キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3 - 暇つぶし2ch550:名無しさん@ピンキー
07/07/13 01:36:45 3Vnq6sdr
>>530
なんて素晴らしい姉……!!
こりゃあ続きに期待せずにはいられませんぜ!!GJ!!

551:名無しさん@ピンキー
07/07/13 02:25:54 8jXHVJCp
>>539
兄弟殺しの信長・世民と近親のチェーザレが意味深だと思う姦

552:名無しさん@ピンキー
07/07/13 04:32:58 HwFXtQcp
>>530
この上なくGJ!!!



どうでもいいけどタイトル見て初代ペルソナを思い出した

553:名無しさん@ピンキー
07/07/13 08:03:47 AHb4lc/q
>>530
うぎゃああああああああああああああああ無形氏の新作がああああああ夢にまで見た新作
がキタ━━(;´Д`);´Д`);´Д`);´Д`);´Д`)━━!!!

しかも待ちに待ったキモ姉・・・引力爆弾クラスのGJ!!!この大作でどれだけ俺は萌だ
えるのだろうかwktk

554:名無しさん@ピンキー
07/07/13 16:14:14 qL1KkicA
>>551
信長は自分を裏切った浅井と朝倉の頭蓋骨を漆で固めて金箔を張った上で
それを器にして酒を飲むような男だしな。
姉を裏切るとしろも・・・ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル

555:名無しさん@ピンキー
07/07/13 20:06:25 9FG5wbi6
無粋なのかもしれないが
カゲロウは蜉蝣目、トンボは蜻蛉目だよう

556:名無しさん@ピンキー
07/07/13 23:04:22 XCq9E6Bp
久々に来たら無形氏の新作!しかもキモ姉!!

夕日ロマンスも良かったし、今月は良いことが多いぜー

557:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:15:41 aJ0kNAao
人殺しと一緒になんかなりたくないだろ一般人なら

558:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:17:29 aJ0kNAao
人殺しと一緒になんかなりたくないだろ一般人なら

559:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:18:25 aJ0kNAao
人殺しなんかと一緒になんかなりたくないだろ一般人なら

560:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:21:10 NDEMqtXg
   /⌒\
  ( ・∀・) ?
  ノルリノルリ


561:名無しさん@ピンキー
07/07/14 18:20:52 4kSkA2u4
人殺し?あぁ、
狂愛者(人殺し)のことか。

562:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:02:50 vHJIQown
人殺しと書いてー


563:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:20:00 vjjU/7ce
おっぱいと読むー

564:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:29:54 pRZB67/3
その心は?

565:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:44:21 WKmHjzSV
ちわ~三河屋で~す

566:名無しさん@ピンキー
07/07/14 21:46:47 dQGf0Fr+
誰か説明してくれ

567:名無しさん@ピンキー
07/07/14 22:06:03 /PAuk2Dr
つまり全てがFになるんだよ

568:名無しさん@ピンキー
07/07/14 22:43:18 ESbMnb4N
そんなゲームもあった気がする

569:名無しさん@ピンキー
07/07/14 23:51:43 tZ/PdUuo
何この流れ・・・・・・・?
             /ヽ       /ヽ
            / ヽ      / ヽ
  ______ /U ヽ___/  ヽ
  | ____ /   U    :::::::::::U:\
  | |       // ___   \  ::::::::::::::|
  | |       |  |   |     U :::::::::::::|
  | |      .|U |   |      ::::::U::::|
  | |       | ├―-┤ U.....:::::::::::::::::::/
  | |____ ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<
  └___/ ̄ ̄      :::::::::::::::::::::::::|
  |\    |           :::::::::::::::::::::::|
  \ \  \___      ::::::

570:名無しさん@ピンキー
07/07/15 00:06:32 +BRISaEE
   /⌒\
  ( ・∀・)ノ 良くあること
  ノルリノルリ

571:名無しさん@ピンキー
07/07/15 00:19:22 GRLk6vjO
兄が妹に優しいから妹が兄に甘えるようになるのか、妹が兄に甘えるから兄が妹に優しくなるのか。
どっちが先だと思う?

572:名無しさん@ピンキー
07/07/15 00:45:20 zqZ07odf
わたしは生まれたときからお兄ちゃんのもので、
お兄ちゃんはわたしのものなんだよ?

573:名無しさん@ピンキー
07/07/15 01:03:07 B6VDStEo
>わたしは生まれたときからお兄ちゃんのもので、
お兄ちゃんはわたしのものなんだよ?

      /::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
       /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::人:::::::::::ヽ
     /:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::/  ヽ、:::::::ヽ
     |:::::::::::@ヽ-------‐‐'′    ヽ:::::::::|
    |::::::::::/                 |:::::::::|
    |:::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ|:::::::::|
   |::::::=ロ  -=・=-  |,  |  -=・=-  ロ=::::::|
    |::::::::/ヽ      /ノ  ヽ      /ヽ:::::::|
   |:::::/  `── /   ` ──  丶:::|
   |:::ノ        (●_●)        |::|
   |::|           l l           |::|
   |::|       __-- ̄`´ ̄--__       |::|
   |::|        -二二二二-        |::|
   |::::\                   /::::|
   \::::::\     _- ̄ ̄ ̄-_     /::::::/
     |Ξ|~ \             / ~|Ξ|
    /::::::ヽ/|\_______/|\ /:::::::ヽ
    |::::::::::|  \         /  |::::::::::::|
   /|:::::::::::|    \      /    |::::::::::::|


574:名無しさん@ピンキー
07/07/15 01:04:33 B6VDStEo
      /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
       /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
       (:::::::::::人ノヽノヽノヽノヽ人::::::::::::::::)
      (:::::::::::/           \:::::::::::::)
      (::::::::::/             \:::::::::::)
     (::::::::::/               ヽ::::::::)
     |:::::::/ ,,;;;;;;;;;;;;;;,     ,,;;;;;;;;;;;;;;,  |:::::::::|
     |:::::┏━━┓  ┏━━┓:::::|
     |::=ロ   -=・=- ┣━┫ -=・=-   ロ=::|
     /|:::/ヽ      /ノ  ヽ      / ヽ|ヽ
    .| |/  ` ̄ ̄ ̄´/    ` ̄ ̄ ̄´   | |
    ヽ|         (. o⌒o .)        .|ノ
      \       :::::::::::::U::::::::::::::     /
       |\    ::::--┬┬┬--::::   /|    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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        \     ´ ̄ ̄ ̄`    ./
          \           /
     ___/|.\______/|\___
   /;;;;;;;;;;;;;;; \\         //;;;;;;;;;;;;;;;;;\
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\\       //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

575:名無しさん@ピンキー
07/07/15 01:10:31 vObHz5b+
きめぇwwwww

576:名無しさん@ピンキー
07/07/15 01:12:30 7c6XkTCp
>>574のAAが友達に似てるんだよ・・・。

577:名無しさん@ピンキー
07/07/15 11:43:04 bMpD3Tne
三次元の人間はこんなもんだろ。
このAA見てありえないとか思ってる人は、
二次元に浸りすぎて感覚が麻痺してるんじゃないか?

578:名無しさん@ピンキー
07/07/15 11:51:52 7hB2ZszC
まずAAなんか貼るな、一回台風で飛ばされとけカス

579:名無しさん@ピンキー
07/07/15 11:58:20 K07ulSAn
このスレにおいて下手にリアルを持ち出すのは明らかに無粋。

580:名無しさん@ピンキー
07/07/15 13:22:15 PEDw1zjv
リアルに宇宙から妹が来て欲しかったり、過剰なまでに過保護な姉が欲しかったりする俺は、このスレじゃ正常?

581:名無しさん@ピンキー
07/07/15 13:36:20 8pD3RMpJ
>>580
正常正常

582:名無しさん@ピンキー
07/07/15 20:19:32 EfL+o6AR
>>580
ここのスレタイが見れないのかい?そういう人たちが密かに萌えるスレじゃまいかwここに
いる限りキモ姉妹好きは正常さw

583:名無しさん@ピンキー
07/07/16 11:26:25 ARKf+Xep
キモ姉Aの弟はキモ姉Bが好き。
キモ姉Bの弟はキモ姉Aが好き。
…この場合、どうなる?

584:名無しさん@ピンキー
07/07/16 11:30:22 XKQ841MD
>>583
修羅場

585:名無しさん@ピンキー
07/07/16 12:10:58 NMmhiivS
>>584
キモ姉Aの弟はキモ姉Bの弟。




・・・ようは二人ともオレのm(ry

586:名無しさん@ピンキー
07/07/16 13:49:34 2bHcbDGG
これだろ?!
URLリンク(jggj.net)
URLリンク(jggj.net)
URLリンク(jggj.net)

587:名無しさん@ピンキー
07/07/16 15:37:01 gPr9yobd
>>584
四人ないまぜで爛れた生活を送るという手もあるぞ

588:名無しさん@ピンキー
07/07/16 17:36:58 1HnbNjec
>>530
GJ!
絵描きの独裁者ってチョビヒゲのドイツ人ですか^^

589:名無しさん@ピンキー
07/07/17 01:54:58 pG17EQy6
修羅場が好きなんで、読み尽くした修羅場スレから流れてきたんだけど…

まとめ最初の「籠の中」こわいよ最高だよ 他のも楽しみだよみんな大好き

590:名無しさん@ピンキー
07/07/17 13:55:45 /L8Swb9Y
>>588
まめちしき
あいつはオーストリア人なんだぜ

591:名無しさん@ピンキー
07/07/17 18:28:17 FiSPvLP2
ヒゲはオーストリア国籍なだけで人種的にはドイツ人

592:名無しさん@ピンキー
07/07/17 18:30:53 ppv7N0gG
32年以降はドイツ国籍

593:名無しさん@ピンキー
07/07/17 18:42:06 zNDN6rVj
このスレ定期的に廃れるNE!

594:名無しさん@ピンキー
07/07/17 19:59:55 z7uRnG2R
それ言ったら「人種的にみてオーストリア人」なんていないし

595:名無しさん@ピンキー
07/07/17 20:13:44 A/7HuRix
もうどっちでもいいから、所詮白人だろ

596:名無しさん@ピンキー
07/07/17 20:14:19 A/7HuRix
目欄ミスったw

597:名無しさん@ピンキー
07/07/18 07:34:18 gXKaX/S2
Austriaの日本語表記は オーストリー なんだぜ。
カンガルーとコアラのオーストラリアと間違われまくったので、2006年10月に駐日オーストリア大使館が
日本語表記を「オーストリア」から「オーストリー」に変更するって発表したんだ。

598:名無しさん@ピンキー
07/07/18 07:49:49 u9NF6++D
間違えるからってインタビューで言ってたね

599:名無しさん@ピンキー
07/07/18 08:14:46 O2FaZXUC
オーストリーじゃなくてエステライヒが良かったよママー

600:名無しさん@ピンキー
07/07/18 11:36:28 ZOKRNYus
さあ、次はどれが来るんだ!?

601:名無しさん@ピンキー
07/07/18 12:06:03 YtWn50oJ
そういえば最近、変名おじさんの姿を見ない。
ネタ切れか?

602:名無しさん@ピンキー
07/07/18 16:51:51 fsR63OPd
共産主義家庭の弟は姉の事を
「同志お姉ちゃん」や「同志○○姉」って呼ぶの?

603:名無しさん@ピンキー
07/07/18 16:59:32 fsR63OPd
>>599
Republik Osterreichっていっつも引っかかる(オーのウムラウト省略)
reichは「帝国」っぽく聞こえるから、「エスター帝国共和国」って何だという感じ.

604:名無しさん@ピンキー
07/07/19 00:26:53 ZEx5eXrr
兄or弟が強い(権力持ち・万能者)パターンって少ないな
スターリンやヒットラー(後期)クラスのブッ壊れ兄or弟を盲目的に愛す姉or妹とか

605:名無しさん@ピンキー
07/07/19 01:42:37 ULiaD+XJ
それは子供のころの話。

川原に居た僕は、そこで蜻蛉に良く似た昆虫を捕まえた。
一緒にいた姉にそれを見せると、彼女は僕に微笑みながら説明してくれた。
「これは蜉蝣ね。ふゆう目の昆虫。蜻蛉も同じふゆう目だから似ているけど、一応別物」
「かげろー?」
「そう。蜉蝣。短命の昆虫」
顔をみてみなさい。
姉は僕にそう云った。
云われるままに覗き込むと、すぐに違和感に襲われた。
無い。
生物にあるべきものが、それには欠落していたのだ。
「お姉ちゃん、こいつ、口がないよ?」
「うん。そう。口が無い」
「どうして口が無いの?これじゃあごはんが食べられないよ?」
「必要ないからよ」
すぐに死んでしまうから。
姉はそう云って、僕の掌の中の蜉蝣を空に放した。
どこまでもか細い、具象化した儚さはゆっくりと風景に消えて往く。
永遠に生きるものは無い。
不滅の生命は有り得ない。
生きとし生けるものは、皆土に還り。
形あるものは、皆滅ぶ。
それが早いか遅いかの差だけで。
本質は何も変わらない。
たとえそれが―数時間の命であったとしても。
姉はそう教えてくれた。
「じゃあ、お姉ちゃん」
「ん?」
「お姉ちゃんも、いつかは死んじゃうの?」
「・・・・」
僕が不安そうに見上げると、姉は眉をハの字にして笑った。
「大丈夫。私は死なないわ。大切な弟を置いて、死ぬわけが無い。私は永遠に―貴方の傍にいる」
子供心に、それは嘘だとわかった。
けれど、僕にはそれで充分だった。
人を幸せに出来る『優しい嘘』もきっとある。
それがわかったのだ。
その日の会話も。
その時の笑顔も。
総てが色鮮やかに。
今も僕の心に焼き付いている。

