07/07/03 23:18:53 k4MqC+qV
「そんなこと……ないよ」
「あるよ!」
「そんなことない!」
千代は三橋の顔を上に向かすと、顔を近づけ、そのまま口づけをした。
「……あむ……」
マウンドで重なりあう二人には、虫の声しか耳に入らない。
千代が三橋の唇をはなすと、そのまま三橋にすがるように抱きついた。
「私は、イヤ。私が好きな人が悲しむのも、居なくなっちゃうのも、イヤ」
「……えっ?……えっ?」
「三橋くんが好きだって言ったの!」
そういうと、再び千代は三橋の唇を己で塞いだ。
今度は千代の舌が、三橋の中に入り込んでくる。舌と舌が触れ合うと、口の中でかきまざるように絡み合った。
「あふぅ……んう、……れむ」
(あたまが、クラクラする。きもちよすぎて)
千代も息を吸うために、顔を離した。三橋は側にある千代の顔を眺めてみた。
大きくキラキラした瞳は、涙でうるませている。唇はやや厚めで、今しがたその柔らかさを味わったばかりだった。
「お おオレ のこと?」
「うん……。だって、すごくカッコいいから」
三橋にはこれまでに自分に向けられた台詞の中で、聞いたことのないものばかりだった。