【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ3球目at EROPARO
【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ3球目 - 暇つぶし2ch130:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:34:45 nxF02GKh
 

      発足


 発起人  巣山尚治
 委員長  田島悠一郎  
 書記官  泉孝介  西広辰太郎
 観察官  三橋廉  阿部隆也  水谷文貴


巣「…何でオレが発起人なんだよ」
田「だって最初は巣山のこだわりだったじゃん!」
泉「オレが書記ってのはいいけど、観察ってなに?」
田「三橋、情報収集能力高いんだもん」
三「オ、オレは、何したら、イイ、の?」
田「またチャンスあったらしっかり見てこい!」
阿「…で、何コレ」


 査察  花井梓  栄口勇人  沖一利


栄「…コレは?」
水「つまり、オレらが暴走しないように、常識的な人にチェックしてもらおうかなって」
阿「結構考えてんだな、クソレフトのくせに」
田「いやーこないだ暴走しちゃったからさ!」
三「で、でも、田島くん、詳しかった、よ」




131:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:36:01 nxF02GKh
         活動内容

 目標は、特定の人物の胸元である。
 参加者は目標におけるハプニングを細かく観察し、他の参加者へ報告する義務を負う。
 その事態の分析と解明が主な活動内容となる。


花「オレは何すれば…」
田「全メンバーに観察の義務があんだよ。その中で三橋が一番なの!」
三「い、一番!」
花「その一番で喜ぶなよ…」


 ハプニングの起こりやすい箇所は次のとおり。
 グラウンドのベンチ周辺。
 道具室周辺。


巣「そっか。着替えの前後がポイントだよな」
三「あ…あと、ね!車の周り、も、そうかも…」
阿「なんかあったのか!?」
三「あのね、組み合わせ抽選会に、行く、前…スカート、が、
車のドアに、は、はさまって……ぱんつ、、、見え、た、よッ!」
田・阿・巣・花・西「「「「「何ぃーーーーーーーッ!!?」」」」」
西「ちょっと、書き足すね!」


 目標は、特定人物の胸元および下半身である。

 ハプニングの起こりやすい箇所は次のとおり、
 グラウンドのベンチ周辺。
 道具室周辺。
 駐車場周辺。




132:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:36:52 nxF02GKh
栄「……でさ、コレはなんなわけ?」


         会合名 
         『OTC』


沖「OTC?」
花「何の略だよ」
田「全部書いたらアレだから、略したんだよ!阿部とすっげえ考えた!」


 O おっぱい  T 対策  C 委員会(committiee)


栄「…確かにまんまだとあからさま過ぎて恥ずかしいかも」
花「なんで委員会だけ英語なんだよ」
阿「英単語入った方が、頭よさそうだろ?」
花「中途半端に使うなよ、だったら全部英語でこう…」
田「バッカ!おっぱいって響きがイイんだろ!!」
花・栄「たじま……」


かくして、秘密組織『OTC』はここに発足となった。





133:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:38:46 nxF02GKh


泉「大変だ!!緊急招集!犠牲者続出!!」
西「まだ片付け終わってないよー。何?」
泉「道具室だ!早く!!もう3人脱落したんだよ!」
阿「…どうしたんだ?」
泉「ちょっと、圧倒的な破壊力でさ…」
三「う、みんな…どうした、の?」
阿「緊急事態らしいぜ、行くぞ」


沖「あ、来た来た」
阿「どうしたんだって?」
泉「今のトコ、田島と花井と栄口がKO。巣山も」
阿「だから、どうしたんだよ」
泉「いやァ、目標はまるで意識してねえみたいなんだけど…
   …ぶつかるんだよ」
西「何が?」
泉「道具室の中でさ…すれちがうだろ」
三「ど、道具室…狭い、よね」
泉「それで…あたるんだよ」
阿「……あぁ……」
泉「本人は気にしてないみたいなんだけど」
泉「花井は走って逃げ出しちまった。巣山はそっこー家帰るって。栄口は鼻血出したんで保健室」

三「田島、くん…は?」
沖「…トイレ」

三「へ?」
泉「田島はトイレで処理中!」
三「しょ、しょ、しょり、処理って…」
阿「三橋、説明させんな…」

泉「いや、ちょーっと刺激的だからな。 あッ!水谷」
水「……」
沖「どうだった…?」
水「いや…あれはちょっと反則」
西「…それで」
水「だからさ、すれ違うだろ?道具室の中狭いから、こう…すれ違いざま、
  押し付けられ気味に柔らかいのが『むにゅ』っと…」
阿「クソレ、お前もトイレ?」
水「クソレってゆーな!!…けどオレも行ってくる」
泉「花井は落ち込んでたよ。簡単に勃っちゃったから」
阿「アイツ純情だからな」



134:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:39:56 nxF02GKh



目標「ちょっとー!!ねえ!誰か手伝ってよー!」


三「だ、だれか、行かなきゃ」
西「けど、明らかに触ってて気づかないものかな?」
泉「あくまでもオレの予想だけど……」
阿・三・西・沖「「「「?」」」」
泉「でかすぎて…神経廻ってない…とか」
西・沖「「「「まさかーーー」」」」
三「慣れ、てて…気にならない、とか……」
阿「なるほど、そうか。うん…」
泉「なに?」
阿「したらさ……」

「触り放題…?」

泉「いやああ!さすがに触られたらわかるだろ!」
阿「だから!でかくてしょっちゅう、あちこちぶつかってるんだったら、
   今更少々すれ違いざまに触ったところで平気なんだよ」
三「そ、そ、そういう、もん、かな?」
阿「たぶんそうだ。いや、絶対そうだ。そうに違いない」
泉「阿部…目がヤバいよ」
阿「ククク…我ながら凄いことに気づいたぜ」
三「あ、あべくん、だめ、だよッ」

沖「 (…阿倍の笑いが一段と黒いな…)」

阿「さっきの仮説が本当なら、いっくらでも触れるってことじゃねえか!
   そんならそれで、開き直って楽しんできてやる」


目標「ねえー!なんで皆すぐいなくなるのよ!!手伝いなさいよ!」

阿「すんません、今行きます!!」



三「あべくん、…」
泉「ちょっとまてって!阿部!阿部ー!!」





135:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:40:51 nxF02GKh




……




ばっちーーーーん!!!!!!





「こンの、エロガキがーーーーーーー!!!」
「ぎゃあぁあぁ~~~~~!!!」





三「阿部くん……w」
泉「三橋笑ってんなよ…」
沖「邪気丸出しじゃんか」
西「片手でむんずと掴んでたね…」





阿部は全治1週間の怪我をしました。

OTCは解散しません。


136:名無しさん@ピンキー
07/07/02 01:41:32 nxF02GKh
おわり。

おっぱいさわりたかっただけです。

137:名無しさん@ピンキー
07/07/02 02:16:05 GBwTVWgf
阿部…お前って奴は本当に…

138:名無しさん@ピンキー
07/07/02 03:03:46 iWUBiZfE
無茶しやがって…

OTCに吹いたw
GJ!

139:名無しさん@ピンキー
07/07/02 03:26:13 Ernl9Niq
GJ!夜中に吹いたww

140:名無しさん@ピンキー
07/07/02 06:23:51 snGFtrKS
すっごいデジャブるんだけど、どっかのサイトでみたような

141:名無しさん@ピンキー
07/07/02 11:05:53 jQkcl6xx
一番に喜ぶ三橋にウケた。

142:名無しさん@ピンキー
07/07/02 11:58:18 BecuHBMb
なんかエロ話書こうと思うんだけど、希望のカップリングとかシチュエーションとかある?

143:名無しさん@ピンキー
07/07/02 12:11:26 DJT4F/vO
カノルリ!
さらにそれを覗きながらスニーキングオナニーする三橋キボン

144:名無しさん@ピンキー
07/07/02 12:29:32 BecuHBMb
スニーキングオナニーってなに?w

145:名無しさん@ピンキー
07/07/02 12:47:00 zgIVUD6b
覗きオナ

146:名無しさん@ピンキー
07/07/02 12:49:47 BecuHBMb
ははは。三橋やりそうだなw

三橋もオナニーとかするのだろうか

147:名無しさん@ピンキー
07/07/02 13:56:46 7LHxXRjc
ミハオナニー可愛いだろうなあ。ルリオナもw 

148:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:01:32 h37JJA9L
ハナチヨとか言ってみる。
アイちゃん絡めて3Pとか…いや、なんでもない。

149:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:14:01 WXBkkmPp
ハルナ!
すずねと大河に混ぜてみるのはどうだ。
…むりかww

150:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:18:04 7LHxXRjc
>>148
アイちゃんをどう絡めるんだよwwww

151:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:18:24 jQkcl6xx
アベチヨラブラブ!

いや、もうラブラブならだれでも!

152:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:19:17 EvzS0YgB
涼音←大河←榛名

こうですか?わかりません!><

153:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:19:49 7LHxXRjc
俺は巣山がいいなー モモカンでも千代ちゃんでもいいけどさー
彼はすげーかっこいいと思うんだよなー!

154:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:21:04 7LHxXRjc
>>152
ちょwwwwwwwwねーよwwww

155:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:40:52 WXBkkmPp
>>152
斬新ww

カノルリラブラブいる?
142さん、もう書いちゃったかな。



156:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:42:47 bevlKwVY
自分もアベチヨに一票。鬼畜が続いていたので普通に甘いの読みてー!

>>152
混ぜるな危険wwwwwwww
大河と鈴音がヤってる現場に遭遇して榛名も混ざって3pとかどうだw

157:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:45:25 bevlKwVY
>>155
連投スマソ。

カノルリ書いてくれ!!!無駄な作品はないよ!!!

158:142
07/07/02 14:47:07 7LHxXRjc
>>155
いや、こっちはまだ書いてないんで、どうぞ投下しちゃってください!!
俺も刺激されて書くスピードがあがるやもしれん

期待ー\(^o^)/

159:名無しさん@ピンキー
07/07/02 15:08:21 WXBkkmPp
もうちょっと待ってね。
しばしご歓談くだされ。

160:142
07/07/02 15:11:43 7LHxXRjc
カノルリは155さんにまかせるとして、さてどのカップリングでかこうかな
栄口とか水谷ってあんま需要ないのかなー。

161:名無しさん@ピンキー
07/07/02 15:26:44 Tqnl9Grz
>>160
そういえば栄口ってあんまり見ないな
その二人も充分需要あると思うよ
つか読みたい、かなり。


162:カノルリ
07/07/02 15:57:47 WXBkkmPp
ちょっと急いで作ったから、へんなとこあるかも。
誤字脱字あったら、笑って許してください。
では。

163:カノルリ
07/07/02 15:59:42 WXBkkmPp
「叶くんて、よくない?」

三星の躍進の原動力である、2年生エース・叶の注目度は、
校内で日に日に高まっていった。
「もしかして、甲子園行っちゃうかもね!」
クラスメート達の会話が耳に入って、本を読むことに集中できない。
机の横に掛けられた紙袋には、叶宛ての手紙が2通。
ルリが叶の幼なじみと知った人から、度々頼まれるようになったファンレターだ。
ルリは読みかけの本を机に伏せて教室を出た。

廊下には、野球部の試合日程を記載したポスターがあった。
あと2つ。
あと2つ勝てば、三星は念願の甲子園に出場することができる。

ルリはポスターをじっと見て、幼なじみのことを考えた。
いつの間にかアイドル扱いだよ。あの叶が。
みんなは知らないんだ。
昔はチビでヤンチャで、よく女の子を泣かしてたヤな奴だったのに。