――――――――――――――――――

僕にはみっつ歳の離れた姉が居る。
名前は鳴尾至路(なりお しろ)。大学生。
謹厳実直・頑固一徹・石部金吉を地で往く人物で、他人にも自分にも厳しいことで有名だ。
本人曰く、
「優しさこそが最も人を駄目にする。厳しさは人倫の根幹」
だ、そうで、周囲に居る人間は、目上・目下、はたまた同輩・友人であってもその『手厳しさ』から
逃れることは出来ないと云われている。
幼少のころに両親が「あいつは厳しすぎて困る」と愚痴をこぼしていたのを聞いたことがあるから、
その厳しさは筋金入りと云って良い。
「政治の要諦は寛厳両輪の均衡にある。けれどそれが無理なときは厳しさをこそ選ぶべき」
そう云い切る姉の愛読書は『韓非子』と『君主論』。
尊敬する人物は、織田信長、チェーザレ・ボルジア、李世民、、スッラ・フェリックス、
ハンニバル・バルカだそうで、大学では独裁、或は寡頭政治をテーマに論文を書いている模様。

606:名無しさん@ピンキー
07/07/19 02:48:21 hBxQWNCF
誰か投下プリーズ

607:名無しさん@ピンキー
07/07/19 19:20:34 B1GT0YHB
ほsy

608:名無しさん@ピンキー
07/07/20 00:13:05 /+Qs4V3x
保守

609:名無しさん@ピンキー
07/07/21 00:59:41 nijjNeGc
キモ姉妹が見れないとあまりの渇きに死んでしまいそうだ・・・作者様・・・投下を・・・

610:名無しさん@ピンキー
07/07/21 09:52:27 FgRBZYiZ
そろそろ綾タンが来るはず……

611:名無しさん@ピンキー
07/07/22 03:51:01 a8R5/BR8
唐突だけど、変名おじさんの作品って需要あるの?
誰にも呼ばれてないし、最後の投下作品2レスしかついてないけど

612:名無しさん@ピンキー
07/07/22 03:52:21 LK9OP0VZ
まあ、SSとしては普通くらいのレベルだし、数をこなしてくれればもっと良くなるはず

613:名無しさん@ピンキー
07/07/22 05:32:56 8rq0Fi7Z
大いにある

614:名無しさん@ピンキー
07/07/22 05:53:11 bLdbVKmE
俺は、とあるキーワードをあぼーんにしてたら、全く作品が表示されなくなってたか
ら、書くの止めたんだぐらいに思ってた。

きっと、これからも俺の環境だと読むことないかも。

615:名無しさん@ピンキー
07/07/22 06:23:34 tZ3PA1rC
投下して

616:名無しさん@ピンキー
07/07/22 11:32:09 5GTOg9ea
>>611
変名おじさん作品は
いい感じのキモ姉が書かれてるから好き

617:名無しさん@ピンキー
07/07/22 15:18:58 asygNNqU
み…水…。

618:名無しさん@ピンキー
07/07/22 15:26:15 Epv0IfA9
>>614
お前 エロ無し ってキーワードだろ

619:名無しさん@ピンキー
07/07/22 15:26:54 sKgJOiqk
まさかキモ姉キモウトが焦らしプレイとは…

620:名無しさん@ピンキー
07/07/23 01:48:14 DjXTNZjr
>>618
いいね!そのキーワードで俺もBANするわwwwwwww

621:名無しさん@ピンキー
07/07/23 02:07:59 ekXiN5dD
>>619
兄、もしくは弟だって
夜の生活が渇ききれば知らず知らずに『女』として自分を見はじめるだろうという作戦なんだよ

622:名無しさん@ピンキー
07/07/23 16:49:23 UKeRNAyd
昼寝してたら母に監禁される夢見た・・・惜しい!!

623:名無しさん@ピンキー
07/07/24 01:14:48 MBWDHLXc
中学の時の部活の顧問(女)から社会人の今でもたまに手紙が届く。
結構ビッチリ字が書いてあってちょっとキモい…惜しいな。

624:名無しさん@ピンキー
07/07/24 05:18:46 qEmdnwpR
…いや、いい先生じゃないか。

625:名無しさん@ピンキー
07/07/24 07:27:25 HYZ3a31k
>>623
どうせその先生に筆下ろししてもらったんだろ?

626:名無しさん@ピンキー
07/07/24 19:01:42 uY2u6hrA
むしろ、その先生の処女を奪ったって可能性も。

627:名無しさん@ピンキー
07/07/24 19:06:02 ZyjWT71u
厨臭い馴れ合いに絶望した

628:名無しさん@ピンキー
07/07/24 20:23:35 esjehkm8
スルーくらい覚えろ厨房

629:名無しさん@ピンキー
07/07/24 20:24:42 9jZAAS2t
なにより投下が無いのが辛いです

630:名無しさん@ピンキー
07/07/24 21:31:05 pgj6F/Vd
まあ、お姉ちゃん大好きな妹がお姉ちゃんを妊娠させるネタとかどうよ


631:名無しさん@ピンキー
07/07/24 21:38:18 Qrno3hB0
ふたなりだろうが人外だろうが、投下してくれるなら何でもかまわんぜ

632:名無しさん@ピンキー
07/07/24 21:40:59 pgj6F/Vd
URLリンク(www.nicovideo.jp)
↑こんな感じにお姉ちゃんベタベタな妹が望ましい


633:名無しさん@ピンキー
07/07/24 21:41:52 esjehkm8
いやあそうもいかんだろ……

634:名無しさん@ピンキー
07/07/24 21:44:29 pgj6F/Vd
どんどんと中毒になっていくので注意が必要だな・・
最低でも1日1回見てしまうwwwww

635:名無しさん@ピンキー
07/07/24 21:48:25 XCUp17Pa
>>630
動画見た・・
とりあえず、貴方はヤンデレスレの方がお似合いだと言っておこう

636:名無しさん@ピンキー
07/07/24 22:13:35 Iky9WYse
>ヤンデレ

違うだろwww

637:名無しさん@ピンキー
07/07/24 22:29:57 yOj+IaSm
君には精神科をお勧めするよ

638:名無しさん@ピンキー
07/07/25 00:27:45 LJsXbOPC
vipとニコニコは消えてなくなればいいのに。

639:名無しさん@ピンキー
07/07/25 00:36:06 uLM7n4oQ
>>638
ちょっ、おま、
それじゃヤマヤミはどうなるんだよ!?

口に釣り針がひっかかって血が出てます。痛いです。

640:完結できない人
07/07/25 00:56:36 +6n9fdo2
 つなぎネタに土曜までになんか短いの落とします。
もしなかったら完結できなかったものとして忘れちゃってくださ・・・・・・

641:名無しさん@ピンキー
07/07/25 11:53:45 2IQO6Pyy
期待

642:真っ白
07/07/25 21:53:04 +6n9fdo2
 少年の目覚めは、窓一つない、日の光さえ差し込まない牢獄のような暗い部屋に、ぽつんと置かれた寝台の上。
瞳に飛び込んでくる、物心ついた頃から見続けてきた光景が、白い少年を迎える。
この大地に生れ落ちてから14年が経った今でも、この暗澹とした世界以外を彼は、知らない。

 古木が軋む音と共に、暗闇に包まれていた部屋に、一筋の光―といっても、それは酷く頼りない微かな物だったが―が、刺し込んだ。
長い白髪に隠れた、濁った青色の瞳が眩しげに細められる。そんな微弱な輝きでさえも、この14年を闇の中で暮らしてきた少年にとっては毒以外の何者でもなかった。
病的なまでに真っ白な肌の華奢な腕が、その輝きを嫌がるように少年の眼前で交差される。
しかし、そんな行為を嘲笑うかのように、光は、腕をすり抜け、閉じた少年の瞼の上からでも、その神経を苛んでいた。

「レイ。食事よ」

 静寂に満ちた部屋の中に、女性的で、柔和な声が響き、土の壁に吸い込まれていった。

「姉さん・・・・・・眩しい・・・・・・」

 白い少年―レイは、消え入るようなか細い声で窮状を訴えた。
息を呑む音と共に、ごめんなさい、と慌てたような声と、再度古木の軋む音が辺りに木霊して、レイを光から解放する。

「大丈夫? ごめんなさい。調子はどう?」

 再び暗闇に閉ざされた世界に、レイは安堵する。大丈夫だよ、と呟いて、柔らかな寝台の上にレイは再び寝転んだ。
心配なのか、未だに穏やかな声で体調を尋ねてくる大好きな姉に、レイは精一杯の笑顔を返す。
そうしてやっと安心したのか、姉暖かい手のひらの感触が、冷め切ったレイの頬を優しく撫でた。


 
 この、数メートル四方の小さな部屋が、レイにとっての全てだった。
レイは知らない。父と母という存在を。彼が知っているのは昔からレイを育ててくれる姉だけ。
レイは知らない。頑丈な樫の木で出来た扉の向こうに広がる世界を。彼が知っているのは土壁で閉ざされた部屋の中だけ。
レイは知らない。太陽のぬくもりを。彼が知っているのは、優しい姉と暖かな布団の感触だけ。
レイは知らない。あらゆる事を。彼が知っているのは姉が与えてくれる都合のいい知識だけ。


レイは知らない。
彼を愛おしそうに見つめる姉の、情欲に満ちた瞳を。
レイは知らない。
姉の肉体の中で、彼に触れるたびに沸き起こる衝動を。
レイは知らない。
こんな穏やかな日々はもう数年もすれば終わるという事を。
レイは知らない。何も知らない。

 生まれたばかりの赤ん坊のように、無垢で純粋なまま人生を送ってきた少年は。
遠からず、そんな彼とは対照的に、その欲望に身をささげた女の手で汚されるのだろう。


―数年後
その漆黒の暗闇の中で、純白を犯す悦びに打ち震える女と、自らを取り巻く真実と共に、絶望を感じながら汚される少年が其処には居た。
困惑と拒絶と哀願の悲鳴は、歪んだ愛を持ってしまった姉をさらに昂ぶらせ、レイをその濁った色で塗りつぶしていく。
疫病に滅んだ、誰も近寄らなくなったその廃村に、たった二人生き残った姉弟の嬌声が、空しく木霊していた。



643:完結できない人
07/07/25 21:55:58 +6n9fdo2
 わざと結構ぼかして書いています。
一応、なんか色々細かく説明できるもの(姉視点)の構想はありますが
モチベーションの問題で3割くらいしか書けていません。いや、なんか酷く長くなってしまいそうで・・・・・・


 余りにも物足りない、とか、理解できない、とか、そんな感じの意見が多かったら
頑張ってそっちも書き上げようとか、一応は、思っています。


644:名無しさん@ピンキー
07/07/25 22:02:50 nemh0DYD
鬼才あらわる

645:名無しさん@ピンキー
07/07/25 23:37:50 yHEe5Ptq
>>643
GJです!
気長に待ちますんで続きをお願いします

646:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 00:58:18 Ko5ptTCv
投下します。


647:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 00:59:19 Ko5ptTCv
 とある県立高校では、今日終業式が行われた。
 明日からは夏休み。待ちに待って待ちくたびれてようやく夏休みがやってきたのだ。
 プール、花火大会、夏祭り、帰宅部には関係ないが合宿などが行われる。
 夏休み自体が一種のイベント期間のようなものだ。

 哲明も明日から来る夏休みを心待ちにしていた。
 哲明は、学校にくるのが―一言で言えば、憂鬱だった。
 学校の立地条件が悪いとか、クラスメイトの中に嫌なやつがいるとか、そういうことではない。
 日々、高確率で下駄箱の中に入っている手紙を見るのが嫌だった。

 哲明は、可愛いハートマークのシールで封をされている便箋を開き、中に入っている紙を見た。

『哲明君へ 
 あなたがいつもクラスで友達と笑いあっている姿を見ていると、私の心はとても熱くなります。
 男の子でも女の子でも分け隔てなく見せる、あの明るい笑顔を私にも見せてください。
 2年A組の、あなたの机の前で待っています 』

 ラブレターだった。誰がどう見てもラブレター。
 好き、の一文字はないが、文を読めば書いた人間の好意は伝わってくる。
 哲明は文章の書かれてある紙を、再度便箋の中に収めた。
 そして、一言。

「……またかよ」

 と、言った。
 続けて鼻から、長いため息を吐き出す。
 便箋をかばんの中に入れると、2年A組の教室、哲明の所属するクラスへと足を向けた。

 哲明という男は、特別容姿がいいわけではない。
 しかし、女生徒の方から笑いながら話しかけてくることから考えて、容姿が悪いわけではない。
 性格は、当たり障りのない平凡な性格。
 癇癪持ちではないし、鬱の気があるわけでもない。
 成績は学年全体で見ればいいほうだ。
 ヤマが当たれば学年でベスト5に入るし、ヤマが外れても学年で上位10番以内には食い込める。
 スポーツは得意ではない。特に野球がだめ。どうしてもボールをキャッチができないのだ。
 それでも体力はそこそこにあるので、体育が嫌いなわけではない。

 哲明はこのように、どこの学校にでも居そうな男子生徒なのだ。
 それなのに、なぜ学校に通う日は8割という高確率でラブレターが下駄箱の中に入っているのか。
 理由は簡単。ラブレターを出している人間が、同一人物だから。


648:名無しさん@ピンキー
07/07/26 01:01:09 8LJvMIUy
>>643
GJ
今の住人は作品に飢えてるからな。
とりあえず書きたいのを書いて落とすのもありかもしれん。

649:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 01:01:28 Ko5ptTCv
 哲明は2年A組の教室の前に到着した。
 ドアを開ける前に、ドアに入っているガラスから、中の様子をを伺った。
 中には、女性教師が1人いる。女子生徒の姿はない。
 普通に考えれば、女子生徒がいないのだから帰るべきなのだろう。
 その普通であったら、どれだけよかったことか。
 ラブレターの送り主が、女性教師でなければどれだけよかったことだろう。
 そんなことをひとりごちながら、哲明は2年A組のドアを開けた。

 教室の窓は全て締め切られていた。
 明日から夏休みだから一ヶ月以上教室が使われない。そのため開けておく必要は無い。
 しかし、窓を閉め切った教室というのは空気の流れが滞っている。
 否応無く入り込んでくる熱気が教室内にこもり、サウナ状態になっている。
 そんな状態の中でも、スーツ姿の女性教師は汗一つかくことなく立っていた。

