キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3 - 暇つぶし2ch904:名無しさん@ピンキー
07/08/13 03:04:00 0mEb/DfJ
リアルタイムGJ

905:名無しさん@ピンキー
07/08/13 03:09:08 wBRw5ZnH
GJ!!!!!

今回は姉妹二人の朝倉女史の奸計に対する推理考察が素晴らしい!
特に今まで散々マロ姉、マカ姉とバカにされてきたリカ姉が別人のようだ…

次回の展開にwktkせずにはいられないっ!

906:名無しさん@ピンキー
07/08/13 03:41:43 rH2DCFXR
やべー・・・俺どうやってメールを送ったのかわかんねーよ
お前らわかる?

907:名無しさん@ピンキー
07/08/13 03:45:29 iTVN28j2
GJ!!!!!

これは携帯が2つって事なのかな?

908:名無しさん@ピンキー
07/08/13 04:11:23 1jAvzHHb
SIMカードかな、とか思ってみる

909:名無しさん@ピンキー
07/08/13 04:25:39 6LH+jv4k
隠れ弱気っ子のリカ姉いいなぁ・・・

携帯のトリックはメ欄かな?

910:名無しさん@ピンキー
07/08/13 11:53:47 L2TqIrz7
昔ホームアローン観たとき電波回線ジャックってのがあったけどそんな感じじゃね?

911:名無しさん@ピンキー
07/08/13 11:56:08 BgrOEnS1
アセリアのキモウトが成長して美化されたんだが
策略を感じてしまう

912:名無しさん@ピンキー
07/08/13 12:25:34 X/ykoZnI
策略おもしれえw
結託したキモ姉妹の逆転も楽しみだ

913:名無しさん@ピンキー
07/08/13 14:12:13 +3xLz44g
携帯の機種と色が同じものをもう一つ用意して、テツの携帯だと偽ってテツに返せばいいんじゃね?
そしたら番号とかアドの件は解決するし。テツの携帯に繋がったのも頷ける。
後はばれないように、少しいじくればいいだけだろ。

914:名無しさん@ピンキー
07/08/13 15:27:41 UneqdP10
なんか推理物っぽくて新鮮だなw
続きをwktkしつつ待ってます。

915:名無しさん@ピンキー
07/08/13 18:54:34 6o2vX/u/
>>913
私も同じ意見です、金田一くん

916:名無しさん@ピンキー
07/08/13 19:18:33 +3xLz44g
キモウトssを投下しようと思う。

…どうやって題名入れるんだ?

917:名無しさん@ピンキー
07/08/13 19:18:38 jlPmbCi9
少し前にFOMAカードのフォーマットミスとかコピーの件が話題になっていなかったか?

918:名無しさん@ピンキー
07/08/13 19:31:52 AtYtsxvV
>>916
名前のところにタイトルを書くだけだよ

919:名無しさん@ピンキー
07/08/13 19:35:15 +3xLz44g
>>918
ありがとう。
じゃあ、駄文を投下してみる。暇だったら読んでくれたらうれしい。

920:桜の網
07/08/13 19:58:37 +3xLz44g


 感情が行動に起因するものだというものは知っていたけれど、
行動によって感情が知らされるなんてことは僕の十八年の短い人生の中では一度もなかった。
十八歳、成人までもう少しであり、ある程度の解禁をむかえる夏。
悠太はこの人間を焼き殺そうとしている太陽の下で――凍りついていた。