…でも、根っこのとこではいつも優しかったよね。

チャイムが鳴って、生徒たちが講堂へ移動し始める。
今日は全校あげての野球部の応援の日だ。
きっと今日も暑いんだろうな…。
窓の外は目が痛くなりそうなほどの日差しだった。


164:カノルリ
07/07/02 16:01:10 WXBkkmPp
「三橋。」

呼ばれて振り返ると、そこには叶が立っていた。
ルリは驚いた。
夜の8時。普段なら叶はまだ学校で練習している時間だ。
「何やってんの?」
「何って…、買い物だよ。」

それもそうだ。
家の近くのコンビニ。向かいの家に住む幼なじみ。
別に偶然会ったって、不思議なことは何もない。
とは言え、叶は部活で朝は早く、帰りは遅い。同じ学校でも校舎は別。
実際会話できる距離で叶を見るのは、とても久しぶりのことだった。
試合の後だから、今日は早いのか…。

風呂上りなのか、Tシャツにスウェットパンツ姿で髪は濡れたままだ。
「あ、あの、今日、おめでとう。勝ててよかったね。」
「あぁ、ギリギリだったけどなー。」
叶は笑いながら、牛乳を2本持つとさっさとレジへ向かった。
ルリはハッと思い出して、叶の後を追う。

165:カノルリ
07/07/02 16:02:19 WXBkkmPp
「ねぇ、叶への預かり物があるの。帰りちょっとうちに寄ってよ。」
「預かり物?」
断っても断っても、次々と預けられる叶へのファンレターやプレゼント。
ずっと気が重かったが、これで肩の荷が降りる。

買い物を終え、並んで歩き出す。何を話していいのかわからない。
帰り道は、ほんの数分がやけに長く感じた。

叶がルリの買い物袋をヒョイと持つ。
「重てっ。」
中はお菓子やジュースばかりだ。
「い、いいよ。持てるよ。」
「こんなもんばっか食ってんと、デブになるぞー。」
叶は笑う。

ヤナヤツ…。
「ふんだ。ほっといてよ。」
ルリがふくれると、叶は
「うそうそ。お前、ちょっと太った方がいいよ。」
と言ってまた笑った。


166:カノルリ
07/07/02 16:03:19 WXBkkmPp
「ただいまー。」
玄関を開けると、奥からルリの母が顔を出す。
「こんばんは。」
叶が頭を下げると、母は廊下をパタパタと走ってくる。
「いやだ、修ちゃんじゃない。久しぶりねぇ。聞いたよー、
野球部頑張ってんだってねぇ!」
「はい。」

お母さんにつかまったか。いいや、今のうちに。
「叶、今持って来るから待っててよ。」
そう言うとルリは2階の自分の部屋へ走った。
 
輪ゴムで止めた手紙の束は、20通くらいある。
それから、可愛らしい袋に入れられたいくつかのプレゼント。
それらを全て紙袋に突っ込む。


167:カノルリ
07/07/02 16:04:47 WXBkkmPp
その時、開け放していた部屋のドアから気配を感じた。
驚いて振り返ると、そこには叶が立っていた。
「ちょっと、何勝手に入って来てんのよぉ。」
「いや、おばさんが…。」
言いかけた叶の後ろから、お盆に2つのグラスを乗せた母が現れた。

「あんた、なんて言い方よ。ごめんね修ちゃん、ゆっくりしてってね。」
そう言うと、パタンとドアを閉めてさっさと出て行ってしまった。
「ゆっくりなんてしてかないよ。叶は今日試合して来たんだよ!」
もう、お母さんは…。
ゆっくりも何も、話すことなんて何もないのに…。
 
「あいかわらずでかい家!」
叶はソファにドサッと腰掛ける。
「叶んちだってでかいじゃん。」
「こんなでかくねーよ。」
 
叶は部屋をキョロキョロと見回す。
「あんまりジロジロ見ないでよ。」
ルリが言うと、叶は余計にあちこちを見る。
わざとだな…。ルリは呆れてため息をついた。


168:カノルリ
07/07/02 16:05:57 WXBkkmPp
「はい、これ。」
紙袋を渡す。
「ふーん。サンキュ。預かったって、誰から?」
叶は袋から手紙の束を取り出す。
「知らないよ。叶のファンでしょ。」
「はぁ?」

叶は怪訝そうな顔でルリを見た。
中に入ったプレゼントの包みを見ると、
「何これ?知らない人からこんなんもらえねーよ。」
と、紙袋をつき返した。
「そんなこと私に言われても困るよ。
とにかく私は責任を果たしたからね。ほら帰って帰って。」

ルリはソファに座っていた叶の手を引く。
「なんだよ。ひっでぇな。」
叶はムッとして、ルリの手を引き返す。
「キャ…。」
ルリは簡単にバランスを崩すと、叶の膝に乗るように倒れた。
「ちょっとぉ!」
ルリが怒って顔を上げると、至近距離で叶と目が合った。


169:カノルリ
07/07/02 16:07:22 WXBkkmPp
「な、なに…。」
言いかけた言葉を叶の唇が塞ぐ。
キス、だ。
すぐに唇を離すと、叶は真っ直ぐにルリを見た。
「なにしてんのよ…。」
叶はじっとルリの目を見て、大きく息をついた。
「キスした。お前のことが好きだから。
だから、知らない女からの手紙なんて、普通の顔して預かって来んなよ。」

ルリは呆然として答える。
「そんなの、知らないよ…。」
告白を、そんなの知らないと言われてしまった。
叶はルリの言葉にカチンと来た。
片手で髪をぐしゃぐしゃとかきあげ、パッとルリを見据える。
「悪かったな!」

いくつか文句を言ってやろうと、ルリに向き直った叶は唖然とした。
ルリの大きな目から、大粒の涙がぽろぽろとこぼれていたのだ。
「なに、泣いてんだよ…。」
そんなにやだったのか?
そう思うと、叶もショックを隠しきれなかった。
思わず下を向いてしまうと、ルリが小さな声で呟いた。


170:カノルリ
07/07/02 16:08:38 WXBkkmPp
「そんなこと、知らなかったもん…。
だって、私なんてただの幼なじみじゃん。家が近所なだけじゃん…。
その私が、どうして叶のこと好きな人達にダメなんて言えるのよ。
私だって、そんなのずっとやだったよ。
もしその中の誰かを、叶が好きになっちゃったらって、ずっと怖かったよ。
でも、そんなこと言えないもん。ただの幼なじみに、そんな権利ないもん…。」

叶は泣いているルリをぽかんと見つめる。
「え、それ…って、お前もオレを好きだからってこと?」
ルリは叶の胸に、ドン、と拳をぶつけた。
「今頃気付くな、バカ!ずっと好きだったよ!」
叶はルリの細い体を思い切り抱きしめた。
「苦し…。」
ルリが喘いでも、叶は手を緩めなかった。

「んん…。」
叶の深いキスに、ルリの口から声が洩れる。
はぁ、と息をつくと、叶がルリをじっと見つめる。
「ほんとにお前、オレのこと好き?オレ、夢見てない?」
「バカ…。」
ルリは笑って、今度は自分からキスをした。


171:カノルリ
07/07/02 16:11:24 WXBkkmPp
ルームランプのオレンジ色の明かりに、ルリの華奢な体が浮かび上がる。
着ている服を1枚ずつ脱がしていく。叶の手は震えていた。
ルリは目を閉じて、自分の素肌が外気にさらされていくのを感じた。
薄い水色のブラジャーの背中に手を掛け、ホックを外すと、
真っ白で小さな胸が現れた。叶は息を飲む。

「あんまり見たら、ヤダ…。胸、小さいから。」
そっと手で触れると、すっぽりと手のひらに収まる。
「いい、小さくても、メチャクチャ可愛い。」
そう言うと、叶は小さな膨らみに、唇を押し当てた。
片手で胸を触りながら、乳首にチュッと吸い付くと、ルリの体がブルッと震える。
もう片方の手を、水色のショーツのゴムに掛けると、ゆっくり引き下ろす。
足首に引っかかったショーツを引き抜くと、叶はルリに向き直る。
「すげぇ、きれい…。」
裸のルリは頬を染めて、手で顔を覆う。

「私ばっか、恥ずかしいよ…。」
言われてみれば、ルリは全裸に剥かれているのに、叶は来た時のままだ。
「ごめん。」
叶はそう言ってTシャツに手を掛け、一気に脱ぐ。
細身ながら筋肉の付いた、しなやかな体が薄暗い部屋に浮かび上がる。
ルリは体を起こして、叶の腹筋に触れた。


172:カノルリ
07/07/02 16:14:30 WXBkkmPp
「…くすぐったいかも。」
叶は身をよじる。
「すごい。痩せてるのかと思ったら、腹筋割れてる…。」
筋肉に沿って指を這わせる。
つつ、と下まで降りると、スウェットパンツの紐部分で指が止まる。
「これ、取ってもい?」
ルリが上目で見る。
「あ、あぁ、うん。」

しゅるしゅると紐を解き、スウェットパンツを脱がすと、
ボクサータイプのパンツの前はパンパンに張り詰めていた。
ルリがそれをパンツの上から触った。
「う…。」
「あったかい…。」

しばらく片手でスリスリと触ったあと、ルリはパンツのウエストに手を掛けた。
「えと、脱がすよ?」
そう言ってルリはおそるおそるパンツを脱がせた。
解放されたペニスが、腹にぺちんとぶつかる。


173:カノルリ
07/07/02 16:17:54 WXBkkmPp
「おっき…。」
ルリは思わず声を出した。
「いや、悪いけどオレなんて普通だよ…。」
叶は恥ずかしそうに言った。
「こんなのが、私の中に入るの?」
ルリは瞬きもせずに、不思議そうに見つめている。
そっと手で握ると、それは硬く、熱を持っていた。
「あんま見んなよ。」
叶がルリのおでこを指でちょんと突く。

「交代。今度はオレの番。」
そう言うと、叶はルリの頬にキスをした。
頬に、瞼に、おでこに。たくさんのキスをする。
ルリは体がふわふわ浮くような感覚に、力が抜けていく。
目を閉じて、体を預ける。気持ちいい…。
裸の胸が触れ合うと、叶の鼓動が聞こえる。
「すごい、ドキドキしてるね…。」
「あたりまえじゃん。嬉しくて死にそうだよ。」

叶の舌がルリの乳首をペロリと舐めると、背中からくすぐったいような
痺れが突き抜ける。
「あん…。」
唇が、だんだんと下の方に降りていく。腹、臍を伝って、下腹部へ。
そして幼さの残る秘唇へとたどり着いた。
熱い舌が、まだ渇いたままの肌を舐める。
秘裂に舌を差し込むと、花びらは一瞬で開いた。


174:カノルリ
07/07/02 16:20:22 WXBkkmPp
力を抜いて、全てを叶に委ねる。
性的な刺激と、他人を信頼して体を預けることの気持ち良さ。
今までに経験したことのない快感を、ルリは全身で感じていた。