 哲明の机の前に。

「テツ」
「なんですか……先生」
「今は私達しかいない。いつも通りに呼んでいいぞ」
「……何の用だ? マカ姉」

 マカ姉、と呼ばれた女性教師は、しかめっ面で哲明を見つめた。

「……テツ、マカ姉というのはやっぱりやめにしないか?」
「昨日俺がクラスの女の子からもらってきたマカダミアンナッツ入りのチョコレートを全て1人で食べつくした罰だ」
「全てと言っても、たかが一箱じゃないか」
「一箱に50個も入っていたけどな」
「……そろそろ、以前のように本名で呼んでくれてもいいだろう?」
「好きなんだろ。マカダミアンナッツ。だったらマカ姉って呼んだ方が嬉しいんじゃないかと思ってな」
「……ちっ」

 マカ姉は苦虫を噛み潰した表情で、舌打ちをした。
 この女性教師は、哲明の姉だ。血の繋がった、実の姉。
 髪型は毛先に少しのくせがある、腰まで伸びた黒のロングヘア。
 手入れが大変であることは確か。それでも彼女は髪を切らない。
 それは黒のロングが好きな哲明にとっては喜ばしいことだった。
 知性を感じさせるような顔には、どことなく眠そうな感じの瞳が貼り付いている。
 華奢な印象を与える体に、今はスーツを纏っている。
 オフィス街を歩けば、その姿はとても様になることだろう。
 マカ姉と哲明の年齢差は6つ。年は離れているが、兄妹の中は良好。
 それもそのはず。年が離れていても、2人が離れることはほとんどなかった。
 正確には、姉の方が離れようとしなかったのだ。


650:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 01:03:32 Ko5ptTCv
 今日哲明の下駄箱の中に手紙を入れたのは、当然マカ姉だ。
 普段の口調と文章から感じる印象が異なるのには、特に意味はないらしい。
 この方が受けがいいから、とでも思っているのかもしれない。
 なぜ彼女が手紙で哲明をわざわざ呼び出したのか。その理由を、哲明はよくわかっていた。

「今日は何時に帰るんだ?」
「5時だ。それまで、学校で待っていてほしい」
「今、12時半だぞ。4時間以上待てっていうのか?」
「いいじゃないか。何か用事があるわけでもないだろう?」

 確かに、哲明に予定はない。しかし、それとこれとは別だ。

「……暑いから、帰りたい。クーラーのある家の中で涼みたい」
「だったら、職員室に来ればいい。それとも生徒指導室のほうがいいか? 今日なら空いているぞ」
「いや、俺は帰る。帰ってゲームの続きをやりたいんだ」
「テツ。お前は私よりもゲームをとるのか?」
「マカ姉。俺が言うのもおかしいけど……社会人として、弟よりも職務を優先してくれ」

 その言葉を残して、哲明は教室から立ち去ろうとする。
 そうすると、当然哲明の背中はマカ姉に向けられる。
 背中を向けるということは、相手に隙を見せるということ。
 マカ姉の白い手が、哲明の尻―ではなく、腕に伸びる。
 次の瞬間。

「ふんっ!」
「……んっ? ああ、マカ姉、俺のかばん返せ!」
「ふははははは! テツ! これが無ければお前は家には帰れまい! 財布も鍵も携帯もこの中に入っているのだろう?!」
「このマカダミアン野郎! 待ちやがれ!」

 姉弟2人は、同時に教室から飛び出した。
 鞄を持って逃げる女性教師と、それを追いかける男子生徒。
 どう見ても、異常な光景だ。

 2人の走る速度はほぼ同じだった。だから一向に距離が縮まらない。
 そうなると、先を走っている姉に、事は有利に運ぶ。
 かばんを持ったマカ姉は、職員室に飛び込んだ。
 哲明も同じように職員室へ飛び込もうとするが―彼は生徒。飛び込めるはずがない。
 ドアに阻まれ、姉の手からかばんを奪うことができなくなった。
 職員室のドアが開いた。顔を覗かせたのは、若い女性教師の面をつけたマカ姉だった。

「哲明君。さっき廊下を走った件についてお話があります。生徒指導室で待っていてください」
「……………………わかりました。先生」

 顔にニキビでもできちまえ、と哲明は思った。
 そう願っても、哲明の姉の顔にニキビができるはずもない。
 マカ姉―本名は別にあるが、彼女の顔にニキビができたことは、一度も無いからだった。
 哲明はそのことをおかしいと思っていない。たぶん体の出来が違うんだろう、と自分を納得させていた。


651:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 01:04:54 Ko5ptTCv
*****

 哲明が職員室の隣にある生徒指導室の扉を開けたら、すでに先客がいた。
 女子生徒だった。
 制服に入ったラインは青。青のラインはこの高校では二年生であることを示す。哲明と同級生だ。
 女子生徒は椅子に座って、生徒指導室に置かれている雑誌を読んでいた。
 この女子生徒に、哲明は心当たりがあった。
 正確には、見知った仲だった。とても深く。おそらくブラコンの姉よりも深く。

「明菜?」
「……? テツ兄。どうしたの?」

 明菜、と呼ばれた女子生徒は、雑誌から顔を上げて哲明を見た。

「テツ兄も呼ばれたの? 指導の黒田に」
「いや、違う。明菜こそどうしたんだ。何かやらかしたのか?」
「んなわけないじゃん。……ま、いつも通りってやつよ」
「ああ、また髪のことで呼ばれたのか」

 明菜のボブカットの髪は茶色をしている。染色しているわけではない。自前の色だ。
 その証拠に、双子の兄である哲明の髪も茶色をしている。
 地毛だと言い張っても、指導の先生は信じない。今日のように、明菜をときどき呼び出しては尋問をする。
 哲明も、呼び出されたことがある。

 哲明は明菜の向かいの位置にある椅子に腰を下ろした。

「黒田の奴、何回言っても信じないからな。証明するのもなんだかめんどくさいし」
「ねえ? 双子の兄も同じ色なんです、って言っても、じゃあお前ら2人で同じ色に染めてんだろ、としか言わないし」
「指導の先生、マカ姉に代わってくんねえかな」
「マカ姉って何……ああ、昨日なんか大騒ぎしてたアレね。
 マカダミアンナッツチョコレートを全部食べたから、マカ姉。いい名前じゃん」

 哲明と明菜は双子の兄妹だから、当然同じ家に住んでいる。6つ離れた姉も同じ。
 しかし、ブラコンの姉と双子の妹は、哲明の見た限りではあまり仲が良くない。
 いがみ合っているわけではないが、にらみ合っていることがよくあるのだ。

「ところでさ、テツ兄はなんでここにいるの?」
「ああ、マカ姉に鍵の入ったかばん盗られてな。帰れなくなっちまったんだ」
「……また、あの女…………どうしてくれよう」

 明菜の呟きは、哲明の耳に届かない声量で発せられていた。
 哲明は頭を抱えて、ため息を吐いた。


652:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 01:06:38 Ko5ptTCv
「あー、合鍵作っとけばよかった。ゲームやりてえのに」
「またそれ? あのさ、夜中もあれだけやってんだから今日はやらなくてもいいんじゃない? 目、悪くなるよ」

 哲明は昨晩、正確には今日の午前3時までロールプレイングゲームを遊んでいた。
 中古で買ってきたゲームだったが、ベストセラーになるほどの面白さで、時を忘れて熱中していたのだ。
 なぜ明菜が、哲明が寝る時間を削ってまでゲームをしていたことを知っているのか。
 それは、哲明と明菜が同じ部屋で寝ているからだった。

「別にいいだろ、そんなこと」
「良くない。眼鏡は不便だって友達が言ってたし。テツ兄が眼鏡かけてるのなんて見たくないし」
「お前さ、いい加減に別の部屋に移ればどうだ? 空き部屋、まだあったろ?」
「嫌。めんどいし」
「じゃあ、俺が出て行こうか? 俺はその方がい―」
「駄目っ!」

 哲明の言葉を遮るように、明菜が大声で吼えた。

「絶対に駄目! 駄目ったら駄目!」
「……なんでだよ。別にいいじゃんか」
「だって、私から離れたらテツ兄、1人で―」
「1人で?」
「1人で…………アレを……しごいて……」

 明菜の声が小さくなっていく。同時に顔が少しずつ紅くなっていく。
 机の上で指を組み、開いたり閉じたり。さらに目まで落ちつかない。
 哲明は妹のおかしさに疑問を抱きながらも、問い詰めることはしなかった。
 ただ、肩をすくめてみせた。
 明菜もまだ子供だな。1人で寝るのが怖いなんて。
 仕方ない。俺が折れるしかないか。

「そんなに嫌だって言うなら、やめるけどさ」
「いや……ティッシュさえくれるなら、やぶさかでは……ないよ」
「ティッシュなら店に行けばどこでも売ってるだろ」
「いや……テツ兄のアレがついてなきゃ……さすがにそれは売ってないし」
「さっきからアレアレって、何を言ってんだお前は」

 そう言われて、明菜は肩をびくん、と震わせた。

「え、あ……私今、何言ってた……?」
「アレをしごいてとか、ティッシュにアレがついてなきゃ、とか」
「うわ、そんなダイレクトなことを? ごめん、テツ兄、今の忘れて!」

 そう言うと、明菜は目を閉じて顔の前で合掌した。懇願しているらしい。

「このとーり!」
「わかったわかった、わかったから。なんでそんなに必死なんだよ」

 妹がなぜここまで必死になって謝るのか、哲明にはわからなかった。
 ―もし、妹が毎日ゴミ箱の中身を漁っているという事実を知っていたならば、理由がわかったかもしれないが。


653:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 01:07:53 Ko5ptTCv
 哲明は、指導室の壁に掛かっている時計で時刻を確認した。
 すでに1時を10分ほど過ぎている。
 どうりで腹が空腹を訴えているわけだ。
 明菜も同じらしく、落ち着かない素振りを見せていた。

「テツ兄、ご飯食べた?」
「いいや。今日は家で食べるつもりだったから」

 今日は終業式の日なので、校内の食堂は営業していない。
 しかし、なんとかして腹は満たさなければならない。昼飯抜きにするつもりはない。

「明菜は家の鍵持ってたよな?」
「うん」
「じゃあ、帰ろう。腹減ったし。……あ、でもマカ姉がここで待ってろって言ってたっけ」
「放っておけば? 誰もいなければ諦めて帰るでしょ」
「それもそうか」

 哲明は手ぶらで立ち上がった。明菜は机に置いていた学生かばんを持って立ち上がった。
 指導室のクーラーを切り、ドアを開ける。途端に廊下の熱気が2人を襲った。
 気温差に辟易しながらも、2人は指導室を後にした。

 廊下の窓は開け放たれてはいるものの、それでも廊下にこもる熱気を追い払うまでには至らない。
 風は吹いていない。陽光は窓を通って廊下を照らし、さらに気温を上昇させていた。
 廊下を歩いている哲明の額に、汗が浮かんだ。
 汗をハンカチで拭いながら歩いていると、後ろから足音が聞こえてきた。
 明菜の足音ではない。
 明菜は、窓側を歩く哲明の左側にいて、日差しを避けるように歩いている。
 では、誰が?と思い、哲明は振り向いた。
 
 後ろから歩いてきているのは、スーツ姿のマカ姉だった。
 ただし、右手には哲明のかばんを、左手には自分のハンドバッグを握っている。
 哲明はその場で立ち止まった。マカ姉を待とうとしたのだ。
 しかし、明菜に腕を引っ張られて、強制的に歩かされることになった。

「待てって明菜。マカ姉が後ろから来てるぞ」

 と言っても、明菜は歩みを止めない。いや、さらに速度を上げた。
 そうすると、マカ姉の足の動きも忙しくなる。大股で前を歩く二人に近寄っていく。

「おい、明菜ってば―っ?!」

 哲明の言葉が合図になったのか、明菜は哲明の手を引いたまま走り出した。
 わけのわからない展開に、哲明の足が遅れた。
 哲明が後ろを振り向いた。
 その時、目にしたものを見て、哲明は―身の危険を感じ、駆け出した。


654:ある終業式の日の、きょうだい喧嘩 ◆Z.OmhTbrSo
07/07/26 01:09:52 Ko5ptTCv
「待てぇぇぇぇっ!! テツぅぅぅぅっ!!」

 マカ姉が、目を吊り上げ、腕を大きく振り、足を大きく踏み出して、追いかけてきていた。
 廊下を全力疾走。教師にあるまじき行為だ。
 だがそんなことは知ったことではない、といった感じでマカ姉は走り続ける。

 哲明と明菜は、脇目もふらずに全力疾走をしていた。
 廊下を曲がり、階段を駆け上がり、直線の廊下をひたすらに走る。
 哲明はわけもわからないまま走らされていた。
 そもそも、なんで逃げてるんだ?俺も、明菜も。

「明菜ーっ!」
「なー、にー! テツ兄!」
「なんで走ってんだー!?」
「…………知らなーーいっ!」
「はあぁぁぁ?!」

 いきなり逃げておいて、知らないはないだろう。
 哲明が、明菜に文句を言おうとしたとき。

「待て、明菜ぁっ! この卑怯者があ! いろいろ考えてみたが、やっぱり貴様のしたことは許せんっ!」

 走り続けているマカ姉が、呪詛の言葉を吐き出した。そのせいで、哲明は口を開くのを止めた。
 代わりに、マカ姉の台詞に疑問が沸いてきた。卑怯者?どういう意味だ?
 しかし考える必要はなかった。
 後ろから追いかけてくる姉が、わざわざ意味を説明してくれた。

「お前が部屋に持ってきたマカダミアンナッツのチョコ! お前があんなものを持ってこなければ!」
「へーん、だ! 一晩で全部食べるあんたが悪いのよぉ!」
「ふざけるな! 仲直りのしるしだとかなんとか言って、私を罠にはめたのは貴様だろうっ!
 そのせいでマカ姉、なんぞという名前でテツに呼ばれているんだぞ! 撤回させろ!」

 あー、つまり。
 昨晩姉が、俺が女の子からもらってきたチョコを全て食べたのは事実だった。
 んで、そう仕向けたのは妹だった、というわけか。
 しかし、姉よ。さすがに一晩で食べなくてもいいだろう。
 明菜、哲明、そして教師の順で、3階へ向かう階段を駆け上がる。
 そして再び、誰も居ない廊下を全力疾走。もはや暑さも感じない。顔に当たる逆風が涼しいくらいだ。
 
「いい名前じゃん、マカ姉って! この間のマロ姉よりいい感じ!」
「なんだと! あれもお前が同じ手口で仕掛けてきたんだろうが!」
「あはははははは! マシュマロ食べてー、マロ姉ー!」
「こ、の……その顔! テツに見せられないようにしてくれるわぁっ!」

 さらにスピードを上げる明菜。明菜についていく哲明。それを追いかける、お菓子好きの姉。
 いつまでも息を切らさず、怒鳴り散らしながら走りつづける姉妹に挟まれ、哲明は止まろうと考えても止まれなくなった。
 今日の昼飯はなんだろう。できたら、冷やし中華が食べたいな。
 どこまでも加速していく鼓動に危機感を覚えながら、哲明はそう思った。

おしまい

655:名無しさん@ピンキー
07/07/26 01:11:20 Ko5ptTCv
終わりです。

キモ姉妹ってこんな感じですか?