 目の前には日傘。淡い水色の中に白いバラのような刺繍が見える。
柄のところは木製で、上等な樹から作られているのだろう、木の色は鈍いながらもしっかりとしていて、とても高価に煌く。
ニス等を塗って光らせているようなものではないと素人にもわかって、
悠太はもしかしたら、太陽の光を和らげているのは、高級さも輪をかけているのかもしれないと思った。
 傘の下にはフリルのドレス。白を基調としたシルクは太陽の下にあるのが不自然なはずなのに、なぜかそこにあるのが必然であるかのように輝いていた。
 ヨーロッパのお姫様。
 この形容が正解で、もしここにいる人間がそうだとしたら、驚きこそするけれど何とか力になってあげようと悠太は思う。
質問には喜んで答えるし手助けもしよう。道案内だって惜しまない。なんなら大して力が強いわけではないけれど、護衛だってしてもいい。
 でも、今彼に向かってにっこりと微笑んで、先月骨折したばかりの右手をギブスの上から思い切り右足で蹴りつける彼女は――妹だ。
「兄さん、今日はどちらへいかれるのですか」
 睥睨。少女は射殺すように見る。だが悠太は、返事をすることができなかった。
彼女がドレスのことなど気にもせずに放った回し蹴りで呻いていたから。
この炎天下にドレスという不釣合いな格好に輪をかけて恐ろしい行動をする実の妹。
「桜」
 せめて名前だけでも呟いて、桜の質問に答える意志があることを示さなければならない。
悠太はあまりの痛さにコンクリートのど真ん中で蹲っていたけど必死で答えた。
「兄さん、私にはわかりません」
 くるくると回される日傘。それは桜の機嫌がいいときに出る癖で、決まって兄に関すること。
 事実、機嫌がいいのだろう。
 このような奇行、常軌を逸してはいる。だが、悠太はわかっていた。
これが悠太のことを心配して起こることだということを。少しばかり兄思いが過ぎるが。
「なぜ、外に出て行かれるのです。この暑苦しい太陽の下へ。屋敷にいればいいではないですか。
もし足りないものがあればすぐに用意しますのに。まあ確かに、たまには外に出たいという気持ちもわかりますが」

921:桜の網
07/08/13 19:59:22 +3xLz44g

 悠太は桜を見る。
 美人だと思う。綺麗なロングの黒髪に、透き通るような白い肌。
髪は腰元まであり、風がそよそよと彼女の髪を揺らす。ここだけ見ればとても愛らしいことは間違いない。
ドレスではなくて着物を着ていれば、大和撫子と表現してもいいだろう。
 下世話なことではあって、兄としてみてはいけないことだけれど桜は胸だって豊かだ。ドレスいっぱいに開いた胸元は健康的な色気を放つ。
 これが肉親でなければ悠太とて、ずっと側にいてもいいのだが。いかんせん妹ではいささかムードがない。
「夏休みも、もう終わりなんだ。たまには遊びにいかせてよ」
 そう、悠太は高校三年生の夏休みの八月半ばまで屋敷から一歩も外に出ていなかった。
外に行こうとすると、どこからともなく、桜はもちろん、使用人、執事、ガードマンが屋敷に連れ戻した。
 その後は、桜によるお仕置きである。悠太はこれが嫌でたまらない。
「兄さん、何も私は遊びに行くな。なんてこと言ってはいないのですよ。ただ、私に無断で行くというのが気に入らないだけで」
「言ったじゃないか、白石さんの家に行くって」
「許す、とは言っていませんよ。それにしても、白石、あのご老人ですか。確かにあの方は、とても穏やかな人ではありますが…」
 桜の目が険しくなる。もともと釣り目気味の目が更に鋭く、美人がこういう顔をすると、その筋の人にはたまらないものがあるだろうなと悠太は思った。
「あの女もいるのでしょう?」
「あの女?ああ、亜美のことか」
 刹那、桜が悠太の腕に足を置く。まだ蹲ったままだった悠太の格好からすれば、
なんだか女王様にしつけられているみたいに思え、実際、桜が足に力を入れればまた激痛が悠太を襲うだろう。
「その名前は兄さんが口にしてはいけませんよ。口が穢れてしまいます」
「穢れるって…、そんなに邪険にしたらだめだよ。同じ、妹だろ」
 ごりっ
「あああああああ」
 悠太の叫びが木霊する。桜の足が悠太の腕を踏みつけていた。
「同じ?あははははははははははは。兄さん、何言っているんですか。同じなんかじゃないですよ。だって、私は人間で、あの子は猫でしょう?」
 悠太はやめて、やめてと叫ぶ。おそらく桜が喋っている声は聞こえていないのだろう。
ただ自分の腕を桜の足からはずそうと必死にもがく。