「三橋、気持ちいい?」
叶が顔を上げてルリを見る。
「なんでそうゆうこと、聞くのよぅ。」
「だって、気持ちよくなってもらいたいんだもん。なぁ、どうなの?」

聞くまでもない。
ルリの秘裂には蜜液が溢れ、熱く蕩けてしまいそうだった。
小さな入り口は完全に開ききって、叶を待っている。

叶の指がゆっくりと出入りする。
探るように、曲げた指で膣壁を擦ると、
ルリの呼吸が浅く速くなり、背中に汗が浮き出してくる。
ピンク色に染まった顔を、左手で覆うように隠す。
ルリの体がピクンと震えるたび、小さな胸が波打つように揺れる。
可愛いな…。
叶はぼんやりと思った。


175:カノルリ
07/07/02 16:28:50 WXBkkmPp
「入れるよ。痛かったら言えよ。」
「うん…。」
ルリの心臓は、壊れてしまうんじゃないかと思うほど、ドキドキしていた。
膣口に叶自身がピタリと押し当てられると、ルリの体は硬直した。

「力抜いて。」
叶が蜜液をまぶすようにペニスを擦りつけると、だんだんと滑りが良くなる。
亀頭がクリトリスを擦ると、ルリの体がピクッと動く。
気持ちいいのかな…。叶はしばらく、その動きを繰り返した。

徐々にルリは力が抜けていくが、叶はこのままでは挿入前に果ててしまいそうだ。
片手で持って、入り口を探る。ルリもそれに気付いて緊張する。
優しくしてやりたい。
そう思って出来るだけゆっくりと挿入していく。

「うんん…。」
ルリは体をよじる。やはり痛いのだろうか、じりじりと体が逃げていく。
「大丈夫か?痛いならやめるからな。」
叶は心配そうにルリを見る。
自分の欲望で、ルリをつらい目に合わせたくない。
「平気…。叶は?気持ちよくなれそう?」
ルリが赤い目で問いかける。
「もう最初っから気持ちいいよ。」
「よかったぁ…。」

176:カノルリ
07/07/02 16:30:01 WXBkkmPp
ルリはふぅ、と大きく息をつくと、叶の目を見て言った。
「私は、叶が大好きだからね。叶にだったら私、痛い目に合わされてもいいの。
だから、我慢しないで、来て…。」
そう言って、叶の首に腕を回す。
叶は目から、涙か汗かわからない、熱い液体がこぼれるのを感じた。

「ル、リ。」
かすれた声で名前を呼ぶと、くせのあるふわふわの髪に指を絡める。
「好きだ、ルリ、大好きだよ。」
ぐっと体を密着させ、強張りを押し込むと、ルリの体が汗でしっとりと濡れていく。
思いきり腰を突き動かすと、体の奥から何かが裂ける音がした。
ルリは小さく叫んだが、叶の体に回した手を離すことはなかった。


177:カノルリ
07/07/02 16:35:11 WXBkkmPp
「…なんか言ってよ。」
行為の後の気だるい空気の中、素に戻ると照れが出てしまう2人。
沈黙に耐え切れず、ルリが言う。
「なんかって…。」
ルリの大きくてまん丸な目が、叶の目をじっと見る。

叶は髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜ、呼吸を整えると
「好きだよ。」
と言った。
ルリの目はさらにまん丸になる。
「なんだよ。」
叶は顔を赤らめた。
「ビックリして…。そんなこと言うと思わなかった。」
「なんだよ!じゃあもう言わねーよ!」

叶が顔を横に向けると、
「ヤダ。もっと言って。」
ルリは叶の膝にぴょんと飛び乗って、顔を覗き込む。
目はキラキラと輝いていた。
「くっそー!可愛いな、お前は!」
叶は笑いながらルリを抱きしめると、優しくキスをした。

178:カノルリ
07/07/02 16:36:05 WXBkkmPp
「じゃ、またな。」
「うん。忙しくてもメールくらいはしてよ。」
玄関で叶とルリがキスをしようとした時、またルリの母が登場した。
2人は慌てて体を離す。

「あらぁ、修ちゃん、帰っちゃうの?」
「あ、明日も練習あるから…。お邪魔しました。」
叶がルリに笑顔で、「じゃあな」と言い玄関を出ると、母はチラリとルリを見る。
「お母さんは修ちゃん好きだから、いいと思うな。」
ばれてる…。
ルリは耳まで赤くなると、モゴモゴと口篭もった。
「修ちゃん、甲子園行けるといいね。そうしたらみんなで応援に行こう。」
「うん…。」

叶はきっと甲子園に行くよ。
そしたらまたファンが増えちゃうかも。
でももう不安になんてならない。
きっと叶は、満員のスタンドの中にだって、私を見つけてくれるはず。

ルリは目を閉じて思う。
明後日にはきっと、マウンドでガッツポーズする叶が見られるよね?
頑張ってね、修悟!

179:カノルリ
07/07/02 16:38:58 WXBkkmPp
終わりです。
甘くしたらエロがなくなっちゃった。
読んでくれた人ありがとう!

180:名無しさん@ピンキー
07/07/02 16:41:51 bevlKwVY
ちょ、超GJGJ!!!ネ申が降臨キタ━(゚∀゚)━!
ヤバイめっちゃ萌えた。顔のニヤケが止まらねーww
なんというバカップル…この二人は本誌で関わらないのかな。

つか数時間でこれだけ書けるのが凄い。自分は1週間位掛かる…
俺も何か書こうかな。

181:名無しさん@ピンキー
07/07/02 16:45:16 +rJT3iHe
おお、まさかこんな時間に投下を見られるとは。
よかったです。

本誌でも、何らかの形で関わるのでは?

182:名無しさん@ピンキー
07/07/02 16:47:31 zgIVUD6b
ハァ━━━━━━(*´Д`)━━━━━━ン!!

ヤヴァイよ身悶えして動けねえよ。
GJすぎるぞこの野郎!

183:名無しさん@ピンキー
07/07/02 17:40:12 VvEgB06S
ルリ可愛いすぎGJGJGJ!!!
ちょ、このスレほんっと良いな
萌えと震えが止まらないぜ

184:名無しさん@ピンキー
07/07/02 17:57:31 Ernl9Niq
GJ!!二人とも可愛すぎるww


>>142
個人的には栄口が読みたいです

185:142
07/07/02 18:46:02 NEzKnj95
カノルリGJでした!萌えた。


>>184
よっしゃ!!なら栄口で書いてみるな。
栄口×千代ちゃん、可愛く仕上げたいんでがんばる(`・ω・´)
でも今仕事中なんだ……帰宅してから書くぞ。
気長に待っててください。

186:名無しさん@ピンキー
07/07/02 18:46:12 Yzvnwq6N
おぉースレ覗いてみてよかったー!
初々しい感じがすごい可愛いなw

187:名無しさん@ピンキー
07/07/02 18:50:04 iWUBiZfE
ふたりとも可愛いすぎる(*'Д`)
親公認だったらもうヤリまk(ry
ひたすらGJ。



188:名無しさん@ピンキー
07/07/02 19:50:49 X3XN6DNC
>>185

ついに栄口くるかー!栄口も千代ちゃんも好きだから期待。
超超wktkして待ってるよ!職人さんがんばれ!!

189:名無しさん@ピンキー
07/07/02 20:47:39 CyghUNbb
職人さんGJ!ルリいいよいいよ(^∀^) そして暇があればモモカン好きの俺のために・・・モモカンを!!

190:名無しさん@ピンキー
07/07/02 23:13:04 YrEO2BH4
あわてるな。モモカンは俺が書いてる。
職人ほどはやくかけないが、まぁ、頭のすみにおいていて。
しかし、カノルリはかわええなぁ。

191:名無しさん@ピンキー
07/07/03 00:22:58 xj184mB8
ウホッ!いいモモカン…

192:名無しさん@ピンキー
07/07/03 01:00:15 6r7BFYHF
職人さんGJ!
カノルリかわいいなーw

193:名無しさん@ピンキー
07/07/03 02:45:42 Qdy5pDCG
>>190ありがとう・・・ありがとう! 俺生きててよかったよ。・・・いやまじで。

194:名無しさん@ピンキー
07/07/03 02:55:17 UkXFcVHe
栄口とおチヨちゃんか~わくわく。なんだかんだで栄口話少ないから嬉しいなー。
サカチヨはぁはぁ。

195:名無しさん@ピンキー
07/07/03 22:12:09 P1J8aIGd
ソワソワ

196:名無しさん@ピンキー
07/07/03 23:03:27 k4MqC+qV
SS投下しまーす

197:ミハ×チヨ
07/07/03 23:06:00 k4MqC+qV
「メダカが見た虹」


「……キレイ だ。……す、すい こまれ そう」
少年は、頭上にある満天の星を眺めていた。
今立っているのは誰もいないマウンド。フェンスには野球ボールが、一個だけ転がっていた。
少年は夜空の星座を観ながら、左手の刃物を静かに右手首に置いた。


夏の甲子園に向けた初戦を、西浦高校は勝ちあがった。
野球部は次の試合に向けて、さらに練習に熱を入れていた。
「あ、阿部君……、み み 見て 欲しい ものが あ あるん…だ」
捕手用の防具を身につけたあと、阿部は三橋に声をかけられた。
阿部の顔にはいくぶんかの驚きと好奇心があった。三橋の方から話題を振られるのは、かなり珍しいことだからだ。
「ああ。なんだ?」
三橋は、阿部の準備ができしだい、話しかけようと待っていたようだった。
「お オレ、最近……球が速くなったみたいなんだ」
「え!?マジで!?三橋スゲーじゃん!」
部室内では練習着に着がえている部員でにぎわっていた。そして、誰もが三橋の言う球速が上がったことを話題にした。
「なぁ、たしかめてみようぜ!」
「うん」
田島は三橋の背中を押して、ブルペンまで連れて行こうとした。
「やれやれ、モモカンが居ない時に……」



198:ミハ×チヨ
07/07/03 23:08:03 k4MqC+qV

三橋の肩慣らしが終わると、阿部はスピードガンを持っている千代の方を向いた。
「篠岡、準備はいい?」
「はい、オーケーです」
了承が出されると、阿部は定位置に座った。そしてミットを構えてボールが来るのを待った。
「い いきます」
三橋は全力投球をした。
「篠岡、どう?」
田島は結果が出るまで我慢できずに、スピードガンの表示をのぞきこんだ。
「114キロです」
おお!と周りから歓声が上がる。
春のころの三橋の球速は、速球でも100キロそこそこのものだった。そのころに比べれば、格段の進歩のあとが見て取れた。
「三橋、114だってさ」
「うん!」
三橋はマウンドの上で、小さくガッツポーズをした。それはまるで、いいことをした後に褒めてもらってうれしがるのに似ている。
「もっと、もっと速く……投げられるよ」
グラブを挙げてボールの返却を求められたので、阿部はグラブめがけて放り投げた。
三橋はもう一度振りかぶり、力のこもった球を投げた。
「117キロです」
先ほどよりもさらに大きな歓声が湧きおこった。三橋は、歓声に気を良くしたようで、照れくさそうにうひゃうひゃしている。
阿部にとっても、三橋の球速はうれしい誤算だった。これだけの才能をもった投手を、できるだけ日のあたる場所へと行かせてあげたかった。
「これなら、120も夢じゃないかもな」
周りの熱が阿部にも移ったかのように、阿部も饒舌になった。
「よし、今度はサインも入れるぞ。もう1球こい」
阿部の返球を受け取ると、三橋は大きくうなずいた。
そして、全力投球の3球目。
いつも以上に気合を入れると、三橋はおおきく振りかぶり、阿部のミット目がけて投げた。
「―!?」
三橋の球はあらぬ方向へと飛んでいった。阿部は、フェンスに跳ね返った球が地面につくよりも早く、マウンドでうずくまる三橋のもとへと駆けだした。
「三橋!?三橋!?」
部員たちが駆け寄っても、三橋は起き上がらなかった。
冗談、冗談、怪我した演技、抜群だったでしょ?
三橋がこういう軽口を言わないことを、全員がよく知っていた。
三橋は右肩を押さえたまま、口から泡を噴いていた。