656:648
07/07/26 01:14:57 8LJvMIUy
途中で割り込むとはなんたる失態。吊ってくる。

>>655
その前にGJ。
たまにはヤンデレっ気がないのもありだな。

657:名無しさん@ピンキー
07/07/26 03:27:21 eEw3BXQc
>>643>>655御二方共に乙&GJ!

658:名無しさん@ピンキー
07/07/26 05:54:01 QjrF0H0O
投下乙であります。
かわいいよ明菜かわいいよ・・・

659:名無しさん@ピンキー
07/07/26 08:41:20 25wGU1aT
是非とも続きが読みたいのですがw

660:名無しさん@ピンキー
07/07/26 09:02:26 l/cCPtDF
テツ鈍感にもほどがあるだろw恐竜の神経でも流用してんのか。

マカ姉かわいいよマカ姉。
本名呼んでもらえなくて拗ねるのがまた素晴らしいよ。

>>659
続きは俺も望むところだけど、ヘタに流血沙汰起こすくらいなら一話完結で我慢します。GJでした!

661:名無しさん@ピンキー
07/07/26 10:18:57 5ZLiMybq
もう一度言わせてもらう


鬼才あらわる

662:名無しさん@ピンキー
07/07/26 11:47:55 hUhMnMNl
>>655
なんだか爽やかだなwww
病んでるのもいいが、そんなんばっかだと食傷気味になるしな。
こういうのもいいなー。

663:名無しさん@ピンキー
07/07/26 12:33:56 B3p3kk8J
>>655
まだだ!まだ終わらんよ!!

続き書いてくれなきゃテロ起こす
こう・・・コミケで姉物買い占めるとかそういうテロ起こす

664:名無しさん@ピンキー
07/07/26 18:00:35 u0vWyETe
GJ!! なんか夕日ロマンスっぽいなぁ。こういうのもたまにはいい。

665:名無しさん@ピンキー
07/07/26 19:07:42 2+bbOHcP
>>663
>>655の続きキボンなのは俺も同じだが、

>こう・・・コミケで姉物買い占めるとかそういうテロ起こす

こっちはお前、どっちにしろやるだろう?

666:名無しさん@ピンキー
07/07/26 22:00:30 ymsE4Qru
>>663
地雷だけは避けろよ?
どこぞの「ぱぎゅ~」が口癖な同人漫画家Lvの物だけは買うな。


667:名無しさん@ピンキー
07/07/27 00:28:48 NelSznin
誰かネタをくれたら、それを基に頑張ってもいいかなと思っている。
正直、思い浮かぶ話がありきたりなように思えてきて、思考が詰まってしまって仕様がない。
書く気すら起こらなくなったんだから尚更始末が悪い。
こういうときは、誰か別の人に頼ってもいいと、思うんだ。

668:名無しさん@ピンキー
07/07/27 08:21:43 LvjwxBt+
クールで、無表情に弟を奴隷のようにパシらせこき使い貶したりするけど
心の底ではもんの凄い弟LOVEで弟が他の女と話すだけで内心キレまくってる、けど表面上はKOOLに装ってる
そんな姉

669:名無しさん@ピンキー
07/07/27 08:54:50 OXR5g2fr
しっかり者で真面目で容姿も成績も完璧超人
でも普段は弟の世話ばかり焼いて甘やかす
口癖が「本当にとしくんは私がいないとだめなんだから」

実際のところは弟の世話をすることに依存していて
自分でもその自覚があるがどうしようもないので
弟を囲い込んでその障害は全部排除している

そんな姉

670:名無しさん@ピンキー
07/07/27 09:42:06 w1eVHMu0
表面的には弟に全く干渉しない。姉から弟に話しかけることは事務的内容以外
ほとんどなく、普通の姉弟以上に疎遠な関係。
でも実際は弟と接することに対して極度に緊張してしまう為、うまく会話が出来ないだけ。
裏では弟の生態観察(盗聴&盗撮は当たり前)、弟関連ゴミ(体液付き)の回収、
ストーキング、泥棒猫の排除を当たり前のようにこなす。

そんな姉

671:名無しさん@ピンキー
07/07/27 09:53:24 4mRHD9td
そんな姉達が私は大好きです!!

672:名無しさん@ピンキー
07/07/27 10:44:55 vBP2PfWm
でもゾウさんはもーっと好きでッしゃきゅばべっ

673:らむだ  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:26:41 WQfMW10e
・・・右よし。左よし。
よっしゃ!今のうちに不意討ちじゃぁ!

というわけで「薬にも毒にもなる姉」第三話です。

相変わらず姉ものです。
エロがないのはあと少し待ってください。
それでは。

674:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:27:31 WQfMW10e
第三話 姉の意図


灯火 光

朝になったら目覚める。これは基本。
じゃあその基本ができない人ってどんな人?
ねぼすけとか夜型人間とかは除いて。
もうどうしても起きられない人。
「…何が言いたい。」
「これはあっくーの羞恥プレイ?」
「いや、結論を言え。」
おはようのちゅー
「んぐ、むごごががぁっ!」大喜びだ。
「ぷはっ、舌使いが激しい。」
「少し寝ぼけただけでこれはないだろ!はあ、いっそのこと窒息死させてくれ…。」
つまり王子様はお姫様にキスで目覚めるわけだね。
ふふふふふふ。

675:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:28:38 WQfMW10e
とりあえず朝ごはん。
あっくーは何だかしおしおしていた。
「ごめんね、お姉ちゃん。」
「うん、ホント激しかった。でも覚悟はもうできてる。でも式は6月にあげたいな~。」
「ほんと昔に戻っちゃった。我慢してたけど。」無視ですか。てかあっくーのチキン。もっと、乱れる喜びをー。
「一人で立派に生きていけるように努力してたけど。」

あれはあっくーが小三の時かな。
それまではあっくーは素直にお姉ちゃん子だった。
蠅がたかるのを除けば幸せだったあのころ。
だけどある日を境に独り立ちして…。
お風呂も一緒に入らなくなった
二人でよりも友達と遊ぶようになった
勉強のわかんないところをとことん自分で考えるようになった
一人で寝るようになった。などなど。
神様、なんで人は成長しちゃうのかな。

「お姉ちゃんだって、僕から離れるために独り立ちしたのに。僕がまた逆戻りしちゃった。」
もう涙目になってきたあっくーを抱きしめる。
あっくーはもう十分強いから大丈夫だよ。
「ううん、弱い。また自分の親から逃げてる。」
「弱いってことが分かっているだけで、自分から逃げていないから強いよ。…て感じのことがなんかの漫画にあったような。」

676:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:29:51 WQfMW10e
灯火 芥

とりあえずお姉ちゃんなりの元気ずけをされた。
…まあ、いいや。
そういえば言い方も変えようかな?
姉貴と「あっくー、無駄な事考えない。」ふわぁ!
「あっくーがお姉ちゃんを呼ぶ時はお姉ちゃん以外無いんだよ。ついでに一人称もボクだよ。」
これは従うしかない。
昔自分のことを俺と言い始めたころにはひどい目にあった…。
「そんなことよりどう説得するか考えようよ。」
そこは正論だった。
「いっそのこと無職でお姉ちゃんのヒモになる?」自分から勧める人がいるとは。

10時頃ホテルを出た。
再び家に向かった。
「とにかく、自分一人で頑張ってみるからね。」
「うんうん、強いぞ。」
とにかく話さなければ始まらない。単純な結論に至った。
とりあえず今から向かうことを父に電話で報告。
「おかけになった…」
なんだ、電池切れてるのかな?念のためお姉ちゃんのを借りているのに。
かれこれ五回。無返答。
「もうついちゃったよ。」
あっという間に家の前だった。
さてインターホンを鳴らす。
…無反応。
もしやと思い振り向く。
ポストをみると当然の如く新聞がまだある。
「はいはい、ちょっとどいてねー。」
とお姉ちゃんは二つの太めのクリップを変形させてカギ穴に差し込んだ。
はたから見れば犯罪者。でも仕方ないだろう。


677:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:30:38 WQfMW10e
灯火 光

ロックを解除と同時に中に駆け込む。土足のまま駆け込んだ。
薄暗い家の中で人影を探す。居間、客室、台所、お手洗い。
「一階にはいないね。」
「まだ、寝てるだけならいいけど。」
奥へと進む足は焦りを表している。
寝室のふすまを急いで開けた。
「きゃあああああ!」
「どうしたの!」
「あ、あ、あはは、あははは。」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
もはや、笑うしかない、状況だった。
蠅はいなかった。
あるのは、亡骸が、二つ。
すでに二人とも倒れていた。
布団から出てはいたが、床に這いつくばっている。
今日家に着たばかりで、この状況。
今笑わずして、いつ笑おう。
「もしもし、もしもし!」
しかしあっくーは、
「救急車をお願いします。対象者は二名!」
助けを求めていた。
「呼吸はまだあります。あ、あと・・・」
あっくーはそれをもとめるんだね。
「ど、瞳孔は・・・」
じゃあ、そうしようか。
「まぶたが閉じてて・・・」
「患者は二名ともインシュリンの過剰摂取による低血糖と見られる。ブドウ糖とグルカゴンを用意。」
「お、おねえちゃん!」
電話を奪い取り即座に指示を出す。

678:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:31:39 WQfMW10e
灯火 芥

覚えていない。
救急車で一緒に運ばれて、まるでドラマのシーンのような治療室の前のソファーで横になっていた。
何があったのか理解できない。それ以外思うことがない。
頭も心もついていけない。涙が出てくる以前の問題。
あれから何時間がたったのかわからない。
30分?6時間?それとも半日?見当がつかない。
自分の中身が空っぽになったみたいだ。
……たすけて。
「んー、どうしたのかな?」
上から光ねえが顔を覗き込んだ。
「今何時?」
「もう2時だよ、おなか減ったでしょ。ほらほら。」
コンビニの袋からサンドウィッチやらおにぎりやらを取り出す。
「いらない。」正直吐き気がしていた。
「…口移し希望ね。ちょっと待ってて。」
「わかった、食べます。だからやめて。」
消化しやすそうなたまごサンドをもらう。
以外に食べれた。おにぎりを数個もらう。
「大丈夫。低血圧じゃ人はそんなに死なないよ。」
「そう。」そうか、だから光ねえは落ち着いてられるのか。
しかし疑問が残る。
「お父さんは高血圧だったけど、なんで二人は低血圧で倒れていたの?」
お姉ちゃんは少し視線をずらした。
「…ミュンヒハウゼン症候群。」

ミュンヒハウゼン症候群
受験勉強の中でちょっとだけ目にしたことがある。
大雑把に言えば仮病だ。
症状をでっち上げ、病気のふりをして周りの人の注意を引こうとする精神面の病気。(本人は自覚なし)
また、薬のあやまた利用で病気の症状を自ら引き起こす人もいる。
たとえば、インシュリン…。

「え、それじゃあ自分でああなったの?」
「二人とも注射のあとがあった。お父さんは当然だけど、お母さんは必要がないのに。」
「そんな…。」
「たぶん私があんなこと言ったから。」
弱弱しく光ねえは言った。
「『自慢の娘』に突き放されたから、注意をひきつけようとして
「だから全部私の責任。」
目は潤んでいた。それでも僕のことだけを考えていた。
見計らっていたかのように手術中のランプが消えた。

679:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:32:17 WQfMW10e
灯火 光

あっくーにも担当医師にもお願いして一人きりにさせてもらった。
「いや、まだ三人か。」
意識不明、それが今回の結果だ。
「あなたたちが忌む、あっくーのおかげでこうなったんですよ。」
あの時のあっくーは予想外だった。
まさか自分から救急車を呼ぶとは。
「六年間。その間に考えが変わると思ったら。変わっていなかった。」
まったく救いようがない。
救いようがないのは今も同じと『独り言』をつぶやいた。
ハエのような醜い生物にも長所はある。
生命力。
しぶとさ。
「まあ、不思議ではないですが。」
当然といったほうがいい。
「ところで私は今医者と薬剤師の両方の資格を持ってるんです。この前はお父様のために血圧降下剤を開発していました。
そう、注射では一回一回がわずらわしいですから。たとえば、吸引。粉末状でそれを吸うだけで済む薬。
結果は失敗でした。利きすぎるのです。最少量にしても高血圧が、低血圧になってしまうほど。」
でも最終的には二人のために利きましたね。
昏睡状態から、脳死状態へ。
「あっくーはがんばりました。」
そう、これは私が望んだ結果です。
「それだけはわかってあげてください。」


「それでは」
永久に
「さようなら。」
誰にも切り離せない絆で結ばれた
「私たち二人は」
愛を味わいながら
「支えあい」
この上ない笑顔で
「生きていきます。」
そしてチューブというチューブを切り離した。

680:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:33:10 WQfMW10e
灯火 芥

春休み終了まであと一週といったところだ。
四十九日を終えたあと、筑波のマンションに戻ってきた。
時計によるともう五十日らしい。
「あっくー。」
「何、お姉ちゃん。」
「二人っきりになっちゃったね。」
「・・・うん。」
「やっぱしお姉ちゃん、間違ってたのかな。尊厳死なんて。」
「正解がないだけじゃないかな?どっちにしたって。それに・・・」
「先に言っておくよ。頼りたいときはお姉ちゃんを頼って。もうあんなこと…。」
そっか。だからべたつくのか。
一人が怖いから。
明確すぎる理由だ。
「わかった、ありがとう光ねえ。」
背中に寄りかかりながら、時々は甘えようと思った。
それが光ねえの強さになるのなら。

681:名無しさん@ピンキー
07/07/27 15:37:47 HdTx0m8m
ぷはっ!
息を潜めるのも苦労するぜ

GJだw

682:らむだ  ◆9BssOn5LsM
07/07/27 15:44:52 WQfMW10e
第三話、これにて終了です。
なんか完結のようですけどまだ続ける気持ちです。
よろしくお願いします。

>>298-318
なんというか、ビビリました。
このあたりを読んで、話を変えました。
そのせいでかなり遅れました。
すいません・・・。

>>315の目欄
せ、正解!
らむだは遊び人なので、こんなことを毎回隠しています。
隠れてないのもありますが。
暇になったらでいいので探してみてください。
ちなみに今回も。

>>518
待たせました。すいません。
え?お前はついで・・・。

それではまたの機会に。
てか、次は早くします。
すいません。

683:名無しさん@ピンキー
07/07/27 16:40:49 0bK2eKUK
GJィ!!!
光ねえかわいいよ光ねえ
wkwktktkして続きも待っておりまする

684:名無しさん@ピンキー
07/07/27 20:35:18 q+8vxwfG
>>682乙かえり、そしてGJ!!
作者さんはきちんと感想読んでくれてるんだなー。
そういうのが反映されてるのを読むとすごい嬉しいです。

685:名無しさん@ピンキー
07/07/28 01:58:26 1uSYJS3Z
意見を聞いてくれるのは嬉しいがあまり聞きすぎるのもよくない。
さじ加減が難しい

686:名無しさん@ピンキー
07/07/28 15:55:56 0fAQDy/S
全レス状態になると容量も食うしねぇ。
でも、自分のメッセージが作者さんに届いてるってのが実感できるところがいいよね

687:名無しさん@ピンキー
07/07/28 16:40:17 Rc93sxWW
らむだ氏GJ!

細かい事言わせて貰うと、
元気ずける ×
元気づける ○

ま、あんまり気にせず、頑張ってくれ。続きも待ってる。

688:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:39:13 H1o/blrY
ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!

689:名無しさん@ピンキー
07/07/29 23:42:17 m0SgWOar0
>>668

>>669

>>700

 OK了解した。
最後の奴がちょっち難しそうだけれど、なんとかしてみる。


690:689
07/07/29 23:47:03 m0SgWOar0
安価ミススマソ

最後。 >>670

691:名無しさん@ピンキー
07/07/30 03:02:17 ZREqkH6C
>>689
お待ち申し上げております

692:ツナギ小ネタ
07/07/30 03:20:59 uZ1TLEdW
妹であるが故、
それ故兄を、若しくは弟を愛せない。
そんな規定、規則、概念を一体どこの誰が創り上げたのであろう。
遺伝の問題は分かる。だが倫理的な問題とはなんだ?
同じ血を分かつ者同士、何故愛し合ってはならない?
互いを誰よりも理解し合った二人なのに、何故時を分かち合えない。
血をより濃く残すため、本能で身内と交尾する動物が
世の中にはいるというのに…
不幸にも神は私を人として創り上げた。
だから私は”仮想”の兄を想い、来る日も明くる日も
体を慰め続ける、実の兄を持ちながらも。

「ただいま~、ウヒヒッ!いや~いい新刊がいっぱ」
「死ね!キモヲタ!」
バキィ!!!

どうやら神は人の理想を悉く粉砕するのがお好きなようだ…


693:名無しさん@ピンキー
07/07/30 03:25:05 uZ1TLEdW
また(トリップ無いから誰も知るはずありませぬが)
即興で書いちまいました。ルール違反…
深夜の暴走は怖いですな、
気がついたらネタを書き上げてる私が…
スレの趣旨と全く違いますがクールダウンにお使いください。

694:名無しさん@ピンキー
07/07/30 03:27:10 uZ1TLEdW
今気づいた。
これ妹スレ行きの物だった…誤爆スマソ
深夜には気をつけます。

695:名無しさん@ピンキー
07/07/30 03:32:28 /erg1Tuh
>>692
不覚にも吹いちまったぜ・・・

696:名無しさん@ピンキー
07/07/30 11:08:57 9mCv40aK
>>695
顔に唾がかかったではないか…。

697:名無しさん@ピンキー
07/07/30 14:06:38 6CKFdQ1v
えんがちょえんがちょ

698:名無しさん@ピンキー
07/07/30 14:38:23 C4QaqjG2
>>692
その後に妹のクラスに女の子が転校してくる
         ↓
        仲良くなる
         ↓
    転校生の女の子の家に行く
         ↓
      転校生の兄登場
         ↓
        理想ktkr
 ↓
     だけど転校生女も兄を…
とかもいいかもな

699:名無しさん@ピンキー
07/07/31 00:12:07 GRqzcD6j
>>692の11行目までが何となくきのこっぽいなw

700:ドラ〇もん
07/07/31 12:07:25 IeE3Hoz6
ジャイコ「お兄ちゃ~ん」
ジャイアン「…うるさい」
ジャイコ「え!」
ジャイアン「うるせえつってんだよ!」
ジャイコ「!?……い、いつもの優しいお兄ちゃんじゃない……ねぇ!どうしたの!」
ジャイアン「…キモい」
ジャイコ「え!」
ジャイアン「デブでブスのお前が甘えてもキモいだけなんだよ!あと、俺が優しいのは映画だけだ!」
ジャイコ「………」
ジャイアン「おい、どうした!何も言い返せねぇのか!?この脂肪分100%が!お前みたいな奴はさっさと死ぬぇ!!!」
ジャイコ「…………殺」



その後、ジャイアンの姿を見た者はいないと言う…

701:名無しさん@ピンキー
07/07/31 13:57:42 Ej+IBdiE
>>700
それはキショウトだwww

702:名無しさん@ピンキー
07/07/31 19:24:13 VSthwCqY
ジャイコってよく考えたら腐女子だよな…
やっぱフジコはすげえ

703:名無しさん@ピンキー
07/07/31 19:28:28 C032B+q7
>>702
普通に男女だったぞ?

704:名無しさん@ピンキー
07/07/31 20:34:15 BVHu5Fyy
>>703
腐女子という言葉は最近だと801好きだけじゃなく、単に同人女とかオタク女という意味でも使われる

705:名無しさん@ピンキー
07/07/31 21:46:23 IeE3Hoz6
ジャイコが好きな人って、のび太?

706:名無しさん@ピンキー
07/07/31 21:47:55 Y7pDL7vn
ジャイアンだろ

707:名無しさん@ピンキー
07/07/31 22:04:27 +6bn90b9
>>704
言葉の意味も変わるもんだな……

708:名無しさん@ピンキー
07/07/31 23:04:36 WIXEXL80
>>705
ドラえもんによって改変された後の世界だと、出来杉くんと結婚してるな。
改変される前ならのび太と結婚してるけれど。

709:名無しさん@ピンキー
07/07/31 23:07:24 BMVAyU1I
時空パトロールはまずのび太のとこに行け

710:名無しさん@ピンキー
07/08/01 00:24:52 h+dd1DP0
>>709
本編でのび太の孫がなにやら言い訳して犯罪じゃないとか言ってたけどそれが負かり通るならとんでもないザル法でふね

711:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/08/01 00:49:11 qqNktxHI
どうでもいいが、ジャイ子はのび太と結婚しない場合大漫画家になる可能性がある。
それこそジャ○プの看板作家レベルになるとかならないとかそんな噂も。

712:名無しさん@ピンキー
07/08/01 01:23:23 clHSx916
そういや、なんでジャイコは出来杉くんと結婚する歴史の方だと大漫画家になる上に超美人になるんだ?


713:名無しさん@ピンキー
07/08/01 01:25:32 5L2P9kwG
>>712
いや、あれジャイコじゃないだろw
出来杉くんは普通に美人な嫁さんと結婚してた気がする。

714:名無しさん@ピンキー
07/08/01 01:28:05 xb4VtiuI
外国人とのハーフと結婚してたな出来杉君は

とりあえずそろそろスレ違い

715:名無しさん@ピンキー
07/08/01 04:37:36 /YWJb5cA
えっと・・・ここはドラえもんスレでつか?

716:名無しさん@ピンキー
07/08/01 08:58:37 72LgCd8z
じ、冗談じゃ…!

717:名無しさん@ピンキー
07/08/01 12:51:40 F4vBJAm9
ナナリーの日記
○月×日
今日、カレンさんという新しい人が生徒会に入った、お兄様に近づいたら許しません
相変わらずシャーリーさんもお兄様に気があるみたいで、死ねば良いのに
ミレイさんみたいに早く諦めた方が身のためですわ
○月△日
今日、CCと言う人がお兄様に会いにきた、死ねば良いのに
□月○日
最近、お兄様の帰りが遅い、どこかの泥棒猫にたぶらかされて無ければ良いけれど
□月●日
シャーリーさんがお兄様と喧嘩したらしい、良い気味
このまま二度と近づかないで欲しい
□月▲日
今日は変な男の人に誘拐された、お兄様がスザクさんと協力して助けてくれた
やっぱりお兄様は最高
×月□日
お兄様がスザクさんの事を好きか聞いてきた、
好きだと答えたけれど本当はお兄様に近づかなければという条件がある
▲月×日
そういえば泥棒猫のカグヤさんは元気かしら


718:時給650円
07/08/01 13:27:23 HtP9Iqwx
昔、どこかのスレ(忘れんなよ)で投下した妹モノです。
保管庫にも無かったし、多分ここじゃないとは思うんですが。

719:時給650円
07/08/01 13:37:52 HtP9Iqwx

「可苗(かなえ)、ちょっといいかな?」
「はい?」

 秀樹は、おずおずと妹に話し掛けた。
 彼女は、制服の上にエプロンを羽織った姿で、晩飯の食器の後片付けをしている。

「何でしょう、お兄ちゃん」
 蛇口を捻ってお湯を止め、エプロンの前掛けで手を拭きながらこっちに笑顔を向ける。
 例え、仕事中であっても手を止め、人の話はキチンと聞く。
 亡き母から仕込まれた躾は、こういうちょっとした動作にも表れ、さらにその所作一つ一つに、溢れんばかりの気品が満ちている。
 さらに、その輝くばかりの美貌は、彼女の通学する高校(私立フローレンス学園)において、“フロ学の五花”と呼ばれるほどの可憐なものであった。

 しかし、秀樹は知っていた。
 この花が、決して可憐なだけの存在ではないことを。
 その笑顔の裏には、鬼子母神も裸足で逃げ出す、情の怖さがあることを。
 そして、これから自分が彼女に対して言う台詞が、まさしく、寝ている虎の尾を踏むに等しい発言であることも。

「―今晩はさ、その……」
「どうしました?」
「……俺、独りで寝ていいかな……?」

「……」
「……あの、可苗……?」
 妹の表情から、感情が消えた。
 可苗は、その目鼻立ちが美しいだけに、その顔から表情が消えると、さらに凄まじい恐怖と威圧感を相手に与える。
 無論、彼女がそんな威圧感を与えねばならない相手など、この実の兄以外にはいないのだが。

―きゅっ。
 可苗が再び蛇口を捻る。
 ステンレス製のシンクに、叩きつけるような勢いで、水が流れ出す。
 勿論、食器洗いを再開するために流す水ではない。
 これから起こる騒ぎを、少しでも紛らわすための、意図的な騒音だろう。
 この家は二世帯住宅で、階下には、何も知らない祖母が住んでいる。今の二人の関係を、何をどう間違っても、祖母に気取られる訳にはいかないのだ。もっとも、最近は耳が遠くなりつつある祖母相手に、そこまで神経を使う必要があるかどうかは疑問だが。


720:擬似姉妹
07/08/01 13:42:19 HtP9Iqwx

―つまりは演出なのだ。
 この水音一つで可苗は、この空間は今、外界から遮断されたと。さらには『私は本気なのです』と、そう言いたいのだ。

 可苗はシンクから離れ、表情も変えず、足音すら立てずに秀樹に近付いてくる。
「か、可苗……っ」
「お兄ちゃん、何でそんなこと言うの?」
「ちっ、違うんだっ、―これは、その……」
「可苗のこと、嫌いになっちゃったんですか?」
「いや、だから、聞いてくれ可苗っ! ……これは、その―」

 その瞬間、秀樹の目から火花が散った。
 腰や膝から力が抜け、壁際に立ててあった食器棚に頭をぶつけ、へたり込む。
 彼はその、頬から響く、熱を伴った痛みを感じ、初めて自分が妹のビンタに張り飛ばされたことに気付いた。
 いや、もはや眼前の女は“妹”などと呼んでいい、気安い存在ではなくなっていた。

「“お姉様”でしょ? “可苗お姉様”。二人きりで、こういう話をする時は、お兄ちゃんが可苗の“妹”になるはずじゃなかったのですか?」
「……」
「忘れたのですか? “秀美”」
 可苗は、その瞳にようやく感情の灯火をギラつかせて、食器棚と背後の壁に、身をゆだねたまま、だらしなく尻餅をつく兄に囁きかけた。
 それも意図的に、“秀美”と兄を女の名で呼びながらである。
 その眼光に輝く感情とは、怒りと情欲。
 そういう生々しい閨の話題を、自分からは滅多にしようとしない兄が、ようやくその手の話の口を開いたと思ったら、寝室を別々にしようというオチだったという失望。怒り。
 さらに、その話を口実に、今晩はどれほど酷いお仕置きを、眼前の愛する男に施すことが出来るだろう。そんな情欲。
 可苗のその眼光に、秀樹が思わず目を伏せる。

