キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3 - 暇つぶし2ch250: ◆5SPf/rHbiE
07/06/22 14:27:29 PsFHBAXj
今回の投下は以上です。
固定登場人物の紹介でした。

251:名無しさん@ピンキー
07/06/22 14:35:46 6ULplmKI
惜しみないGJ!の拍手を。

キモウト話に推理サスペンスも混じって、先が非常に気になります。
殺すか、バレるか、綾がどう動くか、縁がそれにどう気づくか。
次も楽しみに待ってます。

252:名無しさん@ピンキー
07/06/22 16:15:01 3qzrsbDZ
陽一くんに一言申す!!!



どれかひとりくれwww

253:名無しさん@ピンキー
07/06/22 16:34:47 W8jzrosg
毎回GJ!
綾はもちろんだが
前回から縁さんに底知れぬものを感じる……

254:名無しさん@ピンキー
07/06/22 16:44:59 w9GqXtr/
>>228の様な頭の悪いのもっと書いてくんないかなw

255:名無しさん@ピンキー
07/06/22 18:31:44 ovheFgGi
わかった! 緑はバーローの親戚なんだよ!

256:名無しさん@ピンキー
07/06/22 18:38:54 id/uW9bJ
バーローw

257:名無しさん@ピンキー
07/06/22 19:07:54 arBj1pIV
>>250
綾きたああああ!!乙です!

緑は死亡フラグをたててるような・・・w
でも、なんか一枚噛んでるような気も

258:名無しさん@ピンキー
07/06/22 19:23:19 ovheFgGi
よく考えてみた
緑は孔明なんだよ!

259:名無しさん@ピンキー
07/06/22 19:31:58 id/uW9bJ
げぇ!緑!!

260:名無しさん@ピンキー
07/06/22 19:35:11 BEYZbrHk
ジャーン ジャーン

261:名無しさん@ピンキー
07/06/22 19:43:25 M7ew+axN
緑じゃねえ!縁だ!

262:名無しさん@ピンキー
07/06/22 20:15:22 WAVmIv5f
うう綾には幸せになって欲しい・・・

263:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:02:49 zEN/bc76
今更だけど、縁は「えにし」でいいんだよな?

264:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:19:28 3qzrsbDZ
ゆかりだろ普通w

265:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:22:42 Q5vj4mf4
夕里子があんまりにもいい娘だからか、綾がいつにもまして悪役に見えるw

>>263-264
俺も「えにし」って読んでたw

266:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:25:53 FAntte5r
るろうに乙

267:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:34:41 JU0WW5X1
普通に「えん」と読んでいた俺

268:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:37:45 yaWT+TxA
綾が幸せになれたらいいんだけど
今のところそんな気配はないな

269:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:14:05 GHUTnUHw
>>250
GJ!!
キモウトとか抜きにして考えると縁、次点小夜子が好みだなぁ
聡明さと洞察力カコイイと同時に死亡フラグorzの板ばさみ
さらに夕里子のお嬢様モエスそして綾ヤンデレキモカワイイの四つ巴で悶えてる
あんたマジ神だよ・・・

270:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:26:41 1x+AuzQK
ちゃんとキャラの書き分けできてるのがいいね。
ステレオタイプと言えばそうかもしんないけどさ。

なんにせよGJ!
綾タン幸せになってくれえええ!!!


271:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:32:11 /1E7jvRL
>>250
綾キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!

どうすれば丸く収められるんだろうかなぁ… やっぱMINAGOROSHI?

272:名無しさん@ピンキー
07/06/22 23:13:33 gggs2BZn
なんかすでに兄にも警戒されてる感じ・・・

273:名無しさん@ピンキー
07/06/23 00:45:42 x1gCQ7eP
>>250
なんというKIMOUTO NOTE……
これから兄を取りかえそうとする綾と友を守ろうとする縁の壮絶な頭脳戦が始まるに違いない!
タイムリミットは優一と夕里子が初エッチを済ますまで!


キモウト抜きでもワクテカさせていただきます。

274:名無しさん@ピンキー
07/06/23 02:57:04 rwB8zzNc
>>273×優一
○陽一
俺の名前が優一だからかなりびびった。
キモウトノートwwwそうかこれはA(綾)とY(縁)の戦いか。

ならデュークやレムもry

275:名無しさん@ピンキー
07/06/23 03:39:44 qvwMfT6W
デュークやないリュークや!
デュークだと殺し屋になってまう

276:名無しさん@ピンキー
07/06/23 05:16:12 cK0QNAdo
>>275
綾タンには似合いの名前じゃないかw

277:名無しさん@ピンキー
07/06/23 05:20:23 cK0QNAdo
しかし、綾タンって今まで何人殺してるんだろう?
語られてるのは、母親、痴漢扱い女、円光女のすくなくとも三人だが、
他にもたくさんいそうだ。
それほど彼らの周りで死人が出てたら、しかも事故死やあからさまな
他殺が出てれば、警察は黙ってないと思うんだよねぇ。
まぁ今回、そんなのを匂わす発言も出てきた事だし、ちょっとそういった
展開にもwktkしておこう。

278:名無しさん@ピンキー
07/06/23 06:35:53 e5wg0SDb
実は縁は夕里子の護衛

水面下で綾×縁のサドンデス・バトル開始

279:名無しさん@ピンキー
07/06/23 10:24:43 1pMbVy25
縁さんに期待 
きっと全ては孔明の罠なんだよ お嬢とキモウトを排除

280:名無しさん@ピンキー
07/06/23 20:41:08 yusOKYqf
綾シリーズの為だけに毎日このスレ巡回している俺ガイル。作者様超GJ

281:名無しさん@ピンキー
07/06/23 23:53:08 zJROg69P
小夜子も殺しちゃいそうで嫌だなあ・・・

282:名無しさん@ピンキー
07/06/24 01:35:55 PGD1T2vn
あっそ

283:名無しさん@ピンキー
07/06/24 01:39:20 JvwKm2Hc
聖のお兄様はまだですか?

284:らむだ  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:31:22 oXGA+JNp
こんばんは、らむだです。
このスレ消化早いっすね。
一週間で200スレになりそな勢い。
その流れを止めかねない自分の投下です。

注意事項
ぶっちゃけいつものノリなし!(黒いよ)
キモ姉もの
エロなし

ではいきます!

285:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:32:06 oXGA+JNp

第二話 「姉の炎」


灯火 芥

気分を紛らわすために本を読んで気分を害しては意味がない。
結構暗い本だ。
父親によって兄妹とその母親が困らされている四人家族。
主人公は家族を守るために父を高校生とは思えない巧みなトリックで殺してしまう。
しかし凶器を隠すところを人に見せられてしまい、そこからどんどん闇の中に落ちてしまう。
……ちょっと待て、ディスプレイの前の皆さん、なぜにやけてるのでしょうか。
言い忘れたが主人公は兄の方だ。妹じゃない。
まあ、そんな暗い本を読んでいたのだ。暗くなるも当然。
ただ単に車酔いかもしれない。

今は姉とともに実家に帰るところだった。
いきなりこんなメールだもんなとぼやいてみる。
「しかし姉貴、今まで二人に連絡入れなかったの?」
「いやあ、うっかり。」あんたほんとに教授か?
その割には俺には月に数回手紙を送っていたが。
でもそれはとても心の支えとなった。
あの中では。

286:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:33:34 oXGA+JNp
灯火 光

弟は表には出ていないが、怯えている。
馬鹿二人に植えつけられた恐怖。
母・灯火 舞(まい)と父・灯火 鴈(がん)。
大人ではない。ただ図体ばかり大きくなった餓鬼。
その餓鬼が性欲を貪る様に満たし、意図せぬものが出来てしまっただけで「親」と呼ばれる。
その子に満足できず他から子を拾う。
それが名前の理由。
ほかの人や役所には芥川龍之介からとったと言いふらす。
あっくー自身もそう言っている。
でも本人は気づいている。
そのままの意味だということに。
できることなら親権と権限と威厳と人権と人望と人格と人徳と人生を根こそぎ奪い取り、
あるべき名前に戻してあげたい。
あるべき道を歩ませてあげたい。
あるべき幸せを味あわせてあげたい。
幾度となく考えたこと。
裁判所も取り扱わないほど明瞭過ぎる事件に幕が下りる。
有罪か無罪かはすべてはもうすぐ決まる。
どちらかは言うまでもあるまい。

あっくーの車酔いに気付きトイレ休憩中、こんなことばかり考えていた。
あたりはすでに赤く染まっている。
「出てきたときはお昼前なのに、ついてないね。」
「考えることすべてが裏目に出で、渋滞に巻き込まれっぱなし。まあ、僕としてはうれしいけど。」
そのために渋滞情報と春休みのラッシュを逆に利用した。別に気付かなくてもいいけどね。
このPAを超えれても兵庫の家はまだ遠い。
しかし今日はつくつもりはない。
このまま遅れに遅れて京都あたりで一晩泊まり、翌日の午前中に私だけで事を済ます。
これであっくーを馬鹿どもに合わせなくて済む。
「このままじゃ今日中は無理かな?」あっくーから切り出した。
「じゃどこか途中でお姉ちゃんとベットインといこう。」
チェックインな、と突っ込む弟。
「まあ、お金ならいざといえばカードあるし。」
「ちょっと待て、黒くなかったかそのカード。」
あっくーのために手に入れたブラックカード。
名義はあっくーでゴールドがあるのはまだ秘密。

287:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:34:46 oXGA+JNp
灯火 芥

「重要なのは持っているものを有効に使えるかどうかだよ。」と姉談。
たしか株とかもやってるって話だよな。これはこれからへのヒントとして覚えておこう。
「いちおう現金で十万近く。数日なら大丈夫かな。」
「でも車はけちるのか。」
そう、姉は車を持っていなかった。
バイクならあるが、それでは長旅はきついからということでレンタカーを借りた。
借りたのはナビなしの車だった。
でも車種は最新のもの。浪費してるのか節約してるのかよく分からない。

そして今、PM10:20と車のデジタル時計にはある。
姉によると渋滞で京都に着くころには12時を超えようだ。やっぱし観光客が多い。
「もしもし、お義父様。光です。いま京都にいます。はい、ええ、だから今日はここで一泊して、明日に。」
報告をしていたが、いきなり携帯を渡された。
「あっくーにだって。」
とりあえず受話器を取る。
「何を考えている!屑!」

288:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:35:58 oXGA+JNp
灯火 光

私にも響く罵倒。
それに怯えるあっくー。
すぐさま携帯を奪った。
「いいか、何時になってもいいからとにかく早く来い。」
「わかりました、お義父様。」
「ひかり、なんでおまえが、」
有無をいわず切る。
「あっくー。」
大丈夫、というその眼はおびえていた。
このとき決めたのだ。
コンマ一秒でも早く終わらすと。

AM1:00
やっと家に着いた。
あっくーは寝たように見えたので私の背中におんぶしてあげた。(実はあっくーはとても小さいのだ。)
目には涙を浮かばせていた。
ごめんね、もうじきの辛抱だから。
「ただ今戻りました。」
「光、無理を言ってすまなかった。」
「その言葉はあっくーにかけてください。」
「いや、分かっている。元凶はそいつだからな。」
日本語で話せ。そう口に出そうになるが、ここは糖衣で包み込む。
「お義父様、お言葉ですがなんのことですか。」
「光、迷惑をかけたね。」
「お義母様まで、いったいなにがあったのですか。」
「そいつのことだ。」昔、人を指差すなと言いつつあっくーを指差すとは。さすが蠅。

289:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:36:41 oXGA+JNp
灯火 芥

正直ずるいことだとわかっている。
話したくないから寝たふりなんて。
光ねえは気づいているのだろう。
しかし見て見ぬふりをしてくれた。
「とりあえずそいつを起こせ。」低く響く父の声を
「別に話を明日にしてもかまわないのでは。」押しのけていく。
「そうじゃなくて態度の問題なのよ。」甲高い母の声を
「眠る子を無理やり起こすのは親の態度としていかがなものでしょう。」はね返す。
「お前は親に向かって口答えするのか!」
「親ならどんなに歪んだ理屈も通るのでしょうか?」
「ねえ、光。そろそろ弟離れしてみたら。」
「それこそ間違ったことじゃないのか、光。」
「姉が弟をかわいがるのは当然の理です。」
ここで口調が変わった。
「親が弟を虐待していてはなおさらです。」
冷たい口調だった。
絶対僕には出すことのないもの。
そんな声も出せるのかという印象。
「とりあえずもう夜も遅いですし、今日はこれにて。」
僕を優しく抱えたまま部屋を出ていく。
とても頼もしかった。

290:毒にも薬にもなる姉  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:37:24 oXGA+JNp
灯火 光

五感がすべてアラームを鳴らしていた。
(こいつらは芥をめちゃくちゃにする気だ)
(あっくーと会話をさせてはならない)
そして一つわかったことがある。
過度のストレスは人の成長を妨げる。
もしこいつらがいなければあっくーはもう少し背が大きかっただろうに。
いや背だけじゃない。
成長が妨げられたのは精神面でも。
何のために存在しているのやら。
とにかく玄関まで出てきたところで蠅は必死にたかる。
「じゃあ、起きたらそいつに言ってやれ。お前はもう退学済みだと。」
「お父様、何を寝ぼけたことを言っているのですか?」
「退学の手順はもう踏んである。」はいはいと受け流す。
もういろいろと面倒になったので消すことにする。
あっ、と上を向く。
蠅もつられて上を向く。
その時につい口が開く癖、直したほうがいいですよ。
まあ、たいていの人はそうなるけど。
同時に殺虫剤を噴射する。
蠅はむせる。
「申し訳ありません。蠅がいたもので。」
このすきに家を出る。
そのまま速攻で車に乗り逃げる。完璧な流れ。
車の近くまで近寄りとめようとするがアクセルをおもいっきし踏み振りきる。

そのままビジネスホテルに逃げ込んだ。
あっくーをベットの上に寝かす。
「もう、いいよ。」
「ごめんね、お姉ちゃん。」
その表情は今までの中で最も悲しげだ。
「どうしよう、大学に行けないや。」大量の涙とともに語る。
あんなにがんばったのに、と泣きじゃくる。
「はったりだよ。目の焦点ずれてたもん。」
実際はそうではない。
現に昼に事務員からそのことの連絡は受けていた。
もちろん蠅の妨害など、私の二つ返事で跳ねのけられる。
だが保留にしてもらった。
とりあえずシャワーを浴びてすぐベットに入る。
あっくーもいちおう浴びる。
ベットはダブルだったが、あっくーはまだ何も言わない。
眠れるかな、と不安げだったのであれをあげる。
「快眠薬。睡眠薬と違って危険じゃないよ。」
いい夢が見られるよ。
満たされる夢が。
あっくーは素直に私が手渡したコップの水で飲み、ベットの中に入った。
ベットの中で胸が顔に当たる様に抱きしめると向こうから抱きしめられた。
恥ずかしそうにあっくーは口を開いた。
「あの、光ねえ、僕のこと好き?」
大成功。
「うん、何されたって構わない。」

291:らむだ  ◆9BssOn5LsM
07/06/24 22:38:46 oXGA+JNp
今日はここまで。
いろんな意味でこれからです。
さて、次はいつにできるかな…。
それでは良い夢を。

292:名無しさん@ピンキー
07/06/24 22:42:15 ZLcGyOfz
一番槍いただきー!
ここはキモ姉キモウトスレです。
子供に愛情注がないキモ親には残酷な方法でご注文退場いただきましょう。

293:名無しさん@ピンキー
07/06/24 22:46:14 ZLcGyOfz
ご注文だって。
携帯から書き込むもんじゃないね。

294:名無しさん@ピンキー
07/06/24 22:57:13 x5uudXD5
>>291
GJ
実姉がいるんで、山本くん以外のキモ姉に限らない姉小説に萌えられなかった俺でも心が動かされたよ。

295:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:30:55 0a29yyEK
GJと乙

続きが、すごく・・・楽しみです・・・

296:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:32:17 0a29yyEK
GJと乙

続きが、すごく・・・楽しみです・・・

297:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:33:21 0a29yyEK
うわ、連投スマン

298:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:33:37 16eLeimH
とりあえず、親には「終わらない夏休み」並みの残酷な殺され方を姉にしてもらい
たいな。ぶち殺しちまえ

299:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:36:27 3AvsgtGe
>>292
こんな親、キモくもねぇ、唯の屑さっ!
どんな風に逝くのかwktk

300:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:50:29 fLW0dNaH
>>299
キモ姉が俺達の想像力で図れる訳がない!!