199:ミハ×チヨ
07/07/03 23:09:34 k4MqC+qV

三橋は千代に付き添われて救急車に乗った。
練習後の部室は、誰もが意気消沈していた。
「ねぇ、三橋の肩ってどうなったの?」
西広は、野球経験の不足ゆえ、ピッチャー陣にたずねてみた。
「野球肩っていうやつ。ピッチャーの急所である肩と肘を酷使し続けて、フォームが崩れたりして筋肉やスジを傷めるんだ」
沖は自分でピッチングフォームを演じながら西広に説明をした。
「それって直るの?」
「んーー」
花井は腕組をして渋い顔をした。
実際に、野球肩、野球肘を起こしても、もとのように投げられるケースは多い。キチンとした治療とリハビリに時間をかければ直るだろう。
「三橋の場合はなぁ、かなり症状もデカそうだしな」
「そ、そうか……。でも、救急車もすぐ来てくれたし、不幸中の幸いだよね」
西広は場の雰囲気を少しでも明るくしようと、精一杯の材料を提供しようとした。
「いいわけねぇよ!」
それまでイスに座っていた阿部は、大声を上げると、目の前のテーブルをひっくり返した。
室内に悲鳴が起こり、みな阿部に注目する。
「アイツは、中学のとき散々な目にあったんだ。西浦に来て、ようやくまともな野球ができるはずだったのに……」
阿部は、うつむきながら両こぶしを固く握った。
「タマ遅いピッチャーでも、9分割に投げ分けられるコントロールがあったから、アイツはやってこれたんだ。これで、本当に肩を壊しちまったら、アイツ……」
また同じイスに座りだし、頭を抱えてうずくまった。
「あべ……」


200:ミハ×チヨ
07/07/03 23:10:56 k4MqC+qV

(オ オレ がんばる から 球威も コントロールもある投手に)
(速いタマ……、投げたい!)

誰よりも投げることが好きで、そのための努力をおしまない。三橋はそういう人間だった。
<バッカヤロウ……。無茶しやがって>
阿部が見たところ、三橋は桐青戦でさらにピッチャーとしてひと皮むけた。
今までが卑屈に投げていた分、勝利の味を覚えて、より強い欲が芽生えた。
おそらく、試合後も我慢できずに、制限も関係なく家で全力投球していたに違いなかった。
「俺のせいだ」
阿部は部屋にいる仲間に謝罪した。
「俺がアイツに夢見るようなこと言ったせいだ」
「ちがうよ。最初に確かめようって言ったの、俺じゃん。……俺が三橋を怪我させたんだよ」
田島はロッカーの中でおとなしく座っていたが、ようやく言葉を発した。


翌日から、三橋は野球部の練習を休み、病院へ通院することになった。
阿部は千代に三橋のことを頼んだ。
「なるべくアイツといっしょにいてやってくれないか?」
「うん。私も三橋くんと一緒に病院につきそう」
「たのむ。俺たちもなるべくアイツに話しかけるようにすっから」
三橋は、怪我をした後、また誰にもしゃべらなくなった。時には、同級生でさえ逃げるように避けている。

放課後、二人はバスに乗り、市内の総合病院へむかった。
「今日は病院に来る人少ないし、受診もはやくおわりそうだね。……たぶん」
千代はできるだけ明るい声で三橋に話しかける。しかし、その返事は生半可だったり、話を聞いていなかったりすることも多い。
「ホラ、信号青!わたろう!」
「あっ」
右手で三橋の左手をつかむと、横断歩道を連れてひっぱり歩いた。
つめたい手をしていた。力が入らず、無気力で、あせりと自責の念がみえた。
「ケガをすると、やっぱり、自分を責めちゃうもんなのかな……」
千代も長い闘いになることを覚悟した。


201:ミハ×チヨ
07/07/03 23:12:42 k4MqC+qV

三日後。
「つ おっ……次の試合、お 俺、でれない よね」
病院の待合室のベンチに二人で座っていると、三橋は試合の話題をした。
「…うん。今回はさすがに止めといたいいよ」
「……うん」
三橋はさびしくうなずいた。今の状況にあっても、やはり、マウンドは誰にも譲りたくないようである。
「投げたい なぁ」
三橋はつぶやいた。
「大丈夫。みんな、三橋くんが戻ってくるまで、勝ち続けるよ」
「うん」
その後は、看護師に名前を呼ばれるまで無言になった。

外科の担当医は、キレイに髪を分け、官僚を思わせるような眼鏡をかけた人だった。
「三橋さんの肩のレントゲンですが、こちらの右肩後背筋に深く障害を起こしています」
パネルにはめ込んだ写真を二人で見ると、医師の指すところを注目した。
「こちらの部位は、治療がとてもしにくい部分です。別の筋肉に隠れて中に入り込んでいるので、手術も困難です」
千代は説明を聞きながら、医師の顔と三橋の顔を交互にみた。
三橋は話を聞きながらふるえていた。
「先生、肩はどれくらいで直るもんなのでしょうか?」
千代の質問に、医師は三橋の顔を見ずに、千代に向かって答えた。
「日常生活で不自由なくすごすまでには、数年はかかります」
「あの……あの……、三橋くんは投手なんですけど、……もとの球を投げるまで、どれくらいかかりますか?」
千代は三橋のため神に祈った。せめて最善の知らせを聞いて帰りたかった。
「まず無理でしょう」


202:ミハ×チヨ
07/07/03 23:14:14 k4MqC+qV
病院前のバスの停留所で、二人は何台もバスを乗り過ごした。
二人は病室を出たときから、ひと言もしゃべっていない。三橋はベンチに座ったまま、石のように固まっていた。
千代はそれでも動くことをうながさなかった。ただ三橋の傍らにいてあげたかった。
すると、千代の携帯が鳴り出した。
「俺だ。三橋に何度もかけてるんだが、全然通じない。病院だから切ってたか?」
阿部からだった。三橋は、電話越しに阿部の声を聞くと、ビクッと反応した。
「うん。もうすぐ帰るから。……大丈夫。……うん。…・・・それじゃあとで」
電話を切ると、三橋はひざを抱えだして泣き始めた。
「あ あ あ べ…くん」
「ええ。みんなも、たった今練習あがったんだって」
「ど どう し よう……。かっ えっ かえれ ない……」
千代にも西浦のみんなにどう説明すれば良いかわからなかった。医師の話だと右肩が戻るのは絶望的。
三橋にとって、西浦野球部にとっても、受け入れ難いことだった。
「今日は学校に戻らずに、このまま家に帰ろう。ね?」

バスに乗って最寄りの停車場までくると、バスの中で三橋と別れた。
「み、三橋くん。あの、さ……、病院はあそこだけじゃないから。ホラ、怪我したときは複数のお医者に看てもらった方がいいって、志賀先生もいってた」
三橋は泣いていなかったが、暗く落ち込んだ顔を千代の方に向けようとしなかった。
「だから、明日は別の病院に行こうと思うの。……今日はおつかれさま。それじゃあ、ね」
あごだけでうなずくと、三橋はバスを降りていった。
扉が閉まり、窓の外の三橋が歩いていったのを確認すると、千代は顔を覆って泣き崩れた。
「ひどすぎるよ……かみさま」


203:ミハ×チヨ
07/07/03 23:16:08 k4MqC+qV
三橋は別れたあと、自然と足が西浦高校にむかっていた。
すでに練習時間は終わっている。グランドは整備されてあり、誰もいないマウンドまでやってきた。
カバンの中から、いつも携帯している硬球をとりだした。さらに、ふで箱の中のカッターナイフも取り出してズボンにしまいこんだ。
カバンを置いて足場を確かめると、ゆっくり肩を伸ばした。
(だいじょうぶ……。いたくない)
いつもの通りに構え、左足をあげて、オーバースローで投げてみた。
「うぐっ」
肩をまわしたところで激痛が走った。球はそのまま2メートルほどしか飛ばず、てんてんと転がっていった。
(……うそじゃ ないんだ。……ホントに オレ なげられなく なった)
三橋は空を見上げた。頭上の夜空が自分を包んでくれた。
「……キレイ だ。……す、すい こまれ そう」
三橋は見上げながら、ポケットに入ったカッターをとりだす。そして、刃を伸ばしきると、静かに右手首にあてた。
この時、不思議と三橋には死ぬ怖さはおきなかった。
それは、マウンドの上だったからかもしれないし、星空に感動して死がどうでもよくなったのかもしれない。


204:ミハ×チヨ
07/07/03 23:17:21 k4MqC+qV
扉がひらく音がすると、人が突っ込んできた。両手で刃物を持つ手を押さえると、三橋から強引に奪い取り、遠くへ投げ捨てた。
「しっ し し 篠岡 さん」
「バカッ!」
千代は三橋の頬をはたいた。夜中に乾いた音が響く。
「バカッ!バカッ!バカッ!バカッ!……うぅ」
「ごめっ ごっ ごめん ……なさい」
三橋はその場に腰砕けになり、うつむいて泣き出した。
学校に戻ってきた千代は、マウンドで立ち尽くす三橋を見つけた。
はじめはとても声をかけられる雰囲気ではなかった。ポケットからカッターをとりだしたのを見るとかけだした。
「どうして……こんな……」
三橋のリストカットを防いだ千代は、足元でうずくまっている三橋に声をかけた。
返事はなかった。しかし、
「お オレ、まだ ピ ピッチャー  つ づけ…られるよ。……ひ ひだり腕だって ある し」
下を向いてつぶやき始めると、今度は千代の足にすがりついた。
「あ 阿部くんだって い いる から。だから、……だから、お願い。……お オレ に 投げさせて」
三橋が千代にせまり、おもわず仰向けに倒れこんでしまった。
「……ひ ひどい  ヤツ …だよね。……こ こん なに なっても、……マウンド ゆずらない」
「みはしくん……」
「意味がないんだ……。オ オレ ピッチャー や やら ないと、……生きてる 意味なんて……ない」
ぐっう、う、ううう。
再び三橋は、堰を切ったように号泣しだした。


205:ミハ×チヨ
07/07/03 23:18:53 k4MqC+qV
「そんなこと……ないよ」
「あるよ!」
「そんなことない!」
千代は三橋の顔を上に向かすと、顔を近づけ、そのまま口づけをした。
「……あむ……」
マウンドで重なりあう二人には、虫の声しか耳に入らない。
千代が三橋の唇をはなすと、そのまま三橋にすがるように抱きついた。
「私は、イヤ。私が好きな人が悲しむのも、居なくなっちゃうのも、イヤ」
「……えっ?……えっ?」
「三橋くんが好きだって言ったの!」
そういうと、再び千代は三橋の唇を己で塞いだ。
今度は千代の舌が、三橋の中に入り込んでくる。舌と舌が触れ合うと、口の中でかきまざるように絡み合った。
「あふぅ……んう、……れむ」
(あたまが、クラクラする。きもちよすぎて)
千代も息を吸うために、顔を離した。三橋は側にある千代の顔を眺めてみた。
大きくキラキラした瞳は、涙でうるませている。唇はやや厚めで、今しがたその柔らかさを味わったばかりだった。
「お おオレ のこと?」
「うん……。だって、すごくカッコいいから」
三橋にはこれまでに自分に向けられた台詞の中で、聞いたことのないものばかりだった。