 桜は、喋りながらもしっかりと悠太を見ていた。自分に懇願する兄の姿を。
高校生にしては幼い顔の兄。女性的とも言える彼の顔は、学校でも人気があるようだ。
 事実、屋敷にも何回か女からの電話が何回かかかってきていた。
もちろん、ソレは処分したけれど人気がある、ということに関しては桜も納得してしまう。
 顔は整っていて、かっこよくもある。が、美形と表現は適切ではないだろう。
ただ、庇護欲はそそるものがある。なんだか守ってあげたくなる小動物特有の目。
加えて今の表情。前述とは矛盾するが、いじめてみたくもなる。なんだか、泣く姿が見たくて。
 桜からすれば、このギャップが麻薬であった。
兄という自分よりも年上の男が、そして肉親が私に哀願するこの姿。
なんともそそるではないか。
「私の側を離れる時は、私が納得できる理由、離れているおおよその時間、そしてそれに伴う代償が必要だと教えたでしょう。
加えて、GPSと発信機、盗聴器をいつもの二倍はつけないといけませんのに。なぜ兄さんは守ってくださらないのですか」
 きっと、兄はあまりの痛さに聞いていないのだろう。でもそれがいい。
 まだ完全に感知していないのに病院の院長に金を渡して、退院させたかいはある。
西園寺財閥、なんて忌々しいこと意外に思うことなど何もなかったけれど、多少は役に立つものだ。それに関しては感謝してもいいだろう。
 桜は屋敷に連れ戻すためにガードマンに命じて車にあまりの苦痛に気絶した悠太を押し込むと、意気揚々と車に乗り込んだ。



922:桜の網
07/08/13 20:00:30 +3xLz44g

 暗い地下室。わずかな光はぼんやりと壁を写している。窓はない。喚起のための小さな穴のようなものはあるが、
そこから風を感じることはなかった。ゆえに臭いはこもっている。すえた臭い。
「脱いでください」
 桜は、悠太に命令した。悠太は言われたとおり脱ぎ、トランクス一枚になった。
「いい眺めですね、兄さん」
 桜の格好はドレスではない。ゴスロリ、というのだろう。黒と白をベースにした人形に着せるような服をまとった桜。
豊満な体の彼女が着ると、なんだかエロティックに見えないこともない。なんだかここだけ異空間みたいだなと悠太は思った。
「すいません、兄さん。このようなことしたくはないのですが、掟ですから」
「わかっているよ。早くしよう」
 桜は鞭を取り出した。だらんとした鞭が地面につく。結構な長さだ。おそらく悠太の身長ぐらいはある。
 そして桜は鞭を思い切り悠太に向けて振るった。
 ビチィ
「――痛っ」
 男にしては白い肌に、赤々としたものが点々とつく。すでにいくつもの赤点がついているのは、悠太が以前にお仕置きされた時のものだ。
 悠太が外出するというのは、正確に言えば別段変わったことではない。
華の高校生。外出などやってしかるべきだ。桜も、兄が出かけるというのを推奨こそしないものの止めたりしたことは夏休み前まではしたことがなかった。
 ある日、桜は悠太が出かけるというので、どこに行くか尋ねた。すると兄は街に買い物に行くらしい。桜は自分も同伴していいか訪ねた。悠太はにこやかに了承した。
 暑い空の下。二人は街までやってきた。悠太は新たな夏物の服が欲しいといっているので、まず衣服を買いに行った。
 店は主にカジュアルな服が多く、悠太には似合いそうなものが数多くあった。女性用の服もある。
桜は、ここで兄の服を見立ててあげたり、見てもらったりしようと決めて、先に自分用の服を買いに女性用の服を選びに行った。
 しばらくして服を二、三着もって悠太のもとに帰ってくると彼は一人ではなかった。
「あれ、悠太。この子、誰」
「ああ、妹だよ」
「妹?亜美ちゃんじゃなくて?」
「うん。まあ、ちょっとね」
 女は悠太の腕を取り、絡めている。悠太は困ったようにしているが、女は決して離そうとはしなかった。
桜は、自分の心から沸き起こる黒いものに気づいたが、兄の手前、平静を保った。
 なぜこの化粧の濃い女は、兄さんの腕を取っているのだろう。女との距離は二、三メートル離れているのにここまでくさい香水の臭いが届く。
「兄さん、彼女、なんですか」
「いや、違うよ」
 笑いながら悠太が言う。女はそれを聞いて甘ったるい声で、ひどいなあ悠太は、などといっていた。
 それから女は用事があるとかで帰った。塩でも撒きたかった。
 もう桜は洋服を悠太に見立ててもらうどころではない。ただ、不快感だけが付きまとっていた。
 店を出て、今度は喫茶店に入る。
 なんとなく桜は悠太に話しかけることが出来なかった。しかし悠太はそれに気づいていないようで、満面の表情で桜に微笑む。
そして、桜が悠太に話しかけようと口を開きかけた時、さらに不快な出来事は起こった。

