと乳首を引っ張る。乳首は濃いピンク色へと変化して、いやらしく
形を変えて伸びた。
 「もぅ、も…」
 カスミがしきりに内股を擦り合わせて、もじもじとする。
 直人が片方の手を伸ばして、カスミの股間に触れた。
 薄い茂みを掻き分けて割れ目に指を這わせると、直人の指先に膨らんだ豆のような
コリッとしたものが当たった。

 「んっ!」

 一瞬、カスミの呼吸が止まり、強張らせた身体をビクビクと震わせる。
 肉の花弁に触れた指を、じわりじわりと染み出てきた、ヌルヌルとした液体が汚す。
 慎ましやかに膣口を閉じながらも、花弁は男を受け入れる蜜を更に吐き出した。
 カスミの身体から、急激に力が抜けていく。
 「カスミ、イったの?」
 「……」
 伏せた睫毛を上げ、カスミの潤んだ目が、その問いに答える。
 心も身体も愛しくて、直人が再びぎゅっと抱きしめると、カスミは嬉しそうに、
微笑んだ。

 「カスミ。…アソコを舐めさせて」

 直人が顔を、カスミの下半身に寄せながら囁く。
 「そ、それは…」
 カスミが迷うように、足をぴったりと閉じ合わせる。
 「約束したよ。もう隠し事は無しだって。大丈夫。アソコもお喋りしてないだろ?」
 「う…ん」
 直人がカスミの太ももに手をかけ、ゆっくりと両足を開いて、足の付け根を晒させる。
 …クチュ。
 先ほどの余韻のためか、カスミの蜜が開かれた足の間で滴り落ちる。
 「や!やっぱり、見ちゃ…」
 羞恥で身体を紅く染めたカスミが、急いで足を閉じようとした。


104:ファミリア
07/12/06 18:55:51 2mkkLlHe
 直人が力を入れて、そうはさせまいと、カスミのアソコに顔を近づけ、そっとキスを
した。
 「可愛い。こんな事するの、俺が初めてだね。…大丈夫。アソコに顔とかついてないよ」
 「ゃあ、…ば、ばか…」
 消え入るような小さな声で、カスミが悪態をつく。
 そんなカスミが、とても…
 (愛しい。全部、俺の、俺だけのものにしてしまいたい。)
 直人の心の中に、例えこれから何があろうとも、カスミを絶対に守ってやろうという
決意が、今までになく溢れる。
 こんな風に誰かを大事に思えば、ただの平凡な一人の男である自分でも、無限に力が
湧き上がってくるようだった。

 「…カスミ、全部好きだ。ずっとこれからは、一緒だ」

 何度も何度も、カスミのアソコにキスをして、舐めまわした。
 小指を一本だけ濡れた膣の入口に這わせると、ぬるりと飲み込まれていく。
 その指をゆっくりと動かし、中の強張りをほぐす。
 次に、人差し指、中指。
増やされる指を、キュウキュウと締付けながら、カスミの膣の中は滑りを増して、
直人と一つになる瞬間を迎えようとしていた。

 「…っ!わ、たし、…直人さん、すき…―だ、から、わたし…を、全部、みて」

 「カスミ!」

 「…もう、1つに、…なりたい…」

 直人はもうそれ以上我慢できずに、カスミの入口に亀頭をあてがう。
 …ぬちゅ。
 反った亀頭が滑り、カスミのクリトリスに触れて、彼女の身体が電気が走ったように、
ビクビクと震え、挿入を促すように腰を直人に押し付けてきた。
 ゆっくりとペニスが狭い道を穿ち、自分の形に馴染ませるように、推し進めていく。

