07/06/27 02:19:10 Bf1/fbkI
『現実は小説より奇なり』
ああ、正しくその通りだと思うね。
結論から言うと、強く願っただけの俺の思いは、エリにもコマにも届きはしなかった。
だが、俺がこのまま父親になってしまうような事態には、結局到らなかった。
では何が起こったのかと言うと、余りに荒唐無稽過ぎて俺には上手く説明する事ができない。
それでも説明しなきゃならないな。
まず始めに、光が俺を包んだ。光量を把握してる時間が無かったが、多分教室程度は満たしてたんじゃないかね。
次、最終工程。俺が目を開けると、そこにはデカい蛹が有った。
緑色で、薄い網目状の模様が走り、教室の光や窓から差込む光で透けて見える中身は液体状。
時折『お兄様』と鳴声を発する所から推察するに、これはナイリなんだろう。
…………とりあえず、脱ぎ散らかされている服を家に置いて来よう。
まぁ、俺は家に帰った途端疲労任せに寝てしまったのだが、嫌悪感や体の不調から開放されて気が緩んでしまったんだ。仕方ない。
流石に一日に何人もの妹の相手をする力は俺にはまだ養われて無いらしい。
『15年間兄さんの為に~』とかなんとか言って全裸で布団に入って来るヤツが煩しかったりしたせいで、ナイリの事を忘れてしまっていたのも、きっと仕方ない事だ。