「……忘れていません、“可苗お姉様”……」
「うん、それでいいんです、“秀美”―」
 そう言って、可苗は目を潤ませた兄の顎を、くいっと持ち上げると、貪るようなキスをした。

 そう。
 彼と彼女の間には、そういう契約が結ばれていた。
 実の兄妹でありながら、秀樹にとっては、可苗とそういう関係を結んでしまったという事実そのものが、彼の魂を呪縛する格好の鎖となり、以降、可苗の言い出すムチャクチャな要求を、断固たる態度で拒絶できない根拠となっていた。
 そして可苗は、性行為に及ぶ晩には、秀樹のことを兄ではなく“妹”として扱うことを、一方的に彼に宣言し、その宣言は忠実に実行された。
 実の“兄妹”では無い、かりそめの“姉妹”での痴戯として、可苗は秀樹を嬲り抜き、弄びたおしたのである。

「じゃあ、説明してもらえますか“秀美”、何故そんな可苗を怒らせるようなことばかり言うのか?」
「……」
「言いたくないんですか? それとも、口が利けなくなったんですか?」
「……」
「なら、お仕置きの続きをしましょう」

 可苗の細い左手が、秀樹の首にかかる。
 その指は、丁度測ったように秀樹の頚動脈にかかっている。
 可苗はこうやって、息が出来るギリギリの状態で秀樹に往復ビンタを喰らわすのが大好きだった。
「待って、待って! 言う! 言うから!!」
「では、聞きましょうか」
「……ですから、その―」


721:擬似姉妹
07/08/01 13:44:07 HtP9Iqwx

 この期に及んでも秀樹は言いよどんでいる。
 もっとも、早暁までに及ぶ行為を連日連夜、飽くことなく繰り返す可苗の化物じみた性欲は、普通の男ならば3日と耐え切れない過酷なものではあった。
 だが、秀樹が言いたいのは、そんなことではなく、更に恥ずべきことであったからだ。

「―たいんです」
「はっ?」
「お尻がもう……痛いんです……。ですから、しばらく、その……休ませて頂きたいんです」

「ぷっ……!」
「?」
「くすくすくすくす……なぁに、それ……?」
「か……なえ?」
「お尻が痛いって……ぷっ……そんな理由で……そんな死にそうな顔しちゃって……くすくすくすくす……かっ、かわいい……」
 可苗は、余程おかしかったのか、膝を突き、腹をよじるように笑い始めた。

 そんな可苗を複雑な表情で仰ぎながら、しかし、秀樹の心中は穏やかではなかった。
 痛いのである。
 実際、可苗にペニバンで掘られた肛門が、もはや悲鳴をあげているのだ。
 現状では、未だあくまで日常生活に支障をきたす程度ではない。
 また、ペニバンを装備し、腰に手を当てて仁王立ちに構える可苗は、それだけで彼の股間がはちきれそうになるほど凛々しいのだが、明らかに、これ以上のアナルセックスはまずいと、そう思わせる痛みが秀樹の肉体を支配しつつあった。
 しかし、可苗が笑ったというのは、秀樹にとってはまだ、『少なくとも、今夜は救われたかもしれない』という、希望を抱かせはした。
 そして、そのことが、より深い絶望へと秀樹を蹴りこむこととなる。

「じゃ、“前”でしましょうか?」
「なっ?」
「“後ろ”が嫌なら“前”を差し出す。これは妹として、いえ、“兄”として当たり前の事と思うんですけど」
「かなえ……」

 冗談ではない。
 そもそも、可苗に尻を差し出したのも、彼自身、性行為にどうしてもペニスを使用したくないからなのだ。
 兄妹相姦というタブーを犯すことを、この実の妹は何故か、まるで躊躇わない。
 避妊に対しての感覚がズボラだというわけではない。
 基礎体温も計れば、ゴムも着ける。膣(なか)出しするのは基本的に安全日だけだ。
 しかし万一、可苗が妊娠するようなことにでもなれば、自分が全ての責任を負って自殺しても追いつかない。―秀樹はそれくらいは考えるだけの責任感と冷静さはあった。
 しかし、かつて可苗は、そんな兄の小心さを笑うようにこう言い放った。

『安心して下さいお兄ちゃん。可苗は、お兄ちゃんの子供なら、むしろ何人身ごもっても大丈夫です』

 この発言に、秀樹はさらに慄然とした。そして……
 ペニスを使わずして、妹の獰猛なまでの性欲を静めるための器官として、アナルを泣く泣く差し出したのが、そもそもの彼らの擬似姉妹プレイ―姉に貞操を捧げる妹というシチュエーション―を始めるきっかけだったのだ。


722:擬似姉妹
07/08/01 13:48:07 HtP9Iqwx

「どうします? このまま“兄”として“前”を使って普通にします? それとも“妹”として私に“後ろ”を差し出します? 可苗はどちらでもいいんですけど」

 可苗は薄ら笑いすら浮かべている。
 秀樹が知る彼女の排卵周期では、そろそろ危険日真っ盛りのはずである。にもかかわらず、可苗はその笑みを消そうとしない。
(今日、“前”を使ったら、お前は妊娠しちまうんだぞ)
 などとは、秀樹は言わない。
 妹に対し、“妊娠”というキーワードが脅しにならないことは、この身を以って嫌と言うほど知っているからだ。
「“後ろ”を使ってください、可苗お姉様……」

「いいんですか? まだ痛いんでしょう“秀美”」
「ですから……その……優しくしてください……」
「くすくすくす……仕方が無いですねえ……他でもない、大事な“妹”の言うことですからねえ」
 可苗は、その美貌に張り付いた歪んだ笑みを消そうともせず、へたり込んだ秀樹を、頭の先から爪先まで、舐めまわすように視姦すると、
「じゃあ、いつものように始めましょうか」
 エプロンを外し、制服と下着を脱ぎ始めた。
 そして、その放り投げられた下着と制服とエプロンは、いつものように秀樹が、いや“秀美”と呼ばれる人物がまとうことになる。

「相変わらず、すごく似合ってます……やっぱり“姉妹”の血は争えないですね」
 すでに可苗は全裸になって愛用のペニバンを装備し終え、いつでも戦闘態勢に入れる準備は出来ている。
 そして、やはり可苗のエプロンと制服に着替えを済ませた“秀美”のメイクを仕上げていた。
「……ありがとうございます、“可苗お姉様”」
 秀樹は可苗から目を逸らしながら呟く。

 実際、秀樹には女装がよく似合った。
 可苗は、ともに十人並みの器量しか持たない両親から、どうしてここまで―と、他者が溜め息をつくほどの美貌と気品を持って生まれついたが、兄の秀樹とて、決してブ男ではない。
 妹の美貌がズバ抜け過ぎているから目立たないが、彼とて、美男とは呼べぬまでも、充分ハンサムで通る容姿の所有者であった。
 可苗がふざけ半分に彼に強制した女装で、二人は意外なほど女装に違和感の無い秀樹の姿に愕然となる。
 そしてその事実は、可苗の嗜虐的で倒錯的な情欲を、人一倍刺激する結果となった。
 彼女は自分のクローゼットを秀樹に開放し、非安全日以外の晩、つまり生で膣内射精が可能な晩以外の性行為は、すべて兄に女装を強制し、彼を“秀美”と呼んで、以前よりなお一層、秀樹を弄ぶようになった。

「―これでいいですよ“秀美”」
 メイクは終了した。
 そこにいるのは、可苗に良く似た一人の少女“秀美”であった。
 エプロン、制服、そして下着までも、可苗がさっきまで身に着けていたものは全て秀樹に着替えさせ、彼女は満面の笑みを浮かべていた。
 すでに可苗のペニバンの内側は、雨季の湿地帯のようにぬかるみを帯びている。

「さあ、いつものように挨拶して下さい“秀美”」
「は…い…」
“秀美”はのろのろと体を起こし、可苗の足元にひざまずくと、そっと、可苗の爪先に口付けをした。

「どうか今晩も……よろしく“秀美”を可愛がってくださいませ。“可苗お姉様”」


723:擬似姉妹
07/08/01 13:57:21 HtP9Iqwx

「んふふふっ……はい、よく出来ました」

 世にも嬉しそうな笑顔で、可苗はシンクで未だ出しっ放しになっている水を止めた。
「それじゃあ“秀美”、お尻を見せてください」
「お尻を―ですか?」
「はい。たった今おっしゃったじゃありませんか。お尻が痛いと。それほど痛いなら、この可苗お姉様が治療してあげます」
「はい……」
 耳まで真っ赤にして“秀美”はうつむく。
 ウィッグでよく見えないが、羞恥の余り、恐らく首筋まで紅潮しているはずだ。

 いつもこうだ。
“秀美”はいつまでたっても、可苗の責めに慣れない。
 どれだけ分厚いメイクを施しても、派手な女物の衣服を着せても、彼が女装に興を覚えること無く、男としての羞恥心を忘れることも無かった。
 そして、自分が可苗の“兄”なのだという事実も。
(そうこなくちゃあ、ね。お兄ちゃん)
 可苗自身、この兄が、妹である自分に、自ら尻を差し出して『僕に可愛い格好をさせて下さい』とおねだりする瞬間など想像できない。あくまでも羞恥にむせび泣く兄に女装を強制するからこそ面白いのだ。
 まあ、自らおねだりする兄の姿も、なかなか乙なものではあるだろうと思うが……。

「後ろを向きなさい」
 と、言われるがままに可苗に背中を向けた“秀美”の肩が震えている。
 例え何をされるか想像はしていても、やはり怖いのだろう。
 可苗は、そんな健気な秀樹が可愛くて可愛くてたまらなかった。
 文字通り、この手で縊り殺したいほどに愛しかった。

 そんな彼が、いや“秀美”がはいているスカートを、そっとめくり上げ、ショーツを膝元までズリ下ろす。
 ショーツはじっとり湿っていた。
 無論、秀樹自身の体液ではない。
 可苗自身の愛液だ。
 秀樹がその下着に着替える前、つまり行為直前に可苗の衣服に着替えさせられる前に、すでにして可苗は、今夜の楽しみに興奮して、濡らしてしまっていたのだ。
 もっとも、二人からすればそんなことは、特に珍しいことでも何でもないことだったが。

「あ~あ~、確かにこれは痛そうですねぇ」
 彼の肛門は、日々の荒淫にすっかり化膿寸前にまで腫れあがってしまっていた。
「ん……ぐぁっ……」
 可苗の舌が、そんな“秀美”のアナルをほじくる。
 それも、執拗に。何度も何度も、なぞるように。
 快感はあった。
 しかし“秀美”は、ひりひりとした痛みが、快感以上に、染みとおるようにアナルに吸収されていく。そんな刺激に声を立てる。

「“秀美”、あんまり大きなお声を出したら、下のお婆ちゃまに聞こえちゃいますよ」
「―でっ、でもっ……ひぅっ……ぐっっ!!」
 ねちょり、にちゃり、くちゃり……。
 徐々にだが、可苗が這わす舌の音の響きが大きくなってゆく。
「ひぐうううっっっ……!! おっ、おねえさまぁっっ!!」
(―お声が大きいって言ってるのにぃ)

 ずぶり。

 可苗が、舌を“秀美”のアナルに直接挿入してきたのだ。
「~~~~~~っっっっ!!」
 もう、自力で立っていられなくなったのだろう。“秀美”が壁に手をついて、体重を預け、必死に崩れ落ちないように、身を支える。
(無駄な抵抗ですよ、お兄ちゃん)


724:名無しさん@ピンキー
07/08/01 13:57:23 /tizgXJx
GJ!!いもうと大好きスレだったかな?

725:名無しさん@ピンキー
07/08/01 14:02:34 FLvf8lsu
GJGJ!!

726:擬似姉妹
07/08/01 14:05:02 HtP9Iqwx

 可苗の両手が“秀美”の尻タブを割り、唇と肛門をゼロ距離にして、可能な限り、舌を直腸内に侵入させてくる。

 可苗は、この兄を“秀美”と呼んで妹扱いをし、まるで玩具のように弄ぶが、その心中では、決して彼を軽んじているわけではない。
 むしろ逆だ。
 彼が好きで好きでたまらない。
 そういう意識こそが、可苗のサディズムを刺激し、嫌がる女装を強制し、男であるはずの秀樹を敢えて男扱いせずに、その肛門を辱め、嬲り、弄び、彼の魂に徹底的な屈辱感を与え続ける。
 自分は実の妹から、女のように犯される兄なのだという、屈辱感を。
 それこそが、秀樹に対する可苗なりの愛情と独占欲であり、可苗なりに秀樹をトリコにするための努力の表れであった。
 
 可苗の舌が、こりっとした前立腺に到達する。
「~~~~~~~っっっ!!!!!」
 もはや“秀美”は声も出ない。
 というよりむしろ、自ら、声を上げられないように、自分のスカートとエプロンを必死に口にくわえ込み、歯を食いしばっている。
 膝も腰もふくらはぎも、下半身はガタガタに脱力しまくっているのに、とっさにそういう機転だけは回る。もっとも彼は基本的に頭のいい男ではあったが。
 肛門の中には、当然トイレで拭ききれなかった排泄物のカスなども残っていた。
 しかし、可苗は全く気にもせず、というよりむしろ、可苗自身の唾液でゲル状になった彼の排泄物のカスを、自ら進んで吸引し、飲み込んだ。
 汚い、などとは思わない。
 これが、愛する男の生み出した物質なのだと思うと、むしろ、神にかしづく殉教者的な感覚すら浮かんでくる。