 「は!…ぁ…―っ!」

 カスミが苦しげに、口だけで息をする。
 眉間にしわがより、きつく閉じた目尻にうっすらと涙が浮かんだ。
 (い、痛い…アソコが、拡がって、お腹が痛い…)  
 そっとカスミが目を開けると、直人は目を閉じ、アソコの狭さが苦しいのか、先程の
自分のように眉間にしわをよせていた。
 (あ、…直人さんも、苦しい…の?身体が緊張してるから?)
 「カスミ、もう少し力抜いて、深呼吸してみよう。ちょっと…きつくて。」
 「う、うん。」
 直人を身体の中に収めたまま、カスミはゆっくりと何度か深呼吸をする。
 再び上を向くと、重なる直人まで、目を閉じたまま深呼吸を繰り返していた。
何だかソレがおかしくて、カスミの身体から力がすっと抜け、直人を根元まで迎え
入れる事がやっと出来た。

 「―全部、入ったね。」
 「うん。直人さんが、全部私の中に、入っちゃった。」
 2人とも頬を紅潮させ、うっすらと汗ばんでいる。

 額をこつんと当てて、笑顔で1つになった感触をじっくりと2人で味わう。
 それは苦痛を伴っているけれど、カスミにも直人にとっても、なにより幸福な時間だった。



105:ファミリア
07/12/06 18:57:33 2mkkLlHe
 「動くとすぐに出そうだな。…あっ!ごめん!俺、ゴムつけるの忘れた」
 「いいの。…記念すべき最初なんだもん。―大好き」
 カスミの言葉を合図にするように、ゆっくりと直人が腰を動かし始める。
 緊張で滑りが少ないためか、ヒダヒダがペニスを全体的にきつく締め上げる。
 少しでもカスミが楽になればと、揺れるカスミの大きな胸を優しく掴んで、乳首を
ペロペロと嘗め回し、甘噛みした。
 「あ!…ふ…―ん、んっ」
 まだ痛むのか、苦しげに眉を寄せながらも、胸の愛撫に感じて、甘い泣き声が漏れ始める。
 「ん、ん…そんなに、吸っちゃ、や…あ」
 懸命にカスミが背中に縋りつき、直人の腰の動きが激しくなる。
 「や、や、…たっ。もう、拡がっちゃうっ」
 生理的な現象で、カスミの苦痛に係わらず、アソコからは出し入れの度にクチュクチュ
と水音がする。

 「ごめん。もう!」

 直人がこれでもかと、カスミの奥にペニスを突き上げる。
 カスミの襞が、痛みと、強い恥骨が当たる衝撃に、ペニスをぎゅっと絞った。
 熱い精液が、処女地をビュクビュクと汚していき、カスミが悲鳴をあげる。
 「痛、…―っ!」
 「うっ!」 
 直人は腰を深くすりつけ、たっぷりとカスミの膣の中に、吐き出した。

 ぐったりとしたカスミの上で、更に精根尽きたように直人がぐったりとしていた。
 「重いよな。…最後、痛がってたのに、ごめん。」
 横に転がると、背後からカスミを裸で汗まみれのまま、抱きしめた。
 「へ、平気。私、…直人さんと1つになっちゃった」
 抱きしめる直人の腕を、下からほっそりとしたカスミの腕が抱く。
 カスミの項に、汗で髪が張り付く。
 「汗でべたべたして、気持ち悪い?」
 「ううん。もう少し、こうしていたい。」
 どちらかといえば、潔癖な傾向のある2人だったけれど、愛し合った後の互いの
身体の熱や吐息がくすぐったくて、気持ちよかった。

 力を失ったペニスが、カスミの中から抜け落ちる。
 「んっ…」
 カスミが身体を震わせ、互いの腕を解いて下を見ると、シーツを精液と処女の証の
赤い血が、うっすらと汚していた。
 「血が…染み抜きしたほうが、いいかな?」
 「俺も手伝うよ。でも、もう少しだけ」
 向き合ってカスミと直人は、再び飽きずに抱き合う。
 軽く唇を重ね、そのまま……力尽きて2人、眠りについてしまった。