206:ミハ×チヨ
07/07/03 23:20:42 k4MqC+qV
千代は着ているシャツのボタンをはずし、自分の胸で三橋の顔を抱きしめた。
「吸って」
三橋は顔を真っ赤にしながら、どうするか躊躇した。目の前には千代のまだ幼いつぼみがある。
それは暗いピンク色をしており、頂点は天に向かってツンとしていた。
三橋は我慢できずにワレを忘れてむしゃぶりついた。
「はぅ…あ、…あ、あん」
舌で突起物を転がすたびに、硬度が増していくのがわかる。そして、かたくなればなるほど、刺激を与えやすくなる。
「あぁ、そんな……、いっ…、はげ…しく」
三橋は口をはなした。乳首と唇が、自分の唾液で橋がかかった。
今度は左の胸を攻め始めた。そして、右手の人差し指で、右胸をいじくり続ける。
「あーっ、あっあっ、や……はんっ、ぁん、どうに、か、……なっちゃうっ」
先端部につよく衝撃をあたえたとき、千代ははげしく乱れるのがわかった。

二人はお互いの顔を見合わせた。どちらも肩で息をするほど舞いあがっている。
「ここで…してもいい?」
「で、でも……」
三橋はもう一度周りを見渡した。相変わらず、この時間では誰も見あたらない。
「私はかまわない。それに…」
「そ それに?」
三橋は千代の先の言葉をうながした。
「三橋くんは、マウンドの上が一番かっこいいから」


207:ミハ×チヨ
07/07/03 23:24:37 k4MqC+qV
二人は立ち上がった。
千代ははいているスカートの下から、パンツだけを脱いだ。
三橋はズボンのチャックを下ろすと、かたくなったペニスをとりだした。
三橋がマウンドの上であぐらをくみ出すと、千代は三橋と向き合うように、三橋の腰に向かって姿勢を低くさせていった。
「あ、あの……」
三橋が何か言おうとしたので、千代は三橋に注目した。
「そ その…… オ オレも しのおか さん …が、……す、 すきだっ」
「うれしい」
感謝の意味をこめて、千代は三橋のほほに軽く唇をふれた。
三橋の自身をつかむと、自分の秘部にあてた。ゆっくりと、時間をかけて腰を下ろしていく。
千代の股から処女の証である鮮血がしたたれた。
千代は痛みに耐えるために、三橋の首にすがりついた。三橋も千代の腰に手を回し、体を密着させた。
「私たち、つながってるんだね」
「うん」
二人は目を合わせると、舌を絡ませあった。
千代は体を上下しはじめた。三橋が胎内に挿入ってくるたびに、卑猥な声がでてくる。
体の中の三橋の温度は熱く、外見からは想像のできないたくましさを感じた。

「そ その、 お オレ 射精…そうっ」
「うん」
千代は三橋から離れると、股間をにぎり、三橋のために愛撫をはじめた。
「あうっ!あ、あ……、ぅあ!あああああああっ!!」
絶頂がくると夜空にむけて咆哮した。


208:ミハ×チヨ
07/07/03 23:25:31 k4MqC+qV
「おちついた?」
「……うん」
行為のあと、疲労のため、お互いが気持ちを確かめ合うために、千代は三橋の肩に寄りかかって座っていた。
「ごめん  なさい。……と とりみだしちゃって」
「ううん」
千代は拒絶した。
「あのさ、三橋くん、帰りの話の続きなんだけど、聞いてくれる?」
「うん」
「今度はね、総合病院じゃなくて、スポーツ医学の専門医の先生に診てもらおうと思ってるの」
千代は説明した。野球肩は治癒可能な怪我であること。外科医の診察と専門医の診察の見解が違うことはありえること。そして、リハビリで再びボールを投げられること。
「あとね、下から投げてみたらどうかな?」
「えっ?あ ア アンダースローってこと?」
三橋が投げられないのは、肩をまわして力をこめるときの筋肉が破損していて痛みがでるからだった。
しかし、痛みがあるときと、ない時がある。これは、使用している筋肉がことなるゆえだった。
「わたしね、ソフトボールやっていたから、ある程度は投げ方を教えることができると思うんだ。もちろん、ソフトの投げ方とアンダースローはちがうけど」
そこで千代は三橋に向いた。
「でもね、監督だって、阿部君だって、西浦のみんなもきっと協力してくれる」
「オ、オ オレに?」
「うん。だって、三橋くんは、私たちのエースだもん」


209:ミハ×チヨ
07/07/03 23:27:44 k4MqC+qV
その後のことを少しだけ書く。
東京にある病院へ通院を始めたあと、三橋は長いリハビリを始めた。
怪我から半年の間はボールに触ることができなかった。
それからはアンダースローへの改造に費やされた。そして、わずかな可能性にすがる三橋の傍らには、いつも千代がいた。

そして、2年生の夏。
三橋は『サブマリン』と呼ばれるアンダースローとなっていた。
球速は110キロそこそこ。しかし、地面スレスレから放たれるボールは、打者からは浮き上がるように錯覚し、タイミングをあわせることすら難しかった。
「し しまっていこーーーーっ!!!」
「おおぅ!!!」
田島と栄口はマウンドのエースに微笑みかけた。巣山と水谷は、1年ぶりに見る背番号1番に目頭を熱くさせた。
「ながい寄り道だったな、三橋。だけど、またココにもどってきてうれしいよ」
ここにも協力者が一人。阿部はリハビリの段階から三橋の投げる球をすべて受け取ってきた。
「ここからだ。ここからまた、俺たちで虹を作っていこうぜ、三橋」
先頭打者は初球から強振。ボールはレフトの頭上に高々く舞い上がった。





210:名無しさん@ピンキー
07/07/03 23:29:54 k4MqC+qV
以上になります。
今回、長編になってしまいました。自分なりに三橋にせまる千代ちゃんを書いてみました。
エロを読むのであれば、>>205から読んで下さい。
では、また。

211:名無しさん@ピンキー
07/07/03 23:36:15 LaJLJnQj
楽しく読みました。アオカンGJ!
ただ、怪我ネタは死にネタと共にいろいろと微妙なんで、
できれば先に一言警告入れといて下さると助かります、神よ。

212:名無しさん@ピンキー
07/07/03 23:53:58 P1J8aIGd
GJでしたー!三橋萌えw乙バッチでした。
でも怪我こわいよ怪我w


昨日話にあがってた、サカチヨ待ち。

213:名無しさん@ピンキー
07/07/03 23:55:05 sxCs/7Z2
よかったです!

この後クソレが捕球できたのかが地味に心配ww

214:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:09:57 ldsOxfTl
マイナーカップリングのオダチヨ投下おk・・・?

215:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:11:30 99SKjkye
おkおk!
しかしすげーマイナーだなwww

216:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:19:11 wXLq3vaS
ミハチヨGJ-!
正直涙出そうになった…西浦には頑張って欲しいよ!

217:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:36:23 wXLq3vaS
>>214
連投スマソ
オダチヨ読みてーwつかルリじゃないのなw
織田は身長高いからヤるの大変そ(ry

218:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:37:52 99SKjkye
あー。しのーかって身長154とかでしょ。
で織田が186だっけ。

すげーなw30センチ以上の差w

219:名無しさん@ピンキー
07/07/04 04:41:09 UIghWb2A
まったくチヨちゃんは男前だな!神GJGJww

正座してサカチヨとオダチヨ待ち

220:名無しさん@ピンキー
07/07/04 04:45:30 ChM6Q0g1
あー知り合いにいるわ。
歴代彼女が全員150cm以下な187cmの奴が。

221:名無しさん@ピンキー
07/07/04 08:51:47 99SKjkye
>>219
すまん、サカチヨ投下は今晩になりそうなんだ
仕事遅くて申し訳ない

222:名無しさん@ピンキー
07/07/04 09:12:12 FZSnzwkq
>>221
楽しみに待ってるよ!

223:名無しさん@ピンキー
07/07/04 09:19:17 0YwqFqLA
安倍×三橋のヤツ頼む。

224:名無しさん@ピンキー
07/07/04 09:36:28 HuT/lgKT
>>223
安部晋三×三橋なんてなんともマイナーな…ww

225:名無しさん@ピンキー
07/07/04 10:10:59 bsyZk8ZZ
マイナーってレベルじゃねーぞw


しかしガチホモは禁止なんじゃねの?いいのかな?


226:名無しさん@ピンキー
07/07/04 10:11:46 bsyZk8ZZ
連投すまん

>>221
サカチヨwktk!!頑張ってくれい。期待してるよー!!

227:名無しさん@ピンキー
07/07/04 12:01:46 hpf1MAFm
>>225
禁止だよ。数字板いってくれ

228:名無しさん@ピンキー
07/07/04 13:45:19 5LmQa9WL
最近アヌメ効果で新規さんが増えたのかな?
ホモは数字板で。住み分けは大事だよ
ミハチヨ乙でした。最期幸せになって良かったよ。
サカチヨ、オダチヨも期待してる!

229:名無しさん@ピンキー
07/07/04 13:56:09 wXLq3vaS
>>224
ガチで吹いたw

にしてもアニメ効果?で新規さん増えてスレ活性化して嬉しい。
初期は本当に人いなかったし…

230:名無しさん@ピンキー
07/07/04 20:23:36 2qzTktjg
「三橋!俺はフェラの時にクビを振る投手なんて嫌いだっていつも言っているだろ!?」
「安倍君ごめん…」

「こっちこそ悪い。気が立っていた。三橋、今度はコッチに入れてくれるか?」
エースのボールは打たれない。安倍君の×××に届く!

231:名無しさん@ピンキー
07/07/04 20:27:44 8y+HNRtX
びっくりするほどつまらんな

232:栄口×千代
07/07/04 22:37:30 VO4Cvij2
こんばんはっす。
栄口の話が少なかったので書いてみました
思ったより時間かかってしまった…

かわいくしたつもりだがどうだろう?

にしても、どうして自分がかくとこう長編になってしまうのか
お目汚しすみません。

ではいきます

233:サカチヨ
07/07/04 22:39:04 VO4Cvij2


「阿部ー。三橋にそんな強く言ってやんなよ。三橋もちゃんとわかってるって」

「花井、田島は悪気なく言ってんだよ。あんま気にすんなよ」

「大丈夫だよ、水谷。お前練習頑張ってるじゃん、ちゃんと俺らも監督も見てるから」





栄口勇人。


彼は一言でいうと、
『いい人』。


最初はそれだけの印象だった。
それなのに、どうしてだろう。
こんなにも好きでたまらない。
全身が彼を欲しいと言っている。



234:サカチヨ
07/07/04 22:41:05 VO4Cvij2



「篠岡!それ持つよ。重いでしょ」

「あ、ありがとう」
部活の休憩中、アクエリアスやら氷やら入ったクーラーボックスを運んでいると、
背後から、他の男の子たちよりちょっとだけ高めの、柔らかな声がした。
「うへー。いつもこんな重いの持ってたの?」
そう言って、私の肩からボックスのストラップを外すと、ひょいと自分の肩にかける。
グラウンドまでは少し遠くて、並んで歩く。
心臓は鼓動を早めていく。その音が大きく鼓膜を震わせる。


いつもいつも、彼を見ていた。

彼は誰にでも優しい。気を遣う。面倒見が良い。
ニコニコしていて、安心させてくれる。
フォローをする。アドバイスをする。頼られている。

そして疑問が浮かぶのだ。
じゃあ彼がつらいときは、誰に頼るんだろう?