きっと予想外すぎる事をしてくれる筈だぜ


301:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:56:24 FJ+vFSkX
どんどんハードルがあがってくなw

302:名無しさん@ファンキー
07/06/25 00:05:23 5Dk2M39M
やはりこの手のキモ姉はいいな。
溺愛という言葉すら生ぬるいほどの溺愛。
DQN親にどのような神罰を下されるのだろう(wktk

303:おせっかい焼きのスピードワゴン
07/06/25 02:17:57 T/nsJu38
こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!
こんな悪には出会ったことがねえほどになァーーーーッ
実子が不出来で虐待に走っただと?ちがうね!!こいつは生まれついての悪だッ!
姐さん 早えとこ弟さんの人生から退場させちまいな!

304:名無しさん@ピンキー
07/06/25 04:15:43 owq68mmQ
ちなみに「芥」という言葉は「小さいゴミ」という意味らしいです。
親は死ねっ。氏ねじゃなくて死ね!

ともかく作者様GJです。

305:名無しさん@ピンキー
07/06/25 09:25:20 OyFAu10a
通報しますた。親を。
なんつーかGJ

306:名無しさん@ピンキー
07/06/25 10:39:56 YZpOzTue
ここにしろ嫉妬スレにしろ、登場人物に対して死ねとかあんまり書かないほうがいいぞ?
読者ももう少し感想の時の言葉を選んだ方が良い。
特に>>298みたいな事書かれたら作者さんも嫌だろうに・・・

307:名無しさん@ピンキー
07/06/25 10:49:22 fr3DChKF
相手するな

308:名無しさん@ピンキー
07/06/25 11:22:29 AYea3nEV
嫌われるように書いてるんだろうから、作者も嬉しいだろw

309:名無しさん@ピンキー
07/06/25 12:57:26 HaDx/q1x
別に登場人物に死ねといっても作者に死ねといってるわけじゃなくってよ

酷い登場人物に頭がカァッとなるのはそれだけ感情移入ができるいい作品てことだと思うぜ

310:名無しさん@ピンキー
07/06/25 19:41:09 nwvTPD2I
感情のままに悪感情をキャラに対して吐き捨てるような感想は、作者にとって何の実にもならないよ
悪役を表現する技量を称えるくらいならともかくさ

311:名無しさん@ピンキー
07/06/25 20:21:39 ClZAKGaK
>>310
ウザっ

312:名無しさん@ピンキー
07/06/25 20:28:42 nwvTPD2I
>>311
おいおいいくつだよお前……

313:名無しさん@ピンキー
07/06/25 20:30:26 bLtPQ5c3
キャラ叩くならまだしも作者にプレッシャーになるような書き込みは控えるべきかと

314:名無しさん@ピンキー
07/06/25 20:32:53 3n2HeYJk
あーーーー、一つだけ言わせてくれ

作品を楽しもうぜ!!!

みんなでwktkしようぜ!

315:名無しさん@ピンキー
07/06/25 20:34:35 JjDUrY0B
作者様GJ!
光姉さんがあっくーのためにどんな行動に出るか楽しみでなりません。

316:名無しさん@ピンキー
07/06/25 21:13:21 AYea3nEV
キモ姉&キモウトのキモさに比べたら、感想レスのプレッシャーなんて
たいしたもんじゃねーだろ。

317:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:52:42 qLh4ajWf
>>298
終わらない夏休み読んでみた
これは怖いな
でも嫉妬とか余り関係ないような気がするけど猟奇的なのは間違いないな

318:名無しさん@ピンキー
07/06/26 08:15:37 9j3dqqZy
親が酷いから、光の愛情がまともに見えるな
光はキモ姉ではない

319:名無しさん@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:28:41 A2MNZGBu
投下します。

320:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:30:23 A2MNZGBu


 その日の放課後の屋上──待っていたのは長い黒髪を後ろに縛った、俺と
同じくらいの身長の目付きの少しきつい隣のクラスの──男だった。あれ?

「こんにちは。青野虎之助君。」
 奴は男にしては高い声で俺のほうを向いた。まてまてっ!なんで俺の名前をっ!!
 俺は榛原さんに手紙を渡したはずじゃっ!!!下手すればこのままアッーーな関係に?
 俺様一生の不覚。

「君のことはよく知ってるよ。昨日榛原さんに相談されたからね。」
 彼の表情は読めない……。何考えてるんだ。てかなんで榛原さんと仲いいんだ?
 やつは、男の俺に呼ばれたことがわかっていてもそれほど不機嫌なふうもなく淡々としている。
 確か剣とかいったか…。こいつの名前。美形で女に人気のあるやつだ。
 馬鹿姉め。どうせなら今日乱入しろよっ!!

「まさか、話してもいないのに一目で僕のことを見抜くなんて…。」
 はっ?何いってんだこいつ。

「僕が女だって……どうしてわかったんだ?」
 えーっと。ちょっとまて。整理しよう。俺は朝、榛原さんに渡すつもりで下駄箱に
手紙を入れた。だけど、間違えた場所に入れてしまった。そいつは男のはずだったが
偶然にも男装した女だった………なってこった。何か言わないと!!!

「わかるに決まってるだろ。どこからどう見ても可愛い女の子にしかみえん。」
 俺はニヒルに笑って……あれ、これまずくないか?
 なんか剣さん赤くなってますよ?

「嬉しいことを言ってくれるな。親の都合で男として暮らしていたから…そんなこと
 言ってもらえる日が来るなんて思っても見なかった。」
 嬉しそうに笑う剣さん。だけど…俺は…。



321:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:31:14 A2MNZGBu


「剣さん…ごめんな。その手紙、榛原さんに宛てたものなんだ。昨日、姉と一緒にいて
 告白されたのに誤解されてしまって。君のことわかってたのは本当だけど、下駄箱を
 間違えてしまったみたいだ。可愛いっていったのは嘘じゃない。ほら、俺、女見る目は
 厳しいんだ。姉があんなのだから。」
 大嘘をつく俺。完璧だまされてました。はい。だけど嘘ってときには必要だよね?

「気にするな。なんとなくそうだろうとは思っていた。だが、僕も君に惚れたようだ。
 これからは榛原もライバルだな。彼女には悪いが…。手紙は僕から彼女に渡しておこう。」
 ちょ、おまおま…何がどうなってんだっ!
 どうやら、俺の学園生活には暗雲が立ち込めているようだ。そして、いつの間にやら
姉が屋上に来ていた。俺と剣さんは突然現れた美女のほうを向いた。

「あれ…あのお手紙、男の子に渡したの~?」
 なんでこんなとこに駄目姉が…手紙?

「おい、亜紀姉。ちょっとまて…なんで手紙のこと知ってるんだ。」
「それはね~。虎ちゃん寝てるときに読んじゃった。おねーちゃんにもあんな熱い
 手紙書いて欲しいなあ。そしたらすぐにOKだしちゃうのに。」
 こいつにはプライバシーという言葉が存在しないのかっ!

「だって、虎ちゃん心配だもん。あーんな、格好いいお手紙を男の子に渡すなんて…
 やっぱり、正しい道をお姉ちゃんが教えてあげないとね。そんな、男同士の禁断の
 関係なんて………どっちが攻め?どっちが受け?きゃーきゃーきゃー♪」
「いや、亜紀姉…その道も絶対間違ってるから…。てか、俺はホモじゃねえ!」
 完全放置状態の剣さんはそんな俺たちの様子を見ながらくすくすと笑っていた。



322:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:32:08 A2MNZGBu


「いや、失礼。私は剣薫です…青野亜紀さんですね。お噂どおり美しい。これから、
 私は正式に虎之助君とお付き合いさせていただこうと思っています。よろしくお願いします。」
 丁寧に姉に礼をする剣さん…って…俺の意思は!?

「あらあら、虎ちゃんの姉の亜紀です。だけど、だめよー?虎ちゃんは私のお婿さんの
 道しか決まってないんだからねー。」
「んなわけあるかあぁぁぁぁ!」
 こんな駄目姉の婿なんかになった日には二十代で禿げるわ。俺を放置して見詰め合う
姉と剣さん。おおバックにオーラが見える…。
 剣さんの後ろには竜。亜紀姉の後ろには太ったぶち猫…
「あうぅぅぅぅ…」
「…………」 

 あ、喰われた。 

「いやああああ~この人怖いよぉ………虎ちゃん~~~~!!!」
 そして泣きながら正面から抱きつく姉。理性を溶かすフェロモンを全快にした女の感触と匂いが
俺を侵食する。全身全霊を使ってなんとか俺は引き離した。

「やりますね…。だけど僕は負けません。今日のところはさよならです。マイラバー虎之助君。」
 男装少女、剣薫は大げさな身振りを入れて去っていった。どうして俺の周りには変な奴
ばっかり集まるんだろうか。春は遠い。


323:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:33:07 A2MNZGBu


 その夜、一日の疲れを癒すべく俺は風呂に入っていた。この時間は家事と勉強と姉の世話に
追われる俺にとって数少ない安らぎの時間だ。俺は湯船につかりながらささやかな幸せに
浸っていた。

「ふぃ~~~今日も大変だったなぁ。」
「だよね~~~びっくりだよね。」
「まさか、あんなことになるなんてなあ……っておい!」
 風呂の入り口にはバスタオル一枚で身体を隠した駄目姉がいた。

「今は入浴中だっ!帰れ!!」
「だめよ~。ちゃんと虎ちゃんに正しい道に戻ってもらわないといけないんだから。」
「はあ?」
「いくら恋人が出来ないからって男の子に告白しなくてもいいじゃない。」
 俺の制止も聞かず、狭い風呂に強引に入ってくる。柔らかいからだがいっぱいあたって
…ちょ、まずいことに…
 俺は大事な部分が過敏にならないうちに脱出しようとしたが姉に腕を掴まれた。
 う、動けない…なんて強さだ。

「それでなんで亜紀姉は俺の風呂に乱入することになるんだ。」
「正しい道に戻すには弟とは一緒にお風呂はいるべきなんだよ?お姉ちゃん天才っ!?」
「わけわからん……。」
 俺は何もかも諦めて脱力し、メリハリの利いた姉の肢体をみないようにしながら
身体を洗ってとっとと風呂を上がろうと心に決めた。が、

「あ、お姉ちゃんが虎ちゃんのお背中流してあげるね。嬉しいな~こんなの子供の頃以来だね。」
 と、姉は追いかけてきた。もう抵抗しても無駄なのはいつものことなので悟りを
開こうとしていたのだが…背中に当たるむにゅんという犯罪的に柔らかい感触が
俺を悟りの極みから呼び戻した。



324:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:34:24 A2MNZGBu


「ちょ!亜紀姉!!なにしてだあああ!」
「えっとぉ。正しいお背中の流し方…………なんだって。えへへ。恥ずかしいね。」
 鏡を見ると……バスタオルもつけていない裸の姉が身体に泡をぬりつけて、俺の
身体に擦り付けていた……思わず噛んじまった。姉は幸せな顔で俺に身体をすりすりしている。

「俺が恥ずかしいわっ!亜紀姉、やめろ~っこれはだめNG!」
「えええ。折角お姉ちゃん頑張ってるのに~~気持ちよくないの?」
 ええ、そりゃスタイル抜群で絶世の美人な姉にこんなことされるのは気持ちいい…だが!
人の道は確実に踏み外しているはずだ。

「ほら、お、俺達は姉弟だろうが。こういうのはだめだ!」
「姉弟とか関係ないよ虎ちゃん。男の子好きの虎ちゃんを女の子好きに戻すほうが大事なんだから。
 あれ………虎ちゃんのおちんちん………子供の頃と随分違うね。上向いてるよ?」
 ま、まずい……駄目だ駄目だと思っていたが、意味不明なくらい駄目だ。逃げよう、
何が何でも逃げようっ。これ以上の羞恥プレイはたえられん。

「えいっ!うわ、硬い~~それに熱くてどくどくいってるよ~。」
 逃げる前に、姉のしなやかで細い指先は、俺の息子を完全に拘束していた。背中から
両手を回しているために胸は完全に押し付けられ、逃れられない反則的な快感を俺に与える。
蒸気に曇った欲室内は徐々にピンク色に空気が篭っていっている錯覚に陥らせた。

「亜紀姉………俺、本当に怒るぞ?」
「うう、虎ちゃん怖い……ねー。酷いよねー。」
 泣きそうな声で俺の息子に語りかける馬鹿姉…って!!上下に動かすなっ!