106:ファミリア
07/12/06 18:59:10 2mkkLlHe
 夢の中なのか、世界が白い霧に包まれている。
 直人がぼんやり目を開けると、隣のカスミの髪を誰かが撫でているようだった。
 「だ、れだ?」
 次第に直人の視界が、はっきりとしてくる。
 目に映ったのは、カスミに少し似た長い黒髪の美しい女性と、アルバムで昔見せて
もらった幼い頃のカスミによく似た可愛い少女だった。

 「誰…おばけ」
 『もう!違うよ!私たちは…』
 『カスミ。直人さん、驚かせてごめんなさい。』
 「あの…彼女は俺の大切な人です。貴方たちは誰なんですか?もし、彼女に何かしよう
っていうんなら…俺が許しません。彼女を守ります!」
 直人は早口でまくし立てると、眠ったままのカスミを引き寄せて、守るように
抱きしめた。

 『私は、北里 薫。カスミの母です。…そして、この子は、カスミの押さえつけていた
カスミ自身の子供の心です。』

 「へっ?」
 毒気を抜かれたように、直人がポカンとしていると、彼女は更に驚くことを告げた。

 『私たちが、あの、カスミのしゃべるアソコです。本当に、貴方とあの子には、…
ごめんなさい!』

 深く彼女が頭を下げると、小さなカスミもぴょこんと頭を下げる。
 『自分を押さえつけて頑張っていた、小さなあの子が心配で、どうしても見守って
いたくて…』
 カスミの母の大きな目が、涙に曇る。
 『あの子の悩みの種になって、本当に貴方たちに悪いことをしてしまった』

 「でも。でもカスミは、貴方たちがいて、助けになったって言ってました!」

 悲しげな二人が見ていられなくて、直人は口走ってしまう。
 (カスミが悩んでたのも、事実だけど、でも!)
 『…ありがとう。』
 『お兄ちゃん、ありがとう。』
 2人が再び、深く頭を下げた。
 「だって、今日俺たち家族になったんだから。貴方たちも大事な家族です。だから、
彼女にも言ってあげて下さい。いつも見ていたって。」 
 『ありがとう。でも…』
 「カスミ、起きろ。お母さんだぞ。『アソコ』は小さい君と、お母さんだったんだ」
 カスミの頭がグラグラ揺れる。しかし、不思議とカスミは目覚めなかった。

 『ありがとう。カスミは本当に、素敵な男の人と結ばれることが出来て幸せね。でも
もう、私は行かなくちゃいけないんです』
 

107:ファミリア
07/12/06 19:00:45 2mkkLlHe
 カスミの母は、にっこりと微笑むと、両手を上に差し伸べた。
 ゆっくりと、2人が淡い光に包まれる。
その身体は徐々にうっすらと透けてきて、突然消えた。

 優しい声が、部屋の中に漂う。

 『直人さんには、本当にどんなにお礼を言っても足りないくらい。…直人さん、姿は
見えないけど、いつも貴方のご両親は、貴方を見守っているわ。』
 『お兄ちゃんのお父さんとお母さんは、すごく優しい人たちだね。だから私、カスミを
任せられるって、思ったの!』

 「…父さんと母さんが…」
 『さようなら。2人の幸せをいつも、祈っているわ』
 『元気でね~バイバ~イ!』

 そして、部屋には…―カスミと直人だけになった。


 「う、ん…」
 どんなに揺らしても目覚めなかったカスミが、目を開けてニッコリと微笑む。
 「なんだか、いい夢を見た気がする…」
 直人はたまらず、カスミをぎゅっと力強く抱きしめた。

 「君のお母さんが、…」

 「何?不思議ね。夢でお母さんが出てきて、直人さんと仲良くねって言ったの」
 「それは…―うん。俺の今見たこと、話すよ。おかしいって思わないでくれよ」
 「何でも話してね。私も何でも話すから。」
 うっとりと瞼を閉じて、カスミが囁く。
 彼女を抱きしめる直人の腕の力は強くなり、声は感情の昂ぶりに震えた。