923:桜の網
07/08/13 20:01:07 +3xLz44g

「あれ、悠太君?」
「あー、本当だー」
「え、あー、悠太ぁ」
 今度は女の三人組だった。おそらく悠太の友人なのであろう。甲高い声が店内を包む。
悠太は少し桜に申し訳なさそうに、けれど友人に向かって話しかけていた。
これだけでは、止まらなかった。悠太は驚くほど友達が多い。それも女が。
 街に出れば女友達と会うし、家にだって電話をかけてくる。
だから桜は、悠太の交友関係を絞ることにした。というより、夏休みに入ってあまり外に出られないようにした。
 理由は、西園寺家次期当主の仕事が山ほどあるということにして。
 これは、半分本当でもう半分は嘘だ。
次期当主、になるのはたぶん桜本人だろう。生まれた時から西園寺の一人娘として育てられた彼女は、
この間まで西園寺の息子ということを知らなかった悠太よりもはるかに内情に精通しているし、大きな声では言えないが父親は、悠太を疎んでいる。
となれば、当主は決まったようなものだ。
 実は悠太は、このことを見抜いていた。
 最近までここにいなかった自分が当主になどなるわけがないと悟っていた。
だが、桜に対し負い目はある。いくら、自分が西園寺の息子であるということを知らなかったとはいえ、
この屋敷に一人で十年間以上も桜を置いていたのだ。自分に何も非がないなどとはいえない。
 悠太は極力、桜の仕事を手伝った。それは西園寺財閥というものの姿と大きさを理解するものから、中小企業などの仕事に関連したものなどさまざまだった。
悠太は、今までこのようなことを一人でやっていたのかと桜に問うと、桜はあいまいに頷いた。
このように、負い目を感じていた悠太であるから、桜が細工をするのも簡単なものだった。
 その際たるものが、お仕置き。
 先に言ってしまえば、そのようなものは西園寺家にはない。
 というのも、桜が勝手に作り出したものなのだ。
悠太は幼い時からこの屋敷で育ったわけではない。だから、この西園寺という家のことを良く知らなかったのだ。
桜がこの家のことを教えると、そうなのかと信じたし、しきたりや掟があれば黙って従った。悠太は常識も良識もあったが、人を疑うことには疎かった。
続いて、外出の許可制。電話の録音。どんどんエスカレートしていく。
 そして、最後には簡単には悠太は桜の側を離れることが出来ないようにした。その時には悠太が外に出られるのは、桜の目を盗んだときだけになっていた。
 ビチィ、ビチィ
 暗い部屋に音だけが木霊する。
桜はお仕置きの時間、とても幸福感に包まれる。鞭が赤い螺旋を刻む時、兄が自分だけの物になったかのような錯覚に陥るからだ。
 マーキング。
 桜がつけた傷。桜によってつけられた跡。それが兄を縛る。桜の愛情が兄を縛っている。
 ああ、兄さん。兄さん。誰にも、誰にも渡さない。
 桜は、半日ほど兄を嬲った後、眠ってしまった兄を見て、幸せそうに赤く腫れた肌に舌を這わせた。
 悠太に意識はないのに、桜は堪えきれずに悠太のトランクスを脱がした。