「あれ?なんか出てきた…。お湯じゃないよね。もっともっとしてみよ…」
「うわああぁ馬鹿姉!!亜紀姉っ!!やめやめっ!!!」
 片手で俺を抱きしめ、あいた手で姉は俺のあそこを可愛がり始めた。柔らかい感触
だけでなく、姉の熱い吐息が無意識なのか俺の敏感な首元にかかった。

「うああぁぁ…やばい、やばいって亜紀姉…だめだ…くううう!!」
「うわあ、白いのがすっごいいっぱい……ああっこれがもしかして…。へえ~こんな風に
 なってるんだね。虎ちゃん…。気持ちよかった?ねえ気持ちよかった?」
「…………」
 俺は遊び半分で強制的にいかされたショックと、それを姉にされたことの二重のショックで
打ちひしがれた。姉は…それを舐めたり匂いを嗅いだりして好奇心を満たしていた。



325:虎とあきちゃん ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:35:33 A2MNZGBu


「うう~~ごめんなさいいい、ね、虎ちゃん、怒らないで~」
 風呂から上がった俺は自分の部屋で駄目姉を正座させていた。見た目だけは美しい姉は
俺を涙目で上目遣いしている。

「あんなことはしちゃだめだ。第一男女七歳にしてといってだな。一緒に寝るのも駄目なのに
 裸であんなことしたら駄目なんだ。」
「でもでも~男の子好きになるくらいならお姉ちゃんがって思ったんだもん。虎ちゃんの
 ためなんだよ~?」
 この姉は本気だろう…だから、いつもあんまり強くはいえないのだが…。

「俺はちゃんと女の子が好きなの。それに剣は女らしいから大丈夫だ!」
「そうなんだ…ああ、でも愛する虎ちゃんが剣さんと仲良くなっちゃうのも困るなあ。」
「いい加減俺も彼女いない暦=年齢を卒業させてくれ。亜紀姉。」
 俺はため息をついた。そんな俺に姉は名案とばかりに手を叩いた。

「じゃ、お姉ちゃんが恋人になってあげる!!そしたら、卒業だよ。ないすあいであー!!」
「アホか。」
 あほなことをいう姉を一旦放置し、飲み物を用意するために部屋を出た。姉の宿題を
見てやんないとだめだしな。そして暫くして戻ると…

「虎ちゃん虎ちゃん虎ちゃん~~~~っ!」
 姉が俺のベッドの上で虎のぬいぐるみを抱きかかえ、転げまわっていた。俺は問答無用で
布団から引き剥がしてベッドから亜紀姉を叩き落し、軽く蹴りを入れた。

「いやん、虎ちゃん大胆…ああああ、嘘嘘。将軍様助けてー暴力反対よ~」
 そして、黙ってお茶菓子を出して自分の宿題を片付けさせた。

 ちなみにこの日は……すっきりしたせいかよく眠れた。畜生。



326:名無しさん@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/06/26 10:37:07 A2MNZGBu
投下終了です。

327:名無しさん@ピンキー
07/06/26 11:38:29 lQH99Z9I
うぉ~きたきた!あきねえ可愛いなあ。GJ!

328:名無しさん@ピンキー
07/06/26 11:54:54 1u7vBx/o
そんなもん投下されたらGJとしか言えんがな

猟奇もんが多い中でほのぼのとしたキモ姉は癒されるなぁ

329:名無しさん@ピンキー
07/06/26 12:48:10 GBABrfvd
GJ
虎ちゃんのラブコメ体質が大波乱を呼びそうでwktk

330:名無しさん@ピンキー
07/06/26 18:43:26 ww0w2lbE
あっちもこっちも血生臭い話ばかり投下してる中、ケラケラ笑って読める亜紀姉は実に希少だ。
これからもまったりやっていって欲しい。
心からのGJを!

331:橋乃根本 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/26 19:00:37 3mb3bAgq
なんかえらく久々です。以前こちらに投下したお姉ちゃんと明人の続きを書きたいと思っているのですが…。
こちらのスレに投下して大丈夫でしょうか?キモくないと以前に言われたので、普通に姉萌えスレにでも投下するかどうか悩んでいます。
とりあえずこれから書きます。色々とお姉ちゃんにはフラストレーションが溜まっているんですよ…。ウケケケ、報復じゃ…。

332:名無しさん@ピンキー
07/06/26 19:14:25 A8d89Ddx
男なんだろ?
グズグズするなよ

333:名無しさん@ピンキー
07/06/26 19:49:52 L2+BHiEo
>>331良い作品だったけどスレの趣旨とは若干ずれてるし
姉萌えスレに送った方がより多くのGJ貰えて書き手も気持ちいいかなーと
思ったり思わなかったり期待したりwktkしたり

334:名無しさん@ピンキー
07/06/26 19:53:47 cY4QQiOY
>>331
少なくとも俺は十分キモイと思ってた。
だからお願いします。

335:名無しさん@ピンキー
07/06/26 20:27:10 mHxExlJ7
>>331
come here!

336:名無しさん@ピンキー
07/06/26 21:43:40 A2HAFdX1
>>331
俺のエンジンに火を付けろ!




前から思ってたんだけどここって女性は何人くらいいらっしゃるのかな?

女の人挙手して!

337:名無しさん@ピンキー
07/06/26 21:44:30 GBBTJ+Nv
>>336
ノシ

338:名無しさん@ピンキー
07/06/26 22:18:22 gspEpA9p
>>336
ノシ

339:名無しさん@ピンキー
07/06/26 22:19:14 JZ+1b2TX
はいはいワロスワロス

340:名無しさん@ピンキー
07/06/26 23:08:04 mHxExlJ7
誰か嫉妬スレまとめサイトにあるみたいな
キモ姉キモウト派閥図つくってくんないかな

ちなみに俺は
キモウト独占欲腹黒かわいいよ派
キモ姉包容力依存心やわらかいよ派

341:名無しさん@ピンキー
07/06/26 23:27:23 xK8cJnTq
キモ姉最強依存心光源氏計画派

342:名無しさん@ピンキー
07/06/26 23:48:29 Z1YL2XJr
>>341
依存心光源氏計画を
心光源氏と読み、更にそこから
“マコモー”と呼んでしまった…

キモウトよ!私を監禁しろ!!

343:名無しさん@ピンキー
07/06/27 01:13:36 2VeUWrs3
派閥とかは荒れるからやめた方がいいとオモ

344:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:01:23 Bf1/fbkI
ここでオーガニック系に分類されるであろう宇宙妹を投下します。
長編でキモウト分を薄めずにやるってどうすれば良いんでしょ?
とりあえず主人公は相変わらず括弧が付かず、名前も大した意味が無かったりしますが、少しばかしスレをお借りしますね。

345:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:02:11 Bf1/fbkI
人生とは宝くじのようなものだ。
可愛い妹のいない人生を、ハズレと呼ばずなんと呼ぼう。

 第二話 あなたに、妹を…

346:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:04:49 Bf1/fbkI
妹が二人になって数日。俺はてっきりコマも一緒に住むのかとも思ったのだが、家に居座る妹は相変わらず一人しかいない。
そして変わらず買って来るよりはマシな食事を振舞ってくれる妹には、俺が見ていない所での調理は許して居らず、不味くない料理の安全性を確保している。
結局、妹がいようが増えようが、生活するにおいてさしたる問題は存在しないようだ。
今までと変わった事なんて、ホントに数えるくらいしかない。
家でも学校でも妹と行動を共にして、いない時にはコマの相手をする。
一日一回の手紙のやり取りも、なんだかんだで楽しくなってきた。
今、地球には俺しか知らない宇宙人がいて、その宇宙人は俺の妹で、思ってたよりもずっと世界は楽しい所みたいだ。
そんな妹が、まだ11人も残っているってんだから、退屈だなんて言う暇も有りはしない。
ただ一つ贅沢を言わせて貰えるとするなら、
「兄さん、適度に精液を排出しないと体に良くないらしいよ。
 でも、一人ですると変な癖が付いちゃうかもしれないんだって。そこで二人でやるのはどうかな?」
コイツをどうにかしてくれないだろうか。
以前は「一人でやってろ」と迂闊にも助長させるような事をしてしまい、大変面倒な事になってしまった。
今回も当然面倒な事になってしまい、ただ寝るだけに多大な労力を支払うハメになった。
次回に備える何かを模索している内に、無情にも夜は更けて行く。

347:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:06:35 Bf1/fbkI
今日は先日の中間テストの返却日だった。
だったと言うからにはもはや大半のテスト結果が帰って来ている。
それにしてもテストってのは退屈でしょうがない。どれだけ頑張ろうと決められた範囲内でしか点を取れない……これが退屈で無い訳が無い。
が、これは自分に限った話だ。人のテスト結果、特に妹のテスト結果ともなれば、自然と興味をそそられる。
で、どんな感じかな?
「…………」
こちらに向けられた数枚の紙には、凄惨極まる惨状が広がっていた。
……宇宙人、ダメだなぁ。
「それは違うよ。宇宙人はダメじゃないの。
 兄さんも知っての通り、宇宙の技術は地球なんて比じゃないでしょ?」
まぁ確かに。明らかおかしなヤツが学校に居座ろうと文句を言われない程度には凄い。
「そう、宇宙の技術は凄いの。その気になれば生まれた時から一歩も動かずに生涯を終える事もできるくらいね。
 発達していった科学を更に発展できるような人間は一握りで、それ以外はなんでそんな事ができるかすら知らない人も多いよ。
 車はアクセルを踏めば動く事を知ってれば、アクセルを踏むとどんなメカニズムが働いているか知らなくても問題はないでしょ?
 だから、私は悪くないの。生きてく上で困らないの」
……科学の進歩も考えもんだな。しかし、点数悪くて恥ずかしいならそういや良いのに。
変な所で恥ずかしがるな。

348:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:08:32 Bf1/fbkI
午前中の授業が終わり、昼休みに入る。
逆に午前中の授業が終わらずに昼休みに入るなんて有りえるのか考え始めた時に、妹が険しい表情を浮かべ、急に飛び出していった。
止める暇も無かったが、止めるつもりも無かったのでどうでも良い。このパターンだとコマの登場だな。
どういう訳か、あの二人は同時に現われたのは最初の一回限りで、それ以降はどちらか一人づつとしか会わない。
一緒に生活している妹と比べ、圧倒的に過ごす時間が少ないコマだが、その少ないチャンスを無駄にした事は無かった。
二人は仲が悪いのかもしれない。が、そんな事より飛び込んで来るだろうコマに備え全神経を集中させる。
ギラギラと光る目を落ち着きなく動かす俺は傍目には危ない人間なんだろうが、幸いな事にこの時間に俺達兄妹に意識を向ける者は誰一人いない。
何でも、認識をほんの少し弄ってるだけだとか。これを小娘が簡単に使っている辺り恐ろしい。
当然小娘でも使える分、宇宙人には効果は薄いらしく、今話しかけて来る人間は必然的に宇宙人となる。
俺の知っている宇宙人は妹二人だけで、それ以外の声が聞こえたとするなら、それは多分、妹の妹にして俺の義妹、そして俺の妹になるだろう存在だ。
「確かに人間の頭の善し悪しは差が有りますよね。私も受けてみたんです。
 そんなに睨まないでくださいよ。別に何かするつもりは有りませんから」
などと、身長およそ五尺二寸の眼鏡をかけた女が、テスト用紙を点数が見えるようにこちらに向けながら俺に声を掛けてきたのだから、この眼鏡は、残念な事に俺の妹なんだろう。

349:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:10:14 Bf1/fbkI
眼鏡をかけた人間の性根は、レンズのように曲がってしまっている。
これは俺の経験則だが、少なくとも今まで会った眼鏡はすべからく変態だった。つまり目の前の眼鏡も変態だろう。更に髪は緑ときている。日本人的感覚からはまともとは思えない。
ついでにテストの点数も俺と同じときている。宇宙人の知力なら-や満点以上を取ってみせろ。
それで何の用だ、大した事ない宇宙人の変態。
「さっきから変態変態と……違います」
黙れ変態! 眼鏡と話す事は特にない!
だが、話を聞いてやるくらいならしてやろう。
「はぁ。では言いますが、とりあえず子供を」
会って間もない人間に子供をねだるヤツを変態と呼ばず何と呼ぼう。
呆れに気付いている筈なのに、顔には余裕と自信が満ち溢れている。眼鏡をかけたヤツの傲慢な態度は何を根拠にしてるんだかわからない。
その自信を音に乗せて緑眼鏡が吐き出してきやがった。
「貴方がどこまで知ってるか不明瞭なので、一から話す事にしましょうか。長くなりますけど、よろしいですね?」
よろしくない。けど、どうせ俺の意志や人格は無視するんだろ?
「はい。お話が早くて助かります」
ついでに手早く済ましてくれりゃ一番なんだがな。

350:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:11:42 Bf1/fbkI
「私は、これでお兄様をずっと見ていたんです」
これで……? これはただの親父が残したってだけ……じゃなくて盗撮用アイテムだったな。うん。癖で未だに持ち歩いてしまう。
ネタが割れているのだから捨てた方が良いかもしれない。
「では、姉さん達のせいで犬臭い体を私が清めて差上げますから」
清める? 言葉の意味を飲み込めない。だってそうだろう? ここは教室なんだぜ。水だってクラスメイトが各自用意した飲み物くらいしかない。
何をするのか理解できなかった俺の耳に、周囲の雑音に紛れて衣擦れの音が入ってくる。
発生源は緑眼鏡だ。どうやって着てどうやって脱ぐのか傍目にはわからない白い服を一枚一枚剥していく。
何枚脱いでも忙しなく動く手が止まる様子は見えない。いや、それより何をしてるんだね君は。
「聞いてませんでしたか? 清めて差上げるんですよ」
清める、と言うのが何を指すのか理解できない。理解できないが、教室の中で女性が服を脱いでいるというのはなかなかに滑稽な光景だ。
俺がこの光景の一部と化す前に御暇させて頂こう。
「んふふ、ちょっと退屈させちゃいましたかね? でもお兄様は帰ったりしませんよね。私にはわかりますよ」
ああ、当然だろ。俺がナイリの事を置いて行ったりするもんか。
……なるほど、俺の行動を変えるくらいはちょろいってか。
いや、変わった訳じゃない。素直になっただけさ。俺が妹を、ナイリを邪険にしたりする筈がないだろ。
ああ、ナイリって名前なのか、この緑眼鏡。

351:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:13:17 Bf1/fbkI
「私達の種族が女性しかいない事はご存じですよね?」
緑眼鏡は、まず確認するように口を開いた。もっとも、俺の答えなんざ要らないんだろうが。その証拠に、俺の反応を待たずに語り出したんだからな。
「種を存続させる為には他の種族の子供を宿す必要があるのはお解り頂けますよね?
 ですが、それなら何故私達姉妹の父親全てが違うんでしょうか?」
……知るか。親父に甲斐性が無かったんじゃないのか。
そもそもただの一人も父親が一致しないだなんて聞いた事が無いぞ。
「ん~……惜しいです。正解は、母親が最低だからですよ」
反則じゃないか。身構えてたのが馬鹿らしい。
常にポーカーフェースを心掛けている俺だが、顔に出ていたのかもしれない。緑眼鏡は口許を掌で隠して笑ってやがる。お嬢様気取りか。
「真面目なんですね。わざわざ考えて貰いありがとうございます」
……どうにも居心地が悪い。さっさと続きを頼む。
「はい……えー、現在残っている私の種族は、姉妹全ての数と同じ十三人。絶滅の危機に瀕しています。
 このままではマズい。とでも遺伝子が反応したんですかね。絶滅しないように勝手に恋をするんです。あなたに」
なるほど。あの二人は、そしてこの緑眼鏡は、そんな都合により俺なんかをあてにしているのか。可哀相に。
「寂しいですか? あなたの今まで築いた物ではなく、ただ生まれだけで選ばれた事が」
全て解っている。とでも言いたげに眼鏡を光らせる。一々癪に触る女だ。
「お馬鹿さんですね。生まれや育ち、全て含めてあなたでしょう?
 ずっと見てきた私も保証してあげます。だから安心してください。私はお兄様が大好きですよ」
こちらに差出された手には、俺が肌身離さず持っているペンダントに良く似た物が乗っていた。

352:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:16:51 Bf1/fbkI
「さぁ、お兄様。どうぞご覧になってください。お兄様の為に、13年間磨き続けてきたんですよ」
ああ、綺麗だよナイリ。
教室の安いライトで照らされ輝く白い肌、緩やかに上下するふくよかな双丘、その上で呼吸に合わせて震えている薄桃色の突起、それら全てがたまらなく愛しい。
「まぁ……お兄様ったら……そんなに見詰められたら、私……」
自分から見せ付けて来た癖に、恥ずかしいのか赤く染まった顔を逸してしまう。
それでも、伺うようにチラチラ視線を動かす俺の妹が、どうしようもなく可愛らしい。
俺が見て、俺を見て、お互いに愛を確認し合う。これこそが兄妹の正しい在り方じゃないか。
血の繋がりが兄妹足らしめる訳じゃない。決して切れない男女の絆こそを、兄妹と呼ぶのだろう。
そんな煮立った思考の俺と、13歳の平均どころか成人女性を大きく上回る胸囲を持ったナイリを、冷静な俺が観察していた。
自分がもう一人いる感覚、この教室の連中もそうなのか興味が有ったが、それよりかは今の状況を打開する方が先だろう。
まず、体は動かない。口も自由にならない。
なるほど、確かにこれは俺にはどうする事もできなそうだ。
しかしこのままでいる訳にはいかない。俺は何故か、大人の女の体に嫌悪感を持っている。
誤解のないよう言って置くが、幼女愛好の趣味もない。当然同性にもな。
何故か知らないが、女らしい体付きが、頭痛や吐気を伴う程嫌いでしょうがないのだ。
つまり俺は今、地獄にいる。打開する為に取る行動は一つしか無い。
さぁ、助けろ俺の妹よ!

353:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:19:10 Bf1/fbkI
『現実は小説より奇なり』
ああ、正しくその通りだと思うね。
結論から言うと、強く願っただけの俺の思いは、エリにもコマにも届きはしなかった。
だが、俺がこのまま父親になってしまうような事態には、結局到らなかった。
では何が起こったのかと言うと、余りに荒唐無稽過ぎて俺には上手く説明する事ができない。
それでも説明しなきゃならないな。
まず始めに、光が俺を包んだ。光量を把握してる時間が無かったが、多分教室程度は満たしてたんじゃないかね。
次、最終工程。俺が目を開けると、そこにはデカい蛹が有った。
緑色で、薄い網目状の模様が走り、教室の光や窓から差込む光で透けて見える中身は液体状。
時折『お兄様』と鳴声を発する所から推察するに、これはナイリなんだろう。
…………とりあえず、脱ぎ散らかされている服を家に置いて来よう。
まぁ、俺は家に帰った途端疲労任せに寝てしまったのだが、嫌悪感や体の不調から開放されて気が緩んでしまったんだ。仕方ない。
流石に一日に何人もの妹の相手をする力は俺にはまだ養われて無いらしい。
『15年間兄さんの為に~』とかなんとか言って全裸で布団に入って来るヤツが煩しかったりしたせいで、ナイリの事を忘れてしまっていたのも、きっと仕方ない事だ。

354:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:24:24 Bf1/fbkI
さて、翌日。もう俺は地球人と挨拶をする習慣を失ってしまったようだ。
誰も俺がいる事に気付いていない気すらしてくる。
だが、それは既にどうでも良い。問題が有るとすれば今日は平日で、平日には学校が有り、学校の空き教室でデカい蛹を見付けてしまった事だろうか。
五秒に一回、規則正しく『お兄様』と囀るその蛹は、公共良俗反する落書きで埋め付くされていた。
筆跡は三種類、一つは今も手にしている妹の手紙と同じ文字。二つ目は昨日見た妹の答案と同じ文字。最後の一つも、何処か忘れたが、いつだったか見た字に酷似している。
だが、これを見た事が有るという事実は大切だ。たとえ中身がわからなくても、どうなるかを理解していれば問題はないって事だからな。
だから、ナイリが何故蛹になったのかわからなくても、今は安全だと理解していればそれで良いんだろう。

雨の降らない梅雨、夏の到来は未だ遠く、新たな妹の来訪は、近い。そんな予感めいた物を、三つ目の字を眺めながら、強く感じたのだ……

355:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:28:33 Bf1/fbkI
以上です。気が付いたらこのスレで一番最初に投下された作品が終了していたりして、胸に来る物が有りますが、それの次の次くらいには私のが果たして完結を迎えられるのか心配だったりします。
では、次回の変態性2割増しの『私の妹は凶暴です』でお会いしましょう。

356:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:37:38 W1Y6LsUM
最近小ネタが全然浮かんでこない…

そもそもギャルゲ業界は何をやっているんだ?
純愛やら泣きゲーやら、在り来たりな物ばかり作って、
肝心なヤンデレ、キモ姉キモウトが例の傑作を最後に無くなった。
おまけ的要素でキモ成分が入ってたりする時もあるが、
前面に売りとして出されている物がまず無い。

誰でもいい、キモ姉キモウト物のゲームを作ってくれ頼む。

357:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:51:59 Vna2oo35
>>356
やっぱただでさえ少ない購入者を減らしたくないのだろうね。
多分責任は萌えゲーばかり買うようになった消費者にもあると思う。

同人ならヤンデレ特化のが今度の夏コミで出ますよ。

358:名無しさん@ピンキー
07/06/27 07:20:43 kP52Nrja
>>355
乙!
ところでこの作品の題名はなんだい?
これから保管庫を覗きに行くつもりだがせっかくなら投稿された作品を優先的に読みたい
GJはそれからだ

359:運命の赤い超紐理論
07/06/27 07:37:07 Bf1/fbkI
>>358
申し訳ないです、題名出し忘れてたです。これでお願いします。

360:名無しさん@ピンキー
07/06/27 07:56:00 EZnFMtXA
>>357
kwsk

361:名無しさん@ピンキー
07/06/27 08:40:17 WcUTGluy
>>355
>少なくとも今まで会った眼鏡はすべからく変態だった。つまり目の前の眼鏡も変態だろう。
ひど!w
>ああ、ナイリって名前なのか、この緑眼鏡。
相変わらず面白い文章書くなぁ 読みにくさが同居するのもまた一興

362:名無しさん@ピンキー
07/06/27 09:51:06 YQN4zQ9K
風呂で姉ちゃんにあqwせdrftgyふじこl;
URLリンク(blog.livedoor.jp)

う、嘘だッ!!!!現実の世界にこんな姉がいるはずない!!!!( ´Д⊂ヽ

363:名無しさん@ピンキー
07/06/27 12:29:17 kP52Nrja
ない
ちなみにここは職人もほとんどいないので時期に星屑になる
リョナ2板にでも移住しろ

364:名無しさん@ピンキー
07/06/27 12:30:44 kP52Nrja
>>363
誤爆したスマン

365:名無しさん@ピンキー
07/06/27 14:19:00 Vna2oo35
>>360
URLリンク(nekomarudow.com)

366:名無しさん@ピンキー
07/06/27 15:55:56 WcUTGluy
同人なら「愛狂のある妹」っての買ったお
勿論このスレの影響でw

367:橋乃根本 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:44:48 F2k0LF7V
さて、昨日宣言したものを書き上げたので、投下します。仕事が早く終わってよかった。
書いている時はちょっと客観的にウチの姉弟を見られるんですが、もしかするととんでもないかもしれません。我ながら。

368:お姉ちゃんと明人 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:46:49 F2k0LF7V
「お姉ちゃん、おめでとう。」
「サンクス、アキヒト。姉ちゃん、頑張っちゃったよ。」
時は4月。お姉ちゃんが、第二子を出産。出産後、二ヶ月近く実家で暮らしていた。
その間、中山家は戦場のようであった…。
~戦場その1、休日の昼間編~
お姉ちゃんの子供(海、3歳)はママ、ママと甘えまくり。そしてそのママは俺にべったり。
何をするにも二言目には『アキヒト~』である。かなり困る。
理由を聞けば『一番いい使いっ走りじゃん。迷惑かけてもごめんの一言で済むし。』
俺はこういう時ほど、お姉ちゃんに頭が上がらない性格を恨むときはない。
文句はもちろん言うが、結局一々付き合っているのだから…。
俺はそれでもいいのだが、海の相手をする時は困る。
年相応の独占欲を持つ海は俺たちの仲の良さが面白くなく、幼いジェラシーを一身に受けつつ、海と遊ばねばならない…。
結構強烈なジト目で見られるのは気持ち良いとは言いがたい。そのくせお姉ちゃんは、
「アキヒト~、沙耶(妹)のおむつ取り替えるから手伝って~」
「なして俺…。」
「アキヒト~、海が花火やりたいってさ。夜になったら、ちょっと付き合ってよ。」
「(お姉ちゃん…産後の今は、俺がいつも以上に反抗できないことを絶対理解してる)……了解。」
これである。この苦労を誰にぶちまければいいのだ。
そんなこんなで、仕事が休みの日はお姉ちゃんのパシリ、仕事の日は仕事と休めない。
むしろ仕事のほうが稼げる分マシではないかと思ったりする。
だが、結局付き合う。どこまでも。毒食わば皿まで、って気分。

369:お姉ちゃんと明人 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:48:21 F2k0LF7V
~戦場その2、夜編~
長男、海はとにかく花火が大好きで、真っ昼間から花火、花火とせがむ。
お姉ちゃんに『夜にやろうね』と釘を刺されてからは若干マシになったけど、
それでも常に花火はストックしとかなければならない。
もちろん、今夜も花火である。昼間に約束された分、自分も付き合うしかない。
お姉ちゃんは文字通りの左団扇で海と戯れている。
お姉ちゃん、俺に用意からほぼ丸投げするのはやめてください。
「えーっと…線香花火は確定。ロケット花火は近所迷惑。パラシュートは…見えないな。
ドラゴンでも持ってくか。」
片手に余るぐらいの量の花火を持っていくと、海は奇声を上げて喜んだ。
お姉ちゃんはやれやれ、って表情をしている。

まずはドラゴンから点火。
「おぉ~、しゅご~い!」
海はそりゃもう物凄い勢いで喜んでいる。
燃えた火薬の匂いが鼻をくすぐって、俺まで意味もなくテンションが上がる。
いくつになっても、ガキだな。俺って。お姉ちゃんはそんな俺に気づいているのか、微笑んでる。
消えかけた炎に照らされた顔がなんだか凄く大人に見えて、一瞬見入った。
「おっしゃー、次は線香花火だ。お姉ちゃん、海、持ってくれよ。」
ごまかすように大きな声を出した。ちょっと声が上ずってたけど。
袋から線香花火を出して、二人に持たせて火をつける。
儚い光が、少しずつ出てくる。
「この細い細い裏道を抜けて、誰もいない大きな夜の海見ながら、
線香花火に二人で、ゆっくり、ゆっくり火をつける、と。」
「すげぇ懐かしい歌を歌ってるね、お姉ちゃん。」
「できれば海がいないといいんだけどね。二人きりの花火なんて、ロマンチックじゃん?」
「姉弟にロマンもへったくれもないと思うけどね。」
一本目の線香花火が終わった。新しい花火を袋から出して、ライターに手を伸ばす。
儚い火花が、手元でまた咲く。

370:お姉ちゃんと明人 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:49:28 F2k0LF7V
「アキヒト。」
「ん~?」
小さな花火に目を向けていて、お姉ちゃんの表情がわからない。意識を集中していて、生返事しか出ない。
次の台詞は、大した事じゃないだろう、っていう俺の想像を超えていた。
「いつもありがとうね。付き合ってくれて。」
「へ?」
ちょっと狼狽した。いつも元気で、俺は振り回されっぱなし。
それでも、礼なんて言う人じゃない。少なくともさっきまではそう思っていた。
なんて反応すればいいのかわからない。
ごまかすように、新しい花火を出す。お姉ちゃんも黙って手を伸ばす。
「なんだか、キャラじゃないかな?」
「そう…かもね。でも、嬉しいよ。」
その後は、声を発せずに花火を楽しんだ。微妙な空気を感じているのか、海も神妙。
花火が終わって家に戻ると、いつものお姉ちゃんに戻っている。
元気で、俺以上の楽天家で、時折クールな人になる。
部屋に戻って、ベッドにダイブ。ちょっときしむ音がした。
(いつもありがとうね、付き合ってくれて)
さっきから、この台詞が頭をぐるぐる駆け回っている。
お姉ちゃんにこんなに重いお礼を言われたのは初めてかもしれない。
(…寝るか。テキーラでも呷って)
ため息混じりにグラスを用意して、キンキンに冷したテキーラを一気。
喉が焼けるみたいだけど、それがまた美味い。
三杯目を飲み干すと、眠りに落ちていった。

