【涼宮ハルヒ】谷川流 the 49章【学校を出よう!】at EROPARO
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 49章【学校を出よう!】 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
07/06/19 11:21:16 M/sAtsr5
  原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。


  こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……

101:名無しさん@ピンキー
07/06/19 11:44:34 ghd9ttc/
新作早く出てほしいね

102:名無しさん@ピンキー
07/06/19 11:52:21 qZxG4Xpy
いらんSS書きはVIPに追放しようとするのに藁た

103:名無しさん@ピンキー
07/06/19 12:46:09 ysJH4CvF
3回言うな。

104:名無しさん@ピンキー
07/06/19 12:46:29 fe/bAdkT
ここのまとめはカテゴライズされてないから探しにくいんだよね

105:名無しさん@ピンキー
07/06/19 12:56:02 dQcVBcKH
携帯で新着読もうとすると下までスクロールするのがすごい時間かかって堪らん

106:名無しさん@ピンキー
07/06/19 12:59:04 EWPq6j33
>>104-105
ちょっと前のスレくらい読めんのか。
……と言いたいが、まだ半分も出来てないからしょうがないか。


107:名無しさん@ピンキー
07/06/19 13:23:58 qZxG4Xpy
携帯厨が前のスレを読むわけ無いだろw
協力もしないでクレクレばかりだしなw

108:名無しさん@ピンキー
07/06/19 14:19:09 ghd9ttc/
ただ単に文句言ってるだけにしか見えないからね。
携帯向けに作られてるわけじゃないことを心得ないと。
まぁ、まとめはしょうがないとしてガイドはもっと改善されていくべきかな。

109:名無しさん@ピンキー
07/06/19 14:24:48 Kwsgh/Qu
暇があるときにちょこちょこ編集してみようかとは思うが、量が量だからな…。
>>90みたいに「~~はコレ」みたいに上げてくれるとある程度は楽になるかも?
そういうのはどこか外部板でも借りてやったほうがいいかな。wikiに掲示板あるし、そっちの方が良いかもだが。

110:名無しさん@ピンキー
07/06/19 15:51:24 BFRHiJt8
まとめも分割されて下まで行くのも楽になったしな

111:名無しさん@ピンキー
07/06/19 16:22:51 Ke31WHNi
Wikiの管理人が流行らせようと必死だなw

112:名無しさん@ピンキー
07/06/19 16:39:02 Kwsgh/Qu
見当違いどころか…。前のレスも読めんのかw

113:名無しさん@ピンキー
07/06/19 16:45:30 ZAoA6aaF
それで……九曜SSを書く猛者はおらん?
いや俺もちょいと考えてみたけどさ、そもそも本編でもちょっとしか出てないもんだから、イマイチ動かしようがないっつーか。
エロの方がまだイケそうな気がするが……うぅむ。

髪コキ、とか?

114:名無しさん@ピンキー
07/06/19 17:04:55 vzcYc14v
スレ45くらいからトンデモ昆布のSSはいくつもあるけど、エロは無いな…。

115:名無しさん@ピンキー
07/06/19 18:19:07 9woaU6je
やだなぁ、九曜のエロなら前に俺が書いたぞ?






ハイフンと罫線だけだったけどw

116:名無しさん@ピンキー
07/06/19 18:21:12 NurZg8aW
>>115
心電図の奴かwww

117:名無しさん@ピンキー
07/06/19 18:25:57 fr5VrgJo
>>115
お前かww

118:名無しさん@ピンキー
07/06/19 18:35:35 vzcYc14v
>>115
なんと!!

心電図とかモールス信号とか昆布は奥が深すぎるwww

119:名無しさん@ピンキー
07/06/19 19:54:11 RZa7T5Dz
>>109
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 1章@避難所【学校を出よう!】
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

以前の2ch閉鎖騒動の時にエロパロ保管庫の掲示板に立てたスレ。
ここを利用しては?

120:名無しさん@ピンキー
07/06/19 20:00:18 ff9mLbyT
周防九曜のSSはいずれ攻めようと思ってるんだけど・・・
まだ原作で詳しく描写されてないから今の段階じゃ書きにくい

121:名無しさん@ピンキー
07/06/19 20:18:08 ghd9ttc/
VIPのほうのSS参考にしてみれば?

122:48 -154
07/06/19 21:32:36 29NC2TdO
空気を読まずにバカエロシリーズの続きを投下。保管庫様に収蔵してもらっている48-154『笹の木○○曲シリーズ』(変態佐々木シリーズ?)のハルヒ編で、2回目の『鈴の実狂操曲』の続編にあたります。
時系列的に佐々木はまだ出てきませんが、ハルヒが相当壊れたバカエロキャラになってますし、キョンもぶち切れ気味ですので、そういったのが苦手な方はスルーヨロ。
9レス予定。

『鈴の実口唇曲』

123:48 -154
07/06/19 21:33:29 29NC2TdO
このSSは『鈴の実狂操曲』の直後にあたり、時系列的には『笹の木~~曲』シリーズより前になります。
・・・・・・・・・・・・・・・


ハルヒが泣き止むのを待って、名残惜しいながらもゆっくりと唇を離すと、俺はもう一度聞いてみることにした。
「あのさハルヒ。その、今日の朝練って、最初っからこれが目的だったりするのか?」
しかしハルヒはずっと俯いている。いや、すまん。こいつはデリカシーの無い質問だったな。
だが、よく見ると別に恥ずかしげに顔を伏せているというわけではなく、こやつの視線はじーっと一点に集中し、ランランに輝いていた。その視線の先には……役目を終えて元気を失いつつあるご子息!?
どぅあっ!!慌ててしまおうとするも、その手をがしっとハルヒに掴まれた。

「うっわ~!あんたってば、こんなグロ可愛いのをあたしの膣内に挿れたちゃったの?さいてーね。ひどいわ。これってば、ぜったい犯罪よ犯罪!極刑に値するわ!」
真夏の太陽のような笑顔で嬉しそうに糾弾するハルヒ。とりあえずいつもの調子が戻ってきてくれたのはいいんだが、痛いから手ぇ離してくれ。
「あれ!?なんか血が出てない!?大丈夫?あたしどっか怪我させちゃった?」
半勃ちのご子息から糸を引くピンクがかった精液の残渣に気付くと、ハルヒは急に顔色を変えてオロオロしだした。いや、怪我させちゃったのは俺のほうだから。その、こいつはだな……
「へ!?あっ、そっか!べ、別に知ってたわよ。ちょっとあんたを引っ掛けてみただけなんだから!」

アヒル口でむーっと睨みつけたハルヒは、誤魔化すように俺の足元にしゃがみこむと、ご子息から10cmほどの距離に顔を近づけ、まじまじと観察を始めた。
あの勝手にズボン下ろさないでもらえますか?何というかその、めっちゃ恥ずかしいんですが。
「ふーん、こんな風になってるんだー。それにしても、すっごい匂い。なんか脳みそ鷲づかみって感じ!」
いや意味分からないから。それに猫じゃないんだから、棒の先をくんくん嗅ぐのやめなさい。
あまりにも興味津々なハルヒの様子に呆れつつ、欲しかったおもちゃをようやく買ってもらえた子供のような嬉しげなハルヒの顔と、
先程の残渣でテラテラ光る愚息の非現実的なコントラストを見ていたら……股間が再び微速前進をはじめた。
待て!もうちょっと節操ってもんを持て、ムスコよ!

「あはっ!また、おっきくなってきたじゃない!それにこんなにビクビク跳ねてる!あんたってば、処女のあたしをレイプしちゃった上に、その肉棒を口で綺麗にさせようとか考えてたりするんでしょ?」
チョンチョンと軽くムスコを突っついて、いたずらっ子の笑顔を浮かべていたハルヒは、潤んだ目でトンデモ質問をぶつけてきた。いや、俺はそこまで外道じゃないから。
「ほらほら、先っぽが濡れてきたわよ!口ではそんなこと言っても、こっちはあたしの上の口にも入りたいって言ってるんじゃないの!?」
おい、エロマンガ的展開では、その台詞は男女が逆じゃねーか?
「ま、レイプの被害者が、脅迫されて仕方なくしゃぶらされるってのは、よくあることだわね」
うんうんと訳のわからない理屈で肯きながら、チラチラと視線をこちらに向けるハルヒ。あのな、コンピ研あたりからエロゲでも巻き上げたんだろうが、どこからそんなアホ知識仕入れてきたんだ?
「SOS団の団長たる至高の存在が平団員に犯されちゃったなんてのは、大スキャンダルよね。ま、まぁなるべくなら隠しておきたいところだわ。その……脅迫される側って、基本的にひたすら言いなりになるしかないのよね?」
俺の股間にひざまづきながら、熱い吐息が感じられるほど愚息に顔を近づけ、真っ赤な顔で不敵な微笑を浮かべるハルヒ。
あくまで俺を犯罪者に仕立てあげたいようだが……実はお前がしゃぶってみたいだけなんじゃなかろうな?
「べ、別にあたしがあんたのチンポなんてシャブりたいわけないじゃない!喉の奥にキョンのを挿れてもらったら、オエってなっちゃわないでしゃぶり続けられるのかなとか、
キョンのって濃そうだからちゃんと飲み込めるのかなとか、もし少しでもこぼしちゃったら床を舐めて掃除させられるんだろうなとか、ぜったい思ってないんだからね!」
おーい、お前の中の俺はどこまで極悪非道なんだ?
だが、明らかに無理やりな怒気を発してハルヒがぷいっと横を向むいた瞬間、近づきすぎていた頬に愚息がぷにっと突き刺さってしまった。

124:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:34:32 ATQioR4D
>>121
>参考
これか
URLリンク(www25.atwiki.jp)

125:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:34:34 29NC2TdO
「ひゃ!?」
ハルヒが驚いて飛びのく。あ、すまん、これは事故であってだな。
「口じゃなくて、あんたってばまずは顔をレイプしたかったの?やっぱ外道よ、外道!」
一度顔に先走り液が付いてしまったら抵抗感がなくなったのか、満面の笑みを浮かべたハルヒは、興味津々の瞳で再び近づいてきて、そろそろ十分な硬度を保った愚息にそっと手を伸ばし、白魚のような細い指を絡めてきた。
「うっわ~、すっごいネバネバ。あたしって胎内にこんなの出されっちゃったんだ~」
そういいながら、指先に付いた先走り液でにちゃにちゃと遊んでいたハルヒは、思い切ったようにそれをぺろりと舐めた。
その瞬間、雷にでも撃たれたようにビクッと全身を痙攣させ、ギュッと目を閉じて何かに耐えるようにプルプル震えるハルヒ。おい大丈夫か?
だが、再び開けられたハルヒの瞳は、どろどろの何かで濁っていた。そして呼吸は荒くなり、もはや何も言わずにただ俺の目を上目遣いにじぃーっと見つめてくる。

えーと、この状況はどうすればいいんだ?俺は今、部室で長机に浅く腰をかけながら、むき出しの股間にひざまづいた団長様を見下ろしている。
何かを期待して潤んだ瞳で俺を見上げるハルヒ。それはいつもの団長ではなく、明らかに命令を待つ従順な犬の目であり、同時に、俺の理性を蝕みドス黒い何かを呼び起こす堕天使の目だった。


その妖しい目に促されるように無言で腰を突き出し、どくどくと噴出するカウパーをハルヒの頬に塗りつける。ふにっと柔らかく、つるんとした絶妙の感触。
ハルヒはちょっとくすぐったそうに首をすくめながら舌を突き出し、糸を引いてこぼれる先走り液を必死に口に含もうとする。
それをわざと無視して、口を避けるように愚息を動かし、鼻筋から頬にニチャニチャした液体を塗りつけていくと、ハルヒの大きな瞳に大粒の涙が溜まり始めた。
「このバカキョン!意地悪してないで、さっさと口を使えばいいでしょっ!」

確かにそれは魅力的な提案だが、ここでこいつの言いなりになるのは癪だな。幸い一発出してるお陰で暴走することもなさそうだし、ここはひとつ、こいつからお願いするまでトコトン焦らしてやろう。
「だめだ。シャブりたいんなら自分から顔を寄せてしゃぶれ、ハルヒ」

う~~~とアヒル口で睨みながらも逡巡するハルヒ。団長としてのプライドと、肉棒に隷属したい本能がこいつの中で激論を交わしているに違いない。じゃあ、従順なハルヒに援軍をあげましょう。
ということで、俺はハルヒの鼻先10cmで息子をしごいてみることにした。

「え!?ちょっと!あ、あんたってば、口が使えるのに顔にぶっカケるだけで満足する気?この変態!変態!!変態~~~!!」
不機嫌なアヒル口で喚く団長様を無視して、その顔先10cmでシコる興奮。これはこれでけっこう悪くないな。
ニヤニヤ笑いながら無言で俺が作業を続けると、その興奮が伝染するように、ハルヒの真っ赤な顔がさらに朱に染まり、その目は熱く潤んでいった。
「あ、あたしってば、ぶっカケられるだけなの?口すら使ってもらえないの?」
ドロドロに濁った目で、胸と股間に手を伸ばし、必死にさするハルヒ。端から見たらオナニー合戦をしている変態カップルなんだろうな。
「うあすっごぃ。透明なのが垂れてきてるわ!」
嬉しいそうなハルヒの報告どおり、信じられないくらいにドクドクと溢れる先走りは、ついに糸を引いて床にポタポタと垂れ出した。
「勿体な……こ、このばかきょん、これは床を汚さないためなんだからね。勘違いするんじゃないわよ」
そう言いながら、ハルヒは長い舌を竿の下に突き出して、その粘り気の強い雫を受け止めはじめた。

「あぁんふあぁ、これがキョンの味?すごいわ。想像以上!」
一滴ごとにビクビクと痙攣しながら、完全に理性の壊れた目で見上げるハルヒ。
興奮で上気した頬の団長様は、両手で想像以上にボリュームのある胸を激しくまさぐりながら、より暖かいカウパーを求めてだんだんと顔を近づけてきた。

126:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:35:31 29NC2TdO
「しゃぶりたいなら、きちんとお願いしてからにしろよ、ハルヒ」
興奮が暴走した雌犬に冷や水となる言葉を浴びせかけると、ハルヒには半分だけ理性が戻り、団長の目でキッと睨みつけてきた。
だが、その口はおねだりするように大きく開けられている。よーし、じゃあお望みどおり、その強気な顔を汚してやる。
鬼畜な構想に興奮した俺は、こするスピードを一気に速め、睨みつけるハルヒを見下しながら、その大きく開けられた真っ赤な口を目指して砲門を解放した。
とたんに弾けるどろどろの濁流。その第1射は予定通りハルヒの舌を叩き、続けて、驚いて口と目を閉じたハルヒの眉間から頬にかけて、信じられないくらいの量の白濁をタパタパと浴びせかけていた。

すっと通った綺麗な鼻筋の分水嶺をねっとりと糸を引いて流れおちるスペルマ。
しかし、白濁汁でベトベトに汚されたはずのハルヒの顔は、息を呑むほど美しかった。
ギュッと目を閉じる団長の顔に絡みつく物体の淫靡さが、逆にハルヒの持つ一生懸命さと健康美を引き立て、
真っ赤に上気した頬を濃淡のあるテラテラのピンク色に輝かせることで、ハルヒの透明感溢れる魅力を限界にまで引き出している。

こいつをもっと俺色で染め上げたい。

そのオスとしての根源的な欲求に突き動かされた俺は、ハルヒの顔にマーキングでも施すかのように、精巣が空っぽになるまで大量の顔面シャワーを喰らわせていた。
脳が痛くなるくらいの長い噴出が終わると、所々ゲル状になった半透明の白い物質を顔一面に張り付かせたハルヒは、うっとりとした微笑を浮かべながら、口に溜まったその生臭い液体をこくんと飲み下した。
そして、目元をぬぐって恐る恐る片目を開けると、その手についたヌルヌルの匂いを深呼吸で肺の奥まで満たし、冷ましたミルクを舐める子猫のように嬉しそうにペロペロと味わい始めた。
「んぁこれがキョンの……。熱くてドロドロで美味しくて、それにすっごい香り。あたしってば、いま口も使ってもらえずに顔を汚されちゃったのよね?こ、これってすっごい惨めじゃない!?」
その台詞とは裏腹に、あげられたハルヒの顔には、これまででも最大級の晴れハレな笑顔が浮かんでいる。いつもの面白いことを見つけたときの極上の笑顔。だが、そこにべっとりとしたたる自分の体液。
顔に射精されたんだぞ!なのになんでこいつはこんなに嬉しそうな笑顔なんだ!?