「はぁっっっっ!!!」
“秀美”はとうとう、口中のスカートとエプロンを吐き出し、その場に崩れ落ちてしまった。
 しかし、それでもなお、可苗の舌は“秀美”の肛門から離れない。
 腰から崩れ落ちた“秀美”に合わせて、膝をついて巧みに身を低くし、なおも執拗にそのアナルを口撃する。
「あっ……あっ……あっあっあっあっ……」
“秀美”自身、ここまで来たら、もはや腫れた肛門に唾液が沁みる痛みより、直腸からじかに発生する快感に、神経を支配されている。
 床に膝をつき、のけぞるようにして、この圧倒的な快感をやり過ごそうとする秀樹。
 だが、そうは問屋が卸さない。
 そもそも、可苗はアナルを責められている“秀美”が、この程度の刺激で満足できるはずも無い事など、百も承知だった。

―くちゅり。
 ペニバンから生える擬似ペニスを片手で握り、軽く上下させる。
(っっっっっっっ!!!!!!)
 その瞬間だけで、軽く絶頂2回分クラスの高圧電流が、可苗の全身を貫く。
 が、可苗はこらえる。
(まだ……ダメ。まだ逝っちゃダメ……。可苗が、可苗が先に逝っちゃダメなの。お兄ちゃんを逝かせてからじゃないと……可苗は逝けないの……。)
 布一枚に隔てられたペニバンの奥には、少々小ぶりだが、やはりれっきとした擬似ペニスが彼女の胎内をえぐっている。
 そして膣からは、大量に分泌した白い愛液が、通気性のいい布を通して、外に突き出したディルドーにしたたり、それを握り締めた可苗の小さな手をグッショリと濡らす。

 そして、
(そろそろかな……?)
 と思った可苗は、自分より20センチも小柄な妹に壁に押し付けられ、四つん這いに悶え苦しむ兄の腰に手を回し、ぐいっと引き寄せ、そのまま、仰向けに引っくり返してしまった。
「“前”も“後”もダメなら、お口とお指しかないけど、“秀美”はどっちがいいですか?」


727:擬似姉妹
07/08/01 14:07:32 HtP9Iqwx

「口と……」
“秀美”の震える声を聞いて可苗はにんまり笑った。
 見るもの全てを魅了するような、いやらしい笑顔で。
「指……?」

 引っくり返されると同時に肛門への愛撫がやんだため、“秀美”は何ともいえない潤んだ目で可苗を見上げる。
 可苗は可苗で、眼前の少女のその切なげな瞳に、締め付けられるようなトキメキを覚えたが、敢えてこらえ、
「そうです。どっちがいいか、この“お姉様”に教えて下さい。キチンと聞こえるようにハッキリと声に出して、ね」
 そのまま、ペニスをれろ~~っと、舐め上げた。
「あうううううっっ!!」
「お口ですか? ―それとも」
 可苗は、自身の本気汁で白く染まった人差し指を、
―つぷり。
 と、爪半分だけ挿入した。
「ひううううっっっ!!!」
「お指ですか? ―それとも」
「かなえ、かなえ……おねえさ……ひぃぃぃっ!!」
 可苗の舌が、再び“秀美”の亀頭をくすぐった。
「両方同時、がいいですか?」
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
 もう“秀美”は、息も絶え絶えになっている。
「ふふ……、早く教えてくれませんと、可苗、やめちゃいますよぉ?」
「―待って、やめ、やめないで、くださいっ!!」
「だったら早く、言いな……さい!」
 最後の『さい』に合わせて、可苗は“秀美”の乳首を捻った。
「っっっっ!!!」
「あらあら……本当にどこでも感じるお体なのですね。羨ましいですわ、全く……」
 さらにそう言いながら、彼のアナルに突っ込んだ指をねじり、徐々にだが、深く挿入しつつある。
「―ああ……」
 もはや“秀美”は、腫れ上がった肛門の痛みを感じていなかった。
 ただ、絶望的なまでに耐えがたい、快楽への餓えがあった。

―つつっ。
「あっ!」
“秀美”を突如襲った空白感。

「時間切れです」

 可苗が、彼のアナルにインサートしていた指を、引き抜き始めたのだ。
 それも、挿入時と同じく、じわじわとした速度で。
「どうしたのです“秀美”? そんな目でこちらを見て」
「……」
“秀美”はふるふると首を振り、世にも切なげな眼差しで可苗を見つめる。
 しかし、可苗の意地悪は終わらない。

「あなたがいけないんですよ“秀美”。お口かお指か両方か、早く言わないからですよ」
「―可苗お姉様っっ!!」


728:擬似姉妹
07/08/01 14:09:56 HtP9Iqwx
 可苗の死刑宣告を遮るような形で声を上げる。
 実際、この妖艶すぎる妹に洗脳された兄には、彼女が提供する黒い快楽をはねのける精神力は、もはやなかった。

「―ください……」
「何を……?」
「“秀美”のいやらしい身体に、……かっ、可苗お姉様のお指と、お口の……お情けを下さい……」

 すでに“秀美”の顔は、羞恥で耳まで真っ赤になっていた。
 そしてそのペニスからは、先走り液がどくどくと滴り落ちている。
「―聞こえません」
「えっ?」
「もっと大きい声で、具体的に言ってください。可苗は“秀美”のどこに何をすればいいのかを」
「……」
「言えないのですか?」
 可苗は、すっと身体を離す。
「まっ、待ってっ!?」
“秀美”は、半ば恐怖に近い心境で可苗の手を取り、
「いっ、いれてください」
「どこに? 何を?」
「可苗お姉様のお指を“秀美”の“後”にいれて下さいっ!」
「それだけでいいのですか?」
「いいえっ、いいえっ! お姉様のお口で、“秀美”のクリトリスをおしゃぶりしてくださいっ!!」
「―んふふふ、よく言えました」

『ご褒美』と言わんばかりのタイミングだった。
 次の瞬間、“秀美”のアナルに可苗の人差し指が奥まで捻りこまれ、その衝撃で思わず発射された彼のスペルマは、可苗の愛情こもったディープスロートにより、1gも外気に触れる事は無かった。

 そのまま可苗は、指も抜かず、口も離さずの三連発で適度に彼の精を散らした後、ペニバンを脱ぎ捨て、ペニバン内側の小ペニスを“秀美”に突きつけた。
「“秀美”、これを咥えてください」
 突きつけられたミニディルドーは、可苗の純白の本気汁がねっっとりと付着している。
 しかし、それを汚いと思う神経は、当然いまの“秀美”にはなかった。
 また、次々と新たな快楽を与えてくれる可苗に逆らうと言う選択肢も、当然彼には持ち合わせてはいなかった。
「はい。可苗お姉様」
 まるで、聖なる神具を扱うように、うやうやしく手に取ると、なんの躊躇いも無く“秀美”はそれを口に咥えた。
 何をするかも、何をされるかも分かっている―。
「さあ、来て“秀美”……今度はあなたが可苗を満足させて下さい」

“秀美”はそのまま四つん這いになり、口から擬似ペニスを生やした奇怪な生物となって、可苗の下半身に覆い被さる。

「くふうううっっっ!!」
 可苗は“秀美”の頭部に両足を回して固定すると、
「突いてっ、突いて下さいっ!! ……可苗のおまんこの奥まで、もっと、突いて……ああああっ!!」
 今度は、可苗が自分の口に物を突っ込む番だった、というべきだろう。
(きっ、きもちいい……!!!)

 実際、彼女のいびつな愛欲は、この兄が自分のためにどこまでプライドを捨ててくれるかによって、その感度が上昇し、もはや普通のセックス―正上位や後背位といった通常の―では、満足しきれぬほどに肥大していた。
 つまり、男としての兄を騎乗位でねじふせるのも、男を捨てて女装してくれた兄を犯すのも、人を捨てディルドーを咥えた“犬”と化した兄に奉仕させるのも、同様に、彼女を異常なまでに興奮させる効果を生むのだ。
 それは結果として、可苗の兄に対する愛情というエネルギーを、ますます歪んだ方向へと導き、秀樹自身すら気付いていなかったマゾヒズムを確実に萌芽、育成させてしまった。勿論、兄自身はあくまで認めようとはしないだろうが。
 そして、この二人は、もはや引き返せないところまで来てしまっている。

 宴は、まだまだ終わらない。


729:時給650円
07/08/01 14:16:44 HtP9Iqwx
以上です。

>>724
多分違いますな。一応、向こうの保管庫も当たってみたし。
で、いま続編書いてます。


730:名無しさん@ピンキー
07/08/01 14:39:26 xb4VtiuI
お尻を犯されるなんとかスレとか

731:名無しさん@ピンキー
07/08/01 15:18:10 /tizgXJx
割り込みスマソ

732:名無しさん@ピンキー
07/08/01 15:19:52 NjKh430A
肛門にトラウマがある俺には怖くて最初の部分までしか読むことができん・・・

733:名無しさん@ピンキー
07/08/01 19:50:50 72LgCd8z
>>732
公園で掘られたか?

734:名無しさん@ピンキー
07/08/01 20:03:26 NO3fURkv
不覚にも興奮

735:名無しさん@ピンキー
07/08/01 20:11:30 O50uxNMp
魂響 陵辱sideの紅を思い出して興奮してしまいますた。
あのゲームはキモキャラばっかでオカズにもできたしよかった。

736:名無しさん@ピンキー
07/08/01 23:05:41 NjKh430A
>>733
ガキの頃ウルトラマンのフィギュアで遊んでたんだ(15センチ位の大きさの)
部屋中にフィギュアを撒き散らかして部屋の中をフィギュア持って駆け回ってたんだ
で、走り疲れて床を確かめないでドスンと座りこんだんだ
俺の尻の下に長く尖った尻尾のついている怪獣が置いてあることに気付かないで…

737:名無しさん@ピンキー
07/08/01 23:49:07 wiGtBfAr
兄妹だけど姉妹の妹にされるて、どれだけ変態行為やねんwwww

738:名無しさん@ピンキー
07/08/02 00:17:36 KJ3Dpn9x
女にお尻を犯される男の子スレか・・・

739:名無しさん@ピンキー
07/08/02 00:45:15 j/n0np/E
>>736
俺の肛門がキュっと締まった
この夏最高峰の恐怖をありがとう('A`)

740:名無しさん@ピンキー
07/08/02 03:15:26 CFxGa7YO
>>735
名作だよなぁ。はんぱなくエロかった。

女装といえば某緑の看護婦もそうだな。
あれも良かった。

741:名無しさん@ピンキー
07/08/02 04:01:15 dKeK+Wda
>>740
スレ違いと知りつつもつい反応。
某緑の看護婦は良かったよな。あれは実に心が安らいだ。癒しというか・・

742:名無しさん@ピンキー
07/08/02 16:30:12 +MqUWYiw
でも、ガキの頃からアナルオナが好きだった>>736はむしろ気持ち良かったのであった…


743:名無しさん@ピンキー
07/08/02 17:11:48 Qtif3GzX
痔持ちの俺は掘られるぐらいなら死を選ぶ

744:名無しさん@ピンキー
07/08/03 22:36:51 r7K8/aRO
綾分が著しく不足しております

745:名無しさん@ピンキー
07/08/03 22:42:55 KMQ80kw8
ロォォォドォォォロォォォドォォォ

746:名無しさん@ピンキー
07/08/03 22:52:06 ximGmoNV
>>745
メタリカ乙

747:名無しさん@ピンキー
07/08/04 04:34:42 6bh9T3XI
義理キモウトができました

748:名無しさん@ピンキー
07/08/04 11:26:48 sZl/yN+t
>>747
ブサイクですけど、仕草は可愛いです。…とか?

749:名無しさん@ピンキー
07/08/04 12:27:09 T24ooO7r
>>747
俺にもちょーだい(・ ε ・)

750:名無しさん@ピンキー
07/08/05 04:59:17 batCgCXW
>>748いや、スペックは普通。

キモかったらいいなと俺の願望。

>>749親を離婚させろ。または犯らせろ。話はそれからだ。

751:名無しさん@ピンキー
07/08/05 05:09:10 OQL/WMOx
実妹が可愛いのも逆に辛いよ
やるわけにもいかんし・・・・

752:名無しさん@ピンキー
07/08/05 05:22:27 n7mNgeHM
>>751
……同感。
というか少し前に彼女が出来たのがバレたんだが、その時から何故か妹の機嫌が悪いんだ……。
直前まで普通に話してたのにバレた瞬間からいきなり悪くなったというかlllorzlll

753:名無しさん@ピンキー
07/08/05 08:04:41 lXD2Fpku
>>752
それは多分、何故貴方には恋人ができて私にはできないんだ!…と思ったからでしょう

754:名無しさん@ピンキー
07/08/05 12:40:14 X2ffeUhk
リアルの話はよそでやれ
それにあまりにも胡散臭すぎるしな

755:名無しさん@ピンキー
07/08/05 13:22:44 KPZdKonA
>>753>>754
なんでそこでマジレス!?
そこはスレ的にボケるとこでしょw

756:名無しさん@ピンキー
07/08/05 14:05:16 HILuK/li
>>751
妹なんかどんな顔してても可愛いもんだよ?

757:名無しさん@ピンキー
07/08/05 14:20:01 MZWBMeZl
>>755
俺もいい加減うざいんだけど・・・
他所でやってほしい。

758:名無しさん@ピンキー
07/08/05 16:19:32 fWedqwux
ここは職人様の描くキモ姉妹に萌えるスレだ。自分の姉妹自慢はよそでやれ

759:名無しさん@ピンキー
07/08/05 16:49:44 psll9ETm
>>756
なるほど…顔が江頭でもか…

760:名無しさん@ピンキー
07/08/05 18:21:00 5wS7GCUy
>>755
スレ的に、なんて言葉は使えないんだよその場合
いい加減消えてくれよ

761:名無しさん@ピンキー
07/08/05 20:47:16 fVU3XUzW
>>760
いやそろそろお前も空気嫁

762:名無しさん@ピンキー
07/08/05 22:30:59 X3FxxWOr
投下はまだですか・・・

763:名無しさん@ピンキー
07/08/05 23:05:03 X2ffeUhk
待つな
おまえ
が書く
のだよ

764:名無しさん@ピンキー
07/08/06 10:56:52 LLGrLMUO
綾かわいいよ綾!!