 「君は一人じゃない。いつも見守っている人達がいるよ。」

 「うん。貴方もね。」

 (そう。俺も、…―)
 (俺も、父さんと母さんが見守っていてくれる…)

 カスミの細い腕が、自分を抱き返す。
 そんな事がとても嬉しくて、閉じた直人の目に涙がにじんだ。



(おしまい)


108:ファミリア
07/12/06 19:01:30 2mkkLlHe
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。

109:名無しさん@ピンキー
07/12/07 01:09:17 v8cijZWq
76GJ進呈ですよ

110:名無しさん@ピンキー
07/12/09 21:22:35 3QswYVhV
保守保守。



111:名無しさん@ピンキー
07/12/09 22:05:54 0i47Tfkt
これはまことによい初夜

112:名無しさん@ピンキー
07/12/15 20:45:48 nA8GmfCw
保守

113:名無しさん@ピンキー
07/12/17 00:13:38 6Z9bVmau
久々に来てみた。
GJだった。

114:名無しさん@ピンキー
07/12/18 14:25:37 kiKvC1KZ
保守

115:名無しさん@ピンキー
07/12/18 16:45:20 CSnWs40E
age

116:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:25:06 AF6/3672
鉄仮面と子猫を書いてる者です。
第3弾を投下させてもらいます。
例によってちょっと長いですが、読んでもらえたら嬉しいです。

117:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:26:14 AF6/3672
「貴巳さん、あのね、お願いがあるんだけど…」
夕食の乗ったテーブルの向かい側で、雪子がおずおずと切り出した。

夫婦二人だけの夕食だが、品数も多く手の込んだ料理が並ぶ。
別に今日に限ったことではない。
妻の雪子は24歳という若さに不似合いなほど料理上手であり、
また感心なことに、三度三度の食事の支度を手抜きしようという気が全く無いらしい。
もっとも、彼女の夫である貴巳が、スーパーの惣菜やコンビニ弁当を
ほとんど憎悪といってよいほどに嫌い、
そんなものを食べるくらいなら何も食べないほうがまだマシだと公言して憚らないので、
専業主婦である雪子としては手抜きをするわけにはいかない、という事情もある。
とにかくその日の食卓に並んでいるのも、
ぶり大根、きゅうりと菊花の酢の物、笹身の梅肉あえにひじきと油揚げの煮物、それに
水菜の卵とじ汁という目にも鮮やかなメニューであった。
中嶋貴巳(36)は、黙々とそれらを口に運ぶ。
旨い。というか雪子の料理が不味かったことなど殆どない。
芯まで味のしみた大根をじっくり堪能し、貴巳はいつものように上機嫌だった。
但し、他人からは決してそうは見えないだろう。
何せ中嶋貴巳氏は、無表情・無愛想・無口と完璧に三拍子揃った、
泣く子も黙る「鉄仮面」なのである。
鉄仮面とは、彼が勤める市役所の同僚たちによるネーミングである。
彼ほどそのあだ名が似合う男は、日本中探しても滅多にいないと思われる。
というわけで、はた目には葬儀に出席でもしているかのような仏頂面で
箸を運んでいたときのことだ。

「…何だ?」
元より慎ましい性格の妻は、何かをねだるということが殆ど無い。
夫である貴巳のほうが物足りなく感じるくらいに、わがままを言うということがないのだ。
毎日一生懸命に自分のために家事をこなしてくれているのだから、
雪子の願いなら何でも聞いてやるつもりで尋ねた。
「えっとね…今度の土曜…明後日に、お鍋してもいいかな?」
オナベシテモイイカナ、とはどういう意味か、貴巳は一瞬考えた。
わざわざ夫に許可を求めるような事柄とは思えない。
何か隠しているような、少しうしろめたそうな雪子の表情から推察して、
ただ明後日の夕食のメニューの相談をしているわけではあるまい。
「鍋料理をする際は俺の許可を得るように、なんて言った覚えは無いが?」
少々意地悪な言い回しをすると、雪子は肩をすくめ、観念したように話しだした。

118:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:27:07 AF6/3672
「あのね、あやさんが鶏つみれ鍋の作り方を教えて欲しいんだって」
「…橋本が?」
橋本あや。
貴巳の同僚で、市役所の企画部企画課の主任である。
貴巳の直属の部下であり、優秀な右腕と言ってもよい。
東京丸の内の一部上場企業で、いわゆるキャリアウーマンとして働いていたが、
5年前に退職して、この市の地方公務員の社会人採用枠に応募してきたという
異色の経歴の持ち主である。
目鼻立ちのはっきりとしたなかなかの美人なのだが、
30を越えて浮いた話の一つもないのは、仕事が出来てその上美人だから敬遠されている、
などと言う理由ではなく、ひとえに彼女の性格のせいであろう。
一言で言えばがさつなのである。
限りなく好意的に言えば「男前」だろうか。
上等なスーツに身を包み、長い髪をアップに纏め上げてハイヒールで闊歩する姿は
周りの男達が皆、目を奪われるほど優雅なのだが、
仕事が忙しくなってくるとその仮面はいとも簡単に剥がれ落ちる。
残業中に夜食として、焼き鳥片手にパソコンで作業し、
食べ終わったらその串を爪楊枝代わりにしてシーハーシーハーとやっている。
デスクの周りは食べ終わった弁当のパックや空のペットボトルなどが山積みで、
少しでも手を触れたら雪崩が起きそうな惨状と化している。
また酒豪でもあり、一緒に飲みに行った同僚15人を一人残らず潰したなどという
エピソードには事欠かない。
一昨年の部署の忘年会で、遅れてきたと思ったら
「万馬券当てたぜぇぇぇ!今日はアタシの奢りなんで遠慮なく飲みたまえわはははは」
と高笑いしながら現れ、万札をばら撒いたのは役所内で既に伝説となっている。
とにかくそういう人物である。
雪子とは正反対なタイプだが、そこが却って馬が合うのか、二人は仲が良い。
雪子がまだ市役所に勤めており、二人が同僚だったころから、
あやは雪子を妹のようにかわいがり、また雪子もあやのことを慕っていた。
雪子が結婚退職したあとも、月に一度くらいは家にやってきて、
妻の手料理をさんざ飲み食いし、管をまいては帰っていく。
「雪子ちゃんみたいなお嫁さんが欲しい~」というのが口癖で、
彼女自身は料理などは絶対にしそうにない。
実際に、常日頃、自分のお抱えシェフはコンビニと弁当屋と宅配ピザ屋であると公言して
はばからなかったはずだが。


「どういう風の吹き回しだ?」
「さぁ…私もよくわかんない。でもこれから料理いろいろ教えて欲しいんだって」
「…不気味だな」
「やる気になってるんだから、いいことじゃない」
まぁ、確かに料理は出来るに越したことはないだろう。
雪子の作る鶏つみれ鍋は絶品だ。薄味の上品なダシに、
鶏肉をすり鉢ですって作るつみれには柚子の香りと黒胡椒がきいている。
そういえば昨年、橋本は我が家でそれを食べ、余りの美味さに涙目になっていた。
その作り方を習いたいというなら納得できないでもないが、
雪子の表情を観察していると、どうもまだ何か言いにくいことがありそうだ。
大体、橋本が遊びに来るのはよくあることで、別に自分に伺いを立てるまでもない。
「…それで?」
「え?それでって?」
「ただ橋本がうちに来て料理教室するだけじゃないんだろう?」
「な、なんで貴巳さんはそんなに何でもわかるのかな…」
雪子が隠し事が下手すぎるだけなのだ。
とは言わず、無言でじっと顔を見つめてやった。
いたずらをして母親に問い詰められる子供のような表情で雪子は説明を始める。

119:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:28:20 AF6/3672
「えーと、土曜日に一緒にお鍋作ろうねって、あやさんと昼休みに電話で話してたら、
それを沢木さんが聞きつけたみたいで」
「…それで?」
沢木勇治。最近どうも生意気な、貴巳の部下である。
貴巳の胸に、何となく嫌な予感がきざす。
「沢木さんも食べてみたいって言うから、どうせだったら企画課の皆さんで一緒に、
忘年会がてらにお鍋パーティーしようって話に…なっちゃった…」
「なっちゃった?」
「今日、あやさんから、全員出席できるってメールが届いたの…」
企画課の職員は貴巳を含め5人。あやを筆頭に酒と宴会を愛する賑やかなメンバーである。
雪子と夫婦水入らずの静かで穏やかなこの家に、あの連中が乱入してくると
想像しただけで頭痛がしてくる。
「俺は何も聞いていないが」
「ご、ごめんね?相談してからって思ったんだけど、なんか皆さんノリノリみたいで…
課長に相談したら絶対反対されるから、間近になるまで内緒にしとこうって
沢木さんが」
かつて雪子に想いをよせていた(そして多分今でも)、ちゃらんぽらんな部下が、
雪子の家に来て手料理を食べられる、と有頂天になっている様子が目に浮かび、
貴巳は深い深いため息をついた。
「ごめんね…。貴巳さんきっと嫌がるだろうと思ったんだけど。
でも、たまには賑やかなごはんも楽しいかなって…」
ばつが悪そうに雪子が呟く。
確かに、夫婦二人だけの生活は単調で静かである。
静寂と秩序をこよなく愛する貴巳にとっては、非常に居心地が良い環境だが、
もともと人好きのする性格の雪子は、寂しさを感じることもあるだろう。
それを思うと、鍋パーティーとやらを中止させるのも可哀想な気がする。
「…まぁ、今まで橋本以外にうちに同僚を呼んだこともなかったし、たまにはいいだろう」
自分の持てる最大限の寛容さでそう言うと、
「ほんとに?嬉しい!ありがとう貴巳さん」
はじけるような笑顔で雪子が抱きついてきた。
(やっぱり、いつもは寂しい思いをさせていたのかもしれない)
妻のはしゃぐ様子を見て、僅かに罪悪感を感じる。
首に回した腕から頭を優しく撫でてやると、絹糸のような髪がさらさらと
指の間を零れ落ちた。
雪子は、愛撫される子猫のようにうっとりと目を閉じて、貴巳の肩に頭を預けている。
間近にある雪子の顔をじっくりと眺めながら、その造形の繊細さに、貴巳は改めて
驚きに近い感動を覚える。
女優やモデルのような派手なつくりの美人ではないが、
優しく気品のある目鼻立ちに加え、真っ白できめ細かな肌の触り心地の良さはこの上ない。
そこに桜色をした薄い唇と、ほのかに紅をさしたような柔らかな頬が色を添えている。
最高の腕を持つ職人の作った日本人形はこんなふうではないだろうか、と思った。
少しいたずら心を起こして、閉じたまぶたを彩る睫毛にふっと息を吹きかけると、
驚いて雪子は目を開け、ふふっ、と蕩けそうな微笑を浮かべる。
可愛いとか綺麗だなんて言葉では言い足りない。あまりの愛しさに息が詰まりそうになる。
結婚して丸二年以上が経つが、そのころから変わらず、いや、それ以上に
雪子の表情や仕草、発する言葉のいちいちが貴巳を虜にするのだ。
そっと唇を重ね、やわらかな感触を存分に堪能すると、果物のように瑞々しく甘い舌を
むさぼる。
服の上から、胸を包み込むように優しく愛撫すると、口付けの合間に熱い吐息が漏れてきた。
唇を離し、今度は耳朶をねぶりながら、背後から抱きしめてブラウスの下に手を伸ばす。

120:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:29:45 AF6/3672
「やっ…だめ」
雪子が慌てて貴巳の手を押さえて止める。
目顔で聞き返すと、真っ赤な顔で、
「…駄目だよ…まだ生理ちゃんと終わってないもん」
と消え入りそうな声で言う。
そんなことは貴巳も先刻承知だ。
「別に、最後までしなければいいだろう?」
「そんなの…無理」
「どうして?」
「だ、だって…無理なものはムリなのっ」
これ以上されると我慢できなくなるから、とは恥ずかしがり屋の雪子はとても言えない。
子供がいやいやをするように首を振り、一生懸命にもがいて貴巳の腕から逃れようとする。
そんな仕草が小動物のようで、いちいち可愛らしい。
小柄な雪子がいかに必死で抵抗したところで、腕力で貴巳にかなうわけもなく、
あっさりと抱き上げられ、リビングの大きなソファに下ろされてしまった。
だけではなく、ついでにブラウスも捲りあげられ、目に染み入るほどに真っ白な胸元が
あらわになっている。
貴巳の器用な指先が巧みにブラジャーのホックを外し、
唇と同じ桜色の乳首を、指の腹で、つつ、となで上げる。
「た、貴巳さんっ!駄目だってばぁぁ!」
「どうして駄目なのか説明してくれないと解らないな」
「い…いじわる…なんで貴巳さんは、そうやってわざと…」
「わざと…何だ?」
「わ、わざと、私に恥ずかしいことさせようとするの…?」
真っ赤な顔を隠すように腕を交差させ、弾む息の合間に雪子が囁く。
「何故って…」
答えは一つしかないではないか。
「楽しいからだ」
これ以上ないほど真剣な面持ちで貴巳が断言すると、
雪子は絶句し、あっけにとられた顔をしている。
そして次に困ったような、嬉しいような、泣きそうな複雑な表情を浮かべた。
「…た、楽しいの…?」
「もちろん」
「だって…最後まで、えっちできなくてもいいの…?
私ばっかり、その…気持ちよくなって…それでも、貴巳さん楽しいの?」


121:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:30:47 AF6/3672

答えるかわりに雪子の胸元に唇を寄せ、乳首をそっと含んで吸い上げた。
「ひゃ、あんっ…」
徐々にこりこりと硬くなってくる感触を舌で味わいながら、
両手もぬかりなく、背中や脇腹、耳など、雪子の敏感な部分を責める。
雪子は最初のうち眉根を寄せて快感に耐えていたが、
だんだんと息が荒く熱くなり、唇を半開きにし、熱に浮かされたような表情になる。
ぞくぞくする快感が背筋を這い降り、体の中心の一点が熱を帯びていく。
そこに触れられないもどかしさもいつしか快感となり、雪子は奔放に声を上げはじめていた。
「や、あああああんっっ!きもち、いいよぉぉっ…」
唇を重ね、歯列を舌先で嬲るようになぞられたかと思うと、
両方の乳首を指でつままれ、優しく擦り合わせるように刺激される。
あまりの快感に、びくびくと腰が跳ねた。
露出している肌のあらゆる部分を貴巳の舌と指先が舞い、掌で撫で上げられる度に、
いちいち身体が痙攣するように反応してしまう。
「だ…め…あっあっ…あ、もう、もう…」
雪子がついに、限界を告げる声を上げた。
「ああああああ!うそぉ…触って、ないのにっ…いくっ……やぁぁぁぁんっっっ!」
ひときわ大きく雪子の身体が跳ね、力の限り貴巳のシャツを握り締めていた指が解かれた。
肝心の部分に触れられもせずに達してしまったことが信じられない様子で、
半ば呆然としながら荒い息を整えている雪子の頬を、貴巳は優しく撫でる。
「…ほんとに、楽しい?」
未だ半信半疑な様子の雪子に、貴巳の口元がほんの少しだけほころびた。
わずかな筋肉の痙攣というほどの動きだが、どうやらそれは微笑らしい。
と、雪子が、貴巳の顔を両手ではさんで、きらきら輝く目で顔を覗きこんできた。
「…何だ」
「今、もしかして、笑った…?ねぇ、もう一回見せて?」
「無理だ」
にべもなく断る顔は、既にいつもの微動だにしない鉄仮面である。
「…もう」
なんだか自分達のやりとりが可笑しくて、雪子がくすくすと笑う。
(雪子の生理が終わるまであと2日か…それまで本当のお楽しみは取っておくことにしよう。
届いたアレを試すにも、じっくり時間をかけたほうがいいだろうし…)
夫が自分の生理周期の計算をして何やら企んでいることなど露知らず、
雪子は貴巳の腕に抱かれて上機嫌だった。