ハルヒの気の強い顔にぶっカケ、あの晴れハレの笑顔を自分の白濁汁でドロドロに汚す。
いま目の前に広がる現実は、3桁を数え罪悪感で脳に焼きついたはず定番の妄想がどんなものであったかを思い出せなくなるほど、生々しく鮮烈な光景だった。
凄絶なほどに淫靡で、同時に、胸を衝かれるほどに美しい。妖艶でありながら清楚。いまのお前ほど世界の不思議を端的に表す存在はないぞ!!

もっとカケたい。こいつを汚したい。外も中も俺の色でベトベトにしたい。

高校入学以来の非現実的な現実すらガラガラと崩れ落ちていきそうな光景に、歪な興奮を覚えた俺は、たったいま出したばかりとは思えないほどギンギンに滾った息子を再びハルヒに突きつけた。
「ほらっ、ハルヒ、しゃぶっていいぞ」
その高圧的な命令に、くりくりとた犬の目で従うハルヒは、もはや一切の抵抗はせず、むしろ嬉々としてイチモツにむしゃぶりついてきた。
だが、パクリと咥えてはみたものの、どうしていいか分からないらしく、ハルヒは困った顔で上目遣いに指示を請うてきた。
妄想上の従順なこいつをオカズにしたことは一再ならずあるが、さすがに思い通りにフェラをさせるシチュエーションまでは思いつきもしなかった。


127:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:36:31 29NC2TdO
まだ精液がベタベタにこびり付いた、強気なはずのハルヒの顔にイチモツをぶっ込み、命令どおりにしゃぶらせる……あまりにもありえないはずの光景が現実のものになると、人間は意外に冷静になるようだ。
猛り狂う息子とは対照的に、気持ち悪いくらい冷静な頭で、俺はハルヒにいったん口を離すように命じ、まずは裏筋舐めから覚えさせることにした。
新しい遊びを見つけたときのキラキラな瞳で嬉々として命令に従い、舌を伸ばしてソフトクリームでも舐めるように、愚息を美味しそうに舐め上げるハルヒ。

「よーし、じゃあつぎは軽く咥えて舌で先っぽを刺激しろ」
褒めるように頭を撫でると、媚びと嬉色を浮かべた目で、ハルヒはいそいそと命令に従い、唇で亀頭を抑えながら、長い舌を絡めてきた。こいつに尻尾があったら全力で振ってそうだな。
「ぃて。歯は気をつけてくれ。ちょっとならいいけど、けっこう痛いんだ」
おいおい、そんなにオロオロしなくても大丈夫だから。そのあまりにも不安げな瞳のハルヒの頬を撫でて落ち着かせ、さらに次の指示を下す。なんかもう、ほんとに犬を調教している気分だ。
「そうそう。上手いぞ。今度は少し奥まで咥えて、舌の真ん中あたりで舐めてみてくれ。うん。よーし、そのまま思いっきり吸え」
指示通りに少し深めに咥え、ハルヒはシェイクを吸い込む要領でちゅごごっと吸い上げてきた。わったっ、ちょ、待て!いきなり気持ちよすぎだ!
俺の慌てた様子に困惑顔でいったん動作を止めたハルヒは、またしても不安そうな目をしている。
誤解を解くために軽く頭を軽く撫でると、ハルヒは俺の反応が快感ゆえのものであると理解したらしく、パッと明るい光を瞳に浮かべて、再びすさまじいバキューム攻撃を加えてきた。
柔らかな頬が極端にきゅっと凹み、その分、頬の内側が竿にねっとり絡みつく。
強引なバキュームと優しい頬の感触で、不覚にも秒殺されそうになってしまった俺が慌ててハルヒの頭を軽くタップすると、ハルヒが満面の笑みで口を離した。

「へへ~ん、キョンの弱点一個見っけ!でも、吸うとそんなに気持ちいいもんなの?」
ああ、最高だ。他の誰かと比べたわけじゃないが、お前はルックスだけじゃなく、口の中まで完璧みたいだぞ。
つい出てしまった俺の素直な賞賛の意味を一瞬考えていたハルヒは、茹でダコのように真っ赤になると、バカッと小さく叫んでぱくりと息子を咥え、再び容赦ないバキュームを加えてきた。
こら、まずいって。そんなにされたら出ちまうって!!!
俺の慌てっぷりをいたずらっ子の瞳で確認していたハルヒは、亀頭が膨らみ始めるほど射精直前にようやくバキュームを止め、従順な犬の目に戻って次の指示を乞ってきた。

「じゃあ次は上顎の裏側でカリ首を絡めるみたいに刺激してくれ。そこは一番気持ちい所だか ら、たっ、どぅわっ、ちょっ、たんま!これやばいわ!」
余裕をなくした俺が何とか息子を静めるために黙り込むのと裏腹に、コツをつかみ始めたハルヒは、こんなことにも独特のセンスの良さを発揮し、新しい技の開発を楽しみだした。
リズミカルに動かされる頭で舌を裏筋に這わせていたと思ったら、唇の裏側の最も柔らかい部分でカリ首をねっとりと刺激する。
そして、愚息がその刺激に慣れてきたと思ったら、即座に深く咥え込み、バキュームしながら、左右に頭を振って頬内で交互に棒を締め上げる。
さらには俺の限界を察知すると、さっと口を離して甘い吐息で猛りを鎮めにかかる。こんなことにも才能を持ってるなんて、まったくもって、オールマイティーなやつだよ、前は。
ご褒美に頭を撫でられるのが嬉しいらしく、ゴロゴロと喉を鳴らす猫のように愚息にじゃれ付くハルヒの顔はとても楽しげだった。
例えるならそれは、大きなアイスクリームをボックス丸ごと食べていいと言われて、まだ硬い表面に必死にガジガジスプーンを突きたてようとする子供のようだった。
まあ実際には、咥えてるのはスプーンじゃなく俺の愚息であり、口の周りをベタベタにしてるのは、唾液とさっきぶっカケた精液なんだけどな。


128:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:37:24 29NC2TdO
ふむ。こんなに嬉しそうなら、こいつの妄想にも付き合ってあげることにしますか。
「どうだハルヒ?はしたなく平団員のチンポしゃぶりついて、自分の汁で汚しちゃった棒を舐めてきれいにする感想は?」
その残酷な言葉にビクッと震え、ハルヒがギュッと目を閉じる。あれ?さすがに傷つけちゃったか!?
だが、よく見ると、愚息をしゃぶりながらも、何かに耐えるように股間と左胸を押さながら、プルプル震えている。
おいおい、もしかしてこいつ……チンポをしゃぶりながら、こんなこと言われてイったんじゃないだろうな?
まさかとは思うが……ちょっとからかってみるか。
「やれやれ。そんなにチンポが美味しいのか?触られてもいないのに言葉だけでイくなんて、とんだ淫乱だなハルヒ」
息苦しそうにいったん口を離し、俯いたままで慌ててブンブンと首を振るハルヒ。だが、そのうなじは信じられないくらい真っ赤に染まっている。
「そっか、間違いならいいんだ。まさか団長様ともあろうものが、平団員のチンポを命令通りにしゃぶらされて喜ぶはず無いもんな。
だけど一応確認だ。もし今後も俺に命令されたいんなら亀頭にキスしろ!」
慌てたように亀頭にチュッとキスをする団長。まったく。素直なんだか素直じゃないんだかわかんないやつだね、こいつは。
その慌てっぷりを微笑ましく眺めていたら、ハルヒは心配そうにおずおずと聞いてきた。
「キョ、キョン、その、亀頭ってここでいいのよね?」
「ああ正解だ。だが、そこを舐めたってことは、団長様は俺に命令されたい変態ってことだぞ」
とたんにハルヒは泣きそうな顔で眉を寄せる。
「へ、変態?あたし変態なの?でも、だって、きょ、きょんが……その、」
俺のスペルマをドロドロと張り付かせながら、涎まみれの困惑顔でベソを掻くハルヒ。
その儚くも妖しい美しさに急激に募る愛しさと、それと反比例するような残虐な欲望に支配された俺は、有無を言わさずその小さな口にマラをぶち込んだ。

「んぐっボハァ、ぁ、グフ!んん~!」
小さな後頭部を押さえつけ、機械的に腰を振ると、ギュッと閉じられたハルヒの目尻からはボロボロと大粒の涙がこぼれ、息継ぎをさせるために一旦抜くたびに、ケホケホと苦しそうに喘ぐ。
そんな弱々しいハルヒに、さらにサディスティックな興奮をそそられた俺は、もっと深く喉穴を使うために、遠慮なく激しいピストンを喰らわせた。
もはやなすがままになり、人形のようにぐたっと力を抜いて喉奥を俺に貸し出すハルヒ。
だが、とめどなく涙を溢れさせながらも、じっと上目遣いで俺を見つめる瞳には、赤ん坊を覗き込む母親のような優しい光が灯っている。
そのあまりの美しさに驚いた俺は、イチモツを最深部に突き入れたまま、思わず脳の快楽栓を引っこ抜いてしまった。
とたんにあふれ出し、喉に直接ダバダバと注ぎ込まれる白濁。その多量の異物をハルヒは眉根をきゅっと寄せながらも、全て飲み下していった。


129:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:38:59 29NC2TdO
その一部始終を呆然と脳裏に焼き付けていた俺のご子息がゆっくりとしぼんでハルヒの口から離れると、ハルヒはふらっと倒れこみそうになった。大慌てで支え、声をかける。
「すまん、調子に乗りすぎた。大丈夫かハルヒ!?」
覗きこんでみると、ハルヒの顔には、お菓子を満腹なるまで食べたコドモのような微笑を浮かんでいる。が、その息は荒く、目の焦点もあっていない。やばいな、助けを呼んだほうがいいんだろうか?
「あ、あんたが、わるいんだからね。だから、もうちょっとだけ……ぎゅってしてて」
命令する声にも力が無い。だが、その口調は穏やかで、すがりつくような無垢なまなざしが俺を見上げていた。
「あたまを撫でてもいいわよ?」
はいはい。とりあえず、大丈夫そうなハルヒの様子にほっとした俺は、その華奢な体を力いっぱい抱きしめながら、小さな頭をゆっくりと撫で続けた。


数分して元気を回復したハルヒは、ばつが悪そうにえへへっと微笑むと、思い出したようにビシッと指を突きつけてきた。
「このエロキョン!バカキョン!変態キョン!フェラで女を気絶するまでイかせるなんて、あんたってばこんな高等テクニックをどこで覚えてきたのよ!?」
覚えるも何も、フェラしてもらうなんて初めてだぞ。それにさっきのお前は、酸欠で気絶したんじゃないのか?
「違うわよ!キョンのが喉に入ってきたとたん、気持ちよくて、脳が緩んじゃったんだからっ!顔を精液で愛撫しておいて、喉に突っ込んでイかせるなんて。まったく油断も隙もあったもんじゃないわ!」
そういえば、ハルヒの顔にドロドロに付いた自分の汚汁は……げっ!俺のワイシャツ!?
「へへーんだ、ドジキョンってば、やっぱしょうがないんだから!ほらっこんなこともあろうかと、換えのシャツとトランクス持ってきてあげたから、ちゃっちゃと着替えなさい」
おお、さすがはハルヒ。相変わらず準備いいな。ってやっぱり今日の朝練はこれが目的だったんじゃないか?
「なに言ってんのよ、このバカキョン!パンツを思いついたのは今日だけど、このシャツは前から用意してたの!ずっと荷物になってたんだからね。心して使いなさいっ!」
へえへえ。もちろんありがたく使わしてもらいますよ。ということで、とりあえず着替えると……
あの~ハルヒさん?精液で汚れちゃったシャツとトランクスをたたんでくれるのはありがたいんですが、
すぐ近くにあるウェットティッシュを無視して、顔に残ってた残渣も丁寧にシャツに吸わせた上に、新しいシャツが入っていた袋に入れて厳重にセロテープで封をするのはなぜですか?
「だって部室には大きいサイズのジップロックが無いんだもん。しょうがないから応急措置よ。あたしともあろう者がぬかったわ。買出しリストに加えておかなくちゃ」
むうーとアヒル口で腕組みしたあと、鞄にその袋を大事そうにしまうハルヒ。そんな着古した上に汚れたシャツと、この新品じゃ交換は成り立たんし、第一、答えになってないんだが……。

130:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:39:40 29NC2TdO
「ま、どうでもいいことは気にするんじゃないわよ。それにいま出したばっかりなのに、また勃ってきたじゃない!!
レイプされちゃった上に、口と顔まで犯されちゃったあたしは、これからずっとキョンの言いなりなのよね?
どうせあんたってば、これからは勃ったら、いつでもどこでもあたしの穴を使うつもりなんでしょ?」
いつもどおりの無茶苦茶なハルヒ節。ようやくこいつも本調子に戻ってきたようだな。
「いや、いつでもどこでもってこたーないが、しゃぶりたいって言うなら、その変態な口を使ってやらんでもないぞ?」
と、安心した俺がつい調子に乗って軽く答えてみたら、自分の体をギュッと抱きしめてブルッと震えたハルヒは、いつかのように人差し指をくるくる廻しながら、部室を歩き回ってトンデモトークをはじめた。
「あーあ、やっぱりあたしってば、穴を使われるだけのキョンの精液処理係に堕とされちゃうのよね。
普段、団長として振舞わなきゃいけないあたしは、キョンに命令せざるを得ないけど、あんたはそれをメモっておいて、あとで体に復讐する気なんでしょ。
そうに決まってるわ!きっと団活が終わったあと、みんなを先に帰らせて、部室棟の裏に引っ張っていくんでしょ。
で、そこであんたは、誰が見てるかも分からない屋外で、あたしの体をねちっこく撫で回した上に、命令×3回お尻にスパンキングをするつもりなのよね?
それで、誰かに見つからないように必死に声を噛み殺して涙を流すあたしの様子をニヤニヤと眺めたあんたは、
いやがって口を閉じるあたしの鼻を摘んで口を開かせ、立小便でもするかのようにごく自然に、イラマチオで命令した回数分きっかり精液を飲ませる気なんでしょ?」
ムムっと下唇をかみながら、熱に浮かれたような瞳で睨むハルヒ。何じゃそりゃ?だいたい俺が一日に何回お前に命令されるとおもってんだ?それから逆算してみろ、絶対無茶だって分かるから。

「その表情から察するに、あたしが飲みきれなかった分は翌日に回す気ね。
分かってるわよ。朝一でブラのカップからこぼれるくらいに射精して、それを着けざるえないあたしが一日中胸元からキョンのスペルマ臭をプンプンさせて困る様子を楽しむなのね。まったくとんでもない団員を持ったもんだわ。
それにブラ射ってことは、パイズリも仕込む気ね?ふふん、みくるちゃんには負けるけど、あたしだってDはあるんだからね。受けて立ってやろうじゃないの!ま、やり方とかは教えてもらう必要があるけど」
腕組みの上におっぱいを乗せてふんぞり返り、プルンと揺すってみせるハルヒ。まぁ確かにこいつのスタイルの良さは桁外れだからな。てか、ブラ射なんて言葉初めて聞いたぞ?自作か?
「まったく、分かったわよ。そんなにギラギラして目で見なくても大丈夫。はいはい、じゃあ今日から中休みはパイズリタイムね。
20分じゃ部室に戻ってる時間はないから……仕方ないわね、屋上近くの階段の踊り場しかないか。鬼畜なあんたは、あそこで石膏像にかこまれながら、あたしを裸にひん剥いてのおっぱいをジロジロ楽しむつもりなんでしょ。
でもダメよキョン。例え無生物でもあたしの乳首を見ていい男はあんただけなの!だから裾から突っ込んだあんたのモノを挟んであげる。
安心しなさい、もちろん先っぽは、緩めた襟から出して吸ってあげるわ。どう?北高セーラーに直接突っ込むパイズリなら、制服フェチのあんたも文句ないでしょ?」
いや、俺はそんなに制服属性ないから。てか、それをやってみたいのはお前の方だろ。ってハルヒさーん?おーい!聞いてますか~?


131:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:40:41 29NC2TdO
「あ、それに、団長権限で平団員にパシリなんかさせちゃった日には、その週は膣内発射週間になっちゃうに違いないわね。
あたしがどんなに抵抗しようとも、冷酷な薄笑いを浮かべたキョンは、あたしを押さえつけて、子宮がいっぱいになって、溢れちゃうほど子種を仕込むの。
ま、ピル飲んでるから生でも大丈夫っちゃー大丈夫なんだけど、やっぱり0.03mmでも隔てているものがあるとないとでは大違いよね。
たとえ犯されちゃってもゴム付なら、あれはただのスキンシップだったって自分を慰めることが出来るけど、いくらピルで自己防衛しようにも、膣内発射はあたしを孕ませることを目的とした、れっきとした生殖行為だもんね。
雌としての屈辱感と恐怖感と気持ちよさが段違いだわ。さっきなんかものすごく痛かったのに、膣内に出されちゃった瞬間に、頭の中になんか花火みたいのがパッと咲いたもんね。
バカキョンのことだから、ちょっとでも無茶な命令をしたら、毎日隅田川の花火大会並みにあたしの一番深いところをタプンタプンの洪水にするに決まってるわ!」
いや、子宮をタプタプって物理的に無理ありすぎだろ。

「その上、妊娠の恐怖に怯えるあたしが必死に精液を掻き出そうにも、あんたはその手をねじり挙げて、一滴も漏らせないような極太なリモコンバイブで栓をするの。
ふふん、そうよね、エロキョンのことだから、せっかく付けた栓をあたしが勝手に外したりしないよいうに、リモコンを事あるごとにオンにして、確認するつもりでしょ?
イスに座ってたら、振動が伝わっちゃってけっこう大きい音するもんね。変な座り方をしたあたしが青い顔してたら、阪中さんが心配して近づいてきてくれるに違いないわ。
あの子とっても優しいもの。でも鬼畜なあんたは、その瞬間を狙ってまたオンにする気ね?ブーンて言う低い音がしちゃってさ。快感に耐えながら、あたしは誤魔化すために携帯を探すフリをしなきゃいけないの。
もちろん授業中に問題をあてられたら、答えてる間中ずっとオンにして、あたしが脂汗流しながら我慢するのをニヤニヤ笑って見てるつもりでしょ。
それどころか、数学で当てられたりしたら、黒板の上の方に書くために背伸びしようにも、バイブが見えちゃわないか気になってしょうがないじゃない!
何とか解答を書くんだけど、気もそぞろなあたしは一番最後になっちゃうでしょうね。
で、体よく答えの解説もさせられるあたしが、他の子の問題に目を向けて油断した瞬間にオンする気ね!分かってるわよ?あたしが授業中に、くの字になって悶えるところを蔑みの視線で淡々と観察したいんでしょ。
あんたってばほんとに鬼畜ね。この変態!色魔!!強姦魔!!
ってことで、ちょっと小腹空いたからパン買って来なさい!途中のコンビニのやつじゃなくて、駅前ベーカリーで焼きたてのチョココロネよ!大至急!5分以内!!
遅れたら購買でコッペパンの歌うたいながら、メロンパンをカリカリもふもふの刑なんだから!」
瞳に妖しい色を浮かべながら鼻先5cmにびしっと指を突きつけるハルヒ。てか、言ってることが無茶苦茶な上に、仮定と結論が支離滅裂だぞ。

132:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:41:30 29NC2TdO
「何よその呆れたような目は。あ、そうよね。正体を現したエロキョンなら今までのことも許すわけ無いわよね。
あたしってば、今までキョンのこと何度もシャーペンで後ろから突っついちゃったじゃない?だから、仕返しにその回数分だけあたしの後ろの穴を突っつくつもりなんでしょ?
寝てるバカキョンが少しでも授業に遅れないようにって、団長としての親心でやってただけなのに、逆恨みしているキョンは全部記録をとってるわよね。
一回の授業ごとに最低3回は突っついてるから……1日6、7コマを面倒だから6.5コマとして、週5日で一年50週計算で3をかけて……4875回!!
参ったわ。あたしの括約筋ってばズタズタにされちゃうんじゃないの?あ、でも今日はダメだからね。
後ろはエネマってやつを最低でも数日使ってからじゃないとダメみたいなの。だから、残念ながらこれは来週からね。あんただってせっかくなら団長の裏処女も生で犯したいでしょ?」
いや、人としてそれはないから。てか、なんなんだ裏処女って!?
「ふーん、あんたはまだそっちに獣欲を振り分けてないの?ま、いいわ。明日になったら、あんたはスカート越しにあたしのお尻を舐めまわすように視姦して、肛門の襞の数を妄想するに違いないんだから!」
妙に確信を持った表情でピシッと人差し指を突きつけるハルヒ。いや、そんな趣味はないから安心しろ。

「どうかしらね?でも、今日からでも、後ろの貞操をガードする必要があるわよね。まぁ仕方がないから、キョンが勃ったらすぐに口か下の穴で鎮めてあげるわ。
勘違いするんじゃないわよ!?これってば、仕方なくなんだからね!!乙女としての最低限のプライドを守るためだもんね。これってば最低限の妥協よ!妥協!!
でも、淫獣なキョンのことだから……授業の間の5分休みでも、襲ってくるわよね?
下はまだちょっと痛いし……しょうがないわね、休み時間は口で抜いてあげるわ。勘違いすんじゃないわよ。これはエロキョンにアナルを襲われないための涙ぐましい努力なの!」
いや、別に襲わないから。っておーーーい!!!俺の声聞こえますかーー、ハルヒさーーーん!?

「でも5分かぁ。一番近くい人気のないトイレに移動するまで1分は掛かるでしょ。てことは往復で2分だから……実質3分しかないじゃない!
ダメよ、それじゃぜんぜんダメ!ゆっくりキョンを味わえないじゃない!もー!何とかならないの!?
あ、でも3分で出すなら、さっきみたいに強引に口を犯すしかないわよね?それはそれで悪くないわ……いやいや待ちなさい涼宮ハルヒ!さっきみたいにされたらあたしは確実にイくわ。しかも完全に気絶コース。
そうすると幸せに浸る時間が最低でも5分は欲しいから……あーもうだめじゃないの!!それだけでタイムオーバーじゃお話にならないわ!!」
ガジガジと頭をかきむしりながら悩むハルヒ。てか、5分休みにトイレでフェラってありえないから。お前学校を何だと思ってるんだ?真面目ぶるつもりはないが、バレたら良くて停学だぞ。

「ふん。停学なんかよりも肛門の貞操の危機の方がよっぽど大問題よ。困ったわねー。なんとか休み時間ごとに、キョンを味わう方法がないもんかな?ほらっ、あんたもボケッとしてないで考えなさい」
くるっと振り向いたハルヒの目は完全に据わっている。やばい。どうやらジョークじゃなさそうだ。とりあえず落ち着け!まずは俺がお前の尻を狙う可能性を排除することからはじめようぜ?
「却下。そんなのありえないもの。うーん、どうしよう。あ、そういえば、今日の日直って谷口だったわね。代わってやるっていえば、喜んでほいっほいっ譲るに違いないわ。
それで授業の終礼を5分くらい早めちゃえばいいのよ!幸い今日は時間にうるさい授業ないし。うん、これはグッドアイディアね。よし、決まり!これでいきましょう!」
振り返ったハルヒは、ニパッと心から嬉しそうな笑顔を浮かべた。思わず見蕩れてしまいそうになるが……えーと、不正は良くないぞ。


133:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:43:31 29NC2TdO
「ふふん、そんなこと言いながら、ギンギンにおっ勃たせちゃってるくせに。あんただってあたしの口を精液トイレにしたいんでしょ。
そうと決まれば、早速あんたを10分以内に抜けるようにさっきの復習しなくちゃ!そうしないとまた喉を犯されて、天国行きになっちゃうもんね。
分かってるわよ。きちんと自分からおねだりしてから咥えろってんでしょ?
ま、しょうがないわね。団長たるものが、部下に上下の口と顔を犯されたなんて噂が広まったりしたら、面目丸つぶれだもんね」

ブツブツとありえないことを呟いていたハルヒは、すっと俺の足元に正座をすると、三つ指をついて、ピッと一本筋の通ったきれいな一礼をしてきた。
「どうか、あたしをキョンの玩具にしてください。好きなときに好きなだけ穴を使って、気持ちよくなってください」
あのハルヒが土下座!?おい!どうしちまったんだ?ま、まさかこの瞬間に世界がぶっ壊れたんじゃないだろうな?
いきなり尻を掲げてきたときよりも大きな衝撃でフリーズした俺が、何も答えられずに口をパクパクさせていると、再び上げられたハルヒの顔には、静かで力強い微笑が浮かんでいた。
今までのハルヒからは想像もできないような、大人びた落ち着きのある微笑。
それは凛とした揺ぎ無い決意の表明であり、同時に、何か重大な覚悟を極めたものに特有の澄み切った笑顔だった。
「えへへっ、言っちゃったわ。これであたしの全てがキョンのものになっちゃったのよね?
覚悟しときなさいよ!学校で勃ったらすぐにあたしの穴を使うこと!これは団長命令!逆らったら死刑なんだから!!」
一転、盛大に咲き誇るヒマワリ畑のようないつもの晴れハレの笑顔で、ビシッと人差し指を突き立てるハルヒ。
その嬉しそうな笑顔に呆然と見蕩れながら、俺は、やっぱりこいつは太陽が似合うなあ、と、シミジミと妙なことを考えていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一応おわる

134:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:53:46 NurZg8aW
いいぶっ壊れっぷりだ。
そのうちキョンは枯れてしまいそうだw

135:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:05:17 u/anHhNQ
このシリーズ好きだ
ただ佐々木のときと違って何かエロくないんだよな
やっぱハルヒが子供っぽいからかな

136:作業員
07/06/19 22:09:11 HQVe4IO+
待ってたw
佐々木の続きを激しく期待。

上でも散々希望したが、ぜひ遠隔調教をたの(ry

137:87
07/06/19 22:23:04 xQP7H9xF
紹介THX
そっか…あれ以上無いのかorz
てか会長喜緑少ないな~…足りないな~…
>>91>>92 はまさしく会長喜緑にはまったきっかけ。
出会わなければよかったのに。そしたら毎晩夜更かししてSSあさりにせいをだして寝不足になんてならなかったのに…orz

138:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:35:16 Kwsgh/Qu
ハルヒの口腔と同じ書き手だったりする?どこか重複してる表現がある気が…・

139:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:41:54 KZvbBXDd
才能があると思った
明らかに無駄遣いしてる気がするけど

140:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:52:26 SlustMbG
>>137
無いなら自分で書けばいいじゃない

141:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:54:43 fr5VrgJo
一日に何発やれるんだキョン!
今のところ二人だからな。

142:48 -154です
07/06/19 23:00:27 29NC2TdO
>>138 当たりです
スマンm(_ _)m なるべく表現は変えるようにしてるつもりなんだけど、やっぱり重複があったか;;
ちなみにエロは、36-295涼宮ハルヒの唇/口腔、47-512涼宮ハルヒの類人猿に続いて3つめなんで、そこら辺と被るのは平にご容赦を。
エロの語彙力って難しいよね orz

143:名無しさん@ピンキー
07/06/19 23:03:55 fr5VrgJo
>>142
俺は貴方の作品好きですけど。
(;´Д`)ハァハァ

144:名無しさん@ピンキー
07/06/19 23:09:47 Kwsgh/Qu
>>142
当たりかw
いやさ、唇好きでさ。そのことをスレで言ったら口腔が来ただろ。おかげでよく覚えてたんよw