765:名無しさん@ピンキー
07/08/06 11:24:06 tbmaUzJQ
>>764
1週間待ってね。

766:名無しさん@ピンキー
07/08/06 12:08:19 1EJab8tJ
待ちます!

767:名無しさん@ピンキー
07/08/06 14:46:55 LLGrLMUO
何週間。いや、もう何ヶ月でも待てる尾!!!!!!!!!!!!!!

768:名無しさん@ピンキー
07/08/06 23:41:39 WP7coMB5
とりあえずいわせてくれ。

綾と俺の妹を交換してくれ!

769:名無しさん@ピンキー
07/08/07 00:25:14 Py6Na0vz
保管庫更新キテタコレ

770:名無しさん@ピンキー
07/08/07 12:19:47 SvEoAuZd
>>768
確かに、お前の妹の顔は酷過ぎるからなー。

771:名無しさん@ピンキー
07/08/07 12:21:50 4mlhNzdr
>>770
化粧の技術は進化したからな~。

772:名無しさん@ピンキー
07/08/07 16:04:00 bP1bimJg
wktk

773:名無しさん@ピンキー
07/08/08 00:01:52 3pXMPaFq
保管庫更新おつかれさま!!!!!

774:双璧 ◆Z.OmhTbrSo
07/08/08 00:46:57 gpyZgAvT
>>654の続きを思いついたので、投下します。

775:双璧 ◆Z.OmhTbrSo
07/08/08 00:47:49 gpyZgAvT
 哲明の腹には、傷の跡が残っている。
 かなりの古傷だから、上半身裸になってもほぼ目立たない。
 大きさは、せいぜい1センチ程度しかない。だが、決して軽い傷だったわけではない。
 この傷を負ったとき、哲明の腹には深々と刃物が突き刺さっていたからだ。

 話は7年前に遡る。
 双子の兄妹の哲明と明菜が10歳、2人の姉が16歳の頃。
 哲明は、年の離れた姉とも、顔のそっくりな妹とも仲が良かった。
 3人はいつも一緒に遊んでいた。
 両親が家を留守にしていても、姉が一緒にいれば双子の兄妹はどこにでも遊びに行けた。
 遊園地、海水浴、外食、祖父母の家。
 哲明は両親がいなくても、姉と妹がいれば寂しくなかった。

 だが、哲明のいないとき、年の離れた姉妹は険悪な空気になった。
 姉は双子の兄妹の面倒を見ていたせいで、小さなストレスをよく受けていた。
 そんなストレスだらけの日々を救ってくれたのは、愛しい弟の存在。
 どんな小さなことでも頼ってくる弟を見ていると、くじけそうな時でも力が湧いてきた。
 対照的に、妹のことは可愛いとは思わなかった。
 小学校を進級していくごとに生意気になっていくのも、妹が弟と同じ顔をしているのも、姉は気に入らなかった。

 そんな姉の態度を察したわけではないだろうが、妹も段々姉に反抗的になっていった。
 言うことを聞かない、悪口を吐く、わざと家を汚す。
 妹は両親がいないストレスを姉にぶつけていたのだ。
 だが妹が姉に意地悪をするのは、両親が留守にしているストレスだけではなかった。
 双子の兄が、同性から見ても綺麗な姉に懐いているのが気に入らなかった。
 妹は小学4年生の頃から、家族の一員である姉に嫉妬していた。
 姉妹がどうにか共同生活を送れていたのは、哲明がクッションになっていたからだった。

 だがある日、どうにか保ってきたバランスが崩れた。
 それは、哲明が地元の小学生と一緒に泊まりでキャンプに行ったことが発端だった。
 哲明が留守にしていたのは、たったの一晩だけ。
 しかし、その短い間に、姉妹の仲はそれまでにないほど険悪になった。
 姉妹はお互いに、今まで溜めてきたストレスを全てぶつけ合った。
 それで膿がとれればよかったのだが、実際にはより深い溝が生まれてしまった。

 事件が起こったのは、翌日の昼に哲明が帰ってきたとき。
 姉妹は哲明が帰ってきた途端、玄関へ出迎えにいった。
 この時、哲明は姉の懐に最初に飛び込んだ。お姉ちゃん、お姉ちゃん、と言いながら。
 妹は当然腹を立てた。昨晩あれだけ口論しても姉に負けたとは思わなかった。
 だが、兄の行為によって明確に勝敗が分かれた。
 妹はその頃から芽生え始めていた小さなプライドをずたずたにされた。
 それだけなら、まだよかった。
 姉が、弟を胸に抱きながら勝ち誇った笑みを浮かべたのだ。
 何も言わずとも、姉の言いたいことは知れた。
 あなたがどれだけ哲明を好きでも、哲明はあなたに抱きついたりしない。
 所詮あなたは、ただの生意気な妹に過ぎないのよ。


776:双璧 ◆Z.OmhTbrSo
07/08/08 00:49:11 gpyZgAvT
 妹は怒りで我を忘れた。姉への憎しみに、心を支配されたのだ。
 部屋に戻って彫刻刀を掴み、玄関にいる姉に向けて刃を向けた。
 哲明は突然のことに呆然としていたが、姉は冷静だった。
 力の勝負になれば、高校生にとって小学生をねじ伏せるなど簡単なこと。
 姉は、妹が近づいた途端に蹴り飛ばそうとして待ち構えた。
 妹は彫刻刀を振りかざして、襲い掛かった。
 哲明はその時、姉妹を止めようとして2人の間に飛び込んだ。
 あまりにも絶妙のタイミングだった。姉妹は動きを止められなかった。
 結果、哲明は妹に腹を刺され、姉に背中を蹴られた。
 浅く刺さっていた彫刻刀が、背中を蹴られることで、より深く突き刺さった。
 妹も姉も、何が起こったのか理解できなかった。自分達のしたことの結果も理解できなかった。
 哲明は腹から血を流したまま、妹に向かってのしかかるように倒れた。
 押し倒された妹は、両手を顔の前にかざした。
 妹の手には、真っ赤な鮮血に濡れていて、紅い手袋をしているようだった。

 哲明はその後すぐに病院に運び込まれた。
 すでにその時点で、哲明の顔からは血の気が失せ始めていた。
 手術室の外で、姉妹はお互いの手を握り締めていた。
 そうしなければ、とても耐えられるものではなかった。
 愛しい弟が、大好きな兄が、自分のせいで死んでしまうかもしれない。
 ごめんなさい、ごめんなさい。もう喧嘩なんかしないから。

 哲明は翌日の昼には意識を回復した。連絡が早かったおかげで、出血多量死を免れた。
 涙で頬を濡らし、目を赤くした姉妹に、哲明は言った。もう喧嘩なんかしないで。僕は2人とも好きなんだ。
 姉兄妹(きょうだい)3人で、ずっと一緒にいたい。
 姉妹は、首を何度も縦に振った。もう、2人の間の溝は埋まったのだ。

 それ以来、姉妹の間に共通意識が生まれた。
 哲明は私達がずっと守る。ずっと私達と一緒に暮らすんだ。他の誰にも渡さない。
 姉妹はもう、哲明から離れられなくなった。哲明にブラザーコンプレックスを抱いてしまったのだ。

*****

 夜の帳が落ち、明かりの灯っていない部屋の中。
 明菜は、腹を出して眠る兄の姿を眺めていた。

「テツ兄の傷、まだ残ってるね」

 眠る兄を起こさないよう、軽く腹の傷に触れる。
 肌触りは変わらない。だが、うっすらと浮かぶ傷に指を這わせるだけで胸が痛む。
 この傷は哲明の体にいつまでも残る。成人しても、初老を迎えても、死の目前の時になっても。
 傷をつけてしまったのは、明菜と姉。
 あの事件を思い出さない日など、一日たりとてない。
 明菜は一生かけて兄を守ろうと誓っている。おそらく姉もそうだろう。

「私達で傷の責任は取るからね、テツ兄」

 明菜は舌の先で、哲明の腹の傷を舐めた。哲明は体をぴくりと動かすが、起きようとはしない。

「また明日ね。おやすみなさい」

 明菜は二段ベッドの上、自分用のベッドにもぐりこんだ。

777:双璧 ◆Z.OmhTbrSo
07/08/08 00:50:43 gpyZgAvT

 8月30日、木曜日の午前8時。
 哲明、明菜、そして2人の姉が同居する家にて。
 ダイニングキッチンの中では、明菜が朝食を作っていた。
 ガスコンロの火を止め、おたまでお椀に味噌汁をそそぐ。
 炊きあがっている米の表面をすくい、ご飯茶碗によそう。
 ご飯と味噌汁、卵焼きを乗せた小皿をお盆に乗せると、明菜はテーブルの前に歩いていく。
 テーブルの席についているのは、新聞を読む姉の姿。
 明菜は茶碗をテーブルの上、自分と姉の席の前に置いていく。
 そして、口を開く。

「ガリ姉、ご飯できたよ」

 途端、ギリッ、という歯軋りの音が部屋に響く。
 新聞がゆっくりと下りていき、姉の憤怒の表情があらわれる。

「今、なんと言った」
「聞こえなかった、ガリ姉? ご飯できたよ、って言ったの」
「そのガリ姉というのはなんだ! リカ姉と呼べ、と言っただろう!」
「昨日、冷凍庫の中に入ってたアイス全部食べたじゃん。テツ兄の分も」
「くっ……しかし、昨日テツと交渉してリカ姉と呼ぶことに決まったはずだ」
「えー。リカ姉って普通すぎじゃん。ガリ姉のほうがいいって」
「いいわけがあるか! それじゃ私の体に骨と皮だけしかないみたいに聞こえるぞ!」
「違うの?」
「違う! 少なくともお前よりは胸も尻も大きいんだ!」
「太ってるだけじゃないの、それ」
「口の減らない妹だな……まあいい。いただきます!」

 ぱん、と手を叩いて、ガリ姉―もとい、リカは朝食に手をつけた。明菜もそれに続く。
 朝食を食べているとき、2人の間に会話が起こることは少ない。
 哲明と明菜の通う高校の教師であるリカから、学校についての話題を振る程度のものだ。
 もちろん、哲明がいれば状況は全く変わる。
 リカと明菜は哲明の両サイドに椅子を持ってきて、肩をくっつけるようにして食事をする。
 会話は途絶えないし、哲明にあーん、と言いながらおかずを差し出す動きも止まらない。
 今そうしていないということは、つまり哲明がいないということに他ならない。
 哲明は朝から友達と遊びに行っているのだ。

「まったく、ゆっくりできるのは今日と明日だけだというのに、テツの奴……」
「あーあ、今日こそはデートしようと思ったのにな」
「待て。明菜は一昨日テツと買い物に行っただろう。私を差し置いて」
「ガ―リカ姉は月曜日、私に黙ってテツ兄と図書館に行ったじゃん」
「それの何が悪い。私の本職は教師だぞ。夏休みの間に勉強を教えるのは当然だ」
「テツ兄、先月で宿題終わらしてたのに、無理矢理勉強させられて可哀相」
「お前はそのテツに無理矢理宿題を手伝わせていただろうが!」
「なによ、それが悪いっての?!」
「宿題ぐらい自分でやれ! 何のための学生生活だ!」

 決してこの姉妹の仲が悪いわけではない。今日はたまたま2人の機嫌が悪いだけなのだ。

「この無い乳! スポンジ頭! いまだにブラしなくても平気なくせに!」
「うっさい、見た目だけ大人の中身はお子様ヤブ教師! 糖尿病でダウンしちまいな!」

 哲明の住む家は、いつだってにぎやかだ。
 違いがあるとすれば、女性二人の声がピンク色であるのか、そうでないのか。その一点だけだ。

778:双璧 ◆Z.OmhTbrSo
07/08/08 00:52:14 gpyZgAvT

*****

 夕方の7時、哲明は家に帰ってきた。玄関を開けると、姉妹の姿が目に入った。
 明菜は寝そべりながら宿題をしていた。リカは爪をやすりで整えているところだった。
 思わず哲明が後ずさると、姉妹は同時に顔を向けた。2人とも満面の笑みだ。

「おかえりテツ兄! もう、どこに行ってたの!」
「遅いぞ、テツ。外出したときは1時間おきに連絡しろと言っていただろう」
「ただいま。ちょっと勉強に付き合わされててさ。あと、ガリね―じゃない、リカ姉。そんなこと聞いてないから」

 哲明が靴を脱ごうとすると、2人は同時に腕を掴んだ。

「今日何が食べたい? ハンバーグがいい? それともテツ兄の好きな海老ドリア?」
「テツ、今から食事に行かないか? この間いい雰囲気のバーを見つけたんだ」
「あー、その……実は、もう食べてきたんだ。だから夕食はいらない」
「へ?」
「なんだと?」

 明菜とリカは、まったく同時に顔を歪めた。そして同時に哲明の腕を掴む手に力を込めた。
 
「……ねえ、そんなこと聞いてないんだけど。それこそ連絡の一つぐらいしてくれてもいいでしょ」
「まったくだ。私はそんな子に育てた覚えは無いぞ。誰にそそのかされた?」
「そそのかされたって……いや、電話しなかったのは悪いと思うけどさ。携帯失くしちゃったからできなかったんだよ」
「え……それで遅くなったの?」
「ああ、友達の家で勉強してたら、なんでかどこかいっちゃって」

 哲明は嘘を言っていない。午前中から友人の家で宿題を手伝わされていたのだ。
 連絡をしようと思ってポケットを探っても、携帯電話は入っていなかった。
 家を出るとき、哲明は必ず携帯電話を持っていく。今日も持って行ったはずだった。
 
「で、見つかったの?」
「いいや。もしかしたら家に置いてきてたかもしれないと思ったから」
「それは無いぞ、テツ。私は何度もテツの携帯電話に連絡を入れた。しかし、テツの部屋から着信音は鳴らなかった。
 やはりその友達の家に忘れてきたんじゃないか?」
「やっぱそうかな……」

 哲明は肩を落として嘆息した。そして、こう言った。

「よりによって、女の子の家に忘れてくるなんて」

 女の子の家。忘れてきた。この二つの言葉から導き出されるもの。
 姉妹は同時にそれを悟った。



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