その笑顔を、私だけに向けてくれたら。


常に優しく微笑む様に固定された、形の良い唇。
さっきまでの練習の名残の汗が、細めの首の、喉仏の辺りをつたう。
がっちりとは程遠いけれど、しなやかな筋肉に模られた肩。
野球部の中では真ん中くらいだけれど、私より15cmも大きい身長。

普段、近くで見ることのできない、彼の身体や顔の細かな造形を、
しっかり覚えこむように、まじまじと見つめてしまっている自分に気づく。、
顔の体温だけが、ポッと上がるのを感じた。


「毎日俺ら10人分のオニギリ握ったりとか大変だろ?」
「うーん。でも皆すっごく美味しそうに食べてくれるから、それ考えて作ると全然!」
「あ、それわかるかも。俺もたまに夕飯とか作るからさ。
やっぱ食べるヤツが喜んでくれると、やる気でちゃうよな」

「? お母さんは仕事してて晩ご飯作れないとか?」
無意識にそこまで言って、ハッとした。

そうだ、栄口くんのお家は…



235:サカチヨ
07/07/04 22:43:50 VO4Cvij2


彼の目は先の方を見つめていて、口元は相変わらず笑いを形作っている。
「うち、母さんいないんだ。俺が小学生の時に、病気で」


「あ、ごめ…んなさい!あたし、」
無神経な一言を発してしまった自分を恥じた。
バカ!どうしよう…

「はは。いいよいいよ。そんな顔しないでよ」
いつも笑顔の彼が、より一層口角を上げて私の顔を覗き込む。

「家のこととか、大体は自分一人でできるんだ。
姉ちゃんや弟もいるけど、やっぱ俺が一番しっかりしなきゃって」
ずり落ちそうになったクーラーボックスのストラップをかけなおす。
「オヤジは長いこと出張行ってるしね」
「そっか…えらいんだね、」
月並みなことしか言えなくて、嫌になる。
そうじゃなくて、えっと、えっと…

「う~ん?えらいっていうか、普通だよ。でもまあ慣れ?かな」
笑って、頬を伝う汗を練習着の袖でサッと拭った。

その何気ない様子にも、また見惚れてしまう。

「? ん?なに?」
「あっ、ううん、なんでもない…」
あまりにも私が見つめるので、不思議そうな顔をされた。

「…篠岡」
「うん?」
「篠岡がマネジやってくれて、ホント助かってる。
 いつも、ありがとな」
「……」

こんな、嬉しいものなんだ。ありがとうって。
ううん、違うな。
栄口くんが言ってくれてるから、余計嬉しいんだ。

「… 野球、好きだし。応援したいの、皆のこと」
ううん。栄口くんのことを。

「野球好きなのすげーわかるよ。
対戦表暗記してたり、桐青のデータとかだってさ。すげーよ」
「ふふ、好きなことだと凝っちゃうっていうか」

「ははは。篠岡のためにも、甲子園行かなきゃな。   あ、おーい!三橋―!」

向こうに三橋くんがいるのを確認して、大きく手を挙げた。
「篠岡!これベンチまで運んどくなー」
そう言って、走って行ってしまった。



私の為に、甲子園?
私の為に、甲子園…
どういう、意味だろう。
期待、しちゃうよ。


236:サカチヨ
07/07/04 22:44:51 VO4Cvij2



「ただいまー」
玄関に荷物をドサッと置く。
「おかえりー」
リビングから、姉の声がする。弟と2人でテレビでも見ているらしい。
「勇人、ちゃんとお母さんにただいま言ってからご飯ね」
「今からやるって」


リビングより更に奥の和室。
部屋の奥にある仏壇の前で、いつもと同じように正座した。
あの頃と変わらない笑顔をした母さんが、写真の中で笑っている。

「ただいま、母さん」

―練習、疲れた。でもすげェ楽しいんだ。
今のチームで、甲子園、行けるかもしれないんだ。
…試合、観に来てくれたら、何て言ってくれた?

手を合わせて、今日あったことを報告するのが日課になっている。
母さん。
俺、好きな子がいる。
すごく、いい子なんだ。



「ご飯、できてるよー」
「ごめんね、いつも俺が帰るの待たせちゃって」
テーブルの上には、姉が用意した料理にラップがかけられている。
ガタガタと自分の席につくと、続いて弟もやってきた。
「だって兄ちゃん、メシはみんなで食ったほうがおいしいだろ?」
「そだよ、勇人。さ、食べよ食べよ」

「お父さん、来週帰るっていってたの無理になるかもってさ」
「えーっ!兄ちゃんの試合、一緒に見に行くって言ってたのに!」
「…しょうがないよ。忙しいんだろ」
オヤジは九州に出張中で、もう2ヶ月以上会っていない。ほとんど単身赴任状態だ。
1年のうち何度も出張に出掛け、忙しくしている人だ。
まだ学生の子供が3人もいる。オヤジも大変なんだ。
不満を言ってちゃ、いけない。


237:サカチヨ
07/07/04 22:45:59 VO4Cvij2


風呂から出て自分の部屋に戻ると、時刻はもう11時をまわっていた。
明日も早い。早く寝なきゃ…
早々と電気を消して、ベッドに潜り込む。

中々眠りにつけない。
瞼の裏に浮かぶのは、あの子のこと。

―今日も、可愛かったな。篠岡。
あの大きな目で見上げられたら、ほんとドキドキした。
ほんとに、最近よく見られてるような気がすんだけど…

俺のこと、好…

篠岡はみんなに優しいし。俺の勘違いかな?
いやでも、今日だって、練習中だって、いつも見てる。

絶対見てる。

一所懸命でさ。しっかりしてて。
でも並んでみると意外と小さくて。髪ふわふわでさ。
細くて、なんかイイ匂いしてさ……
ほっぺとか唇、やーらかそうだよな。


やべ…勃っちゃった。

いそいそと部屋着のハーフパンツを、下着と一緒に脱ぎ捨てる。

恋愛ドラマなんて嫌いだし。
付き合った別れたで大騒ぎする奴ら、話を合わせて笑っていても、
本心ではくだらないと思ってた。
でも、俺も同じだよ。   


誰かを、こんな風に想うことがあるなんて。




238:サカチヨ
07/07/04 22:47:16 VO4Cvij2




今日は、栄口くんといっぱいしゃべれた。

私のためにも、甲子園に行かなきゃって。

なんか前読んだ漫画にそんなのあったな。
あれはヒロインが、連れてってって言うんだっけ。
あれとは違うかー。だってまだ、好きって言ってないんだし…
言っちゃおうかな?
きゃー。

お風呂ではいつも考え事しちゃう。
その日いいことがあったら特に、入浴時間は長くなる。

『いつもありがとな!』
彼の声を思い出すと、なんだか恥ずかしくて嬉しくて、
ぬるいお湯に口まで浸かり、ブクブクと息を吐き出す。


好き。好き。

239:サカチヨ
07/07/04 22:49:24 VO4Cvij2



湯船から上がり、スポンジでボディーソープを泡立てる。
ふわふわの泡を、首から順に伸ばし、身体を洗った。
泡で滑る指が、あまり成長しない、小さめの胸を掠める。

「……」
少しだけ反応を示した薄い色の乳首に泡を付け、くりくりと転がした。

「…はッ……」

思わず声が漏れる。
風呂の床に膝立ちになった。


シャワーに手を伸ばす。
顔が熱い。

普段より強めに、勢い良くお湯を出した。
辺りは湯気でどんどん白く曇っていく。
ゆっくりそれを、両方の太もものつけねに持っていった。
人差し指と中指で閉じているそこを開き、
シャワーヘッドを当てる。

「あッ…!!あ、あ、ン」

強い勢いで出るお湯が、クリトリスを叩く。
ビリビリとした激しい快感が全身を伝わって、
頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
どんどんたまらなくなっていく。
最近覚えたこの行為。
毎日、自然と、誘われるように。

今日見た、彼の喉仏を滑る汗を思い出す。
彼のしっかりとした肩や、しなやかに筋肉のついた腕や、私を呼ぶ声。

『篠岡』
「ん、!ん、あぁ、…さ、かえぐち、く…」
シャワーのお湯は容赦なく私を刺激し、膝がガクガクと震えだす。
「は、はぁッ、…!さかえぐち、く、ん、、」

『篠岡』
「あぁ、あ、…ッ、……!ん、好、きッ…!」

ビク、ビクンと身体が大きく跳ね、簡単に達してしまった。


「…また、しちゃった……」

終わったあとは、
なんだかいつも泣きたいような気持ちになる。

ひとりでずっとこんなことしてちゃ、ダメ。

伝えないと、ダメなんだ。

240:サカチヨ
07/07/04 22:50:19 VO4Cvij2




快晴。
今日も暑くなりそう。

あと少しで試合が始まる。
ふふ、今日も応援気合入ってるな。
浜田くん、すごく張り切ってる。
皆それぞれ、家族や兄弟が観に来てるみたい。
花井くんや巣山くんは、恥ずかしいみたいで、
お母さんたちに声をかけられても、わざと無視してる。
いかにも高校生男子って感じ。




ふと、気づいた。
ベンチの端で、ざわめくスタンドを静かに見つめる姿。
4番の背番号。
栄口くん。


ただただじっと、誰かを待つように。


241:サカチヨ
07/07/04 22:52:45 VO4Cvij2



試合は西浦の勝利に終わり、球場から学校へ帰ってきた。。
ミーティングを軽くしてから、すぐに解散の指示がでて、
皆は早めに上がれることに嬉々としていた。
どっかで飯食おーぜ!なんていってぞろぞろと帰っていく。

私は、数学準備室に余った飲み物を置きに行ってから、ゆっくりと部室へ戻る。


外から部室の窓を何となく見ると、見慣れた姿があった。
ロッカーを開けたまま、自分の荷物の中を見つめている。

静かにドアを開けた。
パッと顔を上げる栄口くん。


「皆とご飯、行かなかったの?」
「あ、篠岡かー。びっくりした。うん、なんか、疲れちゃって」
ニッコリと笑いかけてくれる。
ロッカーは開け放したままで、中のバッグのファスナーも開きっぱなしで。

「さっき、何見てたの?」

「ああ。これ。…、写真」


パスケースの裏に入れられた、写真。
幼い彼の肩に手を置いて微笑む母親の姿。
ずっと持ち歩いているのだろう、黄色く変色していて、端はボロボロだった。

「…そっか」
「もし、さ。甲子園に行けたら、本当に観に来てほしかったなーなんてな」
「うん。頑張ってるもんね」

「…花井とか、巣山が反抗期みたいな感じでさ。
  冷たくするじゃん、母親に。
  なんかさ、そういうの、うらやましいな、とか思ったりね」
「……」

「絶対、言わないけどさ」
寂しく笑って、目を伏せた。




私はなんだかたまらない気持ちになって、
本当にただの衝動で、自然に足が動く。
後ろから彼に抱き付いた。


242:サカチヨ
07/07/04 22:54:16 VO4Cvij2


「……篠岡?」
「……」

ハッと我に返る。
慌てて体を離した。
「!あ、ごめんなさい、あたし」


「同情、させちゃった?ごめんな」

向き直って、私の横にあるパイプ椅子にぎしりと座る。
へへ、と困ったように笑った。

「ちが…そうじゃなくて。えっと、あの…」
自分のしてしまった行動に説明がつかなくて、あたふたとしてしまう。
どうしよう。嫌われちゃったかもしれない。

どうしようどうしようどうしよう。
言葉に詰まる。
わたしのすぐ横で、椅子に座って、その様子を見ている彼。




「ちょっと、ごめん」

彼の声が聞こえたかと思うと、フッと鼻孔を汗の香りが掠め、暖かいものを感じた。
私の身体をぐいと引き寄せて、きゅっと抱きしめられる。
彼は座っているので、私の胸のあたりに彼の頭が当たった。