145:名無しさん@ピンキー
07/06/19 23:19:32 ghd9ttc/
>>137
続きはまだないって宣言してなくてスマソ(´;ω;`)

俺的にインターフェースはコント風味が好きなんだけど―やっぱ名作はしびれるよな

146:名無しさん@ピンキー
07/06/19 23:49:47 ghd9ttc/
>>142
てゆーかギンギンになりました。この度は誠に――

147:名無しさん@ピンキー
07/06/20 00:12:59 GB84Be7N
>>137
きみは37-707を読むといいにょろ~

148:名無しさん@ピンキー
07/06/20 00:46:18 nXGHWnnT
>>142
いつも乙

その作品も後で読んでみるとする、毎度毎度思うが大した人だよあなたはw

149:名無しさん@ピンキー
07/06/20 02:17:28 Ti9dJ3hm
そういえばこないだ、アスタの人が今書いてるって言ってたけど、まだなのかな。
ものごっついwktkして待っとります。いや、焦らせるつもりじゃないんだけど……。

150:名無しさん@ピンキー
07/06/20 02:55:06 IIU8lx+G
電波が受信デキネ

151:名無しさん@ピンキー
07/06/20 06:38:06 ke0QGFMV
>>150
俺は火力が足りない。とりあえず驚愕待ちだ。
小さいネタを形にしていってみようかなぁ……。

152:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:00:03 Rzb0BNMu
十二時間レスがない。

153:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:01:15 YOGE2Zx8
しかしすぐにレスがつく

154:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:03:47 CXs2+7bj
飽くまで待たざるものなのさ

155:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:08:42 Ti9dJ3hm
飽いたとしても待たざるものなのさ

156:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:17:25 D5ofMivf
感動するとか泣けるとか、そういうSSのオススメある?
ここ以外でもあったら教えてほしいです

157:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:38:07 Rzb0BNMu
>>156
二度目の洗濯

158:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:40:50 BQ/Uy9ig
>>156
『キョンの消失』

圧倒的だった

159:名無しさん@ピンキー
07/06/20 19:42:43 eqfTAFGt
>>156
25-97: 『鼻歌とチョコレートケーキ』 長門とデートする話 短編
同作者の定番があるけど、あえてこちらで。

160:名無しさん@ピンキー
07/06/20 20:26:44 KWAVB59R
>>158>>159
ほんとこの二人のは鉄板定番になりつつあるなw双璧というか。

161:名無しさん@ピンキー
07/06/20 21:38:46 xDe4+AkE
42-459、43-678は別の意味で感動する

162:名無しさん@ピンキー
07/06/20 21:41:02 D5ofMivf
おお、ありがと。紹介されたの読んでくる。
この中だと「二度目の選択」は読んだことがあるかな。
「チョコレート」は名前だけ聞いたことがある。

163:名無しさん@ピンキー
07/06/20 21:43:17 rbazncZd
>>161
俺もあのシリーズは衝撃を受けたw

164:名無しさん@ピンキー
07/06/20 21:51:58 GB84Be7N
泣いてきた。
非常に申し訳ないんだが、良ければ>>158-159の二人の他の作品も教えてもはえないだろうか。


165:名無しさん@ピンキー
07/06/20 22:17:46 L7XlFAO6
畜生…鼻歌とチョコレートケーキで泣きそうになったのに
Googleの広告のせいで萎えた

166:名無しさん@ピンキー
07/06/20 22:26:07 Ti9dJ3hm
>>164
まとめwikiの、「とある書き手さん1」、「とある書き手さん2」

167:名無しさん@ピンキー
07/06/20 22:35:50 GB84Be7N
>>166
気づかなかった。ありがとう。

168:137
07/06/21 00:02:17 vDwJU1wo
もう諦めてたのだがドキドキしながら>>147を最後まで読んでみた。
―とても良いめがっさでしたが、えっと…これは安価ミスかな?
生徒会の人が一瞬でてきただけだったんだが…
ああ。
俺釣られたのかorz
>>145
TFEI三人娘いいよね。
>>140
その発想は…なかったw
考えてみる。

169:名無しさん@ピンキー
07/06/21 00:06:24 pCiiETes
>>156
泣きたいなら輪舞曲とかどうだろう。
長門スレまとめにあるんだがあれは名作だよ~

170:名無しさん@ピンキー
07/06/21 00:59:01 /mL52Nig
>>156
11-226さんの団員三部作はガチで泣ける。


171:名無しさん@ピンキー
07/06/21 01:05:12 hdPxUoEf
松井オデキは人類史上最低の屑

172:名無しさん@ピンキー
07/06/21 02:39:41 GbZFR5OG
>>170だよな、個人としては「古泉一樹の親友」が一番胸にくるものがあった。

173:名無しさん@ピンキー
07/06/21 02:58:20 0b9JgR11
>>161
読んでみました。不気味でした。なんすかあれ?

174:名無しさん@ピンキー
07/06/21 02:59:43 1nOgJMfD
感動大作大杉

175:名無しさん@ピンキー
07/06/21 06:40:07 FeA32De2
やっぱ涼宮ハルヒは名作だわ。
ながるんありがとう。

176:名無しさん@ピンキー
07/06/21 17:53:47 cvixw5+f
俺の友達にこの作品読ませたら「かわいいなぁ、このナガモン。」とマジで言いやがった!

177:名無しさん@ピンキー
07/06/21 18:14:21 SRiZImZP
ナガモンは団長とキョンの物
っていうか、愛娘ポジション

178:名無しさん@ピンキー
07/06/21 18:40:06 q4QYf0qn
>>170
>>172禿同。
まあ概出だと思うけど、
11-226さん=東出さんだからね。
しかし他にもこういうのあるのかな?と妄想すると少し楽しい。

179:名無しさん@ピンキー
07/06/21 22:29:01 T8IxxOIh
>>169
ありがとう。それはよく知ってる。
あのまとめの中ではこれだけが異様に浮いているような気も・・・・。

>>170
それも知ってる。でもせっかくだからもう一度読んでみるんだぜ。

180:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:36:38 975f1ar+
>>173
考えるんじゃない、感じるんだ







カオスを

181:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:40:09 KY8+YJI+
>>178
東出さんは元々ss書きだったらしいから探せばあるんじゃね?
葉鍵ロワイアルとか書いてたとか書いていないとか。

182:名無しさん@ピンキー
07/06/22 17:26:15 pte6wxp1
東出はハカロアとはノータッチだぞ

183:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:21:45 AKhN7h09
ちょっと今日レス無さ過ぎじゃね?

184:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:32:06 gYjFZI0W
普段ありすぎなだけだろ

185:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:33:17 YRukP+EC
たまにはこんな日があってもいい

186:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:34:17 gYjFZI0W
エロパロ板で勢い20以上あれば充分だろ

187:名無しさん@ピンキー
07/06/23 00:12:47 JmbBrmzs
>>182
東出は吸血大殲だよな、確か。
まぁ同じクロスものだし似たよーなもんだが。

188:チープ・スペース
07/06/23 00:34:27 uykNxRV1
風も香る四月に中学時代の旧友そしてSOS団モドキの三人組と出会ってから早幾月、
色々あって異種の同類と挨拶を交わすアリ達くらいには歩み寄れた俺達は今
「周防九曜の日本語教室」と題され設定された空間で
団子の様に頭をくっつけパソコンのディスプレイと睨めっこしている。
具体的にはちょっと広めのネットカフェのような所とだけ言って置こう、
物語とは相応の人数と相応の場所とがあれば何時でも何処でも展開できるのである。
とは俺のちょっとした知り合いの私見だ。重ねて言うが俺じゃない。
「九曜の」とは言ったが勿論こいつが俺達に雅やかな助詞述語を伝授してくれる訳はなく
専ら、というか当然、というか誰がどう見ても周防九曜の「為の」日本語伝授祭である。
こんな事を思いついたのは誰だ。橘京子か。全くの迷惑だ。

この場にはハルヒを除いたSOS団(正規)と勿論とは何となく言い難いが周防九曜、やはり会いたくは無い
未来人(男)は居らず九曜を挟んで俺の右隣には何故か橘京子。何を考えているのか、今回の茶番の首謀者かと俺が疑う
ハンドシェイクESPである。次回は欲しくない。何時会っても髪を二つに結っている。それは何か信条を表すものなのか。それともただの趣味か。
とはいえ、あくまでもしもの時の睨み役としてだけきた俺以外の正規団員たちはやる気ゼロの無気力症候群前線と変して
梅雨と競うのもメンドウくさいといった様子でバラバラに好きなことをして過ごしている。こんな所でも朝比奈さんの茶は上手いのだ。
これも恒例と変している。無論これ以上変わって欲しくは無い。俺はな。

そろそろ本題、どこをどう突付いてもまるきり主人公扱いされない、しかし全く動じないある意味長門以上の何かを持つ
周防九曜である。ある意味でだ。
橘京子の提案で九曜に現代のまともな言語と使い方を覚えてもらうのにはインターネットを使うのが
ぶっちゃけ最も手っ取り早いということらしい。眠たくなって来た。二人でやってればいいだろうに。茶髪の少女が手伝って欲しそうな目で
こちらを見ている。手伝いますか?チョイスザイエスノー。面倒臭いがはいと答える。実際本日のアイスコーヒー代は向こう持ちなのだ。
そして話題の中心人物に成ろうという努力を常に微塵も感じさせない黒髪の無口端末はというと
長方形の最新型パソコンの正面に陣取り、
普段の鈍間ぶりが錯覚に思えてくる程驚異的なスピードでウェブ巡回を履行していた。なんて速さだ。
「なんという」とか、「まさかここまでとは」とか、漫画的な驚嘆台詞が記憶野から吐き出されてくるのをとりあえず押し込みつつ
一時的にも情報改変されてるんじゃないかと思う処理速度で頁を変え続ける液晶画面を
俺はB級サイコギャグムービーを見る目で実際見ていた。酔ってきたかもしれないぞ。おい。

案外に俺は電磁波に弱かったらしい。十五分でバテた。間近に居た橘京子も俺ほどではないまでも
珍妙な面持ちでアイスカフェオレをかき混ぜ啜っている。どう見たって二時間前の十五倍は眠そうだ。
九曜当人はというとどんな時でも笑みを欠かさない女超能力者と団員達に下敷きうちわで仰がれる俺を置いて、
少しは満足した風の無表情でふわふわと帰っていった。あいつの家は何処に在るのだろうか。地上だろうな。

189:名無しさん@ピンキー
07/06/23 01:39:26 qez48MO2
輪舞曲読み終わったぜこれは同人として書籍化されたらガチで買う

190:名無しさん@ピンキー
07/06/23 09:23:22 BQcCDD1X
>>189
長門スレに行け
と思ったが、あとがきを見て なるほどと思った。

191:名無しさん@ピンキー
07/06/23 10:31:59 fsibOcJH
俺もロンド読んで面白かったんで、その作者さんの他の作品も読んでみたんだが。
あの作者さん、キョン視点になると、キョン語りが微妙だな……。

192:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:07:43 SJk56t1j
たぶんこれを読む人は朝倉戦のところで最初に泣くと思う。
連載中にリアルタイムで見てたが、俺は泣いた。

193:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:17:57 oeQiLT59
話が脱線しているよ。
もういいかげんやめようぜ

194:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:21:47 u1isQUl/
イントロだけみたけど
文体は原作重視のこのスレの住民向けじゃないな、と思う。
つか、冗長。

わざわざこのスレで話すほどのことはないと思う。

195:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:24:34 mLSn2NuK
板は違うが関連性は高い、なにより投下の合間としては実に上等な話じゃないか。

196:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:32:38 u1isQUl/
>>195
語るのはかまわんが、
そこまで面白いか? という気はする。

このスレのうまい人は冗長には書かないしなぁ。

197:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:43:18 cBs+gXLa
プロ評論家キタコレw

198:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:45:20 mKUUb8up
度が過ぎた板違いな話はよした方がいいよ
アンチが沸いたら向こうの作者さんにも迷惑がかかるから

199:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:46:17 mKUUb8up
すまん、ageてしまった

200:名無しさん@ピンキー
07/06/23 19:11:58 qez48MO2
>>169
>>169
>>169


201:名無しさん@ピンキー
07/06/23 19:18:17 4Qwd32U8
なんで長門厨ってこんなに行動が痛々しいわけよ?

202:名無しさん@ピンキー
07/06/23 20:54:10 1KV5wCWz
行動の痛い奴の事を厨と言うんじゃないのか?

203:名無しさん@ピンキー
07/06/23 21:27:24 AW0jJACv
●<厨房とかどうでもいいです。

○<どうでもいいところで俺のコイツをどう思う?


204:名無しさん@ピンキー
07/06/23 21:33:07 /ykcyf83
PSPでゲーム化だってよ。

205:名無しさん@ピンキー
07/06/23 21:34:52 P9RBBP91
今更その話題かよ。

206:名無しさん@ピンキー
07/06/23 21:36:22 Y7bfU2Ib
既出甚だしい。つかゲーム化って言ってもどうせたいした出来にはならんだろ。

207:名無しさん@ピンキー
07/06/23 22:36:20 PCc7d6fO
人それぞれです。

208:名無しさん@ピンキー
07/06/23 22:43:41 LepCSfEg
バンダイナムコでしょ?これはゲーム化しないほうが(ry

209:名無しさん@ピンキー
07/06/23 22:46:43 RAx8oTDW
SSスレというか、雑談スレみたいになってきたなここ

210:名無しさん@ピンキー
07/06/23 23:39:37 PCc7d6fO
さいきんどこのハルヒスレもそんなだよw

211:名無しさん@ピンキー
07/06/23 23:48:15 0N9MdY8W
やっぱ恋愛シュミレーションものか?

212:名無しさん@ピンキー
07/06/24 00:21:04 kwBB1pEE
この空気を変える投降カモーン!


213:名無しさん@ピンキー
07/06/24 00:29:47 EFCwhxgU
まずは落ち着くんだ…
ソウスレバ職人たんも
投下しようと思うハズ

214:名無しさん@ピンキー
07/06/24 00:39:17 Y3ss+n1G
書きたいのはやまやまだけど最近電波が弱い。

215:名無しさん@ピンキー
07/06/24 01:03:39 Oz6RdBtH
書いてるんだけどねー。なかなか終わんないのよこれが。

216:名無しさん@ピンキー
07/06/24 01:47:09 HePbIez0
kobunenoさんのSSも待ち遠しいな

217:名無しさん@ピンキー
07/06/24 02:11:52 SyZlOShL
なんだこりゃ。ちょっと見ない間にとんでもないスレになっちまったな。

とりあえず>>197はイラネ。
それともマンセー感想以外NGだというのなら、こんな腐ったスレはもう見ないことにする。

218:名無しさん@ピンキー
07/06/24 02:14:05 wTwD7Ejx
そんなことはチラシの裏にでも書いていればよろしい

219:名無しさん@ピンキー
07/06/24 02:14:24 O2fd0zdN
流れに乗って。俺め! やる気が足りねーんだよしっかりしろ!