122:鉄仮面と子猫 3
07/12/21 02:31:18 AF6/3672
そして土曜日。
日ごろ静かな中嶋邸は、貴巳が二日前に予想した以上の惨状を呈しはじめていた。
昼過ぎに橋本あやがやって来て、雪子の料理教室が始まったのだが、
台所から漏れ聞こえてくる物音がいちいち凄まじい。
鍋かボウルを高いところから落としたらしい派手な金属質の音が響き渡り、
ガラスや瀬戸物の割れる音は既に四度を数える。
そこに雪子の悲鳴のような声がしょっちゅう混じるのだから、
貴巳もいい加減、妻の身が心配になって台所を覗いてみた。
どうも、つみれの具のにんじんやネギをみじん切りにするだけで小一時間を費やしたらしい。
「えーとじゃあ、鶏肉をこまかく切るね」
「わかった。こう?」
「うわぁぁ包丁は突き刺すんじゃなくて、手前に引いてっっ」
「え?」
「あやさん、指!それじゃ指が危ないぃぃ!」
「えーじゃあどうやって」
「ほ、包丁持ったまま振り返らないでえっっっ!!」
驚いて後ろに飛びのいた雪子の背中を支えてやると、
貴巳が来たことでほっとしたのか、雪子が腕にすがりついてくる。
「…橋本、うちの妻に危害を加えないでくれるか」
「あーら、う・ち・の・妻ですか?ふぅ~ん?」
貴巳は、にやにやと意味ありげに笑うあやの顔を睨み付けた。
「何が可笑しい。大体、なぜ突然料理を習おうなんて思ったんだ?」
「何でってそれは…あいにく私は誰かさんみたいに、可愛くて料理上手な女の子を
上手いこと騙くらかして、お嫁さんに貰ったりできなさそうなんで」
「人聞きの悪いことを言うな。というか嫁がもらえないって今更気づいたのか」
「はいはいそうですよだから自分で作るしかないじゃないですか?ええ?」
「…頼むから包丁を持って俺のほうを向くな」
「っていうか、なんであやさん逆切れしてるの…?」
貴巳の背後から恐る恐る雪子が覗く。
「…雪子ちゃん」
「な、なに?あやさん…なんか目が据わってない…?」
「サクっとやろうサクっと!次はどうすんの?」
「え~っと、お肉を細かく切れたら、すり鉢で擂るんだけど…」
「あ、知ってる!すり鉢ってこれでしょ?」
「あやさん…それは、おろしがねです…」
付き合っていられないので立ち去ろうとする貴巳を、
一人にされたくないのか、雪子がすがるような目つきで引き止めようとする。
が、そもそもこの事態を引き起こすきっかけを作ったのは雪子である。
可愛い妻だが甘やかすのは良くない。自己責任、というのも貴巳のモットーの一つである。
「酒を買出しに行ってくる。怪我だけはしないように」
貴巳は心を鬼にしてキッチンを立ち去り、今夜の客(この上認めたくはないが客は来るのであ

る)のためのビールや焼酎を買いに行くため家を出た。
車のドアを閉める刹那、キッチンの窓から雪子の
「卵割るときはそんな力いっぱい叩きつけないでえぇぇ!」
という泣き声が聞こえたが、とりあえず聞かなかったつもりでエンジンをかけ発車した。



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