371:お姉ちゃんと明人 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:51:08 F2k0LF7V
~戦場その3、やっぱり飲み編~
さて、お姉ちゃんはつい最近まで妊娠していた。
もちろん、酒はほぼ断っている。
その辺はキッチリした性格なので、義兄も特に文句を言わずに済んだ、と喜んでいた。
ただ、無事出産した今、そのリミッターは見事に吹っ飛んだ。
そして、そのリミッターが無くなったお姉ちゃんの相手は、俺。
義兄は、必ず俺に回す。結構憎らしい。
「それではアキヒト、泉水を宜しく頼むよ。」
今にもシュタっと走り去りそうな感じで、兄貴は言い放った。
とりあえず走り去る前に捕まえる。
「何故じゃ…兄貴…。」
「決まっているだろう。俺がいなければこの地の平穏は守れんのだ。」
「…消防士兼救急救命士だから言ってる意味はわかる。だけどなんか違う気がするよ…。
なんか…こう…腑に落ちない。誇大広告的な…。」
「それは置いといても、実際のところ、二日酔いでできる仕事じゃないからね…。人命がかかってるんだから…。」
ぐ、と言葉に詰まる。言っていることにスジは通っている。
嫁さんと酒を飲んでいたら二日酔いになりました、じゃシャレにならないからね。
「…お姉ちゃんは、やっぱり飲むのかな?妊娠中でほとんど飲めなかった分、仇を取るように…。」
「まぁ、間違いないだろう。軍資金は渡しておくから、後は頼むよ、アキヒト。」
そういうと、俺が何か言う前に万券を俺に渡して、車に飛び乗り走り去っていく…。
(…逃げ方がうめぇ。流石に火事場から人を抱えて脱出するだけのことはある。)
ちょっと違う気もするが。ともあれ、相手は俺に任された。

372:お姉ちゃんと明人 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:53:00 F2k0LF7V
「アキヒト。飲むぞ。」
俺に回ってくるのである。常に。
すでに日は落ちだ。でも、海が寝るには若干早い。
「お姉ちゃん…海と沙耶は?」
「心配しないで。お母さんとお父さんに任せてきたから。」
「…手回しがいいね。」
「逃げられないよ?アキヒト。」
さらっと言った言葉とその笑顔が物凄く怖い。菩薩の笑みでオーラは夜叉だ。
俺はもう逃げる手が尽きたことを理解し、黙って酒を仕入れにいった。

「それじゃ、乾杯!」
「かんぱ~い…。」
焼酎のロックで乾杯。
俺はお姉ちゃんのペースで飲みながらチャンポンすると間違いなく二日酔いになるので、今夜は焼酎オンリーだ。
「アキヒト、テンション低いぞ。もっと上げていこう。」
上げられるか、と心の中で突っ込みつつ、黙ってグラスを傾ける。
お姉ちゃんが言うことは、いつも通り。他愛も無いこと、昔話、何度も何度も聞いた話。
それでも、なんだか今の時間が得がたいもののような気分になる。楽しい。
「アキヒト、目を閉じて。」
お姉ちゃんは、いつものようにキス魔。
俺も、いつものようにされるがまま。
と思っていたけど、その日はちょっと別の酔い方をしていたらしい。
何回目かのフレンチキスの時、唇を割って舌と酒を流し込んだ。
「…!!ぷは…。」
「いつかのお返しだよ、お姉ちゃん。」
この反撃は予想していなかったらしく、顔が真っ赤になっている。
俺も顔に血が集まるのを感じた。今まで何度もキスしたけど、こっちからなのは初めてだ。
なんだか自分の行為が物凄く恥ずかしくて、その後は潰れたフリをして寝た。
お姉ちゃんはその後も飲んでいたみたいだけど、無理に起こそうとはしなかったみたい。
そして、朝。
「アキヒト…姉ちゃん、ちょっと辛い…。」
「海と沙耶が待ってるよ。今日は厳しく行くからね。」
「うー…。」
ちょっとだけ、昨日までとは立場が違う気がした。

373:橋乃根本 ◆YzvJ/ioMNk
07/06/27 17:54:34 F2k0LF7V
このSS通りの事をやっているのが笑えるぞ、ウチの姉弟…orz
おつまみ代わりにでもなれば幸いです。

374:名無しさん@ピンキー
07/06/27 18:39:29 SaqvTQDw
ビールが進む!!


375:名無しさん@ピンキー
07/06/27 20:18:10 xSRnuvxO
ウチの姉弟とか言われると
なんかすげえ萎えるんだけど・・・

376:名無しさん@ピンキー
07/06/27 21:13:39 WAR3XAYw
その気持ちは分かる。
リアルな話を聞くと軽く萎える。

377:名無しさん@ピンキー
07/06/27 22:52:30 EPKyQTVJ
文章創作板で体験談を語られてもね・・・。
そういう需要のあるスレにいったほうがいいと思うよ

378:名無しさん@ピンキー
07/06/27 22:58:19 xY1BMhfQ
まあお前らもそれくらいにしとけや
無闇に空気悪くすんじゃねえぞ

379:名無しさん@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 23:00:24 f7L8N92T
投下します。

380:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 23:01:29 f7L8N92T


 翌朝、暑くて寝苦しく眼を覚ますと美人な姉の顔が目の前にあった。とりあえず、ベッドから
転がして床に落とす。美人は三日で飽きるというが全くそのとおりだと俺は思う。
 カーテンと窓を開けると朝日と気持ちのいい風が部屋に入り込む。今日もいい天気だ。

「起きろ、亜紀姉。俺のベッドに潜り込むなっていってるだろ?」
「うぅ~ん、もう朝~だって、虎ちゃん…お姉ちゃん怖い夢みたんだもん。」
「ほら、朝飯用意してやるからさっさと起きろ。」
「はーい。」
 俺は昨日の味噌汁を温め、魚を焼き弁当を作る準備をし、寝ぼけてる姉を洗面所まで
手を引いて連れて行って無理矢理顔を洗わせた。パジャマからちらちら見える谷間は
頑張ってみないようにする。
 そんなこんなで学校に向かうと、正門の前で長い黒髪を無造作に後ろで縛った男…もとい
女らしい、剣薫が立っていた。

「おはよう、虎之助君、亜紀先輩。」
「おはよう。お前こんなとこで何してんだ?」
「決まってるじゃないか。君を待っていたんだ。」
 彼女はばんばんと背中を叩きにこやかにそういった……何か周りの視線が痛い。
女子の視線が俺たちに集中しているような…。

「おはよう、薫ちゃん。虎ちゃんに1m以内に近づいちゃ駄目よ~。変な噂立っちゃうから。」
「僕はどう思われても構いませんよ。二人に愛があればいいんです。」
「俺はホモ扱いはちょっとやだな。」
 ここは珍しく駄目姉と同意見だ。

「貴女も虎之助君に近づきすぎると彼にシスコンという在らぬ噂が立ってしまいます。」
「虎ちゃんと私は両思いだからいいのよ?」
「そんなわけあるかっ!」
 姉の頭にチョップで突っ込みをいれる……なんだか今度は男からの羨む視線が痛い……。

「それでは、僕たちは教室に向かいますので…亜紀先輩。」
「あ、おい、剣さん、腕掴むな。」
「他人行儀な…薫と呼んでくれ。」
 薫は俺の腕を掴むと、教室に歩き出そうとした。女子からひそひそ声が聞こえてくる…
俺もうだめかもしれん…

「じゃ、虎ちゃん。いってくるね。」
「ああ、気をつけてな。」
 言った傍から躓いてこけている亜紀姉をみて、ため息をつきつつ自分も教室へと向かった。



381:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 23:02:21 f7L8N92T


「虎之助…朝から目立っていたみたいね?」
 教室に入るなり不機嫌な口調で俺に声をかけてきたのは風紀委員の塚本風子だ。この、
背の低いポニーテール女は何故か俺を敵視しており、何かにつけて難癖をつけてくる
俺にとって最大の天敵だった。
 ちなみに二番目は馬鹿姉の外見に目がくらんだ全学年の名も知れぬ馬鹿どもだ。
 彼氏と思われてるせいであいつらと何度俺が喧嘩をするはめになったことか。まあ、間接的に
姉のせいだが…これは流石に姉のせいにするのは可哀想だ。

「いつも通りの平穏な日常だよ。俺は風紀委員に目を付けられることはしてないぞ。」
「あれだけ騒ぎ起こせば十分でしょ!……まさか、虎之助がそっちの人だったなんて…。」
「俺はノーマルだ。」
 どっちかというと女好きだ。ただし、駄目姉除く。

「行きも帰りも美人なお姉さんと一緒、時には手を繋ぎ、腕を組んで帰宅するシスコン。
 加えてホモ……ああ、どうしょうもないわね……。」
 なんか、派手に手振りをしてわけわからんことをいうちびっ子に、俺は疑問に思ったことを
問いかけることにした。

「なんで帰りのことを知ってるんだ。お前家逆だろ?」
「た、たまたまよ。さっさと席に座りなさい。ホームルーム始まるわよ。」
 急に話を変える敵性生物にはいはいと頷いて俺は彼女の隣である自分の席に座った。




382:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 23:03:39 f7L8N92T


 昼、俺は弁当を持って隣のクラスにお邪魔していた。目ざとく俺を見つけ、手を振る
薫を見ない振りし、目当ての人を探す。おさげ髪の彼女は端のほうの席で一人、ゆっくりと
ご飯を食べていた。
 俺は勇気を振り絞って声をかける。

「榛原さん……話があるんだ。屋上でご飯食べながら聞いてくれないか?」
「青野君…。うん…」
 風を遮るもののない屋上には気持ちのいい風が吹いていた。そして、何故か
亜紀姉が一人で弁当を食べていた。

「あ、虎ちゃーん。偶然だね。どしたのーお食事?」
 姉には超能力でもあるんだろうか。にこやかに魅力的な笑みを浮かべる姉が
ちょっと怖かった。

「榛原さん、場所を変えよう。」
「え、でもあの人一昨日の…」
「虎ちゃん一緒にご飯食べよ~?」
 困惑する榛原さん、このままでは一昨日の二の舞に…。何度も邪魔されてたまるものかっ!!

「聞いてくれ榛原さん。」
「きゃっ」
 俺は榛原さんの肩を強く掴んで彼女の眼を真剣に見つめた。眼鏡の奥にある綺麗な
瞳に不安の色が宿るのが判る。だが、やめられん。

「手紙は……読んでくれた?」
「何それ。」
 薫…覚えてろ…今度殴ってやる。みんな男と思ってるから問題ないぜ。

「あそこにいるあの駄目女は………似てないが俺の実の姉なんだ。」
「え、えええっ…そうなんだ。」
 彼女の優しそうなおっとりとした顔に理解の色が浮かぶ。よかった、信じてくれて。

「だから、誤解はしないで欲しい。あ、これクッキー…後で食べて。俺が昨日作ったんだ。」
「あ、ありがと…誤解?」
「だからその、俺が好きなのは…うわわわわっ!」
「虎ちゃん~ほら一緒に食べよ?」
 邪気のない満面の笑みで物凄い力でひっぱっていく亜紀姉。運動音痴の癖に力だけは
強い。って…

「ああああああ、榛原さん~~~っ!!!!」
 俺はなすすべもなく去っていくその背中を見つめるしかなかった。上機嫌な姉に
一発チョップを食らわせ、諦めて昼食にしたが姉の抗議の声を無視しながら食べた、
今日のおにぎりの味はかなりしょっぱかった。




383:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 23:05:11 f7L8N92T


「は~気が重いなあ。」
「虎ちゃん大丈夫?お姉ちゃんが元気付けてあげようか?ほーら、重いの重いの飛んでいけ~♪」
「俺が気が重くなってるのは亜紀姉のせいだっ!…ったく。」
 翌日、俺は相変わらず能天気な姉と一緒に学校へと登校していた。

「はー。俺の恋も二日の命だったか…」
「お姉ちゃんの恋は永遠だよー。虎ちゃんも一緒に永遠に。」
「絶対いや。」
「青野君っ!」
 そんな馬鹿ないい合いをしていたときに聞こえてきたのは榛原さんの声だ。まさに天使の声…。
 正門では榛原さんが俺を待っていた。

「クッキー有難う。美味しかった…。昨日はごめんね?」
「いいんだ、榛原さん。俺が誤解させるようなことしちゃったから…。」
 重い気分は完全に吹っ飛んでいた。やったぜひゃっほっほー甘いもの作戦大成功っ!

「あらあら、榛原さんでしたっけ。弟がいつもお世話になってます。」
 姉は外見だけは大人っぽい笑顔で軽く会釈した。

「いえ。お姉さんとは知らずに…いっぱいご迷惑を…。」
 紅くなって下を向く榛原さん。まじ癒される~。

「それじゃ、私も教室いくね。またね~榛原さん、虎ちゃん。」
 去っていこうとした姉は忘れ物をしたといった感じで俺に向かって振り向いた。
 何も言わずに笑顔でつかつかと俺に向かって歩いてくる。
 そして…

「あ、虎ちゃん~私寂しい~くなるから、一日頑張るために行って来ますのキスしてね。」
 と、理解不能なことを目の前の馬鹿姉はほざき…俺の唇を自分の柔らかい唇で塞いだ。
 両手は俺の首に回し、自分の身体に引き寄せ…口を開けて舌を入れてくる。たっぷり
十秒間唇をつけて離した。周りの男たちから強烈な殺意が集まり、ようやく何が起こったのか
俺は理解した。お、お、お俺のファーストキスがああああああああっ!!

「おいこら、馬鹿姉っ!何するんだ!?」
「虎ちゃんエキスをいっぱい貰ったわ~三日は戦えるわ。虎ちゃんったらもう積極的なんだから♪
 ふふ、みやちゃんがこうしたら元気出るって教えてくれたの。じゃあ虎ちゃんまたねえ~。」
 そして駄目姉は……スキップしながら上機嫌で去っていった。ギギギっと首を動かして
榛原さんの方を向くと、そこには笑顔の榛原さんが立っていた。
 やばい、殺られるっ!!俺の全神経は告げていた。

「青野君の馬鹿ああああっ!!!!!!」
 思いっきり頬を張って去っていく榛原さんを俺は見送ることしか出来なかった。

 春は─────遠い。


384:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 23:06:08 f7L8N92T
投下終了です。

385:名無しさん@ピンキー
07/06/27 23:19:39 2VeUWrs3
乙乙

386:名無しさん@ピンキー
07/06/27 23:20:47 LCpAGRBb
GJであります!

387:名無しさん@ピンキー
07/06/27 23:27:49 W1Y6LsUM
>>384
おいおいどうしてくれるんだ?
俺のバルカンレイヴンが鋼鉄棒みたいになっちまったぜ?
こりゃ一発いわねぇとわかんねぇみたいだな…

   G J !