220:名無しさん@ピンキー
07/06/24 04:01:48 gWMSAS7Q
今だから言っておくが、俺も輪舞曲はそんな上手くはないと思うのだぜ。
悪くはないと思うが、まあなんというか唸るほど上手くはない。
中の上ぐらいというか、埼玉川口で一番美味いラーメン屋のような感じ。

221:名無しさん@ピンキー
07/06/24 04:22:03 8lz2RmIy
ちょww俺の住んでいるところ、しかもうちの近くには○玉ってラーメン屋があるんだぜ・・・・・・

222:名無しさん@ピンキー
07/06/24 08:09:09 xS/sP4Rz
>>217
何か辛い事があったのか?

223:名無しさん@ピンキー
07/06/24 08:25:16 9YH7j2Cm
>>217
いくらなんでも過剰反応しすぎだろ……

224:名無しさん@ピンキー
07/06/24 08:52:23 EFCwhxgU
>>222-223
あれ中学生だからスルー汁

225:名無しさん@ピンキー
07/06/24 08:53:49 0Ca5xSue
単に>>196=>>217ってだけだろ。
まだ騒ぐ時間じゃない。

226:名無しさん@ピンキー
07/06/24 10:33:42 xS/sP4Rz
>>225
OKブラザー、頭冷やしに電気街に行ってくる。

227:名無しさん@ピンキー
07/06/24 12:51:01 T7Y/xpWh
投下します。
エロなし、18レス予定。

228:オーパーツの謎を終え
07/06/24 12:51:50 T7Y/xpWh
 それは骨身に浸みる寒さがピークを迎え、春の到来が待ちわびしかったある日のこと
だった。
 そのある日というのは、俺が朝比奈さんと未来から指示されたお使いを律儀にもこなし
たり、宝探しと称してハルヒから穴掘りを命ぜられたりと、いつになくハードスケジュー
ルだったあれやこれやのイベントづくしを終え、さらにその後のバレンタイン騒動も終え
た数日後だ。
 その日、昼休みも半ばを過ぎ、国木田・谷口と机を合わせて食っていた弁当がもれなく
俺の腹に収まり、食後の緩やかなで穏やかなひとときを満喫していた時、入り口から俺の
見知った女生徒が顔を覗かせた。
「やっほーい、キョンくーん!」
 まるで孟宗竹をナタで真っ二つに割ったようなさっぱりとした、そして底抜けに明るい
声は、あのお人だ。
 すなわち、我が校でハルヒとあらゆる面で並ぶことの出来る存在、つまりは鶴屋さん
だった。



 鶴屋さんは、廊下から俺を手招きすると、何がそんなに楽しいのかニカっと笑うと、
「やあ、キョンくんっ! お姉さん、ちょっくら話があるんだけど、一緒に来てくんない
かなっ?」
 別にかまいませんが。
 そう言って俺はドアの外へ向かい、そして廊下へ出ると鶴屋さんのお供のように付き
従って歩き出した。
 その俺の後ろから、アホの谷口が「何であいつばっかり……」などと愚痴めいた言葉を
漏らしていたが、もちろん聞き流した。
 谷口、お前がうらやましがるような事じゃないと思うぜ。たぶんだがな。
 歩くこと数分、俺の前をスキップでもしかねない楽しげなオーラをスプリンクラーのよ
うに振りまきまきながら歩いている鶴屋さんに案内されたのは、生徒達の憩いの場である
中庭だった。
 確かにここでならば話はしやすいだろう。しかし、この季節に外で話をするというのは、
ややためらわれるところではある。
 というのも、俺たちの座っているベンチのあたりをビュンビュンと北風が吹きすさび、
心身もろともに凍えさせるにはそれで十分だったからだ。
 しかもその直後、ここ数日分の寒さが凝縮されたかと思えるような寒風にさらされ、俺
は大いに震えた。いろいろなところが縮み上がった思いだ。
 だが、俺の凍えた表情を見た鶴屋さんは申しわけなさそうな表情で、
「キョンくん、こんな寒いところに引っ張り出しちゃってごめんねっ! お詫びの印とし
てまずは温かいコーヒーを飲んでおくれよっ」
 そう言って鶴屋さんは、いったいどこから取り出したのか、両手で抱えても持て余しそ
うなほどの存在感のあるポットと紙コップを用意しており、俺にコップを手渡してそこに
濡羽色の液体をトクトクと注いでくれた。
 俺は鶴屋さんに礼を述べると、そのコーヒーを一口飲んでみた。
 すると熱い液体がノドを通り、それが胃に到達すると、体がポカポカして心まで温かく
なる気分だ。
 しかしこれ、いつも俺が飲んでいる自販機のコーヒーとはまるでモノが違う。もちろん
俺にすらわかるほどの違いだ。いや、驚いたね。
 そのせいか、俺は心底感心しながらもあっという間に極上のコーヒーを飲み干してし
まった。ちゃんと味わえってんだ。
 いいものを飲ませてもらって心までほっかほかになった俺は、鶴屋さんに顔を向け、
「うまいですね、これ」

229:オーパーツの謎を追え2
07/06/24 12:52:54 T7Y/xpWh
 コメンテーターとしては失格だなと思いながら、俺はごく素直な感想を口にしてみた。
 すると鶴屋さんは、俺たちの周囲半径2メートルほどに花が咲き誇る春を呼び込みそう
な笑顔で、俺の肩をぽんぽんと優しく叩きながら、
「そっかい、それはよかったよっ!」
 ついつい引き込まれそうな笑顔だった。これがカリスマなんだろうかと、ふと思う。
 鶴屋さんは俺のことをまるで弟でも見るかのように優しく微笑みながら、
「キョンくん、いい飲みっぷりだねっ。ほらほらもう一献どうだいっ?」
 まるで花見に来て酒盛りでもしているかのような言い草で、鶴屋さんは再びコーヒーを
注いでくれた。
 俺は二杯目にそっと口を付けつつ、
「それで、鶴屋さん。話というのはなんでしょうか?」
 鶴屋さんは八重歯を覗かせながら、
「それは禁則事項だよっ!」
 俺はコントのようにずっこけそうになった。上空から金ダライでも落ちてきそうな気分
だ。
 ええと、それじゃまるでわからないんですが……。ていうか、朝比奈さんのまねです
か?
 すると鶴屋さんは「わっはっは」と大笑いしながら、
「いやーごめんごめん。みくるがよくこの言葉を使っているからさっ。ついつい真似をし
たくなるんだよねー!」
 ……朝比奈さん、鶴屋さんの前でもそのセリフ言ってたのか。
 相変わらずうかつと言おうか、あるいはドジっ子と言おうか、そこがまた愛らしいとこ
ろではあるんだが。
「キョンくん、ごめんよっ。冗談はここまでにしておくっさ」
 鶴屋さんはてへへと舌をちょろっと出し、今度はやや顔を引き締めて、俺に再び向き
直った。
「……そんなら本題にはいるんだけど、キョンくん。キミ、今週の休日は暇かいっ?」
 とは聞かれても、予定などまるっきりありはしないので、俺はパブロフの犬のように即
座に返答した。
「はあ、暇ですが」
「そうかいっ、そしたらその日に宝探しでもしてみないかなっ?」
 どういうことでしょう?
「キョンくん。前にキミに言われて掘ったあの山から、例の合金が出てきたにょろ? ま
あ、そのことをキョンくんに問い質そうとは思わないんだけどさっ。……2匹目のドジョ
ウを狙っててわけじゃないんだけど、他にも何か出てこないかなって思ったにょろ」
 あれ、か。確かに他にも出てくる可能性はない訳じゃない。それに、俺にだって興味は
あるさ。別に朝比奈さん(大)の鼻を明かしてやろうと思っている訳じゃないが。
「いいですよ、俺も興味ありますし。でも、他の連中は誘わないんですか?」
「うーん、そうなんだけどさ。この話は、キョンくん以外にはしない方がいいような気が
しないかいっ?」
 と鶴屋さんが言ったところで、俺には少し思い当たることがあった。なんとなくさ。
 もちろん、ハルヒを誘えばややこしいことになるのは当然だが、朝比奈さんにしても長
門にしても、SOS団に属しているとはいえ、それぞれに立場があるってのはおそらく鶴屋
さんも理解しているだろうからな。そのうちの誰かを誘っちまったとしたら、どちらかの
組織に汲みすることにもなりかねんしな。間接的にとはいえ、鶴屋家は機関のスポンサー
だというんだから、なおさらだな。
 まあなんつーか、大人の事情ってやつか? といってもまだ鶴屋さんは高校生だがな。
 考えてみれば古泉を誘わないって言うのも、理由は思いつく。というのは、機関として
は、鶴屋家の次期当主である鶴屋さんに、こういった問題にはノータッチでいて欲しいだ
ろうからな。オーパーツなんていっても、どうせ未来人が関わっているんだろうし。

230:オーパーツの謎を追え3
07/06/24 12:53:45 T7Y/xpWh
 おっ、ひょっとして今日の俺は冴えているんじゃないか? なんて自画自賛してみる。
 だが、たぶん俺の今の推測は的を射ているだろうぜ。なら結論は出たな。これ以上は何
も鶴屋さんに何も言わず、何も聞かないことにしようぜ。
 その抑え気味の俺の表情から何かを読み取ったのか、鶴屋さんはニッコリと笑顔を見せ
た。まるで、わかってくれてありがとう、とでも言いたげに。
 しかし瞬時にそれに気づくとは、さすがに勘が鋭い。それに頭の回転も速い。本当にこ
の人は頭の切れる人だ。
 俺は舌を巻く思いで、季節をひとつすっ飛ばした夏の太陽を思わせる鶴屋さんの笑顔を
眺めていた。
「なんだい、キョンくん? お姉さんの顔をじっと見つめて。あんまり見つめられると、
お姉さん照れるじゃないかっ!」
 しかし言葉とは裏腹に、鶴屋さんはまるで照れた風もなく、可愛らしい八重歯をのぞか
せながら大笑いをしていた。
 鶴屋さんが照れるなんてことはあるんだだろうか? と思いながら、彼女の朗らか笑い
顔を眺めていると、なんだか俺まで楽しい気分になってくるから不思議だ。
 その後、集合時間と場所を取り決めて、俺たちは中庭を後にした。
「キョンくん、じゃねー!」



 その放課後、部室。俺はいつものごとく、我が天使の朝比奈さんから給仕された高級茶
葉で淹れられた緑茶を有り難くも味わっていた。
 値千金とはまさにこのことで、その極上の甘露は俺にとっては1ヶ月分の小遣いに相当
する価値があった。微妙に安いのは俺の経済観念の貧しさからくるものさ。
 もし部室前で朝比奈さんの緑茶を売り出せば、団の活動費が楽に稼げそうだ。もし余っ
たら部室を冷暖房完備にして欲しいものだ。
 俺がそんなことを考えながらリラックスした姿勢でいると、それまでじっと黙り込んで
いたハルヒが、顎を机の上で組んだ手の上に載せながらやおらアヒル口を俺に向け、
「キョン、あんた昼休みに鶴屋さんと一緒にいたみたいだけど、中庭で楽しそうに何話し
ていたの?」
 あまりに突拍子のないことを言われたため、俺はあわてて、ぶぴゅっとお茶を前方に噴
き出してしまった。
 古泉の持ってきたカードゲームがお茶まみれだぜ。すまん、古泉。
 しかし、見られていたのか……。なんて目ざといやつだ。だが、ここはなんとか言い逃
れしなければな。もちろん本当のことを言うわけにもいかんし、かといって躊躇ってしま
えばあらぬ疑いを持たれてしまいそうだ。
「ええとだな、あれはただの世間話さ。そう、お前が懸念を抱く必要もないほどのな」
「ふうん、でもなんか時折まじめな顔してたし、それにわざわざ鶴屋さんが教室にあんた
を呼びに来たそうじゃない。それでもただの世間話だって言い張るわけ?」
 何故こいつが知っているんだ? さては谷口か。
 しかし、そんなことを何でわざわざこいつに弁解せねばならんのだ、と思いつつも穏や
かならざる心境に陥り、これはあらたな言い訳をしなくてはと考えていた矢先、この部室
に救世主が現れた。
 まるで、地獄に蜘蛛の糸を垂らしてくれる釈迦を見る思いだぜ。
「こんちはー、ハルにゃんいるにょろ?」
 鶴屋さんだ。
 さすがのハルヒも、鶴屋さんに対して仏頂面で向き合うわけにもいかないようで、少し
だけ愛想をよくした長門のような表情をしながら、
「こんにちは、鶴屋さん。今日は何かしら?」
 ハルヒの口調がいつもよりもやや硬い。しかし、この場面に遭遇してどうして俺が冷や
汗をかいているんだろう? フロイト先生にでも解説してもらいたいもんだ。
「実はねー、キョンくんをちょっくら貸してもらおうと思ったのさっ」
「貸すって、どういう事?」
「今度の土曜日、キョンくんとデートしようと思ったのさっ!」

