07/07/22 03:02:36 +X/8DDvi
その日は試合の翌日のため、練習はせず、ミーティングを終えた部員達は、
昇降口へ向かっていた。
その中で、反対方向へ1人歩く姿。
「榛名!」
榛名が笑顔で振り返ると、段ボール箱を2つ抱えた涼音が立っていた。
「宮下先輩。」
「今日も自主トレすんの?悪いんだけど、部室行くなら手伝って!」
生意気だと言われる榛名だったが、涼音は気に入っていた。
自分にとっては素直な可愛い後輩だった。
「はい。」
榛名は箱を2つとも持つと、スタスタと歩き出した。
「え、半分でいいよ。」
涼音の言葉は聞かずに先を行く。
ホラ、いい子じゃん。涼音は笑った。
部室のドアを開けると、ムッとした熱気と、異臭がした。
「くっさー!しかも超汚い!散らかすなって言ったのに!」
榛名はちょっと気まずそうな顔をする。
涼音は窓を開け、ため息をついた。
「しょーがないな、こりゃ掃除しなきゃだ。
あ、榛名ありがとね、じゃあ自主トレ頑張って!」
涼音が靴を脱いで絨毯敷きの部室へあがると、榛名も後に続く。
「手伝います。」
止めても手伝うんだろうな。こういうとこが、可愛いんだ。