「さ、かえぐちく…?」
何がなんだかわからなくて、でも自分とは違う体温を感じて、
頭の中がハレーションを起こす。
目の前がチカチカして、
耳の中で血液がざあざあと流れる音が聞こえる。

「ごめん。ちょっとだけこうさせて」

栄口くんは、そのまま動かずに、私を抱きしめたまま。
私の心臓の音、全部聞こえてるはず。速い。

何分経っただろう。実際2、3分のものだったのかもしれない。
でも、何時間もそうしているように感じた。
私の手は自然と、彼の肩の辺りに伸びてた。

243:サカチヨ
07/07/04 22:56:07 VO4Cvij2


「…俺さ、」

頭は胸に置かれたまま。
ぽつりと話し出した。


「よく、『いい人』とかさ。言われるんだ」
「…うん」

ゆっくりと、落ち着いた声で。

「しっかりしなきゃって、ずっとやってきたから。頑張らなきゃって。
 人のことほっとけないっていうのとかさ。あと、場の空気とか、気にしすぎて」
「うん」


ぽつぽつと話す言葉は、あったかい吐息と一緒に、
私の薄いTシャツの生地に溶けていくように感じた。

「でも『いい人』って言われたり」

「いつも笑顔でいること、しんどくなる時あってさ…たまに」
「……うん」

「でも俺はこういうふうにしかできなくて」
「…うん」

私の背中に回された手に、更に力がこもった。




「………たまには、甘えたい」



私はなんだかすごく、優しい気持ちになった。
しっかり抱きしめてくる彼を、とても愛しく思った。

「…いいよ」

肩や頭を、優しく撫でる。
私より少し濃い色の、茶色の髪。短いけど、ふわふわしてる。
可愛いとか、好きとか、いろんな気持ちが混ざって、不思議なかんじ。

「……ありがとう」
「…うん」



ゆっくり身体を離して、彼は恥ずかしそうに頭を掻いた。
私もなんだか所在無くて、もじもじしてしまう。
「なんか俺、すごいカッコ悪いな」
「ううん。そんなこと、ない」



244:サカチヨ
07/07/04 22:57:36 VO4Cvij2


甘い気持ちで身体の中がいっぱいになって、
それでも、さっきよりはなんだか落ち着いてて、

今だったら、言えると思った。


「私、いつでもこうしてあげるよ」
「え?…」
「私ね。ずっと栄口くんのこと見てたよ」
まっすぐ、私を見つめてくる瞳。


「栄口くんが、好き」

栄口くんは、目をまん丸にしてる。
そして、口を開けたまんま。


少しの沈黙。

「しのーかぁ…」
へなへなと脱力して、両手で私のTシャツを掴んだ。
「俺、おれから、言いたかったのに…」
「え」

「俺、篠岡が好きなんだ」

耳まで真っ赤にして、言ってくれた。



「たぶんお互いちょっと前から気づいてたよな?」
「あたしは、ずっと、もしかして…いや、でもなー!って考えてたよ」
「うわー。恥ずかしいな、こういうの俺、初めてで」
「…あたしも、だよ」

そう言って、今度は2人とも立って、抱きしめあった。

「ちょっとだけ、目つぶって」
耳元で囁かれて、ぞわぞわした。
言われた通りに目を閉じる。
唇に、あったかいものが触れた。

そこはすぐにジンジンと熱く、信じられないくらい敏感になる。
唇を離すと、もう一度ぎゅうっと抱きしめられた。



「すげえ嬉しい。俺、篠岡のことすごい好きなんだ」
「うぅ、あたしも嬉しー…」


245:サカチヨ
07/07/04 22:58:47 VO4Cvij2


私が着替えたあと、一緒に帰ろうってことになった。
自転車を押して、校門まで並んで歩く。
「あの…さ。今日、これから予定、ある?」
栄口くんが控え目なかんじに尋ねてくる。
「ないよ?」
「じゃあさ、俺んち、こない?まだ時間早いし、」
試合後にすぐ解散になったから、時刻は3時半と確かに少し早い。

ちょっとびっくりしてしまう。なんだか、全部、うまく行っちゃって。
でも。
「行きたい…」
彼の顔が、ぱあっと明るくなる。
「ほんと?なら俺、帰りちゃんと送るから」



いつも自分が通う道と、まったく違う方向を、並んで自転車をこぐ。
30分ほどで、栄口くんの家に到着した。
洋風の家で、けっこう大きい。
「どーぞ、入って入って」
「お、お邪魔します……」
「まだ姉ちゃんも弟も帰ってきてないんだ」
「う、ん」
栄口くんは荷物を置くと、こっち、と廊下の奥で手招きした。
綺麗に掃除されている明るいフローリング。
「帰ってくるとさ。いつも母さんに今日のこと話すんだ。つきあってくれる?」
「うん。」


襖を開けると、部屋の奥には仏壇があった。
彼がその前に正座する。私も横に。

彼と同じ髪の色をした、綺麗な女の人が、こちらににっこりと笑いかけている。

「母さん、ただいま」
本当にそこにいるみたいに、話しかけている。

「…今俺の横にいる子、彼女なんだ」

『彼女』という言葉に、カァッと顔が熱くなる。
紹介されるって、嬉しいんだなあ。
「この前、好きな人がいるって話したろ?その子だよ」

「栄口くんのお母さん、始めまして。
野球部でマネージャーをしてる、篠岡千代って、言います。よろしくお願いします」

ぺこり、とお辞儀をすると、栄口くんは優しく笑いかけてくれる。
写真の中のお母さんの表情が、一段とほころんだように感じた。




246:サカチヨ
07/07/04 23:00:17 VO4Cvij2



2階にある彼の部屋に入った。
ベッドと、机と、コンポと、本棚と、CDラックがあるだけの、シンプルな部屋。
床には野球の雑誌や、音楽の雑誌が無造作に散らばっている。

「ごめんな、汚くて」
「う、ううん!…」
「えっと、そのへんに、座ってよ」
「はい…」
「あ、えーと、飲み物持ってくるな。紅茶とコーヒーどっちがいい?」
「あ、じゃあ、紅茶…」
「おっけー、ちょっと待ってて」

トタトタと彼が階段を降りていく。
ベッドに寄りかかって、ぐるりと見渡した。CDが、たくさん。
音楽、好きみたい。洋楽多いな…。知らないのばっかり。


すぅ、と大きく息を吸い込む。
さっき嗅いだ、栄口くんの匂いがする…

すごいよね、これって。
今、栄口くんの部屋にいるなんて。
栄口くんも、好きなんだって。
『彼女』なんだって。

きゃーっ。

クッションに顔をつけて、ジタバタしてると、着替えた栄口くんが戻ってきた。


「あはは、何してんの?」
「やだ!見てたの??もー!」
「ごめんごめん。篠岡おもしろいなー」

お互い緊張してて、最初はぎこちなく会話してたけれど、
私が野球部に入ったきっかけとか、栄口くんのシニアのときの話とか。
けっこう盛り上がって、時間が経つのを忘れた。


「―だったんだよー」
「そうなんだー…」
「……」


247:サカチヨ
07/07/04 23:01:45 VO4Cvij2

話が途切れたとき、
ふいに手が触れそうなほど近くにいることを、お互い意識した。

手のひらにしっとりと汗が滲む。
また、心臓が強く鼓動を打ち始める。
栄口くんの手が、ピクリと動いて、
すこし躊躇ったあと、そっと私の手に重ねてきた。

そして、だんだん握る力を強くする。


「…なんか緊張するよね」
「……うん」
私はドキドキして、動けなくて、身体を硬直させた。

「篠岡、さっきの、もっかいしてもい?」

「えっと、うん、いい…よ」
「じゃ、じゃあ、こっち向いて…」
体育座りみたいに膝をたてて、向き合った。


「これじゃ、届かないね…」
「あ、じゃあ」
そういって彼は足を開いた。その間の床をポンポンと叩く。
「ここ、おいでよ」
ずりずりとお尻を移動させ、そこに入り込む。
「脚、どっちも俺の脚の上にかけていいよ」
「ん…」
パンツが見えないようにスカートを押さえて、
足をひらき、彼の太もものところにかけた。


「わは、今度はすごい近いな」
鼻と鼻がくっつくほどの距離になった。
「じゃ、じゃあ、はい!」
手を大きく広げる。

「うん、じゃあ遠慮なく」
がばっと、私の背中に手を回して、きゅ、と抱きしめてきた。
私も彼の背中に手を回し、彼の体温を感じる。




248:サカチヨ
07/07/04 23:03:28 VO4Cvij2


「あ~…死ぬほど、落ち着く」
「あはは。よかった」

俺は、
俺を受け入れてくれるこの小さな身体を、きつく抱きしめる。

自分の中が満たされていくかんじ。
安心するって、こういうことなんだ。
ずっと、忘れていたように思う。


篠岡はやっぱり、柔らかかった。
髪からは、すごくいい匂いがして。
細くって、ふわふわで、
大事に大事に扱わないと壊れちゃいそうだ。

篠岡の心臓が、どき、どき、と鼓動を打つのを感じる。
柔らかい彼女の胸が密着していて、俺のドキドキはもっと強くなる。


一度身体を離すと、篠岡があの目で見つめてきた。
長い睫毛に縁取られた大きな瞳。
その色は薄くて、綺麗で、まっすぐだ。

ちゅ、とキスをすると、
少し開いた唇から熱い吐息が漏れた。
俺はたまらず、舌を入れる。
にゅるにゅるした感触が始めてで、気持ちよくて、夢中で彼女の舌を追った。

「ふ、む…」
下唇をにゅる、と舐めると、彼女はプルプルと震えた。


顔を離して表情を伺うと、
彼女の目は先程とは違う雰囲気をふあふあと漂わせる。
透明な瞳にはうっすらと涙の膜が張られ、トロリと視線を泳がせていた。
その目を見ているだけで、身体の中心がとろけそうな錯覚に襲われる。


彼女の、茶色の柔らかい髪を耳にかける。
そこに指が触れただけで、大きく身体が跳ねた。
顔を近づけ、優しくキスをする。

「ひゃ…ぁ」

小さく漏れたその声。もっと、聞きたい。
舌を伸ばして、耳の穴や周りをぬるぬると舐める。
「……気持ちい?」
「は、ッ、ぁ……」
熱い息を吹き込むように小さく囁くと、吐く息がもっと熱くなった。



249:サカチヨ
07/07/04 23:07:09 VO4Cvij2
細く華奢な首筋や、顎のラインに、ツ、と舌を這わせる。
俺のTシャツを掴む力が、ぐぐ、と強くなった。
彼女のシャツのボタンを、ゆっくりと外していく。
程なくして、薄いピンク色の下着が顔を出した。
小振りな胸を包んでいるそれは、フリルがついてて、とても可愛い。