231:オーパーツの謎を追え4
07/06/24 12:54:37 T7Y/xpWh
「ええーっ!?」

 長門以外の全員が驚愕の声を上げた。もちろん俺は顔から血の気が引いたのは言うまで
もない。鶴屋さん、なんてことを言い出すんですか……。
 ハルヒはビームが出てきそうな視線で俺を睨みつつ、
「つ、鶴屋さん、それ本当?」
「あれ、どったのかな? ハルにゃん。そんなにショックだったのかいっ? 心配しなく
ても、軽いアメリカンジョークっさ!」
 鶴屋さんはあっけらかんとそう言い放った。
 ハルヒは一瞬ポカンとしたあと、アホな子供のような表情で現在凍結中だ。
 いや、鶴屋さん。全然軽くないんですが……。
 それどころか、俺の寿命が確実に10日は縮みましたから、そう言ったジョークは本当
に勘弁して下さい。
「はっはっは。ごめんね、ハルにゃんにキョンくんも。ハルにゃんも安心していいにょろ
よ」
 ハルヒはそう指摘されると、焦った様子をこれ以上見せまいと顔を引き締め、
「ちょ、ちょっとびっくりしただけよ。それにキョンと鶴屋さんじゃ、全然釣り合わない
ものね。月とスッポンよ。いえ、アルタイルとカミツキガメだわ」
 ハルヒは幾分落ち着きを取り戻し、茶化すような表情で俺に視線をぶつけて来た。
 ほっとけ、つうかなんて例えだ。まるでわけわからん。
「それで鶴屋さん。本当はキョンをどうするつもりなの?」
「うん、キョンくんにはこないだ掘った山の後かたづけをお願いしようと思ってさっ! 
ちょうど男手が不足してたから、キョンくんにお願いしたにょろ」
 鶴屋さんの説明を聞いたハルヒは納得したように、
「こないだの、ね。確かに結構掘り返しちゃったもんね。……いいわ鶴屋さん、どんどん
使ってやってちょうだい。キョンは近頃精神がたるんできてるから、丁度いい機会だわ。
それと……もしかったらあたしも手伝うけど?」
 ……おい、ハルヒも来るだと? どういう風の吹き回しだ。そんな殊勝なことを言い出
すなんてな。
 だが、そりゃまずい。鶴屋さんが俺だけを誘った意味がなくなるからな。
 しかし、鶴屋さんはまるであわてた様子もなく、
「こういったことは、男の子の仕事っさ。ハルにゃんはわざわざ土まみれになることはな
いにょろ」
「それもそうね」
 おいハルヒ、汚れると聞いた途端にそんなにあっさり引き下がることもないだろう。現
金なやつだぜ、まったく。
 しかし、さすがにハルヒをあしらうのが上手いな、鶴屋さん。もちろん、乗せるのも上
手いが。
 いっそ、ハルヒの手綱を引き締める役をお願いしたいところだが、時には一緒に突貫し
かねないお人でもあるからな。今の立ち位置がベターってころか。
 鶴屋さんは朝比奈さんから出されたお茶を飲み干すと、俺へのウィンクを置きみやげに
「ほんじゃねー!」と去っていった。
 鶴屋さんが出て行った後の部室は、休日のビジネス街のようにひっそりと静まりかえっ
ていた。
 ハルヒとは異質の賑やかさだな。去ってしまうと、少し寂しくなるほどのな。
 それから程なく、長門が本を閉じると同時に、先ほどからの余韻を残して毒気を抜かれ
たようなハルヒが解散宣言を行い、俺たちは三々五々帰途についた。



232:オーパーツの謎を追え5
07/06/24 12:55:41 T7Y/xpWh
 そしてやってきた週末。つまり土曜日であり、お宝探索の当日だ。
 俺は出発の準備を整えると、リビングでくつろぎながら鶴屋さんを待っていた。
 何故俺の家で待っているかというと、鶴屋さんが俺を車で迎えに来てくれる事になって
いるからだ。
 ただ、約束の時間まではまだ少しあるため、ここで雑誌でも読みながら車がやってくる
のを待っているというわけさ。
 ところが俺が間抜け面でマンガ雑誌を眺めていると、突然この空間の静寂を破るかのよ
うに、何の前触れもなしにインターフォンが鳴り響いた。
 不覚なことに、俺の聴覚は車の走行音と停止音をまったく捉えることなかった。まるで
粗いザルのように俺の鼓膜を素通りしてしまったらしい。
 あわてた俺は、玄関に直行して靴を履き、そしてドアを開けた。すると、俺の目の前に
はジーパンにTシャツ、そしてその上にジャケットを羽織るというラフな出で立ちの鶴屋
さんが、いつものようににこやかな表情で手を振りながら立っていた。
「おっはよー、キョンくん。今日は絶好の宝探し日よりだねっ!」
「おはようございます。そんな表現があるのかどうかはわかりませんが、確かにいい天気
ですね」
「さあさあ、すぐに出発するから早く車に乗った乗った!」
 そう促されて鶴屋家所有の高級車に乗り込んでみると、まるで外界の喧騒が耳に届かな
かないことにまず驚かされた。その圧倒的な静けさに俺は度肝を抜かれつつ、極上の座り
心地を与えてくれる本革のシートに腰を沈めた。
 それを見届けた運転手が車をするすると発進させると、まるでエンジン音も聞こえるこ
となく動き出した。
 窓の外に目を向けてみると、俺の目に映し出される景色が、車の加速と共に緩やかに溶
けて後方に流れていった。
 なるほど、この車なら走行音が聞こえなくても俺の責任じゃないな。普段俺が父親に乗
せてもらっている車はなんだと思わせるような別次元の乗り物だ。これが天使のゆりかご
だと言われても俺は信じるね。
 車が動き出してしばらくすると、鶴屋さんは俺に温かい飲み物を手渡してくれた。この
車に備え付けの保温庫から取り出したらしい。
 もう何が出てきても俺は驚かないぜ。鶴屋家の車なら「やあ、マイケル」と車がしゃべ
り出してもおかしくはないからな。
 俺は鶴屋さんから飲み物を受け取って喉を潤したあと、
「そう言えば鶴屋さん、何であの時ハルヒに俺を貸してくれなんて言ったんですか? あ
れじゃあ納得したハルヒは別として、他の連中には俺たちが共に行動することを怪しむん
じゃないですか?」
 すると、鶴屋さんはイタズラっぽい目を俺に向けて、
「そんじゃあキョンくん。キミと一緒に行動するとハルにゃんに前もって言っておくのと、
あとでハルにゃんにバレるのどっちがいい?」
 ……俺には言葉がなかった。
 たしかに、朝比奈さんとの一件があるんだからバレないとはいえん。いや、ハルヒのこ
とだ、俺には想像も付かない経路でおそらく耳に届くだろうな。それは何よりも恐ろしい。
 そう考えると、わけもなく俺の背筋が一瞬寒くなった。
 しかし、鶴屋さんは俺のそんな様子を楽しそうに眺めていた。
 それに対し、俺はどうコメントしようかしばし迷っていると、都合よく車が登山口に到
着したようだ。
 車を降りた俺はその高級車をつらつらと眺めながらしみじみと思った。なんと言おうか、
俺には驚きの連続で、庶民と雲上人のとの格差をまざまざと見せつけられた気分だね。い
や、よしておこう。これ以上考えると惨めな気持ちになってきそうだ。



233:オーパーツの謎を追え6
07/06/24 12:56:44 T7Y/xpWh
 車を降り立った俺たちはリュックを背負いつつ、登山口から少し外れたけものみちに進
み、えっちらおっちらと上り続け、そしてようやく午前十時を少し回った頃に目的地であ
る山の中腹部に到着した。
 そこまでたどり着くと、俺は平地の真ん中あたりまで進んで、両手を膝について前屈み
になり、やや荒い息を小刻みに吐きだした。
 これはどうやら運動不足らしいな。
 しかし、年がら年中ハルヒにこき使われているというのに、いったいこれはどういう事
だ? それに若さ故のエネルギーをいろいろと持て余しているはずなのにな。
 ところが、俺と同じ運動量でここまでやって来たはずの鶴屋さんは、軽く散歩でもして
きたかのようにケロリとした顔つきで、腕を組みながら俺のくたびれた様子をやけに楽し
げに眺めていた。
「キョンくん、もうお疲れかいっ? いい若い者がだらしないぞっ! しょうがないから、
取りあえずこれでも飲んで一休みといこうか」
 鶴屋さんは妙に年寄りじみたことを言って、それでも俺の目の前に砂糖をたっぷりと溶
かし込んだ紅茶を差し出してくれた。
 俺はみっともない姿を鶴屋さんに見せてしまったことを後悔しつつ、痺れるほどに甘い
その紅茶で疲れを癒しながら、
「ところで、お目当てのお宝ですが、あてはあるんですか? まさか、闇雲に掘るってわ
けじゃないでしょう?」
「オフコースのもちろんさっ。さあ、キョンくん、これを見てくれたまえっ!」
 鶴屋さんは古びた和紙のような紙を十枚ほど、背負っているリュックから取り出した。
 はて、何処かで見覚えがあるような―って、それこないだの地図じゃないですか。
 しかし鶴屋さんは人差し指を左右に「ちっちっちっ」と言いながら小さく振った。
「こないだのとは違うっさ。よく見るにょろ。あれとはまた別の地図っさ。実はね、先週
倉庫を漁ったんだけど、古地図が次から次へと出るわ出るわで、ご先祖様もよくこんなに
ため込んでたもんだよねっ!」
 本当だ。確かに宝を示す印の場所が違っている。
 しかし、尋常じゃないこの枚数は何だ? まるで胡散臭い骨董屋じゃないか。
「それはしょうがないっさ。けっこうな変わり者だったらしいからね、そのご先祖様は」
 でも、鶴屋さんだってその血を受け継いでいるんですよね。
 俺はからかうようにそう言ってみる。
「あれあれ、キョンくん、キミもなかなか言うようになったね。お姉さんはキミをそんな
風に育てた憶えはないよっ」
 確かにあなたに育てられた憶えは、俺にもありませんがね。
「そりゃそうだね。わっはっはっ!」
 あとは、二人で大笑い。おかげでさっきまで感じていた俺の疲れが、強力な栄養剤を
打ったかのように何処かへと吹き飛んだ。
 本当に鶴屋さんは、周りにいる人間を片っ端から楽しい気分にさせてくれる、不思議な
魅力を持つお人だ。俺には朝比奈さんとは別の意味で崇拝したい思いだ。



234:オーパーツの謎を追え7
07/06/24 12:57:31 T7Y/xpWh
 つかの間の小休止で気分一新したところで、お宝の発掘作業を始めることになった。
 発掘方法だが、なにしろ宝の地図が十枚もあるので、一枚一枚しらみつぶしにしていく
しかない。
 それは非常に骨が折れる作業ではあるが、鶴屋さんと一緒に発掘作業をしていると、さ
ほど苦労を感じないから不思議だ。
「どうだい、キョンくん。なんか見つかりそうかいっ?」
 掘り出して十数分だが、早くも手応えがあったことに気がついた鶴屋さんが俺に声を掛
けてきた。これほど早く宝が見つかるなんて、意外だが幸先はいい。
「なんか出てきましたよ」
 そう言って俺は小さな重箱を穴の底から取り出し、鶴屋さんに手渡した。
 そしてよっこらせと穴からはい出て、鶴屋さんと中身を確認してみると、そこには手持
ちの地図と同じぐらいの古びた和紙が一枚入っており、そこには色あせているものの浮世
絵のような絵が描かれてあった。
「鶴屋さん、これは何でしょうね?」
 すると、鶴屋さんは身内の不祥事を知られたような気まずい顔で、
「ありゃりゃ、これは春画だね。まったく、こんなモノを隠しているなんて、なんてご先
祖様だいっ。たいしたお宝にょろ」
 春画―今で言うエロ本のようなものか。
 そりゃ鶴屋さんだって気まずいだろう。もっとも、肝心なところはすでに色あせてし
まっているので、俺には鶴屋さんに春画だと教えられなければわからなかったのだが。
 とは言っても、これじゃまるで死んだ爺さんの遺品整理をしていたら、エロ本ばかりが
出てきて、親族一同が凍り付いてしまうようなもんだ。
 しかし、こんなモノを隠しておくなんて、そのご先祖様にとってはよほどの宝物だった
のだろう。その気持ちは、同じ男としてわからないでもないが。
 だが、鶴屋さんは微苦笑を浮かべながら俺に視線を向けて、
「キョンくん、みっともないモノを見せちゃってごめんよ」 
「いえ、全然気にしてませんよ。それにまだ宝の地図がありますから、気を取り直して発
掘を続けましょう」
「うん、それもそうだねっ!」
 ニカッと全開スマイル。やっぱり鶴屋さんには笑顔が似合う。



 なおも発掘作業は続けられた。しかしながら、あらかたは一度掘られたことがあるらし
く、掘っても何もなかったり、あるいは、空箱だけが残されてあったりと中々芳しくな
かった。
 それでも俺は鶴屋さんと作業しているのが楽しく、鶴屋さんの冗談に笑わせられたり、
あるいは掛け合いの漫才をしながらせっせとシャベルを操った。
 そんな楽しげな雰囲気の中、俺は鶴屋さんに誘われたときから考えていたことを思い
切って訊いてみた。
「ところで鶴屋さん、本当のところどうして未知の金属を探そうと思ったんです? 俺が
こう言ってしまうのもなんですが、あなたの立場上深入りすると煩がる存在があると思う
んですが……?」
 俺の質問を受け、鶴屋さんはほんの一瞬思案顔になったが、すぐさま笑顔を浮かべて、
「それはね、キョンくん。あたしにだって、こういう事をしたいと思うこともあるってこ
とっさ! 誰かさんの影響にょろね」
 鶴屋さんの表情には、後悔や逡巡を思わせるような気配はまったくなかった。晴れ晴れ
としている。


235:オーパーツの謎を追え8
07/06/24 12:58:17 T7Y/xpWh
 ……そういえば古泉の話によると、鶴屋さんは俺たちの知らないところで結構な活躍を
しているらしい。本当か嘘かはわからん。それは古泉を信じるしかないがな。
 だが、それでも彼女が裏で奔走していることとはまた違った楽しさが、この作業という
かイベントにはあるんだろうか。それが鶴屋さんの言う『こういう事』なのかね。
 それから、『誰かさん』とは言わなくともわかるだろうが、ハルヒしかいねえな。
 それでも本来なら、鶴屋さんは俺たちと関わりを持つはずではなかったと言うし、まし
てや今回彼女が、ハルヒ、もしくは未来人に繋がるかも知れないようなお宝の発掘を提案
することもなかったはずだ。
 やれやれ、どこまで縦横無尽なんだ、ハルヒの変態パワーってやつは……? 
 なんて、今さらだな。夏休みを延々ループすることに比べればかわいいもんだ。



 俺たちはさらに発掘作業を続けていたが、残りの地図はあと2枚しかなかった。
 だがそんな状況にもかかわらず、今日の戦利品といえるものは、鶴屋さんのご先祖様の
春画だけだ。
 むろん、古美術商に持ち込めば多少の金には換えられるかも知れんが、お宝のイメージ
にはほど遠い。ましてや、俺たちの真の目的はすでに手に入れているチタンとセシウムの
合金に続く新たなオーパーツの姿だ。江戸時代の骨董品が欲しい訳じゃないんだ。
 だがそんなことをつらつらと考えていると、シャベルの先端に何か手応えのようなモノ
を感じ取った。
 みると、胡桃色をした壺、というより瓶といった印象の陶器が底から顔を覗かせていた。
「キョンくん。これはなにか入ってそうだねっ!」
 頭上から下を見下ろしている鶴屋さんは、まるでプレゼントを受け取った子供のように
満面の笑みを浮かべて、俺が掘り起こして腕に抱えられている古びた壺を見つめていた。
 ―今度こそ入っていてくれよ!
 俺はそう念じながら、まるで十年以上宝くじを買い続けていながら、末等以外当たった
ことがない愛好家の面持ちで壺の中を探った。
 
 ―あった!
 