388:名無しさん@ピンキー
07/06/28 00:02:13 lCsSuYYG
>>384
乙乙乙! これからも亜紀姉にはキモ姉と萌え姉の中間の存在として頑張って欲しいですね。
GJ!

389:名無しさん@ピンキー
07/06/28 00:25:57 Ixg3WnCl
なんだろう…この感情



390:名無しさん@ピンキー
07/06/28 01:22:43 fqbG2zfO
>>389
それが萌えというものだよ少年

391:名無しさん@ピンキー
07/06/28 01:31:21 T+HxOwNM
なんというキ萌エ姉。

392:名無しさん@ピンキー
07/06/28 17:21:12 w04O5D6o
ちょっと聞きたいんだがキモママのSSはどのスレなのかな?
メインが母でも恋のライバルに姉か妹が居ればこのスレでもOK?

393:名無しさん@ピンキー
07/06/28 17:48:26 uPj4TMin
勿論キモ姉とキモウトだよな?

394:名無しさん@ピンキー
07/06/28 17:51:34 w04O5D6o
>>393
考えついたのは一応キモ姉とキモウトです。
でもメインは母親。

無理にこのスレじゃなくてもヤンデレの小説スレの方がいいかな…

395:名無しさん@ピンキー
07/06/28 17:58:56 HFBhLR7a
たしかキモ母は前例があったな
でもあれは最終勝利者がキモ母だっただけだったか

だが、どのスレだったか思い出せない
嫉妬スレ、ヤンデレスレ、キモ姉キモウトスレ…もうSSがごっちゃになってしまってる

396:名無しさん@ピンキー
07/06/28 18:52:34 TsrfBW79
>>395
あるあるww

397:名無しさん@ピンキー
07/06/29 09:29:09 RtnKcSTI
755 名前: 名無したちの午後 [sage] 投稿日: 2007/06/29(金) 01:11:27 ID:zs0TvykV0
>>250
うん、さっき帰ってきたんだけどさ、もう凄まじい泥酔状態(今はもう寝てるけど)
婚約者の人に抱えられて、しっかりしろ!とか言われてた
で、慌てて玄関まで迎えに行って、どうしたんですか?って聞いたら
「いや、俺もわかんねーよ、いきなり電話で呼び出されてさ・・・」
「はぁ、すいません・・・、幻滅して婚約解消とかしないで下さいよw
姉貴、めっちゃ喜んでましたから」
「いや、それは大丈夫だけどさ、その・・・」
「何です?そこで止めないで下さいよw、に・い・さ・ん!w」
「おお、兄貴って言われるの嬉しいなw、うん、あのさちょッと気になったんだけど
飲んでる間、○○ずっと、君の事話してたり、○○~(←俺の名前な)、○○~って言ってたり・・・」
「はぁ?他には何か言ってました?」
「いや、他愛も無い話だよ、ちっちゃかった頃の話とかね、何かあったの?喧嘩でもした?」
「なんもないっす、まぁ、注意しておきますね」
で、婚約者さん帰ってさ、姉貴にあんま、こう言う事起こさない方がいいよって言ったら
「うるさい!!!!あんたなんかに私の気持ちがわかるか!
この最低男!!バカ!!!!」
何で俺がキレられるんだよ・・・、だから酔っ払いはいやなんだ・・・orz

398:名無しさん@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/06/29 17:06:44 Vh8bDrn+
投下します。

399:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/29 17:07:36 Vh8bDrn+


 朝、俺を風紀の乱れと大騒ぎする風子を華麗にスルーしつつ、朝の心の傷を忘れること
で癒していた俺だったが、昼休み急遽生活指導質に呼び出された。

「で、何で呼ばれたか判ってるな?」
 目の前にいる生活指導のハゲデブは名前すら勿体無いので俺はハゲデブと命名して
やった。名は体を現す。
 脂ぎったその身体が俺の不快指数を上げまくっていたが、模範的な生徒である俺は
一応頭を下げ、その後で胸を張って大声で言ってやった。

「全く心当たりがありませんっ!!」
 ハゲデブはパワーアップしてハゲデブベスに……言いにくいから蛸でいいや。蛸になりつつ
俺を怒鳴りつけた。

「朝してたことだっ!!」
「何のことだかさっぱりわかりません。」
「貴様っ!馬鹿にするのかっ!」
「いえ、僕は先生を超・尊・敬っしておりますっ!」
 やべ、楽しくなってきた。

「朝お前とお前の姉である青野亜紀が正門でキスしていたと報告を受けた。事実か?」
「心当たりがありませんっ!」
 蛸は八本中右と左の二本の足でどん!と机を叩いたが、俺は無視する。

「何人もの生徒が見ておる。言い逃れをするなっ!!」
「ほほー。僕の尊敬する大先生は自分の見ていない風聞を信じて、罰するのですか。尊敬
 すべき先生がすることとはとても思えません。僕は無実なのに残念ですっ。」
 蛸はいよいよ顔を真っ赤にし…高血圧だな。血管を切れそうにしながら怒っていた。

「いい加減にしろっ!!」
「わかりました。では僕もあの風聞を先生の奥様に伝えることにします。」
「な、なんだそれはっ」
「先生は自分でご存知でしょう。あのことですよ。」
 あのことってなんだ?ふははっ俺も知らん。

「お互い風聞で余計な波風を立てるのはよくないと思いませんか?」
「そ、そうだな。今回は不問としておこうっ。以後気をつけるように!」
 俺はハゲデブが一番生活指導する必要があるんじゃないかと正直思った。ああ、勿論
姉を個人的に呼び出しても通報するということを伝えることは忘れなかった。あんなやつと
二人きりにさせてたまるもんか。



400:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/29 17:08:57 Vh8bDrn+


 ハゲデブをからかって教室に戻るとなんだか教室に人だかりが出来ていた。そんな中
風子は一人風紀がどうとか喚いていたが誰も聴いちゃいないようだ。何があるんだろう…
と俺が近づくと急に道が開いた。

「虎ちゃん~~心配したよ~。」
 ぶほっ!!!なんで馬鹿姉がっ!!!

「青野~俺はっ俺は悲しいっ。何でこんな美人で優しそうなねーちゃんがいるんだ!!!」
 そういったのはクラスメイトの馬鹿筆頭、明伊だ。周りの男どもも亜紀姉のフェロモンに
あてられてそーだそーだと文句を言っている。女子ですらうっとりと亜紀姉を遠巻きに眺め
俺と見比べてため息をついていた。友情ってなんだろう…。しょっぱい汗が流れてるよ。

「虎ちゃん…生活指導にお世話になるようなことしちゃだめでしょう。めっ!」
 かわいらしくぽかっと軽く俺の頭を叩く亜紀姉。男の八割がその姿を見て撃沈される。
 そーだそーだとわめく男達。お前らは理由知ってるだろ。世の中はいつだって不条理だ。

「わかった、わかったから教室に帰れ。なっ?」
「折角だからお昼もって来たのよー。一緒に食べよ?」
 はい!はい!はい!と何故か敬礼する男たち。男って馬鹿だとつくづく痛感する。そんな
不思議空間を泳いでロリ風紀委員はやってきた。ポニーテールをはためかせ、短いコンパスを
必死に伸ばして歩き、亜紀姉に相対しびしっと指を突きつけた。

「亜紀先輩!貴女は我がクラスの風紀を著しく乱しています!即刻たちのいてくださいっ!」
 よくいったぁぁぁ。たまには良いこというな。風子。俺の中でお前の株価が暴騰中だっ!
 駄目姉は風子をぽかんと見ていたが…すくっと立ち上がると、

「やーんっ。必死になってびしって小さくて可愛いぃぃぃぃっ!!!!」
 わけわからんこといいながらその暴力的に大きい胸で風子を力強く抱きしめた。

「むががががふがふがむががあああっ!!」
「あ、亜紀姉やめろっ!風子が窒息する。」
 男なら本望かもしれんが。生憎風子は女であって苦しいだけだろう。名残惜しそうに
風子を離した亜紀姉はううーと半泣きで身構える風子をほんわかと見つめている。

「ふーふー。きしゃー!!」
「じゃあね。この可愛い風子ちゃんと虎ちゃんと三人じゃ駄目かな~?」
 俺の天敵は警戒しつつ暫く悩んだようだが、頷いた。三人での食事は、何故か風子がやけに
ご機嫌だったせいで珍しく平穏に終わることが出来た。



401:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/29 17:10:37 Vh8bDrn+


 放課後、振られたことを痛感しつつしょんぼり姉と帰宅していると正門に見知った二つの人影が
見えた。薫と………笑顔の可愛い俺の天使、榛原さんっ!!

「やあ、虎之助君、亜紀先輩。元気かい?」
「あら、榛原さんに薫ちゃん。こんにちは。」
「あまり元気じゃなかったがたった今元気になったぜ。」
「ほう、嬉しいね。そこまで僕に会えて嬉しかったなんて。」
 俺は薫を無視し、あわせ辛そうに顔を横にしている榛原さんの方を見た。

「もう、会ってくれないかと思ってた。」
「ううん。私こそごめんね。剣君に相談したら虎之助君は普通の弟だって…。」
 全くもってそのとおりだ。よく言った薫。今度頭なでてやろう。

「でも、虎之助君は剣君と相思相愛だって…。そっちの人だなんて気づかなくて…」
 おいちょっと待てっ!

「愛に性別は関係ないよ。そこにあるのは愛だけだ…」
 こいつ本当に女か?大げさにくねくねするこいつを見てちょっと不審を抱いた。

「聞いてくれ榛原さん俺はノーマルで榛原さんのことが…君のことがす…「そうよ!
 虎ちゃんはノーマルで女の子が好きなのよ~。私と相思相愛なの。えへ。お姉ちゃん照れちゃう。」
「おいこら、俺にちゃんと会話させてくれっ!!」
 そんな俺たちのカオスな状況に、榛原さんはくすくすと笑っていた。

「本当に仲いいんだね。三人とも。」
 優しい口調だ。穏やかな…温かい感じの。だけど、何故寒気が止まらないのだろう。
 他の二人を見ると同じような渋い顔をしている。榛原さんはにこやかに微笑んでいるだけだ。

「だけどさ…。青野君…いえ、虎之助君は私のものなんだよ?…いい加減ふざけてんじゃねえよ。
 いてまうぞゴラァ!!」
 …
 えー?
 何か聞こえたような…。

「は、榛原さん?」
「え、どうかした?虎之助君♪」
「イエナニモ。」
 そういえば天使って、天罰とかでいっぱい人殺しているんだよね…。
 俺どこで人生間違えたんだろう。


402:虎とあきちゃん  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/29 17:11:53 Vh8bDrn+


 あの後、俺達はなんとか電話番号の交換だけして別れた。姉はトラウマになったのか
帰り道では怖いよー怖いよーとしかしゃべらなかった。静かで非常に良い。

 姉を適当に部屋に捨て、俺はいつも通り夕食を作る。今日は金曜日だからカレーだ。楽でいい。
 今日は久しぶりに母親が帰ってきていた。

「虎~。いつもすまないねえ、ごほっごほっ。」
「それは言わない約束だぜおかっちゃん。」
 馬鹿な会話をする俺たち。母親は姉をそのまま年をとったような雰囲気で、どっちかというと
美女だろう。姉と違って有能でもある…らしい。本人曰く。
 俺は親父似だ。困ったことに全く冴えない。

「で、学校はどうなんだい?」
「俺は問題ない。授業は余裕だし、友人関係も大丈夫だ。」
「ふむ…亜紀は?」
「相変わらず問題だらけだ。」
 母親はため息をついた。そりゃそうだろう。親もあの究極無能が心配でないはずがない。

「金持ちのぼんぼんとでも見合いさせたほうがいいのかしらねえ。」
「確実に返品されると思うぞ。」
「うーん、どうしたものかねえ。虎に永遠に面倒見てもらうわけにもいかないし…。」
「当たり前だ。」
 悩む俺たち。家庭とは悩むもの、大変なものなのだ。そんなとき、姉が立ち直ったのか
俺たちの会話に入ってきた。

「あ、お母さん久しぶりだね。元気~?」
「亜紀、学校はどう?」
 返事をする前に小走りで走って俺に抱きついて言った。相変わらず大きい反則的に
柔らかいその身体が俺に押し付けられる。

「ばっちり、完璧、全然問題なしだよっ。愛する虎ちゃんがいるからね!!」
 俺と母親は同時に溜息をついた。
 俺たちの家庭問題がいつ解決するのか…。それは神のみぞ知るところだ。



403:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/29 17:13:34 Vh8bDrn+
投下終了です。まったり続きます。

404:名無しさん@ピンキー
07/06/29 18:32:04 blFgWVOV
グッジョブ!!!

405:名無しさん@ピンキー
07/06/29 19:21:43 tyRlRFSg
GJ!

ちっちゃい風紀委員長もそろそろ本格参戦でしょうか
虎もててるなあ

406:名無しさん@ピンキー
07/06/30 00:29:28 c225BZHJ
姉はイイ・・・・

キモ姉ならもっとイイ・・・

407:名無しさん@ピンキー
07/06/30 02:22:44 NY08Slev
でも亜紀姉はこのままでイイ……。

408:名無しさん@ピンキー
07/06/30 07:12:46 3wkqHk9f
いやいやこれは変貌フラグたちそうな姉さんですよ。
まあたたないに越した事はなくはないんだけどな。

409:名無しさん@ピンキー
07/06/30 08:13:24 oK+0lAgn
と言うかだな?なにげにキ萌ヒロインハーレムとか斬新すぎる展開への布石が打たれているように見えるのは俺だけ?

410:名無しさん@ピンキー
07/06/30 13:15:17 yd01kdKP
むしろ変貌したお姉ちゃんに輝くばかりの笑顔で監禁されたい

411:名無しさん@ピンキー
07/07/01 02:40:13 /tIIdqy4
なあ、俺solaを12話まで観たんだが、
どうしても蒼乃姉さんに声援を送ってしまうんだ……

412:名無しさん@ピンキー
07/07/01 10:29:27 obN/knXl
蒼乃姉さんに敬礼!

あれはいい姉だ。

413:名無しさん@ピンキー
07/07/01 13:16:12 ctPSXA6B
地方でアニメが見れない俺に誰かkwsk

414:名無しさん@ピンキー
07/07/02 03:17:03 a79X6E+0
投下待ってます

415:名無しさん@ピンキー
07/07/02 11:23:11 8QhyfQty
今日来い!