924:桜の網
07/08/13 20:02:03 +3xLz44g

 西園寺桜。
 高校一年になったばかりの彼女には、人より少しばかりの不遇な環境があった。
まず桜は父親を知らなかった。もちろん、いないわけではない。
 しかし、西園寺財閥という大手企業から中小企業、分野は農業などの第一次産業からサービス業まで携わっている会社の社長をしている父親は、
娘が生まれたというのに一度も会いに行くことはなかった。
桜が生まれ、現在の十六歳になるまで一度も対面したことがない。
だからもし、桜が父親と会うことがあっても、桜自身が気づけないであろうことは想像に難くないだろう。
 母親もそんな父親に対し、諦観の念が強かったので彼に対して何か言うことはなく、自分ひとりで育てていこうと決めていた。
母は父親の気まぐれで抱かれた女の一人であり、彼女はそれを知っていたというのもこの気持ちの起因するところではある。
 ただ、母親が桜を捨てなかったのは、彼女の少しばかりの夫に対する抵抗であった。桜の父が母親と結婚したのは惰性だった。
 そんな母であったから、彼女は桜には愛情をたっぷりと注いだ。
起床から就寝まで常に桜の側にいることはもちろん、欲しいもの望むもの、そして時には躾も心を鬼にしてやったように思う。
 だが、桜が四歳の時、母は死んだ。突然の心不全だった。
 桜は親戚の顔も見たことがなかったから、それから独りになった。
 これは桜にとって相当、堪えた。まだ愛情を渇望する時期であった桜は、甘い蜜をもらってからそれを理不尽に取り上げられたのだった。
 財閥の一人娘、というのに齟齬があると気づいたのは小学六年生の時。リムジンという趣味の悪い黒光りする車の中、執事が言った一言が発端だった。
「もうすぐ、中学生ですね。早いものです。桜様は将来なりたい職業などがおありなのですか」
 執事の長谷川がいった言葉に桜は始め、何も答えなかった。
 どうせ、会社を継げといわれるに決まっている。
 女という性別であったことが、会社に反映される世の中ではもうない。
一昔前であったなら、有望な企業などに花嫁などとして忌々しく送りつけられているだろうが、今は違い女社長という立場は珍しくなどはない。
 だから、当然後継者となると思っていたから、何気なく長谷川に言った。
「私には、決まった道筋しか用意されていないのでしょうに。どうせ将来は会社を継ぐことになるでしょう」
「それは…なぜです。別に決まってはいないでしょう。後継の心配はないのですから」
 長谷川は、雇われただけのただの人間だったが、とても甲斐甲斐しく桜を育てたといってもいいかもしれない。
小学六年生というこのときまで、桜の信用できる人間は、長谷川だけであったし、また長谷川自身、桜を娘のように思っていた。
だからではある。後継の心配はないという失言をしてしまったのは。
「後継の心配がない…とは、どういうこと」
 長谷川は桜の質問に答えることが出来なかった。桜に対してくれぐれも、他に兄妹がいないことを知らせてはいけないといわれていたからだ。
 桜の顔は驚きに染まっていた。
ぼんやりと景色を眺めていた状況とは打って変わって、重い空気が車内に立ち込める。
 桜が、変わったのは長谷川から「後継の心配はない」と聞いた後からだった。
 屋敷の使用人の誰に聞いても、意味がわからない、知らない、聞いたことはないと言う。
長谷川ではない執事に父親に連絡を取らせ、事の真偽を確かめようともしたが、父親には繋がりもしなかった。
 そして、桜は執事などを通しても事実が更に隠蔽されることに気づく。
小学生としてここまで生きてきたが、これほど自分が馬鹿だということを恥じたことはなかった。


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