 手触りからすると、石あるいは金属のように硬いものだ。
 それを取り出してみると、10センチ四方の銀色をした金属片のようだ。ただし、均整
のとれたた形ではなく、まるで花崗岩のようにデコボコで、いかにも砕け散ったあとの破
片といった印象だ。
 おそらく元は、ある程度しっかりした形ではなかったかと思う。根拠はないが。
 しかしながら、俺にはそれ以上考察のしようがないので、まずは宝の地図の現保有者で、
しかも俺よりは遙かに物知りであろう鶴屋さんに尋ねてみた。
「これ、なんでしょうね?」
「そうだね。……うーん、わかんないけどなにかの装置の一部じゃないかなっ?」
「……装置ですか? どうしてそう思ったんです?」
「ちょっとした勘っさ。でも、こないだ見っけた金属も何かの部品の一部って印象だった
からねっ! これもその部品の破片じゃないかと思ったにょろ」
 確かにそう考えるのが正解かも知れない。
 しかしどうやら、鶴屋さんはこの部品の一部だと思われる金属について、ある程度の推
測ができているように思える。すくなくとも、この金属が当時の人間が生み出したもので
はないことを感づいているような気配がある。
 鋭い人だ。この人が俺たちの味方で本当によかったと思うね。このお人だけは敵に回し
たくはないな。




236:オーパーツの謎を追え9
07/06/24 12:59:17 T7Y/xpWh
 今日最大の収穫であるその金属片は、結局鶴屋さんが専門家に鑑定を依頼することにな
り、とりあえずは俺のリュックに収めることにした。
 さて、では最後の発掘作業に取りかかろうかと、俺は再びショベルを手に携えたとき、
さっき時計を確認していた鶴屋さんが俺を呼び止めた。
「キョンくん。そろそろお昼にしないかなっ?」
 鶴屋さんにそう言われた瞬間、俺の腹に住むウシガエルが轟々と鳴き出すのだから体は
正直なもんだ。
 鶴屋さんはそれを聞いて大笑いしながら、あらかじめ持ってきていたレジャーシートを
大きな木の下に広げると、すかさず大きな包みを中心に据え、割り箸と紙製の皿、それに
コップをまるで主婦のようにてきぱきと用意した。
 鶴屋さんに手招きされた俺は、シャベルを木に立てかけると靴を脱いでシートの上に
座った。
 そして鶴屋さんが包みを解いて重箱を並べると、俺の目には壮観ここに極まれりといっ
た景色が広がっていた。
 なんとも豪華な料理の数々が、所狭しと重箱の中で俺たちに食されるのを今か今かと
待っていたのだ。
 今日は何度鶴屋さんに驚かされるんだろうかと思いつつ、
「鶴屋さん、これはひょっとして鶴屋さんが作ったんですか?」
 鶴屋さんは笑みを浮かべながらコクリとうなづき、
「そうだよっ! あたしがキョンくんのために腕によりを掛けて作ったにょろ。ほらほら、
いいから早く食べておくれ、キョンくんっ!」
 何とも有り難いことだ、鶴屋さんお手製の料理が食べられるなんてな。しかし、どこま
でオールマイティな人なんだ。こりゃ白旗揚げて降参するしかないね。
 こうまで完璧では、天はあらゆる才能や資質を鶴屋さんに詰め込んだんじゃないかと思
うしかないな。
 さて肝心の料理の味だが、もちろん美味かった。ハルヒや朝比奈さんもたいした腕前だ
が、それと同等以上の水準にある断言できる。
「鶴屋さん、本当に美味いですよ、この料理。俺、感動しましたよ」
 俺に表現できる最大限の賛辞を惜しみなく鶴屋さんに送った。
 すると、鶴屋さんはくすぐったそうにして少し照れながら、
「キョンくん、それは褒めすぎっさ! でもそんなに喜んでくれたら、あたしも作った甲
斐があるってもんだねっ!」
 鶴屋さんが照れるという珍しい光景に、俺はしばらくの間箸を止めて見入ってしまった。
 だが、その視線を敏感に感じ取った鶴屋さんは、照れ隠しのためか俺に対してとんでも
ない質問をぶつけてきた。
「ところで、キョンくんとハルにゃんって、どこまでいってるにょろ?」
 俺はもう少しで口の中のものを噴き出すところだった。
「あの、鶴屋さん、いっている意味がわからないんですが……? ていうか、俺とハルヒ
は何でもないっていうことは、すぐにわかりそうなもんでしょ」
 だが、鶴屋さんは今にも大笑いしそうな表情で、
「キョンくん、キミ本当にそう思っているのかい?」
 俺は当然ですといった風に頷いた。
「そうなのかい? そんなら、そういうことにしておくっさ!」
 何か気になる言い方だ。



237:オーパーツの謎を追え10
07/06/24 13:00:10 T7Y/xpWh
 そんなこんなで、クリスマスと正月を合わせたようなご馳走を十二分に堪能した俺は、
最後の一枚に記されているお宝を求めて、再び発掘作業を再開した。
 もっとも、俺としては先ほど発掘したオーパーツの一部と思われる金属ですでに打ち止
めだとは思っているのだが、そうはいってもまだ何かがあるのではないかという、仄かな
期待があるのも事実であり、こうして鶴屋さんに見守られながらせっせとシャベルで土を
地上に跳ね上げているわけだ。
 そうしてしばらく掘り進んでいると、なにやらコツンという音がして、そこから慎重に
掘り返してみると、またも壺が姿を現した。
 俺は息せき切って、
「鶴屋さん、また出てきましたよ!」
 そう声を掛けて、たった今掘り出した壺を鶴屋さんに手渡した。
 すると中身を取り出した鶴屋さんが、
「キョンくん、何か入っているみたいだよっ!」
 俺がやっとの思いで穴から這い出し一緒に確認してみると、鶴屋さんの手には以前俺が
彼女に頼んで発掘してもらったあのオーパーツにそっくりの金属棒があった。
 それは、以前のモノとうり二つ、どころか全くの同一物体に思えた。
 なんだろう、いったい何だというんだ? 何故こんな場所にオーパーツの類がこれほど
出土するんだろうか……? ここら一体は特異地帯か?
 俺は視界ゼロの霧の中を進むかのように自問自答を続けていたが、俺の浅い知識ではも
ちろんわかるはずもなかった。
「キョンくん。いったいこれは何だろうねっ? どう見ても今あたしん家で保管している
金属棒と同じにょろ」
「ええ、おそらく同じ種類のものでしょうね。これがいったい何に使用されるものなのか
はわかりませんが」
 俺たちは動きを止めてその金属棒をじっと見つめながら、様々なことに思いを巡らせて
いた。しかし、突如それを打ち消すような出来事が起こった。

「それをこっちに渡してもらおう!」

 振り返ってみると、二人の男が立っていた。年の頃は俺たちとあまり変わらないか。
 だが、いつの間に? まるで気配さえ感じさせなかったぞ。
 その二人の男はどちらも同じような中肉中背といった体型だ。だが、その二人の表情に
は俺たちをいかにも見下しきったような、蔑みの表情が浮かんでいた。
 ―この雰囲気はまるであの野郎だ。
 そう、かつて俺と朝比奈さんが未来からの指令とやらで動いていたとき、それを邪魔す
るかのように花畑で立ちふさがった、あのすかした野郎に雰囲気がそっくりだ。
 しかし、どう見ても姿は別人だ。つまりは、やつと立場を同じくする未来人の一派では
ないだろうか。俺は即座にそう直感した。
 事態は一変し、尖った刃物の切っ先を突きつけられたような、嫌な緊張感が俺の体を駆
けめぐった。
「これを渡せとはどういう事だ?」
 少しでも時間稼ぎをしなければ。
「お前たちに言うべきことなど何もない」
 にべもなかった。
「君たちがどう言うつもりか知らないけどさっ。あまりに不躾過ぎはしないかいっ?」
 鶴屋さんがやや強い調子で不快気にそう言い返した。しかし、鶴屋さんはこの連中と常
人との雰囲気が違うことを感づいているのか、あきらかに警戒心を滲ませていた。
 ひょっとしてこいつら、問答無用で俺たちから奪い取るつもりかもしれない。
 それに、こいつらが本当に未来人なら、俺たちの知らない武器を持っていても不思議じ
ゃない。

238:オーパーツの謎を追え11
07/06/24 13:01:03 T7Y/xpWh
「ふん、もう少し穏便に事を運ぶつもりだったのだが、しょうがない」
 そう言った瞬間、二人組のうちの一人が一瞬消え去り、次の瞬間鶴屋さんの真後ろに現
れた。
 これにはさすがの鶴屋さんも反応しきれず、オーパーツを抱えながら横に避けようとし
たが、その瞬間、そいつが鶴屋さんの長く綺麗な髪をつかんで、乱暴に引っ張った。
 鶴屋さんは「きゃっ!」と悲鳴を上げ、苦痛の表情を滲ませた。
 その男はさらに、鶴屋さんの持つその金属棒を奪い取ろうとしていた。
 鶴屋さんは抵抗するものの、髪の毛を掴まれている状態では、それもままならない。
 その鶴屋さんの表情を見た刹那、俺の全身の血が逆流しそうになり、次の瞬間、我を忘
れて駆け寄り、その男を力任せに殴りつけていた。

 俺の拳に鈍い痛みが走ることと引き替えに、その男は後方へ吹っ飛び、そして倒れ込ん
だ。

 完璧な不意打ちだったせいか、そいつは地面に倒れたまますぐには起き上がれないでい
る。
 俺はすぐさま視線を走らせ鶴屋さんの様子を確認したが、幸いにも彼女はたいしたこと
はなさそうだった。
「鶴屋さん、大丈夫ですか?」
「うん、このとおり平気っさ! ありがとうキョンくん!」
 だが、俺の攻勢もここまでで、俺の前に立っている鶴屋さんの表情が驚きのそれに変
わったとき、俺はかわけもわからず、そしてそれを知覚さえ出来ず、地面に倒された。
 ―全身が痛い。
 弱いな俺、今度護身術でも習ってみるか。だが、今はこの状況をどうするかだ。
 しかし顔を上げると、俺を殴りつけた男は、倒れている俺を一瞥しただけですぐさま標
的をオーパーツを持つ鶴屋さんに変え、迫りゆく。

 ―動け、俺の体! あんな奴らに鶴屋さんをどうにかさせてたまるか!

 だが、俺の脳が下した必死の命令にも衝撃を受けて間もない俺の体が中々言うことを聞
いてくれず、かろうじて足をガクガクさせながら立ち上がることができたに過ぎない。

「待て! もしその人に手を出したら許さねえ!」

 しかし、その男は俺の必死の言葉にも立ち止まることもせず、俺を振り返ることさえな
かった。
 俺は必死で追いすがろうとするが、間に合わない。
 しかし、そう思ったのもつかの間俺は意外な光景を目撃した。
 鶴屋さんに迫った男が彼女の腕を掴んだ瞬間、不思議なことにその男が弧を描くように
一回転してそのまま地面に叩きつけられた。
 目を疑うような3秒間だった。俺には、どのようにしてその男がそうなったのかすらわ
からなかった。
 さらには、さっき俺に殴られ倒れ伏していたもう1人の男がやにわに起き上がり、そい
つもまた鶴屋さんに向かっていった。
 しかし今度は鶴屋さんが近寄り、その男が掴みかかったと同時に、鶴屋さんは体を反転
させるようにして避け、逆にその男をの腕を掴んでその勢いを回転運動に変化させると、
男はあっさりと地面へとダイブする羽目になった。
 その男は呻きながら、まるで地を這う毛虫のようにもがいていたが、先に倒されていた
男がいち早く立ち上がり、そしてもう一人の男を立ち上がらせると、憎々しげな表情でそ
して殺気の籠もった視線を俺たちにぶつけてきた。
「わざわざこの時代に合わせて徒手でいたが、そうも言っていられないようだな」
 すると、そいつらは先ほどとは打って変わって、愉悦の色を浮かべながら自分の懐に手
を忍ばせた。

239:オーパーツの謎を追え12
07/06/24 13:02:18 T7Y/xpWh
 ―やばい、銃か?

 そう感じると、俺は咄嗟に鶴屋さんの前に立ちふさがった。俺は何も考えちゃいなかっ
たさ。ケガをするかも知れないなんて思考すら働かなかった。
 だが、そいつらが木々が生い茂り鬱蒼としている方向に視線を向けるやいなや、なぜか
ギョッとし、そして忌々しそうにその方角を凝視したあと、今度はいかにも悔しそうに俺
たちを睨み付け、チッと舌打ちして何処かへと去っていった。

 ―助かった……しかし、何だ?

 遅まきながら、俺は奴らが見ていた方角に視線を向けてみたが、残念ながら何もなかっ
た。それでも、俺は直感的に何かを感じ取っていた。今はおぼろげでぼんやりとしている
んだが。
 しばらくして、俺ははっと我に返ったように鶴屋さんに駆け寄り、改めて無事を確認し
た。
「鶴屋さん、大丈夫ですか!?」
「うん、このとおり元気ハツラツっさ!」
 よかった、いつもの鶴屋さんだ。朗らかな笑顔を浮かべている。
 しかし……なんだろう、鶴屋さんから感じる違和感は? 俺の気のせいであればいいん
だが……。
 
 しかし、俺が鶴屋さんの手を引いたとき、俺はさっきの違和感の理由を理解した。
 鶴屋さんは、足をもつれさせて躓きそうになったのだ。
 幸い、すんでの所で俺が抱き留めたのでそれ以上倒れ込むことはなかった。
 抱き留めて俺の腕の中にいる鶴屋さんは、普段の存在感とは裏腹にどこまでも華奢で、
このまま抱きしめれば折れてしまいそうだった。
 その後しばらく、鶴屋さんはじっとしていたが、自分の置かれている状況―まだ俺に
抱き留められたまま―を理解するに従ってハッとしたようになり、
「……ごめんよ、キョンくんっ!!」
 鶴屋さんは顔を赤くしたまま、少しあわてながら俺から体を離した。
 しかしその時、鶴屋さんの足取りはやはりおぼつかなく、その上明らかに苦痛の色が滲
んでいた。 
「鶴屋さん、まさか足を……?」
「気づかれちゃったね……あたしとしたことが、ちょっとドジを踏んじゃったよ……」
「でも、やつらに傷つけられなくて、本当によかったですよ。本当に……」
「ごめんよ、キョンくん、心配させて……。それと、ありがとう……あたしを助けようと
してくれて……」
 いつもの口調とは違った鶴屋さんに見つめられていると、なぜかにわかに穏やかならざ
る気分に陥り、俺は平静を保つため、視界の半分を中空を見つめるように意識した。
 だがな、この状況なら誰だってそうなってしまうに違いないぜ。普通の男ならな。
 そんな俺の動揺を感じ取ったわけではないだろうが、鶴屋さんの顔が赤い。しかも妙に
艶やかな瞳で俺を見返している。
 何処か落ち着かない雰囲気だ。喉が渇く。自慢じゃないが、俺はこういったことに慣れ
ていないんだ。
 しかし今はそんな場合じゃない。いつまた、奴らが姿を現すかも知れないからな。
 俺は心の何処かで惜しいことをしたと悔いながらも、この空気を断ち切るように、
「鶴屋さん、俺が肩を貸しますから、とにかくここを下りましょう」
「……そうだね」
 鶴屋さんも心持ち残念そうな色そん表情に滲ませていたが、すぐさま俺の提案に従った。
そして俺たちは荷物をまとめると、再び獣道へと向かった。