「篠岡、これ、はずしてい?」
「…ん」
「後ろ…?」
「ううん、…前」
フロントで止める形になっているそれに手をかけると、
ちょっと待って、と手を止められる。

「あ、あたしだけ、脱ぐの、恥ずかしいから…栄口くんも、」
耳まで真っ赤にして、ぽつぽつと呟く。
「あ、そっか。わかった」
サッと自分のTシャツを脱ぎ去った。
気を取り直して、ブラジャーのホックを外す。
前についてたおかげで、苦労せずに外せた。
しかし、よく見る前に、すぐ両手で隠されてしまった。

「や、やっぱり、恥ずかしいよ…」
「しのーか。なんで?」
「だ、だ、だってあたし、胸、小さいし…!
 お、男の子は、大きい方がいいでしょ?あたしのなんて、」
「あはは。俺は、篠岡のなら、大きさなんか関係ないよ。
隠さないで、見せてよ。ね?」
「ぅ~…。でも、あんまり、見ないで……」
そういって、おずおずと手を外す。

確かに大きくはないけれど、ちゃんと女の子らしいフォルムを描いていて、
乳首は薄い桃色だ。半分、かたくなりかけてるみたいで、ツンとたってる。

「こんな可愛いのに。俺はすごい好きだ」
手のひらで全体を柔らかく包み込み、ゆっくりと揉むように動かす。
「、柔らかい」
「あ…あ」
目を瞑って、小さく声を漏らす。
嫌がらないのを確認して、小さく存在を主張する乳首に口をつけた。

「や…!あッ、あ、あ」
「しのーか……乳首カタくなってる。気持ちい?」
ちゅ、ちゅ、と吸い付いたり、優しく甘噛みをしてみる。
「き、もちい、よ… ん」
なるべく舌を柔らかくして、にゅるにゅると舐める。
「ぁ!…あ、ン」
一段と声が艶っぽくなったのを感じた。


「ベッド、行こうか」
「う、ん…」
篠岡ははだけた前を合わせて、
立ち上がり、ベッドの上に座った。

「寒い?エアコン切ろうか?」
「だい、じょぶ…」
「じゃ、シャツ脱いで」
袖から細い腕を抜き取り、ストラップを滑らせた。

上半身裸で、スカートだけ身に着けている姿というのは、なんとも色っぽい。

250:サカチヨ
07/07/04 23:09:56 VO4Cvij2


篠岡の前に座ると、彼女の視線が一点に集まっていることに気づく。

「あ…えーと、コレは…」
篠岡に触れているだけで、俺の前はきつく張り詰めていた。
どうにも誤魔化しようのないほどテントを張ってしまっている。

スッと篠岡の手が伸ばされ、手のひら全体でそこに触れられた。

「うッ……」
「きもちい…?」
やわやわとそこに刺激が与えられると、
たまらなくなって声が漏れた。
篠岡の小さい手、細い指が俺の。

「見てみたい、な…栄口くんの、ここ」
きゅ、きゅ、と握りながら、上目遣いで見上げられる。
ヤバいって、そんな顔して見上げられたら俺…

ジーンズの前をくつろげて、パンツと一緒に一気に脱いだ。
篠岡は目をぱちくりさせて、そこをまじまじと見つめている。

腹に張り付くくらいに勃ちあがっているそれの先端には、
先走りの液体が、今にも垂れてしまいそうにプルプルと揺れている。

「ちょ、しのーか…そんな、見たら恥ずかしいって」
「……おっき、い!なんか、すご…」
本当に驚いた、という風に、穴があくほど見つめられる
「そ、そかな?ほかのヤツと比べたことないから、わかんな……あッ!」

亀頭のところ全体を、篠岡がいきなり手で包み込んだ。
「う、うっ、しの…か、待って待って」
「ごめんね、痛かった?」
スッと手を引っ込めてしまう。
「そうじゃな、い……えっと、もっと、触っていいよ」
ほんと?と、少し楽しそうにもう一度手を伸ばされる。

先走りの液体を細い指に絡ませ、
亀頭や、カリに伸ばされて、身体がビクビクする。
親指が裏筋にぬるりと触れると、これ以上ないくらいまで堅く大きく成長する。

「なん、か、どんどん大きくなってる気がする…」
「篠岡の、手、が… きもちい、からだよ」




251:サカチヨ
07/07/04 23:12:21 VO4Cvij2


彼女は右手で「OK」の形をつくると、
先走りの液体のぬめる力を借りて、亀頭からカリのところを何度も往復させた。
ぷちゅ、くちゅ、と音がする。

「ちょ…っと、…しの、か!ダメだ、って、そんな、したら…」
「この『かさ』みたいになってるとこ?ここ?気持ちーの?」

楽しくなってきたのか、ぬりゅぬりゅと手の動きを早める彼女。
どんどん上りつめてく、
だめだ、、気持ちいい!

「は、はッ…!!あ、あ、ダ、メだ、ヤバいって……!」
ピタリと手の動きを止められる。
今にも射精しそうになっていたペニスは、ピクピクと震えていた。


篠岡は自分の手をトロトロと汚している先走りを気にせず、指を口に含む。
チュパ、チュパと舐めまわす音が、耳に絡みつく。
「篠岡…なんか、すっごいエロい」
「ん、なんか、変な味…おしっこの匂いがする」

そしてまた顔を近づけ、しげしげとペニスを見つめる。
「しのーか、ちょっとだけ、舐めてみて…」
「…ん」

少し躊躇ったあと、
意を決したように、舌をつける。
カリのところをゆっくり舐めまわし、裏筋にもぬろりと舌が這った。
「ぅ~……!き、もち…い、あ、あ」
尿道を舌でくすぐられ、思わず声が漏れる。

「どうやったら、もっと、気持ちいいの…?」
舐めながら、そんなことを聞いてくる。
「じゃ、じゃあ、口、開けて。舌も、出して」
「ん…」

素直に口を開けて待っている彼女。
「それで、口の中に入れて、動かして」
にゅるにゅるしてて熱い口内にペニスが飲み込まれた。

粘膜同士が直にこすれる、初めての感覚に、全身がぶるりと震えた。
「はッ、し、しのーか、す、すご…」
「ん、も、…んぷ、ッ」
俺は直接与えられる信じられないような強い快感に、ただ身を委ねるしかできない。
篠岡は一所懸命に、頭を上下させている。
舌が熱く絡みつくように感じて、たまらなくなっていく。

「だ…めだ……!しのー、か!!離して、」
またすぐに上りつめそうになって、慌てて口から引き抜く。
唾液がつぅっと糸をひいた。



252:サカチヨ
07/07/04 23:18:15 VO4Cvij2


「栄口くん…」

篠岡は、ゆっくり俺の上に乗っかってきた。
ドサリと一緒にベッドに倒れこむ。
シングルサイズのパイプベッドは、2人分の重さで、ぎしりと揺れた。

「な、んか、ドキドキして、すごく、変なの…」
俺の裸の胸に、ぺたりと張り付くように感じる篠岡の素肌。
体温を感じて、俺は裸の背を抱きしめた。

「篠岡も、触っていい…?」
「…う、ん」
俺の上に乗っかって、
跨るような格好になっている篠岡の、太ももを撫でる。
さらさらとしていて、少し冷たくて、
綺麗なものに触れている、っていう感じがした。

手探りでパンツに手をかけて、そのまま下にさげる。
足を開いているので途中で止まってしまった。
「ちょっと、体勢かえよ…」
彼女をトス、と下に組み敷く形にする。
途中まで下げていた下着を、足から抜き取った。
膝はぴたりと閉じられていて、恥ずかしさからか鳥肌をたてている。

「足、ちょっとだけ開いて?」
「…ん…」
すこしだけ力を緩めたそこに、身体を割り込ませる。
「や、だ…!恥ずかし…!!見な、いで」
泣きそうになりながらそう呟く彼女。身体を倒して、優しくキスをした。
「ん。ふ、ぅ…、ん」
深く舌を絡ませあいながら、右手を彼女のそこに伸ばす。

ぬるり。
「あ…ッ!!」

小さくぬかるむ感触がした。
中指でクリトリスを探り当て、くりくりと円をかくように撫でまわす。
にゅるにゅるとした液体で溢れるそこは、ただただ熱い。
「篠岡……すごい濡れてる」

「あぁッ、……あ、あ!あ、気持ち、い…!!」

クリトリスを執拗にこねまわすと、大きく声があがる。
「あ、う…!きもちい、気持ちー、よぅ…」

トロリとした液体を掬い上げ、
顔の前でぬりゅぬりゅと指に絡ませる。
「いっぱい濡れてる、しのーか、、」
「やッ、恥ずかし、い」
指を舐めてみると、
粘性のあるその液体は、舌の上でとろけてなくなった。
「そ、な…汚い、よ…!」
「篠岡の身体の中で、汚いとこなんかないよ、」

もう一度下に手を伸ばし、
今度は人差し指と中指でクリトリスをはさむようにしてこする。

「ひゃ!あ…ッ、あッ、ん!!あ、あ」

253:サカチヨ
07/07/04 23:20:25 VO4Cvij2


「しのーか、すごい敏感なんだ……あ。もしかして」
「ん、ん…、、な、に?」

「…オナニーとか、してる?」

細い身体が、ビクンと跳ねた。頬がぱあっとピンク色に染まる。


冗談で、言ってみただけなんだけど。
意外な反応で、驚いた。
「…当たり?」

篠岡は顔を両手で覆って、答えない。
これ以上赤くなりようがない耳が、更に染まったように見えた。

その様子が可愛くて、いじらしくて、嬉しくなる。
耳元で囁いた。

「俺は、篠岡のこと考えながら、してたよ」
篠岡は手をずらして、半泣きの目で俺を見上げてくる。

「篠岡は?、俺のこと考えながらしてた?」

再び顔を覆い、少し間を置いてから、
小さくコクンと頷いた。


ああもう。なんでこんなに可愛いんだ。
「恥ずかしがんないで。俺今、すごいうれしーんだ」
「う、そ…、私のこと、ヘンタイだと思った、でしょ」
「思わないよ。エッチな篠岡も好き」

「こっち向いて」
左手で手を外させる。
恥ずかしさのあまりに泣いてしまった彼女を、折れるほど強く抱きしめた。
「さ、かえぐちく… 苦し、よ」


「篠岡、好きだ。大好き」
「…あたしも、好き、」

初めて見るその場所を見て興奮した俺は、
クリトリスを舌で転がしながら、
トロトロになっているそこを中指でかきまわす。
「あぁッ、や、、だ!あ、ン、あ~…」
「ほら、音、聞こえる?すっごい濡れてて、アツいよ…中」
ぐち、ぐちょ、と指が出入りするたびに、とろけたそこから水音がする。



「俺、ガマンできなくなってきちゃった」
「ん……栄口く、ん」
「しのー、か」



「……して」

254:サカチヨ
07/07/04 23:22:31 VO4Cvij2


「ゆっくりするから、」
「ん、は、やく…」
「うん…」
覆いかぶさり、彼女の肩に両手を回して、身体を密着させる。
痛いほど勃起したそれを、篠岡の入り口に、
グッと強く押し込めた。


「…!!ひいっ……い!た」

そこは思った以上に狭く、
進入を拒むように、きつく締め上げてくる。
まだ3分の1も入ってない。
もっともっと。�のこと好きなんだって!言わせんなよなぁ…」
耳まで真っ赤。ホントに?



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