416:名無しさん@ピンキー
07/07/02 19:05:51 YqimOoup
>>392
個人的にはかなり書いて欲しい。

417:名無しさん@ピンキー
07/07/03 12:18:42 rbz/VKzC
職人さんたち忙しいのかのう

418:名無しさん@ピンキー
07/07/03 15:44:43 MYNXK1qj
>>413
ポイントだけ教える
詳しくはぐぐれ

・化け物の生け贄に捧げられた姉を、決死の覚悟で救出に来る弟
・実は若い娘の姿な化け物と、弟が仲良くなるのがおもしろくない姉
・弟事故死、後を追って姉自害
・「どうして生き返らせたりなんかしたの!? 依人がいない世界で、生き続けていたくなんてない!!」
・化け物にされた姉、数百年後に化け物力で弟創造
・そこに化け物娘あらわれ、弟と知らずちょっかいを出すが…

419:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:11:16 +trzF5VT
短編を投下します

420:三者面談 ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:12:07 +trzF5VT
「どういうことですか! 志望大学を変えろって!!」
 私は思わず立ち上がって、大きく手を振り上げて机を叩いて抗議する。バンっという乾いた音が進路指導室に響き渡る。
 私の机の向かい側に座っていた進路指導の高倉良子先生は肩をびくりと震わせた。
 しかし、すぐに冷静さを取り戻したようで、手元にある紙束と私を見比べていた。
「え、えっとね。沢木さん。あなた、たしかN大学を受験するつもりよね……」
「ええ、そうです」
 私は鼻息を荒くして答える。それに高倉先生が困ったように眉をハの字にして言葉を続ける。
「でもね。あなたの成績だともっと上の大学を狙えると思うの。テストはいつも学年1~3位をキープしてるし、生徒会役員だし……。この学力だとW中央大学も夢じゃないわ」
「そんな大学、興味ありません」
「興味ないって……。でも、もったいないとおもうの。あなたぐらいの人がN大学って……」
 特徴的なおおきなメガネのずれを直すと、なおも高倉先生は私を説得しようと上目遣いでこちらをのぞく。歳に似合わない童顔のせいか、一年生の後輩に見つめられるような気分になる。
「ねぇ、沢木さん。もうすこし考え直してくれないかしら?」
「それよりもひとつ気になっていたんですが……」
 私は、くるりと視線を高倉先生の隣に移す。そこには俯いたまま私たちのやり取りを黙って聞いていた弟の誠二がいた。
「なぜ、誠二が居るのですか?」
 それも、私の横ではなく何故か机を挟んで高倉先生の隣に居る。
 本来、進路指導を受けるべきなのは誠二のはずでしょう。ただでさえ、私と違って成績が悪いのだから。
「ね、姉さん。それは……」
「最近は帰ってくるのも遅いし、作ってあげているご飯も残すし。今日はこんなところにいるし、どういうことかしら?」
「あ、あの、えっと」
 私と視線を合わせようともしない誠二。
「なぜ、あなたがここに居るのかしら? 説明しなさい。誠二」
「それについては、私から話すわ」
 誠二を睨みつける私を遮るように高倉先生はズレたメガネをあげて言う。
 そんな先生に、私は嫌悪感を丸出しにした顔で誠二を指差した。
「高倉先生。私より誠二の進路のことが問題なのではないですか? ここで相談するのは誠二のことにしません? 最近の誠二の成績と普段の態度は目に余るものがありますし……」
「いえ、今日はあなたのことを話し合います」
 私を正面から真剣な表情で見据える高倉先生。ぐっと一文字に結ばれた口元からは、決意に満ちた感情が感じられる。
「沢木君にも来てもらったのは、あなたの進路のことにも関係があるからなの。そうだよね? 沢木誠二君」
 自分に振られ、誠二は怯えながらもこくこくと頷いた。
「う、うん。一度、正面から姉さんとこのことに話し合いたかったんだ」
「それなら家でも出来るでしょう! 誠二!!」
 なんで、わざわざ先生を挟んで、こんな補導された万引き女子高生みたいな状態で話し合わなくちゃいけないのよ!?
 私が誠二につかみかかろう体を乗り出そうとして、
「やめなさいっ。沢木さん」
 高倉先生に腕を掴まれとめられてしまったのだった。早い。
 私が手を振り上げた瞬間に予想したように立ち上がり、二の腕を掴んで止めたのだ。その細身の体にどうしてこんな力があるのかと思うほどの強い力。
「あなたがそんな風だから、今日は先生が居るんです。いいから座って話をしましょう!」
 くっ、これでは私が悪者みたいだ。私が力を抜いたと感じたらしい高倉先生はふぅと安心したように息を吐くと、掴んでいた腕を離した。そして、席に座るように促される。
私は軽く舌打ちをして私はパイプ椅子に座って、先生と誠二に向き合った。舌打ちした瞬間、誠二が少し怯えたように肩を震わせたのが気になった。……なに。イライラする。
「まぁ誠二のことはいいわ。たった一人の家族だし、三者面談に居てもいいでしょう。でも、保護者は私ですからね?」
「ええ、とりあえず落ち着いて話しましょ」
 高倉先生はにっこりと笑って書類を指で叩く。その笑顔がわたしの感情を逆なでする。
「まず、沢木さん。どうしてあなたは学年トップの成績なのに、N大学を受験するつもりなのか聞かせてくれないかしら?」
「……別に」

421:三者面談 ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:13:00 +trzF5VT
「怒ってるわけじゃないの。ただ、理由を教えてくれないかしら」
「理由なんて無いですよ。先生は私がN大学へ行くのは無理だと言いたいんですか?」
「いまはこちらの質問だけに答えて頂戴。あなたの学力なら十分上の大学を狙えるのよ。それなのにどうして、」
「……だから、理由はないと何度も……!!」
「誠二君」
 ……!
 高倉先生はくるりと頭を動かして、隣に居る誠二に聞く。
「誠二君の志望大学はどこだったかしら?」
 睨み付ける私にあたふたしながらも誠二は答えた。
「え、N大学……」
「そうね。頑張らなきゃね」
 答えた誠二を褒めるように高倉先生は目を細めて誠二の頭を撫でた。
 そして、今度はしたり、とした顔で高倉先生はこちらに視線を戻す。
「あなたが理由無く志望する大学と、弟である誠二君がギリギリ入れそうな大学が一緒なのは偶然なのかしら?」
「か、関係ありませんっ!」
「声が震えていますよ」
 くっ、私のこめかみに一筋の汗が流れる。
「ねえ、沢木さん。先生に本当のことを教えてくれないかしら?」
 高倉先生は回答が分かっておきながらも、あえてそれを私に言わそうとしている。
「姉さん……」
 心配そうな顔で、私の顔色を伺う誠二。

 ……中一の頃、両親が交通事故で死んだ。あたしとまだ反抗期も来ていない小学六年生の誠二を残して。二人はこの世を去った。
 それ以来、私たち姉弟はずっと二人っきりで暮らしていた。幼い頃からすでに親から自立していた私と違い、まだまだ親にべったりだった誠二には親の居ない家なんて考えられなかったようだ。
 だから、私は誠二の母親代わりとなったのだ。
 誠二のために私はなんでもやった。料理も家事も、大好きだった陸上の夢もあきらめて、誠二のために夜もバイトして働いて、誠二を養っていった。
 そのせいで、私のせいで誠二が虐められることのないように。誠二のせいで落ちぶれたと言われないように、成績も上位をキープし、誰もやらないような仕事も全て進んでやり、他人や教師からの信頼も勝ち得た。
 そして、誠二が私に甘えないように徹底的に厳しく誠二を教育した。私の青春はすべて誠二のために捧げた。そして、そのことに私は後悔はない。

 成績がいいとか、内申がいいとか、そういうことはただの副産物に過ぎない。
 私にとってはいかに誠二のためであるか。それだけが重要なのだ。

 なのに、なのに。
「あなたは、誠二くんと同じ大学に通いたいから、ここを志望しているのよね? あなたの志望している学部も誠二君とまったく一緒だし。ねぇ、沢木さん」
 どうして、この教師は。まるでそれが悪いとも言いたげな表情で、私を見つめるのだ?
 そして、どうして誠二はそれを止めようとしない?
 あまつさえ、
「僕は、僕は姉さんの重荷になりたくない」
 ……なんでそんなことを言ってくるの?
「姉さんには十分感謝してる。だから、これからは姉さんには姉さんの道を進んで欲しいんだ」
 やめてよ。
「姉さんは僕のためにいっぱいしてくれた。だけど、もういいんだ。僕は姉さんを自由にさせてあげたいんだ」
 やめてよ。だめよ。
 あなたはまだ私が居なきゃダメじゃない。料理だってヘタだし、洗濯だって上手くできない。勉強だってそのN大学に受かるかどうかも微妙なところよ。
「自惚れないで、誠二。あなたみたいなダメな男。まだまだ私の傍に居なきゃダメなのよ」
「自惚れているのはあなたよ。沢木さん」
 高倉先生が、初めて立ち上がった。
「……!」
 私は、ヘビに睨まれた蛙のように、動けなくなる。
 高倉先生の顔は憤怒に満ちていた。可愛らしい幼げな童顔の顔は真っ赤に染まり、眉間には何十もの皺が縦に連なっている。メガネのフレームが熱気で割れそうなほど熱を発し、折れそうなほどの強さで奥歯を噛みしめて、私を睨んでいた。
 まるで般若だった。
 こんな小さな若い体のどこに、これほどの怒りを込めることができるのだろう。鎖で絡めてガードした心を一瞬で丸裸にしてしまう程の威圧。
 私は初めて、この先生に恐怖を抱いた。

422:三者面談 ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:14:06 +trzF5VT
 助けを求めようにも、机の向こうに居る誠二は私を同情の瞳で見つめている。机一つしか離れてないのに、誠二がとても遠くに感じる。手を伸ばしても、心が届きそうに無い。
「誠二君の傍に居なきゃダメなのはあなたです。あなたは、それを認めたくなくて、誠二君のせいにして納得しているのです」
「そ、そんなことない……!」
「いいえ、そうです」
 高倉先生の言葉が、私の丸裸になった心を鋭利なナイフで突き刺していく。
「悲劇のヒロインを演じて、自己満足しているだけ」
違う……違う違う違う違う!
「違う!」
「違わなくても、そう見えます。それは誠二君にも」
 高倉先生の隣にいる誠二も私を見ていた。ここで誠二が違うといってくれれば、すべて元通りなのに。どうして言ってくれないの!? 誠二!!
「あなたがそうやって、誠二君を理由にして苦労するごとに、誠二君を罪悪感で苦しめていることに気付いてないのですか?」
 やめろ! 言うな! 苦しめてなどいない! 誠二のことを一番分かっているのはこの私だ!! たかが、教師風情がなにがわかる!?
 だから、だから、違うと言いなさい、誠二! 頼むから、頼むから! 違うって言って!! 言ってよぉ!!
「そんなの嘘だ! 私は誠二のためにやってきた! 誠二は私がいないとダメなんだ! 誠二を一番分かっているのは私だ! だから誠二は私の言うことだけを聞いていればいいんだ!! 私の言うとおり、行動して私のために……」
「ふざけるな!!」
 しかし、そんな私に業を煮やした先生は。
私との間にあった机を蹴り飛ばした。

大きく横に跳ねていく学習机。

そして、高倉先生は私の首根っこを掴みあげると。

「あなたの都合で、誠二を貶めるな」
「……」
 メガネごしに見えるの瞳の奥に住む、高倉先生に姿を化かした鬼が、私を地獄の業火で焼いている。
「確かに、あなたは誠二をずっと支えてきたわ。それは認めてあげます。しかし、もうあなたの役目は終わりなのよ」
 冷静に言葉を紡ぐ、高倉先生。ぎりぎりと襟を締め上げて私を睨みつける。
「誠二くんは、もうあなたの支えを必要としていない」
 せ……誠二。た、す、け……。
「そして、あなたも。もう誠二くんはあなたの自己満足の道具じゃないの」
「……う」
「姉としての自覚を持ちなさい! 沢木千鶴!!」
 ………う、う、う、う。

「うるさぁぁぁああい!!!」

 私は、掴み上げられていた腕を払うと怒号を上げて、高倉先生から距離をとる。進路指導室の窓から落ちる夕日の光が、目の前にいる高倉先生と誠二にかかってまるで後光のようだった。
「うるさいうるさいうるさい! お前に何が分かる!! 私は姉として、誠二の肉親として当然のことをしただけ! それだけだ! 間違いない!」
 怒鳴り咆哮し罵声を二人に浴びせる私に、高倉先生は、もはや何も言わず。同情した目で私は見つめていた。
 …なんだ、その目は。
「かわいそうね。沢木さん」
 …やめろ。そんな目で私を見るな。
「弟に依存していることに気付けてないあなたは、誠二君の親代わりとしても、姉としても失格よ」
「黙れ! 黙れ黙れ! 誠二! 私は先に帰る。帰って今日のことをゆっくり話すからな、覚悟してなさい! わかった!? 誠二!」
「ね、姉さん!」
 私は誠二の返事も聞かず、進路指導室の引き戸をちからいっぱい引いて、外に飛び出た。大きな音が鳴り、たまたま近くにいたカップルがその音に驚いている。
 そいつらを一瞥すると、カップルは私の剣幕に恐怖を感じたのか、そそくさと逃げていった。
 く、怒りが脳をたぎらせている。
 あの教師。高倉良子……。
 なにも、わかっていないくせに。私と誠二のことなんてこれっぽっちも知らないくせに。

423:三者面談 ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:14:48 +trzF5VT
 いや、それよりも誠二だ。
 あの愚弟め。本来あなたは私のほうに立って、高倉先生に言うべき人なのよ。「僕は姉さんがいないとダメ」って。
 それなのに……こともあろうに、「姉さんはもう必要ない」? 愚弟め。成績も悪いくせにいきあがって。これは、帰ったら本気で教育してあげないとダメだわ。
「私に逆らうとどうなるか思い知らせてやるわ……」
 くくくくく、まず、自分がどれほど小さい存在なのかわからせてやる。
 通販で買った、あれもこれもそれもこれも、引っ張り出して使ってあげましょう。
 一日で教育しなおして、私に逆らえないようにしてやるわ。
「ふふふふふははははははははははははっっ!!」
 私は大きく笑うと、走り、校舎を飛び出して、自宅へと急いだ。
 いまから、誠二の再教育の準備をしなければならない。その内容を想像する度に、私は心の底から沸き起こる笑みを抑えることが出来なかった。
「はやく、はやくぅ、帰ってきなさい! 誠二っ。いっぱいいっぱい教えてあげるから……、その体で……。ふふふふふふふふ……!」

 しかし、私がいくら待とうとも、誠二は一向に帰ってこなかった。

 誠二はソファで横になっていた。
「………」
 正面にある小さなテレビからは、お笑い芸人たちが司会者と共に笑いながら自分たちの失敗談を披露している。
 しかし、まったく内容が頭に入らない。ただ、テレビを無感動に見つめているだけ。
(本当にコレでよかったのかな……)
「くすくすくすっ。おかっしい」
 そんな無表情にテレビを眺める誠二の頭を自分の膝に乗せて、高倉良子は口元に手を当てて上品そうに笑っていた。
 黄色のパジャマで普段は後ろでアップにしている髪の毛を、下ろしているプライベートモードだ。
 二人が居るのは、高倉良子のアパートだった。テレビと二人用のソファ、それと可愛い小物が並んだ部屋で、二人は恋人のように体をくっつけている。
 事実。二人は好きあっていた。このことを知っているのは、お互いのみである。校長や高倉良子の両親、そして誠二の姉でさえも、この二人の関係は知らない。
 誠二は体の左半分に感じる太ももの温かさを感じながら、今日のことを思い出していた。
 姉との対決。始めて見た姉の取り乱した顔。そして……、高倉先生。
「………」
「どうしたの? 誠二くん」
 ふと、顔を上げると。高倉良子がにっこりと微笑んで、誠二の頭を優しくなでていた。
「えへへ。可愛いね。誠二くんは。でも、どうしたの? テレビ、面白くないの?」
 あの進路指導室の時の鬼神の顔を微塵にも感じさせない。麗しい女神の表情。そういえば、この笑顔に自分は惹かれたのだ。
「いや、えーっと…」
「お姉さんのことが気になる?」
「うん……」
 誠二が軽く頷いた。
 その瞬間。

424:三者面談 ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:15:42 +trzF5VT
 ミシィッ!!

「いっ!!」
 いきなり、自分の耳が高倉良子によって引っ張られる。
「いたたたたたた、いたいいたいいたい!」
 高倉良子の指に力が込められ、引きちぎれそうなほどの引力を耳たぶが受けている。そのまま誠二の頭は浮いていき、耳たぶだけで吊り下げられてるようになってしまう。
 そして、そこまで伸ばした耳に、高倉良子は優しくささやきかける。笑顔のまま、女神の表情のまま、その瞳の奥に潜む
「誠二くん。お姉さんのことなんてもう考えなくていいのよ? 今日あれだけ言ったにも関わらず、まだわからなかった大馬鹿なんですもの」
「今日、もし誠二くんがほんとの家に帰ったら、きっとあのお姉さんにこの世のものとは思えないほどの酷いことされるんだよ? だから、先生がここに住ませて避難させてあげてるの」
「誠二くんは今日から先生の部屋に住人になったんだよ。だからここでは先生のルールに従うの。約束したよ? 覚えてる?」
「言ったよね。このアパートでは先生以外他の女のことを口に出しちゃダメだって。先生、被害妄想の誇大妄想女だから誠二君が自分以外の女の子の名前言っただけで、
寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくてサミシイサミシイ病でウサギみたいに死にそうになっちゃうの。それが誠二君の実の姉だとしても。いや、姉だからこそね……」
「わ……わかったっ、わか、いたいいたい!」

 高倉良子は誠二の姉の気持ちが痛いほどわかっていた。自分と同じ人間だから。
 徹底的に愛しい人を自分に向けさせるための束縛。自分と同じ欲望を持っていることに気付いていたのだ。
 しかし、それを彼女にわからせてやる必要は無い。むしろ、それを利用して誠二とあの五月蝿い姉を引き離すこと。高倉良子にとってはそれがなによりも重要だった。

「だから、この家では。お姉さんの話は禁止。わかった?」
「わかったわかったわかったわかった!」
「そう。うふふ、よかった」
 耳たぶを離す。ぼふんと頭が膝枕に落ちた。頬をはねる弾力が気持ちいい。
「えへへ、誠二くん。これからもずっと一緒だよ」
「うん、先生……」
 高倉良子の唇が、誠二の頬に触れる。そのまま、高倉良子は膝枕していた膝を外すと、ソファの上をのそのそと動き、誠二に覆いかぶさる。そして、潤んだ瞳で誠二に優しく微笑みかけると、自らの体を任せるように肌を合わせていった。
 高倉良子に服を脱がされながらも、誠二は(本当に、本当にこれでいいのだろうか)と、家で自分を待っているはずの姉を思いながら、ずっと自問していた。

高倉良子と歩む未来は、姉と歩む未来とそう変わらないことにも気付かず……。

(終わり)


425:赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg
07/07/03 23:17:13 +trzF5VT
終わりです。改めてみてみると、姉結構沸点低いな。

私の書くキモ姉キモウトものは大抵、姉妹が不幸になります。
次作も気が向けば。

426:名無しさん@ピンキー
07/07/03 23:57:48 U7ZJIeYi
>>425乙&GJ!
他の作品だと姉が主導権を握る話が多い(気がする)んで、こういうのは新鮮で良いな。

427:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:42:34 To0f1QhL
>>425
両方とも怖い、だがそれがいいwww
弟が姉に次ぎあう時がものすごく気になるな。
短編なのが惜しい。
作者さんGJ

428:名無しさん@ピンキー
07/07/04 00:55:48 uHzefDE2
>>425
GJ!
ぜひとも姉の誠二奪還編が見たい!

429:名無しさん@ピンキー
07/07/04 10:30:10 DJynNbp8
>サミシイサミシイ病
雛…

430:名無しさん@ピンキー
07/07/04 12:31:45 Im+mhjI1
敗北するキモ姉もまたかわいい

431:名無しさん@ピンキー
07/07/04 15:23:27 1ltaYfxP
>>425
なんという乙・・・そしてGJ

しかし先生もずいぶんキモイが家に帰らなくなった弟を思う姉はどのように歪んでしまう
んだろうか・・・そこが気になるぜ・・・

432:名無しさん@ピンキー
07/07/04 18:23:23 LZ1gtyEX
GJ!
だが姉派の私としては姉に勝ってほしかった…。


433:名無しさん@ピンキー
07/07/04 18:33:25 olH06CST
>>431
そりゃ後日(どっから入手したんだか)ランボーなみの武装をして学校に乗り込んで来ますよ。

434:名無しさん@ピンキー
07/07/04 18:57:39 iGpoQ55g
高倉さんの方が可愛げがあるから、高倉さんに
つ一票

435:名無しさん@ピンキー
07/07/05 19:24:06 +Z/6m+Ch
超怖い姉とか見れればそれでいいからどっちでもいいや

436:名無しさん@ピンキー
07/07/07 01:34:02 reLh1SgC
投下ラッシュ前の静けさ保守

そして今更ながら保管庫の人乙

437:名無しさん@ピンキー
07/07/07 06:36:25 qF8F0BcQ
調子の変化が激しいな此処・・・

職人さんがんばれ。

438:名無しさん@ピンキー
07/07/07 09:33:35 UTj4axiY
関連スレを上げまくってる愉快犯のつもりな奴がいますね

439:名無しさん@ピンキー
07/07/07 15:37:46 6ZaSMhcv
職人様の到来を祈ってるよ

全裸で。

440:名無しさん@ピンキー
07/07/07 19:24:30 mOTJL2UD
x/Dvsm4nBIです。契約している通信会社である某E社がアク禁に指定されました。
規制中ぼちぼち書き溜めながら解除を待ちます。中途で止めてすみません。

441:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:28:01 hd2D/Yb8
お待ちしております

442:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:36:02 SpYWVM4X
  [ (★) ]_
  <丶´Д`>
   (ミ 北 )<嫉妬スレが職人不足・・・このスレの職人さん・・助けて・・・
   ) |(
   〈_フ__フ
スレリンク(eroparo板)

443:名無しさん@ピンキー
07/07/07 22:32:37 V3HTLC/f
キモ姉やキモウトが職人達の他の女(スレ)への浮気を許すだろうか。

444:名無しさん@ピンキー
07/07/07 22:45:28 aooU1ok/
>>443
ごめん、俺ちょっと言ってくる


445:名無しさん@ピンキー
07/07/08 00:00:34 x3y4NxVR
>>444
無茶しやがって…

446:名無しさん@ピンキー
07/07/08 00:07:27 ju5UzgFM
お兄ちゃんが他の所に行くなんて許さないんだからね

447: ◆5SPf/rHbiE
07/07/08 03:58:55 KZpfkP/i
非エロ投下します。

448:赤の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/07/08 03:59:36 KZpfkP/i
自転車の一件があってから、夕里子は縁の言葉に従い、身の回りに注意して過ごした。
普段から二人以上で行動し、周囲に異変がないか気を尖らせた。
元々友人は多いので、同じクラスの親しい友人の協力も得ることができた。
綾はしばらくの間、夕里子を襲う隙がないかと観察していたが、どうにも難しそうだとわかった。
(慣れてるっていっても、所詮私も一人の女だしね……)
力は人並みだし、持っている道具もごく一般的な凶器に過ぎない。
警戒をしていない相手と警戒をしている相手とでは殺害の難易度は雲泥の差だし、二人以上を一度に葬る自信はなかった。
(やればできなくはないだろうけど、危険すぎるわね)
うまく殺せても、二人分の死体の処理や細工には、単純に二倍の作業が必要となる。
時間が長引けば人に見られる危険があるし、焦って作業が雑になることもあるだろう。
死体の処理で失敗をすると、警察その他に目をつけられる可能性が格段に高くなるのだ。
(しばらくは様子見ね……)
やれやれと、綾は溜息をついた。
「あーあ……うちが何かの工場とかだったら楽だったのに」
「綾さん、経営者になりたいのですか?」
綾の嘆きに、隣を歩く夕里子が、ほんわかとした声で応じた。
放課後、夕里子を送る陽一に綾が同行する形で、三人並んで夕暮れの道を行く途中だった。
「は? 何言ってるんです?」
「いえ……今さっき家が工場だったら云々と仰っていたので……」
「あー、それは……」
あんたとあんたのお仲間の死体処理に頭を悩ませてるんだよ、とは言えない。
綾は「まあ、そんなところですね」と、適当な相槌をうった。
「綾さんはどういった工場がお好みなのですか?」
「そうですねえ、溶鉱炉とか、大きな粉砕機とかあればいいんですけど。ああ、薬品を扱ったりするのもいいですねー」
「鉄鋼、食品、化学……綾さんは色々なものに興味をお持ちなのですね。すばらしいです」
「すばらしいですか。それはどうも」
感心しきりとばかりに頷く夕里子に、綾は微笑しつつ答えた。
「しかし、あれから一週間経つのに、ストーカーとやらは何もしてきませんね」
「え? あ、はい、そうですね。縁さんもあくまで念のためと言っておりましたし……ストーカーなどではなかったのかも知れませんね、あの自転車は」
「ということは、夕里子さんが自転車を貸した男がやったことだったんですかね」
「そうなるんでしょうか……。いずれにせよ、何も起こらないで良かったです」
「ははあ、お気楽ですね」
にこりと笑う夕里子に、それまでとは一転、冷たい声で綾は言った。
「夕里子さんが見知らぬ男に自転車を貸してしまったおかげで、お兄ちゃんもあなたの友達も気を張ることになったわけですが」
「ぅ……はい……それについては本当に申し訳ないと……」
「人望と言えば聞こえがいいですけど、少し他人に甘え過ぎなんじゃないですか?」
「はい……すみません」
綾の追及に夕里子はしょんぼりと肩を縮こまらせてしまう。
また始まったか、と脇で聞いていた陽一は内心溜息をついた。

449:赤の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/07/08 04:01:01 KZpfkP/i
二人が顔をあわせてから一週間、綾は夕里子に対して常に丁寧な言葉遣いで応じたが、何かにつけて厳しい言葉を浴びせることがあったのだ。
「お兄ちゃんの恋人が他人に平気で迷惑をかける人間だとは、私も思いたくないんですがね」
「本当に……不出来なもので、すみません」
細い声で再び夕里子は謝る。
見かねた陽一が、綾の肩に手を置いて制した。
「こら、綾、夕里子さんをいじめるなよ」
「いじめてなんかいないわ。夕里子さんに、お兄ちゃんの恋人としてふさわしい人になってもらうべく、アドバイスしてるだけでしょ」
「その、俺の恋人にふさわしい人の基準ってのは、誰が決めたんだよ」
「この私がよ。文句ある?」
「大ありだろ! 何でお前が決めるんだよ!」
「たった一人の妹である私が決めないで、誰が決めるっていうのよ!?」
肩をいからせて陽一に詰め寄る綾。
陽一も退くことはなく、二人は至近距離で睨みあった。
「あ、あの……喧嘩は……」
今度は夕里子が割って入ろうとするが、消え入りそうな声は二人の耳には届かなかった。
「……お兄ちゃんは夕里子さんにやたら甘いわよね」
「別に甘くはないだろ。お前が細かいことを気にしすぎるんだよ」
「何よ? 私、間違ったこと言ってる? 夕里子さんの能天気が原因で、みんなが無駄に苦労しているのは確かでしょ?」
「夕里子さんの無防備なところは俺も時々不安になるけど……夕里子さんのために色々するのをみんながどう思うかは、お前が決めることじゃないだろ」
「……」
「少なくとも俺は、無駄とも苦労とも思ってない。これっぽっちもな」
「へえ~、お兄ちゃんも言うようになったわね」
半眼で睨んで、綾は陽一の脛を勢いよく蹴飛ばした。
「うぐぉっ!」
「よ、陽一さん! だ、大丈夫ですか?」
痛さに悶える陽一と、おろおろと慌てふためく夕里子を尻目に、綾は小走りに交差点を渡る。
「あ、綾……どこに……」
「夕飯の買い物! それじゃあね!」
突っぱねるように言って、そのまま綾は駆けていってしまった。
綾の姿が見えなくなると、陽一は道脇の植え込みの石段に座り、蹴られた脛を見るべくズボンをまくった。
夕里子もその隣にちょこんと座った。
「いてて……あいつ、本気で蹴りやがったな……」
「大丈夫ですか? 私、さすります。任せてください」
「え、あ、いや……」
言うが早いか、夕里子は陽一の脛に触れて優しくさすった。
恥ずかしいのでやめてくれと言おうとした陽一だったが、夕里子の真剣な表情を見て、とりあえずは任せることにした。
「どうですか……? その、少しは楽に……?」
「う、うん。ちょっとくすぐったいかも」
夕里子は綺麗な眉の端を下げて、今にも泣きそうになりながら、懸命に陽一の脛をさすった。


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