240:オーパーツの謎を追え13
07/06/24 13:03:44 T7Y/xpWh
 俺は鶴屋さんに肩を貸しながら、ゆっくりと歩みを進めていた。さすがに、鶴屋さんの
足を気遣いながらの下山ではそうスピードは出なかった。当然だ、鶴屋さんに無理をさせ
るわけにはいかんのだからな。
 ところで鶴屋さんだが、今日襲撃してきた連中のことを口には出さなかった。おそらく
この人のことだ、ある程度は見当がついているんだろう。だからあえて言わないんだろう
がな。
 それでも、妙に静まりかえったこの空気はいかんともし難く、俺は何かを話しかける必
要に駆られた。
「それにしても鶴屋さん、あなたがあんなに強いとは思っても見なかったですよ。ひょっ
として、なにか武術でも習っているんですか?」
「まあね、ちびっちゃいころから、いろんな事を習わされていたからねっ! あんな連中
ぐらいならなんでもないことっさ」
「それでも、いくらあなたが強くてもあんな無茶はしないで下さいよ。俺の精神と心臓に
悪いですから……」
 そう言うと、鶴屋さんは少し嬉しげにしたあと、打って変わってやや呆れたふうに俺を
見返した。
「なーに言ってんだいっ! キョンくんのほうこそ、無茶してくれちゃって。あたしのた
めに……。でも、やっぱりキョンくんも男の子だよねっ! あたしを守ろうとしてくれた
とき、とってもかっこよかったよっ! それに嬉しかった……なんてねっ!」
 照れくさそうにしながら、鶴屋さんは俺の肩につかまったままの状態で、顔を俺に向け
た。
 当たり前だが顔が近い。互いの息づかいと体温が感じられて、俺の思考がまともじゃな
くなりそうだ。

 ―それに、今度ばかりは自分を抑えきれそうになかった。
 
 俺たちはまるで恋人同士のようにごく自然に互いの唇が近づけ、そしてそっと触れあっ
た。
 だがしばらく見つめ合ったあと、無性に照れくさくなり、この世のものとは思えないほ
ど真っ赤になりながら視線をそらせた。

 ―俺は鶴屋さんとキスをしたんだ!

 それでも、俺に後悔はなかった。それに他の誰かの顔が浮かぶことも……。
 誰がって? さて、な……。
 あとは互いに気恥ずかしくなり、俺たちは無言のまま、鶴屋家の車が迎えに来る手はず
になっている登山口まで急いだ。
 俺たちがやっとのことで懐かしの地上に降り立つと車がすでに待っており、乗り込むと
車は俺を自宅まで送ってくれた。
 俺は鶴屋さんに先に病院に行くように言ったんだが、自分は大丈夫だから後で行くと聞
かなかった。俺をあまり心配させたくなかったのかも知れないが。
 そして車は俺ん家の前で静かに止まり、俺は降り立った。その俺を見送ったときの鶴屋
さんの一言がとても印象的だった。

「キョンくん、あたし……本気になっちゃうけど、覚悟するにょろ!」

 意味がわからないほど俺はガキじゃない。わかっているさ……。俺にだってな。

 しばらくしてふと我に返り、気を取り直したように玄関のドアノブに手を掛けようとし
たとき、小さなメモ書きがドアに貼り付けられている事に気がついた。
 俺はそれを確認すると、反転してある場所に向かった。



241:オーパーツの謎を追え14
07/06/24 13:04:50 T7Y/xpWh
 俺は今自宅近くの公園にいる。そして、ベンチに腰を掛けている。
「そこにいるんでしょう?」
 俺はどこを見つめるでもなく、そう呼びかけた。
「こんにちわ、キョンくん。お久しぶりね」
 この間会ったばかりですが……。
「そ、そうだったわね。ごめんなさい」
 その女性は、ペロッと舌を出してそれだけが少し幼さを残しているように思えた。
 もうおわかりだろうが、俺の隣りに腰を下ろした妙齢の女性は朝比奈さん(大)だ。
 どうやら、俺の予感も当たっていたらしい。
「説明してもらいましょうか、朝比奈さん。……まず、奴らは何者なんです? まさか、
あなたの部下かなんかじゃないでしょうね?」
 俺にそこまであからさまな疑いを掛けられたことに、朝比奈さんは少し青ざめながら素
早く首を左右に振り、否定を表した。
「ちがうわ、キョンくん。あの人達は、私たちとはいわば敵対している組織の一員なの。
おねがい、信じてちょうだい」
 俺は頷いて見せたが、心の底では疑いを消してはいなかった。これまでの経験から、朝
比奈さん(大)の話を額面通りに受け取ることはできないと感じていたからだ。
「それから、鶴屋さんは無事なの? わたし、それがとても気に掛かっていたの」
「ええ、大事には至っていません。今頃病院で手当を受けているはずですが……」
「そう、それはよかったわ。心配していたから」
 朝比奈さんにとって鶴屋さんは、学生時代の大切な親友だったのだからな。それは偽り
のない気持ちだろう。
 鶴屋さんの状況を説明し終えると、俺は朝比奈さん(大)に向き直り彼女の瞳をじっと
見据え、
「朝比奈さん、全て話してもらえませんか? あの金属のことも全て……」
 朝比奈さん(大)は視線をふと地面に落としたあと、意を決したように俺に向き直り、
「そうね、あなたにそこまで色々と知られたじゃ、しょうがないわね。……わかっわ、全
てお話しします」
 朝比奈さん(大)は覚悟を決めたようにそう述べた。
「では、単刀直入に聞きます。あの金属棒、俺たちはオーパーツと呼んでいますが、あれ
はいったいなんです?」
「キョンくん、あなたはタイムマシンと聞くと、どんなものを思い浮かべるかな?」
「タイムマシン……ですか? そうですね、俺なら猫型のロボットが使っていたものやら、
車の形をしたもの、あるいは箱形のものを思い浮かべますが……」
「そうね、だいたいそのあたりが妥当なところよね。実は、あなた方が発見した2つの金
属棒、あれはごく初期に試作された時間遡行のためのタイムマシン、それの部品なの」
 未来人に関わっているんじゃないかと思っていたが、まさかそれだったとはな……。
「でも、今のあなた方はそういった装置は使っていないですよね?」
 俺は、実際に経験したからな。もちろん何かに乗り込んだことはないぜ。
 朝比奈さん(大)はコクッと首肯すると、
「ええ、今はそういったものは使っていません。詳しくは禁則だけど、もっとコンパクト
なものよ」
 なら、なぜ奴らはそれほどに重要視していたんだ?
 その俺の疑念を感じ取ったんだろう、朝比奈さん(大)は夕焼けの空を見上げながら、
「彼らがあれを狙ったのは、私たち未来の人間、とくに時間遡行をする人にとって、なく
てはならないものだからなの」
 どういうことです?


242:オーパーツの謎を追え15
07/06/24 13:05:58 T7Y/xpWh
「昔、といっても私たちの時代からすればだけど。……ある時、時間遡行の方法を考案し
た人がいたの。そして、それを可能にする装置、あなたの思い浮かべたようなタイムマシ
ンを試作することにも成功したわ。そこに部品として使用されていたのが、あなたがオー
パーツと呼んだセシウムとチタンの合金なの」
 ……そんな重要なものだったのか。ある意味、これほど衝撃的なこともないぜ。
 なおも朝比奈さん(大)は続ける。
「その金属棒、正式にはT・S・C・D(タイムアンドスペース・コントロールデバイス)と
呼ぶんですけど、それは、時空を制御して設定した時代や場所に人や物体を正確に遡行さ
せる能力を持つの。たとえれば、この時代で言うところのマイクロチップが載った基盤の
ようなものかしら」
 だったらなぜ、いつまでもあの山に埋まっていたんです? 
「そうね、キョンくんがそう疑問に持つのも無理ないわ。では理由を言ってしまうけど、
あれはずっとあそこになければならなかったの」
 それはいったい……?
「試作されたタイムマシンは、すぐにその博士が自ら乗り込んで実験を行ったわ。結果は
大成功。その人は私も知っている有名人として歴史に名を残すことになるの。でも、事態
は思いもよらないことになったわ。気をよくした博士は実験を何度も繰り返したのだけど、
ある時何度目かの実験で、ある時代についた直後に乗っていたタイムマシンが何らかの原
因で爆発を起こしたの。残念ながらその事故は、博士が帰らぬ人となるという最悪の結果
をもたらしたわ……」
ひょっとしてその博士というのは、俺が命を救うことになったあのハカセくんのことだ
ろうか? 俺はふとそう思った。
「博士が亡くなったことによって、時間遡行が一時的に不可能になってしまったわ。もち
ろん、その理論は論文の形で残されていたのだけれど、時空制御を可能にするそのTSCDを
製造するノウハウは博士しか知り得ないものだったし、製法については何も残されていな
かったの」
 俺は朝比奈さん(大)の話を聞きながら、TSCDと言う名称があるらしいオーパーツの映
像を頭に浮かべていた。
 あのパーツを作ることは、未来の技術でも簡単にはできないのか? それほどまでに特
殊なものなのか……。
「その後、多くの人がそのTSCDをなんとしても作り出そうと挑戦したけれど、誰一人とし
て叶わなかったの。それと共に時間遡行をすることも頓挫したまま。人々は途方に暮れた
わ。でも、ある人が気づいたの。そのTSCDが博士が事故にあった時代からずっと、その時
代までどこかで存在し続けていることに……。そしてそれは今も有効だと」
 話が壮大になってきた。聞いている俺も、どの程度理解しているんだかわからんね。
「それから以後は、製造が至難を極めるTSCDを作り出すことよりも、何処かで眠っている
そのTSCDの力を借りて、時間遡行を出来るようにした装置の開発に心血が注がれるように
なったの。そして、ようやく成功したわ。原理は簡単、設定した時間軸をその時代に存在
するTSCDにシンクロさせて、それによって時間遡行を出来るようにしたの。おかげで装置
はずっとコンパクトで、しかもシンプルになったわ。……ただし、欠点としてそのTSCDが
存在する時代までにしか遡ることは出来なくなったけど」
 といっても、今はハルヒの変態パワーによって、4年前までしかさかのぼれないわけで
しょうけどね。
 朝比奈さん(大)はフフっと笑って「そうね」と答えた。
 しかし、それなら奴らがTSCDとやらを狙った理由もわかるってもんだ。TSCDさえ自分た
ちのものにしておけば、時間遡行が出来るのはそいつらしかいなくなる。邪魔者はいなく
なり、既定とは違った別の未来を奴らの好きなように創り出せるってわけだ。
「キョンくんの思った通りよ。だから、今日はわたしが監視することになっていたの。で
も、あそこに来るタイミングがギリギリになっちゃったから、そのせいであなたと鶴屋さ
んを危ない目に遭わせてしまったけど……」


243:オーパーツの謎を追え16
07/06/24 13:07:32 T7Y/xpWh
 朝比奈さん(大)は「ごめんなさい」と言って頭を下げた。
 しかし、俺たちは朝比奈さん(大)のおかげで結果的には助かったんだから、そんなに
気にしなくてもいいですよ、と答えておいた。
「今日は色々とご迷惑を掛けてごめんなさい。キョンくんには全て話し終えたし、あたし
はもう帰ります」
「待って下さい、朝比奈さん! あのTSCDはどうすればいいんですか? あなたに引き渡
せとでも?」
 しかし、朝比奈さん(大)はかぶりを振り、
「いいえ、あれは鶴屋さんのおうちで保管してもらえればそれでいいわ。ただし、あれを
破壊したり、何処かへ移動させないで欲しいの。それだけよ」
 そう言い残して、朝比奈さん(大)は消え去った。未来へ帰ったのだろう。
 俺は一人ぽつんとベンチに座りながら朝比奈さん(大)の話を反芻していたが、やがて
雪がちらつくようになった頃、おもむろに腰を上げ、すでにあたりを夜の帳が支配しつつ
ある自宅への帰り道をたどった。
 やれやれ、重い話だぜ……。



 翌週の月曜日、そして放課後。俺はいつものようにSOS団アジトであるところの文芸部
室で、朝比奈さん給仕のお茶をありがたく啜りながらのんべんだらりとしていた。
 至極のひとときである。ハルヒの騒音さえなければなおよかったのだが。
 そんな時、突如としてドアが開き、鶴屋さんが飛び込んできた。
「こんちわー!」
 鶴屋さんは驚異の回復力ですでに足は治癒したらしく、平然と歩いていた。
 俺は鶴屋さんの顔を見た瞬間、あの時キスしてしまったことを思い出してしまい、人知
れず体温が上昇した事を感じたが、鶴屋さんはそんな様子を微塵も見せなかった。さすが
だ。
「鶴屋さん、今日は何かしら?」
 鶴屋さんは、ハルヒの問いには笑顔だけを向けてそれには答えず、俺に近づくとやおら
口を開き、
「やあ、キョンくん。ちょっと先になるんだけど、今週の土曜日は空いているかなっ?」
「はあ、予定はなにもありませんが」
「じゃあその日、ちょっと付き合ってもらってもいいにょろ?」
「ええ、いいですよ」
 するとハルヒは笑顔を浮かべて興味深げに、
「今度は何をさせるの? 薪割り? それとも温泉掘りとか? ひょっとしてメイド服姿
で一日鶴屋家の使用人体験をさせるとか……?」
 おいおい、どんな罰ゲームだよそれは……。
「あら、いいじゃない。たまにはあんたもコスプレしてみたら?」
 ごめん被る。なにが悲しゅうて男がメイド姿をせねばならんのだ?
 鶴屋さんはハルヒに向かって首を振ると、

「キョンくんには、うちの親父さんに会ってもらおうと思ってねっ!」

 その瞬間、部室の中は凍り付き、その後クラスター爆弾を投下されたようにあちこちで
怒気が炸裂した。誰に対してだって? ……そんなもの、俺に決まってるさ。
 ああ、めまいがする、それにやけに寒いな。俺はひょっとして八甲田山で雪中行軍の途
中だっけか? そう勘違いしてしまいそうな境遇だ。
 俺は焦点が定まらないまま視線を滑らせると、ハルヒは口を引きつらせながら、いかに
も平静を装って風に鶴屋さんに問い返した。



次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch